JP2017175683A - 太陽電池の性能劣化回復方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】PID現象により出力低下したモジュールの出力を回復する方法であって、既設の太陽電池モジュールを設置した状態のままで処理する。【解決手段】太陽電池モジュール11に対して光照射により加熱して、発電効率の劣化を回復する方法であり、光源がLED光源13であり、光照射と並行して、太陽電池モジュール11の受光面上方に第三の電極10を設けると共に、電極10と、太陽電池モジュールの裏面側電極12に電圧HVを印加する。【選択図】図2

Description

本発明は、太陽光発電システム設置後のPID(potential-induced degradation)現象による出力低下を回復する方法に関するものである。
太陽光発電システムは、設置後十年前後でようやく設置コストの回収ができると言われており、長期間の安定した出力が求められている。しかし太陽光発電で先行するヨーロッパ等では、PID現象とよばれる太陽電池モジュールシステムの性能劣化が発生するという問題が報告されている。PID現象とは、太陽電池モジュール内部回路で電荷の分極が生じ、セル内部での電子の移動が妨げられることで出力の著しい低下が起こる現象である。
PID現象は、高電圧化した太陽光発電設備において、接地されたフレームと太陽電池モジュール内部回路との間に大きな電位差が発生するようになり、これに湿度、温度等の外部要因が作用し、或いはモジュールに用いられるガラス基板からのアルカリ金属イオンが拡散して、モジュールの内部回路とフレーム間に漏れ電流が生じることが原因といわれている。
このようなPID現象を抑制する方法として種々の提案がなされている。例えば、所定レベル以上の高い絶縁性を有する太陽電池用封止膜を利用するもの(特許文献1)、環状オレフィン系樹脂のフィルムと、エチレン・α−オレフィンゴム共重合体(A)とエチレン・アクリル酸共重合体(B)を所定の配合比でブレンドした組成物に有機過酸化物課教材を含む材料でモジュールを封止するもの(特許文献2)、エチレン・極性モノマー共重合体と、シランカップリング剤と、ヒンダードアミン系光安定剤を含む封止用樹脂を提供するもの(特許文献3)などがある。これらの技術は、封止膜により結晶シリコン等のセルを保護しようとするものである。
また、太陽光発電システムに使用する電力変換装置に絶縁トランスを追加し、かつ負極に接地することによりPIDの発生を防止する方法(特許文献4)や、太陽電池モジュールとパワーコンディショナの間に出力低下予防回復装置と発電回路との切り替え手段を設けて、太陽電池モジュール内部に正電圧を印加する電源と前記モジュールを接地する接地手段を備えた装置(特許文献5)などの提案もある。これらの技術はPID現象を効果的に抑制するものではあるが、既に設置済みの太陽電池モジュールに適用することは困難である。
一方、既設の太陽電池モジュールの劣化を回復する手段として、例えば40℃で1000Vの電圧を100時間かけることでPIDを起こさせたのち、逆の電圧を同温度、同時間かけることでPIDが回復したという結果(非特許文献1)や、600Vの逆電圧あるいは250℃で2.5時間の処理により回復するという報告(非特許文献2)がある。これらの方法によれば回復可能であるかも知れないが、太陽電池モジュールを再利用する場合のように、一旦設備を分解するなどして回収することが必要となる。
なお、一定期間使用された太陽電池パネルについて出力を回復するための補修装置として、直流通電により太陽電池パネルに発生した発熱箇所を赤外線カメラで撮影・解析し、レーザーを照射して加熱する方法(特許文献6)があるが、熱疲労によるはんだクラックにより出力低下した太陽電池パネルの回復手段に関するものであり、同じ手法がPIDの回復に適用できるか否かは不明である。
特開2014−27035号公報 特開2015−179827号公報 特開2016−12643号公報 特開2011−103497号公報 特開2014−99438号公報 特開2014−82366号公報
S.Pingel,S.Janke,O.Frank, EU PVSEC 2012 D.Lausch,V.Naumann et al,Energy Procedia 55,486-493,2014
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、既設の太陽電池モジュールを接地した状態のままで、PID現象により出力低下したモジュールの出力を回復する方法を提案することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明はPID現象部分に絞って光を照射することにより発電効率の回復を図る方法に関する。前記非特許文献に示されているように、加熱によりPIDが回復することは知られているものの、その温度は数100℃以上の高温であり、太陽光発電システムとして既設の場所で、その状態のままで加熱することは現実的ではない。本発明では、現地に赴くことは必要になるが、光照射可能な簡易的な装置を持ち運びすることで、設置状態のまま発電効率の劣化を回復することが可能となる。
前記光照射の光源としては、レーザー光源やLED光源を用いることができるが、装置の小型化、軽量化のためにはLED光源が好ましい。LED光源は、100〜400W程度の高出力のものが好適である。照射処理中の温度を高温にし、比較的短時間で回復することができるからである。
また、前記光照射の処理中に或いは照射前から、太陽電池モジュールに具備されている電極とは別の第三の電極を太陽電池モジュールの受光面上に設け、この第三の電極と、太陽電池モジュールの電極との間に電圧を印加することが好ましい。この電圧は太陽電池モジュールに意図しないで印加される電圧に対して逆の極性の電圧であり、通常は第三の電極を負極側として印加される。PIDの原因の一つが、アルカリ金属イオン(Naイオン)の拡散によるとされるので、正に荷電したイオンに電子を供給して金属状態に戻すことや、負極側(すなわち受光面であるガラス基板表面)にイオンを誘導させることが効果的と考えられるからである。
太陽電池モジュールの電極は、受光面側の電極と、それとは反対側の電極(裏面側電極)が形成されている。そして前記電圧印加時に第三の電極に対して使用する他方の電極としては、裏面側電極または、裏面側電極及び受光面側電極が使用される。これらの電極を相対的に正極側として電圧を印加するのである。
本発明の発電効率の劣化回復方法は、太陽光発電システムが設置されている現地において、設置された状態を維持したままで処理することができる方法である。従って、太陽光発電のメンテナンスが容易になるとともに、安定した発電量で長期に渡って維持できることが期待される。また本発明の方法には、従来から汎用されている簡便な照明装置を使用することができるので、コストを極めて低く抑えることができ、処理に特別な技術・知識を必要としないので、広く普及させるのに好適である。
さらに、光照射と共に電圧を印加することによって回復の処理時間を短縮することができる。電圧の印加には元々備えられている電極をそのまま正極側として利用できるので、第三の電極を用意するだけで特殊な装置を準備する必要もない。
本発明の方法によれば、これから設置される太陽光発電システムに対しては勿論であるが、既存の設備に対して適用できることが極めて大きな経済効果を有している。新たな太陽電池セルの導入には、その安定性、安全性、経済性などクリアすべき課題が多いので仮にPID現象を効果的に予防することができても、直ぐには対応できないだけでなく、既存設備のセルの交換等のコストが伴うことが予想されるからである。
図1は、PIDが発生したモジュールのEL画像である。 図2は、本発明の方法の一例を示す外観図である。 図3は、本発明の一例を示す側面からの概念図である。 図4は、本発明の方法で光照射した太陽電池モジュールの照射前後のEL画像を示す。 図5は、本発明の方法で光照射および電圧印加を施した前後の太陽電池モジュールのEL画像を示す。 図6は、図5に示す太陽電池モジュールのI−V特性を示す図である。 図7は、本発明の回復方法について処理時間を変化させたときの、太陽電池モジュールのI−V特性を示す図である。 図8は、図7のI−V特性から曲線因子(FF)を求め、各処理時間のFF回復率を示した図である。 図9は、FFを求める図を示した。
本発明に係わる発電効率回復方法は、太陽電池モジュールに対して光りを照射するだけで、PID現象によって効率が劣化したと見られる症状が改善・回復するというものである。詳細なメカニズムについては未だ解明できてはいないが、光照射時の加熱(及び光エネルギー)がその作用効果を現していると考えられる。
PID現象による出力低下は、例えばドイツの研究機関フラウンホーファーCSPの実験(http://www.en.csp.fraunhofer.de/press-and-events/details/id/857/)によれば、商用太陽電池モジュールを、温度50℃、湿度50%で48時間1000V印加することで確認されたという。これまで日本では目立った報告はされていないようであるが、メガソーラーと称される大規模な発電施設が建設され、高温多湿のような環境下では今後顕在化する可能性が高いと言われている。特にPIDは最も広く使用されている結晶シリコン系の太陽電池で生じるので、既設の太陽光発電システムや、PID防止効果に劣る太陽電池モジュールが使用されれば、必然的に本発明のような回復方法が求められるのである。
PID現象は発電効率の低下を意味するが、太陽電池モジュールの全体が出力低下の原因になるというよりも、その一部(例えば太陽電池セル或いはその一部)の欠陥が全体の出力低下を引き起こすことが多い。ここで、本明細書中の用語について定義する。太陽電池の基本単位を「太陽電池セル」、このセルを必要数配列して樹脂で被覆し、受光面側をガラス等で保護してパッケージ化したものを「太陽電池モジュール」(「太陽光パネル」という場合もある。)、モジュールを複数枚並べて接続したものを「アレイ」という。また、アレイを複数設置して「太陽光発電システム」が形成される。
前記のように、PID現象は太陽電池モジュールの一部の欠陥である場合が多いので、本発明による光を照射する場合にも欠陥部分に集光することが好ましい。その場合には欠陥部分を正確に特定する必要があるが、具体的には以下の方法が採用できる。
太陽電池の製品検査の一つとして、クラックや断線等の有無の確認のためEL(エレクトロルミネッセンス)検査法がある。EL検査法とは、太陽電池モジュールに対して順方向に電流を流したときに太陽電池が発光する現象を利用するものであるが、これを応用して、発光状態を解析することで太陽電池モジュールの性能が評価できるのである(例えば国際公開WO2006/059615号等参照)。
すなわち、シリコン半導体からなる太陽電池セルに対して、p型領域側に正、n型領域側に負の極性の外部電圧を印加することにより、順方向に直流電流を導入するのである。この時の電流強度は、太陽電池セルの作動電流と略同じ強度であることが好ましい。なお、作動電流とは、評価対象の太陽電池セルに太陽光を照射した際に、実際に光電変換により発生する電流のことをいう。例えば、シリコン半導体からなる太陽電池セルであれば5〜40mA/cm程度が適当である。
こうして順方向電流を流した後、ルミネッセンス強度をCCDカメラなどで直接画像データとして収集し、その画像データを解析すれば、どこに欠陥があるのかが特定できる。具体的には、図1に劣化したと認められるモジュール(1)のEL画像を示す。全体の発光に比較して、○印で示した箇所(2)の発光程度が低く、他の部分よりも暗く映っていることが判る。そこで、本発明の光照射によって、当該部分を選択的に加熱すれば、処理時間、回復速度を促進することができ、処理効率が飛躍的に向上させられる。なお、図1には水平な線が3本映っているが、この部分は太陽電池セルの境界を示している。
PIDを直接検知するのは、I−V特性の測定などによる最大出力測定であるが、EL検査法はPIDの原因が太陽電池モジュール(又はセル)のどこに顕在化しているのかをシステムを分解などすることなく、設置状態のまま確認することができる。
前記EL検査の結果、特に欠陥と思われる部分に絞って光りを照射することで、大面積の太陽光発電システムのメンテナンスが容易にすることができる。本発明で使用する光源としては、レーザー光源、LED光源などがある。これらの光源を利用して欠陥部分を集中的に加熱し、PIDによる発電効率の低下を解消することができる。
本発明では、既設の太陽光発電システムに対しても適用することができることを念頭に置いているので、現地にて設置された状態のままでPIDから回復させることが好ましい。その為、光源等修復装置には可搬性が重要となる。レーザー光源でも小型のものが市場に導入されているが、必要な加熱の程度、大きさ、重量等を考慮すれば、LED光源の方が本発明の方法には適当である。
LED光源としては、100〜400W程度の高出力のものを採用することができる。これらの光源を照射するに際しては、太陽電池モジュールの受光面に接触する程度から5cmの高さに配置する。欠陥部分からあまり離れていると加熱効果が低下するので10cmよりも高い位置に配置することは好ましくない。
光源により加熱された太陽電池モジュールのガラス表面温度は、100〜200℃程度である。温度が高くなりすぎるとモジュールの構成材料に悪影響を及ぼすおそれがあり、温度が低すぎると、PIDの回復が不十分となったり、回復処理の時間が長時間必要となるので適当な温度に加熱することが好ましい。
光照射の時間は、LED光源の出力や配置等によるが、数十分から数時間の範囲で適宜定めることができる。太陽電池アレイ単位の走査式光源にすることにより、例えば、複数の欠陥箇所を何回かに分けて重畳的に処理し、過不足無く加熱処理することが好ましい。
本発明ではさらに電圧を印加しながら光照射すると、より効果的にPIDを回復することができる。電圧を印加するための電極の一方には、太陽電池モジュールに既に備わっている裏面側の電極、又は前記電極と受光面側の電極をまとめて一つの極として利用する。
電圧印加のための他方の電極としては、太陽電池アレイの受光面に直接接触させ或いは2mm以内の間隔を設けて第三の電極を配置する。第三の電極を受光面から離間させすぎると大電圧を印加しなければならなくなるので、できる限り受光面に接触するように配置することが好ましい。また、電極の接触によりガラス面にキズ等を付けてしまっては、その後の太陽光発電に悪影響が出やすいので注意を要する。
第三の電極の上方から光源により光照射を行うので、電極としてはメッシュ状にすることが好適である。光照射面積と同等程度の平面空間を有する電極の形態とし、光をできる限り遮らないこと、電極平面全体が均一な電極として作用することが求められる。部分的に遮ったり、局部的に電圧が高く印加されると、PIDからの均一な回復が難しくなるからである。
第三の電極の材料としては、銀、銅、ニッケル、パラジウム、白金、および金が挙げられる。これらの材料をΦ0.05〜0.1mmの細線およびリボンとし、これをメッシュ状にして平面電極を形成する。電極の面積としては光照射面積程度が好ましい。小さすぎると光照射した面積全てが有効に処理できないこと、大きすぎると電極平面全体が有効に処理できないおそれがあるからである。
第三の電極をグランドまたは負極側とし、太陽電池モジュール側の電極を正極側として1〜5kVの電圧を印加する。電圧が高い方が回復効果は高くなるが、電源を含めて装置の可搬性および安全の確保の容易さに劣ることになるので、適度な電圧が印加できれば良いのである。
第三の電極を含めて本発明の全体構成の一例を示したのが図2である。図2には太陽電池モジュール(11)の電極(12)と受光面上に配置されたメッシュ状の第三の電極(10)に対して電圧(HV)を印加しながら、受光面上方の光源(13)から光りを照射している様子が示されている。
前記の通り、光照射だけでもPID現象を回復し得るので、その場合には、第三の電極、電極への印加電源は不要である。図3にはPID現象が見られる箇所を光照射する状況が示されている。また、Naイオン(14)がその原因であると仮定し、該イオンが粒状のものとして分散しているように示されているが、あくまで模式的にかなり誇張して示されている点に注意してほしい。図では、C−Si太陽電池セル(15)が封止材(16)により封止され、バックシート(17)側と受光面のカバーガラス(18)側に挟まれ、フレーム(19)により構造が保たれて、太陽電池モジュールの例が形成されている。なお封止材としては一般的な材料が用いられ、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体等が使用される。また光(20)はNaイオンが拡散している欠陥部位に対して、受光面側より照射されている。実際には光の広がりがあるが、特に欠陥部に集光するようにすると好ましい。
以下では、実際にPIDを発生した太陽電池モジュールに対して本発明の処理方法を適用した結果についてより具体的に示す。
(実施例1)
発電効率が低下した太陽電池モジュールに対してEL検査画像を撮影し、劣化部分を特定した。図4左側には、その結果を示している。図中四角で囲った部分(22)が他の太陽電池セル部分の発光よりも暗くなっていることが判る。この太陽電池モジュールに光源として、OptoSupply社から販売されている200WのLED光源(型式;OSW4XAHEE1E)をガラス受光面から2cmの距離に固定し、2時間照射した後、再びEL画像を撮影した。
その結果を図4の右側に示す。この図から四角で囲った部分のELの発光程度が回復していることが判る。
(実施例2)
同じく、発電効率が低下した太陽電池モジュールのEL画像を撮影し、図5左側に四角で囲って示した。この太陽電池モジュールに対して図2に示すような配置にて、第三の電極を配置した。第三の電極としては、銅製のメッシュ8.6(目開き2.0mm)で大きさが3cm×3cmのものを使用した。この第三電極側を0V、太陽電池モジュールの裏面側電極を1kVとして電圧を印加しつつ、実施例1と同様のLED光源を利用して(ガラス受光面から)高さ2cmの位置より、1時間の光照射と電圧印加の同時処理を行った。
1時間処理後のEL画像を撮影し、図5右側に結果を示した。実施例1と同様に四角で囲った部分のELの発光程度が周囲と同等に回復していることが判る。
さらに、同太陽電池モジュールのI−V特性を、本発明の方法で処理する前後に測定した結果を図6に示す。図に示すように、I−V特性が明らかに回復していることが判る。このことから、EL検査画像を確認すれば、発電効率の回復をある程度把握することができる。
(実施例3)
光照射及び電圧印加の時間をそれぞれ30分〜150分の間で種々変更した他は、実施例2と同様の処理装置を使用して、発電効率の低下した太陽電池モジュールに対して回復処理を試みた。その結果のI−V特性を図7に示した。図に示すとおり、本発明の方法により処理時間が長ければ長い程I−V特性が回復すること、また、比較的短時間で大きく発電効率の回復が認められることが判る。
図8には、図7で示したI−V特性から、各処理時間に対応する曲線因子(FF)について、回復率を示したものである。FFは基本的に太陽電池の品質の目安となるもので、最大出力(PMAX)を開放電圧(VOC:電池を流れる電流がゼロになったときの電圧)と短絡電流(ISC:低インピーダンスで短絡状態にある電流で、電圧がゼロのときの電流)の積に相当する理論出力(P)と比較して算出される(具体的には図9に示す)。また、計算式は次に示す通りである。
図8に示す結果より、前記の通り短時間で回復し、時間が長くなればより回復の程度が向上することが判る。
以上説明したように、本発明の太陽電池の劣化回復方法は、光を照射して劣化したと思われる部分を加熱するだけで良いので、極めて簡単な装置・構成で複雑な手順も必要ない。従って、既設の太陽光発電システムにPID現象が生じた場合のメンテナンスに最適であり、設置された状態のままその処理が行えるので、市場導入が容易な技術を提供することができる。
1、11 太陽電池モジュール
2、22 欠陥部位
10 第三の電極
13 光源
15 太陽電池セル

Claims (4)

  1. 太陽電池モジュールに対して光照射により加熱して、発電効率の劣化を回復する方法。
  2. 前記光源がLED光源である請求項1に記載の方法。
  3. 前記太陽電池モジュールに対して、前記光照射と並行して、
    太陽電池モジュールの受光面上方に第三の電極を設けると共に、
    前記電極と、
    太陽電池モジュールの受光面とは反対側の電極(以下「裏面側電極」という)または前記裏面側電極及び受光面側電極とに、電圧を印加する請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記第三の電極には負の電圧が印加されるように処理する請求項3に記載の方法。
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