JP2017182647A - 現実の書籍と電子書籍が連携した書籍システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 アノテーションについて、電子書籍と現実の書籍との間での連携を図ることができるシステムを提供する。
【解決手段】 電子書籍サーバ装置Sは、現実の書籍を撮像した画像を、アノテーション処理端末装置ATから受信する。書籍箇所特定手段22は、受信した画像または画像に基づくデータに基づいて、撮像された現実の書籍50に対応する電子書籍を特定する。アノテーション送信手段24は、特定された電子書籍の箇所に対応づけて記録されているアノテーションデータを、記録部26から読み出してアノテーション処理端末装置ATに送信する。アノテーション処理端末装置ATのアノテーション表示手段6は、表示部8を制御して、仮想現実として現実の書籍50の頁の上に、受信したアノテーション52を表示する。
【選択図】 図1
【解決手段】 電子書籍サーバ装置Sは、現実の書籍を撮像した画像を、アノテーション処理端末装置ATから受信する。書籍箇所特定手段22は、受信した画像または画像に基づくデータに基づいて、撮像された現実の書籍50に対応する電子書籍を特定する。アノテーション送信手段24は、特定された電子書籍の箇所に対応づけて記録されているアノテーションデータを、記録部26から読み出してアノテーション処理端末装置ATに送信する。アノテーション処理端末装置ATのアノテーション表示手段6は、表示部8を制御して、仮想現実として現実の書籍50の頁の上に、受信したアノテーション52を表示する。
【選択図】 図1
Description
電子書籍の普及とともに、ユーザが、同じ本を電子書籍と現実の書籍の双方で読む場面が生じている。このような場合、電子書籍と現実の書籍との間での連携をとる必要が生じている。
たとえば、現実の書籍にて読んだ箇所を、電子書籍において引き継ぐことができるように、特許文献1のようなシステムが提案されている。このシステムでは、現実の書籍のしおりとして電子的なしおりを用いるようにしている。この電子的なしおりと電子書籍端末とが通信を行って、電子書籍端末にて読んだ箇所を、電子的しおりに表示する。
特許文献1のシステムによれば、読み終えた箇所について、電子書籍と現実の書籍との間での連携を図ることができる。
しかしながら、特許文献1のような従来技術では、読み終えた箇所について電子書籍と現実の書籍との間での連携を図ることが可能であるものの、マーカーやメモなどのアノテーションについて、相互に連携を図ることはできなかった。
この発明は、上記のような問題点を解決して、アノテーションについて、電子書籍と現実の書籍との間での連携を図ることができるシステムを提供することを目的とする。
また、この発明の他の目的は、電子書籍でありながら、現実の書籍であるかのうように見ることができるシステムを提供することを目的とする。
この発明の独立して適用可能ないくつかの特徴を列挙する。
(1)(3)(6)(8)この発明に係る書籍システムは、電子書籍サーバ装置とアノテーション処理端末装置とを備えた書籍システムであって、
前記電子書籍サーバ装置は、現実の書籍に対応する電子書籍を記録するとともに、当該電子書籍の該当箇所情報が付されたアノテーションを記録する記録部と、現実の書籍を撮像した撮像情報をアノテーション処理端末装置から受けて、当該撮像情報に基づいて、撮像された現実の書籍に対応する電子書籍を特定するとともに、撮像箇所が電子書籍のいずれの箇所に対応するかを特定する書籍箇所特定手段と、前記記録部を参照し、書籍箇所特定手段によって特定された電子書籍の該当箇所とともに、当該電子書籍の箇所に関連づけられたアノテーションをアノテーション処理端末装置に送信するアノテーション送信手段とを備え、
前記アノテーション処理端末装置は、現実の書籍を撮像するための撮像部と、撮像された現実の書籍の撮像情報を前記電子書籍サーバ装置に送信する撮像情報送信手段と、電子書籍の箇所に関連づけられたアノテーションを、前記電子書籍サーバ装置から受信し、撮像部による撮像情報を参照して、当該箇所に対応する現実の書籍の箇所に、当該アノテーションを仮想現実として表示部によって表示させるためのアノテーション表示手段とを備えている。
前記電子書籍サーバ装置は、現実の書籍に対応する電子書籍を記録するとともに、当該電子書籍の該当箇所情報が付されたアノテーションを記録する記録部と、現実の書籍を撮像した撮像情報をアノテーション処理端末装置から受けて、当該撮像情報に基づいて、撮像された現実の書籍に対応する電子書籍を特定するとともに、撮像箇所が電子書籍のいずれの箇所に対応するかを特定する書籍箇所特定手段と、前記記録部を参照し、書籍箇所特定手段によって特定された電子書籍の該当箇所とともに、当該電子書籍の箇所に関連づけられたアノテーションをアノテーション処理端末装置に送信するアノテーション送信手段とを備え、
前記アノテーション処理端末装置は、現実の書籍を撮像するための撮像部と、撮像された現実の書籍の撮像情報を前記電子書籍サーバ装置に送信する撮像情報送信手段と、電子書籍の箇所に関連づけられたアノテーションを、前記電子書籍サーバ装置から受信し、撮像部による撮像情報を参照して、当該箇所に対応する現実の書籍の箇所に、当該アノテーションを仮想現実として表示部によって表示させるためのアノテーション表示手段とを備えている。
したがって、現実の書籍の上で、アノテーションを仮想現実としてみることができる。
(2)この発明に係る書籍システムは、電子書籍端末装置が、電子書籍サーバ装置から電子書籍およびアノテーションを受信する受信手段と、受信した電子書籍およびアノテーションを電子書籍端末装置の表示部に表示する表示手段と、表示された電子書籍に対して、電子書籍端末装置の入力部からのアノテーション操作を受け付けるアノテーション操作手段と、前記アノテーション操作の内容を、電子書籍サーバ装置の記録部に記録するために、電子書籍サーバ装置に送信するアノテーション操作送信手段とを備えている。
したがって、現実の書籍の上で、仮想現実としてアノテーションを付加することができる。
(4)この発明に係る書籍システムは、電子書籍サーバ装置の記録部に記録されたアノテーションには、当該アノテーションを付したユーザのユーザIDが対応付けて記録されており、電子書籍サーバ装置のアノテーション送信手段は、前記アノテーション処理端末装置またはこれに関連づけられた携帯端末装置から受信したユーザIDに基づいて、当該ユーザIDに対応するアノテーションを選択して送信することを特徴としている。
したがって、当該ユーザが付したアノテーションのみを表示することができる。
(5)この発明に係る書籍システムは、電子書籍サーバ装置が、現実の書籍に関連づけられた操作部の動きを撮像した画像をアノテーション処理端末装置から受けて、当該操作部の動きに基づいて、電子書籍の対応する箇所にアノテーションを生成して記録するアノテーション記録手段を備えたことを特徴としている。
したがって、現実の書籍の上で、仮想現実としてアノテーションを付加することができる。
(7)(9)この発明に係る書籍システムは、撮像部が、現実の書籍に関連づけられた操作部の動きを撮像し、前記撮像部によって撮像された、当該現実の書籍に関連づけられた操作部の動きに基づいて、電子書籍の対応する箇所にアノテーションを生成して前記電子書籍サーバ装置に送信するアノテーション登録手段とを備えている。
したがって、現実の書籍の上で、仮想現実としてアノテーションを付加することができる。
(10)(11)(12)この発明に係る書籍システムは、電子書籍サーバ装置と電子書籍端末装置とを備えた書籍システムであって、
前記電子書籍サーバ装置は、電子書籍を記録する記録部と、電子書籍IDを電子書籍端末装置から受けて、当該電子書籍IDに対応する電子書籍を電子書籍端末装置に送信する送信手段とを備え、
前記電子書籍端末装置は、前記電子書籍サーバ装置に対して、表示したい電子書籍の電子書籍IDを送信する電子書籍ID送信手段と、前記電子書籍サーバ装置から、前記電子書籍IDに対応する電子書籍を受信する電子書籍受信手段と、電子書籍を表示するための空白領域を有し各頁を示す表示が付された空白書籍を撮像するための撮像部と、前記撮像された空白書籍の撮像画像に基づいて、前記空白書籍の頁を特定する頁特定手段と、撮像部による撮像情報を参照して、前記空白書籍の前記空白領域に、電子書籍の特定した頁を仮想現実として表示部によって表示させるための表示手段とを備えている。
前記電子書籍サーバ装置は、電子書籍を記録する記録部と、電子書籍IDを電子書籍端末装置から受けて、当該電子書籍IDに対応する電子書籍を電子書籍端末装置に送信する送信手段とを備え、
前記電子書籍端末装置は、前記電子書籍サーバ装置に対して、表示したい電子書籍の電子書籍IDを送信する電子書籍ID送信手段と、前記電子書籍サーバ装置から、前記電子書籍IDに対応する電子書籍を受信する電子書籍受信手段と、電子書籍を表示するための空白領域を有し各頁を示す表示が付された空白書籍を撮像するための撮像部と、前記撮像された空白書籍の撮像画像に基づいて、前記空白書籍の頁を特定する頁特定手段と、撮像部による撮像情報を参照して、前記空白書籍の前記空白領域に、電子書籍の特定した頁を仮想現実として表示部によって表示させるための表示手段とを備えている。
したがって、文字等の印刷されていない書籍の上に、仮想現実として文字等を表示させ、現実の本であるかのように提供することができる。
この発明において「アノテーション」とは、書籍の内容、位置などに対応づけられた付加情報をいう。実施形態においては、マーカ、メモ、しおり、翻訳、辞書の意味、検索結果などが該当する。
「書籍箇所特定手段」は、実施形態においては、ステップS54がこれに対応する。
「アノテーション送信手段」は、実施形態においては、ステップS57がこれに対応する。
「撮像画像送信手段」は、実施形態においては、ステップS21がこれに対応する。
「アノテーション表示手段」は、実施形態においては、ステップS22がこれに対応する。
「アノテーション記録手段」は、実施形態においては、ステップS66がこれに対応する。
「プログラム」とは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソース形式のプログラム、圧縮処理がされたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む概念である。
1.第1の実施形態
1.1システムの構成
図1に、この発明の一実施形態による書籍システムの全体構成を示す。電子書籍サーバ装置Sの記録部26には、電子書籍のデータおよびこれに付されたアノテーションのデータが記録されている。また、電子書籍データには、それぞれ、電子書籍IDが付されて記録されている。
1.1システムの構成
図1に、この発明の一実施形態による書籍システムの全体構成を示す。電子書籍サーバ装置Sの記録部26には、電子書籍のデータおよびこれに付されたアノテーションのデータが記録されている。また、電子書籍データには、それぞれ、電子書籍IDが付されて記録されている。
電子書籍サーバ装置Sの記録部26に記録された電子書籍データは、一般的な電子書籍端末装置ETにおいて閲覧することができる。また、ユーザは、電子書籍端末装置ETを操作して、表示された電子書籍にアノテーションを付すことができる。付与されたアノテーションデータは、電子書籍サーバ装置Sに送信され、電子書籍データの対応箇所に関連づけて、記録部26に記録される。
アノテーション処理端末装置ATは、たとえば、カメラ、ヘッドマウントディスプレイを搭載した眼鏡型ウエアラブルコンピュータを用いることができる。アノテーション処理端末装置ATの撮像部2(たとえばカメラ)は、現実の書籍50の特定の頁が開かれた状態で、これを撮像する。撮像画像送信手段4は、このようにして撮像された現実の書籍50の特定頁の画像もしくは当該画像に基づくデータ(これら画像および画像に基づくデータを撮像情報という)を、電子書籍サーバ装置Sに送信する。
電子書籍サーバ装置Sの書籍箇所特定手段22は、受信した画像または画像に基づくデータに基づいて、撮像された現実の書籍50に対応する電子書籍を特定する。特定頁の画像が送信されてきた場合、たとえば、その画像から文字テキストデータを抽出し、当該文字テキストデータと合致する電子書籍データを検索する。合致するものがあれば、その電子書籍の当該箇所が、現実の書籍50の開かれている頁に対応すると判断する。
あるいは、撮像画像に基づくデータとしてアノテーション処理端末装置ATにおいてテキスト化された文字テキストデータが送られてくる場合には、当該文字テキストデータと合致する電子書籍データを検索すればよい。
アノテーション送信手段24は、特定された電子書籍の箇所に対応づけて記録されているアノテーションデータを、記録部26から読み出してアノテーション処理端末装置ATに送信する。
アノテーション処理端末装置ATのアノテーション表示手段6は、表示部8を制御して、仮想現実として現実の書籍50の頁の上に、受信したアノテーション52を表示する。この際、アノテーション表示手段6は、撮像部2によって撮像されている現実の書籍50の画像を参照して、電子書籍においてアノテーションが付されている位置に合致するように、仮想現実のアノテーションの表示位置を制御する。したがって、現実の書籍50を見ているユーザは、電子書籍に付されたマーカのアノテーション52を、当該現実の書籍50の上で仮想現実として見ることができる。
以上のようにして、電子書籍のアノテーションを現実の書籍に連携させることができる。
図2に、書籍システムのシステム構成を示す。アノテーション処理端末装置ATは、たとえば、ユーザの眼鏡などに装着されており、無線通信によってサーバ装置Sと通信可能である。電子書籍端末装置ETは、たとえば、タブレットコンピュータを用いることができ、無線通信によってサーバ装置Sと通信可能である。また、ユーザの有するスマートフォンSPは、アノテーション処理端末装置ATと通信可能であり、さらに、サーバ装置Sとも通信可能である。
図3に、サーバ装置Sのハードウエア構成を示す。CPU30には、メモリ32、通信回路34、ハードディスク36、DVD−ROMドライブ42、電子書籍データベース44が接続されている。なお、電子書籍データベース44は、サーバ装置Sの本体と同一筐体に設けられていてもよいが、他の筐体として設けられ、独立した別のコンピュータとして構成されていてもよい。この実施形態では、上記、一体として構築された電子書籍データベース44であっても、別体として構築された電子書籍データベース44であっても、サーバ装置Sの一部であるとする。
通信回路34は、インターネットに接続するための回路である。ハードディスク36には、オペレーティングシステム38、サーバプログラム40が記録されている。サーバプログラム40は、オペレーティングシステム38と協働してその機能を発揮するものである。
これらプログラムは、DVD−ROM43に記録されていたものを、DVD−ROMドライブ42を介して、ハードディスク36にインストールしたものである。
電子書籍データベース44には、電子書籍データ46が記録されている。各電子書籍データ46には、その電子書籍を識別するための電子書籍IDが付されている。また、電子書籍にアノテーションが付されている場合、当該電子書籍の箇所(頁や行、最初からの文字数など)を特定してアノテーションデータが記録されている。この実施形態では、アノテーションを付したユーザが誰であるか分かるように、ユーザIDが対応づけて記録されている。
図4に、アノテーション処理端末装置ATを装着した状態を示す。この実施形態では、眼鏡にアノテーション処理端末装置ATを取り付けて、ユーザが装着するようにしている。このアノテーション処理端末装置ATは、ユーザの視線と同方向を撮像するカメラ17、カメラの反対側(つまり、ユーザの目の側)に設けられたヘッドマウントディスプレイ16(図示せず)を備えている。ヘッドマウントディスプレイ16は、ユーザが肉眼で見ている対象に仮想現実としての画像を重ねて表示するものである。
図5に、アノテーション処理端末装置ATのハードウエア構成を示す。CPU10には、メモリ11、通信回路12、不揮発性メモリ13、ヘッドマウントディスプレイ16、カメラ17、近距離通信回路18が接続されている。通信回路12は、無線通信によってインターネットに接続するための回路である。近距離通信回路18は、Bluetooth(商標)などの規格によって、スマートフォンSPとの間で通信を行うためのものである。
不揮発性メモリ13には、オペレーティングシステム14、アノテーション端末プログラム15が記録されている。アノテーション端末プログラム15は、オペレーティングシステム14と協働してその機能を発揮するものである。これらプログラムは、通信回路12を介してインターネット上のサーバ装置からダウンロードして、不揮発性メモリ13にインストールしたものである。
ヘッドマウントディスプレイ16は、ユーザに対して仮想現実の画像を与えるものである。この実施形態では、光学透過方式のものを使用している。なお、外界が見えるものであれば、ビデオシースルー方式のものを用いてもよい。カメラ17は、外部を撮像するためのものである。
図2の電子書籍端末装置ETとしては、タッチスクリーンディスプレイを有する一般的な電子書籍端末装置を用いることができる。ここでは、そのハードウエアの説明は省略する。たとえば、アマゾン・ドット・コム社のKindle(商標)を用いることができる。ユーザは、電子書籍端末装置ETから電子書籍サーバ装置Sにアクセスして、電子書籍を表示したり、スタイラスペンなどでアノテーションを書き込んだりすることができる。書き込まれたアノテーション情報は、電子書籍ID、アノテーション箇所情報、ユーザのユーザIDとともに、電子書籍サーバ装置Sに送信される。送信されたアノテーション情報は、対応する電子書籍の対応する箇所に関連づけて、ユーザIDとともに電子書籍データベース44に記録される。
図2のスマートフォンSPとしては、bluetooth(商標)通信などの近距離通信を備えた一般的なスマートフォンを用いることができる。また、この実施形態では、スマートフォンSPには、電子書籍サーバ装置Sと認証を行い、アノテーション処理端末装置ATとの連携を図るための連携アプリケーションがインストールされている。
1.2アノテーション表示処理
図6、図7に、アノテーション処理端末装置ATにおいて現実の書籍の上に仮想現実としてアノテーションを表示する処理のフローチャートを示す。この図においては、スマートフォンSPの連携アプリケーション、アノテーション処理端末装置ATのアノテーション端末プログラム15、電子書籍サーバ装置Sのサーバプログラム40のフローチャートが示されている。
図6、図7に、アノテーション処理端末装置ATにおいて現実の書籍の上に仮想現実としてアノテーションを表示する処理のフローチャートを示す。この図においては、スマートフォンSPの連携アプリケーション、アノテーション処理端末装置ATのアノテーション端末プログラム15、電子書籍サーバ装置Sのサーバプログラム40のフローチャートが示されている。
ユーザは、スマートフォンSPの連携アプリケーションを起動し、ユーザID、パスワードを入力し、送信ボタンをクリックする。これを受けて、スマートフォンSPのCPU(以下、スマートフォンSPと省略することがある)は、入力されたユーザID、パスワードを、電子書籍サーバ装置Sに送信する(ステップS1)。
電子書籍サーバ装置SのCPU30(以下、電子書籍サーバ装置Sと省略することがある)は、送られてきたユーザID、パスワードの組合せが登録されていれば、認証OKをスマートフォンSPに送信する(ステップS51)。これを受けたスマートフォンSPは、ユーザIDをアノテーション処理端末装置ATに、Bluetooth(商標)などの近距離通信によって送信する(ステップS2)。なお、ここでは、スマートフォンSPとアノテーション処理端末装置ATのペアリングは既に済んでいるものとする。
アノテーション処理端末装置ATのCPU10(以下、アノテーション処理端末装置ATと省略することがある)は、現実の書籍50をカメラ17によって撮像した撮像画像を、ユーザIDとともに電子書籍サーバ装置Sに送信する(ステップS21)。したがって、ユーザが開いている現実の書籍50の頁を撮像した画像が送信されることになる。
電子書籍サーバ装置Sは、この書籍画像を受信し、文字をテキストデータ化する(ステップS52)。撮像された書籍画像において、書籍の外枠が長方形として撮像されていない場合(たとえば台形や菱形である場合)、電子書籍サーバ装置Sは、長方形になるように全体を座標変換した後、文字のテキスト化を行う。
文字のテキスト化は、各文字画像を画像認識してテキストデータとすることによって行う。この際、電子書籍サーバ装置Sは、書籍画像の各文字画像と認識された各テキストデータとの対応づけを記録するようにしている。
次に、電子書籍サーバ装置Sは、電子書籍データベース44の電子書籍データ46を検索し、当該ユーザが購入済みの電子書籍について、当該テキストデータに合致する電子書籍の箇所があるかどうかを判断する(ステップS53)。
図8Aに、電子書籍データベース44に記録された電子書籍データ46の例を示す。電子書籍IDは、電子書籍を区別するためのIDである。購入ユーザIDは、当該電子書籍を購入したユーザのユーザIDが記録されている。電子書籍ID「14876」については、ユーザID「3546」のユーザが購入済みである。電子書籍ID「14877」については、ユーザID「1048」「1220」の2人のユーザが購入済みである。タイトルは当該電子書籍の題号であり、作者は著者の氏名である。内容は、当該電子書籍の内容テキストや画像などである。
ステップS53における検索処理の詳細は、以下のとおりである。電子書籍サーバ装置Sは、まず、アノテーション処理端末装置ATから送信されてきたユーザIDに基づいて、当該ユーザが購入済みの電子書籍を抽出する。続いて、送信されてきた書籍画像から変換したテキストデータに合致する箇所が、抽出した電子書籍の内容にあるかどうかを判断する。
合致する箇所が見いだされなければ、ステップS52に戻って処理を繰り返す。合致する箇所が見いだされれば、電子書籍サーバ装置Sは、当該電子書籍の電子書籍IDを特定し、合致した箇所を特定する。たとえば、内容テキストデータの3214文字目から3657文字目というように合致箇所の特定を行う。
電子書籍サーバ装置Sは、次に、電子書籍データベース44のアノテーションデータ48を参照して、当該電子書籍の合致した箇所に当該ユーザが付したアノテーションがあるかどうかを判断する(ステップS55)。
図8Bに、アノテーションデータ48の例を示す。ユーザIDの欄には、当該アノテーションを付したユーザのユーザIDが記録されている。種類の欄には、アノテーションの種類が示されている。マーカ、しおり、メモ、傍線などの種類である。箇所の欄には、アノテーションの付された箇所が示されている。たとえば、「マーカ」のアノテーションについて、箇所が「1235-1260」と記録されていれば、1235文字目から1260文字目までにマーカが付されていることを示している。
電子書籍サーバ装置Sは、当該ユーザIDのユーザが、合致した箇所内においてアノテーションを付しているかどうかを判断する。アノテーションが見いだされれば、電子書籍サーバ装置Sは、当該アノテーションを現実の書籍の頁上に表示するための情報を、アノテーション処理端末装置ATに送信する(ステップS56、S57)。見いだされなければステップS52に戻って処理を繰り返す。
なお、電子書籍サーバ装置Sは、以下のようにしてアノテーションを表示するための情報を生成する。ここでは、マーカを例として説明する。まず、アノテーションデータを参照して、テキストデータのどの範囲にマーカが施されているかを取得する。たとえば、1235文字目から1242文字目というように取得する。続いて、ステップS52において受信した書籍画像を長方形変換した画像上において、当該マーカの対応する箇所を特定する。
前述のように、テキスト化する際に、各テキストの文字と書籍画像の文字との対応付けを行っているので、これをもとに特定することができる。たとえば、図9に示すように、マーカの範囲100を特定することができる。なお、たとえば、マーカは、文字幅に対して左右に所定割合(たとえば5%)外側となるような幅とし、文字高さに対して上下に所定割合(たとえば5%)外側となるような長さとして設定するように定めておくことができる。
次に、電子書籍サーバ装置Sは、マーカ範囲100の右上の位置Aと左下の位置Bを正規化された座標にて表す(図9参照)。この実施形態では、位置AのX座標は、現実の書籍の右上の点(紙の端部)から位置AまでのX方向距離X1の、現実の書籍の幅Wに対する比率(X1/W)とし、Y座標は、現実の書籍の右上の点(紙の端部)から位置AまでのY方向距離Y1の、現実の書籍の長さLに対する比率(Y1/L)として算出している。同様にして、位置BのX座標をX2/W、Y座標をY2/Lとして算出する。
電子書籍サーバ装置Sは、ステップS56において、アノテーションの種類と上記位置A、Bの正規化座標を送信する。
アノテーション処理端末装置ATは、これを受信して、カメラ17による現在の撮像画像に基づいて、現実の書籍の対応する位置に、アノテーションであるマーカが仮想現実として表示されるように、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)に表示を行う(ステップS22)。
たとえば、現在の撮像画像が図10のように現実の書籍を撮像していれば、その幅RWに、X1/Wを乗じて、A点のX座標RX1を算出し、その長さRLに、Y1/Lを乗じて、A点のY座標RY1を算出する。また、同様にして、B点のX座標、Y座標も算出する。アノテーション処理端末装置ATは、このA点とB点による矩形が仮想現実として認識されるように、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)の対応する位置にマーカの表示出力を行う。
なお、撮像画像において、図11に示すように、書籍がひずんで長方形でない場合には、図10のようにして算出したマーカの4隅A〜Dの座標位置を、ひずみにあわせて補正することで正しく表示を行うことができる。
なお、アノテーションがしおりである場合には、当該アノテーションの付された文字が含まれる頁において、文字の印刷されていない右上の空白部分に、しおりの画像が仮想現実として認識されるように表示を行う。メモである場合も、予め定められた空白の位置に、メモの画像が仮想現実として認識されるように表示を行う。
以上のようにして、現実の書籍を読んでいるユーザは、アノテーション処理端末装置ATの処理によって、図12に示すように仮想現実として現実の書籍50の上にマーカ52を認識することができる。
1.3アノテーション付与処理
図13、図14に、アノテーション処理端末装置ATにおいて現実の書籍の上で、操作部材(たとえばペン状の部材)を操作して、アノテーションを付与する処理のフローチャートを示す。この図においては、スマートフォンSPの連携アプリケーション、アノテーション処理端末装置ATのアノテーション端末プログラム15、電子書籍サーバ装置Sのサーバプログラム40のフローチャートが示されている。
図13、図14に、アノテーション処理端末装置ATにおいて現実の書籍の上で、操作部材(たとえばペン状の部材)を操作して、アノテーションを付与する処理のフローチャートを示す。この図においては、スマートフォンSPの連携アプリケーション、アノテーション処理端末装置ATのアノテーション端末プログラム15、電子書籍サーバ装置Sのサーバプログラム40のフローチャートが示されている。
ステップS11、S61、S12によるユーザ認証処理は、図6と同様の処理である。アノテーション処理端末装置ATを装着したユーザは、操作部材を現実の書籍の上に置き、メニューモードとするために予め定められたアクションを行う。たとえば、操作部材を上下に振るというアクションを行う。このアクションは、カメラ17によって撮像され、その画像が電子書籍サーバ装置Sに送信される(ステップS31)。
これを受信した電子書籍サーバ装置Sは、操作部材のアクションを検出して、アクションに対応して予め定められた命令を特定する。ここでは、操作部材を上下に振るというアクションが、メニュー表示に対応しているものとする。電子書籍サーバ装置Sは、メニュー画面をアノテーション処理端末装置ATに送信する(ステップS62)。アノテーション処理端末装置ATは、送信されてきたメニューをヘッドマウントディスプレイ16に表示する(ステップS32)。
ユーザは、操作部材を移動させて表示されたメニューの中からアノテーション付与を選択して、操作部材を横方向に移動させて決定を行う。これらメニュー項目の移動や決定は、上記と同じように、予め定められた操作部材のアクションを電子書籍サーバ装置Sが認識することによって実現している。
アノテーション付与の決定(に対応するアクション)が、電子書籍サーバ装置Sに送信される(ステップS32)。これを受けて、電子書籍サーバ装置Sは、アノテーション付与モードとなる。
続いて、ユーザは、現実の書籍の上でマーカを付与したい箇所に対し、操作部材を移動させる。この動作は、書籍の上に蛍光マーカを引く動作と同様の動作となるので、ユーザにとって違和感が少ない。
アノテーション処理端末装置ATは、操作部材の動きを含む現実の書籍を撮像した画像およびユーザIDを、電子書籍サーバ装置Sに送信する(ステップS33)。電子書籍サーバ装置Sは、受信した画像に基づいて、文字のテキスト化を行う(ステップS63)。この処理は、図6のステップS52と同様である。さらに、電子書籍サーバ装置Sは、当該ユーザが購入している電子書籍の内容中に、対応するテキストがあるかどうかを検索する(ステップS64)。あれば、対応する電子書籍を特定し、その該当箇所を特定する(ステップS65)。この処理は、図7のステップS53、S54と同様である。
続いて、電子書籍サーバ装置Sは、操作部材が現実の書籍の上でスライドされた位置(開始位置および終了位置)を特定する。書籍画像上での位置は、受信した書籍画像における操作部材の位置によって容易に特定することができる。電子書籍サーバ装置Sは、マーカの開始位置および終了位置を正規化して記録する。
さらに、電子書籍サーバ装置Sは、電子書籍データベース44に登録するためのアノテーションデータを生成する。前述のように、書籍画像における各文字の画像と、テキスト化された文字とは対応づけられている。したがって、上記画像におけるマーカ開始位置と終了位置に対応する文字テキストデータを特定して、アノテーションデータを生成することができる。生成されたアノテーションデータは、図8Bに示すように電子書籍データベース44に登録される(ステップS66)。
続いて、電子書籍サーバ装置Sは、アノテーション処理端末装置ATにおいてアノテーションを表示するための情報を、アノテーション処理端末装置ATに送信する(ステップS67)。このアノテーション情報は、図7のステップS57において送信するものと同様である。
アノテーション処理端末装置ATは、これを受信して、カメラ17による現在の撮像画像に基づいて、現実の書籍の対応する位置に、アノテーションであるマーカが仮想現実として表示されるように、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)に表示を行う(ステップS34)。この処理は、ステップS22と同様である。
ユーザは、操作部材を操作することによって、その軌跡にマーカが引かれたように知覚することになる。また、電子書籍データベース44に、アノテーションデータとしてマーカが登録されることになる。
上記では、マーカについて説明したが、しおりやメモについても同様である。なお、メモにおける文字入力は、操作部材の動きを電子書籍サーバ装置Sの側で検出して文字として認識することで可能である。あるいは、ヘッドマウントディスプレイ16にてキーボードを表示し、その位置を操作部材で選択することで入力を行うようにしてもよい。
上記では、アノテーションの付与について説明した。しかし、電子書籍サーバ装置Sに辞書を記録しておき、ユーザが操作部材によって選択した箇所の単語に対応する意味内容や翻訳を、当該単語の近傍や余白部分にアノテーション処理端末装置ATに表示するようにしてもよい。
また、アノテーション処理端末装置ATを装着したユーザが操作部材によって選択した単語を、電子書籍サーバ装置Sが受け取り、サーチエンジンのキーワードとしてインターネット検索を行い、その結果をアノテーション処理端末装置ATに送信するというような場合にも適用することができる。
1.4その他
(1)上記実施形態では、電子書籍サーバ装置Sにおいて書籍画像のテキスト化を行うようにしている。しかし、これをアノテーション処理端末装置ATの側で行うようにしてもよい。
(1)上記実施形態では、電子書籍サーバ装置Sにおいて書籍画像のテキスト化を行うようにしている。しかし、これをアノテーション処理端末装置ATの側で行うようにしてもよい。
(2)上記実施形態では、スマートフォンSPを用いて、ユーザを認証するようにしている。しかし、スマートフォンSPを用いずに、アノテーション処理端末装置ATから、ユーザID、パスワードを入力して、ユーザ認証を行うようにしてもよい。
(3)上記実施形態では、ユーザが購入した電子書籍についてのみアノテーションの表示、付与を可能としている。しかし、未購入の電子書籍についてもこれを可能としてもよい。さらに、他人が付与したアノテーションも表示できるようにしてもよい。
(4)上記実施形態では、アノテーションのために、書籍画像中の各文字画像、これに対応するテキスト文字、テキスト文字に対応付けられた情報、当該情報をテキスト文字に対応する書籍画像中の文字画像に対して適用する、という処理を行っている。しかし、このような対応づけ処理は、アノテーション以外の処理にも用いることができる。
(5)上記実施形態では、操作部材を用いているが、指などの人体の一部を操作部として用いてもよい。
(6)上記実施形態では、現実の書籍の頁を撮像し、これに対応するアノテーションを表示するようにしている。しかし、現実の書籍の表紙や背表紙を撮像し、それに含まれる文字画像をテキスト化して、書籍のタイトルを取得して、書籍を特定するようにしてもよい。さらに、これに対応して、電子書籍サーバ装置Sから、当該書籍に含まれるアノテーションの一覧を、アノテーション処理端末装置ATにおいて表示するようにしてもよい。
(7)上記実施形態では、文字テキストを書籍の内容としたが、絵や図形や写真などを書籍の内容としてもよい。これらの場合、撮像した絵、図形、写真などが電子書籍データと画像として合致するかどうかを判断して、該当箇所を特定すればよい。
(8)上記実施形態では、アノテーション処理端末装置ATから操作部材の動き画像を送信し、電子書籍サーバ装置Sにおいてアノテーションデータを生成するようにしている。しかし、操作部材の動きに基づくアノテーションデータの生成をアノテーション処理端末装置ATにて行い、生成したアノテーションデータを電子書籍サーバ装置Sに送信するようにしてもよい。
(9)上記実施形態では、電子書籍サーバ装置SにおいてステップS63、S64、S65、S66を行うようにしている。しかし、アノテーション処理端末装置ATに電子書籍データが記録されていれば、これら処理を、アノテーション処理端末装置ATにおいて行うようにしてもよい。
(10)上記実施形態では、テキスト化した文字データによって、電子書籍を特定し、さらに、電子書籍内での箇所を特定するようにしている。しかし、電子書籍の特定は他の方法によって行い(たとえば、ユーザが電子書籍IDを入力する)、電子書籍内での箇所の特定を、テキスト化した文字データによって行うようにしてもよい。
(11)この実施形態および上記変形例は、その本質に反しない限り、第2の実施形態にも適用することができる。
2.第2の実施形態
2.1システムの構成
図15に、この発明の他の実施形態による書籍システムの全体構成を示す。電子書籍サーバ装置Sの記録部27には、電子書籍のデータが記録されている。また、電子書籍データには、それぞれ、電子書籍IDが付されて記録されている。
2.1システムの構成
図15に、この発明の他の実施形態による書籍システムの全体構成を示す。電子書籍サーバ装置Sの記録部27には、電子書籍のデータが記録されている。また、電子書籍データには、それぞれ、電子書籍IDが付されて記録されている。
電子書籍端末装置ETは、たとえば、カメラ、ヘッドマウントディスプレイを搭載した眼鏡型ウエアラブルコンピュータを用いることができる。ユーザの操作により、電子書籍端末装置ETの電子書籍ID送信手段3は、電子書籍IDを電子書籍サーバ装置Sに送信する。
電子書籍サーバ装置Sの電子書籍データ送信手段29は、受け取った電子書籍IDに対応する電子書籍データを記録部27から読み出して、電子書籍端末装置ETに送信する。電子書籍端末装置ETの電子書籍受信手段5は、これを受信して、電子書籍記録部7に記録する。
撮像部9は、現実の空白書籍(内容文字の印刷されていない書籍)51を撮像する。頁特定手段21は、撮像画像に基づいていずれの頁が開かれているかを特定する。たとえば、空白書籍の各頁において頁番号を印刷しておき、これを認識するようにすればよい。
表示手段23は、電子書籍記録部7から電子書籍データを読み出し、特定した頁に対応する箇所を表示部25によって表示させ、仮想現実として、空白書籍51に文字があるようにユーザに認識させる。
ユーザが、空白書籍51の頁をめくると、頁特定手段21が新たな頁を認識する。これにより、表示手段23は、当該新たな頁に対応する箇所を表示部25によって表示させる。
このようにして、あたかも、空白書籍51に文字が印刷されているかのように仮想現実を提供することができる。
図16に、書籍システムのシステム構成を示す。電子書籍端末装置ETは、たとえば、ユーザの眼鏡などに装着されており、無線通信によってサーバ装置Sと通信可能である。ユーザは、この電子書籍端末装置ETを装着し、空白書籍51を見ることで、空白書籍51の上に文字を見ることができる。
サーバ装置Sのハードウエア構成は、図3に示すとおりである。
電子書籍端末装置ETを装着した状態は、図4と同様である。図4においては、アノテーション処理端末装置ATを示しているが、本実施形態による電子書籍端末装置ETも同様である。この実施形態では、眼鏡に電子書籍端末装置ETを取り付けて、ユーザが装着するようにしている。この電子書籍端末装置ETは、ユーザの視線と同方向を撮像するカメラ17、カメラの反対側(つまり、ユーザの目の側)に設けられたヘッドマウントディスプレイ16(図示せず)を備えている。ヘッドマウントディスプレイ16は、ユーザが肉眼で見ている対象に仮想現実としての画像を重ねて表示するものである。
電子書籍端末装置ETのハードウエア構成は、図5に示すものと同様である。ただし、不揮発性メモリ13には、アノテーション端末プログラム15に代えて、電子書籍端末プログラム19が記録されている点が異なる。
2.2電子書籍表示処理
図17に、電子書籍表示処理のフローチャートを示す。電子書籍端末装置ETのCPU10(以下、電子書籍端末装置ETと省略することがある)は、ユーザによる操作部材の動きをカメラ17で撮像し、動きに対応する入力を受け付ける。また、ヘッドマウントディスプレイ16に仮想キーボードを表示し、これを操作部材によって選択する動作を行うことで、文字などの入力を行うこともできる。
図17に、電子書籍表示処理のフローチャートを示す。電子書籍端末装置ETのCPU10(以下、電子書籍端末装置ETと省略することがある)は、ユーザによる操作部材の動きをカメラ17で撮像し、動きに対応する入力を受け付ける。また、ヘッドマウントディスプレイ16に仮想キーボードを表示し、これを操作部材によって選択する動作を行うことで、文字などの入力を行うこともできる。
ユーザは、操作部材を操作して電子書籍端末装置ETに、ユーザID、パスワードを入力する。これを受けて、電子書籍端末装置ETは、ユーザID、パスワードを、電子書籍サーバ装置Sに送信する(ステップS101)。
電子書籍サーバ装置Sは、ユーザID,パスワードに基づいて当該ユーザの認証を行う。ユーザ認証ができると、電子書籍サーバ装置Sは、当該ユーザが購入済みの電子書籍(およびそのID)の一覧を送信する(ステップS201)。なお、この際、既にダウンロード済みの電子書籍は一覧から外すようにしてもよい。
電子書籍端末装置ETは、ヘッドマウントディスプレイ16に、受信した電子書籍の一覧を表示する(ステップS102)。ユーザは、操作部材を操作して、一覧の中から電子書籍を選択する。これに応じて、電子書籍端末装置ETは、選択された電子書籍の電子書籍IDを、電子書籍サーバ装置Sに送信する(ステップS103)。
電子書籍サーバ装置Sは、この電子書籍IDに対応する電子書籍データを、電子書籍データベース44から読み出して、電子書籍端末装置ETに送信する(ステップS202)。電子書籍端末装置ETは、受信した電子書籍データを、不揮発性メモリ13に記録する(ステップS104)。
ユーザは、図18に示す空白書籍51を見る。これにより、装着されている電子書籍端末装置ETのカメラ17が、空白書籍51を撮像する。空白書籍51は、内容の印刷されていない書籍であり、頁を示す識別記号(図では頁数)55が印刷されている。
電子書籍端末装置ETは、撮像した空白書籍51の画像に基づいて、識別記号55を解析し、現在開かれている箇所の頁数を判断する(ステップS105)。図18の例では、6頁および7頁であると認識されることになる。
続いて、電子書籍端末装置ETは、当該頁に対応する電子書籍データの箇所を不揮発性メモリ13から読み出す。なお、この実施形態では、1頁に表示できる文字数を予め定めている。したがって、所定の頁に対応する箇所を抽出することができる。
電子書籍端末装置ETは、電子書籍データの該当箇所を、ヘッドマウントディスプレイ16に表示する(ステップS106)。この際、電子書籍端末装置ETは、カメラ17による撮像画像を参照して、空白書籍51の上に文字が印刷されているかのごとくユーザが感じられるよう仮想現実として表示を行う。
ユーザが空白書籍51の頁をめくると、その頁に対応する箇所が仮想現実として表示される。
なお上記の例においては、電子書籍の表示のみを行っているが、アノテーションについても同様にして表示することができる。
2.3アノテーション付与処理
図19に、アノテーション付与の際のフローチャートを示す。電子書籍端末装置ETを装着したユーザは、操作部材を現実の書籍の上に置き、メニューモードとするために予め定められたアクションを行う。たとえば、操作部材を上下に振るというアクションを行う。このアクションは、カメラ17によって撮像され、電子書籍端末装置ETによって、アクションに対応する命令が特定される。
図19に、アノテーション付与の際のフローチャートを示す。電子書籍端末装置ETを装着したユーザは、操作部材を現実の書籍の上に置き、メニューモードとするために予め定められたアクションを行う。たとえば、操作部材を上下に振るというアクションを行う。このアクションは、カメラ17によって撮像され、電子書籍端末装置ETによって、アクションに対応する命令が特定される。
ここでは、操作部材を上下に振るというアクションが、メニュー表示に対応しているものとする。したがって、電子書籍端末装置ETは、ヘッドマウントディスプレイ16にメニューを表示する。
ユーザは、操作部材を移動させて表示されたメニューの中からアノテーション付与を選択して、操作部材を横方向に移動させて決定を行う。これらメニュー項目の移動や決定は、上記と同じように、予め定められた操作部材のアクションを電子書籍端末装置ETが認識することによって実現している。
アノテーション付与の決定(に対応するアクション)により、電子書籍端末装置ETは、アノテーション付与モードとなる。
続いて、ユーザは、空白書籍51の上でマーカを付与したい箇所に対し、操作部材を移動させる。この動作は、書籍の上に蛍光マーカを引く動作と同様の動作となるので、ユーザにとって違和感が少ない。
電子書籍端末装置ETは、ヘッドマウントディスプレイ16にて、操作部材によってなぞられた箇所に、マーカが引かれたかのように仮想現実を表示する(ステップS112)。
さらに、電子書籍端末装置ETは、マーカの引かれた部分が、電子書籍データのいずれの部分にあたるかを判断する。当該電子書籍データの箇所に対応づけて、アノテーションデータを生成し、ユーザIDを付して、電子書籍サーバ装置Sに送信する(ステップS113)。
これを受けた電子書籍サーバ装置Sは、アノテーションデータを電子書籍データベース44に記録する(ステップS211)。
1.4その他
(1)上記実施形態では、電子書籍端末装置ETは、空白書籍51の識別記号55を読み取って、表示すべき対象箇所を特定するようにしている。しかし、空白書籍51の各頁の識別符号55を解析せず(あるいは、識別符号55を印刷せず)、電子書籍サーバ装置Sに記録されている既読頁情報に基づいて、当該既読頁を対象箇所として表示するようにしてもよい。購入後初めて開く本の場合には、最初のページを表示する。また、頁がめくられたこと(戻されたこと)を撮像画像から判断し、次の頁(前の頁)に対応する箇所を表示するようにする。
(1)上記実施形態では、電子書籍端末装置ETは、空白書籍51の識別記号55を読み取って、表示すべき対象箇所を特定するようにしている。しかし、空白書籍51の各頁の識別符号55を解析せず(あるいは、識別符号55を印刷せず)、電子書籍サーバ装置Sに記録されている既読頁情報に基づいて、当該既読頁を対象箇所として表示するようにしてもよい。購入後初めて開く本の場合には、最初のページを表示する。また、頁がめくられたこと(戻されたこと)を撮像画像から判断し、次の頁(前の頁)に対応する箇所を表示するようにする。
また、空白書籍51を用いることなく、机の上などに文字を仮想現実として表示するようにしてもよい。この場合、頁めくりや頁戻しは、操作部材のアクションによって行うようにすればよい。
(2)上記実施形態では、電子書籍データを電子書籍サーバ装置Sから電子書籍端末装置ETにダウンロードして閲覧する方式を説明した。しかし、電子書籍端末装置ETから電子書籍サーバ装置Sに対して何頁を表示すべきかを送信し、これを受けて、電子書籍サーバ装置Sから該当箇所の電子書籍データを送信するようにしてもよい。
(3)この実施形態および上記変形例は、その本質に反しない限り、第1の実施形態にも適用することができる。
Claims (12)
- 電子書籍サーバ装置とアノテーション処理端末装置とを備えた書籍システムであって、
前記電子書籍サーバ装置は、
現実の書籍に対応する電子書籍を記録するとともに、当該電子書籍の該当箇所情報が付されたアノテーションを記録する記録部と、
現実の書籍を撮像した撮像情報をアノテーション処理端末装置から受けて、当該撮像情報に基づいて、撮像された現実の書籍に対応する電子書籍を特定するとともに、撮像箇所が電子書籍のいずれの箇所に対応するかを特定する書籍箇所特定手段と、
前記記録部を参照し、書籍箇所特定手段によって特定された電子書籍の該当箇所とともに、当該電子書籍の箇所に関連づけられたアノテーションをアノテーション処理端末装置に送信するアノテーション送信手段とを備え、
前記アノテーション処理端末装置は、
現実の書籍を撮像するための撮像部と、
撮像された現実の書籍の撮像情報を前記電子書籍サーバ装置に送信する撮像情報送信手段と、
電子書籍の箇所に関連づけられたアノテーションを、前記電子書籍サーバ装置から受信し、撮像部による撮像情報を参照して、当該箇所に対応する現実の書籍の箇所に、当該アノテーションを仮想現実として表示部によって表示させるためのアノテーション表示手段と、
を備えた書籍システム。 - 請求項1の書籍システムにおいて、さらに電子書籍端末装置を備え、
前記電子書籍端末装置は、
前記電子書籍サーバ装置から電子書籍およびアノテーションを受信する受信手段と、
受信した電子書籍およびアノテーションを電子書籍端末装置の表示部に表示する表示手段と、
表示された電子書籍に対して、電子書籍端末装置の入力部からのアノテーション操作を受け付けるアノテーション操作手段と、
前記アノテーション操作の内容を、電子書籍サーバ装置の記録部に記録するために、電子書籍サーバ装置に送信するアノテーション操作送信手段と、
を備えたことを特徴とする書籍システム。 - 現実の書籍に対応する電子書籍を記録するとともに、当該電子書籍の該当箇所情報が付されたアノテーションを記録する記録部と、
現実の書籍を撮像した撮像情報をアノテーション処理端末装置から受けて、当該撮像情報に基づいて、撮像された現実の書籍に対応する電子書籍を特定するとともに、撮像箇所が電子書籍のいずれの箇所に対応するかを特定する書籍箇所特定手段と、
前記記録部を参照し、書籍箇所特定手段によって特定された電子書籍の該当箇所とともに、当該電子書籍の箇所に関連づけられたアノテーションをアノテーション処理端末装置に送信するアノテーション送信手段と、
を備えた電子書籍サーバ装置。 - 請求項1〜3のいずれかのシステムまたは装置において、
前記電子書籍サーバ装置の記録部に記録されたアノテーションには、当該アノテーションを付したユーザのユーザIDが対応付けて記録されており、
前記電子書籍サーバ装置のアノテーション送信手段は、前記アノテーション処理端末装置またはこれに関連づけられた携帯端末装置から受信したユーザIDに基づいて、当該ユーザIDに対応するアノテーションを選択して送信することを特徴とするシステムまたは装置。 - 請求項1〜4のいずれかのシステムまたは装置において、
前記電子書籍サーバ装置は、
現実の書籍に関連づけられた操作部の動きを撮像した画像をアノテーション処理端末装置から受けて、当該操作部の動きに基づいて、電子書籍の対応する箇所にアノテーションを生成して記録するアノテーション記録手段をさらに備えたことを特徴とするシステムまたは装置。 - 現実の書籍を撮像するための撮像部と、
撮像された現実の書籍の撮像情報を電子書籍サーバ装置に送信する撮像情報送信手段と、
前記現実の書籍に対応する電子書籍の箇所に関連づけられたアノテーションを、前記電子書籍サーバ装置から受信し、撮像部による撮像画像を参照して、当該箇所に対応する現実の書籍の箇所に、当該アノテーションを仮想現実として表示部によって表示させるためのアノテーション表示手段と、
を備えたアノテーション処理端末装置。 - 請求項6のアノテーション処理端末装置において、
前記撮像部は、現実の書籍に関連づけられた操作部の動きを撮像し、
前記撮像部によって撮像された、当該現実の書籍に関連づけられた操作部の動きに基づいて、電子書籍の対応する箇所にアノテーションを生成して前記電子書籍サーバ装置に送信するアノテーション登録手段と、
をさらに備えるアノテーション処理端末装置。 - アノテーション処理端末装置を、コンピュータによって実現するためのアノテーション処理端末プログラムであって、コンピュータを、
撮像された現実の書籍の撮像情報を電子書籍サーバ装置に送信する撮像情報送信手段と、
前記現実の書籍に対応する電子書籍の箇所に関連づけられたアノテーションを、前記電子書籍サーバ装置から受信し、撮像部による現実の書籍の撮像情報を参照して、当該箇所に対応する現実の書籍の箇所に、当該アノテーションを仮想現実として表示部によって表示させるためのアノテーション表示手段として機能させるためのアノテーション処理端末プログラム。 - 請求項8のアノテーション処理端末プログラムにおいて、コンピュータをさらに、
前記撮像部によって撮像された、当該現実の書籍に関連づけられた操作部の動きに基づいて、電子書籍の対応する箇所にアノテーションを生成して前記電子書籍サーバ装置に送信するアノテーション登録手段として機能させるためのアノテーション処理端末プログラム。 - 電子書籍サーバ装置と電子書籍端末装置とを備えた書籍システムであって、
前記電子書籍サーバ装置は、
電子書籍を記録する記録部と、
電子書籍IDを電子書籍端末装置から受けて、当該電子書籍IDに対応する電子書籍を電子書籍端末装置に送信する送信手段とを備え、
前記電子書籍端末装置は、
前記電子書籍サーバ装置に対して、表示したい電子書籍の電子書籍IDを送信する電子書籍ID送信手段と、
前記電子書籍サーバ装置から、前記電子書籍IDに対応する電子書籍を受信する電子書籍受信手段と、
電子書籍を表示するための空白領域を有し各頁を示す表示が付された空白書籍を撮像するための撮像部と、
前記撮像された空白書籍の撮像画像に基づいて、前記空白書籍の頁を特定する頁特定手段と、
撮像部による撮像情報を参照して、前記空白書籍の前記空白領域に、電子書籍の特定した頁を仮想現実として表示部によって表示させるための表示手段と、
を備えた書籍システム。 - 電子書籍を記録する電子書籍記録部と、
電子書籍を表示するための空白領域を有し各頁を示す表示が付された空白書籍を撮像するための撮像部と、
前記撮像された空白書籍の撮像画像に基づいて、前記空白書籍の頁を特定する頁特定手段と、
撮像部による撮像情報を参照して、前記空白書籍の前記空白領域に、電子書籍の特定した頁を仮想現実として表示部によって表示させるための表示手段と、
を備えた電子書籍端末装置。 - コンピュータによって電子書籍端末装置を実現するための電子書籍端末プログラムであって、
電子書籍を表示するための空白領域を有し各頁を示す表示が付された空白書を撮像した籍撮像画像に基づいて、前記空白書籍の頁を特定する頁特定手段と、
前記特定した空白書籍の頁に対応する電子書籍の頁を、電子書籍を記録する電子書籍記録部から取得し、撮像部による撮像情報を参照して、前記空白書籍の前記空白領域に、前記電子書籍の特定した頁を仮想現実として表示部によって表示させるための表示手段と、
を備えた電子書籍端末プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016072157A JP2017182647A (ja) | 2016-03-31 | 2016-03-31 | 現実の書籍と電子書籍が連携した書籍システム |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019101886A (ja) * | 2017-12-06 | 2019-06-24 | 富士ゼロックス株式会社 | 表示装置及びプログラム |
KR102031328B1 (ko) * | 2019-04-17 | 2019-10-11 | 주식회사 케이밴드 | 키오스크를 이용한 무인 독서실 관리 시스템 |
CN114861613A (zh) * | 2022-05-31 | 2022-08-05 | 北京字节跳动网络技术有限公司 | 用于管理电子书籍中的注释的方法、装置、设备和介质 |
-
2016
- 2016-03-31 JP JP2016072157A patent/JP2017182647A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019101886A (ja) * | 2017-12-06 | 2019-06-24 | 富士ゼロックス株式会社 | 表示装置及びプログラム |
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