1.遊技機の構成
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として、説明する。
図1に示すように、第1形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル(発射操作部)60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66、及び、音を出力するスピーカ67が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63が設けられている。
遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図35参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、演出画像を表示可能な演出表示装置(画像表示手段)7が設けられている。演出表示装置7は、後方の領域を前方から視認させることが可能な液晶表示装置(所謂透過液晶)である。なお、演出表示装置7の構成の詳細については後述する。演出表示装置7の表示画面(表示部)7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示(変動表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの可変表示(変動表示)を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄8L,8C,8Rを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。演出表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図3参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、演出表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
演出表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また演出表示装置7の表示画面7aには、後述する第1特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9Aを表示する第1演出保留表示エリアと、後述する第2特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留画像9A,9Bの表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図3参照)にて表示される第1特図保留の記憶数や、第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって演出表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、文字や図形等を表した装飾部材13が配されている。
遊技領域3における演出表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1入球口や、第1始動入賞口、固定入球口ともいう)20を備える第1始動入賞装置(第1入球手段や固定入球手段ともいう)19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
またセンター装飾体10の右下部には、第2始動口(第2入球口や、第2始動入賞口、可変入球口ともいう)21を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)22が設けられている。電チュー22を、可変入球手段や、第2入球手段、第2始動入賞装置ともいう。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、開閉部材(可動部材)23を備え、開閉部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。開閉部材23は、電チューソレノイド24(図34参照)により駆動される。開閉部材23が開状態にあるときには、第2始動口21への遊技球の入球が可能となり、閉状態にあるときには、第2始動口21への遊技球の入球が不可能となる。つまり、第2始動口21は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。
また、遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口(第1特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別入賞手段や第1特別可変入賞装置ともいう)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(第1特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図34参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の上方には、第2大入賞口(第2特別入賞口)35を備えた第2大入賞装置(第2特別入賞手段や第2特別可変入賞装置ともいう)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(第2特別入賞口開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図34参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
また、図2(A),(B)に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。
図2(A)は、振分部材ソレノイド73の通電時を示している。図2(A)に示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を許容する第1状態(通過許容状態)にある。振分部材71が第1状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
図2(B)は、振分部材ソレノイド73の非通電時を示している。図2(B)に示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を妨げる第2状態(通過阻止状態)にある。振分部材71が第2状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域70は、確変作動口ではない。また、第1大入賞装置31には、確変作動口としての特定領域は設けられていない。すなわち非特定領域しか設けられていない。
図1に戻り、センター装飾体10の右方であって電チュー22の上方には、遊技球が通過可能なゲート(通過口、通過領域ともいう)28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域3の下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口20と、アウト口16とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口20への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲートは配されていない。よって、左打ちをしている場合に電チュー22が開放されることはない。
一方、第2流路R2上には、ゲート28と、電チュー22と、第2大入賞装置36と、第1大入賞装置31と、アウト口16とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート28への通過や、第2始動口21、第1大入賞口30、及び第2大入賞口35への入賞を狙うことができる。
また図1に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、図3に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報)は、特図保留記憶部85(図34参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図34参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図34参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ4個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図3参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図34参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
2.遊技盤ユニットの構成
次に、図4〜図17に基づいて遊技盤ユニット2Aの構成について説明する。図4に示すように、遊技盤ユニット2Aは、遊技盤2と、遊技盤2の後面側(裏面側)に配されている裏側演出ユニット200とが一体化されたものである。なお本形態で説明する遊技盤2は、前面にて遊技球を流下可能な遊技領域3を形成する板状部材であって、裏側演出ユニット200を含まないものである。この遊技盤ユニット2Aが遊技機枠50の内部に取付けられることで、本パチンコ遊技機1が構成される。そして遊技盤ユニット2Aは、ユニット化された状態で遊技機枠50から取外すことが可能なものである。
遊技盤ユニット2Aは、図5に示すように、前方に配されている遊技盤2と、後方に配されている裏側演出ユニット200とが着脱可能になっている。裏側演出ユニット200と、蓋の役割を果たす遊技盤2とによって、略ケース状になる。この裏側演出ユニット200は、遊技盤2以外の様々な部材、即ち演出表示装置7、装飾部材、可動部材、駆動源、ハーネス、各種の制御基板等を組付け又は収容して、まとめておくためのものである。
ここで図6は、裏側演出ユニット200の分解斜視図である。本形態では裏側演出ユニット200(裏ユニット、特定ユニット、遊技部品)が、図6に示すように、前方に配されている前側演出ユニット300と、後方に配されている後側演出ユニット400とに分解可能な点に特徴がある。そのため、裏側演出ユニット200のうち前側演出ユニット300に設けられている部材に不具合又は故障が生じた場合には、前側演出ユニット300を取り外して、修理済の又は新品の前側演出ユニット300を後側演出ユニット400に取付けることが可能である。また裏側演出ユニット200のうち後側演出ユニット400に設けられている部材に不具合又は故障が生じた場合には、後側演出ユニット400を取り外して、修理済み又は新品の後側演出ユニット400を前側演出ユニット300に取付けることが可能である。
こうして裏側演出ユニット200において、前側演出ユニット300又は後側演出ユニット400のうち一方だけを取り外して修理又は交換することが可能である。よって本形態では、裏側演出ユニット200に設けられている部材に不具合又は故障が生じた場合の対応が、前側演出ユニットと後側演出ユニットとに分解できない裏側演出ユニットに比べて、簡易になっている。
なお演出表示装置7は、後述する後側演出ユニット400の表示装置ホルダー470に前方から組付けられている(図17参照)。これにより裏側演出ユニット200が遊技盤2に取付けられている状態では、演出表示装置7の表示画面7aは、遊技盤2の中央の開口から前方に臨むこにとなる(図1参照)。
次に、図6〜図13に基づいて前側演出ユニット300の構成について説明する。前側演出ユニット(第1ユニット、第1裏ユニット)300は、遊技盤2の後側に取付けられるものであり、図6に示すように、ベース枠部材310と、ボール可動体(盤可動体)320と、左側ボール直動機構330と、右側ボール直動機構340と、ロゴ部材350と、指部材360と、指ロック機構370(図7(B)参照)とを備えている。
ベース枠部材310は、図6に示すように、矩形の枠状になっていて、合成樹脂で構成されている。ベース枠部材310は、上側にボール可動体320と指部材360と指ロック機構370とを組付けていて、下側にロゴ部材350を組付けている。またベース枠部材310は、左側に左側ボール直動機構330を組付けていて、右側に右側ボール直動機構340を組付けている。
ボール可動体320は、表示画面7aよりも前方に配されていて、表示画面7aよりも前方で移動する演出体(前側可動部材)である。このボール可動体320は、上下方向に直動可能であると共に、後述するボールカバー322を回転可能なものである。ボール可動体320は、図7及び図8に示すように主に、ボール本体321と、ボールカバー322と、ボール支持部材323と、ボール回転用モータ324とを備えている。
ボール本体321は、正面視で楕円形状であり、図7(B)に示すように前後方向に延びる中空状になっている。ボール本体321は光を透過可能な合成樹脂で構成されている。このボール本体321の内部に、前方に向かって光を照射可能なボール可動体LED328(図10参照)が複数配されている。そのため後述するように、ボールカバー322がボール本体321に対して回転するときに(図10参照)、各ボール可動体LED328が発光することで、ボール可動体320を派手に見せることが可能である。
ボールカバー322は、図7(A)に示すように正面視で楕円形状であり、図8(A)(B)に示すように、前後方向に延びる回転軸325を介してボール本体321の前面に回転可能に組付けられている。ボールカバー322の前面には、野球のボールの形態が施されている。
ボール支持部材323は、ボール可動体320を支持するものであり、図7(A)に示すように左右方向に延びている。ボール支持部材323の左端部には、正面視でL字状の左側連結部材326が連結している。この左側連結部材326は、後述する左側ボール直動機構330の左側ガイドパイプ332に上下動可能に組付けられている。またボール支持部材323の右端部には、正面視でL字状の右側連結部材327が連結している。この右側連結部材327は、後述する右側ボール直動機構340の右側ガイドパイプ342に上下動可能に組付けられている。こうしてボール支持部材323は、各連結部材326,327を介して各ガイドパイプ332,342に沿って上下方向に移動可能である。
ボール回転用モータ324は、ボールカバー322を回転させるものである。ボール回転用モータ324は、図8(A)(B)に示すように、ボール本体321の内部に配置されていて、図示しないギヤ機構を介して上述した回転軸325を回転可能である。よって、ボール回転用モータ324が回転駆動すると、回転軸325が回転して、図10に示すように、ボールカバー322がボール本体321に対して回転するようになっている。
左側ボール直動機構330は、ボール可動体320を直動させる機構であり、図7(B)及び図8(A)に示すように、左側支持部材331と、左側ガイドパイプ332と、左側ベルト333と、左上プーリー334と、左下プーリー335と、左側ボール直動用モータ336とを備えている。左側支持部材331は、上下方向に延びていて、左側ガイドパイプ332を支持している。また左側支持部材331の上端部には、左上プーリー334が回転可能に支持されていて、左側支持部材331の下端部には、左下プーリー335が回転可能に支持されている。
左側ガイドパイプ332は、図7(A)に示すように、上下方向に延びていて、上述したボール支持部材323の左端部に連結している左側連結部材326の上下動をガイドするものである。図8(A)に示すように、左上プーリー334と左下プーリー335とには、左側ベルト333が架け渡されている。左側ボール直動用モータ336は、図示しないギヤ機構を介して左下プーリー335を回転可能である。よって、左側ボール直動用モータ336が回転駆動すると、左下プーリー335が回転して、左側ベルト333が左上プーリー334と左下プーリー335とに架け渡された状態で回転可能である。
右側ボール直動機構340は、ボール可動体320を直動させる機構であり、図7(A)及び図8(A)に示すように、右側支持部材341と、右側ガイドパイプ342と、右側ベルト343と、右上プーリー344と、右下プーリー345と、右側ボール直動用モータ346とを備えている。右側ボール直動機構340の構成と、上述した左側ボール直動機構330の構成とは、ほとんど左右対称の構造であるため、詳細な説明を省略する。なお以下では、左側ボール直動用モータ336と右側ボール直動用モータ346とをまとめて、「ボール直動用モータ380(図8(B)参照)」と呼ぶことにする。
ここで、ボール支持部材323の左端部に連結している左側連結部材326は、図8(A)に示すように、左側ベルト333に組付けられている。またボール支持部材323の右端部に連結している右側連結部材327は、図8(B)に示すように、右側ベルト343に組付けられている。そのため、ボール直動用モータ380が所定の正方向に回転駆動すると、左側ベルト333及び右側ベルト343が正方向に回転する。これにより、各連結部材326,327及びボール支持部材323が下降して、ボール可動体320が、図7(A)に示す位置から図9(A)に示す位置、更に図9(B)に示す位置まで移動(下降)することが可能である。
これに対して、ボール直動用モータ380が正方向とは逆の逆方向に回転駆動すると、左側ベルト333及び右側ベルト343が逆方向に回転する。これにより、各連結部材326,327及びボール支持部材323が上昇して、ボール可動体320が、図9(A)に示す位置又は図9(B)に示す位置から、図7(A)に示す位置まで移動(上昇)することが可能である。
こうして以下では、ボール可動体320の図7(A)に示す位置を、「上昇位置」と呼ぶことにする。上昇位置(前側待機位置)は、ボール可動体320の初期状態(電源投入時)の位置である。ボール可動体320が上昇位置にあるときには、ボール可動体320の下端部分だけが僅かに表示画面7aに対して前後方向に重なることになる(図1参照)。
一方、ボール可動体320の図9(A)に示す位置を「第1下降位置」と呼ぶことにする。ボール可動体320が第1下降位置(前側動作位置)にあるときには、ボール可動体320全体が表示画面7aに対して前後方向に重なり、表示画面7aの中央の前方に位置することになる。またボール可動体320の図9(B)に示す位置を「第2下降位置」と呼ぶことにする。ボール可動体320が第2下降位置(前側動作位置)にあるときには、ボール可動体320全体が表示画面7aに対して前後方向に重なるものの、表示画面7aの下方の前方に位置することになる。よってボール可動体320が第2下降位置にあるときは、第1下降位置にあるときよりも、表示画面7aや表示画面7aよりも後方にある演出体(後述する顔可動体440やミット装飾体431)に注目し易くなる。
なお第1下降位置又は第2下降位置は、ボール可動体320が表示画面7aに対して前後方向に重なる部分が上昇位置よりも多くなる位置であれば良い。また上昇位置は、ボール可動体320全体が表示画面7aに対して前後方向に重ならない位置であっても良い。なお本形態では、ベルトとプーリーを用いた機構でボール可動体320を移動させたが、ボール可動体320を移動させる機構は、例えば送りネジ機構であっても良く、適宜変更可能である。
ロゴ部材(第1部材)350は、金色のプレート状になっていて、前面に本パチンコ遊技機1の機種名を示すものである。ここで図8(A)(B)に示すように、ベース枠部材310の下側には上下方向に延びる2つのガイド孔310aが形成されている。ロゴ部材350は、各ガイド孔310aに沿って上下動可能に組付けられている。またベース枠部材310の左下部には、ロゴ直動用モータ351が組付けられていて、ロゴ直動用モータ351とロゴ部材350とが図示しないギヤ機構を介して接続されている。よってロゴ直動用モータ351が回転駆動すると、ロゴ部材350が各ガイド孔310aに沿って上下方向に移動可能である。
指部材360は、表示画面7aよりも前方に配されていて、表示画面7aよりも前方で移動(落下)する演出体である。この指部材360は、重力で落下し得るものであり、左右一対で指の形状になっている。各指部材360は、図7(B)に示すように、前後方向に延びていて、前端部にて下方に屈曲している。よって各指部材360は、ボール本体321及びボールカバー322の上側に引っ掛かるようになっている。これにより、各指部材360がボール本体321及びボールカバー322の上側に引っ掛かっている状態では、2つの指で野球のボールを握っているという意匠を形成している。これら指部材360は、指支持部材361によって支持されている。
指支持部材361は、図7(A)(B)に示すように、ボール支持部材323の上方で左右方向に延びている。そして図9(A)(B)に示すように、指支持部材361の左端部には、正面視でL字状の左側取付部材362が取付けられている。この左側取付部材362は、左側ボール直動機構330の左側ガイドパイプ332に上下動可能に組付けられている。また指支持部材361の右端部には、正面視でL字状の右側取付部材363が取付けられている。この右側取付部材363は、右側ボール直動機構340の右側ガイドパイプ342に上下動可能に組付けられている。よって各指部材360は、指支持部材361及び各取付部材362,363を介して各ガイドパイプ332,342に沿って上下動可能になっている。
また指支持部材361は、図11(A)(B)に示すように、左右方向の中間に湾曲した湾曲部361aを有している。この湾曲部361aの後側には、後述する指ロック機構370の係止部材371に係止される係止溝361b(図11(B)参照)が形成されている。よって、指支持部材361の係止溝361bに指ロック機構370の係止部材371が係止している限り、指支持部材361が図9(A)に示す位置から重力で落下しないようになっている。
指ロック機構370は、後述する係止部材371と指支持部材361の係止溝361bとが係止した状態と、係止しない状態とを切替えるものである。指ロック機構370は、図12(A)(B)に示すように、係止部材371と、回転部材372と、指ロック解除用ソレノイド373と、上側ハウジング374と、下側ハウジング375とを備えている。係止部材371は、指ロック解除用ソレノイド373が通電されていない状態において、図12(A)に示すように、上側ハウジング374及び下側ハウジング375よりも僅かに前方に飛び出ている。これにより係止部材371は、指支持部材361の係止溝361bに係止可能となっている。
また係止部材371は、図12(B)に示すように、回転部材372に組付けられていて、回転部材372が矢印X方向に回転すると、矢印Y方向に移動するようになっている。回転部材372は、上下方向に延びる支持軸376周りに回転可能である。また回転部材372は、指ロック解除用ソレノイド373のプランジャ373aに連結している。指ロック解除用ソレノイド373は、通電されていない状態ではプランジャ373aを左方に延ばしていて、通電された状態ではプランジャ373aを右方に引っ込めるようになっている。
こうして、係止部材371と指支持部材361の係止溝361bとが係止しているときに、指ロック解除用ソレノイド373が通電されると、プランジャ373aの右方への引っ込みに伴って、回転部材372が図12(B)に示す矢印X方向に回転する。これにより、係止部材371が図12(B)に示す矢印Y方向に移動して、係止部材371と指支持部材361の係止溝361bとの係止が解除される。このときに図9(B)に示すように、ボール可動体320が第2下降位置にあれば、指部材360と指支持部材361と各取付部材362,363は、各ガイドパイプ332,342に沿って重力により落下する。そして図13(A)に示すように、、指部材360と指支持部材361と各取付部材362,363は、指支持部材361がボール支持部材323に当接するまで落下することになる。
ここで本形態では、指部材360及び指支持部材361を上昇させるための駆動源(モータ)が設けられていない。従って図13(B)に示すように、指部材360及び指支持部材361は、ボール可動体320が上昇するのに伴って、共に上昇する。そして、上昇した指部材360及び指支持部材361は、係止部材371が指支持部材361の係止溝361bに係止することで、図7(A)に示す位置に留まるようになっている。
次に、図6及び図14〜図17に基づいて後側演出ユニット400の構成について説明する。後側演出ユニット400(第2ユニット、第2裏ユニット)は、図6に示すように、ベース体410と、演出部材ホルダー420と、固定演出部材430と、顔可動体440と、左側顔直動機構450と、右側顔ガイド機構460と、表示装置ホルダー470とを備えている。なお後側演出ユニット400は、遊技盤2の後側に取付けられるものではない。
ベース体410は、透明な合成樹脂で構成されていて、主に背面部411と左面部412と上面部413とを備える3面体構造になっている。即ち、ベース体410は、後方側に起立している背面部411(図31参照)を有し、図6に示すように背面部411の左側に左面部412を有し、背面部411の上側に上面部413を有している。ベース体410は、背面部411の前面に演出部材ホルダー420を組付けていて、左面部412の内側に左側顔直動機構450を組付けている。
演出部材ホルダー420は、図14(A)(B)に示すように、前面で固定演出部材430を組付けるものである。この演出部材ホルダー420は、白色の合成樹脂で構成されていて、正面視で横長の長方形状になっている。演出部材ホルダー420の右側には、右側顔ガイド機構460が組付けられている。また演出部材ホルダー420の左上部と右上部には、それぞれ冷却ファン421が設けられている。
各冷却ファン421は、演出表示装置7と固定演出部材430との間に形成される内部空間SP1(図6参照)にこもる熱を拡散させて、演出表示装置7に熱による動作不良(オーバーヒート)が生じるのを防ぐものである。即ち内部空間SP1には、後述する演出表示装置7の表示用LED790又は役物用ライト791が点灯することにより、熱がこもり易くなっている。そのため各冷却ファン421が駆動することで、内部空間SP1において局所的に高温になるのを回避して、演出表示装置7が動作不良になるのを防ぐことが可能である。
固定演出部材430は、光を透過可能な透過性を有する透明な合成樹脂板で構成されていて、図14(A)(B)に示すように、正面視で略長方形状になっている。固定演出部材430には、上下左右の周縁から中央に向かう光の軌跡を示す模様が施されている。そして固定演出部材430には、金色の合成樹脂で構成されたミット装飾体431が取付けられている。
ミット装飾体431は、表示画面7aよりも後方に配されていて、表示画面7aの前方から視認させる演出体(演出部材)である。このミット装飾体431は、C字状になっていて、キャッチャーミットの形態(意匠)を示している。演出部材ホルダー420のうち固定演出部材430の後方には、前方に向かって光を照射可能な固定演出部材LED432(図35参照)が複数配されている。そのため後述するように、表示画面7aの前方からミット装飾体431を視認させる第3液晶透過演出(図55(B)参照)を実行しているときに、各固定演出部材LED432が発光することで、ミット装飾体431を派手に見せることが可能である。
顔可動体440は、表示画面7aよりも後方で且つミット装飾体431よりも前方に配されていて、上下方向に直動可能な演出体(可動部材、後側可動部材、所定部材、第2部材)である。顔可動体440は、図14(A)(B)に示すように、本パチンコ遊技機1における主人公キャラの顔を示していて、ほとんどが肌色の合成樹脂で構成されている。但し、主人公キャラの顔のうち目の部分だけが透明になっていて、光を透過可能になっている。そして目の部分の後方にはそれぞれ顔可動体LED441(図35参照)が配されている。そのため後述するように、表示画面7aの前方から顔可動体440を視認させる第1液晶透過演出(図53参照)等を実行しているときに、上述した各顔可動体LED441が発光することで、主人公キャラの目が光っているように見せることが可能である。
顔可動体440の左上部には、正面視でL字状の左側組付部材442が連結している。この左側組付部材442は、後述する左側顔直動機構450の左方ガイドパイプ452に上下動可能に組付けられている。また顔可動体440の右上部には、正面視でL字状の右側組付部材443が連結している。この右側組付部材443は、後述する右側顔ガイド機構460のガイドレール(図示省略)に上下動可能に組付けられている。こうして顔可動体440は、各組付部材442,443を介して左方ガイドパイプ452と図示しないガイドレールに沿って上下方向に移動可能である。
左側顔直動機構450は、顔可動体440を直動させる機構であり、図15に示すように、左方支持部材451と、左方ガイドパイプ452と、左方ベルト453と、上側プーリー454と、下側プーリー455と、顔直動用モータ(第2部材)456とを備えている。左方支持部材451は、上下方向に延びていて、左方ガイドパイプ452を支持している。また左方支持部材451の上端部には、上側プーリー454が回転可能に支持されていて、左方支持部材451の下端部には、下側プーリー455が回転可能に支持されている。
左方ガイドパイプ452は、上下方向に延びていて、上述した顔可動体440の左上部に連結している左側組付部材442の上下動をガイドするものである。上側プーリー454と下側プーリー455とには、左方ベルト453が架け渡されている。顔直動用モータ456は、図示しないギヤ機構を介して下側プーリー455を回転可能である。よって、顔直動用モータ456が回転駆動すると、下側プーリー455が回転して、左方ベルト453が上側プーリー454と下側プーリー455とに架け渡された状態で回転可能である。
右側顔ガイド機構460は、上下方向に移動する顔可動体440の右側をガイドする機構である。上述したように右側顔ガイド機構460には、上下方向に延びるガイドレール(図示省略)が設けられている。そしてこのガイドレールに沿って、顔可動体440の右上部に連結している右側組付部材443がスライド可能に組付けられている。なお本形態の右側顔ガイド機構460には、左側顔直動機構450のようにベルト、プーリー、直動用モータ等が設けられていないが、ベルト、プーリー、直動用モータ等を設けて、左側顔直動機構450と左右対称の構造にしても良い。
ここで、顔可動体440の左上部に連結している左側組付部材442は、左側顔直動機構450の左方ベルト453に組付けられている(図示省略)。そのため、顔直動用モータ456が所定の正方向に回転駆動すると、左方ベルト453が正方向に回転する。これにより、各組付部材442,443が上昇して、顔可動体440が、図14(A)に示す位置から、図16に示す位置まで移動(上昇)することが可能である。
これに対して、顔直動用モータ456が正方向とは逆の逆方向に回転駆動すると、左方ベルト453が逆方向に回転する。これにより、各組付部材442,443が下降して、顔可動体440が、図16に示す位置から、図14(A)に示す位置まで移動(下降)することが可能である。以下では、顔可動体440の図14(A)に示す位置を、「退避位置」と呼ぶことにする。退避位置(待機位置、後側待機位置)は、顔可動体440の初期状態(電源投入時)の位置である。顔可動体440が退避位置にあるときには、顔可動体440の上端部分だけが僅かに表示画面7aに対して前後方向に重なることになる。従ってこのときには、表示画面7aの直ぐ後方には、ミット装飾体431が配されている(図14(A)参照)。なお退避位置は、顔可動体440全体が表示画面7aに対して前後方向に重ならない位置としても良い。
一方、顔可動体440の図16に示す位置を、「駆動位置」と呼ぶことにする。顔可動体440が駆動位置(動作位置、後側動作位置)にあるときには、顔可動体440全体が表示画面7aに対して前後方向に重なり、表示画面7aの中央の後方に位置することになる。従ってこのときには、前方から見れば、ミット装飾体431の一部が駆動位置にある顔可動体440によって隠れることになる。なお駆動位置は、顔可動体440が表示画面7aに対して前後方向に重なる部分が退避位置よりも多くなる位置であれば良く、顔可動体440の一部が表示画面7aに対して前後方向に重なる位置としても良い。なお本形態では、ベルトとプーリーを用いた機構で顔可動体440を移動させたが、顔可動体440を移動させる機構は、例えば送りネジ機構であっても良く、適宜変更可能である。
表示装置ホルダー470は、図17に示すように、演出表示装置7の四隅部分を取付けるためのものである。表示装置ホルダー470は、ベース体410の背面部411の前面四隅にそれぞれ設けられていて、正面視でL字状になっている。よって演出表示装置7は、各表示装置ホルダー470に対して前方から嵌め込むように取付けられている。これにより上述したように、演出表示装置7と固定演出部材430との間に内部空間SP1(図6参照)が形成されている。
3.演出表示装置の構成
次に、図18〜図26に基づいて演出表示装置7の構成について説明する。本形態の演出表示装置7は、表示画面7aよりも後方を視認できる状態と、表示画面7aよりも後方を視認できない又は視認し難い状態とを切替え可能な透過液晶表示装置である。図18は、演出表示装置7の分解斜視図である。演出表示装置7は、図18に示すように主に、フレーム枠700と、上側構造部710と、下側構造部720と、左側構造部730と、右側構造部740と、導光板750と、液晶パネル760と、透過フィルム770と、保護パネル780とを備えている。なおフレーム枠700と上側構造部710と下側構造部720と左側構造部730と右側構造部740とが、演出表示装置7の「周壁部」に相当する。
フレーム枠700は、演出表示装置7の外郭を構成するものであり、上側に上面部701を有し、下側に下面部702を有し、左側に左面部703を有し、右側に右面部704を有し、前側に前面部705を有している。上面部701と下面部702とは、上下対称の形状になっていない。つまり上面部701は長方形状になっている。これに対して下面部702は、平面視で凹状になっていて、後方側に切り欠かれている切欠部分702aを有している。その理由については、後述する。左面部703と右面部704とは、左右対称の形状になっていて、それぞれ長方形状になっている。前面部705は矩形の枠状になっていて、中央の開口部にて液晶パネル760を前方に臨ませるようになっている。
このフレーム枠700は、金属のうち熱伝導率が比較的高いアルミニウム又はアルミニウム合金で構成されている。そのためフレーム枠700により、後述する各表示用LED714,724,734,744、又は各役物用ライト715,735,745の点灯によって生じる熱を逃がし易くなっている。またフレーム枠700のうち左面部703及び右面部704には、多数の貫通孔703a,704aが形成されていて、下面部702にも多数の貫通孔(図示省略)が形成されている。これら貫通孔703a,704aにより、フレーム枠700よりも外側にある空気が後述する各ヒートシンク712,722,732に触れ易くなり、各ヒートシンク712,722,732,734の冷却性能を向上させることが可能である。
なおフレーム枠700の材質は、アルミニウム又はアルミニウム合金に限られるものではなく、例えば銅であっても良く、適宜変更可能である。また下面部702、左面部703、及び右面部704のうち何れかに貫通孔が形成されていたり、下面部702と左面部703と右面部704に加えて、上面部701にも貫通孔が形成されているようにしても良い。
上側構造部710は、フレーム枠700の上面部701の内側(下面側)に組付けられるものである。この上側構造部710は、図18に示すように、上側制御基板711と、上側ヒートシンク712と、上側組付カバー713とを備えている。上側制御基板711の上方に上側ヒートシンク712を載置して、これら上側制御基板711及び上側ヒートシンク712に対して下方から上側組付カバー713を組付けることで、上側制御基板711と上側ヒートシンク712と上側組付カバー713とが一体化されている。
上側制御基板711は、液晶パネル760での画像制御を行うものであると共に、各LEDの発光を制御するものである。上側制御基板711は、前端側の縁部に、左右方向に沿って多数の上側表示用LED714を実装している。各上側表示用LED714は、導光板750の周面のうちの上面に向かって、表示用の光を下方へ照射するものである。よって上側制御基板711は、上側表示用LED714の点灯及び消灯を制御することで、上側表示用LED714による表示用の光が導光板750の上面に供給される状態と、供給されない状態とを切替えることが可能である。導光板750に供給された表示用の光については、後述する。
また上側制御基板711は、上側表示用LED714よりも後方に、左右方向に沿って多数の上側役物用ライト715を実装している。上側役物用ライト715は、下方に向かって照明用の光を照射して、顔可動体440やミット装飾体431を照らすものである。よって上側制御基板711は、上側役物用ライト715の点灯及び消灯を制御することで、顔可動体440やミット装飾体431を上側役物用ライト715による照明用の光で照らす状態と、照らさない状態とを切替えることが可能である。なお本形態の上側制御基板711は、画像制御と各LEDの発光制御の両方を行うものであったが、画像制御を行う制御基板と、各LEDの発光制御を行う制御基板とを別々に設けても良い。
上側ヒートシンク712は、上側表示用LED714又は上側役物用ライト715の点灯によって生じる熱を逃がすためのものであり、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成されている。上側表示用LED714又は上側役物用ライト715の点灯によって生じる熱は、上側ヒートシンク712及びフレーム枠700の上面部701に伝達して、上面部701の上方にある空気によって冷却されることになる。
下側構造部720は、フレーム枠700の下面部702の内側(上面側)に組付けられるものである。この下側構造部720は、図18に示すように、下側制御基板721と、下側ヒートシンク722と、下側組付カバー723とを備えている。下側ヒートシンク722の上方に下側制御基板721を載置して、これら下側制御基板721及び下側ヒートシンク722に対して上方から下側組付カバー723を組付けることで、下側制御基板721と下側ヒートシンク722と下側組付カバー723とが一体化されている。
ここで下側構造部720と上側構造部710とは、上下対称の形状になっていない。つまり、上側構造部710の上側制御基板711と上側ヒートシンク712と上側組付カバー713は、平面視で略長方形状になっている。これに対して、下側構造部720の下側制御基板721と下側ヒートシンク722と下側組付カバー723は、平面視で凹状になっていて、それぞれ後方側に、切り欠かれている切欠部分721a,722a,723aを有している。これら切欠部分721a,722a,723aの位置と、上述したフレーム枠700の下面部702の切欠部分702aの位置とは、左右方向及び前後方向に一致している。切欠部分721a,722a,723a,702aが設けられている理由については、後に詳述する。
下側制御基板721は、前端側の縁部に、左右方向に沿って多数の下側表示用LED724を実装している。各下側表示用LED724は、導光板750の周面のうちの下面に向かって、表示用の光を上方へ照射するものである。よって下側制御基板721は、下側表示用LED724の点灯及び消灯を制御することで、下側表示用LED724による表示用の光が導光板750の下面に供給される状態と、供給されない状態とを切替えることが可能である。なお上述したように、上側制御基板711には上側役物用ライト715が実装されていたが、下側制御基板721には役物用ライトが実装されていない。これは、下側制御基板721の後方側に切欠部分721aが形成されていて、下側表示用LED724よりも後方に役物用ライトを実装するスペースが無いためである。
下側ヒートシンク722は、下側表示用LED724の点灯によって生じる熱を逃がすためのものであり、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成されている。下側表示用LED724の点灯によって生じる熱は、下側ヒートシンク722及びフレーム枠700の下面部702に伝達して、下面部702の下方にある空気によって冷却されることになる。
左側構造部730は、フレーム枠700の左面部703の内側(右面側)に組付けられるものである。この左側構造部730は、図18に示すように、左側制御基板731と、左側ヒートシンク732と、左側組付カバー733とを備えている。左側制御基板731の左方に左側ヒートシンク732を載置して、これら左側制御基板731及び左側ヒートシンク732に対して右方から左側組付カバー733を組付けることで、左側制御基板731と左側ヒートシンク732と左側組付カバー733とが一体化されている。
左側制御基板731は、前端側の縁部に、上下方向に沿って多数の左側表示用LED734を実装している。各左側表示用LED734は、導光板750の周面のうちの左面に向かって、表示用の光を右方へ照射するものである。よって左側制御基板731は、左側表示用LED734の点灯及び消灯を制御することで、左側表示用LED734による表示用の光が導光板750の左面に供給される状態と、供給されない状態とを切替えることが可能である。
また左側制御基板731は、左側表示用LED734よりも後方に、上下方向に沿って多数の左側役物用ライト735を実装している。左側役物用ライト735は、右方に向かって照明用の光を照射して、顔可動体440やミット装飾体431を照らすものである。よって左側制御基板731は、左側役物用ライト735の点灯及び消灯を制御することで、顔可動体440やミット装飾体431を左側役物用ライト735による照明用の光で照らす状態と、照らさない状態とを切替えることが可能である。
左側ヒートシンク732は、左側表示用LED734又は左側役物用ライト735の点灯によって生じる熱を逃がすためのものであり、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成されている。左側ヒートシンク732には、冷却性能を向上させるために、左方に延びる複数のフィン(図示省略)が形成されている。左側表示用LED734又は左側役物用ライト735の点灯によって生じる熱は、左側ヒートシンク732及びフレーム枠700の左面部703に伝達して、左面部703の左方にある空気によって冷却されることになる。
右側構造部740は、フレーム枠700の右面部704の内側(左面側)に組付けられるものである。この右側構造部740は、図18に示すように、右側制御基板741と、右側ヒートシンク742と、右側組付カバー743とを備えている。右側制御基板741には、上下方向に沿って多数の右側表示用LED744と、多数の右側役物用ライト745が実装されている。右側構造部740と左側構造部730の構造とは、左右対称で同様であるため、詳細な説明を省略する。
なお各ヒートシンク712,722,732,742の材質は、アルミニウム又はアルミニウム合金に限られるものではなく、例えば銅であっても良く、適宜変更可能である。
また以下では、上側表示用LED714と下側表示用LED724と左側表示用LED734と右側表示用LED744とをまとめて、「表示用LED790(図19参照)」と呼ぶことにする。また、上側役物用ライト715と左側役物用ライト735と右側役物用ライト745とをまとめて、「役物用ライト791(図19参照)」と呼ぶことにする。本形態では、演出表示装置7においてミット装飾体431を照らすための発光手段と、顔可動体440を照らすための発光手段を別個設けずに、役物用ライト791の光を兼用することにしている。これによりできるだけ少ない発光手段で、駆動位置にある顔可動体440とミット装飾体431の両方の視認性を高めることにしている。
導光板750は、光を透過可能な透過性を有する透明な合成樹脂板で構成されていて、長方形状である。この導光板750は、表示用LED790からの表示用の光を周面(上面、下面、左面、右面)を通して入射する。そして、入射した表示用の光を内部で反射させて、前面751から出射させるようになっている。なお導光板750の後面には、表示用の光を前方に向かって反射させるための凹凸状の粗面(図示省略)が形成されている。
図18及び図19に示すように、導光板750の前方には透過フィルム770が配されていて、透過フィルム770の前方には液晶パネル760が配されている。従って、表示用LED790が点灯すると、表示用の光が導光板750の前面751から面発光として出射される。そして導光板750の前面751から面発光された表示用の光を、透過フィルム770を介して液晶パネル760に供給可能となっている。以下では、表示用LED790と導光板750とをまとめて、「バックライト792(表示用発光手段、図19参照)」と呼ぶことにする。なお、導光板750の前面751から表示用の光が面発光されている状態が、バックライト792が点灯している状態であり、導光板750の前面751から表示用の光が面発光されていない状態が、バックライト792が消灯している状態である。
液晶パネル760は、マトリックス状に配されている多数の画素を有し、各画素で透過率を制御する。これにより液晶パネル760は、バックライト792からの表示用の光を前方に透過させて、前面(表示画面7a)にて画像を表示することが可能である。即ち、液晶パネル760の各画素に、バックライト792からの表示用の光が供給されると、表示画面7aに表示される画像を前方から視認できるようになっている。液晶パネル760は、長方形の薄板状になっていて、フレーム枠700の前面部705の後側に配されている。なお液晶パネル760の前面が、上述した演出表示装置7の表示画面7aである。
ここで液晶パネル760の構造について、図20(A)(B)に基づいて説明する。液晶パネル760は、図20(A)に示すように、前方(図20(A)の左側)に前方偏光板761を備え、後方に後方偏光板762を備え、前方偏光板761と後方偏光板762との間に液晶分子763を多数封入している。なお図20(A)では、説明を簡単にするため、後述するカラーフィルタを省略している。
前方偏光板761及び後方偏光板762は、表示用の光のうちそれぞれ固有の振動面で振動している光(偏光)を取り出すものである。前方偏光板761と後方偏光板762とは、取り出す光の振動面が90度異なるものである。従って、表示用の光のうち後方偏光板762によって取り出された光は、後述する液晶分子763によって振動面が90度変わると、前方偏光板761を通過することができる。言い換えれば、表示用の光のうち後方偏光板762によって取り出された光は、振動面が変わらずにそのまま前方偏光板761に向かうと、前方偏光板761を通過することができない。
液晶分子763は、電圧の作用によって配列を変えることにより、光の透過率を変えるものである。液晶分子763に作用する電圧は、上述した上側制御基板711によって制御される。この液晶分子763は、図示しない複数の配向膜によって、前後方向に渡って90度ねじられるように配列している(図示省略)。そのため、液晶分子763に電圧が作用していない状態では、表示用の光のうち後方偏光板762によって取り出された光は、振動面を90度変える。このようにして、液晶分子763によって振動面が90度変えられた光は、前方偏光板761を通過することができる。その結果、表示用の光が供給された画素では、白色に見えることになる。
一方、液晶分子763は、電圧が作用すると光の振動面を変えずにその光を透過し易いように配列する。そのため、液晶分子763に電圧が作用している状態では、表示用の光のうち後方偏光板762によって取り出された光は、振動面を変えずにそのまま前方偏光板761に向かう。これにより、液晶分子763によって振動面が変わらない光は、前方偏光板761を通過することができない。その結果、表示用の光が供給されない画素では、黒色に見えることになる。なお供給される表示用の光が少なくなるほど、白色(高明度色)⇒灰色(中明度色)⇒黒色(低明度色)に近づくことになる。
次に、図20(B)に基づいて、液晶パネル760がカラーフィルタを備えている場合について説明する。図20(B)に示すように、液晶パネル760では1画素のうち、赤カラーフィルタ764に対応するサブ画素767と、緑カラーフィルタ765に対応するサブ画素768と、青カラーフィルタ766に対応するサブ画素769とが設けられている。
例えば、サブ画素767に対応する液晶分子763に電圧を作用させないと、表示用の光のうち後方偏光板762によって取り出された光は、振動面を90度変えると共に、赤色になる。これにより赤色の光は前方偏光板761を通過して、サブ画素767に到達する。また、サブ画素768に対応する液晶分子763に電圧を作用させないと、表示用の光のうち後方偏光板762によって取り出された光は、振動面を90度変えると共に、緑色になる。これにより緑色の光は前方偏光板761を通過して、サブ画素768に到達する。これに対して、サブ画素769に対応する液晶分子763に電圧を作用させると、表示用の光のうち後方偏光板762によって取り出された光が、青色になるものの前方偏光板761を通過できない。
以上により、サブ画素767に到達した赤色の光と、サブ画素768に到達した緑色の光とによって、サブ画素767,768,769を含む1画素では、黄色に見えることになる。上記した例では、黄色の見え方について説明したが、その他の色の見え方については、実質的に同様の原理であるため、説明を省略する。なお、サブ画素767,768,769にそれぞれ赤色の光と緑色の光と青色の光が到達すると、サブ画素767,768,769を含む1画素では、白色に見えることになる。一方、サブ画素767,768,769にそれぞれ光が到達しないと、サブ画素767,768,769を含む1画素では、黒色に見えることになる。
透過フィルム(透過性切替手段)770は、後方を視認可能な透過状態(第1状態)と、後方を視認不可能な非透過状態(第2状態)とに切替可能なものであり、図18に示すように、長方形の薄板状になっている。この透過フィルム770は、液晶パネル760と導光板750との間に介装されていて、2つのフレキシブルプリント基板(FPC)775を介して上側制御基板711に接続されている。そのため上側制御基板711は、フレキシブルプリント基板775を介して透過フィルム770に電圧を作用させることが可能である。
ここで透過フィルム770の構造について、図21(A)(B)に基づいて説明する。透過フィルム770は、図21(A)(B)に示すように、前後に2つのプラスチックフィルム771を備え、これらプラスチックフィルム771の内側に2つの透明電極772を備えている。2つの透明電極772の間には、高分子773が張り巡らされていて、高分子773の中に多数の液晶分子774が不規則に配置されている。そして、2つの透明電極772には、上側制御基板711からフレキシブルプリント基板775を介して電圧が作用されるようになっている。
図21(A)に示すように、各透明電極772に電圧が作用していない状態では、液晶分子774は不規則に配置されたままである。そのため、一方側のプラスチックフィルム771から入射した光は、液晶分子774によって散乱する。従ってこの状態では、透過フィルム770は乳白色になっていて、透過フィルム770よりも後方を視認できなくなっている。即ち、各透明電極772に電圧を作用させていないとき、透過フィルム770が非透過状態になっている。
一方図21(B)に示すように、各透明電極772に電圧が作用している状態では、液晶分子774が各透明電極772に対して垂直に並ぶことになる。これにより、一方側のプラスチックフィルム771から入射した光は、液晶分子774によって散乱せずに透過して、他方側のプラスチックフィルム771から出射する。従ってこの状態では、透過フィルム770は透明になっていて、透過フィルム770よりも後方を視認可能になっている。即ち、各透明電極772に電圧を作用させているとき、透過フィルム770が透過状態になっている。本形態の透過フィルム770では、電圧を作用させたときに非透過状態から透過状態に切替わるまでの時間が、約0.05秒かかるようになっている。
こうして本形態では、透過フィルム770が非透過状態であれば、表示画面7a(透過フィルム770)よりも後方を視認することができなくて、主に表示画面7aに表示される画像に注目させることになる。これに対して、透過フィルム770が透過状態であれば、表示画面7aよりも後方を視認することができて、表示画面7aよりも後方にある顔可動体440やミット装飾体431に注目させることになる。なお非透過状態(第2状態)を、透過フィルム770よりも後方を完全に視認できない状態としたが、後方を僅かに視認できる状態としても良い。つまり、非透過状態では透過状態よりも各透明電極772に作用させる電圧を低くして、非透過状態が透過状態よりも後方を視認し難い状態であるようにしても良い。
保護パネル780は、図18に示すように、透過フィルム770の後側に配されていて、演出表示装置7の後方からの外力に対して透過フィルム770、導光板750、及び液晶パネル760を保護するものである。この保護パネル780は、光を透過可能な透過性を有する透明な合成樹脂板で構成されていて、長方形状になっている。
次に演出表示装置7において、フレーム枠700の下面部702と、下側構造部720の下側制御基板721と下側ヒートシンク722と下側組付カバー723に、それぞれ切欠部分702a,721a,722a,723a(図18参照)が設けられている理由について説明する。なお以下では図22に示すように、これら切欠部分702a,721a,722a,723aをまとめて、「切欠部分720a」と呼ぶことにする。
本形態では表示画面7a(液晶パネル760)よりも後方にある顔可動体440やミット装飾体431を視認できるように、表示画面7aよりも後方に顔可動体440及びミット装飾体431という2つの演出体を配置している。しかしながら近年、裏側演出ユニット200には非常に多くの演出体、駆動源、各種の制御基板、ハーネス等を搭載していることから、配置スペースが限られている。つまり、配置スペースの関係により、演出表示装置7よりも後方に演出体を配置することが難しい状況になっている。仮に演出表示装置7よりも後方に顔可動体440やミット装飾体431を配置すると、裏側演出ユニットの前後方向の寸法が大きくなってしまい、既存の遊技機枠50の内部に裏側演出ユニットを収容できなくなるおそれがある。
そこで本形態では、図19に示すように、演出表示装置7の後端位置7bよりも前方に顔可動体440及びミット装飾体431を配置することにしている。これにより、裏側演出ユニット200(後側演出ユニット400)の前後方向の寸法の増加を抑えつつ、表示画面7aよりも後方にて顔可動体440及びミット装飾体431の配置を可能としている。ここで演出表示装置7の後端位置7bとは、図6に示すように、フレーム枠700の上面部701の最後端位置を意味している。但しこの場合において、顔可動体440は、図14(A)に示す退避位置と図16に示す駆動位置との間で移動するため、当該顔可動体440と、演出表示装置7のフレーム枠700の下面部702及び下側構造部720(下壁部)とが干渉する問題が生じ得る。
従って本形態では、上記問題を解消すべく、図22及び図23に示すように切欠部分(逃げ部)720aを形成している。フレーム枠700の下面部702及び下側構造部720は、通常であればフレーム枠700の上面部701及び上側構造部710と平面視で同じ形状になるところ、切欠部分720aにより後方側を欠損しているといえる(図22の二点鎖線参照)。なお図23は、切欠部分720aと顔可動体440との関係を示した底面図である。
切欠部分720aでは、後方側の左右方向長さK1(下側構造部720の左右方向長さ)が355mmであり、前後方向長さK2が22mmである。また前方側の左右方向長さK3が315mmであり、前方側の前後方向長さK4が14mmである。これに対して、顔可動体440の前後方向長さL1が14mmであり、顔可動体440の左右方向長さL2が285mmである。なおフレーム枠700の上面部701の前後方向長さU1(演出表示装置7の前後方向長さ)は、50mmである。
こうして本形態では、演出表示装置7の後端位置7bよりも前方にて、顔可動体440が切欠部分720aを通って上下動可能になっている。特に図19に示すように、顔可動体440全体が演出表示装置7の後端位置7bよりも前方に配置されていて、顔可動体440全体を後端位置7bよりも前方にある状態で上下動させることが可能である。従って、表示画面7aよりも後方に顔可動体440を配置しているにも拘わらず、顔可動体440によって裏側演出ユニット200(後側演出ユニット400)の前後方向の寸法が少しも大きくならないようすることが可能である。
なお本形態では、切欠部分720aを形成したため、下側構造部720に役物用ライトが設けられていないが、下側表示用LED724は設けられている。つまり、演出表示装置7の4つの構造部710,720,730,740のそれぞれに、表示用LED714,724,734,744が設けられている。従って液晶パネル760の下側だけ、画像が見えない又は見え難いという事態が生じることはない。
次に図24〜図26に基づいて、演出表示装置7を制御した場合の見え方について説明する。演出表示装置7では、液晶パネル760、バックライト792(表示用LED790と導光板750)、透過フィルム770、役物用ライト791が制御されることになる。具体的には、上側制御基板711が色彩も含めて液晶パネル760の画像制御を行う。また上側制御基板711と下側制御基板721と左側制御基板731と右側制御基板741とが、バックライト792の点灯又は消灯の制御を行う。また上側制御基板711が透過フィルム770の透過状態と非透過状態との切替えの制御を行う。また上側制御基板711と左側制御基板731と右側制御基板741とが、役物用ライト791の点灯又は消灯の制御を行う。なお上側制御基板711と下側制御基板721と左側制御基板731と右側制御基板741は、後述する演出制御用マイコン91によって動作が制御されているため、液晶パネル760とバックライト792と透過フィルム770と役物用ライト791は、演出制御用マイコン91よって制御されているともいえる。
図24(A)は、透過フィルム770を非透過状態に制御して、液晶パネル760(表示画面7a)の全表示領域で白色画像WHを表示している場合を示している。更に、バックライト792を点灯するのに対して、役物用ライト791を消灯している場合を示している。この場合には、透過フィルム770が非透過状態であるため、液晶パネル760よりも後方にある顔可動体440やミット装飾体431が見えることはない。なお顔可動体440やミット装飾体431を見せる状況ではないため、役物用ライト791が消灯するように制御されている。
図24(B)は、図24(A)に示す場合と異なり、透過フィルム770を透過状態に制御している場合を示している。なお顔可動体440は退避位置(図14(A)参照)にある状況である。この場合には、液晶パネル760よりも後方にあるミット装飾体431が見えることになる。但しミット装飾体431が役物用ライト791の照明用の光で照らされているわけではなく、バックライト792の表示用の光で照らされているため、ミット装飾体431がはっきりと見えるわけではない。
図24(C)は、図24(B)に示す場合と異なり、バックライト792を消灯するのに対して、役物用ライト791を点灯させる場合を示している。この場合には、ミット装飾体431が役物用ライト791の照明用の光で照らされるため、図24(B)に示す場合よりもミット装飾体431がはっきりと見えるようになる。
ここで本形態では、役物用ライト791とバックライト792(表示用LED790)の両方が同時に点灯することがないように制御されている。これは以下の理由に基づく。演出表示装置7においてバックライト792による表示用の光は、液晶パネル760で画像を表示する上で、必要なものである。これに対して役物用ライト791は、ミット装飾体431や役物用ライト791を照らすためのものであるが、本形態では配置スペースの効率を図るべく、演出表示装置7に設けるようにしている。特に図18に示すように、表示用LED790の直ぐ後方に役物用ライト791を配置することで、役物用ライト791の配置スペースを確保している。
しかしながら演出表示装置7において、表示用LED790と役物用ライト791とを直ぐ近くに配置したことから、表示用LED790と役物用ライト791とが同時に点灯すると、熱による動作不良(オーバーヒート)が生じるおそれがある。そこで本形態では、オーバーヒート対策として、後述する画像制御基板100のCPU102(図35参照)が、サブ駆動基板107に対して役物用ライト791と表示用LED790の両方を同時に点灯させないように制御している。
なお本形態の演出表示装置7には、万一役物用ライト791を点灯させる点灯信号と表示用LED790を点灯させる点灯信号との両方を入力した場合に、役物用ライト791及び表示用LED790の両方を点灯させないハード的な回路が組み込まれている。従ってソフト的な制御だけでなく、ハード的な回路も併せることで、表示用LED790と役物用ライト791とが同時に点灯するのを確実に防止して、オーバーヒート対策を万全なものにしている。
図25(A)は図24(A)に示した場合と同じである。これに対して図25(B)は、図25(A)に示す場合と異なり、液晶パネル760(表示画面7a)の全表示領域で灰色画像GRを表示している場合を示している。そして図25(C)は、図25(A)(B)に示す場合と異なり、液晶パネル760の全表示領域で黒色画像BLを表示している場合を示している。
図25(A)(B)(C)の比較から分かるように、液晶パネル760に表示される色の明度が高い(明るい)ほど、液晶パネル760の後方にあるミット装飾体431を視認し易くなる。そのため、透過フィルム770を透過状態に制御しつつ、更に液晶パネル760で白色画像WHを表示する。その結果、白色画像WHが透け易いことにより、白色画像WHが表示されている部分の後方を見せることが可能である。言い換えれば、透過フィルム770を透過状態に制御していても、液晶パネル760で黒色画像BL(第2の画像)を表示することで、黒色画像BLがほぼ透けない。その結果、黒色画像BLが表示されている部分の後方を見せないことが可能である。よって、液晶パネル760に表示される色の明度に応じて、液晶パネル760の後方にある演出体(顔可動体440,ミット装飾体431)の見せ方を調節することが可能である。
ここで図26(A)に示すように、液晶パネル760の全表示領域のうち、駆動位置にある顔可動体440と前後方向に重なる表示領域を「駆動位置領域E1」と呼び、駆動位置領域E1以外の表示領域を「除外駆動位置領域S1」と呼ぶことにする。図26(A)は、液晶パネル760の駆動位置領域E1に白色画像WHが表示され、除外駆動位置領域S1に黒色画像BLが表示されている場合を示している。図26(B)は、ミット装飾体431の前方に、顔可動体440が駆動位置にある状況を示している。その結果、図26(C)のように見えることになる。
即ち図26(C)に示すように、液晶パネル760の前方から見る遊技者に対して、液晶パネル760の後方に顔可動体440だけがあるように見せて、ミット装飾体431を見せないことが可能である。このようにして本形態では、透過フィルム770を透過状態に制御しつつ、液晶パネル760で表示する色の明度と表示領域とを調節することで、液晶パネル760と前後方向に重なる2つの演出体(顔可動体440、ミット装飾体431)のうち、顔可動体440だけを見せることが可能である。
4.裏側演出ユニットの後面側の構成
次に、図27〜図30に基づいて裏側演出ユニット200の後面側の構成について説明する。図27に示すように、裏側演出ユニット200の後面側では主に、後側演出ユニット400のベース体410の背面部411がある。この後側演出ユニット400の背面部411の後面には、後述する主制御基板80、サブ制御基板90、画像制御基板100、サブ駆動基板107が所定のケース(図示省略)に収容された状態で取付けられるようになっている。つまり各制御基板80,90,100,107は、前側演出ユニット300ではなく、後側演出ユニット400に取付けられるものである。
図28に示すように、後側演出ユニット400の背面部411の下側には、凹部411aが形成されている。そして図27に示すように、凹部411aの形状に合うように、中継基板取付部材500が配されている。中継基板取付部材500は、後側演出ユニット400に取付けられるものではなく、前側演出ユニット300に取付けられるようになっている。その理由については、後に説明する。ここで図29は、図27に示す中継基板取付部材500の拡大図である。
中継基板取付部材500は、図29に示すように、第1中継基板510と第2中継基板520とを取付ける部材である。中継基板取付部材500の右側(図29の左側)では、プレート状になっていて、前方に向かって僅かに窪んでいる。そのため第1中継基板510は、中継基板取付部材500の右側(図29の左側)に嵌め込まれるように取付けられている。一方、中継基板取付部材500の左側(図29の右側)ではケース状になっている。そのため第2中継基板520は、中継基板取付部材500の左側(図29の右側)の内部に収容されていて、図示しないビスを介して中継基板取付部材500の左側に取付けられている。
ここで遊技盤2から第1中継基板510に向かって延びる10個のハーネスH1(図29の二点鎖線参照)がある。これらハーネスH1に対応して、第1中継基板510には、10個のコネクタ511が一体的に設けられている。そのため、10個のハーネスH1の一端部に設けられている各コネクタCN1が、第1中継基板510の10個のコネクタ511にそれぞれ接続されている。なお上記した10個のハーネスH1は、遊技利益に関わるセンサを除いて遊技盤2に設けられている各センサや各ソレノイド(例えば電チューソレノイド24等)に接続されているものである。
また前側演出ユニット300から第1中継基板510に向かって延びる9個ハーネスH2(第1配線、図29の破線参照)がある。これらハーネスH2に対応して、第1中継基板510には、9個のコネクタ512が一体的に設けられている。そのため、9個のハーネスH2の一端部に設けられている各コネクタ(第1コネクタ)CN2が、第1中継基板510の9個のコネクタ512にそれぞれ接続されている。なお上記した9個のハーネスH2は、前側演出ユニット300に設けられているフォトセンサや右側ボール直動用モータ346等に接続されているものである。
また遊技盤2から第2中継基板520に向かって延びる3個のハーネスH1(図29の二点鎖線参照)がある。これらハーネスH1に対応して、第2中継基板520には、3個のコネクタ521が一体的に設けられている。そのため、3個のハーネスH1の一端部に設けられている各コネクタCN1が、第2中継基板520の3個のコネクタ521にそれぞれ接続されている。なお上記した3個のハーネスH1は、遊技利益に関わるセンサを除いて遊技盤2に設けられている各センサに接続されているものである。
また前側演出ユニット300から第2中継基板520に向かって延びる10個ハーネスH2(第1配線、図29の破線参照)がある。これらハーネスH2に対応して、第2中継基板520には、10個のコネクタ522が一体的に設けられている。そのため、10個のハーネスH2の一端部に設けられている各コネクタ(第1コネクタ)CN2が、第2中継基板520の10個のコネクタ522にそれぞれ接続されている。なお上記した10個のハーネスH2は、前側演出ユニット300に設けられているフォトセンサ、左側ボール直動用モータ336、ロゴ直動用モータ351等に接続されているものである。
ところで主制御基板80(図27参照)から第1中継基板510向かって延びる1個のハーネス(図29の一点鎖線参照、以下「主基板用ハーネスH3」と呼ぶ)がある。主基板用ハーネス(第2配線)H3は、22本の配線をまとめたものである。この主基板用ハーネスH3に対応して、第1中継基板510の左上部(図29の右上部)には、コネクタ513が一体的に設けられている。そのため、主基板用ハーネスH3の一端部に設けられているコネクタ(第2コネクタ)CN3が、第1中継基板510のコネクタ513に接続されている。これに対して主基板用ハーネスH3の他端部に設けられているコネクタCN4が、主制御基板80に接続されるようになっている。
このようにして本形態では、遊技盤2から合計12個のハーネスH1が延びていて、これらハーネスH1の12個のコネクタCN1が各中継基板510,520に接続されている。また前側演出ユニット300から合計19個のハーネスH2が延びていて、これらハーネスH2の19個のコネクタCN2が各中継基板510,520に接続されている。その一方で、主制御基板80から1個の主基板用ハーネスH3が延びていて、この主基板用ハーネスH3の1個のコネクタCN3が第1中継基板510に接続されている。なお主制御基板80は、後側演出ユニット400の背面部411に取付けられているため(図27参照)、後側演出ユニット400からは1個の主基板用ハーネスH3のみが第1中継基板510に接続されているといえる。
ここで本形態と異なる比較例について、図30に基づいて説明する。比較例では図30(A)に示すように、後側演出ユニット400の背面部411の下側に、第1中継基板510及び第2中継基板520が取付けられている。そのため図30(B)に示すように、後側演出ユニット400を前側演出ユニット300及び遊技盤2に対して取外し方向(図30(B)の右側)へ取外そうとする場合、遊技盤2から延びる12個のハーネスH1のコネクタCN1を取外すと共に、前側演出ユニット300から延びる19個のハーネスH2のコネクタCN2を取外さなければならない。従ってこの比較例においては、後側演出ユニット400と前側演出ユニット300とを分解しようとしても、取外すコネクタの数が多くて、作業負担が大きくなる。
続いて本形態について、図31に基づいて説明する。本形態では図31(A)に示すように、中継基板取付部材500が後側演出ユニット400の背面部411の下側(図28(B)に示す凹部411a)に配置されているものの、前側演出ユニット300の下側の後端部に取付けられている。そのため図31(B)に示すように、後側演出ユニット400を前側演出ユニット300及び遊技盤2に対して取外し方向(図31(B)の右側)へ取外そうとする場合、1個の主基板用ハーネスH3のコネクタCN3だけを取外すようにしている。即ち、遊技盤2から延びる12個のハーネスH1のコネクタCN1、及び前側演出ユニット300から延びる19個のハーネスH2のコネクタCN2を取外さないで済むようにしている。
ところで本形態のように構成した場合、新たな問題が生じるようになる。即ち、顔可動体440を液晶パネル760の後方で上下動させる構成としたことから、図31(A)に示すように、退避位置(図14(A)(B)参照)にある顔可動体440と中継基板取付部材500とが、前後方向で対向することになる。なお図28では中継基板取付部材500が無い状態が示されていて、凹部411aの下方で退避位置にある顔可動体440が見えることを示している。そのため、図31(B)に示すように、後側演出ユニット400を前側演出ユニット300に対して取外し方向(図31(B)の右側)へ取外そうとする場合、後側演出ユニット400に設けられている顔可動体440が、中継基板取付部材500に干渉するおそれがある。
そこで本形態では、中継基板取付部材500が、退避位置にある顔可動体440に対向する対向位置(図31(B)の実線で示す位置、図32(A)に示す位置)から、退避位置にある顔可動体440に対向しない非対向位置(図31(B)の二点鎖線で示す位置、図32(B)に示す位置)へ移動できるように、前側演出ユニット300に支持されている。以下では、図32(A)(B)に基づいて、中継基板取付部材500の支持構造について、詳細に説明する。
先ず図32(B)に示すように、前側演出ユニット300においてベース枠部材310下側の後端部には、屈曲プレート311が固定されている。屈曲プレート311は、透明な合成樹脂で構成されていて、鉛直方向に延びる鉛直部分311aと、鉛直部分311aの下端から後方に向かって水平に延びる水平部分311bとを有する。なお屈曲プレート311の鉛直部分311aよりも前方には、ロゴ部材350(図7(A)(B)参照)が配されている。図32(A)に示すように、中継基板取付部材500が対向位置にあるときには、中継基板取付部材500と屈曲プレート311とにより、内部空間SP2が形成される。そのためこの内部空間SP2に、退避位置にある顔可動体440が収容されるようになっている。
ここで図32(B)に示すように、屈曲プレート311の水平部分311bのうち、右側(図32(B)の左側)の下面には、左右一対の取付片312が設けられている。また左側(図32(B)の右側)の下面には、左右一対の取付片313が設けられている。各取付片312及び各取付片313は、L字状になっていて、後方に向かって曲がるようになっている。
中継基板取付部材500の右側(図32(B)の左側)及び左側(図32(B)の右側)には、それぞれ回転片501,502が取付けられている。回転片501,502は、左右方向に延びる回転軸501a,502aをそれぞれ有している。回転片501の回転軸501aが、屈曲プレート311の水平部分311bの各取付片312に対して、前方から後方に向かって引掛けられるように取付けられている。また、回転片502の回転軸502aが、屈曲プレート311の水平部分311bの各取付片313に対して、前方から後方に向かって引掛けられるように取付けられている。このようにして中継基板取付部材500は、ヒンジのように回転可能な構造になっている。即ち、各回転片501,502の回転軸501a,502a周りに回転できるように、屈曲プレート311の水平部分311bの各取付片312,313に支持されている。
ところで図32(A)に示すように、中継基板取付部材500の右側(図32(B)の左側)の下面中央には、L字状で一対の第1係止片504が形成されている。各第1係止片504(係止部)は、L字状の先端同士が近接するようになっている。但し、各第1係止片504の先端同士は、接しているわけではなく、僅かに左右方向に離れるようになっている。
これにより、遊技盤2から第1中継基板510に向かって延びるハーネスH1(図29の二点鎖線参照)や、前側演出ユニット300から第1中継基板510に向かって延びるハーネスH2(図29の破線参照)を、各第1係止片504の先端同士の間を通すことができる。そして、これらハーネスH1,H2を各第1係止片504と中継基板取付部材500の下面との間で係止させておくことができる。こうして各第1係止片504によりハーネスH1,H2を係止しておけば、多くのハーネスH1,H2がバラバラにならずに、ハーネスH1,H2の一端部に接続されているコネクタCN1,CN2を第1中継基板510のコネクタ511,512に対して着脱させることが可能である。
また図32(A)に示すように、中継基板取付部材500の左側(図32(B)の右側)の下面には、左右一対で略U字状の第2係止片505が形成されている。各第2係止片(係止部)505では、略U字状の先端部分が中継基板取付部材500の下面に近接しているものの、僅かに上下方向に離れるようになっている。
これにより、遊技盤2から第2中継基板520に向かって延びるハーネスH1や、前側演出ユニット300から第2中継基板520に向かって延びるハーネスH2を、各第2係止片505の先端部分と中継基板取付部材500の下面との間を通すことができる。そして、これらハーネスH1,H2を各第2係止片505と中継基板取付部材500の下面との間で係止させておくことができる。こうして各第2係止片505によりハーネスH1,H2を係止しておけば、多くのハーネスH1,H2がバラバラにならずに、ハーネスH1,H2の一端部に接続されているコネクタCN1,CN2を第2中継基板520のコネクタ521,522に対して着脱させることが可能である。なおハーネスH1,H2を係止しておくための構造は、図32(A)に示す第1係止片504や第2係止片505に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、中継基板取付部材500に取付けられている結束バンド(係止部)により、ハーネスH1,H2がバラバラにならないように係止しておいても良い。
次に、前側演出ユニット300と後側演出ユニット400とが取付けられている状態から、後側演出ユニット400を前側演出ユニット300から取外す方法について説明する。先ず図29に示すように、主基板用ハーネスH3のコネクタCN3を第1中継基板510のコネクタ513から取り外す。このときには、第1中継基板510のコネクタ511,512に接続されている合計19個のコネクタCN1,CN2を取り外す必要がない。また第2中継基板520のコネクタ521,522に接続されている合計13個のコネクタCN1,CN2を取り外す必要がない。そして、前側演出ユニット300の屈曲プレート311に対して中継基板取付部材500を固定しているビス(図示省略)を取り外す。
続いて、中継基板取付部材500を、図32(A)に示す対向位置から、図32(B)に示す非対向位置へ回転させる。これにより、図31(B)の二点鎖線で示すように、中継基板取付部材500を、退避位置にある顔可動体440に対向させないようにする。またこのときには、中継基板取付部材500を、図31(B)に示す矢印Z方向(回転方向の一方側)へ回転させるものの、各中継基板510,520に接続されている各ハーネスH1,H2は引っ張られないことになる。従って、これらハーネスH1,H2の各コネクタCN1,CN2を各中継基板510,520に接続したまま、中継基板取付部材500を回転させることが可能である。
こうして本形態では、中継基板取付部材500を回転させる際に、各中継基板510,520に接続されている合計32個のコネクタCN1,CN2を取外す必要がなくて、主基板用ハーネスH3の1つのコネクタCN3を取外すだけで済む。従って、少ない作業負担で中継基板取付部材500を回転させることが可能である。なお本形態において、中継基板取付部材500をヒンジのように回転可能な構造としたのは、以下の理由に基づく。即ち、各中継基板510,520にコネクタCN1,CN2を接続したまま、各ハーネスH1,H2が引っ張られないように移動させる構造は、例えば中継基板取付部材500を直動させる構造では実現し難いのに対して、中継基板取付部材500を回転させる構造では比較的簡易に実現できるためである。
また本形態では、図28に示すように、後側演出ユニット400のベース体410の背面部411に凹部411aが形成されている。そして図27に示すように、この凹部411aに中継基板取付部材500が配置されることで、裏側演出ユニット200(後側演出ユニット400)の後壁部200Aが形成されている。即ち、中継基板取付部材500が裏側演出ユニット200の後壁部200Aの一部を形成している。そのため中継基板取付部材500を図32(A)に示す対向位置(第1位置)から図32(B)に示す非対向位置(第2位置)へ回転させることで、内部空間SP2を露出させることが可能である。これにより内部空間SP2にある部品(例えば内部空間SP2に入り込んでしまったビス等)を、簡易な方法でその内部空間SP2よりも外側へ取出すことが可能である。
また中継基板取付部材500は、図32(B)に示すように、各回転片501,502の回転軸501a,502aを介して、屈曲プレート311の各取付片312,313に支持されている。つまり、中継基板取付部材500は、前側演出ユニット300の屈曲プレート311から完全に取り外されるわけではない。従って、中継基板取付部材500が必要以上に移動するのを防ぐことが可能である。こうして、中継基板取付部材500が必要以上に移動してしまって各ハーネスH1,H2が引っ張られるのを回避できて、各ハーネスH1,H2の断線等を防ぐことが可能である。
以上により図33に示すように、中継基板取付部材500を非対向位置まで回転させておくことで、顔可動体440が中継基板取付部材500に干渉することなく、後側演出ユニット400を前側演出ユニット300から取外すことが可能である。なお後側演出ユニット400を前側演出ユニット300に対して取付ける場合でも、中継基板取付部材500を非対向位置まで回転させておくことで、顔可動体440が中継基板取付部材500に干渉することなく、後側演出ユニット400を前側演出ユニット300に対して取付けることが可能である。
本形態の裏側演出ユニット200は、後側演出ユニット400を前側演出ユニット300から取外すことが可能な構造であるため、裏側演出ユニット200に設けられている部材に不具合又は故障が生じた場合に、裏側演出ユニット200全体を交換することなく対応することが可能である。即ち、前側演出ユニット300又は後側演出ユニット400のうち、不具合又は故障が生じた部材を備えるユニットの方を修理又は交換すれば良い。そして、前側演出ユニット300と後側演出ユニット400とが分割された状態では、不具合又は故障が生じた部材を取外し易い。従ってこの裏側演出ユニット200は、前側演出ユニットと後側演出ユニットとに分割できない裏側演出ユニットに比べて、異常が生じた場合の対応が簡易になり得るものである。
また本形態では、後側演出ユニット400が、顔可動体440と顔直動用モータ456とを備えるため、時間経過によって不具合又は故障が比較的に生じ易いものである。そして、後側演出ユニット400は前側演出ユニット300のように遊技盤2の後側に取付けられていないため、前側演出ユニット300よりも交換し易いものである。よって、後側演出ユニット400に異常が生じた場合に、裏側演出ユニット200全体を交換することなく簡易に対応することが可能である。
また本形態では、後述するように、透過フィルム770を透過状態にして、液晶パネル760の後方で顔可動体440が動くことにより、遊技者には可動部材を用いた新たな演出を提供することが可能である。ここで顔可動体440に異常が生じた場合に、仮に裏側演出ユニット200全体を交換することになると、コストが嵩んでしまう。そこでこの場合には、後側演出ユニット400だけを交換することで安価且つ簡易に対応することが可能である。
5.遊技機の電気的構成
次に図34及び図35に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図34及び図35に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、サブ駆動基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(演出表示装置7やスピーカ67、枠ランプ66、盤ランプ5、ボール可動体320、ミット装飾体431、顔可動体440等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機1は、電源基板150を備えている。電源基板150は、主制御基板80、サブ制御基板90、及び払出制御基板110に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板150には、バックアップ電源回路151が設けられている。バックアップ電源回路151は、本パチンコ遊技機1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に対して電力を供給する。従って、主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に記憶されている情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。また、電源基板150には、電源スイッチ155が接続されている。電源スイッチ155のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、主制御基板80のRAM84に対するバックアップ電源回路を主制御基板80に設けたり、サブ制御基板90のRAM94に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けたりしてもよい。
図34に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)87が含まれている。RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。なお、ROM83は外付けであってもよい。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて、第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて、第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内に設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の開閉部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、特別図柄表示器41、普通図柄表示器42、特図保留表示器43、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図35に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン(演出制御手段)91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)97が含まれている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、サブ駆動基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に演出表示装置7の制御を行わせる。
画像制御基板100は、画像表示等の制御のためのプログラム等を記憶したROM103、ワークメモリとして使用されるRAM104、及び、ROM103に記憶されたプログラムを実行するCPU102を備えている。なお、ROM103には、演出表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。
画像制御基板100は、演出表示装置7における液晶パネル760の表示制御、透過フィルム770の透過制御を行うとともに、サブ駆動基板107を介して演出表示装置7におけるバックライト792及び役物用ライト791の発光制御を行う。演出表示装置7におけるバックライト792及び役物用ライト791の発光制御が行われるとき、画像制御基板100は、サブ駆動基板107を介して冷却ファン421の駆動制御を行う。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107を介して、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。また、ボール可動体LED328、顔可動体LED441、固定演出部材LED432等の点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、各ランプ(LED)の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプ(LED)の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107及び中継基板108を介してボール可動体320、指部材360、顔可動体440、ロゴ部材350等の駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、ボール可動体320、指部材360、顔可動体440、ロゴ部材350等の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従ってボール直動用モータ380、ボール回転用モータ324、指ロック解除用ソレノイド373、顔直動用モータ456、ロゴ直動用モータ351等の駆動制御を行う。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
またサブ制御基板90には、演出ボタン検出スイッチ(SW)63a及びセレクトボタン検出スイッチ64aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン63が押されると演出ボタン検出スイッチ63aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検出スイッチ64aは、セレクトボタン(図示省略)が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタンが押されるとセレクトボタン検出スイッチ64aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。なお、セレクトボタンは、上ボタン、下ボタン、左ボタン、及び右ボタンの4つのボタンからなる十字キーである。
なお図34及び図35は、あくまで本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、中継基板88,108だけが設けられているわけではない。つまり、後述する第1中継基板510及び第2中継基板520(図29参照)が省略して示されている。なお主制御基板80を除いて、図34又は図35に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図34又は図35に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
6.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技を特別遊技ともいう。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別は図36に示す通りである。図36に示すように、本形態では大きく分けて2つの種別がある。特定大当たりと通常大当たりである。特定大当たりを「Vロング大当たり」ともいい、通常大当たりを「Vショート大当たり」ともいう。「Vロング大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が容易に可能な第1開放パターン(Vロング開放パターン)で開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。「Vショート大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)で開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。
より具体的には、特図1の抽選(第1特別図柄の抽選)にて当選可能な「Vロング大当たり」は、1Rから8Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放し、9Rから15Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大0.1秒にわたって開放し、16R(最終ラウンド)では第2大入賞口35を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する大当たりである。つまり、この大当たりの総ラウンド数は16Rであるものの、実質的なラウンド数は9Rである。実質的なラウンド数とは、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では8個)まで遊技球が入賞可能なラウンド数のことである。このVロング大当たりでは9Rから15Rまでは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。なお、16Rでは、第2大入賞口35内の特定領域39への通過が容易に可能である。また、特図1の抽選によって「特定大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_特定図柄」が停止表示される。
また、特図2の抽選(第2特別図柄の抽選)にて当選可能な「Vロング大当たり」は、1Rから15Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放し、16R(最終ラウンド)では第2大入賞口35を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する大当たりである。つまり、この大当たりは実質的なラウンド数も16Rである。もちろん、16Rでは、第2大入賞口35内の特定領域39への通過が容易に可能である。特図2の抽選によって「特定大当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_特定図柄」が停止表示される。
これに対して、特図1の抽選にて当選可能な「Vショート大当たり」は、1Rから8Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放し、9Rから15Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大0.1秒にわたって開放し、16R(最終ラウンド)では第2大入賞口35を1R当たり最大0.1秒にわたって開放する大当たりである。つまり、この大当たりの総ラウンド数は16Rであるものの、実質的なラウンド数は8Rである。
このVショート大当たりにおける16Rでは、第2大入賞口35の開放時間が極めて短く、第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。なお、Vショート大当たりにおける16Rでは、第2大入賞口35の開放時間が短いことだけでなく、第2大入賞口35の開放タイミングと振分部材71の作動タイミング(第2状態(図2(B)参照)から第1状態(図2(A)参照)に制御されるタイミング)との関係からも、特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。特図1の抽選によって「通常大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_通常図柄」が停止表示される。
また、特図2の抽選にて当選可能な「Vショート大当たり」は、1Rから15Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放し、16R(最終ラウンド)では第2大入賞口35を1R当たり最大0.1秒にわたって開放する大当たりである。つまり、この大当たりの総ラウンド数は16Rであるものの、実質的なラウンド数は15Rである。もちろん、16Rでは、第2大入賞口35内の特定領域39への通過がほぼ不可能となっている。特図2の抽選によって「通常大当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_通常図柄」が停止表示される。
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記のVロング大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、Vショート大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
但し、通常確率状態に制御された場合であっても、後述する時短状態には制御される。なお、この場合の時短回数は100回に設定される。時短回数とは、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数のことである。
なお、図36に示すように、特図1の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たり(特定大当たり)が50%、Vショート大当たり(通常大当たり)が50%となっている。これに対して、特図2の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たり(特定大当たり)が80%、Vショート大当たり(通常大当たり)が20%となっている。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(特図1の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(特図2の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図37(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜9までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。また、ゲート28への通過に基づいて取得される乱数には、図37(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。
7.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図38(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図39参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図38(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では4秒であるが、時短状態では1秒である(図38(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図40参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図40参照)。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、高ベース状態を電サポ制御状態や入球容易状態ともいう。これに対して、低ベース状態を非電サポ制御状態や非入球容易状態ともいう。
高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、Vロング大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39への通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、実質的に次回の大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されるまで継続するようになっている。つまり、高確高ベース状態は、遊技者にとって手持ちの遊技球を大きく減らすことなく次回の大当たり当選を獲得できる非常に有利な状態である。
また、Vショート大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39の通過がなされていなければ(なされることは略ない)、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
8.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図41〜図46に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図41に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図37に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図42に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図34参照)が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをRAM84の出力バッファにセットする。また、入力処理(S102)では、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図41の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図37に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述する始動口センサ検出処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行う。普通動作処理(S105)では、始動口センサ検出処理にて取得した普通図柄乱数を所定の判定テーブル(図38(C)参照)を用いて判定する。そして、その判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。普通図柄乱数の判定の結果、普通当たり図柄に当選していた場合には、遊技状態に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図40参照)に従って電チュー22を開放させる補助遊技を行う。
次に遊技制御用マイコン81は、後述する特別動作処理(S106)を行い、続いて特定領域センサ検出処理(S107)を行う。特定領域センサ検出処理(S107)では、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定し、それが所定のV有効期間におけるものであれば、VフラグをONにする。V有効期間は、後述する特別電動役物処理(図46参照)におけるステップS2206で設定される期間である。また、この特別電動役物処理における遊技状態設定処理(ステップS2221)では、VフラグがONであれば、確変フラグをONにする。これにより、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に制御される。
次に遊技制御用マイコン81は、その他の処理(S108)を実行する。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S108)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図41参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検出処理]図43に示すように、始動口センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S201でYES)、ゲート通過処理(S202)を行う。一方、遊技球がゲート28を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。ゲート通過処理(S202)では、ゲートセンサ28aがONしていれば、すでに記憶されている普通図柄乱数が4個未満であることを条件に普通図柄乱数(図37(B)参照)を取得し、普図保留記憶部86に格納する。
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS209に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S204)。そして、特図2保留球数が「4」に達している場合(S204でYES)には、ステップS209に進むが、特図2保留球数が「4」未満である場合には(S204でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S205)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S206)を行う。特図2関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図37(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた第2特図保留記憶部85bの記憶領域に格納する。
続いて始動口センサ検出処理(S104)では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S209)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S209でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S210)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合(S210でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S210でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S211)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S212)を行う。特図1関係乱数取得処理(S212)では、特図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図37(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた第1特図保留記憶部85aの記憶領域に格納する。
[特別動作処理]図44に示すように特別動作処理(S106)では、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、遊技制御用マイコン81は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301でYES)、特別図柄待機処理(S1302)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1301でNO、S1303でYES)、特別図柄変動中処理(S1304)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1301,S1303で共にNO、S1305でYES)、特別図柄確定処理(S1306)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1301,S1303,S1305の全てがNO)、特別電動役物処理(S1307)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
特別図柄待機処理(S1302)では、始動口センサ検出処理(図43参照)にて取得した大当たり乱数等の乱数値を所定の判定テーブル(図38(A),(B),図39参照)を用いて判定する。そして、大当たり抽選の結果を報知するための特別図柄の変動表示を開始して、特別動作ステータスを「2」にセットする。特別図柄待機処理(S1302)については後に詳述する。
特別図柄変動中処理(S1304)では、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定し、経過したら特別図柄を停止表示するとともに、変動停止コマンドを出力バッファにセットして、特別動作ステータスを「3」にセットする。
特別図柄確定処理(S1306)では、停止した特別図柄が大当たり図柄か否かを判定して、大当たり図柄であれば、特別電動役物処理を実行するために特別動作ステータスを「4」にセットする。このときに大当たりのオープニングコマンドを出力バッファにセットする。大当たり図柄でなければ、再び特別図柄待機処理を実行するために特別動作ステータスを「1」にセットする。なお、特別図柄確定処理(S1306)では、高確率状態の制御期間を管理するために、確変フラグがONであれば確変カウンタの値を1ディクリメントする。但し高確率状態は次回の大当たりに当選するまで継続するため、確変カウンタを設けないようにしても良い。また、時短状態(つまりは高ベース状態)の制御期間を管理するために、時短フラグがONであれば時短カウンタの値を1ディクリメントして「0」になれば時短フラグをOFFする。また、特別動作ステータスを「4」にする際に、確変フラグや時短フラグがONであればOFFに戻す。つまり、大当たり遊技中は低確低ベース状態に制御される。
特別電動役物処理(S1307)では、当選した大当たりの種類に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図36参照)に従って第1大入賞口30及び第2大入賞口35を開放させる大当たり遊技(特別遊技)を行う。特別電動役物処理(S1307)については後に詳述する。
[特別図柄待機処理]図45に示すように、特別図柄待機処理(S1302)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1407)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1407でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1415)、ONであれば本処理を終え、ONでなければ、客待ちコマンドを出力バッファにセットするとともに(S1416)、客待ちフラグをONにする(S1417)。
ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、特図2大当たり判定処理(S1402)及び特図2変動パターン選択処理(S1403)を行う。
特図2大当たり判定処理(S1402)では、大当たり乱数値を読み出して、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(図38(A)参照)に基づいて、大当たりの当否判定を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、当たり種別乱数値を読み出して、当たり種別判定テーブル(図36参照)に基づいて当たり種別を判定する。そして、当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図36参照)をRAM84に設けた特図バッファにセットする。当否判定の結果が「ハズレ」であれば、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)を特図バッファにセットする。
特図2変動パターン選択処理(S1403)では、変動パターン乱数値を読み出して、特図変動パターン判定テーブル(図39参照)に基づいて変動パターンを選択する。なおこの処理では、上述した当否判定の結果が「ハズレ」であった場合には、リーチ乱数値を読み出してリーチ判定テーブル(図38(B)参照)に基づいて、リーチ有りハズレの変動パターンにするのか、リーチ無しハズレの変動パターンにするのかを決定する。
なお図39に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。また、リーチになる場合にそのリーチがノーマルリーチとなるのかスーパーリーチ(SPリーチ)となるのかも決まる(図39の備考欄参照)。SPリーチとは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチであり、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)がノーマルリーチよりも高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。本形態では、SPリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
また本形態では、SPリーチには、弱SPリーチA、弱SPリーチB、及び強SPリーチの3種類がある(図39の備考欄参照)。なお、SPリーチの種類としてこれら以外の種類を含んでいる構成としてもよい。上記の3種類のSPリーチは、互いに大当たり期待度が異なっている。具体的には、弱SPリーチA、弱SPリーチB、強SPリーチの順に大当たり期待度が高くなっている。つまり本パチンコ遊技機1では、弱SPリーチA、弱SPリーチB、強SPリーチの順に大当たり期待度が高くなるように各種の変動パターンの振分率が設定されている。
図45に戻り、特図2変動パターン選択処理(S1403)に続いて遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1404)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1405)。このようにして、第2特図保留が保留された順に消化されるようにしている。
続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1406)を実行する。特図2変動開始処理(S1406)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1406)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1402)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。その後、遊技制御用マイコン81は、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1413)、ONであれば客待ちフラグをOFFして(S1414)本処理を終え、ONでなければステップS1414を実行することなく本処理を終える。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1407でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、特図1大当たり判定処理(S1408)及び特図1変動パターン選択処理(S1409)を行う。特図1大当たり判定処理(S1408)は、特図2大当たり判定処理(S1402)と同様の処理であるため説明を省略する。また、特図1変動パターン選択処理(S1409)は、特図2変動パターン選択処理(S1403)と同様の処理であるため説明を省略する。
次に遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1410)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1411)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。
続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1412)を実行する。特図1変動開始処理(S1412)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1412)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1408)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。その後、遊技制御用マイコン81は、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1413)、ONであれば客待ちフラグをOFFして(S1414)本処理を終え、ONでなければステップS1414を実行することなく本処理を終える。
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1401でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして本形態では、第2特図保留に基づく抽選の方が、第1特図保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり(Vロング大当たり)に当選しやすくなっている(図36参照)。
[特別電動役物処理]図46に示すように、特別電動役物処理(S1307)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2201)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2201でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中か否か(すなわち大入賞装置の開放中か否か)を判定する(S2202)。開放中でなければ(S2202でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して初回のラウンド遊技における開放開始の時間に至ったか、又は、一旦閉鎖した大入賞口を再び開放させるまでのインターバル時間(閉鎖時間)が経過して開放開始の時間に至ったか否かを判定する(S2203)。
ステップS2203の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2203の判定結果がYESであれば、現在実行中の大当たり遊技がVロング大当たりとしての大当たり遊技か否かを判定する(S2204)。そして、Vロング大当たりでなければステップS2207に進むが、Vロング大当たりであれば、第2大入賞口35を開放させる第16ラウンドを開始するタイミングであるか否かを判定する(S2205)。第16ラウンドを開始するタイミングでなければ(S2205でNO)、そのままステップS2207に進む。これに対して、第16ラウンドを開始するタイミングであれば(S2205でYES)、V有効期間設定処理(S2206)を行う。
V有効期間設定処理(S2206)では、Vロング大当たりの第16ラウンドにおける第2大入賞口35の開放中および第2大入賞口35の閉塞後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するV有効期間に設定する。なお本形態ではこれ以外の期間(大当たり遊技を実行していないときも含む)を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するV無効期間に設定している。ここで、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONするということである。また、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないということである。なお、V有効期間に第2大入賞口35の閉塞後の数秒間を含めているのは、第2大入賞口35の閉塞直前に第2大入賞口35へ遊技球が入賞することがあるのを考慮したものである。
すなわち本形態では、V有効期間中のV通過(特定領域39への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち高確率状態に制御されることのないようにしている。
ステップS2207では、大当たりの種類に応じた開放パターン(図36参照)に従って大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる。なお、振分部材71は、第16ラウンドのラウンド遊技の開始から常に一定の動作で動いている。Vロング大当たりの開放パターン(Vロング開放パターン)では、第16ラウンドにおいて、第2大入賞口35に入賞した遊技球が余裕をもって特定領域39を通過できるように開閉部材37が開放される。これに対して、Vショート大当たりの開放パターン(Vショート開放パターン)では、第16ラウンドにおいて、第2大入賞口35に入賞することがほぼできないように開閉部材37が開放される。また、Vショート開放パターンにおいては、仮に遊技球が第2大入賞口35に入賞できたとしても特定領域39を通過することができないように、振分部材71の動作に対する開閉部材37の開放タイミングが設定されている。
続くステップS2208では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行う。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2208)では、ステップS2207での大入賞口の開放が1回のラウンド遊技中での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口の開放がなされることはない。そのため、このステップS2208では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
特別電動役物処理(図46)のステップS2202において、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中であれば(S2202でYES)、大入賞口の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2209)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1ラウンド当たり8個)に達したこと、又は、大入賞口を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(図36参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口の閉鎖条件が成立していなければ(S2209でNO)、処理を終える。
これに対して、大入賞口の閉鎖条件が成立している場合(S2209でYES)には、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖(閉塞)する(S2210)。そして、ステップS2210の閉鎖によって1回のラウンド遊技が終了する場合には(S2211でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2212)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2213)。「0」でなければ(S2213でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。なお、ラウンドカウンタは、ラウンド遊技の実行回数をカウントするためのカウンタであり、大当たり遊技の実行開始時に「16」にセットされるものとする。
一方ステップS2213でラウンドカウンタの値が「0」であれば(S2213でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2214)、大当たりのエンディングを開始する(S2215)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2216)。
またステップS2201において大当たり終了フラグがONであれば(S2201でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2217)、エンディング時間が経過していなければ(S2217でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2217でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2218)、大当たりフラグをOFFし(S2219)、特別動作ステータスを「1」にセットする(S2220)。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、特別動作処理(図44参照)として再び特別図柄待機処理(S1302)が実行されることになる。その後、遊技状態設定処理(S2221)を行って本処理を終える。
遊技状態設定処理(S2221)では、VフラグがONか否かを判定し、ONであれば確変フラグ及び時短フラグをONするとともに、VフラグをOFFする。そして、確変カウンタ及び時短カウンタに「10000」をセットする。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が高確高ベース状態になる。一方、VフラグがONでなければ、時短フラグをONするとともに、時短カウンタに「100」をセットする。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、低確高ベース状態になる。
9.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図47〜図52に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図47に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なお、RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数更新処理を実行する(S4005)。乱数更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い演出表示装置7を用いて各種の演出(装飾図柄変動演出や、特別遊技に伴うオープニング演出、開放遊技演出、エンディング演出、後述する各液晶透過演出等)を実行する。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力したり、サブ駆動基板107を介して各ランプ(LED)を発光させたり、ボール可動体320、指部材360、顔可動体440、ロゴ部材350を動作させたりする。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)では、図48に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでなければ処理を終え、ONであれば主制御基板80の出力処理(S101)により送信されてきた各種のコマンドをRAM94に格納する(S4102)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図49に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検出スイッチ63a及びセレクトボタン検出スイッチ64aからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで枠ランプ66、盤ランプ5、ボール可動体LED328、顔可動体LED441、固定演出部材LED432等を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理(S4304)で作成したランプデータをサブ駆動基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って各ランプ(LED)を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(S4203)では、画像演出等の演出に合うタイミングでボール可動体320、指部材360、顔可動体440、ロゴ部材350を動作させるべく、駆動データ(ボール直動用モータ380、ボール回転用モータ324、指ロック解除用ソレノイド373、顔直動用モータ456、ロゴ直動用モータ351の駆動のためのデータ)を作成したり、出力したりする。後述の10msタイマ割り込み処理における各処理でセットされた駆動データもこの処理で出力される。つまり、駆動データに従って、ボール可動体320、指部材360、顔可動体440、ロゴ部材350を所定の動作態様で動作させる。
そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図50に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理(S4301)を行う。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4303)。
その後、演出制御用マイコン91は、ランプデータ(各ランプ(LED)の点灯を制御するデータ)を作成したり、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板106への出力をしたり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4304)。
[受信コマンド解析処理]図51に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば後述の変動演出開始処理(S4402)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば変動演出終了処理(S4404)を行う。変動演出終了処理(S4403)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していればオープニング演出選択処理(S4406)を行う。オープニング演出選択処理(S4406)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していればラウンド演出選択処理(S4408)を行う。ラウンド演出選択処理(S4408)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していればエンディング演出選択処理(S4410)を行う。エンディング演出選択処理(S4410)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、その他の処理(S4411)として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば、V通過を示すV通過コマンドに基づいてV通過報知を行う処理等)を行う。そして、受信コマンド解析処理を終える。
[変動演出開始処理]図52に示すように、変動演出開始処理(S4402)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドを解析する(S4701)。変動開始コマンドには、変動パターン選択処理(ステップS1403又はS1409)でセットされた変動パターンの情報や、大当たり判定処理(図45のステップS1402又はS1408)でセットされた特図停止図柄データの情報が含まれている。なお、これらの情報を別々のコマンドで取得する構成としてもよい。また、ここで演出制御用マイコン91が取得した情報は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能なものとする。
次に演出制御用マイコン91は、変動演出パターンの選択を行う(S4702)。具体的には、変動演出パターン決定用乱数を取得するとともに、変動パターンの種類(図39の変動パターンP1等)に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン決定用乱数を判定することにより、変動演出パターンを選択する。これにより、後述する液晶透過演出の実行の有無や、その実行タイミングといった詳細まで含めて変動演出の内容が決定される。つまり変動演出パターンが決まれば、変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、SW演出(演出ボタン演出)の有無、SW演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容の詳細が決まることとなる。変動演出パターンの例について後に説明する。
続いて演出制御用マイコン91は、変動演出において最終的に停止表示する演出図柄8L,8C,8Rの選択を行う(S4703)。具体的には、演出図柄決定用乱数を取得するとともに、特別図柄の種類やリーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した演出図柄決定用乱数を判定することにより、演出図柄を選択する。これにより、最終的に停止表示される演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせ(例えば「777」等)が決定される。
続いて演出制御用マイコン91は、予告演出の選択を行う(S4704)。具体的には、予告演出決定用乱数を取得するとともに、特別図柄の種類やリーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した予告演出決定用乱数を判定することにより、予告演出を選択する。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容が決定される。
そして、選択した変動演出パターン、演出図柄、及び予告演出にて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4705)、変動演出開始処理を終了する。ステップS4705でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、演出表示装置7の表示画面7aにて変動演出を行う。
ステップS4702において液晶透過演出を伴う変動演出パターンが選択されている場合には、画像制御基板100は、これらの演出を実行するべく、演出表示装置7の液晶パネル760、透過フィルム770、バックライト792、役物用ライト791を所定の演出実行プログラム(演出制御データ)に従って制御する。また、演出制御用マイコン91は、ボール直動用モータ380、ボール回転用モータ324、ボール可動体LED328、指ロック解除用ソレノイド373、顔可動体LED441、顔直動用モータ456、固定演出部材LED432、ロゴ直動用モータ351を所定の演出実行プログラム(駆動データやランプデータを含む演出制御データ)に従って制御する。こうして、後述する液晶透過演出が実現されることとなる。
次に、図53〜図57に基づいて、本形態の液晶透過演出について説明する。液晶透過演出は、透過フィルム770を透過状態に制御していることで、液晶パネル760の後方にある演出体(顔可動体440、ミット装飾体431)を視認させる演出である。本形態では、第1変動演出パターンに基づく液晶透過演出と、第2変動演出パターンに基づく液晶透過演出と、第3変動演出パターンに基づく液晶透過演出とがある。
先ず第1変動演出パターンに基づく液晶透過演出(以下「第1液晶透過演出」と呼ぶ)について、図53に基づいて説明する。この第1液晶透過演出(透過駆動演出)は、透過フィルム770を透過状態に制御したまま、液晶パネル760の後方にある顔可動体440が退避位置から駆動位置まで移動するのを視認させる演出である。この第1液晶透過演出の実行中には、移動中の顔可動体440を視認し易くするために、役物用ライト791が点灯している。これに対して、バックライト792が消灯している。ここで本形態では、液晶パネル760の後方に、顔可動体440だけでなく、ミット装飾体431も配されている。そこで第1液晶透過演出では、移動中の顔可動体440だけを視認させて、ミット装飾体431を視認させないようにしている。
即ち、図53(A)に示すように、顔可動体440が退避位置から移動し始めるタイミングでは、液晶パネル760の全表示領域のうち、退避位置ある顔可動体440と前後方向に重なる表示領域(以下「退避位置領域F1」と呼ぶ)に白色画像WHを表示する。これにより図53(B)に示すように、退避位置領域(高明度表示領域)F1が透け易くなって、移動し始める顔可動体440が僅かに見えることなる。またこのときには図53(A)に示すように、液晶パネル760において退避位置領域F1の上方に帽子画像G1を表示する。これにより図53(B)に示すように、帽子画像G1と顔可動体440を見せることで、帽子を被った主人公キャラの顔が移動し始めるのを見せることが可能である。更に図53(A)に示すように、液晶パネル760の全表示領域のうち、退避位置領域F1と帽子画像G1を除いた表示領域(低明度表示領域)Q1で、黒色画像BLを表示する。これにより図53(B)に示すように、表示領域Q1が透け難くなって、ミット装飾体431を視認させないことが可能である。つまり、移動し始める顔可動体440と帽子画像G1だけを視認させることが可能である。
続いて、図53(C)に示すように、顔可動体440の移動途中では、液晶パネル760の全表示領域のうち、移動途中の顔可動体440と前後方向に重なる表示領域(以下「移動途中領域F2」と呼ぶ)に白色画像WHを表示する。これにより図53(D)に示すように、移動途中領域(高明度表示領域)F2が透け易くなって、移動途中の顔可動体440が見えることになる。またこのときには図53(C)に示すように、液晶パネル760において移動途中領域F2の上方に帽子画像G2を表示する。これにより図53(D)に示すように、帽子を被った主人公キャラの顔の移動途中を見せることが可能である。更に図53(C)に示すように、液晶パネル760の全表示領域のうち、移動途中領域F2と帽子画像G2を除いた表示領域(低明度表示領域)Q2で、黒色画像BLを表示する。これにより図53(D)に示すように、表示領域Q2が透け難くなって、ミット装飾体431を視認させないことが可能である。つまり、移動途中の顔可動体440と帽子画像G2だけを視認させることが可能である。
最後に、図53(E)に示すように、顔可動体440が駆動位置に移動し終えるタイミングでは、上述した駆動位置領域E1(図26(A)参照)に白色画像WHを表示する。これにより図53(F)に示すように、駆動位置領域(高明度表示領域)E1が透け易くなって、移動し終える顔可動体440が見えることになる。またこのときには図53(E)に示すように、液晶パネル760において駆動位置領域E1の上方に帽子画像G3を表示する。これにより図53(F)に示すように、帽子を被った主人公キャラの顔が移動し終えるのを見せることが可能である。更に図53(E)に示すように、液晶パネル760の全表示領域のうち、駆動位置領域E1と帽子画像G3を除いた表示領域(低明度表示領域)Q3で、黒色画像BLを表示する。これにより図53(F)に示すように、表示領域Q3が透け難くなって、ミット装飾体431を視認させないことが可能である。つまり、移動し終えた顔可動体440と帽子画像G3だけを視認させることが可能である。
以上、第1液晶透過演出では、図53(B)(D)(F)に示すように、液晶パネル760の後方で顔可動体440が出現するように見せることが可能である。よって、液晶パネル760の前方でしか可動部材が動かないと認識している遊技者に対して、斬新な演出と思わせることが可能である。更に図53(A)(C)(E)に示すように、液晶パネル760では、移動中の顔可動体440の位置に応じて、白色画像WHと黒色画像BLが表示される。これにより、黒色画像BLの後方にあるミット装飾体431を見せないようにして、白色画像WHの後方にある移動中の顔可動体440だけがあるように見せることが可能である。よって液晶パネル760の後方にミット装飾体431があるのを把握している遊技者に対して、ミット装飾体431が見えないことによる意外性を与えることが可能である。
また第1液晶透過演出の実行中には、顔可動体LED441(図35参照)が発光していて、主人公キャラの目が光っている状態で顔可動体440の移動を見せることが可能である。なお後述する各液晶透過演出においても、顔可動体440を見せるタイミングでは、顔可動体LED441が発光するようになっている。本形態では、強SPリーチ、又は弱SPリーチB、或いは弱SPリーチAを伴う変動パターン(図39参照)が指定されているときに、第1液晶透過演出に係る第1変動演出パターンが選択され得るようになっている(図52のステップS4702)。
次に第2変動演出パターンに基づく液晶透過演出(以下「第2液晶透過演出」と呼ぶ)について、図54(C)に基づいて説明する。この第2液晶透過演出(透過演出、第2透過演出)は、透過フィルム770を透過状態に制御していることで、液晶パネル760の後方で駆動位置にある顔可動体440を視認させる演出である。この第2液晶透過演出は、SPリーチ演出中に実行されるようになっている。
先ず図54(A)に示すように、液晶パネル760の中央で、左演出図柄8Lと右演出図柄8Rとが「2」で停止表示しているのに対して、中演出図柄8Cが変動表示を続けているノーマルリーチが実行される。このときには、バックライト792が点灯していて、役物用ライト791が消灯している。その後、SPリーチに発展して、図54(B)に示すように、ボールがバットに当たるか否かを示すSPリーチ画像A1が液晶パネル760で表示される。このときでも未だ、バックライト792が点灯していて、役物用ライト791が消灯している。なお図54(B)に示すSPリーチ画像A1の表示中、透過フィルム770は非透過状態に制御されているため、液晶パネル760の後方が見えない。そのため、SPリーチ画像A1の表示中に、顔可動体440は予め退避位置から駆動位置に移動していて、駆動位置に留まるようになっている。
そして図54(B)に示すSPリーチ画像A1の表示を経て、透過フィルム770を非透過状態から透過状態に切替える。また同時に、バックライト792を消灯するのに対して、顔可動体440を視認し易くするために役物用ライト791を点灯させる。これにより図54(C)に示すように、液晶パネル760の後方にて、駆動位置にある顔可動体440が急に出現するように見せて、遊技者には可動部材(顔可動体440)を用いた新たな演出と思わせることが可能である。なお図54(C)に示す第2液晶透過演出では、上述した図53(E)に示した場合と同様に、駆動位置領域(高明度表示領域)E1に白色画像WHを表示している。そして、駆動位置領域E1の上方に帽子画像G3を表示し、駆動位置領域E1と帽子画像G3を除いた表示領域(低明度表示領域)Q3に黒色画像BLを表示している。よって、帽子を被った主人公キャラの顔だけ見せて、ミット装飾体431を見せないようにしている。
本形態では、強SPリーチを伴う変動パターン(図39参照)が指定されているときにのみ、第2液晶透過演出に係る第2変動演出パターンが選択され得るようになっている(図52のステップS4702)。すなわち、第2透過駆動演出は、SPリーチの中でも当選期待度(大当たり当選への期待度)が高い強SPリーチである場合に、実行され得ることになる。従って、SPリーチ演出中に第2液晶透過演出を見た遊技者には、当選期待度が非常に高いことによる高揚感を与えることが可能である。なお本形態のSPリーチ演出は、ピッチャーである主人公キャラがバッターである敵キャラと勝負している演出である。そのため、図54(C)に示す第2液晶透過演出を経て、ボールがバットに当たらないと大当たりに当選したことを報知し、ボールがバットによって打たれるとハズレであることを報知するようになっている。
次に第3変動演出パターンに基づく液晶透過演出(以下「第3液晶透過演出」と呼ぶ)について、図55及び図56に基づいて説明する。この第3液晶透過演出は、透過フィルム770を透過状態に制御していることで、ミット装飾体431や移動中の顔可動体440を視認させると共に、ボール可動体320を視認させる演出である。本形態では、強SPリーチで且つ大当たり当選を伴う変動パターン(図39参照、変動パターンP1,P31)が指定されているときにのみ、第3液晶透過演出に係る第3変動演出パターンが選択され得るようになっている(図52のステップS4702)。すなわち、第3液晶透過演出は、強SPリーチで且つ大当たり当選である場合に、実行されることになる。従って、第3液晶透過演出を見た遊技者には、大当たりを引き当てたことによる達成感を与えることが可能である。以下、第3液晶透過演出について詳細に説明する。なお第3液晶透過演出は、図55(B)に示す演出(透過演出、第1透過演出、第2透過演出、待機透過演出)と、図55(C)〜(E)及び図56(A)〜(D)に示す演出(後側透過駆動演出)から成る一連の演出(継続透過駆動演出)といえる。
第3液晶透過演出は、図55(A)に示すSPリーチ画像A1が表示された後に、実行される。即ち、図55(A)に示すSPリーチ画像A1の表示を経て、透過フィルム770を非透過状態から透過状態に切替える。また同時に、バックライト792を消灯するのに対して、ミット装飾体431や顔可動体440を視認し易くするために役物用ライト791を点灯させる。これにより図55(B)に示すように、液晶パネル760の後方にて、ミット装飾体431が急に出現するように見せることが可能である。またこのときには、液晶パネル760の全表示領域のうち、ミット装飾体431と前後方向に重なるミット重畳領域E2(図59(A)参照)に白色画像WHを表示する。これにより、白色画像WHの後方にあるミット装飾体431を視認し易くすることが可能である。またミット重畳領域E2以外の表示領域に虹色(7色)エフェクト画像CLを表示する。その結果、ミット装飾体431が虹色エフェクト画像CLにより装飾されたように見せて、ミット装飾体431を派手に見せることが可能である。更に、固定演出部材LED432(図35参照)が発光することで、ミット装飾体431を一層派手に見せることが可能である。なお虹色エフェクト画像CLは透け難いため、顔可動体440が見えることはない。
また図55(B)に示すように、ミット装飾体431が見えるタイミングでは、液晶パネル760よりも前方にて、ボール可動体320が上昇位置(図7(A)参照)から第1下降位置(図9(A))まで落下(移動)する。更に、ボール可動体320の落下中、及びボール可動体320が第1下降位置にある間、ボールカバー322がボール本体321に対して回転する。これにより、ボール可動体320とミット装飾体431とにより関連する一つの意匠が形成される。つまり、主人公キャラが投げたボールがキャッチャーミットに収まったという意匠が形成される。このようにして遊技者には、ボールがバットに当たらずにキャッチャーミットに収まったことを把握させて、大当たりに当選したことを報知するようになっている。また液晶パネル760の前後で2つの演出体(ボール可動体320、ミット装飾体431)を見せることにより、前後方向に立体的で斬新な印象を与えることが可能である。
続いて図55(C)に示すように、ボールカバー322の回転が停止して、ボール可動体320が第1下降位置から第2下降位置(図9(B)参照)まで落下(移動)する。これにより、液晶パネル760の中央が視認し易くなる。そしてこのときには、透過フィルム770を透過状態にしたまま、バックライト792を点灯に切替えるのに対して、役物用ライト791を消灯に切替える。そしてこのタイミングにおいて、液晶パネル760では中央から放射状に延びる複数の赤色エフェクト画像AKを表示すると共に、赤色エフェクト画像AKを除く表示領域で黒色画像BLを表示する。こうして赤色エフェクト画像AKにより演出効果を高めつつ、液晶パネル760(赤色エフェクト画像AK及び黒色画像BL)の後方を視認させないようにしている。つまりこのタイミングでは、顔可動体440を見せないようにしている。
続いて図55(D)に示すように、透過フィルム770を透過状態にしたまま、バックライト792を消灯に切替えるのに対して、役物用ライト791を点灯に切替える。そしてこのときには、顔可動体440が退避位置から移動し始めるタイミングであり、上述した図53(A)に示す場合と同様に液晶パネル760で表示制御を行う。その結果、移動し始める顔可動体440と帽子画像G1だけを視認させることが可能である。
続いて図55(E)に示すように、透過フィルム770を透過状態にしたまま、バックライト792を点灯に切替えるのに対して、役物用ライト791を消灯に切替える。そしてこのタイミングでは、図55(C)に示す場合と同様に液晶パネル760で表示制御を行う。その結果、赤色エフェクト画像AKだけを遊技者に認識させて、顔可動体440を見せないようにしている。
ここで第3液晶透過演出の技術的意義について説明する。本形態では図55(C)(D)(E)に示すように、移動中の顔可動体440を視認させる状態と視認させない状態とを交互に切替えている。具体的には白色画像WHを表示させる表示領域と、黒色画像BLを表示させる表示領域とを適宜設定して、図55(C)(E)に示すタイミングでは、顔可動体440を見せないようにして、図55(D)に示すタイミングでは、顔可動体440を見せるようにしている。
本形態の演出表示装置7は1秒間に30回画像を更新するものであり、1フレームに相当する時間(約0.033秒)毎に、移動中の顔可動体440を視認させる状態(図55(D)参照)と視認させない状態(図55(E)参照)とを交互に切替えている。これにより、移動中の顔可動体440が高速で点滅するように見えて、顔可動体440を派手に見せることが可能となっている。更に、赤色エフェクト画像AKと移動中の顔可動体440とが高速で交互に見えることで、顔可動体440を一層派手に見せることが可能となっている。
ところで本形態では、図57に示すように、透過フィルム770を透過状態に制御したまま上述した第3液晶透過演出を実行しているが、透過フィルム770の透過状態と非透過状態とを1フレームに相当する時間毎に切替えて、上述したような演出を実行することが考えられる。しかしながら、透過フィルム770の透過状態と非透過状態とを高速で切替える方法では、以下の問題が生じる。
即ち、透過フィルム770は、図21(A)(B)で説明したように、各透明電極772に電圧を作用させることで、非透過状態から透過状態に切替わる。ここで透明電極772に電圧を作用させたタイミングから、液晶分子774が各透明電極772に対して垂直に並ぶまでの時間は、約0.05秒(1.5フレームに相当する時間)である。つまり、非透過状態から透過状態に切替わるまでに、約0.05秒かかる。なお透過状態から非透過状態に切替わるまでの時間は、0.05秒よりも十分短い時間である。
従って、透過フィルム770の透過状態と非透過状態とを高速で切替える方法では、制御遅れが生じてしまうため、1フレームに相当する時間(約0.033秒)毎に、移動中の顔可動体440を視認させる状態と視認させない状態とを交互に切替える演出を実行することができない。これに対して、液晶パネル760での表示制御(白色画像WHの表示と黒色画像BLの表示の切替え)であれば、約0.033秒毎であっても制御遅れが生じない。こうした理由に基づき本形態では、透過フィルム770を透過状態に制御したままにしている。そして、顔可動体440を高速で点滅させて派手に見せるという演出を、液晶パネル760での表示制御で実現できるようにしている。
また本形態では図57に示すように、赤色エフェクト画像AKを表示するタイミングにおいては、赤色エフェクト画像AKを視認し易くするために、バックライト792を点灯させている。一方、白色画像WHを表示するタイミングでは、顔可動体440を視認し易くするために、役物用ライト791を点灯させている。但し、バックライト792と役物用ライト791では、1フレーム毎に点灯と消灯が切替えられるが、同時に点灯しないように制御されている。これは上述したように、演出表示装置7のオーバーヒートを回避するためである。但しオーバーヒートを回避でき、赤色エフェクト画像AKや顔可動体440の視認性が確保できるのであれば、役物用ライト791を点灯し続けるようにしたり、バックライト792を点灯し続けるようにしても良い。又はバックライト792又は役物用ライト791の何れか一方を点灯し続けるようにしても良い。
図55及び図56に示す第3液晶透過演出の説明に戻る。図55(E)に示すように赤色エフェクト画像AKを表示した後、1フレーム毎に、移動中の顔可動体440を視認させる状態と視認させない状態とを交互に切替える。このようにして約1秒が経過すると、図56(A)に示すような顔可動体440の移動途中になる。このときには上述した図53(B)に示す場合と同様に液晶パネル760で表示制御を行う。その結果、移動途中の顔可動体440と帽子画像G2だけを視認させることが可能である。
続いて図56(B)に示すように赤色エフェクト画像AKを表示した後、1フレーム毎に移動中の顔可動体440を視認させる状態と視認させない状態とを交互に切替える。このようにして約1秒が経過すると、図56(C)に示すように、顔可動体440が移動し終えるタイミングになる。このときには上述した図53(C)に示す場合と同様に液晶パネル760で表示制御を行う。その結果、駆動位置にある顔可動体440と帽子画像G3だけを視認させることが可能である。
その後図56(D)に示すように、駆動位置にある顔可動体440を視認させている状態で、各指部材360が図9(B)に示す位置から落下して、ボール可動体320の上側に引っ掛かる。これにより、各指部材360とボール可動体320と顔可動体440とにより関連する一つの意匠が形成される。つまり、主人公キャラが2つの指で野球のボールを握っているという意匠が形成される。こうして液晶パネル760の後方にある演出体(顔可動体440)と、液晶パネル760の前方にある2つの演出体(ボール可動体320、指部材360)とによって、前後方向に立体的な意匠を形成することで、演出効果を高めることが可能である。
こうして第3透過駆動演出によれば、液晶パネル760の後方を視認可能にする画像(図55(D)、図56(A)、図56(C)に示す画像)と、液晶パネル760の後方を視認不可能にする画像(図55(C)、図55(E)、図56(B)に示す画像)とを交互に切替えて表示する。これにより、液晶パネル760の後方にある移動中の顔可動体440を見せたり、見せなかったりすることが可能である。その結果、液晶パネル760の後方で現れる顔可動体440を斬新な感じで見せることが可能である。
特に、後方を視認可能にする画像表示と視認不可能にする画像表示とを、1フレーム毎(約0.033秒の周期)で切替えている。その結果、移動中の顔可動体440が高速で点滅するように見えて、派手な印象を与えることが可能である。更に、後方を視認不可能にする画像が、赤色エフェクト画像AKを含んでいるため、移動中の顔可動体440と赤色エフェクト画像AKとを交互に見せて、演出効果を一層高めることが可能である。
また第3透過駆動演出では、図57に示すように、バックライト792が消灯しているタイミングでは、顔可動体440が役物用ライト791で照らされる。そのため、移動中の顔可動体440を視認し易くすることが可能である。一方、バックライト792が点灯しているタイミングでは、顔可動体440が役物用ライト791で照らされない。そのため、このときには見せない顔可動体440に対して無駄な照明用の光を出力させずに、電力消費を抑えることが可能である。そして、バックライト792と役物用ライト791とを同時に点灯させないことで、演出表示装置7でオーバーヒートが生じるのを回避することが可能である。
このようにして第3液晶透過演出が終了すると、図56(E)に示すように液晶パネル760では、演出図柄8L,8C,8Rが大当たり停止態様である「222」で停止表示する。このときには、演出図柄8L,8C,8Rを視認させるため、バックライト792を点灯させる。またその後に所定期間、液晶パネル760の後方を視認させないため、透過フィルム770を非透過状態に制御すると共に、役物用ライト791を消灯させることになる。
10.本形態の効果
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機1によれば、図55(D)、図56(A)、図56(C)に示す第3液晶透過演出により、液晶パネル760よりも前方にあるボール可動体320を見せつつ、顔可動体440が液晶パネル760の後方で出現するように見せることが可能である。よって、ボール可動体320に意識を向けている遊技者に対して、液晶パネル760で急に出現する顔可動体440により、強いインパクトを与えることが可能である。
11.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
<第2形態>
図58〜図66に基づいて第2形態のパチンコ遊技機1について説明する。上記第1形態では、図14(A)及び図16に示すように、液晶パネル760の後方で上下動する可動部材が、顔可動体440であった。しかしながら第2形態では、図58(A)(B)に示すように、液晶パネル760の後方で上下動する可動部材が、バット可動体480になっている。バット可動体480と顔可動体440とは形態が異なるだけであり、バット可動体480は、バットの形態を示している。
バット可動体(可動部材)480は、図58(A)に示すように退避位置にあるときには、液晶パネル760に対して前後方向に重ならずに、液晶パネル760よりも下方に配されている。一方バット可動体480は、図58(B)に示すように駆動位置にあるときには、液晶パネル760に対して前後方向に重なり、液晶パネル760の中央の後方に配されている。なおバット可動体480が駆動位置にあるときには、前方から見ると、ミット装飾体431の僅か一部分がバット可動体480によって隠れるようになっている。但しバット可動体480が駆動位置にあるときに、ミット装飾体431が全く隠れないようにしても良い。
次に、図59〜図66に基づいて、第2形態の液晶透過演出について説明する。第2形態の液晶透過演出は、透過フィルム770を透過状態に制御していることで、液晶パネル760の後方にある演出体(バット可動体480、ミット装飾体431)を視認させる演出である。第2形態では、第4〜第10変動演出パターンに基づく液晶透過演出がある。これら液晶透過演出に係る第4〜第10変動演出パターンは、図52のステップS4702にて選択され得るようになっている。
先ず第4変動演出パターン(第2透過演出パターン)に基づく液晶透過演出(以下「第4液晶透過演出」と呼ぶ)について、図59に基づいて説明する。この第4液晶透過演出は、透過フィルム770を透過状態に制御しているときに、バット可動体480が駆動位置にあるものの、主にミット装飾体431を視認させる演出である。この第4液晶透過演出の実行中には、役物用ライト791が点灯しているのに対して、バックライト792が消灯している。
ここで図59(A)に示すように、液晶パネル760の全表示領域のうち、ミット重畳領域E2以外の表示領域を「除外ミット重畳領域S2」と呼ぶことにする。第4液晶透過演出では、ミット重畳領域(高明度表示領域)E2に白色画像WHを表示して、除外ミット重畳領域(低明度表示領域)S2に黒色画像を表示する。これにより図59(B)に示すように、バット可動体480とミット装飾体431がそれぞれ液晶パネル760に対して前後方向に重なっていても、図59(C)に示すように、ミット装飾体431だけがあるように見せて、ミット装飾体431を強調して示すことが可能である。
次に第5変動演出パターン(第1透過演出パターン)に基づく液晶透過演出(以下「第5液晶透過演出」と呼ぶ)について、図60に基づいて説明する。この第5液晶透過演出は、透過フィルム770を透過状態に制御しているときに、駆動位置にあるバット可動体480を視認させる演出である。この第5液晶透過演出の実行中には、役物用ライト791が点灯しているのに対して、バックライト792が消灯している。
ここで図60(A)に示すように、液晶パネル760の全表示領域のうち、駆動位置にあるバット可動体480と前後方向に重なる表示領域を「バット重畳領域E3」と呼び、バット重畳領域E3以外の表示領域を「除外バット重畳領域S3」と呼ぶことにする。第5液晶透過演出では、バット重畳領域(高明度表示領域)E3に白色画像WHを表示して、除外バット重畳領域(低明度表示領域)S3に黒色画像を表示する。これにより図60(B)に示すように、バット可動体480とミット装飾体431がそれぞれ液晶パネル760に対して前後方向に重なっていても、図60(C)に示すように、バット可動体480だけがあるように見せて、バット可動体480を強調して示すことが可能である。
こうして第2形態では、バット可動体480が駆動位置にあるときに、白色画像WHの表示領域と黒色画像BLの表示領域を適宜設定することで、液晶パネル760の後方にはミット装飾体431だけがあるように見せたり、バット可動体480だけがあるように見せることが可能である。つまり遊技者には、液晶パネル760の後方にある異なる2種類の演出体(ミット装飾体431、バット可動体480)を別々に把握させて、新たな液晶透過演出と思わせることが可能である。
なお図59に示す第4液晶透過演出と、図60に示す第5液晶透過演出とを短時間で交互に切替えるように実行しても良い。この場合には、液晶パネル760の後方にある2つの演出体(ミット装飾体431、バット可動体480)が短時間で交互に見えるという斬新な演出になる。そして、バット可動体480を駆動位置と退避位置との間で移動させなくても、バット可動体480又はミット装飾体431が、バット可動体480の移動時間よりも短い時間で現れるように見せることにもなる。これにより、遊技者には今までに見たことがない演出として強い驚きを与えることが可能である。
次に第6変動演出パターン(第3透過演出パターン)に基づく液晶透過演出(以下「第6液晶透過演出」と呼ぶ)について、図61に基づいて説明する。この第6液晶透過演出は、透過フィルム770を透過状態に制御しているときに、ミット装飾体431と駆動位置にあるバット可動体480との組合せを視認させる演出である。この第6液晶透過演出の実行中には、役物用ライト791が点灯しているのに対して、バックライト792が消灯している。
第6液晶透過演出(第2透過演出)では、図61(A)に示すように、ミット重畳領域E2及びバット重畳領域E3の両方(高明度表示領域)に、白色画像WHを表示する。一方、液晶パネル760の全表示領域のうちミット重畳領域E2及びバット重畳領域E3以外の表示領域(低明度表示領域)Q4に、黒色画像BLを表示する。これにより図61(C)に示すように、ミット装飾体431及びバット可動体480だけがあるように見せることが可能である。すなわちミット装飾体431及びバット可動体480以外を黒色画像BLで見せないようにすることで、ミット装飾体431とバット可動体480との組合せを強調して示すことが可能である。
ここで、ミット装飾体431と駆動位置にあるバット可動体480とにより、関連する一つの意匠が形成される。つまり、バットがキャッチャーミットの前でスイングされたという意匠が形成される。これにより例えば本パチンコ遊技機1のSPリーチ演出中に、敵キャラであるバッターが主人公キャラの投げたボールを打てなくて、空振りしたという演出(当選報知演出)を示すことが可能である。
こうして第2形態では、上述した第4液晶透過演出によりミット装飾体431だけを見せたり、上述した第5液晶透過演出によりバット可動体480だけを見せたり、更に第6液晶透過演出によりミット装飾体431とバット可動体480との組合せも見せることが可能である。よってバリエーションに富んだ液晶透過駆動演出が実行されると思わせることが可能である。
なお図59に示す第4液晶透過演出と、図60に示す第5液晶透過演出と、図61に示す第6液晶透過演出とを順番に切替えるように実行しても良い。これにより、ミット装飾体431⇒バット可動体480⇒ミット装飾体431とバット可動体480の組合せを、短時間で順番に現れるように見せることが可能である。又は、第4液晶透過演出と第6液晶透過演出とを交互に切替えるように実行しても良い。これにより、ミット装飾体431と、そのミット装飾体431とバット可動体480の組合せが短時間で交互に現れるように見せることが可能である。或いは、第5液晶透過演出と第6液晶透過演出とを交互に切替えるように実行しても良い。これにより、バット可動体480と、ミット装飾体431とバット可動体480の組合せが短時間で交互に現れるように見せることが可能である。これらの演出により、遊技者には今までに見たことがない演出として強い驚きを与えることが可能である。
次に第7変動演出パターンに基づく液晶透過演出(以下「第7液晶透過演出」と呼ぶ)について、図62に基づいて説明する。この第7液晶透過演出(透過駆動演出)は、透過フィルム770を透過状態に制御していてミット装飾体431を見せている状態で、ボール可動体320を上昇位置(図7(A)参照)から第1下降位置(図9(A)参照)へ移動させる演出である。この第7液晶透過演出の実行中には、役物用ライト791が点灯しているのに対して、バックライト792が消灯している。
第7液晶透過演出では、図62(B)に示すように、バット可動体480が退避位置にあって、液晶パネル760の背後にはミット装飾体431がある。そして図62(A)に示すように、ミット重畳領域E2に白色画像WHを表示して、除外ミット重畳領域S2に黒色画像BLを表示する。これにより上述した第4液晶透過演出のように(図59(C)参照)、ミット装飾体431だけを強調して視認させるようにする。そしてこの状態において、液晶パネル760よりも前方にて、ボール可動体320を上昇位置から第1下降位置まで落下(移動)させる。これにより図62(D)に示すように、ボール可動体320が第1下降位置にあるときには、ミット装飾体431の中央の前方に位置する。またボール可動体320が第1下降位置にある間、ボールカバー322がボール本体321に対して回転する。
こうして、図55(B)に示す第3液晶透過演出で説明したように、第1下降位置にあるボール可動体320と、ミット装飾体431とにより関連する一つの意匠が形成される。これにより例えば本パチンコ遊技機1のSPリーチ演出中に、主人公キャラであるピッチャーの投げたボールにより、敵キャラであるバッターが空振りしたという演出(当選報知演出)を示すことが可能である。なお主人公キャラがバッターであり、敵キャラがピッチャーである場合には、ハズレ報知演出としても良い。
以上、この第7液晶透過演出によれば、液晶パネル760の後方にあるミット装飾体431を見せつつ、ボール可動体320が液晶パネル760の前方で急に出現するように見せることが可能である。よって、ミット装飾体431に意識を向けている遊技者に対して、液晶パネル760よりも前方で急に出現するボール可動体320により、強いインパクトを与えることが可能である。
次に第8変動演出パターンに基づく液晶透過演出(以下「第8液晶透過演出」と呼ぶ)について、図63に基づいて説明する。この第8液晶透過演出は、バット可動体480が駆動位置にあり、透過フィルム770を透過状態に制御しているときに、ボール可動体320を上昇位置(図7(A)参照)から第1下降位置(図9(A)参照)へ移動させる演出である。この第8液晶透過演出の実行中には、役物用ライト791が点灯しているのに対して、バックライト792が消灯している。なお第8液晶透過演出は、バット可動体480を視認させつつボール可動体320の移動中を視認させる演出と、図63(D)に示すようにバット可動体480と移動後のボール可動体320を視認させる演出(特別透過演出)から成る一連の演出である。
第8液晶透過演出では、図63(B)に示すように、バット可動体480は駆動位置に留まっている。そして図63(A)に示すように、バット重畳領域E3に白色画像WHを表示して、除外バット重畳領域S3に黒色画像BLを表示する。これにより上述した第5液晶透過演出のように(図60(C)参照)、バット可動体480だけを強調して視認させるようにする。そしてこの状態において、液晶パネル760よりも前方にて、ボール可動体320を上昇位置から第1下降位置まで落下(移動)させる。これにより図63(D)に示すように、ボール可動体320が第1下降位置に落下すると、駆動位置にあるバット可動体480の前方にあって前後方向に重なるようになっている。またボール可動体320が第1下降位置にある間、ボールカバー322がボール本体321に対して回転する。
こうして、第1下降位置にあるボール可動体320と、駆動位置にあるバット可動体480とにより関連する一つの意匠が形成される。つまり、バットがボールを打ち返したという意匠が形成される。これにより例えば本パチンコ遊技機1のSPリーチ演出中に、主人公キャラであるバッターが敵キャラの投げたボールを打ち返したという演出(当選報知演出)を示すことが可能である。なお主人公キャラがピッチャーであり、敵キャラがバッターである場合には、ハズレ報知演出としても良い。
以上この第8液晶透過演出によれば、液晶パネル760の後方にあるバット可動体480を見せつつ、ボール可動体320が液晶パネル760の前方で急に出現するように見せることが可能である。よって、バット可動体480に意識を向けている遊技者に対して、液晶パネル760よりも前方で急に出現するボール可動体320により、強いインパクトを与えることが可能である。更に、液晶パネル760の前方にあるボール可動体320と、液晶パネル760の後方にある顔可動体440とが係わり合う演出として、斬新な印象を与えることが可能である。
次に第9変動演出パターンに基づく液晶透過演出(以下「第9液晶透過演出」と呼ぶ)について、図64に基づいて説明する。この第9液晶透過演出は、透過フィルム770を透過状態に制御しているときに、ボール可動体320上昇位置から第1下降位置へ移動させると共に、バット可動体480を退避位置から駆動位置へ移動させる演出である。この第9液晶透過演出の実行中には、役物用ライト791が点灯しているのに対して、バックライト792が消灯している。この第9液晶透過演出では、バット可動体480の位置に応じて、液晶パネル760の表示領域に白色画像WHが表示されるようになっている。
図64(A)は、ボール可動体320及びバット可動体480が移動し始めた直後を示した図である。図64(A)に示すタイミングでは、液晶パネル760の全表示領域のうち、移動直後のバット可動体480と前後方向に重なる移動直後領域E4に白色画像WHを表示し、移動直後領域E4以外の表示領域で黒色画像BLを表示する。これにより、液晶パネル760の後方では移動直後のバット可動体480だけを強調して見せることになる。
図64(B)は、ボール可動体320及びバット可動体480の移動途中を示した図である。図64(B)に示すタイミングでは、液晶パネル760の全表示領域のうち、移動途中のバット可動体480と前後方向に重なる移動中領域E5に白色画像WHを表示し、移動中領域E5以外の表示領域で黒色画像BLを表示する。これにより、液晶パネル760の後方では移動途中のバット可動体480だけを強調して見せることになる。
図64(C)は、ボール可動体320及びバット可動体480が移動し終えた状態を示した図である。図64(C)に示すように、バット可動体480が駆動位置にあるときには、バット重畳領域E3(図60(A)参照)に白色画像WHを表示し、除外バット重畳領域S3(図60(A)参照)に黒色画像BLを表示する。これにより、液晶パネル760の後方では駆動位置にあるバット可動体480だけを強調して見せることになる。これに対してボール可動体320は、バット可動体480が駆動位置に到達するタイミングに合わせて、第1下降位置に到達するようになっている。そして、ボール可動体320が第1下降位置にあるときには、動作位置にあるバット可動体480の前方にあって、ボールカバー322がボール本体321に対して回転する。
以上、この第9液晶透過演出によれば、ボール可動体320が液晶パネル760の前方で出現すると共に、バット可動体480が液晶パネル760の後方で出現するように見せることが可能である。よって遊技者には、液晶パネル760の透過中に、液晶パネル760の前後で異なる可動部材(ボール可動体320、バット可動体480)が動くという斬新な演出と思わせることが可能である。そして、ボール可動体320及びバット可動体480が移動し終えると、上述した第8液晶透過演出のように、ボール可動体320とバット可動体480とにより関連する一つの意匠が形成される。よって例えばSPリーチ演出中に、主人公キャラであるバッターが敵キャラの投げたボールを打ち返したという演出(当選報知演出)を示すことが可能である。
次に、第10変動演出パターンに基づく液晶透過演出(以下「第10液晶透過演出」と呼ぶ)について、図65に基づいて説明する。この第10液晶透過演出は、透過フィルム770を透過状態に制御しているときに、ボール可動体320とミット装飾体431とバット可動体480とを視認させる演出である。この第10液晶透過演出の実行中には、役物用ライト791が点灯しているのに対して、バックライト792が消灯している。なお第10液晶透過演出は、ミット装飾体431とバット可動体480とを視認させつつ、ボール可動体320の移動を視認させる演出(前側透過駆動演出)と、図65(D)に示すようにミット装飾体431とバット可動体480と移動後のボール可動体320を視認させる演出(特別透過演出)から成る一連の演出である。
第10液晶透過演出では、図65(B)に示すように、バット可動体480はミット装飾体431の前方にて駆動位置に留まっている。そして図65(A)に示すように、液晶パネル760の全表示領域のうち、ミット重畳領域E2及びバット重畳領域E3に白色画像WHを表示して、ミット重畳領域E2及びバット重畳領域E3以外の表示領域Q4に黒色画像BLを表示する。これにより上述した第6液晶透過演出のように(図61(C)参照)、ミット装飾体431とバット可動体480との組合せだけを強調して視認させるようにする。このときには、バットがキャッチャーミットの前でボールを打つか否かを煽る演出になる。
そしてこの状態(図61(C)参照)において、液晶パネル760よりも前方にて、ボール可動体320が上昇位置から第1下降位置まで落下する。これにより図65(D)に示すように、ボール可動体320が第1下降位置に移動すると、動作位置にあるバット可動体480の前方にあって、ボールカバー322がボール本体321に対して回転する。こうして、第1下降位置にあるボール可動体320と、駆動位置にあるバット可動体480と、ミット装飾体431とにより関連する一つの意匠が形成される。その結果、上述した第8,第9液晶透過演出と同様に、例えばSPリーチ演出中に、主人公キャラであるバッターがキャッチャーミットの前で敵キャラの投げたボールを打ち返したという演出(当選報知演出)を示すことが可能である。
以上この第10液晶透過演出によれば、液晶パネル760の後方にあるミット装飾体431とバット可動体480とを見せつつ(図61(C)参照)、ボール可動体320が液晶パネル760の前方で出現するように見せることが可能である。よってバット可動体480とミット装飾体431に意識を向けている遊技者に対して、液晶パネル760よりも前方で急に出現するボール可動体320により、強いインパクトを与えることが可能である。特にバットがキャッチャーミットの前で空振りするかもしれないと思わせておき、ボール可動体320が急に出現することで、バットがボールを打ち返すという復活当選演出を示すことが可能となる。そして図65(C)に示すように、液晶パネル760の前後で様々な演出体(ボール可動体320、バット可動体480、ミット装飾体431)が前後方向に重畳して見えるという斬新な印象を与えることが可能であり、演出効果を一層高めることが可能である。
次に第11変動演出パターンに基づく液晶透過演出(以下「第11液晶透過演出」と呼ぶ)について、図66に基づいて説明する。この第11液晶透過演出(両側透過駆動演出)は、透過フィルム770を透過状態に制御しているときに、ミット装飾体431を見せつつ、バット可動体480を退避位置から駆動位置へ移動させると共に、ボール可動体320上昇位置から第1下降位置へ移動させる演出である。つまり、図59に示す第4液晶透過演出と図64に示す第9液晶透過演出とを組合せたものである。第11液晶透過演出では、ミット重畳領域E2に白色画像WHを表示すると共に、移動中のバット可動体480の位置に合わせて白色画像WHを表示し、それら以外の表示領域で黒色画像BLを表示する。
この第11液晶透過演出によれば、先ずミット装飾体431を見せることで、その後の演出がどう推移するのかを期待させることが可能である。続いて図64に示す第9液晶透過演出のように、バット可動体480が駆動位置へ移動すると共に、ボール可動体320が第1下降位置へ移動する。これにより、液晶パネル760の前後で異なる可動部材(ボール可動体320、バット可動体480)が関わり合うように動くという斬新な演出を見せることが可能である。そして、バット可動体480が駆動位置に移動し終えると共に、ボール可動体320が第1下降位置に移動し終えると、図66(D)に示すように、液晶パネル760の前後で様々な演出体(ボール可動体320、バット可動体480、ミット装飾体431)が前後方向に重畳して見える。これにより例えばSPリーチ演出中に、主人公キャラであるバッターが、敵キャラの投げたボールをキャッチャーミットの前で打ち返したという演出(当選報知演出)を示すことが可能である。なおバット可動体480が第1下降位置にあるボール可動体320よりも上方又は下方に移動することで、バット可動体480とボール可動体320とが前後方向に重ならないようにしても良い。この場合には、バッターがボールを空振りしたという演出を示すことが可能である。
こうして第2形態の第7〜第11液晶透過演出により、液晶パネル760の後方にあるミット装飾体431、バット可動体480を見せるだけでなく、液晶パネル760の前方にあるボール可動体320との組合せも見せることで、一層バリエーションに富んだ液晶透過演出が実行されると思わせることが可能である。従って、液晶透過演出が単調となるのを回避して、遊技者にどの液晶透過演出が実行されるのかを期待させることが可能である。
以上詳細に説明したように、第2形態のパチンコ遊技機1によれば、図65(D)に示す第10液晶透過演出により、液晶パネル760よりも前方にあるボール可動体320を見せると共に、液晶パネル760よりも後方にあるバット可動体480及びミット装飾体431を見せることが可能である。これにより、液晶パネル760の前後で様々な演出体(ボール可動体320、バット可動体480、ミット装飾体431)が前後方向に重畳して見えるという斬新な印象を与えることが可能であり、遊技興趣を高めることが可能である。
また第2形態のパチンコ遊技機1によれば、図65に示す第10液晶透過演出により、液晶パネル760の後方にあるバット可動体480とミット装飾体431を見せつつ、ボール可動体320が液晶パネル760の前方で出現するように見せることが可能である、よって、バット可動体480とミット装飾体431に意識を向けている遊技者に対して、液晶パネル760よりも前方で急に出現するボール可動体320により、強いインパクトを与えることが可能である。
また第2形態のパチンコ遊技機1によれば、図66に示す第11液晶透過演出により、液晶パネル760の後方にあるミット装飾体431を見せつつ、ボール可動体320が液晶パネル760の前方で出現すると共に、バット可動体480が液晶パネル760の後方で出現するように見せることが可能である。よって遊技者には、液晶パネル760の透過中に、液晶パネル760の前後で異なる可動部材(ボール可動体320、バット可動体480)が動くという斬新な演出と思わせることが可能である。
<第3形態>
図67〜図70に基づいて第3形態のパチンコ遊技機1について説明する。上記第1形態では、図14(B)に示すように、顔可動体440の表側に照明用LED(発光手段)が取付けられていない。これに対して第3形態では、図67に示すように、顔可動体490の表側に照明用LED492,494が取付けられている。以下、第1形態と異なる点を中心に説明する。
図67に示すように、第3形態の顔可動体(可動部材)490は、図14(B)に示す第1形態の顔可動体440よりも上下方向に長くなっている。具体的に、顔可動体490の上下方向長さL3(図68参照)は、当該顔可動体490が退避位置(図69参照)から駆動位置(図70参照)まで移動する際の上下方向の移動距離になるように、おおよそ設定されている。この第3形態では、顔可動体490の上下方向長さL3が、約210mmに設定されている。
顔可動体490は、薄板状になっていて、正面視で少し横長の略長方形状になっている。顔可動体490の上側には、湾曲している上縁部491がある。上縁部(近傍部)491は、図69に示すように顔可動体490が退避位置にあるときには、第1形態で説明した切欠部分720a(フレーム枠700の下面部702の切欠部分702a、及び下側構造部720の切欠部分721a,722a,723a、図18参照)の近くに配されている。つまり、退避位置にある顔可動体490のうち、切欠部分720aの周辺にある部分が上縁部491といえる。この上縁部491の左右には、それぞれ上向き(顔可動体490による駆動位置への移動方向側)に照明用の光を照射可能な上側照明用LED492が取付けられている。上側照明用LED(近傍部発光手段)492は、左右方向に複数並ぶように配されている。
また顔可動体490の下側には、前方に僅かに突出している下縁部493がある。下縁部(近辺部)493は、図70に示すように顔可動体490が駆動位置にあるときには、切欠部分720aの近くに配されている。つまり、駆動位置にある顔可動体490のうち、切欠部分720aの周辺にある部分が下縁部493といえる。これは、顔可動体490の上下方向長さL3が、当該顔可動体490が退避位置から駆動位置まで移動する際の上下方向の移動距離になるようにおおよそ設定されているためである。この下縁部493には、それぞれ上向き(顔可動体490による駆動位置への移動方向側)に照明用の光を照射可能な下側照明用LED494が取付けられている。下側照明用LED(近辺部発光手段)494は、左右方向に複数並ぶように配されている。
なお下縁部493は、図68に示すように、顔可動体490よりも僅かに前方に突出しているが、顔可動体490が退避位置と駆動位置との間で上下動する際に、切欠部分720aを通過できる大きさに設定されている。上側照明用LED492及び下側照明用LED494は、演出表示装置7の上側制御基板711によって発光が制御されている。言い換えると、上側照明用LED492及び下側照明用LED494の発光は、演出制御用マイコン91によって制御されているともいえる。
ここで、上側照明用LED492及び下側照明用LED494を設けた理由について説明する。第1形態で説明したように、演出表示装置7の下側には、顔可動体を通過させるための切欠部分720aが形成されている(図22参照)。しかしながら、切欠部分720aを形成したために、図18に示すように、演出表示装置7の下側制御基板721には、役物用ライトが配されていない。従って、液晶パネル760よりも後方の領域のうち下側部分UN(図67参照)では光度が不足するおそれがある。
そこでこの第3形態では、図69に示すように顔可動体490が退避位置にあるときには、上縁部491に設けられている上側照明用LED492が発光することで、液晶パネル760よりも後方の領域のうち下側部分UNの光度不足を補うことが可能となっている。また図70に示すように顔可動体490が駆動位置にあるときには、下縁部493に設けられている下側照明用LED494が発光することで、液晶パネル760よりも後方の領域のうち下側部分UNの光度不足を補うことが可能となっている。
こうしてこの第3形態では、図69に示すように、顔可動体490が退避位置にあるときには、上側照明用LED492によって上向きに照明用の光を出力させることが可能である。そしてこのときには、上側役物用ライト715(図18参照)によって下向きに照明用の光を出力させ、左側役物用ライト735によって右向きに照明用の光を出力させ、右側役物用ライト745によって左向きに照明用の光を出力させる。これにより、ミット装飾体431をその中央に向かって上下左右から均等に照らすことが可能であり、ミット装飾体431を視認し易くすることが可能である。つまり、ミット装飾体431の下側だけ暗くなるのを回避することが可能である。
なお上側照明用LED492を発光させるのは、例えば上述した第3液晶透過演出(図55(B)参照)を実行する場合等である。また第2形態においてバット可動体480の上縁部に、上述したような上側照明用LEDを取付ければ、第4液晶透過演出(図59(C)参照)、第6液晶透過演出(図61(C)参照)、第7液晶透過演出(図62(C)参照)、第10液晶透過演出(図65(D)参照)、第11液晶透過演出(図66(D)参照)の実行中においても、ミット装飾体431の下側をより視認し易くすることが可能である。
またこの第3形態では、図70に示すように、顔可動体490が駆動位置にあるときには、下側照明用LED494によって上向きに照明用の光を出力させることが可能である。そしてこのときには、上側役物用ライト715(図18参照)によって下向きに照明用の光を出力させ、左側役物用ライト735によって右向きに照明用の光を出力させ、右側役物用ライト745によって左向きに照明用の光を出力させる。これにより、駆動位置にある顔可動体490をその中央に向かって上下左右から均等に照らすことが可能であり、駆動位置にある顔可動体490を視認し易くすることが可能である。つまり、駆動位置にある顔可動体490の下側だけ暗くなるのを回避することが可能である。
なお下側照明用LED494を発光させるのは、例えば上述した第1液晶透過演出(図53(F)参照)、第2液晶透過演出(図54(C)参照)、第3液晶透過演出(図56(C)(D)参照)を実行する場合等である。また第2形態においてバット可動体480の下縁部に、上述したような下側照明用LEDを取付ければ、第5液晶透過演出(図60(C)参照)、第6液晶透過演出(図61(C)参照)、第8液晶透過演出(図63(D)参照)、第9液晶透過演出(図64(C)参照)、第10液晶透過演出(図65(D)参照)、第11液晶透過演出(図66(D)参照)の実行中においても、駆動位置にあるバット可動体480の下側をより視認し易くすることが可能である。
<第4形態>
図71に基づいて第4形態のパチンコ遊技機1について説明する。上記第1形態では、第3液晶透過演出において、顔可動体440の移動中に液晶パネル760にて後方を視認可能な画像(図55(D)、図56(A)、図56(C))の表示と、後方を視認不可能な画像(図55(C)、図55(E)、図55(B))の表示とを交互に切替えた。しかしながら第4形態では、第12液晶透過演出において、顔可動体440が駆動位置にある状態で、液晶パネル760にて後方を視認可能な画像の表示と、後方を視認不可能な画像の表示とを交互に切替えている。以下、第12液晶透過演出(第12変動演出パターンに基づく液晶透過演出)について説明する。
図71に示すように、第12液晶透過演出では、透過フィルム770を透過状態に制御したままである。先ず図71(A)に示すように、液晶パネル760の駆動位置領域E1(駆動位置にある顔可動体440と前後方向に重なる表示領域)に顔画像KOを表示する。このときバックライトは点灯しているのに対して、役物用ライト791は消灯している。
顔画像KOは、彩度が高く(色味があり)、本パチンコ遊技機1の主人公キャラの顔を模した画像になっている。即ち、顔可動体440とほとんど同じ形態になっている。また顔画像KOの周りには、赤色の炎エフェクト画像HOを表示し、顔画像KOの上方には帽子画像G3を表示する。なお炎エフェクト画像HOの色により、SPリーチでの当選期待度の高さを示すようにしても良い。この場合には青色⇒緑色⇒赤色⇒虹色の順に当選期待度が高いことを示すようにすれば良い。また駆動位置領域E1及び炎エフェクト画像HO以外の表示領域では、黒色画像BLを表示する。
こうして第12液晶透過演出では、先ず顔画像KOを表示することで、その後に視認させる顔可動体440が何かを判別し易くしている。更に、顔画像KOを見せてから、実在する顔可動体440を見せることで、顔可動体440の出現による驚きを与えるようにしている。なお図71(A)に示す顔画像KO及び炎エフェクト画像HOの表示は、1フレームに相当する時間(約0.033秒)であっても良いし、顔可動体440の判別し易さを考慮して、1秒程度あっても良い。
次に、図71(B)に示すように、バックライト792を消灯に切替えるのに対して、顔可動体440を視認し易くするために、役物用ライト791を点灯に切替える。そしてこのときには、駆動位置領域E1に白色画像WHを表示する。これにより、顔可動体440を視認し易くすることが可能である。またこのときには駆動位置領域E1の上方に帽子画像G3を表示すると共に、駆動位置領域E1と帽子画像G3を除いた表示領域Q3で、黒色画像BLを表示する。これによりミット装飾体431を視認させないで、顔可動体440と帽子画像G3だけを視認させることが可能である。その後、上述した第3液晶透過演出と同様に(図57参照)、1フレーム毎(約0.033秒毎)に、図71(A)に示す表示制御と、図71(B)に示す表示制御とを交互に切替える。
以上、第4形態の第12液晶透過演出では、液晶パネル760で表示される顔画像KO及び炎エフェクト画像HOが見える状態と、液晶パネル760の後方にある顔可動体440が見える状態とが、高速で交互に切替わる。これにより、顔可動体440を一層派手に見せることが可能である。ここで、顔可動体440を視認し易くするために、駆動位置領域E1に白色画像WHを表示しているが、これが却って顔可動体440の見え方として白っぽい印象を与えかねない。しかしながら第12液晶透過演出では、彩度が高い(色味がある)顔画像KOや炎エフェクト画像HOを差し込むことで、白っぽい印象を無くすことが可能である。更に、顔画像KOと顔可動体440とが高速で交互に見えることに加えて、顔画像KOと顔可動体440との前後方向の距離の違いにより、不思議な見え方を提供することが可能である。
なお上記した第4形態の第12液晶透過演出は、第1形態で説明した第3液晶透過演出に続いて実行されるようにしても良い。つまり、図56(D)に示す演出と図56(E)に示す演出との間に、図71に示す第12液晶透過演出を実行するようにしても良い。この場合には、第3液晶透過演出が強SPリーチで且つ大当たり当選である場合に実行されるため、第3液晶透過演出に続いて実行される第12液晶透過演出により、当選報知演出としての演出効果を一層高めることが可能である。
また上述した第1〜第11液晶透過演出(図53〜図56及び図59〜図66参照)において、図71(A)に示す炎エフェクト画像HOのようなエフェクト画像を表示しても良い。これにより、第1〜第11液晶透過演出でもエフェクト画像の色により当選期待度の高さを示唆することが可能である。なお第1〜第12液晶透過演出が当選報知演出となる場合には、エフェクト画像の色は当選確定を意味する色として例えば虹色にすると良い。
<その他の変形例>
上記各形態では、液晶透過演出をSPリーチ演出の一部として行う構成としたが、各種の予告演出(所謂ステップアップ予告、セリフ予告、カットイン予告、先読み予告、操作予告(演出ボタン63などの操作部を遊技者に操作させる予告)など)、疑似連演出(再変動表示中の演出や仮停止表示の際の演出)、ノーマルリーチ演出、大当たり演出、デモ演出等の他の演出として行う構成としてもよい。
また上記各形態では、液晶パネル760の後方にあるミット装飾体431が移動しないものであった。しかしながら、ミット装飾体431が顔可動体440のように移動可能なものであっても良い。つまり液晶パネル760の後方にある2つの可動部材(顔可動体440とミット装飾体431)を見せたり、2つの可動部材の移動中を見せるようにしても良い。更に液晶パネル760の後方にある3つ以上の可動部材を見せたり、3つ以上の可動部材の移動中を見せるようにしても良い。こうして液晶パネル760の後方にある複数の可動部材を視認させることより、液晶透過演出による演出効果を更に高めることが可能である。
また上記各形態では、可動部材(顔可動体440,490、バット可動体480)が、液晶パネル760の中央に対して下側に配されていて、可動部材が下から上に向かって直動するように見せた。しかしながら、可動部材を液晶パネル760の中央に対して上側に配して、可動部材が上から下に向かって直動(落下)するように見せても良い。又は、可動部材を液晶パネル760の中央に対して左側に配して、可動部材が左から右に向かって直動するように見せても良い。或いは、可動部材を液晶パネル760の中央に対して右側に配して、可動部材が右から左に向かって直動するように見せても良い。そして可動部材の動きは、直動に限られるものではなく、回転や2段階以上の移動であっても良く、適宜変更可能である。また、液晶パネルの後方に複数の可動部材を配置した場合には、例えば液晶パネル760の中央に対して上側と下側にそれぞれ可動部材を配置しても良く、配置箇所の組合せは適宜変更可能である。
また上記各形態では、液晶パネル760の後方に移動可能な可動部材(顔可動体440,490、バット可動体480)を配置したが、液晶パネル760の後方に可動部材を配置しないようにしても良い。つまり、液晶パネル760の後方では移動しない固定部材だけが視認できるようにしても良い。
また上記各形態では、可動部材(顔可動体440,490、バット可動体480)の後方に演出部材(ミット装飾体431)を配置するようにした。しかしながら、可動部材と演出部材の前後方向の位置関係は適宜変更可能であり、可動部材の前方に演出部材を配置したり、可動部材と演出部材を前後方向の位置が一致するように配置しても良い。
また上記各形態では、顔可動体440やミット装飾体431を視認可能にするために、液晶パネル760に白色画像WHを表示したが、顔可動体440やミット装飾体431を視認できるのであれば、白色画像WHでなくても良い。つまり、比較的明度が高い画像(例えば白に近い灰色画像)を表示するようにしても良い。
また上記各形態では、顔可動体440やミット装飾体431を視認不可能にするために、液晶パネル760に黒色画像BLを表示したが、顔可動体440やミット装飾体431を視認不可能にできるのであれば、黒色画像BLでなくても良い。つまり、比較的明度が低い色彩の画像(例えば黒に近い灰色画像)を表示するようにしても良い。また顔可動体440やミット装飾体431を視認不可能にしないで、視認困難にする画像(例えば灰色画像)を表示するようにしても良い。
また上記第1形態では、図53に示す第1液晶透過演出において、白色画像WHの表示により移動中の顔可動体440全体を視認可能にするのに対して、黒色画像BLの表示によりミット装飾体431全体を視認不可能にした。しかしながら、移動中の顔可動体440を認識できるのであれば、移動中の顔可動体440の一部だけを視認可能にしても良い。この場合には、退避位置領域F1の一部、移動途中領域F2の一部、駆動位置領域E1の一部に白色画像WHを表示する。また、移動中の顔可動体440の方がミット装飾体431よりも視認し易ければ、ミット装飾体431の一部を視認不可能にしても良い。この場合には、表示領域Q1の一部、表示領域Q2の一部、表示領域Q3の一部に黒色画像BLを表示する。なお、退避位置領域F1を含む表示領域、移動途中領域F2を含む表示領域、駆動位置領域E1を含む表示領域に白色画像WHを表示して、移動中の顔可動体440以外の構造物も視認できるようにしても良い。
また上記第1形態では、図55(B)に示す第3液晶透過演出において、白色画像WHの表示によりミット装飾体431全体を視認可能にするのに対して、虹色エフェクト画像CLの表示により顔可動体440を視認不可能にした。しかしながら、ミット装飾体431を認識できるのであれば、ミット装飾体431の一部だけを視認可能にしても良い。この場合には、ミット重畳領域E2の一部に白色画像WHを表示する。なお、ミット重畳領域E2を含む表示領域に白色画像WHを表示して、ミット装飾体431以外の構造物も視認できるようににしても良い。
また上記第1形態では、第3液晶透過演出において、1フレームに相当する周期(約0.033秒毎)で、移動中の顔可動体440を視認可能な画像(図55(D),図56(A),図56(C)参照、第1画像)と、移動中の顔可動体440を視認不可能な画像(図55(C),図55(E),図56(B)参照、第2画像)が交互に切替わるように表示した。しかしながらこれらの画像を切替える周期は、適宜変更可能であり、2フレームに相当する周期(約0.067秒毎)や、1秒以上としても良い。但し、画像を切替える周期が短いほど、移動中の顔可動体440が高速で点滅するように見えて、演出効果を高めることが可能である。そのため、1秒以下の周期とすることが好ましい。なお画像の切替えではなく、透過フィルム770の透過状態と非透過状態とを交互に切替えることにより、移動中の顔可動体440を視認可能な状態と、視認不可能な状態とを切替えても良い。
また上記第4形態では、第12液晶透過演出において、1フレームに相当する周期(約0.033秒毎)で、駆動位置領域E1にて顔画像KOの表示(図71(A)参照)と、白色画像WHの表示(図71(B)参照)とを交互に切替えた。しかしながら、顔画像KOと白色画像WHを切替える周期は、適宜変更可能であり、2フレームに相当する周期(約0.067秒毎)や、1秒以上としても良い。但し、画像を切替える周期が短いほど、顔可動体440が顔画像KOと炎エフェクト画像HOによって装飾されたように派手に見えて、演出効果を高めることが可能である。そのため、1秒以下の周期とすることが好ましい。なお画像の切替えではなく、透過フィルム770の透過状態と非透過状態とを交互に切替えることにより、駆動位置にある顔可動体440を視認可能な状態と、視認不可能な状態とを切替えても良い。
なお、第4〜第11液晶透過演出においても、第3,第12液晶透過演出のように、液晶パネル760の後方を視認可能な画像と、液晶パネル760の後方を視認不可能又は視認困難な画像とを交互に切替えるようにしても良い。これにより、第4〜第11液晶透過演出で視認させる演出体(顔可動体440、ミット装飾体431、バット可動体480)が高速で点滅するように見えて、第4〜第11液晶透過演出を一層派手にすることが可能である。
また上記第1形態の第3液晶透過演出、又は上記第4形態の第12液晶透過演出において、主に白色画像WHと黒色画BLHとを用いて、顔可動体440を見せる状態と見せない状態を交互に切替えた(図56(A)(B)参照、図71(A)(B)参照)。しかしながら、明度の高低があれば画像の色彩は適宜変更可能であり、例えば明度が高い(濃い)赤色画像と明度が低い(薄い)赤色画像とを用いて、駆動位置にある顔可動体440を見せる状態と見せない状態を交互に切替えても良い。
また上記各形態では、可動部材(顔可動体440,490、バット可動体480)や演出部材(ミット装飾体431)の視認性を高めるために、演出表示装置7に役物用ライト(役物用発光手段)791を設けた。しかしながら、可動部材(顔可動体440、バット可動体480)や演出部材(ミット装飾体431)自体に役物用発光手段を設けて、視認性を高めるようにしても良い。この場合、顔可動体LED441を役物用発光手段に相当するものとして考えても良いが、光度が少ないため、可動部材の表側に新たに役物用発光手段を設けると良い。また役物用ライト791によって照明用の光が出力される方向は、当該役物用ライト791(上側役物用ライト715、左側役物用ライト735、右側役物用ライト745)から液晶パネル760の中央に向かう方向であったが、例えば斜め前方や斜め後方に向かう方向等であっても良く、適宜変更可能である。また可動部材を照らすための役物用ライトと、演出部材を照らすための役物用ライトとを別個に設けても良い。また役物用ライト791を、後側演出ユニット400のベース体410等に設けても良く、設置箇所は適宜変更可能である。
また上記各形態では、各液晶透過演出において、可動部材(顔可動体440,490、バット可動体480)や演出部材(ミット装飾体431)を視認させる場合に、バックライト792を消灯させた。しかしながら、演出表示装置7にオーバーヒートが生じない範囲であれば、バックライト792(表示用LED790)を点灯させる場合よりも弱く発光させても良い。また各液晶透過演出において、可動部材や演出部材を視認させる場合に、役物用ライト791を点灯させた。しかしながら、演出表示装置7にオーバーヒートが生じない範囲であれば、役物用ライト791を点灯させる場合よりも弱く発光させても良い。
また上記各形態では、図55(B)に示すように、ボール可動体(前側可動部材)320とミット装飾体(演出部材)431とにより関連する一つの意匠(主人公キャラが投げたボールがキャッチャーミットに収まったという意匠)を形成した。また図61(C)に示すように、ミット装飾体431と駆動位置にあるバット可動体(後側可動部材)480とにより、関連する一つの意匠(バットがキャッチャーミットの前でスイングされたという意匠)を形成した。また図63(D)に示すように、第1下降位置にあるボール可動体320と、駆動位置にあるバット可動体480とにより関連する一つの意匠(バットがボールを打ち返したという意匠)を形成した。また図65(D)に示すように、第1下降位置にあるボール可動体320と、駆動位置にあるバット可動体480と、ミット装飾体431とにより関連する一つの意匠(キャッチャーミットの前でバットがボールを打ち返したという意匠)を形成した。しかしながらこれら以外の意匠を形成するようにしても良く、前側可動部材と後側可動部材と演出部材の形態及び大きさは、適宜変更可能である。
また上記各形態では、演出表示装置7において、フレーム枠700の下面部702及び下側構造部(下壁部)に切欠部分(逃げ部)720aが形成されていた。しかしながら、切欠部分は、下壁部に形成されているものに限られず、演出表示装置7の周壁部に何れかに設けられていれば良い。例えば演出表示装置7において、フレーム枠700の上面部701及び上側構造部710(上壁部)に切欠部分を形成しても良い。この場合には、上壁部の切欠部分を通過できるような可動部材を設ければ良い。そしてその可動部材には、第3形態のように、切欠部分と近い位置に下向きに照明用の光を出力可能な発光手段を設けると良い。
また演出表示装置7において、フレーム枠700の左面部703及び左側構造部730(左壁部)に切欠部分を形成しても良い。この場合には、左壁部の切欠部分を通過できるような可動部材を設ければ良い。そしてその可動部材には、第3形態のように、切欠部分と近い位置に右向きに照明用の光を出力可能な発光手段を設けると良い。また演出表示装置7において、フレーム枠700の右面部704及び右側構造部740(右壁部)に切欠部分を形成しても良い。この場合には、右壁部の切欠部分を通過できるような可動部材を設ければ良い。そしてその可動部材には、第3形態のように、切欠部分と近い位置に左向きに照明用の光を出力可能な発光手段を設けると良い。なお切欠部分は、1つに限られるものではなく、演出表示装置7の周壁部に複数形成されていても良い。例えば、上壁部と下壁部とにそれぞれ切欠部分が形成されていて、顔可動体440が上壁部の切欠部分と下壁部の切欠部分を通過できるようにしても良い。
また上記各形態では、図19に示すように、裏側演出ユニット200(後側演出ユニット400)の前後方向の寸法の増加を抑えるために、顔可動体440全体が、演出表示装置7の後端位置7bよりも前方に配されていた。しかしながら、顔可動体440の少なくとも一部が、演出表示装置7の後端位置7bよりも前方に配されていも良い。但し、裏側演出ユニット200の前後方向の寸法の増加を抑えるという観点から、顔可動体440の前後方向長さL1(14mm)の半分(7mm)以上が、演出表示装置7の後端位置7bよりも前方に配されていると良い。
また上記各形態では、図22及び図68に示すように、切欠部分(逃げ部)720aが、フレーム枠700の下面部702及び下側構造部720の後辺側を切り欠いたような形状であった。しかしながら逃げ部は、切欠部分720aに限られるものではなく、例えば複数のスリットや、貫通孔として構成されていても良い。複数のスリットや貫通孔であっても、移動中の顔可動体440を通過させることが可能であり、演出表示装置7と顔可動体440との干渉を回避することが可能である。
また上記各形態では、透過フィルム770を備える演出表示装置7において、液晶パネル760よりも後方に顔可動体440を配して、その顔可動体440が演出表示装置7の周壁部に形成された切欠部分(逃げ部)720aを通過できるように構成した。しかしながら、透過フィルムを備えていない演出表示装置において、液晶パネルよりも後方に可動部材を配して、その可動部材が演出表示装置の周壁部に形成された逃げ部を通過できるように構成しても良い。この場合には、液晶パネルの後方を視認可能にしない演出表示装置においても、液晶パネルの後方にある可動部材と演出表示装置の周壁部との干渉を回避することが可能である。そして、可動部材を演出表示装置の後端位置よりも前方に配置することで、裏側演出ユニットの前後方向の寸法の増加を抑えることが可能である。
また上記各形態では、演出表示装置7が後側演出ユニット400に設けられていた。しかしながら、演出表示装置7が前側演出ユニット300に設けられているようにしても良い。この場合には、後側演出ユニット400の部材に不具合又は故障が生じた場合に、後側演出ユニット400を交換しても、演出表示装置7を交換することにならないため、安価に対応することが可能である。
また上記各形態では、裏側演出ユニット(裏ユニット)200を、図6に示すように、前方側に配されている前側演出ユニット(第1ユニット)300と、後方側に配されている後側演出ユニット(第2ユニット)400とに分割できるように構成した。しかしながら、左側演出ユニットと右側演出ユニットとに分割できるように構成しても良い。また2分割できる構造に限られるものではなく、3分割以上であっても良く、例えば前側演出ユニットと中央演出ユニットと後側演出ユニットとに分割できるように構成しても良い。分割できる数が多くなるほど、不具合又は故障した部材を取り出し易くすることが可能である。なお裏側演出ユニット200が分割されない構造であっても良い。
また上記各形態では、裏側演出ユニット(裏ユニット)200において、後側演出ユニット400を、前側演出ユニット300の後面側から取外すように構成されていた。しかしながら、前側演出ユニット(第2裏ユニット)300を、後側演出ユニット(第1裏ユニット)400の前面側から取外すように構成されていても良い。この場合には、中継基板取付部材(対向部材)500が後側演出ユニット400に回転可能に支持されていて、前側演出ユニット300の所定部材と干渉が回避できるようになっていても良い。
また上記各形態では、図31(A)に示すように、前側演出ユニット300と後側演出ユニット400とが取付けられている状態では、顔可動体(所定部材)440の取外し方向側(図31(A)の右側)が中継基板取付部材(対向部材)500に対向していた。しかしながら、中継基板取付部材500に対向している所定部材は、顔可動体440に限られるものではなく、その他の部材(ケース、プレート、装飾部材、駆動源、駆動機構等)であっても良い。また顔可動体440の取外し方向側に対向している対向部材は、中継基板取付部材500に限られるものではなく、その他の部材(ケース、プレート、装飾部材、駆動源、駆動機構等)であっても良い。
また上記各形態では、裏側演出ユニット(遊技部品)200を分割しようとする際に、前側演出ユニット(第1ユニット)300に支持されている中継基板取付部材500が、後側演出ユニット(第2ユニット)の顔可動体440に対向しない非対向位置へ移動できる構造になっていた。しかしながら、遊技部品と第1ユニットと第2ユニットは、裏側演出ユニット200と前側演出ユニット300と後側演出ユニット400に限られるものではなく、適宜変更可能である。
例えば、上皿ユニット(第1ユニット)と操作手段ユニット(第2ユニット)とを備える遊技球貯留ユニット(遊技部品)において、操作手段ユニットの所定部材の取外方向側が、上皿ユニットのプレートに対向しているものとする。この場合には、そのプレートを操作手段ユニットの所定部材に対向する対向位置と、対向しない非対向位置との間で移動できるように構成すれば良い。これにより、プレートを非対向位置へ移動させておけば、所定部材とプレートとが干渉しないで、操作手段ユニットを上皿ユニットから取外すことが可能である。
また上記各形態では、図29に示すように、後側演出ユニット400(主制御基板80)から主基板用ハーネス(第2配線)H3が延びていて、この主基板用ハーネスH3の1個のコネクタ(第2コネクタ)CN3が第1中継基板510に接続されていた。しかしながら、中継基板(第1中継基板510,第2中継基板520)に対して、後側演出ユニット400から延びているハーネスのコネクタが接続されている数は、2個以上であっても良い。但し、中継基板に対して、遊技盤2及び前側演出ユニット300から延びている各ハーネスH1,H2のコネクタCN1,CN2が接続されている数(合計32個)よりも、少ない方が良い。中継基板取付部材500を回転させる際に、コネクタの取外し作業が少なくて済むからである。なお、後側演出ユニット400から延びているハーネスのコネクタが接続されている数を、前側演出ユニット300から延びているハーネスのコネクタが接続されている数と同じ、又は多くしても良い。
また上記各形態では、図29(A)(B)に示すように、中継基板取付部材500が、回転軸501a,502a周りに回転可能な構造になっていた。しかしながら、中継基板取付部材500が移動する際に、ハーネスH1,H2が引っ張られないのであれば、中継基板取付部材500は回転可能な構造でなくても良い。例えば、中継基板取付部材500が、前側演出ユニット300の屈曲プレート311に対して下方向へスライド可能に支持されていても良い。なお中継基板取付部材500は、2つの中継基板510,520を取付けていたが、1つの中継基板又は3つ以上の中継基板を取付けるものであっても良い。また中継基板取付部材500の形状及び大きさは、図32(A)に示すものに限られず、適宜変更可能である。
また上記各形態では、中継基板取付部材500が図32(A)に示す対向位置から、図32(B)に示す非対向位置まで回転可能になっていた。しかしながら、中継基板取付部材500は、非対向位置まで回転しないで、対向位置から僅かに回転できるものであっても良い。中継基板取付部材500が非対向位置から僅かに移動しても、内部空間SP2を露出することができて、内部空間SP2に入り込んでしまったビス等を取出すことが可能となるためである。
また上記各形態では、中継基板取付部材500が、後側演出ユニット400の背面部411の凹部411aに配置されていた。しかしながら、中継基板取付部材500の配置箇所は、適宜変更可能であり、後側演出ユニット400のベース体410の側面部や、前側演出ユニット300に配置されていても良い。
また上記各形態では、図27に示すように、中継基板取付部材500が、裏側演出ユニット200(特定ユニット)の後壁部200Aの一部を形成していた。しかしながら、中継基板取付部材500は、特定ユニットの壁部の一部を形成していなくても良い。つまり、中継基板取付部材500が移動しても、特定ユニットの内部空間が露出しないようになっていても良い。
また上記各形態では、透過フィルム770を液晶パネル760とバックライト792(導光板750)との間の位置に設けたが、バックライト792と保護パネル780との間の位置に設けてもよい。また、これらの両方の位置に設けてもよい。なお、保護パネル780は設けなくてもよい。
また上記各形態では、例えば第1〜第12変動演出パターンに、透過フィルム770を透過状態にする情報(透過情報)が含まれている。そして画像制御基板100が、変動演出開始コマンドに係る第1〜第12変動演出パターンに含まれている透過情報に基づいて、演出表示装置7の透過フィルム770を透過状態にしていた。しかしながら、演出制御用マイコン91が透過フィルム770を透過状態にするための透過コマンドを画像制御基板100に送信して、画像制御基板100が、変動演出開始コマンドに拘わらず、受信した透過コマンドに基づいて、演出表示装置7の透過フィルム770を強制的に透過状態に切替えるようにしても良い。
また上記各形態では、例えば変動演出終了コマンドに、透過フィルム770を非透過状態にする情報(非透過情報)が含まれている。そして画像制御基板100が、変動演出終了コマンドに含まれている非透過情報に基づいて、演出表示装置7の透過フィルム770を非透過状態にしていた。しかしながら、演出制御用マイコン91が透過フィルム770を非透過状態にするための非透過コマンドを画像制御基板100に送信して、画像制御基板100が、変動演出終了コマンドに拘わらず、受信した非透過コマンドに基づいて、演出表示装置7の透過フィルム770を強制的に非透過状態に切替えるようにしても良い。
また上記各形態では、演出表示装置7が、バックライト792からの表示用の光を液晶パネル760の後面に供給して画像を表示する透過型の液晶表示装置であった(図20(A)参照)。しかしながら、外部からの光を液晶パネル760の後方にある反射板によって反射させて画像を表示する反射型の液晶表示装置であっても良い。また図20(A)に示すように、電圧が作用していないときにバックライト792からの光を透過して白色を表示するノーマリーホワイトモードの液晶表示装置であったが、電圧が作用していないときにバックライト792からの光を遮断して黒色を表示するノーマリーブラックモードの液晶表示装置であっても良い。
また上記各形態では、演出表示装置7が1秒間に30回画像を更新するもの、つまりフレームレートが30(fps)になっているものであった。しかしながら、演出表示装置は1秒間に15回や60回画像を更新するもの、つまりフレームレートが15や60(fps)になっているものでも良く、適宜変更可能である。なおフレームレートの値が大きいほど、液晶パネル760での映像が滑らかに見える。
また上記各形態では、液晶パネル760を有する演出表示装置(画像表示手段)7を用いたが、画像表示手段は、透過性を有するもの(つまり後方を視認可能な状態をとり得るもの)であれば、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ等の他の表示デバイスでもよい。なお、ELディスプレイの種類としては公知のものを適宜選択できる。
また上記各形態では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(判定用情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たりの種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記各形態では、いわゆるV確機(特定領域39の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成したが、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成してもよい。また上記各形態では、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機(いわゆる確変ループタイプの遊技機)として構成したが、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)として構成してもよい。
また上記各形態では、特図2の変動を特図1の変動に優先して実行するように構成した。これに対して、特図2の変動と特図1の変動を始動口への入賞順序に従って実行するように構成してもよい。この場合、第1特図保留と第2特図保留とを合算して記憶可能な記憶領域をRAM84に設け、その記憶領域に入賞順序に従って判定用情報を記憶し、記憶順の古いものから消化するように構成すればよい。また、特図2の変動中であっても特図1の変動を実行でき、且つ、特図1の変動中であっても特図2の変動を実行できるように構成してもよい。つまり、所謂同時変動を行う遊技機として構成してもよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。すなわち、本発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。
また上記各形態では、大当たりに当選してそのことを示す特別図柄が停止表示されたことを制御条件として、大当たり遊技状態(特別遊技状態)に制御されるパチンコ遊技機として構成した。これに対して、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)として構成してもよい。この場合、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの入賞によって獲得メダルを増やす所謂ノーマル機であれば、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等のボーナスを実行している状態が特別遊技状態に相当する。また、小役に頻繁に入賞可能なART(アシストリプレイタイム)やAT(アシストタイム)等の特別な遊技期間にて獲得メダルを増やす所謂ART機やAT機であれば、ARTやAT中の状態が特別遊技状態に相当する。また、ノーマル機では特別遊技状態への制御条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選した上で、有効化され入賞ライン上に、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの移行契機となる図柄の組み合せが各リールの表示結果として導出表示されることである。また、ART機やAT機では特別遊技状態への制御条件は、例えば、ARTやATの実行抽選に当選した上で、規定ゲーム数を消化するなどしてARTやATの発動タイミングを迎えることである。
なお上記各形態の特徴及び変形例の特徴をそれぞれ組合わせて実施することは勿論可能である。また上記各形態で説明した寸法、形状、機構等はあくまで一例であって適宜変更可能である。
12.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の手段1〜71の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
〈A〉
手段1に係る発明は、
所定の制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)において、
所定の画像を表示可能な表示画面(液晶パネル760)を有し、当該表示画面よりも後方の領域を前方から視認可能な画像表示手段(演出表示装置7)と、
前記表示画面よりも後方に配されていて、後方を視認可能にする第1状態(透過状態)と、後方を視認不可能又は前記第1状態よりも視認困難にする第2状態(非透過状態)とに切替可能な透過性切替手段(透過フィルム770)と、
前記透過性切替手段よりも後方に配されていて、前記表示画面に対して前後方向に重ならない又は一部が前後方向に重なる待機位置(退避位置)と、前記待機位置よりも前記表示画面に対して前後方向に重なる部分が多い動作位置(駆動位置)とに移動可能な可動部材(顔可動体440)と、
遊技の進行に伴う演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記可動部材が前記動作位置にあるときに前記透過性切替手段を前記第1状態に制御していることで、当該可動部材を視認可能な透過演出(図54(C)に示す第2液晶透過演出)を実行可能なものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、透過演出により、表示画面よりも後方にある可動部材を見せることが可能である。よって遊技者には、可動部材を用いた新たな演出と思わせることが可能であり、遊技興趣を高めることが可能である。
手段2に係る発明は、
手段1に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記透過性切替手段を前記第1状態に制御しているときに、前記可動部材を前記待機位置から前記動作位置へ移動させることにより、移動中の前記可動部材を視認させる透過駆動演出(図53に示す第1液晶透過演出)を実行可能なものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、透過駆動演出により、表示画面よりも後方で可動部材が動くと共に、可動部材が見える部分が徐々に多くなっていく。これにより、表示画面よりも後方で可動部材が出現するように見せることが可能であり、遊技者に斬新な演出と思わせることが可能である。
手段3に係る発明は、
手段1又は手段2に記載の遊技機において、
前記動作位置にある前記可動部材の視認性を高める照明用の光を出力可能な役物用発光手段(役物用ライト791)を備え、
前記演出制御手段は、前記透過演出の実行中に、前記役物用発光手段に照射用の光を出力させるものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、透過演出の実行中に可動部材を照明用の光で照らすため、遊技者に動作位置にある可動部材を視認させ易くすることが可能である。
手段4に係る発明は、
手段1乃至手段3の何れかに記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記表示画面の表示領域のうち色の明度が相対的に高い高明度色を表示する高明度表示領域(駆動位置領域E1)と、前記高明度色よりも色の明度が低い低明度色を表示する低明度表示領域(除外駆動位置領域S1)とを設定可能なものであり、
前記透過演出は、
前記演出制御手段による前記高明度表示領域と前記低明度表示領域の設定に基づいて、前記高明度表示領域の後方で前記動作位置にある前記可動部材が視認可能であるのに対して、前記低明度表示領域の後方が視認不可能又は前記可動部材よりも視認困難な演出であることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、透過演出の実行中に、高明度表示領域が透け易くなる一方、低明度表示領域が透け難くなる。これにより、表示画面の後方で可動部材だけがあるように見せることが可能である。
〈B〉
手段5に係る発明は、
所定の制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)において、
所定の画像を表示可能な表示画面(液晶パネル760)を有し、当該表示画面よりも後方の領域を前方から視認可能な画像表示手段(演出表示装置7)と、
前記表示画面よりも後方に配されていて、後方を視認可能にする第1状態(透過状態)と、後方を視認不可能又は前記第1状態よりも視認困難にする第2状態(非透過状態)とに切替可能な透過性切替手段(透過フィルム770)と、
前記透過性切替手段よりも後方に配されていて、前記表示画面に対して前後方向に重ならない又は一部が前後方向に重なる待機位置(退避位置)と、前記待機位置よりも前記表示画面に対して前後方向に重なる部分が多い動作位置(駆動位置)とに移動可能な可動部材(顔可動体440)と、
前記透過性切替手段よりも後方に配されていて、前記表示画面に対して少なくとも一部が前後方向に重なる演出部材(ミット装飾体431)と、
遊技の進行に伴う演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記可動部材が前記待機位置にあるときに、前記透過性切替手段を前記第1状態に制御していることで、当該可動部材よりも前記演出部材を視認し易い第1透過演出(図55(B)に示す第3液晶透過演出)と、
前記可動部材が前記動作位置にあるときに、前記透過性切替手段を前記第1状態に制御していることで、前記演出部材よりも当該可動部材を視認し易い第2透過演出(図54(C)に示す第2液晶透過演出)と、を実行可能なものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第1透過演出では、表示画面よりも後方にある可動部材を全く又はほとんど見えないようにして、演出部材を見せることが可能である。これに対して第2透過演出では、表示画面の後方にある演出部材を全く又はほとんど見えないようにして、可動部材を見せることが可能である。よって遊技者には、表示画面の透過により異なる2種類の演出体(演出部材、可動部材)を別々に把握させて、新たな透過演出と思わせることが可能であり、遊技興趣を高めることが可能である。
手段6に係る発明は、
手段5に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記透過性切替手段を前記第1状態に制御しているときに、前記可動部材を前記待機位置から前記動作位置へ移動させることにより、移動中の前記可動部材を視認させる透過駆動演出(図53に示す第1液晶透過演出)を実行可能なものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、透過駆動演出により、表示画面よりも後方で可動部材が動くと共に、可動部材が見える部分が徐々に多くなっていく。これにより、表示画面よりも後方で可動部材が出現するように見せることが可能であり、遊技者に斬新な演出と思わせることが可能である。
手段7に係る発明は、
手段5又は手段6に記載の遊技機において、
前記演出部材の視認性を高める照明用の光を出力可能な役物用発光手段(役物用ライト791)を備え、
前記演出制御手段は、前記第1透過演出の実行中に、前記役物用発光手段に照射用の光を出力させるものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第1透過演出の実行中に演出部材を照明用の光で照らすため、遊技者に演出部材を視認させ易くすることが可能である。
手段8に係る発明は、
手段7に記載の遊技機において、
前記役物用発光手段は、前記動作位置にある前記可動部材の視認性を高めるための照明用の光を出力可能なものであり、
前記演出制御手段は、前記第1透過演出の実行中又は前記第2透過演出の実行中の何れの場合であっても、前記役物用発光手段に照射用の光を出力させるものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、演出部材を照らすための発光手段と、可動部材を照らすための発光手段を別個に設けずに、役物用発光手段による照明用の光を兼用することで、第1透過演出の場合には演出部材を視認し易くすることが可能であり、第2透過演出の場合には可動部材を視認し易くすることが可能である。
手段9に係る発明は、
手段5乃至手段8の何れかに記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記表示画面の表示領域のうち色の明度が相対的に高い高明度色を表示する高明度表示領域(駆動位置領域E1)と、前記高明度色よりも色の明度が低い低明度色を表示する低明度表示領域(図54(C)に示す表示領域Q3)とを設定可能なものであり、
前記第2透過演出は、
前記演出制御手段による前記高明度表示領域と前記低明度表示領域の設定に基づいて、前記高明度表示領域の後方にある前記可動部材が視認可能であるのに対して、前記低明度表示領域の後方にある前記演出部材が視認不可能又は前記可動部材よりも視認困難な演出であることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第2透過演出の実行中に、高明度表示領域が透け易くなる一方、低明度表示領域が透け難くなる。従って第2透過演出では、演出部材を見えないようにして、動作位置にある可動部材だけがあるように見せることが可能である。
〈C〉
手段10に係る発明は、
所定の制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)において、
所定の画像を表示可能な表示画面(液晶パネル760)を有し、当該表示画面よりも後方の領域を前方から視認可能な画像表示手段(演出表示装置7)と、
前記表示画面よりも後方に配されていて、後方を視認可能にする第1状態(透過状態)と、後方を視認不可能又は前記第1状態よりも視認困難にする第2状態(非透過状態)とに切替可能な透過性切替手段(透過フィルム770)と、
前記透過性切替手段よりも後方に配されていて、前記表示画面に対して前後方向に重ならない又は一部が前後方向に重なる待機位置(退避位置)と、前記待機位置よりも前記表示画面に対して前後方向に重なる部分が多い動作位置(駆動位置)とに移動可能な可動部材(顔可動体440、バット可動体480)と、
前記透過性切替手段よりも後方に配されていて、前記表示画面に対して少なくとも一部が前後方向に重なる演出部材(ミット装飾体431)と、
遊技の進行に伴う演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記可動部材(バット可動体480)が前記待機位置にあるときに前記透過性切替手段を前記第1状態に制御していることで、前記演出部材を視認可能な第1透過演出(図62(D)に示す第7液晶透過演出)と、
前記可動部材(バット可動体480)が前記動作位置にあるときに前記透過性切替手段を前記第1状態に制御していることで、当該可動部材及び前記演出部材を視認可能な第2透過演出(図61(C)に示す第6液晶透過演出)と、を実行可能なものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第1透過演出では、表示画面よりも後方にある可動部材を全く又はほとんど見えないようにして、演出部材を見せることが可能である。これに対して第2透過演出では、表示画面よりも後方にある演出部材と可動部材の両方を見せることが可能である。よって遊技者には、表示画面よりも後方にある演出部材だけでなく、演出部材と可動部材との組合せを見せることにより、斬新な透過演出だと思わせることが可能であり、遊技興趣を高めることが可能である。
手段11に係る発明は、
手段10に記載の遊技機において、
前記第2透過演出は、前記演出部材の形態(キャッチャーミット)と前記可動部材の形態(バット)とによって、関連する1つの意匠を形成する演出であることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第2透過演出の実行中に、演出部材の形態と可動部材の形態とによって関連する1つの意匠を形成することで、高い演出効果を発揮することが可能である。
手段12に係る発明は、
手段10又は手段11に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記透過性切替手段を前記第1状態に制御しているときに、前記可動部材(顔可動体440)を前記待機位置から前記動作位置へ移動させることにより、移動中の前記可動部材を視認させる透過駆動演出(図53に示す第1液晶透過演出)を実行可能なものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、透過駆動演出により、表示画面よりも後方で可動部材が動くと共に、可動部材が見える部分が徐々に多くなっていく。これにより、表示画面よりも後方で可動部材が出現するように見せることが可能であり、遊技者に斬新な演出と思わせることが可能である。
手段13に係る発明は、
手段10乃至手段12の何れかに記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記表示画面の表示領域のうち色の明度が相対的に高い高明度色を表示する高明度表示領域(ミット重畳領域E2及びバット重畳領域E3)と、前記高明度色よりも色の明度が低い低明度色を表示する低明度表示領域(ミット重畳領域E2及びバット重畳領域E3以外の表示領域Q4)とを設定可能なものであり、
前記第2透過演出は、
前記演出制御手段による前記高明度表示領域と前記低明度表示領域の設定に基づいて、前記高明度表示領域の後方で前記動作位置にある前記可動部材及び前記演出部材が視認可能であるのに対して、前記低明度表示領域の後方が視認不可能又は前記可動部材及び前記演出部材よりも視認困難な演出であることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第2透過演出の実行中に、高明度表示領域が透け易くなって、低明度表示領域が透け難くなる。これにより、表示画面の後方で可動部材及び演出部材だけがあるように見せることが可能である。
〈D〉
手段14に係る発明は、
所定の制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)において、
所定の画像を表示可能な表示画面(液晶パネル760)を有し、当該表示画面よりも後方の領域を前方から視認可能な画像表示手段(演出表示装置7)と、
前記表示画面よりも後方に配されていて、後方を視認可能にする第1状態(透過状態)と、後方を視認不可能又は前記第1状態よりも視認困難にする第2状態(非透過状態)とに切替可能な透過性切替手段(透過フィルム770)と、
前記透過性切替手段よりも後方に配されていて、前記表示画面に対して前後方向に重ならない又は一部が前後方向に重なる待機位置(退避位置)と、前記待機位置よりも前記表示画面に対して前後方向に重なる部分が多い動作位置(駆動位置)とに移動可能な可動部材(バット可動体480)と、
前記透過性切替手段よりも後方に配されていて、前記表示画面に対して少なくとも一部が前後方向に重なる演出部材(ミット装飾体431)と、
遊技の進行に伴う演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記表示画面の表示領域のうち色の明度が相対的に高い高明度色を表示する高明度表示領域と、前記高明度色よりも色の明度が低い低明度色を表示する低明度表示領域とを設定可能なものであり、且つ、
前記可動部材が前記動作位置にあるときに、前記透過性切替手段を前記第1状態に制御している透過演出(液晶透過演出)を実行可能なものであり、
前記透過演出には、前記演出制御手段による前記高明度表示領域(ミット重畳領域E2,バット重畳領域E3)と前記低明度表示領域(除外ミット重畳領域S2、除外バット重畳領域S3)の設定に基づいて、
前記高明度表示領域(バット重畳領域E3)の後方にある前記可動部材が視認可能であるのに対して前記低明度表示領域(除外バット重畳領域S3)の後方にある前記演出部材が視認不可能又は前記可動部材よりも視認困難である第1透過演出パターン(第5変動演出パターン)に基づく透過演出(図60に示す第5液晶透過演出)と、
前記高明度表示領域(ミット重畳領域E2)の後方にある前記演出部材が視認可能であるのに対して前記低明度表示領域(除外ミット重畳領域S2)の後方にある前記可動部材が視認不可能又は前記演出部材よりも視認困難である第2透過演出パターン(第4変動演出パターン)に基づく透過演出(図59に示す第4液晶透過演出)と、が含まれていることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第1透過演出パターンに基づく透過演出が実行されると、演出部材を見えないようにして、可動部材だけがあるように見せることが可能である。また、第2透過演出パターンに基づく透過演出が実行されると、可動部材を見えないようにして、演出部材だけがあるように見せることが可能である。こうして透過演出の中でも透過演出パターンに応じて、遊技者には異なる2種類の演出体(演出部材、可動部材)を別々に把握させることにより、新たな透過演出と思わせることが可能である。
手段15に係る発明は、
手段14に記載の遊技機において、
前記透過演出には、
前記演出制御手段による前記高明度表示領域と前記低明度表示領域の設定に基づいて、前記高明度表示領域(ミット重畳領域E2及びバット重畳領域E3)の後方で前記可動部材と前記演出部材の組合せを視認可能な第3透過演出パターン(第6変動演出パターン)に基づく透過演出(図61に示す第6液晶透過演出)が含まれていることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第3透過演出パターンに基づく透過演出が実行されると、高明度表示領域の後方にある可動部材及び演出部材の両方を視認することが可能である。このようにして、表示画面の後方にある可動部材と演出部材との組合せも見せることが可能となり、バリエーションに富んだ透過演出と思わせることが可能である。
手段16に係る発明は、
手段14又は手段15に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記透過性切替手段を前記第1状態に制御しているときに、前記可動部材を前記待機位置から前記動作位置へ移動させると共に、移動中の前記可動部材の位置に応じて前記高明度表示領域と前記低明度表示領域を設定することにより、前記高明度表示領域(退避位置領域F1,移動途中領域F2,駆動位置領域E1)の後方にある移動中の前記可動部材を視認可能にするのに対して、前記低明度表示領域(表示領域Q1,Q2,Q3)の後方を視認不可能又は当該可動部材よりも視認困難にする透過駆動演出(図53に示す第1液晶透過演出)を実行可能なものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、透過駆動演出の実行中に、移動中の可動部材の位置に応じて、高明度表示領域と低明度表示領域が設定される。これにより高明度表示領域が透け易くなる一方、低明度表示領域が透け難くなって、可動部材の位置が変化しても、表示画面の後方で移動中の可動部材を視認し易くすることが可能である。
〈E〉
手段17に係る発明は、
所定の制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)において、
所定の画像を表示可能な表示画面(液晶パネル760)を有し、当該表示画面よりも後方の領域を前方から視認可能な画像表示手段(演出表示装置7)と、
前記表示画面よりも後方に配されていて、後方を視認可能にする第1状態(透過状態)と、後方を視認不可能又は前記第1状態よりも視認困難にする第2状態(非透過状態)とに切替可能な透過性切替手段(透過フィルム770)と、
前記表示画面よりも前方に配されていて、前記表示画面に対して前後方向に重ならない又は一部が前後方向に重なる前側待機位置(上昇位置)と、前記前側待機位置よりも前記表示画面に対して前後方向に重なる部分が多い前側動作位置(第1下降位置、第2下降位置)とに移動可能な前側可動部材(ボール可動体320)と、
前記透過性切替手段よりも後方に配されていて、前記表示画面に対して前後方向に重ならない又は一部が前後方向に重なる後側待機位置(退避位置)と、前記後側待機位置よりも前記表示画面に対して前後方向に重なる部分が多い後側動作位置(駆動位置)とに移動可能な後側可動部材(バット可動体480、顔可動体440)と、
前記透過性切替手段よりも後方に配されていて、前記表示画面に対して少なくとも一部が前後方向に重なる演出部材(ミット装飾体431)と、
遊技の進行に伴う演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記前側可動部材が前記前側動作位置にあると共に、前記後側可動部材(バット可動体480)が前記後側動作位置にあるときに、前記透過性切替手段を前記第1状態に制御していることで、当該前側可動部材と当該後側可動部材と前記演出部材とを視認可能な特別透過演出(図65(D)に示す第10液晶透過演出)を実行可能なものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特別透過演出により、表示画面よりも前方にある前側可動部材を見せると共に、表示画面よりも後方にある後側可動部材及び演出部材を見せることが可能である。これにより、表示画面の前後で様々な演出体(前側可動部材、後側可動部材、演出部材)が前後方向に重畳して見えるという斬新な印象を与えることが可能であり、遊技興趣を高めることが可能である。
手段18に係る発明は、
手段17に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記前側可動部材が前記前側動作位置(第2下降位置)にあり、前記透過性切替手段を前記第1状態に制御しているときに、前記後側可動部材(顔可動体440)を前記後側待機位置から前記後側動作位置へ移動させることにより、当該前側可動部材と移動中の前記後側可動部材を視認させる後側透過駆動演出(図55(D),図56(A),図56(C)に示す第3液晶透過演出)を実行可能なものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、後側透過駆動演出により、表示画面よりも前方にある前側可動部材を見せつつ、後側可動部材が表示画面の後方で出現するように見せることが可能である。よって、前側可動部材に意識を向けている遊技者に対して、表示画面よりも後方で急に出現する後側可動部材により、強いインパクトを与えることが可能である。
手段19に係る発明は、
手段17又は手段18に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記後側可動部材(バット可動体480)が前記後側動作位置にあり、前記透過性切替手段を前記第1状態に制御しているときに、前記前側可動部材を前記前側待機位置から前記前側動作位置へ移動させることにより、当該後側可動部材と前記演出部材と移動中の前記前側可動部材を視認させる前側透過駆動演出(図65に示す第10液晶透過演出)を実行可能なものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、前側駆動透過演出により、表示画面の後方にある後側可動部材と演出部材を見せつつ、前側可動部材が表示画面の前方で出現するように見せることが可能である。よって、後側可動部材と演出部材に意識を向けている遊技者に対して、表示画面よりも前方で急に出現する前側可動部材により、強いインパクトを与えることが可能である。
手段20に係る発明は、
手段17乃至手段19の何れかに記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記透過性切替手段を前記第1状態に制御しているときに、前記前側可動部材を前記前側待機位置から前記前側動作位置へ移動させると共に、前記後側可動部材(バット可動体480)を前記後側待機位置から前記後側動作位置へ移動させることにより、移動中の前記前側可動部材と移動中の前記後側可動部材と前記演出部材を視認させる両側透過駆動演出(図66に示す第11液晶透過演出)を実行可能なものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、両側透過駆動演出により、表示画面の後方にある演出部材を見せつつ、前側可動部材が表示画面の前方で出現すると共に、後側可動部材が表示画面の後方で出現するように見せることが可能である。よって遊技者には、表示画面の透過中に、表示画面の前後で異なる可動部材(前側可動部材、後側可動部材)が動くという斬新な演出と思わせることが可能である。
〈F〉
手段21に係る発明は、
所定の制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)において、
所定の画像を表示可能な表示画面(液晶パネル760)を有し、当該表示画面よりも後方の領域を前方から視認可能な画像表示手段(演出表示装置7)と、
前記表示画面よりも後方に配されていて、後方を視認可能にする第1状態(透過状態)と、後方を視認不可能又は前記第1状態よりも視認困難にする第2状態(非透過状態)とに切替可能な透過性切替手段(透過フィルム770)と、
前記表示画面よりも前方に配されていて、前記表示画面に対して前後方向に重ならない又は一部が前後方向に重なる前側待機位置(上昇位置)と、前記前側待機位置よりも前記表示画面に対して前後方向に重なる部分が多い前側動作位置(第1下降位置、第2下降位置)とに移動可能な前側可動部材(ボール可動体320)と、
前記透過性切替手段よりも後方に配されていて、前記表示画面に対して前後方向に重ならない又は一部が前後方向に重なる後側待機位置(退避位置)と、前記後側待機位置よりも前記表示画面に対して前後方向に重なる部分が多い後側動作位置(駆動位置)とに移動可能な後側可動部材(バット可動体480、顔可動体440)と、
遊技の進行に伴う演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記前側可動部材が前記前側動作位置にあると共に、前記後側可動部材(バット可動体480)が前記後側動作位置にあるときに、前記透過性切替手段を前記第1状態に制御していることで、当該前側可動部材と当該後側可動部材とを視認可能な特別透過演出(図63(D)に示す第8液晶透過演出)を実行可能なものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特別透過演出により、表示画面よりも前方にある前側可動部材を見せると共に、表示画面よりも後方にある後側可動部材を見せることが可能である。これにより、表示画面の前後で2種類の可動部材(前側可動部材、後側可動部材)が出現して見えているという斬新な印象を与えることが可能であり、遊技興趣を高めることが可能である。
手段22に係る発明は、
手段21に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記前側可動部材が前記前側動作位置(第2下降位置)にあり、前記透過性切替手段を前記第1状態に制御しているときに、前記後側可動部材(顔可動体440)を前記後側待機位置から前記後側動作位置へ移動させることにより、当該前側可動部材と移動中の前記後側可動部材を視認させる後側透過駆動演出(図55(D),図56(A),図56(C)に示す第3液晶透過演出)を実行可能なものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、後側透過駆動演出により、表示画面よりも前方にある前側可動部材を見せつつ、後側可動部材が表示画面の後方で出現するように見せることが可能である。よって、前側可動部材に意識を向けている遊技者に対して、表示画面よりも後方で急に出現する後側可動部材により、強いインパクトを与えることが可能である。
手段23に係る発明は、
手段21又は手段22に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記後側可動部材(バット可動体480)が前記後側動作位置にあり、前記透過性切替手段を前記第1状態に制御しているときに、前記前側可動部材を前記前側待機位置から前記前側動作位置へ移動させることにより、当該後側可動部材と移動中の前記前側可動部材を視認させる前側透過駆動演出(図63に示す第8液晶透過演出)を実行可能なものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、前側透過駆動演出により、表示画面の後方にある後側可動部材を見せつつ、前側可動部材が表示画面の前方で出現するように見せることが可能である。よって、後側可動部材に意識を向けている遊技者に対して、表示画面よりも前方で急に出現する前側可動部材により、強いインパクトを与えることが可能である。
手段24に係る発明は、
手段21乃至手段23の何れかに記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記透過性切替手段を前記第1状態に制御しているときに、前記前側可動部材を前記前側待機位置から前記前側動作位置へ移動させると共に、前記後側可動部材(バット可動体480)を前記後側待機位置から前記後側動作位置へ移動させることにより、移動中の前記前側可動部材と移動中の前記後側可動部材を視認させる両側透過駆動演出(図64に示す第9液晶透過演出)を実行可能なものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、両側駆動透過演出により、前側可動部材が表示画面の前方で出現すると共に、後側可動部材が表示画面の後方で出現するように見せることが可能である。よって遊技者には、表示画面の透過中に、表示画面の前後で異なる可動部材(前側可動部材、後側可動部材)が動くという斬新な演出と思わせることが可能である。
〈G〉
手段25に係る発明は、
所定の制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御する遊技機において、
所定の画像を表示可能な表示画面(液晶パネル760)を有し、当該表示画面よりも後方の領域を前方から視認可能な画像表示手段(演出表示装置7)と、
前記表示画面よりも後方に配されていて、後方を視認可能にする第1状態(透過状態)と、後方を視認不可能又は前記第1状態よりも視認困難にする第2状態(非透過状態)とに切替可能な透過性切替手段(透過フィルム770)と、
前記表示画面よりも前方に配されていて、前記表示画面に対して前後方向に重ならない又は一部が前後方向に重なる前側待機位置(上昇位置)と、前記前側待機位置よりも前記表示画面に対して前後方向に重なる部分が多い前側動作位置(第1下降位置、第2下降位置)とに移動可能な前側可動部材(ボール可動体320)と、
前記透過性切替手段よりも後方に配されていて、前記表示画面に対して少なくとも一部が前後方向に重なる演出部材(ミット装飾体431)と、
遊技の進行に伴う演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記前側可動部材が前記前側動作位置にあるときに、前記透過性切替手段を前記第1状態に制御していることで、当該前側可動部材と前記演出部材とを視認可能な透過演出(図55(B)に示す第3液晶透過演出)を実行可能なものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、透過演出により、表示画面の前方にある前側可動部材を見せつつ、表示画面の後方にある演出部材を見せることが可能である。よって遊技者には、表示画面の前後で2つの演出体(前側可動部材、演出部材)を見せることにより、前後方向に立体的な演出と思わせることが可能であり、遊技興趣を高めることが可能である。
手段26に係る発明は、
手段25に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記透過性切替手段を前記第1状態に制御しているときに、前記前側可動部材を前記前側待機位置から前記前側動作位置へ移動させることにより、移動中の前記前側可動部材と前記演出部材を視認させる透過駆動演出(図62に示す第7液晶透過演出)を実行可能なものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、透過駆動演出により、後方にある演出部材を見せつつ、前側可動部材が表示画面の前方で出現するように見せることが可能である。よって、表示画面を透過して見える演出部材と表示画面よりも前方で急に出現する前側可動部材とにより、強いインパクトを与えることが可能であり、遊技興趣を高めることが可能である。
手段27に係る発明は、
手段26に記載の遊技機において、
前記表示画面よりも後方に配されていて、前記表示画面に対して前後方向に重ならない又は一部が前後方向に重なる後側待機位置(退避位置)と、前記後側待機位置よりも前記表示画面に対して前後方向に重なる部分が多い後側動作位置(駆動位置)とに移動可能な後側可動部材(顔可動体440)を備え、
前記演出制御手段は、
前記透過駆動演出を実行した後でも前記透過性切替手段を前記第1状態に制御しつつ、前記後側可動部材を前記後側待機位置から前記後側動作位置へ移動させる継続透過駆動演出(図55(D),図56(A),図56(C)に示す第3液晶透過演出)を実行可能なものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、表示画面よりも前方の前側可動部材と表示画面よりも後方の演出部材を見せた後に、更に表示画面よりも後方で後側可動部材が出現するという斬新な演出を見せることが可能である。このような透過駆動演出から継続透過駆動演出までの一連の演出により、演出効果を一層高めることが可能である。
手段28に係る発明は、
手段27に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記表示画面の表示領域のうち色の明度が相対的に高い高明度色を表示する高明度表示領域(退避位置領域F1,移動途中領域F2,駆動位置領域E1)と、前記高明度色よりも色の明度が低い低明度色を表示する低明度表示領域(表示領域Q1,Q2,Q3)とを設定可能なものであり、
前記継続透過駆動演出の実行中に、移動中の前記後側可動部材の位置に応じて前記高明度表示領域と前記低明度表示領域を設定することにより、前記高明度表示領域の後方にある移動中の前記後側可動部材を視認可能にするのに対して、前記低明度表示領域の後方にある前記演出部材を視認不可能又は前記後側可動部材よりも視認困難にするものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、継続透過駆動演出の実行中に、移動中の後側可動部材の位置に応じて、高明度表示領域と低明度表示領域が設定される。これにより後側可動部材の位置が変化しても、表示画面の後方で移動中の可動部材を視認し易くして、演出部材を見えないようにすることが可能である。
〈H〉
手段29に係る発明は、
所定の制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)において、
所定の画像を表示可能な表示画面(液晶パネル760)を有し、当該表示画面よりも後方の領域を前方から視認可能な画像表示手段(演出表示装置7)と、
前記表示画面よりも後方に配されていて、後方を視認可能にする第1状態(透過状態)と、後方を視認不可能又は前記第1状態よりも視認困難にする第2状態(非透過状態)とに切替可能な透過性切替手段(透過フィルム770)と、
前記透過性切替手段よりも後方に配されていて、前記表示画面に対して前後方向に重ならない又は一部が前後方向に重なる待機位置(退避位置)と、前記待機位置よりも前記表示画面に対して前後方向に重なる部分が多い動作位置(駆動位置)とに移動可能な可動部材(顔可動体440)と、
遊技の進行に伴う演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記透過性切替手段を前記第1状態に制御しているときに、前記可動部材を前記待機位置から前記動作位置へ移動させることにより、移動中の前記可動部材を視認させる透過駆動演出(図53に示す第1液晶透過演出)を実行可能なものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、透過駆動演出により、表示画面よりも後方で可動部材が動くと共に、可動部材が見える部分が徐々に多くなっていく。これにより、表示画面よりも後方で可動部材が出現するように見せることが可能である。従って、遊技者に可動部材を用いた斬新な演出と思わせることが可能であり、遊技興趣を高めることが可能である。
手段30に係る発明は、
手段29に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記表示画面の表示領域のうち色の明度が相対的に高い高明度色を表示する高明度表示領域と、前記高明度色よりも色の明度が低い低明度色を表示する低明度表示領域とを設定可能なものであり、
前記透過駆動演出の実行中に、移動中の前記可動部材の位置に応じて前記高明度表示領域(退避位置領域F1,移動途中領域F2,駆動位置領域E1)と前記低明度表示領域(表示領域Q1,Q2,Q3)を設定することにより、前記高明度表示領域の後方にある移動中の前記可動部材を視認可能にするのに対して、前記低明度表示領域の後方を視認不可能又は当該可動部材よりも視認困難にするものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、透過駆動演出の実行中に、移動中の可動部材の位置に応じて、高明度表示領域と低明度表示領域が設定される。これにより高明度表示領域が透け易くなって、可動部材の位置が変化しても、表示画面の後方で移動中の可動部材を視認し易くすることが可能である。
手段31に係る発明は、
手段30に記載の遊技機において、
前記透過性切替手段よりも後方に配されていて、前記表示画面に対して少なくとも一部が前後方向に重なる演出部材(ミット装飾体431)を備え、
前記演出制御手段は、
前記可動部材が前記待機位置にあるときに、前記透過性切替手段を前記第1状態に制御していることで、前記演出部材を視認可能な待機透過演出(図55(B)に示す第3液晶透過演出)を実行可能なものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、透過性切替手段が第1状態に切替えられているときに、可動部材が待機位置にあれば、表示画面の透過により演出部材を見せることが可能である。よって、遊技者には、表示画面の透過により異なる2種類の演出体(演出部材、可動部材)を把握させることが可能であり、新たな透過演出と思わせることが可能である。
手段32に係る発明は、
手段31に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記透過駆動演出の実行中に、移動中の前記可動部材の位置と前記演出部材の位置に応じて前記高明度表示領域と前記低明度表示領域を設定することにより、前記高明度表示領域の後方にある移動中の前記可動部材を視認可能にするのに対して、前記低明度表示領域の後方にある前記演出部材を視認不可能又は前記可動部材よりも視認困難にするものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、透過駆動演出の実行中には、移動中の可動部材の位置と演出部材の位置に応じて高明度表示領域と低明度表示領域とが設定される。これにより、低明度表示領域の後方にある演出部材を見えないようにして、高明度表示領域の後方で移動中の可動部材だけがあるように見せることが可能である。
〈I〉
手段33に係る発明は、
所定の制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)において、
所定の画像を表示可能な表示画面(液晶パネル760)を有し、当該表示画面よりも後方の領域を前方から視認可能な画像表示手段(演出表示装置7)と、
前記表示画面よりも後方に配されていて、後方を視認可能にする第1状態(透過状態)と、後方を視認不能又は前記第1状態よりも視認困難にする第2状態(非透過状態)とに切替可能な透過性切替手段(透過フィルム770)と、
前記透過性切替手段よりも後方に配されていて、前記表示画面に対して前後方向に重ならない又は一部が前後方向に重なる待機位置(退避位置)と、前記待機位置よりも前記表示画面に対して前後方向に重なる部分が多い動作位置(駆動位置)とに移動可能な可動部材(顔可動体440)と、
遊技の進行に伴う演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記透過性切替手段を前記第1状態に制御しているときに、前記可動部材を前記待機位置から前記動作位置へ移動させると共に、前記表示画面の表示領域に、当該表示画面の後方を視認可能にする第1の画像(図55(D)、図56(A)、図56(C)に示す画像)と、当該表示画面の後方を視認不可能又は前記第1の画像よりも視認困難にする第2の画像(図55(C)、図55(E)、図56(B)に示す画像)と、を交互に切替えて表示する特別透過駆動演出(図55(C)(D)(E),図56(A)(B)(C)に示す第3液晶透過演出)を実行可能なものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、透過性切替手段が第1状態に制御されているときに、表示画面よりも後方で可動部材が現れるように移動する。このとき表示画面の表示領域に、第1の画像と第2の画像が交互に切替わって表示されることにより、移動中の可動部材が見えたり見えなかったりする。従って、表示画面の後方で現れる可動部材を斬新な感じで見せることが可能であり、遊技興趣を高めることが可能である。
手段34に係る発明は、
手段33に記載の遊技機において、
前記画像表示手段は、前記特別透過駆動演出の実行中に、所定のフレーム数(1フレーム)ごとに、前記第1の画像と前記第2の画像とを交互に切替えて表示することを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、画像表示手段による画像の切替えの制御を容易にすることが可能である。
手段35に係る発明は、
手段33又は手段34に係る発明において、
前記画像表示手段は、前記特別透過駆動演出の実行中に、1秒以下の周期(約0.033秒の周期)で、前記第1の画像の表示と前記第2の画像の表示の切替えを行うものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第1画像の表示と第2画像の表示とが高速で切替えられることにより、移動中の可動部材が点滅するように見えて、派手な印象を与えることが可能である。
手段36に係る発明は、
手段33乃至手段34の何れかに記載の遊技機において、
前記第2の画像は所定の演出画像(赤色エフェクト画像AK)を含む一方、前記第1の画像は前記演出画像を含んでいないことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特別透過駆動演出の実行中に、表示画面の後方で移動中の可動部材が見える状態と、表示画面で演出画像が見える状態とが交互に切替わる。これにより、演出効果を高めることが可能である。
手段37に係る発明は、
手段33乃至手段36の何れかに記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記表示画面の表示領域のうち色の明度が相対的に高い高明度色を表示する高明度表示領域と、前記高明度色よりも色の明度が低い低明度色を表示する低明度表示領域とを設定可能なものであり、
前記特別透過駆動演出で前記第1の画像を表示するときには、移動中の前記可動部材の位置に応じて前記高明度表示領域(退避位置領域F1,移動途中領域F2,駆動位置領域E1)と前記低明度表示領域(表示領域Q1,Q2,Q3)を設定することにより、前記高明度表示領域の後方で移動中の前記可動部材を視認可能にするのに対して、前記低明度表示領域の後方を視認不可能又は当該可動部材よりも視認困難にするものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特別透過駆動演出の実行中に、移動中の可動部材の位置に応じて、高明度表示領域と低明度表示領域が設定される。これにより高明度表示領域が透け易くなって、可動部材の位置が変化しても、表示画面の後方で移動中の可動部材を視認し易くすることが可能である。
手段38に係る発明は、
手段33乃至手段37の何れかに記載の遊技機において、
前記可動部材の視認性を高める照明用の光を出力可能な役物用発光手段(役物用ライト791)を備え、
前記演出制御手段は、前記特別透過駆動演出の実行中で前記第1の画像を表示するときには、前記役物用発光手段に照射用の光を出力させるものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特別透過駆動演出の実行中で可動部材が見えるときには、移動中の可動部材が照明用の光で照らされるため、可動部材を視認し易くすることが可能である。
手段39に係る発明は、
手段38に記載の遊技機において、
前記表示画面へ表示用の光を供給可能な表示用発光手段(バックライト792)を備え、
前記演出制御手段は、
前記特別透過駆動演出の実行中で前記第1の画像を表示するときには、前記役物用発光手段に照明用の光を出力させる一方、前記表示用発光手段に表示用の光を供給させないで、
前記特別透過駆動演出の実行中で前記第2の画像を表示するときには、前記役物用発光手段に照明用の光を出力させない一方、前記表示用発光手段に表示用の光を供給させることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特別透過駆動演出の実行中に、表示画面に表示用の光を供給しないタイミングでは、可動部材が照明用の光で照らされるため、可動部材を視認させ易くすることが可能である。一方、表示画面に表示用の光を供給するタイミングでは、可動部材が照明用の光で照らされない。そのためこのときには、見せない可動部材に対して無駄な照明用の光を出力させずに、電力消費を抑えることが可能である。
〈J〉
手段40に係る発明は、
所定の制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)において、
所定の画像を表示可能な表示画面(液晶パネル760)を有して当該表示画面よりも後方の領域を前方から視認可能な画像表示手段(演出表示装置7)を備え、
前記画像表示手段は、
前記表示画面よりも後方に配されていて、後方を視認可能にする第1状態(透過状態)と、後方を視認不可能又は前記第1状態よりも視認困難にする第2状態(非透過状態)とに切替可能な透過性切替手段(透過フィルム770)と、
前記表示画面及び前記透過性切替手段を囲む周壁部(フレーム枠700と上側構造部710と下側構造部720と左側構造部730と右側構造部740)と、を備え、
前記透過性切替手段よりも後方に配されていて、前記表示画面に対して前後方向に重ならない又は一部が前後方向に重なる待機位置(退避位置)と、前記待機位置よりも前記表示画面に対して前後方向に重なる部分が多い動作位置(駆動位置)とに移動可能な可動部材(顔可動体440,顔可動体490)が設けられていて、
前記周壁部には、前記待機位置と前記動作位置との間で移動する前記可動部材の少なくとも一部を通過させることが可能な逃げ部(切欠部分720a)が形成されていることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、透過性切替手段が第1状態に切替えられているときに、表示画面の後方で可動部材が動くことにより、遊技者には表示画面の後方にある可動部材を見せることが可能である。ここで配置スペースの関係から、仮に画像表示手段と可動部材とを近くに配置すると、移動中の可動部材と画像表示手段の周壁部とが干渉するおそれがある。そこでこの構成の遊技機によれば、待機位置と動作位置との間で移動する可動部材が周壁部の逃げ部を通過できるため、移動中の可動部材と周壁部との干渉を回避することが可能である。
なお、従来より遊技機では、演出表示装置(画像表示手段)が、液晶パネル(表示画面)にて所定の演出画像を表示するようになっている。ここで特開2015−112397号公報に記載の遊技機では、液晶パネルよりも後方に透過フィルム(透過性切替手段)が配されていて、透過フィルムよりも後方に背景画が配されている。透過フィルムは、電圧が作用していないと後方を視認不可能又は視認困難な非透過状態(第2状態)になっていて、電圧が作用されると後方を視認可能な透過状態(第1状態)になるものである。こうして特開2015−112397号公報に記載の遊技機では、透過フィルムを透過状態にすることで、液晶パネルよりも前方から、液晶パネルよりも後方にある背景画を視認することが可能となっている。
ところで、液晶パネルよりも後方を視認可能な遊技機において、透過フィルム(透過性切替手段)よりも後方に移動可能な可動部材を配する構成が新たに考えられる。液晶パネルよりも後方にある可動部材を視認させることで、斬新な演出という印象を与え得るからである。しかしながらこの構成の場合、配置スペースの関係から、液晶パネルの比較的直ぐ後方に可動部材を配置することになり得る。そうなると、移動する可動部材と演出表示装置の周壁部とが干渉するおそれがある。
これに対して手段40に係る発明によれば、透過性切替手段よりも後方に可動部材が配されている遊技機において、移動する可動部材と画像表示手段の周壁部とが干渉するのを回避することが可能である。
手段41に係る発明は、
手段40に記載の遊技機において、
前記可動部材は、前記待機位置又は前記動作位置のいずれにあっても、前記画像表示手段の後端位置よりも前方に配されていて(図19参照)、
前記逃げ部は、前記待機位置と前記動作位置との間で移動する前記可動部材を、当該可動部材が前記画像表示手段の後端位置(7b)よりも前方にある状態で通過可能に形成されていることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、可動部材を画像表示手段の後端位置よりも前方に配置しつつ、可動部材と周壁部との干渉を逃げ部により回避することが可能である。これにより、表示画面よりも後方に可動部材を配置しても、遊技機の前後方向の寸法の増加を抑えることが可能である。
手段42に係る発明は、
手段40又は手段41に記載の遊技機において、
前記周壁部を形成する上下左右の4つの壁部のうち少なくとも1つの壁部(フレーム枠700の下面部702及び下側構造部720)に、前記逃げ部が形成されていて、
前記4つの壁部のうち前記逃げ部が形成されていない壁部(上面部701及び上側構造部710と、左面部703と左側構造部730と、右面部704と右側構造部740)には、前記可動部材の視認性を高める照明用の光を出力可能な役物発用発光手段(上側役物用ライト715と左側役物用ライト735と右側役物用ライト745)が設けられているのに対して、前記逃げ部が形成されている壁部には、前記役物用発光手段が設けられていないことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、逃げ部が形成されていない壁部では、役物用発光手段が照明用の光を出力することで、可動部材を照らすことが可能である。よって、逃げ部が形成されている壁部で役物用発光手段が無くても、可動部材を視認し易くすることが可能である。
手段43に係る発明は、
手段42に記載の遊技機において、
前記4つの壁部のそれぞれには、前記表示画面に表示用の光を供給可能な表示用発光手段(上側表示用LED714と下側表示用LED724と左側表示用LED734と右側表示用LED744)が設けられていることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、逃げ部が形成されていない壁部だけでなく、逃げ部が形成されている壁部にも、表示用発光手段が設けられている。従って、表示画面のうち逃げ部が形成されている壁部の近傍だけ、画像が見えない又は見え難いという事態が生じるのを回避することが可能である。
手段44に係る発明は、
手段40乃至手段43の何れかに記載の遊技機において、
前記可動部材(顔可動体490)には、
当該可動部材が前記待機位置にあるときに前記逃げ部に近い近傍部(上縁部491)があり、
前記近傍部には、
少なくとも前記可動部材による前記動作位置への移動方向側に向かって照明用の光を出力可能な近傍部用発光手段(上側照明用LED492)が設けられていることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、逃げ部が形成されている壁部では発光手段を配置できない又は配置し難くなるため、その壁部の周辺が暗くなるおそれがある。そこで、待機位置にある可動部材のうち逃げ部に近い近傍部に、近傍部用発光手段が設けられている。そのため、可動部材が待機位置にあるときに近傍部用発光手段によって、可動部材による動作位置への移動方向側に向かって照明用の光を出力させることが可能である。こうして、逃げ部が形成されていることによって生じる光度不足を補うことが可能である。
手段45に係る発明は、
手段40乃至手段44の何れかに記載の遊技機において、
前記可動部材(顔可動体490)には、
当該可動部材が前記動作位置にあるときに、前記逃げ部に近い近辺部(下縁部493)があり、
前記近辺部には、
少なくとも前記可動部材による前記動作位置への移動方向側に向かって照射用の光を出力可能な近辺部用発光手段(下側照明用LED494)が設けられていることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、動作位置にある可動部材のうち逃げ部に近い近辺部に、近辺部用発光手段が設けられている。そのため、可動部材が動作位置にあるときに近辺部用発光手段によって、可動部材による動作位置への移動方向側に向かって照明用の光を出力させることが可能である。こうして、逃げ部が形成されていることによって生じる光度不足を補って、動作位置にある可動部材を視認し易くすることが可能である。
〈K〉
手段46に係る発明は、
所定の制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)において、
所定の画像を表示可能な表示画面(液晶パネル760)を有して当該表示画面よりも後方の領域を前方から視認可能な画像表示手段(演出表示装置7)を備え、
前記画像表示手段は、
前記表示画面よりも後方に配されていて、後方を視認可能にする第1状態(透過状態)と、後方を視認不可能又は前記第1状態よりも視認困難にする第2状態(非透過状態)とに切替可能な透過性切替手段(透過フィルム770)と、
前記表示画面及び前記透過性切替手段を囲む周壁部(フレーム枠700と上側構造部710と下側構造部720と左側構造部730と右側構造部740)と、を備え、
前記透過性切替手段よりも後方に配されていて、前記表示画面に対して前後方向に重ならない又は一部が前後方向に重なる待機位置(退避位置)と、前記待機位置よりも前記表示画面に対して前後方向に重なる部分が多い動作位置(駆動位置)とに移動可能な可動部材(顔可動体490)が設けられていて、
前記周壁部には、前記待機位置と前記動作位置との間で移動する前記可動部材の少なくとも一部を通過させることが可能な逃げ部(切欠部分720a)が形成されていて、
前記可動部材には、当該可動部材が前記待機位置にあるときに、前記逃げ部に近い近傍部(上縁部491)があり、
前記近傍部には、少なくとも前記可動部材による前記動作位置への移動方向側に向かって照明用の光を出力可能な近傍部用発光手段(上側照明用LED492)が設けられていることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、待機位置と動作位置との間で移動する可動部材が周壁部の逃げ部を通過できるため、移動中の可動部材と周壁部との干渉を回避することが可能である。しかしながら逃げ部がある場合、その逃げ部が形成されている壁部では発光手段を配置できない又は配置し難くなるため、その壁部の周辺が暗くなるおそれがある。そこでこの構成の遊技機では、待機位置にある可動部材のうち逃げ部に近い近傍部に、近傍部用発光手段が設けられている。そのため、可動部材が待機位置にあるときに近傍部用発光手段によって照明用の光を出力させることが可能である。こうして、逃げ部が形成されていることによって生じる光度不足を補うことが可能である。
なお、移動する可動部材と演出表示装置の周壁部との干渉を回避するために、演出表示装置の周壁部に例えば切欠部分を形成する構成が考えられる。しかしながらこの構成の場合、切欠部分よって本来周壁部に設けられる発光手段を配置できなくなるおそれがある。その結果、切欠部分の周辺では、光度不足が生じかねない。
これに対して手段46に係る発明によれば、透過性切替手段よりも後方に可動部材が配されている遊技機において、移動する可動部材と画像表示手段の周壁部との干渉を回避すると共に、光度不足を回避することが可能である。
手段47に係る発明は、
手段46に記載の遊技機において、
前記透過性切替手段よりも後方に配されていて、前記表示画面に対して少なくとも一部が前後方向に重なる演出部材(ミット装飾体431)を備え、
前記周壁部を形成する上下左右の4つの壁部のうち少なくとも1つの壁部(フレーム枠700の下面部702及び下側構造部720)に、前記逃げ部が形成されていて、
前記4つの壁部のうち前記逃げ部が形成されていない壁部(上面部701及び上側構造部710と、左面部703及び左側構造部730と、右面部704及び右側構造部740)には、前記演出部材の視認性を高める照明用の光を出力可能な役物用発光手段(上側役物用ライト715と左側役物用ライト735と右側役物用ライト745)が設けられているのに対して、前記逃げ部が形成されている壁部には、前記役物用発光手段が設けられていないことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、透過性切替手段が第1状態に切替えられていて、可動部材が待機位置あるときには、表示画面の透過により演出部材を見せることが可能である。このとき、逃げ部が形成されていない壁部では、役物用発光手段が照明用の光を出力することが可能である。そして、逃げ部が形成されている壁部では、役物用発光手段が設けられていないものの、可動部材の近傍部に設けられている近傍部用発光手段が照明用の光を出力することが可能である。よって演出部材を上下左右から照らすことが可能であり、演出部材を視認し易くすることが可能である。
手段48に係る発明は、
手段47に記載の遊技機において、
前記4つの壁部のそれぞれには、前記表示画面に表示用の光を供給可能な表示用発光手段(上側表示用LED714と下側表示用LED724と左側表示用LED734と右側表示用LED744)が設けられていることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、逃げ部が形成されていない壁部だけでなく、逃げ部が形成されている壁部にも、表示用発光手段が設けられている。従って、表示画面のうち逃げ部が形成されている壁部の近傍だけ、画像が見えない又は見え難いという事態が生じるのを回避することが可能である。
〈L〉
手段49に係る発明は、
所定の制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)において、
所定の画像を表示可能な表示画面(液晶パネル760)を有して当該表示画面よりも後方の領域を前方から視認可能な画像表示手段(演出表示装置7)を備え、
前記画像表示手段は、
前記表示画面よりも後方に配されていて、後方を視認可能にする第1状態(透過状態)と、後方を視認不可能又は前記第1状態よりも視認困難にする第2状態(非透過状態)とに切替可能な透過性切替手段(透過フィルム770)と、
前記表示画面及び前記透過性切替手段を囲む周壁部(フレーム枠700と上側構造部710と下側構造部720と左側構造部730と右側構造部740)と、を備え、
前記透過性切替手段よりも後方に配されていて、前記表示画面に対して前後方向に重ならない又は一部が前後方向に重なる待機位置(退避位置)と、前記待機位置よりも前記表示画面に対して前後方向に重なる部分が多い動作位置(駆動位置)とに移動可能な可動部材(顔可動体490)が設けられていて、
前記周壁部には、前記待機位置と前記動作位置との間で移動する前記可動部材の少なくとも一部を通過させることが可能な逃げ部(切欠部分720a)が形成されていて、
前記可動部材には、当該可動部材が前記動作位置にあるときに、前記逃げ部に近い近辺部(下縁部493)があり、
前記近辺部には、少なくとも前記可動部材による前記動作位置への移動方向側に向かって照明用の光を出力可能な近辺部用発光手段(下側照明用LED494)が設けられていることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、待機位置と動作位置との間で移動する可動部材が周壁部の逃げ部を通過できるため、移動中の可動部材と周壁部との干渉を回避することが可能である。しかしながら逃げ部がある場合、その逃げ部が形成されている壁部で発光手段を配置できない又は配置し難くなるため、その壁部の周辺が暗くなるおそれがある。そこでこの構成の遊技機では、動作位置にある可動部材のうち逃げ部に近い近辺部に、近辺部用発光手段が設けられている。そのため、可動部材が動作位置にあるときに近辺部用発光手段によって照明用の光を出力させることが可能である。こうして、逃げ部が形成されていることによる光度不足を補うことが可能であり、動作位置にある可動部材を視認し易くすることが可能である。
手段50に係る発明は、
手段49に記載の遊技機において、
前記周壁部を形成する上下左右の4つの壁部のうち少なくとも1つの壁部(フレーム枠700の下面部702及び下側構造部720)に、前記逃げ部が形成されていて、
前記4つの壁部のうち前記逃げ部が形成されていない壁部(上面部701及び上側構造部710と、左面部703及び左側構造部730と、右面部704及び右側構造部740)には、前記可動部材の視認性を高める照明用の光を出力可能な役物用発光手段(上側役物用ライト715と左側役物用ライト735と右側役物用ライト745)が設けられているのに対して、前記逃げ部が形成されている壁部には、前記役物用発光手段が設けられていないことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、透過性切替手段が第1状態に切替えられていて、可動部材が動作位置あるときには、表示画面の透過により可動部材を見せることが可能である。このとき、逃げ部が形成されていない壁部では、役物用発光手段が照明用の光を出力することが可能である。そして、逃げ部が形成されている壁部では、役物用発光手段が設けられていないものの、可動部材の近辺部に設けられている近辺部用発光手段が照明用の光を出力することが可能である。よって、動作位置にある可動部材を上下左右から照らすことが可能であり、可動部材を視認し易くすることが可能である。
手段51に係る発明は、
手段50に記載の遊技機において、
前記4つの壁部のそれぞれには、前記表示画面に表示用の光を供給可能な表示用発光手段(上側表示用LED714と下側表示用LED724と左側表示用LED734と右側表示用LED744)が設けられていることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、逃げ部が形成されていない壁部だけでなく、逃げ部が形成されている壁部にも、表示用発光手段が設けられている。従って、表示画面のうち逃げ部が形成されている壁部の近傍だけ、画像が見えない又は見え難いという事態が生じるのを回避することが可能である。
〈M〉
手段52に係る発明は、
所定の遊技部品(裏側演出ユニット200)を備え、
所定の制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)において、
前記遊技部品は、少なくとも第1ユニット(前側演出ユニット300)と第2ユニット(後側演出ユニット400)とを備え、
前記第2ユニットは、所定部材(顔可動体440)を備え、前記第1ユニットに対して取付け可能又は取外し可能なものであり、
前記第1ユニットは、
当該第1ユニットと前記第2ユニットとが取付けられている状態で、前記第2ユニットの前記所定部材の取外し方向側に少なくとも一部が対向する対向部材(中継基板取付部材500)を備え、
前記対向部材は、
前記第1ユニットと前記第2ユニットとが取付けられている状態で、前記所定部材の取外し方向側に少なくとも一部が対向する対向位置(図32(A)に示す位置)と、前記所定部材の取外し方向側に対向しない非対向位置(図32(B)に示す位置)との間で移動できるように、前記第1ユニットに支持されていることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、遊技部品において、第2ユニットの所定部材の取外し方向側と第1ユニットの対向部材とが対向し得る。この場合、第2ユニットを第1ユニットから取外そうとしても、所定部材の取外し方向側が第1ユニットの対向部材と干渉してしまう。そこでこの構成の遊技機では、第1ユニットの対向部材が、所定部材の取外し方向側に対向する対向位置から、対向しない非対向位置へ移動可能となっている。そのため、対向部材を非対向位置へ移動させた状態であれば、第2ユニットを第1ユニットから取外すことが可能であり、また第2ユニットを第1ユニットに対して取付けることが可能である。
なお従来より、遊技機の一例であるパチンコ遊技機には、様々な遊技部品が設けられている。これら遊技部品は、複数のユニット(第1ユニットと第2ユニット)が着脱可能に組付けられていることにより、構成されていることが多い。第1ユニットと第2ユニットにより構成された遊技部品のメリットとしては、例えば第2ユニットの部材に故障又は不具合が生じた場合に、遊技部品全体を修理又は交換しないで、第2ユニットだけを修理又は交換するだけで対応できることが挙げられる。特開2001−112950号公報には、遊技部品の一例として遊技盤ユニットが記載されていて、遊技盤ユニットは、板状部材である遊技盤の後側に裏ユニットが組付けられたものである。
ところで通常であれば、第1ユニットと第2ユニットとが取付けられている状態において、第2ユニットの取外し方向側が、第1ユニットに対向していることはない。しかしながら近年、遊技機の構成部品が密集化している。そのため、例えば第2ユニットの中に所定部材を収容した場合に、第2ユニットの所定部材の取外し方向側が、第1ユニットに対向してしまうことがあり得る。そうなると、第2ユニットを第1ユニットから取外そうとしても、第2ユニットの所定部材が第1ユニットと干渉してしまい、取外すことができなくなってしまう。
これに対して手段52に係る発明によれば、第2ユニットの所定部材の取外し方向側が第1ユニットに対向していても、対向部材を対向位置から非対向位置へ移動させることで、第2ユニットを第1ユニットから取外すことが可能である。
手段53に係る発明は、
手段52に記載の遊技機において、
遊技球が流下可能な遊技領域(3)を形成する遊技盤(2)を備え、
前記遊技部品は、前記遊技盤の後側に取付けられている裏ユニットであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、裏ユニットにおいて、第2ユニットに設けられている部材に不具合又は故障が生じた場合、第2ユニットを第1ユニットから取外して、新しい第2ユニットを第1ユニットに取付けることが可能である。また第1ユニットに設けられている部材に不具合又は故障が生じた場合でも、第2ユニットを第1ユニットから取外して、取外した第2ユニットを新しい第1ユニットに取付けることが可能である。よって、裏ユニットに設けられている部材に異常が生じたとき、裏ユニット全体を交換することなく対応することが可能である。
手段54に係る発明は、
手段53に記載の遊技機において、
前記裏ユニットは、前記第1ユニットが前記遊技盤の後側に取付けられている一方、前記第2ユニットが前記遊技盤に取付けられていないものであり、
前記第2ユニットは、移動可能な可動部材(顔可動体440)と、前記可動部材を移動させる駆動源(顔直動用モータ456)とを少なくとも備えていることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第2ユニットは、可動部材と駆動源とを備えるため、時間経過に伴って故障又は不具合が比較的に生じ易いものである。また第2ユニットは、第1ユニットのように遊技盤の後側に取付けられていないため、第1ユニットよりも交換し易いものである。よって第2ユニットに異常が生じた場合に、裏ユニット全体を交換することなく簡易に対応することが可能である。
手段55に係る発明は、
手段54に記載の遊技機において、
前記第1ユニット又は前記第2ユニットの何れか一方は、所定の画像を表示可能な表示画面(液晶パネル760)を有して当該表示画面よりも後方の領域を視認可能な画像表示手段(演出表示装置7)を備え、
前記第2ユニットが備える前記所定部材は、前記可動部材であり、
前記可動部材は、前記表示画面よりも後方に配されていて、前記表示画面に対して前後方向に重ならない又は一部が前後方向に重なる待機位置(退避位置)と、前記待機位置よりも前記表示画面に対して前後方向に重なる部分が多い動作位置(駆動位置)とに移動可能なものであり、
前記対向部材は、前記対向位置にあるときに前記待機位置にある前記可動部材に対向する一方(図31(A)参照)、前記非対向位置にあるときに前記待機位置にある前記可動部材に対向しない(図31(B)参照)ものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、表示画面を透過させて、表示画面の後方で可動部材が動くことにより、遊技者には可動部材を用いた新たな演出と思わせることが可能である。しかしながらこの構成の場合、第2ユニットに設けられている可動部材が待機位置にあるときに、第2ユニットを第1ユニットから取外そうとしても、可動部材の取外し方向側が第1ユニットの対向部材と干渉してしまう。そこで、対向部材を非対向位置へ移動させることで、可動部材を対向部材に干渉させることなく、第2ユニットを第1ユニットから取外すことが可能である。
〈N〉
手段56に係る発明は、
所定の特定ユニット(裏側演出ユニット200)と、
所定の中継基板(第1中継基板510及び第2中継基板520)を取付けている中継基板取付部材(500)を備え、
所定の制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)において、
異なる2つの部材(前側演出ユニット300、後側演出ユニット400)の方からそれぞれ延びている第1配線(ハーネスH2)と第2配線(主基板用ハーネスH3)とを備え、
前記第1配線に連結している第1コネクタ(コネクタCN2)と、前記第2配線に連結している第2コネクタ(コネクタCN3)は、それぞれ前記中継基板に接続されていて、
前記中継基板に接続されている前記第1コネクタの数(19)は、前記中継基板に接続されている前記第2コネクタの数(1)よりも多くなっていて、
前記中継基板取付部材は、
前記第2コネクタが前記中継基板から取外されている一方、前記第1コネクタが前記中継基板に接続されている状態で、前記第1配線を引っ張らない方向へ移動できるように前記特定ユニットに支持されている(図32(A)(B)参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第2コネクタを中継基板から取外して、第1コネクタを中継基板に取付けたまま、中継基板取付部材を移動させることが可能である。つまり、中継基板取付部材を移動させたい場合に、数が多い方の第1コネクタを中継基板に接続したまま、数が少ない方の第2コネクタを取外すだけで済む。従って、少ない作業負担で中継基板取付部材を移動させることが可能である。
なお従来より、遊技機の一例であるパチンコ遊技機には、多くの中継基板が設けられている。中継基板は、所定の電気部品と制御基板との間が比較的離れている場合に、当該電気部品と制御基板の間に配されているものである。従って、或る部材からハーネス(第1配線)が延びていて、このハーネスに連結しているコネクタ(第1コネクタ)が中継基板に接続される。また、別の部材からハーネス(第2配線)が延びていて、このハーネスに連結しているコネクタ(第2コネクタ)が中継基板に接続されることになる。特開2007−275286号公報では、このような中継基板が中継基板取付部材に取付けられていて、この中継基板取付部材が裏ユニットに固定されていることが示されている。
ところで、中継基板取付部材と所定部材との干渉を回避したり、その他の配線の取り回しを簡易にする等の理由から、中継基板取付部材を移動させたいという事態はあり得る。しかしながら中継基板取付部材を移動させる場合には、以下の問題が生じ得る。即ち、中継基板には上述したように、少なくとも異なる2つの部材から延びる第1配線と第2配線の各コネクタがそれぞれ接続されている。従って、各コネクタが中継基板に接続されたまま、中継基板取付部材を移動させると、第1配線や第2配線が引っ張られて、断線するおそれがある。その一方で、中継基板に接続されている全てのコネクタを取外してから、中継基板取付部材を移動させることになると、取外すコネクタの数が多い場合に、作業負担が大きくなる。
これに対して手段56に係る発明によれば、第1コネクタを中継基板に接続したまま、少ない作業負担で中継基板取付部材を移動させることが可能である。
手段57に係る発明は、
手段56に記載の遊技機において、
前記特定ユニットは、内部空間(図32(B)に示す内部空間SP2)を形成している壁部(ベース体410)を備え、
前記中継基板取付部材は、
前記壁部の一部を形成している第1位置(図32(A)に示す位置)と、前記第1位置よりも前記特定ユニットの内部空間を露出させる第2位置(図32(B)に示す位置)との間で移動できるように、前記特定ユニットに支持されていることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、中継基板取付部材が特定ユニットの壁部の一部を形成している。ここで特定ユニットの内部空間にある部品(例えば不具合又は故障が生じた遊技部品や、内部空間に入り込んでしまったビス等)を、その内部空間よりも外側へ取出したい場合が生じ得る。そこでこの場合には、中継基板取付部材を特定ユニットに支持されている状態で、第1位置から第2位置へ移動させることにより、特定ユニットの内部空間を露出させることが可能である。これにより、特定ユニットの内部空間にある部品を、簡易な方法でその内部空間よりも外側へ取出すことが可能である。
手段58に係る発明は、
手段57に記載の遊技機において、
前記特定ユニットは、少なくとも第1ユニット(前側演出ユニット300)と第2ユニット(後側演出ユニット400)とを備え、
前記第2ユニットは、所定部材(顔可動体440)を備え、前記第1ユニットに対して取付け可能又は取外し可能なものであり、
前記中継基板取付部材は、
前記第1ユニットと前記第2ユニットとが取付けられている状態で、前記第1位置から前記第2位置へ移動すると、前記所定部材の取外し方向側に少なくとも一部が対向する対向位置(図31(A)に示す位置)から、前記所定部材の取外し方向側に対向しない非対向位置(図31(B)に示す位置)へ移動できるように、前記第1ユニットに支持されていることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特定ユニットにおいて、第2ユニットに設けられている部材に不具合又は故障が生じた場合、第2ユニットを第1ユニットから取外すことが考えられる。この場合に、第1ユニットの中継基板取付部材を、対向位置から非対向位置へ移動させることにより、第2ユニットの所定部材の取外し方向側に対向しないようにすることが可能である。これにより、所定部材を中継基板取付部材に干渉させることなく、第2ユニットを第1ユニットから取外すことが可能である。
手段59に係る発明は、
手段58に記載の遊技機において、
遊技球が流下可能な遊技領域(3)を形成する遊技盤(2)を備え、
前記特定ユニットは、前記遊技盤の後側に取付けられている裏ユニットであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、裏ユニットにおいて、第2ユニットに設けられている部材に不具合又は故障が生じた場合、第2ユニットを第1ユニットから取外して、新しい第2ユニットを第1ユニットに取付けることが可能である。また第1ユニットに設けられている部材に不具合又は故障が生じた場合でも、第2ユニットを第1ユニットから取外して、取外した第2ユニットを新しい第1ユニットに取付けることが可能である。よって、裏ユニットに設けられている部材に異常が生じたとき、裏ユニット全体を交換することなく対応することが可能である。
手段60に係る発明は、
手段56乃至手段59の何れかに記載の遊技機において、
前記中継基板取付部材は、複数の前記第1配線を係止することが可能な係止部(第1係止片504及び第2係止片505)を備え、
前記係止部は、前記複数の第1配線を係止している状態で、当該複数の第1配線に接続されている前記第1コネクタが前記中継基板に対して着脱できるように構成されていることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、複数の第1配線を中継基板取付部材の係止部に係止したまま、それら第1配線の各第1コネクタを中継基板に対して着脱することが可能である。従って、数が多い第1配線がバラバラになるのを回避して、第1コネクタの着脱作業を行うことが可能である。
手段61に係る発明は、
手段56乃至手段60の何れかに記載の遊技機において、
前記中継基板取付部材は、
前記特定ユニットに対して所定の回転軸(501a,502a)周りに回転できるように支持されていて、
前記第1コネクタが前記中継基板に接続されている状態で、前記第1配線を引っ張らない方向として回転方向の一方側(図32(B)の矢印が示す方向)へ回転可能なものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第1コネクタを中継基板に接続したまま、第1配線が引っ張られないように中継基板取付部材を移動させる構造を、中継基板取付部材を回転させる構造によって、比較的簡易に実現することが可能である。
〈O〉
手段62に係る発明は、
所定の第1ユニット(前側演出ユニット300)及び第2ユニット(後側演出ユニット400)と、
所定の中継基板(第1中継基板510及び第2中継基板520)を取付けている中継基板取付部材(500)を備え、
所定の制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)において、
前記第2ユニットは、所定部材(顔可動体440)を備え、前記第1ユニットに対して取付け可能又は取外し可能なものであり、
前記第1ユニットは、前記中継基板取付部材を備え、
前記第1ユニット側から延びている第1配線(ハーネスH2)と、
前記第2ユニット側から延びている第2配線(主基板用ハーネスH3)とを備え、
前記第1配線に連結している第1コネクタ(コネクタCN1)と、前記第2配線に連結している第2コネクタ(コネクタCN3)は、それぞれ前記中継基板に接続されていて、
前記中継基板に接続されている前記第1コネクタの数(19)は、前記中継基板に接続されている前記第2コネクタ(1)の数よりも多くなっていて、
前記中継基板取付部材は、
前記第1ユニットと前記第2ユニットとが取付けられている状態で、且つ前記第2コネクタが前記中継基板から取外されている一方、前記第1コネクタが前記中継基板に接続されている状態で、前記所定部材の取外し方向側に少なくとも一部が対向する対向位置(図32(A)に示す位置)と、前記所定部材の取外し方向側に対向しない非対向位置(図32(B)に示す位置)との間で移動できるように、前記第1ユニットに支持されていることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第2ユニットの所定部材の取外し方向側と第1ユニットの中継基板取付部材とが対向し得る。この場合、第2ユニットを第1ユニットから取外そうとしても、所定部材の取外し方向側が第1ユニットの中継基板取付部材と干渉してしまう。そこでこの構成の遊技機では、第2コネクタを中継基板から取外して、第1コネクタを中継基板に取付けたまま、中継基板取付部材を、所定部材の取外し方向側に対向する対向位置から、対向しない非対向位置へ移動させることが可能である。つまり、中継基板取付部材を移動させたい場合に、数が多い方の第1コネクタを中継基板に接続したまま、数が少ない方の第2コネクタを取り外すだけで済む。従って、少ない作業負担で中継基板取付部材を移動させて、第2ユニットを第1ユニットから取外すことが可能である。
手段63に係る発明は、
手段62に記載の遊技機において、
遊技球が流下可能な遊技領域(3)を形成する遊技盤(2)を備え、
前記第1ユニットと前記第2ユニットは、前記遊技盤の後側に取付けられている裏ユニット(裏側演出ユニット200)を構成するものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、裏ユニットにおいて、第2ユニットに設けられている部材に不具合又は故障が生じた場合、第2ユニットを第1ユニットから取外して、新しい第2ユニットを第1ユニットに取付けることが可能である。また第1ユニットに設けられている部材に不具合又は故障が生じた場合でも、第2ユニットを第1ユニットから取外して、取外した第2ユニットを新しい第1ユニットに取付けることが可能である。よって、裏ユニットに設けられている部材に異常が生じたとき、裏ユニット全体を交換することなく対応することが可能である。
手段64に係る発明は、
手段63に記載の遊技機において、
前記裏ユニットは、前記第1ユニットが前記遊技盤の後側に取付けられている一方、前記第2ユニットが前記遊技盤に取付けられていないものであり、
前記第2ユニットは、移動可能な可動部材(顔可動体440)と、前記可動部材を移動させる駆動源(顔直動用モータ456)とを少なくとも備えていることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第2ユニットは、可動部材と駆動源とを備えるため、時間経過に伴って故障又は不具合が比較的に生じ易いものである。また第2ユニットは、第1ユニットのように遊技盤の後側に取付けられていないため、第1ユニットよりも交換し易いものである。よって第2ユニットに異常が生じた場合に、裏ユニット全体を交換することなく簡易に対応することが可能である。
手段65に係る発明は、
手段64に記載の遊技機において、
前記第1ユニット又は前記第2ユニットの何れか一方は、所定の画像を表示可能な表示画面(液晶パネル760)を有して当該表示画面よりも後方の領域を視認可能な画像表示手段(演出表示装置7)を備え、
前記第2ユニットが備える前記所定部材は、前記可動部材であり、
前記可動部材は、前記表示画面よりも後方に配されていて、前記表示画面に対して前後方向に重ならない又は一部が前後方向に重なる待機位置(退避位置)と、前記待機位置よりも前記表示画面に対して前後方向に重なる部分が多い動作位置(駆動位置)とに移動可能なものであり、
前記中継基板取付部材は、前記対向位置にあるときに前記待機位置にある前記可動部材に対向する一方(図31(A)参照)、前記非対向位置にあるときに前記待機位置にある前記可動部材に対向しない(図31(B)参照)ものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、表示画面を透過させて、表示画面の後方で可動部材が動くことにより、遊技者には可動部材を用いた新たな演出と思わせることが可能である。しかしながらこの構成の場合、第2ユニットに設けられている可動部材が待機位置にあるときに、第2ユニットを第1ユニットから取外そうとしても、可動部材の取外し方向側が第1ユニットの中継基板取付部材と干渉してしまう。そこで、中継基板取付部材を非対向位置へ移動させることで、可動部材を対向部材に干渉させることなく、第2ユニットを第1ユニットから取外すことが可能である。
〈P〉
手段66に係る発明は、
遊技球が流下可能な遊技領域(3)を形成する遊技盤(2)と、
前記遊技盤の後側に取付けられている裏ユニット(裏側演出ユニット200)と、を備え、
所定の制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)において、
前記裏ユニットは、少なくとも第1部材(ロゴ部材350等)を組付けている第1裏ユニット(前側演出ユニット300)と、少なくとも第2部材(顔可動体440、顔直動用モータ456等)を組付けている第2裏ユニット(後側演出ユニット400)とを備え、
前記第2裏ユニットは、前記第2部材を組付けている状態で、前記第1裏ユニットに対して取付け可能又は取外し可能なものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、裏ユニットにおいて、第2裏ユニットに設けられている第2部材に不具合又は故障が生じた場合、第2裏ユニットを第1裏ユニットから取外して、新しい第2裏ユニットを第1裏ユニットに取付けることが可能である。また第1裏ユニットに設けられている第1部材に不具合又は故障が生じた場合でも、第2裏ユニットを第1裏ユニットから取外して、取外した第2裏ユニットを新しい第1裏ユニットに取付けることが可能である。よって、裏ユニット全体を交換することなく対応することが可能である。また、第1裏ユニットと第2裏ユニットとに分割できる構造であるため、不具合又は故障が生じた部材の取外しが簡易になり、修理又は交換し易い構造になり得る。
なお従来より、遊技機の一例であるパチンコ遊技機には、遊技機枠の内部に遊技盤ユニットが収容されるようになっている。遊技盤ユニットは、特開2014−076179号公報に記載のように、板状部材である遊技盤の後側に、裏ユニット(裏側演出ユニット)が取付けられたものである。遊技盤ユニットは、裏ユニットと蓋の役割を果たす遊技盤とによって、略ケース状になる。そのため裏ユニットには、遊技盤以外の様々な部材が組付け又は収容される。具体的には、演出表示装置、装飾部材、可動部材、駆動源、ハーネス、各種の制御基板等が組付け又は収容されることになる。
ところで、特開2014−076179号公報に記載の裏ユニットは、様々な部材を収容又は組付ける機能を果たすものとして、それ以上に小さいユニットに分割されない構造である。すなわち裏ユニットとしては、1つしかないものになっている。そのため、仮に裏ユニットに設けられている部材に不具合又は故障が生じた場合に、裏ユニット全体を交換することになると、コストが嵩んでしまう。また、裏ユニットから不具合又は故障が生じた部材を取外そうとした場合、裏ユニットが分割できない構造であるため、その部材を取外し難い。つまり、裏ユニットに設けられている部材の修理又は交換をし難い構造になっている。
これに対して手段66に係る発明によれば、裏ユニットを第1ユニットと第2ユニットとに分割できるため、裏ユニットに設けられている部材に異常が生じた場合の対応を簡易にすることが可能である。
手段67に係る発明は、
手段66に記載の遊技機において、
前記裏ユニットは、前記第1裏ユニットが前記遊技盤の後側に取付けられている一方、前記第2裏ユニットが前記遊技盤に取付けられていないものであり、
前記第2裏ユニットは、前記第2部材として移動可能な可動部材(顔可動体440)と、前記可動部材を移動させる駆動源(顔直動用モータ456)とを少なくとも備えていることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第2裏ユニットは、可動部材と駆動源とを備えるため、時間経過に伴って故障又は不具合が比較的に生じ易いものである。また第2裏ユニットは、第1裏ユニットのように遊技盤の後側に取付けられていないため、第1裏ユニットよりも交換し易いものである。よって第2裏ユニットに異常が生じた場合に、裏ユニット全体を交換することなく簡易に対応することが可能である。
手段68に係る発明は、
手段67に記載の遊技機において、
前記第1裏ユニット又は前記第2裏ユニットの何れか一方には、所定の画像を表示可能な表示画面(液晶パネル760)を有して当該表示画面よりも後方の領域を視認可能な画像表示手段(演出表示装置7)が設けられていて、
前記可動部材は、前記表示画面よりも後方に配されていて、前記表示画面に対して前後方向に重ならない又は一部が前後方向に重なる待機位置(退避位置)と、前記待機位置よりも前記表示画面に対して前後方向に重なる部分が多い動作位置(駆動位置)とに移動可能なものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、表示画面を透過させて、表示画面の後方で可動部材が動くことにより、遊技者には可動部材を用いた新たな演出と思わせることが可能である。ここで可動部材に異常が生じた場合に、仮に裏ユニット全体を交換することになると、コストが嵩んでしまう。そこでこの場合には、第2裏ユニットだけを交換することで安価且つ簡易に対応することが可能である。
手段69に係る発明は、
手段68に記載の遊技機において、
前記第1裏ユニットは、
当該第1裏ユニットと前記第2裏ユニットとが取付けられている状態で、前記待機位置にある前記可動部材の取外し方向側に少なくとも一部が対向する対向部材(中継基板取付部材500)を備え、
前記対向部材は、
前記第1裏ユニットと前記第2裏ユニットとが取付けられている状態で、前記待機位置にある前記可動部材の取外し方向側に少なくとも一部が対向する対向位置(図32(A)に示す位置)と、前記待機位置にある前記可動部材の取外し方向側に対向しない非対向位置(図32(B)に示す位置)との間で移動できるように、前記第1裏ユニットに支持されていることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、裏ユニットにおいて、待機位置にある可動部材の取外し方向側と第1裏ユニットの対向部材とが対向し得る。この場合、第2裏ユニットを第1裏ユニットから取外そうとしても、可動部材の取外し方向側が第1裏ユニットの対向部材と干渉してしまう。そこでこの構成の遊技機では、第1裏ユニットの対向部材が、可動部材の取外し方向側に対向する対向位置から、対向しない非対向位置へ移動可能となっている。そのため、対向部材を非対向位置へ移動させた状態であれば、可動部材を対向部材に干渉させないで、第2裏ユニットを第1裏ユニットから取外すことが可能である。
〈Q〉
手段70に係る発明は、
所定の特定ユニット(裏側演出ユニット200)と、
所定の中継基板(第1中継基板510及び第2中継基板520)を取付けている中継基板取付部材(500)と、を備え、
所定の制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)において、
前記特定ユニットは、内部空間(SP2)を形成している壁部(後壁部200A)を備え、
前記中継基板取付部材は、
前記壁部の一部を形成している第1位置(図32(A)に示す対向位置)と、前記第1位置よりも前記特定ユニットの内部空間を露出させる第2位置(図32(B)に示す非対向位置)との間で移動できるように、前記特定ユニットに支持されていることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、中継基板取付部材が特定ユニットの壁部の一部を形成している。ここで特定ユニットの内部空間にある部品(例えば不具合又は故障が生じた遊技部品や、内部空間に入り込んでしまったビス等)を、その内部空間よりも外側へ取出したい場合が生じ得る。そこでこの場合には、中継基板取付部材を特定ユニットに支持されている状態で、第1位置から第2位置へ移動させることにより、特定ユニットの内部空間を露出させることが可能である。これにより、特定ユニットの内部空間にある部品を、簡易な方法でその内部空間よりも外側へ取出すことが可能である。