JP2017083052A - 蓄冷器および極低温冷凍機 - Google Patents
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Abstract
【課題】蓄冷材と容器とのクリアランスを低減した極低温冷凍機の蓄冷器を提供する。【解決手段】蓄冷器は、容器外筒74と、容器外筒74との間に蓄冷材収容空間を形成する容器内筒76と、蓄冷材収容空間内に軸方向に入れ子状に重ねられた複数の変形可能な皿状蓄冷部材62と、蓄冷材収容空間の軸方向両端に配設され、軸方向圧縮力が加わるよう複数の変形可能な皿状蓄冷部材62を挟持する一対の容器蓋部80と、を備える。皿状蓄冷部材62は、未変形状態において、容器外筒74と容器内筒76との筒間距離より短い径方向距離を有し、かつ、その径方向距離より長い径方向沿面長さを有する。【選択図】図6
Description
本発明は、蓄冷器およびそれを有する極低温冷凍機に関する。
スターリング冷凍機やGM冷凍機などの極低温冷凍機の蓄冷材として、積層された複数枚の金網が使用されることがある。そうした蓄冷材は容器に詰められて冷凍機に装着される。
冷凍機運転中の熱収縮や製造上の公差などによって、蓄冷材と容器との間には僅かなクリアランスが生じうる。クリアランスは作動ガスの通路となりうる。作動ガスがクリアランスを流れると、蓄冷材との熱交換が有効に行われない。そのため、蓄冷器の効率が低下してしまうことになる。
本発明のある態様の例示的な目的のひとつは、極低温冷凍機の蓄冷器において蓄冷材と容器とのクリアランスを低減することにある。
本発明のある態様によると、極低温冷凍機の蓄冷器は、軸方向に延在する容器外筒と、前記容器外筒との間に筒間距離を有して軸方向に延在し、前記容器外筒との間に蓄冷材収容空間を形成する容器内筒と、前記蓄冷材収容空間内に軸方向に入れ子状に重ねられた複数の変形可能な皿状蓄冷部材であって、前記皿状蓄冷部材の各々は、前記容器内筒に合わせた形状を有し前記容器内筒に貫通される中心開口を定める径方向内縁と、前記容器外筒に合わせた形状を有し前記径方向内縁と軸方向に異なる位置にある径方向外縁と、を備え、未変形状態において、前記筒間距離より短い前記径方向内縁から前記径方向外縁への径方向距離を有しかつ前記径方向距離より長い前記径方向内縁から前記径方向外縁への沿面長さを有する、複数の変形可能な皿状蓄冷部材と、前記蓄冷材収容空間の軸方向両端に配設され、軸方向圧縮力が加わるよう前記複数の変形可能な皿状蓄冷部材を挟持する一対の容器蓋部と、を備える。
本発明のある態様によると、極低温冷凍機の蓄冷器は、筒部内寸を有し、蓄冷材収容空間を内部に形成するよう軸方向に延在する容器筒部と、前記蓄冷材収容空間内に軸方向に入れ子状に重ねられた複数の変形可能な皿状蓄冷部材であって、前記皿状蓄冷部材の各々は、未変形状態において、前記筒部内寸より短い径方向外寸を有しかつ前記筒部内寸より長い径方向沿面長さを有する、複数の変形可能な皿状蓄冷部材と、前記蓄冷材収容空間の軸方向両端に配設され、軸方向圧縮力が加わるよう前記複数の変形可能な皿状蓄冷部材を挟持する一対の容器蓋部と、を備える。
本発明のある態様によると、上記のいずれかの蓄冷器を備える極低温冷凍機が提供される。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、極低温冷凍機の蓄冷器において蓄冷材と容器とのクリアランスを低減することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、以下に述べる構成は例示であり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
図1は、本発明の第1実施形態に係るスターリング冷凍機10を概略的に示す図である。スターリング冷凍機10は、圧縮機11、接続管12、及び膨張機13を備える。
圧縮機11は、圧縮機ケース14を備える。圧縮機ケース14は、高圧の作動ガスを気密に保持するよう構成されている圧力容器である。作動ガスは例えばヘリウムガスである。また、圧縮機11は、圧縮機ケース14に収容されている圧縮機ユニットを備える。圧縮機ユニットは圧縮機ピストン及び圧縮機シリンダを備えており、それらのうち一方は圧縮機ケース14の中で往復移動するよう構成されている可動部材15であり、他方は圧縮機ケース14に固定されている静止部材である。圧縮機ユニットは、可動部材15の中心軸に沿う方向に可動部材15を圧縮機ケース14に対して移動させるための駆動源を備える。圧縮機11は、可動部材15の往復移動を可能とするように可動部材15を圧縮機ケース14に支持する支持部16を備える。可動部材15は、ある振幅及び周波数で圧縮機ケース14及び静止部材に対し振動する。この結果、圧縮機11内の作動ガスの容積も、特定の振幅および周波数で振動する。
圧縮機ピストンと圧縮機シリンダとの間に作動ガス室が形成されている。この作動ガス室は、上述の静止部材及び圧縮機ケース14に形成されている連通路を通じて、接続管12の一端に接続されている。接続管12の他端は、膨張機13の作動ガス室へと接続されている。こうして接続管12により、圧縮機11の作動ガス室が膨張機13の作動ガス室に接続される。
膨張機13は、図2を参照して後述するように、膨張機本体20、ディスプレーサ22、及び少なくとも1つの支持部40を備える。
図2は、本発明の第1実施形態に係る膨張機13を概略的に示す図である。図2には膨張機13の内部構造の概略を示す。
膨張機本体20は、高圧の作動ガスを気密に保持するよう構成されている圧力容器である。この圧力容器は、内部を気密に保持するよう相互に連結された複数の容器部分から構成されていてもよい。ディスプレーサ22は、膨張機本体20の中で往復移動するよう構成されている可動部材である。支持部40は、ディスプレーサ22の往復移動を可能とするようにディスプレーサ22を膨張機本体20に支持する。
膨張機本体20は、第1区画24及び第2区画26を備える。第1区画24は、膨張機本体20とディスプレーサ22との間に形成される作動ガスの膨張空間28を含む。膨張空間28に隣接する膨張機本体20の部分には、対象物を冷却するための冷却ステージ29が設けられている。第2区画26は、弾性部材30を介してディスプレーサ22を膨張機本体20に支持するよう構成されている。
膨張機本体20のうち、第1区画24側の一部は、図示しない真空容器に収容される。フランジ47は、真空容器内部の真空層と真空容器外部の大気層とを分離する。
第2区画26は、ディスプレーサ22の往復移動方向(図において矢印Cで示す)において第1区画24と隣接する。第2区画26と第1区画24との間にはシール部25が設けられており、これにより第2区画26は第1区画24から仕切られている。よって、第1区画24における作動ガスの圧力変動は、第2区画26に伝わらないか、または第2区画26における作動ガスの圧力にあまり影響しない。なお、第2区画26は、圧縮機11から送られる作動ガスの平均圧力と同等の圧力となるように、作動ガスと同種のガスが封入されている。
ディスプレーサ22は、第1区画24に収容されているディスプレーサヘッド32と、ディスプレーサロッド34と、を備える。ディスプレーサロッド34は、ディスプレーサヘッド32より細い軸部である。ディスプレーサ22はその往復移動方向に平行である中心軸(図において一点鎖線Aで示す)を有しており、ディスプレーサヘッド32及びディスプレーサロッド34はディスプレーサ22の中心軸に同軸に設けられている。ディスプレーサ22は内部空間を有しており、作動ガスと同種のガスで満たされている。
ディスプレーサロッド34は、ディスプレーサヘッド32からシール部25を通って第2区画26へと延在する。ディスプレーサロッド34は、ディスプレーサ22の往復移動を可能とするよう第2区画26において膨張機本体20により支持される。上述のシール部25は例えば、ディスプレーサロッド34と膨張機本体20との間に形成されるロッドシールであってもよい。なお、ディスプレーサロッド34もディスプレーサ22と同様に内部空間を有している。ディスプレーサロッド34はディスプレーサヘッド32と接続しており、ディスプレーサ22の内部空間と連通している。
第1区画24は、ディスプレーサヘッド32を囲むシリンダ部を形成する。このシリンダ部の底面とディスプレーサヘッド32の先端面との間に膨張空間28が形成されている。膨張空間28は、ディスプレーサ22の往復移動方向においてディスプレーサヘッド32とディスプレーサロッド34との接合部とは反対側に形成されている。この接合部とシール部25との間には、接続管12に接続されるガス空間36が形成されている。
膨張機本体20のシリンダ部の側面には、ディスプレーサヘッド32の外周部に位置するように、蓄冷器38が取り付けられる。より具体的には、蓄冷器38は、ディスプレーサヘッド32の外周部においてディスプレーサ22の長手軸を中心軸とする円筒形状の領域に位置するように、膨張機本体20のシリンダ部の側面に備えられる。膨張空間28とガス空間36との間の作動ガスの流通は蓄冷器38を通じて可能である。
蓄冷器38とガス空間36の間には、水冷式熱交換器37が設けられる。水冷式熱交換器37は、圧縮機11から供給された作動ガスを冷却し、その熱を膨張機13の外部へ放出するための熱交換を実現する。また蓄冷器38と冷却ステージ29との間には、低温熱交換器39が取り付けられる。
膨張機13は、ディスプレーサ22の往復移動方向における複数の異なる位置で、ディスプレーサ22の往復移動を可能とするようディスプレーサ22を膨張機本体20に支持する。そのために、膨張機13は2つの支持部40を備える。これら2つの支持部40は第2区画26に設けられている。このようにして、中心軸に対するディスプレーサ22の傾動を抑制することができる。
支持部40は上述の弾性部材30を備える。弾性部材30は、ディスプレーサ22が中立位置から変位するときディスプレーサ22に弾性的復元力が作用するように、ディスプレーサロッド34と膨張機本体20との間に配設されている。これにより、ディスプレーサ22は、弾性部材30のバネ定数、作動ガスの圧力に起因するバネ定数、およびディスプレーサ22の重量から定まる固有振動数で往復移動する。
弾性部材30は例えば、少なくとも1つの板バネを含むバネ機構を備える。板バネはフレクシャベアリングとも呼ばれるバネであり、ディスプレーサ22の往復移動方向に柔軟であり、往復移動方向に垂直な方向に剛である。したがって、弾性部材30により、ディスプレーサ22はその中心軸に沿う方向への移動が許容されているが、それと直交する方向への移動は規制されている。ディスプレーサロッド34は、弾性部材取付部51を介して弾性部材30に固定される。
このようにして、ディスプレーサ22と弾性部材30とからなる振動系が構成されている。この振動系は、圧縮機11の可動部材15の振動と同一の周波数で当該振動と位相差を有してディスプレーサ22が振動するよう構成されている。ディスプレーサ22は、圧縮機11の可動部材15の振動によって生じる作動ガス圧力の脈動によって駆動される。ディスプレーサ22及び圧縮機11の可動部材15の往復動によって膨張空間28と圧縮機11の作動ガス室との間に逆スターリングサイクルが形成される。こうして、膨張空間28に隣接する冷却ステージが冷却され、スターリング冷凍機10は対象物を冷却することができる。
続いて第1実施形態に係るスターリング冷凍機10の蓄冷材積層構造について説明する。
図3は、あるスターリング冷凍機の蓄冷器138を概略的に示す断面図である。図3においては、ディスプレーサの図示を省略し、その中心軸を一点鎖線で示す。蓄冷器138は、ディスプレーサの中心軸と同軸に配設されている。
蓄冷器138は、容器外筒154及び容器内筒156を有する蓄冷材容器152を備える。容器内筒156はディスプレーサを案内するシリンダとして機能する。容器外筒154と容器内筒156との間に蓄冷材積層体158が収容されている。蓄冷材積層体158は、軸方向に積層された多数の金網部材160から形成されている。個々の金網部材160は、軸方向に垂直な平面に沿って延在する。蓄冷材積層体158の軸方向両端には一対の保持具162が設けられている。金網部材160は、環状またはドーナツ状の形状を有する。保持具162も同様に、環状またはドーナツ状の形状を有する。
一般に、金網部材160は、蓄冷材容器152の中の空間を完全に埋め、蓄冷材容器152と蓄冷材積層体158との間にクリアランスが生じないように寸法が定められている。しかし、実際には、図示されるように、蓄冷材積層体158と蓄冷材容器152との間には僅かなクリアランスが生じうる。容器外筒154と蓄冷材積層体158との間には外側クリアランス164aが生じ、容器内筒156と蓄冷材積層体158との間には内側クリアランス164bが生じうる。こうしたクリアランスは、金網部材160の製造上の公差に起因する。あるいは、冷凍機運転中に冷却により、蓄冷材容器152に比べて蓄冷材積層体158に大きな熱収縮が生じ、それによりクリアランスが発生しうる。クリアランスは作動ガスの通路となる。作動ガスがクリアランスを流れると、作動ガスと蓄冷材との熱交換が有効に行われない。そのため、蓄冷器138の熱交換効率が低下してしまうことになる。僅かなクリアランスであっても、蓄冷器138の性能は顕著に低下しうる。
クリアランスを低減する一手法として考えられるのは、蓄冷器138の組立作業において蓄冷材積層体158を蓄冷材容器152に圧入することである。そのようにすれば、蓄冷材積層体158が蓄冷材容器152に密着するので、クリアランスが生じがたい。しかし、圧入作業には手間と時間がかかるので、蓄冷器138の製造コストが高くなる。また、蓄冷器138が一度作成された後で蓄冷材積層体158を交換することは事実上不可能である。
そこで、第1実施形態に係る蓄冷器38は、組立作業性を向上しつつ、蓄冷材と容器とのクリアランスを低減し又は完全に除去することを指向する。
図4は、本発明の第1実施形態に係る蓄冷材の積層構造を概略的に示す図である。図5は、組立作業中の蓄冷器38を概略的に示す断面図である。図6は、組立完了後の蓄冷器38を概略的に示す断面図である。
蓄冷材積層体60は、複数の変形可能な皿状蓄冷部材62を備える。図4の左側に示されるように、皿状蓄冷部材62の各々は、中空円すい台状に成形されている。図4の右側に示されるように、皿状蓄冷部材62は、軸方向(図2と同様に矢印Cで示す)に入れ子状に重ねられて、蓄冷材積層体60を形成する。
皿状蓄冷部材62は、メタルファイバー(または金属繊維)の燒結体で形成されている。あるいは、皿状蓄冷部材62は、発泡金属で形成されていてもよい。皿状蓄冷部材62は、一枚以上の金網の積層物を備えてもよい。皿状蓄冷部材62は、例えば70%から80%の空隙率を有する。このようにして、皿状蓄冷部材62は、その前面と裏面との間を作動ガスが透過可能であるよう構成されている。
皿状蓄冷部材62は、中心開口64を定める径方向内縁66と、径方向内縁66と軸方向に異なる位置にある径方向外縁68と、径方向内縁66を径方向外縁68に接続する接続部70と、を備える。径方向内縁66は、皿状蓄冷部材62の前面と裏面をつなぐ円環状の内側面を有し、この内側面によって中心開口64が定められている。中心開口64は円形である。径方向外縁68は、皿状蓄冷部材62の前面と裏面をつなぐ円環状の外側面を有する。接続部70は、径方向内縁66を径方向外縁68につなぐ軸方向に非垂直の傾斜面70a、具体的には円すい面を有する。なお図4に径方向を矢印Bで示す。
図5に示されるように、蓄冷器容器72は、軸方向に延在する容器外筒74および容器内筒76を備える。容器内筒76はディスプレーサ22(図5では破線で示す)を案内するシリンダとして機能する。容器内筒76は、容器外筒74と同軸に容器外筒74の中に配設されている。よって、上述のように軸方向に入れ子状に重ねられた複数の変形可能な皿状蓄冷部材62を収容する蓄冷材収容空間78が、容器外筒74と容器内筒76との間に形成される。容器内筒76は、容器外筒74との間に筒間距離Gを有する。
皿状蓄冷部材62の径方向内縁66は容器内筒76に合わせた形状を有しており、中心開口64は容器内筒76に貫通されている。皿状蓄冷部材62の径方向外縁68は、容器外筒74に合わせた形状を有する。よって、容器内筒76および容器外筒74はそれぞれ径方向内縁66および径方向外縁68と概ね同様の円筒面を有する。なお、蓄冷材収容空間78が皿状蓄冷部材62を収容可能である限り、径方向内縁66と容器内筒76とは厳密に形状が一致する必要はなく、同様に径方向外縁68と容器外筒74とは厳密に形状が一致する必要はない。
未変形状態において、皿状蓄冷部材62は、径方向内縁66から径方向外縁68への径方向距離L2より長い沿面長さL1を有する。ここで、沿面長さL1は、径方向内縁66から接続部70に沿って径方向外縁68に至る長さである。径方向距離L2は筒間距離Gより短い。このようにして、皿状蓄冷部材62の輪郭形状は、蓄冷器容器72に遊挿可能であるように定められている。蓄冷器38の組立作業において皿状蓄冷部材62が蓄冷器容器72に挿入されたとき、皿状蓄冷部材62と蓄冷器容器72との間にはクリアランス79が形成される。
接続部70は、皿状蓄冷部材62に軸方向圧縮力が加わるとき径方向内縁66と径方向外縁68とが軸方向に相互に近づくとともに径方向内縁66と径方向外縁68とが径方向に相互に離れるよう変形可能である。言い換えれば、軸方向圧縮力のもとで、皿状蓄冷部材62は、接続部70の傾斜面70aの、軸方向に垂直な平面に対する傾斜角度θを小さくするよう変形可能である。
皿状蓄冷部材62は弾性的に変形可能であることが望ましい。その場合、容器蓋部80が取り外され軸方向圧縮力が解除されたとき皿状蓄冷部材62は初期の形状に復元される。そうすれば、皿状蓄冷部材62を蓄冷器容器72に挿入するときと同様に、皿状蓄冷部材62を蓄冷器容器72から容易に取り外すことができる。
皿状蓄冷部材62の前面と裏面をつなぐ外側面が軸方向圧縮力による変形前または変形後において容器外筒74の表面と平行であるように径方向外縁68が成形されていてもよい。同様に、皿状蓄冷部材62の前面と裏面をつなぐ内側面が軸方向圧縮力による変形前または変形後において容器内筒76の表面と平行であるように径方向内縁66が成形されていてもよい。
また、蓄冷器容器72は、蓄冷材収容空間78の軸方向両端に配設された一対の容器蓋部80を備える。一対の容器蓋部80は、皿状蓄冷部材62に軸方向圧縮力が加わるよう蓄冷材積層体60を挟持する。容器蓋部80は、蓄冷材積層体60の軸方向末端面に適合する押さえ面82を有する。押さえ面82は、接続部70と同様の円すい面または傾斜面である。あるいは、実際には皿状蓄冷部材62の変形量はわずかであるので、押さえ面82は平面であってもよい。
容器蓋部80は、容器外筒74および容器内筒76と同じ金属材料で形成された環状またはドーナツ状のブロックであり、蓄冷器38の内部と外部との間でガスを流通させるためのガス流通口(図示せず)を有する。図示の実施形態においては、容器蓋部80の一方は容器外筒74の端部に容器外筒74と一体に形成され、容器蓋部80の他方は容器内筒76の端部に容器内筒76と一体に形成されている。容器蓋部80は、容器外筒74および容器内筒76に取付可能な別の部材として設けられていてもよい。
容器外筒74は、図示しない外筒フランジを有し、容器内筒76は、図示しない内筒フランジを有してもよい。外筒フランジは、容器外筒74と一体形成された容器蓋部80と軸方向反対側の容器外筒74の端部に設けられ、当該端部から径方向外側に円板状に延在する。内筒フランジは、容器内筒76と一体形成された容器蓋部80と軸方向に同じ側の容器内筒76の端部に設けられている。内筒フランジは、ディスプレーサ22が挿通される中心貫通孔を有し、外筒フランジに沿って径方向外側に円板状に延在する。内筒フランジは、容器内筒76の容器蓋部80に軸方向に隣接し容器蓋部80と一体に形成されている。外筒フランジと内筒フランジとは径方向外側部分でボルト等の締結部材によって相互に固定される。このようにして、両端の容器蓋部80が相互に固定されてもよい。
蓄冷器38の組立作業において容器蓋部80が取り付けられたとき、容器蓋部80から蓄冷材積層体60に作用する軸方向圧縮力によって、皿状蓄冷部材62の径方向内縁66と径方向外縁68とが軸方向に相互に近づくとともに径方向に相互に離れるよう変形する。こうして、図6に示されるように、皿状蓄冷部材62の径方向内縁66および径方向外縁68がそれぞれ容器内筒76および容器外筒74に密着し、クリアランス79を内外両側で埋められる。クリアランス79が除去されるので、クリアランス79への作動ガスの漏れによる蓄冷器38の性能低下を防止することができる。
また、皿状蓄冷部材62は蓄冷器容器72に遊挿可能であるので、容易に脱着することができる。蓄冷器38の組立作業性、およびメンテナンス等の際の分解容易性が向上される。
皿状蓄冷部材62の寸法を例示すると、皿状蓄冷部材62の軸方向高さHは皿状蓄冷部材62の直径Dの1/100程度である。皿状蓄冷部材62の厚さ(つまり前面から裏面への距離)は、軸方向高さHより小さく、例えば軸方向高さHの半分より小さい。軸方向圧縮力のもとでの皿状蓄冷部材62の変形量は、軸方向高さHの1/10程度(つまり直径Dの1/1000程度)である。クリアランス79は、皿状蓄冷部材62の変形量と同程度である。図示される接続部70の傾斜角度やクリアランス79の大きさなどいくつかの寸法は、理解を容易にするために便宜上誇張されて描かれていることに留意されたい。
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
皿状蓄冷部材62がすべて同じ構成を有する必要はない。ある皿状蓄冷部材62が他の皿状蓄冷部材62と異なる寸法を有し、及び/または材料で形成されていてもよい。個々の皿状蓄冷部材62の空隙率や使用する材料を変えることで蓄冷器38の温度分布に応じた様々な蓄冷材積層パターンが可能となる。例えば、蓄冷器38の低温部に配置される皿状蓄冷部材62が比較的低い空隙率を有し、蓄冷器38の高温部に配置される皿状蓄冷部材62が比較的高い空隙率を有してもよい。
容器蓋部80は、軸方向圧縮力を調整可能であるよう構成されていてもよい。例えば、容器蓋部80は、ボルト等の締結部材によって容器外筒74および容器内筒76に固定され、締結力が調整可能であってもよい。それにより、皿状蓄冷部材62の変形量、および皿状蓄冷部材62の蓄冷器容器72への密着度が調節されてもよい。
図7および図8に示されるように、傾斜面(例えば円すい面)は皿状蓄冷部材62の一部にのみ形成されていてもよい。図7の場合、皿状蓄冷部材62は、径方向内縁66と径方向外縁68との間の中間部分に傾斜接続部84を有する。図8の場合、皿状蓄冷部材62は、傾斜内縁86、傾斜外縁88、および、これらを接続する平坦接続部90を有する。
図9は、第2実施形態に係る蓄冷材の積層構造を概略的に示す図である。第2実施形態は、蓄冷器容器が単筒であり皿状蓄冷部材62’が図4に示す中心開口64を有しない点で第1実施形態と異なる。その余については、第2実施形態は第1実施形態と同様である。以下の説明では同様の箇所については冗長を避けるため説明を適宜省略する。
蓄冷器38’は、蓄冷材収容空間を内部に形成するよう軸方向に延在する容器筒部74’と、蓄冷材収容空間の軸方向両端に配設された一対の容器蓋部80’を備える。複数の変形可能な皿状蓄冷部材62’は、蓄冷材収容空間78’内に軸方向に入れ子状に重ねられている。一対の容器蓋部80’は、軸方向圧縮力が加わるよう皿状蓄冷部材62’を挟持する。
皿状蓄冷部材62’は、径方向中心部66’と、径方向中心部66’と軸方向に異なる位置にある径方向外縁68’と、径方向中心部66’を径方向外縁68’に接続する接続部70’と、を備える。皿状蓄冷部材62’は、未変形状態において、容器筒部74’の内寸Eより短い径方向外寸F1を有しかつ容器筒部74’の内寸Eより長い径方向沿面長さ(すなわち、長さF2、長さF3、および長さF4の和)を有する。接続部70’は、皿状蓄冷部材62’に軸方向圧縮力が加わるとき径方向中心部66’と径方向外縁68’とが軸方向に相互に近づくとともに径方向中心部66’から径方向外縁68’が径方向に離れるよう変形可能である。
接続部70’は、軸方向に垂直な平面に対する傾斜面を有する。具体的には、皿状蓄冷部材62’の各々は、中空円すい台状に成形されている。あるいは、皿状蓄冷部材62’の各々は、中空円すい状に成形されていてもよい。
このようにしても、軸方向圧縮力による皿状蓄冷部材62’の変形によって蓄冷器38’内のクリアランスを除去し、クリアランスへの作動ガスの漏れによる蓄冷器38’の性能低下を防止することができる。また、皿状蓄冷部材62’は容器筒部74’に遊挿可能であるので、容易に脱着することができる。
蓄冷器38および蓄冷器38’は、GM冷凍機、スターリング冷凍機、またはその他の蓄冷器式極低温冷凍機に使用することができる。蓄冷器38’は、例えば、GM冷凍機のディスプレーサであってもよい。
38 蓄冷器、 62 皿状蓄冷部材、 64 中心開口、 66 径方向内縁、 68 径方向外縁、 70 接続部、 74 容器外筒、 76 容器内筒、 78 蓄冷材収容空間、 80 容器蓋部、 G 筒間距離、 L1 沿面長さ、 L2 径方向距離。
Claims (6)
- 極低温冷凍機の蓄冷器であって、
軸方向に延在する容器外筒と、
前記容器外筒との間に筒間距離を有して軸方向に延在し、前記容器外筒との間に蓄冷材収容空間を形成する容器内筒と、
前記蓄冷材収容空間内に軸方向に入れ子状に重ねられた複数の変形可能な皿状蓄冷部材であって、前記皿状蓄冷部材の各々は、前記容器内筒に合わせた形状を有し前記容器内筒に貫通される中心開口を定める径方向内縁と、前記容器外筒に合わせた形状を有し前記径方向内縁と軸方向に異なる位置にある径方向外縁と、を備え、未変形状態において、前記筒間距離より短い前記径方向内縁から前記径方向外縁への径方向距離を有しかつ前記径方向距離より長い前記径方向内縁から前記径方向外縁への沿面長さを有する、複数の変形可能な皿状蓄冷部材と、
前記蓄冷材収容空間の軸方向両端に配設され、軸方向圧縮力が加わるよう前記複数の変形可能な皿状蓄冷部材を挟持する一対の容器蓋部と、を備えることを特徴とする蓄冷器。 - 前記皿状蓄冷部材の各々は、前記径方向内縁を前記径方向外縁に接続する接続部を備え、前記接続部は、前記軸方向圧縮力のもとで前記径方向内縁と前記径方向外縁とが軸方向に相互に近づくとともに前記径方向内縁と前記径方向外縁とが径方向に相互に離れるよう変形可能であることを特徴とする請求項1に記載の蓄冷器。
- 前記接続部は、軸方向に垂直な平面に対する傾斜面を有することを特徴とする請求項2に記載の蓄冷器。
- 前記皿状蓄冷部材の各々は、中空円すい台状に成形されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の蓄冷器。
- 極低温冷凍機の蓄冷器であって、
筒部内寸を有し、蓄冷材収容空間を内部に形成するよう軸方向に延在する容器筒部と、
前記蓄冷材収容空間内に軸方向に入れ子状に重ねられた複数の変形可能な皿状蓄冷部材であって、前記皿状蓄冷部材の各々は、未変形状態において、前記筒部内寸より短い径方向外寸を有しかつ前記筒部内寸より長い径方向沿面長さを有する、複数の変形可能な皿状蓄冷部材と、
前記蓄冷材収容空間の軸方向両端に配設され、軸方向圧縮力が加わるよう前記複数の変形可能な皿状蓄冷部材を挟持する一対の容器蓋部と、を備えることを特徴とする蓄冷器。 - 請求項1から5のいずれかに記載の蓄冷器を備えることを特徴とする極低温冷凍機。
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