〔実施形態1〕
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。まず、本実施形態に係る放送信号伝送システムの構成を図1に基づいて説明する。図1は、放送信号伝送システム5に含まれる送信機(放送信号送信装置)1および受信機(放送信号受信装置)2の要部構成の一例を示すブロック図である。
放送信号伝送システム5は、送信機1から受信機2に映像信号、音声信号等(以下、「映像信号等」と略称する。)を伝送するシステムである。放送信号伝送システム5は、多種多様なフォーマットで音声信号を送信することが可能である。なお、次世代の4K/8K放送では、MMT(MPEG Media Transport)方式で信号が送信されることが検討されている。そこで、本実施形態では、MMT方式にて映像信号等を伝送する例を説明するが、映像信号等を伝送する方式は、これに限定されるものではない。例えば、現行のデジタル放送では、MPEG−2(Moving Picture Experts Group phase 2)のTS(Transport Stream、トランスポートストリーム)方式にて信号が送信されており、TS方式にて映像信号等を伝送する場合においても、放送信号伝送システム5を適用することが可能である。
送信機1は、映像信号等の形態でコンテンツを送信する。より詳細には、送信機1は、放送経路(放送伝送路)にてコンテンツを構成する各パケット(MMTP(MMT Protocol)パケット)を送信する。一方の受信機2は、このコンテンツ(放送経路で配信されるコンテンツ)の受信機能を備えていると共に、例えばインターネット等の通信網を介して通信経路で配信されるコンテンツの受信機能も備えている。そして、受信機2は、これら2つの経路を介して受信した各コンテンツを組み合わせて再生することができる。なお、同図では、受信機2を1つのみ記載しているが、送信機1は複数の受信機2に対してコンテンツをブロードキャストする。
〔送信機の構成〕
送信機1は、図示のように、オーディオエンコーダ10、ビデオエンコーダ11、多重化部(パケット生成手段)12、暗号化部13、送信部14、および制御部15を備えている。また、制御部15には、エンコード制御部16、音声属性取得部(属性取得手段)17、および制御情報生成部(パケット生成手段)18が含まれている。
オーディオエンコーダ10は、送信機1が送信するコンテンツのオーディオ(音声)ストリームをエンコード(符号化)して多重化部12に出力する。同様に、ビデオエンコーダ11は、送信機1が送信するコンテンツのビデオ(映像)ストリームをエンコード(符号化)して多重化部12に出力する。
多重化部12は、オーディオエンコーダ10が出力したオーディオストリーム、ビデオエンコーダ11が出力したビデオストリーム、および制御部15が出力した制御情報を多重化してMMTPパケットに変換し、暗号化部13に出力する。
暗号化部13は、多重化部12が出力するMMTPパケットを暗号化して送信部14に出力する。そして、送信部14は、暗号化部13が出力する暗号化されたMMTPパケットを、デジタル放送信号の形態で放送経路にて受信機2に送信する。
制御部15は、送信機1の備える各部の制御等を行う。具体的には、制御部15に含まれるエンコード制御部16は、オーディオエンコーダ10およびビデオエンコーダ11を制御してエンコードを行わせる。
音声属性取得部17は、送信機1が送信するコンテンツの音声に関する属性情報である音声属性情報を取得し、取得した音声属性情報を制御情報生成部18に出力する。ここで、「送信機1が送信するコンテンツ」には、送信機1が送信する予定であるコンテンツ、すなわち、放送予定のコンテンツも含まれる。
音声属性情報の例としては、音声フォーマット、音声のチャンネル数、サブウーファ(SW)のチャンネル数、サイマル放送の形態およびチャンネル、サンプリング周波数、量子化ビット数などが挙げられる。これらのうち、音声フォーマット、音声のチャンネル数、サブウーファ(SW)のチャンネル数、サンプリング周波数、および量子化ビット数は、エンコード制御部16から取得することができる。一方、サイマル放送の形態およびチャンネルは、送信機1が送信(放送)するコンテンツ(番組)の詳細情報を提供する外部のサーバ(図示せず)などから取得することができる。なお、音声属性情報の詳細は後述する。
制御情報生成部18は、送信機1が送信するコンテンツを受信機2が再構成するための制御情報を生成する。この制御情報は、MMTではMMT−SI(Service Information)と呼ばれるものであり、コンテンツに関する種々の情報が含まれるが、ここでは、MMT−SIのうち、コンテンツ(パッケージ)の内容に関する情報が記述されたEIT(Event Information Table、イベント情報テーブル)の生成に絞って説明する。なお、次世代の超高精細度テレビジョン放送においては、MH−EIT(MPEG-H Event Information Table)と呼ばれるEITが用いられる。本明細書中における「EIT」との文言には、「現行放送のEIT」及び「MH−EIT」の双方が含まれるものとする。
このように、送信機1では、音声属性取得部17が音声属性情報を取得する処理(音声属性取得ステップ)を実行する。一方、制御情報生成部18は、多重化部12における上記オーディオストリームおよび上記ビデオストリームからMMTPパケットへの変換を参照して、上記音声属性情報を含む制御情報(EIT)を生成する処理を実行する。したがって、このEITを受信した受信機2において、コンテンツをその音声属性情報に応じた適切な処理を行って音声出力させたり、当該コンテンツの音声データに対応していない旨を示すコーションを報知させたりすることが可能になる。
なお、エンコード制御部16は、送信機1が送信するコンテンツ毎に、各コンテンツの音声属性情報を取得し、制御情報生成部18はこの音声属性情報を含むEITを生成する。このように、コンテンツ毎に、異なる音声属性情報を含むEITを生成することにより、常に最適な処理によってコンテンツを再生させることが可能になる。
上記のように、送信機1は、音声属性情報を含むEITを送信する構成であるため、従来の構成に変更を行うことなく、音声属性情報を送信することができる。
〔受信機の構成〕
受信機2は、図示のように、チューナ20、通信I/F21、復号部22、逆多重化部(再構成手段)23、オーディオデコーダ24、ビデオデコーダ25、表示制御部27、ディスプレイ28、制御部29、音声出力制御部30、スピーカ31、およびOSD生成部34を備えている。また、制御部29には、復号制御部40、逆多重化制御部(再構成手段)41、および制御情報取得部(制御情報取得手段、判定手段)42が含まれている。
チューナ20は、放送経路にてデジタル放送信号として送信されるコンテンツ等を受信して復号部22に出力する。一方、通信I/F21は、通信経路にて送信されるコンテンツ等を受信して復号部22に出力する。
復号部22は、チューナ20および通信I/F21を介して受信したコンテンツが暗号化されていた場合、これを復号して逆多重化部23に出力する。
逆多重化部23は、復号部22が出力するデータ(暗号は復号されているが多重化されている)を逆多重化する。そして、逆多重化によって得られた当該コンテンツの各構成要素(コンポーネント)を、当該コンポーネントの種別に応じて処理する。具体的には、逆多重化部23では、オーディオのコンポーネントはオーディオデコーダ24に出力し、ビデオのコンポーネントはビデオデコーダ25に出力し、制御情報は制御情報取得部42に出力する。
オーディオデコーダ24は、逆多重化部23が出力するオーディオコンポーネントを復号してオーディオデータを出力する。同様に、ビデオデコーダ25は、逆多重化部23が出力するビデオコンポーネントを復号してビデオデータを出力する。
表示制御部27は、ビデオデータをディスプレイ28に表示させる制御を行う。また、ディスプレイ28は、表示制御部27の制御に従ってビデオデータを表示する。一方、音声出力制御部30は、オーディオデータをスピーカ31に音声出力させる制御を行う。また、スピーカ31は、音声出力制御部30の制御に従ってオーディオデータを音声出力する。つまり、受信機2は、放送されるコンテンツの受信機能および再生(表示および音声出力)機能を備えたテレビジョン受像機である。なお、ディスプレイ28およびスピーカ31は、受信機2に外付けされた外部の装置であってもよい。
制御部29は、受信した制御情報に従って受信機2の備える各部を制御する。具体的には、復号制御部40は、復号部22を制御してコンテンツの復号を行わせる。また、逆多重化制御部41は、逆多重化部23を制御してコンテンツの逆多重化を行わせる。
この点をより詳細に説明する。逆多重化部23は、まず、制御情報(EIT)を含むMMTPパケットを選択して、当該制御情報を取得し、取得した制御情報を制御情報取得部42に出力する。制御情報取得部42は、取得した制御情報を、逆多重化制御部41に転送する。逆多重化制御部41は、制御情報取得部42からの制御情報を参照することにより、上記コンテンツのオーディオコンポーネントを含むMMTPパケットと、上記コンテンツのビデオコンポーネントを含むMMTPパケットとを特定することができる。
そして、逆多重化制御部41は、逆多重化部23を制御して、上記オーディオコンポーネントを含むMMTPパケットを選択して、該オーディオコンポーネントをオーディオデコーダ24に出力させると共に、上記ビデオコンポーネントを含むMMTPパケットを選択して、該ビデオコンポーネントをビデオデコーダ25に出力させる。これにより、上記MMTPパケットは、上記制御情報、上記コンテンツのオーディオコンポーネント、および上記コンテンツのビデオコンポーネントに逆多重化されることになる。
本実施形態では、制御情報取得部42は、取得した制御情報をOSD生成部34に出力するとともに、取得した制御情報に、音声属性情報が含まれる場合には、上記コンテンツのオーディオコンポーネントから音声を受信機2にて再生可能か否かを判定する。この判定は、オーディオデコーダ24が上記オーディオコンポーネントをデコードする前に行うことができるので、従来よりも迅速に行うことができる。
OSD生成部34は、制御情報取得部42が出力する制御情報(EIT)を参照して、電子番組表(EPG:Electronic Program Guide)を示すOSD画像を生成する。上記制御情報に音声属性情報が含まれる場合、OSD生成部34が生成する電子番組表には、各コンテンツの音声属性情報をさらに含めることができる。OSD生成部34により生成されたOSD画像は、ビデオデコーダ25から出力されたビデオデータに重畳され、表示制御部27に供給される。なお、OSD生成部34は、制御部29内に設けられていてもよい。
なお、OSD生成部34が、逆多重化部23が逆多重化することによって出力された制御情報を取得する構成としてもよい。上記の場合、OSD生成部34は、当該制御情報を解析することにより、電子番組表を示すOSD画像を生成するとともに、制御情報に音声属性情報が含まれる場合には、この情報をオーディオデコーダ24に出力するように構成としてもよい。上記の場合には、従来の構成に対して新たな構成を付加することなく、最小限の変更により制御情報取得手段を実現することができる。
〔音声属性情報を含むEITの例〕
続いて、音声属性情報を含むEITの例を図2に基づいて説明する。図2(a)は、音声属性情報を含むEITの一例を示す図である。図示のEITには、当該EITのバージョンを示す記述子D1(version_number)と、EITのサービスIDを示す記述子D2(service_id)とが含まれていると共に、音声属性情報を含む記述子D3(descriptor())が含まれている。
そして、記述子D3内には、当該記述子(descriptor)が音声属性情報に関する記述子であることを示す予め定めたタグdescriptor_tag、当該記述子の長さを示すdescriptor_length、および音声属性情報のデータ本体であるdata()が記述されている。なお、descriptor_tagの値は、記述子D3に音声属性情報に関する記述が含まれていることが特定できればよく、例えばデジタル放送における標準規格を定めたARIB STD-B21において、他の記述子を示すものとして使用されていない「0xF8」の値を用いてもよい。
ここで、一般にテレビ放送では、ソースが異なる映像および音声が連続して送信され、このような異なるソースの音声は音声属性がそれぞれ異なっている可能性がある。そこで、このようなケースに対応するため、制御情報生成部18は、ソースが変化するときには、EIT内の音声属性情報を更新するとともに、EITのバージョン情報(記述子D1の値)も併せて更新する。そして、受信機2では、制御情報取得部42が、EITのバージョンが更新されるたびに音声属性情報をチェックし、更新があればオーディオデコーダ24に新しい音声属性情報を伝達する。これにより、音声の変化に応じた適切な処理が可能となる。
図2(a)の例では、descriptor_lengthは「Ox20」の値であり、32ビットである。
また、data()には、音声属性情報として、音声のチャンネル数(CH1)、サブウーファ(SW)のチャンネル数(CH2)、音声フォーマット(Format)、音声のサンプリング周波数(Sampl_freq)、音声の量子化ビット数(Bit_rate)、サイマル放送の形態(Simul)およびチャンネル(Simul_CH)、ならびに、サイマル放送の音声フォーマット(Simul_Format)が、それぞれコード化されて順番に格納される。図3は、図2(a)に示すEITに格納される音声属性情報の具体例を表形式で示す図である。
本実施形態の放送信号伝送システム5は、超高詳細度テレビジョン放送システムに対応するものである。このため、図3の例では、音声フォーマット(Format)には、PCM(Pulse Code Modulation)、MPEG2(Moving Picture Experts Group phase 2)−AAC(Advanced Audio Coding)、MPEG4−AAC、MPEG2−AC3(Audio Code number 3)等があり、それぞれが4ビットコードに割り当てられている。また、22.2chの3次元音響に対応するため、音声のチャンネル数(CH1)は、0〜24の範囲内であり、それぞれが5ビットコードに割り当てられ、また、SWのチャンネル数(CH2)は、0〜2の範囲内であり、それぞれが2ビットコードに割り当てられている。さらに、音声のサンプリング周波数(kHz)は、16、22.05、24、32、44.1、48、96、192等があり、それぞれが4ビットコードに割り当てられている。また、音声の量子化ビット数(bit)は、8、10、16、24、32等があり、それぞれが3ビットコードに割り当てられている。
ところで、サイマル放送とは、1つの放送局が同じ時間帯に同じ番組を、異なるチャンネル(周波数帯)、異なる放送方式、または異なる放送媒体で放送することをいう。図3の例では、サイマル放送の形態(Simul)には、地上デジタル放送、BS(Broadcasting Satellite)デジタル放送、CS(Communications Satellite)デジタル放送、インターネット等があり、それぞれが4ビットのコードに割り当てられている。また、サイマル放送のチャンネル(Simul_CH)には、1ch〜1000chがあり、それぞれが12ビットコードに割り当てられている。さらに、サイマル放送の音声フォーマット(Simul_Format)には、音声フォーマット(Format)と同様に、MPEG2−AAC、MPEG4−AAC、MPEG2−AC3等があり、それぞれが4ビットコードに割り当てられている。なお、サイマル放送としては、ワンセグ放送、ラジオ放送などを利用してもよい。
ここで、従来のEITにおいては、コンテンツの音声コンポーネントに関する情報を記述する記述子である、音声コンポーネント記述子が規定されている。音声コンポーネント記述子においては、例えば、音声コンポーネントの種別を示すcomponent_type、音声ストリームの形式(例えば、MPEG2 BC(Backward Compatible) Audio、AAC Audio)を示すstream_type、音声のサンプリング周波数を示すsampling_rate、音声の音質モードを示すquality_indicator、サイマルキャストのグループを識別するためのsimulcast_group_tagなどが含まれる。
本実施形態において特筆すべきは、図2(a)に示す記述子D3内に、コンテンツのサイマル放送の音声コンポーネントの音声属性情報として、サイマル放送の音声フォーマットが記述されている点である。そのため、受信機2は、再構成されたコンテンツを再生する前に、該コンテンツの音声が自装置にて再生不能であると判定し、上記属性情報を参照して、受信する放送信号を上記コンテンツのサイマル放送の信号に切り替えることができる。その結果、上記サイマル放送への切替えを迅速に行うことができる。
なお、上記の音声コンポーネント記述子には、音声コンポーネントに関する詳細な情報がテキストとして記述される。そのため、サイマル放送の形態、チャンネル、および音声フォーマットを示す情報を、上記の音声コンポーネント記述子にテキストとして記述する構成としてもよい。図2(b)は、図2(a)に示すEITにおける音声属性情報を含む記述子D3の他の一例を示す図である。図2(b)に示す例において、記述子D3内のdescriptor_tagの値として、音声コンポーネント記述子であることを示す「0xC4」が記述される。そして、図2(b)に示す記述子D3内のtext_charには、サイマル放送の形態、チャンネル、および音声フォーマットを示すテキスト、例えば、「BSデジタル 2ch
PCM」などのテキストが記述される。制御情報取得部42は、当該テキストを解析することにより音声属性情報を取得する。なお、text_charに記述されているテキストに、例えば、「#」などのような予め定められたハッシュタグを付して記述する構成とすれば、当該テキストが音声属性情報を示すテキストであるか否かの判定を容易にすることができる。上記の構成によれば、従来の構成を大幅に変更することなく、音声属性情報を送信することができる。
〔音声属性情報に関する受信機の処理〕
次に、音声属性情報に関する受信機2の処理について図4に基づいて説明する。図4は、音声属性情報に関して受信機2の制御情報取得部42で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
まず、制御情報取得部42は、逆多重化部23が出力する制御情報からEITを抽出し、抽出したEITから音声属性情報を取得する(S1)。具体的には、制御情報取得部42は、抽出したEITから、descriptor_tagの値が、音声属性情報に予め割り当てられたタグの値(図2の例では0xF8)と一致するdescriptor(記述子)を抽出し、抽出した記述子を解析して、当該記述子に含まれる音声属性情報を取得する。
次に、制御情報取得部42は、取得した音声属性情報から音声フォーマットを抽出し、抽出した音声フォーマットが、受信機2のオーディオデコーダ24にてデコード可能なものであるか否かを判断する(S2)。デコード可能である場合(S2にてYES)、制御情報取得部42は、上記音声属性情報をオーディオデコーダ24に送信して、当該音声属性情報に基づいて音声データのデコードを行うようにオーディオデコーダ24に指示して(S3)、処理を終了する。
一方、上記音声フォーマットがオーディオデコーダ24にてデコード不能である場合(S2にてNO)、制御情報取得部42は、取得した音声属性情報からサイマル放送の音声属性情報を抽出し(S4)、上記サイマル放送の音声フォーマットが、受信機2のオーディオデコーダ24にてデコード可能なものであるか否かを判断する(S5)。デコード可能である場合(S5にてYES)、制御情報取得部42は、上記サイマル放送の音声フォーマットに切り替えるようにオーディオデコーダ24を制御し(S6)、上記サイマル放送に切り替えて受信するようにチューナ20を制御する(S7)。その後、制御情報取得部42は、サイマル放送の音声属性情報をオーディオデコーダ24に送信して、当該情報に基づいて音声データのデコードを行うようにオーディオデコーダ24に指示して(S3)、処理を終了する。
一方、上記サイマル放送の音声フォーマットが、オーディオデコーダ24にてデコード不能である場合(S5にてNO)、制御情報取得部42は、音声データが非対応である旨のコーションをディスプレイ28に表示するように、表示制御部27に指示して(S8)、処理を終了する。
なお、図4に示すフローチャートでは、音声属性情報における音声フォーマットについて、デコード可能か否かを判断しているが、音声のチャンネル数、SWのチャンネル数、サンプリング周波数、量子化ビット数など、音声の再生に必要なその他の情報についても、それぞれデコード可能か否かを判断してもよい。この場合、図4に示すステップS2を、下記の処理に変更すればよい。
すなわち、制御情報取得部42は、取得した音声属性情報から、音声の再生に必要な各種情報を抽出し、抽出した情報の全てが、受信機2のオーディオデコーダ24にてデコード可能なものであるか否かを判断する(S2’)。デコード可能なものである場合(S2’にてYES)、ステップS3に進む。一方、デコード不能なものである場合(S2’にてNO)、ステップS4に進む。
なお、サイマル放送の音声属性情報が記述子D3内のtext_charに記述されている場合(図2(b)を参照)、S4のステップにおいて、制御情報取得部42は、抽出した記述子を解析して、当該記述子に音声属性情報を示すテキストが含まれているかを判定し、当該記述子に含まれる音声属性情報を抽出する構成とすればよい。
〔変形例〕
なお、図3に示す音声属性情報に、サイマル放送における音声のチャンネル数、およびサブウーファ(SW)のチャンネル数が含まれていてもよい。この場合、図4のステップS7にてサイマル放送に切り替えた後、上記サイマル放送の音声属性情報に基づいて音声データのデコードを行うようにオーディオデコーダ24に指示すればよい。
〔実施形態2〕
本発明の別の実施形態について、図5および図6に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
ところで、受信機2では対応できない音声データであっても、受信機2に接続された外部の音声出力装置にて当該音声データに対応できる場合がある。そこで、本実施形態では、受信機2は、制御情報に含まれる音声属性情報に基づき上記の場合に該当すると判定すると、当該音声データに対しデコードは行わず、当該音声データをそのままの形式で音声出力装置(音声再生装置)6に転送している。これにより、上記音声データが自装置にて再生不能であっても、外部の音声出力装置6にて迅速に再生して出力することができる。
図5は、本実施形態に係る放送信号伝送システム5の要部構成の一例を示すブロック図である。本実施形態に係る放送信号伝送システム5は、図1に示す放送信号伝送システム5に比べて、受信機2と通信可能に接続された音声出力装置6が追加されている点が異なる。また、図5に示す受信機2は、図1に示す受信機2に比べて、切替部(転送手段)32および音声出力用通信I/F(外部属性取得手段、転送手段)33が追加されている点と、制御部29において制御情報取得部42に代えて、制御情報取得部(制御情報取得手段、判定手段、外部属性取得手段、転送手段)42aが設けられている点とが異なり、その他の構成は同様である。
音声出力装置6は、外部から受信した音声データに基づき音声を出力するものである。音声出力装置6は、受信機2におけるオーディオデコーダ24、音声出力制御部30、スピーカ31、および音声出力用通信I/F33と同様の機能ブロックを備えている。
切替部32は、逆多重化部23とオーディオデコーダ24との間に設けられ、逆多重化部23からのオーディオコンポーネントの出力先を、オーディオデコーダ24および音声出力用通信I/F33の何れかに、制御部29からの指示に基づき切り替えるものである。
音声出力用通信I/F33は、音声出力装置6とデータ通信を行うためのものである。本実施形態では、音声出力装置6および音声出力用通信I/F33は、例えば、SPDIF(Sony Philips Digital InterFace)、ARC(Audio Return Channel)などのように、デジタルオーディオ信号を、そのままの形式で出力するビットストリーム出力に対応可能なものである。なお、音声出力装置6および音声出力用通信I/F33間の通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。
制御情報取得部42aは、図1に示す制御情報取得部42に比べて、以下の機能が追加されており、その他の機能は同様である。すなわち、制御情報取得部42aは、音声出力装置6が対応可能な音声属性情報(音声のチャンネル数、SWのチャンネル数、音声フォーマットなど)を、音声出力用通信I/F33を介して取得する機能を有する。
また、制御情報取得部42aは、逆多重化部23からの制御情報から抽出した音声属性情報と、音声出力用通信I/F33からの音声属性情報とに基づき、切替部32に切替指示を行う機能を有する。具体的には、制御情報取得部42aは、逆多重化部23からの音声データが、自機のオーディオデコーダ24では対応できないものではあるが、音声出力装置6で対応可能なものである場合、上記音声データを、音声出力用通信I/F33に出力するように、切替部32に切替指示を行う。これにより、上記音声データは、音声出力用通信I/F33を介して音声出力装置6にそのままの形式で出力する。なお、制御情報取得部42aは、上記の場合以外の場合、上記音声データを、オーディオデコーダ24に出力するように、切替部32に切替指示を行う。
次に、本実施形態において、音声属性情報に関する受信機2の処理について図6に基づいて説明する。図6は、音声属性情報に関して受信機2の制御情報取得部42aで実行される処理の一例を示すフローチャートである。図6に示す処理は、図4に示す処理に比べて、ステップS11・S12の処理が追加されており、その他の処理は同様である。
ステップS11では、上記音声フォーマットがオーディオデコーダ24にてデコード不能である場合(S2にてNO)、制御情報取得部42aは、音声出力装置6から音声出力用通信I/F33を介しての音声属性情報を参照して、上記音声フォーマットは音声出力装置6にて対応可能かを判断する。上記音声フォーマットは音声出力装置6にて対応不能である場合(S11にてNO)、ステップS4に進む。
一方、上記音声フォーマットは音声出力装置6にて対応可能である場合(S11にてYES)、制御情報取得部42aは、切替部32に切替指示を行って、逆多重化部23からの音声データをそのままの形式で、音声出力用通信I/F33を介して外部の音声出力装置6に転送して(S12)、処理を終了する。
なお、図6に示すフローチャートにおいても、ステップS2の処理を、上述のようにステップS2’の処理に変更してもよい。この場合、デコード不能なものである場合(S2’にてNO)、ステップS4の代わりにステップS11に進めばよい。
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、図7に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
実施形態2においては、受信機2のスピーカ31、または、受信機2に接続された音声出力装置6の何れかから音声を出力する構成としているが、スピーカ31及び音声出力装置6の両方から音声を出力するように構成してもよい。
図7は、本実施形態に係る放送信号伝送システム5の受信機2の要部構成の一例を示すブロック図である。本実施形態に係る放送信号伝送システム5は、図5に示す放送信号伝送システム5に比べて、2つの逆多重化部23aおよび23bを備えている点と、切替部32に代えてセレクタ35が設けられている点とが異なり、その他の構成は同様である。
図示の受信機2は、2つのチューナ(不図示)および2つの復号部(不図示)を備えている。受信機2は、一方のチューナによりデジタル放送信号として送信されるコンテンツを受信し、当該コンテンツを一方の復号部により復号し、逆多重化部23aに出力する。また、受信機2は、他方のチューナにより、一方のチューナにより受信されたコンテンツのサイマル放送のコンテンツを受信し、当該コンテンツを他方の復号部により復号し、逆多重化部23bに出力する。逆多重化部23a及び23bの各々の機能については、図5に示す受信機2の逆多重化部23と同様である。
セレクタ35は、オーディオデコーダ24および音声出力用通信I/F33に出力するオーディオコンポーネントを、逆多重化部23aから出力されるオーディオコンポーネント、または、逆多重化部23bから出力されるオーディオコンポーネントの何れかに、制御部29からの指示に基づき切り替えるものである。すなわち、本実施形態においては、オーディオデコーダ24および音声出力用通信I/F33の両方に対して、オーディオコンポーネントが出力されるように構成されている。
制御情報取得部42aは、逆多重化部23aおよび23bからの制御情報から抽出した音声属性情報と、音声出力用通信I/F33からの音声属性情報とに基づき、セレクタ35に切替指示を行う機能を有する。
制御情報取得部42aからセレクタ35に対して行う具体的な切替指示は以下の通りである。
(ケース1)
逆多重化部23aからの音声データが、オーディオデコーダ24および音声出力装置6で対応可能である場合、オーディオデコーダ24および音声出力用通信I/F33に、上記音声データを出力するようにセレクタ35に切替指示を行う。
(ケース2)
逆多重化部23aからの音声データが、オーディオデコーダ24では対応できないものであり、かつ、音声出力装置6では対応可能である場合、オーディオデコーダ24に対して逆多重化部23bからの音声データを出力し、かつ、音声出力用通信I/F33に対して逆多重化部23aからの音声データを出力するように、セレクタ35に切替指示を行う。
(ケース3)
逆多重化部23aからの音声データが、オーディオデコーダ24では対応可能であり、かつ、音声出力装置6では対応できないものである場合、オーディオデコーダ24に対して逆多重化部23aからの音声データを出力し、かつ、音声出力用通信I/F33に対して逆多重化部23bからの音声データを出力するように、セレクタ35に切替指示を行う。
これにより、受信機2は、スピーカ31及び音声出力装置6の両方から音声を出力することができる。
なお、本実施形態において、制御情報には、コンテンツのサイマル放送の音声属性情報が含まれているため、逆多重化部23aまたは逆多重化部23bの何れかからの制御情報を用いて音声属性情報を抽出する構成としてもよい。
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態について、図8〜図10に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
ところで、コンテンツは、音声のチャンネル数および音声フォーマットが異なる複数の音声コンポーネントを含む場合がある。このような音声コンポーネントの例としては、音声のチャンネル数が22.1chであり、音声フォーマットがMPEG2−AC3である音声コンポーネント、音声のチャンネル数が5.1chであり、音声フォーマットがLPCM(Linear PCM)である音声コンポーネント、などが挙げられる。
一方、受信機2には、複数セットの音声フォーマットおよび上記チャンネル数に対応可能なものがある。そこで、本実施形態では、上記コンテンツに含まれる複数の音声コンポーネントのうち、オーディオデコーダ24にて対応可能なものの情報をディスプレイ28にて表示し、ユーザが選択した音声コンポーネントに対しオーディオデコーダ24がデコードを行っている。これにより、ユーザの所望する音声コンポーネントから音声を再生することができ、その結果、ユーザの利便性が向上する。
図8は、本実施形態に係る放送信号伝送システム5の受信機2の要部構成の一例を示すブロック図である。本実施形態の受信機2は、図1に示す受信機2に比べて、制御部29において制御情報取得部42に代えて、制御情報取得部(制御情報取得手段、判定手段、選択手段)42bが設けられている点が異なり、その他の構成は同様である。
制御情報取得部42bは、図1に示す制御情報取得部42に比べて、以下の機能が追加されており、その他の機能は同様である。すなわち、制御情報取得部42bは、逆多重化部23からの制御情報から抽出した音声属性情報から、或るコンテンツに含まれる複数の音声コンポーネントについて、オーディオデコーダ24にてデコード可能か否かを判断する機能を有する。また、制御情報取得部42は、OSD生成部34に対し、デコード可能と判断された音声コンポーネントに関する音声のチャンネル数および音声フォーマットを表示するためのデコード選択用画像データを生成するように指示を行う機能を有する。
図9は、上記デコード選択用画像データがディスプレイ28に表示された画面の一例を示す図である。図示の表示画面では、下部に、デコード可能な音声コンポーネントに関する音声のチャンネル数および音声フォーマットのセットが表示され、残りの領域に、例えば映像コンポーネントの映像など、その他の各種情報が表示されている。ユーザが、下部に表示されているセットの何れかを選択すると、制御情報取得部42bは、選択されたセットの音声コンポーネントをデコードするようにオーディオデコーダ24に指示すると共に、映像コンポーネントの映像のみを表示する通常の表示画面に戻る。
次に、本実施形態において、音声属性情報に関する受信機2の処理について図10に基づいて説明する。図10は、音声属性情報に関して受信機2の制御情報取得部42bで実行される処理の一例を示すフローチャートである。図10に示す処理は、図4に示す処理に比べて、ステップS21〜S23の処理が追加されており、その他の処理は同様である。
ステップS21では、上記音声フォーマットがオーディオデコーダ24にてデコード可能である場合(S2にてYES)、制御情報取得部42bは、デコード可能な音声コンポーネントが複数であるか否かを判断する。デコード可能な音声コンポーネントが1つである場合(S21にてNO)、ステップS3に進む。
一方、デコード可能な音声コンポーネントが複数である場合(S21にてYES)、制御情報取得部42bは、OSD生成部34に対して、上記デコード選択用画像データを生成する指示を行うことにより、上記音声コンポーネントの音声のチャンネル数と音声フォーマットとを、上記音声コンポーネントごとに表示する(S22)。そして、制御情報取得部42bは、複数の音声コンポーネントのうち、ユーザが選択した音声コンポーネントを、上記音声属性情報に基づいてデコードするように、オーディオデコーダ24に指示して(S23)、処理を終了する。
なお、図10に示すフローチャートにおいても、ステップS2の処理を、上述のようにステップS2’の処理に変更してもよい。この場合、デコード可能なものである場合(S2’にてYES)、ステップS3の代わりにステップS21に進めばよい。
〔変形例〕
なお、本実施形態では、デコード可能な音声コンポーネントが複数存在する場合に関するものである。一方、オーディオデコーダ24の中には、22.2chの音声コンポーネントを、例えば5.1ch、2chなどの音声データにダウンコンバート可能なものが存在する。
そこで、本実施形態を、オーディオデコーダ24がダウンコンバート可能な音声コンポーネントが存在する場合に適用することもできる。この場合、制御情報取得部42bは、OSD生成部34に、図9に示す表示画面において、ユーザが選択可能な音声のチャンネル数(例えば、22.2ch、5.1ch、2chなど)を下部に表示するような画像データを生成させ、ユーザが選択した音声のチャンネル数の音声データを出力するように、オーディオデコーダ24に指示すればよい。
また、上記実施形態の送信機1は、コンテンツを再生するための制御情報を生成する制御情報生成装置としての機能と、デジタル放送信号を送信する送信装置としての機能とを共に備えていた。しかしながら、互いに独立した制御情報生成装置と送信装置との組み合わせによっても、上記送信機1と同様の機能を実現することができる。
〔受信機2における電子番組表〕
続いて、受信機2における電子番組表について、図11を参照して説明する。図11は、受信機2のOSD生成部34が、音声属性情報を含むEITを参照して生成する電子番組表の一例を示す図である。図11に示すように、OSD生成部34が生成する電子番組表は、コンテンツのチャンネルを示す軸と、時間を示す軸とによって張られる二次元面に、各コンテンツを示すセルが配置されている。図11に示すように、電子番組表のセルの何れかをフォーカスする操作が行われると、当該セルに対応したコンテンツに関する情報がクローズアップされて表示される。コンテンツに関する情報としては、例えば、番組名、放送時間、出演者、及び当該コンテンツの内容を示すテキストなどが挙げられる。
本実施形態においては、EITに音声属性情報が含まれる構成を採用している。そのため、本実施形態では、OSD生成部34が生成する電子番組表において、各コンテンツの音声情報を提示することができる。図11に示すように、各コンテンツに関する情報として、番組名、放送時間、出演者、及び当該コンテンツの内容を示すテキストに加え、当該コンテンツの音声属性情報を示すテキストである「22.2ch,・・・」がさらに提示されている。
なお、EITに含まれる音声属性情報に応じて、電子番組表における各セルの色を変更することにより、ユーザに各コンテンツの音声属性情報を提示する構成としてもよい。
〔ソフトウェアによる実現例〕
送信機1および受信機2の制御ブロック(特に制御部15および制御部29)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、送信機1および受信機2は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る放送信号送信装置(送信機1)は、デジタル放送信号を送信する放送信号送信装置であって、コンテンツの音声コンポーネントに関する属性情報を取得する属性取得手段(音声属性取得部17)と、上記属性情報を含むイベント情報テーブル(EIT)を付加したデジタル放送信号を生成するパケット生成手段(多重化部12、制御情報生成部18)と、を備えており、上記属性情報には、上記コンテンツのサイマル放送の音声コンポーネントに関する属性情報が含まれている。
上記の構成によれば、上記イベント情報テーブル(EIT)には、当該コンテンツの音声コンポーネントに関する属性情報(音声属性情報)が含まれている。これにより、上記EITが付加されたデジタル放送信号を受信する受信装置は、上記コンテンツを再構成する時には、当該コンテンツの音声属性情報が既に取得されている。従って、再構成されたコンテンツを再生する前に、該コンテンツの音声コンポーネントが自装置にて再生可能かを判定することができ、その結果、当該判定を従来よりも迅速に行うことができる。また、上記の構成において、上記属性情報には、上記コンテンツのサイマル放送の音声コンポーネントに関する属性情報が含まれている。そのため、上記受信装置は、再構成されたコンテンツを再生する前に、該コンテンツの音声が自装置にて再生不能であると判定し、上記属性情報を参照して、受信する放送信号を上記コンテンツのサイマル放送の信号に切り替えることができる。その結果、上記サイマル放送への切替えを迅速に行うことができる。
本発明の態様2に係る放送信号受信装置(受信機2)は、デジタル放送信号を受信する放送信号受信装置であって、コンテンツの音声コンポーネントに関する属性情報を含むイベント情報テーブルを取得する制御情報取得手段(制御情報取得部42)と、
該制御情報取得手段が取得したイベント情報テーブルに基づいて、コンテンツを再構成する再構成手段(逆多重化部23)と、上記イベント情報テーブルから抽出した上記属性情報に基づいて、上記音声コンポーネントから音声を自装置にて再生可能かを判定する判定手段(制御情報取得部42)と、を備え、上記属性情報には、上記コンテンツのサイマル放送の音声コンポーネントに関する属性情報が含まれている。
上記の構成によれば、コンテンツの音声コンポーネントに関する属性情報を含むイベント情報テーブル(EIT)を取得し、取得したEITに基づいて、コンテンツを再構成する。この時には、EITに含まれる、上記コンテンツの音声コンポーネントに関する属性情報(音声属性情報)は既に取得されている。従って、再構成されたコンテンツを再生する前に、該コンテンツの音声コンポーネントから音声を自装置にて再生可能かを判定することができ、その結果、当該判定を従来よりも迅速に行うことができる。また、上記の構成において、上記属性情報には、上記コンテンツのサイマル放送の音声コンポーネントに関する属性情報が含まれている。そのため、上記受信装置は、再構成されたコンテンツを再生する前に、該コンテンツの音声が自装置にて再生不能であると判定し、上記属性情報を参照して、受信する放送信号を上記コンテンツのサイマル放送の信号に切り替えることができる。その結果、上記サイマル放送への切替えを迅速に行うことができる。
本発明の態様3に係る放送信号受信装置は、上記態様2において、自機に通信可能に接続された外部の音声再生装置から、該音声再生装置にて音声を再生可能な音声コンポーネントの属性情報を取得する外部属性取得手段(制御情報取得部42)をさらに備えており、上記判定手段は、上記外部属性取得手段が取得した上記属性情報に基づいて、上記コンテンツの音声コンポーネントから音声を上記音声再生装置にて再生可能かをさらに判定しており、該判定の結果、上記音声再生装置にて再生可能である場合、上記再構成手段が再構成した上記音声コンポーネントを上記外部の音声再生装置に転送する転送手段(切替部32、音声出力用通信I/F33)をさらに備えていてもよい。
上記の構成によれば、再構成されたコンテンツを再生する前に、該コンテンツの音声コンポーネントから音声を外部の音声再生装置にて再生可能であると判定し、再構成されたコンテンツの音声コンポーネントを上記音声再生装置に転送することができる。その結果、上記音声コンポーネントが自装置にて再生不能であっても、外部の音声再生装置にて迅速に再生して出力することができる。
本発明の態様4に係る放送信号受信装置は、上記態様2または3において、上記コンテンツは、内容が同じであり上記属性情報が異なる複数の音声コンポーネントを含んでおり、上記判定手段の判定の結果、上記複数の音声コンポーネントから音声を自装置にて再生可能である場合、上記音声コンポーネントの何れかをユーザに選択させる選択手段(制御情報取得部42b)をさらに備えてもよい。上記の構成によれば、ユーザの所望する音声コンポーネントから音声を再生することができ、その結果、ユーザの利便性が向上する。
本発明の態様5に係るテレビジョン受像機は、上記態様2から4に記載の受信装置を含んでいる。よって、上記態様2〜4の放送信号受信装置と同様の作用効果を奏する。
本発明の態様6に係る放送信号伝送システム(5)は、上記態様1に記載の放送信号送信装置と、上記態様2から4に記載の放送信号受信装置とを含んでいる。よって、上記態様1に記載の放送信号送信装置と、上記態様2から4に記載の放送信号受信装置と同様の作用効果を奏する。
なお、上記属性情報は、上記音声コンポーネントから音声を再生するのに必要な情報を含むことが好ましい。当該情報の例としては、上記音声の音声フォーマット、チャンネル数、サンプリング周波数、量子化ビット数、などが挙げられる。
また、上記属性情報は、上記コンテンツのサイマル放送を特定するための情報を含んでもよい。この場合、上記受信装置は、再構成されたコンテンツを再生する前に、該コンテンツの音声が自装置にて再生不能であると判定し、上記属性情報を参照して、受信する放送信号を上記コンテンツのサイマル放送の信号に切り替えることができる。その結果、上記サイマル放送への切替えを迅速に行うことができる。
本発明の各態様に係る放送信号送信装置および放送信号受信装置は、それぞれ、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記放送信号送信装置および放送信号受信装置が備える各手段として動作させることにより上記放送信号送信装置および放送信号受信装置をコンピュータにて実現させる制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。