以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.遊技機の構成
図1は、本実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。本実施形態の遊技機は、遊技場から貸し出された遊技球(遊技媒体)を用いて遊技を行うものであり、遊技機の外側面を形成する外枠2と、遊技機の内部に設けられ、遊技球が移動する遊技領域4を形成する遊技盤6と、遊技盤6を遊技者が視認可能かつ接触不可能にするガラスユニット8と、ガラスユニット8が取り付けられている前枠10を備えている。
そして前枠10のうちガラスユニット8を取り囲む部分は、光が透過する半透明の素材により構成されており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の前枠ランプ12が設けられている。また、前枠10の上部の左右および下部の左右には、遊技を盛り上げるための演出音などを出力するスピーカー14が設けられている。
また前枠10の下部中央には、遊技球を貯留するための上皿16が設けられており、上皿16の内側側面の左部には、遊技機から遊技者に遊技球を払い出すための払出口18が設けられている。また前枠10の下部右側には、グリップユニット20が設けられており、遊技者がグリップユニット20を遊技機に向かって右回りに回転させる操作を行うと、遊技機内部に設けられた図示しない発射装置が作動して、遊技領域4内に遊技球が発射されるようになっている。なお本実施形態の発射装置は、1分間に99個(1秒間に1.65個)の遊技球を発射することができる。
そして上皿16の内側側面の右部には、上皿16から遊技球を発射装置に供給するための供給口22が設けられている。また上皿16の下方には、上皿16に遊技球を貯留しきれなくなった場合に余剰の遊技球を貯留しておく下皿24が設けられている。
また上皿16の縁部手前側には、演出ボタン26(演出操作手段)が設けられており、遊技者が演出ボタン26を操作すると、遊技機で行われる演出が変化する。
図2は、図1で示した遊技盤6の外観構成を示す正面図である。図2に示すように遊技盤6には、円形状に外レール28が設けられており、外レール28に囲まれた領域が、遊技球が移動する遊技領域4となっている。また遊技領域4の左端部には、外レール28に沿うように円弧状に内レール30が設けられており、外レール28と内レール30は、遊技盤6の下方に設けられた図示しない発射装置から発射された遊技球を遊技領域4に誘導する。
また遊技盤6の中央部には、遊技を盛り上げるための演出画像などを表示する液晶ディスプレイ31(演出画像表示手段)と、液晶ディスプレイ31の表示領域を囲むように形成された装飾部32を備える演出ユニット33が設けられている。ここで装飾部32は、光が透過する半透明の素材により構成された部分を有しており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の装飾部ランプ34が設けられている。
また本実施形態の演出ユニット33は、図3に示すように、剣の形状を模した演出物36を備えており、演出物36は、演出ユニット33の左上部の内部に設けられた回転軸を中心として回転可能に取り付けられている。そして演出物36は、図3に示すように液晶ディスプレイ31の表示領域の一部を覆い、遊技者から視認可能となる出現状態(第1状態)と、図2に示すように液晶ディスプレイ31の上方に収納されて、遊技者から視認不能となる収納状態(第2状態)との間で動作するように形成されている。そして演出ユニット33の内部には、図示しないモーターなどの駆動手段が設けられており、駆動手段によって演出物36が出現状態となったり収納状態となったりするように制御される。
そして本実施形態では、演出ユニット33の手前側を遊技球が通過できないようになっており、発射装置から発射された遊技球は、演出ユニット33の左側の遊技領域4か演出ユニット33の右側の遊技領域4を落下するようになっている。そして遊技領域4には、遊技盤6の表面に交差するように図示しない多数の遊技釘が打ち付けられており、遊技領域4を移動する遊技球の移動方向がランダムに変化するようになっている。
また装飾部32の左部には、演出ユニット33の左側の遊技領域4を落下する遊技球が通過できる開口40が形成されており、この開口40を通過した遊技球は装飾部32の内部に設けられている通路42を通過して、装飾部32の下部に設けられたステージ44に落下するようになっている。このステージ44の上面は滑らかな曲面となっているとともに、ステージ44とガラスユニット8との間に遊技球がステージ44から下方に落下できる隙間が形成されており、通路42からステージ44上に落下した遊技球がステージ44上を左右に往復移動した後にステージ44の中央部付近から下方に落下するようになっている。
そしてステージ44の中央部の下方には、ステージ44の中央部付近から下方に落下した遊技球が進入可能な第1始動入賞口46が設けられている。この第1始動入賞口46は、遊技球が進入したことを検出するセンサ(遊技媒体検出手段)を内蔵し、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収されるように構成されており、第1始動入賞口46に遊技球が進入するたびに、遊技者に対して所定個数(1個以上の規定数、例えば3個)の遊技球が払い出されるとともに、乱数値を取得して大当たりの当否を決定する特別抽選が行われる。
また演出ユニット33の右側の遊技領域4には、遊技球が遊技機内部に回収されずに通過する通過ゲート48が設けられている。この通過ゲート48は、遊技球が通過したことを検出するセンサを内蔵し、通過ゲート48を遊技球が通過するたびに、乱数値を取得して普通当たりの当否を決定する普通抽選が行われる。
また演出ユニット33の右側の遊技領域4には、通過ゲート48の下方に、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収される第2始動入賞口50が設けられている。この第2始動入賞口50は、遊技球が進入したことを検出するセンサ(遊技媒体検出手段)を内蔵するとともに、第2始動入賞口50に遊技球が進入しにくい縮小状態(進入を補助しない状態・非補助状態)と遊技球が進入しやすい拡大状態(進入を補助する状態・補助状態)との間で動作可能な補助部材を備える普通役物52(補助手段)が設けられている。そして普通役物52は、補助部材を動作させるソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、普通抽選で普通当たりが当選すると所定条件下で拡大状態となるように制御される。そして第2始動入賞口50に遊技球が進入するごとに、遊技者に対して所定個数(1個以上の規定数、例えば3個)の遊技球が払い出されるとともに、乱数値を取得して大当たりの当否を決定する特別抽選が行われる。
なお、第1始動入賞口46に遊技球が進入するごとに遊技者に払い出される遊技球の個数と、第2始動入賞口50に遊技球が進入するごとに遊技者に払い出される遊技球の個数は、同一の個数であっても異なる個数であってもよい。
また演出ユニット33の右側の遊技領域4には、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収される大入賞口54が設けられている。この大入賞口54は、遊技球が進入したことを検出するセンサを内蔵するとともに、大入賞口54を塞ぐ板状部材を備える特別役物56が設けられており、特別役物56は、大入賞口54に遊技球が進入可能な開状態(第1状態、進入可能状態)と遊技球が進入不可能な閉状態(第2状態、進入不可状態)との間で動作可能に構成されている。そして特別役物56は、板状部材を動作させるソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、特別抽選で大当たりが当選すると開始される特別遊技状態において所定条件下で開状態となるように制御される。そして大入賞口54に遊技球が進入するたびに、遊技者に対して所定個数(例えば15個)の遊技球が払い出される。
また図2に示すように、遊技領域4の最下部には、いずれの入賞口にも進入せずに遊技領域4を落下した遊技球を遊技機内部に回収するアウト口62が設けられている。
そして遊技球の発射装置は、図1で示したグリップユニット20の回転量を調節することにより遊技球の射出力が変化するように構成されており、グリップユニット20の回転量が少ない場合には演出ユニット33の左側の遊技領域4を遊技球が落下するように遊技球が発射され、グリップユニット20の回転量が多い場合には演出ユニット33の右側の遊技領域4を遊技球が落下するように遊技球が発射される。
従って遊技者は、遊技状況に応じてグリップユニット20の回転量を調節し、遊技球が左側の遊技領域4を落下して、あるいは開口40と通路42とステージ44を通過して第1始動入賞口46に入賞するように遊技球を発射させたり(左打ち)、遊技球が右側の遊技領域4を落下して、通過ゲート48を遊技球が通過するように、あるいは第2始動入賞口50に遊技球が入賞するように、あるいは大入賞口54に遊技球が入賞するように遊技球を発射させたりする(右打ち)。
なお本実施形態の遊技機では、遊技球が左側の遊技領域4を落下する場合には、通過ゲート48を遊技球が通過することがなく、第2始動入賞口50や大入賞口54に遊技球が入賞することがなく、また遊技球が右側の遊技領域4を落下する場合には、第1始動入賞口46に遊技球が入賞することがないようになっている。
また遊技盤6の右下部であって、遊技領域4の外側には、遊技機の各種状態をランプ等の点灯および消灯により示す状態表示装置70が設けられている。
図4は、状態表示装置70の外観構成を示す正面図である。状態表示装置70は、図4に示すように、普通図柄表示部72、普通保留表示部74、第1特別図柄表示部76、第1特別保留表示部78、第2特別図柄表示部80、第2特別保留表示部82、遊技状態表示部84が設けられている。
普通図柄表示部72は、2つのランプにより構成され、普通抽選が行われる場合に2つのランプを点滅させることにより普通図柄を変動表示し、2つのランプを点灯または消灯させることにより普通図柄を停止表示して、普通抽選の結果を表示する。
普通保留表示部74は、2つのランプにより構成され、通過ゲート48を遊技球が通過した時点で既に普通図柄が変動表示中である場合など、普通抽選用乱数値を取得しても普通抽選を行うことができないことにより普通抽選用乱数値が保留された場合に、保留されている普通抽選用乱数値の数に対応する普通保留数を表示するものであり、2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0〜4個の普通保留数を表示する。
第1特別図柄表示部76は、7セグメントディスプレイにより構成され、第1始動入賞口46に遊技球が進入することにより特別抽選が行われる場合に、7セグメントディスプレイを点滅させることにより第1特別図柄を変動表示し、7セグメントディスプレイを複数種類の態様のうちいずれかの態様で点灯させることにより第1特別図柄を停止表示して、特別抽選の結果を表示する。
第1特別保留表示部78は、2つのランプにより構成され、第1始動入賞口46に遊技球が進入した時点で既に第1特別図柄または第2特別図柄が変動表示中である場合など、特別抽選用乱数値を取得しても特別抽選を行うことができないことにより特別抽選用乱数値が第1特別乱数値として保留された場合に、保留されている第1特別乱数値の数に対応する第1特別保留数を表示するものであり、2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0〜4個の第1特別保留数を表示する。
第2特別図柄表示部80は、7セグメントディスプレイにより構成され、第2始動入賞口50に遊技球が進入することにより特別抽選が行われる場合に、7セグメントディスプレイを点滅させることにより第2特別図柄を変動表示し、7セグメントディスプレイを複数種類の態様のうちいずれかの態様で点灯させることにより第2特別図柄を停止表示して、特別抽選の結果を表示する。
第2特別保留表示部82は、2つのランプにより構成され、第2始動入賞口50に遊技球が進入した時点で既に第1特別図柄または第2特別図柄が変動表示中である場合など、特別抽選用乱数値を取得しても特別抽選を行うことができないことにより特別抽選用乱数値が第2特別乱数値として保留された場合に、保留されている第2特別乱数値の数に対応する第2特別保留数を表示するものであり、2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0〜4個の第2特別保留数を表示する。
遊技状態表示部84は、6つのランプにより構成され、6つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組合せによって、現在設定されている遊技状態の種類を表示する。本実施形態では、通常状態(低確率状態、不利状態)と、通常状態よりも大当たりの当選確率が高く設定された確変状態(高確率状態、有利状態)と、特別抽選で大当たりが当選すると開始される特別遊技状態と、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間を短縮させて特別抽選の実行契機を頻繁に到来させる時短状態の4種類の遊技状態が設定可能となっており、6つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、いずれの遊技状態に設定されているかを表示する。
図5は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。本実施形態の遊技機は、メイン基板100(遊技制御手段)およびサブ基板102(演出制御手段)を含む制御基板によって制御される。そしてメイン基板100やサブ基板102等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
メイン基板100は、通過ゲートセンサ104、第1始動入賞口センサ106、第2始動入賞口センサ108、大入賞口センサ110、払出センサ116等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、状態表示駆動装置120、普通役物駆動装置122、特別役物駆動装置124、払出装置130等の出力手段の動作制御を行う。
またサブ基板102は、メイン基板100から送られてくる各種のコマンドや、演出ボタンスイッチ150からの入力信号を受けて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、演出表示装置170、音響装置172、演出物駆動装置174等の演出装置176の動作制御を行う。
そしてメイン基板100は、乱数発生手段210、普通抽選手段220、普通表示制御手段222、普通役物制御手段224、特別抽選手段230、特別表示制御手段240、遊技状態移行制御手段250、特別遊技実行手段260、払出制御手段270、通信制御手段280、メインメモリ290とを含んで構成されている。
乱数発生手段210は、抽選用の乱数値を発生させる手段であり、ハードウェア乱数を発生させる乱数発生器や、ソフトウェア乱数を発生させるプログラムにより実現される。ソフトウェア乱数は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
普通抽選手段220は、通過ゲート48を通過する遊技球を1個ずつ検出する通過ゲートセンサ104から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から普通抽選用乱数値を取得してメインメモリ290の普通乱数記憶手段2912に格納し、普通乱数記憶手段2912から読み出した普通抽選用乱数値について普通当たりの当否などを決定する普通抽選を行う。そして普通抽選では、普通抽選手段220は、普通当たり決定処理、普通変動決定処理などを行う。
普通当たり決定処理は、普通当たりが当選したか否かを決定する処理である。普通当たり決定処理では、普通抽選手段220は、まずメインメモリ290の抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の普通抽選テーブルのうち、いずれの普通抽選テーブルを用いて乱数判定処理を行うかを遊技状態に応じて決定する。
本実施形態の遊技機では、抽選テーブル記憶手段2910に普通抽選テーブルAおよび普通抽選テーブルBが記憶されており、各普通抽選テーブルでは、0〜99の100個の乱数値のそれぞれに対して、普通当たりまたはハズレが対応づけられている。詳細には普通抽選テーブルAでは、約1/20の確率で普通当たりが当選するように、普通当たりまたはハズレと複数の乱数値との対応関係が設定され、普通抽選テーブルBでは、約19/20の確率で普通当たりが当選するように、普通当たりまたはハズレと0〜99の乱数値との対応関係が設定されている。そして普通抽選手段220は、遊技状態が確変状態でも時短状態でもない場合には、普通抽選テーブルAを選択し、遊技状態が確変状態あるいは時短状態である場合には、普通抽選テーブルBを選択する。
そして普通抽選手段220は、選択されている普通抽選テーブルを参照して、普通乱数記憶手段2912から読み出した1回分の普通抽選用乱数値と一致する乱数値が普通当たりに対応づけられているか否かを判定することにより、普通当たりが当選したか否かを判定する。
そして普通抽選手段220は、普通当たりが当選した場合には、メインメモリ290のフラグ記憶手段2916において、普通当たりの当選フラグをON状態に設定し、ハズレとなった場合には、普通当たりの当選フラグをOFF状態に設定する。
普通変動決定処理は、遊技状態に応じて普通図柄の変動種別を複数の変動種別のいずれにするかを決定する処理である。普通変動決定処理では、普通抽選手段220は、遊技状態が確変状態でも時短状態でもない場合には、普通図柄の変動種別を普通変動1に決定し、遊技状態が確変状態あるいは時短状態である場合には、普通図柄の変動種別を普通変動2に決定する。
また普通抽選手段220は、普通乱数記憶手段2912に普通抽選用乱数値が格納されている状態では、普通図柄が変動表示中でない場合には、普通抽選の実行契機が到来したとして直ちに普通乱数記憶手段2912から1回分の普通抽選用乱数値を読み出して普通抽選を行うが、普通図柄が変動表示中である場合には、普通抽選用乱数値を保留する。そして普通抽選用乱数値を保留している場合には、普通図柄の変動表示が終了すると、普通抽選手段220は、普通抽選の実行契機が到来したとして直ちに普通乱数記憶手段2912から読み出した1回分の普通抽選用乱数値について普通抽選を行う。
ここで、普通抽選用乱数値が保留されている状態で更に通過ゲートセンサ104から通過信号が入力された場合には、普通抽選手段220は、通過信号が入力されたことに基づいて乱数発生手段210から普通抽選用乱数値を取得して、4回分の普通抽選用乱数値を限度として普通乱数記憶手段2912に普通抽選用乱数値を格納する。そして普通抽選の実行契機が到来すると、普通乱数記憶手段2912からFIFO(First In First Out)形式で読み出した1回分の普通抽選用乱数値について普通抽選を行う。そして、普通乱数記憶手段2912に4回分の普通抽選用乱数値が格納された状態では、普通抽選手段220は、通過ゲートセンサ104から通過信号が入力されても、普通乱数記憶手段2912に普通抽選用乱数値を格納しない。
普通表示制御手段222は、普通抽選の抽選結果に基づいて状態表示駆動装置120を制御する手段であって、普通図柄表示制御処理、普通保留表示制御処理を行う。
普通図柄表示制御処理では、普通表示制御手段222は、普通変動決定処理において決定された普通図柄の変動種別に応じた変動時間で、普通図柄表示部72の2つのランプを点滅させることにより普通図柄を変動表示させ、普通当たり決定処理において普通当たりの当選フラグがON状態にされたか否かに応じて、普通図柄表示部72の2つのランプを点灯または消灯させることにより普通図柄を停止表示させ、普通図柄表示部72に普通抽選の結果を表示させる。
詳細には本実施形態では、図6に示すように、変動種別が普通変動1である場合には普通図柄の変動時間が20秒に設定され、変動種別が普通変動2である場合には普通図柄の変動時間が1秒に設定される。従って本実施形態では、普通抽選が行われた時点の遊技状態が確変状態でも時短状態でもない場合には、普通図柄の変動種別が普通変動1に決定されることにより普通図柄の変動時間が20秒に設定され、普通抽選が行われた時点の遊技状態が確変状態あるいは時短状態である場合には、普通図柄の変動種別が普通変動2に決定されることにより普通図柄の変動時間が1秒に設定されるため、遊技状態が確変状態あるいは時短状態である場合の方が、普通抽選の実行契機が頻繁に到来するようになっている。
普通保留表示制御処理では、普通表示制御手段222は、普通乱数記憶手段2912に格納されている普通抽選用乱数値の数に応じて、普通保留表示部74の2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0〜4個の保留個数を表示させる。
普通役物制御手段224は、普通抽選の抽選結果に基づいて普通役物駆動装置122を制御する手段であって、普通役物制御処理1、普通役物制御処理2などを行う。
普通役物制御処理1では、遊技状態が確変状態あるいは時短状態である場合に、普通図柄が普通当たりの当選を示す態様で停止表示されたことを契機として、20秒が経過するまで普通役物52が拡大状態となるように普通役物駆動装置122の駆動制御が行われる。
普通役物制御処理2では、遊技状態が確変状態でも時短状態でもない場合に、普通図柄が普通当たりの当選を示す態様で停止表示されたことを契機として、0.1秒が経過するまで普通役物52が拡大状態となるように普通役物駆動装置122の駆動制御が行われる。
従って普通役物制御処理1では、第2始動入賞口50への遊技球の入賞しやすさが増加するように普通役物52が動作するが、普通役物制御処理2では、第2始動入賞口50への遊技球の入賞しやすさがほとんど増加しないように普通役物52が動作する。
特別抽選手段230は、第1始動入賞口46に進入する遊技球を1個ずつ検出する第1始動入賞口センサ106から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から特別抽選用乱数値を取得して、メインメモリ290の特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値として格納する。また特別抽選手段230は、第2始動入賞口50に進入する遊技球を1個ずつ検出する第2始動入賞口センサ108から検出信号が入力されたことに基づいて、乱数発生手段210から特別抽選用乱数値を取得して、特別乱数記憶手段2914に第2特別乱数値として格納する。そして特別抽選手段230は、特別乱数記憶手段2914から読み出した第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を用いて、大当たりの当否などを決定する特別抽選を行う。そして特別抽選では、特別抽選手段230は、大当たり決定処理、図柄決定処理、特別変動決定処理などを行う。
大当たり決定処理は、大当たりが当選したか否かを決定する処理である。大当たり決定処理では、特別抽選手段230は、まずメインメモリ290の抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の当否抽選テーブルのうち、いずれの当否抽選テーブルを用いて乱数判定処理を行うかを遊技状態に応じて決定する。
本実施形態の遊技機では、抽選テーブル記憶手段2910に、図7に示すような大当たり抽選テーブルAおよび大当たり抽選テーブルBが記憶されている。そして各大当たり抽選テーブルでは、0〜65535の65536個の乱数値のそれぞれに対して、大当たりまたはハズレが対応づけられている。詳細には大当たり抽選テーブルAでは、約1/399の確率で大当たりが当選するように、大当たりまたはハズレと0〜65535の乱数値との対応関係が設定され、大当たり抽選テーブルBでは、約1/39の確率で大当たりが当選するように、大当たりまたはハズレと0〜65535の乱数値との対応関係が設定されている。そして特別抽選手段230は、遊技状態が通常状態あるいは時短状態である場合には、大当たり抽選テーブルAを選択し、遊技状態が確変状態である場合には、大当たり抽選テーブルBを選択する。
そして特別抽選手段230は、選択されている当否抽選テーブルを参照して、特別乱数記憶手段2914から読み出した1回分の第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値と一致する乱数値が大当たりに対応づけられているか否かを判定することにより、大当たりが当選したか否かを判定する。
そして特別抽選手段230は、大当たりが当選した場合には、フラグ記憶手段2916において、大当たりの当選フラグをON状態に設定し、ハズレとなった場合には、大当たりの当選フラグをOFF状態に設定する。
図柄決定処理は、大当たり決定処理で大当たりが当選した場合に、16ラウンド確変図柄(第2種別)、8ラウンド確変図柄(第2種別)、4ラウンド確変図柄(第2種別)、4ラウンド通常図柄(第1種別)のうちいずれの大当たり図柄(大当たりの当選種別)が当選したかを決定する処理である。本実施形態の遊技機では、抽選テーブル記憶手段2910に、図7に示すような図柄抽選テーブルAおよび図柄抽選テーブルBが記憶されており、図柄決定処理では、特別抽選手段230は、特別乱数記憶手段2914から第1特別乱数値を読み出した場合には、図柄抽選テーブルAを用いて乱数判定処理を行い、特別乱数記憶手段2914から第2特別乱数値を読み出した場合には、図柄抽選テーブルBを用いて乱数判定処理を行う。
そして各図柄抽選テーブルでは、0〜99の100個の乱数値のそれぞれに対して、16ラウンド確変図柄、8ラウンド確変図柄、4ラウンド確変図柄あるいは4ラウンド通常図柄が対応づけられている。詳細には図柄抽選テーブルAおよび図柄抽選テーブルBのいずれにおいても、約20/100の確率で16ラウンド確変図柄が当選し、約20/100の確率で8ラウンド確変図柄が当選し、約40/100の確率で4ラウンド確変図柄が当選し、約20/100の確率で4ラウンド通常図柄が当選するように、16ラウンド確変図柄、8ラウンド確変図柄、4ラウンド確変図柄、4ラウンド通常図柄と0〜99の乱数値との対応関係が設定されている。
そして特別抽選手段230は、選択した図柄抽選テーブルを参照して、特別乱数記憶手段2914から読み出した1つの第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値が複数種類の大当たり図柄のいずれに対応づけられているかを判定することにより、複数種類の大当たり図柄のいずれが当選したかを決定する。
そして特別抽選手段230は、フラグ記憶手段2916において、当選した大当たり図柄に対応する当選フラグをON状態に設定する。
特別変動決定処理は、大当たりが当選したか否かに応じて、第1特別図柄表示部76に表示させる第1特別図柄あるいは第2特別図柄表示部80に表示させる第2特別図柄の変動種別を複数の変動種別のいずれにするかを決定する処理である。特別変動決定処理では、特別抽選手段230は、まずメインメモリ290の抽選テーブル記憶手段2910に記憶されている複数種類の変動抽選テーブルのうち、いずれの変動抽選テーブルを用いて乱数判定処理を行うかを大当たりが当選したか否かに応じて決定する。
本実施形態の遊技機では、抽選テーブル記憶手段2910に、図8に示すような変動抽選テーブルAおよび変動抽選テーブルBが記憶されている。そして各変動抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜99の100個の乱数値)のそれぞれに対して、スーパーリーチ1、スーパーリーチ2、ノーマルリーチ、リーチ無しのいずれかの変動種別が対応づけられている。詳細には図8に示すように、スーパーリーチ1およびスーパーリーチ2は、変動抽選テーブルAの方が変動抽選テーブルBよりも選択確率が高くなっているが、ノーマルリーチは、変動抽選テーブルBの方が変動抽選テーブルAよりも選択確率が高くなっている。そして変動抽選テーブルAでは、スーパーリーチ1>スーパーリーチ2>ノーマルリーチの順序で選択確率が高くなっているが、変動抽選テーブルBでは、ノーマルリーチ>スーパーリーチ2>スーパーリーチ1の順序で選択確率が高くなっている。またリーチ無しは、変動抽選テーブルAでは抽選対象となっていない。
そして特別抽選手段230は、大当たり決定処理で大当たりが当選した場合には、変動抽選テーブルAを選択し、大当たり決定処理でハズレであった場合には、変動抽選テーブルBを選択する。そして特別抽選手段230は、選択されている変動抽選テーブルを参照して、特別乱数記憶手段2914から読み出した1回分の第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値と一致する乱数値が複数の変動種別のいずれに対応づけられているかを判定することにより、複数の変動種別のいずれが当選したかを判定し、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動種別を当選した変動種別に決定する。すなわち、特別乱数記憶手段2914から読み出した1回分の特別抽選用乱数値が第1特別乱数値である場合には、第1特別図柄の変動種別を当選した変動種別に決定し、特別乱数記憶手段2914から読み出した1回分の特別抽選用乱数値が第2特別乱数値である場合には、第2特別図柄の変動種別を当選した変動種別に決定する。
このように本実施形態では、スーパーリーチ1が決定された場合には、大当たりが当選していることが最も多く、スーパーリーチ2が決定された場合には、大当たりが当選していることが次に多く、ノーマルリーチが決定された場合には、大当たりが当選していることが次に多いため、複数のリーチ有りの変動種別のそれぞれで、大当たりの当選に対する期待度が異なるようになっている。
また特別抽選手段230は、特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値が格納された時点で、第1特別図柄あるいは第2特別図柄が変動表示中でなく、かつ遊技状態が特別遊技状態でない場合には、特別抽選の実行契機が到来したとして直ちに特別乱数記憶手段2914から1回分の第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を読み出して特別抽選を行うが、第1特別図柄あるいは第2特別図柄が変動表示中であるか、または遊技状態が特別遊技状態である場合には、第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を保留する。
そして、第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値が保留されている状態で更に第1始動入賞口センサ106あるいは第2始動入賞口センサ108から検出信号が入力された場合には、特別抽選手段230は、第1始動入賞口センサ106あるいは第2始動入賞口センサ108から検出信号が入力されたことに基づいて乱数発生手段210から特別抽選用乱数値を取得して、取得した特別抽選用乱数値を第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値として特別乱数記憶手段2914に格納する。
なお、特別乱数記憶手段2914に4回分の第1特別乱数値が格納された状態では、第1始動入賞口センサ106から検出信号が入力されても、特別抽選手段230は特別乱数記憶手段2914に第1乱数値を格納しない。また、特別乱数記憶手段2914に4回分の第2特別乱数値が格納された状態では、第2始動入賞口センサ108から検出信号が入力されても、特別抽選手段230は特別乱数記憶手段2914に第2特別乱数値を格納しない。
そして、第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値が保留されている場合には、遊技状態が特別遊技状態でないことを条件に、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動表示が終了すると、特別抽選手段230は、特別乱数記憶手段2914からFIFO形式で1回分の第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値を読み出し、読み出した1回分の第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値について特別抽選を行う。すなわち本実施形態では、特別乱数記憶手段2914に第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値が格納された順序に従って、第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値について特別抽選が行われる。
特別表示制御手段240は、特別抽選の抽選結果に基づいて状態表示駆動装置120を制御する手段であって、第1特別図柄表示制御処理、第2特別図柄表示制御処理、第1特別保留表示制御処理、第2特別保留表示制御処理を行う。
第1特別図柄表示制御処理は、特別乱数記憶手段2914から第1特別乱数値が読み出されて特別抽選が行われた場合に行われる処理であり、特別表示制御手段240は、特別変動決定処理において決定された第1特別図柄の変動種別に応じた変動時間で、第1特別図柄表示部76の7セグメントディスプレイを点滅させることにより第1特別図柄を変動表示させる。そして本実施形態では、4種類の大当たり図柄およびハズレのそれぞれに対応して7セグメントディスプレイの表示態様が予め定められており、特別表示制御手段240は、大当たり決定処理において大当たりの当選フラグがON状態にされたか否かに応じて、そして大当たり決定処理で大当たりが当選した場合には図柄決定処理において当選フラグがON状態に設定された大当たり図柄に応じて、7セグメントディスプレイを複数種類の表示態様のうちいずれかの表示態様で表示させることにより第1特別図柄を停止表示させ、第1特別図柄表示部76に特別抽選の結果を表示させる。
第2特別図柄表示制御処理は、特別乱数記憶手段2914から第2特別乱数値が読み出されて特別抽選が行われた場合に行われる処理であり、特別表示制御手段240は、特別変動決定処理において決定された第2特別図柄の変動種別に応じた変動時間で、第2特別図柄表示部80の7セグメントディスプレイを点滅させることにより第2特別図柄を変動表示させた後、大当たり決定処理において大当たりの当選フラグがON状態にされたか否かに応じて、そして大当たり決定処理で大当たりが当選した場合には図柄決定処理において当選フラグがON状態に設定された大当たり図柄に応じて、7セグメントディスプレイを複数種類の表示態様のうちいずれかの表示態様で表示させることにより第2特別図柄を停止表示させ、第2特別図柄表示部80に特別抽選の結果を表示させる。
詳細には本実施形態では、図6に示すように、変動種別がスーパーリーチ1である場合には第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間が90秒に設定され、変動種別がスーパーリーチ2である場合には第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間が60秒に設定され、変動種別がノーマルリーチである場合には第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間が30秒に設定される。
また変動種別がリーチ無しに決定された場合には、特別表示制御手段240は、第1特別図柄表示制御処理では、第1特別図柄の変動表示を開始させる時点における特別抽選の保留個数あるいは遊技状態が時短状態または確変状態であるか否かに応じて、第2特別図柄表示制御処理では、第2特別図柄の変動表示を開始させる時点における特別抽選の保留個数あるいは遊技状態が時短状態または確変状態であるか否かに応じて、リーチ無し1〜リーチ無し4のいずれかを選択する。詳細には特別表示制御手段240は、保留個数が0〜2個であればリーチ無し1を選択し、保留個数が3個であればリーチ無し2を選択し、保留個数が4個であればリーチ無し3を選択し、遊技状態が時短状態あるいは確変状態であれば保留個数に関わらずリーチ無し4を選択する。
そして本実施形態では、図6に示すように、変動種別がリーチ無し1である場合には第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間が10秒に設定され、変動種別がリーチ無し2である場合には第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間が5秒に設定され、変動種別がリーチ無し3である場合には第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間が3秒に設定され、変動種別がリーチ無し4である場合には第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間が1秒に設定される。
従って本実施形態では、遊技状態が時短状態または確変状態でない場合には、保留個数が多いほど第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間が短くなるため、第1特別抽選あるいは第2特別抽選の実行契機が頻繁に到来するようになっており、遊技状態が時短状態あるいは確変状態である場合には、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間が特に短くなるため、第1特別抽選あるいは第2特別抽選の実行契機が更に頻繁に到来するようになっている。
第1特別保留表示制御処理では、特別表示制御手段240は、特別乱数記憶手段2914に格納されている第1特別乱数値の数に応じて、第1特別保留表示部78の2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0〜4個の保留個数を表示させる。
第2特別保留表示制御処理では、特別表示制御手段240は、特別乱数記憶手段2914に格納されている第2特別乱数値の数に応じて、第2特別保留表示部82の2つのランプを点灯または消灯または点滅させることの組み合わせによって、0〜4個の保留個数を表示させる。
遊技状態移行制御手段250は、図9に示すように、所定の移行条件の成立に基づいて、通常状態、特別遊技状態、確変状態、時短状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からは特別遊技状態への移行が可能となっている。そして通常状態では、普通当たりの当選確率が約1/20に設定された普通抽選テーブルAを参照して普通抽選が行われ、大当たりの当選確率が1/399に設定された大当たり抽選テーブルAを参照して特別抽選が行われる。
そして通常状態では、普通抽選における普通当たりの当選確率が約1/20と低い上に、普通図柄の変動時間が20秒と長く、普通役物52が拡大状態となる期間が0.1秒と短くなっているため、第2始動入賞口50に遊技球を進入させにくくなっている。
特別遊技状態は、通常状態、確変状態あるいは時短状態における特別抽選において大当たりが当選したことに基づいて開始され、大当たり図柄の種類に応じて予め定められたラウンド数(実行回数)の特別遊技が実行されると終了する。
詳細には、特別抽選において16ラウンド確変図柄の当選フラグがON状態に設定されたことに基づいて特別遊技状態が開始されると、第1ラウンド〜第16ラウンドの16ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。
また、特別抽選において8ラウンド確変図柄の当選フラグがON状態に設定されたことに基づいて特別遊技状態が開始されると、第1ラウンド〜第8ラウンドの8ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。
また、特別抽選において4ラウンド確変図柄の当選フラグがON状態に設定されたことに基づいて特別遊技状態が開始されると、第1ラウンド〜第4ラウンドの4ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。
また、特別抽選において4ラウンド通常図柄の当選フラグがON状態に設定されたことに基づいて特別遊技状態が開始されると、第1ラウンド〜第4ラウンドの4ラウンドの特別遊技が実行されたことを条件に特別遊技状態が終了する。
確変状態は、16ラウンド確変図柄、8ラウンド確変図柄または4ラウンド確変図柄(確変図柄)の当選フラグがON状態に設定されたことに基づいて開始された特別遊技状態が終了したことを契機に開始され、確変状態からは特別遊技状態または通常状態への移行が可能となっている。そして確変状態では、普通当たりの当選確率が約19/20に設定された普通抽選テーブルBを参照して普通抽選が行われ、大当たりの当選確率が1/39に設定された大当たり抽選テーブルBを参照して特別抽選が行われる点で、通常状態よりも遊技者に有利になっている。そして確変状態は、確変状態において特別抽選が行われた回数が9999回に達したことを条件に終了し、通常状態に移行される。
詳細には遊技状態移行制御手段250は、特別遊技状態が終了するとメインメモリ290の確変終了判定カウンタ2930に所定の遊技回数(例えば、9999回)に相当する値(例えば、9999)を書き込み、確変状態において特別抽選が行われるごとに確変終了判定カウンタ2930の記憶値から1回分の遊技回数に相当する値(例えば、1)を減算するデクリメント更新を行う。そして確変終了判定カウンタ2930の記憶値が閾値(例えば、0)に達すると、確変状態を終了させて通常状態を開始させる。ただし確変状態では、特別抽選における大当たりの当選確率が1/39に設定されるため、確変状態において特別抽選が行われた回数が9999回に達する前に特別遊技状態が開始され、確変状態から通常状態に移行することはほとんどないようになっている。
そして確変状態では、普通抽選における普通当たりの当選確率が約19/20と高い上に、普通図柄の変動時間が1秒と短く、普通役物52が拡大状態となる期間が20秒と長くなっているため、通常状態よりも第2始動入賞口50に遊技球を進入させやすくなっている点で遊技者に有利になっている。
また確変状態では、保留数に関わらず第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間としてより短い変動時間が設定されることが多くなるため、通常状態よりも特別抽選の実行契機が頻繁に到来するようになっている。
時短状態は、4ラウンド通常図柄(通常図柄)の当選フラグがON状態に設定されたことに基づいて開始された特別遊技状態が終了したことを契機として開始され、時短状態からは特別遊技状態または通常状態への移行が可能となっている。そして時短状態では、確変状態と同様に普通当たりの当選確率が約19/20に設定された普通抽選テーブルBを参照して普通抽選が行われるものの、通常状態と同様に大当たりの当選確率が約1/399に設定された大当たり抽選テーブルAを参照して特別抽選が行われる点で、確変状態よりも遊技者に不利になっている。そして時短状態は、時短状態において特別抽選が行われた回数が100回に達したことを条件に終了し、通常状態に移行される。
詳細には遊技状態移行制御手段250は、遊技状態が時短状態に移行されたことを契機として、メインメモリ290の時短終了判定カウンタ2932に所定の遊技回数(例えば、100回)に相当する値(例えば、100)を書き込み、時短状態において特別抽選が行われるごとに時短終了判定カウンタ2932の記憶値から1回分の遊技回数に相当する値(例えば、1)を減算するデクリメント更新を行う。そして時短終了判定カウンタ2932の記憶値が閾値(例えば、0)に達すると、時短状態を終了させる。
そして時短状態では、確変状態と同様に、普通抽選における普通当たりの当選確率が約19/20と高い上に、普通図柄の変動時間が1秒と短く、普通役物52が拡大状態となる期間が20秒と長くなっているため、通常状態よりも第2始動入賞口50に遊技球を進入させやすくなっている点で遊技者に有利になっている。
また時短状態では、確変状態と同様に、保留数に関わらず第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動時間としてより短い変動時間が設定されることが多くなるため、通常状態よりも特別抽選の実行契機が頻繁に到来するようになっている。
特別遊技実行手段260は、特別抽選の抽選結果に基づいて特別遊技を実行する手段であって、特別遊技実行処理1〜特別遊技実行処理4などを行う。
特別遊技実行処理1は、特別抽選において16ラウンド確変図柄が当選したことに基づいて実行され、特別遊技実行手段260は、ラウンドカウンタ2933の上限値として16ラウンド確変図柄について予め定められたラウンド数である16回に相当する値(例えば、16)を設定し、各ラウンドにおいて予め定められた態様で特別役物56が動作を完了するごとに、ラウンドカウンタ2933の記憶値に1回分のラウンド数に相当する値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を行う。そしてラウンドカウンタ2933の記憶値が上限値(例えば、16)に達すると、特別遊技状態が終了する。
詳細には特別遊技実行処理1では、第1ラウンド〜第16ラウンドの各ラウンドの特別遊技において、特別役物56が開状態となってから開放タイマー2934が29秒をカウントするか、大入賞口センサ110が1個の遊技球の進入を検出すると1個分の遊技球に相当する値(例えば、1)が加算される大入賞数カウンタ2936の値が上限値(例えば、10)に達すると特別役物56が閉状態となるように特別役物駆動装置124の駆動制御が行われる。すると、1回分のラウンドの終了条件が満たされたとして、ラウンドカウンタ2933の値に「1」が加算される。
特別遊技実行処理2は、特別抽選において8ラウンド確変図柄が当選したことに基づいて実行され、特別遊技実行手段260は、ラウンドカウンタ2933の上限値として8ラウンド確変図柄について予め定められたラウンド数である8回に相当する値(例えば、8)を設定し、各ラウンドにおいて予め定められた態様で特別役物56が動作を完了するごとに、ラウンドカウンタ2933の記憶値に1回分のラウンド数に相当する値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を行う。そしてラウンドカウンタ2933の記憶値が上限値(例えば、8)に達すると、特別遊技状態が終了する。
詳細には特別遊技実行処理2では、第1ラウンド〜第8ラウンドの各ラウンドの特別遊技において、特別役物56が開状態となってから開放タイマー2934が29秒をカウントするか、大入賞数カウンタ2936の値が上限値(例えば、10)に達すると特別役物56が閉状態となるように特別役物駆動装置124の駆動制御が行われる。すると、1回分のラウンドの終了条件が満たされたとして、ラウンドカウンタ2933の値に「1」が加算される。
特別遊技実行処理3は、特別抽選において4ラウンド確変図柄が当選したことに基づいて実行され、特別遊技実行手段260は、ラウンドカウンタ2933の上限値として4ラウンド確変図柄について予め定められたラウンド数である4回に相当する値(例えば、4)を設定し、各ラウンドにおいて予め定められた態様で特別役物56が動作を完了するごとに、ラウンドカウンタ2933の記憶値に1回分のラウンド数に相当する値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を行う。そしてラウンドカウンタ2933の記憶値が上限値(例えば、4)に達すると、特別遊技状態が終了する。
詳細には特別遊技実行処理3では、第1ラウンド〜第4ラウンドの各ラウンドの特別遊技において、特別役物56が開状態となってから開放タイマー2934が29秒をカウントするか、大入賞数カウンタ2936の値が上限値(例えば、10)に達すると特別役物56が閉状態となるように特別役物駆動装置124の駆動制御が行われる。すると、1回分のラウンドの終了条件が満たされたとして、ラウンドカウンタ2933の値に「1」が加算される。
特別遊技実行処理4は、特別抽選において4ラウンド通常図柄が当選したことに基づいて実行され、特別遊技実行手段260は、ラウンドカウンタ2933の上限値として4ラウンド通常図柄について予め定められたラウンド数である4回に相当する値(例えば、4)を設定し、各ラウンドにおいて予め定められた態様で特別役物56が動作を完了するごとに、ラウンドカウンタ2933の記憶値に1回分のラウンド数に相当する値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を行う。そしてラウンドカウンタ2933の記憶値が上限値(例えば、4)に達すると、特別遊技状態が終了する。
詳細には特別遊技実行処理4では、第1ラウンド〜第4ラウンドの各ラウンドの特別遊技において、特別役物56が開状態となってから開放タイマー2934が29秒をカウントするか、大入賞数カウンタ2936の値が上限値(例えば、10)に達すると特別役物56が閉状態となるように特別役物駆動装置124の駆動制御が行われる。すると、1回分のラウンドの終了条件が満たされたとして、ラウンドカウンタ2933の値に「1」が加算される。
払出制御手段270は、第1始動入賞口センサ106からの検出信号、第2始動入賞口センサ108からの検出信号、大入賞口センサ110からの検出信号が入力されたことに基づいて、検出信号ごとに予め定められている賞球数に相当する数の遊技球を払出装置130に払い出させる制御を行う。詳細には払出制御手段270は、第1始動入賞口センサ106が1個の遊技球の入賞を検出するごとに、払出装置130に3個の遊技球を払い出させる指示コマンドを送信し、第2始動入賞口センサ108が1個の遊技球の入賞を検出するごとに、払出装置130に3個の遊技球を払い出させる指示コマンドを送信し、大入賞口センサ110が1個の遊技球の入賞を検出するごとに、払出装置130に15個の遊技球を払い出させる指示コマンドを送信する。
払出装置130は、払出制御手段270によって指示された払出数の遊技球を払い出す動作を行う。この払出装置130には、遊技球を貯めておく遊技球タンクに払出モーターが設けられており、払出制御手段270は、払出モーターの回転角度を制御することにより、指示通りの数の遊技球を遊技球タンクから払い出させる。また払出装置130には、遊技球を1個払い出すごとに作動する払出センサ116が備えられており、払出制御手段270は、払出センサ116からの払出信号に基づいて払出装置130から実際に払い出された遊技球の数を管理することができる。
通信制御手段280は、メイン基板100における各種の演算結果に応じて生成された各種のコマンドをサブ基板102に送信する制御を行っている。なお本実施形態の遊技機では、メイン基板100とサブ基板102との間では、メイン基板100からサブ基板102への単方向通信のみが可能となっており、サブ基板102からはメイン基板100へ情報を送信することができないように通信接続されている。
続いて、サブ基板102について説明する。サブ基板102は、演出制御手段300と、サブメモリ310とを含んで構成されている。
演出制御手段300は、メイン基板100から送信される各種のコマンドや、演出ボタンスイッチ150からの入力信号や、サブメモリ310の演出データ記憶手段3110に記憶されている演出データに基づいて、演出表示装置170を制御して前枠ランプ12や装飾部ランプ34を点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイ31に演出画像を表示させたり、音響装置172を制御してスピーカー14から演出音を出力させたり、演出物駆動装置174を駆動して演出物36を動作させたりするなど、演出装置176を制御することにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助したりするための演出を演出装置176に実行させる。
そして演出制御手段300は、演出装置176に演出を実行させる処理として、状態演出処理、特別抽選演出処理、保留表示演出処理などを行う。
状態演出処理では、演出制御手段300は、メイン基板100における遊技状態やカウンタの値に応じたコマンドに基づいて、現在の遊技状態に応じて液晶ディスプレイ31においてキャラクター画像を動作させたり、背景画像を変化させたり、スピーカー14から出力させる演出音を変化させたりすることにより、現在の遊技状態を遊技者に示唆する演出を実行する。
例えば、演出制御手段300は、現在の遊技状態が確変状態である場合には、液晶ディスプレイ31に現在の遊技状態が確変状態であることを示す確変状態画像を表示させ、現在の遊技状態が時短状態である場合には、液晶ディスプレイ31に現在の遊技状態が時短状態であることを示すとともに、時短状態において特別抽選が行われた回数の合計が100回に達するまでの残り回数を示す時短状態画像を表示させる。
また現在の遊技状態が特別遊技状態である場合には、演出制御手段300は、液晶ディスプレイ31に現在の遊技状態が特別遊技状態であることを示すとともに、第何回目のラウンドの特別遊技が実行中であるかを示す特別遊技状態画像(特別遊技演出)を表示させる。
特別抽選演出処理では、演出制御手段300は、メイン基板100における第1特別抽選あるいは第2特別抽選の大当たり決定処理、図柄決定処理、特別変動決定処理の結果に応じたコマンド基づいて、特別抽選演出(抽選演出)の演出パターンを複数種類の演出パターンのいずれにするかを決定し、第1特別図柄表示部76における第1特別図柄の変動表示および停止表示に合わせるように、あるいは第2特別図柄表示部80における第2特別図柄の変動表示および停止表示に合わせるように、特別抽選演出を演出装置176に実行させる。
詳細には特別抽選演出処理では、演出制御手段300は、図10(A)に示すように、液晶ディスプレイ31において背景画像(図示省略)を表示させ、背景画像の手前側に、左図柄画像350、中図柄画像352および右図柄画像354を表示させる。そして演出制御手段300は、第1特別抽選が行われるごとに、第1特別図柄表示部76における第1特別図柄の変動表示の開始にともなって、あるいは第2特別抽選が行われるごとに、第2特別図柄表示部80における第2特別図柄の変動表示の開始にともなって、図10(B)に示すように、左図柄画像350、中図柄画像352および右図柄画像354を変動表示させた後に、第1特別抽選あるいは第2特別抽選における大当たり決定処理で大当たり当選したか否かに応じた態様で、そして大当たりが当選した場合には図柄決定処理で決定された大当たり図柄に応じた態様で、左図柄画像350、中図柄画像352および右図柄画像354を停止表示させるとともに、複数種類の演出パターンのそれぞれに応じた態様で、液晶ディスプレイ31において背景画像を変化させたり、キャラクター画像が動作する演出動画を再生表示させたりすることにより、演出パターンの種類に応じた特別抽選演出を液晶ディスプレイ31において実行する。なお図中下向きの矢印は、左図柄画像350、中図柄画像352および右図柄画像354のそれぞれが変動表示中であることを示している。
そして本実施形態では、図6に示すように、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動種別がスーパーリーチ1に決定された場合には演出時間が180秒に設定されている演出パターン(演出種別)が決定され、変動種別がスーパーリーチ2に決定された場合には演出時間が120秒に設定されている演出パターンが決定され、変動種別がノーマルリーチに決定された場合には演出時間が60秒に設定されている演出パターンが決定される。
また変動種別がリーチ無し1に決定された場合には演出時間が10秒に設定されている演出パターンが決定され、変動種別がリーチ無し2に決定された場合には演出時間が5秒に設定されている演出パターンが決定され、変動種別がリーチ無し3に決定された場合には演出時間が3秒に設定されている演出パターンが決定され、変動種別がリーチ無し4に決定された場合には演出時間が1秒に設定されている演出パターンが決定される。
そして、第1特別図柄表示部76における第1特別図柄あるいは第2特別図柄表示部80における第2特別図柄の変動時間に合わせて、決定された演出パターンに応じた特別抽選演出が液晶ディスプレイ31において実行され、第1特別図柄表示部76において停止表示された第1特別図柄あるいは第2特別図柄表示部80において停止表示された第2特別図柄の態様に応じた態様で、液晶ディスプレイ31において左図柄画像350、中図柄画像352および右図柄画像354が停止表示される。
例えば、大当たり決定処理で大当たりが当選しなかった場合に、変動種別がいずれかのリーチ無しに決定された場合に決定される演出パターンでは、第1特別図柄表示部76における第1特別図柄あるいは第2特別図柄表示部80における第2特別図柄の変動表示の開始にともなって、図10(B)に示すように、左図柄画像350、中図柄画像352および右図柄画像354の変動表示が開始され、図10(C)に示すように、まずは左図柄画像350が、いずれかの態様(図10(C)では「5」を示す態様)で完全に停止されずにわずかに揺れるように仮停止表示され、その後、図10(D)に示すように、右図柄画像354が左図柄画像350とは異なる態様(非リーチ態様)で仮停止表示される。
そして、第1特別図柄表示部76における第1特別図柄あるいは第2特別図柄表示部80における第2特別図柄が停止表示される前に、図10(E)に示すように、中図柄画像352が左図柄画像350および右図柄画像354とは異なる態様(ハズレ態様)で仮停止表示され、第1特別図柄表示部76における第1特別図柄あるいは第2特別図柄表示部80における第2特別図柄が停止表示されるのとほぼ同じタイミングで、図10(F)に示すように、中図柄画像352が左図柄画像350および右図柄画像354とは異なる態様(ハズレ態様)で完全に停止されるように確定停止表示される。
また例えば、大当たり決定処理で大当たりが当選した場合、または大当たり決定処理で大当たりが当選しなかった場合であって、変動種別がスーパーリーチ1、スーパーリーチ2あるいはノーマルリーチのいずれかに決定された場合に決定される演出パターンでは、第1特別図柄表示部76における第1特別図柄あるいは第2特別図柄表示部80における第2特別図柄の変動表示の開始にともなって、図11(A)に示すように、左図柄画像350、中図柄画像352および右図柄画像354の変動表示が開始され、図11(B)に示すように、まずは左図柄画像350が仮停止表示され、その後、図11(C)に示すように、中図柄画像352が変動表示されたまま、右図柄画像354が左図柄画像350と同一の態様(リーチ態様)で仮停止表示される。すると、図11(D)に示すように、決定された演出パターンに対応する演出動画の再生表示が開始され、第1特別図柄表示部76における第1特別図柄あるいは第2特別図柄表示部80における第2特別図柄の変動時間内に演出動画の再生表示が終了される。
詳細には、図11(D)の例では、液晶ディスプレイ31の表示領域の中央において、主人公キャラクターAが敵キャラクターBと戦う演出動画が再生表示されており、この演出動画が再生表示されている場合には、液晶ディスプレイ31の表示領域の中央において表示される左図柄画像350、中図柄画像352および右図柄画像354の代わりに、液晶ディスプレイ31の表示領域の右上において、左図柄画像350に対応する縮小左図柄画像360、中図柄画像352に対応する縮小中図柄画像362および右図柄画像354に対応する縮小右図柄画像364が表示される。すなわち図11(D)に示すように、縮小左図柄画像360と縮小右図柄画像364が同一の態様(リーチ態様)で仮停止表示されつつ縮小中図柄画像362が変動表示される。
そして大当たりが当選していた場合には、図11(E)に示すように、液晶ディスプレイ31の表示領域の中央において、主人公キャラクターAが敵キャラクターBに勝利する演出動画が再生表示されるとともに、液晶ディスプレイ31の表示領域の右上において、縮小中図柄画像362が縮小左図柄画像360および縮小右図柄画像364と同一の態様(大当たり態様)で仮停止表示されることにより、大当たりが当選したことが遊技者に仮に報知される。
すると、主人公キャラクターAが敵キャラクターBに勝利する演出動画が終了し、図11(F)に示すように、液晶ディスプレイ31の表示領域の中央において、仮停止表示された左図柄画像350、中図柄画像352および右図柄画像354が表示された後、図11(G)に示すように、液晶ディスプレイ31の表示領域の中央において、左図柄画像350、中図柄画像352および右図柄画像354が確定停止表示されるとともに、スピーカー14から、大当たりが当選したことを遊技者に報知する効果音が出力されることにより、大当たりが当選したことが遊技者に確定的に報知される。
一方、大当たりが当選していなかった場合には、図11(H)に示すように、液晶ディスプレイ31の表示領域の中央において、主人公キャラクターAが敵キャラクターBに敗北する演出動画が再生されるとともに、液晶ディスプレイ31の表示領域の右上において、縮小中図柄画像362が縮小左図柄画像360および縮小右図柄画像364と異なる態様(リーチハズレ態様)で仮停止表示されることにより、大当たりが当選しなかったことが遊技者に仮に報知される。
すると、主人公キャラクターAが敵キャラクターBに敗北する動画が終了し、図11(I)に示すように、液晶ディスプレイ31の表示領域の中央において、仮停止表示された左図柄画像350、中図柄画像352および右図柄画像354が表示された後、図11(J)に示すように、液晶ディスプレイ31の表示領域の中央において、左図柄画像350、中図柄画像352および右図柄画像354が確定停止表示されることにより、大当たりが当選しなかったことが遊技者に確定的に報知される。
ここで特別抽選演出処理では、大当たりが当選した場合と大当たりが当選しなかった場合の双方で、共通の演出動画が再生表示されることがあるため、共通の演出動画が再生表示される場合には、大当たりの当選に対する遊技者の期待感を大いに高めることができる。
そして本実施形態では、図柄決定処理で16ラウンド確変図柄が決定された場合に決定される演出パターンでは、左図柄画像350、中図柄画像352および右図柄画像354の数字部分410が、いずれも「7」を示す態様で確定停止表示されるようになっている。
また、図柄決定処理で8ラウンド確変図柄が決定された場合に決定される演出パターンでは、左図柄画像350、中図柄画像352および右図柄画像354の数字部分410が、いずれも「5」を示す態様で確定停止表示されることがあるようになっている。
また、図柄決定処理で4ラウンド確変図柄が決定された場合に決定される演出パターンでは、左図柄画像350、中図柄画像352および右図柄画像354の数字部分410が、いずれも「1」を示す態様で確定停止表示される他、いずれも「3」を示す態様でも確定停止表示されることがあるようになっている。
また、図柄決定処理で4ラウンド通常図柄が決定された場合に決定される演出パターンでは、左図柄画像350、中図柄画像352および右図柄画像354の数字部分410が、いずれも「2」を示す態様で確定停止表示される他、いずれも「4」あるいはいずれも「6」を示す態様でも確定停止表示されることがあるようになっている。
こうして本実施形態では、状態表示装置70における第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動種別に応じた演出パターンで、液晶ディスプレイ31に左図柄画像350、中図柄画像352および右図柄画像354を変動表示させることにより、大当たりが当選することに対する遊技者の期待感を高めるようにしつつ、特別抽選の結果に応じた態様で左図柄画像350、中図柄画像352および右図柄画像354を仮停止表示させてから確定停止表示させることにより、遊技者に特別抽選の結果を報知している。
保留表示演出処理では、演出制御手段300は、メイン基板100における保留数に応じたコマンドに基づいて、メインメモリ290の特別乱数記憶手段2914において保留されている第1特別乱数値あるいは第2特別乱数値の数を示す画像を液晶ディスプレイ31に表示させる。本実施形態では、図12(A)に示すように、液晶ディスプレイ31の表示領域の左下に、特別乱数記憶手段2914において保留可能な第1特別乱数値の数に対応して第1左保留表示領域411〜第4左保留表示領域414の4つの左保留表示領域が設けられており、各左保留表示領域に保留画像420が表示可能となっている。また、液晶ディスプレイ31の表示領域の右下に、特別乱数記憶手段2914において保留可能な第2特別乱数値の数に対応して第1右保留表示領域421〜第4右保留表示領域424の4つの右保留表示領域が設けられており、各右保留表示領域に保留画像420が表示可能となっている。
そして演出制御手段300は、特別乱数記憶手段2914において1個の第1特別乱数値が保留されている場合には、第1左保留表示領域411に保留画像420を表示させ、特別乱数記憶手段2914において2個の第1特別乱数値が保留されている場合には、第1左保留表示領域411および第2左保留表示領域412のそれぞれに保留画像420を表示させ、というように、特別乱数記憶手段2914において保留されている第1特別乱数値の数に応じて、第1左保留表示領域411〜第4左保留表示領域414のそれぞれに保留画像420を表示させる。図12(A)の例では、特別乱数記憶手段2914において3個の第1特別乱数値が保留されていることにより、第1左保留表示領域411〜第3左保留表示領域413のそれぞれにおいて保留画像420が表示されている。
また演出制御手段300は、特別乱数記憶手段2914において1つの第2特別乱数値が保留されている場合には、第1右保留表示領域421に保留画像420を表示させ、特別乱数記憶手段2914において2つの第2特別乱数値が保留されている場合には、第1右保留表示領域421および第2右保留表示領域422のそれぞれに保留画像420を表示させ、というように、特別乱数記憶手段2914において保留されている第2特別乱数値の数に応じて、第1右保留表示領域421〜第4右保留表示領域424のそれぞれに保留画像420を表示させる。図12(A)の例では、特別乱数記憶手段2914において第2特別乱数値が保留されていないことにより、第1右保留表示領域421〜第4右保留表示領域423のそれぞれには保留画像420が表示されていない。
そして、図12(A)に示す状態で、特別乱数記憶手段2914から第1特別乱数値を読み出して特別抽選が行われると、演出制御手段300は、図12(B)に示すように、第1左保留表示領域411に表示されている保留画像420を消去するとともに、第2左保留表示領域412以降の左保留表示領域において表示されている保留画像420を、元の左保留表示領域から序数が1つ小さい左保留表示領域に移動させる表示制御を行う。これにより、第1左保留表示領域411に表示されている保留画像420が、次の特別抽選の対象となる第1特別乱数値に対応していることを示すことができる。
また図示しないが、特別乱数記憶手段2914において複数個の第2特別乱数値が保留されている状態で、特別乱数記憶手段2914から第2特別乱数値を読み出して特別抽選が行われると、演出制御手段300は、第1右保留表示領域421に表示されている保留画像420を消去するとともに、第2右保留表示領域422以降の右保留表示領域において表示されている保留画像420を、元の右保留表示領域から序数が1つ小さい右保留表示領域に移動させる表示制御を行う。これにより、第1右保留表示領域421に表示されている保留画像420が、次の特別抽選の対象となる第2特別乱数値に対応していることを示すことができる。
2.本実施形態の手法
図13は、演出制御手段300とサブメモリ310の詳細を示す機能ブロック図である。図13に示すように、演出制御手段300(演算手段)は、演出(オブジェクト)を実行するための各種の制御処理(演算処理)を行う演出用CPU500と、演出用CPU500の作業領域となる演出用RAM502を備えており、サブメモリ310は、演出を実行するためのプログラムやデータが記憶されている演出用ROM504を備えている。また演出制御手段300は、液晶ディスプレイ31に動画や静止画の演出画像(オブジェクト)を表示させるための各種の画像処理(演算処理)を行うVDP506と、VDP506の作業領域となるVRAM508を備えており、サブメモリ310は、液晶ディスプレイ31に演出画像を表示するための画像データが記憶されている画像用ROM510を備えている。
ここで本実施形態の演出画像は、各画素の色成分を構成するR成分、G成分およびB成分のそれぞれに0〜255の256階調が割り当てられることによりフルカラーで表現されるようになっており、画像データには、各画素のR成分、G成分およびB成分のそれぞれを指定するRGBデータ(色データ)と、各画素の不透明度(透過度)を指定するαデータ(透過度データ)が含まれている。ここでαデータは、透明である0.0から不透明である1.0までの10段階の値を設定することができ、αデータが0.0である画素は、その画素のRGBデータが描画に反映されずに透明となり、αデータが1.0である画素は、その画素のRGBデータが全て描画に反映されて不透明となり、αデータが0.0から1.0までの中間的な値である画素は、その画素のRGBデータがαデータの値に応じて描画に反映されて不透明となる。
そして演出用CPU500は、メイン基板100における第1特別抽選あるいは第2特別抽選の大当たり決定処理、図柄決定処理、特別変動決定処理の結果に応じたコマンド基づいて、特別抽選演出の演出パターンを決定し、決定した演出パターンに応じた演出画像をVDP506に描画させる。詳細には演出用ROM504に、複数種類の演出パターンのそれぞれについて、その演出パターンで使用する画像データのアドレスや、使用する画像データのそれぞれの再生開始フレーム、再生期間、再生終了フレーム、表示位置、表示の優先度などを規定するシナリオデータが記憶されており、演出用CPU500は、決定した演出パターンに応じたシナリオデータを演出用ROM504から読み出して演出用RAM502に格納し、シナリオデータに従ってVDP506を制御する。
VDP506は、シナリオデータに従って画像用ROM510から画像データを読み出し、読み出した画像データをVRAM508上の展開領域に展開し、展開した画像データ、シナリオデータに従った表示位置、優先度などに基づいて、VRAM508上のフレームバッファに演出画像を描画する。そしてVDP506は、1フレーム(例えば1/60秒、更新タイミング)ごとにフレームバッファに演出画像を描画して、描画した演出画像を液晶ディスプレイ31に表示させることにより、液晶ディスプレイ31に動画や静止画を再生表示させる。
図14(A)〜図14(E)は、特別抽選演出の演出パターンとして特殊演出パターンが決定された場合に液晶ディスプレイ31において再生表示される特殊演出の演出動画の一例を示す図である。この例では、図14(A)に示すように、液晶ディスプレイ31の表示領域の中央において左図柄画像350と右図柄画像354が異なる態様(非リーチ態様)で仮停止表示されつつ、中図柄画像352の変動表示が継続され、左下において第1左保留表示領域411および第2左保留表示領域412のそれぞれに保留画像420が表示され、それらの背後に背景画像600が表示される。
そしてこの例では、図14(B)に示すように、演出物36が出現状態となるとともに、白い閃光のような閃光エフェクト画像602が表示され、演出物36が収納状態となって閃光エフェクト画像602が消えると、図14(C)〜図14(E)に示すように、左下において第1左保留表示領域411および第2左保留表示領域412のそれぞれに保留画像420が表示されたまま、左図柄画像350、中図柄画像352および右図柄画像354と背景画像600が、中央で左右に第1特殊画像604と第2特殊画像605に分割されるように切られ、第1特殊画像604と第2特殊画像605のそれぞれがずれるように移動する画像が表示される。そしてこの例では、第1特殊画像604と第2特殊画像605の背後には、左図柄画像350、中図柄画像352および右図柄画像354(通常画像)や背景画像600(通常画像)を覆い隠すマスク画像606が表示される。
詳細には本実施形態では、画像用ROM510には、左図柄画像350、中図柄画像352および右図柄画像354を表示させるための画像データ、保留画像420を表示させるための画像データ、背景画像600を表示させるための画像データ、閃光エフェクト画像602を表示させるための画像データ、第1特殊画像604を表示させるための画像データ、第2特殊画像605を表示させるための画像データ、マスク画像606を表示させるための画像データなどが個別に記憶されている。
そして図14(C)〜図14(E)に示す特殊演出の演出動画を再生表示させる場合には、1フレームごとにフレームバッファにおいて、描画対象の優先度に基づいて、まずは図15(A)に示す背景画像600を第1レイヤー701として描画し、第1レイヤー701の手前に重ねるように、図15(B)に示す左図柄画像350、中図柄画像352および右図柄画像354を第2レイヤー702として描画し、第2レイヤー702の手前に重ねるように、図15(C)に示すマスク画像606を第3レイヤー703として描画し、第3レイヤー703の手前に重ねるように、図15(D)に示す第1特殊画像604と第2特殊画像605を第4レイヤー704として描画し、図15(E)に示す保留画像420を第5レイヤー705として描画する。そして1フレームごとの更新タイミングが到来すると、フレームバッファに描画されている画像を液晶ディスプレイ31に出力して表示させる。
ここで本実施形態では、画像用ROM510には、第1特殊画像604を表示させるための画像データとして、図16(A)に示すような、液晶ディスプレイ31の表示領域よりも少し広い範囲を覆う矩形の画像を表示させるための画像データが記憶され、第2特殊画像605を表示させるための画像データとして、図16(B)に示すような、第1特殊画像604と同じ大きさ、形状の画像を表示させるための画像データが記憶されている。
そして図16(A)に示すように、第1特殊画像604の画像データでは、第1特殊画像604の左半分の領域の各画素ではαデータが不透明を示す1.0に設定されている一方で、第1特殊画像604の右半分の領域の各画素ではαデータが透明を示す0.0に設定されているため、第1特殊画像604の左半分の領域は各画素のRGBデータが反映されるが、第1特殊画像604の右半分の領域は各画素のRGBデータが反映されずに透明となるように構成されている。また図16(B)に示すように、第2特殊画像605の画像データでは、第2特殊画像605の左半分の領域の各画素ではαデータが透明を示す0.0に設定されている一方で、第2特殊画像605の右半分の領域の各画素ではαデータが不透明を示す1.0に設定されているため、第2特殊画像605の左半分の領域は各画素のRGBデータが反映されずに透明となるが、第2特殊画像605の右半分の領域は各画素のRGBデータが反映されるように構成されている。
すなわち、第1特殊画像604の画像データと第2特殊画像605の画像データでは、図16(C)に示すように、第1特殊画像604と第2特殊画像605を重ねた場合に、第1特殊画像604の不透明な領域と第2特殊画像605の不透明な領域が重ならないように各画素の不透明度が設定されており、第1特殊画像604と第2特殊画像605を重ねると、1画面分の画像が形成されるようになっている。
従って、図16(C)に示すように、第1特殊画像604と第2特殊画像605が重なった状態から、図16(D)〜図16(F)に示すように、第1特殊画像604を左下方向に移動させ、第2特殊画像605を右上方向に移動させると、1つの画像が中央で左右の2つの画像に分割されるように切られ、切られた2つの画像のそれぞれがずれていく画像を表示させることができる。
そして本実施形態では、図14(C)〜図14(E)に示す特殊演出の演出動画を再生表示させる場合には、フレームバッファにおいて、図15(A)に示す背景画像600を第1レイヤー701として描画し、第1レイヤー701の手前に重ねるように、図15(B)に示す左図柄画像350、中図柄画像352および右図柄画像354を第2レイヤー702として描画して、図17(A)に示すような、中間画像800を描画すると、フレームバッファの中間画像800をVRAM508上の特定領域にコピーする。そしてフレームバッファにおいて、第2レイヤー702の手前に重ねるように、図15(C)に示すマスク画像606を第3レイヤー703として描画する。
そして、第3レイヤー703の手前に重ねるように、図15(D)に示す第1特殊画像604と第2特殊画像605を第4レイヤー704として描画する際には、第1特殊画像604のRGBデータを中間画像800のRGBデータに差し替えるとともに、第2特殊画像605のRGBデータを中間画像800のRGBデータに差し替える。詳細には、特定領域にコピーした中間画像800をテクスチャ画像として第1特殊画像604と第2特殊画像605のそれぞれにマッピングする(対応づける)。
すると、第1特殊画像604は、図17(B)に示すように、左半分の領域は中間画像800のRGBデータが反映されるが、右半分の領域は中間画像800のRGBデータが反映されずに透明となるように描画され、第2特殊画像605は、図17(C)に示すように、左半分の領域は中間画像800のRGBデータが反映されずに透明となるが、右半分の領域は中間画像800のRGBデータが反映されるように描画されるが、まずは図17(D)に示すように、フレームバッファにおいて第1特殊画像604と第2特殊画像605を重ねるように描画する。
そしてフレームが更新されるごとに、第2レイヤー702までの中間画像800を描画すると、中間画像800をVRAM508上の特定領域にコピーし、マスク画像606を第3レイヤー703として描画すると、図17(E)〜図17(G)に示すように、第1特殊画像604のRGBデータを中間画像800のRGBデータに差し替えるとともに、第2特殊画像605のRGBデータを中間画像800のRGBデータに差し替えつつ、第1特殊画像604を左下方向に移動させ、第2特殊画像605を右上方向に移動させながら、第1特殊画像604と第2特殊画像605を第4レイヤー704として描画することにより、図14(C)〜図14(E)に示すように特殊演出の演出動画を表示させる。
こうして本実施形態では、フレームごとに中間画像800を更新しつつ、中間画像800のRGBデータに差し替えた第1特殊画像604と第2特殊画像605を移動させるため、左図柄画像350と右図柄画像354が異なる態様(非リーチ態様)で仮停止表示されつつ、中図柄画像352の変動表示が継続された動画が進行している状態で、中央で左右の2つの画像に分割されるように切られ、切られた2つの画像のそれぞれがずれていくように移動する画像を、特殊演出の演出動画として表示させることができる。
そして本実施形態では、特殊演出の演出動画を表示させる場合であっても、特殊演出の演出動画を表示させない場合にも用いる演出画像を中間画像800としてコピーして用いるため、第1特殊画像604の画像データと第2特殊画像605の画像データの他に特殊演出の演出動画を表示させるための画像データを用意する必要がない。従って本実施形態では、液晶ディスプレイ31に表示させる演出画像のバリエーションを増加させつつ、画像データのデータ量を抑制することができる。
図18および図19は、演出制御手段300における処理の流れを示すフローチャートである。図18に示すように、演出制御手段300は、まず液晶ディスプレイ31に表示済みのフレーム数が、決定した演出パターンに応じた演出画像の総フレーム数よりも少ないか否か判断する(ステップS100)。そして、総フレーム数よりも少ない場合に(ステップS100でY)、そのフレームで未処理の画像データが有るか否か判断し(ステップS102)、未処理の画像データがある場合に(ステップS102でY)、フレームバッファに画像を描画する描画処理を行う(ステップS104)。そして、未処理の画像データが無くなると(ステップS102でN)、フレームバッファに描画された画像を液晶ディスプレイ31に表示させ(ステップS106)、フレームバッファをクリアし(ステップS108)、描画対象の優先度をリセットし(ステップS110)、表示済みのフレーム数を更新する(ステップS112)。そして、表示済みのフレーム数が総フレーム数に達すると(ステップS100でN)、処理を終了する。
そして図18の描画処理では、図19に示すように、描画対象の優先度が予め定められたPよりも大きいか否か判断し(ステップS120)、描画対象の優先度が予め定められたPよりも大きい場合に(ステップS120でY)、上述の例では第2レイヤー702までの中間画像800を描画すると、フレームバッファの中間画像800を特定領域にコピーする(ステップS122)。一方、描画対象の優先度が予め定められたP以下である場合には(ステップS120でN)、フレームバッファの中間画像800を特定領域にコピーする処理は行わない。
すると、優先度に対応する画像データを特定し(ステップS124)、優先度に対応する画像データが第1特殊画像604または第2特殊画像605に対応しているか否かを判断する(ステップS126)。そして、優先度に対応する画像データが第1特殊画像604または第2特殊画像605に対応している場合には(ステップS126でY)、第1特殊画像604あるいは第2特殊画像605のRGBデータを中間画像800のRGBデータに差し替える(ステップS128)。一方、優先度に対応する画像データが第1特殊画像604または第2特殊画像605に対応していない場合には(ステップS126でN)、中間画像800のRGBデータに差し替える処理は行わない。そして、優先度に対応する画像データに基づいて、フレームバッファに画像を描画し(ステップS130)、描画対象の優先度を更新する(ステップS132)。
3.変形例
本発明は、上記の実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能であり、以下に変形例を紹介する。なお、上記実施形態や、以下において変形例として説明する各種の手法は、本発明を実現する制御手法として適宜組み合わせて採用することができる。
まず上記実施形態では、第1特殊画像604と第2特殊画像605の2つの特殊画像を用いる例を挙げて説明したが、3つ以上の特殊画像を用いるようにしてもよい。この場合には、3つ以上の特殊画像のそれぞれの画像データでは、3つ以上の特殊画像を重ねた場合に3つ以上の特殊画像のそれぞれの不透明な領域が重ならないように各画素の不透明度が設定されているようにすればよい。
また上記実施形態では、フレームごとに中間画像800を更新して、中間画像800のRGBデータに差し替えた第1特殊画像604と第2特殊画像605を移動させる例を挙げて説明したが、1つのフレームにおいて中間画像800を取得すると、その後は中間画像800を更新せずに、中間画像800のRGBデータに差し替えた第1特殊画像604と第2特殊画像605を移動させるようにしてもよい。この場合には、中間画像800を取得した時点の静止画が、中央で左右の2つの画像に分割されるように切られ、切られた2つの画像のそれぞれがずれていくように移動する画像を、特殊演出の演出動画として表示させることができる。
そしてこの場合には、第1特殊画像604または第2特殊画像605に対応している画像データの優先度が、予め定められたPよりも大きい値に設定されているか、または予め定められたP以下の値に設定されているかに応じて、フレームごとに中間画像800が更新されるか否かを切り替えるようにしてもよい。
詳細にはこの例の描画処理では、図20に示すように、描画対象の優先度が予め定められたPよりも大きいか否か判断し(ステップS200)、描画対象の優先度が予め定められたPよりも大きい場合に(ステップS200でY)、特定領域へアクセスしたか否かを示すアクセスフラグがOFFであるか否か判断する(ステップS202)。そしてアクセスフラグがOFFである場合に(ステップS202でY)、フレームバッファの中間画像800を特定領域にコピーし(ステップS204)、アクセスフラグをONに設定する(ステップS206)。一方、描画対象の優先度が予め定められたP以下である場合や(ステップS200でN)、アクセスフラグがONである場合には(ステップS202でN)、フレームバッファの中間画像800を特定領域にコピーする処理は行わない。
すると、優先度に対応する画像データを特定し(ステップS208)、優先度に対応する画像データが第1特殊画像604または第2特殊画像605に対応しているか否かを判断する(ステップS210)。そして、優先度に対応する画像データが第1特殊画像604または第2特殊画像605に対応している場合には(ステップS210でY)、第1特殊画像604あるいは第2特殊画像605のRGBデータを中間画像800のRGBデータに差し替え(ステップS212)、アクセスフラグをONに設定する(ステップS214)。一方、優先度に対応する画像データが第1特殊画像604または第2特殊画像605に対応していない場合には(ステップS210でN)、中間画像800のRGBデータに差し替える処理は行わない。そして、優先度に対応する画像データに基づいて、フレームバッファに画像を描画し(ステップS216)、描画対象の優先度を更新する(ステップS218)。
そしてこの例では、図示しないが、図18において未処理の画像データが無くなると(ステップS102でN)、描画対象の優先度をリセットした後に(ステップS110)、アクセスフラグをOFFにリセットしてから、表示済みのフレーム数を更新する(ステップS112)。
こうしてこの例では、第1特殊画像604または第2特殊画像605に対応している画像データの優先度が、予め定められたPよりも大きい値に設定されていると、図20の描画処理において、描画対象の優先度が予め定められたPよりも大きいと判断された場合に(ステップS200でY)、アクセスフラグがOFFであると判断され(ステップS202でY)、フレームバッファの中間画像800を特定領域にコピーし(ステップS204)、アクセスフラグをONに設定する(ステップS206)。
すると、そのフレームでは、描画対象の優先度が更新され(ステップS218)、描画処理が繰り返されて、再び描画対象の優先度が予め定められたPよりも大きいと判断されても(ステップS200でY)、アクセスフラグがONであると判断され(ステップS202でN)、フレームバッファの中間画像800を特定領域にコピーする処理は行わない。
そして、優先度に対応する画像データが第1特殊画像604または第2特殊画像605に対応していると判断された場合には(ステップS210でY)、第1特殊画像604あるいは第2特殊画像605のRGBデータを中間画像800のRGBデータに差し替え(ステップS212)、アクセスフラグをONに設定する(ステップS214)。
従って、第1特殊画像604または第2特殊画像605に対応している画像データの優先度が、予め定められたPよりも大きい値に設定されている場合には、フレームごとに中間画像800が更新されるようにすることができる。
一方、第1特殊画像604または第2特殊画像605に対応している画像データの優先度が、予め定められたP以下の値に設定されている場合には、図20の描画処理において、描画対象の優先度が予め定められたPよりも大きいと判断される前に(ステップS200でY)、優先度に対応する画像データが第1特殊画像604または第2特殊画像605に対応していると判断され(ステップS210でY)、第1特殊画像604あるいは第2特殊画像605のRGBデータを中間画像800のRGBデータに差し替え(ステップS212)、アクセスフラグをONに設定する(ステップS214)。
すなわちこの例では、特殊演出を実行する場合であってもしない場合であっても、描画対象の優先度が予め定められたPよりも大きい場合に(ステップS200でY)、特定領域へアクセスしたか否かを示すアクセスフラグがOFFであるか否か判断し(ステップS202)、アクセスフラグがOFFである場合に(ステップS202でY)、フレームバッファの中間画像800を特定領域にコピーする(ステップS204)処理を行いつつ、第1特殊画像604または第2特殊画像605に対応している画像データの優先度が、予め定められたP以下の値に設定されている場合には、第1特殊画像604または第2特殊画像605が出現するフレームの前のフレームにおけるステップS204において特定領域にコピーされたフレームバッファの中間画像800のRGBデータに、第1特殊画像604あるいは第2特殊画像605のRGBデータを差し替える。
すると、そのフレームでは、描画対象の優先度が更新され(ステップS218)、描画処理が繰り返されて、描画対象の優先度が予め定められたPよりも大きいと判断されても(ステップS200でY)、アクセスフラグがONであると判断され(ステップS202でN)、フレームバッファの中間画像800を特定領域にコピーする処理は行わない。
従って、第1特殊画像604または第2特殊画像605に対応している画像データの優先度が、予め定められたP以下の値に設定されている場合には、フレームが更新されても中間画像800は更新されないようにして、いわゆるフリーズ演出を実行することができる。
こうしてこの例では、実行する演出に応じて制御を変更することなく、所定条件を満たした場合にフレームバッファの中間画像800を特定領域にコピーすることにより、第1特殊画像604または第2特殊画像605の描画有無や、第1特殊画像604または第2特殊画像605に対応している画像データの優先度が予め定められたPよりも大きい値に設定されているか否かに応じて、演出内容を変更することができる。
また上記実施形態では、フレームバッファからコピーした中間画像800をテクスチャ画像として第1特殊画像604と第2特殊画像605のそれぞれにマッピングする例を挙げて説明したが、画像用ROM510に予め記憶されたテクスチャ画像を第1特殊画像604と第2特殊画像605のそれぞれにマッピングするようにしてもよい。
また上記実施形態では、第1特殊画像604と第2特殊画像605の双方を移動させる例を挙げて説明したが、いずれか一方を移動させるようにしてもよいし、第1特殊画像604の不透明な領域と第2特殊画像605の不透明な領域が離れる位置に第1特殊画像604と第2特殊画像605を描画して、第1特殊画像604と第2特殊画像605を移動させないようにしてもよい。このようにしても、特定の画像が中央で左右の2つの画像に分割されるように切られる画像表現を実現することができる。
また上記実施形態では、遊技球が移動する遊技領域を備え、遊技者の操作に応じて遊技領域に遊技球を発射するぱちんこ遊技機に本発明を適用した例を説明したが、外周面に図柄が配列されている複数のリールを備え、遊技者の操作に応じて複数のリールを回転させ、抽選の結果に応じた態様で複数のリールを停止させるスロットマシンに本発明を適用してもよい。