図1は、ベースレイヤ(BL:base layer)および拡張レイヤ(EL)を含む2つのレイヤを有する、例示的なスケーラブルビデオコーディングインターレイヤ予測(ILP)機構を例示する。本明細書で使用される際に、BLは、ビデオストリームの最も低いレイヤ、拡張レイヤより低いレイヤ、および/または類するものを含み得る。ベースレイヤおよび拡張レイヤは、異なる分解能を有する2つの隣接する空間的スケーラブルレイヤを表し得る。ベースレイヤは、拡張レイヤ内のピクチャより低い分解能を有するピクチャを含み得る。そのようなインターレイヤ予測機構は、スケーラブルビデオコーディングシステムの効率を改善し得る。そのような機構は、スケーラブルビデオコーディング構造の多重のレイヤに適用され得る。ベースレイヤまたは拡張レイヤのうちの1つまたは両方内で、動き補償予測および/またはイントラ予測が、例えば標準H.264符号化器などで用いられ得る(ドットを打たれた線により図1で表される)。インターレイヤ予測は、ベースレイヤ情報、例えるなら、空間的テクスチャ、動きベクトル予測子、参照ピクチャインデックス、および/または、残差信号を利用して、例えば、拡張レイヤのコーディング効率を改善し得る。与えられる拡張レイヤを復号するとき、スケーラブルビデオコーディングシステムは、完全に、参照ピクチャを、1または複数のより低いレイヤ(例えば、現在のレイヤの依存性レイヤ)から再構築することはできない。
図2は、例示的なスケーラブルビデオコーディングインターレイヤ予測機構を表現する。図2に示されるように、BLピクチャは、ELのビデオ空間的分解能にマッチングするようにアップサンプリングされ得る。1または複数のアップサンプリングされるインターレイヤ参照(ILR:inter layer reference)ピクチャが、参照ピクチャとして、例えばELビデオを予測するために使用され得る。ELビデオの予測は、例えば、アップサンプリングされるBL信号からの動き補償予測により、EL信号(例えば、現在のEL信号)内での時間的予測により、および/または、そのようなアップサンプリングされるBL信号を時間的EL予測信号によって平均化することにより形成され得る。この手法によって、1または複数のより低いレイヤピクチャは再構築され得る(例えば、完全に再構築され得る)。そのような機構が、2つより多いレイヤを伴うビデオコーディングスケーラブルコーディングに対して展開され得る。
図3は、ブロックに基づくビデオ符号化器、例えばハイブリッドビデオ符号化システムの例を例示するブロック線図である。符号化器は、単一レイヤ符号化器であり得る。符号化器は、空間的予測(イントラ予測と呼称され得る)、および/または、時間的予測(インター予測および/または動き補償予測と呼称され得る)を用いて、入力ビデオ信号を予測し得る。符号化器は、モード判断論理を含み得るものであり、そのモード判断論理は、判定基準、例えるなら、レートおよび/または歪み考慮の組み合わせに基づいて、予測の形式を選定し得る。符号化器は、予測残差(例えば、入力信号と予測信号との間の差信号)を変換および/または量子化し得る。量子化された残差は、モード情報(例えば、イントラまたはインター予測、動き情報、予測モード、その他)と一体で、エントロピーコーダでさらに圧縮され得るものであり、出力ビットストリームにパックされ得る。ELビデオに対して、EL符号化器は、実質的にはBL符号化器に対して類似的である様式で動作し得る。参照ピクチャをELビデオの予測のために提供し得る、EL復号されるピクチャバッファ(EL DPB:decoded picture buffer)は、EL参照ピクチャを含み得るものであり、および/または、依存性レイヤのDPBから生成されるILRピクチャ(例えば、BL DPB内のピクチャ)を含み得る。
示されるように入力ビデオ信号302は、ブロック単位で処理され得る。ビデオブロックユニットは、16x16画素を含み得る。そのようなブロックユニットは、マクロブロック(MB:macroblock)と呼称され得る。高効率ビデオコーディング(HEVC)では、伸展されるブロックサイズ(例えば、「コーディングユニット」またはCUと呼称され得る)が、効率的に、高分解能(例えば、1080p、およびそれを超える)ビデオ信号を圧縮するために使用され得る。HEVCではCUは、64x64画素までであり得る。CUは、予測ユニット(PU)に区画され得るものであり、それらのPUに対して、別々の予測方法が適用され得る。
入力ビデオブロック(例えば、MBまたはCU)に対して、空間的予測360および/または時間的予測362が遂行され得る。空間的予測(例えば、「イントラ予測」)は、同じビデオピクチャ/スライス内の、すでにコーディングされた隣接ブロックからの画素を使用して、現在のビデオブロックを予測し得る。空間的予測は、ビデオ信号に内在する空間的冗長性を低減し得る。時間的予測(例えば、「インター予測」または「動き補償予測」)は、すでにコーディングされたビデオピクチャ(例えば、「参照ピクチャ」と呼称され得る)からの画素を使用して、現在のビデオブロックを予測し得る。時間的予測は、ビデオ信号に内在する時間的冗長性を低減し得る。ビデオブロックに対する時間的予測信号は、1または複数の動きベクトルにより信号伝達され得るものであり、それらの動きベクトルは、現在のブロックと、参照ピクチャ内のその予測ブロックとの間の動きの量および/または方向を指示し得る。複数の参照ピクチャが(例えば、H.264/AVCおよび/またはHEVCに対する事例であり得るように)各々のビデオブロックに対してサポートされるならば、その参照ピクチャインデックスが、追加的に送出され得る。参照インデックスは、参照ピクチャ記憶機構364(例えば、「復号されるピクチャバッファ」またはDPBと呼称され得る)内のどの参照ピクチャから、時間的予測信号が発生するかを識別するために使用され得る。
空間的および/または時間的予測の後で、符号化器内のモード判断ブロック380は、予測モードを選択し得る。予測ブロックが、現在のビデオブロック316から減算され得る。予測残差は、304で変換され、および/または、306で量子化され得る。量子化された残差係数は、310で逆量子化され、および/または、312で逆変換されて、再構築される残差を形成し得、その再構築される残差は、戻るように予測ブロック326に加算されて、再構築されるビデオブロックを形成し得る。
インループフィルタリング、例えるなら、ただし次のものに制限されないが、デブロッキングフィルタ、サンプルアダプティブオフセット、および/または、アダプティブループフィルタは、366で、再構築されるビデオブロック上で適用されることが、それが、参照ピクチャ記憶機構364内に入れられ、および/または、後来ビデオブロックをコーディングするために使用される前に行われ得る。出力ビデオビットストリーム320を形成するために、コーディングモード(例えば、インター予測モードまたはイントラ予測モード)、予測モード情報、動き情報、および/または、量子化された残差係数が、エントロピーコーディングユニット308に送出されて、圧縮および/またはパックされてビットストリームを形成することになり得る。
図4は、ブロックに基づくビデオ復号器の例を例示するブロック線図である。復号器は、例えば、図3で表現される符号化器により作り出されるビットストリームを受信し得るものであり、表示されることになるビデオ信号を再構築し得る。ビデオ復号器でビットストリームは、エントロピー復号器によりパースされ得る。1または複数の残差係数は、逆量子化および/または逆変換されて、例えば、再構築される残差を取得し得る。コーディングモードおよび/または予測情報は、例えば空間的予測および/または時間的予測を使用して予測信号を取得するために使用され得る。予測信号、および、再構築される残差は、一体に、再構築されるビデオを取得するために加算され得る。再構築されるビデオは、ループフィルタリングによって処理されることが、例えば、DPBに記憶される前に、表示されるために、および/または、1もしくは複数の後来ビデオ信号を予測するために使用されるために行われ得る。
ビデオビットストリーム402は、エントロピー復号ユニット408でアンパックおよび/またはエントロピー復号され得る。コーディングモードおよび/または予測情報は、空間的予測ユニット460(例えば、イントラコーディングされるならば)、および/または、時間的予測ユニット462(例えば、インターコーディングされるならば)に、予測ブロックを形成するために送出され得る。インターコーディングされるならば、予測情報は、予測ブロックサイズ、1または複数の動きベクトル(例えば、動きの方向および量を指示し得る)、および/または、1もしくは複数の参照インデックス(例えば、どの参照ピクチャから予測信号が取得されることになるかを指示し得る)を備え得る。
動き補償予測は、時間的PU462により適用されて、時間的予測ブロックを形成し得る。残差変換係数は、逆量子化ユニット410および逆変換ユニット412に、残差ブロックを再構築するために送出され得る。予測ブロックおよび残差ブロックは、一体に426で加算され得る。再構築されるブロックは、インループフィルタリングを通って進むことを、それが、参照ピクチャ記憶機構464に記憶される前に行い得る。参照ピクチャ記憶機構464内の再構築されるビデオは、ディスプレイデバイスを駆動するために使用され、および/または、後来ビデオブロックを予測するために使用され得る。復号されるビデオ420は、ディスプレイ上に表示され得る。
単一レイヤビデオ符号化器は、単一のビデオシーケンス入力を取り、単一レイヤ復号器に送信される単一の圧縮されるビットストリームを生成し得る。ビデオコーデックが、デジタルビデオサービス(例えば、例えるなら、ただし次のものに制限されないが、衛星、ケーブル、および、地上送信チャネル上でTV信号を送出すること)に対して設計され得る。ビデオ中心のアプリケーションが異種性の環境で展開される状態で、マルチレイヤビデオコーディング技術が、ビデオコーディング標準の伸展として、様々なアプリケーションを可能にするために開発され得る。例えばスケーラブルビデオコーディング技術は、1つより多いビデオレイヤに対処するように設計され得るものであり、その場合各々のレイヤは、復号されて、個別の空間的分解能、時間的分解能、忠実度、および/または、ビューのビデオ信号を再構築する。単一レイヤ符号化器および復号器が、図3および図4への参照によって記述されるが、本明細書で記述される概念は、マルチレイヤ符号化器および復号器を利用することを、例えば、マルチレイヤまたはスケーラブルコーディング技術に対して行い得る。図3および4の符号化器および/または復号器は、本明細書で記述される機能の任意のものを遂行し得る。例えば、図3および4の符号化器および/または復号器は、拡張レイヤ(例えば、拡張レイヤピクチャ)上で、拡張レイヤPUのMVを使用して、時間的動きベクトル予測(TMVP)を遂行し得る。
図3および4に示されるように、例えば動き補償予測は、ピクチャ間の冗長性を活用し得る。動き補償予測では、インターコーディングされるブロック(inter-coded block)に対して、動き情報が、1または複数の参照ピクチャで、各々のインターコーディングされるブロックに対して、対応するマッチングブロックを追跡(trace)するために使用され得る。実施形態では動き情報は、1または複数の参照ピクチャで、各々のインターコーディングされるブロックに対して、対応するマッチングブロックを追跡するために使用され得る。インターコーディングされるブロックは、予測ユニット(PU)と呼称され得る。動き情報は、1または複数の動きベクトル(MV)を含み得るものであり、それらのMVは、現在のPUと、そのマッチングブロックとの間の、水平および/または垂直変位を記述する。MVは、1つの参照ピクチャインデックスに対応し得る。動き情報は、1つまたは2つの参照ピクチャインデックスを含み得る。Bスライスの事例では、動き情報は、どの参照ピクチャリストが各々の参照インデックスに関連付けられるかの識別を含み得る。
スケーラブルビデオコーディングシステム(例えば、HEVC準拠システム)は、PU(例えば、各々のPU)の動き情報をコーディングするための2つのモード、例えるなら、マージモードおよび非マージモードを含み得る。2つのモードのそのような使用は、動き情報をビットストリームで表すために使用されるオーバヘッドを低減し得る。マージモードでは、PUの動き情報は、(例えば、直接または間接に)空間的および時間的隣接ブロックから導出され得る。競争に基づく体系が、最良の隣接ブロックを、利用可能な候補の中から選択するために適用され得る。最良の候補のインデックスは、PUの動き情報を復号器で再確立するために送出され得る。コーディングされるPU間が非マージモードでコーディングされるならば、MVは、異なってコーディングされることが、例えば、アドバンスト動きベクトル予測(AMVP)技法を使用して導出されるMV予測子を使用して行われ得る。AMVP技法の使用は、符号化器が、MV予測子を、空間的および時間的隣接候補から選定することを可能とし得る。MV予測子と実際のMVとの間の差、および/または、予測子のインデックスは、復号器に送信され得る。
スケーラブルビデオコーディングの効率は、マージモードおよび非マージモードの両方に対して、時間的候補を形成する方法を改善することにより拡張され得る。例えば、時間的候補を形成する方法は、基礎をなす単一レイヤコーディング標準(例えば、知られているHEVC)、および、2つの空間的レイヤを伴うスケーラブルシステムに対して改善され得る。改善される時間的候補形成は、他のスケーラブルコーディングシステムに適用され得るものであり、それらのシステムは、他のタイプの基礎をなす単一レイヤコーデックを使用し得る、2つより多いレイヤを有し得る、および/または、他のタイプのスケーラビリティをサポートし得るものである。
例示的なビデオコーディングシステムでは、マージモードでの可能な候補のセットは、1または複数の空間的隣接候補、1または複数の時間的隣接候補、および/または、1または複数の生成される候補を含み得る。図5は、動き情報の5つの空間的候補の例の位置を表現する。マージ候補のリストを構築するために、5つの空間的候補は、チェックされ得、リスト内に、例えば、順序A1、B1、B0、A0、および、B2によって追加され得る。空間的位置に配置されるブロックが、イントラコーディングされる(intra-coded)、または、現在のスライスの境界の外側であるならば、それは、利用不可能と見なされ得る。冗長なエントリは、例えば、候補が同じ動き情報を有する場合、リストから除外され得る。
有効な空間的候補をマージ候補リスト内に挿入した後、時間的候補は、併置される参照ピクチャ内の併置されるブロックの動き情報から、例えばTMVP技法を使用して、生成され得る。併置される参照ピクチャは、(例えば、明示的または暗示的に)ビットストリームで、例えば、その参照ピクチャリスト、および、リスト内のその参照ピクチャインデックスを送出することにより、信号伝達され得る。マージ候補の最大数N(例えば、Nのデフォルト=5)が、例えば、スライスヘッダで信号伝達され得る。マージ候補(例えば、空間的および/または時間的候補)の数がNより大きいならば、リストは、第1のN−1個の空間的候補および時間的候補に制限され得る。マージ候補の数がNより小さいならば、1または複数の、組み合わされる候補および/またはゼロ動き候補が、候補リストに、例えば、数がNに達するまで追加され得る。組み合わされる候補は、空間的候補および時間的候補の動き情報を組み合わせることにより生成され得る。
非マージモードに対しては、例示的なビデオコーディングシステムは、アドバンスト動きベクトル予測(AMVP)を遂行し得るものであり、そのAMVPは、現時の(例えば、現在の)PUが、そのMV予測子を空間的および時間的候補から選択することを可能とし得る。実施形態では、空間的動き候補の選択は、図5に示される5つの空間的候補の中で、例えばそれらの利用可能性によって、最大の2つの空間的動き候補に制限され得る。例示するために、第1の空間的候補は、左位置A1およびA0のセットから選定され得る。第2の空間的候補は、上部位置B1、B0、および、B2のセットから選定され得る。検索することは、2つのセットで指示されるのと同じ順序で履行され得る。候補リストへの追加は、利用可能であり一意的な空間的候補に制限され得る。利用可能であり一意的な空間的候補の数が2より少ないとき、TMVPプロセスを使用して生成される時間的MV予測子候補が、リストに追加され得る。リストがそれでもなお、2つより少ない候補を内包するならば、ゼロMV予測子が追加されることが、例えば、繰り返されて、MV予測子候補の数が2に等しくなるまで行われ得る。
本明細書で使用される際に、currPicは、コーディングされている現在のピクチャを含み得る。currPUは、コーディングされている現在のブロック/予測ユニットを含み得る。currPUは、コーディング(例えば、符号化または復号)されている現在のピクチャの部分であり得る。colPUは、併置されるブロック/PUを含み得る。colPUは、currPicと併置されるピクチャの部分であり得る。currPicと併置されるピクチャは、colPicと呼称され得る。colPicは、currPicとは異なるレイヤ上にあり得るものであり、currPicとのタイムアラインメントの状態にあり得る。listColは、併置されるブロック/PUに関連付けられる参照リスト、例えば、TMVPに対して選択され得る、併置されるブロック/PUに関連付けられる参照リスト、併置されるブロック/PUに関連付けられる、暫定的に選択/セットされる参照リストを含み得る。listColDefaultは、併置されるブロックのデフォルト参照リストを含み得る。LXは、コーディングされている現在のブロック/PUに関連付けられる参照ピクチャリスト、例えば、あらかじめ決定された参照ピクチャリスト、プリセット参照ピクチャリスト、または類するものを含み得る。refPicColは、併置されるブロックに関連付けられる、暫定的にセットされる参照リスト内の参照ピクチャを含み得る。colPocDiffは、併置されるブロックに関連付けられる参照リスト内の参照ピクチャ、および、併置される参照ピクチャからのPOC距離を含み得る。colPocDiffは、併置される参照ピクチャから、併置されるブロックに関連付けられる参照リスト内の参照ピクチャまでのPOC距離、例えば、併置されるブロックに関連付けられる、暫定的にセットされる参照リスト内の参照ピクチャと、併置される参照ピクチャとの間のPOC距離を含み得る。currPocDiffは、現在のブロックに関連付けられる参照ピクチャリスト内の参照ピクチャから、コーディングされている現在のピクチャまでのPOC距離、または、コーディングされている現在のピクチャから、現在のブロックに関連付けられる参照ピクチャリスト内の参照ピクチャまでのPOC距離、例えば、参照ピクチャリスト内の参照ピクチャと、コーディングされている現在のピクチャとの間のPOC距離を含み得る。refPicは、コーディングされている現在のブロック/PUに関連付けられる参照ピクチャリスト内の参照ピクチャを含み得る。refIdxLXは、コーディングされている現在のブロック/PUに関連付けられる参照ピクチャリスト内の参照ピクチャのインデックスを含み得る。
図6は、例示的なTMVPプロセスを表現するものであり、そのプロセスは、時間的候補をマージモードおよび/または非マージモードに対して生成するために使用され得る。入力参照リスト、例えるならLX、および、参照インデックス、例えるなら、現在のPU currPUのrefIdxLX(例えば、Xは0または1である)を与えられると、併置されるブロックcolPUは、併置される参照ピクチャ内のcurrPUの領域のわずかに外側の右下部ブロックの利用可能性をチェックすることにより、識別され得る。右下部ブロックが利用不可能であるならば、併置される参照ピクチャ内のcurrPUの中心位置でのブロックが使用され得る。
参照リストlistColは、1または複数の参照ピクチャを含み得る。参照ピクチャは、参照インデックスrefIdxLXを介して参照され得る。
colPUの参照リストlistColは、例えば、現在のピクチャの参照ピクチャのピクチャ順序カウント(POC)に基づいて決定され得る。現在のピクチャの参照リストは、併置される参照ピクチャを配置するために使用され得る。例えば参照リストlistColは、対応するMV、例えるならmvCol、および、併置されるPUに関連付けられる参照インデックス、例えるなら、colPUのrefIdxColを取り出すために使用され得る。currPUの参照ピクチャ(例えば、refIdxLXにより指示される)の長期および/または短期特性が、colPUの参照ピクチャ(refIdxColにより指示される)の長期および/または短期特性と比較され得る。2つの参照ピクチャの1つが長期ピクチャであり、一方で、他のものが短期ピクチャであるならば、時間的候補は、利用不可能と見なされ得る。例えば時間的候補は、mvColと、予測されるMV mvLXとの間の大きなPOC距離差に起因して、利用不可能と見なされ得る。2つの参照ピクチャの両方が長期ピクチャであるならば、mvLXは、mvColであるようにセット(例えば、直接セット)され得る。2つの参照ピクチャの両方が短期ピクチャであるならば、mvLXは、mvColのスケーリングされるバージョンであるようにセットされ得る。
図6に示されるようにcurrPocDiffは、現在のピクチャと、currPUの参照ピクチャとの間のPOC差として表象され得るものであり、colPocDiffは、併置される参照ピクチャと、colPUの参照ピクチャとの間のPOC差として表象され得る。currPocDiffおよびcolPocDiffを与えられると、currPUの予測されるMV mvLXがmvColから算出され得る。例えば、予測されるMV mvLXは、以下のように算出され得る。
マージモードでは時間的候補は、参照ピクチャリスト内の第1の参照ピクチャから発生し得る。例えば、時間的候補に対する参照インデックスは、0に等しくセットされ得る。時間的候補に対する参照インデックスrefIdxLXは、0に等しくあり得るものであり、そのことによって、時間的マージ候補は、リストLX内の第1の参照ピクチャから発生する。
colPUの参照リストlistColは、現在のピクチャcurrPicの参照ピクチャのPOCに基づいて、併置される参照ピクチャを含むcurrPicの参照リストrefPicListColと同じように良好に選定され得、refPicListColは、スライスヘッダで信号伝達され得る。
図7は、併置されるPUに対する参照ピクチャのリスト、例えるならlistColを選択することの例示的なプロセスを表現する。currPicの参照ピクチャリスト内のあらゆるピクチャpicのPOC数が、currPicのPOC数より少ない、または、それに等しいならば、listColは、入力参照リストLX(例えば、Xは0または1である)に等しいようにセットされ得る。currPicの少なくとも1つの参照ピクチャリスト内の少なくとも1つの参照ピクチャpicが、currPicのPOC数より大であるPOC数を有するならば、参照ピクチャのリストlistColは、currPicの現在のピクチャの異なる参照リストrefPicListColにセットされ得る。動きフィールドマッピング技法が、ILRピクチャの動きフィールドを導出するために使用され得る。参照インデックスに基づくSHVC解決策は、ILRピクチャを、併置される参照ピクチャとして、ELでのTMVP導出のために使用し得る。したがってrefPicListColは、ILRピクチャを内包する、現在のピクチャの参照リストに等しいようにセットされ得る。ILRピクチャが、両方の参照リストL0およびL1に含まれるならば、refPicListColはL0にセットされ得る。
図2で表現されるスケーラブルビデオコーディング(例えば、SHVC)の、例示的なインデックスに基づく枠組によって、ILRピクチャは、時間的候補を、マージモードおよび非マージモードの両方に対して導出するために、併置される参照ピクチャとして選定され得る。
例えばマージモードでは、参照インデックスは0に固定され得るものであり、対応するEL参照ピクチャは、ILRピクチャ内の併置されるブロックの参照インデックスにより指示される参照ピクチャのものとは異なるPOCを有し得る。MVスケーリング動作が、併置されるブロックのMVに適用されて、現在のPUの予測されるMVを算出し得る。スケーリング動作は、MV予測子の正確性を低減し得るものであり、ELビデオのコーディング効率を低下させ得る。例えば図7で表現されるような参照リスト選択プロセスは、併置されるブロックの最良の参照リストを選択しない場合があり、そのことが、時間的候補をELマージモードで構築するときに、不必要であり得る、MVスケーリング動作を結果として生じさせる場合がある。
現在のPUの参照インデックス、および、併置されるPUの参照リストの選択が、共同して考慮されることが、ELの時間的候補を構築するときに、マージモードに対して、MVスケーリング動作が回避され得るように行われ得る。これは、予測されるMVの正確性を改善し得る。
併置されるブロック/PUの参照リストは、コーディングされている現在のPUの入力参照リスト、例えるならLXによって選択され得る。図8は、例示的なTMVP導出プロセスを、ELマージモードに対して例示する。例示されるTMVP導出プロセスは、双予測を例えば使用し得る。図8では、EL参照ピクチャは実線により囲まれ、ILRピクチャは破線により囲まれる。時間的ELマージ候補の入力参照リストLXは、第1の参照リストであるということが想定され得る。例えば、LXをL0に等しいとする。図6で表現されるマージモードの例示的なTMVPプロセスによって、入力参照インデックスrefIdxLXは0にセットされ得る。
現在のELピクチャPOC3に対しては、2つのEL時間的参照ピクチャPOC0およびPOC2と、1つのILRピクチャPOC3とが参照リストL0内に、および、2つのEL時間的参照ピクチャPOC4およびPOC8が参照リストL1内に存在し得る。ILRピクチャが、併置される参照ピクチャとしてTMVPに対して使用される際、EL TMVPの併置されるピクチャに対して使用される参照リスト、例えばrefPicListColは、L0に等しくセットされ得る。図8では、2つのEL時間的参照ピクチャPOC4およびPOC8が存在し、それらのピクチャは、現在のピクチャPOC3より大きなPOCを有する。図7で表現されるプロセスによって、colPUの参照リストlistColは、L1に等しくあり得る。結果として、2つのエントリを見出すことが可能でない場合があり、それらのエントリは、1つは、currPUのリストLXからのものであり、他のものは、colPUのリストlistColからのものであり、それぞれ、EL DPB内の同じ参照ピクチャを表すものである。colPUのMV、すなわちmvColは、currPUの予測されるMV mvLXを生成するためにスケーリングされ得る。
併置されるブロックの参照リストは、適応的に選択され得るものであり、そのことによって、MVスケーリングは、TMVP導出の間に、例えばELマージモードに対して省略され得る。併置されるPUの参照リストは、併置されるPUに関連付けられる動きベクトル予測参照ピクチャリストとして個別の候補参照ピクチャリストを使用することに、動きベクトルスケーリング動作が関連付けられ得るかどうかに基づいて、選択され得る。併置されるPUに関連付けられる候補参照ピクチャリストが取得され得る。例えば、図8への参照によると、L0およびL1は、併置されるPUに関連付けられる候補参照ピクチャリストとして取得され得る。L0は、併置されるブロックcolPUの参照リスト、listColとして暫定的に選択され得る。currPUの予測されるMV mvLX、および、colPUのMV mvColの両方は、POC0にポイントし得る。現在のPUに関連付けられる参照ピクチャリストが取得され得る。例えば、図8への参照によると、LXは、現在のPUに関連付けられる参照ピクチャリストとして取得され得る。示されるように、時間的ELマージ候補の参照リストLXは、L0にセットされ得る。
候補参照ピクチャリストは、併置されるPUに関連付けられる動きベクトル予測参照ピクチャリストとして個別の候補参照ピクチャリストを使用することに、動きベクトルスケーリング動作が関連付けられ得るかどうかを決定するために調査され得、動きベクトル予測参照ピクチャリストは、調査に基づいて、候補参照ピクチャリストから選択され得る。MVスケーリング動作がTMVPに対してバイパス(bypass)されるとき、mvLXのMV予測正確性が増大され得る。候補参照ピクチャリストは、動きベクトル予測参照ピクチャリストとして選択されることが、併置されるPUに関連付けられる動きベクトル予測参照ピクチャリストとして候補参照ピクチャリストを使用することに、動きベクトルスケーリング動作が関連付けられ得ないという決定に基づいて行われ得る。
動きベクトル予測参照ピクチャリストは、POC距離に基づいて選択され得る。候補参照ピクチャリストを与えられると、候補参照ピクチャリストが、現在のPUに関連付けられるピクチャと、現在のPUに関連付けられる参照ピクチャリスト内の参照ピクチャとの間のPOC距離と同じPOC距離を、併置されるPUに関連付けられるピクチャから有する参照ピクチャを含むことを条件として、併置されるPUに関連付けられる動きベクトル予測参照ピクチャリストとして候補参照ピクチャリストを使用することに、動きベクトルスケーリング動作が関連付けられ得ないと決定され得る。暫定的なセットされる参照リスト内の参照ピクチャと、併置される参照ピクチャとの間のPOC距離と同じPOC距離を、現在のPUに関連付けられるピクチャから有する、現在のPUに関連付けられる参照ピクチャリスト内の参照ピクチャが見出されるならば、暫定的なセットされる参照リストは、併置されるブロックの参照リストとして選択され得る。併置されるブロックに関連付けられる参照リスト内の参照ピクチャは、現在のピクチャまでのその参照ピクチャのPOC距離、例えばcurrPocDiffがcolPocDiffに等しくあり得る、参照ピクチャが、currPUのリストLX内で見出され得るまで、調査され得る。参照リスト内の参照ピクチャは、参照リストから導出され得る。例えば、図7への参照によって記述される選択プロセスが使用され得る。本明細書で記述されるPOC距離条件を満たす、併置されるブロックの参照ピクチャが見出され得ないことを条件として、図7で表現されるプロセスによって導出される参照リストが使用され得る。
図9は、併置されるブロックに対する参照リスト選択の例示的なプロセスを表現する。910で、併置されるブロックcolPUのデフォルト参照リストlistColDefaultが取得され得る。デフォルト参照リストは、ランダムに決定される場合があり、第1の参照リストにセットされる場合があり、または、本明細書で記述されるプロセスに基づいて決定される場合がある。912で、併置されるブロックcolPUの参照リスト、listColが、デフォルト参照リストlistColDefaultに暫定的にセットされ得る。インデックス、例えるならjが、0にセットされ得る。915で、暫定的にセットされるlistCol内の参照ピクチャ、例えるならrefPicColが、インデックスjによって取得され得る。例えばrefPicColは、リストlistCol内の第jの参照ピクチャにセットされ得る。参照ピクチャrefPicColと、併置される参照ピクチャcolPicとの間のPOC距離(例えば、POC数での差、方向距離、および/または、絶対距離)が算出され得る。参照ピクチャと、併置される参照ピクチャとの間のPOC距離は、colPocDiffと呼称され得る。
918で、参照ピクチャと、併置される参照ピクチャとの間のPOC距離が、currPUの参照ピクチャリストLX内の参照ピクチャと、併置される参照ピクチャとの間のPOC距離と比較され得る。currPUの参照ピクチャリストLX内の参照ピクチャpicと、現在のピクチャとの間のPOC距離、例えるならcurrPocDiffが算出され得る。1つより多い参照ピクチャが、currPUの参照ピクチャリストLX内に存在するとき、参照ピクチャと現在のピクチャとの間のPOC距離が算出され得る。現在のPUの参照リスト内の参照ピクチャの1または複数が、colPocDiffと同じ距離を現在のピクチャから有するならば、950で、現在の暫定的にセットされるlistColは、併置されるブロックに対する参照リストとして選択され得るものであり、それは、次のステップにlistColを伴って進行し得る。920で、併置されるブロックの参照リスト内の次の参照ピクチャが識別され得る。例えばインデックスjは、1だけインクリメントされ得るものであり、そのことによって、リストlistCol内の第jの参照ピクチャは、次の参照ピクチャを参照し得る。
922で、併置されるブロックの現時の暫定的にセットされる参照リスト内の参照ピクチャが調査されたかどうかが決定され得る。併置されるブロックの現時の暫定的にセットされる参照リスト内の、さらに調査されなければならない、参照ピクチャが存在するならば、リスト内の次の参照ピクチャが915〜922で調査され得る。併置されるブロックの参照リスト内の参照ピクチャが調査されたならば、併置されるブロックに関連付けられる次の参照リストが考慮されたということである。例えばインデックスjの値が、併置されるブロックの参照リスト内の参照ピクチャの最大数と比較され得る。jが、併置されるブロックの参照リスト内の参照ピクチャの最大数より少ないならば、ステップ915〜922が繰り返され得るものであり、そのことによって、併置されるブロックの参照リスト内の他の参照ピクチャが調査され得る。jが、併置されるブロックの参照リスト内の参照ピクチャの最大数より大である、または、それに等しいならば、925〜930で、併置されるブロックcolPUの参照リスト、listColが、併置されるブロックcolPUに関連付けられる別の参照リストに暫定的にセットされ得る。
併置されるPUに関連付けられる動きベクトル予測参照ピクチャリストとして候補参照ピクチャリストを使用することに、動きベクトルスケーリング動作が関連付けられ得るという決定に基づいて、colPUに関連付けられる別の候補参照ピクチャリストが考慮され得る。
図9に示されるように、925〜930で、併置されるブロックの参照リストは、併置されるブロックに関連付けられる別の参照リストに暫定的にセットされ得る。例えば、併置されるブロックに関連付けられる2つの参照リスト、L0およびL1が存在し得る。925で、現時の暫定的にセットされる参照リストlistColがL0であるかどうかがチェックされ得る。そうでないならば、参照リストlistColは、L0に、928で、暫定的にセットされ得る。現時の暫定的にセットされる参照リストlistColがL0であるならば、930で、参照リストlistColは、併置されるブロックに関連付けられる他の参照リスト、L1に暫定的にセットされ得る。インデックスjは、0にリセットされ得る。
932〜940で、暫定的にセットされる参照リスト内の参照ピクチャが、例えば、本明細書で915〜922に関して記述されたように調査され得る。暫定的なセットされる参照リスト内の参照ピクチャと、併置される参照ピクチャとの間のPOC距離と同じPOC距離を、現在のPUに関連付けられるピクチャから有する、現在のPUに関連付けられる参照ピクチャリスト内の参照ピクチャが見出されるならば、暫定的なセットされる参照リストは、併置されるブロックの参照リストとして選択され得る。
併置されるブロックに関連付けられる参照リスト内の参照ピクチャが調査され、参照ピクチャと、併置される参照ピクチャとの間のPOC距離と同じPOC距離を、現在のPUに関連付けられるピクチャから有する、現在のPUに関連付けられる参照ピクチャリスト内の参照ピクチャが識別されなかったならば、併置されるブロックの参照リストは、併置されるブロックに関連付けられるデフォルト参照リストにセットされ得る。例えば940で、インデックスjが、併置されるブロックの参照リスト内の参照ピクチャの最大数より大である、または、それに等しいことが決定されるならば、併置されるブロックcolPUの参照リスト、listColは、併置されるブロックcolPUに関連付けられるデフォルト参照リスト、listColDefaultに、942でセットされ得る。950で、プロセスは、次のステップに、併置されるブロックの選択される参照リストlistColを伴って進行し得る。
候補参照ピクチャリストを与えられると、現在のPUに関連付けられる参照ピクチャリスト内の参照ピクチャが、併置されるPUに関連付けられる候補参照ピクチャリスト内の参照ピクチャと同じピクチャ順序カウント(POC)値を有することを条件として、併置されるPUに関連付けられる動きベクトル予測参照ピクチャリストとして候補参照ピクチャリストを使用することに、動きベクトルスケーリング動作が関連付けられ得ないことが決定され得る。ILRピクチャが、EL TMVPの併置される参照ピクチャとして使用されるとき、候補参照ピクチャリストが、現在のPUに関連付けられる参照ピクチャリストと同じ参照リストインデックスを有することを条件として、併置されるPUに関連付けられる動きベクトル予測参照ピクチャリストとして候補参照ピクチャリストを使用することに、動きベクトルスケーリング動作が関連付けられ得ないことが決定され得る。
併置されるブロックに対する参照リストは、現在のブロックの入力参照リストに基づいて選択され得る。例えば、併置されるブロックに対する参照リストは、現在のPUの入力参照リストに等しいようにセットされ得る。例えば、ILRピクチャが、EL TMVPの併置される参照ピクチャに対して使用されることを条件として、併置されるブロックの参照リストは、現在のPUの入力参照リストに等しいようにセットされ得る。参照インデックスに基づくSHVC解決策に対しては、ILRピクチャが、EL TMVPプロセスに対する、併置される参照ピクチャとして使用され得る。図8に示されるように、ILRピクチャが、併置されるピクチャとして、併置されるブロックを配置するために選択されるとき、ILRピクチャを除いて、リストL0およびL1内でコーディングされている現在のELピクチャの残っている時間的参照ピクチャは、ILRピクチャのものと同じPOCを有し得る。これは、例えば、BLおよびELが同じ予測構造を有するときに、真であり得る。これは、共通のアプリケーションに対する事例であり得る。currPUおよびcolPUが、同じ参照ピクチャリストをTMVP導出に対して使用する(例えば、listCol=LX)ならば、MVスケーリング動作は、省略される可能性がより大きくなり得る。
併置されるブロックの導出される参照リストを与えられると、例えば、本明細書で記述される例によって、現在のPUの参照インデックスは、MVスケーリングがTMVPに対して省略され得るように、調整され得る。これは、MV予測子の正確性を改善し得る。
例えば、図6で表現されるTMVP導出プロセスによって、現在のPUの参照リストLXに対する入力参照インデックスrefIdxLXは、0に、マージモードに対してセットされ得る。生成される時間的マージ候補のリストLX内の対応する予測構成要素は、LXの第1のエントリに位置付けられる参照ピクチャから発生し得る。それは、リストLXでの0に等しいrefIdxLXは、1つのEL時間的参照ピクチャに対応し得るものであり、そのEL時間的参照ピクチャに対しては、現在のピクチャまでのPOC距離、currPocDiffが、リストlistCol内の併置されるブロックの参照ピクチャと、併置されるピクチャ自体との間のPOC距離、colPocDiffに等しくない場合があるということであり得る。結果として、例えば式(1)で具象されるようなMVスケーリングが適用され得る。
実施形態では、現在のブロック/PUに関連付けられる参照ピクチャリスト内の参照ピクチャが、MVスケーリングがバイパスされ得るように選択され得る。例えば、現在のブロック/PUに関連付けられる参照ピクチャリストLX内の参照ピクチャrefPicは、併置されるブロックに関連付けられる参照リスト内の参照ピクチャと、併置される参照ピクチャとの間のPOC距離、colPocDiffに基づいて、選択され得る。現在のPUの参照ピクチャのインデックスrefIdxLXは、currPocDiffがcolPocDiffに等しくなり得るように、リストLX内の別のエントリに調整され得る。
図10は、例示的なTVMP導出プロセスを表現するものであり、そのプロセスは、実質的には図8で表現されるものに対して、ILRピクチャが、コーディングされている現在のピクチャのリストL1に移動され得るということを除いて類似的であり得る。例えばrefPicListColは、L1にセットされ得る。併置されるブロック/PUに関連付けられる参照リストlistColは、L0にセットされ得る。colPUのMV mvColは、参照ピクチャPOC2をポイントし得るものであり、そのPOC2は、colPUのリストlistCol内の第2のエントリに配置され得る。参照インデックスrefIdxLXは、MVスケーリングが省略され得るように調整され得る。図10で表現される例では、MVスケーリングは、参照インデックスrefIdxLXが0であり、参照ピクチャがPOC0であるときに遂行され得るものであり、一方で、参照インデックスrefIdxLXが、POC2を伴う参照ピクチャに対応し得る1に調整されるとき、MVスケーリングはバイパスされ得る。
スケーラブルビデオコーディングシステムでは、コーディングされている現在のELピクチャの1または複数の参照ピクチャは、長期ピクチャであり得る。マージモードで0に等しいデフォルト参照インデックスは、長期参照ピクチャに対応し得るものであり、一方で、併置されるブロックのMVは、短期ピクチャをポイントし得るということが可能であり得る。TMVP候補は、利用不可能と見なされ得る。現在のブロック/PUに関連付けられる参照ピクチャリスト内の参照ピクチャのインデックスは、追加的なコーディング効率が達成され得るように、セットされ得る。
現在のPUの参照インデックスは、現在のPUに対する動きベクトル予測候補として参照ピクチャリスト内の個別の参照ピクチャを使用することに、動きベクトルスケーリング動作が関連付けられ得るかどうかに基づいて、選択され得る。例えば、現在のPUに関連付けられる参照ピクチャリスト内の参照ピクチャは、動きベクトル予測を遂行するための動きベクトル予測候補として個別の参照ピクチャを使用することに、動きベクトルスケーリング動作が関連付けられ得るかどうかを決定するために、調査され得る。動きベクトル予測候補は、調査に基づいて、参照ピクチャリスト内の参照ピクチャから選択され得る。例えば参照ピクチャは、動きベクトル予測を遂行するための動きベクトル予測候補として参照ピクチャを使用することに、動きベクトルスケーリング動作が関連付けられ得ないという決定に基づいて、ベクトル予測候補として選択され得る。
現在のPUの参照ピクチャリスト内の与えられる参照ピクチャに対して、参照ピクチャが、併置されるPUに関連付けられるピクチャと、併置されるPUの参照ピクチャとの間のPOC距離と同じPOC距離を、現在のPUに関連付けられるピクチャから有するならば、動きベクトル予測を遂行するための動きベクトル予測候補として参照ピクチャを使用することに、動きベクトルスケーリング動作が関連付けられ得ないことが決定され得る。
現在のブロック/PUに関連付けられる参照ピクチャリスト内の参照ピクチャは、併置されるブロックに関連付けられる参照リスト内の参照ピクチャと、併置される参照ピクチャとの間のPOC距離に基づいて、選択され得る。currPUの入力参照リストLXの参照ピクチャのPOCが調査され得るものであり、参照インデックスrefIdxLXは、参照ピクチャを表すインデックスに等しいようにセットされ得るものであり、その参照ピクチャは、TMVP候補を生成するためのMVスケーリング動作をバイパスし得る(例えば、要し得ない)ものである。例えば、currPocDiff=colPocDiffを結果として生じさせ得る参照インデックスrefIdxLXが選択され得る。この条件を満たすLXでの参照インデックスrefIdxLXが識別されないならば、デフォルト参照インデックス、例えるならインデックス値0が使用され得る。
図11は、ELマージモードに対するTMVP候補に対する参照インデックス選択の例示的なプロセスを表現する。示されるように、1110で、1または複数の値が取得され得る。現在のブロック/PUに関連付けられる参照ピクチャリスト内の参照ピクチャのデフォルトインデックス、refIdxLXが取得され得る。例えばデフォルトrefIdxLXは、0にセットされ得る。現在のブロック/PUに関連付けられる参照ピクチャリスト、LXが取得され得る。併置されるブロックに関連付けられる参照リスト内の参照ピクチャ、および、併置される参照ピクチャからのPOC距離、colPocDiffが決定され得る。1120で、インデックス、例えるならインデックスiが、リセットされ得るものであり、例えるなら0にセットする。インデックスは、現在のブロック/PUに関連付けられる参照ピクチャリストLX内の特定の参照ピクチャを参照するために使用され得る。1130で、LX内の参照ピクチャ、例えるならrefPicが、インデックスiによって取得され得る。例えばrefPicは、リストLX内の第iの参照ピクチャにセットされ得る。コーディングされている現在のピクチャ、currPicと、参照ピクチャrefPicとの間のPOC距離(例えば、POC数での差、方向距離、および/または、絶対距離)が算出され得る。現在のピクチャと、現在のブロック/PUに関連付けられる参照ピクチャリスト内の参照ピクチャとの間のPOC距離は、currPocDiffと呼称され得る。
1140で、現在のピクチャと、現在のブロックに関連付けられる参照ピクチャリスト内の参照ピクチャとの間のPOC距離が、併置されるブロックに関連付けられる参照リスト内の参照ピクチャと、併置される参照ピクチャとの間のPOC距離と比較され得る。例えば、currPocDiffが、colPocDiffに等しい、または、それと実質的に類似的であるかどうかが決定され得る。currPocDiffが、colPocDiffに等しい、または、それと実質的に類似的であることを条件として、1145で、現在のブロック/PUに関連付けられる参照ピクチャリスト内の参照ピクチャのインデックスrefIdxLXが、インデックスiの現時の値にセットされ得る。currPocDiffが、colPocDiffに等しくない、または、それと実質的に異なることを条件として、1150で、インデックスiは、1だけインクリメントされ得るものであり、そのことによって、リストLX内の第iの参照ピクチャは、リスト内の次の参照ピクチャを参照し得る。
動きベクトル予測を遂行するための動きベクトル予測候補として参照ピクチャを使用することに、動きベクトルスケーリング動作が関連付けられ得るという決定に基づく、動きベクトル予測候補に対する、現在のPUに関連付けられる参照ピクチャリストからの別の参照ピクチャ。
1160で、currPUの入力参照リストLX内の参照ピクチャが調査されたかどうかが決定され得る。currPUの入力参照リストLX内の、さらに調査されなければならない、参照ピクチャが存在するならば、リスト内の次の参照ピクチャが1130〜1160で調査され得る。currPUの入力参照リストLX内の参照ピクチャが調査されたならば、デフォルト参照インデックスが選択され得る。例えばインデックスiの値が、現在のブロックの参照リスト内の参照ピクチャの最大数と比較され得る。iが、併置されるブロックの参照リスト内の参照ピクチャの最大数より少ないならば、ステップ1130〜1160が繰り返され得るものであり、そのことによって、現在のブロックの参照リスト内の他の参照ピクチャが調査され得る。iが、現在のブロックの参照リスト内の参照ピクチャの最大数より大である、または、それに等しいならば、デフォルト参照インデックスが選択され得る。例えばデフォルト参照インデックス0が、現在のブロック/PUに関連付けられる参照ピクチャリスト内の参照ピクチャの値、refIdxLXをセットするために使用され得る。1170で、プロセスは、次のステップに、現在のブロック/PUに関連付けられる参照ピクチャリスト内の選択される参照ピクチャ(例えば、参照インデックスrefIdxLXに関連付けられる参照ピクチャ)を伴って進行し得る。
現在のPUの参照ピクチャリスト内の与えられる参照ピクチャに対して、参照ピクチャが、併置されるPUの参照ピクチャと同じPOC値を有するならば、動きベクトル予測を遂行するための動きベクトル予測候補として参照ピクチャを使用することに、動きベクトルスケーリング動作が関連付けられ得ないということが決定され得る。例えばrefIdxLXは、ILRピクチャが、併置される参照ピクチャとして使用されるときに、併置されるPUの参照ピクチャと同じPOC値を有する参照ピクチャに対応するインデックスにセットされ得る。
本明細書で記述される併置されるブロックの参照リスト選択の例示的なプロセスは、現在のPUの参照インデックス選択の例示的なプロセスに関して独立して遂行され得る。併置されるブロックの参照リスト選択の例示的なプロセスは、現在のPUの参照インデックス選択の例示的なプロセスと組み合わされることが、TMVP候補をELマージモードに対して生成するために行われ得る。併置されるブロックの参照リスト選択の例示的なプロセスは、現在のPUの参照インデックス選択の例示的なプロセスと組み合わされることが、TMVP候補をELマージモードに対して生成するために行われ得る。
高い類似性が、現在のELピクチャの動きフィールドと、そのILRピクチャの動きフィールドとの間に存在するならば、時間的候補は、空間的候補より、現在のPUの動きを予測するためには、より正確であり得る。スケーラブルビデオコーディングシステムでは、その場合、マージモードおよび非マージモードの両方の候補リストを構築することの順序は、時間的候補を空間的候補の後に配置することを含むが、時間的候補のインデックスを符号化するための大きなビット消費が、結果として生じ得る。非マージモードでは、有効な空間的候補の数が2に等しいときに、時間的候補は、候補リストから除外され得る。
時間的候補は、空間的候補に先行して配置されることが、MV予測に対して、ELに対して、マージモードで行われ得る。これは、マージ候補インデックスを信号伝達することに関連付けられるオーバヘッドを減じることを、例えば、現在のELピクチャの動きフィールドと、その対応するILRピクチャのそれとの間の相関(例えば、高い相関)に起因して行い得る。
ELマージ候補リストは、生成される時間的候補を使用して構築され得る。マージモードに対する候補リストの候補順序の例によって、TMVP候補は、空間的候補の後に配置され得る。併置されるピクチャがILRピクチャであるとき、時間的候補は、空間的候補より正確な、実際のEL MVのMV予測子を提供し得る。実施形態では、併置されるピクチャがILRピクチャであることを条件として、時間的候補は、空間的候補の前方に配置され得る。TMVP候補は、TMVP候補が、符号化器および/または復号器により、ELマージモードに対して、選択される可能性がより大きくなり得るように、配置され得る。
マージ候補リストは、ELマージモードの信号伝達オーバヘッドが低減され得るように、ELビデオコーディングに対して構築され得る。図12は、ELマージモードに対するELマージ候補リストに対する例示的な構築プロセスを表現する。TMVP候補は、第1の候補としてマージ候補リスト内に追加され得る。TMVP候補は、例えば、図7〜9に関して記述される併置されるブロックの参照リスト選択の例示的なプロセスによって、および/または、図6で表現されるマージモードの例示的なTMVPプロセスによって、導出され得る。
空間的候補の利用可能性が、チェックされ得るものであり、マージリストに、例えば、順序A1、B1、B0、A0、および、B2によって、追加され得る。プルーニングは、例えば、各々の空間的候補とTMVP候補との間で遂行され得るものであり、そのことは、一意的な候補が維持されるように、何らかの冗長なエントリを取り外し得る。1つのTMVP候補、および、1または複数の空間的候補(例えば、4つの空間的候補の最大まで)が、マージリストに含まれ得る。時間的および空間的候補の数がマージ候補の最大数に達しないとき、双予測候補および/またはゼロ動き候補が、例えば、マージリストの末尾に追加され得る。
時間的候補は、ELビデオコーディングの候補リストに含まれることが、MV予測に対して、ELに対して、非マージモードで行われ得る。MV予測の効率は、現在のELピクチャの動きフィールドと、その対応するILRピクチャのそれとの間の相関(例えば、高い相関)に起因して、改善され得る。
スケーラブルビデオコーディングでの効率改善は、どのように時間的動きベクトル予測子(TVMP)または時間的候補が、例えばEL非マージモードに対して生成されるかによって、明確に理解され得る。非マージモードに対する例示的な現在の候補リスト構築プロセスによって、TMVP候補は、利用可能な空間的候補の数が2より少ないときに、動きベクトル予測候補リスト、例えるならAMVP候補リストに含まれ得る。実施形態ではTMVP候補は、利用可能な空間的候補の数が2より少ないときにのみ、AMVP候補リストに含まれ得る。ILRピクチャが、併置されるピクチャとしてEL TMVPに対して使用されるとき、時間的候補は、空間的候補より効率的であり得る。実施形態では、ILRピクチャが、併置されるピクチャとしてEL TMVPに対して使用されることを条件として、TMVP候補は、AMVP候補リストに含まれ得る。例えば、ILRピクチャが、併置されるピクチャとしてEL TMVPに対して使用されることを条件として、TMVP候補は、利用可能な空間的候補の数に関わらず、AMVP候補リストに中に含まれ得る。
EL動きベクトル予測に対する候補リスト、例えるならAMVPリスト、または、任意の他の適した候補リストは、TMVP候補がリストに含まれ得るように、構築され得る。選択される動きベクトル予測候補は、マージング候補リストに、空間的動きベクトル予測候補のものの前の位置で追加され得る。選択される動きベクトル予測候補は、マージング候補リストに、空間的動きベクトル予測候補の代わりに追加され得る。
図13は、例示的な動きベクトル予測候補リスト構築プロセスを表現する。動きベクトル予測候補リストは、AMVP候補リストを含み得る。TMVP候補は、ILRピクチャが、併置されるピクチャとしてELコーディングに対して使用されるときに、AMVP候補リストの第1の候補として追加され得る。TMVP候補の利用可能性に依存して、例えば図5で表現されるような、5つの空間的候補の1つまたは2つが、選択され得るものであり、リスト内に追加され得る。
示されるように、1310で、時間的候補が利用可能であるかどうかが決定され得る。時間的候補が利用可能であることを条件として、時間的候補が、動きベクトル予測候補リストに、1320で追加され得る。1330で、空間的候補が、動きベクトル予測候補リストに追加され得る。例えば第1の空間的候補は、時間的候補の後に、動きベクトル予測候補リスト内に配置され得る。時間的候補が利用不可能であることを条件として、空間的候補は、AMVP候補リストに、1340で追加され得る。1350で、動きベクトル予測候補リストがフルであるかどうかが決定され得る。例えば、時間的および空間的候補の数が、あらかじめ決定された候補リストサイズより少ないかどうかが決定され得る。あらかじめ決定された候補リストサイズは、2、3、4、または、任意の他の適した数であり得る。動きベクトル予測候補リストがフルでないことを条件として、1360で、ゼロ候補が候補リストに追加され得る。1370で、プロセスは、次のステップに、動きベクトル予測候補リストを伴って進行し得る。動きベクトル予測候補リストがフルであることを条件として、1370で、プロセスは、次のステップに、動きベクトル予測候補リストを伴って進行し得る。
図12を参照すると、第1の空間的候補が、左位置A1およびA0の対から選定され得る。第2の空間的候補が、上部位置B1、B0、および、B2のセットから選定され得る。例では第2の空間的候補は、候補リストに追加されることが、TMVP候補および第1の空間的候補の1つまたは両方が利用不可能である場合に、および、そのような場合にのみ行われ得る。一意的な時間的および空間的候補の数が2より少ないならば、ゼロ候補が、リストの末尾内に追加され得る。
図14は、例示的な動きベクトル予測候補リスト構築プロセスを表現する。示されるように、1410で、空間的候補が、動きベクトル予測候補リストに追加され得る。1420で、空間的候補が動きベクトル予測候補リストを充塞したかどうかが決定され得る。例えば、空間的候補の数が2より少ないかどうかが決定され得る。空間的候補が動きベクトル予測候補リストを充塞していないことを条件として、1430で、時間的候補が、動きベクトル予測候補リストの末尾に追加され得る。空間的候補が動きベクトル予測候補リストを充塞したことを条件として、1440で、時間的候補は、空間的候補の1または複数を置換するために、動きベクトル予測候補リストで、追加され得る。例えば第2の空間的候補が、時間的候補によって置換され得る。1450で、動きベクトル予測候補リストがフルであるかどうかが決定され得る。例えば、時間的および空間的候補の数が、あらかじめ決定された候補リストサイズより少ないかどうかが決定され得る。あらかじめ決定された候補リストサイズは、2、3、4、または、任意の他の適した数であり得る。動きベクトル予測候補リストがフルでないことを条件として、1460で、ゼロ候補が候補リストに追加され得る。1470で、プロセスは、次のステップに、動きベクトル予測候補リストを伴って進行し得る。動きベクトル予測候補リストがフルであることを条件として、1470で、プロセスは、次のステップに、動きベクトル予測候補リストを伴って進行し得る。
示される例示的な動きベクトル予測候補リスト構築プロセスによって、例えば図5で表現されるような、5つの空間的候補の中の2つの空間的候補が、選択され得るものであり、リスト内に追加され得る。第1の空間的候補は、左位置A1およびA0から発生し得るものであり、第2の空間的候補は、上部位置B1、B0、および、B2から発生し得る。時間的候補は、例えば、利用可能な空間的候補の数に関わらず、リスト内に追加され得る。利用可能な空間的候補がリスト内に存在しない、または、1つのみの利用可能な空間的候補がリスト内に存在するならば、時間的候補がリストの末尾に追加され得る。2つの利用可能な空間的候補が存在するならば、時間的候補は、リスト内に追加されることが、例えば、最後の空間的候補を置換して行われ得る。ゼロ候補が追加されることが、例えば、繰り返されて、候補の数が2に等しくなるまで行われ得る。
スケーラブルビデオコーディングシステムのコーディング効率を拡張するための例示的なプロセス、例えば、マージモードに対する併置されるブロックに対する参照リスト選択の例示的なプロセス、および、非マージモードに対する例示的なAMVP候補リスト構築プロセスは、可能にされ、および/または、不能にされることが、ELビデオコーディングに対して、シーケンスレベルおよび/またはピクチャ/スライスレベルで、例えば、ビットストリームで、ELビデオ符号化器および/または復号器に対して信号伝達することにより行われ得る。
例では、シーケンスレベルおよび/またはピクチャ/スライスレベルフラグが、ビットストリームに含まれて、TMVP候補を生成するための修正されるプロセスが、ELマージモードおよび/または非マージモードに対して適用されることになるか、それとも、TMVP候補を生成するためのデフォルトプロセスが、ELマージモードおよび/または非マージモードに対して適用されることになるかを指示し得る。シーケンスレベル信号伝達に対しては、フラグが追加されることが、1または複数のパラメータセット、例えるなら、ビデオパラメータセット(VPS)、シーケンスパラメータセット(SPS)、および/または、ピクチャパラメータセット(PPS)に対して行われ得る。
図15は、2つのフラグをSPS内に追加することによるシーケンスレベル信号伝達の例を表現する表である。例えばパラメータ、例えるならsps_tmvp_merge_modified_flagは、修正されるマージTMVP候補生成プロセス、例えば、本明細書で記述されるマージモードに対する併置されるブロックに対する参照リスト選択の例示的なプロセスが、スライスを現在のレイヤで符号化するために適用されることになるかどうかを指示し得る。sps_tmvp_merge_modified_flagを1に等しくセットすることは、修正されるマージTMVP候補生成プロセスが、スライスを、nuh_layer_idにより識別される現在のレイヤで符号化するために適用されることになるということを指定し得る。sps_tmvp_merge_modified_flagを0に等しくセットすることは、現在のスライスを、nuh_layer_idにより識別される現在のレイヤで符号化するために使用される、マージTMVP候補生成プロセスが修正されないということを指定し得る。sps_tmvp_merge_modified_flagが不存在である(例えば、信号伝達されない)とき、それは0であるように推測され得る。
例えばパラメータ、例えるならsps_tmvp_non_merge_modified_flagは、信号伝達に含まれて、修正される非マージTMVP候補生成プロセス、例えば、本明細書で記述される非マージモードに対する例示的な動きベクトル予測候補リスト構築プロセスが、スライスを現在のレイヤで符号化するために適用されることになるかどうかを指示し得る。sps_tmvp_non_merge_modified_flagを1に等しくセットすることは、修正される非マージTMVP候補生成プロセス、例えば、非マージモードに対する例示的なAMVP候補リスト構築プロセスが、スライスを、nuh_layer_idにより識別される現在のレイヤで符号化するために適用されることになるということを指定し得る。sps_tmvp_non_merge_modified_flagを0に等しくセットすることは、スライスを、nuh_layer_idにより識別される現在のレイヤで符号化するために使用される、非マージTMVP候補生成プロセスが修正されないということを指定し得る。sps_tmvp_non_merge_modified_flagが不存在である(例えば、信号伝達されない)とき、それは0であるように推測され得る。
図16は、2つのフラグをスライスヘッダ内に追加することによるピクチャおよび/またはスライスレベル信号伝達の例を表現する表である。例えばパラメータ、例えるならslice_tmvp_merge_modified_flagは、信号伝達されて、修正されるマージTMVP候補生成プロセス、例えば、本明細書で記述されるマージモードに対する併置されるブロックに対する参照リスト選択のプロセスが、現在のスライスを符号化するために適用されることになるかどうかを指示し得る。slice_tmvp_merge_modified_flagを1に等しくセットすることは、修正されるマージTMVP候補生成プロセスが、現在のスライスを符号化するために適用されることになるということを指定し得る。slice_tmvp_merge_modified_flagを0に等しくセットすることは、現在のスライスを符号化するために使用される、マージTMVP候補生成プロセスが修正されないということを指定し得る。slice_tmvp_merge_modified_flagが不存在である(例えば、信号伝達されない)とき、それは0であるように推測され得る。
パラメータ、例えるならslice_tmvp_non_merge_modified_flagは、信号伝達されて、修正される非マージTMVP候補生成プロセス、例えば、本明細書で記述される非マージモードに対する例示的な動きベクトル予測候補リスト構築プロセスが、現在のスライスを符号化するために適用されることになるかどうかを指示し得る。slice_tmvp_non_modified_modified_flagを1に等しくセットすることは、修正される非マージTMVP候補生成プロセスが、現在のスライスを符号化するために適用されることになるということを指定し得る。slice_tmvp_non_modified_modified_flagを0に等しくセットすることは、現在のスライスを符号化するために使用される、非マージTMVP候補生成プロセスが修正されないということを指定し得る。slice_tmvp_non_merge_modified_flagが不存在である(例えば、信号伝達されない)とき、それは0であるように推測され得る。
下記は、スケーラブルビデオコーディングシステムのコーディング効率を拡張するための、上記で記述された例示的なプロセス、例えば、マージモードに対する併置されるブロックに対する参照リスト選択の例示的なプロセス、および、非マージモードに対する例示的なAMVP候補リスト構築プロセスの例示的な実装形態である。
マージモードに対するルーマ動きベクトルに対する導出プロセス
このプロセスは、merge_flag[xPb][yPb]が1に等しいときに呼び出されるのみであり、その場合(xPb,yPb)は、現在のピクチャの上部左ルーマサンプルに対する現在のルーマ予測ブロックの上部左サンプルを指定する。
このプロセスへの入力は、
− 現在のピクチャの上部左ルーマサンプルに対する現在のルーマコーディングブロックの上部左サンプルのルーマロケーション(xCb,yCb)、
− 現在のピクチャの上部左ルーマサンプルに対する現在のルーマ予測ブロックの上部左サンプルのルーマロケーション(xPb,yPb)、
− 現在のルーマコーディングブロックのサイズを指定する変数nCbS、
− ルーマ予測ブロックの幅および高さを指定する、2つの変数nPbWおよびnPbH、
− 現在のコーディングユニット内の現在の予測ユニットのインデックスを指定する変数partIdx
である。
このプロセスの出力は、
− ルーマ動きベクトルmvL0およびmvL1、
− 参照インデックスrefIdxL0およびrefIdxL1、
− 予測リスト利用フラグpredFlagL0およびpredFlagL1
である。
ロケーション(xOrigP,yOrigP)、および、変数nOrigPbWおよびnOrigPbHが、導出されて、(xPb,yPb)、nPbW、および、nPbHの値を下記のとおり記憶する。
Log2ParMrgLevelが2より大であり、nCbSが8に等しいとき、(xPb,yPb)、nPbW、nPbH、および、partIdxは、下記のとおり修正される。
注記 − Log2ParMrgLevelが2より大であり、nCbSが8に等しいとき、現在のコーディングユニットの予測ユニットは、単一のマージ候補リストを共有し、そのリストは、2Nx2N予測ユニットのマージ候補リストと同一である。
動きベクトルmvL0およびmvL1、参照インデックスrefIdxL0およびrefIdxL1、および、予測利用フラグpredFlagL0およびpredFlagL1は、下記の順序付けられたステップにより導出される。
1.隣接予測ユニット区画からのマージング候補に対する導出プロセスは、呼び出されることが、ルーマコーディングブロックロケーション(xCb,yCb)と、コーディングブロックサイズnCbSと、ルーマ予測ブロックロケーション(xPb,yPb)と、ルーマ予測ブロック幅nPbWと、ルーマ予測ブロック高さnPbHと、区画インデックスpartIdxとを、入力として伴って行われ、出力は、利用可能性フラグavailableFlagA0、availabieFlagA1、availableFlagB0、availableFlagB1、および、availableFiagB2と、参照インデックスrefIdxLXA0、refIdxLXA1、refIdxLXB0、refIdxLXB1、および、refIdxLXB2と、予測リスト利用フラグpredFlagLXA0、predFlagLXA1、predFlagLXB0、predFlagLXB1、および、predFlagLXB2と、動きベクトルmvLXA0、mvLXA1、mvLXB0、mvLXB1、および、mvLXB2とであり、Xは0または1である。
2.Xが0または1である、時間的マージング候補に対する参照インデックスrefIdxLXColが、0に等しくセットされる。
3.フラグmergeELは、nuh_layer_idが0に等しいならば、0にセットされ、そうでなければ、1にセットされる。
4.時間的ルーマ動きベクトル予測に対する導出プロセスは、呼び出されることが、ルーマロケーション(xPb,yPb)と、ルーマ予測ブロック幅nPbWと、ルーマ予測ブロック高さnPbHと、変数mergeELと、変数refIdxL0Colとを、入力として伴って行われ、出力は、利用可能性フラグavailableFlagL0Colと、修正されるrefIdxL0Colと、時間的動きベクトルmvL0Colとである。変数availableFlagCol、predFlagL0Col、および、predFlagL1Colが、下記のとおり導出される。
5.slice_typeがBに等しいとき、時間的ルーマ動きベクトル予測に対する導出プロセスは、呼び出されることが、ルーマロケーション(xPb,yPb)と、ルーマ予測ブロック幅nPbWと、ルーマ予測ブロック高さnPbHと、変数mergeELと、変数refIdxL1Colとを、入力として伴って行われ、出力は、利用可能性フラグavailableFlagL1Colと、修正されるrefIdxL1Colと、時間的動きベクトルmvL1Colとである。変数availableFlagColおよびpredFlagL1Colが、下記のとおり導出される。
6.マージング候補リスト、mergeCandListが、下記のとおり構築される。
− mergeELが0に等しいならば、mergeCandListは、次のように構築される。
− そうでなければ、mergeCandLIstは、次のように構築される。
7.変数numCurrMergeCandおよびnumOrigMergeCandが、mergeCandList内のマージング候補の数に等しくセットされる。
8.slice_typeがBに等しいとき、組み合わされる双予測マージング候補に対する導出プロセスは、呼び出されることが、mergeCandListと、mergeCandList内のあらゆる候補Nの、参照インデックスrefIdxL0NおよびrefIdxL1N、予測リスト利用フラグpredFlagL0NおよびpredFlagL1N、動きベクトルmvL0NおよびmvL1Nと、numCurrMergeCandと、numOrigMergeCandとを、入力として伴って行われ、出力は、割り当てられることが、mergeCandListと、numCurrMergeCandと、mergeCandList内に追加されているあらゆる新しい候補combCandkの、参照インデックスrefIdxL0combCandkおよびrefIdxL1combCandk、予測リスト利用フラグpredFlagL0combCandkおよびpredFlagL1combCandk、および、動きベクトルmvL0combCandkおよびmvL1combCandkとに対して行われる。追加されている候補の数、numCombMergeCandは、(numCurrMergeCand − numOrigMergeCand)に等しくセットされる。numCombMergeCandが0より大であるとき、kは、0からnumCombMergeCand−1までの、境界を含めた範囲に及ぶ。
9.ゼロ動きベクトルマージング候補に対する導出プロセスは、呼び出されることが、mergeCandListと、mergeCandList内のあらゆる候補Nの、参照インデックスrefIdxL0NおよびrefIdxL1N、予測リスト利用フラグpredFlagL0NおよびpredFlagL1N、動きベクトルmvL0NおよびmvL1Nと、numCurrMergeCandとを、入力として伴って行われ、出力は、割り当てられることが、mergeCandListと、numCurrMergeCandと、mergeCandList内に追加されているあらゆる新しい候補zeroCandmの、参照インデックスrefIdxL0zeroCandmおよびrefIdxL1zeroCandm、予測リスト利用フラグpredFlagL0zeroCandmおよびpredFlagL1zeroCandm、および、動きベクトルmvL0zeroCandmおよびmvL1zeroCandmとに対して行われる。追加されている候補の数、numZeroMergeCandは、(numCurrMergeCand − numOrigMergeCand − numCombMergeCand)に等しくセットされる。numZeroMergeCandが0より大であるとき、mは、0からnumZeroMergeCand−1までの、境界を含めた範囲に及ぶ。
10.下記の割り当てが行われ、Nは、マージング候補リストmergeCandList内の位置merge_idx[xOrigP][yOrigP]での候補であり(N=mergeCandList〔merge_idx[xOrigP][yOrigP]〕)、Xは、0または1により置換される。
11.predFlagL0が1に等しく、predFlagL1が1に等しく、(nOrigPbW + nOrigPbH)が12に等しいとき、下記が適用される。
ルーマ動きベクトル予測に対する導出プロセス
このプロセスへの入力は、
− 現在のピクチャの上部左ルーマサンプルに対する現在のルーマコーディングブロックの上部左サンプルのルーマロケーション(xCb,yCb)、
− 現在のルーマコーディングブロックのサイズを指定する変数nCbS、
− 現在のピクチャの上部左ルーマサンプルに対する現在のルーマ予測ブロックの上部左サンプルを指定するルーマロケーション(xPb,yPb)、
− ルーマ予測ブロックの幅および高さを指定する、2つの変数nPbWおよびnPbH、
− Xが0または1である、現在の予測ユニット区画の参照インデックスrefIdxLX、
− 現在のコーディングユニット内の現在の予測ユニットのインデックスを指定する変数partIdx
である。
このプロセスの出力は、動きベクトルmvLXの予測mvpLXであり、Xは0または1である。
動きベクトル予測子mvpLXは、下記の順序付けられたステップで導出される。
1.隣接予測ユニット区画からの動きベクトル予測子候補に対する導出プロセスは、呼び出されることが、ルーマコーディングブロックロケーション(xCb,yCb)と、コーディングブロックサイズnCbSと、ルーマ予測ブロックロケーション(xPb,yPb)と、ルーマ予測ブロック幅nPbWと、ルーマ予測ブロック高さnPbHと、Xが0または1であるrefIdxLXと、区画インデックスpartIdxとを、入力として、および、NがAまたはBにより置換される、利用可能性フラグavailableFlagLXNと、動きベクトルmvLXNとを、出力として伴って行われる。
2.availableFlagLXAおよびavailableFlagLXBの両方が1に等しく、mvLXAがmvLXBに等しくないならば、availableFlagLXColが、0に等しくセットされる。そうでなければ、時間的ルーマ動きベクトル予測に対する導出プロセスは、呼び出されることが、ルーマ予測ブロックロケーション(xPb,yPb)と、ルーマ予測ブロック幅nPbWと、ルーマ予測ブロック高さnPbHと、1に等しくセットされるフラグmergeELと、Xが0または1であるrefIdxLXとを、入力として伴って行われ、出力は、利用可能性フラグavailableFlagLXColと、修正されるrefIdxLXと、時間的動きベクトル予測子mvLXColである。
3.フラグamvpELは、nuh_layer_idが0に等しいならば、0にセットされ、そうでなければ、1にセットされる。
4.動きベクトル予測子候補リスト、mvpListLXが、下記のとおり構築される。
5.動きベクトル予測子リストは、下記のとおり修正される。
− mvLXAおよびmvLXBが同じ値を有するとき、mvLXBはリストから取り外され、変数numMvpCandLXが、mvpListLX内の要素の数に等しくセットされる。
− numMvpCandLXが2より少ないとき、下記が適用されることが、繰り返されて、numMvpCandLXが2に等しくなるまで行われる。
− numMvpCandLXが2より大であるとき、idxが1より大である動きベクトル予測子候補mvpListLX[idx]は、リストから取り外される。
mvpListLX[mvp_LX_flag[xPb][yPb]]の動きベクトルが、mvpLXに割り当てられる。
時間的ルーマ動きベクトル予測に対する導出プロセス
このプロセスへの入力は、
− 現在のピクチャの上部左ルーマサンプルに対する現在のルーマ予測ブロックの上部左サンプルを指定するルーマロケーション(xPb,yPb)、
− ルーマ予測ブロックの幅および高さを指定する、2つの変数nPbWおよびnPbH、
− フラグmergeEL、
− Xが0または1である参照インデックスrefIdxLX
である。
このプロセスの出力は、
− 動きベクトル予測mvLXCol、
− 利用可能性フラグavailableFlagLXCol、
− 修正される参照インデックスrefIdxLX
である。
変数currPbは、ルーマロケーション(xPb,yPb)での現在のルーマ予測ブロックを指定する。変数mvLXCol、および、availableFlagLXCol、および、修正されるrefIdxLXは、下記のとおり導出される。
− slice_temporal_mvp_enabled_flagが0に等しいならば、mvLXColの両方の構成要素は、0に等しくセットされ、availableFlagLXColは、0に等しくセットされる。
− そうでなければ、下記の順序付けられたステップが適用する。
1.slice_type、collocated_from_10_flag、および、collocated_ref_idxの値に依存して、併置される(collocated)ピクチャを指定する変数colPicが、下記のとおり導出される。
− slice_typeがBに等しく、collocated_from_10_flagが0に等しいならば、colPicは、RefPicList1[collocated_ref_idx]に等しくセットされる。
− そうでなければ(slice_typeがBに等しく、collocated_from_10_flagが1に等しい、または、slice_typeがPに等しい)、colPicは、RefPicList0[collocated_ref_idx]に等しくセットされる。
2.下部右併置される動きベクトルは、下記のとおり導出される。
− yPb>>CtbLog2SizeYが、yColBr>>CtbLog2SizeYに等しく、yColBrが、pic_height_in_luma_samplesより少なく、xColBrが、pic_width_in_luma_samplesより少ないならば、下記が適用される。
− 変数colPbは、colPicにより指定される併置されるピクチャの内側の、((xColBr>>4)<<4,(yColBr>>4)<<4)により与えられる、修正されるロケーションを覆うルーマ予測ブロックを指定する。
− ルーマロケーション(xColPb,yColPb)は、colPicにより指定される併置されるピクチャの上部左ルーマサンプルに対する、colPbにより指定される併置されるルーマ予測ブロックの上部左サンプルに等しくセットされる。
− 併置される動きベクトルに対する導出プロセスは、呼び出されることが、currPbと、colPicと、colPbと、(xColPb,yColPb)と、mergeELと、refIdxLXとを、入力として伴って行われ、出力は、割り当てられることが、mvLXColと、availableFlagLXColと、refIdxLXの修正されるバージョンとに対して行われる。
− そうでなければ、mvLXColの両方の構成要素が、0に等しくセットされ、availableFlagLXColが、0に等しくセットされる。
3.availableFlagLXColが0に等しいとき、中心の併置される動きベクトルは、下記のとおり導出される。
− 変数colPbは、colPicの内側の((xColCtr>>4)<<4,(yColCtr>>4)<<4)により与えられる、修正されるロケーションを覆うルーマ予測ブロックを指定する。
− ルーマロケーション(xColPb,yColPb)は、colPicにより指定される併置されるピクチャの上部左ルーマサンプルに対する、colPbにより指定される併置されるルーマ予測ブロックの上部左サンプルに等しくセットされる。
併置される動きベクトルに対する導出プロセスは、呼び出されることが、currPbと、colPicと、colPbと、(xColPb,yColPb)と、mergeELと、refIdxLXとを、入力として伴って行われ、出力は、割り当てられることが、mvLXColと、availableFlagLXColと、refIdxLXの修正されるバージョンとに対して行われる。
併置される動きベクトルに対する導出プロセス
このプロセスへの入力は、
− 現在の予測ブロックを指定する変数currPb、
− 併置されるピクチャを指定する変数colPic、
− colPicにより指定される併置されるピクチャの内側の、併置される予測ブロックを指定する変数colPb、
− colPicにより指定される併置されるピクチャの上部左ルーマサンプルに対する、colPbにより指定される併置されるルーマ予測ブロックの上部左サンプルを指定するルーマロケーション(xColPb,yColPb)、
− フラグmergeEL、
− Xが0または1である参照インデックスrefIdxLX
である。
このプロセスの出力は、
− 動きベクトル予測mvLXCol、
− 利用可能性フラグavailableFlagLXCol、
− 修正される参照インデックスrefIdxLX
である。
変数currPicは、現在のピクチャを指定する。
アレイpredFlagLXCol[x][y]、mvLXCol[x][y]、および、refIdxLXCol[x][y]は、colPic、PredFlagLX[x][y]、MvLX[x][y]、および、RefIdxLX[x][y]により、それぞれ、指定される、併置されるピクチャの対応するアレイに等しくセットされ、Xは、このプロセスがそれに対して呼び出されるXの値である。
変数mvLXColおよびavailableFlagLXColは、下記のとおり導出される。
− colPbがイントラ予測モードでコーディングされるならば、mvLXColの両方の構成要素は、0に等しくセットされ、availableFlagLXColは、0に等しくセットされる。
− そうでなければ、動きベクトルmvCol、参照インデックスrefIdxCol、および、参照リスト識別子listColは、下記のとおり導出される。
− predFlagL0Col[xColPb][yColPb]が0に等しいならば、mvCol、refIdxCol、および、listColは、mvL1Col[xColPb][yColPb]、refIdxL1Col[xColPb][yColPb]、および、L1に、それぞれ、等しくセットされる。
− そうでなければ、predFlagL0Col[xColPb][yColPb]が1に等しく、predFlagL1Col[xColPb][yColPb]が0に等しいならば、mvCol、refIdxCol、および、listColは、mvL0Col[xColPb][yColPb]、refIdxL0Col[xColPb][yColPb]、および、L0に、それぞれ、等しくセットされる。
− そうでなければ(predFlagL0Col[xColPb][yColPb]が1に等しく、predFlagL1Col[xColPb][yColPb]が1に等しい)、下記の割り当てが行われる。
− DiffPicOrderCnt(aPic,currPic)が、0より少ない、または0に等しいことが、現在のスライスのあらゆる参照ピクチャリスト内のあらゆるピクチャaPicに対してであるならば、mvCol、refIdxCol、および、listColは、mvLXCol[xColPb][yColPb]、refIdxLXCol[xColPb][yColPb]、および、LXに、それぞれ、等しくセットされる。
− そうでなければ、mvCol、refIdxCol、および、listColは、mvLNCol[xColPb][yColPb]、refIdxLNCol[xColPb][yColPb]、および、LNに、それぞれ、等しくセットされ、Nは、collocated_from_10_flagの値である。
− mergeELが1に等しいとき、mvCol、refIdxCol、および、listColは、下記のとおり修正される。
− 変数mvColNew、refIdxColNew、および、listColNewが、mvCol、refIdxCol、および、listColに、それぞれ、等しくセットされ、フラグbNoScalingListFlagが、0に等しくセットされる。下記が、参照リストLYに適用することを、listColから1−listColまで、bNoScalingLIstFlagが1に等しくなるまで行う。
− DiffPicOrderCnt(aPic,currPic)が、DiffPicOrderCnt(refPicListLYCol[refIdxLYCol[xColPb][yColPb]],colPic)に等しいことが、currPicのリストLX内のピクチャaPicに対してであるならば、mvColNew、refIdxColNew、および、listColNewは、mvLYCol[xColPb][yColPb]、refIdxLYCol[xColPb][yColPb]、および、LYに、それぞれ、等しくセットされ、bNoScalingListFlagは、1に等しくセットされる。
− bNoScalingListFlagが1に等しいならば、mvCol、refIdxCol、および、listColは、mvColNew、refIdxColNew、および、listColNewに、それぞれ、等しくセットされる。
− そうでなければ、mvCol、refIdxCol、および、listColは修正されない。
− mergeELが1に等しいとき、mvCol、refIdxCol、および、listColは、mvLXCol[xColPb][yColPb]、refIdxLXCol[xColPb][yColPb]、および、LXに、それぞれ、等しくセットされる。
そしてmergeELが1に等しいとき、参照インデックスrefIdxLXは、下記のとおり修正される。
− 変数refIdxNewが、refIdxLXに等しくセットされ、フラグbNoScalingFlagが、0に等しくセットされる。0からnum_ref_idx_lx_active_minus1までのrefIdxTempに対して、bNoScalingFlagが1に等しくなるまで、下記が繰り返されて適用される。
− DiffPicOrderCnt(currPic,RefPicListX[refIdxTemp])が、DiffPicOrderCnt(colPic,refPicListCol[refIdxCol])に等しく、LongTermRefPic(currPic,currPb,refIdxTemp,ListX)が、LongTermRefPic(colPic,colPb,refIdxCol,listCol)に等しいとき、refIdxNewは、refIdxTempに等しくセットされ、bNoScalingFlagは、1に等しくセットされる。
− bNoScalingFlagが1に等しいならば、refIdxLXは、refIdxNewに等しくセットされる。
− そうでなければ、refIdxLXは修正されない。
そしてmvLXColおよびavailableFlagLXColは、下記のとおり導出される。
− LongTermRefPic(currPic,currPb,refIdxLX,LX)が、LongTermRefPic(colPic,colPb,refIdxCol,listCol)に等しくないならば、mvLXColの両方の構成要素は、0に等しくセットされ、availableFlagLXColは、0に等しくセットされる。
− そうでなければ、変数availableFlagLXColは、1に等しくセットされ、refPicListCol[refIdxCol]は、セットされることが、ピクチャcolPic内の予測ブロックcurrPbを内包するスライスの参照ピクチャリストlistCol内の参照インデックスrefIdxColを伴うピクチャであるように行われ、下記が適用される。
− RefPicListX[refIdxLX]が長期参照ピクチャである、または、colPocDiffがcurrPocDiffに等しいならば、mvLXColは、下記のとおり導出される。
− そうでなければ、mvLXColは、導出されることが、動きベクトルmvColのスケーリングされるバージョンとして、下記のとおり行われる。
その場合tdおよびtbは、下記のとおり導出される。
スケーラブルビデオコーディングシステムのコーディング効率を拡張するための、本明細書で記述される例示的なプロセス、例えば、マージモードに対する併置されるブロックに対する参照リスト選択の例示的なプロセス、および、非マージモードに対する例示的なAMVP候補リスト構築プロセスは、ビデオを、ワイヤレス通信システム、例えるなら、図17A〜17Eで例示される、例示的なワイヤレス通信システム1200、および、その構成要素内で移送することによって実装され得る。
図17Aは、例示的な通信システム1200の線図であり、そのシステム内で、1または複数の開示される実施形態が実装され得る。例えばワイヤレスネットワーク(例えば、通信システム1200の1または複数の構成要素を備えるワイヤレスネットワーク)は、ワイヤレスネットワークを越えて(例えば、ワイヤレスネットワークに関連付けられる、“壁に囲まれた庭”を越えて)広がるベアラが、QoS特性を割り当てられ得るように、構成される。
通信システム1200は多重アクセスシステムであり得、その多重アクセスシステムは、コンテンツ、例えるなら、ボイス、データ、ビデオ、メッセージング、ブロードキャスト、その他を、複数のワイヤレスユーザに提供する。通信システム1200は、複数のワイヤレスユーザが、そのようなコンテンツに、ワイヤレス帯域幅を含むシステムリソースの共有によってアクセスすることを可能にし得る。例えば通信システム1200は、1または複数のチャネルアクセス方法を用い得るものであり、それらの方法は、例えるなら、符号分割多元接続(CDMA:code division multiple access)、時分割多元接続(TDMA:time division multiple access)、周波数分割多元接続(FDMA:frequency division multiple access)、直交FDMA(OFDMA:orthogonal FDMA)、単一キャリアFDMA(SC−FDMA:single-carrier FDMA)、および類するものである。
図17Aに示されるように通信システム1200は、少なくとも1つのワイヤレス送信/受信ユニット(WTRU)、例えるなら複数のWTRU、実例としてWTRU1202a、1202b、1202c、および、1202dと、無線アクセスネットワーク(RAN)1204と、コアネットワーク1206と、公衆交換電話ネットワーク(PSTN:public switched telephone network)1208と、インターネット1210と、他のネットワーク1212とを含み得るが、開示される実施形態は、任意の数のWTRU、基地局、ネットワーク、および/または、ネットワーク要素を企図するということが認識されるべきである。WTRU1202a、1202b、1202c、1202dの各々は、ワイヤレス環境で動作および/または通信するように構成される任意のタイプのデバイスであり得る。例として、WTRU1202a、1202b、1202c、1202dは、ワイヤレス信号を送信および/または受信するように構成され得るものであり、ユーザ機器(UE)、移動局、固定されたまたは移動の加入者ユニット、ページャ、セルラー電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、スマートフォン、ラップトップ、ネットブック、パーソナルコンピュータ、ワイヤレスセンサ、消費者電子機器、および類するものを含み得る。
通信システム1200はさらには、基地局1214aおよび基地局1214bを含み得る。基地局1214a、1214bの各々は、任意のタイプのデバイスであり得、そのデバイスは、WTRU1202a、1202b、1202c、1202dの少なくとも1つとワイヤレスにインターフェイス接続して、1または複数の通信ネットワーク、例えるなら、コアネットワーク1206、インターネット1210、および/または、ネットワーク1212へのアクセスを容易にするように構成される。例として、基地局1214a、1214bは、基地トランシーバ局(BTS)、ノードB、eノードB、ホームノードB、ホームeノードB、サイトコントローラ、アクセスポイント(AP)、ワイヤレスルータ、および類するものであり得る。基地局1214a、1214bは各々、単一の要素として表現されるが、基地局1214a、1214bは、任意の数の相互接続される基地局および/またはネットワーク要素を含み得るということが認識されるべきである。
基地局1214aは、RAN1204の部分であり得、そのRAN1204はさらには、他の基地局および/またはネットワーク要素(示されない)、例えるなら、基地局コントローラ(BSC)、無線ネットワークコントローラ(RNC:radio network controller)、中継ノード、その他を含み得る。基地局1214aおよび/または基地局1214bは、ワイヤレス信号を個別の地理的領域内で送信および/または受信するように構成され得、その地理的領域はセルと呼称され得る(示されない)。セルは、セルセクタにさらに分割され得る。例えば、基地局1214aに関連付けられるセルは、3つのセクタに分割され得る。したがって、1つの実施形態では基地局1214aは、3つのトランシーバを、すなわち、セルの各々のセクタに対して1つを含み得る。別の実施形態では基地局1214aは、多重入力多重出力(MIMO:multiple-input multiple output)技術を用い得、したがって、複数のトランシーバをセルの各々のセクタに対して利用することが可能である。
基地局1214a、1214bは、WTRU1202a、1202b、1202c、1202dの1または複数と、エアインターフェイス1216によって通信し得、そのエアインターフェイス1216は、任意の適したワイヤレス通信リンク(例えば、無線周波数(RF)、マイクロウェーブ、赤外線(IR)、紫外線(UV)、可視光、その他)であり得る。エアインターフェイス1216は、任意の適した無線アクセス技術(RAT:radio access technology)を使用して確立され得る。
より具体的には、上記で記載されたように通信システム1200は、多元接続システムであり得、1または複数のチャネルアクセス体系、例えるなら、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC−FDMA、および類するものを用い得る。例えば、RAN1204内の基地局1214a、および、WTRU1202a、1202b、1202cは、無線技術、例えるなら、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS:Universal Mobile Telecommunications System)地上波無線アクセス(UTRA: Terrestrial Radio Access)を実装し得るものであり、そのUTRAは、エアインターフェイス1216を、広帯域CDMA(WCDMA(登録商標):wideband CDMA)を使用して確立し得る。WCDMAは、通信プロトコル、例えるなら、高速パケットアクセス(HSPA:High-Speed Packet Access)および/または進化型HSPA(HSPA+)を含み得る。HSPAは、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)および/または高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)を含み得る。
別の実施形態では、基地局1214a、および、WTRU1202a、1202b、1202cは、無線技術、例えるなら、進化型UMTS地上波無線アクセス(E−UTRA)を実装し得るものであり、そのE−UTRAは、エアインターフェイス1216を、ロングタームエボリューション(LTE)および/またはLTE−アドバンスト(LTE−A)を使用して確立し得る。
他の実施形態では、基地局1214a、および、WTRU1202a、1202b、1202cは、無線技術、例えるなら、IEEE802.16(すなわち、ワールドワイドインターオペラビリティフォーマイクロウェーブアクセス(WiMAX:Worldwide Interoperability for Microwave Access))、CDMA2000、CDMA2000 1X、CDMA2000EV−DO、暫定標準2000(IS−2000)、暫定標準95(IS−95)、暫定標準856(IS−856)、移動通信用グローバルシステム(GSM(登録商標):Global System for Mobile communications)、GSM進化用拡張データレート(EDGE:Enhanced Data rates for GSM Evolution)、GSM EDGE(GERAN)、および類するものを実装し得る。
図17Aでの基地局1214bは、例えば、ワイヤレスルータ、ホームノードB、ホームeノードB、または、アクセスポイントであり得、ワイヤレス接続性を、局所的なエリア、例えるなら、仕事場、家、乗物、構内、および類するもので容易にするために、任意の適したRATを利用する。1つの実施形態では、基地局1214b、および、WTRU1202c、1202dは、無線技術、例えるならIEEE802.11を実装して、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)を確立し得る。別の実施形態では、基地局1214b、および、WTRU1202c、1202dは、無線技術、例えるならIEEE802.15を実装して、ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)を確立し得る。さらに別の実施形態では、基地局1214b、および、WTRU1202c、1202dは、セルラーに基づくRAT(例えば、WCDMA、CDMA2000、GSM、LTE、LTE−A、その他)を利用して、ピコセルまたはフェムトセルを確立し得る。図17Aに示されるように基地局1214bは、インターネット1210への直接接続を有し得る。したがって基地局1214bは、インターネット1210に、コアネットワーク1206を経由してアクセスすることを要求されない場合がある。
RAN1204は、コアネットワーク1206との通信の状態にあり得、そのコアネットワーク1206は、任意のタイプのネットワークであり得、そのネットワークは、ボイス、データ、アプリケーション、および/または、ボイスオーバインターネットプロトコル(VoIP)サービスを、WTRU1202a、1202b、1202c、1202dの1または複数に提供するように構成される。例えばコアネットワーク1206は、呼制御、ビリングサービス、モバイルロケーションに基づくサービス、プリペイド呼、インターネット接続性、ビデオ分配、その他を提供すること、および/または、高レベルセキュリティ機能、例えるならユーザ認証を遂行することが可能である。図17Aには示されないが、RAN1204および/またはコアネットワーク1206は、他のRANとの直接または間接の通信の状態にあり得、それらの他のRANは、RAN1204と同じRATを、または異なるRATを用いるということが認識されるべきである。例えば、E−UTRA無線技術を利用している場合があるRAN1204に接続されていることに加えて、コアネットワーク1206はさらには、GSM無線技術を用いる別のRAN(示されない)との通信の状態にあり得る。
コアネットワーク1206はさらには、ゲートウェイとしてサービングし得るものであり、そのゲートウェイは、WTRU1202a、1202b、1202c、1202dが、PSTN1208、インターネット1210、および/または、他のネットワーク1212にアクセスするためのものである。PSTN1208は回線交換電話ネットワークを含み得るものであり、それらの電話ネットワークは、単純な古い電話サービス(POTS:plain old telephone service)を提供するものである。インターネット1210は、相互接続されるコンピュータネットワークおよびデバイスのグローバルシステムを含み得るものであり、それらのコンピュータネットワークおよびデバイスは、共通の通信プロトコル、例えるなら、送信制御プロトコル(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、および、インターネットプロトコル(IP)を、TCP/IPインターネットプロトコルスイートの形で使用するものである。ネットワーク1212は、ワイヤードまたはワイヤレス通信ネットワークを含み得るものであり、それらの通信ネットワークは、他のサービスプロバイダにより所有される、および/または、動作させられるものである。例えばネットワーク1212は、1または複数のRANに接続される別のコアネットワークを含み得、それらのRANは、RAN1204と同じRATを、または異なるRATを用い得るものである。
通信システム1200内のWTRU1202a、1202b、1202c、1202dの一部またはすべては、マルチモード能力を含み得るものであり、すなわちWTRU1202a、1202b、1202c、1202dは、多重のトランシーバを含み得、それらのトランシーバは、異なるワイヤレスネットワークと、異なるワイヤレスリンクによって通信するためのものである。例えば、図17Aに示されるWTRU1202cは、基地局1214aと通信するように構成され得、その基地局1214aは、セルラーに基づく無線技術を用い得、WTRU1202cは、基地局1214bと通信するように構成され得、その基地局1214bは、IEEE802無線技術を用い得る。
図17Bは、例示的なWTRU1202のシステム線図である。図17Bに示されるようにWTRU1202は、プロセッサ1218、トランシーバ1220、送信/受信要素1222、スピーカ/マイクロホン1224、キーパッド1226、ディスプレイ/タッチパッド1228、取り外し不能メモリ1230、取り外し可能メモリ1232、電源1234、グローバルポジショニングシステム(GPS)チップセット1236、および、他の周辺装置1238を含み得る。WTRU1202は、前述の要素の任意の副組み合わせを含むことが、実施形態と矛盾しない状態に残りながら可能であるということが認識されるべきである。
プロセッサ1218は、汎用プロセッサ、特殊目的プロセッサ、従来型プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに関連する1または複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)回路、任意の他のタイプの集積回路(IC)、状態機械、および類するものであり得る。プロセッサ1218は、信号コーディング、データ処理、電力制御、入出力処理、および/または、WTRU1202がワイヤレス環境で動作することを可能にする任意の他の機能性を遂行し得る。プロセッサ1218はトランシーバ1220に結合され得、そのトランシーバ1220は送信/受信要素1222に結合され得る。図17Bはプロセッサ1218およびトランシーバ1220を別々の構成要素として表現するが、プロセッサ1218およびトランシーバ1220は、一体に電子パッケージまたはチップ内に集積され得るということが認識されるべきである。
送信/受信要素1222は、エアインターフェイス1216上で、信号を基地局(例えば、基地局1214a)に送信する、または、信号をその基地局から受信するように構成され得る。例えば1つの実施形態では、送信/受信要素1222は、RF信号を送信および/または受信するように構成されるアンテナであり得る。別の実施形態では、送信/受信要素1222は、例えば、IR信号、UV信号、または、可視光信号を送信および/または受信するように構成される放射器/検出器であり得る。さらに別の実施形態では、送信/受信要素1222は、RF信号および光信号の両方を、送信および受信するように構成され得る。送信/受信要素1222は、ワイヤレス信号の任意の組み合わせを送信および/または受信するように構成され得るということが認識されるべきである。
追加で、送信/受信要素1222は、図17Bで単一の要素として表現されるが、WTRU1202は、任意の数の送信/受信要素1222を含み得る。より具体的には、WTRU1202はMIMO技術を用い得る。したがって、1つの実施形態ではWTRU1202は、2つ以上の送信/受信要素1222(例えば、多重のアンテナ)を含み得、それらの送信/受信要素1222は、ワイヤレス信号を、エアインターフェイス1216上で送信および受信するためのものである。
トランシーバ1220は、信号を変調するように構成され得、それらの信号は、送信/受信要素1222により送信されることになり、トランシーバ1220は、信号を復調するように構成され得、それらの信号は、送信/受信要素1222により受信される。上記で記載されたように、WTRU1202はマルチモード能力を有し得る。したがってトランシーバ1220は、多重のトランシーバを含み得、それらのトランシーバは、WTRU1202が、多重のRAT、例えるならUTRAおよびIEEE802.11によって、通信することを可能にするためのものである。
WTRU1202のプロセッサ1218は、スピーカ/マイクロホン1224、キーパッド1226、および/または、ディスプレイ/タッチパッド1228(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)ディスプレイユニット、または、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイユニット)に結合され得るものであり、ユーザ入力データを、それらのスピーカ/マイクロホン1224、キーパッド1226、および/または、ディスプレイ/タッチパッド1228から受信し得る。プロセッサ1218はさらには、ユーザデータを、スピーカ/マイクロホン1224、キーパッド1226、および/または、ディスプレイ/タッチパッド1228に出力し得る。追加で、プロセッサ1218は、任意のタイプの適したメモリ、例えるなら、取り外し不能メモリ1230および/または取り外し可能メモリ1232からの情報にアクセスし、データをそのメモリに記憶し得る。取り外し不能メモリ1230は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク、または、任意の他のタイプのメモリ記憶デバイスを含み得る。取り外し可能メモリ1232は、加入者アイデンティティモジュール(SIM)カード、memory stick、secure digital(SD)メモリカード、および類するものを含み得る。他の実施形態ではプロセッサ1218は、メモリからの情報にアクセスし、データをそのメモリに記憶し得るものであり、そのメモリは、物理的にWTRU1202上に配置されない、例えるなら、サーバまたはホームコンピュータ(示されない)上のものである。
プロセッサ1218は、電力を電源1234から受信し得、WTRU1202内の他の構成要素に対する電力を分配および/または制御するように構成され得る。電源1234は、WTRU1202に電力供給するための任意の適したデバイスであり得る。例えば電源1234は、1または複数の乾電池(例えば、ニッケルカドミウム(NiCd)、ニッケル亜鉛(NiZn)、ニッケル金属水素化物(NiMH)、リチウムイオン(Liイオン)、その他)、ソーラーセル、燃料セル、および類するものを含み得る。
プロセッサ1218はさらには、GPSチップセット1236に結合され得、そのGPSチップセット1236は、ロケーション情報(例えば、経度および緯度)を、WTRU1202の現在のロケーションに関して提供するように構成され得る。GPSチップセット1236からの情報に加えて、またはその情報の代わりに、WTRU1202は、ロケーション情報を、エアインターフェイス1216上で基地局(例えば、基地局1214a、1214b)から受信し、および/または、そのロケーションを、信号のタイミングに基づいて決定し得、それらの信号は、2つ以上の付近の基地局から受信される。WTRU1202は、ロケーション情報を、任意の適したロケーション決定方法によって入手することが、実施形態と矛盾しない状態に残りながら可能であるということが認識されるべきである。
プロセッサ1218は、他の周辺装置1238にさらに結合され得、それらの他の周辺装置1238は、1または複数のソフトウェアおよび/またはハードウェアモジュールを含み得、それらのモジュールは、追加的な特徴、機能性、および/または、ワイヤードまたはワイヤレス接続性を提供する。例えば周辺装置1238は、加速度計、電子コンパス、衛星トランシーバ、デジタルカメラ(写真またはビデオ用)、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、振動デバイス、テレビトランシーバ、ハンズフリーヘッドセット、Bluetooth(登録商標)モジュール、周波数変調(FM)無線ユニット、デジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、インターネットブラウザ、および類するものを含み得る。
図17Cは、通信システム1200の実施形態のシステム線図であり、その通信システム1200は、RAN1204aおよびコアネットワーク1206aを含み、それらのRAN1204aおよびコアネットワーク1206aは、RAN1204およびコアネットワーク1206、それぞれの例示的な実装形態を備えるものである。上記で記載されたように、RAN1204、実例としてRAN1204aは、UTRA無線技術を用いて、WTRU1202a、1202b、および、1202cと、エアインターフェイス1216上で通信し得る。RAN1204aはさらには、コアネットワーク1206aとの通信の状態にあり得る。図17Cに示されるように、RAN1204aは、ノードB1240a、1240b、1240cを含み得、それらのノードBは各々、1または複数のトランシーバを含み得、それらのトランシーバは、WTRU1202a、1202b、1202cと、エアインターフェイス1216上で通信するためのものである。ノードB1240a、1240b、1240cは各々、RAN1204a内の個別のセル(示されない)に関連付けられ得る。RAN1204aはさらには、RNC1242a、1242bを含み得る。RAN1204aは、任意の数のノードBおよびRNCを含むことが、実施形態と矛盾しない状態に残りながら可能であるということが認識されるべきである。
図17Cに示されるように、ノードB1240a、1240bは、RNC1242aとの通信の状態にあり得る。追加的にノードB1240cは、RNC1242bとの通信の状態にあり得る。ノードB1240a、1240b、1240cは、それぞれのRNC1242a、1242bと、Iubインターフェイスを介して通信し得る。RNC1242a、1242bは、Iurインターフェイスを介して互いとの通信の状態にあり得る。RNC1242a、1242bの各々は、それぞれのノードB1240a、1240b、1240cを制御するように構成され得、それらのノードBは、それが接続されるものである。追加で、RNC1242a、1242bの各々は、他の機能性を実行またはサポートするように構成され得、その機能性は、例えるなら、アウターループ電力制御、負荷制御、受付制御、パケットスケジューリング、ハンドオーバ制御、マクロダイバーシティ、セキュリティ機能、データ暗号化、および類するものである。
図17Cに示されるコアネットワーク1206aは、メディアゲートウェイ(MGW:media gateway)1244、移動通信交換局(MSC:mobile switching center)1246、サービングGPRSサポートノード(SGSN:serving GPRS support node)1248、および/または、ゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN:gateway GPRS support node)1250を含み得る。前述の要素の各々はコアネットワーク1206aの一部として表現されるが、これらの要素の任意のものは、コアネットワークオペレータ以外のエンティティにより所有される、および/または、動作させられる場合があるということが認識されるべきである。
RAN1204a内のRNC1242aは、コアネットワーク1206a内のMSC1246に、IuCSインターフェイスを介して接続され得る。MSC1246は、MGW1244に接続され得る。MSC1246およびMGW1244は、WTRU1202a、1202b、1202cに、回線交換ネットワーク、例えるならPSTN1208へのアクセスを提供して、WTRU1202a、1202b、1202cと、従前の固定電話回線通信デバイスとの間の通信を容易にし得る。
RAN1204a内のRNC1242aはさらには、コアネットワーク1206a内のSGSN1248に、IuPSインターフェイスを介して接続され得る。SGSN1248は、GGSN1250に接続され得る。SGSN1248およびGGSN1250は、WTRU1202a、1202b、1202cに、パケット交換ネットワーク、例えるならインターネット1210へのアクセスを提供して、WTRU1202a、1202b、1202cと、IPが可能にされるデバイスとの間の通信を容易にし得る。
上記で記載されたように、コアネットワーク1206aはさらには、他のワイヤードまたはワイヤレスネットワークを含み得るネットワーク1212に接続され得、それらの他のワイヤードまたはワイヤレスネットワークは、他のサービスプロバイダにより所有される、および/または、動作させられるものである。
図17Dは、通信システム1200の実施形態のシステム線図であり、その通信システム1200は、RAN1204bおよびコアネットワーク1206bを含み、それらのRAN1204bおよびコアネットワーク1206bは、RAN1204およびコアネットワーク1206、それぞれの例示的な実装形態を備えるものである。上記で記載されたように、RAN1204、実例としてRAN1204bは、E−UTRA無線技術を用いて、WTRU1202a、1202b、および、1202cと、エアインターフェイス1216上で通信し得る。RAN1204bはさらには、コアネットワーク1206bとの通信の状態にあり得る。
RAN1204bは、eノードB1240d、1240e、1240fを含み得るが、RAN1204bは、任意の数のeノードBを含むことが、実施形態と矛盾しない状態に残りながら可能であるということが認識されるべきである。eノードB1240d、1240e、1240fは各々、1または複数のトランシーバを含み得、それらのトランシーバは、WTRU1202a、1202b、1202cと、エアインターフェイス1216上で通信するためのものである。1つの実施形態では、eノードB1240d、1240e、1240fは、MIMO技術を実装し得る。したがってeノードB1240dは、例えば、多重のアンテナを使用して、ワイヤレス信号をWTRU1202aに送信し、ワイヤレス信号をWTRU1202aから受信することが可能である。
eノードB1240d、1240e、および、1240fの各々は、個別のセル(示されない)に関連付けられ得、無線リソース管理判断、ハンドオーバ判断、アップリンクおよび/またはダウンリンクでのユーザのスケジューリング、ならびに類するものに対処するように構成され得る。図17Dに示されるように、eノードB1240d、1240e、1240fは、X2インターフェイス上で互いに通信し得る。
図17Dに示されるコアネットワーク1206bは、モビリティ管理ゲートウェイ(MME:mobility management gateway)1243、サービングゲートウェイ1245、および、パケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ1247を含み得る。前述の要素の各々はコアネットワーク1206bの一部として表現されるが、これらの要素の任意のものは、コアネットワークオペレータ以外のエンティティにより所有される、および/または、動作させられる場合があるということが認識されるべきである。
MME1243は、RAN1204b内のeノードB1240d、1240e、および、1240fの各々に、S1インターフェイスを介して接続され得、制御ノードとしての役割を果たし得る。例えばMME1243は、WTRU1202a、1202b、1202cのユーザを認証すること、ベアラアクティブ化/非アクティブ化、個別のサービングゲートウェイを、WTRU1202a、1202b、1202cの初期アタッチの間に選択すること、および類するものに対して責任を負う場合がある。MME1243はさらには、RAN1204bと、他のRAN(示されない)との間で切り替えるための制御プレーン機能を提供し得、それらの他のRANは、他の無線技術、例えるならGSMまたはWCDMAを用いる。
サービングゲートウェイ1245は、RAN1204b内のeノードB1240d、1240e、1240fの各々に、S1インターフェイスを介して接続され得る。サービングゲートウェイ1245は、一般的には、WTRU1202a、1202b、1202cへの/からのユーザデータパケットを、ルーティングおよび転送し得る。サービングゲートウェイ1245はさらには、他の機能を遂行し得るものであり、それらの機能は、例えるなら、ユーザプレーンをeノードB間のハンドオーバの間にアンカリングすること、ダウンリンクデータがWTRU1202a、1202b、1202cに対して利用可能であるときにページングをトリガリングすること、WTRU1202a、1202b、1202cのコンテキストを管理および記憶すること、ならびに類することである。
サービングゲートウェイ1245はさらには、PDNゲートウェイ1247に接続され得、そのPDNゲートウェイ1247は、WTRU1202a、1202b、1202cに、パケット交換ネットワーク、例えるならインターネット1210へのアクセスを提供して、WTRU1202a、1202b、1202cと、IPが可能にされるデバイスとの間の通信を容易にし得る。
コアネットワーク1206bは、他のネットワークとの通信を容易にし得る。例えばコアネットワーク1206bは、WTRU1202a、1202b、1202cに、回線交換ネットワーク、例えるならPSTN1208へのアクセスを提供して、WTRU1202a、1202b、1202cと、従前の固定電話回線通信デバイスとの間の通信を容易にし得る。例えばコアネットワーク1206bは、IPゲートウェイ(例えば、IPマルチメディアサブシステム(IMS)サーバ)を含み得る、または、そのIPゲートウェイと通信し得るものであり、そのIPゲートウェイは、コアネットワーク1206bとPSTN1208との間のインターフェイスとしての役割を果たす。追加で、コアネットワーク1206bは、WTRU1202a、1202b、1202cに、ネットワーク1212へのアクセスを提供し得、それらのネットワーク1212は、他のワイヤードまたはワイヤレスネットワークを含み得、それらの他のワイヤードまたはワイヤレスネットワークは、他のサービスプロバイダにより所有される、および/または、動作させられるものである。
図17Eは、通信システム1200の実施形態のシステム線図であり、その通信システム1200は、RAN1204cおよびコアネットワーク1206cを含み、それらのRAN1204cおよびコアネットワーク1206cは、RAN1204およびコアネットワーク1206、それぞれの例示的な実装形態を備えるものである。RAN1204、実例としてRAN1204cは、アクセスサービスネットワーク(ASN:access service network)であり得、そのASNは、IEEE802.16無線技術を用いて、WTRU1202a、1202b、および、1202cと、エアインターフェイス1216上で通信する。本明細書で記述されるように、WTRU1202a、1202b、1202c、RAN1204c、および、コアネットワーク1206cの異なる機能エンティティ間の通信リンクは、参照ポイントとして定義され得る。
図17Eに示されるようにRAN1204cは、基地局1240g、1240h、1240i、および、ASNゲートウェイ1241を含み得るが、RAN1204cは、任意の数の基地局およびASNゲートウェイを含むことが、実施形態と矛盾しない状態に残りながら可能であるということが認識されるべきである。基地局1240g、1240h、1240iは各々、RAN1204c内の個別のセル(示されない)に関連付けられ得、各々、1または複数のトランシーバを含み得、それらのトランシーバは、WTRU1202a、1202b、1202cと、エアインターフェイス1216上で通信するためのものである。1つの実施形態では、基地局1240g、1240h、1240iは、MIMO技術を実装し得る。したがって基地局1240gは、例えば、多重のアンテナを使用して、ワイヤレス信号をWTRU1202aに送信し、ワイヤレス信号をWTRU1202aから受信することが可能である。基地局1240g、1240h、1240iはさらには、モビリティ管理機能を提供し得るものであり、それらの機能は、例えるなら、ハンドオフトリガリング、トンネル確立、無線リソース管理、トラフィック分類、サービス品質(QoS)ポリシー強制、および類するものである。ASNゲートウェイ1241は、トラフィック集約ポイントとしての役割を果たし得るものであり、ページング、加入者プロファイルのキャッシング、コアネットワーク1206cへのルーティング、および類するものに対して責任を負う場合がある。
WTRU1202a、1202b、1202cと、RAN1204cとの間のエアインターフェイス1216は、R1参照ポイントとして定義され得るものであり、そのR1参照ポイントは、IEEE802.16仕様を実装する。追加で、WTRU1202a、1202b、および、1202cの各々は、コアネットワーク1206cとの論理インターフェイス(示されない)を確立し得る。WTRU1202a、1202b、1202cと、コアネットワーク1206cとの間の論理インターフェイスは、R2参照ポイントとして定義され得るものであり、そのR2参照ポイントは、認証、許可、IPホスト構成管理、および/または、モビリティ管理のために使用され得る。
基地局1240g、1240h、1240iの各々の間の通信リンクは、R8参照ポイントとして定義され得るものであり、そのR8参照ポイントは、WTRUハンドオーバ、および、基地局間のデータの転送を容易にするためのプロトコルを含む。基地局1240g、1240h、1240iと、ASNゲートウェイ1241との間の通信リンクは、R6参照ポイントとして定義され得る。R6参照ポイントは、WTRU1202a、1202b、1202cの各々に関連付けられるモビリティイベントに基づいてモビリティ管理を容易にするためのプロトコルを含み得る。
図17Eに示されるようにRAN1204cは、コアネットワーク1206cに接続され得る。RAN1204cとコアネットワーク1206cとの間の通信リンクは、R3参照ポイントとして定義され得るものであり、そのR3参照ポイントは、例えば、データ転送およびモビリティ管理能力を容易にするためのプロトコルを含む。コアネットワーク1206cは、モバイルIPホームエージェント(MIP−HA:mobile IP home agent)1254、認証・許可・課金(AAA:authentication, authorization, accounting)サーバ1256、および、ゲートウェイ1258を含み得る。前述の要素の各々はコアネットワーク1206cの一部として表現されるが、これらの要素の任意のものは、コアネットワークオペレータ以外のエンティティにより所有される、および/または、動作させられる場合があるということが認識されるべきである。
MIP−HAは、IPアドレス管理に対して責任を負う場合があり、WTRU1202a、1202b、および、1202cが、異なるASNおよび/または異なるコアネットワークの間でローミングすることを可能にし得る。MIP−HA1254は、WTRU1202a、1202b、1202cに、パケット交換ネットワーク、例えるならインターネット1210へのアクセスを提供して、WTRU1202a、1202b、1202cと、IPが可能にされるデバイスとの間の通信を容易にし得る。AAAサーバ1256は、ユーザ認証に対して、および、ユーザサービスをサポートすることに対して責任を負う場合がある。ゲートウェイ1258は、他のネットワークとのインターワーキングを容易にし得る。例えばゲートウェイ1258は、WTRU1202a、1202b、1202cに、回線交換ネットワーク、例えるならPSTN1208へのアクセスを提供して、WTRU1202a、1202b、1202cと、従前の固定電話回線通信デバイスとの間の通信を容易にし得る。追加で、ゲートウェイ1258は、WTRU1202a、1202b、1202cに、ネットワーク1212へのアクセスを提供し得るものであり、それらのネットワーク1212は、他のワイヤードまたはワイヤレスネットワークを含み得るものであり、それらの他のワイヤードまたはワイヤレスネットワークは、他のサービスプロバイダにより所有される、および/または、動作させられるものである。
図17Eには示されないが、RAN1204cは他のASNに接続され得、コアネットワーク1206cは他のコアネットワークに接続され得るということが認識されるべきである。RAN1204cと他のASNとの間の通信リンクは、R4参照ポイントとして定義され得るものであり、そのR4参照ポイントは、WTRU1202a、1202b、1202cのモビリティを、RAN1204cと他のASNとの間で調和させるためのプロトコルを含み得る。コアネットワーク1206cと他のコアネットワークとの間の通信リンクは、R5参照ポイントとして定義され得るものであり、そのR5参照ポイントは、インターワーキングを、ホームコアネットワークと、訪問されるコアネットワークとの間で容易にするためのプロトコルを含み得る。
特徴および要素が、上記で、個別の組み合わせで記述されているが、当業者は、各々の特徴または要素が、単独で、または、他の特徴および要素との任意の組み合わせで使用され得るということを認識するであろう。追加で、本明細書で記述された方法は、コンピュータ可読メディアに組み込まれる、コンピュータプログラム、ソフトウェア、または、ファームウェアの形で、コンピュータまたはプロセッサによる執行のために実装され得る。コンピュータ可読メディアの例は、電子信号(ワイヤードまたはワイヤレス接続によって送信される)、および、コンピュータ可読記憶メディアを含む。コンピュータ可読記憶メディアの例は、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、磁気メディア、例えるなら、内蔵ハードディスクおよび取り外し可能ディスク、磁気光学メディア、光学メディア、例えるなら、CD−ROMディスクおよびデジタルバーサタイルディスク(DVD)を含むが、それらに制限されない。ソフトウェアとの関連の状態にあるプロセッサは、WTRUでの使用のための無線周波数トランシーバ、WTRU、端末、基地局、RNC、または、任意のホストコンピュータを実装するために使用され得る。本明細書で、1または複数の例示的な実施形態によって記述された、特徴および/または要素は、本明細書で、1または複数の他の例示的な実施形態によって記述された、特徴および/または要素との組み合わせで使用され得る。