JP2017135557A - データ処理装置、及び、データ処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】受信側の処理の負担を軽減することができるようにする。【解決手段】データ処理装置は、物理層フレームのフレーム長を所定の時間単位に調整するために余分なサンプルを挿入する場合に、当該物理層フレームの終端に挿入されるサンプルの数を示す終端余剰サンプル数を含むシグナリングを生成し、シグナリングを、物理層フレームのプリアンブルに含まれるように処理することで、受信側の処理の負担を軽減することができるようにする。本技術は、例えば、ATSC3.0等の放送規格に準拠したデータ伝送に適用することができる。【選択図】図17

Description

本技術は、データ処理装置、及び、データ処理方法に関し、特に、受信側の処理の負担を軽減することができるようにしたデータ処理装置、及び、データ処理方法に関する。
現在、次世代地上放送規格の1つであるATSC(Advanced Television Systems Committee)3.0の策定が進められている(例えば、非特許文献1参照)。
ATSC Candidate Standard:Physical Layer Protocol(Doc. S32-230r21 28 September 2015)
ところで、ATSC3.0等の放送規格では、物理層のシグナリング(L1シグナリング)が規定されており、受信側の受信装置では、このL1シグナリングを用いた復調処理などを行うことになる。一方で、L1シグナリングの記述内容によっては、受信側の受信装置での処理に負担がかかるため、受信側の処理の負担を軽減するための提案が要請されていた。
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、受信側の処理の負担を軽減することができるようにするものである。
本技術の第1の側面のデータ処理装置は、物理層フレームのフレーム長を所定の時間単位に調整するために余分なサンプルを挿入する場合に、当該物理層フレームの終端に挿入されるサンプルの数を示す終端余剰サンプル数を含むシグナリングを生成する生成部と、前記シグナリングを、前記物理層フレームのプリアンブルに含まれるように処理する処理部とを備えるデータ処理装置である。
本技術の第1の側面のデータ処理装置は、独立した装置であってもよいし、1つの装置を構成している内部ブロックであってもよい。また、本技術の第1の側面のデータ処理方法は、上述した本技術の第1の側面のデータ処理装置に対応するデータ処理方法である。
本技術の第1の側面のデータ処理装置、及び、データ処理方法においては、物理層フレームのフレーム長を所定の時間単位に調整するために余分なサンプルを挿入する場合に、当該物理層フレームの終端に挿入されるサンプルの数を示す終端余剰サンプル数を含むシグナリングが生成され、前記シグナリングが、前記物理層フレームのプリアンブルに含まれるように処理される。
本技術の第2の側面のデータ処理装置は、物理層フレームのプリアンブルに含まれるシグナリングであって、前記物理層フレームのフレーム長を所定の時間単位に調整するために余分なサンプルを挿入する場合に、当該物理層フレームの終端に挿入されるサンプルの数を示す終端余剰サンプル数を含む前記シグナリングを処理する処理部を備えるデータ処理装置である。
本技術の第2の側面のデータ処理装置は、独立した装置であってもよいし、1つの装置を構成している内部ブロックであってもよい。また、本技術の第2の側面のデータ処理方法は、上述した本技術の第2の側面のデータ処理装置に対応するデータ処理方法である。
本技術の第2の側面のデータ処理装置、及び、データ処理方法においては、物理層フレームのプリアンブルに含まれるシグナリングであって、前記物理層フレームのフレーム長を所定の時間単位に調整するために余分なサンプルを挿入する場合に、当該物理層フレームの終端に挿入されるサンプルの数を示す終端余剰サンプル数を含む前記シグナリングが処理される。
本技術の第1の側面、及び、第2の側面によれば、受信側の処理の負担を軽減することができる。
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
物理層フレームの構造を示す図である。 L1基本情報(L1-Basic)のシンタックスの例を示す図である。 L1詳細情報(L1-Detail)のシンタックスの例を示す図である。 L1詳細情報(L1-Detail)のシンタックスの例を示す図である。 L1詳細情報(L1-Detail)のシンタックスの例を示す図である。 タイムアラインモード時に、物理層フレームに挿入される余剰サンプルを説明する図である。 現状の受信装置の構成を示す図である。 現状1の受信側の復調処理の流れを説明するフローチャートである。 現状1のOFDM受信部(1フレーム目を処理)の構成を示す図である。 現状1のOFDM受信部(2フレーム目以降を処理)の構成を示す図である。 現状1のパラメータ制御部の構成を示す図である。 現状1のパラメータ制御処理の流れを説明するフローチャートである。 現状2の受信側の復調処理の流れを説明するフローチャートである。 現状2のOFDM受信部(1,2フレーム目を処理)の構成を示す図である。 現状2のパラメータ制御部の構成を示す図である。 本技術を適用した伝送システムの一実施の形態の構成を示す図である。 本技術の送信装置の構成例を示す図である。 本技術の送信側の変調処理の流れを説明するフローチャートである。 本技術の受信装置の構成例を示す図である。 本技術の受信側の復調処理の流れを説明するフローチャートである。 本技術のL1基本情報(L1-Basic)のシンタックスの例を示す図である。 本技術のOFDM受信部(1フレーム目を処理)の構成を示す図である。 本技術のOFDM受信部(2フレーム目以降を処理)の構成を示す図である。 本技術のパラメータ制御部の構成を示す図である。 本技術のパラメータ制御処理の流れを説明するフローチャートである。 コンピュータの構成例を示す図である。
以下、図面を参照しながら本技術の実施の形態について説明する。なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.現状の規格の概要
2.本技術の実施の形態
(1)システムの構成
(2)シグナリングの例
(3)復調処理とパラメータ制御の詳細
3.変形例
4.コンピュータの構成
<1.現状の規格の概要>
(物理層フレームの構造)
図1は、物理層フレームの構造を示す図である。図1において、横方向は、時間(Time)を表し、縦方向は、周波数(Frequency)を表している。
例えば、ATSC3.0で規定される物理層フレームは、ブートストラップ(Bootstrap)と、プリアンブル(Preamble)と、1以上のサブフレーム(Subframe)から構成される。物理層フレームは、ミリ秒単位などの所定のフレーム長で構成される。物理層フレームにおいては、ブートストラップとプリアンブルを取得した後に、その後のサブフレームを取得することが可能となる。
ブートストラップは、例えば、DVB-T2(Digital Video Broadcasting - Second Generation Terrestrial)のT2フレームを構成するP1シンボルに対応し、プリアンブルは、例えば、DVB-T2のT2フレームを構成するP2シンボルに対応している。したがって、ブートストラップは、プリアンブルであると言うこともできる。
プリアンブルには、L1基本情報(L1-Basic)やL1詳細情報(L1-Detail)などのL1シグナリングを含めることができる。ここで、L1基本情報とL1詳細情報とを比較すれば、L1基本情報は、200ビット程度のビットから構成されるが、L1詳細情報は、400〜数千ビットから構成される点でそのサイズが異なっている。また、プリアンブルでは、L1基本情報とL1詳細情報がその順に読み出されるため、L1詳細情報よりもL1基本情報のほうが先に読み出される。さらに、L1基本情報は、L1詳細情報と比べて、よりロバスト(ロバストネス)に伝送される点でも異なっている。
サブフレームには、ペイロード(データ)が配置される。物理層フレームにおいて、2以上のサブフレームが含まれる場合には、サブフレームごとに、例えば、FFTサイズやガードインターバル長、パイロットパターンなどの変調パラメータを変更することができる。
(L1基本情報の構造)
図2は、図1のプリアンブルに含まれるL1基本情報(L1-Basic)のシンタックスの例を示す図である。
2ビットのL1B_content_tagは、コンテンツを識別するタグ値を表している。3ビットのL1B_versionは、L1基本情報のバージョンを表している。1ビットのL1B_slt_flagは、SLT(Service Labeling Table)が存在するかどうかを表している。
1ビットのL1B_time_info_flagは、時刻情報が存在するかどうかを表している。2ビットのL1B_paprは、PAPR(Peak to Average Power Reduction)の適用を表している。
1ビットのL1B_frame_length_modeは、フレームモードを表している。L1B_frame_length_mode = 0 の場合、フレームモードは、タイムアラインモードとなる。また、L1B_frame_length_mode = 1 の場合、フレームモードは、シンボルアラインモードとなる。
10ビットのL1B_frame_lengthは、物理層フレームのフレーム長を表している。13ビットのL1B_excess_samples_per_symbolは、フレームモードがタイムアラインモードとなる場合に、ガードインターバル部分に挿入される余分なサンプルについて、シンボル当たりの余分なサンプルの数を表している。
8ビットのL1B_num_subframesは、物理層フレームに含まれるサブフレームの数を表している。3ビットのL1B_preamble_num_symbolsは、プリアンブルに含まれるOFDMシンボルの数を表している。3ビットのL1B_preamble_reduced_carriersは、プリアンブルで使用されるFFTサイズのキャリアの最大数の減少に応じた制御ユニットの数を表している。
16ビットのL1B_L1_Detail_size_bitsは、L1詳細情報(L1-Detail)のサイズを表している。3ビットのL1B_L1_Detail_fec_typeは、L1詳細情報のFECタイプを表している。2ビットのL1B_L1_Detail_additional_parity_modeは、L1詳細情報の追加パリティモードを表している。19ビットのL1B_L1_Detail_total_cellsは、L1詳細情報のトータルサイズを表している。
1ビットのL1B_First_Sub_mimoは、先頭のサブフレームのMIMO(Multiple Input and Multiple Output)の使用状況を表している。1ビットのL1B_First_Sub_misoは、先頭のサブフレームのMISO(Multiple Input and Single Output)の使用状況を表している。
2ビットのL1B_First_Sub_fft_sizeは、先頭のサブフレームのFFTサイズを表している。3ビットのL1B_First_Sub_reduced_carriersは、先頭のサブフレームで使用されるFFTサイズのキャリアの最大数の減少に応じた制御ユニットの数を表している。4ビットのL1B_First_Sub_guard_intervalは、先頭のサブフレームのガードインターバル長を表している。
13ビットのL1B_First_Sub_excess_samplesは、フレームモードがタイムアラインモードとなる場合に、サブフレームにおいて、ガードインターバル部分に挿入される余分なサンプルの数を表している。
11ビットのL1B_First_Sub_num_ofdm_symbolsは、先頭のサブフレームに含まれるOFDMシンボルの数を表している。5ビットのL1B_First_Sub_scattered_pilot_patternは、先頭のサブフレームで使用されているSPパターン(Scattered Pilot Pattern)を表している。3ビットのL1B_First_Sub_scattered_pilot_boostは、SPパターンの大きさを高める値を表している。
1ビットのL1B_First_Sub_sbs_firstと、1ビットのL1B_First_Sub_sbs_lastは、先頭のサブフレームのSBS(Subframe Boundary Symbol)を表している。
L1B_Reservedは、将来の拡張用の領域(Reserved)である。L1B_Reservedのビット数は、未確定(TBD:To Be Determined)であるが、現状では、49ビットとされている。32ビットのL1B_crcは、CRC値が含まれることを表している。
なお、L1基本情報(L1-Basic)については、上述した非特許文献1の「Table 9.2 L1-Basic signaling fields and syntax」にその詳細な内容が記載されている。また、フォーマット(Format)として、uimsbf(unsigned integer most significant bit first)が指定された場合、ビット演算をして、整数として扱われることを意味している。
(L1詳細情報の構造)
図3乃至図5は、図1のプリアンブルに含まれるL1詳細情報(L1-Detail)のシンタックスの例を示す図である。
4ビットのL1D_versionは、L1詳細情報のバージョンを表している。
3ビットのL1D_num_rfに応じたループには、チャネルボンディング(Channel Bonding)に関するパラメータが配置される。すなわち、19ビットのL1D_rf_frequencyは、チャネルボンディングにより結合されるRFチャネルの周波数を表している。
ここで、図2のL1基本情報において、L1B_time_info_flag = 1 となる場合、時刻情報が存在していることを示しているので、L1詳細情報には、時刻情報としてのL1D_time_infoが配置される。なお、L1D_time_infoのビット数は、未確定(TBD)とされる。
図2のL1基本情報のL1B_num_subframesに応じたループには、以下のサブフレームに関するパラメータが配置される。
1ビットのL1D_mimoは、サブフレームのMIMOの使用状況を表している。1ビットのL1D_misoは、サブフレームのMISOの使用状況を表している。2ビットのL1D_fft_sizeは、サブフレームのFFTサイズを表している。
3ビットのL1D_reduced_carriersは、サブフレームで使用されるFFTサイズのキャリアの最大数の減少に応じた制御ユニットの数を表している。4ビットのL1D_guard_intervalは、サブフレームのガードインターバル長を表している。11ビットのL1D_num_ofdm_symbolsは、サブフレームに含まれるOFDMシンボルの数を表している。
5ビットのL1D_scattered_pilot_patternは、サブフレームで使用されているSPパターンを表している。3ビットのL1D_scattered_pilot_boostは、SPパターンの大きさを高める値を表している。1ビットのL1D_sbs_firstと、1ビットのL1D_sbs_lastは、サブフレームのSBSを表している。
1ビットのL1D_subframe_multiplexは、サブフレームが時分割多重であるかどうかを表している。1ビットのL1D_frequency_interleaverは、周波数インターリーブがあるかどうかを表している。
6ビットのL1D_num_plpに応じたループには、PLPに関するパラメータが配置される。このパラメータとしては、6ビットのL1D_plp_id,1ビットのL1D_plp_slt_exist,2ビットのL1D_plp_layer,24ビットのL1D_plp_start,24ビットのL1D_plp_size,2ビットのL1D_plp_scrambler_type,4ビットのL1D_plp_fec_typeなどが配置される。
ここでは、PLPに関するパラメータの全てについては説明しないが、上述した非特許文献1の「Table 9.12 L1-Detail signaling fields and syntax」に、L1詳細情報(L1-Detail)の詳細な内容が記載されている。
(フレームモードの概要)
ところで、ATSC3.0では、物理層フレームのフレーム長に応じたフレームモードとして、タイムアラインモード(time-aligned mode)と、シンボルアラインモード(symbol-aligned mode)が規定されている。
タイムアラインモードは、ガードインターバル(GI:Guard Interval)部分に余分なサンプルを挿入することで、物理層フレームのフレーム長(フレーム時間)を、必ず整数のミリ秒単位に合わせてから送信するモードである。ここでは、各ガードインターバルに、余分なサンプル(余剰サンプル)の一部が分散されて挿入される。
例えば、同じRFチャンネル内で、放送(例えばATSC3.0に準拠したデータ伝送)と、通信(例えば、LTE(Long Term Evolution)に準拠したデータ伝送)を共存させる場合に、物理層フレームのフレーム長(フレーム時間)が、整数のミリ秒単位であると、時間の区切りが一致するために都合がよい。ただし、タイムアラインモードでは、余分なサンプル(無意味なデータ)を送信することになるため、データ伝送の効率は悪くなる。
シンボルアラインモードは、余分なサンプルを挿入せずに、そのまま送信するモードである。シンボルアラインモードでは、余分なサンプルを送信しないため、効率的なデータ伝送を行うことができる。例えば、DVB-T(Digital Video Broadcasting - Terrestrial),DVB-T2,ISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting - Terrestrial)などの放送方式では、このシンボルアラインモードと同様のデータ伝送が行われている。
ただし、シンボルアラインモードでは、時間の区切りを一致させるためのサンプルを挿入していないため、物理層フレームの中には、そのフレーム長(フレーム時間)が、整数のミリ秒単位となる(ミリ秒の境界に沿っている)物理層フレームだけでなく、整数のミリ秒単位とはならない(ミリ秒の境界に沿っていない)物理層フレームも存在することになる。
ここで、フレームモードとして、タイムアラインモードが設定された場合には、ガードインターバル部分に余分なサンプルが挿入されるため、受信側の受信装置では、そのことを考慮して、物理層フレームを処理する必要がある。
例えば、図6には、タイムアラインモード時に、物理層フレームに余剰サンプルが挿入される様子が模式的に表されている。図6においては、OFDMシンボルの有効な部分(Useful portion)に対し、ガードインターバル(Signaled guard interval length)が挿入されている。また、各ガードインターバルには、余剰サンプル(Extra sample for the guard intervals)が挿入されている。さらに、当該物理層フレームの終端にも余剰サンプル(Cyclic postfix on final OFDM symbol of the frame)が挿入されている。以下、このような、物理層フレームの終端に挿入される余剰サンプルを、終端余剰サンプルと称する。
現状のATSC3.0では、図6のOFDMシンボルの有効な部分(Useful portion)に相当するFFTサンプル数として、L1基本情報(L1-Basic)のL1B_First_Sub_fft_size(図2)と、L1詳細情報(L1-Detail)のL1D_fft_size(図3)が規定されている。
また、図6のガードインターバルの部分に相当するGIサンプル数として、L1基本情報のL1B_First_Sub_guard_interval(図2)と、L1詳細情報のL1D_guard_interval(図3)が規定されている。さらに、図6の余分なサンプルの数(余剰サンプル数)として、L1基本情報のL1B_excess_samples_per_symbol又はL1B_First_Sub_excess_samples(図2)が規定されている。
このように、現状のATSC3.0においては、L1シグナリングとして、FFTサンプル数、GIサンプル数、及び余剰サンプル数が規定されている。しかしながら、現状のATSC3.0では、L1シグナリングに、物理層フレームの終端に挿入される終端余剰サンプルの数(終端余剰サンプル数)が規定されていない。
そのため、現状の受信装置では、下記の式(1)により、終端余剰サンプルを含む余剰サンプル数を求めてから、下記の式(2)により、余剰サンプル数を減算することで、対象の物理層フレームにおける終端余剰サンプル数(NfinalExcessSamples)を求める。
Figure 2017135557
・・・(1)
Figure 2017135557
・・・(2)
そして、現状の受信装置では、対象の物理層フレームの最後のOFDMシンボルの後に、演算により求められた終端余剰サンプル数をカウントすることで、次の物理層フレームの先頭位置を検出することができる。以下の説明では、このような、終端余剰サンプル数を演算により求めることで、物理層フレームの先頭位置を検出する手法を、「現状1」の手法と称して説明する。
一方で、現状の受信装置では、物理層フレームごとに、ブートストラップの検波を行うことでも、物理層フレームの先頭位置を検出することができる。以下の説明では、このような、物理層フレームごとのブートストラップの検波を行うことで、物理層フレームの先頭位置を検出する手法を、「現状2」の手法と称して説明する。
以下、現状1の手法と現状2の手法の詳細な内容について説明するが、まず、図7を参照して、現状1の手法と現状2の手法に共通する受信装置30の構成について説明してから、図8乃至図12を参照して、現状1の手法について説明し、その後に、図13乃至図15を参照して、現状2の手法について説明するものとする。
(現状の受信装置の構成)
図7は、現状の受信装置30の構成を示す図である。
図7において、受信装置30は、RF・アナログ部311、直交復調部312、OFDM受信部313、周波数デインターリーブ部314、時間デインターリーブ部315、誤り訂正復号化部316、パラメータ制御部317、及びデコーダ部318から構成される。
RF・アナログ部311は、アンテナ301と接続され、送信装置から伝送路を介して送信されてくるRF信号を受信して処理し、直交復調部312に供給する。なお、RF・アナログ部311で処理された信号には、A/D(Analog/Digital)変換処理が施され、アナログ信号からデジタル信号に変換されてから、直交復調部312に入力される。
直交復調部312は、RF・アナログ部311から供給される信号を直交復調し、その結果得られるベースバンドのOFDM信号を、OFDM受信部313に供給する。
OFDM受信部313は、直交復調部312から供給されるOFDM信号に対して、FFT(Fast Fourier Transform)演算を行い、各サブキャリアに直交変調されているデータを抽出し、周波数デインターリーブ部314に供給する。なお、OFDM受信部313の詳細な構成は、図9、図10、及び図14を参照して後述する。
周波数デインターリーブ部314は、OFDM受信部313から供給されるデータに対し、周波数方向のデインターリーブを行い、その周波数方向のデインターリーブ後のデータを、時間デインターリーブ部315に供給する。
時間デインターリーブ部315は、周波数デインターリーブ部314から供給されるデータに対し、時間方向のデインターリーブを行い、その時間方向のデインターリーブ後のデータを、誤り訂正復号化部316に供給する。
誤り訂正復号化部316は、時間デインターリーブ部315から供給されるデータに対し、誤り訂正処理(例えばLDPC(Low Density Parity Check)復号やBCH復号等)を行う。誤り訂正復号化部316は、誤り訂正後のデータのうち、プリアンブルのデータを、パラメータ制御部317に供給するとともに、サブフレームのデータを、デコーダ部318に供給する。
パラメータ制御部317は、誤り訂正復号化部316から供給されるデータを処理し、L1シグナリングに含まれる各種制御パラメータを、受信装置30の各部(例えば、OFDM受信部313等)に供給する。これにより、受信装置30の各部では、各種制御パラメータを用いた処理が行われる。なお、パラメータ制御部317の詳細な構成は、図11及び図15を参照して後述する。
デコーダ部318は、誤り訂正復号化部316から供給される(サブフレームの)データをデコードし、後段の回路(不図示)に出力する。
(現状1の受信側の復調処理の流れ)
次に、図8のフローチャートを参照して、図7の受信装置30により実行される、現状1の受信側の復調処理の流れを説明する。ただし、図8の説明では、OFDM受信部313とパラメータ制御部317により実行される処理を中心に説明する。
なお、以下の説明では、最初に処理される物理層フレームのことを、1フレーム目の物理層フレームと称し、1フレーム目の物理層フレームよりも時間的に後に処理される物理層フレームのことを、2フレーム目以降の物理層フレームと称して区別する。
ステップS301において、OFDM受信部313は、物理層フレームのブートストラップを検波する。ここで、OFDM受信部313は、ブートストラップの検波を行う場合には、ベースバンドのOFDM信号に対する時間域の相関計算を行い、自己相関が最大となったところを、ブートストラップのトリガ位置として検出(検波)する。
ステップS302において、OFDM受信部313は、ステップS301の処理で検波されたブートストラップに対する等化処理を行い、ブートストラップを復調する。
ステップS303において、OFDM受信部313は、ステップS302の処理で復調されたブートストラップのシグナリングを解読(デコード)し、それにより得られる制御パラメータを用いたパラメータ制御を行う。
ステップS304において、OFDM受信部313は、ステップS303の処理のパラメータ制御に従い、プリアンブルシンボルの等化処理を行い、プリアンブルシンボルを復調する。
なお、ここでは詳細な説明は省略するが、ステップS304の処理で復調されたプリアンブルシンボルに対しては、周波数デインターリーブ部314と時間デインターリーブ部315によって、周波数方向と時間方向のデインターリーブが行われた後に、誤り訂正復号化部316によって、誤り訂正復号化処理が行われる。
ステップS305において、パラメータ制御部317は、ステップS304の処理等で得られるプリアンブルに含まれるL1シグナリングを解読(デコード)し、それにより得られる各種制御パラメータを用いたパラメータ制御を行う。ただし、このステップS305の処理では、パラメータ制御部317により、各種制御パラメータを用いて、終端余剰サンプル数が算出されることになる。
ステップS306において、OFDM受信部313は、ステップS305の処理のパラメータ制御に従い、サブフレーム(サブフレームシンボル)の等化処理を行い、サブフレームを復調する。
なお、ここでは詳細な説明は省略するが、ステップS306の処理で復調されたサブフレームに対しては、周波数デインターリーブ部314と時間デインターリーブ部315によって、周波数方向と時間方向のデインターリーブが行われた後に、誤り訂正復号化部316によって、誤り訂正復号化処理が行われる。そして、デコーダ部318では、ステップS306の処理等で得られる(サブフレームの)データがデコードされ、出力される。
ステップS307においては、処理を終了するかどうかが判定される。ステップS307において、処理を終了しないと判定された場合、処理は、ステップS302に戻される。そして、次の物理層フレームを処理対象として、上述したステップS302乃至S306の処理が繰り返される。
すなわち、現状1の手法では、1フレーム目の物理層フレームを処理する場合には、ステップS301の処理でブートストラップの検波が行われたが、2フレーム目以降の物理層フレームを処理する場合には、ブートストラップの検波は行われない。ここでは、ブートストラップの検波は行わずに、ステップS305の処理でL1シグナリングを解読することで得られる各種制御パラメータを用い、1つ前の物理層フレームの終端位置からブートストラップのトリガ位置を求めることで、ブートストラップが復調される。
一方、ステップS307において、処理を終了すると判定された場合、図8の現状1の受信側の復調処理は終了される。
以上、現状1の受信側の復調処理の流れを説明した。
(現状1のOFDM受信部の構成)
図9及び図10は、図7のOFDM受信部313(313A)の構成を示す図である。
ここでは、1フレーム目の物理層フレームを処理するOFDM受信部313A−1が、図9に図示され、2フレーム目以降の物理層フレームを処理するOFDM受信部313A−2が、図10に図示されている。
図9において、OFDM受信部313A−1は、ブートストラップ相関計算部331、シンボル同期部332、セレクタ333、FFT部334、及び周波数域処理部335から構成される。
直交復調部312(図7)から入力されるベースバンド信号(OFDM信号)は、ブートストラップ相関計算部331と、FFT部334に入力される。なお、直交復調部312から入力されるベースバンドのOFDM信号は、FFT演算が行われる前の時間領域の信号であることから、以下の説明では、FFT演算が行われる前の時間領域の信号を、OFDM時間領域信号と称する。
ブートストラップ相関計算部331は、信号遅延部341によりOFDM時間領域信号を有効シンボル期間分遅延させて、ブートストラップ部分と、このブートストラップ部分の元となる信号との相関を求める。そして、この相関に応じたFFTトリガ(FFT trigger)が、ブートストラップ相関計算部331からセレクタ333に供給される。
シンボル同期部332には、パラメータ制御部317からの各種制御パラメータとして、FFTサンプル数、GIサンプル数、余剰サンプル数、及び終端余剰サンプル数が入力される。シンボル同期部332は、FFTサンプル数、GIサンプル数、余剰サンプル数、及び終端余剰サンプル数に基づいて、FFTトリガを生成し、セレクタ333に供給する。
ただし、この各種制御パラメータのうち、FFTサンプル数、GIサンプル数、及び余剰サンプル数は、L1シグナリングを解読することで得られたものである一方で、終端余剰サンプル数は、各種制御パラメータから演算により求められたものとなる。なお、終端余剰サンプル数の演算方法については、図11を参照して後述する。
セレクタ333には、ブートストラップ相関計算部331からのFFTトリガと、シンボル同期部332からのFFTトリガが入力される。セレクタ333は、後段の周波数域処理部335(のブートストラップ処理部351)から供給されるトリガ切り替え信号に基づいて、ブートストラップ相関計算部331からのFFTトリガ又はシンボル同期部332からのFFTトリガを選択し、FFT部334に供給する。
なお、FFT部334に入力されるFFTトリガは、OFDM時間領域信号について、FFT演算の対象とする区間の開始位置(FFT演算の開始位置)などを表している。また、ここでは、詳細は説明しないが、FFTトリガには、FFT演算の対象とする区間のFFTサイズなどを含めることができる。
FFT部334は、セレクタ333から供給されるFFTトリガに基づいて、ベースバンド信号としてのOFDM時間領域信号に対してFFT演算を行い、各サブキャリアに直行変調されているデータを抽出し、周波数域処理部335に供給する。なお、このFFT部334から出力される信号は、FFT演算が行われた後の周波数領域の信号であることから、以下の説明では、FFT演算が行われた後の周波数領域の信号を、OFDM周波数領域信号と称する。
周波数域処理部335は、FFT部334から供給されるOFDM周波数領域信号に対し、所定の周波数域処理(例えば等化処理など)を行い、それにより得られるデータを、後段の周波数デインターリーブ部314(図7)に供給する。また、周波数域処理部335は、ブートストラップ処理部351を含む。
ブートストラップ処理部351は、1フレーム目の物理層フレームのブートストラップに対する処理を監視し、当該ブートストラップの処理が完了した場合に、FFTトリガの切り替えを指示するためのトリガ切り替え信号を、セレクタ333に供給する。
これにより、セレクタ333は、ブートストラップ処理部351からのトリガ切り替え信号に従い、1フレーム目の物理層フレームを処理する場合には、ブートストラップ相関計算部331からのFFTトリガを選択してFFT部334に出力する。一方で、セレクタ333は、ブートストラップ処理部351からのトリガ切り替え信号に従い、1フレーム目の物理層フレームのブートストラップの処理が完了した場合には、シンボル同期部332からのFFTトリガを選択してFFT部334に出力する。
すなわち、1フレーム目の物理層フレームを処理するOFDM受信部313A−1(図9)では、ブートストラップ相関計算部331が有効となり、1フレーム目の物理層フレームのブートストラップの処理が完了するまではそのFFTトリガが用いられる。一方で、2フレーム目以降の物理層フレームを処理するOFDM受信部313A−2(図10)では、ブートストラップ相関計算部331が無効となり(図中の濃淡により表現)、常に、シンボル同期部332からのFFTトリガが用いられる。
(現状1のパラメータ制御部の構成)
図11は、図7のパラメータ制御部317(317A)の構成を示す図である。
図11において、パラメータ制御部317Aは、シグナリングデコード部361及び終端余剰サンプル計算部362から構成される。
シグナリングデコード部361は、誤り訂正復号化部316(図7)から供給される誤り訂正後のデータ(受信L1系列)に対し、所定の復号方式に従い、デコードを行うことで、L1シグナリングの各種制御パラメータの解読を行う。シグナリングデコード部361により解読されたL1シグナリングの各種制御パラメータは、受信装置30(図7)の各部(例えば、OFDM受信部313等)に供給される。
また、シグナリングデコード部361は、各種制御パラメータを、終端余剰サンプル計算部362に供給する。終端余剰サンプル計算部362は、シグナリングデコード部361から供給される各種制御パラメータに基づいて、上述した式(1)及び式(2)の演算を行うことで、終端余剰サンプル数を算出する。
このようにして算出された終端余剰サンプル数は、シグナリングデコード部361により解読されたFFTサンプル数、GIサンプル数、及び余剰サンプル数とともに、OFDM受信部313A−1(図9)又はOFDM受信部313A−2(図10)のシンボル同期部332に供給される。
(現状1のパラメータ制御処理の流れ)
次に、図12のフローチャートを参照して、図11のパラメータ制御部317Aにより実行される、現状1のパラメータ制御処理の流れを説明する。
ステップS321において、シグナリングデコード部361は、誤り訂正復号化部316(図7)からの誤り訂正後のデータ(受信L1系列)を入力する。
ステップS322において、シグナリングデコード部361は、ステップS321の処理で入力された誤り訂正後のデータ(受信L1系列)に対し、所定の復号方式に従い、デコードを行うことで、L1シグナリングの各種制御パラメータを解読する。この各種制御パラメータとしては、例えば、FFTサンプル数、GIサンプル数、及び余剰サンプル数が解読される。
ステップS323において、終端余剰サンプル計算部362は、ステップS322の処理で解読された各種制御パラメータに基づいて、上述した式(1)及び式(2)の演算を行うことで、終端余剰サンプル数を算出する。
ステップS324において、シグナリングデコード部361及び終端余剰サンプル計算部362は、ステップS322の処理で解読された各種制御パラメータと、ステップS323の処理で算出された終端余剰サンプル数を、受信装置30(図7)の各部(例えばOFDM受信部313等)に出力する。ステップS324の処理が終了すると、図12の現状1のパラメータ制御処理は終了される。
以上、現状1のパラメータ制御処理の流れを説明した。
以上のように、現状1の手法を採用した場合、受信装置30においては、1フレーム目の物理層フレームに対してのみブートストラップの検波を行えばいいものの、物理層フレームの先頭位置を検出するためには、終端余剰サンプル数を求めるための演算(例えば、上述した式(1)及び式(2)の演算)を行う必要がある。そのため、終端余剰サンプル数を算出するための演算回路を設けて、各種制御パラメータを用いた複雑な演算処理を行う必要があり、受信装置30の処理の負担が大きくなっていた。
(現状2の受信側の復調処理の流れ)
次に、図13のフローチャートを参照して、図7の受信装置30により実行される、現状2の受信側の復調処理の流れを説明する。
ステップS341乃至S346においては、図8のステップS301乃至S306と同様に、ブートストラップの検波が行われることで、ブートストラップが復調され、当該ブートストラップのシグナリングを解読して得られる制御パラメータを用いたパラメータ制御が行われる。また、プリアンブルシンボルが復調され、当該プリアンブルのL1シグナリングを解読して得られる各種制御パラメータを用いたパラメータ制御が行われ、サブフレームの復調が行われる。
ここで、ステップS345においては、各種制御パラメータを用いたパラメータ制御が行われるが、終端余剰サンプル数を算出する処理が不要である点が、図8のステップS305の処理と異なっている。また、ステップS347の判定処理で、処理を終了しないと判定された場合には(S347の「No」)、ステップS341乃至S346の処理が繰り返されるが、1フレーム目の物理層フレームのみならず、2フレーム目以降の物理層フレームを処理する場合でも、ブートストラップの検波(S341)が行われる点も異なっている。
すなわち、現状2の手法では、1フレーム目の物理層フレームのみならず、2フレーム目以降の物理層フレームを処理する場合にも、ブートストラップの検波が行われ(S341)、検波されたブートストラップに対する等化処理を行うことで、ブートストラップは復調される(S342)。この場合には、物理層フレームごとに、その先頭に配置されるブートストラップの検波が行われることになるため、物理層フレームの終端位置を認識する必要がなく、したがって、各種制御パラメータとして、終端余剰サンプル数の算出は不要である(S345)。
以上、現状2の受信側の復調処理の流れを説明した。
(現状2のOFDM受信部の構成)
図14は、図7のOFDM受信部313(313B)の構成を示す図である。
図14において、OFDM受信部313B−1は、ブートストラップ相関計算部331、シンボル同期部332、セレクタ333、FFT部334、周波数域処理部335、及びフレーム同期部336から構成される。なお、図14のOFDM受信部313B−1において、図9のOFDM受信部313A−1(又は図10のOFDM受信部313A−2)と同一の部分には同一の符号が付してあり、説明が繰り返しになる箇所については適宜その説明を省略する。
すなわち、図14のOFDM受信部313B−1では、図9のOFDM受信部313A−1と比べて、シンボル同期部332に入力される各種制御パラメータから、終端余剰サンプル数が除かれている点が異なっている。その理由であるが、現状2の手法では、物理層フレームの終端位置を認識する必要がなく、パラメータ制御部317(図7)においても、終端余剰サンプル数の算出が行われていないためである。図14のシンボル同期部332は、FFTサンプル数、GIサンプル数、及び余剰サンプル数に基づいて、FFTトリガを生成し、セレクタ333に供給する。
また、図14のOFDM受信部313B−1では、図9のOFDM受信部313A−1と比べて、フレーム同期部336が新たに設けられている点が異なっている。このフレーム同期部336には、パラメータ制御部317(図7)からの各種制御パラメータとして、サブフレーム数と、各サブフレーム内のシンボル数が供給される。また、フレーム同期部336には、セレクタ333からのFFTトリガが供給される。
フレーム同期部336は、サブフレーム数及び各サブフレーム内のシンボル数、並びにFFTトリガに基づいて、トリガ切り替え信号を生成し、セレクタ333に供給する。そして、セレクタ333は、フレーム同期部336から供給されるトリガ切り替え信号に基づいて、ブートストラップ相関計算部331又はシンボル同期部332からのFFTトリガを選択し、FFT部334に供給することになる。
すなわち、フレーム同期部336は、セレクタ333から出力されるFFTトリガの数をカウントすることで、物理層フレームの先頭位置が検出されたときには、セレクタ333によって、ブートストラップ相関計算部331からのFFTトリガが選択されるように、トリガ切り替え信号を出力する。また、フレーム同期部336は、FFTトリガの数をカウントすることで、ブートストラップのシンボル分だけ、FFTトリガが発行されたとき、セレクタ333によって、シンボル同期部332からのFFTトリガが選択されるように、トリガ切り替え信号を出力する。
ここでは、例えば、FFTトリガの発行数が、規定の値(サブフレーム数×各サブフレーム内のシンボル数)になったときに、0にリセットされるカウンタを用いることで、物理層フレームの先頭位置を検出することができる。なお、各種制御パラメータとしてのサブフレーム数は、L1基本情報(L1-Basic)のL1B_num_subframes(図2)に相当している。また、各サブフレーム内のシンボル数は、L1基本情報(L1-Basic)のL1B_First_Sub_num_ofdm_symbols(図2)又はL1詳細情報(L1-Detail)のL1D_num_ofdm_symbols(図3)に相当している。
なお、受信装置30において、現状2の手法を採用した場合には、1フレーム目を処理するOFDM受信部313B−1と、2フレーム目以降を処理するOFDM受信部313B−2では、共にブートストラップの検波が行われ、同一の動作となるので、その構成を、図14にまとめて記述している。
(現状2のパラメータ制御部の構成)
図15は、図7のパラメータ制御部317(317B)の構成を示す図である。
図15において、パラメータ制御部317Bは、シグナリングデコード部361を含んで構成される。なお、図15のパラメータ制御部317Bにおいて、図11のパラメータ制御部317Aと同一の部分には同一の符号が付してあり、説明が繰り返しになる箇所については適宜その説明を省略する。
すなわち、図15のパラメータ制御部317Bでは、図11のパラメータ制御部317Aと比べて、終端余剰サンプル計算部362が取り除かれている点が異なっている。したがって、パラメータ制御部317Bから出力される各種制御パラメータには、終端余剰サンプル数が含まれておらず、上述したOFDM受信部313B−1(図14)に、終端余剰サンプル数が入力されることもない。
以上のように、現状2の手法を採用した場合、受信装置30においては、終端余剰サンプル数を求めるための演算を行う必要がないものの、1フレーム目の物理層フレームのみならず、2フレーム目以降の物理層フレームに対してもブートストラップの検波を行う必要がある。
そのため、ブートストラップを検波するための相関器(図14のブートストラップ相関計算部331)を、全ての物理層フレームに対して動作させる必要があり、電力的に無駄が生じるなど、受信装置30の処理の負担が大きくなっていた。また、物理層フレームごとにブートストラップの検波を行う場合には、物理層フレームの終端位置からブートストラップのトリガ位置を求める場合と比べて、タイミング的に正確ではなく、サンプルレベルで正確ではないという問題もある。
このように、現状の規格では、終端余剰サンプル数を算出するために複雑な演算を行ったり、ブートストラップを検波するための相関器を全ての物理層フレームに対して動作させたりする必要があったため、受信装置30の処理の負担が大きくなっていた。
なお、受信装置30に、物理層フレーム内のサンプルのカウンタ(例えば35ビットのカウンタ)を設けることで対処することも考えられるが、このようなカウンタを設ける場合には、次のような問題が生じる可能性がある。すなわち、例えば、周波数と時間のオフセット補正をかけないと大幅にずれが生じるときがあることや、当該オフセット補正用の回路の制御が複雑になること、さらには、受信信号を受信できていない区間での補正が困難であるため、大幅なずれを引き起こすことがあるなどの問題が生じる可能性がある。
そこで、本技術では、このような現状1の手法や現状2の手法などの状況を鑑みて、終端余剰サンプル数を、L1シグナリングに含めて伝送して、次の物理層フレームの先頭位置を容易に検出できるようにすることで、受信装置の処理の負担を軽減することができるようにする。以下、このような本技術を適用した伝送システムについて説明する。
<2.本技術の実施の形態>
(1)システムの構成
(伝送システムの構成例)
図16は、本技術を適用した伝送システムの一実施の形態の構成を示す図である。なお、システムとは、複数の装置が論理的に集合したものをいう。
図16において、伝送システム1は、送信装置10と受信装置20から構成される。この伝送システム1では、ATSC3.0等のデジタル放送の規格に準拠したデータ伝送が行われる。
なお、次世代地上放送規格の1つであるATSC3.0では、データ伝送に、主として、TS(Transport Stream)パケットではなく、IP/UDPパケット、すなわち、UDP(User Datagram Protocol)パケットを含むIP(Internet Protocol)パケットを用いる方式が採用されることが想定されている。また、ATSC3.0以外の放送方式でも、将来的に、IPパケットを用いた方式が採用されることが期待されている。
送信装置10は、伝送路40を介してコンテンツを送信する。例えば、送信装置10は、放送番組等のコンテンツを構成するビデオやオーディオ等(のコンポーネント)とシグナリングを含む放送ストリームを、デジタル放送信号として、伝送路40を介して送信する。
受信装置20は、送信装置10から伝送路40を介して送信されてくる、コンテンツを受信して出力する。例えば、受信装置20は、送信装置10からのデジタル放送信号を受信して、放送ストリームから、コンテンツを構成するビデオやオーディオ等(のコンポーネント)とシグナリングを取得し、放送番組等のコンテンツの映像や音声を再生する。
なお、図16の伝送システム1においては、説明を簡単にするために、受信装置20を1つだけ図示しているが、受信装置20は複数設けることができ、送信装置10が送信(一斉同報配信)するデジタル放送信号は、伝送路40を介して複数の受信装置20で同時に受信することができる。
また、図16の伝送システム1においては、送信装置10も複数設けることができる。複数の送信装置10のそれぞれでは、別個のチャネルとしての、例えば、別個の周波数帯域で、放送ストリームを含むデジタル放送信号を送信し、受信装置20では、複数の送信装置10のそれぞれのチャンネルの中から、放送ストリームを受信するチャネルを選択することができる。
さらに、図16の伝送システム1において、伝送路40は、地上波(地上波放送)のほか、例えば、放送衛星(BS:Broadcasting Satellite)や通信衛星(CS:Communications Satellite)を利用した衛星放送、あるいは、ケーブルを用いた有線放送(CATV)などであってもよい。
(送信装置の構成例)
図17は、図16の送信装置10の構成例を示す図である。
図17において、送信装置10は、エンコーダ部111、パラメータ制御部112、誤り訂正符号化部113、時間インターリーブ部114、周波数インターリーブ部115、OFDM送信部116、直交変調部117、及びRF・アナログ部118から構成される。
エンコーダ部111は、前段の回路(不図示)から入力される(サブフレームの)データをエンコードし、誤り訂正符号化部113に供給する。
パラメータ制御部112は、各種制御パラメータを含むL1シグナリング(プリアンブル)のデータを生成し、誤り訂正符号化部113に供給する。例えば、L1シグナリングとしては、L1基本情報(L1-Basic)やL1詳細情報(L1-Detail)などが生成される。また、このL1シグナリングには、制御パラメータとして、終端余剰サンプル数(後述するL1B_final_excess_samples(図21))が含まれている。
誤り訂正符号化部113は、エンコーダ部111とパラメータ制御部112から供給されるデータに対し、誤り符号化処理(例えば、BCH符号化やLDPC(Low Density Parity Check)符号化等)を行う。誤り訂正符号化部113は、誤り訂正符号化後のデータを、時間インターリーブ部114に供給する。
時間インターリーブ部114は、誤り訂正符号化部113から供給されるデータに対し、時間方向のインターリーブを行い、その時間方向のインターリーブ後のデータを、周波数インターリーブ部115に供給する。
周波数インターリーブ部115は、時間インターリーブ部114から供給されるデータに対し、周波数方向のインターリーブを行い、その周波数方向のインターリーブ後のデータを、OFDM送信部116に供給する。
OFDM送信部116は、周波数インターリーブ部115から供給されるデータに対して、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)演算を行い、それにより得られるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号を、直交変調部117に供給する。なお、OFDM信号にはブートストラップのシグナリングが含められる。
直交変調部117は、OFDM送信部116から供給されるベースバンドのOFDM信号を直交変調し、それにより得られる信号を、RF・アナログ部118に供給する。なお、直交変調部117で処理された信号には、D/A(Digital/Analog)変換処理が施され、デジタル信号からアナログ信号に変換されてから、RF・アナログ部118に入力される。
RF・アナログ部118は、アンテナ101と接続され、直交変調部117から供給される信号を、RF(Radio Frequency)信号として、伝送路40を介して受信装置20に送信する。
(本技術の送信側の変調処理の流れ)
次に、図18のフローチャートを参照して、図16の送信装置10により実行される、本技術の送信側の変調処理の流れを説明する。なお、図18の説明では、パラメータ制御部112とOFDM送信部116により実行される処理を中心に説明する。
ステップS101において、OFDM送信部116は、サブフレーム(サブフレームシンボル)を変調する。
なお、ここでは詳細な説明は省略するが、エンコーダ部111によりエンコードされたデータに対し、誤り訂正符号化部113によって、誤り訂正符号化処理が行われた後に、時間インターリーブ部114と周波数インターリーブ部115によって、時間方向と周波数方向のインターリーブが行われることで得られるデータが、サブフレームとして、OFDM送信部116によって変調される。
ステップS102において、パラメータ制御部112は、各種制御パラメータを含むL1シグナリング(プリアンブル)のデータを生成する。例えば、L1シグナリングとしては、L1基本情報(L1-Basic)やL1詳細情報(L1-Detail)などが生成される。また、このL1シグナリングには、制御パラメータとして、終端余剰サンプル数(後述するL1B_final_excess_samples(図21))が含まれている。
なお、ここでは詳細な説明は省略するが、ステップS102の処理で生成されたL1シグナリングのデータに対しては、誤り訂正符号化部113によって、誤り訂正符号化処理が行われた後に、時間インターリーブ部114と周波数インターリーブ部115によって、時間方向と周波数方向のインターリーブが行われる。
ステップS103において、OFDM送信部116は、ステップS102の処理で生成されたL1シグナリングのプリアンブルシンボルを変調する。
ステップS104において、OFDM送信部116は、制御パラメータを含む、ブートストラップのシグナリングを生成する。
ステップS105において、OFDM送信部116は、ステップS104の処理で生成されたブートストラップのシグナリングを変調する。
ステップS106においては、処理を終了するかどうかが判定される。ステップS106において、処理を終了しないと判定された場合、処理は、ステップS101に戻される。そして、次の物理層フレームを処理対象として、上述したステップS101乃至S105の処理が繰り返される。
一方、ステップS106において、処理を終了すると判定された場合、図18の本技術の送信側の変調処理は終了される。
以上、本技術の送信側の変調処理の流れを説明した。この本技術の送信側の変調処理では、各種制御パラメータとして、FFTサンプル数、GIサンプル数、及び余剰サンプル数のみならず、終端余剰サンプル数も生成され、L1シグナリング(プリアンブル)に含めて伝送される。
(受信装置の構成例)
図19は、図16の受信装置20の構成例を示す図である。
図19において、受信装置20は、RF・アナログ部211、直交復調部212、OFDM受信部213、周波数デインターリーブ部214、時間デインターリーブ部215、誤り訂正復号化部216、パラメータ制御部217、及びデコーダ部218から構成される。
RF・アナログ部211は、アンテナ201と接続され、送信装置10から伝送路40を介して送信されてくるRF信号を受信する。RF・アナログ部211は、RF信号を処理し、直交復調部212に供給する。なお、RF・アナログ部211で処理された信号には、A/D変換処理が施され、アナログ信号からデジタル信号に変換されてから、直交復調部212に入力される。
直交復調部212は、RF・アナログ部211から供給される信号を直交復調し、その結果得られるベースバンドのOFDM信号を、OFDM受信部213に供給する。
OFDM受信部213は、直交復調部212から供給されるOFDM信号に対して、FFT演算を行い、各サブキャリアに直交変調されているデータを抽出し、周波数デインターリーブ部214に供給する。なお、OFDM受信部213の詳細な構成は、図22及び図23を参照して後述する。
周波数デインターリーブ部214は、OFDM受信部213から供給されるデータに対し、周波数方向のデインターリーブを行い、その周波数方向のデインターリーブ後のデータを、時間デインターリーブ部215に供給する。
時間デインターリーブ部215は、周波数デインターリーブ部214から供給されるデータに対し、時間方向のデインターリーブを行い、その時間方向のデインターリーブ後のデータを、誤り訂正復号化部216に供給する。
誤り訂正復号化部216は、時間デインターリーブ部215から供給されるデータに対し、誤り訂正処理(例えばLDPC復号やBCH復号等)を行う。誤り訂正復号化部216は、誤り訂正後のデータのうち、プリアンブルのデータを、パラメータ制御部217に供給するとともに、サブフレームのデータを、デコーダ部218に供給する。
パラメータ制御部217は、誤り訂正復号化部216から供給されるデータを処理し、L1シグナリングに含まれる各種制御パラメータを、受信装置20の各部に供給する。なお、パラメータ制御部217の詳細な構成は、図24を参照して後述する。
例えば、パラメータ制御部217は、L1シグナリングに含まれるFFTサンプル数、GIサンプル数、余剰サンプル数、及び終端余剰サンプル数(後述するL1B_final_excess_samples(図21))を、OFDM受信部213に供給する。これにより、OFDM受信部213では、パラメータ制御部217からのFFTサンプル数、GIサンプル数、余剰サンプル数、及び終端余剰サンプル数を用いてFFTトリガが生成され、OFDM信号に対するFFT演算で用いられる。
デコーダ部218は、誤り訂正復号化部216から供給される(サブフレームの)データをデコードし、後段の回路(不図示)に出力する。
(本技術の受信側の復調処理の流れ)
次に、図20のフローチャートを参照して、図16の受信装置20により実行される、本技術の受信側の復調処理の流れを説明する。ただし、図20の説明では、OFDM受信部213とパラメータ制御部217により実行される処理を中心に説明する。
ステップS201において、OFDM受信部213は、物理層フレームのブートストラップ(先頭のプリアンブルの部分)を検波する。ここで、OFDM受信部213は、ブートストラップの検波を行う場合には、ベースバンドのOFDM信号に対する時間域の相関計算を行い、自己相関が最大となったところを、ブートストラップのトリガ位置として検出(検波)する。
ステップS202において、OFDM受信部213は、ステップS201の処理で検波されたブートストラップに対する等化処理を行い、ブートストラップを復調する。
ステップS203において、OFDM受信部213は、ステップS202の処理で復調されたブートストラップのシグナリングを解読(デコード)し、それにより得られる制御パラメータを用いたパラメータ制御を行う。
ステップS204において、OFDM受信部213は、ステップS203の処理のパラメータ制御に従い、プリアンブルシンボルの等化処理を行い、プリアンブルシンボルを復調する。
なお、ここでは詳細な説明は省略するが、ステップS204の処理で復調されたプリアンブルシンボルに対しては、周波数デインターリーブ部214と時間デインターリーブ部215によって、周波数方向と時間方向のデインターリーブが行われた後に、誤り訂正復号化部216によって、誤り訂正復号化処理が行われる。
ステップS205において、パラメータ制御部217は、ステップS204の処理等で得られるプリアンブルに含まれるL1シグナリングを解読(デコード)し、それにより得られる各種制御パラメータを用いたパラメータ制御を行う。
例えば、パラメータ制御部217は、L1シグナリングに含まれるFFTサンプル数、GIサンプル数、余剰サンプル数、及び終端余剰サンプル数(後述するL1B_final_excess_samples(図21))を、OFDM受信部213に供給する。これにより、OFDM受信部213では、パラメータ制御部217からのFFTサンプル数、GIサンプル数、余剰サンプル数、及び終端余剰サンプル数を用いてFFTトリガが生成され、OFDM信号に対するFFT演算で用いられる。
ステップS206において、OFDM受信部213は、ステップS205の処理のパラメータ制御に従い、サブフレーム(サブフレームシンボル)の等化処理を行い、サブフレームを復調する。
なお、ここでは詳細な説明は省略するが、ステップS206の処理で復調されたサブフレームに対しては、周波数デインターリーブ部214と時間デインターリーブ部215によって、周波数方向と時間方向のデインターリーブが行われた後に、誤り訂正復号化部216によって、誤り訂正復号化処理が行われる。そして、デコーダ部218では、ステップS206の処理等で得られる(サブフレームの)データがデコードされ、出力される。
ステップS207においては、処理を終了するかどうかが判定される。ステップS207において、処理を終了しないと判定された場合、処理は、ステップS202に戻される。そして、次の物理層フレームを処理対象として、上述したステップS202乃至S206の処理が繰り返される。
すなわち、本技術の手法では、1フレーム目の物理層フレームを処理する場合には、ステップS201の処理でブートストラップの検波が行われたが、2フレーム目以降の物理層フレームを処理する場合には、ブートストラップの検波は行われない。ここでは、ブートストラップの検波は行わずに、ステップS205の処理でL1シグナリングを解読することで得られる各種制御パラメータを用い、1つ前の物理層フレームの終端位置からトリガ位置を求めることで、ブートストラップが復調される。
一方、ステップS207において、処理を終了すると判定された場合、図20の本技術の受信側の復調処理は終了される。
以上、本技術の受信側の復調処理の流れについて説明した。この本技術の受信側の復調処理では、L1シグナリング(プリアンブル)に含めて伝送される各種制御パラメータとして、FFTサンプル数、GIサンプル数、及び余剰サンプル数のみならず、終端余剰サンプル数を取得して処理し、次の物理層フレームの先頭位置を容易に検出できるので、受信装置の処理の負担を軽減することができる
(2)シグナリングの例
(L1基本情報の構造)
図21は、本技術のL1基本情報(L1-Basic)のシンタックスの例を示す図である。
図21には、L1基本情報の一部を抜き出して記述しているが、図2のL1基本情報と比べて、13ビットのL1B_final_excess_samplesのフィールドが追加されている点が異なっている(図中の太字)。このL1B_final_excess_samplesは、物理層フレームの終端に挿入されるサンプルの数を示す終端余剰サンプル数を表している。
なお、ここでは、L1B_final_excess_samplesのビット数を、13ビットとしているが、運用に応じて他のビット数を設定してもよい。
(3)復調処理とパラメータ制御の詳細
次に、OFDM受信部213による復調処理と、パラメータ制御部217によるパラメータ制御の詳細について説明する。
(本技術のOFDM受信部の構成)
図22及び図23は、図19のOFDM受信部213の構成例を示す図である。
ここでは、図22には、1フレーム目の物理層フレームを処理するOFDM受信部213−1が図示され、図23には、2フレーム目以降の物理層フレームを処理するOFDM受信部213−2が図示されている。
図22において、OFDM受信部213−1は、ブートストラップ相関計算部231、シンボル同期部232、セレクタ233、FFT部234、及び周波数域処理部235から構成される。
直交復調部212(図19)から入力されるベースバンド信号(OFDM時間領域信号)は、ブートストラップ相関計算部231と、FFT部234に入力される。
ブートストラップ相関計算部231は、信号遅延部241によりOFDM時間領域信号を有効シンボル期間分遅延させて、ブートストラップ部分と、このブートストラップ部分の元となる信号との相関を求める。そして、この相関に応じたFFTトリガ(FFT trigger)が、ブートストラップ相関計算部231からセレクタ233に供給される。
シンボル同期部232には、パラメータ制御部217(図19)からの各種制御パラメータとして、FFTサンプル数、GIサンプル数、余剰サンプル数、及び終端余剰サンプル数が入力される。シンボル同期部232は、FFTサンプル数、GIサンプル数、余剰サンプル数、及び終端余剰サンプル数に基づいて、FFTトリガを生成し、セレクタ233に供給する。
ただし、本技術の手法では、この各種制御パラメータの全てが、パラメータ制御部217によりL1シグナリングが解読されることで得られたものであり、その点が、上述した現状1の手法と異なっている。すなわち、終端余剰サンプル数は、現状1の手法では、各種制御パラメータから演算により求めていたが、本技術の手法では、L1シグナリングの各種制御パラメータを解読することで得られる。なお、終端余剰サンプル数の取得方法の詳細については、図24及び図25を参照して後述する。
セレクタ233には、ブートストラップ相関計算部231からのFFTトリガと、シンボル同期部232からのFFTトリガが入力される。セレクタ233は、後段の周波数域処理部235(のブートストラップ処理部251)から供給されるトリガ切り替え信号に基づいて、ブートストラップ相関計算部231からのFFTトリガ又はシンボル同期部232からのFFTトリガを選択し、FFT部234に供給する。
FFT部234は、セレクタ233から供給されるFFTトリガに基づいて、ベースバンド信号としてのOFDM時間領域信号に対してFFT演算を行い、各サブキャリアに直行変調されているデータを抽出し、周波数域処理部235に供給する。
周波数域処理部235は、FFT部234から供給されるOFDM周波数領域信号に対し、所定の周波数域処理(例えば等化処理など)を行い、それにより得られるデータを、後段の周波数デインターリーブ部214(図19)に供給する。また、周波数域処理部235は、ブートストラップ処理部251を含む。
ブートストラップ処理部251は、1フレーム目の物理層フレームのブートストラップに対する処理を監視し、当該ブートストラップの処理が完了した場合に、トリガ切り替え信号を、セレクタ233に供給する。すなわち、このトリガ切り替え信号は、1フレーム目の物理層フレームのブートストラップの処理が完了したことを示すフラグであると言える。
これにより、セレクタ233は、ブートストラップ処理部251からのトリガ切り替え信号に従い、1フレーム目の物理層フレームのブートストラップを処理する場合には、ブートストラップ相関計算部231からのFFTトリガを選択してFFT部234に出力する。一方で、セレクタ233は、ブートストラップ処理部251からのトリガ切り替え信号に従い、1フレーム目の物理層フレームのブートストラップの処理が完了した場合には、シンボル同期部232からのFFTトリガを選択してFFT部234に出力する。
すなわち、1フレーム目の物理層フレームを処理するOFDM受信部213−1(図22)では、ブートストラップ相関計算部231が有効となり、1フレーム目の物理層フレームのブートストラップの処理が完了するまではそのFFTトリガが用いられ、ブートストラップの処理が完了した後に、シンボル同期部232からのFFTトリガが用いられる。一方で、2フレーム目以降の物理層フレームを処理するOFDM受信部213−2(図23)では、ブートストラップ相関計算部231が無効となり(図中の濃淡により表現)、常に、シンボル同期部232からのFFTトリガが用いられる。
(本技術のパラメータ制御部の構成)
図24は、図19のパラメータ制御部217の構成例を示す図である。
図24において、パラメータ制御部217は、シグナリングデコード部261を含んで構成される。
シグナリングデコード部261は、誤り訂正復号化部216(図19)から供給される誤り訂正後のデータ(受信L1系列)に対し、所定の復号方式に従い、デコードを行うことで、L1シグナリングの各種制御パラメータの解読を行う。L1シグナリングの各種制御パラメータは、受信装置20(図19)の各部(例えば、OFDM受信部213等)に供給される。
ただし、本技術の手法では、L1シグナリングの各種制御パラメータを解読することで、終端余剰サンプル数が得られる点で、上述した現状1の手法と異なっている。すなわち、終端余剰サンプル数は、現状1の手法では、終端余剰サンプル計算部362(図11)が演算により求めていたが、本技術の手法では、L1シグナリングの各種制御パラメータを解読することで得られる。したがって、図24のパラメータ制御部217には、終端余剰サンプル数の計算をするための計算部は不要である。
このように、シグナリングデコード部261により解読された終端余剰サンプル数は、FFTサンプル数、GIサンプル数、及び余剰サンプル数とともに、OFDM受信部213−1(図22)又はOFDM受信部213−2(図23)のシンボル同期部232に供給される。
(本技術のパラメータ制御処理の流れ)
次に、図25のフローチャートを参照して、図24のパラメータ制御部217により実行される、本技術のパラメータ制御処理の流れについて説明する。
ステップS221において、シグナリングデコード部261は、誤り訂正復号化部216(図19)からの誤り訂正後のデータ(受信L1系列)を入力する。
ステップS222において、シグナリングデコード部261は、ステップS221の処理で入力された誤り訂正後のデータ(受信L1系列)に対し、所定の復号方式に従い、デコードを行うことで、L1シグナリングの各種制御パラメータを解読する。この各種制御パラメータとしては、例えば、FFTサンプル数、GIサンプル数、及び余剰サンプル数のほかに、終端余剰サンプル数が解読される。
ステップS223において、シグナリングデコード部261は、ステップS222の処理で解読された各種制御パラメータを、受信装置20(図19)の各部に出力する。例えば、シグナリングデコード部261は、FFTサンプル数、GIサンプル数、余剰サンプル数、及び終端余剰サンプル数を、OFDM受信部213(図19)に出力する。ステップS223の処理が終了すると、図25の本技術のパラメータ制御処理は終了される。
以上、本技術のパラメータ制御処理の流れについて説明した。この本技術のパラメータ制御処理では、L1シグナリング(プリアンブル)に含めて伝送される各種制御パラメータとして、FFTサンプル数、GIサンプル数、及び余剰サンプル数のみならず、終端余剰サンプル数が取得されるため、終端余剰サンプル数を算出するために複雑な演算を行う必要がない。
このように本技術の手法を採用することで、受信装置20では、例えば、終端余剰サンプル数を算出するために複雑な演算を行ったり、ブートストラップを検波するための相関器(図22又は図23のブートストラップ相関計算部231)を、全ての物理層フレームに対して動作させたりする必要がないため、受信装置20の処理の負担を軽減することができる。
<3.変形例>
上述した説明としては、デジタル放送の規格として、米国等で採用されている方式であるATSC(特に、ATSC3.0)を説明したが、本技術は、日本等が採用する方式であるISDB(Integrated Services Digital Broadcasting)や、欧州の各国等が採用する方式であるDVB(Digital Video Broadcasting)などに適用するようにしてもよい。また、上述した説明では、IP伝送方式が採用されるATSC3.0を例にして説明したが、IP伝送方式に限らず、例えば、MPEG2-TS(Transport Stream)方式等の他の方式に適用するようにしてもよい。
また、デジタル放送としては、地上波放送のほか、放送衛星(BS)や通信衛星(CS)等を利用した衛星放送や、ケーブルテレビ(CATV)等の有線放送などに適用することができる。さらに、上述したシグナリング(のフィールド)等の名称は、一例であって、他の名称が用いられる場合がある。例えば、図21のL1B_final_excess_samplesには、「終端余剰サンプル数」を意味するような他の名称が用いられるようにしてもよい。ただし、これらの名称の違いは、形式的な違いであって、対象のシグナリング(のフィールド)等の実質的な内容が異なるものではない。また、上述した説明では、シンボルアラインモード時に、余分なサンプルを挿入することで、物理層フレームのフレーム長を整数のミリ秒単位に合わせるとして説明したが、この時間単位は、ミリ秒単位に限らず、例えばマイクロ秒単位、ナノ秒単位、秒単位など他の時間単位を採用してもよい。
また、本技術は、伝送路として、放送網以外の伝送路、すなわち、例えば、インターネットや電話網等の通信回線(通信網)などを利用することを想定して規定されている所定の規格(デジタル放送の規格以外の規格)などにも適用することができる。その場合には、伝送システム1(図16)の伝送路40として、インターネットや電話網などの通信回線が利用され、送信装置10は、インターネット上に設けられたサーバとすることができる。そして、受信装置20が通信機能を有するようにすることで、送信装置10(サーバ)は、受信装置20からの要求に応じて、処理を行うことになる。一方で、受信装置20は、送信装置10(サーバ)から伝送路40(通信回線)を介して送信されてくるデータを処理することになる。
<4.コンピュータの構成>
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。図26は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示す図である。
コンピュータ1000において、CPU(Central Processing Unit)1001、ROM(Read Only Memory)1002、RAM(Random Access Memory)1003は、バス1004により相互に接続されている。バス1004には、さらに、入出力インターフェース1005が接続されている。入出力インターフェース1005には、入力部1006、出力部1007、記録部1008、通信部1009、及び、ドライブ1010が接続されている。
入力部1006は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部1007は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記録部1008は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部1009は、ネットワークインターフェースなどよりなる。ドライブ1010は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア1011を駆動する。
以上のように構成されるコンピュータ1000では、CPU1001が、ROM1002や記録部1008に記録されているプログラムを、入出力インターフェース1005及びバス1004を介して、RAM1003にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
コンピュータ1000(CPU1001)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア1011に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線又は無線の伝送媒体を介して提供することができる。
コンピュータ1000では、プログラムは、リムーバブルメディア1011をドライブ1010に装着することにより、入出力インターフェース1005を介して、記録部1008にインストールすることができる。また、プログラムは、有線又は無線の伝送媒体を介して、通信部1009で受信し、記録部1008にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM1002や記録部1008に、あらかじめインストールしておくことができる。
ここで、本明細書において、コンピュータがプログラムに従って行う処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に行われる必要はない。すなわち、コンピュータがプログラムに従って行う処理は、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含む。また、プログラムは、1のコンピュータ(プロセッサ)により処理されるものであってもよいし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであってもよい。
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
また、本技術は、以下のような構成をとることができる。
(1)
物理層フレームのフレーム長を所定の時間単位に調整するために余分なサンプルを挿入する場合に、当該物理層フレームの終端に挿入されるサンプルの数を示す終端余剰サンプル数を含むシグナリングを生成する生成部と、
前記シグナリングを、前記物理層フレームのプリアンブルに含まれるように処理する処理部と
を備えるデータ処理装置。
(2)
前記シグナリングは、第1の制御情報と、前記第1の制御情報の後に読み出される第2の制御情報を含み、
前記終端余剰サンプル数は、前記第1の制御情報に含まれる
(1)に記載のデータ処理装置。
(3)
前記時間単位は、ミリ秒単位である
(1)又は(2)に記載のデータ処理装置。
(4)
前記余分なサンプルは、ガードインターバル部分に挿入される
(1)乃至(3)のいずれかに記載のデータ処理装置。
(5)
前記物理層フレームは、ATSC(Advanced Television Systems Committee)3.0で規定される物理層フレームであって、
前記第1の制御情報は、ATSC3.0で規定されるL1基本情報(L1-Basic)であり、
前記第2の制御情報は、ATSC3.0で規定されるL1詳細情報(L1-Detail)である
(2)に記載のデータ処理装置。
(6)
前記物理層フレームのフレーム長を所定の時間単位に調整する第1のモードと、前記物理層フレームのフレーム長を調整しない第2のモードを設定可能であり、
前記生成部は、前記第1のモードが設定された場合に、前記終端余剰サンプル数をシグナリングに含める
(1)乃至(5)のいずれかに記載のデータ処理装置。
(7)
データ処理装置のデータ処理方法において、
前記データ処理装置が、
物理層フレームのフレーム長を所定の時間単位に調整するために余分なサンプルを挿入する場合に、当該物理層フレームの終端に挿入されるサンプルの数を示す終端余剰サンプル数を含むシグナリングを生成し、
前記シグナリングを、前記物理層フレームのプリアンブルに含まれるように処理する
ステップを含むデータ処理方法。
(8)
物理層フレームのプリアンブルに含まれるシグナリングであって、前記物理層フレームのフレーム長を所定の時間単位に調整するために余分なサンプルを挿入する場合に、当該物理層フレームの終端に挿入されるサンプルの数を示す終端余剰サンプル数を含む前記シグナリングを処理する処理部を備える
データ処理装置。
(9)
前記処理部は、伝送路を介して伝送されてくる受信信号に含まれる、物理層の系列のデータをデコードして、前記シグナリングに含まれる前記終端余剰サンプル数を解読する
(8)に記載のデータ処理装置。
(10)
前記処理部により解読された前記終端余剰サンプル数を用い、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号に対するFFT(Fast Fourier Transform)演算を行うOFDM受信部をさらに備える
(9)に記載のデータ処理装置。
(11)
前記OFDM受信部は、
最初に処理される第1の物理層フレームに対しては、当該物理層フレームの先頭のプリアンブルの部分を検波することで、FFTトリガ位置を決定し、
前記第1の物理層フレームよりも時間的に後に処理される第2の物理層フレームに対しては、1つ前の物理層フレームのプリアンブルに含まれる前記シグナリングの前記終端余剰サンプル数に応じた当該物理層フレームの終端位置から、FFTトリガ位置を決定する
(10)に記載のデータ処理装置。
(12)
前記シグナリングは、第1の制御情報と、前記第1の制御情報の後に読み出される第2の制御情報を含み、
前記終端余剰サンプル数は、前記第1の制御情報に含まれる
(8)乃至(11)のいずれかに記載のデータ処理装置。
(13)
前記時間単位は、ミリ秒単位である
(8)乃至(12)のいずれかに記載のデータ処理装置。
(14)
前記余分なサンプルは、ガードインターバル部分に挿入される
(8)乃至(13)のいずれかに記載のデータ処理装置。
(15)
前記物理層フレームは、ATSC3.0で規定される物理層フレームであって、
前記第1の制御情報は、ATSC3.0で規定されるL1基本情報(L1-Basic)であり、
前記第2の制御情報は、ATSC3.0で規定されるL1詳細情報(L1-Detail)である
(12)に記載のデータ処理装置。
(16)
前記物理層フレームのフレーム長を所定の時間単位に調整する第1のモードと、前記物理層フレームのフレーム長を調整しない第2のモードを設定可能であり、
前記処理部は、前記第1のモードが設定された場合に、前記終端余剰サンプル数を含むシグナリングを処理する
(8)乃至(15)のいずれかに記載のデータ処理装置。
(17)
データ処理装置のデータ処理方法において、
前記データ処理装置が、
物理層フレームのプリアンブルに含まれるシグナリングであって、前記物理層フレームのフレーム長を所定の時間単位に調整するために余分なサンプルを挿入する場合に、当該物理層フレームの終端に挿入されるサンプルの数を示す終端余剰サンプル数を含む前記シグナリングを処理する
ステップを含むデータ処理方法。
1 伝送システム, 10 送信装置, 20 受信装置, 40 伝送路, 111 エンコーダ部, 112 パラメータ制御部, 113 誤り訂正符号化部, 114 時間インターリーブ部, 115 周波数インターリーブ部, 116 OFDM送信部, 117 直交変調部, 118 RF・アナログ部, 211 RF・アナログ部, 212 直交復調部, 213 OFDM受信部, 214 周波数デインターリーブ部, 215 時間デインターリーブ部, 216 誤り訂正復号化部, 217 パラメータ制御部, 218 デコーダ部, 231 ブートストラップ相関計算部, 232 シンボル同期部, 233 セレクタ, 234 FFT部, 235 周波数域処理部, 241 信号遅延部, 251 ブートストラップ部, 261 シグナリングデコード部, 1000 コンピュータ, 1001 CPU

Claims (17)

  1. 物理層フレームのフレーム長を所定の時間単位に調整するために余分なサンプルを挿入する場合に、当該物理層フレームの終端に挿入されるサンプルの数を示す終端余剰サンプル数を含むシグナリングを生成する生成部と、
    前記シグナリングを、前記物理層フレームのプリアンブルに含まれるように処理する処理部と
    を備えるデータ処理装置。
  2. 前記シグナリングは、第1の制御情報と、前記第1の制御情報の後に読み出される第2の制御情報を含み、
    前記終端余剰サンプル数は、前記第1の制御情報に含まれる
    請求項1に記載のデータ処理装置。
  3. 前記時間単位は、ミリ秒単位である
    請求項1に記載のデータ処理装置。
  4. 前記余分なサンプルは、ガードインターバル部分に挿入される
    請求項1に記載のデータ処理装置。
  5. 前記物理層フレームは、ATSC(Advanced Television Systems Committee)3.0で規定される物理層フレームであって、
    前記第1の制御情報は、ATSC3.0で規定されるL1基本情報(L1-Basic)であり、
    前記第2の制御情報は、ATSC3.0で規定されるL1詳細情報(L1-Detail)である
    請求項2に記載のデータ処理装置。
  6. 前記物理層フレームのフレーム長を所定の時間単位に調整する第1のモードと、前記物理層フレームのフレーム長を調整しない第2のモードを設定可能であり、
    前記生成部は、前記第1のモードが設定された場合に、前記終端余剰サンプル数をシグナリングに含める
    請求項1に記載のデータ処理装置。
  7. データ処理装置のデータ処理方法において、
    前記データ処理装置が、
    物理層フレームのフレーム長を所定の時間単位に調整するために余分なサンプルを挿入する場合に、当該物理層フレームの終端に挿入されるサンプルの数を示す終端余剰サンプル数を含むシグナリングを生成し、
    前記シグナリングを、前記物理層フレームのプリアンブルに含まれるように処理する
    ステップを含むデータ処理方法。
  8. 物理層フレームのプリアンブルに含まれるシグナリングであって、前記物理層フレームのフレーム長を所定の時間単位に調整するために余分なサンプルを挿入する場合に、当該物理層フレームの終端に挿入されるサンプルの数を示す終端余剰サンプル数を含む前記シグナリングを処理する処理部を備える
    データ処理装置。
  9. 前記処理部は、伝送路を介して伝送されてくる受信信号に含まれる、物理層の系列のデータをデコードして、前記シグナリングに含まれる前記終端余剰サンプル数を解読する
    請求項8に記載のデータ処理装置。
  10. 前記処理部により解読された前記終端余剰サンプル数を用い、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号に対するFFT(Fast Fourier Transform)演算を行うOFDM受信部をさらに備える
    請求項9に記載のデータ処理装置。
  11. 前記OFDM受信部は、
    最初に処理される第1の物理層フレームに対しては、当該物理層フレームの先頭のプリアンブルの部分を検波することで、FFTトリガ位置を決定し、
    前記第1の物理層フレームよりも時間的に後に処理される第2の物理層フレームに対しては、1つ前の物理層フレームのプリアンブルに含まれる前記シグナリングの前記終端余剰サンプル数に応じた当該物理層フレームの終端位置から、FFTトリガ位置を決定する
    請求項10に記載のデータ処理装置。
  12. 前記シグナリングは、第1の制御情報と、前記第1の制御情報の後に読み出される第2の制御情報を含み、
    前記終端余剰サンプル数は、前記第1の制御情報に含まれる
    請求項8に記載のデータ処理装置。
  13. 前記時間単位は、ミリ秒単位である
    請求項8に記載のデータ処理装置。
  14. 前記余分なサンプルは、ガードインターバル部分に挿入される
    請求項8に記載のデータ処理装置。
  15. 前記物理層フレームは、ATSC3.0で規定される物理層フレームであって、
    前記第1の制御情報は、ATSC3.0で規定されるL1基本情報(L1-Basic)であり、
    前記第2の制御情報は、ATSC3.0で規定されるL1詳細情報(L1-Detail)である
    請求項12に記載のデータ処理装置。
  16. 前記物理層フレームのフレーム長を所定の時間単位に調整する第1のモードと、前記物理層フレームのフレーム長を調整しない第2のモードを設定可能であり、
    前記処理部は、前記第1のモードが設定された場合に、前記終端余剰サンプル数を含むシグナリングを処理する
    請求項8に記載のデータ処理装置。
  17. データ処理装置のデータ処理方法において、
    前記データ処理装置が、
    物理層フレームのプリアンブルに含まれるシグナリングであって、前記物理層フレームのフレーム長を所定の時間単位に調整するために余分なサンプルを挿入する場合に、当該物理層フレームの終端に挿入されるサンプルの数を示す終端余剰サンプル数を含む前記シグナリングを処理する
    ステップを含むデータ処理方法。
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