以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
まず、図1〜図30を参照し、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、実施例1のパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
<パチンコ機の構造的構成>
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図5参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。
また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。枠ボタン22は、遊技者による操作指示(例えば、押下指示)を受け付けるボタンである。枠ボタン22の操作指示があった場合、パチンコ機10は、後述する第3図柄表示装置81の画面表示を変化させたり、出力音やランプ表示を変更したりすることによって、遊技者が遊技に積極的に参加できるようになっている。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。
下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口(始動口)64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図5参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110(図5参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その始動入賞に対して行われる抽選の結果に応じた図柄を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
本パチンコ機10では、第1入球口64への入球に対して行われる抽選において、大当たりか否かの当否判定を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、2R確変大当たり、時短大当たりが用意されている。LED37aには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「2R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「時短大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄(普通図柄)の当たり確率がアップして、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)が開放されやすくなることで、第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態を含む。
一方で、「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄(普通図柄)の当たり確率のみがアップして、第1入球口64に付随する電動役物が開放されやすくなることで、第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。
なお、第2図柄の当たり確率を変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物が開放する時間や、第2図柄における1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。例えば、低確率状態の時短状態や高確率状態は、第1入球口64に付随する電動役物の開放時間が、その他の遊技状態と比して長くなる状態であってもよい。また、低確率状態の時短状態や高確率状態は、第2図柄における1回の当たりで電動役物の開放する回数が、その他の遊技状態と比して多くなる状態であってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37における変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67の球の通過をトリガとして第2図柄(普通図柄)を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114(図5,16参照)によって表示内容が制御されることにより、遊技回演出の表示が行われる。遊技回演出とは、遊技回毎に行われる一連の演出をいい、入球口(始動口)に球が入球(始動入賞)することで開始され、本遊技回の抽選結果を表示手段に表示することで終了する演出である。遊技回演出においては、第3図柄表示装置81に停止している図柄を表示し、これを変動させた後に停止表示(確定表示)させる変動演出が主たる演出となっている。そして、遊技回演出は、変動演出の開始により開始され、変動演出の終了により終了する。変動演出においては、その開始時に、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示される変動表示(変動演出)が行われるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図であり、実際の表示画面を例示した図である。また、図4には、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とが、あわせて模式的に示してある。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、やかん、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図5参照)による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動演出が第3図柄表示装置81にて行われ、その変動演出が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率状態(確変状態)に移行する場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃う変動演出が行われる。一方、大当たり終了後に低確率状態に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」に相当)が揃う変動演出が行われる。
第3図柄表示装置81の表示画面は、大きく3つの領域に分割されている。1つは、変動表示領域Dmであり、1つは、演出表示領域Dbであり、もう1つは、保留表示領域Dsである。
変動表示領域Dmは、第3図柄が可変表示される変動演出が表示される領域である。変動表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、変動表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。従って、変動表示領域Dmには、3列×3段の計9個の第3図柄が表示される。
ここで、各図柄列Z1〜Z3の中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技(変動演出)に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示されて確定し変動演出が終了する。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば、大当たりとなって、大当たり演出が行われる。
演出表示領域Dbは、第3図柄の背面側や前面側にキャラクタや文字情報等を表示したり、演出表示領域Dbの一部又は全部に映像を挿入(カットイン)したりすることにより、変動表示領域Dmにて変動演出が行われている途中に種々の予告演出を表示したり、大当たり時に大当たり演出を表示したりするなど、各種の演出画像を表示する領域である。
ここで、予告演出とは、現在行われている遊技回演出においてリーチ発生や大当たりとなる期待度(信頼度)等を示唆する演出であり、例えば、遊技者に、リーチ発生となる期待度を示すリーチ予告演出や大当たり発生となる期待度を示す期待度アップ予告演出などがある。なお、予告演出で表示される画像の内容によって期待度が異なり、その高低は公表により遊技者に分かるようになっている。遊技者は、遊技回演出(変動演出)中に表示される予告演出を見ることによって、リーチ発生や大当たりとなる期待感を高めることができる。
パチンコ機10では、変動演出時間(変動演出の演出時間)の短い遊技回演出(変動演出)から変動演出時間の長い遊技回演出(変動演出)まで用意されており、予告演出は、変動演出時間が長いものほど多く実行されるように構成されている。それは、変動演出時間が長いと、停止表示されるまで遊技者が退屈してしまうおそれがあるからであり、予告演出を数多く実行することで、予告演出が表示される度に、遊技者に大当たりへの期待感を持たせることができる。よって、遊技者に対して、遊技への興趣を高めることができ、遊技を継続して行わせることができる。
また、本パチンコ機10では、一部の予告演出について、遊技者が遊技回演出(変動演出)の所定期間中に枠ボタン22を操作した場合に限り、第3図柄表示装置81の演出表示領域Dbの一部に期待度メータ160(図15参照)を表示する。期待度メータ160は、予告演出が実行された際に大当たりとなる期待度を、例えば、下端部を基点として垂直方向に高さ変動可能な棒状メータにより表示するものである。ここで、期待度とは、例えば所定の演出内容により特定の種類の対応演出が実行された場合に、その所定の演出内容が、大当たり結果となる遊技回において実行される確率と、大当たり結果とならない遊技回において実行される確率との関係で、実行された際にどの程度の確率で大当たり結果となるかを示すパラメータのことである。したがって、所定の演出内容の期待度が10%であれば、該所定の演出内容の実行された遊技回は10%の確率の大当たり結果に対応しており、所定の演出内容の期待度が90%であれば、該所定の演出内容の実行された遊技回は90%の確率の大当たり結果に対応していることになる。期待度メータ160の詳細については後述するが、これにより、遊技者は、予告演出が実行された際の期待度の高低を視認することができので、遊技者の関心を高めることができる。なお、演出表示領域Dbに表示される予告演出や期待度メータ160の詳細については、図13〜図15を参照して、後述する。
演出表示領域Dbには、また、演出のステージに合わせた背面画像が、キャラクタや文字情報の背面側に表示される。ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」,「空ステージ」,「島ステージ」の3つのステージが設けられている。そして、後述する第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる遊技回演出において、変動演出(第3図柄の変動表示(動的表示)を行う演出)やリーチ演出、予告演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。ステージの変更は、遊技回演出が行われていない期間に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入後の直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
保留表示領域Dsは、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域である。詳細については後述するが、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、保留表示領域Dsにおいても示される。
保留表示領域Dsには、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、保留表示領域Dsに1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、保留表示領域Dsに保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。遊技者は、保留表示領域Dsに表示された保留球数から、その時点で保留されている保留球の数を把握することができる。
尚、保留表示領域Dsにおける保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80、遊技盤13、又は前面枠12等に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が第2入球口67を通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第1入球口64が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。球の第2入球口67の通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67の通過は、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球(遊技球)が入球し得る第1入球口(始動入賞口)64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると、遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して、主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、また、第1図柄表示装置37や第3図柄表示装置81における変動演出が開始(始動)される。そして、所定の変動演出時間経過後に、変動演出が停止され、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示されると共に、その抽選結果に応じた第3図柄が第3図柄表示装置81(変動表示領域Dm)の有効ラインL1上に停止表示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球は最大4回まで保留される。そして、保留された球(保留球)に対応する変動演出は、その前に保留されていた保留球に対応する変動演出の終了後に行われるようになっている。上述した通り、保留された保留球の数(保留球数)は第1図柄表示装置37により示されると共に、保留表示領域Dsにおいても示される。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動演出時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110(主制御装置)、音声ランプ制御装置113(サブ制御装置S1)及び表示制御装置114(サブ制御装置S2)、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図5参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図5参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<パチンコ機の電気的構成>
次に、図5を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201は、8ビットマイコンで構成され、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などの各制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110から各制御装置への一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。ROM202は、これらの処理を制御するために用いられる固定値データとして、大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、大当たり用変動パターンテーブル202c、外れ用変動パターンテーブル202d及び予告パターンテーブル202eが少なくとも格納されている。また、RAM203には、パチンコ機10の主要な処理(大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選等)を制御するための各種カウンタが設けられている。
ここで、図6〜図8を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられる各種カウンタと、ROM202内に格納された各種テーブル202a〜202eについて説明する。まず、図6は、各種カウンタの概要を示す図である。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、予告パターン選択に使用する予告種別カウンタCA1とが用いられる。また、第2図柄表示装置83の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図17参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔、又は、メイン処理(図23参照)において4ミリ秒間隔で更新される。更に、一部のカウンタは、メイン処理(図23参照)の中でも不定期に更新される。各カウンタの更新値は、RAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファ203bに適宜格納される。カウンタ用バッファ203bは、更新された各カウンタの値を格納するための領域であり、MPU201は、カウンタ毎に、そのカウンタの更新タイミングで、カウンタ用バッファ203bに格納された値を用いて、そのカウンタの更新を行う。
RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア203cが設けられている。保留エリアは、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、カウンタ用バッファ203bから読み出された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を一時的に格納(保留)するためのエリアである。また、実行エリアは、変動の開始タイミングで大当たり抽選や変動演出の変動パターン及び停止図柄の種別の決定を行うために用いる、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3を格納するためのエリアである。
MPU201は、第1入球口64への入球(始動入賞)を検出すると、そのときのカウンタ用バッファ203bの第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、保留第1〜第4エリアの1つのエリアに格納する。このとき、保留エリアに保留が全くなく、保留第1〜第4エリアの全てが空きエリアとなっている場合は、保留第1エリアに各カウンタの値を格納する。保留エリアでの保留が1つのみで、保留第1エリアだけに各カウンタの値が格納されている場合は、保留第2エリアに各カウンタの値を格納する。保留エリアでの保留が2つで、保留第1〜第2エリアのみに各カウンタの値が格納されている場合は、保留第3エリアに各カウンタの値を格納する。保留エリアでの保留が3つで、保留第1〜第3エリアのみに各カウンタの値が格納されている場合は、保留第4エリアに各カウンタの値を格納する。これにより、始動入賞の順に、その始動入賞のタイミングでカウンタ用バッファ203bから取得した各カウンタの値を、保留第1エリア、保留第2エリア、保留第3エリア、保留第4エリアに格納することができる。尚、保留第1〜第4エリアの全てに各カウンタの値が格納されているときに始動入賞が検出された場合は、そのときの各カウンタの値は保留されずに破棄される。即ち、本実施形態では、最大で4つの始動入賞まで、各カウンタの値が保留可能に構成されている。
また、MPU201は、遊技回演出(変動演出)の開始タイミングになると、保留第1エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を実行エリアに移し、その実行エリアに格納された各カウンタの値に基づいて、大当たり抽選(大当たり種別)や、変動演出の変動パターン及び停止図柄の種別の決定、予告パターンの種別の決定が行われる。
また、保留第1エリアの各カウンタの値が実行エリアに移された後、保留第2エリアに格納された各カウンタの値が空いた保留第1エリアにシフトされ、保留第3エリアに格納された各カウンタの値が空いた保留第2エリアにシフトされ、保留第4エリアに格納された各カウンタの値が空いた保留第3エリアにシフトされる。これにより、保留球格納エリア203cに保留された各カウンタの値に基づいて遊技回演出(変動演出)が開始されると、1つ分だけ保留が減り、保留エリアの1エリアが開放される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、上述した通り、大当たりの抽選に使用するためのカウンタであり、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新される。第1当たり乱数カウンタC1の更新は、所定の範囲(例えば、0〜899)内で順に1ずつ加算し、最大値(例えば、0〜899の値を取り得るカウンタの場合は899)に達した後0に戻すことによって行われる。また、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合(ある初期値から定期的に更新が行われた結果、次の更新でその初期値に戻る場合)、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値を新たな初期値として、当該第1当たり乱数カウンタC1に設定し、その初期値から更新を行う。
第1初期値乱数カウンタCINI1は、上述した通り、第1当たり乱数カウンタC1の初期値に使用されるもので、その第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜899の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜899の範囲のループカウンタで構成される。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図17参照)の実行毎に1回更新されるだけでなく、メイン処理(図23参照)の残余時間内でも繰り返し更新される。
カウンタ用バッファ203bに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値は、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリア203cに格納される。そして、変動開始時に、その保留球格納エリア203cに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値。当たり値ともいう)か否かを判定して、大当たり抽選を行う。大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)は、主制御装置のROM202に格納される大当たり乱数テーブル202aによって設定されており、保留球格納エリア203c(保留球格納エリア203cの実行エリア)に格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たり乱数値と一致する場合に大当たりと判定する。
ここで、図7(a)を参照して大当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。図7(a)は、大当たり乱数テーブル202aを模式的に示した模式図である。大当たり乱数テーブル202aは、大当たりと判定される第1当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)を示したものである。この大当たり乱数テーブル202aは、遊技状態が低確率状態(即ち、確変中ではない期間)に参照される大当たり乱数値と、遊技状態が高確率状態(即ち、確変中)に参照される大当たり乱数値とに分かれて構成されており、それぞれに含まれる大当たり乱数値の数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の数を異ならせることにより、低確率状態と高確率状態とで、大当たりとなる確率が変更される。
本実施形態において、第1当たり乱数カウンタC1は、0〜899の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。また、低確率状態で大当たりとなる大当たり乱数値の数は3個で、その値「7,307,582」が、「低確率状態」に対応づけられて、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。一方、高確率状態で大当たりとなる大当たり乱数値の数は30個で、その値「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が、「高確率状態」に対応づけられて、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。
MPU201は、大当たりの判定を行う場合に、その時の遊技状態に合った大当たり乱数値を大当たり乱数テーブル202aから読み出す。そして、MPU201は、大当たりの判定に用いる第1当たり乱数カウンタC1(保留球格納エリア203cの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1)の値が、大当たり乱数テーブル202aから読み出した大当たり乱数値の一つと一致するか否かを判定し、一致する場合に大当たりと判定する。
つまり、遊技状態が低確率状態の場合は、第1当たり乱数カウンタC1の値が「7,307,582」のいずれか一つと一致する場合に大当たりとなる。第1当たり乱数カウンタC1は0〜899の範囲で更新されるので、低確率状態の場合の大当たり確率は、1/300となる。また、遊技状態が高確率状態の場合は、第1当たり乱数カウンタC1の値が「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」のいずれか一つと一致する場合に大当たりとなる。従って、高確率状態の場合の大当たり確率は、1/30となる。
尚、本実施形態では、低確率状態で大当たり乱数テーブル202aから読み出される大当たり乱数値と、高確率状態で大当たり乱数テーブル202aから読み出される大当たり乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たり乱数値を設定している。ここで、大当たり乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その値が外部より入力されて、不正に大当たりを引き当てられやすくなる恐れがある。これに対して、本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が高確率状態か低確率状態か、に応じて)、大当たりとなる乱数の値を変えることで、大当たりとなる乱数の値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
図6に戻り、RAM203に設けられた各種カウンタの説明を続ける。第1当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後に0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、第1当たり乱数カウンタC1と共に、RAM203の保留球格納エリア203cに設けられた保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアに格納される。
ここで、保留球格納エリア203c内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下、適宜、停止種別という)は、外れ時のものとなる。一方で、保留球格納エリア203c内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。この第1当たり種別カウンタC2とROM202に格納された大当たり種別テーブル202bとに基づいて、大当たり種別が決定される。
ここで、図7(b)を参照して、大当たり種別テーブル202bについて説明する。図7(b)は、大当たり種別テーブル202bの一例を模式的に示した図である。図7(b)に示すように、大当たり種別テーブル202bは、大当たり種別と第1当たり種別カウンタC2の値とを対応付けたテーブルである。
大当たり種別としては、上述したように、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する「15R確変大当たり」、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行すると共に、100変動回数の間は時短状態となる「15R通常大当たり」、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する「2R確変大当たり」がある。
大当たり種別テーブル202bでは、各大当たり種別に対して、その大当たり種別を決定する第1当たり種別カウンタC2の値が対応付けられている。図7(a)の例では、15R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「0〜39」が対応付けられ、15R通常大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「40〜79」が対応付けられ、2R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「80〜99」が対応付けられている。
第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が大当たり種別テーブル202bから決定される。例えば、第1当たり種別カウンタC2の値が「20」であれば、大当たり種別として「15R確変大当たり」が決定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「60」であれば、大当たり種別として「15R通常大当たり」が決定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「90」であれば、大当たり種別として「2R確変大当たり」が決定される。
このように、本実施形態では、大当たりとなる場合に40%の確率で15R確変大当たりが選択され、40%の確率で15R通常大当たりが選択され、20%の確率で2R確変大当たりが選択される。なお、大当たりとなった場合にそれぞれの大当たり種別が選択される確率は、機種によって適宜設定される。そして、その設定された確率に応じて、大当たり種別テーブル202bにて、各大当たり種別に対して対応付けられる第1当たり種別カウンタC2の値が規定される。
図6に戻って、各種カウンタの説明を続ける。停止パターン選択カウンタC3は、外れとなった場合の停止図柄の種別を決定するものであり、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択される。本実施形態において選択される停止種別としては、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチが発生しない「完全外れ」との3つの停止(演出)パターンがある。
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア203cに設けられた保留第1〜第4エリアのうちいずれかの保留エリアに格納される。ここで、保留球格納エリア203c内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、変動演出における停止種別は、外れ時のものとなる。この場合、その外れ時の停止種別は、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて決定される。
本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3に対応して、停止種別の選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブル(図示せず)がROM202に設けられている。これは、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99、「前後外れ以外リーチ」が90〜97と、「前後外れリーチ」及び「前後外れ以外リーチ」に対応した乱数値の範囲が狭く、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。
また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。尚、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、遊技回演出における変動演出の変動パターンの決定に用いるためのループカウンタであり、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1の値は、後述するタイマ割込処理(図17参照)が1回実行される毎に1回更新され、メイン処理(図23参照)内の残余時間内でも繰り返し更新される。
MPU201は、遊技回演出(変動演出)開始時に、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値を読み出し、ROM202に格納された変動パターンテーブルを参照して、遊技回演出において変動演出として実行すべき変動パターンを決定する。ここで決定される変動パターンは、遊技回演出における図柄変動の変動演出の時間(変動演出時間)である。なお、主制御装置110で決定された変動パターン(変動演出時間)に基づいて、音声ランプ制御装置113(サブ制御装置S1)により、所謂ノーマルリーチ、スーパーリーチ等、第3図柄のリーチ種別を含む変動態様が設定される。つまり、主制御装置110では、変動パターンを決定する処理として、変動演出時間のみを決定し、遊技回演出における変動態様の詳細については、音声ランプ制御装置113(サブ制御装置S1)により決定され、表示制御装置114(サブ制御装置S2)によって設定される。
本実施形態では、変動種別カウンタCS1の値に応じて変動パターン(変動演出時間)を決定するために用いられる変動パターンテーブルとして、大当たり時に用いられる大当たり用変動パターンテーブル202cと、外れ時に用いられる外れ用変動パターンテーブル202dとが用意されている。また、外れ用変動パターンテーブル202dとして、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態であるか、もしくは、時短状態を除く通常時の低確率状態かに応じて、外れ(確変)用変動パターンテーブル202d2および外れ(通常)用変動パターンテーブル202d1が用意されている。
ここで、図7(c)〜(e)を参照して、各種変動パターンの詳細について説明する。まず、図7(c)は、ROM202に記憶される大当たり用変動パターンテーブル202cの一例を模式的に示した図である。図7(c)に示すように、大当たり用変動パターンテーブル202cは、大当たり種別に基づいてグループ(群)に区分けされている。具体的には、大当たり種別が15R確変大当たり又は15R通常大当たりである場合に参照される15R大当たり共通と、2R確変大当たりである場合に参照される2R確変大当たり専用とに区分けされている。そして、区分けされた各グループに対して、それぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。
変動開始時において、実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数値であった場合に、その実行エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別に応じて、実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、大当たり用変動テーブル202cから決定される。
15R大当たり共通には、変動パターンとして、変動演出時間が35秒の変動Aと、変動演出時間が60秒の変動Bとがある。これら変動A,Bと変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動Aが0〜39、変動Bが40〜198となっている。
変動パターンとして変動A(35秒)が選択されると、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114(以下、適宜、音声ランプ制御装置113等という)の制御により、ノーマルリーチの態様で変動演出表示が行われる。変動パターンとして変動B(60秒)が選択されると、音声ランプ制御装置113等の制御により、スーパーリーチの態様で変動演出が行われる。なお、変動A(35秒)及び変動B(60秒)については、遊技回演出中に所定のタイミングで期待度アップ予告演出を実行するための期待度アップ予告演出枠が設けられており、遊技回演出の最終段階においては、リーチ状態発生に対応して遊技者の気持ちを煽るための煽り演出を行うように構成されているが、その詳細については後述する。なお、期待度アップ予告演出、煽り演出については、後述する演出態様に限らず、演出内容が異なるものが多数用意されている。
ノーマルリーチは、変動演出時間が短いリーチであり、その短いリーチの後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(所謂、ビタ止まりで図柄が揃う)変動パターンである。また、スーパーリーチは、ノーマルリーチより長い変動演出時間のリーチ後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(例えば、ロングリーチやノーマルリーチから発展するリーチなど)変動パターンである。15R大当たり共通のテーブルは、それが選択されるのが15R確変大当たり又は15R通常大当たりの場合であるので、遊技者に期待感を持たせるために、スーパーリーチが選択され易くなっている。ただし、ノーマルリーチも選択されるように構成することで、どのリーチからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できるようになっている。
なお、音声ランプ制御装置113等により実行されるノーマルリーチやスーパーリーチ等の変動演出は、同じ変動演出時間(変動パターン)であっても、演出内容が異なるものが多数用意されている。例えば、何らキャラクタが表示されない通常のリーチに加え、有効ラインL1上の2つの図柄が同一図柄となってリーチ状態となる以前に、所定のキャラクタや文字情報を1回又は複数回表示するなどして、リーチ発生の期待度をアップさせるリーチ予告演出を行うリーチが用意されている。また、この場合に表示されるキャラクタも様々なものが用意されている。更に、背面画像を速く変化させて表示するリーチや、変動開始前の予告演出が付加されるリーチ、再変動で大当たりとなる演出が付加されるリーチなど、演出内容が異なる複数のリーチが用意されている。これにより、多彩な変動演出を実行でき、遊技者の興趣を高めることができる。
また、音声ランプ制御装置113等により実行される遊技回演出は、同じ変動パターンであっても、大当たり発生の期待度をアップさせる期待度アップ予告演出が全く行われないものから複数回行われるものまで多数用意されている。期待度アップ予告演出は、大当たりとなる期待度の高低によりランク分けされており、同じランクであっても、種々のキャラクタや文字情報が表示されるもの、背景変化やカットインにより画像が変わるもの等、演出内容が異なるものが多数用意されている。よって、多彩な遊技回演出を実現でき、遊技者の興趣を高めることができる。
次いで、2R確変大当たり専用で選択される変動パターンは、変動演出時間が31秒の2R変動のみで、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは0〜198となっている。即ち、大当たり種別が2R確変大当たりである場合は、変動種別カウンタCS1の値に関係なく、2R変動(31秒)が変動パターンとして決定される。
変動パターンとして、2R変動(31秒)が選択されると、音声ランプ制御装置113等の制御により、複数用意された2R確変大当たり専用の変動態様の中から1の態様が選択され、その選択された態様で変動演出が行われる。2R確変大当たり専用の変動態様としては、例えば、「ニワトリ」のキャラクタと共に、最終的な第1図柄(又は第3図柄)が特定の図柄で停止する変動態様や、通常では出現しない「女の子」のキャラクタと共に、最終的な第1図柄(又は第3図柄)が特定の図柄で停止する変動態様などが含まれる。
なお、大当たり時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して決定するものとしたが、他の複数の変動種別カウンタを使用して決定するように構成しても良い。例えば、変動演出時間を±数秒程度で微調整するための他の変動種別カウンタを設けてもよいし、遊技回演出において、大当たりやリーチ演出の開始を予告する予告演出を変動演出開始前や変動演出中に付加するか否かを、他の変動種別カウンタにより決定するようにしてもよい。
図7(d)は、ROM202に記憶される外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1の一例を模式的に示した図である。図7(d)に示すように、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1は、外れ時の停止種別として完全外れが決定された場合に参照される完全外れ専用、前後外れリーチ及び前後外れ以外リーチが決定された場合に参照されるリーチ共通と、外れ時の停止種別に基づいてグループ(群)に区分けされており、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。変動開始時に、実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値(大当たり乱数値)ではない、即ち、外れとなる値であった場合に、遊技状態が時短状態を除く通常時の低確率状態にあるときは、実行エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に対応する停止種別に応じて、その実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、外れ用(通常)変動パターンテーブル202dから決定される。
完全外れ専用には、変動パターンとして、7秒と短時間で変動が終了してリーチも成立しない変動Dと、10秒と変動Dより長い変動演出時間となるがリーチが成立しない変動Eとがあり、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動D(7秒)が0〜149、変動E(10秒)が150〜198となっている。また、リーチ共通には、変動パターンとして、上述した変動A(35秒)および変動B(60秒)があり、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動A(35秒)が0〜197、変動B(60秒)が198となっている。
図7(e)は、ROM202に記憶される外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2の一例を模式的に示した図である。図7(e)に示すように、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2は、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と同様に、外れ時の停止種別として完全外れが決定された場合に参照される完全外れ専用と、外れ時の停止種別として前後外れリーチ及び前後外れ以外リーチが決定された場合に参照されるリーチ共通とに区分けされている。そして、区分けされたグループ毎に、それぞれのグループで選択される変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応づけられている。なお、完全外れ専用が参照される場合に選択される変動パターンは、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と同様に、変動D(7秒)および変動E(10秒)である。また、リーチ共通が参照される場合に選択される変動パターンも、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と同様に、変動A(35秒)及び変動B(60秒)である。
実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとならない値、即ち、外れとなる値であった場合に、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にあるときは、実行エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に対応する停止種別に応じて、その実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2から決定される。
この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2において、完全外れ専用における変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動D(7秒)が0〜190、変動E(10秒)が191〜198となっている。また、リーチ共通における変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動A(35秒)が0〜197、変動Bが198となっている。
外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2は、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にあるときに参照されるテーブルであるので、第1入球口64に球が入球し易い状態となる。よって、時短状態または高確率状態にあるときに、変動演出時間の比較的長い変動Eが多く行われると、次の変動表示の開始まで時間がかかり、遊技者に待ちの状態を与えてしまって、遊技者に不快感を与える可能性がある。また、ホールとしても稼働率が低下して好ましくない。そこで、完全外れの場合において、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にあるときは、遊技状態が時短状態を除く通常状態にあるときよりも、変動Eより変動演出時間の短い変動Dが選択され易いように構成し、次の変動表示の開始を早期に行うことで、遊技者に不快感を与える可能性を低下できる。また、稼働率が極端に低下することも抑制できる。
なお、外れ時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して選択するものとしたが、複数の変動種別カウンタを併用して選択(リーチ予告演出などの予告表示の有無等を選択)しても良い。また、外れ時においてリーチが成立した場合に、最後に停止する第1図柄(又は第3図柄)を何図柄ずらして停止させるか(例えば、1図柄ずれた前後外れ等)を他の変動種別カウンタにより決定しても良い。
また、外れ種別の選択を、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2とに分けるように構成したが、遊技状態が通常中であっても、保留球が複数(例えば、最大4個であれば3個以上)の場合は、早期に変動表示を終了しても良いので、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2を参照して選択するものとしても良いし、保留球数に対応した通常用又は確変用の変動パターンテーブルを用意するように構成しても良い。
さらに、図7(d)及び図7(e)に示す各外れ用の変動パターンテーブルで、変動D及び変動Eを単に外れとし、その外れが選択された場合に、他のテーブルを参照して、変動Dと変動Eとを所定の確率で選択するように構成しても良い。勿論、この場合も、保留球数に対応したテーブルをそれぞれ用意しても良い。
<予告種別カウンタCA1>
図6に戻り、RAM203に設けられた各種カウンタの説明を続ける。予告種別カウンタCA1は、予告パターンの決定に用いるためのループカウンタであり、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。予告種別カウンタCA1の値は、後述するタイマ割込処理(図17参照)が1回実行される毎に1回更新され、メイン処理(図23参照)内の残余時間内でも繰り返し更新される。
MPU201は、上述のようにして決定した変動パターンが期待度アップ予告演出枠を有するものである場合(本実施例においては変動Aと変動Bが該当)には、遊技回演出(変動演出)開始時に、RAM203のカウンタ用バッファ203bに格納された予告種別カウンタCA1の値を読み出し、ROM202に格納された予告パターンテーブル202eを参照して、遊技回演出において実行する予告パターンを決定する。ここで決定された予告パターンに基づいて、音声ランプ制御装置113が、各予告演出枠で実行する予告演出の期待度ランクを決定し、決定した期待度ランクに基づいて、各予告演出枠で実行する予告態様(詳細予告態様)を決定する。なお、期待度ランクとは、各予告演出枠において実施される詳細予告態様における相対的な期待度の位置付けを示すものである。また、MPU201は、選択された予告パターンに基づいて、適宜、変動パターンの選択により決定された変動演出時間を調整する。なお、本実施例においては、主制御装置110のMPU201は変動演出時間そのものを調整するが、音声ランプ制御装置113のMPU221は煽り演出の演出時間(具体的には煽り演出中に行われるキワ煽り演出の演出時間)を調整することにより、主制御装置110の調整後の長さと同じ時間となるように変動演出時間が調整される。
<予告パターンテーブル202e>
さて、本実施形態では、予告種別カウンタCA1の値に応じて予告パターン(以下、適宜予告パターン種別又は予告種別ともいう)及び変動演出時間の調整の要否を決定するために用いられる予告パターンテーブルとして、変動Aが選択された場合に用いられる変動A用予告パターンテーブル202e1と、変動Bが選択された場合に用いられる変動B用予告パターンテーブル202e2とが用意されている。
ここで、図8を参照して、各種予告パターンの詳細について説明する。まず、図8はROM202に記憶される予告パターンテーブルの一例を模式的に示した図であり、(a)は、変動Aが選択された場合の変動A用予告パターンテーブル202e1、(b)は変動Bが選択された場合の変動B用予告パターンテーブル202e2である。
図8(a)に示すように、変動A用予告パターンテーブル202e1は、変動開始時において、実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数値であるか否かに基づいてグループ(群)に区分けされている。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数値である場合に参照される大当たり用と、第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数値でない場合に参照される外れ用とに区分けされている。そして、区分けされた各グループに対して、それぞれ予告種別カウンタCA1の値が対応付けされている。
大当たり用には、予告種別として、予告パターンa〜予告パターンcのいずれかが対応付けられている。これらの予告パターンと予告種別カウンタCA1の値との対応付けは、予告パターンaが0〜9、予告パターンbが10〜39、予告パターンcが40〜99となっている。外れ用には、予告種別として、予告パターンa〜予告パターンcのいずれかが対応付けられている。これらの予告パターンと予告種別カウンタCA1の値との対応付けは、予告パターンaが0〜49、予告パターンbが50〜89、予告パターンcが90〜99となっている。
図8(b)に示すように、変動B用予告パターンテーブル202e2は、変動開始時において、実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数値であるか否かに基づいてグループ(群)に区分けされている。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数値である場合に参照される大当たり用と、第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数値でない場合に参照される外れ用とに区分けされている。そして、区分けされた各グループに対して、それぞれ予告種別カウンタCA1の値が対応付けされている。
大当たり用には、予告種別として、予告パターンa〜予告パターンeのいずれかが対応付けられている。これらの予告パターンと予告種別カウンタCA1の値との対応付けは、予告パターンaが0〜9、予告パターンbが10〜29、予告パターンcが30〜49、予告パターンdが50〜95、予告パターンeが96〜99となっている。外れ用には、予告種別として、予告パターンa〜予告パターンcのいずれかが対応付けられている。これらの予告パターンと予告種別カウンタCA1の値との対応付けは、予告パターンaが0〜49、予告パターンbが50〜89、予告パターンcが90〜99となっている。
このように予告パターンテーブル202e1,202e2では、抽選結果が大当たりとなる場合には、抽選結果が外れとなる場合に比べて、期待度アップ予告演出枠において実行される期待度アップ予告演出として、期待度ランクが高いものが高確率に選択されるように設定されている。また、変動パターンが変動Bである場合の方が、変動Aである場合に比べて、期待度アップ予告演出枠において実行される期待度アップ予告演出として、期待度ランクが高いものが高確率に選択されるように設定されている。
また、図8の予告パターンテーブル202e1,202e2に示すように、予告パターン種別と変動演出時間の調整の要否とは対応しており、変動演出時間の調整(本実施例においては、短縮調整)が行われるのは、予告パターンa及び予告パターンbが選択された場合であり、変動演出時間の調整が行われないのは、予告パターンc〜予告パターンeが選択された場合となっている。なお、MPU201は、選択された変動パターンが期待度アップ予告演出枠を有する変動パターン(変動A又は変動B)である場合にのみ、予告パターンを参照して変動演出時間調整処理(図19のS1309)を行う。また、後述する期待度ランクテーブル222b(図9参照)において、変動演出時間を短く調整する予告パターン(予告パターンa,b)が選択された際には、期待度アップ予告演出枠において期待度の低い(本実施例では期待度ランク0〜2)期待度アップ予告演出が実行されるように設定されている。
このように、主制御装置110では、予告パターンを決定する処理において、予告パターン種別と変動演出時間の調整の要否とを決定し、変動演出時間の調整が必要な場合には変動パターンの選択により決定された変動演出時間を変更する処理を行う(図19のS1309参照)。つまり、本実施例の遊技機10においては、主制御装置110のMPU201は、選択した変動パターンが期待度アップ予告演出枠を有する変動パターン(変動A又は変動B)以外である場合には、変動パターンに基づいて変動演出時間を決定するが、選択した変動パターンが期待度アップ予告演出枠を有する変動パターン(変動A又は変動B)である場合には、変動パターンと予告パターンとに基づいて変動演出時間を決定するように構成されている。
また、主制御装置110は、決定した予告パターン種別のみを予告パターンコマンドとして音声ランプ制御装置113に通知し、音声ランプ制御装置113は通知された予告パターン種別(予告パターンa〜eのいずれか)により、変動演出時間の調整の要否を主制御装置110のMPU201とは別の処理(図28のS2108参照)において判定する。また、音声ランプ制御装置113等は、通知された予告パターン種別により期待度アップ予告演出枠の予告態様の詳細を決定する(図28参照)。なお、音声ランプ制御装置113が行う、変動演出時間の調整の要否の判定と、期待度アップ予告演出枠の予告態様の決定する処理の詳細については、後述する。
なお、予告パターンを予告種別カウンタCA1のみを使用して決定するものとしたが、他の複数の予告種別カウンタを使用して決定するように構成しても良い。例えば、大当たりやリーチ演出の開始を予告する予告演出(大当たり予告演出やリーチ予告演出)を変動開始前や変動演出中に付加するか否かを、他の予告種別カウンタにより決定するようにしてもよい。
このようにパチンコ機10において、主制御装置110では、変動パターンに関しては図柄変動の変動演出時間のみを、予告パターンに関しては予告種別及び変動演出時間の調整の要否のみを決定する。
一方、具体的な遊技回演出(変動演出・期待度アップ予告演出など)の詳細な演出態様は、音声ランプ制御装置113によって決定される。即ち、音声ランプ制御装置113が、変動種別カウンタCS1により決定された変動パターン(変動演出時間)に基づいて、その変動演出時間で変動表示が可能な多数の変動態様の中から、第3図柄表示装置81で表示させる第3図柄の変動態様の詳細を決定する。
また、変動種別カウンタCS1により決定された変動パターン(変動演出時間)が期待度アップ予告演出枠を有するもの(本実施例では変動Aと変動B)である場合、つまり、変動演出時間が、期待度アップ予告演出枠を有する変動演出時間数(本実施例では、35秒と60秒)に該当する場合には、音声ランプ制御装置113は、予告種別カウンタCA1により決定された予告パターンと後述する期待度ランクテーブル222bとに基づいて各期待度アップ予告演出枠において行う予告演出の期待度ランクを決定し、該期待度ランクに該当する多数の期待度アップ予告演出の中から、第3図柄表示装置81で表示させる期待度アップ予告演出の演出態様の詳細を決定する。
さらに、変動種別カウンタCS1により決定された変動パターン(変動演出時間)が期待度アップ予告演出枠を有するもの(本実施例では変動Aと変動B)であり、予告種別カウンタCA1により決定された予告パターンが変動演出時間の調整を行う所定のもの(本実施例では、予告パターンaと予告パターンb)であれば、音声ランプ制御装置113は、変動種別カウンタCS1により決定された変動演出時間を調整する処理を行う。なお、詳細は後述するが、本実施例においては、期待度アップ予告演出が期待度の低いものである場合に煽り演出時間を短縮する調整を行うように構成しているが、これとは逆に、予め煽り演出時間を短く設定しておき、期待度アップ予告演出が期待度の高いものである場合に煽り演出時間を延長して変動演出時間を調整するように構成してもよいことは勿論である。
音声ランプ制御装置113は、このようにして、第3図柄表示装置81で表示させる遊技回演出の詳細を決定する。そして、決定した遊技回演出の詳細に従って、表示制御装置114により、第3図柄表示装置81に図柄変動や期待度アップ予告などを表示させる。また、音声ランプ制御装置113は、その図柄変動や期待度アップ予告などの表示に合わせて音声出力装置226から音声を出力させると共に、ランプ表示装置227(電飾部29〜33)のランプを点灯・点滅表示させる。
このように、本パチンコ機10の主制御装置110では、停止種別のほかに、変動パターン(変動演出時間)や予告パターン(予告種別及び変動演出時間の調整の要否)を決定する処理を行い、遊技回演出の演出態様の概要のみを決定し、詳細については音声ランプ制御装置113にて決定する。主制御装置110のMPU201は8ビットマイコンで構成されており、複雑な処理を行うことはできないが、遊技回演出の演出態様を決定する際に主制御装置110では演出態様の概要のみを決定するように構成することで、主制御装置110にて演出態様の詳細まで決定する場合と比して、主制御装置110の決定処理を簡単に行うことができる。また、主制御装置110にて演出態様の詳細を決定した場合、その決定した演出態様の詳細情報を音声ランプ制御装置113等に通知しなければならず、その通知に必要となるコマンドを例えば3バイト以上で構成しなければならなくなる恐れが生じ、コマンドの送信や受信が複雑となるおそれがある。これに対し、本実施形態では、主制御装置110で変動パターン及び予告パターンのみを決定するように構成されているので、音声ランプ制御装置113に対して、その決定した変動パターンの種別や予告パターンの種別に関する情報のみを通知すればよく、その通知に係るコマンドの構成を簡易にすることができる。よって、コマンドの送受信が複雑になることを抑制できる。
特に、本実施例の遊技機では、主制御装置110においては予告パターンテーブル202e(図5及び図8参照)により、また、音声ランプ制御装置113においては期待度ランクテーブル222b(図5及び図9参照)により、それぞれ予告種別カウンタCA1により決定される予告パターンの種別に対応して、変動演出時間の調整の要否が定められている。よって、主制御装置110は予告パターンの種別のみを音声ランプ制御装置113に通知することにより、音声ランプ制御装置113が変動演出時間の調整の要否を判別することができる。
また、音声ランプ制御装置113は、多くの変動演出態様の中から指定された変動演出時間に応じた詳細変動パターンを決定し、さらに必要に応じて、多くの期待度アップ予告演出態様の中から期待度アップ予告演出の詳細予告態様を決定するとともに、変動演出時間の調整の要否を決定する。そして、これらの決定に基づいた遊技回演出の演出態様を表示制御装置114に通知する。この通知に基づいて、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81に遊技回演出の表示を行うように構成されている。よって、多彩な遊技回演出を遊技者に示すことができ、遊技者の興趣向上を図ることができる。また、主制御装置110から通知された予告パターンの種別が、期待度の低い期待度アップ予告演出が連続して実行されるなどの所定のものである場合(本実施例においては、予告パターン種別が予告パターンa又は予告パターンbである場合)には、主制御装置110及び音声ランプ制御装置113等により、変動演出時間を適宜短縮する構成としているので、遊技者の遊技への興趣をそいでしまう虞を減ずることができる。
再び、図6に戻って各種カウンタの説明を行う。第2当たり乱数カウンタC4は、上述した通り、第2図柄表示装置83の抽選に用いられるもので、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合(ある初期値から定期的に更新が行われた結果、次の更新でその初期値に戻る場合)、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図17参照)毎に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」となっている。即ち、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜153」の範囲にある場合に当選と判定され、第2図柄表示装置83に停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が所定時間だけ開放される。なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図17参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図23参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
以上の通り、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図5に戻り、説明を続ける。RAM203は、図6に図示した各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ203b及び保留球格納エリア203cのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図23参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図22参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図21参照)が即座に実行される。
RAM203は、更に、保留球数カウンタ203aを少なくとも有している。保留球数カウンタ203aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この保留球数カウンタ203aは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球されて変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図20のS1403参照)。一方、保留球数カウンタ203aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づく変動表示が実行される毎に、1減算される(図18のS1205参照)。
この保留球数カウンタ203aの値(即ち、保留球数)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図20のS1406参照)。保留球数コマンドは、第1入球口64へ入球されて保留球数カウンタ203aが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、保留球数カウンタ203aが1加算される毎に主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
尚、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の保留表示領域Dsに保留球数図柄を表示する。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図21参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
ROM222は、詳細変動パターンテーブル222a、期待度ランクテーブル222b及び詳細予告態様テーブル222cを少なくとも有し、RAM223は、保留球数カウンタ223a、詳細変動パターンカウンタ223b、詳細予告態様カウンタ223c及び枠ボタン操作フラグ223dを少なくとも有している。ここでは、まず、保留球数カウンタ223aについて説明し、次いで、詳細変動パターンカウンタ223b及び詳細変動パターンテーブル222aについて説明する。その後、詳細予告態様カウンタ223c、期待度ランクテーブル222b及び詳細予告態様テーブル222c、枠ボタン操作フラグ223dの順に説明する。
<保留球数カウンタ>
保留球数カウンタ223aは、主制御装置110の保留球数カウンタ203aと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている保留球数カウンタ203aの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信されるコマンドに基づいて保留球数をカウントし、保留球数カウンタ223aにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、音声ランプ制御装置113は、第1入球口64への入球によって変動演出の保留球数が追加され、主制御装置110において保留球数カウンタ203aの値が加算された場合に主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドに含まれる、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの加算後の値(即ち、主制御装置110に保留された変動演出の保留球数)を保留球数カウンタ223aに格納する(図27のS2009参照)。
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において保留球数カウンタ203aの値が減算される場合に主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信し、その受信に伴って第3図柄表示装置81における変動表示の態様を設定すると、保留球数カウンタ223aの値を1減算する(図28のS2112参照)。このように、主制御装置110より送信されるコマンドに従って、保留球数カウンタ223aの値を更新するので、主制御装置110の保留球数カウンタ203aと同期させながら、その値を更新することができる。
保留球数カウンタ223aの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じてそのコマンドにより示される保留球数を保留球数カウンタ223aに格納したり、変動パターンコマンドの受信に応じて保留球数カウンタ223aの値を更新したりするタイミングで、格納後もしくは更新後の保留球数カウンタ223aの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の保留表示領域Dsに表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、保留球数カウンタ223aは、主制御装置110の保留カウンタ403aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の保留表示領域Dsに表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の保留カウンタ403aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
<詳細変動パターンカウンタ及び詳細変動パターンテーブル>
詳細変動パターンカウンタ223b及び詳細変動パターンテーブル222aは、主制御装置110から変動パターンコマンドによって通知された変動パターンの種別(以下、適宜、変動パターン種別又は変動種別ともいう)に基づき、これから開始する変動演出の変動態様(詳細な変動パターン)を決定するためのカウンタ及びテーブルである。
本実施形態では、主制御装置110から変動パターンコマンドによって変動A(変動演出時間35秒)が指示された場合に決定される詳細な変動パターン(以下、適宜、詳細変動パターンという)として、35秒の変動演出時間の間に何らキャラクタが表示されない通常のノーマルリーチに加え、所定のキャラクタが変動中に表示されるノーマルリーチが複数用意されている。このノーマルリーチの中には、1の遊技回演出(変動演出)中に期待度アップ予告演出等の予告演出を複数回行う詳細変動パターンが含まれている。
また、変動B(変動演出時間60秒)が指示された場合に決定される詳細な変動パターンとして、60秒の変動演出時間の間に所定のキャラクタが表示されたり、背面画像が速く変化して表示されたりする等の複数のスーパーリーチが用意されている。このスーパーリーチの中には、1の遊技回演出(変動演出)中に期待度アップ予告演出等の予告演出をノーマルリーチの場合よりも多く行う詳細変動パターンが含まれている。
また、2R変動(変動演出時間31秒)が指示された場合に決定される詳細な変動パターンとして、変動演出時間が31秒の2R確変大当たり専用の変動態様が複数用意されている。
詳細変動パターンカウンタ223b及び詳細変動パターンテーブル222aは、主制御装置110から変動パターンコマンドと停止種別コマンドとを受信した場合に、その変動パターンコマンドによって通知された変動パターンに対して用意された複数の詳細変動パターンの中から、その変動パターンコマンドに対してこれから実行する変動演出の詳細変動パターンを1つ決定するために用いられる。
詳細変動パターンカウンタ223bは、定期的に(本実施形態ではメイン処理(図25参照)の中で1ms毎に実行されるS1912の処理にて)更新される。詳細変動パターンカウンタ223bはループカウンタにて構成され、その更新は、所定の範囲(本実施形態では、0〜99)内で順に1ずつ加算し、最大値(99)に達した後0に戻すことによって行われる。また、電源立ち上げ時に実行される立ち上げ処理(図24参照)において実行されるRAMの初期値設定処理(S1810)にて、初期値「0」が設定される。
詳細変動パターンテーブル222aには、主制御装置110より通知される変動パターン(変動A,変動B,2R変動)毎に、それぞれの変動パターンに対して用意されている各種の詳細変動パターンに対応づけて、詳細変動パターンカウンタ223bの値が定められている。また、詳細変動パターンと、詳細変動パターンカウンタ223bの値との対応付けは、その変動演出において確定表示される図柄が「大当たり」か「外れ」かによって、変動パターン(変動A,変動B,2R変動)毎に別々に対応付けされている。
MPU221は、主制御装置110から変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを受信すると、そのときの詳細変動パターンカウンタ223bの値をRAM223から読み出す。そして、受信した停止種別コマンドにより通知された変動種別から大当たりと判別される場合は、受信した変動パターンコマンドにより通知された変動パターンの「大当たり」において、RAM223より読み出した詳細変動パターンカウンタ223bの値に対応付けられた詳細変動パターンを、詳細変動パターンテーブル222aから特定する。また、受信した停止種別コマンドにより通知された変動種別から外れと判別される場合は、受信した変動パターンコマンドにより通知された変動パターンの「外れ」において、RAM223より読み出した詳細変動パターンカウンタ223bの値に対応付けられた詳細変動パターンを、詳細変動パターンテーブル222aから特定する。
MPU221は、この決定した詳細変動パターンに基づいて、音声出力装置226やランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114に対して、決定した詳細変動パターンを表示用遊技回演出コマンドにより通知する。そして、表示制御装置114では、この表示用遊技回演出コマンドにより通知された詳細変動パターンに基づいて、第3図柄表示装置81の変動表示を制御する。これにより、音声出力装置226、ランプ表示装置227、第3図柄表示装置81によって、その決定された詳細変動パターンによる変動演出が行われる。
尚、主制御装置110から変動パターンコマンドにより変動D(変動演出時間7秒)が指示された場合は、7秒の変動演出時間が経過後に完全外れとなる態様の詳細変動パターンが1つ用意されている。変動E(変動演出時間10秒)が指示された場合は、10秒の変動演出時間が経過後に完全外れとなる態様の詳細変動パターンが1つ用意されている。
よって、主制御装置110から変動D又は変動Eが指示された場合は、MPU221は、詳細変動パターンカウンタ223aの値に関わらず、それぞれに対応して用意された詳細変動パターンを決定し、それに基づいて、音声出力装置226やランプ表示装置227を制御したり、その詳細変動パターンを表示用遊技回演出コマンドによって表示制御装置114へ通知したりする。
<予告態様の決定>
なお、主制御装置110から変動パターンコマンドによって変動A又は変動Bが指示された場合には、音声ランプ制御装置113のMPU221は、遊技回演出(変動演出)中に行われる期待度アップ予告演出の予告態様を決定し実行する制御を行う。以下、期待度アップ予告演出の予告態様決定の詳細について説明する。
詳細予告態様カウンタ223c、期待度ランクテーブル222b及び詳細予告態様テーブル222cは、音声ランプ制御装置113が、主制御装置110から予告パターンコマンドによって通知された予告パターン種別に基づき、遊技回演出において実行する期待度アップ予告演出の詳細な予告パターン(詳細予告態様)を決定するためのカウンタ及びテーブルである。また、期待度ランクテーブル222bは、予告パターンコマンドによって通知された予告パターン種別に基づいて、変動演出時間を調整(短縮)する処理を行うか否かを判定する際にも用いられる。なお、この音声ランプ制御装置113により実行される変動演出時間を調整(短縮)する処理とは、具体的には煽り演出の演出時間(詳細には煽り演出中に行われるキワ煽り演出の演出時間)を調整する処理(図28のS2108参照)であり、ここで調整(短縮)される時間は、主制御装置110により実行される変動演出時間調整処理(図19のS1309)において調整(短縮)される時間と同じ長さである。このような構成とすることにより、主制御装置110及び音声ランプ制御装置113における変動演出時間の長さが同じとなり、遊技回演出の終了時間について、主制御装置110側とサブ制御装置側との間に食い違いが生じることを防ぐ構成となっている。
図9に示すように、音声ランプ制御装置113のMPU221は、期待度ランクテーブル222bに基づいて、予告パターン種別が予告パターンa又は予告パターンbである場合に変動演出時間を調整(短縮)する処理を行う。つまり、音声ランプ制御装置113は、予告パターン種別に基づいて変動演出時間を調整するか否かを決定する。
このように、本実施例の遊技機10においては、音声ランプ制御装置113のMPU221は、主制御装置110から通知された変動パターン種別(変動パターンコマンド)と予告パターン種別(予告パターンコマンド)とに基づいて変動演出時間(キワ煽り演出の演出時間)を決定するように構成されている。具体的には、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から通知された変動パターンが期待度アップ予告演出枠を有する変動パターン(変動A又は変動B)である場合には、主制御装置110から通知された変動パターン種別(変動パターンコマンド)と予告パターン種別(予告パターンコマンド)とに基づいて変動演出時間(キワ煽り演出の演出時間)を決定し、主制御装置110から通知された変動パターンが期待度アップ予告演出枠を有する変動パターン(変動A又は変動B)以外である場合には、主制御装置110から通知された変動パターン種別(変動パターンコマンド)に基づいて変動演出時間を決定するように構成されている。
<詳細予告態様カウンタ>
詳細予告態様カウンタ223cは、定期的に(本実施形態ではメイン処理(図25参照)の中で1ms毎に実行されるS1912の処理にて)更新される。詳細変動パターンカウンタ223bはループカウンタにて構成され、その更新は、所定の範囲(本実施形態では、0〜99)内で順に1ずつ加算し、最大値(99)に達した後0に戻すことによって行われる。また、電源立ち上げ時に実行される立ち上げ処理(図24参照)において実行されるRAMの初期値設定処理(S1810)にて、初期値「0」が設定される。
<期待度ランクテーブル>
図9は、期待度ランクテーブル222bの一例を示す模式図である。
期待度ランクテーブル222bには、主制御装置110より通知される予告パターン種別(予告パターンa〜予告パターンe)毎に、各期待度アップ予告演出枠A1,A2,B1,B2に対応する期待度ランクが定められており、これにより期待度アップ予告演出枠A1,A2,B1,B2において行う予告演出の期待度ランクが決定される。また、主制御装置110より通知される予告パターン種別により、変動演出時間(具体的には、煽り演出中に行うキワ煽り演出の演出時間)を短縮するか否かが定められている。ここで、期待度ランクとは、大当たりとなる期待度を示すランクであり、本実施例では、「0」〜「5」の6ランクにわけたランク付けとしている。そして、ランク「0」が、大当たりとなる期待度が最も低いランクであり、ランク「1」が、大当たりとなる期待度が2番目に低いランクである。そして、ランク「2」、「3」、「4」と上がるにつれて、大当たりとなる期待度が高くなり、ランク「5」が、大当たりとなる期待度が最も高いランクである。なお、詳細は後述するが、ランク「0」では、期待度アップ予告演出枠において予告演出は行われない。
図9に示すように、本実施例では、主制御装置110より通知される予告パターン種別(予告種別)が予告パターンaである場合には、期待度アップ予告演出枠A1には期待度ランク0〜1、期待度アップ予告演出枠A2には期待度ランク0〜1、期待度アップ予告演出枠B1には期待度ランク1、期待度アップ予告演出枠B2には期待度ランク1が対応付けられている。通知される予告パターン種別が予告パターンbである場合には、期待度アップ予告演出枠A1には期待度ランク0〜1、期待度アップ予告演出枠A2には期待度ランク1、期待度アップ予告演出枠B1には期待度ランク1〜2、期待度アップ予告演出枠B2には期待度ランク2が対応付けられている。通知される予告パターン種別が予告パターンcである場合には、期待度アップ予告演出枠A1には期待度ランク1〜2、期待度アップ予告演出枠A2には期待度ランク2〜3、期待度アップ予告演出枠B1には期待度ランク2〜3、期待度アップ予告演出枠B2には期待度ランク3が対応付けられている。通知される予告パターン種別が予告パターンdである場合には、期待度アップ予告演出枠A1には期待度ランク2〜3、期待度アップ予告演出枠A2には期待度ランク3〜4、期待度アップ予告演出枠B1には期待度ランク4、期待度アップ予告演出枠B2には期待度ランク4が対応付けられている。通知される予告パターン種別が予告パターンeである場合には、期待度アップ予告演出枠A1には期待度ランク3、期待度アップ予告演出枠A2には期待度ランク4、期待度アップ予告演出枠B1には期待度ランク5、期待度アップ予告演出枠B2には期待度ランク5が対応付けられている。つまり、本実施例においては、下段に記載されている予告パターンが選択された場合に各期待度アップ予告演出枠で実行される期待度ランクは、そのすぐ上段の予告パターンが選択された場合に実行される各期待度アップ予告演出枠で実行される期待度ランクと同じランクかそれよりも高いランクとなるように設定されている。即ち、下段の予告パターンの方がより期待度ランクの高い演出がなされるような構成となっている。
また、本実施例の期待度ランクテーブル222bにおいては、期待度アップ予告演出枠A1で実行される予告演出の期待度ランクはランク0〜3、期待度アップ予告演出枠A2で実行される予告演出の期待度ランクはランク0〜4、期待度アップ予告演出枠B1で実行される予告演出の期待度ランクはランク1〜5、期待度アップ予告演出枠B2で実行される予告演出の期待度ランクはランク1〜5の中から選択されるように設定されている。そして、遊技回演出の演出進行において、後に表示される期待度アップ予告演出の期待度ランクは、先に表示された期待度アップ予告演出の期待度ランクと同じランクかそれよりも高いランクとなるように設定されている。遊技回の演出が進行するにつれ、大当たりの期待度が増していくような構成とすることにより、遊技者の興趣を高めるようにしている。
また、本実施例では、主制御装置110より通知される予告パターンが、予告パターンa又は予告パターンbである場合に、MPU221は煽り演出時間(具体的には、キワ煽り時間)の調整処理を行う(図28のS2109参照)。予告パターンa又は予告パターンbの場合、つまり、期待度アップ予告演出枠A1,A2,B1,B2において実行される期待度アップ予告演出が期待度の低いものである場合に変動演出時間の調整(短縮)処理を行い、遊技者が速やかに次の遊技回へ移ることができるように構成されている。
<詳細予告態様テーブル>
図10は、詳細予告態様テーブル222cの一例を示す模式図である。
詳細予告態様テーブル222cには、期待度アップ予告演出枠A1,A2,B1,B2毎、及び、各期待度ランクに対応するように種々の詳細予告態様が用意されている。そして、詳細予告態様カウンタ223cの値に基づいて、これら詳細予告態様の中から一つが選択される。なお、図10においては、詳細予告態様カウンタ223cの値が「0〜9」である場合の詳細予告態様のみ示し、それ以外の値の詳細予告態様については、便宜上、図示及び説明を省略する。
以下、詳細予告態様テーブル222cについて、図10を参照して説明する。
詳細予告態様カウンタ223cの値が「0〜9」のいずれかである場合に、本実施例では、期待度アップ予告演出枠A1においてはコメント表示による期待度アップ予告演出が実行される。具体的には、期待度ランクがランク1の場合には「・・・?」というコメントが、期待度ランクがランク2の場合には「熱!」というコメントが、期待度ランクがランク3の場合には「激アツ!!」というコメントが表示され、期待度ランクがランク0の場合には、コメント表示(期待度アップ予告演出)がなされないように設定されている。また、期待度アップ予告演出枠A2においてはミニキャラクタ(ミニキャラ)登場による期待度アップ予告演出が実行される。具体的には、期待度ランクがランク1の場合にはミニキャラの服の色が白であり、期待度ランクがランク2の場合にはミニキャラの服の色が青であり、期待度ランクがランク3の場合にはミニキャラの服の色が赤であり、期待度ランクがランク4の場合にはミニキャラの服の柄がトラ柄であり、期待度ランクがランク0の場合には、ミニキャラが登場しない(期待度アップ予告演出がない)ように設定されている。期待度アップ予告演出枠B1においてはメインキャラクタ(メインキャラ)登場による期待度アップ予告演出が実行される。具体的には、期待度ランクがランク1の場合にはメインキャラ登場の際のフレームの色が白であり、期待度ランクがランク2の場合にはメインキャラ登場の際のフレームの色が青であり、期待度ランクがランク3の場合にはメインキャラ登場の際のフレームの色が赤であり、期待度ランクがランク4の場合にはメインキャラ登場の際のフレームの色がトラ柄であり、期待度ランクがランク5の場合には、メインキャラ登場の際のフレームの色が金色となるように設定されている。期待度アップ予告演出枠B2においてはメインキャラと対戦相手とのバトル演出による期待度アップ予告演出が実行される。具体的には、期待度ランクがランク1の場合には対戦相手が子供であり、期待度ランクがランク2の場合には対戦相手が老人であり、期待度ランクがランク3の場合には対戦相手がマッチョ男であり、期待度ランクがランク4の場合には対戦相手がトラであり、期待度ランクがランク5の場合には対戦相手が魔女となるように設定されている。
このように、本実施例の期待度アップ予告演出枠においては、期待度ランクが一番低い「0」の場合は期待度アップ予告演出が実行されないような構成として、予告演出を行わない遊技回演出も実行されるように設定し、多様な演出を可能としている。なお、期待度ランクテーブル222bを、遊技回演出の演出進行にともない大当たりの期待度が増していくように、また、予告パターンa〜eにかけて順に期待度ランクが上がるように構成したことにより、本実施例の詳細予告態様テーブル222cにおいては、期待度予告アップ演出枠A1の期待度ランク4,5に対応する演出、期待度予告アップ演出枠A2の期待度ランク5に対応する演出、期待度予告アップ演出枠B1の期待度ランク1に対応する演出、期待度予告アップ演出枠B2の期待度ランク1に対応する演出が設定されていない。
なお、この詳細予告態様テーブル222cにおいては、期待度アップ予告演出枠の欄を期待度アップ予告演出枠A1,A2,B1,B2の4列としたが、これに限らず、詳細変動パターンに設けられた各期待度アップ予告演出枠に対して、詳細予告態様が決定できるように、構成されていればよい。
MPU221は、主制御装置110から予告パターンコマンドを受信すると、そのときの詳細予告態様カウンタ223cの値をRAM223から読み出す。そして、まず、予告パターン種別に基づいて、期待度ランクテーブル222bにより、期待度アップ予告演出枠A1,A2,B1,B2で表示する期待度アップ予告演出の期待度ランクを決定するとともに、変動演出時間の調整処理を行うか否かを決定する。その後、各期待度アップ予告演出枠A1,A2,B1,B2について、決定された期待度ランクとRAM223より読み出した詳細予告態様カウンタ223cの値とに対応づけられた詳細予告態様を、詳細予告態様テーブル222cにより決定する。なお、期待度ランクテーブル222bにおいて、期待度アップ予告演出枠に2つの期待度ランクが対応付けられている場合(例えば、予告パターンcの期待度アップ予告演出枠A2における「ランク2〜3」)には、予告態様カウンタ223cの値が偶数である場合には偶数の期待度ランク(ランク2)と、奇数である場合には奇数の期待度ランク(ランク3)と、予告態様カウンタ223cの値が偶数か奇数かで期待度ランクが1つに決定される。
MPU221は、この決定した詳細予告態様に基づいて、音声出力装置226やランプ表示装置227を制御する。また、表示制御装置114に対して、決定した詳細予告態様を後述する表示用遊技回演出コマンドにより通知する。そして、表示制御装置114では、この表示用遊技回演出コマンドにより通知された詳細予告態様に基づいて、第3図柄表示装置81の遊技回演出表示(変動演出表示や予告演出表示や煽り演出表示)を制御する。これにより、音声出力装置226、ランプ表示装置227、第3図柄表示装置81において、その決定された詳細予告態様による予告演出が行われる。
<遊技回演出の演出態様>
ここで、図面(図11及び図12)を参照して、変動種別カウンタCS1により変動A又は変動Bが変動パターン種別として決定された際に、音声ランプ制御装置113等により第3図柄表示装置81に表示される遊技回演出の演出態様(変動演出態様等)の一例について、それぞれ説明する。
本実施例のパチンコ機10においては、変動A(変動演出時間35秒)及び変動B(変動演出時間60秒)が選択された場合には、上述したように、いずれも音声ランプ制御装置113等により第3図柄表示装置81においてリーチ状態が成立する変動演出が行われ、抽選結果の最終表示(停止図柄の表示(確定表示))の直前に煽り演出が行われる。また、変動Aと変動Bには、上述したように、期待度アップ予告演出枠が設けられている。
<変動A(ノーマルリーチA1)>
まず、変動Aにおける遊技回演出について説明する。図11は、変動A(ノーマルリーチA1)が選択された場合に実行される遊技回演出の演出態様を説明するタイミングチャートであり、(a)は通常時の演出態様、(b)は変動演出時間が調整された際の演出態様を示す。
変動種別カウンタCS1により変動A(ノーマルリーチ、変動演出時間35秒)の変動パターン種別が選択されて変動パターンコマンドにより通知されると、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した変動パターンコマンド及び停止種別コマンド、詳細変動パターンカウンタ223bの値及び詳細変動パターンテーブル222aに基づいて、変動Aに該当する多数の詳細変動パターン(ノーマルリーチA1〜An、nは自然数、以下、これらを適宜ノーマルリーチAという。)の中から1つを選択して実行する。なお、図11のタイミングチャートに記載した秒数は、変動開始を0秒としたときの経過時間を示し、括弧内における秒数は各演出が実行される秒数(期間)を示している(以下に示すタイミングチャートにおいても同様)。
ノーマルリーチA1における変動演出では、図11に示すように、変動表示が開始されると、まず、第3図柄表示装置81の図柄列Z1〜Z3(図4参照)をそれぞれ停止(停留)状態から高速でスクロールさせる状態に加速させた後に、所定秒間、全図柄列Z1〜Z3が遊技者に視認不能な高速でスクロールする高速変動を第3図柄表示装置81に表示する。その後の5秒間で、左図柄列Z1及び右図柄列Z3を順次停止するリーチ状態発生変動を第3図柄表示装置81に表示して、変動表示開始から10秒後にリーチ状態を発生させる。そして、その後の25秒間で、高速変動している中図柄列Z2の変動速度を適宜減速してスクロールさせるノーマルリーチ変動を第3図柄表示装置81に表示して、変動表示開始から35秒後に中図柄列Z2を停止して、第3図柄を停止表示(確定表示)させて本遊技回の抽選結果を表示する。
ノーマルリーチA1におけるノーマルリーチ変動では、最初の13秒間で、中図柄列Z2を視認不能な高速変動から視認可能な中速変動へと変動速度を減速させる変動演出が行われる。そして、その後の12秒間では、遊技者のドキドキ感を煽るために、中図柄列Z2の変動速度をさらに中速変動から低速変動へと減速していく煽り演出が行われる。この煽り演出の後半部分(キワ)の10秒間においては、中図柄列Z2が止まるか止まらないかの微妙な超低速(コマ送り)で動かし続けて遊技者のドキドキ感が最高潮に達するように導くキワ煽り演出が行われる。
ノーマルリーチA1においては、大当たりへの期待度を高めるための期待度アップ予告演出を行うために、2つの期待度アップ予告演出枠A1,A2が設けられている。各予告演出枠A1,A2では、予告種別カウンタCA1によりいずれかの予告パターン種別が選択され、主制御装置110から予告パターンコマンドにより通知されると、音声ランプ制御装置113は、受信した予告パターンコマンド、詳細予告態様カウンタ223cの値、期待度ランクテーブル222b及び詳細予告態様テーブル222cに基づいて、受信した予告パターンコマンドに対応する多数の詳細予告態様の中から1つを選択して実行する。これらの期待度アップ予告演出の演出態様は、停止又は変動している図柄列Z1〜Z3を表示したままの状態で、種々の文字情報やキャラクタを演出表示領域Dbに表示させるものなどである。
例えば、予告種別カウンタCA1により予告パターンcが選択され、詳細予告演出カウンタの値が「3」の奇数であった場合には、期待度ランクテーブル222bにより、期待度アップ予告演出枠A1では期待度ランク1(奇数)の期待度アップ予告演出、期待度アップ予告演出枠A2では期待度ランク3(奇数)の期待度アップ予告演出が実行されることとなる。そして、詳細予告態様テーブル222cにより、期待度アップ予告演出枠A1で実行される詳細予告態様は「・・・?」のコメント表示となり、期待度アップ予告演出枠A2で実行される詳細予告態様は赤い服のミニキャラ登場となる。
図示は省略するが、コメント表示の予告態様は、演出表示領域Dbに吹き出しを表示し、その吹き出しの中に「・・・?」といった文字情報を表示するものであり、演出表示領域Db全面に表示されている第3図柄の変動状態(リーチ状態が発生し、中図柄列Z2が高速変動している状態)が遊技者に視認できるような態様のまま、その前面側に表示されるものである。また、ミニキャラ登場の予告態様は、遊技者に視認可能な中速または低速でスクロールされる中図柄列Z2の第3図柄の動きに合わせてミニキャラを動かし、ミニキャラが、まるで中図柄列Z2のスクロールを行っているかのように遊技者に見せるものである。
ここで、ノーマルリーチA1においては、2つの期待度アップ予告演出枠A1,A2のみが設定されており、期待度ランクテーブル222b及び詳細予告態様テーブル222cにおいては、対応する期待度アップ予告演出枠A1,A2の欄のみが参照される。なお、詳細は省略するが、例えば、ノーマルリーチA2では、2つの期待度アップ予告演出枠A1,B1が設けられており、対応する期待度アップ予告演出枠A1,B1の欄が参照される。このように、1つの期待度ランクテーブル222bを、適宜参照するように構成することにより、多様な期待度アップ予告演出を実行することができる。
ここで、変動Aの遊技回演出における変動演出時間の調整について説明する。予告種別カウンタCA1により予告パターンc〜予告パターンeのいずれかが選択され、音声ランプ制御装置113が、主制御装置110からこれに該当する予告パターンコマンドを受信した場合には、期待度ランクテーブル222bに基づいて、図11(a)に示すように、通常の変動演出時間(35秒)で遊技回演出が実行される。しかし、予告種別カウンタCA1により予告パターンa又は予告パターンbが選択され、音声ランプ制御装置113が、主制御装置110からこれに該当する予告パターンコマンドを受信した場合には、期待度ランクテーブル222bに基づいて、変動パターンコマンドにより決定された変動演出時間が調整(短縮)され、図11(b)に示すように、調整後の変動演出時間(30秒)で遊技回演出が実行される。
このように、予告種別カウンタCA1により、期待度アップ予告演出枠A1,A2で表示される期待度アップ予告演出の期待度ランクが低いものである所定の予告パターン(本実施例においては、予告パターンaと予告パターンb)が選択された場合には、図11に示すように、煽り演出(キワ煽り演出)の時間(期間)が10秒間から5秒間に調整(短縮)されるように設定されている。つまり、煽り演出(キワ煽り演出)を短時間で終わらせて抽選結果を表示し、遊技者が次の遊技回に速やかに移ることができるように構成されている。これにより、遊技者が当たらないだろうと思いながら抽選結果の表示を待つ時間を短くして、遊技への興趣をそいでしまう虞を軽減している。
なお、図11、図12に示すように、遊技回演出が開始されて全図柄列Z1〜Z3が高速変動となった時点で、キャラクタや文字情報の表示により、枠ボタン22が有効であることを示す枠ボタン有効告知表示が、一定期間(以下、枠ボタン操作受付期間という)表示される。この枠ボタン操作受付期間は、最大で5秒間継続され、枠ボタン操作受付期間が継続されている間、枠ボタン22の操作を促す画像が演出表示領域Dbに表示され続ける。そして、枠ボタン操作受付期間中に遊技者により枠ボタン22が操作された際には、演出表示領域Dbに期待度メータ160を表示する(図25のS1915参照)。また、枠ボタン22が操作されなければ、第3図柄表示装置81の画面上から消え、演出表示領域Dbに期待度メータ160を表示せずに変動演出を継続する。期待度メータ160の詳細については後述する。
<変動B(ノーマルリーチB1)>
次に、変動Bにおける遊技回演出について説明する。図12は、変動B(スーパーリーチB1)が選択された場合に実行される遊技回演出の演出態様を説明するタイミングチャートであり、(a)は通常時の演出態様、(b)は変動演出時間が調整された際の演出態様を示す。
変動種別カウンタCS1により変動B(スーパーリーチ、変動演出時間60秒)の変動パターンが選択されると、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した変動パターンコマンド及び停止種別コマンド、詳細変動パターンカウンタ223bの値及び詳細変動パターンテーブル222aとに基づいて、変動Bに該当する多数の詳細変動パターン(スーパーリーチB1〜Bn、nは自然数、以下、これらを適宜スーパーリーチBという。)の中から1つを選択して実行する。
スーパーリーチB1における変動演出では、図12(a)に示すように、変動表示が開始されると、まず、第3図柄表示装置81の図柄列Z1〜Z3(図4参照)をそれぞれ停止(停留)状態から高速でスクロールさせる状態に加速させた後に、所定秒間、全図柄列Z1〜Z3が遊技者に視認不能な高速でスクロールする高速変動を第3図柄表示装置81に表示する。その後の5秒間で、左図柄列Z1及び右図柄列Z3を順次停止するリーチ状態発生変動を第3図柄表示装置81に表示して、変動表示開始から10秒後にリーチ状態を発生させる。そして、その後の25秒間で、高速変動している中図柄列Z2の変動速度を適宜減速してスクロールさせるノーマルリーチ変動を第3図柄表示装置81に表示する。ここで、ノーマルリーチA1では、その後(変動表示開始から35秒後)に中図柄列Z2を停止して、第3図柄を停止表示(確定表示)させて本遊技回の遊技回演出を終了するが、スーパーリーチB1では、スーパーリーチ変動へ発展することを遊技者に通知するための画像(発展画像)を、5秒間、第3図柄表示装置81に表示する。なお、スーパーリーチB1による変動演出で表示される発展画像では、演出表示領域Dbに表示される背面画像を、それまで表示されていたものから変更することで、遊技者に、スーパーリーチへ発展したことを通知している。また、スーパーリーチB1においても、ノーマルリーチA1の場合と同様に、全図柄列Z1〜Z3が高速変動となった時点で、枠ボタン22が有効であることを示す枠ボタン有効告知表示が一定期間表示される。
このように、ノーマルリーチ変動が終わるまでは、スーパーリーチB1とノーマルリーチA1とで、同じ態様の変動演出と同じタイミングで開始される予告演出とが行われる。これにより、遊技者は、遊技回演出がノーマルリーチA1によるものなのか、スーパーリーチB1によるものなのかを、ノーマルリーチ変動が終わるまで把握できない。上述した通り、スーパーリーチ(変動B)によって遊技回演出(変動演出)が行われた場合は、ノーマルリーチ(変動A)の場合よりも、その遊技回演出(変動演出)の結果として大当たりとなる期待度が高い。よって、遊技者は、ノーマルリーチ変動の終了が近づくにつれて、そのまま第3図柄の確定表示が行われてノーマルリーチとして遊技回演出が終了するのか、それとも、発展画像が表示されてスーパーリーチ変動へ発展してスーパーリーチとして遊技回演出が終了するのか、を期待しながらノーマルリーチ変動による変動演出を見守ることになる。よって、大当たりとなる期待度の低いノーマルリーチによって遊技回演出(変動演出)が行われる場合であっても、遊技者を飽きさせることなく、最後までノーマルリーチ変動による変動演出に注目させることができる。
また、このスーパーリーチB1における発展画像では、変動表示領域Dmに表示させていた第3図柄の変動表示を、第3図柄表示装置81の画面左上隅(図13参照)に移動させて小さく表示する。この第3図柄の変動表示は、変動演出が停止表示される直前まで、その小さく表示された状態で行われる。これにより、続くスーパーリーチ変動(期待度アップ予告演出枠B2)での演出態様において、種々のキャラクタや文字情報を、第3図柄の変動表示に影響されることなく演出表示領域Dbに表示させることができるので、その演出に遊技者を注目させることができる。よって、遊技者に注目させた凝った演出によって、遊技者の興趣を高めることができる。また、発展画像表示期間においては、期待度アップ予告演出枠B1が設けられており、発展画像が表示されてから1.5秒後(図柄表示開始から36.5秒後)から2秒間、期待度アップ予告演出が表示される。なお、期待度アップ予告演出枠B1における予告態様の詳細については後述する。
5秒間の発展画像を表示した後、即ち、変動開始から40秒後、スーパーリーチ変動を20秒間行う。スーパーリーチ変動では、第3図柄表示装置81の画面左上隅において第3図柄のリーチ表示を行いつつ、変動表示領域Dmにキャラクタや文字情報を表示したり、第3図柄のリーチ表示を中断して、第3図柄表示装置81の画面全体を他の画像に切り替えて表示するなどして、より派手な演出を行うことにより、大当たりへの期待度を高めて、遊技者の遊技への興趣を高めている。そして、変動開始から60秒後に、全図柄列Z1〜Z3を図4に示す変動表示領域Dmに再び大きく表示しつつ、中図柄列Z2を停止表示して、第3図柄を確定表示させる。この第3図柄の確定表示において、有効ラインL1(図4参照)上に大当たり図柄の組み合わせ(同一の主図柄の組み合わせ)で揃った場合に大当たりとなる。また、有効ラインL1上に大当たり図柄の組み合わせが揃わなかった場合に外れとなる。
スーパーリーチB1におけるスーパーリーチ変動では、目的達成型の演出による煽り演出が行われる。煽り演出では、スーパーリーチ変動開始から最初の7.5秒間において、達成する目的を示すとともに、目的が達成するか否かの寸前までの展開演出が行われる。そして、煽り演出の後半部分(キワ)の10秒間においては、遊技者のドキドキ感が最高潮に達するように、目的が達成されるか否かの微妙な状況を表現する瀬戸際を演出するキワ煽り演出が行われる。そして、目的が達成したか否かを示す展開結果表示が行われた後に目的が達成された場合には、その後の第3図柄の確定表示において大当たり図柄の組み合わせが揃い大当たりとなり、目的が達成されなかった場合には、その後の第3図柄の確定表示において大当たり図柄の組み合わせが揃わず外れとなる。なお、詳細は後述するが、本実施例においては、後述するように、スーパーリーチ変動自体が期待度アップ予告演出枠B2として機能しているが、このような機能を有さず、単なる目的達成型の演出による煽り演出としてもよい。
スーパーリーチB1においては、大当たりへの期待度を高めるための期待度アップ予告演出を行うために、4つの期待度アップ予告演出枠A1,A2,B1,B2が設けられている。各予告演出枠A1,A2,B1,B2では、予告種別カウンタCA1によりいずれかの予告パターンが選択され、主制御装置110から予告パターンコマンドにより通知されると、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した予告パターンコマンド、詳細予告態様カウンタ223cの値、期待度ランクテーブル222b及び詳細予告態様テーブル222cに基づいて、受信した予告パターンコマンドに対応する多数の詳細予告態様の中から1つを選択して実行する。これらの期待度アップ予告演出の演出態様は、停止又は変動している図柄列Z1〜Z3を表示したままの状態で又は映像を切り替えて、種々の文字情報やキャラクタを演出表示領域Dbに表示させるものなどである。
例えば、予告種別カウンタCA1により予告パターンcが選択され、詳細予告演出カウンタの値が「4」の偶数であった場合には、期待度ランクテーブル222bにより、期待度アップ予告演出枠A1では期待度ランク2(偶数)の期待度アップ予告演出、期待度アップ予告演出枠A2では期待度ランク2(偶数)の期待度アップ予告演出が実行されることになり、期待度アップ予告演出枠B1では期待度ランク2(偶数)の期待度アップ予告演出が実行されることになり、期待度アップ予告演出枠B2では期待度ランク3の期待度アップ予告演出が実行されることになり、さらに詳細予告態様テーブル222cにより、期待度アップ予告演出枠A1で実行される詳細予告態様は「熱!」のコメント表示となり、期待度アップ予告演出枠A2で実行される詳細予告態様は青い服のミニキャラ登場となり、期待度アップ予告演出枠B1で実行される詳細予告態様は青いフレームのメインキャラ登場となり、期待度アップ予告演出枠B2で実行される詳細予告態様は対戦相手がマッチョ男のバトル演出となる。コメント表示の予告態様、ミニキャラ登場の予告態様は、上述したノーマルリーチA1と同様である。以下、メインキャラ登場の予告態様及びバトル演出の予告態様について、図面を参照して説明する。
図13は期待度アップ予告演出枠B1で実行される詳細予告態様の一例を説明する図である。図14は、期待度アップ予告演出枠B2で実行される詳細予告態様の一例を説明する図であり、(a)は煽り演出の開始時に対戦相手(期待度ランク)が表示される画像、(b)はキワ煽り演出の直前の画像、(c)はキワ煽り演出中の画像、(d)はキワ煽り演出の最後に表示される画像であり、それぞれ第3図柄表示装置81に表示される画像である。
期待度アップ予告演出枠B1の、青いフレームのメインキャラが登場する詳細予告態様では、図13に示すように、第3図柄の変動表示を第3図柄表示装置81の画面左上隅に小さく表示して、メインキャラ161を演出表示領域Dbの中央部に大きく表示するとともに、これを囲うようにして青いカットインフレーム174を表示する。期待度アップ予告演出枠B1では、カットインフレーム174の色や柄で大当たりとなる期待度ランクが表示される。
期待度アップ予告演出枠B2の、対戦相手がマッチョ男175とのバトル演出である詳細予告態様では、図14(a)に示すように、期待度アップ予告演出枠B2(煽り演出)の開始により、まず、第3図柄の変動表示を第3図柄表示装置81の画面左上隅に小さく表示したままの状態で、演出表示領域Dbにメインキャラ161とマッチョ男175が表示される。そして、バトル展開演出(7.5秒間)において、メインキャラクタ161とマッチョ男175とのバトル展開がされた後に、図14(b)に示すように、メインキャラクタ161による強烈なパンチが打ち出される。キワ煽り演出(10秒間)においては、図14(c)に示すように、遊技者のドキドキ感が最高潮に達するように、その最後の一打がマッチョ男175を倒すか否か(目的が達成されるか否か)の微妙な状況を表現する演出、例えば、拳161aの動きを表現する複数の映像(画像データ)の繰り返しにより構成される演出などが行われる。
その後、図示は省略するが、バトル結果(展開結果表示)として、パンチがバーンとマッチョ男175に当たり倒した演出がされた場合(目的が達成された場合)には、その後の第3図柄の確定表示において大当たり図柄の組み合わせが揃って大当たりとなり、パンチがスカーンと空を切りマッチョ男175を倒せなかった演出がされた場合(目的が達成されなかった場合)には、その後の第3図柄の確定表示において大当たり図柄の組み合わせが揃わず外れとなる。本実施例では、期待度アップ予告演出枠B2の各予告態様において、最終停止図柄が大当たり停止図柄となる場合の目的達成時用の映像と、最終停止図柄が外れ停止図柄となる場合の目的未達成時用の映像の2種類の映像が後述する表示制御装置114のキャラクタROM234に用意されており、停止種別コマンドに基づいて、適宜、いずれかが選択されて展開結果として表示されるように設定されている。なお、展開結果表示を期待度アップ予告演出枠B2の詳細予告態様とリンクさせるのではなく、図14(d),(e)に示すように、対戦相手を表示しない画像(予告態様で選択される対戦相手に関連しない画像)として詳細変動パターンの確定表示とリンクさせるようにしてもよい。
ここで、変動Bの遊技回演出における変動演出時間の調整について説明する。予告種別カウンタCA1により予告パターンc〜予告パターンeのいずれかが選択され、音声ランプ制御装置113が、主制御装置110からこれに該当する予告パターンコマンドを受信した場合には、期待度ランクテーブル222bに基づいて、図12(a)に示すように、通常の変動演出時間(60秒)で遊技回演出が実行される。しかし、予告種別カウンタCA1により予告パターンa又は予告パターンbが選択され、音声ランプ制御装置113が、主制御装置110からこれに該当する予告パターンコマンドを受信した場合には、期待度ランクテーブル222bに基づいて、変動パターンコマンドにより決定された変動演出時間が調整(短縮)され、図12(b)に示すように、調整後の変動演出時間(55秒)で遊技回演出が実行される。
このように、予告種別カウンタCA1により、期待度アップ予告演出枠A1,A2,B1,B2で表示される期待度アップ予告演出の期待度ランクが低いものである所定の予告パターン(本実施例においては、予告パターンaと予告パターンb)が選択された場合には、図12に示すように、煽り演出(キワ煽り演出)の時間(期間)が10秒間から5秒間に調整(短縮)されるように設定されている。つまり、煽り演出(キワ煽り演出)を短時間で終わらせて抽選結果を表示し、遊技者が次の遊技回に速やかに移ることができるように構成されている。これにより、遊技者が当たらないだろうと思いながら抽選結果の表示を待つ時間を短くして、遊技への興趣をそいでしまう虞を軽減している。なお、上述したように、スーパーリーチB1におけるノーマルリーチ変動においても、ノーマルリーチA1のノーマルリーチ変動と同様の遊技者を煽る演出(煽り演出12秒)が実行されるが、遊技回演出の最終段階に実行される煽り演出には該当しないので、変動演出時間の調整は行われない。
<枠ボタン操作フラグ>
枠ボタン操作フラグ223dは、遊技回演出中において、遊技者による枠ボタン操作指示の受付期間中であることを示すフラグであり、オンの場合は、遊技者による枠ボタン22の操作指示を受け付けることを示し、オフの場合は、それ以外を示す。
この枠ボタン操作フラグ223dは、電源立ち上げ時に実行される立ち上げ処理(図24参照)において実行されるRAMの初期値設定処理(S1810)にて、初期値「オフ」が設定される。そして、ノーマルリーチA又はスーパーリーチB(変動A又は変動B)による変動演出(遊技回演出)において、枠ボタン操作受付期間中(枠ボタン有効告知表示が表示されている期間中)は、枠ボタン操作フラグ223dはオンに設定される(図29のS2123)。MPU221では、この枠ボタン操作フラグ223dがオンであり、枠ボタン22から入力信号を受信したことを契機として、演出表示領域Dbに期待度メータ160を表示する(図30参照)。また、遊技回演出の終了に合わせて、期待度メータ160の表示を終了する。
次に、期待度メータ160の表示について、図面を参照して説明する。図15は、期待度メータ160が第3図柄表示装置81の演出表示領域Dbに表示された際の画像の一例を示す図であり、(a)は枠ボタン有効告知表示中に遊技者が枠ボタン22を操作した際に表示される画像、(b)は期待度アップ予告演出中に表示される画像である。
図15(a)に示すように、枠ボタン有効告知表示されている間に遊技者が枠ボタン22を操作した場合には、音声ランプ制御装置113は、期待度メータ160を第3図柄表示装置81の画面右端下に表示して、枠ボタン22による入力を受け付けたことを遊技者に報知する。本実施例では、「期待度メータ」の文字の周りに星印を点滅させて、遊技者の目に留まるようにしている。この時点での期待度メータ160の高さは遊技者が視認可能な程度の低いメータ表示となっている。
期待度アップ予告演出枠A1,A2,B1,B2で、期待度アップ予告演出が表示された際(予告演出が行われないランク0の場合を除く)には、期待度メータ160は、その期待度ランクに対応した高さのメータ表示を行うように設定されている。図15(b)は、期待度アップ予告演出枠B1で期待度ランク2の期待度アップ予告演出(メインキャラ登場、フレーム青色)がなされている際に表示される画像である。期待度メータ160は該予告演出が始まるとともに高さが上昇し、終了するとともに元の高さへ戻る。表示される予告演出の期待度ランクが1の場合は、これよりも低いメータ表示となり、期待度ランクの大きさに比例して高くなるように表示される。遊技回演出の終了とともに、期待度メータ表示も終了する。期待度アップ予告演出が実行されていない間は、右端隅に小さく表示されているだけなので、リーチ演出など他の演出の表示を大きく妨げることなく、表示される期待度アップ予告演出の期待度の高低を遊技者に報知することができる。
期待度メータ160により、初心者などは期待度アップ予告演出の期待度ランクを確認して遊技状況を把握しながら遊技することができるので、遊技に対する興趣を高めることができる。また、遊技者は、期待度メータ160により期待度ランクを物理的な量として実感することができる。さらに、本実施例においては、期待度ランクテーブル222bにより、遊技回演出が進むにつれ、期待度アップ予告演出時に表示されるメータの高さは、同じか高くなるかのどちらか(下がることがない)であり、遊技者の期待が高まっていくように設定している。なお、一の遊技回演出において期待度ランクが上下するように期待度ランクテーブルを設定した場合(図示せず)でも、観点を変えれば、メータが上がった際には期待感が膨らみ気持ちが高まり、メータが下がった際には気持ちを落ち着けることができるので、期待感の上下動により遊技にメリハリがつき、遊技に対する興趣を高めることができる。
なお、本実施例では、期待度アップ予告演出の期待度ランクをメータ表示にて遊技者に報知する手段を取っているが、これに限らず、例えば、リーチ予告等の期待度も表示するように構成してもよい。また、期待度ランクをメータ表示するのではなく、例えば、単にランク数の数値で表示したり、ランク数を音声等により音声出力装置226やランプ表示装置227にて報知したりするなどしてもよい。
以下、図5に戻って、説明を続ける。RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)や、変動表示を開始すべきか否かを示す変動開始フラグ(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図27参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。また、変動開始フラグは、主制御装置110から出力された停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図27のS2004参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図28のS2102参照)。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、振動センサ228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者による枠ボタン22の操作指示を受け付ける。上述した通り、変動A又は変動B(ノーマルリーチA又はスーパーリーチB)による変動演出(遊技回演出)において、枠ボタン操作受付期間中に、遊技者による枠ボタン22の操作指示を受け付けた場合は、期待度メータ160の表示を行う。また、変動演出(遊技回演出)が実行されていない期間に、遊技者による枠ボタン22の操作指示を受け付けた場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更するように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
振動センサ228は、パチンコ機10に加えられた振動を検出するためのセンサであり、遊技盤13の裏面に取り付けられている。パチンコ機10では、入球口への入球が遊技状態を決定する重要な要因となるので、振動によって球の流れを変え、意図的に入球口への入球が行われることを阻止する必要がある。そこで、振動センサ228の出力から、遊技者などによってパチンコ機10に振動が与えられたと判断される場合は、その振動エラーを伝えるエラーコマンドを表示制御装置114に送信する。その他、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や予告演出を制御するものである。この表示制御装置114については、図16を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図21参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
<表示制御装置の電気的構成>
次に、図16を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図16は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
MPU231は、主制御装置110からの各種コマンド(変動パターンコマンド、予告パターンコマンド、停止種別コマンドなど)に基づいて音声ランプ制御装置113が生成して出力した各種コマンド(表示用遊技回演出コマンド、表示用停止種別コマンドなど)を、入力ポート238を介して受信する。そして、受信したコマンドに基づいて、画像コントローラ237に対し内部コマンドを生成し、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。
ワークRAM233は、MPU231による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。ワークRAM233は、後例えば、DRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、例えば、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。キャラクタROM234は、MPU231とバスライン240を介して接続されており、MPU231において実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データを記憶するためのメモリであり、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータも記憶されている。キャラクタROM234は、第1図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。このキャラクタROM234には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。特に、ビットマップ形式の図柄画像データにはそれぞれ図柄コード(図柄番号)が付与されており、コマンドレベルでは各図柄画像を図柄コードだけで管理可能としている。なお、キャラクタROM234を複数設け、各キャラクタROM234に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。
ビデオRAM(常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236)は、第3図柄表示装置81に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAMの内容を書き替えることにより第3図柄表示装置81の表示内容が変更される。また、画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
画像コントローラ237は、バッファRAM237aを備えており、MPU231、ビデオRAM235、236等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM235、236に記憶される表示データを、キャラクタROM234から所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81に表示させる。
なお、本実施例の表示制御装置114では、画像コントローラ237にて画像の描画処理を迅速に行うために、MPU231により、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部が、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送されて常駐するように制御される。常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データが格納される。
<主制御装置による各制御処理>
次に、図17から図23のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
<主制御装置によるタイマ割込処理>
図17は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S1101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S1102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では899)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S1103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、899,99,99,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。
次に、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行し(S1104)、次いで、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S1105)。なお、変動処理、及び、始動入賞処理の詳細は、それぞれ図18および図20を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S1106)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S1107)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
<主制御装置による変動処理>
次に、図18を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動処理(S1104)について説明する。図18は、この変動処理(S1104)を示すフローチャートである。この変動処理(S1104)は、タイマ割込処理(図17参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37や第3図柄表示装置81にて行う変動表示を制御する。
この変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S1201)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S1201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S1201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S1202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S1202:No)、次いで、第1図柄表示装置37における変動表示が停止後、所定時間経過したか否かを判別する(S1203)。その結果、変動停止後、所定時間経過していなければ(S1203:No)、そのまま本処理を終了する。これにより、変動演出における停止図柄が所定時間だけ第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者に対して、その停止図柄を視認させることができる。
一方、S1204の処理の結果、変動停止後、所定時間経過していれば(S1203:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている変動表示の保留球数N)が0よりも大きいか否かを判別し(S1204)、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)が0でなければ(S1204:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)を1減算し(S1205)、保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフト処理する(S1206)。このデータシフト処理は、保留球格納エリア203cの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、第1図柄表示装置37の変動開始処理を実行する(S1207)。なお、変動開始処理については、図19を参照して後述する。
S1204の処理において、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)が0であると判別されると(S1204:No)、第3図柄表示装置81においてデモ演出が行われている状態、即ち、デモ中であるか否かを判別する(S1208)。この判別処理では、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114にデモコマンドを送信した後、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)の値が0より大きいと判断されるまでの間をデモ中として判別する。
そして、デモ中ではないと判別された場合は(S1208:No)、デモコマンドを設定して(S1209)、本処理を終了し、デモ中であると判別された場合は(S1208:Yes)、そのまま本処理を終了する。S1209の処理で設定されたデモコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図23参照)の外部出力処理(S1701)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、このデモコマンドをそのまま表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、このデモコマンドに従って、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示するように制御を行う。
ここで、デモコマンドが設定されるのは、上述したように、変動停止後所定時間が経過したときに保留球が1つも存在しない場合である。よって、変動停止後所定時間経過したときに変動表示が開始されない場合に、デモコマンドを設定し、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示させることができる。
S1202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であると判別されると(S1202:Yes)、変動演出時間が経過したか否かを判別する(S1210)。第1図柄表示装置37の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンと予告種別カウンタCA1により選択された予告パターンに応じて決められており(変動パターンコマンド及び予告パターンコマンドに応じて決められており)、この変動演出時間が経過していなければ(S1210:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新して(S1211)、本処理を終了する。
本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動演出時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
なお、変動処理は2ミリ秒毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが200に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37の変動演出時間が経過していれば(S1210:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S1212)。停止図柄の設定は、図19を参照して後述する変動開始処理(S1207)によって予め行われる。即ち、S1206の処理により、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定されると共に、大当たりである場合には第1当たり種別カウンタC2の値により大当たり後に15R確変大当たり(最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する確変大当たり)となる図柄か、2R確変大当たり(最大ラウンド数が2ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する確変大当たり)となる図柄か、15R通常大当たり(最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行する大当たり)となる図柄かが決定される。
本実施形態では、大当たり後に15R確変大当たりになる場合には青色のLEDを点灯させ、2R確変大当たりになる場合には赤色のLEDを点灯させ、15R通常大当たりになる場合には赤色のLEDと青色のLEDとを点灯さる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S1212の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81の変動演出の停止図柄を第1図柄表示装置37におけるLEDの点灯と同調して確定させるために確定コマンドを設定して(S1213)、本処理を終了する。音声ランプ制御装置113は、この確定コマンドを受信すると、表示制御装置114に対してそのまま確定コマンドを送信する。第3図柄表示装置81は、変動演出時間が経過すると変動が停止し、確定コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81における停止図柄が確定される。
<主制御装置による変動開始処理>
次に、図19を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動開始処理(S1207)について説明する。図19は、変動開始処理(S1207)を示したフローチャートである。この変動開始処理(S1207)は、タイマ割込処理(図17参照)の変動処理(図18参照)の中で実行され、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づき、「大当たり」又は「外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定する。
変動開始処理では、まず、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する抽選(当否判定)処理を行う(S1301)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々の遊技状態との関係に基づいて判別される。上述した通り、パチンコ機10の遊技状態が低確率状態の場合は、大当たり乱数テーブル202aの中で「低確率状態」に対応づけられた「7,307,582」が大当たり乱数値となり、パチンコ機10の遊技状態が高確率状態の場合は、大当たり乱数テーブル202aの中で「高確率状態」に対応づけられた「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が大当たり乱数値となる。S1301の処理では、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの大当たり乱数値とを比較して、それらが一致する場合に、大当たりであると判別する。
そして、S1301の処理の結果、大当たりであると判別された場合(S1301:Yes)、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S1302)。この処理では、第1当たり種別カウンタC2と大当たり種別テーブル202cとによって設定される大当たり種別、即ち、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する15R確変大当たりか、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する2R確変大当たりか、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行する15R通常大当たりか、に基づいて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、その大当たり後の移行状態に基づいて、第3図柄表示装置81で各種大当たりに対応した大当たり図柄を停止表示させるべく、大当たり種別(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターン(変動演出時間)を決定する(S1303)。この変動パターンの決定は、S1302の処理で設定された大当たり種別と、変動種別カウンタCS1の値と、大当たり用変動パターンテーブル202cとに基づいて行われる。S1303の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37の表示時間が設定される。
S1301の処理で大当たりではないと判別された場合には(S1301:No)、外れ時の表示態様が設定される(S1304)。S1304の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。本実施形態では、上述したように、高確率状態であるか、低確率状態であるかに応じて、停止パターン選択カウンタC3の各停止パターンに対応する値の範囲が異なるようテーブルが設定されている。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S1305)。この変動パターンの決定は、パチンコ機10の遊技状態(高確率状態か、時短中か、もしくは時短中を除く低確率状態か)と、S1302の処理で設定された停止種別と、変動種別カウンタCS1の値と、外れ用変動パターンテーブル202dとに基づいて行われる。S1305の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37の表示時間が設定される。
S1303の処理またはS1305の処理が終わると、そのS1303又はS1305の処理で決定された変動パターン種別を表示制御装置114へ通知する変動パターンコマンドを設定する(S1306)。次いで、S1302又はS1304の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S1307)。
S1307の処理が終わると、予告パターンを決定するとともに、決定された予告パターン種別を表示制御装置114へ通知する予告パターンコマンドを設定する(S1308)。この予告パターンの決定は、予告種別カウンタCA1の値と予告パターンテーブル202eとに基づいて行われる。次いで、S1308の処理で設定された予告パターン種別に基づいて、変動演出時間調整処理(S1309)が行われる。変動演出時間調整処理は、決定された予告パターン種別が所定の予告パターンであった場合(本実施例では、予告パターンa又は予告パターンb)には、変動演出時間(S1210の変動時間等)を調整(短縮)する処理を行うとともに、S1303の処理又はS1305の処理で設定された第1図柄表示装置37の表示時間も調整(短縮)する処理を行う。
これらの変動パターンコマンド、停止種別コマンド及び予告パターンコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図23)のS1701の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。
<主制御装置による始動入賞処理>
次に、図20のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S1105)を説明する。図20は、この始動入賞処理(S1105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S1105)は、タイマ割込処理(図17参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合は、各種乱数カウンタが示す値の保留処理を実行する。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S1401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S1401:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S1402)。そして、第1入球口64への入賞がないか(S1401:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S1402:No)、タイマ割込処理へ戻る。一方、第1入球口64への入賞があり(S1401:Yes)、且つ、保留球数N<4であれば(S1402:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)を1加算し(S1403)、更に、前記ステップS1103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM203の保留球格納エリア203cの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S1404)。
次いで、S1403の処理によって更新された保留球数Nの値を含めた保留球数コマンドを作成し(S1405)、作成した保留球数コマンドを設定して(S1406)、始動入賞処理を終了し、タイマ割込処理へ戻る。この保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図23)のS1701の処理で音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113では、保留球数コマンドに含められた保留球数Nに基づいて、音声ランプ制御装置113の中で保留球数を管理する。
<主制御装置によるNMI割込処理>
図21は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1501)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
<主制御装置による立ち上げ処理>
次に、図22を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図22は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1601)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S1602)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1603)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S1604)、オンされていれば(S1604:Yes)、処理をS1611へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1604:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1605)、記憶されていなければ(S1605:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1611へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1605:Yes)、RAM判定値を算出し(S1606)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1607:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1611へ移行する。なお、図23のS1712の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1611の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1611)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1612,S1613)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S1612,S1613)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1612,S1613)を実行する。RAMの初期化処理(S1612,S1613)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1612)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1613)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1610の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1604:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1605:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1607:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1608)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1609)、S1610の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S1610の処理では、割込みを許可する(S1610)。そして、後述するメイン処理に移行する。
<主制御装置によるメイン処理>
次に、図23を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図23は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1701〜S1705の各処理が実行され、その残余時間でS1708,S1709のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図17参照)の中でRAM234に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1701)。具体的には、タイマ割込処理(図17参照)におけるS1101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、始動入賞処理(図20参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値と予告種別カウンタCA1の値を更新する(S1702)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。また、予告種別カウンタCA1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では99)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値と予告種別カウンタCA1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。
変動種別カウンタCS1と予告種別カウンタCA1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1703)、次いで、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S1704)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。
次に、第2図柄表示装置83による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S1705)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)267を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1706)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1706:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1707)、既に所定時間が経過していれば(S1707:Yes)、処理をS1701へ移行し、上述したS1701以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1707:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1及び第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1及び予告種別カウンタCA1の更新を繰り返し実行する(S1708,S1709)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1708)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では899、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ203bにそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1及び予告種別カウンタCA1の更新を、S1702の処理と同一の方法によって実行する(S1709)。
ここで、S1701〜S1705の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1及び予告種別カウンタCA1についてもランダムに更新することができる。
また、S1706の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1706:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図21のNMI割込処理が実行されたということなので、S1710以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1710)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1711)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1712)、RAM203のアクセスを禁止して(S1713)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1706の処理は、S1701〜S1705で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1708とS1709の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1701の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1701の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1601)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1701の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
<音声ランプ制御装置による各制御処理>
次に、図24から図30を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
<音声ランプ制御装置による立ち上げ処理>
まず、図24を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図24は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1801)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1919の電源断処理(図25参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1802)。図25を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図25のS1916参照)、S1919の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1919の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1802:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1919の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1803)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1806の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1803:Yes)、S1804へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1803:No)、S1808へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1803:Yes)、S1804へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1919の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1803:No)、S1808へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1802:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1919の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1804へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1804の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1804)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1805:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1806)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1805:No)、RAM223の異常を報知して(S1807)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1808の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1808)。電源断フラグはS1919の電源断処理の実行時にオンされる(図25のS1918参照)。つまり、電源断フラグは、S1919の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1808の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1919の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1808:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1809)、RAM223の初期値を設定した後(S1810)、割込み許可を設定して(S1811)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1808の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1804からS1806の処理を経由してS1808の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1808:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1809をスキップして、処理をS1810へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1810)、割込み許可を設定して(S1811)、メイン処理へ移行する。
なお、S1809のクリア処理をスキップするのは、S1804からS1806の処理を経由してS1808の処理へ至った場合には、S1804の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
<音声ランプ制御装置によるメイン処理及び振動センサ入力監視処理>
次に、図25を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図25は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、前回S1901の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1901)、1m秒以上経過していなければ(S1901:No)、S1902〜S1912の処理を行わずにS1913の処理へ移行する。尚、S1901の処理が初めて行われた場合は、S1902の処理へ移行する。
S1901の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1902〜S1912の表示や音声の設定(即ち、演出の設定)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1913のコマンド判定処理やS1914の遊技回演出設定処理やS1915の期待度メータ表示処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1913の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1914及びS1915の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、遊技回演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1901の処理で1m秒以上経過していれば(S1901:Yes)、まず、S1903〜S1915の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1902)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1909の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1903)、その後電源投入報知処理を実行する(S1904)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1905の処理へ移行する。
S1905の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理(S1906)が実行される。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、保留球数カウンタ223aの値に応じて保留ランプ285を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視処理が実行される(S1907)。この枠ボタン入力監視処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この枠ボタン入力監視処理の詳細については、図29を参照して後述する。
枠ボタン入力監視処理が終わると、振動センサ入力監視処理が行われる(S1908)。この振動センサ入力監視処理は、振動センサ228からの入力信号を監視し、パチンコ機10に振動が与えられたか否かを検出する処理である。
ここで、図26を参照して、振動センサ入力監視処理(S1908)の詳細について説明する。図26は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される振動センサ入力監視処理(S1908)を示したフローチャートである。
振動センサ入力監視処理(S1908)では、まず、振動センサ228から振動センサ228の出力値(振動レベル)を読み込み(S1951)、その読み込んだ出力値から振動レベルが所定レベル以上か否かを判別する(S1952)。その結果、振動レベルが所定レベル未満であれば(S1952:No)、振動センサ入力監視処理を終了し、メイン処理(図25)に戻る。
一方、振動レベルが所定レベル以上であれば(S1952:Yes)、パチンコ機10に振動が与えられたと判断し、音声出力装置226から警報音が出力されるように設定する(S1953)と共に、表示制御装置114に対して振動エラーの発生を通知するエラーコマンドを設定して(S1954)、メイン処理(図25)に戻る。これにより、表示制御装置31では、振動エラーを報知するエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理が行われる。
図25に戻って、メイン処理の説明を続ける。振動センサ入力監視処理(S1908)を終了すると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S1909)、その後音編集・出力処理を実行する(S1910)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。また、振動センサ入力監視処理(図26参照)により、警報音の出力が設定された場合は(S1953参照)、この音編集・出力処理によって、警報音の出力パターンが設定され、警報音が音声出力装置226から出力される。
S1910の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1911)、その後、カウンタ更新処理が行われて(S1912)、S1913の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンド及び予告パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間(変動パターンコマンドにより決定される変動演出時間、又は、変動パターンコマンド及び予告パターンコマンドにより調整された変動演出時間)と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1909のランプ編集処理が実行される。なお、S1910の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
また、カウンタ更新処理では、RAM223に設けられた各種カウンタの更新が行われる。例えば、詳細変動パターンカウンタ223bの更新、及び、詳細予告態様カウンタ223cの更新が、このカウンタ更新処理の中で行われる。詳細変動パターンカウンタ223bの更新は、所定の範囲(本実施形態では、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(99)に達した後0に戻すことによって行われる。また、詳細予告態様カウンタ223cの更新は、所定の範囲(本実施形態では、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(99)に達した後0に戻すことによって行われる。
S1913の処理では、主制御装置110から各種コマンドを受信したか否かを判別し、受信した各種コマンドに基づいて所定の処理を実行するコマンド判定処理を行う。このコマンド判定処理の詳細については、図27を参照して後述する。
次いで、S1914の処理では、第3図柄表示装置81において遊技回演出を表示させるために、S1913の処理において主制御装置110より受信したか否かを判別した変動パターンコマンド及び予告パターンコマンドなどに基づいて表示用遊技回演出コマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する遊技回演出設定処理を実行する。なお、予告パターンコマンドは、煽り演出(キワ煽り演出)の時間の調整の要否を判断する際にも用いられるものである。この遊技回演出設定処理の詳細については、図28を参照して後述する。
遊技回演出設定処理(S1914)の後、期待度メータ表示処理を実行する(S1915)。この期待度メータ表示処理は、期待度アップ予告演出中に、当該予告演出の期待度ランクに基づいて、適宜、表示されている期待度メータ160のメータ高さの上下動を実行するための処理である。期待度メータ表示処理の詳細については、図30を参照して後述する。
S1915の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1916)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1916の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1916:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1918)、電源断処理を実行する(S1919)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1920)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1916の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1916:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1917)、RAM223が破壊されていなければ(S1917:No)、S1901の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1917:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
<音声ランプ制御装置によるコマンド判定処理>
次に、図27を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1913)について説明する。図27は、このコマンド判定処理(S1913)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1913)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図25参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S2001)。そして、変動パターンコマンドを受信したと判別された場合(S2001:Yes)、変動パターンコマンドから変動パターン種別(変動A〜E、2R変動のいずれか)を抽出して(S2002)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の遊技回演出設定処理(図28参照)において、この記憶された変動パターン種別に基づき、詳細変動パターンが決定される。
一方、変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合(S2001:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S2003)。そして、停止種別コマンドを受信したと判別された場合(S2003:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグをオンし(S2004)、更に、その停止種別コマンドで示される停止種別を抽出してRAM233に記憶して(S2005)、メイン処理に戻る。
一方、停止種別コマンドを受信していないと判別された場合(S2003:No)、主制御装置110より予告パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S2006)。そして、予告パターンコマンドを受信したと判別された場合(S2006:Yes)、予告パターンコマンドから予告パターン種別(予告パターンa〜eのいずれか)を抽出して(S2007)、メイン処理に戻る。ここで抽出された予告パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の遊技回演出設定処理(図28参照)において、この記憶された予告パターン種別に基づき、詳細予告態様が決定される。
一方、予告パターンコマンドを受信していないと判別された場合(S2006:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判別する(S2008)。そして、保留球数コマンドを受信したと判別された場合(S2008:Yes)、保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値(即ち、主制御装置110に保留された変動演出の保留球数)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aに格納する(S2009)。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、S2009の処理によって、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値を主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値が主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値とずれても、始動入賞検出時に、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値を修正し、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に合わせることができる。
また、S2009の処理の後、S2009の処理によって更新された保留球数カウンタ223aの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定して(S2010)、メイン処理に戻る。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
S2006の処理の結果、保留球数コマンドを受信していないと判別された場合(S2008:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判別し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S2011)、メイン処理に移行する。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。主制御装置110より受信したデモコマンドや確定コマンドは、このS2011の処理によって、表示用デモコマンドおよび表示用確定コマンドとして設定され、表示制御装置114に送信される。
<音声ランプ制御装置による遊技回演出設定処理>
次に、図28を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される遊技回演出設定処理(S1914)について説明する。図28は、この遊技回演出設定処理(S1914)を示したフローチャートである。この遊技回演出設定処理(S1914)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図25参照)の中で、第3図柄表示装置81において上述した遊技回演出を表示させるために実行される。
具体的には、主制御装置110より受信した変動パターンコマンド、停止種別コマンド及び予告パターンコマンドに基づいて、遊技回演出の詳細な演出態様(詳細変動パターン又は/及び詳細予告態様)を決定し、その決定した詳細な演出態様を表示制御装置114へ通知する表示用遊技回演出コマンドを生成する。また、停止種別コマンドから抽出した停止種別を表示制御装置114へ通知する表示用停止種別コマンドを生成する。そして、生成した表示用遊技回演出コマンド及び表示用停止種別コマンドを表示制御装置114に送信する設定を行う処理である。また、遊技回演出(変動演出)の表示に伴って保留球数カウンタ223aの値を更新して、更新後の保留球数を表示制御装置114に通知するために表示用保留球数コマンドを設定する処理も行う。なお、詳細予告態様の決定は、変動パターンコマンドが所定の変動種別(変動A又は変動B)である場合のみ実行される。
遊技回演出設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグがオンか否かを判別する(S2101)。そして、変動開始フラグがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S2101:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、この遊技回演出設定処理を終了して、メイン処理に戻る。一方、変動開始フラグがオンであると判別された場合(S2101:Yes)、変動開始フラグをオフし(S2102)、次いで、コマンド判定処理(図27参照)のS2002の処理において変動パターンコマンドより抽出された遊技回演出における変動パターン種別(変動A〜E、2R変動のいずれか)と、S2005の処理において停止種別コマンドより抽出された遊技回演出における停止種別と、S2007の処理において予告パターンコマンドより抽出された遊技回演出における予告パターン種別とを、RAM223より取得する(S2103)。
そして、詳細変動パターンカウンタ223bの値を読み出し、その詳細変動パターンカウンタ223bの値と、S2103の処理より取得した変動パターン種別および停止種別と、詳細変動パターンテーブル222aとに基づいて、詳細変動パターンを決定する(S2104)。
主制御装置110から変動パターンコマンドによって通知される変動パターン種別は、変動演出時間のみが規定されているが、このS2104によって、その変動演出時間に対して用意された各種の詳細変動パターンの中から1つが選択され、これから実行する遊技回演出の詳細変動パターンとして決定される。
例えば、変動パターンコマンドによって通知された変動パターン種別が変動A(変動演出時間35秒)であった場合、変動演出時間35秒に対して用意された多数の詳細変動パターンの中から1つの詳細変動パターンが選択される。ノーマルリーチAは、変動パターンコマンドによって通知された変動パターン種別が変動A(変動演出時間35秒)であった場合に選択される詳細変動パターンである。また、変動パターンコマンドによって通知された変動パターン種別が変動B(変動演出時間60秒)であった場合、変動演出時間60秒に対して用意された多数の詳細変動パターンの中から1つの詳細変動パターンが選択される。スーパーリーチBは、変動パターンコマンドによって通知された変動パターン種別が変動B(変動演出時間60秒)であった場合に選択される詳細変動パターンである。
次いで、S2103の処理より取得した変動パターン種別が、変動A(変動演出時間35秒)又は変動B(変動演出時間60秒)であるか否かを判別する(S2105)。つまり、変動パターン種別が期待度アップ予告演出枠を有するものであるか否か(遊技回演出中に期待度アップ予告演出が行われる可能性があるか否か)を判別する。判別された変動パターン種別が、変動Aでも変動Bでもない場合(S2105:No)には、S2104の処理で決定した詳細変動パターンにより表示制御装置114へ通知するための表示用遊技回演出コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2106)。
また、S2105の処理において、判別された変動パターン種別が変動A又は変動Bである場合(S2105:Yes)には、詳細予告態様カウンタ223cの値を読み出し、その詳細予告態様カウンタ223cの値と、S2103の処理より取得した予告パターン種別及び停止種別と、期待度ランクテーブル222bと、詳細予告態様テーブル222cとに基づいて、詳細予告態様を決定する(S2107)。なお、停止種別は、遊技回演出の最終段階に期待度アップ予告演出枠が設けられており、目的達成型の期待度アップ予告が煽り演出として行われる場合に、当該予告演出の展開結果表示と最終停止図柄の確定表示とを整合性の取れたものとするために参照されるものである。例えば、上述したように、スーパーリーチB1の期待度アップ予告演出枠B2においてバトル演出による煽り演出が行われる場合(図12及び図14参照)に、確定表示が大当たり停止図柄となる場合には展開結果表示が目的達成時の映像(図14(d)参照)が選択され、確定表示が外れ停止図柄となる場合には展開結果表示が目的未達成時の映像(図14(e)参照)が選択されるように設定する。
次いで、期待度ランクテーブル222bに基づいてS2103の処理より取得した予告パターン種別が変動演出時間の調整を必要とするものであるか否かを判別する(S2108)。具体的には、取得した予告パターン種別が、予告パターンa又は予告パターンbであるかが判別される。
取得した予告パターン種別が、予告パターンa又は予告パターンbであると判別された場合(S2108:Yes)には、S2104の処理で決定した詳細変動パターンの変動演出時間に調整を加えた調整詳細変動パターン(図11(b)、図12(b)参照)と、S2107の処理で決定した詳細予告態様とを表示制御装置114へ通知するための、表示用遊技回演出コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2109)。ここで、調整詳細変動パターンとは、S2104の処理で決定した詳細変動パターンにおいて、変動演出(遊技回演出)の最終段階で行われる煽り演出のキワ煽り演出の時間(キワ煽り演出時間)を所定の秒数(本実施例では5秒)調整(短縮)する処理を行ったものである。つまり、S2108において、変動演出時間の調整が必要であると判別した際には、煽り演出のキワ煽り時間の調整により変動演出時間を調整する処理を行う。
取得した予告パターン種別が、予告パターンa及び予告パターンb以外であると判別された場合(S2108:No)には、S2104の処理で決定した詳細変動パターン(図11(a)、図12(a)参照)と、S2107の処理で決定した詳細予告態様とを表示制御装置114へ通知するための、表示用遊技回演出コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2110)。
表示制御装置114では、この表示用遊技回演出コマンド(S2106又はS2109又はS2110で設定されたもの)を受信することによって、この表示用変動パターン遊技回演出コマンドによって示される詳細変動パターン又は調整詳細変動パターンで第3図柄表示装置81に第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御を開始し、期待度アップ予告演出枠を有する場合にはこの表示用遊技回演出コマンドによって示される詳細予告態様で第3図柄表示装置81に期待度アップ予告演出表示が行われるように、その予告演出の表示制御を開始する。
S2106又はS2109又はS2110の処理において遊技回演出コマンドを設定した後は、S2103の処理により取得した停止種別を表示制御装置114へ通知するための、表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2111)。
また、表示制御装置114では、表示用停止種別コマンドを受信することによって、その停止種別に合った停止図柄を選定し、表示用遊技回演出コマンドによって開始された変動演出を確定表示させるときに、その選定した停止図柄を表示する。
次いで、表示用遊技回演出コマンドの設定に伴い、保留球が消費される(即ち、保留球に対応する遊技回の変動表示の設定が行われた)のに合わせて、保留球数カウンタ223aの値を1減らし(S2112)、更新後の保留球数カウンタ223aの値で示される保留球数を表示制御装置114に対して通知するための表示用保留球数コマンドを設定する(S2113)。表示制御装置114は、表示用保留球数コマンドにより示される保留球数に応じた数の保留球数図柄を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。よって、遊技者は、第3図柄表示装置81に表示された保留球数図柄の数をカウントすることによって、保留された球の数を認識することができる。
なお、本実施例においては、音声ランプ制御装置113が、詳細変動パターン又は調整詳細変動パターンと、詳細予告態様とに基づいて表示用遊技回演出コマンドを生成し、さらに、停止種別に基づいて表示用停止種別コマンドを生成して、両コマンドを表示制御装置114に送信する構成としたが、このような構成に限らず、適宜、コマンドを生成して送信する構成とすることができる。例えば、詳細変動パターンに基づいた詳細変動パターンコマンド、変動時間の調整の要否に基づいた調整コマンド、詳細予告態様に基づいた詳細予告コマンド、停止種別に基づいて表示用停止種別コマンドの各コマンドを生成して、表示制御装置114に送信するなど、これらの情報を通知するためのコマンドを生成して表示制御装置114へ通知できる構成であればよい。音声ランプ制御装置113にて、詳細変動パターンにおいてその変動演出時間の調整を勘案した調整詳細変動パターンコマンドを生成するのか否かも、適宜、設定することができる。
<音声ランプ制御装置による枠ボタン入力監視処理>
次いで、図29を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される枠ボタン入力監視処理(S1907)について説明する。図29は、この枠ボタン入力監視処理(S1907)を示したフローチャートである。この枠ボタン入力監視処理(S1907)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図25参照)の中で実行され、上述したように、遊技者による枠ボタン22の操作指示を監視して受け付ける処理を行う。
この枠ボタン入力監視処理では、まず、変動演出実行中か否かを判別し(S2121)、変動演出実行中であれば(S2121:Yes)、次いで、枠ボタン操作受付期間中であるか否かを判別する(S2122)。そして、その枠ボタン操作受付期間中であれば(S2122:Yes)、枠ボタン操作フラグ223dをオンに設定して(S2123)、枠ボタン入力監視処理を終了する。これにより、期待度メータ表示処理において、遊技者が枠ボタン22を操作した際に期待度メータ表示処理が実行される。
また、S2121の処理によって、変動演出実行中でないと判別された場合は(S2121:No)、遊技状態に応じた処理を実行して(S2124)、枠ボタン入力監視処理を終了する。S2124の処理では、例えば、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。
S2122の処理において、枠ボタン操作受付期間中でなければ(S2122:No)、
枠ボタン操作フラグをオフに設定する処理を行い(S2125)、枠ボタン入力監視処理を終了する。これにより、変動演出実行中において枠ボタン操作受付期間中でないときに枠ボタン22が操作されても、その操作は無効とされる。
<音声ランプ制御装置による期待度メータ表示処理>
次いで、図30を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される期待度メータ表示処理(S1915)について説明する。図30は、この期待度メータ表示処理(S1915)を示したフローチャートである。この期待度メータ表示処理(S1915)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図25参照)の中で実行され、上述したように、遊技回演出において期待度アップ予告演出が実行される際に、その期待度ランクを遊技者に報知するための期待度メータ160を表示する処理である。
この期待度メータ表示処理では、まず、枠ボタン操作フラグ223dがオンか否かを判別し(S2171)、枠ボタン操作フラグ223dがオンではなくオフの場合は(S2171:No)、そのまま期待度メータ表示処理を終了する。
一方、枠ボタン操作フラグ223dがオンである場合は(S2171:Yes)、遊技者の枠ボタン22操作による入力信号を受信したか否かを判別する(S2172)。入力信号を受信しなかった場合は(S2172:No)、そのまま処理期待度メータ表示処理を終了する。入力信号を受信した場合は(S2172:Yes)、遊技者による枠ボタン22の操作を受け付けたことを意味するので、枠ボタン操作フラグ223dをオフに設定(S2173)した後、期待度メータ表示コマンド(S2174)を設定して、期待度メータ表示処理を終了する。
メータ表示コマンドは、コマンド判定処理(図27参照)のS2002の処理において変動パターンコマンドより抽出された遊技回演出における変動パターン種別と、S2100の処理において予告パターンコマンドより抽出された遊技回演出における予告パターン種別と、期待度ランクテーブル222bとに基づいて生成されたコマンドであり、遊技回演出における期待度アップ予告演出枠の時間的な設定位置に関する情報と、当該期待度アップ予告演出枠において実施される予告演出の期待度ランクに関する情報を含むものである。
ここで設定されたメータ表示コマンドは、メイン処理(図25)のS1902の処理によって、表示制御装置114へ送信される。これにより、遊技回演出の枠ボタン有効告知表示(枠ボタン操作受付期間)中に、遊技者による枠ボタン22の操作があった場合には、その指示に応じて、期待度メータ160を第3図柄表示装置81に表示することができる。
表示制御装置114のMPU231は、遊技者による枠ボタン22の操作により、期待度メータ160を第3図柄表示装置81の演出表示領域Dbの画面右端に速やかに表示し、遊技回演出が終了する直前まで、即ち、確定表示が行われる直前まで期待度メータ160を表示する。遊技回演出において期待度アップ予告演出枠が設定されているか否かに関わらず、遊技者の指示に応じて期待度メータ160を常に表示することにより、遊技者に遊技回演出の演出態様を悟られてしまうことを防ぐことができる。なお、この表示態様に限らず、遊技者が枠ボタン22の操作をした場合に、操作入力を受け付けたことを他の方法(例えば、音声出力やランプ点灯など)により報知し、期待度アップ予告演出枠において期待度アップ予告演出が実行される期間だけ、期待度メータ160を表示する構成としてもよい。
実施例1の遊技機(パチンコ機10)によれば、期待度アップ予告演出枠及び煽り演出を有する詳細変動パターンによる遊技回演出が実行される場合に、期待度アップ予告演出枠で実行される期待度アップ予告演出の期待度(期待度ランク)に基づいて、煽り演出(キワ煽り演出)の時間を調整することができる。図11又は図12に示すように、遊技回演出において同じ詳細変動パターンが選択され、一方がキワ煽り演出時間の調整がなく、他方がキワ煽り演出時間の調整がある場合において、両遊技回演出は、期待度アップ予告演出枠で実行される期待度アップ予告演出の演出態様が異なる以外、変動演出、予告演出、煽り演出が同じタイミングで開始され、変動演出態様や煽り演出の演出態様を同じとすることができるので、遊技者には煽り演出が終了するまで両遊技回演出の違いに気づくことがなく、遊技回終了まで大当たりを期待させることができる。具体的には、本実施例においては、変動Aと変動Bとにおいて、共通の期待度ランクテーブル222b及び詳細予告態様テーブル222cを使用するので、変動Bが選択された場合に表示される遊技回演出の前半部分(ノーマルリーチ変動終了までの部分)が、変動Aが選択された場合に表示される遊技回演出と全く同じ演出となることがあり、遊技者の興趣を高めることができる。
また、煽り演出の演出時間を、期待度アップ予告演出枠で実行された予告演出の期待度ランクに応じたものとすることにより、遊技者が煽り演出(キワ煽り演出)を無駄な時間であると感じる虞を低減することができる。つまり、期待度アップ予告演出枠で実行される期待度アップ予告演出の期待度(期待度ランク)が低い場合には、煽り演出時間を短く調整して当該遊技回演出をさっと終わらせて、次の遊技回演出に移ることができ、期待度アップ予告演出の期待度(期待度ランク)が高い場合には、煽り演出時間を長いままとして、遊技者が煽り演出を楽しめるように調整できる構成となっている。
2つの図柄列が同じ目で停止するリーチ状態が発生する遊技回演出では、リーチ状態発生後に煽り演出が実行される。本実施例においては、煽り演出として2つの演出態様を示した。1つ(ノーマルリーチA、図11参照)は、その前半部分で最終停止図列を視認可能な速度で変動させて、後半部分のキワ煽り演出においてその図列をコマ送り変動させて停止させる変動表示による演出であり、もう1つ(スーパーリーチB、図12参照)は、メインキャラと対戦相手とのバトル映像に切り替えることで煽り演出を開始し、後半のキワ煽り演出においてメインキャラの最後の一打が当たるか否かの状態のままで間を取りバトル結果を表示するストーリー展開映像による演出であるが、これらの演出態様に限られないのは勿論である。
最終停止図柄列の図柄の変動表示による煽り演出をする際は、変動演出時間を調整する場合と、調整しない場合とで、最終停止図柄列の変動速度が同様又は略同様である変動演出がなされ、高速変動している最終停止図柄列の変動速度を遅くするタイミングを僅かにずらして調節したり、キワ煽り演出において図柄をコマ送りする回数を調節して停止種別が同一の他の図柄を表示したりすることにより、一貫性を持った煽り演出を行いつつ、キワ煽り演出時間の長さのみを調整するように構成することにより実現することができる。このような構成とすることで、煽り演出時間(キワ煽り演出時間)の調整を簡単に実行することができる。
ストーリー展開映像による煽り演出としては、例えば、敵との対戦での「勝利」と「敗北」、個人的なチャレンジでの「成功」と「失敗」、恋愛における「カップル成立」と「カップル不成立」、約束や任務の「完遂」と「未完」など、ストーリー展開により異なる結果となる可能性のある達成型の演出などであればよい。また、煽り演出において表示されるストーリー展開映像は、抽選結果で表示される確定図柄に対応したものとして、一貫性を有するように構成することが望ましい。なお、実施例においては、煽り演出はその後半部分にキワ煽り演出を実行するように設定して、この演出時間を調整する構成としたが、これに限らない。特にキワ煽り演出を設定せず、異なる結果のストーリー展開毎に、煽り演出時間の長い映像と短い映像を表示制御装置114に格納しておき、期待度アップ予告演出枠で実行された予告演出の期待度(期待度ランク)に基づいて、適宜、表示するように構成してもよい。つまり、煽り演出時間自体を調整する構成とすることもできる。
また、煽り演出の後半部分にキワ煽り演出を設定する場合には、キワ煽り演出は、画像切り替えにより表示され、かつ、展開結果を表示する直前の状態、即ち、前半部分の展開演出により示された目的や願望等が達成されるか否かの状態を表現し、間(ま)を取るように表示される演出であることが望ましい。例えば、ペナルティキックにおいて蹴り出されてゴールネット側に到達するまでのボールや、プロポーズにおいて渡される指輪の映像など、煽り演出の前半部分の展開演出と関連したカットイン画像による演出(カットイン演出)であり、キワ煽り演出後にその結果を表示する展開結果表示画像にさらに切り替えることができることが望ましい。キワ煽り演出を、演出時間の長さ変更が影響しない演出態様のものとすることにより、キワ煽り演出の演出時間を適宜調整しても煽り演出の前半部分及び展開結果表示との一貫性を保つことができる。よって、例えば、煽り演出時間の調整(短縮)する場合には、単に調整しない場合に使用する映像(ムービー)の一部を利用することで実現することが可能である。また、キワ煽り演出を簡単な複数の画像又は映像の繰り返しなどにより構成される演出とすれば、その繰り返し回数を変更するだけでその演出時間の変更を簡単に実現することができる。このような構成とすることで、キワ煽り演出の時間(キワ煽り演出時間)の調整が容易であり、キワ煽り演出時間のみを調整することにより、煽り演出時間の調整を簡単に実行することができる。また、キワ煽り演出が終了するまで遊技者に大当たりを期待させることができる。
本実施例においては、音声ランプ制御装置113(サブ制御装置)は、期待度ランクテーブル222b(図9参照)において、一方で予告パターン種別と期待度アップ予告演出の期待度ランクとを対応付け、他方で予告パターン種別と変動演出時間(煽り演出時間)の調整の要否とを対応付けることにより、期待度アップ予告演出の期待度ランクと変動演出時間(煽り演出時間)の調整の要否とを対応付けた遊技回演出を行うことができる。
本実施例においては、主制御装置110のMPU201が、変動開始処理(図19参照)において、即ち、遊技回の変動開始直前に、当該遊技回の変動パターンコマンド、停止種別コマンド、予告パターンコマンド等の音声ランプ制御装置113に対するコマンドを略同時期に設定し、これらを音声ランプ制御装置113が受信する構成としているが、この構成に限らず、これらのコマンドを設定する時期を分散させることが可能である。例えば、変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを、予告パターンコマンドよりも先に設定する構成とすることが可能である。このような構成にすれば、音声ランプ制御装置113のMPU221は、遊技回演出(変動演出)開始前に受信した変動パターンコマンド及び停止種別コマンドに基づいて表示制御装置114に対するコマンドを設定して、表示制御装置114に、その遊技回演出の前半部分(例えば、本実施例におけるリーチ発生までの部分)の演出の映像や、遊技回演出で使用される背景などの映像、即ち、変動パターンが同じであれば予告パターンが異なる場合でも共通で使用される映像などを先に準備させることができる。
そして、音声ランプ制御装置113のMPU221は、遊技回演出の前半部分の演出が終了する略直前までに、主制御装置110から受信した予告パターンコマンドに基づいて決定した、遊技回演出の後半部分(期待度アップ予告演出枠)で実行する期待度アップ予告演出の詳細予告態様や煽り時間調整の要否に関するコマンドを、表示制御装置114に対して設定するようにして、第3図柄表示装置81に遊技回演出を表示させるように構成することができる。
本実施例のパチンコ機10のように、遊技回演出の演出構成に関するコマンドを、2つ(変動パターンコマンドと予告パターンコマンド)に分けて設定するので、遊技回演出の演出構成に関する情報を、遊技回演出の演出構成の順番などに合うように分散して、サブ制御装置(音声ランプ制御装置113や表示制御装置114)に受信させることができる。よって、サブ制御装置は、先に受信したコマンドに基づいて、適宜、当該遊技回演出のための画像データの準備などの処理を実行することが可能となる。
また、主制御装置110(主制御装置)と音声ランプ制御装置113(サブ制御装置)とが、それぞれ別個に、選択された予告パターンの種別に基づいて変動演出時間の調整の要否を判断して、適宜、変動演出時間を調整(短縮や延長などの変更)処理する構成としている。これにより、主制御装置110にかかる負担を軽減しているが、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に、変動演出時間の調整を指示するコマンドを適宜送信し、このコマンドに基づいて音声ランプ制御装置113(サブ制御装置)が変動演出時間を調整するように構成することもできる。このような構成であれば、期待度ランクテーブル222b(図9参照)において、変動演出時間の調整の要否に関する情報を格納しておく必要はない。
なお、パチンコ機10の各部材の形状、大きさ、構成等は上述した実施の形態に限定されず、遊技回演出中に実行される期待度アップ予告演出の期待度に応じて、煽り演出時間を調整できる構成であれば、本実施例の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できる。本実施例では、期待度アップ予告演出枠で実行される期待度アップ予告演出の期待度が低い場合に、煽り演出時間(キワ煽り演出時間)を短縮して調整する構成としたが、逆に、予め煽り演出時間を短めに設定しておいて期待度アップ予告演出枠で実行される期待度アップ予告演出の期待度が高い場合に、延長して調整するように構成してもよい。また、予告パターンテーブル202e1,202e2は、変動Aと変動Bについて、大当たり用と外れ用とを設けたが、遊技状況が通常の状態と高確率状態(確変中)のいずれであるかや、保留球数を勘案して設定してもよい。
パチンコ機10の電気的構成において、主制御装置110(主制御装置)が音声ランプ制御装置113(サブ制御装置)を介さずに、直接、表示制御装置114、第3図柄表示装置81、音声出力装置226、ランプ表示装置227の表示制御、演出制御を行うような構成としてもよい。また、主制御装置110(主制御装置)が、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とが一体となったサブ制御装置を介して、第3図柄表示装置81、音声出力装置226、ランプ表示装置227の表示制御、演出制御を行うような構成としてもよい。変動演出や予告演出の演出態様、例えば、期待度アップ予告演出枠の数、各期待度アップ予告演出枠の長さ(時間)や変動演出中での表示箇所(時間的な表示位置)、煽り演出やキワ煽り演出の長さ(時間)なども、適宜変更できることは勿論である。また、煽り演出やキワ煽り演出や演出期待度アップ予告演出等も、上述したものに限らず、例えば、表示されるキャラクターや文字情報、画面表示の方法が異なる種々の演出を、適宜実行するように構成することができる。