JP2017215293A - 電鉄用き電回路故障点標定システムおよび電鉄用き電回路故障点標定方法 - Google Patents

電鉄用き電回路故障点標定システムおよび電鉄用き電回路故障点標定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】2つの変電所の間に電圧降下の救済を目的としたタイポストが設置されている場合を含み、複数の電車線を形成する区間において故障点標定をより正確に行うことができる、実用的な電鉄用き電回路故障点標定システムおよび電鉄用き電回路故障点標定方法を提供する。
【解決手段】複数回線の電車線2A,2Bの両側から給電する2つの変電所3A,3Bのそれぞれに、変電所3A、3Bから関連する全ての電車線2A,2Bに流れる故障電流Iaa,Iab、Iba,Ibbの合計Ia、Ibを測定する電流測定部4と、故障電流を検出する時点からこの故障電流を遮断する動作までの間における所定時間幅の故障電流の立上り平均ΔIa,ΔIbを求める故障電流算出部5とを備え、かつ、変電所3aにこれらの故障電流算出部5によって求められる両変電所3A,3Bからの故障電流の立上り平均ΔIa,ΔIbの比を用いて故障点を標定する故障点標定部6を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は電鉄用き電回路故障点標定システムおよび電鉄用き電回路故障点標定方法に関するものであり、より詳細には、並列回路を構成する区間および/またはタイポストを有する区間を構成する複数回線の電車線において故障点を標定することができる電鉄用き電回路故障点標定システムおよび電鉄用き電回路故障点標定方法に関する。
従来より2つの変電所から給電されている電車線において短絡故障が発生した場合、各変電所から故障点までの距離は、各変電所における高速度遮断器が開局するまでの一定時間に各変電所のき電線に流れた電流値の配分比から求められることが知られている。
図6は本出願人が鋭意研究を重ねて発明した特許文献1(特開2002−40087号公報)に示される電鉄用き電回路故障点標定システムおよび電鉄用き電回路故障点標定方法の例を示す図である。図6に示すように、従来の電鉄用き電回路故障点標定システム90では単一の電車線91の両端部から電力を供給する各変電所92のそれぞれに電圧測定部92Vと電流測定部92Iと、これらの測定値を入力して現在時刻と対応づけて記憶する情報処理装置92Cとを備え、かつ、各情報処理装置92Cに接続されて現在時刻と電流電圧の測定値を送信する遠方制御装置93(被制御所用)およびこれらに接続されて測定値を分析する遠方制御装置94(制御所用)を備えるものである。なお95は電源、96は高速度遮断器、99は電車である。
また、遠方制御装置94は各変電所92A,92Bにおける高速度遮断器96が開極する前であって故障時点以降の所定時間帯における検出電流値の平均値から、故障点の標定を行なうものである。
特開2002−40087号公報
しかしながら、従来の手法はいずれも変電所から1本の電車線で接続された単線区間を対象としたものであるのに対し、近年は2本以上の並列回線となる複線区間や複々線区間が多くなっており、とりわけ、変電所間の距離が長い場合には上り下りを構成する電車線の約中間部分において電圧降下を抑えるためのタイポストを設けることがある。これらの複線区間においては電流の流れが複雑化するため、従来の電鉄用き電回路故障点標定システムでは故障点の標定を正しく行うことができないという問題がある。
図7は2本の並列回路となる電車線91A,91Bを有する場合の各部に流れる電流を示す図である。図7において、96A,96Bは各電車線91A,91Bに設けた高速度遮断器、97A,97Bは電流検出器、98は電車線91A,91Bの間に電圧降下の救済を目的として電車線91Aと電車線91Bを接続するタイポストである。また、La,Lbは両側の変電所92A,92Bの内部インダクタンス、Ra,Rbは変電所92A,92Bの内部抵抗、Laf,Ltf,Lbtは電車線91A,91Bの各部の線路インダクタンス、Raf,Rtf,Rbtは電車線91A,91Bの各部の線路抵抗、Ltpはタイポスト98の内部インダクタンス、Rtpはタイポスト98の内部抵抗である。
前記構成の複線区間の電車線91BのポイントBpで短絡故障が発生したとすると、電車線91A,91Bの左右両側から電流が短絡故障発生地点(以下、故障点という)Bpに故障電流として流れるだけでなく、電車線91Aの左右両側からもタイポスト98を介して故障点Bpに故障電流Ip1,Ip2が流れる。このとき、電車線91Bのタイポスト98から故障点Bpまでの区間には故障電流Ip1のみならず、故障電流Ip2に電車線91Bの図示右側から故障点Bpに流れる電流が加えられた電流Ip3が流れて複雑な電流経路を形成するため、短絡故障が発生した電車線91Bに設けた電流検出器97Bによって測定した電流を用いる従来の電鉄用き電回路故障点標定では標定点に誤差が生じていた。
同様に、タイポスト98を設けない場合であっても、並列回路の任意の箇所にインピーダンスを持った回路が構成されているので、複線区間の電車線91A,91Bの何れかに短絡故障が発生するとほかの電車線91B,91Aからの回り込み電流が流れて、短絡故障が発生した電車線に設けた電流検出器によって測定した電流を用いる従来の電鉄用き電回路故障点標定では標定点に誤差が生じていた。
また、前記故障点の標定において、電車線91A,91Bの線路定数は1kmあたりの線路インダクタンスが例えば1.1mH、線路抵抗が0.2Ωであるとして標定演算を行なっており、また、変電所92A,92B内における内部インダクタンスLa,Lbおよび内部抵抗Ra,Rbについても線路の長さや形状から想定される値を経験によって手動入力して標定演算を行っていたが、変電所92A,92Bの構成によってはこれらの値La,Lb,Ra,Rbに違いがあるため、電車線91A,91Bに流れ込む電流に(故障点が中間点であっても)不平衡が生じることもある。したがって、標定演算を正確に行うためには変電所92A,92B内の各部の特性をより正確に設定して故障点の標定精度を上げることが望ましい。
本発明は上述の事柄を考慮に入れてなされたものであり、その目的は、2つの変電所の間に電圧降下の救済を目的としたタイポストが設置されている場合を含み、複数の電車線を形成する区間において故障点標定をより正確に行うことができる、実用的な電鉄用き電回路故障点標定システムおよび電鉄用き電回路故障点標定方法を提供することにある。
前記課題を解決するため、第1発明は、並列回路を構成する区間および/またはタイポストを有する区間を構成する複数回線の電車線の両側から給電する2つの変電所のそれぞれに、変電所から関連する全ての電車線に流れる故障電流の合計を測定する電流測定部と、故障電流を検出する時点からこの故障電流を遮断する動作までの間における所定時間幅の故障電流の立上り平均を求める故障電流算出部とを備え、かつ、少なくとも何れかの変電所にこれらの故障電流算出部によって求められる両変電所からの故障電流の立上り平均の比を用いて故障点を標定する故障点標定部を備えることを特徴とする電鉄用き電回路故障点標定システム(請求項1)を提供する。
すなわち、複数回線の電車線の両側から給電する両変電所において、電流測定部が変電所から関連する全ての電車線に流れる合計電流を測定し、故障電流算出部が故障電流を検出する時点からこの故障電流を遮断する動作までの間における所定時間幅の立上り平均を求め、故障点標定部は二つの変電所における前記故障電流の立上り平均の比を用いて故障点を標定することができる。
図8は図7に示す回路の等価回路を示す図である。図8はタイポストを有する複線区間の電車線において、故障点Bpと各電車線と両変電所92A,92Bの接続部の間の回路をΔ−Y変換によって得られる等価回路を示す図である。図8に示すように、タイポストを有する複線区間の電車線が故障点Bpにおいて地絡した状態の等価回路を順次Δ−Y変換することによって求めると、故障点Bpに対してインダクタンスLbと抵抗Rbを介して接続された接続点Pに、抵抗Raf/2とインダクタンスLaf/2、および、抵抗(Rbf+Rtp)/2とインダクタンス(Lbf+Ltp)/2を介して各変電所92A,92Bに接続されている状態と等価となる。
なお、前記故障点Bpと接続点Pの間のインダクタンスLzの大きさは、下記の式(1)のように求められる。
Lz=Laf(Ltf+Ltp・Lbt/(2Lbt+Ltp))/2(Laf+Ltf+Ltp・Lbt/(2Lbt+Ltp)) … 式(1)
同様に前記故障点Bpと接続点Pの間の抵抗Rzの大きさは、下記の式(2)のように求められる。なお、電車線に介在させた高速度遮断器および電流検出器は回路の等価回路の計算に必要な電気的特性を備えるものではないので、等価回路ではその記載を省略して簡略化を図っている。
Rz=Raf(Rtf+Rtp・Rbt/(2Rbt+Rtp))/2(Raf+Rtf+Rtp・Rbt/(2Rbt+Rtp)) … 式(2)
前記等価回路から明らかなように、両変電所92A、92Bから全ての電車線に流れる合計電流Ia、Ibの大きさは変電所92A,92B内の抵抗Ra,Rb、インダクタンスLa,Lbに加えて接続点Pまでの抵抗Raf/2,(Rbt+Rtf)/2とインダクタンスLaf/2,(Lbt+Ltf)/2の比の影響を受け、これらの定数Raf,Rbt,Rtf、Laf,Lbt,Ltfはいずれも、距離に比例する分布定数回路を形成するものである。
電流測定部が変電所92A,92Bから関連する全ての電車線に流れる合計電流Ia,Ibを測定し、故障電流算出部によって故障電流を検出する時点をトリガとして故障電流が流れ始めた時点からこの故障電流を遮断する動作までの間における所定時間幅の合計電流Ia,Ibの大きさの積分値からこの間の立上り平均電流ΔIa,ΔIbを求めることにより、短絡故障によって両変電所92A,92Bから流れる故障電流の大きさの比から接続点Pの標定に用いる立上り平均電流ΔIa,ΔIbの比をより正確に求めることができる。
なお、故障電流を検出する時点とは例えば各電車線に設けた高速度遮断器の短絡故障信号をトリガとして求められる故障電流が流れ始めた時点であり、故障電流を遮断する動作とは高速度遮断器が電車線を変電所92A,92Bから遮断開始するまでの間の短い時間を示すものであり、故障電流によって急激に増加する合計電流Ia,Ibの立ち上がり時における電流変化を安定して測定するのに必要十分な所定時間幅の間の合計電流Ia,Ibを積算してその平均値を出すことにより、故障電流の立ち上がり時の乱れを省いて安定した立上り平均電流ΔIa,ΔIbを得ることにより、より正確な標定を可能とすることを示すものである。
前記各電車線に流れる故障電流の合計電流の時間tにおける瞬時値の大きさをIa(t),Ib(t)とすると、故障電流の立ち上がり時点での電流変化は、下記の式(3),式(4)に示すように電源95の電圧Ea,Ebと各部のインダクタンスLa,Laf,Lb,Lbt,Ltfの関係式で表わすことができる。
dIa(t)/dt=Ea/(La+(Laf/2)) … 式(3)
dIb(t)/dt=Eb/(Lb+((Lbt+Ltf)/2)) … 式(4)
したがって、少なくとも何れかの変電所に設けた故障点標定部を用いて、故障電流の立上り平均電流ΔIa,ΔIbの大きさdIa(t)/dt,dIb(t)/dtの比を用いて故障点を標定することにより、抵抗Raf/2,(Rbt+Rtf)/2とインダクタンスLaf/2,(Lbt+Ltf)/2の接続点Pの位置を標定できる。つまり、故障時の合計電流Ia,Ibの立上り平均電流ΔIa,ΔIbの大きさの比から両変電所内の内部インダクタンスLa,Lbおよび内部抵抗Ra,Rbの影響を減算することによって、両変電所から接続点Pまでの距離Daf,Dbfを正確に標定でき、ひいては故障点Bpの位置を標定できる。このとき合計電流Ia,Ibの立上り平均電流ΔIa,ΔIbの大きさの比を用いて演算が行われるので、故障点Bpから接続点Pの間に発生する抵抗RzおよびインダクタンスLzの大きさは演算の過程で必要なくなるため無視することができる。
なお、故障点標定部は2つの変電所の何れか一方または両方に設けることが考えられる。しかしながら、両変電所に遠方制御装置の子機を設け、各遠方制御装置の子機と通信可能に構成された遠方制御装置の親機を設ける場合には、この遠方制御装置の親機に故障点標定部を設けてもよい。
前記複数回線の電車線にタイポストが設けられていない単なる並列回路を形成している場合においては、前記タイポストの線路インダクタンスLtpおよび線路抵抗Rtpの定数を無限大とすることにより、タイポストを設けた場合の等価回路とすることができる。
図9は並列回線を構成し、タイポストを備えない場合の2回線の電車線を設けた場合を示す図であり、図10はこれら2回線の電車線を1回線の等価回路に変換した図を示す図である。これらの図9,図10において図7,図8と同じ部分には同じ符号を付している。
図9に示す等価回路において変電所92Bから故障点Bpまでの線路抵抗を符号Rbf、線路インダクタンスを符号Lbfで表わすとき、図10のように等価回路では変電所92A,92Bから合流点Pまでの線路抵抗Raf/2,Rbf/2および線路インダクタンスLaf/2,Lbf/2は2回線の電車線91A,91Bにおける線路抵抗Raf,Rbfおよび線路インダクタンスLaf,Lbfを回線数の2で割ったものと等価であることが分かる。なお、合流点Pから故障点までの線路抵抗Ry、線路インダクタンスLyは何れも、変電所から供給される電流の比には影響を与えることがない部分である。
なお、前記故障点Bpと接続点Pの間の線路インダクタンスLyの大きさは、前記式(1)における線路インダクタンスLtpを無限大することにより、下記の式(5)のように求められる。
Ly=(Laf・Lbf)/2(Laf+Lbf) … 式(5)
同様に前記故障点Bpと接続点Pの間の線路抵抗Ryの大きさは、前記式(2)における線路抵抗Rtpを無限大することにより、下記の式(6)のように求められる。
Ry=(Raf・Rbf)/2(Raf+Rbf) … 式(6)
同様に、電車線の回線数がN列の並列回路である場合には、等価回路では変電所92A,92Bから合流点Pまでの線路抵抗Raf/N,Rbf/Nおよび線路インダクタンスLaf/N,Lbf/NはN回線の電車線91A,91Bにおける線路抵抗Raf,Rbfおよび線路インダクタンスLaf,Lbfを回線数のNで割ったものと等価である。
また、電車線の回線数がN列の並列回路である場合の等価回路において、故障点Bpと接続点Pの間の線路インダクタンスは(N−1)(Laf・Lbf)/N(Laf+Lbf)、線路抵抗は(N−1)(Raf・Rbf)/N(Raf+Rbf)である。
すなわち、タイポストの有無に関係なく、並列回路の電車線を構成する区間においては、複数ある回線の全ての電車線91A,91Bに流れる故障電流の合計を求めることにより、この合計電流の大きさの比を用いて、回線数に応じた標定式を使用し、回線数に応じた補正を行って故障点を正確に標定できることを示している。
前記電流測定部は変電所から電車線の各回線に流れる電流をそれぞれ測定する複数の電流検出器と、これらの電流検出器が測定した電流の合計値を算出する加算器とを備える場合(請求項2)には、各電車線に通常設けられる電流検出器を利用してその測定値を用いて合計電流を求めることができるので、構成の簡略化を図り、それだけ、製造コストを削減できる。
前記故障電流算出部は両変電所において同期信号を受信する同期信号受信部と、この同期信号を用いて求められる同期時間と共に故障電流の大きさを記録する故障電流記録部とを備え、少なくとも、一方の変電所には他方の変電所において記録した同期時間および故障電流情報を受信する受信部、他方の変電所には前記同期時間および故障電流情報を一方の変電所に送信する送信部を備えると共に、前記故障点標定部は、前記受信部を介して受信する同期時間および故障電流の情報と、自変電所内で記録した同期時間および故障電流の情報の比から故障点の標定を行なうものである場合(請求項3)には、前記同期信号受信部が同期信号を受信することにより離れた地点に配置される変電所において時間的な同期を図ることができる。同期信号受信部は例えば原子時計によって標準時刻を計測しているGPS受信機、標準電波によって標準時刻への校正を定期的に行う電波時計などを用いることができる。
故障電流記録部は前記同期信号を用いて求められる同期時間と故障電流の大きさを記録するので、離れた地点に配置された両変電所において故障電流の記録が行われ、同じ時刻に生じた故障電流を正確に求めることができるので、両変電所から各電車線に流れる故障電流の合計電流を同時刻においてその比を求めることができる。
変電所から電車線に供給される電圧を測定する電圧測定部と、変電所から定常的に電車線に供給される直流電圧、直流電流のリップルを前記電圧と電流の測定値から分離抽出するリップル抽出部と、変電所から既知距離の電車線に接続させて人工的に短絡故障を発生させる短絡回路を接続したときに電圧と電流のリップルに発生する位相差から変電所内の直流き電回路におけるインダクタンス値を算出する定常インダクタンス算出部とを備え、前記故障点標定部は定常インダクタンス算出部が算出したインダクタンス値を用いて故障点標定の補正を行なうものである場合(請求項4)には、電圧測定部によって測定された電圧と前記電流測定部によって測定された合計電流を用いてリップル抽出部が直流電圧と直流電流のリップルを抽出することができる。また、短絡回路が電車線の既知距離の故障点において人工的に短絡故障を発生させたときにおけるリップルを用いて、定常インダクタンス算出部が電圧と電流のリップルに発生する位相差から変電所内の直流き電回路におけるインダクタンス値を算出する。
前記求められたインダクタンス値によって前記故障点標定部による故障点標定の補正を行なうことにより、より正確な故障点標定を行なうことができる。例えば、この補正には変電所内の線路抵抗および線路インダクタンスを含めた内部抵抗および内部インダクタンスを求めることが含まれる。これによって従来は経験に基づいて入力していた各部の電気的特性を正確に求めることができるので、規模や構成の異なる変電所間においても正確な故障点の標定を行なえる。
第2発明の電鉄用き電回路故障点標定方法は、並列回路を構成する区間および/またはタイポストを有する区間を構成する複数回線の電車線の両側から給電する2つの変電所のそれぞれにおいて、変電所から関連する全ての電車線に流れる電流を測定し、故障電流を検出する時点からこの故障電流を遮断する動作までの間における所定時間の電流を記録し、この記録を用いて変電所から関連する全ての電車線に流れる合計電流の立上り平均を求め、少なくとも何れかの変電所にこれらの故障電流算出部によって求められる故障電流の大きさの比を用いて故障点を標定することを特徴とする電鉄用き電回路故障点標定方法(請求項5)を提供する。
前記電鉄用き電回路故障点標定方法により、並列回路を構成する区間および/またはタイポストを有する区間を構成する複数回線の電車線の両側から給電する2つの変電所のそれぞれにおいて、変電所から全ての電車線に流れる電流を測定するので、短絡故障が発生したときにも、故障電流を検出する時点(故障発生時点)からこの故障電流を遮断する動作までの間における所定時間の電流を記録することができる。複数回線の電車線であっても、全ての電車線に流れる故障電流の合計の比を用いて回線数に応じた標定式を使用し、回線数に応じた補正を行い、故障点を正確に標定することができる。
両変電所において受信する同期信号を用いて同期時間を計測し、この同期時間と共に故障電流の大きさを記録した後に、少なくとも、一方の変電所に対して他方の変電所において記録した同期時間および故障電流情報を送信し、一方の変電所において受信した同期時間および故障電流の情報と自変電所内で記録した同期時間および故障電流の情報との比から故障点の標定を行なうものである場合(請求項6)には、全く同時点における瞬間的な故障電流を用いて故障点の標定を行うことができる。
変電所から電車線に供給される電圧を測定し、変電所から定常的に電車線に供給される直流電圧、直流電流のリップルを前記電圧と電流の測定値から分離抽出する一方、変電所から既知距離の電車線に接続させて人工的に短絡故障を発生させたときに電圧と電流のリップルに発生する位相差から変電所内の直流き電回路におけるインダクタンス値を算出し、この算出したインダクタンス値を用いて故障点標定の補正を行なうものである場合(請求項7)には、従来は手入力していた故障点標定の補正値を測定値に基づいて正確に行うことができるので、それだけ標定精度の向上を図ることができる。
第1実施形態にかかる電鉄用き電回路故障点標定システムの全体構成を示す図である。 第1実施形態にかかる電鉄用き電回路に人工的な短絡故障を発生させた状態を示す図である。 図2の回路の等価回路を示す図である。 第1実施形態にかかる電鉄用き電回路故障点標定方法を示す図である。 第2実施形態の電鉄用き電回路故障点標定システムの構成を示す図である。 従来の電鉄用き電回路故障点標定装置を説明する図である。 従来の電鉄用き電回路故障点標定装置における問題点を説明する図である。 図7の電鉄用き電回路故障点標定装置の等価回路を示す図である。 タイポストを備えない電鉄用き電回路の構成を示すである。 図9の電鉄用き電回路故障点標定装置の等価回路を示す図である。
以下、図1〜図4を用いて、本発明の第1実施形態にかかる電鉄用き電回路故障点標定システムおよび電鉄用き電回路故障点標定方法を説明する。
図1に示す電鉄用き電回路故障点評定システム1は、図7に示すタイポスト2Tを有する区間を構成する2回線の電車線2A,2Bの両側から給電する2つの変電所3A,3Bを構成する鉄道用き電回路において、本発明の第1実施形態を説明する図であり、電気的な特性は図7において説明したものと同様である。
図1に示すように、本実施形態の電鉄用き電回路故障点標定システム1は、変電所3A,3Bのそれぞれに、変電所3A,3Bから全ての電車線2A,2Bに流れる合計電流を測定する電流測定部4と、故障電流を検出する時点からこの故障電流を遮断する動作までの間における所定時間幅の故障電流の立上り平均を求める故障電流算出部5とを備え、かつ、変電所3Aには、これらの故障電流算出部によって求められる両変電所からの故障電流の立上り平均の比を用いて故障点を標定する故障点標定部6を備える。
また、前記電流測定部4は変電所から電車線の各回線に流れる電流をそれぞれ測定する複数の電流検出器7A,7Bと、これらの電流検出器7A,7Bが測定した電流の合計値を算出する加算器8とを備える。前記故障電流算出部5は両変電所において同期信号を受信する同期信号受信部9と、この同期信号を用いて求められる同期時間と共に故障電流の大きさを記録する故障電流記録部10とに接続され、少なくとも、一方の変電所には他方の変電所において記録した同期時間および故障電流情報を受信する受信部11、他方の変電所には前記同期時間および故障電流情報を一方の変電所に送信する送信部12を備える。
さらに、変電所3A,3Bから供給される電圧Ea,Ebを測定する電圧測定部13と、変電所3A,3Bから定常的に電車線2A,2Bに供給される直流電圧、直流電流のリップルを前記電圧と電流の測定値から分離抽出するリップル抽出部14と、変電所3A,3Bから既知距離の電車線2A,2Bに接続させて人工的に短絡故障を発生させる短絡回路を接続したときに電圧と電流のリップルに発生する位相差から変電所3A,3B内の直流き電回路におけるインダクタンス値La,Lbを算出する定常インダクタンス算出部15とを備える。
16A〜16Dは短絡故障の発生時に前記各電車線2A,2Bへの給電をできるだけ高速に遮断できるように構成された高速度遮断器、17A〜17Dは前記電流検出器7A,7Bに接続されて高速度遮断器16A〜16Dを用いた電力供給の遮断を行わせる遮断制御部である。
また、20A,20Bは前記変電所3A,3Bに設けた電鉄用き電回路故障点標定装置であり、21はこれら電鉄用き電回路故障点標定装置20A,20Bにおいて各物理量の測定値を入力する入力部、22は電鉄用き電回路故障点評定装置20A(20B)の演算処理部である。本実施形態では前記故障電流算出部5,故障点標定部6,加算器8,リップル抽出部14,定常インダクタンス算出部15を演算処理部22によって実行可能なプログラム(ソフトウェア)によって形成している例を示している。
前記電車線2A,2Bは上りと下りの路線にそれぞれ配置されており、そのほぼ中間部分にタイポスト2Tを形成することにより、変電所3A,3B間の距離Daf+Dbfが離れている場合にも、線路抵抗Raf,Rtf,Rbtによる電圧降下の影響を可能な限り抑えられるように構成している。
変電所3A、3B内の電源Ea,Ebは詳細には交流電源からの電力を電車線2A,2Bに供給する電圧に調整する変圧器と、交流電源を直流電源に変換するブリッジ回路とを備えるものであり、かつ、電源Ea,Ebと電車線2A,2Bの間には、内部抵抗Ra,Rbおよび内部インダクタンスLa,Lbの直列回路が介在するため電圧降下を生じさせる。前記電圧測定部13はこの電車線2A,2Bに供給される電圧Ea,Ebの変動を測定するためのものである。
前記電流測定部4は電車線2A,2Bの給電部には既に形成されているホール素子からなる電流検出器7A,7Bと加算器8とを備え、各電流検出器7A,7Bによって測定された電流(Iaa,IabまたはIba,Ibb)の測定値を加算することにより、既存の電流検出器7A,7Bを用いて変電所3A(3B)から全ての電車線2A,2Bに流れる合計電流Ia(Ib)を求めることができるので好ましい。また、前記入力部21には電流および電圧の測定値のみならず、前記遮断制御部17A,17Bが電流検出器7A,7Bの出力を監視して検知する短絡故障発生検知信号がそれぞれ入力される。
上述のように本実施形態では既存の電流検出器7A,7Bを有効に活用して加算器8と組合わせて全ての電車線2A,2Bに流れる合計電流を測定可能としているが、この構成に変えて電源Ea(Eb)から電車線2A,2Bの分岐点までの間に一つの電流検出器を設けて、これを全電車線2A,2Bに供給する合計電流の測定部としてもよいことはいうまでもない。
前記故障電流算出部5は何れか一方の遮断制御部17A〜17Dから短絡故障の発生検知信号が入力された時点から前記高速度遮断器16A〜16Dが故障電流を遮断するまでの間の短い所定期間内において故障電流の合計電流の大きさから故障電流の立上り平均ΔIa,ΔIbを算出するプログラムを演算処理部22が実行して実現するものであり、加算する対象となるのは故障電流記録部10内に収められた自変電所3A(3B)故障電流Iaの測定値(故障電流情報)であり、これを基に故障電流の立上り平均ΔIaを求めるが、前記受信部11および送信部12を介して他方の変電所3B(3A)から受信した故障電流Ibの測定値も、同じ時点の時間幅内において故障電流の立上り平均ΔIbを算出する。なお、本実施形態のように故障電流算出部5をソフトウェアによって形成することにより、装置構成の簡素化を図ると共に柔軟な対応が可能となる。
前記故障点標定部6は故障電流算出部5によって求められた合計電流の大きさを用いて故障点Bpを標定する演算処理を行うプログラムを演算処理部22が実行して実現するものである。
本実施形態における前記同期信号受信部9はGPS受信機であり、9AはGPS衛星からの電磁波を受信するアンテナである。また、同期信号受信部9は1秒ごとに同期信号を出力し、前記故障電流記録部10は前記同期信号を基準として少なくとも1秒間の合計電流Ia,Ibを記録することにより、同期信号を用いて求められる同期時間と共に故障電流の大きさを記録する。
本実施形態では一方の変電所3Aにおいては記録した同期時間および故障電流情報を受信する受信部11を備え、他方の変電所3Bには故障電流記録部10に記録させた同期時間および故障電流情報を送信する送信部12を備えることにより、他方の変電所3Bによって記録した同期時間および故障電流情報を一方の変電所3Aに転送し、この変電所3Aの故障電流記録部10において両変電所3A、3Bにおいて測定した故障電流の合計を用いて一方の変電所3Aの故障点標定部6において故障点Bpの標定を行うことができる。
なお、故障点標定においてはインダクタンスだけを用いて演算を行なうことにより、定常的に流れる負荷の影響をできるだけ排除して故障点標定を行なうことができる。
図2は前記電鉄用き電回路故障点標定システムにおける変電所の内部パラメータの設定方法を示す図である。図2において、R0は一方の電車線2Bの地点P0において人工的に短絡故障を発生させる短絡回路を構成する短絡抵抗であり、Ra0は変電所3Aから人工的な短絡地点P0までの線路抵抗、La0は線路インピーダンス、Rt0は地点P0からタイポストまでの線路抵抗、Lt0は線路インピーダンス、D1,D2は地点P0から変電所3A,3Bまでの距離である。
今、変電所3Aの内部パラメータLaを求める場合を考えると、短絡抵抗R0を設けない電車線2Aおよび短絡抵抗R0から変電所3Bの間に設けた遮断制御部17A,17C,17Dを用いて高速度遮断器16A,16C,16Dを遮断させた上で、短絡抵抗R0による短絡を行なう。
図3は前記短絡回路を接続した状態の等価回路を示す図である。既知の地点P0において人工的に短絡故障を発生させるときの等価回路において接続点P’は、変電所3Aの電源Eaから内部抵抗Ra、内部インダクタンスLa、線路抵抗Raf、線路インダクタンスLafの直列負荷を介して接続され、地点P0に対して線路抵抗R0を介して接続される。
上記等価回路において、地点P’までの距離D1が既知であるから、これらの線路間の線路抵抗Raf、線路インダクタンスLafの大きさも既知となる。また、電鉄用き電回路における直流電源Eaは交流電源に整流器を接続して得られるものであるから、負荷が大きくなればなるほど大きな整流に伴う高調波成分が含まれ、地絡故障に伴って大電流が流れれば流れるほど大きなリップル(交流成分)が発生する。
そして、前記リップル抽出部14は電圧測定部13によって測定された直流電圧、電流測定部4によって測定される直流電流に表れるリップルを抽出し、この電流リップルと電圧リップルの間には、人工的な故障回路を流れる回路上の内部インダクタンスLaと地点P’までの距離D1によって定まる線路インダクタンスLafによる影響を受けた位相差が発生する。
次いで、前記定常インダクタンス算出部15がリップルに発生する位相差から人工的に短絡故障を発生させたときの全インダクタンスを計算し、これから既知距離の線路インダクタンスLafの大きさを減算して、変電所3A内の直流き電回路における定常的なインダクタンス値を算出することができる。すなわち、これが内部インダクタンスLaである。
同様に、前記遮断制御部17A,17B,17Cを用いて高速度遮断器16A,16B,16Cを遮断させた状態で短絡抵抗R0による短絡を行なうことにより、変電所3Bの内部パラメータLbを求めることができる。
したがって、この人工的な故障回路を接続したときに流れる電流と電圧に生じる位相差から、変電所3A,3Bの内部インダクタンスLa,Lbを測定値に基づいて正確に求めることができる。これらの変電所3A,3B内の内部インダクタンスLa,Lbを実際の地絡故障が発生した時の補正演算に用いることにより、たとえ変電所3A,3B内部の電気的な特性が大きく異なるような構成の電鉄用き電回路であっても、より正確な故障点の標定を行うことができる。
次に、図4を用いて前記構成の電鉄用き電回路故障点標定システムにおける電鉄用き電回路故障点標定方法を説明する。本図において変電所3A,3Bの動作を並べて示しており、時間的な経過を揃えるようにして示す。
図4に示すように、まず、電流測定部4によって複数の電車線2A,2Bの両側から給電する2つの両変電所3A,3Bのそれぞれにおいて、変電所3A,3Bから全ての電車線2A、2Bに流れる電流を測定する。(ステップSa1,Sb1)
次に、前記測定した電流の大きさを同期時間(すなわち同期信号の立ち上がりからのカウント数)と共に故障電流記録部10に記録する。(ステップSa2,Sb2)
同時に前記遮断制御部17A,17Bの何れか一方が電流検出器14を監視して急激な電流増加が発生したときに生成する地絡故障発生検知信号の入力を待機し、故障発生まで前記ステップSa1,Sa2、Sb1,Sb2を繰り返す。(ステップSa3,Sab3)
前記故障が発生すると短い所定時間の間、さらに加えて同期時間と電流を測定して故障電流記録部10に記録する(ステップSa4,Sb4)。この短い所定時間とは、前記高速度遮断器16A,16Bが電車線を電源から遮断するまでの時間より短い所定長さの時間である。
次いで、他方の変電所3B側においては、故障電流記録部10に記録させた同期時間と故障電流の記録を送信部12を介して専用回線に送信し(ステップSb5)、一方の変電所3Aでは専用回線から受信部11を介して同期時間と故障電流の記録を受信し、これらを故障電流記録部10に記録する。(ステップSa5)
変電所3Aにおいては、前記故障電流算出部5は故障電流記録部10に記録させた両変電所3A,3Bから全ての電車線2A,2Bに流れる故障電流Ia,Ibを、互いに同期する時間であることを確保した状態で故障電流の立ち上がり時点から所定時間幅の間加算することにより、変電所3A,3Bの両側における故障電流Ia,Ibの立ち上がり時の平均値ΔIa、ΔIbを算出する。(ステップSa6)
そして、前記故障点標定部6は前記故障電流の立ち上がり時の平均値ΔIa,ΔIbの比と、定常インダクタンス算出部15によって既に算出したインダクタンス値を用いて故障点標定を行なう。(ステップSa7)なお、このとき、変電所3Aから見た故障点までの距離Dafは下記の式(9)によって求めることができる。
Daf=ΔIb(Da+Daf+Dbf+Db)/(ΔIa+ΔIb)-Da … 式(9)
なお、Daは変電所3Aの内部インダクタンス等価距離、Dbは変電所3Bの内部インダクタンス等価距離であり、下記の式(10),式(11)に示すように表わされる。
なお、Llineは線路定数のインダクタンス値である。
Da=La/(Lline/2) … 式(10)
Db=Lb/(Lline/2) … 式(11)
前記式(9)から式(12)に示すようにΔIa,ΔIbを用いることにより、その比から故障点Bpの標定を行なうことができる。
Daf=ΔIb(Dbf+Db)−Da … 式(12)
本実施形態に示すように、一方の変電所3A側に他方の変電所3Bにおける測定値を転送して故障点の標定をおこなうことが可能であるが本発明はこの構成に限定されるものではなく、両変電所3A,3Bにおいて互いに測定値を交換して電車線2A、2Bの両側から行なってもよく、その場合には、前記ステップSa5,Sb5において互いに同期時間と故障電流の記録を送受信し、変電所3B側においてもステップSa6,Sa7と同様の故障電流の算出および故障点の標定を行なうことができる。
また、本実施形態においてはタイポスト2Tを有する2本の電車線2A,2Bにおいて説明しているが、本発明はこの構成に限られるものではなく、タイポストを設けない複線区間であっても同様に故障点の標定を行なうことができる。加えて、同期時間受信部はGPS受信機に限られるものではなく、標準電波によって標準時刻への校正を定期的に行う電波時計を用いてもよい。
同様に上述の実施形態では、電車線2A…が2本である場合について説明しているが、当然ながら3本以上の複数線の電車線2A…を用いる場合にも同様に故障点Bpの標定を行なうことができる。
図5は本発明の第2実施形態にかかる電鉄用き電回路故障点標定システム30を説明する図である。図5に示す例では、両変電所3A,3Bにそれぞれ遠方制御装置31の子機31A,31Bと、これらの子機31A,31Bと通信可能に構成された遠方制御装置の31の親機31Cを設けることにより、親機31Cからの同期信号で各変電所3A,3Bの時刻同期を行なうようにした点と、親機31C側に故障点標定部6’を設けて、前記同期信号を用いて各変電所3A,3Bにおいて測定され、子機31A,31Bから親機31Cに転送される故障電流Ia,Ibの立ち上がり時の平均値ΔIa、ΔIbを用い、親機31C側において故障点標定部6’が故障点Bpの標定行なう点において、第1実施形態と異なっている。
本実施形態のように遠方制御装置31を設けることにより、地絡故障の監視などの業務を集中管理にて行なうことができると共に、各変電所3A,3BにおけるGPSまたは電波時計の電磁波の受信感度を考えること無く設置できる利点がある。なお、同期は各変電所3A,3BにおいてGPSまたは電波時計を用いて行い、標定演算を遠方制御装置31の親機31Cにおいて行なうようにしてもよいことはいうまでもない。
1 電鉄用き電回路故障点標定システム
2A,2B 電車線
2T タイポスト
3A,3B 変電所
4 電流測定部
5 故障電流算出部
6 故障点標定部
7A,7B 電流検出器
8 加算器
9 同期信号受信部
10 故障電流記録部
11 受信部
12 送信部
13 電圧測定部
14 リップル抽出部
15 定常インダクタンス算出部
Bp 故障点
Ia,Ib 合計電流
ΔIa,ΔIb 故障電流の立上り平均

Claims (7)

  1. 並列回路を構成する区間および/またはタイポストを有する区間を構成する複数回線の電車線の両側から給電する2つの変電所のそれぞれに、
    変電所から関連する全ての電車線に流れる故障電流の合計を測定する電流測定部と、
    故障電流を検出する時点からこの故障電流を遮断する動作までの間における所定時間幅の故障電流の立上り平均を求める故障電流算出部とを備え、かつ、
    これらの故障電流算出部によって求められる両変電所からの故障電流の立上り平均の比を用いて故障点を標定する故障点標定部を備えることを特徴とする電鉄用き電回路故障点標定システム。
  2. 前記電流測定部は変電所から電車線の各回線に流れる電流をそれぞれ測定する複数の電流検出器と、これらの電流検出器が測定した電流の合計値を算出する加算器とを備える請求項1に記載の電鉄用き電回路故障点標定システム。
  3. 前記故障電流算出部は両変電所において同期信号を受信する同期信号受信部と、この同期信号を用いて求められる同期時間と共に故障電流の大きさを記録する故障電流記録部とを備え、少なくとも、一方の変電所には他方の変電所において記録した同期時間および故障電流情報を受信する受信部、他方の変電所には前記同期時間および故障電流情報を一方の変電所に送信する送信部を備えると共に、前記故障点標定部は、前記受信部を介して受信する同期時間および故障電流の情報と、自変電所内で記録した同期時間および故障電流の情報を基に求めた故障電流の立上り平均の比から故障点の標定を行なうものである請求項1または請求項2に記載の電鉄用き電回路故障点標定システム。
  4. 変電所から電車線に供給される電圧を測定する電圧測定部と、
    変電所から定常的に電車線に供給される直流電圧、直流電流のリップルを前記電圧と電流の測定値から分離抽出するリップル抽出部と、
    変電所から既知距離の電車線に接続させて人工的に短絡故障を発生させる短絡回路を接続したときに電圧と電流のリップルに発生する位相差から変電所内の直流き電回路におけるインダクタンス値を算出する定常インダクタンス算出部とを備え、
    前記故障点標定部は定常インダクタンス算出部が算出したインダクタンス値を用いて故障点標定の補正を行なうものである請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電鉄用き電回路故障点標定システム。
  5. 並列回路を構成する区間および/またはタイポストを有する区間を構成する複数回線の電車線の両側から給電する2つの変電所のそれぞれにおいて、変電所から関連する全ての電車線に流れる電流を測定し、故障電流を検出する時点からこの故障電流を遮断する動作までの間における所定時間の電流を記録し、この記録を用いて変電所から関連する全ての電車線に流れる合計電流の立上り平均を求め、少なくとも何れかの変電所にこれらの故障電流算出部によって求められる故障電流の大きさの比を用いて故障点を標定することを特徴とする電鉄用き電回路故障点標定方法。
  6. 両変電所において受信する同期信号を用いて同期時間を計測し、この同期時間と共に故障電流の大きさを記録した後に、少なくとも、一方の変電所に対して他方の変電所において記録した同期時間および故障電流情報を送信し、一方の変電所において受信した同期時間および故障電流の情報と自変電所内で記録した同期時間および故障電流の情報との比から故障点の標定を行なうものである請求項5に記載の電鉄用き電回路故障点標定方法。
  7. 変電所から電車線に供給される電圧を測定し、変電所から定常的に電車線に供給される直流電圧、直流電流のリップルを前記電圧と電流の測定値から分離抽出する一方、
    変電所から既知距離の電車線に接続させて人工的に短絡故障を発生させたときに電圧と電流のリップルに発生する位相差から変電所内の直流き電回路におけるインダクタンス値を算出し、この算出したインダクタンス値を用いて故障点標定の補正を行なうものである請求項5または請求項6に記載の電鉄用き電回路故障点標定方法。
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