JP2017143401A - アンテナ装置 - Google Patents

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Hiroaki Sakamoto
寛明 坂本
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徹 深沢
崇 ▲柳▼
崇 ▲柳▼
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【課題】放射効率を制御することができるアンテナ装置を得ることを目的とする。【解決手段】導電性液体100を外部に噴出させる開口面に給電点105が設けられている導体中空管103と、導体中空管103と接続し、導電性液体100を供給する液体噴出制御部108と、導電性液体100の導電率を調整し、液体噴出制御部108へ導電性液体100を供給する導電率調整部110とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、導電性のある液体(以下、「導電性液体」と称する)を放射素子として用いるアンテナ装置に関するものである。
導電性液体を放射素子として用いるアンテナ装置は、導電性液体に電流を流すことで任意の形状のアンテナを形成することができるため、近年、注目が高まっている。
以下の特許文献1には、海水を導電性液体として用い、線状に噴出し、この海水に磁界を用いて電流を発生することで、モノポールアンテナもしくはダイポールアンテナとして動作させるアンテナ装置が開示されている。
このアンテナ装置では、海水の噴出する勢いを制御することで動作周波数を調整している。
米国特許第8,368,605号
従来の導電性液体を用いたアンテナ装置では、導電性液体の噴出する勢いを制御することしか行っていないため、使用する導電性液体によっては、アンテナとしての放射効率が低くなること言う課題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、放射効率の制御が可能なアンテナ装置を得ることを目的とする。
本発明に係るアンテナ装置は、導電性液体を外部に噴出させる開口面に給電点が設けられている導体中空管と、前記導体中空管と接続し、導電性液体を供給する液体噴出制御部と、前記導電性液体の導電率を調整し、前記液体噴出制御部へ導電性液体を供給する導電率調整部とを有する。
本発明によれば、導電性液体を放射素子として用いたアンテナの放射効率を制御することが可能となると言う効果がある。
実施の形態1におけるアンテナ装置を示す構成図である。 実施の形態1におけるイオン交換装置の原理を示す図である。 実施の形態2におけるアンテナ装置を示す構成図である。 実施の形態2における逆浸透圧の原理を示す図である。 実施の形態3におけるアンテナ装置を示す構成図である。 実施の形態4におけるアンテナ装置を示す構成図である。 実施の形態5におけるアンテナ装置を示す構成図である。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1によるアンテナ装置を示す構成図である。
図1において、100は導電性液体、101は地導体、102は穴、103は地導体101に設けられた穴102より細い外径を有する導体中空管であり、穴102と同軸上に配置されている。なお、本実施の形態では、導電性液体100として海水を用いた例について説明を行うが、導電性のある液体であれば何でもよく、海水に特定するものではない。
ここでの穴102と導体中空管103は、アンテナとして動作する際の径であるためより太い方が効率は良くなり、導体中空管103は地導体101と同じ媒質の金属であることが望ましい。また、導体中空管103の開口面104には給電点105が設けられている。本実施の形態では、導電性液体100として海水を用いた場合について説明する。よって地導体101は本実施の形態では海面と考えても良い。例えば、地導体101が海水面であるならば、穴102は、土管のような筒状のもので、海水と区切られた空間のことである。
図1では、アンテナ装置から放射される電磁波の元となる高周波電圧が印加される位置を示すために、模式的に給電点105を描画しているが、実装において、給電点105が物理的な構成要素として形成されるわけではない。
また、実際の高周波電圧の印加方法として、各種の方法があるが、例えば、電圧源(信号源、図示せず)から出力された高周波電圧を伝送する同軸ケーブル(図示せず)の内部導体を導体中空管103に接続するとともに、その同軸ケーブルの外部導体を地導体101に接続することで、高周波電圧を印加する方法などが考えられる。
106は、導電性液体100を導体中空管103に供給するためのポンプである。
107は、ポンプ106から導体中空管103に供給される導電性液体100の供給量を制御するポンプ駆動装置である。なお、ポンプ106及びポンプ駆動装置107を合わせた物を液体噴出制御部108と呼ぶ。
110は、液体噴出制御部108に供給される導電性液体100の導電率を高くするための導電率調整部である。
109は、導電率調整部110により(導電率が)調整された、導電性液体100’を貯蔵する貯蔵部である。
111は、導電性液体100を汲み上げ、導電率調整部110へ送るための給水部である。
なお、本実施の形態では、導電性液体100として海水を、導電率調整部110の導電率を調整する方法として、イオン交換装置114を用いた場合について説明する。
図2は本実施形態における導電率調整部110として使用するイオン交換膜を用いたイオン交換装置114の原理を示す図である。
201はプラスの電極、202はマイナスの電極、203’と203”は陰イオンのみを通す膜、204’と204”は陽イオンのみを通す膜である。プラスの電極201とマイナスの電極202は、電圧を印加する電源装置(図示せず)に接続されている。陰イオンのみを通す膜203’、203”として第四アンモニウム基等を用いてもよく、陽イオンのみを通す膜204’、204”としてスルホン酸基等を用いてもよい。
本実施の形態では、陰イオンのみを通す膜203’、203”と陽イオンのみを通す膜204’、204”をあわせてイオン交換膜と呼ぶ。
次に動作について説明する。
給水部111は、ポンプ等を用いることで導電性液体100を汲み上げ、イオン交換装置114へ送る。
イオン交換装置114は、図2のようにプラスの電極201とマイナスの電極202に電圧を印加することで導電性液体100をナトリウムイオンと塩化物イオンに電気分解するものである。
発生したそれぞれのイオンは、プラスの電極201とマイナスの電極202に引き付けられ移動する。陰イオンのみを通す膜203’、203”と陽イオンのみを通す膜204’、204”を互い違いに二組使用すると、塩化物イオンとナトリウムイオンはそれぞれ陰イオンのみを通す膜203’、203”と陽イオンのみを通す膜204’、204”を透過する。
これにより、図2に示すように中央に配置した陰イオンのみを通す膜203”と陽イオンのみを通す膜204”の間に両イオンが集まり、その範囲のみ塩分濃度を濃くすることが可能となる。また、中央に配置した陰イオンのみを通す膜203”と陽イオンのみを通す膜204”の間以外では両イオンが少なくなるため塩分濃度が薄くなる。
塩分濃度と導電率との間は、比例関係にあるため、陰イオンのみを通す膜203“と陽イオンのみを通す膜204”の間の液体を集めることにより、給水部111が汲み上げた導電性液体100よりも導電率が高い導電性液体100’を貯蔵することが可能となる。また、陰イオンのみを通す膜203“と陽イオンのみを通す膜204”の間以外の液体を集めることにより、給水部111が汲み上げた導電性液体100よりも導電率が低い、導電性液体100’を貯蔵することが可能となる。
また、貯蔵部109により、所望の導電率を有する、導電性液体100’を供給することが可能となる。
液体噴出制御部108は、貯蔵部109に貯蔵された所望の導電率を有する導電性液体100’を、ポンプ106で駆動することで導体中空管103に所望の導電率を有する導電性液体100’を供給し、外部に放水させる。
このとき、給電点105から地導体101と導体中空管103の間には高周波電圧が印加されているため、放射素子として動作する所望の導電率を有する導電性液体100’に高周波電力が供給される。
また、ポンプ駆動装置107は、ポンプ106から導体中空管103に供給される所望の導電率を有する導電性液体100’の供給量を制御することで、導体中空管103の開口面104から放水させる所望の導電率を有する導電性液体100’の噴出高を放射対象の電磁波の周波数fで4分の1波長の高さに調整する。
所望の導電率を有する導電性液体100’の噴出高を周波数fで4分の1波長の高さに調整することで、所望の導電率を有する導電性液体100’が共振状態となるため、所望の導電率を有する導電性液体100’から周波数fの電磁波が放射される。
以上で明らかなように、本実施の形態によれば、給水部111が汲み上げた導電性液体100を受け取った導電率調整部110が、イオン交換装置114に電圧を印加し、塩分濃度を高くまたは低く変化させることで導電性液体100’の導電率を調整することが可能となる。これにより、高効率化だけでなくアンテナ装置の放射特性を調整することができると言う効果を奏する。
また、貯蔵部109を有することにより、導電率調整部110が一度に調整を行える導電性液体100’の量が少なかった場合でも、液体噴出制御部108が導電性液体100’を継続して噴出することが可能となる。
実施の形態2.
実施の形態1では、導電率調整部110にイオン交換装置114を用いることで導電性液体の導電率を調整する例を示したが、本実施の形態では、導電率調整部110に逆浸透膜を用いることで導電性液体の導電率を調整する例について説明する。
図3は本実施の形態によるアンテナ装置を示す構成図であり、図3において図1と同一符号は同一または相当部分を示している。
本実施の形態は、実施の形態1と基本的な構成は同じであるが、導電率調整部110として逆浸透圧の原理を使用する。
このため、本実施の形態における導電率調整部110は、圧力印加装置116と、濾過膜の一種である逆浸透膜117で構成されている。逆浸透膜117の材料として酢酸セルロースや芳香族ポリアミドなどが挙げられる。
次に動作について説明する。
図4は本実施形態における導電率調整部110として使用する逆浸透圧の原理を示す図である。
逆浸透膜117を中央に配置した容器に導電性液体100と真水120を注入し、圧力印加装置116で導電性液体100にのみ浸透圧以上の圧力をかける。これにより、導電性液体100から水だけを逆浸透膜117を通して真水120側に押し出すことができるため、塩分濃度を上昇することができる。
実施の形態1と同様、導電性液体100を海水とした場合、本実施の形態では、圧力印加装置116が、導電性液体100に圧力をかけ、逆浸透膜117を通すことで、導電性液体100の塩分濃度を調整することが可能となる。
逆浸透膜117を通過した導電性液体100の塩分濃度は低くなり、逆浸透膜117を通過しなかった導電性液体100の塩分濃度は高くなる。
逆浸透膜117を通過しなかった導電性液体100を集めることにより、給水部111が汲み上げた導電性液体100よりも導電率が高い導電性液体100’を貯蔵することが可能となる。また、逆浸透膜117を通過した導電性液体100を集めることにより、給水部111が汲み上げた導電性液体100よりも導電率が低い、導電性液体100’を貯蔵することが可能となる。
以上で明らかなように、本実施の形態によれば、給水部111が汲み上げた導電性液体100を受け取った導電率調整部110が、圧力印加装置116によって、導電性液体100に圧力をかけ、逆浸透膜117と呼ばれる濾過膜を通すことで導電性液体100’の導電率を調整することが可能となる。これにより、アンテナ装置の放射特性を調整することができると言う効果を奏する。
実施の形態3.
本実施の形態では、導電率調整部110に不純物添加部を用いることで導電性液体の導電率を調整する例について説明する。
図5は本実施の形態によるアンテナ装置を示す構成図であり、図5において図1と同一符号は同一または相当部分を示している。
本実施の形態は、実施の形態1と基本的な構成は同じであるが、導電率調整部110として不純物119を添加する不純物添加部118を使用する。
不純物添加部118は、給水部111が汲み上げた導電性液体100に対し、不純物119を加える装置であり、これにより導電性液体100の導電率を高くする。
実施の形態1と同様、導電性液体100を海水とし、不純物119を塩とした場合、不純物添加部118は、給水部111が汲み上げた導電性液体(海水)100に対し、不純物(塩)119を加える。塩が加えられた海水は、塩分の濃度が上昇する。塩分濃度と導電率との間は、比例関係にあるため、塩が加えられるにつれて導電性液体100の導電率を高くすることが可能となる。
本実施の形態では、導電性液体100として海水を、不純物119として塩を用いた場合について説明したが、一般的に液体へ不純物を加えると、導電性が高くなるため、不純物としてどのような材料を使っても良い。
以上で明らかなように、本実施の形態によれば、給水部111が汲み上げた導電性液体100を受け取った導電率調整部110が、不純物119を添加することにより、導電性液体100の導電率が高くなる。これにより、アンテナ装置の放射特性を調整することができると言う効果を奏する。
実施の形態4.
本実施の形態では、導電率調整部110に加熱装置121を用いることで導電性液体の導電率を調整する例について説明する。
図6は本実施の形態によるアンテナ装置を示す構成図であり、図6において図1と同一符号は、同一または相当部分を示している。
本実施の形態は、実施の形態1と基本的な構成は同じであるが、導電率調整部110として加熱装置121を使用する。加熱装置121は、火力を用いるボイラー、電熱器を用いたヒーターや、太陽光の熱を利用した加熱器であってもよい。
加熱装置121は、給水部111が汲み上げた導電性液体100に対し、加熱処理を行うことで水分を蒸発させる。
実施の形態1と同様、導電性液体100を海水とした場合、加熱装置121は、加熱処理を行うことで海水の水分を蒸発させ、海水の塩分濃度を上昇させる。塩分濃度と導電率との間は、比例関係にあるため、海水の水分が蒸発するにつれて導電性液体100の導電率を高くすることが可能となる。
以上で明らかなように、本実施の形態によれば、給水部111が汲み上げた導電性液体100を受け取った導電率調整部110が、加熱処理を行うことにより、導電性液体100の導電率が高くなる。これにより、アンテナ装置の放射特性を調整することができるという効果を奏する。
実施の形態5.
上記実施の形態1〜4では、導体中空管103にポンプ106が接続されているものを示したが、図7のように開度を調整することが可能なバルブを導体中空管103とポンプ106の間に接続してもよい。この場合、液体噴出制御部108が、ポンプ106からの海水の供給量を制御すると同時に、バルブの開度を調整することで、上記実施の形態1〜3と同様に外部に放水するための海水の供給量を制御することができる。これにより、外部に放水する導電性液体100’の径を変化することができるため、貯蔵部109に蓄えられた導電性液体100’の濃度が仮に低い場合には放水の径を太くすることで放射効率を常に一定に保つことができる。
100 導電性液体、100’ 導電率の高い導電性液体、101 地導体、102 穴、103 導体中空管、104 開口面、105 給電点、106 ポンプ、107 ポンプ駆動装置、108 液体噴出制御部、109 貯蔵部、110 導電率調整部、111 給水部、114 イオン交換装置、116 圧力印加装置、117 逆浸透膜、118 不純物添加部、119 不純物、120 真水、121 加熱装置、201 プラスの電極、202 マイナスの電極、203’、203” 陰イオンのみ通す膜、204’、204” 陽イオンのみ通す膜。

Claims (6)

  1. 導電性液体を外部に噴出させる開口面に給電点が設けられている導体中空管と、
    前記導体中空管と接続し、導電性液体を供給する液体噴出制御部と、
    前記導電性液体の導電率を調整し、前記液体噴出制御部へ導電性液体を供給する導電率調整部と
    を備えたアンテナ装置。
  2. 前記導電率調整部は、イオン交換膜を用いて導電率を調整することを特徴とする請求項1に記載アンテナ装置。
  3. 前記導電率調整部は、逆浸透膜を用いて導電率を調整することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
  4. 前記導電率調整部は、不純物を添加する不純物添加部を用いて導電率を調整することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
  5. 前記導電率調整部は、前記導電性液体を加熱する加熱装置を用いて導電率を調整することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
  6. 前記導電率調整部が導電率を調整した前記導電性液体を貯蔵し、貯蔵した前記導電性液体を前記液体噴出制御部に供給する貯蔵部
    を備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
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