以下、図面を参照しながら本実施の形態について詳細に説明する。
図1は、実施形態に係る無線通信基地局と無線通信端末が接続する場合の典型図である。図1では、無線通信基地局101と無線通信端末201が接続している。無線通信基地局101は無線通信端末201以外の他の一つまたは複数の無線通信端末と接続していてもよく、あるいは他の一つまたは複数の無線通信基地局と接続していてもよく、有線ネットワークに接続していてもよい。無線通信端末201は無線通信基地局101と接続する他の一つまたは複数の無線通信端末と接続してもよい。ここで、無線通信基地局と無線通信端末、あるいは無線通信基地局間、あるいは無線通信端末間の「接続」とは、互いに存在を認識し、通信に必要な能力の通知を交換している状態のことをいう。接続状態にある無線通信基地局と無線通信端末、あるいは無線通信基地局間、あるいは無線通信端末間では無線通信を行うことができる。無線通信基地局とそれに接続する無線通信端末は、IEEE802.11無線LANシステムではインフラストラクチャBSS(Infrastructure BSS(Basic Service Set))という構成要素に相当する。インフラストラクチャBSSのことを単にBSSということもある。
図2は実施形態に係る無線通信基地局および無線通信端末が内蔵している通信機能部を示す機能ブロック図である。図2に示されるように、無線通信機能部8は、ベースバンド処理部12、周波数変換回路6、および無線アンテナ10を備えている。無線通信機能部8は例えばIEEE802規格で規定された論理リンク制御(Logical Link Control; LLC)層(Layer;レイヤ)を介して通信するデータを生成する。無線通信機能部8をディスプレイなどに表示するユーザインタフェースに接続してもよい。図1の構成では、無線通信基地局が有線ネットワークなどに接続しており、該無線通信基地局の無線通信機能部8が有線ネットワーク上の他の無線通信基地局または無線通信端末とデータ交換ができるようになっていてもよい。
ベースバンド処理部12は、MAC(Media Access Control;メディアアクセス制御)部2およびPHY(PHYsical;物理)部4から構成されている。ベースバンド処理部12は、例えばIEEE802.11無線LAN(802.11a、b、e、g、h、i、j、nなどのIEEE802.11以後の一連の拡張・補完規格も含む。以下同様)システムに準拠している。MAC部2はMAC層に関する規定動作を行う部分であり、PHY部4はPHY層に関する規定動作を行う部分である。MAC部2は、作業領域やフレームバッファなどの提供のためにメモリを持ち、MACヘッダ処理、MACフレームの送信時のアクセス制御、応答フレーム送信などを含む受信フレーム処理、また無線通信端末間の設定に関する管理などを行う。メモリには後述する無線通信端末情報または無線通信基地局情報も蓄えられる。なお、メモリはMAC処理に特化したものとしてMAC部2に内蔵する代わりに、MAC部2に外付けしてもよく、MAC層以外の他の処理にも使うようにしてもよい。PHY部4は、MAC部2に接続しており、PLCP(Physical Layer Convergence Protocol)ヘッダ処理、変復調処理、およびA/D変換処理などを行う。
周波数変換回路6は、PHY部4に接続しており、アンテナ10から電波を放射するために送信信号の周波数を段階的に変換したり、受信した電波をPHY部4で処理できるように受信信号の周波数を段階的に変換する回路である。
例えばLLC層から入力されたデータはMAC部2でMACフレームに変換され、PHY部4でPHYパケットに変換され、周波数変換回路6を経由してアンテナ10から無線信号として送出される。逆にアンテナ10から受信した無線信号は周波数変換回路6、PHY部4、MAC部2を経由して処理され、自端末宛てデータがLLC層などの上位層に出力される。
実施形態に係る無線通信基地局について、特に機能ブロック図を詳細化したものを図3に示す。図3に記載された参照番号は図2と共通である。無線通信基地局ではMAC部2の中にPHY部4に対応する少なくとも二つ以上のアクセス制御部(図3におけるPHY1用アクセス制御部31、PHY2用アクセス制御部32)を有し、PHY部4は少なくとも二つ以上のPHY層に対応する処理部(図3におけるPHY1処理部33、PHY2処理部34)を有し、各々のアクセス制御部は各々のPHY処理部と接続(図3ではPHY1用アクセス制御部31はPHY1処理部33に接続、PHY2用アクセス制御部32はPHY2処理部34に接続)しており、さらに各PHY処理部は各周波数変換回路(図3の第1の周波数変換回路35、第2の周波数変換回路36)と接続、各周波数変換回路はアンテナと接続している。そしてMAC部2内の各アクセス制御部(図3のPHY1用アクセス制御部31、PHY2用アクセス制御部32)は一つのMAC層管理部(IEEE802.11無線LANではMAC subLayer Management Entity (MLME)を行う部分に相当する)30に接続する他、PHY用アクセス制御部間が接続している(図3のPHY1用アクセス制御部31とPHY2用アクセス制御部32間の矢印)。周波数変換回路8とアンテナ10について、異なる周波数の無線信号をアンテナ10から同時に送信または受信処理できる構成であるならば、図3に示したもの以外の構成も可能である。
例えば図3のPHY1用アクセス制御部31、PHY1処理部33、第1の周波数変換回路35を介して送信される無線信号は、2.4GHz帯無線LANのIEEE802.11bあるいはIEEE802.11gあるいは2.4GHz帯で動作するIEEE802.11n対応の信号であり、PHY2用アクセス制御部32、PHY2処理部34、第2の周波数変換回路36を介して送出される無線信号は、5GHz帯無線LANのIEEE802.11aあるいは5GHz帯で動作するIEEE802.11n対応の信号である。
この場合、PHY1用アクセス制御部31はIEEE802.11bあるいはIEEE802.11gあるいは2.4GHz帯IEEE802.11nに即するアクセス制御のパラメータ(CSMA/CAを行うために用いるスロット長やSIFS (Short Inter-Frame Space)長など)や変調符号化方式などの情報を用いて無線信号を送信するための制御を行う。PHY2用アクセス制御部32はIEEE802.11aあるいは5GHz帯IEEE802.11nに即するアクセス制御のパラメータや変調符号化方式の情報を用いて無線信号を送信するための制御を行う。このように同一規格内の異なる拡張方式を同時に使用して通信を行う無線通信基地局であってもよい。また同一規格内の異なる拡張方式、例えば上記例のように2.4GHz帯のIEEE802.11gと5GHz帯のIEEE802.11aではなく、両方とも5GHz帯のIEEE802.11aだが使用する周波数チャネルがチャネル番号36と44のように同一規格、同一拡張方式の中で用いる周波数チャネルが異なる場合であってもよい。
あるいは、例えば図3のPHY1用アクセス制御部31、PHY1処理部33、第1の周波数変換回路35を介して送信される無線信号は5GHz帯の信号であり、PHY2用アクセス制御部32、PHY2処理部34、第2の周波数変換回路36は60GHz帯(57〜62GHzなどのいわゆるミリ波帯)である。このときPHY1用アクセス制御部31は5GHz帯の無線信号の送信に係るパラメータ・情報を用いた制御を行い、PHY2用アクセス制御部32は60GHz帯(例えば57GHz〜66GHzの周波数帯を用いる)の無線信号の送信に係るパラメータ・情報を用いた制御を行う。このように大きく周波数帯の異なる通信方式を同時に使用する無線通信基地局であってもよい。
あるいは、例えば図3のPHY1用アクセス制御部31、PHY1処理部33、第1の周波数変換回路35を介して送信される無線信号はGSM(登録商標)や3GPP(登録商標)など携帯電話(セルラー)向けの信号であり、PHY2用アクセス制御部32、PHY2処理部34、第2の周波数変換回路36を介して送信される無線信号は無線LAN向けの信号である。このときPHY1用アクセス制御部31はGSMや3GPPなど携帯電話(セルラー)向けの無線信号の送信に係るパラメータ・情報を用いた制御を行い、PHY2用アクセス制御部32は無線LAN向けの無線信号の送信に係るパラメータ・情報を用いた制御を行う。通信方式としてはこの他、Wireless Metropolitan Area Network (WMAN)の802.16系(WiMAX系)やWireless Personal Area Network (WPAN)の802.15系(WiMedia系)などでもよい。このように異なる無線通信規格の通信方式を同時に使用する無線通信基地局であってもよい。
(第1の実施形態)
図4は、第1の実施形態に係る無線通信基地局の周波数上の動作例を示す図である。
無線通信基地局(図4ではAP(Access Point)と表示)は複数の周波数チャネルで同時に通信可能である。図4では二つの異なる周波数チャネルの例を示しているが、図5のように三つ以上の異なる周波数チャネルで同時に通信可能であってももちろんよい。
各周波数チャネルは例えば中心周波数(図4でf1、f2と表示)とチャネル帯域(図4でBW1、BW2と表示)の組から定義され、各周波数チャネルを区別するのにチャネル識別子(図4でch.1、ch.2と表示)を用いる。従って、図4ではチャネル識別子ch.1では中心周波数がf1であり、チャネル帯域はBW1である。
一方、各周波数チャネルが大きな周波数帯に属しており、その周波数帯で区別するのであれば、その周波数帯が分かるようになっていればよい。例えば周波数チャネルとしてch.1は5GHz帯、ch.2は60GHz帯というレベルで示すのでもよい。なぜなら、周波数帯内での細かい周波数チャネルレベルでの動作の違いは、通常、基本的には(送信電力などのregulationから来る制約やアクセスパラメータを変更することなどはあるが)無いからである。
2.4GHz帯で802.11bや802.11gや802.11nとして動作する場合、2.4GHz帯内での細かい周波数チャネルによって無線通信端末(無線通信基地局を含む)が対応できる基本機能が異なるわけではない。5GHz帯で802.11aや802.11nとして動作する場合も同様であり、60GHz帯でもそのように期待できる。
ここで、「複数の周波数チャネルで同時に通信可能である」とは、例えばch.1とch.2の二つのチャネルがあるとした場合、ch.1、ch.2という二つのチャネルの各々において無線通信端末が当該無線通信基地局に無線信号を送信すれば、無線通信基地局は図3に示した構成に基づき復調・復号などを経て無線信号をMAC部2に渡し、MAC部2でMACフレームとして適切な受信処理を行うことができる、ということを意味する。
図6を用いて具体的に説明する。図6において、無線通信基地局101に対し、無線通信端末201はch.1で無線信号を送り、無線通信端末202はch.2で無線信号を送っている状況が示されている。仮にこれらの無線信号が同時、または一部時間的に重複して送信されたものであったとしても、無線通信基地局101はそれぞれの無線信号を復調・復号などを経てMAC部2でMACフレームとして適切な受信処理を行うことができる。
例えば、ch.1では無線通信基地局101および無線通信端末201はIEEE802.11gを用い、無線通信端末201は無線通信基地局101がch.1でBSSを構成する際に用いるパラメータを知るために無線通信基地局101にProbe Requestフレームを送信し、それに対し無線通信基地局101はProbe Requestフレームに対してAckフレームで応答した後、BSSで用いるパラメータを通知するProbe Responseフレームを生成し、無線通信端末201に送信する。一方、ch.2では無線通信基地局101および無線通信端末202はIEEE802.11aを用い、無線通信端末202は無線通信基地局101がch.2で構成するBSSに加入し、無線通信基地局101と接続しデータ交換(すなわち通信)を開始するために無線通信基地局101にAuthenticationフレームを送信、それに対し無線通信基地局101はAuthenticationフレームに対してAckフレームで応答した後、無線通信端末202のAuthenticationフレームの内容に対して応答するAuthenticationフレームを送信する。このAuthenticationプロセス上で例えば暗号化方式であるWEP(Wired Equivalent Privacy)を用いるための設定を行うことができる。無線通信端末202と無線通信基地局101との間で一連の認証に係るAuthenticationプロセスが終了すると、無線通信端末202は無線通信基地局101に自端末がどのような能力を持っているか(Capability)を通知し、Infrastructure BSS内での実際のデータ交換が開始できるようにするため、Association Requestフレームを無線通信基地局101に送信する。無線通信基地局101はAssociation Requestフレームに対してAckフレームで応答した後、自端末のCapabilityを入れつつ、Association Requestを受け付けるか否かの応答も入れたAssociation Responseフレームを無線通信端末202に送信する。これらの一連の接続設定用のフレーム交換を経て、無線通信端末202は無線通信基地局101とデータフレームの交換を開始する。
このように無線通信基地局101はch.1とch.2での送受信を各々独立に行うことができる。一方、無線通信端末201は例えばch.1で802.11gを用いた通信を行うことができるとともに、ch.2で802.11aを用いた通信を行うことができる。該無線通信端末201は少なくとも図2の周波数変換回路を一つ持ち、実際に無線信号を送信するときには少なくともch.1あるいはch.2のいずれか一方で送受信ができる。なお、無線通信端末201が無線通信基地局101のように図3の構成を持ち、ch.1とch.2の両方で同時に通信可能であってもよい。
このような状況で無線通信基地局101はch.1を用いてch.2の周波数チャネルの情報を通知する。通知は報知であってもよい。報知とは不特定多数の無線通信端末(周辺の無線通信基地局も含む)に通知することであり、例えばIEEE802.11無線LANではBeaconフレームのような宛先がブロードキャストアドレスになったフレームを用いて行ってもよい。
ここでIEEE802.11無線LANでのMAC層でのフレーム構成を図7を用いて説明する。
図7のFrame ControlフィールドからFrame Bodyフィールドの前までがMACヘッダ部になる。MACヘッダ部には図7に示す以外にも、例えがQoS制御を行なう際に用いられるQoS Controlフィールドなど、フィールドが追加されてもよい。
図7で示されたFrame Controlフィールドは図8となる。各フィールドの上にはビット位置をBX (X=1, 2, ...)と表示してある。
送信されるMACフレームの種別としては、IEEE802.11無線LANシステムではMAC層上位で生成されたデータを送信するデータフレーム(Data frame) (但し、MAC層で空のデータを生成し、送信する場合もある)、MAC層レベルの管理情報を送信する管理フレーム (Management frame)、MAC層でのアクセス制御に関連する制御フレーム(Control frame)がある。
これらの大分類はFrame ControlフィールドのTypeフィールドで示される。例えば上記Beaconフレームは管理フレームであり、Typeフィールドには管理フレームであることを示す{B2, B3}={0, 0}を記載する。データフレームでは{B2, B3}={0, 1}、制御フレームでは{B2, B3}={1, 0}となる。逆にこのTypeフィールドの記載により、データフレーム、管理フレーム、制御フレームと区別される、ということもできる。このようなフレーム種別の大分類に加え、各大分類の中の細かいフレーム種別を示すのがSubtypeフィールドである。例えばBeaconフレームではSubtypeフィールドとして{B4, B5, B6, B7}={0, 0, 0, 1}と記載する。
図7はもっとも汎用的な構成を示しており、フレームによっては省略されるフィールドがある。例えばアドレスフィールドは図7では四つある。無線通信基地局間でデータフレームを送信する場合には全てのアドレスフィールドを用いるが、それ以外のデータフレームでは基本的にAddress 1、Address 2、Address 3の三つ、また管理フレームの場合はAddress 1、Address 2、Address 3の三つ、制御フレームではAddress 1のみやAddress 1、Address 2の二つのみが基本となる(但し、制御フレームの中に制御フレームを内包する場合があり、その場合はこの限りではない)。
そして802.11ではブロードキャストフレームは直接の送信先アドレスを示すAddress 1フィールドのビット値が全て1となる。ブロードキャストフレームは受信先を特定せず全ての無線通信端末に対して送信されるものであるが、この他に複数の無線通信端末宛てに送信するフレームとしてマルチキャストフレームがある。マルチキャストフレームはAddress 1フィールドの最初のオクテットフィールドの最初のビット(これをIndividual/Group bitと指定している)が1(すなわちGroup bit)に設定されているフレームであり、予め特定の値はどの複数の無線通信端末宛てであるかが指定されている。ブロードキャストフレームはマルチキャストフレームの特殊な場合であるということができ、これら複数の無線通信端末宛てのグループアドレスフレームに対して、ある一つの無線通信端末宛てに送信されるフレームをユニキャストフレームという。無線通信端末はAddress 1フィールドのビット値が全て1のブロードキャストフレームを受信すると、またマルチキャストフレームではAddress 1フィールドに示されたマルチキャストアドレスが自端末を含むものであるなら、自端末宛てとして受信処理を行う。フレーム種別によってはBSSを識別するBSSIDの記載されたアドレスフィールド(データフレームであり、無線通信基地局から無線通信端末に送信されたものであればAddress 2フィールド、管理フレームならAddress 3フィールド)で、自無線通信端末が属しているBSSであることを確認した上で受信処理を行う。
Frame Bodyフィールド部には、管理フレームではMAC層で生成された情報を、データフレームではMAC層上位で生成されMAC層に渡されたデータを入れる。制御フレームではFrame BodyフィールドにはMAC層で生成された情報が入る場合や、フィールド自体が存在しない場合がある。
無線通信基地局101がch.1でch.2の周波数チャネルの情報を報知する動作をIEEE802.11のBeaconフレームを用いた例で説明する。Beaconフレームには同期情報も含んだBSSに関する基本情報が入れられるが、図9のように無線通信基地局101がch.1上でBeaconフレームを送信する際にBeaconフレーム内にch.2の周波数チャネルの情報を入れる。ch.2の周波数チャネルの情報とはここではチャネル識別子のch.2とch.2で用いる通信方式であり、図9では通信方式の情報としてch.2で802.11aと802.11nに対応しているという例を示している。通信方式の情報としてはこのように本実施形態では通信規格方式を入れる。前述のように802.11aも802.11nも802.11という通信規格方式の中の拡張規格であるが、そのレベルで区別してもよいし、802.11とGSMといった大きな枠でのみ記載するのでもよい。例えば60GHz帯に対応するとしても通信規格方式として802.15で規定されるもの(802.15.3c)などもあれば802.11で規定されるものも想定できる。この場合、例えば802.11規定のミリ波に対応するのであれば、802.11規格のミリ波帯に対応する拡張方式を通知する。802.15.3cであれば802.15.3cを通信規格方式として通知する。802.15.3cではPHY層で複数の方式があるため、その一部に対応するのであればそれが識別できるレベルまで通知する。
またch.1とch.2での具体的な通信方式をそれぞれの周波数チャネルの属する周波数帯で区別することができるなら、チャネル識別子であるch.1とch.2を入れることにより具体的な通信方式は省略可能である。この場合もチャネル識別子を入れていることにより通信方式も通知していることになる。例えば802.11無線LANを用いることが前提となっているなら、ch.1が5GHz帯であれば自ずと802.11a/n、ch.2が60GHz帯であれば802.11で規定するミリ波の規格と通知していることになる。802.11規定のフレーム形式で通知や接続要求をすれば、802.11無線LANを前提にしていることを示していることにもなる。
他に例えばch.1、ch.2の周波数チャネル情報としては周波数帯レベルと周波数帯内で割り当てられた周波数チャネルのサブセットのようにして示す方法などもある。周波数帯内で複数の周波数チャネルのサブセットに対応するような場合には何種類かサブセットを定義して周波数帯とサブセット名を示すことにより、その周波数帯でのサブセットの周波数チャネル群に対応できると示すこともできる。このようにすると例えばch.1=2.4GHz帯チャネルサブセット1 (=チャネル番号1のみに対応する)、ch.2=5GHz帯チャネルサブセット10(=チャネル番号36、40、52に対応する)、などの通知ができる。
図9では周波数チャネルの位置をチャネル識別子ch.2で報知する例を示している。特に通信基地局101で用いる周波数チャネルのチャネル帯域が全て同じで等間隔で配置されるものなど、チャネル識別子だけで中心周波数とチャネル帯域幅を特定できる場合であればこのようにするのでよい。あるいは変則的な周波数チャネルの配置であっても予め無線通信基地局と無線通信端末で周波数チャネルの配置に関する情報があるのであれば、チャネル識別子から無線通信端末は無線通信基地局が通知する周波数チャネル(この例ではch.2というチャネル識別子を持つ周波数チャネル)の中心周波数(この例ではf2)とチャネル帯域幅(この例ではBW2)を知ることができる。そこでBeaconフレームのFrame Bodyフィールドに無線通信基地局101が使用する他の周波数チャネルの情報として図10(a)のようなサブフィールドを設けて通知すればよい。
一方、このようにしてチャネル識別子だけでは無線通信端末が中心周波数やチャネル帯域幅といった必要な周波数チャネル情報を特定することができない場合もある。
IEEE802.11aではチャネル帯域が20MHzであり、IEEE802.11nではチャネル帯域20MHzに加えてオプションとして40MHzがある。例えばch.1のチャネル帯域幅BW1は20MHz、ch.2のチャネル帯域幅BW2は2倍の40MHzというように異なるチャネル帯域を用いることができる場合、ch.2の周波数チャネルの情報としてチャネル帯域幅BW2の情報を加えるようにする。BW2の情報としては実際のチャネル帯域幅(例えばこの例では40MHz)を記載するようにしてもよいし、基準のチャネル帯域(例えばここでは20MHz)に対し、異なるチャネル帯域を基準の2以上の整数倍とすると、チャネル帯域に関する情報を基準のチャネル帯域で正規化し、整数で表現することもできる。この例ではBW2はBW1の2倍であるので2と表すことができる。正規化に用いる基準のチャネル帯域が無線通信端末に既知であるなら、そのままチャネル帯域情報として正規化した値を入れればよい。既知ではない場合は、基準に用いるチャネルを現在他の周波数チャネルの情報を報知している周波数チャネル(この例ではch.1)とすると、他の周波数チャネルの情報を報知している周波数チャネル自身の情報も報知することで(この例ではch.1のチャネル情報としてチャネル帯域幅BW1であるということ)、他の周波数チャネルの情報を無線通信端末は特定することができる。802.11無線LANではregulatory classを定めて基準となる周波数チャネルの(中心周波数位置やチャネル帯域といった)情報に加えて帯域を拡張する場合の周波数上の方向などを合わせて表現できるようになっている。このregulatory classで必要に応じて新たな対応チャネル帯域(例えば60MHzや80MHzなど)や拡張周波数方向を定めるようにしてこれとチャネル識別子によって表現するのでもよい。
また一方、中心周波数が等間隔ではないなど、チャネル識別子だけでは中心周波数を特定できない場合もある。この場合はch.2の周波数チャネルの情報として中心周波数f2の情報を加えるようにする。当然、上述のチャネル帯域幅の情報と組でチャネル識別子とともに通知するようにしてもよい。無線通信基地局101が使用する他の周波数チャネル(この例ではch.2)に関する情報として中心周波数とチャネル帯域幅もチャネル識別子とともに報知する場合のフレームのFrame Bodyフィールド内に入れるサブフィールドの記載例を図10(b)に示す。
この他、二つ(以上)の周波数チャネルが部分的に周波数上で重なっていてもよい。例えば図11のようにch.1の周波数チャネルに対して周波数が増える方向に2倍のチャネル帯域幅が広がるような場合は、ch.1で送信するBeaconフレームでch.1のチャネル情報として中心周波数f1、チャネル帯域幅BW1が無線通信端末に対して既知であるなら、ch.2のチャネル情報として中心周波数f1、チャネル帯域幅BW1を基準にしつつ周波数が増える方向にもうBW1分のチャネル帯域幅を取るということを示せば(この例では"+2"と記載)、無線通信端末201でch.2の周波数チャネルの情報を特定することができる。この場合のフレームのFrame Bodyフィールドに入れるサブフィールドの記載例を図10(c)に示す。この例に基づけば周波数が減る方向に2倍のチャネル帯域が広がる図12のような場合にはch.1のチャネル情報を報知しつつch.2のチャネル情報として"-2"と記載する。ch.1のチャネル情報として中心周波数f1、チャネル帯域幅BW1が無線通信端末に対して未知であるならこれらの情報も合わせてch.1のBeaconで報知すればよい。さらに拡張するチャネル帯域幅が802.11nの40MHzのようにオプションの扱いであり、必ずしもch.2を対応する必要がないということを無線通信端末に報知したいのであれば、他の周波数チャネルに関する情報として例えば図10(d)のように必須/オプションを記載するサブフィールドを入れ、オプション扱いでよいのであればそのサブフィールドに"1"を立てるようにしてもよい。このような場合もregulatory classとして必要に応じて対応チャネル帯域(例えば60MHzや80MHzなど)と拡張周波数方向を定め、基準周波数チャネルに対し、regulatory classで表現するなどしてもよい。
これら一連のチャネル情報と通信方式の表現に関しては後述の無線通信端末における場合でも適用できる。
このようにch.1のBeaconで他の周波数チャネル(この例ではch.2)の情報を報知すると、無線通信端末201はBeaconを送信している無線通信基地局101が別の周波数チャネル(この例ではch.2)でも通信可能であること、またその周波数チャネルでどのような通信方式を用いているか、ということを把握することができる。
図9のような場合、無線通信端末201は無線通信基地局101がch.1で802.11gを用いているということ、ch.2で802.11aを用いているということを把握すると、まず現在受信している周波数チャネルであるch.1で無線通信基地局101と通信を開始するため、無線通信基地局101との間で接続設定の手順を開始する。802.11での例を用いて無線通信端末201が無線通信基地局101を発見し、接続設定する手順を説明する。無線通信端末201は自端末が送受信可能な周波数チャネルで接続する無線通信基地局を探索(走査; SCAN)する。SCAN動作としては周波数チャネル上で無線通信基地局が送信するBeaconフレームを受信するpassive scanと、無線通信基地局に対してProbe Requestフレームを送信し、無線通信基地局からProbe Requestフレームに対して応答されたProbe Responseフレームを受信するactive scanがある。Probe Requestフレームはブロードキャストフレームのように宛先を指定せずに送信してもよいし、ある特定の無線通信基地局宛てに送信してもよい。無線通信基地局101は無線通信端末201からProbe Requestフレームを受信した際には、Ack応答後にProbe Responseフレームを生成するが、そのFrame Bodyフィールドに前述のBeaconフレーム内に入れた他の周波数チャネルに関する情報と同じものを入れて無線通信端末201に送信する。あるいはBeaconフレームには他の周波数チャネルに関する情報を無線通信基地局101は入れていないが、無線通信端末201が他の周波数チャネルに関する情報をProbe Requestフレームで要求する場合に、無線通信基地局101でそれに応答するProbe Responseフレームに他の周波数チャネルに関する情報を入れるようにしてもよい。無線通信端末201はSCAN動作後、前述のAuthenticationの手順、Associationの手順を踏むが、特に本実施形態では無線通信端末201がAssociation Requestフレームを無線通信基地局101に送信する際、Frame BodyフィールドのCapabilityを通知するサブフィールドにch.2で使用可能な通信方式を通知する。例えば無線通信端末201はch.2で802.11aを用いて通信できることを図13のようなフォーマットのサブフィールドを無線通信基地局101に送信するAssociation Requestフレームに設けて通知する。当然ながら、図13の他に無線通信基地局101側で図10などに示した対応周波数チャネルと通信方式をBeaconで報知し、Probe Responseで通知する形式と同様の表現方法を用いてもよい。
従って、無線通信基地局101は802.11gを用いるch.1で無線通信端末201からAssociation Requestフレームを受信しており、Association Requestフレーム内にはch.1で802.11gを用いて通信を行う際の無線通信端末201の対応するCapabilityが記載されているが、これに加えてch.2で802.11aを用いて通信できることを無線通信基地局101は把握することができる。現在無線通信端末201との通信に使用している周波数チャネルはch.1である。
他に無線通信端末202が無線通信基地局101にAssociation Requestフレームを用いて自端末が使用できる周波数チャネルと通信方式を通知したとする。例えば無線通信端末202は802.11a/g/nで通信可能であるということを通知する。そして実際に現在無線通信端末202と無線通信基地局101が通信に使用している周波数チャネルはch.2であるとする。
ここで、無線通信基地局101は自端末内に図14(a)のような無線通信端末の通信能力に関する接続管理テーブルを作成する。この管理テーブルは図3のMAC層管理部30で保持してもよいし、MAC層管理部30が接続する外部メモリに保持してもより。無線通信基地局101は、無線通信端末の周波数チャネル間での情報保持能力を有することをBeaconフレーム/Probe Responseフレームで無線通信基地局のCapabilityとして通知するようにしてもよい。図14(a)で無線通信端末の識別子が無線通信端末201(STA201と表示)の項目に、無線通信端末201が通知した対応できる周波数チャネルの識別子とそれぞれの周波数チャネルに対応する通信方式、また現在通信を行っている周波数チャネルの識別子が書かれている。ここで、無線通信端末201はch.2に対応すること、ch.2で用いることのできる通信方式は802.11aであることをAssociation Requestフレームで通知したため、その情報を記載する一方で、Association Requestフレーム自身はch.1で送信され、そのフレーム内には現行のチャネル、つまりch.1での通信を行うための情報として802.11gに対応するということも記載されているため、ch.1に関してもAssociation Requestフレーム内にch. 1とは書かれていなくても補完し、管理テーブルに情報として保持することができる。
ここで、無線通信端末の識別子とは、必ずしも実際の無線通信端末のMACアドレスなどである必要はなく、無線通信基地局が内部で一意に識別できるものであればよい。例えば802.11では無線通信基地局101が無線通信端末(例えば201)からのAssociation Requestフレームに対して送信するAssociation ResponseフレームのFrame Bodyフィールド内にAssociation Identifier (AID)入れる。AIDは無線通信基地局が無線通信端末を識別するためにAssociationプロセスの中で各無線通信端末に値1から2007の間で割り当てる固有の値である。AIDフィールドとしてフレーム内に入れられる場合は2オクテットのうち、Bit 14とBit 15には"1"を入れ、残りのB0からBit13の中に1から2007の間の前述の固有の値(AID)を入れることになる。無線通信基地局101は無線通信端末201からAssociation Requestフレームを受信し、無線通信端末201の接続を許可する判断を図3のMAC層管理部30を介して端末管理エンティティ(STA Management Entity; SME)で行うと、Association ResponseフレームのStatus Codeサブフィールドで接続許可する旨を無線通信端末201に通知する(Status Codeサブフィールドは接続拒否を通知する場合などにも用いられる)が、この際に無線通信端末201に割り当てたAIDをMAC層管理部30では接続管理テーブルの無線端末の識別子の項目に入れ、Association Requestフレームから無線通信端末201の対応できる周波数チャネル、通信方式の情報を抽出し、無線通信端末の識別子に対応した所定の項目に情報を書き込む。SMEは、図2や図3には示していないが、MAC層管理部30(図2ではMAC部2に内包)と接続し、他のレイヤ(層)を含め無線通信端末、無線通信基地局での動作ポリシーを決めるところである。
なお、無線通信基地局で複数の周波数チャネルにまたがってある一つの通信規格を用いるが、周波数チャネル間で対応する拡張規格が異なるような場合は、拡張規格間に互換性のあることが考えられる。例えば802.11gは802.11bと、802.11nは5GHz帯でなら802.11aと、2.4GHz帯なら802.11b/gと後方互換があることが規格上要求されており、802.11gに対応するということを通知することによって802.11bにも対応することが分かる。また、802.11nに対応し、5GHzのch.2に対応することを通知することによって802.11aにも対応することが分かる。このように拡張規格間に後方互換の関係があり、拡張規格で対応する周波数チャネルが特定できる場合には、包括する規格や対応する周波数チャネルの情報を省略して、図14(b)のように接続管理情報を保持してもよい。
一方、無線通信端末201は無線通信基地局101から受信したBeaconフレームあるいはProbe Responseフレームにより、無線通信基地局101がch.2でも通信できること、ch.2で802.11aの通信方式に対応しているということを把握しており(無線通信端末201は802.11nに対応していないので、無線通信基地局101が802.11nに対応するということを把握できなくてもよい)、少なくともAssociation Responseフレームにより接続許可の通知を受けた際には図15のような接続管理テーブルを作成することができる。接続先の無線通信基地局を一意に決めた後なら図15の基地局識別子は(接続先の無線通信基地局の識別子は他の情報管理箇所で、例えば情報管理ベース(Management Information Base; MIB)にMIB値として保持しておくなどして参照できるようにした上で)省略してもよい。図15では無線通信端末201の対応しない通信方式802.11nについてはBeaconフレーム内あるいはProbe Responseフレーム内にあっても無線通信端末201が対応しないために認識しないとしてch.2での通信方式に記載していないが、認識はできるが対応できないというような場合は当然ながらch.2に対応する通信方式の項目に802.11nを記載してもよい。なお、Association Responseフレームで接続許可を受ける前にすでに図15のような接続管理テーブルを保持し、接続許可を受けた際に使用チャネルを書き込むなどで接続許可を受けたか否か現状を把握できるようになっていてもよい。こうすることで、複数の無線通信基地局の候補と各無線通信基地局の対応する周波数チャネルと通信方式の情報を収集し、自端末の通信要求に適した無線通信基地局を接続先として選定、接続設定を開始することができる。
無線通信端末201は無線通信基地局101からAssociation Responseフレームを受信するとch.1で通信を開始できるわけだが、図15の接続管理テーブルにより無線通信基地局101がch.2で802.11aを用いた通信もできることを把握できる。そこで無線通信端末201は無線通信基地局101との通信をch.1からch.2に変更することが可能である。ch.2に周波数チャネルを変更する際、本実施形態では図16のように無線通信端末201は無線通信基地局101にその変更要求1001をch.1で送信する。802.11を基本とするならこの変更要求1001はユニキャストの管理フレームであり(以降の1002〜1004のフレームも同様)、無線通信基地局101はこれに対して自端末宛てのユニキャストフレームであることよりAckフレームを送信してそのまま無線通信端末201のチャネル変更要求を受け入れるのでもよいが、図16では無線通信基地局101がこの変更要求に対する応答(この場合は許可)をStatus Codeサブフィールドなどに入れて通知するチャネル変更応答1002を送信する。これにより、無線通信端末201は無線通信基地局101がch.2への変更要求を受け付けたか否か無線通信基地局101の判断を確認することができる。無線通信端末201はch.2への変更要求が受け入れられたと(変更要求フレームへのAckフレームを受信することにより、あるいは変更応答フレームが送信されることが期待されているならそれを受信することにより)判断するとch.2で送受できるようにする。このとき、単一の周波数チャネルでしか送受信ができないのであれば、図2の周波数変換回路6をch.2に切り替え、MAC部2、PHY部4もch.2で対応できる通信方式に沿ったパラメータの変更や回路の切り替えなどを行う。
無線通信基地局101では周波数チャネルごとに送信するフレームを格納する送信キューを有しているとする。この送信キューは例えばch.1用のものは図3のPHY1用アクセス制御部31に、ch.2用のものは図3のPHY2用アクセス制御部32に設けられる。
無線通信基地局101はチャネル変更要求1001を受信してからは無線通信端末201へのch.1での少なくともデータフレームの送信を止める。これはチャネル変更へのACKフレーム(制御フレーム)送信、または応答フレーム(管理フレーム)の送信があるからだが、これら必要なフレームの送信後に無線通信端末201へのフレーム送信全体を止めてもよい。無線通信基地局101ではこのフレーム送信を止めている間に無線通信端末201宛てのフレームをch.1用の送信キューからch.2用の送信キューに移動する。
ch.1でのフレームの送信を止めるごく簡単な方法としては、図3のPHY1用アクセス制御部31がch.1へのフレーム送信を制御する部分であるとすると、ここでのアクセス動作を止める方法などがある(ch.1でのフレーム送信全体を止めることになる)。CSMA/CAをアクセス方式としている場合は、無線媒体(無線メディア)がビジーである場合と同様な認識にさせて送信を止めるようにしてもよい。またアクセス自体を中止し、(図3のPHY1用アクセス制御部31にある)送信キューからのフレームを出す動作を止めるようにしてもよい。ch. 1でのフレーム送信全体を止めるのではなく、無線通信端末201宛ての送信のみを止める方法としては、ch.1の送信キューの出口でフレームの送信先アドレスを確認し、無線通信端末201であればアクセスを進める、無線通信端末201であればch.2用の送信キューに移動し、次の送信キューの出口に来たフレームの送信宛先アドレスを確認する、などのようにすればよい。あるいは無線通信端末201が送信キューの先頭(出口)に来るまではアクセスを続け、無線通信端末201が送信キューの先頭に来たら上述のようにアクセス動作を止めるようにしてもよい。
無線通信端末201も同様に変更要求1001送信後は少なくともデータフレームの送信を止める。(図2のMAC部2内にある送信キューやPHY用アクセス制御部が関与することになる。
)
無線通信端末201はch.2での通信に対応できるようになると、図16から分かるようにチャネルの変更完了通知1003を無線通信基地局101に送信している。これにより、無線通信基地局101は無線通信端末201がch.2での通信に対応できるようになったことを把握することができる。加えて図16のように無線通信基地局101はこの変更完了通知1003に関し、変更完了通知を受けたということを無線通信端末201に知らせるために変更完了応答1004を送信してもよい。そしてch.2で(データ)フレームの送信を開始する。
無線通信基地局101はチャネル変更完了通知1003を受信すると、止めていた無線通信端末201への(データ)フレームの送信をch.2で開始する。あるいは無線通信基地局101は、チャネル変更完了応答1004を送信すると、止めていた無線通信端末201への(データ)フレームの送信をch.2で開始する。
ここで無線通信端末201は例えば変更完了通知1003に代えて、ch.1でのこれまで無線通信基地局101から受信していたフレーム群に対する送達応答フレームをch.2で送信するようにしてもよい。例えば802.11では送達確認要求フレームとしてBlock Ack Request (BAR)フレームという制御フレームと送達確認応答フレームとしてBlock Ack (BA)フレームという制御フレームを用いる選択再送方式(Block Ackメカニズム)が規定されている。対象となるデータフレームはQoSフレームとしてMACヘッダ部にQoS Controlフィールドが追加されるものであるが、このQoS Controlフィールドにトラヒック種別を示す識別子Traffic Identifier (TID)が入る。他の無線通信端末(ここでは無線通信基地局も含まれる)とBlock Ackメカニズム設定後、同一のTIDのデータフレームを受けた無線通信端末(ここでは無線通信基地局も含まれる)では設定相手である無線通信端末からBARフレームなどで要求された(BARフレームが省略されるImplicit BAR方式というものもある)範囲の、該当するTIDで設定相手の無線通信端末から送信されたデータフレームに関する送達確認情報をBAフレームで設定相手の無線通信端末に通知する。これを応用し、例えば無線通信端末201は無線通信基地局101とTID=3に関するBlock Ackメカニズム使用のための設定をしており、ch. 1でTID=3の一連のデータフレームを無線通信基地局101から受信しているとすると、ch.2に移動後に無線通信端末201は無線通信基地局101向けに保持していた送達確認情報をBAフレームとして無線通信基地局101に送信する。BAフレームの送信は無線通信基地局101からBARフレームを受信しなくてもch.2に移動完了し、フレームが送信できるようになったら送信するというのでよい。またこれはすでに無線通信基地局101にch.1で送信してあったものと同一の内容、つまり周波数チャネルをch.1からch.2に変えてフレームを再送するというものでもよい。無線通信端末201がch.1からch.2に移動する間に無線通信基地局101が無線通信端末201へのデータの送信を止める動作が遅れるなどした場合、無線通信端末201では無線通信基地局101からのフレームのうちチャネル移動中により受信できないものが発生する可能性があり、送達確認応答フレームを送信することによって無線通信基地局101でどのデータフレームを無線通信端末201は受信できたかを確認できると同時に無線通信端末201がch.2に移動完了して通信可能となったという状態を把握することができる。また無線通信基地局が前述のデータ送信を止めるという動作自体に対応していなくても、当該BAフレームで変更完了通知を行うことでその間のデータ落ちに対処することができる。
例えばch.1でTID=3のみならずTID=4のデータフレームも無線通信基地局101から無線通信端末201に対して送信していたのであれば、無線通信端末201はch.2に変更完了した際にTID=3とTID=4のデータフレームに対するBAフレームを送信することが望ましい。引いては、無線通信端末201が無線通信基地局101からBlock Ackメカニズムによって受け取る複数のデータフレームがある場合、Block Ackメカニズムを用いるために各TIDでADDBA Requestフレーム、ADDBA Responseフレームという管理フレームの交換により設定を行うことから、これらBlock Ackの設定数分だけ(仮に送達確認応答としてなにも該当するTIDのフレームを無線通信基地局101から受信していなくても)BAフレームを送信することが望ましい。
これらのBAフレームはch.2での変更完了通知の代わりに送信するのであれば、同一の物理パケットにまとめて入れて送信する形式(アグリゲーション;集約)にすることで無線通信基地局101では一つのチャネル変更完了通知として対応処理することができる。そして、無線通信基地局101ではこの/これらのBAフレームに基づき、再送すべきデータフレームを把握し、ch.2で無線通信端末201に再送することができる。
無線通信端末が周波数チャネルを変更する際に、変更した後の周波数チャネルで通信開始できるタイミングを制御する機構を設けるようにしてもよい。例えば図16で無線通信端末201はチャネル変更要求1001を送信してから所定の時間T1以上を経てch.2で通信開始または送信開始するということを通知するため、チャネル変更要求1001のFrame Bodyフィールド内にT1を書き込むためのサブフィールドを設け、T1として、無線通信端末201がch. 2に移動するのに必要十分な時間を値として書き込み送信する。無線通信端末201はチャネル変更要求1001の送信完了(これは例えばPHY部4からMAC部2へ通知される802.11規定のPHY_TXEND.confirmというプリミティブ信号で時刻を把握できる)からタイマーをT1に設定し、ch.2への移動中もタイマーを動かし続け、T1経過後にch.2でアクセスする。これは無線通信端末201のMAC部2にある送信データのキューからのフレーム送信をチャネル変更要求1001の送信完了からT1経過後に解除し、それに基づきch.2でアクセスするというような動作になる。あるいはMAC部2にあるPHY用アクセス制御部で無線媒体がビジーであると同様な認識を少なくともチャネル変更要求1001の送信完了からT1時間行わせ、T1経過後に無線媒体がアイドルになった場合と同様な認識をさせるというような動作になる。
あるいは、応答フレームである1002を受信してからT1以上経ってch.2で通信開始または送信開始するということを通知するため、無線通信端末201がch.2に移動するのに必要十分な時間をチャネル変更要求1001のFrame Bodyフィールド内にT1として書き込み、送信するようにしてもよい。無線通信端末201はチャネル変更応答1002の受信完了(これは例えばPHY部4からMAC部2へ通知される802.11規定のPHY_RXEND.indicationというプリミティブ信号で時刻を把握できる)からタイマーをT1に設定し、ch2への移動中もタイマーを動かし続け、T1経過後にch.2でアクセスする。アクセスの方法は前述と同様である。
あるいは、無線通信端末201がch.2へ移動するのに必要十分な時間をチャネル変更要求1001でT1として通知し、無線通信基地局101がそれを受信し、チャネル変更要求を受け付ける場合にチャネル変更要求応答1002に無線通信基地局が必要と判断するチャネル移動時間をT2として通知し、無線通信基地局101は1002送信後T2の間にわたり無線通信端末201への送信を止め、T2後からch.2で無線通信端末201への送信を試み、無線通信端末201は1002受信後T2の間にch.2へチャネル移動し、T2以上経過後にch.2でアクセスを開始するようにしてもよい。無線通信基地局101がT2を決定する場合には無線通信基地局101が無線通信端末201宛てのフレームをch.2で送信するための準備に要する時間(ch.1用送信キューから無線通信端末201宛てフレームをch.2用送信キューに移し替える時間)を満足し、かつ無線通信端末201からのT1の値以上であるようにする。このようにすることで、無線通信基地局101と無線通信端末201の間でch.2での通信を開始するのに十分な切り替え時間をネゴシエーションできる。
あるいは上記のようにチャネル変更に関連するフレームにチャネル変更に要する時間(上述のT1あるいはT2)を入れるのではなく、予め無線通信端末201と無線通信基地局101との間で通信開始のための設定(例えばAssociationプロセスにおいて)を行う際のフレームに入れる(例えばAssociation RequestフレームでCapabilityとして通知や、さらにAssociation Responseフレームにも入れてネゴシエーションするなど)ようにしてもよいし、チャネル移動に要する時間は一意に決定しているということで(例えば802.11ではMIBとして規定するなど)フレームに入れなくても使用することができるようにしてもよい。あるいは具体的なチャネル移動時間を用いるのではなく、単位パラメータを規定し、それを基準にして把握できるようにしてもよい。例えばチャネル移動時間として"1"として示されていれば400 us、"2"なら1.5 ms、というように実際の移動時間に対応するパラメータを規定する。あるいは例えばch.2でのBeaconを送信する間隔(Beacon Interval)を基準にし、例えばBeacon Interval=2とした場合ch.2で2回Beaconを受信したら、あるいは期待するBeacon送信タイミング(802.11ではTarget Beacon Transmission Time (TBTT)に当たる)が2回経過したら、無線通信端末201はch.2でチャネル変更完了通知1003を送信する、またはチャネル変更完了通知1003の送信は省略してch.2での通信を開始するようにしてもよい。
T1を通知する方法では無線通信基地局でどれだけの期間にわたり無線通信端末201への送信を止めなくてはならないかを予め把握しておくことができる。そこで、無線通信端末201からのチャネル変更完了通知1003とそれに伴う無線通信基地局101からの応答1004を省略してもよい。あるいは無線通信端末201からの一方的なチャネル変更時間(T1)の要求に対応できる無線通信基地局101であれば、無線通信端末201からの、T1経過後にch.2で送信してきたチャネル変更完了通知1003に基づき、それまで送信を止めていた無線通信端末201宛てのフレームを送信できるようにしてもよい。
例えばこれら1001から1004の一連のフレーム交換において応答側のフレーム1002や1004の送信が期待されている状況で、無線通信端末201がこれらのフレームを受信しなかった場合には、ある固定時刻経過後に再度、対応する要求のフレーム1001あるいは通知のフレーム1003を無線通信基地局101に送信するようにしてもよい。
無線通信基地局101では無線通信端末201からチャネル変更要求1001を受信(し、さらにそれを許可するチャネル変更応答1002を送信)すると、図14で無線通信端末201に対応する使用チャネルの項目をch.1からch.2に変更し、図14の無線通信端末201に関連する情報のうちch.2に対応する情報、すなわち図14ではch.2で無線通信端末201は802.11aに対応するということを把握し、(無線通信基地局101自身は802.11aと802.11nに対応するが)無線通信端末201とch.2で802.11aを用いて通信を行う。このように本実施形態では、無線通信基地局101は無線通信端末に関する接続情報を周波数チャネル間で共有管理する。
(効果)
このように無線通信基地局がある周波数チャネルで他に対応する周波数チャネルがどこにあるか、どのような通信方式を用いているかを報知・通知することにより、現在の周波数チャネルで送受信を行う無線通信端末が当該情報を把握できる。接続時には、無線通信端末は他の周波数チャネルも含め使用可能な通信方式を無線通信基地局に通知することにより、無線通信基地局は接続許可した無線通信端末の使用可能な通信方式を識別子とともに保持することができる。従って、無線通信端末が無線通信基地局の対応する他の周波数チャネルに移動した際には、無線通信端末の使用可能な通信方式をすでに把握しているから、通信を継続することができる。この場合、一旦接続を切断し、移行した周波数チャネルで通信に必要な接続情報を交換するなどの再設定を要することがない。
さらに、接続時に、無線通信端末からの要求フレームに無線通信基地局が応答フレームを送信することにより、無線通信端末と無線通信基地局との間の接続情報の一致を保証することができる。
報知・通知する通信方式として具体的な通信規格の種別、さらには通信規格内の拡張方式の種別を示すことにより、多数の通信方式がある中で無線通信基地局と無線通信端末での認識を容易に一致させることができる。
無線通信基地局が無線通信端末に対して接続を許可した際に、当該無線通信端末に割り当てた管理番号を無線通信端末の識別子として接続管理テーブルで保持することにより、無線通信基地局では無線通信端末を独自の識別子を用いて識別することができ、無線通信端末の管理を簡易にすることができる。
無線通信基地局で周波数チャネルごとにフレームを格納するキューを有し、無線通信端末の周波数チャネル変更要求に対応して当該無線通信端末宛てのフレームを対応する周波数チャネルの送信キューに移すことにより、周波数チャネル間を移動する無線通信端末が通信を行う適切な周波数チャネルで当該無線通信端末宛てのフレームを送信することができる。
無線通信端末の周波数チャネルの変更要求許可から固定時間以上経てから、無線通信基地局が変更先の周波数チャネルで無線通信端末との通信を開始することにより、無線通信基地局および無線通信端末の変更先の周波数チャネルでの通信開始準備に猶予を与えることができる。さらにその時間を無線通信端末での周波数チャネルの移動に要する時間以上とすることにより、無線通信端末が変更先の周波数チャネルで受信可能状態であることを保証してフレームを送信開始することができる。他の周波数チャネルへの変更許可前に無線通信端末からの周波数チャネル変更に要する時間を取得するようにすれば、無線通信端末での周波数チャネルの移動に要する時間を正確に把握し、それ以上の時間を経てから変更先の周波数チャネルで無線通信端末との通信を開始することにより、無線通信端末が変更先の周波数チャネルで受信可能状態であることの保証の確度を上げることができる。また上記固定時間を無線通信基地局での無線通信端末宛てフレームのキュー間の移動に要する時間以上とすることにより、無線通信端末宛てのフレームを確実に変更先の周波数チャネルで無線通信端末に送信することができる。これらを加味して無線通信基地局と無線通信端末との間で変更先の周波数チャネルでの通信開始までの時間をフレーム交換により決定することにより、変更先の周波数チャネルで確実に当該無線通信基地局と無線通信端末が通信可能な状態になってからの通信開始を保証することができる。
また無線通信端末が別の周波数チャネルに移動後に無線通信基地局向けに保持していた送達確認情報を無線通信基地局に送信するようにすれば、無線通信基地局ではどのフレームを無線通信端末が受信できたか確認できると同時に、無線通信端末が周波数チャネルの移動を完了して通信可能となったという状態を把握することができる。
無線通信基地局が別の周波数チャネルの帯域幅を報知・通知するようにすれば、無線通信端末が別の周波数チャネルが無線通信端末の通信できる帯域幅であるか判断することができ、移行先の周波数チャネルでの通信を保証することができる。また別の周波数チャネルの帯域幅が2以上の整数倍である情報を無線通信端末に提供することにより、無線通信端末が別の周波数チャネルが無線通信端末の通信できる帯域幅であるか判断を容易にすることができるとともに、帯域拡張の通信方式を実現しやすくなる。
以上述べたように、本実施形態によれば、複数の周波数チャネルまたは複数の通信方式の各々を切り替えながら行う通信を効率良く行える。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、第1の実施形態では単に規格方式の通知を行っていたが、第2の実施形態では無線通信基地局および無線通信端末が対応できる変調符号化方式などを含め、情報として通知することである。
図17は、第2の実施形態に係る無線通信基地局101が周波数チャネルch.1でBeaconを送信する際に周波数チャネルch.2の情報として802.11a/nを用いることを通知するとともに、ch.2で802.11aを用いる際に対応する伝送レートと、802.11nを用いる際に対応する変調符号化方式(Modulation and Coding Scheme; MCS)を通知することを説明する図である。
例えば802.11aとして規定されている伝送レートを図18に示す。変調方式(Modulation)BPSK (Binary Phase Shift Keying)で符号化率(Coding Rate) 1/2の6Mbps、符号化率3/4の9Mbps、変調方式QPSK (Quadrature Phase Shift Keying)で符号化率1/2の12Mbps、符号化率3/4の18Mbps、変調方式16-QAM (Quadrature Amplitude Modulation)で符号化率1/2の24Mbps、符号化率3/4の36Mbps、変調方式64-QAMで符号化率2/3の48Mbps、符号化率3/4の54Mbpsがある。このうち802.11a対応なら送受信必須とされているものは6Mbps、12Mbps、24Mbpsである。この表は基本の20MHzチャネル帯域を用いる、すなわち20MHzチャネル間隔(Channel Spacing)の場合の伝送レートであるが、"half-clocked"で動作する10MHzのチャネル間隔では伝送レートはそれぞれ半分に、"quarter-clocked"で動作する5MHzのチャネル間隔では伝送レートはそれぞれ1/4になり、送受信必須の伝送レートは20MHzでの6Mbps、12Mbps、24Mbpsに対応した伝送レート、すなわち10MHzチャネル間隔で用いられる場合には3Mbps、6Mbps、12Mbps、5MHzチャネル間隔で用いられる場合には1.5Mbps、3Mbps、6Mbpsである。チャネル間隔に関する情報はRegulatory ClassとしてCountry Information elementに入っており、BeaconフレームやProbe Responseフレームに入れられる。802.11aでは無線通信端末(無線通信基地局も含む)がどの伝送レートを送受できるか、どの伝送レートを少なくとも受信できるか、をSupported Ratesエレメントとして(あるいはそれに収まらない場合にはExtended Supported Ratesエレメントとして)Associationプロセスで交換するフレーム(Association Request、Association Response)のFrame Bodyフィールドに入れて相手端末(無線通信基地局も含む)に通知する。またBSSとしてどの伝送レートを少なくとも送受信しなくてはならず、どの伝送レートを少なくとも受信できなくてはならないかを示すためにSupported RatesエレメントはBeaconフレームおよびProbe Responseフレームにも入れられ、BSSでの要求情報として無線通信端末に送信される。これと同様のch.2でのBSSを構成する際の情報をch.1のBeaconでch.2で802.11aを用いることができると報知する際に合わせて報知する、またch.1のProbe Responseでch.2で802.11aを用いることができると通知する際に合わせて通知する。
802.11nとして規定されているMCSと20MHzチャネル帯域時の伝送レートの関係は図19のようになっている(全てを記載しておらず、MCSインデックス9より後は省略してある)。
各MCSはMCSインデックス(Index)で区別されており、無線通信端末(無線通信基地局を含む)はどのMCSを送信できるか、どのMCSを受信できるか、をSupported MCS Setフィールドで示す。Supported MCS SetフィールドはAssociationプロセスで交換するフレーム(Association Request、Association Response)のFrame Bodyフィールドに入れて相手端末(無線通信基地局も含む)に通知される。また無線通信基地局はどのMCSを受信できるか、どのMCSを送信できるかを無線通信端末に知らせるためにSupported MCS SetフィールドはBeaconフレームおよびProbe Responseフレームにも入れられる。またBSSとしてどのMCSをサポートするか(即ち、送受信できなくてはならないか)を802.11nではBeaconフレームおよびProbe ResponseフレームにBasic MCS Setフィールドとして入れて示す。802.11nではMCSと伝送レートの関係は802.11aのように一意ではなく、チャネル帯域(20MHzが必須、40MHzはオプション)の情報を加えることによって伝送レートが得られる。ch.2において802.11nで用いるSupported MCS SetフィールドとBasic MCS Setフィールドの情報をch.1のBeaconでch.2で802.11nを用いることができると報知する際に合わせて報知する。上述したようにch. 2でのチャネル帯域幅に関する情報もch.1のBeaconなどで通知することにより、あるいはch.2のチャネル識別子で一意に決まっているなどにより、把握することができれば、無線通信基地局101がch.2で802.11nを用いて送受信する際に用いることができる伝送レートを無線通信端末201は予めch.1で把握することができる。
これに対し、無線通信端末201もch.1で無線通信基地局101と接続設定時、Association Requestフレームを用いて、ch.2で802.11aに対応できること、またch.2でのSupported Ratesエレメントの情報を入れることでch.2で802.11aを用いる際どの伝送レートを送受信でき、どの伝送レートは受信できるかを通知する。
例えば無線通信端末201がch.1で802.11gを用いてAssociation Requestフレームを送信する際に、ch.1としてのSupported Ratesエレメント情報に6Mbps, 12Mbps, 24Mbpsは送受信が可能、36Mbps, 54Mbpsは受信可能として通知しつつ、ch.2として802.11aに対応すること、ch.2としてのSupported Ratesエレメント情報に同様に6Mbps, 12Mbps, 24Mbpsは送受信が可能、36Mbps, 54Mbpsは受信可能として通知する。また別の無線通信端末202はch. 1の802.11gとch.2の802.11aでのSupported Ratesエレメント情報に6Mbps, 9Mpbs, 12Mpbs, 18Mbps, 24Mbps, 36Mbps, 48Mbps, 54Mbpsと全ての伝送レートを送受信可能としてきて、ch.2の802.11nでのSupported MCS Setフィールド情報に0から32のMCSは送受信が可能、MCSが33と34は受信可能としてきてch.2で無線通信基地局101と現在通信しているとする。この場合、例えば図14(a)の代わりに図20のようになる。そして無線通信基地局101は自端末が送受信可能な伝送レートで無線通信端末201に送信するときには少なくとも無線通信端末201が受信可能な伝送レートを用いて、無線通信端末202に送信するときには少なくとも無線通信端末202が受信可能な伝送レートを用いる。例えば無線通信基地局101が54Mbpsをそもそも送信できないなら図20の各項目にある54Mbpsを削除する、など無線通信基地局101自身のCapabilityを加味して接続管理リストに必要十分な情報を入れるだけにするのでもよい。
無線通信端末201側では無線通信基地局101からのBeaconあるいはProbe Responseフレームに入れられた情報が例えばch.1の802.11g、ch.2の802.11aに関しては共通で送受可能な伝送レートは6Mbps, 12Mbps, 24Mbps, 36Mbps、受信可能な伝送レートは9Mbps, 18Mbps, 48Mbpsであったとすると、第1の実施形態の図15の代わりに図21のような接続管理テーブルを作成することになる。そして無線通信端末201は自端末が送受信可能な伝送レートで無線通信基地局101が少なくとも受信可能な伝送レートを用いて無線通信基地局101宛てのフレームを送信する。例えば無線通信端末201が図20に基づくと9Mbps, 18Mbps, 48Mbpsはそもそも送信できないから図21の各項目にある9Mbps, 18Mbps, 48Mbpsを削除する、など無線通信端末201自身のCapabilityを加味して接続管理リストに必要十分な情報を入れるだけにするのでもよい。
上述の例では802.11aに対応するという情報と合わせて802.11aで使用できるSupported Ratesエレメントの情報を、802.11nに対応するという情報と合わせて802.11nで使用できるSupported MCS Setフィールドの情報を入れるようにしたが、ch.2が5GHz帯であり、802.11規格(拡張方式を含む)に則るということを示し(あるいは既知として期待できるなら則るということは敢えて示さなくてもよい)、802.11a、802.11nという情報は入れずにSupported Ratesエレメントの情報とSupported MCS Setフィールドの情報を入れるようにしてもよい。5GHz帯で802.11規格に則るなら、これにさらにSupported Ratesエレメントの情報を把握するだけで802.11aで使用できる伝送レートを示していることが分かり、Supported MCS Setフィールドの情報を把握するだけで802.11nで使用できるMCSを示していることが分かるからである。
また周波数チャネルにまたがり共通する情報であれば共通化して報知・通知したり、接続管理テーブルの情報をまとめるようにしてもよい。例えば図20や図21の例では802. 11aでも802.11gでもSupported Ratesエレメントの情報としては同じであるから、一つのSupported Ratesエレメントの情報としてch.1、ch.2に適用するというように報知・通知し、図20自体も項目を一つにまとめるようにしてもよい。
ここで無線通信端末201がch.2への変更要求1001を送信した場合、無線通信基地局101はch.2で送受を要求した伝送レート/MCS、また少なくとも受信を要求した伝送レート/MCSに無線通信端末201が対応するか、図20の接続管理テーブルで無線通信端末201の項目に関して確認する。無線通信端末201がch.2で無線通信基地局101が送受を要求する伝送レート/MCSと少なくとも受信を要求する伝送レート/MCSに対応する場合、無線通信基地局101は無線通信端末201にch.2への変更要求を許可するチャネル変更応答1002を送信する。無線通信端末201がch.2で無線通信基地局101が送受を要求する伝送レート/MCSと少なくとも受信を要求する伝送レート/MCSのいずれかに対応しない場合、ch.2への変更要求を拒否する旨チャネル変更応答1002に入れて通知する。
(効果)
このように別の周波数チャネルで使用する通信方式として変調符号化方式まで報知・通知することにより、無線通信基地局および無線通信端末でより具体的に通信相手の対応する通信方式のレベルを把握することができ、通信相手に応じて適切な送信方法を選択することができる。さらに無線通信端末の受信可能な通信方式を無線通信基地局に通知することによって、受信可能な通信方式と送信可能な通信方式が異なり、特に受信可能な通信方式の方が送信可能な通信方式より範囲が広い場合に無線通信基地局から無線通信端末宛ての通信方式の選択範囲を広めることができる。また無線通信端末の受信可能かつ送信可能な通信方式を無線通信基地局に通知することによって、無線通信基地局が無線通信端末の受信可能な通信方式で送信することができるとともに、無線通信端末からの送信可能な通信方式を把握することにより、適応制御を行う際の情報として用いることができ、かつ無線通信端末から送信されるフレームの通信方式がなにか絞れることで無線通信基地局での受信方式を対応させやすくすることができる。
さらにある周波数チャネルで接続許可した無線通信端末の、別の周波数チャネルで使用可能な変調符号化方式を無線通信端末の識別子とともに保持することにより、無線通信端末からの別の周波数チャネルへの変更要求を受けた際に無線通信端末の使用可能な変調符号化方式が別の周波数チャネルでの使用条件を満たすか判断することができ、満たすと判断して許可する結果、確実に無線通信端末との別の周波数チャネルでの通信を保証することができ、その上で無線通信端末との接続を一旦切断することなく無線通信基地局の対応する周波数チャネル間での無線通信端末の移動を可能にする。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、第2の実施形態との相違点を中心に説明する。本実施形態が第2の実施形態と異なる点は、第2の実施形態では伝送レート、MCSについて報知あるいは通知していたが、それ以外の情報、即ちch.2で無線通信端末が無線通信基地局と通信するために必要な情報についても報知あるいは通知する点である。
802.11a/g/nそれぞれには伝送レートやMCS以外にもデータ交換を開始するにあたり必要な情報がある。例えばPHY層でのオプション機能やMAC層でのオプション機能といった各種機能を報知・通知する。本実施形態では、これらの特にch.2に係る各種機能をch.1で無線通信基地局101はBeaconあるいはProbe Responseフレームに入れて送信し、無線通信端末201ではAssociation Requestフレームなどに入れて送信する。
例えばBeaconフレームは、ch.1でBSSを構成するために図22のような情報を入れて報知される。図22での各情報は記載される順番で示してあるが、必ずしもこれら全ての情報を記載する必要はなく、必要な情報のみとしてもよい。そして図22では全ての情報を列挙はしていない。Probe Requestフレームを受信したときに送信先の無線通信端末に返すProbe ResponseフレームもBeaconフレームと同様な情報を入れる。これらの情報を受信することにより、無線通信端末はch.1で当該無線通信基地局と接続するのに必要な情報を得る。例えば第2の実施形態では図22にあるSupported Ratesエレメントに関し、ch.2での情報を入れる場合を記載した。また図22のHT Capabilitiesエレメントは図23のような構成を取り、802.11n (High Throughput; HT)関連のCapability情報を含んでいるがこの中のSupported MCS Setに関し、ch.2での情報を入れる場合を記載した。本実施形態では無線通信基地局が対応する他の周波数チャネルに関する伝送レート/MCS以外の情報もこのBeacon/Probe Responseフレームを送信している周波数チャネルで送信する。例えば図22のCapabilityエレメントは図24のような構成、HT Capabilitiesエレメントは図23のような構成、HT Informationエレメントは図25のような構成を取る。これらは先に示した伝送レートやMCS以外の情報も含んでいるが、ch.2を使用する際のこれらの情報をch.1で送信する。
例えば図6の無線通信基地局101でQoSに対応しているか否かは802.11ではCapability Information fieldのQoSビットで示し、ポーリングに対応しているか否か、どう対応しているかは802.11ではCapability Information fieldのQoSビット、CF-Pollableビット、およびCF-Poll requestビットの組み合わせで示し、PHYでの対応チャネル帯域はHT Capabilities element内のHT Capabilities Info fieldでのSupported Channel Width Setビットで示すが、ch.2での対応情報としてこれらを入れるわけである。
また無線通信端末201が無線通信基地局101に接続するためにch.1で設定のためのフレーム交換をする際には、ch.2で接続し通信を行う場合に通知すべき情報をch.1での接続のための情報と合わせて入れる。例えばAssociation Requestフレームには802.11ではch.1で無線通信基地局に接続するために図26のような情報を入れる。図26での各情報は記載される順番で示してあるが、これら全ての情報を記載しなくてはならないわけではなく、必要な情報のみ入れることができる。そして図26では全ての情報を列挙はしていない。
例えば第2の実施形態では図26にあるSupported Ratesエレメントに関し、ch.2での情報を入れる場合を記載した。また図26のHT Capabilitiesエレメントは図23のような情報を含んでいるがこの中のSupported MCS Setに関し、ch.2での情報を入れる場合を記載した。本実施形態では無線通信端末が対応する他の周波数チャネル(ch.2)に関する同様な情報もAssociation Requestフレームを送信している周波数チャネル(ch.1)で送信する。例えば図26のCapabilityエレメントは図24のような構成、HT Capabilitiesエレメントは図23のような構成、HT Informationエレメントは図25のような構成で各情報を含んでいるが、ch.2を使用する際のこれらの情報をch.1でのAssociation Requestフレームを送信する際に合わせて入れる。またAssociation ResponseフレームにもSupported Ratesエレメント、Extended Supported Ratesエレメントに加えてCapabilityエレメント、HT Capabilitiesエレメント、HT Informationエレメントがあるが、ch.2でのこれら対応する情報を無線通信基地局101がAssociation Responseフレームに同様に入れると、無線通信端末201はch.2において無線通信基地局101に接続し、そのBSS下で通信を行うために必要な情報として再度無線通信基地局101の属性を確認することができる。これらの情報は無線通信基地局、無線通信端末の各々で接続管理テーブルに保持される。
一番単純な方法はch.1向けのBeaconフレーム、Probe Responseフレーム、Association Requestフレーム、Association Responseフレームそれぞれにch.2で通信するために必要な情報をch.2自体に関する情報(チャネル識別子、必要に応じて中心周波数、チャネル帯域幅)と合わせて入れることである。これは例えばBeaconフレームならch.1向けのBeaconフレームのフォーマットを入れ、次にch.2自体に関する情報を入れ、ch.2向けのBeaconフレームのフォーマットを入れる。ch.1向けのBeaconフレームの情報部分とch.2向けのBeaconフレームの情報部分(ch.2自体に関する情報とch.2向けのBeaconフレームのフォーマットを合わせた部分)はMACフレームとしては別でPHYフレームとしては一つにフレーム集約(Aggregate)されていてもよいし、MACフレームとしてもPHYフレームとしても分離し、送信されてもよいし、MACフレームとして単一のものと扱って送信されてもよい。
また、周波数にまたがる必須機能については省略し、オプション機能であればこれを通知するようにしてもよい。
周波数チャネルにまたがり共通に対応可能な機能(例えばQoS対応は全ての周波数チャネルで対応するなど)であれば共通化し、周波数チャネルにより対応が異なる機能であれば周波数チャネルごとに通知するようにしてもよい。
無線通信基地局101は周波数チャネルごとにあるトラヒック種別の通信に即するアクセスパラメータの調整をしたり、使用するアプリケーションを制限したりするなど提供するサービスを変えることもできる。この各周波数チャネルにおける無線通信基地局のサービスポリシーをBeaconフレーム/Probe Responseフレームなどで通知するようにしてもよい。無線通信端末(ここでは無線通信端末201)はこの無線通信基地局101が通知する各周波数チャネルでのサービスポリシーを加味して周波数チャネルの変更を決定してもよい。一方、無線通信基地局101は無線通信端末201のチャネル変更要求に対し、変更要求先の周波数チャネルでのサービスポリシーを維持できるかにより、許可/拒否を決定してもよい。例えば無線通信端末201がch.2に移動することによってch.2でのAV伝送の帯域(スループット)が制限されることが予想できるなら無線通信端末201のch.2への変更要求を拒否する。また無線通信端末201がチャネル変更要求時に要求先の周波数チャネルで使用しようとしているサービスを通知するようにして、これを無線通信基地局101は要求先の周波数チャネルでのサポートサービスと照らし合わせて許可/拒否を決定するようにしてもよい。例えば無線通信基地局101はch.2をAV伝送用に設けており、無線通信端末201がch.2への変更要求時にVoIP伝送をしたいということを通知すると、AV伝送ではないため拒否する。
(効果)
このように現在通信を行っている周波数チャネル以外の周波数チャネルでの接続、通信を行うために必要な通信方式内の各機能に関する情報まで無線通信基地局、無線通信端末で互いに通知することにより、無線通信端末が無線通信基地局の対応する他の周波数チャネルに移動した後でch.2で当該各機能に関する設定を行う必要がなく、すぐに各機能を用いた通信を開始することができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、第1〜3の実施形態に追加する点を中心に説明する。本実施形態が第1〜3の実施形態に追加する点は、無線通信基地局で対応する複数の周波数チャネル上でその周波数チャネルでの接続に必要な情報を通知する点である。
図27は本実施形態に係る無線通信基地局101が二つの周波数チャネルch1、ch.2でBeaconフレームを送信している図である。第1〜3の実施形態ではch.1で送信するBeaconフレームにch.2に関する情報を入れたが、本実施形態ではch.2でもBeaconフレームを送信し、ch.2に関する情報を入れる。ch.1の情報をch.2で報知するようにしてもよい。また当然、ch.2で無線通信端末からProbe Requestフレームを受信すれば、Probe Responseフレームを返す際にch.2の情報を入れる。またch.2で送信するProbe Responseフレームにch.1の情報を合わせて入れるようにしてもよい。
なおch.1で送信するBeaconフレームに図27ではch.2の情報のみを表示してあるが、前述のように無線通信端末が無線通信基地局101とch.1で接続設定を行うためにはch.1で送信するBeaconフレームにch.1自身の情報を入れることは自明である。
これにより、無線通信基地局101はch.2でも活動していることを他の無線通信端末(無線通信基地局を含む)に把握させることができ、他の無線通信端末での干渉回避対策を期待できる。また無線通信端末はch.2で無線通信基地局101が活動していることから接続候補として把握することができる。
一方、無線通信基地局101でch.2において無線通信端末の新規の接続などを受け付けたくなければ(接続要求の受付けはch.1に制限し、ch.2はch.1からのチャネル変更でのみ受け付ける場合など)、ch.2でch.2の情報を報知するフレームとしてBeaconフレームではないフレームを、Probe Requestフレームに対しては応答せず、他のフレームで同様な用途のフレームに対してBSSの情報を応答として返す方法にすればよい。すなわち本発明に未対応の既存の無線通信端末(以下、「レガシー端末」という)で認識しないSubtypeフィールドのフレームを用いるということである。例えばIEEE802.11無線LANにおいてSubtypeフィールドが{B4, B5, B6, B7}={0, 0, 0, 1}のフレームはBeaconフレームとしてレガシー端末も本発明の実施形態に係る無線通信端末(無線通信基地局を含む)も認識するが、BSSの情報をch.2で報知する管理フレームとしてこれとは異なる新規のSubtypeを定義する。
レガシー端末が準拠した段階でのIEEE802.11無線LAN規格段階では定義されておらず、reservedになっていたうちの一つのSubtypeフィールド(便宜上Subtype 1とする)を使う、ということである。これにより本発明の実施形態に係る無線通信端末は当該新規Subtype 1の管理フレームを受信するとch.2でBeaconフレームの変わりにBSSの情報を報知するものとして認識、さらにch.2では新規接続を受け付けないことを把握する。またch.2で送信された当該Subtype 1の管理フレームにch.1で新規接続を受け付けることが示されていれば、無線通信端末201はch.1に移動して無線通信基地局101に接続設定のためのAuthenticationフレーム、Associationフレームなどの交換を開始できる。レガシー端末はBeaconフレームを受信しないため無線通信基地局101を発見できず、また新規Subtype 1の管理フレームを受信しても認識できないのでMAC部で受信処理する際に、Subtypeフィールドでのフィルタリングで認識できないフレームとして判定、Frame Bodyフィールドの内容は破棄し(つまりSubtype 1を受信したからといってBeacon受信時のように接続先候補としての認識をしない)、フレームであることを把握できる場合に共通の処理(MACヘッダ部のアドレスフィールド部とDuration/IDフィールドからNAVの設定如何を判定する、MACヘッダ部Frame ControlフィールドのPower Managementビット(図8ではPwr Mgtと表記)からフレームを送信した無線通信端末がパワーセーブモードかアクティブモードか(ここでは無線通信基地局101になり、基地局であることから常にアクティブモードだが)を判別するなど)を施す。その結果、レガシー端末は無線通信基地局101に接続を試みない。Probe Requestフレームの代わりにSubytpe 2を、Probe Responseフレームの代わりにSubtype 3をch.2では使うようにすれば、無線通信基地局101がch.2ではProbe Requestを受信してもProbe Responseフレームを送信せず、レガシー端末はch.2で無線通信基地局101からのBSSに関する情報を取得できず、無線通信基地局101を発見することができないので接続を試みないが、本発明の実施形態に係る無線通信端末である無線通信端末201は無線通信基地局101がSubtype 2の管理フレームに対してSubtype 3の管理フレームで応答するため、ch.2でBSSの情報を取得することができる。またSubtype 3の管理フレームにch.1の情報も入れ、ch.1で新規接続を受け付けることが示されていれば、無線通信端末201はch.1に移動して無線通信基地局101に接続設定のためのAuthenticationフレーム、Associationフレームなどの交換を開始できる。またレガシー端末が把握できないフレームを使用することによって、レガシー端末は無線通信基地局101がch.2で動作していることを把握できずch.2で接続できないが、本発明の実施形態に係る無線通信端末はch.2でSubtype 1、2、3などの新規フレームを用いることによって無線通信基地局101を検出、接続する、というようなch.2での接続を制限することもできる。
(効果)
このように別の周波数チャネルで使用する通信方式あるいは変調符号化方式を当該別の周波数チャネル自身で報知・通知することにより、当該別の周波数チャネル上で受信可能な他の無線通信基地局あるいは無線通信端末に当該無線通信基地局が当該別の周波数チャネルでどのような通信方式あるいは変調符号化方式を用いているかを認識させることができる。
さらに上記を認識させることにより、他の無線通信基地局や無線通信端末では干渉回避対策を講じることができる。
さらに上記を認識させることにより、無線通信端末では当該無線通信基地局を接続する無線通信基地局の候補にすることができる。
また本発明に対応しない既存の無線通信端末には把握できないフレームを用いることにより、当該別の周波数チャネルでの接続を制限することができる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態は、第4の実施形態に追加する点を中心に説明する。本実施形態が第4の実施形態に追加する点は、無線通信基地局で対応する複数の周波数チャネル上でその周波数チャネルでの接続に必要な情報を通知する際に、複数の周波数チャネルにまたがって同一の無線通信基地局であることを示す点である。
(BSSIDで実現する場合)
(単一のBSSIDの場合)
例えばIEEE802.11無線LANでは、ある無線通信基地局とそれに接続する無線通信端末とでBSSを構成するが、そのBSSの識別子はBSSID (Basic Service Set IDentification)といい、通常は無線通信基地局のMACアドレスである。例えば図3のような構成の無線通信基地局ではMACアドレスとして一つを持つようにしてもよい。その場合、図28のようにch.1、ch.2で送信するBeaconフレームにch.2に関する情報を入れるとともに、これら異なる周波数チャネルで送信されているBeaconフレームが同一の無線通信基地局からであることを示すために共通のBSSIDを入れる。
IEEE802.11無線LANで無線通信基地局がBeaconフレームを送信するときは図7のMACヘッダにあるAddress 3フィールドにBSSIDを入れるようになっており、ここにch.1とch.2の各々のBeaconフレームで同じ48ビットのBSSID値を入れるというのが一つの方法である。
このような場合、無線通信端末で周波数チャネル上をスキャンした情報を集計処理する際にはどの周波数チャネルで取得した情報かという情報も合わせて保持する必要がある。
IEEE802.11無線LANではスキャンすると各BSSの情報をBSSDescriptionとしてまとめ、SMEに通知し、SMEでどのBSSに接続するかを決定し、MAC層で実際の接続設定のためのフレーム交換を行う。上述の実施形態の場合はこのBSSDescriptionとして図29のように周波数チャネルの識別子を追加するなど、どの周波数チャネルで取得した情報なのかを把握できるようにする。
(複数のBSSIDの場合)
一方、BSSIDはこれまでは無線通信基地局で通常一意にMACアドレスから決まっていたが、図3のような構成の無線通信基地局では異なる周波数チャネルとそれに付随するアクセス制御部を一まとめにして周波数チャネルごとに異なるBSSIDを割り当てるようにしてもよい。つまり図3でPHY1用アクセス制御部31、PHY1処理部33、第1の周波数変換回路35を通してフレームを送信する際にはBSSIDをBSSID 1として、PHY2用アクセス制御部32、PHY2処理部34、周波数変換経路2を通してフレームを送信する際にはBSSIDをBSSID 2とする。
この複数のBSSIDは複数の周波数チャネルを共通に管理するMAC層管理部30で管理する。BSSID値自体はMAC層管理部30の外部、例えば外部入力により指定するものでもよいし、MAC層管理部30で独自に割り当てるようにしてもよい。
このようにする場合、ch.1でのBeaconフレームではMACヘッダのAddress 3フィールドにch.1のBSSIDであるBSSID 1を入れ、Frame Bodyフィールドにch.2の情報とともにch.2でのBSSIDはBSSID 2であることを通知し、ch.2でのBeaconフレームではMACヘッダのAddress 3フィールドにch.2のBSSIDであるBSSID 2を入れれば、無線通信端末201がch.1からch.2に周波数チャネルを変更した場合にch.2のBeaconフレームを受信してch.1で通知されていた情報から同一の無線通信基地局が送信するBeaconフレームであるということを確認できる。当然、ここでch.2でのBeaconフレームのFrame Bodyフィールドにch.1の情報とch.1でのBSSIDがBSSID 1であることを入れるようにして各周波数チャネル上で送信されるBeaconフレームで他の周波数チャネルの情報をそこで使われるBSSID含めてお互いに通知するようにしてもよい。この場合、図30のようになる。なお、他の周波数チャネルに関する情報の記載順はこれに限らない。
IEEE802.11無線LANではシステムの識別子としてBSSIDの他に、図22、図26、図29にも記載してあるようにSSID (Service Set Identifier)というものもある。これは複数のBSSから構成されLLCでは一つのBSSとして認識されるESS (Extended Service Set)の識別子であり、例えば同一オペレータによる(さらに場合によっては同一のサービス提供をする)システムであることを示すための識別子であるということができる。このSSIDについては、上述の二つの例(BSSIDを一つで済ます、あるいは複数のBSSIDを用いる)いずれでも同じSSID値にしてもよい。また例えばch.1とch.2でサポートするトラヒック種別が違う、あるいは優先するトラヒック種別が異なる(アクセスパラメータを調整することなどにより行うことができる)、あるいは対応するアプリケーションを限定する(例えばch.2はVideo伝送のみに使用する)など、サポートサービスに違いを設けるならSSID値をch.1とch.2で変えてもよい。
(効果)
このように別の周波数チャネルで当該無線通信基地局の識別子を通知することによって複数の周波数チャネルで同一の無線通信基地局が動作していることを通知することができる。
さらにある周波数チャネルで当該無線通信基地局と通信しており別の周波数チャネルに変更して当該無線通信基地局と再び通信行う無線通信端末で当該無線通信基地局を認識することでフレームを当該無線通信基地局に送信することができる。
(第6の実施形態)
第6の実施形態は、第5の実施形態と異なる点を中心に説明する。本実施形態が第5の実施形態と異なる点は、第5の実施形態ではBSSIDを用いて同一の無線通信基地局であることを示したのに対し、本実施形態ではBSSIDとは異なる識別子を別に設け、同一の無線通信基地局であることを示す点である。
例えばIEEE802.11無線LANのレガシー端末では本発明の実施形態に従って追加する情報を把握しない。また、本明細書で示すような情報の管理方法をすることは期待できない。
第5の実施形態で触れたようにBSSDescriptionとしてBSSIDごとに情報を集計するようになっているため、第5の実施形態の単一のBSSIDによる通知方法を用いると、レガシー端末では複数の周波数チャネルで同一の無線通信基地局から受信したBeaconフレームあるいはProbe Responseフレームの情報を区別できず、さらに本発明の実施形態に係る異なる周波数チャネルに関する情報を認識することができない。レガシー端末ではフレーム種別(Subtypeレベルまで)を認識し、かつフレーム内での情報の格納されるフィールド位置が一意に決まっている(フィールド開始点固定、フィールド長固定)もの、またはフィールド位置が決まっていない情報でも識別子(Element ID)を入れるフィールドとフィールド長(Length)を示すフィールド、その後に可変長の情報フィールドが続くような構成で(図23のようなもの)Element IDが認識できるものに関してはPHY層からMAC層に上がってくると所望の処理(各情報要素を抽出し、今後のMACでの処理に反映するなど)をするようになっている。このような方法によって認識できない部分はMAC層で廃棄するなどしてその後の処理には反映されない。従ってBeaconフレームやProbe Responseフレームはレガシー端末でも理解でき、単一のBSSIDによる通知方法の場合にAddress 3フィールドを使うのであればそれも理解でき、複数のチャネルで同一のフレーム、同一の情報を受け取ったことになる。このような状況を予期した設計になっていないとレガシー端末での内部動作的に問題となる可能性がある。
そこで本実施形態では各周波数チャネルで用いるBSSIDは(第5の実施形態の後半の例のように)異なる値を割り当てつつ(第5の実施形態の後半の例でBeacon、Probe ResponseフレームのFrame Bodyフィールド内に他のチャネルでのBSSIDを通知するのとは異なり)、本発明の実施形態に係る無線通信端末であれば理解できる新たなフィールドをBeacon、Probe ResponseフレームのFrame Bodyフィールドに設ける。ch.1、ch.2それぞれで送信されるBeacon、Probe ResponseフレームのFrame Bodyフィールドに例えば図31のようにMulti-channel ID (MC ID)という共通の識別子を入れる。レガシー端末はこれを認識することができないため、フレームを受信しても当該情報の処理は行わず、弊害は起こらない。本発明の実施形態に係る無線通信端末ではMC IDを理解でき、異なる周波数チャネルで異なるBSSIDのBeacon、Probe Responseフレームを受信してもこのMC IDのフィールド値が共通であれば同一の無線通信基地局であると把握することができる。ch.2に移動した無線通信端末201はMC IDから無線通信基地局101のch.2で送信するBeaconフレーム、Probe Responseフレームを認識、Beaconフレーム、Probe Responseフレームからch.2で無線通信基地局101が用いているBSSID (BSSID 2)を取得、その後の通信ではそのBSSID 2を用いる。あるいは、MC IDを無線通信基地局101、無線通信端末201で例えば送信するフレームのMACヘッダ部に入れるなどしてもよい。MC IDを入れるのはch.2でのみでもよいし、本発明の実施形態において対象となる全ての周波数チャネル(ここではch.1とch.2)で送信するフレームに入れるようにしてもよい。該当するMC IDを持ったフレームを無線通信基地局101から送信されたものとして無線通信端末201は把握することができる。
(効果)
このように単独の周波数チャネルでのみ通信可能な無線通信基地局で用いる無線通信基地局の識別子を示すフィールドとは別のフィールドで複数の周波数チャネルに渡り同一の無線通信基地局であることを通知することにより、単独の周波数チャネルでのみ通信可能な無線通信基地局にのみ接続可能な無線通信端末で当該通知を受信した際には別の無線通信基地局として認識して接続可能とさせることができるとともに、複数の周波数チャネルで通信可能な無線通信基地局と接続可能な無線通信端末では同一の無線通信基地局として認識して接続させることができる。
(第7の実施形態)
第7の実施形態は、第3〜6の実施形態に追加する点を中心に説明する。本実施形態が第3〜6の実施形態に追加する点は、無線通信基地局101がブロードキャストフレームやマルチキャストフレームなどの送信先アドレスがグループアドレスになったフレームを送信する際には、同時に送信可能な全ての周波数チャネルで送信することである。
すなわち、図6のような構成を採る場合、無線通信基地局101はch.1とch.2で(実際はアクセス権を取る条件が異なり同時の送信にはならなくても)同時に送信可能であるので、この二つのチャネルでグループアドレスフレームを送信する。これは、無線通信基地局101にとってch.1とch.2は同時に受信も可能な周波数チャネルであることから、グループアドレスフレームを同時に送受信可能な全ての周波数チャネルで送信する、と言い換えることもできる。
通常のIEEE802.11無線LANでは、フレームを送信する場合にフレームの順番を示すためのフィールドが設けられる。図7のSequence Controlフィールドにこの順番は入れられるわけだが、このSequence Controlフィールドを詳細に示すと図32のようにFragment NumberフィールドとSequence Numberフィールドに分かれる。Sequence NumberフィールドがMSDU (MAC Service Data Unit: MAC層の上位、例えばLLC層から渡されたデータから生成されるフレーム。データフレームとなる)やMMPDU (MAC Management Protocol Data Unit: MAC層の管理プロトコルを動かすために生成されるフレーム。管理フレームとなる)のシーケンス番号、すなわちフレームの順番を示すフィールドである。このシーケンス番号はIEEE802.11無線LANで無線通信端末がQoSの種別を区別する場合にはトラヒック識別子(TID: Traffic Identifier)、受信端末ごとにmodulo-4096のカウンタを割り当て、1ずつインクリメントさせていく。管理フレーム、QoSフレームだがグループアドレスフレーム、また非QoS (non-QoS)フレームを送信するときには、これらのフレームの違いは区別しない。
先の複数用意したカウンタに加えてもう一つこれらのためにmodulo-4096のカウンタを割り当て、該当するMSDU、MMPDUフレームの送信のたびに1ずつインクリメントさせていく。
無線通信端末がQoSの種別を区別しないような送信形態の場合には一つのmodulo-4096のカウンタを用い、一つのMSDUあるいはMMPDUごとに1ずつインクリメントさせていく。図32にあるFragment Numberフィールドは一つのMSDUあるいはMMPDUを細かいフラグメントと呼ばれるフレーム長の短い単位に分割して送信する(これをフラグメント処理という)際のフラグメント番号すなわちフラグメントの順序を示すフィールドである。フラグメント処理では最大64個にまで分割をすることができる。Fragment Numberフィールドには0から最大63までの値がフラグメントごとに割り当てられる。同じMSDUあるいはMMPDUでフラグメントされる場合にはSequence Numberフィールドには同じ値が入り、Fragment Numberフィールドにフラグメントの順番が書き込まれることになる。
IEEE802.11無線LANでは無線通信端末(無線通信基地局を含む)がフレームを受信すると、受信動作として自分宛のフレームかどうかをMACヘッダのアドレスフィールドから確認する。MACヘッダのAddress 1フィールドに直接の送信先端末のアドレスを記載してフレームを送信することになっているため、無線通信端末はAddress 1フィールドが自端末のMACアドレスと同一か比較し、同一であると自端末宛てと判断、選択再送方式を用いている場合には、フラグメントされているフレームならフラグメント順に並べて一つのMSDU/MMPDU分揃ったらフラグメントのないMSDU/MMPDUの形式に直し(これをデフラグメント処理という)、Sequence Controlフィールドの順番に沿って受信したフレームの順番を並べ替えて、MAC層の上位、例えばLLC層に渡し、あるいは管理フレームであるならMAC層管理部30に渡して、必要に応じてSMEを介した判断に基づき所望の動作を行う。同一の無線通信端末からシーケンス番号が同一のフレーム(さらにフラグメント処理されているフレームであればフラグメント番号も同一のフレーム)を受信した場合は重複受信したとして廃棄する。この場合にACK応答を要求するフレームであれば、重複如何に関わらず、受信後SIFS経過してからACKフレームを送信することになる。自端末宛てでないと判断した場合にはフレームを廃棄するとともに、図7のDuration/IDフィールド(図7ではDur/IDと表記)に基づきNAV (Network Allocation Vector)を張る(Duration/IDフィールドに書かれた時間だけMAC層でメディアがビジーと認識させる、すなわち仮想キャリアセンスを発動させる)。
グループアドレスのフレームの場合にはAddress 1フィールドにグループアドレスが記載されているが、それを受信すると無線通信基地局とAssociationプロセスを経て接続したIEEE802.11無線LANの無線通信端末ではMACヘッダに記載されたBSSID (管理フレームなら図7のAddress 3フィールド、データフレームで例えば無線通信基地局からその配下の無線通信端末向けに送信される場合には図7のAddress 2フィールド)を抽出、それが自無線通信端末の所属するBSSのBSSIDと同一であるかを判断、同一と判断した場合には(マルチキャストフレームではさらに自端末を含むマルチキャストであるかを判断し、そうである場合に)MAC層で所望の処理(Frame Bodyフィールド部を抽出し、上位レイヤへ渡す、あるいはMAC層管理部30に渡し、必要に応じSMEを介して所望の動作を行う)を行い、そうでない場合にはフレームを廃棄する。グループアドレスフレームの場合はグループアドレスが自端末を含むものであってもACKフレームをSIFS後に送信はしない。同一の無線通信端末からシーケンス番号が同一のフレームを受信した場合は廃棄することはユニキャストフレームと同様である。メッシュのような構成により複数の無線通信端末から同一のグループアドレスを受信するような場合にはデータの生成元の送信アドレスと例えばメッシュネットワーク上でのシーケンス番号に相当するフィールドがフレームに設けられているのでそれらの情報を合わせて重複しているか否かを判断し、廃棄する。
ここで、第5の実施形態にある単一のBSSIDで同一の無線通信基地局であることを示す場合に、無線通信端末201がch.1でグループアドレスフレーム1を受信し、その後ch.2に移行して(無線通信基地局101のアクセス権獲得の関係などで)再びグループアドレスフレーム1を受信すると、両フレームともMACヘッダ内のBSSIDを記載するフィールドが無線通信基地局101のMACアドレスと同一であることから該当するということになるが、シーケンス番号が同一のため後から受信したch.2でのグループアドレスフレーム1を廃棄されることになる。従来の無線通信端末がチャネル変更をする場合、複数の周波数チャネルで送信されるフレームが同一の無線通信基地局からのものであってもそのことを未対応のフィールドで通知されればそれを把握することはできない。従ってこの実施形態であれば既存のBSSIDを記載するフィールドとシーケンス番号を記載するフィールドを既存の用途どおりに用いているため、本発明に対応しない従来の無線通信端末であってもグループアドレスフレームの重複をMAC層で把握、廃棄できる。
第5の実施形態にある、複数のBSSIDを設けつつ動作する周波数チャネルで他の動作する周波数チャネルで用いるBSSIDを通知(報知)する方法であるなら、無線通信端末201がch.1でグループアドレスフレーム1を受信し、その後ch.2に移行して(無線通信基地局101のアクセス権獲得の関係などで)再びグループアドレスフレーム1を受信すると、二つのフレームでMACヘッダ内のBSSIDを記載するフィールドは異なるがch.2で用いるBSSIDを無線通信端末で予め把握しているためch.2で受信したグループアドレスフレーム1もMACでの処理対象となる。その上で、シーケンス番号が同一のため、同一無線通信基地局から送信された同一のグループアドレスフレームであることを把握し、後から受信したch.2でのグループアドレスフレーム1は廃棄されることになる。第6の実施形態でMC IDを用いる場合にも同様にグループアドレスフレーム内にMC IDを入れることによって(例えば管理フレームであればFrame BodyフィールドにMC IDを入れる、またデータフレームであればMACヘッダ部にMC IDを入れるフィールドを設けて入れるなど)無線通信端末201で同一無線通信基地局から送信された同一のグループアドレスフレームであることを把握でき、後から受信したch.2でのグループアドレスフレーム1を廃棄できる。一方これらの方法では、複数の周波数チャネルで同一のグループアドレスを受信してもそれらが同一の無線通信基地局から送信されたものであること、重複であるために廃棄できることがレガシー端末では把握できない。従って、無線通信端末側のMAC層より上位のレイヤで識別して廃棄する方法に頼るか、無線通信基地局側でレガシー端末が周波数チャネルを変更し、再度変更した先で当該無線通信基地局と接続した場合には同一のグループアドレスを重複送信しないようにすることが必要になる。
上述のように無線通信端末で周波数チャネルの移動がある場合にグループアドレスの重複受信を削減するためには、無線通信基地局で収容する無線通信端末の周波数チャネル移動のタイミングを把握し、その動作完了を待って送信することが望ましい。複数の無線通信端末の周波数チャネル移動がオーバーラップする場合にはそれらの無線通信端末が全て移動を完了するのを待つことが望ましいことになる。この他、グループアドレスフレームに関してはIEEE802.11無線LANでは低消費電力モード(Power Saveモード)にある無線通信端末が受信可能状態になるタイミングを把握して送信する、という要求もあり、これらを加味してグループアドレスフレームは送信される。前述のようにレガシー端末が周波数チャネル変更をする場合にはいつ周波数チャネル変更をするか、いつ新しい周波数チャネルで無線通信基地局と接続するか予め無線通信基地局で把握することができない。そこで当該レガシー端末がch.1からch.2に移動し、接続してきたことを無線通信基地局101が認識した際にグループアドレスフレームを再度レガシー端末に送信しないようにMAC層で制御するためには、従来方式対応の無線通信端末宛てのマルチキャストアドレスフレームと本発明の実施形態に係る無線通信端末宛てのマルチキャストアドレスフレームを別に設け、すでにレガシー端末にch.1で送信済みの情報に関しては本発明の実施形態に係る無線通信端末宛てのマルチキャストアドレスフレームを用いてch.2で送信するなど、レガシー端末と本発明の実施形態に係る無線通信端末宛てのグループアドレスフレームを区別して送信する方法などがある。この場合、ch.2で例えばある一定時間経過後(例えばレガシー端末で想定されるチャネル移動時間以上)に送信する場合、という条件で適用するようにしてもよい。また例えばレガシー端末の接続を許可する周波数チャネルを一つに限定し(例えばここではch.1)、他の周波数チャネル(例えばここではch.2)でのレガシー端末の接続を拒否してこのような問題が発生するのを防ぐようにしてもよい。
(効果)
このように複数の無線通信端末宛てのフレームを送受信可能な全ての周波数チャネルで送信することにより、周波数チャネルを移動する可能性のある送信先無線通信端末に確実にフレームを受信させることができるとともに、無線通信基地局でフレーム送信時の送信先無線通信端末の周波数チャネルの移動を含めた接続している周波数チャネルを正確に指定する必要がなく処理負荷を軽減できる。
また同一の複数の無線通信端末宛てのフレームを複数の周波数チャネルで送信する際に、送出番号の順番を示すフィールドに同一の値を入れることにより、複数の周波数チャネル間での送信タイミングがずれる場合などでその間に周波数チャネル間を移動する無線通信端末あるいは複数の周波数チャネルで受信可能な無線通信端末で同一のパケットを複数の周波数チャネルで受信しても重複であることを識別できるようにすることができる。
(第8の実施形態)
第8の実施形態は、第3〜7の実施形態に追加する点を中心に説明する。本実施形態が第3〜7の実施形態に追加する点は、無線通信基地局が同時に使用可能な他の周波数チャネルでの使用率を報知・通知することである。
例えば図30のように無線通信基地局101が周波数チャネルch.1とch.2でお互いの周波数チャネルに関する情報を報知・通知する場合で説明する。無線通信基地局101はch.2での周波数チャネルの使用率をch.1でch.2の周波数チャネルに関する情報としてBeaconフレームあるいはProbe Responseフレームに含め、報知・通知する。逆にch.1での周波数チャネルの使用率をch.2でch.1に関する情報に含め、報知・通知してもよい。
チャネル使用率とは例えばある一定観測期間に周波数チャネルの占有されている時間である。CSMAを用いて送信する機構の際には、無線通信端末(無線通信基地局を含む)は周波数チャネルが空いていると判断すると送信する競合方式をとっている。無線通信端末同士が空いた時間に同時に周波数チャネルにアクセスして衝突するのを防ぐために周波数チャネルが空いている状態で一定の固定時間と無線通信端末でランダムな時間待ってからアクセスする方式がCSMA/CA (Carrier Sense Multiple Access with Carrier Avoidance)である。CSMA/CAを用いるIEEE802.11無線LANの場合、周波数チャネルが空いているかはPHY層での無線媒体の状態を把握するClear Channel Assessment (CCA)機構とMAC層での仮想キャリアセンスの状況により判断する。PHY層では周波数チャネル上である一定レベルの受信電力を検出するとCCA=BUSY (ビジー)、一定レベル以下の受信電力になるとCCA=IDLE (アイドル)とMAC層に通知する(図2を用いるなら当該通知信号はPHY部4からMAC部2への線を介して通知される)。一定レベルの受信電力とは例えばPHYパケットの先頭にあるプリアンブル部を検出できた場合には-82 dBm、プリアンブル部を検出できなかった場合には-62 dBmである。MAC層ではこのPHY層からのCCA信号がBUSYである期間と、MAC層で自分宛てでないフレームのDuration/IDフィールドに記載された時間(この時間だけメディアがビジーと認識して送信を止めることをNAVを張るといい、実際にはPHYではCCA=IDLEであってもメディアをビジーと認識する機構を仮想キャリアセンスという)の和集合を取り、この間を周波数チャネルが占有されていると認識し、この和集合の排他の期間を周波数チャネルが空いていると認識する。従って、周波数チャネル上に送信しようというときには周波数チャネルが占有されているかどうかを観測しているので、この情報を統計処理することにより、一定観測期間に周波数チャネルの占有されている時間を出すことができる。Beaconフレームの送信(を試みる)間隔(Beacon Interval)が固定であるなら(CSMA/CAなどを用いると実際に周波数チャネル上にBeaconが送信されるタイミングは一定間隔ではなくなる)、これを基準にあるBeacon Intervalで観測した周波数チャネルの占有時間を示してもよいし、何回かBeacon Interval分観測した周波数チャネルの占有時間をBeacon Intervalで割り(Beacon Intervalで正規化)、平均的な占有時間を示すようにしてもよい。
あるいはチャネル使用率とは例えば無線通信基地局が一定時間当たりに送信するデータ量である。前述のようにある一定期間測定した後、Beacon Intervalなどの単位時間あたりの平均データ量を示すようにしてもよい。
あるいはチャネル使用率とは例えば無線通信基地局が一定時間当たりに送信のために無線媒体にアクセスする際のアクセス要求発生から実際にアクセス権を取得するまでに要する時間である。前述のようにある一定期間測定した後、Beacon Intervalなどの単位時間あたりの平均アクセス時間を示すようにしてもよい。
周波数チャネルの使用率は上述では基本、無線通信基地局自身がチャネルアクセスを行う際に統計処理する方法で記載してあるが、無線通信基地局に接続する無線通信端末で観測した結果を無線通信基地局に通知、当該情報を用いるのでもよい。この場合、無線通信基地局に接続する複数の無線通信端末から観測結果の情報を収集、統計処理して周波数チャネルの使用率として用いてもよい。
無線通信端末201では無線通信基地局101から他の周波数チャネルでの使用率の情報を取得することによって他の周波数チャネルへの移行判断を行う。例えば現在使用しているch.1に比べてch.2でのチャネル占有率が引くければch.2に移行して通信を行う方が望ましいと判断することなどができる。
ch.1自体の使用率は無線通信端末201自体で統計を取るようにしてch.2でのチャネル使用率と比較するのでもよいが、ここで無線通信基地局101が例えばch.1ではch.1でのチャネル使用率も、またch.2ではch.2でのチャネル使用率も入れれば、無線通信端末201ではch.1とch.2の状態の把握を無線通信基地局101からの情報として比較することができる。
(効果)
このように無線通信基地局が別の周波数チャネルの使用率を通知することにより、無線通信端末に別の周波数チャネルへの移行を判断するための情報を提供することができ、無線通信端末ではその情報に基づき別の周波数チャネルへの移行を判断することで移行先の周波数チャネルでの通信を保証することができる。この使用率をチャネル占有率、あるいは単位時間当たりの平均送信データ量、あるいはアクセス権取得までの平均時間とすることにより、無線通信端末が判断する際のより具体的な指標とすることができる。
(第9の実施形態)
第9の実施形態は、第1〜8の実施形態に追加する点を中心に説明する。本実施形態が第1〜8の実施形態に追加する点は、無線通信基地局が無線通信端末との接続情報を管理する接続管理テーブルに無線通信端末との間で設定したセキュリティ情報を含め、無線通信端末が周波数チャネルを移動した場合にも当該セキュリティ設定で通信することである。
IEEE802.11無線LANでは通信を暗号化する方式が複数ある。例えばデータフレームの交換を行う際に暗号化する方式としてはARC4アルゴリズムに基づいたWEPやWEPを発展させてセキュリティレベルを高くしたTKIP (Temporal Key Integrity Protocol)、さらにセキュリティ強度の高いAES (Advanced Encryption Standard)に基づいたCCMP (Counter mode with Cipher-block chaining Message authentication code Protocol)がある。さらにWEPの中にも秘密鍵に64ビット長のデータを使用するものとそれよりセキュリティが強化される128ビット長のデータを使用するものとがある。無線通信基地局と無線通信端末が共通の暗号化方式に対応できればそれを用いて無線通信基地局と無線通信端末の間の通信を暗号化することができる。
本実施形態では例えば図6のような構成で無線通信端末201がch.1で無線通信基地局101と通信のための接続設定を行う場合、無線通信基地局101とTKIPを使ったデータ交換を行うための設定を合わせて行う。無線通信基地局101は接続する無線通信端末の接続管理テーブルとして例えば図14(a)の代わりにセキュリティ情報の項目を追加した図33を保持する。無線通信端末201とのTKIP用設定を含む接続設定が正常に終了(無線通信基地局101が無線通信端末201とのTKIPを用いた接続を許可)すると、無線通信端末201に関連する接続情報を図33のように書き込み、保持する。無線通信基地局101は接続管理テーブルで無線通信端末201に関して引けば、対応可能周波数チャネルはch.1とch.2であること、ch.1では802.11gで通信可能なこと、ch.2では802.11aで通信可能なこと、現在使用している周波数チャネルはch.1であること、に加えて、TKIPで通信することが分かる。図33の例では無線通信端末202とは無線通信基地局101はCCMP用設定を含む接続設定が正常に終了してCCMPを用いた通信を行うことも示してある(CCMPの代わりにAESと記載してもよい)。
無線通信端末201からch.2への周波数チャネルの変更要求が無線通信基地局101に送信され、無線通信基地局101がch.2への当該チャネル変更要求を許可すると無線通信端末201のch.2へのチャネル切り替え後、無線通信基地局101と無線通信端末201はch.1で設定した暗号化方式であるTKIPを用いてch.2での通信を行う。図33での「使用チャネル」の項目がch.1からch.2に変更されるだけで、TKIPの情報は保持される。ここで図33では暗号化方式名だけを接続管理テーブルに保持する例を示してあるが、同一の暗号化方式であっても無線通信端末ごとに暗号化キーを区別するなど暗号化方式名以上の分解能のある情報が暗号化方式使用時に必要であるなら当該情報も当然含める。
(効果)
このように無線通信基地局でセキュリティ情報を無線通信端末の識別子とともに管理し、別の周波数チャネルへの変更要求を許可した場合に変更先の周波数チャネルで同じセキュリティ情報を用いることにより、変更先の周波数チャネルで再度セキュリティの設定を行わなくても無線通信基地局と無線通信端末の間で通信を開始することができる。
(第10の実施形態)
第10の実施形態は、第9の実施形態と異なる点を中心に説明する。本実施形態が第9の実施形態と異なる点は、第9の実施形態では無線通信端末のチャネル変更後に同じ暗号化方式を用いて通信を行うのに対し、無線通信端末からのチャネル変更要求受信時に無線通信基地局が変更要求先の周波数チャネルで当該暗号化方式に対応しているかを確認し、対応しているならチャネル変更を許可、対応していないならチャネル変更を拒否することである。
例えば図6のような構成で無線通信基地局101はch.1ではTKIPとCCMPに対応するが、ch. 2ではよりセキュリティ強度の高い通信しか許可しないとしてCCMPによる通信しか許可しないとする。このような周波数チャネル別のセキュリティポリシーはセキュリティポリシーの管理テーブルとして図3のMAC層管理部30に格納しておいてもよいし、当該情報自体は外部メモリに格納し、MAC層管理部30が必要に応じて外部メモリへアクセス、確認・参照するようにしてもよい。その場合、接続管理テーブルが図33のような状態で無線通信端末201がch.2へのチャネル変更要求を無線通信基地局101に送信すると、現状の無線通信端末201との暗号化方式はTKIPであることを図33から参照し、無線通信基地局101は無線通信端末201のch.2へのチャネル変更要求を拒否する。チャネル変更要求への拒否をフレームとして無線通信端末201に送信する際に、セキュリティ要求が満たされていない、など理由を入れてもよい。通常当該チャネル変更応答フレームは管理フレームであり、要求に対する応答系の管理フレームでは拒否を通知する際にはStatus Codeというフィールドで拒否であることに加え拒否の理由を合わせて通知するようになっているので、それを使ってもよい。
このように周波数チャネルにより異なるセキュリティポリシーがあるのであれば、別の周波数チャネルでのセキュリティポリシーをその周波数チャネルの情報として含めてBeaconで報知、Probe Responseで通知するようにしてもよい。例えば上記の例ではch.1のBeacon、Probe Responseにch.2での情報として暗号化方式CCMPに対応している、あるいは暗号化方式CCMPを要求していることを入れる。例えば図17の代わりに図34のようになる。
逆にch.2のBeacon、Probe Responseにはch.1での情報として暗号化方式TKIPとCCMPに対応していることを入れてもよい。無線通信端末201では例えば図15の変わりに図35のように各チャネルに対応した暗号化方式の項目を設けて無線通信基地局101のch.1とch.2でのオペレーション情報を保持する。無線通信端末201で認識できない暗号化方式を通知されている場合はその旨入れるなどしてもよい。なお他の周波数チャネルでのセキュリティ方式の通知は(どの暗号化方式を使うか相互に参照する対応表が一致するなどにより)無線通信基地局と無線通信端末で認識が一致するなら単純にセキュリティレベルのような表示方法でもよい。
(効果)
このように無線通信基地局は無線通信端末の使用可能なセキュリティ方式を別の周波数チャネルへの変更要求前に把握し、別の周波数チャネルへの変更要求を受けた際に許可するか否かに用いることにより、無線通信端末の別の周波数チャネルでのセキュリティを保持することができるとともに、無線通信基地局の要求するセキュリティ方式を満たさない場合に別の周波数チャネルで拒絶されることが分かっている無線通信端末からの接続要求を無線通信端末に予め把握させ、無駄な接続のためのフレームの交換による周波数チャネルの占有を削減することができる。また無線通信端末の別の周波数チャネルへの変更を許可する場合に、無線通信端末から通知されたセキュリティ方式に関する情報を変更後の周波数チャネルでの当該無線通信端末との通信に用いることができる。
また無線通信基地局が別の周波数チャネルで要求するセキュリティレベルを通知することにより、別の周波数チャネルで要求するセキュリティレベルを変更可能であるとともに、無線通信端末に別の周波数チャネルが無線通信端末の対応するセキュリティ方式か判断させることができる。
(第11の実施形態)
第11の実施形態は、第10の実施形態と異なる点を中心に説明する。本実施形態が第10の実施形態と異なる点は、第10の実施形態ではチャネル変更前に使用している暗号化方式が変更要求先のチャネルで要求している暗号化方式ではない場合、無線通信基地局は無線通信端末のチャネル変更要求を拒否したが、本実施形態ではチャネル変更前に使用している暗号化方式が変更要求先のチャネルで要求する暗号化方式でない場合、当該無線通信端末が使用可能な暗号化方式のうち自無線通信基地局が変更要求先のチャネルで要求する暗号化方式に該当するいずれか一つを選択できるなら変更要求を許可し、変更先チャネルでのデータ交換の通信を開始する前に前記選択した暗号化方式の設定を無線通信端末との間で行うことである。
このためには、無線通信端末が予め複数対応する暗号化方式を無線通信基地局に通知しておく必要がある。
図6のような構成を採る場合に、無線通信端末201が無線通信基地局101に接続要求をch.1で送信する際に、無線通信端末201は例えばTKIPとCCMPに対応することをCapabilityに含める。このようにして無線通信基地局101での無線通信端末向け接続管理テーブルは例えば図33の代わりに対応暗号化方式の項目も加えた図36のようになる。図36では同様に無線通信端末202から対応する暗号化方式がCCMPであると通知されている様子を示してある。
無線通信端末201は無線通信基地局101とch.1でTKIPを用いた通信の接続設定を行う際にch.2にも対応すること、ch.2でどのような通信方式に対応するかということに加えて、他にどのような暗号化方式に対応するかということを合わせて通知するのでもよいが、当初のch.1での通信の接続設定の際にはTKIPに対応するとのみ暗号化方式については無線通信基地局101に通知し、他に対応する暗号化方式に関しては無線通信基地局101からのBeaconフレームやProbe Responseフレームによりch.2での通信にはCCMPが必要ということが分かり、無線通信端末201でch.2へ移行する可能性があるなど対応する他の暗号化方式を通知した方がよいと判断した段階で、無線通信基地局101に対応する暗号化方式としてCCMPを追加通知するようにしてもよい。
無線通信基地局101は無線通信端末201からのch.2へのチャネル変更要求フレームを受信し、無線通信端末201とはTKIPでの通信のための設定しか行っていないこと、しかし図36から無線通信端末201がch.2での通信に要求されるCCMPにも対応することが分かると、チャネル変更要求を許可し、ch.2でのデータフレームの交換を開始する前にCCMPでの通信を開始するための設定を無線通信端末201との間で行う。このCCMPでの通信開始用の設定に当たってはチャネル変更応答フレームにCCMPの設定要求を含めて無線通信端末に送信するようにしてもよい。この場合、チャネル変更応答フレームを受信した無線通信端末201は無線通信基地局101とのCCMP設定のために必要なフレームをch.1で送信する。あるいは無線通信端末201はch.2への移動を完了してからch.2でCCMP設定のために必要なフレームを送信する。また無線通信基地局101はch.2に無線通信端末201が移動した後にCCMPの設定要求を無線通信端末201に送信するのでもよい。この場合、無線通信端末201はch.2で無線通信基地局101にCCMP設定のために必要なフレームを送信する。
上記では無線通信基地局101が無線通信端末201からチャネル変更要求フレームを受信してからCCMPの設定要求を無線通信端末201に送信したが、無線通信端末201がCCMPに対応していることを把握すると、ch.2でCCMPの使用を要求していることから無線通信端末201からのチャネル変更要求フレームが送信される前に予めCCMPの設定要求を無線通信端末201に送信してもよい。
また上記では無線通信基地局101が無線通信端末201にCCMPの設定要求を出し、それを受けて無線通信端末201が無線通信基地局101にCCMP設定のために必要なフレームを送信する方法を記載したが、例えば無線通信基地局101からのBeaconフレームやProbe Responseフレームによりch.2での通信にはCCMPが必要ということが分かり、無線通信端末201でch.2へ移行する可能性があるなど対応する他の暗号化方式を通知した方がよいと判断した段階で、無線通信基地局101にCCMP設定のために必要なフレームを送信してCCMPの設定を無線通信端末201から開始するようにしてもよい。
(効果)
このように周波数チャネル変更前のセキュリティ方式を変更後の周波数チャネルで用いることができるなら同じセキュリティ情報を用いて通信を行うことにより、周波数チャネル変更後にセキュリティ方式を用いるための再度の設定のためのフレームの交換を省略することができ、周波数チャネル変更前のセキュリティ方式を変更後の周波数チャネルで用いることができないが無線通信基地局で要求するセキュリティ方式に無線通信端末で対応するセキュリティ方式があるならそのいずれか一つの設定を変更後の周波数チャネルで無線通信端末との間で行うことにより、無線通信基地局が変更後の周波数チャネルで要求するセキュリティを保持することができる。
(第12の実施形態)
第12の実施形態は、第1〜11の実施形態に追加する点を中心に説明する。本実施形態が第1〜11の実施形態に追加する点は、無線通信端末が無線通信基地局に接続した後に他の周波数チャネルで使用可能な通信方式を当該無線通信基地局に通知することである。
図6のような構成を採る場合に無線通信端末201はch.1で接続するために必要な設定を行うためにAssociationフレームの交換を無線通信基地局101と済ませ、ch.1で通信できる状態になっている。この上で、本実施形態ではAssociationフレームとは別の新規Subtype (ここではSubtype 5とする)の管理フレームを他の周波数チャネルで対応する通信方式を通知するために設け、それを用いて無線通信基地局101にch.2での無線通信端末201の対応する通信方式を通知する。なお、前記実施形態のようにすでにAssociation Requestフレーム内にch.2で対応する通信方式を通知しておき、その後追加で別の周波数チャネルに関して、例えば無線通信端末201がch.3にも対応するならch.3の通信方式をSubtype 5の管理フレームで通知するようにしてもよい。Subtype 5の管理フレームは無線通信基地局101宛てのユニキャストフレームであり、無線通信基地局101はSubtype 5の管理フレームを受信すると通常のユニキャストフレームを受信した場合と同様ACKフレームで応答する。そして無線通信基地局101は通知されたch.2での対応する通信方式を接続管理テーブルの無線通信端末201に関する項目に書き入れ、保持する。
無線通信端末201はch.2への変更要求を無線通信基地局101に送信する前にch.2で対応する通信方式を無線通信基地局101に通知するようにする。
(効果)
このように無線通信端末はある周波数チャネル上で接続後に別の周波数チャネルで使用可能な通信方式を追加で通知できるようにすることにより、無線通信端末での別の周波数チャネルで使用可能な通信方式に関する通知フレームを準備する猶予を与えることができ、接続設定時の負荷を軽減することができるとともにチャネル変更後には再設定なく継続して通信を行えるなど前述と同様の効果を得ることができる。
(第13の実施形態)
第13の実施形態は、第1〜11の実施形態に追加する点を中心に説明する。本実施形態が第1〜11の実施形態に追加する点は、無線通信端末が無線通信基地局に接続要求時に通知した他の周波数チャネルで使用可能な通信方式の情報に関して、対応の変更を通知することである。
図6のような構成を採る場合に無線通信基地局は図37のように接続管理テーブルを保持しているとする。ここでは無線通信端末202もch.1で接続設定を行っているとし、無線通信端末202を用いて説明する。無線通信端末202はch.1での接続時、無線通信基地局101にch.2で対応する通信方式を通知するが、その後ch.2で対応する通信方式が変更された場合にその変更内容を新規Subtype (ここではSubtype 6とする)の管理フレームを用いて無線通信基地局101に通知する。例えば無線通信端末202が当初通知した状況では電力の供給があり、図37の無線通信端末202に該当する項目のようにch.2での送受信可能な変調符号化方式は802.11nとしてはMCS=0〜32、受信可能な変調符号化方式は802.11nとしてはMCS=33、34であると無線通信基地局101に通知していたとする。その後、無線通信端末201は電力供給がなくなったことを受け、低消費電力対策として受信可能な変調方式として出していたMCS=33、34に対応しなくなったとすると、その旨、Subtype 6を用いて無線通信基地局101に通知する。無線通信基地局101ではこのSubtype 6の内容を受け、接続管理テーブルの無線通信端末202に関する適切な部分の情報を更新する。無線通信基地局101での接続管理テーブルは図38のように更新される。無線通信端末202からの変更内容の通知方法は、例えば、ここでは802.11nの部分だけ変更になったので受信可能な変調符号化方式はなくなったと変更部分を通知するのでもよいし、ch.2に関する対応通信方式全てを(送受信可能な変調符号化方式はMCS=0〜32、受信可能な変調符号化方式はMCS=voidのように)通知するのでもよい。また複数の周波数チャネルで共通して変更があるなら変更の影響がある周波数チャネル(ここではch.1とch.2)と通信方式を通知するようにしてもよいし、周波数チャネルを省略して通信方式の変更を通知するようにしてもよい。後者の例ではMCSに関する内容を無線通信端末202が通知することによって、無線通信基地局101では802.11nに対応するものであること、従ってch.2での保持内容を更新すればよいということが分かるためである。
無線通信端末202はch.2への変更要求を無線通信基地局101に送信する前にch.2で対応する通信方式に関して変更があれば無線通信基地局101に通知するようにする。
(効果)
このように無線通信端末で使用可能な通信方式が変更になった場合に当該情報を無線通信基地局に再通知することにより、無線通信端末での通信状態に対応した適切な通信方式で無線通信端末と無線通信基地局が通信を行うことができる。
(第14の実施形態)
第14の実施形態は、第1〜13の実施形態に追加する点を中心に説明する。本実施形態が第1〜13の実施形態に追加する点は、無線通信端末が、複数の周波数チャネル上で接続する無線通信端末に関する情報を共有・管理できない無線通信基地局と接続する場合の動作である。
図39のような構成を採る場合に、無線通信端末201は周波数チャネルとしてch.1でもch.2でも通信可能である。無線通信基地局102はch.2でも同時に通信可能であってもよく、あるいは同時に通信できる周波数チャネルはある一つ(ここではch.1)に限るのでもよいが、ある周波数チャネル(例えばここではch.1)上で送信しているフレーム(Beaconフレーム、Probe Responseフレームなど)ではその周波数チャネル(例えばここではch.1)に関する情報しか入れない。そして無線通信基地局102は無線通信端末201が他の周波数チャネル(この例ではch.2)で通信を行うために必要な情報を送信してもそれを保持して他の周波数チャネル(ch.2)で無線通信端末201と通信を行う際に用いることはしない。一方、無線通信基地局103は無線通信基地局102と同様だが、無線通信基地局102でのch.1をch.2にしたものとする。
このような状況で無線通信端末201は無線通信基地局102とch.1で接続、通信を行っているが、ch.2にチャネル変更する要求が発生するとする。このチャネル変更要求はSMEがPHY層、MAC層を通して情報収集した結果から無線通信状況や無線通信端末201自身の送信トラヒックの要求条件などを鑑みて出し、MAC層管理部30に通知される。
この場合、無線通信端末201では無線通信基地局102がch.2への変更要求を出しても無線通信端末201のch.2で用いる通信情報を保持して使う対応ができないということを把握している。例えば無線通信基地局が無線通信端末の周波数チャネル間での情報保持能力と異なる周波数チャネル情報を報知・通知する機能を連動させる場合には、当該無線通信基地局102がch.1でのBeaconフレーム/Probe Responseフレームにch.2の情報を含んで送信していないことから把握することができる。あるいは無線通信基地局が無線通信端末の周波数チャネル間での情報保持能力を有するときにはBeaconフレーム/Probe Responseフレームで無線通信基地局のCapabilityとして当該情報を通知するようにしているなら、それにより把握することができる。
無線通信端末201はch.2に動作する周波数チャネルを切り替え、そこでSCANにより動作している無線通信基地局を探索する。ここで無線通信端末201は無線通信基地局102に接続切断を通知するフレーム(IEEE802.11無線LANではDisassociationフレームという管理フレーム)を送信するようにしてもよい。当該フレームを無線通信基地局102に送信することにより、無線通信基地局101では無線通信端末201に関して保持していた情報を接続管理テーブルから削除して保持する情報量を抑えることができる。ch.2で無線通信基地局103が動作しているのを検出すると無線通信端末201は無線通信基地局103に接続要求を出し、無線通信基地局103に接続許可されるとch.2で無線通信基地局103と通信を開始する。ch.2で複数の無線通信基地局を検出した場合にはそれらの情報をMAC層管理部30で収集し、その集計情報を受けて無線端末エンティティが接続要求を送信する先の無線通信基地局を選定、MAC層管理部30を通して接続設定の動作が開始される。例えば無線通信基地局102がch.2でも(ch.1と端末管理を共有はしていないが)動作していたとし、無線通信端末201がch.2で無線通信基地局102と無線通信基地局103を検出したとすると、各無線通信基地局からのフレーム受信状況(例えば受信電力や干渉量)や各無線通信基地局の通信能力(Capability)などを加味して接続要求を送信する先の無線通信基地局を選定する。接続要求を送信するに当たっては、ch.2で通信を行うために必要な無線通信端末201の能力通知を無線通信基地局に行う。通知する能力とは、先の実施形態によれば、対応する通信規格や変調符号化方式、暗号化方式などである。無線通信端末201は無線通信基地局102に接続切断を通知せずに(IEEE802.11無線LANではDisassociationフレームを送信していない状況)無線通信基地局103に接続要求を送信する際には再接続要求という形式で接続要求を送信するようにしてもよい。IEEE802.11無線LANではReassociation Requestという管理フレームになる。Reassociation RequestフレームはAssociation Requestフレームと基本的に同じ情報を送信するものだが、これに加えて前に接続していた無線通信基地局(ここでは無線通信基地局102)を通知する。従って無線通信基地局103が無線通信端末201からReassociation Requestフレームを受信し、そのフレーム内に前に接続していた無線通信基地局が無線通信基地局102であるということが記載されていると無線通信基地局103が無線通信基地局102に無線通信端末201が無線通信基地局103に接続したことを通知し、無線通信基地局102に送信された無線通信端末201宛てのデータを無線通信基地局103に転送してもらうなど、無線通信基地局間での連携をすることができる。ReassociationプロセスはAssociationプロセスと同様、応答管理フレーム(Reassociation Requestフレームに対するReassociation Responseフレーム)の送信が無線通信基地局からある。
なお無線通信端末201がch.1においてch.2でも動作する無線通信基地局を検出できるなら、当然ch.2へのチャネル変更要求が発生することを鑑み、ch.1において当該無線通信基地局に接続しておくことが望ましい。
(効果)
このように二つ以上の周波数チャネルで同時に通信可能な無線通信基地局に接続するとともに、単一周波数チャネルで通信可能な無線通信基地局にも接続することができ、通信先の選択肢を広げることができるとともに、単一周波数チャネルで通信可能な無線通信基地局に接続していても第2の周波数チャネルに移行要求が発生した場合には第2の周波数チャネルで接続可能な無線通信基地局を探索、検出した場合に第2の周波数チャネルで使用可能な通信方式を通知して接続要求を出し、第2の周波数チャネルで動作する無線通信基地局に接続することができる。
(第15の実施形態)
第15の実施形態は、第1〜13の実施形態に追加する点を中心に説明する。本実施形態が第1〜13の実施形態に追加する点は、無線通信端末がチャネル変更要求を無線通信基地局に送信し、それを拒否された場合の無線通信端末の動作である。
図6のような構成を採る場合に、無線通信端末201がch.1で無線通信基地局101と接続、通信している状況からch.2へのチャネル変更要求を送信する。無線通信基地局101で当該チャネル変更要求を受信し、ch.2で要求する変調符号化方式に対応していない、ch.2で要求する暗号化方式に対応していない、ch.2で無線通信端末201のch.2での通信をサポートできない(例えばすでに多数の無線通信端末と接続しているため)、などの理由でチャネル変更要求を拒否するとする。無線通信端末201は無線通信基地局101からチャネル変更応答として拒否する通知を受けると、ch.2へ切り替えそこで他に動作する無線通信基地局がいるかSCANする。無線通信端末201は前述の実施形態と同様に無線通信基地局101に接続切断を通知するフレーム(IEEE802.11無線LANならDisassociationフレーム)を送信するようにしてもよい。ch.2で無線通信基地局101しか検出できなければ無線通信基地局101に再度接続要求を出してもよいが、拒否されることが予想できるため、他の無線通信基地局を検出、選定することが望ましい。無線通信基地局101以外の無線通信基地局を検出した場合には(ch.2での無線通信端末201の要求する通信方式に対応する無線通信基地局であると判断した上で)当該無線通信基地局に接続要求を出す。無線通信端末201はは無線通信基地局101に接続切断を通知せずに(IEEE802.11無線LANではDisassociationフレームを送信していない状況)当該新たに接続する無線通信基地局に接続要求を送信する際には前記実施形態と同様に再接続要求という形式(IEEE802.11無線LANではReassociation Requestフレーム)で接続要求を送信するようにしてもよい。
ch.2で通信するに適切な無線通信基地局が無線通信基地局101しか検出できない、あるいはch.2で無線通信基地局101に再度接続要求を出したが拒否された、などの理由によりch.2での通信が行えない場合にはチャネル変更要求を見直し、ch.1での通信に戻るかch.2以外の周波数チャネルでの接続を試みる。例えば無線通信基地局101がch.1、ch.2に加え、ch.3での動作していることを無線通信端末201が把握しているなら、ch.3へのチャネル変更要求を送信する。
(効果)
このように二つ以上の周波数チャネルで同時に通信可能な無線通信基地局に接続するとともに、当該無線通信基地局に第2のチャネルへの移行要求が許可されない場合に第2の周波数チャネルで接続可能な他の無線通信基地局を探索、検出した場合に第2の周波数チャネルで使用可能な通信方式を通知して接続要求を出し、第2の周波数チャネルで動作する他の無線通信基地局に接続することができる。またこのようにすることで、通信可能な無線通信基地局の選択肢を広げることができる。
(第16の実施形態)
第16の実施形態は、第1〜13の実施形態に追加する点を中心に説明する。本実施形態が第1〜13の実施形態に追加する点は、無線通信基地局のサポートしない周波数チャネルへ変更要求が無線通信端末であった場合の、該無線通信端末の動作である。
図6のような構成を採る場合に、無線通信基地局101が同時に通信可能な周波数チャネルがch.1とch.2であるのに対し、無線通信端末201は対応できる周波数チャネルがch.1、ch.2、ch.3であるとする。当然、無線通信端末201が無線通信基地局101の対応する周波数チャネル全てに対応しつつそれ以上の周波数チャネルに対応するという場合のみならず、無線通信基地局101が対応する周波数チャネルがch.1とch.2に対し、無線通信端末201が対応する周波数チャネルがch.1とch.3のように一部が重なり、一部が異なる周波数チャネルに対応する例も含まれる。
先の実施形態によれば、無線通信端末201はch.1で無線通信基地局101と通信している状態から無線通信基地局101も無線通信端末201も両方対応するch.2にチャネルを変更する場合で説明してきたが、ここでは無線通信基地局101が同時に通信可能な周波数チャネルとして報知・通知していないch.3に無線通信端末201が変更する状況を考える。ch.3への変更判断は先に示したように無線通信状況やトラヒック要求などに基づき、SMEなどが行う。無線通信端末201は無線通信基地局101が同時に通信可能な周波数チャネルとしてch.3を含めていないために、ch.3にチャネル変更したとしても無線通信基地局101が無線通信端末201との接続情報を保持してch.3で再設定せずに通信を開始できる保証がないことが分かる。そこで、無線通信端末201はch.3に切り替えて、そこで他に動作する無線通信基地局がいるかSCANする。その前に、無線通信端末201は無線通信基地局101にch3で再接続することはないとして、前記実施形態と同様に接続切断を通知するフレーム(IEEE802.11無線LANではDisassociationフレーム)を送信するようにしてもよい。無線通信基地局を検出した場合には(当該無線通信基地局が無線通信端末201のch.3で要求する通信方式に対応していると判断すると)当該無線通信基地局に接続要求を送信する。無線通信端末201は無線通信基地局101に接続切断を通知せずに(IEEE802.11無線LANではDisassociationフレームを送信していない状況)当該新規無線通信基地局に接続要求を送信する際には前記実施形態と同様に再接続要求という形式で(IEEE802.11無線LANではReassociation Requestフレーム)接続要求を送信するようにしてもよい。ch.3で仮に無線通信基地局101が(同時に対応する周波数チャネルとしてch.1、ch.2とともに報知・通知していなくても)検出でき、かつ無線通信端末201でのch.3使用時の要求にかなう通信方式の対応を行っているなら、無線通信基地局101に再度、接続要求を送信する。この場合、Disassociationフレームをすでに送信していたならAssociationフレームを送信する。Disassociationフレームを送信していないならAssociationフレームを送信するかReassociationフレームを送信する。
ch.3で通信するに適切な無線通信基地局が検出できない、あるいはch.3で無線通信基地局に接続要求を出したが拒否された、などの理由によりch.3での通信が行えない場合にはチャネル変更要求を見直し、ch.1での通信に戻るかch.3以外の周波数チャネルでの接続を試みる。例えば無線通信端末201がさらにch.4にも対応しているならch.4で適当な無線通信基地局がいるかをSCANするなどである。
(効果)
このように二つ以上の周波数チャネルで同時に通信可能な無線通信局に接続するとともに、当該同一の無線通信局が対応しない別の第3の周波数チャネルへの移行要求が発生した場合には第3の周波数チャネルで接続可能な無線通信基地局を探索、検出した場合に第3の周波数チャネルで使用可能な通信方式を通知して接続要求を出し、第3の周波数チャネルで動作する無線通信基地局に接続することができる。またこのようにすることで、通信可能な無線通信基地局の選択肢を広げることができる。
(第17の実施形態)
第17の実施形態は、第1〜13の実施形態と異なる点を中心に説明する。本実施形態が第1〜13の実施形態と異なる点は、無線通信基地局が他の周波数チャネルでの通信方式に関する情報を報知・通知しなくても、無線通信端末が当該無線通信基地局に接続要求時に他の周波数チャネルに関する情報を合わせて通知することである。
図6のような構成を採る場合に無線通信基地局101は本実施形態ではch.1で送信するBeaconフレームにch.2で使用する通信方式を入れず、またch.1で無線通信端末201が無線通信基地局101にProbe Requestフレームを送信(グループアドレスフレームでもユニキャストフレームでもよい)した場合に無線通信基地局101が応答するProbe Responseフレームにはch.2で使用する通信方式を入れない。
ここで無線通信基地局101は他の周波数チャネルでも送受信可能であること、無線通信端末の接続情報を他の周波数チャネルでの接続にも共有管理できることなどを通知するための識別子をBeaconフレームやProbe Responseフレームに入れるようにしてもよい。例えば第6の実施形態のMC IDをこのような用途として用いることができる。
一方、無線通信端末201は無線通信基地局101にch.1で接続要求を出す際にch.2で無線通信端末201が対応する通信方式も合わせて通知する。ここで無線通信端末201は無線通信基地局101が上述のMC IDをBeaconフレームやProbe Responseフレームに入れていることによってレガシーの無線通信基地局ではなく本発明の実施形態に係る無線通信基地局であるということを判断し、その上でch.2で対応する通信方式を合わせて通知するようにしてもよい。
無線通信基地局101は無線通信端末201から例えばAssociation Requestフレームの中に無線通信端末201がch.2で対応する通信方式の情報が入っていることを検出すると、当該情報を用いて接続管理テーブルに無線通信端末201に関する情報を登録する。そしてAssociation Responseフレームで接続成功の通知をする。接続成功の通知はStatusコードに入れる。Statusコードとしては単にAssociationが成功したことを示すコードを用いる代わりに、別のコードとして他の周波数チャネルへの対応も含めてAssociation要求を認めた、ということを示すものを用いるようにしてもよい。また無線通信基地局101はAssociation Responseフレームの中に無線通信基地局101がch.2で対応する通信方式を入れるようにしてもよい。このようにすることによって無線通信端末201ではAssociation ResponseフレームでStatusコードや後述の例ではさらにch.2に関する情報が含まれていることなどからch.2での対応通知も無線通信基地局101で受け付けられたことを確認することができる。
(効果)
このように無線通信基地局が他の周波数チャネルに関する情報を報知・通知していなくても複数の周波数チャネルに対応する無線通信端末は複数の周波数チャネルで同時に送受信可能な無線通信基地局に自端末の他の周波数チャネルでの対応情報に関して通知し、それを受けて無線通信基地局でも当該情報を複数の周波数チャネルに渡って共有管理し無線通信端末が他の周波数チャネルに移行しても接続を維持することができる。
(第18の実施形態)
第18の実施形態は、第16、17の実施形態に追加する点を中心に説明する。本実施形態が第16、17の実施形態に追加する点は、無線通信端末がチャネル変更して再度無線通信基地局に接続してきた際に接続管理テーブルに当該無線通信端末に関する情報が残っていたらそれを利用することである。
図6のような構成を採る場合に無線通信端末201が無線通信基地局101にch.1からch.2へのチャネル変更要求を出さずに直接ch.1からch.2にチャネルを移行して無線通信基地局101に接続してきた場合、無線通信基地局101の接続管理テーブルに無線通信端末201のch.2に関する情報があれば無線通信端末201がch.2に移行してきて無線通信基地局101に接続を試みようとしている段階で無線通信端末201に当該情報を有していることを通知する。例えば無線通信端末201がch.2で再びSCANし、無線通信基地局101の送信するBeaconフレームあるいはProbe Responseフレーム内のタイマー情報(IEEE802.11無線LANではTimestampというフィールドを用いる)から自タイマーを無線通信基地局101のタイマーに合わせ(IEEE802.11無線LANではJOINという動作になる)、Authenticationプロセス、Associationプロセスを経て無線通信基地局101にch.2で再接続するとする。このSCANプロセスでProbe Requestフレームを受信した際、あるいはAuthenticationプロセスで無線通信基地局101は無線通信端末201が無線通信基地局101に接続しようとしていることが分かり、無線通信端末201に無線通信基地局101が無線通信端末201のch.2での対応通信方式に関する情報を保持していることを通知する。例えばProbe Responseフレームで当該情報を保持していることを通知してもよいし、Subtype 7という管理フレームを用いるのでもよい。これにより、無線通信端末201では無線通信基地局101が自端末のch.2での対応通信方式に関する情報をすでに有していることを把握する。するとch.2での対応通信方式を省略した簡易なAssociationプロセスにすることができる。この簡易なプロセスはAssociation Requestフレーム、Association Responseフレームではなく、別の管理フレーム、例えばSubtype 8、それに対する応答フレームのSubtype 9という管理フレームを設けて行うのでもよい。例えば第9の実施形態のように暗号化方式の設定に関してch.1ですでに設定していたものをch.2でも用いるということで省略するようにしてもよい。
(効果)
このように無線通信基地局で無線通信端末の複数の周波数チャネルに渡る対応情報を保持していれば、無線通信端末が予め無線通信基地局に無線通信基地局が対応する複数の周波数チャネル間で移行することを通知していなくても対応する別の周波数チャネル上で無線通信端末が接続してきた際にすでに保持している情報を用いて無線通信端末と通信を行うことができ、移行した先での周波数チャネルでの接続設定を簡易化することができる。
(第19の実施形態)
第19の実施形態は、第1〜13の実施形態と異なる点を中心に説明する。本実施形態が第1〜13の実施形態と異なる点は、無線通信基地局と無線通信端末で対応する通信方式を報知・通知する場合に、PHY方式で通知することである。
図6のような構成を採る場合に、無線通信基地局101と無線通信端末201、202が例えばIEEE802.11無線LANに基づき動作するとする。ここで例えばIEEE802.11aならOFDM (Orthogonal Frequency Division Multiplexing; 直交周波数分割多重)、IEEE802.11bならDSSS (Direct Sequence Spread Spectrum; 直接拡散方式)とCCK (Complementary Code Keying)、IEEE802.11gならOFDM (IEEE802.11gとしてはERP-OFDMという名称。ERPとはExtended Rate PHY conforming to Clause 19, つまりIEEE802.11規格での19章に従うPHY層の拡張レートという意の略)とオプションでERP-PBCC (Packet Binary Convolutional Code)モード、DSSS-OFDMモードがある。このような方式名を用いて報知・通知するのが本実施形態である。例えばIEEE802.11aの代わりにOFDM、IEEE802.11bの代わりにDSSSというように報知・通知する。IEEE802.11無線LANに基づくことは本実施形態を用いる際の前提としてもよいし、無線通信端末(無線通信基地局を含む)にIEEE802.11無線LANであることを例えば必須または共通のPHYレートを用いてIEEE802.11のMACのフレームフォーマットで通知する、あるいは必須または共通のPHYレートを用いてIEEE802.11のMACのフレームフォーマットであることから暗に通知する、というようにしてもよい。
このようなPHY方式での報知・通知を受信した無線通信基地局あるいは無線通信端末では報知・通知内容に含まれている周波数チャネルからどの通信規格であるか、ということを把握することができる。例えば無線通信基地局101が5GHz帯で送信するBeaconフレームで他に対応する周波数チャネルとして2.4GHz帯のものを挙げ、さらに対応するPHY方式はOFDMと通知すれば、2.4GHz帯でOFDMを用いるということはIEEE802.11gのERP-OFDMに対応しているということを5GHz帯にいる無線通信端末201は把握することができる。無線通信端末201がAssociation Requestフレームなどで他の周波数チャネルに関する対応情報を通知する場合にも同様にして無線通信基地局101で把握することができる。
(効果)
このようにPHY方式を用いて報知・通知することによって複数の周波数チャネルに渡って利用可能なPHY方式と対応する周波数チャネルの情報から通信規格方式を通知するのと同様の情報を与えることができる。
[付記]
(1)実施形態に係る無線通信基地局は、二つ以上の周波数チャネルで同時に通信可能な無線通信基地局において、第1の周波数チャネル以外に無線パケット受信可能状態にある第2の周波数チャネルの識別子と第2の周波数チャネルで用いる通信方式とを第1の周波数チャネルで通知し、第1の周波数チャネルで無線通信端末の接続を許可した際に前記無線通信端末から通知された前記無線通信端末の使用可能な通信方式を無線通信端末の識別子と周波数チャネルの識別子とともに接続管理テーブルに保持し、前記無線通信端末からの第2の周波数チャネルへの変更要求を許可した場合、第2の周波数チャネルで用いられる通信方式のうち無線通信端末の識別子から接続管理テーブル上の前記無線通信端末の使用可能な通信方式を用いて第2の周波数チャネルで前記無線通信端末と通信を行うことを特徴とする無線通信基地局である。
<(1)の効果>
第1の周波数チャネルで第2の周波数チャネルにおいて使用する通信方式を通知することにより、第1の周波数チャネルで送受を行う無線通信端末に無線通信基地局が第2の周波数チャネルで使用する通信方式を把握させることができるとともに、接続許可した無線通信端末の使用可能な通信方式を識別子と周波数チャネルの識別子とともに保持することにより、無線通信端末との接続を一旦切断することなく無線通信基地局のサポートする周波数チャネル間での無線通信端末の移動を可能にする。
(1−1)実施形態に係る無線通信基地局は、二つ以上の周波数チャネルで同時に通信可能な無線通信基地局において、第1の周波数チャネル以外に無線パケット受信可能状態にある第2の周波数チャネルの識別子と第2の周波数チャネルで用いる通信方式とを第1の周波数チャネルで通知し、第1の周波数チャネルで無線通信端末の接続を許可した際に前記無線通信端末から通知された前記無線通信端末の第1の周波数チャネルで使用可能な通信方式を無線通信端末の識別子と周波数チャネルの識別子とともに接続管理テーブルに保持し、当該無線通信端末から第2の周波数チャネルで使用可能な通信方式の通知を受けると当該接続管理テーブルに第2の周波数チャネルの識別子と前記無線通信端末の第2の周波数チャネルで使用可能な通信方式の情報を当該無線通信端末の識別子に対応させて追加し、前記無線通信端末からの第2の周波数チャネルへの変更要求を許可した場合、第2の周波数チャネルで用いられる通信方式のうち無線通信端末の識別子から接続管理テーブル上の前記無線通信端末の使用可能な通信方式を用いて第2の周波数チャネルで前記無線通信端末と通信を行うことを特徴とする無線通信基地局である。
<(1−1)の効果>
第2の周波数チャネルにおいて使用可能な通信方式を第1の周波数チャネルで接続後に追加で通知することにより、無線通信端末での第2の周波数チャネルで使用可能な通信方式に関する通知フレームを準備する猶予を与えることができ、接続設定時の負荷を軽減することができるとともにチャネル変更後には再設定なく継続して通信を行えるなど前述と同様の効果を得ることができる。
(1−2)実施形態に係る無線通信基地局は、上記(1)あるいは(1−1)記載の無線通信基地局であって、接続許可した前記無線通信端末から使用可能な通信方式の再通知あるいは使用可能な周波数チャネルと使用可能な通信方式の再通知を受けると対応する接続管理テーブルの情報を更新することを特徴とする無線通信基地局である。
<(1−2)の効果>
無線通信端末からの使用可能な通信方式の再通知を受けて接続管理テーブルの情報を更新することにより、無線通信端末での通信状態に対応した適切な通信方式で通信を行うことができる。
(1−3−1)実施形態に係る無線通信基地局は、上記(1)、(1−1)、(1−2)記載の無線通信基地局であって、通信方式とは通信規格の種別で表すことを特徴とする無線通信基地局である。
<(1−3−1)の効果>
第1の周波数チャネルで第2の周波数チャネルにおいて使用する通信規格の種別を通知することにより、第1の周波数チャネルで送受を行う無線端末は無線通信基地局が第2の周波数チャネルで使用する通信規格の種別を把握することができるとともに、接続許可した無線通信端末の使用可能な通信規格の種別を識別子と周波数チャネルの識別子とともに保持することにより、無線通信端末との接続を一旦切断することなく無線通信基地局のサポートする周波数チャネル間での無線通信端末の移動を可能にする。
(1−3−2)実施形態に係る無線通信基地局は、上記(1−3−1)記載の無線通信基地局であって、通信規格の種別では同一通信規格内の拡張方式を区別することを特徴とする無線通信基地局である。
<(1−3−2)の効果>
第1の周波数チャネルで第2の周波数チャネルにおいて使用する同一通信規格内の拡張方式の種別を通知することにより、第1の周波数チャネルで送受を行う無線端末は無線通信基地局が第2の周波数チャネルで使用する同一通信規格内の拡張方式の種別を把握することができるとともに、接続許可した無線通信端末の使用可能な同一通信規格内の拡張方式の種別を識別子と周波数チャネルの識別子とともに保持することにより、無線通信端末との接続を一旦切断することなく無線通信基地局のサポートする周波数チャネル間での無線通信端末の移動を可能にする。
(2)実施形態に係る無線通信基地局は、複数の変調符号化方式を用いる二つ以上の周波数チャネルで同時に通信可能な無線通信基地局において、第1の周波数チャネル以外に無線パケット受信可能状態にある第2の周波数チャネルの識別子と第2の周波数チャネルで用いる変調符号化方式とを第1の周波数チャネルで通知し、第1の周波数チャネルで無線通信端末からの接続要求を受け、許可した際に前記無線通信端末から通知された前記無線通信端末の使用可能な変調符号化方式を無線通信端末の識別子と周波数チャネルの識別子とともに接続管理テーブルに保持し、前記無線通信端末からの第2の周波数チャネルへの変更要求を受けると、無線通信端末の識別子から接続管理テーブル上の前記無線通信端末の使用可能な変調符号化方式が第2の周波数チャネルで使用可能かを判断し、使用可能と判断し許可した場合、前記周波数チャネルの識別子を第2の周波数チャネルの識別子に更新して保持し、第2の周波数チャネルで用いられる変調符号化方式のうち無線通信端末の識別子から接続管理テーブル上の前記無線通信端末の使用可能な変調符号化方式を用いて第2の周波数チャネルで前記無線通信端末と通信を行うことを特徴とする無線通信基地局である。
<(2)の効果>
複数の変調符号化方式を用いる二つの周波数チャネルの第1の周波数チャネルで第2の周波数チャネルの変調符号化通信方式を通知することにより、第1の周波数チャネルで送受を行う無線端末は無線通信基地局が第2の周波数チャネルで使用する変調符号化方式を把握することができるとともに、接続許可した無線通信端末の使用可能な変調符号化方式を識別子と周波数チャネルの識別子とともに保持することにより、無線通信端末からの第2の周波数チャネルへの変更要求を受けた際に無線通信端末の使用可能な変調符号化方式が第2の周波数チャネルで使用可能かを判断することができ、使用可能と判断して許可する結果、確実に無線通信端末との第2の周波数チャネルでの通信を保証することができ、その上で無線通信端末との接続を一旦切断することなく無線通信基地局のサポートする周波数チャネル間での無線通信端末が移動を可能にする。
(2−1)実施形態に係る無線通信基地局は、複数の変調符号化方式を用いる二つ以上の周波数チャネルで同時に通信可能な無線通信基地局において、第1の周波数チャネル以外に無線パケット受信可能状態にある第2の周波数チャネルの識別子と第2の周波数チャネルで用いる変調符号化方式とを第1の周波数チャネルで通知し、第1の周波数チャネルで無線通信端末からの接続要求を受け、許可した際に前記無線通信端末から通知された前記無線通信端末の第1の周波数チャネルで使用可能な変調符号化方式を無線通信端末の識別子と周波数チャネルの識別子とともに接続管理テーブルに保持し、当該無線通信端末から第2の周波数チャネルで使用可能な変調符号化方式の通知を受けると当該接続管理テーブルに第2の周波数チャネルの識別子と前記無線通信端末の第2の周波数チャネルで使用可能な変調符号化方式の情報を当該無線通信端末の識別子に対応させて追加し、前記無線通信端末からの第2の周波数チャネルへの変更要求を受けると、無線通信端末の識別子から接続管理テーブル上の前記無線通信端末の使用可能な変調符号化方式が第2の周波数チャネルで使用可能かを判断し、使用可能と判断し許可した場合、第2の周波数チャネルで用いられる変調符号化方式のうち無線通信端末の識別子から接続管理テーブル上の前記無線通信端末の使用可能な変調符号化方式を用いて第2の周波数チャネルで前記無線通信端末と通信を行うことを特徴とする無線通信基地局である。
<(2−1)の効果>
第2の周波数チャネルにおいて使用可能な変調符号化方式を第1の周波数チャネルでの設定後に追加で通知することにより、無線通信端末での第2の周波数チャネルで使用可能な変調符号化方式に関する通知フレームを準備する猶予を与えることができ、設定接続時の負荷を軽減することができるとともにチャネル変更後に再設定なく継続して通信を行えるなど前述と同様の効果を得ることができる。
(2−2)実施形態に係る無線通信基地局は、上記(2)あるいは(2−1)記載の無線通信基地局であって、接続許可した前記無線通信端末から使用可能な変調符号化方式の再通知あるいは使用可能な周波数チャネルと使用可能な変調符号化方式の再通知を受けると対応する接続管理テーブルの情報を更新することを特徴とする無線通信基地局である。
<(2−2)の効果>
無線通信端末からの使用可能な変調符号化方式の再通知を受けて接続管理テーブルの情報を更新することにより、無線通信端末での通信状態に対応した適切な変調符号化方式で通信を行うことができる。
(3−1)実施形態に係る無線通信基地局は、上記(1)、(1−1)、(2)あるいは(2−1)記載の無線通信基地局であって、第2の周波数チャネルで使用する通信方式あるいは変調符号化方式を第2の周波数チャネル上で通知することを特徴とする無線通信基地局である。
<(3−1)の効果>
第2の周波数チャネルで使用する通信方式あるいは変調符号化方式を第2の周波数チャネル上で通知することにより第2の周波数チャネル上で受信可能な他の無線通信基地局あるいは無線通信端末に当該無線通信基地局が第2の周波数チャネルでどのような通信方式あるいは変調符号化方式を用いているかを認識させることができる。さらに上記を認識させることにより、他の無線通信基地局や無線通信端末では干渉回避対策を講じることができる。さらに上記を認識させることにより、無線通信端末では当該無線通信基地局を接続する無線通信基地局の候補にすることができる。
(3−2)実施形態に係る無線通信基地局は、上記(1)、(1−1)、(2)あるいは(2−1)記載の無線通信基地局であって、第1の周波数チャネルと同一の無線通信基地局であることを第2の周波数チャネルで通知することを特徴とする無線通信基地局である。
<(3−2)の効果>
第2の周波数チャネルで当該無線通信基地局の識別子を通知することによって第1と第2の周波数チャネルで同一の無線通信基地局が動作していることを第2の周波数チャネル上で通知することができる。さらに上記を認識させることにより、他の無線通信基地局や無線通信端末では干渉回避対策を講じることができる。さらに第1の周波数チャネルで当該無線通信基地局と通信しており第2の周波数チャネルに変更して当該無線通信基地局と再び通信行う無線通信端末で当該無線通信基地局を認識することで無線パケットを送信することができる。
(3−2−1−1)実施形態に係る無線通信基地局は、上記(3−2)記載の無線通信基地局であって、無線パケット送受信可能状態にある周波数チャネルのいずれかで接続する無線通信端末のうちの全てあるいは一部の複数の無線通信端末宛ての無線パケットを無線パケット送受信可能な全ての周波数チャネルで送信することを特徴とする無線通信基地局である。
<(3−2−1−1)の効果>
複数の無線通信端末宛ての無線パケットを無線パケット送受信可能な全ての周波数チャネルで送信することにより、周波数チャネルを移動する可能性のある送信先無線通信端末に確実に無線パケットを受信させることができるとともに、無線通信基地局で無線パケット送信時の送信先無線通信端末の周波数チャネルの移動を含めた接続している周波数チャネルを正確に指定する必要がなく処理負荷を軽減できる。
(3−2−1−2)実施形態に係る無線通信基地局は、上記(3−2−1−1)記載の無線通信基地局であって、前記無線通信端末のうちの全てあるいは一部の複数の無線通信端末宛ての無線パケットは無線パケット送受信可能な全ての周波数チャネルで送信する際に、送出番号の順番を示すフィールドに同一の値を入れることを特徴とする無線通信基地局である。
<(3−2−1−2)の効果>
同一の複数の無線通信端末宛ての無線パケットを複数の周波数チャネルで送信する際に、送出番号の順番を示すフィールドに同一の値を入れることにより、複数の周波数チャネル間での送信タイミングがずれる場合などでその間に周波数チャネル間を移動する無線通信端末あるいは複数の周波数チャネルで受信可能な無線通信端末で同一のパケットを複数の周波数チャネルで受信しても重複であることを識別できるようにすることができる。
(3−2−2−1)実施形態に係る無線通信基地局は、上記(3−2)記載の無線通信基地局であって、通知に用いる無線パケットには単独の周波数チャネルでのみ通信可能な無線通信基地局でも用いる無線通信基地局の識別子を示す第1のフィールドと、これとは別の第2のフィールドを設け、第1のフィールドには周波数チャネルごとに異なる識別子を入れ、第2のフィールドでは周波数間で同一の無線通信基地局であることを示す識別子を入れることを特徴とする無線通信基地局である。
<(3−2−2−1)の効果>
単独の周波数チャネルでのみ通信可能な無線通信基地局で用いる無線通信基地局の識別子を示すフィールドとは別のフィールドで第1の周波数チャネルと同一の無線通信基地局であることを通知することにより、単独の周波数チャネルでのみ通信可能な無線通信基地局にのみ接続可能な無線通信端末で当該通知を受信した際には別の無線通信基地局として認識して接続可能とさせることができるとともに、複数の周波数チャネルで通信可能な無線通信基地局と接続可能な無線通信端末では同一の無線通信基地局として認識して接続させることができる。
(4)実施形態に係る無線通信基地局は、上記(1)、(1−1)、(2)あるいは(2−1)記載の無線通信基地局であって、第1の周波数チャネルで使用する通信方式あるいは変調符号化方式を第1の周波数チャネル上で通知することを特徴とする無線通信基地局である。
<(4)の効果>
第1の周波数チャネルで使用する通信方式あるいは変調符号化方式を第1の周波数チャネル上で通知することにより第1の周波数チャネルで当該無線通信基地局が第1および第2の周波数チャネルで動作していること、さらに第1の周波数チャネルでどのような通信方式あるいは変調符号化方式を用いているかを第1の周波数チャネル上で無線パケット受信可能な他の無線通信基地局あるいは無線通信端末に認識させることができる。さらに上記を認識させることにより、他の無線通信基地局や無線通信端末では干渉回避対策を講じることができる。さらに上記を認識させることにより、無線通信端末では当該無線通信基地局を接続する無線通信基地局の候補にすることができる。
(5)実施形態に係る無線通信基地局は、上記(1)、(1−1)、(2)あるいは(2−1)記載の無線通信基地局であって、無線通信端末の識別子とは当該無線通信基地局が無線通信端末を接続許可した際に無線通信端末に割り当てた管理番号であることを特徴とする無線通信基地局である。
<(5)の効果>
無線通信基地局が無線通信端末を接続許可した際に当該無線通信端末に割り当てた管理番号を無線通信端末の識別子として接続管理テーブルで保持することにより、無線通信基地局で無線通信端末を独自の識別子を用いて識別することができ、無線通信端末の管理を簡易にすることができる。
(6)実施形態に係る無線通信基地局は、上記(1)、(1−1)、(2)あるいは(2−1)記載の無線通信基地局であって、前記周波数チャネルごとに送信する無線パケットを格納するキューを有し、無線通信端末の第1の周波数チャネルから第2の周波数チャネルへの変更要求を許可する際に当該無線通信端末宛ての無線パケットを第1の周波数チャネル用の第1のキューから第2の周波数チャネル用の第2のキューに移すことを特徴とする無線通信基地局である。
<(6)の効果>
周波数チャネルごとに無線パケットを格納するキューを有し、無線通信端末の周波数チャネル変更要求に対応して当該無線通信端末宛ての無線パケットを対応する周波数チャネルの送信キューに移すことにより、周波数チャネル間を移動する無線通信端末が通信を行う適切な周波数チャネルで当該無線通信端末宛ての無線パケットを送信することができる。
(7)実施形態に係る無線通信基地局は、上記(1)、(1−1)、(2)あるいは(2−1)記載の無線通信基地局であって、前記無線通信端末の第2の周波数チャネルへの変更要求を許可した場合、当該許可より固定時間以上経てから第2の周波数チャネルで前記無線通信端末と通信を開始することを特徴とする無線通信基地局である。
<(7)の効果>
無線通信端末の周波数チャネルの変更要求許可から固定時間以上経てから変更先の周波数チャネルで無線通信端末と通信を開始することにより、無線通信基地局および無線通信端末の変更先の周波数チャネルでの通信開始準備に猶予を与えることができる。
(7−1)実施形態に係る無線通信基地局は、上記(7)記載の無線通信基地局であって、前記固定時間として無線通信端末で周波数チャネルの移動に要する時間以上に設定することを特徴とする無線通信基地局である。
<(7−1)の効果>
無線通信端末での周波数チャネルの移動に要する時間以上経てから変更先の周波数チャネルで無線通信端末と通信を開始することにより、無線通信端末が変更先の周波数チャネルで受信可能状態であることを保証して無線パケットを送信開始することができる。
(7−1−1)実施形態に係る無線通信基地局は、上記(7−1)記載の無線通信基地局であって、第2の周波数チャネルへの変更許可する前に前記無線通信端末からの周波数チャネル変更に要する時間を取得することを特徴とする無線通信基地局である。
<(7−1−1)の効果>
第2の周波数チャネルへの変更許可前に前記無線通信端末からの周波数チャネル変更に要する時間を取得することにより、無線通信端末での周波数チャネルの移動に要する時間を正確に把握してそれ以上経てから変更先の周波数チャネルで無線通信端末と通信を開始することにより、無線通信端末が変更先の周波数チャネルで受信可能状態であることの保証の確度を上げることができる。
(7−2)実施形態に係る無線通信基地局は、上記(6)記載の無線通信基地局であって、前記無線通信端末の第2の周波数チャネルへの変更要求を許可した場合、当該許可より無線通信基地局で前記無線パケットを第1のキューから第2のキューへの移動に要する時間以上経てから第2の周波数チャネルで前記無線通信端末と通信を開始することを特徴とする無線通信基地局である。
<(7−2)の効果>
無線通信基地局での無線通信端末宛て無線パケットのキュー間の移動に要する時間以上経てから変更先の周波数チャネルで無線通信端末と通信を開始することにより、無線通信端末宛ての無線パケットを確実に変更先の周波数チャネルで無線通信端末に送信することができる。
(7−3)実施形態に係る無線通信基地局は、上記(7)記載の無線通信基地局であって、前記固定時間は第2の周波数チャネルへの変更許可する前に前記無線通信端末との間で無線パケットの交換により決定することを特徴とする無線通信基地局である。
<(7−3)の効果>
無線通信端末との間で変更先の周波数チャネルでの通信開始までの時間を無線パケットの交換により決定することにより、変更先の周波数チャネルで確実に当該無線通信基地局と無線通信端末が通信可能な状態になってからの通信開始を保証することができる。
(8)実施形態に係る無線通信基地局は、上記(1)、(1−1)、(2)あるいは(2−1)記載の無線通信基地局であって、第2の周波数チャネルの使用率を第1の周波数チャネルで通知することを特徴とする無線通信基地局である。
<(8)の効果>
別の周波数チャネルの使用率を通知することにより、無線通信端末に別の周波数チャネルへの移行を判断するための情報を提供することができる。
(9)実施形態に係る無線通信基地局は、上記(1)、(1−1)、(2)あるいは(2−1)記載の無線通信基地局であって、第2の周波数チャネルの帯域幅である第2の帯域幅を第1の周波数チャネルで通知することを特徴とする無線通信基地局である。
<(9)の効果>
別の周波数チャネルの帯域幅を通知することにより、無線通信端末が別の周波数チャネルが無線通信端末の通信できる帯域幅であるか判断することができる。
(10)実施形態に係る無線通信基地局は、上記(1)、(1−1)、(2)あるいは(2−1)記載の無線通信基地局であって、第1の周波数チャネルで前記無線通信端末と通信を行う際に設定したセキュリティ情報を前記無線通信端末の識別子に対応させて接続管理テーブルに保持し、前記無線通信端末からの第2の周波数チャネルへの変更要求を許可した場合、保持してあるセキュリティ情報を用いて第2の周波数チャネルで前記無線通信端末と通信を行うことを特徴とする無線通信基地局である。
<(10)の効果>
セキュリティ情報を無線通信端末の識別子とともに管理し、別の周波数チャネルへの変更要求を許可した場合に変更先の周波数チャネルで同じセキュリティ情報を用いることにより、変更先の周波数チャネルで再度セキュリティの設定を行わなくても通信を開始することができる。
(10−1)実施形態に係る無線通信基地局は、上記(10)記載の無線通信基地局であって、第1の周波数チャネルで前記無線通信端末から通知された前記無線通信端末の使用可能なセキュリティ方式を無線通信端末の識別子に対応させて接続管理テーブルに保持し、前記無線通信端末からの第2の周波数チャネルへの変更要求に際し、接続管理テーブルから第2の周波数チャネルで当該無線通信基地局が要求するセキュリティ方式に対応しているか参照し、許可の判断に用いることを特徴とする無線通信基地局である。
<(10−1)の効果>
無線通信端末の使用可能なセキュリティ方式を別の周波数チャネルへの変更要求前に把握し、別の周波数チャネルへの変更要求を受けた際に許可するか否かに用いることにより、別の周波数チャネルでのセキュリティを保持することができるとともに、無線通信基地局の要求するセキュリティ方式を満たさない場合に別の周波数チャネルで拒絶されることが分かっている無線通信端末からの接続要求を無線通信端末に予め把握させ、無駄な接続のための無線パケットの交換による周波数チャネルの占有を削減することができる。また無線通信端末の別の周波数チャネルへの変更を許可する場合に、無線通信端末から通知されたセキュリティ方式に関する情報を変更後の周波数チャネルでの当該無線通信端末との通信に用いることができる。
(10−1−1)実施形態に係る無線通信基地局は、上記(10−1)記載の無線通信基地局であって、第2の周波数チャネルへの変更要求を許可した際、第1の周波数チャネルで使用していた第1のセキュリティ方式が第2の周波数チャネルで使用可能な場合は保持してあるセキュリティ設定に関する情報を用いて第2の周波数チャネルで前記無線通信端末と通信を行い、第1のセキュリティ方式が第2の周波数チャネルで使用可能でない場合は接続管理テーブルから第2の周波数チャネルで前記無線通信端末が使用可能なセキュリティ方式のうち当該無線通信基地局が第2の周波数チャネルで要求するセキュリティ方式に該当するいずれか一つを第2のセキュリティ方式として、第2の周波数チャネルで前記無線通信端末とセキュリティ方式を用いた通信を開始する前に第2のセキュリティ方式の設定を行うことを特徴とする無線通信基地局である。
<(10−1−1)の効果>
周波数チャネル変更前のセキュリティ方式を変更後の周波数チャネルで用いることができるなら同じセキュリティ情報を用いて通信を行うことにより、周波数チャネル変更後にセキュリティ方式を用いるための再度の設定のための無線パケットの交換を省略することができ、周波数チャネル変更前のセキュリティ方式を変更後の周波数チャネルで用いることができないが無線通信基地局で要求するセキュリティ方式に無線通信端末で対応するセキュリティ方式があるならそのいずれか一つの設定を変更後の周波数チャネルで無線通信端末との間で行うことにより、無線通信基地局が変更後の周波数チャネルで要求するセキュリティを保持することができる。
(10−2)実施形態に係る無線通信基地局は、上記(10−1)記載の無線通信基地局であって、第2の周波数チャネルで要求するセキュリティ方式を第1の周波数チャネルで通知することを特徴とする無線通信基地局である。
<(10−2)の効果>
別の周波数チャネルで要求するセキュリティレベルを通知することにより、別の周波数チャネルで要求するセキュリティレベルを変更可能であるとともに、無線通信端末に別の周波数チャネルが無線通信端末の対応するセキュリティ方式か判断させることができる。
(11)実施形態に係る無線通信端末は、二つ以上の周波数チャネルで通信可能で、かつそのうちの少なくとも一つを選択して通信を行う無線通信端末において、第1および第2の周波数チャネルで同時に通信可能な無線通信基地局に当該無線通信端末の第1および第2の周波数チャネルで使用可能な通信方式を第1の周波数チャネルで通知し、当該無線通信基地局から接続許可された場合に当該第1の周波数チャネルで当該無線通信基地局と通信を行い、当該無線通信基地局から第2の周波数チャネルへ変更許可された場合、当該無線通信基地局と第2の周波数チャネルで通信を行うことを特徴とする無線通信端末である。
<(11)の効果>
第1の周波数チャネルで第2の周波数チャネルで使用可能な通信方式を通知することにより、第1の周波数チャネルで接続した先の無線通信基地局に予め当該無線通信端末の第2の周波数チャネルで使用可能な通信方式を把握させることができ、第2の周波数チャネルで通信するために必要な接続情報の通知を再度行わずに通信を開始することができる。
(11−1)実施形態に係る無線通信端末は、二つ以上の周波数チャネルで通信可能で、かつそのうちの少なくとも一つを選択して通信を行う無線通信端末において、第1および第2の周波数チャネルで同時に通信可能な無線通信基地局に当該無線通信端末の第1の周波数チャネルで使用可能な通信方式を第1の周波数チャネルで通知し、当該無線通信基地局から接続許可された場合に当該第1の周波数チャネルで当該無線通信基地局と通信を行い、当該通信中に第2の周波数チャネルで使用可能な通信方式を通知し、当該無線通信基地局から第2の周波数チャネルへ変更許可された場合、当該無線通信基地局と第2の周波数チャネルで通信を行うことを特徴とする無線通信端末である。
<(11−1)の効果>
第2の周波数チャネルで使用可能な通信方式を第1の周波数チャネルでの接続後に追加で通知することにより、無線通信端末での第2の周波数チャネルで使用可能な通信方式に関する通知フレームを準備する猶予を与えることができ、接続設定時の負荷を軽減することができるとともにチャネル変更後には再設定なく継続して通信を行えるなど前述と同様の効果を得ることができる。
(11−2)実施形態に係る無線通信端末は、上記(11)あるいは(11−1)記載の無線通信端末であって、使用可能な通信方式が変更になった場合、接続許可された前記無線通信基地局に使用可能な通信方式の再通知あるいは使用可能な周波数チャネルと使用可能な通信方式の再通知を行うことを特徴とする無線通信端末である。
<(11−2)の効果>
使用可能な通信方式が変更になった場合に当該情報を無線通信基地局に再通知することにより、無線通信端末での通信状態に対応した適切な通信方式で通信を行うことができる。
(11−3−1)実施形態に係る無線通信端末は、上記(11)あるいは(11−1)記載の無線通信端末であって、通信方式とは通信規格の種別で表すことを特徴とする無線通信端末である。
<(11−3−1)の効果>
第1の周波数チャネルで第2の周波数チャネルで使用可能な通信規格の種別を通知することにより、第1の周波数チャネルで接続した先の無線通信基地局に予め当該無線通信端末の第2の周波数チャネルで使用可能な通信規格の種別を把握させることができ、第2の周波数チャネルで通信するために必要な接続情報の通知を再度行わずに通信を開始することができる。
(11−3−2)実施形態に係る無線通信端末は、上記(11−3−1)において、通信規格の種別では同一通信規格内の拡張方式を区別することを特徴とする無線通信端末である。
<(11−3−2)の効果>
第1の周波数チャネルで第2の周波数チャネルで使用可能な同一通信規格内の拡張方式の種別を通知することにより、第1の周波数チャネルで接続した先の無線通信基地局に予め当該無線通信端末の第2の周波数チャネルで使用可能な同一通信規格内の拡張方式の種別を把握させることができ、第2の周波数チャネルで通信するために必要な接続情報の通知を再度行わずに通信を開始することができる。
(12)実施形態に係る無線通信端末は、複数の変調符号化方式を用いる二つ以上の周波数チャネルで通信可能で、かつそのうちの少なくとも一つを選択して通信を行う無線通信端末において、複数の変調符号化方式を用いる第1および第2の周波数チャネルで同時に通信可能な無線通信基地局に第1の周波数チャネルで接続要求を送信する際に当該無線通信端末の第1の周波数チャネルで使用可能な変調符号化方式に加えて少なくとも当該第1の周波数チャネル上で当該無線通信基地局から通知された第2の周波数チャネルでの変調符号化方式のうち当該無線通信端末で使用可能な変調符号化方式を通知し、当該無線通信基地局からの応答により接続許可された場合に第1の周波数チャネルで当該無線通信端末が使用可能な変調符号化方式を用いて当該第1の周波数チャネルで当該無線通信基地局と通信を行い、当該無線通信基地局へ第2の周波数チャネルへの変更要求を送信し、当該無線通信基地局からの応答により第2の周波数チャネルへの変更が許可された場合、当該無線通信端末が第2の周波数チャネルで使用可能と通知した変調符号化方式を用いて当該無線通信基地局と第2の周波数チャネルで通信を行うことを特徴とする無線通信端末である。
<(12)の効果>
複数の変調符号化方式を用いる二つの周波数チャネルの第1の周波数チャネルで第2の周波数チャネルで使用可能な変調符号化方式を接続時に通知することにより、第1と第2の周波数チャネルで同時に通信可能な無線通信基地局に第1の周波数チャネルで予め当該無線通信端末の第2の周波数チャネルで使用可能な変調符号化方式を把握させることができ、第2の周波数チャネルで通信するために必要な接続情報の通知を再度行わずに通信を開始することができる。また接続時およびチャネル変更時に無線通信端末から要求を送信、それに対する応答を無線通信基地局から受信することで無線通信端末と無線通信基地局との間の接続情報の一致を保証することができる。
(12−1)実施形態に係る無線通信端末は、複数の変調符号化方式を用いる二つ以上の周波数チャネルで通信可能で、かつそのうちの少なくとも一つを選択して通信を行う無線通信端末において、複数の変調符号化方式を用いる第1および第2の周波数チャネルで同時に通信可能な無線通信基地局に当該無線通信端末の第1の周波数チャネルで使用可能な変調符号化方式を第1の周波数チャネルで通知し、当該無線通信基地局からの応答により接続許可された場合に第1の周波数チャネルで当該無線通信端末が使用可能な変調符号化方式を用いて当該第1の周波数チャネルで当該無線通信基地局と通信を行い、当該通信中に第2の周波数チャネルで使用可能な変調符号化方式を通知し、当該無線通信基地局へ第2の周波数チャネルへの変更要求を送信し、当該無線通信基地局からの応答により第2の周波数チャネルへの変更が許可された場合、第2の周波数チャネルで当該無線通信端末が使用可能と通知した変調符号化方式を用いて第2の周波数チャネルで当該無線通信基地局と通信を行うことを特徴とする無線通信端末である。
<(12−1)の効果>
第2の周波数チャネルで使用可能な変調符号化方式を第1の周波数チャネルで接続後に追加で通知することにより、無線通信端末での第2の周波数チャネルで使用可能な変調符号化方式に関する通知フレームを準備する猶予を与えることができ、接続設定時の負荷を軽減することができるとともにチャネル変更後には再設定なく継続して通信を行えるなど前述と同様の効果を得ることができる。
(12−2)実施形態に係る無線通信端末は、上記(12)あるいは(12−1)記載の無線通信端末であって、使用可能な変調符号化方式が変更になった場合、接続許可された前記無線通信基地局に使用可能な変調符号化方式の再通知あるいは使用可能な周波数チャネルと使用可能な変調符号化方式の再通知を行うことを特徴とする無線通信端末である。
<(12−2)の効果>
使用可能な変調符号化方式が変更になった場合に当該情報を無線通信基地局に再通知することにより、無線通信端末での通信状態に対応した適切な変調符号化方式で通信を行うことができる。
(13)実施形態に係る無線通信端末は、上記(11)、(11−1)、(12)、あるいは(12−1)記載の無線通信端末であって、単一周波数チャネルで通信可能な無線通信基地局に第1の周波数チャネルで接続する場合には第1の周波数チャネルで使用可能な通信方式または変調符号化方式を通知し、当該無線通信基地局から接続許可された場合に当該第1の周波数チャネルで当該無線通信基地局と通信を行い、第2の周波数チャネルへ変更する場合には第2の周波数チャネルに移行しそこで動作している他の無線通信基地局を探索、接続可能な他の無線通信基地局を検出した場合に当該他の無線通信基地局に第2の周波数チャネルで使用可能な通信方式または変調符号化方式を通知して接続要求を出すことを特徴とする無線通信端末である。
<(13)の効果>
二つ以上の周波数チャネルで同時に通信可能な無線通信基地局に接続するとともに、単一周波数チャネルで通信可能な無線通信基地局にも接続することができ、通信先の選択肢を広げることができるとともに、単一周波数チャネルで通信可能な無線通信基地局に接続していても第2の周波数チャネルに移行要求が発生した場合には第2の周波数チャネルで接続可能な無線通信基地局を探索、検出した場合に第2の周波数チャネルで使用可能な通信方式または変調符号化方式を通知して接続要求を出し、第2の周波数チャネルで動作する無線通信基地局に接続することができる。
(14)実施形態に係る無線通信端末は、上記(11)、(11−1)、(12)、あるいは(12−1)記載の無線通信端末であって、チャネル変更が許可されない場合には第2の周波数チャネルに移行し、そこで動作している他の無線通信基地局を探索、接続可能な他の無線通信基地局を検出した場合に当該他の無線通信基地局に第2の周波数チャネルで使用可能な通信方式または変調符号化方式を通知して接続要求を出すことを特徴とする無線通信端末である。
<(14)の効果>
二つ以上の周波数チャネルで同時に通信可能な無線通信基地局に接続するとともに、当該無線通信基地局に第2のチャネルへの移行要求が許可されない場合に第2の周波数チャネルで接続可能な他の無線通信基地局を探索、検出した場合に第2の周波数チャネルで使用可能な通信方式または変調符号化方式を通知して接続要求を出し、第2の周波数チャネルで動作する他の無線通信基地局に接続することができる。またこのようにすることで、通信可能な無線通信基地局の選択肢を広げることができる。
(15)実施形態に係る無線通信端末は、上記(11)、(11−1)、(12)、あるいは(12−1)記載の無線通信端末であって、第3の周波数チャネルへの移行要求が発生した場合には第3の周波数チャネルに移行し、そこで動作している他の無線通信基地局を探索、接続可能な他の無線通信基地局を検出した場合に当該他の無線通信基地局に第3の周波数チャネルで使用可能な通信方式または変調符号化方式を通知して接続要求を出すことを特徴とする無線通信端末である。
<(15)の効果>
二つ以上の周波数チャネルで同時に通信可能な無線通信局に接続するとともに、当該同一の無線通信局が対応しない別の第3の周波数チャネルへの移行要求が発生した場合には第3の周波数チャネルで接続可能な無線通信基地局を探索、検出した場合に第3の周波数チャネルで使用可能な通信方式または変調符号化方式を通知して接続要求を出し、第3の周波数チャネルで動作する無線通信基地局に接続することができる。またこのようにすることで、通信可能な無線通信基地局の選択肢を広げることができる。
(16)実施形態に係る無線通信端末は、上記(11)、(11−1)、(12)あるいは(12−1)記載の無線通信端末であって、前記無線通信基地局から第2の周波数チャネルへの変更要求の許可を受けた場合、当該許可より固定時間以上経てから第2の周波数チャネルで前記無線通信基地局と通信を開始することを特徴とする無線通信端末である。
<(16)の効果>
無線通信基地局からの周波数チャネル変更要求への許可から固定時間以上経てから変更先の周波数チャネルで無線通信基地局と通信を開始することにより、無線通信端末および無線通信基地局の変更先の周波数チャネルでの通信開始準備に猶予を与えることができる。
(16−1)実施形態に係る無線通信端末は、上記(16)記載の無線通信端末であって、前記固定時間とは無線通信端末で周波数チャネルの移動に要する時間以上に設定することを特徴とする無線通信端末である。
<(16−1)の効果>
無線通信端末での周波数チャネルの移動に要する時間以上経てから変更先の周波数チャネルで無線通信基地局と通信を開始することにより、無線通信端末が変更先の周波数チャネルで送受信可能状態になってから確実に通信開始することができる。
(16−1−1)実施形態に係る無線通信端末は、上記(16−1)記載の無線通信端末であって、第2の周波数チャネルへの変更許可を受ける前に前記無線通信基地局に周波数チャネル変更に要する時間を通知することを特徴とする無線通信端末である。
<(16−1−1)の効果>
第2の周波数チャネルへの変更許可前に前記無線通信基地局に周波数チャネル変更に要する時間を通知することにより、無線通信端末での周波数チャネルの移動に要する時間を正確に前記無線通信基地局に把握させ、それ以上経てから変更先の周波数チャネルで無線通信基地局の当該無線通信端末宛ての送信を開始させることができる。
(16−2)実施形態に係る無線通信端末は、上記(16)記載の無線通信端末であって、前記固定時間とは前記無線通信基地局が指定した時間であることを特徴とする無線通信端末である。
<(16−2)の効果>
無線通信基地局が指定した時間以上経てから変更先の周波数チャネルで無線通信基地局と通信を開始することにより、無線通信基地局での無線通信端末の周波数チャネルの変更に伴う通信開始準備の期間を与え、確実に無線通信基地局と変更先の周波数チャネルで通信を開始することができる。
(16−3)実施形態に係る無線通信端末は、上記(16)記載の無線通信端末であって、前記固定時間は第2の周波数チャネルへの変更許可を受ける前に前記無線通信基地局との間で無線パケットの交換により決定されることを特徴とする無線通信端末である。
<(16−3)の効果>
無線通信基地局との間で変更先の周波数チャネルでの通信開始までの時間が無線パケットの交換により決定されることにより、変更先の周波数チャネルで確実に当該無線通信端末と無線通信基地局が通信可能な状態になってからの通信開始を保証することができる。
(17)実施形態に係る無線通信端末は、上記(11)、(11−1)、(12)あるいは(12−1)記載の無線通信端末であって、第2の周波数チャネルの使用率を前記無線通信基地局から取得し、第2の周波数チャネルへの移行要求を送信するかの判断を行うことを特徴とする無線通信端末である。
<(17)の効果>
第2の周波数チャネルの使用率を第2の周波数チャネルへの移行要求を送信するかの判断に用いることにより、第2の周波数チャネルへ移行した場合の通信を保証することができる。
(18)実施形態に係る無線通信端末は、上記(11)、(11−1)、(12)あるいは(12−1)記載の無線通信端末であって、第2の周波数チャネルの帯域幅である第2の帯域幅を前記無線通信基地局から取得し、第2の周波数チャネルへの移行要求を送信するかの判断を行うことを特徴とする無線通信端末である。
<(18)の効果>
別の周波数チャネルの帯域幅を第2の周波数チャネルへの移行要求を送信するかの判断に用いることにより、第2の周波数チャネルへ移行した場合の通信を保証することができる。
(19)実施形態に係る無線通信端末は、上記(11)、(11−1)、(12)あるいは(12−1)記載の無線通信端末であって、第1および第2の周波数チャネルで使用可能なセキュリティ方式を第1の周波数チャネルで無線通信基地局に通知することを特徴とする無線通信端末である。
<(19)の効果>
別の周波数チャネルでの使用可能なセキュリティ方式を予め無線通信基地局に通知することにより、当該無線通信端末からの別の周波数チャネルへの変更要求の際に無線通信基地局で許可の可否に判断することができるとともに許可する場合に通知されたセキュリティ方式に関する情報を変更後の周波数チャネルでの当該無線通信端末との通信に用いることができる。
(21)実施形態に係る無線通信システムは、二つ以上の周波数チャネルで同時に通信可能な無線通信基地局と、二つ以上の周波数チャネルで通信可能で、かつそのうちの少なくとも一つを選択して通信を行う無線通信端末から構成され、前記無線通信基地局は第1の周波数チャネル以外に無線パケット受信可能状態にある愛2の周波数チャネルの識別子と第2の周波数チャネルで用いる通信方式とを第1の周波数チャネルで通知し、前記無線通信端末は第1の周波数チャネルで当該無線通信端末の第1および第2の周波数チャネルで使用可能な通信方式を前記無線通信基地局に通知し、前記無線通信基地局は、前記無線通信端末の接続を許可した際に前記無線通信端末から通知された前記無線通信端末の使用可能な通信方式を無線通信端末の識別子と周波数チャネルの識別子とともに接続管理テーブルに保持し、前記無線通信端末からの第2の周波数チャネルへの変更要求を許可した場合、第2の周波数チャネルで用いられる通信方式のうち無線通信端末の識別子から接続管理テーブル上の前記無線通信端末の使用可能な通信方式を用いて第2の周波数チャネルで、前記無線通信端末と通信を行い、前記無線通信端末は、前記無線通信基地局から通知された第2の周波数チャネルで用いる通信方式を周波数チャネルの識別子とともに接続管理テーブルに保持し、前記無線通信基地局から第2の周波数チャネルへの変更要求が許可された場合、第2の周波数チャネルで使用可能な通信方式のうち接続管理テーブル上の前記無線通信基地局が用いる通信方式を用いて第2の周波数チャネルで前記無線通信基地局と通信を行うことを特徴とする無線通信システムである。
<(21)の効果>
無線通信基地局は第1の周波数チャネルで第2の周波数チャネルにおいて使用する通信方式を通知することにより、第1の周波数チャネルで送受を行う無線通信端末に無線通信基地局が第2の周波数チャネルで使用する通信方式を把握させることができ、無線通信端末は第1の周波数チャネルで第2の周波数チャネルで使用可能な通信方式を接続先の無線通信基地局に通知することにより、無線通信基地局に予め当該無線通信端末の第2の周波数チャネルで使用可能な通信方式を把握させることができる。これにより無線通信基地局と無線通信端末はお互いに第2の周波数チャネルで用いるべき通信方式を予め把握し、第2の周波数チャネルへ移行した際に通信に必要な接続情報の交換を再度行わずに通信を開始することができる。
(21−1)実施形態に係る無線通信システムは、二つ以上の周波数チャネルで同時に通信可能な無線通信基地局と、二つ以上の周波数チャネルで通信可能で、かつそのうちの少なくとも一つを選択して通信を行う無線通信端末から構成され、前記無線通信基地局は、第1の周波数チャネル以外に無線パケット受信可能状態にある愛2の周波数チャネルの識別子と第2の周波数チャネルで用いる通信方式とを第1の周波数チャネルで通知し、前記無線通信端末は、第1の周波数チャネルで当該無線通信端末の第1の周波数チャネルで使用可能な通信方式を前記無線通信基地局に通知し、当該無線通信基地局から接続許可された場合に当該第1の周波数チャネルで前記無線通信基地局と通信を行い、当該通信中に第2の周波数チャネルで使用可能な通信方式を通知し、前記無線通信基地局は、前記無線通信端末の接続を許可した際に前記無線通信端末から通知された前記無線通信端末の第1の周波数チャネルで使用可能な通信方式を無線通信端末の識別子と周波数チャネルの識別子とともに接続管理テーブルに保持し、前記無線通信端末から第2の周波数チャネルで使用可能な通信方式の通知を受けると前記接続管理テーブルに第2の周波数チャネルの識別子と前記無線通信端末の第2の周波数チャネルで使用可能な通信方式の情報を当該無線通信端末の識別に対応させて追加し、前記無線通信端末からの第2の周波数チャネルへの変更要求を許可した場合、第2の周波数チャネルで用いられる通信方式のうち無線通信端末の識別子から接続管理テーブル上の前記無線通信端末の使用可能な通信方式を用いて第2の周波数チャネルで、前記無線通信端末と通信を行い、前記無線通信端末は、前記無線通信基地局から通知された第2の周波数チャネルで用いる通信方式を無線通信基地局の識別子と周波数チャネルの識別子とともに接続管理テーブルに保持し、前記無線通信端末から第2の周波数チャネルへの変更要求が許可された場合、第2の周波数チャネルで使用可能な通信方式のうち接続管理テーブル上の前記無線通信基地局が用いる通信方式を用いて第2の周波数チャネルで前記無線通信基地局と通信を行うことを特徴とする無線通信システムである。
<(21−1)の効果>
無線通信端末が第2の周波数チャネルにおいて使用可能な通信方式を第1の周波数チャネルで接続後に追加で通知することにより、無線通信端末での第2の周波数チャネルで使用可能な通信方式に関する通知フレームを準備する猶予を与えることができ、接続設定時の負荷を軽減することができるとともにチャネル変更後には再設定なく継続して通信を行えるなど前述と同様の効果を得ることができる。
(21−2)実施形態に係る無線通信システムは、上記(21)あるいは(21−1)記載の無線通信システムであって、前記無線通信端末は使用可能な通信方式が変更になった場合、接続許可された前記無線通信基地局に使用可能な通信方式の再通知あるいは使用可能な周波数チャネルと使用可能な通信方式の再通知を行い、前記無線通信基地局は接続許可した前記無線通信端末から使用可能な通信方式の再通知あるいは使用可能な周波数チャネルと使用可能な通信方式の再通知を受けると対応する接続管理テーブルの情報を更新することを特徴する無線通信システムである。
<(21−2)の効果>
無線通信端末で使用可能な通信方式が変更になった場合に当該情報を無線通信基地局に再通知することにより、無線通信端末での通信状態に対応した適切な通信方式で無線通信端末と無線通信基地局が通信を行うことができる。
(21−3−1)実施形態に係る無線通信システムは、上記(21)記載の無線通信システムであって、通信方式とは通信規格の種別で表すことを特徴とする無線通信システムである。
<(21−3−1)の効果>
無線通信基地局は第1の周波数チャネルで第2の周波数チャネルにおいて使用する通信規格の種別を通知することにより、第1の周波数チャネルで送受を行う無線端末に無線通信基地局が第2の周波数チャネルで使用する通信規格の種別を把握させることができ、無線通信端末は第1の周波数チャネルで第2の周波数チャネルで使用可能な通信規格の種別を接続先の無線通信基地局に通知することにより、無線通信基地局に予め当該無線通信端末の第2の周波数チャネルで使用可能な通信規格の種別を把握させることができる。これにより無線通信基地局と無線通信端末はお互いに第2の周波数チャネルで用いるべき通信規格の種別を予め把握し、第2の周波数チャネルへ移行した際に通信に必要な接続情報の交換を再度行わずに通信を開始することができる。
(21−3−2)実施形態に係る無線通信システムは、上記(21−3−1)記載の無線通信システムであって、通信規格の種別では同一通信規格内の拡張方式を区別することを特徴とする無線通信システムである。
<(21−3−2)の効果>
無線通信基地局は第1の周波数チャネルで第2の周波数チャネルにおいて使用する通信規格内の拡張方式の種別を通知することにより、第1の周波数チャネルで送受を行う無線端末に無線通信基地局が第2の周波数チャネルで使用する通信規格内の拡張方式の種別を把握させることができ、無線通信端末は第1の周波数チャネルで第2の周波数チャネルで使用可能な通信規格内の拡張方式の種別を接続先の無線通信基地局に通知することにより、無線通信基地局に予め当該無線通信端末の第2の周波数チャネルで使用可能な通信規格内の拡張方式の種別を把握させることができる。これにより無線通信基地局と無線通信端末はお互いに第2の周波数チャネルで用いるべき通信規格内の拡張方式の種別を予め把握し、第2の周波数チャネルへ移行した際に通信に必要な接続情報の交換を再度行わずに通信を開始することができる。
(22)実施形態に係る無線通信システムは、複数の変調符号化方式を用いる二つ以上の周波数チャネルで同時に通信可能な無線通信基地局と、複数の変調符号化方式を用いる二つ以上の周波数チャネルで通信可能で、かつそのうちの少なくとも一つを選択して通信を行う無線通信端末から構成され、前記無線通信基地局は、第1の周波数チャネル以外に無線パケット受信可能状態にある第2の周波数チャネルの識別子と第2の周波数チャネルで用いる変調符号化方式とを第1の周波数チャネルで通知し、前記無線通信端末は、前記無線通信基地局に第1の周波数チャネルで接続要求を送信する際に当該無線通信端末の第1の周波数チャネルで使用可能な変調符号化方式に加えて少なくとも当該第1の周波数チャネル上で前記無線通信基地局から通知された第2の周波数チャネルでの変調符号化方式のうち当該無線通信端末で使用可能な変調符号化方式を通知し、前記無線通信基地局は、前記無線通信端末からの接続要求を受け、許可した際に前記無線通信端末から通知された前記無線通信端末の使用可能な変調符号化方式を無線通信端末の識別子と周波数チャネルの識別子とともに接続管理テーブルに保持し、前記無線通信端末からの第2の周波数チャネルへの変更要求を受けると、無線通信端末の識別子から接続管理テーブル上の前記無線通信端末の使用可能な変調符号化方式が第2の周波数チャネルで使用可能かを判断し、使用可能と判断し許可した場合、前記周波数チャネルの識別子を第2の周波数チャネルの識別子に更新して保持し、第2の周波数チャネルで用いられる変調符号化方式のうち無線通信端末の識別子から接続管理テーブル上の前記無線通信端末の使用可能な変調符号化方式を用いて第2の周波数チャネルで前記無線通信端末と通信を行い、前記無線通信端末は、前記無線通信基地局から通知された第2の周波数チャネルで用いる変調符号化方式を周波数チャネルの識別子とともに接続管理テーブルに保持し、前記無線通信基地局へ第2の周波数チャネルへの変更要求を送信し、前記無線通信基地局からの応答により第2の周波数チャネルへの変更が許可された場合、第2の周波数チャネルで使用可能な変調符号化方式のうち接続管理テーブル上の前記無線通信基地局が用いる変調符号化方式を用いて第2の周波数チャネルで前記無線通信基地局と通信を行うことを特徴とする無線通信システムで
ある。
<(22)の効果>
無線通信基地局は第1の周波数チャネルで第2の周波数チャネルにおいて使用する変調符号化方式を通知することにより、第1の周波数チャネルで送受を行う無線通信端末に無線通信基地局が第2の周波数チャネルで使用する変調符号化方式を把握させることができ、無線通信端末は第1の周波数チャネルで第2の周波数チャネルで使用可能な変調符号化方式を接続先の無線通信基地局に通知することにより、無線通信基地局に予め当該無線通信端末の第2の周波数チャネルで使用可能な変調符号化方式を把握させることができる。
これにより無線通信基地局と無線通信端末はお互いに第2の周波数チャネルで用いるべき変調符号化方式を予め把握し、第2の周波数チャネルへ移行した際に通信に必要な接続情報の交換を再度行わずに通信を開始することができる。
また接続時およびチャネル変更時に無線通信端末から要求を送信し、それに対する応答を無線通信基地局が送信することで無線通信端末と無線通信基地局との間の接続情報の一致を保証することができる。
(22−1)実施形態に係る無線通信システムは、複数の変調符号化方式を用いる二つ以上の周波数チャネルで同時に通信可能な無線通信基地局と、複数の変調符号化方式を用いる二つ以上の周波数チャネルで通信可能で、かつそのうちの少なくとも一つを選択して通信を行う無線通信端末から構成され、前記無線通信基地局は第1の周波数チャネルの識別子と第1の周波数チャネルで用いる変調符号化方式と第1の周波数チャネル以外に無線パケット受信可能状態にある第2の周波数チャネルの識別子と第2の周波数チャネルで用いる変調符号化方式とを第1の周波数チャネルで通知し、前記無線通信端末は前記無線通信基地局に第1の周波数チャネルで接続要求を送信する際に当該無線通信端末の第1の周波数チャネルで使用可能な変調符号化方式を通知し、前記無線通信基地局は、前記無線通信端末からの接続要求を受け、許可した際に前記無線通信端末から通知された前記無線通信端末の第1の周波数チャネルで使用可能な変調符号化方式を無線通信端末の識別子と周波数チャネルの識別子とともに接続管理テーブルに保持し、前記無線通信端末は前記無線通信基地局からの応答により接続許可された場合に、前記無線通信基地局から通知された第1および第2の周波数チャネルで用いる変調符号化方式を周波数チャネルの識別子とともに接続管理テーブルに保持し、第1の周波数チャネルで使用可能な変調符号化方式のうち接続管理テーブル上の前記無線通信基地局が用いる変調符号化方式を用いて第1の周波数チャネルで前記無線通信基地局と通信を行い、当該通信中に少なくとも当該第1の周波数チャネル上で前記無線通信基地局から通知された第2の周波数チャネルでの変調符号化方式のうち当該無線通信端末で使用可能な変調符号化方式を通知し、前記無線通信基地局は、前記無線通信端末から第2の周波数チャネルで使用可能な変調符号化方式の通知を受けると前記接続管理テーブルに第2の周波数チャネルの識別子と前記無線通信端末の第2の周波数チャネルで使用可能な変調符号化方式の情報を前記無線通信端末の識別子に対応させて追加し、前記無線通信端末からの第2の周波数チャネルへの変更要求を受けると、無線通信端末の識別子から接続管理テーブル上の前記無線通信端末の使用可能な変調符号化方式が第2の周波数チャネルで使用可能かを判断し、使用可能と判断し許可した場合、
前記周波数チャネルの識別子を第2の周波数チャネルの識別子に更新して保持し、第2の周波数チャネルで用いられる変調符号化方式のうち無線通信端末の識別子から接続管理テーブル上の前記無線通信端末の使用可能な変調符号化方式を用いて第2の周波数チャネルで前記無線通信端末と通信を行い、前記無線通信端末は、前記無線通信基地局へ第2の周波数チャネルへの変更要求を送信し、前記無線通信基地局からの応答により第2の周波数チャネルへの変更が許可された場合、第2の周波数チャネルで使用可能な変調符号化方式のうち接続管理テーブル上の前記無線通信基地局が用いる変調符号化方式を用いて第2の周波数チャネルで前記無線通信基地局と通信を行うことを特徴とする無線通信システムである。
<(22−1)の効果>
無線通信端末が第2の周波数チャネルにおいて使用可能な変調符号化方式を第1の周波数チャネルで接続後に追加で通知することにより、無線通信端末での第2の周波数チャネルで使用可能な変調符号化方式に関する通知フレームを準備する猶予を与えることができ、接続設定時の負荷を軽減することができるとともにチャネル変更後には再設定なく継続して通信を行えるなど前述と同様の効果を得ることができる。
(22−2)実施形態に係る無線通信システムは、上記(22)あるいは(22−1)記載の無線通信システムにおいて、前記無線通信端末は使用可能な変調符号化方式が変更になった場合、接続許可された前記無線通信基地局に使用可能な変調符号化方式の再通知あるいは使用可能な周波数チャネルと使用可能な変調符号化方式の再通知を行い、前記無線通信基地局は接続許可した前記無線通信端末から使用可能な変調符号化方式の再通知あるいは使用可能な周波数チャネルと使用可能な変調符号化方式の再通知を受けると対応する接続管理テーブルの情報を更新することを特徴とする無線通信システムである。
<(22−2)の効果>
無線通信端末で使用可能な変調符号化方式が変更になった場合に当該情報を無線通信基地局に再通知することにより、無線通信端末での通信状態に対応した適切な変調符号化方式で無線通信端末と無線通信基地局が通信を行うことができる。
(23−1)実施形態に係る無線通信システムは、上記(21)、(21−1)、(22)あるいは(22−1)記載の無線通信システムであって、前記無線通信基地局は第2の周波数チャネルで使用する通信方式あるいは変調符号化方式を第2の周波数チャネル上で通知することを特徴とする無線通信システムである。
<(23−1)の効果>
第2の周波数チャネルで使用する通信方式あるいは変調符号化方式を第2の周波数チャネル上で通知することにより第2の周波数チャネル上で受信可能な他の無線通信基地局あるいは無線通信端末に当該無線通信基地局が第2の周波数チャネルでどのような通信方式あるいは変調符号化方式を用いているかを認識させることができる。さらに上記を認識させることにより、他の無線通信基地局や無線通信端末では干渉回避対策を講じることができる。さらに上記を認識させることにより、無線通信端末では当該無線通信基地局を接続する無線通信基地局の候補にすることができる。
(23−2)実施形態に係る無線通信システムは、上記(21)、(21−1)、(22)あるいは(22−1)記載の無線通信システムであって、前記無線通信基地局は第1の周波数チャネルと同一の無線通信基地局であることを第2の周波数チャネルで通知することを特徴とする無線通信システムである。
<(23−2)の効果>
第2の周波数チャネルで当該無線通信基地局の識別子を通知することによって第1と第2の周波数チャネルで同一の無線通信基地局が動作していることを第2の周波数チャネル上で通知することができる。さらに上記を認識させることにより、他の無線通信基地局や無線通信端末では干渉回避対策を講じることができる。さらに第1の周波数チャネルで当該無線通信基地局と通信しており第2の周波数チャネルに変更して当該無線通信基地局と再び通信行う無線通信端末で当該無線通信基地局を認識することで無線パケットを送信することができる。
(23−2−1−1)実施形態に係る無線通信システムは、上記(23−2)記載の無線通信システムであって、前記無線通信基地局は無線パケット送受信可能状態にある周波数チャネルのいずれかで接続する無線通信端末のうちの全てあるいは一部の複数の無線通信端末宛ての無線パケットを無線パケット送受信可能な全ての周波数チャネルで送信することを特徴とする無線通信システムである。
<(23−2−1−1)の効果>
複数の無線通信端末宛ての無線パケットを無線パケット送受信可能な全ての周波数チャネルで送信することにより、周波数チャネルを移動する可能性のある送信先無線通信端末に確実に無線パケットを受信させることができるとともに、無線通信基地局で無線パケット送信時の送信先無線通信端末の周波数チャネルの移動を含めた接続している周波数チャネルを正確に指定する必要がなく処理負荷を軽減できる。
(23−2−1−2)実施形態に係る無線通信システムは、上記(23−2−1−1)記載の無線通信システムであって、前記無線通信基地局は前記無線通信端末のうちの全てあるいは一部の複数の無線通信端末宛ての無線パケットは無線パケット送受信可能な全ての周波数チャネルで送信する際に、送出番号の順番を示すフィールドに同一の値を入れることを特徴とする無線通信システムである。
<(23−2−1−2)の効果>
同一の複数の無線通信端末宛ての無線パケットを複数の周波数チャネルで送信する際に、送出番号の順番を示すフィールドに同一の値を入れることにより、複数の周波数チャネル間での送信タイミングがずれる場合などでその間に周波数チャネル間を移動する無線通信端末あるいは複数の周波数チャネルで受信可能な無線通信端末で同一のパケットを複数の周波数チャネルで受信しても重複であることを識別できるようにすることができる。
(23−2−2−1)実施形態に係る無線通信システムは、上記(23−2)記載の無線通信システムであって、前記無線通信基地局は通知に用いる無線パケットには単独の周波数チャネルでのみ通信可能な無線通信基地局でも用いる無線通信基地局の識別子を示す第1のフィールドと、これとは別の第2のフィールドを設け、第1のフィールドには周波数チャネルごとに異なる識別子を入れ、第2のフィールドでは周波数間で同一の無線通信基地局であることを示す識別子を入れることを特徴とする無線通信システムである。
<(23−2−2−1)の効果>
単独の周波数チャネルでのみ通信可能な無線通信基地局で用いる無線通信基地局の識別子を示すフィールドとは別のフィールドで第1の周波数チャネルと同一の無線通信基地局であることを通知することにより、単独の周波数チャネルでのみ通信可能な無線通信基地局にのみ接続可能な無線通信端末で当該通知を受信した際には別の無線通信基地局として認識して接続可能とさせることができるとともに、複数の周波数チャネルで通信可能な無線通信基地局と接続可能な無線通信端末では同一の無線通信基地局として認識して接続させることができる。
(25)実施形態に係る無線通信システムは、上記(21)、(21−1)、(22)あるいは(22−1)記載の無線通信システムであって、前記無線通信基地局で保持する接続管理テーブルの無線通信端末の識別子とは当該無線通信基地局が無線通信端末を接続許可した際に無線通信端末に割り当てた管理番号であることを特徴とする無線通信システムである。
<(25)の効果>
無線通信基地局が無線通信端末を接続許可した際に当該無線通信端末に割り当てた管理番号を無線通信端末の識別子として接続管理テーブルで保持することにより、無線通信基地局で無線通信端末を独自の識別子を用いて識別することができ、無線通信端末の管理を簡易にすることができる。
(26)実施形態に係る無線通信システムは、上記(21)、(21−1)、(22)あるいは(22−1)記載の無線通信システムであって、前記無線通信基地局は前記周波数チャネルごとに送信する無線パケットを格納するキューを有し、無線通信端末の第1の周波数チャネルから第2の周波数チャネルへの変更要求を許可する際に当該無線通信端末宛ての無線パケットを第1の周波数チャネル用の第1のキューから第2の周波数チャネル用の第2のキューに移すことを特徴とする無線通信システムである。
<(26)の効果>
周波数チャネルごとに無線パケットを格納するキューを有し、無線通信端末の周波数チャネル変更要求に対応して当該無線通信端末宛ての無線パケットを対応する周波数チャネルの送信キューに移すことにより、周波数チャネル間を移動する無線通信端末が通信を行う適切な周波数チャネルで当該無線通信端末宛ての無線パケットを送信することができる。
(27)実施形態に係る無線通信システムは、上記(21)、(21−1)、(22)あるいは(22−1)記載の無線通信システムであって、前記無線通信基地局が前記無線通信端末の第2の周波数チャネルへの変更要求を許可した場合、当該許可より固定時間以上経てから第2の周波数チャネルで前記無線通信基地局と前記無線通信端末の通信を開始することを特徴とする無線通信システムである。
<(27)の効果>
無線通信端末の周波数チャネルの変更要求許可から固定時間以上経てから変更先の周波数チャネルで無線通信端末と通信を開始することにより、無線通信基地局および無線通信端末の変更先の周波数チャネルでの通信開始準備に猶予を与えることができる。
(27−1)実施形態に係る無線通信システムは、上記(27)記載の無線通信システムであって、前記固定時間とは無線通信端末で周波数チャネルの移動に要する時間以上に設定することを特徴とする無線通信システムである。
<(27−1)の効果>
無線通信端末での周波数チャネルの移動に要する時間以上経てから変更先の周波数チャネルで無線通信端末と通信を開始することにより、無線通信端末が変更先の周波数チャネルで受信可能状態であることを保証して無線パケットを送信開始することができる。
(27−1−1)実施形態に係る無線通信システムは、上記(27−1)記載の無線通信システムであって、前記無線通信基地局が前記無線通信端末の第2の周波数チャネルへの変更を許可する前に前記無線通信端末からの周波数チャネル変更に要する時間を取得することを特徴とする無線通信システムである。
<(27−1−1)の効果>
第2の周波数チャネルへの変更許可前に前記無線通信端末からの周波数チャネル変更に要する時間を取得することにより、無線通信端末での周波数チャネルの移動に要する時間を正確に把握してそれ以上経てから変更先の周波数チャネルで無線通信端末と通信を開始することにより、無線通信端末が変更先の周波数チャネルで受信可能状態であることの保証の確度を上げることができる。
(27−2)実施形態に係る無線通信システムは、上記(26)記載の無線通信システムであって、前記無線通信基地局が前記無線通信端末の第2の周波数チャネルへの変更要求を許可した場合、当該許可より無線通信基地局で前記無線パケットを第1のキューから第2のキューへの移動に要する時間以上経てから第2の周波数チャネルで前記無線通信基地局と前記無線通信端末の通信を開始することを特徴とする無線通信システムである。
<(27−2)の効果>
無線通信基地局での無線通信端末宛て無線パケットのキュー間の移動に要する時間以上経てから変更先の周波数チャネルで無線通信端末と通信を開始することにより、無線通信端末宛ての無線パケットを確実に変更先の周波数チャネルで無線通信端末に送信することができる。
(27−3)実施形態に係る無線通信システムは、上記(27)記載の無線通信システムであって、前記固定時間は第2の周波数チャネルへの変更許可する前に前記無線通信基地局と前記無線通信端末との間で無線パケットの交換により決定することを特徴とする無線通信システムである。
<(27−3)の効果>
無線通信端末との間で変更先の周波数チャネルでの通信開始までの時間を無線パケットの交換により決定することにより、変更先の周波数チャネルで確実に当該無線通信基地局と無線通信端末が通信可能な状態になってからの通信開始を保証することができる。
(28)実施形態に係る無線通信システムは、上記(21)、(21−1)、(22)あるいは(22−1)記載の無線通信システムであって、前記無線通信基地局は第2の周波数チャネルの使用率を第1の周波数チャネルで通知し、前記無線通信端末は前記無線通信基地局からの第2の周波数チャネルの使用率から第2の周波数チャネルへの移行要求を送信するかの判断を行うことを特徴とする無線通信システムである。
<(28)の効果>
無線通信基地局が別の周波数チャネルの使用率を通知することにより、無線通信端末に別の周波数チャネルへの移行を判断するための情報を提供することができ、無線通信端末ではその情報に基づき別の周波数チャネルへの移行を判断することで移行先の周波数チャネルでの通信を保証することができる。
(29)実施形態に係る無線通信システムは、上記(21)、(21−1)、(22)あるいは(22−1)記載の無線通信システムであって、前記無線通信基地局は第2の周波数チャネルの帯域幅である第2の帯域幅を第1の周波数チャネルで通知し、前記無線通信端末は前記無線通信基地局からの第2の帯域幅から第2の周波数チャネルへの移行要求を送信するかの判断を行うことを特徴とする無線通信システムである。
<(29)の効果>
無線通信基地局が別の周波数チャネルの帯域幅を通知することにより、無線通信端末が別の周波数チャネルが無線通信端末の通信できる帯域幅であるか判断することができ、移行先の周波数チャネルでの通信を保証することができる。
(30)実施形態に係る無線通信システムは、上記(21)、(21−1)、(22)あるいは(22−1)記載の無線通信システムであって、前記無線通信基地局は第1の周波数チャネルで前記無線通信端末と通信を行う際に設定したセキュリティ情報を前記無線通信端末の識別子に対応させて接続管理テーブルに保持し、前記無線通信端末からの第2の周波数チャネルへの変更要求を許可した場合、保持してあるセキュリティ情報を用いて第2の周波数チャネルで前記無線通信端末と通信を行うことを特徴とする無線通信システムである。
<(30)の効果>
無線通信基地局でセキュリティ情報を無線通信端末の識別子とともに管理し、別の周波数チャネルへの変更要求を許可した場合に変更先の周波数チャネルで同じセキュリティ情報を用いることにより、変更先の周波数チャネルで再度セキュリティの設定を行わなくても無線通信基地局と無線通信端末の間で通信を開始することができる。
(30−1)実施形態に係る無線通信システムは、上記(30)記載の無線通信システムであって、前記無線通信端末は第1および第2の周波数チャネルで使用可能なセキュリティ方式を第1の周波数チャネルで前記無線通信基地局に通知し、前記無線通信基地局は前記無線通信端末から通知された前記無線通信端末の使用可能なセキュリティ方式を無線通信端末の識別子に対応させて接続管理テーブルに保持し、前記無線通信端末からの第2の周波数チャネルへの変更要求に際し、接続管理テーブルから第2の周波数チャネルで当該無線通信基地局が要求するセキュリティ方式に対応しているか参照し、許可の判断に用いることを特徴とする無線通信システムである。
<(30−1)の効果>
無線通信基地局は無線通信端末の使用可能なセキュリティ方式を別の周波数チャネルへの変更要求前に把握し、別の周波数チャネルへの変更要求を受けた際に許可するか否かに用いることにより、別の周波数チャネルでのセキュリティを保持することができるとともに、無線通信基地局の要求するセキュリティ方式を満たさない場合に別の周波数チャネルで拒絶されることが分かっている無線通信端末からの接続要求を無線通信端末に予め把握させ、無駄な接続のための無線パケットの交換による周波数チャネルの占有を削減することができる。また無線通信端末の別の周波数チャネルへの変更を許可する場合に、無線通信端末から通知されたセキュリティ方式に関する情報を変更後の周波数チャネルでの当該無線通信端末との通信に用いることができる。
(30−1−1)実施形態に係る無線通信システムは、上記(30−1)記載の無線通信システムであって、前記無線通信基地局が前記無線通信端末からの第2の周波数チャネルへの変更要求を許可した際、第1の周波数チャネルで使用していた第1のセキュリティ方式が第2の周波数チャネルで使用可能な場合は保持してあるセキュリティ設定に関する情報を用いて第2の周波数チャネルで前記無線通信端末と通信を行い、第1のセキュリティ方式が第2の周波数チャネルで使用可能でない場合は接続管理テーブルから第2の周波数チャネルで前記無線通信端末が使用可能なセキュリティ方式のうち当該無線通信基地局が第2の周波数チャネルで要求するセキュリティ方式に該当するいずれか一つを第2のセキュリティ方式として、第2の周波数チャネルで前記無線通信端末とセキュリティ方式を用いた通信を開始する前に第2のセキュリティ方式の設定を行うことを特徴とする無線通信システムである。
<(30−1−1)の効果>
周波数チャネル変更前のセキュリティ方式を変更後の周波数チャネルで用いることができるなら同じセキュリティ情報を用いて通信を行うことにより、周波数チャネル変更後にセキュリティ方式を用いるための再度の設定のための無線パケットの交換を省略することができ、周波数チャネル変更前のセキュリティ方式を変更後の周波数チャネルで用いることができないが無線通信基地局で要求するセキュリティ方式に無線通信端末で対応するセキュリティ方式があるならそのいずれか一つの設定を変更後の周波数チャネルで無線通信端末との間で行うことにより、無線通信基地局が変更後の周波数チャネルで要求するセキュリティを保持することができる。
(30−2)実施形態に係る無線通信システムは、上記(30−1)記載の無線通信システムであって、前記無線通信基地局は第2の周波数チャネルで要求するセキュリティ方式を第1の周波数チャネルで通知することを特徴とする無線通信システムである。
<(30−2)の効果>
無線通信基地局が別の周波数チャネルで要求するセキュリティレベルを通知することにより、別の周波数チャネルで要求するセキュリティレベルを変更可能であるとともに、無線通信端末に別の周波数チャネルが無線通信端末の対応するセキュリティ方式か判断させることができる。
(31−0−1)上記(1)あるいは(1−1)記載の無線通信基地局、あるいは上記(11)あるいは(11−1)記載の無線通信端末、あるいは上記(21)あるいは(21−1)記載の無線通信システムにおいて、前記無線通信端末での使用可能な通信方式とは前記無線通信端末が少なくとも受信可能な通信方式であることを特徴とする。
<(31−0−1)の効果>
無線通信端末の受信可能な通信方式を無線通信基地局に通知することによって、受信可能な通信方式と送信可能な通信方式が異なり、特に受信可能な通信方式の方が送信可能な通信方式より範囲が広い場合に無線通信基地局から無線通信端末宛ての通信方式の選択範囲を広めることができる。
(31−0−2)上記(1)あるいは(1−1)記載の無線通信基地局、あるいは上記(11)あるいは(11−1)記載の無線通信端末、あるいは上記(21)あるいは(21−1)記載の無線通信システムにおいて、前記無線通信端末での使用可能な通信方式とは前記無線通信端末が少なくとも受信可能かつ送信可能な通信方式であることを特徴とする。
<(31−0−2)の効果>
無線通信端末の受信可能かつ送信可能な通信方式を無線通信基地局に通知することによって、無線通信基地局が無線通信端末の受信可能な通信方式で送信することができるとともに、無線通信端末からの送信可能な通信方式を把握することにより、適応制御を行う際の情報として用いることができ、かつ無線通信端末から送信される無線パケットの通信方式がなにか絞れることで無線通信基地局での受信方式を対応させやすくすることができる。
(31−0−3)上記(1)あるいは(1−1)記載の無線通信基地局、あるいは上記(11)あるいは(11−1)記載の無線通信端末、あるいは上記(21)あるいは(21−1)記載の無線通信システムにおいて、前記無線通信端末での使用可能な通信方式とは前記無線通信端末が受信可能な通信方式と送信可能な通信方式を識別して示したものであることを特徴とする。
<(31−0−3)の効果>
無線通信端末の受信可能な通信方式を無線通信基地局に通知することによって、受信可能な通信方式と送信可能な通信方式が異なり、特に受信可能な通信方式の方が送信可能な通信方式より範囲が広い場合に無線通信基地局から無線通信端末宛ての通信方式の選択範囲を広めることができる。
また無線通信端末の送信可能な通信方式を無線通信基地局に通知することによって、無線基地局では無線通信端末との間の通信の適応制御を行う際の情報として用いることができ、かつ無線通信端末から送信される無線パケットの通信方式がなにか絞れることで無線通信基地局での受信方式を対応させやすくすることができる。
(31−1−1)上記(1)あるいは(1−1)記載の無線通信基地局、あるいは上記(11)あるいは(11−1)記載の無線通信端末、あるいは上記(21)あるいは(21−1)記載の無線通信システムにおいて、前記無線通信端末での使用可能な変調符号化方式とは前記無線通信端末が少なくとも受信可能な変調符号化方式であることを特徴とする。
<(31−1−1)の効果>
無線通信端末の受信可能な変調符号化方式を無線通信基地局に通知することによって、受信可能な変調符号化方式と送信可能な変調符号化方式が異なり、特に受信可能な変調符号化方式の方が送信可能な変調符号化方式より範囲が広い場合に無線通信基地局から無線通信端末宛ての変調符号化方式の選択範囲を広めることができる。
(31−1−2)上記(1)あるいは(1−1)記載の無線通信基地局、あるいは上記(11)あるいは(11−1)記載の無線通信端末、あるいは上記(21)あるいは(21−1)記載の無線通信システムにおいて、前記無線通信端末での使用可能な変調符号化方式とは前記無線通信端末が少なくとも受信可能かつ送信可能な変調符号化方式であることを特徴とする。
<(31−1−2)の効果>
無線通信端末の受信可能かつ送信可能な変調符号化方式を無線通信基地局に通知することによって、無線通信基地局が無線通信端末の受信可能な変調符号化方式で送信することができるとともに、無線通信端末からの送信可能な変調符号化方式を把握することにより、適応制御を行う際の情報として用いることができ、かつ無線通信端末から送信される無線パケットの変調符号化方式がなにか絞れることで無線通信基地局での受信方式を対応させやすくすることができる。
(31−1−3)上記(1)あるいは(1−1)記載の無線通信基地局、あるいは上記(11)あるいは(11−1)記載の無線通信端末、あるいは上記(21)あるいは(21−1)記載の無線通信システムにおいて、前記無線通信端末での使用可能な変調符号化方式とは前記無線通信端末が受信可能な通信方式と送信可能な変調符号化方式を識別して示したものであることを特徴とする。
<(31−1−3)の効果>
無線通信端末の受信可能な変調符号化方式を無線通信基地局に通知することによって、受信可能な変調符号化方式と送信可能な変調符号化方式が異なり、特に受信可能な変調符号化方式の方が送信可能な変調符号化方式より範囲が広い場合に無線通信基地局から無線通信端末宛ての変調符号化方式の選択範囲を広めることができる。
また無線通信端末の送信可能な変調符号化方式を無線通信基地局に通知することによって、無線基地局では無線通信端末との間の通信の適応制御を行う際の情報として用いることができ、かつ無線通信端末から送信される無線パケットの変調符号化方式がなにか絞れることで無線通信基地局での受信方式を対応させやすくすることができる。
(32−1)上記(8)記載の無線通信基地局、あるいは上記(17)記載の無線通信端末、あるいは上記(28)記載の無線通信システムにおいて、第2の周波数チャネルの使用率とは前記無線通信基地局が第2の周波数チャネルでの単位時間あたりに送信する平均データ量であることを特徴とする。
<(32−1)の効果>
無線通信基地局が別の周波数チャネルでの単位時間あたりに送信する平均データ量を提供することにより、無線通信端末に別の周波数チャネルへの移行を判断するための情報を提供することができる。
(32−2上記(8)記載の無線通信基地局、あるいは上記(17)記載の無線通信端末、あるいは上記(28)記載の無線通信システムにおいて、第2の周波数チャネルの使用率とは無線通信基地局が第2の周波数チャネルでのチャネル占有率であることを特徴とする。
<(32−2)の効果>
無線通信基地局が別の周波数チャネルでのチャネル占有率を提供することにより、無線通信端末に別の周波数チャネルへの移行を判断するための情報を提供することができる。
(32−3上記(8)記載の無線通信基地局、あるいは上記(17)記載の無線通信端末、あるいは上記(28)記載の無線通信システムにおいて、第2の周波数チャネルの使用率とは無線通信基地局が第2の周波数チャネルで無線パケットを送信する際のアクセス要求発生時からアクセス権取得時までの平均時間であることを特徴とする。
<(32−3)の効果>
無線通信基地局が別の周波数チャネルでのアクセス権取得までの平均時間を提供することにより、無線通信端末に別の周波数チャネルへの移行を判断するための情報を提供することができる。
(33−1)上記(9)記載の無線通信基地局、あるいは上記(18)記載の無線通信端末、あるいは上記(29)記載の無線通信システムにおいて、第2の帯域幅は第1の周波数チャネルの帯域幅である第1の帯域幅の2以上の整数倍であることを特徴とする。
<(33−1)の効果>
別の周波数チャネルの帯域幅が2以上の整数倍である情報を無線通信端末に提供することにより、無線通信端末が別の周波数チャネルが無線通信端末の通信できる帯域幅であるか判断を容易にすることができるとともに、帯域拡張の通信方式を実現しやすくする。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。