本発明は、パチンコ機に代表される遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機には、特典遊技(当たり遊技等)中に開放される可変入賞装置と、可変入賞装置内に設けられ、球が通過することによって遊技者に有利となる遊技状態(確変等)を付与可能にするものがある。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技者に有利となる遊技状態が付与され易い状態および遊技者に有利となる遊技状態が付与され難い状態が、特典遊技の種類によって予め定められているため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点などを解決するためになされたものであり、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、球が流下可能な遊技領域と、その遊技領域に設けられ、球が入球可能な入球手段と、その入球手段に球が入球したことに基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別の結果が、所定の判別結果である場合に特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備えるものであり、前記遊技領域に設けられ、球を貯留可能な貯留手段と、その貯留手段を球が貯留可能な貯留状態から、前記貯留状態を解除する解除状態へと可変させる可変手段と、前記遊技領域のうち、前記可変手段により前記貯留手段が前記解除状態へと可変された場合に、前記貯留手段に貯留されていた球が流下可能な特定遊技領域に設けられ、球が入球可能な特定入球手段と、その特定入球手段に球が入球した場合に、特典を付与可能な特典付与手段と、を有し、前記可変手段は、前記判別手段による判別の結果が前記所定の判別結果である場合に、前記貯留手段を前記解除状態へと可変させるものである。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記貯留手段は、複数の球を貯留可能に構成されているものである。
請求項3記載の遊技機は、請求項1または2記載の遊技機において、前記特定遊技領域には球が流下可能な複数の経路が設けられており、前記複数の経路のうち1の経路を流下した球が前記特定入球手段に入球可能とするものである。
請求項4記載の遊技機は、請求項3記載の遊技機において、前記特定遊技領域に、前記複数の経路のうち何れかの経路に球を振り分ける振分手段を設けたものである。
請求項5記載の遊技機は、請求項4記載の遊技機において、前記振分手段は前記複数の経路に対して所定の順序で球を振り分けるものであり、前記貯留手段は、前記振分手段が前記1の経路に球を振り分けるために必要な球数以上の球を貯留可能とするものである。
請求項1記載の遊技機によれば、球が流下可能な遊技領域に設けられた入球手段に球が入球したことに基づいて判別手段により判別が実行され、その判別の結果が所定の判別結果であると、特典遊技実行手段により特典遊技が実行される。そして、遊技領域には、判別手段の判別の結果が所定の判別結果の場合に、可変手段によって球を貯留可能な貯留状態からその貯留状態を解除する解除状態へと可変される貯留手段が設けられる。その貯留手段が解除状態に可変されることで貯留手段に貯留されていた球が流下可能な特定遊技領域に、球が入球可能な特定入球手段が設けられ、その特定入球手段に球が入球すると特典が付与される。
これにより、球を貯留している状態で貯留手段を解除状態へと可変させることで、特定入球手段へ球が入球する可能性を高めることができる。よって、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、複数の球を貯留可能に貯留手段が構成されているため、貯留手段に複数の球を貯留させることで特定入球手段へ球が入球する可能性をより高めることができる。よって、判別手段により所定の判別結果が判別されるまでの間、遊技者に対して意欲的な遊技を継続させることができるという効果がある。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項1または2記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、球が流下可能な複数の経路が特定遊技領域に設けられ、そのうちの1の経路を流下した球が特定入球手段に入球される。
これにより、特定遊技領域を流下する球が特定入球手段に入球するか否かを楽しみながら遊技を実行することができるという効果がある。
請求項4記載の遊技機によれば、請求項3記載の遊技機の奏する効果に加え、振分手段によって特定遊技領域内に設けられた複数の経路の何れかに球が振り分けられるため、確実に球を複数の経路に振り分けることができるという効果がある。
請求項5記載の遊技機によれば、請求項4記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、振分手段により複数の経路に対して所定の順序で球が振り分けられる。そして、振分手段が第1の経路に球を振り分けるために必要な球数よりも多い球数が貯留手段に貯留可能に構成される。
これにより、貯留手段に複数の球を貯留させることで特定入球手段に球を入球させることが可能となる。よって、遊技者に対して、貯留手段に球を貯留させようと意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。
パチンコ機の遊技盤の正面図である。
パチンコ機の背面図である。
(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図あり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
(a)は、右打ちナビが表示された表示画面を例示した図であり、(b)は、右打ち警告画像が表示された表示画面を例示した図である。
(a)は、大当たり中における表示画面を例示した図であり、(b)は、大当たり中に大価値入賞口へと球が入球した場合の表示画面を例示した図である。
(a),(b)は、警告画像が表示された表示画面を例示した図である。
貯留装置の正面図である。
(a)は、貯留弁が閉鎖されている場合において貯留装置へと流入した球の進行方向を示す図であり、(b)は、貯留弁が開放されている場合において貯留装置へと流入した球の進行方向を示す図である。
遊技盤の右側に設けられた経路のうち上流側を示す図である。
遊技盤の右側に設けられた経路のうち下流側を示す図である。
(a)は、第1特定入賞口が開放された状態を示す図であり、(b)は、第2特定入賞口が開放された状態を示す図である。
(a)は、第1特定入賞口が閉鎖された状態における球の経路を示す図であり、(b)は、第1特定入賞口が開放された状態における球の経路を示す図である。
(a)は、第2特定入賞口が閉鎖された状態における球の経路を示す図であり、(b)は、第2特定入賞口が開放された状態における球の経路を示す図である。
(a)は、確変入球口が閉鎖されている状態で第2可変入賞装置内へと入球した球の進行方向を示す図であり、(b)は、確変入球口が開放されている状態で第2可変入賞装置内へと入球した球の進行方向を示す図である。
(a)は、大当たりAの12ラウンド目における第2特定入賞口の状態と第2可変入賞装置内の流路の状態との計時変化を示す図であり、(b)は、大当たりBの12ラウンド目における第2特定入賞口の状態と第2可変入賞装置内の流路の状態との計時変化を示す図である。
パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
(a)は、主制御装置内のROMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。
各種カウンタの概要を示す図である。
主制御装置内のRAMの電気的構成を示すブロック図である。
表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。
転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。
描画リストの一例を模式的に示した模式図である。
主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動開始処理を示したフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される先読み処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される大当たり動作設定処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行されるエンディング処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される入賞処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される異常処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される入賞コマンド設定処理を示すフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるエラー報知処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される当たり時報知処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される通常時報知処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるブート処理を示すフローチャートである。
(a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド割込処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるV割込処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。
(a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される変動パターンコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される停止種別コマンド処理を示したフローチャートである。
(a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるオープニングコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるラウンド数コマンド処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるエンディングコマンド処理を示したフローチャートである。
(a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される背面画像変更コマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるエラーコマンド処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行される表示設定処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行される警告画像設定処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるポインタ更新処理を示したフローチャートである。
(a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される転送設定処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される常駐画像転送設定処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行される通常画像転送設定処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行される描画処理を示したフローチャートである。
第2実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。
(a)は、第2実施形態の貯留弁が閉鎖されている場合における表示画面を例示した図であり、(b)は、第2実施形態の貯留弁が開放されている場合における表示画面を例示した図である。
第2実施形態における貯留装置の正面図である。
(a)は、第2実施形態における貯留弁が閉鎖されている場合において貯留装置へと流入した球が大価値入賞口へと誘導される場合を例示した図であり、(b)は、第2実施形態における貯留弁が閉鎖されている場合において貯留装置へと流入した球が小価値入賞口へと誘導される場合を例示した図である。
第2実施形態における貯留弁が開放されている場合において貯留装置へと流入した球の進行方向を例示した図である。
第2実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
(a)は、第2実施形態における第1当たり種別選択テーブルの規定内容を示す図であり、(b)は、第2実施形態における主制御装置内のRAMの電気的構成を示すブロック図である。
第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理2を示すフローチャートである。
第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される貯留制御処理を示すフローチャートである。
第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示すフローチャートである。
第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される警告処理を示すフローチャートである。
第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される貯留時報知処理を示すフローチャートである。
第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される解除時報知処理を示すフローチャートである。
第1実施形態の変形例における大当たり中の表示画面を例示した図である。
第1実施形態の変形例における遊技盤の右側に設けられた経路のうち下流側を示す図である。
(a)は、第1実施形態の変形例のスライド部材が正面視手前側に突出した状態における貯留装置および第2可変入賞装置の平面図であり、(b)は、第1実施形態の変形例のスライド部材が正面視奥側に埋没した状態における貯留装置および第2可変入賞装置の平面図である。
第1実施形態の変形例における第1当たり種別選択テーブルの規定内容を示す図である。
第1実施形態の変形例における主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理3を示すフローチャートである。
第1実施形態の変形例における主制御装置内のMPUにより実行される大当たり動作設定処理2を示すフローチャートである。
第1実施形態の変形例における主制御装置内のMPUにより実行される入賞処理2を示すフローチャートである。
第1実施形態の変形例における主制御装置内のMPUにより実行される入賞口閉鎖処理を示すフローチャートである。
第1実施形態の変形例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるエラー報知処理2を示すフローチャートである。
第1実施形態の変形例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される当たり時報知処理2を示すフローチャートである。
第2実施形態の変形例における遊技盤の正面図である。
第2実施形態の変形例における貯留装置内に貯留された球が遊技者にとって不利な配置となった状態で貯留装置内へと流入した球の進行方向を示す図である。
第2実施形態の変形例における貯留装置内に貯留された球が遊技者にとって有利な配置となった状態で貯留装置内へと流入した球の進行方向を示す図である。
第2実施形態の変形例における表示画面に表示される示唆表示画像を示す図である。
第2実施形態の変形例におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
第2実施形態の変形例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
第2実施形態の変形例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される解除示唆表示処理を示したフローチャートである。
第2実施形態の変形例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。
第2実施形態の変形例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される貯留状態コマンド処理を示したフローチャートである。
第3実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。
第3実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の右側領域を示す図である。
第3実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の右側領域を示す図である。
第3実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の右側領域を示す図である。
第3実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
(a)は、第3実施形態における主制御装置内のROMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、第3実施形態における第1当たり種別選択テーブルの規定内容を示す図である。
(a)は、第3実施形態における変動パターン選択テーブルの規定内容を示す図であり、(b)は、第3実施形態における時短(確変)中大当たりテーブルの規定内容を示す図であり、(c)は、第3実施形態における時短(確変)中外れテーブルの規程内容を示す図である。
(a)は、第3実施形態における開放シナリオ設定テーブルの規程内容を示す図であり、(b)は、第3実施形態における開放シナリオ設定テーブル(通常)の規程内容を示す図であり、(c)は、第3実施形態における開放シナリオ設定テーブル(確変)の規程内容を示す図である。
第3実施形態における主制御装置内のRAMの電気的構成を示すブロック図である。
(a)および(b)は、第3実施形態における第3図柄表示装置の表示画面を例示した図である。
第3実施形態における期待度表示選択テーブルの規程内容を示す図である。
(a)は、第3実施形態における通常遊技状態における大当たりAの開放動作を示すタイミングチャートであり、(b)は、第3実施形態における確変遊技状態における大当たりAの開放動作を示すタイミングチャートである。
第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。
第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理3を示すフローチャートである。
第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される開放シナリオ設定処理を示すフローチャートである。
第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される異常入賞処理を示すフローチャートである。
第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理4を示すフローチャートである。
第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるエンディング処理3を示すフローチャートである。
第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される入賞処理3を示すフローチャートである。
第3実施形態における音声ランプ制御装置のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
第3実施形態における音声ランプ制御装置のMPUにより実行されるコマンド判定処理3を示すフローチャートである。
第3実施形態における音声ランプ制御装置のMPUにより実行されるエラー報知処理3を示すフローチャートである。
第3実施形態における音声ランプ制御装置のMPUにより実行される貯留状態判定処理を示すフローチャートである。
第3実施形態における音声ランプ制御装置のMPUにより実行される時短中表示処理を示すフローチャートである。
第4実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。
第4実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の右側領域を示す図である。
第4実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
(a)は、第4実施形態における主制御装置内のROMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、第4実施形態における第1当たり種別選択テーブルの規定内容を示す図である。
(a)は、第4実施形態における第2開放シナリオ設定テーブルの規程内容を示す図であり、(b)は、第4実施形態における第2開放シナリオ設定テーブル(通常)の規程内容を示す図であり、(c)は、第4実施形態における第2開放シナリオ設定テーブル(確変)の規程内容を示す図である。
(a)は、第4実施形態における通常遊技状態における大当たりBの開放動作を示すタイミングチャートであり、(b)は、第4実施形態における確変遊技状態における大当たりBの開放動作を示すタイミングチャートである。
(a)および(b)は、第4実施形態における第3図柄表示装置の表示画面を例示した図である。
第4実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される入賞処理4を示すフローチャートである。
第4実施形態における音声ランプ制御装置のMPUにより実行されるコマンド判定処理4を示すフローチャートである。
第4実施形態における音声ランプ制御装置のMPUにより実行されるラウンド演出処理を示すフローチャートである。
第5実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。
第5実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の右側領域を示す図である。
第5実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
(a)は、第5実施形態における主制御装置内のROMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、第5実施形態における第1当たり種別選択テーブルの規定内容を示す図である。
(a)は、第5実施形態における第3開放シナリオ設定テーブルの規程内容を示す図であり、(b)は、第5実施形態における第3開放シナリオ設定テーブル(通常)の規程内容を示す図であり、(c)は、第5実施形態における第3開放シナリオ設定テーブル(確変)の規程内容を示す図である。
(a)は、第5実施形態における主制御装置内のRAMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、第5実施形態における擬似演出回数設定テーブルの規程内容を示す図である。
第5実施形態における大当りに当選した場合の遊技の流れを示すタイミングチャートである。
第5実施形態における大当りに当選した場合の遊技の流れを示すタイミングチャートである。
第5実施形態における擬似演出の流れを示す図である。
(a)および(b)は、第5実施形態における第3図柄表示装置の表示画面の一例を示す図である。
(a)および(b)は、第5実施形態における第3図柄表示装置の表示画面の一例を示す図である。
(a)および(b)は、第5実施形態における第3図柄表示装置の表示画面の一例を示す図である。
第5実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理5を示すフローチャートである。
第5実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
第5実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される大当たり種別決定処理を示すフローチャートである。
第5実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される貯留弁開放処理を示すフローチャートである。
第5実施形態における音声ランプ制御装置のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
第5実施形態における音声ランプ制御装置のMPUにより実行されるコマンド判定処理5を示すフローチャートである。
第5実施形態における音声ランプ制御装置のMPUにより実行される大当たり関連処理を示すフローチャートである。
第5実施形態における音声ランプ制御装置のMPUにより実行されるラウンド演出処理5を示すフローチャートである。
第5実施形態における音声ランプ制御装置のMPUにより実行される擬似演出処理を示すフローチャートである。
第3実施形態の変形例におけるパチンコ機の遊技盤の右側領域を示す図である。
第4実施形態の変形例におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の後面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図17参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図17参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(可動部材310を図示し、その他は図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、普通入球口(スルーゲート)67、可変表示装置ユニット80、貯留装置600等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の後面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、可変表示装置ユニット80、貯留装置600は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図17参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、第1入球口64、および第2入球口640へ入賞があったことを契機として特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が普通入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64、および第2入球口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。なお、説明の便宜上、第1入球口64への入球に対して行われる特別図柄の抽選を「特別図柄1の抽選」と称し、第2入球口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選を「特別図柄2の抽選」と称する。
特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される動作が15回(15ラウンド)繰り返される。より具体的には、1〜11ラウンド、および13〜15ラウンドでは、第1特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、12ラウンドでは第2特定入賞口650aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。その結果、その第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
また、第2可変入賞装置650の内部には、特別遊技状態の終了後に付与される大当たり終了後の付加価値を決定するための2種類の入球口(確変入球口654、および通常入球口655)が設けられている(図15参照)。詳細については後述するが、特別遊技状態において確変入球口654に対して球が入球した場合は、大当たり終了後の付加価値として「特別図柄の高確率状態」が付与される。一方、特別遊技状態中に一度も確変入球口654へと球が入球しなかった場合は、大当たり終了後の付加価値として「普通図柄の時短状態」が付与される。なお、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられている(図18(b)参照)。詳細については後述するが、大当たり種別によって、第2特定入賞口650aの開放パターンが異なって構成されており、確変入球口654への球の入球しやすさを異ならせている。
特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、11秒〜60秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64、または第2入球口640へと入球すると、その入球回数は入球口の種別毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64についての保留球数(特別図柄1の保留球数)、または第2入球口640についての保留球数(特別図柄2の保留球数)が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。なお、特別図柄1の保留球数と特別図柄2の保留球数が共に残っている場合は、特別図柄2の保留球に基づく抽選が優先的に実行される。
一方、普通入球口67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第2入球口640に付随する電動役物640aが開放され、第2入球口640へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第2入球口640へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が普通入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、普通入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
「大当たりA」、および「大当たりB」になるといずれも、ラウンド数が15ラウンドの特別遊技状態(15R大当たり)となる。また、特別遊技状態において、確変入球口654へと球が入球すると、大当たり終了後の付加価値として、その大当たり終了後から次に大当たりとなるまでの間、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行する。一方、特別遊技状態において1度も確変入球口654へと球が入球しなかった場合は、大当たり終了後の付加価値として、その大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまでの間、普通図柄の時短状態へ移行する。なお、大当たり終了後に普通図柄の時短状態へと移行する場合は、あわせて特別図柄の低確率状態へと移行する。この特別図柄の低確率状態は、次に大当たりとなるまで継続する。なお、詳細については後述するが、「大当たりB」では、「大当たりA」に比較して、特別遊技状態中(大当たり状態中)に球を確変入球口654へと入球させやすくなる。即ち、「大当たりB」の方が大当たり終了後に特別図柄の確変状態へと移行しやすくなるので、大当たりの終了後に短い間隔で再度大当たりとなりやすくなる。よって、「大当たりB」の方が、「大当たりA」よりも遊技者にとって有利な大当たりとなる。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)は、普通図柄(第2図柄)の当たり確率がアップして第2入球口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。一方、「特別図柄の低確率状態」とは、特別図柄の確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、特別図柄の確変中よりも大当たり確率が低い状態をいう。また、普通図柄の時短状態(時短中)とは、普通図柄の当たり確率がアップして第2入球口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、通常状態とは、特別図柄の確変中でも普通図柄の時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も普通図柄(第2図柄)の当たり確率もアップしていない状態)である。
特別図柄の確変中や、普通図柄の時短中では、普通図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常状態に比較して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比較して、第2入球口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中は、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。即ち、特別図柄の抽選が行われやすくなる。
なお、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放回数を、通常状態よりも増やすように構成してもよい。また、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、普通図柄(第2図柄)の当たり確率は変更せず、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間、および電動役物640aの開放回数のうち少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、電動役物640aの開放回数は変更せず、普通図柄(第2図柄)の当たり確率だけを、通常状態に比較してアップするように構成してもよい。
本実施形態では、特別遊技状態の終了後に特別図柄の確変状態が付与される場合は、その特別図柄の確変状態が次の大当たりまで継続するように構成したが、これに限られるものではなく、回数を限ってもよい。具体的には、例えば、特別遊技状態が終了してから特別図柄の抽選が10回終了するまで特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与され、特別図柄の抽選が10回終了して以降は通常状態に設定されるように構成してもよい。また、特別図柄の確変状態となる回数は10回に限られず、任意に定めてもよい。同様に、本実施形態では、特別遊技状態において確変入球口654へと球が入球しなかった場合に、特別図柄の抽選が100回終了するまで普通図柄の時短状態となるように構成されているが、普通図柄の時短期間は100回に限られず、任意に定めてもよい。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64、または第2入球口640への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64、または第2入球口640へと入球した場合、その入球回数は入球口の種別毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64、および第2入球口640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図17参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中、および下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図17参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、液晶ディスプレイに代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4〜図7を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。まず、図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図17参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
例えば、特別図柄の抽選結果が「大当たりA」であれば、偶数番号である「0,2,4,6,8」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、「大当たりB」であれば、奇数番号も加えたすべての番号「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9」のうちいずれかの番号が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64、および第2入球口640へと入球した球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ710(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64、または第2入球口640へと入球した場合、その入球回数はそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。なお、図4(b)は、第1入球口64への入球に対応する保留球数が4球である場合の例である。第2入球口640への入球に対応する保留球が発生した場合は、図4(a)の小領域Ds1に表示されている保留球数図柄とは異なる態様の保留球数図柄が表示される。これにより、第1入球口64への入球に対応する保留球数と、第2入球口640への入球に対応する保留球数がそれぞれ何個存在するのかを遊技者が容易に確認することができる。
本実施形態においては、第1入球口64、および第2入球口640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
次に、図5(a)を参照して、第3図柄表示装置81に対して、遊技盤13の右側の経路(流路)を狙って球を打ち出すように促す表示(右打ちナビ)が発生した場合の表示内容について説明する。
上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態となった場合に、電動役物640aが開放しやすくなるので、遊技盤13の右側へと球を打ち出す(右打ちする)ことにより、第2入球口640へと球を入球させやすくなる。また、詳細については後述するが、第2入球口640へと球が入球したことに基づいて行われる特別図柄の抽選(特別図柄2の抽選)により大当たりとなると、第1入球口64へと球が入球したことに基づいて行われる特別図柄の抽選(特別図柄1の抽選)により大当たりとなる場合に比較して「大当たりB」となりやすい。よって、大当たりの終了後に付与される特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態では、右打ちを実行することにより、遊技者にとって有利となる。換言すれば、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態に設定されたとしても、遊技者が右打ちしなければ第2入球口640へと球を入球させることができないため、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態の恩恵を遊技者が十分に受けることができなくなってしまう。
そこで、本実施形態では、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態においては、図5(a)に例示する画像(右打ちナビ)を表示させることにより、遊技者が特別図柄の確変状態や普通図柄の時短状態となることによる恩恵を確実に得られるように構成している。
図5(a)に例示した通り、右打ちナビでは、副表示領域Dsにおける小領域Ds3に対して、「右を狙え!!」との文字が表示されると共に、その文字の上下に右向きの矢印が3つずつ表示される。これらの文字、および矢印が表示されることにより、遊技者に対して球を遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)へと打ち出すべきであると感じさせることができる。よって、遊技者に対して、特別図柄の確変状態、および普通図柄の時短状態となることによる恩恵を確実に獲得させることができる。
次に、図5(b)を参照して、本実施形態のパチンコ機10において第3図柄表示装置81に対して表示される警告画像の一例について説明する。図5(b)に例示した警告画像は、遊技者が遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)へと球を打ち出す(右打ちする)べき期間でないにもかかわらず、右打ちを実行していると判別された場合に第3図柄表示装置81に対して表示される画像(右打ち警告画像)である。より具体的には、通常状態(特別図柄の確変状態でも、普通図柄の時短状態でもない状態)において、遊技者が右打ちを行っていると判別した場合に表示される。
本実施形態のパチンコ機10では、通常状態において電動役物640aが開放されにくくなるように制御される(右打ちを行ったとしても第2入球口640へと球を入球させにくい)。このため、通常状態において右打ちを行うと、左打ちにより第1入球口64を狙って球を打ち出す場合に比較して、特別図柄の抽選を受ける機会が少なくなってしまう。即ち、通常状態において右打ちを行うと、大当たりとなりにくくなるので、遊技者にとって損となってしまう。よって、右打ち警告画像を表示させて左打ちを促すことにより、遊技者が損をしてしまうことを防止(抑制)できるように構成している。
図5(b)に例示したように、通常状態において遊技者が右打ちを行っていると判別した場合には、小表示領域Dsの全体(小領域Ds1〜Ds3)に対して、「警告」との文字と、「左打ちで遊技してね!!」との文字とが表示される。これらの文字が表示されることにより、遊技者に対して右打ちをすべきではない(左打ちを行うべきである)と気付かせることができる。また、ホールの店員も右打ち警告画面(図5(b)参照)の有無を確認することにより、通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法を実行している遊技者がいるか否かを容易に判別することができる。
なお、右打ちを行っているか否かの判断方法としては、右打ちを行った場合に球が流入し得る貯留装置600(図8参照)に対して球が入球したか否かによって判断する。より具体的には、貯留装置600(図8参照)の内部に設けられている一般入賞口601,602、またはアウト口603a〜603cのいずれかへ球が入球した場合(各入球口に設けられている入球スイッチを球が通過したと判断された場合)に、遊技者が右打ちを行っていると判断される。
ここで、貯留装置600(図8参照)は、遊技状態に応じて、一般入賞口601へと球を流下させやすい状態(図9(a)参照)と、一般入賞口602へと球を流下させやすい状態(図9(b)参照)との2種類の状態に設定される。そして、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態(特別図柄の確変状態、普通図柄の時短状態、通常状態)においては、一般入賞口601へと球を流下させやすい状態に設定される。この一般入賞口601は、球が入球した場合に払い出される賞球数が一般入賞口602に比較して少ない(例えば、3個の)入賞口である。このため、通常状態において右打ちを行ったとしても、貯留装置600へと球を入球させるメリットが少ない(持ち球を増加させることができない)。即ち、通常状態において右打ちを実行すると、特別図柄の抽選を受ける頻度が低下する上に、持ち球も減少してしまうので、遊技者にとって不利益が大きくなるように構成されている。このため、遊技者が自己に不利な遊技方法(通常状態において右打ちを行う遊技方法)を行い続けてしまうことを抑制するために、右打ち警告画像(図5(b)参照)を表示させるように構成されている。
なお、右打ち警告画像(図5(b)参照)を表示させるか否かの判断要素として、通常状態において入賞しやすい一般入賞口(小価値入賞口)601への入球だけでなく、入賞し難い一般入賞口(大価値入賞口)602等への入球有無も判別しているのは、不正遊技の可能性を考慮しているためである。即ち、通常状態において、払い出される賞球数の多い(例えば、払い出しが15個の)一般入賞口(大価値入賞口)602へと不正に球を入球させ続けることにより、大当たりを介さずに多量の賞球を得る不正遊技方法を行われる可能性がある。これに対して本実施形態では、通常状態において一般入賞口(大価値入賞口)602へと球が入賞(入球)したことを検出すると、遊技者に対して左打ちを行うように(右打ちを行わないように)促す右打ち警告画像(図5(b)参照)が表示される。これにより、不正遊技に対する抑制を図ることができる。
本実施形態では、通常状態において貯留装置600内に設けられている各入球口(一般入賞口601,602、アウト口603a〜603c)のいずれかへと球が入球したことを検出した場合に、右打ち警告画像(図5(b)参照)を表示させるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態において、払い出される賞球の多い一般入賞口(大価値入賞口)602へと球が入賞(入球)したことを検出した場合に、不正遊技が行われていると判別して、右打ち警告画像を表示させるように構成してもよい。これにより、ホールの店員は右打ち警告画像の有無を確認するだけで容易に不正の有無を判別することができる。また、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態において、一般入賞口(大価値入賞口)602へと球が入球したことを検出した場合に、ホールコンピュータに対して不正が行われていることを示す信号を出力するように構成してもよい。これにより、ホールコンピュータの操作者は容易に不正が行われている可能性の有無、および不正行為が行われているパチンコ機10の台番号(位置)を判断することができる。
本実施形態では、貯留装置600の内部に設けられている各入球口(一般入賞口601,602、アウト口603a〜603c)への入球を検出することに基づいて遊技者が右打ちを行っていると判別しているが、右打ちを行っているか否かを判別する方法はこれに限られるものではない。例えば、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過した場合に右打ちを行っていると判別するように構成してもよいし、遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)上に球が通過したことを検出可能な公知のセンサを配設しておき、そのセンサによって球の通過が検出された場合に遊技者が右打ちを行っていると判別してもよい。
次に、図6を参照して、特別遊技状態中(大当たり状態中)に第3図柄表示装置81に対して表示される画像の一例について説明する。図6(a)は、大当たりの3ラウンド目において第3図柄表示装置81に対して表示される画像の一例を示す図である。図に示した通り、大当たりとなると、例えば、少年のキャラクタ710が財宝の詰まった宝箱715を発見する画像が表示される。この財宝が、遊技者が特別遊技状態(大当たり状態)において獲得する多量の賞球を示唆している。この表示によって、賞球を獲得することに対する喜びを増幅させることができるので、大当たりとなったことに対する満足感を与えることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、第3図柄表示装置81の左上部分には、現在のラウンド数を表示するための表示領域714が設けられる。図6(a)の例では、表示領域714に対して「ROUND3」との文字が表示されている。遊技者は、この表示を確認することにより現在が大当たりの3ラウンド目であることを認識することができる。よって、大当たりの残りラウンド数を遊技者に対して容易に認識させることができる。
更に、第3図柄表示装置81の右上部分には、特別図柄の確変状態中や、普通図柄の時短状態中と同様に、右打ちナビ画像が表示される。即ち、小領域Ds3に対して「右を狙え!!」との文字が表示されると共に、その文字の上下に右向きの矢印が表示される。この右打ちナビ画像を表示させることにより、遊技者に対して特別遊技状態中(大当たり状態中)に遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)へと球を打ち出すべきだと認識させることができる。特別遊技状態(大当たり状態)にもかかわらず左打ちを行ってしまうと、遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)の下流に設けられ、特別遊技状態(大当たり状態)において開放される第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aへと球を入球させることができなくなってしまう。即ち、多量の賞球を獲得することができなくなってしまい、遊技者が損をしてしまう。よって、本実施形態では、特別遊技状態(大当たり状態)においても右打ちナビ画像(図6(a)参照)を表示させることにより、遊技者が右打ちを行うように促している。これにより、遊技者が大当たりにおいて賞球を獲得できるように構成している。
加えて、第3図柄表示装置81の右下部分には、一般入賞口602への入賞(入球)回数を表示するための入賞回数表示領域MAが形成される。この入賞回数表示領域MAには、6(a)に示した通り、例えば、「EXTRA BONUS×10」との文字が表示される。「EXTRA BONUS」との文字は、第1特定入賞口65aや第2特定入賞口650aへと球を入球させたことにより得られる賞球とは別の方法で賞球を得ることを意味している。具体的には、一般入賞口602へと球を入球させることにより賞球を得ることを意味する。また、「×10」との文字は、大当たりにおいて一般入賞口602へと球が入球した回数を示す。図6(a)の例では、1ラウンド〜3ラウンドにおいて一般入賞口602に対して球を10回入球させたことを意味している。
また、「EXTRA BONUS×10」との文字の上側には、貯留装置600の概略図が表示されると共に、その上部に「EXTRA BONUSゲート開放中」との文字が表示される。これにより、貯留弁604aが開放状態(解除状態)に設定されていることを遊技者が容易に認識することができる。また、第3図柄表示装置81に表示された貯留装置600の概略図において、一般入賞口(大価値入賞口)602の位置には「狙え!」との文字が記載された吹き出しが表示される。この吹き出しにより、遊技者に対して一般入賞口602へと球を入球させた場合に有利となる(多量の賞球を獲得できる)ことを認識させることができる。
また、図6(b)は、特別遊技状態(大当たり状態)において、一般入賞口602へと球が入球した場合の表示内容を示した図である。図6(b)に示した通り、大当たり中に一般入賞口602への入球を検出した場合は、貯留装置600の概略図が表示されている部分に「GET」との文字が表示されると共に、貯留装置600の概略図における一般入賞口(大価値入賞口)602に相当する箇所に球が入球する画像が表示される。更に、入賞回数表示領域MAにおいて、「EXTRA BONUS×10」から「EXTRA BONUS×11」へと表示内容が変更される。これにより、遊技者は一般入賞口(大価値入賞口)602へと球が入球することにより賞球が得られたことを容易に認識することができる。
このように、大当たり中に一般入賞口602へと球が入球した回数を表示させることにより、大当たりにおいて第1特定入賞口65aや第2特定入賞口650aへの入球とは別で賞球を獲得した回数を遊技者に認識させることができる。よって、「EXTRA BONUS」の回数(一般入賞口602への入球回数)が多くなることを期待して遊技を行わせることができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図7を参照して、各種警告画像について説明する。まず、図7(a)は、特別遊技状態(大当たり状態)において左打ちを行った場合に第3図柄表示装置81に対して表示される左打ち警告画像の一例を示した図である。図7(a)に示した通り、左打ちを行っていると判別された場合は、第3図柄表示装置81の中央部分に警告表示を行うための大表示領域716が形成される。また、大表示領域には、「警告」との文字が大きく表示され、その「警告」との文字の下部に「右打ちでアタッカーを狙ってね!!」との文字が表示される。これらの文字が大表示領域に対して表示されることにより、遊技者に対して現在の遊技方法(左打ち)が誤った遊技方法であると認識させることができる。よって、特別遊技状態(大当たり状態)において遊技者に対して多量の賞球を確実に獲得させることができる。
なお、遊技者が左打ちを行っているか否かの判断は、第1入球口64へと球が入球したか否かによって判別している。即ち、特別遊技状態中(大当たり状態中)に第1入球口64へと球が入球したことを判別することにより、遊技者が左打ちを行っていると判別し、左打ち警告画像(図7(a)参照)を表示させるように制御を行う。
本実施形態では、第1入球口64への入球を検出した場合に左打ち警告画像(図7(a)参照)を表示させるように構成しているが、これに限られるものではない。例えば、遊技盤13の左側に設けられた経路(流路)上に球の通過を検出する通過センサを設けておき、大当たり中にセンサによって球の通過が検出された場合に左打ち警告画像(図7(a))を表示させるように構成してもよい。
次に、図7(b)を参照して、貯留装置600において異常が発生していることを検知した場合に表示される警告画像について説明する。ここで、貯留装置600の異常とは、例えば、特別遊技状態(大当たり状態)にもかかわらず、一般入賞口(小価値入賞口)601への入球を検出した場合や、特別遊技状態(大当たり状態)でないにもかかわらず一般入賞口(大価値入賞口)602への入球を検出した場合に、異常が発生していると判断して警告画像が表示される。
図7(b)に示した通り、貯留装置600において異常が発生していると判別した場合は、第3図柄表示装置81の中央部分に「警告」との文字が大きく表示される。また、その下部には、「ゲートエラー係員を呼んで下さい」との文字が表示される。これらの文字により、遊技者は、パチンコ機10においてエラーが発生していると判別することができるので、ホールの店員等に対して迅速に修理等を依頼することができる。
また、不正に配線等を変更することにより、常に払い出される賞球数の多い一般入賞口(大価値入賞口)602へと球が入球しやすい状態に固定されてしまった場合等に、ホールの店員は警告画像(図7(b)参照)を確認するだけで不正行為の可能性を判別することができる。よって、一般入賞口(大価値入賞口)602へと球が入球しやすい状態に固定し、貯留装置600を狙って球を打ち出すことにより大当たりを介さずに球を増やす不正行為に対する抑制を図ることができる。
図2に戻って説明を続ける。第2図柄表示装置は、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入球口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)ように構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間(変動時間)は、遊技状態が通常状態中よりも、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中の方が短くなるように設定される。これにより、特別図柄の確変中、および普通図柄の時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、普通図柄(第2図柄)の抽選を通常状態中よりも多く行うことができる。よって、普通図柄の当たりとなる機会が増えるので、第2入球口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。従って、特別図柄の確変中、および普通図柄の時短中は、第2入球口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中において、当たり確率をアップさせたり、電動役物640aの開放時間や開放回数を増やしたりするなど、その他の方法によって第2入球口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中において、通常状態中よりも短く設定する場合は、普通図柄の当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、1回の普通図柄の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
普通入球口67は、可変表示装置ユニット80の右方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の右方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。普通入球口67を球が通過すると、普通図柄(第2図柄)の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球が普通入球口67を通過した回数は最大で4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通入球口67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、普通入球口67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、普通入球口67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右方に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図17参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37で示される。
一方、可変表示装置ユニット80の正面視右方(普通入球口67の下方)には、球が入賞し得る第2入球口640が配設されている。この第2入球口640へと球が入球すると、遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図17参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37で示される。
また、第1入球口64、および第2入球口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数としてもよい。例えば、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入球口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入球口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、普通入球口67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入球口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、特別図柄の確変中および普通図柄の時短中は、通常状態中に比較して普通図柄の当たり確率が高く、また、普通図柄の変動表示にかかる時間も短いので、普通図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなる。よって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、特別図柄の確変中および普通図柄の時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常状態中より長くなる。よって、特別図柄の確変中および普通図柄の時短中は、通常状態に比較して、第2入球口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。一方、第1入球口64は、第2入球口640に設けられているような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
ここで、第1入球口64に球が入賞した場合と第2入球口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として、特別遊技状態中に確変入球口654へと球を入球させ易い大当たり(大当たりB)となる確率は、第2入球口640へ球が入賞した場合のほうが第1入球口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。
通常中においては、第2入球口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に入賞しづらいので、電動役物が設けられていない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入球口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中は、普通入球口67に球を通過させることで、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入球口640に入賞しやすい状態であるので、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、普通入球口67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入球口640への入賞によって大当たりBとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(特別図柄の確変中であるか、普通図柄の時短中であるか、通常状態中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入球口64の下方右側(第2入球口640の下方左側)には、第1可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の第1特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入球口64、または第2入球口640への入賞に起因して行われた特別図柄の抽選で大当たりになると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37を点灯させる。加えて、大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が報知される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この第1特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この第1特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば14回(14ラウンド)繰り返し可能にされている。より具体的には、特別遊技状態の1〜11ラウンドと、13〜15ラウンドにおいて、第1特定入賞口65aの開閉動作が実行される。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
第1可変入賞装置65は、具体的には、第1特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。第1特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を正面下側に傾倒し、球が第1特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
第1可変入賞装置65の下方左側には、第2可変入賞装置650が設けられており、その上部には横長矩形状の第2特定入賞口(第2大開放口)650aが設けられている。この第2特定入賞口650aを覆う開閉板は、正面視手前側に突出することにより球が第2可変入賞装置650へと入球することを妨げる閉状態を形成する(図14(a)参照)。一方、特別図柄の抽選により大当たりとなり、12ラウンド目になると、第2特定入賞口650aを覆う開閉版が正面視奥側へスライドすることにより遊技盤13の奥側へと埋没し、球が第2可変入賞装置650へと入球可能な開状態を形成する(図14(b)参照)。
上述した通り、特別遊技状態(大当たり中)において第2特定入賞口650aへと入球した球が第2可変入賞装置650の内部に設けられた確変入球口654へと入球することに基づき、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態へと移行する。一方、特別遊技状態において球が第2特定入賞口650aへ入球しなかった場合や、第2特定入賞口650aへと入球しても、全ての球が通常入球口655へと入球した場合は、大当たりの終了後に普通図柄の時短状態へと移行する。
なお、特別遊技状態は上記した形態に限定されるものではない。特別遊技状態において開放される入賞口として第1特定入賞口65a、第2特定入賞口650aに加え、更に他の入賞口を設けてもよい。また、逆に、入賞口を第1特定入賞口65aのみとしてもよい。また配置位置も本実施形態の配置に限られるものではなく、任意の位置に配設してもよい。
第1可変入賞装置65の右側には、貯留装置600が設けられている。この貯留装置600は、その内部に複数の入球口(一般入賞口601,602、およびアウト口603a〜603c)が設けられており、入球した球をいずれかの入球口へと流下させることができる。また、貯留装置600は、その内部へと入球した球を1球に限り貯留する(流下を停止させる)ことができる。さらに、この貯留装置600は、その正面視手前側が透明なカバー体でカバーされており、遊技者が貯留装置600へと流入(入球)した球がいずれの入球口へと入球するのかを容易に確認することができるように構成されている。この貯留装置600の詳細について、図8、および図9を参照して説明する。
図8は、貯留装置600の概要を示す図である。図8に示した通り、貯留装置600は、誘導流路605を介してその内部へと球が入球可能に構成されている。なお、この貯留装置600は、遊技者が右打ちした場合に、打ち出された球のおよそ3球に1球が入球するように構成されている。誘導流路605へと入球しなかった球は、貯留装置600の左側上部を伝って第1特定入賞口65aや第2特定入賞口650aの方向へと流下していく。即ち、特別遊技状態において、遊技者が第1特定入賞口65aや第2特定入賞口650aへ向けて発射された球の一部が誘導流路605を介して貯留装置600へと入球するように構成されている。
図8に示した通り、貯留装置600の内部において、誘導流路605の下流には、分岐部材604によって分岐された2種類の流路が設けられている。具体的には、貯留装置600の内部において、正面視左側には誘導流路606が設けられている。この誘導流路606を流下した球のほとんどは、下流側に設けられている一般入賞口(小価値入賞口)601へと入球する。この一般入賞口(小価値入賞口)601には、球が入球(通過)したことを検出できる検出スイッチ601a(図示なし)が設けられている。この検出スイッチ601aにより一般入賞口(小価値入賞口)601へと球が入球したことが検出されると、3個の賞球数が払い出される。なお、この一般入賞口(小価値入賞口)601の左右には、誘導流路606を流下したにもかかわらず一般入賞口(小価値入賞口)601へと入球しなかった球を排出するためのアウト口603a,603bが設けられている。これらのアウト口により、貯留装置600の内部に球が堆積してしまうことを防止(抑制)し、誘導流路606を流下した球を確実に排出することができる。また、これらのアウト口603a,603bには、一般入賞口(小価値入賞口)601と同様に、図示しない検出スイッチ603a1,603b1がそれぞれ設けられている。これらの検出スイッチ603a1,603b1により、排出された球の個数を正確に判別することができる。
貯留装置600の内部において、正面視右側には、球が流下可能な誘導流路607が設けられている。この誘導流路607を流下した遊技球のほとんどは、下流側に設けられている一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球する。この一般入賞口(大価値入賞口)602には、球が入球(通過)したことを検出できる検出スイッチ602a(図示なし)が設けられている。この検出スイッチ602aにより一般入賞口(大価値入賞口)602へと球が入球したことが検出されると、15個の賞球数が払い出される。即ち、球が一般入賞口(小価値入賞口)601へと入球した場合に比較して、一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球した場合により多くの賞球を得ることができる。なお、一般入賞口(大価値入賞口)602の左右には、それぞれアウト口603b,603cが設けられている。これらのアウト口により、一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球しなかった球が貯留装置600の内部に堆積することを防止(抑制)し、誘導流路607を流下した球を確実に排出することができる。また、アウト口603cには、アウト口603a,603bと同様に、図示しない検出スイッチ603c1が設けられている。検出スイッチ603c1により、排出された球の個数を正確に判別することができる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態のパチンコ機10では、特別遊技状態(大当たり状態)となった場合に一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球しやすい状態に設定され、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態においては、一般入賞口(小価値入賞口)601へと入球しやすい状態に設定される。即ち、特別遊技状態において、第1特定入賞口65aや第2特定入賞口650aが開放されることにより多量の賞球が得られることに加えて、貯留装置600内の一般入賞口(大価値入賞口)602へと球が入賞することにより賞球を得ることができるように構成されている。これにより、1回の特別遊技状態(大当たり状態)において獲得できる賞球数をより多くすることができるので、大当たりとなることによる遊技者のメリットを高めることができる。よって、遊技者に対して、大当たりとなることをより楽しみに遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態においては、比較的払い出される賞球数が多い一般入賞口(大価値入賞口)602が、貯留弁607aによって閉鎖され、比較的払い出される賞球数が少ない一般入賞口(小価値入賞口)601へと球が入球しやすい状態に設定される。即ち、特別遊技状態以外の状態では、貯留装置600へと球を入球させるメリットが少ないため、特別遊技状態以外の状態でも、常に貯留装置600を狙うことにより、多量の払い出しを受けようとする変則的な遊技方法を防止(抑制)することができる。なお、上述した通り、貯留装置600へは、右打ちした球のおよそ3球に1球が入球するように構成されている。そして、一般入賞口(小価値入賞口)601へと入球した場合に払い出される賞球数は3球である。つまり、通常状態において右打ちを実行したとしても、特別図柄の抽選が行われにくいうえに、一般入賞口(小価値入賞口)601への入球に基づく払い出しによって球を増加させることもできない。よって、通常状態中において、遊技者に対して左打ちをしたいと思わせることができる。
誘導流路607には、貯留弁607aが設けられている。この貯留弁607aは、正面視手前側に突出することにより誘導流路607を塞ぎ、誘導流路607へと進行した球の流下を妨げることができる。即ち、貯留弁607aの上部で球を停止させる(球を貯留する)ことができる。この貯留弁607aは、貯留装置用ソレノイド610(図17参照)により駆動するように構成されている。より具体的には、貯留装置用ソレノイド610を駆動させることで、貯留弁607aが正面視手前側に突出した状態(誘導流路607を塞いだ状態)と、貯留弁607aが正面視奥側に埋没した状態(誘導流路607を球が流下可能な状態)とに切り替え可能に構成されている。なお、貯留弁607aの上部に貯留された球は、誘導流路607の内壁と、分岐部材604とに囲まれることにより誘導流路606側へと流出してしまうことが防止(抑制)される。即ち、分岐部材604に設けられた突出部604aは、貯留弁607aの上部に貯留された球が流出しない程度に十分高く設定されている。
次いで、図9を参照して、上述した貯留弁607aの取り得る2種類の状態毎に、貯留装置600へと入球した球の動作を説明する。図9(a)は、貯留弁607aが手前側に突出した状態において貯留装置600へと入球した球の動作を示す図であり、図9(b)は、貯留弁607aが正面視奥側に埋没した状態において貯留装置600へと入球した球の動作を示す図である。
図9(a)に示した通り、誘導流路605の下端は、その半分以上が誘導流路607の上端と重なっている。一方、誘導流路606の上端部分は、誘導流路605の中心軸605aよりも左側に位置しており、誘導流路605の下端部分とほとんど重なっていない。よって、誘導流路605を流下した球が誘導流路607へと進行しやすくなる。
誘導流路607へと進行した球は、貯留弁607aによって流下が妨げられ、貯留弁607aの上部で停止する(球が貯留される)。そして、貯留弁607aの上部で球が停止している(球が貯留されている)状態において、他の球が新たに誘導流路605を流下した場合は、その新たに誘導流路605を流下してきた球と、貯留弁607a上に貯留されている球とが接触(干渉)する。この接触(干渉)により、新たに誘導流路605を流下してきた球の軌道(流下方向)が変わる。
なお、誘導流路607は、誘導流路605に対してやや右側に設けられているので(図9(a)参照)、貯留弁607a上に貯留されている球は、新たに誘導流路605を流下してくる球よりも右側で停止している場合がほとんどである。よって、新たに誘導流路605を流下してきた球は、貯留弁607aの上部に貯留された球の左側に衝突することにより、正面視左側に反発する。従って、新たに誘導流路605を流下してきた球は、正面視左側に設けられている誘導流路606へと進行する。上述した通り、誘導流路606を流下した球のほとんどは、比較的払い出される賞球数の少ない(賞球数が3個の)一般入賞口(小価値入賞口)601へと入球する。つまり、貯留弁607aが正面視手前側に突出し、誘導流路607を球が流下できない状態(誘導流路607が閉鎖された状態)においては、貯留装置600へと入球した球のほとんどが一般入賞口(小価値入賞口)601へと入球する。
一方、貯留弁607aが正面視奥側に埋没した状態となった場合は(図9(b)参照)、誘導流路607へと進行した球の流下を妨げるものがないため、誘導流路607へと進行した球は、そのまま誘導流路607を流下し、一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球する。上述した通り、一般入賞口(大価値入賞口)602は、払い出される賞球数が比較的多い(15個)の入賞口なので、遊技者にとって入賞させるメリットが多い。
なお、上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりとなった場合に誘導流路607を球が流下可能な状態(図9(b)参照)となるように構成されている。よって、特別遊技状態において、右打ちを行うことにより第1特定入賞口65aや第2特定入賞口650aへと球を入賞させることで、多量の賞球が得られることに加え、右打ちにより射出された球の一部が貯留装置600内の一般入賞口(大価値入賞口)602へと球が入賞することにより、賞球を得ることができる。これにより、1回の特別遊技状態(大当たり状態)において獲得できる賞球数をより多くすることができるので、大当たりとなることによる遊技者のメリットを高めることができる。よって、遊技者に対して、大当たりとなることをより楽しみに遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、上述した通り、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態においては、比較的払い出される賞球数が多い一般入賞口(大価値入賞口)602が、貯留弁607aによって閉鎖され、比較的払い出される賞球数が少ない一般入賞口(小価値入賞口)601へと球が入球しやすい状態に設定される。即ち、特別遊技状態以外の状態では、貯留装置600へと球を入球させるメリットが少ないため、特別遊技状態以外の状態でも、常に貯留装置600を狙うことにより、多量の払い出しを受けようとする遊技方法を防止(抑制)することができる。
なお、本実施形態では、誘導流路606を流下した球が一般入賞口(小価値入賞口)601へと入球し、誘導流路607を流下した球が一般入球口602へと入球するように構成されているが、これに限られるものではない。例えば、各誘導流路の下流側に、複数の入賞口が設けられている公知のクルーン手段を設けておき、入球する入賞口に応じて異なる賞球の払い出しを実行するように構成してもよい。これにより、誘導流路606を流下したとしても、比較的払い出される賞球数の多い入賞口へと入球させることにより、多くの賞球を獲得できる。よって、遊技者に対して、貯留装置600へと入球した球がいずれかの入賞口へと入球するまで興味深く見守らせることができる。従って、貯留装置600へと球が入球した場合に、より遊技者を楽しませることができる。
本実施形態では、貯留弁607aによって誘導流路607を塞ぐことにより、誘導流路607の途上に球を貯留することができるように構成しているが、例えば、電磁石等を用いて誘導流路607の途上に球を貯留するように構成してもよい。即ち、誘導流路607の内壁部分に電磁石を埋め込んでおき、特別遊技状態中(大当たり状態中)以外の状態においては電磁石へ通電することにより磁化させる。これにより、誘導流路607へと最初に流入した球を電磁石が設けられた箇所に引き寄せ、球の流下を停止させる(電磁石の位置に球を貯留する)ことができる。このように構成することで、貯留弁607aを埋没させるためのスペースを削減することができる。よって、貯留装置600をよりコンパクトにすることができる。
また、本実施形態では、貯留弁607aの上部に貯留される球を1球としていたが、これに限られるものではなく、2個以上の球を貯留できるように構成してもよい。更に、複数の球を貯留する場合は、縦方向に貯留してもよいし、横に並べて貯留できるように構成してもよい。
本実施形態では、貯留装置600の内部にアウト口を設けていたが、アウト口に代えて、賞球が払い出される入賞口を設けておいてもよい。また、各入賞口へと球が入球することにより払い出される賞球数を異ならせてもよい。より具体的には、例えば、アウト口603aに代えて賞球が6個の入賞口を設け、アウト口603bに代えて賞球が10個の入賞口を設け、アウト口603cに代えて賞球が12個の入賞口を設けてもよい。これにより、球が誘導流路606を流下した場合や、誘導流路607を、いずれの入賞口へと球が入球するのかをより興味深く観察させることができる。また、誘導流路606や誘導流路607の下流に釘等の球の流下方向を変更可能な部材を設け、いずれの球が入球する入賞口がよりランダムとなるように構成してもよい。これにより、球が貯留装置600へと流入した場合に、いずれかの入賞口へと球が入球するまでより球の行方を興味深く観察させることができる。また、釘等を設けておくことにより、ホールの店員によって球が入球しやすい入球口を設定することができる。よって、パチンコ機10の出球率をホール側で調節することができる。
次に、図10、および図11を参照して、遊技者が遊技盤13の右側へと球を射出した場合(右打ちした場合)の経路について説明する。まず、図10は、遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)のうち、貯留装置600よりも上流側の部分を示した図である。図10に示した通り、遊技盤13の右側の流路(経路)には、その上部に普通入球口67が設けられている。上述した通り、この普通入球口67を球が通過すると、普通図柄の抽選が実行される。そして、普通図柄の当たりとなると、第2図柄表示装置83において、普通図柄の抽選結果を示すための変動演出が実行された後で、普通図柄の当たりを示す「○」図柄が表示される。そして、第2図柄表示装置83に対して「○」図柄が表示されることに基づいて、普通入球口67の下流に設けられている第2入球口640に付随する電動役物640aが所定期間(0.2秒間×1回、または1秒×2回)開放される。電動役物640が開放されている間は、右打ちした球が第2入球口640へと入球しやすくなる。上述した通り、特別図柄の確変中や、普通図柄の時短中においては、普通図柄の当たり確率がアップすると共に、普通図柄の変動時間が短くなり、電動役物の開放期間が長くなるので、第2入球口640へと球が入球しやすい状態となる。よって、右打ちを実行することにより、球を減らすことなく特別図柄の抽選を受けることができる。
次に、図11を参照して、遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)のうち、第2入球口640よりも下流側の部分について説明する。図11に示した通り、遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)の下流には、貯留装置600が設けられている。また、貯留装置600の入り口よりも下流側には、第1可変入賞装置65が設けられており、その第1可変入賞装置65よりも下流側には、第2可変入賞装置650が設けられている(図11参照)。即ち、遊技者が右打ちを行うことにより、右側の経路(流路)の下流へと流下した球のうち、貯留装置600へと流入(入球)せずに下流へと流下した球が第1可変入賞装置65の方向へと流下する。また、第1可変入賞装置65の方向へと流下し、第1特定入賞口65aへと入球しなかった球は、第2可変入賞装置650の方向へと流下する。
このように、遊技者が右打ちを行うだけで、貯留装置600、第1可変入賞装置65、および第2可変入賞装置650の方向へと球を流下させることができる。よって、特別遊技状態(大当たり状態)において、遊技者は右打を行うだけで、球を第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aへと球を入球させることができ、多量の賞球を獲得することができる。また、第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aを狙って打ち出した球の一部は、貯留装置600へと入球する。そして、上述した通り、特別遊技状態(大当たり状態)では、貯留装置600へと入球した球のほとんどが一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球するので(図9(b)参照)、特別遊技状態中に、遊技者がより多くの賞球を獲得することができる。よって、遊技者に対して、大当たりとなることをより楽しみに遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図12〜図16を参照して、第1可変入賞装置65、および第2可変入賞装置650の具体的な動作について説明する。まず、図12は、第1可変入賞装置65、および第2可変入賞装置650の開放動作を示した図である。
図12(a)に示した通り、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aは、正面視手前方向へと開放可能に構成されている。この第1特定入賞口65aが開放されることにより、遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)を流下した遊技球が第1特定入賞口65aへと入球可能な状態となる。なお、上述した通り、第1特定入賞口65aは、特別遊技状態(大当たり状態)の1〜11ラウンド、および13〜15ラウンドにおいて所定期間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。そして、第1特定入賞口65aへと球が入球すると、1球の入球に対して15個の賞球が払い出される。よって、遊技者は多量の賞球を獲得することができる。
また、図12(b)に示した通り、第2可変入賞装置650の第2特定入賞口650は、正面視奥側へとスライド動作することにより、遊技盤13の内部へと埋没させることが可能に構成されている。これにより第2可変入賞装置650の上部が開放され、遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)を流下した遊技球が入球可能な状態となる。なお、上述した通り、第1特定入賞口65aは、特別遊技状態(大当たり状態)の12ラウンドにおいて所定期間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。そして、第2特定入賞口650aへと球が入球すると、1球の入球に対して15個の賞球が払い出される。よって、遊技者は多量の賞球を獲得することができる。
次に、図13を参照して、右打ちにより遊技盤13の右側の経路(流路)を流下して第1特定入賞口65aへと到達した球の動作について説明する。まず、図13(a)は、第1特定入賞口65aが閉鎖された状態において球が第1特定入賞口65aへと到達した場合の図である。
図13(a)に示した通り、第1特定入賞口65aが閉鎖された状態で球が第1特定入賞口65aへと到達した場合、球は第1特定入賞口65aへと入球することができないので、第1特定入賞口65aの手前側の空間へと落下する(図13(a)参照)。そして、第1特定入賞口65aの手前側へと落下した球は、第1特定入賞口65aの下方に設けられた流路を流下する。なお、この第1特定入賞口65aの下方の流路は、第2特定入賞口650aの方向へ傾斜しているため、球は第2特定入賞口650aの方向へと流下する。
一方、第1特定入賞口65aが開放された状態で球が第1特定入賞口65aへと到達した場合、図13(b)に示した通り、球が流下してきた流路の延長線上に第1特定入賞口65aの開口部分が位置する。よって、球は第1特定入賞口65aへと入球する。なお、図13(b)に示した通り、第1可変入賞装置65の内部には、球をパチンコ機10の外部へと排出するための球排出口65cが設けられている。この球排出口65cへと入球することにより、球の入賞が検出されて賞球の払い出しが行われると共に、第1特定入賞口65aから第1可変入賞装置65の内部へと入球した球を排出させることができる。なお、第1可変入賞装置65の底面部65bは、球排出口65cの方向へと傾斜しているため、第1特定入賞口65aへと入球した全ての球を球排出口65cへと入球させることができる。よって、全ての球を確実に排出させることができる。
次に、図14を参照して、右打ちにより遊技盤13の右側の経路(流路)を流下して第2特定入賞口650aへと到達した球の動作について説明する。まず、図14(a)は、第2特定入賞口650aが閉鎖された状態において球が第2特定入賞口650aへと到達した場合の図である。
図14(a)に示した通り、第2特定入賞口650aが閉鎖された状態で球が第2特定入賞口650aへと到達した場合、球は第2特定入賞口650aへと入球することができないので、第2特定入賞口650aの上部を流下し、第2可変入賞装置650の左側へと落下する(図14(a)参照)。そして、第2特定入賞口650aの左側へと落下した球は、第2特定入賞口650の左方に設けられているアウト口66(図2参照)へと流下する。
一方、第2特定入賞口650aが開放された状態で球が第2特定入賞口650aへと到達した場合、図14(b)に示した通り、球が流下してきた流路の延長線上に第2特定入賞口650aの開口部分が位置する。よって、球は第2特定入賞口650aへと入球する。なお、図14(b)に示した通り、第2可変入賞装置650の内部には、球をパチンコ機10の外部へと排出するための球排出口650cが設けられている。この球排出口650cへと入球することにより、球の入賞が検出されて賞球の払い出しが行われると共に、第2特定入賞口650aから第2可変入賞装置650の内部へと入球した球を排出させることができる。なお、第2可変入賞装置650の底面部650bは、球排出口650cの方向へと傾斜しているため、第2特定入賞口650aへと入球した全ての球を球排出口650cへと入球させることができる。よって、全ての球を確実に排出させることができる。
次に、図15を参照して、第2可変入賞装置650の球排出口650cの下流の構造について説明する。上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、特別遊技状態(大当たり状態)において、第2可変入賞装置650の内部に設けられている確変入球口654へと球が入球した場合に、その大当たりの終了後に特別図柄の確変状態へと移行するように構成されている。この確変入球口654は、球排出口650cの下流に設けられている2つの流路(誘導流路652、および誘導流路653)のうち、一方の流路(誘導流路652)に設けられている。また、2つの流路の上端には、球が流下する流路を設定するための流路切替弁650dが設けられている。この流路切替弁650dは、2つの流路のうち一方の流路を閉鎖して球が進行できない状態にすると共に、他方の流路を開放して球が進行可能な状態にするために設けられている。なお、流路切替弁650dは、流路用ソレノイド611(図17参照)を駆動することにより、切替軸650eを回転軸として回動させることができ、大当たりの12ラウンド目において、経過時間に応じて配置が切り替えられる。
図15(a)、および図15(b)は、流路切替弁650dの配置毎の球の動作を示した図である。まず、図15(a)は、流路切替弁650dが誘導流路652を閉鎖する配置となっている場合を示した図である。誘導流路652を閉鎖する配置の場合、球排出口650cへと入球した球は、流路切替弁650dに阻まれることにより、誘導流路652へと進行することができなくなる。よって、球は誘導流路653へと進行する(図15(a)参照)。誘導流路653の下流には、通常入球口655が設けられている。即ち、図15(a)に示した配置となっている間は、確変入球口654へと球を入球させることができない。なお、本実施形態では、流路用ソレノイド611をオフにすることにより、流路切替弁650dが図15(a)に示す配置となるように構成されている。
一方、図15(b)は、流路切替弁650dが誘導流路653を閉鎖する配置となっている場合を示した図である。この配置は、流路用ソレノイド611をオン(励磁)することにより実現することができる。誘導流路653を閉鎖する配置の場合、球排出口650cへと入球した球は、流路切替弁650dに阻まれることなく誘導流路652へと進行することができる。よって、球は誘導流路653へと進行し、その下流に設けられた確変入球口654へと入球する。
確変入球口654へと球が入球することにより、大当たりの終了時(エンディング演出の開始時)に特別図柄の確変状態へと移行するように設定される。また、第2特定入賞口650aが開放される12ラウンド目が終了すると、以降のラウンドにおいて大当たり終了後の遊技状態を遊技者に対して示唆するための示唆演出が実行される。即ち、12ラウンドにおいて確変入球口654へと球が入球していれば、13ラウンド〜15ラウンドにおいて、特別図柄の確変状態へと移行することを示唆する表示演出が第3図柄表示装置81において実行される。一方、12ラウンドにおいて確変入球口654へと球が入球していなければ、13ラウンド〜15ラウンドにおいて、普通図柄の時短状態へと移行することを示唆する表示演出が第3図柄表示装置81において実行される。このように、大2特定入賞口650aが開放されるラウンドを12ラウンド目とすることにより、大当たりの残りのラウンドにおいて大当たり終了後の遊技状態を示唆する示唆演出を実行する十分な期間を確保することができる。
なお、上述した通り、遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)において、第2可変入賞装置650が貯留装置600の入口よりも下流に設けられているので、貯留装置600へと球が流入しやすくなるほど、第2可変入賞装置650へと球が到達しにくくなる。球が第2可変入賞装置650へと到達しにくくなれば、大当たりBの12ラウンドにおいて確変入球口654へと球が入球しにくくなる。逆に、貯留装置600へと球が流入しにくくなるほど、第2可変入賞装置650へと球が到達しやすくなるので、大当たりBの12ラウンドにおいて確変入球口654へと球が入球しやすくなる。よって、貯留装置600への球の流入しやすさを調節することにより、確変入球口654への入球割合を変更することができる。ここで、貯留装置600への流入しやすさを調節する方法としては、例えば、貯留装置600の入口部分に設けられた釘(図11参照)を調節することが挙げられる。即ち、貯留装置600の入口部分に設けられた2つの釘を互いに近づける向きに調節するほど、これら2つの釘の間を球が通過しにくくなるので、貯留装置600へと球が流入しにくくなる。よって、大当たりBの12ラウンドにおいて確変入球口654へと球が入球しやすくなるので、特別図柄の確変状態へと移行させやすくできる。一方、貯留装置600の入口部分に設けられた2つの釘を互いに離す向きに調節するほど、これら2つの釘の間を球が通過し易くなるので、貯留装置600へと球が流入しやすくなる。よって、大当たりBの12ラウンドにおいて確変入球口654へと球が流入しやすくなるので、特別図柄の確変状態へと移行させ難くできる。従って、貯留装置600の入口部分に設けられた釘を調節することにより、パチンコ機10のスペック(特別図柄の確変状態の割合)を可変させることができるので、各ホールの営業方針に応じてパチンコ機10のスペックを変更させることができる。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、流路切替弁650dの動作は大当たりの種別によらず同一のパターンとなっている。一方、第2特定入賞口650aの開放パターンは、大当たりAと大当たりBとで異なっている。これにより、大当たりBの方が、大当たりAよりも特別遊技状態(大当たり状態)において確変入球口654へと球が入球しやすくなるように構成されている。なお、流路切替弁650dの切替パターンと、第2特定入賞口650aの開放パターンとの関係は、続く図16を参照して説明する。
図16(a)は、大当たりAの12ラウンド目において、第2特定入賞口(第2大開放口)650aと、流路切替弁650dとの計時変化を示した図である。図16(a)の上側のグラフが、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの計時変化(開放状態であるか、閉鎖状態であるか)を示しており、図16(a)の下側の図が流路切替弁650dの計時変化(球排出口650cの下流左側の誘導流路652が開放されているか、右側の誘導流路653が開放されているか)を示した図である。
図16(a)に示した通り、12ラウンド目が開始されると、所定時間(例えば、0.2秒間)だけ第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放され、その所定時間(例えば、0.2秒)が経過すると、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖される。そして、その閉鎖状態は、12ラウンド目の開始から7秒間が経過するまで保たれ、7秒間が経過することに基づいて開放状態に設定される。この開放状態は、12ラウンド目が終了するまで継続する。具体的には、第2特定入賞口(第2大開放口)650aへと球が10個入球するか、或いは、12ラウンド目の開始から30秒が経過するまでの間、開放状態に設定される。そして、12ラウンド目が終了すると、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖される。この閉鎖状態は、特別遊技状態(大当たり状態)が終了し、次に大当たりの12ラウンドとなるまで継続する。
また、大当たりAの12ラウンド目において、流路切替弁650dは、その右側に設けられた誘導流路653を閉鎖し、左側の誘導流路652を球が流下できるように設定される(図15(b)参照)。この状態は12ラウンド目が開始されてから6.5秒間継続し、6.5秒が経過することに基づいて、流路切替弁650dが逆向きに切り替わる。つまり、誘導流路652が流路切替弁650dによって閉鎖され、流路切替弁650dの右側に設けられた誘導流路653を球が流下できる状態に設定される(図15(a)参照)。なお、この切替動作は、0.5秒以下の期間で終了するので、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放される前に、流路を切り替えることができる。
そして、流路切替弁650dの向きが切り替わって以降は、その状態(誘導流路653を球が流下できる状態)に保たれる。この誘導流路653を球が流下できる状態は、次に大当たりとなり、11ラウンドが終了するまで継続する。そして、11ラウンドが終了し、3秒間のインターバル期間となることに基づいて、誘導流路652を球が流下できる状態に設定される(流路用ソレノイド611がオンされる)。つまり、遊技者が遊技を行っている大半の期間は、流路切替弁650dの右側に設けられた誘導流路653を球が通過可能な状態とされ、流路切替弁650dの左側に設けられた誘導流路652を球が通過可能な状態に設定されるのは、12ラウンドの開始前に設定されるインターバル期間(3秒間)から、12ラウンドの開始後6.5秒までの限られた期間(9.5秒間)のみである。よって、特別遊技状態の12ラウンド目以外において球を第2特定入賞口(第2大開放口)650aへと入球させる不正行為が行われたとしても、球が確変入球口654へと入球することを防止(抑制)することができるので、不正に特別図柄の確変状態を獲得されることを防止(抑制)することができる。
なお、流路切替弁650dを切り替えるタイミングは、これに限られるものではない。例えば、12ラウンドの開始時に誘導流路652が開放された状態に切り替えるように構成してもよいし、11ラウンドが終了した後に設定されるインターバル期間の途中で(例えば、インターバルが開始してから0.5秒経過時)切り替えるように構成してもよい。これにより、誘導流路652が開放される期間をより短く限ることができるので、第2特定入賞口650aが閉鎖されている間に不正に球を第2可変入賞装置650の内部へと入球させたとしても、その球が確変入球口654へと入球することを防止(抑制)することができる。即ち、不正行為を防止することができる。
このように、大当たりAの12ラウンド目において、流路切替弁650dの左側に設けられた誘導流路652が開放されている期間と、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放されている期間とがほとんど重複しない(12ラウンドが開始された直後の0.2秒間のみ重複する)ように、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの開放パターンが設定される。よって、大当たりAとなった場合の多くは、特別遊技状態中(大当たり中)に確変入球口654へと球が入球しないので、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態に設定されにくくなる。
なお、12ラウンドが開始された直後の0.2秒間に第2特定入賞口(第2大開放口)650aを開放するのは、12ラウンドの開始直後に大当たりAであることを分かり難くするためである。詳細については図16(b)を参照して後述するが、確変入球口654へと球を入球させやすい大当たりBにおいて、12ラウンドの開始直後から第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放される。よって、大当たりAと、大当たりBとで12ラウンドの開始直後の第2特定入賞口(第2大開放口)650aの動作を共通化することにより、今回の大当たりが大当たりBであることを期待させることができる。
次に、図16(b)を参照して、大当たりBの12ラウンド目における、第2特定入賞口(第2大開放口)650aと、流路切替弁650dとの計時変化について説明する。図16(b)の上側のグラフが、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの計時変化(開放状態であるか、閉鎖状態であるか)を示しており、図16(b)の下側の図が流路切替弁650dの計時変化(球排出口650cの下流左側の誘導流路652が開放されているか、右側の誘導流路653が開放されているか)を示した図である。
図16(b)に示した通り、12ラウンド目が開始されると、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放状態に設定される。そして、その開放状態は、12ラウンド目の開始から5秒間が経過するまで保たれ、5秒間が経過することに基づいて閉鎖状態に設定される。なお、5秒間が経過する前に、10個の球が第2特定入賞口(第2大開放口)650aへと入球した場合も、第2特定入賞口(第2大開放口)650aは閉鎖される。この閉鎖状態は、特別遊技状態(大当たり状態)が終了し、次に大当たりの12ラウンドとなるまで継続する。
また、上述した通り、大当たりBの12ラウンド目において流路切替弁650dは大当たりAと共通の動作を行うように設定される。即ち、11ラウンド目の終了時に設定されるインターバル期間の開始に基づいて、流路切替弁650dの右側に設けられた誘導流路653を閉鎖し、左側の誘導流路652を球が流下できるように設定される(図15(b)参照)。そして、12ラウンド目が開始されてから6.5秒間が経過すると、流路切替弁650dが逆向きに切り替わる。つまり、誘導流路652が流路切替弁650dによって閉鎖され、流路切替弁650dの右側に設けられた誘導流路653を球が流下できる状態に設定される(図15(a)参照)。そして、流路切替弁650dの向きが切り替わって以降は、その状態(誘導流路653を球が流下できる状態)に保たれる。
このように、大当たりBの12ラウンド目において、流路切替弁650dの左側に設けられた誘導流路652が開放されている期間と、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放されている期間とが最大で5秒間重複するように、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの開放パターンが設定される。よって、大当たりBとなった場合の多くは、特別遊技状態中(大当たり中)に確変入球口654へと球を入球させることができるので、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態に設定されやすくなる。
なお、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの開放パターンはこれに限られるものではなく、確変入球口654へと球が入球し易いパターンと、確変入球口654へと球が入球しにくいパターンとを設定することができれば任意に定めてもよい。また、流路切替弁650dの切換パターンも、本実施形態の形態に限られることなく、任意に定めることができる。例えば、12ラウンドの開始時に誘導流路653を球が流下可能となるように、流路切替弁650dを設定し(図15(a)参照)、12ラウンドの開始から所定時間(例えば、6.5秒)が経過した後で誘導流路652を球が流下可能となるように流路切替弁650dを設定する(図15(b)参照)ように構成してもよい。
また、第2特定入賞口(第2大開放口)650aを開放するラウンド数は、12ラウンド目に限られるものではなく、任意のラウンドに設定してもよい。更に、複数ラウンドにおいて第2特定入賞口650aを開放するように構成してもよく、例えば、1ラウンド目と15ラウンド目とで第2特定入賞口(第2大開放口)650aを開放するように設定してもよい。これにより、確変入球口654へと球を入球させる機会を増やすことができるので、大当たりBの終了後に、より特別図柄の確変状態となりやすくすることができる。よって、大当たりBに当選したにもかかわらず、第2特定入賞口(第2大開放口)650aへと球を入球させることができず、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまうことを防止(抑制)することができる。
図2に戻って説明を続ける。遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、第1アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640にも入賞しなかった球は、第1アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。第1アウト口71は、第1入球口64の下方に配設される。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。入賞口63,64,65a,601,602,650a、およびアウト口603a〜603cのいずれにも入球しなかった球は、アウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の後面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとしたりすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図17参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図17参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図17を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図17は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37、および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
まず、ROM202の内容について、図18を参照して説明する。図18(a)に示すように、主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、および変動パターン選択テーブル202dが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202a(図示せず)は、後述する第1当たり乱数カウンタC1の大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。詳細については、第1当たり乱数カウンタC1の説明と共に後述するが、始動入賞に基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aに規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
第1当たり種別選択テーブル202b(図18(b)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別、および特別図柄の抽選契機となった入球口の種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
具体的には、特別図柄1の抽選(第1入球口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲には、大当たりAが対応付けられて規定されている(図18(b)の202b1参照)。上述した通り、大当たりAとなった場合は、12ラウンド目において第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放される期間の大半が、流路切替弁650dの右側に設けられた誘導流路653が開放されている期間となるように構成されている(図16(a)参照)。よって、流路切替弁650dの左側に設けられた誘導流路652へと球を流下させることが困難となるので、誘導流路652の下流に設けられている確変入球口654へと球を入球させにくくなる。即ち、大当たりAとなった場合は、その大当たりの終了後に特別図柄の確変状態に移行しにくくなる。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜99」の範囲には、大当たりBが対応付けられて規定されている(図18(b)の202b2参照)。上述した通り、大当たりBとなった場合は、12ラウンド目において第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放される期間の全てが、流路切替弁650dの左側に設けられた誘導流路652が開放されている期間と重なるように構成されている(図16(b)参照)。よって、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放されている間に球を第2特定入賞口(第2大開放口)650aへと入球させるだけで、流路切替弁650dの左側に設けられた誘導流路652へと球を流下させることができる。そして、上述した通り、誘導流路652の下流には、確変入球口654が設けられている。よって、大当たりBとなった場合は、その大当たりの終了後に特別図柄の確変状態に移行しやすくなる。
一方、特別図柄2の抽選(第2入球口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜19」の範囲には、大当たりAが対応付けられて規定されている(図18(b)の202b3参照)。また、第1当たり種別カウンタC2の値が「20〜99」の範囲には、大当たりBが対応付けられて規定されている。即ち、特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合に比較して、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合に、大当たりBとなる判定値の個数が多くなっている。よって、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合の方が大当たりBとなりやすく構成されている。
上述した通り、特別図柄の確変中は、普通図柄の当たり確率がアップし、普通図柄の変動時間が短くなり(3秒)、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放時間が長くなる(1秒×2回)ように設定される。よって、第2入球口640へと球を入球させやすくなるので、特別図柄2の抽選が行われやすくなる。従って、一旦特別図柄の確変状態へと移行させることができれば、特別図柄の大当たりとなりやすく、且つ、大当たりとなった場合に大当たりBとなりやすい特別図柄の確変状態と、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態となりやすい大当たりBとが繰り返されやすくなるので、遊技者が多量の賞球を獲得し易くなる。これにより、遊技者に対して特別図柄の確変状態へと移行させることを強く期待させながら遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
第2当たり乱数テーブル202c(図18(c)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜28」が規定されている(図18(c)の202c1参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜204」が規定されている(図18(c)の202c2参照)。本実施形態のパチンコ機10では、普通入球口67を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。
変動パターン選択テーブル202d(図示なし)は、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタCS1の判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。なお、変動パターン選択テーブル202dの詳細については、変動種別カウンタCS1の説明と共に後述する。
図17に戻って説明を続ける。主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図19を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図25参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図34参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる第1入球口64への入賞に対応する特別図柄1保留球格納エリア203aと第2入球口640への入賞に対応する特別図柄2保留球格納エリア203bとがそれぞれ設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64または第2入球口640への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203cが設けられており、これらの各エリアには、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
図19を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜399)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜399の値を取り得るカウンタの場合は399)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜399の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜399の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図25参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図34参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64または第2入球口640に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202a(図示せず)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。
ここで、第1当たり乱数テーブル202aについて説明する。第1当たり乱数テーブル202aは、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選において、各遊技状態で当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。具体的には、特別図柄の確変状態である場合には、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選において、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0〜9」のいずれであるか判別されて、「0〜9」のいずれかであれば、大当たりであると判別される。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る値が「0〜399」の400個ある中で、大当たりとなる判定値が「0〜9」の10個なので、特別図柄の確変中に特別図柄の大当たりとなる確率は、1/40(10/400)となる。また、特別図柄の低確率状態である場合には、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「200」であるか判別されて、「200」であれば大当たりであると判別される。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る値が「0〜399」の400個ある中で、大当たりとなる判定値が「200」の1個のみなので、特別図柄の低確率状態おいてに特別図柄の大当たりとなる確率は、1/400となる。
なお、本実施形態では、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たりとなる乱数値を設定している。ここで、大当たりとなる乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その乱数値が外部より入力されて、不正に大当たりを引き当てられやすくなるおそれがある。これに対して、本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態か、特別図柄の低確率状態かに応じて)、大当たりとなる乱数値を変えることで、特別図柄の大当たりとなる乱数値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aに格納される。
ここで、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄1保留球格納エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、特別図柄1の抽選により大当たりとなり、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜49」のいずれかであった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、特別図柄1の抽選により大当たりとなり、乱数値が「50〜99」のいずれかであった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となる。更に、特別図柄2の抽選により大当たりとなり、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜19」のいずれかであった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、特別図柄2の抽選により大当たりとなり、乱数値が「20〜99」のいずれかであった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となる。
なお、本実施形態では、大当たりの種類は2種類としたが、それに限らず、1種類でもよいし、2種類以上設けるように構成してもよい。また、特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合と、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合とで、同じ第1当たり種別カウンタC2の値では、同じ大当たり種別が選択されるように構成してもよい。このように構成することで、第1当たり種別選択テーブル202bのデータ量を削減することができるので、ROM202の容量を削減することができる。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆる短時間はずれ、長時間はずれ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図34参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202dは、上述した通り、主制御装置110のROM202内に設けられている。
変動パターン選択テーブル202dには、例えば、外れ用の変動パターンとして、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種が規定され、大当たり用の変動パターンとして、「ノーマルリーチ」各種、「スーパーリーチ」各種が規定されている。そして、変動パターンテーブルに規定された各種変動パターンから、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて変動パターンが選定される。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202c(図18(c)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202cによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブル202cは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用(図18(c)の202c1参照)と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間、および特別図柄の確変状態である期間)用(図18(c)の202c2参照)との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態)と普通図柄の高確率時(普通図柄の時短状態)とで、当たりとなる確率が変更される。
図18(c)に示すように、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その範囲は「5〜28」となっている(図18(c)の202c1参照)。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が24なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が普通入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入球口640に付随する電動役物640aが「0.2秒間×1回」だけ開放される。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら電動役物640aが「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時(普通図柄の時短中、および特別図柄の確変中)に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに格納されている(図18(c)の202c2参照)。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球が普通入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入球口640に付随する電動役物640aが「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、電動役物640aの開放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第2入球口640に付随する電動役物640aが「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図25参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図34参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図17に戻り、説明を続ける。RAM203は、図19に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図34参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図33参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図32参照)が即座に実行される。
ここで、RAM203に記憶される各種のフラグおよびカウンタの詳細について、図20を参照して説明する。RAM203は、図20に示すように、特別図柄1保留球格納エリア203a、特別図柄2保留球格納エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203f、確変フラグ203g、確変設定フラグ203h、確変通過カウンタ203i、入賞個数カウンタ203j、動作カウンタ203k、残球タイマフラグ203m、残球タイマ203n、確変有効フラグ203o、確変有効タイマ203p、排出個数カウンタ203q、時短中カウンタ203r、その他メモリエリア203zを有している。
特別図柄1保留球格納エリア203aは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1入球口64に入賞したことに基づいて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄1保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
特別図柄2保留球格納エリア203bは、特別図柄1保留球格納エリア203aに対して、第2入球口640への入賞に対して取得されたカウンタ値がそれぞれ記憶される点で異なるのみであり、その他の構成については、同一であるので、詳細な説明については省略する。
普通図柄保留球格納エリア203cは、特別図柄1保留球格納エリア203aや、特別図柄2保留球格納エリア203bと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が普通入球口67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄1保留球格納エリア203aや、特別図柄2保留球格納エリア202bと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄1保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄1保留球数カウンタ203dは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる第1特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄1保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図28のS404参照)。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図26のS210参照)。
この特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄1における変動表示の保留回数N1)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図26のS211、図28のS405参照)。保留球数コマンドは、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
尚、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の保留球数図柄(保留図柄)を表示する。
特別図柄2保留球数カウンタ203eは、特別図柄1保留球数カウンタ203dに対して、第2入球口640に入賞して、保留された保留球の数が格納される点で相違する点で異なるのみなので、その詳細な説明については省略する。
普通図柄保留球数カウンタ203fは、普通入球口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、球が普通入球口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図31のS704参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図30のS605参照)。
球が普通入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203cに記憶される(図31のS705)。一方、球が普通入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203cには新たに何も記憶されない(図31のS703:No)。
確変フラグ203gは、現在の遊技状態が特別図柄の確変状態(特別図柄の確変中)であるか否かを示すフラグである。確変フラグ203gがオンに設定されていると、遊技状態が特別図柄の確変状態であることを示し、オフであると特別図柄の低確率状態であることを示している。本実施形態では、大当たり遊技終了時に後述する確変設定フラグ203hがオンに設定されている場合に、この確変フラグ203gがオンに設定される(図37のS1304参照)。また、確変フラグ203gは、特別図柄の抽選により大当たりとなり、その大当たりの開始が設定される場合にオフに設定される。なお、初期化された状態(即ち、RAM消去スイッチ122を押下した状態でパチンコ機10に対して電源が投入された状態)では、この確変フラグ203gがオフにリセットされ、通常の電源断が発生した場合には、電源の遮断が発生する直前の状態がバックアップされるように構成されている。
確変設定フラグ203hは、大当たりの終了後に遊技状態を特別図柄の確変状態に移行させるか否かを示すフラグである。本パチンコ機10では、遊技状態が確変遊技状態に設定されるか否かは、特別遊技状態(大当たり状態)中に確変入球口654へと遊技球が入球したか否かにより決定される。確変入球口654へと遊技球が入球すると、その入球が図示しない確変スイッチにより検出され、確変設定フラグ203hがオンに設定される(図38のS1412)。一方、この確変設定フラグ203hは、確変フラグ203gがオンに設定されることに基づいてオフに設定される(図37のS1305参照)。なお、この確変設定フラグ203hは、電源断時にはバックアップされ、復帰時(電源投入時)には電源断直前の状態に設定される。また、初期化された状態ではオフに設定される。
電源投入時に確変設定フラグ202hがオンに設定されている場合には、電源が遮断される前に確変スイッチを通過したか否か判別し、通過していると判別した場合に、確変設定フラグ203hを正式にオンに設定して復帰するように構成してもよい。この場合、電源が遮断される前に確変スイッチを通過していたか否かの判別は、後述する確変通過カウンタ203iが0より大きい値であるかにより判別できる。このように構成することで、電源断されている状態で、確変設定フラグ203hのみをオンに書き換えて電源を再投入されるような不正を判別して、遊技店側の被害を低減することができる。
確変通過カウンタ203iは、大当たり状態中の1のラウンド(本実施形態では、大当たりの12ラウンド目)で確変スイッチを通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。なお、この確変通過カウンタ203iと後述する排出個数カウンタ203qとの合計により第2可変入賞装置650の内部へと流入した遊技球が全て排出されたかを判別することができる。この確変通過カウンタ203iは、確変スイッチを通過した場合に1ずつ加算されて更新される(図38のS1411)。また、第2可変入賞装置650の内部へと流入した遊技球の数と、排出個数とが一致するか否かの処理を実行した後に、初期値である「0」にリセットされる(図39のS1511)。なお、この確変通過カウンタ203iの値は、電源断時にはバックアップされる。また、パチンコ機10が初期化された場合に、その値が0にリセットされる。
入賞個数カウンタ203jは、大当たり遊技における各ラウンドで、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口(第1大開放口)65a、および第2可変入賞装置650の第2特定入賞口(第2大開放口)650aに入球した球の数をカウントするためのカウンタである。具体的には、第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aにそれぞれ設けられた入賞センサ(図示せず)によって球の入球が検出されることに基づき、1ずつ加算されて更新される(図38のS1403)。一方、1つのラウンドが終了した場合に、第1特定入賞口(第1大開放口)65a、および第2特定入賞口(第2大開放口)650aに入賞した個数(入賞個数カウンタ203jの値)と排出された個数(排出個数カウンタ203qと確変通過カウンタ203iとの合計値)とが一致しているか判別された後に、初期値である「0」にリセットされる。なお、この入賞個数カウンタ203jの値は、電源断時にはバックアップされる。また、パチンコ機10が初期化されると0にリセットされる。
なお、上述した通り、1〜11ラウンド、および13〜15ラウンドでは、第1特定入賞口(第1大開放口)65aのみが開放されるので、上記各ラウンドにおいて、入賞個数カウンタ203jは、実質的に第1特定入賞口(第1大開放口)65aへと入球した球の個数をカウントすることになる。一方、12ラウンド目においては、第2特定入賞口(第2大開放口)650aのみが開放されるので、12ラウンド目において、入賞個数カウンタ203jは、実質的に第2特定入賞口(第2大開放口)650aへと入球した球の個数をカウントすることになる。
本実施形態では、第1特定入賞口(第1大開放口)65a、および第2特定入賞口(第2大開放口)650aのどちらかに球が入球したことを検出した場合に、入賞個数カウンタ203jの値に1を加算するように構成しているが、第1特定入賞口(第1大開放口)65aと、第2特定入賞口(第2大開放口)650aとでそれぞれ入球した球の数をカウントする別々のカウンタを設けてもよい。
動作カウンタ203kは、流路切替弁650dの左側に設けられた誘導流路652が開放状態(図15(b)参照)に設定されてからの経過時間を計時(カウント)するためのカウンタである。即ち、流路用ソレノイド611がオンに設定され、確変入球口654へと球が入球可能な状態に設定されてからの経過時間が、この動作カウンタ203kによって計時(カウント)される。本パチンコ機10では、大当たりの11ラウンドが終了することに基づいて、流路ソレノイド611をオン(励磁)することにより流路切替弁650dが切換軸650eを回転軸として時計回りに回動し、誘導流路652が開放される。
動作カウンタ203kには、流路用ソレノイド611をオン(励磁)する期間に対応するカウンタ値が、11ラウンド目の終了時に設定される。即ち、12ラウンド目の開始前の3秒間のインターバル期間と、12ラウンド目が開始されてから6.5秒間の計9.5秒間に対応するカウンタ値が設定される。一方、主制御装置110のMPU2011の実行する入賞処理(図38参照)のS1409の処理において1ずつ減算されて更新される。また、この動作カウンタ203kの値が0と判別されることに基づいて、流路ソレノイド611がオフに設定される。なお、この動作カウンタ203kは、電源が遮断されてもその値がバックアップされる。また、パチンコ機10が初期化されることにより、初期値である0にリセットされる。
残球タイマフラグ203mは、1のラウンドで第1特定入賞口(第1大開放口)65a、および第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖したことを示すフラグである。この残球タイマフラグ203mがオンに設定されていると、1のラウンドで第1特定入賞口(第1大開放口)65a、または第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放状態から閉鎖状態に設定されたことを示している。この残球タイマフラグ203mがオンに設定されることで、後述する残球タイマ203nが1ずつ加算されて更新される(図39のS1505参照)。残球タイマ203nは、第1特定入賞口(第1大開放口)65a、または第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖されてからの時間を判別するためのカウンタであり、第1可変入賞装置65、または第2可変入賞装置650内に流入した遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したか否かを判別するためのカウンタである。
残球タイマ203nは、予め設定されている1のラウンドが終了して第1特定入賞口(第1大開放口)65aが閉鎖した場合(1〜11ラウンド、13〜15ラウンド)、または第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖した場合(12ラウンド)に、第1可変入賞装置65、または第2可変入賞装置650の内部に流入した遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。本実施形態では、第1可変入賞装置81に入賞した遊技球が排出されるまでに必要な時間は2秒であるので、1秒のマージンを加えた3秒(2秒+1秒)に対応するカウンタ値が、残球タイマ203nの上限値として設定されている。この残球タイマ203nの値が更新され、その値が上限値(3秒)に達すると、第1可変入賞装置65(1〜11ラウンド、および13〜15ラウンド)、または第2可変入賞装置650(12ラウンド)への入賞個数とその排出個数とが一致しているかの判別が実行される(図39のS1507)。そして、入賞個数と排出個数とが一致しないと判別された場合には、エラーコマンドが設定されて、その旨が報知される。よって、第1可変入賞装置65、または第2可変入賞装置650の内部において球詰まりが発生していることを早期に知らせることができる。よって、大当たりの12ラウンドにおいて第2可変入賞装置650内に球を残存させておき、次の大当たりの12ラウンドの開始タイミングで衝撃等を与えて、確変入球口654へと球を入球させる不正行為を抑制できる。
なお、入賞個数と排出個数が一致しない場合には、専用のフラグをオンに設定しておき、そのフラグがオンである場合には確変入球口654へと球が入球しても確変設定フラグ203hをオンに設定しない構成にしてもよい。このように構成することで、不正に確変遊技状態が付与されることを抑制できる。
また、本実施形態では、第1特定入賞口(第1大開放口)65a、および第2特定入賞口(第2大開放口)650aのどちらかが開放状態から閉鎖状態に切り替えられたことを検出した場合に、残球タイマ203nによるカウンタ値の更新を開始していたが、これに限られるものではない。例えば、第1特定入賞口(第1大開放口)65aと、第2特定入賞口(第2大開放口)650aとでそれぞれ別々のカウンタを設けてもよい。
確変有効フラグ203oは、流路ソレノイド611がオフに設定された後に、遊技球が確変入球口654へと入球した場合に、その入球を有効とするか否かを判別するためのフラグである。この確変有効フラグ203oがオンに設定されている場合には、流路ソレノイド611がオンであることに基づいて、誘導流路652(図15(b)参照)へと流入した球が確変入球口654へと入球するのに必要な時間以下であることを示している。即ち、その確変入球口654への入球が正常な動作であることを示している。
確変有効タイマ203pは、上述した確変有効フラグ203oがオンに設定されてからの時間をカウントする為のカウンタである。この確変有効タイマ203pにより流路用ソレノイド611がオフとなった後に、確変入球口654へ正常に入球するのに必要な期間を判別することができる。本実施形態では、誘導流路652へと流入した球が確変入球口654へと入球するのに要する時間は1秒である。確変有効タイマ203pの上限値は0.2秒のマージンを加えた1.2秒に対応するカウンタ値に設定されている。この1.2秒が経過してから確変入球口654へと球が入球した場合は、何らかの不正行為が行われた可能性が高いので、確変設定フラグ203hが更新されないように制御される。
これにより、流路切替弁650dが誘導流路652を閉鎖した状態(球が確変入球口654へと誘導されない状態)で、確変入球口654へと球を入球させたり、確変入球口654の下流より、ピアノ線等で遊技球を押し上げて確変入球口654を通過させたり、電波等により確変入球口654へと球が入球したと誤検出させたりする不正による被害を抑制できる。
排出個数カウンタ203qは、1のラウンドで第1可変入賞装置65、または第2可変入賞装置650から排出された球の個数をカウントするためのカウンタである。なお、第1可変入賞装置65、および第2可変入賞装置650には、それぞれ球の排出を検出するための図示しない球排出口スイッチが設けられている。排出個数カウンタ203qは、球排出口スイッチにより球の排出が検出される毎に、その値に1が加算される(図39のS1503参照)。一方、第1可変入賞装置65、または第2可変入賞装置650へと入球した球の数と、排出個数とが一致するか否か判別された後で、排出個数カウンタ203qの値が初期値である0にリセットされる(図39のS1511)。
時短中カウンタ203rは、普通図柄の時短状態において、残りの時短期間(特別図柄の変動回数)をカウントするためのカウンタである。この時短中カウンタ203rは、大当たりの終了時に確変設定フラグがオフである場合に、100が設定される(図37のS1307参照)。即ち、本実施形態では、大当たり遊技後に確変遊技状態に設定されない場合には、100回の普通図柄の時短状態が付与される。
その他メモリエリア203zは、遊技に必要なその他のデータや、カウンタ、フラグ等が設定(記憶)される。
図17に戻って説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図32参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のROM222には、変動パターン選択テーブル222a、その他、遊技の制御に必要な各種データやプログラム等が記憶されている。
変動パターン選択テーブル222aは、図示しない変動パターン選択用のカウンタ値に各変動パターンの種別(完全外れ、リーチ外れ、リーチ各種等)の変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した選択用のカウンタ値に基づいて、詳細な変動パターンを選択する。これにより、変動時間や変動パターンの種別等の大まかな情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様等が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
また、音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄1保留球数カウンタ223bと、特別図柄2保留球数カウンタ223cと、変動開始フラグ223dと、停止種別選択フラグ223eと、確変状態フラグ223fと、時短状態カウンタ223gと、大当たり中フラグ223hと、許容時間カウンタ223iとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。この入賞情報格納エリア223aに格納される情報により、保留球の抽選結果等が変動開始前に音声ランプ制御装置113により判別できる。
特別図柄1保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。即ち、第1特別図柄に対応する保留球の数が、主制御装置110より出力される保留球数コマンドに基づいて設定される。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄1保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球(始動入賞)によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を取得して、特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する(図43のS1908参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄1保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄1保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
特別図柄2保留球数カウンタ223cは、特別図柄1保留球数カウンタ223bに対して、第2特別図柄に対応する保留球の数が主制御装置110から出力される保留球数コマンドに基づいて記憶される点で異なるのみであるので、その詳細な説明については省略する。
変動開始フラグ223dは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図43のS1902参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図43のS1902参照)。変動開始フラグ223dがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図42参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223eは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図43のS1905参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図47のS2007参照)。停止種別選択フラグ223eがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別がそのまま設定される。
確変状態フラグ223fは、パチンコ機10の遊技状態が特別図柄の確変状態であるか否かを示すフラグである。この確変状態フラグ223fがオンであれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、オフであれば特別図柄の低確率状態であることを示す。この確変状態フラグ223fは、主制御装置110より出力される状態コマンドの通知内容に合わせて更新される(図41のS1711、図43のS1910参照)。この確変状態フラグ223fの状態に応じて現在が特別図柄の確変状態であるか否かを判別し、対応する演出を設定する。より具体的には、特別図柄の確変状態において表示される右打ちナビ画像(図5(a)参照)を表示させるか否かを判別したり、右打ち警告画像(図5(b)参照)を表示させるか否かを判別したりする。
時短状態カウンタ223gは、パチンコ機10の遊技状態が普通図柄の時短状態であるか否かを示すフラグである。この時短状態カウンタ223gがオンであれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、オフであれば普通図柄の通常状態(低確率状態)であることを示す。この時短状態カウンタ223gは、主制御装置110より出力される状態コマンドの通知内容に合わせて更新される(図41のS1711、図43のS1910参照)。この時短状態カウンタ223gの状態に応じて現在が普通図柄の時短状態であるか否かを判別し、対応する演出を設定する。より具体的には、普通図柄の時短状態において表示される右打ちナビ画像(図5(a)参照)を表示させるか否かを判別したり、右打ち警告画像(図5(b)参照)を表示させるか否かを判別したりする。
大当たり中フラグ223hは、パチンコ機10の遊技状態が特別遊技状態(大当たり状態)であるか否かを示すフラグである。この大当たり中フラグ223hがオンであれば、パチンコ機10が特別遊技状態(大当たり状態)であることを示し、オフであれば特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態(特別図柄の確変状態、普通図柄の時短状態、又は通常状態のいずれか)であることを示す。この大当たり中フラグ223hは、主制御装置110からオープニングコマンドを受信した場合にオンに設定される(図43のS1914参照)。即ち、特別遊技状態(大当たり状態)が開始される場合にオンに設定される。一方、大当たり中フラグ223hは、主制御装置110からエンディングコマンドを受信した場合にオフに設定される(図43のS1917参照)。つまり、特別遊技状態(大当たり状態)が終了する場合にオフに設定される。この大当たり中フラグ223hの状態に応じて、対応する演出が設定される。より具体的には、特別遊技状態(大当たり状態)において表示される右打ちナビ画像(図6(a)参照)を表示させるか否かを判別したり、左打ち警告画像(図7(a)参照)を表示させるか否かを判別したりする。
許容時間カウンタ223iは、貯留弁607aの状態を切り替える直前に誘導流路606、または誘導流路607へと流入した球がいずれかの入球口(一般入賞口601、または一般入賞口602)へと入球するまでの時間(球はけ時間)をカウントするためのカウンタである。球はけ期間をカウントしておくことで、一般入賞口601や、一般入賞口602へと球が入球した場合に、その入球が正常な動作であるか否かをより正確に判別することができる。この許容時間カウンタ233iは、オープニングコマンド、またはエンディングコマンドを受信する度に1秒に対応するカウンタ値が設定される(図43のS1914,S1917参照)。また、メイン処理(図42参照)の中の1処理である変動表示設定処理(図47参照)が実行される度に1ずつ減算される(図47のS2015参照)。
上述した通り、貯留弁607aが閉鎖された状態で、貯留弁607aの下流に設けられた一般入賞口602へと球が入球したり、貯留弁607aが開放された状態で一般入賞口601へと球が入球した場合には、警告画像(図7(b)参照)が表示されるように構成されている。しかし、貯留弁607aが開放状態から閉鎖状態へと切り替わる直前に誘導流路607へと球が流入した場合は、貯留弁607aが閉鎖状態へと切り替わってから球が一般入賞口602へと入球する場合がある。同様に、貯留弁607aが閉鎖状態から開放状態へと切り替わる直前に誘導流路606へと球が流入した場合は、貯留弁607aが開放状態へと切り替わってから球が一般入賞口601へと入球する場合がある。これらを正常な入球であると扱う(警告画像を表示させない)ために、本実施形態では、貯留弁607aの状態を切り替えた場合に、許容時間カウンタ233iに対して所定期間(1秒)に対応するカウンタ値を設定する。そして、カウンタ値として設定した1秒間が経過するまでは、球が一般入賞口601、または一般入賞口602へと入球した場合に、正常な動作であると判別する(警告画像を表示しない)ように構成されている。
入賞回数カウンタ223jは、大当たりにおいて一般入賞口(大価値入賞口)602へと球が入球した回数を計数するためのカウンタである。この入賞回数カウンタ223jは、大当たりの開始時にその値が0にリセットされ、大当たりにおいて一般入賞口(大価値入賞口)602への入球に対応する入賞情報コマンドを受信する度にその値が1ずつ加算される(図45のS1944参照)。上述した通り、本実施形態では、特別遊技状態(大当たり状態)において一般入賞口(大価値入賞口)602へと球が入球した回数を第3図柄表示装置81に対して表示させるように構成している(図6(a)参照)。入賞回数カウンタ223jは、この第3図柄表示装置81に対して表示される入球回数を正確に更新するために参照される。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図43参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や予告演出を制御するものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図32参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図21を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図21は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図49のS2201参照)の終了後に実行される初期化処理(図49のS2202参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図24参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図50(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64、および第2入球口640への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図48のS2103,S2104参照)。
ここで、電源投入時変動画像について説明する。表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は「○」図柄を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は「×」図柄を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入口球64、または第2入球口640への入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、電源投入時変動画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入口球64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図21に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。背面画像とは、主図柄(第3図柄)の背面側に表示される画像であり、例えば、街や海、空等が表示される。また、右打ちナビ画像(図5(a)参照)等も背面画像として背面画像エリア235cに格納されている。
第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄(図4参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、オープニングデータ転送フラグ223i、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233jを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aが開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態(大当たり状態)の終了を遊技者に報知することを遊技者に報知するための演出である。
デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図22を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図22は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Cのいずれかを表示させるか、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図22の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図24参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図23を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図23は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図23のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図23のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図23の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図24参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図23の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図48参照)の中でオンに設定される(図48のS2105参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図59(b)のS3705参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図50(b)のS2401参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図50(b)のS2408参照)および簡易表示設定処理(図50(b)のS2409参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図51〜図55参照)および表示設定処理(図56〜図58参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図59(a)のS3601参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図59(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図60参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図24参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図24参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図24参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図50(b)のS2403参照)の中で、ポインタ更新処理(図58のS3305参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図24参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図24を参照して、描画リストの詳細について説明する。図24は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図24に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図50(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図56のS3307参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図48のS2102参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図60参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図60のS3813参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図60のS3814参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図61のS3902参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図50(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図61のS3902参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図25から図39のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図25は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、399,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行する(S104)。その後、第1入球口64、または第2入球口640への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。なお、特別図柄変動処理、始動入賞処理の詳細は、図26〜図28を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通入球口(スルーゲート)67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。なお、普通図柄変動処理、および、スルーゲート通過処理の詳細は、それぞれ図30、および図31を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための発射停止スイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図26を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図26は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図25参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37、および第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を取得する(S203)。次に、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0よりも大きいか否かを判別する(S204)。
特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンド(特図2保留球数コマンド)を設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図34参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223cにそれぞれ格納する。
S206の処理により特図2保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄2保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄2保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S213)。なお、特別図柄変動開始処理については、図27を参照して後述する。
一方、S204の処理において、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0であると判別された場合には(S204:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)の値を取得し(S208)、取得した特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいかを判別する(S209)。S209の処理により、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別された場合は(S209:No)、本処理を終了する。
一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0でないと判別された場合は(S209:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算し(S210)、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S211)。S211の処理により特図1保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄1保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトし(S212)、処理をS213へと移行する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S214)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S214:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S214の処理において、変動時間が経過したと判別された場合は(S214:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S215)。停止図柄の設定は、図27を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S213)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAとなるか、大当たりBとなるかが決定される。
なお、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させる。また、大当たりBである場合には、赤色のLEDを点灯させ、外れである場合には緑色のLEDを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S215の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S216)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S216:Yes)、大当たり種別に基づいて、特定入賞口の開放シナリオを設定し(S217)、その後、大当たりの開始を設定する(S218)。なお、開放シナリオとは、具体的には、第1特定入賞口(第1大開放口)65a、および第2特定入賞口(第2大開放口)650aの開放パターンの設定を示す。つまり、1〜11ラウンド、および13〜15ラウンドにおいて、所定期間(30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)第1特定入賞口(第1第開放口)65aが開放されるように設定し、12ラウンドにおいて、大当たり種別に応じたパターン(図16参照)で第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放されるように設定することを示す。S218の処理が終了すると、大当たり種別に対応した報知カウンタを設定して(S219)、本処理を終了する。
一方、S216の処理において、今回の抽選結果が外れであれば(S216:No)、時短中カウンタ203rの値が1以上であるか判別し(S220)、値が1以上でない(即ち、0である)と判別された場合には(S220:No)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203rが1以上であると判別された場合には(S220:Yes)、時短中カウンタ203rの値を1減算し(S221)、本処理を終了する。
次に、図27を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S213)について説明する。図27は、特別図柄変動開始処理(S213)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S213)は、タイマ割込処理(図25参照)の特別図柄変動処理(図26参照)の中で実行される処理であり、特別図柄1保留球格納エリア203aと特別図柄2保留球格納エリア203bとの共通の実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37、および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、特別図柄1保留球格納エリア203aと特別図柄2保留球格納エリア203bとの共通の実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び、停止種別カウンタCN1の各値を取得する(S301)。
次に、RAM203の確変フラグ203gがオンであるかを判別し(S302)、オンであれば(S302:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を第1当たり乱数テーブル202aより取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、第1当たり乱数テーブル202aに規定された10の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜9」の10個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
なお、本実施形態では、特別図柄1の抽選と、特別図柄2の抽選とで、大当たりとなる判定値を共通にしているが、特別図柄1の抽選か、特別図柄2の抽選かに応じて異なる乱数値としてもよい。このように構成することで、第1特別図柄では外れと判定される乱数値が第2特別図柄では、当たりと判定されるように構成され、大当たりの偏りを抑制できる。
また、本実施形態では、特別図柄1の抽選と、特別図柄2の抽選とで、大当たりとなる判定値を同じ個数に設定しているが、特別図柄1の抽選と、特別図柄2の抽選とで大当たりとなる判定値の個数を異ならせてもよい。このように、構成することで、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たりの確率を異ならせることができ、大当たり確率の高い方の特別図柄で抽選が実行される場合には、遊技者により大当たりへの期待を持たせることができる。
一方、S302の処理において、確変フラグ203gがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S302:No)、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(低確率遊技状態)であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている1の乱数値と比較する。特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「200」の1個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、この当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
そして、S303、またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、大当たりを示す大当たり時の表示態様を設定する(S306)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bに格納されている乱数値とを比較し、2種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する。
このS306の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA、大当たりB)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S308)。S308の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、上述した通り、変動種別カウンタCS1の値と、変動時間との関係は、変動パターン選択テーブル20dに規定されている。
この変動パターン選択テーブル202dに規定されている変動パターンとしては、例えば、外れ用の変動パターンとして、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定されている。また、大当たりA・大当たりB共用の変動パターンとして、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定され、大当たりB用の変動パターンとして、「スペシャルリーチ」各種が規定され、当たり・外れ共用の変動パターンとして、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定されている。
一方、S305の処理において、特別図柄の外れであると判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。
ここでは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であれば、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「90〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。一方、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S307の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
S307の処理またはS309の処理が終わると、次に、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、S306、またはS308の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S311)。これらの変動パターンコマンド、および停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図34参照)のS1001の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S312の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図28のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)について説明する。図28は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図25参照)の中で実行され、第1入球口64、または第2入球口640への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタを取得し、その値の保留処理を実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S402)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満でなければ(S403:No)、S407の処理へ移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図34参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103の処理において更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S406)。なお、S406の処理では、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次いで、S407〜S412の各処理では、S401〜S406の各処理と同様の処理が第2入球口640の入賞に対して実行される。S407〜S412の各処理では、第2入球口640の入賞に対応する保留球を保留する処理が実行される点が異なっているのみであり、その他の処理についてはS401〜S406の各処理と同一であるので、その詳細な説明は省略する。また、S407〜S412の各処理が終了すると、先読み処理を実行し(S413)、本処理を終了する。
次に、図29を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される先読み処理(S413)について説明する。図29は、この先読み処理(S413)を示すフローチャートである。この先読み処理(S413)は、始動入賞処理(図28参照)の中で実行される。
この先読み処理では、まず、第1入球口64または第2入球口640に新たな入賞があるかどうか判定し(S501)、第1入球口64、および第2入球口640のいずれにも新たな入賞がない場合は(S501:No)、そのまま本処理を終了する。一方、第1入球口64、または第2入球口640に新たな入賞があると判別した場合(S501:Yes)、変動開始時の遊技状態が特別図柄の確変状態であるか否かを判定し(S502)、特別図柄の確変状態であれば(S502:Yes)、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに基づいて抽選結果を取得し(S503)、処理をS505へと移行する。
S502の処理において、遊技状態が特別図柄の確変状態でないと判別した場合は(S502:No)、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに基づいて抽選結果を取得し(S504)、処理をS505へと移行する。S505の処理では、大当たりの判定結果である第1当たり種別カウンタC2と停止種別選択カウンタC3の各値を特別図柄保留球格納エリアに格納する(S505)。次に、大当たり判定結果を含む入賞情報コマンドを設定し(S506)、この処理を終了する。
次に、図30を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図30は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図25参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第2入球口640に付随する電動役物の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S601)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S601:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S601:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S602)、第2図柄表示装置の表示態様が変動中でなければ(S602:No)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S603)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S604)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であれば(S604:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0でなければ(S604:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S605)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S606)。S606の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S607)。
次に、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを判定し(S608)、普通図柄の時短状態であると判定した場合は(S608:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S609)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37、および第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S609:Yes)、S611の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりにくくなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)に、球がより第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aへと入球し易くするためである。即ち、普通図柄の当たりとなりやすくしてしまうと、右打ちした球が第2入球口640へと入球し易くなってしまうため、第1特定入賞口65aや、第2特定入賞口650aへと球が到達しにくくなってしまう。よって、特別遊技状態中(大当たり状態中)は、普通図柄の当たり確率がアップしないようにし、第1特定入賞口65aや第2特定入賞口650aへと球が到達しやすくなるように構成している。
S609の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S609:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202cと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S610)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図18(c)の202c2参照)。
S608の処理において、パチンコ機10が普通図柄の時短状態である場合は(S608:No)、S611の処理へと移行する。S611の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、または、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S611)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図18(c)の202c1参照)。
次に、S610またはS611の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S612)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S612:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S613)。このS613の処理では、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるかを判定し(S614)、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であれば(S614:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S615)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S615:Yes)、S617の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第2入球口640に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合に、普通図柄の低確率状態と同様に、電動役物640aの開放回数および開放時間が設定される。
S615の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S615:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S616)、S619の処理へ移行する。S614の処理において、パチンコ機10が普通図柄の時短状態でない場合は(S614:No)、S617の処理へ移行する。S617の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S617)、S619の処理へ移行する。
S612の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S612:No)、外れ時の表示態様を設定する(S618)。このS618の処理では、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S619の処理へ移行する。
S619の処理では、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるかを判定し(S619)、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であれば(S619:Yes)、第2図柄表示装置における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S620)、本処理を終了する。一方、パチンコ機10が普通図柄の時短状態でない場合は(S619:No)、第2図柄表示装置における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S621)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第2入球口640の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。
S602の処理において、第2図柄表示装置の表示態様が変動中であれば(S602:Yes)、第2図柄表示装置において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S622)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置において変動表示が開始される前に、S620の処理またはS621の処理によって予め設定された時間である。
S622の処理において、変動時間が経過していなければ(S622:No)、本処理を終了する。一方、S622の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S622:Yes)、第2図柄表示装置の停止表示を設定する(S623)。S623の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S613の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S618の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S623の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図34参照)の第2図柄表示更新処理(S1007参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置における変動表示が終了し、S613の処理またはS618の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S624)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S624:Yes)、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御開始を設定し(S625)、本処理を終了する。S625の処理によって、電動役物640aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図34参照)の電動役物開閉処理(S1005参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S616の処理またはS617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S624の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S624:No)、S625の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図31のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図31は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図25参照)の中で実行され、普通入球口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したか否かを判定する(S701)。ここでは、普通入球口(スルーゲート)67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したと判定されると(S701:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S702)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S703)。
球が普通入球口(スルーゲート)67を通過していないか(S701:No)、或いは、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満でなければ(S703:No)、本処理を終了する。一方、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過し(S701:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満であれば(S703:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1加算する(S704)。そして、上述したタイマ割込処理のS103の処理において更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S705)、本処理を終了する。なお、S705の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、図32のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理について説明する。このNMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S801)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始する。
次に、図33を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図33は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。この初期設定処理では、例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S904)、オンされていれば(S904:Yes)、処理をS912へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S904:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S905)、記憶されていなければ(S905:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS912へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S905:Yes)、RAM判定値を算出し(S906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S907:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS912へ移行する。なお、図34のS1014の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S912の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S910)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S911,S911)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S911,S912)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S911,S912)を実行する。RAMの初期化処理(S911,S912)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S911)、その後、RAM203の初期値を設定する(S912)。RAM203の初期化処理の実行後は、貯留弁607aの閉鎖を設定し(S913)、処理をS914へと移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S904:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S905:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S907:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S908)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S909)、S914の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S914の処理では、音声ランプ制御装置113に対して、電源復帰時の遊技状態を通知するためのコマンド(状態コマンド)を出力する(S914)。この状態コマンドは、特別図柄の確変状態であるか否かや、普通図柄の時短状態であるか否か、普通図柄の時短回数等を通知するためのコマンドである。時短中カウンタ203rの値や、確変フラグ203gの状態に応じて状態コマンドが生成され、音声ランプ制御装置113に対して出力される。この状態コマンドを出力することにより、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで遊技状態の認識を一致させることができる。よって、特別図柄の低確率状態であるにもかかわらず、右打ちナビ(図5(a)参照)が表示されてしまったり、逆に、特別図柄の確変状態であるにも関わらず、遊技者が右打ちを行った場合に右打ち警告画像(図5(b)参照)が表示されてしまったりすることを防止(抑制)することができる。即ち、遊技状態と実行される演出とを合致させることができる。
S914の処理が終了すると、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する(S915)。次いで、割込みを許可して(S916)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図34を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図34は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1001〜S1008の各処理が実行され、その残余時間でS1011,S1012のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図25参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1001)。具体的には、タイマ割込処理(図25参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図26参照)や始動入賞処理(図28参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図35参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1002)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1003)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口(第1大開放口)65a、および第2可変入賞装置650の第2特定入賞口(第2大開放口)650aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1004)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に、特別図柄変動処理(図26参照)のS217の処理により設定された開放シナリオに従って、第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aの開放、および閉鎖を設定する。なお、本実施形態では、大当たり制御処理(S1004)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1005)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図30参照)のS625の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。なお、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS616の処理またはS617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1006)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図27参照)のS307の処理またはS309の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図27参照)のS307,S309の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図27参照)のS306,S308の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1007)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図30参照)のS620の処理またはS621の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図30参照)のS623の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図30参照)のS613の処理またはS618の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
次いで、保存されている入賞検知情報に基づいて、音声ランプ制御装置113に対して入賞情報を通知するための入賞情報コマンド設定処理を実行する(S1008)。この入賞情報コマンド設定処理(S1008)により設定される入賞情報コマンドに基づいて、音声ランプ制御装置113により貯留弁607aにおける不具合の有無等が判別される。また、遊技者が変則的な遊技(大当たり状態中に左打ちを行う、特別図柄の確変状態において左打ちを行う等)を行っているか否かについても判別される。
S1008の処理が終了すると、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1009)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1009:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1010)、既に所定時間が経過していれば(S1010:Yes)、処理をS1001へ移行し、上述したS1001以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1010:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1011,S1012)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1011)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1002の処理と同一の方法によって実行する(S1012)。
ここで、S1001〜S1008の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1009の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1009:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図32のNMI割込処理が実行されたということなので、S1013以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1013)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1014)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1015)、RAM203のアクセスを禁止して(S1016)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1009の処理は、S1001〜S1008で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1011とS1012の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S901)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図35のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1004)を説明する。図35は、この大当たり制御処理(S1004)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1004)は、メイン処理(図34参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、第1特定入賞口(第1大開放口)65a、および第2特定入賞口(第2大開放口)650aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1101)。具体的には、特別図柄変動処理(図26参照)のS218またはS220の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1101の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1101:Yes)、オープニングコマンドを設定する(S1102)。
ここで設定されたオープニングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図34参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、オープニングコマンドを受信すると、表示用オープニングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用オープニングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が開始される。
S1102の処理が終了すると、次に、貯留装置600の貯留弁607aを開放するように設定し(S1103)、本処理を終了する。上述した通り、貯留弁607aを開放することにより、貯留装置600へと入球した球が誘導流路607を流下できるようになるので、払い出される賞球数の多い(15個)一般入球口602へと球を入球させることができるようになる(図9(b)参照)。
上述した通り、本実施形態のパチンコ機10は、遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)に貯留装置600と、第1可変入賞装置65と、第2可変入賞装置650とが設けられているので、特別遊技状態中に、賞球を獲得するために第1特定入賞口(第1大開放口)65a、または第2特定入賞口(第2大開放口)650aを狙って打ち出した球の一部が貯留装置600へと入球する。即ち、特別遊技状態(大当たり状態)においては、第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aへと球が入球することに基づく賞球に加え、貯留装置600に設けられた一般入賞口(大価値入賞口)602への入球に基づく賞球を遊技者に獲得させることができる。よって、大当たりが開始してから終了するまでに獲得できる賞球数をより多くすることができるので、遊技者に対して、大当たりとなることをより楽しみに遊技を行わせることができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態、または普通図柄の時短状態が付与される。上述した通り、これらの状態においては、第2入球口640へと球が入球しやすい状態となるため、遊技者は右打ちにより第2入球口640へと球を入球させようとする(特別図柄2の抽選を受けようとする)。これにより、多くの場合、次の大当たりが開始されるまでに貯留装置600へと球を流入させることができる。そして、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態においては、貯留弁607aが閉鎖状態に設定されるので、次に大当たりとなるまでに、貯留弁607aの上部に球が貯留された状態となる。よって、次に大当たりとなり、貯留弁607aが開放されると、貯留された球が一般入賞口(大価値入賞口)602へと流下する。即ち、大当たりが開始された直後に、多量(15個)の賞球を遊技者が獲得することができる。従って、大当たりに当選したが、持ち球も尽きてしまったというような状況において、球の貸し出しを新たに要求することなく、大当たり遊技を行うための持ち球を確保することができる。
S1101の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1101:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1104)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37、および第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1104の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1104:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1104の処理により、特別図柄の大当たり中であると判別した場合は(S1104:Yes)、次に、新たなラウンドの開始タイミングであるか否か判別する(S1105)。そして、新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合は(S1105:Yes)、第1特定入賞口65a、第2特定入賞口650a、流路切替弁650d等の動作を設定するための大当たり動作設定処理を実行し(S1105)、本処理を終了する。
ここで、大当たり動作設定処理(S1105)について、図36のフローチャートを参照して説明する。大当たり動作設定処理では、まず、新たに開始されるのが大当たりの12ラウンド目であるか否かを判別し(S1201)、12ラウンド目でない(即ち、1〜11ラウンド、および13〜15ラウンドのいずれかである)と判別した場合は(S1201:No)、次いで、第1特定入賞口(第1大開放口)65aの開放を設定し(S1202)、処理をS1206へと移行する。
一方、S1201の処理において、12ラウンド目であると判別した場合は(S1201:Yes)、大当たり種別に応じた第2特定入賞口(第2大開放口)650aの開放動作を読み込む(S1203)。これにより、大当たりAの場合は、図16(a)に示す開放動作が実行され、大当たりBの場合は、図16(b)に示す開放動作が実行されるように制御される。次いで、流路用ソレノイド611の開放動作を設定する(S1202)。即ち、12ラウンドが開始されてから6.5秒後に誘導流路652が閉鎖されるように設定する。次いで、S1203の処理により読み込んだ第2特定入賞口(第2大開放口)650aの開放動作を設定して(S1205)、処理をS1206へと移行する。
S1202、またはS1205の処理が終了した後で実行されるS1206の処理では、新たに開始するラウンドを示すラウンド数コマンドを設定して(S1206)、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図34参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
このように、各ラウンドの開始毎に、第1可変入賞装置65の各動作が設定されるので、予期せぬ電源断が大当たり遊技中に発生しても、大当たり遊技が途中で終了してしまうような不具合を抑制できる。
図35に戻って説明を続ける。S1105の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでないと判別した場合には(S1105:No)、第2特定入賞口(第2大開放口)650a、および流路用ソレノイド611の動作タイミングであるか判別する(S1107)。S1107の処理において動作タイミングであると判別した場合には(S1107:Yes)、対応するソレノイドをオンに設定する(S1108)。
一方、S1107の処理において、開放動作のタイミングでないと判別した場合には(S1107:No)、エンディング演出の開始タイミングであるか判別する(S1108)。具体的には、大当たりの最終ラウンドである15ラウンドが終了することに基づいて第1特定入賞口(第1大開放口)65aが閉鎖され、第1特定入賞口(第1大開放口)65aの内部へ流入した球を排出するための待機時間(本実施形態では、3秒)が経過した場合に、エンディング演出の開始タイミングと判別される。S1108の処理によりエンディング演出の開始タイミングであると判別した場合には(S1108:Yes)、エンディング処理を実行し(S1109)、本処理を終了する。
ここで、図37を参照して、このエンディング処理(S1110)の詳細について説明する。図37は、このエンディング処理(S1110)の内容を示したフローチャートである。エンディング処理(S1110)では、まず、エンディングの開始を示すエンディングコマンドを設定する(S1301)。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図34参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、RAM223の入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報に基づいて、エンディング演出の表示態様を選択する。そして、選択したエンディング演出の表示態様に応じた表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
S1301の処理が終了すると、次いで、大当たりの開始時に開放状態に設定された貯留弁607aを閉鎖状態に設定する(S1302)。上述した通り、この貯留弁607aの閉鎖状態は、次に大当たりとなるまで継続する。これにより、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態においては、貯留装置600へと球を流入させたとしても、貯留弁607aに阻まれることにより、一般入賞口(大価値入賞口)602へと球を流下させることができなくなる。つまり、賞球数が少ない一般入賞口(小価値入賞口)601へと球が入球するようになるので、貯留装置600へと球を入球させるメリットを少なくすることができる。よって、特別遊技状態以外の状態(通常遊技状態)でも、常に貯留装置600を狙うことにより、一般入賞口(大価値入賞口)602の払い出しのみによって出球を増やす変則的な遊技方法を根本的に成り立たなくし、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態において、特別図柄の抽選を行わせることにより大当たりとなることを期待して遊技を行わせることができる。
なお、上述した通り、貯留装置600へは、右打ちした球のおよそ3球に1球が入球するように構成されている。そして、一般入賞口(小価値入賞口)601へと入球した場合に払い出される賞球数は3球である。つまり、通常状態において右打ちを実行したとしても、特別図柄の抽選が行われにくい上に、一般入賞口(小価値入賞口)601への入球に基づく払い出しによって球を増加させることもできない。これにより、通常状態において右打ちするメリットをなくし、遊技者に対して特別図柄の抽選により大当たりとなることを目指して遊技を行わせることができる。
また、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態において、右打ちを行った球の一部が一般入賞口(小価値入賞口)601へと入球するので、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態において(つまり、遊技盤13の右側の経路に設けられた第2入球口640に付随する電動役物640aが開放されやすい状態において)、右打ちを行うことにより球持ちをよりアップさせることができる。よって、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態となり、遊技者にとって有利な状態へと移行したにもかかわらず、持ち球がどんどん減っていってしまい、有利な状態となっていることを遊技者が実感できなくなってしまうことを防止(抑制)することができる。従って、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態において、持ち球が減らすことなく遊技を継続させることができる。
なお、一般入賞口(小価値入賞口)601への入球に対する賞球数を減らしてもよい(例えば、賞球を1個にしてもよい)。これにより、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態において、払い出しが多くなりすぎてしまい、持ち球が増えすぎてしまうことをより確実に抑制することができる。よって、ホールに不測の不利益を与えてしまうことを抑制することができる。また、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態(即ち、第2入球口640へと球を入球させにくい状態)において、右打ちを行うメリットをより少なくすることができる。
S1302の処理が終了すると、次いで、確変設定フラグ203hがオンであるか否かを判別し(S1303)、オンであると判別した場合は、大当たりの12ラウンドにおいて確変入球口654へと球が入球したことを意味するので、確変フラグ203gをオンに設定する(S1304)。これにより、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態へと移行する。S1304の処理後は、確変設定フラグ203hをオフに設定し(S1305)、特別図柄の確変状態が設定されたことを示す情報を含んだ状態コマンドを設定して(S1306)、本処理を終了する。
一方、S1303の処理において、確変設定フラグ203hがオフであると判別した場合は(S1303:No)、大当たりの12ラウンドにおいて確変入球口654へと球が入球しなかったことを意味するので、大当たりの終了後に100回の普通図柄の時短期間を設定するために、時短中カウンタ203rの値に100を設定する(S1307)。そして、時短状態が設定されたことを示す情報を含んだ状態コマンドを設定して(S1308)、本処理を終了する。S1306、またはS1308の処理において設定された状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図34参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。状態コマンドを音声ランプ制御装置113が受信することにより、主制御装置110の認識する遊技状態と音声ランプ制御装置113の認識する遊技状態とを一致させることができる。よって、遊技状態に応じて適切に演出を実行することができる。
このように、本実施形態では、大当たり遊技の終了時に、確変設定フラグ203hがオンであるか否かが判別され、オンであれば、確変フラグ203gがオンに設定される。つまり、確変入球口654へと球が入球するタイミングによらず、確変フラグ203gをオンとするタイミングを一致させることができる。従って、大当たり遊技が終了するまで、確変遊技状態へ移行することを遊技者に期待させ続けることができる。さらには、特別遊技状態中(大当たり状態中)に確変入球口654へと球を入球させることができれば、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態が付与されるので、特別遊技状態中(大当たり状態中)に確変入球口654へと球が入球するか否かに関心を持たせることができる。
図35に戻って説明を続ける。S1109の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合には(S1109:No)、次いで、第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aへ球の入球(入賞)や、確変入球口654への球の入球(入賞)を監視する入賞処理を実行する(S1111)。ここで、図38を参照して、この入賞処理(S1112)について詳細に説明する。図38は、この入賞処理(S1111)の内容を示したフローチャートである。
入賞処理(S1111)では、まず、ラウンド遊技が設定されている期間(ラウンド有効期間)であるか否かを判別する(S1401)。即ち、第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aの開放が設定されてから、インターバル期間(3秒)が終了するまでの期間であるか否かが判別される。ラウンド有効期間外であると判別した場合には(S1401:No)、この処理を終了する。一方、ラウンド有効期間内であると判別した場合には(S1401:Yes)、第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aのいずれかに球が入球したか否かを判別する(S1402)。S1402の処理において、特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aへと球が入球したと判別した場合には(S1402:Yes)、入賞個数カウンタ203jを1加算して更新し(S1403)、処理をS1404へと移行する。一方、第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aのいずれにも球が入球していないと判別した場合には(S1402:No)、S1403の処理をスキップし、処理をS1404へと移行する。
S1404の処理では、入賞個数カウンタ203jの値が10以上であるか判別する(S1404)。入賞個数カウンタ203jの値が10以上であると判別した場合には(S1404:Yes)、第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aのうち開放状態に設定されている入賞口の閉鎖を設定する(S1406)。その後、残球タイマフラグ203mをオンに設定し(S1407)、処理をS1408へと移行する。この残球タイマフラグ203mがオンに設定されることで、第1可変入賞装置65、または第2可変入賞装置650の内部に残存した球を排出させるための球はけ時間中であることが判別できる。
一方、S1404の処理において、入賞個数カウンタ203jの値が10未満であると判別した場合は(S1404:No)、大当たりの各ラウンドが終了するまでの期間であるラウンド時間(本実施形態では、30秒)が経過したか判別する(S1405)。S1405の処理において、ラウンド時間が経過したと判別した場合には(S1405:Yes)、処理をS1406へと移行する。一方、S1405の処理において、ラウンド時間が経過していないと判別した場合には(S1405:No)、処理をS1408へと移行する。
S1408の処理では、動作カウンタ203kの値が0より大きい値であるか否か判別し(S1408)、動作カウンタ203kの値が0より大きい値であると判別した場合には(S1408:Yes)、動作カウンタ203kの値を1だけ減算することにより更新し(S1409)、次いで、確変入球口654へと入球したか否か(図示しない確変スイッチを通過したか否か)を判別する(S1410)。球が確変スイッチを通過したと判別した場合は(S1410:Yes)、確変通過カウンタ203iの値に1を加算して更新し(S1411)、確変設定フラグ203hをオンに設定して(S1412)、処理をS1413へと移行する。一方、S1410の処理において、球が確変スイッチを通過していないと判別した場合は(S1410:No)、S1411、およびS1412の各処理をスキップして、処理をS1413へと移行する。
S1410、またはS1412の処理後に実行されるS1413の処理では、動作カウンタ203kが0であるか判別し(S1413)、0でないと判別した場合は(S1413:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1413の処理において、動作カウンタ203kが0であると判別した場合は(S1413:Yes)、流路用ソレノイド611をオフに設定することにより誘導流路652を閉鎖し(S1414)、確変有効フラグ203oをオンに設定して(S1415)、本処理を終了する。S1415の処理により確変有効フラグ203oがオンに設定されることで、流路切替弁650dが切り替えられて誘導流路652が閉鎖された後も、誘導流路652に残存している球が確変スイッチを通過した場合には、確変設定フラグ203hがオンに設定される(即ち、大当たり後に特別図柄の確変状態が付与される)ように制御できる。
S1408の処理において、動作カウンタ203kが0であると判別した場合は、(S1408:No)、確変有効フラグ203oがオンであるかを判別する(S1416)。そして、確変有効フラグ203oがオンでない(即ち、オフである)と判別された場合には(S1416:No)、この処理を終了する。一方、確変有効フラグ203oがオンであると判別した場合には(S1416:Yes)、確変有効タイマ203pの値に1を加算することにより更新する(S1417)。そして、確変有効タイマ203pの値が上限値(本実施形態では、1.2s)であるか否かを判別し(S1418)、上限値であると判別した場合は(S1418:Yes)、確変有効フラグ203oをオフに設定する(S1419)。これにより、確変スイッチの通過を検出したとしても、確変設定フラグ203hの値を更新しないように制御される。上述した通り、確変有効タイマ203pの値が上限値となって以降に確変スイッチの通過を検出した場合は、その検出が何らかの不正行為によるものである可能性が高い。よって、確変有効フラグ203oをオフにすることにより確変設定フラグ203hの更新を禁止し、不正行為の抑制を図っている。
S1419の処理が終了すると、次いで、確変有効タイマ203pの値を初期値である0にリセットし(S1420)、本処理を終了する。一方、S1418の処理において、確変有効タイマ203pの値が上限値でない(上限値未満である)と判別した場合には(S1418:No)、処理を上述したS1410へと移行する。
これにより、確変有効タイマ203pが上限値でないと、確変スイッチを球が通過したか否かが判別されるので、球はけの時間を考慮して特別図柄の確変状態を設定することができる。また、確変スイッチの通過が有効と判別される時間に上限があるので、不正に球を確変スイッチに通過させて特別図柄の確変状態が付与されることを抑制できる。
図35に戻って説明を続ける。入賞処理(S1111)が実行されると、次いで、特別遊技状態(大当たり状態)中に発生した異常を検出するための異常処理を実行し(S1112)、本処理を終了する。ここで、この異常処理(S1112)の詳細について、図39を参照して説明する。図39は、この異常処理(S1112)を示すフローチャートである。
異常処理(S1112)では、まず、ラウンド有効期間であるか判別し(S1501)、ラウンド有効期間外であると判別した場合には(S1501:No)、そのまま本処理を終了する。一方、ラウンド有効期間内であると判別した場合には(S1501:Yes)、第1可変入賞装置65、および第2可変入賞装置650に設けられた球排出口スイッチを球が通過したか否か判別し(S1502)。球排出口スイッチを球が通過したと判別した場合には(S1502:Yes)、球排個数カウンタ203sの値に1加算して更新し(S1503)、処理をS1504へと移行する。一方、球排出口スイッチを球が通過していないと判別した場合には(S1502:No)、S1503の処理をスキップして、処理をS1504へと移行する。
S1504の処理では、残球タイマフラグ203mがオンであるか否かを判別し(S1504)、残球タイマフラグ203mの値がオフであると判別した場合には(S1504:No)、本処理を終了する。一方、残球タイマフラグ203mがオンであると判別した場合には(S1504:Yes)、球はけ期間中であることを意味するので、球はけ期間を計時する残球タイマ203nに1加算して更新する(S1505)。そして、更新後の残球タイマ203nの値が上限値であるか(即ち、第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aの閉鎖が設定されてから3秒が経過したか)を判別し(S1506)、上限値でない(3秒が経過していない)と判別した場合には(S1506:No)、本処理を終了する。
一方、S1505の処理において、残球タイマ203nの値が上限値であると判別した場合には(S1506:Yes)、球の排出個数(確変通過カウンタ203iと排出個数カウンタ203qとの合計値)と、入賞個数(入賞個数カウンタ203jの値)とが一致するか否かを判別する(S1507)。
S1507の処理において、球の排出個数と入賞個数とが一致すると判別した場合には(S1507:Yes)、処理をS1509へと移行する。一方、球の排出個数と入賞個数とが一致しないと判別した場合には(S1507:No)、エラーコマンドを設定し(S1508)、処理をS1509へと移行する。ここで設定されたエラーコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図34参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。エラーコマンドを音声ランプ制御装置113が受信することにより、エラー表示(例えば、入賞個数不一致エラーの文字を表示)が設定されると共に、ホールコンピュータに対してエラー信号の出力が設定される。よって、第1可変入賞装置65内に不正に遊技球を残存させて、確変スイッチに球を通過させる不正を抑制できる。
S1509の処理では、残球タイマフラグ203mをオフに設定し(S1509)、残球タイマ203nを初期値である0にリセットする(S1510)。その後、入賞個数カウンタ203j、排出個数カウンタ203q、確変通過カウンタ203iをそれぞれ初期値にリセットして(S1511)、本処理を終了する。
次に、図40を参照して、主制御装置110のMPU201によって実行される入賞情報コマンド設定処理(S1008)について説明する。入賞情報コマンド設定処理(S1008)は、上述した通り、各種入賞口(入球口)への球の通過状況を音声ランプ制御装置113に対して通知するための処理である。
この入賞情報コマンド設定処理では、まず、タイマ割込処理(図25参照)のスイッチ読み込み処理(S101)において保存された入賞検知情報を読み出す(S1601)。そして、新たな入賞検知情報が存在するか(いずれかの入球口に対して新たな入球があったか)を判別し(S1602)、新たな入賞検知情報が存在しなければ(S1603)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1602の処理において、新たな入賞検知情報が存在すると判別した場合は(S1602:Yes)、その新たな入賞検知情報に応じて、入球(入賞)を検出した入球口(入賞口)の情報を含む入賞情報コマンドを設定する(S1603)。なお、この入賞情報コマンドは、例えば2バイトで構成され、2バイトの各ビットに対して各入賞口やアウト口等が対応付けられている。そして、球の入球(入賞)を検出した入賞口(入球口)に対応するビットが1に設定され、球が入球していない入賞口(入球口)に対応するビットが0に設定された上で、入賞情報コマンドとして出力される。S1603の処理が終了すると、保存されている入賞検知情報をクリアして(S1604)、本処理を終了する。
ここで設定された入賞情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図34参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドを受信すると、入賞情報コマンドに応じて、知貯留装置600における不具合の有無や、遊技者が変則的な遊技を行っているか否か等を判別する。そして、不具合等が発生している場合は、不具合の種別に応じた表示用エラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エラーコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエラーが報知される。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図41から図47を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図41を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図41は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1701)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1816の電源断処理(図42参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1702)。図42を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図42のS1813参照)、S1816の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1816の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1702:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1816の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1703)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1706の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1703:Yes)、S1704へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1703:No)、S1708へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1703:Yes)、S1704へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1516の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1703:No)、S1708へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1702:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1816の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1704へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1704の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1704)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1705:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1706)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1705:No)、RAM223の異常を報知して(S1707)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1708の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1708)。電源断フラグはS1816の電源断処理の実行時にオンされる(図42のS1815参照)。つまり、電源断フラグは、S1816の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1708の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1816の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1708:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1709)、RAM223の初期値を設定した後(S1710)、割込み許可を設定して(S1711)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1708の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1704からS1706の処理を経由してS1708の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1708:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1709をスキップして、処理をS1710へ移行し、RAM223の初期値を設定する(S1710)。次いで、主制御装置110より受信した状態コマンドにより通知された遊技状態に応じて確変状態フラグ223f、および確変状態カウンタ223gを更新し(S1711)、割込み許可を設定して(S1712)、メイン処理へ移行する。状態コマンドに基づいて確変状態フラグ223f、および確変状態カウンタ223gを更新することにより、主制御装置110の認識する遊技状態と音声ランプ制御装置113の認識する遊技状態とを一致させることができる。よって、遊技状態に応じて適切に演出を実行することができる。
なお、S1709のクリア処理をスキップするのは、S1704からS1706の処理を経由してS1708の処理へ至った場合には、S1704の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図42を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図42は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS1801の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1801)、1m秒以上経過していなければ(S1801:No)、S1802〜S1810の処理を行わずにS1811の処理へ移行する。S1801の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1802〜S1810が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1811のコマンド判定処理や、S1812の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1811の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1812の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1801の処理で1m秒以上経過していれば(S1801:Yes)、まず、S1803〜S1812の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1802)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1808の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1803)、その後電源投入報知処理を実行する(S1804)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1805の処理へ移行する。
S1805の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1806)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1807)。この枠ボタン入力監視・演出処理は、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22の操作に対応する表示用コマンドを設定する。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1808)、その後音編集・出力処理を実行する(S1809)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1809の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S1810)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1808のランプ編集処理が実行される。なお、S1809の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
液晶演出実行管理処理の後に、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1811)。このコマンド判定処理の詳細については、図43を参照して後述する。
次に、S1812の処理へ移行する。S1812の処理では、変動表示設定処理が実行される(S1812)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図47を参照して後述する。
そして、変動表示設定処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1813)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1813の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1813:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1815)、電源断処理を実行する(S1816)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1817)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1813の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1813:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1814)、RAM223が破壊されていなければ(S1814:No)、S1801の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1814:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図43を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1811)について説明する。図43は、このコマンド判定処理(S1811)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1811)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図42参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定するための処理である。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1901)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1901:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223dをオンし(S1902)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S1903)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図47参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1901:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1904)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1904:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223eをオンに設定し(S1905)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1906)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図47参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1904:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1907)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S1907:Yes)、受信した保留球数コマンドが特図1保留球数コマンドであるか、特図2保留球数コマンドであるかを判別して、そのコマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)、または主制御装置110の特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を抽出し、音声ランプ制御装置113の特別図柄2保留球数カウンタ223cに格納する(S1908)。また、S1908の処理では、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223cの値をそれぞれ表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S1908の処理の終了後は、メイン処理に戻る。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64、第2入球口640に入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S1908の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223cの値を主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bまたは特別図柄2保留球数カウンタ223cの値が主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dまたは特別図柄2保留球数カウンタ203eの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bまたは特別図柄2保留球数カウンタ223cの値を修正し、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dまたは特別図柄2保留球数カウンタ203eの値に合わせることができる。尚、S1908の処理が実行されると、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223cの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
一方、S1907の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判定した場合には(S1907:No)、次いで、主制御装置110より状態コマンドを受信したか否かを判定する(S1909)。そして、状態コマンドを受信した場合には(S1909:Yes)、その状態コマンドにより通知された遊技状態に応じて、確変状態フラグ203fや時短状態カウンタ203gを更新し(S1910)、本処理を終了する。
一方、S1909の処理において、状態コマンドを受信していないと判定した場合には(S1909:No)、次いで、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか否かを判定する(S1911)。そして、入賞情報コマンドを受信した場合には(S1911:Yes)、その入賞情報コマンドに基づいて正常な入球であったか否かを判別し、不具合や不正の可能性がある場合にはエラーを報知するためのエラー報知処理を実行して(S1912)、本処理を終了する。
一方。S1911の処理において、入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合は(S1911:No)、次いで、オープニングコマンドを受信したか否かを判別し(S1913)、オープニングコマンドを受信していれば(S1913:Yes)、大当たり中フラグ223hをオンに設定すると共に、許容時間カウンタ223iの値に1秒間に対応するカウンタ値(1000)を設定する(S1914)。そして、表示用オープニングコマンドを設定して(S1915)、本処理を終了する。ここで設定された表示用オープニングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図42参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用オープニングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において、大当たりの開始を報知するためのオープニング演出を表示させる。
S1913の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判別した場合は(S1913:No)、次いで、主制御装置110よりエンディングコマンドを受信したか否かを判別する(S1916)。そして、S1916の処理によりエンディングコマンドを受信したと判別した場合は(S1916:Yes)、大当たり中フラグ223hをオフに設定すると共に、許容時間カウンタ223iの値に1秒に対応するカウンタ値(1000)を設定し(S1917)、表示用エンディングコマンドを設定して(S1918)、本処理を終了する。ここで設定された表示用エンディングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図42参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用エンディングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において、大当たりの終了を報知するためのエンディング演出を表示させる。
一方、S1916の処理において、エンディングコマンドを受信していない場合には(S1911:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1919)、メイン処理に戻る。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
次に、図44〜図46を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるエラー報知処理(S1912)の詳細について説明する。このエラー報知処理は、上述した通り、不具合や不正の可能性がある場合にエラーを報知するための処理である。図46は、このエラー報知処理(S1912)を示すフローチャートである。
エラー報知処理(S1912)では、まず、大当たりフラグ223hがオンであるか否かを判別し(S1931)、オンであれば(S1931:Yes)、受信した入賞情報コマンドにより通知された入賞情報の中に第1入球口64への入賞情報が含まれているか否かを判別する(S1932)。そして、第1入球口64への入賞情報が含まれていると判別した場合は(S1932:Yes)、大当たり中にもかかわらず遊技者が左打ちを行った結果、第1入球口64に対して球が入球したことを意味する。つまり、特別遊技状態(大当たり状態)にもかかわらず第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aへと球が入球し難い遊技方法(打ち方)を遊技者が行っており、遊技者が損をしていることを意味する。よって、遊技者に対して特別遊技状態(大当たり状態)において賞球を獲得させるために、左打ち警告画像(図7(a)参照)に対応する表示用エラーコマンドを設定し(S1933)、処理をS1934へと移行する。
ここで設定された表示用エラーコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図42参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用背面画像変更コマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81において左打ち警告画像(図7(a))が表示される。この左打ち警告画像(図7(a))により、特別遊技状態(大当たり状態)において左打ちを行っている遊技者に対し、右打ちを行うことを促すことができる。よって、遊技者が損をしてしまうことを防止(抑制)し、賞球をより確実に獲得させることができる。
一方、S1932の処理において、入賞情報コマンドに第1入球口64への入球に対応する入賞情報が含まれていないと判別した場合は(S1932:No)、S1933の処理をスキップし、処理をS1934へと移行する。
S1934の処理では、許容時間カウンタ223iの値が0であるか否かを判別し(S1934)、カウンタ値が0であれば(S1934:Yes)、大当たり中に貯留弁607aにおいて不具合が発生している場合に報知を行うための当たり時報知処理を実行して(S1935)、本処理を終了する。一方、許容時間カウンタ223iの値が0でない(即ち1以上である)と判別した場合は(S1934:No)、貯留弁607aが開放状態に設定されてからの球はけ期間(1秒)が経過していないことを意味するので、S1935の処理をスキップして本処理を終了する。即ち、貯留弁607aが開放される直前に誘導流路606へと流入(進行)した球が、球はけ期間中に一般入賞口(小価値入賞口)601へと入球した場合に、不具合と判断されてしまうことを防止する。
一方、S1931の処理において、大当たり中フラグ223hがオンでない(オフである)と判別した場合は(S1931:No)、許容時間カウンタ233iの値が0であるか否かを判別し(S1936)、0であると判別した場合は(S1936:Yes)、通常時(特別図柄の確変状態、普通図柄の時短状態、および通常状態のいずれか)に貯留弁607aにおいて不具合が発生している場合に報知を行うための通常時報知処理を実行し(S1937)、本処理を終了する。一方、許容時間カウンタ223iの値が0でない(即ち1以上である)と判別した場合は(S1936:No)、大当たりの終了に基づいて貯留弁607aが閉鎖状態に設定されてからの球はけ期間(1秒)が経過していないことを意味するので、S1937の処理をスキップして、本処理を終了する。即ち、貯留弁607aが閉鎖される直前に誘導流路607へと流入(進行)した球が、球はけ期間中に一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球した場合に、不具合と判断されてしまうことを防止する。
次に、図45を参照して、大当たり中に貯留弁607aにおいて不具合が発生している場合に報知を行うための当たり時報知処理(S1935)の詳細について説明する。図45は、この当たり時報知処理(S1935)を示すフローチャートである。
当たり時報知処理(S1935)では、まず、コマンド判定処理(図43参照)のS1911の処理において受信したと判別された入賞情報コマンドに、一般入賞口(小価値入賞口)601への入球に対応する入賞情報が含まれているか否かを判別する(S1941)。そして、一般入賞口(小価値入賞口)601への入球に対応する入賞情報が含まれていれば(S1941:Yes)、貯留弁607aが開放状態に設定されているはずの大当たり中にもかかわらず、誘導流路606の下流に設けられている一般入賞口(小価値入賞口)601へと球が入球したことを意味する。つまり、貯留弁607aの故障等により貯留弁607aが開放されなくなってしまい、貯留弁607aの上部に対して球が貯留された状態が継続した結果、球が誘導流路606へと誘導された可能性がある。よって、この場合は、貯留弁607aの不具合に対応する表示用エラーコマンドを設定して(S1942)、本処理を終了する。
ここで設定された表示用エラーコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図42参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用エラーコマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81において貯留弁607aに不具合が生じていることを報知するための警告画像(図7(b)参照)が表示される。
なお、誘導流路606へと流入した球は、貯留装置600において一般入賞口601の左側に配設されたアウト口603aへも入球する可能性があるが、アウト口603aへの入球に対応する入賞情報に関しては貯留弁607aにおいて不具合が発生しているか否かの判別対象としていない。これは、誘導流路606へと流入した球のうち、アウト口603aへと流下する球の割合が僅かであり、大半が一般入賞口(小価値入賞口)601へと入球する上、大当たり中には多量の球が貯留装置600へと流入するので、一般入賞口(小価値入賞口)601を監視しておけば不具合が発生しているか否かを十分判別できるためである。また、一般入賞口(小価値入賞口)601への入球に対応する入賞情報のみを判別することで、アウト口603aへと入球したか否かを判別する処理を行わなくても良くなり、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。
S1941の処理において、一般入賞口(小価値入賞口)601への入球に対応する入賞情報が含まれていないと判別した場合は(S1941:No)、次いで、受信した入賞情報コマンドに、一般入賞口(大価値入賞口)602への入球に対応する入賞情報が含まれているか否かを判別し(S1943)、一般入賞口(大価値入賞口)602への入球に対応する入賞情報が含まれていれば(S1943:Yes)、入賞回数カウンタ223jの値に1を加算することにより更新する(S1944)。そして、更新後の入賞回数カウンタ233jの値に応じて大当たり中の画像を更新するために、表示用背面画像変更コマンドを設定する(S1945)。
ここで設定された表示用背面画像変更コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図42参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用背面画像変更コマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81において入賞回数表示領域MAの表示内容が更新される。より具体的には、図6(b)に示す一般入賞口(大価値入賞口)602への入球回数(EXTRA BONUSの回数)が加算表示される画像が一定時間表示された後で、更新後の入球回数に対応する図6(a)に示す画像が表示される。大当たりにおける一般入賞口(大価値入賞口)602に対する入球回数を入賞回数表示領域MAに対して表示させることにより、大当たりにおいて第1特定入賞口65aや第2特定入賞口650aへの入球とは別で賞球を獲得した回数を遊技者に認識させることができる。よって、一般入賞口(大価値入賞口)602への入球回数が多くなることを期待して遊技を行わせることができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本実施形態では、一般入賞口(小価値入賞口)601への入球に対応する入球情報が含まれている場合に貯留弁604aにおいて不具合が発生していると判別するように構成していたが、入賞情報コマンドにアウト口603aへの入球に対応する入賞情報が含まれていた場合にも、表示用エラーコマンドを設定するように構成してもよい。これにより、貯留弁607aにおいて不具合が発生したことを、より迅速、且つ、確実に判別することができる。
次に、図46を参照して、通常時(特別図柄の確変状態、普通図柄の時短状態、および通常状態のいずれか)に貯留弁607aにおいて不具合が発生している場合に報知を行うための通常時報知処理について説明する。この通常時報知処理(S1937)では、まず、確変状態フラグ223fがオンであるか否かを判別し(S1951)、オンでないと判別した場合は(S1951)、現在が特別図柄の確変状態でない(特別図柄の低確率状態である)ことを意味するので、次いで、時短状態カウンタ223gの値が0よりも大きいか否かを判別する(S1952)。S1952の処理において、時短状態カウンタ223gの値が0であると判別した場合は(S1952:No)、現在が特別図柄の確変状態でも、普通図柄の時短状態でもない(通常状態である)ことを意味する。
この場合は、遊技者が右打ちを行っているか否か、および貯留弁607aの動作に不具合が生じていないかを判別するために、まず、受信した入賞情報コマンドに、一般入賞口(大価値入賞口)602への入球に対応する入賞情報が含まれているか否かを判別する(S1953)。そして、一般入賞口(大価値入賞口)602への入球に対応する入賞情報が含まれていると判別した場合は(S1953:Yes)、特別遊技状態(大当たり状態)でないにもかかわらず球が貯留弁607aにより閉鎖されているべき位置よりも下流に流下していることを意味する。即ち、貯留弁607aが正常に閉鎖されていないか、遊技者が不正な方法で一般入賞口(大価値入賞口)602へと球を入球させている可能性が高い。そこで、貯留弁607aの不具合に対応する表示用エラーコマンドを設定して(S1954)、本処理を終了する。
ここで設定された表示用エラーコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図42参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用エラーコマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81において貯留弁607aに不具合が生じていることを報知するための警告画像(図7(b)参照)が表示される。
なお、貯留弁607aが不具合により開放されたままとなっている状態で、誘導流路607へと流入した球は、一般入賞口(大価値入賞口)602の左右に配設されたアウト口603b,603cへも入球する可能性があるが、アウト口603b,603cへの入球に対応する入賞情報に関しては貯留弁607aにおいて不具合が発生しているか否かの判別対象としていない。これは、誘導流路607へと流入した球のうち、アウト口603b,603cへと流下する球の割合が僅かであり、大半が一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球するので、一般入賞口(大価値入賞口)602を監視しておけば不具合が発生しているか否かを十分判別できるためである。また、一般入賞口(大価値入賞口)602への入球に対応する入賞情報のみを判別することで、アウト口603b,603cへと入球したか否かを判別する処理を行わなくてもよくなるので、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。
また、S1953の処理において、一般入賞口(大価値入賞口)602への入球に対応する入賞情報が入賞情報コマンドに含まれていないと判別した場合は(S1953:No)、次いで、一般入賞口(小価値入賞口)601への入球に対応する入賞情報が入賞情報コマンドに含まれているか否かを判別し(S1955)、含まれていないと判別した場合はそのまま本処理を終了する。
一方、一般入賞口(小価値入賞口)601への入球に対応する入賞情報が入賞情報コマンドに含まれていると判別した場合は(S1955:Yes)、通常時(特別図柄の確変状態、普通図柄の時短状態、および通常状態のいずれか)にもかかわらず遊技者が右打ちを行っていることを意味する。つまり、第2入球口640へと球を入球させにくく、特別図柄の抽選を受ける機会が少ない遊技方法で遊技者が遊技を行っていることを意味する。よって、この場合には、遊技者に対して左打ちにより第1入球口64を狙って遊技を行わせるように促す右打ち警告画像(図5(b)参照)を表示させることにより、遊技者が損をしてしまうことを防止し、特別図柄1の抽選を受けさせることができる。
S1951の処理において、確変状態フラグ223fがオンであると判別した場合(S1951:Yes)、またはS1952の処理において時短状態カウンタ223gの値が0よりも大きいと判別した場合は(S1952:Yes)、入賞情報コマンドに一般入賞口(大価値入賞口)602への入球に対応する入賞情報が含まれているか否かを判別する(S1957)。そして、一般入賞口(大価値入賞口)602への入球に対応する入賞情報が含まれていないと判別した場合は(S1957:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1957の処理において、一般入賞口(大価値入賞口)602への入球に対応する入賞情報が含まれていると判別した場合は(S1957:Yes)、特別遊技状態(大当たり状態)でないにもかかわらず、貯留弁607aの下流側へと球が流下していることを意味する。即ち、貯留弁607aが正常に閉鎖されていないか、貯留弁607aが閉鎖された状態で、遊技者が不正に球を一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球させた可能性が高い。よって、この場合は、貯留弁607aの不具合に対応する表示用エラーコマンドを設定して(S1958)、本処理を終了する。
ここで設定された表示用エラーコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図42参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用エラーコマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81において貯留弁607aに不具合が生じていることを報知するための警告画像(図7(b)参照)が表示される。
本実施形態では、一般入賞口(大価値入賞口)602への入球に対応する入球情報が含まれている場合に貯留弁604aにおいて不具合が発生していると判別するように構成していたが、入賞情報コマンドにアウト口603b,603cへの入球に対応する入賞情報が含まれていた場合にも、表示用エラーコマンドを設定するように構成してもよい。これにより、貯留弁607aにおいて不具合が発生したことを、より迅速、且つ、確実に判別することができる。
次に、図47を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1812)について説明する。図47は、この変動表示設定処理(S1812)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1812)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図42参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223dがオンか否かを判別する(S2001)。そして、変動開始フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S2001:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S2006の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223dがオンであると判別された場合(S2001:Yes)、変動開始フラグ223dをオフし(S2002)、次いで、コマンド判定処理(図43参照)のS1903の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S2003)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2004)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトする(S2005)。S2005の処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S2006の処理へ移行する。
S2006の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223eがオンか否かを判別する(S2006)。そして、停止種別選択フラグ223eがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S2006:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、S2007〜S2013までの各処理をスキップして、処理をS2014へと移行する。一方、停止種別選択フラグ223eがオンであると判別された場合(S2006:Yes)、停止種別選択フラグ223eをオフし(S2007)、次いで、コマンド判定処理(図43参照)のS1906の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得し(S2008)、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別を、そのまま第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定する(S2008)。次いで、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2009)。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
S2009の処理が終了すると、次いで、時短状態カウンタ223gの値が0より大きいか否かを判別し(S2010:No)、0より大きくない(即ち、0である)と判別した場合は(S2010:No)、処理をS2014へと移行する。一方、時短状態カウンタ203gの値が0より大きいと判別した場合は(S2010:Yes)、まず、時短状態カウンタ203gの値を1減算する(S2011)。そして、減算後の時短状態カウンタ203gの値が0であるか否かを判別し(S2012)、0であると判別した場合は(S2012)、普通図柄の時短状態から普通図柄の通常状態(低確率状態)へと切り替わったことを意味するので、通常状態に対応する背面画像に切り替えるための背面画像変更コマンドを設定し(S2013)、処理をS2014へと移行する。
一方、S2012の処理において、時短状態カウンタ203gの値が0でないと判別した場合は(S2012:No)、普通図柄の時短状態が継続することを意味するので、普通図柄の時短状態に対応する背面画像から変更する必要がない。よって、この場合は、S2013の処理をスキップし、処理をS2014へと移行する。
なお、時短状態中に表示される背面画像とは、具体的には右打ちナビ(図5(a)参照)が表示される背面画像のことである。本実施形態のパチンコ機10では、大当たりが終了すると、その大当たり種別によらずに右打ちナビが表示される背面種別に切り替えられる。そして、普通図柄の時短状態が終了した場合には、右打ちナビが表示されない通常状態用の背面画像に切り替えられる。なお、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態となった場合は、次に大当たりとなるまで特別図柄の確変状態が継続するため、右打ちナビが表示される背面種別から変更されることはない。
S2014の処理では、許容時間カウンタ223iの値が0よりも大きいか否かを判別し(S2014)、値が0より大きいと判別した場合は(S2014:Yes)、許容時間カウンタ223iの値を1減算して更新し(S2015)、本処理を終了する。一方、許容時間カウンタ223iの値が0であると判別した場合は(S2014:No)、S2015の処理をスキップして、本処理を終了する。S2014,S2015の処理により、定期的に許容時間カウンタ223iの値を更新することができる。
本実施形態では、特別図柄の確変状態と、普通図柄の時短状態とで設定される背面種別を共通としているが、それぞれ異なる背面種別を表示させてもよい。これにより、多種多様な演出を実現できる。また、時短状態カウンタ203gの値に応じて残りの時短期間を第3図柄表示装置81に対して表示させるように構成してもよい。これにより、遊技者に対して残りの時短期間を容易に認識させることができる。
本実施形態では、変動表示設定処理(S1812)の中で許容時間カウンタ223hの更新を行っているが、これに限られるものではない。例えば、メイン処理(図42参照)の中で1msおきに実行される処理(音編集・出力処理や、液晶演出実行管理処理等)の中で更新するように構成してもよい。これにより、許容時間カウンタ223hを定期的に更新することができる。
<第1実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図48から図61を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図48を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図48は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S2101)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図49を参照して、ブート処理(S2101)について説明する。図49は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S2101)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S2201)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S2202)。これにより、MPU231は、S2201の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S2202の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S2202の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S2203)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S2204)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図48のS2101参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図48のS2102参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S2205)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S2201)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
なお、図49に示すブート処理では、S2201の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S1901の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S1902の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S2203〜S2205の処理を実行するようにしてもよい。
また、S2201の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S2201及びS2202の処理を含めて複数回繰り返した後、S2203〜S2205の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S2201及びS2202の処理を行わずに、S2203〜S2205の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図48の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S2102)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。なお、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S2103)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S2103の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S2104)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S2104の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S2105)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図59(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図59(a)のS3602参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図50(b)参照)において、電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図50(b)のS2408参照)および簡易表示設定処理(図50(b)のS2409参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置114に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64、または第2入球口640へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S2105の処理の後、割込許可を設定し(S2106)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S2106の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図50(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図50(a)は、コマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S2301)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図50(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図50(b)は、このV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図24参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図50(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S2401)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S2401:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S2402)を実行し、次いで、表示設定処理(S2403)を実行する。
コマンド判定処理(S2402)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド判定処理の詳細については、図51〜図55を参照して後述する。
表示設定処理(S2403)では、コマンド判定処理(S2402)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図56〜図58を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S2404)。このタスク処理では、表示設定処理(S2403)もしくは簡易表示設定処理(S2409)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S2405)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、転送設定処理の詳細については、図59および図60を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S2406)。この描画処理では、タスク処理(S2404)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S2405)により設定された転送指示とから、図24に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。なお、描画処理の詳細については、図61を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S2407)。そして、V割込処理を終了する。S2407の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S2401の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S2401:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S2408)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S2409)を実行して、S2404の処理へ移行する。
次いで、図51〜図55を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S2402)の詳細について説明する。まず、図51は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図51に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S2501)、未処理の新規コマンドがなければ(S2501:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S2501:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S2503)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S2502)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S2503)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S2504)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S2504:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S2505)、S2501の処理へ戻る。
ここで、図52(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S2505)の詳細について説明する。図52(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2601)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2601の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S2601で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S2602)。そして、各変動パターンに対応する変動表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S2601の処理によって設定された変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S2603)。表示設定処理では、S2603の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルが、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S2601の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2604)、ポインタ233fを0に初期化する(S2605)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2606)、変動パターンコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2605の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S2601の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S2602の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S2604の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図51の説明に戻る。S2504の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S2504:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S2506)、表示用変動種別コマンドがあれば(S2206:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S2507)、S2501の処理へ戻る。
ここで、図52(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S2507)の詳細について説明する。図52(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S2701)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図50(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S2702)。
そして、停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S2702の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定し(S2703)、本処理を終了する。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S2702の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S2404)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S2703の処理によって設定された停止図柄判別フラグからS2702の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。なお、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
なお、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2701の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS2702の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図51に戻り、説明を続ける。S2506の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S2506:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S2508)、表示用オープニングコマンドがあれば(S2508:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S2509)、S2501の処理へ戻る。
ここで、図53(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S2509)の詳細について説明する。図53(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用オープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、オープニング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2801)。次いで、S2801の処理で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S2802)。
そして、S2801の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたオープニング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2803)、ポインタ233fを0に初期化する(S2804)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2805)、オープニングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
このオープニングコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2804の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S2801の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたオープニング表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S2802の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定されたオープニング表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、このオープニングコマンド処理が実行されると、オープニング転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。これにより、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が行われている最中に、ラウンド演出およびエンディング演出に必要な画像データをキャラクタROM234から、通常用ビデオRAM236に転送することができる。上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)に演出に使用する画像データが、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送されるまでに多くの時間を要する。
新たに開始されるラウンド数を示す表示用ラウンド数コマンドは、第3図柄表示装置81におけるオープニング演出が終了したタイミングに合わせて、音声ランプ制御装置113から送信されてくるので、1ラウンド目を示す表示用ラウンド数コマンドを受信してから、ラウンド演出に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送していては、オープニング演出が終了してからラウンド演出を開始するまでに多くの待ち時間が生じ、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうおそれがあった。
また、エンディング演出の開始を指示する表示用エンディングコマンドは、第3図柄表示装置81におけるラウンド演出が全て(15ラウンド分)終了したタイミングに合わせて、音声ランプ制御装置113から送信されてくるので、表示用エンディングコマンドを受信してから、エンディング演出に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送していては、ラウンド演出が終了してからエンディング演出を開始するまでに多くの待ち時間が生じ、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうおそれがあった。
そこで、本実施形態では、表示用オープニングコマンドを受信した場合に、そこからラウンド演出およびエンディング演出に必要なデータの転送を開始し、第3図柄表示装置81において大当たりの変動表示が終了するまでに、ラウンド演出およびエンディング演出に必要なデータの転送が終了するように制御している。これにより、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてラウンド演出を開始できると共に、第3図柄表示装置81においてラウンド演出が全て(15ラウンド分)終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてエンディング演出を開始できるので、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうことがない。よって、遊技者を安心させることができる。
図51に戻り、説明を続ける。S2508の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S2508:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S2510)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S2510:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S2511)、S2501の処理へ戻る。
ここで、図53(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S2511)の詳細について説明する。図53(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2901)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S2902)。
そして、S2901の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2903)、ポインタ233fを0に初期化する(S2904)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2905)、ラウンド数コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図51の説明に戻る。S2510の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S2510:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S2512)、表示用エンディングコマンドがあれば(S2512:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S2513)、S2501の処理へ戻る。
ここで、図54を参照して、エンディングコマンド処理(S2513)の詳細について説明する。図54は、エンディングコマンド処理を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3001)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3002)。
次いで、S3001の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3003)、ポインタ233fを0に初期化する(S3004)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3006)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図51の説明に戻る。S2512の処理において、表示用エンディングコマンドがないと判別されると(S2512:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S2514)、背面画像変更コマンドがあれば(S2514:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S2515)、S2501の処理へ戻る。
ここで、図55(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S2515)の詳細について説明する。図55(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S3603)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S3101)。そして、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S3102)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S3101の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S3102の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面B又は背面Cである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S3102の処理によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
なお、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2802の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値に直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図51の説明に戻る。S2514の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S2514:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S2516)、エラーコマンドがあれば(S2516:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S2517)、S2501の処理へ戻る。
ここで、図55(b)を参照して、エラーコマンド処理(S2517)の詳細について説明する。図55(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S3201)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S3202)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S3201の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S3202の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
なお、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S2902に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図51の説明に戻る。S2516の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S2516:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S2518)、S2501の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS2501の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S2501:Yes)、再びS2502〜S2518の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S2501〜S2518の処理が繰り返し実行され、S2501の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
なお、V割込処理(図50(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S2409)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図52(a)参照)および停止種別コマンド処理(図52(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図52(a)参照)では、S2601の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S2602の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図56〜図58を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S2403)の詳細について説明する。図56は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図56に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S3301)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S3301:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S3302〜S3304の処理をスキップし、S3305の処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグがオンであれば(S3301:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S3302)、S3303〜S3304の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S3303の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S3303)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S3303:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S3304)。
ここで、図57を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図57は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S3401)。
タスク処理では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S3401の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S3402)、表示設定処理に戻る。
ここで、図56の説明に戻る。警告画像設定処理(S3304)の後、又は、S3303の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S3303:No)、次いで、S3305の処理へ移行する。
S3305では、ポインタ更新処理を実行する(S3305)。ここで、図58を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図58は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S3501)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S3501の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S3502)。その結果、End情報であれば(S3502:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ表示データテーブルであるか否かを判別して(S3503)、デモ表示データテーブルであれば(S3503:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3504)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S3505)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S3503の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ表示データテーブルでないと判別された場合は(S3503:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S3506)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S3502の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S3502:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図56に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S3306)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S3306の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S3307)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S3308)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S3308:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S3308:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S3309)。
その結果、確定表示フラグがオンであれば(S3309:Yes)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3310)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3311)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3312)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S3313)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S3314)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S3315)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
なお、S3315の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S2404)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S3315の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S3309の処理において、確定表示フラグがオンではなく、オフであれば(S3309:No)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S3316)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S3316:Yes)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3317)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3318)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S3319)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S3320)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S3321)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンド、または、オープニングコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S3316の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S3316:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、V割込処理(図50(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S2409)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図59及び図60を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S2405)の詳細について説明する。まず、図59(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S3601)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S3601:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S3602)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図59(b)を参照して後述する。
一方、S3601の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S3601:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S3603)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図60を参照して後述する。
次いで、図59(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2405)の一処理である常駐画像転送設定処理(S3602)について説明する。図59(b)は、この常駐画像転送設定処理(S3602)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S3701)、転送指示を送信していれば(S3701:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S3702)。このS3702の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3702の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S3702:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3702:Yes)、S3703の処理へ移行する。また、S3701の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S3701:No)、S3703の処理へ移行する。
S3703の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S3703)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S3703:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S3704)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3703の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S3703:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S3705)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図50(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図50(b)のS2408参照)および簡易表示設定処理(図50(b)のS2409参照)ではなく、コマンド判定処理(図51〜図55参照)および表示設定処理(図56〜図58参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図60参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図59(a)のS3601:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図60を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2405)の一処理である通常画像転送設定処理(S3603)について説明する。図60は、この通常画像転送設定処理(S3603)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S2403)のポインタ更新処理(S3305)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S3801)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S3802)、転送データ情報であれば(S3802:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S3803)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S3804)、S3805の処理へ移行する。
また、S3802の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S3802:No)、S3803及びS3804の処理をスキップして、S3805の処理へ移行する。S3805の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S3805)、転送指示を設定していれば(S3805:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S3806)。
このS3806の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3806の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S3806:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3806:Yes)、S3807の処理へ移行する。また、S3805の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S3805:No)、S3807の処理へ移行する。
S3807の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S3807)、転送開始フラグがオンであれば(S3807:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S3808)、S3803の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S3813の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S3807:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S3809)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S3809:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S3809:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S3810)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S3811)。更に、背面画像判別フラグの示す背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S3812)、S3813の処理へ移行する。
S3813の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S3813)。このS3813の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S3813の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S3813:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S3813の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S3813:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S3814)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3814の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S3815)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、オープニング演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図61を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S2406)の詳細について説明する。図61は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S2404)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S2405)により設定された転送指示から、図24に示す描画リストを生成する(S3901)。即ち、S3901の処理では、タスク処理(S2404)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S2405)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
なお、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S3902)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S3902の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S3903)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図50(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機10では、特別遊技状態(大当たり状態)において開放される入賞口として、2種類の入賞口(第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650a)を設け、大当たりのラウンド数に応じてどちらかの入賞口が開放されるように構成している。これら2種類の入賞口は、いずれも球が入球することにより多量(15個)の賞球が払い出される入賞口として構成されている。また、2種類の入賞口(第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650a)は、いずれも遊技盤13の右側の経路(流路)に設けられている。これにより、特別遊技状態(大当たり状態)中に遊技盤13の右側へと球を打ち出す(右打ちする)だけで、いずれの入賞口が開放されたとしても、球を入球させることができる。よって、特別遊技状態(大当たり状態)において払い出される賞球数を、遊技者の技量に左右されにくくすることができるので、遊技者が初心者であっても安心して遊技を楽しむことができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)のうち、2種類の入賞口(第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650a)の上流側に複数の入賞口が設けられた貯留装置600を配設している。この貯留装置600には、遊技者が右打ちを行った場合に、打ち出された球の一部がその内部へと流入できるように構成されており、流入した球を異なる入賞口へと球を流下させるための複数の流路が設けられている。具体的には、賞球数が比較的少ない(賞球数が3個の)一般入賞口(小価値入賞口)601へと球を流下させるための誘導流路606と、賞球数が比較的多い(賞球数が15個の)一般入賞口(大価値入賞口)602へと球を流下させるための誘導流路607とが設けられている。流下する誘導流路の種別に応じて、獲得できる賞球数を異ならせることができるので、貯留装置600の内部へと球が流入した場合に、遊技者に対して球が流下する流路の種別を興味深く観察させることができる。
また、本実施形態では、賞球数が比較的多い(賞球数が15個の)一般入賞口(大価値入賞口)602へと球を流下させるための誘導流路607を閉鎖可能な貯留弁607aが誘導流路607に設けられている。この貯留弁607aは、特別遊技状態中(大当たり状態中)に開放状態に設定され、その他の遊技状態中は閉鎖状態に設定される。また、貯留装置600の内部へと流入した遊技球は、基本的に誘導流路606よりも、誘導流路607へと流入しやすくなるように各誘導流路が配置されている(図9(b)参照)。よって、特別遊技状態(大当たり状態)において、第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aへと球を入球させることにより賞球を獲得できることに加え、誘導流路607の下流に設けられた一般入賞口(大価値入賞口)602へと球を入球させることにより賞球を獲得することができる。第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aの上流側に貯留装置600が設けられており、遊技者が右打ちするだけで、第1特定入賞口65a、第2特定入賞口650a、および貯留装置600のいずれに対しても球を入球させることができるためである。これにより、1回の特別遊技状態(大当たり状態)において獲得できる賞球数をより多くすることができるので、大当たりとなることによる遊技者のメリットを高めることができる。よって、遊技者に対して、大当たりとなることをより楽しみに遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、当たりとなるか否かの抽選を行い、抽選結果が当たりとなる抽選結果だった場合に、特定の入賞口を開放し、その特定の入賞口へと球が入球することに基づいて多量の賞球を付与するものがある(例えば、特開2001−129177号公報)。この従来型の遊技機の中には、特定の入賞口の他にも複数の入賞口が設けられており、特定の入賞口と他の入賞口とを隣接させることにより、特定の入賞口を狙って打ち出された球が特定の入賞口と他の入賞口とのいずれにも入球し得るように構成されたものがある。ここで、特定の入賞口へと特定個数の球が入球することを契機の一つとして、特定の入賞口を閉鎖するように制御するものが一般的なので、特定の入賞口に対する入球個数が特定個数となる前に他の入賞口へと球が入球するほどに当たりにおいて遊技者が獲得できる賞球数が多くなる。よって、特定の入賞口と他の入賞口とを隣接させることにより、当たりにおける賞球数を増加させることができるので、遊技者の当たりに対する期待感をより向上させることができる。
しかしながら、従来型の遊技機では、当たり以外の状態においても特定の入賞口に隣接した他の入賞口を狙って球を打ち出すことにより賞球を獲得する変則的な遊技方法を行われる場合があった。
これに対して、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態においては、貯留弁607aによって誘導流路607が閉鎖される。この状態では、貯留弁607aの上部と、誘導流路607の上流部分とが成すスペースに1球の球を貯留しておくことができるので、貯留弁607aが閉鎖されてから最初に貯留装置600の内部へと流入した球は、貯留弁607aの上部に貯留される。そして、貯留弁607aの上部に球が貯留された状態で貯留装置600へと球が流入した場合は、貯留された球に衝突することにより流下方向が変化する結果、球が誘導流路602へと流下しやすくなる(図9(b)参照)。よって、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態において貯留装置600へと球を入球させたとしても、球が賞球の少ない一般入賞口(小価値入賞口)601へと入球しやすくなるので、貯留装置600へと球を入球させるメリットを少なくすることができる。従って、特別遊技状態以外の状態でも、常に貯留装置600を狙うことにより、一般入賞口(大価値入賞口)602の払い出しのみによって出球を増やす変則的な遊技方法を根本的に成り立たなくし、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態において、特別図柄の抽選を行わせることにより大当たりとなることを期待して遊技を行わせることができる。
なお、貯留装置600へは、右打ちした球のおよそ3球に1球が入球するように構成されている。そして、一般入賞口(小価値入賞口)601へと入球した場合に払い出される賞球数は3球である。つまり、特別遊技状態(大当たり状態)以外の遊技状態において右打ちを実行したとしても、特別図柄の抽選が行われにくい上に、一般入賞口(小価値入賞口)601への入球に基づく払い出しによって球を増加させることもできない。これにより、通常状態において右打ちするメリットをなくし、遊技者に対して特別図柄の抽選により大当たりとなることを目指して遊技を行わせることができる。
なお、本実施形態では、誘導流路606を流下した球が一般入賞口(小価値入賞口)601へと入球し、誘導流路607を流下した球が一般入球口602へと入球するように構成されているが、これに限られるものではない。例えば、各誘導流路の下流側に、複数の入賞口が設けられている公知のクルーン手段を設けておき、入球する入賞口に応じて異なる賞球の払い出しを実行するように構成してもよい。これにより、誘導流路606を流下したとしても、比較的払い出される賞球数の多い入賞口へと入球させることにより、多くの賞球を獲得できる。よって、遊技者に対して、貯留装置600へと入球した球がいずれかの入賞口へと入球するまで興味深く見守らせることができる。従って、貯留装置600へと球が入球した場合に、より遊技者を楽しませることができる。
本実施形態では、貯留弁607aによって誘導流路607を塞ぐことにより、誘導流路607の途上に球を貯留することができるように構成しているが、例えば、電磁石等を用いて誘導流路607の途上に球を貯留するように構成してもよい。即ち、誘導流路607の内壁部分に電磁石を埋め込んでおき、特別遊技状態中(大当たり状態中)以外の状態においては電磁石へ通電することにより磁化させる。これにより、誘導流路607へと最初に流入した球を電磁石が設けられた箇所に引き寄せ、球の流下を停止させる(電磁石の位置に球を貯留する)ことができる。このように構成することで、貯留弁607aを埋没させるためのスペースを削減することができる。よって、貯留装置600をよりコンパクトにすることができる。また、この場合において、誘導流路607の幅を広くして(例えば、図8において、分岐部材604と貯留弁607aが削除された構成とし)、誘導流路607のうち、誘導流路605の直下の部分にのみ電磁石を埋め込んでおくと共に、電磁石を埋め込んだ部分の直下に一般入賞口(大価値入賞口)602を設けてもよい。更に、電磁石により引き寄せられて流下が停止した球が存在する場合には、その電磁石部分に停止した球と他の球とが接触して流下方向が変更されることにより、電磁石が埋め込まれていない部分を流下し、一般入賞口(大価値入賞口)602とは異なる方向へと流下するように構成してもよい。そして、誘導流路607のうち、電磁石が埋め込まれていない部分の下方に一般入賞口(小価値入賞口)601を配設しておいてもよい。これにより、分岐部材604を廃止することができるので、貯留装置600の部品点数を削減することができる。
また、本実施形態では、貯留弁607aの上部に貯留される球を1球としていたが、これに限られるものではなく、2個以上の球を貯留できるように構成してもよい。更に、複数の球を貯留する場合は、縦方向に貯留してもよいし、横に並べて貯留できるように構成してもよい。
本実施形態では、貯留弁607aの上部に球を貯留できるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、貯留弁607aを誘導流路607の上端部分に設け、貯留弁607aが閉鎖されている場合には、誘導流路607へと球が流入できなくなるように構成してもよい。球が貯留されない構成とすることにより、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態において右打ちしたとしても、球が貯留装置600の内部に残存することなく排出させることができる。
特に、上記第1実施形態では、大当たりの終了後に付与される特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短状態において、第2入球口640が開放されやすくなる。また、特別図柄2の抽選(第2入球口640への始動入賞に基づく抽選)では、特別図柄1の抽選(第1入球口64への始動入賞に基づく抽選)に比較して、遊技者に有利な大当たりBとなりやすい。よって、遊技者は大当たりが終了すると、右打ちにより第2入球口640へと球を入球させようとして球を打ち出す。従って、例えば、普通図柄の時短期間が終了した場合には、高確率で貯留装置600に球が貯留された状態となる。これにより、遊技者に対して、球を損したと感じさせてしまう虞がある。これに対して、貯留弁607aを誘導流路607の上端に設けておき、貯留装置600に対して球を貯留しない構成としておくことにより、遊技者に球を無駄なく使い切ったと感じさせることができる。よって、遊技者に対して満足感を与えることができる。
本実施形態では、貯留装置600の内部に一般入賞口(小価値入賞口)601,602、およびアウト口603a〜603cを設ける構成としていたが、本構成に限られるものではない。例えば、一般入賞口(大価値入賞口)602が設けられている位置に第2入球口640を配設するように構成してもよい。即ち、上記第1実施形態において、遊技盤13の右側の経路(流路)のうち、可変表示装置ユニット80の右側に設けられていた第2入球口640を貯留装置600の内部に移設してもよい。また、この場合において、貯留弁607aの開放条件として、例えば、大当たりが終了してから大当たりになることなく特別図柄の抽選が1000回実行された場合に貯留弁607aが開放されるように構成してもよい。
これにより、大当たりが終了してから1000回特別図柄の抽選が実行された場合に、右打ちを行うことにより、第2入球口640へと球を入球させることができるので、特別図柄2の抽選を実行させることができる。なお、上記第1実施形態では、第2入球口640へと入球した場合に払い出される賞球数が5個となるように構成されていたが、本変形例の場合は払い出しが3個となるように構成しておけばよい。即ち、右打ちした場合に貯留装置600へと入球させることができる球の数は3球に1球の割合となっているので、貯留弁607aが開放されてから右打ちを行うことにより、3球に1球の割合で第2入球口640へと入球させることができる。即ち、持ち球を維持しつつ特別図柄2の抽選を受けることができる。このように構成することで、大当たりとならないまま特別図柄の抽選が繰り返されたとしても(所謂、大ハマリが発生してしまったとしても)、貯留弁607aが開放されることを期待して遊技を行わせることができる。よって、大当たりとならない期間が長くなったとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持させることができる。なお、第2入球口640へと入球した場合に払い出される賞球数を増加させる(例えば、10個とする)ことにより、貯留弁607aが開放されて以降は右打ちするだけで球が増加していくように構成してもよい。このように構成することで、特別図柄の抽選に1000回以上連続して外れた場合のメリットをより大きくすることができる。よって、大当たり終了後は、少ない特別図柄の抽選回数で再び大当たりとなることを願わせ、特別図柄の抽選に外れ続けた場合は、連続して1000回以上、特別図柄の抽選に外れ続けることを願わせることができる。更に、貯留弁607aの開放後は、右打ちを行うだけで球が増加していくので、特別図柄の抽選に外れ続けることにより、第2入球口640への入球に対する払い出しで持ち球を増加させ続ける状態が長く続くことを願わせることができる。よって、特別図柄の抽選回数によって、特別図柄の大当たりとなることを願わせたり、特別図柄の抽選に外れ続けることを願わせたりすることができるので、斬新な遊技性を遊技者に提供することができる。
本実施形態では、貯留装置600において、貯留弁604aを1つのみ設ける構成としているが、貯留弁604aを複数設けてもよい。具体的には、誘導流路606の下流側が2方向に分岐するように構成し、一方の流路に特別遊技状態中(大当たり状態中)にのみ開放される貯留弁を設けてもよい。即ち、誘導流路606の下流側に、誘導流路606,607および分岐部材604と同様の構成を更に設けてもよい。そして、貯留弁を設けた側の流路の下流に、賞球数の多い(例えば、15個)一般入賞口を設け、貯留弁が設けられていない流路には賞球数の少ない(例えば、3個)一般入賞口を設けておいてもよい。このように構成することで、貯留装置600に対してより多くの個数の球を貯留させることができるので、特別遊技状態(大当たり状態)が開始され、各貯留弁が開放されることにより、貯留されていた球を一斉に賞球数の多い(例えば、15個)一般入賞口へと流下させることができる。よって、1回の大当たりにおいて獲得出来る賞球数をより多くすることができる。また、貯留装置600の内部に複数の貯留弁を設けるのに代えて、遊技盤13の右側の経路(流路)に貯留装置600を複数設けておいてもよい。このように構成した場合も、貯留弁を複数設ける場合と同様に、1回の大当たりにおいて獲得出来る賞球数をより多くすることができる。
本実施形態では、遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)において、第2入球口640の下流に貯留装置600が設けられ、その貯留装置の600の下流に第1可変入賞装置65が設けられ、その第1可変入賞装置65の下流に第2可変入賞装置650が設けられていたが、この配置に限られるものではなく、任意の配置としてもよい。例えば、第1可変入賞装置65、および第2可変入賞装置650を第2入球口640よりも上流側に配置してもよい。上記第1実施形態の配置では、特別遊技状態(大当たり状態)において、第1特定入賞口65aや、第2特定入賞口650へと入球させようとして打ち出した球が先に第2入球口640へと入球してしまい、第1特定入賞口65aや第2特定入賞口650aへと入球しにくくなってしまう場合があるが、第1特定入賞口65aや第2特定入賞口650aを上流側に配置することにより、特別遊技状態中(大当たり状態中)によりスムーズに賞球を獲得させることができる。
また、第1特定入賞口65aや第2特定入賞口650aを上流側に配置することにより、貯留装置600よりも上流側に配置することにより、特別遊技状態中(大当たり状態中)に、貯留装置600ばかりに球が入球し、第1特定入賞口65aや第2特定入賞口650aへと球が到達しにくくなってしまうことを防止(抑制)することができる。よって、特別遊技状態中(大当たり状態中)の各ラウンドをよりスムーズに進行させることができる。
本実施形態では、特別図柄の抽選契機となる入球口として、第1入球口64と、第2特定入球口640とが設けられていたが、どちらか一方を廃止してもよい。例えば、第2入球口640を廃止し、第1入球口64に対して電動役物640を設ける構成としてもよい。これにより、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態において遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)へと球を打ち出すメリットがより少なくなるので、貯留装置600を狙って球を打ち出す変則的な遊技方法をより確実に防止(抑制)することができる。
本実施形態では、特別遊技状態(大当たり状態)において、貯留装置600へと球が流入(入球)した場合に、払い出される賞球が多い一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球するように構成されていたが、これに加えて、1回の特別遊技状態(大当たり状態)において、一般入球口602へと入球した球の個数を第3図柄表示装置81に対して表示するように構成してもよい。これにより、特別遊技状態(大当たり状態)において、第1特定入賞口65aや、第2特定入賞口650aへと入賞させることにより賞球を獲得することに加え、どれだけ余分に賞球を得ることができたかを遊技者に認識させることができる。よって、一般入賞口(大価値入賞口)602へとより多くの球を入球させようと思わせることができるので、入球個数の目標を持たせることができる。なお、一般入賞口(大価値入賞口)602への入賞個数は、必ずしも第3図柄表示装置81へ表示させる必要はなく、専用の表示装置を別個に設けておいてもよい。これにより、第3図柄表示装置81において、大当たり状態中の演出をより広い表示領域で実行することができる。
本実施形態では、第1特定入賞口65aへと球が入球(入賞)することに基づいて払い出される賞球数と、第2特定入賞口650aへと球が入球(入賞)することに基づいて払い出される賞球数と、一般入賞口(大価値入賞口)602へと球が入球(入賞)することに基づいて払い出される賞球数とを全て同じ個数(15個)としているが、これに限られるものではない。例えば、一般入賞口(大価値入賞口)602へと球が入球(入賞)することに基づいて払い出される賞球数を、第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aへと球が入球(入賞)することに基づいて払い出される賞球数よりも少なくなるように(例えば、10個となるように)構成してもよい。これにより、特別遊技状態(大当たり状態)において球の進行方向が偏った結果、貯留装置600にばかり球が流入したとしても、ホールに対しする不利益を低減させることができる。
また、上記とは逆に、一般入賞口(大価値入賞口)602へと球が入球(入賞)することに基づいて払い出される賞球数を、第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aへと球が入球(入賞)することに基づいて払い出される賞球数よりも多くなるように構成してもよい。具体的には、例えば、第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aへと入球(入賞)することにより払い出される賞球数を10個とし、一般入賞口(大価値入賞口)602へと球が入球(入賞)した場合に払い出される賞球数を15個としてもよい。これにより、特別遊技状態(大当たり状態)において貯留装置600へと球を流入させることにより遊技者が享受できる利益をより多くすることができるので、遊技者の大当たり遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本実施形態では、大当たりが開始されることに基づいて貯留弁607aを開放し、大当たりの終了に基づいて貯留弁607aを閉鎖するように構成していたが、貯留弁607aの開放および閉鎖の契機はこれに限られるものではない。本実施形態よりも短い期間だけ開放されるように設定してもよいし、大当たりにおいて開放状態と閉鎖状態とを複数回繰り返すように構成してもよい。例えば、大当たりのラウンド間に設定されるインターバル期間となることに基づいて貯留弁607aを開放し、インターバル期間が終了することに基づいて貯留弁607aを閉鎖するように構成してもよい。貯留弁607aが開放状態(解除状態)に設定される期間をインターバル期間に限ることにより、1回の大当たりにおいて払い出される賞球数が多くなりすぎてしまうことを防止(抑制)することができる。つまり、1回の大当たりにおいて遊技者に払い出す賞球数がバラついてしまうことを防止することができるので、パチンコ機10の売り上げを予測し易くすることができる。また、インターバル期間中に貯留弁607aを開放することにより、インターバル期間(即ち、第1特定入賞口65a、第2特定入賞口650aが閉鎖されている状態)において遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)の下流へと到達した球の一部を貯留装置600へと流入させることができる。つまり、インターバル期間においても一般入賞口602へと球を入球させることで賞球を獲得させることができる。よって、インターバル期間でも球が無駄になりにくくできる。
また、本実施形態では、大当たりのエンディング演出の開始時に貯留弁607aを閉鎖するように構成していたが、エンディング演出の終了時に閉鎖するように構成してもよい。これにより、エンディング演出の開始時に盤面に残っている球の一部を貯留装置600へと流入させることができる。つまり、エンディング演出中において一般入賞口602へと球を入球させることで賞球を獲得させることができる。よって、エンディング演出中に球が無駄になりにくくすることができる。更に、エンディング演出が終了してから一定期間(例えば、5秒間)が経過するまで貯留弁607aを開放状態のままとしておき、一定期間(例えば、5秒間)が経過してから貯留弁607aを閉鎖状態に切り替えるように構成してもよい。これにより、エンディング演出の終了時に盤面に残っている球の一部を貯留装置600へと流入させることができる。つまり、エンディング演出の終了後において一般入賞口602へと球を入球させることで賞球を獲得させることができる。よって、エンディング演出の終了後に球が無駄になりにくくすることができる。
また、特別遊技状態(大当たり状態)とは別の遊技状態が設定されることを契機として貯留弁607aを開放し、その設定された遊技状態から他の遊技状態に変更される場合に貯留弁607aを閉鎖してもよい。例えば、特別図柄の確変状態が設定されている期間に貯留弁607aを開放するように構成してもよい。これにより、特別図柄の確変状態においては、右打ちを行うことにより大当たりBとなりやすい特別図柄2の抽選を受けつつ、払い出される賞球数の多い一般入賞口(大価値入賞口)602へと球を入球させることができる。よって、特別図柄の確変状態を、より遊技者に有利な状態にすることができる。また、普通図柄の時短状態が設定された場合に貯留弁607aを開放するように構成してもよい。基本的に普通図柄の時短状態は、特別図柄の確変状態に比較して遊技者にとってメリットが少ない状態であるが、普通図柄の時短状態中に貯留弁607aが開放されるように構成しておけば、普通図柄の時短状態となった場合に遊技者が落胆してしまうことを抑制できる。
また、遊技状態等に応じて貯留弁607aの状態を切り替えるのに代えて、または遊技状態等に応じて貯留弁607aの状態を切り替えるのに加えて、遊技者の任意のタイミングで貯留弁607aの状態を切り替えられるように構成してもよい。これにより、各遊技者に対し、自己の趣向に応じた貯留弁607aの状態で遊技を行わせることができる。
本実施形態では、貯留装置600の内部にアウト口を設けていたが、アウト口に代えて、賞球が払い出される入賞口を設けておいてもよい。また、各入賞口へと球が入球することにより払い出される賞球数を異ならせてもよい。より具体的には、例えば、アウト口603aに代えて賞球が6個の入賞口を設け、アウト口603bに代えて賞球が10個の入賞口を設け、アウト口603cに代えて賞球が12個の入賞口を設けてもよい。これにより、球が誘導流路606を流下した場合や、誘導流路607を、いずれの入賞口へと球が入球するのかをより興味深く観察させることができる。また、誘導流路606や誘導流路607の下流に釘等の球の流下方向を変更可能な部材を設け、いずれの球が入球する入賞口がよりランダムとなるように構成してもよい。これにより、球が貯留装置600へと流入した場合に、いずれかの入賞口へと球が入球するまでより球の行方を興味深く観察させることができる。また、釘等を設けておくことにより、ホールの店員によって球が入球しやすい入球口を設定することができる。よって、パチンコ機10の出球率をホール側で調節することができる。
本実施形態では、貯留弁607aの開放および閉鎖を主制御装置110のMPU201により制御するように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、音声ランプ制御装置113のMPU221により貯留弁607aの制御を行ってもよい。より具体的には、貯留装置用ソレノイド610を音声ランプ制御装置113の入出力ポート225と電気的に接続してもよい。そして、主制御装置110よりオープニングコマンドを受信した場合に貯留弁607aを開放状態に切り替えるように制御し、エンディングコマンドを受信した場合に閉鎖状態に切り替えるように制御してもよい。これにより、主制御装置110のMPU201の処理負荷を軽減することができる。よって、遊技に関する主要な処理である、変動演出の選択処理や、特別図柄の抽選処理等を遅滞なく実行することができる。
本実施形態では、特別遊技状態(大当たり状態)において貯留弁607aを開放状態(解除状態)に設定し、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態において貯留弁607aを閉鎖状態(貯留状態)に設定するように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、経過時間や現在時刻、設置日数等に応じて貯留弁604aの状態を切り替えてもよい。また、定期的に、或いは不定期に行われる抽選の結果に基づいて切り替えるように構成してもよい。例えば、貯留607aが基本的に閉鎖状態(貯留状態)となるように構成し、1分に1回の頻度で開放状態(解除状態)に切り替えるか否かの抽選を実行するように構成してもよい。また、抽選に当選した場合は、例えば10秒間貯留弁607aが開放されるように構成してもよい。これにより、抽選に当選し、貯留弁607aが開放状態(解除状態)に設定された状態で球を貯留装置600へと流入させることができれば、一般入賞口(大価値入賞口)602へと球を入球させることができるので、遊技者に対してより多く抽選に当選することを期待して遊技を行わせることができる。更に、貯留弁607aを開放状態(解除状態)に設定するか否かの抽選の抽選確率を、ホールの店員等が調節できるように構成してもよい。これにより、複数のパチンコ機10の中から遊技者が遊技を行う台を1台選択する場合に、抽選確率が良い設定となっている台を予測して台選びを行わせることができる。よって、ホールの抽選確率を設定する際の癖等を考慮してパチンコ機10を選択させることができるので、遊技を開始する前の台選びの段階で、遊技者の興趣を向上させることができる。
本実施形態では、大当たり種別に応じて、大当たりの12ラウンド目に確変入球口654へと入球し易いタイミングで第2特定入賞口650aが開放される大当たり(大当たりB)と、確変入球口654へと入球しにくいタイミングで第2特定入賞口650aが開放される大当たり(大当たりA)とを設けているが、大当たり中に第3図柄表示装置81に表示される演出により、どちらの大当たり種別かを示唆するように構成してもよい。例えば、大当たりの1ラウンド〜11ラウンドの各ラウンドにおいて、正義の味方とモンスターとが戦う演出を行ってもよい。そして、11ラウンドまでに正義の味方が勝利すれば、大当たりBであることが報知され、正義の味方が敗北した場合は、大当たりAであることが報知されるように構成してもよい。即ち、正義の味方が勝利すると、特別図柄の確変状態へと移行させるチャンスであることを遊技者に認識させることができる。これにより、遊技者に対して大当たりにおいて行われる演出の結果をより興味深く観察させることができる。
なお、演出内容にバリエーションを設け、正義の味方が勝利する期待度が高い(大当たりBの場合に選択されやすい)演出内容と、正義の味方が敗北してしまう可能性が高い(大当たりAの場合に選択されやすい)演出内容とを設けてもよい。例えば、正義の味方が必殺技で敵を攻撃したり、敵の攻撃を正義の味方が回避した場合に勝利する期待度が高くなるように構成し、正義の味方の攻撃が外れてしまったり、敵が必殺技で攻撃してきた場合に敗北する可能性が高くなるように構成してもよい。これにより、正義の味方が勝利するか否かの結果だけでなく、勝利、又は敗北に至るまでの演出の流れで結果を予測させることができる。よって、遊技者の大当たり遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、11ラウンドまでに行われる演出の内容は、上記した正義の味方とモンスターとが戦う演出に限られるものではなく、有利な大当たりBと、その大当たりBよりも不利な大当たりAとを示唆できる態様であればよい。例えば、少年のキャラクタ710が宝物を捜索する演出を行い、11ラウンド目までに宝物を見つけることができれば、大当たりBであることが報知されるように構成してもよいし、少年のキャラクタ710が大食いを行う演出を表示させ、提供された食べ物を残さず食べ切れたら大当たりBであることが報知されるように構成してもよい。
本実施形態におけるパチンコ機10では、一般的な遊技機には搭載されていない特異な構成である貯留装置600を設けているので、この貯留装置600に関わる遊技性を説明する演出を設けておいてもよい。より具体的には、例えば、背面画像として貯留装置600の画像を表示させ、貯留弁607aが開放される条件と、開放された場合のメリットと、閉鎖状態で球を右打ちした場合のデメリットとを説明する画像(説明画像)を表示するように構成してもよい。これにより、遊技者が容易に遊技性を理解することができる。また、説明画像が表示される背面種別は、枠ボタン22を押下(操作)することにより背面種別を切り替えることができるように構成してもよい。これにより、パチンコ機10での遊技に慣れ、十分に遊技性を理解している遊技者は、説明画像が表示されない背面種別に変更することができる。
本実施形態では、通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)において右打ちを行い、貯留装置600へと球が入球したことを検出した場合には右打ち警告画像(図5(b)参照)を表示させるように構成していたが、所定条件下では右打ち警告画像を表示させないように構成してもよい。例えば、貯留弁607aの上部に球が貯留されていない状態において遊技者が右打ちを行っている場合は、貯留弁607aの上部に球が貯留されるまで右打ち警告画像(図5(b)参照)を表示させないように構成してもよい。通常状態において貯留弁607aの上部に球が貯留されている状態としておくことにより、その後に特別図柄の大当たりとなり、貯留弁607aが開放状態(解除状態)に設定されると、貯留弁607aの上部へと貯留された球を即座に一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球させることができる。よって、一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球したことにより払い出される球を大当たり遊技に用いる球として用いることができる。従って、大当たりになったにもかかわらず持ち球が尽きた場合であっても、球を新たに借りることなく大当たり遊技を行うことができる。
<第2実施形態>
次に、図62〜図76を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、第1可変入賞装置65、および第2可変入賞装置650の上流に貯留装置600を設ける構成とし、特別遊技状態(大当たり状態)において、貯留装置600の内部に配設された一般入賞口(大価値入賞口)602へと球を入球させることにより賞球を得られるように構成していた。つまり、特別遊技状態(大当たり状態)において、第1特定入賞口65aや、第2特定入賞口650aへと球を入球させることにより賞球が払い出されるのに加え、貯留装置600へと球を入球させることにより賞球が払い出されるように構成していた。これにより、大当たりにおいて、より多くの賞球の払い出しが行われるように構成し、遊技者の大当たり遊技に対する興趣をより向上させていた。
また、上記第1実施形態において、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態(通常遊技状態)においては、一般入賞口(大価値入賞口)602の上流を貯留弁607aによって閉鎖することにより、球が一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球しにくくなるように構成するとともに、貯留弁607aの上部に球を貯留しておけるように構成されていた。そして、通常遊技状態において貯留装置600の内部に貯留された球が存在する場合は、その貯留された球と、貯留装置600へと新たに流入した他の球とが干渉(接触)可能となるように構成していた。そして、貯留された球との干渉(接触)が起きた場合に、貯留装置600へと新たに流入した球の流下方向が、賞球数の少ない一般入賞口(小価値入賞口)601の方向(誘導流路606の方向)へと変化するように構成していた。これにより、通常遊技状態において貯留装置600の一般入賞口(大価値入賞口)602へ入賞させることを狙って球を右打ちすることにより、大当たりを介さずに持ち球を増やそうとする変則的な遊技方法が根本的に成り立たなくなるように構成していた。
これに対して第2実施形態では、第1実施形態における貯留装置600に代えて、貯留装置700を設けている。そして、貯留装置700に対して球を貯留するか否かを、遊技者の操作により切り替えられるように構成している。また、貯留装置700に球が貯留されている場合に、球が流下可能な流路を2つ設ける構成とし、貯留装置700へと流入した球の流下速度や進入角度、釘の調整具合等により、どちらの流路へも球が流入し得るように構成している。
更に、第2実施形態では、球が貯留されない状態(貯留弁704aが開放された状態)において入球し易い入賞口と、球が貯留弁704aに貯留された状態において流入し易い2つの流路の下流にそれぞれ設けられている2種類の入賞口は、全て払い出される賞球数が異なるように構成している。即ち、球が貯留弁704aに貯留されている場合に入賞し得る2種類の入賞口は、一方が払い出される賞球数が多い入賞口となり、他方が払い出される賞球数の少ない入賞口となるように構成している。また、貯留弁704aが開放された状態において球が入賞し得る入賞口は、上記2種類の払い出し個数の中間となるように構成されている。即ち、賞球数が多い入賞口にも、少ない入賞口にも入球し得る状態と、貯留装置700へと球を流入させることにより平均的な払い出しを安定して受けられる状態とを切り替えることができる。よって、遊技者の好みに応じて、貯留装置700へと球を流入させた場合の遊技性を切り替えることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
この第2実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、第1可変入賞装置65の配置が第1入球口64の下方となった点、第2可変入賞装置650が廃止された点、貯留装置600に代えて貯留装置700が設けられている点、遊技者の操作により貯留弁704aの状態を開放状態に変更するための解除ボタン800が設けられている点、主制御装置110のRAM203の構成が一部変更されている点、音声ランプ制御装置113のRAM223の構成が一部変更されている点、主制御装置110のMPU201により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図62を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13について説明する。図62に示した通り、第2実施形態のパチンコ機10では、第1入球口64の下方に第1可変入賞装置65が設けられている。そして、第1実施形態において遊技盤13の右側の経路(流路)に設けられていた第2可変入賞装置650が廃止されている。そして、大当たりの全てのラウンドにおいて、第1特定入賞口(第1大開放口)65aが開放されるように構成されている。即ち、特別遊技状態(大当たり状態)において、左打ちを行うことにより第1特定入賞口(第1大開放口)65aへと球を入球させることができるように構成されている。
また、第2実施形態では、遊技盤13の右側の経路(流路)に貯留装置700が設けられている。この貯留装置700は、その入口周辺の釘が第1実施形態の貯留装置600の入口周辺に比較して少なくなっており、右打ちした場合に流入する球の割合が第1実施形態の貯留装置600に比較して少なくなるように構成されている(例えば、10球に1球の割合)。この第2実施形態における貯留装置700の詳細については、図64〜図66を参照して後述する。
次に、図63を参照して、本実施形態におけるパチンコ機10の第3図柄表示装置81に対して表示される画像について説明する。図63は、特別図柄の確変状態、または普通図柄の時短状態(右打ちを行っても遊技者が損をすることがない期間)において、第3図柄表示装置81へと表示される画像を示す図である。図63(a)は、解除ボタン800が押下されていない状態(貯留弁704aが開放されていない状態)における表示内容を示しており、図63(b)は、解除ボタン800が押下されている状態(貯留弁704aが開放されている状態)における表示内容を示している。
図63(a)に示した通り、遊技者によって解除ボタン800が押下(操作)されていない場合は、副表示領域Dsにおける小領域Ds2に、第1実施形態における少年のキャラクタ710(図5(a)のDs2参照)に代えて、「ボタンを押すとゲート開放!」との文字が表示される。この文字を表示させることにより、遊技者に対して解除ボタン800(ボタン)を押下することにより、貯留装置700内に設けられている貯留弁704a(ゲート)を開放状態に設定することができると容易に認識させることができる。なお、小領域Ds2以外の表示領域における表示内容については、第1実施形態における特別図柄の確変状態、および普通図柄の時短状態と同一であるので、その詳細名説明については省略する。
また、図63(b)に示した通り、遊技者によって解除ボタン800が押下(操作)されている場合は、小領域Ds2に対して、「ゲート開放中」との文字が表示される。これにより、貯留装置700内に設けられている貯留弁704a(ゲート)が開放状態にあることを容易に認識させることができる。
次に、図64〜図66を参照して、本実施形態における貯留装置700の詳細について説明を行う。まず、図64は、第2実施形態における貯留装置700の正面図である。図64に示した通り、貯留装置700は、その上部から流入した球を流下させる誘導流路707が設けられており、その誘導流路707の下流側には、3つの流路が設けられている(誘導流路707の下流が3方向に分岐している)。具体的には、流入した球を正面視左下方向へと流下させるための誘導流路706と、正面視下方向へと流下させるための誘導流路704と、正面視右下方向へと流下させるための誘導流路708とが設けられている。なお、図64に示した通り、誘導流路705の下流には、釘709aと、釘709bとが設けられているので、誘導流路705を流下中に球が右寄り、または左寄りとなっていたとしても、釘709a,709bの間を通過することにより球の流下方向を中央寄りに矯正することができる。よって、誘導流路705を流下した球は、誘導流路705の下流の中央側に設けられた誘導流路704へと流入しやすくなる。
誘導流路706の下流には、払い出される賞球数が比較的多い(例えば、6個の)一般入賞口(大価値入賞口)702が設けられている。また、誘導流路704の下流には、一般入賞口(大価値入賞口)702に比較して払い出される賞球数が少ない(例えば、3個の)一般入賞口(中価値入賞口)701が設けられている。更に、一般入賞口(中価値入賞口)701、および一般入賞口(大価値入賞口)702以外の入球口として、球が入球しても賞球が払い出されないアウト口703a〜703eが設けられている。そして、誘導流路708を流下した遊技球は、アウト口(小価値入賞口)703d、またはアウト口(小価値入賞口)703eへと入球するので、誘導流路708を球が流下した場合に、遊技者に対するメリットが一切ない状態となる。なお、誘導流路706を流下したものの、一般入賞口(大価値入賞口)702へと入球しなかった球は、アウト口703a、またはアウト口703bへと入球することにより外部へと排出される。また、誘導流路704を流下したものの、一般入賞口(中価値入賞口)701へと入球しなかった球は、アウト口703b、またはアウト口703cへと入球することにより外部へと排出される。これらのアウト口703a〜703cにより、振動等によって球が変則的な動きをしたとしても、球が貯留装置700の下方に堆積してしまうことを防止(抑制)し、確実に球を排出させることができる。
誘導流路704には、貯留弁704aが設けられている。この貯留弁704aは、第1実施形態における貯留弁607aと同様に、誘導流路704を閉鎖することにより、その閉鎖後に貯留装置700へと流入した球を貯留弁704aの上部に1球貯留することができる。この貯留弁704aは、第1実施形態における貯留弁607aとは異なり、遊技者による解除ボタン800(図67参照)の操作によって閉鎖状態を解除する(開放状態に設定する)ことができるように構成されている。貯留弁704の上部に球が貯留された状態では、貯留装置700へと流入した球が貯留された球と干渉(接触)することによる衝撃で、流下方向が変更される。この流下方向の変更(切り替わり)について、図65を参照して詳細に説明する。
図65は、貯留弁704aが閉鎖されている状態において、貯留装置700へと流入(入球)した球が流下した場合の球の軌道(流下方向)を示した図である。まず、図65(a)を参照して、貯留されている球と干渉(接触)した球が、干渉の衝撃によって正面視左側に反発する場合について説明する。
図65(a)に示した通り、貯留装置700へと流入(入球)した球が貯留弁704aの上部に貯留された球と干渉(接触)することにより正面視左方向へと反発すると、球は誘導流路706へと流入し、誘導流路706を流下する。ここで、誘導流路706の下流には一般入賞口(大価値入賞口)702が設けられているので、球が一般入賞口(大価値入賞口)702へと入球することで比較的多量(例えば、6個)の賞球が払い出される。従って、球が右側に反発すると、遊技者にとって有利となる。
次に、図65(b)を参照して、貯留されている球と干渉(接触)した球が、干渉の衝撃によって正面視右側へと反発する場合について説明する。図65(b)に示した通り、貯留装置700へと流入(入球)した球が貯留弁704aの上部に貯留された球と干渉(接触)することにより正面視右方向へと反発すると、球は誘導流路708へと流入し、誘導流路708を流下する。ここで、誘導流路708の下流にはアウト口(小価値入賞口)703d,703eが設けられているので、球はどちらかのアウト口へと入球する。即ち、球が正面視右側へと反発した場合は、賞球が払い出されないので、遊技者にとってメリットがない。
このように、貯留弁704aが閉鎖された状態では、貯留装置700へと流入(入球)した球が反発する方向によって、遊技者の得られる賞球数(遊技価値)が変動する。よって、貯留装置700へと球が流入(入球)した場合に、貯留弁704aの上部に貯留された球との干渉(接触)により球が正面視左方向へと反発することを期待して遊技を行わせることができる。即ち、貯留装置700へと流入(入球)した球の流下方向(反発方向)をより興味深く確認させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、球の勢いや貯留装置700への入球角度、釘709a,709bの調整具合によっても、反発しやすい方向が変化するので、遊技者に対して球が誘導流路706へと反発しやすくなるように、打ち方を工夫させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、遊技を行うパチンコ機10を選択する際に、釘709a,709bの調整具合を加味して一般入賞口(大価値入賞口)702へと球が入球しやすいパチンコ機10を選択させることができる。よって、遊技を開始する前のパチンコ機10を選択する段階で、自己にとって有利となりそうなパチンコ機10を探し出す楽しみを与えることができる。
次に、図66を参照して、貯留弁704aが開放状態に設定されている状態で、貯留装置700へと球が流入(入球)した場合の動作について説明する。貯留装置700へと球が流入すると、球はまず誘導流路705を流下する。この誘導流路705の下流には、釘709aと、釘709bとが左右にそれぞれ設けられているので(図66参照)、誘導流路705を流下中に球が右寄り、または左寄りとなっていたとしても、釘709a,709bの間を通過することにより球の流下方向を中央寄りに矯正することができる。よって、誘導流路705を流下した球は、誘導流路705の下流の中央側に設けられた誘導流路704へと流入する。
貯留弁704aが開放された状態では、球が誘導流路704を流下可能となるので、誘導流路704へと流入した球は、誘導流路704を下流へと流下し、一般入賞口(中価値入賞口)701へと入球する。これにより、一般入賞口(大価値入賞口)702への入球に対する賞球よりも少ない個数(例えば、3個)の賞球が払い出される。
このように、貯留弁704aが開放された状態では、貯留装置700へと流入した球が一般入賞口(中価値入賞口)701へと入球する。即ち、流下方向が反発により変化して誘導流路706や誘導流路708へと流入することがない。即ち、得られる賞球数が多い一般入賞口(大価値入賞口)702へと球を入球させることができない代わりに、アウト口(小価値入賞口)703d,703eへと球が入球してしまい、賞球が得られなくなることもない。よって、貯留装置700へと球を入球させた場合に、安定して賞球を得ることができるので、遊技者に対して安心感を抱かせることができる。
また、本実施形態では、遊技者が解除ボタン800(図67参照)を操作することにより、その操作が行われている間貯留弁704aを開放状態に設定することができる。即ち、貯留弁704aを閉鎖状態のままとすることにより、一般入賞口(大価値入賞口)702、アウト口(小価値入賞口)703d,703eのいずれにも球が入球する可能性がある状態(賞球を多く獲得できる可能性もあるが、賞球が得られない可能性もあるギャンブル性の高い状態)とすることができる。また、貯留弁704aを開放状態に設定することにより、貯留装置700へと流入した球を一般入賞口(中価値入賞口)701へと入球させることができる状態(少量ではあるが安定して賞球を獲得できる状態)とすることができる。よって、解除ボタン800(図67参照)を操作するか否かにより、パチンコ機10の遊技性を遊技者によって切り替えさせることができるので、各遊技者が、自己の趣向に合った遊技性を選択して遊技を行うことができる。
<第2実施形態における電気的構成について>
次に、図67、および図68を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。第2実施形態における電気的構成は、第1実施形態における電気的構成に対して、主制御装置110のROM202の第1当たり乱数テーブル202bの規定内容が変更されている点、RAM203の構成が一部変更されている点、主制御装置110の入出力ポート205に対して、解除ボタン800が電気的に接続されている点、および音声ランプ制御装置113のRAM223の構成が一部変更されている点で相違している。その他の電気的構成については、第1実施形態における電気的構成と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
図67に示した通り、解除ボタン800は入出力ポート205と電気的に接続されている。この解除ボタン800は、遊技者が任意に押下(操作)できる位置(例えば、枠ボタン22の周囲)に配設されている。遊技者によってこの解除ボタン800が押下(操作)されると、押下を検出したことをMPU201へと通知するための信号(押下検出信号)が入出力ポート205に対して出力される。主制御装置110のMPU201は、この押下検出信号に基づいて、貯留弁704aを開放するように貯留装置用ソレノイド610を制御する。即ち、貯留装置用ソレノイド610をオンに設定する。
次に、図68(a)を参照して、主制御装置110のROM202に設けられている第1当たり種別選択テーブル202bについて説明する。この第1当たり種別選択テーブル202bは、第1実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bと同様に、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルである。
なお、本実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bには、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別のみに対応付けて規定されている。即ち、第1実施形態と異なり、特別図柄1の抽選で大当たりとなるか、特別図柄2の抽選で大当たりとなるかによらず、同一の第1当たり種別カウンタC2の値に対しては同一の大当たり種別が対応付けられている。
具体的には、図68(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲には、大当たりCが対応付けられて規定されている(図68(a)の202b1参照)。なお、この大当たりCは、特別遊技状態(大当たり状態)が15ラウンド継続する大当たりである。また、大当たりCの終了後には、付加価値として普通図柄の時短状態が付与される(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態へと移行する)。また、大当たりCの終了後に付与される普通図柄の時短状態は、特別図柄の抽選が100回終了するまで継続する。
一方、第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜99」の範囲には、大当たりDが対応付けられて規定されている(図68(a)の202b2参照)。なお、この大当たりDは、特別遊技状態(大当たり状態)が15ラウンド継続する大当たりである。また、大当たりDの終了後には、付加価値として特別図柄の特別図柄の確変状態が付与される(特別図柄の確変状態へと移行する)。また、大当たりDの終了後に付与される特別図柄の確変状態は、次回の大当たりまで継続する。
このように、第2実施形態のパチンコ機10では、当選した大当たり種別によって、大当たり終了後の遊技状態が予め定められている。即ち、第1実施形態におけるパチンコ機10よりも一般的な構成を採用している。これに伴って、第2実施形態では、第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容を変更している。
次に、図68(b)を参照して、第2実施形態におけるRAM203の規定内容について説明する。図68(b)に示した通り、第2実施形態におけるRAM203は、第1実施形態におけるRAM203に設けられていた確変設定フラグ203h、確変通過カウンタ203i、入賞個数カウンタ203j、動作カウンタ203k、残球タイマフラグ203m、残球タイマ203n、確変有効フラグ203o、確変有効タイマ203p、および排出個数カウンタ203qが削除されている。これらの構成は、第2特定入賞装置650において大当たり終了後に特別図柄の確変状態へと移行させるか否かを判別することに関連して設けられていた構成だからである。つまり、本実施形態では、大当たり種別に応じて、予め大当たり終了時に設定する遊技状態が定められており、特別遊技状態中(大当たり状態中)に特別図柄の確変状態へと移行させるか否かの判断を行わないので、本実施形態において上記各構成を用いる必要がない。
また、図68(b)に示した通り、第2実施形態におけるRAM203には、解除フラグ203sが設けられている。この解除フラグ203sは、遊技者が解除ボタン800を押下(操作)し、貯留弁704aが開放状態に設定されているか否か(貯留弁704aの上部に球を貯留できる状態が解除されているか否か)を示すフラグである。この解除フラグ203sは、貯留弁704aの状態を閉鎖状態から開放状態へと切り替えた場合にオンに設定される(図71のS4008参照)。一方、貯留弁704aの状態が開放状態から閉鎖状態へと切り替えられた場合に、オフに設定される(図71のS4004参照)。
次に、図67に戻り、第2実施形態における音声ランプ制御装置113におけるRAM223の構成について説明する。図67に示した通り、本実施形態におけるRAM223では、第1実施形態におけるRAM223に設けられていた入賞回数カウンタ223jが廃止されていると共に、貯留状態フラグ223k、および流下時間カウンタ223kが追加されている。
貯留状態フラグ223kは、貯留弁704aが開放(解除)状態に設定されているか否かを示すフラグである。この貯留状態フラグ223kがオンであれば、貯留弁704aが閉鎖され、その上部に球を貯留できる状態となっていることを示す。一方、貯留状態フラグ223kがオフであれば、貯留弁704aが開放(解除)状態に設定され、誘導流路704を球が流下可能な状態となっていることを示す。この貯留状態フラグ223kは、主制御装置110から貯留状態コマンドを受信する度に、そのコマンドにより示される貯留状態に対応した値へと更新される(図72のS1922参照)。音声ランプ制御装置113では、この貯留状態フラグ223kに基づいて貯留弁704aの設定を判別し、貯留弁704aに対して異常が生じていないかどうかを判定する。
流下時間カウンタ223kは、貯留弁704aの状態を切り替える直前に誘導流路704、誘導流路706、または誘導流路708へと流入した球がいずれかの入球口(一般入賞口701、一般入賞口702、アウト口703d、またはアウト口703e)へと入球するまでの時間(球はけ時間)をカウントするためのカウンタである。球はけ期間をカウントしておくことで、一般入賞口(中価値入賞口)701、一般入賞口(大価値入賞口)702、アウト口(小価値入賞口)703d、またはアウト口(小価値入賞口)703eへと球が入球した場合に、その入球が正常な動作であるか否かをより正確に判別することができる。この流下時間カウンタ233kは、主制御装置110より貯留状態コマンドを受信する度に1秒に対応するカウンタ値が設定される(図72のS1923参照)。また、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図42参照)が実行される度に1ずつ減算される。
本実施形態では、貯留弁704aが閉鎖された状態で、貯留弁704aの下流に設けられた一般入賞口(中価値入賞口)701へと球が入球したり、貯留弁704aが開放された状態で一般入賞口(大価値入賞口)702、アウト口(小価値入賞口)703d、およびアウト口(小価値入賞口)703eへと球が入球した場合には、警告画像(図7(b)参照)が表示されるように構成されている。しかし、貯留弁704aが開放状態から閉鎖状態へと切り替わる直前に球が誘導流路704へと球が流入した場合は、貯留弁704aが閉鎖状態へと切り替わってから球が一般入賞口(中価値入賞口)701へと入球する場合がある。同様に、貯留弁704aが閉鎖状態から開放状態へと切り替わる直前に誘導流路706、または誘導流路708へと球が流入した場合は、貯留弁704aが開放状態へと切り替わってから球が一般入賞口(大価値入賞口)702やアウト口(小価値入賞口)703d、アウト口(小価値入賞口)703eへと入球する場合がある。これらを正常な入球であると扱う(警告画像を表示させない)ために、本実施形態では、貯留弁704aの状態を切り替えた場合に、流下時間カウンタ233kに対して所定期間(1秒)に対応するカウンタ値を設定する。そして、カウンタ値として設定した1秒間が経過するまでは、球が一般入賞口(中価値入賞口)701、一般入賞口(大価値入賞口)702、アウト口(小価値入賞口)703d、またはアウト口(小価値入賞口)703eへと入球した場合に、正常な動作であると判別する(警告画像を表示しない)ように構成されている。
<第2実施形態における主制御装置の制御処理について>
次いで、図69〜図71を参照して、第2実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種処理について説明する。本実施形態では、メイン処理(図69参照)の内容が第1実施形態から変更されている。以下では、このメイン処理(図69参照)の中で実行される各種処理の説明のみを行い、第1実施形態から変更されていないその他の処理については、その詳細な説明を省略する。
まず、図69を参照して、第2実施形態における主制御装置110のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図69は、このメイン処理を示すフローチャートである。第1実施形態と同様に、このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。
本実施形態におけるメイン処理(図69参照)では、第1実施形態におけるメイン処理(図34参照)に対して、大当たり制御処理(図35参照)に代えて、大当たり制御処理2(図70参照)が実行される点で相違する。また、第2図柄表示更新処理(S1007)が終了した後で、貯留弁704aの開放および閉鎖を設定するための貯留制御処理(S1022)が実行される点でも相違している。また、第1実施形態におけるエラーコマンド処理(図39参照)に代えて、エラーコマンド処理2(S1023)が実行される点でも相違している。その他の処理については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
次に、図70を参照して、本実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される大当たり制御処理2(S1021)について説明する。図70は、この大当たり制御処理2(S1021)を示したフローチャートである。この大当たり制御処理2(S1021)は、メイン処理(図69参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別遊技状態(大当たり状態)である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、第1特定入賞口(第1大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
この大当たり制御処理2(S1021)のうち、S1101,S1102,S1104,S1105、およびS1109の各処理では、第1実施形態における大当たり制御処理(図35参照)のS1101,S1102,S1104,S1105、およびS1109の各処理と同一の処理が実行される。また、本実施形態における大当たり制御処理2では、第1実施形態におけるS1103の処理(貯留弁の開放を設定する処理)が廃止されている。第2実施形態では、遊技者が解除ボタン800を操作することに基づいて貯留弁704aを開放状態に設定するので、特別遊技状態(大当たり状態)であるか否かに関係なく貯留弁704aの状態が切り替わるためである。
また、本実施形態における大当たり制御処理2では、S1105の処理により新たなラウンドの開始タイミングであると判別された場合に(S1105:Yes)、第1特定入賞口(第1大開放口)65aの開放を設定し(S1121)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定して(S1122)、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図69参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1105の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでないと判別した場合は(S1105:No)、第1特定入賞口(第1大開放口)65aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1123)。具体的には、第1特定入賞口(第1大開放口)65aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、第1特定入賞口(第1大開放口)65aを開放した後に球が所定数(例えば、10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。
S1123の処理において、第1特定入賞口(第1大開放口)65aの閉鎖条件が成立したと判別した場合には(S1123:Yes)、第1特定入賞口(第1大開放口)65aを閉鎖して(S1124)、本処理を終了する。一方、第1特定入賞口(第1大開放口)65aの閉鎖条件が成立していない場合には(S1123:No)、エンディング演出の開始タイミングであるかを判定する(S1109)。具体的には、特別遊技状態(大当たり状態)の15ラウンドが終了した場合に、エンディング演出の開始タイミングであると判定する。
S1109の処理において、エンディング演出の開始タイミングであると判定した場合には(S1109:Yes)、まず、エンディングコマンドを設定する(S1125)。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図69参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
S1125の処理が終了すると、次いで、今回の大当たりが大当たりD(確変大当たり)であるか否かを判別し(S1126)、大当たりDでない(即ち、大当たりCである)と判別した場合は(S1126:No)、時短中カウンタ203rの値に100を設定して(S1127)、本処理を終了する。時短中カウンタ203rに100を設定することにより、大当たりの終了後に特別図柄の抽選が100回終了するまで普通図柄の時短期間とすることができる。
一方、S1126の処理において、今回の大当たりが大当たりD(確変大当たり)であると判別した場合は、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態を付与するために、確変フラグ203gをオンに設定して(S1128)、本処理を終了する。また、S1109の処理において、エンディングの開始タイミングでない場合には(S1109:No)、本処理を終了する。即ち、第1実施形態における入賞処理(S1111、図38参照)や、異常処理(S1112、図39参照)は、本実施形態の大当たり制御処理2において実行されない。
大当たり制御処理2(図70参照)を、第1実施形態における大当たり制御処理(図35参照)に対して上記のように相違させることで、大当たり中に開放される入賞口が1つのみ設けられ、大当たり種別に応じて大当たり終了後の状態が予め定められているパチンコ機(即ち、より一般的なパチンコ機)に対して本発明を適用することができる。
次に、図71を参照して、主制御装置110のMPU201により実行される貯留制御処理(S1022)について説明する。図71は、この貯留制御処理(S1022)を示すフローチャートである。この貯留制御処理(S1022)は、上述した通り、貯留弁704aの開放および閉鎖を設定するための処理である。
貯留制御処理では、まず、解除フラグ203sがオンであるか否かを判別し(S4001)、オンであると判別した場合は(S4001:Yes)、貯留弁704aが開放されている(貯留装置700に球を貯留できる状態が解除されている)ことを意味するので、次いで、解除ボタン800を遊技者が押下(操作)しているか否かを判別する(S4002)。即ち、押下検出信号を検出したか否か判別する。
S4002の処理において、解除ボタン800の押下(操作)を検出した(即ち、押下検出信号を検出した)と判別した場合は(S4002:Yes)、貯留弁704aを開放状態に保っておくために、そのまま本処理を終了する。一方、解除ボタン800の押下(操作)を検出していない(即ち、押下検出信号を検出していない)と判別した場合は(S4002:No)、貯留弁704aを閉鎖するために、貯留装置用ソレノイド610をオフに設定する(S4003)。そして、貯留弁704aの閉鎖が設定されたことを示すために、解除フラグ203sをオフに設定し(S4004)、貯留弁704aが閉鎖状態となったことを音声ランプ制御装置113に対して通知するために、貯留弁704aの閉鎖状態に対応する貯留状態コマンドを設定して(S4005)、本処理を終了する。
ここで設定された貯留状態マンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図69参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、閉鎖状態に対応する貯留状態コマンドを受信すると、閉鎖状態に対応する背面種別に設定するための表示用背面画像変更コマンドを表示制御装置114に対して出力する。表示制御装置114は、表示用背面画像変更コマンドに基づいて、背面画像を変更する。即ち、図63(a)に示したように、小領域Ds2に対して「ボタンを押すとゲート開放!」との文字が表示される態様に設定される。これにより、遊技者に対して解除ボタン800を押下することにより貯留弁704aを開放状態に設定できると容易に認識させることができる。
一方、S4001の処理において、解除フラグ203sがオフであると判別した場合は(S4001:No)、貯留弁704aが閉鎖されている(貯留装置700に球を貯留できる状態が設定されている)ことを意味するので、次いで、解除ボタン800を遊技者が押下(操作)しているか否かを判別する(S4006)。即ち、押下検出信号を検出したか否か判別する。
S4006の処理において、解除ボタン800の押下(操作)を検出していない(即ち、押下検出信号を検出していない)と判別した場合は(S4006:No)、貯留弁704aを閉鎖状態に保っておくために、そのまま本処理を終了する。一方、解除ボタン800の押下(操作)を検出した(即ち、押下検出信号を検出した)と判別した場合は(S4006:Yes)、貯留弁704aを開放するために、貯留装置用ソレノイド610をオンに設定する(S4007)。そして、貯留弁704aの開放が設定されたことを示すために、解除フラグ203sをオンに設定し(S4008)、貯留弁704aが開放状態となったことを音声ランプ制御装置113に対して通知するために貯留弁704aの開放状態に対応する貯留状態コマンドを設定して(S4009)、本処理を終了する。
ここで設定された貯留状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図69参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、解除状態に対応する貯留状態コマンドを受信すると、解除状態に対応する背面種別に設定するための表示用背面画像変更コマンドを表示制御装置114に対して出力する。表示制御装置114は、表示用背面画像変更コマンドに基づいて、背面画像を変更する。即ち、図63(b)に示したように、小領域Ds2に対して「ゲート開放中」との文字が表示される態様に設定される。これにより、遊技者に対して貯留弁704aが開放状態であると容易に認識させることができる。
この貯留制御処理を実行することにより、解除ボタン800の操作状況に応じて、貯留弁704aの開放または閉鎖を設定することができる。これにより、遊技者の任意のタイミングで、貯留弁704aの上部へと球を貯留することにより、一般入賞口(大価値入賞口)702、またはアウト口(小価値入賞口)703d,703eのいずれかに球が入球する状態と、貯留装置700へと流入(入球)した球が、一般入賞口(中価値入賞口)701へ向けて流下する状態とを切り替えることができる。
<第2実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次いで、図72〜図75を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置114のMPU221により実行される各種処理について説明する。本実施形態では、コマンド判定処理(図72参照)の内容が第1実施形態におけるコマンド判定処理(図43参照)から一部変更されている。以下では、このコマンド判定処理(図72参照)についての説明のみを行い、第1実施形態から変更されていないその他の処理については、その詳細な説明を省略する。
図72は、本実施形態におけるコマンド判定処理(1811)を示すフローチャートである。このコマンド判定処理において、S1901〜S1911、およびS1913〜S1919の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるコマンド判定処理(図43参照)のS1901〜S1911、およびS1913〜S1919の各処理と同一の処理がそれぞれ実行される。
また、本実施形態におけるコマンド判定処理(図72参照)では、S1911の処理において入賞情報コマンドを受信したと判別された場合に(S1911:Yes)、貯留弁704aにおいて故障等の不具合の有無を判別し、不具合が生じている場合に警告を行う警告処理を実行し(S1921)、本処理を終了する。
また、本実施形態におけるコマンド判定処理(図72参照)では、S1916の処理においてエンディングコマンドを受信していない判別された場合に(S1916:No)、次いで、貯留状態コマンドを受信したか否かが判別される(S1922)。そして、貯留状態コマンドを受信したと判別した場合は(S1922:Yes)、貯留状態コマンドにより通知された貯留弁704aの状態に応じて、貯留状態フラグ223kを更新する(S1923)。具体的には、貯留弁704aの状態として閉鎖状態(貯留状態)が通知された場合は、貯留状態フラグ223kをオンに設定し、貯留弁704aの状態として開放状態(解除状態)が通知された場合は、貯留状態フラグ223kをオフに設定する。なお、貯留状態フラグ223kが更新されると、あわせて更新後の貯留状態に対応した背面画像(図63(a),(b)参照)を設定することにより、第3図柄表示装置81の表示内容を更新する。
S1923の処理が終了すると、流下時間カウンタ223lに対して1秒間に対応するカウンタ値を設定して(S1924)、本処理を終了する。この流下時間カウンタ223lに対して設定された球はけ時間を用いることにより、貯留弁704aにおいて不具合の有無を正確に判別することができる。なお、S1922の処理において、貯留状態コマンドを受信していないと判別した場合は(S1922:No)、処理をS1919へと移行する。
このように、本実施形態におけるコマンド判定処理(図72参照)では、主制御装置110より解除状態コマンドや閉鎖状態コマンドに応じて、貯留弁704aの状態を第3図柄表示装置81に対して表示させるためのコマンドを表示制御装置114に対して設定することができる。これにより、遊技者に対して貯留弁704aの状態を容易に認識させることができる。
次に、図73のフローチャートを参照して、第2実施形態におけるコマンド判定処理(図72参照)の中で実行される警告処理(S1921)について説明する。この警告処理(S1921)は、上述した通り、貯留弁704aにおいて故障等の不具合の有無を判別し、不具合が生じている場合に警告を行うための処理である。
警告処理(S1921)では、まず、貯留状態フラグ223kがオンであるか否かを判別し(S4101)、オンであれば(S4101:Yes)、次いで、流下時間カウンタ223lの値が0であるか否かを判別する(S4102)。そして、流下時間カウンタ223lの値が0であると判別した場合は(S4102:Yes)、貯留弁704aが閉鎖状態(貯留状態)に設定され、球はけ期間が経過していることを意味するので、貯留弁704aの閉鎖状態(貯留状態)において不具合を報知するための貯留時報知処理を実行して(S4103)、本処理を終了する。また、S4102の処理において流下時間カウンタ223lの値が0でないと判別した場合は(S4102:No)、現在が貯留弁704aを閉鎖状態に設定したことに伴う球はけ期間中であることを意味するので、S4103の処理をスキップし、そのまま本処理を終了する。
ここで、上述した貯留時報知処理(S4103)の詳細について、図74のフローチャートを参照して説明する。貯留時報知処理(S4103)では、まず、通知された入賞情報コマンドに一般入賞口(中価値入賞口)701への入球に対応する入賞情報が含まれるか否かを判別し(S4201)、一般入賞口(中価値入賞口)701への入球に対応する入賞情報が含まれていなければ(S4201:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、一般入賞口(中価値入賞口)701への入球に対応する入賞情報が含まれていれば(S4201:Yes)、貯留弁704aが閉鎖状態(貯留状態)に設定されているにもかかわらず、貯留弁704aの下流に球が流下して一般入賞口(中価値入賞口)701へと入球していることを意味する。つまり、貯留弁704aの閉鎖を設定しているにもかかわらず貯留弁704aが正常に閉鎖されていないことを意味するので、貯留弁704aの不具合に対応する表示用エラーコマンドを設定し(S4202)、本処理を終了する。
ここで設定された表示用エラーコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図42参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用エラーコマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81において貯留弁704aに不具合が生じていることを報知するための警告画像(図7(b)参照)が表示される。この警告画像(図7(b)参照)を表示することにより、遊技者やホールの店員に対して、容易に不具合の発生を気づかせることができるので、不具合を迅速に解消させることができる。
図73に戻って説明を続ける。S4101の処理において、貯留状態フラグ223kがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S4101:No)、流下時間カウンタ223lの値が0であるか否かを判別し(S4104)、0でない(即ち、1以上である)と判別した場合は(S4104:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、流下時間カウンタ223lの値が0であると判別した場合は(S4104:Yes)、貯留弁704aが開放状態(解除状態)に設定され、球はけ期間が経過していることを意味するので、貯留弁704aの開放状態(解除状態)において不具合を報知するための解除時報知処理を実行して(S4105)、本処理を終了する。この解除時報知処理(S4105)について、図75を参照して説明する。
図75は、解除時報知処理(S4105)を示すフローチャートである。この解除時報知処理(S4105)では、まず、受信した入賞情報コマンドに、一般入賞口(大価値入賞口)702への入球に対応する入賞情報が含まれるか否かを判別し(S4301)、一般入賞口(大価値入賞口)702への入球に対応する入賞情報が含まれていれば(S4301:Yes)、処理をS4303へと移行する。
一方、S4301の処理において、一般入賞口(大価値入賞口)702への入球に対応する入賞情報が含まれていないと判別した場合は(S4301:No)、次いで、入賞情報コマンドに、アウト口(小価値入賞口)703d,703eへの入球に対応する入賞情報が含まれているか否かを判別し(S4302)、アウト口(小価値入賞口)703d,703eへの入球に対応する入賞情報が含まれていなければ(S4302:No)、そのまま本処理を終了する。
S4302の処理において、アウト口(小価値入賞口)703d,703eへの入球に対応する入賞情報が含まれていると判別した場合は(S4302:Yes)、処理をS4303へと移行する。入賞情報コマンドに、一般入賞口(大価値入賞口)702への入球に対応する入賞情報が含まれている場合(S4301:Yes)、または、アウト口(小価値入賞口)703d,703eへの入球に対応する入賞情報が含まれている場合(S4302:Yes)に実行されるS4303の処理では、貯留弁704aの不具合に対応する表示用エラーコマンドを設定し(S4303)、本処理を終了する。貯留弁704aが開放状態(解除状態)に設定されている場合は、貯留装置700へと流入した球が誘導流路704を流下するので、一般入賞口(大価値入賞口)702、または、アウト口(小価値入賞口)703d,703eへと球が入球するのは貯留弁704aが正常に開放されていない可能性が高いためである。
ここで設定された表示用エラーコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図42参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用エラーコマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81において貯留弁704aに不具合が生じていることを報知するための警告画像(図7(b)参照)が表示される。この警告画像(図7(b)参照)を表示することにより、遊技者やホールの店員に対して、容易に不具合の発生を気づかせることができるので、不具合を迅速に解消させることができる。
以上説明した通り、本実施形態におけるパチンコ機10では、球をその内部に貯留することができる貯留装置700が設けられている。この貯留装置700は、その内部に複数の流路(誘導流路704,706,708)が設けられており、それぞれ異なる入球口へと球を流下させることができるように構成されている。また、誘導流路704には流路を閉鎖すること可能な貯留弁704aが設けられている。この貯留弁704aにより誘導流路704が閉鎖されると、その上部に球を1球貯留(保持)しておくことができる。
また、貯留弁704aが開放された状態では、貯留装置700へと流入した球が誘導流路704を流下する(誘導流路706、および誘導流路708に比較して、誘導流路704へと球が流入しやすくなる)ように構成されているので、誘導流路704の下流に設けられている一般入賞口(中価値入賞口)701へと球を入球させることができる。よって、貯留装置700へと球を流入させることにより、一般入賞口(中価値入賞口)701への入球に基づく賞球の払い出しを安定して受けることができる。
一方、貯留弁704aが閉鎖され、その上部に球が貯留された状態では、その貯留された球に対して貯留装置700へと流入した球が干渉(接触)することにより、誘導流路706、または誘導流路708のいずれかの方向へと反発する。即ち、流下方向が反発により変化することで、払い出される賞球数が多い一般入賞口(大価値入賞口)702、または賞球が払い出されないアウト口(小価値入賞口)703d,703eのいずれかに入球する。よって、遊技者に対して、球が一般入賞口(大価値入賞口)702へと入球することを期待させながら遊技を行わせることができる。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技盤へと打ち出された球を一時的に保留する保留装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機の中には、保留された球を遊技者の操作により遊技盤へと放出し、その進行方向に設けられた所定の入賞口に入球させることができるものがある(例えば、特開2003−190443号公報)。
しかしながら、従来型の遊技機では、保留装置を用いて放出された球を所定の入賞口に入球させるだけであり、遊技者の興趣を向上させにくいという問題があった。
これに対して、本実施形態では、遊技者が解除ボタン800(図67参照)を操作することにより、その操作が行われている間貯留弁704aを開放状態に設定することができる。即ち、貯留弁704aを閉鎖状態のままとすることにより、一般入賞口(大価値入賞口)702、アウト口(小価値入賞口)703d,703eのいずれにも球が入球する可能性がある状態(賞球を多く獲得できる可能性もあるが、賞球が得られない可能性もあるギャンブル性の高い状態)とすることができる。また、貯留弁704aを開放状態に設定することにより、貯留装置700へと流入した球を一般入賞口(中価値入賞口)701へと入球させることができる状態(少量ではあるが安定して賞球を獲得できる状態)とすることができる。よって、解除ボタン800(図67参照)を操作するか否かにより、パチンコ機10の遊技性を遊技者によって切り替えさせることができるので、各遊技者が、自己の趣向に合った遊技性を選択して遊技を行うことができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本実施形態では、貯留弁704aの状態の切り替えを解除ボタン800により遊技者の任意のタイミングで行うことができるように構成しているが、これに限られるものではない。例えば、経過時間や現在時刻、設置日数等に応じて貯留弁704aの状態を切り替えてもよい。これにより、各遊技者に対して、貯留弁704aが自分の趣向に合った状態となっている期間に遊技を開始させることができる。また、貯留弁704aの状態を、定期的に、或いは不定期に行われる抽選の結果に基づいて切り替えるように構成してもよい。例えば、貯留弁704aが基本的に閉鎖状態(貯留状態)となるように構成し、1分に1回の頻度で開放状態(解除状態)に切り替えるか否かの抽選を実行するように構成してもよい。
また、抽選に当選した場合は、例えば10秒間貯留弁704aが開放されるように構成してもよい。これにより、釘709a,709bの調整具合により、貯留弁704aが閉鎖された状態において球がアウト口(小価値入賞口)703d,703eへと入球し易くなっている場合には、抽選により貯留弁704aが開放されることを期待して遊技を行わせることができる。一方、釘709a,709bの調整具合により、貯留弁704aが閉鎖された状態において球が一般入賞口(大価値入賞口)702へと入球し易くなっている場合には、抽選に外れ続け、貯留弁704aが閉鎖され続けることを期待して遊技を行わせることができる。更に、貯留弁607aを開放状態(解除状態)に設定するか否かの抽選の抽選確率を、ホールの店員等が調節できるように構成してもよい。これにより、複数のパチンコ機10の中から遊技者が遊技を行う台を1台選択する場合に、抽選確率が良い設定となっている台を予測して台選びを行わせることができる。よって、ホールの抽選確率を設定する際の癖等を考慮してパチンコ機10を選択させることができるので、遊技を開始する前の台選びの段階で、遊技者の興趣を向上させることができる。
本実施形態では、貯留弁704aが閉鎖されている場合に球が流下し得る流路を誘導流路706と誘導流路708の2種類としていたが、これに限られるものではない。より多くの流路、および入賞口を設けておいてもよい。また、各入賞口へと球が入球した場合に払い出される賞球数により多くのバリエーションを持たせてもよい。これにより、貯留弁704aが閉鎖されている場合に、獲得できる賞球数のランダム性を高めることができるので、遊技者に対して貯留装置700へと入球した球の流下方向をより興味深く観察させることができる。
また、貯留弁704aが開放されている場合に球が流下可能な流路を複数設けておいてもよい。そして、各流路を流下した場合に、それぞれ異なる個数の賞球が払い出される入球口を設けておいてもよい。これにより、貯留弁704aが開放された状態であっても、払い出される賞球の個数にランダム性を持たせることができるので、遊技者に対して貯留装置700へと入球した球の流下方向をより興味深く観察させることができる。
本実施形態では、第2入球口640の下流に貯留装置700を設ける構成としているが、配置を逆転させてもよい。貯留装置700を上流に設ける構成とすることにより、貯留装置700へと球が流入しやすくなるように構成できる。
本実施形態では、特別遊技状態(大当たり状態)において開放される入賞口として、第1特定入賞口65aのみを設けていたが、第1実施形態と同様に複数の入賞口を設けてもよい。
本実施形態では、解除ボタン800を押下(操作)している期間中にのみ貯留弁704aが開放されるように構成したが、これに限られるものではない。例えば、解除ボタン800の押下(操作)を検出した場合に、所定時間(例えば、5秒間)貯留弁704aが開放状態に設定されるように構成してもよい。この場合において、貯留弁704aが開放されている所定期間中は、解除ボタン800の操作を受け付けないように構成してもよい。これにより、貯留弁704aを開放させておくために、解除ボタン800を押下し続ける必要がなくなる。また、解除ボタン800を押下(操作)する度に、閉鎖状態(貯留状態)と開放状態(解除状態)とが切り替わるように構成してもよい。このように構成することで、状態を切り替えたい場合にのみ解除ボタン800を操作すればよいので、遊技者の操作回数を減らすことができる。また、解除ボタン800とは逆に、操作することで貯留弁704aが閉鎖される操作手段を設けておいてもよい。このように構成しても、本実施形態と同様に、各遊技者に対して自己の趣向に合った遊技性を選択させることができる。
本実施形態では、貯留弁704aの状態を副表示領域Dsにおける小領域Ds2に対して文字により表示していたが、貯留弁704aの状態を遊技者に対して通知する態様は、これに限られるものではない。例えば、貯留弁704aの状態に応じて、貯留弁704aが開放された状態の実写画像、または閉鎖された状態の実写画像のいずれかを表示させるように構成してもよい。また、貯留弁704aの状態を示す表示は小領域Ds2以外の表示領域に表示させてもよい。更に、本実施形態では、貯留弁704aの状態を示す表示を背面画像として表示させるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、第3図柄よりも手前側に表示させるように構成してもよい。また、貯留弁704aの状態に応じて第3図柄の態様を変更し、第3図柄の態様に応じて貯留弁704aの状態を認識させるように構成してもよい。
本実施形態では、貯留弁704aの開放および閉鎖を主制御装置110のMPU201により制御するように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、音声ランプ制御装置113のMPU221により貯留弁704aの制御を行ってもよい。より具体的には、貯留装置用ソレノイド610を音声ランプ制御装置113の入出力ポート225と電気的に接続してもよい。そして、主制御装置110より解除状態コマンドを受信した場合に貯留弁704aを開放状態に切り替えるように制御し、閉鎖状態コマンドを受信した場合に閉鎖状態に切り替えるように制御してもよい。これにより、主制御装置110のMPU201の処理負荷を軽減することができる。よって、遊技に関する主要な処理である、変動演出の選択処理や、特別図柄の抽選処理等を遅滞なく実行することができる。
本実施形態におけるパチンコ機10では、一般的な遊技機には搭載されていない特異な構成である貯留装置700を設けているので、この貯留装置700に関わる遊技性を説明する演出を設けておいてもよい。より具体的には、例えば、背面画像として貯留装置700の画像を表示させ、貯留弁704aが開放される条件と、開放された場合のメリット、デメリットとを説明する画像(説明画像)を表示するように構成してもよい。これにより、遊技者が容易に遊技性を理解することができる。また、説明画像が表示される背面種別は、枠ボタン22を押下(操作)することにより背面種別を切り替えることができるように構成してもよい。これにより、パチンコ機10での遊技に慣れ、十分に遊技性を理解している遊技者は、説明画像が表示されない背面種別に変更することができる。
本実施形態では、左打ちにより第1特定入賞口65aへと球が入球するように第1入球口64の正面視下方に第1特定入賞口65aが設けられていたが、これに限られるものではない。例えば、第1実施形態と同様に貯留装置700の下流に第1特定入賞口65aを設けてもよい。これにより、特別遊技状態(大当たり状態)において右打ちを行うだけで第1特定入賞口65aと、貯留装置700とに球を流入させることができるので、特別遊技状態(大当たり状態)における賞球をより多くすることができる。よって、遊技者の大当たりに対する期待感を向上させることができる。
本実施形態では、貯留弁704aの上部に貯留された球と、貯留装置700に対して新たに流入した球とが干渉(接触)した場合に、その新たに流入した球が流下する流路がランダムとなるように構成していた。つまり、貯留弁704aの上部に球が貯留されている状態において、貯留装置700へと新たに流入した球が誘導流路706と、誘導流路708とに振り分けられる割合が略同一となるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、貯留弁704aの幅を広くして(例えば、球の直径の1.5倍の幅として)、貯留弁704aの上部に貯留された球が正面視右寄り、または正面視左寄りの位置を取り得るように構成してもよい。球が貯留弁704aの上部において正面視左寄りに配置された場合は、新たに貯留装置700へと流入した球が、貯留されている球の右側面へと衝突しやすくなる。よって、新たに貯留装置700へと流入した球が正面視右側へと反発されやすくなるので、球が誘導流路708を流下しやすくなる。上述した通り、誘導流路708の下流には、アウト口(小価値入賞口)703d,703eが設けられているので、遊技者は賞球を獲得することができない(遊技者にとって不利となる)。一方、球が貯留弁704aの上部において正面視右寄りに配置された場合は、新たに貯留装置700へと流入した球が、貯留されている球の左側面へと衝突しやすくなる。よって、新たに貯留装置700へと流入した球が正面視左側へと反発されやすくなるので、球が誘導流路706を流下しやすくなる。上述した通り、誘導流路708の下流には、一般入賞口(大価値入賞口)702が設けられているので、遊技者は比較的多量の賞球を獲得することができる(遊技者にとって有利となる)。このように、貯留弁704aの上部に貯留される球の配置によって、遊技者にとって有利な状態と不利な状態とを形成することができるので、貯留弁704aが閉鎖されている状態において貯留弁704aの上部に貯留された球の配置を意識させることができる。よって、球の配置が不利な配置であれば(即ち、球が正面視左寄りに貯留されていれば)、解除ボタン800を押下(操作)することにより貯留弁704aを開放(解除)させることができる。また、球の配置が有利な配置であれば(即ち、球が正面視右寄りに貯留されていれば)、遊技者に対して球の配置を維持したまま遊技を継続したいと思わせることができる。従って、貯留装置700内に貯留された球の配置に応じて解除ボタン800を押下するか否かを判断する楽しみを与えることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第1実施形態の変形例>
次に、図76〜図85を参照して、上記第1実施形態におけるパチンコ機10の変形例について説明する。上述した第1実施形態では、第2特定入賞口650aの状態(開放状態、または閉鎖状態)と、貯留装置600に設けられた貯留弁607aの状態(開放状態、または閉鎖状態)とを互いに独立して設定可能に構成し、特典遊技状態(大当たり状態)において、常に貯留弁607aが開放状態となるように制御される一方で、第2特定入賞口650aは、12ラウンドにおける所定期間(図16に示す、大当たり種別毎に規定されている開放期間)にのみ開放状態に設定されるように構成されていた。また、第2可変入賞装置650の内部には2種類の流路(誘導流路652、および誘導流路653)が設けられており、球が誘導流路652を流下した場合にのみ、その誘導流路652の下流に設けられた確変入球口654へと入球可能に構成されていた。即ち、大当たり中に球が第2特定入賞口650aへと入球したとしても、その球が誘導流路652を流下しなければ大当たり終了後に特別図柄の確変状態へと移行しないように構成されていた。
これに対して本変形例では、第1実施形態の第2特定入賞口650aを開閉する部材と、貯留弁607aとに代えて、スライド部材900を用いることにより第2特定入賞口650a、および貯留装置600の状態を切り替え可能に構成している。即ち、一部材で第2特定入賞口650aの開閉動作と、貯留装置600内の誘導流路607の開閉制御とを行えるように構成し、互いに連動して状態が切り替わるように構成している。つまり、第2特定入賞口650aが開放状態になると、誘導流路607(一般入賞口602)も開放状態となり、第2特定入賞口650aが閉鎖状態になると、誘導流路607(一般入賞口602)も閉鎖状態となるように構成されている。このように構成した場合、第2特定入賞口650aと、一般入賞口602と(即ち、スライド部材900により大当たり中に開放される入賞口)を、共に大当たり中に賞球を得るための入賞口として取り扱うことができる。
また、第2可変入賞装置650の内部には、確変入球口654へと続く誘導流路652のみが設けられており、流路切替弁650dや、誘導流路653、および通常入球口655は廃止されている。即ち、第2特定入賞口650aへと球を入球させることができれば、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態へと移行するように構成されている。また、大当たり種別に応じて12ラウンド目に開放される入賞口を変更するように構成されている。つまり、12ラウンド目に第2特定入賞口650aと、一般入賞口(大価値入賞口)602とが開放状態に設定される大当たり(Vルート開放大当たり)と、大当たりの全てのラウンドで第1特定入賞口65aが開放状態に設定される(大当たり中に第2特定入賞口650a、および一般入賞口(大価値入賞口)602が開放されることがない)大当たり(Vルート閉鎖大当たり)とが設けられている。
これらの第1実施形態からの変更に伴い、大当たりの各ラウンドの終了条件も変更している。具体的には、大当たりの1〜11ラウンド、および13〜15ラウンドでは、第1特定入賞口65a、第2特定入賞口650a、および一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球した球が合計で10個となるか、或いはラウンドが開始されてから30秒が経過した場合に、ラウンド遊技が終了する(第1特定入賞口65aが閉鎖される)ように変更されている。また、12ラウンドにおいては、第1特定入賞口65a、第2特定入賞口650a、および一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球した球が合計で10個となるか、或いは、ラウンドが開始されてから30秒が経過した場合に、ラウンド遊技が終了する(第2特定入賞口650aと、一般入賞口602とが閉鎖される)ように変更されている。
この第1実施形態の変形例におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、第2特定入賞口650aの状態を切り替えるための部材と(閉鎖部910)、誘導流路607の状態を切り替えるための部材(球貯留部920)とが一部材(スライド部材900)で構成されている点、第2特定入賞口650aへと球が入球した場合に払い出される賞球数が3個に変更となっている点(第1実施形態では15個)、ROM202の内容が一部変更されている点、および主制御装置110のMPU201により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201により実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231により実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図76を参照して、本変形例のパチンコ機10において、Vルート開放大当たり(大当たりF)の12ラウンド目において第3図柄表示装置81に対して表示される画像(演出)の一例について説明する。図76に示した通り、Vルート開放大当たり(大当たりF)の12ラウンドになると、ラウンド数を表示するための表示領域714に対して「ROUND12」との文字が表示される。また、第3図柄表示装置81の正面視中央上部に対して、第2特定入賞口650aが開放されたことを報知するための表示領域717が形成される。この表示領域717には、「CHANCE!!」との文字と、「確変ルート開放中!!」との文字とが表示される。これにより、第2特定入賞口650aへと球を入球させることによって大当たりの終了後に特別図柄の確変状態へと移行することを遊技者が容易に認識することができる。なお、少年のキャラクタ710等のその他の表示内容に関しては、第1実施形態におけるパチンコ機10において表示される表示内容(図6(a)参照)と同一なので、その詳細な説明については省略する。
次に、図77を参照して、遊技盤13の右側に設けられている経路(流路)の下流側の構成について説明する。図77に示した通り、遊技盤13の右側に設けられている経路(流路)の下流側には、第1実施形態と同様に貯留装置600と、第1可変入賞装置65と、第2可変入賞装置650とが設けられている。また、第2可変入賞装置650の第2特定入賞口650aを開放または閉鎖するための部材(閉鎖部910)貯留装置600の流路を開放、または閉鎖するための部材(球貯留部920)とが一直線上に並ぶように配設されている。詳細については後述するが、これは、閉鎖部910と球貯留部920とが、共にスライド部材の一部分だからである。
また、貯留装置600の入り口部分には、釘921a、および釘921bが設けられている。ホールの店員は、例えば、ホールの開店前に釘921a,921bを調節することにより、貯留装置600へと球が流入する割合を調節することができる。貯留装置600へと流入する球の割合を変更することにより、大当たりの12ラウンド目において貯留装置600内の一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球する球の個数を可変させることができる。よって、釘921a,921bを調節して右打ちにより打ち出された球が貯留装置600へと流入しやすくなるように調節することで、大当たりにおいて遊技者が獲得できる賞球を増加させることができる。従って、遊技者の大当たり遊技に対する期待感をより向上させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
逆に、釘921a,921bを調節することにより、球が貯留装置600へと流入しにくくなるようにした場合は、貯留装置600の下流に設けられている第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aへと到達する球を増加させることができる。よって、大当たりをよりスピーディーに消化させることができる。また、12ラウンド目において第2特定入賞口650aへと入球させ易くなるので、大当たりFとなった場合に、特別図柄の確変状態へと移行させやすくすることができる。よって、大当たりが短い期間で連続する可能性が高くなるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、貯留装置600への球の流入しやすさ(第2特定入賞口650aへの入球しやすさ)を調節するための構成は、釘に限られるものではない。例えば、貯留装置600の入口に風車を設けておき、回転しやすさを調節可能にしてもよい。
次に、図78を参照して、上述した閉鎖部910と球貯留部920とを構成に含むスライド部材900について説明する。図78(a),(b)は、それぞれ遊技盤13を図77におけるLXXVIIb−LXXVIIb線で切断した場合の断面図である。ここで、スライド部材900は、遊技盤13に対して正面視奥側、または手前側へとスライド変位させることが可能に構成されており、正面視手前側へとスライド変位させることにより第2特定入賞口650a、および誘導流路607をそれぞれ閉鎖することができる。一方、スライド部材900を遊技盤13に対して正面視奥側へとスライド変位させることにより、第2特定入賞口650a、および誘導流路607をそれぞれ開放することができる。
図78(a)は、第2特定入賞口650a、および誘導流路607がそれぞれスライド部材900により閉鎖されている場合において遊技盤13の上方向から見た場合の図である。一方、図78(b)は、第2特定入賞口650a、および誘導流路607がそれぞれ開放されている場合において遊技盤13の上方向から見た場合の図である。
図78(a)に示す通り、スライド部材900は、略長方形形状のベース部930の右端部分、および左端部分からそれぞれ略長方形形状の閉鎖部910、および球貯留部920が突出した形状(略「コの字」型形状)を成している。閉鎖部910、および球貯留部920は、それぞれベース板60に空けられた開孔部940a,940bを介して、遊技盤13の手前側へ突出させたり、遊技盤13の奥側へ埋没させたりすることができる。
スライド部材900が正面視手前側へとスライド変位した状態においては、図78(a)に示した通り、閉鎖部910によって第2特定入賞口650aの上部が閉鎖されるので、球を第2可変入賞装置650の内部へと入球させることができなくなる。同様に、誘導流路607は球貯留部920によって閉鎖されるので、球を誘導流路607の下流に設けられている一般入賞口(大価値入賞口)602へと球を入球させることができなくなる。
図78(b)に示した通り、スライド部材900が遊技盤13の奥側へとスライド変位した場合、第2可変入賞装置650の上部が開放されると共に、誘導流路607も開放される。よって、球を右打ちすることにより、誘導流路607の下流に設けられた一般入賞口(大価値入賞口)602や、貯留装置600の下流に設けられた第2特定入賞口650aへと球を入球させることができる。
このように、本変形例では、第2特定入賞口650aの状態の切り替えと、誘導流路607の状態の切り替えとを、スライド部材900だけで実現することができる。よって、第1実施形態のように、第2特定入賞口650と、貯留弁607aとを別個に制御する場合に比較して、処理負荷を軽減することができる。即ち、MPU201の処理負荷を軽減することができる。特に、主制御装置110のMPU201は、特別図柄の抽選や、変動時間の決定等の、遊技において重要な処理を実行するものであるので、処理負荷の増大により処理速度が低下してしまうと、遊技に対する影響が大きくなってしまう。これに対して本変形例では、スライド部材900の導入によりMPU201の処理負荷を軽減できるので、遊技における主要な処理をより確実に実行することができる。
<第1実施形態の変形例における電気的構成について>
次いで、図79を参照して、本変形例における第1当たり種別選択テーブル202bについて説明する。上述した通り、本変形例では、第2特定入賞口650aへと球が入球した場合に、必ず確変入球口654へと球が入球するように構成されている。そして、大当たり種別として、12ラウンド目に第2特定入賞口650が開放される大当たりと、12ラウンド目に第1特定入賞口65aが開放される大当たりとが設けられている。
より具体的には、図79に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が0〜49の範囲に大当たりE(Vルート閉鎖大当たり)が対応付けられている(図79の202b1参照)。この大当たりE(Vルート閉鎖大当たり)は、15ラウンドの特別遊技状態が付与される大当たりであり、大当たりの各ラウンドにおいて第1特定入賞口65aが所定時間(30秒経過するまで、或いは、球が10球入球するまで)開放される大当たりである。即ち、特別遊技状態(大当たり状態)において第2可変入賞装置650の内部に配設された確変入球口654へと球を入球させることができないので、大当たり終了後に普通図柄の時短状態が100回付与される。
一方、第1当たり種別カウンタC2の値が50〜99の範囲には大当たりF(Vルート開放大当たり)が対応付けられている(図79の202b2参照)。この大当たりFは、15ラウンドの特別遊技状態が付与される大当たりであり、大当たりの12ラウンドにおいて第2特定入賞口650aと一般入賞口(大価値入賞口)602とが所定時間(30秒経過するまで、或いは、球が10球入球するまで)開放され、1〜11ラウンド、および13〜15ラウンドでは第1特定入賞口650aが所定時間(30秒経過するまで、或いは、球が10球入球するまで)開放される大当たりである。大当たりFでは、12ラウンド目に第2特定入賞口650aが開放されるので、12ラウンド目に球を第2特定入賞口650aへと入球させることができれば、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態が付与される。一方、12ラウンド目において右打ちを行わなかったり、右打ちを行ったにもかかわらず一般入賞口(大価値入賞口)602にばかり球が入球した結果、第2特定入賞口650aへと球が入球しないまま12ラウンドが終了した場合は、大当たりFの終了後に普通図柄の時短状態が100回付与される。
<第1実施形態の変形例における主制御装置の制御処理について>
次に、図80〜図83を参照して、第1実施形態の変形例における主制御装置110のMPU201により実行される各種処理について説明する。本実施形態では、メイン処理(図34参照)の内容が第1実施形態から変更されている。具体的には、第1実施形態のメイン処理(図34参照)において実行される大当たり制御処理(図35参照)に代えて、大当たり制御処理3(図80参照)が実行される点で相違している。以下では、この大当たり制御処理3(図80参照)の説明のみを行い、第1実施形態から変更されていないその他の処理については、その詳細な説明を省略する。
まず、図80を参照して、第1実施形態の変形例における主制御装置110のMPU201により実行される大当たり制御処理3(S1031)について説明する。図80は、この大当たり制御処理3(S1031)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理3は、大当たり状態のラウンド毎に、第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aの開放、および閉鎖を設定する処理である。
大当たり制御処理3のうち、S1101,S1102,S1104,S1105,S1109,S1110、およびS1112の各処理では、第1実施形態における大当たり制御処理(図35参照)の中で実行されるS1101,S1102,S1104,S1105,S1109,S1110、およびS1112の各処理と同一の処理が実行される。また、大当たり制御処理3(S1031)では、第1実施形態における大当たり制御処理(図35)において実行されていた、S1103,S1107,S1108の各処理が廃止されている。
更に、大当たり制御処理3(S1031)では、S1105の処理において、新たなラウンドの開始タイミングであると判別された場合に(S1105:Yes)、第1実施形態における大当たり動作設定処理(図36参照)に代えて、大当たり動作設定処理2を実行し(S1121)、本処理を終了するように構成されている。この大当たり動作設定処理2(S1121)の詳細について、図81を参照して説明する。
図81は、上述した大当たり動作設定処理2(S1121)を示すフローチャートである。この大当たり動作設定処理2(S1121)は、第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aの状態(開放状態、または閉鎖状態)を設定するため処理である。
この大当たり動作設定処理2(S1121)のうち、S1201〜S1203、およびS1206の各処理では、それぞれ第1実施形態の大当たり動作設定処理(図36参照)におけるS1201〜S1203、およびS1206の各処理と同一の処理が実行される。また、本変形例における大当たり動作設定処理2(S1121)では、S1201の処理において12ラウンド目であると判別された場合に(S1201:Yes)、次いで、今回の大当たり種別が大当たりF(Vルート開放大当たり)であるか否かを判別する(S1211)。
S1211の処理において大当たりFでないと判別した場合は(S1211:No)、大当たりの全てのラウンドにおいて第1特定入賞口(第1大開放口)65aが開放される大当たりEであることを意味するので、第1特定入賞口(第1大開放口)65aの開放を設定して(S1202)、処理をS1206へと移行する。
一方、S1211の処理において大当たりFであると判別した場合は(S1211:Yes)、12ラウンド目のみ第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放する大当たり種別であるので、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの開放を設定する(S1203)。なお、上述した通り、第2特定入賞口(第2大開放口)650aを閉鎖していた閉鎖部910は、抽選装置600の誘導流路607を閉鎖していた球貯留部920と同一の部材の一部(スライド部材900の一部)であり、閉鎖部910と球貯留部920とは連動してスライド変位する。よって、S1203の処理により第2特定入賞口(第2大開放口)650aの開放を設定することにより、貯留装置600内部の誘導流路607も開放される(即ち、一般入賞口602も開放される)。
S1203の処理により第2特定入賞口(第2大開放口)650a、および一般入賞口(大価値入賞口)602の開放を設定した後は、第2特定入賞口(第2大開放口)650a、および誘導流路607が開放状態(解除状態)に設定されたことを音声ランプ制御装置114に対して通知するために、開放状態(解除状態)に対応する貯留状態コマンドを設定し(S1212)、処理をS1206へと移行する。ここで設定された貯留状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図34参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、貯留状態コマンドを受信すると、その貯留状態コマンドに基づいて表示用背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用背面画像変更コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において表示領域717が生成され、「CHANCE!!」との文字と、「確変ルート開放中!!」との文字とが表示される(図76参照)。これらの文字を表示させることにより、遊技者に対して特別図柄の確変状態へと移行させるチャンスであることを容易に認識させることができる。
特別図柄の確変状態へと移行すれば、大当たりが終了してから短い期間で再度大当たりとなりやすくなるので、遊技者にとって非常に有利な状態となる。よって、大当たりFの12ラウンド目において、遊技者に対してより真剣に第2特定入賞口650aを狙って球を打ち出させることができる。即ち、大当たりが賞球を得るための単なる作業と化してしまうことを防止(抑制)し、特別遊技状態中(大当たり状態中)の遊技を楽しませることができる。
なお、上述した通り、右打ちした球のうち、第2特定入賞口(第2大開放口)650aへと到達する球の割合は、貯留装置600の入口部分に設けられた釘921a,921b(図77参照)を調節することにより可変させることができる。例えば、釘921aを正面視右側に開くように調節したり、釘921bを正面視左側に開くように調節したりする(釘を開く)ことにより、右打ちした球がより貯留装置600へと流入しやすくなる。よって、相対的に第2特定入賞口650aまで到達する球の割合が低くなる。つまり、釘921a,921bが開いているほど、大当たりFの12ラウンド目において球が第2特定入賞口650aへと入球しにくくなる。また、第2特定入賞口650へと球を入球させることができないまま、一般入賞口(大価値入賞口)602へと球が10個入球してしまうと、12ラウンドが終了してしまう。従って、特別図柄の確変状態へと移行しにくくなる。なお、貯留装置600へと球が流入しやすくなると、第2特定入賞口650aに比較して払い出される賞球数の多い一般入賞口(大価値入賞口)602へと球が入球しやすくなる(図9(b)参照)。これにより、遊技者は多量の賞球を獲得することができるので、遊技者の大当たりに対する興趣を向上させることができる。
ここで、多くの場合、遊技者は1〜11ラウンド目において、第1特定入賞口65aを狙って右打ちを行うので、遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)の下流に配設されている貯留装置600へも球が流入する。よって、12ラウンド目が開始するまでに、球貯留部920の上部に球が1個貯留された状態となる。従って、12ラウンドが開始し、スライド部材900がスライド変位して一般入賞口(大価値入賞口)602の上部が開放されると、球貯留部920の上部に貯留されていた球が一般入賞口(大価値入賞口)602へと流下する。その結果、実質的には12ラウンド目に右打ちした球のうち、9個の球が一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球するまでに第2特定入賞口650aへと球を入球させることができなければ、12ラウンド目が終了することとなる。
一方で、釘921aと釘921bとが互いに近づくように調節する(釘を閉める)ことにより、右打ちした球が貯留装置600へと流入しにくくなる。よって、相対的に第2特定入賞口650まで到達する球の割合が高くなるので、大当たりFの12ラウンド目において、第2特定入賞口650aへと球を入球させやすくなる。従って、大当たり終了後に特別図柄の確変状態へと移行しやすくなる。これにより、大当たりFの終了後に短い期間で再度大当たりとなりやすくなるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
このように、右打ちを行った場合に貯留装置600への球の入球しやすさを変更することにより、貯留装置600の入口部分よりも下流に設けられている第2入球口650aへの入球し易さを変更することができる。よって、ホールの店員が釘921a,921bを調節するだけで、大当たりFとなった場合の遊技性を変更することができる。即ち、一般入賞口(大価値入賞口)602へ入球しにくく、特別図柄の確変状態へと移行しやすい遊技性と、一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球し易く、12ラウンド目に多くの賞球を獲得し易いが、特別図柄の確変状態へと移行しにくい遊技性とを切り替えることができる。従って、ホールの営業方針に応じてパチンコ機10の性能を容易に変更することができる。
図80に戻って説明を続ける。大当たり制御処理3のS1109の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別されると(S1109:No)、次いで、第1実施形態における大当たり制御処理(図35参照)において実行される入賞処理(S1111)に代えて、入賞処理2を実行して(S1122)、処理をS1112へと移行する。この入賞処理2の詳細について、図82を参照して説明する。
図82は、本変形例における大当たり制御処理3(図80参照)の中でMPU201により実行される入賞処理2(S1122)を示したフローチャートである。この入賞処理2(S1122)のうち、S1401〜S1405、およびS1408〜S1420の各処理では、それぞれ第1実施形態の入賞処理(図38参照)におけるS1401〜S1405、およびS1408〜S1420の各処理と同一の処理が実行される。
また、本変形例における入賞処理3(S1122)では、S1404の処理において入賞個数カウンタ203jの値が10以上になった(即ち、第1特定入賞口(第1大開放口)65a、第2特定入賞口(第2大開放口)650a、または一般入賞口(大価値入賞口)602への入球個数の合計が10個以上となった)と判別した場合(S1404:Yes)、またはラウンド時間(ラウンド開始から30秒)が経過したと判別された場合に(S1405:Yes)、開放されていたいずれかの入賞口(第1特定入賞口(第1大開放口)65a、または第2特定入賞口(第2大開放口)650aと一般入賞口(大価値入賞口)602)の閉鎖を設定する入賞口閉鎖処理を実行して(S1431)、処理をS1408へと移行する。この入賞口閉鎖処理(S1431)について、図83を参照して説明する。
図83は、入賞口閉鎖処理(S1431)を示すフローチャートである。この入賞口閉鎖処理(S1431)は、大当たりの各ラウンドにおいて入賞口の閉鎖条件が成立した場合に、入賞口の閉鎖を設定する処理である。
この入賞口閉鎖処理(S1431)では、まず、現在が12ラウンド目であるか否かを判別する(S4401)。そして、12ラウンド目でなければ(S4401:No)、現在開放されている入賞口が第1特定入賞口(第1大開放口)65aであることを意味するので、第1特定入賞口(第1大開放口)65aの閉鎖を設定して(S4402)、本処理を終了する。
一方、S4401の処理において、現在が12ラウンド目であると判別した場合は(S4401)、大当たり種別に応じて開放されている入賞口が異なるラウンドであるので、今回の大当たりが大当たりF(Vルート開放大当たり)であるか否かを判別する(S4403)。そして、大当たりF(Vルート開放大当たり)でない(即ち、大当たりE(Vルート閉鎖大当たり)である)と判別した場合は(S4403:No)、現在開放されている入賞口が第1特定入賞口(第1大開放口)650aであることを意味するので、処理をS4402へと移行することにより第1特定入賞口(第1大開放口)65aの閉鎖を設定して(S4402)、本処理を終了する。
S4403の処理において、今回の大当たりが大当たりF(Vルート開放大当たり)であると判別した場合は(S4403:Yes)、12ラウンド目のみ第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放される大当たりであり、現在開放されているのが第2特定入賞口(第2大開放口)650a、および一般入賞口(大価値入賞口)602であることを意味する。よって、この場合は、第2特定入賞口(第2大開放口)650a、および一般入賞口(大価値入賞口)602の閉鎖を設定し(S4404)、第2特定入賞口(第2大開放口)650a、および一般入賞口(大価値入賞口)602が閉鎖されたことを音声ランプ制御装置113へと通知するために、閉鎖状態(貯留状態)に対応する貯留状態コマンドを設定して(S4405)、本処理を終了する。
ここで設定された貯留状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図34参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、貯留状態コマンドを受信すると、その貯留状態コマンドに基づいて表示用背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用背面画像変更コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81に表示されていた表示領域717が消去される。これにより、特別図柄の確変状態へと移行させるチャンスが終了したことを遊技者に対して容易に認識させることができる。
この入賞口閉鎖処理(S1431)を実行することにより、開放されていた入賞口を正確に閉鎖することができる。
<第1実施形態の変形例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図84、および図85を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明する。本変形例のパチンコ機10では、コマンド判定処理の処理内容が、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図43参照)から一部変更されている。より具体的には、大当たりにおいて主制御装置110から出力される貯留状態コマンドを受信するための処理を実行するために、第2実施形態のコマンド判定処理(図69参照)におけるS1921〜S1923の各処理を実行する。処理内容自体は第2実施形態におけるコマンド判定処理(図69参照)と同じであるので、その詳細な説明については省略する。また、本変形例におけるコマンド判定処理では、第1実施形態におけるエラー報知処理(図44参照)に代えて、エラー報知処理2(S1971)を実行するように構成されている。このエラー報知処理2(S1971)について、図84を参照して説明する。
図84は、上述したエラー報知処理2(S1971)を示すフローチャートである。このエラー報知処理2(S1971)のうち、S1931〜S1934,S1936、およびS1937の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるエラー報知処理(図44参照)と同一の処理が実行される。また、本変形例におけるエラー報知処理2(S1971)では、S1934の処理において許容時間カウンタ223iの値が0であると判別した場合に(S1981)、第1実施形態における当たり時報知処理(図45参照)に代えて、当たり時報知処理2を実行し(S1981)、本処理を終了する。この当たり時報知処理2(S1981)は、第1実施形態における当たり時報知処理(図45参照)と同様に、大当たり中に貯留弁607aにおいて不具合が発生している場合に報知を行うための処理である。
次に、図85を参照して、上述した当たり時報知処理2(S1981)について説明する。当たり時報知処理2(S1981)では、まず、貯留状態フラグ223kがオンであるか否かを判別する(S1991)。S1991の処理において、貯留状態フラグ223kがオンであると判別した場合は(S1991:Yes)、次いで、流下時間カウンタ223lの値が0であるか否かを判別し(S1992)、カウンタ値が0でなければ(S1992)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1992の処理において、流下時間カウンタ223lの値が0であると判別した場合は(S1992:Yes)、貯留弁607aが閉鎖状態(貯留状態)に設定され、球はけ期間が経過していることを意味するので、次に、入賞情報コマンドに一般入賞口(大価値入賞口)602への入球に対応する入球情報が含まれているか判別する(S1993)。
そして、一般入賞口(大価値入賞口)602への入球に対応する入球情報が含まれていないと判別した場合は(S1993:No)、そのまま本処理を終了する。一方、一般入賞口(大価値入賞口)602への入球に対応する入球情報が含まれていると判別した場合は(S1993:Yes)、貯留弁607aが閉鎖状態(貯留状態)に設定されているにもかかわらず、貯留弁607aの下流へと球が流下していることを意味する。よって、貯留弁607aが正常に閉鎖されていない可能性が高いため、貯留弁607aの不具合に対応する表示用エラーコマンドを設定して(S1994)、本処理を終了する。
一方、S1991の処理において、貯留状態フラグ223kがオンでない(オフである)と判別した場合は(S1991:No)、次いで、流下時間カウンタ223lの値が0であるか否かを判別する(S1995)。そして、流下時間カウンタ223lの値が0でないと判別した場合は(S1995:No)、そのまま本処理を終了する。これに対して、S1995の処理において貯留状態フラグ223kがオンであると判別した場合は(S1995:Yes)、次いで、受信した入賞情報コマンドに、一般入賞口(小価値入賞口)601への入球に対応する入賞情報が含まれているかを判別する(S1996)。そして、一般入賞口(小価値入賞口)601への入球に対応する入賞情報が含まれていなければ(S1996:No)、そのまま本処理を終了する。
S1996の処理において、一般入賞口(小価値入賞口)601への入球に対応する入賞情報が含まれていた場合は(S1996:Yes)、貯留弁607aが開放状態(解除状態)に設定されおり、球はけ期間も経過しているにもかかわらず、球が一般入賞口(小価値入賞口)601へと入球したことを意味する。即ち、貯留弁607aが正常に開放されていない可能性が高いので、貯留弁607aの不具合を報知するために、処理をS1994へと移行する。
この当たり時報知処理2(S1981)により、貯留弁607aの動作に不具合が生じた場合に、速やかに不具合を報知することができるので、不具合を迅速に解消させることができる。
以上説明したとおり、第1実施形態の変形例におけるパチンコ機10では、スライド部材900を用いて第2特定入賞口(第2大開放口)650aの開閉動作と、貯留装置600内の誘導流路607の開閉動作とを同時に行えるように構成している。つまり、一般入賞口(大価値入賞口)602を大当たり中に賞球を得るための入賞口の一つとして構成している。
第2特定入賞口650aの状態の切り替えと、誘導流路607の状態の切り替えとを、スライド部材900をスライド変位させるだけで実現することができるので、第1実施形態のように、第2特定入賞口650と、貯留弁607aとを別個に制御する場合に比較して、処理負荷を軽減することができる。即ち、MPU201の処理負荷を軽減することができる。特に、主制御装置110のMPU201は、特別図柄の抽選や、変動時間の決定等の、遊技において重要な処理を実行するものであるので、処理負荷の増大により処理速度が低下してしまうと、遊技に対する影響が大きくなってしまう。これに対して本変形例では、スライド部材900の導入によりMPU201の処理負荷を軽減できるので、遊技における主要な処理をより確実に実行することができる。
また、本変形例では、第2可変入賞装置650の内部に確変入球口654のみを設ける構成とし、第2可変入賞装置650の内部へと流入した球が必ず確変入球口654へと入球するように構成している。これにより、第2特定入賞口650aへと球を入球させることができれば大当たりの終了後に特別図柄の確変状態へと移行するというシンプルな遊技性を実現することができる。よって、遊技者にとって特別図柄の確変状態へと移行するか否かがより分かりやすくなるので、初心者でも楽しめる遊技性を提供することができる。また、第1実施形態において第2可変入賞装置650の内部に設けられていた流路切替弁650dや、誘導流路653、通常入球口655を廃止しているので、第2可変入賞装置650の構造を簡素化することができる。よって、パチンコ機10の原価を抑えることができる。
また、本変形例では、右打ちした球のうち、貯留装置600へと流入する球の割合を、貯留装置600の入口部分に設けられた釘921a,921b(図77参照)を調節することにより可変させることができるように構成されている。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて当たりとなるか否かを抽選し、確率変動状態へと移行するか否かについては当たり中に別途抽選するものがある。これにより、当たりが出球を多く得るための単なる作業となることを抑制し、確率変動状態へ移行することに対する期待感を持って当たり中の遊技を行わせ、遊技者の遊技に対する興趣の向上を図っている。
上記した遊技機の中には、当たり中にのみ遊技球の進入が可能となる所定領域が設けられているものがあり、その所定領域へと遊技球を入球させることにより当たり後に確率変動状態へと移行するものがある(例えば、特開2003−180999号公報)。
しかしながら、従来型の遊技機において、当たり中に遊技球が所定領域に入球する割合は機種毎に予め設定されているため、より確率変動状態へと移行する割合を異ならせるためには、ホール側が異なる機種を導入するしかなかった。つまり、従来型の遊技機では、確率変動状態へと移行する割合に自由度がなく、ホール毎に異なる営業方針に対して柔軟に対応することが困難であった。よって、より汎用性の高い遊技機が求められていた。
これに対して本変形例のパチンコ機10では、右打ちを行った場合における貯留装置600への球の入球しやすさを、釘921a,921bの調節具合によって容易に変更することができるように構成している。これにより、貯留装置600の入口部分よりも下流に設けられている第2入球口650aへの入球し易さを変更することができる。よって、ホールの店員が釘921a,921bを調節するだけで、大当たりFとなった場合の遊技性を変更することができる。即ち、一般入賞口(大価値入賞口)602へ入球しにくく、特別図柄の確変状態へと移行しやすい遊技性と、一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球し易く、特別図柄の確変状態へと移行しにくい遊技性とを切り替えることができる。従って、ホールの営業方針に応じてパチンコ機10の性能を容易に変更することができるので、汎用性を向上させることができる。
本変形例では、大当たりFの12ラウンドにおいて第2特定入賞口(第2大開放口)650aが最大5秒間開放されるように構成していたが、開放時間は任意に定めてもよい。例えば、開放時間を10秒とすることによって、第2特定入賞口650aへとより球を入球させやすくすることができる。よって、特別図柄の確変状態へと移行しやすくなるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、開放時間を、例えば2秒にしてもよい。開放時間を短くすることにより、限られた時間で第2特定入賞口650aへと球を入球させようと、様々な打ち方を行わせたり、釘921a,921bがより閉まっているパチンコ機10を選ばせたりすることができる。よって、パチンコ機10による遊技により熱中させることができる。
本変形例では、第2特定入賞口650aの上流に貯留装置600の入口を設け、釘921a,921bを調節することにより貯留装置600への入球し易さを可変できるように構成していたが、第2特定入賞口650aへ到達する球の割合を可変させるための構成は、これに限られるものではない。例えば、貯留装置600に代えて、単にアウト口、または球が入球することにより賞球が払い出される入賞口を設けておいてもよい。そして、第2特定入賞口650aは、単一の部材で開閉状態が切り替わるように構成してもよい。このように構成したとしても、釘921a,921bを調節することによりアウト口、または入賞口への入球し易さを可変させることにより、第2特定入賞口650aへ到達する球の割合を可変させることができる。また、貯留装置600をアウト口や入賞口へと置き換えることにより、構造を単純化することができるので、パチンコ機10の原価を低減することができる。
また、貯留装置600への流入しやすさは、必ずしも調節できる必要はない。即ち、釘921a,921bに代えて、盤面に固定された円柱状の部材を設けてもよい。これにより、大当たりFの12ラウンド目に球が第2特定入賞口650aへと入球するか否かをホール側で調節できなくすることができるので、第2特定入賞口650aへと球が入球しなかったとしても、その落胆の矛先がホールへと向かうことを抑制することができる。即ち、遊技者がホールに対して不信感を抱いてしまうことを防止(抑制)することができる。
本変形例では、大当たりFの12ラウンド目に第2特定入賞口650a、および一般入賞口(大価値入賞口)602が開放されるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、1ラウンド目に開放されるように構成してもよい。これにより、特別図柄の確変状態へと移行するか否かが早期に決定することができるので、その後の特別遊技状態(大当たり状態)において安心して遊技を行うことができる。また、第2特定入賞口650aを15ラウンド目に開放するように構成してもよい。これにより、特別図柄の確変状態に移行するか否かが最終ラウンドである15ラウンドまで決定しないので、特別図柄の確変状態に対する遊技者の期待感をより長く持続させることができる。従って、遊技者の大当たり遊技中の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、例えば、大当たりFとなった場合に複数のラウンドで連続して第2特定入賞口650a、および一般入賞口(大価値入賞口)602が開放されるように構成してもよい。具体的には、例えば、12ラウンド目、および13ラウンド目に開放されるように構成してもよい。これにより、11ラウンドの終了までに球貯留部920の上部に貯留された球は、12ラウンド目に一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球し、13ラウンド目においては球貯留部920の上部に球が存在しない状態とすることができる。よって、第2特定入賞口650aへと球を入球させるチャンスを多くすることができる。
本変形例では、第1実施形態と同様に、貯留装置600の内部に球を1球のみ貯留可能に構成していたが、これに限られるものではなく、球を複数貯留可能に構成し、例えば球貯留部920の上部に球を4個貯留できるように構成してもよい。この場合において、12ラウンドの終了条件を変更し、例えば第1特定入賞口65a、第2特定入賞口650a、および一般入賞口602へと球が合計で5個入球した場合に12ラウンドを終了するように構成してもよい。大当たりの1〜11ラウンドでは、右打ちにより第1特定入賞口65aへと球を入球させようとして遊技を行うので、多くの場合、12ラウンドの開始前に、貯留部920の上部に球が上限個数(4個)貯留された状態となる。つまり、12ラウンドが開始され、球貯留部920が開放されることにより、貯留された4個の球が一斉に一般入賞口(大価値入賞口)602へと流入するので、12ラウンドの開始直後に特定入賞口(第1特定入賞口65a、第2特定入賞口650a、および一般入賞口602)へと球が4個入球した状態となる。よって、あと1個の球が第2特定入賞口650a、または一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球することで12ラウンドが終了する(合計5個の球が第2特定入賞口650a、または一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球する)状況となるので、第2特定入賞口650aへと入球させる機会を1個の球に限ることができる。従って、遊技者に対してより緊張感を抱かせて12ラウンドの遊技を行わせることができる。また、大当たりの1〜11ラウンドでは、なるべく貯留装置600へと球が流入しないように願いながら(つまり、球貯留部920の上部に貯留される球が上限個数である4個とならずに12ラウンドを迎えることを願いながら)大当たり遊技を行わせることができる。よって、大当たり中にも緊張感を抱かせながら遊技を行わせることができるので、大当たりが単に賞球を得るための作業のようになってしまうことを防止(抑制)し、遊技者の大当たり遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、12ラウンドの終了条件となる特定入賞口への入球個数と、球貯留部920の上部へと貯留可能な球の上限個数とは任意に定めてもよい。例えば、12ラウンドの終了条件を、球貯留部920の上部に貯留できる球の個数以下としてもよい。これにより、12ラウンドの開始までに球が貯留装置600の内部に貯留されないことをより強く願わせて遊技を行わせることができる。また、逆に、球貯留部920に貯留可能な球の上限個数を少なくしておいてもよい。これにより、12ラウンドの開始までに上限個数の球が球貯留部920の上部に貯留されていたとしても、12ラウンドにおいて第2特定入賞口650aへと球を入球させる機会を複数回与えることができる。よって、より特別図柄の確変状態へと移行させやすくすることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本変形例では、大当たりFの12ラウンド目において、球貯留部920が開放された場合に図76に示す演出画像を表示するように構成しているが、大当たり中の演出はこれに限られるものではない。例えば、大当たりの11ラウンド目までに実行される演出の結果により大当たりEであるか、大当たりFであるかを報知するように構成してもよい。より具体的には、例えば、1ラウンド〜11ラウンドの各ラウンドにおいて、正義の味方とモンスターとが戦う演出を行ってもよい。そして、11ラウンドまでに正義の味方が勝利すれば、大当たりFであることが報知され、正義の味方が敗北した場合は、大当たりEであることが報知されるように構成してもよい。即ち、正義の味方が勝利すると、12ラウンドにおいて第2特定入賞口650aが開放されるので、特別図柄の確変状態へと移行させるチャンスであることを遊技者に認識させることができる。これにより、遊技者に対して大当たりにおいて行われる演出の結果をより興味深く観察させることができる。
なお、演出内容にバリエーションを設け、正義の味方が勝利する期待度が高い(大当たりFの場合に選択されやすい)演出内容と、正義の味方が敗北してしまう可能性が高い(大当たりEの場合に選択されやすい)演出内容とを設けてもよい。例えば、正義の味方が必殺技で敵を攻撃したり、敵の攻撃を正義の味方が回避した場合に勝利する期待度が高くなるように構成し、正義の味方の攻撃が外れてしまったり、敵が必殺技で攻撃してきた場合に敗北する可能性が高くなるように構成してもよい。これにより、正義の味方が勝利するか否かの結果だけでなく、勝利、又は敗北に至るまでの演出の流れで結果を予測させることができる。よって、遊技者の大当たり遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、11ラウンドまでに行われる演出の内容は、上記した正義の味方とモンスターとが戦う演出に限られるものではなく、有利な大当たりFと、その大当たりFよりも不利な大当たりEとを示唆できる態様であればよい。例えば、少年のキャラクタ710が宝物を捜索する演出を行い、11ラウンド目までに宝物を見つけることができれば、大当たりFであることが報知されるように構成してもよいし、少年のキャラクタ710が大食いを行う演出を表示させ、提供された食べ物を残さず食べ切れたら大当たりFであることが報知されるように構成してもよい。
本実施形態におけるパチンコ機10では、一般的な遊技機には搭載されていない特異な構成である貯留装置600を設けているので、この貯留装置600に関わる遊技性を説明する演出を設けておいてもよい。より具体的には、例えば、背面画像として貯留装置600の画像を表示させ、貯留弁607aが開放される条件と、開放された場合のメリットと、閉鎖状態で球を右打ちした場合のデメリットとを説明する画像(説明画像)を表示するように構成してもよい。これにより、遊技者が容易に遊技性を理解することができる。また、説明画像が表示される背面種別は、枠ボタン22を押下(操作)することにより背面種別を切り替えることができるように構成してもよい。これにより、パチンコ機10での遊技に慣れ、十分に遊技性を理解している遊技者は、説明画像が表示されない背面種別に変更することができる。
本変形例では、第2特定入賞口650aと、一般入賞口(大価値入賞口)602とを、どちらも大当たりの賞球を得るための入賞口として取り扱っていたが、一般入賞口(大価値入賞口)602は通常の入賞口として取り扱ってもよい。つまり、大当たりの各ラウンドの終了条件として、第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aへと球が10球以上入球した場合に大当たりの各ラウンドが終了する(ラウンドの終了に一般入賞口602への入球個数が関与しない)ように構成してもよい。これにより、大当たりの12ラウンドにおいて球が一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球するほど遊技者にとって得になるため、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本変形例では、貯留装置600へと球が流入しやすくなるように釘921a,921bを調節することにより、第2特定入賞口650aへと球を入球しにくく構成し、貯留装置600へと球が流入しにくくなるように釘921a,921bを調節することにより、第2特定入賞口650aへと球を入球し易く構成していた。即ち、釘921a,921bを調節することにより、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態へと移行する割合を変更できるように構成していたが、特別図柄の確変状態へと移行する割合を変更する方法はこれに限られるものではない。例えば、貯留装置600へと流入する球の割合を一定とする代わりに、第2可変入賞装置650の内部に、第一実施形態と同様に確変入球口654と通常入球口655とを設ける構成としてもよい。そして、第2可変入賞装置650の内部へと流入した球が確変入球口654と、通常入球口655とに振り分けられる割合をホールの店員が調節できるように構成してもよい。より具体的には、例えば、本変形例における第2可変入賞装置650として、第1実施形態における第2可変入賞装置650(図15参照)に置き換えた上で、流路切替弁650dと、切替軸650eとを廃止する。そして、誘導流路652と、誘導流路653との分岐位置(即ち、第1実施形態において切替軸650eが設けられていた箇所の上方)に例えば釘を打っておいてもよい。また、釘を打つ位置としては、第1実施形態において切替軸650eが設けられていた箇所(図15参照)から、例えば、球の半径程度の距離だけ上方としてもよい。つまり、誘導流路651を流下した球が接触(衝突)し得る位置であり、且つ、誘導流路652、および誘導流路653に対して球が流下可能となる位置としてもよい。このように構成することで、第2可変入賞装置650の内部に設けた釘を右寄りに調節すれば、誘導流路651を流下した遊技球が釘の左側面へと接触(衝突)し易くなるので、球が正面視左方向へと反発されやすくなる。よって、第2可変入賞装置650の下流において正面視左側に設けられている誘導流路652へと球が流入し易くなるため、確変入球口654へと入球し易くなる。従って、第2可変入賞装置650の内部に設けた釘を右寄りに調節しておくことにより、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態となりやすくすることができる。逆に、第2可変入賞装置650の内部に設けた釘を左寄りに調節すれば、誘導流路651を流下した遊技球が釘の右側面へと接触(衝突)し易くなるので、球が正面視右方向へと反発されやすくなる。よって、第2可変入賞装置650の下流において正面視左側に設けられている誘導流路653へと球が流入し易くなるため、確変入球口654へと入球し易くなる。従って、第2可変入賞装置650の内部に設けた釘を右寄りに調節しておくことにより、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態となりにくくすることができる。このように、確変入球口654への入球しやすさを調節できる構成としておくことにより、ホールの営業方針に応じてパチンコ機10のスペックを可変させることができる。よって、各ホールの営業方針に対応した遊技性を提供できる。
また、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態へと移行する割合を変更できるように構成する別の具体例として、本変形例における釘921a,921bに代えて、貯留装置600の入口部分を開放状態と閉鎖状態とに切り替える可変部材を設けてもよい。そして、その可変部材が開放状態と閉鎖状態とを電源がオンされている間に繰り返すように構成してもよい。この場合において、開放状態と閉鎖状態とで構成される1周期の長さを固定化(例えば、3秒)した上で、開放状態に設定される期間と、閉鎖状態に設定される期間との比率をホールが調節できるように構成してもよい。より具体的には、例えば、ディップスイッチ等の複数の状態に設定可能な操作手段を設けておく。そして、例えば、スイッチの状態が(00000000B)を示していれば、貯留装置600の入口が閉鎖状態に設定されないように構成する。即ち、常に入口が開放されているため、遊技球が貯留装置600へと最も流入しやすくなる状態に設定される。そして、スイッチの状態が(11111111B)を示していれば、貯留装置600の入り口が常に閉鎖状態に設定されるように構成する。即ち、大当たりにおいて貯留装置600へと流入する球がなくなり、第2特定入賞口650aへと最も流入しやすい状態に設定する。そして、ディップスイッチが他の状態(00000001B〜11111110B)の場合には、(00000000B)から(11111111B)へと向かうほどに閉鎖状態となる期間が長くなるように構成してもよい。つまり、(11111111B)へと向かうほどに第2特定入賞口650aへと球が入球しやすくなり、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態が設定されやすくなるように構成してもよい。このように構成しておけば、特別図柄の確変状態になりにくい遊技性の遊技機としてパチンコ機10を用いたいホールは、例えば、可変部材が0.5秒の閉鎖状態と2.5秒の開放状態とを繰り返すようにディップスイッチの設定を調節すればよい。逆に、特別図柄の確変状態になりやすい遊技性の遊技機としてパチンコ機10を用いたいホールは、例えば、可変部材が2.5秒の閉鎖状態と0.5秒の開放状態とを繰り返すようにディップスイッチの設定を調節すればよい。これにより、ホールの営業方針に応じてパチンコ機10のスペックを可変させることができるので、各ホールの営業方針に対応した汎用性の高い遊技性を提供できる。
<第2実施形態の変形例>
次に、図86〜図94を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10の変形例について説明する。第2実施形態におけるパチンコ機10は、貯留装置700の内部に設けられた誘導流路704を貯留弁704aによって閉鎖可能に構成し、閉鎖状態において貯留弁704aの上部に球を1球貯留できるように構成していた。そして、球が貯留された状態では、払い出される賞球の多い一般入賞口(大価値入賞口)702、またはアウト口(小価値入賞口)703d,703eへと球が入球しやすくなるように構成し、貯留弁704aが開放された状態では、払い出される賞球数が少ない一般入賞口(中価値入賞口)701へと球が入球しやすくなるように構成していた。そして、貯留弁704aは、基本的に閉鎖状態に設定され、遊技者が解除ボタン800を操作した場合に開放状態となるように構成されていた。つまり、貯留弁704aを閉鎖状態であれば、一般入賞口(大価値入賞口)702、アウト口(小価値入賞口)703d,703eのいずれにも球が入球する可能性がある状態(賞球を多く獲得できる可能性もあるが、賞球が得られない可能性もあるギャンブル性の高い状態)となり、貯留弁704aが開放状態であれば、貯留装置700へと流入した球を一般入賞口(中価値入賞口)701へと入球させることができる状態(少量ではあるが安定して賞球を獲得できる状態)となる。よって、解除ボタン800(図67参照)を操作するか否かにより、パチンコ機10の遊技性を遊技者によって切り替えさせることができるので、各遊技者が、自己の趣向に合った遊技性を選択して遊技を行うことができるように構成されていた。
これに対して本変形例では、貯留装置700の内部に最大2個の球を貯留できるように構成している。また、貯留弁704aが閉鎖されている場合には、貯留された球の配置に応じて、球が入球しやすい入球口(一般入賞口702に入球しやすくなるか、アウト口に入球しやすくなるか)が変化するように構成されている。即ち、貯留弁704aが閉鎖された状態において、貯留された球の配置を確認することにより、一般入賞口(大価値入賞口)702へ入球し易い状態であるか否かを容易に認識することができるように構成されている。
この第2実施形態の変形例におけるパチンコ機10が第2実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、貯留装置700の内部構造が異なっている点のみである。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第2実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第2実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図86を参照して、本変形例におけるパチンコ機10の遊技盤13について説明する。図86は、本変形例におけるパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。図86に示した通り、本変形例のパチンコ機10においても、遊技盤13の右側に設けられた経路の下流に貯留装置700が設けられている。上述した通り、本変形例では、貯留装置700の内部に最大2個の球が貯留可能に構成されている。この貯留装置700の詳細について、図87、および図88を参照して説明する。
図87は、貯留装置700の貯留弁704aが閉鎖され、球が2個貯留されている場合の一例を示した図である。図87に示した通り、本変形例では、貯留弁704aが正面視右下方向へと下る向きに傾斜している。このため、貯留弁704aが閉鎖された状態で最初に誘導流路704へと流入した球の多くは、貯留弁704aの傾斜によって誘導流路704の右側に偏った状態で静止する。また、図87に示す通り、誘導流路704のうち、貯留弁704aの上側の部分が第2実施形態に比較して長くなっている。また、誘導流路704は、球が2個横に並ぶだけの幅が無い。このため、誘導流路704の内部に球が右寄りに1個貯留された状態で他の球が誘導流路704へと流入すると、多くの場合、先に貯留されていた球の左上側に新たに球が貯留される(先に貯留されていた球と、誘導流路704の左側の内壁部分との間に新たな球が貯留される)。
図87に示した貯留状態(最初に貯留された球が右寄り、2個目に貯留された球が左寄りにそれぞれ貯留された状態)の場合は、その後に貯留装置700へと流入した球が、2個目に貯留された球の右側面に衝突しやすくなる。よって、貯留装置700へと流入した球は、貯留された球との衝突(接触)による衝撃で、右方向へと進行方向が変化する。即ち、誘導流路708へと球が流入し、アウト口(小価値入賞口)703d,703eのいずれかに入球する。
このように、図87に示した貯留状態となっている場合は、貯留装置700へと球を流入させることができたとしても、その球がアウト口(小価値入賞口)703d,703eに入球してしまうため、遊技者が賞球を得ることができない。即ち、図87に示す貯留状態は、遊技者にとって不利な状態となる。
なお、誘導流路704のうち、貯留弁704aの上部左側には、正面視手前側に球が存在する場合に、球を検知する入球センサ704bが設けられている。この入球センサ704bによって、球の配置を判別することができる。より具体的には、入球センサ704bによって所定期間(例えば、1分間)連続して球を検出し続けた場合に、図87に示す配置になっていると判別する。図87に示す配置となっているか否かを判別することで、図87の配置となってから一定時間が経過した場合に、遊技者に対して解除ボタン800の押下を促す画像(図89参照)を表示させることができる。これにより、貯留装置700へと流入した球がアウト口(小価値入賞口)703d,703eへと入球しやすい不利な配置(図87参照)が長時間継続し、遊技者にとって不利となってしまうことを抑制することができる。
次に、図88を参照して、球が2個貯留されている場合の別例について説明する。図88に示した例では、貯留弁704aが閉鎖された状態で最初に誘導流路704へと流入した遊技球が、誘導流路704に対して左寄りに貯留され、2個目に誘導流路704へと流入した球が誘導流路704に対して右寄りに貯留されている。この図88に示した貯留状態となった場合は、その後に貯留装置700へと流入した球が2個目に貯留された球の左側面へと衝突(接触)し易くなる。よって、貯留された球と衝突(接触)した球の流下方向が左方向へと変化しやすくなるため、誘導流路706を流下し、払い出される賞球数の多い(払い出しが6個の)一般入賞口(大価値入賞口)702へと入球し易くなる。
このように、図88に示した貯留状態となっている場合は、貯留装置700へと球を流入させることにより、球が一般入賞口(大価値入賞口)702へと入球し易くなるので、球が流入する度に賞球の獲得が見込める遊技者にとって有利な状態である。
なお、貯留弁704aが右下へと下る向きに傾斜しているため、図88に示した貯留状態は、図87に示した貯留状態に比較して実現しにくい。例えば、貯留弁704aが閉鎖されてから、2個の球がほぼ同時に誘導流路704へと流入した場合や、最初に貯留弁704aへと到達した球が、貯留弁704aや誘導流路704の内壁部分と衝突し、左上方向へと反発している間に2個目の球が誘導流路704へと流入した場合等に実現し得る。
貯留弁704aを閉鎖している場合の多くが図87に示す貯留状態となるが、本変形例でも第2実施形態と同様に解除ボタン800を操作することにより貯留弁704aを開放することができる。即ち、貯留状態をリセットし、再度図88に示した貯留状態となることを期待して貯留装置700に対して球を貯留させることができる。よって、遊技者に対して図88に示した貯留状態とすることを目標に遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、図88に示す貯留状態が実現した場合には、遊技者に対して達成感を与えることができると共に、一般入賞口(中価値入賞口)701へと球を入球させ続けることにより賞球を多く獲得できることに対する期待感を抱かせることができる。
また、図88に示す配置では、入球センサ704bからずれた配置となる(入球センサ704bの手前側を球が遮蔽する配置とならない)ので、図88に示す配置が長時間継続したとしても、遊技者に対して解除ボタン800の押下を促す画像(図89参照)を表示させてしまうことを防止(抑制)することができる。よって、一般入賞口(大価値入賞口)702へと入球しやすい有利な状態を、より長く継続させることができる。
次に、図89を参照して、解除ボタン800の押下を促す画像(示唆表示画像)について説明する。図89は、解除ボタン800の押下を促す画像(示唆表示画像)を示した図である。この示唆表示画像は、図87に示す、遊技者にとって不利な配置が一定時間(1分間)連続したと判別された場合に表示される画像である。より具体的には、入球センサ704bにより1分間連続して球を検出し続けた場合に、図87に示す配置で安定していると判別し、示唆表示画像を表示させる。
図89に示した通り、示唆表示画像の表示が設定されると、小領域Ds2に対して「不利配置中」との文字が表示される。この文字を表示させることにより、遊技者に対して図89に示した配置が遊技者にとって不利な配置(貯留装置700へと流入した球がアウト口703d,703eへと誘導される配置)であることを認識させることができる。また、この「不利配置中」との文字の下方には、「ボタンを押して配置をリセット!!」との文字が表示される。この文字を表示させることにより、解除ボタン800を押下(操作)すれば不利な状態が解消されることを遊技者に対して認識させることができる。
このように、本変形例では、示唆表示画像により遊技者に対して不利な配置を報知し、解除ボタン800の押下(操作)によって不利な配置の解消を促すと共に、有利な配置(図88に示す、球が一般入賞口702へと誘導される配置)となることを目指して遊技を行わせることができる。よって、遊技者に対して遊技により積極的に参加させることができる。
本実施形態では、遊技者に不利な状態(図87参照)のまま長時間(1分間)が経過した場合に、示唆表示画像(図89参照)を表示するように構成していたが、これに代えて、貯留弁704aを開放状態(解除状態)へと切り替えるように構成してもよい。即ち、入球センサ704bにより球を連続して一定時間(例えば、1分間)検出した場合に、不利な状態で安定していると判別し、貯留装置700に貯留されている球の配置をリセットするために貯留弁704aを開放するように構成してもよい。これにより、貯留装置700の仕組みを十分に理解していない初心者であっても、不利な状態に気づかずに長時間遊技を行ってしまうことを抑制することができる。
本変形例では、入球センサ704bにより1分間連続して球を検出した場合に、貯留弁704aを開放するように構成しているが、図87の配置をリセットする(貯留弁704aを開放する)までの時間はこれに限られず、任意に定めてもよい。時間を短く(例えば、30秒)することにより、遊技者が不利な状態となる期間を短縮することができる。また、時間を長く(例えば、5分)することにより、示唆表示画像が表示される頻度を下げることができる。よって、表示制御装置114の処理負荷を軽減することができる。
<第2実施形態の変形例における電気的構成について>
次に、図90を参照して、本変形例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。第2実施形態の変形例における電気的構成は、第2実施形態における電気的構成に対して、音声ランプ制御装置113のRAM223の構成が一部変更されている点、および音声ランプ制御装置113の入出力ポート225に対して、入球センサ228が電気的に接続されている点で相違している。その他の電気的構成については、第2実施形態における電気的構成と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
第2実施形態の変形例におけるRAM223には、第2実施形態におけるRAM223の構成に加えて、不利時間カウンタ223mと、示唆表示フラグ223nとが少なくとも追加されている。
不利時間カウンタ223mは、図87に示す遊技者にとって不利な配置(球がアウト口703d,703eへと誘導される状態)となってからの経過時間判別するために用いられるカウンタである。この不利時間カウンタ223mの値は、入球センサ228により球が検出される度に1が加算される(図92のS4503)参照。また、カウンタ値が加算された状態(0より大きい値の状態)において、入球センサ228により球が検出されなかった場合は0にリセットされる(図92のS4508)。本変形例では、不利時間カウンタ223mの値に基づいて、図87に示す遊技者にとって不利な配置(球がアウト口703d,703eへと誘導される状態)になっていると判別した場合に、上述した示唆表示画像(図89参照)を表示させるように制御する。
示唆表示フラグ223nは、示唆表示画像(図89参照)が表示されているか否かを示すフラグである。この示唆表示フラグ223nがオンであれば、示唆表示画像(図89参照)が表示されていることを示しており、オフであれば、示唆表示画像(図89参照)が表示されていないことを示している。この示唆表示フラグ223nは、示唆表示画像(図89参照)の表示を設定した場合にオンに設定される(図92のS4506参照)。一方、貯留弁704aが開放状態(解除状態)に設定されたことを示す貯留状態コマンドを受信した場合にオフに設定される(図94のS4607参照)。
<第2実施形態の変形例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図91〜図94を参照し、第2実施形態の変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種処理について説明する。まず、図91を参照して、本変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。
本変形例におけるメイン処理(図92参照)のうち、S1801〜S1817の各処理では、それぞれ第2実施形態におけるS1801〜S1817の各処理と同一の処理が実行される。また、本変形例におけるメイン処理(図92参照)では、液晶演出実行管理処理(S1810)が終了すると、次いで、示唆表示画像(図89参照)を表示させるための解除示唆表示処理を実行し(S1821)、処理をS1811へと移行する。この解除示唆表示処理(S1821)の詳細について、図93を参照して説明する。
図93は、解除示唆表示処理(S1821)を示すフローチャートである。この解除示唆表示処理では、まず、入球センサ228がオンであるか否かを判別し(S4501)、オンであると判別した場合は(S4501:Yes)、次いで、示唆表示フラグ223nがオンであるか否かを判別する(S4502)。そして、示唆表示フラグ223nがオンであれば(S4502:Yes)、既に示唆表示画像(図89参照)の表示中であり、示唆表示画像を表示させるか否かを判別する必要が無いので、そのまま本処理を終了する。
一方、S4502の処理において、示唆表示フラグ223nがオフであると判別した場合は(S4502:No)、不利時間カウンタ223mの値に1を加算することにより更新し(S4503)、更新後の不利時間カウンタ223mの値が60000よりも大きいか否かを判別する(S4504)。ここで、不利時間カウンタ223mは、メイン処理(図91参照)の度に(1ms毎に)1ずつ更新されるため、カウンタ値60000は1分間に相当する。
S4503の処理において、不利時間カウンタ223mの値が60000以下であると判別した場合は(S4504:No)、そのまま本処理を終了する。一方、不利時間カウンタ223mの値が60000よりも大きいと判別した場合は(S4504:Yes)、不利な配置となってから長時間(1分)が経過したことを遊技者に報知するための示唆表示を表示させるための表示用背面画像変更コマンドを設定し(S4505)、示唆表示フラグ223nをオンに設定して(S4506)、本処理を終了する。
一方、S4501の処理において、入球センサ228が球を検出していない(入球センサがオフである)と判別した場合は(S4501:No)、不利な配置(図87参照)となっていないことを意味するため、まず、不利時間カウンタ223mの値が0よりも大きいか否かを判別する(S4507)。S4507の処理による判別の結果、不利時間カウンタ223mの値が0より大きいと判別した場合は(S4507:Yes)、カウンタ値を0に初期化して(S4508)、本処理を終了する。
一方、不利時間カウンタ223mの値が0であると判別した場合は(S4507:No)、不利時間カウンタ223mが初期化済みであり、重ねて初期化する必要がないため、S4508の処理をスキップして、本処理を終了する。
この解除示唆表示処理(S1821)を実行することにより、貯留装置700に貯留された球の配置が遊技者に不利な配置(図87参照)のまま、遊技者が長時間遊技を行ってしまうことを防止することができる。
次に、図93を参照して、第2実施形態の変形例における音声ランプ制御装置のMPU221により実行されるコマンド判定処理について説明する。図93は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。このコマンド判定処理のうち、S1901〜S1919、およびS1921の各処理では、第2実施形態におけるコマンド判定処理(図72参照)のS1901〜S1919、およびS1921の各処理と同一の処理がそれぞれ実行される。また、本変形例におけるコマンド判定処理ではS1921の処理において、貯留状態コマンドを主制御装置110から受信したと判別した場合に(S1921:Yes)、受信した貯留状態コマンドに応じた画像を表示させるための貯留状態コマンド処理を実行して(S1929)、本処理を終了する。
この貯留状態コマンド処理(S1929)の詳細について、図94を参照して説明する。図94は、この貯留状態コマンド処理(S1929)を示すフローチャートである。貯留状態コマンド処理(S1929)では、まず、貯留状態コマンドによって貯留弁704aが閉鎖状態(貯留状態)に切り替わったことを通知されたか否かを判別する(S4601)。そして、閉鎖状態(貯留状態)に切り替わったことが通知されたと判別した場合は(S4601:Yes)、次いで、閉鎖状態に対応する画像(図63(a)参照)を第3図柄表示装置81に対して表示させるための表示用背面画像変更コマンドを設定し(S4602)、貯留状態フラグ223kをオンに設定することで貯留弁704aが閉鎖状態にあることを示して(S4603)、処理をS4604へと移行する。
一方、S4601の処理において、貯留状態コマンドにより通知されたのが閉鎖状態(貯留状態)でない(開放状態(解除状態)への切り替わったことが通知された)と判別した場合は(S4601:No)、次いで、開放状態(解除状態)に対応する画像(図63(b)参照)を第3図柄表示装置81に対して表示させるための表示用背面画像変更コマンドを設定し(S4605)、貯留弁704aの現在の状態が開放状態(解除状態)であることを示すために貯留状態フラグ223kをオフに設定する(S4606)。そして、示唆表示画像(図89参照)が表示されていないことを示すために、示唆表示フラグ223nをオフに設定して(S4607)、処理をS4604へと移行する。
S4603、またはS4607の処理後に実行されるS4604の処理では、貯留弁704aが切り替わってから球がはけるまでの球はけ期間であるか否かを判別するために、流下時間カウンタ223lに対して1秒に対応するカウンタ値を設定して(S4604)、本処理を終了する。この貯留状態コマンド処理(S1931)を実行することにより、主制御装置110から通知される貯留弁704aの状態に対応付けて第3図柄表示装置81の表示内容を適切に更新させることができる。
以上説明したとおり、第2実施形態の変形例におけるパチンコ機10では、貯留装置700の内部に球を2個貯留できるように構成している。また、球が内部に貯留された場合の貯留状態として、図87に示す貯留状態と、図88に示す貯留状態とを少なくとも取り得る。これらの貯留状態は、貯留装置700へと流入した球が入球しやすい入球口がそれぞれ異なっている。また、貯留装置700の内部は遊技者が視認可能に構成されているので、貯留状態を目視により容易に判断することができる。よって、遊技者に対して貯留弁704aを一旦開放状態に設定することにより貯留状態をリセットした方がよいか否かを選択させることができる。
また、有利な貯留状態(図88に示す一般入賞口701へと球が入球しやすい貯留状態)と、不利な貯留状態(図87に示すアウト口へと球が入球しやすい貯留状態)とを設けておくことにより、有利な貯留状態(図88参照)となることを期待して遊技を行わせることができる。そして、たとえ不利な貯留状態(図87参照)となった場合であっても、貯留弁704aを開放することにより貯留状態をリセットして、再度有利な貯留状態(図88参照)を目指して遊技を行わせることができる。また、有利な貯留状態となることにより、遊技者に対して達成感を与えることができると共に、一般入賞口(大価値入賞口)702へと球を入球させ続けることにより賞球を多く獲得できることに対する期待感を抱かせることができる。
本変形例のパチンコ機10では、貯留装置700の内部に球を2個貯留できるように構成していたが、これに限られるものではなく、3球以上の球が貯留できる内部構造としてもよい。この場合において、入球センサ228を誘導流路704の上端付近に左寄りに設けておけば、アウト口へと誘導される不利な配置となっているか否かを容易に判別することができる。
本変形例のパチンコ機10では、入球センサ228を誘導流路704の上端付近に左寄りに設けることにより、貯留装置700の内部に貯留された球の配置が遊技者にとって不利な配置であるか否かを判別できるように構成していたが、入球センサ228の取り付け位置はこれに限られるものではない。例えば、誘導流路704の上端付近に右寄りに配設してもよい。即ち、貯留装置700内に貯留された球が図87に示す配置となった場合には、貯留された球が入球センサ228により検出されないが、図88に示す配置となった場合には、貯留された球のうち上側の球が入球センサ228によって検出されるように入球センサ228を配置してもよい。これにより、一般入賞口702へと球が入球しやすい配置(図88参照)となっているか否かを判別することができる。よって、入球センサ228の検出結果に基づき、例えば、5秒以上連続して入球センサ228により球が検出され続けた場合に、図88に示す配置で静止していると判別することができる。従って、図88に示す遊技者に有利な配置となっていることを貯留された球が有利な配置となっていることに基づいて、現在が遊技者にとって有利な状態であることを報知することができる。報知の方法としては、例えば、第3図柄表示装置81の小領域Ds2に対して、「有利配置中」との文字と、「右打ちで大チャンス!」との文字とを表示させるように構成してもよい。これにより、遊技者に対して現在が有利な状態であることを容易に認識させることができるので、誤って解除ボタン800を押下(操作)し、貯留装置700に貯留されている球を流下させてしまう(有利な配置をリセットしてしまう)ことを抑制することができる。
また、入球センサ228は、1個に限られるものではなく、複数設けてもよい。より具体的には、例えば、誘導流路704の上端付近に右寄り、および左寄りにそれぞれ入球センサ228を設けてもよい。これにより、左寄りに設けたセンサが、例えば5秒間連続して球を検出し続けた場合に、図87に示す配置で安定していると判別することができる。また、また、右寄りに設けたセンサが、例えば5秒間連続して球を検出し続けた場合に、図88に示す配置で安定していると判別することができる。よって、図87の配置(アウト口703d,703eへと球が誘導される遊技者に不利な配置)となっている場合は、上述した示唆表示画像(図89参照)を表示させることにより、遊技者に対して不利な配置のリセットを促すことができる。また、図88の配置(一般入賞口702へと球が誘導される遊技者に有利な配置)となっている場合は、遊技者に有利な配置であることを報知する画像(例えば、「有利配置中」との文字と、「右打ちで大チャンス!」との文字とが小領域Ds2に表示される画像)を表示させることにより、現在が有利な状態であることを認識させ、遊技に対するモチベーションを向上させることができる。
本変形例のパチンコ機10では、貯留弁704aを右下方向へ下る向きに傾斜するように構成していたが、傾斜は逆向きとしてもよい。これにより、遊技者にとって有利な貯留状態(図88参照)が実現しやすくなるので、遊技者に対してより積極的に貯留装置700を狙って球を打ち出させることができる。また、貯留弁704aの成す傾斜をなくしてもよい。これにより、有利な貯留状態となるか、不利な貯留状態となるかを完全にランダムとすることができる。
本変形例におけるパチンコ機10では、貯留弁704aを開放する契機が解除ボタン800の押下(操作)のみとなっていたが、他の契機を設けてもよい。例えば、大当たり中には貯留弁704aが開放状態に設定されるように構成する等、定期的に貯留状態がリセットされるように構成してもよい。貯留状態をリセットする契機を完全に遊技者に委ねてしまうと、一旦有利な貯留状態(図88参照)となった場合に、その貯留状態を保持したまま遊技を続行されてしまい、ホールに不利益となってしまう場合が有る。これに対して定期的に貯留状態をリセットするように構成すれば、有利な貯留状態が長く続くことを防止(抑制)することができるので、ホールに対する不利益を防止できる。
本変形例では、貯留弁704aの状態の切り替えを解除ボタン800の押下(操作)に基づいて行うように構成しているが、これに限られるものではない。例えば、経過時間や現在時刻、設置日数等に応じて貯留弁704aの状態を切り替えてもよい。これにより、各遊技者に対して、貯留弁704aが自分の趣向に合った状態となっている期間に遊技を開始させることができる。
また、貯留弁704aの状態を、定期的に、或いは不定期に行われる抽選の結果に基づいて切り替えるように構成してもよい。例えば、貯留弁704aが基本的に閉鎖状態(貯留状態)となるように構成し、1分に1回の頻度で開放状態(解除状態)に切り替えるか否かの抽選を実行するように構成してもよい。また、抽選に当選した場合は、例えば10秒間貯留弁704aが開放されるように構成してもよい。これにより、貯留装置700に貯留された球の配置が、球がアウト口(小価値入賞口)703d,703eへと誘導されやすい不利な配置(図87参照)の場合には、抽選に当選することにより貯留弁704aが開放されることを願って遊技を行わせることができる。一方、貯留装置700に貯留された球の配置が、球が一般入賞口(大価値入賞口)702へと誘導されやすい有利な配置(図88参照)の場合には、貯留弁704aが開放されてしまわないように、抽選に外れ続けることを願って遊技を行わせることができる。よって、貯留装置700に貯留された球の配置に応じて異なる抽選結果を期待させることができるので、斬新な遊技性を提供することができる。更に、貯留弁704aを開放状態(解除状態)に設定するか否かの抽選の抽選確率を、ホールの店員等が調節できるように構成してもよい。これにより、複数のパチンコ機10の中から遊技者が遊技を行う台を1台選択する場合に、抽選確率が良い設定となっている台を予測して台選びを行わせることができる。よって、ホールの抽選確率を設定する際の癖等を考慮してパチンコ機10を選択させることができるので、遊技を開始する前の台選びの段階で、遊技者の興趣を向上させることができる。
本変形例では、一般的な遊技機には搭載されていない特異な構成である貯留装置700を設けているので、この貯留装置700に関わる遊技性を説明する演出を設けておいてもよい。より具体的には、例えば、背面画像として貯留装置600の画像を表示させ、貯留弁704aが開放される条件と、開放された場合のメリットと、デメリットとを説明する画像(説明画像)を表示するように構成してもよい。これにより、遊技者が容易に遊技性を理解することができる。また、説明画像が表示される背面種別は、枠ボタン22を押下(操作)することにより背面種別を切り替えることができるように構成してもよい。これにより、パチンコ機10での遊技に慣れ、十分に遊技性を理解している遊技者は、説明画像が表示されない背面種別に変更することができる。
本変形例では、解除ボタン800を押下(操作)している期間中にのみ貯留弁704aが開放されるように構成したが、これに限られるものではない。例えば、解除ボタン800の押下(操作)を検出した場合に、所定時間(例えば、5秒間)貯留弁704aが開放状態に設定されるように構成してもよい。この場合において、貯留弁704aが開放されている所定期間中は、解除ボタン800の操作を受け付けないように構成してもよい。これにより、貯留弁704aを開放させておくために、解除ボタン800を押下し続ける必要がなくなる。また、解除ボタン800を押下(操作)する度に、閉鎖状態(貯留状態)と開放状態(解除状態)とが切り替わるように構成してもよい。このように構成することで、状態を切り替えたい場合にのみ解除ボタン800を操作すればよいので、遊技者の操作回数を減らすことができる。また、解除ボタン800とは逆に、操作することで貯留弁704aが閉鎖される操作手段を設けておいてもよい。このように構成しても、本実施形態と同様に、各遊技者に対して自己の趣向に合った遊技性を選択させることができる。
本変形例では、図87に示す遊技者にとって不利な配置となってから一定時間(1分間)が経過した場合に、示唆表示画像(図89参照)を表示させることで遊技者に対して解除ボタン800の押下(操作)を促すように構成されていたが、解除ボタン800を押下(操作)させる方法はこれに限られるものではない。例えば、枠ボタン22と解除ボタン800とを一体として構成してもよい(つまり、枠ボタン22と解除ボタン800とをまとめて1の操作ボタンとし、主制御装置110、および音声ランプ制御装置113に対してそれぞれ電気的に接続してもよい)。そして、入球センサ704bにより一定期間(1分間)以上連続して球を検出した(即ち、図87に示す遊技者に不利な配置となっている)と判別した場合は、枠ボタン22の押下により演出が発展する変動種別が選択されやすくなるように構成してもよい。これにより、演出を発展させるために枠ボタン22を押下(操作)すると、同時に貯留弁704aを開放状態(解除状態)に設定することができる。一般に、遊技者は大当たりか否かを報知する変動演出の結果を最も興味深く観察するので、枠ボタン22の押下により演出が発展する変動演出が実行された場合に、確実に枠ボタン22の押下を促されていることを遊技者に認識させることができる。従って、不利な状態(図87参照)をより確実にリセットさせることができる。
本変形例では、左打ちにより第1特定入賞口65aへと球が入球するように第1入球口64の正面視下方に第1特定入賞口65aが設けられていたが、これに限られるものではない。例えば、第1実施形態と同様に貯留装置700の下流に第1特定入賞口65aを設けてもよい。これにより、特別遊技状態(大当たり状態)において右打ちを行うだけで第1特定入賞口65aと、貯留装置700とに球を流入させることができるので、特別遊技状態(大当たり状態)における賞球をより多くすることができる。よって、遊技者の大当たりに対する期待感を向上させることができる。
上記各実施形態では、貯留装置600の貯留弁607a、および貯留装置700の貯留弁704aは、正面視手前側、および正面視奥側へとスライド移動することにより、各貯留弁が設けられている流路を閉鎖するとともに、その上部へと球を貯留できるように構成していたが、貯留弁の動作はこれに限られるものではない。例えば、閉鎖状態では、流路の内壁部分に対して貯留弁が垂直に起立することにより流路を閉鎖するように構成し、開放状態では流路の下流方向へと貯留弁が倒れることにより、流路を球が通行可能となるように構成してもよい。また、貯留弁607aや、貯留弁704aは、それぞれ誘導流路607や誘導流路704を完全に閉鎖する必要はない。例えば、貯留弁607aや貯留弁704aの幅を短くし、貯留弁607aや貯留弁704aが正面視手前側に突出した状態において、誘導流路607や誘導流路704が一部開放された状態となるように構成してもよい。また、開放部分の幅が、球の直径以下となるように貯留弁607aや貯留弁704aの幅を設定すればよい。これにより、貯留弁607aや貯留弁704aの低価格化を図ることができる。また、貯留弁607aや貯留弁704aにより誘導流路607や誘導流路704を開放状態(解除状態)に設定する場合に、誘導流路607や誘導流路704を完全に開放しなくても良い。つまり、貯留弁607aや貯留弁704aの一部が誘導流路607や誘導流路704に突出した状態としてもよい。また、誘導流路607や誘導流路704における開放部分の幅が球の直径以上となるように構成してもよい。これにより、貯留弁607aや貯留弁704aにおいて、開放状態と閉鎖状態との動作範囲を狭くすることができるので、貯留弁607aや貯留弁704aの状態を切り替えるために消費する電力を低減することができる。また、開放部分の幅を球の直径以上としておけば、流入した球が貯留弁607aや貯留弁704aと接触して流下の勢いが削がれる可能性はあるものの、最終的には球を流下させることができる(貯留弁607aや貯留弁704aの位置に貯留(保持)されにくくすることができる)。よって、本構成でも上記各実施形態と同一の動作を実現することができる。即ち、誘導流路607、および誘導流路704上に球を貯留できる状態と、誘導流路607、および誘導流路704へと流入した球が下流へと流下する状態とを形成することができる。
上記各実施形態では、各貯留装置に設けられている各入球口のうち、両端をアウト口としていたが、両端のアウト口を廃止してもよい。アウト口を廃止して内壁にしたとしても、球を他の入球口へと入球させることができる。また、両端のアウト口を廃止することにより、貯留装置をよりコンパクトにすることができる。
上記各実施形態では、貯留装置の内部に複数のアウト口が設けられていたが、貯留装置の内部に設けられたアウト口に代えて、遊技盤13の正面視下方に設けられたアウト口66(図2参照)へと球を流下させる流路としてもよい。これにより、アウト口を1つにすることができるので、排出された球の個数を把握するために、アウト口66へと入球した球の個数のみを検出すれば足りる。よって、球の入球を検出するための検出スイッチの個数を削減することができるので、パチンコ機10の原価を低減することができる。
上記各実施形態では、貯留弁の上部に貯留される球を1球(第1実施形態、第1実施形態の変形例、および第2実施形態)、または2球(第2実施形態の変形例)としていたが、これに限られるものではなく、3個以上の球を貯留できるように構成してもよい。更に、複数の球を貯留する場合は、縦方向に貯留してもよいし、横に並べて貯留できるように構成してもよい。この場合において、貯留弁の上部に貯留された球の個数をカウント可能に構成してもよい。例えば、第1実施形態のパチンコ機10において、貯留弁607aの上部に5個の球が貯留可能とし、5個目の球が貯留されると貯留弁607aを開放するように構成してもよい。これにより、貯留弁607aが開放された直後に5個の球が一斉に一般入賞口(大価値入賞口)602へと流下するので、短時間で多量(5×15個)の賞球の払い出しを受けることができる。よって、貯留装置600の内部に球を貯留させたいと感じさせることができるので、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
上記各実施形態において、電源が遮断されている間は貯留弁607a、または貯留弁704aが閉鎖されるように構成してもよい。即ち、電源の遮断を検出した場合に、貯留弁607a、または貯留弁704aの閉鎖を設定し、電源の投入時に、電源遮断時の貯留弁607a、または貯留弁704aの状態に戻すように構成してもよい。これにより、電源が遮断されている間に貯留装置600、または貯留装置700へと球を入球させ、復電時に即座に賞球を獲得する不正を抑制することができる。
上記各実施形態では、貯留装置内へと流入した球が入球する入球口(入賞口)は、球が流下した誘導流路によって固定となっていたが(即ち、各入球口の配置が固定されていたが)、これに限られるものではない。例えば、入球口の位置が定期的に、またはランダムに変更されるように構成してもよい。より具体的には、貯留装置の底面に公知のクルーン等を配設し、クルーン上に環状に各入賞口(入球口)を設けてもよい。そして、クルーンを回転させることにより、各誘導流路を流下した球が流入する入賞口(入球口)にランダム性を持たせてもよい。これにより、遊技者に対して貯留装置へと流入した球が入球する入球口に対して興味深く見守らせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
上記各実施形態では、貯留装置の内部を視認可能に構成していたが、正面から貯留装置の内部が視認し難くなるように構成してもよい。
上記各実施形態では、貯留弁の開放および閉鎖を主制御装置110のMPU201により制御するように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、音声ランプ制御装置113のMPU221により貯留弁の制御を行ってもよい。より具体的には、貯留装置用ソレノイド610を音声ランプ制御装置113の入出力ポート225と電気的に接続してもよい。これにより、主制御装置110のMPU201の処理負荷を軽減することができる。よって、遊技に関する主要な処理である、変動演出の選択処理や、特別図柄の抽選処理等を遅滞なく実行することができる。
<第3実施形態>
次に、図95〜図118を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、第1可変入賞装置65、および第2可変入賞装置650の上流側(遊技盤13を球が流下する方向の上流側)に貯留装置600を設ける構成とし、特別遊技状態(大当たり状態)において、貯留装置600の内部に配設された一般入賞口(大価値入賞口)602へと球を入球させることにより賞球を得られるように構成していた。つまり、特別遊技状態(大当たり状態)において、第1特定入賞口65aや、第2特定入賞口650aへと球を入球させることにより賞球が払い出されるのに加え、貯留装置600へと球を入球させることにより賞球が払い出されるように構成していた。これにより、大当たりにおいて、より多くの賞球の払い出しが行われるように構成し、遊技者の大当たり遊技に対する興趣をより向上させていた。
また、上記第1実施形態において、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態(通常遊技状態)においては、一般入賞口(大価値入賞口)602の上流を貯留弁607aによって閉鎖することにより、球が一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球しにくくなるように構成するとともに、貯留弁607aの上部に球を貯留しておけるように構成されていた。そして、通常遊技状態において貯留装置600の内部に貯留された球が存在する場合は、その貯留された球と、貯留装置600へと新たに流入した他の球とが干渉(接触)可能となるように構成していた。そして、貯留された球との干渉(接触)が起きた場合に、貯留装置600へと新たに流入した球の流下方向が、賞球数の少ない一般入賞口(小価値入賞口)601の方向(誘導流路606の方向)へと変化するように構成していた。これにより、通常遊技状態において貯留装置600の一般入賞口(大価値入賞口)602へ入賞させることを狙って球を右打ちすることにより、大当たりを介さずに持ち球を増やそうとする変則的な遊技方法が根本的に成り立たなくなるように構成していた。
これに対して第3実施形態では、図95に示す通り、第1実施形態における貯留装置600に代えて、第2貯留装置1600を設けている。この第2貯留装置1600の詳細な構成については図96を参照して後述するが、第2貯留装置1600には球が流下可能な流路が複数設けられており、流下する流路によって球が特定一般入賞口(確変入賞口)630aや一般入賞口(大価値入賞口)630bに入賞可能に構成している。また、第2貯留装置1600には、一部の流路を流下する球を貯留可能な貯留弁1601aが設けられている。この貯留弁1601aは、特定の条件が成立(本実施形態では大当たりが開始されてから所定期間経過(例えば、3秒経過))することにより、開放(解除)され、第2貯留装置1600内で貯留弁1601aにより貯留されていた球が第2貯留装置内を流下するよう構成している。
この第3実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、第2可変入賞装置650を削除した点、貯留装置600に代えて第2貯留装置1600を設けた点、主制御装置110のRAM203の構成が一部変更されている点、音声ランプ制御装置113のRAM223の構成が一部変更されている点、主制御装置110のMPU201により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図95を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13について説明する。図95に示した通り、第3実施形態のパチンコ機10では、第1実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13に対して、遊技盤13の右側の領域、つまり、可変表示装置ユニット80の右側に設けられる領域(以下、右側領域と称す。)に設けられる各種構成が相違している。具体的には、第1実施形態において遊技盤13の右側領域に設けられていた第2可変入賞装置650が削除されている。そして、大当たりの全てのラウンドにおいて、第1特定入賞口(第1大開放口)65aが開放されるように構成されている。即ち、特別遊技状態(大当たり状態)において、右側領域を狙って球を発射させる遊技(以下、右打ち遊技と称す。)を行うことにより第1特定入賞口(第1大開放口)65aへと球を入球させることができるように構成されている。
また、本第3実施形態では、遊技盤13の右側領域に第2貯留装置1600が設けられている。この第2貯留装置1600は、図96に示す通り、第2貯留装置1600の外形を形成する枠体1612と可変表示装置ユニット80(図95参照)の外周壁とにより形成される開口部(流入口)1610aを有している。この開口部(流入口)1610aの開口幅は約15ミリに形成されており、同時に複数の球が第2貯留装置1600へ流入することを規制している。
第2貯留装置1600の開口部(流入口)1610aの近傍には複数の釘が植設されており、右打ち遊技によって発射された球が複数の釘に衝突し跳ね返りながら右側領域を流下するよう構成されている。このように複数の釘によって球の流下方向を不規則にすることで、右側領域を流下する球が第2貯留装置1600へ流入する方向または第1可変入賞装置65を通過する方向へと振り分けられる。
具体的には、右打ち遊技で発射された20個の球のうち1個の球が第2貯留装置1600に流入するように複数の釘が遊技盤13上に植設されている。また、複数の釘の植設位置を変更したり、釘の傾きを変更したりすることにより、右側領域を流下する球の流下方向を変化させ、第2貯留装置1600に流入する球の割合を調整することができる。
なお、本第3実施形態では、第2貯留装置1600の開口部(流入口)1610aの近傍に設けられた複数の釘によって、右打ち遊技により発射された球のうち第2貯留装置1600へ流入する球の割合を設定可能に構成しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、球の流下方向を交互に切替可能な部材を設けてもよい。このような規則的に球を振り分ける構成を用いることにより、予め設定していた第2貯留装置1600への球の流入割合に対して実際に第2貯留装置1600へ流入する球の割合を容易に近似させることができる。
また、本第3実施形態では第2貯留装置1600の開口部(流入口)1610aの近傍に設けられた釘P2を左上方向(図96の視点で左上方向)に調整することで、右打ち遊技によって発射された球が第1可変入賞装置65へと向けて流下しやすくすることができ、一方、釘P2を右上方向(図96の視点で右上方向)に調整することで、右打ち遊技によって発射された球が第2貯留装置1600へと向けて流下しやすくすることができる。
具体的には、釘P2を左上方向(図96の視点で左上方向)に調整(移動)させることで、右打ち遊技によって発射された球の40個に1個が第2貯留装置1600へと流入するように設定され、釘P2を右上方向(図96の視点で右上方向)に調整(移動)させることで、右打ち遊技によって発射された球の15個に1個が第2貯留装置1600へ流入するように設定される。
このように構成することにより、例えば、大当たり遊技中に第1可変入賞装置65に入球する球の割合を減らそうと釘P2を調整した場合には、第2貯留装置1600へ流入する球が増加し、結果、その大当たり遊技終了後に確変状態が付与されやすくなり、一方、大当たり遊技中に第2貯留装置1600に流入する球の割合を減らそうち釘P2を調整した場合には、第1可変入賞装置65に入球する球の割合が増え、大当たり遊技を消化する速度を早めることができる。よって、釘P2をどのように調整したとしても、遊技者に対して不利益となりにくい遊技機を提供することができるという効果がある。
なお、本第3実施形態では釘P2を調整することで、第1可変入賞装置65へ入球しやすい状態と、第2貯留装置1600へ入球しやすい状態とを設定可能に構成しているが、例えば、パチンコ機10の電源がオンに設定されてから常時可変制御される部材によって第1可変入賞装置65へ入球しやすい状態と、第2貯留装置1600へ入球しやすい状態とが定期的に切り替わるよう設定してもよいし、遊技状態に応じて第1可変入賞装置65へ入球しやすい状態と、第2貯留装置1600へ入球しやすい状態とが切り替わる切替部材を設けても良いし、遊技者が第1可変入賞装置65へ入球しやすい状態と、第2貯留装置1600へ入球しやすい状態の何れかを任意に選択可能な選択部材を設けてもよい。
次に、本第3実施形態における第2貯留装置1600の内部構成について図95を参照して簡単に説明をする。第2貯留装置1600は、球が流下可能な流路を複数有しており、流下する球を複数の流路に振り分ける振分装置(振分部材900〜902(図96参照))が設けられている。また、複数の流路のうち、その一部の流路(第1流路1601(図96参照))において球の流下を制限する(球を貯留する)ための貯留弁1601aが設けられている。
そして、第2貯留装置1600内には第2貯留装置1600を流下する球が入球可能な特定一般入賞口(確変入賞口)630aと一般入賞口630bとが設けられており、特定一般入賞口(確変入賞口)630aに球が入球することで1個の賞球が払い出され、一般入賞口630bに球が入球することで15個の賞球が払い出される。
さらに、大当たり遊技中のうち、1ラウンド目のラウンド遊技が実行されてから最終ラウンドのラウンド遊技が終了するまでの間(以下、確変入賞有効期間と称す。)に特定一般入賞口(確変入賞口)630aに球が入球することにより(特定一般入賞口630a内に設けられた確変スイッチを球が通過することにより)、大当たり遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態である確変遊技状態を付与可能に構成されている。この第2貯留装置1600の内部構成の詳細については、図96〜図98を参照して後述する。
さらに、本第3実施形態のパチンコ機10の右側領域には第2貯留装置1600に流入しなかった球が通過可能な位置に第1可変入賞装置65が設けられ、その下方にスルーゲート67が設けられている。なお、このスルーゲート67は後述する第2貯留装置1600を流下した球の一部も通過(入球)可能な位置に配置されている。そして、スルーゲート67を通過(入球)した球が入球可能な位置に第2入球口640が設けられている。
以上、説明をしたように、本第3実施形態のパチンコ機10では、右打ち遊技により発射された球が、複数の釘により第2貯留装置1600または第1可変入賞装置65の何れかに流入(通過)するように振り分けられ、第2貯留装置1600へ流入した球は第2貯留装置1600内を流下し、特定一般入賞口630a、一般入賞口630bに入球可能となる。
一方、第1可変入賞装置65を通過した球は、遊技盤13に植設された釘によりスルーゲート67に誘導され、スルーゲート67を通過した球が第2入球口640へ入球可能に構成されている。
よって、大当たり遊技中は、右打ち遊技を行うことで第1可変入賞装置65に球を入球させるとともに、右打ち遊技によって発射された球の一部(本実施形態では5%)が第2貯留装置1600へと流入する。
上述したように本第3実施形態のパチンコ機10では確変入賞有効期間中に第2貯留装置1600内に設けられた特定一般入賞口630aに球が入球することで、その大当たり遊技終了後に確変遊技状態を付与可能に構成されている。
つまり、本第3実施形態のパチンコ機10は、大当たり遊技中に右打ち遊技を行うだけで、遊技者に対して第1可変入賞装置65へ球を入球させて賞球を得る遊技と、第2貯留装置1600内の特定一般入賞口630aに球を入球させることで、その大当たり遊技終了後に遊技者に有利となる遊技状態である確変状態を付与させる遊技とを同時に実行させることが可能となる。よって、大当たり遊技中における遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
なお、本実施形態では、大当たり遊技中に開放される第1可変入賞装置65と、第2貯留装置1600とを遊技盤13の右側領域に配置しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、遊技盤13の左側領域(可変表示装置ユニット80の左側)に第2貯留装置1600を設け、遊技盤13の右側領域に第1可変入賞装置65を設けても良い。このように構成することで、大当たり遊技中に狙う領域を遊技者に選択させることが可能となり、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図96〜図98を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13の右側領域の構成について説明する。図96は、図95の2点鎖線XCVIの領域を拡大した拡大図である。
図96に示した通り、遊技盤13の右側領域には、第2貯留装置1600が設けられている。第2貯留装置1600は球が流下可能な複数の流路(第1流路1601〜第8流路1608)と、第1流路1601を流下する球を貯留可能な貯留弁1601aと、第7流路1607を流下した球が入球可能な特定一般入賞口630aと、第5流路1605または第8流路1608を流下した球が入球可能な一般入賞口630bと、球の流路を振り分けるための複数の振分部材(第1振分部材900〜第3振分部材902)と、球の通過または貯留状態を検出するための複数のセンサ(流入検出センサ1600a、上限検出センサ1600b、通過センサ1600c〜1600e)とを有している。
ここで、図96を参照して、第2貯留装置1600の各種構成について詳細な説明をする。まず、第2貯留装置1600内に形成される各流路について説明をする。第2貯留装置1600には、第2貯留装置1600内の領域を区画する区画壁1611が設けられており、第2貯留装置1600内における区画壁1611の正面視左側(図96の視点で左側)の領域に第1流路1601が形成され、第2貯留装置1600内における区画壁1611の正面視右側(図96の視点で右側)の領域に第2流路1602が形成されている。
この第1流路1601は球が1個通過可能な通路幅(約15ミリ)で形成されており、その下流部に上述した貯留弁1601aが設けられている。
この第1流路1601は、図96に示す通り、貯留弁1601aが閉鎖状態の場合に球を4個貯留可能な長さ(約40ミリ)となるよう区画壁1611により形成されており、その区画壁1611の第1流路1601を形成する面は、第1流路1601を流下する球を貯留弁1601aへと案内するために略円弧状に形成されている。
このように構成することで、第1流路1601を流下する球が貯留弁1601aに落下(自然落下)しながら衝突することを防ぐことができ、貯留弁1601aが破損してしまうことを抑制することができるという効果がある。また、貯留弁1601aが開放(解除)位置に可変した際に、第1流路1601に貯留されている球を円滑に流下させることができるという効果がある。
そして、第1流路1601を流下した球は第1振分部材900に落下する。第1振分部材900は、第1振分部材900の正面視左側(図96の視点で左側)に形成される第3流路1603と、第1振分部材900の正面視右側(図96の視点で右側)に形成される第4流路1604とに球を交互に振り分け可能に構成されている。なお、第1振分部材900の詳細な構成については、図96を参照して後述する。
第3流路1603は、第2貯留装置1600内に設けられる第2区画壁1613により、下流側の流下方向が直下方向(図96の視点で垂直方向)となるように形成されており、第3流路1603を流下した球が落下する位置に第3振分部材902が設けられている。第3振分部材902は、第3振分部材902の正面視左側(図96の視点で左側)に形成される第7流路1607と、第3振分部材902の正面視右側(図96の視点で右側)に形成される第8流路1608とに球を交互に振り分け可能に構成されている。なお、第3振分部材902の詳細な振り分け構成については、上述した第1振分部材900と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
一方、区画壁1611の正面視右側の領域に形成された第2流路1602は、図96に示す通り、誘導釘P1により第2貯留装置1600に流入した球が直接流下することが規制されており、第1流路1601に上限数(4個)の球が貯留されている状態において、新たな球が第2貯留装置1600内に流入した場合に、新たに第2貯留装置1600内に流入した球が第1流路1601に貯留されている球に衝突することで誘導されるように形成されている。
また、第1流路1601に上限数(4個)の球が貯留されていない場合であっても、誘導釘P1および可変表示装置ユニット80(図95参照)の外周壁に衝突することで不規則に跳ね返った球が第2流路1602を流下可能に構成されている。具体的には、第2貯留装置1600に流入した球のうち約5%の球が第2流路1602へと流入するように構成されている。つまり、本第3実施形態のパチンコ機10では、右打ち遊技にて発射された球のうち約5%が第2貯留装置1600へと流入し、第2貯留装置1600に流入した球のうち約5%が第2流路1602へと流入するように構成されている。
なお、上述した球の流入割合については、遊技盤13に植設された複数の釘(誘導釘P1)の植設位置や傾きを変更したり、区画壁1611を異なる形状(例えば、区画壁1611の頂部と誘導釘P1との間隔を広げる形状)に変更したりすることで調整することができる。
このように形成される第2流路1602は、その下流側にて第1振分部材900により第4流路1604に振り分けられた球が合流するように構成されている。なお、第2流路1602と第4流路1604とは、第1区画壁1611により区画形成されており、第2流路1602を流下する球が第4流路1604に合流したり、第1振分部材900と接触したりする事態を防ぐために、第1区画壁1611の下端部が延設されている。
また、詳細な説明は後述するが、第2流路1602を流下する球が当接可能な位置に、第1振分部材900に付随する作動片900gが設けられており、第2流路1602を流下した球が作動片900gと当接することにより、第1振分部材900の振分順序を変更可能に構成されている。
第2流路1602を流下した球は第2区画壁1613に当接し、直下方向(図96の視点で垂直方向)へ流下し。第2振分部材901へと落下する。第2振分部材901は、第2振分部材901の正面視左側(図96の視点で左側)に形成される第5流路1605と、第2振分部材901の正面視右側(図96の視点で右側)に形成される第6流路1606とに球を交互に振り分け可能に構成されている。なお、第2振分部材901の詳細な振り分け構成については、上述した第1振分部材900と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
第5流路1605に振り分けられた球は、第8流路に振り分けられた球と同様に一般入賞口630bへ入球可能に誘導される。一方、第6流路1606に振り分けられた球は、開口部(排出口)1610bを通過し、第2貯留装置1600の外部へと排出される。
次に、図96を参照して、貯留弁1601aの構成について説明をする。この貯留弁1601aは、第2貯留装置1600の第1流路1601を球が流下不能(困難)な状態にする閉鎖位置と、第1流路1601を球が流下可能(容易)な状態にする開放位置とに可変可能に構成されている。
具体的に説明すると、貯留弁1601aは第2貯留装置1600の正面視手前方向(図96の視点で手前方向)に突出することで閉鎖位置に位置し、第2貯留装置1600の正面視奥方向(図96の視点で奥方向)に埋没することで開放位置に位置するシャッター部材で構成されており、貯留装置用ソレノイド610(図99参照)がオンに設定されることにより、開放位置に可変するよう構成されている。
なお、貯留装置用ソレノイド610をオンに設定する制御については、図111を参照して詳細な説明を後述するが、本第3実施形態では、大当たり遊技が実行されたことに基づいて予め定められたタイミング(例えば、大当たりAの場合では、大当たり遊技が実行されてから3秒経過後)で貯留装置用ソレノイド610がオンとなるように設定されている。
次に、図96を参照して、振分装置(第1振分部材900〜第3振分部材902)の構成について説明をする。第2貯留装置1600は球を左右方向に振り分け可能な振分部材として第1振分部材900、第2振分部材901、および第3振分部材902を有している。第1振分部材900は、第1流路1601から流下した球を収容部900aまたは900cで受け入れる。収容部900aで球を受けると、球の自重により、第1振分部材900は、正面視(図96参照)左回りに回転して、球を第3流路1603へと振り分ける。ここで、第1振分部材900は、それぞれ左右周りに約30度回動可能に構成されており、収容部900aと収容部900cとの境界壁には磁石900bが設けられている。
第2貯留装置1600の背面側に設けられるベース体には、第1振分部材900の磁石900bが真上(図96の視点で真上)に来る位置に、ベース側磁石900eが配置されている。第1振分部材900の磁石900bとベース側磁石900eとは互いに反発する極性になるように構成されている。詳細には、ベース側磁石900eは、ベース体に固定された棒状の磁石で構成されており、先端部に磁極(S極またはN極)が発生するように構成されている。ベース側磁石900eは、先端部が第1振分部材900側に向くように配置されて固定されている。
磁石900bもベース側磁石900eと同様に棒状で構成された磁石で構成され、先端部がベース側磁石900e側に向くように、第1振分部材900に固定されている。第1振分部材900が回動し、収容部900aと収容部900cとの境界壁が真上(図96の視点で真上)に来る位置で、ベース側磁石900eと第1振分部900の磁石900bとが最も接近する(先端部同士が向かい合う)位置となる。ここで、互いの磁石は、極性が同じ(例えば、N極とN極)となるように配置されているので反発し合い、収容部900aと収容部900cとの境界壁が真上を向く位置で停止することが無く、左右どちらかに回動した位置に維持されることとなる。
また、磁石900bとベース側磁石900eとが反発することで、例えば、収容部900aが球を受けて左に回転して、球を第3流路1603へ誘導した後に、第1振分部材900が右回転する(収容部900aが上方を向く)のを防止することができる。これにより、球を第3流路1603へ誘導した後には、収容部900cが上方を向いた状態となり、次に第1流路1601から流下する球は、収容部900cに入球し、球の重さにより、第1振分部材900が右に回転して、球を第4流路1604へ誘導する。このように、第1振分部材900は、第1流路1601から流下する球を第3流路1603と第4流路1604とに交互に誘導することができる。
ここで、図96は、第1振分部材900が収容部900cを上方に向けた位置に回動した状態で停止している場合を示した図である。この場合に第1流路1601から球が流下すると、収容部900cに球が収容され、球の自重により第1振分部材900が右回りに回動し、第4流路1604に球が振り分けられる。球が第1振分部900により第4流路1604へと振分けられた後には、図97に示すように、収容部900aを上方に向けた位置で第1振分部材900が停止する。その後、第1流路1601から球が流下すると、収容部900aに収容され、第3流路1603に球が振り分けられる。よって、球を交互に第3流路1603と第4流路1604とに振り分けることができる。第3流路1603の下流側には第3振分部材902が設けられ、第2流路1602の下流側には第2振分部材901が設けられている。この第2振分部材901および第3振分部材902は、上述した第1振分部材900と同一の振分構造で構成されているためその説明を省略する。
また、第1振分部材900の下部(第2流路1602側)には、作動片900gが設けられており、第1振分部材900が収容部900cを上方に向けた位置に回動した状態で停止している場合(図96参照)、球が第2流路1602を通過する際に、この作動片900gに接触するように構成されている。よって、球が第2流路1602を通過すると、球が作動片900gに接触することにより、第1振分部材900は右回りに回転し、収容部900aを上方に向けた位置(図97参照)で停止することになる。
このように構成することにより、第1振分部材900は、第1流路1601から流下した球を振り分ける動作を実行しなくても、その回動位置を変更することが可能となる。よって、規則的に交互に球を振り分けるよう構成されている第1振分部材900の球を振り分ける方向をランダムにすることができ、遊技者に球の振り分け先を容易に把握されることを抑制することができるという効果がある。
次に、第2貯留装置1600内に設けられる複数の入賞口(特定一般入賞口630aおよび一般入賞口630b)について説明をする。本第3実施形態のパチンコ機10には、特定一般入賞口(確変入賞口)630aが設けられている。この特定一般入賞口(確変入賞口)630aは、球が入球するタイミングに応じて付与される特典が異なるように構成されている。具体的には、大当たり遊技中において、第1可変入賞装置65が開放動作されている間(確変入賞有効期間中)に球が入球すると、所定数の賞球(本実施形態では1個)が付与されるとともに、その大当たり遊技終了後に、特別図柄の大当たり確率が高く設定される確率変動状態(以下、確変状態と称す)が付与される。
一方、それ以外のタイミング(通常遊技状態中、または、大当たり遊技中において、第1可変入賞装置65が開放動作されていない間(確変入賞無効期間中))に球が入球すると、所定数の賞球(本実施形態では1個)のみが付与される。
そして、本第3実施形態のパチンコ機10では、大当たりに当選した際に選択される大当たり種別に応じて貯留弁1601aが解除されるタイミングが異なるように設定されている。詳細については図100bを参照して後述するが、特定の大当たり種別(例えば、大当たりA)が選択されると、大当たり遊技が開始されてから第1可変入賞装置65が開放されるまでのオープニング期間(確変入賞無効期間)の間に貯留弁1601aによって貯留されていた球が特定一般入賞口630aに入球するタイミング(大当たり開始から3秒後)で貯留弁1601aが解除される。
一方、特定の大当たり種別以外の大当たり種別(例えば、大当たりB)が選択されると、大当たり遊技が開始され、第1可変入賞装置65が開放されている期間(確変入賞有効期間)の間に貯留弁1601aによって貯留されていた球が特定一般入賞口630aに入球するタイミング(大当たり開始から10秒後)で貯留弁1601aが解除される。
これにより、貯留弁1601aに球が貯留されている状態で大当たりに当選した場合に選択された大当たり種別によって、特定一般入賞口630aに球が入球するタイミングを異ならせることが可能となる。よって、遊技者は、大当たりに当選した後に、どのタイミングで貯留弁が解除されるかを注視することとなり、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
なお、本第3実施形態では、大当たり種別に応じて貯留弁1601aの解除タイミングを異ならせて設定しているが、貯留弁1601aによって貯留されていた球が特定一般入賞口630aに入球するタイミングを、大当たり遊技中における第1可変入賞装置65の開放を開始していない期間(確変入賞無効期間)と、第1可変入賞装置65が開放動作される期間(確変入賞有効期間)とに設定できればよく、例えば、貯留弁1601aの解除タイミングを一定にし、大当たり種別ごとに大当たり遊技中における第1可変入賞装置65のオープニング期間の長さが異なるように設定してもよい。このような構成であっても本第3実施形態と同様に、大当たり種別によって特定一般入賞口630aへ球が入球するタイミングを異ならせることが可能となる。
また、大当たり種別に応じて、貯留弁1601aの解除タイミングとオープニング期間との両方を異ならせて設定してもよいし、大当たり種別以外の条件(例えば、大当たりに当選したときの遊技状態(通常遊技状態、確変遊技状態等))によって、上述した貯留弁1601aの解除タイミングや、大当たり遊技におけるオープニング期間が異なるように設定してもよい。これにより、大当たりに当選した際における特定一般入賞口630aへの球の入球タイミングを複雑にすることができ、遊技者に入球タイミングを気づかれ難くすることができる。よって、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
また、本第3実施形態で用いた構成によれば、特定一般入賞口630aに球が入球するタイミングが、確変入賞有効期間中であれば、その大当たり終了後に確変状態を付与されるが、この確変入賞有効期間とは、具体的に、第1可変入賞装置65が開放している期間(ラウンド遊技期間)と、1のラウンドの終了条件(球が10個入球、または、30秒経過)が成立してから次のラウンドにて第1可変入賞装置65が開放されるまでの期間(インターバル期間)の両方が含まれている。
よって、大当たり遊技中におけるインターバル期間(第1可変入賞装置65が閉鎖している期間)であっても、球が特定一般入賞口630aに球が入球すると、その大当たり遊技終了後に確変状態が付与される。つまり、本第3実施形態にて用いた構成では、大当たり遊技中に開放される特定入賞口(例えば、第1可変入賞装置65の特定入賞口65a)内に、球が通過することでその大当たり終了後に確変状態が付与される特定領域を設けた場合よりも、大当たり遊技中において連続して遊技者に有利となる期間(確変状態を付与可能な期間)を設定することが可能となる。
また、本第3実施形態では、球が通過することにより確変状態を付与可能な特定領域(特定一般入賞口630a)を大当たり遊技中に開放される特定入賞口(例えば第1可変入賞装置65の特定入賞口65a)以外に設けているため、大当たり遊技中に第1可変入賞装置65に入賞しなかった球、即ち、従来は遊技者にとって何らメリットのなかった球(無駄球)により、確変状態を獲得できるか否かを決定する遊技が行われることになる。これにより、大当たり遊技中に、第1可変入賞装置65に球を入球させ賞球を獲得する遊技と、特定一般入賞口630aに球を入球させ確変状態を獲得する遊技とを同時に進行させることが可能となる。よって、遊技者に対して複数の遊技性を同時に提供することができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
この場合、本第3実施形態のパチンコ機10のように、同一領域を狙う遊技(本実施形態では、右打ち遊技)にて入賞可能な位置に第1可変入賞装置65および特定一般入賞口630aを設けると良い。このようにすることで、遊技者に対して複数の遊技を同時に且つ容易に進行させることができる。
なお、本第3実施形態のパチンコ機10とは異なり、例えば、右側領域に第1可変入賞装置65を設け、通常遊技領域(左側領域)に特定一般入賞口630aを設けるように構成してもよい。これにより、大当たり遊技中におけるラウンド期間(第1可変入賞装置65が開放している期間)は右打ち遊技を行い、インターバル期間(1のラウンドの終了条件(球が10個入球、または、30秒経過)が成立してから次のラウンドにて第1可変入賞装置65が開放されるまでの期間)にて、通常遊技(左打ち遊技)を行わせ、特定一般入賞口630aへ球を入球させる遊技を実行させるように構成してもよい。
これにより、大当たり遊技中における遊技を複雑にすることが可能となる。よって、単調な遊技によって遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
また、第2貯留装置1600内に設けられる一般入賞口630bは、球が入球することで15個の賞球が払い出されるように構成されている。
次に、図96〜図98を参照して、第2貯留装置1600内に流入した球の流れについて説明をする。図96は、図95の2点鎖線XCVIで囲まれる領域を拡大した図であって、貯留弁1601aが閉鎖状態である場合の一例を示す図である。図96に示す通り、第2貯留装置1600に流入した球は、第1流路1601を流下し、閉鎖状態に位置する貯留弁1601a上に滞留する(貯留される)。第1流路1601は4個の球が貯留可能に構成されており、第1流路1601に4個の球が貯留されている状態で第2貯留装置1600に流入した球は、第1流路1601に貯留されている球と接触して第2流路1602へと流下する(図中の矢印参照)。
また、図96に示す状態では、第1振分部材900が左側に回動している状態であり、第2流路1602を流下する球が当接する位置に作動片900gが位置しており、第2流路1602を流下する球により作動片900gが球の進行方向(図96の視点で左方向)へと押し上げられることになる。
ここで、第2流路1602を流下する球が作動片900gを押し上げた後の状態について図97を参照して説明する。図97は、図95の2点鎖線XCVIで囲まれる領域を拡大した図であって、図96の状態を進行させた一例を示す図である。図97に示す通り、図96に示した状態において、第2流路1602を流下した球により第1振分部材900に付随する作動片900gが押し上げられ、第1振分部材900が右側に回動している状態へと可変する。なお、第1振分部材900が右側に回動している状態では作動片900gは第2流路1602を流下する球が当接しない(わずかに当接する)位置まで移動するため、第2流路1602を流下する球により第1振分部材900が左側に回動してしまうことがない。
このように、本第3実施形態では、第1振分部材900が球を振り分ける方向を、第2流路1602を流下する球によって変更することができる。さらに、第1振分部材900が第2流路1602を流下する球により可変されると、第1振分部材900が右側に回動している状態となる。この第1振分部材900が右側に回動している状態は、第1振分部材900に落下した球を左側へと振り分ける状態であるため、本第3実施形態において遊技者に有利となる特定一般入賞口630aに球を入球させるために必要な球数を削減することが可能となる。
具体的に説明をすると、特定一般入賞口630aに入球する球は、第1流路1601、第3流路1603、第7流路1607と流下した球である。まず、第1流路1601を流下した球は第1振分部材900によって、1/2の確率で第3流路1603へと振り分けられ、第3流路1603を流下した球は第3振分部材902によって、1/2の確率で第7流路1607へと振り分けられる。
つまり、第1流路1601を流下した球を確実に特定一般入賞口630aへ入球させるためには、最大で4個の球を流下させる必要がある。しかし、第1振分部材900を右側に回動している状態にしておくことで、はじめに第1振分部材900に落下した球が第3流路1603へ振り分けられるため、確実に特定一般入賞口630aへ入球させるために必要な球数を3個とすることができ、特定一般入賞口630aに球を入球させるために必要な球数を削減することが可能となる。
図97に戻り説明を続ける。第2流路1602を流下した球は、第2振分部材901に落下する。図97に示す状態では、第2振分部材901が右側に回動している状態であるため、第2振分部材901に落下した球は第5流路1605へ振り分けられ、一般入賞口630bへ入球する。
次に、図98を参照して、貯留弁1601aが開放(解除)状態へと可変し、第1流路1601に貯留されていた球が流下する状態を説明する。図98は、図95の2点鎖線XCVIで囲まれる領域を拡大した図であって、図97の状態において貯留弁1601aを開放(解除)状態にした場合の一例を示す図である。
図98に示す通り、貯留弁1601aが開放状態となると、第1流路1601に貯留されていた球(4個)が第1振分部材900へと流下される。本第3実施形態では、第1流路1601にて数珠繋ぎで貯留されていた球が第1振分部材900へと到達する間隔が0.5秒間隔となるように第1流路1601が形成されている。
図98に示す状態では、第1流路1601に貯留されていた球のうち、最初に貯留されていた球(一番下流側に貯留されていた球)が特定一般入賞口630aへと入賞するように第1振分部材900と第3振分部材902とが位置している。
なお、第1流路1601の一番下流側に貯留されていた球が特定一般入賞口630aに入球するまでに要する時間は、貯留弁1601aが開放(解除)されてから1.5秒である。また、上述したように第1流路1601に貯留されている球が第1振分部材900へと到達する間隔が0.5秒間隔となっているため、第1流路1601に貯留されている2番目の球(下流側から2個目の球)が特定一般入賞口630aに入球するまでに要する時間は、貯留弁1601aが開放(解除)されてから2秒となる。同様に、第1流路1601に貯留されている3番目の球(下流側から3個目の球)が特定一般入賞口630aに入球するまでに要する時間は、貯留弁1601aが開放(解除)されてから2.5秒となり、第1流路1601に貯留されている4番目に球(一番上の球)が特定一般入賞口630aに入球するまでに要する時間は、貯留弁1601aが開放(解除)されてから3秒となる。
以上、説明をしたように、本実施形態では第2貯留装置1600内の第1流路1601内に4個の球を貯留可能に構成されており、さらに、特定一般入賞口630aに球を確実に入球させるためには第1流路1601を最大で4個流下させる必要があるように構成されている。よって、第2貯留装置1600に上限(4個)まで球を貯留させることで、貯留弁1601aが開放(解除)されると確実に特定一般入賞口630aに球を入球させることができる。
これにより、例えば、特別図柄の保留記憶数が上限に到達したとしても、遊技者に対して第2貯留装置1600に球を貯留させるために継続して遊技を行わせることができ、遊技の稼働を高めることができるという効果がある。
なお、本実施形態では特定一般入賞口630aに確実に球を入球させることができる個数分の球を貯留可能に構成したが、例えば、貯留可能な上限数を3個にしてもよい。この場合、各振分部材(第1振分部材900および第3振分部材902)の回動状態によって、貯留弁1601aが開放(解除)された場合に、特定一般入賞口630aに球が入球するか否かが変わるため、遊技者に球の流れを注視させることができ、遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらにこの場合、第2流路1602に球を流下させることで、第1振分部材900の回動位置を遊技者に有利な回動位置(右側に回動している位置)にすることで、第2貯留装置1600に貯留可能な球数で確実に特定一般入賞口630aに球を入球させることができる。
また、本実施形態では、第2貯留装置1600内に流入した球は最初に第1流路1601へと誘導され、第1流路1601に貯留される構成としているが、第2貯留装置1600の開口部1610aと球を貯留可能な領域(第1流路1601)との間に、球が流下可能な複数の流路を設け、第2貯留装置1600に流入した球の一部が貯留されるように構成してもよいし、球を貯留可能な領域と特定一般入賞口630aとの間に振分部材のように規則的に球を振り分ける構成以外の振分手段(球をランダムに振り分ける手段)を設けてもよい。
このような構成を用いることで、第2貯留装置1600内の球の流れを複雑にすることができ、単調な遊技によって遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、本実施形態では第1振分部材900に作動片900gを設け、第2流路1602を球が流下することで第1振分部材900を遊技者に有利な回動位置へと移動(回動)させる構成を用いたが、他の振分部材にも同様の作動片を設けても良い。また作動片が作動することで、遊技者に不利な回動位置へと振分部材を回動させる構成にしてもよい。
これにより、規則的に球を振り分けることが可能な振分部材を用いた場合でも、球の流れを複雑にすることができる。また、第2貯留装置1600内の複数の流路を球が流下することで、特定一般入賞口630aへ球を入球させるために必要な個数を変更することが可能となるため、なるべく最小の個数で特定一般入賞口630aへ球が入球可能な状態になるよう継続して遊技を行わせることができ、遊技の稼働を向上させることができるという効果がある。
次に、第2貯留装置1600に設けられる各種センサ(流入検知センサ1600a、上限検知センサ1600b、通過センサ1600c〜1600e)について図96を参照して説明する。第2貯留装置1600に設けられる各種センサ(流入検知センサ1600a、上限検知センサ1600b、通過センサ1600c〜1600e)から出力される信号は音声ランプ制御装置113の入出力ポート225へ出力され、その出力された信号に基づいて第2貯留装置1600へ流入した球数や、第2貯留装置1600から排出された球数や、第2貯留装置1600内の流路を通過した球数や、第2貯留装置1600内に貯留されている球数等を管理可能に構成されている。
流入検知センサ1600aは、第2貯留装置1600の開口部(流入口)1610aを通過する球を検知するセンサである。この流入検知センサ1600aから出力された信号に基づいて第2貯留装置1600に流入した球数が把握可能となる。
次に、上限検知センサ1600bは、第2貯留装置1600の第1流路1601に貯留された球数が上限量(4個)に到達したことを検知するセンサである。この上限検知センサは被検知物となる球を所定時間(2秒)連続して検知した場合に検知信号を出力するように構成されている。これにより、第1流路1601を球が通過した場合に誤って検知信号を出力されることを防止し、第1流路1601に球が貯留(滞留)している状態を確実に検知することができる。
通過センサ1600cは、第1流路1601を球が通過したことを検知するセンサで、通過センサ1600dは、第2流路1602を球が通過したことを検知するセンサで、通過センサ1600eは、開口部1610bを球が通過したことを検知するセンサである。
このように、第2貯留装置1600に関する球の通過あるいは貯留状況を把握するためのセンサを設けることで、例えば、第2貯留装置1600内に設けられた各入賞口(特定一般入賞口630aおよび一般入賞口630b)への入球数を示す情報と組み合わせることで、第2貯留装置1600内で球詰まり等の不具合が発生していることを容易に把握することができるようになる。
なお、本実施形態では第1流路1601に貯留された球が上限に到達したことを上限検知センサ1600bで検出可能に構成しているが、例えば、第1流路1601に貯留されている球の個数を把握できるように検知センサを配置してもよい。これにより、第2貯留装置1600内の球の貯留状況をより詳細に把握することが可能となる。
<第3実施形態における電気的構成について>
次に、図99を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。第3実施形態における電気的構成は、第1実施形態における電気的構成に対して、主制御装置110のROM202およびRAM203の構成が一部変更されている点、音声ランプ制御装置113のROM222およびRAM223の構成が一部変更されている点、主制御装置110の入出力ポートに対して接続されていた流路用ソレノイド611を削除した点、音声ランプ制御装置113の入出力ポート225に対して各種センサ群(流入検知センサ1600a〜通過センサ1600e)が電気的に接続されている点で相違している。その他の電気的構成については、第1実施形態における電気的構成と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
図99に示した通り、第3実施形態では各種センサ群229が入出力ポート225と電気的に接続されている。この各種センサ群229は、上述した第2貯留装置1600への球の流入を検知する流入検知センサ1600aと、第2貯留装置1600内に設けられた貯留弁1601aにより貯留された球が上限量に達していることを検知する上限検知センサ1600bと、第2貯留装置1600内の第1流路1601を通過する球を検知する通過センサ1600cと、第2貯留装置1600内の第2流路1602を通過する球を検知する通過センサ1600dと、第2貯留装置1600内の第6流路1606を通過する球を検知する通過センサ1600eとから構成されており、上述した各種センサから検知信号が音声ランプ制御装置113へと出力される。
音声ランプ制御装置113では、上述した各種センサから出力される検知信号を受けることで第2貯留装置1600内に流入した球が正常に排出されているかを判別可能にしている。具体的には、流入検知センサ1600aから出力される信号に基づいて第2貯留装置1600内に流入した球数を算出する。そして、通過センサ1600eから出力される信号に基づいて第6流路1606を通過する球数、即ち第2貯留装置1600の外部に排出された球数を算出する。
さらに、特定一般入賞口630a及び一般入賞口630bに入球した球数を主制御装置110から出力される入賞情報コマンドに基づいて算出する。これにより、第2貯留装置1600に流入した球の総数と、第2貯留装置1600から排出された球の総数とを比較することが可能となる。より具体的に説明をすると、第2貯留装置1600に流入した球数と第2貯留装置1600から排出された球数とを時系列的に算出し、所定の時間差(約5秒)、つまり、第2貯留装置1600内を遊技球が正常に流下するのに費やす時間分の時間差を持って球数の増減が一致する場合は正常と判別する。
また、第2貯留装置1600内には球が最大で4つ貯留可能に構成されているため、通常遊技状態(貯留弁1601aが閉鎖している状態)においては、第2貯留装置1600内に流入した球数と第2貯留装置1600から排出された球数との比較を行う際に4球分の誤差を許容するようにし、大当たり遊技状態(貯留弁1601aが開放されている状態)では、第2貯留装置1600内に貯留されている球が無くなるため、上述した許容誤差(4球分)を考慮しない比較を実行するとよい。
さらに、第2貯留装置1600内に貯留されている球数を検知可能なセンサを設けることで、第2貯留装置1600内に不正に滞留している球の存在を容易に把握することができる。
例えば、第2貯留装置1600内に球を意図的に滞留させ、遊技者にとって有利な状態(特定一般入賞口630aに球が入球することで確変が付与される状態)になった場合に特定一般入賞口630aに球を入球させる行為や、入球させることで他の一般入賞口(一般入賞口63)よりも賞球の払い出しが多く設定されている一般入賞口630bに1個の球を繰り返し入球させる行為を発見することが可能となる。
なお、上述した各種信号に基づいて第2貯留装置1600内の球流れを監視する方法は上述した内容に限られるものではない。本実施形態では、第2貯留装置1600に流入する総球数と第2貯留装置1600から排出される総球数とを算出して第2貯留装置1600内に滞留している球の有無を判別可能にしているが、例えば、第1流路1601を流下した球数と第3流路1603を流下した球数と第4流路1604を流下した球数と特定一般入賞口630aに入球した球数とを算出し、特定一般入賞口630aに入球可能な球(第1流路1601aを流下した球)が第2貯留装置1600内に滞留しているか否かを判別するようにしてもよい。なお、このように構成を用いる場合は、貯留弁1601aの開閉状態と、貯留弁1601aが閉状態の場合であれば、貯留弁1601aよって第1流路1601に貯留されている球数を算出可能にするとよい。これにより、第2貯留装置1600内に設けられた入賞口の中で最も遊技者に有利となる入賞口(特定一般入賞口630a)へ不正に球が入球させられる事態を適正に把握することが可能となる。
なお、上述した例では特定一般入賞口630aへの不正入球を対象としたが、一般入賞口630bへの不正入球を対象としてもよい。
次に、図100(a)を参照して、主制御装置110のROM202について説明する。図100(a)は、主制御装置110に設けられているROM202の内容を模式的に示した図である。図100(a)に示した通り、本実施形態のROM202は、第1実施形態におけるROM202の構成に対し、第1当たり種別選択テーブル202bの内容が変更され、開放シナリオ設定テーブル202eが追加されている点で相違している。
ここで、図100(b)を参照して、第3実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bについて説明する。図100(b)は第3実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bに規定されている内容を模式的に示した図である。本実施形態の第1当たり種別選択テーブル202bは上述した第1実施形態における第1当たり種別選択テーブル202b(図18(b)参照)に対して、大当たり種別として大当たりCを追加した点と、各大当たり種別(大当たりA〜大当たりC)に規定されている内容を変更した点と、各大当たり種別(大当たりA〜大当たりC)に対応する第1当たり種別カウンタC2の当たりが変更されている点で相違し、その他の構成は上述した第1実施形態の特図1用種別選択テーブル202b1と同一であり、その詳細な説明を省略する。
具体的には、図100(b)に示した通り、特別図柄1に対応する大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲には、大当たりAが対応付けられて規定されている。この大当たりAは、特別遊技状態(大当たり状態)が8ラウンド継続し、貯留弁1601aが開放されるタイミングが大当たり開始から3秒後に設定される大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜69」の範囲には、大当たりBが対応付けられて規定されている。この大当たりBは、特別遊技状態(大当たり状態)が15ラウンド継続し、貯留弁1601aが開放されるタイミングが大当たり開始から10秒後に設定される大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の値が「70〜99」の範囲には、大当たりCが対応付けられて規定されている。この大当たりCは、特別遊技状態(大当たり状態)が2ラウンド継続し、貯留弁1601aが開放されるタイミングが大当たり開始から1秒後に設定される大当たりである。
このように、大当たり種別に応じて特別遊技状態(大当たり状態)が継続するラウンド数および貯留弁1601aが開放されるタイミングが設定されているため、大当たりに当選した際に設定される大当たり種別に応じて遊技者に対して異なる有利状態を付与することが可能となる。
次に、特別図柄2に対応する大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜19」の範囲には、大当たりAが対応付けられて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「20〜89」の範囲には、大当たりBが対応付けられて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「90〜99」の範囲には、大当たりCが対応付けられて規定されている。なお、特別図柄2に対応して規定されている大当たり種別A〜Cに設定されている内容については、上述した特別図柄1と同様であるため詳細な説明を省略する。
上述したように、本第3実施形態では特別図柄1で大当たりに当選した場合には、大当たりAが50%、大当たりBが20%、大当たりCが30%の割合で選択され、特別図柄2で当選した場合には、大当たりAが20%、大当たりBが70%、大当たりCが10%の割合で選択される。
ここで、詳細については図102(b)を参照して後述するが、大当たりAから大当たりCのうち、大当たり遊技中における第1可変入賞装置65開放動作中に、貯留弁1601aに貯留された球が特定一般入賞口630aに入球するタイミングで貯留弁1601aが解除される大当たりは大当たりBと大当たりCである。
大当たりBと大当たりCを合計した割合は、特別図柄1にて大当たりに当選した場合の50%で、特別図柄2で大当たりに当選した場合の80%となるように設定されている。つまり、特別図柄1を用いた特別図柄遊技よりも、特別図柄2を用いた特別図柄遊技のほうが、遊技者にとって有利となる(確変状態が付与されやすい)遊技が選択されやすくなる。
なお、上述した内容はあくまでも、貯留弁1601aにより貯留された球が大当たり遊技中における第1可変入賞装置65の開放動作中に特定一般入賞口630aに入球する割合である。つまり、本第3実施形態のように、大当たり遊技中に実行される右打ち遊技にて発射された球が入球可能な位置に特定一般入賞口630aが設けられている場合は、大当たり遊技中に発射された球が(貯留弁1601aに貯留されることの無い球が)特定一般入賞口630aに入球する可能性もある。
これにより、貯留弁1601aに貯留されていた球が確変状態を付与可能なタイミング以外で特定一般入賞口630aに入球したり、貯留弁1601aに球が貯留されていない状態で大当たり当選した場合であっても、大当たり遊技中に特定一般入賞口630aに球を入球可能となる。この場合は、大当たり遊技期間中が長い方が大当たり遊技中に発射される球数が増加することから、大当たり遊技中に特定一般入賞口630aへと入賞する確率を高めることが可能となる。
次に、図101を参照して、本第3実施形態における変動パターン選択テーブル202dについて説明する。図101(a)は、第3実施形態における変動パターン選択テーブル202dに規定されている内容を模式的に示した図である。変動パターン選択テーブル202dには、通常遊技状態における特別図柄の変動パターンのうち、特別図柄の大当たりに当選した場合の変動パターンが規定されている通常中大当たりテーブル202d1と、通常遊技状態における特別図柄の変動パターンのうち、特別図柄の大当たりに当選しなかった場合の変動パターンが規定されている通常中外れテーブル202d2と、時短(確変)遊技状態における特別図柄の変動パターンのうち、特別図柄の大当たりに当選した場合の変動パターンが規定されている時短(確変)中大当たりテーブル202d3と、時短(確変)遊技状態における特別図柄の変動パターンのうち、特別図柄の大当たりに当選しなかった場合の変動パターンが規定されている時短(確変)中外れテーブル202d4とが設定されている。
それぞれのテーブル202d1〜202d4には、例えば、外れ用の変動パターンとして、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種が規定され、大当たり用の変動パターンとして、「ノーマルリーチ」各種、「スーパーリーチ」各種が規定されている。そして、変動パターンテーブルに規定された各種変動パターンから、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて変動パターンが選定される。
ここで、図101(b)および図101(c)を参照して、時短(確変)遊技状態において参照される変動パターンについて詳細な説明をする。図101(b)は、時短(確変)中大当たりテーブル202d3の内容を示す模式図であり、図101(c)は、時短(確変)中外れテーブル202d4の内容を示す模式図である。
まず、図101(b)に示す通り、時短(確変)遊技中に大当たりに当選した場合に対応する変動種別として、変動種別カウンタCS1の値が「0〜99」の範囲には、当たりノーマル(5秒)が対応付けられて規定されており、時短(確変)遊技中に大当たりに当選した場合に対応する変動種別として、変動種別カウンタCS1の値が「100〜198」の範囲には、当たりロング(60秒)が対応付けられて規定されている。
また、図101(c)に示す通り、時短(確変)遊技中に大当たりに当選しなかった場合に対応する変動種別として、変動種別カウンタCS1の値が「0〜150」の範囲には、外れノーマル(3秒)が対応付けられて規定されており、時短(確変)遊技中に大当たりに当選しなかった場合に対応する変動種別として、変動種別カウンタCS1の値が「151〜198」の範囲には、外れロング(60秒)が対応付けられて規定されている。
このように、時短(確変)遊技中は、比較的短い変動時間が規定されている変動パターンが選択されやすく設定されており、通常遊技状態に比べて単位時間当たりの変動回数が多くなるように設定されている。なお、図示はしていないが、通常中大当たりテーブル202d1および通常中外れテーブル202d2には、ノーマルの変動パターンとして変動時間が10秒の変動パターンが規定されている。
一方で上述したように、時短(確変)中であっても、変動時間が長い変動パターンが選択可能に構成されている。これは、遊技者に対して特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かを煽る演出を実行するために設けられる時間である。
また、本第3実施形態では時短(確変)中は、右打ち遊技が実行されるため、閉鎖状態である貯留弁1601aにより球を複数個貯留可能な遊技状態である。この、貯留可能な遊技状態において、短期間で次の大当たりに当選してしまうと貯留弁1601aに球が貯留されること無く大当たり遊技が開始されてしまうおそれがある。
よって、本第3実施形態では時短(確変)中に変動時間が長い変動パターンを実行可能に構成した。これにより、貯留弁1601aに球を貯留可能な遊技状態である時短(確変)中に、短期間で大当たりに当選してしまい、貯留弁1601aに球が貯留されること無く大当たり遊技が開始されてしまうことを抑制することができるという効果がある。
なお、貯留弁1601aに球を貯留可能な遊技状態が短期間で終了してしまうことを抑制するための構成であれば、本第3実施形態で用いた構成を用いても良い。例えば、時短(確変)状態が開始されてから特別図柄の変動が所定回数(例えば、4回)実行されるまでは必ず変動時間が長い変動パターンが設定されるようにしても良いし、特別図柄の当選結果が大当たりの場合のみ変動時間が長い変動パターンが設定されるようにしても良い。また、貯留弁1601aにより貯留された球の数が所定数(例えば、4個)となるまでは変動時間が長い変動パターンが選択されやすくし、所定数(例えば、4個)に到達すると変動時間が短い変動パターンが選択されやすくなるように構成してもよい。
次に、図102を参照して、本第3実施形態における開放シナリオ設定テーブル202eについて説明をする。図102(a)は、第3実施形態における開放シナリオ設定テーブル202eに規定されている内容を模式的に示した図である。この開放シナリオ設定テーブル202eは、第1当たり種別選択テーブル202bにて選択された大当たり種別および大当たりに当選した際の遊技状態(通常、確変)に対応した大当たり遊技の設定内容が規定されている。
ここで、図102(b)を参照して、開放シナリオ設定テーブル202eに規定されている開放シナリオ設定テーブル(通常)202e1について説明をする。図102(b)は、開放シナリオ設定テーブル(通常)202e1の内容を示す模式図である。この開放シナリオ設定テーブル(通常)202e1は、通常遊技状態において大当たりに当選した場合に参照されるテーブルであり、選択された大当たり種別に対応して、大当たり遊技におけるオープニング期間、ラウンド間インターバル期間、エンディング期間が夫々設定されている。
具体的には、大当たり種別が大当たりAの場合は、オープニング期間が「10秒」、インターバル期間が「4秒」、エンディング期間が「5秒」となるように設定され、大当たり種別が大当たりBの場合は、オープニング期間が「1秒」、インターバル期間が「5秒」、エンディング期間が「5秒」となるように設定され、大当たり種別が大当たりCの場合は、オープニング期間が「1秒」、インターバル期間が「2秒」、エンディング期間が「1秒」となるように設定される。
このように、大当たり種別に対応してオープニング期間、インターバル期間、エンディング期間を変更することにより、大当たり遊技中における特定一般入賞口630aへの球の入球タイミングを複雑に設定することが可能となる。よって、遊技者が早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
一方、図102(c)に示す通り、開放シナリオ設定テーブル202eには、開放シナリオ設定テーブル(確変)202e2も設定されている。図102(c)は、開放シナリオ設定テーブル(確変)202e2の内容を示す模式図である。この開放シナリオテーブル(確変)202e2は、確変(時短)状態中に大当たりに当選した場合に参照されるテーブルであり、上述した開放シナリオ設定テーブル(通常)202e1に対して、設定される時間が異なっている点で相違し、それ以外は同一のテーブルである。
具体的には、大当たり種別が大当たりAの場合は、オープニング期間が「1秒」、インターバル期間が「1秒」、エンディング期間が「5秒」となるように設定され、大当たり種別が大当たりBの場合は、オープニング期間が「4秒」、インターバル期間が「1秒」、エンディング期間が「5秒」となるように設定され、大当たり種別が大当たりCの場合は、オープニング期間が「1秒」、インターバル期間が「20秒」、エンディング期間が「1秒」となるように設定される。
このように構成することにより、確変(時短)中に大当たりに当選すると、貯留弁1601aが解除されるタイミングが大当たり遊技中において第1可変入賞装置65の開放動作が行われている期間中に特定一般入賞口630aに入球可能なタイミングとなる。また、大当たりCにおいては、ラウンド間インターバルの時間が20秒と設定されていることから、通常状態で当選した大当たりにて大当たりCが選択された場合の大当たり遊技よりも大当たり期間が長くなり、確変状態が付与可能な期間中に特定一般入賞口630aに球が入球する確率を高めることができる。
よって、確変(時短)状態中の大当たり当選により確変状態が付与される確率を通常状態中の大当たり当選により確変状態が付与される確率よりも高くすることが可能となるため、遊技者に対して有利となる遊技状態を継続して提供しやすくすることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
次に、図103を参照して、第3実施形態におけるRAM203の規定内容について説明する。図103に示した通り、第3実施形態におけるRAM203は、第1実施形態におけるRAM203に設けられていた動作カウンタ203k、残球タイマフラグ203m、残球タイマ203n、確変有効フラグ203o、および確変有効タイマ203pが削除されており、時短中カウンタ203rおよび確変入賞有効フラグ203sが追加されている。
時短中カウンタ203rは、普通図柄の時短状態において、残りの時短期間(特別図柄の変動回数)をカウントするためのカウンタである。この時短中カウンタ203rは、大当たりの終了時に確変設定フラグ203hがオフである場合に、100が設定される(図112のS1307参照)。即ち、本実施形態では、大当たり遊技後に確変遊技状態に設定されない場合には、100回の普通図柄の時短状態が付与される。
確変入賞有効フラグ203sは、大当たり遊技中において、特定一般入賞口630aに球が入球した場合に、その大当たり遊技終了後に確変状態を付与する期間を設定するためのフラグである。この確変入賞有効フラグ203sがオンに設定されている間に特定一般入賞口630aに球が入球すると、一般入賞口として予め設定されている賞球(本実施形態では1個)の払い出しに加え、大当たり遊技終了後に確変状態が付与される。
この確変入賞有効フラグ203sは、大当たり制御処理4(図111のS1004)において1ラウンド目が開始される際にオンに設定され(図111のS1156)、エンディング演出の開始タイミングであると判別された場合に(図111のS1109:Yes)、オフに設定される(図111のS1157)。なお、確変入賞有効フラグ203sがオンに設定されていない(オフに設定されている)状態で特定一般入賞口630aに球が入球した場合は、一般入賞口として予め設定されている賞球(本実施形態では1個)が払い出される。
次に、図99に戻り、本第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222について説明をする。本第3実施形態におけるROM222は、第1実施形態におけるROM222に対して、期待度表示選択テーブル222bが追加されている。この期待度表示選択テーブル222bについては、図105を参照して詳細な説明を後述する。
次に図104を参照して、本第3実施形態におけるパチンコ機10の第3図柄表示装置81に表示される演出内容について説明をする。本第3実施形態では、上述した第1実施形態に対して、遊技者が右打ち遊技を実行する確変(時短)状態において大当たりに当選した場合に、今回の大当たり終了後に確変状態が付与される期待度を表示する演出(確変期待度表示演出)が追加されている。
この確変期待度表示演出について、図104を参照して説明をする。まず、図104(a)を参照して、確変(時短)状態中の第3図柄表示装置81の表示内容について説明をする。図104(a)は、第3図柄表示装置81の表示画面の一例を示す模式図である。第3図柄表示装置81の表示画面は、上述した第1実施形態と同様に、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
副表示領域Dsの小領域Ds1には、第1入球口64、および第2入球口640へと入球した球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数が表示されており、さらに、小領域Ds3には現在の遊技状態が右打ち遊技を行う遊技状態であることを示す「右打ち表示(遊技案内表示)」が表示され、小領域Ds2には第2貯留装置1600内に球が流入すると遊技者に有利となる旨の案内(遊技案内表示)が文字(「右ワープに球が入るとチャンス」)と図(遊技盤13の右側上部領域を拡大し、右ワープ(第2貯留装置1600の入口)に球が流入する経路を矢印で示す図)で表示される。
このように遊技案内表示を行うことで、遊技者に対しては確変(時短)状態中に、通常の特別図柄で大当たりに当選する遊技以外に、第2貯留装置1600に球を貯留(閉鎖状態である貯留弁1601aにより球を貯留)させる遊技が行われていることを容易に把握させることができ、遊技者が遊技に困惑してしまうことを抑制している。
なお、確変(時短)状態における遊技案内表示として、確変(時短)状態中に第2貯留装置1600へ球を流入させる遊技を案内する構成であれば本実施形態で用いた構成以外を用いても良い。例えば、特別図柄の変動に対応する第3図柄の変動が表示される表示装置とは別の表示装置(サブ表示装置)を設けてもよい。この場合、第2貯留装置1600内に貯留されている球数に応じた演出を表示するとよい。また、特別図柄の抽選結果が外れの場合に第2表示装置にて実行される演出を賑やかにしてもよい。これにより、特別図柄が外れの場合に、遊技者がサブ表示装置に注目することになるため、特別図柄の抽選に外れたことを認識させ難くすることが可能となる。
さらに、特別図柄の先読みの結果に基づいて、サブ表示装置にて表示される演出の内容を決定してもよい。また、第3図柄が表示される表示装置(第3図柄表示装置81)と、サブ表示装置とをそれぞれ可動可能な構成にし、遊技状況に応じて各表示装置を移動させる制御を実行してもよい。
これにより、同時に複数の遊技(特別図柄にて大当たりの抽選を行う遊技と、第2貯留装置1600へ球を流入させる遊技)を実行させる遊技性を有するパチンコ機10において、遊技者に対して有利となる遊技結果を遊技者に対して確実に報知することができるという効果がある。
次に、図104(b)を参照して、確変(時短)状態において、特別図柄の大当たりに当選した際の第3図柄表示装置81の表示画面について説明をする。図104(b)は第3図柄表示装置に表示される表示内容の一例を示す模式図である。図104(b)に示す通り、確変(時短)状態において、特別図柄の大当たりに当選すると、主表示領域Dmには第3図柄が同一の数字が揃って表示される。そして、小領域DS2に今回の大当たり遊技終了後に確変状態が付与される期待度が表示される(本図では「80%」)。
ここで、小領域Ds2に表示される確変期待度表示について説明をする。本第3実施形態のパチンコ機10は、大当り遊技中の所定期間内(大当たり遊技中(条件装置作動中)において、第1可変入賞装置65が開放動作されている間(役物連続作動装置作動中))に特定一般入賞口630aに球が入球することにより、その大当り遊技終了後に確変状態が付与されるよう構成されている。
そして、第2貯留装置1600内の特定一般入賞口630aへ入球可能な流路(第1流路1601)には貯留弁1601aが設けられており、第2貯留装置1600内に流入した球を貯留可能に構成されている。この貯留弁1601aは特別図柄の大当たりに当選し、大当たり遊技が開始されてから所定期間(大当たりAの場合は3秒)経過後に解除(開放)され、特定一般入賞口630aに球が入球可能な状態となる。
この第2貯留装置1600は最大で4個の球を貯留可能に構成されており、貯留弁1601aが解除(開放)され、最初の球が特定一般入賞口630aに入球する場合は、貯留弁1601aが解除(開放)されてから1.5秒後に入球するように流路が形成されている。次いで、2個目の球が特定一般入賞口630aに入球する場合は、貯留弁1601aが解除(開放)されてから2秒後、3個目の球が特定一般入賞口630aに入球する場合は、貯留弁1601aが解除(開放)されてから2.5秒後、4個目の球が特定一般入賞口630aに入球する場合は、貯留弁1601aが解除(開放)されてから3秒後に特定一般入賞口630aに入球するよう流路が形成されている。
つまり、本第3実施形態では大当たりに当選するまでに第2貯留装置1600に貯留された球の個数と貯留弁1601aが解除(開放)されるタイミング、および、大当たり遊技期間の長さによって、特定一般入賞口630aに球が入球し確変状態が付与される期待度が変わる。
図104(b)に戻り説明を続ける。上述したように、本第3実施形態のパチンコ機10では、大当たりに当選した際に、選択された大当たり種別および第2貯留装置1600内の球貯留情報として特殊球流フラグ223mの設定状況に基づいて、後述する期待度表示選択テーブル222bに規定されている数値を選択し、その数値を確変期待度として第3図柄表示装置81の小領域Ds2に表示する。
このように、大当たりに当選した際に今回の大当たり遊技終了後に確変状態が付与される期待度を数値として表示することで、例えば、確変期待度が高い場合は、遊技者に対して安心感を与えることができ、一方、確変期待度が低い場合は、大当たり遊技中に第2貯留装置1600へ球を流入させる遊技を積極的に行わせたりすることができる。よって、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
また、予め確変状態が付与されるか否かが決定している状態で遊技者に対して確変期待度を表示するのではなく、実際に確変状態が付与可能なタイミングで特定一般入賞口630aに球が入球する可能性を期待度として表示しているため、遊技者に対して信頼度の高い数値表示を実行することが可能となる。
なお、本第3実施形態では、当選した大当たりに対応する大当たり種別と、特殊球流フラグ223mの設定状況を確変期待度の数値を選択する際の情報として用いているが、それ以外の情報を用いて確変期待度を算出してもよい。例えば、第2貯留装置1600内に貯留されている球数を検出可能に構成し、大当たりに当選した際に貯留されている球数を示す球数情報や、第2貯留装置1600内に設けられた複数の振分部の振分状況を検出可能に構成し、特定一般入賞口630aに球が入球するまでに必要とされる球数を示す球数情報を用いて確変期待度の数値を選択するように構成してもよい。このように、複数の情報に基づいて数値を選択することで、第3図柄表示装置81に表示される確変期待度の数値の信頼度が増し、遊技者に対して信頼度の高い数値を報知することができるため、信頼度の低い数値を表示してしまい遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
ここで、図105を参照して期待度表示選択テーブル222bについて説明をする。図105は、期待度表示選択テーブル222bの内容を示す模式図である。この期待度表示選択テーブル222bは、図104(b)を参照して上述した確変期待度表示演出の数値を選択する場合に参照されるテーブルであって、当選した大当たりの大当たり種別と、特殊球流フラグ223mの設定状況と、演出カウンタの値に応じて各数値が選択されるよう構成されている。
この期待度表示選択テーブル222bは、後述する時短中表示処理(図118のS1852)において大当たりに当選し(S5002:Yes)、貯留上限フラグ223kがオンに設定されていないと判別された場合に(S5003:No)、参照される(S5005)。
具体的には、当選した大当たりの大当たり種別が大当たりAで特殊球流フラグ223mがオンに設定されている場合は、演出カウンタの値が「0〜159」の範囲に対応して「50」が、「160〜198」の範囲に対応して「40」がそれぞれ設定されている。また、大当たりAで特殊球流フラグ223mがオフに設定されている場合は、演出カウンタの値が「0〜159」の範囲に対応して「40」が、「160〜198」の範囲に対応して「50」がそれぞれ設定されている。
また、当選した大当たりの大当たり種別が大当たりBで特殊球流フラグ223mがオンに設定されている場合は、演出カウンタの値が「0〜159」の範囲に対応して「80」が、「160〜198」の範囲に対応して「60」がそれぞれ設定されている。また、大当たりBで特殊球流フラグ223mがオフに設定されている場合は、演出カウンタの値が「0〜159」の範囲に対応して「60」が、「160〜198」の範囲に対応して「80」がそれぞれ設定されている。
さらに、当選した大当たりの大当たり種別が大当たりCで特殊球流フラグ223mがオンに設定されている場合は、演出カウンタの値が「0〜159」の範囲に対応して「20」が、「160〜198」の範囲に対応して「10」がそれぞれ設定されている。また、大当たりCで特殊球流フラグ223mがオフに設定されている場合は、演出カウンタの値が「0〜159」の範囲に対応して「10」が、「160〜198」の範囲に対応して「20」がそれぞれ設定されている。
上述したように、期待度表示選択テーブル222bは、大当たりに当選した際に選択された大当たり種別と、特殊球流フラグ223mの設定状況に基づいて様々な数値が選択されるように構成されている。次に、期待度表示選択テーブル222bにて選択される確変期待度を示す数値について説明をする。
確変(時短)状態において大当たりに当選した場合は、開放シナリオ設定テーブル(確変)202e2によって大当たり遊技中の各期間(オープニング期間、ラウンド間インターバル期間、エンディング期間)が設定される(図102(c)参照)。上述したように、大当たり種別の大当たりAから大当たりCでは、大当たりBが最も大当たり遊技終了後に確変状態が付与されやすい大当たり種別となっており、次に大当たりA、大当たりCの順となるよう設定されている。
また、特殊球流フラグ223mは、詳細については後述するが、第2貯留装置1600の第1流路に最大個数の球が貯留されていない状態で第2流路を球が流下したことを示すフラグであり、この特殊球流フラグ223mがオンに設定されている場合は、第2貯留装置1600内の第1振分部900が球を左側に誘導する位置となっていることを示すものである。よって、第1振分部900に最大でも3個球が通過することで特定一般入賞口630aに球が入球する状態であることを示すものである。
このように、遊技者に確変状態を付与しやすい条件がどれくらい成立しているかの判別結果に基づいて確変期待度を示す数値が選択されるため、信頼度の高い数値を遊技者に表示することができる。
また、演出カウンタの値によって、特殊球流フラグ223mがオンに設定されている場合とオフに設定されている場合の何れの数値も選択可能にしている。これは、遊技者に対して特殊球流フラグ223mの設定状況が確実に把握されてしまうことを防止するためのものである。これにより、遊技者に対して、大当たり遊技中に第2貯留装置1600に球が流入した場合に、特定一般入賞口630aに入球するか否かを楽しませることができるという効果がある。
なお、確変期待度表示選択テーブル222bにて確変期待度を示す数値が最も低い大当たりCであっても、確変(時短)状態で当選した場合には、ラウンド間インターバル期間が20に設定されている(図102(c)参照)。これは、通常遊技状態で大当たりCに当選した場合に比べて10倍の長さとなっている。これにより、大当たり遊技の期間が長くなるため、大当たり遊技中に第2貯留装置1600に球が流入する可能性を高めている。
このように、確変期待度表示選択テーブル222bにて選択された数値が低い場合であっても、大当たり遊技中に第2貯留装置1600へ球を流入させることで、自力で特定一般入賞口630aへ球を入球させることが可能であるため、遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができる。
また、本第3実施形態のパチンコ機10では、大当たり遊技中に開放される第1可変入賞装置65と同一領域(右打ち遊技にて狙う領域)に第2貯留装置1600の入口を設けているため、遊技者は大当たり遊技中に右打ち遊技を行うことで第1可変入賞装置65および第2貯留装置1600の両方を狙う遊技を同時に行うことができる。よって、大当たり遊技中における遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
さらに、大当たり遊技中に右打ち遊技を行い、第2貯留装置1600に流入しなかった球の殆どが第1可変入賞装置65へ入球するよう各装置(第1可変入賞装置65と第2貯留装置1600)が配置されているため、大当たり遊技中に第2貯留装置1600のみを狙う遊技を抑制することができる。
また、大当たり遊技中において第1可変入賞装置65が閉鎖状態となるラウンド間インターバル中でも第2貯留装置1600へ球を流入させることが可能であるため、遊技者がラウンド間インターバル中に球を発射する行為を止めてしまうことを抑制することができる。
図99に戻り、本第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明をする。本第3実施形態におけるRAM223は、第1実施形態におけるRAM223に設けられていた入賞回数カウンタ223jが削除されており、貯留上限フラグ223k、特殊球流フラグ223m、貯留弁開放中フラグ223nが追加されている。
貯留上限フラグ223kは、第2貯留装置1600内に貯留される球の数が上限に到達したことを示すフラグである。具体的には、図96に示す第1流路の上流側に設けた上限検知センサ1600b(図96参照)が球の滞留を検知することで上限に到達したことを検知する。この貯留条件フラグ223kは、貯留状態判定処理(図117のS1851)において、貯留球が上限であると判別された場合にオンに設定され(図117のS4904)、コマンド判定処理3(図115のS1811)において、オープニングコマンドを受信した場合にオフに設定される(図115のS3911)。
特殊球流フラグ223mは、貯留上限フラグ223kがオンに設定されていない状態で第2流路1602(図96参照)を球が通過したことを示すフラグである。具体的には、第1流路1601(図96参照)に球を貯留するスペースあるにも関わらず球の跳ね返りによって第2流路1602(図96参照)を流下する球を通過センサ1600d(図96参照)が検知した場合にオンに設定されるフラグである。この特殊球流フラグ223mは、貯留状態判定処理(図117のS1851)において、貯留球が上限ではないと判別され(図117のS4902:No)、第2流路1602(図96参照)を球が通過(流下)したと判別した場合に(図117のS4905:Yes)オンに設定され(図117のS4907)、コマンド判定処理(図115のS1811)において、オープニングコマンドを受信した場合にオフに設定される(図115のS3912)。そして、時短中表示処理(図118のS1852)により、確変期待度表示演出にて表示される数値を期待度表示選択テーブル222bに基づいて選択する際に参照される(図118のS5005)。
なお、本第3実施形態では、第1流路1601(図96参照)に貯留されている球数が上限(4個)に到達していない場合でも、第2貯留装置1600に流入した球が第2流路1602(図96参照)を流下する(約5%)ように構成しているため、特殊球流フラグ223mの設定状況を演出に用いているが、例えば、第1流路1601(図96参照)に貯留されている球数が上限に到達していな状態で第2流路1602(図96参照)を球が流下することが無いように流路を形成している場合は、この特殊球流フラグ223mがオンに設定された場合に異常報知を行うようにすればよい。
貯留弁開放中フラグ223nは、貯留弁が開放していることを示すフラグであり、具体的には主制御装置110から貯留弁開放コマンドを受信した場合にオンに設定され(図115のS3914)、主制御装置110から貯留弁閉鎖コマンドを受信した場合にオフに設定される(図115のS3915)。この貯留弁開放中フラグ223nがオンに設定されている間は、図117に示す貯留状態判定処理(S1851)をスキップする。これにより、制御処理の負荷を軽減することができる。
なお、本第3実施形態では貯留弁開放中フラグ223nがオンに設定されている間は貯留状態判定処理(S1851)がスキップされるように構成しているが、例えば、貯留弁開放中フラグ223nがオンに設定されているにも関わらず貯留上限センサ1600b(図96参照)が球の滞留を検出した場合や、貯留弁開放中フラグ223nがオフに設定されているにも関わらず第1流路を球が通過することを検出した場合に異常と判別する処理を実行してもよい。このような処理を実行することにより、貯留弁1601aの動作異常または第2貯留装置1600内での不正行為を容易に把握することができる。
さらに、貯留弁1601aの動作状態(開放(解除)状態か否か)を実際に検出可能なセンサ(状態検出センサ)を設けることで、主制御装置110にて貯留弁1601aに対して実行された動作指示と貯留弁1601aの実際の動作状態とを比較して把握することが可能となり、貯留弁1601aの動作異常と、第2貯留装置1600内での不正行為とを区分けして把握することが可能となる。
なお、本第3実施形態では特定一般入賞口630aに入球する球を重点的に監視する処理を用いているが、それ以外の入賞口(例えば、一般入賞口630b)への球の入球を監視する処理を設けても良い。
次に、図106を参照して、本第3実施形態の大当たり遊技における各装置の動作の流れについて説明をする。図106(a)は、通常遊技状態(通常状態)で大当たりに当選し、大当たり種別として大当たりAが選択された場合における各装置の動作を示すタイミングチャートであり、図106(b)は、確変遊技状態(確変状態)で大当たりに当選し、大当たり種別として大当たりAが選択された場合における各装置の動作を示すタイミングチャートである。
まず、通常状態で大当たりに当選した場合における各装置の動作について図106(a)を参照して 説明する。大当たりAは図100(b)に示す通り8ラウンドの大当たりであり、貯留弁1601aは大当たり遊技が開始されてから3秒後に解除(開放)される。また、通常状態で大当たりAが選択されると、図102(b)に示す通り、オープニング期間が10秒、ラウンド間インターバル期間が4秒、エンディング期間が5秒に設定される。
よって、図106(a)に示す通り、大当たり遊技が開始されて3秒経過したタイミングで貯留装置(貯留弁1601a)が開状態となる。このタイミングはまだ大当たりのオープニング期間中であるため、特定一般入賞口630aに球が入球しても確変状態が付与されることが無い。なお、第2貯留装置1600に上限である4個の球が貯留されていたとしても、その4個目の球が特定一般入賞口630aに到達する時間を貯留装置(貯留弁1601a)が開状態になってから3秒後となるように構成しているため、遊技者が通常状態において第2貯留装置1600に球を上限まで貯留させる行為を行ったとしても、その貯留された球によって確変状態が付与されることが無い。
このように構成することで、通常状態において右打ち遊技が行われることを抑制することができるとともに、時短状態中に第2貯留装置1600に球を貯留させた状態で時短状態が終了し、通常状態へと移行した場合において、第2貯留装置1600に貯留させた球を気にすること無く遊技を終了することができる。
そして、大当たり遊技が開始されてから10秒が経過すると大開放口(第1可変入賞装置65)が開状態となり1ラウンド目(ラウンド遊技)が開始される。大当たり遊技中における大開放口(第1可変入賞装置65)の開放動作が開始されてから(1ラウンド目が開始してから)最終ラウンド(8ラウンド)が終了するまでの間は特定一般入賞口630aに球が入球することで、その大当たり遊技の終了後に確変状態が付与される期間(確変入賞有効期間)となり、その期間中は確変入賞有効フラグ203sがオンに設定される(図111参照)。
ラウンド遊技は、所定期間(30秒)が経過した場合、または大開放口(第1可変入賞装置65)に所定数(10個)の球が入球した場合に終了し、ラウンド間インターバル(4秒)を経て次のラウンド遊技へと移行する。このラウンド間インターバル期間は第1可変入賞装置65が閉状態となり、第1可変入賞装置65に球を入球させることが不可能(困難)な状態であるが、第2貯留装置1600へ球を流入させるために右打ち遊技が継続して実行されることになる。
以上、説明をしたように通常状態において大当たりAが選択された場合は、第2貯留装置1600に球が貯留されていたとしても、貯留されていた球が確変入賞有効期間中に特定一般入賞口630aに入球することが無いように構成されているため、大当たり遊技中に第2貯留装置1600へ球を流入させ、特定一般入賞口630aに球を入球させなければ大当たり遊技終了後に確変状態が付与されることが無い大当たり(遊技者に有利では無い大当たり)となる。
一方、通常状態において大当たりBが選択された場合は、第2貯留装置1600に貯留された球が確変入賞有効期間中に特定一般入賞口630aに入球するように構成されており、さらに、大当たり遊技の期間として大当たりA(8ラウンド)よりも長い16ラウンドが設定されるため、大当たりAよりも大当たり遊技終了後に確変状態が付与されやすい大当たり(遊技者に有利な大当たり)となる。
次に、図106(b)を参照して確変遊技状態(確変状態)において大当たりに当選した場合における各装置の動作について説明をする。確変状態で大当たりAが選択されると、図102(c)に示す通り、オープニング期間が1秒、ラウンド間インターバル期間が1秒、エンディング期間が5秒に設定される。
このように設定されることで、第2貯留装置1600に貯留された球が確変入賞有効期間中に特定一般入賞口630aに入球することになる。よって、確変状態で大当たりが選択された場合は、大当たり遊技終了後に確変状態が付与されやすい大当たり(遊技者に有利な大当たり)となる。
また、ラウンド間インターバル期間が1秒に設定されており通常状態で大当たりAが選択された場合(4秒)よりも短く設定されているため、大当たり遊技の期間、特に第1可変入賞装置65に球が入球しない期間を短くし、短期間で大当たり遊技を実行することができるよう設定されている。
つまり、確変状態における大当たり遊技では、確変状態で右打ち遊技が実行されている間に第2貯留装置1600に球を貯留させ、大当たり遊技が開始された場合に、貯留されていた球が確変入賞有効期間中に特定一般入賞口630aへ入球することで確変状態が継続させる遊技が主となる。
このため、本第3実施形態では、確変状態中に短期間で大当たりに当選してしまうことを抑制するために、確変状態中における特別図柄の変動時間として長い変動時間(60秒)を有する変動パターンが選択されるよう設定されている(図101参照)。
なお、確変状態中に短期間で大当たりに当選してしまうことを抑制するために特別図柄の変動時間以外に、例えば、大当たりのエンディング期間が長くなるように設定してもよい。この場合、確変入賞有効期間内に特定一般入賞口630aに球が入球した場合はエンディング期間を長く設定し、球が入球しなかった場合はエンディング期間を短く設定するように構成してもよい。
さらに、本実施形態では図101に示すように、遊技状態および変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動時間を選択しているが、それ以外の構成として例えば、特定の遊技状態(例えば、時短状態)に移行してから所定回数(例えば10回)特別図柄が変動するまでは特別なテーブル(特別選択テーブル)を参照して変動時間が選択されるように構成してもよい。
この場合、特別選択テーブルに規定されている変動時間を、その他の変動時間を選択するテーブルに規定されている変動時間よりも長くするとよい(例えば、平均で60秒)。これにより、特定の遊技状態(例えば、時短状態)に移行してから数回転は変動時間が長い変動パターンが選択されることになるため、第2貯留装置1600に球を貯留させやすくなる。
よって、遊技者に有利な遊技状態(時短状態または確変状態)に移行したにも関わらず、即座に通常遊技状態へと移行してしまい遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
また、確変状態中に第2貯留装置1600に球を貯留させることなく大当たりに当選した場合であっても、大当たり遊技中に第2貯留装置1600に球を流入させ、特定一般入賞口630aに入球させることで、確変状態を継続させることが可能となるため、大当たり遊技が終了するまで、その大当たりが終了した後に確変状態が付与されるか否かが決定することは無い。よって、遊技者に対して大当たり遊技を意欲的に行わせることができるという効果がある。
<第3実施形態における主制御装置の制御処理について>
次いで、図107から図113を参照して、第3実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種処理について説明する。本第3実施形態では、タイマ割込処理(図107参照)の内容および大当たり制御処理4(図111)の内容が第1実施形態から変更されている。以下では、本第3実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種処理のうち、上述した第1実施形態と相違する点の説明のみを行い、第1実施形態から変更されていないその他の処理については、その詳細な説明を省略する。
まず、図107を参照して、第3実施形態における主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理について説明する。図107は、このタイマ割込処理を示すフローチャートである。第1実施形態と同様に、このタイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。
タイマ割込処理が実行されると、上述した第1実施形態のタイマ割込処理(図25参照)と同様にS101からS103の処理が実行される。次いで、特別図柄変動処理3(S104)が実行される。この特別図柄変動処理3(S104)は、上述した第1実施形態の特別図柄変動処理(図26参照)に対して、詳細な内容が一部変更されている点で相違しており、詳細な説明については図108を参照して後述する。
特別図柄変動処理3(S104)が終了すると、上述した第1実施形態と同様にS105からS108の処理が実行され、その後、異常入賞処理(S151)が実行される。この異常入賞処理(S151)は、特定一般入賞口630aへの球の入賞が正常か否かを判別するための処理であり、詳細な説明については図110を参照して後述する。異常入賞処理が終了すると、上述した第1実施形態と同様にS109の処理が実行され、その後、本処理を終了する。
次に、図108を参照して、特別図柄変動処理3(S104)について説明をする。図108は、この特別図柄変動処理3(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理3が、上述した第1実施形態の特別図柄変動処理(図26参照)と相違する点は、特別図柄の変動時間が経過し(S214:Yes)、今回の抽選結果が大当たりであると判別された場合に(S216:Yes)実行される処理の内容が相違する点である。それ以外の処理については、上述した第1実施形態の特別図柄変動処理(図26参照)と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
特別図柄変動処理3(S104)が実行されると、上述した第1実施形態の特別図柄変動処理(図26参照)と同様にS201からS216までの処理が実行される。S216の処理において、今回の抽選結果が大当たりではないと判別された場合は(S216:No)、上述した特別図柄変動処理(図26参照)と同様にS220からS223の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S216の処理において、今回の抽選結果が大当たりであると判別された場合は(S216:Yes)、開放シナリオ設定処理(S251)が実行される。この開放シナリオ設定処理(S251)は、当選した大当たりの大当たり種別および大当たりに当選した際の遊技状態に基づいて大当たり遊技中の各期間(オープニング期間、インターバル期間、エンディング期間)を設定する処理である。この開放シナリオ設定処理(S251)の詳細な内容については、図109を参照して後述する。
開放シナリオ設定処理(S251)が終了すると、上述した第1実施形態の特別図柄変動処理(図26参照)と同様にS218およびS219の処理を実行した後に、本処理を終了する。なお、本フローチャートには図示していないが、S219およびS223の処理を終えた後には、特別図柄の変動が停止することを示す停止コマンドが設定される。この停止コマンドは、主制御装置110のメイン処理において実行されるコマンド出力処理によって音声ランプ制御装置113へ出力される。音声ランプ制御装置113は停止コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81に表示される第3図柄を停止させる。これにより、特別図柄と第3図柄の停止タイミングを一致させることが可能となる。
次に、図109を参照して、開放シナリオ設定処理(S251)について説明をする。図109は、開放シナリオ設定処理(S251)を示すフローチャートである。この開放シナリオ設定処理(S251)では、上述したように大当たり遊技中における各期間(オープニング期間、インターバル期間、エンディング期間)を設定するための処理が実行される。
開放シナリオ設定処理(S251)が実行されると、まず今回の大当たりの種別を取得する(S4701)。具体的には、S103(図107参照)にて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値に対応する大当たり種別を第1当たり種別選択テーブル202bより選択する。
次いで、今回の特別図柄の抽選が実行された遊技状態が通常か否かを判別する(S4702)。これは、S216(図108参照)の処理が行われるタイミングで確変フラグ203gがオフに設定されており、且つ、時短中カウンタ203rの値が0である場合に遊技状態が通常遊技状態であると判別し(S4702:Yes)、S216(図108参照)の処理が行われるタイミングにおいて確変フラグ203gがオンに設定されている、または、時短中カウンタ203rの値が0よりも大きい場合に遊技状態が通常遊技状態ではないと判別される(S4702:No)。
S4702の処理において、遊技状態が通常ではないと判別された場合は(S4702:No)、開放シナリオ設定テーブル(確変)202e2に基づいて、取得した大当たり種別に対応する開放シナリオの内容を設定し(S4703)、本処理を終了する。
一方、S4702の処理において、遊技状態が通常であると判別された場合は(S4702:Yes)は、開放シナリオ設定テーブル(通常)202e1に基づいて、取得した大当たり種別に対応する開放シナリオの内容を設定し(S4704)、本処理を終了する。このように、大当たり遊技中における各期間(オープニング期間、インターバル期間、エンディング期間)に対して、遊技状態(通常状態または確変(時短)状態)に応じて異なる期間を設定するように構成しているため、同一の大当たり種別が選択されたとしても、大当たりに当選した際の遊技状態に応じて異なる大当たり遊技が実行されることになる。よって、遊技者に対して様々な大当たり遊技を提供することが可能となる。
さらに、本第3実施形態のパチンコ機10では、大当たり遊技中であっても、特定一般入賞口630aに球が入球するタイミングがオープニング期間中(第1可変入賞装置65の開放動作が開始されていない期間)であれば、その大当たり遊技後に確変状態が付与されず、大当たり遊技中のうち、特定一般入賞口630aに球が入球するタイミングがラウンド期間中(第1可変入賞装置65の開放動作が実行されている期間)であれば、その大当たり遊技後に確変状態が付与されるように構成されているため、同一の大当たり種別が選択された場合であっても、例えば、遊技状態に応じてオープニング期間として異なる期間を設定することにより大当たり遊技終了後に確変状態が付与される確率を変更することが可能となる。
次に、主制御装置110のタイマ割込処理(図107)において実行される異常入賞処理(S151)について、図110を参照して説明をする。図110は異常入賞処理(S151)の内容を示すフローチャートである。この異常入賞処理(S151)は、特定一般入賞口630aへの球の入球が正常か異常かを判別するための処理である。
まず、異常入賞処理(S151)が実行されると、現在が大当たり中であるかを判別する(S4801)。大当たり中であると判別された場合は(S4801:Yes)、次いで貯留弁1601aが開放中であるかを判別する(S4802)。ここで、貯留弁1601aが開放中であると判別された場合は(S4802:Yes)、本処理を終了する。つまり、貯留弁が開放されている間は本処理において特定一般入賞口630aへの異常入賞について判別されない。
一方、S4801にて現在が大当たり中ではないと判別された場合(S4801:No)、または、S4802の処理にて貯留弁1601aが開放していない(閉鎖している)と判別された場合は(S4802:No)、特定一般入賞口630aに球が入球(入賞)したかを判別する(S4803)。
このS4803の処理にて特定一般入賞口に球が入球(入賞)したと判別された場合は(S4803:Yes)、エラーコマンドを設定し(S4804)、本処理を終了する。一方、S4803の処理にて特定一般入賞口630aに球が入球していないと判別された場合は(S4804:No)、そのまま本処理を終了する。
このように、異常入賞処理(S151)では、大当たり中以外のタイミング、または、貯留弁1601aが閉鎖しているタイミングにおいて特定一般入賞口630aに球が入球(入賞)したか否かを常時判別することができる。よって、通常の遊技では入球(入賞)することが無いタイミングで特定一般入賞口630aに球が入球することを確実に把握することができるという効果がある。
なお、この異常入賞処理(S151)について、詳細には図示していないがS4801およびS4802の判別が実行されてから特定一般入賞口630aへの球の入球を判別するまでには所定の猶予期間(4秒)が設定されている。これは、第2貯留装置1600に流入した球が第2貯留装置1600外へと排出されるのに十分な時間である。
この所定の猶予期間(4秒)を設けることで、大当たり中に第2貯留装置1600に流入した球が大当たり終了後に特定一般入賞口630aへ入球(入賞)したとしても、その入賞を異常と判別することが無くなる。よって、異常入賞を監視する精度を高めることができるという効果がある。言い換えれば、誤って異常入賞と判別してしまう事態を抑制することができるという効果がある。
また、上述した猶予期間について、どのような状況でも猶予期間が経過するまでは異常入賞の判別を行わないように制御してもよいし、第2貯留装置1600へ流入した球数と第2貯留装置1600外へ排出された球数とを比較し、第2貯留装置1600内に球が残っていないと判別された時点で猶予期間が残っていたとしても異常入賞の判別が行われるよう残りの猶予期間をリセットする制御を用いても良い。これにより、猶予期間を極力短期間にすることができるため、異常入賞の判別を長期間実行することができ、異常入賞を監視する精度を高めることができるという効果がある。
なお、この異常入賞処理(S151)のS4804にて設定されたエラーコマンドは、主制御装置110のメイン処理にて実行される外部出力処理(図34のS1001)にて音声ランプ制御装置113や外部出力装置(図示せず)を介してパチンコ機10の外部へと出力される。音声ランプ制御装置113はエラーコマンドを入力すると、第3図柄表示装置81や音声出力装置226やランプ表示装置227を用いて異常が発生した旨を報知する。
次に、図111を参照して、本第3実施形態における大当たり制御処理4(S1004)について説明をする。図111は大当たり制御処理4(S1004)の内容を示すフローチャートである。この大当たり制御処理4は上述した第1実施形態における大当たり制御処理(図35参照)に対して、貯留弁1601aを開放する制御の内容と、エンディング処理3(S1110)の内容と入賞処理3(S1111)の内容を変更し、異常処理(図34のS1112)を削除した点で相違する。その他の処理については第1実施形態における大当たり制御処理と同一である。なお、同一の処理については同一の符号を付してその詳細な説明については省略する。
ここで、本実施形態では大当たりに当選すると、第1当たり種別選択テーブル202bを参照して大当たり種別を選択し、その後開放シナリオ設定テーブル202eを参照して大当たり遊技における各期間(オープニング期間、ラウンド間インターバル期間、エンディング期間)を設定する。これにより、今回の大当たり遊技における各装置(第2貯留装置1600の貯留弁1601aと第1可変入賞装置65)の動作タイミングが決定する。そして、この動作タイミングに対応した動作シナリオを主制御装置110のROM202から読み出し、図示しないカウンタを用いて動作シナリオを更新することで大当たり遊技が実行される。
このように大当たり遊技における各装置(第2貯留装置1600の貯留弁1601aと第1可変入賞装置65)の動作タイミングを1つの動作シナリオに設定することで、それぞれの装置の動作タイミング、特に各装置が動作する間隔がずれてしまうことを抑制し、適正に大当たり遊技を実行することができるという効果がある。
なお、大当たり遊技中の制御処理としてはそれ以外の制御方法を用いてもよく、例えば、第1可変入賞装置65と第2貯留装置1600の貯留弁1601aとの動作制御をそれぞれ異なるカウンタを用いて制御してもよい。これにより、それぞれの装置の動作制御を組み合わせることで大当たり中に実行される複雑な各装置の動作パターンを実行することが可能となり、予め記憶させておく情報量(動作パターン数)を削減することができるという効果がある。
図111に戻り説明を続ける。まず、大当たり制御処理4(S1004)が実行されると、大当たりが開始されたかを判別する(S1101)。ここで、大当たりが開始されたと判別した場合は(S1101:Yes)、次いで、オープニングコマンドを設定し(S1102)、本処理を終了する。なお、上述した第1実施形態では大当たりが開始されたと判別された場合に、貯留弁の開放を設定していたが(図34のS1103)、本第3実施形態では、大当たりの開始タイミングと貯留弁1601aの開放タイミングとが同時ではなく、大当たりが開始してから所定期間(大当たりAの場合は3秒)経過後に貯留弁1601aが開放されるよう構成されているため、大当たりが開始したと判別された場合に実行される処理では貯留弁1601aが開放されない。
一方、S1101の処理にて、大当たりが開始されたタイミングではないと判別した場合は(S1101:No)、次いで、現在が大当たり中であるかを判別する(S1104)。ここで、現在が大当たり中ではないと判別された場合は(S1104:No)、そのまま本処理を終了する。一方、現在が大当たり中であると判別された場合は(S1104:Yes)、次に、貯留弁1601aの開放タイミングであるかを判別する(S1153)。
この貯留弁1601aの開放タイミングは、大当たり種別に対応して規定されており(図100(b)参照)、主制御装置110に設けたカウンタ(図示せず)によって更新された動作シナリオが今回の大当たりで選択された大当たり種別に対応した貯留弁1601aの開放タイミングとなった場合に、貯留弁1601aの開放タイミングであると判別される。
ここで、S1151の処理にて貯留弁1601aの開放タイミングであると判別された場合は(S1151:Yes)、貯留弁1601aの開放するために貯留装置用ソレノイド610(図99参照)をオンに設定する(S1152)。これにより、貯留弁1601aが開放される。次いで、貯留弁開放コマンドを設定し(S1153)、本処理を終了する。
一方、S1151の処理にて貯留弁1601aの開放タイミングではないと判別された場合は(S1151:No)、次に、上述した第1実施形態の大当たり制御処理(図35参照)と同様に新たなラウンドの開始タイミングであるかを判別する。新たなラウンドの開始タイミングであると判別された場合は(S1105:Yes)、新たに開始するラウンドを示すラウンド数コマンドを設定し(S1154)、次いで、新たに開始されるラウンド数が1ラウンド目であるかを判別する(S1155)。
ここで、今回新たに開始されるラウンド数が1ラウンド目であると判別された場合は(S1155:Yes)、確変入賞有効フラグ203sをオンに設定し(S1156)、本処理を終了する。一方、S1155の処理において、今回新たに開始されるラウンド数が1ラウンド目ではないと判別された場合は(S1155:No)、そのまま本処理を終了する。
つまり、本第3実施形態では、特定一般入賞口630aに球が入球することで確変状態を付与可能な期間として、大当たり遊技中(条件装置の作動中)の特定期間(1ラウンド目の開始から最終ラウンドの終了までの期間(役物連続作動装置が作動している期間))が設定されている。よって、確変状態を付与可能な期間(確変入賞有効期間(図106参照))を示すフラグである確変入賞有効フラグ203sを1ラウンド目が開始されるタイミングで設定するよう制御している。
一方、S1105の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでは無いと判別された場合は(S1105:No)、次に、上述した第1実施形態の大当たり制御処理(図35参照)と同様にS1107〜S1109の処理を実行する。このS1107の処理において設定されている開放シナリオを参照し、S1108の処理において、第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650の可変動作(開放動作、閉鎖動作)が実行される。S1109の処理にてエンディング演出の開始タイミングでは無いと判別された場合は(S1109:No)、入賞処理3を実行し(S1111)、本処理を終了する。なお、この入賞処理3(S1111)については図113を参照して詳細な説明を後述する。
S1109の処理において、エンディング演出の開始タイミングである(エンディング期間の開始タイミングである)と判別された場合は(S1109:Yes)、次に、確変入賞有効フラグ203sをオフに設定し(S1157)、エンディング処理3を実行する(S1110)。そして、本処理を終了する。なお、エンディング処理3(S1110)については、図112を参照して詳細な説明を後述する。
このように、本第3実施形態における大当たり制御処理4(S1004)は、大当たりの開始タイミングとは別に貯留弁1601aの開放タイミングを判別する処理を設け、大当たり種別毎に異なるタイミングが設定される貯留弁1601aの開放動作を適切に実行可能に構成している。また、特定一般入賞口630aに球が入球することで確変状態を付与可能な期間を示す確変入賞有効フラグ203sが1ラウンド目の開始タイミングからエンディング演出が開始される(最終ラウンドが終了する)までの間、オンに設定されるよう構成している。
よって、本第3実施形態のパチンコ機10が有する遊技性を適正に実行することができ、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。なお、本実施形態では確変入賞有効フラグ203sをオフに設定するタイミングをエンディング演出の開始タイミング(エンディング期間の開始タイミング)としているが、最終ラウンドが終了するタイミングを判別可能に構成し、最終ラウンドが終了したと判別された場合に確変入賞有効フラグ203sをオフに設定するようにしてもよい。
また、上述した第1実施形態の大当たり制御処理(図35参照)のように大当たりの開始タイミングであると判別された場合に、貯留弁1601aの開放を設定し、貯留装置用ソレノイド610の開放動作を制御する装置(例えば、役物制御装置)へと貯留弁1601aの開放指示を出力するようにしてもよい。この場合、主制御装置110は、今回の大当たり種別と貯留弁1601aの開放指示とを役物制御装置へと出力し、各大当たり種別に対応する貯留弁1601aの開放タイミングを記憶している役物制御装置側で今回の大当たりに対応した開放タイミングで貯留弁1601aを開放する。これにより、主制御装置110の実行する処理を削減することができるという効果がある。
次に、図112を参照して、大当たり制御処理4(図111のS1004)にて実行されるエンディング処理3(S1110)について説明をする。図112はエンディング処理3(S1110)の内容を示すフローチャートである。このエンディング処理3(S1110)は、上述した第1実施形態のエンディング処理(図37参照)に対して、貯留弁閉鎖コマンドが設定される点で相違し、その他の処理は同一である。なお、上述した第1実施形態のエンディング処理(図37参照)と同一の処理については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
エンディング処理3(S1110)が実行されると、第1実施形態のエンディング処理(図37参照)と同様にS1301およびS1302の処理が実行され、その後、貯留弁閉鎖コマンドを設定する(S1351)。次いで、上述した第1実施形態のエンディング処理(図37参照)と同様にS1303〜S1308の処理が実行され本処理を終了する。
エンディング処理3(S1110)にて設定された貯留弁閉鎖コマンドは、大当たり制御処理4(図111のS1004)のS1153にて設定された貯留弁開放コマンドと同様に音声ランプ制御装置113へと出力される。音声ランプ制御装置113は貯留弁関連コマンドとして貯留弁開放コマンドと貯留弁閉鎖コマンドを入力することで、現在の貯留弁1601aの動作状態を把握可能としている。これにより、貯留弁1601aの動作状態に対応した演出を実行することが可能となる。よって、遊技者にとって有利な遊技状態(確変状態)が付与されるか否かを決定するために重要な役割を担う貯留弁1601aの動作状態に対して適正な演出(例えば、第3図柄表示装置81にて表示される演出)を実行することで、遊技者がパチンコ機10の演出を注視することになるため、遊技の演出に早期に飽きてしまう事態を抑制することができるという効果がある。
次に、図113を参照して大当たり制御処理4(図111のS1004)にて実行される入賞処理3(S1111)について説明をする。図113は入賞処理3(S1111)の内容を示すフローチャートである。この入賞処理3(S1111)は、上述した第1実施形態の入賞処理(図38参照)に対して、確変入賞有効フラグ203sがオンに設定されている場合のみ処理を実行するよう変更した点、確変入賞有効フラグ203sがオンに設定されている期間中に確変スイッチ(特定一般入賞口630a)を通過(に入球)することで確変設定フラグ203hがオンに設定されるよう制御内容を変更した点で相違し、それ以外の処理については同一である。なお、同一の処理については同一の符号を付し、その詳細な説明については省略する。
入賞処理3(S1111)が実行されると、まず確変入賞有効フラグ203sがオンに設定されているかを判別する(S1451)。確変入賞有効フラグ203sがオンではない(オフである)と判別された場合は(S1451:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、確変入賞有効フラグ203sがオンであると判別された場合は(S1451:Yes)、次いで、上述した第1実施形態の入賞処理(図38参照)と同様にS1402〜S1406の処理を実行する。S1405の処理にてラウンド時間が経過していないと判別された場合は(S1405:No)、次に確変設定フラグ203hがオンに設定されているかを判別する(S1452)。
S1452の処理にて確変設定フラグ203hがオンに設定されている場合は(S1452:Yes)、そのまま本処理を終了し、確変設定フラグ203hがオンに設定されていない場合(オフに設定されている場合)は(S1452:No)、確変スイッチを球が通過したか(特定一般入賞口630aに球が入球したか)を判別する(S1410)。
S1410の処理にて、確変スイッチを球が通過したと判別された場合は(S1410:Yes)、確変設定フラグ203hをオンに設定し(S1412)、本処理を終了する。一方、確変スイッチを球が通過していないと判別された場合は(S1410:No)、そのまま本処理を終了する。
上述したように、本第3実施形態では、大当たり遊技中に開放動作される第1可変入賞装置65とは異なる特定一般入賞口630a内に確変スイッチを設けており、さらに、確変入賞有効フラグ203sがオンに設定されている間に特定一般入賞口630aに球が入球することでその大当たり遊技終了後に確変状態が付与されるよう構成されている。よって、確変設定フラグ203hをオンに設定する処理を第1実施形態に比べて簡素化することができる。
なお、本第3実施形態においても、上述した第1実施形態の入賞処理(図38参照)のように特定一般入賞口630aに球が入球することで、確変状態を付与可能にするタイミングを確変入賞有効フラグ203sがオンに設定されている期間に加え若干の猶予期間(例えば4秒)を設けるようにしてもよい。これにより、例えば確変入賞有効フラグ203sがオンに設定されている間に第2貯留装置1600に流入した球であれば、確変入賞有効フラグ203sがオフに設定された後に特定一般入賞口630aに入球することで確変状態を付与とすることができる。
この場合、確変入賞有効フラグ203sに付与される猶予期間としては第2貯留装置1600内に流入した球が特定一般入賞口630aに到達可能な時間を設定すればよい、また、この猶予期間よりも大当たり遊技のエンディング期間が長くなるよう設定するとよい。このように構成することで、特定一般入賞口630aに球が入球することで確変状態が付与可能な期間(確変入賞有効フラグ203sがオンに設定されている期間と猶予期間)を大当たり遊技中のみに設定することが可能となるため、大当たり遊技終了後に確変状態を付与するための制御を統一することができる。よって、遊技者に対して大当たり遊技の最後まで確変状態が付与されることを期待させることができ、遊技者の遊技意欲が低下してしまう事態を抑制することができるという効果がある。
<第3実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次いで、図114から図118を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種処理について説明する。本第3実施形態では、メイン処理(図114参照)のコマンド判定処理3(S1811)の内容を第1実施形態から変更した点、メイン処理(図114参照)において、貯留状態判定処理(S1851)と、時短中表示処理(S1852)を追加した点で相違している。以下では、本第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種処理のうち、上述した第1実施形態と相違する点の説明のみを行い、第1実施形態から変更されていないその他の処理については、その詳細な説明を省略する。
まず、図114を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図114は、このメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理が実行されると、上述した第1実施形態のメイン処理(図42参照)と同様にS1801〜S1812の処理が実行される。ここで、コマンド判定処理3(S1811)は、その内容の一部が上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図43参照)から変更されている。このコマンド判定処理3(S1811)については図115を参照して詳細な説明を後述する。
次に、S1812の処理を終えると貯留状態判定処理(S1851)が実行され、その後、時短中表示処理(S1852)が実行される。ここで、貯留状態判定処理(S1851)は、第2貯留装置1600内に流入した球の貯留状態を判定するための処理であって、第2貯留装置1600内に貯留された球が上限量に到達したことや、第2流路1602を球が通過したことを判定する処理である。この貯留状態判定処理(S1851)により判定された結果に基づいて、上述した確変期待度表示演出(図104(b)参照)が実行される。なお、この貯留状態判定処理(S1851)については、図117を参照してその詳細な説明を後述する。
次に、時短中表示処理(S1852)は、時短状態において大当たりに当選した場合に実行される確変期待度表示演出(図104(b)参照)において第3図柄表示装置81に表示される数値(確変期待度)を選択するための処理である。なお、この時短中表示処理(S1852)については、図118を参照してその詳細な説明を後述する。
図114に戻り説明を続ける。S1852の処理を終えると、許容時間カウンタ減算処理が実行される(S1853)。この許容時間カウンタ減算処理は、許容時間カウンタ223iの値を減算する処理である。許容時間カウンタ223iは後述するコマンド判定処理3(図115のS1811)にて1秒に対応する値(1000)が設定され、S1853の処理が実行される毎に(1ミリ秒毎に)、1減算される。また、許容時間カウンタ223iに値が設定されていない場合(許容時間カウンタ223iの値が0の場合)は、カウンタの値を減算することなく本処理を終了する。
なお、コマンド判定処理3(図115のS1811)において許容時間カウンタ223iに設定される値(1000)は、エンディングコマンドを受信したタイミング(大当たりが終了したタイミング)においてパチンコ機10の遊技盤13に残存している球が遊技盤13外へ流下するのに十分な時間として設定されるものである。
1853の処理を終えると、次いで、上述した第1実施形態のメイン処理(図42参照)と同様にS1813〜S1817の処理を実行し本処理を終了する。このように、本第3実施形態では、音声ランプ制御装置113のメイン処理により確変期待度表示演出(図104(b)参照)を実行するために必要な情報(第2貯留装置1600内の球の貯留情報、第2流路1602への球の通過情報)を取得し(貯留状態判定処理(S1851))、その情報を用いて確変期待度表示演出(図104(b)参照)にて表示される数値(確変期待度)を選択可能に構成している。
これにより、大当たりに当選した際に今回の大当たり遊技終了後に確変状態が付与される期待度を数値として表示することで、例えば、確変期待度が高い場合は、遊技者に対して安心感を与えることができ、一方、確変期待度が低い場合は、大当たり遊技中に第2貯留装置1600へ球を流入させる遊技を積極的に行わせたりすることができる。よって、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
また、予め確変状態が付与されるか否かが決定している状態で遊技者に対して確変期待度を表示するのではなく、実際に確変状態が付与可能なタイミングで特定一般入賞口630aに球が入球する可能性を期待度として表示しているため、遊技者に対して信頼度の高い数値表示を実行することが可能となる。
次に、図115を参照して本第3実施形態にて実行されるコマンド判定処理3(S1811)について説明をする。図115はコマンド判定処理3(S1811)の内容を示すフローチャートである。このコマンド判定処理3(S1811)は、上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図43参照)に対して、入賞情報コマンドを受信した場合に実行される処理(エラー報知処理3(S1912))の内容を変更した点と、オープニングコマンドを受信した場合に実行される処理の内容を変更した点と、貯留弁1601aの開放(解除)を示す貯留弁開放コマンドおよび貯留弁1601aの閉鎖を示す貯留弁閉鎖コマンドを受信した場合に実行される処理を追加した点で相違し、その他の処理については同一である。なお、上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図43参照)において実行されるS1904〜S1910の処理は、本第3実施形態のコマンド判定処理3(S1811)においても実行される処理であるが、その他のコマンドに応じた処理(S1919)に含まれるものとし、その処理の図示を省略する。また、図115にて図示した処理のうち、上述した第1実施形態と同一の処理については、同一の符号を付しその詳細な説明を省略する。
コマンド判定処理3(S1811)が実行されると、まず上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図43参照)と同様にS1901〜S1903の処理が実行される。S1901の処理にて変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合は(S1901:No)、次に入賞情報コマンドを受信したかを判別する(S1911)。ここで、入賞情報コマンドを受信したと判別した場合には(S1911:Yes)、エラー報知処理3(S1912)が実行される。
このエラー報知処理3(S1912)は、パチンコ機10の遊技盤13に設けられた各装置(第1入球口65、スルーゲート67、第2貯留装置1600)への入賞(通過)に基づく入賞情報コマンドを受信した場合に、パチンコ機10の遊技状態(通常遊技状態、右打ち遊技状態)に対して遊技者が実行している遊技が正常であるかを判別し、その判別結果に基づいて遊技者に遊技方法について報知する(警告画像を表示する)ための処理である。これにより、遊技者に対して現在の遊技状態に適した遊技方法を報知することができる。また、意図的に現在の遊技状態に適さない遊技方法で遊技を行う行為を実行させ難くすることができるという効果がある。なお、このエラー報知処理3(S1912)については、図116を参照してその詳細な説明を後述する。
図115に戻り説明を続ける。S1911の処理にて入賞情報コマンドを受信していないと判別された場合は(S1911:No)、次に、オープニングコマンドを受信したかを判別する(S1913)。ここで、オープニングコマンドを受信したと判別した場合は(S1913:Yes)、上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図43参照)と同様にS1914の処理を実行し、次いで、貯留上限フラグ223kをオフに設定し(S3911)、特殊球流フラグ223mをオフに設定し(S3912)、表示用オープニングコマンドを設定し(S1915)、本処理を終了する。
一方、S1913の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判別された場合は(S1913:No)、その後、エンディングコマンドを受信したかを判別する(S1916)。ここでエンディングコマンドを受信したと判別すると(S1916:Yes)、上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図43参照)と同様にS1917およびS1918の処理を実行し、本処理を終了する。
S1916の処理において、エンディングコマンドを受信していないと判別された場合は(S1916:No)、次に、貯留弁開放コマンドを受信したかを判別する(S3913)。ここで、貯留弁開放コマンドを受信したと判別した場合は(S3913:Yes)、貯留弁開放中フラグ223nをオンに設定し(S3914)、表示用開放コマンドを設定し(S3915)、本処理を終了する。
一方、S3913の処理において、貯留弁開放コマンドを受信していないと判別した場合は(S3913:No)、次いで、貯留弁閉鎖コマンドを受信したかを判別する(S3916)。ここで、貯留弁閉鎖コマンドを受信したと判別した場合は(S3916:Yes)、貯留弁開放中フラグ223nをオフに設定し(S3917)、表示用閉鎖コマンドを設定し(S3918)、本処理を終了する。
S3916の処理において、貯留弁閉鎖コマンドを受信していないと判別した場合は(S3916:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行する(S1919)。なお、このその他のコマンドに応じた処理としては上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図43参照)にて説明した処理に加え、第1実施形態のコマンド判定処理のS1904〜1910の処理が含まれている。
次に、コマンド判定処理3(図115のS1811)において実行されるエラー報知処理3(S1912)について図116を参照して説明する。図116はエラー報知処理3(S1912)の内容を示すフローチャートである。このエラー報知処理3(S1912)では、主制御装置110から受信した入賞情報コマンドに基づいて、現在の遊技状態(通常状態または右打ち状態)に対して遊技者が実行している遊技方法(右打ちか否か)が適正な内容であるかを判別し、その判別結果に基づいた報知を可能な処理が実行される。
このエラー報知処理3(S1912)は、上述した第1実施形態のエラー報知処理(図44参照)に対して、大当たり中フラグ223hがオンに設定されている場合に許容時間カウンタ223iの値を判別する処理を削除した点と、大当たり中フラグ223hがオフに設定されている場合に実行される処理の内容を変更した点で相違する。なお、第1実施形態のエラー報知処理(図44参照)と同一の処理には同一の符号を付し、その詳細な説明については省略する。
ここで図116に示す通り、エラー報知処理3(S1912)が実行されると、上述した第1実施形態のエラー報知処理(図44参照)と同様にS1931〜S1933の処理を実行し本処理を終了する。これにより、右打ち遊技が実行されるはずの大当たり中(大当たり遊技中)における右打ち遊技では入賞不可能(困難)である第1入球口65への球の入球を判別することが可能となる。これにより、遊技者が大当たり中(大当たり遊技中)であるにも関わらず右打ち遊技を実行していない状態を察知し、遊技者に対して適正な遊技方法を報知することが可能となる。
なお、適正な遊技方法の報知としては、例えば、遊技者が適正な遊技を実行していない(右打ち遊技が実行される遊技状態にも関わらず、右打ち遊技以外の遊技が実行されている)と判別された場合に、適正な遊技の内容(右打ち遊技)を遊技者に視認可能な態様(例えば、第3図柄表示装置81へ表示させる)で報知したり、常時、遊技内容を遊技者に報知しているパチンコ機10においては、その報知内容を強調して報知(例えば、スピーカの音量を上げたり、表示画面に表示される報知態様を大きくしたり、表示画面の輝度を上げたりする)する構成でもよい。これにより、遊技者が適正では無い遊技を実行した場合でも遊技者に遊技内容を適正に報知することができる。
図116に戻り説明を続ける。S1931の処理において大当たり中フラグ223hがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別された場合は(S1931:No)、上述した第1実施形態のエラー報知処理(図44参照)と同様に、許容時間カウンタ223iの値が0であるかを判別する(S1936)。
ここで、本第3実施形態における許容時間カウンタ223iは、右打ち遊技状態が終了してから所定期間(1秒間)を計測するためのカウンタであり、このカウンタが計測を行っている間は、第2貯留装置1600またはスルーゲート67を球が通過したとしても後述する右打ち警告画像が表示されないようにするものである。
これにより、右打ち遊技状態が終了する直前に発射された球が右打ち遊技状態終了後に第2貯留装置1600またはスルーゲート67に入球(通過)した場合に右打ち警告画像を表示してしまうことを防止することができる。よって、適正な遊技を実行している遊技者に対して警告画像を表示し、遊技意欲を低下させてしまうことを抑制することができる。また、適正ではない遊技を遊技している遊技者に対して警告画像を表示する精度を高めることができるという効果がある。
この、許容時間カウンタ223iは、図115に示す通り、主制御装置110からエンディングコマンドを受信した場合に1秒に対応する値(1000)が設定されるものであり(S1917)、メイン処理(図114参照)にて1ミリ秒経過する毎に1減算される(S1853)。
図116に戻り説明を続ける。S1936の処理において、許容時間カウンタ223iの値が0ではない(0よりも大きい)と判別された場合は(S1936:No)、そのまま本処理を終了する。一方、許容時間カウンタ223iの値が0であると判別された場合には(S1936:Yes)、次いで、確変状態フラグ223fがオンに設定されているかを判別する(S1961)。
つまり、大当たりが終了してから所定期間(1秒)が経過したか否かを許容時間カウンタ223iの値を用いて判別し、許容時間カウンタ223iの値が0となることで、大当たりが終了してから所定期間(1秒)が経過したと判別している。これにより、大当たり終了直後に遊技盤13を流下していた球が第2貯留装置1600やスルーゲート67に入球(通過)した場合に警告画像を表示することがない。
S1961の処理において、確変状態フラグ223fがオンに設定されていると判別された場合は(S1961:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、確変状態フラグ223fがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別された場合は(S1961:No)、次に、時短状態カウンタ223gの値が0よりも大きいかを判別する(S1962)。ここで、時短状態カウンタ223gの値が0よりも大きいと判別された場合は(S1962:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1962の処理において、時短状態カウンタ223gの値が0よりも大きくない(0である)と判別された場合は、第2貯留装置1600またはスルーゲート67への球の入球(通過)を示す入賞情報コマンドを受信したかを判別する(S1963)。ここで、第2貯留装置1600またはスルーゲート67への球の入球(通過)を示す入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合は(S1963:No)、そのまま本処理を終了する。
S1963の処理において、第2貯留装置1600またはスルーゲート67への球の入球(通過)を示す入賞情報コマンドを受信したと判別した場合は(S1963:Yes)、次に、右打ち警告画像に対応するエラーコマンドを設定し(S1964)、本処理を終了する。ここで、右打ち警告画像に対応するエラーコマンドが設定され、図114に示すコマンド出力処理(S1802)にて表示制御装置114にエラーコマンドが出力されると、第3図柄表示装置81に図5(b)に示す警告画像が表示される。
以上、説明をしたように、本第3実施形態では、右打ち遊技が実行されない遊技状態を判別するために、大当たり中フラグ223hと、確変状態フラグ223fと、時短状態カウンタ223gとを参照している。そして、大当たり中フラグ223hがオフに設定され、確変状態フラグ223fがオフに設定され、時短状態カウンタ223gの値が0である場合を右打ち遊技が実行されない遊技状態とし、その遊技状態において第2貯留装置1600及びスルーゲート67に球が入球(通過)したか否かを判別している。
さらに、本第3実施形態では大当たりが終了してから所定期間(1秒)の間は、エラー報知処理によって警告画像に対応するエラーコマンドが設定されることが無い。
なお、本第3実施形態では、許容時間カウンタ223iの値がエンディングコマンドを受信したタイミング(図115のS1916)で1000に設定され(S1917)、その値が0の場合(許容時間が経過した場合)に(図116のS1962:No)、第2貯留装置1600またはスルーゲート67に球が入球(通過)したことを判断可能な構成としているが、それ以外の構成をもちいてもよく、例えば、右打ち遊技が終了するタイミングとしてエンディングコマンドを受信した場合以外に、時短状態カウンタが0になったタイミングでも許容時間カウンタ223iの値を1000に設定するように構成してもよい。
このように構成することで、時短状態が終了し通常遊技状態へと移行する際にも適正な遊技を実行している遊技者に対して警告画像を表示し、遊技意欲を低下させてしまうことを抑制することができる。また、適正ではない遊技を遊技している遊技者に対して警告画像を表示する精度を高めることができるという効果がある。
また、許容時間カウンタ223iに設定する値については、適正な遊技を実行している遊技者に対して誤って警告表示が実行されてしまうことを抑制可能な期間に対応する値であればよく、例えば、10秒に対応する値(10000)にしてもよい。また、大当たりの種別毎に異なる値が設定されるよう構成してもよい。
さらに、大当たり遊技の結果や大当たり種別に基づいて、許容時間カウンタ223iの値を設定するタイミングを変更してもよい。例えば、大当たり終了後に確変状態や時短状態が付与されることが確定している場合には、エンディングコマンドを受信した場合であっても許容時間カウンタ223iの値を設定せず、大当たり終了後に確変状態および時短状態が付与されない大当たりの場合には、大当たり終了後に許容時間カウンタ223iの値を設定するようにしてもよい。これにより、許容時間カウンタ223iに無用な値を設定する必要が無くなるため、処理負荷を軽減することができるという効果がある。
次に、図117を参照して貯留状態判定処理(S1851)について説明をする。図117は貯留状態判定処理(S1851)の内容を示すフローチャートである。この貯留状態判定処理(S1851)は、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図114参照)にて実行される処理であり、貯留弁1601aが閉鎖している状態の第2貯留装置1600内に流入した球の貯留状況および流下状況を判定するための処理である。
まず、貯留状態判定処理(S1851)が実行されると、貯留弁開放中フラグ223nがオンに設定されているかを判別する(S4901)。ここで、貯留弁開放中フラグ223nがオンに設定されている、つまり、貯留弁1601aが開放(解除)状態であると判別した場合は(S4901:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、S4901の処理において、貯留弁開放中フラグ223nがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S4901:No)、次に、第2貯留装置1600内に貯留されている球の数が上限(本実施形態では4個)に達しているかを判別する(S4902)。具体的には、図96に示す第2貯留装置1600の第1流路1601に設けられた上限検知センサ1600bが球の滞留を検知した場合に、貯留球が上限であると判別される。
S4902の処理において、貯留球が上限に到達していると判別された場合は(S4902:Yes)、次に、貯留上限に対応するコマンドを設定し(S4903)、貯留上限フラグ223kをオンに設定し(S4904)、本処理を終了する。この貯留上限フラグ223kは大当りが開始されることでオフに設定される(図115のS3911)。
一方、S4902の処理において、貯留球が上限に到達していないと判別された場合は(S4902:No)、次いで、球が第2誘導流路(第2流路1602)を通過したかを判別する(S4905)。具体的には、図96に示す第2貯留装置1600の第2流路1602に設けられた通過センサ1600dが球の通過を検知した場合に、第2誘導流路(第2流路1602)を球が通過したと判別する。
ここで、S4902の処理において貯留球が上限に到達していないにも関わらず、第2誘導流路(第2流路1602)を球が通過する事象について説明をする。本第3実施形態におけるパチンコ機10の第2貯留装置1600は、通常、図96に示すように第1流路1601に上限量の球が貯留されている状態で新たな球が第2貯留装置1600に流入した場合に第2流路1602へと流下するよう構成されている。
しかし、第2貯留装置1600に流入した球が第2貯留装置1600の内壁に衝突した際の跳ね返り方向によっては、第1流路1601の球の貯留量が上限に到達していない状況であっても、第2流路1602へと流下する場合がある(第2貯留装置1600に流入した球の約5%)。このような球の流下が発生した場合に、S4905の処理において第2誘導流路(第2流路1602)を球が通過(流下)したと判別される。
図117に戻り説明を続ける。S4905の処理において第2誘導流路(第2流路1602)を球が通過していないと判別された場合は(S4905:No)、そのまま本処理を終了する。一方、第2誘導流路(第2流路1602)を球が通過したと判別された場合は(S4905:Yes)、次いで、特殊球流れに対応するコマンドを設定し(S4906)、特殊球流フラグ223mをオンに設定し(S4907)、本処理を終了する。
なお、本第3実施形態では、特殊球流れに対応するコマンドが設定されると、音声出力装置226によって特殊球流れが発生したことを報知する報知音が出力される。また、この特殊球流れが発生した場合は、図97を参照して上述したように、第2貯留装置1600内に設けられた第1振分部材900を遊技者に有利な位置(特定一般入賞口630aに球を入球させるために必要とする球数を減らす位置)へと移動させる特典を付与可能に構成しているが、それ以外の特典を遊技者に付与するようにしてもよい。
例えば、特殊球流れが発生した場合のみ入球可能な一般入賞口を設け、その一般入賞口へ球が入球した場合に遊技者に付与される賞球数を多く(15個)設定してもよい。また、特殊球流れが発生した場合に、遊技者が貯めているポイントを付与したり、特別な映像を第3図柄表示装置81に表示するといった特典を付与してもよい。
このように構成することで、球が不規則な動きをすることにより発生する特殊球流れを判別可能にし、さらに、特殊球流れに対して特典を付与することで、遊技者に対して球の動きに基づく特典を付与することができる。よって、遊技者に対して球の動きを一喜一憂させることができ、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
なお、本第3実施形態では、第1流路1601に貯留される球の数が上限に到達していない場合に(S4902:No)、第2誘導流路(第2流路1602)を球が通過した場合に(S4905:Yes)、特殊球流フラグ223mがオンに設定されるよう構成しているが、例えば、第1流路1601に貯留される球が上限に到達した状態で第2誘導流路(第2流路1602)を球が通過(流下)した場合に特殊球流フラグ223mがオンに設定されるように構成してもよい。
このように構成することで、第1流路1601に貯留される球の数が上限に到達した状態であっても、遊技者に対して継続して遊技を行わせることが可能となる。よって、遊技者が途中で球の発射を止めてしまうことによる遊技機の稼働低下を抑制することができるという効果がある。
次に、図118を参照して時短中表示処理(S1852)について説明をする。図118は時短中表示処理(S1852)の内容を示すフローチャートである。この時短中表示処理(S1852)は、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図114参照)にて実行される処理であり、時短状態中に大当たり当選すると実行される確変期待度表示演出(図104(b)参照)にて表示される数値(確変期待度)を選択する処理である。
まず、時短中表示処理(S1852)が実行されると、時短状態カウンタ223gの値が0よりも大きいかを判別する(S5001)。ここで、時短状態カウンタ223gの値が0よりも大きくない(0である)場合、つまり、時短状態ではないと判別された場合は(S5001:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S5001の処理において、時短状態カウンタ223gの値が0よりも大きい、つまり、時短状態であると判別された場合は(S5001:Yes)、次に、大当りに当選したかを判別する(S5002)。具体的には、今回の変動に対応する入賞データが大当りに当選しているかを判別する。ここで、今回の変動が大当りに当選していないと判別された場合は(S5002:No)、そのまま本処理を終了する。
S5002の処理において、今回の変動が大当りに当選していると判別された場合は(S5002:Yes)、次いで、貯留上限フラグ223kがオンに設定されているかを判別する(S5003)。
S5003の処理において、貯留上限フラグ223kがオンに設定されていると判別された場合は(S5003:Yes)、期待度MAXに対応する表示コマンドを設定し(S5004)、本処理を終了する。この期待度MAXに対応する表示コマンドが設定されると、図104(b)に示す確変期待度表示演出において、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsの小領域Ds2に表示される確変期待度の数値に「MAX」が表示される。
一方、S5003の処理において、貯留上限フラグ223kがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別された場合は(S5003:No)、期待度表示選択テーブル222b(図105参照)に規定されている内容に基づいて選択された期待度(数値)に対応する表示コマンドを設定し(S5005)、本処理を終了する。この表示コマンドが設定されると、図104(b)に示す確変期待度表示演出において、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsの小領域Ds2に表示される確変期待度の数値に、期待度表示選択テーブル222bに基づいて選択された期待度(数値)「10〜80」が表示される。
以上、説明をしたように、時短中表示処理(S1852)では、時短状態中に大当たりに当選した場合に実行される確変期待度表示演出の表示内容が決定される。このように、大当たりに当選したタイミングにおける第2貯留装置1600の球貯留数と、特殊球流れの有無、大当たり種別に基づいて確変期待度の数値が選択されるため遊技者に信頼度の高い値(期待度)を表示することができる。また、本第3実施形態のパチンコ機10では、大当たり遊技中の所定期間内(1ラウンド目が開始されてから最終ラウンドが終了するまでの期間)に特定領域である特定一般入賞口630aへ球を入球させることで、その大当たり終了後に確変状態が付与される遊技性であるため、大当たりに当選したタイミングでは確変状態が付与されるか否かが決定されていない。
つまり、本第3実施形態のパチンコ機10では、単純に、今回の大当たり当選が、大当たり遊技中に確変状態が付与される可能性が高くなる条件をどれだけ充足しているかに基づいて確変期待度表示演出の内容が決定される。
よって、内部的に確変状態が付与されるか否かが決定しているにも関わらず、遊技者を煽るために行う確変期待度を報知する演出に対して、表示される確変期待度(値)の信頼度を高めることができるという効果がある。
なお、本第3実施形態では貯留上限フラグ223kがオンに設定されている場合は、他の条件(特殊球流フラグ223mの設定状況と、大当たり種別の種類)に関わらず、期待度MAXに対応する表示コマンドが設定されるよう構成している。これは、本パチンコ機10では時短状態中に第2貯留装置1600に上限量(4個)の球が貯留されている状態で大当たりに当選すると、その貯留されている球のうち少なくとも1つは、その大当たり終了後に確変状態が付与可能なタイミングで特定一般入賞口630aに入球させることができるためである。
即ち、時短状態において大当たりに当選するまでに第2貯留装置1600に上限量(4個)の球が貯留させることで、次回大当たりの終了後に確変状態が付与される遊技状態とすることが可能となる。このように構成することで、時短状態中に特別図柄の保留記憶数が上限に到達したとしても、第2貯留装置1600に球を流入させる遊技を続行させることができるため、遊技中に遊技者が球の発射を止めてしまい遊技機の稼働が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
以上、説明をしたように、本第3実施形態では、特定一般入賞口630aに球が入球するタイミングが、大当たり遊技中(条件装置作動中)において、第1可変入賞装置65が開放動作されている間(役物連続作動装置作動中)であれば、その大当たり終了後に確変状態を付与されるが、この第1可変入賞装置65が開放動作されている間とは、具体的に、第1可変入賞装置65が開放している期間(ラウンド期間)と、1のラウンドが終了条件(球が10個入球、または、30秒経過)が成立してから次のラウンドにて第1可変入賞装置65が開放されるまでの期間(インターバル期間)の両方が含まれている。
よって、大当たり遊技中におけるインターバル期間(第1可変入賞装置65が閉鎖している期間)であっても、球が特定一般入賞口630aに球が入球すると、その大当たり遊技終了後に確変状態が付与される。つまり、本第3実施形態にて用いた構成では、大当たり遊技中に開放される入賞口(例えば、第1可変入賞装置65の入賞口)内に球が通過することにより、その大当たり終了後に確変状態が付与される特定領域を設けた場合よりも、大当たり遊技中において連続して遊技者に有利となる期間(確変状態を付与可能な期間)を長く設定することが可能となる。
また、本第3実施形態では、球が通過することにより確変状態を付与可能な特定領域を大当たり遊技中に開放される入賞口(例えば第1可変入賞装置65の入賞口)以外に設けているため、大当たり遊技中に第1可変入賞装置65に入賞しなかった球、即ち、従来は遊技者にとって何らメリットのなかった球(無駄球)により、確変状態を獲得できるか否かが決定されることになる。これにより、大当たり遊技中に、第1可変入賞装置65に球を入球させ賞球を獲得する遊技と、特定一般入賞口630aに球を入球させ確変状態を獲得する遊技とを同時に進行させることが可能となる。よって、遊技者に対して複数の遊技性を同時に提供することができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
この場合、本第3実施形態のパチンコ機10のように、同一領域を狙う遊技(本実施形態では、右打ち遊技)にて入賞可能な位置に第1可変入賞装置65および特定一般入賞口630aを設けると良い。このようにすることで、遊技者に対して複数の遊技を同時に且つ容易に進行させることができる。
なお、本第3実施形態のパチンコ機10とは異なり、例えば、右打ち領域に第1可変入賞装置65を設け、通常遊技領域(左打ち領域)に特定一般入賞口630aを設けるように構成してもよい。これにより、大当たり遊技中におけるラウンド期間(第1可変入賞装置65が開放している期間)は右打ち遊技を行い、インターバル期間(1のラウンドの終了条件(球が10個入球、または、30秒経過)が成立してから次のラウンドにて第1可変入賞装置65が開放されるまでの期間)にて、通常遊技(左打ち遊技)を行わせ、特定一般入賞口630aへ球を入球させる遊技を実行するように構成してもよい。
これにより、大当たり遊技中における遊技を複雑にすることが可能となる。よって、単調な遊技によって遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
以上、説明をした本第3実施形態では、第2貯留装置1600を遊技盤13の右側領域に配置しているが、例えば、第2貯留装置1600を遊技盤13の中央下部(可変表示装置ユニット80の下側)や、遊技盤13の左側領域(可変表示装置ユニット80の左側)に設け、通常遊技状態にて実行される第1入球口64に球を入球させる遊技(左打ち遊技)により発射された球が第2貯留装置1600に流入するように構成してもよい。
このように構成することで、通常遊技状態中に第2貯留装置1600に球を貯留させることが可能となる。これにより、通常遊技状態において大当たりに当選しない状態が継続すると、第2貯留装置1600に上限量の球を貯留させることが可能となるため、大当たりに長期間当選しなかった遊技者に対して確変状態が付与されやすい大当たりを提供することが可能となり、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
また、本実施形態では、確変状態に移行すると、次の大当たりに当選するまでの間確変状態が継続するように構成されているため、遊技者は確変状態中に早期に大当たりに当選しないよう遊技を行うことになる。即ち、次の大当たりに当選するまでは大当たり確率が高く設定されており、且つ、持ち球の減少が抑制されている状態で遊技を実行することができる確変状態にて、第2貯留装置1600に上限量の球を貯留させてから大当たりに当選させることで、次回大当たり遊技終了後も確変状態が継続することを狙う遊技を行うことになる。
よって、従来は早期に次回の大当たりに当選することを単に待ちながら遊技が行われていた確変状態において、早期に大当たり当選することなく、且つ、いち早く第2貯留装置1600に上限量の球を貯留させようと意欲を持って遊技を行わせることができるため、確変状態中における遊技者の遊技意欲を向上させることができるという効果がある。
なお、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、確変状態にて所定回数(例えば、10回)特別図柄を変動させると確変状態から時短状態(例えば、大当たり終了後から特別図柄が100回変動するまでの期間で設定される)へと遊技状態が移行するよう構成してもよい。
このように構成することで、大当たり確率は高い状態であるが大当たり間の遊技期間が短い確変状態中で大当たり(確変が付与される期待度が低い大当たり)に当選する場合と、大当たり確率は低い状態(通常遊技状態)であるが大当たり間の遊技期間が長くなる時短状態中で大当たり(確変が付与される期待度が確変状態で大当たりに当選するよりは高い大当たり)に当選する場合とで、遊技者に異なる有利性を持たせた大当たりを提供することができるため、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
なお、本実施形態では、第2貯留装置1600に流入しなかった球が第1可変入賞装置65に入球する構成にしているが、例えば、第1可変入賞装置65の下方に第2貯留装置1600を設けてもよい。これにより、大当たり遊技中(第1可変入賞装置65が開放動作される間)は第2貯留装置1600に球が入球し難くすることができる。
<第4実施形態>
次に、図119〜図128を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第3実施形態では、第2貯留装置1600を設け、その第2貯留装置1600内に球が流下可能な流路を複数設け、流下する流路によって球が特定一般入賞口(確変入賞口)630aや一般入賞口(大価値入賞口)630bに入賞可能に構成していた。また、第2貯留装置1600には、一部の流路を流下する球を貯留可能な貯留弁1601aを設け、この貯留弁1601aが開放するタイミングを変更することで特定一般入賞口630aに球が入球するタイミングを異ならせることで、大当たり遊技の終了後に確変状態が付与されやすい大当たりと付与されにくい大当たりとを設けていた。
これに対して第4実施形態では、第3実施形態の第2貯留装置1600に代えて、振分装置2600を設けている。この振分装置2600には球が流下可能な流路が複数設けられており、流下する流路によって球が特定一般入賞口(確変入賞口)630aや第2入球装置640に入球可能に構成している。
さらに、本第4実施形態は遊技盤13の右側領域(遊技盤13の右側の領域、つまり、可変表示装置ユニット80の右側に設けられる領域)に第1可変入賞装置65を設け、その第1可変入賞装置65の下方に第2可変入賞装置650が設けている。詳細な説明については図120を参照して後述するが、本第4実施形態のパチンコ機10では大当たり遊技において、第1可変入賞装置65と第2可変入賞装置650とを交互に開放動作させることで、大当たり遊技中に右打ち遊技で発射された球が何れかの可変入賞装置(第1可変入賞装置65または第2可変入賞装置650)へと入球するように構成されている。
このように2つの可変入賞装置(第1可変入賞装置65と第2可変入賞装置650)を交互に開放動作させることで、例えば、大当たり遊技中において上側に設けられている第1可変入賞装置65が閉鎖状態となり、その閉鎖状態の第1可変入賞装置65を通過した球が、第1可変入賞装置65の下方に設けられた第2可変入賞装置650に入球するように夫々の可変入賞装置の開放動作を制御することで、大当たり遊技中に発射された球を何れかの可変入賞装置へと入球させることができる。よって、大当たり遊技中に発射した球が可変入賞装置(第1可変入賞装置65と第2可変入賞装置650)に入球せずに遊技者に不満感を与えてしまうという事態を抑制することができるという効果がある。
そして、上述したように、本第4実施形態のパチンコ機10は、上下に設けられた2つの可変入賞装置(第1可変入賞装置65と第2可変入賞装置650)の下方に、振分装置2600を設け、その振分装置2600によって振り分けられる1の経路を流下した球が特定一般入賞口630aに入球するように構成されている。
この特定一般入賞口630aは上述した第3実施形態で用いた特定一般入賞口630aと同一であり、大当たり遊技中の所定期間である確変入賞有効期間(1ラウンド目のラウンド遊技の開始〜最終ラウンドのラウンド遊技終了までの期間)に球が入球することで、所定個数の賞球(1個)に加え、その大当たり遊技終了後に確変状態が付与され、大当たり遊技中の所定期間(確変入賞有効期間)以外の期間(大当たりしていない期間も含む)に球が入球することで、所定個数の賞球(1個)が付与されるよう構成されている。
さらに、本第4実施形態では、当選した大当たりの大当たり種別に基づいて大当たり遊技中における第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650の開放動作内容を変更することで、大当たり遊技中に振分装置2600へと流下する球が発生しやすい大当たりと、発生し難い大当たりとが設定可能に構成されている。
これにより、複数の可変入賞装置を有するパチンコ機10において、2つの可変入賞装置に入球しない球(大当たり遊技中に振分装置2600に流入可能な球)を意図的に発生させるように複数の可変入賞装置の開放動作を制御し、何れの可変入賞装置にも入球しなかった球により、その大当たり終了後に遊技者にとって有利となる遊技状態(確変状態)が付与されるか否かが決定されるという新たな遊技性を提供することができる。
よって、遊技者に対して大当たり遊技中に、可変入賞装置に球を入球させるという従来の遊技性に加え、可変入賞装置に入球しなかった球を用いて遊技者に有利となる特典(確変状態)が付与されるか否かを決定する新たな遊技を実行させることができ、大当たり遊技中における遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
また、大当たり遊技中に可変入賞装置に入球しなかった球は、従来では無駄な球として扱われていたが、本実施形態ではその球(大当たり遊技中に可変入賞装置に入球しなかった球)を用いて遊技者に有利となる特典(確変状態)を付与可能に構成しているため、大当たり遊技中に発射された全ての球を有効に用いることができるパチンコ機10を提供することができ、遊技者に対して遊技を楽しませることができるという効果がある。
次に、図120を参照して、本第4実施形態における遊技盤13の右側領域の構成について説明をする。図120は、図119における遊技盤13のうち、2点鎖線CXXで囲まれた領域を拡大した図である。図119に示すように、右打ち遊技によって発射された球は、可変表示装置ユニット80を飛び越えて返しゴム69に衝突し、その勢いを減衰させて遊技盤13の右側領域(可変表示装置ユニット80の右側)を流下する。
図120に示すように、遊技盤13の右側領域には球の流下経路の上流側(遊技盤13の上方側)から順に、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、振分装置2600と設けられており、振分装置2600によって遊技盤13正面視右側(図120の視点で右側)へと振り分けられた球が入球可能な位置に特定一般入賞口630aが設けられている。
一方、振分装置2600によって遊技盤13正面視左側(図120の視点で左側)へと振り分けられた球が入球可能な位置に第2入球口640が設けられている。なお、本第4実施形態のパチンコ機10の遊技盤13の右側領域に設けられている各種構成のうち、第1可変入賞装置65と、第2可変入賞装置650と、特定一般入賞口630aと、第2入球口640については既に上述した各実施形態において詳細な説明をしているため、同一の符号を付しその詳細な説明を省略する。
次に、図120を参照して、振分装置2600の構成について説明する。この振分装置2600には、遊技盤13を流下してきた球が流入する開口部2601が形成されている。この開口部2601は約15ミリの開口幅で形成されており、球が同時に2個流入することを規制している。これにより、振分装置2600に流入した球をスムーズに流下させることができる。なお、図120に示すように第2可変入賞装置650を通過した球が振分装置2600の開口部2601へと誘導されるように遊技盤13には複数の釘が植設されている。
振分装置2600に流入した球は、振分装置2600内に設けられた2つの振分部材(第1振分部材1901と、第2振分部材1902)によって振り分けられる。振分装置2600内には隔壁によって第1流路2602、第2流路2603、第3流路2604、および、第4流路2605が形成されている。第1流路2602および第2流路263は球が直下に流下するよう形成されており、第3流路2604は振分装置2600の正面視左下方向(図120の視点で左下方向)へと下り傾斜する傾斜部材によって上流から下流へと球が流下するよう形成されている。また、第4流路2605は貯留装置2600の外形を構成する部材によって、振分装置2600の正面視右下方向(図120の視点で右下方向)へと下り傾斜するよう形成されている。
そして、振分装置2600には、振分装置2600の正面視右側(図120の視点で右側)へ球を排出する右排出口2606と、振分装置2600の正面視左側(図120の視点で左側)へ球を排出する左排出口2607とが形成されている。
振分装置2600に流入した球は、2つの振分部材(第1振分部材1901および第2振分部材1902)により振り分けられ、複数の流路(第1流路2602〜第4流路2605)を流下して右排出口2606または左排出口2607の何れかから排出される。
具体的には、振分装置2600に流入した球が開口部2061に設けられた通過センサ2600aを通過し、第1振分部材1901に落下する。この第1振分部材1901の構成については上述した第3実施形態にて用いた第2振分部材901と同一の構成であるため、詳細な説明を省略する。
第1振分部材1901に落下した球は第1振分部材1901によって第1流路2602と第2流路2603とに交互に振り分けられる。第1振分部材1901の下方には隔壁が設けられ、第1流路2602と第2流路2603とを隔離している。
第1流路2602を流下した球は、第3流路2604の下流側に落下し、第3流路2604の下流方向(図120の視点で左下方向)へと流下し、左排出口2607から振分装置2600外へと排出される。一方、第2流路2603を流下した球は、第2振分部材1902に落下する。この第2振分部材1902の構成については、第1振分部材1901と同一であり、上述した第3実施形態にて用いた第2振分部材901と同一の構成であるため、詳細な説明を省略する。
第2振分部材1902に落下した球は第2振分部材1902によって第3流路2604と第4流路2605へと交互に振り分けられる。第3流路2604に振り分けられた球は傾斜部材上を流下し、左排出口2607から振分装置2600外へと排出される。なお、左排出口2607から排出される球は、通過センサ2600bによりその球数が検出可能に構成されている。
一方、第4流路2605へと振り分けられた球は、右排出口2606から振分装置2600外へと排出される。なお、右排出口2606から排出される球は、通過センサ2600cによりその球数が検出可能に構成されている。
以上、説明をしたように振分装置2600に流入した球は規則性を持って振り分けられるよう構成されており、具体的には、右排出口2606から排出される球数と左排出口2607から排出される球数との割合が1:3となるように構成されている。つまり、振分装置2600に球が4個流入することで、少なくとも1個は右排出口2606から球が排出されるように構成されている。
また、図120は振分装置2600の内部構成を説明するために、振分装置2600の表面カバーを取り外してある状態を示しているが、表面カバーは透過性の材質(ABSやポリカーボネート等)で構成されており、遊技者が振分部材(第1振分部材1901および第2振分部材1902)の状況を把握可能な構成となっている。このように構成することで、遊技者は振分部材(第1振分部材1901および第2振分部材1902)の状況を把握しながら遊技を行うことができるため、特定一般入賞口630aに球が入球するタイミングを予測しながら遊技を行うことが可能となる。
なお、振分部材(第1振分部材1901および第2振分部材1902)の状況を遊技者が視認困難となるように、振分装置2600の表面カバーの一部を着色したり、表面カバーの表面に装飾部材を取り付けたりしてもよい。このように構成することで、振分装置2600に球が流入する度に何れの排出口(右排出口2606または左排出口2607)から球が排出されるのかを予想させながら遊技を行わせることができる。また、過去に球が排出された排出口を記憶することで次に排出される排出口が何れの排出口(右排出口2606または左排出口2607)になるのかを予測することができるため、短時間しか遊技をしない遊技者よりも長時間遊技を行う遊技者に有利な状況を提供することができる。よって、遊技者に対して長期間遊技を実行させることができ、パチンコ機10の稼働が低下してしまう事態を抑制することができるという効果がある。
さらに、振分装置2600の表面カバーを、光を照射することで内部が視認可能となるハーフミラーで形成してもよく、この場合、パチンコ機10の遊技状態が右打ち遊技状態となった場合に遊技者が振分装置2600の内部を視認可能となるように表面カバーに光が照射されるようにするとよい。このようにすることで、実際に遊技を行った場合のみ振分装置2600の内部(各振分部材の状況)を視認可能にすることができる。よって、遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
なお、本第4実施形態の振分装置2600は球が当接することで振分方向が交互に変更される振分部材(第1振分部材1901および第2振分部材1902)を用いているが、その数を3個以上にしてもよい。このように振分部材の数を増やし、球の流路を増加させることで遊技者に対して球の流下先を容易に把握させることを困難にすることができる。
さらに、1つの振分部材によって振り分けられる経路が3つ以上となる構成を用いても良い。このような構成を用いることにより、振分装置2600内で同一の数の流路を形成する場合に必要とする振分部材の数を削減することが可能となり、振分装置2600のコンパクト化を図ることが可能となる。
また、振分部材が球の振り分け先を電気的に切り替える構成を用いても良い。この場合、例えば、パチンコ機10に電源が投入されてから、常時一定のタイミングで球の振り分け先が切り替わるようにするとよい。このように構成することで、統計的に振り分け率を一定にすることができる。
また、本実施形態では、大当たり中以外で右打ち遊技が実行される遊技状態(例えば、時短状態や確変状態)において、特定一般入賞口630aに球が入球可能な構成であるため、時短状態や確変状態において、一般入賞口の1つである特定一般入賞口630aに球を入球させ、賞球(本実施形態では1個)を得ることが可能となる。よって、時短状態や確変状態において持ち球が減ってしまう事態を抑制することができる。
本第3実施形態では、大当たり遊技の実行後、所定時間(例えば3秒)経過から最終ラウンドが終了するまでの間、第2貯留装置1600の貯留弁1601aが解除(開放)されるように構成しているが、貯留弁1601aが解除(開放)されるタイミングおよび閉鎖されるタイミングとしてそれ以外の条件を設けても良い。
例えば、貯留弁1601aが解除(開放)されるタイミングを、大当たり遊技の所定ラウンド(2ラウンドや最終ラウンド等)が開始または終了されたタイミングや、所定ラウンド(2ラウンド目や最終ラウンド目等)が開始されてから所定期間(例えば、6秒)経過したタイミングとしてもよい。
また、貯留弁1601aが閉鎖されるタイミングを、貯留弁1601aが解除(開放)されてから第2貯留装置1600内に貯留可能な上限数(例えば4個)の球が貯留弁1601aを通過可能な時間(例えば、4秒)が経過したタイミングとしたり、所定ラウンド(2ラウンドや最終ラウンド等)が開始または終了したタイミングとしたり、所定ラウンド(2ラウンドや最終ラウンド等)が開始または終了されてから所定期間(例えば、6秒)経過したタイミングとしてもよい。
このように構成することで、貯留弁1601aが開放している期間および閉鎖している期間として様々な期間を設定することができる。具体的には、例えば、貯留弁1601aが解除(開放)されるタイミングを、大当たりに当選してから3秒後に設定し、貯留弁1601aが閉鎖されるタイミングを貯留弁1601aが解除(開放)されてから4秒経過後となるように設定した場合は、大当たりに当選してから3秒〜7秒の間のみ貯留弁1601aが解除(開放)される。
これにより、大当たりに当選してから7秒が経過すると、大当たり遊技中であっても、貯留弁1601aが閉鎖状態となるため、今回の大当たりが終了し、次の大当たりに当選するまで貯留弁1601aが閉鎖状態を継続するため、本第3実施形態にて用いた構成(大当たり遊技の最終ラウンドが終了したタイミングで貯留弁1601aを閉鎖する構成)に比べて、貯留弁1601aを閉鎖状態にする期間を長くすることができる。よって、貯留弁1601a内に球を貯留させた状態で(上限数の球を貯留させた状態で)大当たり遊技を開始させ易くすることができる。
また、大当たり遊技中のうち貯留弁1601aが閉鎖状態となっている間は、今回の大当たり遊技にて賞球を獲得するための遊技(第1可変入賞装置65を狙う遊技)と、次回の大当たり遊技終了後に確変状態が付与されやすくするための遊技(貯留弁1601aが閉鎖状態である第2貯留装置1600を狙う遊技)とを同時に実行することができる。これにより、大当たり遊技中における遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。さらに、大当たり遊技中の遊技の結果によって、次回の大当たり遊技終了後に確変状態が付与されやすい状態とすることが可能であるため、遊技者に対して大当たり遊技終了後も継続して遊技を行わせることが可能となる。よって、遊技機の稼働を上げることができるという効果がある。
また、大当たり遊技中における貯留弁1601aを解除(開放)する期間を複数設け、当選した大当たりに基づいて貯留弁1601aを解除(開放)する期間を異ならせることで、例えば、大当たり遊技が終了してから次の大当たりに当選するまでの期間が同一であったとしても、貯留弁1601aの閉鎖状態期間の長さを異ならせることができる。
これにより、次回の大当たり遊技終了後に確変状態が付与されやすい大当たりと確変状態が付与され難い大当たりとを大当たり遊技中の貯留弁1601aの動作内容によって設定することが可能となる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
また、貯留弁1601aを解除(開放)するタイミングを大当たり遊技中の所定ラウンド(例えば、最終ラウンド)開始時にすることで、大当たり遊技が開始されてからも第2貯留装置1600に球を貯留することが可能となる。これにより、今回の大当たり遊技中における貯留弁1601aが解除(開放)されるタイミングにおいて、第2貯留装置1600内に貯留された球が特定一般入賞口630aに入球しやすくすることができる。
以上、説明をしたように、本第3実施形態では、第2貯留装置1600に球を貯留させる期間(貯留弁1601aが閉鎖状態である期間)と、第2貯留装置1600に球を貯留させることなく流下させる期間(貯留弁1601aが解除(開放)状態である期間)とをそれぞれ、変更することで、1の大当たり遊技終了後に確変状態が付与されやすい状態と、1の大当たりの次の大当たり遊技終了後に確変状態が付与されやすい状態とを設定することができるため、様々の遊技性を持たせたパチンコ機を提供することができ、遊技者の遊技の興趣を高めることができるという効果がある。
<第4実施形態における電気的構成について>
次に、図121を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。第4実施形態における電気的構成は、第1実施形態における電気的構成に対して、主制御装置110のROM202およびRAM203の構成が一部変更されている点、音声ランプ制御装置113のROM222およびRAM223の構成が一部変更されている点、主制御装置110の入出力ポート205に対して接続されていた貯留装置用ソレノイド610および流路用ソレノイド611を削除した点、音声ランプ制御装置113の入出力ポート225に対して各種センサ群229(通過センサ2600a〜2600c)が電気的に接続されている点で相違している。その他の電気的構成については、第1実施形態における電気的構成と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
図121に示した通り、第4実施形態では各種センサ群229が入出力ポート225と電気的に接続されている。この各種センサ群229は、上述した振分装置2600への球の流入を検知する通過センサ2600aと、振分装置2600に設けられた左排出口2607を球が通過したことを検知する通過センサ2600bと、振分装置2600に設けられた右排出口2606を球が通過したことを検知する通過センサ2600cとから構成されており、上述した各種センサから検知信号が音声ランプ制御装置113へと出力される。
音声ランプ制御装置113では、上述した各種センサから出力される検知信号を受けることで振分装置2600内に流入した球が正常に排出されているかを判別可能にしている。具体的には、通過センサ2600aから出力される信号に基づいて振分装置2600内に流入した球数を算出する。そして、通過センサ2600bおよび通過センサ2600cから出力される信号に基づいて振分装置2600の外部に排出された球数を算出する。
これにより、振分装置2600に流入した球の総数と、振分装置2600から排出された球の総数とを比較することが可能となる。より具体的に説明をすると、振分装置2600に流入した球数と振分装置2600から排出された球数とを時系列的に算出し、所定の時間差(約3秒)、つまり、振分装置2600内を遊技球が正常に流下するのに必要とする時間分の時間差を考慮した球数の増減が一致する場合は正常と判別する。
このように振分装置2600内に流入した球を監視することにより、例えば、振分装置2600内に球を滞留させておき、遊技者にとって最も有利な特典が付与されるタイミング(例えば、大当たり遊技中)に特定一般入賞口630aに球を入球させる不正行為を抑制することができるという効果がある。
さらに、振分装置2600に設けられた通過センサ2600a〜2600cの検出結果と、特定一般入賞口630aに入球した球を検知するセンサ(図示せず)の検出結果とを用いて特定一般入賞口630aへの不正な入球を監視できるように構成してもよい。具体的には、振分装置2600の右排出口2606を通過する球の総数よりも、特定一般入賞口630aに入球した球数が多い場合に不正な入球が行われたと判別可能に構成すればよい。このような構成を用いることで、例えば、遊技盤13の表面を覆うガラスユニット16に穴を開け、振分装置2600を介すことなく特定一般入賞口630aに球を入球させる行為を適正に把握することができる。
次に、図122(a)を参照して、主制御装置110のROM202について説明する。図122(a)は、主制御装置110に設けられているROM202の内容を模式的に示した図である。図122(a)に示した通り、本実施形態のROM202は、第1実施形態におけるROM202の構成に対し、第1当たり種別選択テーブル202bの内容が変更され、第2開放シナリオ設定テーブル202eが追加されている点で相違している。
ここで、図122(b)を参照して、第4実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bについて説明する。図122(b)は第4実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bに規定されている内容を模式的に示した図である。本実施形態の第1当たり種別選択テーブル202bは上述した第1実施形態における第1当たり種別選択テーブル202b(図18(b)参照)に対して、大当たり種別として大当たりCを追加した点と、各大当たり種別(大当たりA〜大当たりC)に規定されている内容を変更した点と、各大当たり種別(大当たりA〜大当たりC)に対応する第1当たり種別カウンタC2の当たりが変更されている点で相違し、その他の構成は上述した第1実施形態の特図1用種別選択テーブル202b1と同一であり、その詳細な説明を省略する。
具体的には、図122(b)に示した通り、特別図柄1に対応する大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲には、大当たりAが対応付けられて規定されている。この大当たりAは、詳細は図123を参照して後述するが、特別遊技状態(大当たり状態)が8ラウンド継続し、大当たり遊技中に第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650の両方が閉状態となる期間が通常よりも長い(2秒)有利インターバルが設定されない大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜69」の範囲には、大当たりBが対応付けられて規定されている。この大当たりBは、特別遊技状態(大当たり状態)が15ラウンド継続し、大当たり遊技中に第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650の両方が閉状態となる期間が通常よりも長い(2秒)有利インターバルが3回設定される大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の値が「70〜99」の範囲には、大当たりCが対応付けられて規定されている。この大当たりCは、特別遊技状態(大当たり状態)が2ラウンド継続し、大当たり遊技中に第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650の両方が閉状態となる期間が通常よりも長い(2秒)有利インターバルが1回設定される大当たりである。なお、この大当たりCによるラウンド遊技は大当たりAおよび大当たりBとは異なり、ラウンド遊技の終了条件が、1秒経過または10個の入球と設定されている。よって、大当たりCは払い出される賞球が少ない(ほぼ0)大当たりとして設定されている。
このように、大当たり種別に応じて特別遊技状態(大当たり状態)が継続するラウンド数および有利インターバル回数が設定されているため、大当たりに当選した際に設定される大当たり種別に応じて遊技者に対して異なる有利状態を付与することが可能となる。
次に、特別図柄2に対応する大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜19」の範囲には、大当たりAが対応付けられて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「20〜89」の範囲には、大当たりBが対応付けられて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「90〜99」の範囲には、大当たりCが対応付けられて規定されている。なお、特別図柄2に対応して規定されている大当たり種別A〜Cに設定されている内容については、上述した特別図柄1と同様であるため詳細な説明を省略する。
上述したように、本第4実施形態では特別図柄1で大当たりに当選した場合には、大当たりAが50%、大当たりBが20%、大当たりCが30%の割合で選択され、特別図柄2で当選した場合には、大当たりAが20%、大当たりBが70%、大当たりCが10%の割合で選択される。
ここで、大当たりAから大当たりCのうち、大当たり遊技中において有利インターバル回数が多く(3回)設定される大当たり種別は大当たりBである。つまり、特別図柄1を用いた特別図柄遊技よりも、特別図柄2を用いた特別図柄遊技のほうが、遊技者にとって有利となる(確変状態が付与されやすい)遊技が選択されやすくなるよう構成されている。
次に、図123を参照して、本第4実施形態における第2開放シナリオ設定テーブル202fについて説明をする。図123(a)は、第4実施形態における第2開放シナリオ設定テーブル202fに規定されている内容を模式的に示した図である。
この第2開放シナリオ設定テーブル202fは、通常遊技状態において大当たりに当選した場合に参照される第2開放シナリオ設定テーブル(通常)202f1と、確変状態において大当たりに当選した場合に参照される第2開放シナリオ設定テーブル(確変)202f2とを有しており、それぞれ第1当たり種別選択テーブル202bにて選択された大当たり種別に対応した大当たり遊技の設定内容が規定されている。なお、時短状態において大当たりに当選した場合は、第2開放シナリオ設定テーブル(確変)202f2が参照されるように設定されている。
ここで、図123(b)を参照して、第2開放シナリオ設定テーブル202fに規定されている第2開放シナリオ設定テーブル(通常)202f1について説明をする。図123(b)は、第2開放シナリオ設定テーブル(通常)202f1の内容を示す模式図である。この第2開放シナリオ設定テーブル(通常)202f1は、通常遊技状態において大当たりに当選した場合に参照されるテーブルであり、選択された大当たり種別に対応して、大当たり遊技におけるオープニング期間、ラウンド間インターバル期間、エンディング期間、および、ラウンド遊技において開放制御される可変入賞装置(第1可変入賞装置65または第2可変入賞装置)が夫々規定されている。
具体的には、大当たり種別が大当たりAの場合は、オープニング期間が「5秒」、インターバル期間として、1ラウンド目〜7ラウンド目のインターバル期間が「0.2秒」(第1インターバル期間)、エンディング期間が「5秒」となるように設定される。
さらに、ラウンド遊技において開放制御される可変入賞装置を奇数ラウンド(1,3,5,7ラウンド)は第1可変入賞装置65(第1大開放口65a)、偶数ラウンド(2.4.6.8ラウンド)は第2可変入賞装置650(第2大開放口650a)が開放されるシナリオが設定される。
大当たり種別が大当たりBの場合は、オープニング期間が「5秒」、インターバル期間として、1ラウンド目〜4ラウンド目のインターバル期間が「0.2秒」(第1インターバル期間)、5〜7ラウンド目のインターバル期間が「2秒」(第2インターバル期間)、エンディング期間が「5秒」となるように設定される。
さらに、ラウンド遊技において開放制御される可変入賞装置を奇数ラウンド(1,3,5,7ラウンド)は第1可変入賞装置65(第1大開放口65a)、偶数ラウンド(2.4.6.8ラウンド)は第2可変入賞装置650(第2大開放口650a)が開放されるシナリオが設定される。
大当たり種別が大当たりCの場合は、オープニング期間が「5秒」、インターバル期間として、1ラウンド目のインターバル期間が「2秒」(第2インターバル期間)、エンディング期間が「5秒」となるように設定される。
さらに、ラウンド遊技において開放制御される可変入賞装置を奇数ラウンド(1ラウンド)は第1可変入賞装置65(第1大開放口65a)、偶数ラウンド(2ラウンド)は第2可変入賞装置650(第2大開放口650a)が開放されるシナリオが設定される。
上述したように、本第4実施形態は、連続するラウンド遊技において、上下方向に配設された2つの可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)が交互に開放制御されるよう構成し、ラウンド間インターバルとして短い時間(0.2秒)を設定可能に構成しているため、大当たり遊技中の特にラウンド間インターバルにおいて可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)に入球しない球が発生することを抑制することができる。
さらに、大当たり遊技にて実行される最初のラウンド(1ラウンド目)を上下方向に配設された2つの可変入賞装置のうち上方に設けた第1可変入賞装置65が開放するラウンドに設定しているため、ラウンド間インターバルにおいて可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)に入球しない球が発生することをより一層抑制することができる。
つまり、連続するラウンド遊技において上下方向に配設した2つの可変入賞装置を交互に開放させる制御を実行した場合、上方の可変入賞装置が開放される1のラウンドが終了すると、球が上方の可変入賞装置を通過することになる。その上方の可変入賞装置を通過した球が入球するように下方の可変入賞装置が開放されるよう制御することで、1のラウンドと次のラウンドとの間のラウンド間インターバルにおいて可変入賞装置に入球しない球が発生することを防止することが可能となる。
しかし、上述したパターンとは逆の場合、即ち、下方の可変入賞装置が開放されるラウンドと上方の可変入賞装置が開放されるラウンドとの間のラウンド間インターバルでは、閉鎖した下方の可変入賞装置を通過する球が発生してしまう。
よって、大当たり遊技にて実行される最初のラウンド(1ラウンド目)を上下方向に配設された2つの可変入賞装置のうち上方に設けた第1可変入賞装置65が開放するラウンドに設定し、大当たり遊技中に下方の可変入賞装置が開放されるラウンド遊技から上方の可変入賞装置が開放されるラウンド遊技へと移行する回数を減少させることで、ラウンド間インターバルにおいて可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)に入球しない球が発生することをより一層抑制することができる。
また、本第4実施形態では、ラウンド間インターバルとして第1インターバル(0.2秒)と第2インターバル(2秒)の何れかが設定されるように構成されている。このうち、第1インターバル(0.2秒)は、上述したように大当たり遊技中に発射された球が可変入賞装置(第1可変入賞装置65または第2可変入賞装置650)が閉鎖状態となるインターバル期間中に可変入賞装置(第1可変入賞装置65または第2可変入賞装置650)を通過してしまうことを抑制するために設定されるものである。
一方、第2インターバル(2秒)は、インターバル期間中に可変入賞装置(第1可変入賞装置65または第2可変入賞装置650)を通過する球を意図的に発生させるために設定されるものである。
このように、大当たり種別に対応してインターバル期間(第1インターバル期間および第2インターバル期間)を変更することにより、大当たり遊技中において、振分装置2600へ流入する球が発生する割合を変更することが可能となる。
即ち、大当たり種別によって大当たり遊技の確変入賞有効期間中に特定入賞口630aに球が入球する期待度を異ならせることができる。つまり、大当たり種別によって、確変状態が付与されやすい大当たりと確変状態が付与されにくい大当たりとを設定することが可能となる。
なお、本第4実施形態では、遊技者に有利となる第2インターバル(2秒)が複数設定される大当たり種別である大当たりBにおいて、第2インターバルが大当たり遊技の終盤(5ラウンド目〜7ラウンド目)に設定されるように規定している。これは、大当たり遊技中に遊技者に有利な第2インターバルが発生する期待を最後まで持たせるためであるが、第2インターバルを設定する期間を別の期間にしてもよい。例えば、下方に設けられた可変入賞装置(第2可変入賞装置650)が開放されるラウンドが終了した後のインターバル期間を第2インターバル期間に設定するとよい。
具体的には、大当たりBの場合、2ラウンド目、4ラウンド目、6ラウンド目のインターバル(計3回)を第2インターバルに設定するとよい。このように構成することで、連続するラウンド遊技において上下方向に配設した2つの可変入賞装置を交互に開放させる制御を実行するパチンコ機10において、何れの可変入賞装置にも入球しない球が発生する可能性が高いラウンド間インターバルを第2インターバルに設定することになる。
よって、意図的に何れの可変入賞装置にも入球しない球を発生させるための第2インターバルが設定されたラウンド間インターバル以外のラウンド間インターバルにおいて、振分装置2600に球が入球する事態が発生することを抑制することができるという効果がある。
一方、図123(c)に示す通り、第2開放シナリオ設定テーブル202fには、第2開放シナリオ設定テーブル(確変)202f2も設定されている。図123(c)は、第2開放シナリオ設定テーブル(確変)202f2の内容を示す模式図である。この第2開放シナリオテーブル(確変)202f2は、確変(時短)状態中に大当たりに当選した場合に参照されるテーブルであり、上述した第2開放シナリオ設定テーブル(通常)202f1に対して、ラウンド間インターバルのうち第2インターバルとして設定される時間が「2秒」から「4秒」に変更されている点で相違している。それ以外の内容は同一であるため、その詳細な説明は省略する。
このように構成することにより、確変(時短)状態中に大当たりに当選すると、第2インターバルとして設定される時間が長くなることから、大当たり遊技中に振分装置2600へ入球する球の割合を増加させることができる。
よって、確変(時短)状態中の大当たり当選により確変状態が付与される確率を通常遊技状態中の大当たり当選により確変状態が付与される確率よりも高くすることが可能となるため、遊技者に対して有利となる遊技状態を継続して提供しやすくすることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
また、本実施形態では、大当たり遊技中に開放される可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)とは別に特定一般入賞口630aを設け、その特定一般入賞口630aに確変入賞有効期間(大当たり遊技中の1ラウンド目のラウンド遊技が開始されてから、最終ラウンドのラウンド遊技が終了するまでの期間)内に球を通過させることで、大当たり遊技終了後に確変状態を付与するように構成している。よって、上述した大当たりCのように可変入賞装置(第1可変入賞装置65または第2可変入賞装置650)が開放される期間が短い(1秒)大当たり、つまり、殆ど賞球が払い出されない大当たりであったとしても、ラウンド間のインターバル期間を長く設定することにより、確変入賞有効期間を長くすることができる。
これにより、賞球の払い出しが殆ど無い大当たり(可変入賞装置が開放される期間が短い大当たり)であっても、大当たり遊技終了に確変を付与するか否かを決定する遊技を十分に楽しませることができるという効果がある。
さらに、本実施形態では通常遊技状態で大当たりCが選択されるよりも確変(時短)状態で大当たりCが選択されたほうがラウンド間のインターバル期間が長くなるように構成されている。よって、賞球の払い出しが殆ど無い大当たり(可変入賞装置が開放される期間が短い大当たり)において、遊技状態に応じて確変入賞有効期間の長さを変更し、大当たり遊技終了に確変を付与しやすい大当たりと、付与しにくい大当たりとを設定することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
なお、本実施形態では大当たりの種別として大当たりA、大当たりB、大当たりCの3種類設けているが、大当たり種別の種類をさらに増やしてもよい。この場合、例えば、大当たりCに対して異なる期間のラウンド間インターバルが設定される大当たり種別を複数設けると良い。このように構成することで、賞球の払い出しが殆ど無い大当たりを用いて、確変状態を獲得するか否かの遊技を行わせることができる。
次に、図124を参照して、本第4実施形態の大当たり遊技の流れについて説明をする。図124(a)は、通常遊技状態(通常状態)で大当たりに当選し、大当たり種別として大当たりBが選択された場合における大当たり遊技の流れを示すタイミングチャートであり、図124(b)は、確変遊技状態(確変状態)で大当たりに当選し、大当たり種別として大当たりBが選択された場合における大当たり遊技の流れを示すタイミングチャートである。
まず、通常状態で大当たりに当選した場合における大当たり遊技の流れについて図124(a)を参照して 説明する。大当たりBは図122(b)に示す通り8ラウンドの大当たりである。また、通常状態で大当たりBが選択されると、図123(b)に示す通り、オープニング期間が5秒、ラウンド間インターバルとして1ラウンド目〜4ラウンド目が0.2秒、5ラウンド目〜7ラウンド目が2秒に設定され、エンディング期間が5秒に設定される。
よって、図124(a)に示す通り、大当たり遊技が開始されて5秒経過すると、オープニング期間が終了し、1ラウンド目のラウンド遊技が開始される。この1ラウンド目のラウンド遊技は第2可変入賞装置650の上方に設けられた第1可変入賞装置65(第1大開放口65a)が開放されるラウンド遊技である。このラウンド遊技は30秒が経過するか、第1可変入賞装置65(第1大開放口65a)に10個の球が入球することで終了する。
ここで、1ラウンド目のラウンド遊技が開始されると、確変入賞有効フラグ203sがオンに設定される。確変入賞有効フラグ203sがオンに設定されている間は、特定一般入賞口630aに球が入球するとその大当たり遊技終了後に確変状態が付与される確変入賞有効期間となる。
そして、1ラウンド目が終了すると、1ラウンド目のインターバル期間として第1インターバル(0.2秒)が開始され、第1インターバル(0.2秒)が終了すると、第1可変入賞装置65の下方に設けられた第2可変入賞装置650(第2大開放口650a)が開放される2ラウンド目のラウンド遊技が開始される。
このように構成することで、1ラウンド目が終了し、閉鎖した状態の第1可変入賞装置65(第1大開放口65a)を通過した球を2ラウンド目のラウンド遊技にて第2可変入賞装置650(第2大開放口650a)に入球させることができる。よって、大当たり遊技中において、可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)に効率よく球を入球させることができるため、遊技者に対して円滑に実行可能な大当たり遊技を提供することができるという効果がある。
そして、第2可変入賞装置650(第2大開放口650a)が開放される6ラウンド目のラウンド遊技が終了すると、6ラウンド目のインターバル期間として第2インターバル(2秒)が開始され、第2インターバル(2秒)が終了すると、第2可変入賞装置650の上方に設けられた第1可変入賞装置65(第1大開放口65a)が開放される7ラウンド目のラウンド遊技が開始される。
ここで、6ラウンド目のインターバル(本実施形態では、5,6,7ラウンド目のインターバルが相当)は、第1インターバル(0.2秒)よりも長い第2インターバル(2秒)が設定される。この第2インターバルを設定することにより、大当たり遊技中に振分装置2600に球が流入しやすい期間を設定することが可能となる。具体的には、2秒の間第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650が閉鎖状態となるため、3個の球が振分装置2600へ流入することになる。
そして、図示はしないが、8ラウンド目のラウンド遊技(第2可変入賞装置650(第2大開放口650a)が開放されるラウンド遊技)が終了すると、確変入賞有効フラグがオフに設定され、その後、エンディング期間(5秒)を経て大当たり遊技が終了する。
以上、説明をしたように、本第4実施形態では、ラウンド間のインターバル期間として、遊技球が振分装置2600に流入し難い第1インターバル(0.2秒)と、第1インターバルよりもインターバル期間が長く設定することで、振分装置2600に流入しやすい第2インターバル(2秒)を設定可能に構成し、大当たりに当選した際に選択される大当たり種別に基づいて、ラウンド間のインターバル期間として第2インターバルが設定される回数を異ならせている。
これにより、大当たり種別によって確変入賞有効期間中に振分装置2600に球が流入する頻度を異ならせることで、特定一般入賞口630aに球が入球する確率(入球のし易さ)を異ならせることが可能となる。
また、振分装置2600に流入した球は第1振分部材1901および第2振分部材1902により規則的に振分けられるため(図120参照)、所定数(本実施形態では4個)の球が振分装置2600に流入することで、確実に特定一般入賞口630aに球を入球させることができる。
さらに、振分装置2600内の各振分部材(第1振分部材1901および第2振分部材1902)の振分状況によっては、確変入賞有効期間中に1個の球が振分装置2600に流入するだけで特定一般入賞口630aに球が入球する可能性もあるため、遊技者は振分装置2600に球が流入する度に特定一般入賞口630aに球が入球することを期待しながら遊技を実行することになる。よって、大当たり遊技中に遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、第2インターバルが設定されない大当たり遊技(本実施形態では大当たりA)が実行されたとしても、その大当たり遊技の終了後に確変状態が付与されないことが確定したわけではなく、例えば、第2可変入賞装置650(第2大開放口650a)が開放されるラウンド遊技が終了し、第2可変入賞装置650(第2大開放口650a)が閉鎖している間(第1インターバル(0.2秒))に球が第2可変入賞装置650を通過させることで振分装置2600へ球を入球させることができる。
よって、全ての大当たり遊技において、その大当たり遊技が終了した際に確変状態が付与される可能性があるため、遊技者はどの大当たりに当選したとしても最後まで確変状態が付与されることを期待して遊技を行うことができる。
次に、確変遊技状態(確変状態)で大当たりに当選した場合における大当たり遊技の流れについて図124(b)を参照して 説明する。確変遊技状態(確変状態)で大当たりBに当選すると、図124(a)で示す通常遊技状態で大当たりBに当選した場合に対して、第2インターバルの時間が2秒から4秒に延長されている点で相違する。
よって、図124(b)に示す通り、6ラウンド目のインターバル(本実施形態では、5,6,7ラウンド目のインターバルが相当)は、第1インターバル(0.2秒)よりも長い第2インターバル(4秒)が設定される。この第2インターバルを設定することにより、大当たり遊技中に振分装置2600に球が流入しやすい期間を設定することが可能となる。具体的には、4秒の間第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650が閉鎖状態となるため、6個の球が振分装置2600へ流入することになる。
つまり、確変状態で大当たりに当選した場合は、第2インターバルが1回以上設定される大当たりBおよび大当たりCが選択されることで確変入賞有効期間中に振分装置2600に4個以上の球を流入可能となり、高確率で大当たり遊技終了後に確変状態が付与されるため、通常遊技状態で大当たりに当選した場合よりも高い確率で、大当たり終了後に確変状態が付与される。
よって、通常遊技状態よりも遊技者に有利となる確変状態に移行すると、その確変状態が継続しやすくなるため、確変状態に移行した直後に通常遊技状態に移行してしまい遊技者に不満感を与えてしまうという事態を抑制することができるという効果がある。
以上、説明をしたように、本第4実施形態では、上下に2つの可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)を配設し、連続するラウンド遊技において2つの可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)を交互に開放させることで、大当たり遊技中に発射された球を効率よく可変入賞装置へと入球させる構成を有し、その2つの可変入賞装置の下方に特定一般入賞口630aへと球を振り分ける振分装置2600を設けた。
これにより、大当たり遊技中に2つの可変入賞装置の何れにも入球しなかった球、即ち、従来では無駄球となっていた球が振分装置2600へ流入することで、特定一般入賞口630aへ入球可能としている。
よって、遊技者に対して大当たり遊技中に発射された全ての球を用いた遊技を提供することが可能となるため、意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
次に、図125を参照して、本第4実施形態におけるパチンコ機10の第3図柄表示装置81に表示される演出内容について説明をする。本第4実施形態では、上述した第1実施形態に対して、大当たり遊技中の演出として第2インターバル期間に実行されるインターバル演出と、大当たり終了後に確変状態が付与されるか否かを6ラウンド目のラウンド遊技中に報知するラウンド演出が実行される点で相違している。
まず、インターバル演出について、図125(a)を参照して説明をする。まず、図125(a)を参照して、大当たり遊技中の第3図柄表示装置81の表示内容について説明をする。図125(a)は、第3図柄表示装置81の表示画面の一例を示す模式図である。本第4実施形態における第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示領域は、上述した第2実施形態の表示画面(図76参照)に対して、遊技者が狙う箇所を示す概略図が振分装置2600に変更されている点で相違し、それ以外は同一であるため、同一の符号を付してその説明を省略する。
図125(a)に示す表示画面は、5ラウンド目のラウンド遊技が終了して5ラウンド目のインターバル期間中(2秒間)に表示されるインターバル演出を示すものであり、第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650の何れも閉鎖状態となり、振分装置650に球を流入可能な状態であることを遊技者に報知するための画面である。なお、このインターバル演出は、第2インターバルが設定されるラウンド間インターバルにて毎回表示される演出である。
そして、5ラウンド目のインターバル期間が終了し、6ラウンド目のラウンド遊技が開始されると、図125(b)に示す表示画面が表示される。ここで、図125(b)を参照して、6ラウンド目のラウンド遊技中における第3図柄表示装置81の表示画面について説明をする。図125(b)は、第3図柄表示装置81の表示画面の一例を示す模式図である。本第4実施形態では、確変入賞有効期間(図124参照)が開始されてから5ラウンド目のインターバル期間までの間に特定一般入賞口630aに球が入球したことを(大当たり終了後に確変状態が付与されることが確定したことを)、6ラウンド目のラウンド遊技中に遊技者に報知するラウンド演出が実行される。
ここで、既に大当たり終了後に確変状態が付与されることが確定している場合は、図122(b)に示すように「GETおめでとう」と遊技者を祝福する内容の演出が表示される。一方、ラウンド演出が実行される段階で未だ確変状態が付与されることが確定していない場合は、「残念まだあきらめるな」と遊技者を励ます内容の演出が表示される(図示せず)。
本実施形態では、大当たり遊技の最終ラウンドが終了するまでの間、確変入賞有効期間が継続するため、6ラウンド目のラウンド遊技が実行される段階において、確変状態が付与されることが確定していなくても、まだ確変状態が付与される可能性が残っている。これにより、ラウンド演出を実行することにより、確変状態が付与されることが報知された遊技者に対しては、安心して残りの大当たり遊技を実行させることができ、一方、確変状態が付与されることが確定していないと報知された遊技者に対しては、残りの大当たり遊技機間を意欲的に遊技させることができる。
なお、上述した大当たり遊技中の演出以外にも、確変入賞有効期間中に特定一般入賞口630aに球が入球した場合に即座に告知する演出や、大当たり遊技が終了するまで確変状態が付与されるか否かを遊技者に報知しない演出を実行してもよい。
次に、図121に戻り、本第4実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明をする。本第4実施形態におけるRAM223は、第1実施形態におけるRAM223に設けられていた入賞回数カウンタ223jが削除されており、確変通過フラグ223pが追加されている。
確変通過フラグ223pは、大当たり遊技中において、確変入賞有効期間内に特定一般入賞口630aに球が入球したことで大当たり遊技終了後に確変状態が付与されることが確定したことを示すフラグである。確変通過フラグ223pがオンに設定されることにより、大当たり遊技終了後に確変状態が付与されることを報知するラウンド演出が実行される(図125(b)参照)。この確変通過フラグ223pは図126を参照して後述する入賞処理4(S1111)において、確変入賞有効フラグ203sがオンに設定されている間(確変入賞有効期間内)に、特定一般入賞口630aに設けられている確変スイッチを球が通過したことに基づいて設定される状態コマンド(図126のS1453)を、音声ランプ制御装置113が受信することによりオンに設定され(図127のS4952)、図128を参照して後述するラウンド演出処理(S4953)において、オフに設定される(S5106)。
<第4実施形態における主制御装置の制御処理について>
次いで、図126を参照して、第4実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される処理について説明する。本第4実施形態では、上述した第1実施形態に対して貯留装置600(図2参照)を削除しているため、貯留装置600に設けられる貯留弁607a(図8参照)に関する制御処理を削除した点、第2可変入賞装置650内の流路切換弁650d(図15参照)を削除しているため、流路切換弁650dに関する制御処理を削除した点、大当たり制御処理(図35参照)において実行される入賞処理(図35のS1111)の内容を入賞処理4(図126参照)に変更した点で相違している。
以下では、本第4実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種処理のうち、上述した第1実施形態から変更した点の説明のみを行い、第1実施形態から変更されていない処理、および単純に処理を削除した点については、その詳細な説明を省略する。
まず、図126を参照して、第4実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される入賞処理4(S1111)について説明する。図126は、入賞処理4(S1111)の内容を示すフローチャートである。この入賞処理4(S1111)は、上述した第1実施形態の入賞処理(図38参照)に対して、確変入賞有効フラグ203sがオンに設定されている場合のみ処理を実行するよう変更した点(S1451)、確変入賞有効フラグ203がオンに設定されている期間中に確変スイッチ(特定一般入賞口630a)を通過(に入球)することで確変設定フラグ203hがオンに設定されるよう制御内容を変更した点(S1452)、確変設定フラグ203hがオンに設定された場合に、確変通過状態に対応する状態コマンドを設定する点(S1453)で相違し、それ以外の処理については同一である。なお、同一の処理については同一の符号を付し、その詳細な説明については省略する。
また、入賞処理4(S1111)にて実行される処理のうち、S1451およびS1452の処理については、上述した第3実施形態の入賞処理3(図113)と同一の処理であるため、同一の符号を付し、その詳細な説明については省略する。
図126に示す通り、入賞処理4(S1111)が実行されると、上述した第3実施形態の入賞処理3(図113参照)と同様にS1451の処理が実行され、その後、上述した第1実施形態の入賞処理(図38参照)と同様にS1402〜S1406の処理が実行される。その後、上述した第3実施形態の入賞処理3(図113参照)と同様にS1452の処理が実行され、上述した第1実施形態の入賞処理(図38参照)と同様にS1410、S1412の処理が実行される。
S1412の処理を終えると、次に、確変通過状態に対応する状態コマンドを設定し(S1453)、本処理を終了する。このS1453の処理では、確変入賞有効フラグ203sがオンに設定されている間(大当たり遊技において最初のラウンドが開始されてから最後のラウンドが終了するまでの間)に、特定一般入賞口630aに球が入球した(球が確変スイッチを通過した)こと、即ち、大当たり終了後に確変状態が付与されることが確定している状態であることを示す確変通過コマンドが設定される。
この確変通過コマンドは、主制御装置110のメイン処理(図34参照)にて実行される外部出力処理(S1001)にて、音声ランプ制御装置113へ出力される。S1453の処理において設定された状態コマンドを音声ランプ制御装置113が受信することで、大当たり遊技中に実行されるラウンド演出(図125(b)参照)のように、大当たり遊技が終了するまでに、その大当たり遊技の終了後に確変状態が付与されるか否かを報知することが可能となる。
<第4実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次いで、図127および図128を参照して、第4実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種処理について説明する。本第4実施形態では、メイン処理(図42参照)のコマンド判定処理4の内容を第1実施形態から変更した点で相違している。以下では、本第4実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種処理のうち、上述した第1実施形態と相違する点の説明のみを行い、第1実施形態から変更されていないその他の処理については、その詳細な説明を省略する。
まず、図127を参照して、本第4実施形態にて実行されるコマンド判定処理4(S1811)について説明をする。図127はコマンド判定処理4(S1811)の内容を示すフローチャートである。このコマンド判定処理4(S1811)は、上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図43参照)と同様に、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図42参照)にて実行される処理であり、主制御装置110から出力された各種コマンドに対して実行される処理である。
このコマンド判定処理4(S1811)は、上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図43参照)に対して、確変通過コマンドを受信した場合に実行される処理を追加した点と、入賞情報コマンドを受信した場合に実行される処理の内容を変更した点と、ラウンド数コマンドを受信した場合に実行される処理の内容を明記した点とで相違し、その他の処理については同一である。なお、上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図43参照)において実行されるS1904〜S1910の処理は、本第3実施形態のコマンド判定処理3においても実行される処理であるが、その他のコマンドに応じた処理(S1919)に含まれるものとし、その処理の図示を省略する。また、図115にて図示した処理のうち、上述した第1実施形態と同一の処理については、同一の符号を付しその詳細な説明を省略する。
図127に示す通り、コマンド判定処理4(S1811)が実行されると、上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図43参照)と同様にS1901〜S1903の処理が実行される。S1901の処理にて変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合は(S1901:No)、次に、確変通過コマンドを受信したかを判別する(S4951)。確変通過コマンドを受信したと判別した場合には(S4951:Yes)、確変通過フラグ223pをオンに設定し(S4952)、本処理を終了する。
一方、S4951の処理にて確変通過コマンドを受信していないと判別された場合は(S4951:No)、次に、入賞情報コマンドを受信したかを判別する(S1911)。ここで、入賞情報コマンドを受信したと判別した場合は(S1911:Yes)、受信したコマンドに基づいて入賞情報格納エリアに格納されているデータを更新し(S4953)、本処理を終了する。
S1911の処理において、入賞情報コマンドを受信していないと判別された場合は(S1911:No)、その後、上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図43参照)と同様にS1913〜S1918の処理を実行する。そして、1916の処理においてエンディングコマンドを受信していないと判別された場合に(S1916:No)、ラウンド数コマンドを受信したかを判別する(S4954)。
ここで、ラウンド数コマンドを受信したと判別された場合は(S4954:Yes)、ラウンド演出処理が実行される(S4955)。このラウンド演出とは、大当たり遊技中に実行される演出の内容を決定する処理であり。その詳細な内容については図128を参照して後述する。
ラウンド演出処理(S4955)が終了すると、次に、表示用ラウンド数コマンドを設定し(S4956)、本処理を終了する。この表示用ラウンド数コマンドは、音声ランプ制御処理113のメイン処理(図42参照)にて実行されるコマンド出力処理(S1802)にて表示制御装置114に出力されることで、現在実行されているラウンド遊技のラウンド数が第3図柄表示装置81に表示される(図125(a)参照)。
S4954の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合は(S4954:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行する(S1919)。なお、このその他のコマンドに応じた処理としては上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図43参照)にて説明した処理に加え、第1実施形態のコマンド判定処理のS1904〜1910の処理が含まれている。
次に、図128に参照して、コマンド判定処理4(図127のS1811)にて実行されるラウンド演出処理(S4955)について説明をする。図128はラウンド演出処理(S4955)の内容を示すフローチャートである。このラウンド演出処理(4955)は、大当たり遊技中における第3図柄表示装置81の表示内容を決定する処理であり、具体的には、図125(b)に示すラウンド演出の表示内容を決定する処理が実行される。
ラウンド演出処理(S4955)が実行されると、まず今回受信したラウンド数コマンドに基づいて、現在のラウンド数を抽出する(S5101)。そして、現在のラウンド数が6であるか、つまり、6ラウンド目が開始されるタイミングであるかが判別される(S5104)。
ここで、現在のラウンド数が6ではない(6ラウンド目が開始されるタイミングではない)と判別された場合は(S5102:No)、抽出したラウンド数に対応する表示用ラウンド数コマンドを設定し(S5103)、本処理を終了する。一方、S5102の処理において、現在のラウンド数が6であると判別された場合は(S5102:Yes)、次に、確変通過フラグ223pがオンであるかを判別する(S5104)。
S5104の処理において、確変通過フラグ223pがオンに設定されていると判別された場合は(S5104:Yes)、確変ルート通過(確変通過コマンドを受信したこと)を示す表示用ラウンドコマンドを設定する(S5105)。この確変ルート通過を示す表示用ラウンドコマンドが設定されることにより、6ラウンド目のラウンド遊技中に「GETおめでとう」と遊技者を祝福する画像が表示される(図125(b)参照)。
そして、S5105の処理を終えると、次いで、確変通過フラグ223pをオフに設定し(S5106)、本処理を終了する。一方、S5104の処理において確変通過フラグ223pがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別された場合は(S5104:No)、確変ルート非通過(確変通過コマンドを受信していないこと)を示す表示ラウンドコマンドを設定し(S5107)、本処理を終了する。この確変ルート非通過を示す表示ラウンドコマンドが設定されることにより、6ラウンド目のラウンド遊技中に「残念あきらめるな」と遊技者を励ます画像が表示される(図示せず)。
以上、説明をしたように本第4実施形態では、大当たり遊技中における確変入賞有効期間(図124参照)内に特定一般入賞口630aに球が入球したことを示す情報を主制御装置110から音声ランプ制御装置113へと出力可能に構成しているため、例えば、大当り遊技が終了するまでに、今回の大当り遊技終了後に確変状態が付与されるか否かを報知することが可能となる。
また、本実施形態では、大当たり遊技の最終ラウンドが終了するまでの間、確変入賞有効期間が継続するため、6ラウンド目のラウンド遊技が実行される段階(途中段階)において、確変状態が付与されることが確定していなくても、まだ確変状態が付与される可能性が残っている。これにより、6ラウンド目のラウンド遊技中に表示されるラウンド演出を実行することにより、確変状態が付与されることが報知された遊技者に対しては、安心して残りの大当たり遊技を実行させることができ、一方、確変状態が付与されることが確定していないと報知された遊技者に対しては、残りの大当たり遊技機間を意欲的に遊技させることができる。
なお、上述した大当たり遊技中の演出以外にも、確変入賞有効期間中に特定一般入賞口630aに球が入球した場合に即座に告知する演出や、大当たり遊技が終了するまで確変状態が付与されるか否かを遊技者に報知しない演出を実行してもよい。
なお、本第4実施形態では、2つの可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)を設けているが、可変入賞装置の数は1つでも良い。また、可変入賞装置の構成として、1つの可変入賞装置が球の流下方向の上流側と下流側とに2つの開口部を有する構成にし、それら2つの開口部を1つの開閉部材で開閉するようにしてもよい。このような構成にすることで、大当たり遊技中のラウンド間で可変入賞装置に入球しない球の発生を抑制することができる。
また、本第4実施形態では、2つの可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)の下方に特定一般入賞口630aを設けているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、特定一般入賞口630aの下方に可変入賞装置を配置する構成にしてもよい。このように構成することで、大当たり遊技中の確変入賞有効期間中に特定一般入賞口630aに球を入球させやすくすることができる。
さらに、特定一般入賞口630aの上方に振分装置2600を設けるとよい。このように構成することで、例えば、短期間で大当たり遊技が終了してしまう大当たり(例えば、2ラウンド大当たり)に当選した場合において、その大当たり遊技中の確変入賞有効期間内に特定一般入賞口630aに球が入球するか否かが振分装置2600球の振り分け状況によって決定されるという遊技性を提供することができる。
このような遊技性は、本実施形態のように確変入賞有効期間内に入球(通過)することで確変状態が付与可能となる特定領域(特定一般入賞口630a)を可変入賞装置とは別に設けているから実現できるものであり、払い出される球が少ない大当たり(可変入賞装置が開放される期間が短い大当たり、例えば2ラウンド大当たり)に当選した場合であっても確変状態を付与させる遊技を実行させることができる。
よって、従来遊技者にとって不利であった払い出される球が少ない大当たり(可変入賞装置が開放される期間が短い大当たり、例えば2ラウンド大当たり)であっても遊技者の遊技意欲を高めることができるという効果がある。
<第5実施形態>
次に、図129〜図149を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第3実施形態では、第2貯留装置1600を設け、その第2貯留装置1600内に球が流下可能な流路が複数設けられており、流下する流路によって球が特定一般入賞口(確変入賞口)630aや一般入賞口(大価値入賞口)630bに入賞可能に構成している。また、第2貯留装置1600には、一部の流路を流下する球を貯留可能な貯留弁1600aが設けられている。
これに対して第5実施形態では、第3実施形態の第2貯留装置1600に代えて、第3貯留装置3600、第1振分部材3901および第2振分部材3902、第1ゲート670を設けている。
さらに、本第5実施形態は上述した第4実施形態と同様に遊技盤13の右側領域(遊技盤13の右側の領域、つまり、可変表示装置ユニット80の右側に設けられる領域)に第1可変入賞装置65を設け、その第1可変入賞装置65の下方に第2可変入賞装置650を設けている。なお、第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650の構成については上述した第4実施形態と同一であるため、同一の符号を付してその詳細な説明については省略する。
この第5実施形態におけるパチンコ機10が第3実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、第2可変入賞装置650を追加した点、第2貯留装置1600に代えて第3貯留装置3600を設けた点、第1振分部材3901および第2振分部材3902を設けた点、第1ゲート670を設けた点、主制御装置110のROM202、RAM203の構成が一部変更されている点、音声ランプ制御装置113のROM222、RAM223の構成が一部変更されている点、主制御装置110のMPU201により実行される一部処理が第3実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が第3実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第3実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第3実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図129を参照して、本第5実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13について説明する。図129は、第5実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13を示す正面図である。図129に示した通り、第5実施形態のパチンコ機10では、第3実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13に対して、右側領域(遊技盤13の右側の領域、つまり、可変表示装置ユニット80の右側に設けられる領域)に設けられる各種構成が相違している。
ここで、図130を参照して、本第5実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13の右側領域の構成について説明をする。図130は図129に示す2点鎖線CXXXの領域を拡大した図である。図130に示す通り、遊技盤13の右側領域には第1可変入賞装置65と第2可変入賞装置650が上下に配設されており、大当たり遊技中に連続して実行されるラウンド遊技に対して交互に第1可変入賞装置65と第2可変入賞装置650が開放されるように制御することで、大当たり遊技中に何れの可変入賞装置にも入球しない球が発生することを抑制するよう構成されている。なお、上下に配設される第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650の構成および動作制御については、上述した第4実施形態と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
そして、第2可変入賞装置650の下方には複数の釘が植設されており(釘K10、K11)、第2可変入賞装置650を通過した球が釘K10と釘K11の間に形成された開口部3900または、流路3910へと流下する。ここで、釘K10と、釘K11は夫々複数の釘が連接して設けられており、これら複数の釘の植設位置や傾きを変更することで開口部3900を流下する球の割合が変更可能に構成されている。
具体的には、本実施形態では、右打ち遊技によって発射され第2可変入賞装置650を通過した球のうち3球に1球の割合(約33%)で開口部3900へ流下するように構成されている。右側領域のうち流路3910を流下する球は、スルーゲート67を通過し、第2入球口640に入球可能な位置へ流下し、第2入球口640に入球しなかった球は、アウト口66(図129参照)を通って図示しない球排出路へと案内される。
また、開口部3900を流下した球は第1振分装置3901および第2振分装置3902により複数の流路(第1流路3900a〜第4流路3900d)に振分けられ、最終的に第2流路3900bおよび第4流路3900dを流下した球は、流路3910を通過した球と同様にスルーゲート67を通過し、第2入球口640に入球可能な位置へ流下し、第2入球口640に入球しなかった球は、アウト口66(図129参照)を通って図示しない球排出路へと案内される。
一方、第3流路3900cを流下した球は第1ゲート670を通過し、第3貯留装置3600へ流下する。第3貯留装置3600は、上述した第3実施形態の第2貯留装置1600に設けられた貯留弁1601aと同一に構成される貯留弁3600aを有しており、貯留弁3600aが閉鎖状態の場合は、貯留弁3600a上に滞留される(貯留される)。
この第3貯留装置3600には、図130に示す通り、貯留弁3600a上に球が1個貯留されるよう側壁3600bが設けられており、貯留弁3600a上に貯留された球が、上流から流下してきた別の球と衝突しても貯留弁3600a上に留まるよう構成されている。
また、貯留弁3600a上に球が貯留されている状態で、新たな球が第3貯留装置3600に向けて流下した場合は、貯留弁3600a上に貯留されている球と衝突し、流路3911へと案内される。流路3911へと案内された球は第2入球口640に入球可能な位置を流下し、第2入球口640に入球しなかった球は、アウト口66(図129参照)を通って図示しない球排出路へと案内される。
そして、第3貯留装置3600に貯留された球は、貯留弁3600aが開放(解除)されると、第3貯留装置3600の下方に設けられた特定一般入賞口630aへ入球する。この特定一般入賞口630aは、上述した第3実施形態と同一の構成であるためその詳細な説明を省略する。
ここで、本第5実施形態におけるパチンコ機10の遊技性のうち、特徴的な構成について簡単に説明をする。本パチンコ機10では、第1入球口64または第2入球口640に球が入球することに基づいて実行される特別図柄の抽選(当否判定)において、特別図柄の大当たりと判定された後に、第1ゲート670を球が通過した場合に、大当たり種別の判定が行われる。そして、大当たり種別が判定される(大当たり種別が選択される)ことで大当たり遊技が開始される。
また、特別図柄の当否判定において特別図柄の大当たりと判定されてから所定時間(例えば16秒)が経過すると第3貯留装置3600の貯留弁3600aが開放される。
さらに、上述した第3実施形態と同様に特定一般入賞口630aが設けられており、大当たり遊技中における特定期間内(最初(1ラウンド目)のラウンド遊技が開始されてから最終のラウンド遊技が終了するまでの間)に球が特定一般入賞口630aに入球することで、その大当たり遊技の終了後に遊技者に有利な状態である確変状態が付与される。
つまり、特別図柄の当否判定において大当たりと判定されると、第1ゲート670に球を通過させることで大当たり遊技が開始される遊技状態(大当たり待機状態)に移行するとともに、貯留弁3600aを開放(解除)させるためのカウントが開始される(例えば、16秒)。そして、特別図柄が大当たりであると判定されてから所定期間以内(例えば、9秒以内)に第1ゲート670に球を通過させると、第1ゲート670を通過した球が第3貯留装置3600に貯留された状態で大当たり遊技が開始される。
大当たり遊技が開始されると所定期間(例えば、6秒)のオープニングを経て、何れかの可変入賞装置(例えば、第1可変入賞装置65)が開放されるラウンド遊技(1ラウンド目のラウンド遊技)が開始される。そして、特別図柄が大当たりであると判定されてから所定期間が経過(例えば、16秒が経過)すると、貯留弁3600aが開放位置に可変し、第3貯留装置3600に貯留されていた球が特定一般入賞口630aに入球する。
この特定一般入賞口630aに球が入球するタイミングが、確変入賞有効期間内(1ラウンド目のラウンド遊技が開始されてから最終ラウンドのラウンド遊技が終了するまでの期間)であれば、大当たり遊技終了後に確変状態が付与される。
即ち、本第5実施形態のパチンコ機10では、特別図柄が大当たりであると判定されてから第1ゲート670に球を通過させるまでに要した期間に応じて、大当たり遊技終了後に確変状態が付与される期待度(確率)を変更させることができる。
よって、特別図柄が大当たりと判定されてから(大当たり待機状態に移行してから)第1ゲート670に球を通過させるまでの遊技を遊技者に対して意欲的に行わせることができる。
なお、本実施形態のパチンコ機では、遊技盤13の右側領域に2つの可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)を設け、その2つの可変入賞装置をラウンド遊技毎に交互に開放制御させることで大当たり遊技中に発射された球が何れの可変入賞装置にも入球しない事態を抑制している。よって、大当たり遊技内の確変入賞有効期間中に球が第2可変入賞装置650を通過し、特定一般入賞口630aに入球する頻度を下げることができる。
次に、本第5実施形態における右側領域の球流れについて図130を参照して説明をする。まず、右打ち遊技によって発射された球のうち、約33%が開口部3900を通過し、開口部3900を流下した球の50%が第1流路3900aへと振り分けられ、第1流路3900aを流下した球の50%が第3流路3900cへと振り分けられ、第3流路3900cを流下した球が特定一般入賞口630aに入球することになる。即ち、右打ち遊技によって発射された球が、約12球に1球の割合で特定一般入賞口630aに入球することになる。
また、閉鎖状態である第2可変入賞装置650を通過した球は、釘K10と釘K11により形成された開口部3900を通過して、第1振分部3901および第2振分部3902を流下し、各流路に振り分けられる。ここで、開口部3900を通過した球が第1ゲート670を通過するまでに要する時間が約1秒となるように構成されている。
そして、第1ゲート670を通過した球は、貯留弁3600aが閉鎖状態の場合は、第3貯留装置3600に貯留(保持)され、貯留弁3600aが開放(解除)状態の場合は、特定一般入賞口630aに入球する。ここで、第1ゲート670を通過した球が特定一般入賞口630aに入球するまでに要する時間が約1秒となるように構成されている。
また、貯留弁3600aが開放(解除)された場合において、貯留弁3600aに貯留(保持)されていた球が、特定一般入賞口630aに入球するまでに要する時間は0.5秒に設定されている。
このように構成することにより、特別図柄の大当たりに当選した状態(大当たり待機状態)において球が第1ゲート670を通過すると、大当たり遊技が実行される。そして、第1ゲート670を通過した球は第3貯留装置3600に貯留(保持)され、所定時間後(例えば、大当たりに当選してから16秒後)に貯留弁3600aが開放(解除)状態となり特定一般入賞装置630aに入球する。
また、第1ゲート670を球が通過した後も連続して右打ち遊技が実行されている場合であっても、次の球が第1ゲート670を通過するのは約7.2秒後(60秒で100発発射可能で、第1ゲート670を通過する球は12個に1個)となる。つまり、大当たり遊技におけるオープニング期間として7.2秒よりも短い期間(本実施形態では最長6秒)を設定することにより、大当たり遊技が開始され、オープニング期間中に2つの可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)を通過した球がラウンド遊技中に特定一般入賞口630aに入球してしまうことを抑制することができる。よって、意図しないタイミングでの特定入賞口630aへの球の入球を抑制し公正な遊技を提供することができるという効果がある。
さらに、本実施形態は特定一般入賞口630aに入球した球が適正な遊技によって発射された球であるか否かを判別可能に構成されている。図130を参照して具体的な説明をすると、開口部3900を通過する球を検知するセンサ(図示せず)と、第2流路3900bを通過する球を検知するセンサ(図示せず)と、第4流路3900dを通過する球を検知するセンサ(図示せず)が設けられており、右打ち遊技によって発射された球数を計測可能に構成している。そして、スルーゲート67を通過した球数と第1ゲート670を通過した球数とを把握可能なコマンドが主制御装置110から出力されるよう構成されている。
上述したように設けられるセンサから出力された信号および主制御装置110から出力されたコマンドに基づいて、開口部3900を通過した球数と、第2流路3900bを通過した球数、第4流路3900dを通過した球数および第1ゲート670を通過した球数の合計が一致するか否かを判別することにより、不正に(糸付きの球を用いて、1個の球を繰り返し第1ゲート670に通過させる行為)第1ゲート670に球を通過させていないかを判別することが可能に構成されている。
また、本実施形態では、開口部3900bを通過した球のうち4個に1個が第1ゲート670を通過するように構成されているため、第2流路3900bを通過した球数と第4流路3900dを通過した球数との合計と、第1ゲート670を通過した球数との比率が3対1となるか否かを判別することで適正に振分部材が球を振り分けているかを判別することが可能に構成されている。
これにより、振分部材が破損し、何れか一方の経路にのみ球を振り分けている状況や、不正に振分部材を破損させて遊技者に有利となる経路にのみ球が振り分けられるようにする不正行為が行われていることを容易に判別することができるという効果がある。
なお、上述した各センサまたは各コマンドの球数またはそれらを合計した球数を比較する場合には、所定の許容範囲を設けるとよい。これは、球が流下する際のタイムラグを考慮するものである。具体的には、開口部3900を通過した球がスルーゲート67または第1ゲート670を通過するまでに要する時間(約1秒)を考慮して判別を行うとよい。
<第5実施形態における電気的構成について>
次に、図131を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。第5実施形態における電気的構成は、第3実施形態における電気的構成に対して、主制御装置110のROM202およびRAM203の構成が一部変更されている点、音声ランプ制御装置113のROM222およびRAM223の構成が一部変更されている点、音声ランプ制御装置113の入出力ポート225に接続されている各種センサ群229を削除した点で相違している。その他の電気的構成については、第3実施形態における電気的構成と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
次に、図132(a)を参照して、主制御装置110のROM202について説明する。図132(a)は、主制御装置110に設けられているROM202の内容を模式的に示した図である。図132(a)に示した通り、本実施形態のROM202は、第3実施形態におけるROM202の構成に対し、第1当たり種別選択テーブル202bの内容が変更され、開放シナリオ設定テーブル202eを第3開放シナリオ設定テーブル202gに変更した点で相違している。
ここで、図132(b)を参照して、第5実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bについて説明する。図132(b)は第5実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bに規定されている内容を模式的に示した図である。本実施形態では、特別図柄の抽選(当否判定)の結果、大当たりに当選した後に、第1ゲート670を球が通過したことに基づいて、第1当たり種別選択テーブル202bを参照して大当たりの種別が選択される。
本実施形態の第1当たり種別選択テーブル202bは上述した第3実施形態における第1当たり種別選択テーブル202b(図100(b)参照)に対して、各大当たり種別(大当たりA〜大当たりC)に規定されている内容を変更した点で相違し、その他の構成は上述した第3実施形態の第1当たり種別選択テーブル202bと同一であり、その詳細な説明を省略する。
具体的には、図132(b)に示した通り、特別図柄1に対応する大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲には、大当たりAが対応付けられて規定されている。この大当たりAは、特別遊技状態(大当たり状態)が8ラウンド継続する大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜69」の範囲には、大当たりBが対応付けられて規定されている。この大当たりBは、特別遊技状態(大当たり状態)が8ラウンド継続する大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の値が「70〜99」の範囲には、大当たりCが対応付けられて規定されている。この大当たりCは、特別遊技状態(大当たり状態)が2ラウンド継続する大当たりである。
なお、上述した大当たり種別のうち、大当たりAと大当たりBは何れも同じラウンド数(8ラウンド)の大当たりであるが、図133を参照して後述する第3開放シナリオ設定テーブルにて設定される開放シナリオ(大当たり遊技中の動作制御シナリオ)を、同一のラウンド数(8ラウンド)のラウンド遊技が実行される大当たりにおいて異ならせるために、大当たり種別を異ならせているものである。
次に、特別図柄2に対応する大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜19」の範囲には、大当たりAが対応付けられて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「20〜89」の範囲には、大当たりBが対応付けられて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「90〜99」の範囲には、大当たりCが対応付けられて規定されている。なお、特別図柄2に対応して規定されている大当たり種別A〜Cに設定されている内容については、上述した特別図柄1と同様であるため詳細な説明を省略する。
上述したように、本第5実施形態では特別図柄1で大当たりに当選した場合には、大当たりAが50%、大当たりBが20%、大当たりCが30%の割合で選択され、特別図柄2で当選した場合には、大当たりAが20%、大当たりBが70%、大当たりCが10%の割合で選択される。
次に、図133を参照して、本第5実施形態における第3開放シナリオ設定テーブル202gについて説明をする。図133(a)は、第5実施形態における第3開放シナリオ設定テーブル202gに規定されている内容を模式的に示した図である。
この第3開放シナリオ設定テーブル202gは、通常遊技状態において大当たりに当選した状態(大当たり待機状態)で第1ゲート670を球が通過した場合に参照される第3開放シナリオ設定テーブル(通常)202g1と、確変状態において大当たりに当選した状態(大当たり待機状態)で第1ゲート670に球が通過した場合に参照される第3開放シナリオ設定テーブル(確変)202g2とを有しており、それぞれ第1当たり種別選択テーブル202bにて選択された大当たり種別に対応した大当たり遊技の設定内容が規定されている。なお、時短状態において大当たりに当選した場合は、第3開放シナリオ設定テーブル(確変)202g2が参照されるように設定されている。
ここで、図133(b)を参照して、第3開放シナリオ設定テーブル202gに規定されている第3開放シナリオ設定テーブル(通常)202g1について説明をする。図133(b)は、第3開放シナリオ設定テーブル(通常)202g1の内容を示す模式図である。この第3開放シナリオ設定テーブル(通常)202g1は、通常遊技状態において大当たりに当選した状態で(大当たり待機状態)で第1ゲート670に球が通過した場合に参照されるテーブルであり、選択された大当たり種別に対応して、大当たり遊技におけるオープニング期間、ラウンド間インターバル期間、エンディング期間が夫々設定されている。
具体的には、大当たり種別が大当たりAの場合は、オープニング期間が「6秒」、インターバル期間が「0.2秒」、エンディング期間が「5秒」となるよう開放シナリオが設定され、大当たり種別が大当たりBの場合は、オープニング期間が「16秒」、インターバル期間が「0.2秒」、エンディング期間が「5秒」となるよう開放シナリオが設定される。また、大当たり種別が大当たりCの場合は、オープニング期間が「6秒」、インターバル期間が「0.2秒」、エンディング期間が「5秒」となるよう開放シナリオが設定される。
次に、図133(c)を参照して、第3開放シナリオ設定テーブル202gに規定されている第3開放シナリオ設定テーブル(確変)202g2について説明をする。図133(c)は、第3開放シナリオ設定テーブル(確変)202g2の内容を示す模式図である。この第3開放シナリオ設定テーブル(確変)202g2は、確変(時短)状態において大当たりに当選した状態で(大当たり待機状態)で第1ゲート670に球が通過した場合に参照されるテーブルであり、選択された大当たり種別に対応して、大当たり遊技におけるオープニング期間、ラウンド間インターバル期間、エンディング期間が夫々設定されている。
具体的には、大当たり種別が大当たりAの場合は、オープニング期間が「1秒」、インターバル期間が「0.5秒」、エンディング期間が「5秒」となるよう開放シナリオが設定され、大当たり種別が大当たりBの場合は、オープニング期間が「11秒」、インターバル期間が「0.5秒」、エンディング期間が「5秒」となるよう開放シナリオが設定される。また、大当たり種別が大当たりCの場合は、オープニング期間が「1秒」、インターバル期間が「0.5秒」、エンディング期間が「5秒」となるよう開放シナリオが設定される。
以上、説明をしたように、本実施形態では、大当たり中に設定される各期間(オープニング期間、インターバル期間、エンディング期間)のうち、オープニング期間が大当たり種別によって異なるよう設定されている。また、オープニング期間とインターバル期間が遊技状態(通常状態または確変(時短)状態)に応じて異なるよう設定されている。
このように、大当たり遊技におけるオープニング期間を変更することにより、大当たり遊技が開始されてからオープニング期間が終了するまで(1ラウンド目のラウンド遊技が開始されるまで)の期間が変更されることになる。
よって、第3貯留装置3600に貯留された球が確変入賞有効期間内に入球しやすい大当たりと、入球し難い大当たりとを設けることが可能となる。なお、詳細な説明については、図135および図136を参照して後述する。
また、ラウンド間インターバルが、通常遊技状態の場合に参照される第3開放シナリオ設定テーブル(通常)202g1では0.2秒に設定されており(図133(b)参照)、確変(時短)状態の場合に参照される第3開放シナリオ設定テーブル(確変)202g2では0.5秒に設定されている。
このラウンド間インターバルは、その期間を長く設定することで、確変入賞有効期間中に何れの可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)も開放していない状態を長くすることができる。よって、確変入賞有効期間中に、第2可変入賞装置650よりも下方に設けられている特定一般入賞口630aへ球が入球する可能性を高くすることができる。
一方、ラウンド間インターバルの期間を短くすることで、確変入賞有効期間中に何れの可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)も開放していない状態を短くすることができる。よって、大当たり遊技中に発射された球を何れかの可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)に効率よく入球させることができる。
つまり、第3開放シナリオ設定テーブル(通常)202g1を参照して開放シナリオが設定された大当たり遊技、即ち、通常遊技状態において実行される大当たり遊技は、ラウンド間インターバルが0.2秒に設定されているため、ラウンド間インターバル中に第2可変入賞装置650を通過する球が殆ど発生しない。
一方、第3開放シナリオ設定テーブル(確変)202g2を参照して開放シナリオが設定された大当たり遊技、即ち、確変(時短)状態において実行される大当たり遊技は、ラウンド間インターバルが0.5秒に設定されているため、ラウンド間インターバル中に第2可変入賞装置650を通過する球の数が増える。
これにより、確変(時短)状態において実行される大当たり遊技では、大当たり遊技開始時において第3貯留装置3600に貯留された球が確変入賞有効期間内に特定一般入賞口630aに入球しなくても、大当たり遊技のラウンド間インターバル中に第2可変入賞装置650を通過した球が、確変入賞有効期間内に特定一般入賞口630aへ入球しやすい大当たりとすることができる。
よって、確変(時短)状態中の大当たり当選により確変状態が付与される確率を通常状態中の大当たり当選により確変状態が付与される確率よりも高くすることが可能となるため、遊技者に対して有利となる遊技状態を継続して提供しやすくすることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
なお、本実施形態では、通常遊技状態において大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技では全てラウンド間インターバルが0.2秒に設定されているが、これに限られること無く、様々な時間を設定してもよい。例えば、特定のラウンド数(例えば、4ラウンド)におけるラウンド間インターバルの期間を1.5秒に設定し、そのラウンド間インターバルを用いて特定一般入賞口630aへ球を入球させる遊技を実行してもよい。
次に、図134(a)を参照して、第5実施形態におけるRAM203に規定されている内容について説明する。図134(a)に示した通り、第5実施形態におけるRAM203は、第3実施形態におけるRAM203に対して大当たりフラグ203t、貯留弁開放フラグ203uおよび開放カウンタ203vが追加されている。
大当たりフラグ203tは、特別図柄の判定結果が大当たりとなったことを示すフラグである。大当たりフラグ203tがオンに設定されている間に第1ゲート670を球が通過すると、大当たり種別および開放シナリオが設定され、大当たり遊技が開始される。この大当たりフラグ203tは、特別図柄変動処理5(図141のS104)において今回の抽選結果が大当たりであると判別された場合にオンに設定され(S271)、大当たり種別決定処理(図143のS1051)にて参照される(S5201)。そして、大当たり種別決定処理(図143のS1051)においてオフに設定される(S5203)。
貯留弁開放フラグ203uは、特別図柄の判定結果が大当たりとなり貯留弁3600aを開放するためのカウンタ(開放カウンタ203v)がカウントをしている状態であることを示すフラグである。この貯留弁開放フラグ203uがオンに設定されている間は、開放カウンタ203vに新たな値が設定されることがない。
この貯留弁開放フラグ203uは、貯留弁開放処理(図144のS1052)においてオンに設定され(S5210)、貯留用ソレノイド600をオンに設定した後に、オフに設定される(S5214)。
開放カウンタ203vは、特別図柄の判定結果が大当たりとなった場合に、貯留弁3600aを開放させるタイミングをカウントするためのカウンタである。この開放カウンタ203vは、貯留弁開放処理(図144のS1052)においてカウンタ値が設定され(S5211)、S5215の処理にて減算される。
次に、図131に戻り、本第5実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222について説明をする。本第5実施形態におけるROM222は、上述した第3実施形態におけるROM222に対して、期待度表示選択テーブル222bを削除し、擬似演出回数設定テーブル222cを追加した点で相違する。以下、図134(b)を参照して、擬似演出回数設定テーブル222cについて説明をする。
図134(b)は、擬似演出回数設定テーブル222cに規定されている内容を模式的に示した模式図である。擬似演出回数設定テーブル222cは、特別図柄の判定結果が大当たりとなった場合に実行される第1擬似演出(図138および図139参照)にて実行される擬似演出回数を設定するためのテーブルである。この擬似演出回数設定テーブル222cは、擬似演出処理(図149のS1854)において擬似演出回数を設定する場合に参照される(S5404)。
具体的には、図134(b)に示す通り、特別図柄の判定結果が大当たりとなった場合における遊技状態(通常遊技状態または確変(時短)状態)に応じて、設定される擬似演出回数が設定されており、通常遊技状態にて大当たりに当選した場合は擬似演出回数として4回が、確変(時短)状態にて大当たりに当選した場合は擬似演出回数として5回がそれぞれ設定される。
図131に戻り、本第5実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明をする。本第5実施形態におけるRAM223は、上述した第3実施形態におけるRAM223に対して、貯留上限フラグ223k、特殊球流フラグ223mおよび貯留弁開放中フラグ223nを削除し、擬似演出フラグ223q、擬似演出カウンタ223rおよびオープニングフラグ223sを追加した点で相違する。
擬似演出フラグ223qは、擬似演出が実行されていることを示すフラグである。この擬似演出フラグ223qは、大当たり関連処理(図147のS5912)においてオンに設定され(S5302)、擬似演出処理(図149のS1854)においてオフに設定される(S5411)。
擬似演出カウンタ223rは、擬似演出が実行された回数をカウントするためのカウンタであって、疑似演出が実行される度に1加算されるカウンタである。この擬似演出カウンタ223rのカウンタ値を判別することで、最終の擬似演出を判別し、異なる演出を実行可能にしている。擬似演出カウンタ223rは、擬似演出処理(図149のS1854)において、1加算され(S5407)、カウンタの値が上限であると判別された場合に(S5405:Yes)、0にリセットされる(S5413)。
オープニングフラグ223sは、大当たり遊技が開始されたことを示すフラグである。このオープニングフラグ223sは、大当たり関連処理(図147のS5912)において、特別図柄の大当たりに当選した状態(大当たり待機状態)で第1ゲート670を球が通過したことに基づいて主制御装置110から出力されるオープニングコマンドを受信した場合にオンに設定され(S5305)、疑似演出処理(図149のS1854)において疑似停止させる図柄を設定する際に参照され(S5408)、疑似演出の内容を設定した後にオフに設定される(S5411)。
ここで、本第5実施形態における大当たりに当選した場合の遊技の流れについて図135および図136を参照して説明をする。図135は通常遊技状態において大当たりに当選した場合の遊技の流れを示すタイミングチャートであり、図136は確変(時短)状態において大当たりに当選した場合の遊技の流れを示すタイミングチャートである。
まず、図135に示す通り、特別図柄の大当たりに当選すると、貯留装置(第3貯留装置3600)を開放させるためのカウンタ値(例えば、16秒に対応した値)がセットされる。そして、第1ゲート670に球が通過したことに基づいて、大当たり種別が決定(選択)されるとともに(例えば、大当たりAが決定(選択)される)、その決定された大当たり種別に対応した開放シナリオが設定され、大当たり遊技が開始される。
大当たり遊技が開始されると、開放シナリオで設定されたオープニング期間(6秒)の経過後に1ラウンド目のラウンド遊技が開始される。そして、1ラウンド目のラウンド遊技が開始されてから最終ラウンドのラウンド遊技が終了するまでの期間を確変入賞有効期間として設定する。
また、特別図柄の大当たりに当選してから16秒が経過すると、貯留装置(第3貯留装置3600)が開放状態に可変し、貯留装置(第3貯留装置3600)に球が貯留されている場合は、その球が特定一般入賞口630aに入球する。
よって、特別図柄の大当たりに当選してから10秒以内に第1ゲート670に球を通過させた場合は、その第1ゲート670を通過し、貯留装置(第3貯留装置3600)に貯留された球が確変入賞有効期間中に特定一般入賞口630aに入球することになる。
また、特別図柄の大当たりに当選してから10秒〜16秒の間に第1ゲート670に球を通過させた場合は、その第1ゲート670を通過し、貯留装置(第3貯留装置3600)に貯留された球が確変入賞有効期間外(大当たり遊技のオープニング期間中)に特定一般入賞口630aに入球することになる。
さらに、特別図柄の大当たりに当選してから16秒以降に第1ゲート670に球を通過させた場合は、第1ゲート670に球を通過させる前にすでに第3貯留装置3600が開放状態となっており、第1ゲート670を通過した球がそのまま特定一般入賞口630aに入球することになる。しかし、図130に示した通り、第1ゲート670から特定一般入賞口630aまで球が流下するのに要する時間が1秒となるように設計されているため、第1ゲート670を通過した球は、確変入賞有効期間外(大当たり遊技のオープニング期間中)に特定一般入賞口630aに入球することになる。
このように、本実施形態では、特別図柄の大当たりに当選してから所定期間内(10秒以内)に、特定領域(第1ゲート670)に球を通過させることで、遊技者に有利な遊技状態である確変状態が付与される構成されている。よって、特別図柄の大当たりに当選した後も遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
また、本実施形態では、第1ゲート670に球が通過することで決定される大当たり種別に応じて大当たり遊技のオープニング期間が異なるよう設定されている。具体的には、大当たり種別として、大当たりAが選択された場合はオープニング期間として6秒が設定され、大当たりBが選択された場合はオープニング期間として16秒が設定される。
このように、第1ゲート670に球を通過させることで決定される大当り種別によって大当たり遊技が開始されてから確変入賞有効期間が開始されるまでの期間が異なるため、特別図柄の大当たりに当選した場合に、少しでも早く第1ゲート670に球を通過させようと、遊技者に対してより意欲的に遊技を行わせることができる。また、第1ゲート670に球を通過させるタイミングが遅れたとしても、オープニング期間が短い開放シナリオが設定される大当たり種別が選択されることで、第1ゲート670を通過した球が確変入賞有効期間内に特定一般入賞口630aに入球することになるため、遊技者に対して最後まで期待を持たせることができるという効果がある。
次に、図136を参照して、確変(時短)状態において大当たりに当選した場合の遊技の流れを説明する。本実施形態では、確変(時短)状態において大当たりに当選した場合は、通常遊技状態において大当たりに当選した場合に比べて、貯留装置(第3貯留装置3600)が開放されるタイミングは同一(特別図柄が大当たりに当選してから16秒後)であるが、第1ゲート670を球が通過することで選択される各大当たり種別に対応するオープニング期間が短くなるよう設定されている。
具体的には、通常遊技状態において大当たりに当選した場合は、大当たり種別として大当たりAが選択されるとオープニング期間として「6秒」、大当たりBが選択されるとオープニング期間として「16秒」、大当たりCが選択されるとオープンニング期間として「6秒」が設定される(図133(b)参照)。
一方、確変(時短)状態において大当たりに当選した場合は、大当たり種別として大当たりAが選択されるオープニング期間として「1秒」、大当たりBが選択されるとオープニング期間として「11秒」、大当たりCが選択されるとオープンニング期間として「1秒」が設定される(図133(c)参照)。
このように構成することで、通常遊技状態において大当たりに当選した場合よりも、確変(時短)状態において大当たりに当選したほうが、第1ゲート670を通過した球が確変入賞有効期間内に特定一般入賞口630aに入球可能な期間を長く設定することができる。よって、確変(時短)状態中の大当たり当選により確変状態が付与される確率を通常状態中の大当たり当選により確変状態が付与される確率よりも高くすることが可能となるため、遊技者に対して有利となる遊技状態を継続して提供しやすくすることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
なお、本実施形態では、通常遊技状態において大当たりに当選した場合と、確変(時短)状態において大当たりに当選した場合とで、設定されるオープニング期間を異ならせる(確変(時短)状態のほうがオープニング期間を短く設定する)ことで、大当たり終了後に確変状態が付与される確率を変更可能(確変(時短)状態のほうが高くする)としているが、その他の構成を用いてもよい。
例えば、通常遊技状態において大当たりに当選した場合と、確変(時短状態)において大当たりに当選した場合とで、貯留装置(第3貯留装置3600)が開放されるタイミングを異ならせても良い。具体的には、通常遊技状態において大当たりに当選した場合は、大当たりに当選してから16秒経過後に貯留装置(第3貯留装置3600)を開放させ、確変(時短)遊技状態において大当たりに当選した場合は、大当たりに当選してから、21秒経過後に貯留装置(第3貯留装置3600)を開放させるようにするとよい。
このように構成しても、本実施形態と同様に、確変(時短)状態中の大当たり当選により確変状態が付与される確率を通常状態中の大当たり当選により確変状態が付与される確率よりも高くすることが可能となるため、遊技者に対して有利となる遊技状態を継続して提供しやすくすることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
次に、図137を参照して、本実施形態で実行される擬似演出について説明をする。図137は大当たりAが選択された場合の擬似演出の流れを示すタイミングチャートである。この擬似演出は、大当たりに当選した後、その大当たり遊技終了後に確変状態が付与されるかを報知する演出であって、大当たりに当選してから(特別図柄の判定結果として大当たりを示す特別図柄が停止表示されてから)大当たり遊技が開始されるまでの間の遊技内容に基づいて実行される第1擬似演出と、大当たり遊技中の遊技内容に基づいて実行される第2擬似演出とから構成されている。
この擬似演出は、特別図柄の変動に対応して第3図柄表示装置81にて変動表示される第3図柄と同様の態様を有する擬似図柄(図138(b)参照)を用いて実行される演出であり、具体的には、擬似図柄を2秒間変動させた後に所定の図柄列(例えば、「341」や「666」)で停止表示させる演出であり、この擬似図柄を変動表示させる擬似演出を複数回(4回または5回)実行させ、最終的に停止表示された擬似図柄によってその大当たり遊技終了後に確変状態が付与されるが報知される。
まず、大当たりに当選すると(第3図柄表示装置81に大当たりを示す第3図柄が停止表示されると)(図138(a)参照)、第1ゲート670に球を通過させる遊技が開始されるとともに、第3図柄表示装置81にて擬似図柄の擬似演出が複数回実行される(第1擬似演出)。この擬似演出が実行される上限回数が擬似演出回数設定テーブル222c(図134(b)参照)によって設定される。
実行される擬似演出の回数が擬似演出回数設定テーブル222cによって設定された上限回数に到達していない場合は、擬似演出が継続することを示す停止態様(例えば、「341」)で擬似図柄を停止表示し、次の擬似演出を実行する。
そして、擬似演出回数設定テーブル222cによって設定された上限回数目の擬似演出が実行されるタイミング(図137の場合は4回目の擬似演出が実行されるタイミング)において、後述する擬似演出処理(図149参照)にて、所定条件(第1ゲート670を球が通過)を満たしているかを判別し、その判別結果に基づいて第1擬似演出にて最終的に停止表示される擬似図柄の表示態様を決定し、停止表示する。
この場合、すでに第1ゲート670を球が通過していると判別された場合は(所定条件が成立している場合は)、擬似図柄を確変状態が付与されることを示す停止表示態様として「666」が停止表示され、所定条件が成立していないと判別された場合は、擬似図柄を確変状態が付与されることが確定していないことを示す停止表示態様として「222」が停止表示される。
このように、特別図柄の判定結果のみでは大当たり終了後に確変状態が付与されるか否かを決定することができない遊技機において、第3図柄と同様の表示態様を有する擬似図柄を用いた擬似演出を行うことで、遊技者に分かりやすい遊技を提供することができる。
なお、図137では、第1擬似演出期間として擬似演出4回分、つまり、8秒を設定しており、最終擬似演出が開始されるタイミング(擬似演出処理(図149参照)により所定条件の成立を判別するタイミング)が大当たり当選から6秒経過後となるよう設定している。これは、大当たり当選から6秒経過するまでの間に所定条件が成立している場合(第1ゲート670を球が通過した場合)は、確変入賞有効期間内に特定一般入賞口630aに球が入球することが確定するためである。
また、本実施形態では第1擬似演出期間として8秒を設定しているが、例えば、大当たりに当選した後、直ぐに第1ゲート670に球を通過させてしまうと、第1擬似演出期間が経過するよりも前に大当たり遊技が開始されることになるが、大当たり遊技が開始されたとしても継続して第1擬似演出が実行されるよう構成されている。
そのような場合であっても、大当たり遊技中のオープニング期間が6秒に設定してあるため、殆どの場合、大当たり遊技中のラウンド遊技が開始されるまでに第1擬似演出期間が終了することができる。
また、第1擬似演出で実行される擬似演出の回数は、確変入賞有効期間中に特定一般入賞口630aに球を入球させることが可能となる第1ゲート670への球通過タイミングが長く設定されるほど回数が多くなるように設定されており、遊技者に対して擬似演出回数が多いほど確変状態を獲得できる可能性が高いことを報知している。
なお、確変入賞有効期間中に特定一般入賞口630aに球を入球させることが可能となる第1ゲート670への球通過タイミングの長さを遊技者に報知するために、擬似演出の残り回数を第3図柄表示装置81に表示するように構成してもよい。これにより、遊技者は残り時間を想定し意欲的に第1ゲート670に球を通過させようと遊技を行うことになり、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
また、本実施形態では、擬似演出1回の時間を2秒に固定しているが、演出時間が異なる擬似演出を設けてもよい。さらに、本実施形態では最終擬似演出の擬似図柄の停止態様によって遊技者に確変状態が付与されるか否かを報知しているが、最終擬似演出以外の擬似演出を用いて確変状態が付与される可能性を示唆する報知を行っても良い。
例えば、擬似演出1が実行されている期間中に第1ゲート670に球が通過した場合、擬似演出2および擬似演出3の変動において、確変状態が付与される可能性を示唆する態様として擬似図柄の色や背景の色を変更したり、変動態様を変更したりするとよい。これにより、遊技者は最終擬似演出が開始される前に確変状態が付与されることを期待して遊技を行うことができる。
次に、第2擬似演出について説明をする。この第2擬似演出は第1擬似演出が終了した後、確変入賞有効期間中に特定一般入賞口630aへ球が入球し、大当たり終了後に確変状態が付与されることが確定したことを報知する演出であって、大当たり遊技の最終ラウンド(8ラウンド目)を用いて実行される演出である。
この第2擬似演出も第1擬似演出と同様に、擬似図柄を用いた演出が実行されるものである(図140参照)。大当たり遊技が最終ラウンドに突入すると、第3図柄表示装置81にて擬似図柄の変動が開始され、ラウンド演出処理5(図148参照)によって決定された停止態様で擬似図柄が停止表示される。
以上、説明をしたように、本実施形態における擬似演出は、大当たり遊技中における確変入賞有効期間内に特定一般入賞口630aに球が入球することで、大当たり遊技終了後に確変が付与される遊技機において、複数のタイミングで確変状態が付与されることが確定したか否かを報知することができるため、遊技者は興味を持って実行される演出を見ることになり遊技の興趣を向上させることができる。
また、複数のタイミングで実行される擬似演出として第3図柄と同様の態様で構成される擬似図柄を用いた変動表示を行なっているため、遊技者は第3図柄表示装置81に表示される擬似演出(擬似図柄の変動演出)を見ることで、大当たり当選時に停止した大当たり図柄「222」が確変図柄「777」に昇格したと思わせることができる。よって、複雑な遊技性を有するパチンコ機10であっても、遊技者に遊技状態の移行をわかりやすく報知することができ、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
次に、図138〜図140を参照して、上述した擬似演出が実行される場合に第3図柄表示装置81に表示される内容について説明をする。なお、図138〜図140に示す第3図柄表示装置81の表示画面に表示される各表示領域について、上述した第1実施形態の図5に示す表示画面と同一の箇所には、同一の符号を付してその説明を省略する。
まず、図138(a)を参照して、特別図柄の抽選(当否判定)にて、大当たりに当選(大当たりと判定)した場合における表示内容を説明する。図138(a)は、第3図柄表示装置81の表示画面の一例を示す模式図である。図138(a)に示す通り、大当たりに当選すると、主表示領域Dmにて大当たりに当選したことを示す停止表示態様である「222」で第3図柄が停止表示される。
また、副表示領域Dsの小領域Ds1には大当たり遊技を開始させるための遊技説明が表示され、小領域Ds2には遊技者が狙う箇所(第1ゲート670)が模式図で表示される。さらに小領域Ds3には遊技者に対して右打ち遊技を行うことを案内する案内表示が表示される。
次に、図138(b)を参照して、擬似演出のうち第1擬似演出が実行されている場合の第3図柄表示装置81の表示内容を説明する。図138(b)は、第3図柄表示装置81の表示画面の一例を示す模式図である。図138(b)に示す通り、主表示領域Dmの右上に第3図柄が縮小して表示される第3図柄表示領域Dmbが形成され、大当たりを示す態様「222」で第3図柄が停止表示される。主表示領域Dmの中央には第3図柄と同様の態様で構成される擬似図柄が「341」の態様で停止表示されている。
この状態は、図137で示す「擬似演出1」が終了した状態を示すものである、擬似図柄が、擬似演出が継続して実行されることを示す態様「341」で停止表示されている。
次に図139を参照して、第1擬似演出の最終擬似演出(図137参照)が実行された場合の第3図柄表示装置81の表示内容を説明する。図139(a)は、第1擬似演出の最終擬似演出のうち、確変状態が付与される可能性が高いことを報知する場合の第3図柄表示装置81の表示画面の一例を示す模式図であって、図139(b)は、第1擬似演出の最終擬似演出のうち、確変状態が付与されることが高確率であることを報知する場合の第3図柄表示装置81の表示画面の一例を示す模式図である。図139(a)に示す通り、主表示領域Dmには、確変状態が付与されることが高確率であることを示す態様「666」で擬似図柄が停止表示されている。遊技者は第3図柄表示装置81に停止表示された擬似図柄の表示態様を見ることで大当たり遊技終了後に確変状態が付与されることを容易に把握することができる。
一方、図139(b)は、主表示領域Dmに確変状態が付与されることが確定していないことを示す態様「222」で擬似図柄が停止表示されている。遊技者は第3図柄表示装置81に停止表示された擬似図柄の表示態様を見ることで現段階では大当たり遊技終了後に確変状態が付与されないことを認識し、大当たり遊技中に確変状態が付与されるよう意欲的に遊技を行うことになる。
次に、図140を参照して、擬似演出のうち、第2擬似演出(図137参照)が実行される場合の第3図柄表示装置81の表示内容を説明する。図140(a)は、第2擬似演出が開始されたときの表示内容の一例を示す模式図であって、図140(b)は、第2擬似演出が終了したときの表示内容の一例を示す模式図である。
図140(a)に示す通り、表示領域714には現在のラウンド遊技数として「最終ラウンド」が表示され、表示領域717には、第2擬似演出が実行されている旨を表示する「ラスト再抽選チャンス」の文字が表示されている。また、主表示領域Dmの右側には大当たり遊技中に狙う箇所(可変入賞装置)を案内する案内表示が表示される。さらに、主表示領域Dmでは擬似図柄が変動表示されている。
第2擬似演出による擬似変動が終了し擬似図柄が停止表示されると図140(b)に示すように、主表示領域Dmに「777」が停止表示される。
<第5実施形態における主制御装置の制御処理について>
次いで、図141〜図144を参照して、第5実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される処理について説明する。本第5実施形態では、上述した第3実施形態に対して、特別図柄の大当たり遊技が実行される制御を変更した点、貯留弁3600aを開放する制御を変更した点で相違している。
以下では、本第5実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種処理のうち、上述した第3実施形態から変更した点の説明のみを行い、第3実施形態から変更されていない処理、および単純に処理を削除した点については、その詳細な説明を省略する。
まず、図141を参照して、特別図柄変動処理5(S104)について説明をする。図141は、特別図柄変動処理5(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理5が、上述した第3実施形態の特別図柄変動処理3と相違する点は、今回の抽選結果が大当たりであると判別された場合に(S216:Yes)実行される処理の内容が相違する点である。それ以外の処理については、上述した第3実施形態の特別図柄変動処理と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
特別図柄変動処理5(S104)が実行されると、上述した第3実施形態の特別図柄変動処理3と同様にS201からS216までの処理が実行される。S216の処理において、今回の抽選結果が大当たりではないと判別された場合は(S216:No)、上述した特別図柄変動処理3と同様にS220からS223の処理を実行し、停止コマンドを設定し(S224)、本処理を終了する。
一方、S216の処理において、今回の抽選結果が大当たりであると判別された場合は(S216:Yes)、大当たりフラグをオンに設定し(S271)、次いで、大当たりコマンドを設定する(S272)。そして、停止コマンドを設定し(S224)、本処理を終了する。
即ち、本第5実施形態は、特別図柄の抽選の結果が大当たりとなったとしても、その後大当たり遊技が実行されることはなく、特別図柄の抽選の結果が大当たりとなった状態(大当たり遊技待機状態)で、第1ゲート670に球が入球することで大当り遊技が開始される。
次に、図142を参照して、主制御装置110のメイン処理について説明をする図142は、主制御装置110のメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では、主制御装置110により実行される様々な処理が行われる。なお、上述した第3実施形態と同一の内容を示す処理については同一の符号を付し、その詳細な説明は後述する。
図142に示す通り、メイン処理が実行されると、上述した第3実施形態と同様に、S1001からS1003の処理が実行される。次に、大当り種別決定処理が実行される(S1051)。この大当り種別決定処理より、特別図柄の大当たりに当選した状態で(大当りフラグ203tがオンに設定されている状態で)第1ゲート670に球が通過した場合に大当り種別が設定される。なお、詳細な説明については図143を参照して後述する。
大当り種別決定処理(S1051)が終了すると、次いで、貯留弁開放処理(S1052)が実行される。この貯留弁開放処理(S1052)により、特別図柄の大当たりに当選したことに基づいて第3貯留装置3600の貯留弁3600aが開放制御される。なお、詳細な説明については図144を参照して後述する。
貯留弁開放処理(S1052)が終了すると、上述した第3実施形態のメイン処理と同様にS1004〜S1016の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図143を参照して、本第5実施形態のメイン処理にて実行される大当り種別決定処理(図142のS1051)について説明をする。図143は大当り種別決定処理(S1051)の内容を示すフローチャートである。大当り種別決定処理(S1051)が実行されると、まず、大当りフラグ203tがオンに設定されているかを判別する(S5201)。ここで、大当りフラグ203tがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別された場合は(S5201:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S5201の処理において、大当りフラグ203tがオンに設定されていると判別された場合は(S5201:Yes)、次に、第1ゲート670を球が通過したかを班別する(S5202)。第1ゲート670を球が通過していないと判別された場合は(S5202:No)、そのまま本処理を終了する。
S5202の処理にて、。第1ゲート670を球が通過したと判別した場合は(S5202:Yes)、次に、大当りフラグ203tをオフに設定し(S5203)、第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて第1当たり種別選択テーブル202bより大当り種別を選択する(S5204)。具体的には、大当たりに当選した特別図柄の変動を開始した際に取得した第1当たり種別カウンタC2の値(図27のS301参照)を主制御装置110のRAM203に格納する手段を有しており(図示せず)、その格納された第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別を第1当たり種別選択テーブル202bより選択する。
なお、本実施形態では、第1ゲート670を球が通過した場合に選択される大当たり種別を、大当たりに当選した特別図柄の変動開始時に取得した第1当たり種別カウンタC2の値を用いて選択しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、第1ゲート670を球が通過したタイミングで第1当たり種別カウンタC2の値を取得し、その取得した第1当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を選択するようにしてもよい。
また、本実施形態では、第1ゲート670を球が通過した場合に大当たり種別を選択しているが、例えば、特別図柄変動処理5(図141参照)にて今回の抽選結果が大当たりであると判別され(S216)、大当たりフラグ203tをオンに設定(S271)した後に、大当たり種別を選択する処理を行ってもよい。
このようにすることで、特別図柄の大当たりに当選した時点で、第1ゲート670に球を通過させることで実行される大当たりの種別を事前に把握することができるため、例えば、選択された大当たり種別に対応して設定されるオープニング期間に基づいて、遊技者に有利となる確変状態を付与可能な期間を遊技者に報知することができる。
よって、遊技者に対して、特別図柄に当選してから第1ゲート670を球が通過するまでの遊技を意欲的に行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
この場合、図143に示す大当たり種別決定処理では、既に選択されている大当たり種別に基づいて大当たりの開始を設定する処理を行うだけになるため、大当たり種別決定処理の処理負荷を軽減することができる。
図143に戻り説明を続ける。S5204の処理が終了すると、次に、選択された大当たり種別および大当たりに当選した際の遊技状態(通常遊技状態または確変(時短)遊技状態)に基づいて、大当たり遊技の開放シナリオが設定される(S5205)。具体的には、第3開放シナリオ設定テーブル202g(図133参照)に規定されている内容に基づいて開放シナリオが設定される。
なお、この大当たり遊技の開放シナリオを設定する処理も上述した大当たり種別を選択する処理と同様に、特別図柄変動処理5(図141参照)内で実行してもよい。
そして、S5205の処理を終えると、大当たりの開始を設定し(S5206)、大当たり遊技が開始される。次いで、大当たり開始コマンドを設定し(S5207)、本処理を終了する。
次に、図144を参照して、本第5実施形態のメイン処理にて実行される貯留弁開放処理(S1052)について説明をする。図144は貯留弁開放処理(S1052)の内容を示すフローチャートである。貯留弁開放処理(S1052)が実行されると、まず、大当たりフラグ203tがオンに設定されているかを判別する(S5208)。ここで、大当たりフラグ203tがオンに設定されていない(オフに設定されている)場合は(S5208:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S5208の処理において、大当たりフラグ203tがオンに設定されている場合は(S5208:Yes)、次に、貯留弁開放フラグ203uがオンに設定されているかを判別する(S5209)。ここで、貯留弁開放フラグ203uがオンに設定されていない場合は(S5209:No)、貯留弁開放フラグ203uをオンに設定し(S5210)、遊技状態に対応した開放カウンタ値を設定し(S5211)、本処理を終了する。
また、S5209の処理において、貯留弁開放フラグ203uがオンに設定されている場合は(S5209:Yes)、次いで、開放カウンタ203vの値が0であるかを判別する(S5212)、ここで、開放カウンタ203vの値が0であると判別された場合は(S5212:Yes)、貯留装置用ソレノイド610(図131参照)をオンに設定し(S5213)、貯留弁開放フラグ203uをオフに設定し(S5214)、本処理を終了する。
一方、S5212の処理において、開放カウンタ203vの値が0ではないと判別された場合は(S5212:No)、開放カウンタ203vの値を1減算し(S5215)、本処理を終了する。
以上、説明をしたように、本第5実施形態では、特別図柄の当否判定(抽選)により大当たりに当選しただけでは大当たり遊技が開始されず、大当たりに当選した状態で(大当たりフラグ203tがオンに設定されている状態で)、特定領域である第1ゲート670を球が通過することで大当たり遊技が実行されるように構成されている。
そして、大当たりに当選してから所定期間(例えば16秒)が経過すると開放状態となる貯留手段(第3貯留装置3600)を、第1ゲート670を通過した球が入球可能な位置に配置されており、貯留手段(第3貯留装置3600)が開放状態となることで球が入球可能な位置に特定一般入賞口630aが配置されている。
この特定一般入賞口630aは、大当たり遊技における確変入賞有効期間(1ラウンド目の開始から最終ラウンドの終了まで)内に球が入球することで、その大当たり遊技終了後に遊技者にとって有利となる特典(確変状態)が付与されるように構成されている。
これにより、大当たりに当選してから、第1ゲート670に球を通過させるまでに要する時間によって、大当たり終了後に確変状態が付与されるか否かが決定される。よって、遊技者に対して、大当たりに当選してから、第1ゲート670に球を通過させるまでの遊技を意欲的に行わせることができるという効果がある。
また、本実施形態では、大当たり遊技によって開放される可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)が開放している状態では入球困難となる位置に特定一般入賞口630aを配置しているため、大当たり遊技中に発射された球が特定一般入賞口630aに入球し難く構成されている。これにより、大当たり遊技終了後に確変状態が付与されるよう、大当たりに当選してから、第1ゲート670に球を通過させるまでの遊技をより意欲的に行わせることができるという効果がある。
さらに、本実施形態では、大当たり遊技中に開放する可変入賞装置を上下(球の流下方向の上流下流)に2つ設けられており、それぞれの可変入賞装置を交互に開放させることで、ラウンド間インターバルにおいて何れの可変入賞装置にも入賞しない球の発生を抑制している。これにより、大当たり遊技中(確変入賞有効期間中)に、特定一般入賞口630aに頻繁に球が入球してしまうことを抑制することができる。
また、大当たり種別や大当たりに当選した際の遊技状態(通常遊技状態または確変(時短)状態)に応じて、大当たり遊技のラウンド数や大当たり遊技のオープニング期間(非確変入賞有効期間)やラウンドインターバル期間の長さを異ならせている。これにより、大当たり遊技終了後に確変状態が付与されやすい大当たりと、大当たり遊技終了後に確変状態が付与され難い大当たりとを設定することができる。
さらに、本実施形態では、大当たり遊技中に開放される可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)と特定一般入賞口630aとの間に、流下してきた球を複数の流路に振り分ける振分部材(第1振分部材3901および第2振分部材3902)を設けている。これにより、大当たり遊技中にタイミングよく閉鎖状態である可変入賞装置を通過した球が様々な流路に振分けられるため、特定一般入賞口630aに球が入球するか否かを予測することが困難となる。よって、遊技者は球の流下状況に注視することとなるため、大当たり遊技中に遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
さらに、上述した振分部材(第1振分部材3901および第2振分部材3902)は、複数の流路に対して球を規則的に振り分けることが可能に構成されている。よって、大当たり遊技中に所定個数(例えば4個)以上の球を振分部材へ流下させることで確実に特定一般入賞口630aへ入球させることができる。
なお、この振分部材(第1振分部材3901および第2振分部材3902)の構成として、球を振り分ける動作以外の作用(例えば、振分部材の近傍を流下する球の当接)によって、球の振り分け先を変更可能に構成してもよい。これにより、遊技者に対して振分部材の振分状況を予め把握されることを抑制することができるという効果がある。
<第5実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次いで、図145〜図149を参照して、第5実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種処理について説明する。本第5実施形態では、メイン処理(図145参照)のコマンド判定処理5(S1811)の内容を変更した点、および擬似演出処理(S1854)を追加した点、貯留状態判定処理(図114のS1851)、時短中表示処理(図114のS1852)および許容時間カウンタの減算処理(図114のS1853)を削除した点で上述した第3実施形態と相違している。以下では、本第5実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種処理のうち、上述した第3実施形態と相違する点の説明のみを行い、第3実施形態から変更されていないその他の処理については、その詳細な説明を省略する。
まず、図145を参照して、本第5実施形態にて実行されるメイン処理について説明をする。図145は第5実施形態にて実行されるメイン処理の内容を示すフローチャートである。このメイン処理は上述した第3実施形態にて実行されるメイン処理(図114参照)に対して、コマンド判定処理5(S1811)の内容を変更した点、および擬似演出処理(S1854)を追加した点、貯留状態判定処理(図114のS1851)、時短中表示処理(図114のS1852)および許容時間カウンタの減算処理(図114のS1853)を削除した点で相違している。その他の処理については同一であるため、同一の符号を付してその説明を省略する。
図145に示す通り、メイン処理が実行されると上述した第3実施形態にて実行されるメイン処理(図114参照)と同様にS1801〜S1812の処理を実行する。なお、S1811にて実行されるコマンド判定処理5は、その詳細な内容が上述した第3実施形態にて実行されるコマンド判定処理3(図114のS1811)と相違しており、その詳細な内容については図146を参照して後述する。
コマンド判定処理5(S1811)を終了すると、次に、上述した第3実施形態にて実行されるメイン処理(図114参照)と同様にS1812の処理を実行し、その後、擬似演出処理(S1854)を実行する。この擬似演出処理(S1854)は、大当たりに当選した場合に第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される演出であり、大当たり遊技終了後に確変状態が付与されるか否かを報知する演出である。この擬似演出処理(S1854)の詳細な内容については図149を参照して後述する。
そして、擬似演出処理(S1854)を終了すると、上述した第3実施形態にて実行されるメイン処理(図114参照)と同様にS1813〜S1817の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図146を参照して、メイン処理にて実行されるコマンド判定処理5(S1811)について説明をする。図146はコマンド判定処理5(S1811)に内容を示すフローチャートである。コマンド判定処理5(S1811)が実行されると、まず上述した第3実施形態にて実行されるコマンド判定処理3(図115参照)と同様に、S1901〜S1912の処理を実行する。
S1911の処理において、入賞情報コマンドを受信していないと判別された場合は(S1911:No)、次いで、大当たりに関するコマンドを受信したかを判別する(S5911)。ここで、大当たりに関するコマンドとしては、主制御装置110から出力されるオープニングコマンド、ラウンド数コマンドおよびエンディングコマンドなどがある。
S5911の処理において、大当たりに関するコマンドを受信したと判別した場合は(S5911:Yes)、大当たり関連処理を実行し(S5912)、本処理を終了する。この大当たり関連処理(S5912)は、主制御装置110から大当たりに関するコマンドが出力された場合に実行される処理であり、その詳細な説明は図147を参照して後述する。
一方、S5911の処理において、大当たりに関するコマンドを受信していないと判別した場合は(S5911:No)、次に、上述した第3実施形態のコマンド判定処理3(図115参照)と同様にその他のコマンドに応じた処理(S1919)を実行し、本処理を終了する。
なお、本実施形態では上述した第4実施形態の主制御装置110が実行する入賞処理4(図126のS1111)と同様に、確変設定フラグ203hがオンに設定されたことを音声ランプ制御装置113に出力するための確変通過コマンドを設定するよう構成されており、S1919にて実行される処理として、確変通過コマンドを受信した場合に、確変通過フラグ223pをオンに設定する処理が実行される。
次に、図147を参照して、コマンド判定処理5にて実行される大当たり関連処理(S5912)を説明する。図147は大当たり関連処理(S5912)の内容を示すフローチャートである。この大当たり関連処理(S5912)は、大当たり遊技中の演出を実行するための処理である。
大当たり関連処理(S5912)が実行されると、まず、大当たりコマンドを受信したかを判別する(S5301)。ここで、大当たりコマンドを受信したと判別した場合は(S5301:Yes)、擬似演出フラグ223qをオンに設定し(S5302)、表示用大当たりコマンドを設定し(S5303)、本処理を終了する。
一方、S5301の処理において、大当たりコマンドを受信していないと判別した場合は(S5301:No)、次に、オープニングコマンドを受信したかを判別する(S5304)。オープニングコマンドを受信したと判別した場合は(S5304:Yes)、オープニングフラグ223sをオンに設定し(S5305)、大当り中フラグ223hをオンに設定し(S5306)、表示用オープニングコマンドを設定し(S5307)、本処理を終了する。
S5304の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判別した場合は(S5304:No)、次いで、ラウンド数コマンドを受信したかを判別する(S5308)。ここで、ラウンド数コマンドを受信したと判別した場合は(S5308:Yes)、ラウンド演出処理5(S5309)を実行し、表示用ラウンド数コマンドを設定し(S5310)、本処理を終了する。
このラウンド演出処理5(S5309)は、大当り遊技の各ラウンド中に第3図柄表示装置81の表示画面に表示する内容を決定する処理であって、最終ラウンドにおける擬似停止演出処理(第2擬似停止演出処理)の演出内容が決定される処理である。なお、詳細な内容の説明については、図148を参照して後述する。
一方、S5308の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別された場合は(S5308:No)、その後、エンディングコマンドを受信したかを判別する(S5311)。エンディングコマンドを受信したと判別された場合は(S5311:Yes)、大当たり中フラグ223hをオフに設定し、許容時間カウンタに1秒を設定する(S5312)。そして、表示用エンディングコマンドを設定し(S5313)、本処理を終了する。
S5311の処理において、エンディングコマンドを受信していないと判別した場合は(S5311:No)、次に、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S5314)、本処理を終了する。なお、S5314において処理が実行されるコマンドとしては、例えば、大当たり遊技中において、現在開放されている可変入賞装置を示すコマンドを受信した場合には、第3図柄表示装置81に現在開放中の可変入賞装置を案内する表示をするための表示用コマンドを設定し、可変入賞装置に所定数(10個)よりも多い球が入賞した(所謂、オーバー入賞)ことを示すコマンドを受信した場合には、音声出力装置226にオーバー入賞が発生した報知音を出力させるためのコマンドを設定する。
次に、本第5実施形態の大当たり関連処理(図147のS5912)にて実行されるラウンド演出処理5(S5309)について、図148を参照して説明する。図148はラウンド演出処理5(S5309)の内容を示すフローチャートである。このラウンド演出処理5(S5309)は、大当り遊技の各ラウンド中に第3図柄表示装置81の表示画面に表示する内容を決定する処理であって、最終ラウンドにおける擬似停止演出処理(第2擬似停止演出処理)の演出内容が決定される処理である。
ラウンド演出処理5(S5309)が実行されると、まず、受信したラウンド数コマンドに基づいてラウンド数を抽出する(S5101)。そして、抽出したラウンド数が最終ラウンドであるかを判別する(S5151)。抽出したラウンド数が最終ラウンドではない場合は(S5151:No)、抽出したラウンド数に対応する表示用ラウンドコマンドを設定し(S5103)、本処理を終了する。
一方、S5151の処理において、抽出したラウンド数が最終ラウンドであると判別された場合は(S5151:Yes)、次に、確変通過フラグ223pがオンに設定されているかを判別する(S5104)。この確変通過フラグ223pは、主制御装置110から確変設定フラグ203hがオンに設定された場合、つまり、大当たり遊技終了後に確変状態が付与されることが確定した場合に出力されるコマンドを受信することで、コマンド判定処理5(図146のS1811)のS1919の処理にてオンに設定されるものである。
S5104の処理において、確変通過フラグ223pがオンに設定されていると判別された場合は(S5104:Yes)、図140(b)に示すように擬似停止図柄が「777」となる擬似演出に対応した表示用ラウンドコマンドを設定し(S5152)、確変通過フラグ223pをオフに設定する(S5106)。そして、本処理を終了する。
一方、S5104の処理において、確変通過フラグ223pがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別された場合は(S5104:No)、擬似停止図柄が「222」となる擬似演出に対応した表示用ラウンドコマンドを設定し(S5153)、本処理を終了する。
このように構成することで、大当たりに当選した場合に実行される第1擬似演出が終了してから大当たり遊技の最終ラウンドが開始されるまでの間に確変状態を付与可能な期間(確変入賞有効期間)に特定一般入賞口630aに球が入球し、大当たり終了後に確変状態が付与される状態となったか否かを、擬似図柄を用いた演出により遊技者に報知することが可能となる。
よって、遊技者は第3図柄表示装置81に表示される擬似演出(擬似図柄の変動演出)を見ることで、大当たり当選時に停止した大当たり図柄「222」が確変図柄「777」に昇格したと思わせることができる。よって、複雑な遊技性を有するパチンコ機10であっても、遊技者に遊技状態の移行をわかりやすく報知することができ、遊技者が遊技に飽きてしまうことを報知することができるという効果がある。
次に、図149を参照して、本実施形態のメイン処理にて実行される擬似演出処理(S1854)について説明をする。図149は擬似演出処理(S1854)の内容を示すフローチャートである。この擬似演出処理(S1854)は、大当たりに当選してから第1ゲート670に球が通過するまでの間に第3図柄表示装置81にて実行される擬似演出(第1擬似演出)の内容を決定する処理である。
擬似演出処理(S1854)が実行されると、まず、擬似演出フラグ223qがオンに設定されているかを判別する(S5401)。この擬似演出フラグ223qは大当たり関連処理(図147のS5912)にて大当たりコマンドを受信した場合にオンに設定されるフラグである。ここで、擬似演出フラグ223qがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合には(S5401:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S5401の処理にて擬似演出フラグ223qがオンに設定されていると判別した場合は(S5401:Yes)、次に、擬似演出実行中(擬似変動中)であるかを判別する(S5402)。この判別は、擬似演出を既に実行している状態で新たな擬似演出が開始されることを防止するために行われる処理であり、具体的には、擬似演出が実行中であることを示す演出中フラグ(図示せず)がオンに設定されているかを判別する。
擬似演出実行中であると判別された場合は(S5402:Yes)、新たな擬似演出を開始しないため、そのまま本処理を終了する。一方、擬似演出実行中では無いと判別された場合は(S5402:No)、擬似演出カウンタ223rの値が0であるかを判別する(S5403)。
S5403の処理において、擬似演出カウンタの値が0であると判別された場合は(S5403:Yes)、擬似演出回数設定テーブル222cに基づいて擬似演出回数を設定し(S5404)、本処理を終了する。一方、擬似演出カウンタ223rの値が0ではないと判別された場合、つまり、すでに擬似演出回数が設定されている場合は(S5403:No)、次に、擬似演出カウンタ223rの値が上限に到達しているかを判別する(S5405)。
S5405の処理において、擬似演出カウンタ223rの値が上限ではないと判別された場合は(S5405:No)、擬似停止図柄が「341」となる擬似演出に対応した表示用演出コマンドを設定し(S5406)、擬似演出カウンタ223rを1加算して(S5407)、本処理を終了する。
一方、S5405の処理において、擬似演出カウンタの値が上限であると判別された場合は(S5405:Yes)、次いで、オープニングフラグ223sがオンに設定されているかを判別する(S5408)。このオープニングフラグ223sは、コマンド判定処理5(図146参照)の大当たり関連処理(図147のS5912)にてオープニングコマンドを受信した場合にオンに設定されるフラグである。
ここで、S5408の処理において、オープニングフラグ223sがオンに設定されていると判別された場合は(S5408:Yes)、擬似停止図柄が「777」となる擬似演出に対応した表示用演出コマンドを設定し(S5409)、S5411へ移行する。
一方、S5408の処理において、オープニングフラグ223sがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別された場合は(S5408:No)、擬似停止図柄が「222」となる擬似演出に対応した表示用演出コマンドを設定し(S5410)、S5411へ移行する。
S5409またはS5410の処理を終えると、次いで擬似演出フラグ223qをオフに設定し(S5411)、オープニングフラグ223sをオフに設定する(S5412)。そして、擬似演出カウンタ223rの値を0にリセットし(S5413)、本処理を終了する。
以上、説明をしたように、本第5実施形態では、特別図柄の当否判定(抽選)により大当たりに当選しただけでは大当たり遊技が開始されず、大当たりに当選した状態で(大当たりフラグ203tがオンに設定されている状態で)、特定領域である第1ゲート670を球が通過することで大当たり遊技が実行されるように構成されている。
そして、大当たりに当選してから所定期間(例えば16秒)が経過すると開放状態となる貯留手段(第3貯留装置3600)が、第1ゲート670を通過した球が入球可能な位置に配置されており、貯留手段(第3貯留装置3600)が開放状態となることで球が入球可能な位置に特定一般入賞口630aが配置されている。
この特定一般入賞口630aは、大当たり遊技における確変入賞有効期間(1ラウンド目の開始から最終ラウンドの終了まで)内に球が入球することで、その大当たり遊技終了後に遊技者にとって有利となる特典(確変状態)が付与されるように構成されている。
これにより、大当たりに当選してから、第1ゲート670に球を通過させるまでに要する時間によって、大当たり終了後に確変状態が付与されるか否かが決定される。よって、遊技者に対して、大当たりに当選してから、第1ゲート670に球を通過させるまでの遊技を意欲的に行わせることができるという効果がある。
また、本実施形態では、大当たり遊技によって開放される可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)が開放している状態では入球困難となる位置に特定一般入賞口630aを配置しているため、大当たり遊技中に発射された球が特定一般入賞口630aに入球し難く構成されている。これにより、大当たり遊技終了後に確変状態が付与されるよう、大当たりに当選してから、第1ゲート670に球を通過させるまでの遊技をより意欲的に行わせることができるという効果がある。
さらに、本実施形態では、大当たり遊技中に開放される可変入賞装置が上下(球の流下方向の上流下流)に2つ設けられており、それぞれの可変入賞装置を交互に開放させることで、ラウンド間インターバルにおいて何れの可変入賞装置にも入賞しない球の発生を抑制している。これにより、大当たり遊技中(確変入賞有効期間中)に、特定一般入賞口630aに頻繁に球が入球してしまうことを抑制することができる。
また、大当たり種別や大当たりに当選した際の遊技状態(通常遊技状態または確変(時短)状態)に応じて、大当たり遊技のラウンド数や大当たり遊技のオープニング期間(非確変入賞有効期間)やラウンドインターバル期間の長さを異ならせている。これにより、大当たり遊技終了後に確変状態が付与されやすい大当たりと、大当たり遊技終了後に確変状態が付与され難い大当たりとを設定することができる。
さらに、本実施形態では、大当たり遊技中に開放される可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)と特定一般入賞口630aとの間に、流下してきた球を複数の流路に振り分ける振分部材(第1振分部材3901および第2振分部材3902)を設けている。これにより、大当たり遊技中にタイミングよく閉鎖状態である可変入賞装置を通過した球が様々な流路に振分けられるため、特定一般入賞口630aに球が入球するか否かを予測することが困難となる。よって、遊技者は球の流下状況に注視することとなるため、大当たり遊技中に遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
さらに、上述した振分部材(第1振分部材3901および第2振分部材3902)は、複数の流路に対して球を規則的に振り分けることが可能に構成されている。よって、大当たり遊技中に所定個数(例えば4個)以上の球を振分部材へ流下させることで確実に特定一般入賞口630aへ入球させることができる。
なお、この振分部材(第1振分部材3901および第2振分部材3902)の構成として、球を振り分ける動作以外の作用(例えば、振分部材の近傍を流下する球の当接)によって、球の振り分け先を変更可能に構成してもよい。これにより、遊技者に対して振分部材の振分状況を予め把握されることを抑制することができるという効果がある。
なお、本実施形態では大当たりに当選した状態で大当たり遊技を開始させるために球を通過させる領域(第1ゲート670)が1つ設けられているが、この領域を複数設けてもよい。この場合、複数設けられた領域毎に球を通過させた場合に実行される大当たり遊技の内容を異ならせるとよい。
具体的には、大当たり遊技を実行させるための通過させる領域として第1領域と、その第1領域とは異なる第2領域を設け、第1領域に球を通過させた場合は確変入賞有効期間内に特定一般入賞口630aに球が入球する実質的な確率が50%となる大当たりが選択され、第2領域に球を通過させた場合は確変入賞有効期間内に特定一般入賞口630aに球が入球する実質的な確率が低い(20%)大当たりと高い(80%)大当たりとの何れかが選択されるように設定するとよい。さらに、第1領域または第2領域の何れの領域に球を通過させるかを遊技者が選択できるように構成するとよい。
このように構成することで、遊技者に対して異なる遊技性の大当たり遊技を提供することが可能となり、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。また、第1領域を通過させた場合の大当たりと第2領域を通過させた場合の大当たりとで、大当たり遊技のラウンド数や払い出される賞球数が異なるように設定してもよい。
また、本実施形態における第1振分部材3901おける第2振分部材3902は確変(時短)状態における右打ち遊技が実行される場合に発射された球が通過可能な遊技盤13の右側領域に設けられているため、特別図柄の大当たりに当選するために実行される右打ち遊技(第2入球口640に球を入球させる遊技機)を実行することで、第1振分部材3901および第2振分部材3902の振分状況が変化することになるため、遊技者に有利な状態(次に流下する球が第1ゲート670を通過する経路に振り分けられる状態)を維持しながら特別図柄を変動させることを防止することが可能となる。
なお、本実施形態では、第1ゲート670を通過した球を貯留(保持)するための貯留装置3600を設けることで、特定一般入賞口630aに球が入球するタイミングを規定していたが、貯留装置3600を設けなくてもよい。この場合、特定一般入賞口630aに球が入球するタイミングが不規則になるため、遊技者が遊技の結果を予測することが困難なパチンコ機10を提供することができるため、遊技が単調となり早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
<第3実施形態の変形例>
次に、図150を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10の変形例について説明する。上述した第3実施形態では、図96に示すように、第2貯留装置1600内を流下する球を複数の経路(1603〜1608)へと振り分ける構成として複数の振分部材900〜902を設け、複数の経路のうち、特定の経路(第7経路1607)に振り分けられた球が特定一般入賞口630aに入球するように構成していた。
これに対して、本第3実施形態の変形例では、第2貯留装置1600内を流下する球を複数の経路(1603〜1608)へと振り分ける構成として、複数の振分部材4900〜4902を設けている。この複数の振分部材は所定の周期(例えば、1秒周期)で遊技盤13に埋没することで球が通過可能な退避状態となる退避位置と、遊技盤13から突出することで球を誘導可能な誘導状態となる誘導位置(突出位置)とに可変可能に構成されており、それぞれの振分部材を異なるタイミングで退避位置と誘導位置とに可変させることで、第2貯留装置1600内を流下する球を複数の経路(1603〜1608)へと振り分け可能に構成されている。
次に、振分装置4900〜4902の構成について、図150を参照して説明をする。なお、振分装置4900〜4902の構成は同一であるため、ここでは振分装置4900の構成のみを説明し、その他の振分装置(4901および4902)についてはその詳細な説明を省略する。
まず、振分装置4900は、図示しないソレノイド(振分装置用ソレノイド)をオンに設定することで、遊技盤13から突出する突出位置へと可変し、振分装置用ソレノイドをオフに設定することで、遊技盤13に埋没する退避位置へと可変される。この振分装置用ソレノイドは、主制御装置110により動作制御されており、パチンコ機10に電源が投入されると、振分装置4900が1秒間隔で誘導位置と退避位置へと可変するように主制御装置110から振分装置用ソレノイドへと動作信号が出力されるよう構成されている。
図150に示す通り、振分部材4900の下方には球は第4経路1604を流下するように下り傾斜(図150の視点で右下傾斜)した転動面を有する転動板4900aが設けられている。この振分部材4900の上面(誘導位置において球が転動可能な面)は球が第3経路1603を流下するよう下り傾斜(図150の視点で左下傾斜)の転動面が形成されている。
これにより、振分部材4900が突出している状態では球を第3経路1603へと誘導し、振分部材4900が埋没している退避状態では、球を第4経路1604へ誘導することになる。よって、振分部材4900の状態を切り替えることで、球の経路を複数に振り分けることができ、球を振り分けるための構成を簡素化することができるという効果がある。
さらに、本変形例では3つの振分部材(4900〜4902)を設けており、夫々の振分部材が異なるタイミングで誘導状態と退避状態とに可変されるように構成されている。具体的には、振分部材4900は、パチンコ機10の電源がオンに設定されてから、退避位置(1秒)、誘導位置(1秒)が繰り返されるように可変され、振分部材4901は、パチンコ機10の電源がオンに設定されてから誘導位置(1.5秒)、規制位置(1秒)が繰り返されるように可変され、振分部材4902は、退避位置(0.5秒)、誘導位置(0.5秒)が繰り返されるように可変される。
上述した各振分部材への可変制御は、パチンコ機10の電源がオンに設定されている間、遊技状態に関わらず常に一定の動作がされるよう構成されている。また、夫々の振分部材への可変タイミングは、主制御装置110のROM202に規定されている振分部材可変シナリオ(図示せず)に基づいて、主制御装置110のRAM203に設けられたカウンタ(図示せず)を更新することで判別している。
次に、図150を参照して本変形例における第2貯留装置1600内の球流れについて説明をする。まず、第1流路1601は上述した第3実施形態と同様に貯留されている球が0.5秒間隔で流下するよう(開放状態の貯留弁1601aを通過するよう)に経路が形成されており、第1流路1601を通過した球は振分部材4900に向けて流下する。振分部材4900が退避位置に可変している状態では球が転動板4900a上に落下し、転動板4900aの転動面を流下し、第4流路1604へと流下する。
第4流路1604へと流下した球は、第2流路1602を経由して振分部材4901へと流下する。振分部材4901が退避位置に可変している場合(2.5秒中の1秒)は、転動板4901a上に落下し、転動板4901aの転動面を流下し第6流路1606へと流下する。
一方、振分部材4901が誘導位置に可変している場合(2.5秒中の1.5秒)は、振分部材4901の転動面を流下して第5流路1605へと流下する。そして第5流路1605を流下した球は一般入賞口630bへ入球する。
次に、振分部材4900が誘導位置の場合(2秒中の1秒)に第1流路1601から球が流下してくると、振分部材4900の転動面を流下して第3流路1603を経由して振分部材4902へと流下する。振分部材4902が退避位置に可変している場合(1秒中の0.5秒)は振分部材4902の下方に設けられた転動板4902aの転動面を流下して第8流路1608を流下する。第8流路1608を流下した球は一般入賞口630bへ入球する。
一方、振分部材4902が誘導位置に可変している場合(1秒中の0.5秒)は、振分部材4902の転動面を流下して第7流路1607を流下し、特定一般入賞口630aへ入球する。
このように、本変形例の第2貯留装置1600は、複数の経路に球を振り分けるための構成として、球の振り分け先となる経路が可変制御により切り替わる(予め定められた条件により切り替わる)振分部材(4900〜4902)を設け、夫々の振分部材が振り分け先の経路を切り替えるタイミング(条件)を異ならせることで、複数の経路に球が振り分けられる構成とすることで、所定のタイミング(誘導位置の振分部材4900を流下し、且つ誘導位置の振分部材4902を流下するタイミング)で球が流下した場合に特定一般入賞口630aに球が入球可能となる。
このように構成することで、上述した第3実施形態の構成(振分部材900〜902)とは異なり、第2貯留装置1600内に流入した球数(第1流路1601を通過する球数)が所定数(第3実施形態では4個)となったとしても特定一般入球口630aに球が流入することが確定しないため、特定一般入賞口630aに球を入球させる遊技を複雑にすることができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
また、上述した第3実施形態の構成(振分部材900〜902)では、球が振分部材900〜902を通過することで、次の球がどの経路に振り分けられるかが決定される構成であったが、本変形例の構成(振分部材4900〜4902)では、球が流下するタイミングによって振り分けられる経路が決定されるため、遊技者に有利な状態(次の球が特定一般入賞口630aに入球する振分部材の状態)を維持した状態で遊技が実行されることを抑制することができる。
さらに、本変形例では、貯留弁1601aにより第2貯留装置1600内に4個の球を貯留可能に構成されており、第2貯留装置1600内に4個の球が貯留されている状態で貯留弁1601aが開放(解除)されると、振分部材4900に向けて0.5秒間隔で貯留されていた4個の球が流下するように構成されている。そして、0.5秒間隔で4個の球が流下することにより、4個の球のうち1個の球が特定一般入賞口630aに入球するように振分部材4900および4902の可変タイミングが設定されている。
具体的には、振分部材4900は退避位置と規制位置とに1秒間隔で交互に可変するよう構成されているため、0.5秒間隔で連続して4個の球が流下すると、そのうちの2個の球が特定一般入賞口630aへ入球可能な第3経路1603へと振り分けられることになる。その第3経路1603に振り分けられる2個の球は、0.5秒間隔(連続する球)または1.5秒間隔(1個目と4個目のパターン)で流下することになる。そして、第3流路1603を所定の間隔(0.5秒間隔または1.5秒間隔)で流下した球は、振分部材4902に到達する。振分部材4902は退避位置と規制位置とに0.5秒間隔で交互に可変するように構成されているため、0.5秒間隔または1.5秒間隔で球が流下した場合に、少なくとも1個の球は、誘導位置である振分部材4902の転動面を流下して特定一般入賞口630aに入球する。
このように構成することで、不規則なタイミングで第2貯留装置1600に球を入球させる場合は、どの球が特定一般入球口630aに入球するのかを遊技者に予測され難い第2貯留装置1600となり、さらに、第2貯留装置1600内に球を貯留させることで規則的なタイミングで(0.5秒間隔で)所定数(4個)の球を流下させることで、球を確実に特定一般入賞口630aに入球させることができる。
よって、貯留弁1601aが開放(解除)されている状態では、なるべく多くの球を第2貯留装置1600に流入させるために意欲的に遊技が実行され、また、貯留弁1601aが閉鎖されている状態では、上限量の球を貯留させようと意欲的に遊技者実行されることとなり、どの遊技状態においても遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
さらに、本変形例では遊技盤13の右側領域に設けられた複数の釘(P2等)により、第2貯留装置1600へ流入する球の流入タイミングを不規則にしているため、遊技者にとって有利なタイミング(特定一般入賞装置630aへ入球可能なタイミング)を容易に狙われてしまうことを防ぐことができる。
また、本変形例では、第2貯留装置1600内の複数の経路のうち、遊技者に有利となる経路(第7経路)は、複数の振分部材を可変させるソレノイド(振分部材用ソレノイド)がオンに設定される必要がある。つまり、断線によりソレノイドがオンに設定されない状態、つまり、不具合が発生した状態において、特定一般入賞口630aに球が入球することが無いように構成されている。これにより、公正な遊技を提供することができるという効果がある。これ以外にも、複数の振分部材を用いて特定一般入賞口630aへの経路を構成する場合では、一方の振分部材をソレノイドがオンに設定されている状態で流下し、他方の振分部材をソレノイドがオフに設定されている状態で流下することで特定一般入賞口630aへ球が入球するように構成してもよい。
また、本変形例で用いた振分部材4900〜4902を用いた構成をその他の実施形態(例えば、第4実施形態や第5実施形態)に追加して組み合わせてもよいし、既存の構成を削除して新たに設けても良い。
<第4実施形態の変形例>
次に、図151を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10の変形例について説明する。上述した第4実施形態では、図120に示すように第2可変入賞装置650の下方に、振分装置2600を設けていた。この振分装置2600には球が流下可能な流路が複数設けられており、流下する流路によって球が特定一般入賞口(確変入賞口)630aや第2入球装置640に入球可能に構成していた。それに対して、本変形例では図151に示す通り、第2可変入賞装置650の真下に配置されている。
このように構成することで、大当たり遊技が実行されオープニング期間中(第1可変入賞装置65または第2可変入賞装置650が開放動作されていない期間中)に閉鎖状態である第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650を通過した球がラウンド遊技中(第1可変入賞装置65または第2可変入賞装置650が開放動作されている間)、つまり、確変入賞有効期間中に特定一般入賞口630aに入球してしまう事態を抑制することができる。
また、本変形例では、上述した第4実施形態とは異なり、奇数ラウンド目のラウンド遊技にて下方に設けられた第2可変入賞装置650が開放され、偶数ラウンド目のラウンド遊技にて第1可変入賞装置65が開放されるよう可変入賞装置の開放シナリオが設定されている。このように構成することで、1ラウンド目に開放動作される可変入賞装置(第2可変入賞装置650)と、特定一般入賞口630aとの距離を短くすることができるため、大当たり遊技が実行されオープニング期間中(第1可変入賞装置65または第2可変入賞装置650が開放動作されていない期間中)に閉鎖状態である第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650を通過した球がラウンド遊技中(第1可変入賞装置65または第2可変入賞装置650が開放動作されている間)、つまり、確変入賞有効期間中に特定一般入賞口630aに入球してしまう事態を、より、抑制することができる。
また、第1可変入賞装置65と第2可変入賞装置650との間に球の流下経路を振り分けるための釘が植設されており、この釘を調整することで、閉鎖状態である第2可変入賞装置650を通過する球が特定一般入賞口630aに入球する割合を変更することが可能となる。
以上、説明をした第3実施形態〜第5実施形態、および、その変形例では、複数の経路に対して球を交互に振り分ける振分部材(900、1901、3901)を複数設け、様々な経路に対して球を振り分けるように構成しているが、様々な経路に対して球を振り分ける構成であればそれ以外の構成を用いても良い。
例えば、振分部材の代わりに、遊技盤13に埋没または突出可能な誘導部材を設け、その誘導部材の状態(埋没状態または突出状態)によって、球の経路が切り替わるようにしてもよい。この場合、誘導部材を複数設け、その各誘導部材の動作タイミングを所定のタイミングで異なるように設定するとよい。
具体的には、球の流下方向の上流側に第1誘導部材を設け、その下流側に第2誘導部材を設ける。そして、パチンコ機10の電源がオンに設定されてから常時1秒間隔で突出状態と埋没状態とに可変させるよう第1誘導部材を可変制御し、パチンコ機10の電源がオンに設定されてから常時0.5秒間隔で突出状態と埋没状態とに可変させるよう第2誘導部材を可変制御するように構成し、第1誘導部材および第2誘導部材がともに埋没状態となる所定のタイミングにおいて、特定一般入賞口630aに球が入球可能となるように構成するとよい。このように構成することで、第1誘導部材と第2誘導部材とから構成される経路(誘導機構)は2秒のうち0.5秒の間が、特定一般入賞口630aに球が入球可能な期間となる。
このような構成を上述した第3実施形態の振分部材(900〜902)に代えて用いることで、第2貯留装置1600内を流下した球を複数の経路に振り分ける(誘導する)ことが可能となるとともに、振分部材900〜902を用いた場合とは異なり、特定一般入賞口630aに球が入球可能となる状態を維持することができないため、特定一般入賞口630aに球を入球させる遊技性をより複雑にすることができる。
また、第2貯留装置1600に上限量(4個)の球を貯留させた状態で貯留弁1601aが解除(開放)されると、貯留されていた球は約0.5秒間隔で第2貯留装置内を流下するため、貯留されていた球のうち何れか1個は、特定一般入賞口630aに入球させることができる。よって、第2貯留装置1600に上限量まで球を貯留させることで確実に特定一般入賞口630aに球を入球させることができるため、遊技者に安心感を与えることができるという効果がある。言い換えると、安心して大当たり遊技を行うために、遊技者に対して、第2貯留装置1600に上限量の球が貯留されるまで遊技を継続して行わせることができ、遊技の稼働を高めることができるという効果がある。
なお、第2貯留装置1600に貯留可能な個数として、本実施形態では貯留された球が確実に特定一般入賞口630aに入球可能な個数としているが、それに限られることは無く、上限量を3個にしてもよい。このように構成したとしても、所定間隔(例えば0.5秒間隔)で3個の球を流下させることができるため、貯留機能を持たずに不規則なタイミングで誘導装置に3個の球を流下させるよりは特定一般入賞口630aに球を入球させる確率を高めることができる。
また、第2貯留装置1600に貯留可能な個数を4個よりも多くしてもよい。このように構成することで、より確実に特定一般入賞口630aへ球を入球させることができる。
上記各実施形態では、各入球口(入賞口)へと球が入球した場合に、入球口(入賞口)の種別に応じた個数の賞球が払い出されるように構成されていたが、これに限られるものではない。例えば、封入式のパチンコ機等の遊技価値として賞球が付与されないタイプのパチンコ機に適用し、例えば、球が入球した入球口(入賞口)の種別に応じて遊技に用いるプリペイドカードの残高を増加させるように構成してもよい。
上記した各実施形態の全部または一部をそれぞれ組み合わせても良い。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(大当たり時に保留装置へ入球した球に対して賞球を付与する)
遊技球が流下可能な第1流路と第2流路とに分岐した特定流路と、前記第1流路を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられた入球手段と、その入球手段に遊技球が入球することに基づいて、前記第2流路を遊技球が流下した場合に比較して遊技者に有利となる特定の特典を付与する特定特典付与手段と、前記特定流路へと流入した遊技球が前記第1流路に振り分けられやすくなる第1振り分け状態と、その第1振り分け状態に比較して遊技球が前記第2流路に振り分けられやすくなる第2振り分け状態とに可変可能な流路振り分け手段と、その流路振り分け手段の状態を、遊技状態に応じて少なくとも前記第1振り分け状態と前記第2振り分け状態とに設定可能な設定手段とを備えることを特徴とする遊技機A1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技球が特定の入賞口へと入賞することに基づいて当たりとなるか否かの抽選を行うものがある。また、特定の入賞口以外にも、球が入賞することにより賞球が払い出される複数の入賞口が設けられているものが知られている。この従来型の遊技機には、入賞口の種別に応じて払い出される賞球数を異ならせることで、遊技者が遊技球を射出する方向に応じて獲得可能な賞球数を変更できるものがある(例えば、特開2001−129177号公報)。
しかしながら、当たりとなることにより獲得できる賞球の方が、入賞口へと入賞することにより払い出される賞球よりも多量となることが一般的なので、遊技者は通常、当たりとなるか否かの抽選を実行させる契機となる特定の入賞口を狙って遊技球を打ち出す。つまり、当たりとなるまで遊技者が同じ方向に遊技球を打ち出し続けるのが一般的だった。よって、遊技者が同じ方向へと球を打ち出すことにより、同じ入賞口へ球が入賞し続けてしまい、払い出される賞球数も変化に乏しくなってしまう場合があった。即ち、遊技が単調となってしまう虞があった。
これに対して遊技機A1によれば、特定流路が第1流路と第2流路とに分岐している。第1流路を流下した遊技球が入球可能な位置に入球手段が設けられ、その入球手段に遊技球が入球することに基づいて、第2流路を遊技球が流下した場合に比較して遊技者に有利となる特定の特典が所定特典付与手段により付与される。特定流路へと流入した遊技球が第1流路に振り分けられやすくなる第1振り分け状態と、その第1振り分け状態に比較して遊技球が第2流路に振り分けられやすくなる第2振り分け状態とに流路振り分け手段が可変される。流路振り分け手段の状態は、遊技状態に応じて設定手段により少なくとも第1振り分け状態と第2振り分け状態とに可変される。
これにより、流路振り分け手段が第1振り分け状態に設定される遊技状態では、特定流路へと遊技球が流入することにより特定の特典が付与されやすくなり、第2振り分け状態に設定される遊技状態では特定の特典が付与されにくくなる。よって、遊技者が特定流路へ向けて遊技球を打ち出したとしても、遊技状態に応じて付与される特典を異ならせることができるので、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機A1において、前記第2流路を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられた通常入球手段と、その通常入球手段へと遊技球が入球することに基づいて所定の遊技価値を付与する遊技価値付与手段とを備え、前記特定特典付与手段は、前記特定の特典として前記所定の遊技価値よりも多い遊技価値を付与するものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2流路を流下した遊技球が入球可能な位置に通常入球手段が設けられ、その通常入球手段へと遊技球が入球することに基づいて遊技価値付与手段により所定の遊技価値が付与される。特定特典付与手段により、特定の特典として所定の遊技価値よりも多い遊技価値が付与される。
これにより、流路振り分け手段が第1振り分け状態に設定される遊技状態では、第2振り分け状態に設定される遊技状態に比較して、遊技球が特定流路へと流入した場合により多くの遊技価値を獲得しやすくなる。よって、遊技状態に応じて付与される遊技価値を異ならせることができるので、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機A1又はA2において、抽選条件の成立に基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果となることに基づいて前記遊技状態を遊技者に有利な特典遊技状態に設定する遊技状態設定手段と、を備え、前記設定手段は、前記遊技状態設定手段により前記特典遊技状態に設定されたことに基づいて、前記流路振り分け手段の状態を前記第1振り分け状態に設定するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1又はA2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、抽選条件の成立に基づいて抽選手段により抽選が実行され、その抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果となることに基づいて遊技状態が遊技状態設定手段により遊技者に有利な特典遊技状態に設定される。遊技状態設定手段により特典遊技状態に設定されたことに基づいて、流路振り分け手段の状態が設定手段により第1振り分け状態に設定される。
これにより、遊技状態が特典遊技状態に設定された場合は、その特典遊技状態によって遊技者に有利となることに加え、特定流路へと遊技球が流入することでより多くの遊技価値が付与されやすくなる。よって、特典遊技状態を遊技者にとってより有利な状態とすることができる。従って、遊技者の特典遊技状態に対する期待感を向上させることができるという効果がある。
遊技機A3において、遊技球が入球可能な第1入球状態と、その第1入球状態に比較して遊技球が入球し難い第2入球状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段へと遊技球が入球することに基づいて特定の遊技価値を付与する特定価値付与手段と、前記遊技状態設定手段により前記特典遊技状態に設定されたことに基づいて、前記可変入球手段を前記第1入球状態へと所定条件が成立するまで可変させる可変制御手段とを備えることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な第1入球状態と、その第1入球状態に比較して遊技球が入球し難い第2入球状態とに可変入球手段が可変され、その可変入球手段へと遊技球が入球することに基づいて特定価値付与手段により特定の遊技価値が付与される。遊技状態設定手段により特典遊技状態に設定されたことに基づいて、可変制御手段により可変入球手段が第1入球状態へと所定条件が成立するまで可変される。
これにより、特典遊技状態において可変入球手段へと遊技球が入球可能となるので、可変入球手段を狙って球を打ち出すことにより特定の遊技価値を獲得することができる。従って、特典遊技状態において、遊技者に対してより多くの遊技価値を獲得させることができるので、遊技者の特典遊技状態に対する期待感をより高めることができるという効果がある。
遊技機A2からA4のいずれかにおいて、前記遊技価値付与手段は、遊技球が前記通常入球手段に入球した場合に、前記所定の遊技価値として所定量の遊技媒体を付与するものであり、前記特定特典付与手段は、遊技球が前記入球手段に入球した場合に、前記特定の特典として前記所定量よりも多い量の遊技媒体を付与することを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A2からA4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技価値付与手段により、遊技球が通常入球手段に入球した場合に、所定の遊技価値として所定量の遊技媒体が付与される。特定特典付与手段により、遊技球が入球手段に入球した場合に、特定の特典として所定量よりも多い量の遊技媒体が付与される。
これにより、付与された遊技媒体により遊技者に遊技を行わせることができるので、より長く遊技を行わせることができる。よって、遊技機の稼働率を向上させることができるという効果がある。
遊技機A4又はA5において、前記可変制御手段は、前記遊技状態設定手段により前記特典遊技状態に設定されたことに基づいて前記可変入球手段を前記第2入球状態から前記第1入球状態へと所定回数可変させるものであり、前記遊技状態設定手段は、前記可変制御手段により前記可変入球手段が前記所定回数可変されることに基づいて前記特典遊技状態とは異なる前記遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A4又はA5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態設定手段により特典遊技状態に設定されたことに基づいて可変入球手段が可変制御手段により第2入球状態から第1入球状態へと所定回数可変される。可変制御手段により可変入球手段が所定回数可変されることに基づいて遊技状態設定手段により前記特典遊技状態とは異なる遊技状態が設定される。
これにより、1の特典遊技状態において、可変入球手段へと球を入球させる機会が遊技者に対して所定回数与えられるので、遊技者に対して特定の遊技価値をより多く獲得させることができる。よって、遊技者の特典遊技状態に対する期待感をより高めることができるという効果がある。
遊技機A4からA6のいずれかにおいて、前記特定価値付与手段は、前記特定の遊技価値として特定量の遊技媒体を付与するものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A4からA6のいずれかが奏する効果に加え、特定価値付与手段により特定の遊技価値として特定量の遊技媒体が付与されるので、付与された遊技媒体により遊技者に遊技を行わせることができる。よって、遊技者に対してより長く遊技を行わせることができるので、遊技機の稼働率を向上させることができるという効果がある。
遊技機A4からA7のいずれかにおいて、遊技球を前記特定流路へと誘導可能な誘導流路を備え、前記可変入球手段は、前記誘導流路へと流入した遊技球のうち前記特定流路へと流入しなかった遊技球が入球可能な位置に設けられているものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A4からA7の奏する効果に加え、遊技球が誘導流路により特定流路へと誘導され、その誘導流路へと流入した遊技球のうち特定流路へと流入しなかった遊技球が入球可能な位置に可変入球手段が設けられているので、遊技者は特典遊技状態において誘導流路へと遊技球を打ち出すだけで、特定流路と可変入球手段とに球を流入させることができる。よって、特典遊技状態において、特定の特典と特定の遊技価値とを獲得させることができるので、特典遊技状態における遊技者のメリットをより多くすることができる。従って、遊技者の特典遊技状態に対する期待感をより高めることができるという効果がある。
遊技機A4からA8のいずれかにおいて、前記可変入球手段へと入球した遊技球の個数を計数する計数手段を備え、前記可変制御手段は、少なくとも前記計数手段により計数された個数が所定個数となったことに基づいて前記可変入球手段を前記第2入球状態へと可変させるものであり、前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技状態において特定条件が成立することにより、前記特典遊技状態とは異なる前記遊技状態を設定するものであり、前記設定手段は、前記特典遊技状態が設定されてから前記特定条件が成立するまでの間の少なくとも所定期間において前記流路振り分け手段を前記第1振り分け状態に設定するものであることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A4からA8のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変入球手段へと入球した遊技球の個数が計数手段により計数される。少なくとも計数手段により計数された個数が所定個数となったことに基づいて可変入球手段が可変制御手段により第2入球状態へと可変される。特典遊技状態において特定条件が成立することにより、遊技状態設定手段により特典遊技状態とは異なる遊技状態が設定される。特典遊技状態が設定されてから特定条件が成立するまでの間の少なくとも所定期間において設定手段により流路振り分け手段が第1振り分け状態に設定される。
これにより、遊技者が特定の遊技価値を獲得できる機会を所定個数の遊技球が可変入球手段へと入球するまでに限ることができる。よって、所定個数となる前により多くの遊技球が特定流路へと流入し、特定の特典がより多くの回数付与されることを願って特典遊技状態中に遊技を行わせることができる。よって、遊技者の特典遊技状態に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A3からA9のいずれかにおいて、前記通常入球手段に遊技球が入球したことを検出する入球検出手段と、その入球検出手段により前記特典遊技状態中に前記通常入球手段へと遊技球が入球したことを検出した場合に、所定の報知を実行する報知手段とを備えることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A3からA9のいずれかが奏する効果に加え、通常入球手段に遊技球が入球したことが入球検出手段により検出され、その入球検出手段により特典遊技状態中に通常入球手段へと遊技球が入球したことを検出した場合に、報知手段により所定の報知が実行されるので、特典遊技状態に設定されたにもかかわらず流路振り分け手段が第1振り分け状態に設定されない不具合が生じた場合に、所定の報知によって不具合を遊技者やホールの店員に対して認識させることができる。よって、不具合を迅速に解消させることができるという効果がある。
遊技機A1からA10のいずれかにおいて、前記第1流路は、前記第2流路に比較して前記特定流路へと流入した遊技球が流入しやすい位置に設けられているものであり、前記流路振り分け手段は、前記第1振り分け状態として前記第1流路を開放し、前記第2振り分け状態として前記第1流路を閉鎖するものであり、前記第2流路は、前記第1流路が閉鎖されている状態で前記特定流路へと流入した遊技球が誘導されやすい位置に設けられていることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技機A1からA10のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2流路に比較して特定流路へと流入した遊技球が流入しやすい位置に第1流路が設けられている。流路振り分け手段により第1振り分け状態として第1流路が開放され、第2振り分け状態として第1流路が閉鎖される。第1流路が閉鎖されている状態で特定流路へと流入した遊技球が誘導されやすい位置に第2流路が設けられている。
これにより、第1流路が閉鎖されているか否かに応じて特定流路へと流入した遊技球が流下する流路を変更することができる。よって、特定流路へ向けて遊技球を打ち出し続けたとしても、特定の特典が付与されたり、付与されなかったりするので、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機A11において、前記流路振り分け手段は、前記第2振り分け状態として前記第1流路を閉鎖した場合に、その閉鎖位置よりも上流側に遊技球を所定の上限個数まで保持可能なものであり、前記第2流路は、前記第1流路上に所定の上限個数の遊技球が保持されている状態において、その保持されている遊技球と前記特定流路に流入した遊技球とが接触して流下方向が変化することに基づいて流入しやすくなる位置に設けられているものであることを特徴とする遊技機A12。
遊技機A12によれば、遊技機A11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2振り分け状態として第1流路を閉鎖した場合に、流路振り分け手段により閉鎖位置よりも上流側に遊技球が所定の上限個数まで保持される。第1流路上に所定の上限個数の遊技球が保持されている状態において、その保持されている遊技球と特定流路に流入した遊技球とが接触して流下方向が変化することに基づいて流入しやすくなる位置に第2流路が設けられている。
これにより、特定流路へ向けて遊技球を打ち出し続けたとしても、特定の特典が付与されたり、付与されなかったりするので、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機A1からA12のいずれかにおいて、画像を表示する表示手段と、その表示手段に対して前記流路振り分け手段の状態に応じた画像を表示するように制御する表示制御手段とを備えることを特徴とする遊技機A13。
遊技機A13によれば、遊技機A1からA12のいずれかが奏する効果に加え、表示手段に対して流路振り分け手段の状態に応じた画像が表示されるように表示制御手段により制御されるので、遊技者に対して流路振り分け手段の状態を容易に認識させることができるという効果がある。
遊技機A13において、前記表示制御手段は、前記設定手段により前記流路振り分け手段が第1振り分け状態に設定されることに基づいて、前記特定流路へと遊技球が流入した場合に前記特定の特典が付与されやすいことを示唆する画像を表示させるものであることを特徴とする遊技機A14。
遊技機A14によれば、遊技機A13の奏する効果に加え、設定手段により流路振り分け手段が第1振り分け状態に設定されることに基づいて、特定流路へと遊技球が流入した場合に特定の特典が付与されやすいことを示唆する画像が表示制御手段により表示される。これにより、遊技者が初心者であっても特定流路へ遊技球が流入した場合のメリットを容易に理解させることができるという効果がある。
<特徴B群>(保留装置に保留された球で他の球の流路を切り替える)
遊技球が流下可能な第1流路と第2流路とを少なくとも含む複数の流路に分岐した特定流路と、前記第1流路を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられている第1入球手段と、その第1入球手段へと遊技球が入球することに基づいて第1の遊技価値を付与する第1付与手段と、前記第2流路を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられた第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球することに基づいて前記第1付与手段により付与される前記第1の遊技価値とは異なる第2の遊技価値を付与する第2付与手段と、前記第1流路へと流入した少なくとも1の遊技球を前記第1流路上に保持可能な第1位置と、その第1位置に比較して前記第1流路へと流入した遊技球が前記第1流路上に保持され難い第2位置とに可変可能な可変手段と、その可変手段を所定条件の成立に基づいて前記第1位置から前記第2位置へと切り替える切替手段とを備え、前記可変手段は、遊技球を保持することでその保持している遊技球により前記第2流路へと遊技球を誘導し易くするものであることを特徴とする遊技機B1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技球が特定の入賞口へと入賞することに基づいて当たりとなるか否かの抽選を行うものがある。また、特定の入賞口以外にも、球が入賞することにより賞球が払い出される複数の入賞口が設けられているものが知られている。この従来型の遊技機には、入賞口の種別に応じて払い出される賞球数を異ならせることで、遊技者が遊技球を射出する方向に応じて獲得可能な賞球数を変更できるものがある(例えば、特開2001−129177号公報)。
しかしながら、当たりとなることにより獲得できる賞球の方が、入賞口へと入賞することにより払い出される賞球よりも多量となることが一般的なので、遊技者は通常、当たりとなるか否かの抽選を実行させる契機となる特定の入賞口を狙って遊技球を打ち出す。つまり、当たりとなるまで遊技者が同じ方向に遊技球を打ち出し続けるのが一般的だった。よって、遊技者が同じ方向へと球を打ち出すことにより、同じ入賞口へ球が入賞し続けてしまい、払い出される賞球数も変化に乏しくなってしまう場合があった。即ち、遊技が単調となってしまう虞があった。
これに対して遊技機B1では、特定流路が第1流路と第2流路とを少なくとも含む複数の流路に分岐している。第1流路を流下した遊技球が入球可能な位置に第1入球手段が設けられ、その第1入球手段へと遊技球が入球することに基づいて第1付与手段により第1の遊技価値が付与される。また、第2流路を流下した遊技球が入球可能な位置に第2入球手段が設けられ、その第2入球手段へと遊技球が入球することに基づいて第1付与手段により付与される第1の遊技価値とは異なる第2の遊技価値が第2付与手段により付与される。第1流路へと流入した少なくとも1の遊技球を第1流路上に保持可能な第1位置と、その第1位置に比較して第1流路へと流入した遊技球が第1流路上に保持され難い第2位置とに可変手段が可変される。所定条件の成立に基づいて可変手段が第1位置から第2位置へと切替手段により切り替えられる。ここで、遊技球が可変手段により保持されると、その保持されている遊技球により第2流路へと遊技球が誘導されやすくなる。
これにより、遊技者が特定流路へ向けて遊技球を発射し続けたとしても、所定条件が成立しているか否かに応じて特定流路へと流入した遊技球が入球する入球手段を異ならせることができる。よって、所定条件が成立しているか否かに応じて、遊技者が獲得する遊技価値を第1の遊技価値と第2の遊技価値とに可変させることができる。従って、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機B1において、前記第1付与手段により付与される前記第1の遊技価値は、前記第2付与手段により付与される前記第2の遊技価値よりも遊技価値が多いものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1付与手段により付与される第1の遊技価値は、第2付与手段により付与される第2の遊技価値よりも遊技価値が多くなるように構成されているので、遊技者に対して所定条件が成立した状態で特定流路へと遊技球を流入させたいと感じさせることができる。よって、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機B1又はB2において、抽選条件の成立に基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果となることに基づいて遊技者に有利な特典遊技状態に設定する遊技状態設定手段と、遊技球が入球可能な第1入球状態と、その第1入球状態に比較して遊技球が入球し難い第2入球状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段へと遊技球が入球することに基づいて特定の遊技価値を付与する特定価値付与手段と、前記遊技状態設定手段により前記特典遊技状態に設定されたことに基づいて、前記可変入球手段を前記第1入球状態へと所定条件が成立するまで可変させる可変制御手段とを備え、前記切替手段は、前記遊技状態設定手段により前記特典遊技状態に設定されたことに基づいて、前記可変手段を前記第1位置から前記第2位置へと切り替えるものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、抽選条件の成立に基づいて抽選手段により抽選が実行され、その抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果となることに基づいて遊技状態が遊技状態設定手段により遊技者に有利な特典遊技状態に設定される。遊技球が入球可能な第1入球状態と、その第1入球状態に比較して遊技球が入球し難い第2入球状態とに可変入球手段が可変され、その可変入球手段へと遊技球が入球することに基づいて特定価値付与手段により特定の遊技価値が付与される。遊技状態設定手段により特典遊技状態に設定されたことに基づいて、可変入球手段が可変制御手段により所定条件が成立するまで第1入球状態へと可変される。
これにより、特典遊技状態において可変入球手段へと遊技球が入球することにより遊技者が特定の遊技価値を獲得できることに加えて、第1入球手段へと遊技球が入球することにより遊技者が第1の遊技価値を獲得できる。よって、特典遊技状態における遊技者のメリットを増やすことができるので、遊技者の特典遊技状態に対する期待感をより高めることができるという効果がある。
遊技機B3において、遊技球を前記特定流路へと誘導可能な誘導流路を備え、前記可変入球手段は、前記特定流路へと流入せずに前記誘導流路を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられているものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が誘導流路により特定流路へと誘導される。特定流路へと流入せずに誘導流路を流下した遊技球が入球可能な位置に可変入球手段が設けられている。
これにより、遊技者は特典遊技状態において誘導流路へと遊技球を打ち出すだけで、特定流路と可変入球手段とに球を流入させることができる。よって、特典遊技状態において、第1の遊技価値と特定の遊技価値とを獲得させることができるので、特典遊技状態における遊技者のメリットをより多くすることができる。従って、遊技者の特典遊技状態に対する期待感をより高めることができるという効果がある。
遊技機B1からB4のいずれかにおいて、前記特定流路における前記複数の分岐した流路の一つである第3流路と、その第3流路を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられた第3入球手段と、その第3入球手段へと遊技球が入球することに基づいて、前記第2付与手段により付与される前記第2の遊技価値とは異なる第3の遊技価値を付与する第3付与手段と、を備え、前記可変手段は、遊技球を保持することでその保持している遊技球により前記第2流路と前記第3流路とに遊技球を誘導し易くするものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B1からB4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。特定流路における複数の分岐した流路の一つとして第3流路が設けられている。第3流路を流下した遊技球が入球可能な位置に第3入球手段が設けられている。第3入球手段へと遊技球が入球することに基づいて、第2付与手段により付与される第2の遊技価値とは異なる第3の遊技価値が第3付与手段により付与される。可変手段により遊技球が保持されることでその保持されている遊技球により第2流路と第3流路とに遊技球が誘導される。
これにより、可変手段により遊技球が保持されている場合は、特定流路へと流入した遊技球が、第2入球手段と、第3入球手段とのいずれにも入球し得る状態となる。即ち、互いに遊技価値の異なる第2の遊技価値と、第3の遊技価値との一方を遊技者が獲得し得る状態となるので、遊技者が獲得する遊技価値にランダム性を持たせることができる。一方、可変手段が第2位置に可変された場合は、特定流路へと流入した遊技球が第1入球手段へ入球することにより第1付与手段により第1の遊技価値が付与されるので、遊技者が獲得する遊技価値を安定させることができる。よって、所定条件が成立しているか否かに応じて、異なる遊技性を実現することができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B5において、前記第3付与手段により付与される前記第3の遊技価値は、前記第1付与手段により付与される前記第1の遊技価値よりも遊技価値が多いものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、第3付与手段により付与される第3の遊技価値は、第1付与手段により付与される第1の遊技価値よりも遊技価値が多くなるように構成されているので、可変手段により遊技球が保持されている状態において、遊技球が第3流路を流下することを期待させることができる。よって、特定流路へと流入した遊技球の進行方向を遊技者に対してより興味深く観察させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B5又はB6において、前記可変手段は、前記第1流路上に遊技球を保持する場合に、その保持される遊技球の配置として少なくとも前記特定流路へと流入した遊技球が前記第2流路へと誘導されやすくなる第1の配置と、その第1の配置に比較して前記第3流路へと誘導されやすくなる第2の配置とで保持可能なものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B5又はB6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変手段により第1流路上に遊技球が保持される場合に、その保持される遊技球の配置として少なくとも特定流路へと流入した遊技球が第2流路へと誘導されやすくなる第1の配置と、その第1の配置に比較して第3流路へと誘導されやすくなる第2の配置とで保持される。
これにより、遊技球の配置を確認するだけで遊技者が遊技球の流入しやすい流路を判別することができるという効果がある。
遊技機B7において、前記可変手段により保持されている遊技球の配置が前記第1の配置であるか否かを判別する判別手段と、その判別手段による判別結果を示す特定の演出を実行する演出実行手段とを備えることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変手段により保持されている遊技球の配置が第1の配置であるか否かが判別手段により判別され、その判別手段による判別結果を示す特定の演出が演出実行手段によって実行されるので、遊技者がより容易に遊技球が流入しやすい流路を判別することができるという効果がある。
遊技機B5からB8のいずれかにおいて、前記特定流路へと流入した遊技球が記第2流路と3流路とに流入する比率をそれぞれ調整することが可能な調整手段を備えることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B5からB8のいずれかが奏する効果に加え、特定流路へと流入した遊技球が第2流路と第3流路とに流入する比率が調整手段によりそれぞれ調整されるので、ホールの営業方針によって第2の特典が付与されやすい遊技機としたり、第3の特典が付与されやすい遊技機とすることができる。よって、各ホールの営業方針に応じて遊技機のスペックを容易に調節できるという効果がある。
遊技機B1からB9のいずれかにおいて、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作を検出する検出手段と、を備え、前記切替手段は、前記検出手段により前記操作手段に対する操作が検出されることに基づいて前記可変手段を前記第1位置から前記第2位置へと切り替えるものであることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B1からB9のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、操作手段に対する操作が検出手段によって検出される。検出手段により操作手段に対する操作が検出されることに基づいて可変手段が切替手段によって第1位置から第2位置へと切り替えられる。
これにより、遊技者に対して特定流路へと流下した遊技球を第1入球手段へと流下させるか否かを切り替えさせることができるので、各遊技者に対して自己の趣向に合った状態に設定させることができるという効果がある。
遊技機B1からB10のいずれかにおいて、前記可変手段は、前記第1流路上に遊技球を1球のみ保持可能なものであることを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、遊技機B1からB10のいずれかが奏する効果に加え、第1流路上に遊技球が1球のみ可変手段によって保持されるので、可変手段が第1位置に可変した状態で遊技者が遊技を辞める場合に、可変手段に保持されることで第1流路上に残存する遊技球を最低限とすることができる。よって、遊技者が遊技を辞める際に損をしたと感じさせ難くすることができるという効果がある。
<特徴C群>(保留装置へと入球する球の比率を調節することで確変割合を可変する)
遊技球が流下可能な第1流路と第2流路とに少なくとも分岐した特定流路と、前記第1流路を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられている第1入球手段と、その第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第1の特典を付与することが可能な第1特典付与手段と、前記第2流路を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられている第2入球手段と、その第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、前記第1の特典とは異なる第2の特典を付与することが可能な第2特典付与手段と、前記特定流路を流下した遊技球が、前記第1流路と前記第2流路とに流入する比率をそれぞれ調整することが可能な調整手段と、を備えることを特徴とする遊技機C1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技球が特定の入賞口へと入賞することに基づいて当たりとなるか否かの抽選を行うものがある。また、特定の入賞口以外にも、球が入賞することにより賞球が払い出される複数の入賞口が設けられているものが知られている。この従来型の遊技機には、入賞口の種別に応じて払い出される賞球数を異ならせることで、遊技者が遊技球を射出する方向に応じて獲得可能な賞球数を変更できるものがある(例えば、特開2001−129177号公報)。
しかしながら、当たりとなることにより獲得できる賞球の方が、入賞口へと入賞することにより払い出される賞球よりも多量となることが一般的なので、遊技者は通常、当たりとなるか否かの抽選を実行させる契機となる特定の入賞口を狙って遊技球を打ち出す。つまり、当たりとなるまで遊技者が同じ方向に遊技球を打ち出し続けるのが一般的だった。よって、遊技者が同じ機種の遊技機において遊技を行う場合は、同じ方向へと球を打ち出す限り、同じ入賞口へ球が入賞し続けてしまい、払い出される賞球数も変化に乏しくなってしまう場合があった。即ち、遊技が単調となってしまう虞があった。
遊技機C1によれば、遊技球が流下可能な第1流路と第2流路とに特定流路が分岐している。第1流路を流下した遊技球が入球可能な位置に第1入球手段が設けられ、その第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第1特典付与手段により第1の特典が付与される。第2流路を流下した遊技球が入球可能な位置に第2入球手段が設けられ、その第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第1の特典とは異なる第2の特典が第2特典付与手段により付与される。特定流路を流下した遊技球が、第1入球手段と第2入球手段とに流入する比率が調整手段によりそれぞれ調整される。
これにより、調整手段を調整することで、第1の特典が付与されやすい遊技機としたり、第2の特典が付与されやすい遊技機としたりすることができる。よって、同じ機種であっても調節手段による調節具合を変えることにより異なる遊技性を実現することができる。従って、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機C1において、抽選条件の成立に基づいて所定の抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果となった場合に遊技者に有利な特典遊技を付与する特典遊技付与手段と、前記抽選手段による抽選結果が前記特定の抽選結果となる確率が高い第1抽選状態と、その第1抽選状態よりも前記特定の抽選結果となる確率が低い第2抽選状態とに設定可能な抽選状態設定手段とを備え、前記第1特典付与手段は、前記第1の特典として前記抽選状態設定手段により前記第1抽選状態が設定されるように制御するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、抽選条件の成立に基づいて抽選手段により所定の抽選が実行され、その抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果となった場合に遊技者に有利な特典遊技が特典遊技付与手段により付与される。抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果となる確率が高い第1抽選状態とその第1抽選状態よりも特定の抽選結果となる確率が低い第2抽選状態とに抽選状態設定手段により設定される。第1の特典として抽選状態設定手段により第1抽選状態が設定されるように第1特典付与手段により制御される。
これにより、第1抽選状態への移行しやすさを調節手段により調節することができる。よって、ホールの営業方針に応じて第1抽選状態が設定されやすく、特典遊技状態になりやすい遊技性とするか、第1抽選状態が設定されにくく、第2の特典が付与されやすい遊技性とするかを調整させることができる。従って、各ホールの営業方針に順応させることができる汎用性の高い遊技機を提供することができるという効果がある。
遊技機C1又はC2において、前記第2特典付与手段は、前記第2の特典として所定量の遊技媒体を付与するものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、第2特典付与手段により第2の特典として所定量の遊技媒体が付与されるので、所定量の遊技媒体の付与されやすさを調整手段により調整することができる。よって、ホールの営業方針に応じて所定量の遊技媒体が付与されやすい遊技性とするか、第1の特典が付与されやすい遊技性とするかを調整させることができる。従って、各ホールの営業方針に順応させることができる汎用性の高い遊技機を提供することができるという効果がある。
遊技機C2又はC3において、前記第1入球手段に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置に比較して前記入球手段に遊技球が入球し難くなる第2位置とに可変可能な可変手段と、前記特典遊技付与手段により前記特典遊技が付与されたことに基づいて、前記可変手段を前記第1位置へと所定条件が成立するまで可変させる可変制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C2又はC3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1入球手段に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置に比較して入球手段に遊技球が入球し難くなる第2位置とに可変手段により可変される。特典遊技付与手段により特典遊技が付与されたことに基づいて可変制御手段により可変手段が第1位置へと所定条件が成立するまで可変される。
これにより、特典遊技状態において第1の特典が付与され易くなるので、遊技者の特典遊技に対する期待感を高めることができるという効果がある。
遊技機C4において、前記可変制御手段は、少なくとも前記可変手段が前記第1位置へと可変されてから所定時間が経過したことに基づいて前記可変手段を前記第2位置へと可変させるものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、少なくとも可変手段が第1位置へと可変されてから所定時間が経過したことに基づいて可変手段が可変制御手段により第2位置へと可変されるので、第1の特典を遊技者が獲得できる機会を所定時間が経過するまでの間に限ることができる。よって、第1の特典の希少価値を高めることができるので、調整手段による調整の重要度を高めることができる。従って、遊技者が遊技を行う遊技機を選択する際に、調整手段の調整具合を加味して遊技機を選択させることができるので、遊技機を選択する楽しみを与えることができるという効果がある。
遊技機C1からC5のいずれかにおいて、遊技球が入球することに基づいて特定の遊技価値が付与される特定入球手段と、遊技球が入球することに基づいて前記特定の遊技価値よりも少ない遊技価値が付与される少価値入球手段と、を備え、前記第2流路は、遊技球を前記特定入球手段へと流下させる特定流路と、前記少価値入球手段へと流下させる少価値流路とに分岐しているものであり、前記特定流路へと流入した少なくとも1の遊技球を前記特定流路上に保持可能な第1可変位置と、その第1可変位置に比較して前記特定流路へと流入した遊技球が前記特定流路上に保持され難い第2可変位置とに可変可能な位置可変手段と、を備えることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C1からC5のいずれかにおいて、遊技球が特定入球手段に入球することに基づいて特定の遊技価値が付与され、遊技機が少価値入球手段に入球することに基づいて特定の遊技価値よりも少ない遊技価値が付与される。遊技球を特定入球手段へと流下させる特定流路と、少価値入球手段へと流下させる少価値流路とに第2流路が分岐している。特定流路へと流入した少なくとも1の遊技球を特定流路上に保持可能な第1可変位置と、その第1可変位置に比較して特定流路へと流入した遊技球が特定流路上に保持され難い第2可変位置とに位置可変手段が可変される。
これにより、遊技者が第2流路へ向けて遊技球を発射し続けたとしても、位置可変手段の可変位置に応じて第2流路へと流入した遊技球が入球する入球手段を異ならせることができる。よって、位置可変手段の可変位置に応じて、遊技者が獲得する遊技価値を可変させることができる。従って、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機C6において、前記特典遊技付与手段により前記特典遊技が付与されたことに基づいて、前記位置可変手段を前記第2可変位置に可変させるように制御する保持制御手段を備え、前記特定流路は、前記少価値流路に比較して前記第2流路へと流入した遊技球が流入し易い位置に配置されたものであり、前記位置可変手段は、遊技球を保持することでその保持している遊技球により前記少価値流路へと遊技球を誘導し易くするものであることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技付与手段により特典遊技が付与されたことに基づいて、位置可変手段が保持制御手段により第2可変位置に可変される。少価値流路に比較して第2流路へと流入した遊技球が流入しやすい位置に特定流路が配置されている。位置可変手段により遊技球が保持されることでその保持されている遊技球により少価値流路へと遊技球が誘導される。
これにより、位置可変手段の可変位置と、位置可変手段により遊技球が保持されているか否かとに応じて第2流路へと流入した遊技球が入球する入球手段を異ならせることができる。よって、位置可変手段の可変位置に応じて、遊技者が獲得する遊技価値を可変させることができる。従って、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機C6からC8のいずれかにおいて、前記可変手段と前記位置可変手段とは一の部材で構成されているものであることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C6からC8のいずれかが奏する効果に加え、可変手段と位置可変手段とが一の部材で構成されているので、一の制御で可変手段の位置と位置可変手段の位置とを同時に切り替えることができる。よって、処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機C1からC9のいずれかにおいて、前記調節手段は、前記特定流路へと流下した遊技球が前記第1入球手段へと流入する比率を増加させた場合に遊技球が前記第2入球手段へと流入する比率を低下させ、遊技球が前記第1入球手段へと流入する比率を低下させた場合に遊技球が前記第2入球手段へと流入する比率を増加させるものであることを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、遊技機C1からC9のいずれかが奏する効果に加え、特定流路へと流下した遊技球が第1流路へと流入する比率が調整手段により増加された場合に遊技球が第2流路へと流入する比率が低下される。また、特定流路へと流下した遊技球が第1流路へと流入する比率が調整手段により低下された場合に遊技球が第2流路へと流入する比率が増加される。
これにより、比率を増加させた側の流路に対してより確実に遊技球が流入しやすくすることができるという効果がある。
<特徴D群>(通常遊技中に確変期待度を高める)
球が流下可能な遊技領域と、その遊技領域に設けられ、球が入球可能な入球手段と、その入球手段に球が入球した場合に、判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別の結果が、所定の判別結果である場合に特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備えた遊技機において、前記遊技領域に設けられ、球を貯留可能な貯留手段と、その貯留手段を球が貯留可能な貯留状態から、前記貯留状態を解除する解除状態へと可変させる可変手段と、前記遊技領域のうち、前記可変手段により前記貯留手段が前記解除状態へと可変された場合に、前記貯留手段に貯留されていた球が流下可能な特定遊技領域に設けられ、球が入球可能な特定入球手段と、その特定入球手段に球が入球した場合に、特典を付与可能な特典付与手段と、を有し、前記可変手段は、前記判別手段による判別の結果が前記所定の判別結果である場合に、前記貯留手段を前記解除状態へと可変させるものであることを特徴とする遊技機D1。
ここでパチンコ機等の遊技機には、特典遊技(大当たり遊技等)中に開放される可変入賞装置と、可変入賞装置内に設けられ、球が通過することによって遊技者に有利となる遊技状態(確変等)を付与可能にするパチンコ機が提案されている(例えば、特開2006−174874号公報)。この場合、特典遊技中に、可変入賞装置に球を入賞させることで賞球を獲得することができ、さらに、遊技者に有利となる遊技状態を獲得できる可能性があったため、遊技者の興趣を向上させるものであった。しかし、上述したパチンコ機においては、特典遊技中に実行される遊技のみが遊技者に有利となる遊技状態を獲得するか否かの結果に影響を与えるものであるため、特典遊技中以外の遊技期間において、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題点があった。
遊技機D1によれば、球が流下可能な遊技領域に設けられた入球手段に球が入球した場合に判別手段により判別が実行され、その判別の結果が所定の判別結果であると、特典遊技実行手段により特典遊技が実行される。そして、遊技領域には、判別手段の判別の結果が所定の判別結果の場合に、可変手段によって球を貯留可能な貯留状態からその貯留状態を解除する解除状態へと可変される貯留手段が設けられる。その貯留手段が解除状態になると、貯留手段に貯留されていた球が入球可能な特定入球手段が設けられ、その特定入球手段に球が入球すると特典遊技の終了後に特典が付与される。これにより、球を貯留している状態で貯留手段を解除状態へと可変させることで、特定入球手段へ球が入球する可能性を高めることができる。よって、特典遊技中以外の遊技において、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機D1において、前記貯留手段は、複数の球を貯留可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、複数の球を貯留可能に貯留手段が構成されているため、貯留手段に複数の球を貯留させることで特定入球手段へ球が入球する可能性をより高めることができる。よって、判別手段により所定の判別結果が判別されるまでの間、遊技者に対して意欲的な遊技を継続させることができるという効果がある。
遊技機D1またはD2において、前記特定遊技領域には球が流下可能な複数の経路が設けられており、前記複数の経路のうち1の経路を流下した球が前記特定入球手段に入球可能とするものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1またはD2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、球が流下可能な複数の経路が特定遊技領域に設けられ、そのうちの1の経路を流下した球が特定入球手段に入球される。これにより、特定遊技領域を流下する球が特定入球手段に入球するか否かを楽しみながら遊技を実行することができるという効果がある。
なお、遊技機D2の構成を有する場合は、貯留手段が複数の球を貯留可能に構成されているため、貯留手段に貯留された球が特定入球手段に入球する可能性を高めることができるという効果がある。
遊技機D3において、前記特定遊技領域に、球を前記複数の経路のうち何れかの経路に球を振り分ける振分手段を設けたことを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、振分手段によって特定遊技領域内に設けられた複数の経路の何れかに球が振り分けられるため、確実に球を複数の経路に振り分けることができるという効果がある。
遊技機D4において、前記振分手段は前記複数の経路に対して所定の順序で球を振り分けるものであり、前記貯留手段は、前記振分手段が前記1の経路に球を振り分けるために必要な球数以上の球を貯留可能であることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、振分手段により複数の経路に対して所定の順序で球が振り分けられる。そして、振分手段が第1の経路に球を振り分けるために必要な球数よりも多い球数が貯留手段に貯留可能に構成される。これにより、貯留手段に複数の球を貯留させることで特定入球手段に球を入球させることが可能となる。よって、遊技者に対して、貯留手段に球を貯留させようと意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機D1からD5のいずれかにおいて、終了条件を設定する終了条件設定手段と、その終了条件設定手段により設定された前記終了条件が成立した場合に、前記貯留手段を前記解除状態から前記貯留状態へと可変させる第2可変手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D1からD5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、終了条件設定手段により設定された終了条件が成立することにより、第2可変手段により貯留手段が解除状態から貯留状態へと可変させられる。これにより、終了条件を設定することで、特定入球手段へ球を入球させることが可能な期間と、特定入球手段へ入球可能な球を貯留する期間とを設定することが可能となる。よって、遊技者は貯留手段の状態に応じた遊技を実行することになるため、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
なお、終了条件設定手段により設定される終了条件としては、例えば、可変手段により貯留手段を解除状態にしてから所定時間(貯留手段に貯留されていた球が全て流下するのに十分な時間として4秒)の経過を終了条件としたり、可変入球手段を許容状態と規制状態とに複数回可変する特典遊技を実行する場合は、可変入球手段を所定回数(例えば、4回)許容状態へと可変させたタイミングを終了条件としたり、特典遊技が終了したタイミングを終了条件としたりすればよい。また、終了条件設定手段によって複数の終了条件が設定可能に構成するとよい。このように構成することで、特定入球手段へ球を入球させることが可能な期間と、特定入球手段へ入球可能な球を貯留する期間とを複数設定することが可能となり、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機D6において、前記終了条件設定手段は、前記特典遊技が終了するタイミングを前記終了条件として設定するものであることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D6の奏する効果に加え、終了条件設定手段により、特典遊技が終了するタイミングが終了条件として設定されるため、特典遊技中に特定入球手段を狙う遊技を実行することが可能となり、遊技の興趣を高めることができるという効果がある。
さらに、例えば、特典遊技が実行される場合に球が入球可能な許容状態へと可変する可変入球手段を設けた場合は、その可変入球手段の近傍に特定入球手段を設ける構成にすることで、特典遊技中において可変入球手段を狙う遊技と特定入球手段を狙う遊技とを遊技者に対して同時に行わせることができ、遊技の興趣を高めることができるという効果がある。
なお、ここで、特典遊技が終了するタイミングとは、特典遊技によって許容状態へと可変された可変入球手段が許容状態よりも球が入球困難となる規制状態へと可変するタイミングや、特典遊技によって許容状態へと可変された可変入球手段が規制状態へと可変されてから実行されるエンディング期間が終了するタイミングが考えられる。
遊技機D6またはD7において、前記終了条件設定手段は、前記特典遊技が実行されている所定タイミングを前記終了条件として設定するものであることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D6またはD7の奏する効果に加え、終了条件設定手段により、特典遊技が実行されている所定タイミングが終了条件として設定されるため、特典遊技が実行されている間に、貯留手段に球を貯留させることが可能となる。これにより、貯留手段が貯留状態となる期間を長くすることができるため、貯留手段に球を貯留させ易くすることができる。よって、遊技者の遊技意欲を高めることができるという効果がある。
なお、ここで、特典遊技が実行されている所定タイミングとして、特典遊技が実行されてから所定時間経過後(例えば、10秒経過後)のタイミングを設定することが考えられる。この場合は、貯留手段に貯留されていた球が全て遊技領域を流下するのに十分な時間を設定するとよい。このようにすることで、貯留手段が解除状態となる期間を最低限の期間にすることが可能となり、貯留手段に球を貯留させ易くすることができる。
また、特典遊技が実行されている所定タイミングとして、例えば、可変入球手段を複数回(例えば、8回)許容状態へと可変する特典遊技(例えば、8ラウンド大当たり)が実行される場合は、その特典遊技の途中(例えば、4ラウンド目)の段階を所定タイミングとするとよい。このようにすることで、特典遊技中に特定入球手段へ入球させる遊技も実行することが可能となり、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機D6からD8のいずれかにおいて、前記終了条件設定手段は、複数の前記終了条件を設定可能であり、前記複数の終了条件のうち何れかの終了条件を選択する選択手段を有し、前記第2可変手段は、前記選択手段により選択された前記終了条件に基づいて前記貯留手段を前記貯留状態へと可変するものであることを特徴とする遊技機D9。
遊技機D9によれば、遊技機D6からD8のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、終了条件設定手段により設定される複数の終了条件のうち何れかの終了条件が選択手段により選択され、その選択された終了条件に基づいて、第2可変手段により貯留手段が貯留状態へと可変される。これにより、貯留手段が貯留状態へと可変するタイミングを異ならせることが可能となる。よって、特定入球手段へ球を入球させることが可能な遊技が可能な期間と、特定入球手段へ入球可能な球を貯留する遊技が可能な期間とを複数のタイミングで設定することが可能となるため、複雑な遊技を提供することができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機D1からD10のいずれかにおいて、前記特定入球手段とは別に設けられ、球の入球を許容する許容状態と、球の入球を規制する規制状態とに可変可能な可変入球手段を有し、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技は、前記可変入球手段を前記許容状態へと可変させるものであり、前記特典付与手段は、前記特典遊技が実行されている間に前記特定入球手段に球が入球した場合に、前記特典とは異なる第2の特典を付与可能とするものであることを特徴とする遊技機D11。
ここでパチンコ機等の遊技機には、特典遊技(大当たり遊技等)中に開放される可変入賞装置と、可変入賞装置内に設けられ、球が通過することによって遊技者に有利となる遊技状態(確変等)を付与可能にするパチンコ機が提案されている(例えば、特開2006−174874号公報)。この場合、特典遊技中に可変入賞装置に球を入賞させることで賞球を獲得することができ、さらに、遊技者に有利となる遊技状態を獲得できる可能性があったため、遊技者の興趣を向上させるものであった。しかし、上述したパチンコ機においては、特典遊技中に可変入賞装置に入賞しなかった球は無駄球となってしまうため、特典遊技中に可変入賞装置に入賞しない球が頻繁に発生することで、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題点があった。
遊技機D11によれば、遊技機D1からD10のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技が実行されることで、球の入球を規制する規制状態から球の入球を許容する許容状態へと可変される可変入球手段が特定入球手段とは別に設けられ、特典遊技が実行されている間に特定入球手段に球が入球した場合に、第2の特典が付与される。これにより、特典遊技中において特定入球手段に球が入球すると第2の特典を付与することができる。よって、特典遊技中に特定入球手段へ球を入球させる遊技を実行することができるため、遊技者の遊技意欲を向上させることができるという効果がある。
<特徴E群>(特定経路を流下した球がV確入賞口へ入賞)
球の入球を許容する許容状態と、球の入球を規制する規制状態とに可変可能な可変入球手段と、特定条件が成立したことに基づいて前記可変入球手段を前記許容状態へと可変させる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記可変入球手段とは別に設けられ、球が入球可能な入球手段と、その入球手段に球が入球することに基づいて第1の特典を付与する特典付与手段と、を備え、前記特典付与手段は、前記特典遊技が実行されている間に前記入球手段に球が入球した場合に、前記第1の特典とは異なる第2の特典を付与可能とするものであることを特徴とする遊技機E1。
ここでパチンコ機等の遊技機には、特典遊技(大当たり遊技等)中に開放される可変入賞装置と、可変入賞装置内に設けられ、球が通過することによって遊技者に有利となる遊技状態(確変等)を付与可能にするパチンコ機が提案されている(例えば、特開2006−174874号公報)。この場合、特典遊技中に可変入賞装置に球を入賞させることで賞球を獲得することができ、さらに、遊技者に有利となる遊技状態を獲得できる可能性があったため、遊技者の興趣を向上させるものであった。しかし、上述したパチンコ機においては、特典遊技中に可変入賞装置に入賞しなかった球は無駄球となってしまうため、特典遊技中に可変入賞装置に入賞しない球が頻繁に発生することで、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題点があった。
遊技機E1によれば、特典遊技実行手段により、球の入球を許容する許容状態と、球の入球を規制する規制状態とに可変可能な可変入球手段を許容状態へと可変する特典遊技が実行さる。可変入球手段とは別に設けられ球が入球することで第1の特典を付与可能な入球手段を設ける。そして、特典遊技が実行されている間に入球手段に球が入球した場合に、第1の特典とは異なる第2の特典が特典付与手段により付与される。これにより、特典遊技中において、可変入球手段以外の入球手段に球が入球すると第1の特典とは異なる第2の特典を付与することができる。よって、特典遊技中に可変入球手段に入球しなかった球を用いた遊技を実行することができるため、遊技者の遊技意欲を向上させることができるという効果がある。
遊技機E1において、前記入球手段に球が入球可能な第1の状態と、その第1の状態よりも入球し難い第2の状態とを設定可能な設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、設定手段によって、特典遊技が実行されている間に入球手段に球が入球しやすい第1の状態と、第1の状態よりも入球手段に球が入球し難い第2の状態とが設定される。これにより、特典遊技が実行されている間に入球手段へ球を入球させやすい状態と、入球させ難い状態とを設定することができるため、遊技者は特典遊技が実行されている間に第2の特典が付与されることを期待しながら遊技を行うことなる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機E2において、前記設定手段は、球が通過可能な複数の経路と、その複数の経路に球を振り分ける振分手段とを有し、前記振分手段は、少なくとも前記設定手段により前記第1の状態が設定されている場合に球が通過可能となる第1の経路と、前記第2の状態が設定されている場合に球が通過可能となる第2の経路との何れかに球を振り分けるものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、振分手段によって、第1の状態が設定されている場合に球が通過可能となる第1の経路と、第2の状態が設定されている場合に球が通過可能となる第2の経路とに球が振り分けられる。これにより、入球手段に球を入球しやすい状態と、入球し難い状態とを球の通過する経路によって設定することができる。これにより、遊技者は球の流れに注視することになるため、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機E3において、前記複数の経路は、前記第1の経路とは別に、前記第1の状態が設定されている場合に球が通過可能となる第3の経路を有しており、前記第1の経路は、前記第3の経路よりも短期間で球を前記入球手段へ入球させるものであり、前記振分手段は、前記第1の状態が設定されている場合に、前記第1の経路と前記第3の経路とに球を振り分け可能であることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数の経路として、第1の経路とは別に、第1の状態が設定されている場合に球が通過可能となる第3の経路を有し、第1の状態が設定されている場合に振分手段によって第1の経路または第3の経路に球が振り分けられる。これにより、第1の状態が設定されている場合に、入球手段に球が入球するタイミングを異ならせることができる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機E3またはE4において、前記振分手段は前記複数の経路に対して所定の順序で球を振り分けるものであることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E3またはE4の奏する効果に加え、振分手段により、複数の経路に対して所定の順序で球が振り分けられるため、特典遊技が実行されている間に複数の球を振分手段へと流下させることで、確実に入球手段へと球を入球させることが可能となる。よって、特典遊技が実行されている間に遊技者に意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機E1からE5のいずれかにおいて、遊技球が流下可能な遊技領域と、その遊技領域へ向けて球を発射可能な発射手段と、その発射手段の発射強度を調整可能な発射強度調整手段と、を有し、前記発射強度調整手段により所定の発射強度で発射された球が流下可能な所定の遊技領域に、前記可変入球手段と前記入球手段とを設けたことを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E1からE5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技領域へ向けて球を発射可能な発射手段の発射強度が、発射強度調整手段により所定の発射強度に調整された場合に球が流下可能となる所定の遊技領域に可変入球手段と入球手段とが設けられる。これにより、特典遊技が実行されている間は、所定の発射強度で球を発射するだけで、可変入球手段へ球を入球させる遊技と入球手段へと球を入球させる遊技とを実行することができる。よって、遊技者に対して複数の遊技を同時に行わせることができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機E1からE5のいずれかにおいて、遊技球が流下可能な遊技領域と、その遊技領域へ向けて球を発射可能な発射手段と、その発射手段の発射強度を調整可能な発射強度調整手段と、を有し、前記発射強度調整手段により所定の発射強度で発射された球が流下可能な所定の遊技領域に、前記可変入球手段を設け、前記発射強度調整手段により所定の発射強度で発射された球が流下困難な遊技領域に、前記入球手段を設けたことを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E1からE5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技領域へ向けて球を発射可能な発射手段の発射強度が、発射強度調整手段により所定の発射強度に調整された場合に球が流下可能となる所定の遊技領域に可変入球手段を設け、所定の発射強度で発射された球が入球困難な遊技領域に入球手段が設けられる。これにより、特典遊技が実行されている間に、所定の発射強度で球を発射して可変入球手段へ球を入球させる遊技を実行するか、所定の発射強度以外の発射強度で球を発射して入球手段へと球を入球させる遊技を実行するかを、遊技者が発射強度調整手段を操作することで決定することができる。よって、特典遊技が実行されている間において遊技者に対して積極的に遊技を行わせることができるため、遊技に早期に飽きてしまうという事態を抑制することができるという効果がある。
<特徴F群>(アタッカ開閉パターンでV確入賞口への入賞率変更)
球の入球を許容する許容状態と、球の入球を規制し下流側へ通過させる規制状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段を可変制御する可変制御手段と、特定条件が成立したことに基づいて、前記可変制御手段により前記可変入球手段を前記許容状態と前記規制状態とに交互に可変させる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記可変入球手段とは別に設けられ、球が入球可能な入球手段と、その入球手段に球が入球することに基づいて第1の特典を付与可能な特典付与手段と、を備え、前記特典付与手段は、前記特典遊技が実行されている間に前記入球手段に球が入球した場合に、前記第1の特典とは異なる第2の特典を付与可能とするものであり、前記可変制御手段の可変制御パターンとして、前記入球手段に球が入球可能な第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも前記入球手段に球が入球困難な第2可変パターンとの何れかを設定する可変パターン設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機F1。
ここでパチンコ機等の遊技機には、特典遊技(大当たり遊技等)中に開放される可変入賞装置と、可変入賞装置内に設けられ、球が通過することによって遊技者に有利となる遊技状態(確変等)を付与可能にするパチンコ機が提案されている(例えば、特開2006−174874号公報)。この場合、特典遊技中に可変入賞装置に球を入賞させることで賞球を獲得することができ、さらに、遊技者に有利となる遊技状態を獲得できる可能性があったため、遊技者の興趣を向上させるものであった。しかし、上述したパチンコ機においては、特典遊技中に可変入賞装置に入賞しなかった球は無駄球となってしまうため、特典遊技中に可変入賞装置に入賞しない球が頻繁に発生することで、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題点があった。
遊技機F1によれば、特典遊技実行手段により特典遊技が実行されると、可変入球手段が可変制御手段により、球の入球を許容する許容状態と、球の入球を規制する規制状態とに交互に可変される。そして、可変入球手段とは別に、球が入球することで特典付与手段により第1の特典が付与可能な入球手段が設けられる。特典遊技が実行されている間に入球手段に球が入球すると、第1の特典とは異なる第2の特典が特典付与手段により付与される。さらに、可変制御手段の可変制御パターンとして、入球手段に入球可能な第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも入球困難な第2可変パターンの何れかが可変パターン設定手段により設定される。これにより、特典遊技が実行されている間に、入球手段に球が入球すると第1の特典とは異なる第2の特典を付与することができる。よって、特典遊技中に可変入球手段に入球しなかった球を用いた遊技を実行することができるため、遊技者の遊技意欲を向上させることができるという効果がある。さらに、可変パターン設定手段により可変制御手段の可変制御パターンとして、入球手段へ球が入球しやすい第1可変パターンと、入球手段へ球が入球し難い第2可変パターンとの何れかを設定できるため、遊技者は特典遊技が実行されている間に、入球手段に球を入球するか否かを楽しみながら遊技を行うことができる。よって、遊技者の遊技意欲を向上させることができるという効果がある。
遊技機F1において、前記入球手段は、前記規制状態である前記可変入球手段を通過した球が入球可能であることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、規制状態である可変入球手段を通過した球が入球可能となるように入球手段が設けられるため、可変制御手段により可変制御される可変制御パターンに基づいて入球手段への入球のし易さを確実に設定することができる。よって、意図しないタイミングで入球手段に球が入球してしまうことを防止することができ、適正な遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機F1またはF2において、前記可変パターン設定手段は、前記可変入球手段が前記規制状態となる期間を異ならせることで、前記第1可変パターンと前記第2可変パターンとを設定するものであることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1またはF2の奏する効果に加え、可変入球手段が規制状態となる期間を異ならせることで、第1可変パターンと第2可変パターンとが設定されるため、入球手段への入球のし易さを容易に変更することができるという効果がある。
遊技機F1からF3のいずれかにおいて、前記可変パターン設定手段は、前記可変制御手段によって前記可変入球手段の可変制御が開始されるタイミングを異ならせることで、前記第1可変パターンと前記第2可変パターンとを設定するものであることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F1からF3のいずれかの奏する効果に加え、可変入球手段の可変制御が開始されるタイミングを異ならせることで、第1可変パターンと第2可変パターンとが設定されるため、入球手段への入球のし易さを容易に変更することができるという効果がある。
なお、遊技機F3の構成を有する場合は、可変入球手段が規制状態となる期間と可変入球手段の可変制御が開始されるタイミングとをそれぞれ異ならせることで、入球手段への入球のし易さをより複雑にすることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機F1からF4のいずれかにおいて、前記可変入球手段とは別に、球の入球を許容する許容状態と、球の入球を規制し下流側へ通過させる規制状態とに可変可能な第2可変入球手段を有し、前記可変制御手段は、前記規制状態である前記可変入球手段を通過した球が、前記第2可変入球手段へ入球するように、前記可変入球手段と前記第2可変入球手段とを可変制御するものであることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F1からF4の何れかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変入球手段とは別に、球の入球を許容する許容状態と、球の入球を規制し下流側へ通過させる規制状態とに可変可能な第2可変入球手段を有し、規制状態である可変入球手段を通過した球が、第2可変入球手段へ入球するように、可変入球手段と第2入球手段とが可変制御手段により可変制御される。これにより、特典遊技が実行されている間に意図しないタイミングで入球手段に球が入球することを抑制することができる。よって、適正な遊技を提供することができるという効果がある。
なお、遊技機F5の構成は、以下に示す特典遊技が実行される場合により効果を奏する。例えば、特典遊技として、可変入球手段が開放される期間を1回の遊技とし、予め定められた所定回数の遊技が連続して行われる場合において、1回の遊技が終了し、次の回の遊技が開始されるまでの間に可変入球手段が規制状態へと可変されることになる。この場合に、可変入球手段を通過した球が入球手段へ入球してしまうと特典遊技が実行されている間に複数の球が入球手段に入球してしまうという問題があった。遊技機F5によれば、可変入球手段が開放される遊技が終了し、規制状態となった可変入球手段を通過した球が第2可変入球手段に入球するように可変制御されるため、意図しないタイミングで入球手段に球が入球することを抑制することができる。
<特徴G群>(Vゲート通過タイミングに有利不利を設ける)
球の入球を許容する許容状態と、球の入球を規制する規制状態とに可変可能な可変入球手段と、特定条件の成立に基づいて、前記可変入球手段を前記許容状態へと可変させる特典遊技を付与する付与条件を成立させる付与条件成立手段と、球が通過可能な特定領域と、前記付与条件成立手段により前記付与条件が成立されている場合に、前記特定領域を球が通過したことに基づいて、前記特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記可変入球手段とは別に設けられ、球が入球可能な入球手段と、前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行されている間に前記入球手段に球が入球した場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、前記特定領域に球を通過させる期間として、前記特典を付与し易い有利期間と、その有利期間よりも前記特典を付与し難い不利期間とを設定する期間設定手段を有することを特徴とする遊技機G1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、特別図柄の抽選によって大当たりに当選した後、特定領域に球を通過させることで大当たり遊技を開始するパチンコ機が提案されている(例えば、特開2013−233181号公報)。この場合、特別図柄の抽選によって大当たりに当選した後に、特定領域に球を通過させる遊技を実行することで大当たり遊技が開始されるため、興趣に富んだパチンコ機を提供するものであった。しかし、上述したパチンコ機において、大当たりに当選した後に実行される特定領域に球を通過させる遊技は、大当たり遊技を開始させるためだけの遊技であったため、更なる興趣の向上が求められていた。
遊技機G1によれば、特定条件の成立に基づいて、付与条件成立手段により特典遊技を付与する付与条件が成立する。この付与条件が成立している場合に、特定領域に球が通過することで特典遊技実行手段により特典遊技が実行される。さらに、特典遊技が実行されている間に入球することで特典付与手段により遊技者に有利な特典が付与される入球手段を設ける。そして、特定領域に球を通過させる期間として、特典遊技が実行されている間に入球手段に球が入球し易い有利期間と、その有利期間よりも入球し難い不利期間とが期間設定手段により設定される。これにより、特定領域へ球を通過させる期間に有利期間と不利期間とを設けることができるため、遊技者に対して特定領域へ球を通過させる遊技を意欲的に行わせることができる。よって、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
遊技機G1において、前記期間設定手段は、前記付与条件成立手段により前記付与条件が成立してから所定期間の間を前記有利期間として設定するものであることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、期間設定手段により、付与条件成立手段によって付与条件が成立してから所定期間の間が有利期間となるよう設定されるため、遊技者は付与条件が成立すると、早急に球を特定領域へ通過させるために意欲的に遊技を行うことになる。よって、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機G1またはG2において、前記期間設定手段により設定される前記有利期間の長さを変更可能な有利期間変更手段を備えることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G1またはG2の奏する効果に加え、有利期間変更手段により有利期間の長さが変更されるため、特典付与手段により特典が付与されやすい遊技と特典が付与されにくい遊技とを設定することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
なお、遊技機G2の構成を有する場合は、付与条件が成立してから有利期間が終了するタイミングが変更されることになるため、特定領域に球を通過させたタイミングが有利期間中か否かを遊技者に把握させ難くすることができるという効果がある。
遊技機G1からG3のいずれかにおいて、球を複数の経路に振り分ける振分手段を有し、前記振分手段により、前記複数の経路のうち1の経路に振り分けられた球が前記特定領域を通過可能であることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G1からG3の何れかの奏する効果に加え、振分手段により複数の経路に球が振り分けられ、そのうちの1の経路に振り分けられた球を特定領域へと通過させるため、特定領域に球が通過するタイミングが振分手段の振り分け結果によって異なることになる。よって、様々なタイミングで球が特定領域を通過することになるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機G1からG4のいずれかにおいて、前記特典付与手段は、前記特典として前記特典遊技が終了した後に前記特定条件が成立する確率が通常よりも高く設定された高確率状態を付与するものであることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G1からG4の何れかの奏する効果に加え、特典付与手段により、特典遊技が終了した後に特定条件が成立する確率が通常よりも高く設定された高確率状態が付与されるため、遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機G1からG5のいずれかにおいて、前記特定領域を球が通過したタイミングが前記有利期間であるかを判別する判別手段と、その判別手段が有利期間であると判別したことに基づいて報知を行う報知手段と、を備えることを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G1からG5の何れかの奏する効果に加え、球が特定領域を通過したタイミングが有利期間であることが判別手段により判別されると、報知手段によりその判別結果に基づいた報知がされる。これにより、遊技者に対して球が特定領域を通過したタイミングが有利期間であったことを認識させることができる。
なお、遊技機G5の構成を有する場合は、特定領域を球が通過してから特典付与手段により特典が付与されるまでの期間が長いため、報知手段による報知を行うことで遊技者に安心して特典遊技を実行させることができる。
<特徴H群>(大当たり中はV確入賞口へ入賞可能)
球の入球を許容する許容状態と、球の入球を規制する規制状態とに可変可能な可変入球手段と、特定条件が成立したことに基づいて前記可変入球手段を前記許容状態へと可変させる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記可変入球手段とは別に設けられ、球が入球可能な入球手段と、その入球手段に球が入球することに基づいて第1の特典または前記第1の特典よりも遊技者に有利な第2の特典を付与する特典付与手段と、前記特典遊技が実行されている間に、前記入球手段に球が入球したことを判別する判別手段と、を備え、前記特典付与手段は、前記判別手段により前記特典遊技が実行されている間に前記入球手段に球が入球したと判別された場合に、前記第2の特典を付与するものであり、前記入球手段への球の流下を許容する許容位置と、その許容位置よりも球の流下を規制する規制位置とに可変可能な可変手段と、前記特定条件が成立したことに基づいて前記可変手段を前記許容位置へと可変させる可変制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機H1。
<特徴I群>(Vゲート通過時に決定される大当たり種別でV確期待度を設定)
特定条件の成立に基づいて、遊技者に特典遊技を付与する付与条件を成立させる付与条件成立手段と、球が通過可能な特定領域と、前記付与条件成立手段により前記付与条件が成立されている場合に、前記特定領域を球が通過したことに基づいて、遊技者に付与する前記特典遊技の種別を設定する特典遊技種別設定手段と、その特典遊技種別設定手段により設定された前記特典遊技の種別に基づいて前記特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記可変入球手段とは別に設けられ、球が入球可能な入球手段と、前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行されている間に前記入球手段に球が入球した場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、を備え、前記特典遊技種別設定手段は、少なくとも前記特典遊技が実行されている間に前記入球手段に球が入球し易い第1の特典遊技種別と、その第1の特典遊技種別よりも前記特典遊技が実行されている間に前記入球手段に球が入球し難い第2の特典遊技種別のうちいずれかを設定するものであることを特徴とする遊技機I1。
遊技機A1〜A14,B1〜B11,C1〜C10,D1〜D11,E1〜E7,F1〜F5,G1〜G6,H1,I1のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1〜A14,B1〜B11,C1〜C10,D1〜D11,E1〜E7,F1〜F5,G1〜G6,H1,I1のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1〜A14,B1〜B11,C1〜C10,D1〜D11,E1〜E7,F1〜F5,G1〜G6,H1,I1のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
10 パチンコ機(遊技機)
13 遊技盤(遊技領域)
64 第1入球口(入球手段の一部)
630a 特定一般入賞口(特定入球手段)
640 第2入球口(入球手段の一部)
900 第1振分部材(振分手段)
901 第2振分部材(振分手段)
902 第3振分部材(振分手段)
1600 第2貯留装置(貯留手段)
1601a 貯留弁(可変手段)
S216 判別手段
S1004 特典遊技実行手段
S1110 特典付与手段
本発明は、パチンコ機に代表される遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機には、特典遊技(当たり遊技等)中に開放される可変入賞装置と、可変入賞装置内に設けられ、球が通過することによって遊技者に有利となる遊技状態(確変等)を付与可能にするものがある。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点などを解決するためになされたものであり、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、球が流下可能な遊技領域と、その遊技領域に設けられ、球が入球可能な入球手段と、その入球手段に球が入球したことに基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別の結果が、所定の判別結果であることに基づいて、特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記遊技領域に設けられ、球を貯留可能な貯留手段と、その貯留手段を球が貯留可能な貯留状態から、前記貯留状態を解除する解除状態へと可変させる可変手段と、前記遊技領域のうち、前記可変手段により前記貯留手段が前記解除状態へと可変された場合に、前記貯留手段に貯留されていた球が流下可能な特定遊技領域に設けられ、球が入球可能な特定入球手段と、その特定入球手段に球が入球した場合に、特典を付与可能な特典付与手段と、前記特定領域には、前記貯留手段より流下した球を前記特定入球手段へと振り分けることが可能な振り分け手段と、を有し、前記振り分け手段は、前記貯留手段より流下した球を振分条件が成立している場合に前記特定入球手段へと振り分けることが可能に構成されており、前記貯留手段により貯留されなかった球によって前記振分条件を成立し易くすることが可能に構成されているものである。
請求項1記載の遊技機によれば、球が流下可能な遊技領域と、その遊技領域に設けられ、球が入球可能な入球手段と、その入球手段に球が入球したことに基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別の結果が、所定の判別結果であることに基づいて、特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記遊技領域に設けられ、球を貯留可能な貯留手段と、その貯留手段を球が貯留可能な貯留状態から、前記貯留状態を解除する解除状態へと可変させる可変手段と、前記遊技領域のうち、前記可変手段により前記貯留手段が前記解除状態へと可変された場合に、前記貯留手段に貯留されていた球が流下可能な特定遊技領域に設けられ、球が入球可能な特定入球手段と、その特定入球手段に球が入球した場合に、特典を付与可能な特典付与手段と、前記特定領域には、前記貯留手段より流下した球を前記特定入球手段へと振り分けることが可能な振り分け手段と、を有し、前記振り分け手段は、前記貯留手段より流下した球を振分条件が成立している場合に前記特定入球手段へと振り分けることが可能に構成されており、前記貯留手段により貯留されなかった球によって前記振分条件を成立し易くすることが可能に構成されているものである。
よって、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。
パチンコ機の遊技盤の正面図である。
パチンコ機の背面図である。
(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図あり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
(a)は、右打ちナビが表示された表示画面を例示した図であり、(b)は、右打ち警告画像が表示された表示画面を例示した図である。
(a)は、大当たり中における表示画面を例示した図であり、(b)は、大当たり中に大価値入賞口へと球が入球した場合の表示画面を例示した図である。
(a),(b)は、警告画像が表示された表示画面を例示した図である。
貯留装置の正面図である。
(a)は、貯留弁が閉鎖されている場合において貯留装置へと流入した球の進行方向を示す図であり、(b)は、貯留弁が開放されている場合において貯留装置へと流入した球の進行方向を示す図である。
遊技盤の右側に設けられた経路のうち上流側を示す図である。
遊技盤の右側に設けられた経路のうち下流側を示す図である。
(a)は、第1特定入賞口が開放された状態を示す図であり、(b)は、第2特定入賞口が開放された状態を示す図である。
(a)は、第1特定入賞口が閉鎖された状態における球の経路を示す図であり、(b)は、第1特定入賞口が開放された状態における球の経路を示す図である。
(a)は、第2特定入賞口が閉鎖された状態における球の経路を示す図であり、(b)は、第2特定入賞口が開放された状態における球の経路を示す図である。
(a)は、確変入球口が閉鎖されている状態で第2可変入賞装置内へと入球した球の進行方向を示す図であり、(b)は、確変入球口が開放されている状態で第2可変入賞装置内へと入球した球の進行方向を示す図である。
(a)は、大当たりAの12ラウンド目における第2特定入賞口の状態と第2可変入賞装置内の流路の状態との計時変化を示す図であり、(b)は、大当たりBの12ラウンド目における第2特定入賞口の状態と第2可変入賞装置内の流路の状態との計時変化を示す図である。
パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
(a)は、主制御装置内のROMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。
各種カウンタの概要を示す図である。
主制御装置内のRAMの電気的構成を示すブロック図である。
表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。
転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。
描画リストの一例を模式的に示した模式図である。
主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動開始処理を示したフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される先読み処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される大当たり動作設定処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行されるエンディング処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される入賞処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される異常処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行される入賞コマンド設定処理を示すフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるエラー報知処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される当たり時報知処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される通常時報知処理を示したフローチャートである。
音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるブート処理を示すフローチャートである。
(a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド割込処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるV割込処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。
(a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される変動パターンコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される停止種別コマンド処理を示したフローチャートである。
(a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるオープニングコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるラウンド数コマンド処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるエンディングコマンド処理を示したフローチャートである。
(a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される背面画像変更コマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるエラーコマンド処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行される表示設定処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行される警告画像設定処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるポインタ更新処理を示したフローチャートである。
(a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される転送設定処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される常駐画像転送設定処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行される通常画像転送設定処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行される描画処理を示したフローチャートである。
第2実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。
(a)は、第2実施形態の貯留弁が閉鎖されている場合における表示画面を例示した図であり、(b)は、第2実施形態の貯留弁が開放されている場合における表示画面を例示した図である。
第2実施形態における貯留装置の正面図である。
(a)は、第2実施形態における貯留弁が閉鎖されている場合において貯留装置へと流入した球が大価値入賞口へと誘導される場合を例示した図であり、(b)は、第2実施形態における貯留弁が閉鎖されている場合において貯留装置へと流入した球が小価値入賞口へと誘導される場合を例示した図である。
第2実施形態における貯留弁が開放されている場合において貯留装置へと流入した球の進行方向を例示した図である。
第2実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
(a)は、第2実施形態における第1当たり種別選択テーブルの規定内容を示す図であり、(b)は、第2実施形態における主制御装置内のRAMの電気的構成を示すブロック図である。
第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理2を示すフローチャートである。
第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される貯留制御処理を示すフローチャートである。
第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示すフローチャートである。
第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される警告処理を示すフローチャートである。
第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される貯留時報知処理を示すフローチャートである。
第2実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される解除時報知処理を示すフローチャートである。
第1実施形態の変形例における大当たり中の表示画面を例示した図である。
第1実施形態の変形例における遊技盤の右側に設けられた経路のうち下流側を示す図である。
(a)は、第1実施形態の変形例のスライド部材が正面視手前側に突出した状態における貯留装置および第2可変入賞装置の平面図であり、(b)は、第1実施形態の変形例のスライド部材が正面視奥側に埋没した状態における貯留装置および第2可変入賞装置の平面図である。
第1実施形態の変形例における第1当たり種別選択テーブルの規定内容を示す図である。
第1実施形態の変形例における主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理3を示すフローチャートである。
第1実施形態の変形例における主制御装置内のMPUにより実行される大当たり動作設定処理2を示すフローチャートである。
第1実施形態の変形例における主制御装置内のMPUにより実行される入賞処理2を示すフローチャートである。
第1実施形態の変形例における主制御装置内のMPUにより実行される入賞口閉鎖処理を示すフローチャートである。
第1実施形態の変形例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるエラー報知処理2を示すフローチャートである。
第1実施形態の変形例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される当たり時報知処理2を示すフローチャートである。
第2実施形態の変形例における遊技盤の正面図である。
第2実施形態の変形例における貯留装置内に貯留された球が遊技者にとって不利な配置となった状態で貯留装置内へと流入した球の進行方向を示す図である。
第2実施形態の変形例における貯留装置内に貯留された球が遊技者にとって有利な配置となった状態で貯留装置内へと流入した球の進行方向を示す図である。
第2実施形態の変形例における表示画面に表示される示唆表示画像を示す図である。
第2実施形態の変形例におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
第2実施形態の変形例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
第2実施形態の変形例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される解除示唆表示処理を示したフローチャートである。
第2実施形態の変形例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。
第2実施形態の変形例における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される貯留状態コマンド処理を示したフローチャートである。
第3実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。
第3実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の右側領域を示す図である。
第3実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の右側領域を示す図である。
第3実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の右側領域を示す図である。
第3実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
(a)は、第3実施形態における主制御装置内のROMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、第3実施形態における第1当たり種別選択テーブルの規定内容を示す図である。
(a)は、第3実施形態における変動パターン選択テーブルの規定内容を示す図であり、(b)は、第3実施形態における時短(確変)中大当たりテーブルの規定内容を示す図であり、(c)は、第3実施形態における時短(確変)中外れテーブルの規程内容を示す図である。
(a)は、第3実施形態における開放シナリオ設定テーブルの規程内容を示す図であり、(b)は、第3実施形態における開放シナリオ設定テーブル(通常)の規程内容を示す図であり、(c)は、第3実施形態における開放シナリオ設定テーブル(確変)の規程内容を示す図である。
第3実施形態における主制御装置内のRAMの電気的構成を示すブロック図である。
(a)および(b)は、第3実施形態における第3図柄表示装置の表示画面を例示した図である。
第3実施形態における期待度表示選択テーブルの規程内容を示す図である。
(a)は、第3実施形態における通常遊技状態における大当たりAの開放動作を示すタイミングチャートであり、(b)は、第3実施形態における確変遊技状態における大当たりAの開放動作を示すタイミングチャートである。
第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。
第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理3を示すフローチャートである。
第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される開放シナリオ設定処理を示すフローチャートである。
第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される異常入賞処理を示すフローチャートである。
第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理4を示すフローチャートである。
第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるエンディング処理3を示すフローチャートである。
第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される入賞処理3を示すフローチャートである。
第3実施形態における音声ランプ制御装置のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
第3実施形態における音声ランプ制御装置のMPUにより実行されるコマンド判定処理3を示すフローチャートである。
第3実施形態における音声ランプ制御装置のMPUにより実行されるエラー報知処理3を示すフローチャートである。
第3実施形態における音声ランプ制御装置のMPUにより実行される貯留状態判定処理を示すフローチャートである。
第3実施形態における音声ランプ制御装置のMPUにより実行される時短中表示処理を示すフローチャートである。
第4実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。
第4実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の右側領域を示す図である。
第4実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
(a)は、第4実施形態における主制御装置内のROMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、第4実施形態における第1当たり種別選択テーブルの規定内容を示す図である。
(a)は、第4実施形態における第2開放シナリオ設定テーブルの規程内容を示す図であり、(b)は、第4実施形態における第2開放シナリオ設定テーブル(通常)の規程内容を示す図であり、(c)は、第4実施形態における第2開放シナリオ設定テーブル(確変)の規程内容を示す図である。
(a)は、第4実施形態における通常遊技状態における大当たりBの開放動作を示すタイミングチャートであり、(b)は、第4実施形態における確変遊技状態における大当たりBの開放動作を示すタイミングチャートである。
(a)および(b)は、第4実施形態における第3図柄表示装置の表示画面を例示した図である。
第4実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される入賞処理4を示すフローチャートである。
第4実施形態における音声ランプ制御装置のMPUにより実行されるコマンド判定処理4を示すフローチャートである。
第4実施形態における音声ランプ制御装置のMPUにより実行されるラウンド演出処理を示すフローチャートである。
第5実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。
第5実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の右側領域を示す図である。
第5実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
(a)は、第5実施形態における主制御装置内のROMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、第5実施形態における第1当たり種別選択テーブルの規定内容を示す図である。
(a)は、第5実施形態における第3開放シナリオ設定テーブルの規程内容を示す図であり、(b)は、第5実施形態における第3開放シナリオ設定テーブル(通常)の規程内容を示す図であり、(c)は、第5実施形態における第3開放シナリオ設定テーブル(確変)の規程内容を示す図である。
(a)は、第5実施形態における主制御装置内のRAMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、第5実施形態における擬似演出回数設定テーブルの規程内容を示す図である。
第5実施形態における大当りに当選した場合の遊技の流れを示すタイミングチャートである。
第5実施形態における大当りに当選した場合の遊技の流れを示すタイミングチャートである。
第5実施形態における擬似演出の流れを示す図である。
(a)および(b)は、第5実施形態における第3図柄表示装置の表示画面の一例を示す図である。
(a)および(b)は、第5実施形態における第3図柄表示装置の表示画面の一例を示す図である。
(a)および(b)は、第5実施形態における第3図柄表示装置の表示画面の一例を示す図である。
第5実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理5を示すフローチャートである。
第5実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
第5実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される大当たり種別決定処理を示すフローチャートである。
第5実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される貯留弁開放処理を示すフローチャートである。
第5実施形態における音声ランプ制御装置のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
第5実施形態における音声ランプ制御装置のMPUにより実行されるコマンド判定処理5を示すフローチャートである。
第5実施形態における音声ランプ制御装置のMPUにより実行される大当たり関連処理を示すフローチャートである。
第5実施形態における音声ランプ制御装置のMPUにより実行されるラウンド演出処理5を示すフローチャートである。
第5実施形態における音声ランプ制御装置のMPUにより実行される擬似演出処理を示すフローチャートである。
第3実施形態の変形例におけるパチンコ機の遊技盤の右側領域を示す図である。
第4実施形態の変形例におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の後面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図17参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図17参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(可動部材310を図示し、その他は図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、普通入球口(スルーゲート)67、可変表示装置ユニット80、貯留装置600等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の後面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、可変表示装置ユニット80、貯留装置600は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図17参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、第1入球口64、および第2入球口640へ入賞があったことを契機として特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が普通入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64、および第2入球口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。なお、説明の便宜上、第1入球口64への入球に対して行われる特別図柄の抽選を「特別図柄1の抽選」と称し、第2入球口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選を「特別図柄2の抽選」と称する。
特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される動作が15回(15ラウンド)繰り返される。より具体的には、1〜11ラウンド、および13〜15ラウンドでは、第1特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、12ラウンドでは第2特定入賞口650aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。その結果、その第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
また、第2可変入賞装置650の内部には、特別遊技状態の終了後に付与される大当たり終了後の付加価値を決定するための2種類の入球口(確変入球口654、および通常入球口655)が設けられている(図15参照)。詳細については後述するが、特別遊技状態において確変入球口654に対して球が入球した場合は、大当たり終了後の付加価値として「特別図柄の高確率状態」が付与される。一方、特別遊技状態中に一度も確変入球口654へと球が入球しなかった場合は、大当たり終了後の付加価値として「普通図柄の時短状態」が付与される。なお、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられている(図18(b)参照)。詳細については後述するが、大当たり種別によって、第2特定入賞口650aの開放パターンが異なって構成されており、確変入球口654への球の入球しやすさを異ならせている。
特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、11秒〜60秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64、または第2入球口640へと入球すると、その入球回数は入球口の種別毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64についての保留球数(特別図柄1の保留球数)、または第2入球口640についての保留球数(特別図柄2の保留球数)が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。なお、特別図柄1の保留球数と特別図柄2の保留球数が共に残っている場合は、特別図柄2の保留球に基づく抽選が優先的に実行される。
一方、普通入球口67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第2入球口640に付随する電動役物640aが開放され、第2入球口640へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第2入球口640へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が普通入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、普通入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
「大当たりA」、および「大当たりB」になるといずれも、ラウンド数が15ラウンドの特別遊技状態(15R大当たり)となる。また、特別遊技状態において、確変入球口654へと球が入球すると、大当たり終了後の付加価値として、その大当たり終了後から次に大当たりとなるまでの間、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行する。一方、特別遊技状態において1度も確変入球口654へと球が入球しなかった場合は、大当たり終了後の付加価値として、その大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまでの間、普通図柄の時短状態へ移行する。なお、大当たり終了後に普通図柄の時短状態へと移行する場合は、あわせて特別図柄の低確率状態へと移行する。この特別図柄の低確率状態は、次に大当たりとなるまで継続する。なお、詳細については後述するが、「大当たりB」では、「大当たりA」に比較して、特別遊技状態中(大当たり状態中)に球を確変入球口654へと入球させやすくなる。即ち、「大当たりB」の方が大当たり終了後に特別図柄の確変状態へと移行しやすくなるので、大当たりの終了後に短い間隔で再度大当たりとなりやすくなる。よって、「大当たりB」の方が、「大当たりA」よりも遊技者にとって有利な大当たりとなる。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)は、普通図柄(第2図柄)の当たり確率がアップして第2入球口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。一方、「特別図柄の低確率状態」とは、特別図柄の確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、特別図柄の確変中よりも大当たり確率が低い状態をいう。また、普通図柄の時短状態(時短中)とは、普通図柄の当たり確率がアップして第2入球口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、通常状態とは、特別図柄の確変中でも普通図柄の時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も普通図柄(第2図柄)の当たり確率もアップしていない状態)である。
特別図柄の確変中や、普通図柄の時短中では、普通図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常状態に比較して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比較して、第2入球口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中は、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。即ち、特別図柄の抽選が行われやすくなる。
なお、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放回数を、通常状態よりも増やすように構成してもよい。また、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、普通図柄(第2図柄)の当たり確率は変更せず、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間、および電動役物640aの開放回数のうち少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、電動役物640aの開放回数は変更せず、普通図柄(第2図柄)の当たり確率だけを、通常状態に比較してアップするように構成してもよい。
本実施形態では、特別遊技状態の終了後に特別図柄の確変状態が付与される場合は、その特別図柄の確変状態が次の大当たりまで継続するように構成したが、これに限られるものではなく、回数を限ってもよい。具体的には、例えば、特別遊技状態が終了してから特別図柄の抽選が10回終了するまで特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与され、特別図柄の抽選が10回終了して以降は通常状態に設定されるように構成してもよい。また、特別図柄の確変状態となる回数は10回に限られず、任意に定めてもよい。同様に、本実施形態では、特別遊技状態において確変入球口654へと球が入球しなかった場合に、特別図柄の抽選が100回終了するまで普通図柄の時短状態となるように構成されているが、普通図柄の時短期間は100回に限られず、任意に定めてもよい。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64、または第2入球口640への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64、または第2入球口640へと入球した場合、その入球回数は入球口の種別毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64、および第2入球口640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図17参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中、および下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図17参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、液晶ディスプレイに代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4〜図7を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。まず、図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図17参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
例えば、特別図柄の抽選結果が「大当たりA」であれば、偶数番号である「0,2,4,6,8」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、「大当たりB」であれば、奇数番号も加えたすべての番号「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9」のうちいずれかの番号が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64、および第2入球口640へと入球した球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ710(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64、または第2入球口640へと入球した場合、その入球回数はそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。なお、図4(b)は、第1入球口64への入球に対応する保留球数が4球である場合の例である。第2入球口640への入球に対応する保留球が発生した場合は、図4(a)の小領域Ds1に表示されている保留球数図柄とは異なる態様の保留球数図柄が表示される。これにより、第1入球口64への入球に対応する保留球数と、第2入球口640への入球に対応する保留球数がそれぞれ何個存在するのかを遊技者が容易に確認することができる。
本実施形態においては、第1入球口64、および第2入球口640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
次に、図5(a)を参照して、第3図柄表示装置81に対して、遊技盤13の右側の経路(流路)を狙って球を打ち出すように促す表示(右打ちナビ)が発生した場合の表示内容について説明する。
上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態となった場合に、電動役物640aが開放しやすくなるので、遊技盤13の右側へと球を打ち出す(右打ちする)ことにより、第2入球口640へと球を入球させやすくなる。また、詳細については後述するが、第2入球口640へと球が入球したことに基づいて行われる特別図柄の抽選(特別図柄2の抽選)により大当たりとなると、第1入球口64へと球が入球したことに基づいて行われる特別図柄の抽選(特別図柄1の抽選)により大当たりとなる場合に比較して「大当たりB」となりやすい。よって、大当たりの終了後に付与される特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態では、右打ちを実行することにより、遊技者にとって有利となる。換言すれば、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態に設定されたとしても、遊技者が右打ちしなければ第2入球口640へと球を入球させることができないため、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態の恩恵を遊技者が十分に受けることができなくなってしまう。
そこで、本実施形態では、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態においては、図5(a)に例示する画像(右打ちナビ)を表示させることにより、遊技者が特別図柄の確変状態や普通図柄の時短状態となることによる恩恵を確実に得られるように構成している。
図5(a)に例示した通り、右打ちナビでは、副表示領域Dsにおける小領域Ds3に対して、「右を狙え!!」との文字が表示されると共に、その文字の上下に右向きの矢印が3つずつ表示される。これらの文字、および矢印が表示されることにより、遊技者に対して球を遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)へと打ち出すべきであると感じさせることができる。よって、遊技者に対して、特別図柄の確変状態、および普通図柄の時短状態となることによる恩恵を確実に獲得させることができる。
次に、図5(b)を参照して、本実施形態のパチンコ機10において第3図柄表示装置81に対して表示される警告画像の一例について説明する。図5(b)に例示した警告画像は、遊技者が遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)へと球を打ち出す(右打ちする)べき期間でないにもかかわらず、右打ちを実行していると判別された場合に第3図柄表示装置81に対して表示される画像(右打ち警告画像)である。より具体的には、通常状態(特別図柄の確変状態でも、普通図柄の時短状態でもない状態)において、遊技者が右打ちを行っていると判別した場合に表示される。
本実施形態のパチンコ機10では、通常状態において電動役物640aが開放されにくくなるように制御される(右打ちを行ったとしても第2入球口640へと球を入球させにくい)。このため、通常状態において右打ちを行うと、左打ちにより第1入球口64を狙って球を打ち出す場合に比較して、特別図柄の抽選を受ける機会が少なくなってしまう。即ち、通常状態において右打ちを行うと、大当たりとなりにくくなるので、遊技者にとって損となってしまう。よって、右打ち警告画像を表示させて左打ちを促すことにより、遊技者が損をしてしまうことを防止(抑制)できるように構成している。
図5(b)に例示したように、通常状態において遊技者が右打ちを行っていると判別した場合には、小表示領域Dsの全体(小領域Ds1〜Ds3)に対して、「警告」との文字と、「左打ちで遊技してね!!」との文字とが表示される。これらの文字が表示されることにより、遊技者に対して右打ちをすべきではない(左打ちを行うべきである)と気付かせることができる。また、ホールの店員も右打ち警告画面(図5(b)参照)の有無を確認することにより、通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法を実行している遊技者がいるか否かを容易に判別することができる。
なお、右打ちを行っているか否かの判断方法としては、右打ちを行った場合に球が流入し得る貯留装置600(図8参照)に対して球が入球したか否かによって判断する。より具体的には、貯留装置600(図8参照)の内部に設けられている一般入賞口601,602、またはアウト口603a〜603cのいずれかへ球が入球した場合(各入球口に設けられている入球スイッチを球が通過したと判断された場合)に、遊技者が右打ちを行っていると判断される。
ここで、貯留装置600(図8参照)は、遊技状態に応じて、一般入賞口601へと球を流下させやすい状態(図9(a)参照)と、一般入賞口602へと球を流下させやすい状態(図9(b)参照)との2種類の状態に設定される。そして、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態(特別図柄の確変状態、普通図柄の時短状態、通常状態)においては、一般入賞口601へと球を流下させやすい状態に設定される。この一般入賞口601は、球が入球した場合に払い出される賞球数が一般入賞口602に比較して少ない(例えば、3個の)入賞口である。このため、通常状態において右打ちを行ったとしても、貯留装置600へと球を入球させるメリットが少ない(持ち球を増加させることができない)。即ち、通常状態において右打ちを実行すると、特別図柄の抽選を受ける頻度が低下する上に、持ち球も減少してしまうので、遊技者にとって不利益が大きくなるように構成されている。このため、遊技者が自己に不利な遊技方法(通常状態において右打ちを行う遊技方法)を行い続けてしまうことを抑制するために、右打ち警告画像(図5(b)参照)を表示させるように構成されている。
なお、右打ち警告画像(図5(b)参照)を表示させるか否かの判断要素として、通常状態において入賞しやすい一般入賞口(小価値入賞口)601への入球だけでなく、入賞し難い一般入賞口(大価値入賞口)602等への入球有無も判別しているのは、不正遊技の可能性を考慮しているためである。即ち、通常状態において、払い出される賞球数の多い(例えば、払い出しが15個の)一般入賞口(大価値入賞口)602へと不正に球を入球させ続けることにより、大当たりを介さずに多量の賞球を得る不正遊技方法を行われる可能性がある。これに対して本実施形態では、通常状態において一般入賞口(大価値入賞口)602へと球が入賞(入球)したことを検出すると、遊技者に対して左打ちを行うように(右打ちを行わないように)促す右打ち警告画像(図5(b)参照)が表示される。これにより、不正遊技に対する抑制を図ることができる。
本実施形態では、通常状態において貯留装置600内に設けられている各入球口(一般入賞口601,602、アウト口603a〜603c)のいずれかへと球が入球したことを検出した場合に、右打ち警告画像(図5(b)参照)を表示させるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態において、払い出される賞球の多い一般入賞口(大価値入賞口)602へと球が入賞(入球)したことを検出した場合に、不正遊技が行われていると判別して、右打ち警告画像を表示させるように構成してもよい。これにより、ホールの店員は右打ち警告画像の有無を確認するだけで容易に不正の有無を判別することができる。また、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態において、一般入賞口(大価値入賞口)602へと球が入球したことを検出した場合に、ホールコンピュータに対して不正が行われていることを示す信号を出力するように構成してもよい。これにより、ホールコンピュータの操作者は容易に不正が行われている可能性の有無、および不正行為が行われているパチンコ機10の台番号(位置)を判断することができる。
本実施形態では、貯留装置600の内部に設けられている各入球口(一般入賞口601,602、アウト口603a〜603c)への入球を検出することに基づいて遊技者が右打ちを行っていると判別しているが、右打ちを行っているか否かを判別する方法はこれに限られるものではない。例えば、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過した場合に右打ちを行っていると判別するように構成してもよいし、遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)上に球が通過したことを検出可能な公知のセンサを配設しておき、そのセンサによって球の通過が検出された場合に遊技者が右打ちを行っていると判別してもよい。
次に、図6を参照して、特別遊技状態中(大当たり状態中)に第3図柄表示装置81に対して表示される画像の一例について説明する。図6(a)は、大当たりの3ラウンド目において第3図柄表示装置81に対して表示される画像の一例を示す図である。図に示した通り、大当たりとなると、例えば、少年のキャラクタ710が財宝の詰まった宝箱715を発見する画像が表示される。この財宝が、遊技者が特別遊技状態(大当たり状態)において獲得する多量の賞球を示唆している。この表示によって、賞球を獲得することに対する喜びを増幅させることができるので、大当たりとなったことに対する満足感を与えることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、第3図柄表示装置81の左上部分には、現在のラウンド数を表示するための表示領域714が設けられる。図6(a)の例では、表示領域714に対して「ROUND3」との文字が表示されている。遊技者は、この表示を確認することにより現在が大当たりの3ラウンド目であることを認識することができる。よって、大当たりの残りラウンド数を遊技者に対して容易に認識させることができる。
更に、第3図柄表示装置81の右上部分には、特別図柄の確変状態中や、普通図柄の時短状態中と同様に、右打ちナビ画像が表示される。即ち、小領域Ds3に対して「右を狙え!!」との文字が表示されると共に、その文字の上下に右向きの矢印が表示される。この右打ちナビ画像を表示させることにより、遊技者に対して特別遊技状態中(大当たり状態中)に遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)へと球を打ち出すべきだと認識させることができる。特別遊技状態(大当たり状態)にもかかわらず左打ちを行ってしまうと、遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)の下流に設けられ、特別遊技状態(大当たり状態)において開放される第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aへと球を入球させることができなくなってしまう。即ち、多量の賞球を獲得することができなくなってしまい、遊技者が損をしてしまう。よって、本実施形態では、特別遊技状態(大当たり状態)においても右打ちナビ画像(図6(a)参照)を表示させることにより、遊技者が右打ちを行うように促している。これにより、遊技者が大当たりにおいて賞球を獲得できるように構成している。
加えて、第3図柄表示装置81の右下部分には、一般入賞口602への入賞(入球)回数を表示するための入賞回数表示領域MAが形成される。この入賞回数表示領域MAには、6(a)に示した通り、例えば、「EXTRA BONUS×10」との文字が表示される。「EXTRA BONUS」との文字は、第1特定入賞口65aや第2特定入賞口650aへと球を入球させたことにより得られる賞球とは別の方法で賞球を得ることを意味している。具体的には、一般入賞口602へと球を入球させることにより賞球を得ることを意味する。また、「×10」との文字は、大当たりにおいて一般入賞口602へと球が入球した回数を示す。図6(a)の例では、1ラウンド〜3ラウンドにおいて一般入賞口602に対して球を10回入球させたことを意味している。
また、「EXTRA BONUS×10」との文字の上側には、貯留装置600の概略図が表示されると共に、その上部に「EXTRA BONUSゲート開放中」との文字が表示される。これにより、貯留弁604aが開放状態(解除状態)に設定されていることを遊技者が容易に認識することができる。また、第3図柄表示装置81に表示された貯留装置600の概略図において、一般入賞口(大価値入賞口)602の位置には「狙え!」との文字が記載された吹き出しが表示される。この吹き出しにより、遊技者に対して一般入賞口602へと球を入球させた場合に有利となる(多量の賞球を獲得できる)ことを認識させることができる。
また、図6(b)は、特別遊技状態(大当たり状態)において、一般入賞口602へと球が入球した場合の表示内容を示した図である。図6(b)に示した通り、大当たり中に一般入賞口602への入球を検出した場合は、貯留装置600の概略図が表示されている部分に「GET」との文字が表示されると共に、貯留装置600の概略図における一般入賞口(大価値入賞口)602に相当する箇所に球が入球する画像が表示される。更に、入賞回数表示領域MAにおいて、「EXTRA BONUS×10」から「EXTRA BONUS×11」へと表示内容が変更される。これにより、遊技者は一般入賞口(大価値入賞口)602へと球が入球することにより賞球が得られたことを容易に認識することができる。
このように、大当たり中に一般入賞口602へと球が入球した回数を表示させることにより、大当たりにおいて第1特定入賞口65aや第2特定入賞口650aへの入球とは別で賞球を獲得した回数を遊技者に認識させることができる。よって、「EXTRA BONUS」の回数(一般入賞口602への入球回数)が多くなることを期待して遊技を行わせることができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図7を参照して、各種警告画像について説明する。まず、図7(a)は、特別遊技状態(大当たり状態)において左打ちを行った場合に第3図柄表示装置81に対して表示される左打ち警告画像の一例を示した図である。図7(a)に示した通り、左打ちを行っていると判別された場合は、第3図柄表示装置81の中央部分に警告表示を行うための大表示領域716が形成される。また、大表示領域には、「警告」との文字が大きく表示され、その「警告」との文字の下部に「右打ちでアタッカーを狙ってね!!」との文字が表示される。これらの文字が大表示領域に対して表示されることにより、遊技者に対して現在の遊技方法(左打ち)が誤った遊技方法であると認識させることができる。よって、特別遊技状態(大当たり状態)において遊技者に対して多量の賞球を確実に獲得させることができる。
なお、遊技者が左打ちを行っているか否かの判断は、第1入球口64へと球が入球したか否かによって判別している。即ち、特別遊技状態中(大当たり状態中)に第1入球口64へと球が入球したことを判別することにより、遊技者が左打ちを行っていると判別し、左打ち警告画像(図7(a)参照)を表示させるように制御を行う。
本実施形態では、第1入球口64への入球を検出した場合に左打ち警告画像(図7(a)参照)を表示させるように構成しているが、これに限られるものではない。例えば、遊技盤13の左側に設けられた経路(流路)上に球の通過を検出する通過センサを設けておき、大当たり中にセンサによって球の通過が検出された場合に左打ち警告画像(図7(a))を表示させるように構成してもよい。
次に、図7(b)を参照して、貯留装置600において異常が発生していることを検知した場合に表示される警告画像について説明する。ここで、貯留装置600の異常とは、例えば、特別遊技状態(大当たり状態)にもかかわらず、一般入賞口(小価値入賞口)601への入球を検出した場合や、特別遊技状態(大当たり状態)でないにもかかわらず一般入賞口(大価値入賞口)602への入球を検出した場合に、異常が発生していると判断して警告画像が表示される。
図7(b)に示した通り、貯留装置600において異常が発生していると判別した場合は、第3図柄表示装置81の中央部分に「警告」との文字が大きく表示される。また、その下部には、「ゲートエラー係員を呼んで下さい」との文字が表示される。これらの文字により、遊技者は、パチンコ機10においてエラーが発生していると判別することができるので、ホールの店員等に対して迅速に修理等を依頼することができる。
また、不正に配線等を変更することにより、常に払い出される賞球数の多い一般入賞口(大価値入賞口)602へと球が入球しやすい状態に固定されてしまった場合等に、ホールの店員は警告画像(図7(b)参照)を確認するだけで不正行為の可能性を判別することができる。よって、一般入賞口(大価値入賞口)602へと球が入球しやすい状態に固定し、貯留装置600を狙って球を打ち出すことにより大当たりを介さずに球を増やす不正行為に対する抑制を図ることができる。
図2に戻って説明を続ける。第2図柄表示装置は、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入球口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)ように構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間(変動時間)は、遊技状態が通常状態中よりも、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中の方が短くなるように設定される。これにより、特別図柄の確変中、および普通図柄の時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、普通図柄(第2図柄)の抽選を通常状態中よりも多く行うことができる。よって、普通図柄の当たりとなる機会が増えるので、第2入球口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。従って、特別図柄の確変中、および普通図柄の時短中は、第2入球口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中において、当たり確率をアップさせたり、電動役物640aの開放時間や開放回数を増やしたりするなど、その他の方法によって第2入球口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中において、通常状態中よりも短く設定する場合は、普通図柄の当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、1回の普通図柄の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
普通入球口67は、可変表示装置ユニット80の右方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の右方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。普通入球口67を球が通過すると、普通図柄(第2図柄)の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球が普通入球口67を通過した回数は最大で4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通入球口67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、普通入球口67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、普通入球口67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右方に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図17参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37で示される。
一方、可変表示装置ユニット80の正面視右方(普通入球口67の下方)には、球が入賞し得る第2入球口640が配設されている。この第2入球口640へと球が入球すると、遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図17参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37で示される。
また、第1入球口64、および第2入球口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数としてもよい。例えば、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入球口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入球口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、普通入球口67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入球口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、特別図柄の確変中および普通図柄の時短中は、通常状態中に比較して普通図柄の当たり確率が高く、また、普通図柄の変動表示にかかる時間も短いので、普通図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなる。よって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、特別図柄の確変中および普通図柄の時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常状態中より長くなる。よって、特別図柄の確変中および普通図柄の時短中は、通常状態に比較して、第2入球口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。一方、第1入球口64は、第2入球口640に設けられているような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
ここで、第1入球口64に球が入賞した場合と第2入球口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として、特別遊技状態中に確変入球口654へと球を入球させ易い大当たり(大当たりB)となる確率は、第2入球口640へ球が入賞した場合のほうが第1入球口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。
通常中においては、第2入球口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に入賞しづらいので、電動役物が設けられていない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入球口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中は、普通入球口67に球を通過させることで、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入球口640に入賞しやすい状態であるので、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、普通入球口67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入球口640への入賞によって大当たりBとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(特別図柄の確変中であるか、普通図柄の時短中であるか、通常状態中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入球口64の下方右側(第2入球口640の下方左側)には、第1可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の第1特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入球口64、または第2入球口640への入賞に起因して行われた特別図柄の抽選で大当たりになると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37を点灯させる。加えて、大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が報知される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この第1特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この第1特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば14回(14ラウンド)繰り返し可能にされている。より具体的には、特別遊技状態の1〜11ラウンドと、13〜15ラウンドにおいて、第1特定入賞口65aの開閉動作が実行される。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
第1可変入賞装置65は、具体的には、第1特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。第1特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を正面下側に傾倒し、球が第1特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
第1可変入賞装置65の下方左側には、第2可変入賞装置650が設けられており、その上部には横長矩形状の第2特定入賞口(第2大開放口)650aが設けられている。この第2特定入賞口650aを覆う開閉板は、正面視手前側に突出することにより球が第2可変入賞装置650へと入球することを妨げる閉状態を形成する(図14(a)参照)。一方、特別図柄の抽選により大当たりとなり、12ラウンド目になると、第2特定入賞口650aを覆う開閉版が正面視奥側へスライドすることにより遊技盤13の奥側へと埋没し、球が第2可変入賞装置650へと入球可能な開状態を形成する(図14(b)参照)。
上述した通り、特別遊技状態(大当たり中)において第2特定入賞口650aへと入球した球が第2可変入賞装置650の内部に設けられた確変入球口654へと入球することに基づき、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態へと移行する。一方、特別遊技状態において球が第2特定入賞口650aへ入球しなかった場合や、第2特定入賞口650aへと入球しても、全ての球が通常入球口655へと入球した場合は、大当たりの終了後に普通図柄の時短状態へと移行する。
なお、特別遊技状態は上記した形態に限定されるものではない。特別遊技状態において開放される入賞口として第1特定入賞口65a、第2特定入賞口650aに加え、更に他の入賞口を設けてもよい。また、逆に、入賞口を第1特定入賞口65aのみとしてもよい。また配置位置も本実施形態の配置に限られるものではなく、任意の位置に配設してもよい。
第1可変入賞装置65の右側には、貯留装置600が設けられている。この貯留装置600は、その内部に複数の入球口(一般入賞口601,602、およびアウト口603a〜603c)が設けられており、入球した球をいずれかの入球口へと流下させることができる。また、貯留装置600は、その内部へと入球した球を1球に限り貯留する(流下を停止させる)ことができる。さらに、この貯留装置600は、その正面視手前側が透明なカバー体でカバーされており、遊技者が貯留装置600へと流入(入球)した球がいずれの入球口へと入球するのかを容易に確認することができるように構成されている。この貯留装置600の詳細について、図8、および図9を参照して説明する。
図8は、貯留装置600の概要を示す図である。図8に示した通り、貯留装置600は、誘導流路605を介してその内部へと球が入球可能に構成されている。なお、この貯留装置600は、遊技者が右打ちした場合に、打ち出された球のおよそ3球に1球が入球するように構成されている。誘導流路605へと入球しなかった球は、貯留装置600の左側上部を伝って第1特定入賞口65aや第2特定入賞口650aの方向へと流下していく。即ち、特別遊技状態において、遊技者が第1特定入賞口65aや第2特定入賞口650aへ向けて発射された球の一部が誘導流路605を介して貯留装置600へと入球するように構成されている。
図8に示した通り、貯留装置600の内部において、誘導流路605の下流には、分岐部材604によって分岐された2種類の流路が設けられている。具体的には、貯留装置600の内部において、正面視左側には誘導流路606が設けられている。この誘導流路606を流下した球のほとんどは、下流側に設けられている一般入賞口(小価値入賞口)601へと入球する。この一般入賞口(小価値入賞口)601には、球が入球(通過)したことを検出できる検出スイッチ601a(図示なし)が設けられている。この検出スイッチ601aにより一般入賞口(小価値入賞口)601へと球が入球したことが検出されると、3個の賞球数が払い出される。なお、この一般入賞口(小価値入賞口)601の左右には、誘導流路606を流下したにもかかわらず一般入賞口(小価値入賞口)601へと入球しなかった球を排出するためのアウト口603a,603bが設けられている。これらのアウト口により、貯留装置600の内部に球が堆積してしまうことを防止(抑制)し、誘導流路606を流下した球を確実に排出することができる。また、これらのアウト口603a,603bには、一般入賞口(小価値入賞口)601と同様に、図示しない検出スイッチ603a1,603b1がそれぞれ設けられている。これらの検出スイッチ603a1,603b1により、排出された球の個数を正確に判別することができる。
貯留装置600の内部において、正面視右側には、球が流下可能な誘導流路607が設けられている。この誘導流路607を流下した遊技球のほとんどは、下流側に設けられている一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球する。この一般入賞口(大価値入賞口)602には、球が入球(通過)したことを検出できる検出スイッチ602a(図示なし)が設けられている。この検出スイッチ602aにより一般入賞口(大価値入賞口)602へと球が入球したことが検出されると、15個の賞球数が払い出される。即ち、球が一般入賞口(小価値入賞口)601へと入球した場合に比較して、一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球した場合により多くの賞球を得ることができる。なお、一般入賞口(大価値入賞口)602の左右には、それぞれアウト口603b,603cが設けられている。これらのアウト口により、一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球しなかった球が貯留装置600の内部に堆積することを防止(抑制)し、誘導流路607を流下した球を確実に排出することができる。また、アウト口603cには、アウト口603a,603bと同様に、図示しない検出スイッチ603c1が設けられている。検出スイッチ603c1により、排出された球の個数を正確に判別することができる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態のパチンコ機10では、特別遊技状態(大当たり状態)となった場合に一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球しやすい状態に設定され、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態においては、一般入賞口(小価値入賞口)601へと入球しやすい状態に設定される。即ち、特別遊技状態において、第1特定入賞口65aや第2特定入賞口650aが開放されることにより多量の賞球が得られることに加えて、貯留装置600内の一般入賞口(大価値入賞口)602へと球が入賞することにより賞球を得ることができるように構成されている。これにより、1回の特別遊技状態(大当たり状態)において獲得できる賞球数をより多くすることができるので、大当たりとなることによる遊技者のメリットを高めることができる。よって、遊技者に対して、大当たりとなることをより楽しみに遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態においては、比較的払い出される賞球数が多い一般入賞口(大価値入賞口)602が、貯留弁607aによって閉鎖され、比較的払い出される賞球数が少ない一般入賞口(小価値入賞口)601へと球が入球しやすい状態に設定される。即ち、特別遊技状態以外の状態では、貯留装置600へと球を入球させるメリットが少ないため、特別遊技状態以外の状態でも、常に貯留装置600を狙うことにより、多量の払い出しを受けようとする変則的な遊技方法を防止(抑制)することができる。なお、上述した通り、貯留装置600へは、右打ちした球のおよそ3球に1球が入球するように構成されている。そして、一般入賞口(小価値入賞口)601へと入球した場合に払い出される賞球数は3球である。つまり、通常状態において右打ちを実行したとしても、特別図柄の抽選が行われにくいうえに、一般入賞口(小価値入賞口)601への入球に基づく払い出しによって球を増加させることもできない。よって、通常状態中において、遊技者に対して左打ちをしたいと思わせることができる。
誘導流路607には、貯留弁607aが設けられている。この貯留弁607aは、正面視手前側に突出することにより誘導流路607を塞ぎ、誘導流路607へと進行した球の流下を妨げることができる。即ち、貯留弁607aの上部で球を停止させる(球を貯留する)ことができる。この貯留弁607aは、貯留装置用ソレノイド610(図17参照)により駆動するように構成されている。より具体的には、貯留装置用ソレノイド610を駆動させることで、貯留弁607aが正面視手前側に突出した状態(誘導流路607を塞いだ状態)と、貯留弁607aが正面視奥側に埋没した状態(誘導流路607を球が流下可能な状態)とに切り替え可能に構成されている。なお、貯留弁607aの上部に貯留された球は、誘導流路607の内壁と、分岐部材604とに囲まれることにより誘導流路606側へと流出してしまうことが防止(抑制)される。即ち、分岐部材604に設けられた突出部604aは、貯留弁607aの上部に貯留された球が流出しない程度に十分高く設定されている。
次いで、図9を参照して、上述した貯留弁607aの取り得る2種類の状態毎に、貯留装置600へと入球した球の動作を説明する。図9(a)は、貯留弁607aが手前側に突出した状態において貯留装置600へと入球した球の動作を示す図であり、図9(b)は、貯留弁607aが正面視奥側に埋没した状態において貯留装置600へと入球した球の動作を示す図である。
図9(a)に示した通り、誘導流路605の下端は、その半分以上が誘導流路607の上端と重なっている。一方、誘導流路606の上端部分は、誘導流路605の中心軸605aよりも左側に位置しており、誘導流路605の下端部分とほとんど重なっていない。よって、誘導流路605を流下した球が誘導流路607へと進行しやすくなる。
誘導流路607へと進行した球は、貯留弁607aによって流下が妨げられ、貯留弁607aの上部で停止する(球が貯留される)。そして、貯留弁607aの上部で球が停止している(球が貯留されている)状態において、他の球が新たに誘導流路605を流下した場合は、その新たに誘導流路605を流下してきた球と、貯留弁607a上に貯留されている球とが接触(干渉)する。この接触(干渉)により、新たに誘導流路605を流下してきた球の軌道(流下方向)が変わる。
なお、誘導流路607は、誘導流路605に対してやや右側に設けられているので(図9(a)参照)、貯留弁607a上に貯留されている球は、新たに誘導流路605を流下してくる球よりも右側で停止している場合がほとんどである。よって、新たに誘導流路605を流下してきた球は、貯留弁607aの上部に貯留された球の左側に衝突することにより、正面視左側に反発する。従って、新たに誘導流路605を流下してきた球は、正面視左側に設けられている誘導流路606へと進行する。上述した通り、誘導流路606を流下した球のほとんどは、比較的払い出される賞球数の少ない(賞球数が3個の)一般入賞口(小価値入賞口)601へと入球する。つまり、貯留弁607aが正面視手前側に突出し、誘導流路607を球が流下できない状態(誘導流路607が閉鎖された状態)においては、貯留装置600へと入球した球のほとんどが一般入賞口(小価値入賞口)601へと入球する。
一方、貯留弁607aが正面視奥側に埋没した状態となった場合は(図9(b)参照)、誘導流路607へと進行した球の流下を妨げるものがないため、誘導流路607へと進行した球は、そのまま誘導流路607を流下し、一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球する。上述した通り、一般入賞口(大価値入賞口)602は、払い出される賞球数が比較的多い(15個)の入賞口なので、遊技者にとって入賞させるメリットが多い。
なお、上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりとなった場合に誘導流路607を球が流下可能な状態(図9(b)参照)となるように構成されている。よって、特別遊技状態において、右打ちを行うことにより第1特定入賞口65aや第2特定入賞口650aへと球を入賞させることで、多量の賞球が得られることに加え、右打ちにより射出された球の一部が貯留装置600内の一般入賞口(大価値入賞口)602へと球が入賞することにより、賞球を得ることができる。これにより、1回の特別遊技状態(大当たり状態)において獲得できる賞球数をより多くすることができるので、大当たりとなることによる遊技者のメリットを高めることができる。よって、遊技者に対して、大当たりとなることをより楽しみに遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、上述した通り、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態においては、比較的払い出される賞球数が多い一般入賞口(大価値入賞口)602が、貯留弁607aによって閉鎖され、比較的払い出される賞球数が少ない一般入賞口(小価値入賞口)601へと球が入球しやすい状態に設定される。即ち、特別遊技状態以外の状態では、貯留装置600へと球を入球させるメリットが少ないため、特別遊技状態以外の状態でも、常に貯留装置600を狙うことにより、多量の払い出しを受けようとする遊技方法を防止(抑制)することができる。
なお、本実施形態では、誘導流路606を流下した球が一般入賞口(小価値入賞口)601へと入球し、誘導流路607を流下した球が一般入球口602へと入球するように構成されているが、これに限られるものではない。例えば、各誘導流路の下流側に、複数の入賞口が設けられている公知のクルーン手段を設けておき、入球する入賞口に応じて異なる賞球の払い出しを実行するように構成してもよい。これにより、誘導流路606を流下したとしても、比較的払い出される賞球数の多い入賞口へと入球させることにより、多くの賞球を獲得できる。よって、遊技者に対して、貯留装置600へと入球した球がいずれかの入賞口へと入球するまで興味深く見守らせることができる。従って、貯留装置600へと球が入球した場合に、より遊技者を楽しませることができる。
本実施形態では、貯留弁607aによって誘導流路607を塞ぐことにより、誘導流路607の途上に球を貯留することができるように構成しているが、例えば、電磁石等を用いて誘導流路607の途上に球を貯留するように構成してもよい。即ち、誘導流路607の内壁部分に電磁石を埋め込んでおき、特別遊技状態中(大当たり状態中)以外の状態においては電磁石へ通電することにより磁化させる。これにより、誘導流路607へと最初に流入した球を電磁石が設けられた箇所に引き寄せ、球の流下を停止させる(電磁石の位置に球を貯留する)ことができる。このように構成することで、貯留弁607aを埋没させるためのスペースを削減することができる。よって、貯留装置600をよりコンパクトにすることができる。
また、本実施形態では、貯留弁607aの上部に貯留される球を1球としていたが、これに限られるものではなく、2個以上の球を貯留できるように構成してもよい。更に、複数の球を貯留する場合は、縦方向に貯留してもよいし、横に並べて貯留できるように構成してもよい。
本実施形態では、貯留装置600の内部にアウト口を設けていたが、アウト口に代えて、賞球が払い出される入賞口を設けておいてもよい。また、各入賞口へと球が入球することにより払い出される賞球数を異ならせてもよい。より具体的には、例えば、アウト口603aに代えて賞球が6個の入賞口を設け、アウト口603bに代えて賞球が10個の入賞口を設け、アウト口603cに代えて賞球が12個の入賞口を設けてもよい。これにより、球が誘導流路606を流下した場合や、誘導流路607を、いずれの入賞口へと球が入球するのかをより興味深く観察させることができる。また、誘導流路606や誘導流路607の下流に釘等の球の流下方向を変更可能な部材を設け、いずれの球が入球する入賞口がよりランダムとなるように構成してもよい。これにより、球が貯留装置600へと流入した場合に、いずれかの入賞口へと球が入球するまでより球の行方を興味深く観察させることができる。また、釘等を設けておくことにより、ホールの店員によって球が入球しやすい入球口を設定することができる。よって、パチンコ機10の出球率をホール側で調節することができる。
次に、図10、および図11を参照して、遊技者が遊技盤13の右側へと球を射出した場合(右打ちした場合)の経路について説明する。まず、図10は、遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)のうち、貯留装置600よりも上流側の部分を示した図である。図10に示した通り、遊技盤13の右側の流路(経路)には、その上部に普通入球口67が設けられている。上述した通り、この普通入球口67を球が通過すると、普通図柄の抽選が実行される。そして、普通図柄の当たりとなると、第2図柄表示装置83において、普通図柄の抽選結果を示すための変動演出が実行された後で、普通図柄の当たりを示す「○」図柄が表示される。そして、第2図柄表示装置83に対して「○」図柄が表示されることに基づいて、普通入球口67の下流に設けられている第2入球口640に付随する電動役物640aが所定期間(0.2秒間×1回、または1秒×2回)開放される。電動役物640が開放されている間は、右打ちした球が第2入球口640へと入球しやすくなる。上述した通り、特別図柄の確変中や、普通図柄の時短中においては、普通図柄の当たり確率がアップすると共に、普通図柄の変動時間が短くなり、電動役物の開放期間が長くなるので、第2入球口640へと球が入球しやすい状態となる。よって、右打ちを実行することにより、球を減らすことなく特別図柄の抽選を受けることができる。
次に、図11を参照して、遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)のうち、第2入球口640よりも下流側の部分について説明する。図11に示した通り、遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)の下流には、貯留装置600が設けられている。また、貯留装置600の入り口よりも下流側には、第1可変入賞装置65が設けられており、その第1可変入賞装置65よりも下流側には、第2可変入賞装置650が設けられている(図11参照)。即ち、遊技者が右打ちを行うことにより、右側の経路(流路)の下流へと流下した球のうち、貯留装置600へと流入(入球)せずに下流へと流下した球が第1可変入賞装置65の方向へと流下する。また、第1可変入賞装置65の方向へと流下し、第1特定入賞口65aへと入球しなかった球は、第2可変入賞装置650の方向へと流下する。
このように、遊技者が右打ちを行うだけで、貯留装置600、第1可変入賞装置65、および第2可変入賞装置650の方向へと球を流下させることができる。よって、特別遊技状態(大当たり状態)において、遊技者は右打を行うだけで、球を第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aへと球を入球させることができ、多量の賞球を獲得することができる。また、第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aを狙って打ち出した球の一部は、貯留装置600へと入球する。そして、上述した通り、特別遊技状態(大当たり状態)では、貯留装置600へと入球した球のほとんどが一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球するので(図9(b)参照)、特別遊技状態中に、遊技者がより多くの賞球を獲得することができる。よって、遊技者に対して、大当たりとなることをより楽しみに遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図12〜図16を参照して、第1可変入賞装置65、および第2可変入賞装置650の具体的な動作について説明する。まず、図12は、第1可変入賞装置65、および第2可変入賞装置650の開放動作を示した図である。
図12(a)に示した通り、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aは、正面視手前方向へと開放可能に構成されている。この第1特定入賞口65aが開放されることにより、遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)を流下した遊技球が第1特定入賞口65aへと入球可能な状態となる。なお、上述した通り、第1特定入賞口65aは、特別遊技状態(大当たり状態)の1〜11ラウンド、および13〜15ラウンドにおいて所定期間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。そして、第1特定入賞口65aへと球が入球すると、1球の入球に対して15個の賞球が払い出される。よって、遊技者は多量の賞球を獲得することができる。
また、図12(b)に示した通り、第2可変入賞装置650の第2特定入賞口650は、正面視奥側へとスライド動作することにより、遊技盤13の内部へと埋没させることが可能に構成されている。これにより第2可変入賞装置650の上部が開放され、遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)を流下した遊技球が入球可能な状態となる。なお、上述した通り、第1特定入賞口65aは、特別遊技状態(大当たり状態)の12ラウンドにおいて所定期間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。そして、第2特定入賞口650aへと球が入球すると、1球の入球に対して15個の賞球が払い出される。よって、遊技者は多量の賞球を獲得することができる。
次に、図13を参照して、右打ちにより遊技盤13の右側の経路(流路)を流下して第1特定入賞口65aへと到達した球の動作について説明する。まず、図13(a)は、第1特定入賞口65aが閉鎖された状態において球が第1特定入賞口65aへと到達した場合の図である。
図13(a)に示した通り、第1特定入賞口65aが閉鎖された状態で球が第1特定入賞口65aへと到達した場合、球は第1特定入賞口65aへと入球することができないので、第1特定入賞口65aの手前側の空間へと落下する(図13(a)参照)。そして、第1特定入賞口65aの手前側へと落下した球は、第1特定入賞口65aの下方に設けられた流路を流下する。なお、この第1特定入賞口65aの下方の流路は、第2特定入賞口650aの方向へ傾斜しているため、球は第2特定入賞口650aの方向へと流下する。
一方、第1特定入賞口65aが開放された状態で球が第1特定入賞口65aへと到達した場合、図13(b)に示した通り、球が流下してきた流路の延長線上に第1特定入賞口65aの開口部分が位置する。よって、球は第1特定入賞口65aへと入球する。なお、図13(b)に示した通り、第1可変入賞装置65の内部には、球をパチンコ機10の外部へと排出するための球排出口65cが設けられている。この球排出口65cへと入球することにより、球の入賞が検出されて賞球の払い出しが行われると共に、第1特定入賞口65aから第1可変入賞装置65の内部へと入球した球を排出させることができる。なお、第1可変入賞装置65の底面部65bは、球排出口65cの方向へと傾斜しているため、第1特定入賞口65aへと入球した全ての球を球排出口65cへと入球させることができる。よって、全ての球を確実に排出させることができる。
次に、図14を参照して、右打ちにより遊技盤13の右側の経路(流路)を流下して第2特定入賞口650aへと到達した球の動作について説明する。まず、図14(a)は、第2特定入賞口650aが閉鎖された状態において球が第2特定入賞口650aへと到達した場合の図である。
図14(a)に示した通り、第2特定入賞口650aが閉鎖された状態で球が第2特定入賞口650aへと到達した場合、球は第2特定入賞口650aへと入球することができないので、第2特定入賞口650aの上部を流下し、第2可変入賞装置650の左側へと落下する(図14(a)参照)。そして、第2特定入賞口650aの左側へと落下した球は、第2特定入賞口650の左方に設けられているアウト口66(図2参照)へと流下する。
一方、第2特定入賞口650aが開放された状態で球が第2特定入賞口650aへと到達した場合、図14(b)に示した通り、球が流下してきた流路の延長線上に第2特定入賞口650aの開口部分が位置する。よって、球は第2特定入賞口650aへと入球する。なお、図14(b)に示した通り、第2可変入賞装置650の内部には、球をパチンコ機10の外部へと排出するための球排出口650cが設けられている。この球排出口650cへと入球することにより、球の入賞が検出されて賞球の払い出しが行われると共に、第2特定入賞口650aから第2可変入賞装置650の内部へと入球した球を排出させることができる。なお、第2可変入賞装置650の底面部650bは、球排出口650cの方向へと傾斜しているため、第2特定入賞口650aへと入球した全ての球を球排出口650cへと入球させることができる。よって、全ての球を確実に排出させることができる。
次に、図15を参照して、第2可変入賞装置650の球排出口650cの下流の構造について説明する。上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、特別遊技状態(大当たり状態)において、第2可変入賞装置650の内部に設けられている確変入球口654へと球が入球した場合に、その大当たりの終了後に特別図柄の確変状態へと移行するように構成されている。この確変入球口654は、球排出口650cの下流に設けられている2つの流路(誘導流路652、および誘導流路653)のうち、一方の流路(誘導流路652)に設けられている。また、2つの流路の上端には、球が流下する流路を設定するための流路切替弁650dが設けられている。この流路切替弁650dは、2つの流路のうち一方の流路を閉鎖して球が進行できない状態にすると共に、他方の流路を開放して球が進行可能な状態にするために設けられている。なお、流路切替弁650dは、流路用ソレノイド611(図17参照)を駆動することにより、切替軸650eを回転軸として回動させることができ、大当たりの12ラウンド目において、経過時間に応じて配置が切り替えられる。
図15(a)、および図15(b)は、流路切替弁650dの配置毎の球の動作を示した図である。まず、図15(a)は、流路切替弁650dが誘導流路652を閉鎖する配置となっている場合を示した図である。誘導流路652を閉鎖する配置の場合、球排出口650cへと入球した球は、流路切替弁650dに阻まれることにより、誘導流路652へと進行することができなくなる。よって、球は誘導流路653へと進行する(図15(a)参照)。誘導流路653の下流には、通常入球口655が設けられている。即ち、図15(a)に示した配置となっている間は、確変入球口654へと球を入球させることができない。なお、本実施形態では、流路用ソレノイド611をオフにすることにより、流路切替弁650dが図15(a)に示す配置となるように構成されている。
一方、図15(b)は、流路切替弁650dが誘導流路653を閉鎖する配置となっている場合を示した図である。この配置は、流路用ソレノイド611をオン(励磁)することにより実現することができる。誘導流路653を閉鎖する配置の場合、球排出口650cへと入球した球は、流路切替弁650dに阻まれることなく誘導流路652へと進行することができる。よって、球は誘導流路653へと進行し、その下流に設けられた確変入球口654へと入球する。
確変入球口654へと球が入球することにより、大当たりの終了時(エンディング演出の開始時)に特別図柄の確変状態へと移行するように設定される。また、第2特定入賞口650aが開放される12ラウンド目が終了すると、以降のラウンドにおいて大当たり終了後の遊技状態を遊技者に対して示唆するための示唆演出が実行される。即ち、12ラウンドにおいて確変入球口654へと球が入球していれば、13ラウンド〜15ラウンドにおいて、特別図柄の確変状態へと移行することを示唆する表示演出が第3図柄表示装置81において実行される。一方、12ラウンドにおいて確変入球口654へと球が入球していなければ、13ラウンド〜15ラウンドにおいて、普通図柄の時短状態へと移行することを示唆する表示演出が第3図柄表示装置81において実行される。このように、大2特定入賞口650aが開放されるラウンドを12ラウンド目とすることにより、大当たりの残りのラウンドにおいて大当たり終了後の遊技状態を示唆する示唆演出を実行する十分な期間を確保することができる。
なお、上述した通り、遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)において、第2可変入賞装置650が貯留装置600の入口よりも下流に設けられているので、貯留装置600へと球が流入しやすくなるほど、第2可変入賞装置650へと球が到達しにくくなる。球が第2可変入賞装置650へと到達しにくくなれば、大当たりBの12ラウンドにおいて確変入球口654へと球が入球しにくくなる。逆に、貯留装置600へと球が流入しにくくなるほど、第2可変入賞装置650へと球が到達しやすくなるので、大当たりBの12ラウンドにおいて確変入球口654へと球が入球しやすくなる。よって、貯留装置600への球の流入しやすさを調節することにより、確変入球口654への入球割合を変更することができる。ここで、貯留装置600への流入しやすさを調節する方法としては、例えば、貯留装置600の入口部分に設けられた釘(図11参照)を調節することが挙げられる。即ち、貯留装置600の入口部分に設けられた2つの釘を互いに近づける向きに調節するほど、これら2つの釘の間を球が通過しにくくなるので、貯留装置600へと球が流入しにくくなる。よって、大当たりBの12ラウンドにおいて確変入球口654へと球が入球しやすくなるので、特別図柄の確変状態へと移行させやすくできる。一方、貯留装置600の入口部分に設けられた2つの釘を互いに離す向きに調節するほど、これら2つの釘の間を球が通過し易くなるので、貯留装置600へと球が流入しやすくなる。よって、大当たりBの12ラウンドにおいて確変入球口654へと球が流入しやすくなるので、特別図柄の確変状態へと移行させ難くできる。従って、貯留装置600の入口部分に設けられた釘を調節することにより、パチンコ機10のスペック(特別図柄の確変状態の割合)を可変させることができるので、各ホールの営業方針に応じてパチンコ機10のスペックを変更させることができる。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、流路切替弁650dの動作は大当たりの種別によらず同一のパターンとなっている。一方、第2特定入賞口650aの開放パターンは、大当たりAと大当たりBとで異なっている。これにより、大当たりBの方が、大当たりAよりも特別遊技状態(大当たり状態)において確変入球口654へと球が入球しやすくなるように構成されている。なお、流路切替弁650dの切替パターンと、第2特定入賞口650aの開放パターンとの関係は、続く図16を参照して説明する。
図16(a)は、大当たりAの12ラウンド目において、第2特定入賞口(第2大開放口)650aと、流路切替弁650dとの計時変化を示した図である。図16(a)の上側のグラフが、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの計時変化(開放状態であるか、閉鎖状態であるか)を示しており、図16(a)の下側の図が流路切替弁650dの計時変化(球排出口650cの下流左側の誘導流路652が開放されているか、右側の誘導流路653が開放されているか)を示した図である。
図16(a)に示した通り、12ラウンド目が開始されると、所定時間(例えば、0.2秒間)だけ第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放され、その所定時間(例えば、0.2秒)が経過すると、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖される。そして、その閉鎖状態は、12ラウンド目の開始から7秒間が経過するまで保たれ、7秒間が経過することに基づいて開放状態に設定される。この開放状態は、12ラウンド目が終了するまで継続する。具体的には、第2特定入賞口(第2大開放口)650aへと球が10個入球するか、或いは、12ラウンド目の開始から30秒が経過するまでの間、開放状態に設定される。そして、12ラウンド目が終了すると、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖される。この閉鎖状態は、特別遊技状態(大当たり状態)が終了し、次に大当たりの12ラウンドとなるまで継続する。
また、大当たりAの12ラウンド目において、流路切替弁650dは、その右側に設けられた誘導流路653を閉鎖し、左側の誘導流路652を球が流下できるように設定される(図15(b)参照)。この状態は12ラウンド目が開始されてから6.5秒間継続し、6.5秒が経過することに基づいて、流路切替弁650dが逆向きに切り替わる。つまり、誘導流路652が流路切替弁650dによって閉鎖され、流路切替弁650dの右側に設けられた誘導流路653を球が流下できる状態に設定される(図15(a)参照)。なお、この切替動作は、0.5秒以下の期間で終了するので、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放される前に、流路を切り替えることができる。
そして、流路切替弁650dの向きが切り替わって以降は、その状態(誘導流路653を球が流下できる状態)に保たれる。この誘導流路653を球が流下できる状態は、次に大当たりとなり、11ラウンドが終了するまで継続する。そして、11ラウンドが終了し、3秒間のインターバル期間となることに基づいて、誘導流路652を球が流下できる状態に設定される(流路用ソレノイド611がオンされる)。つまり、遊技者が遊技を行っている大半の期間は、流路切替弁650dの右側に設けられた誘導流路653を球が通過可能な状態とされ、流路切替弁650dの左側に設けられた誘導流路652を球が通過可能な状態に設定されるのは、12ラウンドの開始前に設定されるインターバル期間(3秒間)から、12ラウンドの開始後6.5秒までの限られた期間(9.5秒間)のみである。よって、特別遊技状態の12ラウンド目以外において球を第2特定入賞口(第2大開放口)650aへと入球させる不正行為が行われたとしても、球が確変入球口654へと入球することを防止(抑制)することができるので、不正に特別図柄の確変状態を獲得されることを防止(抑制)することができる。
なお、流路切替弁650dを切り替えるタイミングは、これに限られるものではない。例えば、12ラウンドの開始時に誘導流路652が開放された状態に切り替えるように構成してもよいし、11ラウンドが終了した後に設定されるインターバル期間の途中で(例えば、インターバルが開始してから0.5秒経過時)切り替えるように構成してもよい。これにより、誘導流路652が開放される期間をより短く限ることができるので、第2特定入賞口650aが閉鎖されている間に不正に球を第2可変入賞装置650の内部へと入球させたとしても、その球が確変入球口654へと入球することを防止(抑制)することができる。即ち、不正行為を防止することができる。
このように、大当たりAの12ラウンド目において、流路切替弁650dの左側に設けられた誘導流路652が開放されている期間と、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放されている期間とがほとんど重複しない(12ラウンドが開始された直後の0.2秒間のみ重複する)ように、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの開放パターンが設定される。よって、大当たりAとなった場合の多くは、特別遊技状態中(大当たり中)に確変入球口654へと球が入球しないので、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態に設定されにくくなる。
なお、12ラウンドが開始された直後の0.2秒間に第2特定入賞口(第2大開放口)650aを開放するのは、12ラウンドの開始直後に大当たりAであることを分かり難くするためである。詳細については図16(b)を参照して後述するが、確変入球口654へと球を入球させやすい大当たりBにおいて、12ラウンドの開始直後から第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放される。よって、大当たりAと、大当たりBとで12ラウンドの開始直後の第2特定入賞口(第2大開放口)650aの動作を共通化することにより、今回の大当たりが大当たりBであることを期待させることができる。
次に、図16(b)を参照して、大当たりBの12ラウンド目における、第2特定入賞口(第2大開放口)650aと、流路切替弁650dとの計時変化について説明する。図16(b)の上側のグラフが、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの計時変化(開放状態であるか、閉鎖状態であるか)を示しており、図16(b)の下側の図が流路切替弁650dの計時変化(球排出口650cの下流左側の誘導流路652が開放されているか、右側の誘導流路653が開放されているか)を示した図である。
図16(b)に示した通り、12ラウンド目が開始されると、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放状態に設定される。そして、その開放状態は、12ラウンド目の開始から5秒間が経過するまで保たれ、5秒間が経過することに基づいて閉鎖状態に設定される。なお、5秒間が経過する前に、10個の球が第2特定入賞口(第2大開放口)650aへと入球した場合も、第2特定入賞口(第2大開放口)650aは閉鎖される。この閉鎖状態は、特別遊技状態(大当たり状態)が終了し、次に大当たりの12ラウンドとなるまで継続する。
また、上述した通り、大当たりBの12ラウンド目において流路切替弁650dは大当たりAと共通の動作を行うように設定される。即ち、11ラウンド目の終了時に設定されるインターバル期間の開始に基づいて、流路切替弁650dの右側に設けられた誘導流路653を閉鎖し、左側の誘導流路652を球が流下できるように設定される(図15(b)参照)。そして、12ラウンド目が開始されてから6.5秒間が経過すると、流路切替弁650dが逆向きに切り替わる。つまり、誘導流路652が流路切替弁650dによって閉鎖され、流路切替弁650dの右側に設けられた誘導流路653を球が流下できる状態に設定される(図15(a)参照)。そして、流路切替弁650dの向きが切り替わって以降は、その状態(誘導流路653を球が流下できる状態)に保たれる。
このように、大当たりBの12ラウンド目において、流路切替弁650dの左側に設けられた誘導流路652が開放されている期間と、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放されている期間とが最大で5秒間重複するように、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの開放パターンが設定される。よって、大当たりBとなった場合の多くは、特別遊技状態中(大当たり中)に確変入球口654へと球を入球させることができるので、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態に設定されやすくなる。
なお、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの開放パターンはこれに限られるものではなく、確変入球口654へと球が入球し易いパターンと、確変入球口654へと球が入球しにくいパターンとを設定することができれば任意に定めてもよい。また、流路切替弁650dの切換パターンも、本実施形態の形態に限られることなく、任意に定めることができる。例えば、12ラウンドの開始時に誘導流路653を球が流下可能となるように、流路切替弁650dを設定し(図15(a)参照)、12ラウンドの開始から所定時間(例えば、6.5秒)が経過した後で誘導流路652を球が流下可能となるように流路切替弁650dを設定する(図15(b)参照)ように構成してもよい。
また、第2特定入賞口(第2大開放口)650aを開放するラウンド数は、12ラウンド目に限られるものではなく、任意のラウンドに設定してもよい。更に、複数ラウンドにおいて第2特定入賞口650aを開放するように構成してもよく、例えば、1ラウンド目と15ラウンド目とで第2特定入賞口(第2大開放口)650aを開放するように設定してもよい。これにより、確変入球口654へと球を入球させる機会を増やすことができるので、大当たりBの終了後に、より特別図柄の確変状態となりやすくすることができる。よって、大当たりBに当選したにもかかわらず、第2特定入賞口(第2大開放口)650aへと球を入球させることができず、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまうことを防止(抑制)することができる。
図2に戻って説明を続ける。遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、第1アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640にも入賞しなかった球は、第1アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。第1アウト口71は、第1入球口64の下方に配設される。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。入賞口63,64,65a,601,602,650a、およびアウト口603a〜603cのいずれにも入球しなかった球は、アウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の後面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとしたりすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図17参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図17参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図17を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図17は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37、および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
まず、ROM202の内容について、図18を参照して説明する。図18(a)に示すように、主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、および変動パターン選択テーブル202dが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202a(図示せず)は、後述する第1当たり乱数カウンタC1の大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。詳細については、第1当たり乱数カウンタC1の説明と共に後述するが、始動入賞に基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aに規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
第1当たり種別選択テーブル202b(図18(b)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別、および特別図柄の抽選契機となった入球口の種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
具体的には、特別図柄1の抽選(第1入球口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲には、大当たりAが対応付けられて規定されている(図18(b)の202b1参照)。上述した通り、大当たりAとなった場合は、12ラウンド目において第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放される期間の大半が、流路切替弁650dの右側に設けられた誘導流路653が開放されている期間となるように構成されている(図16(a)参照)。よって、流路切替弁650dの左側に設けられた誘導流路652へと球を流下させることが困難となるので、誘導流路652の下流に設けられている確変入球口654へと球を入球させにくくなる。即ち、大当たりAとなった場合は、その大当たりの終了後に特別図柄の確変状態に移行しにくくなる。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜99」の範囲には、大当たりBが対応付けられて規定されている(図18(b)の202b2参照)。上述した通り、大当たりBとなった場合は、12ラウンド目において第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放される期間の全てが、流路切替弁650dの左側に設けられた誘導流路652が開放されている期間と重なるように構成されている(図16(b)参照)。よって、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放されている間に球を第2特定入賞口(第2大開放口)650aへと入球させるだけで、流路切替弁650dの左側に設けられた誘導流路652へと球を流下させることができる。そして、上述した通り、誘導流路652の下流には、確変入球口654が設けられている。よって、大当たりBとなった場合は、その大当たりの終了後に特別図柄の確変状態に移行しやすくなる。
一方、特別図柄2の抽選(第2入球口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜19」の範囲には、大当たりAが対応付けられて規定されている(図18(b)の202b3参照)。また、第1当たり種別カウンタC2の値が「20〜99」の範囲には、大当たりBが対応付けられて規定されている。即ち、特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合に比較して、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合に、大当たりBとなる判定値の個数が多くなっている。よって、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合の方が大当たりBとなりやすく構成されている。
上述した通り、特別図柄の確変中は、普通図柄の当たり確率がアップし、普通図柄の変動時間が短くなり(3秒)、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放時間が長くなる(1秒×2回)ように設定される。よって、第2入球口640へと球を入球させやすくなるので、特別図柄2の抽選が行われやすくなる。従って、一旦特別図柄の確変状態へと移行させることができれば、特別図柄の大当たりとなりやすく、且つ、大当たりとなった場合に大当たりBとなりやすい特別図柄の確変状態と、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態となりやすい大当たりBとが繰り返されやすくなるので、遊技者が多量の賞球を獲得し易くなる。これにより、遊技者に対して特別図柄の確変状態へと移行させることを強く期待させながら遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
第2当たり乱数テーブル202c(図18(c)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜28」が規定されている(図18(c)の202c1参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜204」が規定されている(図18(c)の202c2参照)。本実施形態のパチンコ機10では、普通入球口67を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。
変動パターン選択テーブル202d(図示なし)は、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタCS1の判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。なお、変動パターン選択テーブル202dの詳細については、変動種別カウンタCS1の説明と共に後述する。
図17に戻って説明を続ける。主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図19を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図25参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図34参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる第1入球口64への入賞に対応する特別図柄1保留球格納エリア203aと第2入球口640への入賞に対応する特別図柄2保留球格納エリア203bとがそれぞれ設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64または第2入球口640への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203cが設けられており、これらの各エリアには、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
図19を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜399)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜399の値を取り得るカウンタの場合は399)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜399の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜399の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図25参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図34参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64または第2入球口640に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202a(図示せず)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。
ここで、第1当たり乱数テーブル202aについて説明する。第1当たり乱数テーブル202aは、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選において、各遊技状態で当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。具体的には、特別図柄の確変状態である場合には、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選において、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0〜9」のいずれであるか判別されて、「0〜9」のいずれかであれば、大当たりであると判別される。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る値が「0〜399」の400個ある中で、大当たりとなる判定値が「0〜9」の10個なので、特別図柄の確変中に特別図柄の大当たりとなる確率は、1/40(10/400)となる。また、特別図柄の低確率状態である場合には、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「200」であるか判別されて、「200」であれば大当たりであると判別される。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る値が「0〜399」の400個ある中で、大当たりとなる判定値が「200」の1個のみなので、特別図柄の低確率状態おいてに特別図柄の大当たりとなる確率は、1/400となる。
なお、本実施形態では、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たりとなる乱数値を設定している。ここで、大当たりとなる乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その乱数値が外部より入力されて、不正に大当たりを引き当てられやすくなるおそれがある。これに対して、本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態か、特別図柄の低確率状態かに応じて)、大当たりとなる乱数値を変えることで、特別図柄の大当たりとなる乱数値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aに格納される。
ここで、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄1保留球格納エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、特別図柄1の抽選により大当たりとなり、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜49」のいずれかであった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、特別図柄1の抽選により大当たりとなり、乱数値が「50〜99」のいずれかであった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となる。更に、特別図柄2の抽選により大当たりとなり、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜19」のいずれかであった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、特別図柄2の抽選により大当たりとなり、乱数値が「20〜99」のいずれかであった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となる。
なお、本実施形態では、大当たりの種類は2種類としたが、それに限らず、1種類でもよいし、2種類以上設けるように構成してもよい。また、特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合と、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合とで、同じ第1当たり種別カウンタC2の値では、同じ大当たり種別が選択されるように構成してもよい。このように構成することで、第1当たり種別選択テーブル202bのデータ量を削減することができるので、ROM202の容量を削減することができる。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆる短時間はずれ、長時間はずれ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図34参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202dは、上述した通り、主制御装置110のROM202内に設けられている。
変動パターン選択テーブル202dには、例えば、外れ用の変動パターンとして、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種が規定され、大当たり用の変動パターンとして、「ノーマルリーチ」各種、「スーパーリーチ」各種が規定されている。そして、変動パターンテーブルに規定された各種変動パターンから、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて変動パターンが選定される。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202c(図18(c)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202cによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブル202cは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用(図18(c)の202c1参照)と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間、および特別図柄の確変状態である期間)用(図18(c)の202c2参照)との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態)と普通図柄の高確率時(普通図柄の時短状態)とで、当たりとなる確率が変更される。
図18(c)に示すように、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その範囲は「5〜28」となっている(図18(c)の202c1参照)。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が24なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が普通入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入球口640に付随する電動役物640aが「0.2秒間×1回」だけ開放される。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら電動役物640aが「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時(普通図柄の時短中、および特別図柄の確変中)に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに格納されている(図18(c)の202c2参照)。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球が普通入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入球口640に付随する電動役物640aが「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、電動役物640aの開放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第2入球口640に付随する電動役物640aが「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図25参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図34参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図17に戻り、説明を続ける。RAM203は、図19に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図34参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図33参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図32参照)が即座に実行される。
ここで、RAM203に記憶される各種のフラグおよびカウンタの詳細について、図20を参照して説明する。RAM203は、図20に示すように、特別図柄1保留球格納エリア203a、特別図柄2保留球格納エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203f、確変フラグ203g、確変設定フラグ203h、確変通過カウンタ203i、入賞個数カウンタ203j、動作カウンタ203k、残球タイマフラグ203m、残球タイマ203n、確変有効フラグ203o、確変有効タイマ203p、排出個数カウンタ203q、時短中カウンタ203r、その他メモリエリア203zを有している。
特別図柄1保留球格納エリア203aは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1入球口64に入賞したことに基づいて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄1保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
特別図柄2保留球格納エリア203bは、特別図柄1保留球格納エリア203aに対して、第2入球口640への入賞に対して取得されたカウンタ値がそれぞれ記憶される点で異なるのみであり、その他の構成については、同一であるので、詳細な説明については省略する。
普通図柄保留球格納エリア203cは、特別図柄1保留球格納エリア203aや、特別図柄2保留球格納エリア203bと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が普通入球口67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄1保留球格納エリア203aや、特別図柄2保留球格納エリア202bと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄1保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄1保留球数カウンタ203dは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる第1特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄1保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図28のS404参照)。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図26のS210参照)。
この特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄1における変動表示の保留回数N1)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図26のS211、図28のS405参照)。保留球数コマンドは、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
尚、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の保留球数図柄(保留図柄)を表示する。
特別図柄2保留球数カウンタ203eは、特別図柄1保留球数カウンタ203dに対して、第2入球口640に入賞して、保留された保留球の数が格納される点で相違する点で異なるのみなので、その詳細な説明については省略する。
普通図柄保留球数カウンタ203fは、普通入球口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、球が普通入球口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図31のS704参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図30のS605参照)。
球が普通入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203cに記憶される(図31のS705)。一方、球が普通入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203cには新たに何も記憶されない(図31のS703:No)。
確変フラグ203gは、現在の遊技状態が特別図柄の確変状態(特別図柄の確変中)であるか否かを示すフラグである。確変フラグ203gがオンに設定されていると、遊技状態が特別図柄の確変状態であることを示し、オフであると特別図柄の低確率状態であることを示している。本実施形態では、大当たり遊技終了時に後述する確変設定フラグ203hがオンに設定されている場合に、この確変フラグ203gがオンに設定される(図37のS1304参照)。また、確変フラグ203gは、特別図柄の抽選により大当たりとなり、その大当たりの開始が設定される場合にオフに設定される。なお、初期化された状態(即ち、RAM消去スイッチ122を押下した状態でパチンコ機10に対して電源が投入された状態)では、この確変フラグ203gがオフにリセットされ、通常の電源断が発生した場合には、電源の遮断が発生する直前の状態がバックアップされるように構成されている。
確変設定フラグ203hは、大当たりの終了後に遊技状態を特別図柄の確変状態に移行させるか否かを示すフラグである。本パチンコ機10では、遊技状態が確変遊技状態に設定されるか否かは、特別遊技状態(大当たり状態)中に確変入球口654へと遊技球が入球したか否かにより決定される。確変入球口654へと遊技球が入球すると、その入球が図示しない確変スイッチにより検出され、確変設定フラグ203hがオンに設定される(図38のS1412)。一方、この確変設定フラグ203hは、確変フラグ203gがオンに設定されることに基づいてオフに設定される(図37のS1305参照)。なお、この確変設定フラグ203hは、電源断時にはバックアップされ、復帰時(電源投入時)には電源断直前の状態に設定される。また、初期化された状態ではオフに設定される。
電源投入時に確変設定フラグ202hがオンに設定されている場合には、電源が遮断される前に確変スイッチを通過したか否か判別し、通過していると判別した場合に、確変設定フラグ203hを正式にオンに設定して復帰するように構成してもよい。この場合、電源が遮断される前に確変スイッチを通過していたか否かの判別は、後述する確変通過カウンタ203iが0より大きい値であるかにより判別できる。このように構成することで、電源断されている状態で、確変設定フラグ203hのみをオンに書き換えて電源を再投入されるような不正を判別して、遊技店側の被害を低減することができる。
確変通過カウンタ203iは、大当たり状態中の1のラウンド(本実施形態では、大当たりの12ラウンド目)で確変スイッチを通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。なお、この確変通過カウンタ203iと後述する排出個数カウンタ203qとの合計により第2可変入賞装置650の内部へと流入した遊技球が全て排出されたかを判別することができる。この確変通過カウンタ203iは、確変スイッチを通過した場合に1ずつ加算されて更新される(図38のS1411)。また、第2可変入賞装置650の内部へと流入した遊技球の数と、排出個数とが一致するか否かの処理を実行した後に、初期値である「0」にリセットされる(図39のS1511)。なお、この確変通過カウンタ203iの値は、電源断時にはバックアップされる。また、パチンコ機10が初期化された場合に、その値が0にリセットされる。
入賞個数カウンタ203jは、大当たり遊技における各ラウンドで、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口(第1大開放口)65a、および第2可変入賞装置650の第2特定入賞口(第2大開放口)650aに入球した球の数をカウントするためのカウンタである。具体的には、第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aにそれぞれ設けられた入賞センサ(図示せず)によって球の入球が検出されることに基づき、1ずつ加算されて更新される(図38のS1403)。一方、1つのラウンドが終了した場合に、第1特定入賞口(第1大開放口)65a、および第2特定入賞口(第2大開放口)650aに入賞した個数(入賞個数カウンタ203jの値)と排出された個数(排出個数カウンタ203qと確変通過カウンタ203iとの合計値)とが一致しているか判別された後に、初期値である「0」にリセットされる。なお、この入賞個数カウンタ203jの値は、電源断時にはバックアップされる。また、パチンコ機10が初期化されると0にリセットされる。
なお、上述した通り、1〜11ラウンド、および13〜15ラウンドでは、第1特定入賞口(第1大開放口)65aのみが開放されるので、上記各ラウンドにおいて、入賞個数カウンタ203jは、実質的に第1特定入賞口(第1大開放口)65aへと入球した球の個数をカウントすることになる。一方、12ラウンド目においては、第2特定入賞口(第2大開放口)650aのみが開放されるので、12ラウンド目において、入賞個数カウンタ203jは、実質的に第2特定入賞口(第2大開放口)650aへと入球した球の個数をカウントすることになる。
本実施形態では、第1特定入賞口(第1大開放口)65a、および第2特定入賞口(第2大開放口)650aのどちらかに球が入球したことを検出した場合に、入賞個数カウンタ203jの値に1を加算するように構成しているが、第1特定入賞口(第1大開放口)65aと、第2特定入賞口(第2大開放口)650aとでそれぞれ入球した球の数をカウントする別々のカウンタを設けてもよい。
動作カウンタ203kは、流路切替弁650dの左側に設けられた誘導流路652が開放状態(図15(b)参照)に設定されてからの経過時間を計時(カウント)するためのカウンタである。即ち、流路用ソレノイド611がオンに設定され、確変入球口654へと球が入球可能な状態に設定されてからの経過時間が、この動作カウンタ203kによって計時(カウント)される。本パチンコ機10では、大当たりの11ラウンドが終了することに基づいて、流路ソレノイド611をオン(励磁)することにより流路切替弁650dが切換軸650eを回転軸として時計回りに回動し、誘導流路652が開放される。
動作カウンタ203kには、流路用ソレノイド611をオン(励磁)する期間に対応するカウンタ値が、11ラウンド目の終了時に設定される。即ち、12ラウンド目の開始前の3秒間のインターバル期間と、12ラウンド目が開始されてから6.5秒間の計9.5秒間に対応するカウンタ値が設定される。一方、主制御装置110のMPU2011の実行する入賞処理(図38参照)のS1409の処理において1ずつ減算されて更新される。また、この動作カウンタ203kの値が0と判別されることに基づいて、流路ソレノイド611がオフに設定される。なお、この動作カウンタ203kは、電源が遮断されてもその値がバックアップされる。また、パチンコ機10が初期化されることにより、初期値である0にリセットされる。
残球タイマフラグ203mは、1のラウンドで第1特定入賞口(第1大開放口)65a、および第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖したことを示すフラグである。この残球タイマフラグ203mがオンに設定されていると、1のラウンドで第1特定入賞口(第1大開放口)65a、または第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放状態から閉鎖状態に設定されたことを示している。この残球タイマフラグ203mがオンに設定されることで、後述する残球タイマ203nが1ずつ加算されて更新される(図39のS1505参照)。残球タイマ203nは、第1特定入賞口(第1大開放口)65a、または第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖されてからの時間を判別するためのカウンタであり、第1可変入賞装置65、または第2可変入賞装置650内に流入した遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したか否かを判別するためのカウンタである。
残球タイマ203nは、予め設定されている1のラウンドが終了して第1特定入賞口(第1大開放口)65aが閉鎖した場合(1〜11ラウンド、13〜15ラウンド)、または第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖した場合(12ラウンド)に、第1可変入賞装置65、または第2可変入賞装置650の内部に流入した遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。本実施形態では、第1可変入賞装置81に入賞した遊技球が排出されるまでに必要な時間は2秒であるので、1秒のマージンを加えた3秒(2秒+1秒)に対応するカウンタ値が、残球タイマ203nの上限値として設定されている。この残球タイマ203nの値が更新され、その値が上限値(3秒)に達すると、第1可変入賞装置65(1〜11ラウンド、および13〜15ラウンド)、または第2可変入賞装置650(12ラウンド)への入賞個数とその排出個数とが一致しているかの判別が実行される(図39のS1507)。そして、入賞個数と排出個数とが一致しないと判別された場合には、エラーコマンドが設定されて、その旨が報知される。よって、第1可変入賞装置65、または第2可変入賞装置650の内部において球詰まりが発生していることを早期に知らせることができる。よって、大当たりの12ラウンドにおいて第2可変入賞装置650内に球を残存させておき、次の大当たりの12ラウンドの開始タイミングで衝撃等を与えて、確変入球口654へと球を入球させる不正行為を抑制できる。
なお、入賞個数と排出個数が一致しない場合には、専用のフラグをオンに設定しておき、そのフラグがオンである場合には確変入球口654へと球が入球しても確変設定フラグ203hをオンに設定しない構成にしてもよい。このように構成することで、不正に確変遊技状態が付与されることを抑制できる。
また、本実施形態では、第1特定入賞口(第1大開放口)65a、および第2特定入賞口(第2大開放口)650aのどちらかが開放状態から閉鎖状態に切り替えられたことを検出した場合に、残球タイマ203nによるカウンタ値の更新を開始していたが、これに限られるものではない。例えば、第1特定入賞口(第1大開放口)65aと、第2特定入賞口(第2大開放口)650aとでそれぞれ別々のカウンタを設けてもよい。
確変有効フラグ203oは、流路ソレノイド611がオフに設定された後に、遊技球が確変入球口654へと入球した場合に、その入球を有効とするか否かを判別するためのフラグである。この確変有効フラグ203oがオンに設定されている場合には、流路ソレノイド611がオンであることに基づいて、誘導流路652(図15(b)参照)へと流入した球が確変入球口654へと入球するのに必要な時間以下であることを示している。即ち、その確変入球口654への入球が正常な動作であることを示している。
確変有効タイマ203pは、上述した確変有効フラグ203oがオンに設定されてからの時間をカウントする為のカウンタである。この確変有効タイマ203pにより流路用ソレノイド611がオフとなった後に、確変入球口654へ正常に入球するのに必要な期間を判別することができる。本実施形態では、誘導流路652へと流入した球が確変入球口654へと入球するのに要する時間は1秒である。確変有効タイマ203pの上限値は0.2秒のマージンを加えた1.2秒に対応するカウンタ値に設定されている。この1.2秒が経過してから確変入球口654へと球が入球した場合は、何らかの不正行為が行われた可能性が高いので、確変設定フラグ203hが更新されないように制御される。
これにより、流路切替弁650dが誘導流路652を閉鎖した状態(球が確変入球口654へと誘導されない状態)で、確変入球口654へと球を入球させたり、確変入球口654の下流より、ピアノ線等で遊技球を押し上げて確変入球口654を通過させたり、電波等により確変入球口654へと球が入球したと誤検出させたりする不正による被害を抑制できる。
排出個数カウンタ203qは、1のラウンドで第1可変入賞装置65、または第2可変入賞装置650から排出された球の個数をカウントするためのカウンタである。なお、第1可変入賞装置65、および第2可変入賞装置650には、それぞれ球の排出を検出するための図示しない球排出口スイッチが設けられている。排出個数カウンタ203qは、球排出口スイッチにより球の排出が検出される毎に、その値に1が加算される(図39のS1503参照)。一方、第1可変入賞装置65、または第2可変入賞装置650へと入球した球の数と、排出個数とが一致するか否か判別された後で、排出個数カウンタ203qの値が初期値である0にリセットされる(図39のS1511)。
時短中カウンタ203rは、普通図柄の時短状態において、残りの時短期間(特別図柄の変動回数)をカウントするためのカウンタである。この時短中カウンタ203rは、大当たりの終了時に確変設定フラグがオフである場合に、100が設定される(図37のS1307参照)。即ち、本実施形態では、大当たり遊技後に確変遊技状態に設定されない場合には、100回の普通図柄の時短状態が付与される。
その他メモリエリア203zは、遊技に必要なその他のデータや、カウンタ、フラグ等が設定(記憶)される。
図17に戻って説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図32参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のROM222には、変動パターン選択テーブル222a、その他、遊技の制御に必要な各種データやプログラム等が記憶されている。
変動パターン選択テーブル222aは、図示しない変動パターン選択用のカウンタ値に各変動パターンの種別(完全外れ、リーチ外れ、リーチ各種等)の変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した選択用のカウンタ値に基づいて、詳細な変動パターンを選択する。これにより、変動時間や変動パターンの種別等の大まかな情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様等が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
また、音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄1保留球数カウンタ223bと、特別図柄2保留球数カウンタ223cと、変動開始フラグ223dと、停止種別選択フラグ223eと、確変状態フラグ223fと、時短状態カウンタ223gと、大当たり中フラグ223hと、許容時間カウンタ223iとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。この入賞情報格納エリア223aに格納される情報により、保留球の抽選結果等が変動開始前に音声ランプ制御装置113により判別できる。
特別図柄1保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。即ち、第1特別図柄に対応する保留球の数が、主制御装置110より出力される保留球数コマンドに基づいて設定される。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄1保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球(始動入賞)によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を取得して、特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する(図43のS1908参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄1保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄1保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
特別図柄2保留球数カウンタ223cは、特別図柄1保留球数カウンタ223bに対して、第2特別図柄に対応する保留球の数が主制御装置110から出力される保留球数コマンドに基づいて記憶される点で異なるのみであるので、その詳細な説明については省略する。
変動開始フラグ223dは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図43のS1902参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図43のS1902参照)。変動開始フラグ223dがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図42参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223eは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図43のS1905参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図47のS2007参照)。停止種別選択フラグ223eがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別がそのまま設定される。
確変状態フラグ223fは、パチンコ機10の遊技状態が特別図柄の確変状態であるか否かを示すフラグである。この確変状態フラグ223fがオンであれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、オフであれば特別図柄の低確率状態であることを示す。この確変状態フラグ223fは、主制御装置110より出力される状態コマンドの通知内容に合わせて更新される(図41のS1711、図43のS1910参照)。この確変状態フラグ223fの状態に応じて現在が特別図柄の確変状態であるか否かを判別し、対応する演出を設定する。より具体的には、特別図柄の確変状態において表示される右打ちナビ画像(図5(a)参照)を表示させるか否かを判別したり、右打ち警告画像(図5(b)参照)を表示させるか否かを判別したりする。
時短状態カウンタ223gは、パチンコ機10の遊技状態が普通図柄の時短状態であるか否かを示すフラグである。この時短状態カウンタ223gがオンであれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、オフであれば普通図柄の通常状態(低確率状態)であることを示す。この時短状態カウンタ223gは、主制御装置110より出力される状態コマンドの通知内容に合わせて更新される(図41のS1711、図43のS1910参照)。この時短状態カウンタ223gの状態に応じて現在が普通図柄の時短状態であるか否かを判別し、対応する演出を設定する。より具体的には、普通図柄の時短状態において表示される右打ちナビ画像(図5(a)参照)を表示させるか否かを判別したり、右打ち警告画像(図5(b)参照)を表示させるか否かを判別したりする。
大当たり中フラグ223hは、パチンコ機10の遊技状態が特別遊技状態(大当たり状態)であるか否かを示すフラグである。この大当たり中フラグ223hがオンであれば、パチンコ機10が特別遊技状態(大当たり状態)であることを示し、オフであれば特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態(特別図柄の確変状態、普通図柄の時短状態、又は通常状態のいずれか)であることを示す。この大当たり中フラグ223hは、主制御装置110からオープニングコマンドを受信した場合にオンに設定される(図43のS1914参照)。即ち、特別遊技状態(大当たり状態)が開始される場合にオンに設定される。一方、大当たり中フラグ223hは、主制御装置110からエンディングコマンドを受信した場合にオフに設定される(図43のS1917参照)。つまり、特別遊技状態(大当たり状態)が終了する場合にオフに設定される。この大当たり中フラグ223hの状態に応じて、対応する演出が設定される。より具体的には、特別遊技状態(大当たり状態)において表示される右打ちナビ画像(図6(a)参照)を表示させるか否かを判別したり、左打ち警告画像(図7(a)参照)を表示させるか否かを判別したりする。
許容時間カウンタ223iは、貯留弁607aの状態を切り替える直前に誘導流路606、または誘導流路607へと流入した球がいずれかの入球口(一般入賞口601、または一般入賞口602)へと入球するまでの時間(球はけ時間)をカウントするためのカウンタである。球はけ期間をカウントしておくことで、一般入賞口601や、一般入賞口602へと球が入球した場合に、その入球が正常な動作であるか否かをより正確に判別することができる。この許容時間カウンタ233iは、オープニングコマンド、またはエンディングコマンドを受信する度に1秒に対応するカウンタ値が設定される(図43のS1914,S1917参照)。また、メイン処理(図42参照)の中の1処理である変動表示設定処理(図47参照)が実行される度に1ずつ減算される(図47のS2015参照)。
上述した通り、貯留弁607aが閉鎖された状態で、貯留弁607aの下流に設けられた一般入賞口602へと球が入球したり、貯留弁607aが開放された状態で一般入賞口601へと球が入球した場合には、警告画像(図7(b)参照)が表示されるように構成されている。しかし、貯留弁607aが開放状態から閉鎖状態へと切り替わる直前に誘導流路607へと球が流入した場合は、貯留弁607aが閉鎖状態へと切り替わってから球が一般入賞口602へと入球する場合がある。同様に、貯留弁607aが閉鎖状態から開放状態へと切り替わる直前に誘導流路606へと球が流入した場合は、貯留弁607aが開放状態へと切り替わってから球が一般入賞口601へと入球する場合がある。これらを正常な入球であると扱う(警告画像を表示させない)ために、本実施形態では、貯留弁607aの状態を切り替えた場合に、許容時間カウンタ233iに対して所定期間(1秒)に対応するカウンタ値を設定する。そして、カウンタ値として設定した1秒間が経過するまでは、球が一般入賞口601、または一般入賞口602へと入球した場合に、正常な動作であると判別する(警告画像を表示しない)ように構成されている。
入賞回数カウンタ223jは、大当たりにおいて一般入賞口(大価値入賞口)602へと球が入球した回数を計数するためのカウンタである。この入賞回数カウンタ223jは、大当たりの開始時にその値が0にリセットされ、大当たりにおいて一般入賞口(大価値入賞口)602への入球に対応する入賞情報コマンドを受信する度にその値が1ずつ加算される(図45のS1944参照)。上述した通り、本実施形態では、特別遊技状態(大当たり状態)において一般入賞口(大価値入賞口)602へと球が入球した回数を第3図柄表示装置81に対して表示させるように構成している(図6(a)参照)。入賞回数カウンタ223jは、この第3図柄表示装置81に対して表示される入球回数を正確に更新するために参照される。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図43参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や予告演出を制御するものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図32参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図21を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図21は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図49のS2201参照)の終了後に実行される初期化処理(図49のS2202参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図24参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図50(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64、および第2入球口640への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図48のS2103,S2104参照)。
ここで、電源投入時変動画像について説明する。表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は「○」図柄を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は「×」図柄を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入口球64、または第2入球口640への入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、電源投入時変動画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入口球64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図21に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。背面画像とは、主図柄(第3図柄)の背面側に表示される画像であり、例えば、街や海、空等が表示される。また、右打ちナビ画像(図5(a)参照)等も背面画像として背面画像エリア235cに格納されている。
第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄(図4参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、オープニングデータ転送フラグ223i、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233jを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aが開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態(大当たり状態)の終了を遊技者に報知することを遊技者に報知するための演出である。
デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図22を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図22は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Cのいずれかを表示させるか、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図22の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図24参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図23を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図23は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図23のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図23のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図23の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図24参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図23の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図48参照)の中でオンに設定される(図48のS2105参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図59(b)のS3705参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図50(b)のS2401参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図50(b)のS2408参照)および簡易表示設定処理(図50(b)のS2409参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図51〜図55参照)および表示設定処理(図56〜図58参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図59(a)のS3601参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図59(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図60参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図24参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図24参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図24参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図50(b)のS2403参照)の中で、ポインタ更新処理(図58のS3305参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図24参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図24を参照して、描画リストの詳細について説明する。図24は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図24に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図50(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図56のS3307参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図48のS2102参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図60参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図60のS3813参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図60のS3814参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図61のS3902参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図50(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図61のS3902参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図25から図39のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図25は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、399,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行する(S104)。その後、第1入球口64、または第2入球口640への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。なお、特別図柄変動処理、始動入賞処理の詳細は、図26〜図28を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通入球口(スルーゲート)67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。なお、普通図柄変動処理、および、スルーゲート通過処理の詳細は、それぞれ図30、および図31を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための発射停止スイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図26を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図26は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図25参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37、および第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を取得する(S203)。次に、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0よりも大きいか否かを判別する(S204)。
特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンド(特図2保留球数コマンド)を設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図34参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223cにそれぞれ格納する。
S206の処理により特図2保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄2保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄2保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S213)。なお、特別図柄変動開始処理については、図27を参照して後述する。
一方、S204の処理において、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0であると判別された場合には(S204:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)の値を取得し(S208)、取得した特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいかを判別する(S209)。S209の処理により、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別された場合は(S209:No)、本処理を終了する。
一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0でないと判別された場合は(S209:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算し(S210)、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S211)。S211の処理により特図1保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄1保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトし(S212)、処理をS213へと移行する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S214)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S214:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S214の処理において、変動時間が経過したと判別された場合は(S214:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S215)。停止図柄の設定は、図27を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S213)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAとなるか、大当たりBとなるかが決定される。
なお、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させる。また、大当たりBである場合には、赤色のLEDを点灯させ、外れである場合には緑色のLEDを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S215の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S216)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S216:Yes)、大当たり種別に基づいて、特定入賞口の開放シナリオを設定し(S217)、その後、大当たりの開始を設定する(S218)。なお、開放シナリオとは、具体的には、第1特定入賞口(第1大開放口)65a、および第2特定入賞口(第2大開放口)650aの開放パターンの設定を示す。つまり、1〜11ラウンド、および13〜15ラウンドにおいて、所定期間(30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)第1特定入賞口(第1第開放口)65aが開放されるように設定し、12ラウンドにおいて、大当たり種別に応じたパターン(図16参照)で第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放されるように設定することを示す。S218の処理が終了すると、大当たり種別に対応した報知カウンタを設定して(S219)、本処理を終了する。
一方、S216の処理において、今回の抽選結果が外れであれば(S216:No)、時短中カウンタ203rの値が1以上であるか判別し(S220)、値が1以上でない(即ち、0である)と判別された場合には(S220:No)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203rが1以上であると判別された場合には(S220:Yes)、時短中カウンタ203rの値を1減算し(S221)、本処理を終了する。
次に、図27を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S213)について説明する。図27は、特別図柄変動開始処理(S213)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S213)は、タイマ割込処理(図25参照)の特別図柄変動処理(図26参照)の中で実行される処理であり、特別図柄1保留球格納エリア203aと特別図柄2保留球格納エリア203bとの共通の実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37、および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、特別図柄1保留球格納エリア203aと特別図柄2保留球格納エリア203bとの共通の実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び、停止種別カウンタCN1の各値を取得する(S301)。
次に、RAM203の確変フラグ203gがオンであるかを判別し(S302)、オンであれば(S302:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を第1当たり乱数テーブル202aより取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、第1当たり乱数テーブル202aに規定された10の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜9」の10個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
なお、本実施形態では、特別図柄1の抽選と、特別図柄2の抽選とで、大当たりとなる判定値を共通にしているが、特別図柄1の抽選か、特別図柄2の抽選かに応じて異なる乱数値としてもよい。このように構成することで、第1特別図柄では外れと判定される乱数値が第2特別図柄では、当たりと判定されるように構成され、大当たりの偏りを抑制できる。
また、本実施形態では、特別図柄1の抽選と、特別図柄2の抽選とで、大当たりとなる判定値を同じ個数に設定しているが、特別図柄1の抽選と、特別図柄2の抽選とで大当たりとなる判定値の個数を異ならせてもよい。このように、構成することで、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たりの確率を異ならせることができ、大当たり確率の高い方の特別図柄で抽選が実行される場合には、遊技者により大当たりへの期待を持たせることができる。
一方、S302の処理において、確変フラグ203gがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S302:No)、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(低確率遊技状態)であるので、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに格納されている1の乱数値と比較する。特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「200」の1個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、この当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
そして、S303、またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、大当たりを示す大当たり時の表示態様を設定する(S306)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bに格納されている乱数値とを比較し、2種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する。
このS306の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA、大当たりB)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S308)。S308の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、上述した通り、変動種別カウンタCS1の値と、変動時間との関係は、変動パターン選択テーブル20dに規定されている。
この変動パターン選択テーブル202dに規定されている変動パターンとしては、例えば、外れ用の変動パターンとして、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定されている。また、大当たりA・大当たりB共用の変動パターンとして、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定され、大当たりB用の変動パターンとして、「スペシャルリーチ」各種が規定され、当たり・外れ共用の変動パターンとして、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定されている。
一方、S305の処理において、特別図柄の外れであると判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。
ここでは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であれば、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「90〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。一方、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S307の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
S307の処理またはS309の処理が終わると、次に、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、S306、またはS308の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S311)。これらの変動パターンコマンド、および停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図34参照)のS1001の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S312の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図28のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)について説明する。図28は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図25参照)の中で実行され、第1入球口64、または第2入球口640への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタを取得し、その値の保留処理を実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S402)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満でなければ(S403:No)、S407の処理へ移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図34参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103の処理において更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S406)。なお、S406の処理では、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次いで、S407〜S412の各処理では、S401〜S406の各処理と同様の処理が第2入球口640の入賞に対して実行される。S407〜S412の各処理では、第2入球口640の入賞に対応する保留球を保留する処理が実行される点が異なっているのみであり、その他の処理についてはS401〜S406の各処理と同一であるので、その詳細な説明は省略する。また、S407〜S412の各処理が終了すると、先読み処理を実行し(S413)、本処理を終了する。
次に、図29を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される先読み処理(S413)について説明する。図29は、この先読み処理(S413)を示すフローチャートである。この先読み処理(S413)は、始動入賞処理(図28参照)の中で実行される。
この先読み処理では、まず、第1入球口64または第2入球口640に新たな入賞があるかどうか判定し(S501)、第1入球口64、および第2入球口640のいずれにも新たな入賞がない場合は(S501:No)、そのまま本処理を終了する。一方、第1入球口64、または第2入球口640に新たな入賞があると判別した場合(S501:Yes)、変動開始時の遊技状態が特別図柄の確変状態であるか否かを判定し(S502)、特別図柄の確変状態であれば(S502:Yes)、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに基づいて抽選結果を取得し(S503)、処理をS505へと移行する。
S502の処理において、遊技状態が特別図柄の確変状態でないと判別した場合は(S502:No)、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに基づいて抽選結果を取得し(S504)、処理をS505へと移行する。S505の処理では、大当たりの判定結果である第1当たり種別カウンタC2と停止種別選択カウンタC3の各値を特別図柄保留球格納エリアに格納する(S505)。次に、大当たり判定結果を含む入賞情報コマンドを設定し(S506)、この処理を終了する。
次に、図30を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図30は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図25参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第2入球口640に付随する電動役物の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S601)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S601:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S601:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S602)、第2図柄表示装置の表示態様が変動中でなければ(S602:No)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S603)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S604)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であれば(S604:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0でなければ(S604:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S605)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S606)。S606の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S607)。
次に、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを判定し(S608)、普通図柄の時短状態であると判定した場合は(S608:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S609)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37、および第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S609:Yes)、S611の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりにくくなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)に、球がより第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aへと入球し易くするためである。即ち、普通図柄の当たりとなりやすくしてしまうと、右打ちした球が第2入球口640へと入球し易くなってしまうため、第1特定入賞口65aや、第2特定入賞口650aへと球が到達しにくくなってしまう。よって、特別遊技状態中(大当たり状態中)は、普通図柄の当たり確率がアップしないようにし、第1特定入賞口65aや第2特定入賞口650aへと球が到達しやすくなるように構成している。
S609の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S609:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202cと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S610)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図18(c)の202c2参照)。
S608の処理において、パチンコ機10が普通図柄の時短状態である場合は(S608:No)、S611の処理へと移行する。S611の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、または、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S611)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図18(c)の202c1参照)。
次に、S610またはS611の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S612)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S612:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S613)。このS613の処理では、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるかを判定し(S614)、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であれば(S614:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S615)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S615:Yes)、S617の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第2入球口640に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合に、普通図柄の低確率状態と同様に、電動役物640aの開放回数および開放時間が設定される。
S615の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S615:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S616)、S619の処理へ移行する。S614の処理において、パチンコ機10が普通図柄の時短状態でない場合は(S614:No)、S617の処理へ移行する。S617の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S617)、S619の処理へ移行する。
S612の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S612:No)、外れ時の表示態様を設定する(S618)。このS618の処理では、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S619の処理へ移行する。
S619の処理では、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるかを判定し(S619)、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であれば(S619:Yes)、第2図柄表示装置における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S620)、本処理を終了する。一方、パチンコ機10が普通図柄の時短状態でない場合は(S619:No)、第2図柄表示装置における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S621)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第2入球口640の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。
S602の処理において、第2図柄表示装置の表示態様が変動中であれば(S602:Yes)、第2図柄表示装置において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S622)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置において変動表示が開始される前に、S620の処理またはS621の処理によって予め設定された時間である。
S622の処理において、変動時間が経過していなければ(S622:No)、本処理を終了する。一方、S622の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S622:Yes)、第2図柄表示装置の停止表示を設定する(S623)。S623の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S613の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S618の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S623の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図34参照)の第2図柄表示更新処理(S1007参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置における変動表示が終了し、S613の処理またはS618の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S624)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S624:Yes)、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御開始を設定し(S625)、本処理を終了する。S625の処理によって、電動役物640aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図34参照)の電動役物開閉処理(S1005参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S616の処理またはS617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S624の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S624:No)、S625の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図31のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図31は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図25参照)の中で実行され、普通入球口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したか否かを判定する(S701)。ここでは、普通入球口(スルーゲート)67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したと判定されると(S701:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S702)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S703)。
球が普通入球口(スルーゲート)67を通過していないか(S701:No)、或いは、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満でなければ(S703:No)、本処理を終了する。一方、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過し(S701:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満であれば(S703:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1加算する(S704)。そして、上述したタイマ割込処理のS103の処理において更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S705)、本処理を終了する。なお、S705の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、図32のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理について説明する。このNMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S801)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始する。
次に、図33を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図33は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。この初期設定処理では、例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S904)、オンされていれば(S904:Yes)、処理をS912へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S904:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S905)、記憶されていなければ(S905:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS912へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S905:Yes)、RAM判定値を算出し(S906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S907:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS912へ移行する。なお、図34のS1014の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S912の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S910)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S911,S911)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S911,S912)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S911,S912)を実行する。RAMの初期化処理(S911,S912)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S911)、その後、RAM203の初期値を設定する(S912)。RAM203の初期化処理の実行後は、貯留弁607aの閉鎖を設定し(S913)、処理をS914へと移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S904:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S905:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S907:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S908)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S909)、S914の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S914の処理では、音声ランプ制御装置113に対して、電源復帰時の遊技状態を通知するためのコマンド(状態コマンド)を出力する(S914)。この状態コマンドは、特別図柄の確変状態であるか否かや、普通図柄の時短状態であるか否か、普通図柄の時短回数等を通知するためのコマンドである。時短中カウンタ203rの値や、確変フラグ203gの状態に応じて状態コマンドが生成され、音声ランプ制御装置113に対して出力される。この状態コマンドを出力することにより、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで遊技状態の認識を一致させることができる。よって、特別図柄の低確率状態であるにもかかわらず、右打ちナビ(図5(a)参照)が表示されてしまったり、逆に、特別図柄の確変状態であるにも関わらず、遊技者が右打ちを行った場合に右打ち警告画像(図5(b)参照)が表示されてしまったりすることを防止(抑制)することができる。即ち、遊技状態と実行される演出とを合致させることができる。
S914の処理が終了すると、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する(S915)。次いで、割込みを許可して(S916)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図34を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図34は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1001〜S1008の各処理が実行され、その残余時間でS1011,S1012のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図25参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1001)。具体的には、タイマ割込処理(図25参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図26参照)や始動入賞処理(図28参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図35参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1002)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1003)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口(第1大開放口)65a、および第2可変入賞装置650の第2特定入賞口(第2大開放口)650aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1004)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に、特別図柄変動処理(図26参照)のS217の処理により設定された開放シナリオに従って、第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aの開放、および閉鎖を設定する。なお、本実施形態では、大当たり制御処理(S1004)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1005)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図30参照)のS625の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。なお、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS616の処理またはS617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1006)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図27参照)のS307の処理またはS309の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図27参照)のS307,S309の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図27参照)のS306,S308の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1007)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図30参照)のS620の処理またはS621の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図30参照)のS623の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図30参照)のS613の処理またはS618の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
次いで、保存されている入賞検知情報に基づいて、音声ランプ制御装置113に対して入賞情報を通知するための入賞情報コマンド設定処理を実行する(S1008)。この入賞情報コマンド設定処理(S1008)により設定される入賞情報コマンドに基づいて、音声ランプ制御装置113により貯留弁607aにおける不具合の有無等が判別される。また、遊技者が変則的な遊技(大当たり状態中に左打ちを行う、特別図柄の確変状態において左打ちを行う等)を行っているか否かについても判別される。
S1008の処理が終了すると、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1009)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1009:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1010)、既に所定時間が経過していれば(S1010:Yes)、処理をS1001へ移行し、上述したS1001以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1010:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1011,S1012)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1011)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1002の処理と同一の方法によって実行する(S1012)。
ここで、S1001〜S1008の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1009の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1009:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図32のNMI割込処理が実行されたということなので、S1013以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1013)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1014)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1015)、RAM203のアクセスを禁止して(S1016)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1009の処理は、S1001〜S1008で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1011とS1012の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S901)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図35のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1004)を説明する。図35は、この大当たり制御処理(S1004)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1004)は、メイン処理(図34参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、第1特定入賞口(第1大開放口)65a、および第2特定入賞口(第2大開放口)650aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1101)。具体的には、特別図柄変動処理(図26参照)のS218またはS220の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1101の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1101:Yes)、オープニングコマンドを設定する(S1102)。
ここで設定されたオープニングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図34参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、オープニングコマンドを受信すると、表示用オープニングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用オープニングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が開始される。
S1102の処理が終了すると、次に、貯留装置600の貯留弁607aを開放するように設定し(S1103)、本処理を終了する。上述した通り、貯留弁607aを開放することにより、貯留装置600へと入球した球が誘導流路607を流下できるようになるので、払い出される賞球数の多い(15個)一般入球口602へと球を入球させることができるようになる(図9(b)参照)。
上述した通り、本実施形態のパチンコ機10は、遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)に貯留装置600と、第1可変入賞装置65と、第2可変入賞装置650とが設けられているので、特別遊技状態中に、賞球を獲得するために第1特定入賞口(第1大開放口)65a、または第2特定入賞口(第2大開放口)650aを狙って打ち出した球の一部が貯留装置600へと入球する。即ち、特別遊技状態(大当たり状態)においては、第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aへと球が入球することに基づく賞球に加え、貯留装置600に設けられた一般入賞口(大価値入賞口)602への入球に基づく賞球を遊技者に獲得させることができる。よって、大当たりが開始してから終了するまでに獲得できる賞球数をより多くすることができるので、遊技者に対して、大当たりとなることをより楽しみに遊技を行わせることができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態、または普通図柄の時短状態が付与される。上述した通り、これらの状態においては、第2入球口640へと球が入球しやすい状態となるため、遊技者は右打ちにより第2入球口640へと球を入球させようとする(特別図柄2の抽選を受けようとする)。これにより、多くの場合、次の大当たりが開始されるまでに貯留装置600へと球を流入させることができる。そして、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態においては、貯留弁607aが閉鎖状態に設定されるので、次に大当たりとなるまでに、貯留弁607aの上部に球が貯留された状態となる。よって、次に大当たりとなり、貯留弁607aが開放されると、貯留された球が一般入賞口(大価値入賞口)602へと流下する。即ち、大当たりが開始された直後に、多量(15個)の賞球を遊技者が獲得することができる。従って、大当たりに当選したが、持ち球も尽きてしまったというような状況において、球の貸し出しを新たに要求することなく、大当たり遊技を行うための持ち球を確保することができる。
S1101の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1101:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1104)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37、および第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1104の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1104:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1104の処理により、特別図柄の大当たり中であると判別した場合は(S1104:Yes)、次に、新たなラウンドの開始タイミングであるか否か判別する(S1105)。そして、新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合は(S1105:Yes)、第1特定入賞口65a、第2特定入賞口650a、流路切替弁650d等の動作を設定するための大当たり動作設定処理を実行し(S1105)、本処理を終了する。
ここで、大当たり動作設定処理(S1105)について、図36のフローチャートを参照して説明する。大当たり動作設定処理では、まず、新たに開始されるのが大当たりの12ラウンド目であるか否かを判別し(S1201)、12ラウンド目でない(即ち、1〜11ラウンド、および13〜15ラウンドのいずれかである)と判別した場合は(S1201:No)、次いで、第1特定入賞口(第1大開放口)65aの開放を設定し(S1202)、処理をS1206へと移行する。
一方、S1201の処理において、12ラウンド目であると判別した場合は(S1201:Yes)、大当たり種別に応じた第2特定入賞口(第2大開放口)650aの開放動作を読み込む(S1203)。これにより、大当たりAの場合は、図16(a)に示す開放動作が実行され、大当たりBの場合は、図16(b)に示す開放動作が実行されるように制御される。次いで、流路用ソレノイド611の開放動作を設定する(S1202)。即ち、12ラウンドが開始されてから6.5秒後に誘導流路652が閉鎖されるように設定する。次いで、S1203の処理により読み込んだ第2特定入賞口(第2大開放口)650aの開放動作を設定して(S1205)、処理をS1206へと移行する。
S1202、またはS1205の処理が終了した後で実行されるS1206の処理では、新たに開始するラウンドを示すラウンド数コマンドを設定して(S1206)、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図34参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
このように、各ラウンドの開始毎に、第1可変入賞装置65の各動作が設定されるので、予期せぬ電源断が大当たり遊技中に発生しても、大当たり遊技が途中で終了してしまうような不具合を抑制できる。
図35に戻って説明を続ける。S1105の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでないと判別した場合には(S1105:No)、第2特定入賞口(第2大開放口)650a、および流路用ソレノイド611の動作タイミングであるか判別する(S1107)。S1107の処理において動作タイミングであると判別した場合には(S1107:Yes)、対応するソレノイドをオンに設定する(S1108)。
一方、S1107の処理において、開放動作のタイミングでないと判別した場合には(S1107:No)、エンディング演出の開始タイミングであるか判別する(S1108)。具体的には、大当たりの最終ラウンドである15ラウンドが終了することに基づいて第1特定入賞口(第1大開放口)65aが閉鎖され、第1特定入賞口(第1大開放口)65aの内部へ流入した球を排出するための待機時間(本実施形態では、3秒)が経過した場合に、エンディング演出の開始タイミングと判別される。S1108の処理によりエンディング演出の開始タイミングであると判別した場合には(S1108:Yes)、エンディング処理を実行し(S1109)、本処理を終了する。
ここで、図37を参照して、このエンディング処理(S1110)の詳細について説明する。図37は、このエンディング処理(S1110)の内容を示したフローチャートである。エンディング処理(S1110)では、まず、エンディングの開始を示すエンディングコマンドを設定する(S1301)。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図34参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、RAM223の入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報に基づいて、エンディング演出の表示態様を選択する。そして、選択したエンディング演出の表示態様に応じた表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
S1301の処理が終了すると、次いで、大当たりの開始時に開放状態に設定された貯留弁607aを閉鎖状態に設定する(S1302)。上述した通り、この貯留弁607aの閉鎖状態は、次に大当たりとなるまで継続する。これにより、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態においては、貯留装置600へと球を流入させたとしても、貯留弁607aに阻まれることにより、一般入賞口(大価値入賞口)602へと球を流下させることができなくなる。つまり、賞球数が少ない一般入賞口(小価値入賞口)601へと球が入球するようになるので、貯留装置600へと球を入球させるメリットを少なくすることができる。よって、特別遊技状態以外の状態(通常遊技状態)でも、常に貯留装置600を狙うことにより、一般入賞口(大価値入賞口)602の払い出しのみによって出球を増やす変則的な遊技方法を根本的に成り立たなくし、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態において、特別図柄の抽選を行わせることにより大当たりとなることを期待して遊技を行わせることができる。
なお、上述した通り、貯留装置600へは、右打ちした球のおよそ3球に1球が入球するように構成されている。そして、一般入賞口(小価値入賞口)601へと入球した場合に払い出される賞球数は3球である。つまり、通常状態において右打ちを実行したとしても、特別図柄の抽選が行われにくい上に、一般入賞口(小価値入賞口)601への入球に基づく払い出しによって球を増加させることもできない。これにより、通常状態において右打ちするメリットをなくし、遊技者に対して特別図柄の抽選により大当たりとなることを目指して遊技を行わせることができる。
また、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態において、右打ちを行った球の一部が一般入賞口(小価値入賞口)601へと入球するので、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態において(つまり、遊技盤13の右側の経路に設けられた第2入球口640に付随する電動役物640aが開放されやすい状態において)、右打ちを行うことにより球持ちをよりアップさせることができる。よって、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態となり、遊技者にとって有利な状態へと移行したにもかかわらず、持ち球がどんどん減っていってしまい、有利な状態となっていることを遊技者が実感できなくなってしまうことを防止(抑制)することができる。従って、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態において、持ち球が減らすことなく遊技を継続させることができる。
なお、一般入賞口(小価値入賞口)601への入球に対する賞球数を減らしてもよい(例えば、賞球を1個にしてもよい)。これにより、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態において、払い出しが多くなりすぎてしまい、持ち球が増えすぎてしまうことをより確実に抑制することができる。よって、ホールに不測の不利益を与えてしまうことを抑制することができる。また、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態(即ち、第2入球口640へと球を入球させにくい状態)において、右打ちを行うメリットをより少なくすることができる。
S1302の処理が終了すると、次いで、確変設定フラグ203hがオンであるか否かを判別し(S1303)、オンであると判別した場合は、大当たりの12ラウンドにおいて確変入球口654へと球が入球したことを意味するので、確変フラグ203gをオンに設定する(S1304)。これにより、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態へと移行する。S1304の処理後は、確変設定フラグ203hをオフに設定し(S1305)、特別図柄の確変状態が設定されたことを示す情報を含んだ状態コマンドを設定して(S1306)、本処理を終了する。
一方、S1303の処理において、確変設定フラグ203hがオフであると判別した場合は(S1303:No)、大当たりの12ラウンドにおいて確変入球口654へと球が入球しなかったことを意味するので、大当たりの終了後に100回の普通図柄の時短期間を設定するために、時短中カウンタ203rの値に100を設定する(S1307)。そして、時短状態が設定されたことを示す情報を含んだ状態コマンドを設定して(S1308)、本処理を終了する。S1306、またはS1308の処理において設定された状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図34参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。状態コマンドを音声ランプ制御装置113が受信することにより、主制御装置110の認識する遊技状態と音声ランプ制御装置113の認識する遊技状態とを一致させることができる。よって、遊技状態に応じて適切に演出を実行することができる。
このように、本実施形態では、大当たり遊技の終了時に、確変設定フラグ203hがオンであるか否かが判別され、オンであれば、確変フラグ203gがオンに設定される。つまり、確変入球口654へと球が入球するタイミングによらず、確変フラグ203gをオンとするタイミングを一致させることができる。従って、大当たり遊技が終了するまで、確変遊技状態へ移行することを遊技者に期待させ続けることができる。さらには、特別遊技状態中(大当たり状態中)に確変入球口654へと球を入球させることができれば、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態が付与されるので、特別遊技状態中(大当たり状態中)に確変入球口654へと球が入球するか否かに関心を持たせることができる。
図35に戻って説明を続ける。S1109の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合には(S1109:No)、次いで、第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aへ球の入球(入賞)や、確変入球口654への球の入球(入賞)を監視する入賞処理を実行する(S1111)。ここで、図38を参照して、この入賞処理(S1112)について詳細に説明する。図38は、この入賞処理(S1111)の内容を示したフローチャートである。
入賞処理(S1111)では、まず、ラウンド遊技が設定されている期間(ラウンド有効期間)であるか否かを判別する(S1401)。即ち、第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aの開放が設定されてから、インターバル期間(3秒)が終了するまでの期間であるか否かが判別される。ラウンド有効期間外であると判別した場合には(S1401:No)、この処理を終了する。一方、ラウンド有効期間内であると判別した場合には(S1401:Yes)、第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aのいずれかに球が入球したか否かを判別する(S1402)。S1402の処理において、特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aへと球が入球したと判別した場合には(S1402:Yes)、入賞個数カウンタ203jを1加算して更新し(S1403)、処理をS1404へと移行する。一方、第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aのいずれにも球が入球していないと判別した場合には(S1402:No)、S1403の処理をスキップし、処理をS1404へと移行する。
S1404の処理では、入賞個数カウンタ203jの値が10以上であるか判別する(S1404)。入賞個数カウンタ203jの値が10以上であると判別した場合には(S1404:Yes)、第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aのうち開放状態に設定されている入賞口の閉鎖を設定する(S1406)。その後、残球タイマフラグ203mをオンに設定し(S1407)、処理をS1408へと移行する。この残球タイマフラグ203mがオンに設定されることで、第1可変入賞装置65、または第2可変入賞装置650の内部に残存した球を排出させるための球はけ時間中であることが判別できる。
一方、S1404の処理において、入賞個数カウンタ203jの値が10未満であると判別した場合は(S1404:No)、大当たりの各ラウンドが終了するまでの期間であるラウンド時間(本実施形態では、30秒)が経過したか判別する(S1405)。S1405の処理において、ラウンド時間が経過したと判別した場合には(S1405:Yes)、処理をS1406へと移行する。一方、S1405の処理において、ラウンド時間が経過していないと判別した場合には(S1405:No)、処理をS1408へと移行する。
S1408の処理では、動作カウンタ203kの値が0より大きい値であるか否か判別し(S1408)、動作カウンタ203kの値が0より大きい値であると判別した場合には(S1408:Yes)、動作カウンタ203kの値を1だけ減算することにより更新し(S1409)、次いで、確変入球口654へと入球したか否か(図示しない確変スイッチを通過したか否か)を判別する(S1410)。球が確変スイッチを通過したと判別した場合は(S1410:Yes)、確変通過カウンタ203iの値に1を加算して更新し(S1411)、確変設定フラグ203hをオンに設定して(S1412)、処理をS1413へと移行する。一方、S1410の処理において、球が確変スイッチを通過していないと判別した場合は(S1410:No)、S1411、およびS1412の各処理をスキップして、処理をS1413へと移行する。
S1410、またはS1412の処理後に実行されるS1413の処理では、動作カウンタ203kが0であるか判別し(S1413)、0でないと判別した場合は(S1413:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1413の処理において、動作カウンタ203kが0であると判別した場合は(S1413:Yes)、流路用ソレノイド611をオフに設定することにより誘導流路652を閉鎖し(S1414)、確変有効フラグ203oをオンに設定して(S1415)、本処理を終了する。S1415の処理により確変有効フラグ203oがオンに設定されることで、流路切替弁650dが切り替えられて誘導流路652が閉鎖された後も、誘導流路652に残存している球が確変スイッチを通過した場合には、確変設定フラグ203hがオンに設定される(即ち、大当たり後に特別図柄の確変状態が付与される)ように制御できる。
S1408の処理において、動作カウンタ203kが0であると判別した場合は、(S1408:No)、確変有効フラグ203oがオンであるかを判別する(S1416)。そして、確変有効フラグ203oがオンでない(即ち、オフである)と判別された場合には(S1416:No)、この処理を終了する。一方、確変有効フラグ203oがオンであると判別した場合には(S1416:Yes)、確変有効タイマ203pの値に1を加算することにより更新する(S1417)。そして、確変有効タイマ203pの値が上限値(本実施形態では、1.2s)であるか否かを判別し(S1418)、上限値であると判別した場合は(S1418:Yes)、確変有効フラグ203oをオフに設定する(S1419)。これにより、確変スイッチの通過を検出したとしても、確変設定フラグ203hの値を更新しないように制御される。上述した通り、確変有効タイマ203pの値が上限値となって以降に確変スイッチの通過を検出した場合は、その検出が何らかの不正行為によるものである可能性が高い。よって、確変有効フラグ203oをオフにすることにより確変設定フラグ203hの更新を禁止し、不正行為の抑制を図っている。
S1419の処理が終了すると、次いで、確変有効タイマ203pの値を初期値である0にリセットし(S1420)、本処理を終了する。一方、S1418の処理において、確変有効タイマ203pの値が上限値でない(上限値未満である)と判別した場合には(S1418:No)、処理を上述したS1410へと移行する。
これにより、確変有効タイマ203pが上限値でないと、確変スイッチを球が通過したか否かが判別されるので、球はけの時間を考慮して特別図柄の確変状態を設定することができる。また、確変スイッチの通過が有効と判別される時間に上限があるので、不正に球を確変スイッチに通過させて特別図柄の確変状態が付与されることを抑制できる。
図35に戻って説明を続ける。入賞処理(S1111)が実行されると、次いで、特別遊技状態(大当たり状態)中に発生した異常を検出するための異常処理を実行し(S1112)、本処理を終了する。ここで、この異常処理(S1112)の詳細について、図39を参照して説明する。図39は、この異常処理(S1112)を示すフローチャートである。
異常処理(S1112)では、まず、ラウンド有効期間であるか判別し(S1501)、ラウンド有効期間外であると判別した場合には(S1501:No)、そのまま本処理を終了する。一方、ラウンド有効期間内であると判別した場合には(S1501:Yes)、第1可変入賞装置65、および第2可変入賞装置650に設けられた球排出口スイッチを球が通過したか否か判別し(S1502)。球排出口スイッチを球が通過したと判別した場合には(S1502:Yes)、球排個数カウンタ203sの値に1加算して更新し(S1503)、処理をS1504へと移行する。一方、球排出口スイッチを球が通過していないと判別した場合には(S1502:No)、S1503の処理をスキップして、処理をS1504へと移行する。
S1504の処理では、残球タイマフラグ203mがオンであるか否かを判別し(S1504)、残球タイマフラグ203mの値がオフであると判別した場合には(S1504:No)、本処理を終了する。一方、残球タイマフラグ203mがオンであると判別した場合には(S1504:Yes)、球はけ期間中であることを意味するので、球はけ期間を計時する残球タイマ203nに1加算して更新する(S1505)。そして、更新後の残球タイマ203nの値が上限値であるか(即ち、第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aの閉鎖が設定されてから3秒が経過したか)を判別し(S1506)、上限値でない(3秒が経過していない)と判別した場合には(S1506:No)、本処理を終了する。
一方、S1505の処理において、残球タイマ203nの値が上限値であると判別した場合には(S1506:Yes)、球の排出個数(確変通過カウンタ203iと排出個数カウンタ203qとの合計値)と、入賞個数(入賞個数カウンタ203jの値)とが一致するか否かを判別する(S1507)。
S1507の処理において、球の排出個数と入賞個数とが一致すると判別した場合には(S1507:Yes)、処理をS1509へと移行する。一方、球の排出個数と入賞個数とが一致しないと判別した場合には(S1507:No)、エラーコマンドを設定し(S1508)、処理をS1509へと移行する。ここで設定されたエラーコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図34参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。エラーコマンドを音声ランプ制御装置113が受信することにより、エラー表示(例えば、入賞個数不一致エラーの文字を表示)が設定されると共に、ホールコンピュータに対してエラー信号の出力が設定される。よって、第1可変入賞装置65内に不正に遊技球を残存させて、確変スイッチに球を通過させる不正を抑制できる。
S1509の処理では、残球タイマフラグ203mをオフに設定し(S1509)、残球タイマ203nを初期値である0にリセットする(S1510)。その後、入賞個数カウンタ203j、排出個数カウンタ203q、確変通過カウンタ203iをそれぞれ初期値にリセットして(S1511)、本処理を終了する。
次に、図40を参照して、主制御装置110のMPU201によって実行される入賞情報コマンド設定処理(S1008)について説明する。入賞情報コマンド設定処理(S1008)は、上述した通り、各種入賞口(入球口)への球の通過状況を音声ランプ制御装置113に対して通知するための処理である。
この入賞情報コマンド設定処理では、まず、タイマ割込処理(図25参照)のスイッチ読み込み処理(S101)において保存された入賞検知情報を読み出す(S1601)。そして、新たな入賞検知情報が存在するか(いずれかの入球口に対して新たな入球があったか)を判別し(S1602)、新たな入賞検知情報が存在しなければ(S1603)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1602の処理において、新たな入賞検知情報が存在すると判別した場合は(S1602:Yes)、その新たな入賞検知情報に応じて、入球(入賞)を検出した入球口(入賞口)の情報を含む入賞情報コマンドを設定する(S1603)。なお、この入賞情報コマンドは、例えば2バイトで構成され、2バイトの各ビットに対して各入賞口やアウト口等が対応付けられている。そして、球の入球(入賞)を検出した入賞口(入球口)に対応するビットが1に設定され、球が入球していない入賞口(入球口)に対応するビットが0に設定された上で、入賞情報コマンドとして出力される。S1603の処理が終了すると、保存されている入賞検知情報をクリアして(S1604)、本処理を終了する。
ここで設定された入賞情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図34参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドを受信すると、入賞情報コマンドに応じて、知貯留装置600における不具合の有無や、遊技者が変則的な遊技を行っているか否か等を判別する。そして、不具合等が発生している場合は、不具合の種別に応じた表示用エラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エラーコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエラーが報知される。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図41から図47を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図41を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図41は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1701)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1816の電源断処理(図42参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1702)。図42を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図42のS1813参照)、S1816の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1816の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1702:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1816の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1703)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1706の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1703:Yes)、S1704へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1703:No)、S1708へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1703:Yes)、S1704へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1516の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1703:No)、S1708へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1702:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1816の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1704へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1704の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1704)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1705:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1706)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1705:No)、RAM223の異常を報知して(S1707)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1708の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1708)。電源断フラグはS1816の電源断処理の実行時にオンされる(図42のS1815参照)。つまり、電源断フラグは、S1816の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1708の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1816の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1708:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1709)、RAM223の初期値を設定した後(S1710)、割込み許可を設定して(S1711)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1708の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1704からS1706の処理を経由してS1708の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1708:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1709をスキップして、処理をS1710へ移行し、RAM223の初期値を設定する(S1710)。次いで、主制御装置110より受信した状態コマンドにより通知された遊技状態に応じて確変状態フラグ223f、および確変状態カウンタ223gを更新し(S1711)、割込み許可を設定して(S1712)、メイン処理へ移行する。状態コマンドに基づいて確変状態フラグ223f、および確変状態カウンタ223gを更新することにより、主制御装置110の認識する遊技状態と音声ランプ制御装置113の認識する遊技状態とを一致させることができる。よって、遊技状態に応じて適切に演出を実行することができる。
なお、S1709のクリア処理をスキップするのは、S1704からS1706の処理を経由してS1708の処理へ至った場合には、S1704の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図42を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図42は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS1801の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1801)、1m秒以上経過していなければ(S1801:No)、S1802〜S1810の処理を行わずにS1811の処理へ移行する。S1801の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1802〜S1810が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1811のコマンド判定処理や、S1812の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1811の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1812の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1801の処理で1m秒以上経過していれば(S1801:Yes)、まず、S1803〜S1812の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1802)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1808の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1803)、その後電源投入報知処理を実行する(S1804)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1805の処理へ移行する。
S1805の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1806)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1807)。この枠ボタン入力監視・演出処理は、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22の操作に対応する表示用コマンドを設定する。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1808)、その後音編集・出力処理を実行する(S1809)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1809の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S1810)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1808のランプ編集処理が実行される。なお、S1809の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
液晶演出実行管理処理の後に、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1811)。このコマンド判定処理の詳細については、図43を参照して後述する。
次に、S1812の処理へ移行する。S1812の処理では、変動表示設定処理が実行される(S1812)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図47を参照して後述する。
そして、変動表示設定処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1813)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1813の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1813:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1815)、電源断処理を実行する(S1816)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1817)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1813の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1813:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1814)、RAM223が破壊されていなければ(S1814:No)、S1801の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1814:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図43を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1811)について説明する。図43は、このコマンド判定処理(S1811)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1811)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図42参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定するための処理である。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1901)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1901:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223dをオンし(S1902)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S1903)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図47参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1901:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1904)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1904:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223eをオンに設定し(S1905)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1906)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図47参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1904:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1907)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S1907:Yes)、受信した保留球数コマンドが特図1保留球数コマンドであるか、特図2保留球数コマンドであるかを判別して、そのコマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)、または主制御装置110の特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を抽出し、音声ランプ制御装置113の特別図柄2保留球数カウンタ223cに格納する(S1908)。また、S1908の処理では、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223cの値をそれぞれ表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S1908の処理の終了後は、メイン処理に戻る。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64、第2入球口640に入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S1908の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223cの値を主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203d、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bまたは特別図柄2保留球数カウンタ223cの値が主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dまたは特別図柄2保留球数カウンタ203eの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bまたは特別図柄2保留球数カウンタ223cの値を修正し、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dまたは特別図柄2保留球数カウンタ203eの値に合わせることができる。尚、S1908の処理が実行されると、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223cの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
一方、S1907の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判定した場合には(S1907:No)、次いで、主制御装置110より状態コマンドを受信したか否かを判定する(S1909)。そして、状態コマンドを受信した場合には(S1909:Yes)、その状態コマンドにより通知された遊技状態に応じて、確変状態フラグ203fや時短状態カウンタ203gを更新し(S1910)、本処理を終了する。
一方、S1909の処理において、状態コマンドを受信していないと判定した場合には(S1909:No)、次いで、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか否かを判定する(S1911)。そして、入賞情報コマンドを受信した場合には(S1911:Yes)、その入賞情報コマンドに基づいて正常な入球であったか否かを判別し、不具合や不正の可能性がある場合にはエラーを報知するためのエラー報知処理を実行して(S1912)、本処理を終了する。
一方。S1911の処理において、入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合は(S1911:No)、次いで、オープニングコマンドを受信したか否かを判別し(S1913)、オープニングコマンドを受信していれば(S1913:Yes)、大当たり中フラグ223hをオンに設定すると共に、許容時間カウンタ223iの値に1秒間に対応するカウンタ値(1000)を設定する(S1914)。そして、表示用オープニングコマンドを設定して(S1915)、本処理を終了する。ここで設定された表示用オープニングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図42参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用オープニングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において、大当たりの開始を報知するためのオープニング演出を表示させる。
S1913の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判別した場合は(S1913:No)、次いで、主制御装置110よりエンディングコマンドを受信したか否かを判別する(S1916)。そして、S1916の処理によりエンディングコマンドを受信したと判別した場合は(S1916:Yes)、大当たり中フラグ223hをオフに設定すると共に、許容時間カウンタ223iの値に1秒に対応するカウンタ値(1000)を設定し(S1917)、表示用エンディングコマンドを設定して(S1918)、本処理を終了する。ここで設定された表示用エンディングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図42参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用エンディングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において、大当たりの終了を報知するためのエンディング演出を表示させる。
一方、S1916の処理において、エンディングコマンドを受信していない場合には(S1911:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1919)、メイン処理に戻る。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
次に、図44〜図46を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるエラー報知処理(S1912)の詳細について説明する。このエラー報知処理は、上述した通り、不具合や不正の可能性がある場合にエラーを報知するための処理である。図46は、このエラー報知処理(S1912)を示すフローチャートである。
エラー報知処理(S1912)では、まず、大当たりフラグ223hがオンであるか否かを判別し(S1931)、オンであれば(S1931:Yes)、受信した入賞情報コマンドにより通知された入賞情報の中に第1入球口64への入賞情報が含まれているか否かを判別する(S1932)。そして、第1入球口64への入賞情報が含まれていると判別した場合は(S1932:Yes)、大当たり中にもかかわらず遊技者が左打ちを行った結果、第1入球口64に対して球が入球したことを意味する。つまり、特別遊技状態(大当たり状態)にもかかわらず第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aへと球が入球し難い遊技方法(打ち方)を遊技者が行っており、遊技者が損をしていることを意味する。よって、遊技者に対して特別遊技状態(大当たり状態)において賞球を獲得させるために、左打ち警告画像(図7(a)参照)に対応する表示用エラーコマンドを設定し(S1933)、処理をS1934へと移行する。
ここで設定された表示用エラーコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図42参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用背面画像変更コマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81において左打ち警告画像(図7(a))が表示される。この左打ち警告画像(図7(a))により、特別遊技状態(大当たり状態)において左打ちを行っている遊技者に対し、右打ちを行うことを促すことができる。よって、遊技者が損をしてしまうことを防止(抑制)し、賞球をより確実に獲得させることができる。
一方、S1932の処理において、入賞情報コマンドに第1入球口64への入球に対応する入賞情報が含まれていないと判別した場合は(S1932:No)、S1933の処理をスキップし、処理をS1934へと移行する。
S1934の処理では、許容時間カウンタ223iの値が0であるか否かを判別し(S1934)、カウンタ値が0であれば(S1934:Yes)、大当たり中に貯留弁607aにおいて不具合が発生している場合に報知を行うための当たり時報知処理を実行して(S1935)、本処理を終了する。一方、許容時間カウンタ223iの値が0でない(即ち1以上である)と判別した場合は(S1934:No)、貯留弁607aが開放状態に設定されてからの球はけ期間(1秒)が経過していないことを意味するので、S1935の処理をスキップして本処理を終了する。即ち、貯留弁607aが開放される直前に誘導流路606へと流入(進行)した球が、球はけ期間中に一般入賞口(小価値入賞口)601へと入球した場合に、不具合と判断されてしまうことを防止する。
一方、S1931の処理において、大当たり中フラグ223hがオンでない(オフである)と判別した場合は(S1931:No)、許容時間カウンタ233iの値が0であるか否かを判別し(S1936)、0であると判別した場合は(S1936:Yes)、通常時(特別図柄の確変状態、普通図柄の時短状態、および通常状態のいずれか)に貯留弁607aにおいて不具合が発生している場合に報知を行うための通常時報知処理を実行し(S1937)、本処理を終了する。一方、許容時間カウンタ223iの値が0でない(即ち1以上である)と判別した場合は(S1936:No)、大当たりの終了に基づいて貯留弁607aが閉鎖状態に設定されてからの球はけ期間(1秒)が経過していないことを意味するので、S1937の処理をスキップして、本処理を終了する。即ち、貯留弁607aが閉鎖される直前に誘導流路607へと流入(進行)した球が、球はけ期間中に一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球した場合に、不具合と判断されてしまうことを防止する。
次に、図45を参照して、大当たり中に貯留弁607aにおいて不具合が発生している場合に報知を行うための当たり時報知処理(S1935)の詳細について説明する。図45は、この当たり時報知処理(S1935)を示すフローチャートである。
当たり時報知処理(S1935)では、まず、コマンド判定処理(図43参照)のS1911の処理において受信したと判別された入賞情報コマンドに、一般入賞口(小価値入賞口)601への入球に対応する入賞情報が含まれているか否かを判別する(S1941)。そして、一般入賞口(小価値入賞口)601への入球に対応する入賞情報が含まれていれば(S1941:Yes)、貯留弁607aが開放状態に設定されているはずの大当たり中にもかかわらず、誘導流路606の下流に設けられている一般入賞口(小価値入賞口)601へと球が入球したことを意味する。つまり、貯留弁607aの故障等により貯留弁607aが開放されなくなってしまい、貯留弁607aの上部に対して球が貯留された状態が継続した結果、球が誘導流路606へと誘導された可能性がある。よって、この場合は、貯留弁607aの不具合に対応する表示用エラーコマンドを設定して(S1942)、本処理を終了する。
ここで設定された表示用エラーコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図42参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用エラーコマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81において貯留弁607aに不具合が生じていることを報知するための警告画像(図7(b)参照)が表示される。
なお、誘導流路606へと流入した球は、貯留装置600において一般入賞口601の左側に配設されたアウト口603aへも入球する可能性があるが、アウト口603aへの入球に対応する入賞情報に関しては貯留弁607aにおいて不具合が発生しているか否かの判別対象としていない。これは、誘導流路606へと流入した球のうち、アウト口603aへと流下する球の割合が僅かであり、大半が一般入賞口(小価値入賞口)601へと入球する上、大当たり中には多量の球が貯留装置600へと流入するので、一般入賞口(小価値入賞口)601を監視しておけば不具合が発生しているか否かを十分判別できるためである。また、一般入賞口(小価値入賞口)601への入球に対応する入賞情報のみを判別することで、アウト口603aへと入球したか否かを判別する処理を行わなくても良くなり、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。
S1941の処理において、一般入賞口(小価値入賞口)601への入球に対応する入賞情報が含まれていないと判別した場合は(S1941:No)、次いで、受信した入賞情報コマンドに、一般入賞口(大価値入賞口)602への入球に対応する入賞情報が含まれているか否かを判別し(S1943)、一般入賞口(大価値入賞口)602への入球に対応する入賞情報が含まれていれば(S1943:Yes)、入賞回数カウンタ223jの値に1を加算することにより更新する(S1944)。そして、更新後の入賞回数カウンタ233jの値に応じて大当たり中の画像を更新するために、表示用背面画像変更コマンドを設定する(S1945)。
ここで設定された表示用背面画像変更コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図42参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用背面画像変更コマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81において入賞回数表示領域MAの表示内容が更新される。より具体的には、図6(b)に示す一般入賞口(大価値入賞口)602への入球回数(EXTRA BONUSの回数)が加算表示される画像が一定時間表示された後で、更新後の入球回数に対応する図6(a)に示す画像が表示される。大当たりにおける一般入賞口(大価値入賞口)602に対する入球回数を入賞回数表示領域MAに対して表示させることにより、大当たりにおいて第1特定入賞口65aや第2特定入賞口650aへの入球とは別で賞球を獲得した回数を遊技者に認識させることができる。よって、一般入賞口(大価値入賞口)602への入球回数が多くなることを期待して遊技を行わせることができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本実施形態では、一般入賞口(小価値入賞口)601への入球に対応する入球情報が含まれている場合に貯留弁604aにおいて不具合が発生していると判別するように構成していたが、入賞情報コマンドにアウト口603aへの入球に対応する入賞情報が含まれていた場合にも、表示用エラーコマンドを設定するように構成してもよい。これにより、貯留弁607aにおいて不具合が発生したことを、より迅速、且つ、確実に判別することができる。
次に、図46を参照して、通常時(特別図柄の確変状態、普通図柄の時短状態、および通常状態のいずれか)に貯留弁607aにおいて不具合が発生している場合に報知を行うための通常時報知処理について説明する。この通常時報知処理(S1937)では、まず、確変状態フラグ223fがオンであるか否かを判別し(S1951)、オンでないと判別した場合は(S1951)、現在が特別図柄の確変状態でない(特別図柄の低確率状態である)ことを意味するので、次いで、時短状態カウンタ223gの値が0よりも大きいか否かを判別する(S1952)。S1952の処理において、時短状態カウンタ223gの値が0であると判別した場合は(S1952:No)、現在が特別図柄の確変状態でも、普通図柄の時短状態でもない(通常状態である)ことを意味する。
この場合は、遊技者が右打ちを行っているか否か、および貯留弁607aの動作に不具合が生じていないかを判別するために、まず、受信した入賞情報コマンドに、一般入賞口(大価値入賞口)602への入球に対応する入賞情報が含まれているか否かを判別する(S1953)。そして、一般入賞口(大価値入賞口)602への入球に対応する入賞情報が含まれていると判別した場合は(S1953:Yes)、特別遊技状態(大当たり状態)でないにもかかわらず球が貯留弁607aにより閉鎖されているべき位置よりも下流に流下していることを意味する。即ち、貯留弁607aが正常に閉鎖されていないか、遊技者が不正な方法で一般入賞口(大価値入賞口)602へと球を入球させている可能性が高い。そこで、貯留弁607aの不具合に対応する表示用エラーコマンドを設定して(S1954)、本処理を終了する。
ここで設定された表示用エラーコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図42参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用エラーコマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81において貯留弁607aに不具合が生じていることを報知するための警告画像(図7(b)参照)が表示される。
なお、貯留弁607aが不具合により開放されたままとなっている状態で、誘導流路607へと流入した球は、一般入賞口(大価値入賞口)602の左右に配設されたアウト口603b,603cへも入球する可能性があるが、アウト口603b,603cへの入球に対応する入賞情報に関しては貯留弁607aにおいて不具合が発生しているか否かの判別対象としていない。これは、誘導流路607へと流入した球のうち、アウト口603b,603cへと流下する球の割合が僅かであり、大半が一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球するので、一般入賞口(大価値入賞口)602を監視しておけば不具合が発生しているか否かを十分判別できるためである。また、一般入賞口(大価値入賞口)602への入球に対応する入賞情報のみを判別することで、アウト口603b,603cへと入球したか否かを判別する処理を行わなくてもよくなるので、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。
また、S1953の処理において、一般入賞口(大価値入賞口)602への入球に対応する入賞情報が入賞情報コマンドに含まれていないと判別した場合は(S1953:No)、次いで、一般入賞口(小価値入賞口)601への入球に対応する入賞情報が入賞情報コマンドに含まれているか否かを判別し(S1955)、含まれていないと判別した場合はそのまま本処理を終了する。
一方、一般入賞口(小価値入賞口)601への入球に対応する入賞情報が入賞情報コマンドに含まれていると判別した場合は(S1955:Yes)、通常時(特別図柄の確変状態、普通図柄の時短状態、および通常状態のいずれか)にもかかわらず遊技者が右打ちを行っていることを意味する。つまり、第2入球口640へと球を入球させにくく、特別図柄の抽選を受ける機会が少ない遊技方法で遊技者が遊技を行っていることを意味する。よって、この場合には、遊技者に対して左打ちにより第1入球口64を狙って遊技を行わせるように促す右打ち警告画像(図5(b)参照)を表示させることにより、遊技者が損をしてしまうことを防止し、特別図柄1の抽選を受けさせることができる。
S1951の処理において、確変状態フラグ223fがオンであると判別した場合(S1951:Yes)、またはS1952の処理において時短状態カウンタ223gの値が0よりも大きいと判別した場合は(S1952:Yes)、入賞情報コマンドに一般入賞口(大価値入賞口)602への入球に対応する入賞情報が含まれているか否かを判別する(S1957)。そして、一般入賞口(大価値入賞口)602への入球に対応する入賞情報が含まれていないと判別した場合は(S1957:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1957の処理において、一般入賞口(大価値入賞口)602への入球に対応する入賞情報が含まれていると判別した場合は(S1957:Yes)、特別遊技状態(大当たり状態)でないにもかかわらず、貯留弁607aの下流側へと球が流下していることを意味する。即ち、貯留弁607aが正常に閉鎖されていないか、貯留弁607aが閉鎖された状態で、遊技者が不正に球を一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球させた可能性が高い。よって、この場合は、貯留弁607aの不具合に対応する表示用エラーコマンドを設定して(S1958)、本処理を終了する。
ここで設定された表示用エラーコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図42参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用エラーコマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81において貯留弁607aに不具合が生じていることを報知するための警告画像(図7(b)参照)が表示される。
本実施形態では、一般入賞口(大価値入賞口)602への入球に対応する入球情報が含まれている場合に貯留弁604aにおいて不具合が発生していると判別するように構成していたが、入賞情報コマンドにアウト口603b,603cへの入球に対応する入賞情報が含まれていた場合にも、表示用エラーコマンドを設定するように構成してもよい。これにより、貯留弁607aにおいて不具合が発生したことを、より迅速、且つ、確実に判別することができる。
次に、図47を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1812)について説明する。図47は、この変動表示設定処理(S1812)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1812)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図42参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223dがオンか否かを判別する(S2001)。そして、変動開始フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S2001:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S2006の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223dがオンであると判別された場合(S2001:Yes)、変動開始フラグ223dをオフし(S2002)、次いで、コマンド判定処理(図43参照)のS1903の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S2003)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2004)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトする(S2005)。S2005の処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S2006の処理へ移行する。
S2006の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223eがオンか否かを判別する(S2006)。そして、停止種別選択フラグ223eがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S2006:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、S2007〜S2013までの各処理をスキップして、処理をS2014へと移行する。一方、停止種別選択フラグ223eがオンであると判別された場合(S2006:Yes)、停止種別選択フラグ223eをオフし(S2007)、次いで、コマンド判定処理(図43参照)のS1906の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得し(S2008)、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別を、そのまま第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定する(S2008)。次いで、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2009)。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
S2009の処理が終了すると、次いで、時短状態カウンタ223gの値が0より大きいか否かを判別し(S2010:No)、0より大きくない(即ち、0である)と判別した場合は(S2010:No)、処理をS2014へと移行する。一方、時短状態カウンタ203gの値が0より大きいと判別した場合は(S2010:Yes)、まず、時短状態カウンタ203gの値を1減算する(S2011)。そして、減算後の時短状態カウンタ203gの値が0であるか否かを判別し(S2012)、0であると判別した場合は(S2012)、普通図柄の時短状態から普通図柄の通常状態(低確率状態)へと切り替わったことを意味するので、通常状態に対応する背面画像に切り替えるための背面画像変更コマンドを設定し(S2013)、処理をS2014へと移行する。
一方、S2012の処理において、時短状態カウンタ203gの値が0でないと判別した場合は(S2012:No)、普通図柄の時短状態が継続することを意味するので、普通図柄の時短状態に対応する背面画像から変更する必要がない。よって、この場合は、S2013の処理をスキップし、処理をS2014へと移行する。
なお、時短状態中に表示される背面画像とは、具体的には右打ちナビ(図5(a)参照)が表示される背面画像のことである。本実施形態のパチンコ機10では、大当たりが終了すると、その大当たり種別によらずに右打ちナビが表示される背面種別に切り替えられる。そして、普通図柄の時短状態が終了した場合には、右打ちナビが表示されない通常状態用の背面画像に切り替えられる。なお、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態となった場合は、次に大当たりとなるまで特別図柄の確変状態が継続するため、右打ちナビが表示される背面種別から変更されることはない。
S2014の処理では、許容時間カウンタ223iの値が0よりも大きいか否かを判別し(S2014)、値が0より大きいと判別した場合は(S2014:Yes)、許容時間カウンタ223iの値を1減算して更新し(S2015)、本処理を終了する。一方、許容時間カウンタ223iの値が0であると判別した場合は(S2014:No)、S2015の処理をスキップして、本処理を終了する。S2014,S2015の処理により、定期的に許容時間カウンタ223iの値を更新することができる。
本実施形態では、特別図柄の確変状態と、普通図柄の時短状態とで設定される背面種別を共通としているが、それぞれ異なる背面種別を表示させてもよい。これにより、多種多様な演出を実現できる。また、時短状態カウンタ203gの値に応じて残りの時短期間を第3図柄表示装置81に対して表示させるように構成してもよい。これにより、遊技者に対して残りの時短期間を容易に認識させることができる。
本実施形態では、変動表示設定処理(S1812)の中で許容時間カウンタ223hの更新を行っているが、これに限られるものではない。例えば、メイン処理(図42参照)の中で1msおきに実行される処理(音編集・出力処理や、液晶演出実行管理処理等)の中で更新するように構成してもよい。これにより、許容時間カウンタ223hを定期的に更新することができる。
<第1実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図48から図61を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図48を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図48は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S2101)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図49を参照して、ブート処理(S2101)について説明する。図49は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S2101)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S2201)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S2202)。これにより、MPU231は、S2201の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S2202の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S2202の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S2203)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S2204)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図48のS2101参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図48のS2102参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S2205)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S2201)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
なお、図49に示すブート処理では、S2201の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S1901の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S1902の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S2203〜S2205の処理を実行するようにしてもよい。
また、S2201の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S2201及びS2202の処理を含めて複数回繰り返した後、S2203〜S2205の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S2201及びS2202の処理を行わずに、S2203〜S2205の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図48の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S2102)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。なお、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S2103)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S2103の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S2104)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S2104の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S2105)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図59(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図59(a)のS3602参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図50(b)参照)において、電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図50(b)のS2408参照)および簡易表示設定処理(図50(b)のS2409参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置114に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64、または第2入球口640へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S2105の処理の後、割込許可を設定し(S2106)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S2106の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図50(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図50(a)は、コマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S2301)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図50(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図50(b)は、このV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図24参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図50(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S2401)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S2401:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S2402)を実行し、次いで、表示設定処理(S2403)を実行する。
コマンド判定処理(S2402)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド判定処理の詳細については、図51〜図55を参照して後述する。
表示設定処理(S2403)では、コマンド判定処理(S2402)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図56〜図58を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S2404)。このタスク処理では、表示設定処理(S2403)もしくは簡易表示設定処理(S2409)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S2405)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、転送設定処理の詳細については、図59および図60を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S2406)。この描画処理では、タスク処理(S2404)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S2405)により設定された転送指示とから、図24に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。なお、描画処理の詳細については、図61を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S2407)。そして、V割込処理を終了する。S2407の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S2401の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S2401:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S2408)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S2409)を実行して、S2404の処理へ移行する。
次いで、図51〜図55を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S2402)の詳細について説明する。まず、図51は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図51に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S2501)、未処理の新規コマンドがなければ(S2501:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S2501:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S2503)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S2502)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S2503)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S2504)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S2504:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S2505)、S2501の処理へ戻る。
ここで、図52(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S2505)の詳細について説明する。図52(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2601)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2601の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S2601で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S2602)。そして、各変動パターンに対応する変動表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S2601の処理によって設定された変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S2603)。表示設定処理では、S2603の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルが、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S2601の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2604)、ポインタ233fを0に初期化する(S2605)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2606)、変動パターンコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2605の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S2601の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S2602の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S2604の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図51の説明に戻る。S2504の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S2504:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S2506)、表示用変動種別コマンドがあれば(S2206:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S2507)、S2501の処理へ戻る。
ここで、図52(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S2507)の詳細について説明する。図52(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S2701)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図50(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S2702)。
そして、停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S2702の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定し(S2703)、本処理を終了する。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S2702の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S2404)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S2703の処理によって設定された停止図柄判別フラグからS2702の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。なお、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
なお、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2701の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS2702の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図51に戻り、説明を続ける。S2506の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S2506:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S2508)、表示用オープニングコマンドがあれば(S2508:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S2509)、S2501の処理へ戻る。
ここで、図53(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S2509)の詳細について説明する。図53(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用オープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、オープニング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2801)。次いで、S2801の処理で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S2802)。
そして、S2801の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたオープニング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2803)、ポインタ233fを0に初期化する(S2804)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2805)、オープニングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
このオープニングコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2804の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S2801の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたオープニング表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S2802の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定されたオープニング表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、このオープニングコマンド処理が実行されると、オープニング転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。これにより、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が行われている最中に、ラウンド演出およびエンディング演出に必要な画像データをキャラクタROM234から、通常用ビデオRAM236に転送することができる。上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)に演出に使用する画像データが、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送されるまでに多くの時間を要する。
新たに開始されるラウンド数を示す表示用ラウンド数コマンドは、第3図柄表示装置81におけるオープニング演出が終了したタイミングに合わせて、音声ランプ制御装置113から送信されてくるので、1ラウンド目を示す表示用ラウンド数コマンドを受信してから、ラウンド演出に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送していては、オープニング演出が終了してからラウンド演出を開始するまでに多くの待ち時間が生じ、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうおそれがあった。
また、エンディング演出の開始を指示する表示用エンディングコマンドは、第3図柄表示装置81におけるラウンド演出が全て(15ラウンド分)終了したタイミングに合わせて、音声ランプ制御装置113から送信されてくるので、表示用エンディングコマンドを受信してから、エンディング演出に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送していては、ラウンド演出が終了してからエンディング演出を開始するまでに多くの待ち時間が生じ、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうおそれがあった。
そこで、本実施形態では、表示用オープニングコマンドを受信した場合に、そこからラウンド演出およびエンディング演出に必要なデータの転送を開始し、第3図柄表示装置81において大当たりの変動表示が終了するまでに、ラウンド演出およびエンディング演出に必要なデータの転送が終了するように制御している。これにより、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてラウンド演出を開始できると共に、第3図柄表示装置81においてラウンド演出が全て(15ラウンド分)終了した場合に、即座に、第3図柄表示装置81においてエンディング演出を開始できるので、遊技者に動作が停止していないかといった不安や、違和感を持たせてしまうことがない。よって、遊技者を安心させることができる。
図51に戻り、説明を続ける。S2508の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S2508:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S2510)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S2510:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S2511)、S2501の処理へ戻る。
ここで、図53(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S2511)の詳細について説明する。図53(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2901)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S2902)。
そして、S2901の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2903)、ポインタ233fを0に初期化する(S2904)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2905)、ラウンド数コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図51の説明に戻る。S2510の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S2510:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S2512)、表示用エンディングコマンドがあれば(S2512:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S2513)、S2501の処理へ戻る。
ここで、図54を参照して、エンディングコマンド処理(S2513)の詳細について説明する。図54は、エンディングコマンド処理を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3001)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3002)。
次いで、S3001の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3003)、ポインタ233fを0に初期化する(S3004)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3006)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図51の説明に戻る。S2512の処理において、表示用エンディングコマンドがないと判別されると(S2512:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S2514)、背面画像変更コマンドがあれば(S2514:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S2515)、S2501の処理へ戻る。
ここで、図55(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S2515)の詳細について説明する。図55(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S3603)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S3101)。そして、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S3102)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S3101の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S3102の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面B又は背面Cである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S3102の処理によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
なお、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2802の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値に直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図51の説明に戻る。S2514の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S2514:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S2516)、エラーコマンドがあれば(S2516:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S2517)、S2501の処理へ戻る。
ここで、図55(b)を参照して、エラーコマンド処理(S2517)の詳細について説明する。図55(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S3201)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S3202)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S3201の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S3202の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
なお、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S2902に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図51の説明に戻る。S2516の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S2516:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S2518)、S2501の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS2501の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S2501:Yes)、再びS2502〜S2518の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S2501〜S2518の処理が繰り返し実行され、S2501の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
なお、V割込処理(図50(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S2409)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図52(a)参照)および停止種別コマンド処理(図52(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図52(a)参照)では、S2601の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S2602の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図56〜図58を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S2403)の詳細について説明する。図56は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図56に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S3301)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S3301:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S3302〜S3304の処理をスキップし、S3305の処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグがオンであれば(S3301:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S3302)、S3303〜S3304の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S3303の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S3303)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S3303:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S3304)。
ここで、図57を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図57は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S3401)。
タスク処理では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S3401の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S3402)、表示設定処理に戻る。
ここで、図56の説明に戻る。警告画像設定処理(S3304)の後、又は、S3303の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S3303:No)、次いで、S3305の処理へ移行する。
S3305では、ポインタ更新処理を実行する(S3305)。ここで、図58を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図58は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S3501)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S3501の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S3502)。その結果、End情報であれば(S3502:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ表示データテーブルであるか否かを判別して(S3503)、デモ表示データテーブルであれば(S3503:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3504)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S3505)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S3503の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ表示データテーブルでないと判別された場合は(S3503:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S3506)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S3502の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S3502:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図56に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S3306)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S3306の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S3307)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S3308)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S3308:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S3308:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S3309)。
その結果、確定表示フラグがオンであれば(S3309:Yes)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3310)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3311)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3312)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S3313)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S3314)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S3315)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
なお、S3315の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S2404)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S3315の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S3309の処理において、確定表示フラグがオンではなく、オフであれば(S3309:No)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S3316)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S3316:Yes)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3317)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3318)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S3319)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S3320)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S3321)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンド、または、オープニングコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S3316の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S3316:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、V割込処理(図50(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S2409)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図59及び図60を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S2405)の詳細について説明する。まず、図59(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S3601)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S3601:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S3602)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図59(b)を参照して後述する。
一方、S3601の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S3601:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S3603)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図60を参照して後述する。
次いで、図59(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2405)の一処理である常駐画像転送設定処理(S3602)について説明する。図59(b)は、この常駐画像転送設定処理(S3602)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S3701)、転送指示を送信していれば(S3701:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S3702)。このS3702の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3702の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S3702:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3702:Yes)、S3703の処理へ移行する。また、S3701の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S3701:No)、S3703の処理へ移行する。
S3703の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S3703)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S3703:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S3704)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3703の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S3703:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S3705)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図50(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図50(b)のS2408参照)および簡易表示設定処理(図50(b)のS2409参照)ではなく、コマンド判定処理(図51〜図55参照)および表示設定処理(図56〜図58参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図60参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図59(a)のS3601:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図60を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2405)の一処理である通常画像転送設定処理(S3603)について説明する。図60は、この通常画像転送設定処理(S3603)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S2403)のポインタ更新処理(S3305)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S3801)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S3802)、転送データ情報であれば(S3802:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S3803)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S3804)、S3805の処理へ移行する。
また、S3802の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S3802:No)、S3803及びS3804の処理をスキップして、S3805の処理へ移行する。S3805の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S3805)、転送指示を設定していれば(S3805:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S3806)。
このS3806の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3806の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S3806:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3806:Yes)、S3807の処理へ移行する。また、S3805の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S3805:No)、S3807の処理へ移行する。
S3807の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S3807)、転送開始フラグがオンであれば(S3807:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S3808)、S3803の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S3813の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S3807:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S3809)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S3809:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S3809:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S3810)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S3811)。更に、背面画像判別フラグの示す背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S3812)、S3813の処理へ移行する。
S3813の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S3813)。このS3813の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S3813の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S3813:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S3813の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S3813:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S3814)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3814の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S3815)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、オープニング演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図61を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S2406)の詳細について説明する。図61は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S2404)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S2405)により設定された転送指示から、図24に示す描画リストを生成する(S3901)。即ち、S3901の処理では、タスク処理(S2404)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S2405)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
なお、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S3902)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S3902の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S3903)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図50(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機10では、特別遊技状態(大当たり状態)において開放される入賞口として、2種類の入賞口(第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650a)を設け、大当たりのラウンド数に応じてどちらかの入賞口が開放されるように構成している。これら2種類の入賞口は、いずれも球が入球することにより多量(15個)の賞球が払い出される入賞口として構成されている。また、2種類の入賞口(第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650a)は、いずれも遊技盤13の右側の経路(流路)に設けられている。これにより、特別遊技状態(大当たり状態)中に遊技盤13の右側へと球を打ち出す(右打ちする)だけで、いずれの入賞口が開放されたとしても、球を入球させることができる。よって、特別遊技状態(大当たり状態)において払い出される賞球数を、遊技者の技量に左右されにくくすることができるので、遊技者が初心者であっても安心して遊技を楽しむことができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)のうち、2種類の入賞口(第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650a)の上流側に複数の入賞口が設けられた貯留装置600を配設している。この貯留装置600には、遊技者が右打ちを行った場合に、打ち出された球の一部がその内部へと流入できるように構成されており、流入した球を異なる入賞口へと球を流下させるための複数の流路が設けられている。具体的には、賞球数が比較的少ない(賞球数が3個の)一般入賞口(小価値入賞口)601へと球を流下させるための誘導流路606と、賞球数が比較的多い(賞球数が15個の)一般入賞口(大価値入賞口)602へと球を流下させるための誘導流路607とが設けられている。流下する誘導流路の種別に応じて、獲得できる賞球数を異ならせることができるので、貯留装置600の内部へと球が流入した場合に、遊技者に対して球が流下する流路の種別を興味深く観察させることができる。
また、本実施形態では、賞球数が比較的多い(賞球数が15個の)一般入賞口(大価値入賞口)602へと球を流下させるための誘導流路607を閉鎖可能な貯留弁607aが誘導流路607に設けられている。この貯留弁607aは、特別遊技状態中(大当たり状態中)に開放状態に設定され、その他の遊技状態中は閉鎖状態に設定される。また、貯留装置600の内部へと流入した遊技球は、基本的に誘導流路606よりも、誘導流路607へと流入しやすくなるように各誘導流路が配置されている(図9(b)参照)。よって、特別遊技状態(大当たり状態)において、第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aへと球を入球させることにより賞球を獲得できることに加え、誘導流路607の下流に設けられた一般入賞口(大価値入賞口)602へと球を入球させることにより賞球を獲得することができる。第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aの上流側に貯留装置600が設けられており、遊技者が右打ちするだけで、第1特定入賞口65a、第2特定入賞口650a、および貯留装置600のいずれに対しても球を入球させることができるためである。これにより、1回の特別遊技状態(大当たり状態)において獲得できる賞球数をより多くすることができるので、大当たりとなることによる遊技者のメリットを高めることができる。よって、遊技者に対して、大当たりとなることをより楽しみに遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、当たりとなるか否かの抽選を行い、抽選結果が当たりとなる抽選結果だった場合に、特定の入賞口を開放し、その特定の入賞口へと球が入球することに基づいて多量の賞球を付与するものがある(例えば、特開2001−129177号公報)。この従来型の遊技機の中には、特定の入賞口の他にも複数の入賞口が設けられており、特定の入賞口と他の入賞口とを隣接させることにより、特定の入賞口を狙って打ち出された球が特定の入賞口と他の入賞口とのいずれにも入球し得るように構成されたものがある。ここで、特定の入賞口へと特定個数の球が入球することを契機の一つとして、特定の入賞口を閉鎖するように制御するものが一般的なので、特定の入賞口に対する入球個数が特定個数となる前に他の入賞口へと球が入球するほどに当たりにおいて遊技者が獲得できる賞球数が多くなる。よって、特定の入賞口と他の入賞口とを隣接させることにより、当たりにおける賞球数を増加させることができるので、遊技者の当たりに対する期待感をより向上させることができる。
しかしながら、従来型の遊技機では、当たり以外の状態においても特定の入賞口に隣接した他の入賞口を狙って球を打ち出すことにより賞球を獲得する変則的な遊技方法を行われる場合があった。
これに対して、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態においては、貯留弁607aによって誘導流路607が閉鎖される。この状態では、貯留弁607aの上部と、誘導流路607の上流部分とが成すスペースに1球の球を貯留しておくことができるので、貯留弁607aが閉鎖されてから最初に貯留装置600の内部へと流入した球は、貯留弁607aの上部に貯留される。そして、貯留弁607aの上部に球が貯留された状態で貯留装置600へと球が流入した場合は、貯留された球に衝突することにより流下方向が変化する結果、球が誘導流路602へと流下しやすくなる(図9(b)参照)。よって、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態において貯留装置600へと球を入球させたとしても、球が賞球の少ない一般入賞口(小価値入賞口)601へと入球しやすくなるので、貯留装置600へと球を入球させるメリットを少なくすることができる。従って、特別遊技状態以外の状態でも、常に貯留装置600を狙うことにより、一般入賞口(大価値入賞口)602の払い出しのみによって出球を増やす変則的な遊技方法を根本的に成り立たなくし、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態において、特別図柄の抽選を行わせることにより大当たりとなることを期待して遊技を行わせることができる。
なお、貯留装置600へは、右打ちした球のおよそ3球に1球が入球するように構成されている。そして、一般入賞口(小価値入賞口)601へと入球した場合に払い出される賞球数は3球である。つまり、特別遊技状態(大当たり状態)以外の遊技状態において右打ちを実行したとしても、特別図柄の抽選が行われにくい上に、一般入賞口(小価値入賞口)601への入球に基づく払い出しによって球を増加させることもできない。これにより、通常状態において右打ちするメリットをなくし、遊技者に対して特別図柄の抽選により大当たりとなることを目指して遊技を行わせることができる。
なお、本実施形態では、誘導流路606を流下した球が一般入賞口(小価値入賞口)601へと入球し、誘導流路607を流下した球が一般入球口602へと入球するように構成されているが、これに限られるものではない。例えば、各誘導流路の下流側に、複数の入賞口が設けられている公知のクルーン手段を設けておき、入球する入賞口に応じて異なる賞球の払い出しを実行するように構成してもよい。これにより、誘導流路606を流下したとしても、比較的払い出される賞球数の多い入賞口へと入球させることにより、多くの賞球を獲得できる。よって、遊技者に対して、貯留装置600へと入球した球がいずれかの入賞口へと入球するまで興味深く見守らせることができる。従って、貯留装置600へと球が入球した場合に、より遊技者を楽しませることができる。
本実施形態では、貯留弁607aによって誘導流路607を塞ぐことにより、誘導流路607の途上に球を貯留することができるように構成しているが、例えば、電磁石等を用いて誘導流路607の途上に球を貯留するように構成してもよい。即ち、誘導流路607の内壁部分に電磁石を埋め込んでおき、特別遊技状態中(大当たり状態中)以外の状態においては電磁石へ通電することにより磁化させる。これにより、誘導流路607へと最初に流入した球を電磁石が設けられた箇所に引き寄せ、球の流下を停止させる(電磁石の位置に球を貯留する)ことができる。このように構成することで、貯留弁607aを埋没させるためのスペースを削減することができる。よって、貯留装置600をよりコンパクトにすることができる。また、この場合において、誘導流路607の幅を広くして(例えば、図8において、分岐部材604と貯留弁607aが削除された構成とし)、誘導流路607のうち、誘導流路605の直下の部分にのみ電磁石を埋め込んでおくと共に、電磁石を埋め込んだ部分の直下に一般入賞口(大価値入賞口)602を設けてもよい。更に、電磁石により引き寄せられて流下が停止した球が存在する場合には、その電磁石部分に停止した球と他の球とが接触して流下方向が変更されることにより、電磁石が埋め込まれていない部分を流下し、一般入賞口(大価値入賞口)602とは異なる方向へと流下するように構成してもよい。そして、誘導流路607のうち、電磁石が埋め込まれていない部分の下方に一般入賞口(小価値入賞口)601を配設しておいてもよい。これにより、分岐部材604を廃止することができるので、貯留装置600の部品点数を削減することができる。
また、本実施形態では、貯留弁607aの上部に貯留される球を1球としていたが、これに限られるものではなく、2個以上の球を貯留できるように構成してもよい。更に、複数の球を貯留する場合は、縦方向に貯留してもよいし、横に並べて貯留できるように構成してもよい。
本実施形態では、貯留弁607aの上部に球を貯留できるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、貯留弁607aを誘導流路607の上端部分に設け、貯留弁607aが閉鎖されている場合には、誘導流路607へと球が流入できなくなるように構成してもよい。球が貯留されない構成とすることにより、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態において右打ちしたとしても、球が貯留装置600の内部に残存することなく排出させることができる。
特に、上記第1実施形態では、大当たりの終了後に付与される特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短状態において、第2入球口640が開放されやすくなる。また、特別図柄2の抽選(第2入球口640への始動入賞に基づく抽選)では、特別図柄1の抽選(第1入球口64への始動入賞に基づく抽選)に比較して、遊技者に有利な大当たりBとなりやすい。よって、遊技者は大当たりが終了すると、右打ちにより第2入球口640へと球を入球させようとして球を打ち出す。従って、例えば、普通図柄の時短期間が終了した場合には、高確率で貯留装置600に球が貯留された状態となる。これにより、遊技者に対して、球を損したと感じさせてしまう虞がある。これに対して、貯留弁607aを誘導流路607の上端に設けておき、貯留装置600に対して球を貯留しない構成としておくことにより、遊技者に球を無駄なく使い切ったと感じさせることができる。よって、遊技者に対して満足感を与えることができる。
本実施形態では、貯留装置600の内部に一般入賞口(小価値入賞口)601,602、およびアウト口603a〜603cを設ける構成としていたが、本構成に限られるものではない。例えば、一般入賞口(大価値入賞口)602が設けられている位置に第2入球口640を配設するように構成してもよい。即ち、上記第1実施形態において、遊技盤13の右側の経路(流路)のうち、可変表示装置ユニット80の右側に設けられていた第2入球口640を貯留装置600の内部に移設してもよい。また、この場合において、貯留弁607aの開放条件として、例えば、大当たりが終了してから大当たりになることなく特別図柄の抽選が1000回実行された場合に貯留弁607aが開放されるように構成してもよい。
これにより、大当たりが終了してから1000回特別図柄の抽選が実行された場合に、右打ちを行うことにより、第2入球口640へと球を入球させることができるので、特別図柄2の抽選を実行させることができる。なお、上記第1実施形態では、第2入球口640へと入球した場合に払い出される賞球数が5個となるように構成されていたが、本変形例の場合は払い出しが3個となるように構成しておけばよい。即ち、右打ちした場合に貯留装置600へと入球させることができる球の数は3球に1球の割合となっているので、貯留弁607aが開放されてから右打ちを行うことにより、3球に1球の割合で第2入球口640へと入球させることができる。即ち、持ち球を維持しつつ特別図柄2の抽選を受けることができる。このように構成することで、大当たりとならないまま特別図柄の抽選が繰り返されたとしても(所謂、大ハマリが発生してしまったとしても)、貯留弁607aが開放されることを期待して遊技を行わせることができる。よって、大当たりとならない期間が長くなったとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持させることができる。なお、第2入球口640へと入球した場合に払い出される賞球数を増加させる(例えば、10個とする)ことにより、貯留弁607aが開放されて以降は右打ちするだけで球が増加していくように構成してもよい。このように構成することで、特別図柄の抽選に1000回以上連続して外れた場合のメリットをより大きくすることができる。よって、大当たり終了後は、少ない特別図柄の抽選回数で再び大当たりとなることを願わせ、特別図柄の抽選に外れ続けた場合は、連続して1000回以上、特別図柄の抽選に外れ続けることを願わせることができる。更に、貯留弁607aの開放後は、右打ちを行うだけで球が増加していくので、特別図柄の抽選に外れ続けることにより、第2入球口640への入球に対する払い出しで持ち球を増加させ続ける状態が長く続くことを願わせることができる。よって、特別図柄の抽選回数によって、特別図柄の大当たりとなることを願わせたり、特別図柄の抽選に外れ続けることを願わせたりすることができるので、斬新な遊技性を遊技者に提供することができる。
本実施形態では、貯留装置600において、貯留弁604aを1つのみ設ける構成としているが、貯留弁604aを複数設けてもよい。具体的には、誘導流路606の下流側が2方向に分岐するように構成し、一方の流路に特別遊技状態中(大当たり状態中)にのみ開放される貯留弁を設けてもよい。即ち、誘導流路606の下流側に、誘導流路606,607および分岐部材604と同様の構成を更に設けてもよい。そして、貯留弁を設けた側の流路の下流に、賞球数の多い(例えば、15個)一般入賞口を設け、貯留弁が設けられていない流路には賞球数の少ない(例えば、3個)一般入賞口を設けておいてもよい。このように構成することで、貯留装置600に対してより多くの個数の球を貯留させることができるので、特別遊技状態(大当たり状態)が開始され、各貯留弁が開放されることにより、貯留されていた球を一斉に賞球数の多い(例えば、15個)一般入賞口へと流下させることができる。よって、1回の大当たりにおいて獲得出来る賞球数をより多くすることができる。また、貯留装置600の内部に複数の貯留弁を設けるのに代えて、遊技盤13の右側の経路(流路)に貯留装置600を複数設けておいてもよい。このように構成した場合も、貯留弁を複数設ける場合と同様に、1回の大当たりにおいて獲得出来る賞球数をより多くすることができる。
本実施形態では、遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)において、第2入球口640の下流に貯留装置600が設けられ、その貯留装置の600の下流に第1可変入賞装置65が設けられ、その第1可変入賞装置65の下流に第2可変入賞装置650が設けられていたが、この配置に限られるものではなく、任意の配置としてもよい。例えば、第1可変入賞装置65、および第2可変入賞装置650を第2入球口640よりも上流側に配置してもよい。上記第1実施形態の配置では、特別遊技状態(大当たり状態)において、第1特定入賞口65aや、第2特定入賞口650へと入球させようとして打ち出した球が先に第2入球口640へと入球してしまい、第1特定入賞口65aや第2特定入賞口650aへと入球しにくくなってしまう場合があるが、第1特定入賞口65aや第2特定入賞口650aを上流側に配置することにより、特別遊技状態中(大当たり状態中)によりスムーズに賞球を獲得させることができる。
また、第1特定入賞口65aや第2特定入賞口650aを上流側に配置することにより、貯留装置600よりも上流側に配置することにより、特別遊技状態中(大当たり状態中)に、貯留装置600ばかりに球が入球し、第1特定入賞口65aや第2特定入賞口650aへと球が到達しにくくなってしまうことを防止(抑制)することができる。よって、特別遊技状態中(大当たり状態中)の各ラウンドをよりスムーズに進行させることができる。
本実施形態では、特別図柄の抽選契機となる入球口として、第1入球口64と、第2特定入球口640とが設けられていたが、どちらか一方を廃止してもよい。例えば、第2入球口640を廃止し、第1入球口64に対して電動役物640を設ける構成としてもよい。これにより、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態において遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)へと球を打ち出すメリットがより少なくなるので、貯留装置600を狙って球を打ち出す変則的な遊技方法をより確実に防止(抑制)することができる。
本実施形態では、特別遊技状態(大当たり状態)において、貯留装置600へと球が流入(入球)した場合に、払い出される賞球が多い一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球するように構成されていたが、これに加えて、1回の特別遊技状態(大当たり状態)において、一般入球口602へと入球した球の個数を第3図柄表示装置81に対して表示するように構成してもよい。これにより、特別遊技状態(大当たり状態)において、第1特定入賞口65aや、第2特定入賞口650aへと入賞させることにより賞球を獲得することに加え、どれだけ余分に賞球を得ることができたかを遊技者に認識させることができる。よって、一般入賞口(大価値入賞口)602へとより多くの球を入球させようと思わせることができるので、入球個数の目標を持たせることができる。なお、一般入賞口(大価値入賞口)602への入賞個数は、必ずしも第3図柄表示装置81へ表示させる必要はなく、専用の表示装置を別個に設けておいてもよい。これにより、第3図柄表示装置81において、大当たり状態中の演出をより広い表示領域で実行することができる。
本実施形態では、第1特定入賞口65aへと球が入球(入賞)することに基づいて払い出される賞球数と、第2特定入賞口650aへと球が入球(入賞)することに基づいて払い出される賞球数と、一般入賞口(大価値入賞口)602へと球が入球(入賞)することに基づいて払い出される賞球数とを全て同じ個数(15個)としているが、これに限られるものではない。例えば、一般入賞口(大価値入賞口)602へと球が入球(入賞)することに基づいて払い出される賞球数を、第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aへと球が入球(入賞)することに基づいて払い出される賞球数よりも少なくなるように(例えば、10個となるように)構成してもよい。これにより、特別遊技状態(大当たり状態)において球の進行方向が偏った結果、貯留装置600にばかり球が流入したとしても、ホールに対しする不利益を低減させることができる。
また、上記とは逆に、一般入賞口(大価値入賞口)602へと球が入球(入賞)することに基づいて払い出される賞球数を、第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aへと球が入球(入賞)することに基づいて払い出される賞球数よりも多くなるように構成してもよい。具体的には、例えば、第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aへと入球(入賞)することにより払い出される賞球数を10個とし、一般入賞口(大価値入賞口)602へと球が入球(入賞)した場合に払い出される賞球数を15個としてもよい。これにより、特別遊技状態(大当たり状態)において貯留装置600へと球を流入させることにより遊技者が享受できる利益をより多くすることができるので、遊技者の大当たり遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本実施形態では、大当たりが開始されることに基づいて貯留弁607aを開放し、大当たりの終了に基づいて貯留弁607aを閉鎖するように構成していたが、貯留弁607aの開放および閉鎖の契機はこれに限られるものではない。本実施形態よりも短い期間だけ開放されるように設定してもよいし、大当たりにおいて開放状態と閉鎖状態とを複数回繰り返すように構成してもよい。例えば、大当たりのラウンド間に設定されるインターバル期間となることに基づいて貯留弁607aを開放し、インターバル期間が終了することに基づいて貯留弁607aを閉鎖するように構成してもよい。貯留弁607aが開放状態(解除状態)に設定される期間をインターバル期間に限ることにより、1回の大当たりにおいて払い出される賞球数が多くなりすぎてしまうことを防止(抑制)することができる。つまり、1回の大当たりにおいて遊技者に払い出す賞球数がバラついてしまうことを防止することができるので、パチンコ機10の売り上げを予測し易くすることができる。また、インターバル期間中に貯留弁607aを開放することにより、インターバル期間(即ち、第1特定入賞口65a、第2特定入賞口650aが閉鎖されている状態)において遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)の下流へと到達した球の一部を貯留装置600へと流入させることができる。つまり、インターバル期間においても一般入賞口602へと球を入球させることで賞球を獲得させることができる。よって、インターバル期間でも球が無駄になりにくくできる。
また、本実施形態では、大当たりのエンディング演出の開始時に貯留弁607aを閉鎖するように構成していたが、エンディング演出の終了時に閉鎖するように構成してもよい。これにより、エンディング演出の開始時に盤面に残っている球の一部を貯留装置600へと流入させることができる。つまり、エンディング演出中において一般入賞口602へと球を入球させることで賞球を獲得させることができる。よって、エンディング演出中に球が無駄になりにくくすることができる。更に、エンディング演出が終了してから一定期間(例えば、5秒間)が経過するまで貯留弁607aを開放状態のままとしておき、一定期間(例えば、5秒間)が経過してから貯留弁607aを閉鎖状態に切り替えるように構成してもよい。これにより、エンディング演出の終了時に盤面に残っている球の一部を貯留装置600へと流入させることができる。つまり、エンディング演出の終了後において一般入賞口602へと球を入球させることで賞球を獲得させることができる。よって、エンディング演出の終了後に球が無駄になりにくくすることができる。
また、特別遊技状態(大当たり状態)とは別の遊技状態が設定されることを契機として貯留弁607aを開放し、その設定された遊技状態から他の遊技状態に変更される場合に貯留弁607aを閉鎖してもよい。例えば、特別図柄の確変状態が設定されている期間に貯留弁607aを開放するように構成してもよい。これにより、特別図柄の確変状態においては、右打ちを行うことにより大当たりBとなりやすい特別図柄2の抽選を受けつつ、払い出される賞球数の多い一般入賞口(大価値入賞口)602へと球を入球させることができる。よって、特別図柄の確変状態を、より遊技者に有利な状態にすることができる。また、普通図柄の時短状態が設定された場合に貯留弁607aを開放するように構成してもよい。基本的に普通図柄の時短状態は、特別図柄の確変状態に比較して遊技者にとってメリットが少ない状態であるが、普通図柄の時短状態中に貯留弁607aが開放されるように構成しておけば、普通図柄の時短状態となった場合に遊技者が落胆してしまうことを抑制できる。
また、遊技状態等に応じて貯留弁607aの状態を切り替えるのに代えて、または遊技状態等に応じて貯留弁607aの状態を切り替えるのに加えて、遊技者の任意のタイミングで貯留弁607aの状態を切り替えられるように構成してもよい。これにより、各遊技者に対し、自己の趣向に応じた貯留弁607aの状態で遊技を行わせることができる。
本実施形態では、貯留装置600の内部にアウト口を設けていたが、アウト口に代えて、賞球が払い出される入賞口を設けておいてもよい。また、各入賞口へと球が入球することにより払い出される賞球数を異ならせてもよい。より具体的には、例えば、アウト口603aに代えて賞球が6個の入賞口を設け、アウト口603bに代えて賞球が10個の入賞口を設け、アウト口603cに代えて賞球が12個の入賞口を設けてもよい。これにより、球が誘導流路606を流下した場合や、誘導流路607を、いずれの入賞口へと球が入球するのかをより興味深く観察させることができる。また、誘導流路606や誘導流路607の下流に釘等の球の流下方向を変更可能な部材を設け、いずれの球が入球する入賞口がよりランダムとなるように構成してもよい。これにより、球が貯留装置600へと流入した場合に、いずれかの入賞口へと球が入球するまでより球の行方を興味深く観察させることができる。また、釘等を設けておくことにより、ホールの店員によって球が入球しやすい入球口を設定することができる。よって、パチンコ機10の出球率をホール側で調節することができる。
本実施形態では、貯留弁607aの開放および閉鎖を主制御装置110のMPU201により制御するように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、音声ランプ制御装置113のMPU221により貯留弁607aの制御を行ってもよい。より具体的には、貯留装置用ソレノイド610を音声ランプ制御装置113の入出力ポート225と電気的に接続してもよい。そして、主制御装置110よりオープニングコマンドを受信した場合に貯留弁607aを開放状態に切り替えるように制御し、エンディングコマンドを受信した場合に閉鎖状態に切り替えるように制御してもよい。これにより、主制御装置110のMPU201の処理負荷を軽減することができる。よって、遊技に関する主要な処理である、変動演出の選択処理や、特別図柄の抽選処理等を遅滞なく実行することができる。
本実施形態では、特別遊技状態(大当たり状態)において貯留弁607aを開放状態(解除状態)に設定し、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態において貯留弁607aを閉鎖状態(貯留状態)に設定するように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、経過時間や現在時刻、設置日数等に応じて貯留弁604aの状態を切り替えてもよい。また、定期的に、或いは不定期に行われる抽選の結果に基づいて切り替えるように構成してもよい。例えば、貯留607aが基本的に閉鎖状態(貯留状態)となるように構成し、1分に1回の頻度で開放状態(解除状態)に切り替えるか否かの抽選を実行するように構成してもよい。また、抽選に当選した場合は、例えば10秒間貯留弁607aが開放されるように構成してもよい。これにより、抽選に当選し、貯留弁607aが開放状態(解除状態)に設定された状態で球を貯留装置600へと流入させることができれば、一般入賞口(大価値入賞口)602へと球を入球させることができるので、遊技者に対してより多く抽選に当選することを期待して遊技を行わせることができる。更に、貯留弁607aを開放状態(解除状態)に設定するか否かの抽選の抽選確率を、ホールの店員等が調節できるように構成してもよい。これにより、複数のパチンコ機10の中から遊技者が遊技を行う台を1台選択する場合に、抽選確率が良い設定となっている台を予測して台選びを行わせることができる。よって、ホールの抽選確率を設定する際の癖等を考慮してパチンコ機10を選択させることができるので、遊技を開始する前の台選びの段階で、遊技者の興趣を向上させることができる。
本実施形態では、大当たり種別に応じて、大当たりの12ラウンド目に確変入球口654へと入球し易いタイミングで第2特定入賞口650aが開放される大当たり(大当たりB)と、確変入球口654へと入球しにくいタイミングで第2特定入賞口650aが開放される大当たり(大当たりA)とを設けているが、大当たり中に第3図柄表示装置81に表示される演出により、どちらの大当たり種別かを示唆するように構成してもよい。例えば、大当たりの1ラウンド〜11ラウンドの各ラウンドにおいて、正義の味方とモンスターとが戦う演出を行ってもよい。そして、11ラウンドまでに正義の味方が勝利すれば、大当たりBであることが報知され、正義の味方が敗北した場合は、大当たりAであることが報知されるように構成してもよい。即ち、正義の味方が勝利すると、特別図柄の確変状態へと移行させるチャンスであることを遊技者に認識させることができる。これにより、遊技者に対して大当たりにおいて行われる演出の結果をより興味深く観察させることができる。
なお、演出内容にバリエーションを設け、正義の味方が勝利する期待度が高い(大当たりBの場合に選択されやすい)演出内容と、正義の味方が敗北してしまう可能性が高い(大当たりAの場合に選択されやすい)演出内容とを設けてもよい。例えば、正義の味方が必殺技で敵を攻撃したり、敵の攻撃を正義の味方が回避した場合に勝利する期待度が高くなるように構成し、正義の味方の攻撃が外れてしまったり、敵が必殺技で攻撃してきた場合に敗北する可能性が高くなるように構成してもよい。これにより、正義の味方が勝利するか否かの結果だけでなく、勝利、又は敗北に至るまでの演出の流れで結果を予測させることができる。よって、遊技者の大当たり遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、11ラウンドまでに行われる演出の内容は、上記した正義の味方とモンスターとが戦う演出に限られるものではなく、有利な大当たりBと、その大当たりBよりも不利な大当たりAとを示唆できる態様であればよい。例えば、少年のキャラクタ710が宝物を捜索する演出を行い、11ラウンド目までに宝物を見つけることができれば、大当たりBであることが報知されるように構成してもよいし、少年のキャラクタ710が大食いを行う演出を表示させ、提供された食べ物を残さず食べ切れたら大当たりBであることが報知されるように構成してもよい。
本実施形態におけるパチンコ機10では、一般的な遊技機には搭載されていない特異な構成である貯留装置600を設けているので、この貯留装置600に関わる遊技性を説明する演出を設けておいてもよい。より具体的には、例えば、背面画像として貯留装置600の画像を表示させ、貯留弁607aが開放される条件と、開放された場合のメリットと、閉鎖状態で球を右打ちした場合のデメリットとを説明する画像(説明画像)を表示するように構成してもよい。これにより、遊技者が容易に遊技性を理解することができる。また、説明画像が表示される背面種別は、枠ボタン22を押下(操作)することにより背面種別を切り替えることができるように構成してもよい。これにより、パチンコ機10での遊技に慣れ、十分に遊技性を理解している遊技者は、説明画像が表示されない背面種別に変更することができる。
本実施形態では、通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)において右打ちを行い、貯留装置600へと球が入球したことを検出した場合には右打ち警告画像(図5(b)参照)を表示させるように構成していたが、所定条件下では右打ち警告画像を表示させないように構成してもよい。例えば、貯留弁607aの上部に球が貯留されていない状態において遊技者が右打ちを行っている場合は、貯留弁607aの上部に球が貯留されるまで右打ち警告画像(図5(b)参照)を表示させないように構成してもよい。通常状態において貯留弁607aの上部に球が貯留されている状態としておくことにより、その後に特別図柄の大当たりとなり、貯留弁607aが開放状態(解除状態)に設定されると、貯留弁607aの上部へと貯留された球を即座に一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球させることができる。よって、一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球したことにより払い出される球を大当たり遊技に用いる球として用いることができる。従って、大当たりになったにもかかわらず持ち球が尽きた場合であっても、球を新たに借りることなく大当たり遊技を行うことができる。
<第2実施形態>
次に、図62〜図76を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、第1可変入賞装置65、および第2可変入賞装置650の上流に貯留装置600を設ける構成とし、特別遊技状態(大当たり状態)において、貯留装置600の内部に配設された一般入賞口(大価値入賞口)602へと球を入球させることにより賞球を得られるように構成していた。つまり、特別遊技状態(大当たり状態)において、第1特定入賞口65aや、第2特定入賞口650aへと球を入球させることにより賞球が払い出されるのに加え、貯留装置600へと球を入球させることにより賞球が払い出されるように構成していた。これにより、大当たりにおいて、より多くの賞球の払い出しが行われるように構成し、遊技者の大当たり遊技に対する興趣をより向上させていた。
また、上記第1実施形態において、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態(通常遊技状態)においては、一般入賞口(大価値入賞口)602の上流を貯留弁607aによって閉鎖することにより、球が一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球しにくくなるように構成するとともに、貯留弁607aの上部に球を貯留しておけるように構成されていた。そして、通常遊技状態において貯留装置600の内部に貯留された球が存在する場合は、その貯留された球と、貯留装置600へと新たに流入した他の球とが干渉(接触)可能となるように構成していた。そして、貯留された球との干渉(接触)が起きた場合に、貯留装置600へと新たに流入した球の流下方向が、賞球数の少ない一般入賞口(小価値入賞口)601の方向(誘導流路606の方向)へと変化するように構成していた。これにより、通常遊技状態において貯留装置600の一般入賞口(大価値入賞口)602へ入賞させることを狙って球を右打ちすることにより、大当たりを介さずに持ち球を増やそうとする変則的な遊技方法が根本的に成り立たなくなるように構成していた。
これに対して第2実施形態では、第1実施形態における貯留装置600に代えて、貯留装置700を設けている。そして、貯留装置700に対して球を貯留するか否かを、遊技者の操作により切り替えられるように構成している。また、貯留装置700に球が貯留されている場合に、球が流下可能な流路を2つ設ける構成とし、貯留装置700へと流入した球の流下速度や進入角度、釘の調整具合等により、どちらの流路へも球が流入し得るように構成している。
更に、第2実施形態では、球が貯留されない状態(貯留弁704aが開放された状態)において入球し易い入賞口と、球が貯留弁704aに貯留された状態において流入し易い2つの流路の下流にそれぞれ設けられている2種類の入賞口は、全て払い出される賞球数が異なるように構成している。即ち、球が貯留弁704aに貯留されている場合に入賞し得る2種類の入賞口は、一方が払い出される賞球数が多い入賞口となり、他方が払い出される賞球数の少ない入賞口となるように構成している。また、貯留弁704aが開放された状態において球が入賞し得る入賞口は、上記2種類の払い出し個数の中間となるように構成されている。即ち、賞球数が多い入賞口にも、少ない入賞口にも入球し得る状態と、貯留装置700へと球を流入させることにより平均的な払い出しを安定して受けられる状態とを切り替えることができる。よって、遊技者の好みに応じて、貯留装置700へと球を流入させた場合の遊技性を切り替えることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
この第2実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、第1可変入賞装置65の配置が第1入球口64の下方となった点、第2可変入賞装置650が廃止された点、貯留装置600に代えて貯留装置700が設けられている点、遊技者の操作により貯留弁704aの状態を開放状態に変更するための解除ボタン800が設けられている点、主制御装置110のRAM203の構成が一部変更されている点、音声ランプ制御装置113のRAM223の構成が一部変更されている点、主制御装置110のMPU201により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図62を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13について説明する。図62に示した通り、第2実施形態のパチンコ機10では、第1入球口64の下方に第1可変入賞装置65が設けられている。そして、第1実施形態において遊技盤13の右側の経路(流路)に設けられていた第2可変入賞装置650が廃止されている。そして、大当たりの全てのラウンドにおいて、第1特定入賞口(第1大開放口)65aが開放されるように構成されている。即ち、特別遊技状態(大当たり状態)において、左打ちを行うことにより第1特定入賞口(第1大開放口)65aへと球を入球させることができるように構成されている。
また、第2実施形態では、遊技盤13の右側の経路(流路)に貯留装置700が設けられている。この貯留装置700は、その入口周辺の釘が第1実施形態の貯留装置600の入口周辺に比較して少なくなっており、右打ちした場合に流入する球の割合が第1実施形態の貯留装置600に比較して少なくなるように構成されている(例えば、10球に1球の割合)。この第2実施形態における貯留装置700の詳細については、図64〜図66を参照して後述する。
次に、図63を参照して、本実施形態におけるパチンコ機10の第3図柄表示装置81に対して表示される画像について説明する。図63は、特別図柄の確変状態、または普通図柄の時短状態(右打ちを行っても遊技者が損をすることがない期間)において、第3図柄表示装置81へと表示される画像を示す図である。図63(a)は、解除ボタン800が押下されていない状態(貯留弁704aが開放されていない状態)における表示内容を示しており、図63(b)は、解除ボタン800が押下されている状態(貯留弁704aが開放されている状態)における表示内容を示している。
図63(a)に示した通り、遊技者によって解除ボタン800が押下(操作)されていない場合は、副表示領域Dsにおける小領域Ds2に、第1実施形態における少年のキャラクタ710(図5(a)のDs2参照)に代えて、「ボタンを押すとゲート開放!」との文字が表示される。この文字を表示させることにより、遊技者に対して解除ボタン800(ボタン)を押下することにより、貯留装置700内に設けられている貯留弁704a(ゲート)を開放状態に設定することができると容易に認識させることができる。なお、小領域Ds2以外の表示領域における表示内容については、第1実施形態における特別図柄の確変状態、および普通図柄の時短状態と同一であるので、その詳細名説明については省略する。
また、図63(b)に示した通り、遊技者によって解除ボタン800が押下(操作)されている場合は、小領域Ds2に対して、「ゲート開放中」との文字が表示される。これにより、貯留装置700内に設けられている貯留弁704a(ゲート)が開放状態にあることを容易に認識させることができる。
次に、図64〜図66を参照して、本実施形態における貯留装置700の詳細について説明を行う。まず、図64は、第2実施形態における貯留装置700の正面図である。図64に示した通り、貯留装置700は、その上部から流入した球を流下させる誘導流路707が設けられており、その誘導流路707の下流側には、3つの流路が設けられている(誘導流路707の下流が3方向に分岐している)。具体的には、流入した球を正面視左下方向へと流下させるための誘導流路706と、正面視下方向へと流下させるための誘導流路704と、正面視右下方向へと流下させるための誘導流路708とが設けられている。なお、図64に示した通り、誘導流路705の下流には、釘709aと、釘709bとが設けられているので、誘導流路705を流下中に球が右寄り、または左寄りとなっていたとしても、釘709a,709bの間を通過することにより球の流下方向を中央寄りに矯正することができる。よって、誘導流路705を流下した球は、誘導流路705の下流の中央側に設けられた誘導流路704へと流入しやすくなる。
誘導流路706の下流には、払い出される賞球数が比較的多い(例えば、6個の)一般入賞口(大価値入賞口)702が設けられている。また、誘導流路704の下流には、一般入賞口(大価値入賞口)702に比較して払い出される賞球数が少ない(例えば、3個の)一般入賞口(中価値入賞口)701が設けられている。更に、一般入賞口(中価値入賞口)701、および一般入賞口(大価値入賞口)702以外の入球口として、球が入球しても賞球が払い出されないアウト口703a〜703eが設けられている。そして、誘導流路708を流下した遊技球は、アウト口(小価値入賞口)703d、またはアウト口(小価値入賞口)703eへと入球するので、誘導流路708を球が流下した場合に、遊技者に対するメリットが一切ない状態となる。なお、誘導流路706を流下したものの、一般入賞口(大価値入賞口)702へと入球しなかった球は、アウト口703a、またはアウト口703bへと入球することにより外部へと排出される。また、誘導流路704を流下したものの、一般入賞口(中価値入賞口)701へと入球しなかった球は、アウト口703b、またはアウト口703cへと入球することにより外部へと排出される。これらのアウト口703a〜703cにより、振動等によって球が変則的な動きをしたとしても、球が貯留装置700の下方に堆積してしまうことを防止(抑制)し、確実に球を排出させることができる。
誘導流路704には、貯留弁704aが設けられている。この貯留弁704aは、第1実施形態における貯留弁607aと同様に、誘導流路704を閉鎖することにより、その閉鎖後に貯留装置700へと流入した球を貯留弁704aの上部に1球貯留することができる。この貯留弁704aは、第1実施形態における貯留弁607aとは異なり、遊技者による解除ボタン800(図67参照)の操作によって閉鎖状態を解除する(開放状態に設定する)ことができるように構成されている。貯留弁704の上部に球が貯留された状態では、貯留装置700へと流入した球が貯留された球と干渉(接触)することによる衝撃で、流下方向が変更される。この流下方向の変更(切り替わり)について、図65を参照して詳細に説明する。
図65は、貯留弁704aが閉鎖されている状態において、貯留装置700へと流入(入球)した球が流下した場合の球の軌道(流下方向)を示した図である。まず、図65(a)を参照して、貯留されている球と干渉(接触)した球が、干渉の衝撃によって正面視左側に反発する場合について説明する。
図65(a)に示した通り、貯留装置700へと流入(入球)した球が貯留弁704aの上部に貯留された球と干渉(接触)することにより正面視左方向へと反発すると、球は誘導流路706へと流入し、誘導流路706を流下する。ここで、誘導流路706の下流には一般入賞口(大価値入賞口)702が設けられているので、球が一般入賞口(大価値入賞口)702へと入球することで比較的多量(例えば、6個)の賞球が払い出される。従って、球が右側に反発すると、遊技者にとって有利となる。
次に、図65(b)を参照して、貯留されている球と干渉(接触)した球が、干渉の衝撃によって正面視右側へと反発する場合について説明する。図65(b)に示した通り、貯留装置700へと流入(入球)した球が貯留弁704aの上部に貯留された球と干渉(接触)することにより正面視右方向へと反発すると、球は誘導流路708へと流入し、誘導流路708を流下する。ここで、誘導流路708の下流にはアウト口(小価値入賞口)703d,703eが設けられているので、球はどちらかのアウト口へと入球する。即ち、球が正面視右側へと反発した場合は、賞球が払い出されないので、遊技者にとってメリットがない。
このように、貯留弁704aが閉鎖された状態では、貯留装置700へと流入(入球)した球が反発する方向によって、遊技者の得られる賞球数(遊技価値)が変動する。よって、貯留装置700へと球が流入(入球)した場合に、貯留弁704aの上部に貯留された球との干渉(接触)により球が正面視左方向へと反発することを期待して遊技を行わせることができる。即ち、貯留装置700へと流入(入球)した球の流下方向(反発方向)をより興味深く確認させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、球の勢いや貯留装置700への入球角度、釘709a,709bの調整具合によっても、反発しやすい方向が変化するので、遊技者に対して球が誘導流路706へと反発しやすくなるように、打ち方を工夫させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、遊技を行うパチンコ機10を選択する際に、釘709a,709bの調整具合を加味して一般入賞口(大価値入賞口)702へと球が入球しやすいパチンコ機10を選択させることができる。よって、遊技を開始する前のパチンコ機10を選択する段階で、自己にとって有利となりそうなパチンコ機10を探し出す楽しみを与えることができる。
次に、図66を参照して、貯留弁704aが開放状態に設定されている状態で、貯留装置700へと球が流入(入球)した場合の動作について説明する。貯留装置700へと球が流入すると、球はまず誘導流路705を流下する。この誘導流路705の下流には、釘709aと、釘709bとが左右にそれぞれ設けられているので(図66参照)、誘導流路705を流下中に球が右寄り、または左寄りとなっていたとしても、釘709a,709bの間を通過することにより球の流下方向を中央寄りに矯正することができる。よって、誘導流路705を流下した球は、誘導流路705の下流の中央側に設けられた誘導流路704へと流入する。
貯留弁704aが開放された状態では、球が誘導流路704を流下可能となるので、誘導流路704へと流入した球は、誘導流路704を下流へと流下し、一般入賞口(中価値入賞口)701へと入球する。これにより、一般入賞口(大価値入賞口)702への入球に対する賞球よりも少ない個数(例えば、3個)の賞球が払い出される。
このように、貯留弁704aが開放された状態では、貯留装置700へと流入した球が一般入賞口(中価値入賞口)701へと入球する。即ち、流下方向が反発により変化して誘導流路706や誘導流路708へと流入することがない。即ち、得られる賞球数が多い一般入賞口(大価値入賞口)702へと球を入球させることができない代わりに、アウト口(小価値入賞口)703d,703eへと球が入球してしまい、賞球が得られなくなることもない。よって、貯留装置700へと球を入球させた場合に、安定して賞球を得ることができるので、遊技者に対して安心感を抱かせることができる。
また、本実施形態では、遊技者が解除ボタン800(図67参照)を操作することにより、その操作が行われている間貯留弁704aを開放状態に設定することができる。即ち、貯留弁704aを閉鎖状態のままとすることにより、一般入賞口(大価値入賞口)702、アウト口(小価値入賞口)703d,703eのいずれにも球が入球する可能性がある状態(賞球を多く獲得できる可能性もあるが、賞球が得られない可能性もあるギャンブル性の高い状態)とすることができる。また、貯留弁704aを開放状態に設定することにより、貯留装置700へと流入した球を一般入賞口(中価値入賞口)701へと入球させることができる状態(少量ではあるが安定して賞球を獲得できる状態)とすることができる。よって、解除ボタン800(図67参照)を操作するか否かにより、パチンコ機10の遊技性を遊技者によって切り替えさせることができるので、各遊技者が、自己の趣向に合った遊技性を選択して遊技を行うことができる。
<第2実施形態における電気的構成について>
次に、図67、および図68を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。第2実施形態における電気的構成は、第1実施形態における電気的構成に対して、主制御装置110のROM202の第1当たり乱数テーブル202bの規定内容が変更されている点、RAM203の構成が一部変更されている点、主制御装置110の入出力ポート205に対して、解除ボタン800が電気的に接続されている点、および音声ランプ制御装置113のRAM223の構成が一部変更されている点で相違している。その他の電気的構成については、第1実施形態における電気的構成と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
図67に示した通り、解除ボタン800は入出力ポート205と電気的に接続されている。この解除ボタン800は、遊技者が任意に押下(操作)できる位置(例えば、枠ボタン22の周囲)に配設されている。遊技者によってこの解除ボタン800が押下(操作)されると、押下を検出したことをMPU201へと通知するための信号(押下検出信号)が入出力ポート205に対して出力される。主制御装置110のMPU201は、この押下検出信号に基づいて、貯留弁704aを開放するように貯留装置用ソレノイド610を制御する。即ち、貯留装置用ソレノイド610をオンに設定する。
次に、図68(a)を参照して、主制御装置110のROM202に設けられている第1当たり種別選択テーブル202bについて説明する。この第1当たり種別選択テーブル202bは、第1実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bと同様に、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルである。
なお、本実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bには、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別のみに対応付けて規定されている。即ち、第1実施形態と異なり、特別図柄1の抽選で大当たりとなるか、特別図柄2の抽選で大当たりとなるかによらず、同一の第1当たり種別カウンタC2の値に対しては同一の大当たり種別が対応付けられている。
具体的には、図68(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲には、大当たりCが対応付けられて規定されている(図68(a)の202b1参照)。なお、この大当たりCは、特別遊技状態(大当たり状態)が15ラウンド継続する大当たりである。また、大当たりCの終了後には、付加価値として普通図柄の時短状態が付与される(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態へと移行する)。また、大当たりCの終了後に付与される普通図柄の時短状態は、特別図柄の抽選が100回終了するまで継続する。
一方、第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜99」の範囲には、大当たりDが対応付けられて規定されている(図68(a)の202b2参照)。なお、この大当たりDは、特別遊技状態(大当たり状態)が15ラウンド継続する大当たりである。また、大当たりDの終了後には、付加価値として特別図柄の特別図柄の確変状態が付与される(特別図柄の確変状態へと移行する)。また、大当たりDの終了後に付与される特別図柄の確変状態は、次回の大当たりまで継続する。
このように、第2実施形態のパチンコ機10では、当選した大当たり種別によって、大当たり終了後の遊技状態が予め定められている。即ち、第1実施形態におけるパチンコ機10よりも一般的な構成を採用している。これに伴って、第2実施形態では、第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容を変更している。
次に、図68(b)を参照して、第2実施形態におけるRAM203の規定内容について説明する。図68(b)に示した通り、第2実施形態におけるRAM203は、第1実施形態におけるRAM203に設けられていた確変設定フラグ203h、確変通過カウンタ203i、入賞個数カウンタ203j、動作カウンタ203k、残球タイマフラグ203m、残球タイマ203n、確変有効フラグ203o、確変有効タイマ203p、および排出個数カウンタ203qが削除されている。これらの構成は、第2特定入賞装置650において大当たり終了後に特別図柄の確変状態へと移行させるか否かを判別することに関連して設けられていた構成だからである。つまり、本実施形態では、大当たり種別に応じて、予め大当たり終了時に設定する遊技状態が定められており、特別遊技状態中(大当たり状態中)に特別図柄の確変状態へと移行させるか否かの判断を行わないので、本実施形態において上記各構成を用いる必要がない。
また、図68(b)に示した通り、第2実施形態におけるRAM203には、解除フラグ203sが設けられている。この解除フラグ203sは、遊技者が解除ボタン800を押下(操作)し、貯留弁704aが開放状態に設定されているか否か(貯留弁704aの上部に球を貯留できる状態が解除されているか否か)を示すフラグである。この解除フラグ203sは、貯留弁704aの状態を閉鎖状態から開放状態へと切り替えた場合にオンに設定される(図71のS4008参照)。一方、貯留弁704aの状態が開放状態から閉鎖状態へと切り替えられた場合に、オフに設定される(図71のS4004参照)。
次に、図67に戻り、第2実施形態における音声ランプ制御装置113におけるRAM223の構成について説明する。図67に示した通り、本実施形態におけるRAM223では、第1実施形態におけるRAM223に設けられていた入賞回数カウンタ223jが廃止されていると共に、貯留状態フラグ223k、および流下時間カウンタ223kが追加されている。
貯留状態フラグ223kは、貯留弁704aが開放(解除)状態に設定されているか否かを示すフラグである。この貯留状態フラグ223kがオンであれば、貯留弁704aが閉鎖され、その上部に球を貯留できる状態となっていることを示す。一方、貯留状態フラグ223kがオフであれば、貯留弁704aが開放(解除)状態に設定され、誘導流路704を球が流下可能な状態となっていることを示す。この貯留状態フラグ223kは、主制御装置110から貯留状態コマンドを受信する度に、そのコマンドにより示される貯留状態に対応した値へと更新される(図72のS1922参照)。音声ランプ制御装置113では、この貯留状態フラグ223kに基づいて貯留弁704aの設定を判別し、貯留弁704aに対して異常が生じていないかどうかを判定する。
流下時間カウンタ223kは、貯留弁704aの状態を切り替える直前に誘導流路704、誘導流路706、または誘導流路708へと流入した球がいずれかの入球口(一般入賞口701、一般入賞口702、アウト口703d、またはアウト口703e)へと入球するまでの時間(球はけ時間)をカウントするためのカウンタである。球はけ期間をカウントしておくことで、一般入賞口(中価値入賞口)701、一般入賞口(大価値入賞口)702、アウト口(小価値入賞口)703d、またはアウト口(小価値入賞口)703eへと球が入球した場合に、その入球が正常な動作であるか否かをより正確に判別することができる。この流下時間カウンタ233kは、主制御装置110より貯留状態コマンドを受信する度に1秒に対応するカウンタ値が設定される(図72のS1923参照)。また、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図42参照)が実行される度に1ずつ減算される。
本実施形態では、貯留弁704aが閉鎖された状態で、貯留弁704aの下流に設けられた一般入賞口(中価値入賞口)701へと球が入球したり、貯留弁704aが開放された状態で一般入賞口(大価値入賞口)702、アウト口(小価値入賞口)703d、およびアウト口(小価値入賞口)703eへと球が入球した場合には、警告画像(図7(b)参照)が表示されるように構成されている。しかし、貯留弁704aが開放状態から閉鎖状態へと切り替わる直前に球が誘導流路704へと球が流入した場合は、貯留弁704aが閉鎖状態へと切り替わってから球が一般入賞口(中価値入賞口)701へと入球する場合がある。同様に、貯留弁704aが閉鎖状態から開放状態へと切り替わる直前に誘導流路706、または誘導流路708へと球が流入した場合は、貯留弁704aが開放状態へと切り替わってから球が一般入賞口(大価値入賞口)702やアウト口(小価値入賞口)703d、アウト口(小価値入賞口)703eへと入球する場合がある。これらを正常な入球であると扱う(警告画像を表示させない)ために、本実施形態では、貯留弁704aの状態を切り替えた場合に、流下時間カウンタ233kに対して所定期間(1秒)に対応するカウンタ値を設定する。そして、カウンタ値として設定した1秒間が経過するまでは、球が一般入賞口(中価値入賞口)701、一般入賞口(大価値入賞口)702、アウト口(小価値入賞口)703d、またはアウト口(小価値入賞口)703eへと入球した場合に、正常な動作であると判別する(警告画像を表示しない)ように構成されている。
<第2実施形態における主制御装置の制御処理について>
次いで、図69〜図71を参照して、第2実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種処理について説明する。本実施形態では、メイン処理(図69参照)の内容が第1実施形態から変更されている。以下では、このメイン処理(図69参照)の中で実行される各種処理の説明のみを行い、第1実施形態から変更されていないその他の処理については、その詳細な説明を省略する。
まず、図69を参照して、第2実施形態における主制御装置110のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図69は、このメイン処理を示すフローチャートである。第1実施形態と同様に、このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。
本実施形態におけるメイン処理(図69参照)では、第1実施形態におけるメイン処理(図34参照)に対して、大当たり制御処理(図35参照)に代えて、大当たり制御処理2(図70参照)が実行される点で相違する。また、第2図柄表示更新処理(S1007)が終了した後で、貯留弁704aの開放および閉鎖を設定するための貯留制御処理(S1022)が実行される点でも相違している。また、第1実施形態におけるエラーコマンド処理(図39参照)に代えて、エラーコマンド処理2(S1023)が実行される点でも相違している。その他の処理については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
次に、図70を参照して、本実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される大当たり制御処理2(S1021)について説明する。図70は、この大当たり制御処理2(S1021)を示したフローチャートである。この大当たり制御処理2(S1021)は、メイン処理(図69参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別遊技状態(大当たり状態)である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、第1特定入賞口(第1大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
この大当たり制御処理2(S1021)のうち、S1101,S1102,S1104,S1105、およびS1109の各処理では、第1実施形態における大当たり制御処理(図35参照)のS1101,S1102,S1104,S1105、およびS1109の各処理と同一の処理が実行される。また、本実施形態における大当たり制御処理2では、第1実施形態におけるS1103の処理(貯留弁の開放を設定する処理)が廃止されている。第2実施形態では、遊技者が解除ボタン800を操作することに基づいて貯留弁704aを開放状態に設定するので、特別遊技状態(大当たり状態)であるか否かに関係なく貯留弁704aの状態が切り替わるためである。
また、本実施形態における大当たり制御処理2では、S1105の処理により新たなラウンドの開始タイミングであると判別された場合に(S1105:Yes)、第1特定入賞口(第1大開放口)65aの開放を設定し(S1121)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定して(S1122)、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図69参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1105の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでないと判別した場合は(S1105:No)、第1特定入賞口(第1大開放口)65aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1123)。具体的には、第1特定入賞口(第1大開放口)65aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、第1特定入賞口(第1大開放口)65aを開放した後に球が所定数(例えば、10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。
S1123の処理において、第1特定入賞口(第1大開放口)65aの閉鎖条件が成立したと判別した場合には(S1123:Yes)、第1特定入賞口(第1大開放口)65aを閉鎖して(S1124)、本処理を終了する。一方、第1特定入賞口(第1大開放口)65aの閉鎖条件が成立していない場合には(S1123:No)、エンディング演出の開始タイミングであるかを判定する(S1109)。具体的には、特別遊技状態(大当たり状態)の15ラウンドが終了した場合に、エンディング演出の開始タイミングであると判定する。
S1109の処理において、エンディング演出の開始タイミングであると判定した場合には(S1109:Yes)、まず、エンディングコマンドを設定する(S1125)。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図69参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
S1125の処理が終了すると、次いで、今回の大当たりが大当たりD(確変大当たり)であるか否かを判別し(S1126)、大当たりDでない(即ち、大当たりCである)と判別した場合は(S1126:No)、時短中カウンタ203rの値に100を設定して(S1127)、本処理を終了する。時短中カウンタ203rに100を設定することにより、大当たりの終了後に特別図柄の抽選が100回終了するまで普通図柄の時短期間とすることができる。
一方、S1126の処理において、今回の大当たりが大当たりD(確変大当たり)であると判別した場合は、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態を付与するために、確変フラグ203gをオンに設定して(S1128)、本処理を終了する。また、S1109の処理において、エンディングの開始タイミングでない場合には(S1109:No)、本処理を終了する。即ち、第1実施形態における入賞処理(S1111、図38参照)や、異常処理(S1112、図39参照)は、本実施形態の大当たり制御処理2において実行されない。
大当たり制御処理2(図70参照)を、第1実施形態における大当たり制御処理(図35参照)に対して上記のように相違させることで、大当たり中に開放される入賞口が1つのみ設けられ、大当たり種別に応じて大当たり終了後の状態が予め定められているパチンコ機(即ち、より一般的なパチンコ機)に対して本発明を適用することができる。
次に、図71を参照して、主制御装置110のMPU201により実行される貯留制御処理(S1022)について説明する。図71は、この貯留制御処理(S1022)を示すフローチャートである。この貯留制御処理(S1022)は、上述した通り、貯留弁704aの開放および閉鎖を設定するための処理である。
貯留制御処理では、まず、解除フラグ203sがオンであるか否かを判別し(S4001)、オンであると判別した場合は(S4001:Yes)、貯留弁704aが開放されている(貯留装置700に球を貯留できる状態が解除されている)ことを意味するので、次いで、解除ボタン800を遊技者が押下(操作)しているか否かを判別する(S4002)。即ち、押下検出信号を検出したか否か判別する。
S4002の処理において、解除ボタン800の押下(操作)を検出した(即ち、押下検出信号を検出した)と判別した場合は(S4002:Yes)、貯留弁704aを開放状態に保っておくために、そのまま本処理を終了する。一方、解除ボタン800の押下(操作)を検出していない(即ち、押下検出信号を検出していない)と判別した場合は(S4002:No)、貯留弁704aを閉鎖するために、貯留装置用ソレノイド610をオフに設定する(S4003)。そして、貯留弁704aの閉鎖が設定されたことを示すために、解除フラグ203sをオフに設定し(S4004)、貯留弁704aが閉鎖状態となったことを音声ランプ制御装置113に対して通知するために、貯留弁704aの閉鎖状態に対応する貯留状態コマンドを設定して(S4005)、本処理を終了する。
ここで設定された貯留状態マンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図69参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、閉鎖状態に対応する貯留状態コマンドを受信すると、閉鎖状態に対応する背面種別に設定するための表示用背面画像変更コマンドを表示制御装置114に対して出力する。表示制御装置114は、表示用背面画像変更コマンドに基づいて、背面画像を変更する。即ち、図63(a)に示したように、小領域Ds2に対して「ボタンを押すとゲート開放!」との文字が表示される態様に設定される。これにより、遊技者に対して解除ボタン800を押下することにより貯留弁704aを開放状態に設定できると容易に認識させることができる。
一方、S4001の処理において、解除フラグ203sがオフであると判別した場合は(S4001:No)、貯留弁704aが閉鎖されている(貯留装置700に球を貯留できる状態が設定されている)ことを意味するので、次いで、解除ボタン800を遊技者が押下(操作)しているか否かを判別する(S4006)。即ち、押下検出信号を検出したか否か判別する。
S4006の処理において、解除ボタン800の押下(操作)を検出していない(即ち、押下検出信号を検出していない)と判別した場合は(S4006:No)、貯留弁704aを閉鎖状態に保っておくために、そのまま本処理を終了する。一方、解除ボタン800の押下(操作)を検出した(即ち、押下検出信号を検出した)と判別した場合は(S4006:Yes)、貯留弁704aを開放するために、貯留装置用ソレノイド610をオンに設定する(S4007)。そして、貯留弁704aの開放が設定されたことを示すために、解除フラグ203sをオンに設定し(S4008)、貯留弁704aが開放状態となったことを音声ランプ制御装置113に対して通知するために貯留弁704aの開放状態に対応する貯留状態コマンドを設定して(S4009)、本処理を終了する。
ここで設定された貯留状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図69参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、解除状態に対応する貯留状態コマンドを受信すると、解除状態に対応する背面種別に設定するための表示用背面画像変更コマンドを表示制御装置114に対して出力する。表示制御装置114は、表示用背面画像変更コマンドに基づいて、背面画像を変更する。即ち、図63(b)に示したように、小領域Ds2に対して「ゲート開放中」との文字が表示される態様に設定される。これにより、遊技者に対して貯留弁704aが開放状態であると容易に認識させることができる。
この貯留制御処理を実行することにより、解除ボタン800の操作状況に応じて、貯留弁704aの開放または閉鎖を設定することができる。これにより、遊技者の任意のタイミングで、貯留弁704aの上部へと球を貯留することにより、一般入賞口(大価値入賞口)702、またはアウト口(小価値入賞口)703d,703eのいずれかに球が入球する状態と、貯留装置700へと流入(入球)した球が、一般入賞口(中価値入賞口)701へ向けて流下する状態とを切り替えることができる。
<第2実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次いで、図72〜図75を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置114のMPU221により実行される各種処理について説明する。本実施形態では、コマンド判定処理(図72参照)の内容が第1実施形態におけるコマンド判定処理(図43参照)から一部変更されている。以下では、このコマンド判定処理(図72参照)についての説明のみを行い、第1実施形態から変更されていないその他の処理については、その詳細な説明を省略する。
図72は、本実施形態におけるコマンド判定処理(1811)を示すフローチャートである。このコマンド判定処理において、S1901〜S1911、およびS1913〜S1919の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるコマンド判定処理(図43参照)のS1901〜S1911、およびS1913〜S1919の各処理と同一の処理がそれぞれ実行される。
また、本実施形態におけるコマンド判定処理(図72参照)では、S1911の処理において入賞情報コマンドを受信したと判別された場合に(S1911:Yes)、貯留弁704aにおいて故障等の不具合の有無を判別し、不具合が生じている場合に警告を行う警告処理を実行し(S1921)、本処理を終了する。
また、本実施形態におけるコマンド判定処理(図72参照)では、S1916の処理においてエンディングコマンドを受信していない判別された場合に(S1916:No)、次いで、貯留状態コマンドを受信したか否かが判別される(S1922)。そして、貯留状態コマンドを受信したと判別した場合は(S1922:Yes)、貯留状態コマンドにより通知された貯留弁704aの状態に応じて、貯留状態フラグ223kを更新する(S1923)。具体的には、貯留弁704aの状態として閉鎖状態(貯留状態)が通知された場合は、貯留状態フラグ223kをオンに設定し、貯留弁704aの状態として開放状態(解除状態)が通知された場合は、貯留状態フラグ223kをオフに設定する。なお、貯留状態フラグ223kが更新されると、あわせて更新後の貯留状態に対応した背面画像(図63(a),(b)参照)を設定することにより、第3図柄表示装置81の表示内容を更新する。
S1923の処理が終了すると、流下時間カウンタ223lに対して1秒間に対応するカウンタ値を設定して(S1924)、本処理を終了する。この流下時間カウンタ223lに対して設定された球はけ時間を用いることにより、貯留弁704aにおいて不具合の有無を正確に判別することができる。なお、S1922の処理において、貯留状態コマンドを受信していないと判別した場合は(S1922:No)、処理をS1919へと移行する。
このように、本実施形態におけるコマンド判定処理(図72参照)では、主制御装置110より解除状態コマンドや閉鎖状態コマンドに応じて、貯留弁704aの状態を第3図柄表示装置81に対して表示させるためのコマンドを表示制御装置114に対して設定することができる。これにより、遊技者に対して貯留弁704aの状態を容易に認識させることができる。
次に、図73のフローチャートを参照して、第2実施形態におけるコマンド判定処理(図72参照)の中で実行される警告処理(S1921)について説明する。この警告処理(S1921)は、上述した通り、貯留弁704aにおいて故障等の不具合の有無を判別し、不具合が生じている場合に警告を行うための処理である。
警告処理(S1921)では、まず、貯留状態フラグ223kがオンであるか否かを判別し(S4101)、オンであれば(S4101:Yes)、次いで、流下時間カウンタ223lの値が0であるか否かを判別する(S4102)。そして、流下時間カウンタ223lの値が0であると判別した場合は(S4102:Yes)、貯留弁704aが閉鎖状態(貯留状態)に設定され、球はけ期間が経過していることを意味するので、貯留弁704aの閉鎖状態(貯留状態)において不具合を報知するための貯留時報知処理を実行して(S4103)、本処理を終了する。また、S4102の処理において流下時間カウンタ223lの値が0でないと判別した場合は(S4102:No)、現在が貯留弁704aを閉鎖状態に設定したことに伴う球はけ期間中であることを意味するので、S4103の処理をスキップし、そのまま本処理を終了する。
ここで、上述した貯留時報知処理(S4103)の詳細について、図74のフローチャートを参照して説明する。貯留時報知処理(S4103)では、まず、通知された入賞情報コマンドに一般入賞口(中価値入賞口)701への入球に対応する入賞情報が含まれるか否かを判別し(S4201)、一般入賞口(中価値入賞口)701への入球に対応する入賞情報が含まれていなければ(S4201:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、一般入賞口(中価値入賞口)701への入球に対応する入賞情報が含まれていれば(S4201:Yes)、貯留弁704aが閉鎖状態(貯留状態)に設定されているにもかかわらず、貯留弁704aの下流に球が流下して一般入賞口(中価値入賞口)701へと入球していることを意味する。つまり、貯留弁704aの閉鎖を設定しているにもかかわらず貯留弁704aが正常に閉鎖されていないことを意味するので、貯留弁704aの不具合に対応する表示用エラーコマンドを設定し(S4202)、本処理を終了する。
ここで設定された表示用エラーコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図42参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用エラーコマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81において貯留弁704aに不具合が生じていることを報知するための警告画像(図7(b)参照)が表示される。この警告画像(図7(b)参照)を表示することにより、遊技者やホールの店員に対して、容易に不具合の発生を気づかせることができるので、不具合を迅速に解消させることができる。
図73に戻って説明を続ける。S4101の処理において、貯留状態フラグ223kがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S4101:No)、流下時間カウンタ223lの値が0であるか否かを判別し(S4104)、0でない(即ち、1以上である)と判別した場合は(S4104:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、流下時間カウンタ223lの値が0であると判別した場合は(S4104:Yes)、貯留弁704aが開放状態(解除状態)に設定され、球はけ期間が経過していることを意味するので、貯留弁704aの開放状態(解除状態)において不具合を報知するための解除時報知処理を実行して(S4105)、本処理を終了する。この解除時報知処理(S4105)について、図75を参照して説明する。
図75は、解除時報知処理(S4105)を示すフローチャートである。この解除時報知処理(S4105)では、まず、受信した入賞情報コマンドに、一般入賞口(大価値入賞口)702への入球に対応する入賞情報が含まれるか否かを判別し(S4301)、一般入賞口(大価値入賞口)702への入球に対応する入賞情報が含まれていれば(S4301:Yes)、処理をS4303へと移行する。
一方、S4301の処理において、一般入賞口(大価値入賞口)702への入球に対応する入賞情報が含まれていないと判別した場合は(S4301:No)、次いで、入賞情報コマンドに、アウト口(小価値入賞口)703d,703eへの入球に対応する入賞情報が含まれているか否かを判別し(S4302)、アウト口(小価値入賞口)703d,703eへの入球に対応する入賞情報が含まれていなければ(S4302:No)、そのまま本処理を終了する。
S4302の処理において、アウト口(小価値入賞口)703d,703eへの入球に対応する入賞情報が含まれていると判別した場合は(S4302:Yes)、処理をS4303へと移行する。入賞情報コマンドに、一般入賞口(大価値入賞口)702への入球に対応する入賞情報が含まれている場合(S4301:Yes)、または、アウト口(小価値入賞口)703d,703eへの入球に対応する入賞情報が含まれている場合(S4302:Yes)に実行されるS4303の処理では、貯留弁704aの不具合に対応する表示用エラーコマンドを設定し(S4303)、本処理を終了する。貯留弁704aが開放状態(解除状態)に設定されている場合は、貯留装置700へと流入した球が誘導流路704を流下するので、一般入賞口(大価値入賞口)702、または、アウト口(小価値入賞口)703d,703eへと球が入球するのは貯留弁704aが正常に開放されていない可能性が高いためである。
ここで設定された表示用エラーコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図42参照)のコマンド出力処理(S1802)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用エラーコマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81において貯留弁704aに不具合が生じていることを報知するための警告画像(図7(b)参照)が表示される。この警告画像(図7(b)参照)を表示することにより、遊技者やホールの店員に対して、容易に不具合の発生を気づかせることができるので、不具合を迅速に解消させることができる。
以上説明した通り、本実施形態におけるパチンコ機10では、球をその内部に貯留することができる貯留装置700が設けられている。この貯留装置700は、その内部に複数の流路(誘導流路704,706,708)が設けられており、それぞれ異なる入球口へと球を流下させることができるように構成されている。また、誘導流路704には流路を閉鎖すること可能な貯留弁704aが設けられている。この貯留弁704aにより誘導流路704が閉鎖されると、その上部に球を1球貯留(保持)しておくことができる。
また、貯留弁704aが開放された状態では、貯留装置700へと流入した球が誘導流路704を流下する(誘導流路706、および誘導流路708に比較して、誘導流路704へと球が流入しやすくなる)ように構成されているので、誘導流路704の下流に設けられている一般入賞口(中価値入賞口)701へと球を入球させることができる。よって、貯留装置700へと球を流入させることにより、一般入賞口(中価値入賞口)701への入球に基づく賞球の払い出しを安定して受けることができる。
一方、貯留弁704aが閉鎖され、その上部に球が貯留された状態では、その貯留された球に対して貯留装置700へと流入した球が干渉(接触)することにより、誘導流路706、または誘導流路708のいずれかの方向へと反発する。即ち、流下方向が反発により変化することで、払い出される賞球数が多い一般入賞口(大価値入賞口)702、または賞球が払い出されないアウト口(小価値入賞口)703d,703eのいずれかに入球する。よって、遊技者に対して、球が一般入賞口(大価値入賞口)702へと入球することを期待させながら遊技を行わせることができる。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技盤へと打ち出された球を一時的に保留する保留装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機の中には、保留された球を遊技者の操作により遊技盤へと放出し、その進行方向に設けられた所定の入賞口に入球させることができるものがある(例えば、特開2003−190443号公報)。
しかしながら、従来型の遊技機では、保留装置を用いて放出された球を所定の入賞口に入球させるだけであり、遊技者の興趣を向上させにくいという問題があった。
これに対して、本実施形態では、遊技者が解除ボタン800(図67参照)を操作することにより、その操作が行われている間貯留弁704aを開放状態に設定することができる。即ち、貯留弁704aを閉鎖状態のままとすることにより、一般入賞口(大価値入賞口)702、アウト口(小価値入賞口)703d,703eのいずれにも球が入球する可能性がある状態(賞球を多く獲得できる可能性もあるが、賞球が得られない可能性もあるギャンブル性の高い状態)とすることができる。また、貯留弁704aを開放状態に設定することにより、貯留装置700へと流入した球を一般入賞口(中価値入賞口)701へと入球させることができる状態(少量ではあるが安定して賞球を獲得できる状態)とすることができる。よって、解除ボタン800(図67参照)を操作するか否かにより、パチンコ機10の遊技性を遊技者によって切り替えさせることができるので、各遊技者が、自己の趣向に合った遊技性を選択して遊技を行うことができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本実施形態では、貯留弁704aの状態の切り替えを解除ボタン800により遊技者の任意のタイミングで行うことができるように構成しているが、これに限られるものではない。例えば、経過時間や現在時刻、設置日数等に応じて貯留弁704aの状態を切り替えてもよい。これにより、各遊技者に対して、貯留弁704aが自分の趣向に合った状態となっている期間に遊技を開始させることができる。また、貯留弁704aの状態を、定期的に、或いは不定期に行われる抽選の結果に基づいて切り替えるように構成してもよい。例えば、貯留弁704aが基本的に閉鎖状態(貯留状態)となるように構成し、1分に1回の頻度で開放状態(解除状態)に切り替えるか否かの抽選を実行するように構成してもよい。
また、抽選に当選した場合は、例えば10秒間貯留弁704aが開放されるように構成してもよい。これにより、釘709a,709bの調整具合により、貯留弁704aが閉鎖された状態において球がアウト口(小価値入賞口)703d,703eへと入球し易くなっている場合には、抽選により貯留弁704aが開放されることを期待して遊技を行わせることができる。一方、釘709a,709bの調整具合により、貯留弁704aが閉鎖された状態において球が一般入賞口(大価値入賞口)702へと入球し易くなっている場合には、抽選に外れ続け、貯留弁704aが閉鎖され続けることを期待して遊技を行わせることができる。更に、貯留弁607aを開放状態(解除状態)に設定するか否かの抽選の抽選確率を、ホールの店員等が調節できるように構成してもよい。これにより、複数のパチンコ機10の中から遊技者が遊技を行う台を1台選択する場合に、抽選確率が良い設定となっている台を予測して台選びを行わせることができる。よって、ホールの抽選確率を設定する際の癖等を考慮してパチンコ機10を選択させることができるので、遊技を開始する前の台選びの段階で、遊技者の興趣を向上させることができる。
本実施形態では、貯留弁704aが閉鎖されている場合に球が流下し得る流路を誘導流路706と誘導流路708の2種類としていたが、これに限られるものではない。より多くの流路、および入賞口を設けておいてもよい。また、各入賞口へと球が入球した場合に払い出される賞球数により多くのバリエーションを持たせてもよい。これにより、貯留弁704aが閉鎖されている場合に、獲得できる賞球数のランダム性を高めることができるので、遊技者に対して貯留装置700へと入球した球の流下方向をより興味深く観察させることができる。
また、貯留弁704aが開放されている場合に球が流下可能な流路を複数設けておいてもよい。そして、各流路を流下した場合に、それぞれ異なる個数の賞球が払い出される入球口を設けておいてもよい。これにより、貯留弁704aが開放された状態であっても、払い出される賞球の個数にランダム性を持たせることができるので、遊技者に対して貯留装置700へと入球した球の流下方向をより興味深く観察させることができる。
本実施形態では、第2入球口640の下流に貯留装置700を設ける構成としているが、配置を逆転させてもよい。貯留装置700を上流に設ける構成とすることにより、貯留装置700へと球が流入しやすくなるように構成できる。
本実施形態では、特別遊技状態(大当たり状態)において開放される入賞口として、第1特定入賞口65aのみを設けていたが、第1実施形態と同様に複数の入賞口を設けてもよい。
本実施形態では、解除ボタン800を押下(操作)している期間中にのみ貯留弁704aが開放されるように構成したが、これに限られるものではない。例えば、解除ボタン800の押下(操作)を検出した場合に、所定時間(例えば、5秒間)貯留弁704aが開放状態に設定されるように構成してもよい。この場合において、貯留弁704aが開放されている所定期間中は、解除ボタン800の操作を受け付けないように構成してもよい。これにより、貯留弁704aを開放させておくために、解除ボタン800を押下し続ける必要がなくなる。また、解除ボタン800を押下(操作)する度に、閉鎖状態(貯留状態)と開放状態(解除状態)とが切り替わるように構成してもよい。このように構成することで、状態を切り替えたい場合にのみ解除ボタン800を操作すればよいので、遊技者の操作回数を減らすことができる。また、解除ボタン800とは逆に、操作することで貯留弁704aが閉鎖される操作手段を設けておいてもよい。このように構成しても、本実施形態と同様に、各遊技者に対して自己の趣向に合った遊技性を選択させることができる。
本実施形態では、貯留弁704aの状態を副表示領域Dsにおける小領域Ds2に対して文字により表示していたが、貯留弁704aの状態を遊技者に対して通知する態様は、これに限られるものではない。例えば、貯留弁704aの状態に応じて、貯留弁704aが開放された状態の実写画像、または閉鎖された状態の実写画像のいずれかを表示させるように構成してもよい。また、貯留弁704aの状態を示す表示は小領域Ds2以外の表示領域に表示させてもよい。更に、本実施形態では、貯留弁704aの状態を示す表示を背面画像として表示させるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、第3図柄よりも手前側に表示させるように構成してもよい。また、貯留弁704aの状態に応じて第3図柄の態様を変更し、第3図柄の態様に応じて貯留弁704aの状態を認識させるように構成してもよい。
本実施形態では、貯留弁704aの開放および閉鎖を主制御装置110のMPU201により制御するように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、音声ランプ制御装置113のMPU221により貯留弁704aの制御を行ってもよい。より具体的には、貯留装置用ソレノイド610を音声ランプ制御装置113の入出力ポート225と電気的に接続してもよい。そして、主制御装置110より解除状態コマンドを受信した場合に貯留弁704aを開放状態に切り替えるように制御し、閉鎖状態コマンドを受信した場合に閉鎖状態に切り替えるように制御してもよい。これにより、主制御装置110のMPU201の処理負荷を軽減することができる。よって、遊技に関する主要な処理である、変動演出の選択処理や、特別図柄の抽選処理等を遅滞なく実行することができる。
本実施形態におけるパチンコ機10では、一般的な遊技機には搭載されていない特異な構成である貯留装置700を設けているので、この貯留装置700に関わる遊技性を説明する演出を設けておいてもよい。より具体的には、例えば、背面画像として貯留装置700の画像を表示させ、貯留弁704aが開放される条件と、開放された場合のメリット、デメリットとを説明する画像(説明画像)を表示するように構成してもよい。これにより、遊技者が容易に遊技性を理解することができる。また、説明画像が表示される背面種別は、枠ボタン22を押下(操作)することにより背面種別を切り替えることができるように構成してもよい。これにより、パチンコ機10での遊技に慣れ、十分に遊技性を理解している遊技者は、説明画像が表示されない背面種別に変更することができる。
本実施形態では、左打ちにより第1特定入賞口65aへと球が入球するように第1入球口64の正面視下方に第1特定入賞口65aが設けられていたが、これに限られるものではない。例えば、第1実施形態と同様に貯留装置700の下流に第1特定入賞口65aを設けてもよい。これにより、特別遊技状態(大当たり状態)において右打ちを行うだけで第1特定入賞口65aと、貯留装置700とに球を流入させることができるので、特別遊技状態(大当たり状態)における賞球をより多くすることができる。よって、遊技者の大当たりに対する期待感を向上させることができる。
本実施形態では、貯留弁704aの上部に貯留された球と、貯留装置700に対して新たに流入した球とが干渉(接触)した場合に、その新たに流入した球が流下する流路がランダムとなるように構成していた。つまり、貯留弁704aの上部に球が貯留されている状態において、貯留装置700へと新たに流入した球が誘導流路706と、誘導流路708とに振り分けられる割合が略同一となるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、貯留弁704aの幅を広くして(例えば、球の直径の1.5倍の幅として)、貯留弁704aの上部に貯留された球が正面視右寄り、または正面視左寄りの位置を取り得るように構成してもよい。球が貯留弁704aの上部において正面視左寄りに配置された場合は、新たに貯留装置700へと流入した球が、貯留されている球の右側面へと衝突しやすくなる。よって、新たに貯留装置700へと流入した球が正面視右側へと反発されやすくなるので、球が誘導流路708を流下しやすくなる。上述した通り、誘導流路708の下流には、アウト口(小価値入賞口)703d,703eが設けられているので、遊技者は賞球を獲得することができない(遊技者にとって不利となる)。一方、球が貯留弁704aの上部において正面視右寄りに配置された場合は、新たに貯留装置700へと流入した球が、貯留されている球の左側面へと衝突しやすくなる。よって、新たに貯留装置700へと流入した球が正面視左側へと反発されやすくなるので、球が誘導流路706を流下しやすくなる。上述した通り、誘導流路708の下流には、一般入賞口(大価値入賞口)702が設けられているので、遊技者は比較的多量の賞球を獲得することができる(遊技者にとって有利となる)。このように、貯留弁704aの上部に貯留される球の配置によって、遊技者にとって有利な状態と不利な状態とを形成することができるので、貯留弁704aが閉鎖されている状態において貯留弁704aの上部に貯留された球の配置を意識させることができる。よって、球の配置が不利な配置であれば(即ち、球が正面視左寄りに貯留されていれば)、解除ボタン800を押下(操作)することにより貯留弁704aを開放(解除)させることができる。また、球の配置が有利な配置であれば(即ち、球が正面視右寄りに貯留されていれば)、遊技者に対して球の配置を維持したまま遊技を継続したいと思わせることができる。従って、貯留装置700内に貯留された球の配置に応じて解除ボタン800を押下するか否かを判断する楽しみを与えることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第1実施形態の変形例>
次に、図76〜図85を参照して、上記第1実施形態におけるパチンコ機10の変形例について説明する。上述した第1実施形態では、第2特定入賞口650aの状態(開放状態、または閉鎖状態)と、貯留装置600に設けられた貯留弁607aの状態(開放状態、または閉鎖状態)とを互いに独立して設定可能に構成し、特典遊技状態(大当たり状態)において、常に貯留弁607aが開放状態となるように制御される一方で、第2特定入賞口650aは、12ラウンドにおける所定期間(図16に示す、大当たり種別毎に規定されている開放期間)にのみ開放状態に設定されるように構成されていた。また、第2可変入賞装置650の内部には2種類の流路(誘導流路652、および誘導流路653)が設けられており、球が誘導流路652を流下した場合にのみ、その誘導流路652の下流に設けられた確変入球口654へと入球可能に構成されていた。即ち、大当たり中に球が第2特定入賞口650aへと入球したとしても、その球が誘導流路652を流下しなければ大当たり終了後に特別図柄の確変状態へと移行しないように構成されていた。
これに対して本変形例では、第1実施形態の第2特定入賞口650aを開閉する部材と、貯留弁607aとに代えて、スライド部材900を用いることにより第2特定入賞口650a、および貯留装置600の状態を切り替え可能に構成している。即ち、一部材で第2特定入賞口650aの開閉動作と、貯留装置600内の誘導流路607の開閉制御とを行えるように構成し、互いに連動して状態が切り替わるように構成している。つまり、第2特定入賞口650aが開放状態になると、誘導流路607(一般入賞口602)も開放状態となり、第2特定入賞口650aが閉鎖状態になると、誘導流路607(一般入賞口602)も閉鎖状態となるように構成されている。このように構成した場合、第2特定入賞口650aと、一般入賞口602と(即ち、スライド部材900により大当たり中に開放される入賞口)を、共に大当たり中に賞球を得るための入賞口として取り扱うことができる。
また、第2可変入賞装置650の内部には、確変入球口654へと続く誘導流路652のみが設けられており、流路切替弁650dや、誘導流路653、および通常入球口655は廃止されている。即ち、第2特定入賞口650aへと球を入球させることができれば、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態へと移行するように構成されている。また、大当たり種別に応じて12ラウンド目に開放される入賞口を変更するように構成されている。つまり、12ラウンド目に第2特定入賞口650aと、一般入賞口(大価値入賞口)602とが開放状態に設定される大当たり(Vルート開放大当たり)と、大当たりの全てのラウンドで第1特定入賞口65aが開放状態に設定される(大当たり中に第2特定入賞口650a、および一般入賞口(大価値入賞口)602が開放されることがない)大当たり(Vルート閉鎖大当たり)とが設けられている。
これらの第1実施形態からの変更に伴い、大当たりの各ラウンドの終了条件も変更している。具体的には、大当たりの1〜11ラウンド、および13〜15ラウンドでは、第1特定入賞口65a、第2特定入賞口650a、および一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球した球が合計で10個となるか、或いはラウンドが開始されてから30秒が経過した場合に、ラウンド遊技が終了する(第1特定入賞口65aが閉鎖される)ように変更されている。また、12ラウンドにおいては、第1特定入賞口65a、第2特定入賞口650a、および一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球した球が合計で10個となるか、或いは、ラウンドが開始されてから30秒が経過した場合に、ラウンド遊技が終了する(第2特定入賞口650aと、一般入賞口602とが閉鎖される)ように変更されている。
この第1実施形態の変形例におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、第2特定入賞口650aの状態を切り替えるための部材と(閉鎖部910)、誘導流路607の状態を切り替えるための部材(球貯留部920)とが一部材(スライド部材900)で構成されている点、第2特定入賞口650aへと球が入球した場合に払い出される賞球数が3個に変更となっている点(第1実施形態では15個)、ROM202の内容が一部変更されている点、および主制御装置110のMPU201により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201により実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231により実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図76を参照して、本変形例のパチンコ機10において、Vルート開放大当たり(大当たりF)の12ラウンド目において第3図柄表示装置81に対して表示される画像(演出)の一例について説明する。図76に示した通り、Vルート開放大当たり(大当たりF)の12ラウンドになると、ラウンド数を表示するための表示領域714に対して「ROUND12」との文字が表示される。また、第3図柄表示装置81の正面視中央上部に対して、第2特定入賞口650aが開放されたことを報知するための表示領域717が形成される。この表示領域717には、「CHANCE!!」との文字と、「確変ルート開放中!!」との文字とが表示される。これにより、第2特定入賞口650aへと球を入球させることによって大当たりの終了後に特別図柄の確変状態へと移行することを遊技者が容易に認識することができる。なお、少年のキャラクタ710等のその他の表示内容に関しては、第1実施形態におけるパチンコ機10において表示される表示内容(図6(a)参照)と同一なので、その詳細な説明については省略する。
次に、図77を参照して、遊技盤13の右側に設けられている経路(流路)の下流側の構成について説明する。図77に示した通り、遊技盤13の右側に設けられている経路(流路)の下流側には、第1実施形態と同様に貯留装置600と、第1可変入賞装置65と、第2可変入賞装置650とが設けられている。また、第2可変入賞装置650の第2特定入賞口650aを開放または閉鎖するための部材(閉鎖部910)貯留装置600の流路を開放、または閉鎖するための部材(球貯留部920)とが一直線上に並ぶように配設されている。詳細については後述するが、これは、閉鎖部910と球貯留部920とが、共にスライド部材の一部分だからである。
また、貯留装置600の入り口部分には、釘921a、および釘921bが設けられている。ホールの店員は、例えば、ホールの開店前に釘921a,921bを調節することにより、貯留装置600へと球が流入する割合を調節することができる。貯留装置600へと流入する球の割合を変更することにより、大当たりの12ラウンド目において貯留装置600内の一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球する球の個数を可変させることができる。よって、釘921a,921bを調節して右打ちにより打ち出された球が貯留装置600へと流入しやすくなるように調節することで、大当たりにおいて遊技者が獲得できる賞球を増加させることができる。従って、遊技者の大当たり遊技に対する期待感をより向上させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
逆に、釘921a,921bを調節することにより、球が貯留装置600へと流入しにくくなるようにした場合は、貯留装置600の下流に設けられている第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aへと到達する球を増加させることができる。よって、大当たりをよりスピーディーに消化させることができる。また、12ラウンド目において第2特定入賞口650aへと入球させ易くなるので、大当たりFとなった場合に、特別図柄の確変状態へと移行させやすくすることができる。よって、大当たりが短い期間で連続する可能性が高くなるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、貯留装置600への球の流入しやすさ(第2特定入賞口650aへの入球しやすさ)を調節するための構成は、釘に限られるものではない。例えば、貯留装置600の入口に風車を設けておき、回転しやすさを調節可能にしてもよい。
次に、図78を参照して、上述した閉鎖部910と球貯留部920とを構成に含むスライド部材900について説明する。図78(a),(b)は、それぞれ遊技盤13を図77におけるLXXVIIb−LXXVIIb線で切断した場合の断面図である。ここで、スライド部材900は、遊技盤13に対して正面視奥側、または手前側へとスライド変位させることが可能に構成されており、正面視手前側へとスライド変位させることにより第2特定入賞口650a、および誘導流路607をそれぞれ閉鎖することができる。一方、スライド部材900を遊技盤13に対して正面視奥側へとスライド変位させることにより、第2特定入賞口650a、および誘導流路607をそれぞれ開放することができる。
図78(a)は、第2特定入賞口650a、および誘導流路607がそれぞれスライド部材900により閉鎖されている場合において遊技盤13の上方向から見た場合の図である。一方、図78(b)は、第2特定入賞口650a、および誘導流路607がそれぞれ開放されている場合において遊技盤13の上方向から見た場合の図である。
図78(a)に示す通り、スライド部材900は、略長方形形状のベース部930の右端部分、および左端部分からそれぞれ略長方形形状の閉鎖部910、および球貯留部920が突出した形状(略「コの字」型形状)を成している。閉鎖部910、および球貯留部920は、それぞれベース板60に空けられた開孔部940a,940bを介して、遊技盤13の手前側へ突出させたり、遊技盤13の奥側へ埋没させたりすることができる。
スライド部材900が正面視手前側へとスライド変位した状態においては、図78(a)に示した通り、閉鎖部910によって第2特定入賞口650aの上部が閉鎖されるので、球を第2可変入賞装置650の内部へと入球させることができなくなる。同様に、誘導流路607は球貯留部920によって閉鎖されるので、球を誘導流路607の下流に設けられている一般入賞口(大価値入賞口)602へと球を入球させることができなくなる。
図78(b)に示した通り、スライド部材900が遊技盤13の奥側へとスライド変位した場合、第2可変入賞装置650の上部が開放されると共に、誘導流路607も開放される。よって、球を右打ちすることにより、誘導流路607の下流に設けられた一般入賞口(大価値入賞口)602や、貯留装置600の下流に設けられた第2特定入賞口650aへと球を入球させることができる。
このように、本変形例では、第2特定入賞口650aの状態の切り替えと、誘導流路607の状態の切り替えとを、スライド部材900だけで実現することができる。よって、第1実施形態のように、第2特定入賞口650と、貯留弁607aとを別個に制御する場合に比較して、処理負荷を軽減することができる。即ち、MPU201の処理負荷を軽減することができる。特に、主制御装置110のMPU201は、特別図柄の抽選や、変動時間の決定等の、遊技において重要な処理を実行するものであるので、処理負荷の増大により処理速度が低下してしまうと、遊技に対する影響が大きくなってしまう。これに対して本変形例では、スライド部材900の導入によりMPU201の処理負荷を軽減できるので、遊技における主要な処理をより確実に実行することができる。
<第1実施形態の変形例における電気的構成について>
次いで、図79を参照して、本変形例における第1当たり種別選択テーブル202bについて説明する。上述した通り、本変形例では、第2特定入賞口650aへと球が入球した場合に、必ず確変入球口654へと球が入球するように構成されている。そして、大当たり種別として、12ラウンド目に第2特定入賞口650が開放される大当たりと、12ラウンド目に第1特定入賞口65aが開放される大当たりとが設けられている。
より具体的には、図79に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が0〜49の範囲に大当たりE(Vルート閉鎖大当たり)が対応付けられている(図79の202b1参照)。この大当たりE(Vルート閉鎖大当たり)は、15ラウンドの特別遊技状態が付与される大当たりであり、大当たりの各ラウンドにおいて第1特定入賞口65aが所定時間(30秒経過するまで、或いは、球が10球入球するまで)開放される大当たりである。即ち、特別遊技状態(大当たり状態)において第2可変入賞装置650の内部に配設された確変入球口654へと球を入球させることができないので、大当たり終了後に普通図柄の時短状態が100回付与される。
一方、第1当たり種別カウンタC2の値が50〜99の範囲には大当たりF(Vルート開放大当たり)が対応付けられている(図79の202b2参照)。この大当たりFは、15ラウンドの特別遊技状態が付与される大当たりであり、大当たりの12ラウンドにおいて第2特定入賞口650aと一般入賞口(大価値入賞口)602とが所定時間(30秒経過するまで、或いは、球が10球入球するまで)開放され、1〜11ラウンド、および13〜15ラウンドでは第1特定入賞口650aが所定時間(30秒経過するまで、或いは、球が10球入球するまで)開放される大当たりである。大当たりFでは、12ラウンド目に第2特定入賞口650aが開放されるので、12ラウンド目に球を第2特定入賞口650aへと入球させることができれば、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態が付与される。一方、12ラウンド目において右打ちを行わなかったり、右打ちを行ったにもかかわらず一般入賞口(大価値入賞口)602にばかり球が入球した結果、第2特定入賞口650aへと球が入球しないまま12ラウンドが終了した場合は、大当たりFの終了後に普通図柄の時短状態が100回付与される。
<第1実施形態の変形例における主制御装置の制御処理について>
次に、図80〜図83を参照して、第1実施形態の変形例における主制御装置110のMPU201により実行される各種処理について説明する。本実施形態では、メイン処理(図34参照)の内容が第1実施形態から変更されている。具体的には、第1実施形態のメイン処理(図34参照)において実行される大当たり制御処理(図35参照)に代えて、大当たり制御処理3(図80参照)が実行される点で相違している。以下では、この大当たり制御処理3(図80参照)の説明のみを行い、第1実施形態から変更されていないその他の処理については、その詳細な説明を省略する。
まず、図80を参照して、第1実施形態の変形例における主制御装置110のMPU201により実行される大当たり制御処理3(S1031)について説明する。図80は、この大当たり制御処理3(S1031)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理3は、大当たり状態のラウンド毎に、第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aの開放、および閉鎖を設定する処理である。
大当たり制御処理3のうち、S1101,S1102,S1104,S1105,S1109,S1110、およびS1112の各処理では、第1実施形態における大当たり制御処理(図35参照)の中で実行されるS1101,S1102,S1104,S1105,S1109,S1110、およびS1112の各処理と同一の処理が実行される。また、大当たり制御処理3(S1031)では、第1実施形態における大当たり制御処理(図35)において実行されていた、S1103,S1107,S1108の各処理が廃止されている。
更に、大当たり制御処理3(S1031)では、S1105の処理において、新たなラウンドの開始タイミングであると判別された場合に(S1105:Yes)、第1実施形態における大当たり動作設定処理(図36参照)に代えて、大当たり動作設定処理2を実行し(S1121)、本処理を終了するように構成されている。この大当たり動作設定処理2(S1121)の詳細について、図81を参照して説明する。
図81は、上述した大当たり動作設定処理2(S1121)を示すフローチャートである。この大当たり動作設定処理2(S1121)は、第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aの状態(開放状態、または閉鎖状態)を設定するため処理である。
この大当たり動作設定処理2(S1121)のうち、S1201〜S1203、およびS1206の各処理では、それぞれ第1実施形態の大当たり動作設定処理(図36参照)におけるS1201〜S1203、およびS1206の各処理と同一の処理が実行される。また、本変形例における大当たり動作設定処理2(S1121)では、S1201の処理において12ラウンド目であると判別された場合に(S1201:Yes)、次いで、今回の大当たり種別が大当たりF(Vルート開放大当たり)であるか否かを判別する(S1211)。
S1211の処理において大当たりFでないと判別した場合は(S1211:No)、大当たりの全てのラウンドにおいて第1特定入賞口(第1大開放口)65aが開放される大当たりEであることを意味するので、第1特定入賞口(第1大開放口)65aの開放を設定して(S1202)、処理をS1206へと移行する。
一方、S1211の処理において大当たりFであると判別した場合は(S1211:Yes)、12ラウンド目のみ第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放する大当たり種別であるので、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの開放を設定する(S1203)。なお、上述した通り、第2特定入賞口(第2大開放口)650aを閉鎖していた閉鎖部910は、抽選装置600の誘導流路607を閉鎖していた球貯留部920と同一の部材の一部(スライド部材900の一部)であり、閉鎖部910と球貯留部920とは連動してスライド変位する。よって、S1203の処理により第2特定入賞口(第2大開放口)650aの開放を設定することにより、貯留装置600内部の誘導流路607も開放される(即ち、一般入賞口602も開放される)。
S1203の処理により第2特定入賞口(第2大開放口)650a、および一般入賞口(大価値入賞口)602の開放を設定した後は、第2特定入賞口(第2大開放口)650a、および誘導流路607が開放状態(解除状態)に設定されたことを音声ランプ制御装置114に対して通知するために、開放状態(解除状態)に対応する貯留状態コマンドを設定し(S1212)、処理をS1206へと移行する。ここで設定された貯留状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図34参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、貯留状態コマンドを受信すると、その貯留状態コマンドに基づいて表示用背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用背面画像変更コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において表示領域717が生成され、「CHANCE!!」との文字と、「確変ルート開放中!!」との文字とが表示される(図76参照)。これらの文字を表示させることにより、遊技者に対して特別図柄の確変状態へと移行させるチャンスであることを容易に認識させることができる。
特別図柄の確変状態へと移行すれば、大当たりが終了してから短い期間で再度大当たりとなりやすくなるので、遊技者にとって非常に有利な状態となる。よって、大当たりFの12ラウンド目において、遊技者に対してより真剣に第2特定入賞口650aを狙って球を打ち出させることができる。即ち、大当たりが賞球を得るための単なる作業と化してしまうことを防止(抑制)し、特別遊技状態中(大当たり状態中)の遊技を楽しませることができる。
なお、上述した通り、右打ちした球のうち、第2特定入賞口(第2大開放口)650aへと到達する球の割合は、貯留装置600の入口部分に設けられた釘921a,921b(図77参照)を調節することにより可変させることができる。例えば、釘921aを正面視右側に開くように調節したり、釘921bを正面視左側に開くように調節したりする(釘を開く)ことにより、右打ちした球がより貯留装置600へと流入しやすくなる。よって、相対的に第2特定入賞口650aまで到達する球の割合が低くなる。つまり、釘921a,921bが開いているほど、大当たりFの12ラウンド目において球が第2特定入賞口650aへと入球しにくくなる。また、第2特定入賞口650へと球を入球させることができないまま、一般入賞口(大価値入賞口)602へと球が10個入球してしまうと、12ラウンドが終了してしまう。従って、特別図柄の確変状態へと移行しにくくなる。なお、貯留装置600へと球が流入しやすくなると、第2特定入賞口650aに比較して払い出される賞球数の多い一般入賞口(大価値入賞口)602へと球が入球しやすくなる(図9(b)参照)。これにより、遊技者は多量の賞球を獲得することができるので、遊技者の大当たりに対する興趣を向上させることができる。
ここで、多くの場合、遊技者は1〜11ラウンド目において、第1特定入賞口65aを狙って右打ちを行うので、遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)の下流に配設されている貯留装置600へも球が流入する。よって、12ラウンド目が開始するまでに、球貯留部920の上部に球が1個貯留された状態となる。従って、12ラウンドが開始し、スライド部材900がスライド変位して一般入賞口(大価値入賞口)602の上部が開放されると、球貯留部920の上部に貯留されていた球が一般入賞口(大価値入賞口)602へと流下する。その結果、実質的には12ラウンド目に右打ちした球のうち、9個の球が一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球するまでに第2特定入賞口650aへと球を入球させることができなければ、12ラウンド目が終了することとなる。
一方で、釘921aと釘921bとが互いに近づくように調節する(釘を閉める)ことにより、右打ちした球が貯留装置600へと流入しにくくなる。よって、相対的に第2特定入賞口650まで到達する球の割合が高くなるので、大当たりFの12ラウンド目において、第2特定入賞口650aへと球を入球させやすくなる。従って、大当たり終了後に特別図柄の確変状態へと移行しやすくなる。これにより、大当たりFの終了後に短い期間で再度大当たりとなりやすくなるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
このように、右打ちを行った場合に貯留装置600への球の入球しやすさを変更することにより、貯留装置600の入口部分よりも下流に設けられている第2入球口650aへの入球し易さを変更することができる。よって、ホールの店員が釘921a,921bを調節するだけで、大当たりFとなった場合の遊技性を変更することができる。即ち、一般入賞口(大価値入賞口)602へ入球しにくく、特別図柄の確変状態へと移行しやすい遊技性と、一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球し易く、12ラウンド目に多くの賞球を獲得し易いが、特別図柄の確変状態へと移行しにくい遊技性とを切り替えることができる。従って、ホールの営業方針に応じてパチンコ機10の性能を容易に変更することができる。
図80に戻って説明を続ける。大当たり制御処理3のS1109の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別されると(S1109:No)、次いで、第1実施形態における大当たり制御処理(図35参照)において実行される入賞処理(S1111)に代えて、入賞処理2を実行して(S1122)、処理をS1112へと移行する。この入賞処理2の詳細について、図82を参照して説明する。
図82は、本変形例における大当たり制御処理3(図80参照)の中でMPU201により実行される入賞処理2(S1122)を示したフローチャートである。この入賞処理2(S1122)のうち、S1401〜S1405、およびS1408〜S1420の各処理では、それぞれ第1実施形態の入賞処理(図38参照)におけるS1401〜S1405、およびS1408〜S1420の各処理と同一の処理が実行される。
また、本変形例における入賞処理3(S1122)では、S1404の処理において入賞個数カウンタ203jの値が10以上になった(即ち、第1特定入賞口(第1大開放口)65a、第2特定入賞口(第2大開放口)650a、または一般入賞口(大価値入賞口)602への入球個数の合計が10個以上となった)と判別した場合(S1404:Yes)、またはラウンド時間(ラウンド開始から30秒)が経過したと判別された場合に(S1405:Yes)、開放されていたいずれかの入賞口(第1特定入賞口(第1大開放口)65a、または第2特定入賞口(第2大開放口)650aと一般入賞口(大価値入賞口)602)の閉鎖を設定する入賞口閉鎖処理を実行して(S1431)、処理をS1408へと移行する。この入賞口閉鎖処理(S1431)について、図83を参照して説明する。
図83は、入賞口閉鎖処理(S1431)を示すフローチャートである。この入賞口閉鎖処理(S1431)は、大当たりの各ラウンドにおいて入賞口の閉鎖条件が成立した場合に、入賞口の閉鎖を設定する処理である。
この入賞口閉鎖処理(S1431)では、まず、現在が12ラウンド目であるか否かを判別する(S4401)。そして、12ラウンド目でなければ(S4401:No)、現在開放されている入賞口が第1特定入賞口(第1大開放口)65aであることを意味するので、第1特定入賞口(第1大開放口)65aの閉鎖を設定して(S4402)、本処理を終了する。
一方、S4401の処理において、現在が12ラウンド目であると判別した場合は(S4401)、大当たり種別に応じて開放されている入賞口が異なるラウンドであるので、今回の大当たりが大当たりF(Vルート開放大当たり)であるか否かを判別する(S4403)。そして、大当たりF(Vルート開放大当たり)でない(即ち、大当たりE(Vルート閉鎖大当たり)である)と判別した場合は(S4403:No)、現在開放されている入賞口が第1特定入賞口(第1大開放口)650aであることを意味するので、処理をS4402へと移行することにより第1特定入賞口(第1大開放口)65aの閉鎖を設定して(S4402)、本処理を終了する。
S4403の処理において、今回の大当たりが大当たりF(Vルート開放大当たり)であると判別した場合は(S4403:Yes)、12ラウンド目のみ第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放される大当たりであり、現在開放されているのが第2特定入賞口(第2大開放口)650a、および一般入賞口(大価値入賞口)602であることを意味する。よって、この場合は、第2特定入賞口(第2大開放口)650a、および一般入賞口(大価値入賞口)602の閉鎖を設定し(S4404)、第2特定入賞口(第2大開放口)650a、および一般入賞口(大価値入賞口)602が閉鎖されたことを音声ランプ制御装置113へと通知するために、閉鎖状態(貯留状態)に対応する貯留状態コマンドを設定して(S4405)、本処理を終了する。
ここで設定された貯留状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図34参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、貯留状態コマンドを受信すると、その貯留状態コマンドに基づいて表示用背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用背面画像変更コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81に表示されていた表示領域717が消去される。これにより、特別図柄の確変状態へと移行させるチャンスが終了したことを遊技者に対して容易に認識させることができる。
この入賞口閉鎖処理(S1431)を実行することにより、開放されていた入賞口を正確に閉鎖することができる。
<第1実施形態の変形例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図84、および図85を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明する。本変形例のパチンコ機10では、コマンド判定処理の処理内容が、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図43参照)から一部変更されている。より具体的には、大当たりにおいて主制御装置110から出力される貯留状態コマンドを受信するための処理を実行するために、第2実施形態のコマンド判定処理(図69参照)におけるS1921〜S1923の各処理を実行する。処理内容自体は第2実施形態におけるコマンド判定処理(図69参照)と同じであるので、その詳細な説明については省略する。また、本変形例におけるコマンド判定処理では、第1実施形態におけるエラー報知処理(図44参照)に代えて、エラー報知処理2(S1971)を実行するように構成されている。このエラー報知処理2(S1971)について、図84を参照して説明する。
図84は、上述したエラー報知処理2(S1971)を示すフローチャートである。このエラー報知処理2(S1971)のうち、S1931〜S1934,S1936、およびS1937の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるエラー報知処理(図44参照)と同一の処理が実行される。また、本変形例におけるエラー報知処理2(S1971)では、S1934の処理において許容時間カウンタ223iの値が0であると判別した場合に(S1981)、第1実施形態における当たり時報知処理(図45参照)に代えて、当たり時報知処理2を実行し(S1981)、本処理を終了する。この当たり時報知処理2(S1981)は、第1実施形態における当たり時報知処理(図45参照)と同様に、大当たり中に貯留弁607aにおいて不具合が発生している場合に報知を行うための処理である。
次に、図85を参照して、上述した当たり時報知処理2(S1981)について説明する。当たり時報知処理2(S1981)では、まず、貯留状態フラグ223kがオンであるか否かを判別する(S1991)。S1991の処理において、貯留状態フラグ223kがオンであると判別した場合は(S1991:Yes)、次いで、流下時間カウンタ223lの値が0であるか否かを判別し(S1992)、カウンタ値が0でなければ(S1992)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1992の処理において、流下時間カウンタ223lの値が0であると判別した場合は(S1992:Yes)、貯留弁607aが閉鎖状態(貯留状態)に設定され、球はけ期間が経過していることを意味するので、次に、入賞情報コマンドに一般入賞口(大価値入賞口)602への入球に対応する入球情報が含まれているか判別する(S1993)。
そして、一般入賞口(大価値入賞口)602への入球に対応する入球情報が含まれていないと判別した場合は(S1993:No)、そのまま本処理を終了する。一方、一般入賞口(大価値入賞口)602への入球に対応する入球情報が含まれていると判別した場合は(S1993:Yes)、貯留弁607aが閉鎖状態(貯留状態)に設定されているにもかかわらず、貯留弁607aの下流へと球が流下していることを意味する。よって、貯留弁607aが正常に閉鎖されていない可能性が高いため、貯留弁607aの不具合に対応する表示用エラーコマンドを設定して(S1994)、本処理を終了する。
一方、S1991の処理において、貯留状態フラグ223kがオンでない(オフである)と判別した場合は(S1991:No)、次いで、流下時間カウンタ223lの値が0であるか否かを判別する(S1995)。そして、流下時間カウンタ223lの値が0でないと判別した場合は(S1995:No)、そのまま本処理を終了する。これに対して、S1995の処理において貯留状態フラグ223kがオンであると判別した場合は(S1995:Yes)、次いで、受信した入賞情報コマンドに、一般入賞口(小価値入賞口)601への入球に対応する入賞情報が含まれているかを判別する(S1996)。そして、一般入賞口(小価値入賞口)601への入球に対応する入賞情報が含まれていなければ(S1996:No)、そのまま本処理を終了する。
S1996の処理において、一般入賞口(小価値入賞口)601への入球に対応する入賞情報が含まれていた場合は(S1996:Yes)、貯留弁607aが開放状態(解除状態)に設定されおり、球はけ期間も経過しているにもかかわらず、球が一般入賞口(小価値入賞口)601へと入球したことを意味する。即ち、貯留弁607aが正常に開放されていない可能性が高いので、貯留弁607aの不具合を報知するために、処理をS1994へと移行する。
この当たり時報知処理2(S1981)により、貯留弁607aの動作に不具合が生じた場合に、速やかに不具合を報知することができるので、不具合を迅速に解消させることができる。
以上説明したとおり、第1実施形態の変形例におけるパチンコ機10では、スライド部材900を用いて第2特定入賞口(第2大開放口)650aの開閉動作と、貯留装置600内の誘導流路607の開閉動作とを同時に行えるように構成している。つまり、一般入賞口(大価値入賞口)602を大当たり中に賞球を得るための入賞口の一つとして構成している。
第2特定入賞口650aの状態の切り替えと、誘導流路607の状態の切り替えとを、スライド部材900をスライド変位させるだけで実現することができるので、第1実施形態のように、第2特定入賞口650と、貯留弁607aとを別個に制御する場合に比較して、処理負荷を軽減することができる。即ち、MPU201の処理負荷を軽減することができる。特に、主制御装置110のMPU201は、特別図柄の抽選や、変動時間の決定等の、遊技において重要な処理を実行するものであるので、処理負荷の増大により処理速度が低下してしまうと、遊技に対する影響が大きくなってしまう。これに対して本変形例では、スライド部材900の導入によりMPU201の処理負荷を軽減できるので、遊技における主要な処理をより確実に実行することができる。
また、本変形例では、第2可変入賞装置650の内部に確変入球口654のみを設ける構成とし、第2可変入賞装置650の内部へと流入した球が必ず確変入球口654へと入球するように構成している。これにより、第2特定入賞口650aへと球を入球させることができれば大当たりの終了後に特別図柄の確変状態へと移行するというシンプルな遊技性を実現することができる。よって、遊技者にとって特別図柄の確変状態へと移行するか否かがより分かりやすくなるので、初心者でも楽しめる遊技性を提供することができる。また、第1実施形態において第2可変入賞装置650の内部に設けられていた流路切替弁650dや、誘導流路653、通常入球口655を廃止しているので、第2可変入賞装置650の構造を簡素化することができる。よって、パチンコ機10の原価を抑えることができる。
また、本変形例では、右打ちした球のうち、貯留装置600へと流入する球の割合を、貯留装置600の入口部分に設けられた釘921a,921b(図77参照)を調節することにより可変させることができるように構成されている。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて当たりとなるか否かを抽選し、確率変動状態へと移行するか否かについては当たり中に別途抽選するものがある。これにより、当たりが出球を多く得るための単なる作業となることを抑制し、確率変動状態へ移行することに対する期待感を持って当たり中の遊技を行わせ、遊技者の遊技に対する興趣の向上を図っている。
上記した遊技機の中には、当たり中にのみ遊技球の進入が可能となる所定領域が設けられているものがあり、その所定領域へと遊技球を入球させることにより当たり後に確率変動状態へと移行するものがある(例えば、特開2003−180999号公報)。
しかしながら、従来型の遊技機において、当たり中に遊技球が所定領域に入球する割合は機種毎に予め設定されているため、より確率変動状態へと移行する割合を異ならせるためには、ホール側が異なる機種を導入するしかなかった。つまり、従来型の遊技機では、確率変動状態へと移行する割合に自由度がなく、ホール毎に異なる営業方針に対して柔軟に対応することが困難であった。よって、より汎用性の高い遊技機が求められていた。
これに対して本変形例のパチンコ機10では、右打ちを行った場合における貯留装置600への球の入球しやすさを、釘921a,921bの調節具合によって容易に変更することができるように構成している。これにより、貯留装置600の入口部分よりも下流に設けられている第2入球口650aへの入球し易さを変更することができる。よって、ホールの店員が釘921a,921bを調節するだけで、大当たりFとなった場合の遊技性を変更することができる。即ち、一般入賞口(大価値入賞口)602へ入球しにくく、特別図柄の確変状態へと移行しやすい遊技性と、一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球し易く、特別図柄の確変状態へと移行しにくい遊技性とを切り替えることができる。従って、ホールの営業方針に応じてパチンコ機10の性能を容易に変更することができるので、汎用性を向上させることができる。
本変形例では、大当たりFの12ラウンドにおいて第2特定入賞口(第2大開放口)650aが最大5秒間開放されるように構成していたが、開放時間は任意に定めてもよい。例えば、開放時間を10秒とすることによって、第2特定入賞口650aへとより球を入球させやすくすることができる。よって、特別図柄の確変状態へと移行しやすくなるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、開放時間を、例えば2秒にしてもよい。開放時間を短くすることにより、限られた時間で第2特定入賞口650aへと球を入球させようと、様々な打ち方を行わせたり、釘921a,921bがより閉まっているパチンコ機10を選ばせたりすることができる。よって、パチンコ機10による遊技により熱中させることができる。
本変形例では、第2特定入賞口650aの上流に貯留装置600の入口を設け、釘921a,921bを調節することにより貯留装置600への入球し易さを可変できるように構成していたが、第2特定入賞口650aへ到達する球の割合を可変させるための構成は、これに限られるものではない。例えば、貯留装置600に代えて、単にアウト口、または球が入球することにより賞球が払い出される入賞口を設けておいてもよい。そして、第2特定入賞口650aは、単一の部材で開閉状態が切り替わるように構成してもよい。このように構成したとしても、釘921a,921bを調節することによりアウト口、または入賞口への入球し易さを可変させることにより、第2特定入賞口650aへ到達する球の割合を可変させることができる。また、貯留装置600をアウト口や入賞口へと置き換えることにより、構造を単純化することができるので、パチンコ機10の原価を低減することができる。
また、貯留装置600への流入しやすさは、必ずしも調節できる必要はない。即ち、釘921a,921bに代えて、盤面に固定された円柱状の部材を設けてもよい。これにより、大当たりFの12ラウンド目に球が第2特定入賞口650aへと入球するか否かをホール側で調節できなくすることができるので、第2特定入賞口650aへと球が入球しなかったとしても、その落胆の矛先がホールへと向かうことを抑制することができる。即ち、遊技者がホールに対して不信感を抱いてしまうことを防止(抑制)することができる。
本変形例では、大当たりFの12ラウンド目に第2特定入賞口650a、および一般入賞口(大価値入賞口)602が開放されるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、1ラウンド目に開放されるように構成してもよい。これにより、特別図柄の確変状態へと移行するか否かが早期に決定することができるので、その後の特別遊技状態(大当たり状態)において安心して遊技を行うことができる。また、第2特定入賞口650aを15ラウンド目に開放するように構成してもよい。これにより、特別図柄の確変状態に移行するか否かが最終ラウンドである15ラウンドまで決定しないので、特別図柄の確変状態に対する遊技者の期待感をより長く持続させることができる。従って、遊技者の大当たり遊技中の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、例えば、大当たりFとなった場合に複数のラウンドで連続して第2特定入賞口650a、および一般入賞口(大価値入賞口)602が開放されるように構成してもよい。具体的には、例えば、12ラウンド目、および13ラウンド目に開放されるように構成してもよい。これにより、11ラウンドの終了までに球貯留部920の上部に貯留された球は、12ラウンド目に一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球し、13ラウンド目においては球貯留部920の上部に球が存在しない状態とすることができる。よって、第2特定入賞口650aへと球を入球させるチャンスを多くすることができる。
本変形例では、第1実施形態と同様に、貯留装置600の内部に球を1球のみ貯留可能に構成していたが、これに限られるものではなく、球を複数貯留可能に構成し、例えば球貯留部920の上部に球を4個貯留できるように構成してもよい。この場合において、12ラウンドの終了条件を変更し、例えば第1特定入賞口65a、第2特定入賞口650a、および一般入賞口602へと球が合計で5個入球した場合に12ラウンドを終了するように構成してもよい。大当たりの1〜11ラウンドでは、右打ちにより第1特定入賞口65aへと球を入球させようとして遊技を行うので、多くの場合、12ラウンドの開始前に、貯留部920の上部に球が上限個数(4個)貯留された状態となる。つまり、12ラウンドが開始され、球貯留部920が開放されることにより、貯留された4個の球が一斉に一般入賞口(大価値入賞口)602へと流入するので、12ラウンドの開始直後に特定入賞口(第1特定入賞口65a、第2特定入賞口650a、および一般入賞口602)へと球が4個入球した状態となる。よって、あと1個の球が第2特定入賞口650a、または一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球することで12ラウンドが終了する(合計5個の球が第2特定入賞口650a、または一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球する)状況となるので、第2特定入賞口650aへと入球させる機会を1個の球に限ることができる。従って、遊技者に対してより緊張感を抱かせて12ラウンドの遊技を行わせることができる。また、大当たりの1〜11ラウンドでは、なるべく貯留装置600へと球が流入しないように願いながら(つまり、球貯留部920の上部に貯留される球が上限個数である4個とならずに12ラウンドを迎えることを願いながら)大当たり遊技を行わせることができる。よって、大当たり中にも緊張感を抱かせながら遊技を行わせることができるので、大当たりが単に賞球を得るための作業のようになってしまうことを防止(抑制)し、遊技者の大当たり遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、12ラウンドの終了条件となる特定入賞口への入球個数と、球貯留部920の上部へと貯留可能な球の上限個数とは任意に定めてもよい。例えば、12ラウンドの終了条件を、球貯留部920の上部に貯留できる球の個数以下としてもよい。これにより、12ラウンドの開始までに球が貯留装置600の内部に貯留されないことをより強く願わせて遊技を行わせることができる。また、逆に、球貯留部920に貯留可能な球の上限個数を少なくしておいてもよい。これにより、12ラウンドの開始までに上限個数の球が球貯留部920の上部に貯留されていたとしても、12ラウンドにおいて第2特定入賞口650aへと球を入球させる機会を複数回与えることができる。よって、より特別図柄の確変状態へと移行させやすくすることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本変形例では、大当たりFの12ラウンド目において、球貯留部920が開放された場合に図76に示す演出画像を表示するように構成しているが、大当たり中の演出はこれに限られるものではない。例えば、大当たりの11ラウンド目までに実行される演出の結果により大当たりEであるか、大当たりFであるかを報知するように構成してもよい。より具体的には、例えば、1ラウンド〜11ラウンドの各ラウンドにおいて、正義の味方とモンスターとが戦う演出を行ってもよい。そして、11ラウンドまでに正義の味方が勝利すれば、大当たりFであることが報知され、正義の味方が敗北した場合は、大当たりEであることが報知されるように構成してもよい。即ち、正義の味方が勝利すると、12ラウンドにおいて第2特定入賞口650aが開放されるので、特別図柄の確変状態へと移行させるチャンスであることを遊技者に認識させることができる。これにより、遊技者に対して大当たりにおいて行われる演出の結果をより興味深く観察させることができる。
なお、演出内容にバリエーションを設け、正義の味方が勝利する期待度が高い(大当たりFの場合に選択されやすい)演出内容と、正義の味方が敗北してしまう可能性が高い(大当たりEの場合に選択されやすい)演出内容とを設けてもよい。例えば、正義の味方が必殺技で敵を攻撃したり、敵の攻撃を正義の味方が回避した場合に勝利する期待度が高くなるように構成し、正義の味方の攻撃が外れてしまったり、敵が必殺技で攻撃してきた場合に敗北する可能性が高くなるように構成してもよい。これにより、正義の味方が勝利するか否かの結果だけでなく、勝利、又は敗北に至るまでの演出の流れで結果を予測させることができる。よって、遊技者の大当たり遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、11ラウンドまでに行われる演出の内容は、上記した正義の味方とモンスターとが戦う演出に限られるものではなく、有利な大当たりFと、その大当たりFよりも不利な大当たりEとを示唆できる態様であればよい。例えば、少年のキャラクタ710が宝物を捜索する演出を行い、11ラウンド目までに宝物を見つけることができれば、大当たりFであることが報知されるように構成してもよいし、少年のキャラクタ710が大食いを行う演出を表示させ、提供された食べ物を残さず食べ切れたら大当たりFであることが報知されるように構成してもよい。
本実施形態におけるパチンコ機10では、一般的な遊技機には搭載されていない特異な構成である貯留装置600を設けているので、この貯留装置600に関わる遊技性を説明する演出を設けておいてもよい。より具体的には、例えば、背面画像として貯留装置600の画像を表示させ、貯留弁607aが開放される条件と、開放された場合のメリットと、閉鎖状態で球を右打ちした場合のデメリットとを説明する画像(説明画像)を表示するように構成してもよい。これにより、遊技者が容易に遊技性を理解することができる。また、説明画像が表示される背面種別は、枠ボタン22を押下(操作)することにより背面種別を切り替えることができるように構成してもよい。これにより、パチンコ機10での遊技に慣れ、十分に遊技性を理解している遊技者は、説明画像が表示されない背面種別に変更することができる。
本変形例では、第2特定入賞口650aと、一般入賞口(大価値入賞口)602とを、どちらも大当たりの賞球を得るための入賞口として取り扱っていたが、一般入賞口(大価値入賞口)602は通常の入賞口として取り扱ってもよい。つまり、大当たりの各ラウンドの終了条件として、第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aへと球が10球以上入球した場合に大当たりの各ラウンドが終了する(ラウンドの終了に一般入賞口602への入球個数が関与しない)ように構成してもよい。これにより、大当たりの12ラウンドにおいて球が一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球するほど遊技者にとって得になるため、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本変形例では、貯留装置600へと球が流入しやすくなるように釘921a,921bを調節することにより、第2特定入賞口650aへと球を入球しにくく構成し、貯留装置600へと球が流入しにくくなるように釘921a,921bを調節することにより、第2特定入賞口650aへと球を入球し易く構成していた。即ち、釘921a,921bを調節することにより、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態へと移行する割合を変更できるように構成していたが、特別図柄の確変状態へと移行する割合を変更する方法はこれに限られるものではない。例えば、貯留装置600へと流入する球の割合を一定とする代わりに、第2可変入賞装置650の内部に、第一実施形態と同様に確変入球口654と通常入球口655とを設ける構成としてもよい。そして、第2可変入賞装置650の内部へと流入した球が確変入球口654と、通常入球口655とに振り分けられる割合をホールの店員が調節できるように構成してもよい。より具体的には、例えば、本変形例における第2可変入賞装置650として、第1実施形態における第2可変入賞装置650(図15参照)に置き換えた上で、流路切替弁650dと、切替軸650eとを廃止する。そして、誘導流路652と、誘導流路653との分岐位置(即ち、第1実施形態において切替軸650eが設けられていた箇所の上方)に例えば釘を打っておいてもよい。また、釘を打つ位置としては、第1実施形態において切替軸650eが設けられていた箇所(図15参照)から、例えば、球の半径程度の距離だけ上方としてもよい。つまり、誘導流路651を流下した球が接触(衝突)し得る位置であり、且つ、誘導流路652、および誘導流路653に対して球が流下可能となる位置としてもよい。このように構成することで、第2可変入賞装置650の内部に設けた釘を右寄りに調節すれば、誘導流路651を流下した遊技球が釘の左側面へと接触(衝突)し易くなるので、球が正面視左方向へと反発されやすくなる。よって、第2可変入賞装置650の下流において正面視左側に設けられている誘導流路652へと球が流入し易くなるため、確変入球口654へと入球し易くなる。従って、第2可変入賞装置650の内部に設けた釘を右寄りに調節しておくことにより、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態となりやすくすることができる。逆に、第2可変入賞装置650の内部に設けた釘を左寄りに調節すれば、誘導流路651を流下した遊技球が釘の右側面へと接触(衝突)し易くなるので、球が正面視右方向へと反発されやすくなる。よって、第2可変入賞装置650の下流において正面視左側に設けられている誘導流路653へと球が流入し易くなるため、確変入球口654へと入球し易くなる。従って、第2可変入賞装置650の内部に設けた釘を右寄りに調節しておくことにより、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態となりにくくすることができる。このように、確変入球口654への入球しやすさを調節できる構成としておくことにより、ホールの営業方針に応じてパチンコ機10のスペックを可変させることができる。よって、各ホールの営業方針に対応した遊技性を提供できる。
また、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態へと移行する割合を変更できるように構成する別の具体例として、本変形例における釘921a,921bに代えて、貯留装置600の入口部分を開放状態と閉鎖状態とに切り替える可変部材を設けてもよい。そして、その可変部材が開放状態と閉鎖状態とを電源がオンされている間に繰り返すように構成してもよい。この場合において、開放状態と閉鎖状態とで構成される1周期の長さを固定化(例えば、3秒)した上で、開放状態に設定される期間と、閉鎖状態に設定される期間との比率をホールが調節できるように構成してもよい。より具体的には、例えば、ディップスイッチ等の複数の状態に設定可能な操作手段を設けておく。そして、例えば、スイッチの状態が(00000000B)を示していれば、貯留装置600の入口が閉鎖状態に設定されないように構成する。即ち、常に入口が開放されているため、遊技球が貯留装置600へと最も流入しやすくなる状態に設定される。そして、スイッチの状態が(11111111B)を示していれば、貯留装置600の入り口が常に閉鎖状態に設定されるように構成する。即ち、大当たりにおいて貯留装置600へと流入する球がなくなり、第2特定入賞口650aへと最も流入しやすい状態に設定する。そして、ディップスイッチが他の状態(00000001B〜11111110B)の場合には、(00000000B)から(11111111B)へと向かうほどに閉鎖状態となる期間が長くなるように構成してもよい。つまり、(11111111B)へと向かうほどに第2特定入賞口650aへと球が入球しやすくなり、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態が設定されやすくなるように構成してもよい。このように構成しておけば、特別図柄の確変状態になりにくい遊技性の遊技機としてパチンコ機10を用いたいホールは、例えば、可変部材が0.5秒の閉鎖状態と2.5秒の開放状態とを繰り返すようにディップスイッチの設定を調節すればよい。逆に、特別図柄の確変状態になりやすい遊技性の遊技機としてパチンコ機10を用いたいホールは、例えば、可変部材が2.5秒の閉鎖状態と0.5秒の開放状態とを繰り返すようにディップスイッチの設定を調節すればよい。これにより、ホールの営業方針に応じてパチンコ機10のスペックを可変させることができるので、各ホールの営業方針に対応した汎用性の高い遊技性を提供できる。
<第2実施形態の変形例>
次に、図86〜図94を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10の変形例について説明する。第2実施形態におけるパチンコ機10は、貯留装置700の内部に設けられた誘導流路704を貯留弁704aによって閉鎖可能に構成し、閉鎖状態において貯留弁704aの上部に球を1球貯留できるように構成していた。そして、球が貯留された状態では、払い出される賞球の多い一般入賞口(大価値入賞口)702、またはアウト口(小価値入賞口)703d,703eへと球が入球しやすくなるように構成し、貯留弁704aが開放された状態では、払い出される賞球数が少ない一般入賞口(中価値入賞口)701へと球が入球しやすくなるように構成していた。そして、貯留弁704aは、基本的に閉鎖状態に設定され、遊技者が解除ボタン800を操作した場合に開放状態となるように構成されていた。つまり、貯留弁704aを閉鎖状態であれば、一般入賞口(大価値入賞口)702、アウト口(小価値入賞口)703d,703eのいずれにも球が入球する可能性がある状態(賞球を多く獲得できる可能性もあるが、賞球が得られない可能性もあるギャンブル性の高い状態)となり、貯留弁704aが開放状態であれば、貯留装置700へと流入した球を一般入賞口(中価値入賞口)701へと入球させることができる状態(少量ではあるが安定して賞球を獲得できる状態)となる。よって、解除ボタン800(図67参照)を操作するか否かにより、パチンコ機10の遊技性を遊技者によって切り替えさせることができるので、各遊技者が、自己の趣向に合った遊技性を選択して遊技を行うことができるように構成されていた。
これに対して本変形例では、貯留装置700の内部に最大2個の球を貯留できるように構成している。また、貯留弁704aが閉鎖されている場合には、貯留された球の配置に応じて、球が入球しやすい入球口(一般入賞口702に入球しやすくなるか、アウト口に入球しやすくなるか)が変化するように構成されている。即ち、貯留弁704aが閉鎖された状態において、貯留された球の配置を確認することにより、一般入賞口(大価値入賞口)702へ入球し易い状態であるか否かを容易に認識することができるように構成されている。
この第2実施形態の変形例におけるパチンコ機10が第2実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、貯留装置700の内部構造が異なっている点のみである。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第2実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第2実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図86を参照して、本変形例におけるパチンコ機10の遊技盤13について説明する。図86は、本変形例におけるパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。図86に示した通り、本変形例のパチンコ機10においても、遊技盤13の右側に設けられた経路の下流に貯留装置700が設けられている。上述した通り、本変形例では、貯留装置700の内部に最大2個の球が貯留可能に構成されている。この貯留装置700の詳細について、図87、および図88を参照して説明する。
図87は、貯留装置700の貯留弁704aが閉鎖され、球が2個貯留されている場合の一例を示した図である。図87に示した通り、本変形例では、貯留弁704aが正面視右下方向へと下る向きに傾斜している。このため、貯留弁704aが閉鎖された状態で最初に誘導流路704へと流入した球の多くは、貯留弁704aの傾斜によって誘導流路704の右側に偏った状態で静止する。また、図87に示す通り、誘導流路704のうち、貯留弁704aの上側の部分が第2実施形態に比較して長くなっている。また、誘導流路704は、球が2個横に並ぶだけの幅が無い。このため、誘導流路704の内部に球が右寄りに1個貯留された状態で他の球が誘導流路704へと流入すると、多くの場合、先に貯留されていた球の左上側に新たに球が貯留される(先に貯留されていた球と、誘導流路704の左側の内壁部分との間に新たな球が貯留される)。
図87に示した貯留状態(最初に貯留された球が右寄り、2個目に貯留された球が左寄りにそれぞれ貯留された状態)の場合は、その後に貯留装置700へと流入した球が、2個目に貯留された球の右側面に衝突しやすくなる。よって、貯留装置700へと流入した球は、貯留された球との衝突(接触)による衝撃で、右方向へと進行方向が変化する。即ち、誘導流路708へと球が流入し、アウト口(小価値入賞口)703d,703eのいずれかに入球する。
このように、図87に示した貯留状態となっている場合は、貯留装置700へと球を流入させることができたとしても、その球がアウト口(小価値入賞口)703d,703eに入球してしまうため、遊技者が賞球を得ることができない。即ち、図87に示す貯留状態は、遊技者にとって不利な状態となる。
なお、誘導流路704のうち、貯留弁704aの上部左側には、正面視手前側に球が存在する場合に、球を検知する入球センサ704bが設けられている。この入球センサ704bによって、球の配置を判別することができる。より具体的には、入球センサ704bによって所定期間(例えば、1分間)連続して球を検出し続けた場合に、図87に示す配置になっていると判別する。図87に示す配置となっているか否かを判別することで、図87の配置となってから一定時間が経過した場合に、遊技者に対して解除ボタン800の押下を促す画像(図89参照)を表示させることができる。これにより、貯留装置700へと流入した球がアウト口(小価値入賞口)703d,703eへと入球しやすい不利な配置(図87参照)が長時間継続し、遊技者にとって不利となってしまうことを抑制することができる。
次に、図88を参照して、球が2個貯留されている場合の別例について説明する。図88に示した例では、貯留弁704aが閉鎖された状態で最初に誘導流路704へと流入した遊技球が、誘導流路704に対して左寄りに貯留され、2個目に誘導流路704へと流入した球が誘導流路704に対して右寄りに貯留されている。この図88に示した貯留状態となった場合は、その後に貯留装置700へと流入した球が2個目に貯留された球の左側面へと衝突(接触)し易くなる。よって、貯留された球と衝突(接触)した球の流下方向が左方向へと変化しやすくなるため、誘導流路706を流下し、払い出される賞球数の多い(払い出しが6個の)一般入賞口(大価値入賞口)702へと入球し易くなる。
このように、図88に示した貯留状態となっている場合は、貯留装置700へと球を流入させることにより、球が一般入賞口(大価値入賞口)702へと入球し易くなるので、球が流入する度に賞球の獲得が見込める遊技者にとって有利な状態である。
なお、貯留弁704aが右下へと下る向きに傾斜しているため、図88に示した貯留状態は、図87に示した貯留状態に比較して実現しにくい。例えば、貯留弁704aが閉鎖されてから、2個の球がほぼ同時に誘導流路704へと流入した場合や、最初に貯留弁704aへと到達した球が、貯留弁704aや誘導流路704の内壁部分と衝突し、左上方向へと反発している間に2個目の球が誘導流路704へと流入した場合等に実現し得る。
貯留弁704aを閉鎖している場合の多くが図87に示す貯留状態となるが、本変形例でも第2実施形態と同様に解除ボタン800を操作することにより貯留弁704aを開放することができる。即ち、貯留状態をリセットし、再度図88に示した貯留状態となることを期待して貯留装置700に対して球を貯留させることができる。よって、遊技者に対して図88に示した貯留状態とすることを目標に遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、図88に示す貯留状態が実現した場合には、遊技者に対して達成感を与えることができると共に、一般入賞口(中価値入賞口)701へと球を入球させ続けることにより賞球を多く獲得できることに対する期待感を抱かせることができる。
また、図88に示す配置では、入球センサ704bからずれた配置となる(入球センサ704bの手前側を球が遮蔽する配置とならない)ので、図88に示す配置が長時間継続したとしても、遊技者に対して解除ボタン800の押下を促す画像(図89参照)を表示させてしまうことを防止(抑制)することができる。よって、一般入賞口(大価値入賞口)702へと入球しやすい有利な状態を、より長く継続させることができる。
次に、図89を参照して、解除ボタン800の押下を促す画像(示唆表示画像)について説明する。図89は、解除ボタン800の押下を促す画像(示唆表示画像)を示した図である。この示唆表示画像は、図87に示す、遊技者にとって不利な配置が一定時間(1分間)連続したと判別された場合に表示される画像である。より具体的には、入球センサ704bにより1分間連続して球を検出し続けた場合に、図87に示す配置で安定していると判別し、示唆表示画像を表示させる。
図89に示した通り、示唆表示画像の表示が設定されると、小領域Ds2に対して「不利配置中」との文字が表示される。この文字を表示させることにより、遊技者に対して図89に示した配置が遊技者にとって不利な配置(貯留装置700へと流入した球がアウト口703d,703eへと誘導される配置)であることを認識させることができる。また、この「不利配置中」との文字の下方には、「ボタンを押して配置をリセット!!」との文字が表示される。この文字を表示させることにより、解除ボタン800を押下(操作)すれば不利な状態が解消されることを遊技者に対して認識させることができる。
このように、本変形例では、示唆表示画像により遊技者に対して不利な配置を報知し、解除ボタン800の押下(操作)によって不利な配置の解消を促すと共に、有利な配置(図88に示す、球が一般入賞口702へと誘導される配置)となることを目指して遊技を行わせることができる。よって、遊技者に対して遊技により積極的に参加させることができる。
本実施形態では、遊技者に不利な状態(図87参照)のまま長時間(1分間)が経過した場合に、示唆表示画像(図89参照)を表示するように構成していたが、これに代えて、貯留弁704aを開放状態(解除状態)へと切り替えるように構成してもよい。即ち、入球センサ704bにより球を連続して一定時間(例えば、1分間)検出した場合に、不利な状態で安定していると判別し、貯留装置700に貯留されている球の配置をリセットするために貯留弁704aを開放するように構成してもよい。これにより、貯留装置700の仕組みを十分に理解していない初心者であっても、不利な状態に気づかずに長時間遊技を行ってしまうことを抑制することができる。
本変形例では、入球センサ704bにより1分間連続して球を検出した場合に、貯留弁704aを開放するように構成しているが、図87の配置をリセットする(貯留弁704aを開放する)までの時間はこれに限られず、任意に定めてもよい。時間を短く(例えば、30秒)することにより、遊技者が不利な状態となる期間を短縮することができる。また、時間を長く(例えば、5分)することにより、示唆表示画像が表示される頻度を下げることができる。よって、表示制御装置114の処理負荷を軽減することができる。
<第2実施形態の変形例における電気的構成について>
次に、図90を参照して、本変形例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。第2実施形態の変形例における電気的構成は、第2実施形態における電気的構成に対して、音声ランプ制御装置113のRAM223の構成が一部変更されている点、および音声ランプ制御装置113の入出力ポート225に対して、入球センサ228が電気的に接続されている点で相違している。その他の電気的構成については、第2実施形態における電気的構成と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
第2実施形態の変形例におけるRAM223には、第2実施形態におけるRAM223の構成に加えて、不利時間カウンタ223mと、示唆表示フラグ223nとが少なくとも追加されている。
不利時間カウンタ223mは、図87に示す遊技者にとって不利な配置(球がアウト口703d,703eへと誘導される状態)となってからの経過時間判別するために用いられるカウンタである。この不利時間カウンタ223mの値は、入球センサ228により球が検出される度に1が加算される(図92のS4503)参照。また、カウンタ値が加算された状態(0より大きい値の状態)において、入球センサ228により球が検出されなかった場合は0にリセットされる(図92のS4508)。本変形例では、不利時間カウンタ223mの値に基づいて、図87に示す遊技者にとって不利な配置(球がアウト口703d,703eへと誘導される状態)になっていると判別した場合に、上述した示唆表示画像(図89参照)を表示させるように制御する。
示唆表示フラグ223nは、示唆表示画像(図89参照)が表示されているか否かを示すフラグである。この示唆表示フラグ223nがオンであれば、示唆表示画像(図89参照)が表示されていることを示しており、オフであれば、示唆表示画像(図89参照)が表示されていないことを示している。この示唆表示フラグ223nは、示唆表示画像(図89参照)の表示を設定した場合にオンに設定される(図92のS4506参照)。一方、貯留弁704aが開放状態(解除状態)に設定されたことを示す貯留状態コマンドを受信した場合にオフに設定される(図94のS4607参照)。
<第2実施形態の変形例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図91〜図94を参照し、第2実施形態の変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種処理について説明する。まず、図91を参照して、本変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。
本変形例におけるメイン処理(図92参照)のうち、S1801〜S1817の各処理では、それぞれ第2実施形態におけるS1801〜S1817の各処理と同一の処理が実行される。また、本変形例におけるメイン処理(図92参照)では、液晶演出実行管理処理(S1810)が終了すると、次いで、示唆表示画像(図89参照)を表示させるための解除示唆表示処理を実行し(S1821)、処理をS1811へと移行する。この解除示唆表示処理(S1821)の詳細について、図93を参照して説明する。
図93は、解除示唆表示処理(S1821)を示すフローチャートである。この解除示唆表示処理では、まず、入球センサ228がオンであるか否かを判別し(S4501)、オンであると判別した場合は(S4501:Yes)、次いで、示唆表示フラグ223nがオンであるか否かを判別する(S4502)。そして、示唆表示フラグ223nがオンであれば(S4502:Yes)、既に示唆表示画像(図89参照)の表示中であり、示唆表示画像を表示させるか否かを判別する必要が無いので、そのまま本処理を終了する。
一方、S4502の処理において、示唆表示フラグ223nがオフであると判別した場合は(S4502:No)、不利時間カウンタ223mの値に1を加算することにより更新し(S4503)、更新後の不利時間カウンタ223mの値が60000よりも大きいか否かを判別する(S4504)。ここで、不利時間カウンタ223mは、メイン処理(図91参照)の度に(1ms毎に)1ずつ更新されるため、カウンタ値60000は1分間に相当する。
S4503の処理において、不利時間カウンタ223mの値が60000以下であると判別した場合は(S4504:No)、そのまま本処理を終了する。一方、不利時間カウンタ223mの値が60000よりも大きいと判別した場合は(S4504:Yes)、不利な配置となってから長時間(1分)が経過したことを遊技者に報知するための示唆表示を表示させるための表示用背面画像変更コマンドを設定し(S4505)、示唆表示フラグ223nをオンに設定して(S4506)、本処理を終了する。
一方、S4501の処理において、入球センサ228が球を検出していない(入球センサがオフである)と判別した場合は(S4501:No)、不利な配置(図87参照)となっていないことを意味するため、まず、不利時間カウンタ223mの値が0よりも大きいか否かを判別する(S4507)。S4507の処理による判別の結果、不利時間カウンタ223mの値が0より大きいと判別した場合は(S4507:Yes)、カウンタ値を0に初期化して(S4508)、本処理を終了する。
一方、不利時間カウンタ223mの値が0であると判別した場合は(S4507:No)、不利時間カウンタ223mが初期化済みであり、重ねて初期化する必要がないため、S4508の処理をスキップして、本処理を終了する。
この解除示唆表示処理(S1821)を実行することにより、貯留装置700に貯留された球の配置が遊技者に不利な配置(図87参照)のまま、遊技者が長時間遊技を行ってしまうことを防止することができる。
次に、図93を参照して、第2実施形態の変形例における音声ランプ制御装置のMPU221により実行されるコマンド判定処理について説明する。図93は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。このコマンド判定処理のうち、S1901〜S1919、およびS1921の各処理では、第2実施形態におけるコマンド判定処理(図72参照)のS1901〜S1919、およびS1921の各処理と同一の処理がそれぞれ実行される。また、本変形例におけるコマンド判定処理ではS1921の処理において、貯留状態コマンドを主制御装置110から受信したと判別した場合に(S1921:Yes)、受信した貯留状態コマンドに応じた画像を表示させるための貯留状態コマンド処理を実行して(S1929)、本処理を終了する。
この貯留状態コマンド処理(S1929)の詳細について、図94を参照して説明する。図94は、この貯留状態コマンド処理(S1929)を示すフローチャートである。貯留状態コマンド処理(S1929)では、まず、貯留状態コマンドによって貯留弁704aが閉鎖状態(貯留状態)に切り替わったことを通知されたか否かを判別する(S4601)。そして、閉鎖状態(貯留状態)に切り替わったことが通知されたと判別した場合は(S4601:Yes)、次いで、閉鎖状態に対応する画像(図63(a)参照)を第3図柄表示装置81に対して表示させるための表示用背面画像変更コマンドを設定し(S4602)、貯留状態フラグ223kをオンに設定することで貯留弁704aが閉鎖状態にあることを示して(S4603)、処理をS4604へと移行する。
一方、S4601の処理において、貯留状態コマンドにより通知されたのが閉鎖状態(貯留状態)でない(開放状態(解除状態)への切り替わったことが通知された)と判別した場合は(S4601:No)、次いで、開放状態(解除状態)に対応する画像(図63(b)参照)を第3図柄表示装置81に対して表示させるための表示用背面画像変更コマンドを設定し(S4605)、貯留弁704aの現在の状態が開放状態(解除状態)であることを示すために貯留状態フラグ223kをオフに設定する(S4606)。そして、示唆表示画像(図89参照)が表示されていないことを示すために、示唆表示フラグ223nをオフに設定して(S4607)、処理をS4604へと移行する。
S4603、またはS4607の処理後に実行されるS4604の処理では、貯留弁704aが切り替わってから球がはけるまでの球はけ期間であるか否かを判別するために、流下時間カウンタ223lに対して1秒に対応するカウンタ値を設定して(S4604)、本処理を終了する。この貯留状態コマンド処理(S1931)を実行することにより、主制御装置110から通知される貯留弁704aの状態に対応付けて第3図柄表示装置81の表示内容を適切に更新させることができる。
以上説明したとおり、第2実施形態の変形例におけるパチンコ機10では、貯留装置700の内部に球を2個貯留できるように構成している。また、球が内部に貯留された場合の貯留状態として、図87に示す貯留状態と、図88に示す貯留状態とを少なくとも取り得る。これらの貯留状態は、貯留装置700へと流入した球が入球しやすい入球口がそれぞれ異なっている。また、貯留装置700の内部は遊技者が視認可能に構成されているので、貯留状態を目視により容易に判断することができる。よって、遊技者に対して貯留弁704aを一旦開放状態に設定することにより貯留状態をリセットした方がよいか否かを選択させることができる。
また、有利な貯留状態(図88に示す一般入賞口701へと球が入球しやすい貯留状態)と、不利な貯留状態(図87に示すアウト口へと球が入球しやすい貯留状態)とを設けておくことにより、有利な貯留状態(図88参照)となることを期待して遊技を行わせることができる。そして、たとえ不利な貯留状態(図87参照)となった場合であっても、貯留弁704aを開放することにより貯留状態をリセットして、再度有利な貯留状態(図88参照)を目指して遊技を行わせることができる。また、有利な貯留状態となることにより、遊技者に対して達成感を与えることができると共に、一般入賞口(大価値入賞口)702へと球を入球させ続けることにより賞球を多く獲得できることに対する期待感を抱かせることができる。
本変形例のパチンコ機10では、貯留装置700の内部に球を2個貯留できるように構成していたが、これに限られるものではなく、3球以上の球が貯留できる内部構造としてもよい。この場合において、入球センサ228を誘導流路704の上端付近に左寄りに設けておけば、アウト口へと誘導される不利な配置となっているか否かを容易に判別することができる。
本変形例のパチンコ機10では、入球センサ228を誘導流路704の上端付近に左寄りに設けることにより、貯留装置700の内部に貯留された球の配置が遊技者にとって不利な配置であるか否かを判別できるように構成していたが、入球センサ228の取り付け位置はこれに限られるものではない。例えば、誘導流路704の上端付近に右寄りに配設してもよい。即ち、貯留装置700内に貯留された球が図87に示す配置となった場合には、貯留された球が入球センサ228により検出されないが、図88に示す配置となった場合には、貯留された球のうち上側の球が入球センサ228によって検出されるように入球センサ228を配置してもよい。これにより、一般入賞口702へと球が入球しやすい配置(図88参照)となっているか否かを判別することができる。よって、入球センサ228の検出結果に基づき、例えば、5秒以上連続して入球センサ228により球が検出され続けた場合に、図88に示す配置で静止していると判別することができる。従って、図88に示す遊技者に有利な配置となっていることを貯留された球が有利な配置となっていることに基づいて、現在が遊技者にとって有利な状態であることを報知することができる。報知の方法としては、例えば、第3図柄表示装置81の小領域Ds2に対して、「有利配置中」との文字と、「右打ちで大チャンス!」との文字とを表示させるように構成してもよい。これにより、遊技者に対して現在が有利な状態であることを容易に認識させることができるので、誤って解除ボタン800を押下(操作)し、貯留装置700に貯留されている球を流下させてしまう(有利な配置をリセットしてしまう)ことを抑制することができる。
また、入球センサ228は、1個に限られるものではなく、複数設けてもよい。より具体的には、例えば、誘導流路704の上端付近に右寄り、および左寄りにそれぞれ入球センサ228を設けてもよい。これにより、左寄りに設けたセンサが、例えば5秒間連続して球を検出し続けた場合に、図87に示す配置で安定していると判別することができる。また、また、右寄りに設けたセンサが、例えば5秒間連続して球を検出し続けた場合に、図88に示す配置で安定していると判別することができる。よって、図87の配置(アウト口703d,703eへと球が誘導される遊技者に不利な配置)となっている場合は、上述した示唆表示画像(図89参照)を表示させることにより、遊技者に対して不利な配置のリセットを促すことができる。また、図88の配置(一般入賞口702へと球が誘導される遊技者に有利な配置)となっている場合は、遊技者に有利な配置であることを報知する画像(例えば、「有利配置中」との文字と、「右打ちで大チャンス!」との文字とが小領域Ds2に表示される画像)を表示させることにより、現在が有利な状態であることを認識させ、遊技に対するモチベーションを向上させることができる。
本変形例のパチンコ機10では、貯留弁704aを右下方向へ下る向きに傾斜するように構成していたが、傾斜は逆向きとしてもよい。これにより、遊技者にとって有利な貯留状態(図88参照)が実現しやすくなるので、遊技者に対してより積極的に貯留装置700を狙って球を打ち出させることができる。また、貯留弁704aの成す傾斜をなくしてもよい。これにより、有利な貯留状態となるか、不利な貯留状態となるかを完全にランダムとすることができる。
本変形例におけるパチンコ機10では、貯留弁704aを開放する契機が解除ボタン800の押下(操作)のみとなっていたが、他の契機を設けてもよい。例えば、大当たり中には貯留弁704aが開放状態に設定されるように構成する等、定期的に貯留状態がリセットされるように構成してもよい。貯留状態をリセットする契機を完全に遊技者に委ねてしまうと、一旦有利な貯留状態(図88参照)となった場合に、その貯留状態を保持したまま遊技を続行されてしまい、ホールに不利益となってしまう場合が有る。これに対して定期的に貯留状態をリセットするように構成すれば、有利な貯留状態が長く続くことを防止(抑制)することができるので、ホールに対する不利益を防止できる。
本変形例では、貯留弁704aの状態の切り替えを解除ボタン800の押下(操作)に基づいて行うように構成しているが、これに限られるものではない。例えば、経過時間や現在時刻、設置日数等に応じて貯留弁704aの状態を切り替えてもよい。これにより、各遊技者に対して、貯留弁704aが自分の趣向に合った状態となっている期間に遊技を開始させることができる。
また、貯留弁704aの状態を、定期的に、或いは不定期に行われる抽選の結果に基づいて切り替えるように構成してもよい。例えば、貯留弁704aが基本的に閉鎖状態(貯留状態)となるように構成し、1分に1回の頻度で開放状態(解除状態)に切り替えるか否かの抽選を実行するように構成してもよい。また、抽選に当選した場合は、例えば10秒間貯留弁704aが開放されるように構成してもよい。これにより、貯留装置700に貯留された球の配置が、球がアウト口(小価値入賞口)703d,703eへと誘導されやすい不利な配置(図87参照)の場合には、抽選に当選することにより貯留弁704aが開放されることを願って遊技を行わせることができる。一方、貯留装置700に貯留された球の配置が、球が一般入賞口(大価値入賞口)702へと誘導されやすい有利な配置(図88参照)の場合には、貯留弁704aが開放されてしまわないように、抽選に外れ続けることを願って遊技を行わせることができる。よって、貯留装置700に貯留された球の配置に応じて異なる抽選結果を期待させることができるので、斬新な遊技性を提供することができる。更に、貯留弁704aを開放状態(解除状態)に設定するか否かの抽選の抽選確率を、ホールの店員等が調節できるように構成してもよい。これにより、複数のパチンコ機10の中から遊技者が遊技を行う台を1台選択する場合に、抽選確率が良い設定となっている台を予測して台選びを行わせることができる。よって、ホールの抽選確率を設定する際の癖等を考慮してパチンコ機10を選択させることができるので、遊技を開始する前の台選びの段階で、遊技者の興趣を向上させることができる。
本変形例では、一般的な遊技機には搭載されていない特異な構成である貯留装置700を設けているので、この貯留装置700に関わる遊技性を説明する演出を設けておいてもよい。より具体的には、例えば、背面画像として貯留装置600の画像を表示させ、貯留弁704aが開放される条件と、開放された場合のメリットと、デメリットとを説明する画像(説明画像)を表示するように構成してもよい。これにより、遊技者が容易に遊技性を理解することができる。また、説明画像が表示される背面種別は、枠ボタン22を押下(操作)することにより背面種別を切り替えることができるように構成してもよい。これにより、パチンコ機10での遊技に慣れ、十分に遊技性を理解している遊技者は、説明画像が表示されない背面種別に変更することができる。
本変形例では、解除ボタン800を押下(操作)している期間中にのみ貯留弁704aが開放されるように構成したが、これに限られるものではない。例えば、解除ボタン800の押下(操作)を検出した場合に、所定時間(例えば、5秒間)貯留弁704aが開放状態に設定されるように構成してもよい。この場合において、貯留弁704aが開放されている所定期間中は、解除ボタン800の操作を受け付けないように構成してもよい。これにより、貯留弁704aを開放させておくために、解除ボタン800を押下し続ける必要がなくなる。また、解除ボタン800を押下(操作)する度に、閉鎖状態(貯留状態)と開放状態(解除状態)とが切り替わるように構成してもよい。このように構成することで、状態を切り替えたい場合にのみ解除ボタン800を操作すればよいので、遊技者の操作回数を減らすことができる。また、解除ボタン800とは逆に、操作することで貯留弁704aが閉鎖される操作手段を設けておいてもよい。このように構成しても、本実施形態と同様に、各遊技者に対して自己の趣向に合った遊技性を選択させることができる。
本変形例では、図87に示す遊技者にとって不利な配置となってから一定時間(1分間)が経過した場合に、示唆表示画像(図89参照)を表示させることで遊技者に対して解除ボタン800の押下(操作)を促すように構成されていたが、解除ボタン800を押下(操作)させる方法はこれに限られるものではない。例えば、枠ボタン22と解除ボタン800とを一体として構成してもよい(つまり、枠ボタン22と解除ボタン800とをまとめて1の操作ボタンとし、主制御装置110、および音声ランプ制御装置113に対してそれぞれ電気的に接続してもよい)。そして、入球センサ704bにより一定期間(1分間)以上連続して球を検出した(即ち、図87に示す遊技者に不利な配置となっている)と判別した場合は、枠ボタン22の押下により演出が発展する変動種別が選択されやすくなるように構成してもよい。これにより、演出を発展させるために枠ボタン22を押下(操作)すると、同時に貯留弁704aを開放状態(解除状態)に設定することができる。一般に、遊技者は大当たりか否かを報知する変動演出の結果を最も興味深く観察するので、枠ボタン22の押下により演出が発展する変動演出が実行された場合に、確実に枠ボタン22の押下を促されていることを遊技者に認識させることができる。従って、不利な状態(図87参照)をより確実にリセットさせることができる。
本変形例では、左打ちにより第1特定入賞口65aへと球が入球するように第1入球口64の正面視下方に第1特定入賞口65aが設けられていたが、これに限られるものではない。例えば、第1実施形態と同様に貯留装置700の下流に第1特定入賞口65aを設けてもよい。これにより、特別遊技状態(大当たり状態)において右打ちを行うだけで第1特定入賞口65aと、貯留装置700とに球を流入させることができるので、特別遊技状態(大当たり状態)における賞球をより多くすることができる。よって、遊技者の大当たりに対する期待感を向上させることができる。
上記各実施形態では、貯留装置600の貯留弁607a、および貯留装置700の貯留弁704aは、正面視手前側、および正面視奥側へとスライド移動することにより、各貯留弁が設けられている流路を閉鎖するとともに、その上部へと球を貯留できるように構成していたが、貯留弁の動作はこれに限られるものではない。例えば、閉鎖状態では、流路の内壁部分に対して貯留弁が垂直に起立することにより流路を閉鎖するように構成し、開放状態では流路の下流方向へと貯留弁が倒れることにより、流路を球が通行可能となるように構成してもよい。また、貯留弁607aや、貯留弁704aは、それぞれ誘導流路607や誘導流路704を完全に閉鎖する必要はない。例えば、貯留弁607aや貯留弁704aの幅を短くし、貯留弁607aや貯留弁704aが正面視手前側に突出した状態において、誘導流路607や誘導流路704が一部開放された状態となるように構成してもよい。また、開放部分の幅が、球の直径以下となるように貯留弁607aや貯留弁704aの幅を設定すればよい。これにより、貯留弁607aや貯留弁704aの低価格化を図ることができる。また、貯留弁607aや貯留弁704aにより誘導流路607や誘導流路704を開放状態(解除状態)に設定する場合に、誘導流路607や誘導流路704を完全に開放しなくても良い。つまり、貯留弁607aや貯留弁704aの一部が誘導流路607や誘導流路704に突出した状態としてもよい。また、誘導流路607や誘導流路704における開放部分の幅が球の直径以上となるように構成してもよい。これにより、貯留弁607aや貯留弁704aにおいて、開放状態と閉鎖状態との動作範囲を狭くすることができるので、貯留弁607aや貯留弁704aの状態を切り替えるために消費する電力を低減することができる。また、開放部分の幅を球の直径以上としておけば、流入した球が貯留弁607aや貯留弁704aと接触して流下の勢いが削がれる可能性はあるものの、最終的には球を流下させることができる(貯留弁607aや貯留弁704aの位置に貯留(保持)されにくくすることができる)。よって、本構成でも上記各実施形態と同一の動作を実現することができる。即ち、誘導流路607、および誘導流路704上に球を貯留できる状態と、誘導流路607、および誘導流路704へと流入した球が下流へと流下する状態とを形成することができる。
上記各実施形態では、各貯留装置に設けられている各入球口のうち、両端をアウト口としていたが、両端のアウト口を廃止してもよい。アウト口を廃止して内壁にしたとしても、球を他の入球口へと入球させることができる。また、両端のアウト口を廃止することにより、貯留装置をよりコンパクトにすることができる。
上記各実施形態では、貯留装置の内部に複数のアウト口が設けられていたが、貯留装置の内部に設けられたアウト口に代えて、遊技盤13の正面視下方に設けられたアウト口66(図2参照)へと球を流下させる流路としてもよい。これにより、アウト口を1つにすることができるので、排出された球の個数を把握するために、アウト口66へと入球した球の個数のみを検出すれば足りる。よって、球の入球を検出するための検出スイッチの個数を削減することができるので、パチンコ機10の原価を低減することができる。
上記各実施形態では、貯留弁の上部に貯留される球を1球(第1実施形態、第1実施形態の変形例、および第2実施形態)、または2球(第2実施形態の変形例)としていたが、これに限られるものではなく、3個以上の球を貯留できるように構成してもよい。更に、複数の球を貯留する場合は、縦方向に貯留してもよいし、横に並べて貯留できるように構成してもよい。この場合において、貯留弁の上部に貯留された球の個数をカウント可能に構成してもよい。例えば、第1実施形態のパチンコ機10において、貯留弁607aの上部に5個の球が貯留可能とし、5個目の球が貯留されると貯留弁607aを開放するように構成してもよい。これにより、貯留弁607aが開放された直後に5個の球が一斉に一般入賞口(大価値入賞口)602へと流下するので、短時間で多量(5×15個)の賞球の払い出しを受けることができる。よって、貯留装置600の内部に球を貯留させたいと感じさせることができるので、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
上記各実施形態において、電源が遮断されている間は貯留弁607a、または貯留弁704aが閉鎖されるように構成してもよい。即ち、電源の遮断を検出した場合に、貯留弁607a、または貯留弁704aの閉鎖を設定し、電源の投入時に、電源遮断時の貯留弁607a、または貯留弁704aの状態に戻すように構成してもよい。これにより、電源が遮断されている間に貯留装置600、または貯留装置700へと球を入球させ、復電時に即座に賞球を獲得する不正を抑制することができる。
上記各実施形態では、貯留装置内へと流入した球が入球する入球口(入賞口)は、球が流下した誘導流路によって固定となっていたが(即ち、各入球口の配置が固定されていたが)、これに限られるものではない。例えば、入球口の位置が定期的に、またはランダムに変更されるように構成してもよい。より具体的には、貯留装置の底面に公知のクルーン等を配設し、クルーン上に環状に各入賞口(入球口)を設けてもよい。そして、クルーンを回転させることにより、各誘導流路を流下した球が流入する入賞口(入球口)にランダム性を持たせてもよい。これにより、遊技者に対して貯留装置へと流入した球が入球する入球口に対して興味深く見守らせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
上記各実施形態では、貯留装置の内部を視認可能に構成していたが、正面から貯留装置の内部が視認し難くなるように構成してもよい。
上記各実施形態では、貯留弁の開放および閉鎖を主制御装置110のMPU201により制御するように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、音声ランプ制御装置113のMPU221により貯留弁の制御を行ってもよい。より具体的には、貯留装置用ソレノイド610を音声ランプ制御装置113の入出力ポート225と電気的に接続してもよい。これにより、主制御装置110のMPU201の処理負荷を軽減することができる。よって、遊技に関する主要な処理である、変動演出の選択処理や、特別図柄の抽選処理等を遅滞なく実行することができる。
<第3実施形態>
次に、図95〜図118を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、第1可変入賞装置65、および第2可変入賞装置650の上流側(遊技盤13を球が流下する方向の上流側)に貯留装置600を設ける構成とし、特別遊技状態(大当たり状態)において、貯留装置600の内部に配設された一般入賞口(大価値入賞口)602へと球を入球させることにより賞球を得られるように構成していた。つまり、特別遊技状態(大当たり状態)において、第1特定入賞口65aや、第2特定入賞口650aへと球を入球させることにより賞球が払い出されるのに加え、貯留装置600へと球を入球させることにより賞球が払い出されるように構成していた。これにより、大当たりにおいて、より多くの賞球の払い出しが行われるように構成し、遊技者の大当たり遊技に対する興趣をより向上させていた。
また、上記第1実施形態において、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態(通常遊技状態)においては、一般入賞口(大価値入賞口)602の上流を貯留弁607aによって閉鎖することにより、球が一般入賞口(大価値入賞口)602へと入球しにくくなるように構成するとともに、貯留弁607aの上部に球を貯留しておけるように構成されていた。そして、通常遊技状態において貯留装置600の内部に貯留された球が存在する場合は、その貯留された球と、貯留装置600へと新たに流入した他の球とが干渉(接触)可能となるように構成していた。そして、貯留された球との干渉(接触)が起きた場合に、貯留装置600へと新たに流入した球の流下方向が、賞球数の少ない一般入賞口(小価値入賞口)601の方向(誘導流路606の方向)へと変化するように構成していた。これにより、通常遊技状態において貯留装置600の一般入賞口(大価値入賞口)602へ入賞させることを狙って球を右打ちすることにより、大当たりを介さずに持ち球を増やそうとする変則的な遊技方法が根本的に成り立たなくなるように構成していた。
これに対して第3実施形態では、図95に示す通り、第1実施形態における貯留装置600に代えて、第2貯留装置1600を設けている。この第2貯留装置1600の詳細な構成については図96を参照して後述するが、第2貯留装置1600には球が流下可能な流路が複数設けられており、流下する流路によって球が特定一般入賞口(確変入賞口)630aや一般入賞口(大価値入賞口)630bに入賞可能に構成している。また、第2貯留装置1600には、一部の流路を流下する球を貯留可能な貯留弁1601aが設けられている。この貯留弁1601aは、特定の条件が成立(本実施形態では大当たりが開始されてから所定期間経過(例えば、3秒経過))することにより、開放(解除)され、第2貯留装置1600内で貯留弁1601aにより貯留されていた球が第2貯留装置内を流下するよう構成している。
この第3実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、第2可変入賞装置650を削除した点、貯留装置600に代えて第2貯留装置1600を設けた点、主制御装置110のRAM203の構成が一部変更されている点、音声ランプ制御装置113のRAM223の構成が一部変更されている点、主制御装置110のMPU201により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図95を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13について説明する。図95に示した通り、第3実施形態のパチンコ機10では、第1実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13に対して、遊技盤13の右側の領域、つまり、可変表示装置ユニット80の右側に設けられる領域(以下、右側領域と称す。)に設けられる各種構成が相違している。具体的には、第1実施形態において遊技盤13の右側領域に設けられていた第2可変入賞装置650が削除されている。そして、大当たりの全てのラウンドにおいて、第1特定入賞口(第1大開放口)65aが開放されるように構成されている。即ち、特別遊技状態(大当たり状態)において、右側領域を狙って球を発射させる遊技(以下、右打ち遊技と称す。)を行うことにより第1特定入賞口(第1大開放口)65aへと球を入球させることができるように構成されている。
また、本第3実施形態では、遊技盤13の右側領域に第2貯留装置1600が設けられている。この第2貯留装置1600は、図96に示す通り、第2貯留装置1600の外形を形成する枠体1612と可変表示装置ユニット80(図95参照)の外周壁とにより形成される開口部(流入口)1610aを有している。この開口部(流入口)1610aの開口幅は約15ミリに形成されており、同時に複数の球が第2貯留装置1600へ流入することを規制している。
第2貯留装置1600の開口部(流入口)1610aの近傍には複数の釘が植設されており、右打ち遊技によって発射された球が複数の釘に衝突し跳ね返りながら右側領域を流下するよう構成されている。このように複数の釘によって球の流下方向を不規則にすることで、右側領域を流下する球が第2貯留装置1600へ流入する方向または第1可変入賞装置65を通過する方向へと振り分けられる。
具体的には、右打ち遊技で発射された20個の球のうち1個の球が第2貯留装置1600に流入するように複数の釘が遊技盤13上に植設されている。また、複数の釘の植設位置を変更したり、釘の傾きを変更したりすることにより、右側領域を流下する球の流下方向を変化させ、第2貯留装置1600に流入する球の割合を調整することができる。
なお、本第3実施形態では、第2貯留装置1600の開口部(流入口)1610aの近傍に設けられた複数の釘によって、右打ち遊技により発射された球のうち第2貯留装置1600へ流入する球の割合を設定可能に構成しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、球の流下方向を交互に切替可能な部材を設けてもよい。このような規則的に球を振り分ける構成を用いることにより、予め設定していた第2貯留装置1600への球の流入割合に対して実際に第2貯留装置1600へ流入する球の割合を容易に近似させることができる。
また、本第3実施形態では第2貯留装置1600の開口部(流入口)1610aの近傍に設けられた釘P2を左上方向(図96の視点で左上方向)に調整することで、右打ち遊技によって発射された球が第1可変入賞装置65へと向けて流下しやすくすることができ、一方、釘P2を右上方向(図96の視点で右上方向)に調整することで、右打ち遊技によって発射された球が第2貯留装置1600へと向けて流下しやすくすることができる。
具体的には、釘P2を左上方向(図96の視点で左上方向)に調整(移動)させることで、右打ち遊技によって発射された球の40個に1個が第2貯留装置1600へと流入するように設定され、釘P2を右上方向(図96の視点で右上方向)に調整(移動)させることで、右打ち遊技によって発射された球の15個に1個が第2貯留装置1600へ流入するように設定される。
このように構成することにより、例えば、大当たり遊技中に第1可変入賞装置65に入球する球の割合を減らそうと釘P2を調整した場合には、第2貯留装置1600へ流入する球が増加し、結果、その大当たり遊技終了後に確変状態が付与されやすくなり、一方、大当たり遊技中に第2貯留装置1600に流入する球の割合を減らそうち釘P2を調整した場合には、第1可変入賞装置65に入球する球の割合が増え、大当たり遊技を消化する速度を早めることができる。よって、釘P2をどのように調整したとしても、遊技者に対して不利益となりにくい遊技機を提供することができるという効果がある。
なお、本第3実施形態では釘P2を調整することで、第1可変入賞装置65へ入球しやすい状態と、第2貯留装置1600へ入球しやすい状態とを設定可能に構成しているが、例えば、パチンコ機10の電源がオンに設定されてから常時可変制御される部材によって第1可変入賞装置65へ入球しやすい状態と、第2貯留装置1600へ入球しやすい状態とが定期的に切り替わるよう設定してもよいし、遊技状態に応じて第1可変入賞装置65へ入球しやすい状態と、第2貯留装置1600へ入球しやすい状態とが切り替わる切替部材を設けても良いし、遊技者が第1可変入賞装置65へ入球しやすい状態と、第2貯留装置1600へ入球しやすい状態の何れかを任意に選択可能な選択部材を設けてもよい。
次に、本第3実施形態における第2貯留装置1600の内部構成について図95を参照して簡単に説明をする。第2貯留装置1600は、球が流下可能な流路を複数有しており、流下する球を複数の流路に振り分ける振分装置(振分部材900〜902(図96参照))が設けられている。また、複数の流路のうち、その一部の流路(第1流路1601(図96参照))において球の流下を制限する(球を貯留する)ための貯留弁1601aが設けられている。
そして、第2貯留装置1600内には第2貯留装置1600を流下する球が入球可能な特定一般入賞口(確変入賞口)630aと一般入賞口630bとが設けられており、特定一般入賞口(確変入賞口)630aに球が入球することで1個の賞球が払い出され、一般入賞口630bに球が入球することで15個の賞球が払い出される。
さらに、大当たり遊技中のうち、1ラウンド目のラウンド遊技が実行されてから最終ラウンドのラウンド遊技が終了するまでの間(以下、確変入賞有効期間と称す。)に特定一般入賞口(確変入賞口)630aに球が入球することにより(特定一般入賞口630a内に設けられた確変スイッチを球が通過することにより)、大当たり遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態である確変遊技状態を付与可能に構成されている。この第2貯留装置1600の内部構成の詳細については、図96〜図98を参照して後述する。
さらに、本第3実施形態のパチンコ機10の右側領域には第2貯留装置1600に流入しなかった球が通過可能な位置に第1可変入賞装置65が設けられ、その下方にスルーゲート67が設けられている。なお、このスルーゲート67は後述する第2貯留装置1600を流下した球の一部も通過(入球)可能な位置に配置されている。そして、スルーゲート67を通過(入球)した球が入球可能な位置に第2入球口640が設けられている。
以上、説明をしたように、本第3実施形態のパチンコ機10では、右打ち遊技により発射された球が、複数の釘により第2貯留装置1600または第1可変入賞装置65の何れかに流入(通過)するように振り分けられ、第2貯留装置1600へ流入した球は第2貯留装置1600内を流下し、特定一般入賞口630a、一般入賞口630bに入球可能となる。
一方、第1可変入賞装置65を通過した球は、遊技盤13に植設された釘によりスルーゲート67に誘導され、スルーゲート67を通過した球が第2入球口640へ入球可能に構成されている。
よって、大当たり遊技中は、右打ち遊技を行うことで第1可変入賞装置65に球を入球させるとともに、右打ち遊技によって発射された球の一部(本実施形態では5%)が第2貯留装置1600へと流入する。
上述したように本第3実施形態のパチンコ機10では確変入賞有効期間中に第2貯留装置1600内に設けられた特定一般入賞口630aに球が入球することで、その大当たり遊技終了後に確変遊技状態を付与可能に構成されている。
つまり、本第3実施形態のパチンコ機10は、大当たり遊技中に右打ち遊技を行うだけで、遊技者に対して第1可変入賞装置65へ球を入球させて賞球を得る遊技と、第2貯留装置1600内の特定一般入賞口630aに球を入球させることで、その大当たり遊技終了後に遊技者に有利となる遊技状態である確変状態を付与させる遊技とを同時に実行させることが可能となる。よって、大当たり遊技中における遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
なお、本実施形態では、大当たり遊技中に開放される第1可変入賞装置65と、第2貯留装置1600とを遊技盤13の右側領域に配置しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、遊技盤13の左側領域(可変表示装置ユニット80の左側)に第2貯留装置1600を設け、遊技盤13の右側領域に第1可変入賞装置65を設けても良い。このように構成することで、大当たり遊技中に狙う領域を遊技者に選択させることが可能となり、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図96〜図98を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13の右側領域の構成について説明する。図96は、図95の2点鎖線XCVIの領域を拡大した拡大図である。
図96に示した通り、遊技盤13の右側領域には、第2貯留装置1600が設けられている。第2貯留装置1600は球が流下可能な複数の流路(第1流路1601〜第8流路1608)と、第1流路1601を流下する球を貯留可能な貯留弁1601aと、第7流路1607を流下した球が入球可能な特定一般入賞口630aと、第5流路1605または第8流路1608を流下した球が入球可能な一般入賞口630bと、球の流路を振り分けるための複数の振分部材(第1振分部材900〜第3振分部材902)と、球の通過または貯留状態を検出するための複数のセンサ(流入検出センサ1600a、上限検出センサ1600b、通過センサ1600c〜1600e)とを有している。
ここで、図96を参照して、第2貯留装置1600の各種構成について詳細な説明をする。まず、第2貯留装置1600内に形成される各流路について説明をする。第2貯留装置1600には、第2貯留装置1600内の領域を区画する区画壁1611が設けられており、第2貯留装置1600内における区画壁1611の正面視左側(図96の視点で左側)の領域に第1流路1601が形成され、第2貯留装置1600内における区画壁1611の正面視右側(図96の視点で右側)の領域に第2流路1602が形成されている。
この第1流路1601は球が1個通過可能な通路幅(約15ミリ)で形成されており、その下流部に上述した貯留弁1601aが設けられている。
この第1流路1601は、図96に示す通り、貯留弁1601aが閉鎖状態の場合に球を4個貯留可能な長さ(約40ミリ)となるよう区画壁1611により形成されており、その区画壁1611の第1流路1601を形成する面は、第1流路1601を流下する球を貯留弁1601aへと案内するために略円弧状に形成されている。
このように構成することで、第1流路1601を流下する球が貯留弁1601aに落下(自然落下)しながら衝突することを防ぐことができ、貯留弁1601aが破損してしまうことを抑制することができるという効果がある。また、貯留弁1601aが開放(解除)位置に可変した際に、第1流路1601に貯留されている球を円滑に流下させることができるという効果がある。
そして、第1流路1601を流下した球は第1振分部材900に落下する。第1振分部材900は、第1振分部材900の正面視左側(図96の視点で左側)に形成される第3流路1603と、第1振分部材900の正面視右側(図96の視点で右側)に形成される第4流路1604とに球を交互に振り分け可能に構成されている。なお、第1振分部材900の詳細な構成については、図96を参照して後述する。
第3流路1603は、第2貯留装置1600内に設けられる第2区画壁1613により、下流側の流下方向が直下方向(図96の視点で垂直方向)となるように形成されており、第3流路1603を流下した球が落下する位置に第3振分部材902が設けられている。第3振分部材902は、第3振分部材902の正面視左側(図96の視点で左側)に形成される第7流路1607と、第3振分部材902の正面視右側(図96の視点で右側)に形成される第8流路1608とに球を交互に振り分け可能に構成されている。なお、第3振分部材902の詳細な振り分け構成については、上述した第1振分部材900と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
一方、区画壁1611の正面視右側の領域に形成された第2流路1602は、図96に示す通り、誘導釘P1により第2貯留装置1600に流入した球が直接流下することが規制されており、第1流路1601に上限数(4個)の球が貯留されている状態において、新たな球が第2貯留装置1600内に流入した場合に、新たに第2貯留装置1600内に流入した球が第1流路1601に貯留されている球に衝突することで誘導されるように形成されている。
また、第1流路1601に上限数(4個)の球が貯留されていない場合であっても、誘導釘P1および可変表示装置ユニット80(図95参照)の外周壁に衝突することで不規則に跳ね返った球が第2流路1602を流下可能に構成されている。具体的には、第2貯留装置1600に流入した球のうち約5%の球が第2流路1602へと流入するように構成されている。つまり、本第3実施形態のパチンコ機10では、右打ち遊技にて発射された球のうち約5%が第2貯留装置1600へと流入し、第2貯留装置1600に流入した球のうち約5%が第2流路1602へと流入するように構成されている。
なお、上述した球の流入割合については、遊技盤13に植設された複数の釘(誘導釘P1)の植設位置や傾きを変更したり、区画壁1611を異なる形状(例えば、区画壁1611の頂部と誘導釘P1との間隔を広げる形状)に変更したりすることで調整することができる。
このように形成される第2流路1602は、その下流側にて第1振分部材900により第4流路1604に振り分けられた球が合流するように構成されている。なお、第2流路1602と第4流路1604とは、第1区画壁1611により区画形成されており、第2流路1602を流下する球が第4流路1604に合流したり、第1振分部材900と接触したりする事態を防ぐために、第1区画壁1611の下端部が延設されている。
また、詳細な説明は後述するが、第2流路1602を流下する球が当接可能な位置に、第1振分部材900に付随する作動片900gが設けられており、第2流路1602を流下した球が作動片900gと当接することにより、第1振分部材900の振分順序を変更可能に構成されている。
第2流路1602を流下した球は第2区画壁1613に当接し、直下方向(図96の視点で垂直方向)へ流下し。第2振分部材901へと落下する。第2振分部材901は、第2振分部材901の正面視左側(図96の視点で左側)に形成される第5流路1605と、第2振分部材901の正面視右側(図96の視点で右側)に形成される第6流路1606とに球を交互に振り分け可能に構成されている。なお、第2振分部材901の詳細な振り分け構成については、上述した第1振分部材900と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
第5流路1605に振り分けられた球は、第8流路に振り分けられた球と同様に一般入賞口630bへ入球可能に誘導される。一方、第6流路1606に振り分けられた球は、開口部(排出口)1610bを通過し、第2貯留装置1600の外部へと排出される。
次に、図96を参照して、貯留弁1601aの構成について説明をする。この貯留弁1601aは、第2貯留装置1600の第1流路1601を球が流下不能(困難)な状態にする閉鎖位置と、第1流路1601を球が流下可能(容易)な状態にする開放位置とに可変可能に構成されている。
具体的に説明すると、貯留弁1601aは第2貯留装置1600の正面視手前方向(図96の視点で手前方向)に突出することで閉鎖位置に位置し、第2貯留装置1600の正面視奥方向(図96の視点で奥方向)に埋没することで開放位置に位置するシャッター部材で構成されており、貯留装置用ソレノイド610(図99参照)がオンに設定されることにより、開放位置に可変するよう構成されている。
なお、貯留装置用ソレノイド610をオンに設定する制御については、図111を参照して詳細な説明を後述するが、本第3実施形態では、大当たり遊技が実行されたことに基づいて予め定められたタイミング(例えば、大当たりAの場合では、大当たり遊技が実行されてから3秒経過後)で貯留装置用ソレノイド610がオンとなるように設定されている。
次に、図96を参照して、振分装置(第1振分部材900〜第3振分部材902)の構成について説明をする。第2貯留装置1600は球を左右方向に振り分け可能な振分部材として第1振分部材900、第2振分部材901、および第3振分部材902を有している。第1振分部材900は、第1流路1601から流下した球を収容部900aまたは900cで受け入れる。収容部900aで球を受けると、球の自重により、第1振分部材900は、正面視(図96参照)左回りに回転して、球を第3流路1603へと振り分ける。ここで、第1振分部材900は、それぞれ左右周りに約30度回動可能に構成されており、収容部900aと収容部900cとの境界壁には磁石900bが設けられている。
第2貯留装置1600の背面側に設けられるベース体には、第1振分部材900の磁石900bが真上(図96の視点で真上)に来る位置に、ベース側磁石900eが配置されている。第1振分部材900の磁石900bとベース側磁石900eとは互いに反発する極性になるように構成されている。詳細には、ベース側磁石900eは、ベース体に固定された棒状の磁石で構成されており、先端部に磁極(S極またはN極)が発生するように構成されている。ベース側磁石900eは、先端部が第1振分部材900側に向くように配置されて固定されている。
磁石900bもベース側磁石900eと同様に棒状で構成された磁石で構成され、先端部がベース側磁石900e側に向くように、第1振分部材900に固定されている。第1振分部材900が回動し、収容部900aと収容部900cとの境界壁が真上(図96の視点で真上)に来る位置で、ベース側磁石900eと第1振分部900の磁石900bとが最も接近する(先端部同士が向かい合う)位置となる。ここで、互いの磁石は、極性が同じ(例えば、N極とN極)となるように配置されているので反発し合い、収容部900aと収容部900cとの境界壁が真上を向く位置で停止することが無く、左右どちらかに回動した位置に維持されることとなる。
また、磁石900bとベース側磁石900eとが反発することで、例えば、収容部900aが球を受けて左に回転して、球を第3流路1603へ誘導した後に、第1振分部材900が右回転する(収容部900aが上方を向く)のを防止することができる。これにより、球を第3流路1603へ誘導した後には、収容部900cが上方を向いた状態となり、次に第1流路1601から流下する球は、収容部900cに入球し、球の重さにより、第1振分部材900が右に回転して、球を第4流路1604へ誘導する。このように、第1振分部材900は、第1流路1601から流下する球を第3流路1603と第4流路1604とに交互に誘導することができる。
ここで、図96は、第1振分部材900が収容部900cを上方に向けた位置に回動した状態で停止している場合を示した図である。この場合に第1流路1601から球が流下すると、収容部900cに球が収容され、球の自重により第1振分部材900が右回りに回動し、第4流路1604に球が振り分けられる。球が第1振分部900により第4流路1604へと振分けられた後には、図97に示すように、収容部900aを上方に向けた位置で第1振分部材900が停止する。その後、第1流路1601から球が流下すると、収容部900aに収容され、第3流路1603に球が振り分けられる。よって、球を交互に第3流路1603と第4流路1604とに振り分けることができる。第3流路1603の下流側には第3振分部材902が設けられ、第2流路1602の下流側には第2振分部材901が設けられている。この第2振分部材901および第3振分部材902は、上述した第1振分部材900と同一の振分構造で構成されているためその説明を省略する。
また、第1振分部材900の下部(第2流路1602側)には、作動片900gが設けられており、第1振分部材900が収容部900cを上方に向けた位置に回動した状態で停止している場合(図96参照)、球が第2流路1602を通過する際に、この作動片900gに接触するように構成されている。よって、球が第2流路1602を通過すると、球が作動片900gに接触することにより、第1振分部材900は右回りに回転し、収容部900aを上方に向けた位置(図97参照)で停止することになる。
このように構成することにより、第1振分部材900は、第1流路1601から流下した球を振り分ける動作を実行しなくても、その回動位置を変更することが可能となる。よって、規則的に交互に球を振り分けるよう構成されている第1振分部材900の球を振り分ける方向をランダムにすることができ、遊技者に球の振り分け先を容易に把握されることを抑制することができるという効果がある。
次に、第2貯留装置1600内に設けられる複数の入賞口(特定一般入賞口630aおよび一般入賞口630b)について説明をする。本第3実施形態のパチンコ機10には、特定一般入賞口(確変入賞口)630aが設けられている。この特定一般入賞口(確変入賞口)630aは、球が入球するタイミングに応じて付与される特典が異なるように構成されている。具体的には、大当たり遊技中において、第1可変入賞装置65が開放動作されている間(確変入賞有効期間中)に球が入球すると、所定数の賞球(本実施形態では1個)が付与されるとともに、その大当たり遊技終了後に、特別図柄の大当たり確率が高く設定される確率変動状態(以下、確変状態と称す)が付与される。
一方、それ以外のタイミング(通常遊技状態中、または、大当たり遊技中において、第1可変入賞装置65が開放動作されていない間(確変入賞無効期間中))に球が入球すると、所定数の賞球(本実施形態では1個)のみが付与される。
そして、本第3実施形態のパチンコ機10では、大当たりに当選した際に選択される大当たり種別に応じて貯留弁1601aが解除されるタイミングが異なるように設定されている。詳細については図100bを参照して後述するが、特定の大当たり種別(例えば、大当たりA)が選択されると、大当たり遊技が開始されてから第1可変入賞装置65が開放されるまでのオープニング期間(確変入賞無効期間)の間に貯留弁1601aによって貯留されていた球が特定一般入賞口630aに入球するタイミング(大当たり開始から3秒後)で貯留弁1601aが解除される。
一方、特定の大当たり種別以外の大当たり種別(例えば、大当たりB)が選択されると、大当たり遊技が開始され、第1可変入賞装置65が開放されている期間(確変入賞有効期間)の間に貯留弁1601aによって貯留されていた球が特定一般入賞口630aに入球するタイミング(大当たり開始から10秒後)で貯留弁1601aが解除される。
これにより、貯留弁1601aに球が貯留されている状態で大当たりに当選した場合に選択された大当たり種別によって、特定一般入賞口630aに球が入球するタイミングを異ならせることが可能となる。よって、遊技者は、大当たりに当選した後に、どのタイミングで貯留弁が解除されるかを注視することとなり、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
なお、本第3実施形態では、大当たり種別に応じて貯留弁1601aの解除タイミングを異ならせて設定しているが、貯留弁1601aによって貯留されていた球が特定一般入賞口630aに入球するタイミングを、大当たり遊技中における第1可変入賞装置65の開放を開始していない期間(確変入賞無効期間)と、第1可変入賞装置65が開放動作される期間(確変入賞有効期間)とに設定できればよく、例えば、貯留弁1601aの解除タイミングを一定にし、大当たり種別ごとに大当たり遊技中における第1可変入賞装置65のオープニング期間の長さが異なるように設定してもよい。このような構成であっても本第3実施形態と同様に、大当たり種別によって特定一般入賞口630aへ球が入球するタイミングを異ならせることが可能となる。
また、大当たり種別に応じて、貯留弁1601aの解除タイミングとオープニング期間との両方を異ならせて設定してもよいし、大当たり種別以外の条件(例えば、大当たりに当選したときの遊技状態(通常遊技状態、確変遊技状態等))によって、上述した貯留弁1601aの解除タイミングや、大当たり遊技におけるオープニング期間が異なるように設定してもよい。これにより、大当たりに当選した際における特定一般入賞口630aへの球の入球タイミングを複雑にすることができ、遊技者に入球タイミングを気づかれ難くすることができる。よって、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
また、本第3実施形態で用いた構成によれば、特定一般入賞口630aに球が入球するタイミングが、確変入賞有効期間中であれば、その大当たり終了後に確変状態を付与されるが、この確変入賞有効期間とは、具体的に、第1可変入賞装置65が開放している期間(ラウンド遊技期間)と、1のラウンドの終了条件(球が10個入球、または、30秒経過)が成立してから次のラウンドにて第1可変入賞装置65が開放されるまでの期間(インターバル期間)の両方が含まれている。
よって、大当たり遊技中におけるインターバル期間(第1可変入賞装置65が閉鎖している期間)であっても、球が特定一般入賞口630aに球が入球すると、その大当たり遊技終了後に確変状態が付与される。つまり、本第3実施形態にて用いた構成では、大当たり遊技中に開放される特定入賞口(例えば、第1可変入賞装置65の特定入賞口65a)内に、球が通過することでその大当たり終了後に確変状態が付与される特定領域を設けた場合よりも、大当たり遊技中において連続して遊技者に有利となる期間(確変状態を付与可能な期間)を設定することが可能となる。
また、本第3実施形態では、球が通過することにより確変状態を付与可能な特定領域(特定一般入賞口630a)を大当たり遊技中に開放される特定入賞口(例えば第1可変入賞装置65の特定入賞口65a)以外に設けているため、大当たり遊技中に第1可変入賞装置65に入賞しなかった球、即ち、従来は遊技者にとって何らメリットのなかった球(無駄球)により、確変状態を獲得できるか否かを決定する遊技が行われることになる。これにより、大当たり遊技中に、第1可変入賞装置65に球を入球させ賞球を獲得する遊技と、特定一般入賞口630aに球を入球させ確変状態を獲得する遊技とを同時に進行させることが可能となる。よって、遊技者に対して複数の遊技性を同時に提供することができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
この場合、本第3実施形態のパチンコ機10のように、同一領域を狙う遊技(本実施形態では、右打ち遊技)にて入賞可能な位置に第1可変入賞装置65および特定一般入賞口630aを設けると良い。このようにすることで、遊技者に対して複数の遊技を同時に且つ容易に進行させることができる。
なお、本第3実施形態のパチンコ機10とは異なり、例えば、右側領域に第1可変入賞装置65を設け、通常遊技領域(左側領域)に特定一般入賞口630aを設けるように構成してもよい。これにより、大当たり遊技中におけるラウンド期間(第1可変入賞装置65が開放している期間)は右打ち遊技を行い、インターバル期間(1のラウンドの終了条件(球が10個入球、または、30秒経過)が成立してから次のラウンドにて第1可変入賞装置65が開放されるまでの期間)にて、通常遊技(左打ち遊技)を行わせ、特定一般入賞口630aへ球を入球させる遊技を実行させるように構成してもよい。
これにより、大当たり遊技中における遊技を複雑にすることが可能となる。よって、単調な遊技によって遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
また、第2貯留装置1600内に設けられる一般入賞口630bは、球が入球することで15個の賞球が払い出されるように構成されている。
次に、図96〜図98を参照して、第2貯留装置1600内に流入した球の流れについて説明をする。図96は、図95の2点鎖線XCVIで囲まれる領域を拡大した図であって、貯留弁1601aが閉鎖状態である場合の一例を示す図である。図96に示す通り、第2貯留装置1600に流入した球は、第1流路1601を流下し、閉鎖状態に位置する貯留弁1601a上に滞留する(貯留される)。第1流路1601は4個の球が貯留可能に構成されており、第1流路1601に4個の球が貯留されている状態で第2貯留装置1600に流入した球は、第1流路1601に貯留されている球と接触して第2流路1602へと流下する(図中の矢印参照)。
また、図96に示す状態では、第1振分部材900が左側に回動している状態であり、第2流路1602を流下する球が当接する位置に作動片900gが位置しており、第2流路1602を流下する球により作動片900gが球の進行方向(図96の視点で左方向)へと押し上げられることになる。
ここで、第2流路1602を流下する球が作動片900gを押し上げた後の状態について図97を参照して説明する。図97は、図95の2点鎖線XCVIで囲まれる領域を拡大した図であって、図96の状態を進行させた一例を示す図である。図97に示す通り、図96に示した状態において、第2流路1602を流下した球により第1振分部材900に付随する作動片900gが押し上げられ、第1振分部材900が右側に回動している状態へと可変する。なお、第1振分部材900が右側に回動している状態では作動片900gは第2流路1602を流下する球が当接しない(わずかに当接する)位置まで移動するため、第2流路1602を流下する球により第1振分部材900が左側に回動してしまうことがない。
このように、本第3実施形態では、第1振分部材900が球を振り分ける方向を、第2流路1602を流下する球によって変更することができる。さらに、第1振分部材900が第2流路1602を流下する球により可変されると、第1振分部材900が右側に回動している状態となる。この第1振分部材900が右側に回動している状態は、第1振分部材900に落下した球を左側へと振り分ける状態であるため、本第3実施形態において遊技者に有利となる特定一般入賞口630aに球を入球させるために必要な球数を削減することが可能となる。
具体的に説明をすると、特定一般入賞口630aに入球する球は、第1流路1601、第3流路1603、第7流路1607と流下した球である。まず、第1流路1601を流下した球は第1振分部材900によって、1/2の確率で第3流路1603へと振り分けられ、第3流路1603を流下した球は第3振分部材902によって、1/2の確率で第7流路1607へと振り分けられる。
つまり、第1流路1601を流下した球を確実に特定一般入賞口630aへ入球させるためには、最大で4個の球を流下させる必要がある。しかし、第1振分部材900を右側に回動している状態にしておくことで、はじめに第1振分部材900に落下した球が第3流路1603へ振り分けられるため、確実に特定一般入賞口630aへ入球させるために必要な球数を3個とすることができ、特定一般入賞口630aに球を入球させるために必要な球数を削減することが可能となる。
図97に戻り説明を続ける。第2流路1602を流下した球は、第2振分部材901に落下する。図97に示す状態では、第2振分部材901が右側に回動している状態であるため、第2振分部材901に落下した球は第5流路1605へ振り分けられ、一般入賞口630bへ入球する。
次に、図98を参照して、貯留弁1601aが開放(解除)状態へと可変し、第1流路1601に貯留されていた球が流下する状態を説明する。図98は、図95の2点鎖線XCVIで囲まれる領域を拡大した図であって、図97の状態において貯留弁1601aを開放(解除)状態にした場合の一例を示す図である。
図98に示す通り、貯留弁1601aが開放状態となると、第1流路1601に貯留されていた球(4個)が第1振分部材900へと流下される。本第3実施形態では、第1流路1601にて数珠繋ぎで貯留されていた球が第1振分部材900へと到達する間隔が0.5秒間隔となるように第1流路1601が形成されている。
図98に示す状態では、第1流路1601に貯留されていた球のうち、最初に貯留されていた球(一番下流側に貯留されていた球)が特定一般入賞口630aへと入賞するように第1振分部材900と第3振分部材902とが位置している。
なお、第1流路1601の一番下流側に貯留されていた球が特定一般入賞口630aに入球するまでに要する時間は、貯留弁1601aが開放(解除)されてから1.5秒である。また、上述したように第1流路1601に貯留されている球が第1振分部材900へと到達する間隔が0.5秒間隔となっているため、第1流路1601に貯留されている2番目の球(下流側から2個目の球)が特定一般入賞口630aに入球するまでに要する時間は、貯留弁1601aが開放(解除)されてから2秒となる。同様に、第1流路1601に貯留されている3番目の球(下流側から3個目の球)が特定一般入賞口630aに入球するまでに要する時間は、貯留弁1601aが開放(解除)されてから2.5秒となり、第1流路1601に貯留されている4番目に球(一番上の球)が特定一般入賞口630aに入球するまでに要する時間は、貯留弁1601aが開放(解除)されてから3秒となる。
以上、説明をしたように、本実施形態では第2貯留装置1600内の第1流路1601内に4個の球を貯留可能に構成されており、さらに、特定一般入賞口630aに球を確実に入球させるためには第1流路1601を最大で4個流下させる必要があるように構成されている。よって、第2貯留装置1600に上限(4個)まで球を貯留させることで、貯留弁1601aが開放(解除)されると確実に特定一般入賞口630aに球を入球させることができる。
これにより、例えば、特別図柄の保留記憶数が上限に到達したとしても、遊技者に対して第2貯留装置1600に球を貯留させるために継続して遊技を行わせることができ、遊技の稼働を高めることができるという効果がある。
なお、本実施形態では特定一般入賞口630aに確実に球を入球させることができる個数分の球を貯留可能に構成したが、例えば、貯留可能な上限数を3個にしてもよい。この場合、各振分部材(第1振分部材900および第3振分部材902)の回動状態によって、貯留弁1601aが開放(解除)された場合に、特定一般入賞口630aに球が入球するか否かが変わるため、遊技者に球の流れを注視させることができ、遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらにこの場合、第2流路1602に球を流下させることで、第1振分部材900の回動位置を遊技者に有利な回動位置(右側に回動している位置)にすることで、第2貯留装置1600に貯留可能な球数で確実に特定一般入賞口630aに球を入球させることができる。
また、本実施形態では、第2貯留装置1600内に流入した球は最初に第1流路1601へと誘導され、第1流路1601に貯留される構成としているが、第2貯留装置1600の開口部1610aと球を貯留可能な領域(第1流路1601)との間に、球が流下可能な複数の流路を設け、第2貯留装置1600に流入した球の一部が貯留されるように構成してもよいし、球を貯留可能な領域と特定一般入賞口630aとの間に振分部材のように規則的に球を振り分ける構成以外の振分手段(球をランダムに振り分ける手段)を設けてもよい。
このような構成を用いることで、第2貯留装置1600内の球の流れを複雑にすることができ、単調な遊技によって遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、本実施形態では第1振分部材900に作動片900gを設け、第2流路1602を球が流下することで第1振分部材900を遊技者に有利な回動位置へと移動(回動)させる構成を用いたが、他の振分部材にも同様の作動片を設けても良い。また作動片が作動することで、遊技者に不利な回動位置へと振分部材を回動させる構成にしてもよい。
これにより、規則的に球を振り分けることが可能な振分部材を用いた場合でも、球の流れを複雑にすることができる。また、第2貯留装置1600内の複数の流路を球が流下することで、特定一般入賞口630aへ球を入球させるために必要な個数を変更することが可能となるため、なるべく最小の個数で特定一般入賞口630aへ球が入球可能な状態になるよう継続して遊技を行わせることができ、遊技の稼働を向上させることができるという効果がある。
次に、第2貯留装置1600に設けられる各種センサ(流入検知センサ1600a、上限検知センサ1600b、通過センサ1600c〜1600e)について図96を参照して説明する。第2貯留装置1600に設けられる各種センサ(流入検知センサ1600a、上限検知センサ1600b、通過センサ1600c〜1600e)から出力される信号は音声ランプ制御装置113の入出力ポート225へ出力され、その出力された信号に基づいて第2貯留装置1600へ流入した球数や、第2貯留装置1600から排出された球数や、第2貯留装置1600内の流路を通過した球数や、第2貯留装置1600内に貯留されている球数等を管理可能に構成されている。
流入検知センサ1600aは、第2貯留装置1600の開口部(流入口)1610aを通過する球を検知するセンサである。この流入検知センサ1600aから出力された信号に基づいて第2貯留装置1600に流入した球数が把握可能となる。
次に、上限検知センサ1600bは、第2貯留装置1600の第1流路1601に貯留された球数が上限量(4個)に到達したことを検知するセンサである。この上限検知センサは被検知物となる球を所定時間(2秒)連続して検知した場合に検知信号を出力するように構成されている。これにより、第1流路1601を球が通過した場合に誤って検知信号を出力されることを防止し、第1流路1601に球が貯留(滞留)している状態を確実に検知することができる。
通過センサ1600cは、第1流路1601を球が通過したことを検知するセンサで、通過センサ1600dは、第2流路1602を球が通過したことを検知するセンサで、通過センサ1600eは、開口部1610bを球が通過したことを検知するセンサである。
このように、第2貯留装置1600に関する球の通過あるいは貯留状況を把握するためのセンサを設けることで、例えば、第2貯留装置1600内に設けられた各入賞口(特定一般入賞口630aおよび一般入賞口630b)への入球数を示す情報と組み合わせることで、第2貯留装置1600内で球詰まり等の不具合が発生していることを容易に把握することができるようになる。
なお、本実施形態では第1流路1601に貯留された球が上限に到達したことを上限検知センサ1600bで検出可能に構成しているが、例えば、第1流路1601に貯留されている球の個数を把握できるように検知センサを配置してもよい。これにより、第2貯留装置1600内の球の貯留状況をより詳細に把握することが可能となる。
<第3実施形態における電気的構成について>
次に、図99を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。第3実施形態における電気的構成は、第1実施形態における電気的構成に対して、主制御装置110のROM202およびRAM203の構成が一部変更されている点、音声ランプ制御装置113のROM222およびRAM223の構成が一部変更されている点、主制御装置110の入出力ポートに対して接続されていた流路用ソレノイド611を削除した点、音声ランプ制御装置113の入出力ポート225に対して各種センサ群(流入検知センサ1600a〜通過センサ1600e)が電気的に接続されている点で相違している。その他の電気的構成については、第1実施形態における電気的構成と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
図99に示した通り、第3実施形態では各種センサ群229が入出力ポート225と電気的に接続されている。この各種センサ群229は、上述した第2貯留装置1600への球の流入を検知する流入検知センサ1600aと、第2貯留装置1600内に設けられた貯留弁1601aにより貯留された球が上限量に達していることを検知する上限検知センサ1600bと、第2貯留装置1600内の第1流路1601を通過する球を検知する通過センサ1600cと、第2貯留装置1600内の第2流路1602を通過する球を検知する通過センサ1600dと、第2貯留装置1600内の第6流路1606を通過する球を検知する通過センサ1600eとから構成されており、上述した各種センサから検知信号が音声ランプ制御装置113へと出力される。
音声ランプ制御装置113では、上述した各種センサから出力される検知信号を受けることで第2貯留装置1600内に流入した球が正常に排出されているかを判別可能にしている。具体的には、流入検知センサ1600aから出力される信号に基づいて第2貯留装置1600内に流入した球数を算出する。そして、通過センサ1600eから出力される信号に基づいて第6流路1606を通過する球数、即ち第2貯留装置1600の外部に排出された球数を算出する。
さらに、特定一般入賞口630a及び一般入賞口630bに入球した球数を主制御装置110から出力される入賞情報コマンドに基づいて算出する。これにより、第2貯留装置1600に流入した球の総数と、第2貯留装置1600から排出された球の総数とを比較することが可能となる。より具体的に説明をすると、第2貯留装置1600に流入した球数と第2貯留装置1600から排出された球数とを時系列的に算出し、所定の時間差(約5秒)、つまり、第2貯留装置1600内を遊技球が正常に流下するのに費やす時間分の時間差を持って球数の増減が一致する場合は正常と判別する。
また、第2貯留装置1600内には球が最大で4つ貯留可能に構成されているため、通常遊技状態(貯留弁1601aが閉鎖している状態)においては、第2貯留装置1600内に流入した球数と第2貯留装置1600から排出された球数との比較を行う際に4球分の誤差を許容するようにし、大当たり遊技状態(貯留弁1601aが開放されている状態)では、第2貯留装置1600内に貯留されている球が無くなるため、上述した許容誤差(4球分)を考慮しない比較を実行するとよい。
さらに、第2貯留装置1600内に貯留されている球数を検知可能なセンサを設けることで、第2貯留装置1600内に不正に滞留している球の存在を容易に把握することができる。
例えば、第2貯留装置1600内に球を意図的に滞留させ、遊技者にとって有利な状態(特定一般入賞口630aに球が入球することで確変が付与される状態)になった場合に特定一般入賞口630aに球を入球させる行為や、入球させることで他の一般入賞口(一般入賞口63)よりも賞球の払い出しが多く設定されている一般入賞口630bに1個の球を繰り返し入球させる行為を発見することが可能となる。
なお、上述した各種信号に基づいて第2貯留装置1600内の球流れを監視する方法は上述した内容に限られるものではない。本実施形態では、第2貯留装置1600に流入する総球数と第2貯留装置1600から排出される総球数とを算出して第2貯留装置1600内に滞留している球の有無を判別可能にしているが、例えば、第1流路1601を流下した球数と第3流路1603を流下した球数と第4流路1604を流下した球数と特定一般入賞口630aに入球した球数とを算出し、特定一般入賞口630aに入球可能な球(第1流路1601aを流下した球)が第2貯留装置1600内に滞留しているか否かを判別するようにしてもよい。なお、このように構成を用いる場合は、貯留弁1601aの開閉状態と、貯留弁1601aが閉状態の場合であれば、貯留弁1601aよって第1流路1601に貯留されている球数を算出可能にするとよい。これにより、第2貯留装置1600内に設けられた入賞口の中で最も遊技者に有利となる入賞口(特定一般入賞口630a)へ不正に球が入球させられる事態を適正に把握することが可能となる。
なお、上述した例では特定一般入賞口630aへの不正入球を対象としたが、一般入賞口630bへの不正入球を対象としてもよい。
次に、図100(a)を参照して、主制御装置110のROM202について説明する。図100(a)は、主制御装置110に設けられているROM202の内容を模式的に示した図である。図100(a)に示した通り、本実施形態のROM202は、第1実施形態におけるROM202の構成に対し、第1当たり種別選択テーブル202bの内容が変更され、開放シナリオ設定テーブル202eが追加されている点で相違している。
ここで、図100(b)を参照して、第3実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bについて説明する。図100(b)は第3実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bに規定されている内容を模式的に示した図である。本実施形態の第1当たり種別選択テーブル202bは上述した第1実施形態における第1当たり種別選択テーブル202b(図18(b)参照)に対して、大当たり種別として大当たりCを追加した点と、各大当たり種別(大当たりA〜大当たりC)に規定されている内容を変更した点と、各大当たり種別(大当たりA〜大当たりC)に対応する第1当たり種別カウンタC2の当たりが変更されている点で相違し、その他の構成は上述した第1実施形態の特図1用種別選択テーブル202b1と同一であり、その詳細な説明を省略する。
具体的には、図100(b)に示した通り、特別図柄1に対応する大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲には、大当たりAが対応付けられて規定されている。この大当たりAは、特別遊技状態(大当たり状態)が8ラウンド継続し、貯留弁1601aが開放されるタイミングが大当たり開始から3秒後に設定される大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜69」の範囲には、大当たりBが対応付けられて規定されている。この大当たりBは、特別遊技状態(大当たり状態)が15ラウンド継続し、貯留弁1601aが開放されるタイミングが大当たり開始から10秒後に設定される大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の値が「70〜99」の範囲には、大当たりCが対応付けられて規定されている。この大当たりCは、特別遊技状態(大当たり状態)が2ラウンド継続し、貯留弁1601aが開放されるタイミングが大当たり開始から1秒後に設定される大当たりである。
このように、大当たり種別に応じて特別遊技状態(大当たり状態)が継続するラウンド数および貯留弁1601aが開放されるタイミングが設定されているため、大当たりに当選した際に設定される大当たり種別に応じて遊技者に対して異なる有利状態を付与することが可能となる。
次に、特別図柄2に対応する大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜19」の範囲には、大当たりAが対応付けられて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「20〜89」の範囲には、大当たりBが対応付けられて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「90〜99」の範囲には、大当たりCが対応付けられて規定されている。なお、特別図柄2に対応して規定されている大当たり種別A〜Cに設定されている内容については、上述した特別図柄1と同様であるため詳細な説明を省略する。
上述したように、本第3実施形態では特別図柄1で大当たりに当選した場合には、大当たりAが50%、大当たりBが20%、大当たりCが30%の割合で選択され、特別図柄2で当選した場合には、大当たりAが20%、大当たりBが70%、大当たりCが10%の割合で選択される。
ここで、詳細については図102(b)を参照して後述するが、大当たりAから大当たりCのうち、大当たり遊技中における第1可変入賞装置65開放動作中に、貯留弁1601aに貯留された球が特定一般入賞口630aに入球するタイミングで貯留弁1601aが解除される大当たりは大当たりBと大当たりCである。
大当たりBと大当たりCを合計した割合は、特別図柄1にて大当たりに当選した場合の50%で、特別図柄2で大当たりに当選した場合の80%となるように設定されている。つまり、特別図柄1を用いた特別図柄遊技よりも、特別図柄2を用いた特別図柄遊技のほうが、遊技者にとって有利となる(確変状態が付与されやすい)遊技が選択されやすくなる。
なお、上述した内容はあくまでも、貯留弁1601aにより貯留された球が大当たり遊技中における第1可変入賞装置65の開放動作中に特定一般入賞口630aに入球する割合である。つまり、本第3実施形態のように、大当たり遊技中に実行される右打ち遊技にて発射された球が入球可能な位置に特定一般入賞口630aが設けられている場合は、大当たり遊技中に発射された球が(貯留弁1601aに貯留されることの無い球が)特定一般入賞口630aに入球する可能性もある。
これにより、貯留弁1601aに貯留されていた球が確変状態を付与可能なタイミング以外で特定一般入賞口630aに入球したり、貯留弁1601aに球が貯留されていない状態で大当たり当選した場合であっても、大当たり遊技中に特定一般入賞口630aに球を入球可能となる。この場合は、大当たり遊技期間中が長い方が大当たり遊技中に発射される球数が増加することから、大当たり遊技中に特定一般入賞口630aへと入賞する確率を高めることが可能となる。
次に、図101を参照して、本第3実施形態における変動パターン選択テーブル202dについて説明する。図101(a)は、第3実施形態における変動パターン選択テーブル202dに規定されている内容を模式的に示した図である。変動パターン選択テーブル202dには、通常遊技状態における特別図柄の変動パターンのうち、特別図柄の大当たりに当選した場合の変動パターンが規定されている通常中大当たりテーブル202d1と、通常遊技状態における特別図柄の変動パターンのうち、特別図柄の大当たりに当選しなかった場合の変動パターンが規定されている通常中外れテーブル202d2と、時短(確変)遊技状態における特別図柄の変動パターンのうち、特別図柄の大当たりに当選した場合の変動パターンが規定されている時短(確変)中大当たりテーブル202d3と、時短(確変)遊技状態における特別図柄の変動パターンのうち、特別図柄の大当たりに当選しなかった場合の変動パターンが規定されている時短(確変)中外れテーブル202d4とが設定されている。
それぞれのテーブル202d1〜202d4には、例えば、外れ用の変動パターンとして、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種が規定され、大当たり用の変動パターンとして、「ノーマルリーチ」各種、「スーパーリーチ」各種が規定されている。そして、変動パターンテーブルに規定された各種変動パターンから、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて変動パターンが選定される。
ここで、図101(b)および図101(c)を参照して、時短(確変)遊技状態において参照される変動パターンについて詳細な説明をする。図101(b)は、時短(確変)中大当たりテーブル202d3の内容を示す模式図であり、図101(c)は、時短(確変)中外れテーブル202d4の内容を示す模式図である。
まず、図101(b)に示す通り、時短(確変)遊技中に大当たりに当選した場合に対応する変動種別として、変動種別カウンタCS1の値が「0〜99」の範囲には、当たりノーマル(5秒)が対応付けられて規定されており、時短(確変)遊技中に大当たりに当選した場合に対応する変動種別として、変動種別カウンタCS1の値が「100〜198」の範囲には、当たりロング(60秒)が対応付けられて規定されている。
また、図101(c)に示す通り、時短(確変)遊技中に大当たりに当選しなかった場合に対応する変動種別として、変動種別カウンタCS1の値が「0〜150」の範囲には、外れノーマル(3秒)が対応付けられて規定されており、時短(確変)遊技中に大当たりに当選しなかった場合に対応する変動種別として、変動種別カウンタCS1の値が「151〜198」の範囲には、外れロング(60秒)が対応付けられて規定されている。
このように、時短(確変)遊技中は、比較的短い変動時間が規定されている変動パターンが選択されやすく設定されており、通常遊技状態に比べて単位時間当たりの変動回数が多くなるように設定されている。なお、図示はしていないが、通常中大当たりテーブル202d1および通常中外れテーブル202d2には、ノーマルの変動パターンとして変動時間が10秒の変動パターンが規定されている。
一方で上述したように、時短(確変)中であっても、変動時間が長い変動パターンが選択可能に構成されている。これは、遊技者に対して特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かを煽る演出を実行するために設けられる時間である。
また、本第3実施形態では時短(確変)中は、右打ち遊技が実行されるため、閉鎖状態である貯留弁1601aにより球を複数個貯留可能な遊技状態である。この、貯留可能な遊技状態において、短期間で次の大当たりに当選してしまうと貯留弁1601aに球が貯留されること無く大当たり遊技が開始されてしまうおそれがある。
よって、本第3実施形態では時短(確変)中に変動時間が長い変動パターンを実行可能に構成した。これにより、貯留弁1601aに球を貯留可能な遊技状態である時短(確変)中に、短期間で大当たりに当選してしまい、貯留弁1601aに球が貯留されること無く大当たり遊技が開始されてしまうことを抑制することができるという効果がある。
なお、貯留弁1601aに球を貯留可能な遊技状態が短期間で終了してしまうことを抑制するための構成であれば、本第3実施形態で用いた構成を用いても良い。例えば、時短(確変)状態が開始されてから特別図柄の変動が所定回数(例えば、4回)実行されるまでは必ず変動時間が長い変動パターンが設定されるようにしても良いし、特別図柄の当選結果が大当たりの場合のみ変動時間が長い変動パターンが設定されるようにしても良い。また、貯留弁1601aにより貯留された球の数が所定数(例えば、4個)となるまでは変動時間が長い変動パターンが選択されやすくし、所定数(例えば、4個)に到達すると変動時間が短い変動パターンが選択されやすくなるように構成してもよい。
次に、図102を参照して、本第3実施形態における開放シナリオ設定テーブル202eについて説明をする。図102(a)は、第3実施形態における開放シナリオ設定テーブル202eに規定されている内容を模式的に示した図である。この開放シナリオ設定テーブル202eは、第1当たり種別選択テーブル202bにて選択された大当たり種別および大当たりに当選した際の遊技状態(通常、確変)に対応した大当たり遊技の設定内容が規定されている。
ここで、図102(b)を参照して、開放シナリオ設定テーブル202eに規定されている開放シナリオ設定テーブル(通常)202e1について説明をする。図102(b)は、開放シナリオ設定テーブル(通常)202e1の内容を示す模式図である。この開放シナリオ設定テーブル(通常)202e1は、通常遊技状態において大当たりに当選した場合に参照されるテーブルであり、選択された大当たり種別に対応して、大当たり遊技におけるオープニング期間、ラウンド間インターバル期間、エンディング期間が夫々設定されている。
具体的には、大当たり種別が大当たりAの場合は、オープニング期間が「10秒」、インターバル期間が「4秒」、エンディング期間が「5秒」となるように設定され、大当たり種別が大当たりBの場合は、オープニング期間が「1秒」、インターバル期間が「5秒」、エンディング期間が「5秒」となるように設定され、大当たり種別が大当たりCの場合は、オープニング期間が「1秒」、インターバル期間が「2秒」、エンディング期間が「1秒」となるように設定される。
このように、大当たり種別に対応してオープニング期間、インターバル期間、エンディング期間を変更することにより、大当たり遊技中における特定一般入賞口630aへの球の入球タイミングを複雑に設定することが可能となる。よって、遊技者が早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
一方、図102(c)に示す通り、開放シナリオ設定テーブル202eには、開放シナリオ設定テーブル(確変)202e2も設定されている。図102(c)は、開放シナリオ設定テーブル(確変)202e2の内容を示す模式図である。この開放シナリオテーブル(確変)202e2は、確変(時短)状態中に大当たりに当選した場合に参照されるテーブルであり、上述した開放シナリオ設定テーブル(通常)202e1に対して、設定される時間が異なっている点で相違し、それ以外は同一のテーブルである。
具体的には、大当たり種別が大当たりAの場合は、オープニング期間が「1秒」、インターバル期間が「1秒」、エンディング期間が「5秒」となるように設定され、大当たり種別が大当たりBの場合は、オープニング期間が「4秒」、インターバル期間が「1秒」、エンディング期間が「5秒」となるように設定され、大当たり種別が大当たりCの場合は、オープニング期間が「1秒」、インターバル期間が「20秒」、エンディング期間が「1秒」となるように設定される。
このように構成することにより、確変(時短)中に大当たりに当選すると、貯留弁1601aが解除されるタイミングが大当たり遊技中において第1可変入賞装置65の開放動作が行われている期間中に特定一般入賞口630aに入球可能なタイミングとなる。また、大当たりCにおいては、ラウンド間インターバルの時間が20秒と設定されていることから、通常状態で当選した大当たりにて大当たりCが選択された場合の大当たり遊技よりも大当たり期間が長くなり、確変状態が付与可能な期間中に特定一般入賞口630aに球が入球する確率を高めることができる。
よって、確変(時短)状態中の大当たり当選により確変状態が付与される確率を通常状態中の大当たり当選により確変状態が付与される確率よりも高くすることが可能となるため、遊技者に対して有利となる遊技状態を継続して提供しやすくすることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
次に、図103を参照して、第3実施形態におけるRAM203の規定内容について説明する。図103に示した通り、第3実施形態におけるRAM203は、第1実施形態におけるRAM203に設けられていた動作カウンタ203k、残球タイマフラグ203m、残球タイマ203n、確変有効フラグ203o、および確変有効タイマ203pが削除されており、時短中カウンタ203rおよび確変入賞有効フラグ203sが追加されている。
時短中カウンタ203rは、普通図柄の時短状態において、残りの時短期間(特別図柄の変動回数)をカウントするためのカウンタである。この時短中カウンタ203rは、大当たりの終了時に確変設定フラグ203hがオフである場合に、100が設定される(図112のS1307参照)。即ち、本実施形態では、大当たり遊技後に確変遊技状態に設定されない場合には、100回の普通図柄の時短状態が付与される。
確変入賞有効フラグ203sは、大当たり遊技中において、特定一般入賞口630aに球が入球した場合に、その大当たり遊技終了後に確変状態を付与する期間を設定するためのフラグである。この確変入賞有効フラグ203sがオンに設定されている間に特定一般入賞口630aに球が入球すると、一般入賞口として予め設定されている賞球(本実施形態では1個)の払い出しに加え、大当たり遊技終了後に確変状態が付与される。
この確変入賞有効フラグ203sは、大当たり制御処理4(図111のS1004)において1ラウンド目が開始される際にオンに設定され(図111のS1156)、エンディング演出の開始タイミングであると判別された場合に(図111のS1109:Yes)、オフに設定される(図111のS1157)。なお、確変入賞有効フラグ203sがオンに設定されていない(オフに設定されている)状態で特定一般入賞口630aに球が入球した場合は、一般入賞口として予め設定されている賞球(本実施形態では1個)が払い出される。
次に、図99に戻り、本第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222について説明をする。本第3実施形態におけるROM222は、第1実施形態におけるROM222に対して、期待度表示選択テーブル222bが追加されている。この期待度表示選択テーブル222bについては、図105を参照して詳細な説明を後述する。
次に図104を参照して、本第3実施形態におけるパチンコ機10の第3図柄表示装置81に表示される演出内容について説明をする。本第3実施形態では、上述した第1実施形態に対して、遊技者が右打ち遊技を実行する確変(時短)状態において大当たりに当選した場合に、今回の大当たり終了後に確変状態が付与される期待度を表示する演出(確変期待度表示演出)が追加されている。
この確変期待度表示演出について、図104を参照して説明をする。まず、図104(a)を参照して、確変(時短)状態中の第3図柄表示装置81の表示内容について説明をする。図104(a)は、第3図柄表示装置81の表示画面の一例を示す模式図である。第3図柄表示装置81の表示画面は、上述した第1実施形態と同様に、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
副表示領域Dsの小領域Ds1には、第1入球口64、および第2入球口640へと入球した球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数が表示されており、さらに、小領域Ds3には現在の遊技状態が右打ち遊技を行う遊技状態であることを示す「右打ち表示(遊技案内表示)」が表示され、小領域Ds2には第2貯留装置1600内に球が流入すると遊技者に有利となる旨の案内(遊技案内表示)が文字(「右ワープに球が入るとチャンス」)と図(遊技盤13の右側上部領域を拡大し、右ワープ(第2貯留装置1600の入口)に球が流入する経路を矢印で示す図)で表示される。
このように遊技案内表示を行うことで、遊技者に対しては確変(時短)状態中に、通常の特別図柄で大当たりに当選する遊技以外に、第2貯留装置1600に球を貯留(閉鎖状態である貯留弁1601aにより球を貯留)させる遊技が行われていることを容易に把握させることができ、遊技者が遊技に困惑してしまうことを抑制している。
なお、確変(時短)状態における遊技案内表示として、確変(時短)状態中に第2貯留装置1600へ球を流入させる遊技を案内する構成であれば本実施形態で用いた構成以外を用いても良い。例えば、特別図柄の変動に対応する第3図柄の変動が表示される表示装置とは別の表示装置(サブ表示装置)を設けてもよい。この場合、第2貯留装置1600内に貯留されている球数に応じた演出を表示するとよい。また、特別図柄の抽選結果が外れの場合に第2表示装置にて実行される演出を賑やかにしてもよい。これにより、特別図柄が外れの場合に、遊技者がサブ表示装置に注目することになるため、特別図柄の抽選に外れたことを認識させ難くすることが可能となる。
さらに、特別図柄の先読みの結果に基づいて、サブ表示装置にて表示される演出の内容を決定してもよい。また、第3図柄が表示される表示装置(第3図柄表示装置81)と、サブ表示装置とをそれぞれ可動可能な構成にし、遊技状況に応じて各表示装置を移動させる制御を実行してもよい。
これにより、同時に複数の遊技(特別図柄にて大当たりの抽選を行う遊技と、第2貯留装置1600へ球を流入させる遊技)を実行させる遊技性を有するパチンコ機10において、遊技者に対して有利となる遊技結果を遊技者に対して確実に報知することができるという効果がある。
次に、図104(b)を参照して、確変(時短)状態において、特別図柄の大当たりに当選した際の第3図柄表示装置81の表示画面について説明をする。図104(b)は第3図柄表示装置に表示される表示内容の一例を示す模式図である。図104(b)に示す通り、確変(時短)状態において、特別図柄の大当たりに当選すると、主表示領域Dmには第3図柄が同一の数字が揃って表示される。そして、小領域DS2に今回の大当たり遊技終了後に確変状態が付与される期待度が表示される(本図では「80%」)。
ここで、小領域Ds2に表示される確変期待度表示について説明をする。本第3実施形態のパチンコ機10は、大当り遊技中の所定期間内(大当たり遊技中(条件装置作動中)において、第1可変入賞装置65が開放動作されている間(役物連続作動装置作動中))に特定一般入賞口630aに球が入球することにより、その大当り遊技終了後に確変状態が付与されるよう構成されている。
そして、第2貯留装置1600内の特定一般入賞口630aへ入球可能な流路(第1流路1601)には貯留弁1601aが設けられており、第2貯留装置1600内に流入した球を貯留可能に構成されている。この貯留弁1601aは特別図柄の大当たりに当選し、大当たり遊技が開始されてから所定期間(大当たりAの場合は3秒)経過後に解除(開放)され、特定一般入賞口630aに球が入球可能な状態となる。
この第2貯留装置1600は最大で4個の球を貯留可能に構成されており、貯留弁1601aが解除(開放)され、最初の球が特定一般入賞口630aに入球する場合は、貯留弁1601aが解除(開放)されてから1.5秒後に入球するように流路が形成されている。次いで、2個目の球が特定一般入賞口630aに入球する場合は、貯留弁1601aが解除(開放)されてから2秒後、3個目の球が特定一般入賞口630aに入球する場合は、貯留弁1601aが解除(開放)されてから2.5秒後、4個目の球が特定一般入賞口630aに入球する場合は、貯留弁1601aが解除(開放)されてから3秒後に特定一般入賞口630aに入球するよう流路が形成されている。
つまり、本第3実施形態では大当たりに当選するまでに第2貯留装置1600に貯留された球の個数と貯留弁1601aが解除(開放)されるタイミング、および、大当たり遊技期間の長さによって、特定一般入賞口630aに球が入球し確変状態が付与される期待度が変わる。
図104(b)に戻り説明を続ける。上述したように、本第3実施形態のパチンコ機10では、大当たりに当選した際に、選択された大当たり種別および第2貯留装置1600内の球貯留情報として特殊球流フラグ223mの設定状況に基づいて、後述する期待度表示選択テーブル222bに規定されている数値を選択し、その数値を確変期待度として第3図柄表示装置81の小領域Ds2に表示する。
このように、大当たりに当選した際に今回の大当たり遊技終了後に確変状態が付与される期待度を数値として表示することで、例えば、確変期待度が高い場合は、遊技者に対して安心感を与えることができ、一方、確変期待度が低い場合は、大当たり遊技中に第2貯留装置1600へ球を流入させる遊技を積極的に行わせたりすることができる。よって、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
また、予め確変状態が付与されるか否かが決定している状態で遊技者に対して確変期待度を表示するのではなく、実際に確変状態が付与可能なタイミングで特定一般入賞口630aに球が入球する可能性を期待度として表示しているため、遊技者に対して信頼度の高い数値表示を実行することが可能となる。
なお、本第3実施形態では、当選した大当たりに対応する大当たり種別と、特殊球流フラグ223mの設定状況を確変期待度の数値を選択する際の情報として用いているが、それ以外の情報を用いて確変期待度を算出してもよい。例えば、第2貯留装置1600内に貯留されている球数を検出可能に構成し、大当たりに当選した際に貯留されている球数を示す球数情報や、第2貯留装置1600内に設けられた複数の振分部の振分状況を検出可能に構成し、特定一般入賞口630aに球が入球するまでに必要とされる球数を示す球数情報を用いて確変期待度の数値を選択するように構成してもよい。このように、複数の情報に基づいて数値を選択することで、第3図柄表示装置81に表示される確変期待度の数値の信頼度が増し、遊技者に対して信頼度の高い数値を報知することができるため、信頼度の低い数値を表示してしまい遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
ここで、図105を参照して期待度表示選択テーブル222bについて説明をする。図105は、期待度表示選択テーブル222bの内容を示す模式図である。この期待度表示選択テーブル222bは、図104(b)を参照して上述した確変期待度表示演出の数値を選択する場合に参照されるテーブルであって、当選した大当たりの大当たり種別と、特殊球流フラグ223mの設定状況と、演出カウンタの値に応じて各数値が選択されるよう構成されている。
この期待度表示選択テーブル222bは、後述する時短中表示処理(図118のS1852)において大当たりに当選し(S5002:Yes)、貯留上限フラグ223kがオンに設定されていないと判別された場合に(S5003:No)、参照される(S5005)。
具体的には、当選した大当たりの大当たり種別が大当たりAで特殊球流フラグ223mがオンに設定されている場合は、演出カウンタの値が「0〜159」の範囲に対応して「50」が、「160〜198」の範囲に対応して「40」がそれぞれ設定されている。また、大当たりAで特殊球流フラグ223mがオフに設定されている場合は、演出カウンタの値が「0〜159」の範囲に対応して「40」が、「160〜198」の範囲に対応して「50」がそれぞれ設定されている。
また、当選した大当たりの大当たり種別が大当たりBで特殊球流フラグ223mがオンに設定されている場合は、演出カウンタの値が「0〜159」の範囲に対応して「80」が、「160〜198」の範囲に対応して「60」がそれぞれ設定されている。また、大当たりBで特殊球流フラグ223mがオフに設定されている場合は、演出カウンタの値が「0〜159」の範囲に対応して「60」が、「160〜198」の範囲に対応して「80」がそれぞれ設定されている。
さらに、当選した大当たりの大当たり種別が大当たりCで特殊球流フラグ223mがオンに設定されている場合は、演出カウンタの値が「0〜159」の範囲に対応して「20」が、「160〜198」の範囲に対応して「10」がそれぞれ設定されている。また、大当たりCで特殊球流フラグ223mがオフに設定されている場合は、演出カウンタの値が「0〜159」の範囲に対応して「10」が、「160〜198」の範囲に対応して「20」がそれぞれ設定されている。
上述したように、期待度表示選択テーブル222bは、大当たりに当選した際に選択された大当たり種別と、特殊球流フラグ223mの設定状況に基づいて様々な数値が選択されるように構成されている。次に、期待度表示選択テーブル222bにて選択される確変期待度を示す数値について説明をする。
確変(時短)状態において大当たりに当選した場合は、開放シナリオ設定テーブル(確変)202e2によって大当たり遊技中の各期間(オープニング期間、ラウンド間インターバル期間、エンディング期間)が設定される(図102(c)参照)。上述したように、大当たり種別の大当たりAから大当たりCでは、大当たりBが最も大当たり遊技終了後に確変状態が付与されやすい大当たり種別となっており、次に大当たりA、大当たりCの順となるよう設定されている。
また、特殊球流フラグ223mは、詳細については後述するが、第2貯留装置1600の第1流路に最大個数の球が貯留されていない状態で第2流路を球が流下したことを示すフラグであり、この特殊球流フラグ223mがオンに設定されている場合は、第2貯留装置1600内の第1振分部900が球を左側に誘導する位置となっていることを示すものである。よって、第1振分部900に最大でも3個球が通過することで特定一般入賞口630aに球が入球する状態であることを示すものである。
このように、遊技者に確変状態を付与しやすい条件がどれくらい成立しているかの判別結果に基づいて確変期待度を示す数値が選択されるため、信頼度の高い数値を遊技者に表示することができる。
また、演出カウンタの値によって、特殊球流フラグ223mがオンに設定されている場合とオフに設定されている場合の何れの数値も選択可能にしている。これは、遊技者に対して特殊球流フラグ223mの設定状況が確実に把握されてしまうことを防止するためのものである。これにより、遊技者に対して、大当たり遊技中に第2貯留装置1600に球が流入した場合に、特定一般入賞口630aに入球するか否かを楽しませることができるという効果がある。
なお、確変期待度表示選択テーブル222bにて確変期待度を示す数値が最も低い大当たりCであっても、確変(時短)状態で当選した場合には、ラウンド間インターバル期間が20に設定されている(図102(c)参照)。これは、通常遊技状態で大当たりCに当選した場合に比べて10倍の長さとなっている。これにより、大当たり遊技の期間が長くなるため、大当たり遊技中に第2貯留装置1600に球が流入する可能性を高めている。
このように、確変期待度表示選択テーブル222bにて選択された数値が低い場合であっても、大当たり遊技中に第2貯留装置1600へ球を流入させることで、自力で特定一般入賞口630aへ球を入球させることが可能であるため、遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができる。
また、本第3実施形態のパチンコ機10では、大当たり遊技中に開放される第1可変入賞装置65と同一領域(右打ち遊技にて狙う領域)に第2貯留装置1600の入口を設けているため、遊技者は大当たり遊技中に右打ち遊技を行うことで第1可変入賞装置65および第2貯留装置1600の両方を狙う遊技を同時に行うことができる。よって、大当たり遊技中における遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
さらに、大当たり遊技中に右打ち遊技を行い、第2貯留装置1600に流入しなかった球の殆どが第1可変入賞装置65へ入球するよう各装置(第1可変入賞装置65と第2貯留装置1600)が配置されているため、大当たり遊技中に第2貯留装置1600のみを狙う遊技を抑制することができる。
また、大当たり遊技中において第1可変入賞装置65が閉鎖状態となるラウンド間インターバル中でも第2貯留装置1600へ球を流入させることが可能であるため、遊技者がラウンド間インターバル中に球を発射する行為を止めてしまうことを抑制することができる。
図99に戻り、本第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明をする。本第3実施形態におけるRAM223は、第1実施形態におけるRAM223に設けられていた入賞回数カウンタ223jが削除されており、貯留上限フラグ223k、特殊球流フラグ223m、貯留弁開放中フラグ223nが追加されている。
貯留上限フラグ223kは、第2貯留装置1600内に貯留される球の数が上限に到達したことを示すフラグである。具体的には、図96に示す第1流路の上流側に設けた上限検知センサ1600b(図96参照)が球の滞留を検知することで上限に到達したことを検知する。この貯留条件フラグ223kは、貯留状態判定処理(図117のS1851)において、貯留球が上限であると判別された場合にオンに設定され(図117のS4904)、コマンド判定処理3(図115のS1811)において、オープニングコマンドを受信した場合にオフに設定される(図115のS3911)。
特殊球流フラグ223mは、貯留上限フラグ223kがオンに設定されていない状態で第2流路1602(図96参照)を球が通過したことを示すフラグである。具体的には、第1流路1601(図96参照)に球を貯留するスペースあるにも関わらず球の跳ね返りによって第2流路1602(図96参照)を流下する球を通過センサ1600d(図96参照)が検知した場合にオンに設定されるフラグである。この特殊球流フラグ223mは、貯留状態判定処理(図117のS1851)において、貯留球が上限ではないと判別され(図117のS4902:No)、第2流路1602(図96参照)を球が通過(流下)したと判別した場合に(図117のS4905:Yes)オンに設定され(図117のS4907)、コマンド判定処理(図115のS1811)において、オープニングコマンドを受信した場合にオフに設定される(図115のS3912)。そして、時短中表示処理(図118のS1852)により、確変期待度表示演出にて表示される数値を期待度表示選択テーブル222bに基づいて選択する際に参照される(図118のS5005)。
なお、本第3実施形態では、第1流路1601(図96参照)に貯留されている球数が上限(4個)に到達していない場合でも、第2貯留装置1600に流入した球が第2流路1602(図96参照)を流下する(約5%)ように構成しているため、特殊球流フラグ223mの設定状況を演出に用いているが、例えば、第1流路1601(図96参照)に貯留されている球数が上限に到達していな状態で第2流路1602(図96参照)を球が流下することが無いように流路を形成している場合は、この特殊球流フラグ223mがオンに設定された場合に異常報知を行うようにすればよい。
貯留弁開放中フラグ223nは、貯留弁が開放していることを示すフラグであり、具体的には主制御装置110から貯留弁開放コマンドを受信した場合にオンに設定され(図115のS3914)、主制御装置110から貯留弁閉鎖コマンドを受信した場合にオフに設定される(図115のS3915)。この貯留弁開放中フラグ223nがオンに設定されている間は、図117に示す貯留状態判定処理(S1851)をスキップする。これにより、制御処理の負荷を軽減することができる。
なお、本第3実施形態では貯留弁開放中フラグ223nがオンに設定されている間は貯留状態判定処理(S1851)がスキップされるように構成しているが、例えば、貯留弁開放中フラグ223nがオンに設定されているにも関わらず貯留上限センサ1600b(図96参照)が球の滞留を検出した場合や、貯留弁開放中フラグ223nがオフに設定されているにも関わらず第1流路を球が通過することを検出した場合に異常と判別する処理を実行してもよい。このような処理を実行することにより、貯留弁1601aの動作異常または第2貯留装置1600内での不正行為を容易に把握することができる。
さらに、貯留弁1601aの動作状態(開放(解除)状態か否か)を実際に検出可能なセンサ(状態検出センサ)を設けることで、主制御装置110にて貯留弁1601aに対して実行された動作指示と貯留弁1601aの実際の動作状態とを比較して把握することが可能となり、貯留弁1601aの動作異常と、第2貯留装置1600内での不正行為とを区分けして把握することが可能となる。
なお、本第3実施形態では特定一般入賞口630aに入球する球を重点的に監視する処理を用いているが、それ以外の入賞口(例えば、一般入賞口630b)への球の入球を監視する処理を設けても良い。
次に、図106を参照して、本第3実施形態の大当たり遊技における各装置の動作の流れについて説明をする。図106(a)は、通常遊技状態(通常状態)で大当たりに当選し、大当たり種別として大当たりAが選択された場合における各装置の動作を示すタイミングチャートであり、図106(b)は、確変遊技状態(確変状態)で大当たりに当選し、大当たり種別として大当たりAが選択された場合における各装置の動作を示すタイミングチャートである。
まず、通常状態で大当たりに当選した場合における各装置の動作について図106(a)を参照して 説明する。大当たりAは図100(b)に示す通り8ラウンドの大当たりであり、貯留弁1601aは大当たり遊技が開始されてから3秒後に解除(開放)される。また、通常状態で大当たりAが選択されると、図102(b)に示す通り、オープニング期間が10秒、ラウンド間インターバル期間が4秒、エンディング期間が5秒に設定される。
よって、図106(a)に示す通り、大当たり遊技が開始されて3秒経過したタイミングで貯留装置(貯留弁1601a)が開状態となる。このタイミングはまだ大当たりのオープニング期間中であるため、特定一般入賞口630aに球が入球しても確変状態が付与されることが無い。なお、第2貯留装置1600に上限である4個の球が貯留されていたとしても、その4個目の球が特定一般入賞口630aに到達する時間を貯留装置(貯留弁1601a)が開状態になってから3秒後となるように構成しているため、遊技者が通常状態において第2貯留装置1600に球を上限まで貯留させる行為を行ったとしても、その貯留された球によって確変状態が付与されることが無い。
このように構成することで、通常状態において右打ち遊技が行われることを抑制することができるとともに、時短状態中に第2貯留装置1600に球を貯留させた状態で時短状態が終了し、通常状態へと移行した場合において、第2貯留装置1600に貯留させた球を気にすること無く遊技を終了することができる。
そして、大当たり遊技が開始されてから10秒が経過すると大開放口(第1可変入賞装置65)が開状態となり1ラウンド目(ラウンド遊技)が開始される。大当たり遊技中における大開放口(第1可変入賞装置65)の開放動作が開始されてから(1ラウンド目が開始してから)最終ラウンド(8ラウンド)が終了するまでの間は特定一般入賞口630aに球が入球することで、その大当たり遊技の終了後に確変状態が付与される期間(確変入賞有効期間)となり、その期間中は確変入賞有効フラグ203sがオンに設定される(図111参照)。
ラウンド遊技は、所定期間(30秒)が経過した場合、または大開放口(第1可変入賞装置65)に所定数(10個)の球が入球した場合に終了し、ラウンド間インターバル(4秒)を経て次のラウンド遊技へと移行する。このラウンド間インターバル期間は第1可変入賞装置65が閉状態となり、第1可変入賞装置65に球を入球させることが不可能(困難)な状態であるが、第2貯留装置1600へ球を流入させるために右打ち遊技が継続して実行されることになる。
以上、説明をしたように通常状態において大当たりAが選択された場合は、第2貯留装置1600に球が貯留されていたとしても、貯留されていた球が確変入賞有効期間中に特定一般入賞口630aに入球することが無いように構成されているため、大当たり遊技中に第2貯留装置1600へ球を流入させ、特定一般入賞口630aに球を入球させなければ大当たり遊技終了後に確変状態が付与されることが無い大当たり(遊技者に有利では無い大当たり)となる。
一方、通常状態において大当たりBが選択された場合は、第2貯留装置1600に貯留された球が確変入賞有効期間中に特定一般入賞口630aに入球するように構成されており、さらに、大当たり遊技の期間として大当たりA(8ラウンド)よりも長い16ラウンドが設定されるため、大当たりAよりも大当たり遊技終了後に確変状態が付与されやすい大当たり(遊技者に有利な大当たり)となる。
次に、図106(b)を参照して確変遊技状態(確変状態)において大当たりに当選した場合における各装置の動作について説明をする。確変状態で大当たりAが選択されると、図102(c)に示す通り、オープニング期間が1秒、ラウンド間インターバル期間が1秒、エンディング期間が5秒に設定される。
このように設定されることで、第2貯留装置1600に貯留された球が確変入賞有効期間中に特定一般入賞口630aに入球することになる。よって、確変状態で大当たりが選択された場合は、大当たり遊技終了後に確変状態が付与されやすい大当たり(遊技者に有利な大当たり)となる。
また、ラウンド間インターバル期間が1秒に設定されており通常状態で大当たりAが選択された場合(4秒)よりも短く設定されているため、大当たり遊技の期間、特に第1可変入賞装置65に球が入球しない期間を短くし、短期間で大当たり遊技を実行することができるよう設定されている。
つまり、確変状態における大当たり遊技では、確変状態で右打ち遊技が実行されている間に第2貯留装置1600に球を貯留させ、大当たり遊技が開始された場合に、貯留されていた球が確変入賞有効期間中に特定一般入賞口630aへ入球することで確変状態が継続させる遊技が主となる。
このため、本第3実施形態では、確変状態中に短期間で大当たりに当選してしまうことを抑制するために、確変状態中における特別図柄の変動時間として長い変動時間(60秒)を有する変動パターンが選択されるよう設定されている(図101参照)。
なお、確変状態中に短期間で大当たりに当選してしまうことを抑制するために特別図柄の変動時間以外に、例えば、大当たりのエンディング期間が長くなるように設定してもよい。この場合、確変入賞有効期間内に特定一般入賞口630aに球が入球した場合はエンディング期間を長く設定し、球が入球しなかった場合はエンディング期間を短く設定するように構成してもよい。
さらに、本実施形態では図101に示すように、遊技状態および変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動時間を選択しているが、それ以外の構成として例えば、特定の遊技状態(例えば、時短状態)に移行してから所定回数(例えば10回)特別図柄が変動するまでは特別なテーブル(特別選択テーブル)を参照して変動時間が選択されるように構成してもよい。
この場合、特別選択テーブルに規定されている変動時間を、その他の変動時間を選択するテーブルに規定されている変動時間よりも長くするとよい(例えば、平均で60秒)。これにより、特定の遊技状態(例えば、時短状態)に移行してから数回転は変動時間が長い変動パターンが選択されることになるため、第2貯留装置1600に球を貯留させやすくなる。
よって、遊技者に有利な遊技状態(時短状態または確変状態)に移行したにも関わらず、即座に通常遊技状態へと移行してしまい遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
また、確変状態中に第2貯留装置1600に球を貯留させることなく大当たりに当選した場合であっても、大当たり遊技中に第2貯留装置1600に球を流入させ、特定一般入賞口630aに入球させることで、確変状態を継続させることが可能となるため、大当たり遊技が終了するまで、その大当たりが終了した後に確変状態が付与されるか否かが決定することは無い。よって、遊技者に対して大当たり遊技を意欲的に行わせることができるという効果がある。
<第3実施形態における主制御装置の制御処理について>
次いで、図107から図113を参照して、第3実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種処理について説明する。本第3実施形態では、タイマ割込処理(図107参照)の内容および大当たり制御処理4(図111)の内容が第1実施形態から変更されている。以下では、本第3実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種処理のうち、上述した第1実施形態と相違する点の説明のみを行い、第1実施形態から変更されていないその他の処理については、その詳細な説明を省略する。
まず、図107を参照して、第3実施形態における主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理について説明する。図107は、このタイマ割込処理を示すフローチャートである。第1実施形態と同様に、このタイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。
タイマ割込処理が実行されると、上述した第1実施形態のタイマ割込処理(図25参照)と同様にS101からS103の処理が実行される。次いで、特別図柄変動処理3(S104)が実行される。この特別図柄変動処理3(S104)は、上述した第1実施形態の特別図柄変動処理(図26参照)に対して、詳細な内容が一部変更されている点で相違しており、詳細な説明については図108を参照して後述する。
特別図柄変動処理3(S104)が終了すると、上述した第1実施形態と同様にS105からS108の処理が実行され、その後、異常入賞処理(S151)が実行される。この異常入賞処理(S151)は、特定一般入賞口630aへの球の入賞が正常か否かを判別するための処理であり、詳細な説明については図110を参照して後述する。異常入賞処理が終了すると、上述した第1実施形態と同様にS109の処理が実行され、その後、本処理を終了する。
次に、図108を参照して、特別図柄変動処理3(S104)について説明をする。図108は、この特別図柄変動処理3(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理3が、上述した第1実施形態の特別図柄変動処理(図26参照)と相違する点は、特別図柄の変動時間が経過し(S214:Yes)、今回の抽選結果が大当たりであると判別された場合に(S216:Yes)実行される処理の内容が相違する点である。それ以外の処理については、上述した第1実施形態の特別図柄変動処理(図26参照)と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
特別図柄変動処理3(S104)が実行されると、上述した第1実施形態の特別図柄変動処理(図26参照)と同様にS201からS216までの処理が実行される。S216の処理において、今回の抽選結果が大当たりではないと判別された場合は(S216:No)、上述した特別図柄変動処理(図26参照)と同様にS220からS223の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S216の処理において、今回の抽選結果が大当たりであると判別された場合は(S216:Yes)、開放シナリオ設定処理(S251)が実行される。この開放シナリオ設定処理(S251)は、当選した大当たりの大当たり種別および大当たりに当選した際の遊技状態に基づいて大当たり遊技中の各期間(オープニング期間、インターバル期間、エンディング期間)を設定する処理である。この開放シナリオ設定処理(S251)の詳細な内容については、図109を参照して後述する。
開放シナリオ設定処理(S251)が終了すると、上述した第1実施形態の特別図柄変動処理(図26参照)と同様にS218およびS219の処理を実行した後に、本処理を終了する。なお、本フローチャートには図示していないが、S219およびS223の処理を終えた後には、特別図柄の変動が停止することを示す停止コマンドが設定される。この停止コマンドは、主制御装置110のメイン処理において実行されるコマンド出力処理によって音声ランプ制御装置113へ出力される。音声ランプ制御装置113は停止コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81に表示される第3図柄を停止させる。これにより、特別図柄と第3図柄の停止タイミングを一致させることが可能となる。
次に、図109を参照して、開放シナリオ設定処理(S251)について説明をする。図109は、開放シナリオ設定処理(S251)を示すフローチャートである。この開放シナリオ設定処理(S251)では、上述したように大当たり遊技中における各期間(オープニング期間、インターバル期間、エンディング期間)を設定するための処理が実行される。
開放シナリオ設定処理(S251)が実行されると、まず今回の大当たりの種別を取得する(S4701)。具体的には、S103(図107参照)にて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値に対応する大当たり種別を第1当たり種別選択テーブル202bより選択する。
次いで、今回の特別図柄の抽選が実行された遊技状態が通常か否かを判別する(S4702)。これは、S216(図108参照)の処理が行われるタイミングで確変フラグ203gがオフに設定されており、且つ、時短中カウンタ203rの値が0である場合に遊技状態が通常遊技状態であると判別し(S4702:Yes)、S216(図108参照)の処理が行われるタイミングにおいて確変フラグ203gがオンに設定されている、または、時短中カウンタ203rの値が0よりも大きい場合に遊技状態が通常遊技状態ではないと判別される(S4702:No)。
S4702の処理において、遊技状態が通常ではないと判別された場合は(S4702:No)、開放シナリオ設定テーブル(確変)202e2に基づいて、取得した大当たり種別に対応する開放シナリオの内容を設定し(S4703)、本処理を終了する。
一方、S4702の処理において、遊技状態が通常であると判別された場合は(S4702:Yes)は、開放シナリオ設定テーブル(通常)202e1に基づいて、取得した大当たり種別に対応する開放シナリオの内容を設定し(S4704)、本処理を終了する。このように、大当たり遊技中における各期間(オープニング期間、インターバル期間、エンディング期間)に対して、遊技状態(通常状態または確変(時短)状態)に応じて異なる期間を設定するように構成しているため、同一の大当たり種別が選択されたとしても、大当たりに当選した際の遊技状態に応じて異なる大当たり遊技が実行されることになる。よって、遊技者に対して様々な大当たり遊技を提供することが可能となる。
さらに、本第3実施形態のパチンコ機10では、大当たり遊技中であっても、特定一般入賞口630aに球が入球するタイミングがオープニング期間中(第1可変入賞装置65の開放動作が開始されていない期間)であれば、その大当たり遊技後に確変状態が付与されず、大当たり遊技中のうち、特定一般入賞口630aに球が入球するタイミングがラウンド期間中(第1可変入賞装置65の開放動作が実行されている期間)であれば、その大当たり遊技後に確変状態が付与されるように構成されているため、同一の大当たり種別が選択された場合であっても、例えば、遊技状態に応じてオープニング期間として異なる期間を設定することにより大当たり遊技終了後に確変状態が付与される確率を変更することが可能となる。
次に、主制御装置110のタイマ割込処理(図107)において実行される異常入賞処理(S151)について、図110を参照して説明をする。図110は異常入賞処理(S151)の内容を示すフローチャートである。この異常入賞処理(S151)は、特定一般入賞口630aへの球の入球が正常か異常かを判別するための処理である。
まず、異常入賞処理(S151)が実行されると、現在が大当たり中であるかを判別する(S4801)。大当たり中であると判別された場合は(S4801:Yes)、次いで貯留弁1601aが開放中であるかを判別する(S4802)。ここで、貯留弁1601aが開放中であると判別された場合は(S4802:Yes)、本処理を終了する。つまり、貯留弁が開放されている間は本処理において特定一般入賞口630aへの異常入賞について判別されない。
一方、S4801にて現在が大当たり中ではないと判別された場合(S4801:No)、または、S4802の処理にて貯留弁1601aが開放していない(閉鎖している)と判別された場合は(S4802:No)、特定一般入賞口630aに球が入球(入賞)したかを判別する(S4803)。
このS4803の処理にて特定一般入賞口に球が入球(入賞)したと判別された場合は(S4803:Yes)、エラーコマンドを設定し(S4804)、本処理を終了する。一方、S4803の処理にて特定一般入賞口630aに球が入球していないと判別された場合は(S4804:No)、そのまま本処理を終了する。
このように、異常入賞処理(S151)では、大当たり中以外のタイミング、または、貯留弁1601aが閉鎖しているタイミングにおいて特定一般入賞口630aに球が入球(入賞)したか否かを常時判別することができる。よって、通常の遊技では入球(入賞)することが無いタイミングで特定一般入賞口630aに球が入球することを確実に把握することができるという効果がある。
なお、この異常入賞処理(S151)について、詳細には図示していないがS4801およびS4802の判別が実行されてから特定一般入賞口630aへの球の入球を判別するまでには所定の猶予期間(4秒)が設定されている。これは、第2貯留装置1600に流入した球が第2貯留装置1600外へと排出されるのに十分な時間である。
この所定の猶予期間(4秒)を設けることで、大当たり中に第2貯留装置1600に流入した球が大当たり終了後に特定一般入賞口630aへ入球(入賞)したとしても、その入賞を異常と判別することが無くなる。よって、異常入賞を監視する精度を高めることができるという効果がある。言い換えれば、誤って異常入賞と判別してしまう事態を抑制することができるという効果がある。
また、上述した猶予期間について、どのような状況でも猶予期間が経過するまでは異常入賞の判別を行わないように制御してもよいし、第2貯留装置1600へ流入した球数と第2貯留装置1600外へ排出された球数とを比較し、第2貯留装置1600内に球が残っていないと判別された時点で猶予期間が残っていたとしても異常入賞の判別が行われるよう残りの猶予期間をリセットする制御を用いても良い。これにより、猶予期間を極力短期間にすることができるため、異常入賞の判別を長期間実行することができ、異常入賞を監視する精度を高めることができるという効果がある。
なお、この異常入賞処理(S151)のS4804にて設定されたエラーコマンドは、主制御装置110のメイン処理にて実行される外部出力処理(図34のS1001)にて音声ランプ制御装置113や外部出力装置(図示せず)を介してパチンコ機10の外部へと出力される。音声ランプ制御装置113はエラーコマンドを入力すると、第3図柄表示装置81や音声出力装置226やランプ表示装置227を用いて異常が発生した旨を報知する。
次に、図111を参照して、本第3実施形態における大当たり制御処理4(S1004)について説明をする。図111は大当たり制御処理4(S1004)の内容を示すフローチャートである。この大当たり制御処理4は上述した第1実施形態における大当たり制御処理(図35参照)に対して、貯留弁1601aを開放する制御の内容と、エンディング処理3(S1110)の内容と入賞処理3(S1111)の内容を変更し、異常処理(図34のS1112)を削除した点で相違する。その他の処理については第1実施形態における大当たり制御処理と同一である。なお、同一の処理については同一の符号を付してその詳細な説明については省略する。
ここで、本実施形態では大当たりに当選すると、第1当たり種別選択テーブル202bを参照して大当たり種別を選択し、その後開放シナリオ設定テーブル202eを参照して大当たり遊技における各期間(オープニング期間、ラウンド間インターバル期間、エンディング期間)を設定する。これにより、今回の大当たり遊技における各装置(第2貯留装置1600の貯留弁1601aと第1可変入賞装置65)の動作タイミングが決定する。そして、この動作タイミングに対応した動作シナリオを主制御装置110のROM202から読み出し、図示しないカウンタを用いて動作シナリオを更新することで大当たり遊技が実行される。
このように大当たり遊技における各装置(第2貯留装置1600の貯留弁1601aと第1可変入賞装置65)の動作タイミングを1つの動作シナリオに設定することで、それぞれの装置の動作タイミング、特に各装置が動作する間隔がずれてしまうことを抑制し、適正に大当たり遊技を実行することができるという効果がある。
なお、大当たり遊技中の制御処理としてはそれ以外の制御方法を用いてもよく、例えば、第1可変入賞装置65と第2貯留装置1600の貯留弁1601aとの動作制御をそれぞれ異なるカウンタを用いて制御してもよい。これにより、それぞれの装置の動作制御を組み合わせることで大当たり中に実行される複雑な各装置の動作パターンを実行することが可能となり、予め記憶させておく情報量(動作パターン数)を削減することができるという効果がある。
図111に戻り説明を続ける。まず、大当たり制御処理4(S1004)が実行されると、大当たりが開始されたかを判別する(S1101)。ここで、大当たりが開始されたと判別した場合は(S1101:Yes)、次いで、オープニングコマンドを設定し(S1102)、本処理を終了する。なお、上述した第1実施形態では大当たりが開始されたと判別された場合に、貯留弁の開放を設定していたが(図34のS1103)、本第3実施形態では、大当たりの開始タイミングと貯留弁1601aの開放タイミングとが同時ではなく、大当たりが開始してから所定期間(大当たりAの場合は3秒)経過後に貯留弁1601aが開放されるよう構成されているため、大当たりが開始したと判別された場合に実行される処理では貯留弁1601aが開放されない。
一方、S1101の処理にて、大当たりが開始されたタイミングではないと判別した場合は(S1101:No)、次いで、現在が大当たり中であるかを判別する(S1104)。ここで、現在が大当たり中ではないと判別された場合は(S1104:No)、そのまま本処理を終了する。一方、現在が大当たり中であると判別された場合は(S1104:Yes)、次に、貯留弁1601aの開放タイミングであるかを判別する(S1153)。
この貯留弁1601aの開放タイミングは、大当たり種別に対応して規定されており(図100(b)参照)、主制御装置110に設けたカウンタ(図示せず)によって更新された動作シナリオが今回の大当たりで選択された大当たり種別に対応した貯留弁1601aの開放タイミングとなった場合に、貯留弁1601aの開放タイミングであると判別される。
ここで、S1151の処理にて貯留弁1601aの開放タイミングであると判別された場合は(S1151:Yes)、貯留弁1601aの開放するために貯留装置用ソレノイド610(図99参照)をオンに設定する(S1152)。これにより、貯留弁1601aが開放される。次いで、貯留弁開放コマンドを設定し(S1153)、本処理を終了する。
一方、S1151の処理にて貯留弁1601aの開放タイミングではないと判別された場合は(S1151:No)、次に、上述した第1実施形態の大当たり制御処理(図35参照)と同様に新たなラウンドの開始タイミングであるかを判別する。新たなラウンドの開始タイミングであると判別された場合は(S1105:Yes)、新たに開始するラウンドを示すラウンド数コマンドを設定し(S1154)、次いで、新たに開始されるラウンド数が1ラウンド目であるかを判別する(S1155)。
ここで、今回新たに開始されるラウンド数が1ラウンド目であると判別された場合は(S1155:Yes)、確変入賞有効フラグ203sをオンに設定し(S1156)、本処理を終了する。一方、S1155の処理において、今回新たに開始されるラウンド数が1ラウンド目ではないと判別された場合は(S1155:No)、そのまま本処理を終了する。
つまり、本第3実施形態では、特定一般入賞口630aに球が入球することで確変状態を付与可能な期間として、大当たり遊技中(条件装置の作動中)の特定期間(1ラウンド目の開始から最終ラウンドの終了までの期間(役物連続作動装置が作動している期間))が設定されている。よって、確変状態を付与可能な期間(確変入賞有効期間(図106参照))を示すフラグである確変入賞有効フラグ203sを1ラウンド目が開始されるタイミングで設定するよう制御している。
一方、S1105の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでは無いと判別された場合は(S1105:No)、次に、上述した第1実施形態の大当たり制御処理(図35参照)と同様にS1107〜S1109の処理を実行する。このS1107の処理において設定されている開放シナリオを参照し、S1108の処理において、第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650の可変動作(開放動作、閉鎖動作)が実行される。S1109の処理にてエンディング演出の開始タイミングでは無いと判別された場合は(S1109:No)、入賞処理3を実行し(S1111)、本処理を終了する。なお、この入賞処理3(S1111)については図113を参照して詳細な説明を後述する。
S1109の処理において、エンディング演出の開始タイミングである(エンディング期間の開始タイミングである)と判別された場合は(S1109:Yes)、次に、確変入賞有効フラグ203sをオフに設定し(S1157)、エンディング処理3を実行する(S1110)。そして、本処理を終了する。なお、エンディング処理3(S1110)については、図112を参照して詳細な説明を後述する。
このように、本第3実施形態における大当たり制御処理4(S1004)は、大当たりの開始タイミングとは別に貯留弁1601aの開放タイミングを判別する処理を設け、大当たり種別毎に異なるタイミングが設定される貯留弁1601aの開放動作を適切に実行可能に構成している。また、特定一般入賞口630aに球が入球することで確変状態を付与可能な期間を示す確変入賞有効フラグ203sが1ラウンド目の開始タイミングからエンディング演出が開始される(最終ラウンドが終了する)までの間、オンに設定されるよう構成している。
よって、本第3実施形態のパチンコ機10が有する遊技性を適正に実行することができ、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。なお、本実施形態では確変入賞有効フラグ203sをオフに設定するタイミングをエンディング演出の開始タイミング(エンディング期間の開始タイミング)としているが、最終ラウンドが終了するタイミングを判別可能に構成し、最終ラウンドが終了したと判別された場合に確変入賞有効フラグ203sをオフに設定するようにしてもよい。
また、上述した第1実施形態の大当たり制御処理(図35参照)のように大当たりの開始タイミングであると判別された場合に、貯留弁1601aの開放を設定し、貯留装置用ソレノイド610の開放動作を制御する装置(例えば、役物制御装置)へと貯留弁1601aの開放指示を出力するようにしてもよい。この場合、主制御装置110は、今回の大当たり種別と貯留弁1601aの開放指示とを役物制御装置へと出力し、各大当たり種別に対応する貯留弁1601aの開放タイミングを記憶している役物制御装置側で今回の大当たりに対応した開放タイミングで貯留弁1601aを開放する。これにより、主制御装置110の実行する処理を削減することができるという効果がある。
次に、図112を参照して、大当たり制御処理4(図111のS1004)にて実行されるエンディング処理3(S1110)について説明をする。図112はエンディング処理3(S1110)の内容を示すフローチャートである。このエンディング処理3(S1110)は、上述した第1実施形態のエンディング処理(図37参照)に対して、貯留弁閉鎖コマンドが設定される点で相違し、その他の処理は同一である。なお、上述した第1実施形態のエンディング処理(図37参照)と同一の処理については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
エンディング処理3(S1110)が実行されると、第1実施形態のエンディング処理(図37参照)と同様にS1301およびS1302の処理が実行され、その後、貯留弁閉鎖コマンドを設定する(S1351)。次いで、上述した第1実施形態のエンディング処理(図37参照)と同様にS1303〜S1308の処理が実行され本処理を終了する。
エンディング処理3(S1110)にて設定された貯留弁閉鎖コマンドは、大当たり制御処理4(図111のS1004)のS1153にて設定された貯留弁開放コマンドと同様に音声ランプ制御装置113へと出力される。音声ランプ制御装置113は貯留弁関連コマンドとして貯留弁開放コマンドと貯留弁閉鎖コマンドを入力することで、現在の貯留弁1601aの動作状態を把握可能としている。これにより、貯留弁1601aの動作状態に対応した演出を実行することが可能となる。よって、遊技者にとって有利な遊技状態(確変状態)が付与されるか否かを決定するために重要な役割を担う貯留弁1601aの動作状態に対して適正な演出(例えば、第3図柄表示装置81にて表示される演出)を実行することで、遊技者がパチンコ機10の演出を注視することになるため、遊技の演出に早期に飽きてしまう事態を抑制することができるという効果がある。
次に、図113を参照して大当たり制御処理4(図111のS1004)にて実行される入賞処理3(S1111)について説明をする。図113は入賞処理3(S1111)の内容を示すフローチャートである。この入賞処理3(S1111)は、上述した第1実施形態の入賞処理(図38参照)に対して、確変入賞有効フラグ203sがオンに設定されている場合のみ処理を実行するよう変更した点、確変入賞有効フラグ203sがオンに設定されている期間中に確変スイッチ(特定一般入賞口630a)を通過(に入球)することで確変設定フラグ203hがオンに設定されるよう制御内容を変更した点で相違し、それ以外の処理については同一である。なお、同一の処理については同一の符号を付し、その詳細な説明については省略する。
入賞処理3(S1111)が実行されると、まず確変入賞有効フラグ203sがオンに設定されているかを判別する(S1451)。確変入賞有効フラグ203sがオンではない(オフである)と判別された場合は(S1451:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、確変入賞有効フラグ203sがオンであると判別された場合は(S1451:Yes)、次いで、上述した第1実施形態の入賞処理(図38参照)と同様にS1402〜S1406の処理を実行する。S1405の処理にてラウンド時間が経過していないと判別された場合は(S1405:No)、次に確変設定フラグ203hがオンに設定されているかを判別する(S1452)。
S1452の処理にて確変設定フラグ203hがオンに設定されている場合は(S1452:Yes)、そのまま本処理を終了し、確変設定フラグ203hがオンに設定されていない場合(オフに設定されている場合)は(S1452:No)、確変スイッチを球が通過したか(特定一般入賞口630aに球が入球したか)を判別する(S1410)。
S1410の処理にて、確変スイッチを球が通過したと判別された場合は(S1410:Yes)、確変設定フラグ203hをオンに設定し(S1412)、本処理を終了する。一方、確変スイッチを球が通過していないと判別された場合は(S1410:No)、そのまま本処理を終了する。
上述したように、本第3実施形態では、大当たり遊技中に開放動作される第1可変入賞装置65とは異なる特定一般入賞口630a内に確変スイッチを設けており、さらに、確変入賞有効フラグ203sがオンに設定されている間に特定一般入賞口630aに球が入球することでその大当たり遊技終了後に確変状態が付与されるよう構成されている。よって、確変設定フラグ203hをオンに設定する処理を第1実施形態に比べて簡素化することができる。
なお、本第3実施形態においても、上述した第1実施形態の入賞処理(図38参照)のように特定一般入賞口630aに球が入球することで、確変状態を付与可能にするタイミングを確変入賞有効フラグ203sがオンに設定されている期間に加え若干の猶予期間(例えば4秒)を設けるようにしてもよい。これにより、例えば確変入賞有効フラグ203sがオンに設定されている間に第2貯留装置1600に流入した球であれば、確変入賞有効フラグ203sがオフに設定された後に特定一般入賞口630aに入球することで確変状態を付与とすることができる。
この場合、確変入賞有効フラグ203sに付与される猶予期間としては第2貯留装置1600内に流入した球が特定一般入賞口630aに到達可能な時間を設定すればよい、また、この猶予期間よりも大当たり遊技のエンディング期間が長くなるよう設定するとよい。このように構成することで、特定一般入賞口630aに球が入球することで確変状態が付与可能な期間(確変入賞有効フラグ203sがオンに設定されている期間と猶予期間)を大当たり遊技中のみに設定することが可能となるため、大当たり遊技終了後に確変状態を付与するための制御を統一することができる。よって、遊技者に対して大当たり遊技の最後まで確変状態が付与されることを期待させることができ、遊技者の遊技意欲が低下してしまう事態を抑制することができるという効果がある。
<第3実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次いで、図114から図118を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種処理について説明する。本第3実施形態では、メイン処理(図114参照)のコマンド判定処理3(S1811)の内容を第1実施形態から変更した点、メイン処理(図114参照)において、貯留状態判定処理(S1851)と、時短中表示処理(S1852)を追加した点で相違している。以下では、本第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種処理のうち、上述した第1実施形態と相違する点の説明のみを行い、第1実施形態から変更されていないその他の処理については、その詳細な説明を省略する。
まず、図114を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図114は、このメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理が実行されると、上述した第1実施形態のメイン処理(図42参照)と同様にS1801〜S1812の処理が実行される。ここで、コマンド判定処理3(S1811)は、その内容の一部が上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図43参照)から変更されている。このコマンド判定処理3(S1811)については図115を参照して詳細な説明を後述する。
次に、S1812の処理を終えると貯留状態判定処理(S1851)が実行され、その後、時短中表示処理(S1852)が実行される。ここで、貯留状態判定処理(S1851)は、第2貯留装置1600内に流入した球の貯留状態を判定するための処理であって、第2貯留装置1600内に貯留された球が上限量に到達したことや、第2流路1602を球が通過したことを判定する処理である。この貯留状態判定処理(S1851)により判定された結果に基づいて、上述した確変期待度表示演出(図104(b)参照)が実行される。なお、この貯留状態判定処理(S1851)については、図117を参照してその詳細な説明を後述する。
次に、時短中表示処理(S1852)は、時短状態において大当たりに当選した場合に実行される確変期待度表示演出(図104(b)参照)において第3図柄表示装置81に表示される数値(確変期待度)を選択するための処理である。なお、この時短中表示処理(S1852)については、図118を参照してその詳細な説明を後述する。
図114に戻り説明を続ける。S1852の処理を終えると、許容時間カウンタ減算処理が実行される(S1853)。この許容時間カウンタ減算処理は、許容時間カウンタ223iの値を減算する処理である。許容時間カウンタ223iは後述するコマンド判定処理3(図115のS1811)にて1秒に対応する値(1000)が設定され、S1853の処理が実行される毎に(1ミリ秒毎に)、1減算される。また、許容時間カウンタ223iに値が設定されていない場合(許容時間カウンタ223iの値が0の場合)は、カウンタの値を減算することなく本処理を終了する。
なお、コマンド判定処理3(図115のS1811)において許容時間カウンタ223iに設定される値(1000)は、エンディングコマンドを受信したタイミング(大当たりが終了したタイミング)においてパチンコ機10の遊技盤13に残存している球が遊技盤13外へ流下するのに十分な時間として設定されるものである。
1853の処理を終えると、次いで、上述した第1実施形態のメイン処理(図42参照)と同様にS1813〜S1817の処理を実行し本処理を終了する。このように、本第3実施形態では、音声ランプ制御装置113のメイン処理により確変期待度表示演出(図104(b)参照)を実行するために必要な情報(第2貯留装置1600内の球の貯留情報、第2流路1602への球の通過情報)を取得し(貯留状態判定処理(S1851))、その情報を用いて確変期待度表示演出(図104(b)参照)にて表示される数値(確変期待度)を選択可能に構成している。
これにより、大当たりに当選した際に今回の大当たり遊技終了後に確変状態が付与される期待度を数値として表示することで、例えば、確変期待度が高い場合は、遊技者に対して安心感を与えることができ、一方、確変期待度が低い場合は、大当たり遊技中に第2貯留装置1600へ球を流入させる遊技を積極的に行わせたりすることができる。よって、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
また、予め確変状態が付与されるか否かが決定している状態で遊技者に対して確変期待度を表示するのではなく、実際に確変状態が付与可能なタイミングで特定一般入賞口630aに球が入球する可能性を期待度として表示しているため、遊技者に対して信頼度の高い数値表示を実行することが可能となる。
次に、図115を参照して本第3実施形態にて実行されるコマンド判定処理3(S1811)について説明をする。図115はコマンド判定処理3(S1811)の内容を示すフローチャートである。このコマンド判定処理3(S1811)は、上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図43参照)に対して、入賞情報コマンドを受信した場合に実行される処理(エラー報知処理3(S1912))の内容を変更した点と、オープニングコマンドを受信した場合に実行される処理の内容を変更した点と、貯留弁1601aの開放(解除)を示す貯留弁開放コマンドおよび貯留弁1601aの閉鎖を示す貯留弁閉鎖コマンドを受信した場合に実行される処理を追加した点で相違し、その他の処理については同一である。なお、上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図43参照)において実行されるS1904〜S1910の処理は、本第3実施形態のコマンド判定処理3(S1811)においても実行される処理であるが、その他のコマンドに応じた処理(S1919)に含まれるものとし、その処理の図示を省略する。また、図115にて図示した処理のうち、上述した第1実施形態と同一の処理については、同一の符号を付しその詳細な説明を省略する。
コマンド判定処理3(S1811)が実行されると、まず上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図43参照)と同様にS1901〜S1903の処理が実行される。S1901の処理にて変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合は(S1901:No)、次に入賞情報コマンドを受信したかを判別する(S1911)。ここで、入賞情報コマンドを受信したと判別した場合には(S1911:Yes)、エラー報知処理3(S1912)が実行される。
このエラー報知処理3(S1912)は、パチンコ機10の遊技盤13に設けられた各装置(第1入球口65、スルーゲート67、第2貯留装置1600)への入賞(通過)に基づく入賞情報コマンドを受信した場合に、パチンコ機10の遊技状態(通常遊技状態、右打ち遊技状態)に対して遊技者が実行している遊技が正常であるかを判別し、その判別結果に基づいて遊技者に遊技方法について報知する(警告画像を表示する)ための処理である。これにより、遊技者に対して現在の遊技状態に適した遊技方法を報知することができる。また、意図的に現在の遊技状態に適さない遊技方法で遊技を行う行為を実行させ難くすることができるという効果がある。なお、このエラー報知処理3(S1912)については、図116を参照してその詳細な説明を後述する。
図115に戻り説明を続ける。S1911の処理にて入賞情報コマンドを受信していないと判別された場合は(S1911:No)、次に、オープニングコマンドを受信したかを判別する(S1913)。ここで、オープニングコマンドを受信したと判別した場合は(S1913:Yes)、上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図43参照)と同様にS1914の処理を実行し、次いで、貯留上限フラグ223kをオフに設定し(S3911)、特殊球流フラグ223mをオフに設定し(S3912)、表示用オープニングコマンドを設定し(S1915)、本処理を終了する。
一方、S1913の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判別された場合は(S1913:No)、その後、エンディングコマンドを受信したかを判別する(S1916)。ここでエンディングコマンドを受信したと判別すると(S1916:Yes)、上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図43参照)と同様にS1917およびS1918の処理を実行し、本処理を終了する。
S1916の処理において、エンディングコマンドを受信していないと判別された場合は(S1916:No)、次に、貯留弁開放コマンドを受信したかを判別する(S3913)。ここで、貯留弁開放コマンドを受信したと判別した場合は(S3913:Yes)、貯留弁開放中フラグ223nをオンに設定し(S3914)、表示用開放コマンドを設定し(S3915)、本処理を終了する。
一方、S3913の処理において、貯留弁開放コマンドを受信していないと判別した場合は(S3913:No)、次いで、貯留弁閉鎖コマンドを受信したかを判別する(S3916)。ここで、貯留弁閉鎖コマンドを受信したと判別した場合は(S3916:Yes)、貯留弁開放中フラグ223nをオフに設定し(S3917)、表示用閉鎖コマンドを設定し(S3918)、本処理を終了する。
S3916の処理において、貯留弁閉鎖コマンドを受信していないと判別した場合は(S3916:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行する(S1919)。なお、このその他のコマンドに応じた処理としては上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図43参照)にて説明した処理に加え、第1実施形態のコマンド判定処理のS1904〜1910の処理が含まれている。
次に、コマンド判定処理3(図115のS1811)において実行されるエラー報知処理3(S1912)について図116を参照して説明する。図116はエラー報知処理3(S1912)の内容を示すフローチャートである。このエラー報知処理3(S1912)では、主制御装置110から受信した入賞情報コマンドに基づいて、現在の遊技状態(通常状態または右打ち状態)に対して遊技者が実行している遊技方法(右打ちか否か)が適正な内容であるかを判別し、その判別結果に基づいた報知を可能な処理が実行される。
このエラー報知処理3(S1912)は、上述した第1実施形態のエラー報知処理(図44参照)に対して、大当たり中フラグ223hがオンに設定されている場合に許容時間カウンタ223iの値を判別する処理を削除した点と、大当たり中フラグ223hがオフに設定されている場合に実行される処理の内容を変更した点で相違する。なお、第1実施形態のエラー報知処理(図44参照)と同一の処理には同一の符号を付し、その詳細な説明については省略する。
ここで図116に示す通り、エラー報知処理3(S1912)が実行されると、上述した第1実施形態のエラー報知処理(図44参照)と同様にS1931〜S1933の処理を実行し本処理を終了する。これにより、右打ち遊技が実行されるはずの大当たり中(大当たり遊技中)における右打ち遊技では入賞不可能(困難)である第1入球口65への球の入球を判別することが可能となる。これにより、遊技者が大当たり中(大当たり遊技中)であるにも関わらず右打ち遊技を実行していない状態を察知し、遊技者に対して適正な遊技方法を報知することが可能となる。
なお、適正な遊技方法の報知としては、例えば、遊技者が適正な遊技を実行していない(右打ち遊技が実行される遊技状態にも関わらず、右打ち遊技以外の遊技が実行されている)と判別された場合に、適正な遊技の内容(右打ち遊技)を遊技者に視認可能な態様(例えば、第3図柄表示装置81へ表示させる)で報知したり、常時、遊技内容を遊技者に報知しているパチンコ機10においては、その報知内容を強調して報知(例えば、スピーカの音量を上げたり、表示画面に表示される報知態様を大きくしたり、表示画面の輝度を上げたりする)する構成でもよい。これにより、遊技者が適正では無い遊技を実行した場合でも遊技者に遊技内容を適正に報知することができる。
図116に戻り説明を続ける。S1931の処理において大当たり中フラグ223hがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別された場合は(S1931:No)、上述した第1実施形態のエラー報知処理(図44参照)と同様に、許容時間カウンタ223iの値が0であるかを判別する(S1936)。
ここで、本第3実施形態における許容時間カウンタ223iは、右打ち遊技状態が終了してから所定期間(1秒間)を計測するためのカウンタであり、このカウンタが計測を行っている間は、第2貯留装置1600またはスルーゲート67を球が通過したとしても後述する右打ち警告画像が表示されないようにするものである。
これにより、右打ち遊技状態が終了する直前に発射された球が右打ち遊技状態終了後に第2貯留装置1600またはスルーゲート67に入球(通過)した場合に右打ち警告画像を表示してしまうことを防止することができる。よって、適正な遊技を実行している遊技者に対して警告画像を表示し、遊技意欲を低下させてしまうことを抑制することができる。また、適正ではない遊技を遊技している遊技者に対して警告画像を表示する精度を高めることができるという効果がある。
この、許容時間カウンタ223iは、図115に示す通り、主制御装置110からエンディングコマンドを受信した場合に1秒に対応する値(1000)が設定されるものであり(S1917)、メイン処理(図114参照)にて1ミリ秒経過する毎に1減算される(S1853)。
図116に戻り説明を続ける。S1936の処理において、許容時間カウンタ223iの値が0ではない(0よりも大きい)と判別された場合は(S1936:No)、そのまま本処理を終了する。一方、許容時間カウンタ223iの値が0であると判別された場合には(S1936:Yes)、次いで、確変状態フラグ223fがオンに設定されているかを判別する(S1961)。
つまり、大当たりが終了してから所定期間(1秒)が経過したか否かを許容時間カウンタ223iの値を用いて判別し、許容時間カウンタ223iの値が0となることで、大当たりが終了してから所定期間(1秒)が経過したと判別している。これにより、大当たり終了直後に遊技盤13を流下していた球が第2貯留装置1600やスルーゲート67に入球(通過)した場合に警告画像を表示することがない。
S1961の処理において、確変状態フラグ223fがオンに設定されていると判別された場合は(S1961:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、確変状態フラグ223fがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別された場合は(S1961:No)、次に、時短状態カウンタ223gの値が0よりも大きいかを判別する(S1962)。ここで、時短状態カウンタ223gの値が0よりも大きいと判別された場合は(S1962:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1962の処理において、時短状態カウンタ223gの値が0よりも大きくない(0である)と判別された場合は、第2貯留装置1600またはスルーゲート67への球の入球(通過)を示す入賞情報コマンドを受信したかを判別する(S1963)。ここで、第2貯留装置1600またはスルーゲート67への球の入球(通過)を示す入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合は(S1963:No)、そのまま本処理を終了する。
S1963の処理において、第2貯留装置1600またはスルーゲート67への球の入球(通過)を示す入賞情報コマンドを受信したと判別した場合は(S1963:Yes)、次に、右打ち警告画像に対応するエラーコマンドを設定し(S1964)、本処理を終了する。ここで、右打ち警告画像に対応するエラーコマンドが設定され、図114に示すコマンド出力処理(S1802)にて表示制御装置114にエラーコマンドが出力されると、第3図柄表示装置81に図5(b)に示す警告画像が表示される。
以上、説明をしたように、本第3実施形態では、右打ち遊技が実行されない遊技状態を判別するために、大当たり中フラグ223hと、確変状態フラグ223fと、時短状態カウンタ223gとを参照している。そして、大当たり中フラグ223hがオフに設定され、確変状態フラグ223fがオフに設定され、時短状態カウンタ223gの値が0である場合を右打ち遊技が実行されない遊技状態とし、その遊技状態において第2貯留装置1600及びスルーゲート67に球が入球(通過)したか否かを判別している。
さらに、本第3実施形態では大当たりが終了してから所定期間(1秒)の間は、エラー報知処理によって警告画像に対応するエラーコマンドが設定されることが無い。
なお、本第3実施形態では、許容時間カウンタ223iの値がエンディングコマンドを受信したタイミング(図115のS1916)で1000に設定され(S1917)、その値が0の場合(許容時間が経過した場合)に(図116のS1962:No)、第2貯留装置1600またはスルーゲート67に球が入球(通過)したことを判断可能な構成としているが、それ以外の構成をもちいてもよく、例えば、右打ち遊技が終了するタイミングとしてエンディングコマンドを受信した場合以外に、時短状態カウンタが0になったタイミングでも許容時間カウンタ223iの値を1000に設定するように構成してもよい。
このように構成することで、時短状態が終了し通常遊技状態へと移行する際にも適正な遊技を実行している遊技者に対して警告画像を表示し、遊技意欲を低下させてしまうことを抑制することができる。また、適正ではない遊技を遊技している遊技者に対して警告画像を表示する精度を高めることができるという効果がある。
また、許容時間カウンタ223iに設定する値については、適正な遊技を実行している遊技者に対して誤って警告表示が実行されてしまうことを抑制可能な期間に対応する値であればよく、例えば、10秒に対応する値(10000)にしてもよい。また、大当たりの種別毎に異なる値が設定されるよう構成してもよい。
さらに、大当たり遊技の結果や大当たり種別に基づいて、許容時間カウンタ223iの値を設定するタイミングを変更してもよい。例えば、大当たり終了後に確変状態や時短状態が付与されることが確定している場合には、エンディングコマンドを受信した場合であっても許容時間カウンタ223iの値を設定せず、大当たり終了後に確変状態および時短状態が付与されない大当たりの場合には、大当たり終了後に許容時間カウンタ223iの値を設定するようにしてもよい。これにより、許容時間カウンタ223iに無用な値を設定する必要が無くなるため、処理負荷を軽減することができるという効果がある。
次に、図117を参照して貯留状態判定処理(S1851)について説明をする。図117は貯留状態判定処理(S1851)の内容を示すフローチャートである。この貯留状態判定処理(S1851)は、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図114参照)にて実行される処理であり、貯留弁1601aが閉鎖している状態の第2貯留装置1600内に流入した球の貯留状況および流下状況を判定するための処理である。
まず、貯留状態判定処理(S1851)が実行されると、貯留弁開放中フラグ223nがオンに設定されているかを判別する(S4901)。ここで、貯留弁開放中フラグ223nがオンに設定されている、つまり、貯留弁1601aが開放(解除)状態であると判別した場合は(S4901:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、S4901の処理において、貯留弁開放中フラグ223nがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S4901:No)、次に、第2貯留装置1600内に貯留されている球の数が上限(本実施形態では4個)に達しているかを判別する(S4902)。具体的には、図96に示す第2貯留装置1600の第1流路1601に設けられた上限検知センサ1600bが球の滞留を検知した場合に、貯留球が上限であると判別される。
S4902の処理において、貯留球が上限に到達していると判別された場合は(S4902:Yes)、次に、貯留上限に対応するコマンドを設定し(S4903)、貯留上限フラグ223kをオンに設定し(S4904)、本処理を終了する。この貯留上限フラグ223kは大当りが開始されることでオフに設定される(図115のS3911)。
一方、S4902の処理において、貯留球が上限に到達していないと判別された場合は(S4902:No)、次いで、球が第2誘導流路(第2流路1602)を通過したかを判別する(S4905)。具体的には、図96に示す第2貯留装置1600の第2流路1602に設けられた通過センサ1600dが球の通過を検知した場合に、第2誘導流路(第2流路1602)を球が通過したと判別する。
ここで、S4902の処理において貯留球が上限に到達していないにも関わらず、第2誘導流路(第2流路1602)を球が通過する事象について説明をする。本第3実施形態におけるパチンコ機10の第2貯留装置1600は、通常、図96に示すように第1流路1601に上限量の球が貯留されている状態で新たな球が第2貯留装置1600に流入した場合に第2流路1602へと流下するよう構成されている。
しかし、第2貯留装置1600に流入した球が第2貯留装置1600の内壁に衝突した際の跳ね返り方向によっては、第1流路1601の球の貯留量が上限に到達していない状況であっても、第2流路1602へと流下する場合がある(第2貯留装置1600に流入した球の約5%)。このような球の流下が発生した場合に、S4905の処理において第2誘導流路(第2流路1602)を球が通過(流下)したと判別される。
図117に戻り説明を続ける。S4905の処理において第2誘導流路(第2流路1602)を球が通過していないと判別された場合は(S4905:No)、そのまま本処理を終了する。一方、第2誘導流路(第2流路1602)を球が通過したと判別された場合は(S4905:Yes)、次いで、特殊球流れに対応するコマンドを設定し(S4906)、特殊球流フラグ223mをオンに設定し(S4907)、本処理を終了する。
なお、本第3実施形態では、特殊球流れに対応するコマンドが設定されると、音声出力装置226によって特殊球流れが発生したことを報知する報知音が出力される。また、この特殊球流れが発生した場合は、図97を参照して上述したように、第2貯留装置1600内に設けられた第1振分部材900を遊技者に有利な位置(特定一般入賞口630aに球を入球させるために必要とする球数を減らす位置)へと移動させる特典を付与可能に構成しているが、それ以外の特典を遊技者に付与するようにしてもよい。
例えば、特殊球流れが発生した場合のみ入球可能な一般入賞口を設け、その一般入賞口へ球が入球した場合に遊技者に付与される賞球数を多く(15個)設定してもよい。また、特殊球流れが発生した場合に、遊技者が貯めているポイントを付与したり、特別な映像を第3図柄表示装置81に表示するといった特典を付与してもよい。
このように構成することで、球が不規則な動きをすることにより発生する特殊球流れを判別可能にし、さらに、特殊球流れに対して特典を付与することで、遊技者に対して球の動きに基づく特典を付与することができる。よって、遊技者に対して球の動きを一喜一憂させることができ、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
なお、本第3実施形態では、第1流路1601に貯留される球の数が上限に到達していない場合に(S4902:No)、第2誘導流路(第2流路1602)を球が通過した場合に(S4905:Yes)、特殊球流フラグ223mがオンに設定されるよう構成しているが、例えば、第1流路1601に貯留される球が上限に到達した状態で第2誘導流路(第2流路1602)を球が通過(流下)した場合に特殊球流フラグ223mがオンに設定されるように構成してもよい。
このように構成することで、第1流路1601に貯留される球の数が上限に到達した状態であっても、遊技者に対して継続して遊技を行わせることが可能となる。よって、遊技者が途中で球の発射を止めてしまうことによる遊技機の稼働低下を抑制することができるという効果がある。
次に、図118を参照して時短中表示処理(S1852)について説明をする。図118は時短中表示処理(S1852)の内容を示すフローチャートである。この時短中表示処理(S1852)は、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図114参照)にて実行される処理であり、時短状態中に大当たり当選すると実行される確変期待度表示演出(図104(b)参照)にて表示される数値(確変期待度)を選択する処理である。
まず、時短中表示処理(S1852)が実行されると、時短状態カウンタ223gの値が0よりも大きいかを判別する(S5001)。ここで、時短状態カウンタ223gの値が0よりも大きくない(0である)場合、つまり、時短状態ではないと判別された場合は(S5001:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S5001の処理において、時短状態カウンタ223gの値が0よりも大きい、つまり、時短状態であると判別された場合は(S5001:Yes)、次に、大当りに当選したかを判別する(S5002)。具体的には、今回の変動に対応する入賞データが大当りに当選しているかを判別する。ここで、今回の変動が大当りに当選していないと判別された場合は(S5002:No)、そのまま本処理を終了する。
S5002の処理において、今回の変動が大当りに当選していると判別された場合は(S5002:Yes)、次いで、貯留上限フラグ223kがオンに設定されているかを判別する(S5003)。
S5003の処理において、貯留上限フラグ223kがオンに設定されていると判別された場合は(S5003:Yes)、期待度MAXに対応する表示コマンドを設定し(S5004)、本処理を終了する。この期待度MAXに対応する表示コマンドが設定されると、図104(b)に示す確変期待度表示演出において、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsの小領域Ds2に表示される確変期待度の数値に「MAX」が表示される。
一方、S5003の処理において、貯留上限フラグ223kがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別された場合は(S5003:No)、期待度表示選択テーブル222b(図105参照)に規定されている内容に基づいて選択された期待度(数値)に対応する表示コマンドを設定し(S5005)、本処理を終了する。この表示コマンドが設定されると、図104(b)に示す確変期待度表示演出において、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsの小領域Ds2に表示される確変期待度の数値に、期待度表示選択テーブル222bに基づいて選択された期待度(数値)「10〜80」が表示される。
以上、説明をしたように、時短中表示処理(S1852)では、時短状態中に大当たりに当選した場合に実行される確変期待度表示演出の表示内容が決定される。このように、大当たりに当選したタイミングにおける第2貯留装置1600の球貯留数と、特殊球流れの有無、大当たり種別に基づいて確変期待度の数値が選択されるため遊技者に信頼度の高い値(期待度)を表示することができる。また、本第3実施形態のパチンコ機10では、大当たり遊技中の所定期間内(1ラウンド目が開始されてから最終ラウンドが終了するまでの期間)に特定領域である特定一般入賞口630aへ球を入球させることで、その大当たり終了後に確変状態が付与される遊技性であるため、大当たりに当選したタイミングでは確変状態が付与されるか否かが決定されていない。
つまり、本第3実施形態のパチンコ機10では、単純に、今回の大当たり当選が、大当たり遊技中に確変状態が付与される可能性が高くなる条件をどれだけ充足しているかに基づいて確変期待度表示演出の内容が決定される。
よって、内部的に確変状態が付与されるか否かが決定しているにも関わらず、遊技者を煽るために行う確変期待度を報知する演出に対して、表示される確変期待度(値)の信頼度を高めることができるという効果がある。
なお、本第3実施形態では貯留上限フラグ223kがオンに設定されている場合は、他の条件(特殊球流フラグ223mの設定状況と、大当たり種別の種類)に関わらず、期待度MAXに対応する表示コマンドが設定されるよう構成している。これは、本パチンコ機10では時短状態中に第2貯留装置1600に上限量(4個)の球が貯留されている状態で大当たりに当選すると、その貯留されている球のうち少なくとも1つは、その大当たり終了後に確変状態が付与可能なタイミングで特定一般入賞口630aに入球させることができるためである。
即ち、時短状態において大当たりに当選するまでに第2貯留装置1600に上限量(4個)の球が貯留させることで、次回大当たりの終了後に確変状態が付与される遊技状態とすることが可能となる。このように構成することで、時短状態中に特別図柄の保留記憶数が上限に到達したとしても、第2貯留装置1600に球を流入させる遊技を続行させることができるため、遊技中に遊技者が球の発射を止めてしまい遊技機の稼働が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
以上、説明をしたように、本第3実施形態では、特定一般入賞口630aに球が入球するタイミングが、大当たり遊技中(条件装置作動中)において、第1可変入賞装置65が開放動作されている間(役物連続作動装置作動中)であれば、その大当たり終了後に確変状態を付与されるが、この第1可変入賞装置65が開放動作されている間とは、具体的に、第1可変入賞装置65が開放している期間(ラウンド期間)と、1のラウンドが終了条件(球が10個入球、または、30秒経過)が成立してから次のラウンドにて第1可変入賞装置65が開放されるまでの期間(インターバル期間)の両方が含まれている。
よって、大当たり遊技中におけるインターバル期間(第1可変入賞装置65が閉鎖している期間)であっても、球が特定一般入賞口630aに球が入球すると、その大当たり遊技終了後に確変状態が付与される。つまり、本第3実施形態にて用いた構成では、大当たり遊技中に開放される入賞口(例えば、第1可変入賞装置65の入賞口)内に球が通過することにより、その大当たり終了後に確変状態が付与される特定領域を設けた場合よりも、大当たり遊技中において連続して遊技者に有利となる期間(確変状態を付与可能な期間)を長く設定することが可能となる。
また、本第3実施形態では、球が通過することにより確変状態を付与可能な特定領域を大当たり遊技中に開放される入賞口(例えば第1可変入賞装置65の入賞口)以外に設けているため、大当たり遊技中に第1可変入賞装置65に入賞しなかった球、即ち、従来は遊技者にとって何らメリットのなかった球(無駄球)により、確変状態を獲得できるか否かが決定されることになる。これにより、大当たり遊技中に、第1可変入賞装置65に球を入球させ賞球を獲得する遊技と、特定一般入賞口630aに球を入球させ確変状態を獲得する遊技とを同時に進行させることが可能となる。よって、遊技者に対して複数の遊技性を同時に提供することができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
この場合、本第3実施形態のパチンコ機10のように、同一領域を狙う遊技(本実施形態では、右打ち遊技)にて入賞可能な位置に第1可変入賞装置65および特定一般入賞口630aを設けると良い。このようにすることで、遊技者に対して複数の遊技を同時に且つ容易に進行させることができる。
なお、本第3実施形態のパチンコ機10とは異なり、例えば、右打ち領域に第1可変入賞装置65を設け、通常遊技領域(左打ち領域)に特定一般入賞口630aを設けるように構成してもよい。これにより、大当たり遊技中におけるラウンド期間(第1可変入賞装置65が開放している期間)は右打ち遊技を行い、インターバル期間(1のラウンドの終了条件(球が10個入球、または、30秒経過)が成立してから次のラウンドにて第1可変入賞装置65が開放されるまでの期間)にて、通常遊技(左打ち遊技)を行わせ、特定一般入賞口630aへ球を入球させる遊技を実行するように構成してもよい。
これにより、大当たり遊技中における遊技を複雑にすることが可能となる。よって、単調な遊技によって遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
以上、説明をした本第3実施形態では、第2貯留装置1600を遊技盤13の右側領域に配置しているが、例えば、第2貯留装置1600を遊技盤13の中央下部(可変表示装置ユニット80の下側)や、遊技盤13の左側領域(可変表示装置ユニット80の左側)に設け、通常遊技状態にて実行される第1入球口64に球を入球させる遊技(左打ち遊技)により発射された球が第2貯留装置1600に流入するように構成してもよい。
このように構成することで、通常遊技状態中に第2貯留装置1600に球を貯留させることが可能となる。これにより、通常遊技状態において大当たりに当選しない状態が継続すると、第2貯留装置1600に上限量の球を貯留させることが可能となるため、大当たりに長期間当選しなかった遊技者に対して確変状態が付与されやすい大当たりを提供することが可能となり、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
また、本実施形態では、確変状態に移行すると、次の大当たりに当選するまでの間確変状態が継続するように構成されているため、遊技者は確変状態中に早期に大当たりに当選しないよう遊技を行うことになる。即ち、次の大当たりに当選するまでは大当たり確率が高く設定されており、且つ、持ち球の減少が抑制されている状態で遊技を実行することができる確変状態にて、第2貯留装置1600に上限量の球を貯留させてから大当たりに当選させることで、次回大当たり遊技終了後も確変状態が継続することを狙う遊技を行うことになる。
よって、従来は早期に次回の大当たりに当選することを単に待ちながら遊技が行われていた確変状態において、早期に大当たり当選することなく、且つ、いち早く第2貯留装置1600に上限量の球を貯留させようと意欲を持って遊技を行わせることができるため、確変状態中における遊技者の遊技意欲を向上させることができるという効果がある。
なお、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、確変状態にて所定回数(例えば、10回)特別図柄を変動させると確変状態から時短状態(例えば、大当たり終了後から特別図柄が100回変動するまでの期間で設定される)へと遊技状態が移行するよう構成してもよい。
このように構成することで、大当たり確率は高い状態であるが大当たり間の遊技期間が短い確変状態中で大当たり(確変が付与される期待度が低い大当たり)に当選する場合と、大当たり確率は低い状態(通常遊技状態)であるが大当たり間の遊技期間が長くなる時短状態中で大当たり(確変が付与される期待度が確変状態で大当たりに当選するよりは高い大当たり)に当選する場合とで、遊技者に異なる有利性を持たせた大当たりを提供することができるため、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
なお、本実施形態では、第2貯留装置1600に流入しなかった球が第1可変入賞装置65に入球する構成にしているが、例えば、第1可変入賞装置65の下方に第2貯留装置1600を設けてもよい。これにより、大当たり遊技中(第1可変入賞装置65が開放動作される間)は第2貯留装置1600に球が入球し難くすることができる。
<第4実施形態>
次に、図119〜図128を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第3実施形態では、第2貯留装置1600を設け、その第2貯留装置1600内に球が流下可能な流路を複数設け、流下する流路によって球が特定一般入賞口(確変入賞口)630aや一般入賞口(大価値入賞口)630bに入賞可能に構成していた。また、第2貯留装置1600には、一部の流路を流下する球を貯留可能な貯留弁1601aを設け、この貯留弁1601aが開放するタイミングを変更することで特定一般入賞口630aに球が入球するタイミングを異ならせることで、大当たり遊技の終了後に確変状態が付与されやすい大当たりと付与されにくい大当たりとを設けていた。
これに対して第4実施形態では、第3実施形態の第2貯留装置1600に代えて、振分装置2600を設けている。この振分装置2600には球が流下可能な流路が複数設けられており、流下する流路によって球が特定一般入賞口(確変入賞口)630aや第2入球装置640に入球可能に構成している。
さらに、本第4実施形態は遊技盤13の右側領域(遊技盤13の右側の領域、つまり、可変表示装置ユニット80の右側に設けられる領域)に第1可変入賞装置65を設け、その第1可変入賞装置65の下方に第2可変入賞装置650が設けている。詳細な説明については図120を参照して後述するが、本第4実施形態のパチンコ機10では大当たり遊技において、第1可変入賞装置65と第2可変入賞装置650とを交互に開放動作させることで、大当たり遊技中に右打ち遊技で発射された球が何れかの可変入賞装置(第1可変入賞装置65または第2可変入賞装置650)へと入球するように構成されている。
このように2つの可変入賞装置(第1可変入賞装置65と第2可変入賞装置650)を交互に開放動作させることで、例えば、大当たり遊技中において上側に設けられている第1可変入賞装置65が閉鎖状態となり、その閉鎖状態の第1可変入賞装置65を通過した球が、第1可変入賞装置65の下方に設けられた第2可変入賞装置650に入球するように夫々の可変入賞装置の開放動作を制御することで、大当たり遊技中に発射された球を何れかの可変入賞装置へと入球させることができる。よって、大当たり遊技中に発射した球が可変入賞装置(第1可変入賞装置65と第2可変入賞装置650)に入球せずに遊技者に不満感を与えてしまうという事態を抑制することができるという効果がある。
そして、上述したように、本第4実施形態のパチンコ機10は、上下に設けられた2つの可変入賞装置(第1可変入賞装置65と第2可変入賞装置650)の下方に、振分装置2600を設け、その振分装置2600によって振り分けられる1の経路を流下した球が特定一般入賞口630aに入球するように構成されている。
この特定一般入賞口630aは上述した第3実施形態で用いた特定一般入賞口630aと同一であり、大当たり遊技中の所定期間である確変入賞有効期間(1ラウンド目のラウンド遊技の開始〜最終ラウンドのラウンド遊技終了までの期間)に球が入球することで、所定個数の賞球(1個)に加え、その大当たり遊技終了後に確変状態が付与され、大当たり遊技中の所定期間(確変入賞有効期間)以外の期間(大当たりしていない期間も含む)に球が入球することで、所定個数の賞球(1個)が付与されるよう構成されている。
さらに、本第4実施形態では、当選した大当たりの大当たり種別に基づいて大当たり遊技中における第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650の開放動作内容を変更することで、大当たり遊技中に振分装置2600へと流下する球が発生しやすい大当たりと、発生し難い大当たりとが設定可能に構成されている。
これにより、複数の可変入賞装置を有するパチンコ機10において、2つの可変入賞装置に入球しない球(大当たり遊技中に振分装置2600に流入可能な球)を意図的に発生させるように複数の可変入賞装置の開放動作を制御し、何れの可変入賞装置にも入球しなかった球により、その大当たり終了後に遊技者にとって有利となる遊技状態(確変状態)が付与されるか否かが決定されるという新たな遊技性を提供することができる。
よって、遊技者に対して大当たり遊技中に、可変入賞装置に球を入球させるという従来の遊技性に加え、可変入賞装置に入球しなかった球を用いて遊技者に有利となる特典(確変状態)が付与されるか否かを決定する新たな遊技を実行させることができ、大当たり遊技中における遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
また、大当たり遊技中に可変入賞装置に入球しなかった球は、従来では無駄な球として扱われていたが、本実施形態ではその球(大当たり遊技中に可変入賞装置に入球しなかった球)を用いて遊技者に有利となる特典(確変状態)を付与可能に構成しているため、大当たり遊技中に発射された全ての球を有効に用いることができるパチンコ機10を提供することができ、遊技者に対して遊技を楽しませることができるという効果がある。
次に、図120を参照して、本第4実施形態における遊技盤13の右側領域の構成について説明をする。図120は、図119における遊技盤13のうち、2点鎖線CXXで囲まれた領域を拡大した図である。図119に示すように、右打ち遊技によって発射された球は、可変表示装置ユニット80を飛び越えて返しゴム69に衝突し、その勢いを減衰させて遊技盤13の右側領域(可変表示装置ユニット80の右側)を流下する。
図120に示すように、遊技盤13の右側領域には球の流下経路の上流側(遊技盤13の上方側)から順に、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、振分装置2600と設けられており、振分装置2600によって遊技盤13正面視右側(図120の視点で右側)へと振り分けられた球が入球可能な位置に特定一般入賞口630aが設けられている。
一方、振分装置2600によって遊技盤13正面視左側(図120の視点で左側)へと振り分けられた球が入球可能な位置に第2入球口640が設けられている。なお、本第4実施形態のパチンコ機10の遊技盤13の右側領域に設けられている各種構成のうち、第1可変入賞装置65と、第2可変入賞装置650と、特定一般入賞口630aと、第2入球口640については既に上述した各実施形態において詳細な説明をしているため、同一の符号を付しその詳細な説明を省略する。
次に、図120を参照して、振分装置2600の構成について説明する。この振分装置2600には、遊技盤13を流下してきた球が流入する開口部2601が形成されている。この開口部2601は約15ミリの開口幅で形成されており、球が同時に2個流入することを規制している。これにより、振分装置2600に流入した球をスムーズに流下させることができる。なお、図120に示すように第2可変入賞装置650を通過した球が振分装置2600の開口部2601へと誘導されるように遊技盤13には複数の釘が植設されている。
振分装置2600に流入した球は、振分装置2600内に設けられた2つの振分部材(第1振分部材1901と、第2振分部材1902)によって振り分けられる。振分装置2600内には隔壁によって第1流路2602、第2流路2603、第3流路2604、および、第4流路2605が形成されている。第1流路2602および第2流路263は球が直下に流下するよう形成されており、第3流路2604は振分装置2600の正面視左下方向(図120の視点で左下方向)へと下り傾斜する傾斜部材によって上流から下流へと球が流下するよう形成されている。また、第4流路2605は貯留装置2600の外形を構成する部材によって、振分装置2600の正面視右下方向(図120の視点で右下方向)へと下り傾斜するよう形成されている。
そして、振分装置2600には、振分装置2600の正面視右側(図120の視点で右側)へ球を排出する右排出口2606と、振分装置2600の正面視左側(図120の視点で左側)へ球を排出する左排出口2607とが形成されている。
振分装置2600に流入した球は、2つの振分部材(第1振分部材1901および第2振分部材1902)により振り分けられ、複数の流路(第1流路2602〜第4流路2605)を流下して右排出口2606または左排出口2607の何れかから排出される。
具体的には、振分装置2600に流入した球が開口部2061に設けられた通過センサ2600aを通過し、第1振分部材1901に落下する。この第1振分部材1901の構成については上述した第3実施形態にて用いた第2振分部材901と同一の構成であるため、詳細な説明を省略する。
第1振分部材1901に落下した球は第1振分部材1901によって第1流路2602と第2流路2603とに交互に振り分けられる。第1振分部材1901の下方には隔壁が設けられ、第1流路2602と第2流路2603とを隔離している。
第1流路2602を流下した球は、第3流路2604の下流側に落下し、第3流路2604の下流方向(図120の視点で左下方向)へと流下し、左排出口2607から振分装置2600外へと排出される。一方、第2流路2603を流下した球は、第2振分部材1902に落下する。この第2振分部材1902の構成については、第1振分部材1901と同一であり、上述した第3実施形態にて用いた第2振分部材901と同一の構成であるため、詳細な説明を省略する。
第2振分部材1902に落下した球は第2振分部材1902によって第3流路2604と第4流路2605へと交互に振り分けられる。第3流路2604に振り分けられた球は傾斜部材上を流下し、左排出口2607から振分装置2600外へと排出される。なお、左排出口2607から排出される球は、通過センサ2600bによりその球数が検出可能に構成されている。
一方、第4流路2605へと振り分けられた球は、右排出口2606から振分装置2600外へと排出される。なお、右排出口2606から排出される球は、通過センサ2600cによりその球数が検出可能に構成されている。
以上、説明をしたように振分装置2600に流入した球は規則性を持って振り分けられるよう構成されており、具体的には、右排出口2606から排出される球数と左排出口2607から排出される球数との割合が1:3となるように構成されている。つまり、振分装置2600に球が4個流入することで、少なくとも1個は右排出口2606から球が排出されるように構成されている。
また、図120は振分装置2600の内部構成を説明するために、振分装置2600の表面カバーを取り外してある状態を示しているが、表面カバーは透過性の材質(ABSやポリカーボネート等)で構成されており、遊技者が振分部材(第1振分部材1901および第2振分部材1902)の状況を把握可能な構成となっている。このように構成することで、遊技者は振分部材(第1振分部材1901および第2振分部材1902)の状況を把握しながら遊技を行うことができるため、特定一般入賞口630aに球が入球するタイミングを予測しながら遊技を行うことが可能となる。
なお、振分部材(第1振分部材1901および第2振分部材1902)の状況を遊技者が視認困難となるように、振分装置2600の表面カバーの一部を着色したり、表面カバーの表面に装飾部材を取り付けたりしてもよい。このように構成することで、振分装置2600に球が流入する度に何れの排出口(右排出口2606または左排出口2607)から球が排出されるのかを予想させながら遊技を行わせることができる。また、過去に球が排出された排出口を記憶することで次に排出される排出口が何れの排出口(右排出口2606または左排出口2607)になるのかを予測することができるため、短時間しか遊技をしない遊技者よりも長時間遊技を行う遊技者に有利な状況を提供することができる。よって、遊技者に対して長期間遊技を実行させることができ、パチンコ機10の稼働が低下してしまう事態を抑制することができるという効果がある。
さらに、振分装置2600の表面カバーを、光を照射することで内部が視認可能となるハーフミラーで形成してもよく、この場合、パチンコ機10の遊技状態が右打ち遊技状態となった場合に遊技者が振分装置2600の内部を視認可能となるように表面カバーに光が照射されるようにするとよい。このようにすることで、実際に遊技を行った場合のみ振分装置2600の内部(各振分部材の状況)を視認可能にすることができる。よって、遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
なお、本第4実施形態の振分装置2600は球が当接することで振分方向が交互に変更される振分部材(第1振分部材1901および第2振分部材1902)を用いているが、その数を3個以上にしてもよい。このように振分部材の数を増やし、球の流路を増加させることで遊技者に対して球の流下先を容易に把握させることを困難にすることができる。
さらに、1つの振分部材によって振り分けられる経路が3つ以上となる構成を用いても良い。このような構成を用いることにより、振分装置2600内で同一の数の流路を形成する場合に必要とする振分部材の数を削減することが可能となり、振分装置2600のコンパクト化を図ることが可能となる。
また、振分部材が球の振り分け先を電気的に切り替える構成を用いても良い。この場合、例えば、パチンコ機10に電源が投入されてから、常時一定のタイミングで球の振り分け先が切り替わるようにするとよい。このように構成することで、統計的に振り分け率を一定にすることができる。
また、本実施形態では、大当たり中以外で右打ち遊技が実行される遊技状態(例えば、時短状態や確変状態)において、特定一般入賞口630aに球が入球可能な構成であるため、時短状態や確変状態において、一般入賞口の1つである特定一般入賞口630aに球を入球させ、賞球(本実施形態では1個)を得ることが可能となる。よって、時短状態や確変状態において持ち球が減ってしまう事態を抑制することができる。
本第3実施形態では、大当たり遊技の実行後、所定時間(例えば3秒)経過から最終ラウンドが終了するまでの間、第2貯留装置1600の貯留弁1601aが解除(開放)されるように構成しているが、貯留弁1601aが解除(開放)されるタイミングおよび閉鎖されるタイミングとしてそれ以外の条件を設けても良い。
例えば、貯留弁1601aが解除(開放)されるタイミングを、大当たり遊技の所定ラウンド(2ラウンドや最終ラウンド等)が開始または終了されたタイミングや、所定ラウンド(2ラウンド目や最終ラウンド目等)が開始されてから所定期間(例えば、6秒)経過したタイミングとしてもよい。
また、貯留弁1601aが閉鎖されるタイミングを、貯留弁1601aが解除(開放)されてから第2貯留装置1600内に貯留可能な上限数(例えば4個)の球が貯留弁1601aを通過可能な時間(例えば、4秒)が経過したタイミングとしたり、所定ラウンド(2ラウンドや最終ラウンド等)が開始または終了したタイミングとしたり、所定ラウンド(2ラウンドや最終ラウンド等)が開始または終了されてから所定期間(例えば、6秒)経過したタイミングとしてもよい。
このように構成することで、貯留弁1601aが開放している期間および閉鎖している期間として様々な期間を設定することができる。具体的には、例えば、貯留弁1601aが解除(開放)されるタイミングを、大当たりに当選してから3秒後に設定し、貯留弁1601aが閉鎖されるタイミングを貯留弁1601aが解除(開放)されてから4秒経過後となるように設定した場合は、大当たりに当選してから3秒〜7秒の間のみ貯留弁1601aが解除(開放)される。
これにより、大当たりに当選してから7秒が経過すると、大当たり遊技中であっても、貯留弁1601aが閉鎖状態となるため、今回の大当たりが終了し、次の大当たりに当選するまで貯留弁1601aが閉鎖状態を継続するため、本第3実施形態にて用いた構成(大当たり遊技の最終ラウンドが終了したタイミングで貯留弁1601aを閉鎖する構成)に比べて、貯留弁1601aを閉鎖状態にする期間を長くすることができる。よって、貯留弁1601a内に球を貯留させた状態で(上限数の球を貯留させた状態で)大当たり遊技を開始させ易くすることができる。
また、大当たり遊技中のうち貯留弁1601aが閉鎖状態となっている間は、今回の大当たり遊技にて賞球を獲得するための遊技(第1可変入賞装置65を狙う遊技)と、次回の大当たり遊技終了後に確変状態が付与されやすくするための遊技(貯留弁1601aが閉鎖状態である第2貯留装置1600を狙う遊技)とを同時に実行することができる。これにより、大当たり遊技中における遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。さらに、大当たり遊技中の遊技の結果によって、次回の大当たり遊技終了後に確変状態が付与されやすい状態とすることが可能であるため、遊技者に対して大当たり遊技終了後も継続して遊技を行わせることが可能となる。よって、遊技機の稼働を上げることができるという効果がある。
また、大当たり遊技中における貯留弁1601aを解除(開放)する期間を複数設け、当選した大当たりに基づいて貯留弁1601aを解除(開放)する期間を異ならせることで、例えば、大当たり遊技が終了してから次の大当たりに当選するまでの期間が同一であったとしても、貯留弁1601aの閉鎖状態期間の長さを異ならせることができる。
これにより、次回の大当たり遊技終了後に確変状態が付与されやすい大当たりと確変状態が付与され難い大当たりとを大当たり遊技中の貯留弁1601aの動作内容によって設定することが可能となる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
また、貯留弁1601aを解除(開放)するタイミングを大当たり遊技中の所定ラウンド(例えば、最終ラウンド)開始時にすることで、大当たり遊技が開始されてからも第2貯留装置1600に球を貯留することが可能となる。これにより、今回の大当たり遊技中における貯留弁1601aが解除(開放)されるタイミングにおいて、第2貯留装置1600内に貯留された球が特定一般入賞口630aに入球しやすくすることができる。
以上、説明をしたように、本第3実施形態では、第2貯留装置1600に球を貯留させる期間(貯留弁1601aが閉鎖状態である期間)と、第2貯留装置1600に球を貯留させることなく流下させる期間(貯留弁1601aが解除(開放)状態である期間)とをそれぞれ、変更することで、1の大当たり遊技終了後に確変状態が付与されやすい状態と、1の大当たりの次の大当たり遊技終了後に確変状態が付与されやすい状態とを設定することができるため、様々の遊技性を持たせたパチンコ機を提供することができ、遊技者の遊技の興趣を高めることができるという効果がある。
<第4実施形態における電気的構成について>
次に、図121を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。第4実施形態における電気的構成は、第1実施形態における電気的構成に対して、主制御装置110のROM202およびRAM203の構成が一部変更されている点、音声ランプ制御装置113のROM222およびRAM223の構成が一部変更されている点、主制御装置110の入出力ポート205に対して接続されていた貯留装置用ソレノイド610および流路用ソレノイド611を削除した点、音声ランプ制御装置113の入出力ポート225に対して各種センサ群229(通過センサ2600a〜2600c)が電気的に接続されている点で相違している。その他の電気的構成については、第1実施形態における電気的構成と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
図121に示した通り、第4実施形態では各種センサ群229が入出力ポート225と電気的に接続されている。この各種センサ群229は、上述した振分装置2600への球の流入を検知する通過センサ2600aと、振分装置2600に設けられた左排出口2607を球が通過したことを検知する通過センサ2600bと、振分装置2600に設けられた右排出口2606を球が通過したことを検知する通過センサ2600cとから構成されており、上述した各種センサから検知信号が音声ランプ制御装置113へと出力される。
音声ランプ制御装置113では、上述した各種センサから出力される検知信号を受けることで振分装置2600内に流入した球が正常に排出されているかを判別可能にしている。具体的には、通過センサ2600aから出力される信号に基づいて振分装置2600内に流入した球数を算出する。そして、通過センサ2600bおよび通過センサ2600cから出力される信号に基づいて振分装置2600の外部に排出された球数を算出する。
これにより、振分装置2600に流入した球の総数と、振分装置2600から排出された球の総数とを比較することが可能となる。より具体的に説明をすると、振分装置2600に流入した球数と振分装置2600から排出された球数とを時系列的に算出し、所定の時間差(約3秒)、つまり、振分装置2600内を遊技球が正常に流下するのに必要とする時間分の時間差を考慮した球数の増減が一致する場合は正常と判別する。
このように振分装置2600内に流入した球を監視することにより、例えば、振分装置2600内に球を滞留させておき、遊技者にとって最も有利な特典が付与されるタイミング(例えば、大当たり遊技中)に特定一般入賞口630aに球を入球させる不正行為を抑制することができるという効果がある。
さらに、振分装置2600に設けられた通過センサ2600a〜2600cの検出結果と、特定一般入賞口630aに入球した球を検知するセンサ(図示せず)の検出結果とを用いて特定一般入賞口630aへの不正な入球を監視できるように構成してもよい。具体的には、振分装置2600の右排出口2606を通過する球の総数よりも、特定一般入賞口630aに入球した球数が多い場合に不正な入球が行われたと判別可能に構成すればよい。このような構成を用いることで、例えば、遊技盤13の表面を覆うガラスユニット16に穴を開け、振分装置2600を介すことなく特定一般入賞口630aに球を入球させる行為を適正に把握することができる。
次に、図122(a)を参照して、主制御装置110のROM202について説明する。図122(a)は、主制御装置110に設けられているROM202の内容を模式的に示した図である。図122(a)に示した通り、本実施形態のROM202は、第1実施形態におけるROM202の構成に対し、第1当たり種別選択テーブル202bの内容が変更され、第2開放シナリオ設定テーブル202eが追加されている点で相違している。
ここで、図122(b)を参照して、第4実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bについて説明する。図122(b)は第4実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bに規定されている内容を模式的に示した図である。本実施形態の第1当たり種別選択テーブル202bは上述した第1実施形態における第1当たり種別選択テーブル202b(図18(b)参照)に対して、大当たり種別として大当たりCを追加した点と、各大当たり種別(大当たりA〜大当たりC)に規定されている内容を変更した点と、各大当たり種別(大当たりA〜大当たりC)に対応する第1当たり種別カウンタC2の当たりが変更されている点で相違し、その他の構成は上述した第1実施形態の特図1用種別選択テーブル202b1と同一であり、その詳細な説明を省略する。
具体的には、図122(b)に示した通り、特別図柄1に対応する大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲には、大当たりAが対応付けられて規定されている。この大当たりAは、詳細は図123を参照して後述するが、特別遊技状態(大当たり状態)が8ラウンド継続し、大当たり遊技中に第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650の両方が閉状態となる期間が通常よりも長い(2秒)有利インターバルが設定されない大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜69」の範囲には、大当たりBが対応付けられて規定されている。この大当たりBは、特別遊技状態(大当たり状態)が15ラウンド継続し、大当たり遊技中に第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650の両方が閉状態となる期間が通常よりも長い(2秒)有利インターバルが3回設定される大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の値が「70〜99」の範囲には、大当たりCが対応付けられて規定されている。この大当たりCは、特別遊技状態(大当たり状態)が2ラウンド継続し、大当たり遊技中に第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650の両方が閉状態となる期間が通常よりも長い(2秒)有利インターバルが1回設定される大当たりである。なお、この大当たりCによるラウンド遊技は大当たりAおよび大当たりBとは異なり、ラウンド遊技の終了条件が、1秒経過または10個の入球と設定されている。よって、大当たりCは払い出される賞球が少ない(ほぼ0)大当たりとして設定されている。
このように、大当たり種別に応じて特別遊技状態(大当たり状態)が継続するラウンド数および有利インターバル回数が設定されているため、大当たりに当選した際に設定される大当たり種別に応じて遊技者に対して異なる有利状態を付与することが可能となる。
次に、特別図柄2に対応する大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜19」の範囲には、大当たりAが対応付けられて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「20〜89」の範囲には、大当たりBが対応付けられて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「90〜99」の範囲には、大当たりCが対応付けられて規定されている。なお、特別図柄2に対応して規定されている大当たり種別A〜Cに設定されている内容については、上述した特別図柄1と同様であるため詳細な説明を省略する。
上述したように、本第4実施形態では特別図柄1で大当たりに当選した場合には、大当たりAが50%、大当たりBが20%、大当たりCが30%の割合で選択され、特別図柄2で当選した場合には、大当たりAが20%、大当たりBが70%、大当たりCが10%の割合で選択される。
ここで、大当たりAから大当たりCのうち、大当たり遊技中において有利インターバル回数が多く(3回)設定される大当たり種別は大当たりBである。つまり、特別図柄1を用いた特別図柄遊技よりも、特別図柄2を用いた特別図柄遊技のほうが、遊技者にとって有利となる(確変状態が付与されやすい)遊技が選択されやすくなるよう構成されている。
次に、図123を参照して、本第4実施形態における第2開放シナリオ設定テーブル202fについて説明をする。図123(a)は、第4実施形態における第2開放シナリオ設定テーブル202fに規定されている内容を模式的に示した図である。
この第2開放シナリオ設定テーブル202fは、通常遊技状態において大当たりに当選した場合に参照される第2開放シナリオ設定テーブル(通常)202f1と、確変状態において大当たりに当選した場合に参照される第2開放シナリオ設定テーブル(確変)202f2とを有しており、それぞれ第1当たり種別選択テーブル202bにて選択された大当たり種別に対応した大当たり遊技の設定内容が規定されている。なお、時短状態において大当たりに当選した場合は、第2開放シナリオ設定テーブル(確変)202f2が参照されるように設定されている。
ここで、図123(b)を参照して、第2開放シナリオ設定テーブル202fに規定されている第2開放シナリオ設定テーブル(通常)202f1について説明をする。図123(b)は、第2開放シナリオ設定テーブル(通常)202f1の内容を示す模式図である。この第2開放シナリオ設定テーブル(通常)202f1は、通常遊技状態において大当たりに当選した場合に参照されるテーブルであり、選択された大当たり種別に対応して、大当たり遊技におけるオープニング期間、ラウンド間インターバル期間、エンディング期間、および、ラウンド遊技において開放制御される可変入賞装置(第1可変入賞装置65または第2可変入賞装置)が夫々規定されている。
具体的には、大当たり種別が大当たりAの場合は、オープニング期間が「5秒」、インターバル期間として、1ラウンド目〜7ラウンド目のインターバル期間が「0.2秒」(第1インターバル期間)、エンディング期間が「5秒」となるように設定される。
さらに、ラウンド遊技において開放制御される可変入賞装置を奇数ラウンド(1,3,5,7ラウンド)は第1可変入賞装置65(第1大開放口65a)、偶数ラウンド(2.4.6.8ラウンド)は第2可変入賞装置650(第2大開放口650a)が開放されるシナリオが設定される。
大当たり種別が大当たりBの場合は、オープニング期間が「5秒」、インターバル期間として、1ラウンド目〜4ラウンド目のインターバル期間が「0.2秒」(第1インターバル期間)、5〜7ラウンド目のインターバル期間が「2秒」(第2インターバル期間)、エンディング期間が「5秒」となるように設定される。
さらに、ラウンド遊技において開放制御される可変入賞装置を奇数ラウンド(1,3,5,7ラウンド)は第1可変入賞装置65(第1大開放口65a)、偶数ラウンド(2.4.6.8ラウンド)は第2可変入賞装置650(第2大開放口650a)が開放されるシナリオが設定される。
大当たり種別が大当たりCの場合は、オープニング期間が「5秒」、インターバル期間として、1ラウンド目のインターバル期間が「2秒」(第2インターバル期間)、エンディング期間が「5秒」となるように設定される。
さらに、ラウンド遊技において開放制御される可変入賞装置を奇数ラウンド(1ラウンド)は第1可変入賞装置65(第1大開放口65a)、偶数ラウンド(2ラウンド)は第2可変入賞装置650(第2大開放口650a)が開放されるシナリオが設定される。
上述したように、本第4実施形態は、連続するラウンド遊技において、上下方向に配設された2つの可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)が交互に開放制御されるよう構成し、ラウンド間インターバルとして短い時間(0.2秒)を設定可能に構成しているため、大当たり遊技中の特にラウンド間インターバルにおいて可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)に入球しない球が発生することを抑制することができる。
さらに、大当たり遊技にて実行される最初のラウンド(1ラウンド目)を上下方向に配設された2つの可変入賞装置のうち上方に設けた第1可変入賞装置65が開放するラウンドに設定しているため、ラウンド間インターバルにおいて可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)に入球しない球が発生することをより一層抑制することができる。
つまり、連続するラウンド遊技において上下方向に配設した2つの可変入賞装置を交互に開放させる制御を実行した場合、上方の可変入賞装置が開放される1のラウンドが終了すると、球が上方の可変入賞装置を通過することになる。その上方の可変入賞装置を通過した球が入球するように下方の可変入賞装置が開放されるよう制御することで、1のラウンドと次のラウンドとの間のラウンド間インターバルにおいて可変入賞装置に入球しない球が発生することを防止することが可能となる。
しかし、上述したパターンとは逆の場合、即ち、下方の可変入賞装置が開放されるラウンドと上方の可変入賞装置が開放されるラウンドとの間のラウンド間インターバルでは、閉鎖した下方の可変入賞装置を通過する球が発生してしまう。
よって、大当たり遊技にて実行される最初のラウンド(1ラウンド目)を上下方向に配設された2つの可変入賞装置のうち上方に設けた第1可変入賞装置65が開放するラウンドに設定し、大当たり遊技中に下方の可変入賞装置が開放されるラウンド遊技から上方の可変入賞装置が開放されるラウンド遊技へと移行する回数を減少させることで、ラウンド間インターバルにおいて可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)に入球しない球が発生することをより一層抑制することができる。
また、本第4実施形態では、ラウンド間インターバルとして第1インターバル(0.2秒)と第2インターバル(2秒)の何れかが設定されるように構成されている。このうち、第1インターバル(0.2秒)は、上述したように大当たり遊技中に発射された球が可変入賞装置(第1可変入賞装置65または第2可変入賞装置650)が閉鎖状態となるインターバル期間中に可変入賞装置(第1可変入賞装置65または第2可変入賞装置650)を通過してしまうことを抑制するために設定されるものである。
一方、第2インターバル(2秒)は、インターバル期間中に可変入賞装置(第1可変入賞装置65または第2可変入賞装置650)を通過する球を意図的に発生させるために設定されるものである。
このように、大当たり種別に対応してインターバル期間(第1インターバル期間および第2インターバル期間)を変更することにより、大当たり遊技中において、振分装置2600へ流入する球が発生する割合を変更することが可能となる。
即ち、大当たり種別によって大当たり遊技の確変入賞有効期間中に特定入賞口630aに球が入球する期待度を異ならせることができる。つまり、大当たり種別によって、確変状態が付与されやすい大当たりと確変状態が付与されにくい大当たりとを設定することが可能となる。
なお、本第4実施形態では、遊技者に有利となる第2インターバル(2秒)が複数設定される大当たり種別である大当たりBにおいて、第2インターバルが大当たり遊技の終盤(5ラウンド目〜7ラウンド目)に設定されるように規定している。これは、大当たり遊技中に遊技者に有利な第2インターバルが発生する期待を最後まで持たせるためであるが、第2インターバルを設定する期間を別の期間にしてもよい。例えば、下方に設けられた可変入賞装置(第2可変入賞装置650)が開放されるラウンドが終了した後のインターバル期間を第2インターバル期間に設定するとよい。
具体的には、大当たりBの場合、2ラウンド目、4ラウンド目、6ラウンド目のインターバル(計3回)を第2インターバルに設定するとよい。このように構成することで、連続するラウンド遊技において上下方向に配設した2つの可変入賞装置を交互に開放させる制御を実行するパチンコ機10において、何れの可変入賞装置にも入球しない球が発生する可能性が高いラウンド間インターバルを第2インターバルに設定することになる。
よって、意図的に何れの可変入賞装置にも入球しない球を発生させるための第2インターバルが設定されたラウンド間インターバル以外のラウンド間インターバルにおいて、振分装置2600に球が入球する事態が発生することを抑制することができるという効果がある。
一方、図123(c)に示す通り、第2開放シナリオ設定テーブル202fには、第2開放シナリオ設定テーブル(確変)202f2も設定されている。図123(c)は、第2開放シナリオ設定テーブル(確変)202f2の内容を示す模式図である。この第2開放シナリオテーブル(確変)202f2は、確変(時短)状態中に大当たりに当選した場合に参照されるテーブルであり、上述した第2開放シナリオ設定テーブル(通常)202f1に対して、ラウンド間インターバルのうち第2インターバルとして設定される時間が「2秒」から「4秒」に変更されている点で相違している。それ以外の内容は同一であるため、その詳細な説明は省略する。
このように構成することにより、確変(時短)状態中に大当たりに当選すると、第2インターバルとして設定される時間が長くなることから、大当たり遊技中に振分装置2600へ入球する球の割合を増加させることができる。
よって、確変(時短)状態中の大当たり当選により確変状態が付与される確率を通常遊技状態中の大当たり当選により確変状態が付与される確率よりも高くすることが可能となるため、遊技者に対して有利となる遊技状態を継続して提供しやすくすることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
また、本実施形態では、大当たり遊技中に開放される可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)とは別に特定一般入賞口630aを設け、その特定一般入賞口630aに確変入賞有効期間(大当たり遊技中の1ラウンド目のラウンド遊技が開始されてから、最終ラウンドのラウンド遊技が終了するまでの期間)内に球を通過させることで、大当たり遊技終了後に確変状態を付与するように構成している。よって、上述した大当たりCのように可変入賞装置(第1可変入賞装置65または第2可変入賞装置650)が開放される期間が短い(1秒)大当たり、つまり、殆ど賞球が払い出されない大当たりであったとしても、ラウンド間のインターバル期間を長く設定することにより、確変入賞有効期間を長くすることができる。
これにより、賞球の払い出しが殆ど無い大当たり(可変入賞装置が開放される期間が短い大当たり)であっても、大当たり遊技終了に確変を付与するか否かを決定する遊技を十分に楽しませることができるという効果がある。
さらに、本実施形態では通常遊技状態で大当たりCが選択されるよりも確変(時短)状態で大当たりCが選択されたほうがラウンド間のインターバル期間が長くなるように構成されている。よって、賞球の払い出しが殆ど無い大当たり(可変入賞装置が開放される期間が短い大当たり)において、遊技状態に応じて確変入賞有効期間の長さを変更し、大当たり遊技終了に確変を付与しやすい大当たりと、付与しにくい大当たりとを設定することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
なお、本実施形態では大当たりの種別として大当たりA、大当たりB、大当たりCの3種類設けているが、大当たり種別の種類をさらに増やしてもよい。この場合、例えば、大当たりCに対して異なる期間のラウンド間インターバルが設定される大当たり種別を複数設けると良い。このように構成することで、賞球の払い出しが殆ど無い大当たりを用いて、確変状態を獲得するか否かの遊技を行わせることができる。
次に、図124を参照して、本第4実施形態の大当たり遊技の流れについて説明をする。図124(a)は、通常遊技状態(通常状態)で大当たりに当選し、大当たり種別として大当たりBが選択された場合における大当たり遊技の流れを示すタイミングチャートであり、図124(b)は、確変遊技状態(確変状態)で大当たりに当選し、大当たり種別として大当たりBが選択された場合における大当たり遊技の流れを示すタイミングチャートである。
まず、通常状態で大当たりに当選した場合における大当たり遊技の流れについて図124(a)を参照して 説明する。大当たりBは図122(b)に示す通り8ラウンドの大当たりである。また、通常状態で大当たりBが選択されると、図123(b)に示す通り、オープニング期間が5秒、ラウンド間インターバルとして1ラウンド目〜4ラウンド目が0.2秒、5ラウンド目〜7ラウンド目が2秒に設定され、エンディング期間が5秒に設定される。
よって、図124(a)に示す通り、大当たり遊技が開始されて5秒経過すると、オープニング期間が終了し、1ラウンド目のラウンド遊技が開始される。この1ラウンド目のラウンド遊技は第2可変入賞装置650の上方に設けられた第1可変入賞装置65(第1大開放口65a)が開放されるラウンド遊技である。このラウンド遊技は30秒が経過するか、第1可変入賞装置65(第1大開放口65a)に10個の球が入球することで終了する。
ここで、1ラウンド目のラウンド遊技が開始されると、確変入賞有効フラグ203sがオンに設定される。確変入賞有効フラグ203sがオンに設定されている間は、特定一般入賞口630aに球が入球するとその大当たり遊技終了後に確変状態が付与される確変入賞有効期間となる。
そして、1ラウンド目が終了すると、1ラウンド目のインターバル期間として第1インターバル(0.2秒)が開始され、第1インターバル(0.2秒)が終了すると、第1可変入賞装置65の下方に設けられた第2可変入賞装置650(第2大開放口650a)が開放される2ラウンド目のラウンド遊技が開始される。
このように構成することで、1ラウンド目が終了し、閉鎖した状態の第1可変入賞装置65(第1大開放口65a)を通過した球を2ラウンド目のラウンド遊技にて第2可変入賞装置650(第2大開放口650a)に入球させることができる。よって、大当たり遊技中において、可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)に効率よく球を入球させることができるため、遊技者に対して円滑に実行可能な大当たり遊技を提供することができるという効果がある。
そして、第2可変入賞装置650(第2大開放口650a)が開放される6ラウンド目のラウンド遊技が終了すると、6ラウンド目のインターバル期間として第2インターバル(2秒)が開始され、第2インターバル(2秒)が終了すると、第2可変入賞装置650の上方に設けられた第1可変入賞装置65(第1大開放口65a)が開放される7ラウンド目のラウンド遊技が開始される。
ここで、6ラウンド目のインターバル(本実施形態では、5,6,7ラウンド目のインターバルが相当)は、第1インターバル(0.2秒)よりも長い第2インターバル(2秒)が設定される。この第2インターバルを設定することにより、大当たり遊技中に振分装置2600に球が流入しやすい期間を設定することが可能となる。具体的には、2秒の間第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650が閉鎖状態となるため、3個の球が振分装置2600へ流入することになる。
そして、図示はしないが、8ラウンド目のラウンド遊技(第2可変入賞装置650(第2大開放口650a)が開放されるラウンド遊技)が終了すると、確変入賞有効フラグがオフに設定され、その後、エンディング期間(5秒)を経て大当たり遊技が終了する。
以上、説明をしたように、本第4実施形態では、ラウンド間のインターバル期間として、遊技球が振分装置2600に流入し難い第1インターバル(0.2秒)と、第1インターバルよりもインターバル期間が長く設定することで、振分装置2600に流入しやすい第2インターバル(2秒)を設定可能に構成し、大当たりに当選した際に選択される大当たり種別に基づいて、ラウンド間のインターバル期間として第2インターバルが設定される回数を異ならせている。
これにより、大当たり種別によって確変入賞有効期間中に振分装置2600に球が流入する頻度を異ならせることで、特定一般入賞口630aに球が入球する確率(入球のし易さ)を異ならせることが可能となる。
また、振分装置2600に流入した球は第1振分部材1901および第2振分部材1902により規則的に振分けられるため(図120参照)、所定数(本実施形態では4個)の球が振分装置2600に流入することで、確実に特定一般入賞口630aに球を入球させることができる。
さらに、振分装置2600内の各振分部材(第1振分部材1901および第2振分部材1902)の振分状況によっては、確変入賞有効期間中に1個の球が振分装置2600に流入するだけで特定一般入賞口630aに球が入球する可能性もあるため、遊技者は振分装置2600に球が流入する度に特定一般入賞口630aに球が入球することを期待しながら遊技を実行することになる。よって、大当たり遊技中に遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、第2インターバルが設定されない大当たり遊技(本実施形態では大当たりA)が実行されたとしても、その大当たり遊技の終了後に確変状態が付与されないことが確定したわけではなく、例えば、第2可変入賞装置650(第2大開放口650a)が開放されるラウンド遊技が終了し、第2可変入賞装置650(第2大開放口650a)が閉鎖している間(第1インターバル(0.2秒))に球が第2可変入賞装置650を通過させることで振分装置2600へ球を入球させることができる。
よって、全ての大当たり遊技において、その大当たり遊技が終了した際に確変状態が付与される可能性があるため、遊技者はどの大当たりに当選したとしても最後まで確変状態が付与されることを期待して遊技を行うことができる。
次に、確変遊技状態(確変状態)で大当たりに当選した場合における大当たり遊技の流れについて図124(b)を参照して 説明する。確変遊技状態(確変状態)で大当たりBに当選すると、図124(a)で示す通常遊技状態で大当たりBに当選した場合に対して、第2インターバルの時間が2秒から4秒に延長されている点で相違する。
よって、図124(b)に示す通り、6ラウンド目のインターバル(本実施形態では、5,6,7ラウンド目のインターバルが相当)は、第1インターバル(0.2秒)よりも長い第2インターバル(4秒)が設定される。この第2インターバルを設定することにより、大当たり遊技中に振分装置2600に球が流入しやすい期間を設定することが可能となる。具体的には、4秒の間第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650が閉鎖状態となるため、6個の球が振分装置2600へ流入することになる。
つまり、確変状態で大当たりに当選した場合は、第2インターバルが1回以上設定される大当たりBおよび大当たりCが選択されることで確変入賞有効期間中に振分装置2600に4個以上の球を流入可能となり、高確率で大当たり遊技終了後に確変状態が付与されるため、通常遊技状態で大当たりに当選した場合よりも高い確率で、大当たり終了後に確変状態が付与される。
よって、通常遊技状態よりも遊技者に有利となる確変状態に移行すると、その確変状態が継続しやすくなるため、確変状態に移行した直後に通常遊技状態に移行してしまい遊技者に不満感を与えてしまうという事態を抑制することができるという効果がある。
以上、説明をしたように、本第4実施形態では、上下に2つの可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)を配設し、連続するラウンド遊技において2つの可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)を交互に開放させることで、大当たり遊技中に発射された球を効率よく可変入賞装置へと入球させる構成を有し、その2つの可変入賞装置の下方に特定一般入賞口630aへと球を振り分ける振分装置2600を設けた。
これにより、大当たり遊技中に2つの可変入賞装置の何れにも入球しなかった球、即ち、従来では無駄球となっていた球が振分装置2600へ流入することで、特定一般入賞口630aへ入球可能としている。
よって、遊技者に対して大当たり遊技中に発射された全ての球を用いた遊技を提供することが可能となるため、意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
次に、図125を参照して、本第4実施形態におけるパチンコ機10の第3図柄表示装置81に表示される演出内容について説明をする。本第4実施形態では、上述した第1実施形態に対して、大当たり遊技中の演出として第2インターバル期間に実行されるインターバル演出と、大当たり終了後に確変状態が付与されるか否かを6ラウンド目のラウンド遊技中に報知するラウンド演出が実行される点で相違している。
まず、インターバル演出について、図125(a)を参照して説明をする。まず、図125(a)を参照して、大当たり遊技中の第3図柄表示装置81の表示内容について説明をする。図125(a)は、第3図柄表示装置81の表示画面の一例を示す模式図である。本第4実施形態における第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示領域は、上述した第2実施形態の表示画面(図76参照)に対して、遊技者が狙う箇所を示す概略図が振分装置2600に変更されている点で相違し、それ以外は同一であるため、同一の符号を付してその説明を省略する。
図125(a)に示す表示画面は、5ラウンド目のラウンド遊技が終了して5ラウンド目のインターバル期間中(2秒間)に表示されるインターバル演出を示すものであり、第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650の何れも閉鎖状態となり、振分装置650に球を流入可能な状態であることを遊技者に報知するための画面である。なお、このインターバル演出は、第2インターバルが設定されるラウンド間インターバルにて毎回表示される演出である。
そして、5ラウンド目のインターバル期間が終了し、6ラウンド目のラウンド遊技が開始されると、図125(b)に示す表示画面が表示される。ここで、図125(b)を参照して、6ラウンド目のラウンド遊技中における第3図柄表示装置81の表示画面について説明をする。図125(b)は、第3図柄表示装置81の表示画面の一例を示す模式図である。本第4実施形態では、確変入賞有効期間(図124参照)が開始されてから5ラウンド目のインターバル期間までの間に特定一般入賞口630aに球が入球したことを(大当たり終了後に確変状態が付与されることが確定したことを)、6ラウンド目のラウンド遊技中に遊技者に報知するラウンド演出が実行される。
ここで、既に大当たり終了後に確変状態が付与されることが確定している場合は、図122(b)に示すように「GETおめでとう」と遊技者を祝福する内容の演出が表示される。一方、ラウンド演出が実行される段階で未だ確変状態が付与されることが確定していない場合は、「残念まだあきらめるな」と遊技者を励ます内容の演出が表示される(図示せず)。
本実施形態では、大当たり遊技の最終ラウンドが終了するまでの間、確変入賞有効期間が継続するため、6ラウンド目のラウンド遊技が実行される段階において、確変状態が付与されることが確定していなくても、まだ確変状態が付与される可能性が残っている。これにより、ラウンド演出を実行することにより、確変状態が付与されることが報知された遊技者に対しては、安心して残りの大当たり遊技を実行させることができ、一方、確変状態が付与されることが確定していないと報知された遊技者に対しては、残りの大当たり遊技機間を意欲的に遊技させることができる。
なお、上述した大当たり遊技中の演出以外にも、確変入賞有効期間中に特定一般入賞口630aに球が入球した場合に即座に告知する演出や、大当たり遊技が終了するまで確変状態が付与されるか否かを遊技者に報知しない演出を実行してもよい。
次に、図121に戻り、本第4実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明をする。本第4実施形態におけるRAM223は、第1実施形態におけるRAM223に設けられていた入賞回数カウンタ223jが削除されており、確変通過フラグ223pが追加されている。
確変通過フラグ223pは、大当たり遊技中において、確変入賞有効期間内に特定一般入賞口630aに球が入球したことで大当たり遊技終了後に確変状態が付与されることが確定したことを示すフラグである。確変通過フラグ223pがオンに設定されることにより、大当たり遊技終了後に確変状態が付与されることを報知するラウンド演出が実行される(図125(b)参照)。この確変通過フラグ223pは図126を参照して後述する入賞処理4(S1111)において、確変入賞有効フラグ203sがオンに設定されている間(確変入賞有効期間内)に、特定一般入賞口630aに設けられている確変スイッチを球が通過したことに基づいて設定される状態コマンド(図126のS1453)を、音声ランプ制御装置113が受信することによりオンに設定され(図127のS4952)、図128を参照して後述するラウンド演出処理(S4953)において、オフに設定される(S5106)。
<第4実施形態における主制御装置の制御処理について>
次いで、図126を参照して、第4実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される処理について説明する。本第4実施形態では、上述した第1実施形態に対して貯留装置600(図2参照)を削除しているため、貯留装置600に設けられる貯留弁607a(図8参照)に関する制御処理を削除した点、第2可変入賞装置650内の流路切換弁650d(図15参照)を削除しているため、流路切換弁650dに関する制御処理を削除した点、大当たり制御処理(図35参照)において実行される入賞処理(図35のS1111)の内容を入賞処理4(図126参照)に変更した点で相違している。
以下では、本第4実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種処理のうち、上述した第1実施形態から変更した点の説明のみを行い、第1実施形態から変更されていない処理、および単純に処理を削除した点については、その詳細な説明を省略する。
まず、図126を参照して、第4実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される入賞処理4(S1111)について説明する。図126は、入賞処理4(S1111)の内容を示すフローチャートである。この入賞処理4(S1111)は、上述した第1実施形態の入賞処理(図38参照)に対して、確変入賞有効フラグ203sがオンに設定されている場合のみ処理を実行するよう変更した点(S1451)、確変入賞有効フラグ203がオンに設定されている期間中に確変スイッチ(特定一般入賞口630a)を通過(に入球)することで確変設定フラグ203hがオンに設定されるよう制御内容を変更した点(S1452)、確変設定フラグ203hがオンに設定された場合に、確変通過状態に対応する状態コマンドを設定する点(S1453)で相違し、それ以外の処理については同一である。なお、同一の処理については同一の符号を付し、その詳細な説明については省略する。
また、入賞処理4(S1111)にて実行される処理のうち、S1451およびS1452の処理については、上述した第3実施形態の入賞処理3(図113)と同一の処理であるため、同一の符号を付し、その詳細な説明については省略する。
図126に示す通り、入賞処理4(S1111)が実行されると、上述した第3実施形態の入賞処理3(図113参照)と同様にS1451の処理が実行され、その後、上述した第1実施形態の入賞処理(図38参照)と同様にS1402〜S1406の処理が実行される。その後、上述した第3実施形態の入賞処理3(図113参照)と同様にS1452の処理が実行され、上述した第1実施形態の入賞処理(図38参照)と同様にS1410、S1412の処理が実行される。
S1412の処理を終えると、次に、確変通過状態に対応する状態コマンドを設定し(S1453)、本処理を終了する。このS1453の処理では、確変入賞有効フラグ203sがオンに設定されている間(大当たり遊技において最初のラウンドが開始されてから最後のラウンドが終了するまでの間)に、特定一般入賞口630aに球が入球した(球が確変スイッチを通過した)こと、即ち、大当たり終了後に確変状態が付与されることが確定している状態であることを示す確変通過コマンドが設定される。
この確変通過コマンドは、主制御装置110のメイン処理(図34参照)にて実行される外部出力処理(S1001)にて、音声ランプ制御装置113へ出力される。S1453の処理において設定された状態コマンドを音声ランプ制御装置113が受信することで、大当たり遊技中に実行されるラウンド演出(図125(b)参照)のように、大当たり遊技が終了するまでに、その大当たり遊技の終了後に確変状態が付与されるか否かを報知することが可能となる。
<第4実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次いで、図127および図128を参照して、第4実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種処理について説明する。本第4実施形態では、メイン処理(図42参照)のコマンド判定処理4の内容を第1実施形態から変更した点で相違している。以下では、本第4実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種処理のうち、上述した第1実施形態と相違する点の説明のみを行い、第1実施形態から変更されていないその他の処理については、その詳細な説明を省略する。
まず、図127を参照して、本第4実施形態にて実行されるコマンド判定処理4(S1811)について説明をする。図127はコマンド判定処理4(S1811)の内容を示すフローチャートである。このコマンド判定処理4(S1811)は、上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図43参照)と同様に、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図42参照)にて実行される処理であり、主制御装置110から出力された各種コマンドに対して実行される処理である。
このコマンド判定処理4(S1811)は、上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図43参照)に対して、確変通過コマンドを受信した場合に実行される処理を追加した点と、入賞情報コマンドを受信した場合に実行される処理の内容を変更した点と、ラウンド数コマンドを受信した場合に実行される処理の内容を明記した点とで相違し、その他の処理については同一である。なお、上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図43参照)において実行されるS1904〜S1910の処理は、本第3実施形態のコマンド判定処理3においても実行される処理であるが、その他のコマンドに応じた処理(S1919)に含まれるものとし、その処理の図示を省略する。また、図115にて図示した処理のうち、上述した第1実施形態と同一の処理については、同一の符号を付しその詳細な説明を省略する。
図127に示す通り、コマンド判定処理4(S1811)が実行されると、上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図43参照)と同様にS1901〜S1903の処理が実行される。S1901の処理にて変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合は(S1901:No)、次に、確変通過コマンドを受信したかを判別する(S4951)。確変通過コマンドを受信したと判別した場合には(S4951:Yes)、確変通過フラグ223pをオンに設定し(S4952)、本処理を終了する。
一方、S4951の処理にて確変通過コマンドを受信していないと判別された場合は(S4951:No)、次に、入賞情報コマンドを受信したかを判別する(S1911)。ここで、入賞情報コマンドを受信したと判別した場合は(S1911:Yes)、受信したコマンドに基づいて入賞情報格納エリアに格納されているデータを更新し(S4953)、本処理を終了する。
S1911の処理において、入賞情報コマンドを受信していないと判別された場合は(S1911:No)、その後、上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図43参照)と同様にS1913〜S1918の処理を実行する。そして、1916の処理においてエンディングコマンドを受信していないと判別された場合に(S1916:No)、ラウンド数コマンドを受信したかを判別する(S4954)。
ここで、ラウンド数コマンドを受信したと判別された場合は(S4954:Yes)、ラウンド演出処理が実行される(S4955)。このラウンド演出とは、大当たり遊技中に実行される演出の内容を決定する処理であり。その詳細な内容については図128を参照して後述する。
ラウンド演出処理(S4955)が終了すると、次に、表示用ラウンド数コマンドを設定し(S4956)、本処理を終了する。この表示用ラウンド数コマンドは、音声ランプ制御処理113のメイン処理(図42参照)にて実行されるコマンド出力処理(S1802)にて表示制御装置114に出力されることで、現在実行されているラウンド遊技のラウンド数が第3図柄表示装置81に表示される(図125(a)参照)。
S4954の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合は(S4954:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行する(S1919)。なお、このその他のコマンドに応じた処理としては上述した第1実施形態のコマンド判定処理(図43参照)にて説明した処理に加え、第1実施形態のコマンド判定処理のS1904〜1910の処理が含まれている。
次に、図128に参照して、コマンド判定処理4(図127のS1811)にて実行されるラウンド演出処理(S4955)について説明をする。図128はラウンド演出処理(S4955)の内容を示すフローチャートである。このラウンド演出処理(4955)は、大当たり遊技中における第3図柄表示装置81の表示内容を決定する処理であり、具体的には、図125(b)に示すラウンド演出の表示内容を決定する処理が実行される。
ラウンド演出処理(S4955)が実行されると、まず今回受信したラウンド数コマンドに基づいて、現在のラウンド数を抽出する(S5101)。そして、現在のラウンド数が6であるか、つまり、6ラウンド目が開始されるタイミングであるかが判別される(S5104)。
ここで、現在のラウンド数が6ではない(6ラウンド目が開始されるタイミングではない)と判別された場合は(S5102:No)、抽出したラウンド数に対応する表示用ラウンド数コマンドを設定し(S5103)、本処理を終了する。一方、S5102の処理において、現在のラウンド数が6であると判別された場合は(S5102:Yes)、次に、確変通過フラグ223pがオンであるかを判別する(S5104)。
S5104の処理において、確変通過フラグ223pがオンに設定されていると判別された場合は(S5104:Yes)、確変ルート通過(確変通過コマンドを受信したこと)を示す表示用ラウンドコマンドを設定する(S5105)。この確変ルート通過を示す表示用ラウンドコマンドが設定されることにより、6ラウンド目のラウンド遊技中に「GETおめでとう」と遊技者を祝福する画像が表示される(図125(b)参照)。
そして、S5105の処理を終えると、次いで、確変通過フラグ223pをオフに設定し(S5106)、本処理を終了する。一方、S5104の処理において確変通過フラグ223pがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別された場合は(S5104:No)、確変ルート非通過(確変通過コマンドを受信していないこと)を示す表示ラウンドコマンドを設定し(S5107)、本処理を終了する。この確変ルート非通過を示す表示ラウンドコマンドが設定されることにより、6ラウンド目のラウンド遊技中に「残念あきらめるな」と遊技者を励ます画像が表示される(図示せず)。
以上、説明をしたように本第4実施形態では、大当たり遊技中における確変入賞有効期間(図124参照)内に特定一般入賞口630aに球が入球したことを示す情報を主制御装置110から音声ランプ制御装置113へと出力可能に構成しているため、例えば、大当り遊技が終了するまでに、今回の大当り遊技終了後に確変状態が付与されるか否かを報知することが可能となる。
また、本実施形態では、大当たり遊技の最終ラウンドが終了するまでの間、確変入賞有効期間が継続するため、6ラウンド目のラウンド遊技が実行される段階(途中段階)において、確変状態が付与されることが確定していなくても、まだ確変状態が付与される可能性が残っている。これにより、6ラウンド目のラウンド遊技中に表示されるラウンド演出を実行することにより、確変状態が付与されることが報知された遊技者に対しては、安心して残りの大当たり遊技を実行させることができ、一方、確変状態が付与されることが確定していないと報知された遊技者に対しては、残りの大当たり遊技機間を意欲的に遊技させることができる。
なお、上述した大当たり遊技中の演出以外にも、確変入賞有効期間中に特定一般入賞口630aに球が入球した場合に即座に告知する演出や、大当たり遊技が終了するまで確変状態が付与されるか否かを遊技者に報知しない演出を実行してもよい。
なお、本第4実施形態では、2つの可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)を設けているが、可変入賞装置の数は1つでも良い。また、可変入賞装置の構成として、1つの可変入賞装置が球の流下方向の上流側と下流側とに2つの開口部を有する構成にし、それら2つの開口部を1つの開閉部材で開閉するようにしてもよい。このような構成にすることで、大当たり遊技中のラウンド間で可変入賞装置に入球しない球の発生を抑制することができる。
また、本第4実施形態では、2つの可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)の下方に特定一般入賞口630aを設けているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、特定一般入賞口630aの下方に可変入賞装置を配置する構成にしてもよい。このように構成することで、大当たり遊技中の確変入賞有効期間中に特定一般入賞口630aに球を入球させやすくすることができる。
さらに、特定一般入賞口630aの上方に振分装置2600を設けるとよい。このように構成することで、例えば、短期間で大当たり遊技が終了してしまう大当たり(例えば、2ラウンド大当たり)に当選した場合において、その大当たり遊技中の確変入賞有効期間内に特定一般入賞口630aに球が入球するか否かが振分装置2600球の振り分け状況によって決定されるという遊技性を提供することができる。
このような遊技性は、本実施形態のように確変入賞有効期間内に入球(通過)することで確変状態が付与可能となる特定領域(特定一般入賞口630a)を可変入賞装置とは別に設けているから実現できるものであり、払い出される球が少ない大当たり(可変入賞装置が開放される期間が短い大当たり、例えば2ラウンド大当たり)に当選した場合であっても確変状態を付与させる遊技を実行させることができる。
よって、従来遊技者にとって不利であった払い出される球が少ない大当たり(可変入賞装置が開放される期間が短い大当たり、例えば2ラウンド大当たり)であっても遊技者の遊技意欲を高めることができるという効果がある。
<第5実施形態>
次に、図129〜図149を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第3実施形態では、第2貯留装置1600を設け、その第2貯留装置1600内に球が流下可能な流路が複数設けられており、流下する流路によって球が特定一般入賞口(確変入賞口)630aや一般入賞口(大価値入賞口)630bに入賞可能に構成している。また、第2貯留装置1600には、一部の流路を流下する球を貯留可能な貯留弁1600aが設けられている。
これに対して第5実施形態では、第3実施形態の第2貯留装置1600に代えて、第3貯留装置3600、第1振分部材3901および第2振分部材3902、第1ゲート670を設けている。
さらに、本第5実施形態は上述した第4実施形態と同様に遊技盤13の右側領域(遊技盤13の右側の領域、つまり、可変表示装置ユニット80の右側に設けられる領域)に第1可変入賞装置65を設け、その第1可変入賞装置65の下方に第2可変入賞装置650を設けている。なお、第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650の構成については上述した第4実施形態と同一であるため、同一の符号を付してその詳細な説明については省略する。
この第5実施形態におけるパチンコ機10が第3実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、第2可変入賞装置650を追加した点、第2貯留装置1600に代えて第3貯留装置3600を設けた点、第1振分部材3901および第2振分部材3902を設けた点、第1ゲート670を設けた点、主制御装置110のROM202、RAM203の構成が一部変更されている点、音声ランプ制御装置113のROM222、RAM223の構成が一部変更されている点、主制御装置110のMPU201により実行される一部処理が第3実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が第3実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第3実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第3実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図129を参照して、本第5実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13について説明する。図129は、第5実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13を示す正面図である。図129に示した通り、第5実施形態のパチンコ機10では、第3実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13に対して、右側領域(遊技盤13の右側の領域、つまり、可変表示装置ユニット80の右側に設けられる領域)に設けられる各種構成が相違している。
ここで、図130を参照して、本第5実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13の右側領域の構成について説明をする。図130は図129に示す2点鎖線CXXXの領域を拡大した図である。図130に示す通り、遊技盤13の右側領域には第1可変入賞装置65と第2可変入賞装置650が上下に配設されており、大当たり遊技中に連続して実行されるラウンド遊技に対して交互に第1可変入賞装置65と第2可変入賞装置650が開放されるように制御することで、大当たり遊技中に何れの可変入賞装置にも入球しない球が発生することを抑制するよう構成されている。なお、上下に配設される第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650の構成および動作制御については、上述した第4実施形態と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
そして、第2可変入賞装置650の下方には複数の釘が植設されており(釘K10、K11)、第2可変入賞装置650を通過した球が釘K10と釘K11の間に形成された開口部3900または、流路3910へと流下する。ここで、釘K10と、釘K11は夫々複数の釘が連接して設けられており、これら複数の釘の植設位置や傾きを変更することで開口部3900を流下する球の割合が変更可能に構成されている。
具体的には、本実施形態では、右打ち遊技によって発射され第2可変入賞装置650を通過した球のうち3球に1球の割合(約33%)で開口部3900へ流下するように構成されている。右側領域のうち流路3910を流下する球は、スルーゲート67を通過し、第2入球口640に入球可能な位置へ流下し、第2入球口640に入球しなかった球は、アウト口66(図129参照)を通って図示しない球排出路へと案内される。
また、開口部3900を流下した球は第1振分装置3901および第2振分装置3902により複数の流路(第1流路3900a〜第4流路3900d)に振分けられ、最終的に第2流路3900bおよび第4流路3900dを流下した球は、流路3910を通過した球と同様にスルーゲート67を通過し、第2入球口640に入球可能な位置へ流下し、第2入球口640に入球しなかった球は、アウト口66(図129参照)を通って図示しない球排出路へと案内される。
一方、第3流路3900cを流下した球は第1ゲート670を通過し、第3貯留装置3600へ流下する。第3貯留装置3600は、上述した第3実施形態の第2貯留装置1600に設けられた貯留弁1601aと同一に構成される貯留弁3600aを有しており、貯留弁3600aが閉鎖状態の場合は、貯留弁3600a上に滞留される(貯留される)。
この第3貯留装置3600には、図130に示す通り、貯留弁3600a上に球が1個貯留されるよう側壁3600bが設けられており、貯留弁3600a上に貯留された球が、上流から流下してきた別の球と衝突しても貯留弁3600a上に留まるよう構成されている。
また、貯留弁3600a上に球が貯留されている状態で、新たな球が第3貯留装置3600に向けて流下した場合は、貯留弁3600a上に貯留されている球と衝突し、流路3911へと案内される。流路3911へと案内された球は第2入球口640に入球可能な位置を流下し、第2入球口640に入球しなかった球は、アウト口66(図129参照)を通って図示しない球排出路へと案内される。
そして、第3貯留装置3600に貯留された球は、貯留弁3600aが開放(解除)されると、第3貯留装置3600の下方に設けられた特定一般入賞口630aへ入球する。この特定一般入賞口630aは、上述した第3実施形態と同一の構成であるためその詳細な説明を省略する。
ここで、本第5実施形態におけるパチンコ機10の遊技性のうち、特徴的な構成について簡単に説明をする。本パチンコ機10では、第1入球口64または第2入球口640に球が入球することに基づいて実行される特別図柄の抽選(当否判定)において、特別図柄の大当たりと判定された後に、第1ゲート670を球が通過した場合に、大当たり種別の判定が行われる。そして、大当たり種別が判定される(大当たり種別が選択される)ことで大当たり遊技が開始される。
また、特別図柄の当否判定において特別図柄の大当たりと判定されてから所定時間(例えば16秒)が経過すると第3貯留装置3600の貯留弁3600aが開放される。
さらに、上述した第3実施形態と同様に特定一般入賞口630aが設けられており、大当たり遊技中における特定期間内(最初(1ラウンド目)のラウンド遊技が開始されてから最終のラウンド遊技が終了するまでの間)に球が特定一般入賞口630aに入球することで、その大当たり遊技の終了後に遊技者に有利な状態である確変状態が付与される。
つまり、特別図柄の当否判定において大当たりと判定されると、第1ゲート670に球を通過させることで大当たり遊技が開始される遊技状態(大当たり待機状態)に移行するとともに、貯留弁3600aを開放(解除)させるためのカウントが開始される(例えば、16秒)。そして、特別図柄が大当たりであると判定されてから所定期間以内(例えば、9秒以内)に第1ゲート670に球を通過させると、第1ゲート670を通過した球が第3貯留装置3600に貯留された状態で大当たり遊技が開始される。
大当たり遊技が開始されると所定期間(例えば、6秒)のオープニングを経て、何れかの可変入賞装置(例えば、第1可変入賞装置65)が開放されるラウンド遊技(1ラウンド目のラウンド遊技)が開始される。そして、特別図柄が大当たりであると判定されてから所定期間が経過(例えば、16秒が経過)すると、貯留弁3600aが開放位置に可変し、第3貯留装置3600に貯留されていた球が特定一般入賞口630aに入球する。
この特定一般入賞口630aに球が入球するタイミングが、確変入賞有効期間内(1ラウンド目のラウンド遊技が開始されてから最終ラウンドのラウンド遊技が終了するまでの期間)であれば、大当たり遊技終了後に確変状態が付与される。
即ち、本第5実施形態のパチンコ機10では、特別図柄が大当たりであると判定されてから第1ゲート670に球を通過させるまでに要した期間に応じて、大当たり遊技終了後に確変状態が付与される期待度(確率)を変更させることができる。
よって、特別図柄が大当たりと判定されてから(大当たり待機状態に移行してから)第1ゲート670に球を通過させるまでの遊技を遊技者に対して意欲的に行わせることができる。
なお、本実施形態のパチンコ機では、遊技盤13の右側領域に2つの可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)を設け、その2つの可変入賞装置をラウンド遊技毎に交互に開放制御させることで大当たり遊技中に発射された球が何れの可変入賞装置にも入球しない事態を抑制している。よって、大当たり遊技内の確変入賞有効期間中に球が第2可変入賞装置650を通過し、特定一般入賞口630aに入球する頻度を下げることができる。
次に、本第5実施形態における右側領域の球流れについて図130を参照して説明をする。まず、右打ち遊技によって発射された球のうち、約33%が開口部3900を通過し、開口部3900を流下した球の50%が第1流路3900aへと振り分けられ、第1流路3900aを流下した球の50%が第3流路3900cへと振り分けられ、第3流路3900cを流下した球が特定一般入賞口630aに入球することになる。即ち、右打ち遊技によって発射された球が、約12球に1球の割合で特定一般入賞口630aに入球することになる。
また、閉鎖状態である第2可変入賞装置650を通過した球は、釘K10と釘K11により形成された開口部3900を通過して、第1振分部3901および第2振分部3902を流下し、各流路に振り分けられる。ここで、開口部3900を通過した球が第1ゲート670を通過するまでに要する時間が約1秒となるように構成されている。
そして、第1ゲート670を通過した球は、貯留弁3600aが閉鎖状態の場合は、第3貯留装置3600に貯留(保持)され、貯留弁3600aが開放(解除)状態の場合は、特定一般入賞口630aに入球する。ここで、第1ゲート670を通過した球が特定一般入賞口630aに入球するまでに要する時間が約1秒となるように構成されている。
また、貯留弁3600aが開放(解除)された場合において、貯留弁3600aに貯留(保持)されていた球が、特定一般入賞口630aに入球するまでに要する時間は0.5秒に設定されている。
このように構成することにより、特別図柄の大当たりに当選した状態(大当たり待機状態)において球が第1ゲート670を通過すると、大当たり遊技が実行される。そして、第1ゲート670を通過した球は第3貯留装置3600に貯留(保持)され、所定時間後(例えば、大当たりに当選してから16秒後)に貯留弁3600aが開放(解除)状態となり特定一般入賞装置630aに入球する。
また、第1ゲート670を球が通過した後も連続して右打ち遊技が実行されている場合であっても、次の球が第1ゲート670を通過するのは約7.2秒後(60秒で100発発射可能で、第1ゲート670を通過する球は12個に1個)となる。つまり、大当たり遊技におけるオープニング期間として7.2秒よりも短い期間(本実施形態では最長6秒)を設定することにより、大当たり遊技が開始され、オープニング期間中に2つの可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)を通過した球がラウンド遊技中に特定一般入賞口630aに入球してしまうことを抑制することができる。よって、意図しないタイミングでの特定入賞口630aへの球の入球を抑制し公正な遊技を提供することができるという効果がある。
さらに、本実施形態は特定一般入賞口630aに入球した球が適正な遊技によって発射された球であるか否かを判別可能に構成されている。図130を参照して具体的な説明をすると、開口部3900を通過する球を検知するセンサ(図示せず)と、第2流路3900bを通過する球を検知するセンサ(図示せず)と、第4流路3900dを通過する球を検知するセンサ(図示せず)が設けられており、右打ち遊技によって発射された球数を計測可能に構成している。そして、スルーゲート67を通過した球数と第1ゲート670を通過した球数とを把握可能なコマンドが主制御装置110から出力されるよう構成されている。
上述したように設けられるセンサから出力された信号および主制御装置110から出力されたコマンドに基づいて、開口部3900を通過した球数と、第2流路3900bを通過した球数、第4流路3900dを通過した球数および第1ゲート670を通過した球数の合計が一致するか否かを判別することにより、不正に(糸付きの球を用いて、1個の球を繰り返し第1ゲート670に通過させる行為)第1ゲート670に球を通過させていないかを判別することが可能に構成されている。
また、本実施形態では、開口部3900bを通過した球のうち4個に1個が第1ゲート670を通過するように構成されているため、第2流路3900bを通過した球数と第4流路3900dを通過した球数との合計と、第1ゲート670を通過した球数との比率が3対1となるか否かを判別することで適正に振分部材が球を振り分けているかを判別することが可能に構成されている。
これにより、振分部材が破損し、何れか一方の経路にのみ球を振り分けている状況や、不正に振分部材を破損させて遊技者に有利となる経路にのみ球が振り分けられるようにする不正行為が行われていることを容易に判別することができるという効果がある。
なお、上述した各センサまたは各コマンドの球数またはそれらを合計した球数を比較する場合には、所定の許容範囲を設けるとよい。これは、球が流下する際のタイムラグを考慮するものである。具体的には、開口部3900を通過した球がスルーゲート67または第1ゲート670を通過するまでに要する時間(約1秒)を考慮して判別を行うとよい。
<第5実施形態における電気的構成について>
次に、図131を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。第5実施形態における電気的構成は、第3実施形態における電気的構成に対して、主制御装置110のROM202およびRAM203の構成が一部変更されている点、音声ランプ制御装置113のROM222およびRAM223の構成が一部変更されている点、音声ランプ制御装置113の入出力ポート225に接続されている各種センサ群229を削除した点で相違している。その他の電気的構成については、第3実施形態における電気的構成と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
次に、図132(a)を参照して、主制御装置110のROM202について説明する。図132(a)は、主制御装置110に設けられているROM202の内容を模式的に示した図である。図132(a)に示した通り、本実施形態のROM202は、第3実施形態におけるROM202の構成に対し、第1当たり種別選択テーブル202bの内容が変更され、開放シナリオ設定テーブル202eを第3開放シナリオ設定テーブル202gに変更した点で相違している。
ここで、図132(b)を参照して、第5実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bについて説明する。図132(b)は第5実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bに規定されている内容を模式的に示した図である。本実施形態では、特別図柄の抽選(当否判定)の結果、大当たりに当選した後に、第1ゲート670を球が通過したことに基づいて、第1当たり種別選択テーブル202bを参照して大当たりの種別が選択される。
本実施形態の第1当たり種別選択テーブル202bは上述した第3実施形態における第1当たり種別選択テーブル202b(図100(b)参照)に対して、各大当たり種別(大当たりA〜大当たりC)に規定されている内容を変更した点で相違し、その他の構成は上述した第3実施形態の第1当たり種別選択テーブル202bと同一であり、その詳細な説明を省略する。
具体的には、図132(b)に示した通り、特別図柄1に対応する大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲には、大当たりAが対応付けられて規定されている。この大当たりAは、特別遊技状態(大当たり状態)が8ラウンド継続する大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜69」の範囲には、大当たりBが対応付けられて規定されている。この大当たりBは、特別遊技状態(大当たり状態)が8ラウンド継続する大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の値が「70〜99」の範囲には、大当たりCが対応付けられて規定されている。この大当たりCは、特別遊技状態(大当たり状態)が2ラウンド継続する大当たりである。
なお、上述した大当たり種別のうち、大当たりAと大当たりBは何れも同じラウンド数(8ラウンド)の大当たりであるが、図133を参照して後述する第3開放シナリオ設定テーブルにて設定される開放シナリオ(大当たり遊技中の動作制御シナリオ)を、同一のラウンド数(8ラウンド)のラウンド遊技が実行される大当たりにおいて異ならせるために、大当たり種別を異ならせているものである。
次に、特別図柄2に対応する大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜19」の範囲には、大当たりAが対応付けられて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「20〜89」の範囲には、大当たりBが対応付けられて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「90〜99」の範囲には、大当たりCが対応付けられて規定されている。なお、特別図柄2に対応して規定されている大当たり種別A〜Cに設定されている内容については、上述した特別図柄1と同様であるため詳細な説明を省略する。
上述したように、本第5実施形態では特別図柄1で大当たりに当選した場合には、大当たりAが50%、大当たりBが20%、大当たりCが30%の割合で選択され、特別図柄2で当選した場合には、大当たりAが20%、大当たりBが70%、大当たりCが10%の割合で選択される。
次に、図133を参照して、本第5実施形態における第3開放シナリオ設定テーブル202gについて説明をする。図133(a)は、第5実施形態における第3開放シナリオ設定テーブル202gに規定されている内容を模式的に示した図である。
この第3開放シナリオ設定テーブル202gは、通常遊技状態において大当たりに当選した状態(大当たり待機状態)で第1ゲート670を球が通過した場合に参照される第3開放シナリオ設定テーブル(通常)202g1と、確変状態において大当たりに当選した状態(大当たり待機状態)で第1ゲート670に球が通過した場合に参照される第3開放シナリオ設定テーブル(確変)202g2とを有しており、それぞれ第1当たり種別選択テーブル202bにて選択された大当たり種別に対応した大当たり遊技の設定内容が規定されている。なお、時短状態において大当たりに当選した場合は、第3開放シナリオ設定テーブル(確変)202g2が参照されるように設定されている。
ここで、図133(b)を参照して、第3開放シナリオ設定テーブル202gに規定されている第3開放シナリオ設定テーブル(通常)202g1について説明をする。図133(b)は、第3開放シナリオ設定テーブル(通常)202g1の内容を示す模式図である。この第3開放シナリオ設定テーブル(通常)202g1は、通常遊技状態において大当たりに当選した状態で(大当たり待機状態)で第1ゲート670に球が通過した場合に参照されるテーブルであり、選択された大当たり種別に対応して、大当たり遊技におけるオープニング期間、ラウンド間インターバル期間、エンディング期間が夫々設定されている。
具体的には、大当たり種別が大当たりAの場合は、オープニング期間が「6秒」、インターバル期間が「0.2秒」、エンディング期間が「5秒」となるよう開放シナリオが設定され、大当たり種別が大当たりBの場合は、オープニング期間が「16秒」、インターバル期間が「0.2秒」、エンディング期間が「5秒」となるよう開放シナリオが設定される。また、大当たり種別が大当たりCの場合は、オープニング期間が「6秒」、インターバル期間が「0.2秒」、エンディング期間が「5秒」となるよう開放シナリオが設定される。
次に、図133(c)を参照して、第3開放シナリオ設定テーブル202gに規定されている第3開放シナリオ設定テーブル(確変)202g2について説明をする。図133(c)は、第3開放シナリオ設定テーブル(確変)202g2の内容を示す模式図である。この第3開放シナリオ設定テーブル(確変)202g2は、確変(時短)状態において大当たりに当選した状態で(大当たり待機状態)で第1ゲート670に球が通過した場合に参照されるテーブルであり、選択された大当たり種別に対応して、大当たり遊技におけるオープニング期間、ラウンド間インターバル期間、エンディング期間が夫々設定されている。
具体的には、大当たり種別が大当たりAの場合は、オープニング期間が「1秒」、インターバル期間が「0.5秒」、エンディング期間が「5秒」となるよう開放シナリオが設定され、大当たり種別が大当たりBの場合は、オープニング期間が「11秒」、インターバル期間が「0.5秒」、エンディング期間が「5秒」となるよう開放シナリオが設定される。また、大当たり種別が大当たりCの場合は、オープニング期間が「1秒」、インターバル期間が「0.5秒」、エンディング期間が「5秒」となるよう開放シナリオが設定される。
以上、説明をしたように、本実施形態では、大当たり中に設定される各期間(オープニング期間、インターバル期間、エンディング期間)のうち、オープニング期間が大当たり種別によって異なるよう設定されている。また、オープニング期間とインターバル期間が遊技状態(通常状態または確変(時短)状態)に応じて異なるよう設定されている。
このように、大当たり遊技におけるオープニング期間を変更することにより、大当たり遊技が開始されてからオープニング期間が終了するまで(1ラウンド目のラウンド遊技が開始されるまで)の期間が変更されることになる。
よって、第3貯留装置3600に貯留された球が確変入賞有効期間内に入球しやすい大当たりと、入球し難い大当たりとを設けることが可能となる。なお、詳細な説明については、図135および図136を参照して後述する。
また、ラウンド間インターバルが、通常遊技状態の場合に参照される第3開放シナリオ設定テーブル(通常)202g1では0.2秒に設定されており(図133(b)参照)、確変(時短)状態の場合に参照される第3開放シナリオ設定テーブル(確変)202g2では0.5秒に設定されている。
このラウンド間インターバルは、その期間を長く設定することで、確変入賞有効期間中に何れの可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)も開放していない状態を長くすることができる。よって、確変入賞有効期間中に、第2可変入賞装置650よりも下方に設けられている特定一般入賞口630aへ球が入球する可能性を高くすることができる。
一方、ラウンド間インターバルの期間を短くすることで、確変入賞有効期間中に何れの可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)も開放していない状態を短くすることができる。よって、大当たり遊技中に発射された球を何れかの可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)に効率よく入球させることができる。
つまり、第3開放シナリオ設定テーブル(通常)202g1を参照して開放シナリオが設定された大当たり遊技、即ち、通常遊技状態において実行される大当たり遊技は、ラウンド間インターバルが0.2秒に設定されているため、ラウンド間インターバル中に第2可変入賞装置650を通過する球が殆ど発生しない。
一方、第3開放シナリオ設定テーブル(確変)202g2を参照して開放シナリオが設定された大当たり遊技、即ち、確変(時短)状態において実行される大当たり遊技は、ラウンド間インターバルが0.5秒に設定されているため、ラウンド間インターバル中に第2可変入賞装置650を通過する球の数が増える。
これにより、確変(時短)状態において実行される大当たり遊技では、大当たり遊技開始時において第3貯留装置3600に貯留された球が確変入賞有効期間内に特定一般入賞口630aに入球しなくても、大当たり遊技のラウンド間インターバル中に第2可変入賞装置650を通過した球が、確変入賞有効期間内に特定一般入賞口630aへ入球しやすい大当たりとすることができる。
よって、確変(時短)状態中の大当たり当選により確変状態が付与される確率を通常状態中の大当たり当選により確変状態が付与される確率よりも高くすることが可能となるため、遊技者に対して有利となる遊技状態を継続して提供しやすくすることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
なお、本実施形態では、通常遊技状態において大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技では全てラウンド間インターバルが0.2秒に設定されているが、これに限られること無く、様々な時間を設定してもよい。例えば、特定のラウンド数(例えば、4ラウンド)におけるラウンド間インターバルの期間を1.5秒に設定し、そのラウンド間インターバルを用いて特定一般入賞口630aへ球を入球させる遊技を実行してもよい。
次に、図134(a)を参照して、第5実施形態におけるRAM203に規定されている内容について説明する。図134(a)に示した通り、第5実施形態におけるRAM203は、第3実施形態におけるRAM203に対して大当たりフラグ203t、貯留弁開放フラグ203uおよび開放カウンタ203vが追加されている。
大当たりフラグ203tは、特別図柄の判定結果が大当たりとなったことを示すフラグである。大当たりフラグ203tがオンに設定されている間に第1ゲート670を球が通過すると、大当たり種別および開放シナリオが設定され、大当たり遊技が開始される。この大当たりフラグ203tは、特別図柄変動処理5(図141のS104)において今回の抽選結果が大当たりであると判別された場合にオンに設定され(S271)、大当たり種別決定処理(図143のS1051)にて参照される(S5201)。そして、大当たり種別決定処理(図143のS1051)においてオフに設定される(S5203)。
貯留弁開放フラグ203uは、特別図柄の判定結果が大当たりとなり貯留弁3600aを開放するためのカウンタ(開放カウンタ203v)がカウントをしている状態であることを示すフラグである。この貯留弁開放フラグ203uがオンに設定されている間は、開放カウンタ203vに新たな値が設定されることがない。
この貯留弁開放フラグ203uは、貯留弁開放処理(図144のS1052)においてオンに設定され(S5210)、貯留用ソレノイド600をオンに設定した後に、オフに設定される(S5214)。
開放カウンタ203vは、特別図柄の判定結果が大当たりとなった場合に、貯留弁3600aを開放させるタイミングをカウントするためのカウンタである。この開放カウンタ203vは、貯留弁開放処理(図144のS1052)においてカウンタ値が設定され(S5211)、S5215の処理にて減算される。
次に、図131に戻り、本第5実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222について説明をする。本第5実施形態におけるROM222は、上述した第3実施形態におけるROM222に対して、期待度表示選択テーブル222bを削除し、擬似演出回数設定テーブル222cを追加した点で相違する。以下、図134(b)を参照して、擬似演出回数設定テーブル222cについて説明をする。
図134(b)は、擬似演出回数設定テーブル222cに規定されている内容を模式的に示した模式図である。擬似演出回数設定テーブル222cは、特別図柄の判定結果が大当たりとなった場合に実行される第1擬似演出(図138および図139参照)にて実行される擬似演出回数を設定するためのテーブルである。この擬似演出回数設定テーブル222cは、擬似演出処理(図149のS1854)において擬似演出回数を設定する場合に参照される(S5404)。
具体的には、図134(b)に示す通り、特別図柄の判定結果が大当たりとなった場合における遊技状態(通常遊技状態または確変(時短)状態)に応じて、設定される擬似演出回数が設定されており、通常遊技状態にて大当たりに当選した場合は擬似演出回数として4回が、確変(時短)状態にて大当たりに当選した場合は擬似演出回数として5回がそれぞれ設定される。
図131に戻り、本第5実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明をする。本第5実施形態におけるRAM223は、上述した第3実施形態におけるRAM223に対して、貯留上限フラグ223k、特殊球流フラグ223mおよび貯留弁開放中フラグ223nを削除し、擬似演出フラグ223q、擬似演出カウンタ223rおよびオープニングフラグ223sを追加した点で相違する。
擬似演出フラグ223qは、擬似演出が実行されていることを示すフラグである。この擬似演出フラグ223qは、大当たり関連処理(図147のS5912)においてオンに設定され(S5302)、擬似演出処理(図149のS1854)においてオフに設定される(S5411)。
擬似演出カウンタ223rは、擬似演出が実行された回数をカウントするためのカウンタであって、疑似演出が実行される度に1加算されるカウンタである。この擬似演出カウンタ223rのカウンタ値を判別することで、最終の擬似演出を判別し、異なる演出を実行可能にしている。擬似演出カウンタ223rは、擬似演出処理(図149のS1854)において、1加算され(S5407)、カウンタの値が上限であると判別された場合に(S5405:Yes)、0にリセットされる(S5413)。
オープニングフラグ223sは、大当たり遊技が開始されたことを示すフラグである。このオープニングフラグ223sは、大当たり関連処理(図147のS5912)において、特別図柄の大当たりに当選した状態(大当たり待機状態)で第1ゲート670を球が通過したことに基づいて主制御装置110から出力されるオープニングコマンドを受信した場合にオンに設定され(S5305)、疑似演出処理(図149のS1854)において疑似停止させる図柄を設定する際に参照され(S5408)、疑似演出の内容を設定した後にオフに設定される(S5411)。
ここで、本第5実施形態における大当たりに当選した場合の遊技の流れについて図135および図136を参照して説明をする。図135は通常遊技状態において大当たりに当選した場合の遊技の流れを示すタイミングチャートであり、図136は確変(時短)状態において大当たりに当選した場合の遊技の流れを示すタイミングチャートである。
まず、図135に示す通り、特別図柄の大当たりに当選すると、貯留装置(第3貯留装置3600)を開放させるためのカウンタ値(例えば、16秒に対応した値)がセットされる。そして、第1ゲート670に球が通過したことに基づいて、大当たり種別が決定(選択)されるとともに(例えば、大当たりAが決定(選択)される)、その決定された大当たり種別に対応した開放シナリオが設定され、大当たり遊技が開始される。
大当たり遊技が開始されると、開放シナリオで設定されたオープニング期間(6秒)の経過後に1ラウンド目のラウンド遊技が開始される。そして、1ラウンド目のラウンド遊技が開始されてから最終ラウンドのラウンド遊技が終了するまでの期間を確変入賞有効期間として設定する。
また、特別図柄の大当たりに当選してから16秒が経過すると、貯留装置(第3貯留装置3600)が開放状態に可変し、貯留装置(第3貯留装置3600)に球が貯留されている場合は、その球が特定一般入賞口630aに入球する。
よって、特別図柄の大当たりに当選してから10秒以内に第1ゲート670に球を通過させた場合は、その第1ゲート670を通過し、貯留装置(第3貯留装置3600)に貯留された球が確変入賞有効期間中に特定一般入賞口630aに入球することになる。
また、特別図柄の大当たりに当選してから10秒〜16秒の間に第1ゲート670に球を通過させた場合は、その第1ゲート670を通過し、貯留装置(第3貯留装置3600)に貯留された球が確変入賞有効期間外(大当たり遊技のオープニング期間中)に特定一般入賞口630aに入球することになる。
さらに、特別図柄の大当たりに当選してから16秒以降に第1ゲート670に球を通過させた場合は、第1ゲート670に球を通過させる前にすでに第3貯留装置3600が開放状態となっており、第1ゲート670を通過した球がそのまま特定一般入賞口630aに入球することになる。しかし、図130に示した通り、第1ゲート670から特定一般入賞口630aまで球が流下するのに要する時間が1秒となるように設計されているため、第1ゲート670を通過した球は、確変入賞有効期間外(大当たり遊技のオープニング期間中)に特定一般入賞口630aに入球することになる。
このように、本実施形態では、特別図柄の大当たりに当選してから所定期間内(10秒以内)に、特定領域(第1ゲート670)に球を通過させることで、遊技者に有利な遊技状態である確変状態が付与される構成されている。よって、特別図柄の大当たりに当選した後も遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
また、本実施形態では、第1ゲート670に球が通過することで決定される大当たり種別に応じて大当たり遊技のオープニング期間が異なるよう設定されている。具体的には、大当たり種別として、大当たりAが選択された場合はオープニング期間として6秒が設定され、大当たりBが選択された場合はオープニング期間として16秒が設定される。
このように、第1ゲート670に球を通過させることで決定される大当り種別によって大当たり遊技が開始されてから確変入賞有効期間が開始されるまでの期間が異なるため、特別図柄の大当たりに当選した場合に、少しでも早く第1ゲート670に球を通過させようと、遊技者に対してより意欲的に遊技を行わせることができる。また、第1ゲート670に球を通過させるタイミングが遅れたとしても、オープニング期間が短い開放シナリオが設定される大当たり種別が選択されることで、第1ゲート670を通過した球が確変入賞有効期間内に特定一般入賞口630aに入球することになるため、遊技者に対して最後まで期待を持たせることができるという効果がある。
次に、図136を参照して、確変(時短)状態において大当たりに当選した場合の遊技の流れを説明する。本実施形態では、確変(時短)状態において大当たりに当選した場合は、通常遊技状態において大当たりに当選した場合に比べて、貯留装置(第3貯留装置3600)が開放されるタイミングは同一(特別図柄が大当たりに当選してから16秒後)であるが、第1ゲート670を球が通過することで選択される各大当たり種別に対応するオープニング期間が短くなるよう設定されている。
具体的には、通常遊技状態において大当たりに当選した場合は、大当たり種別として大当たりAが選択されるとオープニング期間として「6秒」、大当たりBが選択されるとオープニング期間として「16秒」、大当たりCが選択されるとオープンニング期間として「6秒」が設定される(図133(b)参照)。
一方、確変(時短)状態において大当たりに当選した場合は、大当たり種別として大当たりAが選択されるオープニング期間として「1秒」、大当たりBが選択されるとオープニング期間として「11秒」、大当たりCが選択されるとオープンニング期間として「1秒」が設定される(図133(c)参照)。
このように構成することで、通常遊技状態において大当たりに当選した場合よりも、確変(時短)状態において大当たりに当選したほうが、第1ゲート670を通過した球が確変入賞有効期間内に特定一般入賞口630aに入球可能な期間を長く設定することができる。よって、確変(時短)状態中の大当たり当選により確変状態が付与される確率を通常状態中の大当たり当選により確変状態が付与される確率よりも高くすることが可能となるため、遊技者に対して有利となる遊技状態を継続して提供しやすくすることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
なお、本実施形態では、通常遊技状態において大当たりに当選した場合と、確変(時短)状態において大当たりに当選した場合とで、設定されるオープニング期間を異ならせる(確変(時短)状態のほうがオープニング期間を短く設定する)ことで、大当たり終了後に確変状態が付与される確率を変更可能(確変(時短)状態のほうが高くする)としているが、その他の構成を用いてもよい。
例えば、通常遊技状態において大当たりに当選した場合と、確変(時短状態)において大当たりに当選した場合とで、貯留装置(第3貯留装置3600)が開放されるタイミングを異ならせても良い。具体的には、通常遊技状態において大当たりに当選した場合は、大当たりに当選してから16秒経過後に貯留装置(第3貯留装置3600)を開放させ、確変(時短)遊技状態において大当たりに当選した場合は、大当たりに当選してから、21秒経過後に貯留装置(第3貯留装置3600)を開放させるようにするとよい。
このように構成しても、本実施形態と同様に、確変(時短)状態中の大当たり当選により確変状態が付与される確率を通常状態中の大当たり当選により確変状態が付与される確率よりも高くすることが可能となるため、遊技者に対して有利となる遊技状態を継続して提供しやすくすることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
次に、図137を参照して、本実施形態で実行される擬似演出について説明をする。図137は大当たりAが選択された場合の擬似演出の流れを示すタイミングチャートである。この擬似演出は、大当たりに当選した後、その大当たり遊技終了後に確変状態が付与されるかを報知する演出であって、大当たりに当選してから(特別図柄の判定結果として大当たりを示す特別図柄が停止表示されてから)大当たり遊技が開始されるまでの間の遊技内容に基づいて実行される第1擬似演出と、大当たり遊技中の遊技内容に基づいて実行される第2擬似演出とから構成されている。
この擬似演出は、特別図柄の変動に対応して第3図柄表示装置81にて変動表示される第3図柄と同様の態様を有する擬似図柄(図138(b)参照)を用いて実行される演出であり、具体的には、擬似図柄を2秒間変動させた後に所定の図柄列(例えば、「341」や「666」)で停止表示させる演出であり、この擬似図柄を変動表示させる擬似演出を複数回(4回または5回)実行させ、最終的に停止表示された擬似図柄によってその大当たり遊技終了後に確変状態が付与されるが報知される。
まず、大当たりに当選すると(第3図柄表示装置81に大当たりを示す第3図柄が停止表示されると)(図138(a)参照)、第1ゲート670に球を通過させる遊技が開始されるとともに、第3図柄表示装置81にて擬似図柄の擬似演出が複数回実行される(第1擬似演出)。この擬似演出が実行される上限回数が擬似演出回数設定テーブル222c(図134(b)参照)によって設定される。
実行される擬似演出の回数が擬似演出回数設定テーブル222cによって設定された上限回数に到達していない場合は、擬似演出が継続することを示す停止態様(例えば、「341」)で擬似図柄を停止表示し、次の擬似演出を実行する。
そして、擬似演出回数設定テーブル222cによって設定された上限回数目の擬似演出が実行されるタイミング(図137の場合は4回目の擬似演出が実行されるタイミング)において、後述する擬似演出処理(図149参照)にて、所定条件(第1ゲート670を球が通過)を満たしているかを判別し、その判別結果に基づいて第1擬似演出にて最終的に停止表示される擬似図柄の表示態様を決定し、停止表示する。
この場合、すでに第1ゲート670を球が通過していると判別された場合は(所定条件が成立している場合は)、擬似図柄を確変状態が付与されることを示す停止表示態様として「666」が停止表示され、所定条件が成立していないと判別された場合は、擬似図柄を確変状態が付与されることが確定していないことを示す停止表示態様として「222」が停止表示される。
このように、特別図柄の判定結果のみでは大当たり終了後に確変状態が付与されるか否かを決定することができない遊技機において、第3図柄と同様の表示態様を有する擬似図柄を用いた擬似演出を行うことで、遊技者に分かりやすい遊技を提供することができる。
なお、図137では、第1擬似演出期間として擬似演出4回分、つまり、8秒を設定しており、最終擬似演出が開始されるタイミング(擬似演出処理(図149参照)により所定条件の成立を判別するタイミング)が大当たり当選から6秒経過後となるよう設定している。これは、大当たり当選から6秒経過するまでの間に所定条件が成立している場合(第1ゲート670を球が通過した場合)は、確変入賞有効期間内に特定一般入賞口630aに球が入球することが確定するためである。
また、本実施形態では第1擬似演出期間として8秒を設定しているが、例えば、大当たりに当選した後、直ぐに第1ゲート670に球を通過させてしまうと、第1擬似演出期間が経過するよりも前に大当たり遊技が開始されることになるが、大当たり遊技が開始されたとしても継続して第1擬似演出が実行されるよう構成されている。
そのような場合であっても、大当たり遊技中のオープニング期間が6秒に設定してあるため、殆どの場合、大当たり遊技中のラウンド遊技が開始されるまでに第1擬似演出期間が終了することができる。
また、第1擬似演出で実行される擬似演出の回数は、確変入賞有効期間中に特定一般入賞口630aに球を入球させることが可能となる第1ゲート670への球通過タイミングが長く設定されるほど回数が多くなるように設定されており、遊技者に対して擬似演出回数が多いほど確変状態を獲得できる可能性が高いことを報知している。
なお、確変入賞有効期間中に特定一般入賞口630aに球を入球させることが可能となる第1ゲート670への球通過タイミングの長さを遊技者に報知するために、擬似演出の残り回数を第3図柄表示装置81に表示するように構成してもよい。これにより、遊技者は残り時間を想定し意欲的に第1ゲート670に球を通過させようと遊技を行うことになり、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
また、本実施形態では、擬似演出1回の時間を2秒に固定しているが、演出時間が異なる擬似演出を設けてもよい。さらに、本実施形態では最終擬似演出の擬似図柄の停止態様によって遊技者に確変状態が付与されるか否かを報知しているが、最終擬似演出以外の擬似演出を用いて確変状態が付与される可能性を示唆する報知を行っても良い。
例えば、擬似演出1が実行されている期間中に第1ゲート670に球が通過した場合、擬似演出2および擬似演出3の変動において、確変状態が付与される可能性を示唆する態様として擬似図柄の色や背景の色を変更したり、変動態様を変更したりするとよい。これにより、遊技者は最終擬似演出が開始される前に確変状態が付与されることを期待して遊技を行うことができる。
次に、第2擬似演出について説明をする。この第2擬似演出は第1擬似演出が終了した後、確変入賞有効期間中に特定一般入賞口630aへ球が入球し、大当たり終了後に確変状態が付与されることが確定したことを報知する演出であって、大当たり遊技の最終ラウンド(8ラウンド目)を用いて実行される演出である。
この第2擬似演出も第1擬似演出と同様に、擬似図柄を用いた演出が実行されるものである(図140参照)。大当たり遊技が最終ラウンドに突入すると、第3図柄表示装置81にて擬似図柄の変動が開始され、ラウンド演出処理5(図148参照)によって決定された停止態様で擬似図柄が停止表示される。
以上、説明をしたように、本実施形態における擬似演出は、大当たり遊技中における確変入賞有効期間内に特定一般入賞口630aに球が入球することで、大当たり遊技終了後に確変が付与される遊技機において、複数のタイミングで確変状態が付与されることが確定したか否かを報知することができるため、遊技者は興味を持って実行される演出を見ることになり遊技の興趣を向上させることができる。
また、複数のタイミングで実行される擬似演出として第3図柄と同様の態様で構成される擬似図柄を用いた変動表示を行なっているため、遊技者は第3図柄表示装置81に表示される擬似演出(擬似図柄の変動演出)を見ることで、大当たり当選時に停止した大当たり図柄「222」が確変図柄「777」に昇格したと思わせることができる。よって、複雑な遊技性を有するパチンコ機10であっても、遊技者に遊技状態の移行をわかりやすく報知することができ、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
次に、図138〜図140を参照して、上述した擬似演出が実行される場合に第3図柄表示装置81に表示される内容について説明をする。なお、図138〜図140に示す第3図柄表示装置81の表示画面に表示される各表示領域について、上述した第1実施形態の図5に示す表示画面と同一の箇所には、同一の符号を付してその説明を省略する。
まず、図138(a)を参照して、特別図柄の抽選(当否判定)にて、大当たりに当選(大当たりと判定)した場合における表示内容を説明する。図138(a)は、第3図柄表示装置81の表示画面の一例を示す模式図である。図138(a)に示す通り、大当たりに当選すると、主表示領域Dmにて大当たりに当選したことを示す停止表示態様である「222」で第3図柄が停止表示される。
また、副表示領域Dsの小領域Ds1には大当たり遊技を開始させるための遊技説明が表示され、小領域Ds2には遊技者が狙う箇所(第1ゲート670)が模式図で表示される。さらに小領域Ds3には遊技者に対して右打ち遊技を行うことを案内する案内表示が表示される。
次に、図138(b)を参照して、擬似演出のうち第1擬似演出が実行されている場合の第3図柄表示装置81の表示内容を説明する。図138(b)は、第3図柄表示装置81の表示画面の一例を示す模式図である。図138(b)に示す通り、主表示領域Dmの右上に第3図柄が縮小して表示される第3図柄表示領域Dmbが形成され、大当たりを示す態様「222」で第3図柄が停止表示される。主表示領域Dmの中央には第3図柄と同様の態様で構成される擬似図柄が「341」の態様で停止表示されている。
この状態は、図137で示す「擬似演出1」が終了した状態を示すものである、擬似図柄が、擬似演出が継続して実行されることを示す態様「341」で停止表示されている。
次に図139を参照して、第1擬似演出の最終擬似演出(図137参照)が実行された場合の第3図柄表示装置81の表示内容を説明する。図139(a)は、第1擬似演出の最終擬似演出のうち、確変状態が付与される可能性が高いことを報知する場合の第3図柄表示装置81の表示画面の一例を示す模式図であって、図139(b)は、第1擬似演出の最終擬似演出のうち、確変状態が付与されることが高確率であることを報知する場合の第3図柄表示装置81の表示画面の一例を示す模式図である。図139(a)に示す通り、主表示領域Dmには、確変状態が付与されることが高確率であることを示す態様「666」で擬似図柄が停止表示されている。遊技者は第3図柄表示装置81に停止表示された擬似図柄の表示態様を見ることで大当たり遊技終了後に確変状態が付与されることを容易に把握することができる。
一方、図139(b)は、主表示領域Dmに確変状態が付与されることが確定していないことを示す態様「222」で擬似図柄が停止表示されている。遊技者は第3図柄表示装置81に停止表示された擬似図柄の表示態様を見ることで現段階では大当たり遊技終了後に確変状態が付与されないことを認識し、大当たり遊技中に確変状態が付与されるよう意欲的に遊技を行うことになる。
次に、図140を参照して、擬似演出のうち、第2擬似演出(図137参照)が実行される場合の第3図柄表示装置81の表示内容を説明する。図140(a)は、第2擬似演出が開始されたときの表示内容の一例を示す模式図であって、図140(b)は、第2擬似演出が終了したときの表示内容の一例を示す模式図である。
図140(a)に示す通り、表示領域714には現在のラウンド遊技数として「最終ラウンド」が表示され、表示領域717には、第2擬似演出が実行されている旨を表示する「ラスト再抽選チャンス」の文字が表示されている。また、主表示領域Dmの右側には大当たり遊技中に狙う箇所(可変入賞装置)を案内する案内表示が表示される。さらに、主表示領域Dmでは擬似図柄が変動表示されている。
第2擬似演出による擬似変動が終了し擬似図柄が停止表示されると図140(b)に示すように、主表示領域Dmに「777」が停止表示される。
<第5実施形態における主制御装置の制御処理について>
次いで、図141〜図144を参照して、第5実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される処理について説明する。本第5実施形態では、上述した第3実施形態に対して、特別図柄の大当たり遊技が実行される制御を変更した点、貯留弁3600aを開放する制御を変更した点で相違している。
以下では、本第5実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種処理のうち、上述した第3実施形態から変更した点の説明のみを行い、第3実施形態から変更されていない処理、および単純に処理を削除した点については、その詳細な説明を省略する。
まず、図141を参照して、特別図柄変動処理5(S104)について説明をする。図141は、特別図柄変動処理5(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理5が、上述した第3実施形態の特別図柄変動処理3と相違する点は、今回の抽選結果が大当たりであると判別された場合に(S216:Yes)実行される処理の内容が相違する点である。それ以外の処理については、上述した第3実施形態の特別図柄変動処理と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
特別図柄変動処理5(S104)が実行されると、上述した第3実施形態の特別図柄変動処理3と同様にS201からS216までの処理が実行される。S216の処理において、今回の抽選結果が大当たりではないと判別された場合は(S216:No)、上述した特別図柄変動処理3と同様にS220からS223の処理を実行し、停止コマンドを設定し(S224)、本処理を終了する。
一方、S216の処理において、今回の抽選結果が大当たりであると判別された場合は(S216:Yes)、大当たりフラグをオンに設定し(S271)、次いで、大当たりコマンドを設定する(S272)。そして、停止コマンドを設定し(S224)、本処理を終了する。
即ち、本第5実施形態は、特別図柄の抽選の結果が大当たりとなったとしても、その後大当たり遊技が実行されることはなく、特別図柄の抽選の結果が大当たりとなった状態(大当たり遊技待機状態)で、第1ゲート670に球が入球することで大当り遊技が開始される。
次に、図142を参照して、主制御装置110のメイン処理について説明をする図142は、主制御装置110のメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では、主制御装置110により実行される様々な処理が行われる。なお、上述した第3実施形態と同一の内容を示す処理については同一の符号を付し、その詳細な説明は後述する。
図142に示す通り、メイン処理が実行されると、上述した第3実施形態と同様に、S1001からS1003の処理が実行される。次に、大当り種別決定処理が実行される(S1051)。この大当り種別決定処理より、特別図柄の大当たりに当選した状態で(大当りフラグ203tがオンに設定されている状態で)第1ゲート670に球が通過した場合に大当り種別が設定される。なお、詳細な説明については図143を参照して後述する。
大当り種別決定処理(S1051)が終了すると、次いで、貯留弁開放処理(S1052)が実行される。この貯留弁開放処理(S1052)により、特別図柄の大当たりに当選したことに基づいて第3貯留装置3600の貯留弁3600aが開放制御される。なお、詳細な説明については図144を参照して後述する。
貯留弁開放処理(S1052)が終了すると、上述した第3実施形態のメイン処理と同様にS1004〜S1016の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図143を参照して、本第5実施形態のメイン処理にて実行される大当り種別決定処理(図142のS1051)について説明をする。図143は大当り種別決定処理(S1051)の内容を示すフローチャートである。大当り種別決定処理(S1051)が実行されると、まず、大当りフラグ203tがオンに設定されているかを判別する(S5201)。ここで、大当りフラグ203tがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別された場合は(S5201:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S5201の処理において、大当りフラグ203tがオンに設定されていると判別された場合は(S5201:Yes)、次に、第1ゲート670を球が通過したかを班別する(S5202)。第1ゲート670を球が通過していないと判別された場合は(S5202:No)、そのまま本処理を終了する。
S5202の処理にて、。第1ゲート670を球が通過したと判別した場合は(S5202:Yes)、次に、大当りフラグ203tをオフに設定し(S5203)、第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて第1当たり種別選択テーブル202bより大当り種別を選択する(S5204)。具体的には、大当たりに当選した特別図柄の変動を開始した際に取得した第1当たり種別カウンタC2の値(図27のS301参照)を主制御装置110のRAM203に格納する手段を有しており(図示せず)、その格納された第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別を第1当たり種別選択テーブル202bより選択する。
なお、本実施形態では、第1ゲート670を球が通過した場合に選択される大当たり種別を、大当たりに当選した特別図柄の変動開始時に取得した第1当たり種別カウンタC2の値を用いて選択しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、第1ゲート670を球が通過したタイミングで第1当たり種別カウンタC2の値を取得し、その取得した第1当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を選択するようにしてもよい。
また、本実施形態では、第1ゲート670を球が通過した場合に大当たり種別を選択しているが、例えば、特別図柄変動処理5(図141参照)にて今回の抽選結果が大当たりであると判別され(S216)、大当たりフラグ203tをオンに設定(S271)した後に、大当たり種別を選択する処理を行ってもよい。
このようにすることで、特別図柄の大当たりに当選した時点で、第1ゲート670に球を通過させることで実行される大当たりの種別を事前に把握することができるため、例えば、選択された大当たり種別に対応して設定されるオープニング期間に基づいて、遊技者に有利となる確変状態を付与可能な期間を遊技者に報知することができる。
よって、遊技者に対して、特別図柄に当選してから第1ゲート670を球が通過するまでの遊技を意欲的に行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
この場合、図143に示す大当たり種別決定処理では、既に選択されている大当たり種別に基づいて大当たりの開始を設定する処理を行うだけになるため、大当たり種別決定処理の処理負荷を軽減することができる。
図143に戻り説明を続ける。S5204の処理が終了すると、次に、選択された大当たり種別および大当たりに当選した際の遊技状態(通常遊技状態または確変(時短)遊技状態)に基づいて、大当たり遊技の開放シナリオが設定される(S5205)。具体的には、第3開放シナリオ設定テーブル202g(図133参照)に規定されている内容に基づいて開放シナリオが設定される。
なお、この大当たり遊技の開放シナリオを設定する処理も上述した大当たり種別を選択する処理と同様に、特別図柄変動処理5(図141参照)内で実行してもよい。
そして、S5205の処理を終えると、大当たりの開始を設定し(S5206)、大当たり遊技が開始される。次いで、大当たり開始コマンドを設定し(S5207)、本処理を終了する。
次に、図144を参照して、本第5実施形態のメイン処理にて実行される貯留弁開放処理(S1052)について説明をする。図144は貯留弁開放処理(S1052)の内容を示すフローチャートである。貯留弁開放処理(S1052)が実行されると、まず、大当たりフラグ203tがオンに設定されているかを判別する(S5208)。ここで、大当たりフラグ203tがオンに設定されていない(オフに設定されている)場合は(S5208:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S5208の処理において、大当たりフラグ203tがオンに設定されている場合は(S5208:Yes)、次に、貯留弁開放フラグ203uがオンに設定されているかを判別する(S5209)。ここで、貯留弁開放フラグ203uがオンに設定されていない場合は(S5209:No)、貯留弁開放フラグ203uをオンに設定し(S5210)、遊技状態に対応した開放カウンタ値を設定し(S5211)、本処理を終了する。
また、S5209の処理において、貯留弁開放フラグ203uがオンに設定されている場合は(S5209:Yes)、次いで、開放カウンタ203vの値が0であるかを判別する(S5212)、ここで、開放カウンタ203vの値が0であると判別された場合は(S5212:Yes)、貯留装置用ソレノイド610(図131参照)をオンに設定し(S5213)、貯留弁開放フラグ203uをオフに設定し(S5214)、本処理を終了する。
一方、S5212の処理において、開放カウンタ203vの値が0ではないと判別された場合は(S5212:No)、開放カウンタ203vの値を1減算し(S5215)、本処理を終了する。
以上、説明をしたように、本第5実施形態では、特別図柄の当否判定(抽選)により大当たりに当選しただけでは大当たり遊技が開始されず、大当たりに当選した状態で(大当たりフラグ203tがオンに設定されている状態で)、特定領域である第1ゲート670を球が通過することで大当たり遊技が実行されるように構成されている。
そして、大当たりに当選してから所定期間(例えば16秒)が経過すると開放状態となる貯留手段(第3貯留装置3600)を、第1ゲート670を通過した球が入球可能な位置に配置されており、貯留手段(第3貯留装置3600)が開放状態となることで球が入球可能な位置に特定一般入賞口630aが配置されている。
この特定一般入賞口630aは、大当たり遊技における確変入賞有効期間(1ラウンド目の開始から最終ラウンドの終了まで)内に球が入球することで、その大当たり遊技終了後に遊技者にとって有利となる特典(確変状態)が付与されるように構成されている。
これにより、大当たりに当選してから、第1ゲート670に球を通過させるまでに要する時間によって、大当たり終了後に確変状態が付与されるか否かが決定される。よって、遊技者に対して、大当たりに当選してから、第1ゲート670に球を通過させるまでの遊技を意欲的に行わせることができるという効果がある。
また、本実施形態では、大当たり遊技によって開放される可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)が開放している状態では入球困難となる位置に特定一般入賞口630aを配置しているため、大当たり遊技中に発射された球が特定一般入賞口630aに入球し難く構成されている。これにより、大当たり遊技終了後に確変状態が付与されるよう、大当たりに当選してから、第1ゲート670に球を通過させるまでの遊技をより意欲的に行わせることができるという効果がある。
さらに、本実施形態では、大当たり遊技中に開放する可変入賞装置を上下(球の流下方向の上流下流)に2つ設けられており、それぞれの可変入賞装置を交互に開放させることで、ラウンド間インターバルにおいて何れの可変入賞装置にも入賞しない球の発生を抑制している。これにより、大当たり遊技中(確変入賞有効期間中)に、特定一般入賞口630aに頻繁に球が入球してしまうことを抑制することができる。
また、大当たり種別や大当たりに当選した際の遊技状態(通常遊技状態または確変(時短)状態)に応じて、大当たり遊技のラウンド数や大当たり遊技のオープニング期間(非確変入賞有効期間)やラウンドインターバル期間の長さを異ならせている。これにより、大当たり遊技終了後に確変状態が付与されやすい大当たりと、大当たり遊技終了後に確変状態が付与され難い大当たりとを設定することができる。
さらに、本実施形態では、大当たり遊技中に開放される可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)と特定一般入賞口630aとの間に、流下してきた球を複数の流路に振り分ける振分部材(第1振分部材3901および第2振分部材3902)を設けている。これにより、大当たり遊技中にタイミングよく閉鎖状態である可変入賞装置を通過した球が様々な流路に振分けられるため、特定一般入賞口630aに球が入球するか否かを予測することが困難となる。よって、遊技者は球の流下状況に注視することとなるため、大当たり遊技中に遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
さらに、上述した振分部材(第1振分部材3901および第2振分部材3902)は、複数の流路に対して球を規則的に振り分けることが可能に構成されている。よって、大当たり遊技中に所定個数(例えば4個)以上の球を振分部材へ流下させることで確実に特定一般入賞口630aへ入球させることができる。
なお、この振分部材(第1振分部材3901および第2振分部材3902)の構成として、球を振り分ける動作以外の作用(例えば、振分部材の近傍を流下する球の当接)によって、球の振り分け先を変更可能に構成してもよい。これにより、遊技者に対して振分部材の振分状況を予め把握されることを抑制することができるという効果がある。
<第5実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次いで、図145〜図149を参照して、第5実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種処理について説明する。本第5実施形態では、メイン処理(図145参照)のコマンド判定処理5(S1811)の内容を変更した点、および擬似演出処理(S1854)を追加した点、貯留状態判定処理(図114のS1851)、時短中表示処理(図114のS1852)および許容時間カウンタの減算処理(図114のS1853)を削除した点で上述した第3実施形態と相違している。以下では、本第5実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種処理のうち、上述した第3実施形態と相違する点の説明のみを行い、第3実施形態から変更されていないその他の処理については、その詳細な説明を省略する。
まず、図145を参照して、本第5実施形態にて実行されるメイン処理について説明をする。図145は第5実施形態にて実行されるメイン処理の内容を示すフローチャートである。このメイン処理は上述した第3実施形態にて実行されるメイン処理(図114参照)に対して、コマンド判定処理5(S1811)の内容を変更した点、および擬似演出処理(S1854)を追加した点、貯留状態判定処理(図114のS1851)、時短中表示処理(図114のS1852)および許容時間カウンタの減算処理(図114のS1853)を削除した点で相違している。その他の処理については同一であるため、同一の符号を付してその説明を省略する。
図145に示す通り、メイン処理が実行されると上述した第3実施形態にて実行されるメイン処理(図114参照)と同様にS1801〜S1812の処理を実行する。なお、S1811にて実行されるコマンド判定処理5は、その詳細な内容が上述した第3実施形態にて実行されるコマンド判定処理3(図114のS1811)と相違しており、その詳細な内容については図146を参照して後述する。
コマンド判定処理5(S1811)を終了すると、次に、上述した第3実施形態にて実行されるメイン処理(図114参照)と同様にS1812の処理を実行し、その後、擬似演出処理(S1854)を実行する。この擬似演出処理(S1854)は、大当たりに当選した場合に第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される演出であり、大当たり遊技終了後に確変状態が付与されるか否かを報知する演出である。この擬似演出処理(S1854)の詳細な内容については図149を参照して後述する。
そして、擬似演出処理(S1854)を終了すると、上述した第3実施形態にて実行されるメイン処理(図114参照)と同様にS1813〜S1817の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図146を参照して、メイン処理にて実行されるコマンド判定処理5(S1811)について説明をする。図146はコマンド判定処理5(S1811)に内容を示すフローチャートである。コマンド判定処理5(S1811)が実行されると、まず上述した第3実施形態にて実行されるコマンド判定処理3(図115参照)と同様に、S1901〜S1912の処理を実行する。
S1911の処理において、入賞情報コマンドを受信していないと判別された場合は(S1911:No)、次いで、大当たりに関するコマンドを受信したかを判別する(S5911)。ここで、大当たりに関するコマンドとしては、主制御装置110から出力されるオープニングコマンド、ラウンド数コマンドおよびエンディングコマンドなどがある。
S5911の処理において、大当たりに関するコマンドを受信したと判別した場合は(S5911:Yes)、大当たり関連処理を実行し(S5912)、本処理を終了する。この大当たり関連処理(S5912)は、主制御装置110から大当たりに関するコマンドが出力された場合に実行される処理であり、その詳細な説明は図147を参照して後述する。
一方、S5911の処理において、大当たりに関するコマンドを受信していないと判別した場合は(S5911:No)、次に、上述した第3実施形態のコマンド判定処理3(図115参照)と同様にその他のコマンドに応じた処理(S1919)を実行し、本処理を終了する。
なお、本実施形態では上述した第4実施形態の主制御装置110が実行する入賞処理4(図126のS1111)と同様に、確変設定フラグ203hがオンに設定されたことを音声ランプ制御装置113に出力するための確変通過コマンドを設定するよう構成されており、S1919にて実行される処理として、確変通過コマンドを受信した場合に、確変通過フラグ223pをオンに設定する処理が実行される。
次に、図147を参照して、コマンド判定処理5にて実行される大当たり関連処理(S5912)を説明する。図147は大当たり関連処理(S5912)の内容を示すフローチャートである。この大当たり関連処理(S5912)は、大当たり遊技中の演出を実行するための処理である。
大当たり関連処理(S5912)が実行されると、まず、大当たりコマンドを受信したかを判別する(S5301)。ここで、大当たりコマンドを受信したと判別した場合は(S5301:Yes)、擬似演出フラグ223qをオンに設定し(S5302)、表示用大当たりコマンドを設定し(S5303)、本処理を終了する。
一方、S5301の処理において、大当たりコマンドを受信していないと判別した場合は(S5301:No)、次に、オープニングコマンドを受信したかを判別する(S5304)。オープニングコマンドを受信したと判別した場合は(S5304:Yes)、オープニングフラグ223sをオンに設定し(S5305)、大当り中フラグ223hをオンに設定し(S5306)、表示用オープニングコマンドを設定し(S5307)、本処理を終了する。
S5304の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判別した場合は(S5304:No)、次いで、ラウンド数コマンドを受信したかを判別する(S5308)。ここで、ラウンド数コマンドを受信したと判別した場合は(S5308:Yes)、ラウンド演出処理5(S5309)を実行し、表示用ラウンド数コマンドを設定し(S5310)、本処理を終了する。
このラウンド演出処理5(S5309)は、大当り遊技の各ラウンド中に第3図柄表示装置81の表示画面に表示する内容を決定する処理であって、最終ラウンドにおける擬似停止演出処理(第2擬似停止演出処理)の演出内容が決定される処理である。なお、詳細な内容の説明については、図148を参照して後述する。
一方、S5308の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別された場合は(S5308:No)、その後、エンディングコマンドを受信したかを判別する(S5311)。エンディングコマンドを受信したと判別された場合は(S5311:Yes)、大当たり中フラグ223hをオフに設定し、許容時間カウンタに1秒を設定する(S5312)。そして、表示用エンディングコマンドを設定し(S5313)、本処理を終了する。
S5311の処理において、エンディングコマンドを受信していないと判別した場合は(S5311:No)、次に、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S5314)、本処理を終了する。なお、S5314において処理が実行されるコマンドとしては、例えば、大当たり遊技中において、現在開放されている可変入賞装置を示すコマンドを受信した場合には、第3図柄表示装置81に現在開放中の可変入賞装置を案内する表示をするための表示用コマンドを設定し、可変入賞装置に所定数(10個)よりも多い球が入賞した(所謂、オーバー入賞)ことを示すコマンドを受信した場合には、音声出力装置226にオーバー入賞が発生した報知音を出力させるためのコマンドを設定する。
次に、本第5実施形態の大当たり関連処理(図147のS5912)にて実行されるラウンド演出処理5(S5309)について、図148を参照して説明する。図148はラウンド演出処理5(S5309)の内容を示すフローチャートである。このラウンド演出処理5(S5309)は、大当り遊技の各ラウンド中に第3図柄表示装置81の表示画面に表示する内容を決定する処理であって、最終ラウンドにおける擬似停止演出処理(第2擬似停止演出処理)の演出内容が決定される処理である。
ラウンド演出処理5(S5309)が実行されると、まず、受信したラウンド数コマンドに基づいてラウンド数を抽出する(S5101)。そして、抽出したラウンド数が最終ラウンドであるかを判別する(S5151)。抽出したラウンド数が最終ラウンドではない場合は(S5151:No)、抽出したラウンド数に対応する表示用ラウンドコマンドを設定し(S5103)、本処理を終了する。
一方、S5151の処理において、抽出したラウンド数が最終ラウンドであると判別された場合は(S5151:Yes)、次に、確変通過フラグ223pがオンに設定されているかを判別する(S5104)。この確変通過フラグ223pは、主制御装置110から確変設定フラグ203hがオンに設定された場合、つまり、大当たり遊技終了後に確変状態が付与されることが確定した場合に出力されるコマンドを受信することで、コマンド判定処理5(図146のS1811)のS1919の処理にてオンに設定されるものである。
S5104の処理において、確変通過フラグ223pがオンに設定されていると判別された場合は(S5104:Yes)、図140(b)に示すように擬似停止図柄が「777」となる擬似演出に対応した表示用ラウンドコマンドを設定し(S5152)、確変通過フラグ223pをオフに設定する(S5106)。そして、本処理を終了する。
一方、S5104の処理において、確変通過フラグ223pがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別された場合は(S5104:No)、擬似停止図柄が「222」となる擬似演出に対応した表示用ラウンドコマンドを設定し(S5153)、本処理を終了する。
このように構成することで、大当たりに当選した場合に実行される第1擬似演出が終了してから大当たり遊技の最終ラウンドが開始されるまでの間に確変状態を付与可能な期間(確変入賞有効期間)に特定一般入賞口630aに球が入球し、大当たり終了後に確変状態が付与される状態となったか否かを、擬似図柄を用いた演出により遊技者に報知することが可能となる。
よって、遊技者は第3図柄表示装置81に表示される擬似演出(擬似図柄の変動演出)を見ることで、大当たり当選時に停止した大当たり図柄「222」が確変図柄「777」に昇格したと思わせることができる。よって、複雑な遊技性を有するパチンコ機10であっても、遊技者に遊技状態の移行をわかりやすく報知することができ、遊技者が遊技に飽きてしまうことを報知することができるという効果がある。
次に、図149を参照して、本実施形態のメイン処理にて実行される擬似演出処理(S1854)について説明をする。図149は擬似演出処理(S1854)の内容を示すフローチャートである。この擬似演出処理(S1854)は、大当たりに当選してから第1ゲート670に球が通過するまでの間に第3図柄表示装置81にて実行される擬似演出(第1擬似演出)の内容を決定する処理である。
擬似演出処理(S1854)が実行されると、まず、擬似演出フラグ223qがオンに設定されているかを判別する(S5401)。この擬似演出フラグ223qは大当たり関連処理(図147のS5912)にて大当たりコマンドを受信した場合にオンに設定されるフラグである。ここで、擬似演出フラグ223qがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合には(S5401:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S5401の処理にて擬似演出フラグ223qがオンに設定されていると判別した場合は(S5401:Yes)、次に、擬似演出実行中(擬似変動中)であるかを判別する(S5402)。この判別は、擬似演出を既に実行している状態で新たな擬似演出が開始されることを防止するために行われる処理であり、具体的には、擬似演出が実行中であることを示す演出中フラグ(図示せず)がオンに設定されているかを判別する。
擬似演出実行中であると判別された場合は(S5402:Yes)、新たな擬似演出を開始しないため、そのまま本処理を終了する。一方、擬似演出実行中では無いと判別された場合は(S5402:No)、擬似演出カウンタ223rの値が0であるかを判別する(S5403)。
S5403の処理において、擬似演出カウンタの値が0であると判別された場合は(S5403:Yes)、擬似演出回数設定テーブル222cに基づいて擬似演出回数を設定し(S5404)、本処理を終了する。一方、擬似演出カウンタ223rの値が0ではないと判別された場合、つまり、すでに擬似演出回数が設定されている場合は(S5403:No)、次に、擬似演出カウンタ223rの値が上限に到達しているかを判別する(S5405)。
S5405の処理において、擬似演出カウンタ223rの値が上限ではないと判別された場合は(S5405:No)、擬似停止図柄が「341」となる擬似演出に対応した表示用演出コマンドを設定し(S5406)、擬似演出カウンタ223rを1加算して(S5407)、本処理を終了する。
一方、S5405の処理において、擬似演出カウンタの値が上限であると判別された場合は(S5405:Yes)、次いで、オープニングフラグ223sがオンに設定されているかを判別する(S5408)。このオープニングフラグ223sは、コマンド判定処理5(図146参照)の大当たり関連処理(図147のS5912)にてオープニングコマンドを受信した場合にオンに設定されるフラグである。
ここで、S5408の処理において、オープニングフラグ223sがオンに設定されていると判別された場合は(S5408:Yes)、擬似停止図柄が「777」となる擬似演出に対応した表示用演出コマンドを設定し(S5409)、S5411へ移行する。
一方、S5408の処理において、オープニングフラグ223sがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別された場合は(S5408:No)、擬似停止図柄が「222」となる擬似演出に対応した表示用演出コマンドを設定し(S5410)、S5411へ移行する。
S5409またはS5410の処理を終えると、次いで擬似演出フラグ223qをオフに設定し(S5411)、オープニングフラグ223sをオフに設定する(S5412)。そして、擬似演出カウンタ223rの値を0にリセットし(S5413)、本処理を終了する。
以上、説明をしたように、本第5実施形態では、特別図柄の当否判定(抽選)により大当たりに当選しただけでは大当たり遊技が開始されず、大当たりに当選した状態で(大当たりフラグ203tがオンに設定されている状態で)、特定領域である第1ゲート670を球が通過することで大当たり遊技が実行されるように構成されている。
そして、大当たりに当選してから所定期間(例えば16秒)が経過すると開放状態となる貯留手段(第3貯留装置3600)が、第1ゲート670を通過した球が入球可能な位置に配置されており、貯留手段(第3貯留装置3600)が開放状態となることで球が入球可能な位置に特定一般入賞口630aが配置されている。
この特定一般入賞口630aは、大当たり遊技における確変入賞有効期間(1ラウンド目の開始から最終ラウンドの終了まで)内に球が入球することで、その大当たり遊技終了後に遊技者にとって有利となる特典(確変状態)が付与されるように構成されている。
これにより、大当たりに当選してから、第1ゲート670に球を通過させるまでに要する時間によって、大当たり終了後に確変状態が付与されるか否かが決定される。よって、遊技者に対して、大当たりに当選してから、第1ゲート670に球を通過させるまでの遊技を意欲的に行わせることができるという効果がある。
また、本実施形態では、大当たり遊技によって開放される可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)が開放している状態では入球困難となる位置に特定一般入賞口630aを配置しているため、大当たり遊技中に発射された球が特定一般入賞口630aに入球し難く構成されている。これにより、大当たり遊技終了後に確変状態が付与されるよう、大当たりに当選してから、第1ゲート670に球を通過させるまでの遊技をより意欲的に行わせることができるという効果がある。
さらに、本実施形態では、大当たり遊技中に開放される可変入賞装置が上下(球の流下方向の上流下流)に2つ設けられており、それぞれの可変入賞装置を交互に開放させることで、ラウンド間インターバルにおいて何れの可変入賞装置にも入賞しない球の発生を抑制している。これにより、大当たり遊技中(確変入賞有効期間中)に、特定一般入賞口630aに頻繁に球が入球してしまうことを抑制することができる。
また、大当たり種別や大当たりに当選した際の遊技状態(通常遊技状態または確変(時短)状態)に応じて、大当たり遊技のラウンド数や大当たり遊技のオープニング期間(非確変入賞有効期間)やラウンドインターバル期間の長さを異ならせている。これにより、大当たり遊技終了後に確変状態が付与されやすい大当たりと、大当たり遊技終了後に確変状態が付与され難い大当たりとを設定することができる。
さらに、本実施形態では、大当たり遊技中に開放される可変入賞装置(第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650)と特定一般入賞口630aとの間に、流下してきた球を複数の流路に振り分ける振分部材(第1振分部材3901および第2振分部材3902)を設けている。これにより、大当たり遊技中にタイミングよく閉鎖状態である可変入賞装置を通過した球が様々な流路に振分けられるため、特定一般入賞口630aに球が入球するか否かを予測することが困難となる。よって、遊技者は球の流下状況に注視することとなるため、大当たり遊技中に遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
さらに、上述した振分部材(第1振分部材3901および第2振分部材3902)は、複数の流路に対して球を規則的に振り分けることが可能に構成されている。よって、大当たり遊技中に所定個数(例えば4個)以上の球を振分部材へ流下させることで確実に特定一般入賞口630aへ入球させることができる。
なお、この振分部材(第1振分部材3901および第2振分部材3902)の構成として、球を振り分ける動作以外の作用(例えば、振分部材の近傍を流下する球の当接)によって、球の振り分け先を変更可能に構成してもよい。これにより、遊技者に対して振分部材の振分状況を予め把握されることを抑制することができるという効果がある。
なお、本実施形態では大当たりに当選した状態で大当たり遊技を開始させるために球を通過させる領域(第1ゲート670)が1つ設けられているが、この領域を複数設けてもよい。この場合、複数設けられた領域毎に球を通過させた場合に実行される大当たり遊技の内容を異ならせるとよい。
具体的には、大当たり遊技を実行させるための通過させる領域として第1領域と、その第1領域とは異なる第2領域を設け、第1領域に球を通過させた場合は確変入賞有効期間内に特定一般入賞口630aに球が入球する実質的な確率が50%となる大当たりが選択され、第2領域に球を通過させた場合は確変入賞有効期間内に特定一般入賞口630aに球が入球する実質的な確率が低い(20%)大当たりと高い(80%)大当たりとの何れかが選択されるように設定するとよい。さらに、第1領域または第2領域の何れの領域に球を通過させるかを遊技者が選択できるように構成するとよい。
このように構成することで、遊技者に対して異なる遊技性の大当たり遊技を提供することが可能となり、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。また、第1領域を通過させた場合の大当たりと第2領域を通過させた場合の大当たりとで、大当たり遊技のラウンド数や払い出される賞球数が異なるように設定してもよい。
また、本実施形態における第1振分部材3901おける第2振分部材3902は確変(時短)状態における右打ち遊技が実行される場合に発射された球が通過可能な遊技盤13の右側領域に設けられているため、特別図柄の大当たりに当選するために実行される右打ち遊技(第2入球口640に球を入球させる遊技機)を実行することで、第1振分部材3901および第2振分部材3902の振分状況が変化することになるため、遊技者に有利な状態(次に流下する球が第1ゲート670を通過する経路に振り分けられる状態)を維持しながら特別図柄を変動させることを防止することが可能となる。
なお、本実施形態では、第1ゲート670を通過した球を貯留(保持)するための貯留装置3600を設けることで、特定一般入賞口630aに球が入球するタイミングを規定していたが、貯留装置3600を設けなくてもよい。この場合、特定一般入賞口630aに球が入球するタイミングが不規則になるため、遊技者が遊技の結果を予測することが困難なパチンコ機10を提供することができるため、遊技が単調となり早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
<第3実施形態の変形例>
次に、図150を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10の変形例について説明する。上述した第3実施形態では、図96に示すように、第2貯留装置1600内を流下する球を複数の経路(1603〜1608)へと振り分ける構成として複数の振分部材900〜902を設け、複数の経路のうち、特定の経路(第7経路1607)に振り分けられた球が特定一般入賞口630aに入球するように構成していた。
これに対して、本第3実施形態の変形例では、第2貯留装置1600内を流下する球を複数の経路(1603〜1608)へと振り分ける構成として、複数の振分部材4900〜4902を設けている。この複数の振分部材は所定の周期(例えば、1秒周期)で遊技盤13に埋没することで球が通過可能な退避状態となる退避位置と、遊技盤13から突出することで球を誘導可能な誘導状態となる誘導位置(突出位置)とに可変可能に構成されており、それぞれの振分部材を異なるタイミングで退避位置と誘導位置とに可変させることで、第2貯留装置1600内を流下する球を複数の経路(1603〜1608)へと振り分け可能に構成されている。
次に、振分装置4900〜4902の構成について、図150を参照して説明をする。なお、振分装置4900〜4902の構成は同一であるため、ここでは振分装置4900の構成のみを説明し、その他の振分装置(4901および4902)についてはその詳細な説明を省略する。
まず、振分装置4900は、図示しないソレノイド(振分装置用ソレノイド)をオンに設定することで、遊技盤13から突出する突出位置へと可変し、振分装置用ソレノイドをオフに設定することで、遊技盤13に埋没する退避位置へと可変される。この振分装置用ソレノイドは、主制御装置110により動作制御されており、パチンコ機10に電源が投入されると、振分装置4900が1秒間隔で誘導位置と退避位置へと可変するように主制御装置110から振分装置用ソレノイドへと動作信号が出力されるよう構成されている。
図150に示す通り、振分部材4900の下方には球は第4経路1604を流下するように下り傾斜(図150の視点で右下傾斜)した転動面を有する転動板4900aが設けられている。この振分部材4900の上面(誘導位置において球が転動可能な面)は球が第3経路1603を流下するよう下り傾斜(図150の視点で左下傾斜)の転動面が形成されている。
これにより、振分部材4900が突出している状態では球を第3経路1603へと誘導し、振分部材4900が埋没している退避状態では、球を第4経路1604へ誘導することになる。よって、振分部材4900の状態を切り替えることで、球の経路を複数に振り分けることができ、球を振り分けるための構成を簡素化することができるという効果がある。
さらに、本変形例では3つの振分部材(4900〜4902)を設けており、夫々の振分部材が異なるタイミングで誘導状態と退避状態とに可変されるように構成されている。具体的には、振分部材4900は、パチンコ機10の電源がオンに設定されてから、退避位置(1秒)、誘導位置(1秒)が繰り返されるように可変され、振分部材4901は、パチンコ機10の電源がオンに設定されてから誘導位置(1.5秒)、規制位置(1秒)が繰り返されるように可変され、振分部材4902は、退避位置(0.5秒)、誘導位置(0.5秒)が繰り返されるように可変される。
上述した各振分部材への可変制御は、パチンコ機10の電源がオンに設定されている間、遊技状態に関わらず常に一定の動作がされるよう構成されている。また、夫々の振分部材への可変タイミングは、主制御装置110のROM202に規定されている振分部材可変シナリオ(図示せず)に基づいて、主制御装置110のRAM203に設けられたカウンタ(図示せず)を更新することで判別している。
次に、図150を参照して本変形例における第2貯留装置1600内の球流れについて説明をする。まず、第1流路1601は上述した第3実施形態と同様に貯留されている球が0.5秒間隔で流下するよう(開放状態の貯留弁1601aを通過するよう)に経路が形成されており、第1流路1601を通過した球は振分部材4900に向けて流下する。振分部材4900が退避位置に可変している状態では球が転動板4900a上に落下し、転動板4900aの転動面を流下し、第4流路1604へと流下する。
第4流路1604へと流下した球は、第2流路1602を経由して振分部材4901へと流下する。振分部材4901が退避位置に可変している場合(2.5秒中の1秒)は、転動板4901a上に落下し、転動板4901aの転動面を流下し第6流路1606へと流下する。
一方、振分部材4901が誘導位置に可変している場合(2.5秒中の1.5秒)は、振分部材4901の転動面を流下して第5流路1605へと流下する。そして第5流路1605を流下した球は一般入賞口630bへ入球する。
次に、振分部材4900が誘導位置の場合(2秒中の1秒)に第1流路1601から球が流下してくると、振分部材4900の転動面を流下して第3流路1603を経由して振分部材4902へと流下する。振分部材4902が退避位置に可変している場合(1秒中の0.5秒)は振分部材4902の下方に設けられた転動板4902aの転動面を流下して第8流路1608を流下する。第8流路1608を流下した球は一般入賞口630bへ入球する。
一方、振分部材4902が誘導位置に可変している場合(1秒中の0.5秒)は、振分部材4902の転動面を流下して第7流路1607を流下し、特定一般入賞口630aへ入球する。
このように、本変形例の第2貯留装置1600は、複数の経路に球を振り分けるための構成として、球の振り分け先となる経路が可変制御により切り替わる(予め定められた条件により切り替わる)振分部材(4900〜4902)を設け、夫々の振分部材が振り分け先の経路を切り替えるタイミング(条件)を異ならせることで、複数の経路に球が振り分けられる構成とすることで、所定のタイミング(誘導位置の振分部材4900を流下し、且つ誘導位置の振分部材4902を流下するタイミング)で球が流下した場合に特定一般入賞口630aに球が入球可能となる。
このように構成することで、上述した第3実施形態の構成(振分部材900〜902)とは異なり、第2貯留装置1600内に流入した球数(第1流路1601を通過する球数)が所定数(第3実施形態では4個)となったとしても特定一般入球口630aに球が流入することが確定しないため、特定一般入賞口630aに球を入球させる遊技を複雑にすることができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
また、上述した第3実施形態の構成(振分部材900〜902)では、球が振分部材900〜902を通過することで、次の球がどの経路に振り分けられるかが決定される構成であったが、本変形例の構成(振分部材4900〜4902)では、球が流下するタイミングによって振り分けられる経路が決定されるため、遊技者に有利な状態(次の球が特定一般入賞口630aに入球する振分部材の状態)を維持した状態で遊技が実行されることを抑制することができる。
さらに、本変形例では、貯留弁1601aにより第2貯留装置1600内に4個の球を貯留可能に構成されており、第2貯留装置1600内に4個の球が貯留されている状態で貯留弁1601aが開放(解除)されると、振分部材4900に向けて0.5秒間隔で貯留されていた4個の球が流下するように構成されている。そして、0.5秒間隔で4個の球が流下することにより、4個の球のうち1個の球が特定一般入賞口630aに入球するように振分部材4900および4902の可変タイミングが設定されている。
具体的には、振分部材4900は退避位置と規制位置とに1秒間隔で交互に可変するよう構成されているため、0.5秒間隔で連続して4個の球が流下すると、そのうちの2個の球が特定一般入賞口630aへ入球可能な第3経路1603へと振り分けられることになる。その第3経路1603に振り分けられる2個の球は、0.5秒間隔(連続する球)または1.5秒間隔(1個目と4個目のパターン)で流下することになる。そして、第3流路1603を所定の間隔(0.5秒間隔または1.5秒間隔)で流下した球は、振分部材4902に到達する。振分部材4902は退避位置と規制位置とに0.5秒間隔で交互に可変するように構成されているため、0.5秒間隔または1.5秒間隔で球が流下した場合に、少なくとも1個の球は、誘導位置である振分部材4902の転動面を流下して特定一般入賞口630aに入球する。
このように構成することで、不規則なタイミングで第2貯留装置1600に球を入球させる場合は、どの球が特定一般入球口630aに入球するのかを遊技者に予測され難い第2貯留装置1600となり、さらに、第2貯留装置1600内に球を貯留させることで規則的なタイミングで(0.5秒間隔で)所定数(4個)の球を流下させることで、球を確実に特定一般入賞口630aに入球させることができる。
よって、貯留弁1601aが開放(解除)されている状態では、なるべく多くの球を第2貯留装置1600に流入させるために意欲的に遊技が実行され、また、貯留弁1601aが閉鎖されている状態では、上限量の球を貯留させようと意欲的に遊技者実行されることとなり、どの遊技状態においても遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
さらに、本変形例では遊技盤13の右側領域に設けられた複数の釘(P2等)により、第2貯留装置1600へ流入する球の流入タイミングを不規則にしているため、遊技者にとって有利なタイミング(特定一般入賞装置630aへ入球可能なタイミング)を容易に狙われてしまうことを防ぐことができる。
また、本変形例では、第2貯留装置1600内の複数の経路のうち、遊技者に有利となる経路(第7経路)は、複数の振分部材を可変させるソレノイド(振分部材用ソレノイド)がオンに設定される必要がある。つまり、断線によりソレノイドがオンに設定されない状態、つまり、不具合が発生した状態において、特定一般入賞口630aに球が入球することが無いように構成されている。これにより、公正な遊技を提供することができるという効果がある。これ以外にも、複数の振分部材を用いて特定一般入賞口630aへの経路を構成する場合では、一方の振分部材をソレノイドがオンに設定されている状態で流下し、他方の振分部材をソレノイドがオフに設定されている状態で流下することで特定一般入賞口630aへ球が入球するように構成してもよい。
また、本変形例で用いた振分部材4900〜4902を用いた構成をその他の実施形態(例えば、第4実施形態や第5実施形態)に追加して組み合わせてもよいし、既存の構成を削除して新たに設けても良い。
<第4実施形態の変形例>
次に、図151を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10の変形例について説明する。上述した第4実施形態では、図120に示すように第2可変入賞装置650の下方に、振分装置2600を設けていた。この振分装置2600には球が流下可能な流路が複数設けられており、流下する流路によって球が特定一般入賞口(確変入賞口)630aや第2入球装置640に入球可能に構成していた。それに対して、本変形例では図151に示す通り、第2可変入賞装置650の真下に配置されている。
このように構成することで、大当たり遊技が実行されオープニング期間中(第1可変入賞装置65または第2可変入賞装置650が開放動作されていない期間中)に閉鎖状態である第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650を通過した球がラウンド遊技中(第1可変入賞装置65または第2可変入賞装置650が開放動作されている間)、つまり、確変入賞有効期間中に特定一般入賞口630aに入球してしまう事態を抑制することができる。
また、本変形例では、上述した第4実施形態とは異なり、奇数ラウンド目のラウンド遊技にて下方に設けられた第2可変入賞装置650が開放され、偶数ラウンド目のラウンド遊技にて第1可変入賞装置65が開放されるよう可変入賞装置の開放シナリオが設定されている。このように構成することで、1ラウンド目に開放動作される可変入賞装置(第2可変入賞装置650)と、特定一般入賞口630aとの距離を短くすることができるため、大当たり遊技が実行されオープニング期間中(第1可変入賞装置65または第2可変入賞装置650が開放動作されていない期間中)に閉鎖状態である第1可変入賞装置65および第2可変入賞装置650を通過した球がラウンド遊技中(第1可変入賞装置65または第2可変入賞装置650が開放動作されている間)、つまり、確変入賞有効期間中に特定一般入賞口630aに入球してしまう事態を、より、抑制することができる。
また、第1可変入賞装置65と第2可変入賞装置650との間に球の流下経路を振り分けるための釘が植設されており、この釘を調整することで、閉鎖状態である第2可変入賞装置650を通過する球が特定一般入賞口630aに入球する割合を変更することが可能となる。
以上、説明をした第3実施形態〜第5実施形態、および、その変形例では、複数の経路に対して球を交互に振り分ける振分部材(900、1901、3901)を複数設け、様々な経路に対して球を振り分けるように構成しているが、様々な経路に対して球を振り分ける構成であればそれ以外の構成を用いても良い。
例えば、振分部材の代わりに、遊技盤13に埋没または突出可能な誘導部材を設け、その誘導部材の状態(埋没状態または突出状態)によって、球の経路が切り替わるようにしてもよい。この場合、誘導部材を複数設け、その各誘導部材の動作タイミングを所定のタイミングで異なるように設定するとよい。
具体的には、球の流下方向の上流側に第1誘導部材を設け、その下流側に第2誘導部材を設ける。そして、パチンコ機10の電源がオンに設定されてから常時1秒間隔で突出状態と埋没状態とに可変させるよう第1誘導部材を可変制御し、パチンコ機10の電源がオンに設定されてから常時0.5秒間隔で突出状態と埋没状態とに可変させるよう第2誘導部材を可変制御するように構成し、第1誘導部材および第2誘導部材がともに埋没状態となる所定のタイミングにおいて、特定一般入賞口630aに球が入球可能となるように構成するとよい。このように構成することで、第1誘導部材と第2誘導部材とから構成される経路(誘導機構)は2秒のうち0.5秒の間が、特定一般入賞口630aに球が入球可能な期間となる。
このような構成を上述した第3実施形態の振分部材(900〜902)に代えて用いることで、第2貯留装置1600内を流下した球を複数の経路に振り分ける(誘導する)ことが可能となるとともに、振分部材900〜902を用いた場合とは異なり、特定一般入賞口630aに球が入球可能となる状態を維持することができないため、特定一般入賞口630aに球を入球させる遊技性をより複雑にすることができる。
また、第2貯留装置1600に上限量(4個)の球を貯留させた状態で貯留弁1601aが解除(開放)されると、貯留されていた球は約0.5秒間隔で第2貯留装置内を流下するため、貯留されていた球のうち何れか1個は、特定一般入賞口630aに入球させることができる。よって、第2貯留装置1600に上限量まで球を貯留させることで確実に特定一般入賞口630aに球を入球させることができるため、遊技者に安心感を与えることができるという効果がある。言い換えると、安心して大当たり遊技を行うために、遊技者に対して、第2貯留装置1600に上限量の球が貯留されるまで遊技を継続して行わせることができ、遊技の稼働を高めることができるという効果がある。
なお、第2貯留装置1600に貯留可能な個数として、本実施形態では貯留された球が確実に特定一般入賞口630aに入球可能な個数としているが、それに限られることは無く、上限量を3個にしてもよい。このように構成したとしても、所定間隔(例えば0.5秒間隔)で3個の球を流下させることができるため、貯留機能を持たずに不規則なタイミングで誘導装置に3個の球を流下させるよりは特定一般入賞口630aに球を入球させる確率を高めることができる。
また、第2貯留装置1600に貯留可能な個数を4個よりも多くしてもよい。このように構成することで、より確実に特定一般入賞口630aへ球を入球させることができる。
上記各実施形態では、各入球口(入賞口)へと球が入球した場合に、入球口(入賞口)の種別に応じた個数の賞球が払い出されるように構成されていたが、これに限られるものではない。例えば、封入式のパチンコ機等の遊技価値として賞球が付与されないタイプのパチンコ機に適用し、例えば、球が入球した入球口(入賞口)の種別に応じて遊技に用いるプリペイドカードの残高を増加させるように構成してもよい。
上記した各実施形態の全部または一部をそれぞれ組み合わせても良い。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(大当たり時に保留装置へ入球した球に対して賞球を付与する)
遊技球が流下可能な第1流路と第2流路とに分岐した特定流路と、前記第1流路を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられた入球手段と、その入球手段に遊技球が入球することに基づいて、前記第2流路を遊技球が流下した場合に比較して遊技者に有利となる特定の特典を付与する特定特典付与手段と、前記特定流路へと流入した遊技球が前記第1流路に振り分けられやすくなる第1振り分け状態と、その第1振り分け状態に比較して遊技球が前記第2流路に振り分けられやすくなる第2振り分け状態とに可変可能な流路振り分け手段と、その流路振り分け手段の状態を、遊技状態に応じて少なくとも前記第1振り分け状態と前記第2振り分け状態とに設定可能な設定手段とを備えることを特徴とする遊技機A1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技球が特定の入賞口へと入賞することに基づいて当たりとなるか否かの抽選を行うものがある。また、特定の入賞口以外にも、球が入賞することにより賞球が払い出される複数の入賞口が設けられているものが知られている。この従来型の遊技機には、入賞口の種別に応じて払い出される賞球数を異ならせることで、遊技者が遊技球を射出する方向に応じて獲得可能な賞球数を変更できるものがある(例えば、特開2001−129177号公報)。
しかしながら、当たりとなることにより獲得できる賞球の方が、入賞口へと入賞することにより払い出される賞球よりも多量となることが一般的なので、遊技者は通常、当たりとなるか否かの抽選を実行させる契機となる特定の入賞口を狙って遊技球を打ち出す。つまり、当たりとなるまで遊技者が同じ方向に遊技球を打ち出し続けるのが一般的だった。よって、遊技者が同じ方向へと球を打ち出すことにより、同じ入賞口へ球が入賞し続けてしまい、払い出される賞球数も変化に乏しくなってしまう場合があった。即ち、遊技が単調となってしまう虞があった。
これに対して遊技機A1によれば、特定流路が第1流路と第2流路とに分岐している。第1流路を流下した遊技球が入球可能な位置に入球手段が設けられ、その入球手段に遊技球が入球することに基づいて、第2流路を遊技球が流下した場合に比較して遊技者に有利となる特定の特典が所定特典付与手段により付与される。特定流路へと流入した遊技球が第1流路に振り分けられやすくなる第1振り分け状態と、その第1振り分け状態に比較して遊技球が第2流路に振り分けられやすくなる第2振り分け状態とに流路振り分け手段が可変される。流路振り分け手段の状態は、遊技状態に応じて設定手段により少なくとも第1振り分け状態と第2振り分け状態とに可変される。
これにより、流路振り分け手段が第1振り分け状態に設定される遊技状態では、特定流路へと遊技球が流入することにより特定の特典が付与されやすくなり、第2振り分け状態に設定される遊技状態では特定の特典が付与されにくくなる。よって、遊技者が特定流路へ向けて遊技球を打ち出したとしても、遊技状態に応じて付与される特典を異ならせることができるので、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機A1において、前記第2流路を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられた通常入球手段と、その通常入球手段へと遊技球が入球することに基づいて所定の遊技価値を付与する遊技価値付与手段とを備え、前記特定特典付与手段は、前記特定の特典として前記所定の遊技価値よりも多い遊技価値を付与するものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2流路を流下した遊技球が入球可能な位置に通常入球手段が設けられ、その通常入球手段へと遊技球が入球することに基づいて遊技価値付与手段により所定の遊技価値が付与される。特定特典付与手段により、特定の特典として所定の遊技価値よりも多い遊技価値が付与される。
これにより、流路振り分け手段が第1振り分け状態に設定される遊技状態では、第2振り分け状態に設定される遊技状態に比較して、遊技球が特定流路へと流入した場合により多くの遊技価値を獲得しやすくなる。よって、遊技状態に応じて付与される遊技価値を異ならせることができるので、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機A1又はA2において、抽選条件の成立に基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果となることに基づいて前記遊技状態を遊技者に有利な特典遊技状態に設定する遊技状態設定手段と、を備え、前記設定手段は、前記遊技状態設定手段により前記特典遊技状態に設定されたことに基づいて、前記流路振り分け手段の状態を前記第1振り分け状態に設定するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1又はA2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、抽選条件の成立に基づいて抽選手段により抽選が実行され、その抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果となることに基づいて遊技状態が遊技状態設定手段により遊技者に有利な特典遊技状態に設定される。遊技状態設定手段により特典遊技状態に設定されたことに基づいて、流路振り分け手段の状態が設定手段により第1振り分け状態に設定される。
これにより、遊技状態が特典遊技状態に設定された場合は、その特典遊技状態によって遊技者に有利となることに加え、特定流路へと遊技球が流入することでより多くの遊技価値が付与されやすくなる。よって、特典遊技状態を遊技者にとってより有利な状態とすることができる。従って、遊技者の特典遊技状態に対する期待感を向上させることができるという効果がある。
遊技機A3において、遊技球が入球可能な第1入球状態と、その第1入球状態に比較して遊技球が入球し難い第2入球状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段へと遊技球が入球することに基づいて特定の遊技価値を付与する特定価値付与手段と、前記遊技状態設定手段により前記特典遊技状態に設定されたことに基づいて、前記可変入球手段を前記第1入球状態へと所定条件が成立するまで可変させる可変制御手段とを備えることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な第1入球状態と、その第1入球状態に比較して遊技球が入球し難い第2入球状態とに可変入球手段が可変され、その可変入球手段へと遊技球が入球することに基づいて特定価値付与手段により特定の遊技価値が付与される。遊技状態設定手段により特典遊技状態に設定されたことに基づいて、可変制御手段により可変入球手段が第1入球状態へと所定条件が成立するまで可変される。
これにより、特典遊技状態において可変入球手段へと遊技球が入球可能となるので、可変入球手段を狙って球を打ち出すことにより特定の遊技価値を獲得することができる。従って、特典遊技状態において、遊技者に対してより多くの遊技価値を獲得させることができるので、遊技者の特典遊技状態に対する期待感をより高めることができるという効果がある。
遊技機A2からA4のいずれかにおいて、前記遊技価値付与手段は、遊技球が前記通常入球手段に入球した場合に、前記所定の遊技価値として所定量の遊技媒体を付与するものであり、前記特定特典付与手段は、遊技球が前記入球手段に入球した場合に、前記特定の特典として前記所定量よりも多い量の遊技媒体を付与することを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A2からA4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技価値付与手段により、遊技球が通常入球手段に入球した場合に、所定の遊技価値として所定量の遊技媒体が付与される。特定特典付与手段により、遊技球が入球手段に入球した場合に、特定の特典として所定量よりも多い量の遊技媒体が付与される。
これにより、付与された遊技媒体により遊技者に遊技を行わせることができるので、より長く遊技を行わせることができる。よって、遊技機の稼働率を向上させることができるという効果がある。
遊技機A4又はA5において、前記可変制御手段は、前記遊技状態設定手段により前記特典遊技状態に設定されたことに基づいて前記可変入球手段を前記第2入球状態から前記第1入球状態へと所定回数可変させるものであり、前記遊技状態設定手段は、前記可変制御手段により前記可変入球手段が前記所定回数可変されることに基づいて前記特典遊技状態とは異なる前記遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A4又はA5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態設定手段により特典遊技状態に設定されたことに基づいて可変入球手段が可変制御手段により第2入球状態から第1入球状態へと所定回数可変される。可変制御手段により可変入球手段が所定回数可変されることに基づいて遊技状態設定手段により前記特典遊技状態とは異なる遊技状態が設定される。
これにより、1の特典遊技状態において、可変入球手段へと球を入球させる機会が遊技者に対して所定回数与えられるので、遊技者に対して特定の遊技価値をより多く獲得させることができる。よって、遊技者の特典遊技状態に対する期待感をより高めることができるという効果がある。
遊技機A4からA6のいずれかにおいて、前記特定価値付与手段は、前記特定の遊技価値として特定量の遊技媒体を付与するものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A4からA6のいずれかが奏する効果に加え、特定価値付与手段により特定の遊技価値として特定量の遊技媒体が付与されるので、付与された遊技媒体により遊技者に遊技を行わせることができる。よって、遊技者に対してより長く遊技を行わせることができるので、遊技機の稼働率を向上させることができるという効果がある。
遊技機A4からA7のいずれかにおいて、遊技球を前記特定流路へと誘導可能な誘導流路を備え、前記可変入球手段は、前記誘導流路へと流入した遊技球のうち前記特定流路へと流入しなかった遊技球が入球可能な位置に設けられているものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A4からA7の奏する効果に加え、遊技球が誘導流路により特定流路へと誘導され、その誘導流路へと流入した遊技球のうち特定流路へと流入しなかった遊技球が入球可能な位置に可変入球手段が設けられているので、遊技者は特典遊技状態において誘導流路へと遊技球を打ち出すだけで、特定流路と可変入球手段とに球を流入させることができる。よって、特典遊技状態において、特定の特典と特定の遊技価値とを獲得させることができるので、特典遊技状態における遊技者のメリットをより多くすることができる。従って、遊技者の特典遊技状態に対する期待感をより高めることができるという効果がある。
遊技機A4からA8のいずれかにおいて、前記可変入球手段へと入球した遊技球の個数を計数する計数手段を備え、前記可変制御手段は、少なくとも前記計数手段により計数された個数が所定個数となったことに基づいて前記可変入球手段を前記第2入球状態へと可変させるものであり、前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技状態において特定条件が成立することにより、前記特典遊技状態とは異なる前記遊技状態を設定するものであり、前記設定手段は、前記特典遊技状態が設定されてから前記特定条件が成立するまでの間の少なくとも所定期間において前記流路振り分け手段を前記第1振り分け状態に設定するものであることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A4からA8のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変入球手段へと入球した遊技球の個数が計数手段により計数される。少なくとも計数手段により計数された個数が所定個数となったことに基づいて可変入球手段が可変制御手段により第2入球状態へと可変される。特典遊技状態において特定条件が成立することにより、遊技状態設定手段により特典遊技状態とは異なる遊技状態が設定される。特典遊技状態が設定されてから特定条件が成立するまでの間の少なくとも所定期間において設定手段により流路振り分け手段が第1振り分け状態に設定される。
これにより、遊技者が特定の遊技価値を獲得できる機会を所定個数の遊技球が可変入球手段へと入球するまでに限ることができる。よって、所定個数となる前により多くの遊技球が特定流路へと流入し、特定の特典がより多くの回数付与されることを願って特典遊技状態中に遊技を行わせることができる。よって、遊技者の特典遊技状態に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A3からA9のいずれかにおいて、前記通常入球手段に遊技球が入球したことを検出する入球検出手段と、その入球検出手段により前記特典遊技状態中に前記通常入球手段へと遊技球が入球したことを検出した場合に、所定の報知を実行する報知手段とを備えることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A3からA9のいずれかが奏する効果に加え、通常入球手段に遊技球が入球したことが入球検出手段により検出され、その入球検出手段により特典遊技状態中に通常入球手段へと遊技球が入球したことを検出した場合に、報知手段により所定の報知が実行されるので、特典遊技状態に設定されたにもかかわらず流路振り分け手段が第1振り分け状態に設定されない不具合が生じた場合に、所定の報知によって不具合を遊技者やホールの店員に対して認識させることができる。よって、不具合を迅速に解消させることができるという効果がある。
遊技機A1からA10のいずれかにおいて、前記第1流路は、前記第2流路に比較して前記特定流路へと流入した遊技球が流入しやすい位置に設けられているものであり、前記流路振り分け手段は、前記第1振り分け状態として前記第1流路を開放し、前記第2振り分け状態として前記第1流路を閉鎖するものであり、前記第2流路は、前記第1流路が閉鎖されている状態で前記特定流路へと流入した遊技球が誘導されやすい位置に設けられていることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技機A1からA10のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2流路に比較して特定流路へと流入した遊技球が流入しやすい位置に第1流路が設けられている。流路振り分け手段により第1振り分け状態として第1流路が開放され、第2振り分け状態として第1流路が閉鎖される。第1流路が閉鎖されている状態で特定流路へと流入した遊技球が誘導されやすい位置に第2流路が設けられている。
これにより、第1流路が閉鎖されているか否かに応じて特定流路へと流入した遊技球が流下する流路を変更することができる。よって、特定流路へ向けて遊技球を打ち出し続けたとしても、特定の特典が付与されたり、付与されなかったりするので、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機A11において、前記流路振り分け手段は、前記第2振り分け状態として前記第1流路を閉鎖した場合に、その閉鎖位置よりも上流側に遊技球を所定の上限個数まで保持可能なものであり、前記第2流路は、前記第1流路上に所定の上限個数の遊技球が保持されている状態において、その保持されている遊技球と前記特定流路に流入した遊技球とが接触して流下方向が変化することに基づいて流入しやすくなる位置に設けられているものであることを特徴とする遊技機A12。
遊技機A12によれば、遊技機A11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2振り分け状態として第1流路を閉鎖した場合に、流路振り分け手段により閉鎖位置よりも上流側に遊技球が所定の上限個数まで保持される。第1流路上に所定の上限個数の遊技球が保持されている状態において、その保持されている遊技球と特定流路に流入した遊技球とが接触して流下方向が変化することに基づいて流入しやすくなる位置に第2流路が設けられている。
これにより、特定流路へ向けて遊技球を打ち出し続けたとしても、特定の特典が付与されたり、付与されなかったりするので、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機A1からA12のいずれかにおいて、画像を表示する表示手段と、その表示手段に対して前記流路振り分け手段の状態に応じた画像を表示するように制御する表示制御手段とを備えることを特徴とする遊技機A13。
遊技機A13によれば、遊技機A1からA12のいずれかが奏する効果に加え、表示手段に対して流路振り分け手段の状態に応じた画像が表示されるように表示制御手段により制御されるので、遊技者に対して流路振り分け手段の状態を容易に認識させることができるという効果がある。
遊技機A13において、前記表示制御手段は、前記設定手段により前記流路振り分け手段が第1振り分け状態に設定されることに基づいて、前記特定流路へと遊技球が流入した場合に前記特定の特典が付与されやすいことを示唆する画像を表示させるものであることを特徴とする遊技機A14。
遊技機A14によれば、遊技機A13の奏する効果に加え、設定手段により流路振り分け手段が第1振り分け状態に設定されることに基づいて、特定流路へと遊技球が流入した場合に特定の特典が付与されやすいことを示唆する画像が表示制御手段により表示される。これにより、遊技者が初心者であっても特定流路へ遊技球が流入した場合のメリットを容易に理解させることができるという効果がある。
<特徴B群>(保留装置に保留された球で他の球の流路を切り替える)
遊技球が流下可能な第1流路と第2流路とを少なくとも含む複数の流路に分岐した特定流路と、前記第1流路を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられている第1入球手段と、その第1入球手段へと遊技球が入球することに基づいて第1の遊技価値を付与する第1付与手段と、前記第2流路を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられた第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球することに基づいて前記第1付与手段により付与される前記第1の遊技価値とは異なる第2の遊技価値を付与する第2付与手段と、前記第1流路へと流入した少なくとも1の遊技球を前記第1流路上に保持可能な第1位置と、その第1位置に比較して前記第1流路へと流入した遊技球が前記第1流路上に保持され難い第2位置とに可変可能な可変手段と、その可変手段を所定条件の成立に基づいて前記第1位置から前記第2位置へと切り替える切替手段とを備え、前記可変手段は、遊技球を保持することでその保持している遊技球により前記第2流路へと遊技球を誘導し易くするものであることを特徴とする遊技機B1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技球が特定の入賞口へと入賞することに基づいて当たりとなるか否かの抽選を行うものがある。また、特定の入賞口以外にも、球が入賞することにより賞球が払い出される複数の入賞口が設けられているものが知られている。この従来型の遊技機には、入賞口の種別に応じて払い出される賞球数を異ならせることで、遊技者が遊技球を射出する方向に応じて獲得可能な賞球数を変更できるものがある(例えば、特開2001−129177号公報)。
しかしながら、当たりとなることにより獲得できる賞球の方が、入賞口へと入賞することにより払い出される賞球よりも多量となることが一般的なので、遊技者は通常、当たりとなるか否かの抽選を実行させる契機となる特定の入賞口を狙って遊技球を打ち出す。つまり、当たりとなるまで遊技者が同じ方向に遊技球を打ち出し続けるのが一般的だった。よって、遊技者が同じ方向へと球を打ち出すことにより、同じ入賞口へ球が入賞し続けてしまい、払い出される賞球数も変化に乏しくなってしまう場合があった。即ち、遊技が単調となってしまう虞があった。
これに対して遊技機B1では、特定流路が第1流路と第2流路とを少なくとも含む複数の流路に分岐している。第1流路を流下した遊技球が入球可能な位置に第1入球手段が設けられ、その第1入球手段へと遊技球が入球することに基づいて第1付与手段により第1の遊技価値が付与される。また、第2流路を流下した遊技球が入球可能な位置に第2入球手段が設けられ、その第2入球手段へと遊技球が入球することに基づいて第1付与手段により付与される第1の遊技価値とは異なる第2の遊技価値が第2付与手段により付与される。第1流路へと流入した少なくとも1の遊技球を第1流路上に保持可能な第1位置と、その第1位置に比較して第1流路へと流入した遊技球が第1流路上に保持され難い第2位置とに可変手段が可変される。所定条件の成立に基づいて可変手段が第1位置から第2位置へと切替手段により切り替えられる。ここで、遊技球が可変手段により保持されると、その保持されている遊技球により第2流路へと遊技球が誘導されやすくなる。
これにより、遊技者が特定流路へ向けて遊技球を発射し続けたとしても、所定条件が成立しているか否かに応じて特定流路へと流入した遊技球が入球する入球手段を異ならせることができる。よって、所定条件が成立しているか否かに応じて、遊技者が獲得する遊技価値を第1の遊技価値と第2の遊技価値とに可変させることができる。従って、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機B1において、前記第1付与手段により付与される前記第1の遊技価値は、前記第2付与手段により付与される前記第2の遊技価値よりも遊技価値が多いものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1付与手段により付与される第1の遊技価値は、第2付与手段により付与される第2の遊技価値よりも遊技価値が多くなるように構成されているので、遊技者に対して所定条件が成立した状態で特定流路へと遊技球を流入させたいと感じさせることができる。よって、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機B1又はB2において、抽選条件の成立に基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果となることに基づいて遊技者に有利な特典遊技状態に設定する遊技状態設定手段と、遊技球が入球可能な第1入球状態と、その第1入球状態に比較して遊技球が入球し難い第2入球状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段へと遊技球が入球することに基づいて特定の遊技価値を付与する特定価値付与手段と、前記遊技状態設定手段により前記特典遊技状態に設定されたことに基づいて、前記可変入球手段を前記第1入球状態へと所定条件が成立するまで可変させる可変制御手段とを備え、前記切替手段は、前記遊技状態設定手段により前記特典遊技状態に設定されたことに基づいて、前記可変手段を前記第1位置から前記第2位置へと切り替えるものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、抽選条件の成立に基づいて抽選手段により抽選が実行され、その抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果となることに基づいて遊技状態が遊技状態設定手段により遊技者に有利な特典遊技状態に設定される。遊技球が入球可能な第1入球状態と、その第1入球状態に比較して遊技球が入球し難い第2入球状態とに可変入球手段が可変され、その可変入球手段へと遊技球が入球することに基づいて特定価値付与手段により特定の遊技価値が付与される。遊技状態設定手段により特典遊技状態に設定されたことに基づいて、可変入球手段が可変制御手段により所定条件が成立するまで第1入球状態へと可変される。
これにより、特典遊技状態において可変入球手段へと遊技球が入球することにより遊技者が特定の遊技価値を獲得できることに加えて、第1入球手段へと遊技球が入球することにより遊技者が第1の遊技価値を獲得できる。よって、特典遊技状態における遊技者のメリットを増やすことができるので、遊技者の特典遊技状態に対する期待感をより高めることができるという効果がある。
遊技機B3において、遊技球を前記特定流路へと誘導可能な誘導流路を備え、前記可変入球手段は、前記特定流路へと流入せずに前記誘導流路を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられているものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が誘導流路により特定流路へと誘導される。特定流路へと流入せずに誘導流路を流下した遊技球が入球可能な位置に可変入球手段が設けられている。
これにより、遊技者は特典遊技状態において誘導流路へと遊技球を打ち出すだけで、特定流路と可変入球手段とに球を流入させることができる。よって、特典遊技状態において、第1の遊技価値と特定の遊技価値とを獲得させることができるので、特典遊技状態における遊技者のメリットをより多くすることができる。従って、遊技者の特典遊技状態に対する期待感をより高めることができるという効果がある。
遊技機B1からB4のいずれかにおいて、前記特定流路における前記複数の分岐した流路の一つである第3流路と、その第3流路を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられた第3入球手段と、その第3入球手段へと遊技球が入球することに基づいて、前記第2付与手段により付与される前記第2の遊技価値とは異なる第3の遊技価値を付与する第3付与手段と、を備え、前記可変手段は、遊技球を保持することでその保持している遊技球により前記第2流路と前記第3流路とに遊技球を誘導し易くするものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B1からB4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。特定流路における複数の分岐した流路の一つとして第3流路が設けられている。第3流路を流下した遊技球が入球可能な位置に第3入球手段が設けられている。第3入球手段へと遊技球が入球することに基づいて、第2付与手段により付与される第2の遊技価値とは異なる第3の遊技価値が第3付与手段により付与される。可変手段により遊技球が保持されることでその保持されている遊技球により第2流路と第3流路とに遊技球が誘導される。
これにより、可変手段により遊技球が保持されている場合は、特定流路へと流入した遊技球が、第2入球手段と、第3入球手段とのいずれにも入球し得る状態となる。即ち、互いに遊技価値の異なる第2の遊技価値と、第3の遊技価値との一方を遊技者が獲得し得る状態となるので、遊技者が獲得する遊技価値にランダム性を持たせることができる。一方、可変手段が第2位置に可変された場合は、特定流路へと流入した遊技球が第1入球手段へ入球することにより第1付与手段により第1の遊技価値が付与されるので、遊技者が獲得する遊技価値を安定させることができる。よって、所定条件が成立しているか否かに応じて、異なる遊技性を実現することができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B5において、前記第3付与手段により付与される前記第3の遊技価値は、前記第1付与手段により付与される前記第1の遊技価値よりも遊技価値が多いものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、第3付与手段により付与される第3の遊技価値は、第1付与手段により付与される第1の遊技価値よりも遊技価値が多くなるように構成されているので、可変手段により遊技球が保持されている状態において、遊技球が第3流路を流下することを期待させることができる。よって、特定流路へと流入した遊技球の進行方向を遊技者に対してより興味深く観察させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B5又はB6において、前記可変手段は、前記第1流路上に遊技球を保持する場合に、その保持される遊技球の配置として少なくとも前記特定流路へと流入した遊技球が前記第2流路へと誘導されやすくなる第1の配置と、その第1の配置に比較して前記第3流路へと誘導されやすくなる第2の配置とで保持可能なものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B5又はB6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変手段により第1流路上に遊技球が保持される場合に、その保持される遊技球の配置として少なくとも特定流路へと流入した遊技球が第2流路へと誘導されやすくなる第1の配置と、その第1の配置に比較して第3流路へと誘導されやすくなる第2の配置とで保持される。
これにより、遊技球の配置を確認するだけで遊技者が遊技球の流入しやすい流路を判別することができるという効果がある。
遊技機B7において、前記可変手段により保持されている遊技球の配置が前記第1の配置であるか否かを判別する判別手段と、その判別手段による判別結果を示す特定の演出を実行する演出実行手段とを備えることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変手段により保持されている遊技球の配置が第1の配置であるか否かが判別手段により判別され、その判別手段による判別結果を示す特定の演出が演出実行手段によって実行されるので、遊技者がより容易に遊技球が流入しやすい流路を判別することができるという効果がある。
遊技機B5からB8のいずれかにおいて、前記特定流路へと流入した遊技球が記第2流路と3流路とに流入する比率をそれぞれ調整することが可能な調整手段を備えることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B5からB8のいずれかが奏する効果に加え、特定流路へと流入した遊技球が第2流路と第3流路とに流入する比率が調整手段によりそれぞれ調整されるので、ホールの営業方針によって第2の特典が付与されやすい遊技機としたり、第3の特典が付与されやすい遊技機とすることができる。よって、各ホールの営業方針に応じて遊技機のスペックを容易に調節できるという効果がある。
遊技機B1からB9のいずれかにおいて、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作を検出する検出手段と、を備え、前記切替手段は、前記検出手段により前記操作手段に対する操作が検出されることに基づいて前記可変手段を前記第1位置から前記第2位置へと切り替えるものであることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B1からB9のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、操作手段に対する操作が検出手段によって検出される。検出手段により操作手段に対する操作が検出されることに基づいて可変手段が切替手段によって第1位置から第2位置へと切り替えられる。
これにより、遊技者に対して特定流路へと流下した遊技球を第1入球手段へと流下させるか否かを切り替えさせることができるので、各遊技者に対して自己の趣向に合った状態に設定させることができるという効果がある。
遊技機B1からB10のいずれかにおいて、前記可変手段は、前記第1流路上に遊技球を1球のみ保持可能なものであることを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、遊技機B1からB10のいずれかが奏する効果に加え、第1流路上に遊技球が1球のみ可変手段によって保持されるので、可変手段が第1位置に可変した状態で遊技者が遊技を辞める場合に、可変手段に保持されることで第1流路上に残存する遊技球を最低限とすることができる。よって、遊技者が遊技を辞める際に損をしたと感じさせ難くすることができるという効果がある。
<特徴C群>(保留装置へと入球する球の比率を調節することで確変割合を可変する)
遊技球が流下可能な第1流路と第2流路とに少なくとも分岐した特定流路と、前記第1流路を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられている第1入球手段と、その第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第1の特典を付与することが可能な第1特典付与手段と、前記第2流路を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられている第2入球手段と、その第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、前記第1の特典とは異なる第2の特典を付与することが可能な第2特典付与手段と、前記特定流路を流下した遊技球が、前記第1流路と前記第2流路とに流入する比率をそれぞれ調整することが可能な調整手段と、を備えることを特徴とする遊技機C1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技球が特定の入賞口へと入賞することに基づいて当たりとなるか否かの抽選を行うものがある。また、特定の入賞口以外にも、球が入賞することにより賞球が払い出される複数の入賞口が設けられているものが知られている。この従来型の遊技機には、入賞口の種別に応じて払い出される賞球数を異ならせることで、遊技者が遊技球を射出する方向に応じて獲得可能な賞球数を変更できるものがある(例えば、特開2001−129177号公報)。
しかしながら、当たりとなることにより獲得できる賞球の方が、入賞口へと入賞することにより払い出される賞球よりも多量となることが一般的なので、遊技者は通常、当たりとなるか否かの抽選を実行させる契機となる特定の入賞口を狙って遊技球を打ち出す。つまり、当たりとなるまで遊技者が同じ方向に遊技球を打ち出し続けるのが一般的だった。よって、遊技者が同じ機種の遊技機において遊技を行う場合は、同じ方向へと球を打ち出す限り、同じ入賞口へ球が入賞し続けてしまい、払い出される賞球数も変化に乏しくなってしまう場合があった。即ち、遊技が単調となってしまう虞があった。
遊技機C1によれば、遊技球が流下可能な第1流路と第2流路とに特定流路が分岐している。第1流路を流下した遊技球が入球可能な位置に第1入球手段が設けられ、その第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第1特典付与手段により第1の特典が付与される。第2流路を流下した遊技球が入球可能な位置に第2入球手段が設けられ、その第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、第1の特典とは異なる第2の特典が第2特典付与手段により付与される。特定流路を流下した遊技球が、第1入球手段と第2入球手段とに流入する比率が調整手段によりそれぞれ調整される。
これにより、調整手段を調整することで、第1の特典が付与されやすい遊技機としたり、第2の特典が付与されやすい遊技機としたりすることができる。よって、同じ機種であっても調節手段による調節具合を変えることにより異なる遊技性を実現することができる。従って、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機C1において、抽選条件の成立に基づいて所定の抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果となった場合に遊技者に有利な特典遊技を付与する特典遊技付与手段と、前記抽選手段による抽選結果が前記特定の抽選結果となる確率が高い第1抽選状態と、その第1抽選状態よりも前記特定の抽選結果となる確率が低い第2抽選状態とに設定可能な抽選状態設定手段とを備え、前記第1特典付与手段は、前記第1の特典として前記抽選状態設定手段により前記第1抽選状態が設定されるように制御するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、抽選条件の成立に基づいて抽選手段により所定の抽選が実行され、その抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果となった場合に遊技者に有利な特典遊技が特典遊技付与手段により付与される。抽選手段による抽選結果が特定の抽選結果となる確率が高い第1抽選状態とその第1抽選状態よりも特定の抽選結果となる確率が低い第2抽選状態とに抽選状態設定手段により設定される。第1の特典として抽選状態設定手段により第1抽選状態が設定されるように第1特典付与手段により制御される。
これにより、第1抽選状態への移行しやすさを調節手段により調節することができる。よって、ホールの営業方針に応じて第1抽選状態が設定されやすく、特典遊技状態になりやすい遊技性とするか、第1抽選状態が設定されにくく、第2の特典が付与されやすい遊技性とするかを調整させることができる。従って、各ホールの営業方針に順応させることができる汎用性の高い遊技機を提供することができるという効果がある。
遊技機C1又はC2において、前記第2特典付与手段は、前記第2の特典として所定量の遊技媒体を付与するものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、第2特典付与手段により第2の特典として所定量の遊技媒体が付与されるので、所定量の遊技媒体の付与されやすさを調整手段により調整することができる。よって、ホールの営業方針に応じて所定量の遊技媒体が付与されやすい遊技性とするか、第1の特典が付与されやすい遊技性とするかを調整させることができる。従って、各ホールの営業方針に順応させることができる汎用性の高い遊技機を提供することができるという効果がある。
遊技機C2又はC3において、前記第1入球手段に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置に比較して前記入球手段に遊技球が入球し難くなる第2位置とに可変可能な可変手段と、前記特典遊技付与手段により前記特典遊技が付与されたことに基づいて、前記可変手段を前記第1位置へと所定条件が成立するまで可変させる可変制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C2又はC3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1入球手段に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置に比較して入球手段に遊技球が入球し難くなる第2位置とに可変手段により可変される。特典遊技付与手段により特典遊技が付与されたことに基づいて可変制御手段により可変手段が第1位置へと所定条件が成立するまで可変される。
これにより、特典遊技状態において第1の特典が付与され易くなるので、遊技者の特典遊技に対する期待感を高めることができるという効果がある。
遊技機C4において、前記可変制御手段は、少なくとも前記可変手段が前記第1位置へと可変されてから所定時間が経過したことに基づいて前記可変手段を前記第2位置へと可変させるものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、少なくとも可変手段が第1位置へと可変されてから所定時間が経過したことに基づいて可変手段が可変制御手段により第2位置へと可変されるので、第1の特典を遊技者が獲得できる機会を所定時間が経過するまでの間に限ることができる。よって、第1の特典の希少価値を高めることができるので、調整手段による調整の重要度を高めることができる。従って、遊技者が遊技を行う遊技機を選択する際に、調整手段の調整具合を加味して遊技機を選択させることができるので、遊技機を選択する楽しみを与えることができるという効果がある。
遊技機C1からC5のいずれかにおいて、遊技球が入球することに基づいて特定の遊技価値が付与される特定入球手段と、遊技球が入球することに基づいて前記特定の遊技価値よりも少ない遊技価値が付与される少価値入球手段と、を備え、前記第2流路は、遊技球を前記特定入球手段へと流下させる特定流路と、前記少価値入球手段へと流下させる少価値流路とに分岐しているものであり、前記特定流路へと流入した少なくとも1の遊技球を前記特定流路上に保持可能な第1可変位置と、その第1可変位置に比較して前記特定流路へと流入した遊技球が前記特定流路上に保持され難い第2可変位置とに可変可能な位置可変手段と、を備えることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C1からC5のいずれかにおいて、遊技球が特定入球手段に入球することに基づいて特定の遊技価値が付与され、遊技機が少価値入球手段に入球することに基づいて特定の遊技価値よりも少ない遊技価値が付与される。遊技球を特定入球手段へと流下させる特定流路と、少価値入球手段へと流下させる少価値流路とに第2流路が分岐している。特定流路へと流入した少なくとも1の遊技球を特定流路上に保持可能な第1可変位置と、その第1可変位置に比較して特定流路へと流入した遊技球が特定流路上に保持され難い第2可変位置とに位置可変手段が可変される。
これにより、遊技者が第2流路へ向けて遊技球を発射し続けたとしても、位置可変手段の可変位置に応じて第2流路へと流入した遊技球が入球する入球手段を異ならせることができる。よって、位置可変手段の可変位置に応じて、遊技者が獲得する遊技価値を可変させることができる。従って、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機C6において、前記特典遊技付与手段により前記特典遊技が付与されたことに基づいて、前記位置可変手段を前記第2可変位置に可変させるように制御する保持制御手段を備え、前記特定流路は、前記少価値流路に比較して前記第2流路へと流入した遊技球が流入し易い位置に配置されたものであり、前記位置可変手段は、遊技球を保持することでその保持している遊技球により前記少価値流路へと遊技球を誘導し易くするものであることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技付与手段により特典遊技が付与されたことに基づいて、位置可変手段が保持制御手段により第2可変位置に可変される。少価値流路に比較して第2流路へと流入した遊技球が流入しやすい位置に特定流路が配置されている。位置可変手段により遊技球が保持されることでその保持されている遊技球により少価値流路へと遊技球が誘導される。
これにより、位置可変手段の可変位置と、位置可変手段により遊技球が保持されているか否かとに応じて第2流路へと流入した遊技球が入球する入球手段を異ならせることができる。よって、位置可変手段の可変位置に応じて、遊技者が獲得する遊技価値を可変させることができる。従って、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機C6からC8のいずれかにおいて、前記可変手段と前記位置可変手段とは一の部材で構成されているものであることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C6からC8のいずれかが奏する効果に加え、可変手段と位置可変手段とが一の部材で構成されているので、一の制御で可変手段の位置と位置可変手段の位置とを同時に切り替えることができる。よって、処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機C1からC9のいずれかにおいて、前記調節手段は、前記特定流路へと流下した遊技球が前記第1入球手段へと流入する比率を増加させた場合に遊技球が前記第2入球手段へと流入する比率を低下させ、遊技球が前記第1入球手段へと流入する比率を低下させた場合に遊技球が前記第2入球手段へと流入する比率を増加させるものであることを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、遊技機C1からC9のいずれかが奏する効果に加え、特定流路へと流下した遊技球が第1流路へと流入する比率が調整手段により増加された場合に遊技球が第2流路へと流入する比率が低下される。また、特定流路へと流下した遊技球が第1流路へと流入する比率が調整手段により低下された場合に遊技球が第2流路へと流入する比率が増加される。
これにより、比率を増加させた側の流路に対してより確実に遊技球が流入しやすくすることができるという効果がある。
<特徴D群>(通常遊技中に確変期待度を高める)
球が流下可能な遊技領域と、その遊技領域に設けられ、球が入球可能な入球手段と、その入球手段に球が入球した場合に、判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別の結果が、所定の判別結果である場合に特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備えた遊技機において、前記遊技領域に設けられ、球を貯留可能な貯留手段と、その貯留手段を球が貯留可能な貯留状態から、前記貯留状態を解除する解除状態へと可変させる可変手段と、前記遊技領域のうち、前記可変手段により前記貯留手段が前記解除状態へと可変された場合に、前記貯留手段に貯留されていた球が流下可能な特定遊技領域に設けられ、球が入球可能な特定入球手段と、その特定入球手段に球が入球した場合に、特典を付与可能な特典付与手段と、を有し、前記可変手段は、前記判別手段による判別の結果が前記所定の判別結果である場合に、前記貯留手段を前記解除状態へと可変させるものであることを特徴とする遊技機D1。
ここでパチンコ機等の遊技機には、特典遊技(大当たり遊技等)中に開放される可変入賞装置と、可変入賞装置内に設けられ、球が通過することによって遊技者に有利となる遊技状態(確変等)を付与可能にするパチンコ機が提案されている(例えば、特開2006−174874号公報)。この場合、特典遊技中に、可変入賞装置に球を入賞させることで賞球を獲得することができ、さらに、遊技者に有利となる遊技状態を獲得できる可能性があったため、遊技者の興趣を向上させるものであった。しかし、上述したパチンコ機においては、特典遊技中に実行される遊技のみが遊技者に有利となる遊技状態を獲得するか否かの結果に影響を与えるものであるため、特典遊技中以外の遊技期間において、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題点があった。
遊技機D1によれば、球が流下可能な遊技領域に設けられた入球手段に球が入球した場合に判別手段により判別が実行され、その判別の結果が所定の判別結果であると、特典遊技実行手段により特典遊技が実行される。そして、遊技領域には、判別手段の判別の結果が所定の判別結果の場合に、可変手段によって球を貯留可能な貯留状態からその貯留状態を解除する解除状態へと可変される貯留手段が設けられる。その貯留手段が解除状態になると、貯留手段に貯留されていた球が入球可能な特定入球手段が設けられ、その特定入球手段に球が入球すると特典遊技の終了後に特典が付与される。これにより、球を貯留している状態で貯留手段を解除状態へと可変させることで、特定入球手段へ球が入球する可能性を高めることができる。よって、特典遊技中以外の遊技において、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機D1において、前記貯留手段は、複数の球を貯留可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、複数の球を貯留可能に貯留手段が構成されているため、貯留手段に複数の球を貯留させることで特定入球手段へ球が入球する可能性をより高めることができる。よって、判別手段により所定の判別結果が判別されるまでの間、遊技者に対して意欲的な遊技を継続させることができるという効果がある。
遊技機D1またはD2において、前記特定遊技領域には球が流下可能な複数の経路が設けられており、前記複数の経路のうち1の経路を流下した球が前記特定入球手段に入球可能とするものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1またはD2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、球が流下可能な複数の経路が特定遊技領域に設けられ、そのうちの1の経路を流下した球が特定入球手段に入球される。これにより、特定遊技領域を流下する球が特定入球手段に入球するか否かを楽しみながら遊技を実行することができるという効果がある。
なお、遊技機D2の構成を有する場合は、貯留手段が複数の球を貯留可能に構成されているため、貯留手段に貯留された球が特定入球手段に入球する可能性を高めることができるという効果がある。
遊技機D3において、前記特定遊技領域に、球を前記複数の経路のうち何れかの経路に球を振り分ける振分手段を設けたことを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、振分手段によって特定遊技領域内に設けられた複数の経路の何れかに球が振り分けられるため、確実に球を複数の経路に振り分けることができるという効果がある。
遊技機D4において、前記振分手段は前記複数の経路に対して所定の順序で球を振り分けるものであり、前記貯留手段は、前記振分手段が前記1の経路に球を振り分けるために必要な球数以上の球を貯留可能であることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、振分手段により複数の経路に対して所定の順序で球が振り分けられる。そして、振分手段が第1の経路に球を振り分けるために必要な球数よりも多い球数が貯留手段に貯留可能に構成される。これにより、貯留手段に複数の球を貯留させることで特定入球手段に球を入球させることが可能となる。よって、遊技者に対して、貯留手段に球を貯留させようと意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機D1からD5のいずれかにおいて、終了条件を設定する終了条件設定手段と、その終了条件設定手段により設定された前記終了条件が成立した場合に、前記貯留手段を前記解除状態から前記貯留状態へと可変させる第2可変手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D1からD5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、終了条件設定手段により設定された終了条件が成立することにより、第2可変手段により貯留手段が解除状態から貯留状態へと可変させられる。これにより、終了条件を設定することで、特定入球手段へ球を入球させることが可能な期間と、特定入球手段へ入球可能な球を貯留する期間とを設定することが可能となる。よって、遊技者は貯留手段の状態に応じた遊技を実行することになるため、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
なお、終了条件設定手段により設定される終了条件としては、例えば、可変手段により貯留手段を解除状態にしてから所定時間(貯留手段に貯留されていた球が全て流下するのに十分な時間として4秒)の経過を終了条件としたり、可変入球手段を許容状態と規制状態とに複数回可変する特典遊技を実行する場合は、可変入球手段を所定回数(例えば、4回)許容状態へと可変させたタイミングを終了条件としたり、特典遊技が終了したタイミングを終了条件としたりすればよい。また、終了条件設定手段によって複数の終了条件が設定可能に構成するとよい。このように構成することで、特定入球手段へ球を入球させることが可能な期間と、特定入球手段へ入球可能な球を貯留する期間とを複数設定することが可能となり、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機D6において、前記終了条件設定手段は、前記特典遊技が終了するタイミングを前記終了条件として設定するものであることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D6の奏する効果に加え、終了条件設定手段により、特典遊技が終了するタイミングが終了条件として設定されるため、特典遊技中に特定入球手段を狙う遊技を実行することが可能となり、遊技の興趣を高めることができるという効果がある。
さらに、例えば、特典遊技が実行される場合に球が入球可能な許容状態へと可変する可変入球手段を設けた場合は、その可変入球手段の近傍に特定入球手段を設ける構成にすることで、特典遊技中において可変入球手段を狙う遊技と特定入球手段を狙う遊技とを遊技者に対して同時に行わせることができ、遊技の興趣を高めることができるという効果がある。
なお、ここで、特典遊技が終了するタイミングとは、特典遊技によって許容状態へと可変された可変入球手段が許容状態よりも球が入球困難となる規制状態へと可変するタイミングや、特典遊技によって許容状態へと可変された可変入球手段が規制状態へと可変されてから実行されるエンディング期間が終了するタイミングが考えられる。
遊技機D6またはD7において、前記終了条件設定手段は、前記特典遊技が実行されている所定タイミングを前記終了条件として設定するものであることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D6またはD7の奏する効果に加え、終了条件設定手段により、特典遊技が実行されている所定タイミングが終了条件として設定されるため、特典遊技が実行されている間に、貯留手段に球を貯留させることが可能となる。これにより、貯留手段が貯留状態となる期間を長くすることができるため、貯留手段に球を貯留させ易くすることができる。よって、遊技者の遊技意欲を高めることができるという効果がある。
なお、ここで、特典遊技が実行されている所定タイミングとして、特典遊技が実行されてから所定時間経過後(例えば、10秒経過後)のタイミングを設定することが考えられる。この場合は、貯留手段に貯留されていた球が全て遊技領域を流下するのに十分な時間を設定するとよい。このようにすることで、貯留手段が解除状態となる期間を最低限の期間にすることが可能となり、貯留手段に球を貯留させ易くすることができる。
また、特典遊技が実行されている所定タイミングとして、例えば、可変入球手段を複数回(例えば、8回)許容状態へと可変する特典遊技(例えば、8ラウンド大当たり)が実行される場合は、その特典遊技の途中(例えば、4ラウンド目)の段階を所定タイミングとするとよい。このようにすることで、特典遊技中に特定入球手段へ入球させる遊技も実行することが可能となり、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機D6からD8のいずれかにおいて、前記終了条件設定手段は、複数の前記終了条件を設定可能であり、前記複数の終了条件のうち何れかの終了条件を選択する選択手段を有し、前記第2可変手段は、前記選択手段により選択された前記終了条件に基づいて前記貯留手段を前記貯留状態へと可変するものであることを特徴とする遊技機D9。
遊技機D9によれば、遊技機D6からD8のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、終了条件設定手段により設定される複数の終了条件のうち何れかの終了条件が選択手段により選択され、その選択された終了条件に基づいて、第2可変手段により貯留手段が貯留状態へと可変される。これにより、貯留手段が貯留状態へと可変するタイミングを異ならせることが可能となる。よって、特定入球手段へ球を入球させることが可能な遊技が可能な期間と、特定入球手段へ入球可能な球を貯留する遊技が可能な期間とを複数のタイミングで設定することが可能となるため、複雑な遊技を提供することができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機D1からD10のいずれかにおいて、前記特定入球手段とは別に設けられ、球の入球を許容する許容状態と、球の入球を規制する規制状態とに可変可能な可変入球手段を有し、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技は、前記可変入球手段を前記許容状態へと可変させるものであり、前記特典付与手段は、前記特典遊技が実行されている間に前記特定入球手段に球が入球した場合に、前記特典とは異なる第2の特典を付与可能とするものであることを特徴とする遊技機D11。
ここでパチンコ機等の遊技機には、特典遊技(大当たり遊技等)中に開放される可変入賞装置と、可変入賞装置内に設けられ、球が通過することによって遊技者に有利となる遊技状態(確変等)を付与可能にするパチンコ機が提案されている(例えば、特開2006−174874号公報)。この場合、特典遊技中に可変入賞装置に球を入賞させることで賞球を獲得することができ、さらに、遊技者に有利となる遊技状態を獲得できる可能性があったため、遊技者の興趣を向上させるものであった。しかし、上述したパチンコ機においては、特典遊技中に可変入賞装置に入賞しなかった球は無駄球となってしまうため、特典遊技中に可変入賞装置に入賞しない球が頻繁に発生することで、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題点があった。
遊技機D11によれば、遊技機D1からD10のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技が実行されることで、球の入球を規制する規制状態から球の入球を許容する許容状態へと可変される可変入球手段が特定入球手段とは別に設けられ、特典遊技が実行されている間に特定入球手段に球が入球した場合に、第2の特典が付与される。これにより、特典遊技中において特定入球手段に球が入球すると第2の特典を付与することができる。よって、特典遊技中に特定入球手段へ球を入球させる遊技を実行することができるため、遊技者の遊技意欲を向上させることができるという効果がある。
<特徴E群>(特定経路を流下した球がV確入賞口へ入賞)
球の入球を許容する許容状態と、球の入球を規制する規制状態とに可変可能な可変入球手段と、特定条件が成立したことに基づいて前記可変入球手段を前記許容状態へと可変させる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記可変入球手段とは別に設けられ、球が入球可能な入球手段と、その入球手段に球が入球することに基づいて第1の特典を付与する特典付与手段と、を備え、前記特典付与手段は、前記特典遊技が実行されている間に前記入球手段に球が入球した場合に、前記第1の特典とは異なる第2の特典を付与可能とするものであることを特徴とする遊技機E1。
ここでパチンコ機等の遊技機には、特典遊技(大当たり遊技等)中に開放される可変入賞装置と、可変入賞装置内に設けられ、球が通過することによって遊技者に有利となる遊技状態(確変等)を付与可能にするパチンコ機が提案されている(例えば、特開2006−174874号公報)。この場合、特典遊技中に可変入賞装置に球を入賞させることで賞球を獲得することができ、さらに、遊技者に有利となる遊技状態を獲得できる可能性があったため、遊技者の興趣を向上させるものであった。しかし、上述したパチンコ機においては、特典遊技中に可変入賞装置に入賞しなかった球は無駄球となってしまうため、特典遊技中に可変入賞装置に入賞しない球が頻繁に発生することで、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題点があった。
遊技機E1によれば、特典遊技実行手段により、球の入球を許容する許容状態と、球の入球を規制する規制状態とに可変可能な可変入球手段を許容状態へと可変する特典遊技が実行さる。可変入球手段とは別に設けられ球が入球することで第1の特典を付与可能な入球手段を設ける。そして、特典遊技が実行されている間に入球手段に球が入球した場合に、第1の特典とは異なる第2の特典が特典付与手段により付与される。これにより、特典遊技中において、可変入球手段以外の入球手段に球が入球すると第1の特典とは異なる第2の特典を付与することができる。よって、特典遊技中に可変入球手段に入球しなかった球を用いた遊技を実行することができるため、遊技者の遊技意欲を向上させることができるという効果がある。
遊技機E1において、前記入球手段に球が入球可能な第1の状態と、その第1の状態よりも入球し難い第2の状態とを設定可能な設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、設定手段によって、特典遊技が実行されている間に入球手段に球が入球しやすい第1の状態と、第1の状態よりも入球手段に球が入球し難い第2の状態とが設定される。これにより、特典遊技が実行されている間に入球手段へ球を入球させやすい状態と、入球させ難い状態とを設定することができるため、遊技者は特典遊技が実行されている間に第2の特典が付与されることを期待しながら遊技を行うことなる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機E2において、前記設定手段は、球が通過可能な複数の経路と、その複数の経路に球を振り分ける振分手段とを有し、前記振分手段は、少なくとも前記設定手段により前記第1の状態が設定されている場合に球が通過可能となる第1の経路と、前記第2の状態が設定されている場合に球が通過可能となる第2の経路との何れかに球を振り分けるものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、振分手段によって、第1の状態が設定されている場合に球が通過可能となる第1の経路と、第2の状態が設定されている場合に球が通過可能となる第2の経路とに球が振り分けられる。これにより、入球手段に球を入球しやすい状態と、入球し難い状態とを球の通過する経路によって設定することができる。これにより、遊技者は球の流れに注視することになるため、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機E3において、前記複数の経路は、前記第1の経路とは別に、前記第1の状態が設定されている場合に球が通過可能となる第3の経路を有しており、前記第1の経路は、前記第3の経路よりも短期間で球を前記入球手段へ入球させるものであり、前記振分手段は、前記第1の状態が設定されている場合に、前記第1の経路と前記第3の経路とに球を振り分け可能であることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数の経路として、第1の経路とは別に、第1の状態が設定されている場合に球が通過可能となる第3の経路を有し、第1の状態が設定されている場合に振分手段によって第1の経路または第3の経路に球が振り分けられる。これにより、第1の状態が設定されている場合に、入球手段に球が入球するタイミングを異ならせることができる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機E3またはE4において、前記振分手段は前記複数の経路に対して所定の順序で球を振り分けるものであることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E3またはE4の奏する効果に加え、振分手段により、複数の経路に対して所定の順序で球が振り分けられるため、特典遊技が実行されている間に複数の球を振分手段へと流下させることで、確実に入球手段へと球を入球させることが可能となる。よって、特典遊技が実行されている間に遊技者に意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機E1からE5のいずれかにおいて、遊技球が流下可能な遊技領域と、その遊技領域へ向けて球を発射可能な発射手段と、その発射手段の発射強度を調整可能な発射強度調整手段と、を有し、前記発射強度調整手段により所定の発射強度で発射された球が流下可能な所定の遊技領域に、前記可変入球手段と前記入球手段とを設けたことを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E1からE5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技領域へ向けて球を発射可能な発射手段の発射強度が、発射強度調整手段により所定の発射強度に調整された場合に球が流下可能となる所定の遊技領域に可変入球手段と入球手段とが設けられる。これにより、特典遊技が実行されている間は、所定の発射強度で球を発射するだけで、可変入球手段へ球を入球させる遊技と入球手段へと球を入球させる遊技とを実行することができる。よって、遊技者に対して複数の遊技を同時に行わせることができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機E1からE5のいずれかにおいて、遊技球が流下可能な遊技領域と、その遊技領域へ向けて球を発射可能な発射手段と、その発射手段の発射強度を調整可能な発射強度調整手段と、を有し、前記発射強度調整手段により所定の発射強度で発射された球が流下可能な所定の遊技領域に、前記可変入球手段を設け、前記発射強度調整手段により所定の発射強度で発射された球が流下困難な遊技領域に、前記入球手段を設けたことを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E1からE5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技領域へ向けて球を発射可能な発射手段の発射強度が、発射強度調整手段により所定の発射強度に調整された場合に球が流下可能となる所定の遊技領域に可変入球手段を設け、所定の発射強度で発射された球が入球困難な遊技領域に入球手段が設けられる。これにより、特典遊技が実行されている間に、所定の発射強度で球を発射して可変入球手段へ球を入球させる遊技を実行するか、所定の発射強度以外の発射強度で球を発射して入球手段へと球を入球させる遊技を実行するかを、遊技者が発射強度調整手段を操作することで決定することができる。よって、特典遊技が実行されている間において遊技者に対して積極的に遊技を行わせることができるため、遊技に早期に飽きてしまうという事態を抑制することができるという効果がある。
<特徴F群>(アタッカ開閉パターンでV確入賞口への入賞率変更)
球の入球を許容する許容状態と、球の入球を規制し下流側へ通過させる規制状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段を可変制御する可変制御手段と、特定条件が成立したことに基づいて、前記可変制御手段により前記可変入球手段を前記許容状態と前記規制状態とに交互に可変させる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記可変入球手段とは別に設けられ、球が入球可能な入球手段と、その入球手段に球が入球することに基づいて第1の特典を付与可能な特典付与手段と、を備え、前記特典付与手段は、前記特典遊技が実行されている間に前記入球手段に球が入球した場合に、前記第1の特典とは異なる第2の特典を付与可能とするものであり、前記可変制御手段の可変制御パターンとして、前記入球手段に球が入球可能な第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも前記入球手段に球が入球困難な第2可変パターンとの何れかを設定する可変パターン設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機F1。
ここでパチンコ機等の遊技機には、特典遊技(大当たり遊技等)中に開放される可変入賞装置と、可変入賞装置内に設けられ、球が通過することによって遊技者に有利となる遊技状態(確変等)を付与可能にするパチンコ機が提案されている(例えば、特開2006−174874号公報)。この場合、特典遊技中に可変入賞装置に球を入賞させることで賞球を獲得することができ、さらに、遊技者に有利となる遊技状態を獲得できる可能性があったため、遊技者の興趣を向上させるものであった。しかし、上述したパチンコ機においては、特典遊技中に可変入賞装置に入賞しなかった球は無駄球となってしまうため、特典遊技中に可変入賞装置に入賞しない球が頻繁に発生することで、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題点があった。
遊技機F1によれば、特典遊技実行手段により特典遊技が実行されると、可変入球手段が可変制御手段により、球の入球を許容する許容状態と、球の入球を規制する規制状態とに交互に可変される。そして、可変入球手段とは別に、球が入球することで特典付与手段により第1の特典が付与可能な入球手段が設けられる。特典遊技が実行されている間に入球手段に球が入球すると、第1の特典とは異なる第2の特典が特典付与手段により付与される。さらに、可変制御手段の可変制御パターンとして、入球手段に入球可能な第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも入球困難な第2可変パターンの何れかが可変パターン設定手段により設定される。これにより、特典遊技が実行されている間に、入球手段に球が入球すると第1の特典とは異なる第2の特典を付与することができる。よって、特典遊技中に可変入球手段に入球しなかった球を用いた遊技を実行することができるため、遊技者の遊技意欲を向上させることができるという効果がある。さらに、可変パターン設定手段により可変制御手段の可変制御パターンとして、入球手段へ球が入球しやすい第1可変パターンと、入球手段へ球が入球し難い第2可変パターンとの何れかを設定できるため、遊技者は特典遊技が実行されている間に、入球手段に球を入球するか否かを楽しみながら遊技を行うことができる。よって、遊技者の遊技意欲を向上させることができるという効果がある。
遊技機F1において、前記入球手段は、前記規制状態である前記可変入球手段を通過した球が入球可能であることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、規制状態である可変入球手段を通過した球が入球可能となるように入球手段が設けられるため、可変制御手段により可変制御される可変制御パターンに基づいて入球手段への入球のし易さを確実に設定することができる。よって、意図しないタイミングで入球手段に球が入球してしまうことを防止することができ、適正な遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機F1またはF2において、前記可変パターン設定手段は、前記可変入球手段が前記規制状態となる期間を異ならせることで、前記第1可変パターンと前記第2可変パターンとを設定するものであることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1またはF2の奏する効果に加え、可変入球手段が規制状態となる期間を異ならせることで、第1可変パターンと第2可変パターンとが設定されるため、入球手段への入球のし易さを容易に変更することができるという効果がある。
遊技機F1からF3のいずれかにおいて、前記可変パターン設定手段は、前記可変制御手段によって前記可変入球手段の可変制御が開始されるタイミングを異ならせることで、前記第1可変パターンと前記第2可変パターンとを設定するものであることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F1からF3のいずれかの奏する効果に加え、可変入球手段の可変制御が開始されるタイミングを異ならせることで、第1可変パターンと第2可変パターンとが設定されるため、入球手段への入球のし易さを容易に変更することができるという効果がある。
なお、遊技機F3の構成を有する場合は、可変入球手段が規制状態となる期間と可変入球手段の可変制御が開始されるタイミングとをそれぞれ異ならせることで、入球手段への入球のし易さをより複雑にすることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機F1からF4のいずれかにおいて、前記可変入球手段とは別に、球の入球を許容する許容状態と、球の入球を規制し下流側へ通過させる規制状態とに可変可能な第2可変入球手段を有し、前記可変制御手段は、前記規制状態である前記可変入球手段を通過した球が、前記第2可変入球手段へ入球するように、前記可変入球手段と前記第2可変入球手段とを可変制御するものであることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F1からF4の何れかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変入球手段とは別に、球の入球を許容する許容状態と、球の入球を規制し下流側へ通過させる規制状態とに可変可能な第2可変入球手段を有し、規制状態である可変入球手段を通過した球が、第2可変入球手段へ入球するように、可変入球手段と第2入球手段とが可変制御手段により可変制御される。これにより、特典遊技が実行されている間に意図しないタイミングで入球手段に球が入球することを抑制することができる。よって、適正な遊技を提供することができるという効果がある。
なお、遊技機F5の構成は、以下に示す特典遊技が実行される場合により効果を奏する。例えば、特典遊技として、可変入球手段が開放される期間を1回の遊技とし、予め定められた所定回数の遊技が連続して行われる場合において、1回の遊技が終了し、次の回の遊技が開始されるまでの間に可変入球手段が規制状態へと可変されることになる。この場合に、可変入球手段を通過した球が入球手段へ入球してしまうと特典遊技が実行されている間に複数の球が入球手段に入球してしまうという問題があった。遊技機F5によれば、可変入球手段が開放される遊技が終了し、規制状態となった可変入球手段を通過した球が第2可変入球手段に入球するように可変制御されるため、意図しないタイミングで入球手段に球が入球することを抑制することができる。
<特徴G群>(Vゲート通過タイミングに有利不利を設ける)
球の入球を許容する許容状態と、球の入球を規制する規制状態とに可変可能な可変入球手段と、特定条件の成立に基づいて、前記可変入球手段を前記許容状態へと可変させる特典遊技を付与する付与条件を成立させる付与条件成立手段と、球が通過可能な特定領域と、前記付与条件成立手段により前記付与条件が成立されている場合に、前記特定領域を球が通過したことに基づいて、前記特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記可変入球手段とは別に設けられ、球が入球可能な入球手段と、前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行されている間に前記入球手段に球が入球した場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、前記特定領域に球を通過させる期間として、前記特典を付与し易い有利期間と、その有利期間よりも前記特典を付与し難い不利期間とを設定する期間設定手段を有することを特徴とする遊技機G1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、特別図柄の抽選によって大当たりに当選した後、特定領域に球を通過させることで大当たり遊技を開始するパチンコ機が提案されている(例えば、特開2013−233181号公報)。この場合、特別図柄の抽選によって大当たりに当選した後に、特定領域に球を通過させる遊技を実行することで大当たり遊技が開始されるため、興趣に富んだパチンコ機を提供するものであった。しかし、上述したパチンコ機において、大当たりに当選した後に実行される特定領域に球を通過させる遊技は、大当たり遊技を開始させるためだけの遊技であったため、更なる興趣の向上が求められていた。
遊技機G1によれば、特定条件の成立に基づいて、付与条件成立手段により特典遊技を付与する付与条件が成立する。この付与条件が成立している場合に、特定領域に球が通過することで特典遊技実行手段により特典遊技が実行される。さらに、特典遊技が実行されている間に入球することで特典付与手段により遊技者に有利な特典が付与される入球手段を設ける。そして、特定領域に球を通過させる期間として、特典遊技が実行されている間に入球手段に球が入球し易い有利期間と、その有利期間よりも入球し難い不利期間とが期間設定手段により設定される。これにより、特定領域へ球を通過させる期間に有利期間と不利期間とを設けることができるため、遊技者に対して特定領域へ球を通過させる遊技を意欲的に行わせることができる。よって、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
遊技機G1において、前記期間設定手段は、前記付与条件成立手段により前記付与条件が成立してから所定期間の間を前記有利期間として設定するものであることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、期間設定手段により、付与条件成立手段によって付与条件が成立してから所定期間の間が有利期間となるよう設定されるため、遊技者は付与条件が成立すると、早急に球を特定領域へ通過させるために意欲的に遊技を行うことになる。よって、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機G1またはG2において、前記期間設定手段により設定される前記有利期間の長さを変更可能な有利期間変更手段を備えることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G1またはG2の奏する効果に加え、有利期間変更手段により有利期間の長さが変更されるため、特典付与手段により特典が付与されやすい遊技と特典が付与されにくい遊技とを設定することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
なお、遊技機G2の構成を有する場合は、付与条件が成立してから有利期間が終了するタイミングが変更されることになるため、特定領域に球を通過させたタイミングが有利期間中か否かを遊技者に把握させ難くすることができるという効果がある。
遊技機G1からG3のいずれかにおいて、球を複数の経路に振り分ける振分手段を有し、前記振分手段により、前記複数の経路のうち1の経路に振り分けられた球が前記特定領域を通過可能であることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G1からG3の何れかの奏する効果に加え、振分手段により複数の経路に球が振り分けられ、そのうちの1の経路に振り分けられた球を特定領域へと通過させるため、特定領域に球が通過するタイミングが振分手段の振り分け結果によって異なることになる。よって、様々なタイミングで球が特定領域を通過することになるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機G1からG4のいずれかにおいて、前記特典付与手段は、前記特典として前記特典遊技が終了した後に前記特定条件が成立する確率が通常よりも高く設定された高確率状態を付与するものであることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G1からG4の何れかの奏する効果に加え、特典付与手段により、特典遊技が終了した後に特定条件が成立する確率が通常よりも高く設定された高確率状態が付与されるため、遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機G1からG5のいずれかにおいて、前記特定領域を球が通過したタイミングが前記有利期間であるかを判別する判別手段と、その判別手段が有利期間であると判別したことに基づいて報知を行う報知手段と、を備えることを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G1からG5の何れかの奏する効果に加え、球が特定領域を通過したタイミングが有利期間であることが判別手段により判別されると、報知手段によりその判別結果に基づいた報知がされる。これにより、遊技者に対して球が特定領域を通過したタイミングが有利期間であったことを認識させることができる。
なお、遊技機G5の構成を有する場合は、特定領域を球が通過してから特典付与手段により特典が付与されるまでの期間が長いため、報知手段による報知を行うことで遊技者に安心して特典遊技を実行させることができる。
<特徴H群>(大当たり中はV確入賞口へ入賞可能)
球の入球を許容する許容状態と、球の入球を規制する規制状態とに可変可能な可変入球手段と、特定条件が成立したことに基づいて前記可変入球手段を前記許容状態へと可変させる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記可変入球手段とは別に設けられ、球が入球可能な入球手段と、その入球手段に球が入球することに基づいて第1の特典または前記第1の特典よりも遊技者に有利な第2の特典を付与する特典付与手段と、前記特典遊技が実行されている間に、前記入球手段に球が入球したことを判別する判別手段と、を備え、前記特典付与手段は、前記判別手段により前記特典遊技が実行されている間に前記入球手段に球が入球したと判別された場合に、前記第2の特典を付与するものであり、前記入球手段への球の流下を許容する許容位置と、その許容位置よりも球の流下を規制する規制位置とに可変可能な可変手段と、前記特定条件が成立したことに基づいて前記可変手段を前記許容位置へと可変させる可変制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機H1。
<特徴I群>(Vゲート通過時に決定される大当たり種別でV確期待度を設定)
特定条件の成立に基づいて、遊技者に特典遊技を付与する付与条件を成立させる付与条件成立手段と、球が通過可能な特定領域と、前記付与条件成立手段により前記付与条件が成立されている場合に、前記特定領域を球が通過したことに基づいて、遊技者に付与する前記特典遊技の種別を設定する特典遊技種別設定手段と、その特典遊技種別設定手段により設定された前記特典遊技の種別に基づいて前記特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記可変入球手段とは別に設けられ、球が入球可能な入球手段と、前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行されている間に前記入球手段に球が入球した場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、を備え、前記特典遊技種別設定手段は、少なくとも前記特典遊技が実行されている間に前記入球手段に球が入球し易い第1の特典遊技種別と、その第1の特典遊技種別よりも前記特典遊技が実行されている間に前記入球手段に球が入球し難い第2の特典遊技種別のうちいずれかを設定するものであることを特徴とする遊技機I1。
遊技機A1〜A14,B1〜B11,C1〜C10,D1〜D11,E1〜E7,F1〜F5,G1〜G6,H1,I1のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1〜A14,B1〜B11,C1〜C10,D1〜D11,E1〜E7,F1〜F5,G1〜G6,H1,I1のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1〜A14,B1〜B11,C1〜C10,D1〜D11,E1〜E7,F1〜F5,G1〜G6,H1,I1のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
パチンコ機等の遊技機には、特典遊技(当たり遊技等)中に開放される可変入賞装置と、可変入賞装置内に設けられ、球が通過することによって遊技者に有利となる遊技状態(確変等)を付与可能にするものがある(例えば、特許文献1:特開2006−174874号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技者に有利となる遊技状態が付与され易い状態および遊技者に有利となる遊技状態が付与され難い状態が、特典遊技の種類によって予め定められているため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題点があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点などを解決するためになされたものであり、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、球が流下可能な遊技領域と、その遊技領域に設けられ、球が入球可能な入球手段と、その入球手段に球が入球したことに基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別の結果が、所定の判別結果である場合に特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備えるものであり、前記遊技領域に設けられ、球を貯留可能な貯留手段と、その貯留手段を球が貯留可能な貯留状態から、前記貯留状態を解除する解除状態へと可変させる可変手段と、前記遊技領域のうち、前記可変手段により前記貯留手段が前記解除状態へと可変された場合に、前記貯留手段に貯留されていた球が流下可能な特定遊技領域に設けられ、球が入球可能な特定入球手段と、その特定入球手段に球が入球した場合に、特典を付与可能な特典付与手段と、を有し、前記可変手段は、前記判別手段による判別の結果が前記所定の判別結果である場合に、前記貯留手段を前記解除状態へと可変させるものである。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記貯留手段は、複数の球を貯留可能に構成されているものである。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想1または2記載の遊技機において、前記特定遊技領域には球が流下可能な複数の経路が設けられており、前記複数の経路のうち1の経路を流下した球が前記特定入球手段に入球可能とするものである。
技術的思想4の遊技機は、技術的思想3記載の遊技機において、前記特定遊技領域に、前記複数の経路のうち何れかの経路に球を振り分ける振分手段を設けたものである。
技術的思想5の遊技機は、技術的思想4記載の遊技機において、前記振分手段は前記複数の経路に対して所定の順序で球を振り分けるものであり、前記貯留手段は、前記振分手段が前記1の経路に球を振り分けるために必要な球数以上の球を貯留可能とするものである。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、球が流下可能な遊技領域に設けられた入球手段に球が入球したことに基づいて判別手段により判別が実行され、その判別の結果が所定の判別結果であると、特典遊技実行手段により特典遊技が実行される。そして、遊技領域には、判別手段の判別の結果が所定の判別結果の場合に、可変手段によって球を貯留可能な貯留状態からその貯留状態を解除する解除状態へと可変される貯留手段が設けられる。その貯留手段が解除状態に可変されることで貯留手段に貯留されていた球が流下可能な特定遊技領域に、球が入球可能な特定入球手段が設けられ、その特定入球手段に球が入球すると特典が付与される。
これにより、球を貯留している状態で貯留手段を解除状態へと可変させることで、特定入球手段へ球が入球する可能性を高めることができる。よって、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、複数の球を貯留可能に貯留手段が構成されているため、貯留手段に複数の球を貯留させることで特定入球手段へ球が入球する可能性をより高めることができる。よって、判別手段により所定の判別結果が判別されるまでの間、遊技者に対して意欲的な遊技を継続させることができるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想1または2記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、球が流下可能な複数の経路が特定遊技領域に設けられ、そのうちの1の経路を流下した球が特定入球手段に入球される。
これにより、特定遊技領域を流下する球が特定入球手段に入球するか否かを楽しみながら遊技を実行することができるという効果がある。
技術的思想4記載の遊技機によれば、技術的思想3記載の遊技機の奏する効果に加え、振分手段によって特定遊技領域内に設けられた複数の経路の何れかに球が振り分けられるため、確実に球を複数の経路に振り分けることができるという効果がある。
技術的思想5記載の遊技機によれば、技術的思想4記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、振分手段により複数の経路に対して所定の順序で球が振り分けられる。そして、振分手段が第1の経路に球を振り分けるために必要な球数よりも多い球数が貯留手段に貯留可能に構成される。
これにより、貯留手段に複数の球を貯留させることで特定入球手段に球を入球させることが可能となる。よって、遊技者に対して、貯留手段に球を貯留させようと意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
10 パチンコ機(遊技機)
13 遊技盤(遊技領域)
64 第1入球口(入球手段の一部)
630a 特定一般入賞口(特定入球手段)
640 第2入球口(入球手段の一部)
900 第1振分部材(振分手段)
901 第2振分部材(振分手段)
902 第3振分部材(振分手段)
1600 第2貯留装置(貯留手段)
1601a 貯留弁(可変手段)
S216 判別手段
S1004 特典遊技実行手段
S1110 特典付与手段