JP2017119316A - 研磨パッド - Google Patents

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Abstract

【課題】光透過領域を有する研磨パッドの製造にかかるコストを抑制することができる、光透過領域部材、研磨領域部材、研磨パッド製造用キット、及び研磨パッドを提供すること。【解決手段】光透過領域と研磨領域とを有する研磨層を含む研磨パッドを製造するための光透過領域部材であって、研磨領域の一部であるサブ研磨領域と光透過領域とを有する光透過領域部材、及び研磨領域の一部であるメイン研磨領域と光透過領域部材を設けるための開口部とを有する研磨領域部材を含む研磨パッド製造用キット、並びに研磨パッド。【選択図】図4

Description

本発明はレンズ、反射ミラー等の光学材料やシリコンウエハ、ハードディスク用のガラス基板、アルミ基板、及び一般的な金属研磨加工等の高度の表面平坦性を要求される材料の平坦化加工に用いられる研磨パッド、及びそれを用いた半導体デバイスの製造方法に関する。
半導体装置を製造する際には、ウエハ表面に導電性膜を形成し、フォトリソグラフィー、エッチング等をすることにより配線層を形成する工程や、配線層の上に層間絶縁膜を形成する工程等が行われ、これらの工程によってウエハ表面に金属等の導電体や絶縁体からなる凹凸が生じる。近年、半導体集積回路の高密度化を目的として配線の微細化や多層配線化が進んでいるが、これに伴い、ウエハ表面の凹凸を平坦化する技術が重要となってきた。
ウエハ表面の凹凸を平坦化する方法としては、一般的にケミカルメカニカルポリシング(以下、CMPという)が採用されている。CMPは、ウエハの被研磨面を研磨パッドの研磨面に押し付けた状態で、砥粒が分散されたスラリー状の研磨剤(以下、スラリーという)を用いて研磨する技術である。CMPで一般的に使用する研磨装置は、例えば、図1に示すように、研磨パッド1を支持する研磨定盤2と、被研磨材(半導体ウエハ)4を支持する支持台(ポリシングヘッド)5とウエハの均一加圧を行うためのバッキング材と、スラリーの供給機構を備えている。研磨パッド1は、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤2に装着される。研磨定盤2と支持台5とは、それぞれに支持された研磨パッド1と被研磨材4が対向するように配置され、それぞれに回転軸6、7を備えている。また、支持台5側には、被研磨材4を研磨パッド1に押し付けるための加圧機構が設けてある。
このようなCMPを行う上で、ウエハ表面の平坦度の判定の問題がある。すなわち、希望の表面特性や平面状態に到達した時点を検知する必要がある。従来、酸化膜の膜厚や研磨速度等に関しては、テストウエハを定期的に処理し、結果を確認してから製品となるウエハを研磨処理することが行われてきた。
しかし、この方法では、テストウエハを処理する時間とコストが無駄になり、また、あらかじめ加工が全く施されていないテストウエハと製品ウエハでは、CMP特有のローディング効果により、研磨結果が異なり、製品ウエハを実際に加工してみないと、加工結果の正確な予想が困難である。
そのため、最近では上記の問題点を解消するために、CMPプロセス時に、その場で、希望の表面特性や厚さが得られた時点を検出できる方法が望まれている。このような検知については、様々な方法が用いられているが、測定精度や非接触測定における空間分解能の点から、回転定盤内にレーザー光による膜厚モニタ機構を組み込んだ光学的検知方法(特許文献1、特許文献2)が主流となりつつある。当該光学的検知手段とは、具体的には光ビームを窓(光透過領域)を通して研磨パッド越しにウエハに照射して、その反射によって発生する干渉信号をモニタすることによって研磨の終点を検知する方法である。
しかし、従来の研磨パッドで研磨を繰り返すと、スラリーが研磨領域と光透過領域との境界(継ぎ目)から漏れ出ることがある。スラリーが研磨領域と光透過領域との境界から漏れ出ると、光透過領域の研磨面の反対側(光ビームの照射側)の面にスラリーが付着して光ビームが遮られ、終点の検出ができなくなる。
前記のような課題に対し、スラリーが研磨領域と光透過領域との境界(継ぎ目)から漏れ出ないための提案(例えば、特許文献3〜5)がなされている。
特開平9−7985号公報 特開平9−36072号公報 特開2001−291686号公報 特開2004−261887号公報 特開2010−036305号公報
スラリー漏れ対策がなされた光透過領域を有する研磨パッドは複雑な構成を有し、製造工程が多くなるため、人手で製造するとコストが負担になる。また、機械設備によって自動で製造しようとすると研磨パッド全体を加工する大型の設備が必要になり、コストが負担になる。
本発明は、光透過領域を有する研磨パッドの製造にかかるコストを抑制することができる、光透過領域部材、研磨領域部材、研磨パッド製造用キット、及び研磨パッドを提供することを目的とする。
本発明は、光透過領域と研磨領域とを有する研磨層を含む研磨パッドを製造するための光透過領域部材であって、前記光透過領域部材は、前記研磨領域の一部であるサブ研磨領域と前記光透過領域とを有する、光透過領域部材である。
本発明は、光透過領域と研磨領域とを有する研磨層を含む研磨パッドを製造するための研磨領域部材であって、前記研磨領域部材は、前記研磨領域の一部であるメイン研磨領域と、請求項1に記載の光透過領域部材を設けるための開口部とを有する、研磨領域部材である。
本発明は、前記光透過領域部材と、前記研磨領域部材とを有する研磨パッド製造用キットである。
本発明は、光透過領域と研磨領域とを有する研磨層を含む研磨パッドであって、前記研磨領域部材の開口部内に前記光透過領域部材を有する、研磨パッドである。
前記光透過領域部材は研磨パッド全体よりも小さいため、本発明によれば、複雑な構成を有する光透過領域部分を自動的に作る設備を低コストで製造することができる。また、製造において、光透過領域部分に不良があった場合、光透過領域部材のみの廃棄で済むため、歩留まり向上も見込むことができる。従って、本発明によれば、光透過領域を有する研磨パッドの製造にかかるコストを抑制することができる、光透過領域部材、研磨領域部材、研磨パッド製造用キット、及び研磨パッドを提供することができる。
CMP研磨で使用する研磨装置の一例を示す概略構成図 本発明の光透過領域部材の実施形態の一例を示す概略構成図 本発明の研磨領域部材の実施形態の一例を示す概略構成図 本発明の研磨パッドの実施形態の一例を示す概略構成図 本発明の研磨パッドの実施形態の断面の一例を示す概略構成図 本発明の研磨パッドの実施形態の一例を示す概略構成図
<光透過領域部材>
本実施形態の光透過領域部材を図面を参照しつつ説明する。図2は、本実施形態の光透過領域部材10を示す概略構成図である。本実施形態の光透過領域部材10は、光透過領域11と研磨領域とを有する研磨層を含む研磨パッド30を製造するための光透過領域部材であって、前記研磨領域の一部であるサブ研磨領域12と前記光透過領域11とを有する。図2に示すように、光透過領域11はサブ研磨領域12を貫く開口部13内に設けられている。前記サブ研磨領域12は、後述のように、光透過領域部材10と研磨領域部材20とを組み合わせることによって研磨パッド30の研磨領域の一部となる。
〔光透過領域〕
前記光透過領域11の形成材料は特に制限されないが、研磨を行っている状態で高精度の光学終点検知を可能とし、波長400〜800nmの全範囲で光透過率が5%以上である材料を用いることが好ましく、より好ましくは光透過率が10%以上の材料である。そのような材料としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、及びアクリル樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ハロゲン系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、ポリスチレン、及びオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)などの熱可塑性樹脂、ブタジエンゴムやイソプレンゴムなどのゴム、紫外線や電子線などの光により硬化する光硬化性樹脂、及び感光性樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記光透過領域11の形成材料は、サブ研磨領域12の形成材料と同じもの、又はサブ研磨領域12の物性に類似する材料を用いることが好ましい。特に、ポリウレタン樹脂を用いることが好ましい。
前記ポリウレタン樹脂は、イソシアネート成分、ポリオール成分(高分子量ポリオール、低分子量ポリオールなど)、及び鎖延長剤からなるものである。
前記イソシアネート成分としては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記高分子量ポリオールとしては、ポリテトラメチレンエーテルグリコールに代表されるポリエ−テルポリオール、ポリブチレンアジペートに代表されるポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカプロラクトンのようなポリエステルグリコールとアルキレンカーボネートとの反応物などで例示されるポリエステルポリカーボネートポリオール、エチレンカーボネートを多価アルコールと反応させ、次いで得られた反応混合物を有機ジカルボン酸と反応させたポリエステルポリカーボネートポリオール、及びポリヒドキシル化合物とアリールカーボネートとのエステル交換反応により得られるポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、ポリオールとして上述した高分子量ポリオールの他に、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等の低分子量ポリオールを併用してもよい。
前記鎖延長剤としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等の低分子量ポリオール類、あるいは2,4−トルエンジアミン、2,6−トルエンジアミン、3,5−ジエチル−2,4−トルエンジアミン、4,4’−ジ−sec−ブチルージアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’,3,3’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−メチレン−ビス−メチルアンスラニレート、4,4’−メチレン−ビス−アンスラニリックアシッド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレン−ビス(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジエチルジフェニルメタン、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、トリメチレングリコールージ−p−アミノベンゾエート、3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン等に例示されるポリアミン類を挙げることができる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。ただし、ポリアミン類については自身が着色していたり、これらを用いてなる樹脂が着色する場合も多いため、物性や光透過性を損なわない程度に配合することが好ましい。また、芳香族炭化水素基を有する化合物を用いると短波長側での光透過率が低下する傾向にあるため、このような化合物を用いないことが特に好ましい。また、ハロゲン基やチオ基などの電子供与性基又は電子吸引性基が芳香環等に結合している化合物は、光透過率が低下する傾向にあるため、このような化合物を用いないことが特に好ましい。ただし、短波長側要求される光透過性を損なわない程度に配合してもよい。
前記ポリウレタン樹脂における前記イソシアネート成分、前記ポリオール成分、及び前記鎖延長剤の比は、各々の分子量やこれらから製造される光透過領域の所望物性などにより適宜変更できる。ポリオールと鎖延長剤の合計官能基(水酸基+アミノ基)数に対する有機イソシアネートのイソシアネート基数は、0.95〜1.15であることが好ましく、さらに好ましくは0.99〜1.10である。前記ポリウレタン樹脂は、溶融法、溶液法など公知のウレタン化技術を応用して製造することができるが、コスト、作業環境などを考慮した場合、溶融法で製造することが好ましい。
前記ポリウレタン樹脂の重合手順としては、プレポリマー法、ワンショット法のどちらでも可能であるが、研磨時のポリウレタン樹脂の安定性及び透明性の観点から、事前に有機イソシアネートとポリオールからイソシアネート末端プレポリマーを合成しておき、これに鎖延長剤を反応させるプレポリマー法が好ましい。また、前記プレポリマーのNCO重量%は2〜8重量%程度であることが好ましく、さらに好ましくは3〜7重量%程度である。NCO重量%が2重量%未満の場合には、反応硬化に時間がかかりすぎて生産性が低下する傾向にあり、一方NCO重量%が8重量%を超える場合には、反応速度が速くなり過ぎて空気の巻き込み等が発生し、ポリウレタン樹脂の透明性や光透過率等の物理特性が悪くなる傾向にある。なお、光透過領域に気泡がある場合には、光の散乱により反射光の減衰が大きくなり研磨終点検出精度や膜厚測定精度が低下する傾向にある。したがって、このような気泡を除去して光透過領域を無発泡体にするために、前記材料を混合する前に10Torr以下に減圧することにより材料中に含まれる気体を十分に除去することが好ましい。また、混合後の撹拌工程においては気泡が混入しないように、通常用いられる撹拌翼式ミキサーの場合には、回転数100rpm以下で撹拌することが好ましい。また、撹拌工程においても減圧下で行うことが好ましい。さらに、自転公転式混合機は、高回転でも気泡が混入しにくいため、該混合機を用いて撹拌、脱泡を行うことも好ましい方法である。
なお、必要に応じてポリウレタン樹脂に酸化防止剤等の安定剤、界面活性剤、帯電防止剤、研磨砥粒、その他の添加剤を添加してもよい。また、ポリウレタン樹脂の製造において、第3級アミン系、有機スズ系等の公知のポリウレタン反応を促進する触媒を使用してもかまわない。触媒の種類、添加量は、撹拌工程後、所定形状の型に流し込む流動時間等を考慮して選択する。
前記光透過領域11の作製方法は特に制限されず、公知の方法により作製できる。例えば、前記方法により製造したポリウレタン樹脂のブロックをバンドソー方式やカンナ方式のスライサーを用いて所定厚みにする方法や所定厚みのキャビティーを持った金型に樹脂を流し込み硬化させる方法や、コーティング技術やシート成形技術を用いた方法などが用いられる。
前記光透過領域11のアスカーD硬度は、30〜60度であることが好ましく、より好ましくは30〜50度である。該硬度の光透過領域を用いることにより、前記光透過領域11の変形を抑制できる。
前記光透過領域11の大きさは特に制限されるものではないが、前記開口部13と同様の大きさにすることが好ましい。前記光透過領域11の平面形状は、前記開口部13と同様の形状にすることが好ましい。前記光透過領域11の断面形状は、前記開口部13と同様の形状にすることが好ましい。
前記光透過領域11の厚さは特に制限されるものではないが、研磨領域の厚みと同一厚さ、またはそれ以下にすることが好ましい。前記光透過領域11が前記研磨領域より厚い場合には、研磨中に突き出た部分により被研磨材を傷つける恐れがある。また、研磨の際にかかる応力により前記光透過領域11が変形し、光学的に大きく歪むため研磨の光学終点検知精度が低下する恐れがある。一方、薄すぎる場合には耐久性が不十分になったり、前記光透過領域11の上面に大きな凹部が生じて多量のスラリーが溜まり、光学終点検知精度が低下する恐れがある。
〔サブ研磨領域〕
前記サブ研磨領域12の形成材料としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ハロゲン系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、ポリスチレン、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、エポキシ樹脂、及び感光性樹脂などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なお、前記サブ研磨領域12の形成材料は、前記光透過領域11と同組成でも異なる組成であってもよいが、前記光透過領域11に用いられる形成材料と同種の材料を用いることが好ましい。
ポリウレタン樹脂は耐摩耗性に優れ、原料組成を種々変えることにより所望の物性を有するポリマーを容易に得ることができるため、研磨領域の形成材料として特に好ましい材料である。
前記サブ研磨領域12の形成材料であるポリウレタン樹脂の原料として用いることができるイソシアネート成分は特に制限されず、例えば、前記光透過領域11の形成材料であるポリウレタン樹脂の原料として用いることができるイソシアネート成分が挙げられる。
前記サブ研磨領域12の形成材料であるポリウレタン樹脂の原料として用いることができるポリオール成分は特に制限されず、例えば、前記光透過領域11の形成材料であるポリウレタン樹脂の原料として用いることができる高分子量ポリオールが挙げられる。なお、前記サブ研磨領域12の形成材料であるポリウレタン樹脂の原料として用いることができる高分子量ポリオールの数平均分子量は、特に限定されるものではないが、得られるポリウレタンの弾性特性等の観点から500〜2000であることが好ましい。数平均分子量が500未満であると、これを用いたポリウレタンは十分な弾性特性を有さず、脆いポリマーとなる。そのためこのポリウレタンから製造される研磨領域は硬くなりすぎ、ウエハ表面のスクラッチの原因となる。また、摩耗しやすくなるため、パッド寿命の観点からも好ましくない。一方、数平均分子量が2000を超えると、これを用いたポリウレタンは軟らかくなりすぎるため、このポリウレタンから製造される研磨領域は平坦化特性に劣る傾向にある。
また、当該ポリオール成分としては、高分子量ポリオールの他に、前記低分子量ポリオールを併用することもできる。
前記サブ研磨領域12の形成材料であるポリウレタン樹脂の原料として用いることができる鎖延長剤としては、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(MOCA)、2,6−ジクロロ−p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(2,3−ジクロロアニリン)、3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン、トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゾエート、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、N,N’−ジ−sec−ブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジイソプロピル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトライソプロピルジフェニルメタン、m−キシリレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、及びp−キシリレンジアミン等に例示されるポリアミン類、あるいは、上述した低分子量ポリオール成分を挙げることができる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。
前記サブ研磨領域12の形成材料であるポリウレタン樹脂の原料におけるイソシアネート成分、ポリオール成分、及び鎖延長剤の比は、各々の分子量やこれらから製造される研磨領域の所望物性などにより種々変え得る。研磨特性に優れる研磨領域を得るためには、ポリオール成分と鎖延長剤の合計官能基(水酸基+アミノ基)数に対するイソシアネート成分のイソシアネート基数は0.95〜1.15であることが好ましく、さらに好ましくは0.99〜1.10である。
前記サブ研磨領域12の形成材料であるポリウレタン樹脂は、前記方法と同様の方法により製造することができる。なお、必要に応じてポリウレタン樹脂に酸化防止剤等の安定剤、界面活性剤、滑剤、顔料、中実ビーズや水溶性粒子やエマルション粒子等の充填剤、帯電防止剤、研磨砥粒、その他の添加剤を添加してもよい。
サブ研磨領域12は、微細発泡体であることが好ましい。微細発泡体にすることにより表面の微細孔にスラリーを保持することができ、研磨速度を大きくすることができる。
前記サブ研磨領域12の形成材料であるポリウレタン樹脂を微細発泡させる方法は特に制限されないが、例えば中空ビーズを添加する方法、機械的発泡法、及び化学的発泡法等により発泡させる方法などが挙げられる。なお、各方法を併用してもよいが、特にポリアルキルシロキサンとポリエーテルとの共重合体であるシリコーン系界面活性剤を使用した機械的発泡法が好ましい。該シリコーン系界面活性剤としては、SH−192、L−5340(東レダウコーニングシリコン製)等が好適な化合物として例示される。
微細気泡タイプのポリウレタン発泡体を製造する方法の例について以下に説明する。かかるポリウレタン発泡体の製造方法は、以下の工程を有する。
1)イソシアネート末端プレポリマーの気泡分散液を作製する発泡工程
イソシアネート末端プレポリマー(第1成分)にシリコーン系界面活性剤を添加し、非反応性気体の存在下で撹拌し、非反応性気体を微細気泡として分散させて気泡分散液とする。前記プレポリマーが常温で固体の場合には適宜の温度に予熱し、溶融して使用する。
2)硬化剤(鎖延長剤)混合工程
上記の気泡分散液に鎖延長剤(第2成分)を添加、混合、撹拌して発泡反応液とする。
3)注型工程
上記の発泡反応液を金型に流し込む。
4)硬化工程
金型に流し込まれた発泡反応液を加熱し、反応硬化させる。
微細気泡を形成するために使用される非反応性気体としては、可燃性でないものが好ましく、具体的には窒素、酸素、炭酸ガス、ヘリウムやアルゴン等の希ガスやこれらの混合気体が例示され、乾燥して水分を除去した空気の使用がコスト的にも最も好ましい。
非反応性気体を微細気泡状にしてシリコーン系界面活性剤を含むイソシアネート末端プレポリマーに分散させる撹拌装置としては、公知の撹拌装置を特に限定なく使用可能であり、具体的にはホモジナイザー、ディゾルバー、2軸遊星型ミキサー(プラネタリーミキサー)等が例示される。撹拌装置の撹拌翼の形状も特に限定されないが、ホイッパー型の撹拌翼を使用すると微細気泡が得られるため好ましい。
なお、撹拌工程において気泡分散液を作成する撹拌と、混合工程における鎖延長剤を添加して混合する撹拌は、異なる撹拌装置を使用することも好ましい態様である。特に混合工程における撹拌は気泡を形成する撹拌でなくてもよく、大きな気泡を巻き込まない撹拌装置の使用が好ましい。このような撹拌装置としては、遊星型ミキサーが好適である。撹拌工程と混合工程の撹拌装置を同一の撹拌装置を使用しても支障はなく、必要に応じて撹拌翼の回転速度を調整する等の撹拌条件の調整を行って使用することも好適である。
ポリウレタン発泡体の製造方法においては、発泡反応液を型に流し込んで流動しなくなるまで反応した発泡体を、加熱、ポストキュアすることは、発泡体の物理的特性を向上させる効果があり、極めて好適である。金型に発泡反応液を流し込んで直ちに加熱オーブン中に入れてポストキュアを行う条件としてもよく、そのような条件下でもすぐに反応成分に熱が伝達されないので、気泡径が大きくなることはない。硬化反応は、常圧で行うと気泡形状が安定するため好ましい。
ポリウレタン発泡体の製造において、第3級アミン系、有機スズ系等の公知のポリウレタン反応を促進する触媒を使用してもかまわない。触媒の種類、添加量は、混合工程後、所定形状の型に流し込む流動時間等を考慮して選択する。
ポリウレタン発泡体の製造は、容器に各成分を計量して投入し、撹拌するバッチ方式であってもよく、また撹拌装置に各成分と非反応性気体を連続して供給して撹拌し、気泡分散液を送り出して成形品を製造する連続生産方式であってもよい。
ポリウレタン発泡体の平均気泡径は、30〜80μmであることが好ましく、より好ましくは30〜60μmである。この範囲から逸脱する場合は、研磨速度が低下したり、研磨後の研磨対象物(ウエハ)のプラナリティ(平坦性)が低下する傾向にある。
ポリウレタン発泡体の比重は、0.5〜1.3であることが好ましい。比重が0.5未満の場合、研磨領域の表面強度が低下し、研磨対象物のプラナリティが低下する傾向にある。また、1.3より大きい場合は、研磨領域表面の気泡数が少なくなり、プラナリティは良好であるが、研磨速度が低下する傾向にある。
ポリウレタン発泡体の硬度は、アスカーD硬度計にて、45〜70度であることが好ましい。アスカーD硬度が45度未満の場合には、研磨対象物のプラナリティが低下し、また、70度より大きい場合は、プラナリティは良好であるが、研磨対象物のユニフォーミティ(均一性)が低下する傾向にある。
前記サブ研磨領域12は、以上のようにして作製されたポリウレタン発泡体を、所定のサイズに裁断して製造される。
前記サブ研磨領域12の厚みは特に限定されるものではないが、通常0.6〜4mm程度であり、1.0〜2.5mmであることが好ましい。前記厚みのサブ研磨領域12を作製する方法としては、前記微細発泡体のブロックをバンドソー方式やカンナ方式のスライサーを用いて所定厚みにする方法、所定厚みのキャビティーを持った金型に樹脂を流し込み硬化させる方法、及びコーティング技術やシート成形技術を用いた方法などが挙げられる。
前記開口部13を形成する手段は特に制限されるものではないが、例えば、切削工具でプレス又は研削する方法、炭酸レーザーなどによるレーザーを利用する方法、前記開口部13の形状を備えた金型に原料を流し込んで硬化させて形成する方法などが挙げられる。なお、前記開口部13の平面形状、断面形状、及び大きさは特に制限されない。
前記開口部13内に光透過領域11を設ける方法は特に制限されず、例えば、(1)前記開口部13内に前記光透過領域11を嵌め込み、前記サブ研磨領域12表面と前記光透過領域11表面とを再剥離性粘着テープで貼り合せる方法、(2)前記開口部13内に光透過領域形成材料を流し込み、硬化させて前記光透過領域11を形成する方法、などが挙げられる。
<研磨領域部材>
本実施形態の研磨領域部材を図面を参照しつつ説明する。図3は、本実施形態の研磨領域部材20を示す概略構成図である。本実施形態の研磨領域部材20は、光透過領域11と研磨領域とを有する研磨層を含む研磨パッド30を製造するための研磨領域部材であって、前記研磨領域の一部であるメイン研磨領域21と、前記光透過領域部材10を設けるための開口部22とを有する。前記メイン研磨領域21は、後述のように、前記光透過領域部材10と研磨領域部材20とを組み合わせることによって研磨パッド30の研磨領域の一部となる。
前記研磨領域部材20の形成材料としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ハロゲン系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、ポリスチレン、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、エポキシ樹脂、及び感光性樹脂などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なお、前記研磨領域部材20の形成材料は、前記サブ研磨領域12と同組成でも異なる組成であってもよいが、スクラッチ抑制の観点から、前記サブ研磨領域12に用いられる形成材料と同種の材料を用いることが好ましい。
前記ポリウレタン樹脂は耐摩耗性に優れ、原料組成を種々変えることにより所望の物性を有するポリマーを容易に得ることができるため、前記研磨領域部材20の形成材料として特に好ましい材料である。
前記メイン研磨領域21の形成材料であるポリウレタン樹脂の原料として用いることができるイソシアネート成分は特に制限されず、例えば、前記光透過領域11の形成材料であるポリウレタン樹脂の原料として用いることができるイソシアネート成分が挙げられる。
前記メイン研磨領域21の形成材料であるポリウレタン樹脂の原料として用いることができるポリオール成分は特に制限されず、例えば、前記サブ研磨領域12の形成材料であるポリウレタン樹脂の原料として用いることができるポリオール成分が挙げられる。
前記メイン研磨領域21の形成材料であるポリウレタン樹脂の原料として用いることができる鎖延長剤は特に制限されず、例えば、前記サブ研磨領域12の形成材料であるポリウレタン樹脂の原料として用いることができる鎖延長剤が挙げられる。
前記メイン研磨領域21の形成材料であるポリウレタン樹脂の原料におけるイソシアネート成分、ポリオール成分、及び鎖延長剤の比は、各々の分子量やこれらから製造される研磨領域の所望物性などにより種々変え得る。例えば、前記ポリウレタン樹脂におけるイソシアネート成分、ポリオール成分、及び鎖延長剤の比は、前記サブ研磨領域12に係るポリウレタン樹脂におけるイソシアネート成分、ポリオール成分、及び鎖延長剤の比と同様である。
前記メイン研磨領域21の形成材料であるポリウレタン樹脂は、前記方法と同様の方法により製造することができる。なお、必要に応じてポリウレタン樹脂に酸化防止剤等の安定剤、界面活性剤、滑剤、顔料、中実ビーズや水溶性粒子やエマルション粒子等の充填剤、帯電防止剤、研磨砥粒、その他の添加剤を添加してもよい。
前記研磨領域部材20は、微細発泡体であることが好ましい。微細発泡体にすることにより表面の微細孔にスラリーを保持することができ、研磨速度を大きくすることができる。ポリウレタン発泡体は、前記方法と同様の方法により製造することができる。
ポリウレタン発泡体の平均気泡径、比重、及び硬度は前記サブ研磨領域12に係るポリウレタン発泡体の平均気泡径、比重、及び硬度と同様である。
前記研磨領域部材20は、以上のようにして作製されたポリウレタン発泡体を、所定のサイズに裁断して製造される。
前記研磨領域部材20の厚みは特に限定されるものではないが、通常0.6〜4mm程度であり、1.0〜2.5mmであることが好ましいく、前記サブ研磨領域12と同じ厚みであることがより好ましい。前記厚みの前記研磨領域部材20を作製する方法としては、前記サブ研磨領域12を作製する方法と同様の方法が挙げられる。
前記開口部22を形成する手段は特に制限されるものではないが、例えば、切削工具でプレス又は研削する方法、炭酸レーザーなどによるレーザーを利用する方法、前記開口部22の形状を備えた金型に原料を流し込んで硬化させて形成する方法などが挙げられる。なお、前記開口部22の大きさは、前記光透過領域10を嵌めこむ観点、及び研磨中のスラリー漏れ抑制の観点から、前記光透過領域10と同じ大きさである。
前記開口部22の平面形状は特に制限されず、例えば、円形、楕円形、正方形、長方形、及び多角形などの形状が挙げられる。
<研磨パッド製造用キット>
本実施形態の研磨パッド製造用キットは、前記光透過領域部材10と、前記研磨領域部材20とを有する。
当該研磨パッド用キットの前記光透過領域部材10と前記研磨領域部材20の開口部22は、スラリー漏れ抑制の観点から同様の形状、大きさが好ましい。
前記光透過領域部材10のサブ研磨領域12と、前記研磨領域部材20のメイン研磨領域21は、異なる素材でできていても良いが、研磨ムラ抑制の観点から、同じ素材でてきているのが好ましい。
<研磨パッド>
本実施形態の研磨パッドを図面を参照しつつ説明する。図4は、本実施形態の研磨パッド30を示す概略構成図であり、図5は、本実施形態の研磨パッド30の断面図を示す概略構成図である。本実施形態の研磨パッド30は、前記研磨領域部材20の開口部22内に前記光透過領域部材10を有する。前記研磨パッド30は、前記光透過領域部材10のサブ研磨領域12と研磨領域部材20のメイン研磨領域21とを研磨領域として有する。当該研磨パッド30は、研磨領域部材20の開口部22に前記光透過領域部材10を嵌めこむことにより製造することができる。
前記光透過領域部材10の前記サブ研磨領域12と、前記研磨領域部材20の前記メイン研磨領域21は、異なる素材でできていても良いが、研磨の安定性及び管理性(例えば、研磨時のカットレートと研磨パッドの寿命の関係の安定性及び管理性)の観点から、同じ素材でできているのが好ましい。
<他の実施形態>
前記では、研磨領域部材に係る開口部の外周が閉じられている光透過領域部材、研磨領域部材、研磨パッド製造用キット、及び研磨パッドに係る実施形態ついて説明した。しかしながら、他の実施形態では、研磨領域部材に係る開口部の外周側が開いた形状であっても良い。
研磨領域部材に係る開口部の外周側が開いた実施形態の研磨パッドを図面を参照しつつ説明する。図6は、本実施形態の研磨パッド60を示す概略構成図である。
本実施形態の研磨パッド60は、光透過領域部材40と研磨領域部材50とを有する。当該光透過領域部材40は、研磨パッド60の研磨領域の一部であるサブ研磨領域42と光透過領域41とを有する。当該研磨領域部材50は、研磨パッド60の研磨領域の一部であるメイン研磨領域51と開口部52とを有する。当該開口部52は研磨領域部材51の外周側が開いており、前記光透過領域部材40は、当該開口部52の形状、及び大きさが同じである。前記光透過領域部材40及び前記研磨領域部材50は、形状を除けば前記光透過領域部材10及び研磨領域部材20とそれぞれ同じであるので説明を省略する。
前記では、前記研磨領域及び光透過領域からなる実施形態の研磨パッドについて説明した。しかしながら、他の実施形態として、本発明の研磨パッドは、研磨領域と他の層(例えば支持層など)との積層体であってもよい。本発明の研磨パッドが支持層を有する場合、前記光透過領域部材及び研磨領域部材がそれぞれ支持層を有するのが好ましい。当該支持層は、研磨領域部材に係る開口部及び光透過領域部材に係る光透過領域と重なるように貫通孔を有する。
支持層は、研磨領域の特性を補うものである。支持層としては、研磨領域より弾性率が低い層(クッション層)を用いてもよく、研磨領域より弾性率が高い層(高弾性層)を用いてもよい。クッション層は、CMPにおいて、トレードオフの関係にあるプラナリティとユニフォーミティの両者を両立させるために必要なものである。プラナリティとは、パターン形成時に発生する微小凹凸のある被研磨材を研磨した時のパターン部の平坦性をいい、ユニフォーミティとは、被研磨材全体の均一性をいう。研磨領域の特性によって、プラナリティを改善し、クッション層の特性によってユニフォーミティを改善する。高弾性層は、CMPにおいて、スクラッチの発生を抑制するために柔らかい研磨層を用いた場合に、研磨パッドの平坦化特性を向上させるために用いられる。また、高弾性層を用いることにより、被研磨材のエッジ部の削り過ぎを抑制することが可能である。
クッション層としては、例えば、ポリエステル不織布、ナイロン不織布、及びアクリル不織布などの繊維不織布;ポリウレタンを含浸したポリエステル不織布のような樹脂含浸不織布;ポリウレタンフォーム及びポリエチレンフォームなどの高分子樹脂発泡体;ブタジエンゴム及びイソプレンゴムなどのゴム性樹脂;感光性樹脂などが挙げられる。
クッション層の厚みは特に制限されないが、300〜1800μmであることが好ましく、より好ましくは700〜1400μmである。
高弾性層としては、例えば、金属シート、樹脂フィルムなどが挙げられる。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム及びポリエチレンナフタレートフィルムなどのポリエステルフィルム;ポリエチレンフィルム及びポリプロピレンフィルムなどのポリオレフィンフィルム;ナイロンフィルム;ポリイミドフィルムなどが挙げられる。
高弾性層の厚みは特に制限されないが、剛性、及び加熱時の寸法安定性等の観点から10〜200μmであることが好ましく、より好ましくは15〜55μmである。
光透過領域部材のサブ研磨領域と前記支持層、及び研磨領域部材と前記支持層は、接着部材によって接着することができる。当該接着部材は特に限定されないが、ホットメルト接着剤や両面テープが例示できる。当該両面テープとしては、基材の両面に接着層を設けた一般的な構成を有するものを用いることができる。基材によりクッション層側へのスラリーの浸透を防止し、支持層と接着剤層との間での剥離を防止することができる。
基材としては、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム及びポリエチレンナフタレートフィルムなどのポリエステルフィルム;ポリエチレンフィルム及びポリプロピレンフィルムなどのポリオレフィンフィルム;ナイロンフィルムなどが挙げられる。これらのうち、水の透過を防ぐ性質に優れるポリエステルフィルムを用いることが好ましい。接着層の組成としては、例えば、ゴム系接着剤やアクリル系接着剤等が挙げられる。
基材の表面には、コロナ処理、プラズマ処理などの易接着処理を施してもよい。
基材の厚みは特に制限されないが、透明性、柔軟性及び剛性等の観点から10〜180μmであることが好ましい。
両面テープを用いる場合、前記接着剤層の厚みは10〜200μmであることが好ましく、より好ましくは30〜100μmである。
本発明の研磨パッドは、プラテンと接着する面に両面テープが設けられていてもよい。該両面テープとしては、上述と同様に基材の両面に接着層を設けた一般的な構成を有するものを用いることができる。基材としては、例えば不織布やフィルム等が挙げられる。研磨パッドの使用後のプラテンからの剥離を考慮すれば、基材にフィルムを用いることが好ましい。また、接着層の組成としては、例えば、ゴム系接着剤やアクリル系接着剤等が挙げられる。金属イオンの含有量を考慮すると、アクリル系接着剤は、金属イオン含有量が少ないため好ましい。
<半導体デバイスの製造方法>
半導体デバイスは、前記研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を経て製造される。半導体ウエハとは、一般にシリコンウエハ上に配線金属及び酸化膜を積層したものである。半導体ウエハの研磨方法、研磨装置は特に制限されず、例えば、図1に示すように研磨パッド(研磨層)1を支持する研磨定盤2と、半導体ウエハ4を支持する支持台(ポリシングヘッド)5とウエハへの均一加圧を行うためのバッキング材と、研磨剤3の供給機構を備えた研磨装置などを用いて行われる。研磨パッド1は、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤2に装着される。研磨定盤2と支持台5とは、それぞれに支持された研磨パッド1と半導体ウエハ4が対向するように配置され、それぞれに回転軸6、7を備えている。また、支持台5側には、半導体ウエハ4を研磨パッド1に押し付けるための加圧機構が設けてある。研磨に際しては、研磨定盤2と支持台5とを回転させつつ半導体ウエハ4を研磨パッド1に押し付け、スラリーを供給しながら研磨を行う。スラリーの流量、研磨荷重、研磨定盤回転数、及びウエハ回転数は特に制限されず、適宜調整して行う。
これにより半導体ウエハ4の表面の突出した部分が除去されて平坦状に研磨される。その後、ダイシング、ボンディング、パッケージング等することにより半導体デバイスが製造される。半導体デバイスは、演算処理装置やメモリー等に用いられる。
本発明の研磨パッドは、レンズ、反射ミラー等の光学材料やシリコンウエハ、ハードディスク用のガラス基板、アルミ基板、及び一般的な金属研磨加工等の高度の表面平坦性を要求される材料の平坦化加工に用いることができる。本発明の光透過領域部材、研磨領域部材、及び研磨パッド製造用キットは、レンズ、反射ミラー等の光学材料やシリコンウエハ、ハードディスク用のガラス基板、アルミ基板、及び一般的な金属研磨加工等の高度の表面平坦性を要求される材料の平坦化加工を行う研磨パッドの製造に用いることができる。
1、30、60:研磨パッド
2:研磨定盤
3:研磨剤(スラリー)
4:被研磨材(半導体ウエハ)
5:支持台(ポリシングヘッド)
6、7:回転軸
10、40:光透過領域部材
11、41:光透過領域
12、42:サブ研磨領域
13、43:開口部
20、50:研磨領域部材
21、51:メイン研磨領域
22、52:開口部

Claims (5)

  1. 光透過領域と研磨領域とを有する研磨層を含む研磨パッドを製造するための光透過領域部材であって、
    前記光透過領域部材は、前記研磨領域の一部であるサブ研磨領域と前記光透過領域とを有する、光透過領域部材。
  2. 光透過領域と研磨領域とを有する研磨層を含む研磨パッドを製造するための研磨領域部材であって、
    前記研磨領域部材は、前記研磨領域の一部であるメイン研磨領域と、請求項1に記載の光透過領域部材を設けるための開口部とを有する、研磨領域部材。
  3. 請求項1に記載の光透過領域部材と、請求項2に記載の研磨領域部材とを有する、研磨パッド製造用キット。
  4. 光透過領域と研磨領域とを有する研磨層を含む研磨パッドであって、
    請求項2に記載の研磨領域部材の開口部内に請求項1に記載の光透過領域部材を有する、研磨パッド。
  5. 請求項4に記載の研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を含む半導体デバイスの製造方法。
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