JP2017096169A - Rotary compressor and heat pump device having the same mounted thereon - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、回転ピストンとベーンとを用いて圧縮室と吸入室とを区画してなるロータリ圧縮機と、ロータリ圧縮機を搭載したヒートポンプ装置に関するものである。 The present invention relates to a rotary compressor in which a compression chamber and a suction chamber are partitioned using a rotary piston and a vane, and to a heat pump device equipped with the rotary compressor.
従来から空調機や給湯機などのヒートポンプ機器では、冷媒圧縮機を搭載した蒸気圧縮式冷凍サイクルが用いられている。冷媒圧縮機のうち、ロータリ圧縮機は、シリンダと、シリンダ内のシリンダ室に偏心回転自在に収納された回転ピストンと、シリンダのシリンダ溝内を往復動するベーンとを備えている。ベーンは、ベーンの背面部に作用する差圧(蒸気圧縮機式冷凍サイクルの吐出圧(Pd)と吸入圧(Ps)との差)により、ベーンの先端部を回転ピストンに押付けた状態で回転ピストンの偏心回転に追従することで、シリンダ室内を圧縮室と吸入室とに区画している。 Conventionally, in a heat pump device such as an air conditioner or a water heater, a vapor compression refrigeration cycle equipped with a refrigerant compressor is used. Of the refrigerant compressors, the rotary compressor includes a cylinder, a rotary piston housed in a cylinder chamber in the cylinder so as to be eccentrically rotatable, and a vane that reciprocates in a cylinder groove of the cylinder. The vane rotates with the tip of the vane pressed against the rotating piston by the differential pressure (difference between the discharge pressure (Pd) and suction pressure (Ps) of the vapor compressor refrigeration cycle) acting on the back of the vane. By following the eccentric rotation of the piston, the cylinder chamber is partitioned into a compression chamber and a suction chamber.
この種のロータリ圧縮機では、回転ピストンにベーンを当接させることが圧縮室と吸入室とを区画するための重要な要件である。そこで、従来、ベーン溝内においてベーンの後方に圧縮バネを設け、この圧縮バネの反発力により、ベーンを回転ピストン側(前方)に押付けるようにしていた。 In this type of rotary compressor, it is an important requirement for partitioning the compression chamber and the suction chamber to bring the vane into contact with the rotary piston. Therefore, conventionally, a compression spring is provided behind the vane in the vane groove, and the vane is pressed against the rotary piston side (front) by the repulsive force of the compression spring.
地球温暖化防止の観点から、空調機器の省エネ規制強化が促進されている。最新の省エネ規格では、実負荷に近い運転条件で省エネ性能が評価されるようになり、従来規格で評価対象外であった低負荷条件について効率改善することが新たな課題となっている。 From the viewpoint of preventing global warming, strengthening of energy-saving regulations for air conditioners is being promoted. With the latest energy-saving standards, energy-saving performance has been evaluated under operating conditions close to actual loads, and it has become a new challenge to improve efficiency for low-load conditions that were not subject to evaluation under the conventional standards.
ここで、低負荷条件とは、外気温と室内温度との温度差が小さくて、室内温度一定に保つために必要な熱量が小さい条件である。そして、低負荷条件では、蒸気圧縮機式冷凍サイクルの吐出圧(Pd)と吸入圧(Ps)との差圧が小さい状態で、かつ、圧縮機が低速で回転する状態である。 Here, the low load condition is a condition in which the temperature difference between the outside air temperature and the room temperature is small, and the amount of heat necessary to keep the room temperature constant is small. Under the low load condition, the differential pressure between the discharge pressure (Pd) and the suction pressure (Ps) of the vapor compressor refrigeration cycle is small, and the compressor rotates at a low speed.
非特許文献1に記載のように、上記の低負荷条件では、ベーンの背面部に作用する差圧(Pd−Ps)が低下し、ベーンを回転ピストン側(前方)に押付ける力が小さくなる。また、圧縮バネの反発力は、ベーンが最も後方に移動した上死点位置では大きいが、ベーンが最も前方に移動した下死点位置では小さくなる。このため、低負荷条件では、下死点位置でベーンが回転ピストンの動きに追随できず、120度から180度(下死点位置)の領域で、回転ピストンからベーンの先端部が離間する不安定現象(ベーン離間)を発生しやすくなる。これによって、信頼性と効率の低下を招くことが課題であった。
As described in
また、特許文献1の実施の形態1には、ベーンを回転ピストン側(前方)に押付ける構成として、ベーンの背面部とベーン溝内においてベーンの背面部と対向する部分とのそれぞれに、互いに反発するように磁石を設けた構成が開示されている。また、特許文献1の実施の形態2には、ベーンの先端部に磁石を設け、磁石と回転ピストンとの間に発生する吸引力でベーンを回転ピストンに当接させる構成も開示されている。
Further, in
非特許文献1の図1に記載のような従来のロータリ圧縮機では、低負荷条件でのベーン離間を抑制するため、以下のようにすればよい。すなわち、ベーンの背部に取り付ける圧縮バネの圧縮バネ力を増加させるため、コイル線径を太くするか、コイル径を小さくすればよい。しかし、このような構成とすると、圧縮バネの最小圧縮長さが長くなり、その分、ベーンのストローク稼働範囲が小さくなる。ロータリ圧縮機の吸入容積はベーンのストロークに比例するので、同一の吸入容積を確保には、自然長状態で長いコイルバネが収納できるように密閉シェルの内径を大きくすることが必要である。したがって、同一の吸入容積を確保しつつ、密閉シェルサイズ(内径と外径)を小さくする対策(サイズダウン、小型化)のためには、圧縮バネのバネ力を増強する以外の新たな対策が必要となった。
In the conventional rotary compressor as shown in FIG. 1 of
特許文献1の実施の形態1に記載のロータリ圧縮機において、磁石による反発力は、圧縮バネを用いた構成と同様に、ベーンが後方に移動した状態では大きいが、ベーンが最も前方に移動した下死点位置では小さくなる。このため、低負荷条件において、ベーンが下死点位置で回転ピストンから離間する不安定現象の問題を解決できなかった。
In the rotary compressor described in
また、特許文献1の実施の形態2に記載のロータリ圧縮機は、ベーンの先端部に磁石を設けることで、ベーンが下死点位置に移動した状態における、ベーンの回転ピストンへの押付け力の低下の課題を解決できる。しかしながら、いわば圧縮部の摺動箇所に磁石を設けた構成であるため、圧縮部内を浮遊する金属摩耗粉が磁石に引き寄せられて磁性材料の回転ピストンに付着し、以下の問題が生じる。すなわち、回転ピストンと接触して摺動する箇所が、回転ピストンに付着した金属摩耗粉と接触することで摩耗しやすくなり、耐久性が低下して信頼性の低下を招くことが課題であった。このように、ベーンの回転ピストンへの押付け力を向上するために磁石の吸引力を用いることは有効である一方、新たな課題を招いていた。
In addition, the rotary compressor described in the second embodiment of
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、低負荷時でもベーンを安定して動作させて信頼性と効率の低下を招くことなく、ロータリ圧縮機の小型化を実現し、さらにこれを搭載したヒートポンプ装置を得ることを目的とする。 The present invention has been made to solve such problems, and realizes downsizing of a rotary compressor without causing a decrease in reliability and efficiency by stably operating a vane even at a low load, Furthermore, it aims at obtaining the heat pump apparatus carrying this.
本発明に係るロータリ圧縮機は、電動機と、電動機に駆動軸を介して連結され、駆動軸を介して電動機から伝達される駆動力によって冷媒を圧縮する圧縮部と、圧縮部の軸方向上下に配置され、駆動軸を支持する軸受部を有する支持部材とを備え、圧縮部が、シリンダ室が形成されたシリンダと、駆動軸の偏心軸部に回転自在に装着され、シリンダ室内を偏心回転する回転ピストンと、回転ピストンの外周面に先端部が当接してシリンダ室内を吸入室と圧縮室とに仕切るベーンと、シリンダ室中心に向かう方向である前方の下死点位置とシリンダ室から遠ざかる方向である後方の上死点位置との間を往復動自在にベーンが挿入されたベーン溝とを有するロータリ圧縮機であって、ベーンに連結され、磁性材料で構成されたベーン吸引部と、ベーン吸引部を前方に吸引する吸引磁力を、ベーンが下死点位置にあるときにベーン吸引部に対して作用させる磁気回路とを備え、ベーン吸引部と磁気回路との間で発生する磁界に基づいて圧縮部の摺動箇所が磁化されることの無い位置にベーン吸引部および磁気回路が配置されているものである。 A rotary compressor according to the present invention includes an electric motor, a compression unit that is connected to the electric motor via a drive shaft, compresses the refrigerant by a driving force transmitted from the electric motor via the drive shaft, and an axial direction of the compression unit. And a support member having a bearing portion that supports the drive shaft. The compression portion is rotatably mounted on the cylinder in which the cylinder chamber is formed and the eccentric shaft portion of the drive shaft, and rotates eccentrically in the cylinder chamber. A rotating piston, a vane whose tip is in contact with the outer peripheral surface of the rotating piston and partitioning the cylinder chamber into a suction chamber and a compression chamber, a front bottom dead center position that is a direction toward the center of the cylinder chamber, and a direction away from the cylinder chamber A rotary compressor having a vane groove into which a vane is inserted so as to be capable of reciprocating between the rear top dead center position, and a vane suction unit connected to the vane and made of a magnetic material; A magnetic circuit that acts on the vane suction part when the vane is at the bottom dead center position, and generates a magnetic field generated between the vane suction part and the magnetic circuit. Based on this, the vane attracting part and the magnetic circuit are arranged at a position where the sliding part of the compression part is not magnetized.
本発明に係るヒートポンプ装置は、上記ロータリ圧縮機と、凝縮器と、減圧装置と、蒸発器とを備えたものである。 A heat pump device according to the present invention includes the rotary compressor, a condenser, a decompression device, and an evaporator.
本発明によれば、低負荷時でも、ベーンを安定に動作させて信頼性と効率の低下を招くことなく、ロータリ圧縮機の小型化を実現し、さらにこれを搭載したヒートポンプ装置を得ることができる。 According to the present invention, even when the load is low, the vane can be stably operated without reducing reliability and efficiency, and the rotary compressor can be downsized, and a heat pump device equipped with the rotary compressor can be obtained. it can.
以下、図面に基づいて、本発明に係るロータリ圧縮機およびロータリ圧縮機を備えたヒートポンプ装置の一例について説明する。以下では、まず、ロータリ圧縮機について説明する。なお、以下に示す図面では、各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。 Hereinafter, an example of a rotary compressor and a heat pump apparatus including the rotary compressor according to the present invention will be described with reference to the drawings. Below, a rotary compressor is demonstrated first. In the drawings shown below, the relationship between the sizes of the constituent members may be different from the actual ones.
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るロータリ圧縮機1の構造を示す概略縦断面図である。図2は、本発明の実施の形態1に係るロータリ圧縮機1の圧縮部10の回転角0degの上死点位置を示す概略横断面図(図1のA−A断面)である。図3は、本発明の実施の形態1に係るロータリ圧縮機1の圧縮部10の回転角180degの下死点位置を示す概略横断面図(図1のA−A断面)である。
FIG. 1 is a schematic longitudinal sectional view showing the structure of a
[ロータリ圧縮機1の基本構成と基本動作]
実施の形態1に係るロータリ圧縮機1は、例えば空調機や給湯機等のヒートポンプ装置200(後述の図10参照)の主要構成要素の一つとして利用され、ガス冷媒を圧縮し高温高圧状態にして蒸気圧縮式冷凍サイクル内に冷媒を循環させる役割をするものである。
[Basic configuration and basic operation of the rotary compressor 1]
The
図1に示すようにロータリ圧縮機1は、密閉シェル3の内部空間7に、圧縮部10で構成された圧縮機構99を備え、圧縮部10は駆動軸5を介して電動機8で駆動される。
As shown in FIG. 1, the
密閉シェル3は、上端部および下端部が閉塞された例えば円筒形状の密閉容器である。密閉シェル3の底部には、圧縮機構99を潤滑する潤滑油が貯蔵される潤滑油貯蔵部3aが設けられている。また、密閉シェル3の上部には、外部冷媒回路に導かれる圧縮機吐出管2が設けられている。
The
電動機8は、回転子8aと固定子8bとを備えており、インバータ制御装置150(後述の図10参照)によって回転周波数が可変である。固定子8bは、略円筒形状に形成されており、外周部が密閉シェル3に例えば焼き嵌め等により固定されている。この固定子8bには、外部電源から電力供給されるコイルが巻回されている。回転子8aは、略円筒形状をしており、固定子8bの内周面から所定の間隔を介して、固定子8bの内周部に配置されている。この回転子8aには駆動軸5が固定されており、電動機8と圧縮機構99とは、駆動軸5を介して接続された構成となっている。つまり、電動機8が回転することにより、圧縮機構99には駆動軸5を介して回転動力が伝達されることとなる。
The
駆動軸5は、駆動軸5の上部を構成する長軸部5aと、駆動軸5の下部を構成する短軸部5bと、これら長軸部5aと短軸部5bとの間に形成された偏心ピン軸部5cとで構成されている。ここで、偏心ピン軸部5cは、その中心軸が長軸部5aおよび短軸部5bの回転中心軸から所定距離だけ偏心した円筒形状をしており、圧縮部10の後述のシリンダ室12内に配置される。つまり、駆動軸5が回転した際に、シリンダ室12内において、偏心ピン軸部5cが偏心回転運動する構成となっている。
The
駆動軸5は、長軸部5aが支持部材60の軸受部60aで回転自在に支持され、短軸部5bが支持部材70の軸受部70aで回転自在に支持されている。
In the
圧縮部10は、シリンダ11、回転ピストン13およびベーン14等で構成される。シリンダ11は、駆動軸5(より詳しくは、長軸部5aおよび短軸部5b)と略同心となる略円筒状の貫通孔が上下方向に貫通形成された平板部材である。この貫通孔は、上下両端の開口が支持部材60、70のフランジ部60b、70bにより閉塞され、シリンダ室12を形成している。
The
シリンダ室12内には、回転ピストン13が設けられている。この回転ピストン13は、リング状に形成されており、駆動軸5の偏心ピン軸部5cに摺動自在に設けられ、シリンダ室12内を偏心回転する。また、シリンダ11にはシリンダ室12に連通し、シリンダ室12の半径方向に延びるベーン溝19(図2、図3参照)が形成されている。そして、このベーン溝19には、往復動自在にベーン14が設けられている。ベーン14は、先端部14aが回転ピストン13の外周部に当接したまま、回転ピストン13の偏心回転に追従してベーン溝19内を往復動する。ベーン14の先端部14aが回転ピストン13の外周部に当接することにより、シリンダ室12は、吸入室と圧縮室とに仕切られる。ベーン14は非磁性材料で構成されている。
A
また、シリンダ11には、ベーン溝19の後方、つまりベーン14の背面部(後端部)14bを収容するベーン背室15が形成されている。このベーン背室15はシリンダ11を上下方向に貫通するように設けられている。また、ベーン背室15は密閉シェル3の内部空間7に一部開放されており、潤滑油貯蔵部3aに貯留されている潤滑油がベーン背室15に流入できる構成となっている。ベーン背室15に流入した潤滑油は、ベーン溝19とベーン14の側面との間に流れ込み、両者の間の摺動抵抗を低減させる。後述のように、実施の形態1に係るロータリ圧縮機1は、圧縮機構99で圧縮された冷媒が密閉シェル3の内部空間7に吐出される構成となっている。このため、ベーン背室15は、密閉シェル3の内部空間7と同じ高圧雰囲気となる。
The
シリンダ11には、ガス冷媒をシリンダ室12に流入させるための吸入マフラ6が接続されている。吸入マフラ6は、容器6b、流入管6a、流出管6c、流出管6dを備えている。容器6bは、冷凍サイクルを構成する蒸発器(図示せず)から流出した低圧の冷媒を貯留する。流入管6aは、蒸発器から容器6bに低圧冷媒を導き、流出管6c、6dは、それぞれ、容器6bに貯留された冷媒のうちのガス冷媒をシリンダ吸入流路17を経由して、シリンダ室12に導く役割をする。
The
また、シリンダ室12には、内部で圧縮されたガス冷媒を吐出する吐出口28が形成されている。この吐出口28は支持部材60のフランジ部60bに形成された貫通孔18aと連通している。当該貫通孔18aには、シリンダ室12内が所定の圧力以上となった際に開く開閉弁18bが設けられている。また、支持部材60のフランジ部60bには、貫通孔18aを覆うように吐出マフラ63が取り付けられている。
Further, the
[ロータリ圧縮機1の基本構成と動作の特徴]
本実施の形態1のロータリ圧縮機1の基本的な圧縮部構成と圧縮動作は、一般的なロータリ圧縮機と同様である。すなわち、駆動軸5が反時計まわりに回転することで、回転ピストン13がシリンダ室12内を偏心回転移動する。回転ピストン13が偏心回転移動することで、吸入マフラ6の流出管6cからシリンダ吸入流路17および吸入口17aを経由してシリンダ室12内に吸入した冷媒ガスが圧縮され、吐出口28に吐出される。吐出口28から吐出された冷媒ガスは、貫通孔18aから開閉弁18bに抗って内部空間7に吐出される。
[Basic configuration and operational characteristics of the rotary compressor 1]
The basic compression unit configuration and the compression operation of the
ベーン14は、上述したようにベーン溝19内を往復動自在であり、駆動軸5の回転角(回転ピストン13の回転角(位相))0degのときに最も後方(ベーン背室15側)の位置(上死点位置)(図2参照)に移動する。また、ベーン14は、回転角180degのときに最も前方(回転ピストン13側)の位置(下死点位置)(図3参照)へ移動する。なお、「前方」とは、シリンダ室中心に向かう方向とも言える。
As described above, the
[ベーン14に作用する押付け力]
ロータリ圧縮機1のベーン14には、先端部14aに吸入圧Ps(シリンダ室12に吸入された低圧冷媒の圧力)が作用する。また、ベーン14の後端部14bを含む背面部14cには、吐出圧Pd(密閉シェル3の内部空間7の圧力、つまり、圧縮機構99で圧縮された高圧冷媒の圧力)が作用する。このため、ベーン14には、先端部14aと背面部14cとに作用する圧力の差(Pd−Ps)に応じて、ベーン14を回転ピストン13へ押付ける第1力が作用する。
[Pressing force acting on the vane 14]
A suction pressure Ps (pressure of the low-pressure refrigerant sucked into the cylinder chamber 12) acts on the
この第1力に加えて、ベーン14には、ベーン背室15の後方に取り付けられた圧縮バネ16によって、ベーン14を回転ピストン13へ押付ける第2力が働いている。
In addition to the first force, a second force that presses the
本実施の形態1では第1力および第2力に加えてさらに、ベーン14を磁力を用いて前方に吸引することで、ベーン14を回転ピストン13へ押付ける力(第3力)が働く。
In the first embodiment, in addition to the first force and the second force, a force (third force) that presses the
図1において、点線の長穴で囲った部分は本発明の特徴部分であり、以下、第3力を発生させる磁気回路34とベーン吸引部31の構成について説明する。
In FIG. 1, a portion surrounded by a dotted long hole is a characteristic portion of the present invention, and the configuration of the
[磁気回路34とベーン吸引部31の構成]
図4は、本発明の実施の形態1に係るロータリ圧縮機1のベーン14とベーン吸引部31とを、非磁性材料の連結部材35を介して連結した概略構成図である。なお、図4のベーン14およびベーン吸引部31は、図1〜図3と左右の向きを逆に図示しており、図4の右側が前方(回転ピストン13側)、左側が後方(ベーン背室15側)である。
[Configuration of
FIG. 4 is a schematic configuration diagram in which the
ベーン14の下方の後端付近には、磁束を集中的に通過させるための磁性材料で構成されたベーン吸引部31が、非磁性材料で構成された連結部材35を介して連結されている。ベーン14とベーン吸引部31との連結は、具体的には、連結部材35の上下面に形成した円筒突起部35a、35bを、ベーン14の下面側の後端付近に設けた圧入孔14dと、ベーン吸引部31の上面側に設けた圧入孔31aとに、それぞれ圧入して行われる。
Near the rear end below the
ベーン吸引部31は、図1に示すようにシリンダ11より下側の高さ位置に位置しており、磁気回路34と径方向(軸方向に直交する方向)に対向して配置されている。
As shown in FIG. 1, the
磁気回路34は、永久磁石32と、永久磁石32の後方側に磁束密度を集中させるためのヨーク33とを備え、ベーン14の下方であって支持部材70の非可動箇所に配置されている。具体的には、磁気回路34は、支持部材70のフランジ部70bの外周曲面のうち、回転角0deg方向の外周曲面を平面的にカットして形成されたカット面37部分に、非磁性材料の保持具36を用いて位置決め固定されている。なお、磁気回路34の配置位置はベーン14の上方であって支持部材60の非可動箇所に配置されてもよい。
The
ヨーク33は、カット面37に当接して径方向(図2の左右方向)に延びる一対のヨーク基端部33a、33dと、一対のヨーク基端部33a、33dの先端から互いに向かい合う方に延びる一対のヨーク先端部33b、33cとを有している。ヨーク33は、永久磁石32の磁束を上下方向に分散させず、駆動軸5の軸方向と直交する平面(ここでは水平面)内に集中して流す作用を有する。一対のヨーク先端部33b、33c同士の間には、ベーン吸引部31が挿脱可能な隙間が形成されている。ヨーク33は、永久磁石32の周囲を取り囲むようにカット面37に固定されている。
The
以上のように構成された磁気回路34では、永久磁石32によりベーン吸引部31を引き寄せる吸引磁力が発生し、吸引磁力がベーン押付力(第3力)として発生する。ベーン吸引部31に吸引磁力が作用することで、ベーン吸引部31に連結されたベーン14がベーン吸引部31と共に動作するようになっている。なお、ここでは、ヨーク33が用いられ、永久磁石32からの磁束がベーン吸引部31に集中的に作用するようにしているので、十分なベーン押圧力(第3力)を得ることができる。また、ベーン14とベーン吸引部31とが、非磁性材料の連結部材35を介して連結されているため、磁束がベーン吸引部31から連結部材35を介してベーン14に漏れない。このため、磁束をベーン吸引部31に集中させることができるため、十分なベーン押圧力(第3力)を得ることができる。
In the
ここで、磁気回路34とベーン吸引部31との間で発生する磁界に基づいて圧縮部10の摺動箇所が磁化されると、圧縮部10内を浮遊する金属摩耗粉が磁力によって圧縮部10の摺動箇所に集められる。よって、例えば、ベーン14の先端部14aと回転ピストン13との摺動箇所に金属摩耗粉が混入すると、ベーン14の先端部14aなどが摩耗しやすくなる。また、ベーン14は、自身の側面がベーン溝19の内面に部分的に接触しながらベーン溝19内を往復動摺動しており、ベーン14の側面とベーン溝19とも互いに摺動する部分である。よって、ベーン14の側面とベーン溝19との隙間に例えば大きな金属摩耗粉等が混入した場合も、ベーン14の摩耗量が増加し、損傷の原因となる。
Here, when the sliding portion of the
このため、本実施の形態1では、磁気回路34とベーン吸引部31との間で発生する磁界に基づいて圧縮部10の摺動箇所が磁化されることの無い位置にベーン吸引部31および磁気回路34を配置する。
For this reason, in the first embodiment, the
[磁気回路34とベーン吸引部31の動作]
<回転角0deg>
上記図2は、実施の形態1に係るロータリ圧縮機1の回転角0degの上死点位置の 状態を示している。図5は、本発明の実施の形態1に係るロータリ圧縮機1のベーン14まわりの概略縦断面図(回転角0degの上死点位置)である。図6は、本発明の実施の形態1に係るロータリ圧縮機1のベーン14まわりの概略横断面図(回転角0degの上死点位置)である。図6において実線矢印はベーン14まわりの磁束、白抜き矢印はベーン14に働く磁力を示している。
[Operation of
<Rotation angle 0deg>
FIG. 2 shows the state of the top dead center position of the
図6に示すように永久磁石32から発生する磁束は、永久磁石32のN極側からフランジ部70bのカット面37を通過し、N極側のヨーク基端部33aからヨーク先端部33bに向かって流れる。この磁束により、ヨーク先端部33bは、ベーン吸引部31を隙間を介して永久磁石32に引き寄せるための磁力を発生する。そして、ベーン吸引部31を通過した磁束は、S極側のヨーク先端部33cからヨーク基端部33dに向かって流れて、永久磁石32のS極側に戻る。
As shown in FIG. 6, the magnetic flux generated from the
つまり、ベーン14が上死点位置に位置した状態ではベーン吸引部31が永久磁石32の磁力によって永久磁石32側に引き寄せられることによって、ベーン吸引部31に連結されたベーン14を回転ピストン13側に押付ける第3力が作用する。なお、回転角0degでは、回転角0degから180degの中でベーン吸引部31と永久磁石32との距離が最も離れているため、ここでの第3力は回転角0degから180degのうちで最も小さくなる。
That is, in a state where the
<回転角180deg>
図7は、本発明の実施の形態1に係るロータリ圧縮機1のベーン14まわりの概略縦断面図(回転角180degの下死点位置)である。図8は、本発明の実施の形態1に係るロータリ圧縮機1のベーン14まわりの概略横断面図(回転角180degの下死点位置)である。図8において実線矢印はベーン14まわりの磁束、白抜き矢印はベーン14に働く磁力を示している。白抜き矢印で示す磁力のうち、ベーン14の往復動方向と直交する方向の成分が吸引磁力である。
<Rotation angle 180deg>
FIG. 7 is a schematic longitudinal sectional view (bottom dead center position of the rotation angle 180 deg) around the
磁束は、より通過しやすいところを通過する、という性質があるため、ベーン吸引部31と永久磁石32とが接近するにつれて、永久磁石32から発生する磁束のうち、ヨーク33を通過する磁束は減少し、一方で、永久磁石32のN極側から直接ベーン吸引部31を通ってS極側に流れる磁束は増加する。これにより、回転角0degの場合よりも大きな、ベーン吸引部31を前方に引き寄せる吸引磁力が発生している。
Since the magnetic flux has a property of passing through a place where it passes more easily, the magnetic flux passing through the
つまり、ベーン14が下死点位置に位置した状態では、ベーン14を回転ピストン13に押付ける押圧力である第3力が回転角0degから180degのうちで最も大きくなる。
That is, in a state where the
[永久磁石32と圧縮バネ16によるベーン押付け力]
図9は、本発明の実施の形態1に係るロータリ圧縮機1のベーン吸引部31と永久磁石32との距離L1と、永久磁石32および圧縮バネ16によりベーン14に働く押付け力との関係を示す図である。横軸の距離L1はベーン吸引部31が永久磁石32に接触した0からストローク長さX2の範囲である。ストローク長さX2は、図5に示したように、上死点位置におけるベーン吸引部31と永久磁石32との距離に相当する。
[Vane pressing force by
FIG. 9 shows the relationship between the distance L1 between the
圧縮バネ16によるベーン押付け力(第2力)は、回転角180degの下死点位置(距離L1=X1)のときに最小(ここでは10[N])となり、距離L1に比例して増加し、距離L1がX2のときに最大(ここでは35[N])となる。
The vane pressing force (second force) by the
永久磁石32の吸引磁力Fmによるベーン押付け力(第3力)は、回転角180degの下死点位置(距離L1=X1)のときに最大(ここでは30[N])となり、距離L1に反比例して減少する。そして、L1が1/2ストローク以上の範囲(回転角が±90degの範囲)でほぼ0[N]となる。
The vane pressing force (third force) due to the attractive magnetic force Fm of the
ここで、磁気回路34による永久磁石32の吸引磁力(ベーン14に作用する吸引磁力)Fmは、
Fm=Bg2×S/(2×μ0)[N]
Bg:吸着面の磁束密度[T]
S:吸着面の面積[m2]
μ0:真空中の透磁率
で表され、磁束密度Bgは永久磁石32からの距離にほぼ反比例して減少する。
Here, the attractive magnetic force (attractive magnetic force acting on the vane 14) Fm of the
Fm = Bg 2 × S / (2 × μ 0 ) [N]
Bg: Magnetic flux density [T] on the attracting surface
S: Area of adsorption surface [m 2 ]
μ 0 : Permeability in vacuum, and the magnetic flux density Bg decreases in inverse proportion to the distance from the
低負荷運転時(圧縮機起動時も含む)には、吐出圧Pdが圧縮機通常運転時に比べて小さいことから差圧(Pd−Ps)によるベーン押付け力である第1力が十分得られない。そこで従来は圧縮バネを用いてベーン押付け力(第2力)を追加する手段がとられていた。しかし、従来の圧縮バネを用いる方法では、最もベーン離間が発生しやすい回転角180degの下死点位置(距離L1=X1)で、ベーン押付け力が最小となる。このため、圧縮バネ定数を増加させて下死点位置(距離L1=X1)でのベーン押付け力を増加させるにも限界があった。 During low-load operation (including when the compressor is started), the discharge pressure Pd is smaller than during normal operation of the compressor, so the first force that is the vane pressing force due to the differential pressure (Pd-Ps) cannot be obtained sufficiently. . Therefore, conventionally, a means for adding a vane pressing force (second force) using a compression spring has been taken. However, in the method using the conventional compression spring, the vane pressing force is minimized at the bottom dead center position (distance L1 = X1) at the rotation angle 180 deg where the vane separation is most likely to occur. For this reason, there is a limit in increasing the vane pressing force at the bottom dead center position (distance L1 = X1) by increasing the compression spring constant.
そこで、本実施の形態1では、下死点位置において押付け力が最大となる第3力を発生させることが可能な磁気回路34を設け、ベーン離間を回避するにあたり、第1力および第2力だけでは不足する分を磁気回路34で補うようにしている。このため、ベーン14を回転ピストン13から離そうとする引き上げ力に対して、第1力および第2力では不足する分を第3力で補足し、引き上げ力を上回る押付け力を得ることで、低負荷運転時のベーン離間の問題を解決できる。
Therefore, in the first embodiment, the
ここで、低負荷運転時においてベーン14を回転ピストン13に当接させるために必要な押付け力に対し、第1力だけでは不足する分を、第2力および第3力で補足して、低負荷運転時のベーン離間を回避するにあたって必要な、第2力および第3力の合力の目標値について考える。
Here, with respect to the pressing force required to bring the
非特許文献1には、低負荷条件において、回転ピストン13の回転角度範囲が約120degから約180deg(下死点位置)に至る間で、ベーン14とベーン溝19との摩擦力が大きくなり、ベーン離間が発生しやすいことが開示されている。
非特許文献1の計算方法に従って、低負荷運転時にベーン離間させないために必要なベーン押付け力を計算すると、ベーン14が離間しやすい領域で20[N]であった。第2力は、回転角180deg付近で最小となることから、第3力を設けない場合には、ベーン14の押圧力がベーン14とベーン溝19との摩擦力による引き上げ力に足りず、回転ピストン13の動きに追随できなくなり、ベーン14の先端部14aが回転ピストン13から離間する。しかし、第3力を設けて第2力と第3力との合力を20[N]以上確保することで、ベーン離間を抑制できる。なお、ベーン押付力の目標値の具体的数値(ここでは、20[N])は一例を示したに過ぎず、圧縮部10の寸法に応じて適宜設定すればよい。
According to the calculation method of
[ヒートポンプ装置200の基本構成]
図10は、本発明の実施の形態1に係るロータリ圧縮機を備えたヒートポンプ装置の基本構成を示す図である。
ヒートポンプ装置200は、図1と同様のロータリ圧縮機1、四方弁201、室内側熱交換器202、減圧機構203および室外側熱交換器204を有し、これらを冷媒回路配管207で接続して蒸気圧縮式冷凍サイクルを構成している。以下では、ヒートポンプ装置200の一例として空調機用のヒートポンプ装置200について説明する。
[Basic configuration of heat pump apparatus 200]
FIG. 10 is a diagram showing a basic configuration of a heat pump apparatus including the rotary compressor according to
The
室内機Bには室内側熱交換器202が配置されている。室外機Aにはロータリ圧縮機1、四方弁201、減圧機構203および室外側熱交換器204が配置されている。
ヒートポンプ装置200は、四方弁201により暖房運転および冷房運転を切り替え可能となっている。暖房運転する場合には、四方弁201を図10の実線で示す暖房運転時経路201a側に接続する。これにより、ロータリ圧縮機1で高温高圧状態に圧縮した冷媒ガスが室内側熱交換器202に流入し、室内側熱交換器202が放熱側熱交換器(凝縮器)として動作する。冷房運転する場合には、四方弁201を点線で示す冷房運転時経路201b側に接続する。これにより、ロータリ圧縮機1の吸入側が室内側熱交換器202に接続されて、室内側熱交換器202が吸熱側熱交換器(蒸発器)として動作する。
An indoor
The
ロータリ圧縮機1は、上述したように電動機8および圧縮部10を有し、ロータリ圧縮機1が低負荷(室内と室外の温度差が小さい)で吸入圧と吐出圧との差圧が小さい状態でも、ベーン離間しないで、安定に圧縮動作することが可能である。
The
次に、ヒートポンプ装置200に備えられたセンサ類について説明する。室内機Bには、室内温度を検出する温度センサ171と、室内側熱交換器202を通過する室内気流の噴出し口に温度センサ172が備えてある。温度センサ171および172で検知した信号は、後述のヒートポンプ能力制御装置160に入力されるようになっている。
Next, sensors provided in the
なお、ヒートポンプ装置200の制御に用いられるセンサは、図10に示したものに限定されず、室内側熱交換器202および室外側熱交換器204のそれぞれの気流側または冷媒側に設けられた温度センサ、ロータリ圧縮機1の吸入側および吐出側のそれぞれに設けられた温度センサおよび圧力センサなどを必要に応じて適宜採用することができる。
In addition, the sensor used for control of the
次に、ヒートポンプ装置200に備えられた制御回路について説明する。室外機Aは、交流電源140からの電源によりロータリ圧縮機1の電動機8を駆動する電力を供給するインバータ制御装置150と、ヒートポンプ能力制御装置160とを備えている。インバータ制御装置150およびヒートポンプ能力制御装置160には、各種制御を行うプログラムを記憶した記憶部および演算を行うCPUなどの回路が内蔵されている。
Next, a control circuit provided in the
ヒートポンプ能力制御装置160は、温度センサ171で検知した室内温度が、目標室温に近づくように電動機8の運転周波数を再度決定し、決定した運転周波数で電動機8が動作するようにインバータ制御装置150を制御する。ヒートポンプ能力制御装置160は、温度センサ171で検知した室内温度が、目標の室温(乾球)の変動幅が許容範囲(±1℃程度)に入るように調整する。
The heat pump
以上のように、本実施の形態1によれば、ベーン14に対して押付け力(吸引力)を付与する磁気回路34を設けたので、低負荷時にも安定に圧縮動作可能なロータリ圧縮機1を得ることができる。また、磁気回路34とベーン吸引部31との間で発生する磁界に基づく圧縮部10の摺動箇所の磁化を避けることのできる位置に磁気回路34およびベーン吸引部31を配置したので、圧縮部10の摺動箇所に金属摩耗粉が集められることに起因した耐久性低下の問題を抑制できる。
As described above, according to the first embodiment, since the
支持部材70の非可動箇所であるフランジ部70bに磁気回路34を配置することで、磁気回路34とベーン吸引部31との間で発生する磁界に基づく圧縮部10の摺動箇所の磁化を避けることができる。
By disposing the
また、ベーン14と回転ピストン13との摺動部分が摩耗すると、冷媒漏れが生じて運転効率の低下を招くが、本実施の形態1では金属摩耗粉による摩耗を防止できるため、運転効率の低下を招くことを抑制できる。
Further, if the sliding portion between the
また、磁気回路34は、永久磁石32とヨーク33とを有し、永久磁石32の磁束が駆動軸5の軸方向と直交する平面内に集中させるようにしたので、ベーン14を回転ピストン13に押付ける力を向上することができる。
In addition, the
磁気回路34およびベーン吸引部31は、圧縮部10とは軸方向の高さが異なる位置に配置されているので、永久磁石32とヨーク33とによって磁束が集中した平面外に圧縮部10が位置することとなる。このため、圧縮部10の摺動箇所の磁化を避けることができ、摺動箇所に金属摩耗粉が付着することを防止できる。
Since the
また、ベーン14とベーン吸引部31とを、非磁性材料の連結部材35を介して連結するようにしたので、ベーン吸引部31と永久磁石32との間で発生する磁束がベーン14に漏れないようにすることができ、押付け力の低下を招くのを防止できる。
Further, since the
また、ベーン14の背部に取り付ける圧縮バネ16は、従来同等のコイル線径とコイル径で、最小圧縮長も同等であり、ストローク稼働範囲も同等である。以上より、同一外形サイズの密閉シェル3の内部に同一吸入容積のシリンダ室12を形成できる。
Moreover, the
以上のように、ベーン14を回転ピストン13に押しつける磁力を発生する永久磁石32を適切に配置することによって、金属摩耗粉による耐久性の低下を招くことなく、低負荷時にも安定に圧縮動作するロータリ圧縮機を、同一の密閉シェルサイズのままで実現できる。また、これを搭載したヒートポンプ装置を得ることができる。
As described above, by appropriately arranging the
なお、本発明のロータリ圧縮機は、図1に示した構造に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で例えば以下のように種々変形実施可能である。 Note that the rotary compressor of the present invention is not limited to the structure shown in FIG. 1 and can be variously modified as follows without departing from the gist of the present invention.
(ベーン14の変形例)
図11は、本発明の実施の形態1に係るロータリ圧縮機1のベーン14およびベーン吸引部31の変形例を示す図である。
図4では、連結部材35を非磁性材料で構成したが、図11では、連結部材35を磁性材料で構成している。また、ベーン14も磁性材料で構成し、ベーン14と連結部材35とベーン吸引部31とを一体で加工した例を示している。このように構成しても、実施の形態1と同様の効果が得られる。
(Modification of vane 14)
FIG. 11 is a diagram illustrating a modification of the
In FIG. 4, the connecting
なお、連結部材35を磁性材料とすると、連結部材35が永久磁石32とベーン吸引部31との間の磁束の漏れ経路となる。しかし、磁気回路34は元々、ヨーク33を用いて水平面内を磁束が流れるように構成しているため、この水平面と高さの異なるベーン14およびシリンダ11には磁束が流れにくい。また、磁束漏れ経路である連結部材35の通過面積も小さいので、漏れ磁束量は十分小さいと予測される。よって、連結部材35を磁性材料とすることによる磁束漏れはさほど問題ではなく、殆ど信頼性に支障がないことが予測される。なお、ここでは、ベーン14とベーン吸引部31と連結部材35とを磁束材料で一体加工した場合を説明したが、図4の構成において、連結部材35のみを非磁性材料に代えた構成とした場合も、磁束漏れが問題にならない点は同様である。
If the connecting
実施の形態2.
実施の形態2に係るロータリ圧縮機1は、実施の形態1に係るロータリ圧縮機1、圧縮機構99および圧縮部10の基本構成および基本動作と全く同様であるが、以下の点で実施の形態1と異なる。すなわち、実施の形態2は、実施の形態1に係る圧縮機構99のうちで、永久磁石32によりベーン押付け力を発生させる磁気回路34の構成が異なる。ここでは、実施の形態2が、実施の形態1に係るロータリ圧縮機1と異なる部分についてのみ説明する。
The
上述したように、ロータリ圧縮機1のベーン14には、先端部14aと背面部14cとに作用する圧力の差(Pd−Ps)に応じて、ベーン14を回転ピストン13へ押付ける第1力が作用する。そして、低負荷条件等、第1力が比較的小さい条件では、ベーン背室15の後方の圧縮バネ16に基づく第2力と、磁気回路34による永久磁石32の吸引磁力である第3力とをベーン14に加えることでベーン離間を抑制することができる。しかしながら、実施の形態1の磁気回路34の構成を用いて、第2力と第3力との合力を上述したように、この例では最低20[N]、確保する設計とすると、以下の問題が生じる。すなわち、全回転角度領域のうち、半分以上の回転角度領域において第2力と第3力との合力が30[N]以上の過剰な押付け力となる。このように過剰な押付け力が発生することで、ベーン摺動による摩擦損失が増加する課題が新たに生じる。
As described above, the first force that presses the
そこで、本実施の形態2では、ベーン離間を抑制する構成を得るにあたり、過剰な押付力が発生しないように磁気回路34を構成する点に特徴を有する。具体的には、全回転角度領域に渡って第2力と第3力との合力が、過剰な押付け力による摩擦損失の問題を回避できる所定値に一定となるように、最大磁力の発生するときの駆動軸5の回転角が異なる複数(ここでは、例えば2個)の磁気回路部34a、34bを組み合わせて磁気回路34を構成している。以下、実施の形態2の磁気回路34について詳細に説明する。
Therefore, the second embodiment is characterized in that the
[磁気回路34とベーン吸引部31の構成]
図12は、本発明の実施の形態2に係るロータリ圧縮機1のベーン14まわりの概略縦断面図(回転角(位相)0degの上死点位置)である。図13は、図12のB−B概略断面図で、回転角0degの上死点位置の状態を示す図である。図14は、図12のC−C概略断面図で、回転角0degの上死点位置の状態を示す図である。図13および図14において実線矢印はベーン14まわりの磁束、白抜き矢印はベーン14に働く磁力を示している。白抜き矢印で示す磁力のうち、ベーン14の往復動方向と直交する方向の成分が吸引磁力である。
[Configuration of
FIG. 12 is a schematic longitudinal sectional view around the
本実施の形態2は、磁気回路34を、最大磁力の発生するときの駆動軸5の回転角が異なる磁気回路部34aと磁気回路部34bとの二個で構成した点が実施の形態1と異なる。磁気回路部34aおよび磁気回路部34bのそれぞれの基本的な構成は実施の形態1の磁気回路34と同じである。また、磁気回路部34aおよび磁気回路部34bは、上下方向の高さ位置が互いに異なる位置で支持部材70のフランジ部70bに固定されている。具体的には、支持部材70のフランジ部70bの外周曲面のうち、回転角0deg方向の外周曲面を平面的にカットして形成されたカット面部分に、永久磁石32a、32bとヨーク33A、33Bとが、非磁性材料の保持具36(図13参照)を用いて位置決め固定された構成を有する。
The second embodiment is different from the first embodiment in that the
そして、磁気回路部34aと磁気回路部34bとでは、永久磁石32a、32bのヨーク33A、33Bに対する配置位置が互いに異なっており、磁気回路部34bの永久磁石32bが磁気回路部34aの永久磁石32aより後方(図12の左側)に配置されている。また、磁気回路部34bの永久磁石32bは、永久磁石32aと同様の構成の永久磁石を2つに分割した分割磁石32baと分割磁石32bbとで構成され、分割磁石32baと分割磁石32bbとの間にベーン吸引部31が挿脱可能な間隔を空けてヨーク33B内に配置された構成を有する。
In the
以上の構成により、磁気回路部34bで最大磁力が発生するときの回転角を、磁気回路部34aで最大磁力が発生するときの回転角よりも早めている。具体的には、磁気回路部34aでは、回転角180degのときに最大磁力が発生し、磁気回路部34bでは回転角120degのときに最大磁力が発生するように構成されている。具体的には、磁気回路部34a、34bとベーン吸引部31との位置関係を調整することで対応することになる。なお、磁気回路部34bで最大磁力とする回転角度は、120degに限られたものではなく、180deg以外で、過剰な押付け力が発生することを防止する目的が達成される角度であればよい。
With the above configuration, the rotation angle when the maximum magnetic force is generated in the
[磁気回路34とベーン吸引部31の動作]
以下、本実施の形態2の磁気回路とベーン吸引部31の動作について、回転角0deg(上死点位置)、 回転角120deg、回転角180deg(下死点位置)、の順にそれぞれ説明する。
[Operation of
Hereinafter, the operation of the magnetic circuit and the
<回転角0deg(上死点位置)>
(磁気回路部34a)
図13に示すように、磁気回路部34aでは、磁束が、永久磁石32aのN極側からフランジ部70bのカット面37を通過し、N極側のヨーク基端部33aからヨーク先端部33bに向かって流れる。ヨーク先端部33bは、ベーン吸引部31を隙間を介して吸引するための吸引磁力が発生する。ベーン吸引部31を通過した磁束は、もう一方のS極側のヨーク先端部33cからヨーク基端部33dに向かって流れて、永久磁石32aのS極側に戻る。
<Rotation angle 0deg (top dead center position)>
(
As shown in FIG. 13, in the
(磁気回路部34b)
図14に示すように、磁気回路部34bでは、分割磁石32baと分割磁石32bbとの間をベーン14の往復動方向と直交する方向(図14の上下方向)に直進する磁束が発生し、ベーン吸引部31を永久磁石32bに引き寄せる吸引磁力が発生しない。
(
As shown in FIG. 14, in the
(合力)
回転角0degにおける磁気回路部34aおよび磁気回路部34bのそれぞれの吸引磁力は上記のようになるため、各吸引磁力の合計、つまりここでは磁気回路部34aにおける吸引磁力が第3力となる。なお、回転角0degでは、回転角0degから180degの中でベーン吸引部31と永久磁石32との距離が最も離れているため、ここでの第3力は回転角0degから180degのうちで最も小さくなる。一方、圧縮バネ16による第2力は、回転角0degから180degの中で最も大きい状態である。
(Combined force)
The respective attractive magnetic forces of the
<回転角120deg>
図15は、本発明の実施の形態2に係るロータリ圧縮機1のベーン14まわりの概略縦断面図(回転角(位相)120deg)である。図16は、図15のB−B概略断面図で、回転角120degの状態を示す図である。図17は、図15のC−C概略断面図で、回転角120degの状態を示す図である。 図16および図17において実線矢印はベーン14まわりの磁束、白抜き矢印はベーン14に働く磁力を示している。白抜き矢印で示す磁力のうち、ベーン14の往復動方向と直交する方向の成分が吸引磁力である。
<Rotation angle 120deg>
FIG. 15 is a schematic longitudinal sectional view (rotation angle (phase) 120 deg) around the
(磁気回路部34a)
図16に示すように、磁気回路部34aでは、ベーン吸引部31が一対のヨーク先端部33b、33c間の隙間に位置している。この状態では、磁束が永久磁石32aのN極側→N極側のヨーク基端部33a→N極側のヨーク先端部33b→ベーン吸引部31と隙間→S極側のヨーク先端部33c→S極側のヨーク基端部33d→永久磁石32aのS極側に流れる。この磁束の流れでは、ベーン吸引部31において、実線矢印で示すようにベーン14の往復動方向と直交する方向(図16の上下方向)に磁界が通過するため、吸引磁力は発生しない。
(
As shown in FIG. 16, in the
(磁気回路部34b)
図17に示すように、磁気回路部34bでは、ベーン吸引部31が回転角0degの場合よりも永久磁石32bに近づき、磁界が、N極側の分割磁石32baからベーン吸引部31および隙間を介してS極側の分割磁石32bbのS極側に直接流れ、ベーン吸引部31を吸引する吸引磁力が発生する。磁気回路部34bによる吸引磁力は、上述したように回転角0degから180degの中で、120degのときに最も大きくなる。この回転角を過ぎると、ベーン吸引部31が分割磁石32baと分割磁石32bbとの隙間に入り込むことで、吸引磁力が低下する。
(
As shown in FIG. 17, in the
(合力)
回転角120degにおける磁気回路部34aおよび磁気回路部34bのそれぞれの吸引磁力は上記のようになるため、各吸引磁力の合計、つまりここでは磁気回路部34bにおける吸引磁力が第3力となる。なお、回転角120degでは、回転角0degのベーン吸引部31と永久磁石32aとの距離よりも、ベーン吸引部31と永久磁石32bとの距離が近づくため、回転角0degの場合よりも大きい第3力が得られる。一方で、圧縮バネ16による第2力は、回転角0degの場合よりも小さくなる。
(Combined force)
The respective attractive magnetic forces of the
<回転角180deg(下死点位置)>
図18は、本発明の実施の形態2に係るロータリ圧縮機のベーン14まわりの概略縦断面図(回転角(位相)180degの下死点位置)である。図19は、図18のB−B概略断面図で、回転角180degの下死点位置の状態を示す図である。図20は、図18のC−C概略断面図で、回転角180degの下死点位置の状態を示す図である。
<Rotation angle 180deg (bottom dead center position)>
FIG. 18 is a schematic longitudinal sectional view (bottom dead center position of rotation angle (phase) 180 deg) around the
(磁気回路部34a)
図19に示すように、磁気回路部34aでは、ベーン吸引部31と永久磁石32aとが接近するにつれて、永久磁石32aのN極側からベーン吸引部31を通って、S極側に流れる磁束が増加する。そして、図19に示すように、回転角180degの下死点位置の状態でベーン吸引部31と永久磁石32aとが最も接近し、吸引磁力が最大となる。
(
As shown in FIG. 19, in the
(磁気回路部34b)
図20に示すように、磁気回路部34bでは、分割磁石32baと分割磁石32bbとの間にベーン吸引部31が位置している。よって、分割磁石32baと分割磁石32bbとの間に、磁界が、ベーン14の往復動方向と直交する方向にベーン吸引部31を通過するため、吸引磁力は発生しない。
(
As shown in FIG. 20, in the
(合力)
回転角180degにおける磁気回路部34aおよび磁気回路部34bのそれぞれの吸引磁力は上記のようになるため、各吸引磁力の合計、つまりここでは磁気回路部34bにおける吸引磁力が第3力となる。一方、圧縮バネ16による第2力は、回転角0degから180degの中で最も小さい状態である。
(Combined force)
The respective attractive magnetic forces of the
[永久磁石32と圧縮バネ16によるベーン押付け力]
図21は、本発明の実施の形態2に係るロータリ圧縮機1のベーン吸引部31と永久磁石32aとの距離L1と、永久磁石32a、32bおよび圧縮バネ16によりベーン14に働く押付け力との関係を示す図である。
圧縮バネ16によるベーン押付け力(第2力)は、回転角180degの下死点位置(距離L1=X1)のときに最小(ここでは0[N])となり、距離L1に比例して増加し、距離L1がX2のときに最大(ここでは20[N])となる。
[Vane pressing force by
FIG. 21 shows the distance L1 between the
The vane pressing force (second force) by the
永久磁石32a、32bによるベーン押付け力(第3力)は、回転角180degの下死点位置(距離L1=X1)のときに最大(ここでは32[N])となる。そして、距離L1が増加するにつれて、第3力は減少する。距離L1が1/2ストローク以下の範囲(位相角90degから270deg)では第3力を10[N]以上を確保できている。
The vane pressing force (third force) by the
そして、圧縮バネ16のベーン押付け力(第2力)だけではベーン14を回転ピストン13に押圧するには不足しても、磁気回路34のベーン押付け力(第3力)を加えることで、第2力と第3力との合力が、全回転角度領域で目標値(ここでは20[N])以上を確保できている。よって、ベーン離間を抑制できる。そして、殆どの回転角度領域で、ベーン押付け力(第2力と第3力との合力)が20[N]から25[N]以下の間で安定しているため、無駄な摩擦損失を発生することを抑制できる。
Even if the vane pressing force (second force) of the
以上説明したように、本実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果が得られると共に、磁気回路34を、最大磁力の発生する回転角が異なる2つの磁気回路部34a、34bで構成し、吸引磁力が最大となる回転角が180degに集中しないようにしたことで、以下の効果が得られる。すなわち、殆どの回転角度領域で、ベーン押付け力(第2力と第3力との合力)を、所定値を含む一定範囲(図21の例では、20[N]から25[N]以下の範囲)で安定させることができる。このため、実施の形態1に比べてベーン摺動による摩擦損失を低減できる。なお、上記一定範囲の具体的数値(ここでは、20[N]から25[N])は一例を示したに過ぎず、圧縮部10の寸法に応じて適宜設定すればよい。
As described above, according to the second embodiment, the same effect as in the first embodiment can be obtained, and the
[二気筒ロータリ圧縮機100の場合]
上記実施の形態1および実施の形態2では、1個の圧縮部10を備えた一気筒ロータリ圧縮機1について説明したが、本発明の特徴部分である磁気回路34およびベーン吸引部31を適用可能なロータリ圧縮機は一気筒型に限られず、圧縮部10を複数備えた多気筒型でもよい。圧縮部10を複数備えた多気筒ロータリ圧縮機においても、一気筒ロータリ圧縮機1と同様の効果を奏することができる。以下、多気筒ロータリ圧縮機の一例として、二気筒ロータリ圧縮機の構成について説明する。
[Two-cylinder rotary compressor 100]
In the first embodiment and the second embodiment described above, the one-
図22は、本発明の実施の形態1および実施の形態2に係るロータリ圧縮機1の別形態で、二気筒ロータリ圧縮機100の構造を示す概略縦断面図である。以下、二気筒ロータリ圧縮機100が、上記の一気筒ロータリ圧縮機1と異なる部分を中心に説明する。
二気筒ロータリ圧縮機100は、圧縮機構99として、2個の圧縮部10、20を備え、逆位相で駆動することでトルク変動を小さくできる特徴がある。圧縮部20は駆動軸5の偏心ピン軸部5cの下方に形成された偏心ピン軸部5dに連結されて冷媒を圧縮するものであり、2個の圧縮部10、20の構造と基本動作は一気筒ロータリ圧縮機1の圧縮部10の説明と同様である。図22の圧縮部20において、圧縮部10と同一部分には、圧縮部10で用いていた10番台の符号に代えて20番台の符号を付している。
FIG. 22 is a schematic longitudinal sectional view showing the structure of a two-
The two-
2個の圧縮部10、20には、永久磁石32、42を用いてベーン吸引部31、41に対するベーン押付け力を発生する磁気回路34、44が配置されている。圧縮部10のベーン吸引部31はシリンダ11より上側高さ位置に配置され、磁気回路34を構成する永久磁石32およびヨーク33はフランジ部60bの側面に固定されている。また、圧縮部20のベーン吸引部41は連結部材45を介してベーン24に連結されており、シリンダ21より下側高さ位置に配置される。磁気回路44を構成する永久磁石42およびヨーク43はフランジ部70bの側面に固定されている。
磁気回路34、44には、上記実施の形態1または実施の形態2の磁気回路34と同様の構成のものを用いる。
As the
以上説明したように、以上のような二気筒ロータリ圧縮機100の場合にも、実施の形態1および実施の形態2と同様の効果を奏することができる。
As described above, even in the case of the above-described two-
[密閉容器のシェル形式について]
上記実施の形態1および実施の形態2では、密閉形高圧シェル形式(圧縮部10と電動機8とを同じ吐出圧の密閉シェル3内に配置したもの)のロータリ圧縮機を用いて説明したが、その他シェル形式においても同様の構成を採用することができる。例えば、半密閉式のシェル形式の場合、中間圧シェル形式および低圧シェル形式の場合にも、ベーンを差圧により回転ピストン13に押付けて圧縮運転を行う形式の場合には、同様の効果を奏することができる。
[Shell type of sealed container]
In
1 ロータリ圧縮機、2 圧縮機吐出管、3 密閉シェル、3a 潤滑油貯蔵部、5 駆動軸、5a 長軸部、5b 短軸部、5c 偏心ピン軸部、5d 偏心ピン軸部、6 吸入マフラ、6a 流入管、6b 容器、6c 流出管、6d 流出管、7 内部空間、8 電動機、8a 回転子、8b 固定子、10 圧縮部、11 シリンダ、12 シリンダ室、13 回転ピストン、14 ベーン、14a 先端部、14b 後端部、14c 背面部、14d 圧入孔、15 ベーン背室、16 圧縮バネ、17 シリンダ吸入流路、17a 吸入口、18a 貫通孔、18b 開閉弁、19 ベーン溝、20 圧縮部、21 シリンダ、24 ベーン、28 吐出口、30a 磁気回路部、30b 磁気回路部、31 ベーン吸引部、31a 圧入孔、32 永久磁石、32a 永久磁石、32b 永久磁石、32ba 分割磁石、32bb 分割磁石、33 ヨーク、33A ヨーク、33B ヨーク、33a ヨーク基端部、33b ヨーク先端部、33c ヨーク先端部、33d ヨーク基端部、34 磁気回路、34a 磁気回路部、34b 磁気回路部、35 連結部材、35a 円筒突起部、35b 円筒突起部、36 保持具、37 カット面、38 隙間、41 ベーン吸引部、42 永久磁石、43 ヨーク、44 磁気回路、45 連結部材、60 支持部材、60a 軸受部、60b フランジ部、63 吐出マフラ、70 支持部材、70a 軸受部、70b フランジ部、99 圧縮機構、100 二気筒ロータリ圧縮機、140 交流電源、150 インバータ制御装置、160 ヒートポンプ能力制御装置、171 温度センサ、172 温度センサ、200 ヒートポンプ装置、201 四方弁、201a 暖房運転時経路、201b 冷房運転時経路、202 室内側熱交換器、203 減圧機構、204 室外側熱交換器、207 冷媒回路配管、A 室外機、B 室内機。 DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Rotary compressor, 2 Compressor discharge pipe, 3 Sealing shell, 3a Lubricating oil storage part, 5 Drive shaft, 5a Long shaft part, 5b Short shaft part, 5c Eccentric pin shaft part, 5d Eccentric pin shaft part, 6 Inhalation muffler , 6a Inflow pipe, 6b Container, 6c Outflow pipe, 6d Outflow pipe, 7 Internal space, 8 Electric motor, 8a Rotor, 8b Stator, 10 Compression section, 11 Cylinder, 12 Cylinder chamber, 13 Rotating piston, 14 Vane, 14a Front end part, 14b Rear end part, 14c Back face part, 14d Press-fit hole, 15 Vane back chamber, 16 Compression spring, 17 Cylinder suction flow path, 17a Suction port, 18a Through hole, 18b Open / close valve, 19 Vane groove, 20 Compression part , 21 cylinder, 24 vane, 28 discharge port, 30a magnetic circuit part, 30b magnetic circuit part, 31 vane suction part, 31a press-fitting hole, 32 permanent magnet 32a permanent magnet, 32b permanent magnet, 32ba divided magnet, 32bb divided magnet, 33 yoke, 33A yoke, 33B yoke, 33a yoke base end, 33b yoke tip, 33c yoke tip, 33d yoke base, 34 Magnetic circuit 34a Magnetic circuit part, 34b Magnetic circuit part, 35 Connecting member, 35a Cylindrical protrusion part, 35b Cylindrical protrusion part, 36 Holder, 37 Cut surface, 38 Gap, 41 Vane attracting part, 42 Permanent magnet, 43 Yoke, 44 Magnetic Circuit, 45 Connecting member, 60 Support member, 60a Bearing portion, 60b Flange portion, 63 Discharge muffler, 70 Support member, 70a Bearing portion, 70b Flange portion, 99 Compression mechanism, 100 Two-cylinder rotary compressor, 140 AC power supply, 150 Inverter controller, 160 heat pump capacity controller , 171 Temperature sensor, 172 Temperature sensor, 200 Heat pump device, 201 Four-way valve, 201a Heating operation path, 201b Cooling operation path, 202 Indoor heat exchanger, 203 Pressure reducing mechanism, 204 Outdoor heat exchanger, 207 Refrigerant circuit Piping, A outdoor unit, B indoor unit.
Claims (10)
前記電動機に駆動軸を介して連結され、前記駆動軸を介して前記電動機から伝達される駆動力によって冷媒を圧縮する圧縮部と、
前記圧縮部の軸方向上下に配置され、前記駆動軸を支持する軸受部を有する支持部材とを備え、
前記圧縮部が、シリンダ室が形成されたシリンダと、前記駆動軸の偏心軸部に回転自在に装着され、前記シリンダ室内を偏心回転する回転ピストンと、前記回転ピストンの外周面に先端部が当接して前記シリンダ室内を吸入室と圧縮室とに仕切るベーンと、前記シリンダ室中心に向かう方向である前方の下死点位置と前記シリンダ室から遠ざかる方向である後方の上死点位置との間を往復動自在に前記ベーンが挿入されたベーン溝とを有するロータリ圧縮機であって、
前記ベーンに連結され、磁性材料で構成されたベーン吸引部と、
前記ベーン吸引部を前記前方に吸引する吸引磁力を、前記ベーンが前記下死点位置にあるときに前記ベーン吸引部に対して作用させる磁気回路とを備え、
前記ベーン吸引部と前記磁気回路との間で発生する磁界に基づいて前記圧縮部の摺動箇所が磁化されることの無い位置に前記ベーン吸引部および前記磁気回路が配置されているロータリ圧縮機。 An electric motor,
A compressor that is coupled to the electric motor via a drive shaft and compresses the refrigerant by a driving force transmitted from the electric motor via the drive shaft;
A support member that is disposed above and below the compression portion in the axial direction and has a bearing portion that supports the drive shaft;
The compression portion is rotatably attached to a cylinder in which a cylinder chamber is formed, an eccentric shaft portion of the drive shaft, and rotates eccentrically in the cylinder chamber, and a tip portion contacts the outer peripheral surface of the rotation piston. A vane that contacts and partitions the cylinder chamber into a suction chamber and a compression chamber; and a front bottom dead center position that is a direction toward the center of the cylinder chamber and a rear top dead center position that is a direction away from the cylinder chamber. A rotary compressor having a vane groove in which the vane is inserted so as to freely reciprocate,
A vane suction portion connected to the vane and made of a magnetic material;
A magnetic circuit that applies an attractive magnetic force for attracting the vane suction part forward to the vane suction part when the vane is at the bottom dead center position;
A rotary compressor in which the vane suction part and the magnetic circuit are arranged at a position where the sliding portion of the compression part is not magnetized based on a magnetic field generated between the vane suction part and the magnetic circuit. .
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JP2015229001A JP2017096169A (en) | 2015-11-24 | 2015-11-24 | Rotary compressor and heat pump device having the same mounted thereon |
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WO2023223467A1 (en) * | 2022-05-18 | 2023-11-23 | 三菱電機株式会社 | Air conditioning device |
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2015
- 2015-11-24 JP JP2015229001A patent/JP2017096169A/en active Pending
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