JP2017130210A - 頭部装着型表示装置、および、頭部装着型表示装置の制御方法 - Google Patents

頭部装着型表示装置、および、頭部装着型表示装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】使用者の視線方向を遮る遮蔽物の検出結果に基づいて、外景を撮像する撮像部の操作を行なう頭部装着型表示装置を提供する。
【解決手段】透過型の頭部装着型表示装置は、外景を撮像する撮像部と、使用者の眼から所定の距離の使用者の視線を遮る遮蔽物を検出する検出部と、遮蔽物の検出結果に基づいて撮像部の操作を行なう撮像操作部と、使用者の頭部に装着された状態において、撮像される外景の全部または一部の領域を示す画像光である領域画像光を生成して領域画像光を使用者に視認させる共に、外景を透過させる画像表示部と、を備える。
【選択図】図10

Description

本発明は、頭部装着型表示装置に関する。
頭部に装着する表示装置である頭部装着型表示装置(ヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display)、HMD)が知られている。頭部装着型表示装置は、例えば、液晶ディスプレイおよび光源を利用して画像を表わす画像光を生成し、生成された画像光を投写光学系や導光板を利用して使用者の眼に導くことにより、使用者に虚像を視認させる。頭部装着型表示装置には、使用者が虚像に加えて外景も視認可能な透過型と、使用者が外景を視認できない非透過型と、の2つのタイプがある。透過型の頭部装着型表示装置には、光学透過型とビデオ透過型とがある。他方、使用者の眼の状態を検出して、検出した眼の状態に基づいて撮像して、外景を撮像するカメラが知られている。
特許文献1には、使用者の眼のウインクを検出して、検出したウインクに基づいて外景を撮像するカメラにおいて、撮影モードを、ウインクを検出してから所定の期間が遅延した後に撮像する遅延モードと、遅延なしに撮像する非遅延モードと、を選択できる技術について開示されている。また、特許文献2には、検出した使用者の眼のウインクに基づいて外景を撮像することにより、撮像時の手振れを抑制するカメラについて開示されている。また、特許文献3には、使用者の一方の眼にコンテンツ等の画像を視認させる頭部装着型表示装置において、一方の眼の眼球運動を撮像すると共に、もう一方の眼のまぶたの動作を撮像し、撮像した眼球運動およびまぶたの動作に基づいて使用者に視認させる画像を設定する技術について開示されている。
特開2010−41643号公報 特開平6−208158号公報 特開2010−152443号公報
しかし、特許文献1および特許文献2に記載された技術では、使用者は、外景を撮像する場合に、ファインダーを見ることで撮像される画像を確認しなければならず、撮像時の操作性に向上の余地があった。また、使用者の眼のまぶたの状態に基づいてカメラの撮像機能が制御されているが、まぶたの状態に基づいて撮像機能以外の機能を制御したいとの要望があった。また、特許文献3に記載された頭部装着型表示装置では、使用者の眼の眼球運動に基づいて視認される画像が設定されるが、眼球運動による操作が難しい場合もあり、より簡便な操作方法が望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、透過型の頭部装着型表示装置が提供される。この頭部装着型表示装置は、外景を撮像する撮像部と;使用者の眼から所定の距離の使用者の視線を遮る遮蔽物を検出する検出部と;前記遮蔽物の検出結果に基づいて前記撮像部の操作を行なう撮像操作部と;使用者の頭部に装着された状態において、撮像領域を示す画像光である領域画像光を生成して前記領域画像光を使用者に視認させる共に、外景を透過させる画像表示部と、を備える。この形態の頭部装着型表示装置によれば、使用者が外景を視認しながら撮像することで、撮像する外景の全部または一部の領域を表わす領域画像光が使用者に視認される。よって、使用者は、わざわざファインダー等をのぞかずに、外景を視認しながら撮像することで、撮像するタイミングを容易に計ることができ、使用者の利便性が向上する。また、使用者は、撮像部に触らないで、外景を撮像できるので、手振れを抑制して撮像できる。
(2)上記形態の頭部装着型表示装置において、前記検出部は、前記遮蔽物としての使用者のまぶたの状態を検出し;前記撮像操作部は、検出された前記まぶたの状態に基づいて前記操作を行なってもよい。この形態の頭部装着型表示装置によれば、使用者が手を使わないで、撮像部を用いて外景を撮像でき、使用者の利便性が向上する。
(3)上記形態の頭部装着型表示装置において、前記検出部は、使用者の右まぶたの開閉状態と左まぶたの開閉状態とを検出し;前記撮像操作部は、検出された前記右まぶたの開閉状態と前記左まぶたの開閉状態との組み合わせに基づいて前記操作を行なってもよい。この形態の頭部装着型表示装置によれば、使用者が手を使わないで、撮像部を用いて外景を撮像でき、使用者の利便性が向上する。
(4)上記形態の頭部装着型表示装置において、さらに;使用者の視線方向を推定する視線方向推定部を備え;前記画像表示部は、撮像される外景に対する前記視線方向に対応した位置を表わす画像光である視線位置画像光を生成して前記視線位置画像光を使用者に視認させ;前記撮像操作部は、推定された前記視線方向と前記組み合わせとに基づいて、撮像される外景の一部の領域を設定し;前記領域画像光は、設定された前記一部の領域を示す画像光であってもよい。この形態の頭部装着型表示装置によれば、使用者が手を使わないで、撮像部が撮像する一部の領域を設定して、設定された一部の領域の画像を表わす領域画像光を使用者に視認させることができ、使用者の使い勝手、利便性、操作性が向上する。
(5)上記形態の頭部装着型表示装置において、前記操作は、前記撮像部のレンズの焦点距離の調整を含み;前記領域画像光は、前記焦点距離が所定の距離に含まれる場合には、前記領域画像光を前記一部の領域における周辺部分に生成し、前記焦点距離が前記所定の距離に含まれない場合には、前記領域画像光を前記一部の領域の外景画像を表わす外景画像光を生成してもよい。この形態の頭部装着型表示装置によれば、使用者が手を使わないで撮像部の焦点距離を設定できるため、使用者の利便性が向上する。また、設定された焦点距離が視認される外景と同じような外景となる焦点距離である場合には、領域画像光は、一部の領域を示す画像光である。また、設定された焦点距離が視認される外景と異なるような外景となる焦点距離である場合には、領域画像光は、一部の領域の外景画像を表わす外景画像光である。よって、使用者が視認する外景と領域画像光との比較に応じて、画像表示部が画像光を生成するため、使用者の視認性および操作性が向上する。
(6)上記形態の頭部装着型表示装置において、前記検出部は、使用者の右眼と左眼とのそれぞれから前記所定の距離までの範囲における色または照度の少なくとも一方を示す右眼前指標値と左眼前指標値とを検出し;前記撮像操作部は、検出された前記右眼前指標値と前記左眼前指標値とに基づいて前記操作を行なってもよい。この形態の頭部装着型表示装置によれば、使用者は、ウインク等のまぶたの状態の変化による操作に対して疲れた場合に、手などの体の一部を用いて、まぶたの状態の変化と同じような操作を感覚的に行なうことができ、使用者の利便性が向上する。
(7)上記形態の頭部装着型表示装置において、さらに;前記操作に基づいて、撮像される外景に含まれる特定の対象を認識する画像認識部を備え;前記撮像操作部は、撮像される外景に前記特定の対象が認識される場合には、前記特定の対象に基づいて、撮像される外景の一部の領域を設定し;前記外景画像光は、設定された前記一部の領域を表わす画像光であってもよい。この形態の頭部装着型表示装置によれば、特定の対象が撮像される外景に含まれない場合であっても、自動で特定の対象の位置が推定されて、特定の対象が撮像されるため、使用者の利便性が向上する。
(8)上記形態の頭部装着型表示装置において、前記撮像操作部は、撮像される外景に前記特定の対象が認識されない場合には、撮像される外景に前記特定の対象が認識されているときの前記特定の対象の位置の変化に基づいて、前記撮像部から前記特定の対象までの方向を推定し;前記撮像部は、推定された方向を撮像してもよい。この形態の頭部装着型表示装置によれば、発信機等を特定の対象に装着させなくても、特定の対象が画像認識されることで、特定の対象が自動で追尾されて撮像されるので、使用者の使い勝手および操作性が向上する。また、使用者が視認する外景と異なる特定の対象を含む外景を表わす画像光が使用者に視認されるため、使用者は、特定の対象を撮像する場合でも、特定の対象を視認する必要がなく、使用者の利便性が向上する。
(9)上記形態の頭部装着型表示装置において、さらに;重力方向に対する使用者の頭部の向きを検出する向き検出部を備え;検出された前記頭部の向きと前記重力方向とがなす角度が所定値以上である場合に、前記角度に基づいて、前記領域画像光を、前記重力方向に直交する水平面に平行な軸を光軸として撮像される外景の全部または一部の領域を示す画像光として生成してもよい。この形態の頭部装着型表示装置によれば、使用者の頭部の向きが一時的に変更された場合であっても、撮像部が水平面に平行な軸を光軸とする外景を撮像するので、使用者の使い勝手が向上する。
上述した本発明の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部または全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部または全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行なうことが可能である。また、上述の課題の一部または全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部または全部を達成するために、上述した本発明の一形態に含まれる技術的特徴の一部または全部を上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部または全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
例えば、本発明の一形態は、撮像部と、検出部と、撮像操作部と、画像表示部と、の4つ要素の内の一つ以上または全部の要素を備えた装置として実現可能である。すなわち、この装置は、撮像部を有していてもよく、有していなくてもよい。また、装置は、検出部を有していてもよく、有していなくてもよい。また、装置は、撮像操作部を有していてもよく、有していなくてもよい。また、装置は、画像表示部を有していてもよく、有していなくてもよい。撮像部は、例えば、外景を撮像してもよい。検出部は、例えば、使用者の眼から所定の距離の使用者の視線を遮る遮蔽物を検出してもよい。撮像操作部は、例えば、前記遮蔽物の検出結果に基づいて前記撮像部の操作を行なってもよい。画像表示部は、例えば、使用者の頭部に装着された状態において、撮像領域を示す画像光である領域画像光を生成して前記領域画像光を使用者に視認させる共に、外景を透過させてもよい。こうした装置は、例えば、頭部装着型表示装置として実現できるが、頭部装着型表示装置以外の他の装置としても実現可能である。このような形態によれば、装置の操作性の向上、簡易化、装置の一体化、および、利便性の向上、等の種々の課題の少なくとも1つを解決することができる。前述した頭部装着型表示装置の各形態の技術的特徴の一部または全部は、いずれもこの装置に適用することが可能である。
本発明は、頭部装着型表示装置以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、頭部装着型表示装置の制御方法、頭部装着型表示システム、頭部装着型表示システムの機能を実現するためのコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータープログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号等の形態で実現できる。
頭部装着型表示装置100の外観構成を示す説明図である。 画像表示部20における各種センサーと使用者のまぶたとの関係の概略を示す説明図である。 頭部装着型表示装置100の構成を機能的に示すブロック図である。 画像光生成部によって画像光が射出される様子を示す説明図である。 撮像画像表示処理の流れを示す説明図である。 撮像画像表示処理の流れを示す説明図である。 撮像画像表示処理におけるまぶたの開閉状態に割り当てられた処理の一例を示す説明図である。 使用者が視認する視野VRの一例を示す説明図である。 使用者が視認する視野VRの一例を示す説明図である。 使用者が視認する視野VRの一例を示す説明図である。 使用者が視認する視野VRの一例を示す説明図である。 使用者が視認する視野VRの一例を示す説明図である。 使用者が視認する視野VRの一例を示す説明図である。 使用者が視認する視野VRの一例を示す説明図である。 撮像調整モードにおいて使用者が視認する視野VRの一例を示す説明図である。
次に、本発明の実施の形態を実施形態に基づいて以下の順序で説明する。
A.実施形態:
A−1.頭部装着型表示装置の構成:
A−2.撮像画像表示処理:
B.変形例:
A.実施形態:
A−1.頭部装着型表示装置の構成:
図1は、頭部装着型表示装置100の外観構成を示す説明図である。頭部装着型表示装置100は、頭部に装着する表示装置であり、ヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display、HMD)とも呼ばれる。本実施形態の頭部装着型表示装置100は、使用者が、虚像を視認すると同時に外景も直接視認可能な光学透過型の頭部装着型表示装置である。なお、本明細書では、頭部装着型表示装置100によって使用者が視認する虚像を便宜的に「表示画像」とも呼ぶ。また、画像データに基づいて生成された画像光を射出することを「画像を表示する」ともいう。
頭部装着型表示装置100は、使用者の頭部に装着された状態において使用者に虚像を視認させる画像表示部20と、画像表示部20を制御する制御部10(コントローラー10)と、を備えている。
画像表示部20は、使用者の頭部に装着される装着体であり、本実施形態では眼鏡形状を有している。画像表示部20は、右保持部21と、右表示駆動部22と、左保持部23と、左表示駆動部24と、右光学像表示部26と、左光学像表示部28と、外景撮像カメラ61と、トラックパッド36と、右眼撮像カメラ37と、左眼撮像カメラ38と、右眼照度センサー45と、左眼照度センサー47と、を含んでいる。右光学像表示部26および左光学像表示部28は、それぞれ、使用者が画像表示部20を装着した際に使用者の右および左の眼前に位置するように配置されている。右光学像表示部26の一端と左光学像表示部28の一端とは、使用者が画像表示部20を装着した際の使用者の眉間に対応する位置で、互いに接続されている。
右保持部21は、右光学像表示部26の他端である端部ERから、使用者が画像表示部20を装着した際の使用者の側頭部に対応する位置にかけて、延伸して設けられた部材である。同様に、左保持部23は、左光学像表示部28の他端である端部ELから、使用者が画像表示部20を装着した際の使用者の側頭部に対応する位置にかけて、延伸して設けられた部材である。右保持部21および左保持部23は、眼鏡のテンプル(つる)のようにして、使用者の頭部に画像表示部20を保持する。
右表示駆動部22と左表示駆動部24とは、使用者が画像表示部20を装着した際の使用者の頭部に対向する側に配置されている。なお、以降では、右保持部21および左保持部23を総称して単に「保持部」とも呼び、右表示駆動部22および左表示駆動部24を総称して単に「表示駆動部」とも呼び、右光学像表示部26および左光学像表示部28を総称して単に「光学像表示部」とも呼ぶ。
表示駆動部22,24は、液晶ディスプレイ241,242(Liquid Crystal Display、以下「LCD241,242」とも呼ぶ)や投写光学系251,252等を含む(図4参照)。表示駆動部22,24の構成の詳細は後述する。光学部材としての光学像表示部26,28は、導光板261,262(図3参照)と調光板とを含んでいる。導光板261,262は、光透過性の樹脂材料等によって形成され、表示駆動部22,24から出力された画像光を使用者の眼に導く。調光板は、薄板状の光学素子であり、使用者の眼の側とは反対の側である画像表示部20の表側を覆うように配置されている。調光板は、導光板261,262を保護し、導光板261,262の損傷や汚れの付着等を抑制する。また、調光板の光透過率を調整することによって、使用者の眼に入る外光量を調整して虚像の視認のしやすさを調整できる。なお、調光板は省略可能である。
外景撮像カメラ61は、使用者が画像表示部20を装着した際の使用者の眉間に対応する位置に配置されている。外景撮像カメラ61は、画像表示部20に対して、撮像する方向を変更できるように形成されており、外部の景色である外景を撮像し、外景画像を取得する。本実施形態における外景撮像カメラ61は、単眼カメラであるが、ステレオカメラであってもよい。本実施形態で用いられる外景撮像カメラ61の画角は、光軸を起点として、上下においてはそれぞれ40度であり、左右においてはそれぞれ60度である。外景撮像カメラ61は、請求項における撮像部に相当する。
トラックパッド36は、トラックパッド36の操作面上での使用者の指の操作を検出して、検出内容に応じた信号を出力する。トラックパッド36は、使用者が画像表示部20を頭部に装着した場合に、右表示駆動部22に対向する使用者の側頭部と反対側の面に配置されている。トラックパッド36としては、静電式や圧力検出式、光学式といった種々のトラックパッドを採用できる。なお、本実施形態では、トラックパッド36は、右表示駆動部22に配置されているが、他の実施形態では、左表示駆動部24に配置されてもよいし、画像表示部20に対して着脱可能な構成であってもよい。
右眼撮像カメラ37および左眼撮像カメラ38(以降、「眼撮像カメラ37,38」とも呼ぶ)は、使用者の右眼および左眼のそれぞれを撮像する小型のCCDカメラである。右眼照度センサー45および左眼照度センサー47(以降、「照度センサー45,47」とも呼ぶ)は、使用者の右眼および左眼のそれぞれが視認する外景の照度を検出するセンサーである。なお、眼撮像カメラ37,38は、請求項における検出部および視線方向推定部に相当する。また、照度センサー45,47は、請求項における検出部に相当し、右眼照度センサー45が検出する照度および左眼照度センサー47が検出する照度のそれぞれは、請求項における右眼前指標値および左眼前指標値に相当する。
画像表示部20は、さらに、画像表示部20を制御部10に接続するための接続部40を有している。接続部40は、制御部10に接続される本体コード48と、右コード42と、左コード44と、連結部材46と、を含んでいる。右コード42と左コード44とは、本体コード48が2本に分岐したコードである。右コード42は、右保持部21の延伸方向の先端部APから右保持部21の筐体内に挿入され、右表示駆動部22に接続されている。同様に、左コード44は、左保持部23の延伸方向の先端部APから左保持部23の筐体内に挿入され、左表示駆動部24に接続されている。連結部材46は、本体コード48と、右コード42および左コード44と、の分岐点に設けられ、イヤホンプラグ30を接続するためのジャックを有している。イヤホンプラグ30からは、右イヤホン32および左イヤホン34が延伸している。
画像表示部20と制御部10とは、接続部40を介して各種信号の伝送を行なう。本体コード48における連結部材46とは反対側の端部と、制御部10と、のそれぞれには、互いに嵌合するコネクター(図示しない)が設けられている。本体コード48のコネクターと制御部10のコネクターとの嵌合/嵌合解除により、制御部10と画像表示部20とが接続されたり切り離されたりする。右コード42と、左コード44と、本体コード48とには、例えば、金属ケーブルや光ファイバーを採用できる。
制御部10は、頭部装着型表示装置100を制御するための装置である。制御部10は、決定キー11と、点灯部12と、表示切替キー13と、トラックパッド14と、輝度切替キー15と、方向キー16と、メニューキー17と、電源スイッチ18と、を含んでいる。決定キー11は、押下操作を検出して、制御部10で操作された内容を決定する信号を出力する。点灯部12は、頭部装着型表示装置100の動作状態を、その発光状態によって通知する。頭部装着型表示装置100の動作状態としては、例えば、電源のON/OFF等がある。点灯部12としては、例えば、LED(Light Emitting Diode)が用いられる。表示切替キー13は、押下操作を検出して、例えば、コンテンツ動画の表示モードを3Dと2Dとに切り替える信号を出力する。トラックパッド14は、トラックパッド14の操作面上での使用者の指の操作を検出して、検出内容に応じた信号を出力する。トラックパッド14としては、静電式や圧力検出式、光学式といった種々のトラックパッドを採用できる。輝度切替キー15は、押下操作を検出して、画像表示部20の輝度を増減する信号を出力する。方向キー16は、上下左右方向に対応するキーへの押下操作を検出して、検出内容に応じた信号を出力する。電源スイッチ18は、スイッチのスライド操作を検出することで、頭部装着型表示装置100の電源投入状態を切り替える。
図2は、画像表示部20における各種センサーと使用者のまぶたとの関係の概略を示す説明図である。図2には、画像表示部20と、画像表示部20を頭部に装着した使用者とを、使用者の頭上から見た場合の概略が示されている。右眼撮像カメラ37および左眼撮像カメラ38のそれぞれは、使用者の右眼REおよび左眼LEを撮像しているため、使用者の右まぶたRLおよび左まぶたLLも同時に撮像する。そのため、眼撮像カメラ37,38は、使用者の両まぶたの開閉状態を撮像する。
右眼照度センサー45および左眼照度センサー47のそれぞれは、発光素子と受光素子とを備えており、照度センサー45,47の発光に対して、右眼REと左光学像表示部28との間、および、左眼LEと右光学像表示部26との間からの反射光を検出することで照度を検出する。
図3は、頭部装着型表示装置100の構成を機能的に示すブロック図である。図3に示すように、制御部10は、入力情報取得部110と、記憶部120と、電源130と、操作受付部135と、CPU140と、インターフェイス180と、送信部51(Tx51)および送信部52(Tx52)と、を有している。操作受付部135は、使用者による操作を受け付け、決定キー11、表示切替キー13、トラックパッド14、輝度切替キー15、方向キー16、メニューキー17、電源スイッチ18、から構成されている。
入力情報取得部110は、使用者による操作入力に応じた信号を取得する。操作入力に応じた信号としては、例えば、操作受付部135に配置されたトラックパッド14、方向キー16、電源スイッチ18、に対する操作入力、および、画像表示部20に配置されたトラックパッド36に対する操作入力、がある。電源130は、頭部装着型表示装置100の各部に電力を供給する。電源130としては、例えば二次電池を用いることができる。記憶部120は、種々のコンピュータープログラムを格納している。記憶部120は、ROMやRAM等によって構成されている。CPU140は、記憶部120に格納されているコンピュータープログラムを読み出して実行することにより、オペレーティングシステム150(ОS150)、表示制御部190、音声処理部170、方向判定部161、照度処理部145、画像判定部142、撮像設定部175、画像処理部160、として機能する。
表示制御部190は、右表示駆動部22および左表示駆動部24を制御する制御信号を生成する。具体的には、表示制御部190は、制御信号により、右LCD制御部211による右LCD241の駆動ON/OFF、右バックライト制御部201による右バックライト221の駆動ON/OFF、左LCD制御部212による左LCD242の駆動ON/OFF、左バックライト制御部202による左バックライト222の駆動ON/OFFなど、を個別に制御する。これにより、表示制御部190は、右表示駆動部22および左表示駆動部24のそれぞれによる画像光の生成および射出を制御する。例えば、表示制御部190は、右表示駆動部22および左表示駆動部24の両方に画像光を生成させたり、一方のみに画像光を生成させたり、両方共に画像光を生成させなかったりする。
表示制御部190は、右LCD制御部211と左LCD制御部212とに対する制御信号のそれぞれを、送信部51および52を介して送信する。また、表示制御部190は、右バックライト制御部201と左バックライト制御部202とに対する制御信号のそれぞれを送信する。
方向判定部161は、後述する9軸センサー66が検出した画像表示部20の向きに基づいて推定された使用者の頭部の傾きと、重力方向および重力方向に直交する水平面と、がなす角度を算出する。なお、方向判定部161および9軸センサー66は、請求項における向き検出部に相当する。
照度処理部145は、照度センサー45,47のそれぞれが検出した使用者の右眼および左眼に視認される外景の照度に対して各種計算を行なう。本実施形態における照度処理部145は、右眼の外景の照度と左眼の外景の照度との差、および、一定期間において検出された照度の変化を算出する。照度処理部145は、算出した照度の差、および、照度が変化する前後の照度の差が予め設定された閾値以上であるか否かを判定する。例えば、昼の晴天下で、使用者が意図的に自分の手などで右光学像表示部26または左光学像表示部28のいずれか一方のみを覆った場合に、照度処理部145は、右眼の外景の照度と左眼の外景の照度とに閾値以上の差があると判定する。
画像判定部142は、眼撮像カメラ37,38のそれぞれが撮像した使用者の右眼および左眼の画像を解析することで、右眼および左眼のそれぞれにおけるまぶたの開閉具合を判定し、また、視線方向を推定する。画像判定部142は、撮像された使用者の右眼および左眼のそれぞれに対して、まぶたの開閉状態のパターンマッチングを行なうことで、薄目の状態等を判定する。また、画像判定部142は、例えば、予め記憶された特定の対象物の画像と比較するパターンマッチングを行なうことで、撮像される外景画像に特定の対象物が含まれるか否かを判定する。また、画像判定部142は、一定期間に撮像された外景画像を比較することで、撮像された一定期間において、動いている対象物を特定できる。なお、画像判定部142は、請求項における検出部、視線方向推定部、画像認識部に相当する。
撮像設定部175は、方向判定部161が算出した角度、照度処理部145の判定、画像判定部142が判定したまぶたの開閉具合および推定した視線方向等、に基づいて、外景撮像カメラ61の各種設定を行ない、画像表示部20に対して、撮像される外景の全部または一部を示す画像信号を生成する。
画像処理部160は、コンテンツに含まれる画像信号を取得する。画像処理部160は、取得した画像信号から、垂直同期信号VSyncや水平同期信号HSync等の同期信号を分離する。また、画像処理部160は、分離した垂直同期信号VSyncや水平同期信号HSyncの周期に応じて、PLL(Phase Locked Loop)回路等(図示しない)を利用してクロック信号PCLKを生成する。画像処理部160は、同期信号が分離されたアナログ画像信号を、A/D変換回路等(図示しない)を用いてディジタル画像信号に変換する。その後、画像処理部160は、変換後のディジタル画像信号を、対象画像の画像データData(RGBデータ)として、1フレームごとに記憶部120内のDRAMに格納する。なお、画像処理部160は、必要に応じて、画像データに対して、解像度変換処理、輝度、彩度の調整といった種々の色調補正処理、キーストーン補正処理等の画像処理を実行してもよい。
画像処理部160は、生成されたクロック信号PCLK、垂直同期信号VSync、水平同期信号HSync、記憶部120内のDRAMに格納された画像データData、のそれぞれを、送信部51、52を介して送信する。なお、送信部51を介して送信される画像データDataを「右眼用画像データ」とも呼び、送信部52を介して送信される画像データDataを「左眼用画像データ」とも呼ぶ。送信部51、52は、制御部10と画像表示部20との間におけるシリアル伝送のためのトランシーバーとして機能する。
また、画像処理部160は、撮像設定部175が生成した画像信号に基づいて生成した画像データを画像表示部20に送信し、画像表示部20に対して、画像データに基づいて画像を表わす画像光を生成する。
音声処理部170は、コンテンツに含まれる音声信号を取得し、取得した音声信号を増幅して、連結部材46に接続された右イヤホン32内のスピーカー(図示しない)および左イヤホン34内のスピーカー(図示しない)に対して供給する。なお、例えば、Dolby(登録商標)システムを採用した場合、音声信号に対する処理がなされ、右イヤホン32および左イヤホン34のそれぞれからは、例えば周波数等が変えられた異なる音が出力される。
インターフェイス180は、制御部10に対して、コンテンツの供給元となる種々の外部機器OAを接続するためのインターフェイスである。外部機器OAとしては、例えば、パーソナルコンピューター(PC)や携帯電話端末、ゲーム端末等、がある。インターフェイス180としては、例えば、USBインターフェイス、マイクロUSBインターフェイス、メモリーカード用インターフェイス等、を用いることができる。
画像表示部20は、右表示駆動部22と、左表示駆動部24と、右光学像表示部26としての右導光板261と、左光学像表示部28としての左導光板262と、外景撮像カメラ61と、9軸センサー66と、トラックパッド36と、右眼撮像カメラ37と、左眼撮像カメラ38と、右眼照度センサー45と、左眼照度センサー47と、を備えている。
9軸センサー66は、加速度(3軸)、角速度(3軸)、地磁気(3軸)、を検出するモーションセンサーである。9軸センサー66は、画像表示部20に設けられているため、画像表示部20が使用者の頭部に装着されているときには、使用者の頭部の動きを検出する。検出された使用者の頭部の動きから画像表示部20の向きがわかるため、方向判定部161は、使用者の視線方向を推定できる。
右表示駆動部22は、受信部53(Rx53)と、光源として機能する右バックライト制御部201(右BL制御部201)および右バックライト221(右BL221)と、表示素子として機能する右LCD制御部211および右LCD241と、右投写光学系251と、を含んでいる。右バックライト制御部201と右バックライト221とは、光源として機能する。右LCD制御部211と右LCD241とは、表示素子として機能する。なお、右バックライト制御部201と、右LCD制御部211と、右バックライト221と、右LCD241と、を総称して「画像光生成部」とも呼ぶ。
受信部53は、制御部10と画像表示部20との間におけるシリアル伝送のためのレシーバーとして機能する。右バックライト制御部201は、入力された制御信号に基づいて、右バックライト221を駆動する。右バックライト221は、例えば、LEDやエレクトロルミネセンス(EL)等の発光体である。右LCD制御部211は、受信部53を介して入力されたクロック信号PCLKと、垂直同期信号VSyncと、水平同期信号HSyncと、右眼用画像データと、に基づいて、右LCD241を駆動する。右LCD241は、複数の画素をマトリクス状に配置した透過型液晶パネルである。
右投写光学系251は、右LCD241から射出された画像光を並行状態の光束にするコリメートレンズによって構成される。右光学像表示部26としての右導光板261は、右投写光学系251から出力された画像光を、所定の光路に沿って反射させつつ使用者の右眼REに導く。なお、右投写光学系251と右導光板261とを総称して「導光部」とも呼ぶ。
左表示駆動部24は、右表示駆動部22と同様の構成を有している。左表示駆動部24は、受信部54(Rx54)と、光源として機能する左バックライト制御部202(左BL制御部202)および左バックライト222(左BL202)と、表示素子として機能する左LCD制御部212および左LCD242と、左投写光学系252と、を含んでいる。左バックライト制御部202と左バックライト222とは、光源として機能する。左LCD制御部212と左LCD242とは、表示素子として機能する。なお、左バックライト制御部202と、左LCD制御部212と、左バックライト222と、左LCD242と、を総称して「画像光生成部」とも呼ぶ。また、左投写光学系252は、左LCD242から射出された画像光を並行状態の光束にするコリメートレンズによって構成される。左光学像表示部28としての左導光板262は、左投写光学系252から出力された画像光を、所定の光路に沿って反射させつつ使用者の左眼LEに導く。なお、左投写光学系252と左導光板262とを総称して「導光部」とも呼ぶ。
図4は、画像光生成部によって画像光が射出される様子を示す説明図である。右LCD241は、マトリクス状に配置された各画素位置の液晶を駆動することによって、右LCD241を透過する光の透過率を変化させることにより、右バックライト221から照射される照明光ILを、画像を表わす有効な画像光PLへと変調する。左側についても同様である。なお、図4のように、本実施形態ではバックライト方式を採用したが、フロントライト方式や、反射方式を用いて画像光を射出する構成としてもよい。
A−2.撮像画像表示処理:
図5および図6は、撮像画像表示処理の流れを示す説明図である。撮像画像表示処理では、予め定められた使用者のまぶたの状態が検出されると、画像表示部20の表示モードを、使用者がまぶたの状態に基づいて外景を撮像できる撮像調整モードへと移行する。
図7は、撮像画像表示処理におけるまぶたの開閉状態に割り当てられた処理の一例を示す説明図である。図7には、画像表示部20の表示モードの移行、および、各表示モードにおける処理を行なうためのまぶたの状態が一覧で示されている。本実施形態では、例えば、画像表示部20の表示モードを撮像調整モードへと移行させるまぶたの状態は、使用者の利き目である右眼が開いた状態、かつ、利き目ではない左眼のまぶたが閉じた状態、の組み合わせ(ウインク)である。なお、一般に、利き目は、利き目でないもう一方の眼に比べて、外景を視認しやすく、利き目でないもう一方の眼は、利き目に比べて、まぶたを閉じやすい。そのため、本実施形態では、予め定められたまぶたの状態の組み合わせは、使用者にとって使い勝手が良い。利き目と利き目でないもう一方の眼とは、使用者が予め設定してもよいし、他の実施形態では、まぶたの状態の組み合わせは、利き目に限られず、右まぶたと左まぶたとの状態の組み合わせであってもよい。
撮像画像表示処理では、初めに、眼撮像カメラ37,38は、予め定められた使用者のまぶたの状態が所定の期間検出されるかを監視する(図5のステップS310)。予め定められたまぶたの状態が所定の期間検出されない場合には(ステップS310:NO)、眼撮像カメラ37,38は、引き続き、まぶたの状態を監視する(ステップS310)。予め定められたまぶたの状態が所定の期間検出されると(ステップS310:YES)、撮像設定部175は、画像表示部20の表示モードを撮像調整モードへと移行させる(ステップS320)。撮像調整モードでは、使用者の両まぶたの開閉状態および使用者の右眼の視線方向に基づいて、撮像設定部175は、外景撮像カメラ61が撮像する外景の内、生成されて保存される画像データや画像表示部20に表示される画像を設定する。なお、撮像調整モードを含め、以降で示す画像表示部20の表示モードでは、各表示モードへと移行した後に、使用者の両まぶたが通常の状態へと戻っても、表示モードを変更するまぶたの状態が検出されない限りは、他の表示モードへと移行されない。
図8から図14までの各図は、使用者が視認する視野VRの一例を示す説明図である。図8には、撮像調整モードへと移行する前の視野VRが示され、図9には、撮像調整モードにおける視野VRが示されている。図8には、画像表示部20を透過して使用者が視認する外景SCが示され、外景SCの中には被写体であるヨットOBが含まれている。また、図8には、画像表示部20が生成した画像を表示できる最大の領域である最大画像表示領域PNが示されている。最大画像表示領域PNの外枠を示す実線は、本実施形態を説明するために示したものであり、実際には表示されていないため、使用者には視認されない。本実施形態における最大画像表示領域PNは、横の画素数が960であり、縦の画素数が540であるが、他の実施形態では異なる画素数であってもよい。
図9では、図8に対して、画像表示部20が生成される画像データの範囲を表わす画像範囲外枠IAを表示している点が異なる。画像範囲外枠IAは、青色の線であり、撮像調整モードへと移行した初期状態では、最大画像表示領域PNの外枠と同じであり、その後、使用者の視線方向等の設定により変更される。撮像調整モードにおいて、外景撮像カメラ61の光学ズームレンズの焦点距離が変更されると、撮像設定部175は、撮像調整モードにおいて、焦点距離が35ミリメートル以上50ミリメートル以下の場合に、画像範囲外枠IAを表示する。焦点距離が35ミリメートル未満および50ミリメートルを超える場合についての詳細は後述する。なお、画像範囲外枠IAは、青色の線に限られず、他の色で、線種が異なっていてもよいし、使用者に画像範囲外枠IAに囲まれる領域を視認させることができる範囲で種々変形可能である。
画像範囲外枠IAが表示されると、次に、撮像設定部175は、受け付けた操作に基づいて外景撮像カメラ61が撮像する外景SCの一部の領域を指定する(図5のステップS330)。図10には、撮像調整モードにおいて、撮像される外景SCの一部の領域が指定された場合に、使用者が視認する視野VRが示されている。図10には、推定された使用者の視線方向を表わすポインターPO1と、ポインターPO1を中心とする所定の領域を表わす撮像画像VI1と、が示されている。撮像調整モードにおいて、右眼の薄目の状態が検出されると、画像表示部20は、ポインターPO1を表示する。ポインターPO1が表示された状態で、左眼の視線方向が変更されると、左眼撮像カメラ38および画像判定部142が視線方向を推定する。画像表示部20は、推定された視線方向に基づいて、ポインターPO1を表示する位置を変更し、ポインターPO1を中心として、予め定められた領域を表わす画像を撮像画像VI1に表示する。
ポインターPO1が表示された状態で、撮像設定部175が焦点距離を変更すると、撮像画像VI1に表示される画像が拡大または縮小される。本実施形態では、右眼が薄目の状態の場合、自動で焦点距離が徐々に大きくなり、ある焦点距離まで達すると、焦点距離が徐々に小さくなる。画像判定部142は、右眼が薄目の状態から通常の開いた状態への変化を検出すると、撮像設定部175は、右眼が通常の開いた状態を検出した時点での焦点距離に設定する。焦点距離が35ミリメートル未満の場合には、画像表示部20は、ポインターPO1を中心とする一部の領域を拡大した外景画像を撮像画像VI1に表示する。焦点距離が50ミリメートルを超える場合には、画像表示部20は、ポインターPO1を中心とする一部の領域を縮小した外景画像を撮像画像VI1に表示する。光学ズームレンズの焦点距離が35ミリメートル以上50ミリメートル以下の場合には、使用者が視認する外景SCに近い大きさの外景画像が撮像されるため、撮像画像VI1を表示しないことで、使用者は、より広い範囲で外景SCを視認できる。また、光学ズームレンズの焦点距離が35ミリメートル未満、または、50ミリメートルを超える場合には、撮像画像VI1が表示されることで、使用者は、撮像される外景画像を確認しつつ、外景SCを視認できる。
図11には、撮像調整モードにおいて、外景撮像カメラ61の焦点距離が35ミリメートル以上50ミリメートル以下に設定された場合に、使用者が視認する視野VRが示されている。焦点距離が35ミリメートル以上50ミリメートル以下に設定されると、撮像設定部175は、撮像画像VI1を非表示にして、ポインターPO1を中心とする画像範囲外枠IAを表示する。なお、他の実施形態では、焦点距離にかかわらず、画像範囲外枠IAではなく、撮像画像VI1が表示され続けてもよい。
次に、ポインターPO1が表示された状態で、右眼撮像カメラ37は、ポインターPO1を中心とする一部の領域を固定して撮像し続ける撮像領域固定モードへの移行を示すまぶたの状態の検出を監視する(図5のステップS340)。右眼撮像カメラ37が右まぶたが所定の期間閉じた状態を検出すると(ステップS340:YES)、撮像設定部175は、画像表示部20の表示モードを、ポインターPO1を中心とする一部の領域を撮像し続ける撮像領域固定モードへと移行する(ステップS350)。
図12には、撮像領域固定モードにおいて、使用者がさらに上の方向を向いたときに視認する視野VRが示されている。撮像設定部175は、9軸センサー66および方向判定部161が検出した画像表示部20の向きに基づいて、外景撮像カメラ61が設定されたポインターPO1の方向を撮像するように、画像表示部20に対する外景撮像カメラ61の向きを調整する。外景撮像カメラ61の向きが調整されると、右眼撮像カメラ37は、外景SCを撮像する操作を示すまぶたの状態の検出を監視する(図5のステップS360)。撮像する操作を示すまぶたの状態を示す右眼のまぶたが所定の期間に2回の開閉の状態が検出されない場合には(ステップS360:NO)、引き続き、右眼撮像カメラ37は、まぶたの状態を監視する(ステップS360)。ステップS360の処理において、所定のまぶたの状態が検出されると(ステップS360:YES)、外景撮像カメラ61が外景SCを撮像して、撮像設定部175は、撮像画像VI1に表示されている外景SCを表わす画像データを生成して保存する(ステップS370)。画像表示部20は、生成した画像データを表わす画像を、最大画像表示領域PNにおける所定の範囲に一定期間表示した後、撮像領域固定モードへと戻る。
ステップS340の処理において、撮像領域固定モードへと移行するまぶたの状態が検出されなかった場合には(ステップS340:NO)、撮像調整モードで、右眼撮像カメラ37は、ステップS360の処理と同じ撮像する操作を示すまぶたの状態の検出を監視する(ステップS365)。撮像する操作を示すまぶたの状態が検出されない場合には(ステップS365:NO)、右眼撮像カメラ37は、撮像領域固定モードへの移行を示すまぶたの状態を監視する(ステップS340)。ステップS365の処理において、撮像する操作を示すまぶたの状態が検出された場合には(ステップS365:YES)、外景撮像カメラ61が外景SCを撮像して、撮像設定部175は、撮像画像VI1に表示されている外景SCを表わす画像データを生成して保存する(ステップS370)。画像表示部20は、生成した画像データを表わす画像を、最大画像表示領域PNにおける所定の範囲に一定期間表示した後、撮像調整モードへと戻る。
次に、眼撮像カメラ37,38は、撮像処理を終了する操作を示すまぶたの状態の検出を監視する(図6のステップS380)。撮像処理を終了する操作を示す眼撮像カメラ37,38は、撮像処理を終了する操作を示す使用者の両まぶたが開いた状態が検出されない場合には(ステップS380:NO)、再度、ステップS320以降の処理を行なう。眼撮像カメラ37,38は、撮像処理を終了する操作を示すまぶたの状態を検出すると(ステップS380:YES)、保存した外景画像を一覧表示するサムネイル表示モードへの移行を示すまぶたの状態の検出を監視する(ステップS390)。眼撮像カメラ37,38がサムネイル表示モードへの移行を示すまぶたの状態を示す所定の期間内に両まぶたが3回の瞬きを検出した場合には(ステップS390:YES)、撮像設定部175は、画像表示部20の表示モードを、サムネイル表示モードへと移行させる(ステップS400)。
図13には、サムネイル表示モードにおいて、使用者が視認する視野VRが示されている。図13に示すように、使用者は、画像表示部20に表示される撮像画像IMG1、IMG2と、ポインターPO2と、を視認する。サムネイル表示モードにおいて、眼撮像カメラ37,38が使用者の右眼を閉じると共に左眼を開いたまぶたの状態(ウインク)を所定の期間検出すると、画像表示部20は、ポインターPO2を表示する。ポインターPO2が表示された状態で、使用者の左眼の視線方向を変更すると、左眼撮像カメラ38および画像判定部142が視線方向を推定する。推定された視線方向の変化に基づいて、画像表示部20は、使用者の視線方向を示すポインターPO2を表示する位置を変更する。
次に、左眼撮像カメラ38は、最大画像表示領域PNに表示された撮像画像IMG1,IMG2から1つの画像が選択される操作を示すまぶたの状態の検出を監視する(図6のステップS410)。図13に示すように、ポインターPO2が撮像画像IMG1に重なった状態で、撮像画像IMG1が選択される操作を示す左眼撮像カメラ38が所定の期間に左眼のまばたきを2回検出すると(ステップS410:YES)、撮像設定部175は、画像表示部20の表示モードを、選択画像拡大モードへと移行させる(ステップS420)。
図14には、選択画像拡大モードにおいて、使用者が視認する視野VRが示されている。図14に示すように、撮像画像IMG1が選択された選択画像拡大モードでは、最大画像表示領域PNの全領域に撮像画像IMG1が拡大されて表示される。撮像画像IMG1が拡大して表示されている場合に、眼撮像カメラ37,38は、選択画像拡大モードを終了する操作を示すまぶたの状態の検出を監視する(図6のステップS425)。選択画像拡大モードを終了するまぶたの状態を示す一定期間両まぶたが閉じた状態が検出されない場合には(ステップS425:NO)、引き続き、最大画像表示領域PNに撮像画像IMG1が拡大されて表示される。選択画像拡大モードを終了するまぶたの状態が検出された場合には(ステップS425:YES)、撮像設定部175は、画像表示部20の表示モードをサムネイル表示モードへと移行させ、ステップS400以降の処理が行なわれる。
ステップS390の処理、または、ステップS410の処理において、所定のまぶたの状態が検出されなかった場合には(ステップS390:NO、ステップS410:NO)、眼撮像カメラ37,38は、撮像画像表示処理を終了する操作を示すまぶたの状態の検出を監視する(ステップS430)。撮像画像表示処理の終了を示す左眼を閉じたウインクから右眼を閉じたウインクへのまぶたが変化する状態が検出されない場合には(ステップS430:NO)、再度、図5のステップS320以降の処理が行なわれる。図6のステップS430の処理において、撮像画像表示処理の終了を示すまぶたの状態が検出されると(ステップS430:YES)、撮像画像表示処理が終了する。
以上説明したように、本実施形態における頭部装着型表示装置100では、眼撮像カメラ37,38および画像判定部142が使用者の視線を遮る遮蔽物としてのまぶたの状態を検出し、撮像設定部175は、画像判定部142が解析した視線を遮る遮蔽物であるまぶたの検出結果に基づいて画像表示部20の操作を行なう。そのため、本実施形態における頭部装着型表示装置100では、使用者が外景SCを視認しながら撮像することで、外景SCの一部の領域を表わす画像データが生成される。よって、使用者は、わざわざファインダー等をのぞかずに、外景SCを視認しながら撮像でき、撮像するタイミングを容易に計ることができ、使用者の利便性が向上する。また、使用者は、制御部10および画像表示部20に触らないで、外景SCを撮像できるので、手振れを抑制して撮像できる。
また、本実施形態における頭部装着型表示装置100では、右眼撮像カメラ37が使用者の右まぶたの開閉状態を検出し、左眼撮像カメラ38が使用者の左まぶたの開閉状態を検出する。撮像設定部175は、検出された右まぶたおよび左まぶたの開閉状態の組み合わせに基づいて、頭部装着型表示装置100の各種操作を行なう。そのため、本実施形態の頭部装着型表示装置100では、使用者が手を使わないで、外景撮像カメラ61を用いて外景SCを撮像でき、使用者の利便性が向上する。
また、本実施形態における頭部装着型表示装置100では、眼撮像カメラ37,38および画像判定部142が使用者の視線方向を推定し、画像表示部20は、推定された使用者の視線方向を表わすポインターPO1を表示する。撮像設定部175は、推定された視線方向とまぶたの検出とに基づいて外景SCの一部の領域を指定し、指定した一部の領域を示す画像範囲外枠IAまたは撮像画像VI1を画像表示部20に表示させる。そのため、本実施形態の頭部装着型表示装置100では、使用者が手を使わないで、外景撮像カメラ61が撮像する一部の領域を選択して、選択された領域の画像データを生成でき、使用者の使い勝手、利便性、操作性が向上する。
また、本実施形態における頭部装着型表示装置100では、眼撮像カメラ37,38および画像判定部142が検出したまぶたの状態に基づいて外景撮像カメラ61の焦点距離を設定する。画像表示部20は、焦点距離が35ミリメートル以上50ミリメートル以下の範囲の場合には、画像範囲外枠IAを表示し、焦点距離がそれ以外の範囲の場合には、ポインターPO1を中心とする一部の領域を表わす画像を表示する。そのため、本実施形態における頭部装着型表示装置100では、使用者が手を使わないで、生成する画像データの焦点距離を設定できるため、使用者の利便性が向上する。また、設定された焦点距離が視認される外景SCと同じような外景SCとなる画像データを生成する焦点距離である場合には、画像表示部20は、画像データを生成する一部の領域を画像範囲外枠IAによって示して使用者に外景SCを透過させる。また、設定された焦点距離が視認される外景SCと異なるような外景SCとなる画像データを生成する焦点距離である場合には、画像表示部20は、画像データを表わす画像を画像表示部20に表示する。よって、使用者が視認する外景SCと生成される画像データの外景SCとの比較に応じて、画像表示部20が表示する画像を変更するため、使用者の視認性および操作性が向上する。
B.変形例:
なお、この発明は上記実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
B1.変形例1:
図15は、撮像調整モードにおいて使用者が視認する視野VRの一例を示す説明図である。図15には、使用者が右へ首を傾けた状態、すなわち、使用者の頭部の向きが重力方向に対して傾いて水平面となす角度が90度未満の状態において、使用者が視認する視野VRが示されている。図15に示す撮像画像VI2には、外景撮像カメラ61の光軸が重力方向と直交する水平面に平行な軸とした場合に、撮像される外景画像が示されている。この変形例では、方向判定部161および9軸センサー66が使用者の頭部の向きを推定して、方向判定部161は、推定した頭部の向きと重力方向とがなす角度を算出する。方向判定部161が算出した角度が所定の角度以上である場合には、撮像設定部175は、算出された角度の分だけ補正して、画像表示部20が表示する撮像画像VI2を表示する。なお、重力方向または水平面と使用者の頭部の向きとがなす角度については、図15に示す例に限られず、種々変形可能である。例えば、使用者が上下に首を所定の角度以上に傾けた状態が検出された場合に、撮像画像VI2に表示される画像が補正されてもよい。なお、撮像画像VI2は、算出された角度の分だけ補正された外景画像であるが、角度の補正が行われずに、算出された角度に基づいて外景撮像カメラ61が画像表示部20に対して向きを変更して、水平面に平行な軸を光軸として外景撮像カメラ61が外景SCを撮像してもよい。
この変形例における頭部装着型表示装置100では、9軸センサー66および方向判定部161が重力方向に対する使用者の頭部の向きを検出し、検出された重力方向と頭部の向きとがなす角度が所定の角度以上の場合に、重力方向に直交する水平面に平行な軸を光軸として外景撮像カメラ61が撮像する外景SCが表示される。そのため、この変形例における頭部装着型表示装置100では、例えば、使用者が首を回したりして、一時的に頭部の向きを変更した場合であっても、使用者が撮像したいと想定される水平面に平行な外景SCを撮像できるので、使用者の使い勝手が向上する。
B2.変形例2:
また、上記実施形態では、眼撮像カメラ37,38が検出したまぶたの開閉状態に基づいて、画像表示部20の表示モードの設定、および、撮像される外景SCにおける一部の領域の設定等の操作が行なわれたが、これらの操作は、まぶたの開閉状態以外の使用者の視線方向を遮る遮蔽物の検出結果によって行なわれてもよい。例えば、使用者の両まぶたが開いている状態であっても、使用者が視認する外景SCの色や照度に基づいて、画像表示部20および外景撮像カメラ61の操作が行なわれてもよい。この変形例では、照度センサー45,47が使用者の右眼および左眼に視認されると想定される外景SCの照度を検出し、検出された照度の数値に基づいて操作が行なわれる。使用者がまぶたを閉じなくても、例えば、使用者の手によって左光学像表示部28の表面が覆われると、左眼照度センサー47に検出される照度の数値が右眼照度センサー45に検出される照度の数値に比べて小さくなる。この場合に、照度処理部145は、上記実施形態における画像判定部142が左まぶたを閉じた状態と同じ判定をして、撮像設定部175が当該判定に基づいて画像表示部20および外景撮像カメラ61の操作を行なう。また、照度センサー45,47が一定期間における照度の検出を行ない、照度処理部145が2つの時点における照度の差を比較することで、上記実施形態におけるまぶたの開閉状態に代えて、画像表示部20および外景撮像カメラ61の操作が行なわれてもよい。
この変形例の頭部装着型表示装置100では、照度センサー45,47が使用者の右眼と左眼とのそれぞれから光学像表示部26,28の表面を手で覆う所までの所定の範囲における照度を検出し、撮像設定部175は、当該検出結果に基づいて画像表示部20等の操作を行なう。そのため、この変形例の頭部装着型表示装置100では、使用者は、ウインク等のまぶたの状態の変化による操作に対して疲れた場合に、手のひら等の体の一部を用いて、まぶたの状態の変化と同じような操作を感覚的に行なうことができ、使用者の利便性が向上する。
また、照度センサー45,47の代わりに、右眼および左眼のそれぞれの視線方向のRGBデータを検出するRGBカラーセンサーが配置されてもよい。この変形例では、右眼および左眼のそれぞれに配置されたRGBカラーセンサーは、使用者の右眼および左眼のそれぞれから、光学像表示部26,28の表面までの範囲におけるRGBデータを検出する。撮像設定部175は、右眼および左眼のそれぞれに対応したRGBカラーセンサーによって検出された値に基づいて、各種操作を行なってもよい。例えば、左光学像表示部28の表面が使用者の手によって覆われた場合に、左眼に対応するRGBカラーセンサーは、黒に近い色を表わすRGBデータとなる。それに対し、右眼に対応するRGBカラーセンサーが検出したRGBデータが、昼の晴天下で白を表わすRGBデータであった場合に、上記実施形態における使用者の左まぶたが閉じられているウインクと同じように判定されてもよい。
また、照度センサー45,47の代わりに、赤外線センサーが配置されてもよい。赤外線センサーから発光された赤外線が視線方向を遮る遮蔽物に反射した反射光を、赤外線センサーの受光部が検出することで、上記実施形態におけるまぶたの開閉状態に代えて、画像表示部20および外景撮像カメラ61の操作が行なわれてもよい。この変形例では、夜の比較的暗い場所においても遮蔽物を検出でき、使用者の利便性が向上する。
また、上記実施形態では、光学ズームレンズの焦点距離は、使用者の右眼が薄目の状態の場合に、自動的に変更されたが、焦点距離の調整方法はこれに限られず、種々変形可能である。例えば、使用者の手によって左光学像表示部28の表面が覆われると、左眼照度センサー47が検出した照度の変化によって、焦点距離が徐々に大きくなる設定であってもよい。また、使用者の手によって右光学像表示部26の表面が覆われると、右眼照度センサー45が検出した照度の変化によって、焦点距離が徐々に小さくなる設定であってもよい。
また、上記実施形態では、外景撮像カメラ61は、画像表示部20に対して、撮像する方向を変更できるように形成されたが、画像表示部20に固定されていてもよいし、画像表示部20とは別体で形成されてもよい。また、外景撮像カメラ61は、光学ズームレンズの焦点距離を変更できたが、デジタルズームによって、撮像範囲の一部を拡大した画像を生成する態様であってもよい。
B3.変形例3:
また、上記実施形態では、画像表示部20の表示モードが撮像領域固定モードの場合に、撮像される外景SCに含まれる一部の領域が特定される態様としたが、画像判定部142が特定の対象を認識して、認識された特定の対象を外景撮像カメラ61が追尾して撮像する態様であってもよい。この変形例では、撮像される外景SCに含まれる特定の対象がまぶたの状態や視線方向に基づいて選択されると、画像判定部142が特定の対象物を認識する。画像判定部142は、一定期間撮像された外景画像の内から、複数の時点において、外景画像における特定の対象物の変化を算出することで、算出された変化に基づいて特定の対象物を特定する。その後、撮像される外景SCに特定の対象物が含まれる場合には、撮像設定部175は、特定の対象物を含む外景SCの一部の領域を設定する。外景撮像カメラ61は、画像表示部20に対して向きを変更し、設定された一部の領域を撮像し、画像表示部20が特定の対象物を含む外景SCを表示する。また、例えば、認識された特定の対象物の移動速度が急に大きくなって、撮像される外景SCに特定の対象物が含まれなくなった場合には、撮像設定部175は、撮像される外景SCに特定の対象物が含まれていたときの特定の対象物の移動変化に基づいて、特定の対象物の位置を推定する。外景撮像カメラ61は、推定された特定の対象物の位置へと撮像する向きを変更して撮像する。
この変形例における頭部装着型表示装置100では、発信機等を特定の対象物に装着させなくても、特定の対象物が画像認識されることで、特定の対象物が自動で追尾されて撮像されるので、使用者の使い勝手および操作性が向上する。また、撮像される特定の対象物を含む外景画像が視認される外景SCと異なっていても画像表示部20に表示されるため、使用者は、特定の対象物を含む外景SCを撮像したい場合に、特定の対象物を視認する必要がなく、使用者の利便性が向上する。また、特定の対象物が撮像される外景SCから外れた場合であっても、自動で特定の対象物の位置が推定されて、特定の対象物を含む外景SCが撮像されるため、使用者の利便性が向上する。
B4.変形例4:
また、上記実施形態では、外景撮像カメラ61は、外景SCを撮像した外景画像を保存するとしたが、撮像するのは特定の時点における静止画の画像に限られず、動画であってもよい。検出されたまぶたの開閉状態および推定された使用者の視線方向に基づいて、画像表示部20のモードが、画像を撮像するモードと、動画を録画するモードと、に変更される態様であってもよい。
また、上記実施形態では、外景撮像カメラ61の焦点距離が右眼撮像カメラ37および画像判定部142によって検出された使用者の右眼の開閉状態によって設定されたが、焦点距離を設定する操作については、これに限られず種々変形可能である。例えば、撮像調整モードにおいて、画像表示部20に配置されたトラックパッド36に使用者の指が触れると、ポインターPO1が表示されて、使用者の指の動きに基づいて焦点距離が設定されてもよい。例えば、トラックパッド36に触れている使用者の指が右耳から使用者の前方の方向へと移動されると、画像表示部20は、ポインターPO1を中心とする一部の領域を拡大した外景画像を撮像画像VI1に表示してもよい。逆に、トラックパッド36に触れている使用者の指が使用者の前方から右耳の方向へと移動されると、画像表示部20は、ポインターPO1を中心とする一部の領域を縮小した外景画像を撮像画像VI1に表示してもよい。
B5.変形例5:
また、外景撮像カメラ61は、制御部10に配置されてもよいし、制御部10や画像表示部20とは別体で、例えば、使用者が装着するヘルメットの上部等に配置されてもよい。
上記実施形態では、制御部10に操作受付部135を形成したが、操作受付部135の態様については種々変形可能である。例えば、制御部10とは別体で操作受付部135であるユーザーインターフェースがある態様でもよい。この場合に、操作受付部135は、電源130等が形成された制御部10とは別体であるため、小型化でき、使用者の操作性および携帯性が向上する。
B6.変形例6:
例えば、画像光生成部は、有機EL(有機エレクトロルミネッセンス、Organic Electro-Luminescence)のディスプレイと、有機EL制御部とを備える構成としてもよい。また、例えば、画像生成部は、LCDに代えて、LCOS(Liquid crystal on silicon, LCoS は登録商標)や、デジタル・マイクロミラー・デバイス等を用いることもできる。また、例えば、レーザー網膜投影型のヘッドマウントディスプレイに対して本発明を適用することも可能である。レーザー網膜投影型の場合、「画像光生成部における画像光の射出可能領域」とは、使用者の眼に認識される画像領域として定義することができる。
また、例えば、ヘッドマウントディスプレイは、光学像表示部が使用者の眼の一部分のみを覆う態様、換言すれば、光学像表示部が使用者の眼を完全に覆わない態様のヘッドマウントディスプレイとしてもよい。また、ヘッドマウントディスプレイは、いわゆる単眼タイプのヘッドマウントディスプレイであるとしてもよい。
また、イヤホンは耳掛け型やヘッドバンド型を採用してもよく、省略してもよい。また、例えば、自動車や飛行機等の車両に搭載されるヘッドマウントディスプレイとして構成されてもよい。また、例えば、ヘルメット等の身体防護具に内蔵されたヘッドマウントディスプレイとして構成されてもよい。
B7.変形例7:
上記実施形態における頭部装着型表示装置100の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、制御部10に設けられた方向キー16やトラックパッド14の一方を省略したり、方向キー16やトラックパッド14に加えてまたは方向キー16やトラックパッド14に代えて操作用スティック等の他の操作用インターフェイスを設けたりしてもよい。また、制御部10は、キーボードやマウス等の入力デバイスを接続可能な構成であり、キーボードやマウスから入力を受け付けるものとしてもよい。
また、画像表示部として、眼鏡のように装着する画像表示部20に代えて、例えば帽子のように装着する画像表示部といった他の方式の画像表示部を採用してもよい。また、イヤホン32,34は適宜省略可能である。また、上記実施形態では、画像光を生成する構成として、LCDと光源とを利用しているが、これらに代えて、有機ELディスプレイといった他の表示素子を採用してもよい。また、上記実施形態では、使用者の頭の動きを検出するセンサーとして9軸センサー66を利用しているが、これに代えて、加速度センサー、角速度センサー、地磁気センサーのうちの1つまたは2つから構成されたセンサーを利用するとしてもよい。また、上記実施形態では、頭部装着型表示装置100は、両眼タイプの光学透過型であるとしているが、本発明は、例えばビデオ透過型や単眼タイプといった他の形式の頭部装着型表示装置にも同様に適用可能である。
また、上記実施形態において、頭部装着型表示装置100は、使用者の左右の眼に同じ画像を表わす画像光を導いて使用者に二次元画像を視認させるとしてもよいし、使用者の左右の眼に異なる画像を表わす画像光を導いて使用者に三次元画像を視認させるとしてもよい。
また、上記実施形態において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、上記実施形態では、画像処理部160や音声処理部170は、CPU140がコンピュータープログラムを読み出して実行することにより実現されるとしているが、これらの機能部はハードウェア回路により実現されるとしてもよい。
また、本発明の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータープログラム)は、コンピューター読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。この発明において、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピューター内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピューターに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
また、上記実施形態では、図1および図3に示すように、制御部10と画像表示部20とが別々の構成として形成されているが、制御部10と画像表示部20との構成については、これに限られず、種々変形可能である。例えば、画像表示部20の内部に、制御部10に形成された構成の全てが形成されてもよいし、一部が形成されてもよい。また、上記実施形態における電源130が単独で形成されて、交換可能な構成であってもよいし、制御部10に形成された構成が重複して画像表示部20に形成されていてもよい。例えば、図3に示すCPU140が制御部10と画像表示部20との両方に形成されていてもよいし、制御部10に形成されたCPU140と画像表示部20に形成されたCPUとが行なう機能が別々に分けられている構成としてもよい。
また、制御部10がパーソナルコンピューター(PC)に内蔵されて、PCのモニターに代えて画像表示部20が使用される態様であってもよいし、制御部10と画像表示部20とが一体化して、使用者の衣服に取り付けられるウェアラブルコンピューターの態様であってもよい。
本発明は、上記実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行なうことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…制御部
11…決定キー
12…点灯部
13…表示切替キー
14…トラックパッド
15…輝度切替キー
16…方向キー
17…メニューキー
18…電源スイッチ
20…画像表示部
21…右保持部
22…右表示駆動部
23…左保持部
24…左表示駆動部
26…右光学像表示部
28…左光学像表示部
30…イヤホンプラグ
32…右イヤホン
34…左イヤホン
36…トラックパッド
37…右眼撮像カメラ(検出部、視線方向推定部)
38…左眼撮像カメラ(検出部、視線方向推定部)
40…接続部
42…右コード
44…左コード
45…右眼照度センサー(検出部)
46…連結部材
47…左眼照度センサー(検出部)
48…本体コード
51,52…送信部
53,54…受信部
61…外景撮像カメラ(撮像部)
66…9軸センサー(向き検出部)
100…頭部装着型表示装置
110…入力情報取得部
120…記憶部
130…電源
135…操作受付部
140…CPU
142…画像判定部(検出部、視線方向推定部、画像認識部)
145…照度処理部
150…オペレーティングシステム
160…画像処理部
161…方向判定部(向き検出部)
170…音声処理部
175…撮像設定部
180…インターフェイス
190…表示制御部
201…右バックライト制御部
202…左バックライト制御部
211…右LCD制御部
212…左LCD制御部
221…右バックライト
222…左バックライト
241…右LCD
242…左LCD
251…右投写光学系
252…左投写光学系
261…右導光板
262…左導光板
VSync…垂直同期信号
HSync…水平同期信号
PCLK…クロック信号
Data…画像データ
IMG1,IMG2…撮像画像
IA…画像範囲外枠
OB…ヨット
SC…外景
RE…右眼
LE…左眼
RL…右まぶた
LL…左まぶた
EL,ER…端部
IL…照明光
PL…画像光
PN…最大画像表示領域
AP…先端部
VR…視野
VI1,VI2…撮像画像
PO1,PO2…ポインター

Claims (10)

  1. 透過型の頭部装着型表示装置であって、
    外景を撮像する撮像部と、
    使用者の眼から所定の距離の使用者の視線を遮る遮蔽物を検出する検出部と、
    前記遮蔽物の検出結果に基づいて前記撮像部の操作を行なう撮像操作部と、
    使用者の頭部に装着された状態において、撮像領域を示す画像光である領域画像光を生成して前記領域画像光を使用者に視認させる共に、外景を透過させる画像表示部と、を備える、頭部装着型表示装置。
  2. 請求項1に記載の頭部装着型表示装置であって、
    前記検出部は、前記遮蔽物としての使用者のまぶたの状態を検出し、
    前記撮像操作部は、検出された前記まぶたの状態に基づいて前記操作を行なう、頭部装着型表示装置。
  3. 請求項2に記載の頭部装着型表示装置であって、
    前記検出部は、使用者の右まぶたの開閉状態と左まぶたの開閉状態とを検出し、
    前記撮像操作部は、検出された前記右まぶたの開閉状態と前記左まぶたの開閉状態との組み合わせに基づいて前記操作を行なう、頭部装着型表示装置。
  4. 請求項3に記載の頭部装着型表示装置であって、さらに、
    使用者の視線方向を推定する視線方向推定部を備え、
    前記画像表示部は、撮像される外景に対する前記視線方向に対応した位置を表わす画像光である視線位置画像光を生成して前記視線位置画像光を使用者に視認させ、
    前記撮像操作部は、推定された前記視線方向と前記組み合わせとに基づいて、撮像される外景の一部の領域を設定し、
    前記領域画像光は、設定された前記一部の領域を示す画像光である、頭部装着型表示装置。
  5. 請求項4に記載の頭部装着型表示装置であって、
    前記操作は、前記撮像部のレンズの焦点距離の調整を含み、
    前記領域画像光は、前記焦点距離が所定の距離に含まれる場合には、前記領域画像光を前記一部の領域における周辺部分に生成し、前記焦点距離が前記所定の距離に含まれない場合には、前記領域画像光を前記一部の領域の外景画像を表わす外景画像光を生成する、頭部装着型表示装置。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置であって、
    前記検出部は、使用者の右眼と左眼とのそれぞれから前記所定の距離までの範囲における色または照度の少なくとも一方を示す右眼前指標値と左眼前指標値とを検出し、
    前記撮像操作部は、検出された前記右眼前指標値と前記左眼前指標値とに基づいて前記操作を行なう、頭部装着型表示装置。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置であって、さらに、
    前記操作に基づいて、撮像される外景に含まれる特定の対象を認識する画像認識部を備え、
    前記撮像操作部は、撮像される外景に前記特定の対象が認識される場合には、前記特定の対象に基づいて、撮像される外景の一部の領域を設定し、
    前記外景画像光は、設定された前記一部の領域を表わす画像光である、頭部装着型表示装置。
  8. 請求項7に記載の頭部装着型表示装置であって、
    前記撮像操作部は、撮像される外景に前記特定の対象が認識されない場合には、撮像される外景に前記特定の対象が認識されているときの前記特定の対象の位置の変化に基づいて、前記撮像部から前記特定の対象までの方向を推定し、
    前記撮像部は、推定された方向を撮像する、頭部装着型表示装置。
  9. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の頭部装着型表示装置であって、さらに、
    重力方向に対する使用者の頭部の向きを検出する向き検出部を備え、
    検出された前記頭部の向きと前記重力方向とがなす角度が所定値以上である場合に、前記角度に基づいて、前記領域画像光を、前記重力方向に直交する水平面に平行な軸を光軸として撮像される外景の全部または一部の領域を示す画像光として生成する、頭部装着型表示装置。
  10. 外景を撮像する撮像部と、使用者の眼から所定の距離までの範囲に存在し、想定される使用者の視線を遮る遮蔽物を検出する検出部と、使用者の頭部に装着された状態において、撮像される外景の全部または一部の領域を示す画像光である領域画像光を生成して前記領域画像光を使用者に視認させる共に、外景を透過させる画像表示部と、を備える、透過型の頭部装着型表示装置の制御方法であって、
    前記遮蔽物の検出結果に基づいて前記撮像部の操作を行なう工程を備える、制御方法。
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