JP2017114770A - 害虫忌避剤 - Google Patents

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健志 櫻井
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Abstract

【課題】
シラミ、ハエ、カ、ダニ、アブなどの害虫を確実に忌避することができ、工業的に製造するときにおいてもコストが高くならない害虫忌避剤を提供することを目的とする。
【解決手段】
フェニルプロパノイド化合物及び環式セスキテルペン化合物を含有することを特徴とする害虫忌避剤、前記フェニルプロパノイド化合物が、オイゲノール、クマル酸、ケイ皮酸、コーヒー酸、アネトール、コニフェリルアルコール、シナピルアルコール、フェルラ酸から選ばれる少なくとも一つであり、前記環式セスキテルペン化合物が、α−カリオフィレン、β−カリオフィレン、γ−カリオフィレンから選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする害虫忌避剤などにより解決することができた。
【選択図】図5

Description

本発明は、ヒトなどの動物の血を吸ったり噛んだり刺したり、それら動物や食品に接触することにより感染症を引き起こす病原体を媒介したりするなど、それら動物の衛生環境を悪化させるシラミ、ハエ、カ、ダニ、アブなどの害虫に対して、それら動物や食品に近づけさせないようにする害虫忌避剤に関する。
従来、シラミ、ハエ、カ、ダニ、アブなどの害虫に対して殺虫成分を用いて死滅させて駆除する方法も用いられてきたが、ヒトなどの動物や食品に直接噴霧や塗布することは殺虫成分に含まれる化学成分のそれら動物に対する毒性などの安全性が疑問視されることがあり、安全性に問題がなかったとしても心理的に抵抗があった。
そのため、それら害虫が死滅するまで至らなくともそれら動物に近づかなければ、血を吸うことも噛むことも刺すことも感染症を引き起こす病原体をうつすこともないので、被ヒトなどの動物や食品など毒性などの安全性がより求められる用途についてはそれら害虫を近づけさせないようにする忌避剤が用いられている。
例えば、特許文献1や特許文献2には、コパイバオイルや、クローブ、ナツメグなどのスパイス系の精油、オレンジ、レモンなど柑橘油などの天然物に含有されるカリオフィレンを有効成分とする忌避剤が開示されている。
特開2001−348304号公報 特開2002−308705号公報
しかしながら、特許文献1、特許文献2に記載の発明では、確かにカリオフィレンには一定の効果が望めるものの、どうしてもカリオフィレンを用いるだけではシラミ、ハエ、カ、ダニ、アブなどの害虫を確実に忌避することはできなかった。
また、特許文献1、特許文献2において、カリオフィレンが、工業的にはクローブリーフオイルからオイゲノールを分離したときの副生物として得られるとの記載もあるが、クローブリーフオイルにおいてオイゲノールは70〜95%程度含有されており、カリオフィレンは少量しか含有されていないために、特許文献1、特許文献2に記載の発明ではどうしてもコストが高くなる問題があった。
そこで、本発明では、シラミ、ハエ、カ、ダニ、アブなどの害虫を確実に忌避することができる害虫忌避剤を提供することを目的とする。
また、本発明では、工業的に製造するときにおいてもコストが高くならない害虫忌避剤を提供することを目的とする。
〔1〕すなわち、本発明は、フェニルプロパノイド化合物及び環式セスキテルペン化合物を含有することを特徴とする害虫忌避剤である。
〔2〕そして、前記フェニルプロパノイド化合物が、オイゲノール、クマル酸、ケイ皮酸、コーヒー酸、アネトール、コニフェリルアルコール、シナピルアルコール、フェルラ酸から選ばれる少なくとも一つであり、前記環式セスキテルペン化合物が、α−カリオフィレン、β−カリオフィレン、γ−カリオフィレンから選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする前記〔1〕に記載の害虫忌避剤である。
〔3〕そして、前記フェニルプロパノイド化合物が、オイゲノールであり、前記環式セスキテルペン化合物が、β−カリオフィレンであることを特徴とする前記〔1〕に記載の害虫忌避剤である。
〔4〕そして、前記フェニルプロパノイド化合物及び前記環式セスキテルペン化合物が、前記フェニルプロパノイド化合物/前記環式セスキテルペン化合物=95/5〜50/50の割合で配合されていることを特徴とする前記〔1〕から前記〔3〕のいずれかに記載の害虫忌避剤である。
〔5〕そして、前記オイゲノール及び前記β−カリオフィレンが、クローブから抽出されたことを特徴とする前記〔3〕に記載の害虫防除剤である。
本発明によれば、シラミ、ハエ、カ、ダニ、アブなどの害虫を確実に忌避することができ、そして、工業的に製造するときにおいてもコストを低減することができる。
コロモジラミを用いた行動実験を行ったときの一つのプラスチックディッシュの状態を示す図である。 コロモジラミを用いた行動実験を行ったときの四つのプラスチックディッシュの配置状態を示す図である。 コロモジラミを用いた行動実験を5分間行ったときのコロモジラミの1秒ごとの行動軌跡をプロットした図である。 コロモジラミを用いた行動実験を5分間行ったときのコロモジラミの滞在頻度を示す図である。 コロモジラミを用いた行動実験を行ったとき滞在頻度を実施例及び比較例を対比した図である。
以下、本発明の害虫忌避剤に関する実施形態について詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するに好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に発明を限定する旨が明記されていない限り、この形態に限定されるものではない。そして、説明中における範囲を示す表記のある場合は、上限と下限を含有するものである。
本発明におけるフェニルプロパノイド化合物は、1−フェニルプロパンにおいて少なくともフェニル基、プロピル基の一方が置換、変成されている化合物である。フェニルプロパノイド化合物は、植物などの天然物から抽出されたもの、有機合成により人為的に合成されたもののいずれでも使用することができるが、とりわけヒトに直接使用したり食品に使用したりする場合には、副生成物の混入による安全性への懸念や需要者に対する安心感から植物などの天然由来の物から分離されたものを使用することが好ましい。
フェニルプロパノイド化合物としては、オイゲノール、クマル酸、ケイ皮酸、コーヒー酸(3,4−ジヒドロキシケイ皮酸)、アネトール、コニフェリルアルコール、シナピルアルコール、フェルラ酸が好ましく、オイゲノールがより好ましい。上記フェニルプロパノイド化合物を、1種類のみで使用することもできるし、また、2種類以上混合して使用することができる。
本発明における環式セスキテルペン化合物は、3個のイソプレン単位を有し、一つまたは二つ以上の環状構造を有する炭素数が15個からなる化合物である。環式セスキテルペン化合物は、植物などの天然物から抽出されたもの、有機合成により人為的に合成されたもののいずれでも使用することができるが、とりわけヒトに直接使用したり食品に使用したりする場合には、副生成物の混入による安全性への懸念や需要者に対する安心感から植物などの天然由来の物から分離されたものを使用することが好ましい。
環式セスキテルペン化合物としては、α−カリオフィレン(フムレン)、β−カリオフィレン、γ−カリオフィレン、アンブロサン、アンブロシン、アリストラン、ビサボラン、ビサボロール、カジサン、β−カジネン、カリオフィラン、セドラン、セドリル、セドロール、ドリマン、ドリメノール、ドリメニン、エレモフィラン、オイデスマン、サントニン、ゲルマクラン、グアイアン、グアイイル、グアイオール、ヒマカラン、フムラン、トリコテカン、ニバレノール、トリコデルミン、トリコテシンが好ましく、α−カリオフィレン(フムレン)、β−カリオフィレン、γ−カリオフィレンがより好ましい。上記環式セスキテルペン化合物を、1種類のみで使用することもできるし、また、2種類以上混合して使用することができる。
本発明におけるフェニルプロパノイド化合物であるオイゲノール及び環式セスキテルペン化合物であるβ−カリオフィレンをともに含有しているものとしては、チョウジノキの開花前の蕾を乾燥させた香辛料であるクローブが知られていることから、このクローブを天然由来原料として用いることが好ましい。クローブから抽出した油をそのまま使用することも可能であるし、オイゲノール、β−カリオフィレンなどを単離したのちにオイゲノール、β−カリオフィレンを配合し直すことも可能である。
そして、本発明の害虫忌避剤におけるフェニルプロパノイド化合物及び環式セスキテルペン化合物の配合割合は特に特定されないが、フェニルプロパノイド化合物/環式セスキテルペン化合物=95/5〜50/50の割合で配合されていることがより好ましく、フェニルプロパノイド化合物/環式セスキテルペン化合物=90/10〜60/40の割合で配合されていることがもっとも好ましい。とりわけ、フェニルプロパノイド化合物及び環式セスキテルペン化合物の配合割合がこれらの範囲にあると、シラミ、ハエ、カ、ダニ、アブなどの害虫を確実に忌避することができる。
また、本発明の害虫忌避剤には、フェニルプロパノイド化合物、環式セスキテルペン化合物以外に、クローブ油以外の天然精油や、ビタミンC、ビタミンEなどの酸化防止剤など任意の成分を配合することができる。
天然精油成分は、植物の枝葉、根茎、木皮、果実、花、つぼみ、樹脂などから得られる揮発性の油状物であり、水蒸気蒸留法、圧搾法、抽出法などで植物の各箇所より分離し、精製して得られる。
精油の原材料としては、種々挙げられるが、グレープフルーツ、ゼラニウム、ローズマリー、アニス、アルモワーズ、イランイラン、オレンジ、カナンガ、カモミール、カルダモン、カユプテ、クラリセージ、コリアンダー、サイプレス、サンダルウッド、シダーウッド、シトロネラ、ジュニパーベリー、ジンジャー、スペアミント、セージ、ティートリー、ナツメグ、ネロリ、パインニードル、バジル、パチョリー、パルマローザ、フェンネル、ブラックペッパー、ペチグレン、ベチバー、ペパーミント,ベルガモット、マージョラム、マンダリン、ユーカリレモン、ライム、ラベンダー、レモン、レモングラス、ローズウッド、月桃葉油、桂皮油、薄荷油が好ましい。これら原材料から得られた精油は、害虫に対して有用な忌避効果を有する。
上記原料から得られる精油には、揮発性を有する種々の化合物が含有されている。グレープフルーツには、d−リモネン、ミルセン、α−ピネンなどが含有されている。ゼラニウムには、シトロネロール、ゲラニオール、リナロールなどが含有されている。ローズマリーには、α−ピネン、カンファー、1,8−シネオールなどが含有されている。アニスには、(E)−アネトール、リモネン、アニスアルデヒドなどが含有されている。アルモアーズには、1,8−シネオール、ツジョン、ボルネオール、カンファー、ピネン、アルテミシニン(セスキテルペン・ラクトン)リナロール、ネロールなどが含有されている。イランイランには、リナロール、β−カリオフィレン、ゲルマクレンDなどが含有されている。オレンジには、リモネン、ミルセン、β−ビサボレンなどが含有されている。カナンガには、カリオフィレン、酢酸ゲラニル、テルピネオールなどが含有されている。カモミールには、ファルネセン、カマズレン、α−ビサボロールオキサイドBなどが含有されている。カルダモンには、1,8−シネオール、α−テルピニルアセテート、リモネンなどが含有されている。カユプテには、1,8−シネオール、α−テルピネオール、パラ−シメンなどが含有されている。クラリセージには、酢酸リナリル、リナロール、ゲルマクレンDなどが含有されている。コリアンダーには、d−リナロール、カンファー、α―ピネンなどが含有されている。サイプレスには、α―ピネン、δ−3−カレンなどが含有されている。サンダルウッドには、シス−α−サンタロール、シス−β−サンタロール、epi−β−サンタロールなどが含有されている。シダーウッドには、ツヨプセン、α−セドレン、セドロールなどが含有されている。シトロネラには、ゲラニオール、リモネン、シトロネロールなどが含有されている。ジュニパーベリーには、α−ピネン、ミルセン、β−ファルネセンなどが含有されている。ジンジャーには、ar−クルクメン、α−ジンジベレン、β−セスキフェランドレンなどが含有されている。スペアミントには、(−)−カルボン、ジヒドロカルボン、1,8−シネオールなどが含有されている。セージには、α−ツヨン、β−ツヨン、カンファーなどが含有されている。ティートリーには、テルピネン−4−オール、γ−テルピネン、α−テルピネンなどが含有されている。ナツメグには、α−ピネン、サビネン、β−ピネンなどが含有されている。ネロリには、リナロール、リモネン、βピネンなどが含有されている。パインニードルには、α−ピネン、β−ピネン、ミルセンなどが含有されている。バジルには、リナロール、メチルチャビコール、β−カリオフィレンなどが含有されている。パチョリーには、パチュリアルコール、α−パチュレン、β−カリオフィレンなどが含有されている。パルマローザには、ゲラニオール、酢酸ゲラニル、リナロールなどが含有されている。フェンネルには、(E)−アネトール、リモネン、メチルチャビコールなどが含有されている。ブラックペッパーには、β−3−カリオフィレン、δ−3−カレン、リモネンなどが含有されている。ペチグレンには、リナリルアセテート、リナロール、α―テルピネオールなどが含有されている。ベチバーには、ベチベロール、ベチベン、α−ベチボールなどが含有されている。ベルガモットには、リモネン、リナリルアセテート、リナロールなどが含有されている。マージョラムには、テルピネン−4−オール、シス−サビネンヒドレート、パラ−シメンなどが含有されている。マンダリンには、リモネン、γ−テルピネン、β−ピネンなどが含有されている。ユーカリレモンには、シトロネラール、シトロネロール、シトラールなどが含有されている。ライムには、リモネン、γ−テルピネン、β−ピネンなどが含有されている。ラベンダーには、酢酸リナリル、リナロール、(Z)−β−オシメンなどが含有されている。レモンには、リモネン、β−ピネン、γ−テルピネンなどが含有されている。レモングラスには、ゲラニアール、シトラール、エレモールなどが含有されている。ローズウッドには、リナロール、α−テルピネオール、シスーリナロールオキサイドなどが含有されている。ペパーミントには、l−メントール、l−メントン、メントフランなどが含有されている。桂皮油には、シンナムアルデヒド、t−2−メトキシシンナムアルデヒド、クマリンなど含有されている。月桃葉油には、1,8−シネオール、テルピネン−4−オール、p―サイメンなどが含有されている。薄荷油には、l−メントール、l−メントン、メントフランなどが含有されている。
〔実施例1〕
害虫としてのコロモジラミは株式会社大阪製薬にて維持しているNIID系統を用いた。これらコロモジラミは温度28℃、相対湿度50%、恒暗条件下の恒温機内において、3.5cm四方の黒羅紗布を敷いたφ70mmのガラスシャーレ内で飼育された。また、一日一回ヒトの腕から直接吸血させることで給餌された。コロモジラミは吸血直後には動きが遅くなるため、行動試験には吸血後24時間以上飢餓状態にした雄個体を用いた。
図1に示すように、コロモジラミ個体での行動試験はφ90mmフィルターペーパー(Whatmann社製)を敷いたφ100mmで高さ20mmプラスチックディッシュを用いて実施した。そして、コロモジラミ1個体をフィルターペーパー上に設置し、まずはφ30mmプラスチックディッシュにてコロモジラミを覆ってコロモジラミの拡散を防止した。
そして、オイゲノールが86.3重量%、β−カリオフィレンが9.8重量%含有されているクローブ精油(寿香料株式会社製)をアセトン(Wako社製)にて0.1体積%の濃度に希釈した後、50μLをφ11mmディスクフィルタ(Whatmann社製)に滴下し、室温のドラフトチャンバー内でアセトンを完全に揮発させた後、プラスチックディッシュの端部に設置した。また、その反対側のもう一端には同様にしてアセトンのみを滴下したものをコントロールとして設置した。
その後、コロモジラミの拡散防止に用いていたφ30mmプラスチックディッシュをφ100mmで高さ20mmプラスチックディッシュの蓋と置き換えた後、5分間自由にコロモジラミを行動させた。試験開始から終了までの間、プラスチックディッシュの真上からデジタルカメラ(SONY社製、 解像度1920×1080)にてコロモジラミの行動を動画にて撮影した。また、コロモジラミの行動試験は室内において蛍光灯の下で約28〜29℃の温度帯で実施した。なお、装置の横方向からの外部光などの影響を低減するため、四方を黒紙で覆って試験を行った。
さらに本装置ではプラスチックディッシュの上方、すなわち蓋側から動画撮影を行ったため、上方を黒紙などで覆っておらず開放していることから、上方向からの外部光などの要因がコロモジラミの行動に影響を与える可能性があった。このため、図2に示すように、試験時には薬剤を滴下したφ11mmディスクフィルタを四つの異なる方向に置いた(図2における矢印の位置)4個のプラスチックディッシュを用意し、同時に行動試験を実施することで外部要因の影響を低減した。本装置の行動試験に用いる領域上の照度は照度計(T−1、コニカミノルタ社製)により248〜259luxとほぼ均一であることを確認した。
<行動指標:SF>
コロモジラミの行動軌跡は、撮影した動画からImageJ(http://imagej.nih.gov/ij/)を用いて作成した。5分間の動画を1秒ごと、全300枚の画像に分割した後、全画像の輝度を平均し、参照画像とした。そして、図3に示すように、各秒の画像と参照画像との比較から各画像におけるコロモジラミの位置を算出し、5分間の行動軌跡をプロットで作成した(図3における右側が実施例1、左側は比較例1)。この際、画像を目視で確認し、開始位置からほとんど移動していない個体や、プラスチックディッシュと蓋との間に潜り込み移動できなくなった個体は評価から除外した。図4に示すように、コロモジラミの行動軌跡はクローブ精油を滴下したディスクフィルタが画像の右側となるように回転させた後、各区画(5×5)に分割し、プラスチックディッシュの含有率が約10%以下とほぼプラスチックディッシュを含まない四隅を除いた21区画における滞在頻度の比率を算出した(図4における右側が実施例1、左側は比較例1)。具体的には、各区画での滞在頻度の比率を、(滞在頻度)=(任意の区画でのプロット数)/(25区画における一試行あたりの総プロット数)として算出した。そして、一試行あたり4個のプラスチックディッシュを使用しているところ、それらの対応する区分をまとめて、滞在頻度を算出した。この試験を28回試行し(N=28)、匂い物質のコロモジラミの行動に対する効果について、クローブ精油を滴下したディスクフィルタを含む区画における滞在頻度(Staying Frequencyten SF)を用いて評価を行ったところ、その算術平均において1.28%であった。
〔実施例2〕
実施例1におけるクローブ精油に代えて、オイゲノールが89.8重量%、β−カリオフィレンが10.2重量%含有する混合物(オイゲノールとβ−カリオフィレンのみからなる混合物)としたこと、18回試行した(N=18)こと以外は、実施例1と同様に行動試験を行い、滞在頻度(SF)を算出した。その結果、算術平均において0.06%であった。
〔比較例1〕
実施例1におけるクローブ精油に代えて、アセトンのみとしたこと、60回試行した(N=60)こと以外は、実施例1と同様に行動試験を行い、滞在頻度(SF)を算出した。その結果、算術平均において8.29%であった。
〔比較例2〕
実施例1におけるクローブ精油に代えて、オイゲノールのみとしたこと、19回試行した(N=19)こと以外は、実施例1と同様に行動試験を行い、滞在頻度(SF)を算出した。その結果、算術平均において3.05%であった。
〔比較例3〕
実施例1におけるクローブ精油に代えて、β−カリオフィレンとしたこと、18回試行した(N=18)こと以外は、実施例1と同様に行動試験を行い、滞在頻度(SF)を算出した。その結果、算術平均において6.87%であった。
これらの実施例1〜2、及び比較例1〜3の結果をまとめて図5に示す。
このように、オイゲノールのみ又はβ−カリオフィレンのみの系からすると、オイゲノール及びβ−カリオフィレンを併用する系では、滞在頻度(SF)が1.5%以下でコロモジラミを忌避する相乗効果があり、とりわけ、オイゲノール及びβ−カリオフィレンのみからなる混合物ではほぼ完全にコロモジラミを忌避するという極めて優れた相乗効果があることが分かった。

Claims (5)

  1. フェニルプロパノイド化合物及び環式セスキテルペン化合物を含有することを特徴とする害虫忌避剤。
  2. 前記フェニルプロパノイド化合物が、オイゲノール、クマル酸、ケイ皮酸、コーヒー酸、アネトール、コニフェリルアルコール、シナピルアルコール、フェルラ酸から選ばれる少なくとも一つであり、
    前記環式セスキテルペン化合物が、α−カリオフィレン、β−カリオフィレン、γ−カリオフィレンから選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載の害虫忌避剤。
  3. 前記フェニルプロパノイド化合物が、オイゲノールであり、
    前記環式セスキテルペン化合物が、β−カリオフィレンであることを特徴とする請求項1に記載の害虫忌避剤。
  4. 前記フェニルプロパノイド化合物及び前記環式セスキテルペン化合物が、前記フェニルプロパノイド化合物/前記環式セスキテルペン化合物=95/5〜50/50の割合で配合されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の害虫忌避剤。
  5. 前記オイゲノール及び前記β−カリオフィレンが、クローブから抽出されたことを特徴とする請求項3に記載の害虫防除剤。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2019198505A1 (ja) * 2018-04-09 2020-09-17 大日本除蟲菊株式会社 害虫忌避剤、及び害虫忌避製品
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