JP2017157128A - 水圏生物群集構造の変化予測装置およびコンピュータプログラム - Google Patents
水圏生物群集構造の変化予測装置およびコンピュータプログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】環境条件が変化した場合の生物群集の変化予測について、統計解析と数理モデルによる解析を融合させ、数理モデルの選択に関する確からしさや客観性を向上させ、より的確で合理的な予測を実現する。【解決手段】変化した環境条件の中で重要な環境因子を抽出し、環境条件の中で生物種ごとの出現範囲を明らかにするのに適した統計解析と、環境条件が変化した場合の生物応答の定量的な変化を予測するのに適した数理モデルによる解析の両者を融合させる。統計解析手段が解析した解析結果および生理学的特性に関する実験データを用いて統計解析結果を人間が解釈するための補助手段と、その補助手段の出力を用いて人間が解釈した判断結果および人間が選択した数理モデルを受信して変化予測を演算する変化予測演算手段とを備える。【選択図】図5
Description
本発明は、水圏生物群集、特に水圏生態系の一次生産者である藻類と水生植物が環境変動に起因して変化する場合に、その変化を予測する装置および変化予測を実行するコンピュータプログラムに関する。
ダム、湖沼、海域といった水圏では水の華、水道の異臭味被害の発生、水産資源の減少というように、生物が関係する水利用上の問題が、数多く発生している。水道水源であれば、異臭味の原因となる生物の発生を抑制したいし、漁業であれば漁獲対象となる生物を適切に育成することが求められている。これらの生物が関係する問題を解決するために、環境条件をどう制御したら良いか、を知ることが求められている。
環境条件の変化に対する生物応答は複雑である。このため、生物応答の実験結果や観測結果に対して統計解析を実行し、何らかの判定を行う方法が広く用いられている。
たとえば特許文献1では、栄養補助剤を添加した場合と添加しない場合の細胞培養の試験結果に対して統計解析を実行し、栄養補助剤が培養性能を向上させるかどうかを判定する技術が開示されている。特に、細胞培養性能の向上させるための栄養補助剤をスクリーニングする手段は、細胞を培養して細胞培養性能指標を測定し、この測定値を統計解析することにより構成される、としている(請求項1)。
また特許文献2では、得られた臨床試験値をもとにニューラルネットワークや判別分析といった統計解析を行い、ヒトが敗血症になっているかどうか、なりやすいかどうかの判定する技術が開示されている。特に、スクリーニングする手段は、臨床試験の結果をもとにニューラルネットワーク又は多変量解析により解析を行う工程を含む、としている(請求項1)。
たとえば特許文献1では、栄養補助剤を添加した場合と添加しない場合の細胞培養の試験結果に対して統計解析を実行し、栄養補助剤が培養性能を向上させるかどうかを判定する技術が開示されている。特に、細胞培養性能の向上させるための栄養補助剤をスクリーニングする手段は、細胞を培養して細胞培養性能指標を測定し、この測定値を統計解析することにより構成される、としている(請求項1)。
また特許文献2では、得られた臨床試験値をもとにニューラルネットワークや判別分析といった統計解析を行い、ヒトが敗血症になっているかどうか、なりやすいかどうかの判定する技術が開示されている。特に、スクリーニングする手段は、臨床試験の結果をもとにニューラルネットワーク又は多変量解析により解析を行う工程を含む、としている(請求項1)。
一方、環境条件の変化に対する生物応答を数式で表現した数理モデルを用いて、水圏生物群集の応答を予測する方法も開発されている。特許文献3には、水産資源の数を予測するシミュレーション装置、シミュレーション方法及びシミュレーションプログラムが開示されている。特に、水産資源数を予測する手段は、水産資源と捕食生物、捕獲者を考慮したシミュレーションを行って、水産資源および捕食生物の数を集計する、としている。また、数理モデルを使った計算に生物応答の実験結果や観測結果を反映させる方法も公表されている。特許文献4には、生物学的プロセスをモデル化したシミュレーション環境との連絡を容易にする方法および装置が公表されている。特に、シミュレーション環境との連絡手段には、現場(In situ)での実験結果を使用して、生物学的プロセスを含む数理モデルを改良するシステムを含む、としている(請求項9)。
特許文献1,2のような統計解析手段は、生物応答への影響があるか、ないかといった判定を行う目的には適しているが、水圏の生物群集の変化を定量的に予測する目的には適していない。一方、特許文献3のような数理モデルは定量的な変化予測を行う目的には適しているが、特許文献3にも示されているように、生物の応答を数式で表した数理モデルには多くのパターンがあり、数理モデルで考慮する生物応答によって予測結果は変化してしまう。数理モデルにより生物の動態を予測する際には適切な数理モデルの選択が重要であるが、どの数理モデルを採用すれば適切または妥当な予測ができるか、という点については、モデルを選択する解析者に委ねられていることが多く、課題となっていた。
特許文献1、2のように統計解析手段を用いて環境条件と生物応答の関係を解析する手法と、特許文献3のように数理モデルを用いて生物の応答を予測する手法とは、それぞれ別々に用いられてきた。
実験結果や観測結果から環境条件の生物応答への影響を統計的に判定する手法と、数理モデルを用いて予測する手法を融合できれば、より的確で合理的な予測ができるようになり、生物が関係する問題を解決するために環境条件をどのように制御すればよいかが明らかになると期待される。しかし、そのような方法はこれまで開発されてこなかった。
特許文献4のように、現場(In situ)での実験結果を使用してモデルを改良する方法も公表されているが、この方法ではモデルの改良作業そのものは結局、装置を使用する解析者の経験、判断に依存しているため、必ずしもモデル選択の確からしさ、客観性が十分に確保される方法とは言えない。
実験結果や観測結果から環境条件の生物応答への影響を統計的に判定する手法と、数理モデルを用いて予測する手法を融合できれば、より的確で合理的な予測ができるようになり、生物が関係する問題を解決するために環境条件をどのように制御すればよいかが明らかになると期待される。しかし、そのような方法はこれまで開発されてこなかった。
特許文献4のように、現場(In situ)での実験結果を使用してモデルを改良する方法も公表されているが、この方法ではモデルの改良作業そのものは結局、装置を使用する解析者の経験、判断に依存しているため、必ずしもモデル選択の確からしさ、客観性が十分に確保される方法とは言えない。
環境条件が変化した場合の生物群集の変化予測について、統計解析と数理モデルによる解析を融合させることによって、数理モデルの選択に関する確からしさ、客観性を向上させ、より的確で合理的な予測を実現する技術が望まれている。
上記の課題を解決するため、本願の発明者は、観測結果から変化した環境条件の中で重要な環境因子を抽出したり、環境条件の中で生物種ごとの出現範囲を明らかにしたりするのに適した統計解析と、環境条件が変化した場合の生物応答の定量的な変化を予測するのに適した数理モデルによる解析の両者を融合させた。そのことによって、以下のような予測技術を案出した。
(第一の発明)
第一の発明は、予測対象の水域、その他水域における環境因子、および生物の個体数密度の観測データを蓄積している観測データ記憶手段(D1)と、
生物種ごとの生理学的特性に関する実験データを蓄積した生理学的特性データ記憶手段(D2)と、
環境条件の中で重要な環境因子を前記の観測データ記憶手段(D1)から抽出する統計解析手段と、
その統計解析手段が解析した解析結果および前記の生理学的特性に関する実験データを用いて統計解析結果を人間が解釈するための出力を行う補助手段と、
その補助手段による出力を用いて人間が解釈した判断結果および人間が数理モデルを選択した選択結果を受信して変化予測を演算する変化予測演算手段と、
その変化予測演算手段による変化予測を出力する出力手段と、
を備えた予測装置に係る。
第一の発明は、予測対象の水域、その他水域における環境因子、および生物の個体数密度の観測データを蓄積している観測データ記憶手段(D1)と、
生物種ごとの生理学的特性に関する実験データを蓄積した生理学的特性データ記憶手段(D2)と、
環境条件の中で重要な環境因子を前記の観測データ記憶手段(D1)から抽出する統計解析手段と、
その統計解析手段が解析した解析結果および前記の生理学的特性に関する実験データを用いて統計解析結果を人間が解釈するための出力を行う補助手段と、
その補助手段による出力を用いて人間が解釈した判断結果および人間が数理モデルを選択した選択結果を受信して変化予測を演算する変化予測演算手段と、
その変化予測演算手段による変化予測を出力する出力手段と、
を備えた予測装置に係る。
(用語説明)
「環境因子」とは、生物の競争に影響を及ぼす条件のことである。具体的には、温度、光量子束密度、栄養塩(窒素、りん、シリカなど)の濃度、塩分、生物の生命維持活動を阻害する物質の濃度、鉛直混合強度、底質の種類(礫、砂、泥)、水深、含水率、冠水頻度、流速などが含まれる。
観測データ記憶装置(D1)が蓄積しているデータとは、たとえば、観測した水域名、地点名、観測年月日、時刻、環境因子の観測値、生物種ごとのバイオマスまたはバイオボリュームまたは在不在の観測値などが含まれる。
「生理学的特性」とは、種間の競争に影響を及ぼす個体が有する生理的な特性のことである。具体的には、温度応答性、栄養塩要求性、栄養塩摂取速度、光合成速度、PI曲線傾き、沈降速度、泳動性、浮揚性、酸/アルカリ耐性、重金属耐性、塩分耐性、好止水性、好流水性、水生植物の生育条件、耐乾燥性、生活形態(浮葉、抽水、沈水)などである。
「環境因子」とは、生物の競争に影響を及ぼす条件のことである。具体的には、温度、光量子束密度、栄養塩(窒素、りん、シリカなど)の濃度、塩分、生物の生命維持活動を阻害する物質の濃度、鉛直混合強度、底質の種類(礫、砂、泥)、水深、含水率、冠水頻度、流速などが含まれる。
観測データ記憶装置(D1)が蓄積しているデータとは、たとえば、観測した水域名、地点名、観測年月日、時刻、環境因子の観測値、生物種ごとのバイオマスまたはバイオボリュームまたは在不在の観測値などが含まれる。
「生理学的特性」とは、種間の競争に影響を及ぼす個体が有する生理的な特性のことである。具体的には、温度応答性、栄養塩要求性、栄養塩摂取速度、光合成速度、PI曲線傾き、沈降速度、泳動性、浮揚性、酸/アルカリ耐性、重金属耐性、塩分耐性、好止水性、好流水性、水生植物の生育条件、耐乾燥性、生活形態(浮葉、抽水、沈水)などである。
(作用)
予測対象の水域、その他水域における環境因子、および生物の個体数密度の観測データを観測データ記憶手段(D1)が蓄積している。また、生物種ごとの生理学的特性に関する実験データを生理学的特性データ記憶手段(D2)が蓄積している。
まず、統計解析手段が、環境条件の中で重要な環境因子を前記の観測データ記憶手段から抽出する。その統計解析手段が解析した解析結果および前記の生理学的特性に関する実験データを用いて、補助手段が統計解析結果を人間(たとえば予測装置の操作者)が解釈するために出力する。
その補助手段による出力を閲覧した人間は、その出力結果を解釈し、その解釈に基づいて、判断結果を予測装置へ入力して送信する。また、出力結果の解釈に基づいて、数理モデルを選択し、その選択結果を予測装置へ入力して送信する。
送信された判断結果および選択結果を受信したら、それらを用いて変化予測演算手段が変化予測を演算し、その変化予測演算手段による変化予測を出力手段が出力する。
前記の予測装置は、変化した環境条件の中で重要な環境因子を抽出するのに適した統計解析と、その統計解析に基づいて選択した数理モデルによる解析の両者を融合させることによって、数理モデルの選択に関する客観性を向上させ、より的確で合理的な予測を実現した。
また、演算の自動化が困難な出力結果の解釈や、数理モデルの選択などを人間に委ねることで、統計解析と数理モデルの両者を合理的に用いた、新たな予測手法を提供することとなった。
予測対象の水域、その他水域における環境因子、および生物の個体数密度の観測データを観測データ記憶手段(D1)が蓄積している。また、生物種ごとの生理学的特性に関する実験データを生理学的特性データ記憶手段(D2)が蓄積している。
まず、統計解析手段が、環境条件の中で重要な環境因子を前記の観測データ記憶手段から抽出する。その統計解析手段が解析した解析結果および前記の生理学的特性に関する実験データを用いて、補助手段が統計解析結果を人間(たとえば予測装置の操作者)が解釈するために出力する。
その補助手段による出力を閲覧した人間は、その出力結果を解釈し、その解釈に基づいて、判断結果を予測装置へ入力して送信する。また、出力結果の解釈に基づいて、数理モデルを選択し、その選択結果を予測装置へ入力して送信する。
送信された判断結果および選択結果を受信したら、それらを用いて変化予測演算手段が変化予測を演算し、その変化予測演算手段による変化予測を出力手段が出力する。
前記の予測装置は、変化した環境条件の中で重要な環境因子を抽出するのに適した統計解析と、その統計解析に基づいて選択した数理モデルによる解析の両者を融合させることによって、数理モデルの選択に関する客観性を向上させ、より的確で合理的な予測を実現した。
また、演算の自動化が困難な出力結果の解釈や、数理モデルの選択などを人間に委ねることで、統計解析と数理モデルの両者を合理的に用いた、新たな予測手法を提供することとなった。
(第一の発明のバリエーション1)
第一の発明における統計解析手段は、前記の観測データ記憶手段から環境条件の中で重要な環境因子を正準対応分析(CCA=Canonical Corresponding Analysis)によって抽出する抽出手段と、その抽出手段によって抽出された重要な環境因子に対してOMI(Outlying Mean Index)分析によって生物種ごとの出現範囲を明らかにする出現範囲明確化手段と、その出現範囲明確化手段によって明らかにされた生物種ごとの出現範囲に対してクラスター分析を行って生物種のグループ化を行うグループ化手段と、を含むこととすると、より好ましい。
第一の発明における統計解析手段は、前記の観測データ記憶手段から環境条件の中で重要な環境因子を正準対応分析(CCA=Canonical Corresponding Analysis)によって抽出する抽出手段と、その抽出手段によって抽出された重要な環境因子に対してOMI(Outlying Mean Index)分析によって生物種ごとの出現範囲を明らかにする出現範囲明確化手段と、その出現範囲明確化手段によって明らかにされた生物種ごとの出現範囲に対してクラスター分析を行って生物種のグループ化を行うグループ化手段と、を含むこととすると、より好ましい。
(第一の発明のバリエーション2)
第一の発明は、以下のように形成してもよい。
すなわち、前記の変化予測演算手段は、前記の人間が解釈した判断結果を受信して再現計算を実行する再現演算手段を備える。その再現演算手段が計算した再現結果について人間が再現性を判断し、再現性があると判断した場合に環境条件を設定して受信し、その環境条件を用いて変化予測を演算することとしてもよい。
第一の発明は、以下のように形成してもよい。
すなわち、前記の変化予測演算手段は、前記の人間が解釈した判断結果を受信して再現計算を実行する再現演算手段を備える。その再現演算手段が計算した再現結果について人間が再現性を判断し、再現性があると判断した場合に環境条件を設定して受信し、その環境条件を用いて変化予測を演算することとしてもよい。
(作用)
前記の人間が解釈した判断結果を再現演算手段が受信し、再現計算を実行する。
その再現演算手段が計算した再現結果について人間に対して出力する。出力された人間は、その再現結果の出力から再現性を判断する。再現性があると判断した場合には、人間が環境条件を設定して予測装置へ送信する。予測装置は、送信された環境条件を受信し、その環境条件を用いて変化予測演算手段が変化予測を演算する。
再現性について人間が検証をしているので、無駄な予測を出力しなくて済む。
前記の人間が解釈した判断結果を再現演算手段が受信し、再現計算を実行する。
その再現演算手段が計算した再現結果について人間に対して出力する。出力された人間は、その再現結果の出力から再現性を判断する。再現性があると判断した場合には、人間が環境条件を設定して予測装置へ送信する。予測装置は、送信された環境条件を受信し、その環境条件を用いて変化予測演算手段が変化予測を演算する。
再現性について人間が検証をしているので、無駄な予測を出力しなくて済む。
(第一の発明のバリエーション3)
第一の発明は、以下のように形成してもよい。
すなわち、前記の統計解析手段は、主成分分析を実行する主成分分析手段と、その主成分分析手段が実行した主成分について相関係数を算出する相関係数算出手段と、その相関係数算出手段が算出した相関係数に基づいて減らすべき環境因子を人間に選択させるために人間へ出力する環境因子選択出力手段と、その環境因子選択出力手段が出力した減らすべき環境因子から人間が選択した結果を受信する受信手段と、を備える。
そして前記の統計解析手段は、その減らした環境因子による統計解析を実行することとしてもよい。
第一の発明は、以下のように形成してもよい。
すなわち、前記の統計解析手段は、主成分分析を実行する主成分分析手段と、その主成分分析手段が実行した主成分について相関係数を算出する相関係数算出手段と、その相関係数算出手段が算出した相関係数に基づいて減らすべき環境因子を人間に選択させるために人間へ出力する環境因子選択出力手段と、その環境因子選択出力手段が出力した減らすべき環境因子から人間が選択した結果を受信する受信手段と、を備える。
そして前記の統計解析手段は、その減らした環境因子による統計解析を実行することとしてもよい。
統計解析手段の解析手順において、解析において減らすべき環境因子を自動的に選択するのではなく、人間の判断を介在させた。それによって、妥当性のある予測の出力に寄与させることができる場合がある。
(第二の発明)
第二の発明は、予測対象の水域、その他水域における環境因子、および生物の個体数密度の観測データを蓄積している観測データ記憶手段と、生物種ごとの生理学的特性に関する実験データを蓄積した生理学的特性データ記憶手段と、を備えたコンピュータに対して、前記の予測対象の変化を予測するためのコンピュータプログラムに係る。
そのコンピュータプログラムは、環境条件の中で重要な環境因子を前記の観測データ記憶手段から抽出する統計解析手順と、その統計解析手順にて解析した解析結果および前記の生理学的特性に関する実験データを用いて統計解析結果を人間が解釈するための出力を行う補助手順と、その補助手順による出力を用いて人間が解釈した判断結果および人間が数理モデルを選択した選択結果を受信して変化予測を演算する変化予測演算手順と、その変化予測演算手順が演算した変化予測を出力する出力手順と、をコンピュータに実行させることとしたコンピュータプログラムである。
前記の統計解析手順には、前記の観測データ記憶手順にて環境条件の中で重要な環境因子を正準対応分析によって抽出する抽出手順と、その抽出手順にて抽出された重要な環境因子に対してOMI分析によって生物種ごとの出現範囲を明らかにする出現範囲明確化手順と、その出現範囲明確化手順によって明らかにされた生物種ごとの出現範囲に対してクラスター分析を行って生物種のグループ化を行うグループ化手順と、を含むこととすると、より好ましい。
第二の発明は、予測対象の水域、その他水域における環境因子、および生物の個体数密度の観測データを蓄積している観測データ記憶手段と、生物種ごとの生理学的特性に関する実験データを蓄積した生理学的特性データ記憶手段と、を備えたコンピュータに対して、前記の予測対象の変化を予測するためのコンピュータプログラムに係る。
そのコンピュータプログラムは、環境条件の中で重要な環境因子を前記の観測データ記憶手段から抽出する統計解析手順と、その統計解析手順にて解析した解析結果および前記の生理学的特性に関する実験データを用いて統計解析結果を人間が解釈するための出力を行う補助手順と、その補助手順による出力を用いて人間が解釈した判断結果および人間が数理モデルを選択した選択結果を受信して変化予測を演算する変化予測演算手順と、その変化予測演算手順が演算した変化予測を出力する出力手順と、をコンピュータに実行させることとしたコンピュータプログラムである。
前記の統計解析手順には、前記の観測データ記憶手順にて環境条件の中で重要な環境因子を正準対応分析によって抽出する抽出手順と、その抽出手順にて抽出された重要な環境因子に対してOMI分析によって生物種ごとの出現範囲を明らかにする出現範囲明確化手順と、その出現範囲明確化手順によって明らかにされた生物種ごとの出現範囲に対してクラスター分析を行って生物種のグループ化を行うグループ化手順と、を含むこととすると、より好ましい。
(第二の発明のバリエーション2)
第二の発明は、以下のように形成してもよい。
すなわち、前記の変化予測演算手順には、前記の人間が解釈した判断結果を受信して再現計算を実行する再現演算手順と、その再現演算手順にて計算した再現結果について人間が再現性を判断し、再現性があると判断した場合に環境条件を設定して受信する再現性受信手順と、を含むこととする。
そして、その再現性受信手順が受信した環境条件を用いて変化予測を演算するコンピュータプログラムとしてもよい。
第二の発明は、以下のように形成してもよい。
すなわち、前記の変化予測演算手順には、前記の人間が解釈した判断結果を受信して再現計算を実行する再現演算手順と、その再現演算手順にて計算した再現結果について人間が再現性を判断し、再現性があると判断した場合に環境条件を設定して受信する再現性受信手順と、を含むこととする。
そして、その再現性受信手順が受信した環境条件を用いて変化予測を演算するコンピュータプログラムとしてもよい。
(第二の発明のバリエーション3)
第二の発明は、以下のように形成してもよい。
すなわち、前記の統計解析手順には、主成分分析を実行する主成分分析手順と、その主成分分析手順にて実行された主成分について相関係数を算出する相関係数算出手順と、その相関係数算出手順にて算出された相関係数に基づいて減らすべき環境因子を人間に選択させるために人間へ出力する環境因子選択出力手順と、その環境因子選択出力手順にて出力された減らすべき環境因子から人間が選択した結果を受信する受信手順と、を含むこととする。
そして、前記の統計解析手順は、その減らした環境因子による統計解析を実行するコンピュータプログラムとしてもよい。
第二の発明は、以下のように形成してもよい。
すなわち、前記の統計解析手順には、主成分分析を実行する主成分分析手順と、その主成分分析手順にて実行された主成分について相関係数を算出する相関係数算出手順と、その相関係数算出手順にて算出された相関係数に基づいて減らすべき環境因子を人間に選択させるために人間へ出力する環境因子選択出力手順と、その環境因子選択出力手順にて出力された減らすべき環境因子から人間が選択した結果を受信する受信手順と、を含むこととする。
そして、前記の統計解析手順は、その減らした環境因子による統計解析を実行するコンピュータプログラムとしてもよい。
第二の発明に係るコンピュータプログラムを、記録媒体(ハードディスク、DVD−Rなど)に格納して提供することもできる。電話回線を介してコンピュータ(制御機器)へインストールさせることもできる。
本発明によれば、環境条件が変化した場合の生物群集の変化予測について、統計解析と数理モデルによる解析とを融合させることによって、数理モデルの選択に関する確からしさや客観性を向上させ、より的確で合理的な予測を実現する技術を提供することができた。
以下の説明する予測手法の概要は、以下のとおりである。
まず、予測対象の水域、その他水域における環境因子、および生物の個体数密度の観測データを記憶装置に入力する。その観測データを統計解析手段に導くことによって、環境条件の中で重要な環境因子を前記の観測データ記憶手段から抽出し、生物種ごとの出現範囲を明らかにして、生物種をグループ化する。
続いて、生理学的特性に関する実験データの記憶装置から生物群集構造を決定している環境因子に関係する特性データを抽出する。そして、その特性データを生物種のグルーピング結果とともに統計解析結果の解釈手段に導き、グループによってなぜニッチが異なるのかを解釈する。
さらに、その解釈結果を数理モデルによる生物群集構造の変化予測手段に導き、環境因子が変化した場合の生物群集構造を予測し、出力する。以上のような予測手法である。
まず、予測対象の水域、その他水域における環境因子、および生物の個体数密度の観測データを記憶装置に入力する。その観測データを統計解析手段に導くことによって、環境条件の中で重要な環境因子を前記の観測データ記憶手段から抽出し、生物種ごとの出現範囲を明らかにして、生物種をグループ化する。
続いて、生理学的特性に関する実験データの記憶装置から生物群集構造を決定している環境因子に関係する特性データを抽出する。そして、その特性データを生物種のグルーピング結果とともに統計解析結果の解釈手段に導き、グループによってなぜニッチが異なるのかを解釈する。
さらに、その解釈結果を数理モデルによる生物群集構造の変化予測手段に導き、環境因子が変化した場合の生物群集構造を予測し、出力する。以上のような予測手法である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。ここで用いるのは、図1から図18である。
図1〜4は、本発明の実施形態に係る予測装置たる演算機器と、その演算機器からの各出力に対して判断して選択するなどの入力を演算機器へ返す人(予測装置の操作者など)との役割を、フローチャートにて示したものである。
図5は、図1〜4の全体を示す概念図である。まず、図5に基づいて、実施形態の概要を説明する。
図1〜4は、本発明の実施形態に係る予測装置たる演算機器と、その演算機器からの各出力に対して判断して選択するなどの入力を演算機器へ返す人(予測装置の操作者など)との役割を、フローチャートにて示したものである。
図5は、図1〜4の全体を示す概念図である。まず、図5に基づいて、実施形態の概要を説明する。
図5に示す予測装置は、予測対象水域における環境因子、生物群集構造の観測データと、その他水域における環境因子、生物群集構造の観測データとを蓄積している観測データ記憶装置(D1)、および生物の生理学的特性に関する実験データを蓄積している生理学的特性データの記憶装置(D2)とを備える。
その他水域としてどの水域を選択するかは、この予測装置の利用者(操作者)が任意に決定できる。
その他水域としてどの水域を選択するかは、この予測装置の利用者(操作者)が任意に決定できる。
ここでいう「環境因子」とは、生物の競争に影響を及ぼす条件のことである。具体的には、温度、光量子束密度、栄養塩(窒素、りん、シリカなど)の濃度、塩分、生物の生命維持活動を阻害する物質の濃度、鉛直混合強度、底質の種類(礫、砂、泥)、水深、含水率、冠水頻度、流速などを指す。特定の因子に限定されない。
また、前記の「生理学的特性」とは、種間の競争に影響を及ぼす個体が有する生理的な特性のことである。より具体的には、温度応答性、栄養塩要求性、栄養塩摂取速度、光合成速度、PI曲線傾き、沈降速度、泳動性、浮揚性、酸/アルカリ耐性、重金属耐性、塩分耐性、好止水性、好流水性、水生植物の生育条件、耐乾燥性、生活形態(浮葉、抽水、沈水)などである。記憶装置に入力される生理学的特性は、特定のものに限定されない。また、記憶される生物種についても限定されない。
観測データ記憶装置(D1)が記憶するデータは、この実施形態においては、観測対象となった水域名、地点名、観測年月日、時刻、環境因子の観測値(環境因子1、環境因子2、・・・、環境因子m)、生物種ごとのバイオマスまたはバイオボリューム、または在不在の観測値(生物種1、生物種2、・・・、生物種m)を含むこととしている(図6参照)。
観測データ記憶装置(D1)が記憶しているデータを用いて、統計解析手段が統計解析を実行する。その統計解析の結果と、生理学的特性データの記憶装置(D2)が記憶しているデータとを用いて、統計解析結果の解釈をするための補助手段が、解析結果を出力する。出力された解析結果をもとに予測装置の操作者が所定の処理や判断をして、その判断結果を予測装置へ入力する。
操作者の判断結果を用いて、予測装置における再現計算の演算手段が再現計算を実行し、その結果を出力する。その結果を再び操作者が判断し、環境条件を設定する。設定した環境条件を入力条件として予測装置が変化予測の演算を行い、演算結果を出力する。
観測データ記憶装置(D1)へデータとして記憶しておく環境因子は、前述した因子に限定されない。また、採用した因子についての単位は、因子ごとに異なってもよい。ただし、生物種ごとのバイオマスまたはバイオボリュームまたは在不在の単位は、生物種に関わらず、同じ単位としなくてはならない。
図1〜図4を用いて、更に説明する。
観測データ記憶装置(D1)には、所定の水圏(たとえば、福島県の猪苗代湖および猪苗代湖の上流に位置する湖沼など)における環境因子データと生物種データとが時系列に記録されている(図6参照)。
まず、その観測データ記憶装置(D1)から環境因子の全てを含んだ観測データ(たとえば、10種類の環境因子を含んだ観測データ)に対して、主成分分析(PCA=Principal Component Analysis)を実行する(S1)。
そして、主成分分析により得られた10個の固有値の中で、最小固有値が十分に大きいか(例えば、最小固有値>0.05であるか)を判断する。最小固有値が十分に大きい場合には、10個の環境因子の中に似ている傾向を示す環境因子が含まれていないと判断できる。
観測データ記憶装置(D1)には、所定の水圏(たとえば、福島県の猪苗代湖および猪苗代湖の上流に位置する湖沼など)における環境因子データと生物種データとが時系列に記録されている(図6参照)。
まず、その観測データ記憶装置(D1)から環境因子の全てを含んだ観測データ(たとえば、10種類の環境因子を含んだ観測データ)に対して、主成分分析(PCA=Principal Component Analysis)を実行する(S1)。
そして、主成分分析により得られた10個の固有値の中で、最小固有値が十分に大きいか(例えば、最小固有値>0.05であるか)を判断する。最小固有値が十分に大きい場合には、10個の環境因子の中に似ている傾向を示す環境因子が含まれていないと判断できる。
もし、最小固有値が十分に小さい(例えば、最小固有値<0.05)ならば、Pearson相関係数を算出する(S2)。そして、そのPearson相関係数を、予測装置の操作者へ出力する。
類似した傾向を示す環境因子が複数含まれている場合、後段の統計解析(S5〜S7)において、環境因子の影響を正しく解析できないという問題(多重共線性の問題)が生じるため、予測装置の操作者は、Pearson相関係数の高い環境因子について、どれか一つを選択する(S3)。選択された環境因子は、同じような傾向を示す複数の環境因子の中から、代表的な因子として取り出されたわけである。
類似した傾向を示す環境因子が複数含まれている場合、後段の統計解析(S5〜S7)において、環境因子の影響を正しく解析できないという問題(多重共線性の問題)が生じるため、予測装置の操作者は、Pearson相関係数の高い環境因子について、どれか一つを選択する(S3)。選択された環境因子は、同じような傾向を示す複数の環境因子の中から、代表的な因子として取り出されたわけである。
予測装置の操作者が選択した環境因子に係る観測データを除いた観測データ(最初は9種類の観測データ)に対して、再び主成分分析を実行する(S1)。そしてまた、最小固有値が小さい場合にはPearson相関係数を算出し(S2)、そのPearson相関係数を予測装置の操作者へ出力する。
予測装置の操作者は、Pearson相関係数の高い環境因子について、再びどれか一つを選択する(S3)。
最小固有値が十分に大きい(例えば、最小固有値>0.05)と判断できる値になるまで、予測装置の操作者が環境因子を選択して予測装置へ入力する作業を繰り返し、環境因子の一次抽出を終了する(S4)。
なお、猪苗代湖の場合、10因子のうち、1因子を減らしただけで一次抽出は終了した。ただし、ひとつの因子も減らないこともあるし、いくつかの因子が減ることもある。
予測装置の操作者は、Pearson相関係数の高い環境因子について、再びどれか一つを選択する(S3)。
最小固有値が十分に大きい(例えば、最小固有値>0.05)と判断できる値になるまで、予測装置の操作者が環境因子を選択して予測装置へ入力する作業を繰り返し、環境因子の一次抽出を終了する(S4)。
なお、猪苗代湖の場合、10因子のうち、1因子を減らしただけで一次抽出は終了した。ただし、ひとつの因子も減らないこともあるし、いくつかの因子が減ることもある。
続いて、正準対応分析(CCA)によって、環境因子の中で重要な環境因子を抽出する。その際には、赤池の情報量基準(Akaike Information Criterion)を用いた変数増加法を適用する。最初に説明変数として環境因子を一つも使わずに(生物種データのみを用いて)正準対応分析(CCA)を実行する(S5)。
上記のようにして算定したAIC0と、前述した一次抽出を完了した環境因子に関する観測データを「説明変数」と、生物個体数密度の観測データを「被説明変数」とを用いて、正準対応分析(CCA)を実行し、赤池の情報量基準(Akaike Information Criterion)を用いたAICを算定する(S6)。
ここで「生物個体数密度」とは、単位体積当たりあるいは面積当たりの生物種ごとの存在量である。
ここで「生物個体数密度」とは、単位体積当たりあるいは面積当たりの生物種ごとの存在量である。
続いて、算出されたAIC0およびAICを比較する。
AIC<AIC0の場合には、AIC=AIC0であるとして、S6に戻る。すなわち、正準対応分析を実行するのに用いた環境因子を説明変数として加えた方が尤もらしさ(尤度)を向上させるということなので、その環境因子を残した上で、別の環境因子を追加してから更に正準対応分析を実行し、赤池の情報量基準AICを算定する(二度目以降のS6)
AIC<AIC0の場合には、AIC=AIC0であるとして、S6に戻る。すなわち、正準対応分析を実行するのに用いた環境因子を説明変数として加えた方が尤もらしさ(尤度)を向上させるということなので、その環境因子を残した上で、別の環境因子を追加してから更に正準対応分析を実行し、赤池の情報量基準AICを算定する(二度目以降のS6)
S6によってAIC>AIC0となった際に追加した環境因子は採用せず、尤もらしさ(尤度)を向上させた環境因子のみを残していくことで、環境因子の二次抽出を完了する(S7)。この実施形態においては、6つの環境因子が抽出された。
二次抽出された環境因子を用いて、仮想の第1軸および第2軸を用いて二次元の平面へ表現した例が、図7となる。しかし、図7が統計的に有意ではない場合もある。このため、得られた図が有意であるか否かを二種類の検定の実行により判定する(S8)。
一つ目の検定は、S5からS7を経た正準対応分析(CCA)の結果として得られた図7の第一軸(CCA1軸)と第二軸(CCA2軸)とが有意であるか否か、の検定である。
また、二つ目の検定は、図7に示した環境因子(矢印として示されているもの)が有意であるか否か、の検定である。
有意であるか否かのアルゴリズムとしては、例えばP<0.01である場合に有意と判定し、P>0.01の場合には、有意ではないとして解析を終了する。
また、二つ目の検定は、図7に示した環境因子(矢印として示されているもの)が有意であるか否か、の検定である。
有意であるか否かのアルゴリズムとしては、例えばP<0.01である場合に有意と判定し、P>0.01の場合には、有意ではないとして解析を終了する。
上述した二つの検定によって有意である、と判断された場合に出力されるのが図7のようなグラフである。
この図7は、二次抽出された6つの環境因子を使った多次元の空間へ、ある生物種の相対的な豊富さが最大となる環境条件をプロットした場合に、その多次元の空間へプロットされたドット(点)の分散が最大となるような軸を演算して二つ設定し、その二つの軸を直交させることで構成される平面(二次元)を表現したものである。その平面において直交する二軸(一般的なX,Y軸に該当するものであり、この図ではCCA1およびCCA2としている)と6つの環境因子の相関を示すと、図7のように表現されることとなる。
この図7は、二次抽出された6つの環境因子を使った多次元の空間へ、ある生物種の相対的な豊富さが最大となる環境条件をプロットした場合に、その多次元の空間へプロットされたドット(点)の分散が最大となるような軸を演算して二つ設定し、その二つの軸を直交させることで構成される平面(二次元)を表現したものである。その平面において直交する二軸(一般的なX,Y軸に該当するものであり、この図ではCCA1およびCCA2としている)と6つの環境因子の相関を示すと、図7のように表現されることとなる。
図7における「矢印」は、抽出された環境因子が、前述したCCA1軸およびCCA2軸における相関を示している。以下、「水温」と「pH」以外の環境因子について説明する。
「Log10(ZOO)」は、動物性プランクトンの固体数密度の常用対数値である。
「PARm」とは、光の強さを示している。
「N/P」は、窒素とリンの比率を示している。
「T−N」は、全窒素の濃度を示している。
「Log10(ZOO)」は、動物性プランクトンの固体数密度の常用対数値である。
「PARm」とは、光の強さを示している。
「N/P」は、窒素とリンの比率を示している。
「T−N」は、全窒素の濃度を示している。
図7が有意であると判定された場合には、以下の二つの処理を実行する。一方は[b]のルートであり、もう一方が[c]のルートである。
まず、[c]のルートを説明する。正準対応分析(CCA)による図7のプロットに対して、第一軸(横軸)、第二軸(縦軸)と相関が高い環境因子を抽出する(S9)。この「抽出」とは、図7に示したグラフにおいて、横軸または縦軸に対して矢印が長い環境因子を選定することである。
まず、[c]のルートを説明する。正準対応分析(CCA)による図7のプロットに対して、第一軸(横軸)、第二軸(縦軸)と相関が高い環境因子を抽出する(S9)。この「抽出」とは、図7に示したグラフにおいて、横軸または縦軸に対して矢印が長い環境因子を選定することである。
図7を観察者として観察すれば、CCA1軸はpHに対する相関関係が最も高い、と言える。pHを示す矢印がCCA1軸の方向に対し、最も距離が長いベクトル成分を有しているからである。また、CCA1軸と動物性プランクトンの固体数密度とも相関関係が高い、と言える。同様に、CCA2軸は、窒素とリンの比率や光の強さとの相関関係が高いと言えることとなる(S9における吹き出し)。
次に、S9において第一軸(横軸)、第二軸(縦軸)と相関が高いとして選定された環境因子をもとに、図7の第一軸(横軸)と第二軸(縦軸)が何を表しているかを解釈し(S10)、さらに収集、比較すべき生理学的特性を選択する(S11)。
図3に示す実施形態においては、人(操作者)による観察ではなく、予測装置が自動的に判断することができるようにしている。すなわち、想定できる範囲でいくつかの図8に示すテーブル(対応表1,2,3,・・・)を予め準備しておき、図7における二軸のベクトル成分を演算し、前記のテーブルの中から対応する軸の解釈を自動的に選択するようにしたのである(S10)。
図3に示す実施形態においては、人(操作者)による観察ではなく、予測装置が自動的に判断することができるようにしている。すなわち、想定できる範囲でいくつかの図8に示すテーブル(対応表1,2,3,・・・)を予め準備しておき、図7における二軸のベクトル成分を演算し、前記のテーブルの中から対応する軸の解釈を自動的に選択するようにしたのである(S10)。
また、収集すべき生理学的特性についても、図12に示すようなテーブル(対応表x,y,z,・・・)を予め準備しておき、図8に示したテーブルから選択された軸の解釈に対応する生理学的特性を、自動的に選択する(S11)。この選択結果は、後述するS14において用いる。
なお、S10およびS11を自動化せずに、人が判断するようにした実施形態もある。これが、後述する図18に示す実施形態となる。
なお、S10およびS11を自動化せずに、人が判断するようにした実施形態もある。これが、後述する図18に示す実施形態となる。
この実施形態においては、前述した図12に示すテーブルは、生理学的特性データの記憶装置(D2)に蓄積されたデータを用いて予め作成したものを用いることとしている。しかし、予め用意したテーブルではなく、必要に応じて生理学的特性の生物ごとの値を生理学的特性データの記憶装置(D2)に追加し、別のテーブルを追加してもよい。
続いて、[b]ルートを説明する。
二次抽出された環境因子(ここでは6つ)によって表される多次元の空間のどの範囲に、それぞれの生物種が出現しているのかをチェックしたい。
そこで本実施形態における予測装置は、前記の正準対応分析(CCA)などを経て二次抽出された環境因子の観測データおよび生物個体数密度の観測データを入力し、多変量解析手法のひとつであるOMI(Outlying Mean Index)分析を実行する。それによって、図9のような結果を得る(S12)。
二次抽出された環境因子(ここでは6つ)によって表される多次元の空間のどの範囲に、それぞれの生物種が出現しているのかをチェックしたい。
そこで本実施形態における予測装置は、前記の正準対応分析(CCA)などを経て二次抽出された環境因子の観測データおよび生物個体数密度の観測データを入力し、多変量解析手法のひとつであるOMI(Outlying Mean Index)分析を実行する。それによって、図9のような結果を得る(S12)。
S12について、77種類の生物の中から2種を選択して説明する。この2種の名称は、一方をC6、他方をD21と称する。多変量解析(OMI分析)に供された環境因子(S5〜S7で二次抽出された環境因子)の上で、C6およびD21がどのような範囲に出現するかをプロットしたのが、図9である。
図9(a)において、左上象限へ延びている矢印がpHおよび動物性プランクトンの固体数密度の常用対数値である。図9(b)は、C6およびD21の出現範囲を楕円で囲んでいる。
C6は、左象限に小さくまとまった楕円となり、D21は、右象限を中心としているものの左象限にも出現している。すなわち、C6は、pHが高くて動物性プランクトンも高い環境において出現していることが分かり、D21は、pHが低い環境において出現していることが分かる。
C6は、左象限に小さくまとまった楕円となり、D21は、右象限を中心としているものの左象限にも出現している。すなわち、C6は、pHが高くて動物性プランクトンも高い環境において出現していることが分かり、D21は、pHが低い環境において出現していることが分かる。
図9のような図を、全種類の生物において作成すれば、生物種ごとに、環境因子状での出現範囲を把握できることとなる。しかし、生物種によって出現する範囲は異なるし、生物の種類は非常に多い(たとえば、図7に示したドットの数、すなわち生物種は77種が存在するため、図9のような楕円が77個得られることとなる)ため、このままでは生物群集の変化予測が煩雑となってしまう。そこで、生物種をグルーピングする、という手法が合理的である。生物種ごとに得られる楕円の重心座標、原点からの距離、出現幅を用いてクラスター分析をする。この実施形態におけるクラスター分析は、ward法を採用した。クラスター分析により図10に示すような図が得られる。
図10に示されたクラスター分析の結果を人間が見て、適切な数のグループ分けのための基準線(図中の波線)を入れる。基準線を入れる距離は、生物種を3〜5つのグループに分割できる距離とする。
この実施形態においては、グループ分割数が4となるような距離に基準線を入れた。
グループ分割をするための波線によって分割された各グループには、グループ名を付け、以後の作業において用いる。ここでは、グループをa,b,c,dの4つとした(S13)。
グループ分割をするための波線によって分割された各グループには、グループ名を付け、以後の作業において用いる。ここでは、グループをa,b,c,dの4つとした(S13)。
図11は、多変量解析(OMI分析)に供された環境因子(S5〜S7で二次抽出された環境因子)の上で、図10によって得られた各グループの生物がどの範囲に出現するかをプロットしたものである(図9においてプロットされた環境因子と図11のプロットとは一致している)。図11(a)はグループaに、図11(d)は、グループdにそれぞれ対応している。
図11(a〜d)には、生物種ごとの出現範囲を楕円で記している(図9の出力に対して、各グループの出現範囲を重ねて出力させ、更に出現範囲を楕円で囲った)。その楕円がほぼ重なっていることから、グループ分けが適切であることを認識できる。
図11(a〜d)には、生物種ごとの出現範囲を楕円で記している(図9の出力に対して、各グループの出現範囲を重ねて出力させ、更に出現範囲を楕円で囲った)。その楕円がほぼ重なっていることから、グループ分けが適切であることを認識できる。
各グループの特徴を読み解くと、たとえばグループaは、出現範囲が全体に及んでいるが、グループbは、出現範囲が右象限に偏っているので、pHが低い環境を好む生物群であることが(機械的に)認識できる。
グループcおよびdは、出現範囲がいずれも左象限に偏っているので、pHが高い環境を好む生物群であることが(機械的に)認識できる。
グループcおよびdは、出現範囲がいずれも左象限に偏っているので、pHが高い環境を好む生物群であることが(機械的に)認識できる。
このようにして得られたグループa,b,c,dそれぞれについて、S11で選択された生理学的特性を比較し(S14)、統計的に得られたグループごとの出現範囲(図11)が科学的に説明できるかを判定する(S15)。例をあげて以下に説明する。
図8における対応表1を使って図7のCCA2軸を解釈すると、CCA2軸は光環境、または栄養塩の多寡である、と観察者は解釈できる(S10)。
図12における対応表xを使って収集すべき生理学的特性を選択して、生物種ごとに対応表xに該当する値をデータ記憶装置D2から抽出選定し(S11)、グループ間で比較すると図13が得られる(S14)。
図8における対応表1を使って図7のCCA2軸を解釈すると、CCA2軸は光環境、または栄養塩の多寡である、と観察者は解釈できる(S10)。
図12における対応表xを使って収集すべき生理学的特性を選択して、生物種ごとに対応表xに該当する値をデータ記憶装置D2から抽出選定し(S11)、グループ間で比較すると図13が得られる(S14)。
図13(a)では光合成速度Pmax chl、図13(b)では光合成の速度におけるPI曲線の傾きαchl、図13(c)では栄養塩要求性を表すQPmin、図13(d)では栄養塩摂取速度を表すUPmax/Kpが選定され、グループa,b,c,dを比較して図示している。
図13(a)および(b)を観察すると、グループb,c,dにおいてはばらつきがほとんど無いことが分かる。そのため、生物種によって、光合成速度や光合成速度における曲線の傾きというパラメータは、生物群集が大きく異なる原因ではないであろうと予測できることとなる。
一方、図13(c)および(d)を観察すると、グループcだけ栄養塩要求性も栄養塩摂取速度も高いので特徴的なパラメータである、と解釈できる。
図13(a)および(b)を観察すると、グループb,c,dにおいてはばらつきがほとんど無いことが分かる。そのため、生物種によって、光合成速度や光合成速度における曲線の傾きというパラメータは、生物群集が大きく異なる原因ではないであろうと予測できることとなる。
一方、図13(c)および(d)を観察すると、グループcだけ栄養塩要求性も栄養塩摂取速度も高いので特徴的なパラメータである、と解釈できる。
図7のCCA1軸についても、同様の操作(S10,11,14)を実行する。
なお、統計解析はこのS14にて終了となる。数理解析モデルを選択し、予測演算を実行するのは、S16以降である。
なお、統計解析はこのS14にて終了となる。数理解析モデルを選択し、予測演算を実行するのは、S16以降である。
S14の次には、図11のような統計的な出力を科学的に解釈できるか否かを人間(操作者)が解釈する(S15)。
すなわち、OMI分析とクラスタリングによって得られたグループごとの出現範囲が、実際の生物種の特性から説明できる(図3においては「OMIプロット図を解釈できる」と表記している)かを判断することとなる。この判断をするのがS15である。統計的に得られたグループごとの出現範囲が、単なる偶然ではなく、科学的に説明できる(OMIプロット図を解釈できる)と言える場合には、[d]へ進む。
グループごとの出現範囲を科学的に説明することができない、と判断した場合には、一旦終了する。
すなわち、OMI分析とクラスタリングによって得られたグループごとの出現範囲が、実際の生物種の特性から説明できる(図3においては「OMIプロット図を解釈できる」と表記している)かを判断することとなる。この判断をするのがS15である。統計的に得られたグループごとの出現範囲が、単なる偶然ではなく、科学的に説明できる(OMIプロット図を解釈できる)と言える場合には、[d]へ進む。
グループごとの出現範囲を科学的に説明することができない、と判断した場合には、一旦終了する。
OMIプロット図を科学的に解釈できるか否か、についての判定の例示は、図14に示している。
[d]へ進んだら、予め用意していた複数の数理解析モデルの中から、相応しいと考えるモデルを人間(操作者)が選択する(S16)。より具体的には、図14におけるOMIプロット図の解釈に合致する(その解釈に適した)数理解析モデルを選択する、ということである。
数理モデルの選択においては、たとえば図15に示したような表を用いる。図14の解釈において用いたパラメータをチェックリストとしており、予測装置の操作者がチェックを入力すれば、使用するモデル式をアウトプットするようになっている。そのため、操作者は、選択が容易にできる。
続いて、選択した数理解析モデルを用いる場合に、演算対象となるグループ毎にパラメータ値を設定し、計算する環境条件を設定する(S17)。すなわち、パラメータ値、環境条件を予測装置へ送信する。予測装置にて予測演算を実行させるためには、パラメータ値や環境条件を入力する必要があるからである。
操作者が入力(送信)したパラメータ値や環境条件を用いて、予測装置は再現計算を実行する(S18)。
具体的には、図16に示すような「プランクトン群集の動態変化とその計算結果」を出力する。
具体的には、図16に示すような「プランクトン群集の動態変化とその計算結果」を出力する。
この図16を見た操作者は、過去のデータなどを考慮して再現性が確保された出力であるか否かを判断する(S19)。
再現性がある程度確保されている、と判断する場合には、計算したい環境条件(環境条件が変化した場合)についてのパラメータ値などを操作者が設定し、予測装置へ送信する(S20)。
再現性が確保されていないと判断する場合には、終了する。
再現性がある程度確保されている、と判断する場合には、計算したい環境条件(環境条件が変化した場合)についてのパラメータ値などを操作者が設定し、予測装置へ送信する(S20)。
再現性が確保されていないと判断する場合には、終了する。
予測装置は、操作者の入力に基づいて、ある環境条件が変化した場合について、変化予測計算を実行し、その結果を出力する(S21)。その出力例が図17である。
図17では、環境条件が変化した場合について、植物プランクトン群集がどのように変化するかについて、予測結果をグループa,b,c,d毎に示している。ここでは、時系列で栄養塩が増加するという環境変化が生じた場合、生物種としては、グループa,b,c,dのどれが増加するのか、減少するのか、といったことを予測することができる図となっている。加えて、その時系列において、酸性が強い場合と弱い場合とを別々に予測することもできる図となっている。
図17では、環境条件が変化した場合について、植物プランクトン群集がどのように変化するかについて、予測結果をグループa,b,c,d毎に示している。ここでは、時系列で栄養塩が増加するという環境変化が生じた場合、生物種としては、グループa,b,c,dのどれが増加するのか、減少するのか、といったことを予測することができる図となっている。加えて、その時系列において、酸性が強い場合と弱い場合とを別々に予測することもできる図となっている。
たとえば、猪苗代湖へ流れ込む河川のうち、人為活動に由来する栄養塩を多く含む河川があったとする。その河川域で人為活動が更に活発となった場合(あるいは人為由来の栄養塩を削減するような対策を実施した場合)に、どのような生物種が増えるのか、といったことを予測することができる。そうした予測ができれば、その河川域にてどのような対策を講じれば異臭味の原因となる微生物の発生を抑制できるか、ということも予測できることとなる。
次に、図18に示すバリエーションを、図3との比較において説明する。図3では、S10およびS11を予測装置が実行していたが、図18では、予測装置の操作者が解釈や選択を実行して予測装置へ入力することとしたものである。
予測装置では合理的な処理が実行できない場合、たとえばS10において正準対応分析のプロット(図7)を解釈できないという判断が多く出てしまうような場合には、予測装置での処理を避け、操作者が判断するようにした方が合理的である。
予測装置では合理的な処理が実行できない場合、たとえばS10において正準対応分析のプロット(図7)を解釈できないという判断が多く出てしまうような場合には、予測装置での処理を避け、操作者が判断するようにした方が合理的である。
本発明は、水圏の生物群集のコントロールに利用することができる。
たとえば、水道水源となっている水圏(たとえば天然の湖やダム湖)において、水道水の異臭味の原因となる微生物が出現しないようにするためにはどのような管理を実行するのが適切であるか、について管理手法を提案することができる。
たとえば、水道水源となっている水圏(たとえば天然の湖やダム湖)において、水道水の異臭味の原因となる微生物が出現しないようにするためにはどのような管理を実行するのが適切であるか、について管理手法を提案することができる。
Claims (8)
- 予測対象の水域、その他水域における環境因子、および生物の個体数密度の観測データを蓄積している観測データ記憶手段と、
生物種ごとの生理学的特性に関する実験データを蓄積した生理学的特性データ記憶手段と、
環境条件の中で重要な環境因子を前記の観測データ記憶手段から抽出する統計解析手段と、
その統計解析手段が解析した解析結果および前記の生理学的特性に関する実験データを用いて統計解析結果を人間が解釈するための出力を行う補助手段と、
その補助手段による出力を用いて人間が解釈した判断結果および人間が数理モデルを選択した選択結果を受信して変化予測を演算する変化予測演算手段と、
その変化予測演算手段による変化予測を出力する出力手段と、
を備えた予測装置。 - 前記の統計解析手段は、
前記の観測データ記憶手段から環境条件の中で重要な環境因子を正準対応分析によって抽出する抽出手段と、
その抽出手段によって抽出された重要な環境因子に対してOMI分析によって生物種ごとの出現範囲を明らかにする出現範囲明確化手段と、
その出現範囲明確化手段によって明らかにされた生物種ごとの出現範囲に対してクラスター分析を行って生物種のグループ化を行うグループ化手段と、
を含むこととした請求項1に記載の予測装置。 - 前記の変化予測演算手段は、前記の人間が解釈した判断結果を受信して再現計算を実行する再現演算手段を備え、
その再現演算手段が計算した再現結果について人間が再現性を判断し、再現性があると判断した場合に環境条件を設定して受信し、その環境条件を用いて変化予測を演算することとした請求項1または請求項2のいずれかに記載の予測装置。 - 前記の統計解析手段は、主成分分析を実行する主成分分析手段と、
その主成分分析手段が実行した主成分について相関係数を算出する相関係数算出手段と、
その相関係数算出手段が算出した相関係数に基づいて正準対応分析に供する環境因子から除外すべき環境因子を人間に選択させるために人間へ出力する環境因子選択出力手段と、
その環境因子選択出力手段が出力した除外すべき環境因子から人間が選択した結果を受信する受信手段と、を備え、
前記の統計解析手段は、その除外した環境因子を除いた環境因子による統計解析を実行することとした請求項2または請求項3のいずれかに記載の予測装置。 - 予測対象の水域、その他水域における環境因子、および生物の個体数密度の観測データを蓄積している観測データ記憶手段と、
生物種ごとの生理学的特性に関する実験データを蓄積した生理学的特性データ記憶手段と、
を備えたコンピュータに対して、前記の予測対象の変化を予測するためのコンピュータプログラムであって、
環境条件の中で重要な環境因子を前記の観測データ記憶手段から抽出して統計解析する統計解析手順と、
その統計解析手順にて解析した解析結果および前記の生理学的特性に関する実験データを用いて統計解析結果を人間が解釈するための出力を行う補助手順と、
その補助手順による出力を用いて人間が解釈した判断結果および人間が数理モデルを選択した選択結果を受信して変化予測を演算する変化予測演算手順と、
その変化予測演算手順が演算した変化予測を出力する出力手順と、
をコンピュータに実行させることとしたコンピュータプログラム。 - 前記の統計解析手順には、
前記の観測データ記憶手順にて環境条件の中で重要な環境因子を正準対応分析によって抽出する抽出手順と、
その抽出手順にて抽出された重要な環境因子に対してOMI分析によって生物種ごとの出現範囲を明らかにする出現範囲明確化手順と、
その出現範囲明確化手順によって明らかにされた生物種ごとの出現範囲に対してクラスター分析によって生物種のグループ化するグループ化手順と、
を含むこととした請求項5に記載のコンピュータプログラム。 - 前記の変化予測演算手順には、前記の人間が解釈した判断結果を受信して再現計算を実行する再現演算手順と、
その再現演算手順にて計算した再現結果について人間が再現性を判断し、再現性があると判断した場合に環境条件を設定して受信する再現性受信手順と、を含むとともに、
その再現性受信手順が受信した環境条件を用いて変化予測を演算することとした請求項5または請求項6のいずれかに記載のコンピュータプログラム。 - 前記の統計解析手順には、主成分分析を実行する主成分分析手順と、
その主成分分析手順にて実行された主成分について相関係数を算出する相関係数算出手順と、
その相関係数算出手順にて算出された相関係数に基づいて正準対応分析に供する環境因子から除外すべき環境因子を人間に選択させるために人間へ出力する環境因子選択出力手順と、
その環境因子選択出力手順にて出力された除外すべき環境因子から人間が選択した結果を受信する受信手順と、を含み、
前記の統計解析手順は、その除外した環境因子を除いた環境因子による統計解析を実行することとした請求項6または請求項7のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
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Cited By (1)
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CN111914819A (zh) * | 2020-09-30 | 2020-11-10 | 杭州未名信科科技有限公司 | 一种多摄像头融合的人群密度预测方法、装置、存储介质及终端 |
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2016
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Cited By (1)
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CN111914819A (zh) * | 2020-09-30 | 2020-11-10 | 杭州未名信科科技有限公司 | 一种多摄像头融合的人群密度预测方法、装置、存储介质及终端 |
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