JP2017135570A - 撮像システム、及び、撮像システムの制御方法 - Google Patents

撮像システム、及び、撮像システムの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】撮像する装置とは別の装置によって、容易に撮像画像を利用可能な撮像システム、及び、撮像システムの制御方法を提供する。【解決手段】観察対象に対応して配置され、観察対象を撮像する撮像部415を有する撮像装置400と、撮像装置400の撮像画像を送信するHMD通信部313を有する通信端末300と、通信端末300が送信する撮像画像を受信する通信部117と、通信部117が受信する撮像画像に基づき画像を表示する画像表示部20と、を有するHMD100と、を備え、通信端末300に対するHMD100の位置が所定の状態となった場合に、通信端末300とHMD100とが撮像画像を送受信可能な状態に移行すること、を特徴とする撮像システム1。【選択図】図9

Description

本発明は、撮像システム、及び、撮像システムの制御方法に関する。
従来、通信ネットワークを利用してカメラによる監視を行うシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1記載のシステムは、インターネットを通じてカメラによる監視を行う。
特開2002−083380号公報
ところで、通信ネットワークを介してカメラの撮像画像を利用する構成では、撮像画像を見るために、カメラを特定して通信を行う必要がある。このため、カメラの撮像画像を利用するユーザーは、通信ネットワークに接続してカメラの撮像画像を取得できる装備を必要とし、カメラが複数ある場合は各カメラの設置場所や撮像方向に関する情報を参照する必要がある。例えば、特許文献1には、係員が管理集約センターで監視することが記載されている。このように、所望のカメラの撮像画像を見るためには、高機能の装置を利用可能な環境で、複雑な操作を行う必要があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、撮像する装置とは別の装置によって、容易に撮像画像を利用可能な撮像システム、及び、撮像システムの制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、観察対象に対応して配置され、前記観察対象を撮像する撮像部を有する撮像装置と、前記撮像装置の撮像画像を送信する第1通信部を有する通信端末と、前記通信端末が送信する撮像画像を受信する第2通信部と、前記第2通信部が受信する撮像画像に基づき画像を表示する表示部と、を有する表示装置と、を備え、前記通信端末に対する前記表示装置の位置が所定の状態となった場合に、前記通信端末と前記表示装置とが撮像画像を送受信可能な状態に移行すること、を特徴とする。
この構成によれば、表示装置の位置を変化させ調整することにより、表示装置が、撮像装置の撮像画像に基づく画像を表示できる。このため、撮像画像を利用するための表示装置の構成、及び表示装置の操作が簡易であり、容易に撮像画像を利用できる。
また、本発明は、上記撮像システムにおいて、前記通信端末は、前記通信端末に対する前記表示装置の位置が所定の状態となった場合に、前記第1通信部により前記通信端末を特定可能な識別情報を送信させる第1制御部を備え、前記表示装置は、前記通信端末が送信する識別情報を前記第2通信部が受信した場合に、受信した識別情報に基づいて、前記第2通信部によって前記通信端末との間の通信を確立させる第2制御部を備えること、を特徴とする。
この構成によれば、表示装置により、撮像画像を送信する通信端末を特定して、通信を確立できる。このため、例えば複数の通信端末が存在する場合に、目的に合う通信端末を選択して通信を確立できる。
また、本発明は、上記撮像システムにおいて、前記第1通信部は、指向性を有する周波数帯の無線信号を送信し、前記第2通信部は、前記第1通信部が送信する周波数帯の無線信号を受信可能に構成されること、を特徴とする。
この構成によれば、表示装置が通信端末から撮像画像を受信できる場合の表示装置と通信端末との相対位置を制限できるので、表示装置の位置に応じて、撮像画像を利用可能な構成を容易に実現できる。この構成によれば、例えば複数の通信端末が設置された環境において、表示装置により特定の通信端末を指定して撮像画像を受信できる。
また、本発明は、上記撮像システムにおいて、前記第1通信部は、前記通信端末と前記表示装置との通信距離に対応する送信出力でLF帯の無線信号を送信し、前記第2通信部はLF帯の無線信号を受信可能に構成されること、を特徴とする。
この構成によれば、送信出力の調整が容易なLF帯(例えば、30kHz〜300kHz)の無線信号を通信端末が送信するので、表示装置が通信端末から撮像画像を受信する場合の表示装置と通信端末との距離を、例えば近距離に制限できる。これにより、例えば複数の通信端末が設置された環境において、表示装置により特定の通信端末を指定して撮像画像を受信できる。
また、本発明は、上記撮像システムにおいて、前記表示装置は、前記第2通信部により前記通信端末と通信可能な状態で、前記表示装置を特定可能な識別情報を前記第2通信部によって送信させる第2制御部を備え、前記通信端末は、前記表示装置が送信する識別情報を前記第1通信部により受信した場合に、受信した識別情報に基づいて、前記第1通信部によって前記表示装置との間の通信を確立させる第1制御部を備えること、を特徴とする。
この構成によれば、表示装置が識別情報を通信端末に送信して通信を確立するので、撮像画像を受信する表示装置を識別できる。このため、撮像画像を受信する表示装置を、特定の表示装置に制限できる。
また、本発明は、上記撮像システムにおいて、前記表示装置は、使用者の頭部に装着される頭部装着型の前記表示部を有し、前記表示装置と前記通信端末との距離が、前記使用者が前記観察対象を視認可能な距離以下となった場合に、前記通信端末と前記表示装置とが撮像画像を送受信可能な状態に移行すること、を特徴とする。
この構成によれば、表示部を装着した使用者が、通信端末を視認可能な距離まで通信端末に近づくことで、撮像画像を受信可能となる。このため、使用者が容易に通信端末から撮像画像を受信するための状態に移行できる。また、例えば複数の通信端末が設置された環境において、表示装置により特定の通信端末を指定して撮像画像を受信できる。
また、本発明は、上記撮像システムにおいて、前記表示部は、前記第2通信部により受信された撮像画像に基づく画像を、外景とともに視認可能に表示すること、を特徴とする。
この構成によれば、使用者は、撮像画像に基づく画像を外景とともに視認できる。このため、観察対象を外景として見るとともに、観察対象を撮像した撮像画像を見ることができる。
また、本発明は、上記撮像システムにおいて、前記表示部は、前記使用者が視認する外景と重なる範囲を撮像する第2撮像部を有し、前記第2撮像部の撮像画像に基づいて、前記使用者が視認する前記観察対象と前記第2通信部により通信する前記通信端末が送信する撮像画像との対応を判定する判定部を有すること、を特徴とする。
この構成によれば、表示装置が通信端末から受信する撮像画像と、使用者が外景として視認する観察対象との対応を判定できる。
また、本発明は、上記撮像システムにおいて、複数の前記撮像装置と、それぞれの前記撮像装置に対応する複数の前記通信端末とを備え、複数の前記通信端末のうち前記表示装置との位置が所定の状態となった1つの前記通信端末と、前記表示装置とが撮像画像を送受信可能な状態に移行すること、を特徴とする。
この構成によれば、表示装置が複数の通信端末から同時に撮像画像を受信することがないので、使用者が、観察対象に関する撮像画像を確実に見ることができる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、観察対象に対応して配置され、前記観察対象を撮像する撮像部を有する撮像装置と、前記撮像装置の撮像画像を送信する第1通信部を有する通信端末と、前記通信端末が送信する撮像画像を受信する第2通信部と、前記第2通信部が受信する撮像画像に基づき画像を表示する表示部と、を有する表示装置と、を備える撮像システムの制御方法において、前記通信端末に対する前記表示装置の位置が所定の状態となった場合に、前記通信端末と前記表示装置とが撮像画像を送受信可能な状態に移行すること、を特徴とする。
この構成によれば、表示装置の位置を変化させ調整することにより、表示装置が、撮像装置の撮像画像に基づく画像を表示できる。このため、撮像画像を利用するための表示装置の構成、及び表示装置の操作が簡易であり、容易に撮像画像を利用できる。
本発明は、上述した撮像システムの制御方法を実現するためのプログラムとして実現することも可能である。また、例えば、上記のプログラムを記録した記録媒体、プログラムを配信するサーバー装置、上記プログラムを伝送する伝送媒体、上記プログラムを搬送波内に具現化したデータ信号等、種々の形態で実現できる。
撮像システムの構成を示す図。 カメラ及び通信端末の配置例を示す図。 HMDの外観構成を示す説明図。 画像表示部の光学系の構成を示す図。 画像表示部の表示領域を示す説明図。 画像表示部の撮像範囲を示す説明図。 HMDを構成する各部のブロック図。 制御部および記憶部のブロック図。 通信端末、カメラ及びサーバーのブロック図。 通信端末の動作を示すフローチャート。 HMDの動作を示すフローチャート。 HMDの動作を示すフローチャート。 HMDの表示例を示す図。 HMDの表示例を示す図。 HMDの表示例を示す図。
図1は、本発明を適用した実施形態に係る撮像システム1の構成を示す図である。
撮像システム1は、複数の撮像装置400、撮像装置400に接続される複数の通信端末300、通信端末300に接続されるサーバー500、及び、HMD(Head Mounted Display:頭部装着型表示装置)100を備える。
撮像システム1が備える通信端末300、及び撮像装置400の数について制限はなく、本実施形態の撮像システム1は、11台の撮像装置400と10台の通信端末300を有するが、これは説明のための一例である。11台の撮像装置400のそれぞれを区別する場合は撮像装置400−1、400−2、…、400−11と表記する。また、通信端末300を区別して指定する場合は通信端末300−1、300−2、…、300−10と表記する。
通信端末300は、撮像装置400に接続される。1台の通信端末300に接続する撮像装置400の数は制限されない。例えば、通信端末300−1に撮像装置400−1が接続され、通信端末300−2には、撮像装置400−2が接続される。また、例えば、通信端末300−9撮像装置400−9及び撮像装置400−10が接続される。
HMD100は、後述するように使用者(ユーザー)が頭部に装着して使用する。HMD100は、使用者の頭部に装着された状態で使用者に虚像を視認させる画像表示部20(表示部)と、画像表示部20を制御する制御装置10と、を備える表示装置である。
本実施形態では、一人の使用者が1台のHMD100を装着して使用する撮像システム1の構成例を示すが、複数の使用者がそれぞれHMD100を装着する構成としてもよい。
撮像システム1の動作の概要を説明する。
撮像装置400は、観察対象に対応して設置される。撮像装置400は、撮像部415(図8)により撮像を実行する。撮像装置400は、上記のように通信端末300に接続されていて、撮像画像データを通信端末300に出力する。
通信端末300は、HMD100と無線通信を実行可能である。通信端末300は、撮像装置400が出力する撮像画像データを取得し、取得した撮像画像データをHMD100に送信する。HMD100は、通信端末300が送信する撮像画像データを受信して、受信した画像データに基づく画像を、使用者に視認させる。
通信端末300−1〜通信端末300−10は、それぞれ、撮像画像データをHMD100に送信できる。HMD100を装着する使用者は、撮像装置400−1〜400−11が撮像した撮像画像を見ることができる。
通信端末300は、サーバー500に対して通信可能に接続される。通信端末300は、撮像装置400が出力する撮像画像データを取得して、取得した撮像画像データをサーバー500に送信する。サーバー500は、通信端末300が送信する撮像画像データを受信して、サーバー500が有する不揮発性記憶部512(図8)に記憶する。通信端末300−1〜通信端末300−10は、それぞれ、撮像画像データをHMD100に送信する。サーバー500は、複数の通信端末300から送信される撮像画像データを受信して記憶できる。このため、例えば、撮像システム1の全ての撮像装置400−1〜400−11の撮像画像データを、サーバー500が記憶してもよい。
本実施形態では、通信端末300と撮像装置400、及び、通信端末300とサーバー500とが、通信ケーブルで接続される構成を示すが、これは一例である。通信端末300と撮像装置400とが無線通信回線を利用して撮像画像データを伝送してもよい。また、通信端末300とサーバー500とが無線通信回線を介して撮像画像データを送受信する構成であってもよい。
図2は、撮像システム1を動物の観察に利用する場合の、配置例を示す図である。
図2の配置例は、家畜としてのほ乳動物(この例では牛)の飼育環境や生育状態を観察する目的で、牛舎に撮像システム1を設置する例である。図2は牛舎の平面図に相当する。
この牛舎には10の区画A1〜A10が設けられ、それぞれの区画には1、2或いは3頭の牛が収容される。撮像システム1は、牛舎に収容された牛の健康状態等を観察あるいは監視するため、これらの牛(以下、対象OBと表記する)を撮像する。
区画A1〜A10のそれぞれには、区画に収容された対象OBを撮像する撮像装置400が配置される。また、区画A1〜A10のそれぞれには、1つの区画に対し1台の通信端末300が設置される。
例えば、区画A1には、撮像装置400−1及び通信端末300−1が設置される。撮像装置400−1の撮像範囲(画角)が、区画Aにおいて対象OB1が居住する位置を向くように、撮像装置400−1が区画A1の隅に設置される。また、撮像装置400−1は通信端末300−1に有線接続される。
同様に、区画A2〜A8、A10には、1台ずつ、撮像装置400−2〜400−8、400−11が設置される。撮像装置400−2〜400−8、400−11は、その撮像範囲が対象OBの居住位置を向くように、設置される。また、区画A9には、2台の撮像装置400−9、400−10が設置される。撮像装置400−9、400−10は、それぞれ、その撮像範囲が対象OBの居住位置を向くように、区画A9において対角に位置する。
図2の牛舎には使用者が移動できる通路WAがあり、区画A1〜A10は通路WAに面している。区画A1〜A10のそれぞれには、観察窓W1〜W10が設けられる。観察窓W1〜W10は、区画A1〜A10において通路WA側の面にある。観察窓W1〜W10は、ガラス、アクリル或いはその他の合成樹脂で構成される透光性の板を嵌め込んだ窓であり、ハーフミラーが嵌め込まれてもよい。観察窓W1〜W10は、通路WAから、それぞれの区画A1〜A10の内部を直接観察することを可能とする。
使用者Uは、HMD100を装着した状態で通路WAを通ることができる。HMD100の画像表示部20は、後述するように外景を透かしてみることが可能な、透過型の表示部である。このため、使用者Uは、HMD100を装着したまま、観察窓W1〜W10から区画A1〜A10の対象OBを観察できる。また、撮像装置400−1〜400−11が撮像する撮像画像データを、通信端末300−1〜300−10が、HMD100に送信できる。HMD100が、通信端末300−1〜300−10から送信される撮像画像データを受信して表示することにより、使用者Uは、撮像装置400−1〜400−11を利用して対象OBを観察できる。
図3は、実施形態に係るHMD100の外観構成を示す説明図である。
制御装置10は、図3に示すように、平たい箱形のケース10Aを備え、ケース10Aに後述する各部を備える。ケース10Aの表面には、使用者の操作を受け付ける各種のボタン11、スイッチ、トラックパッド14等が設けられる。これらを使用者が操作することによって、制御装置10は、HMD100のコントローラーとして機能する。
画像表示部20は、使用者の頭部に装着される装着体であり、本実施形態では眼鏡形状を有する。画像表示部20は、右保持部21と、左保持部23と、前部フレーム27とを有する本体に、右表示ユニット22、左表示ユニット24、右導光板26、及び左導光板28を備える。
右保持部21及び左保持部23は、それぞれ、前部フレーム27の両端部から後方に延び、眼鏡のテンプル(つる)のように、使用者の頭部に画像表示部20を保持する。ここで、前部フレーム27の両端部のうち、画像表示部20の装着状態において使用者の右側に位置する端部を端部ERとし、使用者の左側に位置する端部を端部ELとする。右保持部21は、前部フレーム27の端部ERから、画像表示部20装着状態において使用者の右側頭部に対応する位置まで延伸して設けられる。左保持部23は、端部ELから、画像表示部20の装着状態において使用者の左側頭部に対応する位置まで延伸して設けられる。
右導光板26及び左導光板28は、前部フレーム27に設けられる。右導光板26は、画像表示部20の装着状態において使用者の右眼の眼前に位置し、右眼に画像を視認させる。左導光板28は、画像表示部20の装着状態において使用者の左眼の眼前に位置し、左眼に画像を視認させる。
前部フレーム27は、右導光板26の一端と左導光板28の一端とを互いに連結した形状を有し、この連結位置は、使用者が画像表示部20を装着する装着状態で、使用者の眉間に対応する。前部フレーム27は、右導光板26と左導光板28との連結位置において、画像表示部20の装着状態で使用者の鼻に当接する鼻当て部を設けてもよい。この場合、鼻当て部と右保持部21及び左保持部23とにより画像表示部20を使用者の頭部に保持できる。また、右保持部21及び左保持部23に、画像表示部20の装着状態において使用者の後頭部に接するベルト(図示略)を連結してもよく、この場合、ベルトによって画像表示部20を使用者の頭部に保持できる。
右表示ユニット22は、右導光板26による画像の表示に係るユニットであり、右保持部21に設けられ、装着状態において使用者の右側頭部の近傍に位置する。左表示ユニット24は、左導光板28による画像の表示に係るユニットであり、左保持部23に設けられ、装着状態において使用者の左側頭部の近傍に位置する。なお、右表示ユニット22及び左表示ユニット24を合わせて単に「表示駆動部」とも呼ぶ。
本実施形態の右導光板26及び左導光板28は、光透過性の樹脂等によって形成される光学部であり、例えばプリズムであり、右表示ユニット22及び左表示ユニット24が出力する画像光を、使用者の眼に導く。右導光板26及び左導光板28の表面に、調光板(図示略)を設けてもよい。この調光板により、右導光板26及び左導光板28を透過して使用者の眼に入射する外光を減衰させたり、特定の波長成分のみを透過または反射させたり、右導光板26及び左導光板28を保護したりすることができる。
カメラ61(第2撮像部)は、画像表示部20の前部フレーム27に設置される。カメラ61の位置および方向は、例えば、使用者が画像表示部20を装着した状態で視認する外景方向を撮像するように調整されることが好ましい。例えば、カメラ61は、前部フレーム27の前面において、右導光板26及び左導光板28を透過する外光を遮らない位置に設けられる。図3の例では、カメラ61が前部フレーム27の端部ER側に配置される。カメラ61の位置は、端部EL側であってもよく、右導光板26と左導光板28との連結部であってもよい。
カメラ61は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサー、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサー等の撮像素子を備えるデジタルカメラである。カメラ61は単眼カメラであってもよいし、ステレオカメラで構成してもよい。カメラ61は、HMD100の表側方向、換言すれば、HMD100を装着した状態における使用者の視界方向の少なくとも一部の外景(実空間)を撮像する。別の表現では、カメラ61は、使用者の視界と重なる範囲または方向を撮像し、使用者が注視する方向を撮像するということもできる。カメラ61の撮像範囲の広さは適宜設定可能であるが、本実施形態では、後述するように、使用者が右導光板26及び左導光板28を通して視認する外界を含む。より好ましくは、右導光板26及び左導光板28を透過して視認可能な使用者の視界の全体を撮像できるように、カメラ61の撮像範囲が設定される。
カメラ61は、制御部150(図8)が備える撮像制御部149の制御に従って撮像を実行し、撮像画像データを撮像制御部149に出力する。
HMD100は、予め設定された測定方向に位置する測定対象物までの距離を検出する距離センサー(図示略)を備えてもよい。距離センサーは、例えば、前部フレーム27において右導光板26と左導光板28との連結部分に配置できる。この場合、画像表示部20の装着状態において、距離センサーの位置は、水平方向では使用者の両眼のほぼ中間であり、鉛直方向では使用者の両眼より上である。距離センサーの測定方向は、例えば、前部フレーム27の表側方向とすることができ、言い換えればカメラ61の撮像方向と重複する方向である。距離センサーは、例えば、LEDやレーザーダイオード等の光源と、光源が発する光が測定対象物に反射する反射光を受光する受光部とを有する構成とすることができる。距離センサーは、制御部150の制御に従い、三角測距処理や時間差に基づく測距処理を実行すればよい。また、距離センサーは、超音波を発する音源と、測定対象物で反射する超音波を受信する検出部とを備える構成としてもよい。この場合、距離センサーは、制御部150の制御に従い、超音波の反射までの時間差に基づき測距処理を実行すればよい。
図4は、画像表示部20が備える光学系の構成を示す要部平面図である。図4には説明のため使用者の左眼LE及び右眼REを図示する。
図4に示すように、右表示ユニット22と左表示ユニット24とは、左右対称に構成される。使用者の右眼REに画像を視認させる構成として、右表示ユニット22は、画像光を発するOLED(Organic Light Emitting Diode)ユニット221と、OLEDユニット221が発する画像光Lを導く光学部材を備えた右光学系251とを備える。画像光Lは、右光学系251により右導光板26に導かれる。
OLEDユニット221は、OLEDパネル223と、OLEDパネル223を駆動するOLED駆動回路225とを有する。OLEDパネル223は、有機エレクトロルミネッセンスにより発光してR(赤)、G(緑)、B(青)の色光をそれぞれ発する発光素子を、マトリクス状に配置して構成される、自発光型の表示パネルである。OLEDパネル223は、R、G、Bの素子を1個ずつ含む単位を1画素として、複数の画素を備え、マトリクス状に配置される画素により画像を形成する。OLED駆動回路225は、制御部150(図8)の制御に従って、OLEDパネル223が備える発光素子の選択及び発光素子への通電を実行して、OLEDパネル223の発光素子を発光させる。OLED駆動回路225は、OLEDパネル223の裏面すなわち発光面の裏側に、ボンディング等により固定される。OLED駆動回路225は、例えばOLEDパネル223を駆動する半導体デバイスで構成され、OLEDパネル223の裏面に固定される基板(図示略)に実装されてもよい。この基板には温度センサー217が実装される。
なお、OLEDパネル223は、白色に発光する発光素子をマトリクス状に配置し、R、G、Bの各色に対応するカラーフィルターを重ねて配置する構成であってもよい。また、R、G、Bの色光をそれぞれ放射する発光素子に加え、W(白)の光を発する発光素子を備えるWRGB構成のOLEDパネル223を用いてもよい。
右光学系251は、OLEDパネル223から射出された画像光Lを並行状態の光束にするコリメートレンズを有する。コリメートレンズにより並行状態の光束にされた画像光Lは、右導光板26に入射する。右導光板26の内部において光を導く光路には、画像光Lを反射する複数の反射面が形成される。画像光Lは、右導光板26の内部で複数回の反射を経て右眼RE側に導かれる。右導光板26には、右眼REの眼前に位置するハーフミラー261(反射面)が形成される。画像光Lは、ハーフミラー261で反射して右眼REに向けて右導光板26から射出され、この画像光Lが右眼REの網膜に像を結び、使用者に画像を視認させる。
また、使用者の左眼LEに画像を視認させる構成として、左表示ユニット24は、画像光を発するOLEDユニット241と、OLEDユニット241が発する画像光Lを導く光学部品を備えた左光学系252とを備える。画像光Lは、左光学系252により左導光板28に導かれる。
OLEDユニット241は、OLEDパネル243と、OLEDパネル243を駆動するOLED駆動回路245とを有する。OLEDパネル243は、OLEDパネル223と同様に構成される自発光型の表示パネルである。OLED駆動回路245は、制御部150(図8)の制御に従って、OLEDパネル243が備える発光素子の選択及び発光素子への通電を実行して、OLEDパネル243の発光素子を発光させる。OLED駆動回路245は、OLEDパネル243の裏面すなわち発光面の裏側に、ボンディング等により固定される。OLED駆動回路245は、例えばOLEDパネル243を駆動する半導体デバイスで構成され、OLEDパネル243の裏面に固定される基板(図示略)に実装されてもよい。この基板には、温度センサー239が実装される。
左光学系252は、OLEDパネル243から射出された画像光Lを並行状態の光束にするコリメートレンズを有する。コリメートレンズにより並行状態の光束にされた画像光Lは、左導光板28に入射する。左導光板28は、画像光Lを反射する複数の反射面が形成された光学素子であり、例えばプリズムである。画像光Lは、左導光板28の内部で複数回の反射を経て左眼LE側に導かれる。左導光板28には、左眼LEの眼前に位置するハーフミラー281(反射面)が形成される。画像光Lは、ハーフミラー281で反射して左眼LEに向けて左導光板28から射出され、この画像光Lが左眼LEの網膜に像を結び、使用者に画像を視認させる。
HMD100は、シースルー型の表示装置として機能する。すなわち、使用者の右眼REには、ハーフミラー261で反射した画像光Lと、右導光板26を透過した外光OLとが入射する。また、左眼LEには、ハーフミラー281で反射した画像光Lと、ハーフミラー281を透過した外光OLとが入射する。このように、HMD100は、内部で処理した画像の画像光Lと外光OLとを重ねて使用者の眼に入射させ、使用者にとっては、右導光板26及び左導光板28を透かして外景が見え、この外景に重ねて、画像光Lによる画像が視認される。
ハーフミラー261、281は、右表示ユニット22及び左表示ユニット24がそれぞれ出力する画像光を反射して画像を取り出す画像取り出し部であり、表示部ということができる。
なお、左光学系252と左導光板28とを合わせて「左導光部」とも呼び、右光学系251と右導光板26とを合わせて「右導光部」と呼ぶ。右導光部及び左導光部の構成は上記の例に限定されず、画像光を用いて使用者の眼前に虚像を形成する限りにおいて任意の方式を用いることができ、例えば、回折格子を用いても良いし、半透過反射膜を用いても良い。
図3に戻り、制御装置10と画像表示部20とは、接続ケーブル40により接続される。接続ケーブル40は、ケース10Aの下部に設けられるコネクター(図示略)に着脱可能に接続され、左保持部23の先端から、画像表示部20の内部に設けられる各種回路に接続する。接続ケーブル40は、デジタルデータを伝送するメタルケーブルまたは光ファイバーケーブルを有し、アナログ信号を伝送するメタルケーブルを有していてもよい。接続ケーブル40の途中には、コネクター46が設けられる。コネクター46は、ステレオミニプラグを接続するジャックであり、コネクター46と制御装置10とは、例えばアナログ音声信号を伝送するラインで接続される。図3に示す構成例では、ステレオヘッドホンを構成する右イヤホン32と左イヤホン34、及び、マイク63を有するヘッドセット30が、コネクター46に接続される。
マイク63は、例えば図3に示すように、マイク63の集音部が使用者の視線方向を向くように配置され、音声を集音して、音声信号を音声インターフェイス182(図7)に出力する。マイク63は、例えばモノラルマイクであってもステレオマイクであってもよく、指向性を有するマイクであってもよいし、無指向性のマイクであってもよい。
制御装置10は、使用者により操作される被操作部として、ボタン11、LEDインジケーター12、トラックパッド14、上下キー15、切替スイッチ16、及び電源スイッチ18を備える。これらの被操作部はケース10Aの表面に配置される。
ボタン11は、制御装置10を操作するためのキーやスイッチを備え、これらのキーやスイッチは押圧操作により変位する。例えば、ボタン11は、制御装置10が実行するオペレーティングシステム143(図8)等に関する操作を行うためのメニューキー、ホームキー、「戻る」キーを含む。
LEDインジケーター12は、HMD100の動作状態に対応して点灯し、或いは点滅する。上下キー15は、右イヤホン32及び左イヤホン34から出力する音量の増減の指示入力や、画像表示部20の表示の明るさの増減の指示入力に利用される。切替スイッチ16は、上下キー15の操作に対応する入力を切り替えるスイッチである。電源スイッチ18は、HMD100の電源のオン/オフを切り替えるスイッチであり、例えばスライドスイッチである。
トラックパッド14は、接触操作を検出する操作面を有し、操作面に対する操作に応じて操作信号を出力する。操作面における検出方式は限定されず、静電式、圧力検出式、光学式或いは他の方式を採用できる。トラックパッド14への接触(タッチ操作)は、後述するタッチセンサー13(図7)により検出される。また、トラックパッド14にはLED表示部17が設置される。LED表示部17は複数のLEDを備え、それぞれのLEDの光はトラックパッド14を透過して、操作用のアイコン等を表示する。このアイコン等はソフトウェアボタンとして機能する。
図5は、画像表示部20の表示領域を示す説明図であり、画像表示部20を使用者の頭部側から見た要部斜視図である。なお、図5では接続ケーブル40の図示を省略する。
図5は、画像表示部20の使用者の頭部に接する側、言い換えれば使用者の右眼RE及び左眼LEに見える側である。別の言い方をすれば、右導光板26及び左導光板28の裏側が見えている。
図5では、使用者の右眼REに画像光を照射するハーフミラー261、及び、左眼LEに画像光を照射するハーフミラー281が、略四角形の領域として見える。また、ハーフミラー261、281を含む右導光板26及び左導光板28の全体が、上述したように外光を透過する。このため、使用者には、右導光板26及び左導光板28の全体を透過して外景が視認され、ハーフミラー261、281の位置に矩形の表示画像が視認される。
図6は、画像表示部20のカメラ61の撮像範囲(画角)の説明図である。図6には、カメラ61の位置を、使用者の右眼RE及び左眼LEとともに平面視で模式的に示す。図中、カメラ61の撮像範囲をCで示す。なお、図6には水平方向の撮像範囲Cを示すが、カメラ61の実際の撮像範囲は一般的なデジタルカメラと同様に上下方向にも拡がる。
カメラ61は、上記のように画像表示部20において右側の端部に配置され、使用者の両眼が向く方向、すなわち使用者にとって前方を撮像する。
カメラ61の光軸は、右眼RE及び左眼LEの視線方向を含む方向とされる。使用者がHMD100を装着した状態で視認できる外景は、無限遠とは限らない。例えば図6に示すように、使用者が両眼で対象OBを注視すると、使用者の視線は、図中符号RD、LDに示すように対象OBに向けられる。この場合、使用者から対象OBまでの距離は、30cm〜10m程度であることが多く、1m〜4m程度であることが、より多い。そこで、HMD100について、通常使用時における使用者から対象OBまでの距離の上限、及び下限の目安を定めてもよい。この目安は調査や実験により求めてもよいし使用者が設定してもよい。カメラ61の光軸、及び撮像範囲は、通常使用時における対象OBまでの距離が、設定された上限の目安に相当する場合、及び、下限の目安に相当する場合に、この対象OBが撮像範囲に含まれるように、設定されることが好ましい。
また、一般に、人間の視野角は水平方向におよそ200度、垂直方向におよそ125度とされ、そのうち情報受容能力に優れる有効視野は水平方向に30度、垂直方向に20度程度である。さらに、人間が注視する注視点が迅速に安定して見える安定注視野は、水平方向に60〜90度、垂直方向に45度〜70度程度とされている。この場合、注視点が、図6の対象OBであるとき、視線RD、LDを中心として水平方向に30度、垂直方向に20度程度が有効視野である。また、水平方向に60〜90度、垂直方向に45度〜70度程度が安定注視野であり、水平方向に約200度、垂直方向に約125度が視野角となる。さらに、使用者が画像表示部20を透過して右導光板26及び左導光板28を透過して視認する実際の視野を、実視野(FOV:Field Of View)と呼ぶことができる。図3及び図4に示す本実施形態の構成で、実視野は、右導光板26及び左導光板28を透過して使用者が視認する実際の視野に相当する。実視野は、視野角及び安定注視野より狭いが、有効視野より広い。
カメラ61の撮像範囲Cは、使用者の視野よりも広い範囲を撮像可能であることが好ましく、具体的には、撮像範囲Cが、少なくとも使用者の有効視野よりも広いことが好ましい。また、撮像範囲Cが、使用者の実視野よりも広いことが、より好ましい。さらに好ましくは、撮像範囲Cが、使用者の安定注視野よりも広く、最も好ましくは、撮像範囲Cが使用者の両眼の視野角よりも広い。
カメラ61が、撮像レンズとして、いわゆる広角レンズを備え、広い撮像範囲を撮像できる構成としてもよい。広角レンズには、超広角レンズ、準広角レンズと呼ばれるレンズを含んでもよいし、単焦点レンズであってもズームレンズであってもよく、複数のレンズからなるレンズ群をカメラ61が備える構成であってもよい。
図7は、HMD100を構成する各部の構成を示すブロック図である。
制御装置10は、プログラムを実行してHMD100を制御するメインプロセッサー140を備える。メインプロセッサー140には、メモリー118及び不揮発性記憶部121が接続される。また、メインプロセッサー140には、入力装置としてトラックパッド14及び操作部110が接続される。また、メインプロセッサー140には、センサー類として、6軸センサー111、磁気センサー113、及び、GPS115が接続される。また、メインプロセッサー140には、通信部117、音声コーデック180、外部コネクター184、外部メモリーインターフェイス186、USBコネクター188、センサーハブ192、及び、FPGA194が接続される。これらは外部とのインターフェイスとして機能する。
メインプロセッサー140は、制御装置10が内蔵するコントローラー基板120に実装される。コントローラー基板120には、メインプロセッサー140に加えて、メモリー118、不揮発性記憶部121等が実装されてもよい。本実施形態では、6軸センサー111、磁気センサー113、GPS115、通信部117、メモリー118、不揮発性記憶部121、音声コーデック180等がコントローラー基板120に実装される。また、外部コネクター184、外部メモリーインターフェイス186、USBコネクター188、センサーハブ192、FPGA194、及びインターフェイス196をコントローラー基板120に実装した構成であってもよい。
メモリー118は、メインプロセッサー140がプログラムを実行する場合に、実行されるプログラム、及び、処理されるデータを一時的に記憶するワークエリアを構成する。不揮発性記憶部121は、フラッシュメモリーやeMMC(embedded Multi Media Card)等の半導体記憶デバイス、或いはその他の不揮発性記憶デバイスで構成される。不揮発性記憶部121は、メインプロセッサー140が実行するプログラムや、メインプロセッサー140がプログラムを実行して処理する各種データを記憶する。
メインプロセッサー140は、トラックパッド14から入力される操作信号に基づいて、トラックパッド14の操作面に対する接触操作を検出し、操作位置を取得する。
操作部110は、ボタン11、タッチセンサー13、およびLED表示部17を含む。タッチセンサー13は、トラックパッド14へのタッチ操作を検出し、検出したタッチ操作の操作位置を特定する。ボタン11の操作が行われた場合、及び、タッチセンサー13がタッチ操作を検出した場合、操作部110は、メインプロセッサー140に対して操作信号を出力する。
LED表示部17は、LED(図示略)、及び、このLEDを点灯させる駆動回路を含む。LED表示部17は、メインプロセッサー140の制御に従って、LEDを点灯、点滅、消灯させる。
6軸センサー111は、3軸加速度センサー、及び、3軸ジャイロ(角速度)センサーを備えるモーションセンサーである。6軸センサー111は、上記のセンサーをモジュール化したIMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)であってもよい。
磁気センサー113は、例えば、3軸の地磁気センサーである。
GPS(Global Positioning System)115は、図示しないGPSアンテナを備え、GPS衛星から送信される無線信号を受信して、制御装置10の現在位置の座標を検出する。
6軸センサー111、磁気センサー113及びGPS115は、検出値を、予め指定されたサンプリング周期に従ってメインプロセッサー140に出力する。或いは、6軸センサー111、磁気センサー113及びGPS115は、メインプロセッサー140の要求に応じて、メインプロセッサー140により指定されたタイミングで、検出値をメインプロセッサー140に出力する。
通信部117(第2通信部)は、外部の機器との間で無線通信を実行する。通信部117は、アンテナ117aを備える。また、通信部117は、図示しないRF回路、ベースバンド回路、通信制御回路を備える。通信部117は、アンテナ117a、RF回路、ベースバンド回路、通信制御回路等が統合されたデバイスで構成されてもよい。アンテナ117aは、例えば、ケース10Aの内部に配置されるループアンテナ、或いは、ケース10Aの表面に貼り付けられるフィルムアンテナであってもよいし、他の形状であってもよい。通信部117は、デジタル無線通信を行う構成であってもよいし、通信部117の一部をアナログ無線回路として構成してもよい。
通信部117が送受信する無線信号の周波数、及び変調方式は、種々の形態とすることができる。本実施形態の通信部117の構成は、以下に示す第1の構成例、及び、第2の構成例のいずれかから選択される。
本実施形態の第1の構成例として、通信部117は、LF(Long Frequency:長波)帯と呼ばれる周波数帯の無線信号を送受信する。具体的には、通信部117は、LF帯(例えば、30kHz〜300kHzの範囲)に含まれる無線信号を送受信する。通信部117が備えるアンテナ117a、RF回路、ベースバンド回路、通信制御回路等は、LF帯の無線信号を送受信可能な構成が選択される。また、通信部117の変調方式は、LF帯に適した変調方式を適宜採用すればよい。
LF帯の無線信号は、送信出力の調整が容易であるという特性が知られている。制御部150は、通信部117の無線信号の送信出力を調整することにより、通信を実行する相手の機器を、制御装置10から所定の距離より近い位置にある機器に限定する。つまり、制御部150は、通信部117の送信出力を調整することによって、所定の距離以内の通信端末300と、高い選択性で通信できる。
本実施形態の第2の構成例として、通信部117は、指向性を有する周波数帯、或いは指向性が強い周波数帯の無線信号を送信する。具体的には、通信部117は、UHF(Ultra-High Frequency:極超短波)帯(例えば、300MHz〜3GHzの範囲)の無線信号を送受信する。この場合、通信部117は、UHF帯の無線信号を送受信するためのアンテナ117a、RF回路、ベースバンド回路、通信制御回路を備える。UHF帯は、LF帯と対比する意味でRF帯とも呼ばれる。UHF帯の無線信号は指向性が高いので、通信部117は、アンテナ117aの送信方向を含む狭い範囲に位置する通信端末300と、高い選択性で通信できる。この場合、アンテナ117aが、放射指向性が高い、いわゆる指向性アンテナであれば、通信部117が通信する通信端末300の選択性を、さらに高めることができる。この場合、通信部117の変調方式として、UHF帯に適した変調方式を適宜採用できる。指向性を有する周波数帯はUHF帯に限定されず、例えば、通信部117は、UHF帯よりもさらに周波数が高い無線信号を送受信する構成であってもよい。
第2の構成例において、通信部117の指向性の方向は、例えば、HMD100を装着する使用者の前方とすることができる。通信部117の指向性はアンテナ117aに対する相対的な位置と方向により決定される。このため、例えば、制御装置10のケース10Aを使用者が装着する場合の装着位置、及び装着状態におけるケース10Aの向きが規定されており、使用者が規定に従って制御装置10を装着する。
使用者が規定に従って制御装置10を装着する場合の通信部117の通信可能範囲を、図6に通信可能範囲CA0で示す。この例では、通信可能範囲CA0は、使用者が画像表示部20を通して視認する外景の方向を向いていて、画像表示部20の左右方向に拡がる範囲である。別の表現では、通信可能範囲CA0は、使用者が画像表示部20を通じて外景を視認する場合の使用者の視線方向を含み、使用者の視野の少なくとも一部を含む範囲である。また、通信可能範囲CA0は、カメラ61の画角Cと、少なくとも一部が重複する。この場合、使用者が画像表示部20を装着した状態で視認できる視野に、通信端末300が位置する場合、この通信端末300と通信部117とが通信を実行できる。
また、通信部117は、上述した通信端末300との通信に要する構成に加え、例えば、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Wi−Fi(登録商標)を含む)等の規格で無線通信を行う構成を具備してもよい。この場合、通信部117は、当該構成によって通信端末300以外の外部の装置と通信を実行してもよい。例えば、HMD100が、通信部117により、スマートフォンを含む携帯型電話機、パーソナルコンピューター、タブレット型コンピューター等とデータ通信を実行してもよい。
音声インターフェイス182は、音声信号を入出力するインターフェイスである。本実施形態では、音声インターフェイス182は、接続ケーブル40に設けられたコネクター46(図3)を含む。音声コーデック180は、音声インターフェイス182に接続され、音声インターフェイス182を介して入出力される音声信号のエンコード/デコードを行う。また、音声コーデック180はアナログ音声信号からデジタル音声データへの変換を行うA/Dコンバーター、及び、その逆の変換を行うD/Aコンバーターを備えてもよい。例えば、本実施形態のHMD100は、音声を右イヤホン32及び左イヤホン34により出力し、マイク63で集音する。音声コーデック180は、メインプロセッサー140が出力するデジタル音声データをアナログ音声信号に変換して、音声インターフェイス182を介して出力する。また、音声コーデック180は、音声インターフェイス182に入力されるアナログ音声信号をデジタル音声データに変換してメインプロセッサー140に出力する。
外部コネクター184は、メインプロセッサー140と通信する外部の装置を接続するコネクターである。外部コネクター184は、例えば、外部の装置をメインプロセッサー140に接続して、メインプロセッサー140が実行するプログラムのデバッグや、HMD100の動作のログの収集を行う場合に、この外部の装置を接続するインターフェイスである。
外部メモリーインターフェイス186は、可搬型のメモリーデバイスを接続可能なインターフェイスであり、例えば、カード型記録媒体を装着してデータの読取が可能なメモリーカードスロットとインターフェイス回路とを含む。この場合のカード型記録媒体のサイズ、形状、規格は制限されず、適宜に変更可能である。
USB(Universal Serial Bus)コネクター188は、USB規格に準拠したコネクターとインターフェイス回路とを備え、USBメモリーデバイス、スマートフォン、コンピューター等を接続できる。USBコネクター188のサイズや形状、適合するUSB規格のバージョンは適宜に選択、変更可能である。
また、HMD100は、バイブレーター19を備える。バイブレーター19は、モーター(図示略)、偏心した回転子(図示略)を備え、その他の必要な構成を備えてもよい。バイブレーター19は、メインプロセッサー140の制御に従って上記モーターを回転させることにより、振動を発生する。HMD100は、例えば、操作部110に対する操作を検出した場合、HMD100の電源がオン/オフされる場合、或いはその他の場合に、所定の振動パターンでバイブレーター19により振動を発生する。
センサーハブ192及びFPGA194は、インターフェイス(I/F)196を介して、画像表示部20を接続される。センサーハブ192は、画像表示部20が備える各種センサーの検出値を取得してメインプロセッサー140に出力する。また、FPGA194は、メインプロセッサー140と画像表示部20の各部との間で送受信するデータの処理、及び、インターフェイス196を介した伝送を実行する。
画像表示部20の右表示ユニット22及び左表示ユニット24は、それぞれ、制御装置10に接続される。図3に示すように、HMD100では左保持部23に接続ケーブル40が接続され、この接続ケーブル40に繋がる配線が画像表示部20内部に敷設され、右表示ユニット22と左表示ユニット24のそれぞれが制御装置10に接続される。
右表示ユニット22は、表示ユニット基板210を有する。表示ユニット基板210には、インターフェイス196に接続されるインターフェイス(I/F)211、インターフェイス211を介して制御装置10から入力されるデータを受信する受信部(Rx)213、及び、EEPROM215(記憶部)が実装される。
インターフェイス211は、受信部213、EEPROM215、温度センサー217、カメラ61、照度センサー65、及びLEDインジケーター67を、制御装置10に接続する。
EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)215は、各種のデータをメインプロセッサー140が読み取り可能に記憶する。EEPROM215は、例えば、画像表示部20が備えるOLEDユニット221、241の発光特性や表示特性に関するデータを記憶する。また、EEPROM215は、右表示ユニット22または左表示ユニット24が備えるセンサーの特性に関するデータ等を記憶する。これらのデータは、メインプロセッサー140がHMD100を制御する場合に参照される。これらのデータの具体例として、OLEDユニット221、241のガンマ補正に係るパラメーター、温度センサー217、239の検出値を補償するデータ等が挙げられる。これらのデータは、例えば、HMD100の工場出荷時の検査によって生成され、EEPROM215に書き込まれる。
カメラ61は、インターフェイス211を介して入力される信号に従って撮像を実行し、撮像画像データ、或いは、撮像結果を示す信号を制御装置10に出力する。
照度センサー65は、図3に示すように、前部フレーム27の端部ERに設けられ、画像表示部20を装着する使用者の前方からの外光を受光するよう配置される。照度センサー65は、受光量(受光強度)に対応する検出値を出力する。
LEDインジケーター67は、図3に示すように、前部フレーム27の端部ERにおいてカメラ61の近傍に配置される。LEDインジケーター67は、カメラ61による撮像を実行中に点灯して、撮像中であることを報知する。
温度センサー217は、温度を検出し、検出温度に対応する電圧値あるいは抵抗値を、検出値として出力する。温度センサー217は、OLEDパネル223(図4)の裏面側に実装される。温度センサー217は、例えばOLED駆動回路225と同一の基板に実装されてもよい。この構成により、温度センサー217は、主としてOLEDパネル223の温度を検出する。
受信部213は、インターフェイス211を介してメインプロセッサー140が送信するデータを受信する。受信部213は、OLEDユニット221で表示する画像の画像データを受信した場合に、受信した画像データを、OLED駆動回路225(図4)に出力する。
左表示ユニット24は、表示ユニット基板210を有する。表示ユニット基板210には、インターフェイス196に接続されるインターフェイス(I/F)231、インターフェイス231を介して制御装置10から入力されるデータを受信する受信部(Rx)233が実装される。また、表示ユニット基板210には、6軸センサー235、及び、磁気センサー237が実装される。
インターフェイス231は、受信部233、6軸センサー235、磁気センサー237、及び温度センサー239を、制御装置10に接続する。
6軸センサー235は、3軸加速度センサー、及び、3軸ジャイロ(角速度)センサーを備えるモーションセンサー(慣性センサー)である。6軸センサー235は、上記のセンサーがモジュール化されたIMU(Inertial Measurement Unit)を採用してもよい。
磁気センサー237は、例えば、3軸の地磁気センサーである。
温度センサー239は、温度を検出し、検出温度に対応する電圧値あるいは抵抗値を、検出値として出力する。温度センサー239は、OLEDパネル243(図5)の裏面側に実装される。温度センサー239は、例えばOLED駆動回路245と同一の基板に実装されてもよい。この構成により、温度センサー239は、主としてOLEDパネル243の温度を検出する。
また、温度センサー239が、OLEDパネル243或いはOLED駆動回路245に内蔵されてもよい。また、上記基板は半導体基板であってもよい。具体的には、OLEDパネル243が、Si−OLEDとして、OLED駆動回路245等とともに統合半導体チップ上の集積回路として実装される場合、この半導体チップに温度センサー239を実装してもよい。
右表示ユニット22が備えるカメラ61、照度センサー65、温度センサー217、及び、左表示ユニット24が備える6軸センサー235、磁気センサー237、温度センサー239は、センサーハブ192に接続される。センサーハブ192は、メインプロセッサー140の制御に従って各センサーのサンプリング周期の設定及び初期化を行う。センサーハブ192は、各センサーのサンプリング周期に合わせて、各センサーへの通電、制御データの送信、検出値の取得等を実行する。また、センサーハブ192は、予め設定されたタイミングで、右表示ユニット22及び左表示ユニット24が備える各センサーの検出値を、メインプロセッサー140に出力する。センサーハブ192は、各センサーの検出値を、メインプロセッサー140に対する出力のタイミングに合わせて一時的に保持する機能を備えてもよい。また、センサーハブ192は、各センサーの出力値の信号形式、或いはデータ形式の相違に対応し、統一されたデータ形式のデータに変換して、メインプロセッサー140に出力する機能を備えてもよい。
また、センサーハブ192は、メインプロセッサー140の制御に従ってLEDインジケーター67への通電を開始及び停止させ、カメラ61が撮像を開始及び終了するタイミングに合わせて、LEDインジケーター67を点灯または点滅させる。
制御装置10は、電源部130を備え、電源部130から供給される電力により動作する。電源部130は充電可能なバッテリー132、及び、バッテリー132の残容量の検出およびバッテリー132への充電の制御を行う電源制御回路134を備える。電源制御回路134はメインプロセッサー140に接続され、バッテリー132の残容量の検出値、或いは電圧の検出値をメインプロセッサー140に出力する。また、電源部130が供給する電力に基づき、制御装置10から画像表示部20に電力を供給してもよい。また、電源部130から制御装置10の各部及び画像表示部20への電力の供給状態を、メインプロセッサー140が制御可能な構成としてもよい。
図8は、制御装置10の制御系を構成する記憶部122、及び制御部150の機能ブロック図である。図8に示す記憶部122は、不揮発性記憶部121(図7)により構成される論理的な記憶部であり、EEPROM215を含んでもよい。また、制御部150、及び、制御部150が有する各種の機能部は、メインプロセッサー140がプログラムを実行することによって、ソフトウェアとハードウェアとの協働により形成される。制御部150、及び制御部150を構成する各機能部は、例えば、メインプロセッサー140、メモリー118、及び不揮発性記憶部121により構成される。制御部150は、本発明の第2制御部、及び、判定部として機能する。
制御部150は、記憶部122が記憶するデータを利用して各種処理を実行し、HMD100を制御する。
記憶部122は、制御部150が処理する各種のデータを記憶する。記憶部122は、設定データ123、観察対象データ124、通信端末データ125、及び表示設定データ126を記憶する。設定データ123は、HMD100の動作に係る各種の設定値を含む。また、制御部150がHMD100を制御する際にパラメーター、行列式、演算式、LUT(LookUp Table)等を用いる場合、これらを設定データ123に含めてもよい。
観察対象データ124は、撮像システム1の観察対象である対象OBに関するデータを含む。観察対象データ124は、例えば、対象OBの数を示す情報、それぞれの対象OBを識別するための情報、及び、対象OBに関して使用者に提供する関連情報を含む。
図2に示す例では対象OBとして11頭の牛を観察する。観察対象データ124は、11頭の対象OBを識別する情報として、例えば、撮像画像データから対象OBの画像を抽出するための情報を含む。また、観察対象データ124は、撮像画像データから抽出された画像が対象OBの画像であるか否かを判定し、該当する対象OBを特定するための情報を含んでもよい。この情報は、具体的には、対象OBの画像の特徴量が挙げられる。例えば、それぞれの対象OBについて、対象OBを撮像した場合の撮像画像の色、形状、その他の特徴を示す特徴量を、観察対象データ124に含めてもよい。
通信端末データ125は、通信部117により通信する相手先の通信端末300に関する情報を含む。具体的には、通信部117によって通信することが事前に許可された通信端末300を特定する情報(通信端末300に固有の識別情報、通信端末300のネットワークアドレス等)を含む。また、通信端末データ125は、通信端末300を特定する情報と、通信端末300に対応付けられる区画、或いは対象OBを示す情報を含む。つまり、通信端末データ125により、通信端末300と、区画または対象OBとが対応づけられる。この情報は、カメラ61の撮像画像データに基づき区画または対象OBを識別するための情報を含んでもよい。例えば、カメラ61の撮像画像データから、区画を特定できる情報を含んでもよい。この情報は、具体的には、それぞれの観察窓の近傍に記入された区画番号や対象OBの名称であってもよいし、画像解析により対象OBを識別して特定できる画像特徴量であってもよい。この情報は、通信端末300と通信を開始する際に、通信端末300を認証する処理に使用される。
表示設定データ126は、画像表示部20における表示態様を指定する情報を含む。表示設定データ126は、通信部117により通信端末300から受信する撮像画像データが、画像表示部20の表示領域内において表示される位置やサイズを定める情報を含む。また、表示設定データ126は、通信端末300から複数の撮像画像データが受信された場合に、受信された複数の撮像画像データの表示領域における配置やサイズを定める情報を含む。
制御部150は、オペレーティングシステム(OS)143、画像処理部145、表示制御部147、撮像制御部149、及び、通信制御部151の機能を有する。オペレーティングシステム143の機能は、記憶部122が記憶する制御プログラムの機能であり、その他の各部は、オペレーティングシステム143上で実行されるアプリケーションプログラムの機能である。
画像処理部145は、画像表示部20により表示する画像または映像の画像データに基づいて、右表示ユニット22及び左表示ユニット24に送信する信号を生成する。画像処理部145が生成する信号は、垂直同期信号、水平同期信号、クロック信号、アナログ画像信号等であってもよい。
また、画像処理部145は、必要に応じて、画像データの解像度を右表示ユニット22及び左表示ユニット24に適した解像度に変換する解像度変換処理を行ってもよい。また、画像処理部145は、画像データの輝度や彩度を調整する画像調整処理、3D画像データから2D画像データを作成し、或いは2D画像データから3D画像データを生成する2D/3D変換処理等を実行してもよい。画像処理部145は、これらの画像処理を実行した場合、処理後の画像データに基づき画像を表示するための信号を生成して、接続ケーブル40を介して画像表示部20に送信する。
画像処理部145は、メインプロセッサー140がプログラムを実行して実現される構成のほか、メインプロセッサー140とは別のハードウェア(例えば、DSP(Digital Signal Processor))で構成してもよい。
表示制御部147は、右表示ユニット22及び左表示ユニット24を制御する制御信号を生成し、この制御信号により、右表示ユニット22及び左表示ユニット24のそれぞれによる画像光の生成及び射出を制御する。具体的には、表示制御部147は、OLED駆動回路225、245を制御して、OLEDパネル223、243による画像の表示を実行させる。表示制御部147は、画像処理部145が出力する信号に基づきOLED駆動回路225、245がOLEDパネル223、243に描画するタイミングの制御、OLEDパネル223、243の輝度の制御やその他の処理を行う。
また、表示制御部147は、通信制御部151の制御によって通信部117が受信する画像データを表示する。通信部117が受信する画像データは、例えば撮像装置400の撮像画像データである。表示制御部147は、表示設定データ126に含まれる情報に従って、右表示ユニット22及び左表示ユニット24により撮像画像データを表示する場合の、表示態様を決定する。
撮像制御部149は、カメラ61を制御して撮像を実行させ、撮像画像データを生成し、記憶部122に一時的に記憶する。また、カメラ61が撮像画像データを生成する回路を含むカメラユニットとして構成される場合、撮像制御部149は撮像画像データをカメラ61から取得して、記憶部122に一時的に記憶する。
通信制御部151は、通信部117を制御して、通信端末300との間で無線通信を実行する。通信制御部151は、通信可能な通信端末300を探索する無線信号を通信部117により送信させてもよい。また、通信制御部151は、通信端末300が送信する無線信号を通信部117によって検出してもよい。通信端末300が送信する無線信号を通信部117により受信した場合、通信制御部151は通信端末300と通信を確立し、通信端末300から撮像画像データを受信する。また、通信制御部151は、必要に応じて、通信部117により通信する通信端末300の認証を実行する。
また、通信制御部151は、通信部117の構成が第1の構成例で示したように、LF帯の無線信号を送受信する構成である場合、通信部117の送信出力を、予め設定された出力に調整してもよい。通信部117において、送信出力が設定されている場合、及び、通信部117の仕様により送信出力が固定される場合は、この調整は不要である。
HMD100は、コンテンツの供給元となる種々の外部機器を接続するインターフェイス(図示略)を備えてもよい。例えば、USBインターフェイス、マイクロUSBインターフェイス、メモリーカード用インターフェイス等の有線接続に対応したインターフェイスであってもよく、無線通信インターフェイスで構成してもよい。この場合の外部機器は、HMD100に画像を供給する画像供給装置であり、パーソナルコンピューター(PC)、携帯電話端末、携帯型ゲーム機等が用いられる。この場合、HMD100は、これらの外部機器から入力されるコンテンツデータに基づく画像や音声を出力できる。
図9は、撮像システム1の通信端末300、撮像装置400、及びサーバー500の構成を示すブロック図である。参考のため、図9にはHMD100の要部を図示する。撮像システム1が備える複数の通信端末300は共通の構成を有し、複数の撮像装置400は、共通の構成を有する。このため、図9には、1台の通信端末300及び1台の撮像装置400が図示され、以下に説明されるが、撮像システム1全体の構成は図9の通りに限定されない。
通信端末300は、通信端末制御部301(第1制御部)を備える。通信端末制御部301には、メモリー311及び不揮発性記憶部312が接続される。また、通信端末300は、HMD通信部313(第1通信部)、通信部315、及び外部インターフェイス(I/F)317を備える。
通信端末制御部301は、図示しないCPU、ROM、RAMを備え、これらを統合したマイコンで構成してもよい。通信端末制御部301は、不揮発性記憶部312が記憶するプログラムを不揮発性記憶部312に展開して、展開したプログラムを実行することにより、HMD通信部313、通信部315及び外部インターフェイス317を制御する。
メモリー311は、通信端末制御部301のCPUがプログラムを実行する場合に、実行されるプログラム、及び、処理されるデータを一時的に記憶するワークエリアを構成する。不揮発性記憶部312は、フラッシュメモリー、eMMC等の半導体記憶デバイス、或いはその他の不揮発性記憶デバイスで構成される。不揮発性記憶部312は、通信端末制御部301が実行するプログラムや、通信端末制御部301が処理するデータを記憶する。また、不揮発性記憶部312は、通信端末300が撮像画像データを送信する処理に関する設定情報を記憶する。この設定情報は、例えば、通信部315により撮像画像データを送信する場合の送信先、撮像画像データのフォーマット、送信タイミング等を指定する情報を含む。また、設定データは、HMD通信部313により撮像画像データを送信する処理に関する情報を含んでもよい。例えば、設定データは、HMD100との間で通信を確立する場合に、HMD100に対して送信する情報を含んでもよい。この情報は、具体的には、通信端末300に付与された固有の識別情報、通信端末300のネットワークアドレス等である。また、例えば、設定データは、HMD通信部313により通信可能な通信相手先としてのHMD100があるか否かを示す情報を含んでもよい。また、例えば、HMD通信部313により通信可能なHMD100を指定する情報(例えば、ネットワークアドレス)を含んでもよい。
HMD通信部313は、外部の機器との間で無線通信を実行し、本実施形態では、特に、HMD100の通信部117との間で、無線通信を実行する。
HMD通信部313は、アンテナ313aを備える。また、通信部313は、図示しないRF回路、ベースバンド回路、通信制御回路を備える。通信部313は、アンテナ313a、RF回路、ベースバンド回路、通信制御回路等が統合されたデバイスで構成されてもよい。また、HMD通信部313はデジタル無線通信を行う構成であってもよいし、通信部117の一部をアナログ無線回路として構成してもよい。
HMD通信部313が送受信する無線信号の周波数、及び、変調方式は、HMD100が備える通信部117に対応する。
すなわち、HMD通信部313のアンテナ313a、及び、図示しないRF回路、ベースバンド回路は、通信部117が送受信する無線信号の周波数および変調方式に対応する構成であればよい。
例えば、上述した第1の構成例として、通信部117がLF帯の無線信号を送受信する構成である場合、HMD通信部313は、LF帯の無線信号を通信部117と送受信する構成を具備する。
また、例えば、上述した第2の構成例として、通信部117がUHF帯の無線信号を送受信する構成である場合、HMD通信部313は、UHF帯の無線信号を通信部117と送受信する構成を具備する。ここで、アンテナ313aは、指向性アンテナであってもよいし、全方向性アンテナであってもよい。
第1の構成例では、制御部150が通信部117の無線信号の送信出力を調整することにより、通信部117と通信可能な範囲が制限される。この場合の通信可能な範囲の広さは、アンテナ117aからの距離に依存する。
また、第1の構成例では、HMD通信部313が無線信号を送受信可能な範囲は、HMD通信部313の無線信号の送信出力により制限される。HMD通信部313の送信出力は、通信端末制御部301がHMD通信部313を制御して調整可能な構成であってもよいし、HMD通信部313に対する事前の設定やHMD通信部313の仕様により決定されてもよい。この場合の通信可能な範囲の広さは、アンテナ313aからの距離に依存する。通信部117及びHMD通信部313は、互いの通信可能範囲内に位置する状態で、相互に無線通信を実行可能となる。
通信端末300は、図2に例示したように固定的に設置される。このため、図2に示したように、HMD100を装着した使用者Uが、通路WAにおいて、アンテナ313aから所定の距離(以下、通信可能距離という)以内の位置にいる場合に、通信端末300とHMD100とが通信可能となる。
この距離を適宜設定することで、HMD100を装着する使用者Uが通信端末300に近づき、HMD100と通信端末300との距離が所定の状態となった場合に、HMD100と通信端末300とが通信可能な状態となる構成を実現できる。HMD100と通信端末300との距離が所定の状態となる例としては、HMD100と通信端末300との距離が、使用者Uが観察窓Wを通して対象OBを視認可能な距離以下となった状態が挙げられる。
通信可能距離は、使用者Uが通路WAにおいて、観察窓W1〜W10のいずれかの正面に立った場合、通信端末300とHMD100とが、互いの通信可能範囲内に位置する状態となるように、設定される。例えば、使用者Uが観察窓W2の前に立った状態で、通信端末300−2とHMD100とが相互に通信可能距離以内の位置になるように設定される。
この場合において、HMD100と通信端末300−2以外の通信端末300とが、互いの通信可能距離に入らないか、或いは、通信可能距離の端に位置することが好ましい。例えば、使用者Uが観察窓W2の前に立った状態で、HMD100と通信端末300−1、300−3、300−6のいずれかが、通信可能距離より近い位置にならないことが好ましい。
或いは、通信部117及び/またはHMD通信部313の送信出力の調整により、通信可能距離が、次の(1)、(2)のいずれかが成立するよう設定されることが好ましい。(1)HMD100が通信端末300−1、300−3、300−6から受信する無線信号の受信強度が、通信端末300−2が送信する無線信号を受信する場合に比べて明らかに弱くなる。(2)HMD100から通信端末300−1、300−3、300−6のそれぞれが受信する無線信号の受信強度が、通信端末300−2が受信する受信強度に比べて明らかに弱くなる。
この構成では、通信部117及びHMD通信部313の無線信号の送信出力により、HMD100が、撮像システム1の通信端末300−1〜300−10のいずれかを選択して、通信を行うことが可能となる。後述するように、HMD100は、通信端末300が送信する識別情報を受信した場合に、通信端末300との通信を確立する処理を行う。この場合、HMD100と最も通信しやすい状態の通信端末300がHMD100と通信可能となる。従って、HMD100は、通信端末300を選択する処理を行わなくても、通信しやすい状態にある1の通信端末300と通信を行うので、結果的にいずれかの通信端末300を選択できる。
この第1の構成例では、通信部117及びHMD通信部313が互いの通信可能距離以下となる位置にある状態が、本発明の所定の状態に相当する。別の表現では、HMD100が、通信端末300の通信可能距離以下となる位置まで接近した状態である。図2の例では、HMD100を装着した使用者が、区画A1〜A10に設けられた観察窓W1〜W10のいずれかに、通信可能距離以下となる位置まで接近した状態が、所定の状態に相当する。
第2の構成例において、HMD通信部313が指向性を有する周波数帯の無線信号を送受信する場合、HMD通信部313の指向性の方向は、アンテナ313aに対する相対的な位置及び方向により決定される。
撮像システム1の設置状態において、HMD通信部313の指向性の方向は、例えば、図2に符号CAで示す方向とすることができる。この例は、使用者Uが、通路WAから観察窓Wを通して区画Aの内部を視認する場合の、使用者Uの位置を含む範囲が、通信可能範囲CAとなる。図2には、通信端末300−8の通信可能範囲CA8、及び、通信端末300−9の通信可能範囲CA9を示す。
通信可能範囲CA8は、通路WAにおいて観察窓W8の正面の位置を含む範囲である。通信可能範囲CA8は、使用者Uが観察窓W8を通して区画A8の中を観察する場合の使用者Uの位置を含む。通信可能範囲CA9も同様に、通路WAにおいて観察窓W9の正面の位置を含み、使用者Uが観察窓W9を通して区画A9の中を観察する場合の使用者Uの位置を含む範囲である。
なお、図2には通信可能範囲CA8、CA9を破線で囲んだ範囲として示しているが、第2の構成例では、通信可能範囲CA8、CA9の方向について制約があり、距離の制約は小さい。アンテナ313aに対する通信可能範囲CA8、CA9の方向は、無線信号の指向性により強く制限される。一方で、UHF帯を含む高周波の無線信号の送信出力を制御して、通信可能な距離を制限することは容易ではないため、通信可能範囲CAの広さ、すなわちアンテナ313aからの距離に関して明らかに制限することは意図しない。
また、図示はしないが、通信端末300−1〜300−7、300−10の通信可能範囲も、通信可能範囲CA8、CA9と同様に、観察窓W1〜W7、W10の正面の位置を含むように通信可能範囲が設定される。
従って、第2の構成例では、使用者Uが通路WAにおいて、観察窓W1〜W10のいずれかの正面に立った場合、通信端末300とHMD100とが、互いの通信可能範囲内に位置する状態となる。この状態で、HMD通信部313と通信部117とが、相互に無線通信を実行可能となる。
第2の構成例では、通信部117及びHMD通信部313が互いの通信可能範囲内に位置する状態が、本発明の所定の状態に相当する。別の表現では、HMD100が、通信端末300の通信可能範囲内となる位置まで接近した状態である。図2の例では、HMD100を装着した使用者が、区画A1〜A10に設けられた観察窓W1〜W10のいずれかに接近し、通信端末300−1〜300−10のいずれかの通信可能範囲に入った状態が、所定の状態に相当する。
第2の構成例では、HMD通信部313とHMD100とが相互に通信可能な限界の距離が長い場合、複数の通信端末300とHMD100とが通信可能な場合が起こり得る。例えば、使用者Uが観察窓W8の前に立った状態で、HMD100は、通信可能範囲CA8に入るが、背後側の通信端末300−3や通信端末300−4の通信可能範囲に入る可能性がある。しかしながら、通信部117が指向性を有する無線信号を発するので、通信部117と通信可能な通信端末300は、観察窓W8に対応して設置される通信端末300−8に限られる。通信端末300−8以外の通信端末300は、通信部117が送信する無線信号を十分な受信強度で受信できない可能性が高い。この構成では、通信部117及びHMD通信部313の無線信号の指向性により、HMD100が、撮像システム1の通信端末300−1〜300−10のいずれかを選択して、通信を行うことが可能となる。
通信部315は、外部の装置との間でデータ通信を行う通信インターフェイスである。通信部315は、例えば、Ethernet(登録商標)、IEEE1394、USB等の規格のデータ通信を実行する構成であってもよい。また、通信部315は、無線通信インターフェイスであってもよく、例えば、Bluetooth、無線LAN(Wi−Fiを含む)等の規格で無線通信を行う構成であってもよい。この場合、通信部315が送受信する無線信号は、制御装置10の通信部117がHMD通信部313との間で送受信する無線信号と干渉しないことが望ましい。
本実施形態において、通信部315は、後述するサーバー500との間で画像データを含むデータ通信を実行する。通信部315が実行する通信プロトコル、及び、通信部315に接続するケーブル等の規格は、後述する通信部515と対応する。
外部インターフェイス317は、デジタル画像データ、或いは、アナログ画像信号が入力されるインターフェイスである。外部インターフェイス317は、例えば、外部の装置に有線接続され、ケーブルを介して画像の入力を受ける。外部インターフェイス317は、アナログ映像信号が入力されるVGA端子や、デジタル映像データが入力されるDVI(Digital Visual Interface)端子を備えてもよい。また、外部インターフェイス317は、A/D変換回路を備え、VGA端子を介してアナログ映像信号が入力された場合、A/D変換回路によりアナログ映像信号を画像データに変換してもよい。また、外部インターフェイス317は、MHL(登録商標)、HDMI(登録商標)、Displayport等の画像データ用のインターフェイスであってもよい。また、外部インターフェイス317は、Ethernet、IEEE1394、USB等のデータ通信用のインターフェイスであってもよい。
外部インターフェイス317は、伝送ケーブル1aにより撮像装置400に接続される。
通信端末制御部301は、撮像装置400が出力する撮像画像データを外部インターフェイス317を介して取得し、取得した撮像画像データをメモリー311に一時的に記憶する。また、図1に示した通信端末300−9のように、複数の撮像装置400が通信端末300に接続される場合、通信端末制御部301は、複数の撮像装置400から入力される撮像画像データを、それぞれ取得して、メモリー311に一時記憶する。
通信端末制御部301は、メモリー311に一時記憶した撮像画像データを、不揮発性記憶部312に記憶した設定データに従って、通信部315より送信する。複数の撮像装置400から取得した撮像画像データをメモリー311に一時記憶した場合、通信端末制御部301は、メモリー311に記憶した複数の撮像画像データを、通信部315により送信する。
また、通信端末制御部301は、HMD100との間の通信を確立するための情報を含む無線信号を、HMD通信部313により送信し、HMD100が送信する無線信号の検出を行う。通信端末制御部301は、HMD100が送信する無線信号をHMD通信部313によって受信した場合、通信を確立するための情報を送信する。ここで、通信端末制御部301は、例えば、不揮発性記憶部312が記憶する設定データに含まれる識別情報を送信し、HMD100との通信を確立する。
通信端末制御部301は、HMD100との無線通信を確立した場合、撮像装置400から取得してメモリー311に一時記憶した撮像画像データを、HMD通信部313により送信する。複数の撮像装置400から取得した撮像画像データをメモリー311に一時記憶した場合、通信端末制御部301は、HMD100から受信する情報により指定される形態で、撮像画像データをHMD通信部313により送信する。例えば、通信端末制御部301は、メモリー311に記憶した複数の撮像画像データのいずれかを選択し、選択した撮像画像データをHMD通信部313により送信してもよい。また、例えば、通信端末制御部301は、メモリー311に記憶した複数の撮像画像データの全てを、HMD通信部313により送信してもよい。
撮像装置400は、撮像部415と、撮像部415を含む撮像装置400の各部を制御する撮像制御部401と、撮像部415が撮像した撮像画像を出力する外部インターフェイス(I/F)417とを備える。撮像装置400は、例えば、一般的な監視カメラ、ネットワークカメラ(Webカメラ等)を使用できる。
撮像制御部401には、メモリー411及び不揮発性記憶部412が接続される。また、撮像装置400には、撮像部415及び外部インターフェイス417が接続される。
撮像部415は、CCDイメージセンサー、CMOSイメージセンサー、またはその他の撮像素子を備える。撮像部415は、撮像制御部401の制御に従って、イメージセンサーの検出値を撮像制御部401に出力する。
撮像制御部401は、撮像部415を制御して撮像を実行させ、撮像部415の検出値に基づき撮像画像データを生成し、メモリー411に記憶する。撮像制御部401は、撮像装置400の動作中に、撮像部415の撮像画像を取得して撮像画像データを記憶する処理を継続して実行でき、ビデオカメラとして機能する。なお、撮像部415が、イメージセンサーの検出値から所定フォーマットの撮像画像データを生成する回路を備えてもよい。撮像部415の撮像画像データは、所定フォーマットの映像(動画像)データとして、連続して出力される。撮像画像データのフォーマット(フレームレート、解像度等)は、撮像制御部401に予め設定される。この撮像画像データはカラー画像であってもよいしモノクロ画像であってもよい。撮像制御部401は、撮像部415が撮像を実行する間に、撮像画像データをメモリー411に記憶し、既に記憶した撮像画像データを外部インターフェイス417により出力する。撮像制御部401は、撮像部415が撮像を終了するのを待たずに、撮像中に撮像画像データをストリーミング出力してもよい。
外部インターフェイス417は、デジタル画像データ、或いは、アナログ画像信号を出力するインターフェイスである。外部インターフェイス417は、例えば、外部の装置に有線接続され、ケーブルを介して画像を出力する。外部インターフェイス417は、アナログ映像信号を出力するVGA端子や、デジタル映像データを出力するDVI端子を備えてもよい。また、外部インターフェイス417は、MHL、HDMI、Displayport等の画像データ用のインターフェイスであってもよい。また、外部インターフェイス417は、Ethernet、IEEE1394、USB等のデータ通信用のインターフェイスであってもよい。本実施形態において、外部インターフェイス417は、伝送ケーブル1aにより通信端末300に接続され、撮像制御部401の制御に従って、撮像部415の撮像画像データを通信端末300に出力する。
サーバー500は、サーバー制御部501を備える。サーバー制御部501にはメモリー511、不揮発性記憶部512が接続される。また、サーバー制御部501には通信部515が接続される。
通信部515は、外部の装置との間でデータ通信を行う通信インターフェイスである。通信部515は、例えば、Ethernet、IEEE1394、USB等の規格のデータ通信を実行する構成であってもよい。また、通信部515は、無線通信インターフェイスであってもよく、例えば、Bluetooth、無線LAN(Wi−Fiを含む)等の規格で無線通信を行う構成であってもよい。この場合、通信部515が送受信する無線信号は、通信部117がHMD通信部313との間で送受信する無線信号と干渉しないことが望ましい。
本実施形態において、通信部515は、通信端末300の通信部315との間で画像データを含むデータ通信を実行する。通信部515が実行する通信プロトコル、及び、通信部515に接続するケーブル等の規格は、通信部315と対応する。
サーバー制御部501は、通信端末300との間で通信を実行し、通信端末300が撮像装置400の撮像画像データを送信した場合に、この撮像画像データを通信部515により受信する。サーバー制御部501は、通信端末300から受信した撮像画像データを、不揮発性記憶部512に記憶する。
撮像システム1において、撮像装置400−1(図1)は通信端末300−1に撮像画像データを出力し、撮像装置400−2は通信端末300−2に撮像画像データを出力する。同様に、撮像装置400−3〜400−8、400−11は、通信端末300−3〜300−8、300−10に撮像画像データを出力する。また、撮像装置400−9、400−10は、通信端末300−9に撮像画像データを出力する。
通信端末300は、撮像装置400から入力される撮像画像データを取得して、上述したように、サーバー500に送信する。これにより、サーバー500は、撮像システム1が備える複数の撮像装置400の撮像画像データを受信して、蓄積できる。
図10は通信端末300の動作を示すフローチャートである。また、図11はHMD100の動作を示すフローチャートである。以下、図10及び図11を参照して、HMD100と通信端末300とが撮像画像データを送受信する動作を説明する。
通信端末制御部301は、動作を開始すると、HMD通信部313によって、不揮発性記憶部312が記憶する設定データに含まれる識別情報の送信を開始する(図10のステップS11)。通信端末制御部301は、HMD100からの応答をHMD通信部313により受信したか否かを判定する(ステップS12)。HMD100による応答を受信しない場合(ステップS12;No)、通信端末制御部301は応答を受信するまで、識別情報の送信を所定時間毎に実行しながら、待機する。
制御部150は、通信部117により、通信端末300が送信する識別情報を受信したか否かを判定する(図11のステップS41)。通信端末300の識別情報を受信しない場合(ステップS41;No)、制御部150は、識別情報を受信するまで待機する。
また、通信端末300から識別情報を受信した場合(ステップS41;Yes)、制御部150は、識別情報を送信した通信端末300に対して応答を送信する(ステップS42)。その後、制御部150は、受信した識別情報に基づいて通信端末300を特定し、この通信端末300との間で、所定の通信プロトコルを実行して通信を確立する(ステップS43)。
通信端末制御部301は、HMD100からの応答を受信した場合(ステップS12;Yes)、通信端末制御部301は、HMD100との間で、所定の通信プロトコルを実行して通信を確立する(ステップS13)。
その後、通信端末制御部301は、HMD通信部313により、HMD100に対して撮像装置400の撮像画像データを送信する(ステップS14)。通信端末制御部301は、メモリー311に記憶した撮像画像データの他、撮像装置400から継続して入力される撮像画像データを、継続してHMD100に送信してもよい。また、メモリー311に記憶する分の撮像画像データのみを送信してもよい。通信端末制御部301は、複数の撮像装置400から撮像画像データが入力される場合、ステップS14で、全ての撮像装置400から入力される撮像画像データを、HMD100に送信する。
制御部150は、カメラ61による撮像を実行させて、撮像画像データを取得する(ステップS44)。制御部150は、カメラ61の撮像画像データに基づき、ステップS43で通信した通信端末300が、使用者が直視して観察する区画に対応する通信端末300であることを認証する(ステップS45)。
ステップS45で、制御部150は、カメラ61の撮像画像データから、HMD100を装着した使用者の視野に位置する区画、或いは対象OBを特定する。例えば、制御部150は、通信端末データ125を参照し、カメラ61の撮像画像データに基づき区画または対象OBを識別するための情報を取得する。制御部150は、特定した区画または対象OBが、ステップS44で通信した通信端末300に対応するか否かを判定する。制御部150が、対応すると判定した場合は認証成功となる。制御部150が、特定した区画または対象OBが通信端末300に対応しないと判定した場合や、区画または対象OBを特定できない場合は、認証失敗となる。
制御部150は、認証に失敗した場合(ステップS46;No)、後述するステップS53に移行する。また、制御部150は、認証に成功した場合(ステップS46;Yes)、制御部150は、通信端末300が送信する撮像画像データを受信する(ステップS47)。通信端末300が映像データを継続して送信する場合、制御部150は、ステップS47で映像データの受信を開始し、その後も継続して受信する。
制御部150は、通信端末300が送信する撮像画像データが、複数の撮像装置400が撮像した撮像画像データを含む場合、撮像装置400を選択する(ステップS48)。例えば、制御部150は、通信部117により受信した撮像画像データを解析し、ステップS44で取得した撮像画像データと対比して、異なる方向を撮像した撮像装置400を選択する。これにより、使用者が対象OBを見る方向とは異なる方向から対象OBを撮像する撮像装置400を選択できる。また、使用者の位置からは見えない画像を撮像する撮像装置400を選択できる。
制御部150は、ステップS48で選択した撮像装置400を指定する指定情報を生成して、通信部117により通信端末300に送信する(ステップS49)。
通信端末300が送信する撮像画像データが1台の撮像装置400の撮像画像データである場合、制御部150は、ステップS48で1台の撮像装置400を選択し、この撮像装置400を指定する指定情報をステップS49で送信する。
通信端末制御部301は、HMD100が送信する指定情報を受信し(ステップS15)、受信した指定情報により指定される撮像装置400を選択する(ステップS16)。通信端末制御部301は、選択した撮像装置400の撮像画像データを、HMD100に送信する動作を開始する(ステップS17)。その後、通信端末制御部301は、撮像装置400から継続して入力される撮像画像データを取得して、この撮像画像データをHMD100に送信する動作を継続する。
通信端末制御部301は、HMD100から切断が通知されたか否かを判定する(ステップS18)。切断が通知されていない場合(ステップS18;No)、通信端末制御部301は、HMD100との通信が途絶したか否かを判定する(ステップS19)。通信が途絶していない場合(ステップS19;No)、通信端末制御部301はステップS17に戻る。通信端末制御部301は、切断が通知された場合(ステップS18;Yes)、及び、通信が途絶したと判定した場合(ステップS19;Yes)のいずれも、撮像画像データの送信を終了する(ステップS20)。
つまり、通信端末制御部301は、HMD100から切断通知を受信するか、HMD100との通信が途絶するまで、撮像画像データを送信する。
撮像画像データの送信を終了した後、通信端末制御部301は、動作を停止するか否かを判定する(ステップS21)。例えば、通信端末制御部301が備える図示しないスイッチの操作により、停止が指示された場合など、動作を停止する場合(ステップS21;Yes)、通信端末制御部301は本処理を終了する。また、動作を停止しない場合(ステップS21;No)、通信端末制御部301はステップS11に戻る。
制御部150は、ステップS49で送信した指定情報に従って通信端末300が送信する撮像画像データを受信し(ステップS50)、受信した撮像画像データに基づき画像を表示する処理を実行する(ステップS51)。表示処理の詳細については図12を参照して後述する。
制御部150は、通信部117により、ステップS43で通信を確立した通信端末300とは異なる通信端末300の識別情報(他の識別情報と呼ぶ)を受信したか否かを判定する(ステップS52)。他の識別情報を受信した場合(ステップS52;Yes)、制御部150は、通信中の通信端末300に対して切断を通知し(ステップS53)、ステップS41に戻る。これにより、HMD100は、複数の通信端末300に対し無線通信可能な状態となった場合に、いったん通信を切断して、通信を実行しない状態に移行する。このため、HMD100を装着する使用者が複数の通信端末300から近い位置(例えば、通路C)を移動する間に、意図しない接続を防止できる。また、HMD100は、ステップS53からステップS41に戻ることで、より近い通信端末300との間で通信を開始できる。このため、例えば1つの通信端末300と通信中に使用者が移動して、他の通信端末300と通信可能な位置になった場合に、使用者が操作しなくても、自動的に、通信端末300との接続を更新できる。また、ステップS46で認証に失敗したと判定した場合も、ステップS53で切断を通知する。
他の識別情報を受信していない場合(ステップS52;No)、制御部150は、動作を終了するか否かを判定する(ステップS54)。例えば、操作部110により、動作終了の指示が入力された場合など、動作を終了する場合(ステップS54;Yes)、制御部150は観察対象データ124を参照する(ステップS55)。制御部150は、観察対象データ124において観察対象として情報が含まれる対象OBのうち、観察がされていない対象OB(未確認の観察対象)の有無を判定する(ステップS56)。例えば、図2の11頭の対象OBが観察対象として観察対象データ124に設定された場合、制御部150は、これらの対象OBについて観察したことを示す情報を生成し、記憶部122に記憶する。対象OBの観察とは、対象OBに対応する撮像装置400の撮像画像データを受信したこと、或いは、対象OBに対応する通信端末300から撮像画像データを受信したことを指す。制御部150は、未確認の観察対象がないと判定した場合(ステップS56;No)、通信中の通信端末300に対して切断を通知し(ステップS59)、本処理を終了する。
未確認の観察対象がある場合(ステップS56;Yes)、制御部150は、未確認の観察対象があることの警告を行う(ステップS57)。具体的には、制御部150は、未確認の観察対象があることを警告する画像やテキストを画像表示部20により表示し、或いは、警告の音声を出力する。
その後、制御部150は、動作を終了するか否かを判定する(ステップS58)。例えば、操作部110により、動作終了の指示が入力された場合など、動作を終了する場合(ステップS58;Yes)、制御部150はステップS59に移行する。制御部150は、例えば、ステップS57で警告を出力した後に、そのまま動作を終了するか否かの入力を求めるテキストや画像を表示してもよい。
動作を終了する場合(ステップS58;No)、制御部150はステップS50に戻る。
図12は、HMD100の動作を示すフローチャートであり、図11のステップS51の動作を詳細に示す。
制御部150は、通信端末300から受信した識別情報に基づき観察対象データ124を参照し、通信端末300が送信する撮像画像データに写る対象OBを特定する(ステップS71)。制御部150は、観察対象データ124から、特定した対象OBに関する情報を取得する(ステップS72)。制御部150は、取得した情報の中から、撮像画像データとともに表示する情報を抽出し(ステップS73)、抽出した情報を、画像表示部20の表示領域に配置して、撮像画像データとともに表示する(ステップS74)。
観察対象データ124から抽出した情報の表示位置、及び表示サイズは、表示設定データ126の設定に従って決定される。
図13は、HMD100の表示例を示す図であり、ステップS74(図12)の表示例を示す。
図に示すVRは使用者が視認できる視野である。視野VRの中央には、画像表示部20が表示される画像が視認される表示領域Vがある。表示領域Vは、画像表示部20が右表示ユニット22及び左表示ユニット24により形成する画像を、使用者が視認する領域である。
視野VRには、右導光板26及び左導光板28を透過する外光によって視認される外景である観察窓W9、及び、対象OB11が現れる。図13の例は、図2において使用者Uが、観察窓W9の前に立ち、観察窓W9から区画A9の中にいる対象OB11を観察する状態である。
この表示例において、視野VRの右上には、撮像画像P1が表示される。撮像画像P1は、HMD100が通信端末300から受信する撮像画像データに基づく画像である。例えば、図2の撮像装置400−9の撮像画像データに基づく画像である。この場合、観察窓W9からは対象OBの頭部が視認されるが、使用者Uは、観察窓W9から見えない対象OBの後方からの撮像画像を、撮像画像P1として視認できる。
HMD100は、通信端末300−9に対して、撮像装置400−9、400−10のうち撮像装置400−9を指定する指定情報を送信する。なお、ステップS48では制御部150が撮像装置400を選択する例を説明したが、例えば、使用者の操作により撮像装置400を選択してもよい。
図14は、HMD100の別の表示例を示す図である。
図14の例は、表示領域Vにおいて、撮像画像P1に加え、撮像画像P2が表示される例である。HMD100は、例えば、図2の撮像装置400−9の撮像画像データに基づく撮像画像P1と、撮像装置400−10の撮像画像データに基づく撮像画像P2とを、同時に表示してもよい。このように、通信端末300が複数の撮像装置400の撮像画像データを送信可能な場合、これら複数の撮像装置400の撮像画像データに基づき、複数の画像を画像表示部20によって表示してもよい。また、3台以上の撮像装置400の撮像画像データに基づく撮像画像を表示することも勿論可能である。
図15は、HMD100の別の表示例を示す図である。
図15の例は、表示領域Vにおいて、撮像画像P1とともに、データD1が表示される例である。データD1は、図15に示すようにテキストデータであってもよいし、画像データであってもよい。この場合、対象OBを観察しながら、対象OBに関する情報を確認できるという利点がある。
以上説明したように、本発明の撮像システム、及び、撮像システムの制御方法を適用した実施形態の撮像システム1は、撮像装置400と、通信端末300と、HMD100とを備える。撮像装置400は、観察対象に対応して配置され、観察対象を撮像する撮像部415を有する。通信端末300は、撮像装置400の撮像画像を送信するHMD通信部313を有する。HMD100は、通信端末300が送信する撮像画像を受信する通信部117と、通信部117が受信する撮像画像に基づき画像を表示する画像表示部20と、を有する。撮像システム1は、通信端末300に対するHMD100の位置が所定の状態となった場合に、通信端末300とHMD100とが撮像画像を送受信可能な状態に移行する。これにより、撮像システム1においてHMD100の位置を変化させ調整することによって、HMD100が、撮像装置400の撮像画像に基づく画像を表示できる。このため、撮像画像を利用するためのHMD100の構成、及びHMD100の操作が簡易であり、容易に撮像画像を利用できる。
また、通信端末300は、通信端末300に対するHMD100の位置が所定の状態となった場合に、HMD通信部313により通信端末300を特定可能な識別情報を送信させる通信端末制御部301を備える。HMD100は、通信端末300が送信する識別情報を通信部117が受信した場合に、受信した識別情報に基づいて、通信部117によって通信端末300との間の通信を確立させる制御部150を備える。これにより、HMD100によって、撮像画像を送信する通信端末300を特定して、通信を確立できる。このため、例えば複数の通信端末300が存在する場合に、目的に合う通信端末300を選択して通信を確立できる。
また、HMD通信部313は、指向性を有する周波数帯の無線信号を送信し、通信部117は、HMD通信部313が送信する周波数帯の無線信号を受信可能に構成してもよい。この場合、HMD100が通信端末300から撮像画像を受信できる場合のHMD100と通信端末300との相対位置を制限できるので、HMD100の位置に応じて、撮像画像を利用可能な構成を容易に実現できる。この構成によれば、例えば複数の通信端末300が設置された環境において、HMD100により特定の通信端末300を指定して撮像画像を受信できる。
また、HMD通信部313は、通信端末300とHMD100との通信距離に対応する送信出力でLF帯の無線信号を送信し、通信部117はLF帯の無線信号を受信可能に構成してもよい。この場合、送信出力の調整が容易なLF帯(例えば、30kHz〜300kHz)の無線信号を通信端末300が送信するので、HMD100が通信端末300から撮像画像を受信する場合のHMD100と通信端末300との距離を、例えば近距離に制限できる。これにより、例えば複数の通信端末300が設置された環境において、HMD100により特定の通信端末300を指定して撮像画像を受信できる。
また、HMD100は、使用者の頭部に装着される頭部装着型の画像表示部20を有する。通信システム1では、HMD100と通信端末300との距離が、使用者が観察対象を視認可能な距離以下となった場合に、通信端末300とHMD100とが撮像画像を送受信可能な状態に移行する。この構成によれば、画像表示部20を装着した使用者が、通信端末300を視認可能な距離まで通信端末300に近づくことで、撮像画像を受信可能となる。このため、使用者が容易に通信端末300から撮像画像を受信するための状態に移行できる。また、例えば複数の通信端末300が設置された環境において、HMD100により特定の通信端末300を指定して撮像画像を受信できる。
また、画像表示部20は、通信部117により受信された撮像画像に基づく画像を、外景とともに視認可能に表示する。この構成によれば、使用者は、撮像画像に基づく画像を外景とともに視認できる。このため、観察対象を外景として見るとともに、観察対象を撮像した撮像画像を見ることができる。
また、画像表示部20は、使用者が視認する外景と重なる範囲を撮像するカメラ61を有する。制御部150は、カメラ61の撮像画像に基づいて、使用者が視認する観察対象と通信部117により通信する通信端末300が送信する撮像画像との対応を判定する。この構成によれば、HMD100が通信端末300から受信する撮像画像と、使用者が外景として視認する観察対象との対応を判定できる。
また、撮像システム1は、複数の撮像装置400と、それぞれの撮像装置400に対応する複数の通信端末300とを備える。撮像システム1では、複数の通信端末300のうちHMD100との位置が所定の状態となった1つの通信端末300と、HMD100とが撮像画像を送受信可能な状態に移行する。この構成によれば、HMD100が複数の通信端末300から同時に撮像画像を受信することがないので、使用者が、観察対象に関する撮像画像を確実に見ることができる。
また、撮像システム1において、HMD100の制御部150が、通信部117により通信端末300と通信可能な状態で、HMD100を特定可能な識別情報を通信部117によって送信させてもよい。この場合、通信端末300の通信端末制御部301は、HMD100が送信する識別情報をHMD通信部313により受信した場合に、受信した識別情報に基づいて、HMD通信部313によってHMD100との間の通信を確立させてもよい。例えば、上述した実施形態では、通信端末300が識別情報を送信し(ステップS11)、HMD100が識別情報を受信する(ステップS41)動作について例示した。これに限らず、HMD100がステップS41の前に識別情報を送信し、通信端末300が、HMD100が送信する識別情報の受信を待機し、識別情報を受信した場合に、ステップS11またはステップS12に移行してもよい。また、この場合、ステップS11及びステップS41の動作を省略し、ステップS42で識別情報を送信し、ステップS12で、通信端末300が、識別情報を受信したことをトリガーとして通信を確立してもよい。HMD100を識別する識別情報は、例えば、HMD100に予め付与された固有の識別情報や、HMD100のネットワークアドレス等が挙げられる。また、通信端末300において、通信可能なHMD100の識別情報が予め設定されてもよい。この場合、HMD100が識別情報を通信端末300に送信して通信を確立するので、通信端末300により、撮像画像を受信するHMD100を識別できる。このため、撮像画像を受信するHMD100を、特定のHMD100に制限できる。
なお、この発明は上記実施形態の構成に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
例えば、上記実施形態において、HMD100は、通信部117を制御装置10に内蔵する構成とし、制御装置10が画像表示部20とは別体で構成される例を説明した。本発明は、これに限定されない。例えば、制御装置10と画像表示部20とが一体に構成され、使用者の頭部に装着される構成とすることも可能である。また、例えば、通信部117を、画像表示部20に設ける構成としてもよい。或いは、通信部117を制御装置10に備え、アンテナ117aを画像表示部20に配置し、アンテナ117aと通信部117とが有線接続される構成とすることも可能である。さらに、通信部117を画像表示部20に設けた場合に、通信部117と制御装置10とが無線通信を実行してもよい。
例えば、上記実施形態において、使用者が表示部を透過して外景を視認する構成は、右導光板26及び左導光板28が外光を透過する構成に限定されない。例えば外景を視認できない状態で画像を表示する表示装置にも適用可能である。具体的には、カメラ61の撮像画像、この撮像画像に基づき生成される画像やCG、予め記憶された映像データや外部から入力される映像データに基づく映像等を表示する表示装置に、本発明を適用できる。この種の表示装置としては、外景を視認できない、いわゆるクローズ型の表示装置を含むことができる。また、上記実施形態で説明したように実空間に重ねて画像を表示するAR表示や、撮像した実空間の画像と仮想画像とを組み合わせるMR(Mixed Reality)表示、或いは仮想画像を表示するVR(Virtual Reality)表示といった処理を行わない表示装置にも適用できる。例えば、外部から入力される映像データまたはアナログ映像信号を表示する表示装置も、本発明の適用対象として勿論含まれる。
また、例えば、画像表示部20に代えて、例えば帽子のように装着する画像表示部等の他の方式の画像表示部を採用してもよく、使用者の左眼に対応して画像を表示する表示部と、使用者の右眼に対応して画像を表示する表示部とを備えていればよい。また、本発明の表示装置は、例えば、自動車や飛行機等の車両に搭載されるヘッドマウントディスプレイとして構成されてもよい。また、例えば、ヘルメット等の身体防護具に内蔵されたヘッドマウントディスプレイとして構成されてもよい。この場合、使用者の身体に対する位置を位置決めする部分、及び、当該部分に対し位置決めされる部分を装着部とすることができる。
また、制御装置10として、ノート型コンピューター、タブレット型コンピューター又はデスクトップ型コンピューターを用いてもよい。また、制御装置10として、ゲーム機や携帯型電話機やスマートフォンや携帯型メディアプレーヤーを含む携帯型電子機器、その他の専用機器等を用いてもよい。また、制御装置10が画像表示部20と分離して構成され、制御装置10と画像表示部20との間で無線通信により各種信号を送受信する構成としてもよい。
また、画像光を使用者の眼に導く光学系として、右導光板26及び左導光板28の一部に、ハーフミラー261、281により虚像が形成される構成を例示した。本発明はこれに限定されず、右導光板26及び左導光板28の全面または大部分を占める面積を有する表示領域に、画像を表示する構成としてもよい。この場合、画像の表示位置を変化させる動作において、画像を縮小する処理を含めてもよい。
さらに、本発明の光学素子は、ハーフミラー261、281を有する右導光板26、左導光板28に限定されず、画像光を使用者の眼に入射させる光学部品であればよく、具体的には、回折格子、プリズム、ホログラフィー表示部を用いてもよい。
また、撮像システム1の適用対象は、上記実施形態で説明した、観察対象である対象OBはほ乳類に限定されない。対象OBは生物及び無生物を問わず、直接または撮像画像により監視、観察が行われる対象であればよい。また、通信端末300及び撮像装置400の配置状態は、図1及び図2に示す構成に限定されず、サーバー500を省略する構成としてもよい。さらに、HMD100、通信端末300、撮像装置400、及びサーバー500を接続する通信手段は、上記実施形態で説明した構成に限定されない。例えば、HMD100、通信端末300、撮像装置400、及びサーバー500のいずれかを遠隔地に設置し、インターネット、公衆電話回線、専用線等を用いて、他の装置と接続して撮像システム1を構成してもよい。
また、図7、図8、図9等に示した各機能ブロックのうち少なくとも一部は、ハードウェアで実現してもよいし、ハードウェアとソフトウェアの協働により実現される構成としてもよく、図に示した通りに独立したハードウェア資源を配置する構成に限定されない。また、制御部150が実行するプログラムは、不揮発性記憶部121または制御装置10内の他の記憶装置(図示略)に記憶されてもよい。また、外部の装置や記録媒体に記憶されたプログラムを通信部117、外部コネクター184、外部メモリーインターフェイス186等により取得して実行する構成としてもよい。また、制御装置10に形成された構成のうち、操作部110が使用者インターフェイス(UI)として形成されてもよい。また、制御装置10に形成された構成が重複して画像表示部20に形成されていてもよい。例えば、メインプロセッサー140と同様のプロセッサーが画像表示部20に配置されてもよいし、制御装置10が備えるメインプロセッサー140と画像表示部20のプロセッサーとが別々に分けられた機能を実行する構成としてもよい。
1…撮像システム、1a…伝送ケーブル、10…制御装置、14…トラックパッド、20…画像表示部(表示部)、22…右表示ユニット、24…左表示ユニット、26…右導光板、28…左導光板、61…カメラ(第2撮像部)、63…マイク、100…HMD(表示装置)、110…操作部、117…通信部(第2通信部)、118…メモリー、120…コントローラー基板、121…不揮発性記憶部、122…記憶部、123…設定データ、124…観察対象データ、125…操作設定データ、126…表示制御データ、140…メインプロセッサー、143…オペレーティングシステム、145…画像処理部、147…表示制御部、149…撮像制御部、150…制御部(第2制御部、判定部)、151…通信制御部、184…外部コネクター、186…外部メモリーインターフェイス、188…USBコネクター、300、300−1〜300−10…通信端末、301…通信端末制御部(第1制御部)、312…不揮発性記憶部、313…HMD通信部(第1通信部)、313a…アンテナ、315…通信部、317…外部インターフェイス、400、400−1〜400−11…撮像装置、401…撮像制御部、411…メモリー、412…不揮発性記憶部、415…撮像部、417…外部インターフェイス、500…サーバー、501…サーバー制御部、511…メモリー、512…不揮発性記憶部、515…通信部、OB…対象(観察対象)。

Claims (10)

  1. 観察対象に対応して配置され、前記観察対象を撮像する撮像部を有する撮像装置と、
    前記撮像装置の撮像画像を送信する第1通信部を有する通信端末と、
    前記通信端末が送信する撮像画像を受信する第2通信部と、前記第2通信部が受信する撮像画像に基づき画像を表示する表示部と、を有する表示装置と、を備え、
    前記通信端末に対する前記表示装置の位置が所定の状態となった場合に、前記通信端末と前記表示装置とが撮像画像を送受信可能な状態に移行すること、
    を特徴とする撮像システム。
  2. 前記通信端末は、前記通信端末に対する前記表示装置の位置が所定の状態となった場合に、前記第1通信部により前記通信端末を特定可能な識別情報を送信させる第1制御部を備え、
    前記表示装置は、前記通信端末が送信する識別情報を前記第2通信部が受信した場合に、受信した識別情報に基づいて、前記第2通信部によって前記通信端末との間の通信を確立させる第2制御部を備えること、
    を特徴とする請求項1記載の撮像システム。
  3. 前記第1通信部は、指向性を有する周波数帯の無線信号を送信し、
    前記第2通信部は、前記第1通信部が送信する周波数帯の無線信号を受信可能に構成されること、
    を特徴とする請求項1または2記載の撮像システム。
  4. 前記第1通信部は、前記通信端末と前記表示装置との通信距離に対応する送信出力でLF帯の無線信号を送信し、
    前記第2通信部はLF帯の無線信号を受信可能に構成されること、
    を特徴とする請求項1または2記載の撮像システム。
  5. 前記表示装置は、前記第2通信部により前記通信端末と通信可能な状態で、前記表示装置を特定可能な識別情報を前記第2通信部によって送信させる第2制御部を備え、
    前記通信端末は、前記表示装置が送信する識別情報を前記第1通信部により受信した場合に、受信した識別情報に基づいて、前記第1通信部によって前記表示装置との間の通信を確立させる第1制御部を備えること、
    を特徴とする請求項1記載の撮像システム。
  6. 前記表示装置は、使用者の頭部に装着される頭部装着型の前記表示部を有し、
    前記表示装置と前記通信端末との距離が、前記使用者が前記観察対象を視認可能な距離以下となった場合に、前記通信端末と前記表示装置とが撮像画像を送受信可能な状態に移行すること、
    を特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の撮像システム。
  7. 前記表示部は、前記第2通信部により受信された撮像画像に基づく画像を、外景とともに視認可能に表示すること、
    を特徴とする請求項6記載の撮像システム。
  8. 前記表示部は、前記使用者が視認する外景と重なる範囲を撮像する第2撮像部を有し、
    前記第2撮像部の撮像画像に基づいて、前記使用者が視認する前記観察対象と前記第2通信部により通信する前記通信端末が送信する撮像画像との対応を判定する判定部を有すること、
    を特徴とする請求項6または7記載の撮像システム。
  9. 複数の前記撮像装置と、それぞれの前記撮像装置に対応する複数の前記通信端末とを備え、
    複数の前記通信端末のうち前記表示装置との位置が所定の状態となった1つの前記通信端末と、前記表示装置とが撮像画像を送受信可能な状態に移行すること、
    を特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の撮像システム。
  10. 観察対象に対応して配置され、前記観察対象を撮像する撮像部を有する撮像装置と、前記撮像装置の撮像画像を送信する第1通信部を有する通信端末と、前記通信端末が送信する撮像画像を受信する第2通信部と、前記第2通信部が受信する撮像画像に基づき画像を表示する表示部と、を有する表示装置と、を備える撮像システムの制御方法において、
    前記通信端末に対する前記表示装置の位置が所定の状態となった場合に、前記通信端末と前記表示装置とが撮像画像を送受信可能な状態に移行すること、
    を特徴とする撮像システムの制御方法。
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