JP2017099597A - カテーテル組立体 - Google Patents

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Abstract

【課題】生体への負担を低減できるとともに、カテーテルの潰れやキンクの発生を抑制できるカテーテル組立体を提供する。【解決手段】内部にルーメン21を有する内層22と、内層22の径方向外側に配置される外層23と、内層22および外層23の間に配置される線材からなる補強部24と、を備えたカテーテル本体2を有するガイディングカテーテル1と、ガイディングカテーテル1を挿入可能な管状のシース本体7を有するイントロデューサーシース6と、を有するカテーテル組立体であって、カテーテル本体2の肉厚をTc、シース本体7の肉厚をTs、カテーテル本体2の外層23の肉厚をTo、内層の肉厚をTiとした際に、以下の式(1)ないし式(3)を満たす。To≧0.2mm …式(1)1.75≦Tc/Ts≦3.0 …式(2)0.006mm≦Ti≦0.015mm …式(3)【選択図】図4

Description

本発明は、生体管腔内へ挿入されるガイディングカテーテルおよびイントロデューサーシースを有するカテーテル組立体に関する。
血管等の生体管腔へ挿入して治療や診断等を行うための処置用カテーテル(バルーンカテーテルやステント留置用カテーテルなど)を目的部位まで挿入するために、処置用カテーテルをガイドするガイディングカテーテルが用いられる。ガイディングカテーテルを血管内へ導入する際には、イントロデューサーシースを皮膚から血管内へ挿入するように設置した後、このイントロデューサーシースにガイディングカテーテルを挿入することで血管内へ導入される。
ガイディングカテーテルおよびイントロデューサーシースは、患者への負担を減らすために血管挿入部の切開を小さくし、血管との摩擦を低減するため、より小さい外径のものが求められている。一方、ガイディングカテーテルに挿入される処置用カテーテルは、治療部位等の目的部位で十分な効果を発揮するために、より大きい外径のものが求められている。処置用カテーテルが挿入されるガイディングカテーテルは、様々な症例(病状)に対応するため、より大きい内径のものが求められている。
ところで、近年、手首の動脈からカテーテルを挿入し、冠動脈の治療を行うTRI(Trans Radial Intervention)による手技が広く行われている。イントロデューサーシースは、セルジンガー法を用いて血管に留置し、このイントロデューサーシース内にガイディングカテーテルが挿入されて使用されるため、ガイディングカテーテルよりもイントロデューサーシースの外径が大きくなる。TRIによる手技は血管径の小さい橈骨動脈よりイントロデューサーシースを挿入するため、十分な血管径を確保できず、イントロデューサーシースのサイズが制限される。これに伴い、必然的にガイディングカテーテルについても外径の小さいものを選択する必要がある。
TRIの複雑な症例において、処置用カテーテルやワイヤー等を治療部位に挿入する際のガイディングカテーテルのバックアップ力不足が問題となる。複雑な症例では、蛇行部位や石灰病変への処置用カテーテルの通過など、処置用カテーテルを病変へ送る必要があるが、前記したような状況において、TRIではガイディングカテーテルのサイズが小さく、ガイディングカテーテルのバックアップ力が不十分となることがある。これにより、ガイディングカテーテルの係合(エンゲージ)が外れ、処置用カテーテルを送達できないことが問題となる。
また、ガイディングカテーテルの肉厚が薄い場合、管壁が弱くなり、潰れや折れ(キンク)が発生しやすくなる。そのため、潰れやキンクの発生を抑制するために内層と外層との間に埋め込まれる補強線と、処置用デバイスの通過性を確保するために低摩擦材料からなる内層と、剛性を保持して高いバックアップ力を発揮するための外層とを備えたガイディングカテーテルが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
ところで、ガイディングカテーテルの肉厚において内層の肉厚の比率が高いと、必然的に外層の肉厚が減少して剛性が低下し、処置用デバイスをバックアップする機能が低下する。さらに、ガイディングカテーテルの肉厚に対する内層の肉厚の比率が高いと、内層の外側に配置される補強線が、必然的により外側に配置されることになるが、補強線が外側に配置されるほど、ガイディングカテーテルに潰れやキンクが生じやすくなる。また、内層の肉厚の比率が高いガイディングカテーテルが、屈曲した血管内で何度も曲げられることで、外層にクラックや材料間での剥離が発生し、バックアップ力、押し込み性(プッシャビリティ)、トルク伝達性などの機能が低下する可能性がある。
特開2006−288670号公報
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、生体への負担を低減できるとともに、カテーテルの潰れやキンクの発生を抑制できるカテーテル組立体を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に係るカテーテル組立体は、内部にルーメンを有する内層と、前記内層の径方向外側に配置される外層と、前記内層および外層の間に配置される線材からなる補強部と、を備えたカテーテル本体を有するガイディングカテーテルと、前記ガイディングカテーテルを挿入可能な管状のシース本体を有するイントロデューサーシースと、を有するカテーテル組立体であって、前記カテーテル本体の肉厚をTc、前記シース本体の肉厚をTs、前記カテーテル本体の外層の肉厚をTo、内層の肉厚をTiとした際に、以下の式(1)および式(2)を満たす。
To≧0.2mm …式(1)
1.75≦Tc/Ts≦3.0 …式(2)
0.006mm≦Ti≦0.015mm …式(3)
上記のように構成したカテーテルは、式(1)を満たして外層の肉厚Toが0.2mm以上となることで、外層の高い剛性を維持してカテーテル本体の潰れやキンクの発生を抑制すると同時に、式(2)を満たすことで、カテーテル本体が挿入されるシース本体の肉厚Tsを、カテーテル本体の肉厚Tcに対して薄く設定できる。したがって、シース本体は、潰れやキンクの発生を抑制できるカテーテル本体が挿入されることで、カテーテル本体によって内側から支持されるために極力薄く設定でき、生体への負担を低減できる。さらに、式(3)を満たすように内層を薄くすることで、外層樹脂が十分に充填され、バックアップ力等の機能を維持するとともに操作性が向上する。
前記カテーテル組立体は、前記カテーテル本体の外径をDとした際に、以下の式(4)を満たすことができる。これにより、腕の血管のような細い管腔へ挿入可能であり、生体への負担を低減できる。
D≦2.6mm …式(4)
前記カテーテル組立体は、以下の式(5)を満たすことができる。これにより、カテーテル本体の肉厚に対する内層の肉厚の比率(Ti/Tc)が0.05以下となり、補強部がカテーテル本体の肉厚内で外側に行き過ぎず、カテーテル本体の潰れやキンクを抑制できるとともに、生体内で変形させても物性の変化が小さく、カテーテル本体の機能を維持できる。また、比率(Ti/Tc)を0.025以上とすることで、内層が薄くなり過ぎることによる内層の剥離や脱落を抑制し、安全性を確保できる。
0.025≦Ti/Tc≦0.05 …式(5)
前記内層は、ポリテトラフルオロエチレンを含む材料により形成されることができる。これにより、内層の内面が低摩擦となり、処置用デバイスの通過性を良好に確保することができる。
実施形態に係るカテーテル組立体のカテーテルおよびイントロデューサーシースを示す平面図である。 カテーテルおよびイントロデューサーシースを組み立てた状態を示す平面図である。 カテーテルおよびイントロデューサーシースを組み立てた状態における縦断面図である。 カテーテルおよびイントロデューサーシースを組み立てた状態における横断面図である。 カテーテルの外層を透過して補強線を観察した透過図である。 3点曲げ試験における押し込み距離に対する荷重を示すグラフである。 内層厚比に対する曲げ剛性比を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上、誇張されて実際の比率とは異なる場合がある。以下の説明において、カテーテルの手元側を「基端側」、生体内へ挿入される側を「先端側」と称す。
本実施形態に係るカテーテル組立体は、図1、2に示すように、カテーテル1と、カテーテル1を血管内へ案内するためのイントロデューサーシース6とを備えている。カテーテル1は、例えばバルーンカテーテルや、ステントを縮径状態で狭窄部まで搬送し、狭窄部にて拡径、留置して狭窄部を拡張維持するためのカテーテル(ステント運搬用カテーテル)のような処置用カテーテル(医療器具)を、例えば橈骨動脈等の腕の血管から、冠動脈まで誘導するためのガイディングカテーテルとして用いられる。
カテーテル1は、カテーテル本体2と、カテーテル本体2の先端側に設けられた柔軟性に富むソフトチップ3と、カテーテル本体2の基端側に設けられたハブ4と、カテーテル本体2とハブ4とが連結されている部分に被せられる耐キンクプロテクタ5(被覆部材)とを備えている。
カテーテル本体2は、図3、4に示すように、可撓性を有する管状体で構成されており、そのほぼ中心部には、カテーテル本体2の全長にわたって、ルーメン21(内腔)が形成されている。ルーメン21は、ソフトチップ3の先端の先端開口部31で開放している。
カテーテル本体2は、ルーメン21内にて内表面を形成する内層22と、外表面を形成する外層23と、内層22および外層23の間に位置する補強部24とを備えている。
外層23の構成材料は、可撓性を備えることが好ましく、例えば、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組合せたもの(ポリマーアロイ、ポリマーブレンド、積層体等)を用いることができる。
内層22の構成材料は、ルーメン21内に処置用カテーテルやガイドワイヤー等の医療器具を挿入する際に、これら医療器具と接する部分が低摩擦となるような材料で構成されていることが好ましい。これにより、カテーテル本体2に対し挿入された医療器具を、より小さい摺動抵抗で軸線方向へ移動させることができ、医療器具の通過性を良好に確保して、操作性の向上に寄与する。内層22を構成する低摩擦材料は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)等のフッ素系樹脂材料が挙げられる。なお、内層22の材料は、低摩擦材料に限定されず、各種樹脂材料を適用できる。
補強部24は、カテーテル本体2を補強するためのものであり、図3〜5に示すように、複数の補強線25を有している。補強部24における複数の補強線25の隙間には、外層23あるいは内層22の樹脂が入り込む構成となっている。本実施形態では、補強線25は、複数本が内層22の表面に巻き付けるように形成される。補強部24は、例えば、補強線25をらせん状や網状にしたものが挙げられる。補強線25の構成材料は、例えば、ステンレス鋼、NiTi等の金属である。補強線25の具体例としては、カテーテル本体2の径方向の肉厚が薄くなるように、ステンレス鋼の線を平板状に潰し加工した平板状のものが挙げられる。なお、補強線25は、上述の平板状の線材に限定されず、例えば、丸線、楕円線でもよい。また、各補強線25は、二本以上の補強線を束にされたものでもよい。
このような補強部24を有することにより、カテーテル本体2の壁厚を増大することなく、すなわちカテーテル本体2の内径を比較的大きくしつつ、十分な剛性と強度を確保することができる。その結果、比較的大きい外径の医療器具が挿入可能であり、かつ、プッシャビリティおよびトルク伝達性に優れ、キンクや潰れが生じ難いカテーテル1が得られる。
補強線25は、平板状であることで、長手方向と直交する断面形状が略矩形となり、カテーテル本体2の周方向に沿う辺が長辺、カテーテル本体2の径方向に沿う辺が短辺となることが好ましい。補強線25の断面形状は、ほぼ長方形であるが、幅方向がほぼ直線状であればよく、厚さが幅方向の位置によって異なってもよい。ここで、補強線25の「幅」は長辺の長さであり、補強線25の「厚さ」は短辺の長さである。平板である補強線25は、楕円にくらべ、外部応力に対し均等に力を受けるため、物性が一定となる。そのため、補強線25は、平板状の線材であることが好適である。
各々の補強線25の幅は、0.02〜0.45mmであることが好ましいが、これに限定されない。各々の補強線25の厚さは、0.01〜0.08mmであることが好ましいが、これに限定されない。各々の補強線25のピッチ、同方向に巻かれた隣り合う補強線25の、カテーテル本体2の軸線方向への長さは、0.1〜2.0mmであることが好ましいが、これに限定されない。補強線25のピッチは、カテーテル本体2の軸線方向の位置によって異なってもよい。
図1、2に示すソフトチップ3は、柔軟性に富む材料で構成されており、その先端が好ましくは丸みを帯びた形状をなしている。このようなソフトチップ3を設けることにより、湾曲、屈曲、分岐した血管内でも、円滑かつ安全にカテーテル1を走行させることができる。ソフトチップ3の構成材料としては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエンゴム等の各種ゴム材料や、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマーが挙げられる。
なお、カテーテル本体2を構成する層の数や各層の構成材料、補強線の有無等は、カテーテル本体2の長手方向に沿って異なっていてもよい。例えば、カテーテル本体2の先端側の部分は、より柔軟性を持たせるために、層の数を減らしたり、より柔軟な材料を用いたり、当該部分にのみ補強部を配置しなかったりすることができる。
カテーテル本体2は、少なくとも一部が湾曲していてもよい。湾曲していることで、カテーテル1の用途に応じて、挿入する部位に適した形状とすることができ、または、目的部位に係合(エンゲージ)しやすくすることができる。
カテーテル本体2の基端には、図1、2に示すように、ハブ4が装着されている。ハブ4には、ルーメン21と連通する通路が形成されている。ハブ4からは、例えば、ガイドワイヤー、カテーテル類(例えば、PTCA用のバルーンカテーテル、ステント搬送用カテーテル)、内視鏡、超音波プローブ、温度センサー等の長尺物(線状体)を挿入または抜去したり、造影剤(X線造影剤)、薬液、生理食塩水等の各種液体を注入することができる。また、ハブ4は、例えば、Y型分岐コネクタ等、他の器具と接続することもできる。
図1に示す耐キンクプロテクタ5は、弾性材料により形成され、カテーテル本体2とハブ4とを連結している部分に被せられることで、当該部分の付近での折れ曲がり(キンク)を防止する役割を果たす。
イントロデューサーシース6は、図1〜4に示すように、カテーテル本体2を挿入可能なシース本体7と、シース本体7の基端部に固着されるシースハブ8と、シースハブ8に連結されてシースハブ8の内腔と連通するポート9とを備えている。シース本体7の内部には、カテーテル本体2を挿入可能なシース内腔71が形成されている。シースハブ8は、シース内腔71と連通するシースハブ開口部81が基端部に形成されており、このシースハブ開口部81から、カテーテル本体2を挿入可能である。ポート9は、シース内腔71に連通し、生理食塩水や造影剤等を注入可能である。
シース本体7の構成材料は、可撓性を備えることが好ましく、例えば、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系、フッ素系樹脂等の各種熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組合せたもの(ポリマーアロイ、ポリマーブレンド、積層体等)を用いることができる。
シース本体7は、少なくとも一部が湾曲していてもよい。湾曲していることで、シース本体7を挿入する部位に適した形状とすることができる。
次に、カテーテル本体2およびシース本体7の各部の寸法の望ましい条件を説明する。
カテーテル1およびイントロデューサーシース6は、カテーテル本体2の肉厚をTc、外層23の肉厚をTo、内層の肉厚をTi、シース本体7の肉厚をTsとした際に、以下の式(1)および式(2)を満たすことが好ましい。
To≧0.2mm …式(1)
1.75≦Tc/Ts≦3.0 …式(2)
0.006mm≦Ti≦0.015mm …式(3)
式(1)を満たして外層23の肉厚が0.2mm以上となることで、外層23の高い曲げ剛性を維持してカテーテル本体2の潰れやキンクの発生を抑制すると同時に、式(2)を満たすことで、カテーテル本体2が挿入されるシース本体7の肉厚Tsを、カテーテル本体2の肉厚Tcに対して薄く設定できる。すなわち、シース本体7は、潰れやキンクの発生を抑制できるカテーテル本体2が挿入されるため、カテーテル本体2によって内側から支持されて形状を維持できることから、極力薄く設定でき、切開部を極力小さくして患者への負担を低減できる。なお、比率(Tc/Ts)が小さ過ぎると、シース本体7が厚くなり過ぎ、生体への負担が増加する。比率(Tc/Ts)が大き過ぎると、シース本体7が薄くなり過ぎ、カテーテル本体2を挿入していない状態において形状の維持が困難となる。
また、式(3)を満たすようにカテーテル本体2の内層22を薄くすることで、外層樹脂が十分に充填され、カテーテル本体2は曲げやキンクなどに対する機能を向上することができる。
内層22の肉厚Tiは、好ましくは0.006mm以上であって0.015mm以下、より好ましくは0.007mm以上であって0.014mm以下、さらに好ましくは0.008mm以上であって0.013mm以下、最も好ましくは0.010mmである。
なお、式(2)に示す比率(Tc/Ts)は、より好ましくは、2以上3以下である。これにより、シース本体7の肉厚Tsが厚くなり過ぎず、患者への負担をさらに低減できる。
更に、カテーテル1は、カテーテル本体2の外径をDとした際に、以下の式(4)および式(5)を満たすことが好ましい。
D≦2.6mm …式(4)
0.025≦Ti/Tc≦0.05 …式(5)
式(4)を満たすことで、腕の動脈などの細い血管へカテーテル本体2を挿入することができ、切開部も小さく患者への負担を低減できる。さらに、式(5)を満たし、カテーテル本体2の肉厚Tcに対する内層22の肉厚Tiの比率(Ti/Tc)が0.05以下となることで、内層22が薄くなり、内層22の外側に配置される補強線25が、カテーテル本体2の肉厚内で外側に行き過ぎない。補強線25がカテーテル本体2の外側に行き過ぎると、カテーテル本体2の潰れやキンクが発生する原因となり得るが、内層22が薄くなり補強線25がカテーテル本体2の外側に行き過ぎないことで、カテーテル本体2の潰れやキンクの発生を抑制できる。さらに、比率(Ti/Tc)を0.05以下に抑えることで、必然的に外層23の肉厚の比率を高く保持して高い曲げ剛性を維持できるため、潰れやキンクの発生を抑制すると同時に、挿入される処置用デバイスを支持するための高いバックアップ力を維持できる。また、カテーテル本体2は、比率(Ti/Tc)を0.05以下に抑えることで、後述する実施例でも示すように、歪が残存し難くなる。このため、カテーテル本体2が体内で屈曲した血管内を走行して大きく撓んでも、歪が残存せずに物性が低下し難いため、処置デバイスに対するバックアップ力、押し込み性、トルク伝達性などの機能を適切に維持できる。さらに、比率(Ti/Tc)を0.025以上とすることで、内層22が薄くなり過ぎることを抑制し、内層22の剥離や脱落、補強線25の露出などを抑制し、高い安全性を得ることができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
表1に示す実施例1、実施例2、比較例1〜3に係るカテーテル本体およびシース本体を作製した。いずれも、カテーテル本体における内層の構成材料はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であり、補強線の構成材料はステンレスであり、外層の構成材料はポリエステルエラストマーであった。また、シース本体の構成材料はフッ素系樹脂であった。
次に、カテーテル本体の3点曲げ試験を行った。具体的には、25℃空気中、押し子および支点の半径5mm、押込み速度5mm/minとし、カテーテル本体を水平に45mm離れた2つの支点で支持し、その中間部を反対側から押し込んで、押し込み距離に対する曲げ剛性(荷重)を計測した。結果を表2および図6に示す。
3点曲げ試験の結果として、表2、図6に示すように、カテーテル本体の外径が大きく曲げ剛性が高い実施例1、実施例2および比較例3において、荷重が高くなった。なお、いずれの実施例および比較例も、押し込み距離と曲げ剛性は比例せず、押し込み距離が高くなるほど荷重の増加量が減少した。押し込み距離と曲げ剛性が比例しない理由は、カテーテル本体に、カテーテル本体の撓みによる扁平に加え、微小なクラックや、樹脂材料と補強線の剥離などによる歪などの複合的な要因によるものと考えられる。
次に、3点曲げ試験の結果から、押し込み距離が3mmと6mmの場合の曲げ剛性をピックアップし、6mmの場合の曲げ剛性を、3mmの場合の曲げ剛性で割った値である剛性比を算出した(表2を参照)。内層厚比(Ti/Tc)に対する剛性比を示すグラフを、図7に示す。
なお、押し込み距離3mmは、カテーテル本体を血管内に挿入した際に小さく曲がった状態を疑似し、押し込み距離6mmは、カテーテル本体を血管内に挿入した際に大きく曲がった状態を疑似している。剛性比は、歪や発熱が生じない場合には、理論的には2となるが、カテーテルに歪等が発生することで、実測値では2以下となった。剛性比が大きいほど、撓んでも歪等の発生が抑制されて物性が低下し難いため、血管内で変形させても、処置用カテーテル等を保持するためのバックアップ力、押し込み性、トルク伝達性などの機能を適切に維持できる。結果として、内層厚比(Ti/Tc)が小さい実施例1、実施例2において、撓んでも歪の発生が抑制されることが確認された。したがって、内層厚比(Ti/Tc)は、0.025以上0.05以下で歪が小さく、より好ましくは、0.0356以上0.0432以下で歪が小さくなった。
また、カテーテル本体の内径および外径が略同一であり、内層の厚さのみが異なる実施例1(内層:0.01mm)と比較例3(内層:0.02mm)を比較すると、内層の肉厚が薄く、内層厚比(Ti/Tc)が小さい実施例1の方が剛性比が大きく、歪が生じ難いことが確認された。また、カテーテル本体の内径および外径が略同一であり、内層の厚さのみが異なる比較例1(内層:0.01mm)と比較例2(内層:0.02mm)においても、同様の傾向が確認された。
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。例えば、カテーテルの用途は、生体管腔内へ挿入されて使用されるものであれば、特に限定されない。生体管腔は、血管に限定されず、例えば、脈管、尿管、胆管、卵管、肝管等であってもよい。また、カテーテルの用途は、TRIの手技を用いて、血管が細い橈骨動脈、鎖骨下動脈等へ挿入される場合に好適であるが、これに限定されない。
1 カテーテル(ガイディングカテーテル)、
2 カテーテル本体、
6 イントロデューサーシース、
7 シース本体、
21 ルーメン、
22 内層、
23 外層、
24 補強部、
25 補強線、
D カテーテル本体の外径、
Tc カテーテル本体の肉厚、
Ti 内層の肉厚、
To 外層の肉厚、
Ts シースの肉厚。

Claims (4)

  1. 内部にルーメンを有する内層と、前記内層の径方向外側に配置される外層と、前記内層および外層の間に配置される線材からなる補強部と、を備えたカテーテル本体を有するガイディングカテーテルと、前記ガイディングカテーテルを挿入可能な管状のシース本体を有するイントロデューサーシースと、を有するカテーテル組立体であって、
    前記カテーテル本体の肉厚をTc、前記シース本体の肉厚をTs、前記カテーテル本体の外層の肉厚をTo、内層の肉厚をTiとした際に、以下の式(1)ないし式(3)を満たすカテーテル組立体。
    To≧0.2mm …式(1)
    1.75≦Tc/Ts≦3.0 …式(2)
    0.006mm≦Ti≦0.015mm …式(3)
  2. 前記カテーテル本体の外径をDとした際に、以下の式(4)を満たす請求項1に記載のカテーテル組立体。
    D≦2.6mm …式(4)
  3. 以下の式(5)を満たす請求項1または2に記載のカテーテル組立体。
    0.025≦Ti/Tc≦0.05 …式(5)
  4. 前記内層は、ポリテトラフルオロエチレンを含む材料により形成される請求項1〜3のいずれか1項に記載のカテーテル組立体。
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