以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(実施の形態1)
以下、図1〜図8を用いて、実施の形態1を説明する。実施の形態1では、検知装置としてユーザ検知装置を例に挙げ、説明する。
[1−1.概要]
実施の形態1のユーザ検知装置は、タッチパネルを用いる。ユーザ検知装置は、例えばユーザAおよびユーザBがそれぞれタッチパネルをタッチする場合に、それぞれがタッチしているタッチパネル上の位置と、ユーザAおよびユーザBのそれぞれの位置とを関連付けてこれらの位置を検知する。以下、ユーザがタッチしているタッチパネル上の位置をタッチ位置という。また、ユーザの位置をユーザ位置という。ユーザAおよびユーザBのユーザ位置は、タッチ位置を検知するシステムの一部を用いて検知する。
すなわち実施の形態1のユーザ検知装置は、タッチパネルの簡単な構成を用いて、ユーザAおよびユーザBの操作に関する情報(タッチ位置とユーザ位置)を算出できる。
[1−2.構成]
図1および図2を用いて、ユーザ検知システム10およびユーザ検知装置11の構成について説明する。図1は、実施の形態1におけるユーザ検知装置11を用いたユーザ検知システム10の外観図である。図2は、実施の形態1におけるユーザ検知装置11の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、ユーザ検知システム10は、テーブル12および複数のマット13を用いている。このテーブル12およびマット13には、ユーザ検知装置11が組み込まれている。
テーブル12の上面には、ディスプレイ14が配置されている。ディスプレイ14には、タッチパネルが内蔵されている。ディスプレイ14には、画像や映像、文字などのコンテンツが表示される。
マット13は、それぞれ地面(床)に配置されている。マット13は、ユーザ毎に設けられている。すなわちマット13は、ユーザが座る位置毎に設けられている。
ユーザAおよびユーザBは、それぞれ椅子に座っている。ユーザAは、マット13に足をつけた状態で、ディスプレイ14をタッチしてディスプレイ14に表示されるコンテンツを操作する。同様に、ユーザBも、マット13に足をつけた状態で、ディスプレイ14をタッチしてディスプレイ14に表示されるコンテンツを操作する。複数のユーザは、同時にディスプレイ14をタッチして操作できる。
なお、実施の形態1では、ユーザAおよびユーザBは、座ってディスプレイ14をタッチしているが、立ってタッチしてもよい。
実施の形態1のユーザ検知装置11は、図2に示すように、ディスプレイ14と、センサ15と、センサ制御部16と、送信部17と、受信部18と、選択部19と、マット電極20a〜マット電極20cと、コンテンツ制御部21と、を備えている。
ディスプレイ14は、上述のとおり、図1のテーブル12の上面に配置されている。ディスプレイ14の上面には、保護ガラスが配置されている。ディスプレイ14は、コンテンツ制御部21から送信された情報を元に、画像や映像、文字等のコンテンツを表示する。
センサ15は、後述する複数の送信電極(図3に示す送信電極T1〜送信電極T5)と、複数の受信電極(図3に示す受信電極R1〜受信電極R8)とがそれぞれ交差するように配置された電極部である。このセンサ15は、ディスプレイ14の上面に配置されている。センサ15は、前述の保護ガラスと一体でタッチパネルを構成している。
センサ制御部16は、受信部18からの受信データに基づき、ユーザの操作を検知する。そしてセンサ制御部16は、ユーザの操作に関する情報(タッチ位置およびユーザ位置)を算出し、この情報を後述するコンテンツ制御部21に送信する。またセンサ制御部16は、マット電極20a〜マット電極20cの接続先を送信部17および受信部18のいずれか一方に切り替えるために、選択部19に対し指示する。
送信部17は、センサ制御部16の指示に基づいて、センサ15の送信電極T1〜送信電極T5に対してパルス波や正弦波等の所定のパターンの信号を送信する。
受信部18は、センサ15の受信電極R1〜受信電極R8からの信号を受信し、その信号をセンサ制御部16に送信する。
選択部19は、センサ制御部16の指示を受けて、マット電極20a〜マット電極20cの接続先を送信部17および受信部18のいずれか一方に切り替える。
マット電極20a〜マット電極20cは、マット13に設けられた検知電極のことである。マット電極20a〜マット電極20cは、それぞれのマット13に一つずつ設けられている。マット13にはグランドが設けられている。このグランドと各マット電極20a〜マット電極20cとの間には、所定の静電容量が形成されている。このマット電極20a〜マット電極20cの大きさは、使用環境に応じて自由に決めることができる。これらのマット電極20a〜マット電極20cを用いてユーザを特定する場合には、マット電極20a〜マット電極20cの大きさを、一人のユーザのみしか接触できない大きさにすることが好ましい。例えば各マット電極20a〜マット電極20cの縦横のサイズが、50cm×50cmくらいであることが好ましい。
コンテンツ制御部21は、全体の制御を行う制御部である。コンテンツ制御部21は、センサ制御部16からの情報に基づき、表示するコンテンツを決定する。そしてコンテンツ制御部21は、表示するコンテンツの情報をディスプレイ14に送信する。これによってユーザは、ディスプレイ14に表示されているコンテンツに対してタッチ操作ができる。具体的には、コンテンツの位置を変更したり、拡大縮小したり、別のコンテンツを取得したりできる。
なお、コンテンツ制御部21は、テーブル12内に設けられてもよいし、テーブル12の外部に設けられてもよい。またコンテンツ制御部21は、パーソナルコンピュータやモバイル端末等の汎用の端末であってもよい。
さらに、図3を用いて、主にセンサ15およびマット電極20a〜マット電極20cの詳細な構成について説明する。図3は、実施の形態1におけるユーザ検知装置11の詳細なブロック図である。
送信部17は、出力Tx1〜出力Tx8の出力端子を有する。
受信部18は、入力Rx1〜入力Rx11の入力端子を有する。
センサ15は、上述の通り、送信電極T1〜送信電極T5と、受信電極R1〜受信電極R8とを有する。送信電極T1〜送信電極T5および受信電極R1〜受信電極R8は、格子上に形成され、それぞれ互いに交差している。実施の形態1では、送信電極T1〜送信電極T5および受信電極R1〜受信電極R8は、互いに直交している。
送信電極T1〜送信電極T5は、それぞれ送信部17の出力Tx1〜Tx5に一つずつ接続されている。
受信電極R1〜受信電極R8は、それぞれ受信部18の入力Rx1〜入力Rx8に一つずつ接続されている。
マット電極20a〜マット電極20cの数は、複数である。マット電極20a〜マット電極20cの数は、任意の数でよいが、図3では三つのマット電極20a〜マット電極20cを設けている。
それぞれのマット電極20a〜マット電極20cは、選択部19を介して、送信部17および受信部18に接続される。具体的には、マット電極20aは、送信部17の出力Tx6および受信部18の入力Rx9と、選択部19を介して接続される。マット電極20bは、送信部17の出力Tx7および受信部18の入力Rx10と、選択部19を介して接続される。マット電極20cは、送信部17の出力Tx8および受信部18の入力Rx11と、選択部19を介して接続される。なお、マット電極20a〜マット電極20cは、選択部19のスイッチにより、送信部17および受信部18のいずれか一方に電気的に接続される。
またマット電極20aには、識別情報であるID1が対応付けられている。同様に、マット電極20bには識別情報ID2が、マット電極20cには識別情報ID3が、それぞれ対応付けられている。
なお、送信部17の出力Tx6〜出力Tx8は、出力Tx1〜出力Tx5と同じ構成であることが好ましい。また受信部18の入力Rx9〜入力Rx11は、入力Rx1〜入力Rx8と同じ構成であることが好ましい。これにより、送信部17および受信部18に設けられた入出力端子の一部をセンサ15と接続し、他の一部の入出力端子をマット電極20a〜マット電極20cと接続できる。したがって、ユーザ検知装置11の汎用性が高まる。しかしながら、出力Tx6〜出力Tx8および入力Rx9〜入力Rx11を、別途マット電極20a〜マット電極20cのために設けてもよい。別途設ける場合においても、センサ15およびマット電極20a〜マット電極20cを介して受信される受信データは、センサ制御部16において判断される。
[1−3.動作]
以上のように構成されたユーザ検知装置11の動作を、図4〜図8を用いて説明する。
図4は、実施の形態1における2人のユーザ(ユーザAおよびユーザB)の位置とタッチ操作との関係を示す図である。図4では、ユーザ検知装置11と、ユーザAと、ユーザBとを模式的に表している。なお、実施の形態1ではユーザの数を2人としているが、何人でもよい。
ここで、実施の形態1では、センサ15内において、送信電極T1〜送信電極T5と平行な方向をX軸方向とし、受信電極R1〜受信電極R8と平行な方向をY軸方向とする。
ユーザAは、マット電極20a(ID1)上に位置する。ユーザAは、センサ15の範囲内で、ある位置をタッチしている。このタッチしている位置をタッチAとする。タッチAのセンサ15におけるX軸方向の位置は、入力Rx2と接続された受信電極R2と、入力Rx3と接続された受信電極R3との、中間近傍である。タッチAのY軸方向の位置は、出力Tx1と接続された送信電極T1と、出力Tx2と接続された送信電極T2との、中間近傍である。
また、ユーザBは、マット電極20c(ID3)上に位置する。ユーザBも、センサ15の範囲内で、ある位置をタッチしている。このタッチしている位置をタッチBとする。タッチBのX軸方向の位置は、入力Rx7と接続された受信電極R7上である。タッチBのY軸方向の位置は、出力Tx5と接続された送信電極T5上である。
上記タッチ操作が行われた場合のユーザ検知装置11の動作について、図5を用いて説明する。図5は、実施の形態1におけるユーザ検知装置11の動作タイミング図である。
図5に示すように、まず送信部17は、センサ制御部16の指示に基づいて、出力Tx1から順に、出力Tx2、出力Tx3、出力Tx4、出力Tx5と順次所定のパルス信号を出力する。これらの信号が出力されるタイミングは、それぞれ異なる。これにより出力毎(出力Tx1〜出力Tx5)に信号を一意に識別できる。信号を出力毎に一意に識別するためには、それぞれの出力Tx1〜出力Tx5から出力する信号を、それぞれ複数のパルスを組み合わせた信号としてもよい。パルスの組み合わせを出力毎(出力Tx1〜出力Tx5)に異ならせれば、同じタイミングで出力する場合も、信号を一意に識別できる。
出力Tx1〜出力Tx5から信号が出力される期間においては、図4に示すセンサ制御部16は、マット電極20a〜マット電極20cと受信部18の入力Rx9~入力Rx11とがそれぞれ接続されるように選択部19を制御する。
そして出力Tx1〜出力Tx5から所定のパルス信号が出力されると、図4に示す送信電極T1〜送信電極T5へそれぞれの信号が入力される。そして送信電極T1〜送信電極T5と受信電極R1〜受信電極R8との各交点で、送信電極T1〜送信電極T5から受信電極R1〜受信電極R8へ各信号が伝達される。受信電極R1〜受信電極R8へ信号が伝達されると、図5の破線枠α内に示すように、受信部18の入力Rx1〜入力Rx8には、所定のパルス信号に対応した受信信号が入力される。
ここで破線枠α内では、ユーザAがタッチAをタッチし、ユーザBがタッチBをタッチしている時の受信信号の信号レベルを実線で示している。また比較のため、ユーザAがタッチAをタッチしていない時と、ユーザBがタッチBをタッチしていない時の受信信号の信号レベルを破線で示している。以下、受信信号の信号レベルを、受信レベルという。
受信レベルは、送信電極T1〜送信電極T5と受信電極R1〜受信電極R8との各交点における電極間の静電容量に応じて変化する。したがって、図5の破線枠α内に示すように、タッチAの近傍における受信レベルは、ユーザAがタッチAをタッチしている時の方が、ユーザAがタッチAをタッチしていない時よりも減少する。同様に、タッチBの近傍における受信レベルは、ユーザBがタッチBをタッチしている時の方が、ユーザBがタッチBをタッチしていない時より減少する。
このとき、受信レベルの減少率は、タッチAおよびタッチBが送信電極T1〜T5と受信電極R1〜受信電極R8との各交点に近いほど大きくなる。つまり、タッチAとタッチBとを比較すると、タッチAは、送信電極T1および送信電極T2と受信電極R2および受信電極R3との各交点とずれているのに対し、タッチBは送信電極T5と受信電極R7との交点に位置する。したがって、受信電極R7に接続されている入力Rx7は、図5の破線枠α内で最も減少率の大きい信号を検出する。
さらに、ユーザAがタッチAにタッチしているため、出力Tx1およびTx2から送信電極T1および送信電極T2にそれぞれ供給される所定のパルス信号は、タッチAをタッチしているユーザAの指と、ユーザAの人体と、マット電極20aと、選択部19と、を介して入力Rx9で検出される。入力Rx9で検出された信号を、図5の破線枠β内の左上に実線にて示す。なお、比較のため、ユーザAがタッチAをタッチしていない時の入力Rx9における受信信号を、破線枠β内の同箇所に破線で示す。
同様にユーザBがタッチBにタッチしているため、出力Tx5から出力され、送信電極T5に供給される所定のパルス信号は、ユーザBの指と、ユーザBの人体と、マット電極20cと、選択部19と、を介して入力Rx11にて検出される。入力Rx11で検出された信号を、破線枠β内の右下に実線にて示す。比較のため、ユーザBがタッチBをタッチしていない時の入力Rx11における受信信号を、破線枠β内の同箇所の破線で示す。
入力Rx9〜入力Rx11において、受信レベルは、タッチAおよびタッチBが送信電極T1〜送信電極T5に近いほど大きくなる。つまり、タッチAとタッチBとを比較すると、送信電極T1〜送信電極T5との距離は、タッチBの方が近い。したがって、タッチBでタッチされている送信電極T5から信号を受ける入力Rx11は、図5の破線枠β内で最も受信レベルの大きい信号を検出する。
また送信部17は、出力Tx5に引き続いて、出力Tx6、出力Tx7、出力Tx8から順次所定のパルス信号を出力する。この期間においては、センサ制御部16は、マット電極20a〜マット電極20cと送信部17の出力Tx6〜出力Tx8とがそれぞれ接続されるように選択部19を制御する。
この時、出力Tx6から供給される所定のパルス信号は、選択部19と、マット電極20aと、ユーザAの人体と、タッチAをタッチしている指と、を介して受信電極R2および受信電極R3に伝送される。そして受信電極R2および受信電極R3にそれぞれ伝送された信号は、受信部18の入力Rx2および入力Rx3へ入力される。入力Rx2および入力Rx3は、図5の破線枠γ内の左上において、実線に示す信号を検出する。なお、比較のため、ユーザAがタッチAをタッチしてない場合の入力Rx2および入力Rx3における受信信号を、破線枠γ内の同箇所の破線で示す。
同様に出力Tx8から供給される所定のパルス信号は、選択部19と、マット電極20cと、ユーザBの人体と、タッチBをタッチしている指と、を介して受信電極R6〜受信電極R8に伝送される。そして受信部18の入力Rx6〜入力Rx8は、図5の破線枠γ内の右下の実線に示す信号を検出する。比較のため、ユーザBがタッチBをタッチしてない場合の入力Rx6〜入力Rx8における受信信号を、破線枠γ内の同箇所の破線で示す。
図5の破線枠γにおいて、入力Rx1〜入力Rx8の受信レベルは、タッチAおよびタッチBが受信電極R1〜受信電極R8に近いほど大きくなる。つまり、タッチBでタッチされている受信電極R7に接続された入力Rx7では、破線枠γ内で最も受信レベルの大きい信号を検知する。
以上のタイミングの動作が1フレームに相当する動作であり、この動作を繰り返す。以下、図5に示すある任意の1フレームを、第nフレームとする。
このように、第nフレームにおいて、送信部17の出力Tx1〜出力Tx5から、送信電極T1〜送信電極T5と、受信電極R1〜受信電極R8と、を介して受信部18の入力Rx1〜入力Rx8に至る信号経路(第一の信号経路)を用いて、受信部18は、破線枠αに示す受信レベルの信号を受信する。そしてこの受信部18での受信結果に基づいて、センサ制御部16はユーザAおよびユーザBのタッチ位置を算出する。センサ15のX軸方向の位置と、Y軸方向の位置を特定することにより、タッチ位置をxy座標(x,y)で表すことができる。タッチ位置を示すxy座標を、以下タッチ座標という。この動作は通常の静電マトリクスセンサ型タッチパネルと同様である。
また第nフレームにおいて、出力Tx1〜出力Tx5から、送信電極T1〜送信電極T5と、タッチ操作しているユーザ自身の指および人体と、マット電極20a〜マット電極20cと、を介して受信部18の入力Rx9〜入力Rx11に至る信号経路(第二の信号経路)を用いて、受信部18は、破線枠βに示す受信レベルの信号を受信する。そしてこの受信部18での受信結果に基づいて、センサ制御部16は、各マット電極20a〜マット電極20cに対応したIDと、ユーザAおよびユーザBのタッチ座標のy座標とを算出する。
さらに、第nフレームにおいて、出力Tx6〜Tx8から、マット電極20a〜マット電極20cと、タッチ操作しているユーザ自身の指および人体と、受信電極R1〜受信電極R8と、を介して入力Rx1〜入力Rx8に至る信号経路(第三の信号経路)を用いて、受信部18は破線枠γに示す受信レベルの信号を受信する。そしてこの受信部18での受信結果に基づいて、マット電極20a〜マット電極20cに対応したIDと、ユーザAおよびユーザBのタッチ座標のx座標とを算出する。
ここで、図6は、実施の形態1におけるユーザ検知装置11の受信データのイメージ図である。図6を用いて、タッチ位置(タッチ座標)とユーザ位置との関連付けに関して説明する。
図6は、第nフレームの一連の動作により、受信部18で得られる受信データのイメージを示す。図6の破線枠α、破線枠β、破線枠γは、図5の破線枠α、破線枠β、破線枠γとそれぞれ対応する。図6では、ユーザAおよびユーザBにセンサ15がタッチされていない時の受信レベルを基準状態とし、受信レベルの変化の大きさを丸の大きさで表している。すなわち丸が無い部分は、受信レベルに変化がない部分、つまりユーザAおよびユーザBにタッチされていない部分である。そして丸が大きいほど、その座標がタッチ位置と近いことを示す。なお、丸の大きさは受信レベルの変化の大きさを示すため、例えば受信信号の減少率および増加率のいずれが大きくても、丸は大きく示される。
センサ制御部16は、図6の破線枠α内に示す受信データに基づいて、タッチ座標を求める。破線枠α内の右上の領域では、隣接する複数の交点にまたがって、ほぼ同じ変化が検出されている。具体的には、送信電極T1および送信電極T2と、受信電極R2および受信電極R3とがそれぞれ交差する座標では、それぞれほぼ同じ変化が検知されている。したがって、タッチ座標(x,y)は、(受信電極R2と受信電極R3の中間、送信電極T1と送信電極T2の中間)と算出される。
また、破線枠α内の左下の領域では、隣接する複数の交点にまたがって変化が検出されている。しかし中心にある交点での変化量が、その周辺にある交点での変化量に比べて充分に大きい。具体的には、送信電極T5と受信電極R7とが交差する座標では、周辺の座標に比べて大きな変化が検知されている。したがって、タッチ座標(x,y)は、(受信電極R7上、送信電極T5上)と算出される。以上のように、破線枠α内に2つのタッチ座標が算出される。このようなタッチ座標の算出方法は、通常の静電センサ型タッチパネルと同様であり、算出方法は任意に決めてもよい。
なお、以後の説明では、送信電極T1〜送信電極T5と受信電極R1〜受信電極R8に対応する座標を、それぞれの電極が接続されている入力Rx、あるいは出力Txを用いて表す。具体的には、受信電極R2と受信電極R3の中間の位置をRx2Rx3と表し、受信電極R7上の位置をRx7と表す。例えば、上記の例では、図6の破線枠α内に示されるタッチ座標(x,y)は、(Rx2Rx3,Tx1Tx2)および(Rx7,Tx5)となる。
また、センサ制御部16は、図6の破線枠β内に示す受信データに基づいて、2つのID付きy座標(ID,y)を算出する。具体的には、出力Tx1〜出力Tx5から送信され、ユーザA自身と、マット電極20a(ID1)とを介して入力Rx9で受信される信号の受信データに基づき、ID付きy座標(ID,y)=(1,Tx1Tx2)を算出する。また同様に、出力Tx1〜出力Tx5から出力され、ユーザB自身と、マット電極20c(ID3)とを介して入力Rx11で受信される信号の受信データに基づき、ID付きy座標(ID,y)=(3,Tx5)を算出する。
続いてセンサ制御部16は、図6の破線枠γ内に示す受信データに基づいて、2つのID付きx座標(ID,x)を算出する。具体的には、出力Tx6から送信され、ユーザA自身と、マット電極20a(ID1)と、を介して入力Rx1〜入力Rx8で受信される信号の受信データに基づき、ID付きx座標(ID,x)=(1,Rx2Rx3)を算出する。また同様に、出力Tx8から送信され、ユーザB自身と、マット電極20c(ID3)と、を介して入力Rx1〜入力Rx8で受信される信号の受信データに基づき、ID付きx座標(ID,x)=(3,Rx7)を算出する。
センサ制御部16は、上記のID付きy座標およびID付きx座標を、IDを共通項として組み合わせる。これによりID付きxy座標(ID,x,y)を算出する。つまり、(ID,x,y)=(1,Rx2Rx3,Tx1Tx2)、(ID,x,y)=(3,Rx7,Tx)となる2組のID付きxy座標を算出する。
そしてセンサ制御部16は、このID付きxy座標とxy座標が一致するタッチ座標とを紐付ける。これによりタッチ座標にIDを紐付けることができる。具体的には、ID付きタッチ座標(ID,x,y)=(1,Rx2Rx3,Tx1Tx2)、(ID,x,y)=(3,Rx7,Tx5)が算出される。
これにより複数のタッチ座標に対して、各ユーザの操作位置、即ちマット電極20a〜マット電極20cに対応したIDを紐付けることができる。特に、マット電極20a〜マット電極20cに各ユーザが関連付けられている場合、このIDを各ユーザの識別情報として用いることもできる。
なお、算出されたID付きタッチ座標は、コンテンツ制御部21に送信され、コンテンツ制御部21は、ID付きタッチ座標に基づきディスプレイ14に表示するコンテンツを決定する。
以下、ユーザ検知装置11の動作について、理解をさらに深めるため、図7を用いて、ユーザ検知装置11の他の動作を説明する。この動作は、一人のユーザがユーザ検知装置11を操作する場合の動作である。
図7に示すように、ユーザCは、マット電極20a(ID1)およびマット電極20b(ID2)上にまたがって位置している。そしてユーザCは、センサ15中において、図4のタッチAに相当するタッチCと、図4のタッチBに相当するタッチDの位置とをタッチしている。
図8を用いて、上記タッチ操作が行われた場合のユーザ検知装置11の受信データのイメージを説明する。
センサ制御部16は、図8中の破線枠α内に示す受信データに基づいて、2つのタッチ座標(x,y)=(Rx2Rx3,Tx1Tx2)および(x,y)=(Rx7,Tx5)を算出する。
同時にセンサ制御部16は、破線枠β内に示す受信データに基づいて、4つのID付きy座標(ID,y)を算出する。具体的には、出力Tx1〜出力Tx5から送信され、ユーザC自身と、マット電極20a(ID1)と、を介して入力Rx9で受信される信号の受信データに基づき、ID付きy座標(ID,y)=(1,Tx1Tx2)と、(ID,y)=(1,Tx5)とを算出する。
また同様に、出力Tx1〜Tx5から送信され、ユーザC自身と、マット電極20b(ID2)と、を介して入力Rx10で受信される信号の受信データに基づき、ID付きy座標(ID,y)=(2,Tx1Tx2)と、(ID,y)=(2,Tx5)とを算出する。
続いてセンサ制御部16は、破線枠γ内に示す受信データに基づいて、4つのID付きx座標(ID,x)を算出する。具体的には、出力Tx6から送信され、ユーザC自身と、マット電極20a(ID1)と、を介して入力Rx1〜入力Rx8で受信される信号の受信データに基づき、ID付きx座標(ID,x)=(1,Rx2Rx3)と、(ID,x)=(1,Rx7)とを算出する。
また同様に、出力Tx7から送信され、ユーザC自身と、マット電極20b(ID2)と、を介して受信部18の入力Rx1〜入力Rx8で受信される信号の受信データに基づき、ID付きx座標(ID,x)=(2,Rx2Rx3)と、(ID,x)=(2,Rx7)とを算出する。
センサ制御部16は、上記のように算出されるID付きx座標とID付きy座標とを、IDを共通項として組み合わせる。これによりID付きxy座標(ID,x,y)を算出する。その結果、(ID,x,y)=(1,Rx2Rx3,Tx1Tx2)、(ID,x,y)=(2,Rx2Rx3,Tx1Tx2)、(ID,x,y)=(1,Rx7,Tx5)、(ID,x,y)=(2,Rx7,Tx5)となる4組のID付きxy座標が算出される。
ここで、ID付きx座標とID付きy座標とを、IDを共通項として組み合わせる場合、ID付きxy座標(ID,x,y)=(1,Rx2Rx3,Tx5)や(ID,x,y)=(1,Rx7,Tx1Tx2)等の組み合わせも算出され得る。しかし、これらのID付きxy座標のxy座標(x,y)部分は、いずれも図8の破線枠α内に示す受信データに基づいて算出されるタッチ座標(x,y)に存在しない。したがって、後述のID付きタッチ座標として算出されない。
最後に、センサ制御部16は、上記のID付きxy座標とxy座標部分が一致するタッチ座標にIDを付与し、ID付きタッチ座標(ID,x,y)を算出する。
これにより、タッチCのタッチ座標にID1およびID2を紐付けることができ、ID付きタッチ座標(ID,x,y)=(1,Rx2Rx3,Tx1Tx2)と、(ID,x,y)=(2,Rx2Rx3,Tx1Tx2)とが算出される。またタッチDのタッチ座標にID1およびID2を紐付けることができ、ID付きタッチ座標(ID,x,y)=(1、Rx7,Tx5)と、(ID,x,y)=(2,Rx7,Tx5)とが算出される。
上記の結果からタッチCおよびタッチDにおけるタッチ操作は、いずれもマット電極20aおよびマット電極20bの双方の位置で操作されたと判断できる。つまり一人のユーザがマット電極20aおよびマット電極20bにまたがって2つのタッチ操作をしていると判断できる。
[1−3.効果等]
以上のように、実施の形態1によれば、タッチパネルの構成を利用して、ユーザのタッチパネル上のタッチ座標に加えて、ユーザの操作位置を検知できる。つまり、簡単な構成で、ユーザの操作に関する情報(タッチ座標と操作位置)を算出できる。したがって、複数のタッチ操作を区別できる。その結果、ユーザ検知装置を、ユーザの識別や、ユーザの移動の検知等に利用できる。
(実施の形態2)
以下、図9〜図11を用いて、実施の形態2のユーザ検知装置111について説明する。実施の形態1のユーザ検知装置11は、テーブル12を用いているのに対し、実施の形態2のユーザ検知装置111は、黒板型のディスプレイを用いている。ディスプレイのセンサ15が形成されている面(以下センサ面という)は、重力の方向と平行である。
このユーザ検知装置111は、ディスプレイを壁に取り付けたり、天井から吊るしたり、あるいは床に立てたりする等により、センサ面を重力方向に対し平行にしている。実施の形態2におけるユーザ検知装置111の構成は、図3に示す選択部19を設けていない点を除き、実施の形態1とほぼ同じである。したがって、実施の形態1と同様の構成や動作、効果等について、詳細な説明を省略する。
実施の形態2では、センサ面において、重力と平行な方向をY軸方向とし、Y軸に垂直な方向をX軸方向とする。
それぞれの送信電極T1〜送信電極T5は、X軸に平行に配置されている。
それぞれの受信電極R1〜受信電極R8は、Y軸に平行に配置されている。
[2−1.構成]
図9は、実施の形態2におけるユーザ検知装置111の構成およびユーザの位置とタッチ操作との関係を示す図である。
図9に示すように、実施の形態2では、実施の形態1と異なり、マット電極20a〜マット電極20cは、図3の選択部19を介さず送信部17に接続されている。マット電極20a〜マット電極20cには、実施の形態1と同様に、それぞれ識別情報ID1〜ID3が対応付けられている。
[2−2.動作]
ユーザ検知装置111の動作を、図9〜図11を用いて説明する。図10は、実施の形態2におけるユーザ検知装置111の動作タイミング図、図11は、実施の形態2におけるユーザ検知装置111の受信データのイメージ図である。
図9に示すように、ユーザAは、マット電極20a(ID1)上に位置する。ユーザAは、センサ面のタッチAの位置をタッチする。タッチAのX軸方向の位置は、受信電極R2と受信電極R3の中間近傍である。タッチAのY軸方向の位置は、送信電極T1と送信電極T2の中間近傍である。
ユーザBは、マット電極20c(ID3)上に位置する。ユーザBは、センサ面のタッチBの位置をタッチする。タッチBのX軸方向の位置は、受信電極R7上である。タッチBのY軸方向の位置は、送信電極T5上である。
図10に示すように、出力Tx1〜出力Tx8は、出力Tx1から順に、所定のパルス信号を出力する。
図10の破線枠α内に示すように、入力Rx1〜入力Rx8には、出力Tx1〜Tx5からのパルス信号に応じた受信信号が入力される。
図10の破線枠β内に示すように、出力Tx6から出力された所定のパルス信号は、マット電極20aと、ユーザAと、受信電極R2および受信電極R3と、を介して入力Rx2および入力Rx3にて検出される。また出力Tx8から出力された所定のパルス信号は、マット電極20cと、ユーザBと、受信電極R6〜受信電極R8と、を介して入力Rx6〜入力Rx8にて検出される。
この破線枠αおよび破線枠βに示す動作を1フレームとし、この動作を複数回繰り返す。図10に示す任意の1フレームを、第nフレームとする。なお、図10の破線枠α、破線枠βにおいて、実線および破線で示す信号レベルの表現方法は、図5と同様であるため、説明を省略する。
図11は、図10に示す第nフレームにおいて、受信部18で得られる受信データのイメージを示す。図11の破線枠α、破線枠βにおいて、丸の大小で示す受信データの表現方法は、図6と同様であるため、説明を省略する。
センサ制御部116は、図11の破線枠α内に示す受信データに基づいて、2つのタッチ座標を算出する。算出されたタッチ座標は、(x,y)=(Rx2Rx3,Tx1Tx2)と、(x,y)=(Rx7,Tx5)である。
また、センサ制御部116は、図11の破線枠β内に示す受信データに基づいて、2つのID付きx座標(ID,x)を算出する。具体的には、出力Tx6から送信され、マット電極20a(ID1)と、ユーザA自身と、受信電極R1〜受信電極R8と、を介して入力Rx1〜入力Rx8で受信される信号の受信データに基づき、ID付きx座標(ID,x)=(1,Rx2Rx3)を算出する。また同様に、出力Tx8から送信され、マット電極20c(ID3)と、ユーザB自身と、受信電極R1〜受信電極R8と、を介して入力Rx1〜入力Rx8で受信される信号の受信データに基づき、ID付きx座標(ID,x)=(3,Rx7)を算出する。
上記算出したタッチ座標およびID付きx座標を、x座標を共通項として組み合わせれば、ID付きタッチ座標が算出される。その結果、タッチAに対応するID付きタッチ座標は、(ID,x,y)=(1,Rx2Rx3,Tx1Tx2)である。タッチBに対応するID付きタッチ座標は、(ID,x,y)=(3,Rx7,Tx5)である。以上のように、タッチ座標とユーザの操作位置とを紐付けることができる。
なお、実施の形態2でID付きy座標を算出していないのは、ディスプレイのセンサ面を重力方向と平行にしているためである。このようなディスプレイでは、ユーザ同士が手を交差して操作することが殆どない、すなわちx座標が共通することは殆どないと考えられる。しかしながら、センサ面を重力方向と平行にする場合にも、必要に応じて、実施の形態1の同様に、ID付きy座標を算出してもよい。
[2−3.効果等]
以上のように、実施の形態2によれば、タッチパネルの構成を利用しつつ、ユーザのタッチパネル上のタッチ座標に加えて、ユーザの操作位置を検知できる。つまり、簡単な構成で、ユーザの操作に関する情報(タッチ座標と操作位置)を算出できる。したがって、複数のタッチ操作を区別できる。その結果、ユーザ検知装置111をユーザの識別や移動の検知等に利用できる。また実施の形態2は、選択部が不要であり、さらにセンサ制御部116での算出が簡易である。したがって、実施の形態1より簡単な構成で実現できる。
(実施の形態3)
以下、図12〜図14を用いて、実施の形態3のユーザ検知装置211について説明する。実施の形態3では、送信部217と受信部18とが、実施の形態2と反対の位置に配置されている。
[3−1.構成]
図12は、実施の形態3におけるユーザ検知装置211の構成およびユーザ位置とタッチ操作との関係を示す図である。
図12に示すように、マット電極20a〜マット電極20cは、受信部18に接続されている。また実施の形態1、2と同様に、マット電極20a〜マット電極20cには、それぞれ識別情報ID1〜ID3が対応付けられている。
それぞれの送信電極T1〜送信電極T5は、図12のY軸方向に平行に配置されている。それぞれの受信電極R1〜受信電極R8は、図12のX軸方向に平行に配置されている。
[3−2.動作]
実施の形態3のユーザ検知装置211の動作を、図12〜図14を用いて説明する。図13は、実施の形態3におけるユーザ検知装置211の動作タイミング図である。図14は、実施の形態3におけるユーザ検知装置211の受信データのイメージ図である。
図12に示すように、ユーザAは、マット電極20a(ID1)上に位置する。ユーザAは、センサ215中のタッチAの位置をタッチする。タッチAのX軸方向の位置は、出力Tx2と接続された送信電極T2上である。タッチAのY軸方向の位置は、入力Rx2と接続された受信電極R2上である。
ユーザBは、マット電極20c(ID3)上に位置する。ユーザBは、センサ215中のタッチBの位置をタッチする。タッチBのX軸方向の位置は、送信電極T3と送信電極T4の中間である。タッチBのY軸方向の位置は、受信電極R7と受信電極R8の中間である。
図13に示すように、出力Tx1〜出力Tx5は、出力Tx1から順に、所定のパルス信号を出力する。
図13の破線枠αに示すように、入力Rx1〜入力Rx11には、出力Tx1〜Tx5から出力されたそれぞれのパルス信号に応じた受信信号が入力される。
図13の破線枠βに示すように、出力Tx1〜出力Tx3から出力された所定のパルス信号は、送信電極T1〜送信電極T3と、ユーザAと、マット電極20aとを介して、入力Rx9にて検出される。また出力Tx3および出力Tx4から出力された所定のパルス信号は、それぞれ送信電極T3および送信電極T4と、ユーザBと、マット電極20cと、を介して入力Rx11にて検出される。
この破線枠αおよび破線枠βに示す動作を1フレームとし、複数回繰り返す。図13に示す任意の1フレームを、第nフレームとする。図13の破線枠α、破線枠β内において、実線および破線で示す受信レベルの表現方法については、図5と同様であるため説明を省略する。
図14は、図13に示す第nフレームにおいて、受信部18で得られる受信データのイメージを示す。このイメージの表現方法は、図6、図11と同様であるため説明を省略する。
センサ制御部216は、図14の破線枠α内に示す受信データに基づいて、2つのタッチ座標を算出する。算出されたタッチ座標は、(x,y)=(Tx2,Rx2)と、(x,y)=(Tx3Tx4,Rx7Rx8)である。
また、センサ制御部216は、図14の破線枠β内に示す受信データに基づいて、2つのID付きx座標(ID,x)を算出する。具体的には、出力Tx1〜出力Tx5から送信され、送信電極T1〜送信電極T5と、ユーザA自身と、マット電極20a(ID1)と、を介して入力Rx9で受信される信号の受信データに基づき、ID付きx座標(ID,x)=(1,Tx2)を算出する。また同様に、出力Tx1〜出力Tx5から送信され、送信電極T1〜送信電極T5と、ユーザB自身と、マット電極20c(ID3)と、を介して入力Rx11で受信される信号の受信データに基づき、ID付きx座標(ID,x)=(3,Tx3Tx4)を算出する。
上記のように算出されたタッチ座標およびID付きx座標を、x座標を共通項として組み合わせれば、ID付きタッチ座標が算出される。その結果、タッチAに対応するID付きタッチ座標は、(ID,x,y)=(1,Tx2,Rx2)である。タッチBに対応するID付きタッチ座標は、(ID,x,y)=(3,Tx3Tx4,Rx7Rx8)である。以上のように、タッチ座標とユーザの操作位置とを紐付けることができる。
なお、実施の形態3では、実施の形態2と同様に、ID付きy座標を算出していない。
[3−3.効果等]
以上のように、実施の形態3によれば、タッチパネルの構成を利用しつつ、ユーザのタッチパネル上のタッチ座標に加えて、ユーザの操作位置を検知できる。つまり、簡単な構成で、ユーザの操作に関する情報(タッチ座標と操作位置)を算出できる。したがって、複数のタッチ操作を区別できる。その結果、ユーザの識別や移動の検知等に利用できる。加えて実施の形態3は、実施の形態1、2と比較して、送信電極の数を減らすことができる。したがって、動作の1フレームを短くでき、センサ制御部216での処理時間を短くできる。
(実施の形態4)
以下、図15、図16を用いて、実施の形態4のユーザ検知装置311について説明する。実施の形態4のユーザ検知装置311は、図15に示すユーザ検知システム310に用いられる。このユーザ検知システム310は、実施の形態1のユーザ検知システム10に、タグ22aおよびタグ22bを用いた通信システムを追加したものである。タグ22aおよびタグ22bを用いることにより、ユーザの特定や、ユーザに関連する情報の特定等が可能になる。実施の形態1と同様の構成、動作、および効果等は説明を省略する。
[4−1.構成]
図15は、実施の形態4におけるユーザ検知システム310の外観図である。図16は、実施の形態4におけるユーザ検知装置311の構成およびユーザの位置とタッチ操作との関係を示す図である。
図15に示すテーブル312には、電界を用いてユーザの人体を介して通信可能なシステムが搭載されている。このシステムの詳細については後述する。
またユーザAは、タグ22aを携帯している。ユーザBは、タグ22bを携帯している。
各タグ22a、タグ22bは、それぞれユーザを特定するための情報(タグ情報)を保有する。タグ22aおよびタグ22bは、電界を用いて通信可能である。なお、タグ22aおよびタグ22bの形状は、例えばカード形状である。タグ22aおよびタグ22bは、それぞれバッテリを搭載している。
図16に示すように、実施の形態3のユーザ検知装置311は、実施の形態1の構成に加えて、上述のタグ22aおよびタグ22bと、電界通信部23と、を備えている。
電界通信部23は、所定の電界を用いて、マット電極20a〜マット電極20cと、ユーザAおよびユーザBの体とを介して、タグ22aおよびタグ22bと通信を行う。
センサ制御部316は、送信部17と、受信部18と、選択部319と、電界通信部23と、を制御する。
選択部319は、実施の形態1と同様に、送信部17および受信部18のいずれか一方とマット電極20a〜マット電極20cとが接続するように、接続を切り替える。加えて、選択部319は、電界通信部23と各マット電極20a〜マット電極20cとの接続を切り替える。
[4−2.動作]
以下、ユーザ検知装置311の動作を説明する。
はじめに、ユーザAおよびユーザBのタッチ操作を検出する前、つまり図5に示すような一つの動作フレームの前のタイミングで、各タグ22aおよびタグ22bと電界通信部23とは電界通信を行う。
具体的には、センサ制御部316が選択部319を制御して、電界通信部23とマット電極20a〜マット電極20cとが接続される。
続いてセンサ制御部316は、電界通信部23に電界通信を開始させる。このとき、タグ22aを保有しているユーザAは、マット電極20a上で操作している。したがって、電界通信部23は、マット電極20aと、ユーザAとを介して、タグ22aへ指示を送信する。またタグ22bを保有しているユーザBは、マット電極20c上で操作している。したがって、電界通信部23は、マット電極20cと、ユーザBとを介して、タグ22bへ指示を送信する。
そしてタグ22aは、電界通信部23からの指示を受けて、タグ22aが保持するタグ情報を、ユーザAと、マット電極20aとを介して、電界通信部23へ送信する。一方タグ22bは、電界通信部23からの指示を受けて、タグ22bが保持するタグ情報を、ユーザBと、マット電極20cとを介して、電界通信部23へ送信する。
なお、この電界通信は、マット電極20a〜マット電極20c毎に行う。したがって、ユーザ検知装置311は、1フレームの前に3回、電界通信を行うことになる。
センサ制御部316は、電界通信部23が取得したタグ情報を、それぞれのタグ情報を取得した各マット電極20a〜マット電極20cの識別情報ID1〜ID3とともに利用する。具体的には、センサ制御部316は、タグ情報を、算出したID付きタッチ座標と組み合わせる。これによりセンサ制御部316は、タッチ操作を行うユーザを特定したり、タグ22aまたはタグ22bを有するユーザかそれ以外のユーザかを識別したりできる。このように、タグ22aおよびタグ22bを用いることで、特定のユーザのタッチ操作のみを受け付けるたり、ユーザが移動しても特定ユーザの操作を検知したり等行うことができる。
なお、タグ情報は、ユーザを特定する為の情報以外の、ユーザに関連する他の情報であってもよい。
また実施の形態4のユーザ検知装置311は、実施の形態1のユーザ検知装置11にタグ22aおよびタグ22bを追加しているが、実施の形態2のユーザ検知装置11や実施の形態3のユーザ検知装置211にタグ22aおよびタグ22bを適用してもよい。
[4−3.効果等]
以上のように、実施の形態4によれば、タグ22aおよびタグ22bとマット電極20a〜マット電極20cとを利用して、ユーザの特定や、ユーザに関連する情報の追加等を行うことができる。またマット電極20a〜マット電極20cを利用して、タッチ座標とユーザ位置とを紐付けることができる。
なお、上記実施の形態4では、動作フレーム毎に各タグ22a、タグ22bと電界通信部23とが電界通信する期間を設ける場合を例示している。しかし、例えばタッチ操作が描画である場合、各タグ22a、タグ22bが電界通信部23と電界通信する期間は、最初のタッチが確認された時のみでもよい。つまり、最初のタッチ操作が確認され、タッチ操作が継続的に続く(描画している)場合、その操作を、各タグ22a、タグ22bを有する同一人物の操作と判断できる。したがって、動作フレーム毎にタグ22aおよびタグ22bは電界通信する必要がない。そこで、最初のタッチが確認された時のみ、各タグ22a、タグ22bと電界通信部23とが電界通信を行ってもよい。このように、各タグ22a、タグ22bと電界通信部23とが電界通信する期間を、任意に定めることができる。これによりタグ22aおよびタグ22bのバッテリの消費電力を低減できる。
さらに、上記実施の形態4では、タッチ座標と、タグ22aおよびタグ22bと、マット電極20a〜マット電極20cの識別情報ID1〜ID3とが紐付けられることを示している。ここで、タグ22aおよびタグ22bのいずれをも保有していないユーザがタッチ操作する場合に、タグ22aおよびタグ22bのいずれとも紐付いていないマット電極20a〜マット電極20cに対応するID付きxy座標に対して、センサ制御部316は無視することができる。これにより、タグ22aおよびタグ22bの少なくとも一方を有するユーザのみタッチ操作できるようにしてもよい。
(実施の形態5)
以下、図17〜図19を用いて、実施の形態5のユーザ検知装置411について説明する。ユーザ検知装置411は、実施の形態1の送信部17に代えて、送受信部417を備えている。実施の形態1〜実施の形態4と同様の構成、動作、および効果等は説明を省略する。
[5−1.構成]
図17は、実施の形態5におけるユーザ検知装置411の構成およびユーザの位置とタッチ操作との関係を示す図である。図17に示すように、実施の形態5のユーザ検知装置411は、送受信部417を備えている。また実施の形態1のユーザ検知装置11の構成に加えて、ユーザ検知装置411は信号発生部24を備えている。
送受信部417は、センサ15に対して信号を出力する送信機能と、センサ15からの信号を受信する受信機能とを有する。具体的には、送受信部417は、出力Tx1〜出力Tx5と、入力Rx9〜入力Rx13とを有する。送受信部417の送信機能と受信機能とは、センサ制御部416により切り替えられる。
出力Tx1〜出力Tx5(入力Rx9〜入力Rx13)は、それぞれ送受信電極E1〜送受信電極E5に接続されている。送受信電極E1〜送受信電極E5は、送受信部417が送信状態の時、送信電極となる。送受信電極E1〜E5は、送受信部417が受信状態の時、受信電極となる。送受信電極E1〜送受信電極E5は、センサ15において、それぞれX軸と平行である。
信号発生部24は、マット電極20a〜マット電極20cに信号を供給する。信号発生部24は、センサ制御部416により制御される。
[5−2.動作]
ユーザ検知装置411の動作について、図17〜図19を用いて説明する。図18は、実施の形態5におけるユーザ検知装置411の動作タイミング図である。図19は、実施の形態5におけるユーザ検知装置411の受信データのイメージ図である。
図17に示すように、ユーザAおよびユーザBは、実施の形態1のユーザAおよびユーザBと同じタッチ操作を行っている。
図18に示すように、送受信部417は、一つのフレームにおいて、送信状態と受信状態を切り替えている。つまり、送受信部417は、送信状態の時、端末を出力Tx1〜出力Tx5として利用し、受信状態のときは、端末を入力Rx9〜入力Rx13として利用する。
送受信部417が送信状態のとき、送受信部417は、出力Tx1〜出力Tx5から所定のパルス信号を順次出力する。
図18の破線枠αに示すように、入力Rx1〜入力Rx8には、出力Tx1〜出力Tx5から出力されたそれぞれのパルス信号に応じた受信信号が入力される。
次に、センサ制御部416は、送受信部417を送信状態から受信状態へ切り替える。またセンサ制御部416は、信号発生部24に対し、信号の出力を指示する。このようにセンサ制御部416は、送受信部417と信号発生部24との出力のタイミングを制御している(同期している)。センサ制御部416からの指示を受け、信号発生部24は、出力Tx6〜出力Tx8から所定のパルス信号を出力する。
図18の破線枠βに示すように、出力Tx6から出力された所定のパルス信号は、マット電極20aと、ユーザAと、送受信電極E1および送受信電極E2とを介して、入力Rx9および入力Rx10にて検出される。また出力Tx8から出力された所定のパルス信号は、マット電極20cと、ユーザBと、送受信電極E4および送受信電極E5とを介して、入力Rx12および入力Rx13にて検出される。
さらに図18の破線枠γに示すように、出力Tx6から出力された所定のパルス信号は、マット電極20aと、ユーザAと、受信電極R2および受信電極R3とを介して、入力Rx2および入力Rx3にて検出される。また出力Tx8から出力された所定のパルス信号は、マット電極20cと、ユーザBと、受信電極R6〜受信電極R8とを介して、入力Rx6〜入力Rx8にて検出される。
この破線枠α、破線枠β、破線枠γに示す動作を1フレームとし、複数回繰り返す。図18に示す任意の1フレームを、第nフレームとする。図18の破線枠α、破線枠β、破線枠γにおいて、実線および破線で示す受信レベルの表現方法については、図5と同様であるため説明を省略する。
図19は、図18に示す第nフレームにおいて、受信部18で得られる受信データのイメージを示す。
具体的には、上述の実施の形態1〜4とほぼ同じであるが、破線枠βにおける受信データの処理が異なる。破線枠βにおいて、各マット電極20a〜マット電極20cに対応するID1〜ID3と各ユーザのタッチ座標のY軸方向とは、送受信部417の出力Txではなく入力Rxに基づいて算出される。つまりセンサ制御部416は、図19の破線枠β内に示す受信データに基づいて、2つのID付きy座標(ID,y)=(1,Rx9Rx10)と、(ID,y)=(3,Rx13)とを算出する。
このとき、センサ制御部416は、送受信部417における上記Rxに対応するTxを記憶しているため、ID付きy座標におけるRxをTxに変換する。つまり、ID付きy座標(ID,y)=(1,Tx1Tx2)と、(ID,y)=(3,Tx5)とを算出する。
またセンサ制御部416は、この変換後のID付きy座標のデータと、破線枠γの受信データとに基づき、上記の実施の形態1〜実施の形態4と同様に、ID付きタッチ座標を算出する。具体的には、(ID,x,y)=(1,Rx2Rx3,Tx1Tx2)と、(ID,x,y)=(3、Rx7,Tx5)とが算出される。
[5−3.効果等]
以上のように、実施の形態5では、実施の形態1で示す受信データと同じ受信データを取得できる。すなわち、送受信部417が送信部17と受信部18とを兼ねる構成でも実施の形態1と同様に受信データの処理を行うことができる。また、一部の送信と受信とを同じ配線にするため、センサ制御部416の構成を簡単にできる。
(実施の形態6)
以下、図20〜図23を用いて、実施の形態6のユーザ検知装置511について説明する。ユーザ検知装置511は、ユーザがタッチペンを利用してタッチパネルをタッチ操作するものである。
[6−1.構成]
以下、ユーザ検知装置511と、ユーザ検知装置511に用いられるタッチペン25の構成について説明する。
図20は、実施の形態6におけるユーザ検知装置511の構成およびユーザの位置とタッチ操作との関係を示す図である。図21は、実施の形態6で用いるタッチペン25のブロック図である。
図20に示すように、ユーザ検知装置511の構成は、実施の形態5のユーザ検知装置411と同様である。送受信部517は、実施の形態5の送受信部417に相当し、センサ制御部516は、実施の形態5のセンサ制御部416に相当する。なお、ユーザ検知装置511の送受信部517は第一の送信部に相当し、信号発生部24は第二の送信部に相当する。
実施の形態6では、ユーザとして、ユーザDを例示する。ユーザDはタッチペン25を用いてタッチ操作を行う。
図21に示すように、タッチペン25は、ペン先251と、ペン選択部252と、同期信号受信部253と、ペン信号発生部254と、ペン制御部255とを備えている。タッチペン25には、マット電極20a〜マット電極20cと異なる識別情報IDが付与されている。例えば、マット電極20a〜マット電極20cにはID1〜ID3、タッチペン25にはID4が付与されている。
タッチペン25の筐体の表面の材料は、導電性材料である。
ペン先251は、タッチペン25の先端部分である。ペン先251の表面の材料は、導電性の材料である。ユーザDは、ペン先251をセンサ面に押し当てる。ペン先251は、ペン選択部252を介して、同期信号受信部253とペン信号発生部254とに接続されている。
ペン選択部252は、ペン先251の接続先を、同期信号受信部253およびペン信号発生部254のいずれか一方に切り替える。
同期信号受信部253は、ユーザ検知装置511の送受信部517から出力される同期信号を受信する。
ペン信号発生部254は、識別情報ID4に関する信号を出力する。
ペン制御部255は、ペン選択部252の切り替え動作を制御する。
[6−2.動作]
上記のように構成されたユーザ検知装置511およびタッチペン25の動作について図20、図22、図23を用いて説明する。図22は、実施の形態6におけるユーザ検知装置511及びタッチペン25の動作タイミング図である。図23は、実施の形態6におけるユーザ検知装置511の受信データのイメージ図である。
実施の形態6と実施の形態5との主な相違点の一つは、タッチペン25の出力Tx9から信号が出力されることである。また、主な相違点のもう一つは、動作の1フレーム中に、送受信部517から送信される信号とタッチペン25から出力される信号とを同期するための信号が送信されるタイミングがあることである。
図20に示すように、ユーザDは、センサ面において、実施の形態5のユーザAと同じタッチAの位置をタッチ操作している。
そして図22に示すように、出力Tx1〜出力Tx5からは、所定のパルス信号が順次出力される。この時、ペン制御部255は、ペン選択部252を制御し、ペン先251と同期信号受信部253とが接続されている状態とする。
図22の破線枠αに示すように、入力Rx1〜入力Rx8には、出力Tx1〜出力Tx5から出力されたそれぞれのパルス信号に応じた受信信号が入力される。なお、タッチペン25の筐体の材料は、導電性材料であるため、タッチペン25でタッチ操作する場合も、手でタッチ操作する場合と同様の受信データが得られる。つまり、出力Tx1および出力Tx2から出力され、送受信電極E1および送受信電極E2と、受信電極R2および受信電極R3とを介して、入力Rx2および入力Rx3でそれぞれ検知される信号は、ユーザDのタッチペン25を用いたタッチ操作により受信レベルが減少する。
次に、センサ制御部516が送受信部517を制御することにより、送受信部517から同期信号が出力される。
そして、タッチペン25の同期信号受信部253は、送受信部517から出力された同期信号を受信する。これによりタッチペン25は、ユーザ検知装置511の送受信部517と同期をとる。
そしてペン制御部255は、同期信号受信部253からの情報に基づき、ペン選択部252を制御し、ペン先251とペン信号発生部254とを接続させる。
一方で、同期信号が出力されると、センサ制御部516が送受信部517を制御することにより、送受信部517は、送信状態から受信状態へ切り替わる。
そしてセンサ制御部516が信号発生部24を制御することにより、信号発生部24は、出力Tx6〜出力Tx8から所定のパルス信号を出力する。
またペン信号発生部254は、受信した同期信号に基づき、出力Tx9から所定のパルス信号を送信する。
図22の破線枠βに示すように、出力Tx6から出力された所定のパルス信号は、マット電極20aと、ユーザDと、タッチペン25と、送受信電極E1および送受信電極E2とを介して、入力Rx9および入力Rx10にて検出される。またTx9から出力された所定のパルス信号は、送受信電極E1および送受信電極E2を介して、入力Rx9および入力Rx10にて検出される。
さらに図22の破線枠γに示すように、出力Tx6から出力された所定のパルス信号は、マット電極20aと、ユーザDと、タッチペン25と、受信電極R2および受信電極R3とを介して、入力Rx2および入力Rx3にて検出される。また出力Tx9から出力された所定のパルス信号は、受信電極R2および受信電極R3を介して、入力Rx2および入力Rx3にて検出される。
この破線枠α、破線枠β、破線枠γに示す動作を1フレームとし、複数回繰り返す。図22に示す任意の1フレームを、第nフレームとする。図22の破線枠α、破線枠β、破線枠γにおいて、実線および破線で示す受信レベルの表現方法については、図5と同様であるため説明を省略する。
図23は、図22に示す第nフレームにおいて、受信部18で得られる受信データのイメージを示す。
図18の受信データに基づいて算出されるタッチ座標およびID付きxy座標は、実施の形態5のユーザAのタッチ操作に対応するタッチ座標およびID付きタッチ座標と同じである。算出されるタッチ座標は、(x,y)=(Rx2Rx3,Tx1Tx2)である。また算出されるID付きタッチ座標は、(ID,x,y)=(1,Rx2Rx3,Tx1Tx2)である。
また図23の破線枠内γの受信データに基づき、ID付きx座標(4,Rx2Rx3)が算出される。このID付きx座標とタッチ座標のx座標を共通項とし、ID付きタッチ座標(4,Rx2Rx3,Tx1Tx2)が算出される。
[6−3.効果等]
以上のように、実施の形態6では、実施の形態5の受信データに加えて、タッチペン25の情報も取得できる。つまり、タッチペン25と同期を取るだけで、実施の形態5のユーザ検知装置411の構成を殆ど変えることなく、タッチペン25を用いたユーザ検知装置511を実現できる。
なお、上記実施の形態6において、信号発生部24として、タッチペン25のペン信号発生部254を利用してもよい。具体的には、例えばテーブルに、タッチペン25を保持するホルダを設ける。ペン先251は、ホルダを介してマット電極20a〜マット電極20cと接続できるものとする。この構成により、タッチペン25のペン信号発生部254を、信号発生部24として利用できる。
つまり、タッチペン25の数を複数とする場合に、複数のタッチペンと複数のマット電極20a〜マット電極20cとを各々対応付けることで、マット電極20a〜マット電極20cをユーザの特定に利用できる。
さらに、タッチペン25のホルダへの抜き差しを検知することで、信号発生部24およびペン信号発生部254の機能を切り替えることができる。
(他の実施の形態)
上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
実施の形態1〜実施の形態6では、いずれもマット電極20a〜マット電極20cが足元の床に配置されている。しかしながら、ディスプレイがテーブルに配置されている場合、椅子にマット電極20a〜マット電極20cの機能を持たせてもよい。またテーブル上に、マット電極20a〜マット電極20cに相当する検知電極を配置してもよい。すなわち、検知電極がユーザと接することが可能な位置に配置されていればよい。
実施の形態1〜実施の形態6では、センサ15として正方形の格子状の電極を用いたが、座標を検知できれば、長方形、ひし形等の別の形状であってもよい。
また、実施の形態1〜実施の形態6では、複数のユーザが利用可能なユーザ検知装置を例に説明したが、図24に示すような携帯端末26に利用しても構わない。この場合、図24に示すように、携帯端末26の表示面261とは異なる部分、例えば側面262に、マット電極20a〜マット電極20cに相当する検知電極27を設けてもよい。ユーザ検知装置を用いることにより、検知電極27に触れて表示面261をタッチ操作する場合と、検知電極27に触れないでタッチ操作する場合とを、識別することができる。検知電極27は、ユーザと通電すればよいため、携帯端末に表出させてもよく、内蔵させてもよい。
図24に示すようなユーザ検知装置を、例えば、描画系のアプリケーションに適用できる。この場合、コマンド切り替え、例えば“加筆して、消して、修正加筆する”というような面倒な操作を、検知電極27に触れているか否かで切り替えることができる。つまり、検知電極27にコマンドを割り当てることができる。その結果、アプリケーションの操作性が大幅に改善する。
また、上記以外にも、ユーザ検知装置を、タッチペンを用いた携帯端末に適用してもよい。そしてユーザ検知装置を用いて、タッチペンによるタッチ操作か、ユーザの手によるタッチ操作かを、識別してもよい。この場合、携帯端末の外周に、マット電極20a〜マット電極20cに相当する検知電極を設ける。検知電極には、識別情報IDが付与されている。この検知電極を常時ユーザが触れる構成にする。またタッチペンの筐体の材料を絶縁体材料とし、ペン先の材料を導電性とする。この構成により、ペン先でのタッチ操作は、携帯端末に設けた検知電極の影響を受けない。
つまり、ユーザが携帯端末に手で触ると、携帯端末の検知電極で検知され、検知電極のIDが付与された信号が算出される。一方で、ペン先で触れる場合は、携帯端末の検知電極で検知されず、検知電極のIDが付与された信号は検知されない。したがって、ペン先での操作と、手によるタッチ操作とを区別できる。そのため、例えばペン先以外の部分で誤って触ってしまった場合を、誤動作として処理することができる。このようなタッチペンの場合、実施の形態6で説明したタッチペン25に比べて、電源及び回路部品を搭載する必要がない。したがって、安価で堅牢なタッチペンを構成できる。ただし、ペン先の材料を導体材料し、このペン先とペンを握るユーザの手とは所定容量を持つことが望ましい。
また、実施の形態1〜実施の形態6では、タッチ座標にIDを付与するためにマット電極を利用したが、上記説明したように、コマンドを割り当てるために用いてもよい。
また、実施の形態1〜実施の形態6では、マット電極の上にユーザが存在する場合を例に説明したが、ユーザが存在しない場合も、マット電極の出力が検知されないため、ユーザが存在しないことを識別できる。