次に、本発明の実施の形態を、実施例を用いて説明する。尚、以下では、図柄の変動表示の終了に伴い当り図柄が停止表示されると、遊技者に所定量の遊技利益(例えば、賞球)を付与可能な当り遊技を実行可能なパチンコ遊技機に、本発明を適用した例を説明する。
図1乃至図3に示すように、実施例1のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えており、遊技盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されており、前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
また、前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される遊技演出の実行中などに、遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a、第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンを総称して単に「演出ボタン63」ともいう)が設けられている。複数の演出ボタンは、遊技演出の種類に応じて使用する演出ボタンを使い分けることができる。
また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66及びスピーカ67が設けられている。尚、演出ボタン63の構成は本実施例の態様に限らず、遊技者からの入力を検知できるものであればたり、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う入力検知手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力検知手段(光電式等)であってもよい。遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また、遊技盤2には、装飾用の盤面ランプ5が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されている。また、レール部材4の先端には球戻り防止片6が設けられており、一旦遊技領域へ誘導された遊技球が発射装置側へ戻るのを防止することができる。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置からなる画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8L、8C、8R(単に「演出図柄8」ともいう)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう)が設けられており、当該演出図柄8L、8C、8Rは、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。また、演出図柄8L、8C、8Rはそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄(識別情報)からなる。演出図柄表示領域7bに停止表示される左、中、右の演出図柄によって、後述(図4参照)の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう)に表示される第1特別図柄の変動表示の結果、及び第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう)に表示される第2特別図柄の変動表示の結果(つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう)の結果)を、遊技者が認識し易いように表示する。尚、第1特別図柄、第2特別図柄、演出図柄のいずれかを指して単に「図柄」や「識別情報」ということもある。
例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合には、「777」などの3桁同一のゾロ目(「大当り演出図柄」ともいう)や「135」などの予め設定したチャンス図柄や「3★3」などの専用図柄(「特殊図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、外れとなった場合には「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ目図柄(「外れ演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、遊技の進行状況を容易に把握することが可能となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄を見て把握する。そして、本実施例では、後述の3R大当り及び7R大当り以外の大当りについては、演出図柄8L、8C、8Rを停止表示(確定表示)する際の図柄確定演出を、例えば、表示画面7a(演出図柄表示領域7b)の略中央で演出図柄8L、8C、8Rを停止表示する等、遊技者が大当りの発生を容易に認識できる態様(第1演出態様)で行うこととし、3R大当り及び7R大当りについては、例えば、表示画面7aの隅で演出図柄8L、8C、8Rを小さく停止表示したり停止表示時間を短くしたりする等して、大当りの発生を認識し難い態様(第2演出態様)で行うこととしている。尚、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様がある。
画像表示装置7の表示画面7a上では、前述のような演出図柄を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出)を表示するほか、大当り遊技に伴って実行される大当り遊技演出や、客待ち用のデモ演出などが表示される。尚、演出図柄遊技演出や大当り遊技演出やデモ演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とがある。第1演出保留又は第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43a(図4参照)にて表示される第1特図保留の記憶数及び第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、演出図柄表示領域7bを取り囲むように、センター装飾体10が設けられている。センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられている。またセンター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3を流下する遊技球をワープ入口から受け入れ、当該遊技球をワープ出口から排出しステージ部11へと誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球と比して高い可能性で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。さらにセンター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態に応じて点灯可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13が配されている。
また、センター装飾体10の上部であって、装飾部材13の後方には、遊技演出に伴って動作可能な可動装飾部材14が設けられている。図3では、可動装飾部材14の一部分のみが視認可能となっているが、例えば、比較的当りの可能性の高い遊技演出の実行に伴って、可動装飾部材が下方に落下し、当該可動装飾部材が表示画面7aの前面を覆い、その大部分が視認可能となる。これにより、遊技者は当りへの期待感を高めることとなる。遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
遊技領域3における画像表示装置7の右方には、遊技球の入球し易さが変化する可変式の第2始動口21を備える可変入賞装置22(「可変式始動口」ともいう)が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。可変入賞装置22は、可動部材(羽根部材)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。可動部材23は、第2始動口ソレノイド24(図5参照)により駆動される。本実施例では、第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。尚、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口30を備えた第1大入賞装置31(「第1可変入球口」ともいう)と、第2大入賞口35を備えた第2大入賞装置36(「第2可変入球口」ともいう)とが設けられており、本実施例では、第1大入賞装置31(第1大入賞口30)の真上に第2大入賞装置36(第2大入賞口35)が配置されている。
第1大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図5参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第1可変入球口31は、開閉部材32の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
第2大入賞装置36は、開閉部材37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図5参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第2可変入球口36は、開閉部材37の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35に入球した遊技球が通過可能な特定領域39及び非特定領域49と、第2大入賞口35に入球した遊技球を特定領域39又は非特定領域49に誘導する(振り分ける)ための可動片150を含んで構成されている。可動片150は、可動片ソレノイド151(図5参照)により駆動されるもので、可動片150は、第2大入賞口35の開放、換言すると開閉部材37の開放動作の開始を契機として、その動作が開始される。可動片ソレノイド151がOFFのとき、すなわち可動片150が動作していないときは(非動作状態)、第2大入賞口35に入球した遊技球は非特定領域49に誘導されて、特定領域39を通過することが不可能となる。一方、可動片ソレノイド151がONのとき、すなわち可動片150が動作しているときは(動作状態)、第2大入賞口35に入球した遊技球は特定領域39に誘導されて、特定領域39を通過することが可能となる。本パチンコ遊技機1では、第2大入賞口35に入球した遊技球の少なくとも1個が特定領域39を通過したことが検知されることに基づいて、後述の高確率状態を発生させている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。このような特定領域39は、第1大入賞装置31には設けられていない。第2大入賞口35の開放(開閉部材37の開放動作)と可動片150の動作についての詳細は後述する。尚、高確率状態は、特別遊技とは別に遊技者に付与される遊技上の特典の一つである。
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(遊技球通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると第2始動口21を開状態となる。さらに、遊技領域3の下部には、複数の一般入球口27が設けられている。このように各種入球口等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bと、に分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちといい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際は左打ちにて第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において当りとなり遊技状態が変化した際には、右打ちにてゲート28、第2始動口21、第1大入賞口30、及び第2大入賞口35への入球を狙うこととなる。そして、第1始動口、第2始動口、第1大入賞口、第2大入賞口、及び一般入球口に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(「賞球」ともいう)が払い出される。
また、図3及び図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示及び停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)、第2特別図柄を変動表示及び停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)、及び、普通図柄を変動表示及び停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)が含まれている。また主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、及び、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
また主表示器40には、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の結果が当りになった場合に、実行される当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46、及び、遊技球の発射方向、すなわち右打ちすべき状態か左打ちすべき状態かを示す発射方向表示器47が含まれている。これら主表示器40に含まれる各種表示器は後述の主制御部によって表示制御される。第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20への遊技球の入球を契機として行われる。第2特別図柄の変動表示は、第2始動口21への遊技球の入球を契機として行われる。尚以下の説明では、第1特別図柄及び第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41a及び第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示部41ということがある。また、第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示部43ということがある。
特別図柄表示部41では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後停止表示し、停止表示された特別図柄(停止図柄)によって第1始動口20又は第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定識別情報、特定態様)である場合(すなわち、大当り図柄や小当り図柄である場合)には、停止表示された特定特別図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当り遊技)が行われる。尚、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
図4に示すとおり、第1特別図柄表示器41aは、「i〜p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。例えば、第1特別図柄当否判定の結果が、第1大当り(15R第1大当り)となった場合には、「ijn」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(15R第1大当り図柄)。また、第2大当り(12R第2大当り)となった場合には、「ijk」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(12R第2大当り図柄)。また、第3大当り(12R第3大当り)となった場合には、「ijl」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(12R第3大当り図柄)。また、第4大当り(7R第4大当り)となった場合には、「jnop」の4個のLEDを点灯し残りを消灯する(7R第4大当り図柄)。また、第5大当り(7R第5大当り)となった場合には、「mnop」の4個のLEDを点灯し残りを消灯する(7R第5大当り図柄)。また、外れとなった場合には、「lo」の2個のLEDを点灯し残りを消灯する(外れ図柄)。一方、第2特別図柄表示器41bは、「a〜h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。例えば、第2特別図柄当否判定の結果が、第6大当り(15R第6大当り)となった場合には、「abd」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(15R第6大当り図柄)。また、第7大当り(3R第7大当り)となった場合には、「cdeh」の4個のLEDを点灯し残りを消灯する(3R第7大当り図柄)。また、第8大当り(3R第8大当り)となった場合には、「cdgh」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(3R第8大当り図柄)。また、外れとなった場合には、「eh」の2個のLEDを点灯し残りを消灯する(外れ図柄)。特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば予め定められた順序で、左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様とすることができる。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部85に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85aに記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85bに記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限が設定されており、本実施例における上限値はそれぞれ4個となっている。これら第1特図保留記憶部85a及び第2特図保留記憶部85bを、夫々「第1取得情報記憶手段」及び「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には第1特図保留表示器43aは、「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が0の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が1の場合は「u□v●」というようにuのLEDを消灯vのLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数が2の場合は「u●v□」というようにuのLEDを赤色で点灯させvのLEDを消灯する表示態様とすることができる。また、保留数が3の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。
また、保留数が4(上限数)の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。また、第2特図保留表示器43bは、「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が0の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数1〜4についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後、停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。尚、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には図4に示す通り、普通図柄表示器42は、「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また判定結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。尚、外れ普通図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部86に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限が設定されており、本実施例における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することができるようになっている。そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が0の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が1の場合は「q□r●」というようにqのLEDを消灯しrのLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数2〜4についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
次に図2及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」ともいい、「遊技制御部」ともいう)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板90(「サブ制御部」ともいい、「演出制御部」ともいう)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう)、画像表示装置7に表示される演出図柄8、演出表示器102に表示される図柄、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2特図保留表示器103b等の表示制御を行う画像制御基板100(画像制御部)等を備えている。また、図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケース上にはサブ制御基板90を収納したサブ制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85a及び第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ49a及び一般入球口センサ27aが接続されている。これら各種センサを「検知手段」ともいう。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入球した遊技球を検知するものである。この第1大入賞口センサ30aでの遊技球の検知に基づいて、及び、第2大入賞口センサ35aでの遊技球の検知に基づいて、遊技者に所定量の賞球を付与するものとしている。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられており、第2大入賞口35に入球した遊技球のうち特定領域39を通過した遊技球を検知するものである。非特定領域センサ49aは、第2大入賞口35内の非特定領域49に設けられており、第2大入賞口35に入球した遊技球のうち非特定領域49を通過した遊技球を検知するものである。一般入球口センサ27aは、各一般入球口27内にそれぞれ設けられて一般入球口27に入球した遊技球を検知するものである。
またソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38及び可動片ソレノイド151が接続されている。これら各種ソレノイドを「駆動手段」ともいう。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのもので、第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。また、第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するためのもので、可動片ソレノイド151は、第2大入賞装置36の可動片150を駆動するものである。さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47、及び当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン116(「払出制御用マイコン」ともいう)が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。尚遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチセンサ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御されることとなる。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
また図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91(「演出制御用マイコン」)が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って遊技演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101(「画像制御用マイコン」)のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2保留表示器103bの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字及び記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPUは、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出表示器102は、2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示及び停止表示にあわせて変動表示及び停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯、又は色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2保留表示器103bも同様に2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯、又は色の組合せにより、演出第1特図保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数及び第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。また、演出第2特図保留表示器103bは第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数及び第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。これは、キャラクタ図柄を表示画面7a(演出図柄表示部)の略全体に表示したり、可動装飾部材14を動作させて表示画面7aの演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)の略全体を被覆したりすることで、演出図柄、第1演出保留表示部、又は第2演出保留表示部の一部又は全部が視認できない状態になることがあるため、この様な表示器が設けられている。尚、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて、又は加えてVDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROMに格納されている。尚、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROMに音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された可動装飾部材14を動作させる。尚、可動装飾部材14は、図1では一部分のみ視認可能となっているが、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。演出制御用マイコン91は、可動装飾部材14を所定の動作態様で動作させるための動作パターンデータ(「駆動データ」ともいう)を、サブ制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した動作パターンデータに基づいて可動装飾部材14の動作を制御する。尚、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材14の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63b(図1参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63c及び第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。従って、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチらサブ制御基板90に対して信号が出力される。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1における当否判定に係る制御について説明する。特別図柄当否判定の結果として「大当り」と「外れ」がある。「大当り」のときには、特別図柄表示部41に「大当り図柄」が停止表示され、「外れ」のときには、特別図柄表示部41に「外れ図柄」が停止表示される。大当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類に応じた開放パターンにて、第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」という。
大当りには複数の種別がある。図6に示すように大当りの種別としては、「15R(ラウンド)第1大当り」、「12R第2大当り」、「12R第3大当り」、「7R第4大当り」、「7R第5大当り」、「15R第6大当り」、「3R第7大当り」及び「3R第8大当り」の計8種類がある。「15R第1大当り」及び「15R第6大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が15回の大当りで、「12R第2大当り」及び「12R第3大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が12回の大当りで、「7R第4大当り」及び「7R第5大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が7回の大当りで、「3R第7大当り」及び「3R第8大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が3回の大当りである。これらの各大当りでは、1ラウンド目と2ラウンド目で第1大入賞口30を閉鎖したまま第2大入賞口35(上大入賞口)だけを開放させ、3ラウンド目以降は、奇数ラウンドで第1大入賞口30(下大入賞口)、偶数ラウンドで第2大入賞口35(上大入賞口)をそれぞれ開放させるものとしている。つまり、3ラウンド目以降は、第1大入賞口30(下大入賞口)と第2大入賞口35(上大入賞口)とが交互に開放するものとなっている(図6に示す大入賞口開放パターンの開放順序の欄を参照)。尚、各ラウンド間には所定のインターバル時間(閉鎖時間)が設定されるものとなっており、本実施例では、1ラウンド目と2ラウンド目の間のインターバル時間と、2ラウンド目と3ラウンド目の間のインターバル時間をそれぞれ2000ms(2秒)とし、その他の各ラウンド間のインターバル時間を200ms(0.2秒)としている。
ここで、大当り遊技中の大入賞口開放パターンについて説明する。まず、3ラウンド目以降の奇数ラウンドでは、第1大入賞口30をラウンド開始から25000ms(25秒)が経過するまで開放させ、25000ms(25秒)の経過により閉鎖させて、ラウンドを終了させる。つまり、開放時間25000ms、開放回数1回の開放パターンで第1大入賞口30の開放を行う。この開放パターンで開放する第1大入賞口30には、右打ちを行うことで、遊技球を容易に入球させることが可能となる。尚、奇数ラウンドでは、第2大入賞口35は閉鎖した状態(入球不能状態、遊技球受入不能状態)に保たれる。一方、3ラウンド目以降の偶数ラウンドでは、第2大入賞口35をラウンド開始から16000ms(16秒)が経過するまで開放させた後、1000ms(1秒)の閉鎖をそれぞれの開放の間に挟みつつ、1000ms(1秒)の開放1回と、4000ms(4秒)の開放1回と、1000ms(1秒)の開放2回とを、それぞれ順に行い、その後、ラウンドを終了させる。つまり、開放時間23000ms(第2時間)、開放回数5回(第2回数)の開放パターンで、第2大入賞口35の開放を行う。この開放パターンで開放する第2大入賞口35には、右打ちを行うことで、最初の16000ms(16秒)の開放時には遊技球を容易に入球させることが可能で、その他の開放時には入球する場合と入球しない場合とが起こり得る。尚、偶数ラウンドでは、第1大入賞口30は閉鎖した状態(入球不能状態、遊技球受入不能状態)に保たれる。
また、2ラウンド目では、第2大入賞口35を開放させるが、当該開放の開始(最初の開放開始)を契機に可動片150を動作させるものとしている。そして、前述の8種類の大当りのうち、「15R第1大当り」、「15R第6大当り」、「12R第2大当り」、「7R第4大当り」及び「3R第7大当り」については、特定領域39への遊技球の通過が容易(可能)な態様で第2大入賞口35を開放させる大当り(以下「V通過予定大当り」ともいう)となっている。一方、「12R第3大当り」、「7R第5大当り」及び「3R第8大当り」については、特定領域39への遊技球の通過が困難(不可能)な態様で第2大入賞口35を開放させる大当り(以下「V未通過予定大当り」ともいう)となっている。つまり、「V通過予定大当り」は、後述の高確率状態を発生させる(特典を付与する)ことが前提の大当りとなっており、「V未通過予定大当り」は、後述の高確率状態を発生させない(特典を付与しない)ことが前提の大当りとなっている。
2ラウンド目における第2大入賞口35の開放態様と可動片150の動作態様について説明すると、「V通過予定大当り」では、2ラウンド目の第2大入賞口35の開閉動作の態様(開放パターン)を、前述した3ラウンド目以降の偶数ラウンドと同じ態様としている。そして、第2大入賞口35をラウンド開始から16000ms(16秒)が経過するまで開放させる際の当該開放(1回目の開放)を契機として、可動片150の動作制御を開始させる。具体的には、第2大入賞口35の1回目の開放開始(つまり、ラウンド開始)から80msが経過した時点で80msだけ動作状態(可動片ソレノイド151をON)とした後に非動作状態(可動片ソレノイド151をOFF)とし、その後2840ms(約2.8秒)が経過した時点で、再度、動作状態(可動片ソレノイド151をON)とし、この状態を最大26000ms(26秒)が経過するまで維持する。このため、「V通過予定大当り」では、2ラウンド目の開始から3000ms(3秒)が経過したところで可動片150が継続的に動作状態となるので、2ラウンド目の開始から16000ms(16秒)のうち後の13000ms(13秒)の間は、第2大入賞口35に入球した遊技球が特定領域39を通過することが可能となる。また、16000ms(16秒)の開放が終了した後も、1000ms(1秒)の閉鎖を挟みつつ、1000ms(1秒)の開放1回と、4000ms(4秒)の開放1回と、1000ms(1秒)の開放2回とを、それぞれ順に行うので、その開放の際に第2大入賞口35に入球した遊技球も特定領域39を通過することが可能となる。これにより、「V通過予定大当り」は、大当り遊技終了後の遊技状態が後述の高確率状態となる可能性が高い大当りとなる。尚、このような開放パターン、すなわち、開放時間23000ms(第2時間)、開放回数5回(第2回数)の開放パターン(第2開放動作)で開放する第2大入賞口35には、右打ちを行うことで、最初の16000ms(16秒)の開放時には遊技球を容易に入球させることが可能で、その他の開放時には入球する場合と入球しない場合とが起こり得る。
一方、「V未通過予定大当り」では、2ラウンド目の開始から可動片150を「V通過予定大当り」と同じ態様で動作制御し、第2大入賞口35を2ラウンド目の開始から100ms(0.1秒)だけ開放させた後に閉鎖させて(一瞬開閉)、当該ラウンドを終了させる。つまり、開放時間100ms(第3時間)、開放回数1回(第3回数)の開放パターン(第3開放動作)で、第2大入賞口35の開放を行う。このため、「V未通過予定大当り」では、2ラウンド目に遊技球が第2大入賞口35に入球する可能性は極めて低いもの(実質的に不可能)となり、遊技球が特定領域39を通過する可能性も極めて低いもの(実質的に不可能)となる。これにより、「V未通過予定大当り」は、大当り遊技終了後の遊技状態が後述の高確率状態となる可能性が低い(無い)大当り、換言すると、後述の通常状態(低確率状態)となる可能性が高い大当りとなる。このように、本実施例では、大当り遊技の2ラウンド目を、特定領域39への遊技球の通過有無に基づいて大当り遊技終了後の遊技状態を高確率状態とするか否かを決定する「特典決定遊技」としている。
また、1ラウンド目においても第2大入賞口35を開放させるが、大当りの種類によって第2大入賞口35の開放パターンを異ならせている。すなわち、「15R第1大当り」及び「15R第6大当り」の1ラウンド目は、第2大入賞口35を複数回開放させるものとなっており、その開閉動作の態様は、前述した3ラウンド目以降の偶数ラウンドと同様としている。このため、「15R第1大当り」及び「15R第6大当り」の1ラウンド目では、右打ちを行うことで第2大入賞口35に遊技球を容易に入球させることが可能となる。また、「12R第2大当り」、「7R第4大当り」及び「3R第7大当り」(V通過予定大当り)の1ラウンド目は、前述した「V未通過予定大当り」(12R第3大当り、7R第5大当り及び3R第8大当り)の2ラウンド目と同じ態様で第2大入賞口35を開放させる。すなわち、第2大入賞口35をラウンド開始から100ms(0.1秒)だけ開放させ、その後閉鎖させ、ラウンドを終了させる。よって、「12R第2大当り」、「7R第4大当り」及び「3R第7大当り」(V通過予定大当り)の1ラウンド目では、開放時間100ms(第1時間)、開放回数1回(第1回数)の開放パターン(第1開放動作)で第2大入賞口35が開放し、遊技球が第2大入賞口35に入球する可能性は極めて低いもの(実質的に不可能)となる。
また、「12R第3大当り」、「7R第5大当り」及び「3R第8大当り」の1ラウンド目は、前述した「12R第2大当り」、「7R第4大当り」及び「3R第7大当り」の1ラウンド目と2ラウンド目とを繋げた態様で、第2大入賞口35を複数回開放させるもとなっている(図47を参照)。つまり、「V未通過予定大当り」である「12R第3大当り」、「7R第5大当り」及び「3R第8大当り」の1ラウンド目の第2大入賞口35の開放パターンは、「V通過予定大当り」である「12R第2大当り」、「7R第4大当り」及び「3R第7大当り」の1ラウンド目の開放パターン(第1開放動作)と2ラウンド目の開放パターン(第2開放動作)とを、この間のインターバル時間(ここでは2000ms)を含めて組み合わせた態様となっている。具体的には、第2大入賞口35をラウンド開始から100ms(0.1秒)だけ開放させた後(第1開放動作)、2000msの閉鎖を経て16000ms(16秒)開放させ、その後、1000ms(1秒)の閉鎖をそれぞれの開放の間に挟みつつ、1000ms(1秒)の開放1回と、4000ms(4秒)の開放1回と、1000ms(1秒)の開放2回とを(第2開放動作)、それぞれ順に行う。このため、「12R第3大当り」、「7R第5大当り」及び「3R第8大当り」の1ラウンド目は、見かけ上、「12R第2大当り」、「7R第4大当り」及び「3R第7大当り」の1〜2ラウンドまでが行われた場合(2ラウンド目終了)と同様となる(図42を参照)。これにより、遊技者にとっては、ラウンド数が同じ「V通過予定大当り」と「V未通過予定大当り」(例えば、「7R第4大当り」と「7R第5大当り」)の区別がつき難くなる。そして、本実施例では第2大入賞口35に入球した遊技球を特定領域39に誘導するか否かの振り分けを行うための可動片150(振分部材)を2ラウンド目だけで動作させ、他のラウンドでは動作させないものとしている。このことから、遊技者にとっては、ラウンド数が「12」「7」「3」の大当りが発生した場合、それに係る大当り遊技での1ラウンド目からの第2大入賞口35の開閉動作に注目したとしても、大当り遊技終了後の遊技状態が後述の高確率状態となるか否か(特定領域39への遊技球の通過有無)については判別し難いものとなる。
尚、第1特別図柄(特図1)の当否判定における各大当りの振分確率は、15R第1大当りが35%、12R第2大当りが5%、12R第3大当りが30%、7R第4大当りが10%、7R第5大当りが20%となっており、V通過予定大当りとV未通過予定大当りに分けると、V通過予定大当りが50%、V未通過予定大当りが50%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の当否判定における各大当りの振分確率は、15R第1大当りが60%、3R第7大当りが20%、3R第8大当りが20%となっており、V通過予定大当りとV未通過予定大当りに分けると、V通過予定大当りが80%、V未通過予定大当りが20%となっている。すなわち、後述の開放延長機能の作動(高ベース状態の発生)により入球容易となった第2始動口21への入球に基づく第2特別図柄の当否判定により大当りとなった場合には、第1始動口20への入球に基づく第1特別図柄の当否判定によって大当りになった場合に比べ、15R大当りとなる可能性が高く、V通過予定大当りとなる可能性も高くなる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入球して行われる当否判定(第1特別図柄の大当り抽選)において大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる当否判定(第2特別図柄の大当り抽選)において大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、遊技者は、第2始動口21への入球を期待して遊技を行う。特に第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能の作動中においては顕著である。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当りか外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」ともいう)」に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当りの種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「図柄決定用乱数」、「図柄決定用情報」ともいう)」に基づいて行われる。図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は「0〜629」までの範囲で値をとり、大当り種別決定用乱数は「0〜99」までの範囲で値をとる。また、第1始動口20又は第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数及び大当り種別決定用乱数の他に「変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう)」がある。
変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は「0〜198」までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は「0〜240」までの範囲で値をとる。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄及び普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能、及び、開放延長機能の各機能が作動状態又は非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常状態(「低確率状態」ともいう)」という。高確率状態では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が通常状態よりも高くなっている。すなわち、通常状態では通常状態用の大当り判定テーブルを用いて当否判定を行うものの、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値が多い高確率状態用の大当り判定テーブルを用いて、当否判定を行う(図8(A)参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。
また、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなっている。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。
特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)についての確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(図8(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の変動表示の結果が当りとなる(停止図柄が普通当り図柄となる)確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図8(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。すなわち、可変入賞装置22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。すなわち、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動している。具体的に、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22の開閉部材37が0.2秒の開放動作を1回行い、その期間第2始動口が開状態となる。また時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22の開閉部材37が2.0秒の開放動作を3回行うものとされる。
普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
高ベース状態(高頻度状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも第2始動口が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生する機能を「高ベース発生機能」ということもできる。
本実施例のパチンコ遊技機1では、15R第1大当り、12R第2大当り、7R第4大当り、15R第6大当り、3R第7大当りの何れかになった場合の特別遊技後の遊技状態は、その特別遊技中に特定領域39への遊技球の通過がなされていれば、特別図柄の高確率状態且つ特別図柄の時短状態且つ高ベース状態となる(図6参照)。この遊技状態を特に「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、予め定められた回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。尚、特定領域39への遊技球の通過がなされていなければ、特別図柄の通常状態且つ特別図柄の時短状態且つ高ベース状態となる。
また、12R第3大当りになった場合と3R第8大当りになった場合の特別遊技後の遊技状態は、その特別遊技中に遊技球が特定領域39を通過することは極めて困難であるので、特別図柄の通常状態になるとともに、特別図柄の時短状態且つ高ベース状態となる(図6参照)。この遊技状態を特に「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りに当選してその大当り遊技が実行されることにより終了する。可能性は限りなく低いが、仮に遊技球が特定領域39を通過した場合には「高確高ベース状態」となる。
また、7R第5大当りになった場合の特別遊技後の遊技状態は、その特別遊技中に遊技球が特定領域39を通過することは極めて困難であるので、特別図柄の通常状態になるとともに、特別図柄の非時短状態且つ低ベース状態となる(図6参照)。この遊技状態を特に「低確低ベース状態」という。尚、可能性は限りなく低いが、仮に遊技球が特定領域39を通過した場合には、特別図柄の高確率状態且つ特別図柄の非時短状態且つ低ベース状態となる。この遊技状態を特に「高確低ベース状態」という。
また、本実施例では、12R第2大当りの発生により遊技状態が「高確高ベース状態」になった場合と、12R第3大当りの発生により遊技状態が「低確高ベース状態」になった場合とにおいて、特別遊技(大当り遊技)の終了後、確率変動機能が作動しているか否か、すなわち高確率状態なのか通常状態(低確率状態)なのかを、遊技者にとって認識し難いものとなるようにしている。このように、高確率状態なのか通常状態(低確率状態)なのかを認識し難い状態を「確率非報知状態」という。同様に、3R第7大当りの発生により遊技状態が「高確高ベース状態」になった場合と、3R第8大当りの発生により遊技状態が「低確高ベース状態」になった場合とにおいても、特別遊技(大当り遊技)終了後の状態を「確率非報知状態」としている。この「確率非報知状態」では、遊技進行に応じて行われる演出等のパチンコ遊技機1の外観(見かけ)を通じて高確率状態か否かを認識することが、遊技者にとって難しいもの(実質的に不可能)とされる。この「確率非報知状態」は、例えば、「低確高ベース状態」の終了条件である所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が行われるまで発生させることが可能である。これに対して、15R第1大当り、7R第4大当り及び15R第6大当りの何れかの発生により遊技状態が「高確高ベース状態」になった場合、この高確高ベース状態は、高確率状態であることが遊技者にとって明らかな状態となり、遊技者にとってはいわゆる「確変遊技状態」となる。
尚、本実施例のパチンコ遊技機1では、遊技状態として「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、「高確低ベース状態」および「高確高ベース状態」の4つの遊技状態を設定可能としているが、必ずしも4つの遊技状態でなくてもよく、例えば、前述の4つの遊技状態のうち「高確低ベース状態」を備えないこととしてもよい。
高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。また高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域へ発射すべきことを報知する。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっており、第2始動口21への入球よりも第1始動口20への入球の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域へ発射すべきことを報知する。
具体的には発射方向表示器47は、「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
[主制御メイン処理]
次に、図10〜図38に基づいて遊技制御用マイコン81の動作(主制御部による制御処理)について説明する。尚、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、主制御基板80のROMから図10に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(S101)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。尚、初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。尚、実施例及び図面において、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「特図1」「第1特図」、第2特別図柄を「特図2」「第2特図」ということがある。
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。尚各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。尚、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。ここで出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄、変動パターン等に関する情報等が挙げられる。尚コマンドは、例えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、一般入球口センサ27a等(図5参照))が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検知する下皿満杯検知センサからの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAMの出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、普図動作処理(S205)、特図動作処理(S206)、特定領域センサ検知処理(S207)、大入賞口センサ検知処理(S211)、始動入球時処理(S208)、及び電源断監視処理(S209)を実行する。その後、本発明に深く関連しないその他の処理(S210)を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のS102〜S104の処理が繰り返し実行され(図10参照)、割り込みパルスが入力されると(約4ms後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否か判定し(S302)、遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305に進む。
普通図柄保留球数が4以上であれば(S302でYES)、S305に進む。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S302でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H、図7(B))を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)にはS309に進むが、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S306)。そして、特図2保留球数が4個に達している場合(S306でYES)には、S309に進むが、特図2保留球数が4個未満である場合には(S306でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S307)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S308)を行う。特図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
続いて始動口センサ検知処理(S204)では、第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S310)。そして、特図1保留球数が4個に達している場合(S310でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4個未満である場合には(S310でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S311)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S312)を行う。特図1関係乱数取得処理(S312)では、特図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで、図13に示す普図動作処理(S205)を行う。普図動作処理(S205)では、普通図柄表示器42及び可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401、S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401、S403、S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。尚普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]
図14に示すように、普通図柄待機処理(S402)ではまず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)この処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行う(S502)。また、普通図柄当否判定処理(S502)に次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、図8(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。また普通図柄変動パターン選択処理に次いで後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行う。また、普通図柄乱数シフト処理(S504)に次いで、普通図柄変動開始処理を行い(S505)、処理を終える。普通図柄変動開始処理では、S503で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄当否判定処理]
図15に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)ではまず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。S602で、時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定された場合(S602でYES)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」〜「239」)に基づく高確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。一方、S602で、時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定された場合(S602でNO)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づく低確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。そして、S605で、普図当否判定(S603、S604)の結果が、当り(普図当り)か否かを判定し(S605)、外れと判定された場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)と判定された場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
[普通図柄乱数シフト処理]
普通図柄変動パターン選択処理(S503)に次いで普通図柄乱数シフト処理(S504)を実行する。図16に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)ではまず、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
[普通図柄変動中処理]
図17に示すように、普通図柄変動中処理(S404)ではまず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)処理を終える。一方、経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S804)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]
図18に示すように、普通図柄確定処理(S406)ではまず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、この処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S902)。そして時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、この処理を終える。
[普通電動役物処理]
図19に示すように、普通電動役物処理(S407)ではまず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中か否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)処理を終え、至っていれば第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、至っていれば(S1005でYES)第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
そして第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)処理を終える。尚、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
これに対してS1001において普図当り終了フラグがONであれば(S1001でYES)、S903又はS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(図13)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S205)に次いで特図動作処理(S206)を行う。特図動作処理(S206)では、図20に示すように、特別図柄表示器41及び大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「特図動作ステータス」が「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄待機処理(S1102)を行い、「特図動作ステータス」が「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄変動中処理(S1104)を行い、「特図動作ステータス」が「3」である場合には(S1101、S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄確定処理(S1106)を行い、「特図動作ステータス」が「4」である場合には(S1101、S1103、S1105で共にNO)、大当り遊技としての特別電動役物処理(S1107)を行う。尚、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]
図21に示すように、特別図柄待機処理(S1102)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、そうであれば(S1211でYES)処理を終え、そうでなければ(S1211でNO)待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。
S1201において特図2保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2当否判定処理(S1202)、特図2変動パターン選択処理(S1203)、特図2乱数シフト処理(S1204)、特図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。このように本実施例では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1201でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして本実施例では、第2特図保留に基づく当否判定の方が、第1特図保留に基づく当否判定よりも、遊技者にとって利益の大きい大当りになりやすくなっている(図8(B))。
[特図2当否判定処理]
図22に示すように、特図2当否判定処理(S1202)ではまず、判定値として、RAMの第2特図保留記憶部85bの最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)を読み出す(S1301)。次いで、確変フラグがONか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1302)。そして、高確率状態でなければ(S1302でNO)、すなわち通常状態であれば、大当り判定テーブル(図8(A))のうち通常状態用の大当り判定テーブル(大当り判定値が「3」及び「397」)に基づいて当否判定を行う(S1303)。一方、高確率状態であれば(S1302でYES)、大当り判定テーブル(図8(A))のうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1304)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値は、「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
大当り判定(S1303、S1304)の結果が「大当り」と判定された場合(S1305でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)を読み出して、図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1307)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1308)、大当りフラグをONにして(S1309)、処理を終える。一方、大当り判定(S1303、S1304)の結果が「大当り」でないと判定された場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定し(S1306)、処理を終える。尚、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。ここで、大当り判定(特別図柄当否判定)や大当り種別決定判定を、夫々「判定」といってもよいし、大当り判定を行い何れの大当り図柄となるかを含めて「判定」といってもよい。また、これらの結果を「判定結果」ということもある。
ここで、ラウンド表示器45は、3R用ランプ、7R用ランプ、12R用ランプ、及び、15R用ランプの4個のLEDで構成されている。そして、例えば3R第7大当り又は3R第8大当りとなると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、3R用ランプが点灯表示される。具体的には、「3R▲7R△12R△15R△」(例えば、▲:点灯、△:消灯とする)の様な表示態様となる。また、7R第4大当り又は7R第5大当りとなると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、7R用ランプが点灯表示される。具体的には、「3R△7R▲12R△15R△」の様な表示態様となる。また、12R第2大当り又は12R第3大当りとなると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、12R用ランプが点灯表示される。具体的には、「3R△7R△12R▲15R△」の様な表示態様となる。また、15R第1大当り又は15R第4大当りとなると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、15R用ランプが点灯表示される。具体的には、「3R△7R△12R△15R▲」の様な表示態様となる。
[特図2変動パターン選択処理]
特別図柄待機処理(図21)では、特図2当否判定処理(S1202)に次いで、特図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。図23及び図24に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1203)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1401)。S1401で、時短状態でないと判定した場合(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、次いで、大当りフラグがONか否かを判定する(S1402)。S1402で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1402でYES)、非時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。本実施例では、変動パターンP1乃至P3の何れかが選択される。尚、本実施例では、変動パターンが決まれば変動時間も決まるものとされている。次いで、S1404の処理に移行する。
一方、S1402で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1402でNO)、次いで第2特別図柄の保留数が「1」又は「2」の何れかであるかを判定する(S1405)。ここでいう保留数とは、本処理により変動パターンを決定している情報も含めた記憶数であるので、保留記憶の数は、「1〜4」の何れかの値とされる。そして、S1405で、保留数が「1」又は「2」であると判定した場合(S1405でYES)、第1保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ外れ且つ保留球数「1、2」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。本実施例では、変動パターンP4乃至P7の何れかが選択される。一方、S1405で、保留数が「1」又は「2」でもない、すなわち「3」又は「4」であると判定した場合(S1405でNO)、第2保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ外れ且つ保留球数「3、4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。本実施例では、変動パターンP8乃至P11の何れかが選択される。また、第1保留数外れ用テーブルは、第2保留数外れ用テーブルよりも、比較的長時間の変動時間の変動パターンを選択する可能性が高く設定されている。また、選択可能な最も短時間の変動時間(12000ms)も、第2保留数外れ用テーブルのもの(4000ms)よりも長い時間とされている。
また、S1401で、時短状態であると判定した場合(S1401でYES)、大当りフラグがONかどうかを判定する(S1408)。S1408で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1408でYES)、時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態且つ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。本実施例では、変動パターンP12乃至P14の何れかが選択される。
一方、S1408で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1408でNO)、次いで保留数が「1」かどうかを判定する(S1410)。ここでいう保留数も前述と同様であり、保留数は「1」〜「4」の何れかの値とされている。S1410で、保留数が「1」であると判定した場合(S1410でYES)、第3保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態且つ外れ且つ保留球数「1」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP15乃至P18の何れかが選択される。また、S1410で、保留数が「1」でない、すなわち、保留数が「2〜4」の何れかであると判定した場合(S1410でNO)、第4保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態且つ外れ且つ保留球数「2〜4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP19乃至P22の何れかが選択される。ここで、時短状態で且つ外れの場合に選択される変動パターンは、非時短状態で且つ外れの場合に選択される変動パターンと比較して、短い変動パターンが選択される可能性が高くされている。これは、時短状態において変動時間の短い変動パターンがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早める(時短中の遊技を迅速に進行させる)ためである。
前述のようにして変動パターンの選択を行った後は、図23に示すその他の処理を行い(S1404)、処理を終える。尚、その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする等の処理を行う。また、この処理でセットされた変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御部90に送信される。
[特図2乱数シフト処理]
図25に示すように、特図2乱数シフト処理(S1204)ではまず、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部85bがアドレス「0000」〜「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部85bの最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1503)、この処理を終える。
特図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、図21の特図2変動開始処理(S1205)を実行する。特図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
図21の特別図柄待機処理(S1102)において、特図2保留球数が「0」であり、且つ、特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)には、特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
[特図1当否判定処理]
図26に示すように、特図1当否判定処理(S1207)では、図22に示した特図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1601〜S1609)を行う。従って、本処理の詳細な説明は省略する。但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1601では、RAMの第1特図保留記憶部85aの最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出して処理を行う。
[特図1変動パターン選択処理]
図27及び図28に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1208)では、図23及び図24に示した特図2変動パターン選択処理(S1403)と同様の流れで処理(S1701〜S1712)を行う。従って本処理の詳細な説明は割愛する。
[特図1乱数シフト処理]
図29に示すように、特図1乱数シフト処理(S1209)ではまず、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S2002)。そして、第1特図保留記憶部85aの最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1803)、この処理を終える。
特図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、図21の特図1変動開始処理(S1210)を実行する。特図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄変動中処理]
図30に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)ではまず、特別図柄の変動時間(図21のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図9参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、確変フラグがONか否か判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、確変カウンタを1減算し(S1904)、確変カウンタの値が「0」か否かを判定する(S1905)。S1905で確変カウンタが「0」であると判定した場合、確変フラグをOFFし、S1907の処理に移行する。一方、確変フラグがONでないと判定した場合(S1903でNO)、及び確変カウンタが「0」でないと判定した場合(S1905でNO)、S1907の処理に移行する。
そしてS1907では、時短フラグがONか否かを判定し(S1907)、時短フラグがONであると判定した場合(S1907でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示回数をカウントする時短カウンタの値を1減算し(S1908)、時短カウンタの値が「0」か否かを判定し(S1909)、「0」であれば(S1909でYES)、時短フラグをOFFにし(S1910)、S1911の処理に進む。また、時短フラグがONでないと判定した場合(S1907でNO)、及び時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合(S1909でNO)、S1911の処理に進む。
S1911では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止させる等のその他の処理を行い(S1912)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]
図31に示すように、特別図柄確定処理(S1106)ではまず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、続いて大当りの種別が15R大当り(15R第1大当り、又は15R第6大当り)か否かを判定する(S2002)。S2002で、大当りの種別が15R大当りであると判定した場合(S2002でYES)、大当り遊技中に実行するラウンドの回数をカウントするラウンドカウンタの値に「15」をセットし(S2003)、S2009の処理に移行する。
S2002で、大当りの種別が15R大当りでないと判定した場合(S2002でNO)、次いで大当りの種別が12R大当り(12R第2大当り又は12R第3大当り)かどうかを判定する(S2004)。S2004で、12R大当りであると判定した場合(S2004でYES)、ラウンドカウンタの値に「12」をセットし(S2005)、S2009の処理に移行する。一方、S2004で、大当り種別が12R大当りでないと判定した場合(S2004でNO)、次いで大当り種別が7R大当り(7R第4大当り又は7R第5大当り)かどうかを判定する(S2006)。S2006で、7R大当りであると判定した場合(S2006でYES)、ラウンドカウンタの値に「7」をセットし(S2007)、S2009の処理に移行する。S2006で、7R大当りでないと判定した場合(S2006でNO)、大当り種別は3R大当り(3R第7大当り又は3R第8大当り)であるため、ラウンドカウンタの値に「3」をセットし(S2008)、S2009の処理に移行する。
S2009では、大当りの種類に応じた大入賞口開放パターンをセットし(S2009)、S2010の処理に移行する。ここで、大入賞口の開放パターンは、大当りの種別に応じて定められており(図6参照)、本実施例では、特定のラウンドにおいて開閉動作する大入賞口を固定化している。具体的に、何れの大当りにおいても、1ラウンド目及び2ラウンド目は第2大入賞口35を開閉し、3ラウンド目は第1大入賞口30を開閉するものとしている。一方で、異なる大当りにおいて、1ラウンド目は同じ第2大入賞口35を開閉させるものの、その開閉パターン(開放パターン)は異なる場合がある。
すなわち、本実施例では、大当りの種別毎に、大入賞口の開放パターンが定められている。具体的には、15R第1大当りであれば、15R第1大当り用の開放パターンをセットし、15R第1大当り遊技の実行中に当該15R第1大当り用の開放パターンを実行するものとされる。また、12R第2大当りであれば12R第2大当り用の開放パターンをセットし、12R第3大当りであれば12R第3大当り用の開放パターンをセットし、7R第4大当りであれば7R第4大当り用の開放パターンをセットし、7R第5大当りであれば7R第5大当り用の開放パターンをセットし、15R第6大当りであれば15R第6大当り用の開放パターンをセットし、3R第7大当りであれば3R第7大当り用の開放パターンをセットし、3R第8大当りであれば3R第8大当り用の開放パターンをセットする。そして、夫々の大当り遊技において対応する大当り用開放パターンを実行するものとされる。
S2010では、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットする(S2010)。オープニングコマンドは、大当りの種別によって定められており、15R第1大当り用オープニングコマンド、12R第2大当り用オープニングコマンド等、各大当りに対応して夫々設けられている。そして、セットされたオープニングコマンドによって、その後、対応するオープニング期間が実行される。主制御部80が、S2010の処理でセットしたオープニングコマンドを、出力処理(S201)により所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信すると、当該オープニングコマンドを受信したサブ制御部90は、オープニング期間に対応した所定の遊技演出を行う。オープニング期間は、大当り遊技における大入賞口の最初の開放動作を開始する前であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行不能とした後に設定される期間であり、「開始期間」ともいう。また、オープニング期間(開始期間)において実行する演出を「オープニング演出(開始演出)」ともいう。S2010に続くS2011では、大当り遊技のオープニング期間を開始し(S2011)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2012)。また、S2001において大当りフラグがONでないと判定された場合(S2001でNO)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2013)、処理を終える。
[特別電動役物処理(大当り遊技)]
図32に示すように、特別電動役物処理(S1108)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2101)、確変フラグがONであると判定した場合(S2101でYES)、確変フラグをOFFし(S2102)、次いで、時短フラグがONか否かを判定する(S2103)。S2103で、時短フラグがONであると判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFし(S2104)、S2105の処理に移行する。尚、S2101でNOと判定された場合、確変フラグをOFFにすることなくS2103の処理に移行し、S2103でNOと判定された場合、時短フラグをOFFにすることなくS2105の処理に移行する。つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態且つ非時短状態に制御される。本実施例1では非時短状態中は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
次に、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)の開放処理が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。大当り終了フラグがONでないと判定した場合(S2105でNO)、次いでラウンドの開始時期かどうかを判定する(S2106)。これは、前述した大当り種別毎に設定した大入賞口開放パターンに基づいて判定する。例えば、1ラウンド目の開始前であれば、オープニング期間が終了して1ラウンド目の最初の開放処理を実行するタイミングであるかどうかによって判定する。また、既に1ラウンド目を開始した後であれば、前のラウンドが終了し、且つ、所定のインターバル期間(2000ms又は200ms)が終了したかどうかによって判定する。尚、ラウンドを、単に「R」ともいい、「ラウンド遊技」ともいう。
S2106で、ラウンド開始時期であると判定した場合(S2106でYES)、対応するラウンドのラウンド開始コマンドをセットし(S2107)、大入賞口開放処理を行う(S2108)。これにより、大入賞口が開放状態となり所定のラウンドが開始することとなる。尚、S2107では、1ラウンド目の開始であれば「1R開始コマンド」、2ラウンド目の開始であれば「2R開始コマンド」のように、開始するラウンドを特定可能なラウンド開始コマンドがセットされる。セットされたラウンド開始コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。また、S2108の大入賞口開放処理では、実行される大当りの種別に応じて定められた大入賞口開放パターンであって、開始されるラウンドに定められた開放パターンが開始される。
次いで、S2109で、開始するラウンドがVラウンド(2ラウンド目)かどうか、すなわち、開始するのが、内部に特定領域39を有する第2大入賞口35(「Vアタッカー」ともいう)を開放するラウンドであって、可動片150を動作させる(特定領域39を遊技球が通過可能な状態とする)ラウンドであるかどうかを判定する(S2109)。本実施例では、2ラウンド目が可動片150を動作させるVラウンドに設定されている。また、内部に特定領域39を有する第2大入賞口35を開放するラウンドであって、可動片150を動作させるラウンド(Vラウンド)を、「特定ラウンド」又は「特定ラウンド遊技」ともいい、V通過予定大当りに係る大当り遊技における「特定ラウンド」又は「特定ラウンド遊技」を、「第1特定ラウンド」又は「第1特定ラウンド遊技」ともいい、V未通過予定大当りに係る大当り遊技における「特定ラウンド」又は「特定ラウンド遊技」を、「第2特定ラウンド」又は「第2特定ラウンド遊技」ともいう。また、内部に特定領域39を有する第2大入賞口35を開放するラウンドであって、可動片150を動作させないラウンドを、「非特定ラウンド」又は「非特定ラウンド遊技」ともいい、V通過予定大当りに係る大当り遊技における「非特定ラウンド」又は「非特定ラウンド遊技」を、「第1非特定ラウンド」又は「第1非特定ラウンド遊技」ともいい、V未通過予定大当りに係る大当り遊技における「非特定ラウンド」又は「非特定ラウンド遊技」を、「第2非特定ラウンド」又は「第2非特定ラウンド遊技」ともいう。また、内部に特定領域や可動片を有していない第1大入賞口30を開放するラウンドを、「通常ラウンド」又は「通常ラウンド遊技」ともいう。
S2109で、開始するラウンドがVラウンド(2ラウンド目)でない、すなわち1ラウンド目又は3ラウンド目以降であると判定した場合(S2109でNO)、処理を終える。一方、S2109で、開始するラウンドがVラウンド(2ラウンド目)であると判定した場合(S2109でYES)、予め定められた特定領域有効パターンに基づいて特定領域の有効期間を設定する(S2110)と共に、予め定められた特定領域開閉動作パターンに基づいて特定領域の開閉動作を開始し(S2111)、処理を終える。
ここで、特定領域有効パターンは、図43のタイミングチャートにおいて、『特定領域通過の扱い』のタイミングチャートに示す通りであり、図43に示す所定のタイミングで、有効又は無効に切り替えられる。また、特定領域開閉動作パターンは、同じく図43のタイミングチャートにおいて、『特定領域』のタイミングチャートに示す通りであり、図43す所定のタイミングで、可動片150を動作させて開放(特定領域39を通過可能な状態)又は閉鎖(特定領域39を通過不能な状態)に切り替えられる。
尚、特定領域開閉動作パターンは、Vラウンドの開始(最初の開放時)を契機に開始し、Vラウンドが終了し、且つVラウンド終了後に設定されるインターバル期間(2000ms)が終了したタイミングで終了する(図43乃至45を参照)。また、詳細は後述するが、本実施例の特定領域開閉動作パターンは、1パターンのみ設定されており、80msの閉鎖期間から開始し、その後80msの開放期間を設定し、その後も所定のパターンで開放期間または閉鎖期間が設定されている。また、特定領域開閉動作パターンは、1パターンのみ設定されるものの、特定領域開閉動作パターンの終了タイミングは大当り遊技(実行されるVラウンド)によってことなるため、実行期間の違いから結果的に、異なる特定領域開閉動作パターンとなる。具体的には、図44に示す特定領域開閉動作パターンと図45示す特定領域開閉動作パターンとは異なるものとなっている。
S2106で、ラウンド開始時期でないと判定した場合(S2106でNO)、S2112の処理に移行する。ここで、ラウンド開始時期でないと判定する場合として、例えば、1ラウンド開始前のオープニング期間実行中や、ラウンド実行中や、ラウンド終了後のインターバル期間中や、後述する大入賞口閉鎖処理中を挙げることができる。S2112では、大入賞口開閉動作中かどうか、すなわち、S2108で開始した所定の開放パターンの実行中(ラウンド中)であるかどうかを判定する(S2112)。S2112で、大入賞口開閉動作の実行中(ラウンド中)であると判定した場合(S2112でYES)、次いで、実行中のラウンドのラウンド終了条件が成立したかどうかを判定する(S2113)。
ここで、本実施例のラウンド終了条件として、(1)実行中のラウンドに定められたラウンド実行時間(例えば、29s)を経過したこと(又は、実行中のラウンドに定められた開放パターンを終了したこと)(2)実行中のラウンドにおいて、当該実行中のラウンドに定められた規定数(例えば、10球)の遊技球が入球したこと、の2つの条件が定められている。そして、何れか一方の条件が成立すると、当該先に成立した条件に基づいてラウンド終了条件が成立となる。S2113で、ラウンド終了条件が成立していないと判定した場合(S2113でNO)、処理を終える。
一方、S2113で、ラウンド終了条件が成立したと判定した場合(S2113でYES)、対応するラウンドのラウンド終了コマンドをセットし(S2114)、S2115の処理に移行する。尚、S2114では、1ラウンド目の終了であれば「1R終了コマンド」、2ラウンド目の終了であれば「2R終了コマンド」のように、終了するラウンドを特定可能なラウンド終了コマンドがセットされる。セットされたラウンド終了コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。
また、S2112で大入賞口開閉動作中でないと判定した場合(S2112でNO)も、S2115の処理に移行する。S2115では、後述する大入賞口閉鎖処理を行い(S2115)、次いで、大入賞口閉鎖処理が終了したかどうかを判定する(S2116)。ここで、大入賞口閉鎖処理では、主に、インターバル期間設定処理、チャンスラウンド(1ラウンド目及び2ラウンド目)における入排出数一致判定処理、及び不一致と判定された場合のリトライ処理、エラー報知処理等が実行され、これらの処理が終了すると、大入賞口閉鎖処理が終了したと判定される。また、大入賞口閉鎖処理の実行中は閉鎖処理フラグがONにされており、大入賞口閉鎖処理が終了(完了する)すると、この閉鎖処理フラグがOFFにされる。従って、大入賞口閉鎖処理が終了したかどうかの判定は、閉鎖処理フラグがONかOFFかによって判定される。ここで、大入賞口閉鎖処理において実行可能とされるインターバル期間設定処理、入排出数一致判定処理、リトライ処理、及び、エラー報知処理の夫々を個別に「確認処理」ともいい、これらの処理を総じて「確認処理」ともいう。
S2116で、大入賞口閉鎖処理が終了していない(閉鎖処理フラグがON)と判定した場合(S2116でNO)、処理を終える。一方、S2116で、大入賞口閉鎖処理が終了した(閉鎖処理フラグがOFF)と判定した場合(S2116でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2117)、ラウンドカウンタの値が「0」であるかどうかを判定する(S2118)。S2118で、ラウンドカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S2118でNO)、処理を終える。一方、ラウンドカウンタの値が「0」であると判定した場合(S2118でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットすると共に(S2119)、大当りのエンディング期間を開始し(S2120)、大当り終了フラグをONにし(S2121)、処理を終える。尚、ラウンドカウンタの値は、実行する大当りにおける全てのラウンドを終了すると「0」になる。
ここで、S2119における大当り終了処理では、エンディングコマンドをセットする処理が行われるところ、セットされるエンディングコマンドは、複数のエンディングコマンドから、大当りとなった際の遊技状態、大当りの種別情報、及び、特定領域通過未通過(特定領域非通過)情報(VフラグがONかOFFか)に基づいて、何れかのエンディングコマンドを選択し、セットするものとされる。例えば、大当りとなった際の遊技状態が低確率時短なし(低確低ベース状態)であって、大当り種別が15R第1大当り、7R第4大当り又は15R第6大当りで、VフラグがONである場合、すなわち、大当り遊技後が高確率状態(高確高ベース状態)となる場合には、これに対応するエンディング期間(第1エンディング期間)を実行するエンディングコマンドがセットされる。また、大当り種別が15R第1大当り、7R第4大当り又は15R第6大当りで、VフラグがOFFである場合、すなわち、大当り遊技後が時短状態(低確高ベース状態)となる場合には、これに対応するエンディング期間(第2エンディング期間)を実行するエンディングコマンドがセットされる。こうしてセットされるエンディングコマンドの種類によって、実行される(設定される)エンディング期間が異なるものとなっている。
そして、セットされたエンディングコマンドによって、その後、対応するオープニング期間が実行される。主制御部80が、S2119の処理でセットしたエンディングコマンドを、出力処理(S201)により所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信すると、当該エンディングコマンドを受信したサブ制御部90は、エンディング期間に対応した所定の遊技演出を行う。エンディング期間は、大当り遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の全ての開放動作を終了した後であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行可能とする前に設定される期間であり、「終了期間」ともいう。エンディング期間(終了期間)では、大入賞口は閉鎖状態とされている。また、エンディング期間(終了期間)において実行する演出を「エンディング演出(終了演出)」ともいう。
尚、Vラウンドにおいて(大当り遊技において)、遊技球が特定領域を通過したか否かの特定領域通過結果を示す情報を、「特定領域情報」ともいう。この特定領域情報は、Vラウンドにおいて遊技球が特定領域を通過したことを示す情報と、Vラウンドにおいて遊技球が特定領域を通過しなかったことを示す情報と、を有し、エンディング期間を決定するエンディング期間決定手段(終了期間決定手段)は、この特定領域情報に基づいてエンディング期間を決定することが可能である。
また、S2105において、大当り終了フラグがONであると判定した場合(S2105でYES)、大当り遊技における最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング演出の実行時間が経過したかどうかを判定し(S2122)、エンディング時間が経過(エンディング期間が終了)していないと判定した場合(S2122でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過(エンディング期間が終了)したと判定した場合(S2122でYES)、大当り終了フラグをOFFにし(S2123)、後述する遊技状態設定処理(S2124)を行う。次いで、大当りフラグをOFFにし(S2125)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2126)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(図20)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。
ここで、特定領域有効期間設定処理(S2110)では、Vラウンド、すなわち、2ラウンド目における第2大入賞口35の開放開始後の所定期間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効(特典付与)と判定する期間(「有効期間」や「第1期間」ともいう)に設定する。そして、有効期間以外の期間は、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効(特典非付与)と判定する期間(「無効期間」や「第2期間」ともいう)に設定している。また、特定領域39の有効期間は、Vラウンドにおける第2大入賞口35(Vアタッカー)の開放パターンの実行態様と、第2大入賞口35(Vアタッカー)内の特定領域39の開放パターン(可動片の開閉動作パターン)の実行態様と、に基づいて定められている。
具体的に、特定領域39の通過が有効とされる期間、すなわち、遊技球が特定領域39を通過することで大当り遊技終了後の遊技状態を高確率状態とすることが許容される期間(特典が付与されることとなる期間)は、図44及び45に示す通りである。図49は、3R第8大当り、7R第5大当り、及び、12R第3大当りの2ラウンド目、すなわちVラウンド(第2大入賞口35を開放)のタイミングチャートである。この3R第8大当り、7R第5大当り、及び、12R第3大当りは、大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過することが予定されていない「V未通過予定大当り」とされている。従って、Vラウンドにおける第2大入賞口35の開放パターン(Vアタッカーの開放パターン)として、開放時間の短いショート開放の開放パターン(第2開放パターン)が選択される。
そして、これに伴って、特定領域開閉パターンが実行され、且つ特定領域有効期間設定処理が実行される。まず、Vアタッカーが開放することでVラウンド(2ラウンド目)が開始すると共に、特定領域開閉動作パターンが開始される。図44に示す通り、特定領域開閉動作パターンは、閉鎖状態から開始する。閉鎖状態で80ms経過した後に開放状態に変化し(可動片150が動作して、図41の(a)から(b)に変化)、開放状態で80ms経過した後(全体で160ms経過した後)に、閉鎖状態に変化する。一方、このショート開放の開放パターンは、Vアタッカーを100ms開放しただけで閉鎖して(一瞬開閉)、Vラウンド(2ラウンド目)を終了する。そして、2000msのインターバル期間を設定する。特定領域開閉動作パターンは、このVラウンドのインターバル期間(2000ms)の終了を契機に終了するものとされている。本実施例では、図44に示す通り、80msの開放を終了した後、1940msの閉鎖状態を経て、特定領域開閉動作パターンを終了するものとされる。これにより、その後に有している最大26000msの開放動作を実行することなく、特定領域開閉動作パターンを終了するものとされる(図43及び44参照)。
一方、特定領域39の有効期間は、Vラウンド開始後であって、最初に特定領域39が開放状態となったタイミングで、開始される。すなわち、Vラウンド開始後であって、特定領域39が開放状態となる前(可動片150が動作を開始する前)の閉鎖状態の80msは無効期間とされている。そして、以後、特定領域開閉動作パターンの実行中において、特定領域39が開放状態とされる期間は、有効期間に設定される。但し、リトライ動作中は無効期間とされる。また、これに加えて、特定領域39が開放状態から閉鎖状態に切り替わるとき、閉鎖状態となってから900msの期間(この期間を「エクストラ期間」ともいう)は有効期間のまま維持される。これは、可動片150を閉動作させる際において、特定領域39を閉鎖する寸前に特定領域39に進入し、当該進入した遊技球が実際に特定領域センサ39aによって検知されるのは、特定領域39を閉鎖状態とした後になる可能性があるからである。このため、本実施例では、特定領域39が開放状態から閉鎖状態に切り替わる場合には、特定領域開閉動作パターンの実行中であっても、終了後であっても、閉鎖状態となってから一定期間余分に有効期間としている。図44では、900msの有効期間(エクストラ期間)が経過した後は、(リトライ動作の実行期間を除いて)特定領域39が開放状態となる期間がないため、その後も無効期間とされる。
次に、図45を用いて、15R第1大当り、12R第2大当り、7R第4大当り、15R第6大当り、及び、3R第7大当りの2ラウンド目、すなわちVラウンド(第2大入賞口35を開放)のタイミングチャートを用いて、特定領域有効期間設定処理を説明する。この15R第1大当り、12R第2大当り、7R第4大当り、15R第6大当り、及び、3R第7大当りは、大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過することが予定される「V通過予定大当り」とされている。従って、Vラウンドにおける大入賞口の開放パターン(Vアタッカーの開放パターン)として、開放時間の長いロング開放の開放パターン(第1開放パターン)が選択される。
そして、これに伴って、特定領域開閉パターンが実行され、且つ特定領域有効期間設定処理が実行される。前述と同様に、Vアタッカー(第2大入賞口35)が開放することでVラウンド(2ラウンド目)が開始すると共に、特定領域開閉動作パターンが開始される。図45のロング開放の開放パターンは、前述のショート開放と異なり、Vアタッカーを16000ms開放して閉鎖状態とするものの、その後も開閉を繰り返して開放パターンが継続する。そして、前述した15R第1大当り等のVラウンド(2ラウンド目)に設定されるロング開放の開放パターンを全て実行するか、若しくは、Vラウンド(2ラウンド目)において当該Vラウンドに定められている規定数(本実施例では10球)の遊技球が入球するか、の何れかの終了条件が成立したときに、Vラウンド(2ラウンド)は終了するものとされる。一方、特定領域開閉動作パターンは、1回目の開放状態(80ms)の経過後、840msの間(すなわち、大当り遊技開始後、1000ms)の間に、規定数の遊技球が入球しない限り、2回目の開放状態(最大26000ms)が実行される。尚、遊技球の発射速度は、600msにつき1球程度とされているため、1000msの間に10球の遊技球を入球させるのは実質的に不可能である。
これにより、特定領域有効期間設定処理では、特定領域39の最初(1回目)の開放状態(80ms)が終了した後、エクストラ期間として有効期間900msが経過した後に無効期間とされる。そして、当該無効期間で1940msが経過した後に、特定領域39が2回目の開放状態となるのに合わせて、有効期間が設定される。そして、図45に示す通り、特定領域開閉動作パターンは、Vラウンドが終了し、当該Vラウンドに係るインターバル期間(2000ms)が終了したことを契機に終了するものとされる。特定領域開閉動作パターンは、終了と同時に閉鎖状態とされるため、特定領域有効期間設定処理では、この閉鎖状態となってから900msのエクストラ期間を有効期間として設け、その後無効期間に切り替えるものとしている。
ここで、特定領域センサ39aによって遊技球が検知され、VフラグがONになったタイミング(すなわち有効期間に特定領域センサ39aで遊技球を検知したタイミング)で、遊技状態表示器46を所定の表示態様とし、大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態となることを報知する。具体的には、遊技状態表示器46は「a1a2a3」の3個のLEDで構成されている。そして、本実施例1では、通常状態(低確率状態)においては、「a1□a2□a3□」(例えば、□:消灯、■:点灯)の表示態様とされる。また、大当り遊技中の特定領域センサ39aによって遊技球が検知され、VフラグがONになったタイミングで、「a1■a2■a3■」の表示態様とされる。そして、大当り遊技が終了し、遊技状態が高確率状態に設定されると「a1□a2□a3□」の表示態様とされる。また、遊技状態表示器46の点灯制御タイミングはこのようなタイミングに限定されず、大当り遊技中は、遊技球が特定領域を通過しても「a1□a2□a3□」の表示態様のままとし、大当り遊技終了後の高確率状態へ移行するタイミングで「a1■a2■a3■」とし、高確率状態から低確率状態に移行するタイミングで「a1□a2□a3□」の表示態様としてもよい。
すなわち、後述の特定領域センサ検知処理(図36)では、V有効期間中のV通過(特定領域39への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。尚、VフラグがONである場合には、確変フラグがONされる、すなわち大当り遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述の遊技状態設定処理(図35)を参照)。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち不正に高確率状態に設定されることのないようにしている。
[大入賞口閉鎖処理]
次に、図33を用いて大入賞口閉鎖処理(「確認処理」ともいう)について説明する。大入賞口閉鎖処理(S2115)は、特別電動役物処理(大当り遊技)において、各ラウンドの終了時に行う処理である。大入賞口閉鎖処理(S2115)ではまず、閉鎖処理フラグがONかどうかを判定し(S2701)、閉鎖処理フラグがONでないと判定した場合(S2701でNO)、閉鎖処理フラグをONにし(S2702)、インターバル期間を開始し(S2703)、S2704の処理に移行する。これにより、閉鎖処理の実行中であることを示す閉鎖処理フラグをONにすると共に、ラウンド後に設定されるインターバル期間(2000ms又は200ms)の計測を開始する。また、インターバル期間は、終了するラウンドに応じて設定される。
具体的に、終了するラウンドが1ラウンド目又は2ラウンド目である場合は、インターバル期間として2000msを設定し、終了するラウンドが3ラウンド目以降であれば、インターバル期間として、200msを設定する。また、大入賞口閉鎖処理が終了する際に、閉鎖処理フラグはOFFにされる。一方、S2701で閉鎖処理フラグがONである、すなわち、大入賞口閉鎖処理の実行中であると判定した場合(S2701でYES)、そのままS2704の処理に移行する。
S2704では、インターバル期間が終了したかどうかを判定し(S2704)、インターバル期間が終了していない、すなわち、インターバル期間の計測中であると判定した場合(S2704でNO)、処理を終える。一方、インターバル期間が終了したと判定した場合(S2704でYES)、次いで、終了したのが、1ラウンド目かどうかを判定する(S2705)。終了したのが1ラウンド目であると判定した場合(S2705でYES)、後述する入排出数一致判定処理を実行し(S2708)、処理を終える。一方、S2705で、終了したのが1ラウンド目でないと判定した場合(S2705でNO)、次いで、終了したのが2ラウンド目、すなわちVラウンドかどうかを判定する(S2706)。S2706で、終了したのが2ラウンド目であると判定した場合(S2706でYES)、特定領域開閉動作を終了し(S2707)、S2708の処理に移行する。
これにより、Vラウンドにおける特定領域39の開閉動作(可動片150の開閉動作)が終了することとなる。すなわち、Vラウンドの開始と共に開始される特定領域開閉動作は、Vラウンド終了後のVラウンドに係るインターバル期間の終了を契機として終了するものとされる。一方、S2706で、終了したのが2ラウンド目でない、すなわち、終了したのは3ラウンド目以降のラウンドであると判定した場合(S2706でNO)、閉鎖処理フラグをOFFにし(S2709)、処理を終える。つまり、3ラウンド目以降は、ラウンド終了後に設定されるインターバル期間(200ms)さえ終了すれば、そのまま閉鎖処理フラグをOFFにして、大入賞口閉鎖処理を終えることとなる。すなわち、3ラウンド目以降の大入賞口閉鎖処理では、入排出数一致判定処理や特定領域開閉動作終了処理は実行されないものとされている。
S2708では、ラウンド中に大入賞口(第2大入賞口35)に入球した遊技球の数と、その入球した遊技球が大入賞口から排出された数と、が一致するかどうかを判定する入排出数一致判定処理を行い(S2708)、処理を終える。また、この入排出数一致判定処理(S2708)は、Vラウンドより前に実行されるラウンドであって、Vラウンドと同じVアタッカー(第2大入賞口35)を開放するラウンド(非特定ラウンド)である1ラウンド目と、Vラウンド(特定ラウンド)である2ラウンド目と、に行われる処理であり、その後のラウンド(3ラウンド目以降のラウンド)では、たとえVアタッカーを開放するラウンドであっても行われない。Vラウンドでは、Vアタッカー内の特定領域39を開閉するための可動片を動作させるため、可動片に遊技球が噛む等して、アタッカー内に遊技球が詰まってしまう虞がある。そのため、入球数と排出数とを管理して、球詰りがないかを確認するのである。また、所謂釣り糸ゴトといった不正行為により、特定領域を通過させた場合には、入球数と排出数とが一致しないため、不正行為を発見し、不測の損害が発生するのを未然に防止することも可能となる。
また、1ラウンド目に入排出数一致判定処理を実行するのは、大当り遊技において最初に実行されるVラウンドの実行前に、球詰りがないかどうかを確認するために行うのである。この1ラウンドの終了時に入球数と排出数とが一致していれば、球詰りのないことを確認した状態で、2ラウンド目のVラウンドを開始することが可能となる。また、仮に1ラウンドの終了時に入球数と排出数とが一致していなければ、後述するリトライ処理(「可動部材動作処理」ともいう)やエラー報知を行うことにより、Vラウンドの開始前に球詰りを解消させることも可能となる。この様に、1ラウンド目と2ラウンド目とにおいて、入排出数一致判定処理を行うことで、Vラウンドを正常に実行することが可能となる。また、大当り遊技において最後に実行されるVラウンドより後のラウンド、すなわち、3ラウンド目以降(Vラウンド終了後)のラウンドでは、入排出数一致判定処理を行わないものとし、また、インターバル期間も短い期間(200ms)に設定し、迅速に大当り遊技を実行することが可能となる。
[入排出数一致判定処理]
次に、図34を用いて入排出数一致判定処理(S2708)について説明する。入排出数一致判定処理(S2708)ではまず、所定のラウンドにおいて、大入賞口(第2大入賞口35)に入球した遊技球の数(入球数)と排出した遊技球の数(排出数)とが一致するかどうかを判定する(S2801)。この入排出数一致判定処理(「一致判定処理」ともいう)は、1ラウンド目及び2ラウンド目の大入賞口閉鎖処理でのみ行われる。そして、1ラウンド目及び2ラウンド目は、何れも第2大入賞口35を所定の開放パターンで開閉するものとされる。このため、該当するラウンド中(1ラウンド又は2ラウンド)において、第2大入賞口35に入球した数と、第2大入賞口35(第2大入賞装置36)から排出した数と、が一致するかどうかを判定するものである。
図41は、第2大入賞装置36を示す模式図である。第2大入賞口35に入球した遊技球は、第2大入賞装置内の所定の遊技球誘導通路を通って、全て第2大入賞口センサ35a(「入球検知手段」や「入球検知センサ」ともいう)を通過する。すなわち、この第2大入賞口センサ35aが第2大入賞口35への遊技球の入球を検知するためのセンサであり、第2大入賞口センサ35aでの検知に基づいて第2大入賞口35への入球数を計数することが可能となる。尚、遊技球が第2大入賞口センサ35aで検知されると、主制御部80のRAMに設けられる入球数計数手段(図示しない)で入球数が計数・記憶される。また、第2大入賞口センサ35aで遊技球を検知したことを示す情報(コマンド)が、払出制御部110に送信され、当該払出制御部110による払出制御によって所定量の賞球(遊技利益)が払い出される。
また、第2大入賞口センサ35aで検知された(を通過した)遊技球は、その後、所定の遊技球誘導通路を通って、必ず特定領域センサ39a又は非特定領域検知センサ49aを通過する。すなわち、この特定領域センサ39a(「第2排出検知手段」や「第2排出検知センサ」ともいう)及び非特定領域検知センサ49a(「第1排出検知手段」や「第1排出検知センサ」ともいう)が、第2大入賞口35からの遊技球の排出を検知するためのセンサであり、特定領域センサ39a及び非特定領域検知センサ49aの検知に基づいて第2大入賞口35からの排出数を計数することが可能となる。尚、遊技球が特定領域センサ39a又は非特定領域検知センサ49aで検知されると、主制御部80のRAMに設けられる排出数計数手段(図示せず)で排出数が計数・記憶される。また、第2大入賞口に入球した遊技球が排出されるのを検知する特定領域センサ39a及び非特定領域検知センサ49aを総じて「排出検知手段」や「排出検知センサ」ともいう。
尚、本実施例では、入球数計数手段と排出数計数手段とを設け、入球数と排出数とを別途計数する態様としたが、この様な態様に限らない。入排出数計数手段を設け、入球や排出がある毎に計数値を増減する態様としてもよい。この様な態様において初期値を「0」とし、計数値が「1」の場合には入球数が排出数よりも1多いことを示し、「−1」の場合には排出数が入球数よりも1多いことを示し、「0」の場合には入球数と排出数とが一致しているものとすることが可能である。
また、第2大入賞口35の内部には可動片150(「可動部材」ともいう)が設けられており、この可動片150が閉鎖状態にある場合には、第2大入賞口センサ35aを通過した遊技球は非特定領域側に誘導されて、非特定領域センサ49aを通過して第2大入賞装置外に排出されることとなる(図46(a)を参照)。一方、可動片150が開放状態にある場合には、第2大入賞口センサ35aを通過した遊技球は特定領域側に誘導されて、特定領域センサ39aを通過して第2大入賞装置外に排出されることとなる(図46(b)を参照)。
そして、S2801では、前述した入球数計数手段の計数値と、排出数計数手段の計数値とを比較して、計数値が一致しているかどうかで、ラウンド中の入球数と排出数とが一致するかどうかを判定するものとされる。次いで、S2802で、入球数と排出数とが一致すると判定した場合(S2802でYES)、エラー報知の実行中かどうかを判定する(S2803)。S2803で、エラー報知の実行中でないと判定した場合(S2803でNO)、閉鎖処理フラグをOFFにし(S2804)、処理を終える。すなわち、入排出数が一致しており、エラー報知の実行中でなければ、対応するラウンドの大入賞口閉鎖処理を終えることとなる。
一方、エラー報知の実行中であると判定した場合(S2803でYES)、エラー報知を終了し(S2805)、閉鎖処理フラグをOFFにし(S2804)、処理を終える。これは、後述するエラー報知(S2809)の実行中に再度一致判定を行い、一致すると判定した場合には、実行中のエラー報知を途中終了させてから閉鎖処理フラグをOFFにするものとされる。これにより、異常が解消したにも関わらず、無駄に長期間エラー報知を継続するのを防止することが可能となる。
S2802で、入球数と排出数とが一致しないと判定した場合(S2802でNO)、次いで、リトライ動作の実行時期かどうかを判定する(S2806)。本実施例では、図48に示すVラウンドの基準タイミングチャートの通り、入排出数の一致判定は、Vラウンドの終了タイミングに応じて、t1(ラウンド開始から2100ms)〜t2(ラウンド開始から29000ms)の範囲の何れかのタイミングで実行されることとなる。そして、一致判定で不一致と判定されると、一致判定の実行タイミングから更に1500ms経過後に300msのリトライ動作を実行する。そして、リトライ動作が終了して900ms経過後に、10000msのエラー報知を実行し、その後エラー報知を終了すると共に、大入賞口閉鎖処理を終了(完了)させ、次ラウンドに移行するものとしている。
S2806で、リトライ動作の実行時期(開始時期)でないと判定した場合(S2806でNO)、次いでエラー報知の実行時期(開始時期)かどうかを判定する(S2808)。S2808で、エラー報知の実行時期でないと判定した場合(S2808でNO)、エラー報知の終了時期かどうかを判定する(S2810)。S2810で、エラー報知の終了時期でないと判定した場合(S2810でNO)、そのまま処理を終える。例えば、これが、前述した不一致と判定された後であって、リトライ動作開始前の期間(900ms+600msの期間)である場合には、再度、入排出数一致判定処理を実行すると、再度入排出数の一致判定が行われ、このとき一致と判定されれば、S2803の処理に移行し、再度不一致と判定されれば、再度リトライ動作の実行時期かどうかの判定を行う。以下同様である。
この様に、入排出数一致判定処理は、所定の割り込み周期で繰り返し実行されるため、チャンスラウンド(1ラウンド及び2ラウンド)のインターバル期間終了時に1回目の入排出数一致判定が実行され、リトライ動作が実行されるまでの期間に、当該1回目の判定を含めて複数回の入排出数一致判定が実行される。そして、2回目以降の入排出数一致判定で一致と判定すると、その後の処理(リトライ動作やエラー報知)は実行せず、閉鎖処理フラグをOFFにして、処理を終える。また、インターバル期間の終了時は、特定領域開閉パターンの終了時と一致するものであり、特定領域開閉パターンを終了する際の状態が開放状態であった場合には、特定領域開閉パターンを終了させ閉鎖状態としてから900msのエクストラ期間を設けている。
前述の通り、エクストラ期間は特定領域39の通過が有効なものとして取り扱われるものである。すなわち、1回目の入排出数一致判定を行った後に、このエクストラ期間が設定される場合があるため(例えば、図45に示す態様)、1回目の入排出数一致判定で不一致と判定され、エクストラ期間に特定領域センサ39aで遊技球が検知される様な場合には、本来正常な遊技であるにも関わらず、入排出数一致判定で不一致と判定されることとなる。この様な場合でも、本実施例では、リトライ動作の実行前に複数回の入排出数一致判定を実行可能であるので、リトライ動作実行前の2回目以降の入排出数一致判定において一致と判定し、リトライ動作やエラー報知を行うことなく、大入賞口閉鎖処理を終了させることが可能となる。また、本実施例では、エクストラ期間の900msの間にも複数回の入排出数一致判定が実行されるため、エクストラ期間に遊技球が特定領域又は非特定領域を通過する場合に、より確実に無駄な処理(リトライ動作やエラー報知)を行うことなく、迅速に大入賞口閉鎖処理を終了させることが可能となる。
また、本実施例では、割り込み周期の関係上、エクストラ期間終了後であって、リトライ動作開始前の期間(600ms)にも、入排出数一致判定が実行されるので、エクストラ期間に検知された遊技球を確実に反映した状態で、リトライ動作やエラー報知を行う前に、確実に入排出数一致判定処理を実行することが可能となる。また、このエクストラ期間やその後の600msの期間の入排出数一致判定においても不一致と判定された場合には、球詰り等が発生している可能性があるため、可動片を所定のパターンで動作させるリトライ動作を実行する。このリトライ動作パターンは、特定領域開閉動作パターンとは異なるパターンとすることが好適である。そして、本実施例では、割り込み周期の関係上、リトライ動作終了後、エラー報知実行前の期間(900ms)の期間にも複数回の入排出数一致判定を実行可能であるので、リトライ動作によって球詰り等が解消した場合には、エラー報知前の入排出数一致判定により一致と判定され、エラー報知を行うことなく、大入賞口閉鎖処理を完了させることが可能となる。また、エラー報知の実行中にも複数回の入排出数一致判定を実行可能であるので、一致と判定されたタイミングでエラー報知を終了させ、大入賞口閉鎖処理を完了させることが可能となる。これにより、無用なエラー処理を実行せず、遊技者に不安感を与えない遊技制御を提供することが可能となる。またこれにより、遊技興趣が低下するのを防止することが可能となる。
また、本実施例では、エラー報知の実行期間を経過しても入排出数一致判定で一致と判定されない場合には、所定のエラー報知期間(本実施例では、10000ms)の終了をもって、大入賞口閉鎖処理の完了とし、次ラウンドへの移行を可能としている。遊技店側は、10000msのエラー報知の間に、遊技機の確認及び何らかの対応をし、正常な遊技を継続できるように対処することが可能となる。また、球詰り等は存在せず、ノイズ等の発生により、入排出数一致判定で不一致と判定される場合もあるので、この様な場合には、無用に遊技を停止させず、時間経過によりエラー解除し、迅速に遊技を再開することが可能となる。
S2806で、リトライ動作の実行時期(開始時期)であると判定した場合(S2806でYES)、リトライ動作を実行し(S2807)、処理を終える。また、S2808で、エラー報知の実行時期であると判定した場合(S2808でYES)、エラー報知を実行し(S2809)、処理を終える。また、エラー報知の終了時期であると判定した場合(S2810でYES)、エラー報知を終了し(S2811)、閉鎖処理フラグをOFFにし(S2812)、処理を終える。この閉鎖処理フラグをOFFにすることで、大入賞口閉鎖処理が完了したことを示すことが可能となる。
[遊技状態設定処理]
図35に示すように、遊技状態設定処理(S2121)ではまず、VフラグがONであるかどうかを判定する(S2201)。Vフラグは、後述の特定領域センサ検知処理(図36)においてONにするフラグである。S2201で、VフラグがONであると判定した場合(S2201でYES)、確変フラグをONすると共に(S2202)、確変カウンタに「10000」をセットし(S2203)、VフラグをOFFにする(S2204)。そして、終了した大当りが7R第5大当りかどうかを判定し(S2205)、7R第5大当りでない場合(S2205でNO)、すなわち、図6に示す他の大当り(15R第1大当り、12R第2大当り、12R第3大当り、7R第4大当り、15R第6大当り、3R第7大当り、3R第8大当りの何れか)である場合、時短フラグをONにし(S2206)、時短カウンタに「10000」をセットし(S2207)、処理を終える。これにより、当該大当り遊技後の遊技状態は「高確高ベース状態」となる。すなわち、本実施例のパチンコ遊技機1では、この遊技状態設定処理においてVフラグがONになっているか否かに基づいて、大当り遊技後の遊技状態を高確率状態に設定するか否かを決めている。
一方、S2205にて、終了した大当りが7R第5大当りであると判定した場合(S2205でYES)、時短フラグをONにすることなく、処理を終える。ここで、7R第5大当りは、前述したように「V未通過予定大当り」であり、通常であれば「V未通過予定大当り」に係る大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過することは極めて困難であることから、当該大当りでVフラグがONになる(S2201で肯定判定される)ことはなく、後述のように、当該大当り遊技後の遊技状態は「低確低ベース状態」となる筈である。しかしながら、例えば、Vアタッカー(第2大入賞口35)の開閉部材37による球噛みがVラウンド(2ラウンド目)の開始直前に発生しており、その状態でVラウンドが開始されてVアタッカーがショート開放すると、そのショート開放の僅かな開放時間(100ms)において遊技球がVアタッカーに入球することも起こり得る。このように、ショート開放するVアタッカーへの例外的な入球(イレギュラー入球)が発生すると、たとえ「V未通過予定大当り」に係る大当り遊技であっても、遊技球がVアタッカーに入球して特定領域39を通過する場合がある。つまり、「V未通過予定大当り」に係る大当り遊技であっても、当該大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過しないとは限らないのである。このとから、S2201でVフラグがONであると判定されるのは、終了した大当りが「V通過予定大当り」の場合だけでなく「V未通過予定大当り」の場合もあり得る。そして、本実施例では、S2205にて7R第5大当りであると判定した場合、当該大当り遊技後の遊技状態は「高確低ベース状態」となるように構成している。尚、終了した大当りが7R第5大当り以外の他の「V未通過予定大当り」である場合、すなわち「12R第3大当り」または「3R第8大当り」である場合は、原則、後述のように当該大当り遊技後の遊技状態は「低確高ベース状態」となるが、当該大当りにてVフラグがONとなった場合(S2201でYES)、S2202〜S2207の処理によって、当該大当り遊技後の遊技状態は「高確高ベース状態」となる。
ここで、VフラグがONの場合に、確変カウンタにセットする回数は、高確率における特別図柄当否判定を実行可能な回数である。この「10000」回という値は、高確率状態における大当り確率、遊技店の1日の営業時間及び当該営業時間内に実行可能な特別図柄当否判定回数を考慮すると、実質的には次回の大当りが発生するまで、又は営業時間が終了するまで、高確率状態を保証しているのと同じことである。従って、VフラグがONとなり、高確率状態に設定された場合には、次回の大当りが発生するまで高確率状態が保証されるといってもよい(実質的に同義である)。また、確変フラグがONの場合には、時短カウンタにも同様に「10000」回が設定されるため、この高確率状態が設定されている間、時短状態(開放延長状態)も共に設定されるといってよい。尚、本実施例の様に、確変カウンタ及び時短カウンタに「10000」回の値を設定して、実質的に次回まで高確高ベース状態を設定するようにしてもよいし、VフラグがONの場合には、カウンタに値をセットすることなく、実際に次回大当りが発生するまで高確高ベース状態を設定する様な制御を採用してもよい。
一方、S2201で、VフラグがOFFであると判定した場合(S2201でNO)、確変フラグをONにすることなく、終了した大当りが7R第5大当りかどうかを判定する(S2208)。S2207で、終了したのが7R第5大当りでない、すなわち、図6に示す他の大当り(15R第1大当り、12R第2大当り、12R第3大当り、7R第4大当り、15R第6大当り、3R第7大当り、3R第8大当りの何れか)であると判定した場合(S2208でNO)、時短フラグをONにし(S2209)、時短カウンタに「100」をセットし(S2210)、処理を終える。これにより、今回の大当り遊技後の遊技状態は「低確高ベース状態」となる。この低確高ベース状態は、特別図柄の変動表示が100回行われること(特別図柄当否判定が100回行われること)、及び、次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。また、この時短カウンタ及び確変カウンタは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数を計数するものである。このように、15R第1大当り等の「V通過予定大当り」であっても、遊技球の発射がない等の何らかの事情でVラウンド中の特定領域通過がなかった場合には、高確率状態に設定されることなく、時短状態(低確高ベース状態)となる。
また、S2208で、終了したのが7R第5大当りであると判定した場合(S2208でYES)、確変フラグをONにすることなく、また、時短フラグをONにすることなく、処理を終える。すなわち、7R第5大当りの場合であって、VフラグがOFF(特定領域未通過(「特定領域非通過」ともいう))の場合には、当該大当り遊技後の遊技状態は「低確低ベース状態」に設定される。
[特定領域センサ検知処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S206)に次いで特定領域センサ検知処理(S207)を行う。特定領域センサ検知処理(S207)では図36に示すように、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2401)。S2401で、特定領域センサ39aによる検知がないと判定された場合(S2401でNO)、処理を終了する。S2401で、特定領域センサ39aによる検知があると判定された場合(S2401でYES)、特定領域有効期間であるかどうかを判定する(S2402)。特定領域有効期間は、前述の特別電動役物処理(図32)における特定領域有効期間設定処理(S2110)により設定される期間である。特定領域有効期間は、大当り遊技における2ラウンド目(Vラウンド)に設定される。
また、S2402で、特定領域(特定領域センサ)が有効期間中であると判定した場合(S2402でYES)、VフラグをONにすると共に(S2403)、特定領域通過コマンドをセットし(S2404)、処理を終える。主制御基板80のCPUは、出力処理(S201)により、所定のタイミングでこの特定領域通過コマンドをサブ制御基板90に送信し、サブ制御基板90は受信した特定領域通過コマンドに基づいて所定の演出処理を実行する。この演出処理については後述する。
また、S2402で、特定領域(特定領域センサ)が有効期間中でない(無効期間である)と判定した場合(S2402でNO)、VフラグをONにすることなく、無効期間通過コマンドをセットし(S2405)、処理を終える。無効期間に特定領域の通過があった場合には、主制御部が制御可能な表示器等で所定のエラー表示を行ってもよい。また、主制御基板80のCPUは、出力処理(S201)により、所定のタイミングでこの無効期間通過コマンドをサブ制御基板90に送信し、サブ制御基板90は受信した無効期間通過コマンドに基づいて、画像表示装置7や枠ランプ66や盤面ランプ5やスピーカ67等を用いて所定のエラー報知を行ってもよい。
[大入賞口センサ検知処理]
図37に示す大入賞口センサ処理(S211)では、大当り遊技が実行された場の大当り遊技終了後の大入賞口センサ(第1大入賞口センサ30a又は/及び第2大入賞口センサ35a)の有効期間を設定する処理である。ここで、「大入賞口センサの有効期間(「第1状態」ともいう)」とは、大入賞口センサで遊技球を検知した場合に、当該検知に基づいて賞球が払い出される(特典が付与される)期間をいう。また、「大入賞口センサの無効期間(「第2状態」ともいう)」とは、大入賞口センサで遊技球を検知したとしても、当該検知に基づいて賞球(特典)を付与しない期間、若しくは、遊技球を検知しない期間をいう。すなわち、「大入賞口センサの無効期間」とは、当該大入賞口センサに基づいて賞球等の特典が付与されない期間をいう。また「無効期間」においては、特典は付与しないが、検知制御を有効とすることで、個数(入球数、排出数)管理を行ってもよい。
また、大入賞口センサ処理では、大当り遊技終了後の大入賞口センサの有効期間を制御することで、適切な有効期間とし、公正な遊技を提供するものとしている。尚、本実施例1の大入賞口センサ処理で大当り遊技終了後も所定期間に亘って有効期間とする対象の大入賞口センサは、第1大入賞口センサ30a及び第2大入賞口センサ35aとされる。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30に入球した遊技球を検知するものであり、検知があると払出制御部110に、第1大入賞口30に入球があったことを示す情報(第1大入賞口入球コマンド)が送信される。そして、払出制御部110は、当該情報(第1大入賞口入球コマンド)に基づいて、予め定められた数の賞球(予め定められた量の遊技利益)を払い出す払出制御を行う。また、第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35に入球した遊技球を検知するものであり、検知があると払出制御部110に、第2大入賞口35に入球があったことを示す情報(第2大入賞口入球コマンド)が送信される。そして、払出制御部110は、当該情報(第2大入賞口入球コマンド)に基づいて、予め定められた数の賞球(予め定められた量の遊技利益)を払い出す払出制御を行う。
また、本実施例1では、大当り遊技終了後の所定期間に亘って、第1大入賞口センサ30a及び第2大入賞口センサ35aの両方を有効期間として継続するものとしたが、この様な態様に限らない。他の態様として、大当り遊技終了後は、実行した大当り遊技における最後のラウンド(最終ラウンド)で開動作した(入球可能状態となる)大入賞口に係る大入賞口センサだけを有効期間として継続するものとしてもよい。また、本実施例1では、特定領域センサ39a及び非特定領域センサ49aは、Vラウンド(2ラウンド目)の実行期間及び当該Vラウンドに係る大入賞口閉鎖処理の実行期間においてのみ、所定のパターンに従って有効期間が設定される(図43等を参照)。すなわち、大入賞口センサ検知処理による制御対象としていない。他の態様として、特定領域センサ39a及び非特定領域センサ49aについても、第1大入賞口センサ30a及び第2大入賞口センサ35aと同様に有効期間制御を実行してもよい。
図37に示す通り、大入賞口センサ検知処理(S211)ではまず、大当り遊技における1ラウンド目の開始時期かどうかを判定する(S3001)。S3001で、1ラウンド目の開始時期であると判定した場合(S3001でYES)、大入賞口センサ(第1大入賞口センサ30a及び第2大入賞口センサ35a)を有効期間(第1状態)に設定する有効期間設定処理を行い(S3002)、処理を終える。一方、S3001で、1ラウンド目の開始時期でないと判定した場合(S3001でNO)、次いで、最終ラウンドの終了時期かどうかを判定する(S3003)。S3003で、最終ラウンドの終了時期である、すなわち、既に大当り遊技が実行されており最終ラウンドの終了時期となったと判定した場合(S3003でYES)、エクストラ期間を開始し(S3004)、処理を終える。
ここで、「エクストラ期間」とは、大当り遊技における全ての開動作の終了後(最終ラウンドの入球可能状態の終了後)に設定される期間であって、大入賞口センサ(第1大入賞口センサ30a及び第2大入賞口センサ35a)を有効期間のまま維持する(継続する)期間をいう。またこのエクストラ期間(大入賞口閉鎖後の有効期間)は、大入賞口の閉鎖直前に大入賞口に入球した遊技球や、大入賞口の閉鎖時に大入賞口内の大入賞口センサに到達する前の通路(位置)にある遊技球を、大入賞口の閉鎖後であっても有効なものとして検知するために設けている。これにより、遊技球が大入賞口に入球したにも拘らず、当該入球した遊技球によって特典が付与されないといった事態を極力防止することを可能としている。
S3003で、最終ラウンドの終了時期でないと判定した場合(S3003でNO)、次いで、エクストラ期間の実行中かどうかを判定する(S3005)。S3005で、エクストラ期間の実行中でないと判定した場合(S3005)、処理を終える。一方、S3005で、エクストラ期間の実行中であると判定した場合(S3005でYES)、次いで、遊技球を検知したかどうかを判定する(S3006)。S3006で、遊技球を検知していないと判定した場合(S3006でNO)、S3008の処理に移行する。S3006で、遊技球を検知した、すなわち、エクストラ期間中に遊技球を検知したと判定した場合(S3006でYES)、図示しない所定の賞球払出処理を行い、次いで、エクストラ期間中の大入賞口センサ(第1大入賞口センサ30a又は第2大入賞口センサ35a)での検知数が所定個数(本実施例では、2個)になったかどうかを判定する。
S3007で、検知数が2個(所定個数)になったと判定した場合(S3007でYES)、S3009の処理に移行する。S3007で、検知数が2個(所定個数)になっていない、すなわち、エクストラ期間における1個目の検知であると判定した場合(S3007)、S3008の処理に移行する。尚、エクストラ期間中に、大入賞口センサ(第1大入賞口センサ30a又は第2大入賞口センサ35a)で遊技球を検知したと判定した場合(S3006でYES)には、払出制御部110に、検知を示す情報(大入賞口入球コマンド)が送信される。そして、払出制御部110は、当該情報(大入賞口入球コマンド)に基づいて、予め定められた数の賞球(予め定められた量の遊技利益)を払い出す払出制御を行う。
S3008では、エクストラ期間に設定される制限時間が経過したかどうかを判定し(S3008)、制限時間が経過していないと判定した場合(S3008でNO)、処理を終える。また、S3008で、制限時間が経過したと判定した場合(S3008でYES)、S3009の処理に移行する。ここで「制限時間(「特定時間」ともいう)」とは、大当り遊技の最終ラウンドにおける大入賞口の開動作が全て終了した後に設定されるエクストラ期間の最大実行期間をいう。大当り遊技終了後(最終ラウンドの入球可能状態終了後)に、大入賞口を閉鎖した状態で、大入賞口センサ(第1大入賞口センサ30a又は第2大入賞口センサ35a)を有効のまま継続することで、遊技者が閉鎖直前に入球した遊技球等に基づく特典(賞球)を逃すのを極力防止することが可能となる。
然しながら、このエクストラ期間を長期間継続すると、大当り遊技終了後も長期間大入賞口センサが有効なままとされ、大当り遊技と関連のない不正な入球によって特典を付与したり、大当り遊技を発生させた遊技者でない他の遊技者に特典を付与してしまったりといった事態が発生する可能性がある。この様な遊技の公正を害する事態の発生を極力防止するため、エクストラ期間に所定の制限時間を設定している。本実施例では、制限時間をエクストラ期間開始後「60s」に設定している。従って、エクストラ期間中に大入賞口センサで2個の遊技球を検知するか、又は、制限時間(60s)が経過するか、の何れか先に成立した条件に基づいて、エクストラ期間を終了するものとしている。
S3009では、エクストラ期間を終了し(S3009)、大入賞口センサ(第1大入賞口センサ30a及び第2大入賞口センサ35a)を無効期間(第2状態)に設定し(S3010)、処理を終える。尚、本実施例ではエクストラ期間における最大検知数を「2個」とし、制限時間を「60s」としたが、この様な態様に限らない。例えば、最大検知数を「1個」としてもよいし、「3個」以上としてもよい。また、制限時間を「60s」より長くしてもよいし、短くしてもよい。
次に、図40のタイミングチャートに基づいて、大入賞口センサ(第1大入賞口センサ30a及び第2大入賞口センサ35a)の状態制御(有効期間又は無効期間の切替制御)について説明する。図40に示す通り、大入賞口センサの有効期間は、大当り遊技における1ラウンド目の開始、すなわち大当り遊技における最初の大入賞口の開放に基づいて開始される。そして、大当り遊技における最終ラウンド(図40では15ラウンド目)が終了してもエクストラ期間として大入賞口センサの有効期間が継続される。そして、大入賞口センサPT1(大入賞口センサパターン1)に示す様に、エクストラ期間の実行中に遊技球の検知がない場合(又は、検知個数が1個の場合も同様)、60000ms(60s)の経過をもって大入賞口センサの有効期間を終了して無効期間とする。尚、図40に示す大当り遊技の場合、エンディング期間が15000msに設定されており、エンディング期間終了後は、特別図柄の変動表示が実行可能な期間とされる。また、エクストラ期間が制限時間(60s)まで実行されると、エンディング期間を超えて特別図柄の変動表示期間と並行して実行されることとなる。
また、大入賞口センサPT2(大入賞口センサパターン2)に示す様に、エクストラ期間の実行中に(エクストラ期間の制限時間が経過する前に)遊技球が2個検知されると、当該2個目の検知に基づいてエクストラ期間を終了する。これは、エンディング期間の実行中になる場合もあれば、特別図柄の変動表示可能期間中になる場合もある。また、本実施例では、Vラウンド以外のラウンドでは、入排出数一致判定処理は行わないので、最終ラウンドにおける入排出数の状況にかかわらず、一律にエクストラ期間が設定されるものとされている。尚、本実施例では、1ラウンド目の開始から大入賞口センサを有効期間に設定しているが、これに替えて、オープニング期間の開始から有効期間に設定してもよい。
この様に、大当り遊技の開始に伴って大入賞口センサを無効期間から有効期間に設定し、大当り遊技における全ての開動作を終了した後も、所定期間に亘って(所定条件が成立するまで)、有効期間として継続するものとしている。これにより、たとえば最終ラウンドにおいて、大入賞口の開閉部材(開閉部材32、開閉部材37)が閉じる際に遊技球が挟まってしまった場合でも、予め定めた制限時間以内に、振動や解除操作等で球詰りが解除されて大入賞口センサで検知されれば、特典(賞球)が付与されることとなる。また、制限時間内であっても、大当り遊技終了後に検知可能な遊技球の個数を所定個数(本実施例では2個)に制限することで、不正行為等によって制限時間内に際限なく遊技球が検知されて不正に特典が付与されることを防止することを可能とする。また、制限時間を設けることで、発生した大当り遊技との関連性がないと想定される程、後の時間に発生した大入賞口センサでの検知に基づいて特典が付与されることを防止することが可能となる。
また、大当り遊技終了後の長期間経過後に発生した大入賞口センサの検知であっても、大当り遊技と関連する検知である(長期間経過後に球詰りが解除される等の)可能性もある。然しながら、その様に大当り遊技終了後に長期間が経過した場合には、その間に遊技者が遊技を終了し、他の遊技者によって遊技されている可能性がある。このように、他の遊技者に代わった後に、球詰りが解除される等して大入賞口センサで検知され特典が付与されると、当該遊技者は大当り遊技を発生させていないにも拘らず、特典を得てしまう可能性がある。この様な状況は遊技の公正を害するものである。従って、大当り遊技終了後の有効期間に、所定の制限時間(本実施例では60s)を設定することで、その様な事態を防ぐことを可能としている。これにより、大当り遊技終了後の有効期間として適切な期間を設定し、公正な遊技を提供することを可能としている。
[始動入球時処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、大入賞口センサ検知処理(S211)に次いで始動入球時処理(S208)を行う。図38に示すように、始動入球時処理(S208)ではまず、主制御基板80のRAMに記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数及び普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、特図2保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S2502)。S2502で、特図2保留球数が「1」増加したと判定した場合(S2502でYES)、S2503の処理に移行する。これは、第2始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS307で特図2保留球数に「1」を加算した場合が該当する。
一方、特図2保留球数が増加していないと判定した場合(S2502でNO)、S2506の処理に移行する。S2503では、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特図2関係乱数取得処理(S308)で取得して第2特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出す(S2503)。次いで、S2504で、読み出した第2特別図柄に係る取得乱数値を判定する(S2504)。具体的に、始動口への入球時に取得した特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(特別図柄当否判定用乱数値)が、現在の遊技状態(低確率状態か、高確率状態か)に応じて、大当りか、外れかを判定する。また、判定結果(事前判定結果)が大当りである場合には、大当りの種別を判定する。これは、特図2保留についての当否判定(大当りか否かの判定)を、後述の特図2当否判定処理(S1202)における当否判定(S1303,S1309)に先立って行う事前判定(所謂「保留先読み」)に相当するものである。
尚、事前判定は、大当り判定テーブル(図8(A)を参照)、すなわち、高確率状態であれば高確率状態用の大当り判定テーブル、通常状態(低確率状態)であれば通常状態用の大当り判定テーブル、に基づいて、大当り判定値と一致するか否かを判定することが可能である。また、他の事前判定態様として、変動パターン情報を判定可能な変動パターン情報判定テーブルとして、通常状態用(低確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、高確率状態用(高確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、を有するものとする。そして、事前判定においては、取得乱数値(特別図柄当否判定用乱数カウンタの値等)と、遊技状態に応じた変動パターン情報判定テーブルと、に基づいて、所定の変動パターン情報を選択するものとすることが可能である。そして、この選択した変動パターン情報から、大当りかどうかや、大当り種別や、大当り信頼度の高い遊技演出が実行されるかどうか等を識別可能とすることができる。
次いでS2505では、S2501で読み出した第2特別図柄に係る保留球数データと、S2504で事前判定した情報(事前判定情報)と、を少なくとも含む遊技情報を、特図2始動入球コマンドとして生成し、主制御基板80のRAMに設けられた、サブ制御基板90へのコマンド送信用の出力バッファにセットする(S2505)。尚、特図2始動入球コマンドとして、S2503で読み出した特図2取得乱数の値の一部又は全部を、そのままサブ制御基板に送信するようにしてもよいし、特図2取得乱数の値はそのまま送信せず、特図2取得乱数の値に基づいて取得した遊技情報(例えば、前述の変動パターン情報等)を送信するようにしてもよい。
また、主制御部80から送信した特図2始動入球コマンドをサブ制御部90で解析することで、大当りに係る情報であるかどうか、第2特別図柄の保留球数はいくつか、大当り種別は何れか等を、サブ制御部90が識別できるものとされている。また、本実施例1では、これに加えて、特図2始動入球コマンドを解析することで、取得した特図2取得乱数が高確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、及び低確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、を特定可能とされている。これにより、サブ制御部90は、受信した特図2始動入球コマンドを保留(演出保留情報)として記憶し、特定のタイミングで当該演出保留情報を事前判定し、低確率状態で当否判定した場合に大当りと判定される演出保留情報が記憶されているかどうかを判定することが可能となる。
尚、不正防止の観点から、S2503で読み出した取得乱数値のうち特別図柄当否判定用乱数値を、そのままサブ制御部に送信することはせず、その他の大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)と変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報と、事前判定の結果を示す情報とを含むコマンドデータを特図2始動入球コマンドとして生成し、セットすることが可能である。次いでS2506では、前述の特図2に係る処理と同様に、特図1保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S2506)。S2506で、特図1保留球数が「1」増加したと判定した場合(S2506でYES)、S2507の処理に移行する。これは、第1始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS311で特図1保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、S2506で、特図1保留球数が増加していないと判定した場合(S2506でNO)、そのまま処理を終える。
S2507では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S2507)、時短フラグがONである、すなわち高ベース状態であると判定した場合(S2507でYES)、そのまま処理を終える。一方、S2507で、時短フラグがOFFである、すなわち低ベース状態であると判定した場合(S2507でNO)、S2508以降の事前判定に係る処理に進む。ここで、時短フラグがONである場合、すなわち現在の遊技状態が高ベース状態である場合、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能が作動しており、特図2の当否判定(図8(B)を参照)が行われやすい状態となっている。また、本実施例1では、後述するように特図2保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を特図1保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するもの(所謂特図2優先変動機)としている。このような構成において、例えば特図1の事前判定を行い、その結果を予告等の演出により遊技者に報知し、その事前判定の結果が大当りであることが明示された場合、遊技者は、特図2保留消化の優先を利用して、任意のタイミングで特図2保留を意図的に無くして(「0」にして)、事前判定の結果が示された特図1に係る大当りを意図的に発生させるといった技術介入が可能となる。このような大当りの発生タイミングを遊技者が調整できることは、遊技の公平性の観点から好ましくない。このため、現在の遊技状態が低ベース状態でなく高ベース状態である場合(S2507でYES)、S2508以降の特図1の事前判定に係る処理を行わず、本処理を終えることとしている。
S2508〜S2510の処理は、前述したS316〜S318と同様の処理を特図1について行うものである。すなわち、始動口センサ検知処理(S204)における特図1関係乱数取得処理(S312)で取得して第1特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S2508)、読み出した取得乱数値について事前判定を行い(S2509)、S2501で読み出した第1特別図柄に係る保留球数データと、S2509で事前判定した情報(事前判定情報)と、を少なくとも含む遊技情報を、特図1始動入球コマンドとして生成し、主制御基板80のRAMに設けられた、サブ制御基板90へのコマンド送信用の出力バッファにセットする(S2510)。尚、S2509の事前判定(保留先読み)は、後述の特図1当否判定処理(S1207)における当否判定(S1603,S1609)に先立って行うものである。
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、始動入球時処理(S208)に次いで電源断監視処理(S209)を行う。電源断監視処理(S209)では図39に示すように、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変かどうか、当り遊技中かどうか、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONし(S2603)、その後は割り込み処理(図11)に戻ることなくループ処理をする。