JP2017174175A - 太陽光発電パネルの配置設定方法、太陽光発電パネルの配置設定装置、及び、プログラム - Google Patents

太陽光発電パネルの配置設定方法、太陽光発電パネルの配置設定装置、及び、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】太陽光発電設備が設けられる環境に応じた適切な太陽光発電パネルの配置を容易に算出することが出来る太陽光発電パネルの配置設定方法、太陽光発電パネルの配置設定装置、及びプログラムを提供する。【解決手段】太陽光発電に用いられる太陽光発電パネルの設置方位角及び傾斜角をそれぞれ変化させ、設置方位角、傾斜角、季節及び時間帯ごとの太陽光発電パネルへの太陽光の入射量に基づいて、設置方位角、傾斜角、季節及び時間帯ごとの発電量を算出する発電量算出ステップ、算出された発電量と、発電された電力を供給する対象における季節及び時間帯ごとの電力消費量とを比較して、予め設定された買電価格に基づき、設置方位角及び傾斜角ごとに年間の買電費用を算出する費用算出ステップ、算出された買電費用に基づいて、太陽光発電パネルの最適な設置方位角及び傾斜角を設定する設置角度決定ステップ、を含む。【選択図】図5

Description

この発明は、複数の太陽光発電パネルの適切な配置を設定するための太陽光発電パネルの配置設定方法、太陽光発電パネルの配置設定装置、及びプログラムに関する。
電気料金の低減や環境に対する負荷の軽減を意図して、建築構造物への給電にソーラパネル(太陽光発電パネル)を用いた太陽光発電設備を後付けで設置し、電力会社から供給される電力と併用しているものがある。このように自家消費される太陽光発電では、当該建築構造物での消費電力全量を太陽光発電で供給する必要はない。
このような場合、従来、ソーラパネルの設置環境に応じて求められる発電量の総和と、電気使用量の総和とを比較して必要な買電費用と初期投資額とを比較したり、或いは、より細かく時間帯別の発電量と電気使用量とを比較して各時間帯における電気料金に基づく支出額を算出したりしている(例えば、特許文献1)。また、特許文献2には、太陽光発電設備の導入地域における季節ごとの太陽光の入射量を算出して、当該設備の導入事例ごとに予想発電量を算出する点について記載されている。また、特許文献3には、地域、期間、天気、及び各時刻の太陽高度に基づいて予め設定された地表に届く日射量といったパラメータを用いて発電出力を求める点について記載されている。
通常、このようなソーラパネルの発電量の計算では、平均的に太陽光の入射角度が好適な角度、即ち、太陽の南中時付近の入射光が平均的にソーラパネルに対して垂直に近い角度(例えば、日本の本州でソーラパネルの傾斜角が30度程度など)であるというような地理的条件や、ソーラパネルが設置される屋根や壁面の向きといった設置条件に応じて機械的に定められる角度に設定されている。
特開2002−63415号公報 特開2003−116221号公報 特開2013−84736号公報
しかしながら、予め限られた場所に設置される太陽光発電設備では、太陽光発電パネルの取付け可能な場所や向き、周囲の建築構造物、森林や山といった環境、及び、天気の傾向などの様々な要因によって、上述の好適角度で設置しても期待通りに最大の発電量が得られなかったり、一部又は全部の太陽光発電パネルがこの好適角度での取付けが困難であったりする場合がある。また、太陽光発電による電力を供給する建築構造物の用途などに応じて、電力消費量の時間変化や季節変化は、様々である。そして、このような後付けの太陽光発電設備では、必ずしも十分な蓄電設備を設けることが出来ず、トータルの発電量が多くてもその発電を必ずしも有効に利用出来るとは限らない。従来の太陽光発電パネルの配置に係る設定方法では、このような種々の条件に対応した最適な太陽光発電パネルの配置を得ることが出来ないという課題がある。
この発明の目的は、太陽光発電設備が設けられる環境に応じた適切な太陽光発電パネルの配置を容易に求めることが出来る太陽光発電パネルの配置設定方法、太陽光発電パネルの配置設定装置、及びプログラムを提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、この発明は、太陽光発電に用いられる太陽光発電パネルの設置方位角及び傾斜角をそれぞれ変化させ、前記設置方位角、前記傾斜角、季節及び時間帯ごとの前記太陽光発電パネルへの太陽光の入射量に基づいて、前記設置方位角、前記傾斜角、季節及び時間帯ごとの発電量を算出する発電量算出ステップ、前記発電量算出ステップで算出された発電量と、前記発電された電力を供給する対象における季節及び時間帯ごとの電力消費量とを比較して、予め設定された買電価格に基づき、前記設置方位角及び前記傾斜角ごとに年間の買電費用を算出する費用算出ステップ、前記算出された買電費用に基づいて、前記太陽光発電パネルの最適な設置方位角及び傾斜角を設定する設置角度決定ステップ、を含むこととした。
従って、必ずしも最適な条件で太陽光発電パネルを配置できない場合や、電力使用量の時間推移が特殊な場合であっても、設置環境に応じて柔軟且つ容易に適切な太陽光発電パネルの配置設定を得ることが出来る。
また、望ましくは、前記太陽光発電パネルは、一部分ごとに異なる複数の設置方位角及び傾斜角の組合せで設置可能であり、前記費用算出ステップは、前記複数の設置方位角及び傾斜角の組合せについて前記買電費用を算出し、前記設置角度決定ステップは、前記費用算出ステップで求められた前記買電費用に基づいて、前記複数の設置方位角及び傾斜角の組合せのうち、最適なものを設定することとした。
従って、建築構造物の各向きへの壁面や屋上、庇など、太陽光発電パネルが配置可能な様々な箇所に分散して配置する場合にも容易に対応して、適切な太陽光発電パネルの配置パターンを得ることが出来る。
また、望ましくは、前記発電量算出ステップは、設置対象の建築構造物に対して前記太陽光発電パネルを前記一部分ごとにそれぞれ設置可能な前記設置方位角及び前記傾斜角の角度範囲を設定する設置角範囲設定ステップを含み、当該設定された角度範囲についてのみ前記発電量を算出することとした。
従って、建築構造物の壁面といった各所に取り付ける場合に、強度、周辺環境への影響や、建築構造物との位置関係上太陽光の入射が見込めないといった問題で当該取付け箇所に取付け不可能な設置角度を除外して、可能な角度範囲でより容易かつ確実に適切な太陽光発電パネルの配置設定を得ることが出来る。
また、望ましくは、前記太陽光発電パネルの設置地点の位置情報を設定する位置設定ステップを含み、前記発電量算出ステップは、前記位置情報と、前記設置方位角及び前記傾斜角との関係に基づいて太陽光の入射角を算出して、当該入射角に応じた太陽光の入射量に基づいて発電量を算出することとした。
従って、世界各地の様々な地理条件に応じて適切な太陽光の入射量を用いてより正確に発電量を算出し、適切な太陽光発電パネルの配置設定を得ることが出来る。
また、望ましくは、前記位置情報には、前記太陽光発電パネルに対する遮光体となる周辺環境に係る環境情報が含まれ、前記発電量算出ステップは、前記環境情報に基づいて前記太陽光発電パネルに太陽光が届かない時間帯の太陽光の前記入射量を差し引いて発電量を算出することとした。
従って、既存の建築構造物に増築したり、予め定められた土地に設けたりすることによる太陽光の入射に係る制約を考慮して、より適切に太陽光発電パネルの配置設定を得ることが出来る。
また、望ましくは、前記買電価格は、季節及び時間帯の少なくとも一方に依存して各々設定されることとした。
従って、実際に電力会社などによって設定されている種々の電力価格設定に柔軟に対応し、電力消費量と電力価格設定に応じて適切に発電量が推移する太陽光発電パネルの配置設定を求めたり、或いは、買電量に応じた適切な電力価格設定を選択したりすることが出来る。
また、望ましくは、前記太陽光発電パネルの設置地点における気象条件として、少なくとも季節及び時間帯ごとの晴天率及び温度を設定する気象条件設定ステップを更に含み、前記発電量算出ステップは、前記温度に基づいて発電効率を設定し、当該発電効率と、前記晴天率に基づいて求められた前記太陽光の入射量とに基づいて前記発電量を計算することとした。
従って、太陽光発電パネル設置地点における実際の気象条件に応じて、現実的な発電量に基づく適切な太陽光発電パネルの配置設定を得ることが出来る。
また、この発明は、太陽光発電に用いられる太陽光発電パネルの設置方位角及び傾斜角をそれぞれ変化させ、前記設置方位角、前記傾斜角、季節及び時間帯ごとの前記太陽光発電パネルへの太陽光の入射量に基づいて、前記設置方位角、前記傾斜角、季節及び時間帯ごとの発電量を算出する発電量算出手段と、前記発電量算出手段により算出された発電量と、前記発電された電力を供給する対象における季節及び時間帯ごとの電力消費量とを比較して、予め設定された買電価格に基づき、前記設置方位角及び前記傾斜角ごとに年間の買電費用を算出する費用算出手段と、前記算出された買電費用に基づいて、前記太陽光発電パネルの最適な設置方位角及び傾斜角を設定する設置角度決定手段と、を備える太陽光発電パネルの配置設定装置である。
従って、容易な構成で柔軟に、太陽光発電パネルの配置に係る種々の制約や、様々な電力使用量の時間推移といった設置環境に応じた適切な太陽光発電パネルの配置設定を得ることが出来る。
また、この発明は、コンピュータを、太陽光発電に用いられる太陽光発電パネルの設置方位角及び傾斜角をそれぞれ変化させ、前記設置方位角、前記傾斜角、季節及び時間帯ごとの前記太陽光発電パネルへの太陽光の入射量に基づいて、前記設置方位角、前記傾斜角、季節及び時間帯ごとの発電量を算出する発電量算出手段、前記発電量算出手段により算出された発電量と、前記発電された電力を供給する対象における季節及び時間帯ごとの電力消費量とを比較して、予め設定された買電価格に基づき、前記設置方位角及び前記傾斜角ごとに年間の買電費用を算出する費用算出手段、前記算出された買電費用に基づいて、前記太陽光発電パネルの最適な設置方位角及び傾斜角を設定する設置角度決定手段として機能させるためのプログラムである。
従って、当該プログラムをコンピュータにインストールして実行することで、太陽光発電パネルの配置に係る種々の制約や、様々な電力使用量の時間推移といった設置環境に応じた適切な太陽光発電パネルの配置設定を、通常のコンピュータにより容易に取得することが出来る。
本発明に従うと、太陽光発電設備が設けられる環境に応じた適切な太陽光発電パネルの配置を容易に算出することが出来るという効果がある。
本発明の実施形態のソーラパネル配置設定装置の内部構成を示すブロック図である。 電気料金DBに記憶された買電料金のテーブルの例を示す図表である。 角度設定について説明する図である。 ソーラパネルの分割設定の例を示す図表である。 ソーラパネルの設置条件決定処理の制御手順を示すフローチャートである。 買電料金算出処理の制御手順を示すフローチャートである。 ソーラパネルの配置された建築構造物の例を示す図である。 ソーラパネルによる発電量及び電気料金の推移の例を示す図である。 建築構造物の3面にソーラパネルが設置された場合の発電量の時間推移の例を示す図である。 ソーラパネルが3面配置された場合と、南面のみにソーラパネルが配置された場合の発電量及び買電費用の推移を比較した図である。 ソーラパネルが東西の二面に分散配置された場合と南西向きの一方向に揃えて配置された場合における発電量の時間推移の例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態のソーラパネル配置設定装置(ソーラパネルの配置設定装置)の内部構成を示すブロック図である。
このソーラパネル配置設定装置100は、通常種々の用途に用いられる電子計算機(コンピュータ)であり、制御部11と、記憶部12と、入力操作部13と、出力表示部14などを備えている。
制御部11は、各種処理を実行して電子計算機の全体動作を統括制御する。制御部11は、各種演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)、CPUに作業用のメモリ空間を提供するRAM(Random Access Memory)や、各部との信号のやり取りに係る入出力ドライバなどを備える。制御部11は、機能構成として発電容量設定部111、発電電力量算出部112(発電量算出手段)、買電電力量算出部113、買電料金算出部114(費用算出手段)及び最適条件決定部115(設置角度決定手段)を有する。これらの構成については、後に詳述する。
記憶部12は、各種処理に係る制御プログラムやアプリケーションプログラムと、ソーラパネル(太陽光発電パネル)の配置設定に係る各種パラメータのデータベース(DB)や計算結果とが記憶される。この記憶部12としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)や、SSD(Solid State Drive)などのフラッシュメモリが用いられる。記憶部12には、地域別季節別日射DB121と、季節別負荷DB122と、電気料金DB123と、環境設定DB124と、条件別買電料金記録部125などが含まれる。
記憶部12に記憶されるアプリケーションプログラムには、後述の設置条件決定処理に係るプログラムが含まれる。
地域別季節別日射DB121には、ソーラパネルが設けられる位置における各季節(春、夏、秋、冬)の各時間帯(1時間ごと)の晴天率が記憶される。この晴天率としては、例えば、予め実測、公表されている当該地域のデータを用いることが出来る。
季節別負荷DB122には、太陽光発電設備を導入する建築構造物が既存のものである場合には、当該建築構造物における電力消費量の実測値が予め入力されて記憶される。建築構造物が新規に建設される場合や改築されて電力消費量が大きく変化する場合などには、季節別負荷DB122には、シミュレーションや見積もり評価などに基づく予測値が入力されて記憶される。
電気料金DB123には、予め入力設定された季節ごと、時間帯ごとの電気料金(買電価格)が記憶される。建築構造物のある地域で契約可能な買電価格設定が複数ある場合には、それぞれ電気料金DB123に記憶させておき、各プランによる買電費用を計算させて比較しても良い。
図2は、電気料金DB123に記憶された買電料金のテーブルの例を示す図表である。
ここでは、夜間時間帯に安く(夜間料金)、午後の日中時間帯に高い(ピーク料金)時間帯別価格設定の例を示している。
環境設定DB124には、予め、建築構造物の位置に係る情報、及び当該位置における各季節、各時間帯の温度データ(これらをまとめて位置情報とも記す)が設定されて記憶されている。建築構造物の位置に係る情報は、太陽高度や方位を求める際に用いられる。また、温度データは、ソーラパネルによる発電効率を算出する際に用いられる。また、この環境設定DB124には、周囲の建築物や森、地形などの周辺環境が遮光体となってソーラパネルに太陽光が届かない季節及び時間帯のデータ(環境情報)を含むことが出来る。或いは、この太陽光が届かない季節及び時間帯に係るデータは、地域別季節別日射DB121に晴天率とまとめて日射率として記憶させても良い。
環境設定DB124に予めこれらの位置情報を記憶させる工程は、位置設定ステップを構成している。
また、上述の晴天率を予め地域別季節別日射DB121に設定記憶させる工程及び前記温度データを環境設定DB124に予め記憶させる工程は、気象条件設定ステップを構成している。
条件別買電料金記録部125には、各パラメータ設定でそれぞれ算出された買電料金を当該パラメータと共に記憶させておく。記憶されたこれらの買電料金に係るデータは、設定された全てのパラメータの組合せで買電料金が算出された後、最適な条件設定を検索して出力する際に用いられる。
入力操作部13は、ユーザの入力操作を受け付けて電気信号に変換して制御部11に出力する。入力操作部13は、例えば、キーボード、マウスやタッチパネルを備えている。
出力表示部14は、制御部11からの制御信号に基づいて各種データの出力を行う。出力表示部14は、LCD(液晶ディスプレイ)などの表示画面に加えて又は代えて、印刷用紙などの記録媒体上に画像の形成(印刷)を行う画像形成部や、データ信号を外部に出力する通信部を有していても良い。
次に、本実施形態のソーラパネル配置設定装置100によるソーラパネルの配置設定方法について説明する。
本実施形態のソーラパネル配置設定装置100では、発電容量設定部111において、太陽光発電設備に係る発電容量やソーラパネルの配置に係るグループ分けを行った後、各グループの設置条件に基づいて、それぞれ発電電力量算出部112において、各日付における各時間帯(例えば、毎時)の発電量を算出する。それから、買電電力量算出部113において、季節別負荷DB122からそれぞれ対応する時間帯の負荷を取得して、この発電量と電力消費量との差分により買電量を求め、次いで、買電料金算出部114において、当該時間帯における電気料金に基づいて買電費用を算出し、条件別買電料金記録部125に記憶させていく。各日付の各時間帯における買電費用が算出されると、最適条件決定部115において、各設置条件の組合せのうち、最適な条件のものを選択して、出力表示部14に出力する。これらの処理は、制御部11が記憶部12に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、後述のように、ソフトウェア的に行わせることが可能である。
設定される日付としては、各季節(冬春夏秋)における代表的な日が1日ずつ用いられる。ここでは、気温の変化や日の長さを考慮して、例えば、2、5、8、11月の上旬の所定の日をそれぞれ設定することが出来る。
発電電力量算出部112において、発電量は、設定されている発電容量に応じ、太陽光のソーラパネルへの入射量及び発電効率に基づいて算出される。太陽光の入射量は、建築構造物の位置における太陽高度及び方位角と、ソーラパネルの設置角度との関係から求められる太陽光の入射角、及び建築構造物(ソーラパネル)の位置における日射率、即ち、地域別季節別日射DB121に記憶された各時間帯における晴天率のデータを用いて算出される。
なお、ここでは、蓄電に係る設備を設けないこととして、発電量を電力消費量が上回った時間帯について、当該不足する電力消費量を買電するものとするが、これに限られない。蓄電設備を設ける場合には、蓄電容量の範囲内で余剰発電分を電力消費量の多い時間帯まで持ち越させることが出来る。
図3は、本実施形態において用いられる角度について説明する図である。
図3(a)は、水平面に対する仰角方向を示す図である。
水平面に対するソーラパネルの傾き角度を傾斜角とする。即ち、ソーラパネルが水平面に平行に寝かせて設けられると、傾斜角は0度となり、建物の壁などに沿って垂直に立てて設けられると、傾斜角は90度となる。
また、水平面に対する太陽の向き(仰角)を太陽高度とする。即ち、日の出及び日の入時の太陽高度は、0度である。春分及び秋分における南中時の太陽高度は、建築構造物の位置における緯度で定まり、夏及び冬における南中時の太陽高度は、春分及び秋分における太陽高度から±23.4度の範囲で増減する。
ソーラパネルに対する太陽光の入射角度は、ソーラパネルの法線方向に対する太陽光線の角度の差で表され、入射角度が0度の場合には、太陽光は、ソーラパネルの入射面の真上から入射することになる。
図3(b)には、水平面内での方位角を示す。
ここでは、方位角は、北向きを0度として東回りに360度まで設定される。春分及び秋分では、太陽は、日の出時に東(方位角約90度)から上り、日の入時に西(方位角約270度)に沈む。これに対し、冬には、太陽は、方位角が90度より大きい側(南寄り)から上って方位角が270度より小さい側(南寄り)に沈む。また、夏には、太陽は、方位角が90度より小さい側(北寄り)から上って方位角が270度より大きい側(北寄り)に沈む。
ソーラパネルの設置方位角は、ソーラパネルの法線方向の方位角である。
太陽の方位角と設置方位角が異なる場合、入射角度には、太陽高度と傾斜角の差と共に、この方位角度差の効果も加わることになる。
発電効率は、太陽光発電設備によって定まる値であり、記憶部12に予め設定記憶される。ソーラパネルを用いた太陽光発電の発電効率は、一般的に、温度に依存して変化する数式又はテーブルデータとして記憶される。ソーラパネル配置設定装置100では、環境設定DB124から該当する季節、時間帯の温度を読み出して用いることで発電効率が算出される。
本実施形態では、太陽光発電設備の発電能力で定まる発電総容量を定数として設定し、ソーラパネルの設置角度(傾斜角及び設置方位角)を変数としてそれぞれ変化させながら、上述の買電費用の算出を繰り返し行う。このとき、設置角度は、ソーラパネルの設置可能な角度範囲内で適宜な角度ステップ(例えば、10度ごと)で行えば良い。
各グループのソーラパネルに関して設置可能な角度範囲は、例えば、建築構造物への取り付け強度や風の影響などが考慮されて定められる。ここでは、例えば、ソーラパネルの受光面が取り付け面(屋根、壁面や庇上面)に対して45度以内、上層階などでは30度以内に設定される。また、壁面の影響などで明らかに太陽光が入射しない範囲がある場合には、当該角度範囲を除外することが出来る。
また、ソーラパネルを複数のグループに分割して互いに異なる設置角度で設置することが可能な場合には、各部分(グループ)に対して発電容量の比率を定め、設置角度を各々設置可能な範囲で変化させる。
図4は、ソーラパネルの分割設定の例を示す図表である。
この図表に示す例では、ソーラパネルを最大4グループに分割可能であり、当該範囲内での分割有無と、分割比率とを任意に設定可能となっている。即ち、グループID=1のグループに100%のソーラパネルが含まれるケース(ケースNo=1)は、分割がなされないことを表す。一方、ケースNoがX−1の場合、グループIDが1〜4の各グループに25%ずつ割り振られることで、全てのグループのソーラパネルを互いに異なる角度設定で発電に用いることが出来る。
これらのケース分けは、建築構造物の壁面の面積などに応じて出来る範囲で設定されれば良い。また、比率ではなく、各グループの発電容量の値自体で設定記憶させておくことも可能である。
図5は、本実施形態で実行されるソーラパネルの設置条件決定処理の制御部11(CPU)による制御手順を示すフローチャートである。
この設置条件決定処理は、ユーザの入力操作部13からの実行コマンドの入力といった命令の検出により制御部11がプログラムを記憶部12から読み出し、起動することで開始される。
ソーラパネル設置設定処理が開始されると、先ず、制御部11(CPU)は、入力操作部13からの入力を待ち受けて、太陽光発電設備全体での発電容量(発電総容量)の設定値を取得する(ステップS101)。
制御部11は、ソーラパネルの分割可能な最大グループ数N0を取得設定する(ステップS102)。この設定は、ユーザの入力操作に基づいて行われても良いし、予め設定ファイルを作成して記憶部12の所定の位置(ディレクトリやフォルダ)に記憶させておき、これを読み出しても良い。
制御部11は、最大グループ数N0の範囲で分割可能なソーラパネルの各グループの発電容量の比率のパターン(ケース)数X0を設定する(ステップS103)。また、制御部11は、当該ケース数のソーラパネルの分割比率をそれぞれ設定する(ステップS104)。これらの設定は、ユーザの手入力に基づいて行われても良いし、ユーザの入力した設定可能範囲内で制御部11が組合せを行うことでなされても良いし、或いは、制御部11が機械的に可能なパターンを全て抽出して行われても良い。
制御部11は、設定された各組合せについて、後述する買電料金算出処理を行う(ステップS105)。制御部11は、算出された各ケース、各組合せでの年間買電料金の中で最安値のものを検索して抽出し、当該ケースに係る設置条件を出力する(ステップS106、設置角度決定ステップ)。そして、制御部11は、設置条件決定処理を終了する。
図6は、設置条件決定処理で呼び出される買電料金算出処理の制御部11による制御手順を示すフローチャートである。
先ず、制御部11は、ケース番号Xが設定されていない場合には、ケース番号Xの初期値として0を設定し、ケース番号Xがケース数X0未満であるか判別する(ステップS500a)。ケース番号Xがケース数X0未満であると判別された場合には、制御部11は、ケース番号Xに係る処理ループに入る。制御部11は、グループIDの番号N(ステップS510a、S510b)、傾斜角θ(ステップS520a、S520b)、設置方位角φ(ステップS530a、S530b)及び春夏秋冬をそれぞれ示す季節ID(ステップS540a、S540b)についての四重のループ処理を行い、各パラメータの設定範囲内で値を順番に変化させていく。そして、制御部11は、当該設定値の組合せに対し、0時台〜23時台の各1時間にそれぞれソーラパネルへ入射する日射量を算出する(ステップS541)。また、制御部11は、当該日射量、環境設定DB124に記憶された温度及びこれに対応する発電効率に基づいて、各時間帯の発電量を算出する(ステップS542、)。
制御部11は、算出された発電量を、設定されているグループID(N)、傾斜角θ、設置方位角φ及び季節IDと関連付けて記憶部12に記憶させていく(ステップS543)。
ステップS510aからステップS510bまでのグループID(N)に係る処理ループ内の処理により、発電量算出ステップが構成される。
また、ステップS520a、ステップS530aにおいて、傾斜角θ及び設置方位角φの変化範囲、即ち、初期値と上限値は、上述したように、予めソーラパネルの各グループに対して設定されている場合には、当該設定を読み込んで定められる。設定されていない場合には、例えば、通常設定され得る最大範囲、即ち、傾斜角θが0度以上90度以下、設置方位角φが90度以上270度以下の範囲に定められる。これらステップS520a、S530aの処理は、設置角度範囲設定ステップを構成する。
一のケース番号Xに対して設定可能な全てのグループID(N)、傾斜角θ、設置方位角φ及び季節IDの組合せに対する発電量が算出されると、制御部11は、当該ケース番号Xにおけるグループ数N0のソーラパネルの各グループに対する傾斜角θ及び設置方位角φの組合せ数Y0を設定する(ステップS501)。制御部11は、当該組合せ数Y0通りの各組合せに係る各ソーラパネルのグループの傾斜角θ及び設置方位角φの値の組合せテーブルを生成する(ステップS502)。
制御部11は、組合せ番号Yを0以上Y0未満の範囲で0から順次1ずつ加算して変化させる(ステップS550a、S550b)。ここでは、制御部11は、組合せ番号Yが設定されていない場合には、組合せ番号Yを初期値0に設定し、組合せ番号Yの値が組合せ数Y0より小さいか否かを判別する(ステップS550a)。組合せ数Y0より小さいと判別された場合には、制御部11は、処理を次のステップS551に進める。組合せ数Y0より小さくないと判別された場合には、組合せ番号Yの設定を解放してからループを抜け、ステップS500bの処理に進む。
組合せ番号Yが組合せ数Y0より小さいと判別されてステップS551の処理に進むと、制御部11は、組合せ番号Yでソーラパネルの各グループに対して設定された傾斜角θ及び設置方位角φにおける発電量を記憶部12から読み出して、各季節、各時間帯の値をそれぞれ当該グループ数N0個ずつ合算した合計発電量を求める(ステップS551)。
制御部11は、組合せ番号Yに対してそれぞれ季節IDを0以上4未満の範囲で0から順次1ずつ加算して変化させる(ステップS560a、S560b)。制御部11は、設定されている季節IDに対応した季節における各時間帯の負荷を季節別負荷DB122から読み出して取得する(ステップS561)。制御部11は、これら組合せ番号Y及び季節IDにおける各時間帯の合計発電量と、対応する時間帯の負荷との差分を計算して、当該時間帯の買電電力量を算出する。また、制御部11は、電気料金DB123から季節ID及び時間帯に対して設定されている電気料金を読み出して、算出された買電電力量に応じた電気料金を算出する(ステップS562)。
4シーズンにおける各時間帯の電気料金が算出されると、制御部11は、これら4シーズン×24時間分の電気料金を合算して年間の買電料金を算出する(ステップS552、費用算出ステップ)。制御部11は、算出された年間買電料金を、ケース番号X及び組合せ番号Yと共に条件別買電料金記録部125に記憶させる(ステップS553)。
制御部11は、組合せ番号Yに1を加算して(ステップS550b)、処理を組合せ番号Yに係る処理ループの先頭であるステップS550aに戻す。
ステップS550aにおける判別処理により組合せ番号Yに係る処理ループを抜けてステップS500bの処理に進むと、制御部11は、ケース番号Xに1を加算して、処理をこのケース番号Xに係る処理ループの先頭であるステップS500aに戻す。
1が加算されたケース番号Xがケース数X0未満ではなくなった場合には、ステップS500aの処理でケース番号Xに係る処理ループを抜ける。これにより、買電料金算出処理が終了して、制御部11は、処理を設置条件決定処理に戻す。
図7は、ソーラパネルが配置された建築構造物の例を示す図である。
ここでは、ビル20の南面に庇21があるビルの当該庇21の上、及び南側と西側の壁面にソーラパネル22a〜22cが配置される例を示している。これらのソーラパネル22a〜22cは、風に対する制限などから取り付け面に対して所定の角度範囲内、例えば、30度内で傾けて取り付けることが出来る。
図7(a)の例では、全てのソーラパネルは、取り付けられている壁面と同じ方位角、且つ、傾斜角が90度よりやや上向きとして取り付けられている。また、図7(b)に示すように、庇21上及び下層階のソーラパネル22bは、他のソーラパネル22a、22cと比較してより小さな傾斜角で取り付けられている。このように、本実施形態のソーラパネル配置設定装置100では、ソーラパネル22a〜22cが既存のビル20の構造に応じて3つのソーラパネルのグループに分割され、ソーラパネル22aに対して設置方位角φが異なるソーラパネル22cのグループ及び傾斜角θが異なるソーラパネル22bのグループが設定される場合が考慮される。そして、これらのグループについて、それぞれ、ビル20の各壁面や庇21に取り付け可能な発電容量、設置方位角φ及び傾斜角θの範囲で値を変化させながら買電費用を算出して比較し、最適な配置条件の組合せを探索する。
図8は、建築構造物の負荷、ソーラパネルによる発電量及び電気料金の推移の例を示す図である。
ここでは、東京にある既存の建築構造物の南面に設けられたソーラパネル(定格発電量が90kWh)の設置方位角が180度及び220度、傾斜角が30度の場合の春の所定日における電力消費量(負荷)、発電量及び電気料金の推移を示す。
図8(a)に示すように、電力消費が午後の時間帯に偏っている場合には、図8(b)に示すように、ソーラパネルの設置方位角を180度とする場合(実線)に比較して、ソーラパネルの設置方位角を180度よりも大きく、例えば、220度(点線)に設定することで、負荷の増加に合わせて午後の発電量を大きくすることが出来る。また、ここでは、更に、図2に示した買電料金の高い時間帯(14時、15時)における発電量が大きくなっている。更に、昼休みの時間帯で負荷が低下する12時台から発電ピークをずらすことで、余剰の発電量の発生を若干抑えている。
この結果、図8(c)に示すように、設置方位角が220度の場合には、電気料金単価の高い14時台の発電量が電力消費量を超過して当該時間帯の買電費用がかからなくなると共に、15時台〜17時台の買電料金を大きく低減させている。設置方位角が220度の場合における6時台〜8時台の買電量は、反対に、設置方位角が180度の場合よりも増加する。しかしながら、当該時間帯の電気料金単価が安く、また、6時台〜8時台の電力消費量自体も多くないことから、この時間帯の買電料金の増加は、14時台〜17時台の買電料金の減少と比較して大きくない。従って、全体としては、設置方位角が220度の場合の方が合計の買電費用を抑えることが出来る。
なお、5月初旬の日没は、18時30分頃であるが、建築構造物の南面に取り付けられたソーラパネルには、当該建築構造物の陰で太陽光が入射しないので、設置方位角を180度よりも大きくしても18時台に発電を行わせることは出来ない。
即ち、このような配置は、午後の電力消費量が多い場合に対応して午後の発電量を増やす場合に適している。
図9は、建築構造物の3面にソーラパネルが設置された場合の発電量の時間推移の例を示す図である。
ここでは、傾斜角を全て90度(垂直配置)とする。そして、建築構造物の東面(設置方位角90度)に定格発電量(発電容量)40kWのソーラパネルが設けられ、南面(設置方位角180度)に定格発電量30kWのソーラパネルが設けられ、また、西面(設置方位角270度)に定格発電量20kWのソーラパネルが設けられた場合の例を示す。
建築構造物の南面に設けられたソーラパネルによる発電量(一点鎖線)は、上述の例と同様に、日の出から日の入まで南中時刻(12時台)をピークとしたものとなる。また、日の出から午前中の間には、東面に設けられたソーラパネルによる発電(点線)がなされ、午後日の入までの間には、西面に設けられたソーラパネルによる発電(破線)がなされる。
これらの発電量が合算されると、午前と午後にそれぞれピークを持ち、幅広い時間に亘って電力を供給する発電量パターン(実線)が得られる。
図10は、図9と同一パターンでソーラパネルが3面配置された場合と、南面のみにソーラパネルが配置された場合の発電量及び電気料金の推移を比較した図である。
図10(a)に示すように、ここでは、日中時間帯と比較して9時前後及び夕方17時以降の時間帯における電力消費量が大きい場合を例に挙げる。このような電力消費量の推移に対して、図10(b)に示すように、上述したソーラパネルの3面配置による発電量(実線)と、南面のみの配置による発電量(点線)とを比較すると、南面のみの配置(傾斜角が90度、設置方位角が180度)では、電力消費量の少ない日中に大きな発電の余剰が生じる。その一方で、電力消費量の多い朝方の時間帯には、必要な電力量に対して発電で得ることの出来る電力量が小さくなる。これに対し、ソーラパネルが3面配置された場合には、朝の電力消費のピーク及び夕方日没までの電力消費の増大に対応して発電量が増加する。従って、図10(c)に示すように、当該時間帯における買電料金を低減することが出来るとともに、日中の少ない電力消費に対応する分だけ南面配置されたソーラパネルによる発電が無駄なく行われる。従って、ソーラパネルを無駄に増やさずに適切に配置して、買電コストを低減させる(ここでは、南面配置で合計7350円に対し、3面配置で6425円)ことが出来る。
図11は、電力消費量の時間推移の他の例と、ソーラパネルが東西の二面に分散配置された場合と南西向きの一方向に揃えて配置された場合における発電量の時間推移の例とを示す図である。
ここでは、発電総容量が100kWhであり、東西配置の場合には、設置方位角が90度及び270度のソーラパネルが50kWhずつ分配されて配置される。また、南西一方向配置の場合には、設置方位角が240度である。傾斜角は、何れも、全て90度となっている。
図11(a)に示すように、この例では、朝方と夕方に分散して電力消費量のピークが現れているものの、変化量に対して全体的に日中や明け方の電力消費量も大きくなっている。この場合、図11(b)に示すように、東西の二面にソーラパネルが配置された場合(実線)では、12時前後における発電量が大きく落ち込み、この時間帯の電力消費にほとんど対応していない。また、朝夕の電力消費量のピークに対しても、十分な発電量が得られていない。一方で、南西向きに揃えてソーラパネルが配置された場合(点線)には、電力消費量が相対的に低い11時から16時の時間帯に多くの発電がなされているが、この発電量は、やはり、電力消費量よりも小さい。このような場合には、図11(c)に示すように、電力消費量のピークに合わせるよりも、電気料金が高い時間を中心に広く発電を行わせることで、より効率的に買電料金の低減を図ることが出来る。
以上のように、本実施形態のソーラパネル配置設定装置100は、制御部11により、太陽光発電に用いられるソーラパネルの設置方位角及び傾斜角をそれぞれ変化させて、設置方位角及び傾斜角、並びに、季節及び時間帯ごとのソーラパネルへの太陽光の入射量を算出し、算出された入射量に基づいて、設置方位角、傾斜角、季節及び時間帯ごとの発電量を算出し、この算出された発電量と、季節別負荷DB122に記憶された季節及び時間帯ごとの電力消費量とを比較して、電気料金DB123に予め設定された買電価格に基づき、設置方位角及び傾斜角ごとに年間の買電費用を算出し、算出された買電費用に基づいて、ソーラパネルの最適な設置方位角及び傾斜角を設定する。
従って、太陽光発電設備が設けられる場所が限られていて、理想的なソーラパネルの設置方位角や傾斜角での配置が困難な場合などであっても、周辺環境や、年間の太陽高度などの移り変わりに伴う発電状況の変化に応じた適切なソーラパネルの配置を容易に算出することが出来る。
また、特に、ソーラパネルは、建築構造物の屋根、庇、壁面などの各部分ごとにそれぞれ異なる設置方位角及び傾斜角で設置可能であり、設置方位角及び傾斜角のこれら各部分ごとの組合せをそれぞれ算出して、その中から最適な設定を探索して求めることが出来るので、限られた空間の中で効率的にソーラパネルを配置する組合せを容易に求めることが出来る。
また、建築構造物に対してソーラパネルを取付け設置する各部分ごとに、それぞれ設置可能な設置方位角及び傾斜角の角度範囲を設定し、その中で最適な配置の組合せを探索して求めることが出来るので、不要な範囲の計算処理を省略しつつ、実現可能な範囲で適切に最適な配置条件を取得することが出来る。
また、ソーラパネルの設置地点の位置情報を設定し、この位置情報と、設置方位角及び傾斜角との関係に基づいて太陽光の入射角を算出するので、日本の特定地域といった狭い範囲に限られず、世界の広い範囲で適切な配置条件を容易に取得することが出来る。
また、環境設定DB124にソーラパネルの陰となる周囲の建築構造物、森林、山といった周辺環境に係る情報を記憶させ、この情報に基づいてソーラパネルに太陽光が届かない時間帯の太陽光の入射量を差し引いて計算することが出来るので、既に周囲を建築構造物などの障害物に囲まれた条件の建築構造物などに太陽光発電設備を追加設置する場合であっても、適切に発電量を求めて最適な配置条件を取得することが出来る。
また、買電価格として、電気料金DB123に季節及び/又は時間帯ごとの料金を一又は複数設定することが出来るので、的確に効率的な買電費用の低減を図ることが出来る。
また、ソーラパネルの設置地点における気象条件として、少なくとも季節及び時間帯ごとの晴天率及び温度を設定して環境設定DB124に記憶させることで、より正確な太陽光の入射量を計算し、また、温度に基づいて変化する発電効率を設定することで、より的確に最適な配置設定を取得することが出来る。
また、このようなソーラパネルの配置設定に係る処理を行うプログラムにより、特別な構成を揃える必要がなく、通常のPCなどで容易に最適な配置設定を探索して取得することが出来る。
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、ソーラパネルを複数のグループに分割して各々設置方位角及び傾斜角を定め、これらの組合せについてそれぞれ発電量及び買電料金を算出したが、複数のグループに分割することが困難である場合には、初めから単一グループのソーラパネルに係る設置方位角及び傾斜角に対して発電量及び買電料金を算出して処理を軽減させることが出来る。
また、上記実施の形態では、ソーラパネルの設置位置情報とソーラパネルの設置方位角及び傾斜角とに基づいて太陽光の入射角を算出したが、ソーラパネルの設置位置が大きく変化しない範囲、例えば、東京近郊などに限られる場合には、太陽光入射角を設置方位角及び傾斜角のみにより定まるものとして処理を簡略化することが出来る。
また、上記実施の形態では、年間の買電費用を見積もるために各季節の代表的な日を一日ずつ設定して電気料金の算出を行ったが、これに限られず、例えば、毎月一日ずつ選択して電気料金の算出を行っても良い。
また、上記実施の形態では、複数のグループにソーラパネルを分割しても、結果として同じ設置方位角、傾斜角及び太陽光の入射時間となって分割されない場合と同等になる場合が生じ得るので、ケース分けは、図4に示したものに限られず、重複しないように適宜整理して設定しても良い。
また、上記実施の形態では、買電費用が最も小さい条件を最適な設定としたが、他の条件、例えば、季節ごとの買電費用の最大値が最小の場合の条件を最適な設定とすることが出来る。
また、以上の説明では、本発明に係る設置条件決定処理に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてHDDやSSDを例に挙げて説明したが、これに限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、その他のフラッシュメモリ、各種不揮発性メモリ、CD−ROMなどの可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も本発明に適用される。
その他、上記実施の形態で示した具体的な構成、処理の内容や手順などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
11 制御部
111 発電容量設定部
112 発電電力量算出部
113 買電電力量算出部
114 買電料金算出部
115 最適条件決定部
12 記憶部
121 地域別季節別日射DB
122 季節別負荷DB
123 電気料金DB
124 環境設定DB
125 条件別買電料金記録部
13 入力操作部
14 出力表示部
20 ビル
21 庇
22a ソーラパネル
22b ソーラパネル
22c ソーラパネル
100 ソーラパネル配置設定装置

Claims (9)

  1. 太陽光発電に用いられる太陽光発電パネルの設置方位角及び傾斜角をそれぞれ変化させ、前記設置方位角、前記傾斜角、季節及び時間帯ごとの前記太陽光発電パネルへの太陽光の入射量に基づいて、前記設置方位角、前記傾斜角、季節及び時間帯ごとの発電量を算出する発電量算出ステップ、
    前記発電量算出ステップで算出された発電量と、前記発電された電力を供給する対象における季節及び時間帯ごとの電力消費量とを比較して、予め設定された買電価格に基づき、前記設置方位角及び前記傾斜角ごとに年間の買電費用を算出する費用算出ステップ、
    前記算出された買電費用に基づいて、前記太陽光発電パネルの最適な設置方位角及び傾斜角を設定する設置角度決定ステップ
    を含むことを特徴とする太陽光発電パネルの配置設定方法。
  2. 前記太陽光発電パネルは、一部分ごとに異なる複数の設置方位角及び傾斜角の組合せで設置可能であり、
    前記費用算出ステップは、前記複数の設置方位角及び傾斜角の組合せについて前記買電費用を算出し、
    前記設置角度決定ステップは、前記費用算出ステップで求められた前記買電費用に基づいて、前記複数の設置方位角及び傾斜角の組合せのうち、最適なものを設定する
    ことを特徴とする請求項1記載の太陽光発電パネルの配置設定方法。
  3. 前記発電量算出ステップは、
    設置対象の建築構造物に対して前記太陽光発電パネルを前記一部分ごとにそれぞれ設置可能な前記設置方位角及び前記傾斜角の角度範囲を設定する設置角範囲設定ステップを含み、
    当該設定された角度範囲についてのみ前記発電量を算出する
    ことを特徴とする請求項2記載の太陽光発電パネルの配置設定方法。
  4. 前記太陽光発電パネルの設置地点の位置情報を設定する位置設定ステップを含み、
    前記発電量算出ステップは、前記位置情報と、前記設置方位角及び前記傾斜角との関係に基づいて太陽光の入射角を算出して、当該入射角に応じた太陽光の入射量に基づいて発電量を算出する
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の太陽光発電パネルの配置設定方法。
  5. 前記位置情報には、前記太陽光発電パネルに対する遮光体となる周辺環境に係る環境情報が含まれ、
    前記発電量算出ステップは、前記環境情報に基づいて前記太陽光発電パネルに太陽光が届かない時間帯の太陽光の前記入射量を差し引いて発電量を算出する
    ことを特徴とする請求項4記載の太陽光発電パネルの配置設定方法。
  6. 前記買電価格は、季節及び時間帯のうち少なくとも一方に依存して各々設定されることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の太陽光発電パネルの配置設定方法。
  7. 前記太陽光発電パネルの設置地点における気象条件として、少なくとも季節及び時間帯ごとの晴天率及び温度を設定する気象条件設定ステップを更に含み、
    前記発電量算出ステップは、前記温度に基づいて発電効率を設定し、当該発電効率と、前記晴天率に基づいて求められた前記太陽光の入射量とに基づいて前記発電量を計算する
    ことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の太陽光発電パネルの配置設定方法。
  8. 太陽光発電に用いられる太陽光発電パネルの設置方位角及び傾斜角をそれぞれ変化させ、前記設置方位角、前記傾斜角、季節及び時間帯ごとの前記太陽光発電パネルへの太陽光の入射量に基づいて、前記設置方位角、前記傾斜角、季節及び時間帯ごとの発電量を算出する発電量算出手段、
    前記発電量算出手段により算出された発電量と、前記発電された電力を供給する対象における季節及び時間帯ごとの電力消費量とを比較して、予め設定された買電価格に基づき、前記設置方位角及び前記傾斜角ごとに年間の買電費用を算出する費用算出手段、
    前記算出された買電費用に基づいて、前記太陽光発電パネルの最適な設置方位角及び傾斜角を設定する設置角度決定手段
    を備えることを特徴とする太陽光発電パネルの配置設定装置。
  9. コンピュータを、
    太陽光発電に用いられる太陽光発電パネルの設置方位角及び傾斜角をそれぞれ変化させ、前記設置方位角、前記傾斜角、季節及び時間帯ごとの前記太陽光発電パネルへの太陽光の入射量に基づいて、前記設置方位角、前記傾斜角、季節及び時間帯ごとの発電量を算出する発電量算出手段、
    前記発電量算出手段により算出された発電量と、前記発電された電力を供給する対象における季節及び時間帯ごとの電力消費量とを比較して、予め設定された買電価格に基づき、前記設置方位角及び前記傾斜角ごとに年間の買電費用を算出する費用算出手段、
    前記算出された買電費用に基づいて、前記太陽光発電パネルの最適な設置方位角及び傾斜角を設定する設置角度決定手段
    として機能させるためのプログラム。
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