JP2017118299A - 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】画像に対する圧縮の効率を向上させる。【解決手段】入力画像Im0から線画候補を検出する検出部10と、検出された線画候補のそれぞれに対し、該線画候補の色数などを算出する算出部14と、少なくとも線画候補の色数に基づいて、線画候補を線画として確定させるか否かを決定する決定部15と、線画に対して第1の圧縮処理を施すとともに、線画以外の絵柄や背景の領域に対して第2の圧縮処理を施す圧縮処理部16と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、画像処理装置、画像処理方法およびプログラムに関する。
高圧縮と高画質とを両立させる画像圧縮技術として、高圧縮PDF(Portable Document Format)と呼ばれる技術が知られている。高圧縮PDFは、画像を文字などの線画とそれ以外の領域とに分離し、それぞれに適した圧縮処理を施すことで高圧縮と高画質とを両立させる技術である。
画像から線画を検出する方法としては、例えば、代表的な線画である文字が行を構成していることが多いことに着目し、文字の候補となる連結成分を抽出した後に、連結成分の色や位置関係などを用いて文字行の抽出を行い、文字行に含まれる連結成分を文字として検出する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。ほかにも、例えば連結画素のパターンマッチングなどによって画像から線画を構成するエッジを検出する方法など(例えば、特許文献2を参照)、様々な方法が知られている。
しかし、従来の方法で画像から検出される線画の中には、線画用の圧縮処理を施すと却って圧縮率の低下を招くものが含まれる場合があった。また、従来の方法では線画として検出されない部分に、線画用の圧縮処理を施した方が望ましい領域が含まれる場合もあった。このため、従来の方法で検出される線画に対して一律に線画用の圧縮処理を施すと、必ずしも効率的な圧縮を行えない場合があった。
上述した課題を解決するために、本発明は、画像から第1の圧縮処理を施す対象領域の候補を検出する検出手段と、検出された前記候補のそれぞれに対し、該候補が持つ色の数を表す色数を算出する算出手段と、少なくとも前記候補の色数に基づいて、該候補を前記対象領域とするか否かを決定する決定手段と、前記対象領域に対して前記第1の圧縮処理を施すとともに、前記画像に含まれる前記対象領域以外の領域に対して、前記第1の圧縮処理とは異なる第2の圧縮処理を施す圧縮処理手段と、を備える。
本発明によれば、画像に対する圧縮の効率を向上させることができるという効果を奏する。
図1は、高圧縮PDFの処理手順を説明する模式図である。 図2は、実施形態の画像処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。 図3は、実施形態の画像処理装置の機能的な構成例を示すブロック図である。 図4は、検出部の具体例を示すブロック図である。 図5は、実施形態の画像処理装置による動作の流れを説明するフローチャートである。 図6は、第1の検出部による処理の一例を説明するフローチャートである。 図7は、第2の検出部による処理の一例を説明するフローチャートである。 図8は、算出部による処理の一例を説明するフローチャートである。 図9は、決定部による処理の一例を説明するフローチャートである。 図10は、圧縮処理部による処理の一例を説明するフローチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明に係る画像処理装置、画像処理方法およびプログラムの具体的な実施形態について詳しく説明する。以下で示す実施形態は、高圧縮PDFファイルを生成する画像処理装置への適用例である。ただし、本発明はこの例に限らず、画像の圧縮を効率よく行うことが求められる様々な画像処理装置に対して有効に適用可能である。
<高圧縮PDF>
まず、本実施形態の具体的な説明に先立ち、高圧縮PDFの概要を説明する。高圧縮PDFは、文字などの線画を含む画像から高圧縮PDFファイルを生成する画像圧縮技術である。ここで線画とは、文字および文字と同様に扱うことが望ましい線で表現されるオブジェクトを指す。線で表現されるオブジェクトであっても、絵柄として扱うことが望ましいオブジェクトは、線画ではなく絵柄に含まれるものとする。絵柄は、線画以外のオブジェクト、つまり、写真などの網点で表現されるオブジェクトや、文字と同様に扱うことが望ましくない図形などのオブジェクトである。
図1は、高圧縮PDFの処理手順を説明する模式図である。高圧縮PDFファイルを生成するには、まず、処理対象となる画像(以下、「入力画像」と呼ぶ)Im0から、線画のみからなる2値画像である第1の画像レイヤIm1と、線画の色を表現する多値画像である第2の画像レイヤIm2と、線画以外の絵柄および背景を表現する多値画像である第3の画像レイヤIm3とを生成する。そして、第1の画像レイヤIm1および第2の画像レイヤIm2に対しては、線画の圧縮に適した圧縮処理を施し、第3の画像レイヤIm3に対しては、絵柄や背景の圧縮に適した圧縮処理を施す。その後、圧縮処理が施された第1の画像レイヤIm1と、圧縮処理が施された第2の画像レイヤIm2と、圧縮処理が施された第3の画像レイヤIm3とを、例えばPDF形式の1つの画像ファイル上で統合することにより、入力画像Im0に対応する高圧縮PDFファイルFImを生成する。
第1の画像レイヤIm1に対して施される圧縮処理は、例えば、2値画像に対するMMRなどの符号化方式による圧縮処理である。第2の画像レイヤIm2に対して施される圧縮処理は、例えば、第3の画像レイヤIm3に対する圧縮処理よりも解像度を落とした、多値画像に対するJPEGなどの符号化方式による圧縮処理である。第1の画像レイヤIm1に対する圧縮処理と第2の画像レイヤIm2に対する圧縮処理は、線画の圧縮に適した圧縮処理である点で共通するため、以下ではこれらの処理を総称して「第1の圧縮処理」と呼ぶ。一方、第3の画像レイヤIm3に対して施される圧縮処理は、例えば、第2の画像レイヤIm2に対する圧縮処理よりも解像度を高めた、多値画像に対するJPEGなどの符号化方式による圧縮処理である。第3の画像レイヤIm3に対する圧縮処理は、絵柄や背景の圧縮に適した圧縮処理であるため、以下では、線画の圧縮に適した第1の圧縮処理と区別して、「第2の圧縮処理」と呼ぶ。なお、上述の符号化方式は一例であり、上述の例とは異なる符号化方式による圧縮処理を行ってもよい。
高圧縮PDFでは、以上のように、処理対象の入力画像Im0を線画の領域とそれ以外の絵柄や背景の領域とに分離し、線画の領域に対しては第1の圧縮処理を施すとともに、線画以外の絵柄や背景の領域に対しては第2の圧縮処理を施すことで、圧縮の効率を高めている。ここで、圧縮の効率とは、画像を再現したときの画質(再現性)を損なわずに、どれだけ圧縮率を高めることができたかどうかを表し、再現性を維持しながら高い圧縮率が得られれば、効率のよい圧縮が行われたことになる。
上述の高圧縮PDFは様々な変形が可能である。例えば、上述の第1の画像レイヤIm1を、黒の線画のみからなる画像レイヤと、有彩色または白の線画のみからなる画像レイヤとに分けてもよい。また、線画の色を表現する第2の画像レイヤIm2を持たずに、線画の色を、線画の座標に対応させた別の情報として持たせる構成であってもよい。
<実施形態の概要>
入力画像Im0に対応する高圧縮PDFファイルFImを適切に生成するには、入力画像Im0から第1の圧縮処理を施す線画を精度よく検出して、入力画像Im0を線画の領域とそれ以外の絵柄や背景の領域とに正しく分離する必要がある。しかし、入力画像Im0から線画を検出する既存の方法では、線画として検出されたオブジェクトの中に、第1の圧縮処理を施すと却って圧縮効率の低下を招くものが含まれる場合があった。また、このようなオブジェクトを線画として検出しないように調整すると、第1の圧縮処理を施すことが望ましいオブジェクトが線画として検出できない場合があった。
そこで、本実施形態では、既存の方法あるいは既存の方法の改良により線画として検出されるオブジェクトを、第1の圧縮処理を施す線画の候補として扱う。すなわち、本実施形態では、入力画像Im0から線画(「対象領域」の一態様)の候補(以下、「線画候補」と呼ぶ)を検出する。そして、検出した線画候補を所定の条件と照らし合わせることによって、第1の圧縮処理を施す線画とするか否かを決定する。つまり、検出した線画候補のうちで所定の条件を満たす線画候補のみを、第1の圧縮処理を施す線画として確定させる。
ここで、所定の条件の照合には、少なくとも、検出された線画候補ごとに算出された線画候補の色数を用いる。ここで色数とは、線画候補が持つ色の数を表す指標であり、例えば、その線画候補が単色で表現されている(色数が1)か、複数の色で表現されている(色数が2以上)かを特定するために用いる。例えば、書き込みのあるオフィス文書や添削を受けた解答用紙のように黒文字に赤文字または青文字が重なっている部分、あるいはグレーの「印」の文字上に印鑑が押印されている部分などが1つの線画候補として検出された場合、それらの線画候補の色数は2である。
また、所定の条件の照合には、線画候補の色数に加えて、線画候補の背景色を用いてもよいし、線画候補の色数と背景色に加えて、線画候補の色を用いてもよい。線画候補の背景色とは、線画候補に隣接する領域の色である。さらに、所定の条件の照合には、線画候補の外接矩形の縦横比、線画候補の線幅などを、上述の色に関する情報と組み合わせて用いてもよい。
本実施形態では、以上のように、入力画像Im0から検出した線画候補の中から所定の条件に当てはまる線画候補を、第1の圧縮処理を施す線画として確定させる。そして、このように確定させた線画を表現する第1の画像レイヤIm1および第2の画像レイヤIm2に対して第1の圧縮処理を施すとともに、それ以外の絵柄や背景を表現する第3の画像レイヤIm3に対して第2の圧縮処理を施して、高圧縮PDFファイルFImを生成する。したがって、本実施形態によれば、入力画像Im0に対する圧縮の効率を向上させて、品質のよい高圧縮PDFファイルFImを生成することができる。
<色の算出>
本実施形態では、上述のように、入力画像Im0から検出した線画候補を、第1の圧縮処理を施す線画とするか否かを決定するために、線画候補の色数、線画候補の背景色、線画候補の色など、色に関する情報を用いる。このような色の算出は様々な方法で実現できるが、本実施形態では、一例として、入力画像Im0のRGBデータから変換されるHSVデータを用いるものとする。HSVは、色相(H)、彩度(S)および明度(V)により色を表現する色空間である。
ここで、本実施形態における色の算出方法の具体例を説明する。ここでは、入力画像Im0のRGBデータがRGB各色8ビット(値域:0〜255)で表現されるものとする。また、HSVデータのSおよびVの値域は、RGBデータと同じく0〜255であるものとする。HSVデータのHは色相を表すため、2πの範囲の値(値域:0〜359)をとる。
RGBデータのR,G,Bの最大値をMAX、最小値をMINとすると、下記式(1)〜(5)を用いてRGBデータをHSVデータに変換することができる。
MAX=Rのとき:H=60×((G−B)÷(MAX−MIN)) ・・・(1)
MAX=Gのとき:H=60×((B−R)÷(MAX−MIN))+120 ・・・(2)
MAX=Bのとき:H=60×((R−G)÷(MAX−MIN))+240 ・・・(3)
ただし、H<0の場合は360を加算する。また、R=G=Bの場合はHの値を不定とする。
S=((MAX−MIN)÷MAX)×255 ・・・(4)
ただし、R=G=Bの場合はS=0とする。
V=MAX ・・・(5)
本実施形態では、例えば、有彩色については、色相(H)の値に応じた赤、黄、緑、シアン、青、マゼンタの6種類の分類と、明度(V)の値に応じた11種類(等間隔)の分類とを組み合わせた66種類に色を分類するものとする。また、無彩色については、明度(V)の値に応じた11種類(黒、白とその間を等間隔)に色を分類するものとする。なお、この分類はあくまで一例であり、色の分類数などは任意に設定することができる。また、有彩色は明度(V)の値を用いずに色相(H)の値のみで分類してもよい。有彩色か無彩色かは、例えば彩度(S)の値を用いて判定できる。例えば、S≦5であれば無彩色、S>5であれば有彩色と判定する。また、既存のACS(Auto Color Selection)と呼ばれる技術を用いて入力画像Im0がカラー画像かモノクロ画像かを判定し、入力画像Im0がモノクロ画像の場合はすべての色を無彩色と判定するようにしてもよい。
線画候補の色数は、例えば、以下のように算出することができる。まず、線画候補を構成する各画素のRGBデータをHSVデータに変換し、HSVデータの平均値を算出する。そして、この平均値との差分(例えばHSV色空間におけるユークリッド距離)が所定値以上の画素(以下、「離散画素」と呼ぶ)が線画候補内に存在するか否かを確認し、離散画素が存在する場合は、線画候補全体の画素数に対する離散画素の画素数の割合をさらに算出する。そして、線画候補内に離散画素が存在しない場合、あるいは、線画候補全体の画素数に対する離散画素の画素数の割合が所定値未満の場合は、線画候補の色数を1とする。一方、線画候補内に離散画素があり、かつ、線画候補全体の画素数に対する離散画素の画素数の割合が所定値以上である場合は、線画候補の色数を2以上であると推定する。そして、線画候補の色数が2以上と推定した場合は、例えば、離散画素のHSV色空間における分布を表すヒストグラムを算出し、このヒストグラムに現れるピークの数に基づいて線画候補の色数を算出する。
また、線画候補の色は、その線画候補の色数が1であれば、その線画候補を構成する各画素のHSVデータの平均値を、その線画候補の色として算出する。また、線画候補の色数が2以上であれば、各色のそれぞれについてHSVデータの平均値を算出する。こうして算出された線画候補の色は、有彩色であれば上述の66種類のいずれか、無彩色であれば上述の11種類のいずれかに分類することができる。例えば、線画候補の色が有彩色の場合の色相(H)の値について、0≦H<30または330≦H<360であれば赤、30≦H<90であれば黄、90≦H<150であれば緑、150≦H<210であればシアン、210≦H<270であれば青、270≦H<330であればマゼンタといったように、線画候補の色を分類できる。
線画候補の背景色は、線画候補に隣接(1画素程度の隙間があってもよい)する所定の大きさおよび形状の領域を選択し、この領域内の各画素のHSVデータの平均値を、線画候補の背景色とする。この線画候補の背景色についても、線画候補の色と同様に、有彩色であれば上述の66種類のいずれか、無彩色であれば上述の11種類のいずれかに分類することができる。また、入力画像Im0が原稿をスキャナで読み取った画像であり、画像処理装置が原稿の地肌色(原稿の本来の色)を検出する機能を持つ場合、検出された原稿の地肌色を線画候補の背景色としてもよい。
なお、以上説明した例は、線画候補の色数、線画候補の背景色、線画候補の色などを算出する方法の一例であり、他の方法により線画候補の色数、線画候補の背景色、線画候補の色などを算出してもよい。例えば、入力画像Im0のRGBデータをテーブル変換などによりマンセル表色系にマッピングし、マンセル表色系での色相と明度を用いて線画候補の色数、線画候補の背景色、線画候補の色などを算出してもよい。
<画像処理装置の構成>
次に、本実施形態の画像処理装置について具体的に説明する。図2は、本実施形態の画像処理装置1のハードウェア構成例を示すブロック図である。画像処理装置1は、ハードウェアとして、例えばPC(パーソナルコンピュータ)などのコンピュータシステムを用いることができる。すなわち、画像処理装置1は、例えば図2に示すように、CPU101などのプロセッサと、RAM102、ROM103、HDD104などの記憶装置と、LANなどのネットワークに接続する通信インタフェースであるネットワークI/F105とを備え、これらがバス110を介して接続された構成とされる。
本実施形態の画像処理装置1は、例えば、ネットワークに接続されたスキャナやホストコンピュータから処理対象の画像(入力画像Im0)をネットワークI/F105を介して取得する。そして、画像処理装置1は、この入力画像Im0を処理することで高圧縮PDFファイルFImを生成し、生成した高圧縮PDFファイルFImをHDD104に蓄積したり、ネットワークI/F105を介してネットワークに接続されたホストコンピュータに送信したりする。入力画像Im0から高圧縮PDFファイルFImを生成する機能は、例えば、CPU101が、RAM102をワークエリアとして利用し、ROM103やHDD104などに格納された所定のプログラムを実行することにより実現される。
なお、本実施形態の画像処理装置1は、例えばコピー機や複合機など、スキャナを備える画像形成装置の一機能として実現することもできる。この場合、図2に示すようなコンピュータシステムを画像形成装置が備える。そして、例えば、画像形成装置内部のCPU101が、RAM102をワークエリアとして利用し、ROM103やHDD104などに格納された所定のプログラムを実行することにより、スキャナあるいはネットワーク越しに取得した入力画像Im0から高圧縮PDFファイルFImを生成する機能が実現される。なお、入力画像Im0から高圧縮PDFファイルFImを生成するまでの一連の処理のうち、特にハードウェア実装に適する部分については、その機能を例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの専用のハードウェアを用いて実現する構成であってもよい。
図3は、本実施形態の画像処理装置1の機能的な構成例を示すブロック図である。画像処理装置1は、入力画像Im0から高圧縮PDFファイルFImを生成するための機能的な構成要素として、例えば図3に示すように、検出部10(「検出手段」の一態様)と、算出部14(「算出手段」の一態様)と、決定部15(「決定手段」の一態様)と、圧縮処理部16(「圧縮処理手段」の一態様)と、ファイル生成部17(「ファイル生成手段」の一態様)とを備える。本実施形態の画像処理装置1では、処理対象として取得された入力画像Im0が検出部10、算出部14および圧縮処理部16に入力され、この入力画像Im0に対応する高圧縮PDFファイルFImがファイル生成部17から出力される。
検出部10は、処理対象の入力画像Im0から線画候補を検出する機能モジュールである。図4は、検出部10の具体例を示すブロック図である。検出部10は、例えば図4に示すように、第1の検出部11(「第1の検出手段」の一態様)と、エッジ強調部12と、第2の検出部13(「第2の検出手段」の一態様)とをサブモジュールとして含む。
第1の検出部11は、処理対象の入力画像Im0に対して線画候補のエッジを検出する処理を行い、その結果(以下、「エッジ検出結果」と呼ぶ)を出力する。この第1の検出部11が行う処理は、例えば特許文献2に記載された方法と同様に、入力画像Im0の3値化により得られる黒画素や白画素の連続性、パターンを利用して、文字などの線画と網点とを分離することで、線画候補を構成するエッジを検出する処理である。ここでエッジ検出結果とは、例えば、第1の検出部11により線画候補のエッジとして検出された画素群の入力画像Im0における座標位置を表す座標データである。このエッジ検出結果は、エッジ強調部12に入力される。
エッジ強調部12は、第1の検出部11から受け取ったエッジ検出結果を用いて、処理対象の入力画像Im0に含まれる線画候補のエッジを強調する処理を行い、線画候補のエッジが強調されたエッジ強調画像を生成する。このエッジ強調部12によるエッジ強調の処理は、第1の検出部11のエッジ検出結果を用いて行われるため、入力画像Im0に含まれる絵柄のエッジを強調してしまう可能性が少ない。このため、エッジ強調の度合いを大きくすることができ、線画候補のエッジが明確に強調されたエッジ強調画像を生成することができる。エッジ強調部12により生成されたエッジ強調画像は、第2の検出部13に入力される。
第2の検出部13は、エッジ強調部12から受け取ったエッジ強調画像に対して線画候補を検出する処理を行い、その結果(以下、「候補検出結果」と呼ぶ)を出力する。この第2の検出部13による処理は、例えば、エッジ強調画像を2値化して得られる2値化画像から黒画素や白画素の連結成分を抽出し、連結成分の外接矩形の大きさなどに基づいて、線画候補を検出する処理である。つまり、特許文献2に記載された方法において、文字行の抽出を行う前までの処理が、この第2の検出部13による処理の一例に相当する。ここで候補検出結果とは、例えば、第2の検出部13により線画候補として検出された画素群の入力画像Im0における座標位置を表す座標データである。この候補検出結果は、検出部10の検出結果として、算出部14および決定部15に入力される。
算出部14は、検出部10から受け取った候補検出結果を用いて、処理対象の入力画像Im0に含まれるすべての線画候補の位置を特定し、各線画候補の色数、各線画候補の背景色、各線画候補の色などを、例えば上述した方法により算出する。また、算出部14は、各線画候補の外接矩形の縦横比、各線画候補の線幅(文字の太さ)などを算出する。線画候補の外接矩形の縦横比は、外接矩形の縦方向に並ぶ画素数と横方向に並ぶ画素数とから算出できる。線画候補の線幅は、例えば、線画候補のエッジ間の距離(画素数)などから算出できる。また、線画候補の外接矩形の総画素数に対する線画領域の画素数の割合などから、線画候補の線幅(太文字かどうか)を算出してもよい。算出部14による各線画候補の色数、各線画候補の背景色、各線画候補の色、各線画候補の外接矩形の縦横比、各線画候補の線幅などの算出結果は、決定部15に入力される。
決定部15は、算出部14から受け取った算出結果を用いて、検出部10により検出された線画候補の各々について、上述の第1の圧縮処理を施す線画とするか否かを決定する。すなわち、決定部15は、算出部14により算出された線画候補の色数、線画候補の背景色、線画候補の色、線画候補の外接矩形の縦横比、線画候補の線幅などに基づき、検出部10により検出された線画候補が所定の条件を満たすかどうかを判断する。そして、所定の条件を満たす線画候補のみを、第1の圧縮処理を施す線画として確定させる。以下、決定部15が用いる条件の具体例を説明する。ただし、ここで例示する条件はあくまで一例であり、この例に限定されるものではない。
条件1:線画候補の背景色が白(または原稿の地肌色)に分類され、線画候補の色数が1であり、線画候補の外接矩形の縦横比が1/3〜3の範囲内である場合は、その線画候補を線画として確定させる。このような条件1に当てはまる線画候補は、第1の圧縮処理に適した文字である可能性が高いためである。なお、線画候補の大きさに対して上限および下限を設け、この条件1に当てはまる線画候補であってもその大きさが上限以上または下限以下の場合は、線画として確定させないようにしてもよい。
条件2:線画候補の背景色が白(または原稿の地肌色)に分類され、線画候補の色数が2以上であり、線画候補の色が黒に分類される部分と赤または青に分類される部分とを含み、線画候補の外接矩形の縦横比が1に近い場合は、その線画候補を線画として確定させる。このような条件2に当てはまる線画候補は、黒文字に赤文字または青文字が重なっている部分、あるいはグレーの「印」の文字上に印鑑が押印されている部分など、線画として扱った方が高画質化を実現できるオブジェクトである可能性が高いためである。なお、線画候補の大きさに対して上限および下限を設け、この条件2に当てはまる線画候補であってもその大きさが上限以上または下限以下の場合は、線画として確定させないようにしてもよい。また、この例のように2色以上のオブジェクトを1つの線画として扱う場合、上述した線画の色を表現する第2の画像レイヤIm2を生成する際に、黒よりも有彩色が前面にくるように表現することが望ましい。
条件3:線画候補の背景色が白(または原稿の地肌色)以外に分類され、線画候補の色数が1であり、線画候補の色と背景色とが異なる色相に分類され、線画候補の外接矩形の縦横比が1/3〜3の範囲内である場合は、その線画候補を線画として確定させる。このような条件3に当てはまる線画候補は、第1の圧縮処理に適した色地上の文字である可能性が高いためである。なお、線画候補の大きさに対して上限および下限を設け、この条件3に当てはまる線画候補であってもその大きさが上限以上または下限以下の場合は、線画として確定させないようにしてもよい。また、要求される圧縮率に応じて線画候補の大きさに対する上限、下限を変更してもよい。また、線画候補の色が無彩色であれば背景色との色相の差は考慮しないようにしたり、線画候補の色数を1とみなすといった変形を加えてもよい。
条件4:線画候補の色数が1であり、線画候補の縦横比が1/3〜3の範囲内であり、線画候補の線幅が所定値以上であり、線画候補の色の分散が所定値未満である場合は、その線画候補を線画として確定させる。このような条件4に当てはまる線画候補は、第1の圧縮処理を施した方が高圧縮・高画質となる太いベタ文字である可能性が高いためである。なお、線画候補の大きさに対して下限を設け、この条件4に当てはまる線画候補であってもその大きさが下限以下の場合は、線画として確定させないようにしてもよい。
決定部15は、例えば以上例示した条件1〜条件4の少なくとも1つを用いて、第2の検出部13により検出された線画候補のうち第1の圧縮処理を施す線画を確定して、その線画に関する線画データを出力する。この線画データには、線画を構成する画素群の入力画像Im0における座標位置を表す座標データと、線画の色(線画として確定される前に算出部14により算出された線画候補の色)とが含まれる。この線画データは、圧縮処理部16に入力される。
圧縮処理部16は、決定部15から受け取った線画データを用いて、処理対象の入力画像Im0から、線画のみからなる2値画像である第1の画像レイヤIm1と、線画の色を表現する多値画像である第2の画像レイヤIm2と、線画以外の絵柄および背景を表現する多値画像である第3の画像レイヤIm3とを生成する。そして、圧縮処理部16は、第1の画像レイヤIm1および第2の画像レイヤIm2に対しては、線画の圧縮に適した第1の圧縮処理を施すとともに、第3の画像レイヤIm3に対しては、絵柄や背景の圧縮に適した第2の圧縮処理を施す。なお、圧縮の方式は特に限定されるものではなく、第1の画像レイヤIm1と第2の画像レイヤIm2に対しては線画の圧縮に適した方式、第3の画像レイヤIm3に対しては絵柄や背景の圧縮に適した方式で圧縮処理が行われればよい。圧縮処理部16により圧縮された第1の画像レイヤIm1、第2の画像レイヤIm2および第3の画像レイヤは、ファイル生成部17に入力される。
ファイル生成部17は、圧縮処理部16から受け取った第1の画像レイヤIm1、第2の画像レイヤIm2および第3の画像レイヤIm3をPDF形式の1つの画像ファイル上で統合し、入力画像Im0に対応する高圧縮PDFファイルFImを生成する。なお、第1の画像レイヤIm1、第2の画像レイヤIm2および第3の画像レイヤIm3を統合する画像ファイルの形式はPDF形式に限定されるものではなく、例えばJPM形式など、複数の画像レイヤを重ね合わせて1つの画像とする様々な形式を利用することができる。ファイル生成部17により生成された高圧縮PDFファイルFImは、上述したように、例えば、HDD104に蓄積される、あるいは、ネットワークI/F105を介してネットワークに接続されたホストコンピュータなどに送信される。
<画像処理装置の動作>
次に、以上のように構成される本実施形態の画像処理装置1の動作の概要を説明する。図5は、本実施形態の画像処理装置1による動作の流れを説明するフローチャートである。
本実施形態の画像処理装置1の動作が開始されると、まず、ステップS1において、処理対象となる入力画像Im0が取得される。この入力画像Im0は、検出部10、算出部14および圧縮処理部16に入力される。
次に、ステップS2において、ステップS1で取得した入力画像Im0に対して、検出部10の第1の検出部11による処理が行われる。そして、第1の検出部11が出力するエッジ検出結果が、エッジ強調部12に入力される。
次に、ステップS3において、エッジ強調部12により、ステップS2のエッジ検出結果を用いて、ステップS1で取得した入力画像Im0に含まれる線画候補のエッジを強調する処理が行われ、エッジ強調画像が生成される。このエッジ強調画像は、第2の検出部13に入力される。
次に、ステップS4において、ステップS3で生成されたエッジ強調画像に対して、第2の検出部13による処理が行われる。そして、第2の検出部13が出力する候補検出結果が、算出部14および決定部15に入力される。
次に、ステップS5において、算出部14により、ステップS4の候補検出結果を用いて、ステップS1で取得した入力画像Im0に含まれる各線画候補のそれぞれについて、線画候補の色数、線画候補の背景色、線画候補の色、線画候補の外接矩形の縦横比、線画候補の線幅などを算出する処理が行われる。そして、算出部14による算出結果が、決定部15に入力される。
次に、ステップS6において、決定部15により、ステップS5の算出結果を用いて、ステップS4の候補検出結果が示す入力画像Im0における線画候補のそれぞれについて、第1の圧縮処理を施す線画とするか否かを決定する処理が行われる。そして、第1の圧縮処理を施す線画に関する線画データが、圧縮処理部16に入力される。
次に、ステップS7において、圧縮処理部16により、ステップS6の線画データを用いて、処理対象の入力画像Im0から第1の画像レイヤIm1、第2の画像レイヤIm2および第3の画像レイヤIm3が生成され、各画像レイヤに対して個別の圧縮処理が施される。第1の画像レイヤIm1と第2の画像レイヤIm2に施される圧縮処理は、線画の圧縮に適した第1の圧縮処理である。第3の画像レイヤIm3に施される圧縮処理は、絵柄や背景の圧縮に適した第2の圧縮処理である。
次に、ステップS8において、ファイル生成部17により、ステップS7で圧縮処理が施された第1の画像レイヤIm1、第2の画像レイヤIm2および第3の画像レイヤIm3を1つの画像ファイルに統合する処理が行われ、ステップS1で取得した入力画像Im0に対応する高圧縮PDFファイルFImが生成される。
そして最後に、ステップS9において、ステップS8で生成された高圧縮PDFファイルFImがファイル生成部17から出力され、例えばHDD104に蓄積される、あるいは、ネットワークI/F105を介してネットワークに接続されたホストコンピュータなどに送信される。
<第1の検出部による処理の具体例>
次に、第1の検出部11による処理の具体例について、図6を参照して説明する。第1の検出部11による処理は、上述したように、入力画像Im0の3値化により得られる黒画素や白画素の連続性、パターンを利用して、文字などの線画と網点とを分離することで、線画候補を構成するエッジを検出する処理である。図6は、第1の検出部11による処理の一例を説明するフローチャートである。
第1の検出部11は、まず、処理対象の入力画像Im0に対して、フィルタリングによるMTF補正を行う(ステップS101)。MTF補正は、次の3値化の精度を高めるために実施される前処理である。このMTF補正用のフィルタには、例えば特許文献2に記載のものを用いることができる。
次に、第1の検出部11は、MTF補正された入力画像Im0に対し3値化を実施して(ステップS102)、入力画像Im0を黒画素、白画素、灰色画素に分ける。
次に、第1の検出部11は、例えば特許文献2に記載されているように、黒連結画素や白連結画素のパターンマッチングにより入力画像Im0から黒線画や白線画を抽出することで、入力画像Im0に含まれる線画候補のエッジを検出する(ステップS103)。
そして、第1の検出部11は、ステップS103の処理結果をエッジ検出結果として出力し(ステップS104)、一連の処理を終了する。
<第2の検出部による処理の具体例>
次に、第2の検出部13による処理の具体例について、図7を参照して説明する。第2の検出部13による処理は、上述したように、エッジ強調画像を2値化して得られる2値化画像から黒画素や白画素の連結成分を抽出し、連結成分の外接矩形の大きさなどに基づいて、線画候補を検出する処理である。図7は、第2の検出部13による処理の一例を説明するフローチャートである。
第2の検出部13は、まず、エッジ強調部12により生成されたエッジ強調画像に対して2値化を実施する(ステップS201)。ここでの2値化は背景よりも低輝度のオブジェクトを抽出するための処理であり、低輝度のオブジェクトを背景と区別できる適切な閾値が設定される。また、背景との分離精度を高めるために動的閾値2値化を用いてもよい。
次に、第2の検出部13は、例えば特許文献1に記載されているように、ステップS201で得られた2値化画像から、水平方向に並ぶ黒画素のランと垂直方向に並ぶ黒画素のランを連結して連結成分を取得する(ステップS202)。そして、第2の検出部13は、ステップS202で取得した連結成分のうち、連結成分の外接矩形の大きさなどに基づいて、絵柄と区別できる連結成分を線画候補として検出する(ステップS203)。
次に、第2の検出部13は、エッジ強調部12により生成されたエッジ強調画像に対して、再度、2値化を実施する(ステップS204)。ここでの2値化は背景よりも高輝度のオブジェクトを抽出するための処理であり、高輝度のオブジェクトを背景と区別できる適切な閾値が設定される。また、背景との分離精度を高めるために動的閾値2値化を用いてもよい。
次に、第2の検出部13は、例えば特許文献1に記載されているように、ステップS204で得られた2値化画像から、水平方向に並ぶ白画素のランと垂直方向に並ぶ白画素のランを連結して連結成分を取得する(ステップS205)。そして、第2の検出部13は、ステップS205で取得した連結成分のうち、連結成分の外接矩形の大きさなどに基づいて、絵柄と区別できる連結成分を線画候補として検出する(ステップS206)。
次に、第2の検出部13は、ステップS203で検出した線画候補とステップS206で検出した線画候補とで、外接矩形が重なる線画候補があるかどうかを判断する(ステップS207)。そして、外接矩形が重なる線画候補があれば(ステップS207:Yes)、それらの線画候補の外接矩形のサイズを比較して、外接矩形のサイズが小さい方の線画候補を削除する(ステップS208)。そして、第2の検出部13は、ステップS203およびステップS206で検出された線画候補のうち、ステップS208で削除されずに残ったものを最終的な線画候補として候補検出結果を出力し(ステップS209)、一連の処理を終了する。
<算出部による処理の具体例>
次に、算出部14による処理の具体例について、図8を参照して説明する。図8は、算出部14による処理の一例を説明するフローチャートである。
算出部14は、まず、検出部10から受け取った候補検出結果に基づいて、処理対象の入力画像Im0に含まれる線画候補のうちの1つを取り出す(ステップS301)。
次に、算出部14は、ステップS301で取り出した線画候補に隣接(1画素程度の隙間があってもよい)する所定の大きさおよび形状の領域を選択し、この領域内の各画素のRGBデータをHSVデータに変換して、RGBデータから変換した各画素のHSVデータの平均値を、線画候補の背景色として算出する(ステップS302)。
次に、算出部14は、ステップS301で取り出した線画候補を構成する各画素のRGBデータをHSVデータに変換し、RGBデータから変換した各画素のHSVデータを用いて、例えば上述した手法により線画候補の色数を算出する(ステップS303)。さらに、算出部14は、線画候補を構成する各画素のHSVデータを用いて、例えば上述した手法により線画候補の色を算出する(ステップS304)。このとき算出部14は、線画候補を構成する各画素のうち、ステップS302で算出した線画候補の背景色に近い(例えばHSV色空間におけるユークリッド距離が所定値以内)画素を除いて、線画候補の色数や線画候補の色を算出してもよい。
次に、算出部14は、ステップS301で取り出した線画候補の外接矩形を求め、この外接矩形の縦方向に並ぶ画素数と横方向に並ぶ画素数をカウントして、線画候補の外接矩形の縦横比を算出する(ステップS305)。さらに、算出部14は、ステップS301で取り出した線画候補のエッジ間の距離(画素数)などから、線画候補の線幅を算出する(ステップS306)。
次に、算出部14は、未処理の線画候補があるか否かを判定し(ステップS307)、未処理の線画候補があれば(ステップS307:Yes)、ステップS301に戻って以降の処理を繰り返す。一方、すべての線画候補に対して処理が終了すると(ステップS307:No)、算出部14は、各線画候補に対するステップS302〜ステップS306の算出結果を出力し(ステップS308)、一連の処理を終了する。
<決定部による処理の具体例>
次に、決定部15による処理の具体例について、図9を参照して説明する。図9は、決定部15による処理の一例を説明するフローチャートである。
決定部15は、まず、検出部10から受け取った候補検出結果に基づいて、処理対象の入力画像Im0に含まれる線画候補のうちの1つを取り出す(ステップS401)。
次に、決定部15は、算出部14から受け取った算出結果を用いて、ステップS401で取り出した線画候補が上述した条件1〜条件4のいずれかに当てはまるか否かを判定する(ステップS402〜ステップS405)。そして、ステップS401で取り出した線画候補が上述した条件1〜条件4のいずれかに当てはまる場合(ステップS402:Yes、またはステップS403:Yes、またはステップS404:Yes、またはステップS405:Yes)、決定部15は、ステップS401で取り出した線画候補を線画として確定させる(ステップS406)。なお、上述した条件1〜条件4のいずれにも当てはまらない場合は(ステップS402:No、かつステップS403:No、かつステップS404:No、かつステップS405:No)、ステップS401で取り出した線画候補は破棄される。
次に、決定部15は、未処理の線画候補があるか否かを判定し(ステップS407)、未処理の線画候補があれば(ステップS407:Yes)、ステップS401に戻って以降の処理を繰り返す。一方、すべての線画候補に対して処理が終了すると(ステップS407:No)、決定部15は、ステップS406で確定された線画に関する線画データを出力し(ステップS408)、一連の処理を終了する。
<圧縮処理部による処理の具体例>
次に、圧縮処理部16による処理の具体例について、図10を参照して説明する。図10は、圧縮処理部16による処理の一例を説明するフローチャートである。
圧縮処理部16は、まず、決定部15から受け取った線画用データを用いて、処理対象の入力画像Im0に含まれる線画を抽出し、線画のみからなる2値画像である第1の画像レイヤIm1と、線画の色を表現する多値画像である第2の画像レイヤIm2と、線画以外の絵柄および背景を表現する多値画像である第3の画像レイヤIm3とを生成する(ステップS501)。
次に、圧縮処理部16は、ステップS501で生成した第1の画像レイヤIm1に対して、例えば、2値画像に対するMMRなどの符号化方式による圧縮処理など、線画の圧縮に適した圧縮処理(第1の圧縮処理)を施して、圧縮した第1の画像レイヤIm1を出力する(ステップS502)。また、圧縮処理部16は、ステップS501で生成した第2の画像レイヤIm2に対して、例えば、第3の画像レイヤIm3に対する圧縮処理よりも解像度を落とした、多値画像に対するJPEGなどの符号化方式による圧縮処理など、線画の圧縮に適した圧縮処理(第1の圧縮処理)を施して、圧縮した第2の画像レイヤIm2を出力する(ステップS503)。さらに、圧縮処理部16は、ステップS501で生成した第3の画像レイヤIm3に対して、例えば、第2の画像レイヤIm2に対する圧縮処理よりも解像度を高めた、多値画像に対するJPEGなどの符号化方式による圧縮処理など、絵柄や背景の圧縮に適した圧縮処理(第2の圧縮処理)を施して、圧縮した第3の画像レイヤIm3を出力する(ステップS504)。
圧縮処理部16が出力するこれらの圧縮された第1の画像レイヤIm1、第2の画像レイヤIm2および第3の画像レイヤIm3が、ファイル生成部17において、例えばPDF形式の1つの画像ファイル上で統合されることにより、入力画像Im0に対応する高圧縮PDFファイルFImが生成される。
<実施形態の効果>
以上、具体的な例を挙げながら詳細に説明したように、本実施形態の画像処理装置1は、処理対象の入力画像Im0から線画候補を検出し、検出した線画候補の色数、背景色、色、外接矩形の縦横比、線幅などを算出する。そして、算出した線画候補の色数、背景色、色、外接矩形の縦横比、線幅などを所定の条件と照らし合わせることで、検出した線画候補を線画とするか否かを決定し、線画に対しては線画の圧縮に適した第1の圧縮処理を施すとともに、線画以外の絵柄や背景に対しては第2の圧縮処理を施す。したがって、本実施形態の画像処理装置1によれば、入力画像Im0から第1の圧縮処理に適さないオブジェクトを線画として検出してしまったり、第1の圧縮処理に適したオブジェクトを線画として検出できなかったりする不都合を有効に抑制し、入力画像Im0に対する圧縮の効率を向上させることができる。
<第1変形例>
なお、以上説明した実施形態においては、検出部10により検出された線画候補のうち、上述の条件1〜条件4のいずれかに当てはまる線画候補を線画として確定しているが、線画候補を線画として確定させる条件はこれに限らない。例えば、上述の条件1〜条件4のほかに、検出部10により検出された線画候補が文字行を構成する場合は、その線画候補を線画として確定させるといった条件を加えるようにしてもよい。
検出部10により検出された線画候補が文字行を構成するか否かは、例えば特許文献1に記載の方法により判定できる。本変形例では、例えば、検出部10により検出された線画候補のそれぞれに対して文字行を構成するか否かを判定し、文字行を構成する線画候補を線画として確定する。そして、文字行を構成しないと判定された残りの線画候補に対して、上述の条件1〜条件4による判定が行われる。したがって、本変形例によれば、特許文献1に記載の方法では文字行を構成しないために検出できなかった断片的な文字などを、線画として適切に検出することができる。
<第2変形例>
また、上述の条件1〜条件4はあくまで一例であり、様々な変形が可能である。例えば、検出部10により検出された線画候補のうち、色数が1または2以下の線画候補を線画として確定させるといったように、線画候補の色数のみに基づいて、その線画候補を線画とするか否かを決定するようにしてもよい。また、例えば、検出部10により検出された線画候補の背景色が白または原稿の地肌色で、かつ、線画候補の色数が1または2以下の場合にその線画候補を線画とするといったように、線画候補の色数と背景色とに基づいて、その線画候補を線画とするか否かを決定するようにしてもよい。
<第3変形例>
また、上述した実施形態においては、第1の検出部11によるエッジ検出結果をエッジ強調画像の生成のために用いているが、第1の検出部11によるエッジ検出結果を線画候補の検出に利用してもよい。例えば、第1の検出部11によるエッジ検出結果と、第2の検出部13による候補検出結果とのOR演算により、第1の検出部11により検出されたエッジを輪郭とする領域を線画候補に加えるようにしてもよい。また、この場合、第1の検出部11により検出されたエッジを輪郭とする領域のうち、色地上の線画や白色の線画を除いたものを線画候補に加えるようにしてもよい。色地上の線画や白色の線画かどうかは、算出部14と同様の方法により線画の色や背景色を算出することで判断してもよいし、より簡易的な方法で算出される色に基づいて判断してもよい。また、エッジ強調画像を生成せずに、第2の検出部13が入力画像Im0から線画候補を検出するようにし、第1の検出部11によるエッジ検出結果と、第2の検出部13による候補検出結果とのOR演算により、入力画像Im0から線画候補を検出する構成としてもよい。
<第4変形例>
また、上述した実施形態で説明した線画候補の検出方法は一例であり、これに限らない。線画候補の検出には、画像から文字などの線画を検出する既存の方法をいずれも利用することができる。
<補足説明>
上述した実施形態および変形例において説明した画像処理装置1の機能的な構成要素(検出部10(第1の検出部11、エッジ強調部12、第2の検出部13)、算出部14、決定部15、圧縮処理部16およびファイル生成部17)は、上述したように、例えば図2に示したハードウェアとソフトウェア(プログラム)との協働により実現することができる。この場合、上記プログラムは、画像処理装置1にインストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供される。また、上記プログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由で画像処理装置1にダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。さらに、上記プログラムを、インターネットなどのネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、上記プログラムを、例えば画像処理装置1内のROM103やHDD104などに予め組み込んで提供するようにしてもよい。
また、上述した実施形態および変形例において説明した画像処理装置1の機能的な構成要素は、その一部または全部を、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)などの専用のハードウェアを用いて実現することもできる。
また、上述した実施形態および変形例では、画像処理装置1を単体の装置として実現する例を想定したが、画像処理装置1の機能的な構成要素を物理的に分離した複数の装置に分散して設け、これら複数の装置の連携により、画像処理装置1としての動作が実現されるように構成してもよい。
以上、本発明の具体的な実施形態および変形例について説明したが、上述した実施形態は本発明の一適用例を示したものである。本発明は、上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で様々な変形や変更を加えて具体化することができる。
1 画像処理装置
10 検出部
11 第1の検出部
12 エッジ強調部
13 第2の検出部
14 算出部
15 決定部
16 圧縮処理部
17 ファイル生成部
Im0 入力画像
FIm 高圧縮PDFファイル
特許第4471202号公報 特許第3088010号公報

Claims (10)

  1. 画像から第1の圧縮処理を施す対象領域の候補を検出する検出手段と、
    検出された前記候補のそれぞれに対し、該候補が持つ色の数を表す色数を算出する算出手段と、
    少なくとも前記候補の色数に基づいて、該候補を前記対象領域とするか否かを決定する決定手段と、
    前記対象領域に対して前記第1の圧縮処理を施すとともに、前記画像に含まれる前記対象領域以外の領域に対して、前記第1の圧縮処理とは異なる第2の圧縮処理を施す圧縮処理手段と、を備える画像処理装置。
  2. 前記算出手段は、検出された前記候補のそれぞれに対し、該候補に隣接する領域の色である背景色をさらに算出し、
    前記決定手段は、前記候補の色数と、前記候補の背景色とに基づいて、該候補を前記対象領域とするか否かを決定する、請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記算出手段は、検出された前記候補のそれぞれに対し、該候補の色をさらに算出し、
    前記決定手段は、前記候補の色数と、前記候補の背景色と、前記候補の色とに基づいて、該候補を前記対象領域とするか否かを決定する、請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記算出手段は、検出された前記候補のそれぞれについて、該候補の外接矩形の縦横比をさらに算出し、
    前記決定手段は、少なくとも、前記候補の色数と、前記候補の外接矩形の縦横比とに基づいて、該候補を前記対象領域とするか否かを決定する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  5. 前記算出手段は、前記候補のそれぞれについて、該候補の線幅をさらに算出し、
    前記決定手段は、少なくとも、前記候補の色数と、前記候補の線幅とに基づいて、該候補を前記対象領域とするか否かを決定する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  6. 前記算出手段は、前記候補を構成する各画素の色データの平均値を算出し、該平均値との差分が所定値以上の色データを持つ画素の割合が所定値未満であれば、該候補の色数を1とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  7. 前記検出手段は、
    前記画像から前記候補のエッジを検出する第1の検出手段と、
    前記第1の検出手段の検出結果を用いて前記候補のエッジが強調された前記画像から前記候補を検出する第2の検出手段と、を含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  8. 前記第1の圧縮処理が施された前記対象領域と、前記第2の圧縮処理が施された前記対象領域以外の領域とを統合して、前記画像に対応する圧縮画像ファイルを生成するファイル生成手段をさらに備える、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  9. 画像から第1の圧縮処理を施す対象領域の候補を検出するステップと、
    検出された前記候補のそれぞれに対し、該候補が持つ色の数を表す色数を判定するステップと、
    少なくとも前記候補の色数に基づいて、該候補を前記対象領域とするか否かを決定するステップと、
    前記対象領域に対して前記第1の圧縮処理を施すとともに、前記画像に含まれる前記対象領域以外の領域に対して、前記第1の圧縮処理とは異なる第2の圧縮処理を施すステップと、を含む画像処理方法。
  10. コンピュータに、
    画像から第1の圧縮処理を施す対象領域の候補を検出する機能と、
    検出された前記候補のそれぞれに対し、該候補が持つ色の数を表す色数を判定する機能と、
    少なくとも前記候補の色数に基づいて、該候補を前記対象領域とするか否かを決定する機能と、
    前記対象領域に対して前記第1の圧縮処理を施すとともに、前記画像に含まれる前記対象領域以外の領域に対して、前記第1の圧縮処理とは異なる第2の圧縮処理を施す機能と、を実現させるためのプログラム。
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