以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)あるいは小型の液晶表示装置(LCD)といった、発光部材または表示部材を用いて構成されていればよい。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bは、可変表示を実行可能な表示器として用いられる。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる可変表示の一例となる特図ゲームでは、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が変動可能に表示される。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号、あるいは数字や記号に限定されない各セグメントの点灯パターン等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにより可変表示される複数種類の特別図柄には、それぞれを識別するための図柄番号が付されていればよい。一例として、「−」の記号を示す特別図柄には図柄番号として「0」が付されている他、複数種類の点灯パターンに対する図柄番号として「1」〜「9」が付されていればよい。
なお、特別図柄は、複数種類の識別情報として可変表示されるものに限定されない。例えば第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bは、複数のLEDを用いて構成され、特別図柄の可変表示中には、複数のLEDのうちで特定(単一)のLEDのみが点灯と消灯とを繰り返し、他のLEDは消灯された状態を維持する。そして、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、点灯と消灯とを繰り返したLEDが所定の発光色で発光(点灯)した状態を維持すること、あるいは消灯した状態を維持することで、特別図柄を停止表示する。このとき、他のLEDは消灯された状態を維持する。これに対し、可変表示結果が「大当り」となる場合には、複数のLEDのうちで一部または全部のLEDが点灯する所定の点灯パターンとなることで、特別図柄を停止表示する。このように、特別図柄の可変表示中には、特定(単一)の図柄が表示と非表示とに切り替えられる一方、他の図柄は非表示の状態が維持されるようにしてもよい。そして、特別図柄の可変表示結果となる最終停止図柄(確定特別図柄)として、複数種類の図柄のいずれかが導出表示(停止表示)されるものであってもよい。また、例えば第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bは、7セグメントLEDを用いて構成され、特別図柄の可変表示中には、「−」を示す記号の表示(点灯)と非表示(消灯)とを繰り返し、他の数字や記号は表示されないようにしてもよい。そして、特別図柄の可変表示結果としては、「−」を示す記号が停止表示されることはなく、「1」〜「9」を示す数字や、その他の記号などを含む所定の点灯パターンとなることで、特別図柄を停止表示してもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えば液晶表示装置(LCD)といった、表示部材を用いて構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bとともに、可変表示を実行可能な表示器として用いられる。画像表示装置5による可変表示の一例として、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が変動可能に表示される。第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける第2特図の可変表示が実行されるときには、画像表示装置5の画面上に設けられた複数(例えば3つ)の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示が行われるようにすればよい。
この実施の形態では、複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアとして、図1に示すような「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが、画像表示装置5の画面上に配置されている。「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける第1特図の変動または第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける第2特図の変動が開始されることに対応して、飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。これらの特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのそれぞれにて、飾り図柄の可変表示結果を構成する確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
なお、飾り図柄は、複数種類の識別情報として可変表示されるものに限定されず、特図ゲームにおける特別図柄の変動と対応して、画像表示装置5の画面上に任意の演出画像を表示可能としたものであればよい。例えば画像表示装置5の画面上では、ストーリー性をもつ演出画像の表示により、特別図柄の可変表示結果などに応じたストーリーの結果を表示するような演出を実行可能にしてもよい。演出画像の表示による演出として、例えばプロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出が行われてもよい。そして、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、試合やバトルに敗北する演出を行う。これに対し、可変表示結果が「大当り」となる場合には、試合やバトルに勝利する演出を行う。あるいは、例えば画像表示装置5の画面上では、特定の表示部位における表示色の変更表示と停止表示とを繰り返す。そして、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、所定の表示色(例えば白色)で停止表示した状態を維持すること、あるいは所定の表示色を非表示とした状態で維持することで、飾り図柄を導出表示する。これに対し、可変表示結果が「大当り」となる場合には、所定の表示色とは異なる表示色(例えば赤色)で停止表示した状態を維持することで、飾り図柄を導出表示する。こうして、飾り図柄の可変表示中には、所定(単一)の図柄が表示と非表示とに切り替えられる一方、他の図柄は非表示の状態が維持されるようにしてもよい。そして、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)として、複数種類の図柄のいずれかが導出表示(最終停止表示)されるものであってもよい。また、飾り図柄の可変表示中には、所定の図柄を示す演出画像の表示と非表示とを繰り返し、他の演出画像は表示されないようにしてもよい。そして、飾り図柄の可変表示結果としては、可変表示に用いられた所定の図柄を示す演出画像が停止表示されることはなく、所定の図柄とは異なる特定の数字や記号などを示す演出画像が表示されることで、飾り図柄を導出表示してもよい。
画像表示装置5の画面上には、飾り図柄表示エリアの他にも、第1保留表示部5HRと、第2保留表示部5HLと、アクティブ表示部AHAとが配置されている。第1保留表示部5HRは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームに対応する可変表示の保留数である。第2保留表示部5HLは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームに対応する可変表示の保留数である。特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。なお、第1始動入賞が発生したときに、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達していれば、第1始動条件は成立せず、その始動入賞に基づく特図ゲームは無効とされ、賞球の払出しのみが行われてもよい。また、第2始動入賞が発生したときに、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達していれば、第2始動条件は成立せず、その始動入賞に基づく特図ゲームは無効とされ、賞球の払出しのみが行われてもよい。
第1保留表示部5HRでは、第1特図を用いた特図ゲームの保留数に対応する保留表示が行われる。第2保留表示部5HLでは、第2特図を用いた特図ゲームの保留数に対応する保留表示が行われる。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
第1保留表示部5HRは、例えば左詰めで第1保留表示が行われるように構成されていればよい。第1保留表示部5HRには、第1特図保留記憶数の上限値である「4」にあわせた4つの表示部位が設けられ、左端から順に保留番号「1」、「2」、「3」、「4」と対応付けられていればよい。第1始動条件の成立により第1特図を用いた特図ゲームの保留数が増加したときには、第1保留表示部5HRに他の第1保留表示がなければ、第1保留表示部5HRにおいて保留番号「1」に対応した左端の表示部位にて、増加分の第1特図保留記憶数に対応する保留表示として、新たな第1保留表示を追加する。第1保留表示部5HRに他の第1保留表示があれば、新たな第1保留表示を、他の第1保留表示が行われている表示部位の右隣にて非表示となっている表示部位(保留番号「2」〜「4」のいずれかに対応)に追加する。第1保留表示部5HRに複数の第1保留表示がある場合に、新たな第1開始条件の成立により第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、第1保留表示部5HRにおいて保留番号「1」に対応した左端の表示部位における第1保留表示を消去(消化)するとともに、他の保留番号「2」〜「4」に対応した表示部位における第1保留表示のそれぞれを、消去した表示部位の方向(左側)に移動(シフト)させる。このように、第1保留表示部5HRでは、第1特図を用いた特図ゲームのうちで未だ開始されていない特図ゲームに対応する保留表示として、第1保留表示が行われる。
第2保留表示部5HLは、例えば右詰めで第2保留表示が行われるように構成されていればよい。第2保留表示部5HLには、第2特図保留記憶数の上限値である「4」にあわせた4つの表示部位が設けられ、右端から順に保留番号「1」、「2」、「3」、「4」と対応付けられていればよい。第2始動条件の成立により第2特図を用いた特図ゲームの保留数が増加したときには、第2保留表示部5HLに他の第2保留表示がなければ、第2保留表示部5HLにおいて保留番号「1」に対応した右端の表示部位にて、増加分の第2特図保留記憶数に対応する保留表示として、新たな第2保留表示を追加する。第2保留表示部5HLに他の第2保留表示があれば、新たな第2保留表示を、他の第2保留表示が行われている表示部位の左隣にて非表示となっている表示部位(保留番号「2」〜「4」のいずれかに対応)に追加する。第2保留表示部5HLに複数の第2保留表示がある場合に、新たな第2開始条件の成立により第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、第2保留表示部5HLにおいて保留番号「1」に対応した右端の表示部位における第2保留表示を消去(消化)するとともに、他の保留番号「2」〜「4」に対応した表示部位における第2保留表示のそれぞれを、消去した表示部位の方向(右側)に移動(シフト)させる。このように、第2保留表示部5HLでは、第2特図を用いた特図ゲームのうちで未だ開始されていない特図ゲームに対応する保留表示として、第2保留表示が行われる。
アクティブ表示部AHAは、実行中の可変表示に対応して、保留表示と同一の演出画像または異なる演出画像を表示する。アクティブ表示部AHAにおける表示は、アクティブ表示(可変表示対応表示、消化時表示あるいは今回表示などともいう)と称する。アクティブ表示部AHAでは、例えば第1開始条件の成立により第1特図を用いた特図ゲームが開始されることに対応して、第1保留表示部5HRにて消去(消化)された第1保留表示に応じたアクティブ表示が行われる。また、アクティブ表示部AHAでは、例えば第2開始条件の成立により第2特図を用いた特図ゲームが開始されることに対応して、第2保留表示部5HLにて消去(消化)された第2保留表示に応じたアクティブ表示が行われる。なお、第1保留表示や第2保留表示とアクティブ表示とでは、色彩や模様が共通するものであればよく、例えばアクティブ表示は第1保留表示や第2保留表示よりも大きく表示されるものであってもよい。ただし、この実施の形態におけるアクティブ表示の表示態様は、アクティブ表示変化演出が実行されることにより、第1保留表示や第2保留表示の表示態様とは異なる表示態様に変化する場合がある。
図1に示された画像表示装置5の画面上には、第1保留表示部5HRと第2保留表示部5HLとの間にアクティブ表示部AHAが配置されている。これに対し、アクティブ表示部AHAは、第1保留表示部5HRと第2保留表示部5HLとの間に配置されるものに限定されず、画像表示装置5の画面上における任意の位置に配置されていればよい。また、第1保留表示部5HRや第2保留表示部5HLの配置も任意に変更可能であり、例えば第1保留表示部5HRと第2保留表示部5HLとを入れ替えて配置したものでもよい。
第1保留表示部5HRや第2保留表示部5HLとともに、あるいは第1保留表示部5HRや第2保留表示部5HLに代えて、特図保留記憶数を表示可能な表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、第1保留表示部5HRや第2保留表示部5HLとともに、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能な閉鎖状態または通過(進入)困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。普通図柄表示器20は、例えば7セグメントやドットマトリクスのLEDあるいは小型の液晶表示装置といった、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様の発光部材または表示部材を用いて構成されていればよい。普通図柄表示器20は、普通図柄の可変表示を実行可能な表示器である。普通図柄の可変表示では、特別図柄とは異なる複数種類あるいは単一種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)が変動可能に表示される。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(あるいは「普通図ゲーム」)とも称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口および大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。トリガセンサは、スティックコントローラ31Aのトリガボタンに対する押引操作といった、遊技者による動作を検出したか否かに応じて、第1動作検出信号の出力状態(オフ状態とオン状態)を変化させることができる。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。コントローラセンサユニット35Aは、スティックコントローラ31Aの操作桿に対する傾倒操作といった、遊技者による動作を検出したか否かに応じて、第2動作検出信号の出力状態(オフ状態とオン状態、傾動方向に応じた出力値など)を変化させることができる。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。プッシュセンサ35Bは、プッシュボタン31Bに対する押下操作といった、遊技者による動作を検出したか否かに応じて、第3動作検出信号の出力状態(オフ状態とオン状態)を変化させることができる。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯制御と消灯制御とを行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯制御と消灯制御あるいは発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8Rおよび遊技効果ランプ9や他の装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示状態や、スピーカ8L、8Rからの音声出力状態の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯状態や消灯状態の全部または一部、その他の演出用可動部材における動作状態といった、演出用の電気部品における動作状態の制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や他の装飾用LEDなどに駆動電流を供給するランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンド、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。ROM101は、書込あるいは書換などが不能な不揮発性で読出専用の半導体メモリとして構成されたものであればよい。あるいは、ROM101は、例えばEEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)あるいはNAND型フラッシュROMといった、電気的に消去や書込あるいは書換などが可能な不揮発性で読出専用の半導体メモリとして構成されたものであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出した遊技制御用のプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。乱数回路104は、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって一部または全部が更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって一部または全部が更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、遊技制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、複数種類の変動パターンを格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
演出制御基板12には、演出制御用のプログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品における動作状態などを制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124やRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタなどにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。一例として、演出制御基板12の側では、飾り図柄の可変表示における停止図柄決定用の乱数値や、予告演出決定用の乱数値といった、各種の演出決定用の乱数値を示す数値データがカウント可能に制御される。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)を通過(進入)すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)を通過(進入)すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄は、それぞれ左図柄、中図柄、右図柄ともいう。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な有利状態のうちで特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応している。可変表示結果は特図ゲームが開始されるときに決定(事前決定)されるので、大当り遊技状態に制御されるか否かについても、可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」(非特定表示結果)となる。
第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに大当り図柄が停止表示(導出)されて可変表示結果が「大当り」となる場合には、画像表示装置5の表示領域において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定の開放上限時間(例えば29.5秒間または0.1秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「2」または「15」など)に達するまで繰返し実行される。
可変表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかとなる場合が含まれていればよい。大当り種別が「非確変」または「確変」となった場合には、大当り遊技状態ににおけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29.5秒間など)となる通常開放ラウンドが実行される。一方、大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒間など)となる短期開放ラウンドが実行される。通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第1特定遊技状態ともいう。短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第2特定遊技状態ともいう。
大当り種別が「突確」である場合の大当り遊技状態では、短期開放ラウンドにて特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放ラウンドにおける第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放ラウンドにて大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御される以外は、通常開放ラウンドが実行される場合と同様の制御が行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放ラウンドが実行される場合には、ラウンド遊技の実行回数が、通常開放ラウンドの実行回数である第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしていもよい。すなわち、短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態に比べて、各ラウンド遊技にて大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンド遊技の実行回数が第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
このような短期開放ラウンドが実行される場合には、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間が第2期間(0.1秒間など)であることなどにより、実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態となる。したがって、大当り種別が「突確」となったことに基づく大当り遊技状態(第2特定遊技状態)は、大当り種別が「非確変」または「確変」となったことに基づく大当り遊技状態(第1特定遊技状態)よりも、遊技者にとって不利な遊技状態となる。こうして、大当り種別が「非確変」または「確変」となったことに基づいて、通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態となった場合には、大入賞口を遊技球が通過しやすい第1変化態様で、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)と第2状態(閉鎖状態)とに変化させる制御が行われる。一方、大当り種別が「突確」となったことに基づいて、短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態となった場合には、大入賞口を遊技球が通過しにくい第2変化態様で、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)と第2状態(閉鎖状態)とに変化させる制御が行われる。
大当り遊技状態が終了した後には、予め定められた確変制御条件が成立したことに基づいて、通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態のうちで特別遊技状態に含まれる確変状態に制御されることがある。確変状態のときに可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)は、通常状態のときよりも高くなる。確変状態は、通常状態よりも大当り遊技状態に制御される確率が高くなることから、高確率状態とも称される。確変状態との対比において、通常状態などは低確率状態に含まれる。確変状態は、所定回数(例えば200回)の可変表示が実行されること、または可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大当り遊技状態が開始されることなど、予め定められた確変終了条件が成立するまで継続するように制御される。なお、確変終了条件は、可変表示の実行回数にかかわらず、次回の大当り遊技状態が開始されるときに成立するようにしてもよい。大当り遊技状態が終了した後には、特別遊技状態に含まれて確変状態とは異なる時短状態に制御されることがある。時短状態のときには、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる。時短状態は、所定回数(例えば100回)の可変表示が実行されたこと、または可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大当り遊技状態が開始されることなど、予め定められた時短終了条件が成立するまで継続するように制御される。一例として、大当り種別が「非確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態となる。一方、大当り種別が「確変」または「突確」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が確変状態となる。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。高開放制御が行われる遊技状態は、高開放状態(あるいは有利開放状態)とも称される。高開放状態との対比において、通常状態などは低開放状態(あるいは通常開放状態)とも称される。確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。なお、確変状態にて確変制御が行われるときでも、高開放制御が行われない場合があってもよい。
画像表示装置5において、最終停止図柄(例えば左図柄、中図柄、右図柄のうちの中図柄)となる図柄以外の飾り図柄が、所定時間継続して大当り組合せと一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の飾り図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出を、リーチ演出という。リーチ演出として、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させることや、背景画像の表示態様を変化させること、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させることといった、飾り図柄の変動態様を変化させることとは異なる演出動作が実行されてもよい。画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、リーチ演出に含まれていてもよい。リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、画像表示装置5の画面上で変動表示される図柄の表示結果が大当り組合せでない場合には「ハズレ」となり、変動表示状態は終了する。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(リーチパターンともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(信頼度、あるいは大当り信頼度ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマルのリーチ演出(ノーマルリーチ)とスーパーのリーチ演出(スーパーリーチ)が予め設定されている。そして、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行された場合には、ノーマルリーチにおけるリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。なお、スーパーリーチとなるリーチ演出には、他のスーパーリーチに比べて大当り期待度が高くなる特定のリーチ演出を実行するスーパーリーチを含む複数種類のリーチ演出があってもよい。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。一例として、飾り図柄の可変表示中には「擬似連」の可変表示演出が実行可能であればよい。「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの開始条件が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が導出表示されるまでに一旦仮停止させた後、再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回)まで行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数であればよい。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「擬似連」の他にも、例えば「滑り」や「発展チャンス目」、「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、単一または複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。一方、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め告知するための予告演出が実行されることがある。
予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。こうした予告演出を実行する場合における演出動作の内容(演出態様)に対応して、複数の予告パターンが予め用意されている。
予告演出のうちには、先読み予告演出(先読み演出ともいう)となるものが含まれている。先読み予告演出は、可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象(予告対象)となる可変表示が実行されるより前に、演出態様に応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性を予告可能な予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される飾り図柄の可変表示にわたり連続して予告する先読み予告演出は、連続予告演出ともいう。先読み予告演出では、予告対象となる可変表示が開始されるより前に、例えば始動入賞の発生による特図ゲームの保留記憶などに基づいて可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告するための演出動作が開始される。先読み予告演出との対比において、予告対象となる可変表示が開始された後に実行が開始される予告演出は、単独予告演出(単独予告、当該変動予告、あるいは可変表示中予告演出ともいう)と称される。
始動入賞の発生に基づいて実行される先読み予告演出は、始動入賞が発生した後に、先読み予告演出による予告内容が実現されるか否かを遊技者が判別できるよりも前に実行(開始)されるものであればよい。例えば、ある始動入賞の発生によりリーチ状態となる可能性があることを予告する先読み予告演出は、少なくとも始動入賞の発生に基づく飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態(または非リーチ状態)となるより前に実行(開始)されるものであればよい。また、ある始動入賞の発生により可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを予告する先読み予告演出は、少なくとも始動入賞の発生に基づく可変表示において確定飾り図柄が停止表示されるよりも前に実行(開始)されるものであればよい。
この実施の形態では、先読み予告演出の一例として、「保留表示変化」の予告演出が実行される。「保留表示変化」の予告演出は、第1保留表示部5HRにおける第1保留表示や第2保留表示部5HLにおける第2保留表示のうちで少なくとも1つの保留表示を、通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させることにより、その保留表示に対応する可変表示において所定割合で「大当り」となり大当り遊技状態に制御されることを予告する。「保留表示変化」の予告演出により、未だ開始されていない可変表示に対応する保留表示の表示色を、通常時における所定色(例えば白色)とは異なる特定色(例えば赤色、緑色、青色のいずれかなど)へと変化させることで、保留表示の表示態様における変化を認識可能にして、所定割合で可変表示結果が「大当り」となることを示唆できればよい。また、保留表示における表示柄を通常時とは異なる特定柄(例えばサクラ柄など)へと変化させることで、可変表示結果が「大当り」となる割合が通常よりも高いことを示唆できるようにしてもよい。あるいは、第1保留表示や第2保留表示として所定のメッセージ(例えば「秘」など)を示す表示態様とすることにより、表示色が特定色に変化する割合が通常よりも高いことを示唆できるようにしてもよい。こうした表示態様が特定態様に変化する割合が高いことを示唆する保留表示は、示唆保留表示とも称する。「保留表示変化」の予告演出は、保留表示変化演出とも称する。
保留表示変化演出が実行されるときには、保留表示の表示態様を変化させる場合と、保留表示の表示態様を変化させない場合とがある。保留表示変化演出のうち、保留表示の表示態様を変化させる演出は、保留表示変化成功演出とも称する。保留表示変化演出のうち、保留表示の表示態様を変化させない演出は、保留表示変化失敗演出とも称する。その他、保留表示変化演出には、保留表示変化共通演出が含まれている。保留表示変化演出が実行されるときには、まず、保留表示の表示態様を変化させる場合でも変化させない場合でも共通の演出態様で保留表示変化共通演出が実行される。保留表示変化共通演出では、例えば所定のキャラクタを示す演出画像が画像表示装置5の画面上に表示され、予告対象となる可変表示に対応する保留表示に作用を及ぼすような作用演出が実行される。保留表示変化共通演出に含まれる作用演出は、第1保留表示部5HRにおける第1保留表示や第2保留表示部5HLにおける第2保留表示のいずれかに作用を及ぼすことにより、所定割合で保留表示の表示態様が変化することを示唆する表示演出であればよい。このような表示演出に伴い、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させたり、遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった発光部材の一部または全部を所定の点灯態様で点灯させたり、演出用可動部材を所定の動作態様で動作させたりしてもよい。
保留表示変化共通演出が実行された後、保留表示変化成功演出を実行したときには、作用演出により作用を及ぼした保留表示の表示態様を変化させる。このように、保留表示変化共通演出における作用演出が実行された後、作用を及ぼした保留表示の表示態様が変化する保留表示変化成功演出は、第1成功演出としての保留変化演出ともいう。一方、保留表示変化共通演出が実行された後、保留表示変化失敗演出を実行したときには、作用演出により作用を及ぼした保留表示の表示態様を変化させない。このように、保留表示変化共通演出における作用演出が実行されたものの、作用を及ぼした保留表示の表示態様が変化しない保留表示変化失敗演出は、第1失敗演出としての保留変化ガセ演出とも称する。
保留表示変化演出が実行されて保留表示の表示態様を変化させるときには、1回の演出として、保留表示の表示態様を1回変化させる場合と、保留表示の表示態様を複数回変化させる場合とがある。ここで、保留表示変化演出となる1回の演出は、予め定められた演出開始タイミングから演出終了タイミングまでの連続する演出実行期間において実行可能な演出であればよい。保留表示変化演出のうち、1回の演出において保留表示の表示態様を1回変化させる演出は、保留表示単一変化演出とも称する。保留表示変化演出のうち、1回の演出において保留表示の表示態様を複数回変化させる演出は、保留表示複数変化演出とも称する。保留表示変化演出を実行可能な演出実行期間は、1回の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでの可変表示期間に含まれる期間であればよい。この場合には、保留表示変化演出が実行されることにより、1回の可変表示において、保留表示の表示態様を1回変化させるときもあれば、保留表示の表示態様を複数回変化させるときもある。
この実施の形態では、単独予告演出の一例として、「アクティブ表示変化」の予告演出が実行される。「アクティブ表示変化」の予告演出は、アクティブ表示部AHAにおけるアクティブ表示を、通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させることにより、開始条件が成立して実行中の可変表示において所定割合で「大当り」となり大当り遊技状態に制御されることを予告する。「アクティブ表示変化」の予告演出により、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示の演出画像を、通常時における丸型無地を示す演出画像とは異なる特定アイコンを示す演出画像へと変化させることで、例えば「?」、「チャンス」、「激熱」などのメッセージを報知して、所定割合で可変表示結果が「大当り」となることを示唆できればよい。その他、アクティブ表示部AHAに表示されるアイコンには、例えば「NEXT」などのメッセージを報知して、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動が実行されることを報知するアイコンがあってもよい。「アクティブ表示変化」の予告演出は、アクティブ表示変化演出とも称する。
アクティブ表示変化演出が実行されるときには、アクティブ表示の表示態様が変化する場合と変化しない場合とがある。アクティブ表示変化演出のうち、アクティブ表示の表示態様を変化させる演出は、アクティブ表示変化成功演出とも称する。アクティブ表示変化演出のうち、アクティブ表示の表示態様を変化させない演出は、アクティブ表示変化失敗演出とも称する。その他、アクティブ表示変化演出には、アクティブ表示変化共通演出が含まれている。アクティブ表示変化演出が実行されるときには、まず、アクティブ表示の表示態様を変化させる場合でも変化させない場合でも共通の演出態様でアクティブ表示変化共通演出が実行される。アクティブ表示変化共通演出では、保留表示変化共通演出と同様に、例えば所定のキャラクタを示す演出画像が画像表示装置5の画面上に表示され、アクティブ表示に作用を及ぼすような作用演出を含んでいればよい。アクティブ表示変化共通演出に含まれる作用演出は、アクティブ表示部AHAにおけるアクティブ表示に作用を及ぼすことにより、所定割合でアクティブ表示の表示態様が変化することを示唆する表示演出であればよい。このような表示演出に伴い、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させたり、遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった発光体の一部または全部を所定の点灯態様で点灯させたり、演出用の可動部材を所定の動作態様で動作させたりしてもよい。
アクティブ表示変化共通演出が実行された後、アクティブ表示変化成功演出を実行したときには、作用演出により作用を及ぼしたアクティブ表示の表示態様を変化させる。このように、アクティブ表示変化共通演出における作用演出が実行された後、作用を及ぼしたアクティブ表示の表示態様が変化するアクティブ表示変化成功演出は、第2成功演出としてのアクティブ変化演出ともいう。一方、アクティブ表示変化共通演出が実行された後、アクティブ表示変化失敗演出を実行したときには、作用演出により作用を及ぼしたアクティブ表示の表示態様を変化させない。このように、アクティブ表示変化共通演出における作用演出が実行されたものの、作用を及ぼしたアクティブ表示の表示態様が変化しないアクティブ表示変化失敗演出は、第2失敗演出としてのアクティブ変化ガセ演出とも称する。
保留表示の表示態様を変化させる演出のうち、保留表示の表示色を変化させる演出は表示色変化演出とも称し、所定のメッセージ(例えば「秘」など)を示す表示態様に変化させる演出は特殊表示変化演出とも称する。アクティブ表示の表示態様を変化させる演出として、通常時の丸型無地とは異なる特定アイコンに変化させる演出は、アイコン表示変化演出とも称する。
第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにハズレ図柄が停止表示(導出)されて可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、可変表示態様が「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)となる場合と、可変表示態様が「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)となる場合とが含まれている。可変表示態様が「非リーチ」となる場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、リーチにならない所定の飾り図柄の組合せ(非リーチ組合せ)が停止表示(導出)される。可変表示態様が「リーチ」となる場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り組合せとはならない所定の飾り図柄の組合せ(リーチ組合せ)が停止表示(導出)される。非リーチ組合せやリーチ組合せを構成する飾り図柄は、ハズレ図柄となる特別図柄とともに、非特定表示結果に含まれればよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、普図表示結果決定用の乱数値MR5とが含まれていればよい。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値である。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかといった、複数種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値である。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果を「普図当り」として普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を閉鎖状態(通常開放状態)よりも高い頻度で遊技球が通過(進入)しやすい開放状態(拡大開放状態)に制御するか否かの決定に用いられる乱数値である。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。普通図柄プロセス処理では、時短制御に伴う高開放制御として、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御の一部または全部が行われる。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図3は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
図4は、始動入賞判定処理として、図3のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図4に示す始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。こうして、第1始動条件が成立したときには第1特図保留記憶数が1増加するように更新され、第2始動条件が成立したときには第2特図保留記憶数が1増加するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。
ステップS210では、例えば始動口バッファ値が「1」であるときに、保留データが第1特図保留記憶部にセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときに、保留データが第2特図保留記憶部にセットされる。第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留情報を記憶できる。第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留情報を記憶できる。
第1特図保留記憶部は、例えば第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、各種の判定や決定を可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部は、例えば第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、各種の判定や決定を可能にする保留情報となる。
例えば保留情報に示される乱数値MR1を用いて、特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御するか否かの決定や判定が可能になる。また、保留情報に示される乱数値MR2を用いて、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御される場合の大当り種別を決定または判定することができる。さらに、保留情報に示される乱数値MR3を用いて、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばスーパーリーチのリーチ演出など)となるか否かの決定や判定が可能になる。
ステップS210に続いて、予め用意された始動口入賞指定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS211)。続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS212)。その後、予め用意された保留記憶数通知コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS213)。さらに、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS214)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS214;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS214;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS216)、ステップS204に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図5は、入賞時乱数値判定処理として、図4のステップS212にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図3のステップS110、図8)において、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定や、変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出された始動入賞タイミングで、CPU103がステップS212の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄を導出すると決定される乱数値MR1であるか否かの判定や、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とする変動パターンに決定される乱数値MR3であるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となるか否かや、飾り図柄の可変表示中にリーチ状態となるか否かを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、先読み演出となる予告演出を実行するか否かを、決定することができる。
図5に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。より具体的には、確変フラグがオンであるときには遊技状態が確変状態であること、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには遊技状態が時短状態であること、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを、それぞれ特定すればよい。また、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ制御部など)に設けられた特図プロセスフラグの値を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態が大当り遊技状態であるか否かを特定できればよい。
CPU103は、こうして特定された遊技状態が大当り遊技状態となっている大当り中であるか否かを判定する(ステップS402)。このとき、大当り中でないと判定された場合には、さらに確変状態や時短状態において時短制御に伴う高開放制御が行われている高ベース中であるか否かを判定する(ステップS403)。ステップS402にて大当り中であると判定されたときや(ステップS402;Yes)、ステップS403にて高ベース中であると判定されたときには(ステップS403;Yes)、始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する(ステップS404)。
ステップS403にて高ベース中ではないと判定されたときや(ステップS403;No)、ステップS404にて始動口バッファ値が「2」であると判定されたときには(ステップS404;Yes)、図4に示されたステップS209で抽出した乱数値を用いて、各種の可変表示内容を判定する。この実施の形態において、始動入賞時に判定する可変表示内容には、「大当り」、「ハズレ時スーパーリーチ確定」、「ハズレ時リーチ確定」、「ハズレ時一般」がある。
CPU101は、可変表示内容が「大当り」であるか否かを判定するために、大当り判定範囲を設定する。例えば、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特定表示結果決定テーブルから、現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられるデータ(特図表示結果決定用テーブルデータ)を選択する。この特図表示結果決定用テーブルデータにおいて、特図表示結果が「大当り」に割り当てられた決定値の範囲が、大当り判定範囲として設定されればよい。この大当り判定範囲は、ステップS209で抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であれば、可変表示内容が「大当り」と判定される。
乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲外であることに対応して、可変表示内容が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ時のスーパーリーチ確定範囲やリーチ確定範囲を設定する。ハズレ時のスーパーリーチ確定範囲やリーチ確定範囲は、特図保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチあるいはノーマルリーチを含めたリーチ演出を伴う変動パターンに決定することができる乱数値(変動パターン決定用の乱数値MR3)の範囲として、予め定められていればよい。
特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、変動パターン決定用の乱数値MR3と、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された変動パターン決定テーブルとを用いて、予め用意された複数の変動パターンのうちから、今回の可変表示で使用される変動パターンが決定される。変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、複数の変動パターンのいずれかに割り当てられている。CPU103は、乱数値MR3と合致する決定値が割り当てられた変動パターンを、今回の可変表示で使用される変動パターンに決定する。例えば可変表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に用いられる変動パターン決定テーブルでは、複数の変動パターンに対する決定値の割当てが、図10(B1)および図10(B2)に示すように、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数に応じて異なっている。ただし、一部の決定値は、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数にかかわらず同一(あるいは同一種)の変動パターンに割り当てられている。こうした変動パターン決定テーブルを構成するテーブルデータにおいて、スーパーリーチを伴う変動パターンに割り当てられた決定値のうちで、特図保留記憶数にかかわらずスーパーリーチを伴う変動パターンに割り当てられた決定値の範囲が、スーパーリーチ確定範囲として予め定められていればよい。また、変動パターン決定テーブルを構成するテーブルデータにおいて、ノーマルリーチを含めたリーチ演出を伴う変動パターンに割り当てられた決定値のうちで、特図保留記憶数にかかわらずリーチ演出を伴う変動パターンに割り当てられた決定値の範囲が、リーチ確定範囲として予め定められていればよい。
図6は、可変表示結果が「ハズレ」となるハズレ時における変動パターンの判定例を示している。パチンコ遊技機1における遊技状態が時短制御のない通常状態である通常時には、図10(B1)に示すような決定値が変動パターンに割り当てられた変動パターン決定テーブルが用いられる。この場合、変動パターン決定用の乱数値MR3が「295」〜「300」の範囲内であれば、第1特図保留記憶数にかかわらずスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されることが確定する。これに対し、変動パターン決定用の乱数値MR3が「271」〜「300」の範囲内であれば、第1特図保留記憶数に応じてスーパーリーチを伴うか否かは不確定であるものの、少なくとも第1特図保留記憶数にかかわらずノーマルリーチを含めたリーチ演出を伴う変動パターンに決定されることが確定する。
また、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短制御を伴う確変状態や時短状態である時短中には、図10(B2)に示すような決定値が変動パターンに割り当てられた変動パターン決定テーブルが用いられる。この場合、変動パターン決定用の乱数値MR3が「295」〜「300」の範囲内であれば、第2特図保留記憶数にかかわらずスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されることが確定する。これに対し、変動パターン決定用の乱数値MR3が「289」〜「300」の範囲内であれば、第2特図保留記憶数にかかわらずノーマルリーチを伴う変動パターンに決定されることが確定する。
始動入賞が発生したときの特図保留記憶数(第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数)は、実際に可変表示が開始されるときの特図保留記憶数と一致するとはかぎらず、始動入賞が発生した後に可変表示の実行や新たな始動入賞の発生により変化することがある。そのため、始動入賞時の判定結果と可変表示開始時における変動パターンの決定とで、特図保留記憶数の相違により選択されるテーブルデータが一致しない場合があり、始動入賞時に前もって特定の変動パターンに決定されるか否かを判定して予測することは一般に難しい。一方、この実施の形態における変動パターン決定テーブルでは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に少なくともスーパーリーチを伴う変動パターンあるいはノーマルリーチを含めたリーチ演出を伴う変動パターンに割り当てられた決定値は、特図保留記憶数にかかわらず共通の決定値を含んでいる。したがって、パチンコ遊技機1における始動入賞時あるいは可変表示開始時における特図保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチを伴う変動パターンに決定されることが確定したか否かや、ノーマルリーチを含めたリーチ演出を伴う変動パターンに決定されることが確定したか否かを、判定することができる。
時短制御が行われていない通常時において、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、変動パターン決定用の乱数値MR3が「295」〜「300」の範囲内であれば、可変表示内容が「ハズレ時スーパーリーチ確定」であると判定し、変動パターン決定用の乱数値MR3が「271」〜「300」の範囲内であれば、可変表示内容が「ハズレ時リーチ確定」であると判定する。時短制御が行われている時短中において、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、変動パターン決定用の乱数値MR3が「295」〜「300」の範囲内であれば、可変表示内容が「ハズレ時スーパーリーチ確定」であると判定し、変動パターン決定用の乱数知MR3が「289」〜「300」の範囲内であれば、可変表示内容が「ハズレ時リーチ確定」であると判定する。
図5に示すステップS404にて始動口バッファ値が「2」ではなく「1」であると判定されたときには(ステップS404;No)、ステップS405における入賞時判定を制限するための設定を行う(ステップS406)。こうして、時短制御に伴う高開放制御が行われるときや、大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる始動入賞(第1始動入賞)の発生に基づく可変表示内容の判定が行われないように制限する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合に、高開放制御中や大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞に基づく先読み予告が実行されないように制限して、遊技の健全性を確保することができる。
その後、ステップS405による判定結果やステップS406による設定に応じた始動入賞時の通知内容を設定する(ステップS407)。こうした通知内容に応じて、予め用意された入賞時判定結果コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS408)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
図7(A)は、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドおよび第2始動口入賞指定コマンド)、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドおよび第2保留記憶数通知コマンド)、入賞時判定結果コマンドの設定例を示している。この実施の形態では、始動口入賞指定コマンドとして、第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB100Hと、第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB200Hとが、予め用意されている。なお、添字Hは16進数であることを示している。また、保留記憶数通知コマンドとして、第1保留記憶数通知コマンドとなるコマンドC1XXHと、第2保留記憶数通知コマンドとなるコマンドC2XXHとが、予め用意されている。なお、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。保留記憶数通知コマンドでは、特図保留記憶数に応じて、異なるEXTデータ(例えば00H〜04Hのいずれか)が設定される。さらに、入賞時判定結果コマンドとなるコマンドC4XXHが、予め用意されている。
普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したときには、図4に示すステップS202で第1特図保留記憶数が上限値に達していないと判定されることにより、第1始動条件が成立する。第1始動条件は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための条件である。第1始動条件が成立したときには、図4に示すステップS203で始動口バッファ値を「1」に設定してからステップS211による送信設定を行うことで、主基板11から演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドが送信される。また、図5に示すステップS408による送信設定を行うことで、主基板11から演出制御基板12に対して入賞時判定結果コマンドが送信される。さらに、始動口バッファ値が「1」であるときに図4に示すステップS213による送信設定を行うことで、主基板11から演出制御基板12に対して第1保留記憶数通知コマンドが送信される。
普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したときには、図4に示すステップS205で第2特図保留記憶数が上限値に達していないと判定されることにより、第2始動条件が成立する。第2始動条件は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための条件である。第2始動条件が成立したときには、図4に示すステップS206で始動口バッファ値を「2」に設定してからステップS211による送信設定を行うことで、主基板11から演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドが送信される。また、図5に示すステップS408による送信設定を行うことで、主基板11から演出制御基板12に対して入賞時判定結果コマンドが送信される。さらに、始動口バッファ値が「2」であるときに図4に示すステップS213よる送信設定を行うことで、主基板11から演出制御基板12に対して第2保留記憶数通知コマンドが送信される。
演出制御基板12の側では、第1始動口入賞指定コマンドを受信することで第1始動条件の成立を検知でき、第2始動口入賞指定コマンドを受信することで第2始動条件の成立を検知できる。このように、第1始動口入賞指定コマンドは、第1始動条件の成立を通知する演出制御コマンドである。第2始動口入賞指定コマンドは、第2始動条件の成立を通知する演出制御コマンドである。入賞時判定結果コマンドは、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出時である第1始動入賞時や、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出時である第2始動入賞時に、乱数回路104等から抽出した遊技用乱数(特図表示結果決定用の乱数値MR1など)を用いた比較結果(入賞時判定結果)を、演出制御基板12の側に対して通知する。第1保留記憶数通知コマンドは、第1特図保留記憶数を通知する。第2保留記憶数通知コマンドは、第2特図保留記憶数を通知する。この実施の形態において、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれを遊技球が通過(進入)して始動入賞が発生したかを通知するとともに、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とのいずれが増加したかを指定する保留通知情報として送信される。
なお、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。あるいは、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、あるいは第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドとともに、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
図7(B)は、入賞時判定結果コマンドによる通知内容を例示している。図7(B)に示す入賞時判定結果コマンドのうち、コマンドC402H、コマンドC403H、コマンドC404Hは、特図表示結果判定用の乱数値MR1が大当り判定範囲内ではない場合に送信されることがあり、可変表示結果が「ハズレ」に決定されて大当り遊技状態には制御されないとの入賞時判定結果を通知する。一方、コマンドC401Hは、特図表示結果判定用の乱数値MR1が大当り判定範囲内である場合に送信され、可変表示結果が「大当り」に決定されて大当り遊技状態に制御されるとの入賞時判定結果(可変表示内容が「大当り」)を通知する。なお、コマンドC400Hは、入賞時判定が制限されていることを通知する。
図7(B)に示すコマンドC402Hは、変動パターン決定用の乱数値MR3がハズレ時のスーパーリーチ確定範囲内である場合に送信され、ハズレ時にスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されるとの入賞時判定結果(可変表示内容が「ハズレ時スーパーリーチ確定」)を通知する。これに対し、コマンドC403Hは、変動パターン決定用の乱数値MR3がハズレ時のリーチ確定範囲内である場合に送信され、ハズレ時にリーチ演出を伴う変動パターンに決定されるとの入賞時判定結果(可変表示内容が「ハズレ時リーチ確定」)を通知する。さらに、コマンドC404Hは、変動パターン決定用の乱数値MR3がハズレ時のスーパーリーチ確定範囲内でもリーチ確定範囲内でもない場合に送信され、リーチ演出を伴う変動パターンに決定されない可能性があるとの入賞時判定結果(可変表示内容が「ハズレ時一般」)を通知する。このように、入賞時判定結果コマンドは、始動入賞時に抽出された遊技用乱数を用いて、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かや特定の変動パターンに決定されるか否かの入賞時判定結果を通知する判定結果情報として送信される。
図3に示すステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われる。大当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドの送信設定を行うとともに、特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数(例えば大当り種別に応じた「2」または「15」など)に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理などが含まれている。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変制御条件の成否に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。そして、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図8は、特別図柄通常処理として、図3のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図8に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部の先頭領域(保留番号「1」に対応する記憶領域)に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、図4に示す始動入賞判定処理のステップS209で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口を通過(進入)した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS236に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238のを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」のいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい。
ステップS239において、パチンコ遊技機1の遊技状態が確変状態であり確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。確変状態は、例えば図3に示すステップS117の大当り終了処理により、大当り種別が「確変」、「突確」のいずれかであった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされることで開始される。確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。
CPU103は、ステップS239により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、変動特図が第1特図と第2特図のいずれであるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定すればよい。
ステップS242の後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示すデータを格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合や(ステップS240;No)、ステップS243の後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS244)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS244の後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS245)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS245にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS246)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図9(A)は、変動パターン設定処理として、図3のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図9(A)に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。一方、大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS263)。
ステップS262では、例えばROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。大当り変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。また、ステップS263では、例えばROM101の所定領域に記憶するなどして用意されたハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。ハズレ変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、ハズレ変動パターン決定テーブルを参照することにより、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。
図9(B)は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にはならない「非リーチ」である場合とリーチ状態になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」である場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。可変表示内容が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(非リーチハズレ変動パターンともいう)と称され、可変表示内容が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(リーチハズレ変動パターンともいう)と称される。非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチにおけるリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。図9(B)に示すような複数の変動パターンに対応して、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間が予め定められている。したがって、ステップS261、S262のいずれかで決定された変動パターンによる可変表示が実行される場合には、特図変動時間に対応する可変表示期間において、特別図柄などの可変表示が行われた後に、特図表示結果などの可変表示結果が導出表示される。
図10(A)は、大当り変動パターンの決定例を示している。図9(A)に示す変動パターン設定処理のステップS262では、例えば図10(A)に示すような決定値の設定に基づいて、大当り時の変動パターンが決定される。このときには、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが、変動用乱数バッファから読み出される。乱数値MR3は、大当り変動パターン決定テーブルにおいて予め設定されている決定値と比較される。そして、図10(A)に示す決定値の範囲のうちで、いずれの範囲に乱数値MR3が含まれるかの判定結果に応じて、使用パターンが決定される。図10(A)に示す例では、変動パターンPA3−1〜変動パターンPA3−3のうちでいずれかの変動パターンが、大当り時の変動パターンとして決定される。
図10(B1)および図10(B2)は、ハズレ変動パターンの決定例を示している。図9(A)に示す変動パターン設定処理のステップS263では、時短制御が行われていない通常時であるときに、例えば図10(B1)に示すような決定値の設定に基づいて、ハズレ時の変動パターンが決定される。これに対し、時短制御が行われている時短中であるときには、例えば図10(B2)に示すような決定値の設定に基づいて、ハズレ時の変動パターンが決定される。ステップS263でもステップS262と同様に、変動パターン決定用の乱数値MR3を示すデータが、変動用乱数バッファから読み出される。乱数値MR3は、ハズレ変動パターン決定テーブルにおいて予め設定されている決定値と比較される。通常時である場合には、図10(B1)に示す決定値の範囲のうちで、いずれの範囲に乱数値MR3が含まれるかの判定結果に応じて、使用パターンが決定される。時短中である場合には、図10(B2)に示す決定値の範囲のうちで、いずれの範囲に乱数値MR3が含まれるかの判定結果に応じて、使用パターンが決定される。ステップS263においてハズレ時の変動パターンを決定することにより、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かが決定される。なお、変動パターンの決定とは別個の処理により、可変表示結果が「ハズレ」となる場合にリーチ状態とするか否かが決定されてもよい。
図10(A)に示す例では、変動パターンPA3−2、PA3−3といった、スーパーリーチにおけるリーチ演出を伴う変動パターンに対して割り当てられた決定値が、変動パターンPA3−1といった、ノーマルリーチにおけるリーチ演出を伴う変動パターンに対して割り当てられた決定値よりも多くなるように設定されている。一方、図10(B1)や図10(B2)に示す例では、変動パターンPA2−1といった、ノーマルリーチにおけるリーチ演出を伴う変動パターンに対して割り当てられた決定値が、変動パターンPA2−2、PA2−3といった、スーパーリーチにおけるリーチ演出を伴う変動パターンに割り当てられた決定値よりも多くなる(ただし図10(B2)に示す第2特図保留記憶数が「2」以上の場合のみ同数になる)ように設定されている。これにより、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出されるときには、その可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高められる。
ハズレ変動パターン決定テーブルでは、第1特図保留記憶数が0、1または2以上のうちで、いずれであるかに応じて異なる変動パターンに割り当てられる決定値が含まれていてもよい。具体的な一例として、「151」〜「180」の範囲の決定値は、第1特図保留記憶数が0であれば変動パターンPA1−1に割り当てられ、第1特図保留記憶数が1であれば変動パターンPA1−2に割り当てられ、第1特図保留記憶数が2以上であれば変動パターンPA1−3に割り当てられてもよい。このような設定により、第1特図保留記憶数に応じて、特別図柄や飾り図柄の平均的な可変表示時間を異ならせることができる。特に、第1特図保留記憶数が所定値(例えば「2」)以上であるときには、第1特図保留記憶数が所定値未満であるときよりも、平均的な可変表示時間を短くすることができるように、各変動パターンに決定値が割り当てられていればよい。時短制御が行われない通常時には、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しにくく、第2特図を用いた特図ゲームを実行する頻度が低い。そのため、第2特図を用いた特図ゲームの開始条件が成立したときには、第2特図保留記憶数にかかわらず、第1特図保留記憶数が所定値(例えば「0」)である場合と同様のテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。あるいは、第2特図を用いた特図ゲームの開始条件が成立したときの第2特図保留記憶数にかかわらず、その時点における第1特図保留記憶数に応じたテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。あるいは、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されることに対応して、第2特図保留記憶数にかかわらず図10(B1)とは決定値の割当てが異なるテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。あるいは、第2特図を用いた特図ゲームの開始条件が成立したときには、図10(B1)に示す「第1特図保留記憶数」を「第2特図保留記憶数」に読み替えて、第2特図保留記憶数に応じたテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。
また、ハズレ変動パターン決定テーブルでは、第2特図保留記憶数が0、1または2以上のいずれであるかに応じて、異なる変動パターンに割り当てられる決定値が含まれてもよい。このような設定により、第2特図保留記憶数に応じて、特別図柄や飾り図柄の平均的な可変表示時間を異ならせることができる。特に、第2特図保留記憶数が所定値(例えば「2」)以上であるときには、第2特図保留記憶数が所定値未満であるときよりも、平均的な可変表示時間を短くすることができるように、各変動パターンに決定値が割り当てられていればよい。時短制御が行われている時短中には、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすく、第2特図を用いた特図ゲームを実行する頻度が高い。第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合には、時短中であれば第2特図を用いた特図ゲームが繰り返し実行される可能性が高く、第1特図を用いた特図ゲームを実行する頻度が低い。そして、第1特図を用いた特図ゲームの開始条件が成立するときには、第2特図保留記憶数が0になっている。そのため、第1特図を用いた特図ゲームの開始条件が成立したときには、第1特図保留記憶数にかかわらず、第2特図保留記憶数が所定値(例えば「0」)である場合と同様のテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。あるいは、第1特図保留記憶数にかかわらず図10(B2)とは決定値の割当てが異なるテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。あるいは、第1特図を用いた特図ゲームの開始条件が成立したときには、図10(B2)に示す「第2特図保留記憶数」を「第1特図保留記憶数」に読み替えて、第1特図保留記憶数に応じたテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。
図9(A)に示す変動パターン設定処理においてステップS262、S263のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS264)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間であり、可変表示期間の時間長を示している。特図変動時間は、図9(B)に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。したがって、ステップS262、S263にて変動パターンを決定することにより、特図変動時間に対応する可変表示期間が決定される。CPU103は、特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。特に、可変表示結果が「大当り」となる場合には、その可変表示結果が導出表示されて大当り遊技状態に制御されるタイミングを設定することができる。
ステップS265の後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS266)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを指定する。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する演出制御コマンドである。
ステップS266の後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS267)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS267にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
一例として、コマンド解析処理では、演出制御コマンド受信用バッファに格納された受信コマンドがある場合に、その受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、いずれの演出制御コマンドを受信したかを判定する。このとき、第1始動口入賞指定コマンドとともに入賞時判定結果コマンドおよび第1保留記憶数通知コマンドを受信した場合には、RAM122の所定領域(例えば演出制御バッファ設定部)などに設けられた第1始動入賞時コマンドバッファにおける空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第1始動口入賞指定コマンドと第1保留記憶数通知コマンドを順番に記憶させる。一方、第2始動口入賞指定コマンドとともに第2保留記憶数通知コマンドを受信したときには、RAM122の所定領域(例えば演出制御バッファ設定部)などに設けられた第2始動入賞時コマンドバッファにおける空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第2始動口入賞指定コマンドと第2保留記憶数通知コマンドを順番に記憶させる。
第1始動入賞時コマンドバッファには、第1始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンド(第1始動口入賞指定コマンドおよび第1保留記憶数通知コマンド)を対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、第1始動入賞が発生したときに受信した演出制御コマンドを、その受信順序に従って、第1始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。第1始動入賞時コマンドバッファにおける保留表示番号は、第1特図保留記憶数に対応している。
第2始動入賞時コマンドバッファには、第2始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンド(第2始動口入賞指定コマンドおよび第2保留記憶数通知コマンド)を対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、第2始動入賞が発生したときに受信した演出制御コマンドを、その受信順序に従って、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。第2始動入賞時コマンドバッファにおける保留表示番号は、第2特図保留記憶数に対応している。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDなどの発光体における点灯動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図11は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す演出制御プロセス処理では、まず、保留表示設定処理を実行する(ステップS161)。保留表示設定処理は、第1始動入賞や第2始動入賞が発生した始動入賞時に、第1保留表示部5HRでの第1保留表示や第2保留表示部5HLでの第2保留表示を更新するための処理を含んでいる。また、保留表示設定処理は、例えばRAM121の所定領域に設けられた保留表示データ記憶部の記憶データなどを用いて、「保留表示変化」の先読み予告演出を実行するための決定処理や設定処理などを含んでいる。
図12は、保留表示データ記憶部の構成例を示している。保留表示データ記憶部は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることや、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることに対応して、第1保留表示部5HRにて第1保留表示を行うための各種データや、第2保留表示部5HLにて第2保留表示を行うための各種データを、保留表示データとして記憶する。保留表示データ記憶部として、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶表示に対応する第1保留表示データ記憶部と、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶表示とに対応する第2保留表示データ記憶部とが設けられていればよい。保留表示データ記憶部には、例えば第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部と同様の保留番号に関連付けて、入賞時判定結果、保留表示画像、変化演出用カウンタの値を特定可能に示すデータを記憶するための格納領域が確保されている。入賞時判定結果は、入賞時判定結果コマンドに基づいて特定される可変表示の判定結果を示している。保留表示画像は、第1保留表示部5HRや第2特別図柄表示部5HLに表示されることで、未だ開始されていない可変表示の有無や保留数を認識可能にする演出画像である。変化演出用カウンタの値は、保留表示変化演出が実行される可変表示よりも前に実行される可変表示の残り回数を示している。
この実施の形態において、入賞時判定結果コマンドに基づいて特定される入賞時判定結果には、「大当り」、「ハズレ時スーパーリーチ確定」、「ハズレ時リーチ確定」、「ハズレ時一般」がある。入賞時判定結果コマンドにより「大当り」の入賞時判定結果が通知された場合には、判定対象とされた可変表示の表示結果を「大当り」とすることが特定される。入賞時判定結果コマンドにより「ハズレ時スーパーリーチ確定」、「ハズレ時リーチ確定」、「ハズレ時一般」のいずれかが通知された場合には、判定対象とされた可変表示の表示結果を「ハズレ」とすることが特定される。
この実施の形態では、複数種類の保留表示画像として、保留表示画像HGW、保留表示画像HGB、保留表示画像HGG、保留表示画像HGR、保留表示画像HGSが、予め用意されている。保留表示画像HGWは、保留番号に対応する表示部位にて丸型無地の白色表示を行う演出画像である。保留表示画像HGBは、保留番号に対応する表示部位にて丸型無地の青色表示を行う演出画像である。保留表示画像HGGは、保留番号に対応する表示部位にて丸型無地の緑色表示を行う演出画像である。保留表示画像HGRは、保留番号に対応する表示部位にて丸型無地の赤色表示を行う演出画像である。保留表示画像HGSは、保留番号に対応する表示部位にて「秘」のメッセージを示す表示を行う演出画像である。第1保留表示や第2保留表示における通常の表示態様は、丸型無地の白色表示となっている。
図11に示すステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から伝送される第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。このような第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドのいずれかを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理が実行されたときには、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。また、可変表示中演出処理には、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させる処理が含まれている。なお、所定の演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御などを行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。特図当り待ち処理は、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果や、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドを受信したか否かの判定結果などに基づいて、大当り遊技状態に制御されるか否かを判定する処理を含んでいる。そして、可変表示結果が「大当り」に対応して大当り遊技状態に制御される場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、可変表示結果が「ハズレ」に対応して大当り遊技状態に制御されない場合には、演出プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。
ステップS174のアタッカー開放時演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。アタッカー開放時演出処理は、例えば大当り遊技状態での演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく各種演出の実行を制御する処理を含んでいる。より具体的に、演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯や消灯あるいは点滅させることといった、アタッカーとしての大入賞口扉が開放状態となる所定期間における演出を実行可能にする。アタッカー開放時演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。エンディング演出処理は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく各種演出の実行を制御する処理を含んでいる。より具体的に、演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯や消灯あるいは点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における演出を実行可能にする。
図13は、保留表示設定処理として、図11のステップS161にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図13に示す保留表示設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞時に伝送される演出制御コマンド(始動口入賞指定コマンド、入賞時判定結果コマンド、保留記憶数通知コマンドなど)の受信があったか否かを判定する(ステップS301)。ステップS301の処理では、例えば第1始動入賞時コマンドバッファや第2始動入賞時コマンドバッファに、始動口入賞指定コマンドや入賞時判定結果コマンド、保留記憶数通知コマンドが新たに格納されているか否かを確認することにより、始動入賞時におけるコマンド受信の有無を判定すればよい。
ステップS301にてコマンド受信がない場合には(ステップS301;No)、保留表示設定処理を終了する。一方、コマンド受信があると判定された場合には(ステップS301;Yes)、受信したコマンドによる通知内容を特定する(ステップS302)。例えば、入賞時判定結果コマンドによる通知内容として、入賞時判定結果を特定する。このときには、「入賞時判定制限中」が特定されたか否かを判定する(ステップS303)。「入賞時判定制限中」以外である場合には(ステップS303;No)、保留表示変化演出の有無を決定する(ステップS304)。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される保留表示変化演出実行決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された保留表示変化演出実行決定テーブルを参照することなどにより、保留表示変化演出の有無として、保留表示変化演出を実行するか否かを決定すればよい。ステップS304では、保留表示変化演出を実行しない場合における「演出なし」、あるいは保留表示変化演出を実行する場合における「演出あり」のうちで、いずれかに決定される。
ステップS304に続いて、変化演出用カウンタの初期値を決定する(ステップS305)。ステップS305では、ステップS304にて決定された保留表示変化演出の有無や、今回の始動入賞に対応して保留表示データが記憶される保留番号、入賞時判定結果などに応じて、変化演出用カウンタの初期値が決定されるようにすればよい。ステップS303にて「入賞時判定制限中」であると判定された場合や(ステップS303;Yes)、ステップS305にて変化演出用カウンタの初期値を決定した後には、保留表示画像を決定する(ステップS306)。ステップS306では、ステップS304にて決定された保留表示変化演出の有無と入賞時判定結果との一部または全部に応じて、保留表示画像が複数種類のいずれかに決定されるようにすればよい。なお、ステップS303にて「入賞時判定制限中」であると判定された場合には、保留表示画像HGWに決定して、保留番号に対応する表示部位が丸型無地の白色表示となるように設定すればよい。あるいは、ステップS303にて「入賞時判定制限中」であると判定された場合に対応する保留表示画像として、「入賞時判定制限中」以外であると判定された場合とは異なる表示を行う演出画像が用いられてもよい。
ステップS303にて「入賞時判定制限中」である場合や(ステップS303;Yes)、ステップS306にて保留表示画像を決定した後には、始動入賞時における保留表示の更新設定を行ってから(ステップS307)、保留表示設定処理を終了する。ステップS307では、保留表示データ記憶部における記憶内容の更新が行われてもよい。このときには、保留表示データ記憶部における空き領域の先頭に、入賞時判定結果コマンドから特定された入賞時判定結果、ステップS306にて決定された保留表示画像、ステップS305にて決定された変化演出用カウンタの初期値をそれぞれ示す保留表示データを格納することで記憶させればよい。第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことにより第1特図保留記憶数が1増加した場合には、ステップS307によって、第1保留表示部5HRでの第1保留表示を1増加させるように、新たな第1保留表示を追加する。これに対し、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことにより第2特図保留記憶数が1増加した場合には、ステップS307によって、第2保留表示部5HLでの第2保留表示を1増加させるように、新たな第2保留表示を追加する。ステップS307では、ステップS306にて決定された保留表示画像を直ちに表示して、通常の表示態様とは異なる表示態様での保留表示を可能にしてもよい。あるいは、ステップS307では、ステップS306での決定結果にかかわらず、まずは保留表示画像HGWを表示させることで、通常の表示態様となる丸型無地の白色表示が行われるようにしてもよい。その後、保留記憶の消化に伴う保留表示のシフトが行われることに対応して、ステップS306にて決定した保留表示画像の表示へと変更されてもよい。
図14は、保留表示変化演出の有無に関する決定例を示している。図13に示すステップS304では、例えば図14に示すような保留番号や入賞時判定結果に応じた割合で、保留表示変化演出の有無が決定される。この決定例において、保留番号が「2」〜「4」のいずれかである場合には、入賞時判定結果に応じて異なる割合で、保留表示変化演出を実行する「演出あり」に決定できる。これに対し、保留番号が「1」である場合には、保留表示変化演出を実行しない「演出なし」に決定される。したがって、始動入賞の発生に基づく可変表示よりも前に保留されている可変表示がない期間という時期的な限界を定めて、その期間内に発生した始動入賞に基づく保留表示については保留表示変化演出が実行されないように制限が設けられる。
図15は、変化演出用カウンタの初期値に関する決定例を示している。図13に示すステップS304にて保留表示変化演出を実行する「演出あり」に決定された場合に、ステップS305では、例えば図15に示すような保留番号や入賞時判定結果などに応じた割合で、変化演出用カウンタの初期値が「1」〜「3」のいずれかに決定される。これに対し、ステップS304にて保留表示変化演出を実行しない「演出なし」に決定された場合には、ステップS305にて変化演出用カウンタの初期値が「0」に決定される。したがって、変化演出用カウンタの値が「0」以外となる保留表示に対応して、保留表示変化演出が実行される。
図15に示す決定例では、「演出あり」で保留番号が「3」または「4」の場合に、入賞時判定結果が「大当り」であるか「大当り」以外であるかに応じて異なる割合で、変化演出用カウンタの初期値が決定される。これらの場合に、入賞時判定結果が「大当り」であれば、「大当り」以外であるよりも高い割合で、変化演出用カウンタの初期値が小さい値に決定される。このように、入賞時判定結果が「大当り」であるか否かに応じて、変化演出用カウンタの初期値について決定割合を異ならせてもよい。これにより、始動入賞の発生に基づき保留表示が開始されてから保留表示変化演出が実行されるまでの期間に応じて異なる割合で、保留表示変化演出の対象となった保留表示に対応する可変表示において可変表示結果が「大当り」となることを示唆できる。より一般的に、保留表示が開始されてから保留表示変化演出が実行されるまでの期間に応じて異なる割合で、有利状態としての大当り遊技状態に制御されることを示唆できればよい。なお、変化演出用カウンタの初期値は、既に保留表示データ記憶部に記憶されている変化演出用カウンタの値に基づいて決定されることがあってもよい。例えば、既に保留表示データ記憶部に記憶されている変化演出用カウンタの値のうちに、「1」以上となるものがある場合には、その値よりも大きい値となるように、今回の保留表示に対応する変化演出用カウンタの初期値が決定されてもよい。この場合でも、変化演出用カウンタの初期値は保留番号未満となるように決定することで、保留表示に対応する可変表示が開始されるまでに、保留表示変化演出の実行が可能となる。保留表示データ記憶部に記憶される変化演出用カウンタの値が「1」以上で重複しないようにすれば、複数の異なる保留表示を対象とした保留表示変化演出が、1回の可変表示において実行されてしまうことを防止して、煩雑な演出の実行を抑制することができる。
図16は、保留表示画像の決定例を示している。図13に示すステップS304にて保留表示変化演出を実行しない「演出なし」に決定された場合に、ステップS306では、例えば図16(A)に示すような入賞時判定結果に応じた割合で、保留表示画像が複数種類のいずれかに決定される。ステップS304にて保留表示変化演出を実行する「演出あり」に決定された場合に、ステップS306では、例えば図16(B)に示すような割合で、保留表示画像HGWまたは保留表示画像HGSに決定される。
図16(A)に示す決定例では、入賞時判定結果に応じて、決定可能な保留表示画像や決定割合が異なっている。例えば、入賞時判定結果が「ハズレ時リーチ確定」、「ハズレ時スーパーリーチ確定」、「大当り」のいずれかである場合には、所定割合で保留表示画像HGGに決定可能となる一方、入賞時判定結果が「ハズレ時一般」である場合には、保留表示画像HGGに決定不可となる。入賞時判定結果が「ハズレ時スーパーリーチ確定」または「大当り」である場合には、所定割合で保留表示画像HGRに決定可能となる一方、入賞時判定結果が「ハズレ時一般」または「ハズレ時リーチ確定」である場合には、保留表示画像HGRに決定不可となる。また、例えば入賞時判定結果が「大当り」である場合には、入賞時判定結果が「ハズレ時スーパーリーチ確定」のいずれかである場合よりも高い割合で、保留表示画像HGRに決定される。このような設定により、保留表示画像を用いた保留表示が行われた場合に、その表示色に応じた所定割合で可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御されることを示唆できる。すなわち、保留表示の表示態様に応じて異なる大当り期待度を示唆できる。
図16(A)および図16(B)に示すような割合で保留表示画像が決定されることにより、保留表示画像HGSが表示されて「秘」のメッセージを示す保留表示の表示態様となった場合には、その保留表示に対応して、保留表示変化演出が実行される。このような「秘」のメッセージを示す保留表示画像HGSが表示されることにより、保留表示変化演出の実行を予め報知することができる。これに対し、保留表示画像HGWが表示されて保留表示の表示態様が丸型無地の白色表示となった場合には、その保留表示に対応して、所定割合で保留表示変化演出が実行される場合と実行されない場合とが含まれる。したがって、保留表示の表示態様が保留表示画像HGSの表示態様となった場合には、保留表示画像HGWの表示態様となった場合よりも高い割合で保留表示変化演出が実行されることを示唆できる。なお、図13に示すステップS304にて「演出なし」に決定された場合でも、所定割合で保留表示画像HGSに決定されることがあるように設定されてもよい。
図17は、可変表示開始設定処理として、図11のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などを決定する(ステップS321)。ステップS321の処理として、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。一例として、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた可変表示内容には、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」があればよい。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にはならずに、非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「非確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が時短状態となる。可変表示内容が「確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態となる。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて異なる(不一致の)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
可変表示内容が「非確変(大当り)」や「確変(大当り)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、可変表示内容が「非確変(大当り)」と「確変(大当り)」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否かなどに応じて、通常図柄(例えば偶数を示す飾り図柄)と確変図柄(例えば奇数を示す飾り図柄)のいずれを確定飾り図柄とするかが決定されればよい。大当り中昇格演出は、画像表示装置5において大当りを想起させるが確変状態を想起させないような飾り図柄の組合せ(非確変大当り組合せ)が一旦は停止表示されてから、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に確変状態となるか否かを報知する演出である。
具体的な一例として、可変表示内容が「非確変(大当り)」である場合には、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。また、可変表示内容が「確変(大当り)」で大当り中昇格演出を実行しないと決定されたときには、複数種類の確変図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これに対して、可変表示内容が「確変(大当り)」であっても大当り中昇格演出を実行すると決定されたときには、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これにより、確定飾り図柄として確変図柄が揃って導出表示されたにもかかわらず、大当り中昇格演出が実行されてしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすればよい。
可変表示内容が「非確変(大当り)」または「確変(大当り)」である場合には、ステップS321において、再抽選演出や大当り中昇格演出といった確変昇格演出を実行するか否かの決定が行われてもよい。再抽選演出では、飾り図柄の可変表示中に同一の通常図柄からなる非確変大当り組合せの飾り図柄が一旦表示されることによって、確変状態に制御されることを一旦は認識困難または認識不能とし、飾り図柄を再び可変表示(再変動)させて同一の確変図柄からなる確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることによって確変状態に制御されることを遊技者が認識可能に報知できる。なお、再抽選演出にて飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることにより、確変状態に制御されることを報知しない場合もある。ステップS321の処理にて再抽選演出を実行すると決定された場合には、再抽選演出の実行前に仮停止表示する飾り図柄の組合せなどを決定すればよい。
ステップS321にて最終停止図柄などを決定した後には、変化演出設定処理が実行される(ステップS322)。続いて、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS323)。例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、演出制御用CPU120は、ステップS322の変化演出設定処理による保留表示変化演出やアクティブ表示変化演出の実行設定に対応して、複数用意された演出制御パターン(保留表示変化演出制御パターンまたはアクティブ表示変化演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットしてもよい。なお、特図変動時演出制御パターン、保留表示変化演出制御パターン、アクティブ表示変化演出制御パターンとして、別個の演出制御パターンをセットするものに限定されず、各演出の実行設定の組合せに対応した1の演出制御パターンをセットするものであってもよい。
ステップS323により演出制御パターンが決定されると、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS324)。そして、画像表示装置5の画面上にて飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS325)。このときには、例えばステップS323にて決定された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)に含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDPに対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
ステップS325にて変動開始の設定を行った後には、可変表示の開始に対応して、第1保留表示部5HRにおける第1保留表示や第2保留表示部5HLにおける第2保留表示といった、保留表示などを更新するための設定を行う(ステップS326)。例えば、第1特図を用いた特図ゲームが実行(開始)される場合には、第1保留表示部5HRにおいて、保留番号が「1」に対応した表示部位(左端の表示部位)を消去(消化)するとともに、他の保留番号「2」〜「4」に対応した表示部位における第1保留表示を1つずつ左方向に移動(シフト)させる。一方、第2特図を用いた特図ゲームが実行(開始)される場合には、第2保留表示部5HLにおいて、保留番号が「1」に対応した表示部位(右端の表示部位)を消去(消化)するとともに、他の保留番号「2」〜「4」に対応した表示部位における第2保留表示を1つずつ右方向に移動(シフト)させる。これにより、保留表示のシフトが行われる。
なお、第1特図保留記憶数および第2特図保留記憶数がいずれも「0」であるときに、第1始動入賞や第2始動入賞の発生に基づいて直ちに可変表示が開始される場合には、第1保留表示や第2保留表示を更新することなく、アクティブ表示部AHAにおけるアクティブ表示を更新するための設定が行われてもよい。この場合、演出制御用CPU120は、アクティブ表示における通常の表示態様として、丸形無地で白色のアクティブ表示を、アクティブ表示部AHAにて開始させればよい。ステップS326により保留表示などを更新した後には、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS327)、可変表示開始設定処理を終了する。
図18は、変化演出設定処理として、図17のステップS322にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す変化演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、保留表示データ記憶内容を確認する(ステップS501)。保留表示データ記憶内容は、例えば図12に示すような保留表示データ記憶部において、各々の保留番号と関連付けて記憶されている入賞時判定結果、保留表示画像、変化演出用カウンタの値などを示すデータの内容である。そして、「0」以外の値になっている変化演出用カウンタがあるか否かを判定する(ステップS502)。変化演出用カウンタの値は、保留表示変化演出が未だ実行されていなければ、「0」以外になる。したがって、「0」以外の値になっている変化演出用カウンタの有無を判定することで、未だ実行されていない保留表示変化演出の設定があるか否かを判定できる。
「0」以外の値になっている変化演出用カウンタがあると判定された場合には(ステップS502;Yes)、その変化演出用カウンタの値を1減算(デクリメント)するように更新する(ステップS503)。このような更新(減算更新)の結果として、変化演出用カウンタの値が「0」になったものがあるか否かを判定する(ステップS504)。ステップS503にて1減算された変化演出用カウンタの値が「0」になった場合には、今回の可変表示において保留表示変化演出を実行することになる。すなわち、ステップS504にて値が「0」になった変化演出用カウンタがあると判定された場合には(ステップS504;Yes)、今回変動の短縮有無を特定し(ステップS505)、その特定結果に基づいて、保留変化演出パターンを決定する(ステップS506)。
ステップS505にて特定される今回変動の短縮有無は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンが、可変表示期間としての特図変動時間を短縮したものであるか否かに対応している。例えば図9(B)に示す複数の変動パターンのうちで、変動パターンPA1−2、PA1−3、PB1−2、PB1−3のいずれかといった、短縮ありの変動パターンが指定された場合には、今回の可変表示において可変表示期間が短縮される「今回変動短縮あり」と特定すればよい。これらの変動パターンとは異なる変動パターンが指定された場合には、今回の可変表示において可変表示期間が短縮されない「今回変動短縮なし」と特定すればよい。
図19は、この実施の形態における保留変化演出パターンを示している。この実施の形態では、複数の保留変化演出パターンとして、保留変化演出パターンZHP1−0〜ZHP1−3、ZHP2−1〜ZHP2−3、ZHP3−1が、予め用意されている。各々の保留変化演出パターンに対応する変化前表示は、保留表示変化演出が実行される前に表示されている保留表示の表示態様を示している。各々の保留変化演出パターンに対応する演出実行時間は、保留表示変化演出の実行が開始されてから終了するまでの所要時間を示している。複数の保留変化演出パターンは、1回の保留表示変化演出によって保留表示の表示態様を1回変化可能または複数回変化可能な複数種類の演出態様に対応している。ただし、例えば保留変化演出パターンZHP1−0のように、保留表示変化演出が実行された後に表示される保留表示が保留表示画像HGWを用いた丸型無地の白色表示となる場合などには、その保留表示変化演出が実行される前に表示された保留表示の表示態様と同一になることがある。このような場合には、保留表示変化演出が実行されても保留表示の表示態様を変化させないことになり、保留表示変化演出のうちで保留表示変化失敗演出としての保留変化ガセ演出となる。
図19に示すような複数の保留変化演出パターンに応じて、保留表示の表示態様を変化させる回数や、保留表示変化演出が実行された後に表示される保留表示の最終的な表示態様が異なっている。図19に示す複数の保留変化演出パターンのうちで、保留変化演出パターンZHP1−1〜ZHP1−3は1回の保留表示変化演出によって保留表示の表示態様を1回変化させ、保留変化演出パターンZHP2−1〜ZHP2−3は1回の保留表示変化演出によって保留表示の表示態様を2回変化させ、保留変化演出パターンZHP3−1は1回の保留表示変化演出によって保留表示の表示態様を3回変化させる。図19に示す複数の保留変化演出パターンのうちで、保留変化演出パターンZHP1−0は保留表示の最終的な表示態様を保留表示画像HGWによる白色表示とし、保留変化演出パターンZHP1−1は保留表示の最終的な表示態様を保留表示画像HGBによる青色表示とし、保留変化演出パターンZHP1−2、ZHP2−1は保留表示の最終的な表示態様を保留表示画像HGGによる緑色表示とし、その他の保留変化演出パターンは保留表示の最終的な表示態様を保留表示画像HGRによる赤色表示とする。したがって、図18に示すステップS506にて保留変化演出パターンを決定することで、1回の保留表示変化演出によって保留表示の表示態様を変化させる回数と、保留表示変化演出が実行された後に表示される保留表示の表示態様とが決定される。
保留表示変化演出における演出実行時間は、保留変化演出パターンに対応して保留表示の表示態様を変化させる回数などに応じて、異なる時間が設定されている。図19に示す複数の保留変化演出パターンのうちで、保留変化演出パターンZHP1−0〜ZHP1−3では演出実行時間がT01となり、保留変化演出パターンZHP2−1〜ZHP2−3では演出実行時間がT01よりも長いT02となり、保留変化演出パターンZHP3−1では演出実行時間がT02よりも長いT03となる。このように、1回の保留表示変化演出によって保留表示の表示態様を変化させる回数が多い場合には、その回数が少ない場合よりも、保留表示変化演出における演出実行時間が長くなる。
図20および図21は、保留変化演出パターンの決定例を示している。図20は、図18に示すステップS505にて「今回変動短縮なし」と特定された場合のステップS506における保留変化演出パターンの決定例を示している。図21は、図18に示すステップS505にて「今回変動短縮あり」と特定された場合のステップS506における保留変化演出パターンの決定例を示している。
図18に示すステップS505にて「今回変動短縮なし」と特定された場合に、ステップS506では、例えば図20に示すような入賞時判定結果に応じた割合で、保留変化演出パターンが決定される。これに対し、図18に示すステップS505にて「今回変動短縮あり」と特定された場合に、ステップS506では、例えば図21に示すような入賞時判定結果に応じた割合で、保留変化演出パターンが決定される。図20および図21に示す決定例では、「今回変動短縮なし」の場合であるか「今回変動短縮あり」の場合であるかに応じて、決定可能な保留変化演出パターンが異なっている。例えば、図20に示す「今回変動短縮なし」の場合には、入賞時判定結果が「ハズレ時スーパーリーチ確定」や「大当り」に対応して、保留変化演出パターンZHP2−1〜ZHP2−3、ZHP3−1を含めた複数の保留変化演出パターンのいずれかに、所定割合で決定可能となる。これに対し、図21に示す「今回変動短縮あり」の場合には、入賞時判定結果が「ハズレ時スーパーリーチ確定」や「大当り」であっても、保留変化演出パターンZHP2−1〜ZHP2−3、ZHP3−1が決定不可となり、保留変化演出パターンZHP1−0〜ZHP1−3のいずれかに決定可能となるにすぎない。
保留変化演出パターンZHP2−1〜ZHP2−3は、1回の保留表示変化演出によって保留表示の表示態様を2回変化させる演出態様に対応し、演出実行時間がT02となり、保留変化演出パターンZHP1−0〜ZHP1−3における演出実行時間のT01よりも長い時間が必要になる。保留変化演出パターンZHP3−1は、1回の保留表示変化演出によって保留表示の表示態様を3回変化させる演出態様に対応し、演出実行時間がT02よりもさらに長いT03となる。そのため、「今回変動短縮あり」と特定されて今回の可変表示における可変表示期間が比較的に短くなる場合には、その可変表示期間において保留表示変化演出が最後まで実行できずに中止されてしまうおそれがある。そこで、「今回変動短縮あり」の場合には、保留変化演出パターンZHP2−1〜ZHP2−3、ZHP3−1が決定されないように、テーブルデータなどの決定データを設定する。したがって、可変表示の可変表示期間が予め定められた基準時間長よりも短い場合という可変表示期間の限界を定めて、そのような短い可変表示期間において実行される保留表示変化演出では保留表示の表示態様を変化させる回数が比較的に少ない演出態様となるように制限が設けられる。これに対し、可変表示の可変表示期間が基準時間長以上である場合に実行される保留表示変化演出については、所定の決定割合で、保留表示の表示態様を変化させる回数が比較的に多い演出態様とすることができる。このように、保留表示変化演出が実行される1回の可変表示の可変表示期間に応じて、その1回の可変表示において保留表示の表示態様を変化させる回数を異ならせることができる。
なお、図20に示す決定例では、「今回変動短縮なし」に対応して、保留変化演出パターンZHP1−0〜ZHP1−3にも決定可能である。すなわち、保留表示変化演出が実行される1回の可変表示の可変表示期間が基準時間長以上である場合に、その1回の可変表示において保留表示の表示態様を変化させる回数は、可変表示期間が基準時間長よりも短い場合と同じ回数になることがあってもよいが、より多い回数になることができればよい。これに対し、「今回変動短縮なし」と特定する変動パターンの設定を変更することや、「今回変動短縮なし」と特定した場合に決定可能な保留変化演出パターンの設定を変更することにより、可変表示期間が基準時間長以上である場合に、その1回の可変表示において保留表示の表示態様を変化させる回数は、可変表示期間が基準時間長よりも短い場合と同じ回数になることがなく、より多い回数のみになることができるようにしてもよい。例えば「今回変動短縮なし」と特定された場合に、ステップS506では、保留変化演出パターンZHP2−1〜ZHP2−3、ZHP3−1のいずれかに決定可能となる一方、保留変化演出パターンZHP1−0〜ZHP1−3が決定不可となるようにしてもよい。
図20および図21に示す決定例では、入賞時判定結果に応じて、決定可能な保留変化演出パターンや決定割合が異なっている。例えば、入賞時判定結果が「ハズレ時一般」である場合には、図20に示す「今回変動短縮なし」の場合と図21に示す「今回変動短縮あり」の場合のいずれであっても、保留変化演出パターンZHP1−0、ZHP1−1のいずれかに決定可能となり、その他の保留変化演出パターンに決定不可となる。図20に示す「今回変動短縮なし」の場合において、入賞時判定結果が「大当り」または「ハズレ時スーパーリーチ確定」であれば、所定割合で保留変化演出パターンZHP2−2、ZHP2−3、ZHP3−1に決定可能となる一方、入賞時判定結果が「ハズレ時リーチ確定」または「ハズレ時一般」であれば、これらの保留変化演出パターンには決定不可となる。また、図20に示す「今回変動短縮なし」の場合において、入賞時判定結果が「大当り」であれば、入賞時判定結果が「ハズレ時スーパーリーチ確定」のときよりも高い割合で、保留変化演出パターンZHP2−3、ZHP3−1などに決定される。このような設定により、保留表示変化演出が実行された場合に、1回の演出によって保留表示の表示態様を変化させる回数や保留表示変化演出が実行された後に表示される保留表示の表示態様に応じた所定割合で可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御されることを示唆できる。すなわち、保留表示変化演出の演出態様や変化後における保留表示の表示態様などに応じて異なる大当り期待度を示唆できる。
図18に示す変化演出設定処理では、ステップS502にて「0」以外の値になっている変化演出用カウンタがないと判定された場合や(ステップS502;No)、ステップS504にて変化演出用カウンタの値が「0」になったものがないと判定された場合(ステップS504;No)、あるいはステップS506にて保留変化演出パターンを決定した後には、アクティブ表示変化演出の有無を決定する(ステップS507)。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新されるアクティブ表示変化演出実行決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意されたアクティブ表示変化演出実行決定テーブルを参照することなどにより、アクティブ表示変化演出の有無として、アクティブ表示変化演出を実行するか否かを決定すればよい。ステップS507では、アクティブ表示変化演出を実行しない場合における「演出なし」、あるいはアクティブ表示変化演出を実行する場合における「演出あり」のうちで、いずれかに決定される。
ステップS507の決定結果に基づいて、「演出なし」に決定されたか否かを判定する(ステップS508)。「演出なし」に決定された場合には(ステップS508;Yes)、変化演出設定処理を終了する。「演出あり」に決定された場合には(ステップS508;No)、アクティブ変化演出パターンを決定してから(ステップS509)、変化演出設定処理を終了する。
図22は、アクティブ表示変化演出の有無に関する決定例を示している。図18に示すステップS506では、例えば図22に示すような可変表示内容に応じた割合で、アクティブ表示変化演出の有無が決定される。図22に示す決定例では、複数の可変表示内容のうちで、可変表示内容が「非確変(大当り)」または「確変(大当り)」となる場合のように、可変表示結果が「大当り」となる場合には、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」または「リーチ(ハズレ)」となる場合のように、可変表示結果が「ハズレ」となる場合よりも高い割合で、アクティブ表示変化演出を実行する「演出あり」に決定される。このような設定により、アクティブ表示変化演出が実行された場合には、実行されない場合よりも高い割合で可変表示結果が「大当り」となることを示唆できる。より一般的に、アクティブ表示変化演出が実行されるか否かに応じて異なる割合で、有利状態としての大当り遊技状態に制御されることを示唆できればよい。なお、アクティブ表示変化演出が実行された場合に、その演出態様によっては、可変表示結果が「大当り」となる割合が高くなることがあってもよいし、可変表示結果が「大当り」となる割合が低くなることがあってもよい。すなわち、アクティブ表示変化演出が実行されるか否かだけでは、可変表示結果が「大当り」となる割合が高いか否かを、遊技者などが認識不可能または認識困難にしてもよい。
図23は、この実施の形態におけるアクティブ変化演出パターンを示している。この実施の形態では、複数のアクティブ変化演出パターンとして、アクティブ変化演出パターンYAP2−1〜YAP2−3、YAP3−1が、予め用意されている。各々のアクティブ変化演出パターンに対応する変化前表示は、アクティブ表示変化演出が実行される前に表示されているアクティブ表示の表示態様を示している。複数のアクティブ変化演出パターンは、1回のアクティブ表示変化演出によってアクティブ表示の表示態様を複数回変化可能な複数種類の演出態様に対応している。
図23に示すようなアクティブ変化演出パターンに応じて、アクティブ表示の表示態様を変化させる回数や、アクティブ表示変化演出が実行された後に表示されるアクティブ表示の最終的な表示態様が異なっている。図23に示す複数のアクティブ変化演出パターンのうちで、アクティブ変化演出パターンYAP2−1〜YAP2−3は1回のアクティブ表示変化演出によってアクティブ表示の表示態様を2回変化させ、アクティブ変化演出パターンYAP3は1回のアクティブ表示変化演出によってアクティブ表示の表示態様を3回変化させる。図23に示す複数のアクティブ変化演出パターンのうちで、アクティブ変化演出パターンYAP2−1はアクティブ表示の最終的な表示態様を「チャンス」のメッセージを報知するアイコンとし、アクティブ変化演出パターンYAP2−2、YAP2−3、YAP3−1はアクティブ表示の最終的な表示態様を「激熱」のメッセージを報知するアイコンとする。したがって、図18に示すステップS509にてアクティブ変化演出パターンを決定することで、1回のアクティブ表示変化演出によってアクティブ表示の表示態様を変化させる回数と、アクティブ表示変化演出が実行された後に表示されるアクティブ表示の表示態様とが決定される。
図24は、アクティブ変化演出パターンの決定例を示している。図18に示すステップS509では、例えば図24に示すような可変表示内容に応じた割合で、アクティブ変化演出パターンが決定される。図24に示す決定例では、可変表示内容に応じて、決定可能なアクティブ変化演出パターンや決定割合が異なっている。例えば、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合には、アクティブ変化演出パターンYAP2−1にのみ決定可能となり、その他のアクティブ変化演出パターンYAP2−2、YAP2−3、YAP3−1に決定不可となる。可変表示内容が「非確変(大当り)」または「確変(大当り)」である場合には、所定割合でアクティブ変化演出パターンYAP3−1に決定可能となる一方、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」または「リーチ(ハズレ)」である場合には、アクティブ変化演出パターンYAP3−1に決定不可となる。また、例えば可変表示内容が「非確変(大当り)」または「確変(大当り)」である場合には、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」または「リーチ(ハズレ)」である場合よりも高い割合で、アクティブ変化演出パターンYAP2−3に決定される。このような設定により、アクティブ表示変化演出が実行された場合に、1回の演出によってアクティブ表示の表示態様を変化させる回数やアクティブ表示変化演出が実行された後に表示されるアクティブ表示の表示態様に応じた所定割合で可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御されることを示唆できる。すなわち、アクティブ表示変化演出の演出態様や変化後におけるアクティブ表示の表示態様などに応じて異なる大当り期待度を示唆できる。
図25は、可変表示中演出処理として、図11のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS341)。一例として、ステップS341の処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS341にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS341;No)、保留表示変化演出を実行するための保留表示変化演出期間であるか否かを判定する(ステップS342)。保留表示変化演出期間は、例えば図17に示すステップS323の処理にて決定された演出制御パターン(保留表示変化演出制御パターンなど)において、予め定められていればよい。保留表示変化演出期間である場合には(ステップS342;Yes)、保留表示変化演出を実行するための制御が行われる(ステップS343)。ステップS343の処理では、保留表示変化演出制御パターンの設定に基づいて作成した各種指令を、表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させる。これにより、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示させることや、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9および装飾用LEDを点灯や消灯や点滅させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、所定の演出装置にて保留表示変化演出を実行できればよい。
ステップS342にて保留表示変化演出期間ではないと判定された場合や(ステップS342;No)、ステップS343による制御を行った後には、アクティブ表示変化演出を実行するためのアクティブ表示変化演出期間であるか否かを判定する(ステップS344)。アクティブ表示変化演出期間は、例えば図17に示すステップS323の処理にて決定された演出制御パターン(アクティブ表示変化演出制御パターンなど)において、予め定められていればよい。アクティブ表示変化演出期間である場合には(ステップS344;Yes)、アクティブ表示変化演出を実行するための制御が行われる(ステップS345)。なお、保留表示変化演出とアクティブ表示変化演出は、共通の演出制御を行うことにより実行されてもよい。この場合、ステップS342〜S345の処理に代えて、保留表示変化演出とアクティブ表示変化演出に共通する表示変化演出期間であるか否かを判定し、表示変化演出期間であると判定された場合には、表示変化演出制御パターンに従って保留表示変化演出やアクティブ表示変化演出を実行するための制御が行われればよい。
ステップS344にてアクティブ表示変化演出期間ではないと判定されたときや(ステップS344;No)、ステップS345による制御を行った後には、リーチ演出を実行するためのリーチ演出期間であるか否かを判定する(ステップS346)。リーチ演出期間は、例えば変動パターンに応じて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS346にてリーチ演出期間であると判定されたときには(ステップS346;Yes)、リーチ演出を実行するための制御が行われる(ステップS347)。
ステップS346にてリーチ演出期間ではないと判定されたときや(ステップS346;No)、ステップS347による制御を行った後には、例えば変動パターンに対応して決定された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた可変表示中における演出を実行するための制御を行ってから(ステップS348)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS341にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS341;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS349)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS349;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS349にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS349;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS350)。続いて、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS351)。また、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS352)、可変表示中演出処理を終了する。
以下、パチンコ遊技機1における具体的な制御の一例について説明する。
パチンコ遊技機1では、例えば遊技領域に打ち込まれた遊技球が第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)して第1始動入賞や第2始動入賞といった始動入賞が発生した後、特別図柄や飾り図柄の可変表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始される。画像表示装置5の画面上では、特別図柄の可変表示に同期して、飾り図柄の可変表示が行われる。
遊技球が第1始動入賞口を通過(進入)したことによる第1始動入賞の発生に基づいて第1始動条件が成立したときには、図4に示す始動入賞判定処理のステップS203、S207により、第1特図保留記憶数が1加算される。遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)したことによる第2始動入賞の発生に基づいて第2始動条件が成立したときには、図4に示す始動入賞判定処理のステップS206、S207により、第2特図保留記憶数が1加算される。このときには、ステップS209にて特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。そして、ステップS212では図5に示すような入賞時乱数値判定処理を実行することにより、可変表示結果が「大当り」になるか否かなどの可変表示内容を判定して、入賞時判定結果を示す入賞時判定結果コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
図13に示す保留表示設定処理のステップS301では、入賞時判定結果コマンドを含めた始動入賞時に伝送される演出制御コマンドの受信があったか否かが判定される。そして、コマンド受信があると判定された場合には、ステップS302にて特定した通知内容に含まれる入賞時判定結果に基づいて、ステップS304により保留表示変化演出の有無が決定される。ステップS305で決定される変化演出用カウンタの初期値は、保留表示変化演出を実行する決定結果に対応して「0」以外の値となり、保留表示変化演出を実行しない決定結果に対応して「0」となる。その後、ステップS306における保留表示画像の決定結果などに基づいて、ステップS307により始動入賞の発生に対応した保留表示の更新が行われる。
開始条件の成立に基づいて特図ゲームや飾り図柄の可変表示が開始されるときには、図3に示すステップS111にて図9(A)に示すような変動パターン設定処理を実行する。これにより、図9(B)に示すような複数の変動パターンのいずれかを決定して、決定された変動パターンを特定可能に示す変動パターン指定コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
図17に示す可変表示開始設定処理では、ステップS321において、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて最終停止図柄などが決定される。続いて、ステップS322の変化演出設定処理として、図18に示すような処理が実行される。変化演出設定処理では、ステップS503により変化演出用カウンタの値を減算更新した結果として、ステップS504にて「0」になった変化演出用カウンタがあると判定されたときに、保留表示変化演出を実行するための設定が行われる。このときには、ステップS505にて特定された今回変動の短縮有無に応じて、ステップS506により保留変化演出パターンが決定される。その後、ステップS507にてアクティブ表示変化演出の有無が決定され、「演出あり」に決定された場合には、ステップS509によりアクティブ変化演出パターンが決定される。図17に示す可変表示開始設定処理では、ステップS322にて変化演出設定処理を実行した後に、ステップS326での設定により、アクティブ表示部AHAにて、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示が行われる。こうして保留変化演出パターンやアクティブ変化演出パターンが決定されたことに基づいて、図25に示す可変表示中演出処理では、ステップS343での制御により保留表示変化演出を実行可能となり、ステップS345での制御によりアクティブ表示変化演出を実行可能となる。
図26および図27は、保留表示変化演出の実行例を示している。この場合、例えば図26(A)および図27(A1)に示すように、画像表示装置5の画面上では、飾り図柄の可変表示が行われているときに、第2保留表示部5HLにおいて保留番号「1」〜「3」に対応した保留表示(第2保留表示)が行われているとともに、アクティブ表示部AHAにおいて実行中の可変表示に対応するアクティブ表示が行われている。ここで、保留番号が「3」に対応した第2保留表示は、図26(A)および図27(A1)に示された可変表示よりも1回前の可変表示を実行中に発生した始動入賞に基づいて、保留番号が「4」に対応した第2保留表示として開始され、図26(A)および図27(A1)に示された可変表示の実行が開始されることに伴い、保留番号が「3」の表示部位へとシフトしたものであればよい。この第2保留表示が開始されるときに、図13に示すステップS304により保留表示変化演出を実行する「演出あり」に決定され、ステップS305により変化演出用カウンタの初期値が「1」に決定される。また、ステップS306にて決定された保留表示画像HGSを表示することで、「秘」のメッセージを示す保留表示が行われる。図18に示す変化演出設定処理では、ステップS506により図19に示すような複数の保留変化演出パターンZHP1−0〜ZHP1−3、ZHP2−1〜ZHP2−3、ZHP3−1のいずれかに決定される。
こうした保留変化演出パターンの決定結果などに基づいて、例えば図26(B)および図27(A2)に示すような保留表示変化演出が開始され、まずは、保留表示変化共通演出が実行される。この保留表示変化共通演出は、図26(B)および図27(A2)に示すキャラクタの演出画像が第2保留表示部5HLにおける第2保留表示(保留番号が「3」に対応する保留表示)に作用するような作用演出を含んでいる。保留表示変化共通演出は、保留変化演出パターンの決定結果にかかわらず、保留表示変化演出の実行が開始されてからの所定期間にて実行されればよい。すなわち、保留表示変化演出は、1回の演出によって保留表示の表示態様を変化させる回数にかかわらず、少なくとも一部が共通の演出態様を含んでいる。
保留変化演出パターンZHP1−0による保留表示変化演出では、図26(C)に示すような保留表示画像HGWを表示させることで、保留表示の表示態様が白色表示となる。これにより、通常の表示態様と同一の表示態様となる保留表示変化失敗演出(保留変化ガセ演出)が実行される。保留変化演出パターンZHP1−1による保留表示変化演出では、図26(D)に示すような保留表示画像HGBの表示により、保留表示の表示態様を青色表示に変化させる。保留変化演出パターンZHP1−2による保留表示変化演出では、図26(E)に示すような保留表示画像HGGの表示により、保留表示の表示態様を緑色表示に変化させる。保留変化演出パターンZHP1−3による保留表示変化演出では、図26(F)に示すような保留表示画像HGRの表示により、保留表示の表示態様を赤色表示に変化させる。図26(D)〜(F)に示すような保留表示画像が表示される場合には、保留表示変化成功演出が実行されて、保留表示の表示態様を、通常の表示態様とは異なる表示態様に変化させることができる。こうして、少なくとも保留変化演出パターンZHP1−1〜ZHP1−3のいずれかによる保留表示変化演出が実行される場合に、1回の可変表示において保留表示の表示態様を1回変化させることができる。
保留変化演出パターンZHP2−1による保留表示変化演出では、保留表示画像HGBの表示により図27(B1)に示すような青色表示に変化させた後、続けて図27(B2)に示すような作用演出が実行され、保留表示の最終的な表示態様として、保留表示画像HGGの表示により図27(B3)に示すような緑色表示に変化させる。保留変化演出パターンZHP2−2による保留表示変化演出では、保留表示画像HGBの表示により図27(C1)に示すような青色表示に変化させた後、続けて図27(C2)に示すような作用演出が実行され、保留表示の最終的な表示態様として、保留表示画像HGRの表示により図27(C3)に示すような赤色表示に変化させる。保留変化演出パターンZHP2−3による保留表示変化演出では、保留表示画像HGGの表示により図27(D1)に示すような緑色表示に変化させた後、続けて図27(D2)に示すような作用演出が実行され、保留表示の最終的な表示態様として、保留表示画像HGRの表示により図27(D3)に示すような赤色表示に変化させる。保留変化演出パターンZHP3−1による保留表示変化演出では、保留変化演出パターンZHP2−1の場合と同様に、図27(B3)の緑色表示まで変化させた後、さらに続けて図27(B4)に示すような作用演出が実行され、保留表示の最終的な表示態様として、保留表示画像HGRの表示により図27(B5)に示すような赤色表示に変化させる。こうして、保留変化演出パターンZHP2−1〜ZHP2−3のいずれかによる保留表示変化演出が実行される場合に、1回の可変表示において保留表示の表示態様を2回変化させることができる。保留変化演出パターンZHP3−1による保留表示変化演出が実行される場合には、1回の可変表示において保留表示の表示態様を3回変化させることができる。
図28は、アクティブ表示変化演出の実行例を示している。この場合、例えば図28(A1)に示す飾り図柄の可変表示が開始されるときに、図18に示す変化演出設定処理では、ステップS507によりアクティブ表示変化演出を実行する「演出あり」に決定され、ステップS509により図23に示すような複数のアクティブ変化演出パターンYAP2−1〜YAP2−3、YAP3−1のいずれかに決定される。
こうしたアクティブ変化演出パターンの決定結果などに基づいて、例えば図28(A2)に示すようなアクティブ表示変化演出が開始され、まずは、アクティブ表示変化共通演出が実行される。このアクティブ表示変化共通演出においても、保留表示変化共通演出と同様に、図28(A2)に示すキャラクタの演出画像が表示される。アクティブ表示変化共通演出は、こうしたキャラクタの演出画像がアクティブ表示部AHAにおけるアクティブ表示に作用する作用演出を含んでいる。
アクティブ変化演出パターンYAP2−1によるアクティブ表示変化演出では、保留表示の表示態様を、図28(B1)のような「?」のメッセージを示すアイコン表示に変化させた後、続けて図28(B2)に示すような作用演出が実行され、保留表示の最終的な表示態様として、図28(B3)のような「チャンス」のメッセージを示すアイコン表示に変化させる。アクティブ変化演出パターンYAP2−2によるアクティブ表示変化演出では、保留表示の表示態様を、図28(C1)のような「?」のメッセージを示すアイコン表示に変化させた後、続けて図28(C2)に示すような作用演出が実行され、保留表示の最終的な表示態様として、図28(C3)のような「激熱」のメッセージを示すアイコン表示に変化させる。アクティブ変化演出パターンYAP2−3によるアクティブ表示変化演出では、保留表示の表示態様を、図28(D1)のような「チャンス」のメッセージを示すアイコン表示に変化させた後、続けて図28(D2)に示すような作用演出が実行され、保留表示の最終的な表示態様として、図28(D3)のような「激熱」のメッセージを示すアイコン表示に変化させる。アクティブ変化演出パターンYAP3−1によるアクティブ表示変化演出では、アクティブ変化演出パターンYAP2−1の場合と同様に、図28(B3)のような「チャンス」のメッセージを示すアイコン表示まで変化させた後、さらに続けて図28(B4)に示すような作用演出が実行され、アクティブ表示の最終的な表示態様として、図28(B5)のような「激熱」のメッセージを示すアイコン表示に変化させる。こうして、アクティブ変化演出パターンYAP2−1〜YAP2−3のいずれかによるアクティブ表示変化演出が実行される場合に、1回の可変表示においてアクティブ表示の表示態様を2回変化させることができる。アクティブ変化演出パターンYAP3−1によるアクティブ表示変化演出が実行される場合には、1回の可変表示においてアクティブ表示の表示態様を3回変化させることができる。
図29は、第2保留表示部5HLにて保留番号が「4」に対応する第2保留表示が開始されたときに、変化演出用カウンタの初期値が「2」に決定され、その後に保留変化演出パターンZHP3−1に決定された場合における保留表示変化演出の具体的な実行例を示している。この場合、例えば図29(A)に示すように、画像表示装置5の画面上で飾り図柄の可変表示が行われているときに、第2始動入賞の発生に基づき第2保留表示部5HLにおいて保留番号「4」に対応した保留表示(第2保留表示)が開始される。このとき、図13に示すステップS304では保留表示変化演出を実行する「演出あり」に決定され、ステップS305では変化演出用カウンタの初期値が「2」に決定される。また、ステップS306では保留表示画像HGSに決定される。ステップS307での設定により保留表示が更新されるときには、保留番号が「4」に対応する第2保留表示として、まずは保留表示画像HGWの表示による白色表示が行われる。
その後、図29(B)では、画像表示装置5の画面上において飾り図柄の最終停止図柄が停止表示されることで、可変表示が終了している。これに続いて図29(C)では飾り図柄の可変表示が開始されている。このとき、第2保留表示部5HLにおける第2保留表示がシフトされるとともに、アクティブ表示部AHAにおけるアクティブ表示が更新される。第2保留表示のシフトに応じて、保留番号が「3」に対応する第2保留表示は、先に決定された保留表示画像HGSの表示により「秘」のメッセージを示す表示態様へと変更されている。図18に示す変化演出設定処理では、保留番号が「4」から「3」へとシフトする保留表示データに示される変化演出用カウンタの値が「2」であることから、ステップS503によって変化演出用カウンタの値が1減算されて「1」となるように更新される。ステップS504では、更新結果が「1」であると判定されるので、ステップS505、S506をスキップしてステップS507に進む。そのため、今回の可変表示では保留表示変化演出が実行されない。次に、図29(D)では、画像表示装置5の画面上において飾り図柄の最終停止図柄が停止表示されることで、可変表示が終了している。
図29(D)に示した可変表示の終了に続いて、図29(E)では飾り図柄の可変表示が開始されている。このとき、図18に示す変化演出設定処理では、保留番号が「3」から「2」へとシフトする保留表示データに示される変化演出用カウンタの値が「1」であることから、ステップS503によって変化演出用カウンタの値が1減算されて「0」となるように更新される。ステップS504では更新結果が「0」であると判定され、ステップS505により特定された今回変動の短縮有無に基づいて、ステップS506にて保留変化演出パターンZHP3−1に決定される。こうした決定結果などに基づいて、今回の可変表示では保留表示変化演出が実行される。
図29(E)に示した可変表示の開始に続いて、保留表示変化演出の実行が開始され、図29(F)に示すように、保留番号が「2」の第2保留表示を対象とする作用演出が実行される。次に、作用演出の対象とされた第2保留表示を、保留表示画像HGBの表示により図29(G)に示すような青色表示に変化させた後、続けて図29(H)に示すような作用演出が実行され、保留表示画像HGGの表示により図29(I)に示すような緑色表示に変化させる。さらに続けて図29(J)に示すような作用演出が実行され、保留表示画像HGRの表示により図29(K)に示すような赤色表示に変化させる。こうした保留表示変化演出は、図29(E)に示す飾り図柄の可変表示が開始された後、図29(L)に示すような「左」の飾り図柄表示エリア5Lにて飾り図柄が仮停止表示(第1停止表示)されるまでの期間内にて実行されるようにすればよい。なお、第1停止表示されるまでの期間に限定されず、「右」の飾り図柄表示エリア5Rにて飾り図柄が仮停止表示(第2停止表示)されるまでの期間内にて保留表示変化演出が実行されてもよいし、可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出の実行を伴う期間内にて保留表示変化演出の一部または全部を実行可能にしてもよい。
このように、未だ開始されていない可変表示に対応する保留表示の表示態様を変化させる変化演出として、保留表示変化演出を実行することができる。図18に示す変化演出設定処理では、ステップS505により特定された今回変動の短縮有無に応じて、ステップS506により保留変化演出パターンが決定される。そして、ステップS505により「今回変動短縮なし」と特定された場合には、例えば図20に示すような決定割合に従って保留変化演出パターンが決定される。これに対し、ステップS505により「今回変動短縮あり」と特定された場合には、例えば図21に示すような決定割合に従って保留変化演出パターンが決定される。したがって、保留表示変化演出が実行される場合には、その保留表示変化演出の実行対象として表示態様を変化させる保留表示に対応する可変表示よりも前に実行される1回の可変表示の可変表示期間に応じて、その1回の可変表示において保留表示の表示態様を変化させる回数を異ならせることができる。こうして、1回の可変表示において保留表示の表示態様を変化させる回数が相違する複数態様の保留表示変化演出のうちでいずれかを実行可能とすることにより、保留表示の表示態様を変化させる演出の多様性を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
また、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示の表示態様を変化させる特定演出として、アクティブ表示変化演出を実行することができる。ここで、1回の可変表示において保留表示変化演出の一部または全部が実行された後には、図19に示すような保留変化演出パターンに応じて、保留表示画像HGB、HGG、HGRのいずれかを表示することにより、保留表示の表示態様としての表示色を、通常の表示態様となる白色表示から変化させることができる。これに対し、1回の可変表示においてアクティブ表示変化演出の一部または全部が実行された後には、図23に示すようなアクティブ変化演出パターンに応じたアクティブ表示の表示態様として、「?」、「チャンス」、「激熱」のメッセージのいずれかを示すアイコン表示へと変化させることができる。このように、保留表示変化演出が実行された後に表示される保留表示の表示態様は、アクティブ表示変化演出が実行された後に表示されるアクティブ表示の表示態様として表示されない第1特殊態様となる表示色の変化を含んでいる。また、アクティブ表示変化演出が実行された後に表示されるアクティブ表示の表示態様は、保留表示変化演出が実行された後に表示される保留表示の表示態様として表示されない第2特殊態様となるアイコン表示への変化を含んでいる。こうして、保留表示変化演出が実行された場合とアクティブ表示変化演出が実行された場合とでは、互いに異なる表示態様に変化させることを可能にして、保留表示やアクティブ表示の表示態様を変化させる演出の多様性を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
図19に示す複数の保留変化演出パターンのうちで、保留変化演出パターンZHP1−1〜ZHP1−3は保留表示の表示態様を1回変化させ、保留変化演出パターンZHP2−1〜ZHP2−3は保留表示の表示態様を2回変化させ、保留変化演出パターンZHP3−1は保留表示の表示態様を3回変化させる。保留表示変化演出の実行が開始されてからの所定期間では、保留変化演出パターンの決定結果にかかわらず、保留表示変化共通演出が実行される。したがって、保留表示変化演出は、保留変化演出パターンの決定結果に応じて保留表示の表示態様を変化させる回数にかかわらず、少なくとも一部が共通の演出態様を含んでいる。これにより、保留表示の表示態様を変化させる演出が開始されることを、遊技者が認識しやすくなる一方で、保留表示の最終的な表示態様は認識不可能または認識困難になることで、保留表示変化演出に対する遊技者の注目を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
図23に示す複数のアクティブ変化演出パターンのうちで、アクティブ変化演出パターンYAP2−1〜YAP2−3はアクティブ表示の表示態様を2回変化させ、アクティブ変化演出パターンYAP3−1はアクティブ表示の表示態様を3回変化させる。したがって、アクティブ表示変化演出は、1回の演出においてアクティブ表示の表示態様を複数回変化させる演出態様によって実行可能である。例えば図22に示すような決定割合でアクティブ表示変化演出を実行するか否かを決定する場合には、アクティブ表示変化演出が実行されると、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性が高くなる。一般的に、リーチ変動パターンや大当り変動パターンは、非リーチ変動パターンよりも可変表示期間が長くなりやすく、アクティブ表示変化演出を実行可能な演出実行期間として、保留表示変化演出を実行可能な演出実行期間よりも長い時間を確保しやすい。そこで、アクティブ表示変化演出ではアクティブ表示の表示態様を複数回変化させることができるようにして、適切な演出により遊技興趣を向上させることができる。
上記実施の形態では、図18に示すステップS505にて「今回変動短縮あり」と特定された場合に、ステップS506では図21に示すような割合で保留変化演出パターンが決定される。これにより、保留変化演出パターンZHP2−1〜ZHP2−3、ZHP3−1が決定不可となることで、可変表示期間の限界を定めて、短い可変表示期間において保留表示の表示態様を変化させる回数が多くても1回となり、2回あるいは3回といった複数回にはならないように制限が設けられる。これに対し、図18に示すステップS506では、ステップS505により「今回変動短縮あり」と特定された場合でも、所定割合で保留変化演出パターンZHP2−1〜ZHP2−3、ZHP3−1のいずれかに決定可能となるようにしてもよい。この場合には、「今回変動短縮あり」に対応して保留変化演出パターンZHP2−1〜ZHP2−3、ZHP3−1のいずれかに決定される割合を、「今回変動短縮なし」に対応して保留変化演出パターンZHP2−1〜ZHP2−3、ZHP3−1のいずれかに決定される割合よりも、十分に低くなるように設定すればよい。このような設定によれば、可変表示期間の限界を定めて、短い可変表示期間において保留表示の表示態様を変化させる回数が2回あるいは3回といった複数回になる割合を、長い可変表示期間における割合よりも低下させるように制限することができる。
また、図18に示すステップS505にて「今回変動短縮なし」と特定された場合に、ステップS506では図20に示すような割合で保留変化演出パターンが決定される。これにより、保留変化演出パターンZHP1−0〜ZHP1−3の平均的な決定割合が低下することで、可変表示期間の限界を定めて、長い可変表示期間において保留表示の表示態様を変化させる回数が1回となる割合を、短い可変表示期間における割合よりも低下させるように制限が設けられる。これに対し、図18に示すステップS506では、ステップS505により「今回変動短縮なし」と特定された場合に、保留変化演出パターンZHP1−0〜ZHP1−3が決定不可となるように設定してもよい。このような設定によれば、可変表示期間の限界を定めて、長い可変表示期間において保留表示の表示態様を変化させる回数が1回にはならないように制限することができる。
上記実施の形態では、図18に示す変化演出設定処理において、ステップS506により保留変化演出パターンを決定することで、1回の保留表示変化演出によって保留表示の表示態様を変化させる回数と、保留表示変化演出が実行された後に表示される保留表示の表示態様とが決定されるものとして説明した。これに対し、1回の保留表示変化演出によって保留表示の表示態様を変化させる回数と、保留表示変化演出が実行された後に表示される保留表示の表示態様とのうち、一方または双方が、図13に示す保留表示設定処理において決定されてもよい。例えば図13に示すステップS304にて保留表示変化演出を実行すると決定された場合には、その保留表示変化演出が実行された後に表示される保留表示の最終的な表示態様を、入賞時判定結果に応じて異なる割合で決定しておく。図12に示す保留表示データ記憶部に記憶される保留表示データには、保留表示の最終的な表示態様を示すデータが含まれるようにすればよい。その後、保留表示変化演出の実行対象の保留表示に対応する可変表示よりも前の可変表示が開始されるごとに、その可変表示において保留表示変化演出を実行するか否かが決定されてもよい。この場合には、実行が開始される可変表示の可変表示期間に応じて、1回の可変表示において保留表示の表示態様を変化させる回数などが決定されてもよい。1回の可変表示において変化させる保留表示の表示態様は、保留表示データに示される保留表示の最終的な表示態様であってもよいし、それとは異なる表示態様であってもよい。例えば保留表示データに示される保留表示の最終的な表示態様として、保留表示画像HGRの表示による赤色表示が指定されている場合でも、1回の可変表示において変化させる保留表示の表示態様は、保留表示画像HGBの表示による青色表示または保留表示画像HGGの表示による緑色表示に決定されてもよい。この場合には、保留表示が青色表示または緑色表示に変化した可変表示よりも後の可変表示において保留表示変化演出を実行可能にして、保留表示の最終的な表示態様である赤色表示に変化させることができるようにしてもよい。
また、図13に示す保留表示設定処理において保留表示変化演出に関する決定や設定が行われる場合には、保留表示変化演出の実行対象となる1の保留表示に対応して、保留表示変化演出が実行される回数を、1回または複数回に決定できるようにしてもよい。この場合には、保留変化演出パターンとして、始動入賞の発生に基づいて開始される保留表示の保留番号ごとに、保留表示変化演出の実行回数と、各々の保留表示変化演出において保留表示の表示態様を変化させる回数と、変化後における保留表示の表示態様とのうちで、一部または全部を組み合わせた複数の保留変化演出パターンが、予め用意されてもよい。図13に示す保留表示設定処理では、始動入賞の発生に基づいて、保留表示変化演出の実行対象の保留表示ごとに、保留表示変化演出の実行回数と、各々の保留表示変化演出において保留表示の表示態様を変化させる回数と、変化後における保留表示の表示態様とのうちで、一部分のみを決定しておき、実行対象の保留表示に対応する可変表示よりも前に可変表示が実行されるときに、残りの部分を決定するようにしてもよい。
上記実施の形態において、図18に示す変化演出設定処理のステップS506では、図20または図21に示すような決定割合で保留変化演出パターンを決定することにより、1回の可変表示の可変表示期間に応じて、その1回の可変表示において保留表示の表示態様を変化させる回数を異ならせることができる。これに対し、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示の表示態様を変化させる場合に、その実行中の可変表示の可変表示期間に応じて、アクティブ表示の表示態様を変化させる回数を異ならせることができるようにしてもよい。例えば図18に示すステップS508でアクティブ表示変化演出を実行する「演出あり」と判定された場合に、今回変動の短縮有無を特定し、その特定結果に応じて決定可能なアクティブ変化演出パターンを異ならせたりアクティブ変化演出パターンの決定割合を異ならせたりしてもよい。これにより、実行中の可変表示について可変表示期間の限界を定めて、短い可変表示期間においてアクティブ表示の表示態様を変化させる回数が、所定回数以上にはならないように、あるいは所定回数以上になる割合を長い可変表示期間において所定回数以上になる割合よりも低下させるように、制限が設けられてもよい。また、実行中の可変表示について可変表示期間の限界を定めて、長い可変表示期間においてアクティブ表示の表示態様を変化させる回数が、所定回数未満にはならないように、あるいは所定回数未満になる割合を短い可変表示期間において所定回数未満になる割合よりも低下させるように、制限が設けられてもよい。
さらに、未だ開始されていない可変表示に対応する任意の先読み予告演出について、その先読み予告演出による予告対象となる可変表示よりも前に実行される1回の可変表示の可変表示期間に応じて、その1回の可変表示において先読み予告演出の演出態様を変化させる回数を異ならせることができるようにしてもよい。このような先読み予告演出の一例として、「モード移行」の先読み予告演出が実行されてもよい。「モード移行」の先読み予告演出は、パチンコ遊技機1における演出状態を通常時における演出モードとは異なる先読み予告モードに移行させることにより、所定割合で予告対象となる可変表示において「大当り」となることを示唆する。一例として、予告対象となる可変表示よりも前に実行される可変表示において画像表示装置5の画面上における背景画像を、通常時の背景画像とは異なる特定表示態様の背景画像に変化させることにより、通常時よりも高い割合で可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御されることを示唆できればよい。この場合、図18に示すステップS505と同様に今回変動の短縮有無を特定し、その特定結果に応じて決定可能なモード移行演出パターンを異ならせたりモード移行演出パターンの決定割合を異ならせたりしてもよい。複数のモード移行演出パターンとして、「モード移行」の先読み予告演出によって背景画像の表示態様を変化させて演出モードを移行させる回数と、その先読み予告演出が実行された後における最終的な演出モードとに応じて、異なるモード移行演出パターンが予め用意されていればよい。これにより、可変表示期間の限界を定めて、その可変表示期間よりも短い可変表示期間において演出モードを移行させる回数が、所定回数以上にはならないように、あるいは所定回数以上になる割合を長い可変表示期間において所定回数以上になる割合よりも低下させるように、制限が設けられてもよい。また、可変表示期間に限界を定めて、その可変表示期間よりも長い可変表示期間において演出モードを移行させる回数が、所定回数未満にはならないように、あるいは所定回数未満になる割合を短い可変表示期間において所定回数未満になる割合よりも低下させるように、制限が設けられてもよい。
より一般的に、1回の可変表示の可変表示期間に応じて、その1回の可変表示において任意の演出の演出態様を変化させる回数を異ならせることができるようにしてもよい。例えば図18に示すステップS505と同様に今回変動の短縮有無を特定した結果に応じて、複数の演出パターンのうちで、決定可能な演出パターンを異ならせたり各演出パターンの決定割合を異ならせたりしてもよい。これにより、可変表示期間の限界を定めて、短い可変表示期間において演出態様を変化させる回数が、所定回数以上にはならないように、あるいは所定回数以上になる割合を長い可変表示期間において所定回数以上になる割合よりも低下させるように、制限が設けられてもよい。また、可変表示期間の限界を定めて、長い可変表示期間において演出態様を変化させる回数が、所定回数未満にはならないように、あるいは所定回数未満になる割合を短い可変表示期間において所定回数未満になる割合よりも低下させるように、制限が設けられてもよい。
保留表示やアクティブ表示の表示態様を変化させる回数に限定されず、例えば保留表示やアクティブ表示の最終的な表示態様を、1回の可変表示の可変表示期間に応じて異ならせてもよい。例えば図18に示すステップS505にて「今回変動短縮あり」と特定された場合に、ステップS506では、図19に示す複数の保留変化演出パターンのうちで、保留変化演出パターンZHP1−3、ZHP2−2、ZHP2−3、ZHP3−1が決定不可となるようにしてもよい。これらの保留変化演出パターンでは、保留表示の最終的な表示態様が保留表示画像HGRの表示による赤色表示となる。これにより、可変表示期間の限界を定めて、短い可変表示期間において保留表示の最終的な表示態様は青色表示や緑色表示には変化可能となる一方、赤色表示には変化しないように制限が設けられる。また、「今回変動短縮あり」に対応して保留変化演出パターンZHP1−3、ZHP2−2、ZHP2−3、ZHP3−1のいずれかに決定される割合を、「今回変動短縮なし」に対応して保留変化演出パターンZHP1−3、ZHP2−2、ZHP2−3、ZHP3−1のいずれかに決定される割合よりも、十分に低くなるように設定してもよい。このような設定によれば、可変表示期間の限界を定めて、短い可変表示期間において保留表示の最終的な表示態様が赤色表示に変化する割合を、長い可変表示期間における割合よりも低下させるように制限が設けられる。このように、可変表示期間の限界を定めて、短い可変表示期間において保留表示の最終的な表示態様が、特定態様には変化しないように、あるいは特定態様に変化する割合を長い可変表示期間において特定態様に変化する割合よりも低下させるように、制限が設けられてもよい。また、可変表示期間の限界を定めて、長い可変表示期間において保留表示の最終的な表示態様が、特定態様には変化しないように、あるいは特定態様に変化する割合を短い可変表示期間において特定態様に変化する割合よりも低下させるように、制限が設けられてもよい。アクティブ表示についても保留表示と同様に、可変表示期間の限界を定めて、短い可変表示期間においてアクティブ表示の最終的な表示態様が、特定態様には変化しないように、あるいは特定態様に変化する割合を長い可変表示期間において特定態様に変化する割合よりも低下させるように、制限が設けられてもよい。また、可変表示期間の限界を定めて、長い可変表示期間においてアクティブ表示の最終的な表示態様が、特定態様には変化しないように、あるいは特定態様に変化する割合を長い可変表示期間において特定態様に変化する割合よりも低下させるように、制限が設けられてもよい。
上記実施の形態では、図18に示すステップS505にて「今回変動短縮なし」および「今回変動短縮あり」のうちでいずれが特定されたかに応じて、ステップS506では図20または図21に示すような割合で保留変化演出パターンを決定する。これにより、1回の可変表示の全体における可変表示期間に応じて、その1回の可変表示において保留表示の表示態様を変化させる回数を異ならせる。これに対し、例えば1回の可変表示に含まれる特定の可変表示期間といった、1回の可変表示の一部における可変表示期間に応じて、その1回の可変表示において保留表示の表示態様を変化させる回数を異ならせてもよい。より具体的に、図18に示すステップS505では、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから特定の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄が仮停止表示されるまでの特定停止前期間が、予め定められた基準時間長よりも短いか否かを特定してもよい。特定停止前期間は、例えば「左」、「中」」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、「左」の飾り図柄表示エリア5Lにて飾り図柄が仮停止表示(第1停止表示)されるまでの期間でもよいし、「右」の飾り図柄表示エリア5Rにて飾り図柄が仮停止表示(第2停止表示)されるまでの期間であってもよい。特定停止前期間は、飾り図柄の可変表示が開始されるタイミングからの期間であってもよいし、可変表示が開始されてから表示結果が導出表示される前の任意のタイミングからの期間であってもよい。また、例えば飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行されるまでの期間、あるいはリーチ演出が実行される期間の一部または全部が、特定停止前期間とされてもよい。ステップS505にて特定停止前期間が基準時間長以上であると特定された場合には、図20と同様の割合で保留変化演出パターンを決定すればよい。ステップS505にて特定停止前期間が基準時間長よりも短いと特定された場合には、図21と同様の割合で保留変化演出パターンを決定すればよい。
また、複数回の可変表示の可変表示期間に応じて、1回または複数回の可変表示において保留表示の表示態様を変化させる回数を異ならせてもよい。より具体的に、図18のステップS505では、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンだけでなく、保留表示データ記憶部に記憶されている入賞時判定結果などにも基づいて、複数回の可変表示における可変表示期間が、予め定められた基準時間長よりも短いか否かを特定してもよい。1の保留表示を実行対象とする保留表示変化演出は、1回の可変表示において実行されて保留表示の表示態様を変化させてもよいし、複数回の可変表示にわたって実行されて保留表示の表示態様を変化させてもよい。
さらに、可変表示が実行される可変表示期間の一部または全部に応じて、保留表示の表示態様を変化させる回数を異ならせるものに限定されず、パチンコ遊技機1における遊技または演出の進行に関して予め定められた任意の遊技実行期間または演出実行期間に応じて、保留表示の表示態様を変化させる回数を異ならせるものであってもよい。一例として、大当り遊技状態といった有利状態に制御される期間の一部または全部となる特定状態期間に応じて、その特定状態期間において保留表示の表示態様を変化させる回数を異ならせてもよい。特定状態期間は、例えば大当り遊技状態において予め定められたラウンド遊技が実行される期間(第7ラウンドの上限時間など)であってもよいし、大当り遊技状態において最終のラウンド遊技が実行された後のインターバル期間となる大当り終了待ち期間(大当り終了演出の実行時間など)であってもよい。特定状態期間を大当り終了待ち期間とした場合には、図11に示すステップS175のエンディング演出処理を開始するときに、特定状態期間としての大当り終了待ち期間が基準時間長よりも短いか否かを特定する。そして、大当り終了待ち期間が基準時間長以上であると特定された場合には、図20と同様の割合で保留変化演出パターンを決定して、大当り終了演出の実行期間において保留表示変化演出が実行されるようにしてもよい。これに対し、大当り終了待ち期間が基準時間長よりも短いと特定された場合には、図21と同様の割合で保留変化演出パターンを決定して、大当り終了演出の実行期間において保留表示変化演出が実行されるようにしてもよい。
その他にも、この発明は上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
上記実施の形態では、図19に示すように、保留変化演出パターンによる保留表示変化演出において保留表示の表示態様を変化させる回数に応じて、保留表示変化演出が実行される演出実行時間を異ならせるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、保留表示の表示態様を変化させる回数にかかわらず、共通の演出実行時間が設定されたものでもよい。
上記実施の形態では、図18に示すステップS507において、保留表示変化演出が実行されるか否かにかかわらず、図22に示すような決定割合でアクティブ表示変化演出を実行するか否かが決定されるものとして説明した。この場合、1回の可変表示において保留表示変化演出とアクティブ表示変化演出との双方が実行される場合には、図25に示すステップS342にて保留表示変化演出期間であると判定される期間と、ステップS344にてアクティブ表示変化演出期間であると判定される期間とが重複しないように、それぞれの変化演出期間が設定されてもよい。あるいは、保留表示変化演出とアクティブ表示変化演出とを組み合わせた演出として、第1保留表示部5HRと第2保留表示部5HLとアクティブ表示部AHAよりも前方側の重複する位置に隠蔽画像を表示させる隠蔽表示演出が実行されてもよい。このような隠蔽表示演出により保留表示やアクティブ表示を視認不可能または視認困難とした後、隠蔽表示演出の終了にあわせて保留表示やアクティブ表示の表示態様を一括して変化させることができるようにしてもよい。隠蔽画像の表示により視認不可能または視認困難とするものに限定されず、例えば演出用の可動部材を保留表示やアクティブ表示の前面側における重複する位置に進出させることにより視認不可能または視認困難とするものであってもよい。
また、図18に示すステップS507では、今回の可変表示において保留表示変化演出が実行されるか否かの判定を行い、実行されると判定した場合にはアクティブ表示変化演出を実行しないようにしてもよい。このように、アクティブ表示変化演出とは異なる演出の有無に限界を設けて、保留表示変化演出が実行される場合には、アクティブ表示変化演出が実行されないように、あるいは保留表示変化演出が実行されない場合よりもアクティブ表示変化演出が実行されにくいように、制限が設けられてもよい。図18に示すステップS507では、図22に示すような決定割合でアクティブ表示変化演出を実行するか否かを決定し、実行すると決定された場合には、保留表示変化演出の実行に制限が設けられてもよい。例えば保留番号が「2」以上の保留表示を実行対象とする保留表示変化演出の場合には、次回以降の可変表示において保留表示変化演出を実行するように調整してもよい。あるいは、アクティブ表示変化演出が実行される場合には、実行されない場合よりも認識しにくい実行態様で保留表示変化演出が実行されるようにしてもよい。このように、保留表示変化演出とは異なる演出に限界を設けて、アクティブ表示変化演出が実行される場合には、保留表示変化演出が実行されないように、あるいはアクティブ表示変化演出が実行されない場合よりも保留表示変化演出が実行されにくいように、制限が設けられてもよい。
保留変化演出パターンは、図19に示されたものに限定されず、例えば保留表示変化演出を実行した後に表示させる保留表示の表示態様として、保留表示画像HGSの表示により「秘」のメッセージを示す演出態様となるものが含まれてもよい。また、保留表示変化演出を実行した後に表示させる保留表示の表示態様のうちで、一部または全部の表示態様として、アクティブ表示変化演出を実行した後に表示可能なアクティブ表示の表示態様における一部または全部が含まれてもよい。アクティブ表示変化演出を実行した後に表示させるアクティブ表示の表示態様のうちで、一部または全部の表示態様として、保留表示変化演出を実行した後に表示可能な保留表示の表示態様における一部または全部が含まれてもよい。
上記実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて大当り遊技状態に制御されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、確変状態などの特別遊技状態を有利状態としてもよいし、複数の大当り遊技状態のうちで実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となる大当り遊技状態を有利状態としてもよい。あるいは、複数の時短状態のうちで実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となる時短状態を有利状態としてもよいし、複数の確変状態のうち大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となる確変状態を有利状態としてもよい。その他、遊技者にとって有利な任意の遊技状態を有利状態としたものであればよい。
上記実施の形態において、各種の決定が行われる「割合」や「確率」は、例えば70:30といった、各決定結果となる可能性が0%(決定されることがない)や100%(必ず決定される)にはならないように設定されてもよいし、少なくともいずれかの決定結果となる可能性が0%(決定されることがない)や100%(必ず決定される)となるように設定されてもよい。例えば、各種の決定を行う場合において、複数の決定結果のうちいずれか1の決定結果とする割合が、他の決定結果とする割合よりも高くなることには、1の決定結果とする割合が100%となることが含まれてもよいし、他の決定結果とする割合が0%となることが含まれてもよい。1の決定結果とする割合が100%となるときには、他の決定結果とする割合が0%となる。また、他の決定結果とする割合が0%となるときには、1の決定結果とする割合が100%以外でも0%でない所定割合であれば、1の決定結果とする割合が、他の決定結果とする割合よりも高くなる。
上記実施の形態では、例えば図4に示すステップS212にて図5に示すような入賞時乱数値判定処理が実行される。これにより、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が乱数値を用いて可変表示内容の判定を行い、その判定結果を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果コマンド)が演出制御基板12の側に送信されて、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120などにより先読み予告演出を実行可能にするものとして説明した。これに対し、例えば主基板11の側では、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が乱数値を示す演出制御コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行い、演出制御基板12の側では、主基板11からの演出制御コマンドに示された乱数値を用いて大当り判定などを行い、その判定結果に基づいて先読み予告演出が実行できるようにしてもよい。このように、始動入賞が発生した始動入賞時などのように、大当り遊技状態などの有利状態に制御するか否かを決定するより前に有利状態に制御されるか否かを判定する処理は、主基板11の側で実行されるものに限定されず、演出制御基板12の側で実行されるようにしてもよい。
上記実施の形態では、可変表示時間や飾り図柄の可変表示態様などを示す変動パターンを演出制御基板12の側に通知するために、可変表示を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12の側に通知してもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、1つ目のコマンドでは擬似連変動の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止表示の前)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止表示の後)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信してもよい。この場合、演出制御基板12では、例えば演出制御用CPU120が2つのコマンドの組合せから導かれる可変表示時間に基づいて可変表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより可変表示時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な可変表示態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信してもよいし、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信してもよい。なお、それぞれのコマンドで示される可変表示態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知することで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
上記実施の形態では、図8に示すステップS242により決定される大当り種別に「確変」が含まれており、大当り種別の決定結果が「確変」であることに基づいて確変制御条件が成立し、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御可能になるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、遊技領域における所定位置に設けられた確変アタッカーにおいて大入賞口(第2大入賞口)に入賞(進入)した遊技球が確変検出スイッチによって検出されたことに基づいて確変制御条件が成立し、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態に制御してもよい。確変アタッカーの大入賞口(第2大入賞口)は、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が所定回数(例えば「16」)であるときに、閉鎖状態から開放状態に変化可能であり、ラウンド遊技の実行回数が所定回数以外であるときには、閉鎖状態のまま開放状態には変化不能であるとしてもよい。このように、パチンコ遊技機1は、遊技領域に設けられた特別可変入賞装置の一例となるアタッカー内にて遊技球が特定領域を通過したことに基づいて、確変制御条件を成立させることが可能となるように構成されてもよい。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには発光体ユニットや遊技効果ランプおよび装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、例えばパチンコ遊技機1やスロットマシンといった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
以上説明したように、本願に係るパチンコ遊技機1では、第1保留表示部5HRや第2保留表示部5HLに表示される保留表示の表示態様を変化させる保留表示変化演出が実行される場合に、図18に示すステップS505での特定結果に基づいてステップS506では図20または図21に示すような決定割合で保留変化演出パターンを決定する。こうして決定された保留変化演出パターンによる保留表示変化演出が実行されることで、保留表示に対応する可変表示よりも前に実行される1回の可変表示の可変表示期間に応じて、その1回の可変表示において保留表示の表示態様を変化させる回数を異ならせる。これにより、演出の多様性を高めて遊技興趣を向上させることができる。
また、保留表示変化演出の他に、実行中の可変表示に対応してアクティブ表示部AHAに表示されるアクティブ表示の表示態様を変化させるアクティブ表示変化演出を実行可能である。このように、保留表示変化演出とアクティブ表示変化演出とを実行可能にして遊技興趣を向上させることができる。
図19に示すような保留変化演出パターンに応じた保留表示変化演出には、保留表示の表示態様を1回変化させるものと、保留表示の表示態様を複数回変化させるものとが含まれる。いずれの保留変化演出パターンによる保留表示変化演出が実行される場合でも、少なくとも一部が共通の演出態様として、例えば図26(B)および図27(A2)に示されるような作用演出といった、保留表示変化共通演出が実行される。これにより、保留表示変化演出に対する注目を高めて遊技興趣を向上させることができる。
図23に示すようなアクティブ変化演出パターンに応じたアクティブ表示変化演出は、1回の演出によりアクティブ表示の表示態様を複数回変化させる演出態様によって実行可能である。こうして、適切な演出により遊技興趣を向上させることができる。