JP2017156205A - 測定装置、測定方法、および携帯端末 - Google Patents

測定装置、測定方法、および携帯端末 Download PDF

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Abstract

【課題】精度を向上させつつ、小型、低コストの入射光の成分を測定する測定装置を提供する。
【解決手段】外気を吸着させる吸着部102と、光路上において吸着部の前または後ろに設けられ、入射光における対象波長の光成分を抽出する光学系110と、吸着部および光学系を通過した光成分を検出する光センサ部120とを備える測定装置100、測定方法、および携帯端末を提供する。光センサ部により検出された光成分を測定する測定部170を更に備えてよい。測定部は、検出された光成分を用いて、吸着部に吸着された対象の気体成分を測定してよい。
【選択図】図2

Description

本発明は、測定装置、測定方法、および携帯端末に関する。
従来、入射光の成分を検出する場合、分光器および干渉計等の光学装置を用いて分光し、対象波長の光成分を抽出して検出していた。また、このような光検出を簡易的に実行する場合、入射光に対象波長を透過させるバンドパスフィルタ等の光フィルタを挿入し、透過光の光成分を検出していた。
このような測定装置は、気体等の光吸収を観測する場合、当該気体を通過する入射光の光路長を長くして測定精度を向上させていた。しかしながら、光路長を長くすると、測定装置は大型になり、また、光軸の調整等に手間がかかることがあった。また、分光器および干渉計等の光学装置は、抽出する光成分の対象波長を変更すべく、高い位置精度と、広い移動範囲とを有する駆動装置を用いて光学部品等を移動させていた。しかしながら、このような駆動装置は、大型でコストがかかるので、小型の測定装置を低コストで提供することは困難であった。
本発明の第1の態様においては、外気を吸着させる吸着部と、光路上において吸着部の前または後ろに設けられ、入射光における対象波長の光成分を抽出する光学系と、吸着部および光学系を通過した光成分を検出する光センサ部とを備える測定装置および測定方法を提供する。
本発明の第2の態様においては、筐体と、情報処理を行う情報処理部と、無線ネットワークを介して外部と通信する無線通信部と、筐体の一の面に設けられ、画面を表示する表示部と、第1の態様の測定装置と、を備える携帯端末を提供する。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
本実施形態に係る検出装置10の構成例を示す。 本実施形態に係る測定装置100の第1構成例を示す。 本実施形態に係る測定装置100の第2構成例を示す。 本実施形態に係る吸着部102が、外気の気体成分の濃度に対して気体成分を吸着する吸着量の一例を示す。 本実施形態に係る測定装置100の第3構成例を示す。 本実施形態に係る測定装置100の第4構成例を示す。 本実施形態に係る測定装置100の第5構成例を示す。 本実施形態に係る測定装置100の第6構成例を示す。 本実施形態に係る携帯端末300の構成例を示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係る検出装置10の構成例を示す。検出装置10は、対象波長の光成分を検出する。検出装置10は、光フィルタ12と、光センサ部14とを備える。光フィルタ12は、対象波長の光成分を透過させる。光フィルタ12は、一例として、バンドバスフィルタである。光センサ部14は、光フィルタ12を通過した光を検出する。光センサ部14は、フォトダイオード等でよい。
このような検出装置10は、入射光に含まれる対象波長の光成分を検出することができるので、例えば、当該入射光の経路に測定対象を挿入し、挿入前後の検出結果を比較することにより、測定対象の光吸収および光放出等を測定することができる。なお、測定対象は、気体、液体、および固体等でよい。また、検出装置10を用いて光吸収および光放出等を測定することにより、当該測定対象を同定してもよい。
一例として、測定対象を気体とし、光フィルタ12の透過波長を一の気体成分の吸収線と略一致させることにより、検出装置10は、測定対象の吸収線における光吸収の有無を測定して、当該測定対象が一の気体成分を含むか否かを判定することができる。また、検出装置10は、光吸収量から、一の気体成分の濃度を測定してもよい。
このように、検出装置10は、単一の波長を透過させる光フィルタ12の透過波長を光吸収線等の対象波長と略一致させることにより、測定対象に含まれる成分の濃度等を測定できる。したがって、検出装置10は、例えば、小型で低コストのガスセンサ等を提供することができる。
しかしながら、検出装置10を小型にすると、入射光の光路長も短くなるので、当該入射光が測定対象を通過する距離も短くなってしまい、測定対象の光吸収量が低減して測定精度が悪化することがあった。また、検出装置10は、入射光が当該気体を通過する光路長を長くして、光吸収等の測定精度を向上できるが、入射光の光路長を長くすると、測定装置が大型になり、また、光軸の調整等に手間がかかることがあった。したがって、簡便に光吸収等を測定する装置の測定精度の低下を防止しつつ、当該装置の大きさを小型にすることは困難であった。
また、光フィルタ12の透過波長は固定されているので、検出装置10は、複数の吸収線の吸収量を測定することができない。このような複数の対象波長の光吸収および光放出等を測定する場合、検出装置10は、光フィルタ12に代えて、分光器および干渉計等の光学装置を用いて、入射光から抽出する光成分の対象波長を変更し、吸収スペクトルおよび放出スペクトル等を測定していた。
このような分光器および干渉計等の光学装置は、モータ等の駆動装置を搭載し、光学部品を移動させて入射光の透過波長を可変させていた。したがって、駆動装置は、光学部品の位置精度を保ったまま、光スペクトルが得られる程度に光学部品を移動させることが望ましく、大型でコストのかかる装置となっていた。即ち、複数の対象波長の光吸収等を測定する装置の大きさを小型にすることは、困難であった。そこで、本実施形態に係る測定装置100は、光吸収等の測定精度を向上させつつ、小型、かつ低コストの測定装置を提供する。このような測定装置100について、次に説明する。なお、本実施形態において、測定対象を外気とする例を説明する。
図2は、本実施形態に係る測定装置100の第1構成例を示す。測定装置100は、測定対象の外気を吸着させ、入射光における対象波長の光成分の測定精度を向上させる。なお、入射光は、平行光で測定装置100に入射することが望ましい。測定装置100は、吸着部102と、光学系110と、光センサ部120と、測定部170と、を備える。
吸着部102は、外気を吸着させる。吸着部102は、測定対象の外気を吸着させ、周囲と比較して外気の濃度を増加させる。吸着部102は、例えば、物理吸着および化学吸着等によって、外気の成分を吸着する。吸着部102は、温度および/または圧力等に応じて、可逆的に吸着および脱気してよい。吸着部102は、赤外光を透過させつつ、測定対象の気体成分を吸着する物質であることが望ましい。吸着部102は、シリカ、アルミナ、ゼオライト、グラファイト、金属ナノ粒子、白金、セラミック酸化物、およびセシウム酸化物等の材料のうち1または複数を吸着剤として有してよい。また、吸着部102は、水素と金属の化合物等でよい。
光学系110は、光路上において吸着部102の前または後ろに設けられ、入射光における対象波長の光成分を抽出する。図2の測定装置100は、光学系110が光フィルタ12を有し、入射光の光路上において吸着部102の前に設けられた例を示す。光フィルタ12は、対象波長の光成分を透過させる。光フィルタ12は、例えば、外気の一の気体成分に固有の一の光吸収線等に略一致する対象波長を透過させる。光フィルタ12は、一例として、バンドバスフィルタである。これにより、光学系110は、対象波長の光成分を吸着部102に照射させる。
光センサ部120は、吸着部102および光学系110を通過した光成分を検出する。光センサ部120は、図2に示すように、入射光の光路上において光学系110が吸着部102の前に設けられた場合、吸着部102を透過した光成分を検出する。また、光センサ部120は、光学系110が吸着部102の後ろに設けられた場合、光学系110が抽出して出射する光成分を検出する。光センサ部120は、フォトダイオードおよび光伝導セル等の半導体光検出器でよい。これに代えて、光センサ部120は、焦電型検出器でもよい。
測定部170は、光センサ部120により検出された光成分を測定する。測定部170は、入射光の光路上に測定対象が無い状態における光センサ部120の検出結果を、第1測定結果として測定してよい。また、測定部170は、入射光の光路上に測定対象の外気を挿入した状態における光センサ部120の検出結果を、第2測定結果として測定してよい。そして、測定部170は、第1測定結果および第2測定結果の光強度の比を算出することにより、対象波長における外気の光吸収量を測定してよい。また、第1測定結果および第2測定結果を各々用いて光吸収量を測定してもよい。なお、測定部170は、入射光の光路に外気を挿入する前の光成分の光強度を、初期状態として予め測定して記憶部等に記憶してよい。
また、測定部170は、入射光の光路上に測定対象がある状態で、吸着部102を加熱し、吸着したガスを所定の濃度に脱気した状態における光センサ部120の検出結果を、第1測定結果として測定してよい。また、既知の吸着時間が経過した後に、測定部170は、入射光の光路上に測定対象の外気を挿入した状態における光センサ部120の検出結果を、第2測定結果として測定してよい。そして、測定部170は、第1測定結果および第2測定結果の光強度の比を算出することにより、対象波長における外気の光吸収量を測定してよい。また、第1測定結果および第2測定結果を各々用いて光吸収量を測定してもよい。また、この場合、入射光の光路上に測定対象が無い状態における光センサ部120の検出結果を光吸収の計算に使用してもよい。
測定部170は、外気の一の気体成分に固有の一の対象波長における光吸収の有無から、外気に当該一の気体成分が含まれるか否かを特定してよい。また、測定部170は、当該一の対象波長における光吸収量に基づき、当該気体成分の濃度を特定してよい。例えば、測定部170は、検出された光成分を用いて、吸着部102に吸着された測定対象の気体成分の吸着量を測定し、測定した吸着量に基づいて、外気中における測定対象の気体成分の濃度を算出する。ここで、測定部170は、吸着部102による一の気体成分の吸着量と、外気中における当該一の気体成分の濃度との関係を、予め記憶部等に記憶して、吸着量の測定結果から当該気体成分の濃度を算出してよい。
以上のように、本実施形態に係る測定装置100は、外気の気体成分を吸着部102に吸着させ、当該気体成分の濃度を高めた吸着部102に対象波長の光成分を照射する。したがって、測定装置100は、図1に示す検出装置10のように外気をそのまま検出する装置等と比較して、高い検出感度で測定することができる。測定装置100は、例えば、吸着部102により気体成分の濃度を略100倍にした場合、同一の光路長で比較した場合、理想的には略100倍に感度を向上できる。また、この場合、測定装置100は、一例として、光路長を略1/10にしつつ、感度を略10倍向上できる。
即ち、本実施形態に係る測定装置100は、光路長を長くすること、および、光軸調整等の複雑な手間が増加するなしに、測定精度を向上させることができる。なお、第1構成例の測定装置100は、光フィルタ12を光学系110として用いる例なので、対象波長を複数にすることは困難である。対象波長を複数にさせた測定装置100について、次に説明する。
図3は、本実施形態に係る測定装置100の第2構成例を示す。図3に示す第2構成例の測定装置100において、図2に示された本実施形態に係る測定装置100の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。第2構成例の測定装置100は、入射光における複数の対象波長の吸収および放出を測定してよい。測定装置100は、吸着部102と、光学系110と、光センサ部120と、磁石130と、コイル140と、磁気センサ150と、駆動部160と、測定部170と、を備える。なお、吸着部102については、図2に示す吸着部102の動作と略同一の動作なので、ここでは説明を省略する。
第2構成例の光学系110は、抽出する光成分の対象波長を可変とする。光学系110は、干渉計、分光器、または可変波長フィルタ等を有してよい。図3は、光学系110がマイケルソン干渉計を有する例を示す。光学系110は、ビームスプリッタ112と、第1ミラー114と、第2ミラー116と、を有する。
ビームスプリッタ112は、入射光の一部を透過させ、一部を反射する。ビームスプリッタ112は、ハーフミラーでよい。ビームスプリッタ112は、入射光の進行方向と略同一方向に入射光の一部を透過させ、入射光の進行方向に対して略垂直方向に入射光の一部を反射する。図3は、ビームスプリッタ112が−X方向に入射する入射光の一部を−X方向に透過させ、入射光の残りの一部を+Y方向に反射する例を示す。
第1ミラー114は、ビームスプリッタ112を透過した光を当該ビームスプリッタ112の方向に反射する。第2ミラー116は、ビームスプリッタ112により反射された光を当該ビームスプリッタ112の方向に反射する。図3は、ビームスプリッタ112が−X方向に透過させた光を第1ミラー114が+X方向に反射し、ビームスプリッタ112が+Y方向に反射した光を第2ミラー116が−Y方向に反射する例を示す。
このように、光学系110は、入射した光を2つの方向に分岐し、分岐した光を再び合波して略同一方向に出射する。これにより、光学系110は、2つの異なる光路を進行した光を合成させて干渉させる。即ち、光学系110は、第1ミラー114および第2ミラー116の配置に応じて、2つの光路に光路差を生じさせ、当該光路差が0および波長の半分の偶数倍となる光の強度を強くし、当該光路差が波長の半分の奇数倍となる光の強度を弱くする。これにより、光学系110は、第1ミラー114および第2ミラー116の位置を調節することにより、対象波長の光成分を抽出する。
光センサ部120は、光学系により抽出された光成分を検出する。光センサ部120は、光学系110が出射した光を受光する。即ち、光センサ部120は、第1ミラー114が反射してビームスプリッタ112を介して出射する光と、第2ミラー116が反射してビームスプリッタ112を介して出射する光とが、入射する。
磁石130およびコイル140のうちの一方は、当該測定装置100の筐体に対して固定され、他方は、光学系110に含まれる光学部品に取り付けられる。即ち、磁石130およびコイル140の一方が、光学部品としての第1ミラー114または第2ミラー116に取り付けられる。磁石130は、永久磁石でよい。コイル140は、電流が流れることにより、磁石130を吸引または反発する磁場を発生させる。これにより、コイル140は、磁石130を光学部品ごと移動させてよい。
図3は、磁石130が第1ミラー114に取り付けられ、コイル140が筐体に固定された例を示す。この場合、コイル140は、電流が流れることに応じて、第1ミラー114を移動させることになる。即ち、図3は、第1ミラー114が移動鏡であり、第2ミラー116が固定鏡となる例を示す。図3の例において、コイル140は、第1ミラー114をX方向と略平行に移動させる。
磁気センサ150は、コイル140に対して固定された位置に設けられ、当該磁石130の磁場の強さを検出する。即ち、磁気センサ150は、コイル140によって移動する磁石130の磁場を検出する。即ち、磁気センサ150は、磁石130の位置に応じた磁場の強さを検出する。磁気センサ150は、ホール素子、磁気抵抗素子(MR)、巨大磁気抵抗素子(GMR)、トンネル効果磁気抵抗素子(TMR)、マグネトインピーダンス素子(MI素子)GMR(Giant Magneto Resistive)素子、および/またはインダクタンスセンサ等を有してよい。また、当該磁気センサ150は、光学系の位置制御を行う駆動部160と共に集積されてよい。なお、駆動部160は、PIDコントローラ、およびコイルを駆動するドライバー等を含んでよい。このような集積化により、モジュールを更に小型化することができる。
駆動部160は、光学系110に含まれる光学部品を駆動して対象波長を変更する。駆動部160は、コイル140に駆動電流を流して光学部品を駆動して、光学系110が抽出する光成分の対象波長を変更してよい。駆動部160は、例えば、第1ミラー114及び第2ミラー116の一方を駆動する。図3は、駆動部160が第1ミラー114を移動させて、光学系110において分岐した2つの光の光路差を調節する例を示す。また、駆動部160は、磁気センサ150により検出された磁場の強さを用いて、光学部品の位置を特定してよい。駆動部160は、一例として、磁石130の位置に応じた磁場の強さに応じて第1ミラー114の位置を特定し、特定した位置に基づき、第1ミラー114を移動させる。
これにより、駆動部160は、第1ミラー114の位置を予め定められた位置に移動させるようにフィードバック制御して、精度良く第1ミラー114を位置決めできる。これにより、駆動部160は、光学系110が抽出する光成分の対象波長を、測定対象の吸収線等に略一致させることができる。また、これに加えて、駆動部160は、第1ミラー114を予め定められた第1位置から第2位置までを移動させてもよい。これにより、駆動部160は、光学系110が抽出する光成分の対象波長を掃引させることができる。
測定部170は、光センサ部120により検出された光成分を測定する。測定部170は、例えば、第1ミラー114の複数の位置に対する光センサ部120の検出結果をフーリエ変換することにより、光学系110に入射する光の光スペクトラムを測定する。測定部170は、入射光の光スペクトラムと、入射光の経路に測定対象を挿入した場合に測定される光スペクトラムとの波長毎の比を算出することにより、測定対象の光透過スペクトルを測定してよい。
測定部170は、物質に固有の吸収線等に対応する吸収の有無、および吸収量から、測定対象に含まれる成分を特定してよい。また、測定部170は、対象波長を掃引した帯域の光透過スペクトルを測定できるので、複数の吸収線等に対応する吸収量を測定することができる。即ち、測定部170は、測定対象に含まれる成分を複数特定してもよい。なお、測定対象が挿入する前の初期状態の光スペクトラムは、予め測定して記憶部等に記憶されてよい。
これにより、測定部170は、入射光の光成分が通過する領域に位置し、測定対象の成分を吸着させた吸着部102に当該光成分を照射して、光吸収スペクトルを測定することができる。なお、吸着部102を光学系110の後ろに配置した場合、光学系110は、入射光から光成分を抽出して吸着部102に供給し、測定部170は、当該吸着部102を透過した光成分を用いて測定対象の気体成分を測定してよい。また、吸着部102を光学系110の前に配置した場合、光学系110は、吸着部102を透過した入射光から光成分を抽出して測定部170に供給し、測定部170は、当該光学系110が抽出した光成分を用いて測定対象の気体成分を測定してよい。
以上のように、第2構成例の測定装置100は、外気の気体成分の濃度を高めた吸着部102に対象波長の光成分を照射するので、第1構成例の測定装置100と同様に、高い検出感度で測定することができる。また、第2構成例の測定装置100は、磁石130およびコイル140を用いて光学部品である第1ミラー114を移動させることにより、対象波長を変更することができるので、第1ミラー114を移動させた距離に応じた波長帯域の光吸収(透過)スペクトルを測定できる。このような磁石130およびコイル140は、光学部品の大きさと比較して小さくすることができ、モータ、動力シリンダ、およびリニアアクチュエータ等と比較して、より小さい駆動装置を形成することができる。
なお、磁石130およびコイル140の組み合わせは、光学部品の可動範囲を数百μm程度以上にすることができる。また、磁石130およびコイル140は、それぞれ複数設けられてよく、この場合、光学部品の可動範囲を更に広くすることができる。また、測定装置100は、このような光学部品の移動を、磁気センサ150を用いてフィードバック制御することができるので、位置精度を数μm程度以下にすることができる。したがって、本実施形態に係る測定装置100によれば、精度を向上させつつ、小型、低コストで、複数の対象波長の光成分を測定することができる。
以上の本実施形態に係る測定装置100は、磁石130およびコイル140を用いて、第1ミラー114を移動させることを説明した。これに代えて、測定装置100は、磁石130およびコイル140を用いて、第2ミラー116を移動させてもよい。即ち、第1ミラー114が固定鏡であり、第2ミラー116が移動鏡であってもよく、この場合、コイル140は、第2ミラー116の近傍に配置されて当該第2ミラー116をY方向と略平行に移動させる。
また、測定装置100は、第1ミラー114の移動に加えて、第2ミラー116を更に移動させてもよい。即ち、第1ミラー114および第2ミラー116がそれぞれ移動鏡であってもよい。この場合、測定装置100は、第1ミラー114に対応する磁石130およびコイル140に加えて、第2ミラー116に固定された第2磁石と、第2磁石を第2ミラー116ごと移動させる第2コイルを備えてよい。また、測定装置100は、第2ミラー116の位置に応じた磁場を検出する第2磁気センサを更に備えてもよい。
磁石130、コイル140、および磁気センサ150は、小型に形成することができるので、測定装置100は、複数の光学部品に対応してこれらをそれぞれ設け、当該複数の光学部品をそれぞれ移動可能にしてよい。測定装置100は、例えば、第1ミラー114および第2ミラー116を移動可能とすることにより、対象波長の掃引幅および掃引速度を向上させることができる。また、一方の可動鏡が故障した場合に、他方の移動鏡を移動させることにより、装置を長寿命化させることもできる。
図4は、本実施形態に係る吸着部102が、外気の気体成分の濃度に対して気体成分を吸着する吸着量の一例を示す。図4の横軸は、外気の気体成分の濃度を示し、縦軸は吸着部102に吸着される吸着量を示す。なお、気体成分の濃度は、気体の圧力としてもよい。また、気体の温度は一定温度とする。
測定部170は、吸着部102における光成分の光吸収量と、吸着部102における気体成分の吸着量との関係を予め測定して記憶してよい。これにより、測定部170は、光成分の光吸収量に応じた吸着部102の吸着量を算出できる。そして、測定部170は、図4に示すような気体成分の濃度および吸着量の関係を用いて、算出した吸着量に対応する気体成分の濃度を測定結果として算出できる。
測定装置100は、図4に示すような気体成分の濃度に対する吸着部102の吸着量の関係を予め測定して、記憶部等に記憶してよい。また、測定装置100は、BET(Brunauer−Emmett−Teller)型吸着等温線、Freundlich型吸着等温線、およびLangmuir型吸着等温線等の換算式を用いてもよい。
以上の本実施形態に係る測定装置100は、吸着部102の吸着剤に外気を吸着させ、周囲の外気と比較して吸着部102に吸着させた外気の濃度を高める。そして、測定装置100は、入射光の光路上において吸着部102の前に設けられた光学系110により、光学系110の入射光における対象波長の光成分を抽出して、吸着部102に照射する。測定装置100は、吸着部102および光学系110を通過した光成分を検出し、検出された光成分を測定する。これにより、測定装置100は、検出された光成分を用いて、吸着剤に吸着された測定対象の気体成分を測定することができ、例えば、ガスセンサとして機能することができる。
これに代えて、測定装置100は、吸着部102の吸着剤に外気を吸着させ、周囲の外気と比較して吸着部102に吸着させた外気の濃度を高め、入射光を吸着部102に照射する。測定装置100は、入射光の光路上において吸着部102の後ろに設けられた光学系110により、吸着部102を透過した入射光における対象波長の光成分を抽出する。測定装置100は、吸着部102および光学系110を通過した光成分を検出し、検出された光成分を測定する。これにより、測定装置100は、検出された光成分を用いて、吸着剤に吸着された測定対象の気体成分を測定することができ、例えば、ガスセンサとして機能することができる。
図5は、本実施形態に係る測定装置100の第3構成例を示す。図5に示す第3構成例の測定装置100において、図3に示された第2構成例の測定装置100の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。第3構成例の測定装置100は、磁石130が筐体に固定され、コイル140が第1ミラー114に取り付けられた例を示す。また、第3構成例の測定装置100は、脱気部180を更に備える。
第3構成例の測定装置100の場合、磁石130は、磁性材料等の芯の周囲にコイルが巻かれ、当該コイルに電流を流すことによって磁場が発生する電磁石でよい。駆動部160は、磁石130に電流を供給することにより、コイル140を吸引して第1ミラー114を移動させる。また、測定装置100は、このような磁石130を複数備えてよく、駆動部160は、複数の磁石130にそれぞれ供給する電流を変更して、第1ミラー114を移動させてよい。この場合、測定装置100は、コイル140に代えて、またはコイル140に加えて、ヨークを備えてもよい。
これに代えて、駆動部160は、第1ミラー114に取り付けられたコイル140に電流を供給し、筐体に固定された磁石130を吸引または反発させて第1ミラー114を移動させてもよい。また、駆動部160は、同様に、第2ミラー116を移動させてもよい。
また、第3構成例の測定装置100は、光学部品に取り付けられた位置検出用磁石210を更に備える。この場合、磁気センサ150は、測定装置100の筐体に対して固定される。駆動部160は、磁気センサ150により検出された、位置検出用磁石210による磁場の強さを用いて、光学部品の位置を特定する。
これに代えて、第2構成例の測定装置100は、磁気センサ150が光学部品に取り付けられ、位置検出用磁石210が測定装置の筐体に対して固定されてもよい。この場合においても、駆動部160は、磁気センサ150により検出された、位置検出用磁石210による磁場の強さを用いて、光学部品の位置を特定することができる。
脱気部180は、吸着部102に吸着された外気を脱気する。脱気部180は、一例として、吸着部102を加熱する加熱部を有し、吸着部102に含まれる吸着剤を加熱することにより、当該吸着剤に吸着された外気を脱気する。ここで、加熱部は、電熱線等のヒータでよい。この場合、脱気部180は、駆動部160から電流が供給されてよい。これにより、駆動部160および脱気部180の電源回路を共通化できるので、回路の実装面積等を小さくすることができる。脱気部180は、吸着部102に吸着された外気を脱気して、吸着部102を初期化させてよい。
この場合、測定部170は、脱気部180による脱気をしていない状態において光センサ部120により検出された光成分と、脱気部180による脱気をした状態において光センサ部120により検出された光成分との強度差を用いて、測定対象の気体成分を測定してよい。即ち、測定部170は、初期化した吸着部102を用いた測定結果と、外気を吸着させた吸着部102を用いた測定結果とを比較することで、外気の光吸収スペクトルを測定し、当該光吸収スペクトルに基づき、外気に含まれる気体成分を特定してよい。なお、脱気部180による吸着部102の初期化は、外気を吸着させた吸着部102を用いた測定の前に実行してよく、これに代えて、外気を吸着させた吸着部102を用いた測定の後に実行してもよい。
なお、測定装置100が連続して測定する場合、測定部170による気体成分の濃度の測定結果が、前回の測定結果と比較して低減したことに応じて、脱気部180は、吸着部102を脱気してよい。即ち、例えば、一の測定タイミングにおいて測定対象の気体成分の濃度が前回の測定タイミングにおける測定対象の気体成分の濃度以下であると判定されたことに応じて、脱気部180は、吸着部102に吸着された外気を脱気する。
そして、測定部170は、一の測定タイミングにおいて吸着部102に吸着された外気が脱気されたことに応じて、一の測定タイミングにおける測定対象の気体成分の濃度を再測定する。これにより、気体成分の濃度が低減しても、脱気部180が吸着部102を初期化するので、吸着部102に前回までの測定において吸着された外気が、次の測定のバックグラウンドノイズとなることを防止して、測定装置100は、精度良く外気を測定することができる。なお、図2および図3で説明した測定装置100においても、このような脱気部180を有してよい。
図6は、本実施形態に係る測定装置100の第4構成例を示す。図6に示す第4構成例の測定装置100において、図3および図5に示された本実施形態に係る測定装置100の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。
第4構成例の測定装置100は、磁石130が第1ミラー114に取り付けられ、コイル140が筐体に固定された例を示す。この場合の磁石130およびコイル140の動作は、図3で説明した動作と略同一である。また第4構成例の測定装置100は、光学部品に取り付けられた位置検出用磁石210を更に備える。磁気センサ150は、測定装置100の筐体に対して固定される。駆動部160は、磁気センサ150により検出された、位置検出用磁石210による磁場の強さを用いて、光学部品の位置を特定する。
以上の第3構成例および第4構成例で示した測定装置100のように、光学部品を移動させる場合に用いる磁石と、光学部品の位置を特定する場合に用いる磁石は、別個独立に設けられてよい。このような第4構成例で示した測定装置100においても、外気を吸着させる吸着部102を用いるので、精度を向上させつつ、小型、低コストで、複数の対象波長の光成分を測定することができる。また、測定装置100は、吸着部102に吸着された外気を脱気する脱気部180を有してよい。
図7は、本実施形態に係る測定装置100の第5構成例を示す。図7に示す第5構成例の測定装置100において、図3に示された本実施形態に係る測定装置100の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。第5構成例の測定装置100は、光学系110が、光学部品として分光プリズム220を有する。分光プリズム220は、入射光が光センサ部120に受光される前に当該分光プリズム220を通過するように、入射光の入力部および光センサ部120の間に設けられる。
分光プリズム220は、入射光を波長分散させて光スペクトルを出射する。即ち、分光プリズム220は、入射光を波長に応じた方向に屈折させて射出する。したがって、光センサ部120を対象波長に対応する屈折方向に配置することで、当該光センサ部120は、当該対象波長の光成分を受光できる。また、複数の対象波長の屈折方向が光センサ部120の方向を向くように分光プリズム220を移動させることで、光センサ部120は、複数の対象波長の光成分を分光プリズム220の移動に伴って受光できる。
そこで、第5構成例の測定装置100は、磁石130およびコイル140のうちの一方を、測定装置100の筐体に固定し、他方を分光プリズム220に取り付ける。そして、駆動部160は、コイル140に駆動電流を流して光学部品である分光プリズム220を駆動して、対象波長を変更する。駆動部160は、入射光の分光プリズム220に対する入射角を変更させるように、分光プリズム220を移動させる。駆動部160は、例えば、XY平面における−Y方向に入射光が入射する場合、当該XY平面と略垂直なZ方向を回転軸として分光プリズム220を回転させる。
図7は、分光プリズム220に磁石130を取り付け、コイル140を測定装置100の筐体に固定した例を示す。測定装置100は、図3で説明したように、コイル140に対して固定された位置に設けられる磁気センサ150が設けられてよく、この場合、駆動部160は、磁気センサ150により検出された磁場の強さを用いて分光プリズム220の位置を特定してよい。また、駆動部160は、特定した分光プリズム220の位置を用いて、分光プリズム220の位置をフィードバック制御してよい。
なお、本実施形態における測定装置100においても、図5および図6で説明したように、コイル140が分光プリズム220に取り付けられて磁石130が固定されてよく、また、位置検出用磁石210が更に設けられてもよい。
本実施形態における測定装置100は、分光プリズム220を移動させて対象波長を変更する例を説明したが、これに代えて、光センサ部120を移動させてもよい。分光プリズム220は、入射光を波長に応じた方向に屈折させて射出するので、光センサ部120を対象波長に対応する位置に配置することで、当該光センサ部120は、対象波長の光成分を受光することができる。したがって、光センサ部120を複数の対象波長に対応する複数の位置に移動させれば、当該光センサ部120は、当該複数の対象波長の光成分を移動に伴って受光することができる。
そこで、測定装置100は、磁石130およびコイル140のうちの一方を、測定装置100の筐体に固定し、他方を光センサ部120に取り付けてよい。そして、駆動部160は、コイル140に駆動電流を流して光センサ部120を駆動して、対象波長を変更する。この場合、磁気センサ150は、光センサ部120に取り付けられた磁石130または位置検出用磁石210の磁場を検出し、駆動部160は、磁気センサ150により検出された磁場の強さを用いて光センサ部120の位置を特定してよい。
また、測定装置100は、分光プリズム220および光センサ部120をそれぞれ移動させてもよい。以上のように、第5構成例の測定装置100は、分光プリズム220および/または光センサ部120を磁石130およびコイル140を用いて移動させて、光スペクトルを測定することができるので、図3で説明したように、測定対象の光吸収スペクトルを測定することもできる。
この場合、分光プリズム220は、光路上において吸着部102の前または後ろに設けられ、入射光における対象波長の光成分を抽出する。また、測定装置100は、吸着部102に吸着された外気を脱気する脱気部180を有してよい。即ち、本実施形態に係る測定装置100においても、精度を向上させつつ、小型かつ低コストで、複数の対象波長の光成分を測定することができる。また、測定装置100は、測定タイミングに対応させて、吸着部102を初期化させることができる。
図8は、本実施形態に係る測定装置100の第6構成例を示す。図8に示す第6構成例の測定装置100において、図3および図7に示された本実施形態に係る測定装置100の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。第6構成例の測定装置100は、光学系110が光学部品としてのエタロン230を含むファブリペロー干渉計である。エタロン230は、入射光が光センサ部120に受光される前に当該エタロン230を通過するように、入射光の入力部およびエタロン230の間に設けられてよい。
エタロン230は、入射光を多重干渉させる2つの対向する反射面を有し、当該2つの反射面の光路差に応じた周期的な透過ピークを有する波長フィルタである。したがって、エタロン230は、2つの対向する反射面の間隔に応じた波長を透過させる波長フィルタとなる。また、エタロン230の2つの反射面に入射光が入射する角度に応じて、当該2つの反射面に対する当該入射光の光路差が変化するので、当該エタロン230の透過波長は、入射角度に応じて変化することになる。
したがって、測定装置100がエタロン230の入射光に対する角度を調整することで、当該エタロン230の透過波長を対象波長に略一致させることができ、光センサ部120は、当該対象波長の光成分を受光できる。また、測定装置100が、エタロン230の透過波長を複数の対象波長と一致させるようにエタロン230を移動させることで、光センサ部120は、複数の対象波長の光成分をエタロン230の移動に伴って受光できる。
そこで、第6構成例の測定装置100は、磁石130およびコイル140のうちの一方を、測定装置100の筐体に固定し、他方をエタロン230に取り付ける。そして、駆動部160は、コイル140に駆動電流を流して光学部品であるエタロン230を駆動して、対象波長を変更する。駆動部160は、入射光のエタロン230に対する入射角を変更させるように、エタロン230を移動させる。駆動部160は、例えば、XY平面における−Y方向に入射光が入射する場合、当該XY平面と略垂直なZ方向を回転軸としてエタロン230を回転させる。
図8は、エタロン230に磁石130を取り付け、コイル140を測定装置100の筐体に固定した例を示す。測定装置100は、図3で説明したように、コイル140に対して固定された位置に設けられる磁気センサ150が設けられてよく、この場合、駆動部160は、磁気センサ150により検出された磁場の強さを用いてエタロン230の位置を特定してよい。また、駆動部160は、特定したエタロン230の位置を用いて、エタロン230の位置をフィードバック制御してよい。
なお、本実施形態における測定装置100においても、図5および図6で説明したように、コイル140がエタロン230に取り付けられて磁石130が固定されてよく、また、位置検出用磁石210が更に設けられてもよい。以上のように、第6構成例の測定装置100は、エタロン230を磁石130およびコイル140を用いて移動させて、複数の対象波長の光成分を測定することができるので、測定対象の光吸収スペクトルを測定することもできる。
この場合、エタロン230は、光路上において吸着部102の前または後ろに設けられ、入射光における対象波長の光成分を抽出する。また、測定装置100は、吸着部102に吸着された外気を脱気する脱気部180を有してよい。即ち、本実施形態に係る測定装置100においても、精度を向上させつつ、小型かつ低コストで、複数の対象波長の光成分を測定することができる。また、測定装置100は、測定タイミングに対応させて、吸着部102を初期化させることができる。
以上の本実施形態に係る測定装置100は、磁石130およびコイル140を用いて光学系110の光学部品および/または光センサ部120を移動させて、測定すべき対象波長を変更して、複数の対象波長の光成分を測定することを説明した。ここで、光学系110の光学部品は、図3、図5から図8で説明したミラー、分光プリズム、およびエタロンといった光学部品に限定されない。光学部品は、グレーティング、長手方向の位置に応じて通過波長が異なるバンドパスフィルタ、液晶フィルタ、または導波路型フィルタ等でもよい。また、これらの場合においても、光学部品は、光路上において吸着部102の前または後ろに設けられ、入射光における対象波長の光成分を抽出する。
以上のように、本実施形態に係る測定装置100は、吸着部102を用いて外気の気体成分を吸着させて濃度を高め、高い検出感度で光吸収を測定する。したがって、測定装置100は、光路長を長くすること、および、光軸調整等の複雑な手間が増加するなしに、測定精度を向上させることができる。
これに加えて、測定装置100は、吸着部102を駆動させてもよい。この場合、測定装置100は、対象波長の光成分の光路上に吸着部102が無い場合を初期状態として測定し、初期状態の測定結果と当該光路上に吸着部102を移動させた場合の測定結果とを用いて、外気を測定できる。この場合、磁石およびコイルのうちの一方を、測定装置100の筐体に固定し、他方を吸着部102に取り付ける。そして、駆動部160は、コイルに駆動電流を流して吸着部102を駆動して、光路上に吸着部102を挿入するか否かを切り換えてよい。
また、測定装置100は、吸着部102の温度を検出する温度センサを備えてよい。また、測定装置100は、吸着部102の温度を調節する温度調節部を更に備えてもよい。これにより、測定装置100は、吸着部102の気体成分の吸着量を制御することができる。なお、温度調節部は、駆動部160の一部または駆動部160と一体に形成されてよい。
測定装置100は、磁石130およびコイル140を用いた簡素な構成で光学部品等を移動させて対象波長を変更するので、当該測定装置100を小型にすることができる。したがって、このような測定装置100は、携帯型の測定装置として形成されてよく、また、携帯型の装置または携帯端末等に組み込まれてもよい。測定装置100が携帯端末に組み込まれた場合の例を次に説明する。
図9は、本実施形態に係る携帯端末300の構成例を示す。携帯端末300は、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット型PC、時計、またはパソコン等である。携帯端末300は、測定装置100と、筐体310と、情報処理部320と、無線通信部330と、表示部340と、光源部350と、を備える。測定装置100は、以上で説明した測定装置100のうちのいずれかでよい。本実施形態において、測定装置100は、携帯端末300の周囲の外気に含まれる気体の成分を測定するガスセンサとして機能する例を説明する。
筐体310は、測定装置100を含む各部を収容する。筐体310は、外気を測定装置100の測定対象とするように、外気を内部に取り入れる穴部312を有する。測定装置100は、穴部312から取り入れた外気に含まれる気体の成分を測定する。
情報処理部320は、情報処理を行う。情報処理部320は、CPUを含み、通信、データ処理、および計算処理等を実行してよい。また、情報処理部320は、測定装置100の測定部170として機能してもよい。
無線通信部330は、ネットワークを介して外部と通信する。無線通信部330は、インターネットへのアクセス、メール送受信、および電話機能等を実行してよい。また、無線通信部330は、測定装置100の測定結果を、ネットワークを介して外部に送信してもよい。また、無線通信部330は、測定装置100の動作指示、動作プログラムの更新、および用いるデータの更新等を、ネットワークを介して外部から受信してもよい。
表示部340は、筐体の一の面に設けられ、画面を表示する。表示部340は、情報処理部320の処理結果、処理状況、および処理データ等を表示してよい。また、表示部340は、測定装置100の測定結果を表示してよい。
光源部350は、測定装置100に入射光を供給する。光源部350は、赤外波長領域の光を出射することが望ましい。光源部350は、LED、LD、ランプ、およびヒータ等でよい。光源部350は、筐体310における一の面と平行でない面に略垂直に入射光を測定装置100に供給してよい。即ち、光源部350は、携帯端末300の側面側から当該一の面に略平行に光を照射してよい。これにより、携帯端末300の厚さが増加することを低減させて、測定装置100を当該携帯端末300に搭載することができる。
以上のように、測定装置100は、携帯端末300に搭載され、携帯型のガスセンサとして機能してよい。本実施形態に係る携帯端末300は、光源部350を備え、測定装置100に入射光を供給することを説明したが、これに限定されるものではない。例えば、携帯端末300は、太陽光、照明、および街灯等を光源として用いる。また、携帯端末300は、発熱体、暖房装置、および動物の体温等、外部の熱源等を光源として用いてもよい。
この場合、携帯端末300は、筐体310に光入力用の穴部を設けることで、外部から入射する光を光源として用いることができる。なお、筐体310は、表示部340が設けられる位置の面と略垂直な側面側に光入力用の穴部が設けられてよい。そして、測定装置100は、筐体310における一の面と平行でない面から入射光を入射してよい。
これに代えて、携帯端末300は、内部の発熱体を光源として用いてもよい。この場合、測定装置100は、情報処理部320、無線通信部330、または電源の少なくとも一部の部品から放射される赤外光を入射光として受けてよい。これにより、測定装置100は、更に小型化することができる。
以上の本実施形態に係る携帯端末300は、測定装置100を搭載してガスセンサの機能を加えたデバイスの例を説明した。これに代えて、測定装置100は、単独のセンサ装置として形成されてもよい。このようなセンサ装置は、例えば、赤外光を出力する光源部と、測定装置100を備え、当該測定装置100は、光源部からの赤外光を入射光として受ける。これにより、高精度、小型、かつ、低コストのガスセンサ等を提供することができるので、このようなセンサ装置を複数個所に設置することで、異常等の発生をより早期に発見することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10 検出装置、12 光フィルタ、14 光センサ部、100 測定装置、102 吸着部、110 光学系、112 ビームスプリッタ、114 第1ミラー、116 第2ミラー、120 光センサ部、130 磁石、140 コイル、150 磁気センサ、160 駆動部、170 測定部、180 脱気部、210 位置検出用磁石、220 分光プリズム、230 エタロン、300 携帯端末、310 筐体、312 穴部、320 情報処理部、330 無線通信部、340 表示部、350 光源部

Claims (19)

  1. 外気を吸着させる吸着部と、
    光路上において前記吸着部の前または後ろに設けられ、入射光における対象波長の光成分を抽出する光学系と、
    前記吸着部および前記光学系を通過した光成分を検出する光センサ部と
    を備える測定装置。
  2. 前記光センサ部により検出された前記光成分を測定する測定部を更に備える請求項1に記載の測定装置。
  3. 前記測定部は、検出された前記光成分を用いて、前記吸着部に吸着された対象の気体成分を測定する請求項2に記載の測定装置。
  4. 前記測定部は、
    検出された前記光成分を用いて前記対象の気体成分の吸着量を測定し、
    前記吸着量に基づいて、外気中における前記対象の気体成分の濃度を算出する
    請求項3に記載の測定装置。
  5. 前記吸着部に吸着された外気を脱気する脱気部を更に備える請求項3または4に記載の測定装置。
  6. 前記脱気部は、前記吸着部に含まれる吸着剤を加熱することにより、前記吸着剤に吸着された外気を脱気する請求項5に記載の測定装置。
  7. 前記測定部は、前記脱気部による脱気をしていない状態において前記光センサ部により検出された光成分と、前記脱気部による脱気をした状態において前記光センサ部により検出された光成分との強度差を用いて前記対象の気体成分を測定する請求項6に記載の測定装置。
  8. 一の測定タイミングにおいて前記対象の気体成分の濃度が前回の測定タイミングにおける前記対象の気体成分の濃度以下であると判定されたことに応じて、前記脱気部は、前記吸着部に吸着された外気を脱気し、
    前記測定部は、前記一の測定タイミングにおいて前記吸着部に吸着された外気が脱気されたことに応じて、前記一の測定タイミングにおける前記対象の気体成分の濃度を再測定する
    請求項6または7に記載の測定装置。
  9. 前記光学系に含まれる光学部品を駆動して前記対象波長を変更する駆動部を更に備える請求項1から8のいずれか一項に記載の測定装置。
  10. 前記光学系は、
    前記入射光の一部を反射し、一部を通過させるビームスプリッタと、
    前記ビームスプリッタを通過した光を反射して、前記ビームスプリッタを介して前記光センサ部へと入射させる第1ミラーと、
    前記ビームスプリッタにより反射された光を反射して、前記ビームスプリッタを介して前記光センサ部へと入射させる第2ミラーと、
    を有し、
    前記駆動部は、前記第1ミラー及び前記第2ミラーの一方を駆動する
    請求項9に記載の測定装置。
  11. 前記光学系は、前記光学部品として分光プリズムを有する請求項9に記載の測定装置。
  12. 前記光学系は、前記光学部品としてのエタロンを含むファブリペロー干渉計である請求項9に記載の測定装置。
  13. 前記光学系は、前記光学部品としてのグレーティングを含む干渉計である請求項9に記載の測定装置。
  14. 筐体と、
    情報処理を行う情報処理部と、
    無線ネットワークを介して外部と通信する無線通信部と、
    前記筐体の一の面に設けられ、画面を表示する表示部と、
    請求項1から13のいずれか一項に記載の測定装置と、
    を備える携帯端末。
  15. 前記測定装置は、前記筐体における前記一の面と平行でない面から前記入射光を入射する請求項14に記載の携帯端末。
  16. 前記測定装置は、前記情報処理部、前記無線通信部、または電源の少なくとも一部の部品から放射される赤外光を前記入射光として受ける請求項14に記載の携帯端末。
  17. 吸着部に外気を吸着させ、
    光路上において前記吸着部の前または後ろに設けられた光学系により、前記光学系の入射光における対象波長の光成分を抽出させ、
    前記吸着部および前記光学系を通過した光成分を検出する
    測定方法。
  18. 検出された光成分を測定する請求項17に記載の測定方法。
  19. 検出された前記光成分を用いて、前記吸着部に吸着された対象の気体成分を測定する請求項18に記載の測定方法。
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