JP2017091713A - 航空障害灯の光源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】LEDを用いた高光度航空障害灯としての仕様を満足し、長寿命、軽量で高光度の空障害灯の光源装置。【解決手段】複数のLEDを直列に接続して構成されたLEDモジュール1を実装し且つLEDモジュールの長手方向が水平方向になるように取付けられたLED基板2と、開口部3aが形成され且つLED基板を収納する収納体3と、開口部に取り付けられ、開口部から出射されるLEDの光を鉛直方向に集光させる集光レンズ4と、LEDモジュールから集光レンズよりも遠ざかる位置で且つ集光レンズに重ねて取り付けられ、開口部から出射されるLEDの光を水平方向に拡散させる拡散レンズ5を備え、集光レンズ及び拡散レンズとLEDモジュールとの離間距離により鉛直方向の配光特性を調整する。【選択図】図1
Description
本発明は、昼間、薄明、夜間に飛行する航空機の障害となる建物等の存在を示すために用いられる航空障害灯の光源装置に関する。
従来、昼間、薄明、夜間に飛行する航空機の障害となる高層構築物等(高層ビルを除く)の存在を示すために、航空障害灯が用いられている。航空障害灯は、配光仕様が規定されている。従来の高光度航空障害灯は、発光体にキセノンランプを使用し、指定された光学特性を得るために、反射鏡を使用している。しかし、キセノンランプは寿命があるため、約1年毎にランプを交換する必要がある。そこで、発光ダイオード(LED)を使用した航空障害灯が提案されている。
引用文献1には、鉛直方向の配光の拡がりと水平方向の配光の拡がりが相互に異なるLEDを配列し、鉛直方向における配光仕様を満足しながら全周方向の発光光度を均一化することができる航空障害灯が記載されている。
また、特許文献2、特許文献3には、発光素子の光を、反射体を用いて反射させることにより、配光を調整した光源を用いる航空障害灯が記載されている。複数の光源を周囲に配置し、全周方向に光を出している。
また、特許文献4には、LEDを光源とした照明装置の配光を調整する方法として、複数のLEDのベアチップを封止材で封止し、封止材の上面は、凹形状および凸形状の少なくとも一つを有し、発光素子が発する光を拡散又は集光する照明装置が記載されている。
また、航空障害灯は、航空局の仕様から指定されており、高光度航空障害灯の主な光学特性は、表1に示すようになっている。
なお、 ビーム角は、各モード毎の実効光度が、ピーク値の最低許容値の50%に等しくなる値で定義される。鉛直配光は、ピーク光度が発生している鉛直角度に対して対称となる必要はない。昼間、薄明、夜間の各モード毎に、同一の水平角において、ピーク値の最大許容値に対する比率として示される。各モード毎に、同一の水平角において、ピーク値の最低許容値に対する比率として示される。
しかしながら、特許文献1は配光特性が異なる砲弾型のLEDを使用するので、LEDを十分に放熱できないことが考えられ、高光度を必要とする高光度航空障害灯には不向きである。
特許文献2、特許文献3は、反射体の反射面を精度の良い曲面とする必要があるので、製造が困難である。特許文献4は、LEDの光を容易に拡散又は集光することができるが、鉛直方向と水平方向が大きく異なる配光の精度を確保するために、封止材の上面の凹形状または凸形状を正確に作成することが困難である。
本発明の課題は、LEDを用いた高光度航空障害灯としての仕様を満足し、長寿命、軽量で高光度の航空障害灯の光源装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る航空障害灯の光源装置は、複数のLEDを直列に接続して構成されたLEDモジュールを実装し且つLEDモジュールの長手方向が水平方向になるように取付けられたLED基板と、開口部が形成され且つ前記LED基板を収納する収納体と、前記開口部に取り付けられ、前記開口部から出射される前記LEDの光を鉛直方向に集光させる集光レンズと、前記LEDモジュールから前記集光レンズよりも遠ざかる位置で且つ前記集光レンズに重ねて取り付けられ、前記開口部から出射される前記LEDの光を前記水平方向に拡散させる拡散レンズを備え、前記集光レンズ及び前記拡散レンズと前記LEDモジュールとの離間距離により前記鉛直方向の配光特性を調整することを特徴とする。
本発明によれば、LEDの光を鉛直方向に集光する集光レンズと、LEDの光を水平方向に拡散する拡散レンズとを用い、集光レンズをLEDモジュール側に配置し、拡散レンズを集光レンズの外側に配置し、集光レンズ及び拡散レンズとLEDモジュールとの離間距離により鉛直方向の配光特性を容易に調整することができる。配光特性は、拡散レンズ及び集光レンズの特性を変更することで所望の配光特性を容易に得ることができる。従って、LEDを用いた高光度航空障害灯としての仕様を満足し、長寿命、軽量で高光度の航空障害灯の光源装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る航空障害灯の光源装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、高光度航空障害灯は、表1に示す配光特性を満足する必要がある。鉛直方向の配光特性は、図1に示すように、光源の中心から鉛直角度−1°(即ち1°下方向)では、実効光度をピーク値の最低許容値に対する比率の50%から75%に低下させる。さらに、光源の中心から鉛直角度−10°(すなわち10°下方向)では、実効光度をピーク値の最低許容値に対する比率の3%以下にする。
また、水平方向の配光特性は、図2に示すように、光源からビーム角±60°の水平方向に対してピーク値の最低許容値に対する比率の50%以上75%以下の光度が要求される。また、ビーム角は、ピーク値の最低許容値の50%が鉛直3°以上7°以下であることが要求される。
図3(a)は、本発明の実施例1に係る航空障害灯の光源装置の斜視図、図3(b)は、航空障害灯の光源装置の水平断面図、図3(c)は、航空障害灯の光源装置の鉛直断面図である。
前述した配光特性を満足させるため、図3に示すように、複数のLEDを直列に接続して構成されたLEDモジュール1がLED基板2上に実装されている。LEDの数量は必要とする光度によって決定される。
LED基板2は、ケース3(本発明の収納体に対応)の一面に、LEDモジュール1の長手方向が水平方向になるように取付けられている。ケース3にはLEDモジュール1の光が出射する一面が開口された開口部3aが形成されている。
LED基板2の裏面またはケース3の裏面には、冷却フィン10が取り付けられている。
LEDモジュール1は、ケース3の開口部3aと対向する面に実装されている。LEDモジュール1には、図示しないが、駆動電流を供給する配線が外部から接続されている。
ケース3の開口部3aには、図3(c)に示すように、鉛直方向にLEDモジュール1からの光を集光する板状の集光レンズ4が装着されている。集光レンズ4は、例えば、アクリル樹脂又はポリカーボネート等からなるフレネルレンズ等が用いられる。集光レンズ4により光は、図3(c)に示すように平行に出射され、鉛直方向に拡散しないように調整される。
なお、集光レンズ4の代わりに、LED自体が集光レンズ4を持っているものを用いても良い。
LEDモジュール1の中心位置から1°下方向において、実効光度がピーク値の50%から75%に低下すれば良い。このため、LEDモジュール1と集光レンズ4の離間距離は、集光レンズ4の焦点距離に合わせる。即ち、ケース3の横幅は、集光レンズ4の焦点距離によって決定される。
さらに、LEDモジュール1から集光レンズ4よりも遠ざかる位置で且つ集光レンズ4に重ねて板状のシートレンズからなる拡散レンズ5が取り付けられている。拡散レンズ5は、例えば、アクリル樹脂又はポリカーボネート等からなるフレネルレンズ等が用いられる。拡散レンズ5は、光源であるLEDから±60°の水平方向に対してピーク値の50%以上75%以下の光度となるように調整される。
なお、集光レンズ4と拡散レンズ5を一つの複合レンズとしても良い。
このように構成された実施例1の航空障害灯の光源装置によれば、LEDの光を鉛直方向に集光する集光レンズ4と、LEDの光を水平方向に拡散する拡散レンズ5とを用い、集光レンズ4をLEDモジュール1側に配置し、拡散レンズ5を集光レンズ4の外側に配置し、集光レンズ4及び拡散レンズ5とLEDモジュール1との離間距離を焦点距離にすることにより鉛直方向の配光特性を容易に調整することができる。また、拡散レンズ5及び集光レンズ4の特性を変更することで、所望の配光特性を容易に得ることができる。
従って、鉛直方向の配光特性を鉛直角度0°で100%以上に対して、光源であるLEDの中心から鉛直角度−1°(すなわち1°下方向)では実効光度をピーク値の50%から75%に低下させ、さらに鉛直角度−10°(すなわち10°下方向)では実効光度をピーク値の3%以下にさせることができる。また、水平方向の配光特性を、光源であるLEDから±60°の方向に対してピーク値の50%以上75%以下の光度にすることができる。
このため、LEDを用いた高光度航空障害灯としての仕様を満足し、長寿命、軽量で高光度の航空障害灯の光源装置を提供することができる。
なお、拡散レンズ5をLEDモジュール1側に配置すると、光が拡散してから集光することになるので、集光が十分に行われない。このため、集光レンズ4をLEDモジュール1側に配置している。
図4に、実施例2に係る航空障害灯の光源装置の集光レンズの焦点距離を調整する例を示す。図4(a)に示すように、集光レンズ4の焦点距離よりもLEDモジュール1と集光レンズ4との距離を長くすることにより光束6aを集光させることができる。或いは、集光レンズ4の焦点距離をLEDモジュール1と集光レンズ4との距離よりも短くすることにより光束6aを集光させることができる。
また、図4(b)に示すように、集光レンズ4の焦点距離よりもLEDモジュール1と集光レンズ4との距離を短くすることにより光束6bを発散させることができる。或いは、集光レンズ4の焦点距離をLEDモジュール1と集光レンズ4との距離よりも長くすることにより光束6aを発散させることができる。
このように、光束を集光又は発散させることにより、ピーク値の最低許容値の50%が、ビーム角の鉛直3°以上7°以下に調整することができる。
図5に、実施例3に係る航空障害灯の光源装置のLEDの配置により光束を調整する例を示す。図5(a)にLEDモジュール1を実装したLED基板2を示す。図5(b)では、LEDモジュール1を構成するLEDの幅を調整することにより、光束6の幅を調整して、ピーク値の最低許容値の50%が、ビーム角の鉛直3°以上7°以下にすることができる。
図6(a)(b)に、実施例3に係る航空障害灯の光源装置のLEDを千鳥状に配置することにより光束を調整する例を示す。図6(a)に示すように、複数のLED1a,1bを一つずつ交互にずらして配置することで見掛け上のLEDの幅を広げている。これにより、ピーク値の最低許容値の50%が、ビーム角の鉛直3°以上7°以下に調整することができる。
なお、幅の大きいLEDを複数列並べて設けても、前述した効果と同様な効果が得られる。
図7に、実施例4に係る航空障害灯の光源装置の集光レンズ4の鉛直方向の中心位置に対してLED位置を僅かに下げた又は上げた例を示す。
図7(b)は、集光レンズ4の鉛直方向の中心位置OとLEDの鉛直方向の中位置Oとが同一線上にある。この場合、鉛直方向に対して、水平に発光する。
これに対して、図7(a)は、集光レンズ4の鉛直方向の中心位置Oに対してLEDの鉛直方向の位置を僅かに上げたもので、下向きに発光する。また、図7(c)は、集光レンズ4の鉛直方向の中心位置Oに対してLEDの鉛直方向の位置を僅かに下げたもので、上向きに発光する。
このように鉛直方向の配光特性が変化するので、これらの組み合わせにより鉛直角度−1°、−10°、ビーム角の鉛直3°以上7°以下に対して仕様を満足させることができる。
なお、集光レンズ4の鉛直方向の中心位置Oに対してLEDの鉛直方向の位置を僅かに上下させる代わりに、LEDの鉛直方向の位置に対して集光レンズ4の鉛直方向の中心位置Oを変えるようにしても、同様な効果が得られる。
LED基板2は、図8に示すように、複数のLEDを直列に接続して構成されたLEDモジュール1c,1dを鉛直方向にその間隔を調整して複数列備えても良い。このように構成することにより、鉛直方向の配光特性を任意に調整することができるので、表1の仕様を満たすことができる。
また、鉛直方向の各々のLEDモジュール1は、互いにLEDの数が異なるようにしても良い。例えば、一列目のLEDモジュール1cは、集光レンズ4の鉛直方向の中心位置とLEDの鉛直方向の中心位置とが同一線上にあり、水平に発光し、LED数を30個とする。二列目のLEDモジュール1dは、集光レンズ4の鉛直方向の中心位置に対して、LEDの鉛直方向の位置を調整して下げて、上向きに発光し、LED数を15個とする。これにより、水平方向に100%の光量とすると、上向きに50%の光量を発光できる。
集光レンズ4及び拡散レンズ5は、温度上昇により膨張する。このため、集光レンズ4及び拡散レンズ5の横方向が固定された場合には集光レンズ4及び拡散レンズ5が曲がり、あるいは収縮して、集光レンズ4及び拡散レンズ5が緩む。
このため、図9(a)(b)に示すように、開口部3Aにはケース3と集光レンズ4及び拡散レンズ5との間に、集光レンズ4及び拡散レンズ5の熱膨張を吸収する緩衝材8が設けられている。
緩衝材8により集光レンズ4及び拡散レンズ5の熱膨張を吸収するので、集光レンズ4及び拡散レンズ5が緩むことがなくなる。
なお、緩衝材8を用いる代わりに、膨張、収縮しないレンズを使用しても同様な効果が得られる。
なお、本発明は、上述した実施例1乃至5に係る航空障害灯の光源装置に限定されるものではない。例えば、LEDモジュール1の幅を狭くする。具体的には、幅の狭いLEDを複数の直列に接続する。大きさの小さいLEDを複数並べても良い。
これにより、鉛直角度−1°では実効光度をピーク値の50%から75%に低下させ、さらに鉛直角度−10°では実効光度をピーク値の3%以下にさせることができる。
本発明は、表1の高光度航空障害灯に限定されるものではなく、中光度航空障害灯でも良い。
1 LEDモジュール
2 LED基板
3 ケース
3a 開口部
4 集光レンズ
5 拡散レンズ
6,6a,6b 光束
8 緩衝材
10 冷却フィン
2 LED基板
3 ケース
3a 開口部
4 集光レンズ
5 拡散レンズ
6,6a,6b 光束
8 緩衝材
10 冷却フィン
Claims (8)
- 複数のLEDを直列に接続して構成されたLEDモジュールを実装し且つ前記LEDモジュールの長手方向が水平方向になるように取付けられたLED基板と、
開口部が形成され且つ前記LED基板を収納する収納体と、
前記開口部に取り付けられ、前記開口部から出射される前記LEDの光を鉛直方向に集光させる集光レンズと、
前記LEDモジュールから前記集光レンズよりも遠ざかる位置で且つ前記集光レンズに重ねて取り付けられ、前記開口部から出射される前記LEDの光を前記水平方向に拡散させる拡散レンズを備え、
前記集光レンズ及び前記拡散レンズと前記LEDモジュールとの離間距離により前記鉛直方向の配光特性を調整することを特徴とする航空障害灯の光源装置。 - 前記離間距離は、前記集光レンズの焦点距離であることを特徴とする請求項1記載の航空障害灯の光源装置。
- 前記集光レンズの前記鉛直方向における中心位置に対して、前記LEDモジュールの鉛直方向における位置を鉛直方向に変化させることにより鉛直方向の配光特性を調整することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の航空障害灯の光源装置。
- 前記LED基板は、前記複数のLEDを直列に接続して構成されたLEDモジュールを鉛直方向に位置を調整して複数列備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の航空障害灯の光源装置。
- 各々のLEDモジュールは、前記LEDの数が互いに異なることを特徴とする請求項4記載の航空障害灯の光源装置。
- 前記LED基板は、前記複数のLEDを直列に接続して構成されたLEDモジュールを千鳥状に配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の航空障害灯の光源装置。
- 前記LEDモジュールは、鉛直方向に2列設けられ、
鉛直方向の各々のLEDモジュールは、互いにLEDの数が異なり、
一列目のLEDモジュールは、前記集光レンズの鉛直方向の中心位置と前記LEDの鉛直方向の中心位置とが同一線上にあり、水平に発光し、
二列目のLEDモジュールは、前記集光レンズの鉛直方向の中心位置に対して前記LEDの鉛直方向の位置を下げて上向きに発光することを特徴とする請求項4記載の航空障害灯の光源装置。 - 前記開口部には、前記収納体と前記集光レンズ及び前記拡散レンズとの間に前記集光レンズ及び前記拡散レンズの熱膨張を吸収する緩衝材が設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の航空障害灯の光源装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015218232A JP2017091713A (ja) | 2015-11-06 | 2015-11-06 | 航空障害灯の光源装置 |
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Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58119105A (ja) * | 1982-01-07 | 1983-07-15 | 日産自動車株式会社 | 車両用前照灯 |
JP2007225591A (ja) * | 2006-01-30 | 2007-09-06 | Aitec System:Kk | 照明装置 |
JP2014154542A (ja) * | 2013-02-08 | 2014-08-25 | Sankosha Corp | 航空障害灯 |
-
2015
- 2015-11-06 JP JP2015218232A patent/JP2017091713A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS58119105A (ja) * | 1982-01-07 | 1983-07-15 | 日産自動車株式会社 | 車両用前照灯 |
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