JP2017158043A - タイムインターリーブa/d変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】タイムインターリーブA/D変換装置の変換精度を高める。【解決手段】タイムインターリーブA/D変換装置は、互いに異なるサンプリング期間でアナログ信号のサンプリングを行うサンプリング回路と、アナログ信号を逐次比較によりA/D変換する逐次比較型A/D変換回路とを含む複数N個のサブA/D変換器を備え、各サブA/D変換器のサンプリング回路は、アナログ信号をサンプリングする第1のスイッチと、互いに異なる複数のキャパシタを有し、逐次比較型A/D変換回路の制御によりデジタル信号をアナログ信号にD/A変換して第1のスイッチの出力側に出力する容量D/A変換器とを備え、第1のスイッチの出力側と所定のバイアス電圧との間に接続される第2のスイッチとを備え、第2のスイッチは、所定のリセット期間においてオンされることにより複数のキャパシタをリセットする。【選択図】図4
Description
本開示はタイムインターリーブA/D変換装置に関する。
A/D変換器は、各種信号処理分野で広く利用されており、その変換精度と変換速度とは重要な性能指標である。近年、ミリ波通信やレーダーなどの高速化が急速に進んでおり、A/D変換器には、変換精度の向上と高速化との両立が求められている。
しかし、A/D変換器単体の高速化には限界がある。このため、複数のA/D変換器を並列化し、それぞれのサンプリングのタイミングに位相差を設け、全体として変換速度の高速化を図るタイムインターリーブ技術が提案されている。
例えば特許文献1に開示されている。タイムインターリーブA/D変換装置は、N個のサブA/D変換器を備え(Nは2以上の整数を表す)、サブA/D変換器の変換速度のN倍の変換速度を実現する。タイムインターリーブA/D変換装置全体の変換周波数をFsとすると、サブA/D変換器の変換周波数はFs/Nとなる。例えば、N個のサブA/D変換器(0)〜(N−1)が0〜N−1の位相でサンプリングを行うことを1サイクルとして順次繰り返されるとする。つまり、サブA/D変換器(0)は0番目のデータをサンプリングした1サイクル後にN番目のデータをサンプリングする。
タイムインターリーブA/D変換装置を用いる高速動作のアプリケーションでは、小振幅な広帯域信号が入力される。そのため、サンプリングが必要なA/D変換器では、サンプリング容量を高速に駆動する必要があり、前段に入力バッファを接続してA/D変換器を駆動することが多い。
しかし、複数のサブA/D変換器に対してそれぞれ個別の入力バッファを接続する場合、それらの入力バッファのバラツキがタイムインターリーブA/D変換装置の特性を劣化させる。つまり、A/D変換特性を向上するためには1つの入力バッファに対して複数のA/D変換器を接続する必要がある。
例えば、特許文献2の実施例5では、1つの入力バッファの出力に2系統のA/D変換器を接続した実施例が開示されている。
前述のサブA/D変換器(0)がN番目の信号サンプリングを開始する時、サブA/D変換器(0)のサンプリング容量には1サイクル前の0番目の信号が保存されており、また入力バッファの出力は位相が1つ前のN−1番目の信号電位にある。入力バッファは、それらが互いに接続された初期電位からサンプリング容量を駆動する。N番目のサンプリング動作が十分に収束しない場合、これらの初期電位の影響により、信号依存の履歴誤差が発生する。
前記問題に鑑み、本開示は、入力端子から入力バッファを介して入力されるアナログ信号を従来技術に比較して高い精度でA/D変換することができるタイムインターリーブA/D変換装置の提供することを課題とする。
本開示の一態様に係るタイムインターリーブA/D変換装置は、入力端子から入力バッファを介して入力されるアナログ信号をデジタル信号にA/D変換して出力端子を介して出力するタイムインターリーブA/D変換装置であって、
互いに異なるサンプリング期間で前記アナログ信号のサンプリングを行うサンプリング回路と、前記アナログ信号を逐次比較によりA/D変換する逐次比較型A/D変換回路とを含む複数N個のサブA/D変換器を備え、
前記各サブA/D変換器のサンプリング回路は、
前記アナログ信号をサンプリングする第1のスイッチと、
互いに異なる複数のキャパシタを有し、前記逐次比較型A/D変換回路の制御によりデジタル信号をアナログ信号にD/A変換して前記第1のスイッチの出力側に出力する容量D/A変換器とを備え、
前記第1のスイッチの出力側と所定のバイアス電圧との間に接続される第2のスイッチとを備え、
前記第2のスイッチは、所定のリセット期間においてオンされることにより,前記複数のキャパシタをリセットする。
互いに異なるサンプリング期間で前記アナログ信号のサンプリングを行うサンプリング回路と、前記アナログ信号を逐次比較によりA/D変換する逐次比較型A/D変換回路とを含む複数N個のサブA/D変換器を備え、
前記各サブA/D変換器のサンプリング回路は、
前記アナログ信号をサンプリングする第1のスイッチと、
互いに異なる複数のキャパシタを有し、前記逐次比較型A/D変換回路の制御によりデジタル信号をアナログ信号にD/A変換して前記第1のスイッチの出力側に出力する容量D/A変換器とを備え、
前記第1のスイッチの出力側と所定のバイアス電圧との間に接続される第2のスイッチとを備え、
前記第2のスイッチは、所定のリセット期間においてオンされることにより,前記複数のキャパシタをリセットする。
本開示によれば、入力端子から入力バッファを介して入力されるアナログ信号を従来技術に比較して高い精度でA/D変換することができる。
以下、本開示の実施の形態を、図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
近年、その電力効率の高さから逐次比較型(Successive Approximation Register)A/D変換回路が注目されている。以下では、サブA/D変換器の例として、逐次比較型A/D変換回路を用いて説明する。
図1は比較例にかかる基本的な逐次比較型A/D変換装置の回路構成を示す回路図である。図1において、逐次比較型AD変換回路100は、サンプリングスイッチ101と、容量値が重み付けされた容量アレイ(図1の1C、4C、8C、…、256Cの各容量を有するキャパシタからなるアレイ)及びスイッチSW0〜SW8で構成された容量D/A変換器(以下、容量DACという。)102と、アナログ入力電圧と容量DAC102で生成した電圧とを比較して比較結果信号を出力する比較器103と、比較結果信号をシリアル/パラレル変換するS/P変換器105と、比較器103から出力される信号に基づいて容量DAC102を制御する逐次比較制御回路104と、入力端子P1と、出力端子P2とを備えて構成される。容量DAC102において、容量アレイの一端はサンプリングスイッチ101に接続され、他端は逐次比較制御回路104から出力される多ビットの制御信号に従って参照電圧VH,VLのいずれか一方にそれぞれ独立に接続されるようになっている。すなわち、容量DAC102は互いに異なる複数のキャパシタを有し、逐次比較型A/D変換回路CC(0)〜CC(N−1)の制御によりデジタル信号をアナログ信号にD/A変換してサンプリングスイッチ101の出力側に出力する
以上のように構成された逐次比較型AD変換回路100の動作について以下に説明する。
まず、制御信号のMSBを1、その他のビットを0にした状態で、サンプリングスイッチ101をオンし、容量DAC102のアナログ入力電圧をサンプリングした後、逐次比較制御回路104は、1クロックごとに比較器103の比較結果に基づいて、制御信号をMSBから下位ビットに1ビットずつ逐次的に決定する。このとき、S/P変換器105から出力される信号が、サンプリングしたアナログ入力電圧のAD変換結果を示す。
図2は本開示の実施形態1にかかるリセットスイッチSWR(0)〜SWR(N−1)を備えたタイムインターリーブA/D変換装置200の回路構成を示す回路図である。図2のタイムインターリーブA/D変換装置200はシングルエンド構成で構成される。
図2において、タイムインターリーブA/D変換装置200は、入力バッファ201と、サブA/D変換部210と、論理回路202と、制御信号φ0〜φN−1,φr0〜φrN−1を発生するタイミング信号発生回路220と、入力端子P1と、出力端子P2とを備えて構成される。ここで、サブA/D変換部210は複数N個のサブA/D変換器AD(0)〜AD(N−1)を備えて構成され、各サブA/D変換器AD(0)〜AD(N−1)はそれぞれ、例えば図1に示した逐次比較型AD変換回路100で構成される。
入力バッファ201は、例えば入力抵抗が高抵抗で、かつ出力インピーダンスが低いオペアンプであり、外部回路から入力されるアナログ入力電圧信号を緩衝増幅して出力アナログ信号を出力する。アナログ入力電圧信号として、無線通信分野では、数百MHz以上の広帯域信号を取り扱う。また、アナログ入力電圧信号を数GHzの高周波数でサンプリングする必要がある。また、アナログ入力電圧信号の振幅が小さいシステムも多く、その場合は、入力バッファ201は、信号ゲインが1を超える値を持つ入力バッファの構成にしてもよい。すなわち、図2の入力バッファ201は、望ましくは信号ゲインが1又は1を超える入力バッファである。
サブA/D変換部210は、複数N個のサブA/D変換器AD(0)〜AD(N−1)を備えて構成される。各サブA/D変換器AD(0)〜AD(N−1)はそれぞれ、サンプリング回路SP(0)〜SP(N−1)と、A/D変換回路CC(0)〜CC(N−1)とを備えて構成される。サンプリング回路SP(0)〜SP(N−1)はそれぞれ、入力信号をサンプリングし、制御信号φ0〜φN−1でオン/オフ制御されるサンプリングスイッチ101と、容量DAC102と、容量DAC102の各キャパシタに対してバイアス電圧Vbを印加して信号成分をリセットするリセットスイッチSWR(0)〜SWR(N−1)とを備えて構成される。ここで、バイアス電圧Vbは例えば電源電圧の1/2に設定される。
図3は図2のタイムインターリーブA/D変換装置のリセットスイッチの動作を説明するタイミングチャートである。
図3において、タイムインターリーブA/D変換装置200に、周波数Fsの動作クロック信号CLKが入力される。N個のサブA/D変換器AD(0)〜AD(N−1)は、それぞれ、位相をずらせたクロック信号CLKAD(0)〜CLKAD(N−1)により、異なるサンプリング期間で順次サンプリングを行う。また、それぞれのサブA/D変換器は、リセット信号RST(0)〜RST(N−1)によって、リセットスイッチSWR(0)〜SWR(N−1)をオンし、サンプリング容量端子に対してバイアス電圧Vbを設定する。これにより、サンプリング容量に保存された信号電圧がリセットされる。
図3において、クロック信号CLKAD(0)〜CLKAD(N−1)のハイレベル期間がサンプリングの期間を示す。このハイレベル期間で、各サンプリング回路SP(0)〜SP(N−1)のサンプリングスイッチ101がオンされる。このサンプリングスイッチ101のオンによって、図2の回路の前段の入力バッファ201(すなわち、信号ゲインが1又は1を超える入力バッファ)がサンプリング容量を駆動する。また、各サブA/D変換器AD(0)〜AD(N−1)は、サンプリング以外の期間を使用してA/D変換動作を行う。これらのサンプリングを確定する望ましいタイミングは、タイムインターリーブA/D変換装置200の動作クロック信号CLKの1周期であり、各サブA/D変換器AD(0)〜AD(N−1)は、正確に1/Fs期間毎にサンプリングをする必要がある。
図3において、リセット信号RST(0)〜RST(N−1)のハイレベル期間にリセットスイッチSWR(0)〜SWR(N−1)をオンする。このリセットスイッチSWR(0)〜SWR(N−1)のオンによって、容量DAC102のキャパシタ端子側はバイアス電圧Vbと接続され、サンプリング期間にサンプリング容量に保存された信号成分が除去される。このリセット信号RST(0)〜RST(N−1)は、サブA/D変換器AD(0)〜AD(N−1)がサンプリング後に行うA/D変換動作が完了した後に開始されることが必要である。このとき、一般的に、サンプリング用キャパシタの逆側の端子は、参照電圧VH、VLの初期設定にリセットされる。また、リセット信号RST(0)〜RST(N−1)とクロック信号CLKAD(0)〜CLKAD(N−1)が同時にハイレベルになる期間は入力バッファ201とバイアス電圧Vbがオンし、サンプリング動作の収束を遅延させるため、リセット信号RST(0)〜RST(N−1)は次のサンプリング期間が開始される前に終了することが望ましい。
複数のサブA/D変換器AD(0)〜AD(N−1)はその配置位置が離れるため、長距離配線での接続が必要になる。そのため、配線の寄生抵抗や寄生容量が大きく付加される。その寄生容量は、サンプリング容量に相当する大きさになる場合もある。これらの容量と配線抵抗の影響により、履歴誤差は発生しやすくなる。また、入力バッファ201の入力端子電位が大きく動かず、入力バッファ201のサンプリング動作が遅くなるような信号パターンにおいて、履歴誤差が特に大きく発生する。このため、履歴誤差軽減のためには入力バッファの駆動能力を増大させて収束応答性を向上するだけでなく、複数のサブA/D変換器AD(0)〜AD(N−1)のサンプリング容量やスイッチ、配線寄生成分を含めた設計が必要となり対策が困難になる。また、例えばレーダーなどで複数の受信波形をコヒーレント加算するシステムでは、この履歴誤差も積分されその影響は増大される。この場合、タイムインターリーブA/D変換装置の最小分解能以下の十分小さな履歴誤差であっても課題となる。本開示のリセットスイッチSWR(0)〜SWR(N−1)を用いることにより、入力バッファ201の電力増加などコストアップにつながる対策を実施せずに、タイムインターリーブA/D変換装置200の精度を向上させることが可能である。
以上の実施形態1においては、バイアス電圧Vbを電源電圧VDDの1/2に設定しているが、本開示はこれに限らず、電源電圧VDD、接地電圧などの電源電圧に基づいて決定される所定電圧に設定してもよい。
図4は本開示の実施形態2にかかるリセットスイッチSWR(0)〜SWR(N−1)を備えたタイムインターリーブA/D変換装置200Aの回路構成を示す回路図である。図4のタイムインターリーブA/D変換装置200Aは差動構成で構成したことを特徴とする。図4において、タイムインターリーブA/D変換装置200Aは、入力バッファ201Aと、サブA/D変換部210Aと、論理回路27と、タイミング信号発生回路220と、入力端子P1と、出力端子P2とを備えて構成される。
各サブA/D変換部210Aは、複数N個のサブA/D変換器ADD(0)〜ADD(N−1)を備えて構成され、各サブA/D変換器ADD(0)〜ADD(N−1)はそれぞれ、サンプリング回路SPD(0)〜SPD(N−1)と、逐次比較型A/D変換回路CC(0)〜CC(N−1)とを備えて構成される。各サンプリング回路SPD(0)〜SPD(N−1)はそれぞれ、入力信号をサンプリングするサンプリングスイッチ101a,101bと、容量DAC102a,102bと、差動構成の容量DAC102a,102bの各サンプリング容量端子同士をオンするリセットスイッチSWR(0)〜SWR(N−1)とを備える。それぞれの動作タイミングについては、図2に示したタイムインターリーブA/D変換装置200と同様にリセット信号RST(0)〜RST(N−1)のハイレベル期間にリセットスイッチSWR(0)〜SWR(N−1)をオンする。
リセットスイッチSWR(0)〜SWR(N−1)がオンしているタイミングでは、前述の通りサンプリング容量の逆側の端子は、参照電圧VH,VLが初期値設定の状態で接続されている。そこで、リセットスイッチSWR(0)〜SWR(N−1)をオンすることによって、1サイクル前のサンプリング時にサンプリング容量に保存された信号成分は除去される。このとき、そのサンプリング容量端子の電位はおおよそ差動信号の中心電圧に収束する。
図2のようにバイアス電圧Vbを用いてリセットを行う場合、非常に高速に容量を駆動する必要があり、必要なバイアス電流は大きくなる。図4の実施形態2ではリセット時に差動間でサンプリング容量端子をオンさせるのみで、追加で必要な回路が無い。また、リセット時にサンプリング容量の参照電圧VH,VL側の端子にも電流が流れず、追加で発生する消費電流がほとんど無い。このように、図4の実施形態2では、追加の回路や消費電流を必要とせず、同様の信号除去効果が得られる。
リセット信号RST(0)〜RST(N−1)は、一つ前の位相のサブA/D変換器のサンプリングに用いるクロック信号CLKAD(N−1)、CLKAD(0)〜CLKAD(N−2)を使用することが可能である。例えば、サブA/D変換器N−1のリセット信号RST(N−1)には、クロック信号(N−2)を使用できる。
このようにクロック信号を使用する場合、リセット信号生成用の追加回路が不要である。しかし、インターリーブA/D変換装置200Aにおいて1つの箇所で生成したクロック信号CLKAD(0)〜CLKAD(N−1)をそれぞれのサブA/D変換器ADD(0)〜ADD(N−1)に分配するため、サブA/D変換器ADD(0)〜ADD(N−1)に1つ前の位相のクロック信号も追加で接続する場合、供給する配線リソースや寄生成分による負荷も大きい。また、リセット信号は必ずA/D変換動作が完了してから開始する必要があるが、A/D変換動作に必要な時間は、製造バラツキや回路の周囲温度や供給電圧、入力される信号電圧によっても異なる場合があるため、リセット期間の制御が難しい。
図5は図2及び図4のタイミング信号発生回路の動作を示すタイミングチャートである。
図5では説明の簡易化のためサブA/D変換器(0)のみの動作を示している。動作の説明では、図4の実施形態2に係るタイムインターリーブA/D変換装置200Aを用いる。クロック信号CLKAD(0)のハイレベル期間に入力バッファ201Aとサンプリング容量をオンして信号を保存し、次に逐次比較制御クロックSARCLKのタイミングで順次比較と容量DAC102の制御を行う。必要な回数のA/D変換動作が完了したのちに、容量DAC102のリセット信号REFRSTのタイミングで参照電圧VH,VL端子の初期化を行う。この時、リセット信号REFRSTはA/D変換動作が必要数完了したことを示す信号を用いて生成すればよい。また、サンプリング容量のリセット信号RST(0)についても同様に開始時間を決定し、リセット期間を遅延素子などで生成することが可能である。それにより、A/D変換中にリセット動作が重なることによる特性劣化を防ぐことが可能である。
図6は図2及び図4のタイムインターリーブA/D変換装置200,200Aの作用効果を示すタイミングチャートである。以下の動作例では、タイムインターリーブA/D変換装置200Aを例にとり以下に説明する。
図6では、タイムインターリーブA/D変換装置200AのクロックCLKに対してアナログ入力信号がインパルス状の急峻なものが入った場合を仮定する。ここで、サブA/D変換器ADD(0)のサンプリング信号CLKAD(0)〜CLKAD(N−1)により、インパルス状波形をサンプリングし、A/D変換の後、図6のようにデジタル出力される。ここで、インパルス波形を入力後、アナログ入力は一定値であるため、デジタル出力も一定値であることが望ましい。しかし、サンプリング信号CLKAD(0)〜CLKAD(N−1)まで1サイクルA/D変換が終わり、次に、サブA/D変換器ADD(0)がサンプリング信号CLKAD(0)でサンプリングする際、従来のタイムインターリーブA/D変換装置ではサンプリング容量にインパルス入力の電位が残った状態である。つまり、入力バッファ201Aの入力と出力は1位相前のCLKAD(N−1)のと変わらず一定値の状態で、このサブA/D変換器ADD(0)のサンプリング容量がオンされる。このとき、入力バッファ201Aの入力端子は動作せず、スルー電流が発生しないため、入力バッファの応答が遅くなる場合がある。それにより、十分なサンプリングが実施出来ず、結果として、デジタル出力には前のインパルス入力成分が出力される。前述のように、同じ入力波形を足し合わせるようなシステムではより顕著に影響が表れる。ここで、本実施形態では、サンプリング信号CLKAD(0)のサンプリング前に例えばクロックCLKAD(N−1)に相当するタイミングでサンプリング容量のリセットを行う。これにより、サンプリング容量に保存されたインパルス入力信号301を除去することができ、A/D変換の特性を向上させることが可能である。
以上説明したように、実施形態1及び2によれば、入力端子から入力バッファを介して入力されるアナログ信号をデジタル信号にA/D変換して出力端子を介して出力するタイムインターリーブA/D変換装置であって、互いに異なるサンプリング期間で前記アナログ信号のサンプリングを行うサンプリング回路と、前記アナログ信号を逐次比較によりA/D変換する逐次比較型A/D変換回路とを含む複数N個のサブA/D変換器を備え、前記各サブA/D変換器のサンプリング回路は、前記アナログ信号をサンプリングする第1のスイッチと、互いに異なる複数のキャパシタを有し、前記逐次比較型A/D変換回路の制御によりデジタル信号をアナログ信号にD/A変換して前記第1のスイッチの出力側に出力する容量D/A変換器とを備え、前記第1のスイッチの出力側と所定のバイアス電圧との間に接続される第2のスイッチとを備え、前記第2のスイッチは、所定のリセット期間においてオンされることにより,前記複数のキャパシタをリセットする。従って、入力端子から入力バッファを介して入力されるアナログ信号を従来技術に比較して高い精度でA/D変換することができる。
実施形態のまとめ.
第1の態様にかかるタイムインターリーブA/D変換装置は、入力端子から入力バッファを介して入力されるアナログ信号をデジタル信号にA/D変換して出力端子を介して出力するタイムインターリーブA/D変換装置であって、
互いに異なるサンプリング期間で前記アナログ信号のサンプリングを行うサンプリング回路と、前記アナログ信号を逐次比較によりA/D変換する逐次比較型A/D変換回路とを含む複数N個のサブA/D変換器を備え、
前記各サブA/D変換器のサンプリング回路は、
前記アナログ信号をサンプリングする第1のスイッチと、
互いに異なる複数のキャパシタを有し、前記逐次比較型A/D変換回路の制御によりデジタル信号をアナログ信号にD/A変換して前記第1のスイッチの出力側に出力する容量D/A変換器とを備え、
前記第1のスイッチの出力側と所定のバイアス電圧との間に接続される第2のスイッチとを備え、
前記第2のスイッチは、所定のリセット期間においてオンされることにより,前記複数のキャパシタをリセットする。
第1の態様にかかるタイムインターリーブA/D変換装置は、入力端子から入力バッファを介して入力されるアナログ信号をデジタル信号にA/D変換して出力端子を介して出力するタイムインターリーブA/D変換装置であって、
互いに異なるサンプリング期間で前記アナログ信号のサンプリングを行うサンプリング回路と、前記アナログ信号を逐次比較によりA/D変換する逐次比較型A/D変換回路とを含む複数N個のサブA/D変換器を備え、
前記各サブA/D変換器のサンプリング回路は、
前記アナログ信号をサンプリングする第1のスイッチと、
互いに異なる複数のキャパシタを有し、前記逐次比較型A/D変換回路の制御によりデジタル信号をアナログ信号にD/A変換して前記第1のスイッチの出力側に出力する容量D/A変換器とを備え、
前記第1のスイッチの出力側と所定のバイアス電圧との間に接続される第2のスイッチとを備え、
前記第2のスイッチは、所定のリセット期間においてオンされることにより,前記複数のキャパシタをリセットする。
第2の態様にかかるタイムインターリーブA/D変換装置は、第1の態様にかかるタイムインターリーブA/D変換装置において、前記リセット期間は、A/D変換期間の終了したことを示すリセット信号に基づいて開始される。
第3の態様にかかるタイムインターリーブA/D変換装置は、第1又は第2の態様にかかるタイムインターリーブA/D変換装置において、前記バイアス電圧は電源電圧に基づいて決定される所定電圧である。
第4の態様にかかるタイムインターリーブA/D変換装置は、第1〜第3の態様のいずれか1つにかかるタイムインターリーブA/D変換装置において、前記タイムインターリーブA/D変換装置は、シングルエンド構成で構成された。
第5の態様にかかるタイムインターリーブA/D変換装置は、入力端子から入力バッファを介して入力されるアナログ信号をデジタル信号にA/D変換して出力端子を介して出力し、差動構成で構成されたタイムインターリーブA/D変換装置であって、
互いに異なるサンプリング期間で前記アナログ信号のサンプリングを行うサンプリング回路と、前記アナログ信号を逐次比較によりA/D変換する逐次比較型A/D変換回路とを含む複数N個のサブA/D変換器を備え、
前記各サブA/D変換器のサンプリング回路は、
前記アナログ信号をサンプリングする差動構成の第1及び第2のスイッチと、
それぞれ互いに異なる複数のキャパシタを有し、前記逐次比較型A/D変換回路の制御によりデジタル信号をアナログ信号にD/A変換して前記第1及び第2のスイッチの出力側に出力する2個の容量D/A変換器とを備え、
前記第1のスイッチの出力側と前記第2のスイッチの出力側との間に接続される第3のスイッチとを備え、
前記第3のスイッチは、所定のリセット期間においてオンされることにより,前記複数のキャパシタをリセットする。
互いに異なるサンプリング期間で前記アナログ信号のサンプリングを行うサンプリング回路と、前記アナログ信号を逐次比較によりA/D変換する逐次比較型A/D変換回路とを含む複数N個のサブA/D変換器を備え、
前記各サブA/D変換器のサンプリング回路は、
前記アナログ信号をサンプリングする差動構成の第1及び第2のスイッチと、
それぞれ互いに異なる複数のキャパシタを有し、前記逐次比較型A/D変換回路の制御によりデジタル信号をアナログ信号にD/A変換して前記第1及び第2のスイッチの出力側に出力する2個の容量D/A変換器とを備え、
前記第1のスイッチの出力側と前記第2のスイッチの出力側との間に接続される第3のスイッチとを備え、
前記第3のスイッチは、所定のリセット期間においてオンされることにより,前記複数のキャパシタをリセットする。
第6の態様にかかるタイムインターリーブA/D変換装置は、第5の態様にかかるタイムインターリーブA/D変換装置において、前記リセット期間は、A/D変換期間の終了したことを示すリセット信号に基づいて開始される。
本開示に係るタイムインターリーブA/D変換装置は、A/D変換器の前段に入力バッファが接続されるシステムにおいて、A/D変換精度を向上することが可能である。特に同様の入力信号を複数回加算するレーダー装置などに有用である。
100…逐次比較型A/D変換回路、
101,101a,101b…サンプリングスイッチ、
102,102a,102b…容量D/A変換器(容量DAC)、
103…比較器、
104…逐次比較制御回路、
105…S/P変換器、
200…タイムインターリーブA/D変換装置、
201,201A…入力バッファ、
202…論理回路、
203…サンプリング回路、
210,210A…サブA/D変換部、
220…タイミング信号発生回路、
AD(0)〜AD(N−1)…サブA/D変換器、
ADD(0)〜ADD(N−1)…サブA/D変換器、
CC(0)〜CC(N−1)…逐次比較型A/D変換回路、
P1…入力端子、
P2…出力端子、
SP(0)〜SP(N−1)…サンプリング回路、
SPD(0)〜SPD(N−1)…サンプリング回路、
SW0〜SW8…スイッチ、
SWR(0)〜SWR(N−1)…リセットスイッチ。
101,101a,101b…サンプリングスイッチ、
102,102a,102b…容量D/A変換器(容量DAC)、
103…比較器、
104…逐次比較制御回路、
105…S/P変換器、
200…タイムインターリーブA/D変換装置、
201,201A…入力バッファ、
202…論理回路、
203…サンプリング回路、
210,210A…サブA/D変換部、
220…タイミング信号発生回路、
AD(0)〜AD(N−1)…サブA/D変換器、
ADD(0)〜ADD(N−1)…サブA/D変換器、
CC(0)〜CC(N−1)…逐次比較型A/D変換回路、
P1…入力端子、
P2…出力端子、
SP(0)〜SP(N−1)…サンプリング回路、
SPD(0)〜SPD(N−1)…サンプリング回路、
SW0〜SW8…スイッチ、
SWR(0)〜SWR(N−1)…リセットスイッチ。
Claims (6)
- 入力端子から入力バッファを介して入力されるアナログ信号をデジタル信号にA/D変換して出力端子を介して出力するタイムインターリーブA/D変換装置であって、
互いに異なるサンプリング期間で前記アナログ信号のサンプリングを行うサンプリング回路と、前記アナログ信号を逐次比較によりA/D変換する逐次比較型A/D変換回路とを含む複数N個のサブA/D変換器を備え、
前記各サブA/D変換器のサンプリング回路は、
前記アナログ信号をサンプリングする第1のスイッチと、
互いに異なる複数のキャパシタを有し、前記逐次比較型A/D変換回路の制御によりデジタル信号をアナログ信号にD/A変換して前記第1のスイッチの出力側に出力する容量D/A変換器とを備え、
前記第1のスイッチの出力側と所定のバイアス電圧との間に接続される第2のスイッチとを備え、
前記第2のスイッチは、所定のリセット期間においてオンされることにより,前記複数のキャパシタをリセットするタイムインターリーブA/D変換装置。 - 前記リセット期間は、A/D変換期間の終了したことを示すリセット信号に基づいて開始される請求項1記載のタイムインターリーブA/D変換装置。
- 前記バイアス電圧は電源電圧に基づいて決定される所定電圧である請求項1又は2記載のタイムインターリーブA/D変換装置。
- 前記タイムインターリーブA/D変換装置は、シングルエンド構成で構成された請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載のタイムインターリーブA/D変換装置。
- 入力端子から入力バッファを介して入力されるアナログ信号をデジタル信号にA/D変換して出力端子を介して出力し、差動構成で構成されたタイムインターリーブA/D変換装置であって、
互いに異なるサンプリング期間で前記アナログ信号のサンプリングを行うサンプリング回路と、前記アナログ信号を逐次比較によりA/D変換する逐次比較型A/D変換回路とを含む複数N個のサブA/D変換器を備え、
前記各サブA/D変換器のサンプリング回路は、
前記アナログ信号をサンプリングする差動構成の第1及び第2のスイッチと、
それぞれ互いに異なる複数のキャパシタを有し、前記逐次比較型A/D変換回路の制御によりデジタル信号をアナログ信号にD/A変換して前記第1及び第2のスイッチの出力側に出力する2個の容量D/A変換器とを備え、
前記第1のスイッチの出力側と前記第2のスイッチの出力側との間に接続される第3のスイッチとを備え、
前記第3のスイッチは、所定のリセット期間においてオンされることにより,前記複数のキャパシタをリセットするタイムインターリーブA/D変換装置。 - 前記リセット期間は、A/D変換期間の終了したことを示すリセット信号に基づいて開始される請求項5記載のタイムインターリーブA/D変換装置。
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- 2016-03-02 JP JP2016039818A patent/JP2017158043A/ja active Pending
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