JP2017127528A - 超音波診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】胎児の心臓の時相をできるだけ正確に特定できる超音波診断装置を提供する。
【解決手段】胎児の心臓を含む三次元空間内にドプラ情報観測用のサンプルゲートが設定される。超音波の送受波によりサンプルゲートからドプラ情報が取得され、そのドプラ情報を周波数解析することによりドプラ波形78が生成される。胎児の心臓を横切る走査面が設定され、その走査面に対する超音波の送受波により、その走査面から組織表示フレーム列(Bモード断層画像列)が生成される。組織表示フレーム列を解析することにより、胎児の心臓の動きを表す運動グラフ76が生成される。運動グラフ76とドプラ波形78は、両方の時間軸が揃えられた状態で並列して表示される。
【選択図】図10
【解決手段】胎児の心臓を含む三次元空間内にドプラ情報観測用のサンプルゲートが設定される。超音波の送受波によりサンプルゲートからドプラ情報が取得され、そのドプラ情報を周波数解析することによりドプラ波形78が生成される。胎児の心臓を横切る走査面が設定され、その走査面に対する超音波の送受波により、その走査面から組織表示フレーム列(Bモード断層画像列)が生成される。組織表示フレーム列を解析することにより、胎児の心臓の動きを表す運動グラフ76が生成される。運動グラフ76とドプラ波形78は、両方の時間軸が揃えられた状態で並列して表示される。
【選択図】図10
Description
本発明は超音波診断装置に関し、特に、周期的な運動をする臓器の周期情報を得る技術に関する。
超音波診断においては、周期的な運動をする臓器の周期情報を取得する場合がある。例えば、心電計を用いて胎児の心臓の心拍等を直接的に計測することは極めて難しい。このような場合、超音波診断装置を用いることにより、心拍等の情報を取得することができる。一般的に、超音波ドプラ法を適用することにより、周期情報としてのドプラ波形が取得される(例えば特許文献1参照)。
ところで、ドプラ波形単独では、心臓の収縮末期や拡張末期等の時相を正確に判読することができない場合がある。この場合、ドプラ波形中の異常部分の時相を正確に判読できないという問題が生じ得る。
本発明の目的は、胎児の心臓の時相をできるだけ正確に特定できるようにすることにある。
本発明に係る超音波診断装置は、胎児の心臓を含む三次元空間内にドプラ情報観測用のサンプルゲートを設定するサンプルゲート設定手段と、超音波の送受波により前記サンプルゲートから取得されるドプラ情報を周波数解析してドプラ波形を生成するドプラ波形生成手段と、前記三次元空間内に設定され前記胎児の心臓を横切る計測面からのエコー情報に基づいてフレーム列を生成するフレーム列生成手段と、前記フレーム列の解析により前記胎児の心臓の動きを表すグラフを生成する解析手段と、前記ドプラ波形と前記グラフを両方の時間軸を揃えつつ並列表示する表示処理手段と、を含むことを特徴とする。
上記構成によると、心臓の動きを表すグラフとドプラ波形の両方が時間軸を揃えつつ並列に表示される。それ故、ドプラ波形とグラフとに基づいて総合的な診断が可能となる。例えば、ドプラ波形単独では時相を正確に判読できない場合であっても、グラフに基づいて心臓の収縮末期や拡張末期等の時相を特定し、それとの関係でドプラ波形中の異常部分の時相を推定することが可能となる。心臓の動きを表すグラフは、例えば、心臓の短軸長、面積の変化、輝度の変化等を示すものである。例えば、フレーム列にトラッキング技術を適用することにより、そのグラフが得られる。上記構成における処理は、リアルタイム処理であってもよいし、事後処理であってもよい。リアルタイム処理においては、ドプラ情報の取得とフレーム列の取得がほぼ同時に進行して実行され、ドプラ波形とグラフがほぼ同時に生成される。事後処理においては、ドプラ情報の取得とボリュームデータの取得がほぼ同時に進行して実行される。ボリュームデータを取得した後に、ボリュームデータから計測面に対応するフレーム列が取得され、そのフレーム列に基づいてグラフが生成される。
望ましくは、前記サンプルゲート設定手段は、超音波の送受波により得られた第1断面における断層画像上に前記サンプルゲートを設定し、当該超音波診断装置は、前記第1断面又はそれとは別の第2断面を前記計測面とし、超音波の送受波により得られた前記計測面における断層画像上に、グラフ生成用の関心領域を設定する関心領域設定手段を更に含み、前記解析手段は、前記フレーム列における前記関心領域の解析により前記グラフを生成する。
上記構成において、サンプルゲートと関心領域は、同一断面又は異なる断面に設定される。サンプルゲートと関心領域を同一断面上に設定することにより、複数断面の断層画像を生成せずに済むので、フレームレートの点で有利である。サンプルゲートと関心領域を異なる断面上に設定することにより、それぞれ異なる断面から得られたドプラ波形とグラフとを対比して総合的な診断が可能となる。
望ましくは、前記計測面は前記第2断面であり、前記第1断面又は前記第2断面のいずれか一方の断面は、超音波の送受波を行うプローブの操作により設定され、他方の断面は、前記一方の断面を基準にして超音波の電子的な偏向により設定される。
上記構成において、作業者の手技によりプローブが操作されて、第1断面又は第2断面のいずれか一方の断面が設定される。例えば、プローブに対して超音波ビームの走査面(断面)の位置を固定しつつビーム走査を行って断層画像を生成して表示し、サンプルゲート又は関心領域を設定する部位が断層画像上に現れるようにプローブの位置及び姿勢を変える。その位置及び姿勢が確定すると、その断層画像上にサンプルゲート又は関心領域のいずれか一方が設定される。また、その断面画像が得られる走査面を基準として、超音波の電子的な偏向により、別の走査面(断面)が設定され、その走査面における断層画像が取得される。その断層画像上に、サンプルゲート又は関心領域のいずれかの他方が設定される。
望ましくは、前記第2断面は、前記プローブの操作により設定され、前記第1断面は、前記第2断面が設定された後、前記第2断面を基準にして超音波の電子的な偏向により設定される。
上記構成においては、関心領域設定用の第2断面が設定された後に、サンプルゲート設定用の第1断面が設定される。サンプルゲートの設定が工程の後の方に行われるので、プローブの位置ずれ等の影響をできるだけ受けずに、精度の高いドプラ波形を取得することが可能となる。
本発明によると、胎児の心臓の時相をできるだけ正確に特定することが可能となる。
図1には、本発明に係る超音波診断装置の好適な実施形態が示されている。図1は、その全体構成を示すブロック図である。この超音波診断装置は医療分野において用いられ、超音波の送受波により生体内の組織の画像を形成する装置である。
プローブ10は超音波を送受波する送受波器である。プローブ10は、例えば2Dアレイ振動子を有している。2Dアレイ振動子は、複数の振動素子が二次元的に配列されて形成されたものである。この2Dアレイ振動子により超音波ビームが形成され、それが繰り返し電子走査される。これにより、電子走査毎に生体内に走査面12が形成される。走査面12は、二次元エコーデータ取込空間に相当する。また、超音波ビームが二次元的に走査されると、三次元エコーデータ取込空間としての三次元空間14が形成される。電子走査方式としては、電子セクタ走査、電子リニア走査等が知られている。胎児の超音波診断においては、プローブ10が母体の腹部表面上に当接され、その状態において超音波の送受波が行われる。なお、プローブ10は、2Dアレイ振動子の代りに、複数の振動素子が一次元的に配列されて形成された1Dアレイ振動子を有していてもよい。この場合、二次元エコーデータ取込空間が形成される。
送受信部16は、送信ビームフォーマ及び受信ビームフォーマとして機能する。送信時において、送受信部16は、プローブ10に含まれる複数の振動素子に対して一定の遅延関係をもった複数の送信信号を供給する。これにより、超音波の送信ビームが形成される。受信時において、生体内からの反射波がプローブ10により受波され、これによりプローブ10から送受信部16へ複数の受信信号が出力される。送受信部16では、複数の受信信号に対する整相加算処理が適用され、これにより、受信ビームが形成され、そのビームデータが出力される。なお、超音波の送受波において、送信開口合成等の技術が利用されてもよい。また、送受信部16は、パラレル受信処理を実行してもよい。
送受信部16の作用により、超音波ビーム(送信ビーム及び受信ビーム)が電子的に走査され、これにより、走査面が形成される。走査面は複数のビームデータに相当し、それらは受信フレームデータ(RF信号フレームデータ)を構成する。なお、各ビームデータは深さ方向に並ぶ複数のエコーデータにより構成される。超音波ビームの電子走査を繰り返すことにより、送受信部16から時間軸上に並ぶ複数の受信フレームデータが出力される。それらが受信フレーム列を構成する。また、送受信部16の作用により超音波ビームが二次元的に電子走査されると、三次元エコーデータ取込空間が形成され、その三次元エコーデータ取込空間からエコーデータ集合体としてのボリュームデータが取得される。超音波ビームの電子走査を繰り返すことにより、送受信部16から時間軸上に並ぶ複数のボリュームデータが出力される。それらがボリュームデータ列を構成する。
本実施形態においては、エコーデータ(組織の輝度情報)及びドプラデータ(血流の流れを示す情報)の両者を取得するために、エコーデータ取得用の超音波の送受波とドプラデータ取得用の超音波の送受波が行われる。送受信部16は、例えば、ユーザにより指定された特定の方位に対して間欠的にドプラ観測用の超音波ビームを繰り返し形成する。本実施形態では、一例として、超音波パルスドプラ法が適用されることによりドプラ波形が形成される。
信号処理部18は、送受信部16から出力されるビームデータに対して、検波、対数圧縮、座標変換、等の信号処理を適用するモジュールである。信号処理後のビームデータは断層画像生成部20に出力される。また、信号処理後のビームデータはメモリ22に格納されてもよい。もちろん、そのような信号処理が適用されていないビームデータがメモリ22に格納され、ビームデータの読み出し時に、上記の処理が適用されてもよい。
断層画像生成部20は一例としてDSC(デジタルスキャンコンバータ)であり、座標変換機能及び補間処理機能等を備えている。断層画像生成部20は、信号処理部18から出力された受信フレーム列に基づいて組織表示フレーム列を生成する。個々の組織表示フレーム列はBモード断層画像のデータである。組織表示フレーム列は、表示処理部32を介してモニタ等の表示部34に表示される。これにより、リアルタイムでBモード断層画像が動画像として表示される。
メモリ22は、送受波空間としての三次元空間14に対応する記憶空間を有している。メモリ22には、信号処理部18から出力されたビームデータが格納される。超音波ビームが二次元的に走査された場合、三次元空間14から取得されたボリュームデータがメモリ22に記憶される。ボリュームデータは、実際には、複数本のビームデータに対する座標変換及び補間処理により構成されたデータである。もちろん、そのような処理が適用されていないデータがメモリ22に記憶され、データの読み出し時に、上記の処理が適用されてもよい。また、走査面12(二次元エコーデータ取込空間)から取得された受信フレームデータがメモリ22に格納されてもよい。
断層画像生成部20は、メモリ22から受信フレーム列を取得し、その受信フレーム列に基づいて組織表示フレーム列を生成してもよい。別の例として、ボリュームデータがメモリ22に格納されている場合、断層画像生成部20は、ユーザにより指定された任意断面に対応するデータをメモリ22から取得し、そのデータに基づいて二次元のBモード断層画像のデータを生成してもよい。断層画像生成部20は、ユーザにより指定された複数断面におけるBモード断層画像を生成してもよい。
三次元画像生成部24は、メモリ22からボリュームデータを取得し、レンダリング条件に従って、そのボリュームデータに対してレンダリング処理を適用する。これにより、三次元画像が生成される。この三次元画像のデータは表示処理部32に出力される。
解析部26は、組織表示フレーム列(Bモード断層画像列)を解析することにより、心臓等の診断部位の動きを示す運動情報を生成する機能を備えている。解析部26は、例えば、組織表示フレーム(Bモード断層画像)上に設定された関心領域(ROI)の位置を追跡(トラッキング)する。解析部26の処理結果は、関心領域の運動情報を表すものである。その運動情報は、表示処理部32を介して表示部34に表示される。解析部26は、例えば、2つの組織表示フレーム(Bモード断層画像)間においてマッチング処理を適用することにより、関心領域の移動先(移動先の座標)を特定する。具体的には、解析部26は、第1の組織表示フレームに対して関心領域(テンプレート)を設定し、第2の組織表示フレームにおいて当該関心領域(テンプレート)内の画像部分に適合する参照エリア(画像部分)を特定することにより、関心領域の移動先を特定する。例えば、関心領域(テンプレート)内の画像部分との間の類似度(相関値)が最も高いエリア(画像部分)が、最良のマッチング結果が得られるエリアであり、そのエリアが、関心領域に適合する参照エリアとして特定される。もちろん、演算の簡易化等の目的から、必ずしもマッチング結果が最良ではないが、良好なマッチング結果が得られた参照エリアが特定されてもよい。解析部26は、組織表示フレーム列に含まれる各組織表示フレームを対象として、順次、上記のマッチング処理を実行することにより、関心領域の移動先を探索してトラッキングする。このトラッキング処理により、関心領域の運動情報が得られる。一例として、胎児の心臓を表す組織表示フレーム列が生成され、その組織表示フレーム列に基づいて、胎児の心臓の動きを表す運動情報が生成される。別の例として、解析部26は、関心領域内の画素の輝度(例えば総画素の輝度の合計、総画素の輝度の平均等)の時間変化を運動情報として生成してもよい。
超音波パルスドプラ法に従って、特定のドプラビーム方位に対して繰り返し超音波の送受波が行われると、それにより得られた受信信号がゲート回路28に出力される。ゲート回路28は、ドプラビーム方位上に設定されたサンプルゲート(サンプルボリューム)内に相当する部分信号を抽出し、それをドプラ波形生成部30に出力する。ドプラ波形生成部30は、直交検波回路、周波数解析回路(FFTアナライザ)等を有しており、入力された信号からドプラ情報(ドプラシフト周波数成分)を抽出し、そのドプラ情報を周波数軸上に展開する。これにより、周波数解析結果として、周波数(速度)毎のパワーからなる速度スペクトル(血流速度情報)が得られる。ドプラ波形生成部30は、その速度スペクトルに対して角度補正を適用する。これにより、角度補正がなされた血流速度が得られる。すなわち、速度スペクトルの大きさ(振幅)が補正され、あるいはその縦軸スケール(目盛)が補正される。そして、ドプラ波形生成部30は、角度補正がなされた速度スペクトルに基づいてドプラ波形を生成する。周知のように、ドプラ波形の横軸は時間軸であり、その縦軸は血流速度に相当する。また、その波形における各画素の輝度は各速度におけるパワーの大きさに対応付けられている。そのドプラ波形は表示処理部32を介して表示部34に表示される。
表示処理部32は、断層画像、運動情報、三次元画像、ドプラ波形等に対して、必要なグラフィックデータをオーバーレイ処理し、これにより表示画像を生成する。この画像データは表示部34に出力され、表示モードに従った表示態様で1又は複数の画像が並べて表示される。本実施形態では、表示処理部32は、関心領域の運動情報とドプラ波形とを両者の時間軸を揃えつつ並列に並べた状態で表示部34に表示させる。
表示部34は例えば液晶ディスプレイ等の表示デバイスにより構成されている。表示部34は複数の表示デバイスにより構成されてもよい。
なお、表示処理部32は、複数の画像を合成してもよい。例えば、カラー血流画像が取得された場合、表示処理部32は、任意断面の断層画像上に、その任意断面におけるカラー血流画像を合成してもよい。
制御部36は、図1に示す各構成の動作制御を行う機能を備えている。また、制御部36は、関心領域設定部38とサンプルゲート設定部40を含む。
関心領域設定部38は、組織表示フレーム(Bモード断層画像)上に、追跡対象の関心領域(ROI)を設定する機能を備えている。その関心領域の位置、大きさ、形状等は、例えばユーザにより指定される。その指定は、例えば入力部42を用いて行われる。
サンプルゲート設定部40は、ドプラビーム方位、サンプルゲートの位置及びサンプルゲートの幅を設定する機能を備えている。ドプラビーム方位、サンプルゲートの位置及びサンプルゲートの幅は、例えばユーザにより指定される。その指定は、例えば入力部42を用いて行われる。
制御部36には入力部42が接続されている。入力部42は、一例として、トラックボール、キーボード、各種のボタン、各種のツマミ、等の入力デバイスを含む操作パネルにより構成されている。ユーザは入力部42を用いて、走査面の位置、断面の位置、関心領域に関する情報、サンプルゲートに関する情報、等を指定又は入力することができる。
上述した超音波診断装置においてプローブ10以外の構成は、例えばプロセッサや電子回路等のハードウェア資源を利用して実現することができ、その実現において必要に応じてメモリ等のデバイスが利用されてもよい。また、プローブ10以外の構成は、例えばコンピュータによって実現されてもよい。つまり、コンピュータが備えるCPUやメモリやハードディスク等のハードウェア資源と、CPU等の動作を規定するソフトウェア(プログラム)との協働により、プローブ10以外の構成の全部又は一部が実現されてもよい。当該プログラムは、CDやDVD等の記録媒体を経由して、又は、ネットワーク等の通信経路を経由して、図示しない記憶装置に記憶される。別の例として、プローブ10以外の構成は、DSP(Digital Signal Processor)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等により実現されてもよい。
以下、本実施形態に係る超音波診断装置について詳しく説明する。一例として、プローブ10が2Dアレイ振動子を有するものとする。
まず、図2を参照して走査面について説明する。図2には、模式的な胎児44が示されている。本実施形態では、一例として、2つの走査面(走査面46,48)が設定される。走査面46,48は、超音波ビームの送受波により形成された二次元の走査面である。走査面46は、胎児の心臓の運動情報を取得するための走査面であり、走査面48は、サンプルゲートを設定するための走査面である。もちろん、走査面46が、サンプルゲートを設定するための走査面であり、走査面48が、運動情報を取得するための走査面であってもよい。
走査面46は、一例として、偏向角度がゼロ度(0度)の位置に形成された走査面である。θ方向は走査面に直交する方向であり、φ方向はθ方向に直交し走査面に平行な方向である。例えば、ゼロ度の偏向角度θ,φを持つ走査面を形成する指示を与えるスイッチが入力部42に設けられており、そのスイッチがユーザにより押下されると、偏向角度θ,φがゼロ度の位置に走査面46が形成される。走査面46における組織表示フレーム(Bモード断層画像)が生成されて表示部34に表示される。ユーザはそのBモード断層画像を観察しながら、そのBモード断層画像に胎児44の心臓が現れるようにプローブ10の位置及び姿勢を変える。すなわち、走査面46が胎児44の心臓を横切るように、プローブ10の位置及び姿勢が調整される。もちろん、2Dアレイ振動子を備えたプローブ10が用いられている場合、走査面を電子的に偏向させることにより、胎児44の心臓を横切るように走査面を設定してもよい。例えば、走査面を偏向させるためのツマミやトラックボールが入力部42に設けられており、そのツマミやトラックボールがユーザにより操作されると、走査面が偏向される。
走査面48は、走査面46の位置を基準にしてθ方向に電子的に偏向された走査面である。例えば、走査面を偏向させるためのツマミやトラックボールがユーザにより操作され、その操作に応じた位置に走査面48が設定される。走査面48における組織表示フレーム(Bモード断層画像)が生成されて表示部34に表示される。ユーザはそのBモード断層画像を観察しながら、そのBモード断層画像に胎児44の血管(実際の血流方向)が現れるように走査面48の位置を調整する。すなわち、走査面48上に血管が位置するように、走査面48の位置が調整される。
なお、サンプルゲートを設定するための走査面として走査面46が設定され、運動情報を取得するための走査面として走査面48が設定されてもよい。この場合、走査面46上に血管が位置するように、プローブ10の位置及び姿勢がユーザにより調整され、走査面48が胎児44の心臓を横切るように、走査面48の位置が調整される。
図3には、走査面46から取得されたBモード断層画像50(組織表示フレーム)が示されている。走査面46が設定されて超音波ビームの送受波が行われると、Bモード断層画像50が表示部34に表示される。Bモード断層画像50には、胎児の心臓像52が含まれている。胎児の心臓の動きを表す運動情報を得るために、心臓像52に対して関心領域(ROI)が設定される。例えば、ユーザがBモード断層画像50を観察しながら、入力部42を用いることによりBモード断層画像50上に関心領域を設定する。例えば、心臓の短軸長(例えばFS)の時間変化を運動情報として求める場合、心臓像52に表された心臓壁において互いに向かい合う部分に関心領域54,56が設定される。ユーザは、関心領域54,56の位置、形状及び大きさを変更することができる。関心領域54,56は、マッチング処理におけるテンプレートとして用いられ、関心領域54,56の移動先が解析部26によりトラッキングされる。
図4には、別の関心領域が示されている。例えば、心臓像52の輝度の時間変化が運動情報として用いられる場合、心臓像52内に関心領域58が設定される。もちろん、心臓像52の全体を囲むように関心領域が設定されてもよい。関心領域58内の総画素の輝度の合計の時間変化、又は、総画素の輝度の平均の時間変化が、運動情報として演算される。ユーザは、関心領域58の位置、形状及び大きさを変更することができる。
図5には、走査面48から取得されたBモード断層画像60(組織表示フレーム)の一例が示されている。走査面48が設定されて超音波ビームの送受波が行われると、Bモード断層画像60が表示部34に表示される。図5には図示されていないが、Bモード断層画像60には血管像が含まれている。ドプラ情報を得るために、Bモード断層画像60に対してサンプルゲートが設定される。この設定のために、方位ラインマーカ62とゲートマーカ64がBモード断層画像60上に表示される。方位ラインマーカ62は、ドプラビーム方位を表すマーカであり、ゲートマーカ64は、サンプルゲートを表すマーカである。ゲートマーカ64が設定された位置にサンプルゲートが設定され、その位置におけるドプラ情報が取得される。方位ラインマーカ62は、Bモード断層画像60上において矢印Aで示す方位方向に移動可能なマーカである。ゲートマーカ64は、方位ラインマーカ62上において矢印Bで示す深さ方向に移動可能なマーカである。ユーザは、入力部42を用いることにより、方位ラインマーカ62を方位方向に移動させ、ゲートマーカ64を深さ方向に移動させ、深さ方向におけるゲートマーカ64の幅を変えることができる。この操作により、ドプラビーム方位、サンプルゲートの位置及び幅が設定される。例えば、心臓の弁の出口付近等にサンプルゲートが設定される。また、補正角度(血流方向)が設定される。サンプルゲートが設定されると、一定の送受信シーケンスに従って、そのドプラビーム方位に対して超音波ビームの送受波が繰り返し行われる。これにより、そのサンプルゲート内のドプラ情報(例えば血流速度)が観測される。ドプラ波形生成部30では、観測された血流速度と補正角度とから実際の血流速度が演算され、これにより、実際の血流速度を示すドプラ波形が生成される。
なお、上記の例では、2つの走査面(走査面46,48)が設定され、関心領域とサンプルゲートが、それぞれ別々のBモード断層画像上に設定されている。別の例として、関心領域とサンプルゲートは、同一のBモード断層画像上に設定されてもよい。例えば、走査面46から取得されたBモード断層画像上に、関心領域とサンプルゲートが設定されてもよい。プローブ10が2Dアレイ振動子の代りに1Dアレイ振動子を備えている場合、1つの走査面(例えば走査面46)が設定され、その走査面から取得されたBモード断層画像上に、関心領域とサンプルゲートが設定される。もちろん、プローブ10が2Dアレイ振動子を備えている場合であっても、1つのBモード断層画像上に、関心領域とサンプルゲートが設定されてもよい。
以下、図6を参照して、解析部26によるトラッキング処理について詳しく説明する。図6には、走査面46から取得された組織表示フレーム列66が示されている。走査面46に対する超音波ビームの送受波が繰り返されることにより、組織表示フレーム列66が生成される。組織表示フレーム列66は、時間軸上に並ぶ複数の組織表示フレーム(組織表示フレーム66a〜66n)を含む。個々の組織表示フレームはBモード断層画像である。
トラッキング処理は、時系列順に整列した組織表示フレーム列66における各組織表示フレームに対して実行される処理である。リアルタイムに取得される組織表示フレーム列66に対してトラッキング処理が適用されてもよいし、メモリ22に格納されている組織表示フレーム列66に対してトラッキング処理が適用されてもよい。ユーザが任意の時相を指定することにより、トラッキング処理を開始する最初の組織表示フレームである初期フレームを選択できるようにしてもよい。例えば、組織表示フレーム66aが初期フレームとして選択され、その組織表示フレーム66aに含まれる心臓像52に対して、2つの関心領域(関心領域54,56)がトラッキング用のテンプレートとして設定されている。組織表示フレーム66aに対してテンプレートが設定されると、解析部26は、組織表示フレーム66aとその次のフレームである組織表示フレーム66bとを対象としてマッチング処理を実行する。これにより、組織表示フレーム66bにおいて関心領域54内の画像部分に適合する参照エリア(画像部分)が特定され、同様に、組織表示フレーム66bにおいて関心領域56内の画像部分に適合する参照エリア(画像部分)が特定される。その結果、関心領域54,56のそれぞれの移動先が特定される。解析部26は、組織表示フレーム列66に含まれる各組織表示フレームに対してマッチング処理を適用することにより、関心領域54,56のそれぞれの位置を追跡する。つまり、組織表示フレーム66a,66b,・・・,66m,66nのそれぞれにおいて、関心領域54,56のそれぞれの位置が特定される。解析部26は、個々の組織表示フレームにおける関心領域54と関心領域56との間の距離を、心臓の短軸長(FS)として演算する。具体的には、解析部26は、組織表示フレーム66a,66b,・・・,66m,66nのそれぞれにおいて、関心領域54と関心領域56との間の距離を短軸長として演算する。その短軸長の時間変化を示す情報が、胎児の心臓の動きを表す運動情報に相当する。解析部26は、その短軸長の時間変化を表す運動グラフを運動情報として生成する。
図7には、その運動グラフ68が示されている。横軸は時間を示し、縦軸は心臓の短軸長L(関心領域54と関心領域56との間の距離)を示している。運動グラフ68は、短軸長Lの時間変化を示すグラフであり、表示部34に表示される。
以下、図8を参照して、本実施形態に係る超音波診断装置による処理について説明する。図8には、その処理を示すフローチャートが示されている。一例として、プローブ10が2Dアレイ振動子を有しているものとする。
まず、トラッキング用のBモード断層画像が生成されて表示される(S01)。具体的には、超音波ビームの送受波により、ゼロ度の偏向角度θ,φを持つ走査面46が形成され、トラッキング用のBモード断層画像50(組織表示フレーム)が走査面46から取得されて表示部34に表示される(図2,3参照)。
次に、プローブ10の位置決めがなされる(S02)。具体的には、ユーザが、表示部34に表示されているBモード断層画像50を観察しながら、そのBモード断層画像50に胎児の心臓が現れるようにプローブ10の位置及び姿勢を変える。この作業により、胎児の心臓を横切る走査面46が設定される(図2参照)。
次に、サンプルゲート設定用の断面が設定され(S03)、その断面におけるBモード断層画像(サンプルゲート設定用の断層画像)が表示される(S04)。具体的には、ユーザが、入力部42に設けられたツマミやトラックボールを操作することにより、電子的に偏向された走査面48が形成され、サンプルゲート設定用のBモード断層画像60(組織表示フレーム)が走査面48から取得されて表示部34に表示される(図2,5参照)。ユーザはBモード断層画像60を観察しながら、Bモード断層画像60に胎児の血管(実際の血流方向)が現れるように走査面48の位置を調整する。
例えば、走査面46,48に対して交互に超音波ビームの送受波が行われ、走査面46,48から交互にBモード断層画像が取得される。走査面46から取得されたBモード断層画像と走査面48から取得されたBモード断層画像は、表示部34に並べて表示される。
次に、トラッキング用のBモード断層画像50上に関心領域が設定される(S05)。心臓の短軸長の時間変化を運動情報として取得する場合、Bモード断層画像50に含まれる心臓像52に対して関心領域54,56が設定される(図3参照)。例えば、ユーザがBモード断層画像50を観察しながら、入力部42を用いて関心領域54,56の位置、形状及び大きさを指定する。別の例として、心臓像52の輝度の時間変化が運動情報として用いられる場合、心臓像52内に又は心臓像52の全体を囲むように関心領域58が設定される(図4参照)。
次に、サンプルゲート設定用のBモード断層画像60上にサンプルゲートが設定される(S06)。例えば図5に示すように、Bモード断層画像60上に、方位ラインマーカ62とゲートマーカ64が表示される。ユーザは、入力部42を用いることにより、Bモード断層画像60上において、ドプラ波形の観測対象の位置にゲートマーカ64を設定する。これにより、観測対象の部位にサンプルゲートが設定される。例えば、心臓の弁の出口付近等にサンプルゲートが設定される。
関心領域とサンプルゲートが設定されると、計測が実行される(S07)。具体的には、短軸長の時間変化を表す運動グラフが運動情報として生成されるとともに、サンプルゲート内の血流速度を示すドプラ波形が生成される。運動グラフとドプラ波形は、表示部34に並べて表示される(S08)。別の例として、心臓像52に対して設定された関心領域58内の輝度の時間変化が演算され、その時間変化を表す運動グラフが運動情報として生成されてもよい。
以下、図9を参照して、計測時における超音波ビームの送受波シーケンスについて詳しく説明する。図9には、そのシーケンスの一例が示されている。図9中の符号Dは、ドプラモードでの超音波ビームの送受波を示している。符号Dで示すタイミングにおいては、ドプラ情報を取得するための超音波ビームの送受波、つまり、ドプラビーム方位への超音波ビームの送受波が行われる。図9中の符号B1は、Bモードでの超音波ビームの送受波を示している。符号B1で示すタイミングにおいては、トラッキング用の走査面46への超音波ビームの送受波が行われる。図9中の符号B2は、Bモードでの超音波ビームの送受波を示している。符号B2で示すタイミングにおいては、サンプルゲート設定用の走査面48への超音波ビームの送受波が行われる。本実施形態に係るシーケンスにおいては、ドプラビーム方位への超音波ビームの送受波(符号D)、走査面46への超音波ビームの送受波(符号B1)、走査面48への超音波ビームの送受波(符号B2)が、その順番で繰り返し実行される。もちろん、この順番は変更されてもよい。例えば、符号B1,B2,Dの順番で送受波が行われてもよい。
ドプラビーム方位への超音波ビームの送受波(符号D)が繰り返し実行されることにより、ドプラ波形生成部30にてドプラ波形が生成される。
トラッキング用の走査面46に対する超音波ビームの送受波が繰り返し実行されることにより、その走査面46における組織表示フレーム列66が生成される(図6参照)。解析部26は、組織表示フレーム列66に含まれる各組織表示フレームに対してマッチング処理を適用することにより、関心領域54,56のそれぞれの位置を追跡し、個々の組織表示フレームにおける関心領域54と関心領域56との間の距離を、心臓の短軸長(FS)として演算する。その短軸長の時間変化を示す情報が、胎児の心臓の動きを表す運動情報に相当し、その時間変化を表す運動グラフが生成される(図7参照)。
サンプルゲート設定用の走査面48に対する超音波ビームの送受波が繰り返し実行されることにより、その走査面48における組織表示フレーム列が生成される。
運動グラフの生成、ドプラ波形の生成、走査面46からのBモード断層画像の取得、及び、走査面48からのBモード断層画像の取得は、リアルタイムで実行され、それらは表示部34に並べて表示される。リアルタイム処理により、ドプラ波形の取得とBモード断層画像の取得がほぼ同時に実行され、ドプラ波形と運動グラフがほぼ同時に生成される。これにより、両者の時間軸がほぼ一致するドプラ波形と運動グラフが生成される。
なお、図8に示す例では、トラッキング用の走査面46が先に設定され、その後に、サンプルゲート設定用の走査面48が設定されているが、その順番は逆であってもよい。つまり、サンプルゲート設定用の走査面48が先に設定され、トラッキング用の走査面46が後に設定されてもよい。別の例として、トラッキング用のBモード断層画像50上に関心領域54,56が設定された後に、サンプルゲート設定用の走査面48が設定されて、サンプルゲート設定用のBモード断層画像60上にサンプルゲートが設定されてもよい。もちろん、その順番は逆であってもよい。
上記の処理は、リアルタイムで実行されずに事後的に実行されてもよい。事後処理においては、まず、サンプルゲート設定用の走査面48が設定され、その走査面48から取得されたBモード断層画像60が表示部34に表示される。そのBモード断層画像60上においてサンプルゲートが設定される。次に、送受信部16の作用により、ドプラビーム方位への超音波ビームの送受波と、胎児の心臓を含む三次元領域への超音波ビームの送受波と、が繰り返し実行される。これにより、ドプラ波形が生成されるとともに、時間軸上に並ぶ複数のボリュームデータが生成される。複数のボリュームデータはボリュームデータ列を構成し、メモリ22に格納される。ドプラ波形の取得とボリュームデータ列の取得はほぼ同時に実行される。ユーザによりトラッキング用の断面が指定されると、断層画像生成部20は、その断面におけるデータをメモリ22から取得し、そのデータに基づいてトラッキング用の表示組織フレーム(Bモード断層画像)を生成する。そのBモード断層画像は表示部34に表示され、そのBモード断層画像上に関心領域54,56が設定される。断層画像生成部20は、ボリュームデータ列に基づいて、トラッキング用断面における表示組織フレーム列(Bモード断層画像列)を生成する。解析部26は、その表示組織フレーム列にトラッキング処理を適用することにより、関心領域54,56の移動先を追跡し、心臓の短軸長の時間変化を示す運動グラフを生成する。ドプラ波形の取得とボリュームデータ列の取得がほぼ同時に実行されているので、両者の時間軸がほぼ一致するドプラ波形と運動グラフが生成される。
以下、図10を参照して、表示部34に表示される画像等について説明する。図10には、その画像等が示されている。表示部34の画面70には、Bモード断層画像72,74、運動グラフ76及びドプラ波形78が表示される。Bモード断層画像72は、トラッキング用の走査面46から取得された画像であり、Bモード断層画像74は、サンプルゲート設定用の走査面48から取得された画像である。運動グラフ76は、例えば、心臓の短軸長の時間変化を示すグラフである。ドプラ波形78は、ドプラ波形生成部30により生成された波形である。
表示処理部32は、運動グラフ76とドプラ波形78とを両者の時間軸を揃えつつ並べた状態で表示部34に表示させる。図10に示す例では、運動グラフ76とドプラ波形78は、上下方向に並べられた状態で表示されている。左右方向が時間軸に相当する。運動グラフ76とドプラ波形78には、バー状のカーソル80が重畳して表示されている。カーソル80は時間軸上の時相を示しており、左右方向に移動可能な像である。例えば、カーソル80は、時間軸に沿って左側から右側へ自動的に移動する。また、ユーザが入力部42を用いることにより、カーソル80の位置を指定してもよい。カーソル80が示す時相において取得されたBモード断層画像72,74が表示される。カーソル80を時間軸に沿って自動的に移動させることにより、各時相において取得されたBモード断層画像72,74が動画像として表示される。
Bモード断層画像72には、右上隅にマーカ82が設けられており、Bモード断層画像74には、右上隅にマーカ84が設けられている。マーカ82は、Bモード断層画像72が取得された走査面46を識別するためのマーカであり、マーカ84は、Bモード断層画像74が取得された走査面48を識別するためのマーカである。画面70には、3Dマーカ86が表示されている。3Dマーカ86は三次元の画像であり、例えば、プローブマーカ、胎児像及び2つの断面マーカを含む。プローブマーカは、プローブ10を模式的に示す画像である。胎児像は、実際に撮影された胎児の三次元画像であってもよいし、三次元のモデル画像であってもよい。一方の断面マーカは、Bモード断層画像72が取得された走査面46を模式的に表す画像であり、他方の断面マーカは、Bモード断層画像74が取得された走査面48を模式的に表す画像である。一方の断面マーカはマーカ82に対応するマーカを含み、他方の断面マーカはマーカ84に対応するマーカを含む。3Dマーカ86に、走査面46,48に対応する断面マーカが含まれ、各断面マーカに、マーカ82,84に対応するマーカが含まれている。それ故、三次元空間における走査面46,48の位置及び方向を容易に把握することが可能となる。
上述した実施形態によると、心臓の動きを表す運動グラフとドプラ波形の両方が時間軸を揃えて表示される。それ故、運動グラフとドプラ波形に基づいて総合的な診断が可能となる。例えば、ドプラ波形単独では時相を正確に判読できない場合であっても、運動グラフに基づいて心臓の収縮末期や拡張末期等の時相を特定し、それとの関係でドプラ波形中の異常部分の時相を指定することが可能となる。例えば、短軸長(FS)を示す運動グラフにおいて、短軸長が最大となる時相が拡張末期に相当し、短軸長が最小となる時相が収縮末期に相当する。それ故、ドプラ波形単独からでは拡張末期や収縮末期を特定することが困難な場合であっても、短軸長を示す運動グラフを参照することにより、それらを特定することが可能となる。
なお、ドプラ波形78上に運動グラフ76が重畳して表示されてもよい。これにより、運動グラフ76から判読可能な時相と、その時相に対応するドプラ波形78上の部分と、の対応関係をより簡便に把握することが可能となる。
トラッキング用の走査面46を設定した後に、サンプルゲート設定用の走査面48を設定することにより、サンプルゲートの設定が工程の後の方に行われる。これにより、プローブ10の位置ずれ等の影響をできるだけ受けずに、精度の高いドプラ波形を取得することが可能となる。
なお、カラー血流画像が取得されてもよい。この場合、サンプルゲート設定用のBモード断層画像74上にカラー血流画像が重畳して表示される。サンプルゲート設定用の走査面48への超音波ビームの送受波が行われなくてもよい。つまり、図9中の符号B2で示す送受波が行われなくてもよい。この場合、符号D,B1で示す送受波が繰り返し行われ、トラッキング用のBモード断層画像72、運動グラフ76及びドプラ波形78が表示部34に表示され、サンプルゲート設定用のBモード断層画像74は表示されない。
上述した実施形態では、2Dアレイ振動子を備えたプローブ10が用いられているが、1Dアレイ振動子を備えたプローブ10が用いられてもよい。この場合、1つのBモード断層画像上に、関心領域とサンプルゲートが設定される。例えば、走査面46が設定され、その走査面46から取得されたBモード断層画像上に関心領域とサンプルゲートが設定される。関心領域とサンプルゲートを同一のBモード断層画像上に設定することにより、複数の走査面に対して超音波ビームを送受波せずに済むので、フレームレートの点で有利である。一方、関心領域とサンプルゲートをそれぞれ異なるBモード断層画像上に設定することにより、それぞれ異なる走査面から得られた運動グラフとドプラ波形とを対比して総合的な診断が可能となる。
20 断層画像生成部、26 解析部、30 ドプラ波形生成部、38 関心領域設定部、40 サンプルゲート設定部。
Claims (4)
- 胎児の心臓を含む三次元空間内にドプラ情報観測用のサンプルゲートを設定するサンプルゲート設定手段と、
超音波の送受波により前記サンプルゲートから取得されるドプラ情報を周波数解析してドプラ波形を生成するドプラ波形生成手段と、
前記三次元空間内に設定され前記胎児の心臓を横切る計測面からのエコー情報に基づいてフレーム列を生成するフレーム列生成手段と、
前記フレーム列の解析により前記胎児の心臓の動きを表すグラフを生成する解析手段と、
前記ドプラ波形と前記グラフを両方の時間軸を揃えつつ並列表示する表示処理手段と、
を含むことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1に記載の超音波診断装置において、
前記サンプルゲート設定手段は、超音波の送受波により得られた第1断面における断層画像上に前記サンプルゲートを設定し、
当該超音波診断装置は、
前記第1断面又はそれとは別の第2断面を前記計測面とし、超音波の送受波により得られた前記計測面における断層画像上に、グラフ生成用の関心領域を設定する関心領域設定手段を更に含み、
前記解析手段は、前記フレーム列における前記関心領域の解析により前記グラフを生成する、
ことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項2に記載の超音波診断装置において、
前記計測面は前記第2断面であり、
前記第1断面又は前記第2断面のいずれか一方の断面は、超音波の送受波を行うプローブの操作により設定され、他方の断面は、前記一方の断面を基準にして超音波の電子的な偏向により設定される、
ことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項3に記載の超音波診断装置において、
前記第2断面は、前記プローブの操作により設定され、
前記第1断面は、前記第2断面が設定された後、前記第2断面を基準にして超音波の電子的な偏向により設定される、
ことを特徴とする超音波診断装置。
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