JP2017213716A - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクのほか転写補助液のような別の作用の液体を併用して画像を記録する転写型のインクジェット記録装置において、画像内のオブジェクトそれぞれが、求められる品位で記録されるような画像処理装置を提供する。
【解決手段】インクのための記録データを色データに基づいて生成する。一方、転写補助液のための記録データは個々のオブジェクトの属性を示す属性データに基づいて生成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、転写型のインクジェット記録装置用の画像データを生成するための画像処理装置に関する。
特許文献1には、インクのほか反応液と転写補助液を併用しながら画像データに従って転写体に画像を記録した後、当該画像を転写体から記録媒体に転写する転写型のインクジェット記録装置が開示されている。ここで、反応液や転写補助液は、転写体から記録媒体への転写を確実にするために使用される液体である。特許文献1によれば、転写体の温度を転写補助液に含まれる水溶性樹脂のガラス転移温度以上に設定することによって、転写効率を更に向上できることが説明されている。
一方、特許文献2には、「文字」や「写真」のような属性に応じて、インクの付与量をオブジェクトごとに調整する方法が開示されている。特許文献2の方法を採用すれば、同じ画像に含まれるオブジェクトのそれぞれを、要求される品位で出力することができる。
特開2015−221560号公報 特開2013−224022号公報
ここで、特許文献1のような転写型のインクジェット記録装置で特許文献2のようにオブジェクトごとにインクの付与量を調整した場合、転写補助液についての付与量の調整が新たな課題となる。転写補助液は転写の便宜を図るための液体ではあるが、その付与量に応じて画像品位も影響を受けるからである。
加えて、近年では、画質を向上させるための液体を用いるインクジェット記録装置が提供されている。画質向上液とは、画像の光沢性、濃度、先鋭性、発色性のような画質要素を向上させるために、その目的に応じて調製された液体である。そして、例えば「文字」では濃度と先鋭性が、「写真」では階調性と発色性がそれぞれ重視されるように、求められる画質要素が属性ごとに異なることを考慮すれば、画質向上液の付与量は、オブジェクトごとに調整されることが好ましい。しかしながら、特許文献1には、転写補助液や画質向上液の付与量を、オブジェクトに応じて調整することへの着眼はなかった。 すなわち、インクのほかに、転写補助液のような記録とは別の目的のための液体を併用する転写型のインクジェット記録装置において、同じ画像に含まれるオブジェクトのそれぞれを、要求される品位で出力することが困難な状況であった。
さらに、転写補助液や画質向上液を付与する際には、付与装置の取り付け誤差や液滴の着弾誤差などによって、転写体上の目的とした位置に確実に付与結果を得ることが難しい。例えば、転写補助液または画質向上液をインク付与領域と同じ領域に付与しようとしても、上述したような各種の誤差によって、必ずしもインク付与領域と同じ領域を被覆することができないことがある。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものである。よってその目的とするところは、インクのほか転写補助液のような別の作用の液体を併用して画像を記録する転写型のインクジェット記録装置において、画像内のオブジェクトそれぞれが、求められる品位で記録されるような画像処理装置を提供することである。
そのために本発明は、インクを用いて転写体に形成された画像を記録媒体に転写することによって、前記記録媒体上に画像を記録するための画像処理装置であって、印刷データに基づいて、画素ごとの色データと属性データを生成する手段と、前記インクのための第1の記録データを、前記色データに基づいて生成する第1の記録データ生成手段と、前記画像の転写を補助する転写補助液のための第2の記録データを、前記属性データに基づいて生成する第2の記録データ生成手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、画像内のオブジェクトそれぞれを求められる品位で出力することが可能となる。
転写型インクジェット記録装置の概略構成図である。 液体吐出ヘッドの外観斜視図である。 画像処理装置における制御の構成を説明するためのブロック図である。 本発明の画像処理の内容を説明するためのブロック図である。 色データの一例を示す図である。 属性データの一例を示す図である。 (a)〜(e)は、画質向上液用の記録データを示す図である。 (a)〜(c)は、拡大処理の様子を示す図である。 (a)〜(c)は、転写補助液用の記録データを示す図である。
図1は、本実施形態で使用可能な転写型インクジェット記録装置100の概略構成図である。図面垂直方向に延在し円筒形からなる支持部材102は、回転軸102aを中心として図のR方向(時計回り方向)に所定の速度で回転する。支持部材102の表面に配された転写体101も、支持部材102とともにR方向に回転する。支持部材102および転写体101の幅方向(図面奥行き方向)の大きさは、記録装置で取り扱う記録媒体のサイズに合わせて設計されている。
転写体101の回転経路には、反応液付与装置103、画質向上液付与装置110、インク付与装置104、転写補助液付与装置111、液体除去装置105がこの順番で配置され、転写体101はそれぞれの処理を受ける。以下、夫々の装置の役割を簡単に説明する。
反応液付与装置103は、反応液収容部103aに貯留されている反応液を2つのローラ103bおよび103cを介して、転写体101に一様な厚みで塗布する。反応液とは、転写体101からインクを剥離しやすくするために、その後の工程で付与されるインクの粘度を高めるための液体である。
画質向上液付与装置110は、画質向上液用の2値データに従って、液体吐出ヘッド3より画質向上液を吐出する。本実施形態の画質向上液は、主に画像の光沢性を向上させること目的とする液体であり、そのように成分調製されている。
インク付与装置104は、インク用の2値データに従って、液体吐出ヘッド3よりインクを吐出する。本実施形態のインク付与装置104は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのインクを、それぞれの2値データに従ってそれぞれの液体吐出ヘッド3より吐出するよう構成されている。
転写補助液付与装置111は、転写補助液用の2値データに従って、液体吐出ヘッド3より転写補助液を吐出する。本実施形態の転写補助液は、転写時にインクを転写体101に残さないよう、インクの成分と融合しやすい成分を有している。
液体除去装置105は、上記構成によって反応液、画質向上液、インク、転写補助液がこの順番で付与された転写体101より、余分な液体成分を除去し、転写体101の画像の水分量をその後の転写工程に適した量に調整する。このような工程を設けることにより、画像を転写した後の記録媒体108においてカールやコックリングの発生を抑えることができる。液体を除去する方法としては、加熱、低湿空気の送風、減圧、吸収体の接触、自然乾燥、またこれらの組み合わせなど、様々な方法を採用することができる。
液体除去装置105によってその水分量が適度に調整された転写体101上の画像は、転写装置107によって、転写体101から記録媒体108へと転写される。転写装置107は、主に、ロール状に保持された記録媒体108を送り出す送り出しローラ107aと、画像が転写された後の記録媒体108を巻き取るための巻取りローラ107bと、その間に配置された転写部材106によって構成されている。送り出しローラ107aと巻取りローラ107bが、支持部材102の回転速度に対応する速度で図のCR方向(反時計回り方向)に回転することにより、これに合わせた速度で転写部材106もCR方向に回転する。この際、転写部材106は不図示の付勢部材などによって転写体101に向けて付勢されており、転写体101と転写部材106の接点には所定の圧力がかかっている。このような構成のもと、転写体101に形成されている画像は記録媒体108に転写され、その後、当該画像が転写された記録媒体108の領域は、巻取りローラ107bに巻き取られていく。
記録媒体108はシート状であれば特にその材質は限定されるものでは無く、公知の記録媒体を用いることができる。例えば、紙、プラスチックフィルム、木板、段ボール、金属フィルムなどが挙げられる。ここでは、ロール状に巻回された長尺の記録媒体を使用しているが、所定の寸法に裁断されたカット紙を用いることもできる。
転写装置107の更に下流には、クリーニング部材109が配備されており、画像が転写された後の転写体101に当接し、表面に残余する液体を除去する。但し、本発明においてクリーニング部材109は必須の構成ではない。記録媒体108に対する転写率が十分に高ければ、クリーニング部材109を用意する必要は無い。
以上説明したように、反応液の塗布→画質向上液の付与→インクの付与→転写補助液の付与→液体の除去→記録媒体への画像転写→クリーニング、という一連の工程を繰り返すことにより、記録媒体108に連続的な画像を形成することが出来る。以下、本実施形態で好適に使用することが可能な各機能の材料や特性について詳しく説明する。
<転写体>
転写体101の表面は、画像データに従って段階的に液体が付与され、その後記録媒体に接触して画像を転写する機能を有する。そのような表面層の部材としては、樹脂、セラミック等各種材料を適宜用いることができるが、耐久性等の点で圧縮弾性率の高い材料が好ましい。具体的には、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フッ素含有樹脂、加水分解性有機ケイ素化合物を縮合して得られる縮合物等が挙げられる。転写体101の表面は、反応液の濡れ性や転写性等を向上させるために、所定の表面処理が施されてもよい。この場合の表面処理としては、フレーム処理、コロナ処理、プラズマ処理、研磨処理、粗化処理、活性エネルギ線照射処理、オゾン処理、界面活性剤処理、シランカップリング処理などが挙げられ、これらを複数組み合わせることもできる。また、表面層に任意の表面形状を設けることもできる。
また、転写体101は、反応液付与装置103のローラ103c、転写部材106、クリーニング部材109と当接して所定の処理が施されることから、圧力変動を吸収可能な圧縮層を有することが好ましい。圧縮層を設けることで、圧縮層が変形を吸収し、局所的な圧力変動を受けてもこれを分散し、高速印刷時においても良好な転写性を維持することができる。
圧縮層の部材としては、例えばアクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。上記ゴム材料の成形時に、所定量の加硫剤、加硫促進剤等を配合し、さらに発泡剤、中空微粒子或いは食塩等の充填剤を必要に応じて配合し多孔質としたものが好ましい。これにより、様々な圧力変動に対して気泡部分が体積変化を伴って圧縮されるため、圧縮方向以外への変形が小さく、より安定した転写性、耐久性を得ることができる。多孔質のゴム材料としては、各気孔が互いに連続した連続気孔構造のものと、各気孔がそれぞれ独立した独立気孔構造のものがある。本発明ではいずれの構造であってもよく、これらの構造を併用してもよい。
さらに転写体101は、上記表面層と圧縮層との間に弾性層を有することが好ましい。弾性層の部材としては、樹脂、セラミック等、各種材料を適宜用いることができる。加工特性等の点で、各種エラストマー材料、ゴム材料が好ましく用いられる。具体的には、例えばフルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、スチレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン/プロピレン/ブタジエンのコポリマー、ニトリルブタジエンゴム等が挙げられる。特に、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴムは、圧縮永久ひずみが小さいため、寸法安定性、耐久性の面で好ましい。また、温度による弾性率の変化が小さく、転写性の点でも好ましい。
転写体101を構成する各層(表面層、弾性層、圧縮層)の間には、これらを固定・保持するために各種接着剤や両面テープを用いてもよい。また、装置に装着する際の横伸びの抑制や、コシを保つために圧縮弾性率が高い補強層を設けてもよい。さらに、織布を補強層としてもよい。転写体101は上記材質による各層を任意に組み合わせて作製することができる。
<支持部材>
転写体101を支持する支持部材102には、その搬送精度や耐久性の観点からある程度の構造強度が求められる。支持部材102の材質には金属、セラミック、樹脂等が好ましく用いられる。特に、転写時の加圧に耐え得る剛性や寸法精度のほか、動作時のイナーシャを軽減して制御の応答性を向上するための材料が好適である。具体的には、アルミニウム、鉄、ステンレス、アセタール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリウレタン、シリカセラミクス、アルミナセラミクスが挙げられる。またこれらを組み合わせて用いるのも好ましい。
このような支持部材102は、各種接着剤や両面テープを介して転写体101を支持することができる。また、転写体101に金属、セラミック、樹脂等を材質とした設置用部材を取り付け、この設置用部材を介して転写体を支持してもよい。
<反応液付与装置>
図1では、グラビアオフセットローラを用いているが、反応液付与装置は、従来知られている各種装置を適宜用いる事ができる。具体的には、インクジェットヘッド、ダイコーティング装置(ダイコータ)、ブレードコーティング装置(ブレードコータ)などが挙げられる。反応液とインクとを転写体101で混合(反応)させることができれば、反応液の付与工程はインクの付与前であっても付与後であっても構わない。本実施形態では、転写体101において、インク滴同士が凝集するビーディングや異色インク同士が混色するブリーディングの発生を抑えるため、インクの付与前に反応液を転写体101に付与している。
<反応液>
本実施形態の反応液は、インクの高粘度化を促す成分を含有する。インクの高粘度化とは、インクを構成している組成物の一部である色材や樹脂等がインク高粘度化成分と接触することによって化学的に反応し、あるいは物理的に吸着し、これによってインク全体の粘度が上昇する現象を示す。また、色材などインクを構成する成分の一部が凝集する事により局所的に粘度が上昇するような状態も含む。インク高粘度化成分は、インク及び/又はインク組成物の一部の流動性を低下させることにより、転写体101上の画像においてブリーディングや、ビーディングを抑制する効果がある。
インク高粘度化成分としては、多価の金属イオン、有機酸、カチオンポリマー、多孔質性微粒子などの公知のものを用いることができる。中でも、多価の金属イオン及び有機酸が好適である。また、複数の種類のインク高粘度化成分を含有させることもできる。なお、反応液中のインク高粘度化成分の含有量は、反応液全質量に対して5質量%以上であることが好ましい。
多価金属イオンとしては、例えば、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Sr2+、Ba2+及びZn2+等の二価の金属イオンや、Fe3+、Cr3+、Y3+及びAl3+等の三価の金属イオンが挙げられる。また有機酸としては、例えば、シュウ酸、ポリアクリル酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、レブリン酸、コハク酸、グルタル酸、グルタミン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、が挙げられる。また、乳酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、オキシコハク酸、ジオキシコハク酸等も好適に用いることができる。
反応液は水や低揮発性の有機溶剤を適量含有することができる。水はイオン交換等により脱イオンした水であることが好ましい。有機溶剤は特に限定されることなく、公知の有機溶剤を用いることができる。
また、反応液は界面活性剤や粘度調整剤を加えてその表面張力や粘度を適宜調整して用いることができる。用いられる材料としてはインク高粘度化成分と共存できるものであれば特に制限は無い。具体的に用いられる界面活性剤としては、アセチレングリコールエチレンオキシド付加物(「アセチレノールE100」、川研ファインケミカル株式会社製商品名)が挙げられる。また、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物(「メガファックF444」、DIC株式会社製商品名)等も好適に用いることができる。
<液体吐出ヘッド>
図2は、画質向上液付与装置110、インク付与装置104および転写補助液付与装置111で使用可能な液体吐出ヘッド3の外観斜視図である。図2のx方向が、図1の図面垂直方向に相当し、この方向に複数の記録素子が配列している。インク付与装置104においては、このような液体吐出ヘッド3がインク色分だけ配備されていても良いし、個々の記録素子基板10にインク色分の記録素子が配列されていても良い。
本実施形態において、個々の記録素子基板10には1200dpiのピッチで複数の記録素子がx方向に配列しているものとする。個々の記録素子は電気熱変換体を備え、この電気熱変換体に吐出信号に従って電圧パルスが印加されると、これに接触するインク中に膜沸騰が生じ、発生した泡の成長エネルギによって吐出口から液体が滴として吐出される仕組みになっている。この際、吐出信号や吐出動作のための電力は、電気配線基板90に設けられた信号入力端子91および電力供給端子92に入力され、フレキシブル配線基板40を介して、複数の記録素子が配列する記録素子基板10に供給される。そして、2値の吐出信号に従って、個々の記録素子から所定の周期でそれぞれの液体を吐出することにより、転写体101に1200dpiの解像度の画像が記録される。
なお、本実施形態では1200dpiという高い解像度と高い吐出周波数を実現するために、電気熱変換体を用いる構成を採用したが、液体を吐出させるための方式としてはピエゾ素子を用いる方式や、静電気を用いる方式など他の方式を採用することも出来る。
<画質向上液>
画質向上液は、画像品位を向上させるための液体であり、向上させたい画質要素によってその成分は調製されている。本実施形態の画質向上液は、光沢性を向上させるように成分が調製されており、色材を含まない無色透明な液体である。色材以外の成分については、以下に説明するインクと同様の成分も含有している。
<インク>
本発明に適用されるインクは、色材、分散剤、樹脂微粒子、界面活性剤、その他添加剤を含有している。以下それぞれについて詳しく説明する。
(色材)
本実施形態では、顔料または染料と顔料との混合物を色材として用いることができる。顔料の種類は特に限定されないが、具体例としては、カーボンブラックなどの無機顔料;アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、イソインドリノン系、イミダゾロン系、ジケトピロロピロール系、ジオキサジン系などの有機顔料を挙げることができる。また、これらの顔料は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
色材として用いることができる染料の種類は特に限定されないが、具体例としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料、食用染料などを挙げることができ、アニオン性基を有する染料を用いることができる。染料骨格の具体例としては、アゾ骨格、トリフェニルメタン骨格、フタロシアニン骨格、アザフタロシアニン骨格、キサンテン骨格、アントラピリドン骨格などが挙げられる。なお、インク中の顔料の含有量は、インク全質量に対し0.5質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがより好ましい。
(分散剤)
顔料を分散させる分散剤としては、インクジェット用のインクに用いられる公知の分散剤を使用することができる。中でも本発明の態様においては構造中に親水性部と疎水性部とを併せ持つ水溶性の分散剤を用いることが好ましい。特に、少なくとも親水性のモノマーと疎水性のモノマーとを含んで共重合させた樹脂からなる顔料分散剤が好ましく用いられる。ここで用いられる各モノマーについては特に制限はなく、公知のものが適用可能である。具体的には、疎水性モノマーとしては、スチレン及びその他のスチレン誘導体、アルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また親水性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等が挙げられる。
該分散剤の酸価は50mgKOH/g以上550mgKOH/g以下であることが好ましい。また、該分散剤の重量平均分子量は1000以上50000以下であることが好ましい。尚、顔料と分散剤との質量比(顔料:分散剤)としては1:0.1〜1:3の範囲であることが好ましい。また分散剤を用いず、顔料自体を表面改質して分散可能としたいわゆる自己分散顔料を用いることも本発明において好適である。
(樹脂微粒子)
本発明に適用されるインクは、色材を有しない各種微粒子を含有させることができる。中でも樹脂微粒子は画像品位や定着性の向上に効果がある場合があり好適である。樹脂微粒子の材質としては、特に限定されず公知の樹脂を適宜用いることができる。具体的には、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリ尿素、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸及びその塩、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル、ポリジエン等の単独重合物が挙げられる。また、これらの単独重合物を生成するためのモノマーを複数組み合わせて重合した共重合物が挙げられる。このような樹脂の重量平均分子量(Mw)は、1,000以上2,000,000以下の範囲が好適である。またインク中における樹脂微粒子の量は、インク全質量に対して1質量%以上50質量%以下が好ましく、より好ましくは2質量%以上40質量%以下である。
さらに本発明の態様においては、該樹脂微粒子が液中に分散した樹脂微粒子分散体として用いることが好ましい。分散の手法については特に限定はないが、解離性基を有するモノマーを単独重合もしくは複数種共重合させた樹脂を用いて分散させたいわゆる自己分散型樹脂微粒子分散体は好適である。ここで解離性基としてはカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等が挙げられ、この解離性基を有するモノマーとしてはアクリル酸やメタクリル酸等が挙げられる。また、乳化剤により樹脂微粒子を分散させたいわゆる乳化分散型樹脂微粒子分散体も、同様に本発明に好適に用いることができる。ここで言う乳化剤としては、低分子量、高分子量に関わらず公知の界面活性剤が好ましい。該界面活性剤は、ノニオン性界面活性剤か、もしくは樹脂微粒子と同じ電荷を持つ界面活性剤が好ましい。
本発明の態様に用いる樹脂微粒子分散体は、10nm以上1000nm以下の分散粒径を有することが好ましく、さらに50nm以上500nm以下の分散粒径を有することがより好ましい。また本発明の態様に用いる樹脂微粒子分散体を作製する際に、安定化のために各種添加剤を加えておくことも好ましい。該添加剤としては、例えば、n−ヘキサデカン、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、クロロベンゼン、ドデシルメルカプタン、青色染料(ブルーイング剤)、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、具体的には、アセチレングリコールエチレンオキシド付加物(アセチレノ−ルE100、川研ファインケミカル株式会社製)等が挙げられる。インク中の界面活性剤の量は、インク全質量に対して0.01質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。但し、界面活性剤は本発明のインクに必須の成分ではない。
(水及び水溶性有機溶剤)
インクの溶剤としては、水及び/または水溶性有機溶剤を含むことができる。水は、イオン交換等により脱イオンした水であることが好ましい。また、インク中の水の含有量は、インク全質量に対して30質量%以上97質量%以下であることが好ましい。
水溶性有機溶剤の種類は特に限定されず、公知の有機溶剤をいずれも用いることができる。具体的には、グリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、2−ピロリドン、エタノール、メタノール、等が挙げられる。もちろん、これらの中から選択した2種類以上のものを混合して用いることも出来る。なお、インク中の水溶性有機溶剤の含有量は、インク全質量に対して3質量%以上70質量%以下であることが好ましい。
(添加剤)
本発明に用いることのできるインクは上記成分以外にも必要に応じて、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、水溶性樹脂及びその中和剤、粘度調整剤など種々の添加剤を含有することができる。
<転写補助液>
本実施形態の転写補助液は、特許文献1で開示されている補助液と同様の水溶性樹脂を用いることができる。所定のガラス転移点もしくは軟化点を有することで、転写体101から記録媒体108への転写性を向上させることができる。転写補助液は、色材を含まない無色透明な液体である。但し、色材以外の成分については、上記に説明したインクと同様の成分を含有していてもよい。
<転写部材>
転写部材106は記録媒体108の搬送精度や耐久性の観点からある程度の構造強度が求められる。転写部材106の材質には金属、セラミック、樹脂等が好ましく用いられる。特に、転写時の加圧に耐え得る剛性や寸法精度のほか、動作時のイナーシャを軽減して制御の応答性を向上するために、アルミニウム、鉄、ステンレス、アセタール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリウレタン、シリカセラミクス、アルミナセラミクスが好ましく用いられる。またこれらを組み合わせて用いてもよい。
転写体101に形成された画像を記録媒体108に圧接させる時間については特に制限はないが、転写が良好に行われ、かつ転写体101の耐久性を損なわないようにするために、5ms以上100ms以下であることが好ましい。ここで、圧接させる時間とは、記録媒体108と転写体101が接触している時間を示しており、面圧分布測定器(新田株式会社製 I−SCAN)にて面圧測定を行い、加圧領域の搬送方向長さを搬送速度で割り、値を算出したものである。
また、転写体101に形成された画像を記録媒体108に圧接させる際の圧力についても特に制限はない。ただし、転写が良好に行われ、かつ転写体の耐久性を損なわないようにするためには、圧力が9.8N/cm2(1kgf/cm2)以上294.2N/cm2(30kgf/cm2)以下であることが好ましい。ここで、圧接させる際の圧力とは、記録媒体108と転写体101のニップ圧を示しており、面圧分布測定器にて面圧測定を行い、加圧領域における加重を面積で割り、値を算出したものである。
尚、本実施形態では、転写体101に形成された画像を記録媒体108に圧接させる際、転写補助液の温度は、転写補助液に含まれる樹脂成分のガラス転移点以上又は軟化点以上となっている。本発明においては、転写体に形成された画像に含まれる転写補助液の温度が、転写時(圧接時)に上述した温度まで上がっていればよく、そのための加熱方法はどのような方法を用いてもよい。例えば、転写体101の内部に設けられた加熱手段により、転写体101を内側から加熱する方法であってもよい。また、転写体101の外側であって転写補助液付与装置111の下流側に設けられた加熱手段により、転写体101を加熱する方法であってもよく、記録媒体108を加熱する方法であってもよい。転写部材106の形状については特に制限されないが、本実施形態ではローラ形状のものを使用している。
<制御構成>
図3は、本実施形態の画像処理装置における制御の構成を説明するためのブロック図である。プリンタ制御部303は、主に、CPU401、ROM402、RAM403、ASIC404、および図1に示した記録装置100の各機能を駆動するための各種ドライバを有している。CPU401は、ROM402に記憶されているプログラムやパラメータに従って、RAM403をワークエリアとしながら、装置全体を制御する。この際、特定用途の高速処理のために、モーターコントローラ等を内蔵した集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)が利用される。
インクジェットデバイス305は、図1の画質向上液付与装置110、インク付与装置104、転写補助液付与装置111に相当する。ヘッドドライバ409は、CPU401の指示のもと、インクジェットデバイス305を駆動して、それぞれの液体吐出ヘッドよりインクを吐出させる。
液体除去装置ドライバ405は、CPU401の指示のもと液体除去装置105を駆動する。転写体ドライバ407は、CPU401の指示のもと転写体モータ408を駆動して転写体101の回転を制御する。搬送ドライバ400は、CPU401の指示のもと搬送モータ304を駆動して、転写装置107における送り出しローラ107aおよび巻取りローラ107bの回転を制御する。
記録データ生成部301は、CPU401の指示のもと入力された印刷ジョブに対する解析処理を行う。操作部302は、ユーザからの支持を受信しCPU401にこれを伝える。
図4は、記録データ生成部301およびプリンタ制御部303が実行する画像処理の内容を説明するためのブロック図である。印刷ジョブが入力されると、記録データ生成部301は印刷データを解析し、色データと属性データに分類する。本実施形態の印刷ジョブはPDFであり、「画像」、「文字」、「線」、「四角形」などのオブジェクト情報がそれらのレイアウト情報と対応づけて構成されている。そして、このレイアウト情報には、座標、フォント、色、文字飾りなどの情報が含まれている。記録データ生成部301は、まず、ステップS602にて、オブジェクト情報とレイアウト情報を、上記PDFを解析することによって抜き出す。そして、続くステップS603では、ステップS602の解析の結果を受けて各画素に対応する色データを生成する。ステップS602とS603が、RIP(Raster Image Processing)と呼ばれる処理である。
図5は、ステップS603で生成された色データ701の一例である。色データ701は、x方向において記録媒体108と同じ幅を有し、y方向が搬送方向に相当する。ここでは、記録領域704を有する同じ画像が、x方向に並列配置されている。記録領域704の中には、画像オブジェクト702と文字オブジェクト703がそれぞれレイアウトされている。記録領域704の外には、記録領域704を切り出す際に目安となるトンボ705と、記録動作時における色の状態を確認するためのコントロールストリップ706が、グラフィックオブジェクトとしてレイアウトされている。
この段階において、各画素の色データはR(赤)、G(緑)、B(青)の3色、各8Bitで構成される多値(256値)の輝度信号とする。このRGBデータは、例えばsRGB(standard RGB)の様な所定の規格に基づいた色データであり、このような規格は記録データ生成部301とプリンタ制御部303で共通化させている。なお、本実施形態では、色データがRGBの輝度データである場合を例に説明するが、色データはCMYKのような濃度データとすることもできる。
ステップS603で生成された色データは、記録データ生成部301から、プリンタ制御部303に入力される。プリンタ制御部303は、ステップS604にて、受け取った色データをプリンタ制御部303に適した色空間、すなわち本実施形態のインクジェット記録装置100で表現可能な色空間、に対応づけるための補正処理を実行する。ステップS605では、ステップS604で補正されたRGBデータを、記録装置が使用するインク色に対応するC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色、各8Bitで構成される濃度信号に変換する。
ステップS606では、CMYKの8ビット256値のデータを、CMYKの1ビット2値データに量子化する。量子化データが「1」である画素はその画素にドットを記録することを意味し、「0」である画素はその画素にドットを記録しないことを意味する。プリンタ制御部303は、ステップS606で生成した2値データに従って、ヘッドドライバ409を介して、インク付与装置104に備えられた各インク色に対応する液体吐出ヘッドを駆動する。結果、CMYKのインクによって、図5に示す画像が転写体101に形成される。
一方、記録データ生成部301は、ステップS602で得られた属性データを各画素に対応づけて、図6に示すような属性データ801を生成する。属性データ801は、図5で示した色データ701と同じ解像度(1200dpi)の同じ画素数で構成され、各画素について2bitの属性値を有している。表1に属性値とその意味を示す。
図5と図6を比較しながら、各属性値について説明する。色データ701で画像オブジェクト702がレイアウトされている属性データ801の領域802(斜線で表示)では、各画素について属性値01bが設定されている。文字オブジェクト703およびトンボ705がレイアウトされている属性データ801の領域803および805(黒ベタで表示)では、各画素について属性値10bが設定されている。記録領域704に含まれる余白領域に相当する領域804(縦線)では、各画素について属性値11bが設定されている。記録領域704に含まれない余白領域に相当する領域806(横線)では、各画素について属性値00bが設定されている。このように、属性データ801の各画素の値は、その画素がどのようなオブジェクトを構成する画素かを示している。プリンタ制御部303は、このような属性データ801をもとに、画質向上液や転写補助液のための記録データを生成する。
ステップS609において、プリンタ制御部303は、ステップS608で作成された属性データ801と、印刷ジョブごとに画質向上設定工程D401で設定される設定内容に基づいて画質向上液用の記録データを作成する。画質向上設定工程は、画質向上液の効果をどの程度発揮させるかを設定するための工程であり、ユーザが操作部302を介して設定しても良いし、プリンタ制御部303が印刷ジョブの内容に応じて自動で設定しても良い。表2に、画質向上設定工程における設定値Dとその内容の対応関係を示す。
図7(a)〜(e)は、プリンタ制御部303が、図6の属性データ801に基づいてステップS609で生成する画質向上液用の記録データを、表2に示す各設定値のそれぞれについて示す図である。設定値D=000bは、属性データの内容に係らず画質向上液は記録しないことを意味する。よって、図6の属性データ801に基づく画質向上液用の記録データは図7(a)のようになる。
図7(a)〜(e)では、印刷メディア108を示す枠線を除く黒で示される領域に画質向上液を記録するとして図示している。したがって、図7(a)では、画質向上液を記録する領域はない。
設定値D=001bは、属性データにおいて画像オブジェクト(01b)に設定されている画素についてのみ画質向上液を記録することを意味する。よって、図6の属性データ801に基づく画質向上液用の記録データは図7(b)のようになる。(図中の黒で示している領域に画質向上液を記録する。)設定値D=010bは、属性データにおいて画像オブジェクト(01b)とグラフィックスオブジェクト(10b)に設定されている画素についてのみ画質向上液を記録することを意味する。よって、図6の属性データ801に基づく画質向上液用の記録データは図7(c)のようになる。
設定値D=011bは、属性データにおいて画像オブジェクト(01b)、グラフィックスオブジェクト(10b)、有効領域の余白(11b)に設定されている画素についてのみ画質向上液を記録することを意味する。よって、図6の属性データ801に基づく画質向上液用の記録データは図7(d)のようになる。設定値D=100bは、属性データの内容に係らず画質向上液を紙面全体に記録することを意味する。よって、図6の属性データ801に基づく画質向上液用の記録データは図7(d)のようになる。
なお、画質向上液の記録データについても色データ701や属性データ801と同じ解像度(1200dpi)の同じ画素数で構成され、本実施形態では個々の画素値を記録(1)または非記録(0)を示す1bit2値とする。
図4のブロック図に戻る。ステップS609にて画質向上液用の記録データが生成されると、プリンタ制御部303はステップS610に進み拡大処理を行う。拡大処理とはステップS609にて画質向上液を付与すると決定した画素の領域を拡大する処理である。
図8(a)〜(c)は、プリンタ制御部303が実行する拡大処理の様子を示す図である。これら図において、個々の四角は1画素領域を示している。例えば、ステップS609で生成した記録データにおいて、図8(a)の黒で示す領域が記録(1)と設定されたとする。この場合、通常であれば、黒で示した14画素に対してのみ画質向上液は付与され、その周辺の白で示す画素に画質向上液は付与されない。しかしながら、本実施形態では、記録(1)と設定された領域の周囲1画素の非記録(0)と設定された領域についても、その記録データを非記録(0)から記録(1)に変更する。図8(b)は、ステップS609で記録(1)と設定された画素を黒で、ステップS610で非記録(0)から記録(1)に変更された画素を斜線で示している。
記録装置においては、液体吐出ヘッドによる記録位置ずれや、搬送誤差、転写体の偏芯など様々な要因で画像にスジやムラが現れることがある。そして、本実施形態のように光沢性を向上させるための画質向上液の記録位置においても上記誤差の影響は及び、画像内において光沢ムラなどが現れる場合がある。また、図8(a)のように画質向上液の記録領域を画像オブジェクト領域に完全に一致させた場合、画質向上液用の液体吐出ヘッドとインク用の液体吐出ヘッドで記録位置ずれが生じると、画像オブジェクトの端部に画質向上液が付与されない領域が発生してしまう。結果、画像内に光沢ムラが認識されてしまう場合がある。
但し、図8(b)に示すように、画質向上液の記録領域を画像オブジェクトの領域よりも若干大きく拡大しておけば、画質向上液とインクとで記録領域がどちらの方向にずれても、画像オブジェクトの全域が画質向上液に覆われ、上記ムラを回避することができる。すなわち、ステップS610で画質向上液の記録領域を拡大することにより、様々な要因で引き起こる画像弊害への耐性(ロバスト性)を高めることができる。なお、図8(b)では1画素幅の拡大としたが、拡大領域は更に大きく設定しても良い。この場合の拡大の程度は、上記設定値Dとともに画質向上設定工程で設定されても良い。
ステップS610による拡大処理が終了すると、プリンタ制御部303は、ステップS610で生成された2値データに従って、ヘッドドライバ409を介して、画質向上液付与装置110に備えられた液体吐出ヘッドを駆動する(S612)。結果、画質向上液が図7(a)〜(e)のいずれかに従って転写体101に付与される。
なお、以上ではステップS609で生成する画質向上液用の記録データを2値としたが、この段階の記録データは例えば色データと同じ多値(256値)とすることもできる。ただしこの場合は、色データと同様に、ステップS611のような量子化処理が必要となる。記録データを多値とすることで画質向上液についてもインクと同様に階調性を持たせ、画像オブジェクト内のインクの種類や付与量に応じて、画質向上液の付与量を調整することが可能となる。
次に、再度図4を参照しながら、転写補助液の記録データの生成工程について説明する。ステップS613において、プリンタ制御部303は、ステップS608で作成された属性データ801と、画質向上設定工程で設定された設定値Dに基づいて転写補助液の記録データを作成する。既に説明したように転写補助液とは、転写体101から記録媒体108への転写を促すために付与される液体である。よって、インクが付与された領域は勿論、インクが付与されていなくても画質向上液が付与される画素には、転写補助液が付与されることが好ましい。
図9(a)〜(c)は、プリンタ制御部303が、図6の属性データ801に基づいてステップS613で生成する転写補助液用の記録データを、表2に示す各設定値のそれぞれについて示す図である。表2を参照するに、設定値D=000b、001b、010bのいずれかのとき、転写補助液用の記録データは図9(a)のようになる。設定値D=011bのとき、転写補助液用の記録データは図9(b)のようになる。設定値D=100bのとき、転写補助液用の記録データは図9(c)のようになる。
図9(a)〜(c)では、印刷メディア108を示す枠線を除く黒で示される領域に転写補助液を記録するとして図示している。
なお、転写補助液の記録データについても色データ701や属性データ801と同じ解像度(1200dpi)の同じ画素数で構成され、本実施形態では個々の画素値を記録(1)または非記録(0)を示す1bit2値とする。
図4のブロック図に戻る。ステップS613にて転写補助液用の記録データが生成されると、プリンタ制御部303はステップS614に進み転写補助液用の拡大処理を行う。上述したように、転写補助液は、インクが付与された領域は勿論、インクが付与されていなくても画質向上液が付与される画素も十分に含むように記録されることが好ましい。よって、転写補助液用の拡大処理は、画質向上液よりも拡大範囲を更に大きく設定する。具体的には、図8(b)に示す画質向上液の記録データにおいて記録(1)と設定された領域の更に外側の1画素領域も、転写補助液用の記録データでは記録(1)に設定する。
図8(c)は、ステップS613で記録(1)と設定された画素を黒で、ステップS614で非記録(0)から記録(1)に変更された画素を縦線で示している。図8(c)に示すように、転写補助液の記録領域を画質向上液の記録領域よりも更に大きく拡大しておけば、画質向上液とインクと転写補助液の記録領域のいずれがいずれの方向にずれても、画像オブジェクトの全域を画質向上液と転写補助液で覆うことができる。結果、様々な要因で引き起こる画像弊害への耐性(ロバスト性)を高めることができる。
なお、転写補助液についても拡大処理における拡大領域は図8(c)に示す幅に限定されるものではない。拡大の程度は、画質向上液と同様に、上記設定値とともに調製されても良い。
ステップS614による拡大処理が終了すると、プリンタ制御部303は、ステップS614で生成された2値データに従って、ヘッドドライバ409を介して、転写補助液付与装置111に備えられた液体吐出ヘッドを駆動する(S616)。結果、転写補助液が図9(a)〜(c)のいずれかに従って転写体101に付与される
なお、以上ではステップS613で生成する転写補助液用の記録データを2値としたが、この段階の記録データは、画質向上液と同様、色データと同じ多値(256値)とすることもできる。ただしこの場合は、色データと同様に、ステップS615のような量子化処理が必要となる。記録データを多値とすることで転写補助液についてもインクと同様に階調性を持たせ、画像オブジェクト内のインクの種類や付与量に応じて、その付与量を調整することができる。
以上説明した本実施形態によれば、インクとともにインク以外の作用を有する液体を併用して画像を記録する転写型のインクジェット記録装置において、オブジェクトに応じて、インクやインク以外の液体の付与量をそれぞれ好適に調整することができる。結果、画像内のオブジェクトそれぞれを、求められる品位で出力することが可能となる。
なお、以上では、ローラ状の転写体101と転写部材106とを当接させることによって画像を転写する形態について説明したが本発明のインクジェット記録装置はこのような形態に限定されるものではない。転写体については、例えばシート形状、ベルト形状、無端のウェブ形状など、他の形状とすることも出来る。いずれの形状または方式で画像を転写する場合であっても、所定の転写体に画像を記録し、当該画像をその後記録媒体に転写する形態であれば、本発明は有効に機能する。
また、以上では記録装置100とプリンタ制御部303とが一体化された、図3に示すようなシステムを本発明の画像処理装置として説明したが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。図4に示すブロック図の各工程を、記録装置100と一体化されたプリンタ制御部303が全て行う形態であっても良いし、記録装置100とは独立したホスト装置が行う形態であっても良い。いずれにしても、図4に示すブロック図の各工程を実行する装置またはシステム全体が、本発明の画像処理装置となる。
更に、上記実施形態の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100 インクジェット記録装置
101 転写体
104 インク付与装置
108 記録媒体
111 転写補助液付与装置
701 色データ
801 属性データ

Claims (12)

  1. インクを用いて転写体に形成された画像を記録媒体に転写することによって、前記記録媒体上に画像を記録するための画像処理装置であって、
    印刷データに基づいて、画素ごとの色データと属性データを生成する手段と、
    前記インクのための第1の記録データを、前記色データに基づいて生成する第1の記録データ生成手段と、
    前記画像の転写を補助する転写補助液のための第2の記録データを、前記属性データに基づいて生成する第2の記録データ生成手段と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記第1の記録データに従って前記転写体にインクを付与するインク付与手段と、
    前記第2の記録データに従って前記転写体に前記転写補助液を付与する転写補助液付与手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記第2の記録データ生成手段は、前記転写補助液を前記インクが付与される領域に重ねて付与する場合に、前記転写補助液を付与する領域が前記インクを付与する領域を含み且つ大きくなるように、前記第2の記録データを生成することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 前記画像の品位を向上させる画質向上液のための第3の記録データを、前記属性データに基づいて生成する手段を更に備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記第3の記録データ生成手段は、前記画質向上液を前記インクが付与される領域に重ねて付与する場合に、前記画質向上液を付与する領域が前記インクを付与する領域を含み且つ大きくなるように、前記第3の記録データを生成し、
    前記第2の記録データ生成手段は、前記転写補助液を付与する領域が前記画質向上液を付与する領域を含み且つ大きくなるように、前記第2の記録データを生成することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記インク付与手段および前記転写補助液付与手段は液体吐出ヘッドを用いて前記転写体に前記インクおよび前記転写補助液をそれぞれ付与することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  7. 転写体に記録された画像を記録媒体に転写することによって、前記記録媒体に画像を形成するための画像処理方法であって、
    印刷データを解析して、画素ごとの色データと属性データを生成する工程と、
    インクのための第1の記録データを、前記色データに基づいて生成する第1の記録データ生成工程と、
    前記画像の転写を補助する転写補助液のための第2の記録データを、前記属性データに基づいて生成する第2の記録データ生成工程と、
    を有することを特徴とする画像処理方法。
  8. 前記第1の記録データに従って前記転写体にインクを付与するインク付与工程と、
    前記第2の記録データに従って前記転写体に前記転写補助液を付与する転写補助液付与工程と、
    をさらに有することを特徴とする請求項7に記載の画像処理方法。
  9. 前記第2の記録データ生成工程は、前記転写補助液を前記インクが付与される領域に重ねて付与する場合に、前記転写補助液を付与する領域が前記インクを付与する領域を含み且つ大きくなるように、前記第2の記録データを生成することを特徴とする請求項7または8に記載の画像処理方法。
  10. 前記画像の品位を向上させる画質向上液のための第3の記録データを、前記属性データに基づいて生成する工程と、を更に有することを特徴とする請求項7ないし9のいずれか1項に記載の画像処理方法。
  11. 前記第3の記録データ生成工程は、前記画質向上液を前記インクが付与される領域に重ねて付与する場合に、前記画質向上液を付与する領域が前記インクを付与する領域を含み且つ大きくなるように、前記第3の記録データを生成し、
    前記第2の記録データ生成工程は、前記転写補助液を付与する領域が前記画質向上液を付与する領域を含み且つ大きくなるように、前記第2の記録データを生成することを特徴とする請求項10に記載の画像処理方法。
  12. 前記インク付与工程および前記転写補助液付与工程は液体吐出ヘッドを用いて前記転写体に前記インクおよび前記転写補助液をそれぞれ付与することを特徴とする請求項8に記載の画像処理方法。
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