JP2017104277A - 画像処理装置、プログラムおよび放射線撮影装置 - Google Patents

画像処理装置、プログラムおよび放射線撮影装置 Download PDF

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Abstract

【課題】放射線画像に写り込む肺野の位置を確実に認識することにより、肺野の視認性を確実に向上させる。【解決手段】本願発明によれば、肺野端部の探索に用いる合計値プロファイルが放射線画像に基づいて生成される。放射線画像に写り込むペースメーカやアノテーションは、画像上で暗めに写り込んでいるだけであり、エッジ強調によりその存在が特に強調されているわけではない。したがって、本発明に係る合計値プロファイルは、ペースメーカやアノテーションにさほど影響されない。したがって、本発明によれば、ペースメーカやアノテーションにより肺野端部の誤認が生じてしまうことがない。【選択図】図9

Description

本発明は、放射線画像の一部の視認性を向上させる画像処理装置、プログラムおよび放射線撮影装置に関する。
図51は、放射線撮影装置で撮影された放射線画像を示している。この様な放射線画像に写り込む被検体の肺野を観察したい場合、肺野のコントラストを調整して、肺野の視認性を向上させるような画像処理が必要となる。
放射線画像には肺野の他、被検体の骨部など様々な被検体の部分が写り込んでいる。被検体の骨部は、放射線を透過させにくいので放射線画像において暗く写り込む。更に、放射線画像に写り込む被検体の輪郭の外側は、被検体が写り込んでいない部分で、空気が写り込んでいる部分となっている。被検体が写り込んでいない部分は放射線を透過させるものがないので放射線画像において明るく写り込む。放射線画像において肺野は被検体の骨部よりも明るく空気が写り込んでいる部分である被検体の輪郭外よりも暗い。
放射線画像の肺野は全体的に濃淡の乏しいグレーで塗りつぶされたように見える。放射線画像に写り込む肺野に位置する画素は、互いに似通った画素値を有しているからである。
肺野の視認性を高めようとして放射線画像全体に対してコントラスト調整を行うと、放射線画像に含まれる骨部および空気が写り込んでいる部分も含めてコントラスト調整がなされてしまう。このようなコントラスト調整により放射線画像全体としての視認性は高くなることはあるかもしれないが、肺野に限って見ればさほど視認性の改善が見られない。コントラスト調整後の肺野は全体的に濃淡の乏しいままである。肺野の濃淡を表現しようにも、低い画素値は、被検体の骨部を表現するのに使われるし、高い画素値は、空気が写り込んでいる部分を表現するのに使われ、肺野は残った中庸的な画素値で表現せざるを得ないからである。
したがって、従来から放射線画像における肺野のみにコントラスト調整を行う方法が考え出されている。この方法によれば、肺野をより多様な色調で表現できるので肺野の視認性が確実に高まる。この方法は、放射線画像における肺野を抜き出すトリミングを実行し、肺野を大きく写し込んだトリミング画像に対してコントラスト調整を実行するというものである。トリミング画像には、暗い被検体の骨部や明るい空気が写り込んでいる部分が排除されているので、これら部分の影響を受けることがない。
従来の肺野のトリミング方法について説明する。従来の方法では、まず、図52に示すように放射線画像にエッジ強調処理を行う。エッジ強調処理とは、空間的な例えば微分処理で実現でき、画像における画素値が極端に変わる場所を濃く現わす画像処理である。このエッジ強調処理を用いれば被検体輪郭を知ることができる。エッジ強調については、特許文献1に詳しい。
従来方法によれば、肺野輪郭に基づいて図53に示すように肺野を含む領域を切り出すトリミング処理がなされる。このときのトリミング処理は、エッジ強調画像に基づいて肺野領域を認識して、放射線画像から肺野がその周辺ごと大まかに切り出される。
エッジ強調画像を利用した従来のトリミング処理は、エッジ強調画像に基づいて図54に示すプロファイルを生成することで行われる。プロファイルはエッジ強調画像を画素1つ分の幅を有する画素配列に分解して、各画素配列の画素値を合計した合計値と各画素配列の位置の関連性を示すプロファイルとなっている。プロファイルは、エッジ強調画像を縦方向に伸びた画素配列に分解することで生成されるもので、画像における横方向についての位置と画素値の合計値が関連したものとなっている。
このプロファイルを観察すると、合計値が極端に高い部分があることに気がつく。この部分は、エッジ強調画像において、高輝度の画素値を有している画素が数多く存在していた画素配列の存在位置を示している。エッジ強調画像において、高輝度の画素値は、元画像において、画素値の変化が激しい部分を意味している。従って、プロファイルにおいて、合計値が極端に高い部分を見つければ、元画像においてどの部分で画素の画素値が急に変化しているかを知ることができる。
実は、元画像において肺野輪郭付近は画素値の変化が激しい部分である。プロファイルの合計値が極端に高い部分は、元画像における肺野輪郭の位置を表しているのである。プロファイルに現れる合計値が極端に高い部分は、肺野輪郭の右端、左端を表している。この様なプロファイルの解析により、元画像から肺野領域を大まかに切り出したトリミング画像を得ることができる。
なお、肺野輪郭の上端および下端の位置もエッジ強調画像を解析することで得ることができる。
そして、図55に示すように探索された肺野の矩形領域の輝度情報を用いてコントラスト調整を行えば、肺野の真性は確実に向上する。
特開2015−100593号公報
しかしながら、従来の画像処理には、次のような問題がある。すなわち、従来構成によれば肺野輪郭の誤認識が生じ、図53で説明したトリミング画像の生成処理で失敗してしまう。
エッジ強調画像を利用した従来の画像処理は、被検体像が予想されており、この予想に基づいて肺野の周辺の切り出しを行っている。したがって、従来の方法では、通常の被検体像が写り込んだ放射線画像に対して正常に動作することができる。
しかし、従来構成では、放射線画像に予期しない像が写り込んでいると肺野輪郭の誤認識が生じやすくなる。予期しない像とは、例えば図56の放射線画像に示すような被検体に埋め込まれた心臓ペースメーカの投影像である。心臓ペースメーカは金属を含んでおり、放射線画像に比較的暗く写り込む。心臓ペースメーカは、肺野に重なって写り込むことが普通である。
この様な放射線画像にエッジ強調処理を行うと、図56に示すように心臓ペースメーカの輪郭が強調されてしまう。従来方法では、放射線画像に心臓ペースメーカが写り込んでいると、この部分が被検体輪郭だという誤認が生じ、図57に示すように肺野の一部が途切れたトリミング画像が生成されてしまう。このようなトリミング画像から肺野全体の輪郭を得るのは不可能である。
また、放射線画像にアノテーションが写り込んでいると、放射線画像のトリミングがうまくいかない。アノテーションとは、図58に示すように撮影により得られた放射線画像の上部に合成で付加される例えば「R」などの文字である。このアノテーションは、肺野外に写り込んでいることが普通である。
この様な放射線画像にエッジ強調処理を行うと、図58に示すようにアノテーションの輪郭が強調されてしまう。従来方法では、放射線画像にアノテーションが写り込んでいると、この部分が被検体輪郭だという誤認が生じ、図59に示すように被検体輪郭の外部まで含んだトリミング画像が生成されてしまう。このようなトリミング画像から肺野の輪郭を正確に得るのは難しい。
本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は放射線画像に写り込む肺野の位置を確実に認識することにより、肺野の視認性を確実に向上できる画像処理装置を提供することにある。
本発明は上述の課題を解決するために次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係る画像処理装置は、被検体の肺野が縦方向に写り込んだ放射線画像中の肺野領域を特定する画像処理装置において、(A1)放射線画像の各画素列に属する画素値を画素列毎に合計または平均することにより横方向プロファイルを生成する横方向プロファイル生成手段と、(B1)放射線画像から所定幅の中央付近を除いた右側領域又は左側領域において横方向プロファイルの値が最小となる位置を肺野領域の右端又は左端として特定する肺野端特定手段とを備えることを特徴とするものである。
[作用・効果]本発明によれば、放射線画像に写り込む肺野の位置を確実に認識することにより、肺野の視認性を確実に向上することができる。すなわち、本発明によれば、従来のようにエッジ強調画像に基づいて合計値プロファイルを生成するのではなく、放射線画像に基づいて合計値プロファイルを生成する構成となっているのである。
エッジ強調画像には、画像上のペースメーカの輪郭やアノテーションの輪郭が極めて強く強調されている。したがって、エッジ強調画像に基づいて合計値プロファイルは、ペースメーカやアノテーションに大きく影響される。このことは、ペースメーカやアノテーションの有無で合計値プロファイルの形状が大きく変化することを意味する。ペースメーカやアノテーションは、肺野の端部の誤認の原因となる。
これに比べて、本願発明によれば、放射線画像に基づいて合計値プロファイルが生成される。放射線画像に写り込むペースメーカやアノテーションは、画像上で暗めに写り込んでいるだけであり、エッジ強調によりその存在が特に強調されているわけではない。したがって、本発明に係る合計値プロファイルは、ペースメーカやアノテーションにさほど影響されない。したがって、本発明によれば、ペースメーカやアノテーションにより肺野端部の誤認が生じてしまうことがない。
また、上述の画像処理装置において、肺野端特定手段における所定幅は、放射線画像の中央付近に縦長の線として写り込む被検体の椎骨を避けた幅であればより望ましい。
[作用・効果]上述の記載は本発明のより具体的な構成を説明している。領域が被検体の椎骨を避けるように設定されれば、椎骨の影響で肺野端部の誤認が生じることがない。
また、本発明に係る画像処理装置は、被検体の肺野が縦方向に写り込んだ放射線画像中の肺野領域を特定する画像処理装置において、(A2)放射線画像の各画素行に属する画素値を画素行毎に合計または平均することにより縦方向プロファイルを生成する縦方向プロファイル生成手段と、(B2)放射線画像の上側領域において縦方向プロファイルの値が最小となる位置を、肺野領域の上端として特定する肺野端特定手段とを備えることを特徴とするものである。
[作用・効果]本発明は、肺野上端の認識についても適用することができる。
また、上述の画像処理装置において、肺野端特定手段は、被検体のあご部を除外して上側領域を設定すればより望ましい。
[作用・効果]上述の記載は、本発明の構成をより具体的に示したものとなっている。被検体のあご部を除外して上側領域を設定すれば、被検体のあご部の影響で肺野上端の誤認が生じることがない。
また、本発明に係る画像処理装置は、被検体の肺野が縦方向に写り込んだ放射線画像中の肺野領域を特定する画像処理装置において、(A2)放射線画像の各画素行に属する画素値を画素行毎に合計または平均することにより縦方向プロファイルを生成する縦方向プロファイル生成手段と、(B3)放射線画像に写り込む肺野の下端を含んだ下側領域において縦方向プロファイルの値の変化が最大となる位置を肺野領域の下端として特定する肺野端特定手段とを備え、肺野端特定手段は、左肺の下端を認識するとともに右肺の下端を認識し、画像における左肺の下端の位置と右肺の下端の位置とを比較して、より画像の下側にあるものを肺野の下端であるものと認識することを特徴とするものである。
[作用・効果]本発明は、肺野下端の認識についても適用することができる。肺野の下端は、右肺の下端と左肺の下端の位置が必ずしも一致しているとは限らないという問題点がある。上述の構成は、右肺の下端と左肺の下端の両方を認識して、より画像の下側にあるものを肺野の下端としている。これにより、左右いずれの肺の下部も途切れることなく画像のトリミングをすることができる。
また、上述の肺野端特定手段によって特定された肺や領域の端の位置に基づいて、放射線画像から肺野領域の画像が抽出されたトリミング画像を生成するトリミング手段を備えればより望ましい。
また、上述の画像処理装置において、トリミング画像についてコントラストを調整する肺野輝度調整手段を備えればより望ましい。
本発明によれば、放射線画像に写り込む肺野の位置を確実に認識することにより、肺野の視認性を確実に向上することができる。すなわち、本願発明によれば、肺野端部の探索に用いる合計値プロファイルが放射線画像に基づいて生成される。放射線画像に写り込むペースメーカやアノテーションは、画像上で暗めに写り込んでいるだけであり、エッジ強調によりその存在が特に強調されているわけではない。したがって、本発明に係る合計値プロファイルは、ペースメーカやアノテーションにさほど影響されない。したがって、本発明によれば、ペースメーカやアノテーションにより肺野端部の誤認が生じてしまうことがない。
実施例1に係る画像処理装置が行う画像処理について説明する模式図である。 実施例1に係る画像処理装置の全体像を説明する機能ブロック図である。 実施例1に係る合計値プロファイル生成部を説明する機能ブロック図である。 実施例1の肺野右端認識に係る構成を説明する機能ブロック図である。 実施例1の肺野左端認識に係る構成を説明する機能ブロック図である。 実施例1の肺野上端認識に係る構成を説明する機能ブロック図である。 実施例1の肺野下端認識に係る構成を説明する機能ブロック図である。 実施例1に係る横方向プロファイルを説明する模式図である。 実施例1に係る横方向プロファイルを説明する模式図である。 実施例1の肺野右端認識に係る動作を説明する模式図である。 実施例1の肺野右端認識に係る動作を説明する模式図である。 実施例1の肺野右端認識に係る動作を説明する模式図である。 実施例1の肺野左端認識に係る動作を説明する模式図である。 実施例1の肺野左端認識に係る動作を説明する模式図である。 実施例1の肺野認識に係る動作の途中段階を説明する模式図である。 実施例1に係る縦方向プロファイルを説明する模式図である。 実施例1に係る縦方向プロファイルを説明する模式図である。 実施例1に係る肺野上端認識の際生じる問題点を説明する模式図である。 実施例1に係る肺野上端認識の動作を説明する模式図である。 実施例の肺野上端認識に係る構成を説明する機能ブロック図である。 実施例1に係る上部領域設定部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る上部領域設定部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る上部領域設定部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る上部領域設定部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る上部領域設定部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る上部領域設定部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る上部領域設定部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る上部領域設定部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る上部領域設定部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る上部領域設定部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る上部領域設定部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る上部領域設定部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る上部領域設定部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る上部領域設定部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る上部領域設定部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る上部領域設定部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る上部領域設定部の動作を説明する模式図である。 実施例1に係る上部領域設定部の動作を説明する模式図である。 実施例1の肺野上端認識に係る動作を説明する模式図である。 実施例1の肺野上端認識に係る動作を説明する模式図である。 実施例1の肺野認識に係る動作の途中段階を説明する模式図である。 実施例1に係る肺野下端認識の際生じる問題点を説明する模式図である。 実施例1の肺野下端認識に係る動作を説明する模式図である。 実施例1の肺野下端認識に係る動作を説明する模式図である。 実施例1の肺野下端認識に係る動作を説明する模式図である。 実施例1の肺野下端認識に係る動作を説明する模式図である。 実施例1の肺野下端認識に係る動作を説明する模式図である。 実施例1の肺野下端認識に係る動作を説明する模式図である。 実施例1に係るトリミング動作を説明する模式図である。 実施例1に係る効果を説明する模式図である。 従来の画像処理について説明する模式図である。 従来の画像処理について説明する模式図である。 従来の画像処理について説明する模式図である。 従来の画像処理について説明する模式図である。 従来の画像処理について説明する模式図である。 従来の画像処理で生じる問題点について説明する模式図である。 従来の画像処理で生じる問題点について説明する模式図である。 従来の画像処理で生じる問題点について説明する模式図である。 従来の画像処理で生じる問題点について説明する模式図である。
続いて、本発明に係る実施例について説明する。本発明の画像処理装置は、被検体の肺野が写り込んだ放射線画像における肺野に相当する部分に輝度調整を施す装置である。すなわち、本発明に係る画像処理装置は、図1に示すようにX線撮影装置で撮影された被検体の胸部X線画像(元画像P0)を入力すると被検体の肺野のコントラストが調整された画像が出力される構成となっている。
図2は、画像処理装置1が行う画像処理の全体を示した機能ブロック図である。図2によれば、合計値プロファイル生成部11,領域設定部12,端部認識部13により元画像P0上の肺野の大まかな位置が特定され、トリミング部14により元画像P0から肺野がその周辺領域ごと抜き出されたトリミング画像が生成される。肺野輝度調整部15は、トリミング画像についてコントラストを調整する。この様にして本発明に係る画像処理装置は、元画像P0の肺野のみにコントラストの調整を実行する構成となっている。トリミング部14は本発明のトリミング手段に相当し、肺野輝度調整部15は、本発明の肺野輝度調整手段に相当する。
本発明における画像処理装置1は、合計値プロファイル生成部11,領域設定部12,端部認識部13,トリミング部14により肺野の認識が実行される。
すなわち、従来構成では、元画像にエッジ強調処理を施すことにより肺野認識を行っていた一方、本発明は、合計値プロファイルを解析することで肺野認識を実行する構成となっている。各部11,12,13,14は協働して、できるだけ肺野のみを取り出してトリミング画像を生成する。以降、各部11,12,13,14について説明する。
図3は、合計値プロファイル生成部11をより具体的に示している。合計値プロファイル生成部11は、横方向プロファイル生成部11Xと縦方向プロファイル生成部11Yとを備えている。横方向プロファイル生成部11Xが生成する合計値プロファイルPXは、元画像P0中の肺野の右端および左端を発見するのに用いられ、縦方向プロファイル生成部11Yが生成する合計値プロファイルPYは、元画像P0中の肺野の上端および下端を発見するのに用いられる。合計値プロファイル生成部11は、元画像P0に基づいて合計値プロファイルPX,PYを生成する。合計値プロファイルはどのようなものであるかは後述する。横方向プロファイル生成部11Xは本発明の横方向プロファイル生成手段に相当し、縦方向プロファイル生成部11Yは本発明の縦方向プロファイル生成手段に相当する。
端部認識部13は、元画像P0に写り込む肺野の右端、左端、上端、下端の4つの端部を認識する構成である。従って、端部認識部13は、肺野の右端を認識する肺野右端認識部、左端を認識する肺野左端認識部、上端を認識する肺野上端認識部、下端を認識する肺野下端認識部の4つの各部から構成されていると捉えることもできる。図4ないし図7はこの考えに基づき、端部認識部13を肺野右端認識部13R,肺野左端認識部13L,肺野上端認識部13T,肺野下端認識部13Uの4つの各部のそれぞれについての機能ブロック図を示している。これら機能ブロック図は、図2の機能ブロック図をより詳細に表したものとなっている。とはいえ、図4ないし図7では、図2で示されているトリミング部14,肺野輝度調整部15の各部は省略されている。肺野右端認識部13Rは本発明の肺野右端認識手段に相当し、肺野左端認識部13Lは本発明の肺野左端認識手段に相当する。また、肺野上端認識部13Tは本発明の肺野上端認識手段に相当し、肺野下端認識部13Uは本発明の肺野下端認識手段に相当する。
図4は、元画像P0上の肺野の右端を認識する肺野右端認識部13Rを示している。肺野右端認識部13Rは、横方向プロファイル生成部11Xより合計値プロファイルPXを受信するとともに、右側領域設定部12Rより探索範囲を示すデータを受信する。そして、肺野右端認識部13Rは合計値プロファイルPX上の探索範囲の中から肺野右端の位置を認識する。右側領域設定部12Rは本発明の右側領域設定手段に相当する。
図5は、元画像P0上の肺野の左端を認識する肺野左端認識部13Lを示している。肺野左端認識部13Lは、横方向プロファイル生成部11Xより合計値プロファイルPXを受信するとともに、左側領域設定部12Lより探索範囲を示すデータを受信する。そして、肺野左端認識部13Lは合計値プロファイルPX上の探索範囲の中から肺野左端の位置を認識する。左側領域設定部12Lは本発明の左側領域設定手段に相当する。
図6は、元画像P0上の肺野の上端を認識する肺野上端認識部13Tを示している。肺野上端認識部13Tは、縦方向プロファイル生成部11Yより合計値プロファイルPYを受信するとともに、上側領域設定部12Tより探索範囲を示すデータを受信する。そして、肺野上端認識部13Tは合計値プロファイルPY上の探索範囲の中から肺野上端の位置を認識する。上側領域設定部12Tは本発明の上側領域設定手段に相当する。
図7は、元画像P0上の肺野の下端を認識する肺野下端認識部13Uを示している。肺野下端の認識は、上述の肺野右端認識部13R,肺野左端認識部13L,肺野上端認識部13Tよりも複雑な処理により実現される。まず、元画像P0は、画像分割部10により元画像P0が左右に分割されて2枚の画像が生成される。生成された右画像および左画像に基づいて2つの縦方向プロファイルが生成される。肺野上端認識部13Tは、縦方向プロファイル生成部11Yより合計値プロファイルPYを2つとも受信するとともに、下側領域設定部12Uより探索範囲を示すデータをそれぞれの合計値プロファイルごとに受信する。そして、肺野下端認識部13Uは合計値プロファイルPY上の探索範囲の中から肺野下端の位置の認識を2つのプロファイルについて実行する。結果として肺野下端の位置は、右画像についてのものと左画像のついてのものの2つが認識される。肺野下端認識部13Uは、認識された2つの位置のうちの1つを選択して元画像P0における肺野下端の位置を認識する。下側領域設定部12Uは本発明の下側領域設定手段に相当する。
なお、図4ないし図7における右側領域設定部12R,左側領域設定部12L,上側領域設定部12T,下側領域設定部12Uは、各部13R,13L,13T,13Uに合わせて図2における領域設定部12を4つに分けて表現したものである。図7における画像分割部10は、図2においては省略されている。
<肺野右端の認識>
以下、元画像P0より肺野の右端を認識するときの動作を説明する。
肺野の右端の認識には、合計値プロファイルPXが必要となる。図8は、横方向プロファイル生成部11Xが元画像P0に基づいて生成する合計値プロファイルPXについて説明している。元画像P0は、画素が縦横に配列して構成される。元画像P0上において画素が縦一列に並んだ画素列Aを考えてみる。この画素列Aを構成する画素には画素値が割り当てられている。この画素列Aを構成する全ての画素についての画素値を合計して得られた値を合計値と呼ぶことにする。このとき算出される合計値は画素列Aに対応している。
元画像P0には、画素が縦横に並んでいるのであるから、元画像P0には、図8の画素列Aのような画素列が横方向に配列していると捉えることができる。横方向プロファイル生成部11Xは、これら画素列について合計値の算出を行い、図9に示すように画素列の位置と合計値とが関連したプロファイルを生成する。このプロファイルが合計値プロファイルPXである。このように、横方向プロファイル生成部11Xは、画素が縦方向に画素1つの幅で配列した画素配列が横方向に配列することで元画像P0が生成されているものと認識し、縦方向に伸びた画素配列に属する画素の画素値を合計した合計値の算出を画素配列の各々について行い、画素配列の位置と合計値とが関連した横方向に伸びるプロファイルである合計値プロファイルPXを生成する。
合計値プロファイルPXは、肺野右端認識部13Rに送出される。肺野右端認識部13Rは、合計値プロファイルPXの中から肺野の右端に相当する部分を探索する。しかし、合計値プロファイルPXは、元画像P0全体についてのプロファイルであるから、肺野の右端の探索に必要のない領域も含んでいる。
そこで、本発明では、図10に示すように右側領域設定部12Rが肺野の右端の大まかな位置を予測して、元画像P0上における肺野の右端を含む領域を設定するようになっている。この右端を含む領域を右側領域と呼ぶことにする。右側領域の右辺、上辺、下辺は元画像P0の右辺、上辺、下辺のそれぞれと一致し、右側領域の左辺は、元画像P0に写り込む右肺を通過する位置(縦断する位置)に設定される。したがって、右側領域写り込む右肺は、上側が途切れている。元画像P0において右側領域以外の領域は除外領域と呼ぶことにし、特に被検体の脊柱が属している。したがって、右側領域には脊柱が含まれていない。この右側領域の画像上の位置は、元画像P0の取得前に予め設定しておくことができる。右側領域設定部12Rは、画像の右端にある肺野の端部である右端を含んだ右側領域を設定する。右側領域設定部12Rは、画像の中央付近に縦長の線として写り込む被検体の椎骨を避けて領域を設定する。
右側領域の位置を示すデータは、肺野右端認識部13Rに送出される。肺野右端認識部13Rは、図11に示すように右側領域に相当する合計値プロファイルPX上の範囲を肺野の右端を探索するときの範囲である探索範囲と認識し、図10で説明した除外領域に相当する合計値プロファイルPX上の範囲については探索を実行しない。
肺野右端認識部13Rは、図11に示すように、右側領域に対応する合計値プロファイルPX上の探索範囲内で合計値が最低となっている位置Rを探索し、位置Rを肺野の右端と認定する。
この位置Rは、確実に元画像P0において肺野の右端になる。この理由について説明する。図12は、図10で説明した右側領域に位置する3つの画素列について説明している。このうち画素列A1,A2は、に示すようにいずれも被検体の体幹部に属する画素列であり、画素列A1は肺野を通過し、画素列A2は、肺野の外側に位置する。画素列A3は、被検体の体幹外に位置している。
画素列A1,A2の構成を考えてみる。画素列A1,A2の上部には空気が写り込んでいる領域が位置し、その領域の下には被検体が写り込んでいる領域が位置している。いずれの画素列も被検体の体幹部に位置しているので、被検体が写り込む領域が画素列の大半を占める。この点、画素列A3は、体幹部に位置してはいないので、空気が写り込んでいる領域が画素列の大半を占める。
画素列A1に係る合計値は、画素列A2に係る合計値よりも高くなる。画素列A1は、被検体が写り込んでいる領域の中に明るい肺野を含むが、画素列A2には、これがなく、暗い部位(被検体の筋肉や皮膚、骨等)が写り込んでいるからである。また、画素列A3に係る合計値は、画素列A2に係る合計値よりも高くなる。画素列A3は、明るい空気が写り込んでいる領域を多く含むが、画素列A2には、これが上部にわずかにあるだけだからである。つまり、合計値プロファイルPX上において合計値が最も低い位置は、図12の画素列A2のように、配列全体に亘って被検体の体幹部が写り込み、かつ、肺野が含まれていない画素列の位置を表しているのである。この位置は、肺野の外側でありながら、肺野に極めて近い位置となっている。この様な事情は肺野全体をトリミングしようとする際に都合がよいのである。肺野右端認識部13Rはこの様な原理に基づいて肺野の右端を認識している。
もっとも、合計値プロファイルPX上における合計値が最低となっている位置が、肺野の右端を表すとは限らない。合計値プロファイルPX上において被検体の椎骨に相当する位置では、やはり合計値が低くなるし、被検体の肺野の左端にも合計値が低い部分が現れるからである。
この点、本発明によれば、被検体の椎骨、および検体の肺野の左端に相当する範囲を合計値プロファイルPX上から除外して合計値が最低となっている位置を探索する構成となっている。したがって、肺野右端認識部13Rは、誤って被検体の椎骨や肺野の左端を肺野の右端と認識してしまうことがない。この様な構成は、右側領域設定部12Rが画像の中央付近に縦長の線として写り込む被検体の椎骨を避けて領域を設定することで実現される。
<肺野左端の認識>
肺野の左端の認識は、上述した右端の認識と同様である。すなわち、肺野左端認識部13Lは、合計値プロファイルPXの中から肺野の左端に相当する部分を探索する。しかし、合計値プロファイルPXは、元画像P0全体についてのプロファイルであるから、肺野の左端の探索に必要のない領域も含んでいる。
そこで、本発明では、図13に示すように左側領域設定部12Lが肺野の左端の大まかな位置を予測して、元画像P0上における肺野の左端を含む領域を設定するようになっている。この左端を含む領域を左側領域と呼ぶことにする。左側領域の左辺、上辺、下辺は元画像P0の左辺、上辺、下辺のそれぞれと一致し、左側領域の右辺は、左肺を通過する位置(縦断する位置)に設定される。したがって、左側領域写り込む左肺は、右側が途切れている。元画像P0において左側領域以外の領域は除外領域と呼ぶことにし、特に被検体の脊柱が属している。したがって、左側領域には脊柱が含まれていない。この左側領域の画像上の位置は、元画像P0の取得前に予め設定しておくことができる。左側領域設定部12Lは、画像の左端にある肺野の端部である左端を含んだ左側領域を設定する。左側領域設定部12Lは、画像の中央付近に縦長の線として写り込む被検体の椎骨を避けて領域を設定する。
左側領域の位置を示すデータは、肺野左端認識部13Lに送出される。肺野左端認識部13Lは、図14に示すように左側領域に相当する合計値プロファイルPX上の範囲を肺野の左端を探索するときの範囲である探索範囲と認識し、図13で説明した除外領域に相当する合計値プロファイルPX上の範囲については探索を実行しない。
肺野左端認識部13Lは、図14に示すように、左側領域に対応する合計値プロファイルPX上の探索範囲内で合計値が最低となっている位置Lを探索し、位置Lを肺野の左端と認定する。
肺野左端認識部13Lは、被検体の椎骨、および検体の肺野の右端に相当する範囲を合計値プロファイルPX上から除外して合計値が最低となっている位置を探索する構成となっている。この様な構成により、肺野左端認識部13Lは、誤って被検体の椎骨や肺野の右端を肺野の左端と認識してしまうことがない。
図15は、ここまでの説明でなされた肺野端部の認識をまとめて描いている。肺野右端認識部13Rおよび肺野左端認識部13Lにより、元画像P0における肺野の端が左右方向について認識された。
<肺野上端の認識>
続いて、本発明における肺野上端の認識について説明する。肺野上端の認識については、新たな合計値プロファイルが必要となる。すなわち、肺野の左右端で使った画像の横方向に伸びる合計値プロファイルPXではなく、画像の縦方向に伸びる合計値プロファイルPYが必要である。肺野の上下端を発見しようとするとき、図8ないし図15で説明した画像の横方向についての処理ではなく、当該処理を90°回転させた縦方向についての処理が必要となるからである。
図16は、縦方向プロファイル生成部11Yが元画像P0に基づいて生成する合計値プロファイルPYについて説明している。元画像P0は、画素が縦横に配列して構成される。元画像P0上において画素が横一列に並んだ画素列Bを考えてみる。この画素列Bを構成する画素には画素値が割り当てられている。この画素列Bを構成する全ての画素についての画素値を合計して得られた値を合計値と呼ぶことにする。このとき算出される合計値は画素列Bに対応している。
元画像P0には、画素が縦横に並んでいるのであるから、元画像P0には、図16の画素列Bのような画素列が縦方向に配列していると捉えることができる。縦方向プロファイル生成部11Yは、これら画素列について合計値の算出を行い、図17に示すように画素列の位置と合計値とが関連したプロファイルを生成する。このプロファイルが合計値プロファイルPYである。縦方向プロファイル生成部11Yは、画素が横方向に画素1つの幅で配列した画素配列が縦方向に配列することで画像が生成されているものと認識し、横方向に伸びた画素配列に属する画素の画素値を合計した合計値の算出を画素配列の各々について行い、画素配列の位置と合計値とが関連した縦方向に伸びるプロファイルである縦方向プロファイルを生成する。
合計値プロファイルPYは、肺野上端認識部13Tに送出される。肺野上端認識部13Tは、合計値プロファイルPYの中から肺野の上端に相当する部分を探索する。しかし、合計値プロファイルPYは、元画像P0全体についてのプロファイルであるから、肺野の上端の探索に必要のない領域も含んでいる。そこで、本発明では、上側領域設定部12Tが肺野の上端(画像の上端側にある肺野の端部)の大まかな位置を予測して、元画像P0上における肺野の上端を含む領域を設定するようになっている。このように、肺野の上側の認識は、肺野右端および肺野左端の認識と同様に合計値プロファイルの一部を探索領域に設定する構成になっている。
肺野の右端の探索時には図10に示すように、肺野の右端を含む領域が右側領域として設定される。肺野右端認識部13Rは、この領域内から肺野の右端を探すわけである。実は、肺野の上端も似たような動作を実行する。すなわち、上側領域設定部12Tは、元画像P0における肺野の上端を含む領域を上側領域に設定して、肺野上端認識部13Tは、この上側領域内で探索を行うことで肺野の上端の位置を認識する。
ところで、肺野右端探索に係る図10に示した右側領域は、元画像P0の右端を含む領域となっている。この例でいくと、肺野上端探索に係る上側領域も元画像P0の上端を含む領域を設定すれば良さそうである。
しかしながら、肺野上端の探索には、肺野右端のときとは異なる特別な事情がある。図18はこの事情を説明している。これまで図示された元画像P0には省略されていたが、元画像P0には、図18左側に示すように被検体のあご部が写り込んでいることがある。画像上のあご部は、被検体の骨部が重なりあって写り込んでいるので、画像上ではかなり暗い画素が集中している。したがって、被検体のあご部の位置に相当する合計値プロファイルPY上の部分における合計値は、かなり低いものとなる。元画像P0から肺野上端を発見しようとするとき、図11で説明したように合計値プロファイルPYで定めた探索範囲内で合計値が最低となっている場所を探す。その際に探索範囲から被検体のあご部が写り込んでいる部分を除外しておかないと、あご部を肺野上端と誤認してしまう可能性がでてきてしまう。
そこで、上側領域設定部12Tは、被検体のあご部を除外した領域を上側領域と認識し、肺野上端認識部13Tは、上側領域の範囲内で肺野上端を探索する構成となっている。具体的には、上側領域設定部12Tは、元画像P0を解析することにより、図19の太線で示す被検体の肩の輪郭の位置を認識して、この位置よりも上部は肺野上端認識部13Tに上端の探索をさせないようにしている。
図20は、図6で説明した機能ブロック図を書き換えたものであり、上側領域設定部12Tがより詳細に示されている。上側領域設定部12Tは、画素値プロファイル生成部12T1と移動平均プロファイル生成部12T2と交点特定部12T3とシフト部12T4を備えている。
図21は、画素値プロファイル生成部12T1の動作を示している。画素値プロファイル生成部12T1は、元画像P0において縦方向に画素が一列に配列した画素配列Mを設定する。この画素配列Mは、縦方向に伸びており、上端は、元画像P0における空気が写り込んでいる部分、中心部は、肺野が写り込んでいる部分である、二つの部分の間は、被検体の肩が写り込んでいる部分となっている。各部分に属する画素は、それぞれ明るさが異なっており、概して空気が写り込んでいる部分が最も明るく、肺野が写り込んでいる部分が次に明るい。そして、肩が写り込んでいる部分が最も暗い。
画素値プロファイル生成部12T1は、画素配列Mに属する各画素の画素値と、各画素の位置を関連づけたプロファイルを生成する。このプロファイルを画素値プロファイルと呼ぶことにする。この画素値プロファイルは上述の合計値プロファイルとは異なるものである。合計値プロファイルは元画像P0について1つしかないが、画素値プロファイルは、画素配列Mに対応したプロファイルである。したがって、元画像P0に複数の画素配列を考えたとき、画素値プロファイルも画素配列と同数だけ存在することになる。
図22は、移動平均プロファイル生成部12T2の動作を説明している。移動平均プロファイル生成部12T2は、画素値プロファイル生成部12T1が指定した画素配列Mについて画素値プロファイルとは異なる新たなプロファイルを生成する。すなわち、移動平均プロファイル生成部12T2は、画素配列M上に画素群を設けて、この画素群に属する画素の画素値の平均値と画素群の位置とを関連づけたプロファイルを生成するのである。このプロファイルを移動平均プロファイルと呼ぶことにする。画素群は、画素配列Mに属する画素が所定数個だけ連続的に並んで構成されている。この移動平均プロファイルは上述の合計値プロファイルとは異なるものである。合計値プロファイルは元画像P0について1つしかないが、移動平均プロファイルは、画素配列Mに対応したプロファイルである。したがって、元画像P0に複数の画素配列を考えたとき、移動平均プロファイルも画素配列と同数だけ存在することになる。
画素配列Mにおける肩側の端を前端とし、画素配列Mにおける腰側の端を後端とする。元画像P0における被検体像と空気領域との境目(被検体の輪郭)は、画素配列Mの前端側にある。画素群は、画素配列Mの前端側に向いた先頭と画素配列Mの後端側に向いた後尾とを有している。
図23は、画素群の構造の詳細を説明している。図5の例では、画素群は連続して並んだ8個の画素p1〜画素p8から構成される。この画素群の先頭に位置する画素p1は、注目画素と呼ばれる画素であり、元画像P0上における画素群の位置を代表して示す画素となっている。画素群は、元画像P0上においては注目画素の位置に存在しているものとして扱われる。
図24は、移動平均プロファイル生成部12T2が画素群の平均値を算出している様子を示している。移動平均プロファイル生成部12T2は、画素群を構成する8個の画素p1〜画素p8の画素値を平均して、平均値Aveを算出する。この平均値Aveは、画素群における画素の平均値を示すわけであるが、画素群の位置は、注目画素を基準にしているので、平均値Aveは、注目画素p1に関連する値であると考えることができる。そこで、この平均値を関数Ave(p1)として表すことができる。
図25は、移動平均プロファイル生成部12T2が画素配列M上で画素群の位置を変えながら平均値Ave(p1)を算出する様子を示している。この平均値の算出は、図中の矢印が示すように画素配列Mの後端から前端に向かう方向に画素群を動かしながら実行される。この操作により画素配列M上における画素値の移動平均が算出されたことになる。なお、この平均値の算出は、画素配列Mの全てに亘って実行する必要はない。画素配列Mの中心から前端にかけて実行すれば十分である。この区間にこれから見つけようとする被検体の肩部にある被検体の輪郭が確実に含まれているからである。移動平均プロファイル生成部12T2は、画素配列の後端から前端に向けて画素群を移動させながら移動平均プロファイルを作成する。
図26は、移動平均プロファイル生成部12T2が画素配列Mに属する画素群に係る平均値と、各画素群の位置を関連づけたプロファイルを生成する様子を示している。このプロファイルを移動平均プロファイルと呼ぶことにする。各画素群の位置とは、具体的には各画素群に対応する各注目画素の位置のことである。
移動平均プロファイル生成部12T2は、画素群のうちの先頭部に位置する注目画素を設定し、画素群を構成する画素の画素値を平均することで注目画素に係る画素値の移動平均を算出し、以降、画素群を画素配列上で移動させながら次々と注目画素に対応する画素値の移動平均を算出することにより、各注目画素の位置と対応する画素値の移動平均との関連性を示す移動平均プロファイルを生成する。
<肺野上端の認識:交点特定部12T3について>
各生成部12T1,12T2が生成した画素値プロファイルおよび移動平均プロファイルは、交点特定部12T3に送出される。交点特定部12T3は、各プロファイルの交点を探索する構成となっている。この交点は、元画像P0に写り込む被検体の輪郭の位置を表したものとなっているので、この点について説明する。
図27は、画素配列M上の画素の配列の構成を具体的に示している。画素配列Mは、空気が写り込んだ空気領域と被検体の肺野が写り込んだ肺野領域と、空気領域と肺野領域との間にある被検体の肩部が写り込んだ中間領域の3つの領域を有している。空気領域は、被検体が写り込んでいないので画素配列M上で最も明るい。肺野領域は、虚ろな被検体の肺が写り込んでいるので画素配列M上で次に明るい。中間領域は、被検体の鎖骨や筋肉などが写り込んでいるので最も暗い。交点特定部12T3の動作の目的は空気領域と中間領域との境目を見つけることにある。
図28は、注目画素の位置によって各プロファイルの大小関係がどのように変遷するかを示している。図28において注目画素は星印で示し、画素群は太枠で示すことにする。画素群の幅は、中間領域の幅よりも長くなるように設定がなされている。したがって、中間領域の全域を含む位置にある画素群は、中間領域の隣の領域にはみ出すことになる。
まずは、図28の上段に示すように、画素群のほとんどが肺野領域に位置し、先頭が中間領域に位置している状態を考える。このとき、注目画素は暗い中間領域に位置しているので画素値は低い。一方、移動平均は高くなる。画素群を構成する画素のほとんどは明るい肺野領域に位置しているからである。従って、図28上段の場合、注目画素の画素値は、移動平均よりも小さくなる。
以降、画素群を画素配列Mの前端に向けて移動させながら移動平均の算出を続けてみる。しばらくすると、図28中段に示すように注目画素が中間領域の端部にさしかかる。このとき、注目画素は暗い中間領域に位置しているので画素値は低い。一方、移動平均は、次第に低下するものの依然として高いままである。中間領域よりも幅広の画素群は後尾部が中間領域からはみ出して明るい肺野領域に位置しているからである。従って、図28中段の場合、注目画素の画素値は、移動平均よりも小さいままである。
更に移動平均の算出を続けていくと、図28下段に示すように注目画素が空気領域に達する。このととき、注目画素の画素値は急に高くなる。一方、移動平均はあまり変わらない。画素群を構成する画素のほとんどは暗い中間領域に位置しているからである。従って、図28下段の場合、注目画素の画素値は、移動平均よりも大きくなる。
したがって、空気領域と中間領域との境目を見つけるには、注目画素の画素値と移動平均との大小関係が逆転する位置を発見すればよいということになる。この位置が画素配列M上のどこに来るのかは、2つのプロファイルを比較すればわかる。すなわち、画素値プロファイルと移動平均プロファイルを重ね合わせたときに現れるプロファイルの交点が空気領域と中間領域との境目になるはずである。画素値プロファイルは、画素配列Mの位置と注目画素の画素値とが関連したものに他ならないからである。
図29は、この考えに基づいて実際の画素値プロファイルと実際の移動平均プロファイルとを重ね合わせた状態を示している。図29において画素値プロファイルは、実線、移動平均プロファイルは破線で表されている。図29における符号aが問題の交点である。
図29を見れば分かるように、交点aは、厳密には中間領域に位置してしまっている。つまり、実際は図10の説明そのままにはならない。図30は、この様な現象が生じる理由について説明している。図30は、被検体の肩部についてX線撮影を行っている様子を示している。X線は、左側から右側に向けて被検体に照射され被検体の肩部を通過して検出器で検出される。被検体は腹側が左に向いており背側が右に向いている。被検体の肩部は先端が肉薄となっているので、得られたX線画像は、下側から上側に行くほど明るくなるグラデーションがかかったような画像となる。つまり図29で示す画素配列Mの中間領域における空気領域との境目の周辺は、空気領域に向かうに従って次第に明るくなる。実際の元画像P0を扱う上でこの点が図28で説明した単純なモデルとは違のである。したがって、交点aは、空気領域と中間領域の境目そのものではなく、わずかに中間領域の方にずれた位置に現れるのである。
本発明の構成はこの様な事情を鑑みて、図31に示すように、交点aよりも所定の距離Dだけ空気領域の方向にずれた位置を空気領域と中間領域の境目と認定するように構成されている。この点については、後述する。
ところで、図29を見ると、画素値プロファイルと移動平均プロファイルとの交点は、2つあることに気がつく。1つは、交点aであり、空気領域と中間領域の境目付近に現れる。もう1つは中間領域と肺野領域の境目付近に現れる交点である。この2つの交点を正確に区別しないと、目的の空気領域と中間領域の境目を正確に知ることができないということになる。
本発明の交点特定部12T3は、被検体の内部から空気領域に向かう方向(図29における矢印参照)に2つのプロファイルを比較したとき、移動平均プロファイルを下回っていた画素値プロファイルが追い抜いて移動平均プロファイルを上回るようになるプロファイルの逆転が生じている交点のみを探索する構成となっている。このような交点は、図30で説明した原理に合致する空気領域と中間領域の境目付近に現れる交点となる。交点特定部12T3は、この様な原理に基づいて中間領域と肺野領域の境目と空気領域と中間領域の境目とを区別している。
<肺野上端の認識:交点とペースメーカ像との関係>
上述の交点特定部12T3の動作は、X線画像における空気領域と中間領域の境目を発見する構成としては十分なものである。しかしながら、X線画像に心臓ペースメーカが写り込んでいると、交点特定部12T3で探索した交点が空気領域と中間領域の境目付近に現れないことが起こりうる。この様な現象が起こる理由について説明する。
ペースメーカ像は、図32に示すように、肺野に囲まれる位置に写り込む。従って、ペースメーカ像の上部も下部も肺野となる。このペースメーカ像を貫くように画素配列Nが設定された場合について考えてみる。
図33は、画素配列N上の画素の配列の構成を具体的に示している。画素配列Nは、図9と同じように空気が写り込んだ空気領域と被検体の肺野が写り込んだ肺野領域と、空気領域と肺野領域との間にある被検体の肩部が写り込んだ中間領域を有している。図27と異なる点は、肺野領域にペースメーカ像に係るペースメーカ領域が挿入されていることにある。画素配列N上の各領域を暗い順に並べると、ペースメーカ領域、中間領域、肺野領域、空気領域となる。肺野領域は、ペースメーカ領域によって分断される。分断された肺野領域のうち、中間領域に近い側の領域断片を肺野領域L1と呼び、中間領域に遠い側の領域断片を肺野領域L2と呼ぶことにする。
図34は、画素配列Nに関する画素値プロファイルと移動平均プロファイルとを重ねて表示している。このとき注目すべきは、肺野領域L1と、ペースメーカ領域との境目である。ペースメーカ領域における画素値プロファイルは、移動平均プロファイルよりも低い。画素値プロファイルは、暗いペースメーカ領域を示す低い値を示す一方、移動平均プロファイルは、明るい肺野領域L2に引きずられて高い値をとる。ところが、肺野領域L1における画素値プロファイルは、移動平均プロファイルよりも高い。画素値プロファイルは、明るい肺野領域L1を示す高い値を示す一方、移動平均プロファイルは、暗いペースメーカ領域に引きずられて低い値をとる。したがって、肺野領域L1と、ペースメーカ領域との境目においては画素値プロファイルと移動平均プロファイルとの間での逆転が生じる。
被検体の内部から空気領域に向かう方向(図34における矢印参照)に2つのプロファイルを比較したとき、移動平均プロファイルを下回っていた画素値プロファイルが追い抜いて移動平均プロファイルを上回るようになるプロファイルの逆転が生じている。したがって、交点bは、交点特定部12T3が有している探索の条件を全て満たしてしまう。
この様な事情から、X線画像にペースメーカ像が写り込んでいると、交点特定部12T3が肺野領域L1とペースメーカ領域との境目付近にある交点bを探索してきてしまう可能性がある。そこで、本発明によれば、位置の異なる複数の画素配列のそれぞれについて交点の探索を行い、これら交点のうち最も被検体の頭部側(空気領域側)に位置するものを空気領域と中間領域の境目付近にある交点と認定することにより、この様な誤認が生じないような構成になっている。
図35は、交点特定部12T3が複数の交点から最終的に一つの交点を選出する様子を説明している。互いに平行な画素配列Mと画素配列Nとについて、交点の探索を行い、画素配列Mについては交点a,画素配列Nについては交点bが発見されたとする。交点特定部12T3は、交点a,bのうち、空気領域に近い側の交点aが最終的な探索結果であるものと認識し、交点bは、発見しなかったものとして処理する。交点特定部12T3は、当該探索動作を互いに平行となっている複数の画素配列について実行することにより、由来の画素配列が異なる各交点のうち最も画素配列の前端側にあるものを特定する。
この様な動作を行うことにより、交点特定部12T3は、肺野領域L1とペースメーカ領域との境目を空気領域と中間領域との境目と誤認してしまうことがない。肺野領域L1とペースメーカ領域との境目は、空気領域と中間領域との境目と比較して空気領域から遠い位置に現れるはずであり、交点特定部12T3により選出の対象とならないからである。
<肺野上端の認識:交点とアノテーション像との関係>
続いて、交点とアノテーションとの関係について説明する。アノテーションとは、図58の文字「R」のような、X線画像の空気領域に挿入される図形である。このアノテーションの付近において画素値プロファイルと移動平均プロファイルとの間で逆転が生じることが起こりえる。従って、アノテーション像がX線画像に写り込んでいるとアノテーション像と空気領域との境目で、図34で説明したように両プロファイルの交点が発生し、この交点が空気領域と中間領域との境目で発生する交点と区別がつかなくなるのではないかと思われる。
この点、本発明によれば、ある画素配列Mについて、被検体の内部から空気領域に向かう方向(図11における矢印参照)に2つのプロファイルを比較したとき、移動平均プロファイルを下回っていた画素値プロファイルが追い抜いて移動平均プロファイルを上回るようになるプロファイルの逆転が生じている交点が複数ある場合、交点特定部12T3は、これらの交点のうち肺野領域に近い側の交点が画素配列Mについての探索結果であるものと認識し、その他の交点は発見しなかったものとして処理するようにしている。
図36の例でいえば、交点a1の方が交点a2よりも肺野領域に近いので、交点特定部12T3は、交点a2が画素配列Mに係る交点であると認定する。この様な動作を行うことにより、交点特定部12T3は、空気領域とアノテーションとの境目を空気領域と中間領域との境目と誤認してしまうことがない。空気領域とアノテーションとの境目は、空気領域と中間領域との境目と比較して肺野領域から遠い位置に現れるはずであり、交点特定部12T3の認識の対象とならないからである。交点特定部12T3は、画素配列における後端から前端に向かう方向から画素値プロファイルが移動平均プロファイルを追い抜いている位置に現れる両プロファイルの交点が同じ画素配列上に現れる場合、最も画素配列の後端側の交点を探索する。
交点特定部12T3の実際の動作としては、両プロファイルの比較を画素配列Mの後端から前端に向けて(肺野領域から空気領域に向かう方向に)逐次行い、初めて見つかった交点を探索結果と認定し、この時点で探索を切り上げる構成とすることができる。したがって、図36に示す交点a1が実際に交点特定部12T3により発見されるとは限らない。この構成の場合、交点特定部12T3は、交点a1の存在すら認識せずに、動作を終了することになる。
交点特定部12T3は、この様な探索条件に基づいて交点aを特定し、画素配列Mにおける交点aの位置情報をシフト部12T4に送出する。シフト部12T4は、図31に示すように、交点aの位置から中間領域から空気領域に向かう方向に所定の距離Dだけ移動した位置をトリミング位置に設定する。シフト部12T4は、交点よりも所定幅だけ画素配列の前端側にある放射線画像上の位置を元画像P0に写り込む被検体の輪郭の上端に係る位置に設定する。
図37は、シフト部12T4により設定された胴体部上端を示している。この胴体部上端は、被検体の肩部の位置を表しており、肺野よりも上側に現れる。元画像P0において被検体の肩は、肺野よりも上側に写り込んでいるからである。また、胴体部上端は、被検体のあご部よりも下側に現れる。元画像P0において被検体の肩は、あご部よりも下側に写り込んでいるからである。つまり、胴体部上端は、被検体のあご部と肺野とを分断するような位置にあることになる。
図38は、上側領域設定部12Tがシフト部12T4の設定した胴体部上端に基づいて上側領域を設定する様子を示している。上側領域の上辺は、胴体部上端の位置に設定される。上側領域の下辺の位置は、元画像P0の取得前に予め設定しておくことができる。
肺野上端認識部13Tは、合計値プロファイルPYの中から肺野の上端に相当する部分を探索する。しかし、合計値プロファイルPYは、元画像P0全体についてのプロファイルであるから、肺野の上端の探索に必要のない領域も含んでいる。そこで、本発明では、図38に示すように上側領域設定部12Tが肺野の上端の大まかな位置を予測して、元画像P0上における肺野の上端を含む領域を設定するようになっている。この上端を含む領域が上側領域である。上側領域の右辺、左辺は元画像P0の右辺、左辺のそれぞれと一致し、下辺は、肺野を通過する位置(横断する位置)に設定される。したがって、下側領域に写り込む肺野は、下側が途切れている。この下辺の画像上の位置は、元画像P0の取得前に予め設定しておくことができる。
図38を見ると、上側領域の上辺が元画像の上辺に一致していないことに気がつく。このような現象が起こるのは、上側領域設定部12Tがシフト部12T4の認識した胴体部上端を上側領域の上辺に設定したからである。これにより上側領域に被検体のあご部を除外することができる。このようにして上側領域設定部12Tは、被検体のあご部を除外して上側領域を設定する。本発明に係る構成によれば、被検体のあご部を肺野上端と誤認してしまうことがない。被検体のあご部には肺野の上端が存在しないという扱いで上端の探索が行われるからである。なお、肺野上端の認識の際生じる誤認の詳細については、図18を用いて説明済みである。
元画像P0において右側領域以外の領域は除外領域と呼ぶことにする。この除外領域は、元画像P0において、上と下に分かれて分布する。したがって、上側領域は、2つの除外領域から上下方向に挟まれた位置に存在する。
上側領域の位置を示すデータは、肺野上端認識部13Tに送出される。肺野上端認識部13Tは、図39に示すように上側領域に対応する合計値プロファイルPY上の範囲を肺野の上端を探索するときの範囲である探索範囲と認識し、図38で説明した除外領域に相当する合計値プロファイルPY上の範囲については探索を実行しない。
肺野上端認識部13Tは、図39に示すように、合計値プロファイルPY上の探索範囲内で合計値が最低となっている位置Tを探索し、位置Tを肺野の上端と認定する。合計値プロファイルPY上において合計値が最も低い位置は、配列全体に亘って被検体の体幹部が写り込み、かつ、肺野が含まれていない画素列の位置を表している。この位置は、肺野の外側でありながら、肺野に極めて近い位置となっている。この様になる理由については、図40に説明されている。図40は、図16で説明した画素列Bが位置Tにある場合を説明している。画素列Bを位置Tから上側に動かすと、画素列Bに対応する合計値は次第に大きくなる。画素列Bが被検体の頭部に向かうに従って、次第に暗い肩の部分が減り、代わりに明るい空気の部分が増えるからである。また、画素列Bを位置Tから下側に動かすと、画素列Bに対応する合計値は次第に大きくなる。画素列Bが肺野に向かうに従って次第に暗い肩の部分が減り、代わりに明るい肺野の部分が増えるからである。
図41は、ここまでの説明でなされた肺野端部の認識をまとめて描いている。肺野右端認識部13R,肺野左端認識部13L,肺野上端認識部13Tにより、元画像P0における肺野の端が左右上方向について認識された。
<肺野下端の認識>
最後に、本発明における肺野下端の認識について説明する。肺野下端の認識については、合計値プロファイルPYが使用される。肺野の上下端を発見しようとするとき、図8ないし図15で説明した画像の横方向についての処理ではなく、当該処理を90°回転させた縦方向についての処理が必要となるからである。
肺野下端の認識は、これまでの肺野右端、左端、上端とは異なる特別な事情がある。すなわち、図42に示すように、右肺の下端と左肺の下端が必ずしも一致しないのである。この様な事情は、元画像P0から肺野全体を取り出そうするときには都合がよくない。図42の場合は、右肺が左肺よりも下側に伸びている。したがって、右肺の下端を肺野の下端にする必要がある。仮に、左肺の下端を肺野の下端にしてしまうと、元画像P0から肺野を切り出すときに右肺の下側が途切れてしまう。
そこで、肺野の下端の認識には、元画像P0を右半分と左半分とに分断する構成となっている。図43は、画像分割部10(図7参照)が元画像P0を縦に二等分して右肺が写り込んだ右画像と左肺が写り込んだ左画像を生成する様子を示している。
<肺野下端の認識:左画像についての画像処理>
以降、左肺を写し込んだ左画像についての画像処理を説明する。図44は、左画像に基づいて合計値プロファイルPYLを生成する様子を示している。左画像には、画素が縦横に並んでいるのであるから、左画像には、横に伸びる画素列が縦方向に配列していると捉えることができる。縦方向プロファイル生成部11Yは、これら画素列について合計値の算出を行い、図17に示すように画素列の位置と合計値とが関連したプロファイルを生成する。このプロファイルが合計値プロファイルPYLである。合計値プロファイルPYLは、肺野下端認識部13Uに送出される。
肺野下端認識部13Uは、合計値プロファイルPYLの中から左肺の下端に相当する部分を探索する。しかし、合計値プロファイルPYLは、左画像全体についてのプロファイルであるから、左肺の下端の探索に必要のない領域も含んでいる。そこで、本発明では、図45に示すように下側領域設定部12Uが肺野の下端の大まかな位置を予測して、左画像上における左肺の下端(画像の下端側にある肺野の端部)を含む領域を設定するようになっている。この下端を含む領域を下側領域と呼ぶことにする。下側領域の下辺、右辺、左辺は左画像の下辺、右辺、左辺のそれぞれと一致し、上辺は、左肺を通過する位置(横断する位置)に設定される。したがって、下側領域に写り込む左肺は、上側が途切れている。元画像P0において下側領域以外の領域は除外領域と呼ぶことにし、特に被検体のあご部、肩部が属している。この下側領域の画像上の位置は、元画像P0の取得前に予め設定しておくことができる。
下側領域の位置を示すデータは、肺野下端認識部13Uに送出される。肺野下端認識部13Uは、図46に示すように下側領域に対応する合計値プロファイルPYL上の範囲を肺野の上端を探索するときの範囲である探索範囲と認識し、図45で説明した除外領域に相当する合計値プロファイルPYL上の範囲については探索を実行しない。
ここで、肺野下端の認識に関する特別な事情について説明する。肺野右端、左端、上端の探索は、合計値プロファイル上で定められた範囲から合計値が最低となっている位置を探すことでなされた。このような探索方法は、肺野下側の探索には通用しない。その理由は図46に示す合計値プロファイルPYLの右側に合計値の低い値が集まっていることにある。この部分は、左画像における肺野の下側の部分に相当する。この部分は、被検体の内蔵が充填している部分である。被検体の内蔵は肺野に比べて放射線を通過させにくく、左画像の下側に広く暗い影となって分布している。したがって、図46における合計値プロファイルPYLの右側は、低い合計値が連続し、どの部分が肺野下端にあたるか見分けがつかない。
したがって、肺野の下端は、合計値プロファイルPYLの微分値に基づいて決定される。すなわち、肺野下端認識部13Uは、合計値プロファイルPYLを位置で微分して、微分値が最低となっている位置を探し出しこの位置を下端ULとして認識する。微分値が最低となっている位置は、肺野と横隔膜の境目に現れる。これを一見するとペースメーカやアノテーションの影響が懸念される。しかし、肺野の下端は、上端、右端、左端とは異なり、付近にペースメーカやアノテーションが位置しない。したがって、下端についてはこの様な認識の方法でもペースメーカやアノテーションの影響を受けて誤認が生じることがない。
<肺野下端の認識:右画像についての画像処理>
縦方向プロファイル生成部11Y,下側領域設定部12U,および肺野下端認識部13Uは、図43で説明した右画像についても左画像でしたのと同様の画像処理を施す。これにより、右画像に写り込む右肺についても肺野下端が認識される。図47は、左画像で左肺の下端ULが認識される様子と、右画像で右肺の下端URが認識される様子とを表している。
<肺野下端の認識:肺野全体についての下端の認識>
肺野下端認識部13Uは、左肺の下端ULと右肺の下端URに基づいて肺野全体の下端を認識する。すなわち、図48に示すように肺野下端認識部13Uは、左肺の下端ULと右肺の下端URとを比較して、より元画像P0の下側に位置するものを肺野の下端Uとして認識する。本発明の肺野下端認識部13Uは、左肺の下端ULを認識するとともに、右肺の下端URを認識し、元画像P0画像における左肺の下端ULの位置と右肺の下端URの位置とを比較して、より画像の下側にあるものを肺野の下端Uであるものと認識する。
肺野下端認識部13Uがこのような動作をすることにより、肺野を構成する両肺のうち、より元画像P0の下側に伸びているものを基準に肺野の下端が決定されるので、トリミングをしたときに肺野の一部が欠損してしまうことがない。
図49左側は、ここまでの説明でなされた肺野端部の認識をまとめて描いている。肺野右端認識部13R,肺野左端認識部13L,肺野上端認識部13T,肺野下端認識部13Uにより、元画像P0における肺野の端が左右上下方向について認識された。この様な肺野の端部の認識方法は、肺野全体を元画像P0から切り出すトリミング処理を実行するときに都合がよい。右端R,左端L,上端T,下端Uはいずれも、肺野外部にあり、この位置で画像の切り出しを行っても、肺野の一部が途切れてしまうことがないからである。
<トリミング部14>
端部認識部13が認識した肺野の上下左右端の位置を示すデータは、トリミング部14に送出される。トリミング部14は、図49に示すように、肺野の4端に基づいて元画像P0の切り出し処理を行い、肺野の4端が画像の端になるようなトリミング画像を生成する。トリミング画像は、元画像P0から周辺部ごと肺野を取り出したものとなっている。トリミング部14は、肺野左端認識部13L,肺野右端認識部13R,肺野上端認識部13T,肺野下端認識部13Uによって特定された肺や領域の端の位置に基づいて、元画像P0から肺野領域の画像が抽出されたトリミング画像を生成する。
トリミング画像は、肺野輝度調整部15に送出される。肺野輝度調整部15は、トリミング画像全体に対して輝度調整を実行する。この動作により、肺野は、濃淡が確実に強調され視認性が改善される。
<本発明の効果>
図50は、本発明の効果について説明している。本発明に係る肺野端部の決定方法によれば、元画像P0に写り込むペースメーカやアノテーションにより肺野端部の認識に誤認が生じることがない。
図50は、図12の画素列A1にペースメーカが、画素列A3にアノテーションが写り込んでいる場合を説明している。このうち画素列A1,A2は、図12左側に示すようにいずれも被検体の体幹部に属する画素列であり、画素列A1は肺野を通過し、画素列A2は、肺野の外側に位置する。画素列A3は、被検体の体幹外に位置している。
図50の画素列A1には、図12の場合と異なり、ペースメーカが写り込んでいる。ではあるものの、図50の画素列A1には明るい肺野が十分に広く写り込んでいるので、画素列A1の合計値は図12の画素列A1のものと比べてさほど変化はない。同様に、図50の画素列A3には、図12の場合と異なり、アノテーションが写り込んでいる。ではあるものの、図50の画素列A3には明るい空気が写り込んでいる領域が十分に広いので、画素列A3の合計値は図12の画素列A3のものと比べてさほど変化はない。したがって、図50の場合でも図12と同様、画素列A2の部分が肺野の端部と認識される。
このように、本発明によれば元画像P0にペースメーカやアノテーションが写り込んでいたとしても、その影響により肺野端部が誤認されることがない。
以上のように、本発明によれば、放射線画像に写り込む肺野の位置を確実に認識することにより、肺野の視認性を確実に向上することができる。すなわち、本発明によれば、従来のようにエッジ強調画像に基づいて合計値プロファイルを生成するのではなく、放射線画像に基づいて合計値プロファイルを生成する構成となっているのである。
エッジ強調画像には、画像上のペースメーカの輪郭やアノテーションの輪郭が極めて強く強調されている。したがって、エッジ強調画像に基づいて合計値プロファイルは、ペースメーカやアノテーションに大きく影響される。このことは、ペースメーカやアノテーションの有無で合計値プロファイルの形状が大きく変化することを意味する。ペースメーカやアノテーションは、肺野の端部の誤認の原因となる。
これに比べて、本願発明によれば、放射線画像に基づいて合計値プロファイルが生成される。放射線画像に写り込むペースメーカやアノテーションは、画像上で暗めに写り込んでいるだけであり、エッジ強調によりその存在が特に強調されているわけではない。したがって、本発明に係る合計値プロファイルは、ペースメーカやアノテーションにさほど影響されない。したがって、本発明によれば、ペースメーカやアノテーションにより肺野端部の誤認が生じてしまうことがない。
本発明は、上述の構成に限られず、下記のように変形実施することができる。
(1)本発明に係る画像処理装置は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
(2)本発明に係る画像処理装置は、放射線撮影装置に搭載することができる。
(3)横方向プロファイル生成部11Xは、画素が縦方向に画素1つの幅で配列した画素配列が横方向に配列することで元画像P0が生成されているものと認識し、縦方向に伸びた画素配列に属する画素の画素値を平均した平均値の算出を画素配列の各々について行い、画素配列の位置と平均値とが関連した横方向に伸びるプロファイルである平均値プロファイルを生成するように構成しても良い。この場合、各部13L,13Rは、この平均値プロファイルの最小値を探索することにより動作することになる。
(4)縦方向プロファイル生成部11Yは、画素が横方向に画素1つの幅で配列した画素配列が縦方向に配列することで画像が生成されているものと認識し、横方向に伸びた画素配列に属する画素の画素値を平均した平均値の算出を画素配列の各々について行い、画素配列の位置と平均値とが関連した縦方向に伸びるプロファイルである縦方向プロファイルを生成するように構成しても良い。この場合、各部13T,13Uは、この平均値プロファイルの最小値を探索することにより動作することになる。
11Y 縦方向プロファイル生成部(縦方向プロファイル生成手段)
11X 横方向プロファイル生成部(横方向プロファイル生成手段)
12L 左側領域設定部(左側領域設定手段)
12R 右側領域設定部(右側領域設定手段)
12T 上側領域設定部(上側領域設定手段)
12U 下側領域設定部(下側領域設定手段)
13L 肺野左端認識部(肺野左端認識手段)
13R 肺野右端認識部(肺野右端認識手段)
13T 肺野上端認識部(肺野上端認識手段)
13U 肺野下端認識部(肺野下端認識手段)
14 トリミング部(トリミング手段)
15 肺野輝度調整部(肺野輝度調整手段)

Claims (7)

  1. 被検体の肺野が縦方向に写り込んだ放射線画像中の肺野領域を特定する画像処理装置において、
    (A1)前記放射線画像の各画素列に属する画素値を画素列毎に合計または平均することにより横方向プロファイルを生成する横方向プロファイル生成手段と、
    (B1)前記放射線画像から所定幅の中央付近を除いた右側領域又は左側領域において前記横方向プロファイルの値が最小となる位置を、前記肺野領域の右端又は左端として特定する肺野端特定手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置において、
    前記肺野端特定手段における前記所定幅は、前記放射線画像の中央付近に縦長の線として写り込む被検体の椎骨を避けた幅であることを特徴とする画像処理装置。
  3. 被検体の肺野が縦方向に写り込んだ放射線画像中の肺野領域を特定する画像処理装置において、
    (A2)前記放射線画像の各画素行に属する画素値を画素行毎に合計または平均することにより縦方向プロファイルを生成する縦方向プロファイル生成手段と、
    (B2)前記放射線画像の上側領域において前記縦方向プロファイルの値が最小となる位置を、前記肺野領域の上端として特定する肺野端特定手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。
  4. 請求項3に記載の画像処理装置において、
    前記肺野端特定手段は、前記被検体のあご部を除外して上側領域を設定することを特徴とする画像処理装置。
  5. 被検体の肺野が縦方向に写り込んだ放射線画像中の肺野領域を特定する画像処理装置において、
    (A2)前記放射線画像の各画素行に属する画素値を画素行毎に合計または平均することにより縦方向プロファイルを生成する縦方向プロファイル生成手段と、
    (B3)前記放射線画像に写り込む肺野の下端を含んだ下側領域において前記縦方向プロファイルの値の変化が最大となる位置を前記肺野領域の下端として特定する肺野端特定手段とを備え、
    前記肺野端特定手段は、左肺の下端を認識するとともに右肺の下端を認識し、画像における左肺の下端の位置と右肺の下端の位置とを比較して、より画像の下側にあるものを肺野の下端であるものと認識することを特徴とする画像処理装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の肺野端特定手段によって特定された前記肺や領域の端の位置に基づいて、前記放射線画像から肺野領域の画像が抽出されたトリミング画像を生成するトリミング手段を備えることを特徴とする画像処理装置。
  7. 請求項6に記載の画像処理装置において、
    前記トリミング画像についてコントラストを調整する肺野輝度調整手段を備えることを特徴とする画像処理装置。
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