JP2017201441A - 装着機器、決済システム、および決済方法 - Google Patents
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Abstract
Description
一方で、個人認証されたユーザーの個人認証の結果を、他のユーザーに代理で利用させたい場合があった。例えば、家族などで1台の装着機器を共有し、夫の代理で妻が金融処理などを行いたい場合や、後見人などが被後見人の代理となり財産などの処理を行いたい場合である。
従って、装着機器により行われた第1使用者(ユーザー)の個人認証の結果を、容易な処理でかつ安全に第2使用者(代理人)へ継承することができる装着機器を提供することができる。
図1は、装着機器の利用形態の概要を表す説明図である。図2は、認証シーケンスの概要を表す説明図である。
装着機器1は、第1使用者としてのユーザーU1および第2使用者(または代理人)としてのユーザーU2の手首などに装着される端末である。装着機器1は、手首の周囲に巻き付けるバンド11に柔軟に変形可能なフレキシブルタイプの各種表示を行う表示部31と表示部31を覆うタッチパネルの操作部37が組み込まれている。図1に示す装着機器1は、ユーザーU1,U2の左手首に装着された状態であり、手の甲B側に表示部31と操作部37が備えられ、同じ左手の平F側にはバンド11を手首に装着し固定する開閉部12が備えられている。また、バンド11の内部には、CPU(Central Processing Unit)である制御部50、ユーザー(以降、ユーザーU1とユーザーU2とを区別しない場合は、単にユーザーと呼称する)の生体情報を検出する生体情報検出部20、および無線通信により各種データを送受信する通信部41などが関連する回路と共に内蔵されている。尚、ユーザーは、使用者に相当する。
尚、装着機器1および料金システム5は、決済システムに相当する。
図2に示すシーケンス図は、ユーザーU1による操作(U1)、ユーザーU2による操作(U2)、装着機器1の制御部50の処理、および料金システム5の処理における相互に連携する部分について、時間の流れに沿って(上から下へ)表している。尚、本シーケンスに示す処理方法は、決済方法に相当する。また、詳細は後述するが、制御部50は、機能部として認証処理部57、継承処理部69、要求検出処理部56、および判定処理部59を有している。
このようにして、制御部50は、ユーザーU1が個人認証された結果として可能となるユーザーU1のカード情報による支払い処理を、ユーザーU2に委託することができる。
以降、このような効果を得ることができる装着機器1の構成について以下に詳細に説明する。
図3は、装着機器の概略構成を示すブロック図である。
装着機器1は、装着部10、生体情報検出部20、報知部30、操作部37、計時部39、通信部41、制御部50、および記憶部70を備えて構成される。また、装着機器1は、通信7を介して料金システム5と接続されている。
バンド11および開閉部12は、上述したように装着機器1をユーザーの手首の周囲に環状形状を成し巻き付けて固定する部材である。
開閉部12は、スイッチセンサーを備えたバックルである。バックルは、片開き式、両穴式、二重ロック式、ピンバック式などいずれの方式であってもよい。スイッチセンサーは、バックルの開閉操作部に備えられている。バンド11が手首に固定された状態では、スイッチがONにされ、開閉部12からON信号が出力される。バンド11が手首から取り外されると、開閉部12からOFF信号が出力される。開閉部12から出力されるON/OFF信号は、制御部50へ出力される。
撮像センサー21は、光源およびCCD(Charge Coupled Device)センサーであり、光源およびCCDは、装着機器1がユーザーの手首に装着された状態で、ユーザーの手首側に配設されている。光源の照射光は、例えば、近赤外線を発光するLED(Light Emitting Diode)光源であり、CCDは、人体の体内に網羅する血管に反射した反射光の受光量を光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。生成した画像から、静脈血中の還元ヘモグロビンが近赤外線を吸収しやすい特性を利用して、静脈の画像信号を抽出する。抽出した静脈の画像信号を制御部50へ出力する。尚、撮像センサー21では、CMOSセンサーを使用してもかまわない。
脈波センサーは、LEDなどの発光素子およびフォトダイオードなどの受光素子を有し、発光素子により照射された光がユーザーの手首の血管で反射され、反射された光を集光し受光素子で受光する。この際、脈波センサーは、血管の拡張時と収縮時とで光の反射率が異なる現象を利用して、受光量の変動情報からユーザーの脈波波形を検出する。検出した脈波波形のデータは制御部50へ出力される。
温度センサーは、手首の皮膚温度や皮下深部などの温度を接触または非接触に検出する公知のセンサーである。検出した温度信号は制御部50へ出力される。
表示部31は、文字やアイコンの表示が可能な表示装置であり、例えば、上述したように柔軟に変形可能なフレキシブルタイプのドットマトリックス型EPD(Electrophoretic Display)などである。制御部50から入力した表示信号に基づいて各種情報を表示する。
音出力部33は、圧電ブザー、圧電振動子、圧電スピーカーなどを有して構成され、制御部50から入力される出力信号に基づく各種報知を行う音出力装置である。
振動部35は、圧電振動子、または超小型振動モーターなどであり、制御部50から入力される信号に基づいて駆動され、装着機器1を振動させる。
また、通信部41は、公衆無線LANアダプターとして、IP(Internet Protocol)を備え、コンピューター通信網としてのネットワークを介してインターネットやイントラネットの多様なサーバーや他のIoT(Internet of Things)機器と通信可能に接続されてもよい。
尚、通信部41は、通信する外部の機器との間で、共通のプロトコルを用いて通信をするとしているが、それらのプロトコルでは、公知の暗号化方式が適用され、送受信されるデータのセキュリティーは確保されている。
制御部50は、CPUやDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサーを有して構成され、装着機器1の各部を統括的に制御する制御装置および演算装置である。制御部50は、記憶部70に記憶された制御プログラム(図示は省略)を含む各種プログラムに従って装着機器1の各種機能を実現する。
制御部50は、主要な機能部として検出処理部52、要求検出処理部56、認証処理部57、判定処理部59、受付処理部61、告知処理部63、および継承処理部69を有し、これらの機能部をイベント処理部67およびイベントハンドラー(後述する)により統括的に制御して装着機器1の機能を実現する。また、制御部50では、上述の機能部が実現される以前に初期登録部65の機能を実行する。
初期登録部65は、装着機器1を利用するユーザーの初期登録を行う。詳しくは、初期登録部65は、操作部37および表示部31を制御してユーザーの個人情報やカード情報などの情報を取得する。取得した情報を記憶部70に個人情報テーブル72(図4)として格納する。格納時には、制御部50においてユーザーを識別するためのUID(User Identification)を生成し、ユーザーの情報として管理する。
イベント処理部67は、制御部50において各機能部をイベント駆動方式で制御するための仕組みを設定し、イベント処理ループを起動する。各種イベントには、装着機器1の装着を検出したイベント(装着イベントIV1)、装着機器1の装着解除を検出したイベント(非装着イベントIV3)、料金システム5から支払要求を受信したイベント(支払要求イベントIV5)、ユーザー操作によって装着機器1の継承設定が選択された場合のイベント(継承イベントIV7)などがある。イベント処理ループでは、これらのイベントが発生すると、イベントの種類毎に設定されたイベントハンドラー(図示は省略)へ処理を移す。イベントハンドラーは、制御部50を構成する機能部であり、イベント毎に対応する処理が記述された関数であり、必要に応じて各機能部を実行し、イベントに対応する処理を実現する。尚、イベントハンドラー処理のフローについては、図7〜図11、図15に示すフローチャート図を用いて後述する。
検出処理部52は、装着検出部53および非装着検出部55を有して構成される。
装着検出部53は、装着機器1がユーザーの手首に装着されたことを検出し、装着検出イベントの発生をイベント処理部67へ通知(出力)する。詳しくは、装着検出部53は、装着部10から出力されるON/OFF信号を監視する。信号が、OFFからONに変化すると、装着イベントIV1を出力する。
装着イベントIV1が、イベント処理部67へ通知されると、その通知によりイベントハンドラーに処理が移される。このイベントハンドラーでは、認証処理部57の機能を実現し、装着機器1を装着したユーザーが、予め初期登録部65により登録されているユーザーであるか判定する。尚、判定方法については、後述する認証処理部57で詳細を説明する。登録されているユーザーであると判定した場合には、ユーザーのUIDを、結果データ85(図6)へ格納する。引き続き、装着イベントIV1のイベントハンドラーでは、装着したユーザーが他のユーザーから(例えば、ユーザーU2がユーザーU1から)、権利継承されている場合(継承時)は、権利継承元のユーザー(ユーザーU1)に関する情報を表示部31へ出力し、いずれのユーザーからも権利継承されていない場合(非継承時)は、権利継承されていない旨の情報(非継承情報)を表示部31へ出力する。表示部31では、それぞれの情報が表示される。また、このとき音出力部33へ聴覚により注意を促すブザー音データ、または振動部35へ触覚を刺激する振動データを出力してもよい。尚、本イベントハンドラーによる情報を出力する機能および表示部31、音出力部33、振動部35を含む報知部30は、報知部に相当する。
図6に示す結果データ85の例では、ユーザーU1は、有効フラグが「0」であり、ユーザーU2は、有効フラグが「1」であることから、装着機器1は、ユーザーU2に装着されていることを示している。
非装着検出部55は、装着機器1がユーザーの手首から取り外されたことを検出し、非装着イベントIV3の発生をイベント処理部67へ通知(出力)する。詳しくは、非装着検出部55は、装着部10から出力されるON/OFF信号を監視する。信号が、ONからOFFに変化すると、非装着イベントIV3を出力する。
非装着イベントIV3がイベント処理部67へ通知されると、その通知によりイベントハンドラーに処理が移される。このイベントハンドラーでは、結果データ85の列85D(図6)の有効フラグを「0」に更新する。有効フラグが「0」に設定されることは、装着機器1を装着していたユーザーの個人認証の結果が無効になったことを示している。
尚、装着部10、検出処理部52および生体情報検出部20は、装着状態を検出する検出部に相当する。
要求検出処理部56は、通信部41の受信データを監視し、受信データがカード情報を要求する情報であった場合に、支払要求イベントIV5をイベント処理部67へ通知(出力)する。要求検出処理部56では、装着機器1およびユーザーにおいて支払い処理を受付可能な、支払い処理システム(料金システム5など)やカード会社およびサービスなどの情報を管理している。これらの情報は、記憶部70に予め要求受付元リスト(図示は省略)として格納されている。尚、要求受付元リストの内容は、情報元からネットワークを介して配信された情報に基づいて更新されている。
要求検出処理部56では、通信部41から取得した受信データが、要求受付元リストに含まれるデータであるか否かを判別し、存在していた場合には、受信データの内容と共に支払要求イベントIV5をイベント処理部67へ出力する。
支払要求イベントIV5がイベント処理部67へ通知されると、その通知により処理がイベントハンドラーに移される。このイベントハンドラーでは、判定処理部59を実行し、装着機器1を装着しているユーザーが個人認証された結果が有効であるか、または無効であるかを判定する。
尚、外部の料金システム5に出力する情報は、個人認証の結果に基づく情報のことであり、個人認証の結果の原データ(個人を特定したデータ)に限定するものではない。
尚、受信データの内容や送受信手順は、カード会社やサービスなどの取り決めに依存するため、それぞれの会社やサービスに対応する内容および送受信手順が適用される。
認証処理部57は、ユーザーにより装着機器1が装着された場合に、個人認証処理を行う。認証処理部57は、装着イベントIV1の通知により実行されるイベントハンドラーから呼び出されて実現される機能部である。認証処理部57は、生体情報検出部20(撮像センサー21)を制御して、生体情報としての静脈の画像信号を取得する。取得した静脈の画像信号から、静脈パターンの特徴点データを算出する。この処理は、初期登録部65により行われる処理と同様の処理が用いられる。つまり、同じ静脈の構成を持つ画像信号を初期登録部65および認証処理部57に適用することによって、それぞれから同じ特徴点データが算出されることになる。認証処理部57は、算出した特徴点データを、記憶部70に取得認証データ83として格納する。
尚、認証処理部57では、照合した結果に算出された相関係数が、所定値に満たない場合では、操作部37および表示部31を制御して、装着機器1の装着部10などの装着位置の調整、撮像センサー21により撮像される位置などの微調整、などをするようにユーザーへ促し、上述の照合処理を繰り返す。所定回数以上、照合処理を繰り返した結果、相関係数が所定値に満たない場合では、照合結果を不一致として判定する。認証処理部57では、このような処理は、ユーザーの操作に依存するため、照合結果が一致したという結果が出るまでの間(個人認証されるまでの間)の時間は、一定ではなく不定である。
また、認証処理部57では、通信部41を制御して、コンピューター通信網に設置されている認証サーバーと接続してもよい。認証サーバーには、予め、ユーザーによりユーザー固有の固有情報が格納されている。固有情報は、ユーザー自身により設定された情報であればいかなる情報でもよい。例えば、上述した生体情報、暗証番号、任意の文字や図形、予めユーザーにより設定された質問と答えなどの情報であってもよい。認証処理部57では、装着機器1を装着したユーザーから取得した情報を、認証サーバーに格納された固有情報と照合し、一致、不一致を判定する。また、認証サーバーによる個人認証は、上述した生体情報や暗証番号による照合と重複して実行されてもよい。
尚、認証処理部57は、認証部に相当する。
判定処理部59は、料金システム5などの支払い処理システムから支払要求を受信した場合に、装着機器1を装着しているユーザーの個人認証の結果が有効であるか、無効であるかを判定する。判定処理部59は、支払要求イベントIV5の通知により実行されるイベントハンドラーから呼び出されて実現される機能部である。判定処理部59は、結果データ85を参照して以下の(手順1)〜(手順3)により判定結果を出力する。
結果データ85のデータを1行ずつ内部変数に読み込む。 ・・・(手順1)
列85A(UID)が「NULL」でないことを判定する。・・・(手順2)
列85B(照合結果)が「1」かつ列85D(有効フラグ)が「1」であるか判定する。・・・(手順3)
手順1は、記憶部70から内部変数への読み込み処理、手順2は内部変数と「NULL」との比較処理、手順2が成立すると、手順3の処理へ進み、手順3では内部変数と数値「1」との比較処理が行われる。手順3が成立した場合に、該当するUIDのユーザーが個人認証され、その結果は有効であると判定する。手順2または手順3が成立しなかった場合では、ユーザーの個人認証の結果が、無効であると判定する。
このように、手順1〜手順3を実現するための処理ステップは一定のステップ数で実現でき、処理時間はCPUの処理速度(MIPS(Million instructions per second))に基づいて算出可能であり一定である。
尚、上述した判定処理部59では、判定処理部59にて、個人認証が有効か無効かの最終判定まで行っている例を示しているが、必ずしも、この例に限定されるものではなく、判定処理部59は、個人認証が有効か無効かの最終判定を行うために必要な情報を出力するような処理であってもかまわない。この場合は、判定処理部59の処理に基づいて、外部の端末である料金システム5によって、個人認証が有効か無効かの最終判定が行われる。個人認証の最終判定が、装着機器1の内部で行われる場合でも、装着機器1の外部機器である料金システム5で行われる場合でも、判定処理部59に基づいて、個人認証が有効か無効かの判定が行われることには変わりがない。
従って、上述した判定処理部59の情報処理によって、装着機器1では、料金システム5から支払要求された場合に、ユーザーが装着機器1を装着した状態であれば、都度の個人認証処理を行わずに照合結果を判定することができ、支払要求に対して速やかに回答処理を行うことができる。
尚、判定処理部59は、判定処理部に相当する。
受付処理部61および告知処理部63は、一対で機能する機能部である。受付処理部61は、操作部37および報知部30などを制御して、装着解除指示を受け付ける。告知処理部63では、装着機器1が取り外された(非装着になった)時点で、個人認証された結果は無効となり、装着解除指示を受け付けていない場合は、アラームなどの警告音を出力する。この構成により、ユーザーが装着解除指示をしないで装着機器1が取り外された場合に、ユーザーの意に反した取り外し行為が行われたことを警告する。
尚、上述の装着解除フラグが「ON」でない場合は、非受付時に相当し、警告音やアラーム音、警告を表す表示信号、振動信号は、異常情報に相当する。
継承処理部69は、個人認証されたユーザー(ユーザーU1)の情報を保有する装着機器1の使用権利を他のユーザー(ユーザーU2)へ継承する手続を行う。
制御部50は、操作部37と表示部31を制御して、所定操作が行われると継承イベントIV7をイベント処理部67へ通知する。
継承イベントIV7がイベント処理部67へ通知されると、その通知によりイベントハンドラーに処理が移される。このイベントハンドラーが実行されると、継承処理部69の機能が実現される。
継承処理部69は、継承受付部に相当し、装着機器1の権利継承指示をユーザー(ユーザーU1)から受け付ける。具体的には、継承処理部69は、ユーザーU1により継承先のユーザー(ユーザーU2)を選択させる継承先指定画面および継承情報を指定する継承情報指定画面を表示部31へ出力する。また、継承処理部69は、操作部37を制御して、ユーザーU1により選択された操作信号を取得する。
図13は、継承先指定画面の一例を示す図である。図14は、継承情報指定画面の一例を示す図である。継承先指定画面(画面D10)および継承情報指定画面(画面D20)は、表示部31に表示される画面であり、画面D10の操作の後で画面D20が表示される。操作部37により表示される選択メニューを選択することができる。
継承処理部69は、UID「0002」を内部変数に格納する。
また、継承処理部69では、画面D10において、「指定全解除」が選択、決定された場合は、個人情報テーブル72の列72Eに格納されているUIDを全て「NULL」に更新する。
記憶部70は、ROM(Read Only Memory)やフラッシュROM、RAM(Random Access Memory)、FeRAM(登録商標)(Ferroelectric RAM)等の記憶装置によって構成され、制御部50の各機能部を実現するための制御プログラムを含む各種プログラム(図示は省略)、データ等を記憶している。また、各種処理の処理中データ、変数、フラグの値、および処理結果などを一時的に記憶するワークエリアを有する。
記憶部70には、個人情報テーブル72、登録認証データ81、取得認証データ83、結果データ85などが格納されている。
個人情報テーブル72は、個人情報データ73とカード情報データ75とを含み、上述したように初期登録部65により格納されたユーザーを含むユーザーの個人情報データ73とカード情報データ75とが格納されている。
登録認証データ81には、上述したように初期登録部65により登録されたユーザーを含むユーザーの特徴点データが格納されている。
取得認証データ83には、上述したように認証処理部57により算出された特徴点データが格納されている。
結果データ85には、上述したように装着機器1に個人認証されたユーザーのUIDと、照合結果、照合時刻、有効フラグが格納されている。
尚、装着機器1には、電力発現部(図示は省略)が備えられていてもよい。装着機器1が有する電力発現部は、装着機器1を動作させるための電力を発現する。制御部50は、電力発現部からの電力により動作して各種情報を処理する。また、制御部50により制御される装着部10、生体情報検出部20、報知部30、操作部37、計時部39、通信部41、記憶部70などの各部も電力発現部からの電力により動作する。電力発現部の発電は、太陽発電(ソーラーセル)により実現されてもよいし、振動発電、手巻き発電または温度差発電などにより発現されてもよい。
図7は、メイン制御処理の流れを示すフローチャート図である。以降、図7を中心に適宜、各図を交えて説明する。尚、以下のフローは、メイン制御処理のフローであり制御部50が記憶部70に記憶されている制御プログラム(図示は省略)に基づいて制御部50が装着部10や生体情報検出部20を含む各部を制御することにより実行される。
図8は、初期登録処理の流れを示すフローチャート図である。本フローは、図7に示したメイン制御処理のステップS10の処理の詳細である。
ステップS120では、撮像画像を取得する。撮像センサー21を制御して、ユーザーの静脈画像を取得する。
ステップS130では、認証データを生成し登録する。静脈画像から静脈パターンの特徴点データを算出し、登録認証データ81に登録(格納)する。登録認証データ81に登録された特徴点データは、同ユーザーの個体を識別する特徴点データである。
図9は、装着イベント処理の流れを示すフローチャート図である。本フローは、図7に示したメイン制御処理のステップS40の処理の詳細である。
ステップS220では、認証データを生成し格納する。静脈画像から静脈パターンの特徴点データを算出し、取得認証データ83に格納する。
ステップS240では、照合結果が一致したか否か判定する。詳しくは、ステップS230で算出した相関係数が所定値以上であった場合(Yes)は、照合結果が一致したと判定し、ステップS250へ進み、所定値未満であった場合(No)は、一致しなかったと判定し、ステップS260へ進む。尚、登録認証データ81に複数のユーザーの特徴点データが登録されている場合は、登録認証データ81の特徴点データをユーザー毎に切り替えてステップS230,S240の処理を繰り返す。
ステップS250では、結果データ85に、一致した登録認証データ81のUIDを格納する。詳しくは、ステップS240により一致した特徴点データを有するUIDを登録認証データ81から取得し、結果データ85に、そのUIDを格納し、照合結果に「1」、照合時刻、有効フラグに「1」をそれぞれ格納する。
ステップS260では、結果データ85を初期化する。詳しくは、結果データ85に格納されているUIDの情報を消去する。具体的には、UIDの情報を「NULL」に更新し、照合結果を「0」、照合時刻を「NULL」、有効フラグを「0」に変更する。結果データ85は、支払要求イベントIV5のイベントハンドラー(ステップS60、ステップS410〜S450)によって参照されるため、このような初期化によって、装着機器1を装着したユーザーが予め登録されていない場合には、カード情報を送信することが無いようにガードされている。
ステップS280では、個人情報テーブル72の継承UID(列72E)の情報を参照可とする。具体的には、ステップS270において個人情報テーブル72の列72Eに格納されたUIDと一致した行の情報を内部変数に読み込む。
ステップS285では、継承元のUIDの情報を表示する。詳しくは、ステップS280において読み込んだ内部変数から列72Aに格納されていたUIDと関連する情報を生成し、表示部31へ出力する。また、合わせて継承されたサービスやカード番号等を表示してもよい。
ステップS290では、継承されていない旨の情報(非継承情報)を表示する。例えば、「この装着機器は、誰からも継承されていません」を表示する。
図10は、非装着イベント処理の流れを示すフローチャート図である。本フローは、図7に示したメイン制御処理のステップS50の処理の詳細である。
結果データ85の有効フラグの内容は、支払要求イベントIV5のイベントハンドラーによって参照され、有効フラグが「1」でない場合は、カード情報が送信されることはない。つまり、本ステップにより、装着機器1が非装着状態では、カード情報が送信されることがないように制御されている。
図15では、図10で行った処理の後で、装着解除指示を参照する場合のイベント処理の流れを示している。具体的には、上述した受付処理部61の機能が実現されており、装着解除フラグが「ON」または「OFF」に設定されていた場合に、処理されるフローである。
ステップS510は、ステップS310と同じフローである。
ステップS520では、装着解除指示があるか否か判定する。詳しくは、装着解除フラグが「ON」である場合は(Yes)、本フローを終了し、装着解除フラグが「ON」でない場合は(No)、ステップS530へ進む。
ステップS530では、アラート音を発生させ、警告する。
このようなフローにより、受付処理部61において、装着解除フラグが「ON」に設定されていない場合で、装着機器1が非装着(取り外された)の場合にアラート音を発生し、警告を促すことができる。
図11は、認証リクエスト処理の流れを示すフローチャート図である。本フローは、図7に示したメイン制御処理のステップS60の処理の詳細である。
図12は、継承イベント処理の流れを示すフローチャート図である。本フローは、図7に示したメイン制御処理のステップS70の処理(継承イベントIV7のイベントハンドラー)の詳細である。継承イベントIV7は、継承元であるユーザーU1の操作により発生するイベントである。
ステップS620では、継承情報指定画面を表示する。画面D20(図14)は、継承情報指定画面の一例である。選択メニューから選択された継承情報を取得する。
ステップS630では、個人情報テーブル72に継承UIDを格納する。詳しくは、個人情報テーブル72の列72Aの内容が継承元であるユーザーU1のUIDと一致する行、かつ、列72Bおよび列72Cの内容が取得した継承情報と一致する行、を選択し、その行の列72Eに取得した継承UIDの情報を格納する。
装着部10および検出処理部52では、装着機器1の装着状態を検出している。具体的には、装着機器1が装着された場合に、装着イベントIV1が出力され、装着機器1が非装着された場合に、非装着イベントIV3が出力される。
装着イベントIV1が出力されるとそのイベントハンドラーでは、認証処理部57を呼び出して装着機器1を装着しているユーザーU1の個人認証処理を行う。ユーザーU1が個人認証されたあとで、ユーザーU1の所定操作により継承処理部69の機能が実現可能になる。継承処理部69では、ユーザーU1の指定により継承先のユーザー(ユーザーU2)へ継承するための情報が設定される。継承処理部69による設定では、画面D10および画面D20などに示すように容易な設定画面および操作で設定可能である。
その後、装着機器1がユーザーU2によって装着されると、装着イベントIV1によるイベントハンドラー(認証処理部57)によって、ユーザーU2の個人認証処理を行う。ユーザーU2が個人認証されると、装着機器1の表示部31には、ユーザーU1から継承された継承情報(ユーザーU1のカード情報など)が表示される(ステップS285)。その後、ユーザーU2に装着された装着機器1では、料金システム5からカード情報等が要求されると、支払要求イベントIV5のイベントハンドラーによりユーザーU1のカード情報を送信することができる。
このようにして、装着機器1は、装着機器1により行われたユーザーU1の個人認証の結果を、容易な処理でかつ安全にユーザーU2へ継承することができる。
上述の実施形態による装着機器1では、料金システム5から支払要求を受信したケースを想定して例示したが、そのような支払要求などの用途に限定されない。例えば、マイナンバーを用いて資産情報などを閲覧する閲覧システムでは、装着機器1を装着したユーザーが閲覧システムの表示画面に近づくことによって、速やかにユーザーの資産情報などを表示することができる。このケースにおいて、装着機器1では、結果データ85の照合結果が「1」で有効フラグが「1」である場合は、閲覧システム側へマイナンバー情報を送信する。閲覧システムでは、装着機器1を装着したユーザーが個人認証された結果、マイナンバー情報を送信してきている状況を判定できるため、マイナンバーから引用される情報を表示する。このような閲覧システムにおいて装着機器1を利用可能にすることによって、市町村役場などの公共場所に設置される閲覧システムを効率よく利用させることができる。
上述の実施形態および変形例において、認証処理部57は、撮像センサー21から静脈画像を取得して個人認証処理をするとしているが、個人認証処理はこのような方法に限定されない。個人認証処理は、例えば、脈波形、動脈画像、非侵襲で計測可能な血液組成分値やそれらの組み合わせなど、を取得して行われてもよい。
上述の実施形態および変形例において、装着機器1は手首の周囲に装着するとしていたが、装着機器1は手首以外の部位に装着される機器であってもよい。その変形例を次に説明する。
(1)指輪型または指サック型の装着機器1
装着部10のバンド11を、手または足の指の周囲に巻いて装着する。生体情報検出部20は、撮像センサー21により、指の血管画像を取得し、血管パターンにより個人認証処理を行う。生体センサー23により、脈波形が個人認証処理に用いられてもよい。指の指紋画像や指中腹の皺画像を取得し、指紋パターンや皺パターンにより個人認証処理を行う。個人認証された後、バンド11が外されるまでの間は、有効フラグが「1」である。
(2)眼鏡型の装着機器1
装着部10は、眼鏡のフレームである。生体情報検出部20は、撮像センサー21により瞳を撮像し、網膜の毛細血管画像や虹彩画像を取得し、毛細血管パターンや虹彩パターンにより個人認証処理を行う。個人認証された後、フレームが顔から外されるまでの間は、有効フラグが「1」である。
(3)手袋型の装着機器1
装着部10は、手袋型または掌装着型であり、掌に装着される。生体情報検出部20は、撮像センサー21により、掌の皺を撮像した掌画像や静脈画像を取得し、掌の皺パターンや静脈パターンにより個人認証処理を行う。個人認証された後、手から取り外されるまでの間は、有効フラグが「1」である。
(4)耳装着型の装着機器1
装着部10は、ヘッドフォン、イヤフォン、ピアスなどの形状をした機器であり、耳に装着される。生体情報検出部20は、撮像センサー21により耳の形状画像、耳たぶなどの静脈画像などを撮像し、耳の形状パターンや静脈パターンにより個人認証処理を行う。個人認証された後、耳から外されるまでの間は、有効フラグが「1」である。
(5)着衣型の装着機器1
装着部10は、シャツ、セーター、パンツ、靴下などの着衣型の形状をした機器であり、身体に装着される。生体情報検出部20は、撮像センサー21により身体の任意の部位の静脈画像、身体的な特徴画像(ほくろの位置や大きさなど)を撮像し、取得する。静脈パターンや身体の特徴パターンにより個人認証処理を行う。個人認証された後、装着機器1を脱ぐまでの間は、有効フラグが「1」である。
上述の実施形態および変形例において、装着部10は、開閉部12のON/OFF信号を監視して、検出処理部52が装着および非装着を検出するとしているがその構成に限らない。装着部10のバンド11は、ユーザーの手首の周囲を環状形状に装着される金属製のブレスレットなどである。装着部10は、更に調整部を備え、調整部は、バンド11の環状形状の周長を可変に調整可能なバンド押さえ部材である。尚、バンド押さえ部材は片開き式、両穴式、二重ロック式などのバックルであってもよい。調整部には、バンド11が手首に固定される周長を含む周長を計測する回転式の機構、一定長をカウントする光学センサー、またはバックルが折りたたまれたことを検出するスイッチセンサーなどの機構が備えられ、計測した周長を出力する。
これらの機構を用いて、検出処理部52による装着および非装着するユーザーの検出性を高めることができる。
詳しくは、初期登録部65は、ユーザーが装着機器1を手首に装着し個人認証処理を行う。そのとき、初期登録部65では、個人認証されたときの周長(装着状態の周長とする)を計測する。計測した装着状態の周長を記憶部70に記憶する。
検出処理部52(装着検出部53)は、調整部からバンド11の周長を取得し、記憶部70に記憶した装着状態の周長と同等になった場合に、装着機器1がユーザーの手首に装着されたと検出し、装着イベントIV1を出力する。尚、周長が同等になる判定は、装着時の誤差を加味して、バンド11の周長が、装着状態の周長よりも所定の長さ分(例えば、2mm)加えた長さより短い場合に同等とみなしている。
その後、検出処理部52(非装着検出部55)は、計測したバンド11の周長が装着状態の周長よりも所定の長さ(例えば、2mm)以上であった場合に、装着機器1がユーザーの手首から外されたと検出し、非装着イベントIV3を出力する。
また、開閉部12に備えられる押圧センサーから出力された圧力データ(接触押圧)が、所定圧になった場合に、装着イベントIV1を出力してもよい。所定圧には、制御部50の初期登録部65の処理として、ユーザーが装着機器1を装着したときに取得した圧力データが登録される。所定圧はユーザーの手首の周囲や手首の弾力性により異なる圧力データとして取得することができる。
以上のような構成によって、装着するユーザーが装着機器1において個人認証されたユーザーであるか否かを検出することができるため、より堅牢な個人認証処理が実現可能である。
上述の実施形態および変形例において、制御部50では、非装着イベントIV3のイベントハンドラーの処理によって、結果データ85の有効フラグを「0」に設定するとしているが、そのような構成に限定されない。結果データ85の有効フラグを「0」に設定するタイミングとして次に挙げるような構成(1)〜(3)で行われてもよい。
判定処理部59では、このようなタイミングで、設定された有効フラグを参照して判定結果を出力することができる。また、このようなタイミングで認証処理部57を呼び出して個人認証を行ってもよい。尚、このような構成(1)〜(3)は、単体でなく複数の構成が組み合わせられていてもよい。
(1)生体維持情報取得部(生体維持情報の変化)
装着機器1は、更に、ユーザーの生体の状態が維持されていることを判断するための生体維持情報を取得する生体維持情報取得部を備え、取得した生体維持情報に変化があった場合に、有効フラグを「0」に設定してもよい。尚、生体維持情報は生体反応情報の一例であり、生体維持情報取得部は生体反応情報取得部に相当する。
生体維持情報は、生体センサー23により検出される脈波波形、脈拍数、皮膚温度、皮膚深部の温度などの生体反応に関する情報である。生体維持情報は、一定期間毎(例えば、1回/秒)に継続的に測定される。生体維持の状態は、生存の維持、意識の維持、覚醒の維持といった状態であり、それぞれの状態が変化した状態、生存が途切れた、意識を失った、睡眠に陥ったといった生体維持の状態が変化した場合に上述の生体維持情報の測定値は変動する。測定値の変動状況を監視し、所定状態と比較することによって、生体維持の状態の変化を捉えることができる。例えば、脈波波形に所定の脈動波形が存在しなくなった場合には、生存維持の状態が変化したと判定する。
また、生体維持情報として、動揺がない、急な運動量の変化がない、急な運動強度の変化がない、などの情報を算出する。これらの情報は、操作部37に備えられた加速度センサーから取得した単位時間当たりの体動情報と、脈拍数の変化の関係から算出することができる。
これらの変動状況が所定状態になった場合に、イベントを発生させ、そのイベントハンドラーにおいて、結果データ85の有効フラグを「0」に設定する。
以上のような構成によって、ユーザーの生存が途切れた、意識を失った、睡眠に陥ったような支払い能力や支払う判断能力を失った場合に、支払い処理を受け付けないという対応が可能になる。また、ユーザーに動揺があった、ユーザーに急な動作が入った、ユーザーに急に負荷がかかる運動があった、といった、ユーザーに外部からなんらかの危険度の高い刺激が入ったことが推定される場合には、支払い処理を受け付けないといった対応が可能になる。
(2)計時部(時刻の変化)
装着機器1は、計時部39から取得した時刻が、所定時刻になった場合に、有効フラグを「0」に設定する。
所定時刻は、制御部50の初期登録部65によりユーザーに設定させる時刻であり、個人認証の結果が有効な間の時刻を設定させるものである。つまり、所定時刻までの間は、個人認証処理の結果は有効であるが、所定時刻を経過すると個人認証処理の結果を無効とする。所定時刻は、例えば、毎朝6:00と決めておくことによって、毎朝6:00に個人認証処理の結果が無効となり、継続して装着機器1を利用したい場合は、あらためて個人認証処理を行うことができる。尚、所定時刻は、経過時間であってもよい。
このような構成によって、所定時刻毎に個人認証処理が行われるため、セキュリティーの堅牢性が高まるとともに、所定時刻から一定の時間(例えば、毎朝6:00から30分間)は、個人認証処理のために必要な時間として計画的に確保しておくことができる。
(3)位置情報取得部(位置情報の変化)
装着機器1は、更に、ユーザーの位置情報を取得する測位センサー(位置情報取得部に相当)を備え、測位センサーから取得した位置情報が所定範囲から外れた場合に、有効フラグを「0」に設定してもよい。
位置情報は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星などから取得した信号に基づいて算出された位置情報であり、一定時間毎(例えば、1回/秒)に継続して取得することができる。
所定範囲は、制御部50の初期登録部65によりユーザーに設定させる範囲であり、ユーザーが支払い処理を行う可能性のある場所を含むユーザーの行動範囲などが設定される。つまり、装着機器1がユーザーの行動範囲から外れた場合に、有効フラグが「0」に設定されるため、支払い処理などをする必要のない場所ではセキュリティーの堅牢性が更に高めることができる。
上述の実施形態および変形例において、個人認証されたユーザーがユーザー自身の操作により装着中に一時的に装着を解除する(非装着状態にする)ことができる一時受付部を備えてもよい。
一時受付部は、操作部37および表示部31を制御して、ユーザーから簡易的な照合キーを取得する。簡易的な照合キーは、例えば、4桁の文字や、質問に対する答え、などである。一時受付部は、簡易的な照合キーを、認証処理部57へ出力する。
認証処理部57では、一時受付部から簡易的な照合キーを入力すると、装着イベントIV1のイベントハンドラーから呼び出されたときに、簡易的な照合キーをユーザーに入力させるように促す。ユーザーに入力させた文字列が簡易的な照合キーと一致した場合は、個人認証されたと判定し、結果データ85の照合結果を「1」、有効フラグを「1」に設定する。簡易的な照合キーが一致しなかった場合は、正規の個人認証処理が行われる。
このような構成により、例えば、ユーザーが自身の意思により、一時的に非装着にしたい場合に、簡易な手順で個人認証に復帰することができる。例えば、入浴の前後や手洗いの前後などでは便利な機能である。尚、簡易的な照合キーの照合は、簡易的な個人認証を行わせること、に相当する。
上述の実施形態および変形例において、受付処理部61では、ユーザーに操作させる所定操作を簡易的な暗証番号を入力させ、照合する例示をしたが、所定操作は入力操作に限らない。例えば、装着機器1を振る操作、装着機器1をタップする操作などのアクション操作であってもよい。操作部37に備えられる加速度センサーにより検出される加速度信号のパターンを所定のパターンと比較することにより特定することができる。
また、上述の変形例における一時受付部においては、照合キーによる入力と照合を例示したが、同様に装着機器1に対するアクション操作であってもよい。
上述の実施形態および変形例において、図7に示した認証リクエスト処理(ステップS60)は、支払要求イベントIV5が発生した場合のイベントハンドラーであるとしているが、支払い処理システムから支払要求を受信するか否かを事前に判定させる処理を加えてもよい。例えば、支払い処理を行う前に、ユーザーによって所定の操作(例えば、装着機器1を3回タップする、など)が行われた場合に、支払要求を受信するという処理を加える。このような所定の操作を加えることにより、支払い処理が必要な時のみ、通信部41および要求検出処理部56による受信待ち状態とすることができ、支払い処理が必要でない時の、受信待ちに要する消費電力を抑えることができる。
上述の実施形態および変形例において、継承処理部69では、画面D10(図13)および画面D20(図14)を生成して継承先指定および継承情報指定をするとしているが、更に継承時に行われる操作に対する制限を設定してもよい。
例えば、図2に示す操作P3と操作Cと操作P5との操作に対する制限として、それらの操作が行われる時間の規制を入れてもよい。継承処理部69では、画面D20を表示した後で、更に「継承に掛かる時間を設定してください。」の表示と、「3分」、「5分」、「10分」を選択可能な画面(図示は省略)を生成し、表示部31に表示させる。この場合に、ユーザーU1により選択された時間内にユーザーU2の認証処理(認証処理部57)が行われて個人認証された場合は、正常に継承が行われ、時間内に認証処理が間に合わなかった場合は継承されない。このような継承時に行われる操作に掛かる時間を設定することにより、ユーザーU1とユーザーU2とは対面して継承することができ、継承処理に対する信頼性を高めることができる。
例えば、図2に示す操作P3と操作Cと操作P5との操作に対する制限として、それらの操作が行われる距離の規制を入れてもよい。この場合では、変形例5で例示したように、装着機器1に測位センサーや加速度センサーを設け、装着機器1の位置情報または位置情報の変化を計測する。継承処理部69では、画面D20を表示した後で、更に「継承の処理は10メートル以内で行ってください。」などを表示させる。この場合に、ユーザーU1(継承元)が装着機器1を非装着にした位置と、ユーザーU2(継承先)が同装着機器1を装着し認証処理が行われた位置との距離が10メートル以内であった場合は、正常に継承が行われ、10メートルを超えていた場合は、継承されない。このような継承時の操作が行われる距離を規制することにより、更に継承処理に対する信頼性を高めることができる。
上述の実施形態および変形例において、装着機器1の通信部41からユーザーU1、ユーザーU2を含むユーザーにより所有されるスマートフォンなどの個人端末を指定して通知する機能を備えてもよい。例えば、装着機器1がユーザーU1からユーザーU2へ正常に継承された場合に、装着機器1は、ユーザーU1が所有する個人端末に対してユーザーU2により継承された旨を通知する(メールなどを送信する)。また、ユーザーU2が装着機器1の継承を受け入れなかった場合や、ユーザーU2による継承処理が何らかの事情で失敗した場合など、その旨を示す内容をユーザーU1の個人端末に対して通知してもよい。そのような場合では、装着機器1は、ユーザーU2に継承されないことになるが、この場合において、装着機器1では、ユーザーU1の個人端末から送信された指示(制御コマンドなど)を受信し、再度ユーザーU2への継承処理を行う機会を与えることができるようにしてもよい。
また、ユーザーU1の個人端末から送信される指示(制御コマンドなど)には、装着機器1による個人認証処理や継承処理の取り消し、金融処理機能の停止などの指示を含めることができるようにしてもよい。装着機器1では、このような指示を受信すると、即座に指示内容を実行することができる。
このような継承元のユーザーU1の個人端末などと各種情報を送受信する機能を装着機器1に備えることによって、装着機器1をリモートでコントロールすることができ、継承処理の利便性を高めることができると共に、離れた場所で利用される装着機器1に対して降りかかる突発的な事態に臨機応変に対応することができる。
Claims (12)
- 第1使用者および第2使用者に装着可能な装着機器であって、
前記装着機器が装着された前記第1使用者および前記第2使用者の個人認証を行う認証部と、
前記装着機器の装着状態を検出する検出部と、
前記検出部により検出された前記装着状態に基づいて、前記個人認証の結果を有効とするか、または無効とするかの判定に必要な情報処理を行う判定処理部と、
前記認証部による前記個人認証の結果に基づく情報を出力する制御部と、
前記装着機器の権利継承指示を受け付ける継承受付部と、
を備えることを特徴とする装着機器。 - 前記装着機器は、さらに、
情報を視覚、聴覚、および触覚の少なくとも1つを含む生体の感覚を刺激して報知する報知部を備え、
前記制御部は、前記継承受付部が前記第1使用者より前記権利継承指示を受け付けていない非継承時に、前記認証部により前記第2使用者の前記個人認証が行われた場合に、前記報知部によって非継承情報を報知することを特徴とする請求項1に記載の装着機器。 - 前記装着機器は、さらに、
前記第1使用者に係わる第1使用者情報を記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記継承受付部が前記第1使用者から前記第2使用者に対して前記権利継承指示を受け付けている継承時に、前記認証部により前記第2使用者の前記個人認証が行われ、前記判定処理部により前記第2使用者の前記個人認証の結果を有効と判定した場合に、前記第1使用者の前記第1使用者情報を出力すること、
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の装着機器。 - 前記第1使用者情報は、前記第1使用者のマイナンバー情報、クレジットカード情報、キャッシュカード情報、デビットカード情報、およびネットバンキング情報の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項3に記載の装着機器。
- 前記認証部は、前記第1使用者および前記第2使用者を含む使用者の生体情報を取得し、前記個人認証を行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の装着機器。
- 前記認証部は、前記使用者が入力する暗証番号によって、前記個人認証を行うことを特徴とする請求項5に記載の装着機器。
- 前記認証部は、コンピューター通信網を介して認証サーバーと接続し、前記使用者から取得した情報と前記認証サーバーに記憶される前記使用者の固有情報とを照合して前記個人認証を行うことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の装着機器。
- 前記装着機器は、さらに、
前記使用者の生体反応を検出し生体反応情報を取得する生体反応情報取得部を備え、
前記判定処理部は、前記生体反応情報取得部により前記生体反応情報が継続して検出されているか否かの情報に基づいて、前記個人認証した結果を有効とするか、または無効とするかを判定することを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の装着機器。 - 前記装着機器は、さらに、
時刻を計時する計時部と、前記装着機器の位置を取得する位置情報取得部と、前記使用者の生体反応を検出し生体反応情報を取得する生体反応情報取得部と、のうち少なくとも1つを備え、
前記認証部は、前記時刻が所定時刻になった場合、前記位置が所定範囲から外れた場合、および前記生体反応情報が変化した場合、のうち少なくとも1の場合に前記使用者の前記個人認証を行うことを特徴とする請求項5から請求項8のいずれか1項に記載の装着機器。 - 前記装着機器は、さらに、
電力を発現する電力発現部を備え、
前記装着機器は、前記電力発現部からの電力により動作することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の装着機器。 - 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の装着機器を用いることを特徴とする決済システム。
- 第1使用者および第2使用者に装着可能で、前記第1使用者および前記第2使用者の個人認証を行うことが可能な装着機器を用いて、
前記第1使用者が、前記装着機器を装着し前記個人認証を行い、
前記第1使用者が、前記第2使用者に前記装着機器の権利継承を行い、
前記第2使用者が、前記装着機器を装着し前記個人認証を行うことによって、
前記第2使用者が、前記第1使用者の代理として前記装着機器を用いて決済可能とする決済方法。
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