JP2017154056A - 液状組成物およびその製造方法 - Google Patents

液状組成物およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017154056A
JP2017154056A JP2016037909A JP2016037909A JP2017154056A JP 2017154056 A JP2017154056 A JP 2017154056A JP 2016037909 A JP2016037909 A JP 2016037909A JP 2016037909 A JP2016037909 A JP 2016037909A JP 2017154056 A JP2017154056 A JP 2017154056A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mineral
water
action
liquid composition
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016037909A
Other languages
English (en)
Inventor
孝一 古▲崎▼
Koichi Furusaki
孝一 古▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
RIKEN TECHNO SYSTEM KK
Santa Mineral Co Ltd
Original Assignee
RIKEN TECHNO SYSTEM KK
Santa Mineral Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by RIKEN TECHNO SYSTEM KK, Santa Mineral Co Ltd filed Critical RIKEN TECHNO SYSTEM KK
Priority to JP2016037909A priority Critical patent/JP2017154056A/ja
Publication of JP2017154056A publication Critical patent/JP2017154056A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】様々な生分解様作用を発現する液状組成物の製造方法を提供する。【解決手段】電磁波放射性のミネラル成分を含有するミネラル機能水と糖成分を含む糖質溶液とを混合し、ミネラル糖質混合溶液を得る混合工程と、前記ミネラル糖質混合溶液に、正極及び負極を挿入し、正極及び負極間に直流電圧を印加して、ミネラル糖質混合溶液を電気分解する電気分解工程と、を含み、生分解様作用を有することを特徴とする液状組成物の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、ミネラル機能水を原料として得られる、生分解様作用を有する液状組成物およびその製造方法に関する。
ミネラル成分を含有する水には、土壌改質作用、植物育成作用、有害化学物質分解作用、消臭作用、空気浄化作用等の効能がある可能性があるとされ、従来より様々なミネラル含有水やミネラル含有水の製造設備が開発されている。
本発明者は、絶縁体で被覆された導電線及びミネラル付与材(A)を水に浸漬し、前記導電線に直流電流を導通させ、前記導電線の周囲の水に前記直流電流と同方向の水流を発生させ、前記水に超音波振動を付与して原料ミネラル水溶液(A)を形成する手段と、形成された原料ミネラル水溶液(A)に遠赤外線を照射してミネラル含有水(A)を形成する遠赤外線発生手段と、を備えたミネラル含有水製造装置(A)を開発している(特許文献1参照)。
また、本発明者らは、ミネラル含有水製造装置(A)と、互いに種類の異なるミネラル付与材(B)が充填された複数の通水容器と、複数の前記通水容器を直列に連通する送水経路と、複数の前記通水容器とそれぞれ並列した状態で前記送水経路に連結された迂回水路と、前記送水経路と前記迂回水路との分岐部にそれぞれ設けられた水流切替弁と、を備えたミネラル含有水製造装置(B)を備えたミネラル機能水製造設備を開発している(特許文献5参照)。そして、当該ミネラル機能水製造設備を用いると特徴的な波長の遠赤外線を発生する機能を有するミネラル機能水(遠赤外線発生水)が製造できることを報告している。また、本発明者らは、特許文献2で開示したミネラル機能水製造設備を使用し、ミネラル付与材の種類や配合割合を中心に検討を重ねた結果、ある特定の条件で製造されたミネラル機能水が単細胞生物やウィルス等に対する優れた防除作用を示すことを報告している(特許文献3)。
特許第4817817号公報 特開2011−56366号公報 特許第5864010号公報
上述のように、従来から様々なミネラル含有水が報告されているが、ミネラル含有水の効果は科学的に実証されていないものも多くあり、ミネラル含有水の真の作用に付いては、未だ明確にされていない部分も多い。そのため、従来のミネラル含有水には、その効能を謳いながら実際には効能を有していないものや、効能を有しても実用には不十分であったり、効能の再現性が乏しいものも少なくない。
特許文献1,2で報告している装置において製造されるミネラル機能水においても、目標とする有効な効能を発現するミネラル機能水を確実に生産できているとはいえなかった。特に特許文献2で報告したミネラル含有水製造装置(A)及び(B)で使用するミネラル成分の原料(ミネラル付与材)の種類や配合割合が複雑に関与しており、どのようなミネラル付与材を用いれば、どのような効能を発現するミネラル機能水を得られるかは必ずしも判明していなかったのが実状であった。そして、これまで得られたミネラル機能水を原料として新たな機能を付与することについては十分に検討されていなかった。
かかる状況下、本発明の目的は、様々な生分解様作用を発現する液状組成物の製造方法を提供することである。
本発明者らは、開発した電磁波放射性のミネラル成分を含有するミネラル機能水を原料とし、これに新たな機能を付与するために、鋭意研究を重ねた結果、糖質と共に直流電圧で電気分解を行うことにより、様々な生分解様作用を有する液状組成物が得られることを見出し、本発明に至った。
本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> 電磁波放射性のミネラル成分を含有するミネラル機能水と、糖成分を含む糖質溶液とを混合し、ミネラル糖質混合溶液を得る混合工程と、
前記ミネラル糖質混合溶液に、正極及び負極を挿入し、正極及び負極間に直流電圧を印加して、ミネラル糖質混合溶液を電気分解する電気分解工程と、
を含み、生分解様作用を有することを特徴とする液状組成物の製造方法。
<2> 前記ミネラル機能水が、株式会社理研テクノシステム製ミネラル機能水CAC−717またはミネラル機能水A20ACA−717である<1>に記載の液状組成物の製造方法。
<3> 前記糖質溶液が、糖質成分として、少なくともグルコース及びフルクトースを含む<1>または<2>に記載の液状組成物の製造方法。
<4> <1>から<3>のいずれかの方法で製造されてなり、生分解様作用を有する液状組成物。
<5> 生分解様作用が、植物活性化作用、残留農薬消去作用、害虫駆除作用、界面浄化作用、堆肥活性化作用、消臭作用、家畜育成作用、及び水浄化作用から選択される1種以上である<4>に記載の液状組成物。
本発明によれば、有益な生分解様作用を有する液状組成物が提供される。
ミネラル機能水製造設備の概略構成を示すブロック図である。 図1に示すミネラル機能水製造設備を構成するミネラル含有水(A)製造装置の一部をなすミネラル含有水溶液製造手段の模式図である。 図2のA−A線における一部省略断面図である。 図2に示す原料ミネラル水溶液製造手段に使用するミネラル付与材(A)の収納容器を示す斜視図である。 図2に示す原料ミネラル水溶液製造手段における導電線付近の反応状態を示す模式図である。 図1に示すミネラル機能水製造設備を構成するミネラル含有水(A)製造装置の一部をなす遠赤外線照射装置の概略断面図である。 図1に示すミネラル機能水製造設備を構成するミネラル含有水(B)製造装置のブロック図である。 図1に示すミネラル機能水製造設備を構成するミネラル含有水(B)製造装置を示す正面図である。 図8に示すミネラル含有水(B)製造装置の側面図である。 図8に示すミネラル含有水製造装置(B)の構成を示す一部省略斜視図である。 図8に示すミネラル含有水製造装置(B)を構成する通水容器の側面図である。
以下、本発明について例示物等を示して詳細に説明するが、本発明は以下の例示物等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。なお、本明細書において、「〜」とはその前後の数値又は物理量を含む表現として用いるものとする。
<1.液状組成物の製造方法>
本発明は、電磁波放射性のミネラル成分を含有するミネラル機能水と、糖成分を含む糖質溶液とを混合し、ミネラル糖質混合溶液を得る混合工程と、
前記ミネラル糖質混合溶液に、正極及び負極を挿入し、正極及び負極間に直流電圧を印加して、ミネラル糖質混合溶液を電気分解する電気分解工程と、
を含み、生分解様作用を有する液状組成物の製造方法(以下、「本発明の液状組成物の製造方法」又は単に「本発明の製造方法」と記載する。)に関する。
本発明の製造方法は、電磁波放射性のミネラル成分を含有するミネラル機能水と糖成分を含む糖質溶液との混合溶液に、直流電圧を印加することにより得られる液状組成物に様々な生分解様作用が発現することに基づく。なお、電磁波放射性のミネラル成分を含有するミネラル機能水は、後述する製造装置を使用した製造方法より好適に製造することができる。
本発明における「生分解様作用」とは、いわゆる、微生物や分解酵素による生分解作用に類する作用を意味する。すなわち、「微生物や分解酵素を使用せず、液状組成物に含まれるミネラル成分(及びその他の成分の相互作用)により、分解対象物が、より低分子の無機物又は有機物に分解される作用」を意味する。
本発明の液状組成物は、ミネラル成分が主体であり、微生物や分解酵素を積極的に添加しているわけではないため、通常の「生分解様作用」と区別するために、「生分解様作用」とする。
なお、「分解対象物」は、これがより小さい物質に分解されうるものであれば対象となり、いわゆるポリマーや、タンパク質等の高分子物質のみならず、低分子物質の集合体、会合体等を含む。
本発明の製造方法で得られる液状組成物が有する生分解様作用としては、原料となるミネラル機能水、糖質溶液における糖質の種類、混合工程、電気分解工程における諸条件等によって様々であり、例えば、植物活性化作用、残留農薬消去作用、害虫駆除作用、界面浄化作用、堆肥活性化作用、消臭作用、家畜育成作用、及び水浄化作用等が挙げられる。
以下、本発明の液状組成物の製造方法における混合工程、電気分解工程について説明する。
<1−1.混合工程>
混合工程は、原料であるミネラル機能水及び糖質溶液とを混合し、ミネラル糖質混合溶液を得る工程である。
<ミネラル機能水>
「ミネラル機能水」とは、ミネラル成分を含有し、少なくとも一種以上の有効な効能を発現するものを意味する概念である。以下、本明細書において、本発明の液状組成物の製造方法の原料として使用されるミネラル機能水を「本発明のミネラル機能水」、または単に「ミネラル機能水」と記載するものとする。
なお、本明細書において、「ミネラル成分」は、狭義のミネラルの定義である「4元素(炭素・水素・窒素・酸素)を除外した無機成分(微量元素含む)」を意味するものではなく、無機成分と共存する態様であれば、狭義の定義で除外されている前記4元素(炭素・水素・窒素・酸素)を含んでいてもよい。そのため、例えば、「植物由来のミネラル成分」は、カルシウム等の植物由来の無機成分と共に、植物由来の有機成分が含まれる場合も含む概念である。
また、(ミネラル成分を構成する)無機成分としては、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、及びリン等、微量元素として鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、及びモリブデン等がそれぞれ例示できるがこれに限定されない。
また、本明細書において、「ミネラル含有水」とは、ミネラル機能水を製造する際における、前段階の原料水であり、ミネラル含有水もミネラル成分を含有する。詳細は本発明のミネラル機能水の製造方法として後述する。なお、ミネラル含有水はそれ自身が有効な効能を有していても、有していなくてもよい。
<ミネラル機能水の製造方法>
電磁波放射作用を有するミネラル成分を含有するミネラル機能水(以下、「本発明のミネラル機能水」と称する場合がある。)は、製造方法は特に限定されないが、好適には上記特許文献2(特開2011−56366号公報)で開示された装置を使用して、同文献で開示された方法に準じる方法で製造することができる。
なお、この製造装置を使用する製造方法以外にも、電磁波放射作用を有するミネラル成分を含有するミネラル機能水を得られるならば、製造方法は限定されない。
以下、特許文献2(特開2011−56366号公報)で開示された装置を使用する、本発明のミネラル機能水の製造方法の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明は、本発明の液状組成物の好適な原料ミネラル機能水のひとつである、株式会社理研テクノシステム製ミネラル機能水CAC−717を製造する方法に相当するが、これは例示であり、原料を初めとする製造条件を適宜変更することにより、他のミネラル機能水を製造することができる。そして、本発明の液状組成物の原料ミネラル機能水は、ミネラル機能水CAC−717に限定されず、目的とする生分解様作用に対応して他のミネラル機能水も使用可能である。
図1に示すように、ミネラル機能水製造設備1は、ミネラル含有水(A)製造装置2と、ミネラル含有水(B)製造装置3と、ミネラル含有水(A)製造装置2で製造されたミネラル含有水(A)44にミネラル含有水(B)製造装置3で製造されたミネラル含有水(B)45を混合してミネラル機能水47を形成する混合手段である混合槽46と、を備えている。
ミネラル含有水(A)製造装置2は、水道から供給される水11と後述するミネラル付与材(A)12(図4参照)を原料として原料ミネラル水溶液(A)41を形成する原料ミネラル水溶液製造手段10と、原料ミネラル水溶液製造手段10で得られた原料ミネラル水溶液(A)41に遠赤外線を照射してミネラル含有水(A)44に変化させる遠赤外線発生手段43と、を備えている。
ミネラル含有水(B)製造装置3は、外部から供給される水Wを通水容器51〜56に通過させることによってミネラル付与材から溶出したミネラル成分を含有するミネラル含有水(B)45を形成する機能を有する。
以下、ミネラル含有水(A)製造装置2及びミネラル含有水(B)製造装置3について詳細に説明する。
(ミネラル含有水(A)製造装置)
次に、図2〜図6に基づいて、図1に示すミネラル機能水製造設備1を構成するミネラル含有水(A)製造装置2について説明する。図1に示すように、ミネラル含有水(A)製造装置2は、水道から供給される水11と後述するミネラル付与材(A)12(図4参照)を原料として原料ミネラル水溶液(A)41を形成する原料ミネラル水溶液製造手段10(図2参照)と、原料ミネラル水溶液製造手段10で得られたミネラル含有水(A)溶液41に遠赤外線を照射してミネラル含有水(A)44に変化させる遠赤外線発生手段43(図6参照)と、を備えている。
図2,図3に示すように、原料ミネラル水溶液製造手段10は、水11及びミネラル付与材(A)12を収容可能な反応容器13と、絶縁体14で被覆された状態で反応容器13内の水11に浸漬された導電線15と、反応容器13内の水11に超音波振動を付与するための超音波発生手段16と、導電線15に直流電流DCを導通させるための直流電源装置17と、導電線15の周囲の水11に直流電流DCと同方向の水流Rを発生させる手段である循環経路18a,18b及び循環ポンプPと、を備えている。直流電源装置17、超音波発生手段16及び循環ポンプPはいずれも一般の商用電源からの給電により作動する。
反応容器13は、上面が開口した倒立円錐筒状であり、その頂点に相当する底部には排水口19が設けられ、この排水口19には循環ポンプPの吸込口P1に連通する循環経路18aが接続され、排水口19直下には循環経路18aへの排水量を調節するための開度調節バルブ20と、反応容器13内の水などを排出するための排水バルブ21が設けられている。
循環ポンプPの吐出口P2には循環経路18bの基端部が接続され、循環経路18bの先端部は収容槽22に接続されている。収容槽22外周の底部付近には、収容槽22内の水11を反応容器13内へ送り込むための循環経路18cの基端部が接続され、循環経路18cの先端部は反応容器13の開口部に臨む位置に配管されている。循環経路18cには、収容槽22から反応容器13へ送り込む水量を調節するための開度調節バルブ23が設けられている。
収容槽22の底部には、排水バルブ25及び水温計26を有する排水管24が垂下状に接続されている。必要に応じて排水バルブ25を開くと、収容槽22内の水が排水管24の下端部から排出することができ、このとき排水管24を通過する水11の温度を水温計26で計測することができる。
図5に示すように、導電線15とこれを被覆する絶縁体14からなる複数の導電ケーブル29(29a〜29g)はそれぞれ反応容器13内の深さの異なる複数位置に円環状をなすように配線され、これらの円環状の導電ケーブル29a〜29gはいずれも反応容器13と略同軸上に配置されている。それぞれの導電ケーブル29a〜29gの内径は倒立円錐筒状の反応容器13の内径に合わせて段階的に縮径しており、それぞれの配置箇所に対応した内径となっている。各導電ケーブル29a〜29gは、反応容器13の壁体13aに設けられた絶縁性のターミナル30に着脱可能に結線されているため、必要に応じて、円環状の部分をターミナル30から取り外したり、取り付けたりすることができる。
反応容器13内の軸心に相当する部分には、絶縁性の網状体で形成された有底円筒状の収納容器31が配置され、この収納容器31内にミネラル付与材(A)12が充填されている。この収納容器31はその上部に設けられたフック31fにより、反応容器13の壁体13a上縁部に着脱可能に係止されている。
図2に示すように、循環経路18a,18bの外周にはそれぞれ導電ケーブル29s,29tが螺旋状に巻き付けられ、これらの導電ケーブル29s,29tに対し、直流電源装置17から直流電流DCが供給される。導電ケーブル29s,29tを流れる直流電流DCの向きは循環経路18a,18b内を流動する水流の向きと略一致するように設定されている。
原料ミネラル水溶液製造手段10において、反応容器13内及び収容槽22内に所定量の水11を入れ、ミネラル付与材(A)12が充填された収納容器31を反応容器13内の中心にセットした後、循環ポンプPを作動させるとともに、反応容器13底部の開度調節バルブ20及び循環経路18cの開度調節バルブ23を調節して、反応容器13から排水口19、循環経路18a、循環ポンプP、循環経路18b、収容槽22及び循環経路18cを経由して再び反応容器13の上部に戻るように水11を循環させる。そして、直流電源装置17、超音波発生手段16を作動させると、収納容器31内のミネラル付与材(A)12から水11へのミネラル成分の溶出反応が始まる。
原料ミネラル水溶液製造手段10を使用して原料ミネラル水溶液(A)を製造する際の作業条件は特に限定しないが、本実施形態では、以下の作業条件で原料ミネラル水溶液(A)の製造を行った。
(1)導電ケーブル29,29s,29tには電圧8000〜8600V、電流0.05〜0.1Aの直流電流DCを導通させた。なお、導電ケーブル29などを構成する絶縁体14はポリテトラフルオロエチレン樹脂で形成されている。
(2)反応容器13内に充填されたミネラル付与材(A)12は、水11に対し質量比で10〜15%充填されている。ミネラル付与材(A)12の具体的な説明は後述する。
(3)水11は、直流電流DCが作用するように電解質を含むものであればよい。例えば、水100リットルに対して、電解質である炭酸ナトリウムを10g程度溶解したものなどを使用しているが、地下水であればそのまま使用することができる。
(4)超音波発生手段16は周波数30〜100kHzの超音波を発生するものであり、その超音波振動部(図示せず)が反応容器13内の水11に直接触れて加振するように超音波発生手段16を配置している。
このような条件で原料ミネラル水溶液製造手段10を稼働させると、反応容器13内には、左ねじ方向に回転しながら排水口19に吸い込まれる水流Rが発生し、排水口19から排出された水11は、前述した循環経路18a,18bなどを経由して、再び、反応容器13内へ戻るという状態が継続される。
従って、水流Rによる撹拌作用、導電ケーブル29を流れる直流電流の作用及び超音波発生手段16が水11に付与する超音波振動により、ミネラル付与材(A)12からミネラル成分が速やかに水11中に溶出して、必要とするミネラル成分が適度に溶け込んだ原料ミネラル水溶液(A)を効率良く製造することができる。
原料ミネラル水溶液製造手段10においては、円環状をした複数の導電ケーブル29a〜29gを反応容器13内に略同軸上に配線するとともに、反応容器13内で左ねじ方向に回転する水流Rを発生させている。従って、一定容積の反応容器13内に比較的密状態の電気エネルギーの場を形成することができ、比較的小さな容積の反応容器13内で効率良く原料ミネラル水溶液(A)を製造することができる。
また、反応容器13は倒立円錐筒状であるため、円環状をした複数の導電ケーブル29a〜29gに沿って流動する水流Rを比較的容易且つ安定的に発生させることができ、これによってミネラル成分の溶出が促進される。また、倒立円錐筒状の反応容器13内を流動する水流Rは、反応容器13底部の排水口19に向かうにつれて流速が増大するため、ミネラル付与材(A)12との接触頻度も増大し、水11中に存在する自由電子eを捕捉してイオン化するミネラル量を増加させることができる。
さらに、循環経路18b,18cの間に水11を貯留しながら排出する収容槽22を設けているため、反応容器13の容積を超える分量の水11を循環させながらミネラル溶出反応を進行させることが可能である。このため、原料ミネラル水溶液(A)を効率良く大量生産することができる。
循環ポンプPを連続運転して、これらの反応を継続させると、最終的にはミネラル成分が溶出した原料ミネラル水溶液(A)が生成される。反応容器13底部の排水口19の大きさ、循環水量の多少、反応容器13の形状(特に、図2に示す軸心Cと壁体13aとの成す角度γ)などにより、水11中における自由電子eの出現状況をコントロールすることができ、ミネラル付与材(A)12に自由電子eが与える作用により、ミネラル成分の水溶性が左右される。
原料ミネラル水溶液(A)が形成されたら、この原料ミネラル水溶液(A)41を、図6に示す処理容器40内へ移す。この場合、反応容器13内において収納容器31から漏出したミネラル付与材(A)12の残留物は反応容器13の底部にある排水バルブ21から排出することができる。処理容器40内に収容した原料ミネラル水溶液(A)41は、撹拌羽根42でゆっくりと撹拌しながら、処理容器40内部に配置された遠赤外線発生手段43により遠赤外線を照射する。
なお、遠赤外線発生手段43は、波長6〜14μm程度の遠赤外線を発生するものであれば良く、材質や発生手段などは問わないので、加熱方式であってもよい。ただし、25℃において、6〜14μm波長域の黒体放射に対して85%以上の放射比率を有するものが望ましい。
図2に示す原料ミネラル水溶液製造手段10においては、水流Rによる撹拌作用、導電線15を流れる直流電流DCの作用及び超音波振動により、ミネラル付与材(A)12に含まれるミネラル成分が速やかに水11中に溶出して、必要とするミネラル成分が適度に溶け込みミネラル水溶液41を効率良く製造することができる。
そして、図6に示す遠赤外線発生手段43において、ミネラル水溶液41に遠赤外線を照射することにより、溶解したミネラル成分と水分子とが融合して電気陰性度の高まったミネラル含有水(A)44が形成される。
ミネラル含有水(A)製造装置2において、前述した工程により形成されたミネラル含有水(A)44は、図1に示すように、送水経路57yを経由して混合槽46へ送り込まれ、混合槽46内において、ミネラル含有水(B)製造装置3から送り込まれたミネラル含有水(B)45と混合される。
以下、ミネラル付与材(A)について説明する。
ミネラル付与材(A)は、キク科の草木植物及びバラ科の草木植物からなる草木植物原料、並びにカエデ、白樺、松及び杉から選択される1種以上の木本植物からなる木本植物原料を含有する。使用される部位は、葉部、茎部、花部、樹皮部等のミネラル成分が溶出しやすい部位が適宜選択され、そのまま用いてもよいが、乾燥物として用いてもよい。
なお、キク科及びバラ科以外の草木植物以外にも他の草木植物を含んでもよいが、キク科及びバラ科の草木植物のみであることが好ましい。例えば、理由は不明であるが、アブラナ科やマツ科の草木植物を加えると、本発明のミネラル機能水の有用な効能のひとつである単細胞生物の防除作用が大きく低下する。
ミネラル付与材(A)として、ミネラル付与材(A')が挙げられる。ミネラル付与材(A')は、前記草木植物原料として、野アザミ(葉部、茎部及び花部):8〜12重量%、ヨモギ(葉部及び茎部)、ツワブキ(葉部及び茎部)を、それぞれ8〜12重量%、55〜65重量%、27〜33重量%となる割合で混合し、乾燥させた後に粉砕したキク科植物の乾燥粉砕物、及び、
ノイバラ(葉部、花部)、ダイコンソウ(葉部及び茎部)、キイチゴ(葉部、茎部及び花部)を、それぞれ17〜23重量%、8〜12重量%、65〜75重量%の割合で混合し、乾燥させた後に粉砕したバラ科植物の乾燥粉砕物を使用し、
当該キク科植物の乾燥粉砕物とバラ科植物の乾燥粉砕物とを、1:0.8〜1:1.2(重量比)で混合して得られる草木植物原料(A1)と、
前記木本植物原料として、カエデ(葉部及び茎部)、白樺(葉部、茎部、及び樹皮部)、杉(葉部、茎部、及び樹皮部)を、それぞれ22〜28重量%、22〜28重量%、45〜55重量%となる割合で混合し、乾燥させた後に粉砕した乾燥粉砕物からなる木本植物原料(A2)とを、
草木植物原料(A1)と木本植物原料(A2)の重量比で1:2.7〜1:3.3となるように混合して得られるミネラル付与材である。
ミネラル付与材(A')の中でも、特には前記草木植物原料として、野アザミ(葉部、茎部及び花部)、ヨモギ(葉部及び茎部)、ツワブキ(葉部及び茎部)を、それぞれ10重量%、60重量%、30重量%となる割合で混合し、乾燥させた後に粉砕したキク科植物の乾燥粉砕物、及び、ノイバラ(葉部、花部)、ダイコンソウ(葉部及び茎部)、キイチゴ(葉部、茎部及び花部)を、それぞれ20重量%、10重量%、70重量%の割合で混合し、乾燥させた後に粉砕したバラ科植物の乾燥粉砕物を、1:1(重量比)で混合して得られる草木植物原料(A1)と、
前記木本植物原料として、カエデ(葉部及び茎部)、白樺(葉部、茎部、及び樹皮部)、杉(葉部、茎部、及び樹皮部)を、それぞれ25重量%、25重量%、50重量%となる割合で混合し、乾燥させた後に粉砕した乾燥粉砕物からなる木本植物原料(A2)とを、草木植物原料(A1)と木本植物原料(A2)の重量比で1:3となるように混合して得られるミネラル付与材であることが好ましい。
このような草木植物原料(A1)として、株式会社理研テクノシステム製「P−100(品番)」、木本植物原料(A2)として、株式会社理研テクノシステム製「P−200(品番)」を好適に使用することができる。
また、他のミネラル機能水を製造するためには、草木植物原料(A1)や木本植物原料(A2)の種類を変える。
例えば、ミネラル機能水CAC−717に代えて、ミネラル機能水A20ACA−717を製造する場合には、草木植物原料(A1)として、株式会社理研テクノシステム製「P−101(品番)」、木本植物原料(A2)として、株式会社理研テクノシステム製「P−201(品番)」を使用すればよい。
また、草木植物原料(A1)や木本植物原料(A2)以外の動植物種もミネラル機能水の原料に成り得る。
(ミネラル含有水(B)製造装置)
次に、図1,図7に基づいて、ミネラル含有水(B)製造装置3の構造、機能などについて説明する。
図1,図7に示すように、ミネラル含有水(B)製造装置3は、互いに種類の異なるミネラル付与材(B)が充填された第1通水容器51〜第6通水容器56と、第1通水容器51〜第6通水容器56を直列に連通する送水経路57と、第1通水容器51〜第6通水容器56とそれぞれ並列した状態で送水経路57に連結された迂回水路51p〜56pと、各迂回水路51p〜56pと送水経路57との分岐部にそれぞれ設けられた水流切替弁51v〜56vと、を備えている。
水流切替弁51v〜56vの切替操作は、これらの水流切替弁51v〜56vと信号ケーブル59で結ばれた操作盤58に設けられた6個の切替ボタン51b〜56bを操作することによって実行することができる。6個の切替ボタン51b〜56bと6個の水流切替弁51v〜56vとがそれぞれの番号ごとに対応しているので、切替ボタン51b〜56bの何れかを操作すれば、それと対応する番号の水流切替弁51v〜56vが切り替わり、水流方向を変えることができる。
ここで、ミネラル付与材(B)51m〜56mは、好適には石灰石、化石サンゴ、貝殻をベースとした原料を混合して製造することができる。
まず、石灰石、化石サンゴ、貝殻に含まれる成分を分析し、それぞれに二酸化ケイ素、酸化鉄、活性炭、窒化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウムの量を評価する。そして、各成分の含有量を基に、石灰石、化石サンゴ、貝殻を混合し、ミネラル付与材(B)51m〜56mを製造する。
なお、上記ミネラル付与材(B)51m〜56mは、石灰石、化石サンゴ、貝殻の混合比によって含有する成分をコントロールすることが望ましいが、原料とする石灰石、化石サンゴ、貝殻は、産地によって含有される成分が不足する場合があるので、必要に応じて二酸化ケイ素、酸化鉄、活性炭、窒化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウムを追加してもよい。特に活性炭は、石灰石、化石サンゴ、貝殻にほとんど含まれないため、通常、別途追加する。
ミネラル付与材(B)51m〜56mとして、
第1通水容器51内のミネラル付与材(B1)が、石灰石、化石サンゴ、貝殻をそれぞれ70重量%、15重量%、15重量%を含む混合物、
第2通水容器52内のミネラル付与材(B2)が、石灰石、化石サンゴ、貝殻、活性炭をそれぞれ40重量%、15重量%、40重量%、5重量%を含む混合物、
第3通水容器53内のミネラル付与材(B3)が、石灰石、化石サンゴ、貝殻をそれぞれ80重量%、15重量%、5重量%を含む混合物、
第4通水容器54内のミネラル付与材(B4)が、石灰石、化石サンゴ、貝殻をそれぞれ90重量%、5重量%、5重量%を含む混合物、
第5通水容器55内のミネラル付与材(B5)が、石灰石、化石サンゴ、貝殻をそれぞれ80重量%、10重量%、10重量%を含む混合物、
第6通水容器56内のミネラル付与材(B6)が、石灰石、化石サンゴ、貝殻を60重量%、30重量%、10重量%を含む混合物、であると、ミネラル含有水(A)と混合させた際に優れた防除作用を発現するミネラル含有水(B)を得ることができる。
特に、ミネラル付与材(B1)〜(B6)に使用される、石灰石、化石サンゴ、貝殻が、以下の(1−1)〜(1−3)であることが好ましい。
(1−1)石灰石:
下記成分を含む火山性鉱床が混在する石灰岩を粉砕した、3cm程度の小石状物
炭酸カルシウム:50重量%以上
酸化鉄:3〜9重量%の鉄
酸化チタン、炭化チタン、窒化チタンの合計:0.8重量%以上
炭酸マグネシウム:7〜10重量%
このような石灰石として、株式会社理研テクノシステム製「CC−200(品番)」を好適に使用することができる。
(1−2)化石サンゴ:
下記2種類の化石サンゴを1:9の重量比で混合し、3〜5mmに粉砕した粒状物
地下約100メートルより産出し重圧により結晶組成が変性した化石サンゴ。
沖縄奄美大島付近の陸地から産出する化石サンゴ(炭酸カルシウムやリン酸カルシウムその他微量元素を含む)
このような化石サンゴとして、株式会社理研テクノシステム製「CC−300(品番)」を好適に使用することができる。
(1−3)貝殻:
アワビ、トコブシ、フジツボを同じ重量で混合し3〜5mmに粉砕した粒状物
このような貝殻として、株式会社理研テクノシステム製「CC−400(品番)」を好適に使用することができる。
(1−4)活性炭
活性炭は、任意の原料から製造したものを使用することができるが、好ましくはヤシガラを原料として製造した活性炭が挙げられる。例えば、タイ産のヤシガラを原料とした、株式会社理研テクノシステム製「CC−500(品番)」が挙げられる。
前述した操作盤58の切替ボタン51b〜56bを操作して、水流切替弁51v〜56vを通水容器側へ切り替えれば、送水経路57を流れてきた水は、操作された水流切替弁より下流側にある第1通水容器51〜第6通水容器56内へ流れ込み、水流切替弁51v〜56vを迂回水路側へ切り替えれば、送水経路57を流れてきた水は、操作された水流切替弁より下流側の迂回水路51p〜56pへ流れ込む。従って、切替ボタン51b〜56bの何れかを操作して水流切替弁51v〜56vを選択的に切り替えることにより、第1通水容器51〜第6通水容器56ごとに異なるミネラル付与材(B)51m〜56mから溶出するミネラル成分を選択的に溶け込ませたミネラル含有水(B)45を形成することができる。
次に、図8〜図11に基づいて、実際のミネラル含有水(B)製造装置3の構造、機能などについて説明する。なお、図8〜図10においては、前述した迂回水路51p〜56p,水流切替弁51v〜56v,操作盤58及び信号ケーブル59を省略している。
図8,図9に示すように、ミネラル含有水(B)製造装置3は、架台60に搭載された略円筒形状の第1通水容器51〜第6通水容器56と、これらの第1通水容器51〜第6通水容器56を直列に連通する送水経路57と、を備え、水道から供給される水Wを貯留するための原水タンク63が架台60の最上部に配置されている。原水タンク63内には、水W中の不純物を吸着する機能を有する無機質多孔体64が収容されている。架台60の底部には複数のキャスタ61及びレベルアジャスタ62が設けられている。略円筒形状の第1通水容器51〜第6通水容器56は、それぞれの軸心51c〜56c(図9参照)を水平方向に保った状態で、直方体格子構造の架台60に搭載されている。第1通水容器51〜第6通水容器56は架台60対し着脱可能である。
図10に示すように、第1通水容器51〜第6通水容器56はいずれも同じ構造であり、円筒形状の本体部51a〜56aの両端部に設けられたフランジ部51f〜56fに円板状の蓋体51d〜56dを取り付けることにより気密構造が形成されている。軸心51c〜56cが水平状態のとき本体部51a〜56aの最下部に位置する箇所に、送水経路57と連通する入水口57aが設けられ、入水口57aから遠い方の蓋体51d〜56dの最上部に、送水経路57と連通する出水口57bが設けられ、出水口57bにはメッシュストレーナ57cが取り付けられている。本体部51a〜56a外周の出水口57b直上部分には、第1通水容器51〜第6通水容器56内のエアを逃がすための自動エア弁57dが取り付けられている。
上流側の送水経路57から供給された水は入水口57aを通過して第1通水容器51〜第6通水容器56内へ流入し、それぞれの内部に充填されたミネラル付与材(B)51m〜56mと接触することにより各ミネラル成分が水中へ溶出するので、それぞれのミネラル付与材(B)51m〜56mに応じたミネラル成分を含有した水となって出水口57bから下流側の送水経路57へ流出する。
図8〜図10に示すミネラル含有水(B)製造装置3においては、図7に示す操作盤58の切替ボタン51b〜56bの何れかを操作して、原水タンク63の水Wを、第1通水容器51〜第6通水容器56の1個以上に通過させことにより、第1通水容器51から第6通水容器56にそれぞれ充填されたミネラル付与材(B)51m〜56mにそれぞれ含まれている特徴あるミネラル成分を選択的に溶け込ませたミネラル含有水(B)45を形成することができる。
また、ミネラル含有水(B)製造装置3においては、第1通水容器51〜第6通水容器56が送水経路57で直列に連結されているため、当該送水経路57に連続的に水を流すことにより、第1通水容器51〜第6通水容器56内のミネラル付与材(B)51m〜56mに応じたミネラル成分が溶け込んだミネラル含有水(B)45を大量生産することができる。
なお、ミネラル含有水(B)製造装置3において形成されたミネラル含有水(B)45は、第6通水容器56より下流側の送水経路57xを経由して混合槽46内へ送り込まれ、その内部において、図1に示すミネラル含有水(A)製造装置2で製造されたミネラル含有水(A)44と混合されることによってミネラル機能水47が形成される。
ミネラル含有水(A)とミネラル含有水(B)の配合割合は、ミネラル含有水(A)及びミネラル含有水(B)に含まれる原料の種類、溶出する成分濃度を考慮して適宜決定されるが、ミネラル含有水(A)とミネラル含有水(B)との重量比([ミネラル含有水(A)]:[ミネラル含有水(B)])で、1:5〜1:20の範囲であり、好適には1:7〜1:12の範囲、より好適には1:10の範囲である。
ミネラル含有水(A)が少なすぎる(ミネラル含有水(B)が多すぎる)場合、及びミネラル含有水(A)が多すぎる(ミネラル含有水(B)が少なすぎる)場合には、ミネラル機能水の有効成分が希釈されて目的とする作用が不十分になるおそれがある。
以上、本発明のミネラル機能水の製造方法の好適な実施形態を説明したが、上述した構成を有する本発明のミネラル機能水が製造できればよく、上記好適な実施形態以外にも様々な構成を採用することもでき、制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
<糖質溶液>
本発明の液状組成物の原料となる糖質溶液は、糖質成分を含有する溶液である。
本明細書において「糖質成分」とは、単糖類、二糖類、多糖類、糖アルコール等を炭水化物から食物繊維を除いたものを意味する概念であり、本発明の液状組成物が目的とする生分解様作用を有する限り、使用できる糖質成分は制限されず、1種又は2種以上の糖質成分を組みわせて使用してもよい。特に糖質成分として単糖類が好ましく、少なくともグルコース及びフルクトースを含むことが好ましい。
糖質溶液の溶媒は、水であるが、本発明の効果を損なわない範囲でエタノール等の有機溶媒を含んでいてもよい。
また、糖質溶液の原料として、糖質成分を含む樹皮を加水分解し、不溶性の食物繊維を分離除去して得られる糖質成分を用いることもできる。好適な樹皮としてはカエデ樹皮が挙げられる。
実施例にて後述する、カエデ樹皮の粉砕物に酸水溶液を加えて加水分解し、樹皮構成成分のうち、不溶性食物繊維であるリグニンを分離して得られる糖質成分は、本発明における糖質溶液の原料として好適である。酸水溶液としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸の水溶液が用いられ、30%以下の硫酸水溶液が好適である。
安定性を高まる点で、糖質溶液は、pH4〜5に調整された糖質溶液とすることが好ましい。樹皮を酸によって加水分解すると、通常、pHが4未満になるため、アルカリ成分を加えて酸性度を下げて弱酸性の状態とする。アルカリ成分としては、例えば、水酸化カルシウムが挙げられる。
(ミネラル機能水と糖質溶液との混合)
上記本発明のミネラル機能水と、糖質溶液とを混合して、ミネラル糖質混合溶液を得る。ミネラル機能水と、糖質溶液との混合比は、ミネラル機能水の種類、糖質の種類等によって適宜決定される。ミネラル機能水CAC−717を例とすると、ミネラル機能水1重量部に対し、前記糖質溶液が5〜20重量部、7〜12重量部、または8〜10重量部とすることができる。
ミネラル糖質混合溶液には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の成分を含んでいてもよい。任意の成分としては、本発明の目的を損なわない添加物であれば特に限定はないが、例えば、公知のpH調整剤、安定剤等が挙げられる。また、混合割合は、本願発明の目的を損なわない範囲であれば任意である。
ミネラル糖質混合溶液は、構成成分であるミネラル機能水及び糖質溶液(並びに必要に応じて任意成分)を、液体混合で採用される公知の混合方法で混合することで製造することができる。混合順序も任意であり、構成成分のうち、何れか2成分又は3成分以上を予め配合し、その後に残りの成分を混合してもよいし、一度に全部を混合してもよい。
混合の際の条件も、ミネラル糖質混合溶液に含有される成分が変性する等の事情がない限り、任意である。
<1−2.電気分解工程>
電気分解工程は、前記ミネラル糖質混合溶液に、正極及び負極を挿入し、正極及び負極間に直流電圧を印加して、ミネラル糖質混合溶液を電気分解する工程である。
当該工程において、「電気分解する」とは、ミネラル糖質混合溶液に直流電圧を印加することによって水が電解して気泡が生じている状態を意味する。
電気分解工程において、ミネラル糖質混合溶液に直流電圧を印加し、電気分解する工程を経ることにより、ミネラル糖質混合溶液に害虫防除作用が付与されるという現象が認められる。すなわち、本発明の液状組成物の製造方法において、電気分解工程に特徴のひとつがある。
一方で、電気分解工程がミネラル糖質混合溶液に与える影響についてはいまだ明らかでない点が多いが、ミネラル機能水由来のミネラル成分や糖質成分が直流電圧を印加により
糖の分子構造にアミノ基やカルボキシル基やヒドロキシ基が結合した構造に変化していたり、ミネラル機能水由来のミネラル成分と糖質成分とが分子レベルで均等に混合して複合化し、生分解様作用を発現に寄与している可能性がある。
例えば、ミネラル機能水CAC−717の場合、本発明の製造方法で得られる液状組成物は有意な害虫に対する防除作用を示すが、ミネラル機能水や糖質溶液自体は有意な害虫防除作用を示さず、これらを混合したミネラル糖質混合溶液(電気分解前)も有意な害虫防除作用を示さない。
以下、電気分解工程をより好適な実施形態として具体的に説明する。
まず、混合工程で得られたミネラル糖質混合溶液と所定の容器に入れる。使用する容器はミネラル糖質混合溶液が変性するなどの特段の事情がない限り、特に限定はない。
なお、容器には予め玄武岩を骨材とするセメント製セラミックを投入しておいてもよい。玄武岩は、溶質同士をより溶け合わせる働きをする触媒として作用する可能性がある。
次いで、ミネラル糖質混合溶液に、正極及び負極を挿入する。正極及び負極は、印加電圧で溶解、変性したりしない材質が選択される。特に正極及び負極が白金電極板であることが好ましい。
印加電圧は、ミネラル糖質混合溶液が電気分解される電圧であればよく、溶液量や溶液抵抗等にもよるが、例えば、DC10V以上である。また、上限は特に制限はないが20V以下である。
本発明において、「(正極及び負極間に直流電圧を印加して)ミネラル糖質混合溶液を電気分解」している状態とは、正極及び負極間に直流電圧を印加することによって、水の電気分解に由来する気泡が発生している状態を指す。
電圧印加は、ミネラル糖質混合溶液が有意な害虫防除作用を発現するまで続ければよく、DC10V〜20Vとし、溶液容量5Lに対し、電極板(100mm×100mm)16枚を使用した場合には、1時間以上が目安である。
上記工程を経ることによって得られた液状組成物は、保存における品質の維持と希釈使用の利便性のため、濃縮してもよい。
製造された液状組成物はpH4〜5であるが、pH5〜6になるまで水分蒸発及び/又は単糖の添加を行うことによって濃縮することができる。水分蒸発は通常液状組成物を加熱することによって行われる。好適な単糖としては、グルコースが挙げられる。
このような処理により、糖質成分とミネラル成分の合計で濃度20重量%程度の粘性の高いpH5〜6の濃縮液が得られる。
なお、本明細書におけるpH値は、pHメータで測定したpHを数値化したものである。なお、pHメータは、実施例で示すものには限定されない。
<2.液状組成物の用途>
上記製造方法で製造される本発明の液状組成物は、害虫に対する防除作用を有する。
また、pHが4〜5(濃縮液でpH5〜6)の弱酸性であり、ヒト及び動物に対する安全性に優れる。そのため、本発明のミネラル機能水の従来の害虫防除組成物にあるような有害性はなく吸引しても肌に付着しても問題がないため、ゴム手袋、ゴーグル、マスクなど保護具の特に必要としないという利点がある。
以下、原料としてミネラル機能水CAC−717を使用した場合の液状組成物の有効な効能である害虫に対する防除作用を利用した害虫防除剤、害虫の防除方法(それぞれ「本発明の害虫防除剤」、「本発明の害虫の防除方法」と記載する。)について説明する。
上述の通り、本発明において、「害虫」とは、ヒト等にとって有害な作用をもたらす節足動物類(昆虫以外も含む)を意味する。
害虫の分類として以下に例示するが、これに限られるものではない。
農作物を食い荒らす農業害虫(バッタ類、ウンカ類、カメムシ類等);貯蔵されている穀物を食い荒らす貯穀害虫(ゾウムシ類等);ヒトと動物の疾病に関係する衛生害虫(カ類、ハエ類、ノミ類、ダニ類等);食品に対して危害を加える食品害虫(ゴキブリ類、ハエ類等);建物や家具などの財産に対して危害を加える財産害虫(シロアリ類、カツオブシムシ類等);家畜に対して危害を加える家畜害虫(アブ類、カ類、ダニ類等);姿形などから気分を害する不快害虫(ゴキブリ類、ハエ類など)。
(2−1.害虫防除剤)
本発明の害虫防除剤は、上記本発明の液状組成物を有効成分として含有する。
本発明の害虫防除剤は、本発明の液状組成物をそのまま用いてもよいが、本発明の液状組成物を有効成分として含有する防除剤として使用される。
本発明の害虫防除剤は、害虫、特に双翅目害虫の防除において優れた効力を有する。双翅目害虫としては、カ類(チカイエカ、アカイエカ、コガタアカイエカ、ネッタイイエカ等のイエカ類;ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ等のヤブカ類;シナハマダラカ等のハマダラカ類;ユスリカ類等)やハエ類(キイロショウジョウバエ、イエバエ、クロイエバエ、オオイエバエ、ヒメイエバエ、オオキモンノミバエ、ツヤホソバエ、クロバエ、ニクバエ等)が挙げられる。
本発明の害虫防除剤は、双翅目害虫以外の害虫の防除にも使用することができる。そのような害虫としては、ウンカ類;シラミ類;ノミ類;ダニ類;アリ類;シロアリ類;等が挙げられるが、その他の害虫でも防除効力が発現するならば、これらの害虫に限定されない。
本発明の害虫防除剤の形態は、本発明の液状組成物の有する害虫防除作用が発現する限り制限はない。本発明の害虫防除剤の具体的な製剤形態として、油剤、乳剤、水和剤、水中懸濁剤、エアゾール剤、炭酸ガス製剤、加熱蒸散剤等の形態が挙げられる。これらの製剤は、本発明の液状組成物とこれらの製剤における公知の成分とを含むことができる。
これらの製剤に含有される本発明の液状組成物の量は、対象となる害虫への防除作用が実際に発現する範囲で決定され、対象となる害虫や製剤形態にもよるが、例えば、製剤全重量を100重量%として、0.01〜100重量%である(100重量%の場合は、液状組成物の原液)。
製剤化の方法としては、その製剤形態にもよるが、例えば、本発明の液状組成物を、公知の固体担体、液体担体、ガス状担体、餌等と混合し、必要であれば界面活性剤その他の製剤用補助剤を添加・加工する方法が挙げられる。
なお、本発明の防除剤は、他の殺虫剤、害虫忌避剤、殺菌剤、除草剤等とともに用いることもできる。
(2−2:害虫の防除方法)
本発明の害虫の防除方法は、上記本発明の液状組成物の有効量を、防除対象の害虫又は害虫の生息場所(家屋、畜舎、動物体、土壌等)に施用することを特徴とする。なお、防除対象の害虫については、上記(2−1.害虫防除剤)と同じであるため、説明を省略する。
本発明の液状組成物は、害虫に対する防除作用を有するため、この防除作用を利用して害虫を防除することができる。なお、「害虫に対する防除作用を有する」とは、対象となる害虫が完全に死滅することのみならず、害虫が有意に減少し、増殖(卵の孵化含む)を抑制できることを含む。
一方、本発明の液状組成物を構成するミネラル含有水(A)、あるいはミネラル含有水(B)を単独では、害虫に対する防除作用を発現しないことを考慮すると、本発明の液状組成物では、ミネラル含有水(A)とミネラル含有水(B)とを混合することにより、害虫に対する防除作用を発現すること自体は明らかである。
本発明の防除方法としては、液状組成物を直接、あるいは液状組成物を有効成分として含有する防除剤を、防除対象となる害虫又は害虫の生息場所に施用することにより行われる。本発明の液状組成物が、害虫(特に双翅目害虫)と直接接触するように施用することが好ましい。
液状組成物、あるいは液状組成物を有効成分として含有する防除剤を施用する方法は特に限定はないが、噴霧、散布、塗布などが挙げられ、それぞれの形態、使用場所等に応じて適宜選択できる。
液状組成物又は液状組成物を有効成分として含有する防除剤の施用量、施用濃度は、防除剤の形態、施用時期、施用場所、施用方法、害虫の発生状況等に応じて適宜定めることができる。
液状組成物、あるいは液状組成物を有効成分として含有する防除剤を、施用する空間としては、例えば、建物内(トイレ、浴場、物置等も含む)車内等が挙げられ、さらに野外の開放空間で施用することもできる。
液状組成物、あるいは液状組成物を有効成分として含有する防除剤をウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ等の家畜、イヌ、ネコ等の小動物の外部寄生虫防除に用いる場合は、獣医学的に公知の方法で動物に使用することができる。
特に家畜に用いる場合には、本発明の液状組成物を家畜の体表に濡れるほど噴霧する方法は好適な方法の一つである。また、害虫が発生しやすい部位などにはスポンジなどで塗布したり、足場に水たまりを作り浸漬する方法も効果的である。また、上述のように本発明の液状組成物は安全であるため、家畜に噴霧した後でも、洗い流す必要はないという利点もある。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<1.液状組成物の製造>
[実施例]
[1]混合工程
[1−1]ミネラル機能水
原料となるミネラル機能水として、株式会社理研テクノシステム製ミネラル機能水CAC−717(テラ・プロテクト(商品名)、CAC−717(品番)、開発品番号CA−C−01)を使用した。
ミネラル機能水CAC−717をpHメータ(東興化学研究所製 ガラス電極式水素イオン濃度指示計 TPX−90)で測定したところ、pH12.5であった。
ミネラル機能水CAC−717の製造は、上記本発明の実施形態で説明したミネラル機能水製造装置を用い、上述した製造方法にて、以下の原料及び方法で行った。なお、当該方法は、特許第5864010号における実施例1のミネラル機能水の製造方法に相当する。
1.ミネラル含有水(A)の製造
ミネラル付与材(A)の原料として、草木植物原料(A1)として、株式会社理研テクノシステム製「P−100(品番)」、木本植物原料(A2)として、株式会社理研テクノシステム製「P−200(品番)」を使用した。
「P−100」は、以下のキク科植物の乾燥粉砕物及びバラ科植物の乾燥粉砕物を1:1(重量比)で混合した草木植物原料(A1)であり、「P−200」は、以下に記載の木本植物原料(A2)である。

(A1)草木植物原料(草木植物の乾燥物)
(A1−1)キク科植物の乾燥粉砕物
野アザミ(葉部、茎部及び花部)、ヨモギ(葉部及び茎部)、ツワブキ(葉部及び茎部)を、それぞれ10重量%、60重量%、30重量%となる割合で混合し、乾燥させた後に粉砕させたもの。
(A1−2)バラ科植物の乾燥粉砕物
ノイバラ(葉部、花部)、ダイコンソウ(葉部及び茎部)、キイチゴ(葉部、茎部及び花部)を、それぞれ20重量%、10重量%、70重量%の割合で混合し、乾燥させた後に粉砕させたもの。

(A2)木本植物原料(木本植物の乾燥物)
カエデ(葉部及び茎部)、白樺(葉部、茎部、及び樹皮部)、杉(葉部、茎部、及び樹皮部)を、それぞれ25重量%、25重量%、50重量%となる割合で混合し、乾燥させた後に粉砕させたもの。
上記草木植物原料(A1)と木本植物原料(A2)を、1:3(重量比)で混合したミネラル付与材(A)を、図1に示すミネラル含有水(A)製造装置2における、原料ミネラル水溶液製造手段10(図2参照)に水に対して10〜15重量%になるように入れ、原料ミネラル水溶液製造手段10の導電線に直流電流(DC8300V、100mA)を導通させ、導電線の周囲の水に直流電流と同方向の水流を発生させ、前記水に超音波振動(発振周波数50kHz、振幅1.5/1000mm)を付与して原料ミネラル水溶液(A)を形成した。次いで、後段の遠赤外線発生手段43に供給された原料ミネラル水溶液(A)に遠赤外線(波長6〜14μm)を照射することにより実施例のミネラル含有水(A)を得た。
2.ミネラル含有水(B)の製造
ミネラル付与材(B)の原料としては、石灰石、化石サンゴ、貝殻、活性炭を粉砕・混合した混合物を使用した。ミネラル付与材(B)の原料及び第1〜6通水容器で使用した混合物(ミネラル付与材(B1)〜(B6))は、以下の通りである。

(1)原料
(1−1)石灰石:株式会社理研テクノシステム製「CC−200(品番)」
下記成分を含む火山性鉱床が混在する石灰岩を粉砕した、3cm程度の小石状物
炭酸カルシウム:50重量%以上
酸化鉄:3〜9重量%の鉄
酸化チタン、炭化チタン、窒化チタンの合計:0.8重量%以上
炭酸マグネシウム:7〜10重量%

(1−2)化石サンゴ:株式会社理研テクノシステム製「CC−300(品番)」
下記2種類の化石サンゴを1:9の重量比で混合し、3〜5mmに粉砕した粒状物
・地下約100メートルより産出し重圧により結晶組成が変性した化石サンゴ。
・沖縄奄美大島付近の陸地から産出する化石サンゴ(炭酸カルシウムやリン酸カルシウムその他微量元素を含む)

(1−3)貝殻:株式会社理研テクノシステム製「CC−400(品番)」
・アワビ、トコブシ、フジツボを同じ重量で混合し3〜5mmに粉砕した粒状物

(1−4)活性炭(第2通水容器のみ使用):株式会社理研テクノシステム製「CC−500(品番)」
・タイ産のヤシガラ活性炭

(2)第1〜6通水容器での使用割合
・第1通水容器:
ミネラル付与材(B1):石灰石、化石サンゴ、貝殻をそれぞれ70重量%、15重量%、15重量%混合したもの
・第2通水容器:
ミネラル付与材(B2):石灰石、化石サンゴ、貝殻、活性炭をそれぞれ40重量%、15重量%、40重量%、5重量%混合したもの(二酸化ケイ素と活性炭に相当)
・第3通水容器:
ミネラル付与材(B3):石灰石、化石サンゴ、貝殻をそれぞれ80重量%、15重量%、5重量%混合したもの
・第4通水容器:
ミネラル付与材(B4):石灰石、化石サンゴ、貝殻をそれぞれ90重量%、5重量%、5重量%混合したもの
・第5通水容器:
ミネラル付与材(B5):石灰石、化石サンゴ、貝殻をそれぞれ80重量%、10重量%、10重量%混合したもの
・第6通水容器:
ミネラル付与材(B6):石灰石、化石サンゴ、貝殻をそれぞれ60重量%、30重量%、10重量%混合したもの
図1の構成のミネラル機能水製造設備1において、上記ミネラル付与材(B1)〜(B6)を使用した第1〜6通水容器に水を流通させることにより、ミネラル含有水(B)を得た。(B1)〜(B6)はそれぞれ50kg(合計300kg)であり、流通させる水の量は1000kg、流速は500mL/40sで設定した。
上記方法で形成したミネラル含有水(A)とミネラル含有水(B)とを1:10(重量比)となるように混合して、ミネラル機能水(CAC−717)を得た。
[1−2]糖質溶液
糖質溶液として、株式会社理研テクノシステム製の糖質溶液「P−300(品番)」を使用した。糖質溶液(P−300)の製造方法は以下の通りである。
まず、カエデ樹皮を適度に小片に破砕してカエデ樹皮粉砕物を得た。耐酸性容器にカエデ樹皮粉砕物を入れ、20%硫酸水溶液を、カエデ樹皮粉砕物1重量部に対して5重量部加えて撹拌して加水分解した。その後、圧搾と濾過により、樹皮構成成分のリグニンから糖質成分を含む溶液を分離させた。その後、水酸化カルシウムを加えて中和を進め、酸性度を下げpH4〜5で安定した糖質溶液を得た。濾過により不純物を除いてのち、加熱蒸発により、目的とする糖質溶液(糖質溶液(P−300))を得た。糖質溶液(P−300)の水分を加熱蒸発にして残存した固形分から求めた、糖質溶液の糖質成分の濃度は、1重量%〜2重量%の範囲であった。
[1−3]ミネラル機能水と糖質成分の混合
混合用触媒として、玄武岩を骨材とするセメント製セラミックが入った混合用容器にミネラル機能水(CAC−717)1重量部、糖質溶液(P−300)9重量部となる割合で入れ、十分に撹拌してミネラル糖質混合溶液を得た。
[2]電気分解工程
得られたミネラル糖質混合溶液(約5L)を電気分解用容器にいれ、正極及び負極として白金電極板16枚(100mm×100mm)が向かい合うように配置し、直流電源を使用して直流電圧を印加した。電圧はDC10V〜20Vの範囲に収まるように制御して1時間電圧印加を行うことにより、目的とする実施例の液状組成物を得た。
得られた実施例1の液状組成物をpHメータ(東興化学研究所製 ガラス電極式水素イオン濃度指示計 TPX−90)で測定したところ、pH4.5あった。
また、実施例の液状組成物の水分を加熱蒸発にして残存した固形分から求めた、ミネラル成分と糖質成分との合計濃度は、2重量%以下であった。
[3]害虫の防除試験
実施例の液状組成物を使用して、以下の害虫の防除試験を行った。
「試験例1:チカイエカ(成虫)」
供試虫のチカイエカ成虫は、蓋付きプラスチックカップ(口径11.5cm× 底径9.5cm × 高さ 9.5cm)に主に10頭ずつ入れ、原液噴霧の区のみ14〜17頭入れたものを使用した。
実施例の液状組成物(原液)を水で50倍、100倍、250倍、500倍に希釈し、対照として水を用意した。各供試液をプラスチック製のトリガーププレートに200mL入れ、チカイエカ成虫が入ったカップ(フタなし)の上方30cmの距離から2回噴霧した(噴霧量:1.51±0.28mL / 9cm:n=5)。噴霧処理前に蓋付きカップ内で炭酸ガスにより軽く麻酔し、覚醒し始めた時に蓋を開けて素早く供試液を噴霧処理し、その後はナイロンゴースで蓋をした。なお、カップ内には噴霧された供試液の水摘が多数付着したが、供試虫は新たなカップに移し換えずに、そのままの状態で反応を観察した。
噴霧処理後、室温約20℃条件で、経時的にノックダウン数を観察した。ノックダウンの判定は歩行不能の確認によって行った。評価は、各供試液について2回反復して行った。得られたノックダウン率や致死率を基に、Probit解析プログラム (Pri Ptobit ver.1.63 :佐久間 1998)を用いてFinney法によりKT50値やLC50値の解析を試み、理論値および実測値から殺虫効力を評価した。
<結果及び考察>
表1に実施例の液状組成物の直接噴霧によるチカイエカ成虫に対するノックダウン効果の結果を示す。
表1に示されるように、KT50値(50%の個体がノックダウンするのに要する時間)は、500倍希釈で240分以上、250倍希釈で22.3分、100倍希釈以上の濃度では5分以下であった。ノックダウン個体は蘇生することなくいずれも致死した。
また、4時間後のノックダウン率は、500倍希釈から100倍希釈までは、濃度にしたがって効果が高まったが、100倍希釈以上の濃度ではあまり差が見られず、50倍希釈や原液でも一部の個体が生き残った。但し、チカイエカは供試液の水滴に接していた個体はカップの底や壁面に付着した状態で確実に死亡していた。なお、今回の試験ではいずれのカップ内にも4時間後まで表面に多数の水滴が散在しており、50倍希釈や原液で生き残った個体は、直接的にあまり薬液と接触していない個体であると判断した。
そのため、100倍希釈以上の濃度であれば、液状組成物の有効量が直接虫体にかかれば100%致死させることができると判断する。
Figure 2017154056
「試験例2:キイロショウジョウバエ(成虫)」
供試虫をチカイエカ成虫に代えて、キイロショウジョウバエ成虫とし、蓋付きプラスチックカップ(口径8cm×底径7cm×高さ6.5cm)に10頭ずつ入れた以外は、試験例1と同様にして、試験例2の防除試験を行った。
表2に実施例の液状組成物の直接噴霧によるキイロショウジョウバエ成虫に対するノックダウン効果の結果を示す。
表2に示されるようにキイロショウジョウバエ成虫に対して直接噴霧した時のKT50値は、50倍希釈で240分以上、250倍希釈で21.3分、100倍希釈で16.3分であった。そのため、原液のKT50値は10分以下と考えられる。
試験例1(チカイエカ)の場合と同様に500倍希釈から100倍希釈まで、濃度にしたがってノックダウン効果が高まり、2時間後のノックダウン率は100倍希釈で100%となった。
なお、原液を噴霧した2回の試験では、いずれもカップ内に供試液の水滴が4時間後も多数散在したが、1回目は短時間で100%ノックダウンし、2回目ではほぼ同じ環境の中で多数が生存し続けた。このことから、供試液が直接に虫体にかかることが殺虫効果の要因の一つとなっていることが示唆された。
Figure 2017154056
「試験例3:イエバエ(卵)」
イエバエの卵は、当日に飼育培地上に産卵されたものを所定数(20〜45個)培地に付着したまま取出し、プラスチックカップ(口径7cm×底径6cm×高さ3.5cm)に入れた。実施例の液状組成物(原液)を水で50倍、100倍、250倍、500倍に希釈し、対照として水を用意した。 各供試液をプラスチック製のトリガーププレートに200mL入れ、各供試虫が入ったカップ(フタなし)の上方30cmの距離から2回噴霧した(噴霧量:1.51±0.28mL / 9cm:n=5)。
イエバエの卵については、イエバエの卵は培地の小片に付着したものをカップ内に置いて噴霧し、処理後に薬液がかかっていることを実体顕微鏡で碓認した。その後、イエバエの卵は25℃条件下で2日後に孵化した幼虫数を計測した。イエバエ卵は20個以上供試して試験を1回行った。
表3に示されるようにイエバエの卵に対する殺卵効果については、250倍希釈以下の濃度では効果がなく、100希釈以上の濃度で殺卵効果が認められた。100倍希釈以上の濃度では供試液の残渣に僅かながら、ベとつきが観察され、孵化阻害の要因の一つとなっている可能性が考えられる。
Figure 2017154056
以上の試験データから、特定時間における供試液のLC50値(供試虫の50%致死濃度)とLC100値 (供試虫の100%致死濃度)を表4に示す。
Figure 2017154056
(参考試験)
ミネラル機能水(CAC−717)、糖質溶液(P−300)及びミネラル機能水(CAC−717)1重量部、糖質溶液(P−300)9重量部で混合したミネラル糖質混合溶液(電気分解処理なし)について、害虫に対する防除作用を評価した。
評価としては、上記「試験例1:チカイエカ(成虫)」に準じて行い、チカイエカ成虫(10頭)に対して、ミネラル機能水(CAC−717)、糖質溶液(P−300)及びミネラル糖質混合溶液(電気分解処理なし)それぞれを噴霧し、60分後の生存率を確認した。その結果、ミネラル機能水(CAC−717)では死亡した数が3頭、糖質溶液(P−300)では2頭、ミネラル糖質混合溶液(電気分解処理なし)では3頭であった。
これらの結果から、ミネラル機能水(CAC−717)、糖質溶液(P−300)及びたミネラル糖質混合溶液(電気分解処理なし)は、本発明の液状組成物と比較して、死亡したチカイエカの数は明らかに少なく、有意な防除作用があるとは言えないと判断した。
[4]液状組成物の濃縮
実施例の液状組成物に対し、pH5〜6になるまで水分を加熱蒸発させつつ、グルコースを添加し、液状組成物を濃縮させた。得られた濃縮液状組成物は、濃縮前と比較して粘度が向上していた。また、濃縮液状組成物の水分を加熱蒸発にして残存した固形分から求めた、固形成分濃度(ミネラル成分+糖質成分(追加したグルコース含む))は、20重量%の範囲であった。
濃縮液状組成物に加水をし、pH4〜5になるように希釈調製したのち、上記「試験例1:チカイエカ(成虫)」と同じ容器で、チカイエカ成虫(5頭)に対して、希釈調製した濃縮液状組成物を噴霧したところ、60分後には5頭すべてが死亡していた。
この結果から、液状組成物を濃縮したのちに、再度希釈しても、害虫防除作用は残存することが確認された。
本発明の液状組成物は、様々な生分解様作用に基づいて、生活環境の衛生面の改善や農作物の農薬対策等の様々な用途へ適用できる。
1 ミネラル機能水製造設備
2 ミネラル含有水(A)製造装置
3 ミネラル含有水(B)製造装置
10 原料ミネラル水溶液製造手段
11,W 水
12 ミネラル付与材(A)
13 反応容器
13a 壁体
14 絶縁体
15 導電線
16 超音波発生手段
17 直流電源装置
18a,18b,18c 循環経路
19 排水口
20,23 開度調節バルブ
21,25 排水バルブ
22 収容槽
24 排水管
26 水温計
29,29a〜29g,29s,29t 導電ケーブル
30 ターミナル
31 収納容器
31f フック
40 処理容器
41 原料ミネラル水溶液(A)
42 撹拌羽根
43 遠赤外線発生手段
44 ミネラル含有水(A)
45 ミネラル含有水(B)
46 混合槽
47 ミネラル機能水
51 第1通水容器
52 第2通水容器
53 第3通水容器
54 第4通水容器
55 第5通水容器
56 第6通水容器
51a〜56a 本体部
51b〜56b 切替ボタン
51c〜56c 軸心
51d〜56d 蓋体
51f〜56f フランジ部
51m〜56m ミネラル付与材(B)
51p〜56p 迂回水路
51v〜56v 水流切替弁
57,57x,57y 送水経路
57a 入水口
57b 出水口
57c メッシュストレーナ
57d 自動エア弁
58 操作盤
59 信号ケーブル
60 架台
61 キャスタ
62 レベルアジャスタ
63 原水タンク
DC 直流電流
DW 水道水
R 水流

Claims (5)

  1. 電磁波放射性のミネラル成分を含有するミネラル機能水と、糖成分を含む糖質溶液とを混合し、ミネラル糖質混合溶液を得る混合工程と、
    前記ミネラル糖質混合溶液に、正極及び負極を挿入し、正極及び負極間に直流電圧を印加して、ミネラル糖質混合溶液を電気分解する電気分解工程と、
    を含み、生分解様作用を有することを特徴とする液状組成物の製造方法。
  2. 前記ミネラル機能水が、株式会社理研テクノシステム製ミネラル機能水CAC−717である請求項1に記載の液状組成物の製造方法。
  3. 前記糖質溶液が、糖質成分として、少なくともグルコース及びフルクトースを含む請求項1または2に記載の液状組成物の製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれかの方法で製造されてなり、生分解様作用を有する液状組成物。
  5. 生分解様作用が、植物活性化作用、残留農薬消去作用、害虫駆除作用、界面浄化作用、堆肥活性化作用、消臭作用、家畜育成作用、及び水浄化作用から選択される1種以上である請求項4に記載の液状組成物。
JP2016037909A 2016-02-29 2016-02-29 液状組成物およびその製造方法 Pending JP2017154056A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016037909A JP2017154056A (ja) 2016-02-29 2016-02-29 液状組成物およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016037909A JP2017154056A (ja) 2016-02-29 2016-02-29 液状組成物およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017154056A true JP2017154056A (ja) 2017-09-07

Family

ID=59807552

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016037909A Pending JP2017154056A (ja) 2016-02-29 2016-02-29 液状組成物およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017154056A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109258635A (zh) * 2018-09-26 2019-01-25 大连百事农生物有机肥研究所 一种降解植物中农药残留的生物制剂及其制备方法
JP2020184986A (ja) * 2019-05-15 2020-11-19 呉剛 植物の成長速度を調整できる試薬調合装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109258635A (zh) * 2018-09-26 2019-01-25 大连百事农生物有机肥研究所 一种降解植物中农药残留的生物制剂及其制备方法
JP2020184986A (ja) * 2019-05-15 2020-11-19 呉剛 植物の成長速度を調整できる試薬調合装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2017154992A (ja) 害虫の防除作用を有する液状組成物およびその製造方法、並びに害虫の防除剤及び害虫の防除方法
BRPI0710746A2 (pt) mÉtodos e composiÇço inseticida para controlar insetos que se alimentam de aÇucar
KR20180062787A (ko) 해충 및 식물병 방제용 친환경 연무확산제
JP5864010B1 (ja) ミネラル機能水の製造方法
EP2207572A2 (de) Verfahren zur desinfektion von geflügel- und viehställen mit ozon, elektrolytisch oxidativen radikalen, uv-c bestrahlung, elektrostatischer spraytechnologie, überdruck-ventilation und luft-befeuchtungs-technik
CN103155917B (zh) 一种家蝇引诱剂
JP2017154056A (ja) 液状組成物およびその製造方法
CN110114092A (zh) 用于递送水性诱饵以控制害虫蚂蚁的可生物降解水凝胶
JP2009046433A (ja) 青果作物の病害虫防除剤並びにハウス類設備における病害虫防除方法及び装置。
CN107410352A (zh) 一种白蚁防治药剂、制备方法及白蚁防治方法
KR101400713B1 (ko) 살충성 정유 및(또는) 식물첨가물을 함유한 살충성 조성물
US2204511A (en) Insecticide
BRPI1012816A2 (pt) Processo de produção e formulação biológica para controle do alphitobius diaperinus em aviário
JP5778328B1 (ja) ミネラル機能水および単細胞生物の防除方法
CN106922748A (zh) 一种鸡舍消毒剂
RU2710732C2 (ru) Композиция для борьбы с насекомыми, содержащая альдегид
JP5508685B2 (ja) アリのブルード保護行動を利用した駆除技術
CN103756101A (zh) 有生物杀灭功效的高分子复合材料及制备工艺
RU2464782C1 (ru) Способ дезинсекции животноводческих помещений
Bishopp et al. House fly control
JP7437131B2 (ja) ヒアリ用忌避組成物、及び、ヒアリの忌避方法
US20220369643A1 (en) Reptile and amphibian repellant compositions and methods of use
Awad et al. Ecofriendly Control of the Pink Bollworm, Pectinophora gossypiella (Saunders)(Lepidoptera: Gelechiidae) by Using Chitosan and Spinosad
Hartbauer et al. Alternative locust control with a dilutable linseed oil emulsion
CN107047556A (zh) 一种梨小食心虫性信息素微胶囊包埋工艺