JP2017177900A - 車高調整装置 - Google Patents

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高寛 春日
崇広 是澤
Takahiro Koresawa
崇広 是澤
雅理 池田
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雅理 池田
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Abstract

【課題】車高調整装置の制御により停車時にも車高が所定の高さに維持されている場合に強制的に車高を低下させることを可能とする。【解決手段】車高調整装置は、車両の車両本体と車軸との相対位置を変更する変更装置と、車両本体と車軸との相対位置を検出する検出部と、この検出部の検出値に基づき変更装置を制御して相対位置を変更することにより、車両本体の高さである車高を制御する車高制御装置と、車高制御装置による制御に関わらず、強制的に変更装置に相対位置を変更させる強制制御装置と、を備える。【選択図】図13

Description

本発明は、自動二輪車の車高を調整する車高調整装置に関する。
近年、自動二輪車の走行中は車高を高くし、停車中は乗り降りを楽にするために車高を低くする装置が提案されている。
例えば、特許文献1に記載の車高調整装置は、自動二輪車の走行速度(車速)に応答して自動的に車高を変え、車速が設定速度になったら自動的に車高を高くし、車速が設定速度以下になると自動的に車高を低くする。そして、車高を調整するために、電磁アクチュエータが作動させられる。
特公平8−22680号公報
車高調整装置では、車高を検出する検出部の検出値に基づいて、車高を調整する変更装置(例えば電磁アクチュエータ)を制御することも考えられる。かかる構成において、例えば、検出部に故障が発生した場合に、実際の車高に関わらず、車高を上昇させようとしたり、所定の高さで維持しようとする制御が行われる場合がある。そして、停車時にも車高が高いままになってしまうと、乗り降りが困難となる。このような場合、運転者の操作により強制的に車高を低下させる機構があれば、乗り降りする際の危険を抑制することができる。
本発明は、車高調整装置の制御により停車時にも車高が所定の高さに維持されている場合に強制的に車高を低下させることを可能とする手段を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明は、車両の車両本体と車軸との相対位置を変更する変更装置と、
前記車両の前記車両本体と前記車軸との前記相対位置を検出する検出部と、
前記検出部の検出値に基づき前記変更装置を制御して前記相対位置を変更することにより、前記車両本体の高さである車高を制御する車高制御装置と、
前記車高制御装置による制御に関わらず、強制的に前記変更装置に前記相対位置を変更させる強制制御装置と、を備える車高調整装置である。
ここで、前記強制制御装置は、前記変更装置により変更可能な最も低い車高に対応する位置まで前記相対位置を変更させる構成としてもよい。
また、前記強制制御装置による車高の制御は、車速が所定速度以下である場合にのみ有効となるように構成してもよい。
また、前記変更装置は、前記車両の前記車両本体と車輪とを連結し車両に加わる重量に応じて伸縮するスプリングと、前記スプリングの一方の端部を支持してスプリングの長さを変える支持部材と、前記支持部材を移動させる作動油が流入する作動油室と、前記作動油室に流入する作動油の量を開度によって調整する電磁弁と、を備える構成とし、前記強制制御装置は、前記電磁弁を作動させるための電流を制御することにより前記支持部材を移動させるように構成してもよい。
本発明によれば、車高調整装置の制御により停車時にも車高が所定の高さに維持されている場合に強制的に車高を低下させることが可能となる。
実施の形態に係る自動二輪車の概略構成を示す図である。 実施の形態に係るフロントフォークの断面図である。 図2のIII部の拡大図である。 図3のIV部の拡大図である。 フロントフォークの圧縮行程時の作用を説明するための図である。 フロントフォークの伸張行程時の作用を説明するための図である。 前輪側流路切替ユニットが第1切替状態である場合のオイルの流通状態を示す図である。 前輪側流路切替ユニットが第2切替状態である場合のオイルの流通状態を示す図である。 前輪側流路切替ユニットが第3切替状態である場合のオイルの流通状態を示す図である。 前輪側流路切替ユニットが第4切替状態である場合のオイルの流通状態を示す図である。 (a)は、前輪側流路切替ユニットが第1切替状態である場合の、第1連通路、第2連通路及び第3連通路の開閉状態を模式的に示す図である。(b)は、前輪側流路切替ユニットが第2切替状態である場合の、第1連通路、第2連通路及び第3連通路の開閉状態を模式的に示す図である。(c)は、前輪側流路切替ユニットが第3切替状態である場合の、第1連通路、第2連通路及び第3連通路の開閉状態を模式的に示す図である。 制御装置のブロック図である。 流路切替ユニット制御部のブロック図である。 制御装置の制御部の動作を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る自動二輪車1の概略構成を示す図である。
自動二輪車(車両)1は、前側の車輪である前輪2と、後側の車輪である後輪3と、自動二輪車1の骨格をなす車体フレーム11、ハンドル12、エンジン13及びシート19などを有する車両本体10と、を備えている。
また、自動二輪車1は、前輪2と車両本体10とを連結する懸架装置の一例としてのフロントフォーク21を、前輪2の左側と右側にそれぞれ1つずつ有している。また、自動二輪車1は、後輪3と車両本体10とを連結するリヤサスペンション22を、後輪3の左側と右側にそれぞれ1つずつ有している。図1では、右側に配置されたフロントフォーク21及びリヤサスペンション22のみを示している。なお、フロントフォーク21、リヤサスペンション22は、車両本体10と前輪2、後輪3の車軸との相対位置を変更する変更装置の一例である。
また、自動二輪車1は、前輪2の左側に配置されたフロントフォーク21と前輪2の右側に配置されたフロントフォーク21とを保持する2つのブラケット14と、2つのブラケット14の間に配置されたシャフト15と、を備えている。シャフト15は、車体フレーム11に回転可能に支持されている。
また、自動二輪車1は、電磁弁の一例としてのフロントフォーク21の後述する前輪側流路切替ユニット300及びリヤサスペンション22の後述する後輪側流路切替ユニット302を制御することで自動二輪車1の車高を制御する制御装置70を備えている。
また、自動二輪車1は、前輪2の回転角度を検出する前輪回転検出センサ31と、後輪3の回転角度を検出する後輪回転検出センサ32とを備えている。
また、自動二輪車1のハンドル12には、制御装置70に対して強制的に車高を制御させる強制制御装置の一例としての強制下降スイッチ800が設けられている。
<フロントフォーク21の構成>
次に、フロントフォーク21について詳述する。
図2は、本発明の実施の形態に係るフロントフォーク21の断面図である。
本実施の形態に係るフロントフォーク21は、自動二輪車1の車両本体10と前輪2との間に配置されて前輪2を支えるとともに、後述するアウタ部材110が前輪2側にインナチューブ210が車両本体10側に配置された、所謂正立型のフロントフォークである。
フロントフォーク21は、アウタ部材110を有して前輪2の車軸に取り付けられる車軸側ユニット100と、インナチューブ210を有して車両本体10に取り付けられる本体側ユニット200と、を備えている。また、フロントフォーク21は、車軸側ユニット100と本体側ユニット200との間に配置されて、路面の凸凹に伴い前輪2が受ける振動を吸収する前輪側スプリング500を備えている。
アウタ部材110及びインナチューブ210は、同軸的に配置された円筒状の部材であり、この円筒の中心線の方向(軸方向)を、以下では「上下方向」と称する場合がある。かかる場合、車両本体10側が「上」側、前輪2側が「下」側である。そして、フロントフォーク21は、車軸側ユニット100と本体側ユニット200とが上下方向(軸方向)に相対的に移動することにより、前輪2を支持しながら路面の凸凹を吸収して振動を抑制する。
[車軸側ユニット100の構成]
車軸側ユニット100は、前輪2の車軸に取り付けられるアウタ部材110と、オイルの粘性抵抗を利用した減衰力を発生する減衰力発生ユニット130と、減衰力発生ユニット130を保持するロッド150と、ロッド150の下端部を保持するロッド保持部材160とを備えている。
また、車軸側ユニット100は、ロッド保持部材160の後述する軸方向凹部161aに挿入された球状のボール166と、ボール166の移動を制限する制限部材167とを備えている。
また、車軸側ユニット100は、前輪側スプリング500の下端部を支持するスプリング支持部材170と、スプリング支持部材170を保持する支持部材保持部材180と、インナチューブ210の軸方向の移動を案内する案内部材190とを備えている。
(減衰力発生ユニット130の構成)
減衰力発生ユニット130は、後述するシリンダ230の内側の空間に形成された作動油室50内を区画するピストン131と、ピストン131の上端側に設けられた上端側バルブ136と、ピストン131の下端側に設けられた下端側バルブ137とを備えている。また、減衰力発生ユニット130は、ピストン131、上端側バルブ136及び下端側バルブ137などを支持するピストンボルト140と、ピストンボルト140に締め付けられてピストン131、上端側バルブ136及び下端側バルブ137などの位置を定めるナット145とを備えている。
ピストン131は、円筒状の部材であって、外周面に、シリンダ230との間の隙間をシールするシール部材を有している。ピストン131には、軸方向の貫通孔である第1貫通孔132及び第2貫通孔133が形成されている。また、ピストン131には、上端部にて径方向に延びて形成されると共に第1貫通孔132に連通する第1径方向連通路134と、下端部にて径方向に延びて形成されると共に第2貫通孔133に連通する第2径方向連通路135とが形成される。第1貫通孔132及び第2貫通孔133は、それぞれ周方向に等間隔に複数(例えば3つ)形成されており、第1径方向連通路134,第2径方向連通路135は、それぞれ第1貫通孔132,第2貫通孔133に対応する位置に形成されている。
ピストンボルト140は、上端側に設けられた円柱状の軸部141と、下端側に設けられるとともに軸部141の半径よりも大きな半径の円柱状の基部142とを有する。ピストンボルト140には、基部142の下端面から軸部141にかけて凹んだ凹部143が形成されている。凹部143における上端部には、軸部141の外側と凹部143とを連通するように径方向に貫通された径方向貫通孔144が形成されている。
ナット145には、上端部に、ピストンボルト140の雄ねじが締め付けられる雌ねじ146が形成され、雌ねじ146よりも下方には、下端面から凹むとともに雌ねじ146の谷の半径よりも大きな半径の円柱状の凹部147が形成されている。また、ナット145には、ナット145の外部と凹部147とを連通するように径方向に貫通された径方向貫通孔148が形成されている。
以上のように構成された減衰力発生ユニット130は、ピストンボルト140の凹部143に形成された雌ねじにロッド150の上端部に形成された雄ねじが締め付けられることでロッド150に保持される。そして、ピストン131が、その外周面に設けられたシール部材を介してシリンダ230の内周面に接触し、シリンダ230内の空間を、ピストン131よりも上方の第1油室51と、ピストンよりも下方の第2油室52とに区画する。
(ロッド保持部材160の構成)
ロッド保持部材160は、それぞれ径が異なる複数の円柱状の部位を有する部材であり、上端部にある上端側円柱状部161と、下端部にある下端側円柱状部162と、上端側円柱状部161と下端側円柱状部162との間にある中間円柱状部163とを有している。
上端側円柱状部161には、上端面から軸方向に凹んだ軸方向凹部161aと、外周面から径方向に全周に渡って凹んだ径方向凹部161bと、軸方向凹部161aと径方向凹部161bとを径方向に貫通する径方向貫通孔161cとが形成されている。
また、軸方向凹部161aには、内径が下方に行くに従って徐々に小さくなるように軸方向に対して傾斜した傾斜面161eが形成されている。
(支持部材保持部材180の構成)
支持部材保持部材180は、円筒状の部材であり、支持部材保持部材180には、軸方向の位置においてロッド保持部材160の径方向凹部161bに対応する位置に、内外を連通する連通孔182が形成されている。
以上のように構成された車軸側ユニット100においては、アウタ部材110の内周面と、ロッド150や支持部材保持部材180の外周面との間には、フロントフォーク21内に密封されたオイルを貯留するリザーバ室40(貯留室)が形成される。
[本体側ユニット200の構成]
本体側ユニット200は、両端が開口した円筒状のインナチューブ210と、インナチューブ210における上端部に取り付けられたキャップ220と、を備えている。
また、本体側ユニット200は、円筒状のシリンダ230と、シリンダ230における下端部に取り付けられてシリンダ230内の空間を密封する密封部材240とを備えている。
また、本体側ユニット200は、前輪側スプリング500の上端部を支持するとともに前輪側スプリング500の長さを調整(変更)する前輪側スプリング長変更ユニット250と、シリンダ230における上端部に取り付けられてオイルの流路を切り替える前輪側流路切替ユニット300とを備えている。
また、本体側ユニット200は、前輪側スプリング長変更ユニット250の後述するベース部材260に対する上端部支持部材270の相対位置を検出する前輪側相対位置検出部281(図11参照)を有している。
(キャップ220の構成)
キャップ220は略円筒状の部材である。キャップ220の外周面には、インナチューブ210に形成された雌ねじ213に締め付けられる雄ねじ221が形成され、内周面には、前輪側スプリング長変更ユニット250や前輪側流路切替ユニット300に形成された雄ねじが締め付けられる雌ねじが形成されている。そして、キャップ220は、インナチューブ210に取り付けられるとともに、前輪側スプリング長変更ユニット250や前輪側流路切替ユニット300を保持する。
また、キャップ220は、インナチューブ210の内部空間を液密に保つためのOリング222を有している。
(前輪側スプリング長変更ユニット250の構成)
前輪側スプリング長変更ユニット250は、キャップ220に固定されたベース部材260と、前輪側スプリング500の上端部を支持するとともにベース部材260に対して軸方向に相対移動することで前輪側スプリング500の長さを変更する上端部支持部材270とを備えている。
ベース部材260は、略円筒状の部材である。ベース部材260の上端部は、周方向の一部が径方向に突出した突出部260bが形成されており、突出部260bの内側と、後述する支持部材400の下端部における外周面との間に、シリンダ230内のオイルをリザーバ室40へ排出する排出流路41を形成する。また、ベース部材260の内周面とシリンダ230の外周面との間には、環状の環状流路61が形成される。
上端部支持部材270は、円筒状の円筒状部271と、円筒状部271における下端部から半径方向の内側に向かうように形成された内向部272とを有している。上端部支持部材270は、シリンダ230の外周面及びベース部材260の下端部との間の空間に、ベース部材260に対する上端部支持部材270の位置を変更するオイルを収容するジャッキ室60を形成する。
円筒状部271には、この円筒状部271の内外を連通するように径方向に貫通した径方向貫通孔273が形成されている。この径方向貫通孔273を介してオイルがジャッキ室60からリザーバ室40へ排出されることにより、ベース部材260に対する上端部支持部材270の移動量が制限される。
また、ジャッキ室60へは、ベース部材260の内周面とシリンダ230の外周面との間に形成された環状流路61を介してシリンダ230内のオイルが供給される。その詳細については後で詳述する。
(前輪側相対位置検出部281の構成)
前輪側相対位置検出部281(図11参照)は、ベース部材260に対する上端部支持部材270の上下方向への移動量、言い換えれば車体フレーム11に対する上端部支持部材270の上下方向への移動量を検出する物であることを例示することができる。例えば、ベース部材260の外周面にコイルを巻くとともに、上端部支持部材270を磁性体とし、ベース部材260に対する上端部支持部材270の上下方向への移動に応じて変化するコイルのインピーダンスに基づいて上端部支持部材270の移動量を検出する物であることを例示することができる。
(前輪側流路切替ユニット300の構成)
図3は、図2のIII部の拡大図である。
図4は、図3のIV部の拡大図である。
前輪側流路切替ユニット300は、後述するポンプ600にて吐出されたオイルをリザーバ室40へ供給するか、ポンプ600にて吐出されたオイルをジャッキ室60へ供給するか、ジャッキ室60に収容されたオイルをリザーバ室40へ供給するかを切り替える装置である。
前輪側流路切替ユニット300は、前輪側ソレノイド310と、球状の弁体321と、弁体321を押す棒状のプッシュロッド322と、弁体321の座面を有する弁体シート部材330と、コイルスプリング340と、コイルスプリング340のバネ力を受けて弁体321を座面に押し付ける押付部材350とを備えている。
また、前輪側流路切替ユニット300は、球状のボール360と、ボール360に対して軸方向の付勢力を与えるコイルスプリング361と、ボール360とコイルスプリング361との間に介在する円板362と、を備えている。また、前輪側流路切替ユニット300は、ボール360の座面を有するボールシート部材365と、コイルスプリング361及び円板362を収容する収容部材370とを備えている。
また、前輪側流路切替ユニット300は、弁体321や弁体シート部材330などを収容するバルブ収容内側部材380と、バルブ収容内側部材380の外側に配置されてボール360やボールシート部材365などを収容するバルブ収容外側部材390と、バルブ収容内側部材380及びバルブ収容外側部材390を支持する支持部材400とを備えている。
また、前輪側流路切替ユニット300は、前輪側ソレノイド310の後述する作動ロッド314の下端部に装着され、前輪側ソレノイド310の推力をプッシュロッド322に伝達する伝達部材410と、伝達部材410に対して軸方向の付勢力を与えるコイルスプリング415とを備えている。
<前輪側ソレノイド310の構成>
前輪側ソレノイド310は、コイル311と、コイル311の内側に配置されたコア312と、コア312に案内されるプランジャ313と、プランジャ313に連結された作動ロッド314とを備えた、比例ソレノイドである。
また、前輪側ソレノイド310は、コイル311、コア312及びプランジャ313などを収容するケース315と、ケース315の開口部を覆うカバー316とを備えている。
ケース315は、円筒状の円筒状部315aと、円筒状部315aにおける下端部から半径方向の内側に向かうように形成された内向部315bとを有している。内向部315bには、作動ロッド314を通す貫通孔が形成されているとともに作動ロッド314の移動をガイドするガイドブッシュ315cが嵌め込まれている。
作動ロッド314は、中空であり、上端部はケース315の内部に収容され、下端部はケース315から突出している。そして、作動ロッド314におけるケース315から突出した部位には、バルブ収容内側部材380に形成された後述する流路を開閉する円板状のバルブ317が取り付けられている。また、バルブ317とケース315との間における作動ロッド314の周囲には、バルブ317に対して軸方向の付勢力を与えるコイルスプリング318が取り付けられている。
以上のように構成された前輪側ソレノイド310は、キャップ220に装着されたコネクタ、リード線を介してコイル311に通電されることにより、通電電流に応じてプランジャ313に軸方向の推力が発生する。そして、プランジャ313の推力によってプランジャ313に連結された作動ロッド314が軸方向に移動する。本実施の形態に係る前輪側ソレノイド310は、コイル311への通電電流が大きくなるほど作動ロッド314のケース315からの突出量が大きくなるようにプランジャ313に軸方向の推力が発生する。
なお、コイル311への通電量は制御装置70にて制御される。
<弁体シート部材330の構成>
弁体シート部材330は、外径が下方に行くに従って徐々に大きくなるように軸方向に対して傾斜した傾斜面331を有する円錐状の円錐状部332と、円柱状の円柱状部333とを有する。
円錐状部332の内部には、上端面から凹んだ上端側凹部334が形成されている。また、円柱状部333の内部には、下端面から凹んだ下端側凹部335と、この下端側凹部335と上端側凹部334とを連通する連通孔336が形成されている。
下端側凹部335は、半径が下方に行くに従って徐々に大きくなるように軸方向に対して傾斜した傾斜面335aを有する円錐状の円錐状凹部335bと、円柱状の円柱状凹部335cとを有する。
円錐状部332の外周面には、全周に渡って凹んだ溝332aが形成されている。溝332aに、バルブ収容内側部材380との間の隙間をシールするOリング337が嵌め込まれている。
<バルブ収容内側部材380の構成>
バルブ収容内側部材380は、概略、上端部にフランジ部が形成された円柱状の部材である。バルブ収容内側部材380には、上端面から凹んだ上端側凹部381と、下端面から凹んだ下端側凹部382と、上端側凹部381と下端側凹部382とを連通する連通孔383とが形成されている。また、バルブ収容内側部材380の外周面には、全周に渡って径方向に凹んだ第1径方向凹部384と第2径方向凹部385とが形成されている。
上端側凹部381は、伝達部材410及びコイルスプリング415を収容するように、円柱状に形成されている。
下端側凹部382は、円柱状で径が互いに異なる第1円柱状凹部382a及び第2円柱状凹部382bと、第1円柱状凹部382aと第2円柱状凹部382bとの間に形成され半径が下方に行くに従って徐々に大きくなるように軸方向に対して傾斜した傾斜面を有する円錐状の円錐状凹部382cとを有する。
また、バルブ収容内側部材380には、下端側凹部382の第1円柱状凹部382aと第1径方向凹部384とを連通する径方向の貫通孔である第1径方向連通孔387が形成されている。第1径方向連通孔387は、周方向に等間隔に複数形成されている。
また、バルブ収容内側部材380には、第2円柱状凹部382bとバルブ収容内側部材380の外側とを連通する径方向の貫通孔である第2径方向連通孔388が形成されている。第2径方向連通孔388は、周方向に等間隔に複数形成されている。
また、バルブ収容内側部材380には、上端面と第1径方向凹部384とを連通する軸方向の貫通孔である内側軸方向連通孔389aが形成されている。内側軸方向連通孔389aは、周方向に等間隔に複数形成されている。
また、バルブ収容内側部材380のフランジ部には、このフランジ部を軸方向に貫通する貫通孔である外側軸方向連通孔389bが形成されている。外側軸方向連通孔389bは、周方向に等間隔に複数形成されている。
<バルブ収容外側部材390の構成>
バルブ収容外側部材390は、円筒状でそれぞれ外径が互いに異なる第1円筒状部391及び第2円筒状部392と、第1円筒状部391における上端部から半径方向に外側に向かうフランジ部とを有している。第1円筒状部391の外径は第2円筒状部392の外径よりも大きい。
バルブ収容外側部材390には、上端面から凹んだ上端面側凹部393が形成されている。
第1円筒状部391には、第1円筒状部391の下方であって第2円筒状部392の外周面とシリンダ230の内周面との間に形成された空間と、上端面側凹部393とを連通する軸方向の貫通孔である軸方向連通孔394が形成されている。軸方向連通孔394は、周方向に等間隔に複数形成されている。
また、第1円筒状部391には、内部と外部とを連通する径方向の貫通孔である第1径方向連通孔397及び第2径方向連通孔398が形成されている。第1径方向連通孔397及び第2径方向連通孔398は、周方向に等間隔に、軸方向連通孔394が形成されていない部位に複数形成されている。
以上のように構成された前輪側流路切替ユニット300においては、前輪側ソレノイド310のコイル311への通電が停止しているか又は予め定められた第1基準電流未満の電流が供給されている場合には、作動ロッド314に取り付けられたバルブ317がバルブ収容内側部材380の上端面に着座せずに、バルブ収容内側部材380に形成された内側軸方向連通孔389aの上端側の開口を開放する。
他方、前輪側ソレノイド310のコイル311へ第1基準電流以上の電流が供給されている場合には、作動ロッド314が下方に移動し、作動ロッド314に取り付けられたバルブ317がバルブ収容内側部材380の上端面に着座して内側軸方向連通孔389aの上端側の開口を閉じる。
そして、前輪側ソレノイド310のコイル311へ、第1基準電流よりも大きい予め定められた第2基準電流以上の電流が供給されている場合には、作動ロッド314がさらに下方に移動して伝達部材410を介してプッシュロッド322を下方へ押す。プッシュロッド322が下方へ移動すると、弁体321がプッシュロッド322から押されて弁体シート部材330の下端側凹部335の傾斜面335aから離れる。
以下では、コイル311への通電が停止しているか又は第1基準電流未満の電流が供給されている場合に、作動ロッド314に取り付けられたバルブ317がバルブ収容内側部材380に形成された内側軸方向連通孔389aを開放するとともに弁体321が弁体シート部材330の下端側凹部335の傾斜面335aに着座している状態を第1切替状態と称す。
また、コイル311へ第1基準電流以上であって第2基準電流未満の電流が供給され、作動ロッド314に取り付けられたバルブ317がバルブ収容内側部材380に形成された内側軸方向連通孔389aを閉じるとともに弁体321が弁体シート部材330の下端側凹部335の傾斜面335aに着座している状態を第2切替状態と称す。
また、コイル311へ第2基準電流以上であって第3基準電流未満の電流が供給され、作動ロッド314に取り付けられたバルブ317がバルブ収容内側部材380に形成された内側軸方向連通孔389aを閉じるとともに弁体321が弁体シート部材330の下端側凹部335の傾斜面335aから離れている状態を第3切替状態と称す。
なお、第1基準電流、第2基準電流は、それぞれ0.1A、0.5Aであることを例示することができる。また、前輪側ソレノイド310のコイル311に流れる最大電流は、3.2Aであることを例示することができる。
また、コイル311へ第3基準電流以上の電流が供給され、作動ロッド314に取り付けられたバルブ317がバルブ収容内側部材380に形成された内側軸方向連通孔389aを閉じるとともに、弁体シート部材330の円錐状部332の傾斜面331がバルブ収容内側部材380の円錐状凹部382cに形成された傾斜面から離れている状態を第4切替状態と称す。なお、この第4切替状態においては、弁体321は弁体シート部材330の下端側凹部335の傾斜面335aに着座している。
<フロントフォーク21の作用>
以上のように構成されたフロントフォーク21は、前輪側スプリング500が自動二輪車1の車重を支えて衝撃を吸収し、減衰力発生ユニット130が前輪側スプリング500の振動を減衰する。
図5は、フロントフォーク21の圧縮行程時の作用を説明するための図である。
フロントフォーク21の圧縮行程においては、減衰力発生ユニット130のピストン131が、白抜き矢印のようにシリンダ230に対して上方へ移動し、ピストン131の移動で第1油室51内のオイルは押されて圧力が上昇する。その結果、第1貫通孔132を塞ぐ下端側バルブ137が開き、オイルは第1貫通孔132を通って第2油室52に流入する(矢印C1参照)。この第1油室51から第2油室52へのオイルの流れは、第1貫通孔132及び下端側バルブ137で絞られ、圧縮行程時における減衰力を得る。
また、圧縮行程時にシリンダ230内部へロッド150が進入したことに起因して、ロッド進入体積分のオイルが、前輪側流路切替ユニット300の切替状態に応じて、ジャッキ室60又はリザーバ室40へ供給される(矢印C2参照)。前輪側流路切替ユニット300の切替状態に応じて、ジャッキ室60、リザーバ室40のいずれへ供給されるかについては後述する。なお、減衰力発生ユニット130、ロッド150及びシリンダ230などは、シリンダ230内のオイルをジャッキ室60又はリザーバ室40へ供給するポンプとして機能する。以下では、このポンプを「ポンプ600」と称す場合もある。
図6は、フロントフォーク21の伸張行程時の作用を説明するための図である。
フロントフォーク21の伸張行程においては、減衰力発生ユニット130のピストン131が、白抜き矢印のようにシリンダ230に対して下方へ移動し、ピストン131の移動で第2油室52内のオイルは押されて圧力が上昇する。その結果、第2貫通孔133を塞ぐ上端側バルブ136が開き、オイルは第2貫通孔133を通って第1油室51に流入する(矢印T1参照)。この第2油室52から第1油室51へのオイルの流れは、第2貫通孔133及び上端側バルブ136で絞られ、伸張行程時における減衰力を得る。
また、伸張行程時にシリンダ230内部からロッド150が退出したことに起因して、ロッド退出体積分のオイルが、リザーバ室40から第1油室51へ供給される。つまり、ピストン131が下方へ移動したことに起因して低圧となった第1油室51へ、リザーバ室40のオイルが進入する。つまり、リザーバ室40のオイルは、支持部材保持部材180の連通孔182、ロッド保持部材160の径方向貫通孔161cを通ってロッド保持部材160の軸方向凹部161aに進入した後にボール166を上方へ移動させてロッド150内部へ進入する(矢印T2参照)。そして、ロッド150内部へ進入したオイルは、ピストンボルト140の凹部143,径方向貫通孔144、ナット145の径方向貫通孔148を通って第1油室51へ至る(矢印T3参照)。
このように、支持部材保持部材180の連通孔182、ロッド保持部材160の径方向貫通孔161c、ロッド保持部材160の軸方向凹部161a、ロッド150内部、ピストンボルト140の凹部143,径方向貫通孔144、ナット145の径方向貫通孔148は、リザーバ室40からシリンダ230内(第1油室51)へオイルを吸入する吸入路として機能する。また、ボール166及びロッド保持部材160の軸方向凹部161aに形成された傾斜面161eは、リザーバ室40からロッド150内部へのオイルの流入を許容するとともにロッド150内部からリザーバ室40へのオイルの排出を抑制するチェック弁として機能する。
<前輪側流路切替ユニット300の切替状態に応じたオイルの流通状態>
図7は、前輪側流路切替ユニット300が第1切替状態である場合のオイルの流通状態を示す図である。
フロントフォーク21の圧縮行程時に前輪側流路切替ユニット300が第1切替状態である場合、減衰力発生ユニット130、ロッド150及びシリンダ230などにより構成されるポンプ600から吐出されたオイルは、図7に示した矢印P1のように、バルブ収容外側部材390に形成された軸方向連通孔394を通って上方へ向かう。そして、バルブ収容外側部材390に形成された軸方向連通孔394を通って上方へ向かったオイルは、バルブ収容内側部材380の外側軸方向連通孔389bを通って上方へ向かい、開放された内側軸方向連通孔389aを通って下方へ向かう。その後、オイルは、バルブ収容外側部材390に形成された第1径方向連通孔397、ベース部材260の突出部260bと支持部材400の下端部との間に形成された排出流路41を通ってリザーバ室40に向かう。
このように、バルブ収容外側部材390の軸方向連通孔394、バルブ収容内側部材380の外側軸方向連通孔389b及び内側軸方向連通孔389a、バルブ収容外側部材390の第1径方向連通孔397、排出流路41は、シリンダ230内とリザーバ室40とを連通する第1連通路R1(図11参照)として機能する。また、作動ロッド314に取り付けられたバルブ317、コイルスプリング318及びバルブ収容内側部材380の上端面が、この第1連通路R1を開閉する第1連通路開閉弁V1(図11参照)として機能する。
図8は、前輪側流路切替ユニット300が第2切替状態である場合のオイルの流通状態を示す図である。
フロントフォーク21の圧縮行程時に前輪側流路切替ユニット300が第2切替状態である場合、作動ロッド314に取り付けられたバルブ317がバルブ収容内側部材380に形成された内側軸方向連通孔389aを閉じているので、ポンプ600から吐出されたオイルは、図8に示した矢印P2のように、ジャッキ室60へ向かう。つまり、ポンプ600から吐出されたオイルは、コイルスプリング361の付勢力に抗してボール360を押し上げ、バルブ収容内側部材380の外周面及び収容部材370の外周面と、バルブ収容外側部材390の内周面との間の隙間を通って上方へ向かい、バルブ収容外側部材390の第2径方向連通孔398を通ってバルブ収容外側部材390の外側に向かう。第2径方向連通孔398を通ったオイルは、その後、シリンダ230の外周面と前輪側スプリング長変更ユニット250のベース部材260の内周面との間に形成された環状流路61を通ってジャッキ室60に向かう。
このように、バルブ収容内側部材380の外周面及び収容部材370の外周面と、バルブ収容外側部材390の内周面との間の隙間、バルブ収容外側部材390の第2径方向連通孔398及び環状流路61は、シリンダ230内とジャッキ室60とを連通する第2連通路R2(図11参照)として機能する。また、ボール360、コイルスプリング361、円板362及びボールシート部材365が、この第2連通路R2を開閉する第2連通路開閉弁V2(図11参照)として機能する。第2連通路開閉弁V2は、シリンダ230内からジャッキ室60へのオイルの流れを許容するとともにジャッキ室60からシリンダ230内へのオイルの流れを妨げるチェック弁でもある。
図9は、前輪側流路切替ユニット300が第3切替状態である場合のオイルの流通状態を示す図である。
フロントフォーク21の圧縮行程時に前輪側流路切替ユニット300が第3切替状態である場合、図9に示した矢印P3のように、ジャッキ室60内のオイルは、リザーバ室40に向かう。つまり、ジャッキ室60内のオイルは、シリンダ230の外周面と前輪側スプリング長変更ユニット250のベース部材260の内周面との間に形成された環状流路61、バルブ収容外側部材390の第2径方向連通孔398及びバルブ収容内側部材380の第2径方向連通孔388を通ってバルブ収容内側部材380の下端側凹部382に進入する。バルブ収容内側部材380の下端側凹部382に進入したオイルは、バルブ収容内側部材380と弁体シート部材330の円柱状部333の外周面との間の隙間を通って下方へ向かい、弁体シート部材330の下端側凹部335に進入する。弁体シート部材330の下端側凹部335に進入したオイルは、押付部材350、弁体321及びプッシュロッド322と弁体シート部材330との間の隙間を通って上方へ向かい、バルブ収容内側部材380の第1径方向連通孔387を通る。バルブ収容内側部材380の第1径方向連通孔387を通ったオイルは、バルブ収容外側部材390に形成された第1径方向連通孔397及びベース部材260の突出部260bと支持部材400の下端部との間に形成された排出流路41を通ってリザーバ室40に向かう。
このように、環状流路61、バルブ収容外側部材390の第2径方向連通孔398、バルブ収容内側部材380の第2径方向連通孔388、バルブ収容内側部材380と弁体シート部材330の円柱状部333の外周面との間の隙間、押付部材350、弁体321及びプッシュロッド322と弁体シート部材330との間の隙間、バルブ収容内側部材380の第1径方向連通孔387、バルブ収容外側部材390の第1径方向連通孔397、排出流路41が、ジャッキ室60とリザーバ室40とを連通する第3連通路R3(図11参照)として機能する。また、弁体321、弁体シート部材330の下端側凹部335の傾斜面335aが、この第3連通路R3を開閉する第3連通路開閉弁V3(図11参照)として機能する。
図10は、前輪側流路切替ユニット300が第4切替状態である場合のオイルの流通状態を示す図である。
フロントフォーク21の圧縮行程時に前輪側流路切替ユニット300が第4切替状態である場合、図10に示した矢印P4のように、ジャッキ室60内のオイルは、リザーバ室40に向かう。つまり、ジャッキ室60内のオイルは、環状流路61、バルブ収容外側部材390の第2径方向連通孔398及びバルブ収容内側部材380の第2径方向連通孔388を通ってバルブ収容内側部材380の下端側凹部382に進入する。バルブ収容内側部材380の下端側凹部382に進入したオイルは、弁体シート部材330の円錐状部332の傾斜面331及びOリング337とバルブ収容内側部材380の円錐状凹部382cに形成された傾斜面との間の隙間を通って上方へ向かい、バルブ収容内側部材380の第1径方向連通孔387を通る。バルブ収容内側部材380の第1径方向連通孔387を通ったオイルは、バルブ収容外側部材390に形成された第1径方向連通孔397及びベース部材260の突出部260bと支持部材400の下端部との間に形成された排出流路41を通ってリザーバ室40に向かう。
このように、環状流路61、バルブ収容外側部材390の第2径方向連通孔398、バルブ収容内側部材380の第2径方向連通孔388、弁体シート部材330の傾斜面331及びOリング337とバルブ収容内側部材380の円錐状凹部382cに形成された傾斜面との間の隙間、バルブ収容内側部材380の第1径方向連通孔387、バルブ収容外側部材390の第1径方向連通孔397、排出流路41が、ジャッキ室60とリザーバ室40とを連通する第4連通路R4(不図示)として機能する。また、弁体シート部材330の円錐状部332の傾斜面331及びOリング337、バルブ収容内側部材380の円錐状凹部382cに形成された傾斜面が、この第4連通路R4を開閉する第4連通路開閉弁V4(不図示)として機能する。
(前輪側流路切替ユニット300の第3切替状態から第4切替状態への変遷)
前輪側流路切替ユニット300が第3切替状態である場合に図9に示した矢印P3のようにジャッキ室60内のオイルがリザーバ室40に向かうと、ジャッキ室60内のオイルが減って前輪側スプリング500の長さが短くなり、ジャッキ室60内の圧力が低下する。その結果、前輪側流路切替ユニット300が第3切替状態である場合における弁体シート部材330と収容部材370との間に形成される背圧室の圧力は、前輪側流路切替ユニット300が第2切替状態である場合における背圧室の圧力よりも低下する。これにより、弁体シート部材330が下方に移動し始める。
前輪側ソレノイド310のコイル311へ第3基準電流以上の電流が供給されると、プッシュロッド322により弁体321が第3切替状態よりもさらに下方へ移動させられて弁体321と弁体シート部材330の下端側凹部335の傾斜面335aとの間の隙間が大きくなる。その結果、ジャッキ室60内の圧力がさらに低下して、背圧室の圧力がさらに低下する。これにより、弁体シート部材330が下方に移動し、弁体シート部材330の円錐状部332の傾斜面331がバルブ収容内側部材380の円錐状凹部382cに形成された傾斜面から離れて第4切替状態となる。
<前輪側流路切替ユニット300の切替状態に応じた連通路の開閉状態>
図11(a)は、前輪側流路切替ユニット300が第1切替状態である場合の、第1連通路R1、第2連通路R2及び第3連通路R3の開閉状態を模式的に示す図である。図11(b)は、前輪側流路切替ユニット300が第2切替状態である場合の、第1連通路R1、第2連通路R2及び第3連通路R3の開閉状態を模式的に示す図である。図11(c)は、前輪側流路切替ユニット300が第3切替状態である場合の、第1連通路R1、第2連通路R2及び第3連通路R3の開閉状態を模式的に示す図である。
図11(a)に示すように、前輪側ソレノイド310のコイル311への通電が第1基準電流未満である場合には、前輪側流路切替ユニット300は第1切替状態、つまり第1連通路開閉弁V1は開き、第3連通路開閉弁V3は閉じているので、ポンプ600から吐出されたオイルは、第1連通路R1を介してリザーバ室40に至る。かかる場合、ポンプ600から吐出されたオイルは第2連通路開閉弁V2を開くほど高圧ではないので、オイルは第2連通路R2を流通しない。言い換えれば、第1連通路開閉弁V1が開いているので、第2連通路開閉弁V2は閉じている。この第1切替状態においては、ジャッキ室60内のオイルは増減しない。
図11(b)に示すように、前輪側ソレノイド310のコイル311への通電が第1基準電流以上であって第2基準電流未満である場合には、前輪側流路切替ユニット300は第2切替状態、つまり第1連通路開閉弁V1及び第3連通路開閉弁V3は閉じているので、ポンプ600から吐出されたオイルは、第2連通路開閉弁V2を開いて第2連通路R2を介してジャッキ室60に至る。この第2切替状態においては、ジャッキ室60内のオイルの量が増える。
図11(c)に示すように、前輪側ソレノイド310のコイル311への通電が第2基準電流以上であって第3基準電流未満である場合には、前輪側流路切替ユニット300は第3切替状態、つまり第1連通路開閉弁V1は閉じており、第3連通路開閉弁V3は開いているので、ジャッキ室60のオイルは、第3連通路R3を介してリザーバ室40に至る。この第3切替状態においては、ジャッキ室60内のオイルの量が減る。
前輪側ソレノイド310のコイル311への通電が第3基準電流以上である場合には、前輪側流路切替ユニット300は第4切替状態、つまり第1連通路開閉弁V1は閉じており、第4連通路開閉弁V4は開いているので、ジャッキ室60のオイルは、第4連通路R4を介してリザーバ室40に至る。
この第4切替状態における弁体シート部材330の円錐状部332の傾斜面331及びOリング337とバルブ収容内側部材380に形成された傾斜面との間の隙間で作られた流路は、第3切替状態におけるバルブ収容内側部材380と弁体シート部材330の円柱状部333の外周面との間の隙間で作られた流路よりも広い。
また、第3切替状態における弁体321と弁体シート部材330に形成された傾斜面335aとの間の隙間で作られた流路は、第3切替状態におけるバルブ収容内側部材380と弁体シート部材330の円柱状部333の外周面との間の隙間で作られた流路よりも狭い。それゆえ、この第4切替状態においては、第3切替状態よりも、ジャッキ室60内のオイルの量が高速で減る。
<車高の昇降について>
以上述べたように作用するフロントフォーク21において、前輪側流路切替ユニット300が第2切替状態である場合、圧縮行程時に、ポンプ600から吐出されたオイルがジャッキ室60に流入し、ジャッキ室60内のオイル量が増す。そして、ジャッキ室60内のオイル量が増すことによって前輪側スプリング長変更ユニット250のベース部材260に対して上端部支持部材270が下方へ移動する。上端部支持部材270がベース部材260に対して下方へ移動することで前輪側スプリング500のバネ長が短くなると、上端部支持部材270がベース部材260に対して移動する前と比べて前輪側スプリング500が上端部支持部材270を押すバネ力が大きくなる。その結果、車体フレーム11から前輪2側へ力が作用したとしても両者の相対位置を変化させない初期セット荷重(プリロード)が大きくなる。かかる場合、車体フレーム11(シート19)側から軸方向に同じ力が作用した場合には、フロントフォーク21の沈み込み量が小さくなる。それゆえ、上端部支持部材270がベース部材260に対して移動することで前輪側スプリング500のバネ長が短くなると、上端部支持部材270がベース部材260に対して移動する前と比べて、シート19の高さが上昇する(車高が高くなる)。
他方、前輪側流路切替ユニット300が第3切替状態や第4切替状態である場合、ジャッキ室60内のオイル量が減少することによって前輪側スプリング長変更ユニット250のベース部材260に対して上端部支持部材270が上方へ移動する。上端部支持部材270がベース部材260に対して上方に移動することで前輪側スプリング500のバネ長が長くなると、上端部支持部材270がベース部材260に対して移動する前と比べて前輪側スプリング500が上端部支持部材270を押すバネ力が小さくなる。かかる場合、初期セット荷重(プリロード)が小さくなり、車体フレーム11(シート19)側から軸方向に同じ力が作用した場合のフロントフォーク21の沈み込み量が大きくなる。それゆえ、上端部支持部材270がベース部材260に対して上方に移動することで前輪側スプリング500のバネ長が長くなると、上端部支持部材270がベース部材260に対して移動する前と比べて、シート19の高さが下降する(車高が低くなる)。なお、前輪側流路切替ユニット300が第4切替状態である場合には、第3切替状態である場合よりもジャッキ室60内のオイルの量が高速で減るので、第3切替状態である場合よりも高速で車高が低くなる。
なお、前輪側流路切替ユニット300が第1切替状態である場合、圧縮行程時にポンプ600から吐出されたオイルはリザーバ室40に流入するので、ジャッキ室60内のオイル量は増減しない。それゆえ、シート19の高さが維持される(車高が維持される)。
<リヤサスペンション22の構成>
リヤサスペンション22は、自動二輪車1の車両本体10と後輪3との間に配置されて後輪3を支える。リヤサスペンション22は、後輪3の車軸に取り付けられる車軸側ユニットと、車両本体10に取り付けられる本体側ユニットと、車軸側ユニットと本体側ユニットとの間に配置されて、路面の凸凹に伴い後輪3が受ける振動を吸収する後輪側スプリング502(図1参照)とを備えている。後輪側スプリング502は、上端部が本体側ユニットに支持され、下端部が車軸側ユニット側に支持されている。
車軸側ユニットは、オイルの粘性抵抗を利用した減衰力を発生する減衰力発生ユニットと、減衰力発生ユニットを保持するロッド152(図1参照)と、後輪側スプリング502の下端部を支持するスプリング下端部支持部材153(図1参照)とを備えている。
本体側ユニットは、減衰力発生ユニットが挿入されるシリンダ232(図1参照)と、後輪側スプリング502の上端部を支持するとともに後輪側スプリング502の長さを調整(変更)する後輪側スプリング長変更ユニット252(図1参照)と、シリンダ232の外部に取り付けられてオイルの流路を切り替える後輪側流路切替ユニット302(図1参照)とを備えている。
また、リヤサスペンション22は、オイルを貯留するリザーバ室(貯留室)と、シリンダ232を有し、車両本体10と後輪3との間の相対距離が大きくなった場合にはリザーバ室に溜められたオイルをシリンダ232内に吸引し、車両本体10と後輪3との間の相対距離が小さくなった場合にはシリンダ232内のオイルを吐出するポンプとを備える。
後輪側スプリング長変更ユニット252は、フロントフォーク21が有する前輪側スプリング長変更ユニット250と同様に、車体フレーム11側に固定されたベース部材253(図1参照)と、後輪側スプリング502の上端部を支持するとともにベース部材253に対して軸方向に相対移動することで後輪側スプリング502の長さを変更する上端部支持部材254(図1参照)とを備えている。そして、後輪側スプリング長変更ユニット252は、オイルを収容するジャッキ室(収容室)を有して、上端部支持部材254が後輪側スプリング502における上端部を支持し、ジャッキ室内のオイルの量に応じて後輪側スプリング502の長さを調整する。
また、リヤサスペンション22は、車体フレーム11に対する後輪側スプリング502における上端部を支持する部材の相対位置を検出する後輪側相対位置検出部282(図12参照)を有している。後輪側相対位置検出部282は、ベース部材253に対する上端部支持部材254の軸方向への移動量、言い換えれば車体フレーム11に対する上端部支持部材254の軸方向への移動量を検出する物であることを例示することができる。例えば、ベース部材253の外周面にコイルを巻くとともに、上端部支持部材254を磁性体とし、ベース部材253に対する上端部支持部材254の上下方向への移動に応じて変化するコイルのインピーダンスに基づいて上端部支持部材254の移動量を検出する物であることを例示することができる。
<後輪側流路切替ユニット302の切替状態に応じた連通路の開閉状態>
後輪側流路切替ユニット302は、フロントフォーク21が有する前輪側流路切替ユニット300と同様の構成であり、同様に作用する。すなわち、後輪側流路切替ユニット302は、シリンダ232内とリザーバ室とを連通する第1連通路R1と、シリンダ232内とジャッキ室とを連通する第2連通路R2と、ジャッキ室とリザーバ室とを連通する第3連通路R3とを備えている。また、後輪側流路切替ユニット302は、第1連通路R1を開閉する第1連通路開閉弁V1と、第2連通路R2を開閉する第2連通路開閉弁V2と、第3連通路R3を開閉する第3連通路開閉弁V3とを備えている。
そして、後輪側流路切替ユニット302は、供給される電流が予め定められた第1基準電流未満である場合には第1連通路R1を開くとともに第3連通路R3を閉じる。また、後輪側流路切替ユニット302は、供給される電流が第1基準電流以上であって第2基準電流未満である場合には第1連通路R1及び第3連通路R3を閉じる。また、後輪側流路切替ユニット302は、供給される電流が第2基準電流以上である場合には第3連通路R3を開くとともに第1連通路R1を閉じる。
つまり、後輪側流路切替ユニット302は、供給される電流が予め定められた第1基準電流未満である場合には、ポンプから吐出されたオイルをリザーバ室に導くべくシリンダ232内とリザーバ室とを連通する。また、後輪側流路切替ユニット302は、供給される電流が第1基準電流以上であって第2基準電流未満である場合には、ポンプから吐出されたオイルをジャッキ室に導くべくシリンダ232内とジャッキ室とを連通する。また、後輪側流路切替ユニット302は、供給される電流が第2基準電流以上である場合には、ジャッキ室に収容されたオイルをリザーバ室に導くべくジャッキ室とリザーバ室とを連通する。
より具体的には、後輪側流路切替ユニット302の後輪側ソレノイドのコイルへの通電が第1基準電流未満である場合には、後輪側流路切替ユニット302は第1切替状態、つまり第1連通路開閉弁V1は開き、第3連通路開閉弁V3は閉じているので、ポンプから吐出されたオイルは、第1連通路R1を介してリザーバ室に至る。かかる場合、ポンプから吐出されたオイルは第2連通路開閉弁V2を開くほど高圧ではないので、オイルは第2連通路R2を流通しない。言い換えれば、第1連通路開閉弁V1が開いているので、第2連通路開閉弁V2は閉じている。この第1切替状態においては、ジャッキ室内のオイルは増減しないため、車高が維持される。
後輪側流路切替ユニット302の後輪側ソレノイドのコイルへの通電が第1基準電流以上であって第2基準電流未満である場合には、後輪側流路切替ユニット302は第2切替状態、つまり第1連通路開閉弁V1及び第3連通路開閉弁V3は閉じているので、ポンプから吐出されたオイルは、第2連通路開閉弁V2を開いてジャッキ室に至る。この第2切替状態においては、ジャッキ室内のオイルの量が増え、車高が高くなる。
後輪側流路切替ユニット302の後輪側ソレノイドのコイルへの通電が第2基準電流以上であって第3基準電流未満である場合には、後輪側流路切替ユニット302は第3切替状態、つまり第1連通路開閉弁V1は閉じており、第3連通路開閉弁V3は開いているので、ジャッキ室のオイルは、第3連通路R3を介してリザーバ室に至る。この第3切替状態においては、ジャッキ室内のオイルの量が減り、車高が低くなる。
後輪側ソレノイドのコイルへの通電が第3基準電流以上である場合には、後輪側流路切替ユニット302は第4切替状態、つまり第1連通路開閉弁V1は閉じており、第4連通路開閉弁V4は開いているので、ジャッキ室のオイルは、第4連通路R4を介してリザーバ室に至る。この第4切替状態においては、第3切替状態よりも、ジャッキ室内のオイルの量が高速で減り、車高が高速で低くなる。
<制御装置70の構成>
次に、制御装置70について説明する。
図12は、制御装置70のブロック図である。
制御装置70は、CPUと、CPUにて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROMと、CPUの作業用メモリ等として用いられるRAMと、を備えている。制御装置70には、上述した前輪回転検出センサ31、後輪回転検出センサ32、前輪側相対位置検出部281及び後輪側相対位置検出部282などからの出力信号が入力される。なお、前輪側相対位置検出部281及び後輪側相対位置検出部282は、相対位置を検出する検出部の一例である。
制御装置70は、前輪回転検出センサ31からの出力信号を基に前輪2の回転速度を演算する前輪回転速度演算部71と、後輪回転検出センサ32からの出力信号を基に後輪3の回転速度を演算する後輪回転速度演算部72と、を備えている。これら前輪回転速度演算部71、後輪回転速度演算部72は、それぞれ、センサからの出力信号であるパルス信号を基に回転角度を把握し、それを経過時間で微分することで回転速度を演算する。
制御装置70は、前輪側相対位置検出部281からの出力信号を基に前輪側スプリング長変更ユニット250の上端部支持部材270のベース部材260に対する移動量である前輪側移動量Lfを把握する前輪側移動量把握部73を備えている。また、制御装置70は、後輪側相対位置検出部282からの出力信号を基に後輪側スプリング長変更ユニット252の上端部支持部材254のベース部材253に対する移動量である後輪側移動量Lrを把握する後輪側移動量把握部74を備えている。前輪側移動量把握部73、後輪側移動量把握部74は、予めROMに記憶された、コイルのインピーダンスと、前輪側移動量Lf、後輪側移動量Lrとの相関関係に基づいて、前輪側移動量Lf、後輪側移動量Lrを把握する。
また、制御装置70は、前輪回転速度演算部71が演算した前輪2の回転速度及び/又は後輪回転速度演算部72が演算した後輪3の回転速度を基に自動二輪車1の移動速度である車速Vvを把握する車速把握部76を備えている。車速把握部76は、前輪回転速度Rf又は後輪回転速度Rrを用いて前輪2又は後輪3の移動速度を演算することにより車速Vvを把握する。前輪2の移動速度は、前輪回転速度Rfと前輪2のタイヤの外径とを用いて演算することができ、後輪3の移動速度は、後輪回転速度Rrと後輪3のタイヤの外径とを用いて演算することができる。そして、自動二輪車1が通常の状態で走行している場合には、車速Vvは、前輪2の移動速度及び/又は後輪3の移動速度と等しいと解することができる。また、車速把握部76は、前輪回転速度Rfと後輪回転速度Rrとの平均値を用いて前輪2と後輪3の平均の移動速度を演算することにより車速Vvを把握してもよい。
また、制御装置70は、車速把握部76が把握した車速Vvに基づいて、前輪側流路切替ユニット300の切替状態及び後輪側流路切替ユニット302の切替状態を制御する流路切替ユニット制御部77を有している。この流路切替ユニット制御部77については、後で詳述する。
これら前輪回転速度演算部71、後輪回転速度演算部72、前輪側移動量把握部73、後輪側移動量把握部74、車速把握部76及び流路切替ユニット制御部77は、CPUがROMなどの記憶領域に記憶されたソフトウェアを実行することにより実現される。
次に、制御装置70の流路切替ユニット制御部77について詳しく説明する。
図13は、流路切替ユニット制御部77のブロック図である。
流路切替ユニット制御部77は、前輪側移動量Lfの目標移動量である前輪側目標移動量を決定する前輪側目標移動量決定部771と、後輪側移動量Lrの目標移動量である後輪側目標移動量を決定する後輪側目標移動量決定部772と、を有する目標移動量決定部770を有している。また、流路切替ユニット制御部77は、前輪側流路切替ユニット300の前輪側ソレノイド310及び後輪側流路切替ユニット302の後輪側ソレノイド(不図示)に供給する目標電流を決定する目標電流決定部710と、目標電流決定部710が決定した目標電流に基づいてフィードバック制御などを行う制御部720とを有している。
目標移動量決定部770は、車速把握部76が把握した車速Vv及び自動二輪車1に設けられた車高調整スイッチ(不図示)がどの位置に操作されているかに基づいて目標移動量を決定する。車高調整スイッチは、所謂ダイヤル式のスイッチであり、運転者がつまみを回転させることにより、「低」と、「中」と、「高」とを選択できるように構成されている。そして、車高調整スイッチは、例えばスピードメータの近傍に設けられている。
目標移動量決定部770は、自動二輪車1が走行開始後、車速把握部76が把握した車速Vvが予め定められた上昇車速Vuよりも小さいときには目標移動量を零に決定し、車速Vvが上昇車速Vuより小さい状態から上昇車速Vu以上となった場合には、目標移動量を、車高調整スイッチの操作位置に応じて予め定められた値に決定する。より具体的には、前輪側目標移動量決定部771は、車速Vvが上昇車速Vuより小さい状態から上昇車速Vu以上となった場合には、前輪側目標移動量を、車高調整スイッチの操作位置に応じて予め定められた所定前輪側目標移動量Lf0に決定する。他方、後輪側目標移動量決定部772は、車速Vvが上昇車速Vuより小さい状態から上昇車速Vu以上となった場合には、後輪側目標移動量を、車高調整スイッチの操作位置に応じて予め定められた所定後輪側目標移動量Lr0に決定する。以降、車速把握部76が把握した車速Vvが上昇車速Vu以上である間は、前輪側目標移動量決定部771、後輪側目標移動量決定部772は、前輪側目標移動量、後輪側目標移動量を、所定前輪側目標移動量Lf0、所定後輪側目標移動量Lr0に決定する。車高調整スイッチの操作位置と、この操作位置に応じた所定前輪側目標移動量Lf0、所定後輪側目標移動量Lr0との関係は、予めROMに記憶しておく。前輪側移動量Lfと後輪側移動量Lrとに応じて自動二輪車1の車高が定まることから、車高調整スイッチの操作位置に応じて自動二輪車1の車高の目標値である目標車高を定め、この目標車高に応じた所定前輪側目標移動量Lf0、所定後輪側目標移動量Lr0を予め定め、ROMに記憶しておくことを例示することができる。
他方、目標移動量決定部770は、自動二輪車1が上昇車速Vu以上で走行している状態から予め定められた下降車速Vd以下となった場合には目標移動量を零に決定する。つまり、前輪側目標移動量決定部771、後輪側目標移動量決定部772は、前輪側目標移動量、後輪側目標移動量を零に決定する。なお、上昇車速Vuは7km/h、下降車速Vdは5km/hであることを例示することができる。
目標電流決定部710は、前輪側目標移動量決定部771が決定した前輪側目標移動量に基づいて前輪側流路切替ユニット300の前輪側ソレノイド310の目標電流である前輪側目標電流を決定する前輪側目標電流決定部711と、後輪側目標移動量決定部772が決定した後輪側目標移動量に基づいて後輪側流路切替ユニット302の後輪側ソレノイドの目標電流である後輪側目標電流を決定する後輪側目標電流決定部712と、を有している。
前輪側目標電流決定部711は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、前輪側目標移動量と前輪側目標電流との対応を示すマップに、前輪側目標移動量決定部771が決定した前輪側目標移動量を代入することにより前輪側目標電流を決定する。
後輪側目標電流決定部712は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、後輪側目標移動量と後輪側目標電流との対応を示すマップに、後輪側目標移動量決定部772が決定した後輪側目標移動量を代入することにより後輪側目標電流を決定する。
また、前輪側目標電流決定部711は、前輪側目標移動量決定部771が決定した前輪側目標移動量に基づいて前輪側目標電流を決定する際、前輪側目標移動量決定部771が決定した前輪側目標移動量と、前輪側移動量把握部73が把握した前輪側移動量Lfとの偏差に基づいてフィードバック制御を行い、前輪側目標電流を決定してもよい。同様に、後輪側目標電流決定部712は、後輪側目標移動量決定部772が決定した後輪側目標移動量に基づいて後輪側目標電流を決定する際、後輪側目標移動量決定部772が決定した後輪側目標移動量と、後輪側移動量把握部74が把握した後輪側移動量Lrとの偏差に基づいてフィードバック制御を行い、後輪側目標電流を決定してもよい。
制御部720は、前輪側流路切替ユニット300の前輪側ソレノイド310を駆動させる前輪側ソレノイド駆動部733と、前輪側ソレノイド駆動部733の作動を制御する前輪側作動制御部730と、前輪側ソレノイド310に流れる電流を検出する前輪側電流検出部734とを有している。また、制御部720は、後輪側ソレノイドを駆動させる後輪側ソレノイド駆動部743と、後輪側ソレノイド駆動部743の作動を制御する後輪側作動制御部740と、後輪側ソレノイドに流れる電流を検出する後輪側電流検出部744とを有している。
前輪側作動制御部730は、前輪側目標電流決定部711が決定した前輪側目標電流と、前輪側電流検出部734が検出した電流(前輪側検出電流)との偏差に基づいてフィードバック制御を行う前輪側フィードバック(F/B)制御部731と、前輪側ソレノイド310をPWM制御する前輪側PWM制御部732とを有している。
後輪側作動制御部740は、後輪側目標電流決定部712が決定した後輪側目標電流と、後輪側電流検出部744が検出した電流(後輪側検出電流)との偏差に基づいてフィードバック制御を行う後輪側フィードバック(F/B)制御部741と、後輪側ソレノイドをPWM制御する後輪側PWM制御部742とを有している。
前輪側フィードバック制御部731は、前輪側目標電流と、前輪側電流検出部734が検出した前輪側検出電流との偏差を求め、その偏差がゼロとなるようにフィードバック処理を行う。後輪側フィードバック制御部741は、後輪側目標電流と、後輪側電流検出部744が検出した後輪側検出電流との偏差を求め、その偏差がゼロとなるようにフィードバック処理を行う。前輪側フィードバック制御部731、後輪側フィードバック制御部741は、例えば、前輪側目標電流と前輪側検出電流との偏差、後輪側目標電流と後輪側検出電流との偏差に対して、比例要素で比例処理し、積分要素で積分処理し、加算演算部でこれらの値を加算するものであることを例示することができる。あるいは、前輪側フィードバック制御部731、後輪側フィードバック制御部741は、例えば、目標電流と検出電流との偏差に対して、比例要素で比例処理し、積分要素で積分処理し、微分要素で微分処理し、加算演算部でこれらの値を加算するものであることを例示することができる。
前輪側PWM制御部732は、一定周期(T)のパルス幅(t)のデューティ比(=t/T×100(%))を変え、前輪側ソレノイド310の開度(前輪側ソレノイド310のコイル311に印加される電圧)をPWM制御する。PWM制御が行われると、前輪側ソレノイド310のコイル311に印加される電圧が、デューティ比に応じたパルス状に印加される。このとき、前輪側ソレノイド310のコイル311に流れる電流は、コイル311のインピーダンスにより、パルス状に印加される電圧に追従して変化することができずになまって出力され、前輪側ソレノイド310のコイル311を流れる電流は、デューティ比に比例して増減される。そして、前輪側PWM制御部732は、例えば、前輪側目標電流が零である場合にはデューティ比を零に設定し、前輪側目標電流が最大電流である場合にはデューティ比を100%に設定することを例示することができる。例えば、デューティ比が100%に設定された場合、前輪側ソレノイド310のコイル311に3.2Aの電流が流れるように制御される。また、例えば、デューティ比が50%に設定された場合、前輪側ソレノイド310のコイル311に1.6Aの電流が流れるように制御される。
同様に、後輪側PWM制御部742は、デューティ比を変え、後輪側ソレノイドの開度(後輪側ソレノイドのコイルに印加される電圧)をPWM制御する。PWM制御が行われると、後輪側ソレノイドのコイルに印加される電圧がデューティ比に応じたパルス状に印加され、後輪側ソレノイドのコイルを流れる電流がデューティ比に比例して増減する。そして、後輪側PWM制御部742は、例えば、後輪側目標電流が零である場合にはデューティ比を零に設定し、後輪側目標電流が最大電流である場合にはデューティ比を100%に設定することを例示することができる。例えば、デューティ比が100%に設定された場合、後輪側ソレノイドのコイルに3.2Aの電流が流れるように制御される。また、例えば、デューティ比が50%に設定された場合、後輪側ソレノイドのコイルに1.6Aの電流が流れるように制御される。
前輪側ソレノイド駆動部733は、例えば、電源の正極側ラインと前輪側ソレノイド310のコイル311との間に接続された、スイッチング素子としてのトランジスタ(FET)を備えている。そして、このトランジスタのゲートを駆動してこのトランジスタをスイッチング動作させることにより、前輪側ソレノイド310の駆動を制御する。後輪側ソレノイド駆動部743は、例えば、電源の正極側ラインと後輪側ソレノイドのコイルとの間に接続されたトランジスタを備えている。そして、このトランジスタのゲートを駆動してこのトランジスタをスイッチング動作させることにより、後輪側ソレノイドの駆動を制御する。
前輪側電流検出部734は、前輪側ソレノイド駆動部733に接続されたシャント抵抗の両端に生じる電圧から前輪側ソレノイド310に流れる電流の値を検出する。後輪側電流検出部744は、後輪側ソレノイド駆動部743に接続されたシャント抵抗の両端に生じる電圧から後輪側ソレノイドに流れる電流の値を検出する。
なお、目標電流決定部710、制御部720、目標移動量決定部770は、車高を制御する車高制御装置の一例である。
本実施の形態に係る制御装置70の流路切替ユニット制御部77は、強制下降スイッチ800からの信号を受け付ける。流路切替ユニット制御部77が強制下降スイッチ800からの信号を受け付けると、前輪側ソレノイド駆動部733は、前輪側流路切替ユニット300を第4切替状態としてジャッキ室60内のオイルの量を減少させることにより、車高を低下させる。また、後輪側ソレノイド駆動部743は、後輪側流路切替ユニット302を第4切替状態としてジャッキ室60内のオイルの量を減少させることにより、車高を低下させる。強制下降スイッチ800による強制的な車高制御については、後で詳述する。
以上のように構成された自動二輪車1においては、制御装置70の流路切替ユニット制御部77が、車高調整スイッチの操作位置に応じた目標車高に基づいて目標電流を決定し、前輪側ソレノイド310及び後輪側ソレノイドに供給される実際の電流が決定した目標電流となるようにPWM制御を行う。つまり、流路切替ユニット制御部77の前輪側PWM制御部732、後輪側PWM制御部742は、デューティ比を変更することにより前輪側ソレノイド310のコイル311、後輪側ソレノイドのコイルに供給される電力を制御し、前輪側ソレノイド310、後輪側ソレノイドを任意の開度に制御する。
(強制的な車高制御)
以上のように構成された制御装置70においては、自動二輪車1の走行状態(走行速度および路面の凹凸に基づく振動等)に基づき、ジャッキ室60内のオイルの量の増加、減少が制御されることにより、前輪側スプリング長変更ユニット250及び後輪側スプリング長変更ユニット252が作動して、車高が調整される。本実施の形態では、さらに外部からの操作に基づいて強制的に車高を制御する手段が設けられる。
本実施の形態による自動二輪車1は、強制的に車高を制御する手段として、強制下降スイッチ800を有している。強制下降スイッチ800は、運転者が操作することにより所定の信号を出力する。具体的な構成例としては、強制下降スイッチ800をキルスイッチに連動させ、キルスイッチがオンとなった場合に信号を出力する構成を例示することができる。強制下降スイッチ800から信号が出力されると、前輪側ソレノイド駆動部733及び後輪側ソレノイド駆動部743が、この信号を受け付けて、前輪側流路切替ユニット300及び後輪側流路切替ユニット302を制御し、車高を下降させる。ここでは、構造的に可能な最低の高さまで車高を低下させる。すなわち、強制下降スイッチ800からの信号を受け付けた前輪側ソレノイド駆動部733及び後輪側ソレノイド駆動部743は、上端部支持部材270、254を最大限に上方へ移動させるように、前輪側流路切替ユニット300及び後輪側流路切替ユニット302を制御する。
ただし、前輪側ソレノイド駆動部733及び後輪側ソレノイド駆動部743が強制下降スイッチ800からの信号に基づく制御を行うための条件(強制下降スイッチ800が有効になる条件)を設定することができる。まず、車速把握部76(図12参照)により把握された現在の車速が0であることを条件とすることができる。すなわち、強制下降スイッチ800の操作により強制的に車高を低下させる制御は、停車しているときにのみ有効となる。走行中に車高を低下させてしまうと、右左折などのために車体を傾けた際に車体が地面に接触する可能性が高まるため、非常に危険である。そこで、このような有効条件を設定することにより、走行中に強制下降スイッチ800を操作して車高を低下させてしまうことを防止する。なお、強制下降スイッチ800からの信号に基づく制御を行うための条件として車速の条件を設ける場合、車速=0に限定するものではなく、所定の速度以下である場合等の条件としても良い。
また、制御装置70による車高調整機能に故障が発生していないことを条件とすることができる。すなわち、制御装置70による車高調整機能に何らかの故障が発生している場合は、強制下降スイッチ800からの信号を無効とし、車高を低下させない。これは、故障の内容によっては、走行中であるにもかかわらず車速把握部76が車速0と誤認し、強制下降スイッチ800からの信号を受け付けてしまうことが想定されるため、このような事態を回避するためである。また、流路切替ユニット制御部77が出力電流を制御できないような故障の場合は、そもそも車高を制御することができず、前輪側相対位置検出部281及び後輪側相対位置検出部282の故障の場合は、車速に基づいて車高を調整する代替制御により停車時には車高が最低の高さまで低下しているので、強制的に車高を低下させる必要がない。そのため、故障発生時に強制下降スイッチ800からの信号に基づく制御を受け付けないようにしても、不都合は少ない。なお、故障の内容によっては、停車しても車高が低下せず、所定の高さに維持されてしまう場合がある。したがって、そのような場合に強制的に車高を低下させられるように、故障の内容に応じて強制下降スイッチ800からの信号に基づく制御を有効とするように設定しても良い。
図14は、制御装置70の制御部720の動作を示すフローチャートである。制御部720は、以下の動作(処理サイクル)を、例えば予め定めた期間(例えば1ミリ秒)毎に繰り返し実行する。また、図14に示す例では、車高調整機能に故障が発生していないことを強制下降スイッチ800からの信号に基づく制御を受け付ける条件の一つとする場合について説明する。
図14に示すように、この処理サイクルにおいて制御部720は、車速把握部76により把握された車速が0か否かを判断し(S101)、車高調整機能の故障の有無を判断する(S102)。車速が0であり(S101でYes)、車高調整機能のうち少なくとも車速を把握する機能に故障が発生していない場合(S102でYes)、制御部720は、強制下降スイッチ800がオンか否かを判断する(S103)。強制下降スイッチ800がオンである場合(S103でYes)、制御部720は、強制下降スイッチ800からの信号に基づいて強制的に車高を低下させる制御(以下、強制下降制御)を行うことを示すフラグデータをRAM(不図示)に記憶する。具体的には、このフラグデータの一例としてのDOWNフラグの値を1にすることを例示することができる(S104)。
次に、制御部720は、DOWNフラグの値が1か否かを判断し(S105)、値が1であれば(S105でYes)、車高を低下させるように前輪側流路切替ユニット300及び後輪側流路切替ユニット302を制御(下降制御)する(S106)。具体的には、前輪側ソレノイド310及び後輪側ソレノイドに対して第3基準電流の通電を行って前輪側流路切替ユニット300及び後輪側流路切替ユニット302を第4切替状態にする。また、制御部720は、この制御と共に、タイマーカウンタ(不図示)を作動させて経過時間の計測を開始する(S106)。
一方、DOWNフラグの値が1でない場合(フラグデータがRAMに記憶されていない場合)、制御部720は、今回の処理サイクルを終了する(S105でNo)。
次に、制御部720は、タイマーカウンタの値が予め定められた時間Δtに達したか否かを判断する(S107)。この時間ΔTは、前輪側流路切替ユニット300及び後輪側流路切替ユニット302が第4切替状態となって車高が最低の高さまで下降するのに十分な時間が設定される。具体的には、時間ΔT=1秒とすることを例示することができる。タイマーカウンタの値が時間Δtに達したならば(S107でYes)、制御部720は、S106で開始した下降制御を終了(第3基準電流の通電を停止)し、DOWNフラグの値をリセットし、タイマーカウンタの値をリセットする(S108)。そして、制御部720は、現在の前輪側流路切替ユニット300及び後輪側流路切替ユニット302の上端部支持部材270、254の位置を車高が最も低いときの位置として、前輪側相対位置検出部281及び後輪側相対位置検出部282における最低車高の設定を調整(学習)する(S109)。
一方、。タイマーカウンタの値が時間Δtに達していない場合、制御部720は、今回の処理サイクルを終了する(S107でNo)。
また、制御部720は、車速把握部76により把握された車速が0でない場合(S101でNo)、以前の処理サイクルでセットされたDOWNフラグの値をリセットし、タイマーカウンタの値をリセットして、今回の処理サイクルを終了する(S110)。また、制御部720は、車高調整機能が故障している場合(S102でNo)、以前の処理サイクルでセットされたDOWNフラグの値をリセットし、タイマーカウンタの値をリセットして、今回の処理サイクルを終了する(S110)。
上記のように、本実施の形態により車高を強制的に最低の高さまで下降させたときの値を用いて、前輪側相対位置検出部281及び後輪側相対位置検出部282を学習させることにより、前輪側相対位置検出部281及び後輪側相対位置検出部282の設定をチェックし、更正することができる。
また、本実施の形態による強制下降スイッチ800からの信号に基づく車高制御は、強制的に車高を最低の高さに移行させるものであるから、車両の整備時や輸送時に本実施の形態による制御を行って車高を低くすることにより、安定した状態で整備作業や輸送を行うことができる。
21…フロントフォーク、22…リヤサスペンション、70…制御装置、77…流路切替ユニット制御部、281…前輪側相対位置検出部、282…後輪側相対位置検出部、300…前輪側流路切替ユニット、302…後輪側流路切替ユニット、710…目標電流決定部、720…制御部、770…目標移動量決定部、800…強制下降スイッチ

Claims (4)

  1. 車両の車両本体と車軸との相対位置を変更する変更装置と、
    前記車両の前記車両本体と前記車軸との前記相対位置を検出する検出部と、
    前記検出部の検出値に基づき前記変更装置を制御して前記相対位置を変更することにより、前記車両本体の高さである車高を制御する車高制御装置と、
    前記車高制御装置による制御に関わらず、強制的に前記変更装置に前記相対位置を変更させる強制制御装置と、
    を備える車高調整装置。
  2. 前記強制制御装置は、前記変更装置により変更可能な最も低い車高に対応する位置まで前記相対位置を変更させる、請求項1に記載の車高調整装置。
  3. 前記強制制御装置による前記相対位置の制御は、車速が所定速度以下である場合にのみ有効となる、請求項1または請求項2に記載の車高調整装置。
  4. 前記変更装置は、
    前記車両の前記車両本体と車輪とを連結し車両に加わる重量に応じて伸縮するスプリングと、
    前記スプリングの一方の端部を支持してスプリングの長さを変える支持部材と、
    前記支持部材を移動させる作動油が流入する作動油室と、
    前記作動油室に流入する作動油の量を開度によって調整する電磁弁と、を備え、
    前記強制制御装置は、前記電磁弁を作動させるための電流を制御することにより前記支持部材を移動させる、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の車高調整装置。
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