JP2017169987A - 精神生理学的状態についての情報取得方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】精神生理学的状態のパラメータの測定方法を簡素化し、その精度と信頼性を向上すること。【解決手段】精神生理学的状態についての情報取得方法には、人の運動活動の特徴の計測と、人の運動活動の分析に基づく精神生理学的または機能的状態のパラメータの計算が含まれ、人の運動活動の特徴の計測は、人体と直接的または間接的な機械的接触を持つ運動パラメータ測定機器によって実現され、運動パラメータの変換センサーは運動パラメータ測定機器の内部に配置され、運動パラメータの変換センサーは人の体に直接接触しないようになっています。加えて運動パラメータの測定値は運動速度に変換されます。追加の光電変換なしで、オブジェクトの移動や運動活動の物理的特性を直接分析することで、人の運動活動と前庭系の作用のパラメータの判定精度を向上させる。【選択図】図3

Description

本発明はバイオメトリクス、精神生理学、機能診断、エレクトロニクスの分野に帰属し、人の精神生理学的、心身的、および生理学的な特徴についての情報の取得、感情状態のコントロール、人や動物の機能診断の実施、および心理、精神生理学的検査の実施に関する。
現代における人の精神生理学的または心身的情報の取得方法は、使用するセンサーの配置によって、接触型と非接触型に条件付きで分けることができます。歴史的に、技術的装置による精神生理学的データ取得方法において、接触型方式は、非接触型方式より先に発展しており、第一に精神生理学的観点での嘘発見の実現のために研究されてきました。この際、接触センサーは常に人の体の表面に直接触れていました。従来のうそ発見器またはポリグラフには、精神生理学的データを取得する複数のチャネルがあります。データの記録には、通常、呼吸(呼吸曲線)、ガルバニック皮膚反応(GSRまたは流動曲線)、心臓血管作用(脈拍または心拍数HR)、心臓血管作用(血圧BP)の生理的プロセスを記録する接触センサーが用いられます。
現在、生理的プロセスと精神的プロセスの結びつきを説明しようとする多くの理論がありますが、この結びつきの存在自体は疑いありません。ポリグラフはカリフォルニア大学バークレー校の医学生ジョン・ラーソンによって1921年には発見されていたにも関わらず、現在まで人の精神生理学的情報の読み取りの情報性を改善しようとする継続的な試みがなされてきました。
その他に、人の表情や動作の観察に基づいて精神生理学的状態についての非接触情報を取得する方法があります。これらの方法の実用化の科学的基礎はイワン・セチェノフやチャールズ・ダーウィンの論文において確立されました。そしてテレビ技術、コンピュータ技術の発達とともに、これらの方法の技術的な実現可能性が出てきました。ダーウィンの論文のアルゴリズム的変異は、表情のアルゴリズム分析に関する現代の研究に引き継がれました。運動活動の精神生理学的解釈はVinraImage技術において実現しました。
精神生理学的チャネルの情報性向上の基本的な課題は、測定される生理的プロセスと人の自律神経系活動および脳活動との相関関係の水準を高めることです。精神生理学的検査への生理学的チャネルの応用を制限するのは、主に信号読み取りに使用される手段のノイズ耐性レベルの低さです。技術的観点から見れば、読み取られた精神生理学的信号の情報性向上は、SN比の向上および測定されるパラメータのダイナミックレンジの拡大と関連しています。
例えば、精神生理学的情報取得のために脳波を読み取り処理する接触型メソッドは、非常に高いレベルで脳活動を観察できる点で際立っていますが、ノイズ耐性が低いため応用には実験室環境が必要とされ、そのことはこのメソッドの応用範囲を本質的に制限しています。
人の体の特定の個所にしっかりと固定された加速度センサーで人の運動活性を観察するメソッドも知られています。このメソッドは通常医療分野で患者の運動活性を管理するために用いられますが、精神生理学的情報取得への応用は想定されていません。なぜならこのメソッドの主な目標はマクロ運動の管理だからです。マクロ運動は体内の生理的プロセスに対する全体的なエネルギー消費と関係していますが、精神生理学的プロセスとの直接的な関係はありません。たとえば特許文献1及び特許文献2には、人の感情状態を分析するため音声情報を非接触で取得し処理するメソッドが開示されています。
米国特許第6638217号公報 米国特許第7222075号公報
特許文献1及び特許文献2によれば、様々なノイズに対しても比較的耐性がありますが、自律神経系の働きとの情報的な結びつきは少なく、誤りの確率が高いという特徴があるため、やはりこれも応用範囲が限られます。
本発明は人の精神生理学的状態のパラメータの測定方法を簡素化し、その精度と信頼性を向上させることを目的とする。
本発明の一形態は、人体と直接的または間接的に機械的に接触している運動パラメータ測定機器において用いられ、前記人体に対して非接触となるように前記運動パラメータ測定機器の内部に配置された変換センサーを用いて人の精神生理学的状態についての情報を取得する方法であって、前記人体の運動活動の特徴量を計測する計測ステップと、前記特徴量に基づいて前記人体の運動活動を分析することにより、精神生理学的または機能的状態パラメータを計算する計算ステップと、を備える。
本発明によれば、人の精神生理学的状態のパラメータの測定方法を簡素化し、その精度と信頼性を向上させることができる。
運動パラメータの接触型測定機器とVibraImageの非接触型メソッドを用いて人の精神生理学的状態についての情報を取得する図 活発な精神生理学的状態にある人の、接触型運動センサーと非接触型VibraImageメソッドによって決定されるパラメータの時間依存性を示す図 活発な精神生理学的状態にある人の、接触型運動センサーと非接触型VibraImageメソッドによって決定されるパラメータ同士の相関関係を示す図 不活発な精神生理学的状態にある人の、接触型運動センサーと非接触型VibraImageメソッドによって決定されるパラメータの時間依存性を示す図 不活発な精神生理学的状態にある人の、接触型運動センサーと非接触型VibraImageメソッドによって決定されるパラメータ同士の相関関係を示す図
本実施の形態では、人の運動活動の特徴を測定し、その特徴を処理し、運動活動の特徴の処理結果に基づいて生物の精神生理学的状態についての情報を取得する方法を用います。この方法においては、運動活動は生物の頭部の動きのテレビ信号によって測定し、生物の頭部の動きの空間的、時間的配置の定量的パラメータを情報統計的パラメータに変換してこの信号を処理し、その後そのVibraImageの情報統計的パラメータを生物の精神生理学的状態の定量的特性に変換した結果に基づいて、生物の精神生理学的状態についての情報を取得します。
そこで用いるモデルでは、テレビスキャンで人の頭の微動を読み取り、ビデオ画像をVibraImageに変換し、情報統計的精神生理学的パラメータを取得して、人の精神生理学的状態についての情報を得ることが可能です。前庭器官および前庭系は力学的平衡を維持する機能を担い、頭部の微動を制御します。人の前庭系は機能的に人の他のすべての生理的システムの働きと強固に結びついているため、精神生理学的情報の分析に際しては前庭系を利用するのが最も有益です。このモデルでは数式によって人の運動活動を、人の機能的、感情的状態を特徴づける数値的、精神生理学的パラメータに変換することで、自動的かつ高い客観性をもって人の運動活動についての情報を記録します。
しかしこの方法は非接触型テレビ方式に属し、調査対象の照明に非常に敏感であり、マトリックスビデオ信号処理のためにかなりのプロセッサの処理能力が要求されます。照明の変化はオブジェクトの振動として認識され、照明が不足しているとこの手法は機能しません。加えて、このモデルではテレビカメラの厳格な力学的安定性が要求され、そのことはやはりこのモデルの利用可能性を狭めています。
この課題は以下のように解決されます。人の運動活動の特徴を測定し、人の運動活動の分析に基づいて精神生理学的、機能的状態のパラメータを計算して、人の精神生理学的状態についての情報を取得するこの方法において、人の運動活動の特徴の測定は、人の体と直接的または間接的に機械的接触を持つ運動パラメータ測定機器によって実現されます。そして運動パラメータの変換センサーは、運動パラメータの変換センサーが人の体と直接接触しないように運動パラメータの測定機器の内部に配置します。そのうえで測定された運動パラメータの値は運動速度に変換されます。
以下に述べる本発明の事例では、運動パラメータの測定機器として、携帯電話または他の処理装置(ガジェット)を使用し、運動パラメータの変換センサーとして携帯電話内に配置された独自のMEMSセンサーを使用し、人の精神生理学的または機能的状態の分析は、携帯電話のメモリ内にあらかじめ書き込まれた特別なプログラムによって、携帯電話の処理装置で実現されます。
特に、携帯電話のMEMSセンサーから運動速度パラメータの時間依存性を取得し、人の体の各部分の動きの測定に基づく精神生理学的または機能的状態のパラメータの計算のために、そのMEMSセンサーから取得した運動速度パラメータの時間依存性における高周波と低周波の比率が分析されます。
特に、精神生理学的または機能的状態のパラメータを計算する際、人の精神生理学的状態についての情報を取得するため、携帯電話のMEMSセンサーから取得された人の運動速度パラメータのデータを、携帯電話のテレビカメラから取得されるその人のVibraImage処理データと同期させます。そして調整されたVibraImage信号を取得するために、VibraImage信号の現在の値とそのMEMSセンサーからの信号の現在の値との間の関係を見つけます。
以上の方法により、追加の光電変換なしで、オブジェクトの移動や運動活動の物理的特性を直接分析し、人の運動活動と前庭系の作用のパラメータの判定の精度を向上させることが可能です。力学的運動の基本的なパラメータ(変位、速度、加速度)は互いに最も単純な示差的依存関係によって結びついているので、上記のパラメータのうちの1つがあれば、測定機器からの運動パラメータのデータ処理時に、高い精度をもってすべての運動パラメータを計算可能です。
これに際し、運動パラメータのセンサーが人の体に直接接触している必要はなく、精神生理学的状態についての情報を取得するためには、小型の測定機器の内部にセンサーを配置するだけで十分であるということが立証されました。運動速度のパラメータはすべての運動パラメータの中で最大の精神生理学的情報性を示しましたが、そのことは少し意外でした。なぜなら人の運動エネルギー消費の研究の大部分は加速度の計算に基づいているからです。
微振動と精神生理学的状態の依存関係は前庭感情反射によって特徴づけられるということが知られています。人の前庭器官は3次元の軸において、特別な受容体によって平衡状態からの体の各部の最小の傾きを分析し、非平衡運動と反対の方向に動くように体の筋肉を反射的に制御します。現代の運動パラメータのソリッドステートセンサー(加速度計、振動センサー、ジャイロスコープ)は、実質的に前庭器官と同様の機構をもっており、MEMS(微小電気機械システム)と名づけられています。
現代の運動センサーでは、加速度や角度、移動が通常3つの相互垂直な軸で、技術的装置を使用して測定され、データは運動の方向ごとに独立した電気信号に変換されます。このように、事実上どの携帯電話も人の前庭器官に類似した機能を持ついくつかのセンサーを含んでおり、すなわち、もし携帯電話の動きが人の動きを反映するなら、そのセンサーは人の精神生理学的状態の管理に利用できる可能性があることが分かります。これまで、携帯電話におけるMEMSセンサーの利用は、例えば画面の回転やゲームアプリケーションなどの携帯電話の操作の技術的課題を解決してきました。加速度計の信号の周期的な変化によってモバイルデバイスのユーザーの歩数を計算したり、消費カロリーを計算したりする用途にMEMSセンサーの情報を利用することは、精神生理学的パラメータの判定メカニズムに比較的近いと考えられます。
モバイルデバイス内に配置したセンサーからの信号の精神生理学的情報性における重要な課題は、人体に対するMEMSセンサーの位置が任意であるという点です。VibraImage技術において、人の頭部の動きの管理が利用されているのは偶然ではありません。なぜなら人の頭は骨格の垂直位置と生体力学の法則の影響下にあり、その動きに人体のすべての動きが反映されている理想的なオブジェクトだからです。携帯電話5がズボンやシャツのポケットに入っている場合、第一にモバイルデバイスと直接接触している体の部分の動きが反映されます。
機械的(加速度、移動、振動)センサー設置に関する現在の技術的アプローチでは、センサーを調査対象に取り付ける際に厳密な機械的接触が要求されます。当然モバイルデバイスが人の服の任意の場所にある場合、要求される人体との厳密な機械的接触は保障されず、体との接触位置が任意であるということは、運動活動の情報性は保障されないと考えられました。
しかし筆者は実験によって、速度が情報信号として利用されている場合、微動の管理が可能になり、直接の機械的接触がなく、身体上での位置が任意であっても運動センサー(例えば標準的なモバイルデバイスに搭載されているMEMSセンサー)からの情報統計的、精神生理学的信号の取得の妨げにはならないということを立証するのに成功しました。この根拠は何よりまず、精神生理学的信号の基本的な情報性は、測定された物理的数値信号の瞬間的な値(身体との接触位置が任意の場合、遅延することや、頭の動きと一致しないことがあります)ではなく、その物理的数値の時間依存性を反映する統計的パラメータの積分値のデータ取得にあるということです。
さらに実験に基づき、人体の様々な部分の動きの特徴と微動の速度は精神生理学的状態に依存し、その運動活動自体やマクロ運動には少ししか依存しないということが立証されました。攻撃性、ストレス、不安のレベルが高まった、活発な精神生理学的状態においては、体全体の微動(力学的な観点から見れば振動)の特徴が精神生理学的プロセスによって決定され、肩、胸、骨盤の動きは頭部の微動と高い相関性を有しています。一方、不活発な精神生理学的状態においては、体の動きは生理的プロセスによってのみ決定され、この相関性はなくなります。この点において、この技術的ソリューションは新しいものであり、当業者の先行技術において自明ではなく、産業上応用可能です。そのためこの発明は特許性の基準に合致し、特許によって保護されうるものになります。
ここで提案する方法では、標準的なモバイルデバイスのMEMSセンサーを含む運動センサーの信号を、人(そのモバイルデバイスの所有者)の精神生理学的状態の分析に利用することが可能です。その上、人の精神生理学的状態の分析はそのモバイルデバイス上だけでなく、例えばWi-FiやBluetoothなどの標準的な無線インタフェースでそのモバイルデバイスに接続している他のプロセッサ上でも実行可能です。加えて精神生理学的情報の情報性は人の身体上での運動センサーの配置位置や、人体への接触方法ではなく、測定機器自体における運動速度の変換の精度や情報信号の処理メソッドによって決まります。
本発明の実例を考察します。この例において人の精神生理学的状態についての情報取得は、様々な運動パラメータの測定機器によって実現されます。人の運動活動の特徴は、外部カメラによるビデオ画像の管理(VibraImage技術)と同様に、Android 4.3OSがインストールされた携帯電話Samsung S4の運動パラメータ測定機器(運動パラメータ判定の接触型メソッド)によって判定されます。
携帯電話のMEMSセンサーからの信号は、サンクトペテルブルクの企業Elsys製のVibraimage 8.1プログラムによって処理されます。VibraImageプログラムでは、VibraImageパラメータ(VibraImage技術で判定された人の精神生理学的パラメータを含む)と外部デバイスから受信した信号との相関関係を可視化し、処理し、判定することが可能です。加えてVibraImage8.1プログラムでは、Android OSの標準的な機器でWi-Fiインタフェースを通して送信された携帯電話のMEMSセンサーの信号を分析できます。携帯電話のMEMSセンサーからのデータ転送プログラムは、テストを行う携帯電話上にあらかじめ書き込まれ、実行されます。
図1に示すように、被験者1はコンピュータ4のモニターの上に配置されたテレビカメラ3の前のいす2に座り、携帯電話5は状態に応じて図1に示す被験者1の身体の様々な部位に配置します。
MEMSセンサーから受信した信号の精神生理学的情報性を証明するために、VibraImage8.1プログラムのプログラムインタフェースにおいてコンピュータ画面上で信号の視覚データを考察します。図2及び図3には、基本的な情報信号としてVibraImage周波数の高速信号F1(VibraImage技術によってテレビカメラで判定される)と信号V(携帯電話5の加速度計のMEMSセンサーからの運動速度の合成ベクトルとして定義される)も示されています。最初は携帯電話5を被験者1の頭の上に置きます。この場合、1つの物理量、すなわち人の頭の移動時の測定運動速度は、VibraImageメソッドとMEMS加速度計の2つの異なる方法によって計測されます。VibraImageプログラムはこれらの信号を処理し、被験者1の精神生理学的状態に関わらず、信号間の高いレベルの相関関係を判定します。この結果は驚くべきことではありません。なぜなら、どちらの信号も正しく測定された場合、それらは堅固に相関しているはずだからです。
携帯電話5を被験者1の頭上から他の場所、例えばシャツの胸ポケットなどに移動したとき何が起こるかを観察します。この場合、異なる物理量が計測されます。カメラはそれまでどおり人の頭の方に向けられ、頭の移動速度を測定し、シャツのポケットにある携帯電話5は被験者1の胸の上のシャツの動きの速度を測定します。しかしこの場合においても、人が活発で活動的な状態にあるときは、前述したパラメータ(F1とV)間の有意な相関関係が見られます。活発で活動的な機能状態においては、エネルギー消費が3kcal/分以上になり、生理的プロセスだけでなく活発な心理的、または感情的活動によって決まるような人の精神生理学的状態が見られます。引用した例において、このエネルギー消費と代謝(メタボリズム)は体内の生理的プロセスだけでなく、精神生理学的プロセスに左右されています。なぜなら静かに座っている人の生理的プロセスへのエネルギー消費は2kcal/分を超えないということが知られているからです。
図2は活発な機能的状態にある被験者1のF1およびV信号の時間依存性を示しています。このとき携帯電話5はシャツのポケットに入っています。ここで、時間依存性の最初の部分は、運動活動が最小限の(マクロ運動がない)状態を示していますが、被験者1が不活発な状態にあるというわけではありません。被験者1のエネルギー消費の点では、グラフの左側は実質的に右側と変わりありません。差異があるのは、グラフの左側では被験者1は微動だけを行っており、グラフの右側(9秒目以降)ではマクロ運動も行っているという点のみです。両信号が高いレベルの相関性を有していることは見た目にも明らかですが、それはVibraImageプログラムの数値解析でも裏付けられます。この数値解析によれば、これらの曲線のピアソン相関係数は約0.95を示しています。これらの信号は相対的な測定単位において導かれています。なぜなら情報性があるのは各信号の変化の動きであって、測定時に得られた物理量の絶対値ではないからです。F1とVの値の相関関係は図3に表されています。この2つの精神生理学的状態(微動とマクロ運動)において、人の頭部と胸部の振動パラメータ間の相関レベルはほとんど変わらないという点に注目すると興味深いです。F1とVの2つの信号間の同様の依存関係は携帯電話5を被験者1の服の異なるポケットに移動させた際にも観測されました。
VibraImage技術で得られた信号と運動パラメータの測定機器によって得られた信号の間の同様の依存関係は、運動センサーからの1次的な信号だけでなく、活発な精神生理学的状態[16]における情報統計的信号に関しても観測されます。例えば比較に使用する信号として不安を表す指標Tを取るとします。この指標はVibraImage技術ではVibraImageの高周波信号スペクトルにおける高周波と低周波の比率として定義されます[16]。VibraImageに基づいて計算された不安の指標と最大の相関性を有しているのは、同様の方法で、しかしスペクトルに基づいて計算された信号です。このスペクトルは携帯電話5の加速度計とジャイロスコープのセンサーで計測した運動速度から得られたものです。その上この高いレベルの相関性は、例えば人の頭の上、シャツやズボンのポケットの中といった携帯電話5の配置位置にもほとんど影響されません。人が携帯電話5を手に持ち、その際手を著しく動かさない場合、携帯電話5が人の手の上にあっても、(服の上と)ほとんど同じ不安レベルが示されます。
しかし、エネルギー消費が2kcal/分以下の不活発な精神生理学的状態(この場合エネルギー消費は基本的な生理的プロセスにおいて決まる)にある人の相関関係は別の特徴を帯びてきます。携帯電話5の位置を被験者1の頭から任意の他の場所に変えると、頭部の動きと体の他の部分の動きとの依存関係の特徴は著しく変化します。図4では不活発な機能的状態にある被験者1のF1とV信号の時間依存性を示しています。このとき携帯電話5はシャツのポケットに入っています。ここで、時間依存性の最初の部分は、運動活動が最小限の状態を示していますが、被験者1が不活発な状態にあるというわけではありません。被験者1のエネルギー消費の点では、グラフの左側は実質的に右側と変わりありません。やはり差異があるのは、グラフの左側では被験者1は微動だけを行っており、グラフの右側(17秒目以降)ではマクロ運動も行っているという点のみです。このグラフでは前述したパラメータ間の相関度を視覚的に評価するのは難しいですが、VibraImageシステムではF1とV信号間の相関係数はかなり低く(0.2以下)示されます。
不活発な精神生理学的状態のときのF1とVの値の相関関係は図5に表されています。この2つの精神生理学的状態(微動とマクロ運動)において、人の頭部と胸部の振動パラメータ間の低い相関度はやはりほとんど変わらず、マクロ運動によって相関度が増加することはないという点に注目すると興味深いです。F1とVの2つの信号間の同様の低い依存関係は、携帯電話5を不活発な状態にある被験者1の服の異なるポケットに移動させた際も観測されました。
上述の例から、人の体と直接、または間接的な機械的接触を持つ運動パラメータ測定機器を使用して、人の活発な精神生理学的状態についての精神生理学的情報を取得する可能性が実証されます。人の運動パラメータを変換するセンサーは、運動パラメータの測定機器の内部に配置されているので、この運動パラメータの変換センサーは人体に直接接触しません。加えて運動パラメータの測定値は運動速度に変換されます。一方、頭と体の運動パラメータ間に相関がみられないときは、人が不活発な精神生理学的状態にあることを情報的に表します。
オブジェクトの運動パラメータの共同・同期測定の精度向上例として、以下の実験を行います。Windows 8 OSのモバイルコンピュータMicrosoft Surface Pro 3 i5 128GbにインストールしたVibraimage 8.1プログラムを使用し、VibraImage技術の標準的なメソッドでオブジェクトの振動周波数を判定します。検証用オブジェクトには、別のコンピュータのモニター画面上の対照的な白黒の球の運動を利用します。この球は指定した5Hzの振動周波数で振動しています。ここで、まず力学的な安定性を確保するため、モバイルコンピュータMicrosoft Surface PROを独自の留め具で機械的に固定します。
この場合、オブジェクトの運動の周波数測定結果は指定された運動周波数にかなり近くなり、5±0.1 Hzになります。別の実験では、この携帯電話5を手に取り、ほぼ同じ距離から、同じ振動する対照的な球の映ったモニター画面に向けます。この場合、このデバイスには既存の映像安定化方式が適用されているにもかかわらず、周波数の測定値は、測定結果にかなり大きな分散がみられ、従って大きな測定誤差があります。既存の映像安定化方式ではマクロ運動はある程度安定させることができますが、実際には体の微動に対して安定化アルゴリズムの動作が重畳し、それによってカメラの微振動が増加し、VibraImageの誤差も増加します。測定結果は5±2 Hzになります。
オブジェクトの振動周波数を判定するプログラムを変更し、モバイルデバイスのMEMSセンサーの信号を取得する機能を追加し、その信号をVibraImage処理データと同期します。VibraImageの信号を補正するために、VibraImage信号の現在の値と前述のMEMSセンサーからの信号の現在の値との相関関係を求めます。この場合、新しいプログラムによって測定されたオブジェクトの振動周波数の値は、ほぼ指定された値に戻り、5±0.15 Hzになります。このように、MEMSセンサーとテレビカメラから取得した運動パラメータのデータを同期することで、運動活動の測定精度を向上し、ひいては人の精神生理学的状態の判定精度の向上が可能だということが、実施した実験によって証明されました。
上記の具体的な実施例は、本発明の実現可能性を示していますが、この方式の実現はここに挙げた例に限定されません。他の方法でも、モバイルデバイスのユーザーの精神生理学的情報取得のためにこの技術ソリューションやメソッドを利用することが可能です。例えば前述のモバイルデバイスにインストールされた特別なプログラムでMEMSセンサーのデータに、ユーザーにはわからないようにアクセスし、そのデータを処理し保存するためにインターネットに転送する用途に利用することができます。この方法は、例えば心臓血管系などの健康状態にかかわる生理的情報取得にも利用できる可能性があり、正常な心臓のリズムが乱された場合にモバイルデバイスからユーザーに対して警告を発することも可能です。
モバイルデバイスのMEMSセンサーのデータを、人の精神生理学的、生理的状態についての情報取得に利用することは、簡潔さとアプリケーションの信頼性の点で際立っており、モバイルデバイスの応用範囲を著しく拡大します。
被験者1、いす2、テレビカメラ3、コンピュータ4、携帯電話5


Claims (4)

  1. 人体と直接的または間接的に機械的に接触している運動パラメータ測定機器において用いられ、前記人体に対して非接触となるように前記運動パラメータ測定機器の内部に配置された変換センサーを用いて人の精神生理学的状態についての情報を取得する方法であって、
    前記人体の運動活動の特徴量を計測する計測ステップと、
    前記特徴量に基づいて前記人体の運動活動を分析することにより、精神生理学的または機能的状態パラメータを計算する計算ステップと、
    を備える方法。
  2. 携帯電話または他の処理装置を前記運動パラメータ測定機器として使用し、
    前記携帯電話または他の処理装置に配置された固有のMEMSセンサーを前記変換センサーとして使用し、
    前記計算ステップは、携帯電話のメモリにあらかじめ書き込まれた特別なプログラムを使用して、携帯電話のプロセッサで実行される、
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記人体の運動速度パラメータを取得する取得ステップと、
    前記MEMSセンサーから前記運動速度パラメータの時間依存性を取得するステップと、
    人体の各部の動きの測定についての前記精神生理学的または機能的状態のパラメータを計算するために、前記MEMSセンサーから得られた前記運動速度パラメータの時間依存性における高周波振動と低周波振動の比率を分析するステップと、
    をさらに備える請求項2に記載の方法。
  4. 前記精神生理学的状態についての情報を取得するため、前記精神生理学的または機能的状態のパラメータの計算時、前記MEMSセンサーから取得した前記運動速度パラメータのデータを、前記携帯電話または他の処理装置のテレビカメラから取得した前記人体についての処理画像データと同期するステップと、
    前記処理画像データの補正された信号を取得するため、前記処理画像データに関する信号の現在の値と前記MEMSセンサーからの信号の現在の値との相関関係を算出するステップと、
    をさらに備える請求項3に記載の方法。




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