<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるスロットマシンに本発明を適用した場合の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図である。
スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、複数の木製パネルが固定されることにより、全体として前方に開放された箱状に形成されている。筐体11の前面側には、前面扉12が取り付けられている。前面扉12はその左側部を回動軸として、筐体11の内部空間を開閉可能とするように筐体11に支持されている。なお、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置によって開放不能に施錠状態とされており、この施錠状態は、キーシリンダ14への所定のキーによる解錠操作により解除される。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル20が設けられている。遊技パネル20には、縦長の3つの表示窓部21L,21M,21Rが横並びとなるように形成されている。表示窓部21L,21M,21Rは透明又は半透明な材質により形成されており、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。
筐体11にはリールユニット31が設けられている。リールユニット31は、円筒状にそれぞれ形成された左リール32L、中リール32M及び右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓部21L,21M,21Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓部21L,21M,21Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
これら各リール32L,32M,32Rは、それぞれが図示しないステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。
各リール32L,32M,32Rを利用したゲームの開始操作及び停止操作を遊技者が行うための各種操作部は、遊技パネル20の下方において当該遊技パネル20よりもスロットマシン10前方に膨出させて設けられた操作用膨出部25に集約配置されている。当該操作用膨出部25に集約配置されている各種操作部について以下に詳細に説明する。
操作用膨出部25の前面左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。メダルがベットされているときにこのスタートレバー41が操作されると、各リール32L,32M,32Rが一斉に回転を始める。
操作用膨出部25の前面においてスタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるストップボタン42,43,44が設けられている。各ストップボタン42,43,44は停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓部21L,21M,21Rの直下にそれぞれ配置されている。各ストップボタン42,43,44は、左リール32Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となる。
なお、スタートレバー41の操作に基づき各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、各ストップボタン42,43,44の操作に基づき各リール32L,32M,32Rが回転を停止して、遊技媒体の付与及び遊技状態の管理といった各種処理の実行が完了するまでが、1回のゲーム(又は遊技回)に相当する。
操作用膨出部25の上面右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられたセレクタ52によって、投入可能時であれば筐体11内のホッパ装置53へ導かれ、投入不可時であれば前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口58からメダル受け皿59へと導かれる。なお、ホッパ装置53は、有効ライン上にメダルの付与に対応した入賞が成立した場合に、貯留タンクに貯留されたメダルを、メダル排出口58を通じてメダル受け皿59に払い出す機能を有している。
操作用膨出部25の前面においてメダル投入口45の下方となる位置には、メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ52内に詰まった際に押される返却ボタン46が設けられている。また、操作用膨出部25の上面左側には、後述する主制御装置140のRAM144に記憶された仮想メダルを一度にベット可能な最大分投入するための第1クレジット投入ボタン47と、仮想メダルを一度に2枚投入するための第2クレジット投入ボタン48と、仮想メダルを一度に1枚投入するための第3クレジット投入ボタン49とが設けられている。なお、本スロットマシン10において遊技媒体とは、メダル及び仮想メダルを含む概念である。
操作用膨出部25の前面においてスタートレバー41の左方となる位置には、精算ボタン51が設けられている。本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして後述する主制御装置140のRAM144に記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算ボタン51を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口58から払い出されるようになっている。
筐体11の内部においてホッパ装置53の左方には、電源装置54が設けられている。電源装置54には、電源投入時や電源遮断時に操作される電源スイッチと、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのリセットボタンと、スロットマシン10の設定状態を「設定1」から「設定6」の範囲で変更するために操作される設定キー挿入孔と、を備えている。
<各リール32L,32M,32Rに付されている図柄>
次に、各リール32L,32M,32Rに付されている図柄について説明する。
図2には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0〜20まで付されているが、これら番号は主制御装置140が表示窓部21L,21M,21Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの15番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの10番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの5番目)の7種類がある。そして、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
図3は、表示窓部21L,21M,21Rの正面図である。各表示窓部21L,21M,21Rは、対応するリール32L,32M,32Rに付された21個の図柄のうち図柄全体が視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓部21L,21M,21Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rの図柄が視認可能となる位置を結ぶようにして、1本のメインラインMLが設定されている。メインラインMLは、左リール32Lの中段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの中段図柄を結んだラインである。規定数の遊技媒体がベットされた状態で各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、当該メインラインML上に当選役に対応した入賞が成立した場合には、遊技媒体の付与という利益、再遊技という利益及び遊技状態の移行のうち少なくとも1つが付与される。
つまり、本スロットマシン10では、入賞が成立し得るラインとして1本のメインラインMLのみが設定されている。そして、当該メインラインMLは一直線に延びるラインとして設定されている。したがって、左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだサブラインSL1と、左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの上段図柄及び右リール32Rの上段図柄を結んだサブラインSL2と、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの下段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだサブラインSL3と、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの上段図柄を結んだサブラインSL4といったライン上に、入賞対象となる図柄の組合せが成立したとしても、入賞は成立しない。
以下、図4を参照しながら、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典との対応関係を説明する。図4は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典との対応関係を説明するための説明図である。
遊技媒体の付与が行われる小役入賞としては、第1補填入賞、第2補填入賞、第3補填入賞、ベル入賞、スイカ入賞、及びチェリー入賞がある。詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第1補填入賞となる。また、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第2補填入賞となる。また、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第3補填入賞となる。第1補填入賞〜第3補填入賞のいずれかとなった場合における遊技媒体の付与対象数は、後述するBB状態以外の遊技状態であれば「1」となる。一方、第1補填入賞〜第3補填入賞は後述するBB状態においては成立対象から除外される。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、ベル入賞となる。ベル入賞となった場合における遊技媒体の付与対象数は、後述するBB状態以外の遊技状態であれば「9」となり、後述するBB状態であれば「8」となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「スイカ」図柄及び「チェリー」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「スイカ」図柄及び「白7」図柄のいずれかである場合、スイカ入賞となる。スイカ入賞となった場合における遊技媒体の付与対象数は、後述するBB状態以外の遊技状態であれば「7」となり、後述するBB状態であれば「8」となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「チェリー」図柄となった場合、中リール32Mの停止図柄及び右リール32Rの停止図柄がいずれであったとしてもチェリー入賞となる。チェリー入賞となった場合における遊技媒体の付与対象数は、後述するBB状態以外の遊技状態であれば「2」となる。一方、チェリー入賞は後述するBB状態においては成立対象から除外される。
遊技媒体をベットすることなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞として、通常リプレイ入賞、第1RTリプレイ入賞、第2RTリプレイ入賞、第1転落リプレイ入賞及び第2転落リプレイ入賞がある。詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、又は左リール32Lの停止図柄が「リプレイ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、通常リプレイ入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、第1RTリプレイ入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、第2RTリプレイ入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、第1転落リプレイ入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第2転落リプレイ入賞となる。
上記いずれかのリプレイ入賞となった場合、遊技媒体の新たなベットを不要としながら次ゲームの遊技を行うことが可能となる。具体的には、遊技媒体を3枚ベットしたゲームにおいていずれかのリプレイ入賞となった場合、遊技媒体の新たなベットを不要としながら、3枚ベット状態で次ゲームの遊技を開始することが可能となる。
上記各種リプレイ入賞のうち、第1RTリプレイ入賞、第2RTリプレイ入賞、第1転落リプレイ入賞及び第2転落リプレイ入賞は、リプレイ入賞の特典の付与契機となるだけではなく抽選モードの移行契機となる。本スロットマシン10では役の抽選処理(図14)において抽選対象となる役の種類及び各役の当選確率が相違するように複数種類の抽選モードが設定されており、これら抽選モード間の移行は抽選モードの移行契機となるリプレイ入賞が成立した場合に発生する。各抽選モードの内容及び各抽選モードへの移行条件については後に詳細に説明する。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞として、第1BB入賞及び第2BB入賞がある。詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「赤7」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「赤7」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「赤7」図柄である場合、第1BB入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「白7」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄である場合、第2BB入賞となる。第1BB入賞又は第2BB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。
BB状態とは、後述する通常モードであって非AT状態である場合よりも単位ゲーム数あたりの遊技媒体の付与期待枚数が高くなる遊技状態である。さらにいうと、BB状態とは、当該BB状態以外のいずれの遊技状態よりも単位ゲーム数あたりの遊技媒体の付与期待数が高くなる遊技状態である。
具体的には、ベル入賞の成立を可能とさせる役に他の遊技状態の場合よりも高い確率(例えば1/2)で当選するとともに、当該役に当選した場合には各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各リール32L,32M,32Rの回転位置に対するストップボタン42〜44の停止操作タイミングとは無関係にベル入賞が成立することとなる。また、スイカ入賞の成立を可能とさせる役に他の遊技状態の場合よりも高い確率(例えば1/4)で当選するとともに、当該役に当選した場合には各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各リール32L,32M,32Rの回転位置に対するストップボタン42〜44の停止操作タイミングとは無関係にスイカ入賞が成立することとなる。これにより、BB状態において遊技媒体の付与対象となる入賞が複数種類存在している構成であっても、遊技媒体の付与対象となる入賞に対応する役に当選した場合にはその当選役に対応する入賞が確実に成立することとなる。また、これらベル入賞及びスイカ入賞が成立した場合における遊技媒体の付与数は同一の数となっており、具体的には「8」となっている。これにより、BB状態において遊技媒体の付与対象となる入賞が複数種類存在している構成であっても、当該入賞が成立した場合における遊技媒体の付与数は入賞の種類に関係なく同一数となる。
BB状態は、複数ゲームに亘って継続し、ゲームの実行内容に応じた事象の発生に基づき終了条件が成立した場合に終了する。当該終了条件は任意であるが、本スロットマシン10ではBB状態が開始されてから付与された遊技媒体の合計数が終了基準数以上となることが終了条件として設定されている。BB状態には第1BB状態と第2BB状態とが設定されており、これら第1BB状態と第2BB状態とで終了基準数が相違している。第1BB状態は終了基準数が、BB状態において遊技媒体の付与対象となる入賞が成立した場合の固定付与数の5倍よりも多い数であって当該固定付与数の6倍以下の数となっている。具体的には「41」に設定されている。一方、第2BB状態は終了基準数が、BB状態において遊技媒体の付与対象となる入賞が成立した場合の固定付与数の11倍よりも多い数であって当該固定付与数の12倍以下の数となっている。具体的には「89」に設定されている。当該構成であることにより第1BB状態では遊技媒体の付与対象となる入賞が確実に6回のみ成立し、第2BB状態では遊技媒体の付与対象となる入賞が確実に12回のみ成立する。また、上記のとおりBB状態において遊技媒体の付与対象となる入賞が複数種類存在している構成において遊技媒体の付与対象となる入賞に対応する役に当選した場合にはその当選役に対応する入賞が確実に成立することとなる。したがって、第1BB状態では遊技媒体の付与対象となる入賞に対応する役に当選するゲームが確実に6ゲームのみ発生し、第2BB状態では遊技媒体の付与対象となる入賞に対応する役に当選するゲームが確実に12ゲームのみ発生する。
<各種報知及び各種演出を実行するための装置>
次に、各種報知及び各種演出を実行するための装置について説明する。
前面扉12の上部には、図1に示すように、上部ランプ64が設けられているとともに画像表示装置66が設けられており、前面扉12の下部には、スピーカ65が設けられている。上部ランプ64は、スロットマシン10において異常が発生した場合に当該異常に対応した態様で発光制御されるとともに、入賞結果に応じた態様で発光制御される。また、上部ランプ64は、画像表示装置66における表示演出に対応した発光演出が行われるように発光制御される。スピーカ65は左右一対として設けられており、スロットマシン10において異常が発生した場合に当該異常に対応した音又は音声が出力されるように音出力制御されるとともに、入賞結果に対応した音又は音声が出力されるように音出力制御される。また、スピーカ65は、画像表示装置66における表示演出に対応した音出力演出が行われるように音出力制御される。
画像表示装置66は表示面66aを有しており、スロットマシン10において異常が発生した場合には当該異常に対応した画像が当該表示面66aにて表示されるように表示制御される。また、画像表示装置66は、内部抽選における役の当選結果及び各ゲームにおける入賞結果に対応した画像が表示面66aにて表示されるように表示制御される。
<AT状態への移行抽選及びAT状態の継続抽選を実行するための装置>
次に、AT状態への移行抽選及びAT状態の継続抽選を実行するための装置について説明する。
前面扉12において画像表示装置66の下方であって遊技パネル20の上方には、前面扉12の背面に設けられた抽選用ユニット70を視認可能とするための分岐演出用窓部68が設けられている。分岐演出用窓部68はその横幅が画像表示装置66の表示面66aの横幅よりも大きく設定されており、その縦幅が画像表示装置66の表示面66aの縦幅と同一又は略同一となるように設定されている。また、分岐演出用窓部68の横幅及び縦幅は抽選用ユニット70の横幅及び縦幅と同一又は略同一となっており、分岐演出用窓部68の対向範囲には抽選用ユニット70の全体が含まれている。分岐演出用窓部68は透明又は半透明に形成されているため、上記のとおり当該分岐演出用窓部68を通じて抽選用ユニット70が視認可能となっている。但し、抽選用ユニット70が収容された空間は分岐演出用窓部68によってその全体が前方から塞がれているため、スロットマシン10前方から抽選用ユニット70にアクセスしようとしてもそれが不可となっている。その一方、キーシリンダ14に対する解錠キーによる解錠操作に基づき前面扉12の施錠状態を解除して当該前面扉12を前方に開き当該前面扉12の背面を露出させることにより、抽選用ユニット70の背面側を露出させることが可能となる。そして、その状況で図示しない抽選用ユニット70の収容ケースを前面扉12から取り外すことにより抽選用ユニット70のメンテナンスを行うことが可能となる。なお、収容ケースは前面扉12の背面に対してネジ止めされているため、収容ケースの取り外しに際して部材の破壊を要することはなく、さらにメンテナンス後においては再度ネジ止めを行うことにより元の設置状態に戻すことが可能となる。
抽選用ユニット70について説明する。図5は抽選用ユニット70の正面図であり、図6は抽選用ユニット70において投入装置71及び搬送装置121を除いた状態の背面図であり、図7は抽選用ユニット70の案内通路82の構成を模式的に示す図である。
抽選用ユニット70は、非AT状態においてAT状態(又はART状態)に移行させるか否かを抽選するために利用されるとともにAT状態(又はART状態)の後述するベース状態が終了した場合に当該AT状態(又はART状態)を継続させるか否かを抽選するために利用される。AT状態とは、詳細は後述するが、ストップボタン42〜44の停止順序が所定の正解順序となった場合に対応する図柄の組み合わせがメインラインML上に成立することで正解順序とならなかった場合よりも遊技者にとって有利となる抽選役に当選した状況において、その正解順序となる停止順序が報知される状態のことをいう。かかる停止順序対応の抽選役には、非AT状態及びAT状態のいずれにおいても当選し得るが、非AT状態では正解順序となる停止順序が報知されないのに対してAT状態では正解順序となる停止順序が報知される構成であるため、AT状態の方が非AT状態よりも遊技者にとって有利となる。
抽選用ユニット70は、抽選用物体又は抽選用媒体として金属製の球B(以下、抽選用球Bという)が振分装置101の当選対象の案内口113a〜113fに入球した場合に当選となり、当選対象の案内口113a〜113fに入球しなかった場合には外れとなるものである。かかる抽選用ユニット70について詳細には、図5に示すように、抽選用ユニット70は、投入条件が成立した場合に抽選用球Bを投入するための投入装置71と、当該投入装置71から投入された抽選用球Bを下流側へと案内する案内ユニット81と、当該案内ユニット81により案内された抽選用球Bを当選対象の案内口113a〜113f及び非当選対象の案内口113a〜113fのうちいずれかにて受け入れる振分装置101と、当該振分装置101にて受け入れられた抽選用球Bを投入装置71に搬送して当該抽選用球Bを循環させるための搬送装置121と、を備えている。
投入装置71は、抽選用ユニット70の横方向の一端側に設けられている。投入装置71は、内部にて抽選用球Bを待機させることを可能とするための待機通路72を備えており、当該待機通路72は投入装置71の投入ベース体73からスロットマシン10前方に突出させて形成された投入部74の出口75に向けて下り傾斜となっている。したがって、待機通路72に存在している抽選用球Bは投入部74の出口75に向けて自重で流下することとなる。投入部74の出口75は下向きに開放させて形成されている。したがって、投入部74から案内ユニット81に投入される抽選用球Bは鉛直下方に落下することとなる。
投入部74の出口75には当該出口75を閉鎖するための通過阻止部材76が設けられている。図示しないレールによりガイドされることにより通過阻止部材76は前後方向に移動可能となっている。通過阻止部材76が初期位置に配置されている場合には出口75を閉鎖して抽選用球Bの落下を阻止し、通過阻止部材76が初期位置からスロットマシン10の後方側に向けて引っ込んだ退避位置に配置されている場合には出口75を開放して抽選用球Bの落下を可能とする。通過阻止部材76を初期位置に向けて付勢する図示しない付勢バネが設けられていることにより、通過阻止部材76に退避位置に向けた外力が加えられていない間は当該通過阻止部材76は初期位置に保持される。一方、通過阻止部材76は図示しないリンク機構を介してソレノイドなどの電動アクチュエータである投入用駆動部77と連結されており、投入用駆動部77に駆動信号が供給されて当該投入用駆動部77が駆動状態となることで通過阻止部材76は付勢力に抗して退避位置にスライド移動する。
抽選用ユニット70において循環する抽選用球Bの数は1個であり、通過阻止部材76が初期位置に配置されている状況においては基本的に、抽選用球Bは投入部74内において通過阻止部材76上に乗った状態で下方への落下が阻止される。この状況で投入用駆動部77が駆動状態となることで通過阻止部材76により落下が阻止された状態が解除されるため、抽選用球Bは投入部74の出口75から鉛直下方に落下し案内ユニット81に導入される。
通過阻止部材76により落下が阻止されている抽選用球Bは、投入装置71に設けられた投入球検出センサ78により検出される。抽選用球Bが投入球検出センサ78の検出範囲に含まれている間、投入球検出センサ78は後述するサブ制御装置150にHIレベルの投入検出信号を送信し、抽選用球Bが検出範囲に含まれていない間、投入球検出センサ78はサブ制御装置150にLOWレベルの投入検出信号を送信する。サブ制御装置150は投入球検出センサ78からHIレベルの投入検出信号を受信することにより、投入装置71内に抽選用球Bが待機していることを特定する。なお、このHI−LOWの関係が逆であってもよい。また、投入球検出センサ78としてはフォトセンサが用いられているが、センサの種類は任意である。
案内ユニット81は、横方向に延在させて設けられており、投入装置71から投入された抽選用球Bを抽選用ユニット70の横方向において投入装置71とは反対側の端部に設けられた振分装置101に案内する。具体的には、案内ユニット81は、横方向に延在するとともに抽選用球Bの通過を可能とする案内通路82を形成するための通路形成体83を備えている。
通路形成体83において投入装置71側の端部には、上方へ向けて開放させて形成された受口部84が一体形成されている。受口部84において上方へ向けて開放された入口85は、案内通路82における通路方向に対して直交する方向の通路断面よりも広い開口面積を有している。また、入口85の開口面積は投入部74の出口75の開口面積よりも広く確保されており、投入部74の出口75の全体が受口部84の入口85を鉛直上方に投影させた範囲に含まれている。そして、既に説明したとおり投入部74の出口75からは抽選用球Bが鉛直下方に落下することとなる。したがって、投入部74の出口75から投入される抽選用球Bは受口部84において確実に受けられることとなる。受口部84は、図7に示すように、案内通路82と連通されており、さらに受口部84の内面は下流に向けて下り傾斜となっている。これにより、受口部84にて受けられた抽選用球Bは自重により下流へと流下して案内通路82内に流入することとなる。
案内通路82は、図5及び図7に示すように、その通路方向の途中位置に設けられた案内装置86と、案内装置86よりも上流側を構成する上流領域87と、案内装置86よりも下流側を構成する下流領域88と、を備えている。上流領域87は、図7に示すように、受口部84に連通されており、途中位置に曲り部分が形成されていることにより、受口部84から続く鉛直領域と鉛直領域の下流において案内装置86に向けて下り傾斜となった傾斜領域とを備えている。案内通路82内に流入した抽選用球Bは上流領域87を流下することにより、案内装置86へと導出される。
案内装置86は、図5、図6及び図7に示すように、回転軸の方向が前後方向となるようにして設けられた案内用回転体91と、当該案内用回転体91を回転させるためのステッピングモータからなる案内用駆動部92と、を備えている(案内用駆動部92については図6参照)。案内用回転体91は案内用駆動部92の出力軸と同一軸線上になるようにして当該出力軸に連結されている。案内用駆動部92が駆動状態となっている間は、案内用回転体91は一定の速度で一定の方向に回転することとなる。具体的には、案内用回転体91は半時計周りに回転することとなる。
案内用回転体91の周縁には、図7に示すように、回転方向において等間隔となるようにして複数の凹部93が形成されている。凹部93は抽選用球Bの球面に沿うようにして円弧状に形成されている。ここで、通路形成体83において案内装置86が設置された部分である収容部94は、図5に示すように、他の部分に比べて外方へと膨出させて形成されており、これにより案内用回転体91の収容領域が確保されている。案内用回転体91において凹部93が形成されていない箇所の外縁と収容部94の内壁との間の距離は抽選用球Bが入り込み不可に設定されている一方、凹部93と収容部94の内壁との間の距離は凹部93に入った抽選用球Bが案内用回転体91の回転に伴って案内通路82の下流領域88へと移動することを阻止しないように設定されている。また、案内用回転体91は、図7に示すように、回転に伴って凹部93が上流領域87への最下流部と自ずと対峙し、その対峙した状況で上流領域87の最下流部に抽選用球Bが存在している場合にはその抽選用球Bが自重によってその対峙している凹部93内に自ずと入り込むように設置されている。したがって、上流領域87の最下流部に到達した抽選用球Bは、案内用回転体91において凹部93ではない外縁部分が当該最下流部と対峙している間はその最下流部にて待機し、案内用回転体91の回転に伴って凹部93が最下流部と対峙することでその凹部93内に入り込むこととなる。そして、案内用回転体91の回転に伴って案内通路82の下流領域88へと案内される。
下流領域88はその最上流部が、図7に示すように、案内用回転体91の回転に伴って凹部93と自ずと対峙し、その対峙した凹部93に抽選用球Bが入り込んでいる場合には凹部93と下流領域88の最上流部とが対峙したタイミングでその抽選用球Bが自重により下流領域88へと流入することとなる位置となるように形成されている。下流領域88は振分装置101に向けて下り傾斜となっており、下流領域88に流入した抽選用球Bは自重により自ずと振分装置101に案内される。
ここで、案内通路82の上流領域87における最下流部には、上流領域87を流下して案内装置86に供給される抽選用球Bを検出するための中間球検出センサ89が設けられている。抽選用球Bが中間球検出センサ89の検出範囲に含まれている間、中間球検出センサ89はサブ制御装置150にHIレベルの中間検出信号を送信し、抽選用球Bが検出範囲に含まれていない間、中間球検出センサ89はサブ制御装置150にLOWレベルの中間検出信号を送信する。サブ制御装置150は中間球検出センサ89から受信している中間検出信号がLOWレベルからHIレベルに切り換わることにより、案内装置86による下流領域88に向けた抽選用球Bの案内が開始されるように案内装置86の駆動を開始する。この案内装置86の駆動は、後述する排出球検出センサ115において抽選用球Bが検出された後であって案内用回転体91の回転位置が初期位置となるまで継続される。この初期位置は案内用回転体91の周方向に隣り合う凹部93間の外周部分が上流領域87の最下流部と対峙する位置である。これにより、抽選用球Bが上流領域87の最下流部に到達したタイミングでは、当該抽選用球Bが案内用回転体91の凹部93内に入り込まないようになっている。そして、このように凹部93内に入り込まないようにして案内用回転体91の外周面に当接した状態で抽選用球Bが停止している状況で、案内用回転体91の回転が開始される。これにより、案内用回転体91の凹部93と収容部94の区画壁部との間で抽選用球Bを噛みこんでしまう可能性を低減することが可能となる。
なお、中間検出信号のHI−LOWの関係が逆であってもよい。また、中間球検出センサ89としてはフォトセンサが用いられているが、センサの種類は任意である。また、案内用回転体91の回転位置が初期位置であるか否かを検出するための図示しないセンサが設けられており、サブ制御装置150は当該センサの検出結果により案内用回転体91の回転位置が初期位置であるか否かを特定する構成である。
振分装置101について以下に詳細に説明する。なお、以下の説明では図5〜図7に加えて図8を適宜参照しながら説明する。図8(a)及び図8(b)は振分装置101の正面図である。
振分装置101は、図5に示すように、振分用ベース体102と、当該振分用ベース体102に回転可能に支持された振分用回転体103と、を備えている。振分用ベース体102は有底の円筒状に形成されており、筒孔に相当する収容空間104は軸線方向の一端が底部105によってその略全体が塞がれており、軸線方向の他端は開放されている。収容空間104は、軸線方向に対して垂直の断面が円形状となっている。収容空間104には振分用回転体103が収容されている。
振分用回転体103は、所定の肉厚を有する略円盤状に形成されており、振分用ベース体102と同一軸線上となるようにして収容空間104に収容されている。振分用回転体103は、図6に示すように、振分用ベース体102の裏面側から設けられた振分用駆動部111の出力軸と連結されており、振分用駆動部111に駆動信号が供給されて当該振分用駆動部111が駆動状態となることで加速期間を経て一定の速度で一定の方向に回転する。振分用駆動部111としてステッピングモータが用いられており、具体的には1相励磁と2相励磁とを交互に行う1−2相励磁駆動が採用されている。なお、相励磁の方式はこれに限定されることはなく、他の相励磁の方式を採用してもよい。振分用駆動部111はサブ制御装置150から励磁信号が360パルス分送信されることにより出力軸が1周する構成であるため、1パルスの励磁信号に基づく角度変化、すなわち1ステップあたりの角度変化は1°となる。
振分用駆動部111の出力軸が1周したことを検出するために、振分用ベース体102の裏面には初期位置検出センサ112が設けられている。振分用駆動部111の出力軸には初期位置検出用の突起が一体形成されており、当該初期位置検出用の突起が初期位置検出センサ112の検出範囲に含まれている間は初期位置検出センサ112はサブ制御装置150にHIレベルの初期位置信号を送信し、当該突起が検出範囲に含まれていない間は初期位置検出センサ112はサブ制御装置150にLOWレベルの初期位置信号を送信する。サブ制御装置150は初期位置検出センサ112からHIレベルの初期位置信号を受信することにより、振分用回転体103が1周したことを特定する。なお、このHI−LOWの関係が逆であってもよい。また、初期位置検出センサ112としてはフォトセンサが用いられているが、センサの種類は任意である。
振分用回転体103には、図7に示すように、外縁部分から軸線側に凹ませるようにして案内口113a〜113fが形成されている。案内口113a〜113fは、周方向に等間隔で存在するようにして複数形成されている。具体的には、案内口113a〜113fは6個形成されている。これら案内口113a〜113fはいずれも同一の形状となっている。各案内口113a〜113fはいずれも振分用回転体103の軸線の位置までは到達しておらず、相互に不連続となっている。案内口113a〜113fは、図5に示すように、抽選用球Bの全体が入り込み可能な大きさに形成されているとともに、案内口113a〜113fに入り込んだ抽選用球Bが当該案内口113a〜113fを上記軸線方向に通過可能に形成されている。但し、振分用回転体103の裏面は振分用ベース体102の底部105と近い位置にて対向しているため、案内口113a〜113fに入り込んだ抽選用球Bは当該底部105上に乗ることで当該案内口113a〜113fに入り込んだ状態で保持されることとなる。
振分用ベース体102の底部105には、図6に示すように、案内口113a〜113fに入り込んだ抽選用球Bを振分装置101の裏側に排出することを可能とするための排出通路部114が底部105の裏面から後方へと突出させて一体形成されている。排出通路部114は、図8(a)に示すように1個のみ形成されており、排出通路部114の入口114aが形成された位置は振分用回転体103の回転に伴って各案内口113a〜113fが通過する位置となっている。排出通路部114の入口114aは、図8(b)に示すように複数の案内口113a〜113fの全体と同時に重ならない大きさとされている一方、図8(a)に示すように1個の案内口113a〜113fと重なった場合にはその案内口に入り込んでいる抽選用球Bが排出通路部114に流入可能な大きさ及び位置に形成されている。つまり、いずれの案内口113a〜113fに抽選用球Bが入り込んだ場合であっても、その抽選用球Bの振分装置101からの排出は一の排出通路部114を利用して行われる。
排出通路部114の途中位置には図6に示すように排出球検出センサ115が設けられている。抽選用球Bが排出球検出センサ115の検出範囲に含まれている間は排出球検出センサ115はサブ制御装置150にHIレベルの排出検出信号を送信し、抽選用球Bが検出範囲に含まれていない間は排出球検出センサ115はサブ制御装置150にLOWレベルの排出検出信号を送信する。サブ制御装置150は排出球検出センサ115からHIレベルの排出検出信号を受信することにより、振分装置101から抽選用球Bが排出されたことを特定する。なお、このHI−LOWの関係が逆であってもよい。また、排出球検出センサ115としてはフォトセンサが用いられているが、センサの種類は任意である。
排出通路部114は、振分装置101と投入装置71とを繋ぐように設けられた搬送装置121と連通されており、排出通路部114を通過した抽選用球Bは搬送装置121に排出される。搬送装置121は、抽選用球Bを投入装置71に搬送するための搬送機構として、抽選用球Bを保持して排出通路部114側から投入装置71の待機通路72に搬送するための搬送ベルトと、搬送ベルトを循環させるためのプーリーと、当該プーリーに動力を与えるための搬送用駆動部と、を備えている。これにより、搬送装置121に排出された抽選用球Bは投入装置71の待機通路72に搬送されることとなり、抽選用球Bを抽選用ユニット70において循環させることが可能となる。
上記構成の振分装置101は、図5に示すように、振分用ベース体102及び振分用回転体103の軸線が水平方向よりも若干傾斜した方向となり、振分用回転体103の表面が斜め上方を向くようにして配置されている。このように振分装置101が傾斜させて配置されている構成であっても、既に説明したとおり振分用ベース体102は円筒状に形成されているため、振分用回転体103の周縁には振分用ベース体102において収容空間104を区画する区画壁部116が軸線周りに連続するように存在している。そして、この区画壁部116の高さ寸法がいずれの案内口113a〜113fがいずれの回転位置に配置されている場合であっても、案内口113a〜113fに入り込んでいる抽選用球Bが遠心力で案内口113a〜113fから飛び出してしまわない寸法に設定されている。また、振分用回転体103において案内口113a〜113fを区画する周面は当該振分用回転体103の軸線に近い側に向けて高さ寸法が大きくなるように形成されている。これにより、抽選用球Bが入り込んだ案内口113a〜113fが振分用回転体103の回転に伴って最も高い位置となったとしても、その抽選用球Bはその案内口113a〜113fの周面によって下方から支えられることで、当該案内口113a〜113fから落下してしまわない。
振分装置101が起立させて配置されていることにより、振分用回転体103のいずれかの案内口113a〜113fに抽選用球Bが入り込んでいる場合、振分用回転体103の回転に伴って高さ位置が変化することとなる。当該構成において振分装置101は、図7に示すように、高さ位置が最も低い位置に到達した案内口113a〜113f(すなわち振分用回転体103の鉛直下方の位置に到達した案内口113a〜113f)が案内通路82における下流領域88の最下流部と対峙し、当該最下流部に抽選用球Bが到達している場合にはその抽選用球Bがその最も低い位置に到達した案内口113a〜113fに自重によって入り込むように配置されている。その一方、既に説明した振分用回転体103の排出通路部114は高さ位置が最も高い位置に到達した案内口113a〜113f(すなわち振分用回転体103の鉛直上方の位置に到達した案内口113a〜113f)と軸線方向に重なり、当該案内口113a〜113fに抽選用球Bが入り込んでいる場合にはその抽選用球Bが排出通路部114に自重によって入り込むこととなる位置に形成されている。上記構成であることにより、案内通路82により下流へと案内された抽選用球Bは振分用回転体103の最も低い位置にて当該振分用回転体103の案内口113a〜113fに入り込み、振分用回転体103の最も高い位置にて排出通路部114から排出されることとなる。
振分装置101は、排出通路部114を通過する抽選用球Bを検出するための排出球検出センサ115を備えている一方、各案内口113a〜113fには抽選用球Bを検出するためのセンサを備えていない。かかる構成において処理内容の詳細は後述するがサブ制御装置150は、排出球検出センサ115にて抽選用球Bが検出されたタイミングにおける振分用駆動部111の回転位置(詳細にはステップ数)に基づいていずれの案内口113a〜113fにより抽選用球Bが誘導されたのかを特定する。これにより、各案内口113a〜113fに抽選用球Bを検出するためのセンサを1個ずつ設けなくても、排出通路部114に1個の排出球検出センサ115を設けるだけで、いずれの案内口113a〜113fに抽選用球Bが入り込んだのかを特定することが可能となる。
振分用回転体103において各案内口113a〜113fを隔てる隔壁部117の表面には、図5に示すように、各案内口113a〜113fに1対1で対応させて当選対象発光部118が設けられている。これら当選対象発光部118は各案内口113a〜113fにおいて振分用回転体103の軸線側の周縁部にそれぞれ隣接する位置に設けられている。当選対象発光部118はいずれの案内口113a〜113fが当選に対応しているのかを報知するための機能を有する。具体的には、当選対象発光部118はサブ制御装置150と電気的に接続されており、後述する特典が設定された案内口113a〜113fに対応する当選対象発光部118のみが点灯するようにサブ制御装置150によって当選対象発光部118の発光制御が行われる。これにより、遊技者はいずれの案内口113a〜113fに特典が設定されているのかを特定することが可能となる。
以上説明した構成の抽選用ユニット70を利用した抽選動作は、後述する抽選発生条件が成立した状況下において抽選用球Bの投入契機が発生して当該抽選用球Bが投入されることにより開始される。当該投入契機は、図1に示すように前面扉12において分岐演出用窓部68の側方、詳細には右方に設けられた投入操作レバー131が操作されることによって発生する。投入操作レバー131は、前面扉12を前後方向に貫通するようにして設けられており、その一端132は前面扉12の前面よりもスロットマシン10前方に突出している。投入操作レバー131は前面扉12の裏面側において軸支されており、その軸支箇所を中心に縦方向の所定の回動範囲において回動可能となっている。投入操作レバー131は、操作側端部の側が上側の回動限界位置となる初期位置に自ずと配置されるように付勢バネによって付勢されている。そして、操作側端部の側が当該付勢バネの付勢力に抗する力で下方に向けて押圧されることにより、投入操作レバー131は初期位置から移動する。
投入操作レバー131の操作の有無は投入操作検出センサ131aにより検出される。投入操作レバー131の初期位置からの変位量が所定量以上である間、投入操作検出センサ131aは主制御装置140にHIレベルの投入操作検出信号を送信し、投入操作レバー131の初期位置からの変位量が所定量未満である間、投入操作検出センサ131aは主制御装置140にLOWレベルの投入操作検出信号を送信する。主制御装置140は投入操作検出信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された場合にサブ制御装置150に投入コマンドを送信する。サブ制御装置150は投入コマンドを受信した場合であって後述する更なる投入開始条件が成立した場合に、投入用駆動部77を駆動状態とすることにより通過阻止部材76を退避位置に移動させて抽選用球Bを案内通路82に投入させる。
投入操作レバー131は上記のとおり分岐演出用窓部68の側方に設けられているため、投入操作レバー131が抽選用ユニット70に対応した操作部であることを遊技者が認識し易くなる。また、投入操作レバー131はスタートレバー41、ストップボタン42〜44及びメダル投入口45などが集約配置された操作用膨出部25から離れた位置に設けられている。より詳細には、操作用膨出部25はリール32L,32M,32Rを視認可能とする表示窓部21L,21M,21Rよりも下方に設けられているのに対して、投入操作レバー131は当該表示窓部21L,21M,21Rよりも上方に設けられている。これにより、投入操作レバー131がリール32L,32M,32Rを利用したゲームを実行するための操作部ではないことを遊技者が認識し易くなる。さらにまた、同様のレバー状に設けられたスタートレバー41はスロットマシン10の横方向において左側に偏倚させた位置に設けられているのに対して、投入操作レバー131はその逆側である右側に偏倚させた位置に設けられている。これにより、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させようとしている遊技者が誤って投入操作レバー131を操作してしまう可能性が低減される。
次に、抽選用ユニット70において抽選が行われる場合の動作の流れを、非AT状態である場合を例に挙げて、図9のタイムチャートを参照しながら説明する。図9(a)は抽選用球Bの供給タイミングを示し、図9(b)は案内用回転体91の回転位置を示し、図9(c)は振分用回転体103の回転位置を示し、図9(d)は抽選用球Bの排出タイミングを示し、図9(e)はAT状態の実行期間を示す。
まずAT状態への移行当選とならない場合について説明する。
抽選用ユニット70を利用したAT状態への移行抽選の実行条件が成立することでt1のタイミングで、図9(c)に示すように振分用駆動部111への駆動信号の送信が開始されることにより振分用回転体103の回転が開始される。この場合、振分用回転体103は所定の加速期間を経て時計周りに一定の速度で回転する。
なお、振分用回転体103が回転を開始するt1のタイミングよりも前のタイミングで、振分装置101においていずれの案内口113a〜113fがAT状態への当選対象であるかを報知すべく、当選対象の案内口113a〜113fに対応する当選対象発光部118の点灯が開始される。これにより、遊技者は、抽選用球Bを投入すべく投入操作レバー131を操作するタイミングよりも前のタイミングにおいていずれの案内口113a〜113fがAT状態への移行当選に対応しているのかを把握することが可能となる。
その後、図9(a)に示すようにt2のタイミングで投入操作レバー131が遊技者により操作されるとともに後述する投入開始条件が成立することにより、投入用駆動部77が駆動状態となり投入装置71から抽選用球Bが案内ユニット81に投入される。そして、t3のタイミングで当該抽選用球Bが中間球検出センサ89により検出されることにより、図9(b)に示すように案内用駆動部92への駆動信号の送信が開始され案内用回転体91の回転が開始される。これにより、抽選用球Bが案内用回転体91により下流領域88に案内されて当該下流領域88を流下する。
この抽選用球Bはその後、下流領域88を通過して振分用回転体103のいずれかの案内口113a〜113fに流入する。そして、図9(d)に示すようにt4のタイミングで排出通路部114を通過する。この場合、サブ制御装置150は、当該t4のタイミングにおける振分用回転体103の回転位置に基づいて、排出通路部114を通過した抽選用球Bがいずれの案内口113a〜113fにより案内されたのかを特定する。今回は、その抽選用球Bが外れ対象の案内口113a〜113fにより案内されたことが特定される。したがって、図9(e)に示すように、AT状態への移行は発生しない。
その後、t5のタイミングで、図9(b)に示すように案内用回転体91の回転が停止されるとともに、図9(c)に示すように振分用回転体103の回転が停止される。これにより、抽選用ユニット70を利用した今回の抽選動作が終了する。
次にAT状態への移行当選となる場合について説明する。
抽選用ユニット70を利用したAT状態への移行抽選の実行条件が成立することでt1のタイミングの場合と同様に、t6のタイミングで、図9(c)に示すように振分用回転体103の回転が開始される。その後、図9(a)に示すようにt7のタイミングで投入操作レバー131が遊技者により操作されるとともに後述する投入開始条件が成立することにより、投入用駆動部77が駆動状態となり投入装置71から抽選用球Bが案内ユニット81に投入される。当該抽選用球Bはt8のタイミングで中間球検出センサ89により検出され、当該t8のタイミングで図9(b)に示すように案内用回転体91の回転が開始される。
その後、この抽選用球Bは、図9(d)に示すようにt9のタイミングで排出通路部114を通過する。この場合、サブ制御装置150は、当該t9のタイミングにおける振分用回転体103の回転位置に基づいて、排出通路部114を通過した抽選用球Bがいずれの案内口113a〜113fにより案内されたのかを特定する。今回は、その抽選用球Bが当選対象の案内口113a〜113fにより案内されたことが特定される。したがって、図9(e)に示すように、当該t9のタイミングでAT状態への移行が発生する。
その後、t10のタイミングで、図9(c)に示すように振分用回転体103の回転が停止される。また、t10のタイミング以降のタイミングにおいて、図9(b)に示すように案内用回転体91の回転が停止されるとともに、これにより、抽選用ユニット70を利用した今回の抽選動作が終了する。
<各種制御装置>
スロットマシン10には、各種制御装置が設けられている。具体的には、図1に示すように、筐体11の背板においてリールユニット31の上方には、主制御装置140が設けられている。主制御装置140は、主基板が基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスを開放する場合には、締結状態を解除する必要があり、当該締結状態の解除に際して破壊箇所が生じることとなる。当該破壊箇所の有無を確認することで、基板ボックスが開放されたか否かを簡易的に確認することが可能となる。
スロットマシン10には主制御装置140以外にもサブ制御装置150が設けられている。サブ制御装置150は、前面扉12において画像表示装置66の後方に重ねて配置されている。サブ制御装置150は、主制御装置140から受信したコマンドに基づき、上部ランプ64、スピーカ65、画像表示装置66及び抽選用ユニット70の制御を実行する。なお、サブ制御装置150は、主制御装置140と同様に、基板ボックス内に制御基板が収容されてなる。
<スロットマシン10の電気的構成>
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図10のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置140は、遊技の主たる制御を司る主制御基板141を具備している。主制御基板141には、MPU142が搭載されている。MPU142には、当該MPU142により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM143と、そのROM143内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM144と、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路145と、割込回路、データ入出力回路、乱数発回路などが内蔵されている。なお、MPU142に対してROM143及びRAM144が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU142には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU142の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップボタン42,43,44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a,43a,44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、各クレジット投入ボタン47,48,49の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ47a,48a,49a、精算ボタン51の操作を検出する精算検出センサ51a、ホッパ装置53の払出検出センサ、リセットボタン56の操作を検出するリセット検出センサ56a、設定キー挿入孔57に設定キーが挿入されたことを検出する設定キー検出センサ57a、投入操作レバー131の操作を検出する投入操作検出センサ131a等の各種センサが接続されており、これら各センサからの信号はMPU142に入力される。
MPU142の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、ホッパ装置53の払出モータ、サブ制御装置150等が接続されている。各ゲームにおいてはリールユニット31の各リール32L,32M,32Rの回転駆動制御がMPU142により行われるとともに、小役入賞が成立してメダルの払い出しを実行する場合にはホッパ装置53の駆動制御がMPU142により行われる。また、サブ制御装置150には、各ゲームの各タイミングでMPU142からコマンドが送信される。
MPU142の入力側には、電源装置54に設けられた停電監視回路が接続されている(図示略)。電源装置54には、主制御装置140をはじめとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部及び停電監視回路が搭載されており、停電監視回路は、外部電源から電源部に印加されている電圧を監視し、当該電圧が基準電圧以下となった場合にMPU142に停電信号を出力する。MPU142は、停電信号を受信することにより停電時処理を実行し、復電後において停電前の処理状態への復帰を可能とする。また、電源装置54には、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況において電断中電力としてバックアップ電力をRAM144に供給するための電断中電源部が設けられている。これにより、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況であっても、電断中電源部においてバックアップ電力を供給可能な状況(例えば1日や2日)ではRAM144においてデータが記憶保持される。但し、電源装置54に設けられたリセットボタンを押圧操作した状態でスロットマシン10の電源のON操作を行うことで、RAM144に記憶保持されているデータは初期化される。
サブ制御装置150は、各種報知や各種演出の実行制御を実行するためのサブ制御基板151を具備している。サブ制御基板151には、MPU152が搭載されている。MPU152には、当該MPU152により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM153と、そのROM153内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM154と、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路155と、割込回路、データ入出力回路、乱数発回路などが内蔵されている。
なお、MPU152に対してROM153及びRAM154が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。また、RAM154には、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況において電源装置54の電断中電源部からバックアップ電力が供給され、当該バックアップ電力が供給されている状況(例えば1日や2日)ではRAM154においてデータが記憶保持される。但し、電源装置54に設けられたリセットボタン56を押圧操作した状態でスロットマシン10の電源のON操作を行うことで、RAM154に記憶保持されているデータは初期化される。
MPU152には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU152の入力側には、既に説明したとおり主制御装置140のMPU142が接続されており、当該MPU142から各種コマンドを受信する。
MPU152の入力側には、投入装置71において待機している抽選用球Bを検出する投入球検出センサ78、投入装置71により投入されて案内通路82の上流領域87における最下流部に到達した抽選用球Bを検出する中間球検出センサ89、振分用駆動部111の出力軸が1周したことを検出する初期位置検出センサ112、及び振分装置101から排出された抽選用球Bを検出する排出球検出センサ115等の各種センサが接続されており、これら各センサからの信号はMPU152に入力される。
MPU152の出力側には、上部ランプ64、スピーカ65、画像表示装置66、投入装置71の通過阻止部材76を動作させるための投入用駆動部77、案内装置86の案内用回転体91を回転させるための案内用駆動部92、振分装置101の振分用回転体103を回転させるための振分用駆動部111、振分装置101の当選対象発光部118、及び振分装置101から排出された抽選用球Bを投入装置71に搬送するための搬送装置121が接続されている。MPU152は、主制御装置140のMPU142から受信したコマンドに基づき、上部ランプ64の発光制御、スピーカ65の音出力制御、及び画像表示装置66の表示制御を実行することで、各種報知や各種演出が行われるようにする。また、MPU152は、抽選用ユニット70を利用してAT状態に関する抽選を実行する場合には各種駆動部77,92,111、及び搬送装置121の駆動制御を実行するとともに、当選対象発光部118の発光制御を実行する。この場合、MPU152に動作電力が供給されている状況においては搬送装置121への駆動信号の出力が継続されることで当該搬送装置121は常時動作状態となる。一方、投入用駆動部77、案内用駆動部92及び振分用駆動部111はそれぞれに対応するタイミングで駆動状態となる。
なお、以下の説明では説明の便宜上、主制御装置140のMPU142、ROM143及びRAM144をそれぞれ主側MPU142、主側ROM143及び主側RAM144といい、サブ制御装置150のMPU152、ROM153及びRAM154をそれぞれサブ側MPU152、サブ側ROM153及びサブ側RAM154という。
<主側MPU142により実行される処理>
次に、主側MPU142により実行される処理について説明する。まず、主側MPU142への動作電力の供給が開始された場合に当該主側MPU142において起動されるメイン処理について図11のフローチャートを参照しながら説明する。
メイン処理ではまず初期化処理を実行する(ステップS101)。初期化処理では、タイマ割込み処理による割込みを許可し、さらに主側MPU142内のレジスタ群及びI/O装置等に対する各種の初期設定を行う。
初期化処理が終了した後は設定キーが設定キー挿入孔57に挿入されてON操作が行われているか否かを判定する(ステップS102)。ON操作が行われている場合には(ステップS102:YES)、電源スイッチ55のON操作に際してリセットボタン56がON操作されていないのであれば(ステップS103:NO)、一部クリア処理を実行し(ステップS104)、電源スイッチ55のON操作に際してリセットボタン56がON操作されているのであれば(ステップS103:YES)、全部クリア処理を実行する(ステップS105)。つまり、主側RAM144を初期化するための操作が行われることなくスロットマシン10の設定値の変更が行われる場合には一部クリア処理が実行され、主側RAM144を初期化するための操作が行われた場合には全部クリア処理が実行される。
一部クリア処理では主側RAM144における一部のエリアを初期化し、全部クリア処理では主側RAM144における全部のエリアを初期化する。一部クリア処理では、主側RAM144においてBB状態であるか否かを示すデータが記憶されたエリア、BB状態における遊技媒体の合計付与数を示すデータが記憶されたエリア、後述する抽選モードの種類を示すデータが記憶されたエリア及び設定値を示すデータが記憶されたエリアを除く、主側RAM144の各エリアを「0」クリアする。この場合、当選役が記憶されたエリアは「0」クリアされる。全部クリア処理では、一部クリア処理において「0」クリアの実行対象外とされるエリアを含めて主側RAM144の全エリアを「0」クリアする。これにより、一部クリア処理が実行されたとしてもBB状態は電源遮断前の状態に維持され、全部クリア処理が実行された場合には電源遮断前の状態とは無関係に通常遊技状態となる。
なお、上記構成に限定されることはなく、BB状態で電源が遮断された場合において一部クリア処理が実行された場合にはBB状態ではない状態となる構成としてもよく、後述する第1RTモード又は第2RTモードで電源が遮断された場合において一部クリア処理が実行された場合にはそれらRTモードではない状態となる構成としてもよい。また、一部クリア処理が実行されたとしても、BB役に当選したことを示すデータが記憶されたエリアが「0」クリアされない構成としてもよい。
ステップS104又はステップS105の処理を実行した後は、当選確率設定処理を実行する(ステップS106)。当選確率設定処理では、設定キーが挿入されてON操作されていることを条件として現在の設定値を読み込むとともに、遊技パネル20に設けられた所定の表示部に現在の設定値を表示する。なお、当選確率設定処理の直前において主側RAM144における設定値のデータを記憶するためのエリアが初期化されている場合には、所定の表示部に表示される設定値は「設定1」に対応する「1」である。当選確率設定処理では、リセットボタン56が操作される度に設定値を1更新するとともに、その更新後の設定値を所定の表示部に表示する。なお、設定値が「設定6」である状況でリセットボタン56が操作された場合には設定値は「設定1」に更新される。スタートレバー41が操作された後に設定キーのON操作が解除された場合に当選確率設定処理を終了する。この場合、所定の表示部における設定値の表示が終了される。
当選確率設定処理を実行した後は、復電コマンドをサブ側MPU152に送信する(ステップS107)。復電コマンドは、主側MPU142への動作電力の供給が開始された後においてメイン処理の実行が終了して通常処理及びタイマ割込み処理の実行が可能となったことをサブ側MPU152に認識させるためのコマンドである。サブ側MPU152は復電コマンドを受信することにより、動作電力の供給が開始されたことに対応する処理を実行する。この場合、全部クリア処理(ステップS105)が実行された場合にはそれに対応するデータが復電コマンドにセットされる。当該データがセットされた復電コマンドを受信した場合、サブ側MPU152はサブ側RAM154を初期化し、当該データがセットされていない復電コマンドを受信した場合、サブ側MPU152はサブ側RAM154を初期化しない。サブ側RAM154が初期化されることによりAT状態であるか否かを示すデータが記憶されたエリア、AT状態において滞在している状態を示すデータが記憶されたエリア、及びAT状態の終了契機を特定するためのデータが記憶されたエリアを含めてサブ側RAM154の全エリアを「0」クリアする。これにより、全部クリア処理が実行された場合には電源遮断前の状態とは無関係に非AT状態となる。復電コマンドを送信した後は通常処理に移行する(ステップS108)。通常処理については後に詳細に説明する。
メイン処理において設定キーのON操作が行われていない場合(ステップS102:NO)、ステップS109以降の復電処理を実行する。復電処理とは、スロットマシン10の状態を電源遮断前の状態に復帰させるための処理である。復電処理では、主側RAM144を確認することでスロットマシン10の設定値が正常か否かを判定する(ステップS109)。具体的には、設定値が「設定1」〜「設定6」のいずれかである場合に正常であると判定し、「0」又は「7」以上である場合に異常であると判定する。設定値が正常である場合には、停電フラグに「1」がセットされているか否かを確認する(ステップS110)。停電フラグは主側RAM144に設けられており、主側MPU142への動作電力の供給が停止される場合において予め定められた停電時処理が正常に実行された場合には当該停電フラグに「1」がセットされることとなる。停電フラグに「1」がセットされている場合には、RAM判定値が正常であるか否かを確認する(ステップS111)。具体的には、主側RAM144のチェックサム値を調べ、その値が正常であるか否かを確認する。
ステップS109〜ステップS111の全てにおいて肯定判定をした場合には、前回の電断時における停電時処理が正常に実行されたことを意味する。この場合、主側RAM144に保存されたスタックポインタの値を主側MPU142のスタックポインタに書き込み、主側RAM144に退避されたデータを主側MPU142のレジスタに復帰させることで、主側MPU142のレジスタの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる(ステップS112)。また、主側RAM144の停電フラグを「0」クリアする(ステップS113)。その後、復電コマンドをサブ側MPU152に送信した後に(ステップS114)、電源遮断前の番地に戻る(ステップS115)。
一方、ステップS109〜ステップS111のいずれかで否定判定をした場合には動作禁止処理を実行する。動作禁止処理では、次回のタイマ割込み処理(図12)の実行を禁止し(ステップS116)、主側MPU142の全ての出力ポートを「0」クリアすることにより当該出力ポートに接続された全てのアクチュエータをOFF状態とし(ステップS117)、ホール管理者等にエラーの発生を報知するためのエラー報知処理を実行する(ステップS118)。そして、無限ループとなる。当該動作禁止処理は、全部クリア処理(ステップS105)が実行されることにより解除される。
次に、主側MPU142にて実行されるタイマ割込み処理について、図12のフローチャートを参照しながら説明する。なお、タイマ割込み処理は、例えば1.49msecごとに起動される。
レジスタ退避処理(ステップS201)では、後述する通常処理で使用している主側MPU142内の全レジスタの値を主側RAM144に退避させる。ステップS202では停電フラグに「1」がセットされているか否かを確認し、停電フラグに「1」がセットされているときにはステップS203に進み、停電時処理を実行する。停電フラグは、電源装置54の停電監視回路からの停電信号が主側MPU142に入力された場合にセットされる。停電時処理では、まずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、主側MPU142のスタックポインタの値を主側RAM144に保存する。その後、主側MPU142の出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時に主側RAM144のデータが正常か否かを判定するための判定値を算出して当該主側RAM144に保存し、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
ステップS202にて停電フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS204以降の各種処理を行う。ステップS204では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS205では、主側MPU142自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS206では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれのステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS207では、入力ポートに接続された各種センサの状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS208では、異常報知を解除するための解除操作が行われているか否かを監視し、異常報知を解除するための解除操作が行われていることを特定した場合には異常報知を解除するための異常報知解除コマンドをサブ側MPU152に送信する。これにより、いずれの種類の異常報知が行われている状況であってもその異常報知が解除される。なお、キーシリンダ14に対して所定の錠操作が行われている状況においてリセットボタン56が押圧操作されることで、異常報知を解除するための解除操作が行われたことになる。
ステップS209では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS210では、遊技媒体のベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部へ出力するカウンタ処理を行う。ステップS211では、各種コマンドをサブ側MPU152へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS212では、入出力ポートからI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS213では、先のステップS201にて主側RAM144に退避させた各レジスタの値をそれぞれ主側MPU142内の対応するレジスタに復帰させる。その後、ステップS214にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、主側MPU142にて実行される通常処理について図13のフローチャートに基づき説明する。
まず次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う(ステップS301)。その後、開始待ち処理を実行する(ステップS302)。開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかのリプレイ入賞が発生したか否かを判定する。いずれかのリプレイ入賞が発生していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。いずれのリプレイ入賞も発生していなかった場合には、精算ボタン51が操作されたか否かを判定し、精算ボタン51が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。メダル返却処理の終了後又は精算ボタン51が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入ボタン47〜49の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入ボタン47〜49の操作との両方が行われていない場合にはそのまま開始待ち処理を終了する。
ステップS302の開始待ち処理の実行後、メダルのベット数が規定数(本実施形態では「3」)に達しているか否かを判定し(ステップ303)、ベット数が規定数に達していない場合には開始待ち処理(ステップS302)に戻る。ベット数が規定数に達している場合にはスタートレバー41が操作されたか否かを判定する(ステップS304)。スタートレバー41が操作されていない場合には、開始待ち処理(ステップS302)に戻る。一方、スタートレバー41が操作された場合には、メインラインMLを有効化させた後に、受付禁止処理を実行する(ステップS305)。受付禁止処理が実行されることにより、メダル投入口45にメダルが投入されたとしても、当該メダルは投入メダル検出センサ45aにて検出されることなくメダル受け皿59へ排出される。その後、今回のゲームにおける役の抽選を行うための抽選処理(以下、役の抽選処理ともいう)を実行し(ステップS306)、各リール32L,32M,32Rを今回の役の抽選処理の結果に対応した態様で駆動制御するためのリール制御処理を実行する(ステップS307)。
その後、媒体付与処理を実行する(ステップS308)。媒体付与処理では、今回のゲームにおいて小役入賞が成立している場合に、当該小役入賞に対応した数の遊技媒体を遊技者に付与するための処理を実行する。具体的には、仮想メダルを付与する場合には主側RAM144に設けられたクレジットカウンタに今回の小役入賞に対応した値を加算し、クレジットカウンタの値が上限貯留数に達している場合にはその上限貯留数を超えた数分のメダルがメダル受け皿59に払い出されるようにホッパ装置53を駆動制御する。
その後、今回のゲームの結果に対応する遊技状態の設定を可能とするための遊技終了時の対応処理を実行する(ステップS309)。また、スロットマシン10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに出力するための外部出力設定処理を実行する(ステップS310)。そして、受付許可処理を実行する(ステップS311)。受付許可処理が実行されることにより、メダル投入口45から投入されたメダルは、投入メダル検出センサ45aにて検出された後にホッパ装置53にて回収される。
通常処理(図13)のステップS306にて実行される抽選処理について、図14のフローチャートを参照しながら説明する。
まず役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する(ステップS401)。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0〜65535の乱数を生成しており、主側MPU142は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値を主側RAM144に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、役の当否判定を行うための抽選テーブルを主側ROM143から読み出す(ステップS402)。ここで、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔57に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて抽選処理を実行させるのかを設定することができる。なお、「設定n」よりも「設定n+1」の方が遊技者にとって有利な当選確率となる。また、同一の段階の設定値であっても主側MPU142において抽選テーブルが相違する抽選モードとして、通常モードと、第1RTモードと、第2RTモードとの3種類が存在している。また、遊技状態として、これら各抽選モードの状態とは別にBB状態が存在している。ステップS402では、現状の設定値と、現状の遊技状態との組合せに対応する抽選テーブルを選択する。
「設定3」である場合であって非BB状態である場合を例に挙げて、通常モード、第1RTモード及び第2RTモードのそれぞれに対応する抽選テーブルについて説明する。まず通常モードである場合に選択される通常モード用抽選テーブルについて説明する。図15は通常モード用抽選テーブルを説明するための説明図である。なお、以下の説明では図16の説明図を適宜参照する。
通常モード用抽選テーブルには、図15に示すように、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。ポイント値PVは、対応する抽選役の当選確率をフリーランカウンタの最大値(「65535」)との関係で定めるものである。
具体的には、インデックス値IV=1には、ベル当選データと、第1補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=1で当選となった場合、図16に示すように、第1停止(最初に停止指令が発生したリール)が左リール32Lである場合に第2停止対象及び第3停止対象のリールの種類及び各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なくベル入賞が確実に発生し、それ以外の場合には第1補填入賞が確実に発生する。
本スロットマシン10においてはストップボタン42〜44が操作されてから最大4図柄分まで滑らせることが可能なリール制御が各リール32L,32M,32Rについて行われる。換言すれば、ストップボタン42〜44が操作されてから規定時間(190msec)が経過するまでに停止させるリール制御が各リール32L,32M,32Rについて行われる。このようなリール制御が行われることにより、当選している役に対応した入賞を成立させ易くすることが可能となるとともに、当選していない役に対応した入賞が成立してしまうことを回避することが可能となる。但し、滑らせることが可能なリール32L,32M,32Rの回転量が上記のように制限されているため、一のリール32L,32M,32Rにおいて、入賞を成立させるための図柄の組合せを構成する構成図柄間に5図柄以上が存在していると、対応するストップボタン42〜44の操作タイミングによっては当該構成図柄がメインラインML上に停止しないことが起こり得る(当該事象を所謂「取りこぼし」ともいう)。第1補填入賞〜第3補填入賞、ベル入賞、スイカ入賞及び各種リプレイ入賞は対応する順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合には取りこぼしが発生しない入賞態様であり、チェリー入賞、第1BB入賞及び第2BB入賞はリール32L,32M,32Rの回転位置に対するストップボタン42〜44の停止操作タイミングによっては取りこぼしが発生し得る入賞態様である。
インデックス値IV=2には、図15に示すように、ベル当選データと、第2補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=2で当選となった場合、図16に示すように、第1停止が中リール32Mである場合に第2停止対象及び第3停止対象のリールの種類及び各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なくベル入賞が確実に成立し、それ以外の場合には第2補填入賞が確実に成立する。
インデックス値IV=3には、図15に示すように、ベル当選データと、第3補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=3で当選となった場合、図16に示すように、第1停止が右リール32Rである場合に第2停止対象及び第3停止対象のリールの種類及び各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なくベル入賞が確実に成立し、それ以外の場合には第3補填入賞が確実に成立する。
インデックス値IV=4には、図15に示すように、スイカ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=4で当選となった場合、図16に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なくスイカ入賞が成立する。また、インデックス値IV=4で当選となった場合、各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なくスイカ入賞が確実に成立する。
インデックス値IV=5には、図15に示すように、チェリー当選データのみが設定されている。インデックス値IV=5で当選となった場合、図16に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なくチェリー入賞が成立し得る。但し、左リール32Lの回転位置に対する左ストップボタン42の操作タイミングによっては、チェリー入賞が成立しない可能性がある。
インデックス値IV=6には、図15に示すように、第1BB当選データが設定されている。インデックス値IV=6で当選となった場合、図16に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第1BB入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングよっては、第1BB入賞が成立しない可能性がある。また、インデックス値IV=7には、図15に示すように、第2BB当選データが設定されている。インデックス値IV=7で当選となった場合、図16に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第2BB入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングよっては、第2BB入賞が成立しない可能性がある。
ここで、第1BB当選データ及び第2BB当選データ以外の当選データは入賞が成立したか否かに関係なく当選となったゲームにて消去され、当選となったゲームの次以降のゲームには持ち越されない。これに対して、第1BB当選データ及び第2BB当選データは、主側RAM144のクリア処理が行われる場合を除き、当選となったゲームの次以降のゲームであっても対応するBB入賞が成立するまで記憶保持される。この場合に、第1BB当選データ又は第2BB当選データが持ち越されている状態のゲームにおいては第1BB当選データ及び第2BB当選データに対応するインデックス値IVは抽選対象から除外される。これにより、第1BB当選データ又は第2BB当選データが既に記憶保持されているにも関わらずBB当選データが新たに記憶されてしまわないようにすることが可能となり、複数のBB当選データが累積して記憶されてしまわないようにすることが可能となる。
インデックス値IV=8〜11には、図15に示すように、通常リプレイ当選データと、第1RTリプレイ当選データとが設定されている。この場合、インデックス値IV=8で当選となった場合、図16に示すように、第1停止が中リール32Mであり、第2停止(2番目に停止指令が発生したリール)が左リール32Lであり、第3停止(最後に停止指令が発生したリール)が右リール32Rである場合に各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=9で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=10で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=11で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。
図15の通常モード用抽選テーブルが選択される場合、インデックス値IV=1の際に当選となる確率、インデックス値IV=2の際に当選となる確率、及びインデックス値IV=3の際に当選となる確率は、それぞれ約1/5.0であり、インデックス値IV=4の際に当選となる確率は約1/77であり、インデックス値IV=5の際に当選となる確率は約1/423であり、インデックス値IV=6の際に当選となる確率は約1/131であり、インデックス値IV=7の際に当選となる確率は約1/655であり、インデックス値IV=8の際に当選となる確率、インデックス値IV=9の際に当選となる確率、インデックス値IV=10の際に当選となる確率、及びインデックス値IV=11の際に当選となる確率は、それぞれ約1/28.0である。
ここで、通常モード用抽選テーブルには、既に説明したとおり、インデックス値IV=8〜11の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に第1RTリプレイ当選データが設定されている(図15参照)。これらインデックス値IV=8〜11のいずれかに当選する確率は約1/7.0である。そして、インデックス値IV=8〜11のいずれかで当選となった場合、リール32L,32M,32Rの第1停止、第2停止及び第3停止の停止順序が当選となった役に対応する停止順序となった場合に第1RTリプレイ入賞が成立し、抽選モードが通常モードから第1RTモードに移行する。第1RTモードに移行した場合、抽選処理(図14)において参照される抽選テーブルは第1RTモード用抽選テーブルとなる。
次に、「設定3」であって第1RTモードである場合に選択される第1RTモード用抽選テーブルについて説明する。図17及び図18は第1RTモード用抽選テーブルを説明するための説明図である。
第1RTモード用抽選テーブルにおいては、図17に示すように、インデックス値IV=1〜7のそれぞれに設定されている当選役データ及び各インデックス値IVの当選確率が、通常モード用抽選テーブル(図15)と同一となっている。この場合、インデックス値IV=1〜5には遊技媒体の付与を可能とする役が設定されており、当該インデックス値IV=1〜5のそれぞれに設定されている当選役データ及び各当選確率が同一となっていることにより、遊技媒体の付与を可能とする役の種類及びそれらの役の当選確率は通常モード及び第1RTモードのそれぞれにおいて相互に同一となっている。また、インデックス値IV=6〜7には通常モード用抽選テーブルと同様にBB当選データが設定されており、その当選確率は通常モード用抽選テーブルと同一となっている。つまり、通常モード及び第1RTモードにおいていずれかのBB役に当選する確率は同一となっている。
インデックス値IV=8以降に設定されている当選役データは、通常モードと相違している。詳細には、第1RTモード用抽選テーブルにおいては、図17に示すように、インデックス値IV=8〜11の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に第2RTリプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=8〜11のいずれかに当選する確率は約1/10.1である。インデックス値IV=8で当選となった場合、図18に示すように、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に第2RTリプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=9で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に第2RTリプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=10で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に第2RTリプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=11で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に第2RTリプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。第1RTモードにおいてインデックス値IV=8〜11のいずれかで当選となり、リール32L,32M,32Rの第1停止、第2停止及び第3停止の停止順序が当選となった役に対応する停止順序となった場合に、第2RTリプレイ入賞が成立して抽選モードが第1RTモードから第2RTモードに移行する。第2RTモードに移行した場合、抽選処理(図14)において参照される抽選テーブルは第2RTモード用抽選テーブルとなる。
第1RTモード用抽選テーブルには、図17に示すように、インデックス値IV=12〜17の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に、第1転落リプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=12〜17のいずれかに当選する確率は約1/10.9である。
第1RTモード用抽選テーブルにおいてインデックス値IV=12で当選となった場合、図18に示すように、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=13で当選となった場合、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=14で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=15で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=16で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=17で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。第1転落リプレイ入賞が成立した場合、抽選モードが通常モードに移行する。通常モードに移行した場合、抽選処理(図14)において参照される抽選テーブルは通常モード用抽選テーブルとなる。
第1RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=18に通常リプレイ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=18において当選となる確率は他の役に当選する確率よりも高く設定されており、具体的には約1/6.7で当選となる。そして、このインデックス値IV=18で当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序及び各リール32L,32M,32Rの停止操作タイミングとは無関係に通常リプレイ入賞が成立することとなる。
第1RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=8〜18にリプレイ入賞の成立を可能とさせる役が設定されている。そして、これら役の当選確率が既に説明したような確率に設定されていることにより、第1RTモードにおいてリプレイ入賞の成立を可能とさせる役の当選確率(以下、リプレイ確率ともいう)は、約1/2.9となっている。これに対して、通常モードにおけるリプレイ確率は約1/7.0となっている。つまり、第1RTモードは通常モードよりもリプレイ確率が高い遊技状態となっている。
次に、「設定3」であって第2RTモードである場合に選択される第2RTモード用抽選テーブルについて説明する。図19及び図20は第2RTモード用抽選テーブルを説明するための説明図である。
第2RTモード用抽選テーブルにおいては、図19に示すように、インデックス値IV=1〜7のそれぞれに設定されている当選役データ及び各インデックス値IVの当選確率が、通常モード用抽選テーブル(図15)及び第1RTモード用抽選テーブル(図17)と同一となっている。この場合、インデックス値IV=1〜5には遊技媒体の付与を可能とする役が設定されており、当該インデックス値IV=1〜5のそれぞれに設定されている当選役データ及び各当選確率が同一となっていることにより、遊技媒体の付与を可能とする役の種類及びそれらの役の当選確率は通常モード、第1RTモード及び第2RTモードのそれぞれにおいて相互に同一となっている。また、インデックス値IV=6〜7には通常モード用抽選テーブル及び第1RTモード用抽選テーブルと同様にBB当選データが設定されており、その当選確率は通常モード用抽選テーブル及び第1RTモード用抽選テーブルと同一となっている。つまり、通常モード、第1RTモード及び第2RTモードにおいていずれかのBB役に当選する確率は同一となっている。
インデックス値IV=8以降に設定されている当選役データは、通常モード及び第1RTモードと相違している。詳細には、第2RTモード用抽選テーブルにおいては、図19に示すように、インデックス値IV=8〜13の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に、第2転落リプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=8〜13のいずれかに当選する確率は約1/5.5である。
第2RTモード用抽選テーブルにおいてインデックス値IV=8で当選となった場合、図20に示すように、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=9で当選となった場合、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=10で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=11で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=12で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=13で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。第2転落リプレイ入賞が成立した場合、抽選モードが第1RTモードに移行する。第1RTモードに移行した場合、抽選処理(図14)において参照される抽選テーブルは第1RTモード用抽選テーブルとなる。
第2RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=14に通常リプレイ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=14において当選となる確率は他の役に当選する確率よりも高く設定されており、具体的には約1/6.3で当選となる。そして、このインデックス値IV=14で当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序及び各リール32L,32M,32Rの停止操作タイミングとは無関係に通常リプレイ入賞が成立することとなる。
第2RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=8〜14にリプレイ入賞の成立を可能とさせる役が設定されている。そして、これら役の当選確率が既に説明したような確率に設定されていることにより、第2RTモードにおいてリプレイ入賞の成立を可能とさせる役の当選確率(以下、リプレイ確率ともいう)は、約1/2.9となっている。これに対して、通常モードにおけるリプレイ確率は約1/7.0となっている。つまり、第2RTモードは通常モードよりもリプレイ確率が高い遊技状態となっている。一方、第1RTモードにおけるリプレイ確率は約1/2.9となっている。つまり、第2RTモードはリプレイ確率が第1RTモードと同一となっている。但し、第1RTモードにおけるリプレイ確率が第2RTモードにおけるリプレイ確率と同一である構成に限定されることはなく、例えば第1RTモードと第2RTモードとでリプレイ確率が若干相違しているものの略同一である構成としてもよく、第2RTモードの方が第1RTモードよりもリプレイ確率が高い構成としてもよく、第1RTモードの方が第2RTモードよりもリプレイ確率が高い構成としてもよい。
なお、通常モード用抽選テーブル、第1RTモード用抽選テーブル及び第2RTモード用抽選テーブルは「設定1」〜「設定6」のそれぞれに1対1で対応させて設定されており、設定値が高いほどBB役の当選確率が高くなる構成となっているが、各抽選モードにおいて設定されているリプレイ確率はいずれの設定値であっても同一又は略同一となっている。また、いずれかのBB役に当選している状況であればBB役に重複して当選しないように、通常モード、第1RTモード及び第2RTモードのいずれであったとしても第1BB役及び第2BB役が抽選対象から除外される。また、主側ROM143には、通常モード用抽選テーブル、第1RTモード用抽選テーブル及び第2RTモード用抽選テーブル以外にも第1BB状態又は第2BB状態である場合に抽選処理(図14)にて参照されるBB用抽選テーブルが記憶されている。BB用抽選テーブルにおいては、抽選対象の役として、ベル役、スイカ役及び通常リプレイ役の3種類のみが設定されており、ベル役の当選確率は約1/2に設定され、スイカ役の当選確率は約1/4に設定され、通常リプレイ役の当選確率は約1/4に設定されている。これにより、BB状態においては単位ゲーム数あたりにおける遊技媒体の付与期待数が他の遊技状態よりも高くなる。
抽選処理(図14)の説明に戻り、抽選テーブルを選択した後(ステップS402)、インデックス値IVを「1」とし(ステップS403)、役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する(ステップS404)。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS401にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである「1」と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、インデックス値IVと対応する役の当否判定を行う(ステップS405)。役の当否判定では判定値DVが「65535」を超えたか否かを判定する。「65535」を超えた場合には、そのときのインデックス値IVと対応する当選役のデータを主側RAM144にセットするための当選データの取得処理を実行する(ステップS406)。当選データの取得処理では、参照対象となっている抽選テーブルにおいて今回のインデックス値IVに対して設定されている当選データの全てが主側RAM144にセットされる。当該当選データがセットされた状態は、その当選データがBB当選データ以外の当選データであれば当該当選データに対応した入賞成立の有無に関係なく今回のゲームの終了後に「0」クリアされ、BB当選データであれば入賞が成立した場合に「0」クリアされる。
判定値DVが「65535」を超えなかった場合には(ステップS405:NO)、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはインデックス値IVを1加算し(ステップS407)、インデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する(ステップS408)。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS404に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS404では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS405では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ステップS406の処理を実行した場合、又はステップS408にて否定判定をした場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。この場合には、リール停止制御用の停止情報を設定する停止情報第1設定処理を実行した後に(ステップS409)、ゲーム開始コマンドをサブ側MPU152への送信対象としてセットする(ステップS410)。ゲーム開始コマンドとは、新たなゲームが開始されたことをサブ側MPU152に認識させるためのコマンドであって、主側MPU142における今回の役の抽選処理の結果をサブ側MPU152に認識させるためのコマンドであり、タイマ割込み処理(図12)におけるコマンド出力処理(ステップS211)にてサブ側MPU152に送信される。
次に、通常処理(図13)のステップS307にて実行されるリール制御処理について、図21のフローチャートを参照しながら説明する。
リール制御処理では、まず各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う(ステップS501)。回転開始処理では、前回のゲームで役の抽選処理(図14)の結果に対応するリール32L,32M,32Rの回転が開始された時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回のゲームのためのウエイト時間を再設定するとともに、主側RAM144に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットする。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理(図12)におけるステップS206のステッピングモータ制御処理にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、主側MPU142は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると各ストップボタン42〜44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
その後、ストップボタン42〜44のいずれかが操作されたか否かを判定する(ステップS502)。いずれのストップボタン42〜44も操作されていない場合には、ストップボタン42〜44のいずれかが操作されるまでステップS502の処理を繰り返し実行する。ストップボタン42〜44のいずれかが操作されたと判定した場合には、回転中のリールと対応するストップボタンが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する(ステップS503)。停止指令が発生していない場合には、ステップS502に戻り、ストップボタン42〜44のいずれかが操作されるまでステップS502の処理を繰り返し実行する。停止指令が発生した場合には、停止指令コマンドをセットする(ステップS504)。停止指令コマンドとは、いずれのストップボタン42〜44が操作されて停止指令が発生したのかをサブ側MPU152に認識させるためのコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップS505〜ステップS511に示す停止制御処理を行う。
停止制御処理では、ストップボタン42〜44が操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する(ステップS505)。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。その後、主側RAM144に格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する(ステップS506)。
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップボタン42〜44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS506では、主側RAM144に格納されている停止情報に基づいてスベリ数として「0」〜「4」のいずれかの値を算出する。
その後、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する(ステップS507)。そして、今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し(ステップS508)、等しくなった場合にはリールの回転を停止させるリール停止処理を行う(ステップS509)。その後、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する(ステップS510)。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、停止情報第2設定処理を行い(ステップS511)、ステップS502に戻る。
ここで、停止情報とは、各リール32L,32M,32Rの停止態様を、役の抽選処理(図14)の結果に対応したものとするための情報であり、当該停止情報を利用することにより、各ストップボタン42〜44が停止操作された場合に基点位置に到達している到達図柄に対するスベリ数(具体的には「0」〜「4」)を算出することが可能となる。当該停止情報としては、各図柄とスベリ数との対応関係を示すスベリ数データが、各抽選結果及び各リール32L,32M,32Rの停止順序に対応させて主側ROM143に予め記憶されている。但し、これに限定されることはなく、各抽選結果及び各リール32L,32M,32Rの停止順序に対応するスベリ数データを、リール32L,32M,32Rの回転中などに導出する構成としてもよい。
上記停止情報を設定するための処理として、抽選処理(図14)のステップS409にて実行される停止情報第1設定処理と、リール制御処理(図21)のステップS511にて実行される停止情報第2設定処理とが存在している。停止情報第1設定処理では、役の抽選処理の結果に応じて停止情報を設定する。停止情報第2設定処理では、停止情報第1設定処理又は前回の停止情報第2設定処理にて主側RAM144に格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選データと、リール32L,32M,32Rの停止順序と、停止しているリール32L,32M,32Rの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。
ステップS510にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS512にて入賞判定処理を実行する。入賞判定処理では、各リール32L,32M,32RにおいてメインラインML上に停止している図柄の種類を把握する。そして、各リール32L,32M,32RにおいてメインラインML上に停止表示されている図柄の組合せが今回の役の抽選処理において当選となった役に対応する図柄の組合せである場合には当選役の入賞の成立として入賞対応処理を実行する。入賞対応処理では、その入賞が小役入賞であれば媒体付与処理において遊技媒体の付与を可能とするように払出対象となるメダルの数を主側RAM144にセットする。一方、その入賞がリプレイ入賞であれば、次回の開始待ち処理(ステップS302)にて自動投入処理が実行されるようにするためのフラグ設定処理を実行する。
入賞判定処理を実行した後は、入賞結果コマンドをサブ側MPU152への出力対象としてセットする(ステップS513)。入賞結果コマンドには、今回の入賞成立の有無を示すデータが含まれているとともに、入賞が成立している場合にはその入賞の種類を示すデータが含まれている。また、入賞結果コマンドには、今回のゲームが終了した場合における抽選モードが通常モード、第1RTモード及び第2RTモードのうちいずれであるのかを示すデータが含まれている。
次に、通常処理(図13)のステップS309にて実行される遊技終了時の対応処理について図22のフローチャートを参照しながら説明する。なお、遊技終了時の対応処理は、各ゲームにおいて全てのリール32L,32M,32Rの回転が停止された場合に実行される。
遊技終了時の対応処理では、第1BB役又は第2BB役に当選している状況においてその当選となっているBB役に対応する入賞が成立した場合(ステップS601:YES)、BB開始用処理を実行する(ステップS602)。BB開始用処理では、第1BB入賞が成立したのであれば主側RAM144に設けられた第1BBフラグに「1」をセットするとともに、主側RAM144に設けられた終了基準数カウンタに第1BB状態の終了基準数である「41」をセットする。一方、第2BB入賞が成立したのであれば主側RAM144に設けられた第2BBフラグに「1」をセットするとともに、主側RAM144の終了基準数カウンタに第2BB状態の終了基準数である「89」をセットする。
第1BBフラグは第1BB状態であることを主側MPU142にて特定するためのフラグであり、第2BBフラグは第2BB状態であることを主側MPU142にて特定するためのフラグである。第1BBフラグ又は第2BBフラグに「1」がセットされている場合、役の抽選処理(図14)ではBB用抽選テーブルが参照されることとなる。終了基準数カウンタはBB状態において付与された遊技媒体の合計数がBB状態の終了条件である終了基準数に達したか否かを主側MPU142にて特定するためのカウンタである。終了基準数カウンタにセットされた値は、BB状態において遊技媒体の付与対象の入賞が成立する度に、その入賞により付与された遊技媒体の数分減算される。そして、その減算後における終了基準数カウンタの値が「0」となった場合、主側MPU142は今回のBB状態における最終ゲームのリール32L,32M,32Rの回転が停止されたと判定する。なお、BB状態にて所定の数の遊技媒体を付与する入賞が成立した場合において、その所定の数における一部の数を終了基準カウンタから減算した段階で当該終了基準カウンタの値が「0」となった場合であっても、所定の数の遊技媒体が付与される。
第1BB状態及び第2BB状態のいずれかである場合(ステップS603:YES)、BB用処理を実行する(ステップS604)。BB用処理では詳細は後述するが、今回のゲームにおいて遊技媒体の付与が発生している場合にはそれに対応させて主側RAM144の終了基準数カウンタの値を減算し、減算後における終了基準数カウンタの値が「0」である場合にはBB状態を終了させる場合の処理を実行する。なお、BB状態が終了した場合、BB状態の開始前における抽選モードがいずれのモードであったとしても抽選モードは通常モードとなる。また、AT状態においてBB状態が開始された場合、BB状態の開始前における状態に関係なくBB状態の終了後には後述する準備状態となる。
遊技終了時の対応処理では、BB状態ではなくさらにBB入賞が成立していない場合(ステップS601及びステップS603:NO)、昇格条件が成立していることを条件として(ステップS605:YES)、昇格時における抽選テーブルの変更処理を実行する(ステップS606)。具体的には、今回のゲームにおいて第1RTリプレイ入賞が発生していることを特定した場合には役の抽選処理において使用対象となる抽選テーブルを第1RTモード用抽選テーブルに変更することで第1RTモードに移行させ、今回のゲームにおいて第2RTリプレイ入賞が発生していることを特定した場合には役の抽選処理において使用対象となる抽選テーブルを第2RTモード用抽選テーブルに変更することで第2RTモードに移行させる。
遊技終了時の対応処理では、BB状態ではなくさらにBB入賞が成立していない場合(ステップS601及びステップS603:NO)、転落条件が成立していることを条件として(ステップS607:YES)、転落時における抽選テーブルの変更処理を実行する(ステップS608)。具体的には、今回のゲームにおいて第2転落リプレイ入賞が発生していることを特定した場合には役の抽選処理において使用対象となる抽選テーブルを第1RTモード用抽選テーブルに変更することで第1RTモードに移行させ、今回のゲームにおいて第1転落リプレイ入賞が発生していることを特定した場合には役の抽選処理において使用対象となる抽選テーブルを通常モード用抽選テーブルに変更することで通常モードに移行させる。
遊技終了時の対応処理では、ステップS606の処理を実行した場合、ステップS607にて否定判定をした場合、又はステップS608の処理を実行した場合、非BB時の契機監視処理を実行する(ステップS609)。非BB時の契機監視処理では詳細は後述するが、遊技者の操作に基づき役の抽選処理が行われてリール32L,32M,32Rの回転が開始されること及び遊技者の操作に基づき役の抽選処理の結果に対応する態様でリール32L,32M,32Rの停止制御が行われることの少なくとも一方が阻止される待機状態を開始させるか否かの監視処理が実行されるとともに、当該待機状態を開始させるべき条件が成立した場合には待機状態を開始させるための処理が実行される。なお、本スロットマシン10では、待機状態においては1ゲームにおける全てのリール32L,32M,32Rの回転が停止された後に新たなゲームの開始が阻止される。
遊技終了時の対応処理では、ステップS604の処理を実行した場合、又はステップS609の処理を実行した場合、主側RAM144に設けられた待機発生フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS610)。待機発生フラグとは待機状態であるか否かを主側MPU142にて特定するためのフラグである。待機発生フラグに「1」がセットされている場合には(ステップS610:YES)、待機中処理を実行する(ステップS611)。待機中処理では詳細は後述するが、待機状態中における各種監視処理を実行する。
<遊技状態の移行の態様>
次に、遊技状態の移行態様について、図23の説明図を参照しながら説明する。
主側RAM144及びサブ側RAM154が初期化された場合には通常遊技状態ST1となる。また、BB状態ST2及びAT状態ST3ではない状況下で主側MPU142及びサブ側MPU152への動作電力の供給が停止されてその後にこれら主側MPU142及びサブ側MPU152への動作電力の供給が開始された場合にも通常遊技状態ST1となる。また、BB状態ST2(第1BB状態ST21又は第2BB状態ST22)が終了する場合においてAT状態ST3への移行条件が成立していない場合、及びBB状態ST2への移行とは異なる終了条件の成立によってAT状態ST3が終了する場合にも通常遊技状態ST1となる。
通常遊技状態ST1とは、BB状態ST2及びAT状態ST3のいずれでもない状態である。通常遊技状態ST1においては、通常モード、第1RTモード及び第2RTモードのいずれにも滞在し得る。
通常遊技状態ST1又はAT状態ST3において第1BB入賞又は第2BB入賞が成立することでBB状態ST2となる。この場合、第1BB入賞となった場合には第1BB状態ST21となり、第2BB入賞となった場合には第2BB状態ST22となる。既に説明したとおり第1BB状態ST21における終了基準数は「41」であり、第2BB状態ST22における終了基準数は「89」である。この場合に、BB状態ST2においては遊技媒体の付与に対応する役(以下、媒体付与役ともいう)としてベル役及びスイカ役のみが設定されているとともに、BB状態ST2においてこれらベル役又はスイカ役に当選した場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序及び停止操作タイミングに関係なくその当選した媒体付与役に対応した入賞が成立する。さらに、BB状態ST2においてはベル入賞が成立した場合及びスイカ入賞が成立した場合のいずれであっても遊技媒体の付与数は「8」となる。したがって、第1BB状態ST21では媒体付与役に当選するゲームが6回発生し、第2BB状態ST22では媒体付与役に当選するゲームが12回発生する。
通常遊技状態ST1からBB状態ST2となった場合、BB状態ST2が終了する場合に移行抽選L1が実行される。当該移行抽選L1では基本的に抽選用ユニット70を利用した物理抽選が実行されるが、当該物理抽選の実行が制限されている状況においてはサブ側MPU152によるプログラム及びデータを利用したソフト抽選が実行される。移行抽選L1において移行当選とならなかった場合には通常遊技状態ST1に復帰し、移行抽選L1において移行当選となった場合にはAT状態ST3に移行する。また、当該移行抽選L1が実行される場合には基本的に主側MPU142の制御に基づき上述した待機状態となる。これにより、リール32L,32M,32Rを利用した遊技が行われていない状況下において移行抽選L1が実行されることとなり、移行抽選L1の結果に遊技者を注目させることが可能となる。一方、AT状態ST3からBB状態ST2となった場合には移行抽選L1が実行されることなくAT状態ST3に移行する。また、通常遊技状態ST1において突発移行の条件が成立することによってもAT状態ST3に移行する。
AT状態ST3とは、第1RTモード又は第2RTモードである場合においてインデックス値IV=1〜3のいずれかに当選した場合にベル入賞の成立を可能とさせるリール32L,32M,32Rの停止順序の報知がリール32L,32M,32Rの回転が開始される前に開始される遊技状態である。この場合、ベル入賞の成立を可能とさせるリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されるのであれば、各ゲームにおいてベル入賞が成立する確率は約1/1.7となる。そして、ベル入賞が成立した場合には1ゲームを開始するために必要な遊技媒体の数である「3」よりも多い「9」の遊技媒体が付与される。一方、ベル入賞の成立を可能とさせるリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されないのであれば、各ゲームにおいてベル入賞が成立する確率は約1/5.1となる。そして、インデックス値IV=1〜3のいずれかに当選した場合においてベル入賞の成立に対応する停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されなかった場合には補填入賞が成立することで、「1」の遊技媒体が付与される。この遊技媒体の付与数は1ゲームを開始するために必要な遊技媒体の数よりも少ない。上記構成であることにより、AT状態ST3を有利な遊技状態とすることが可能となる。
また、AT状態ST3では、抽選モードを昇格させる役に当選した場合に第1RTリプレイ入賞及び第2RTリプレイ入賞のうちその当選役に対応する入賞の成立を可能とさせるリール32L,32M,32Rの停止順序の報知がリール32L,32M,32Rの回転が開始される前に開始され、抽選モードを転落させる役に当選した場合に第1転落リプレイ入賞及び第2転落リプレイ入賞のうちその当選役に対応する入賞の成立の回避を可能とさせるリール32L,32M,32Rの停止順序の報知がリール32L,32M,32Rの回転が開始される前に開始される遊技状態である。AT状態ST3においては、通常モード、第1RTモード及び第2RTモードのいずれにも滞在し得る。この場合、AT状態ST3において第1RTモード又は第2RTモードに滞在している状況がART状態である。ART状態においてはリプレイ入賞の成立確率が高くなるとともに、上記のとおり1ゲームにおける遊技媒体の付与期待数が増加する。よって、ART状態を有利な遊技状態とすることが可能となる。
AT状態ST3には、準備状態ST31とベース状態ST32と上乗せ状態ST33とが存在している。通常遊技状態ST1又はBB状態ST2からAT状態ST3への移行が発生した場合には最初に準備状態ST31となる。準備状態ST31において第1RTモードから第2RTモードへの移行が発生した場合にベース状態ST32となる。ベース状態ST32は継続可能ゲーム数が「0」となることで単位実行回が1回終了する遊技状態であり、単位実行回が1回終了した場合には上乗せ抽選L2、継続抽選L3及び特別抽選L4が実行され得る終了分岐状態となる。
上乗せ抽選L2は、直前の単位実行回におけるゲームの結果に応じて、実行される場合と実行されない場合とがある。具体的には、ベース状態ST32において上乗せ可能ゲーム数の設定条件が成立することで上乗せ可能ゲーム数が設定されることとなるが、ベース状態ST32の単位実行回が1回終了する場合における最終ゲームの全リール32L,32M,32Rの停止後において上乗せ可能ゲーム数が設定されている場合に上乗せ抽選L2が実行される。上乗せ抽選L2が実行されて上乗せ当選となった場合にはその上乗せ当選として選択された上乗せ可能ゲーム数がベース状態ST32の継続可能ゲーム数としてセットされる。この点、上乗せ抽選L2において上乗せ当選となった場合には直前のベース状態ST32の単位実行回が延長されたと見ることもできる。
継続抽選L3は、上乗せ抽選L2が実行されなかった場合又は上乗せ抽選L2において上乗せ当選とならなかった場合に実行される。継続抽選L3において継続当選となった場合にはベース状態ST32の新たな単位実行回が開始される。
特別抽選L4は、継続抽選L3において継続当選となった場合であってさらに特別実行当選となった場合に実行される。特別抽選L4では、継続可能ゲーム数の加算、AT状態ST3の残りの単位実行回の加算、及び継続抽選L3において継続当選となる確率の向上といった利益付与のいずれかが確実に選択される。
上乗せ抽選L2、継続抽選L3及び特別抽選L4では基本的に抽選用ユニット70を利用した物理抽選が実行されるが、当該物理抽選の実行が制限されている状況においてはサブ側MPU152によるプログラム及びデータを利用したソフト抽選が実行される。また、上乗せ抽選L2、継続抽選L3及び特別抽選L4のいずれかが実行される場合には主側MPU142の制御に基づき上述した待機状態となる。これにより、リール32L,32M,32Rを利用した遊技が行われていない状況下において各種抽選L2〜L4が実行されることとなり、各種抽選L2〜L4の結果に遊技者を注目させることが可能となる。
上乗せ状態ST33はベース状態ST32において上乗せ状態ST33への移行条件が成立することで移行する。上乗せ状態ST33は固定ゲーム数(具体的には30ゲーム)に亘って継続する遊技状態であり、上乗せ状態ST33の各ゲームでは上乗せ抽選L2において選択対象となる上乗せ可能ゲーム数の設定がベース状態ST32の場合よりも高い確率で発生する。
<サブ側MPU152により実行される処理>
次に、サブ側MPU152により実行される処理について説明する。図24は、サブ側MPU152において定期的(例えば2msec周期)に実行される周期処理を示すフローチャートである。
周期処理では、1個の回転中のリール32L,32M,32Rに対して停止指令が発生したことを示す停止指令コマンドを主側MPU142から受信した場合(ステップS701:YES)、停止順序の記憶処理を実行する(ステップS702)。これにより、AT状態ST3であるか否かに関係なく、各ゲームにおけるリール32L,32M,32Rの停止順序をサブ側MPU152にて把握することが可能となる。
周期処理では、主側MPU142から復電コマンドを受信している場合(ステップS703:YES)、各種クリア処理を実行する(ステップS704)。各種クリア処理では、主側MPU142において全部クリア処理(ステップS105)が実行されたことを示すデータが復電コマンドにセットされていない場合には、AT状態ST3であるか否かを示すデータが記憶されたエリア、AT状態ST3において滞在している状態を示すデータが記憶されたエリア、及びAT状態ST3の終了契機を特定するためのデータが記憶されたエリアを除くサブ側RAM154の各エリアを初期化する。一方、各種クリア処理では、主側MPU142において全部クリア処理(ステップS105)が実行されたことを示すデータが復電コマンドにセットされている場合には、AT状態ST3であるか否かを示すデータが記憶されたエリア、AT状態ST3において滞在している状態を示すデータが記憶されたエリア、及びAT状態ST3の終了契機を特定するためのデータが記憶されたエリアを含めてサブ側RAM154の全エリアを「0」クリアする。これにより、主側MPU142において全部クリア処理が実行された場合には電源遮断前の状態とは無関係に非AT状態となる。
その後、サブ側RAM154に設けられた動作チェックフラグに「1」をセットする(ステップS705)。動作チェックフラグとは、抽選用ユニット70が正常に動作するか否かを確認するための動作チェック用処理を実行すべき状況であることをサブ側MPU152にて特定するためのフラグである。主側MPU142から復電コマンドを受信した場合に動作チェックフラグに「1」がセットされるため、抽選用ユニット70が正常に動作するか否かの確認は主側MPU142への動作電力の供給が開始された場合に実行されることとなる。動作チェックフラグに「1」がセットされている場合には(ステップS706:YES)、動作チェック用処理を実行する(ステップS707)。動作チェック用処理の具体的な処理内容については後に説明する。
周期処理では、新たなゲームが開始されたことを示すゲーム開始コマンドを主側MPU142から受信した場合(ステップS708:YES)、開始時の監視処理を実行する(ステップS709)。開始時の監視処理では詳細は後述するが、投入装置71に抽選用球Bが存在しているか否かを監視する。
周期処理では、サブ側RAM154に設けられたAT状態カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS710)。AT状態カウンタは、AT状態ST3であるか否かをサブ側MPU152にて特定するためのカウンタであるとともに、AT状態ST3である場合において滞在している状態をサブ側MPU152にて特定するためのカウンタである。AT状態カウンタの値が「0」である場合にはAT状態ST3ではないことを意味するため(ステップS710:YES)、非AT状態における各種処理を実行するために非AT中処理を実行する(ステップS711)。一方、AT状態カウンタの値が1以上である場合にはAT状態ST3であることを意味するため(ステップS710:NO)、AT状態ST3における各種処理を実行するためのAT中処理を実行する(ステップS712)。ちなみに、AT状態カウンタの値が「1」である場合にはAT状態ST3において準備状態ST31であることを意味し、AT状態カウンタの値が「2」である場合にはAT状態ST3においてベース状態ST32であることを意味し、AT状態カウンタの値が「3」である場合には上乗せ状態ST33であることを意味し、AT状態カウンタの値が「4」である場合には終了分岐処理を実行すべき状態(すなわち終了分岐状態)であることを意味する。
周期処理では、サブ側RAM154に設けられた抽選実行フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS713)。抽選実行フラグは、抽選用ユニット70を利用した抽選動作を実行すべき状況であることをサブ側MPU152にて特定するためのフラグであり、抽選用ユニット70を利用した抽選動作を実行することが可能な状況において移行抽選L1、上乗せ抽選L2、継続抽選L3及び特別抽選L4といった各種抽選を実行すべき状況となった場合に「1」がセットされる。抽選実行フラグに「1」がセットされている場合には(ステップS713:YES)、抽選用ユニット70を利用した抽選動作を進行させるための抽選制御処理を実行する(ステップS714)。また、ステップS713にて否定判定をした場合、又はステップS714の処理を実行した場合には、抽選用ユニット70に設けられた案内用駆動部92及び振分用駆動部111の駆動制御を行うための抽選動作の制御処理を実行する(ステップS715)。
周期処理では、演出用データの設定処理を実行する(ステップS716)。当該演出用データの設定処理では、上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66において各種演出を実行するためのデータ設定を行う。
図25は、周期処理(図24)のステップS711にて実行される非AT中処理を示すフローチャートである。
非AT中処理では、BB状態ではなくさらにBB入賞の成立時でもない場合(ステップS801及びステップS802:NO)、モード管理処理を実行する(ステップS803)。既に説明したとおり通常遊技状態ST1から移行したBB状態ST2における移行抽選L1にて移行当選となった場合にBB状態ST2の終了後にAT状態ST3に移行することとなるが、この移行抽選L1における移行当選確率が相対的に高い確率に設定される期待度が相違するように複数種類の移行抽選モードが存在している。これら複数種類の移行抽選モードのうち移行当選確率が高い確率に設定される期待度が低い側の移行抽選モードである状況でBB状態ST2への移行が発生した場合よりも、移行当選確率が高い確率に設定される期待度が高い側の移行抽選モードである状況でBB状態ST2への移行が発生した場合の方が、移行抽選L1における移行当選確率が高くなり易い。この場合に、モード管理処理では、役の抽選処理にてIV=4又は5で当選となった場合にモード昇格抽選処理を実行し、モード昇格当選となった場合には移行当選確率が高い確率に設定される期待度が高い側の移行抽選モードに変更する。一方、モード管理処理では、役の抽選処理にてIV=4及び5以外で当選となった場合にモード降格抽選処理を実行し、モード降格当選となった場合には移行当選確率が低い確率に設定され易い側の移行抽選モードに変更する。
非AT中処理では、突発条件が成立した場合(ステップS804:YES)、突発用処理を実行する(ステップS805)。これら突発条件及び突発用処理の内容については後に説明するが、突発用処理が実行された場合には通常遊技状態ST1からAT状態ST3への移行が発生する。
非AT中処理では、BB入賞の成立時であれば(ステップS802:YES)、サブ側のBB開始用処理を実行し(ステップS806)、BB状態ST2であれば(ステップS801:YES)、サブ側のBB用処理を実行する(ステップS807)。これらサブ側のBB開始用処理及びサブ側のBB用処理については後に説明する。
図26は、周期処理(図24)のステップS712にて実行されるAT中処理を示すフローチャートである。
AT中処理では、新たなゲームが開始されたことを示すゲーム開始コマンドを主側MPU142から受信した場合(ステップS901:YES)、停止順報知制御処理を実行する(ステップS902)。停止順報知制御処理では詳細は後述するが、役の抽選処理の結果及び遊技状態に応じて、リール32L,32M,32Rの停止順序が画像表示装置66にて報知されるようにするための処理を実行する。
AT中処理では、サブ側RAM154のAT状態カウンタの値に対応する処理にジャンプするための処理を実行する(ステップS903)。そして、AT状態カウンタの値が「1」であれば準備状態ST31の進行を制御するための準備状態処理を実行し(ステップS904)、AT状態カウンタの値が「2」であればベース状態ST32の進行を制御するためのベース状態処理を実行し(ステップS905)、AT状態カウンタの値が「3」であれば上乗せ状態ST33の進行を制御するための上乗せ状態処理を実行し(ステップS906)、AT状態カウンタの値が「4」であれば上乗せ抽選L2、継続抽選L3及び特別抽選L4の実行を制御するための終了分岐処理を実行する(ステップS907)。
AT中処理では、今回のゲームにおいてBB入賞が成立したことを示す入賞結果コマンドを主側MPU142から受信した場合(ステップS908:YES)、まずサブ側RAM154に設けられたAT中フラグに「1」をセットする(ステップS909)。AT中フラグは、AT状態ST3においてBB状態ST2への移行が発生したことをサブ側MPU152にて特定するためのフラグである。その後、AT状態ST3の別保存処理を実行する(ステップS910)。当該別保存処理では、BB状態ST2へ移行する直前のAT状態ST3の状況に対応する情報をサブ側RAM154に別保存する。BB状態ST2が終了してAT状態ST3に復帰した場合にそのサブ側RAM154に別保存された情報を参照することで、BB状態ST2へ移行する直前のAT状態ST3の状況への復帰が行われる。その後、サブ側RAM154のAT状態カウンタの値を「0」クリアした後に(ステップS911)、サブ側のBB開始用処理を実行する(ステップS912)。当該サブ側のBB開始用処理は、非AT中処理(図25)におけるステップS806においても実行される。
<BB状態ST2について>
次に、BB状態ST2について説明する。まず図27のタイムチャートを参照しながら、通常遊技状態ST1から移行した第1BB状態ST21が進行していく様子を説明する。図27(a)は1ゲームの実行期間を示し、図27(b)は第1BB状態ST21の実行期間を示し、図27(c)は抽選用ユニット70の振分用回転体103において外れ対象となっている案内口113a〜113fを当選対象に書き換える条件の成立タイミングを示し、図27(d)は当選対象の案内口113a〜113fの個数が変化していく様子を示し、図27(e)は抽選用ユニット70を利用した移行抽選L1の実行期間を示し、図27(f)はAT状態ST3における準備状態ST31の実行期間を示す。
t1のタイミングで図27(b)に示すように第1BB状態ST21が開始される。第1BB状態ST21が開始されたタイミングで、抽選用ユニット70の振分用回転体103において当選対象となる案内口113a〜113fの種類を抽選により決定される。この抽選は、直前の通常遊技状態ST1において滞在していた移行抽選モードの種類に応じた態様で実行されるため、直前の通常遊技状態ST1において滞在していた移行抽選モードの種類が、移行当選確率が高い確率に設定される期待度が高い側の種類であるほど、当選対象となる案内口113a〜113fの種類は多くなる。図27の場合においては図27(d)に示すように6個の案内口113a〜113fのうち1個の案内口が当選対象として選択される。
その後、第1BB状態ST21である状況におけるt2のタイミング、t3のタイミング、t4のタイミング、t6のタイミング、t7のタイミング、t9のタイミング及びt10のタイミングのそれぞれにおいてゲームが開始される。この場合、t4のタイミングで開始されたゲーム及びt7のタイミングで開始されたゲームのそれぞれにおいて、当選対象への書き換え条件が成立することにより、図27(c)に示すようにこれらゲームが終了するタイミングであるt5のタイミング及びt8のタイミングのそれぞれにおいて外れ対象となっている1個の案内口113a〜113fが当選対象に書き換えられる。これにより、当選対象となる案内口113a〜113fの数は合計で3個となる。
t10のタイミングにおいて開始されたゲームは第1BB状態ST21における最終ゲームとなる。当該ゲームにおける全リール32L,32M,32Rの回転が終了したタイミングであるt11のタイミングで、図27(e)に示すように移行抽選L1が開始される。この場合、基本的には新たなゲームの開始が待機された状態となる。また、6個の案内口113a〜113fのうちの当選対象の数は3個であるため、基本的には移行当選となる確率は1/2となる。そして、抽選用ユニット70を利用して移行抽選L1が行われた場合には当選対象となっている3個の案内口113a〜113fのいずれかに抽選用球Bが入球することで移行当選となる。
t12のタイミングで図27(e)に示すように移行抽選L1が終了することで、図27(a)に示すように第1BB状態ST21の最終ゲームが終了するとともに図27(b)に示すように第1BB状態ST21が終了する。そして、移行抽選L1において移行当選となっていることにより、t12のタイミングで図27(f)に示すようにAT状態ST3の準備状態ST31が開始される。また、t13のタイミングで図27(a)に示すように、準備状態ST31において新たなゲームが開始される。
上記のとおり通常遊技状態ST1から第1BB状態ST21への移行が発生した場合、当該第1BB状態ST21の開始時に当選対象となる案内口113a〜113fの種類が抽選により決定されるとともに、第1BB状態ST21におけるゲームの結果に応じて当選対象となる案内口113a〜113fの数が増加し得る。そして、第1BB状態ST21が終了する場合に移行抽選L1が実行される。この移行抽選L1では当選対象となっている案内口113a〜113fの数が多くなっているほど移行当選となる確率は高くなる。移行抽選L1において移行当選となることで、第1BB状態ST21の終了後に通常遊技状態ST1に復帰するのではなくAT状態ST3が開始される。
次に、図28のタイムチャートを参照しながら、第1BB状態ST21において当選対象への書き換えが行われ得る案内口113a〜113fの種類が順次変更される様子について説明する。図28(a)は1ゲームの実行期間を示し、図28(b)はベル役及びスイカ役といった媒体付与役に当選したタイミングを示し、図28(c)は第1案内口113aについて当選対象への書き換えが行われ得る期間を示し、図28(d)は第2案内口113bについて当選対象への書き換えが行われ得る期間を示し、図28(e)は第3案内口113cについて当選対象への書き換えが行われ得る期間を示し、図28(f)は第4案内口113dについて当選対象への書き換えが行われ得る期間を示し、図28(g)は第5案内口113eについて当選対象への書き換えが行われ得る期間を示し、図28(h)は第6案内口113fについて当選対象への書き換えが行われ得る期間を示す。
t1のタイミングで図28(a)に示すように第1BB状態ST21における最初のゲームが開始される。この場合、図28(c)に示すように第1BB状態ST21が開始されたタイミングにおいては当選対象への書き換えが行われ得る対象は第1案内口113aとなっている。t1のタイミングでは図28(b)に示すように媒体付与役に当選することはなく通常リプレイ役に当選して通常リプレイ入賞が成立する。通常リプレイ役に当選したゲームにおいては外れ対象の案内口113a〜113fを当選対象に書き換える処理は実行されないとともに、当選対象への書き換えが行われ得る対象の案内口113a〜113fは変更されない。
その後、t2のタイミングで図28(a)に示すように第1BB状態ST21における2ゲーム目が開始される。当該ゲームでは図28(b)に示すように媒体付与役に当選し、その当選した媒体付与役に対応する入賞が成立する。媒体付与役に当選した場合、書き換えが行われ得る対象として設定されている案内口113a〜113fが外れ対象に設定されているのであれば当否抽選処理が実行され、当該当否抽選処理において当選結果となった場合には、当該案内口113a〜113fが外れ対象から当選対象に変更される。一方、書き換えが行われ得る対象として設定されている案内口113a〜113fが既に当選対象として設定されている場合には、追加の特典を付与するか否かの抽選処理が実行され、当該抽選処理において当選となった場合には当該案内口113a〜113fに対して当選対象の設定という特典とは別の特典が付与される。追加の特典として具体的には、第1BB状態ST21の終了後にAT状態ST3に移行した場合におけるベース状態ST32の継続可能ゲーム数を増加させることを可能とする上乗せ可能ゲーム数が設定される。移行抽選L1において追加の特典が設定された案内口113a〜113fが選択された場合、AT状態ST3への移行という特典だけではなく、当該案内口113a〜113fに設定されている上乗せ可能ゲーム数が実際の上乗せゲーム数として付与されるという特典も発生する。
媒体付与役に当選した場合、当選対象の書き換え又は追加の特典の付与が行われたか否かに関係なく、その媒体付与役に当選したゲームの終了時に、当選対象への書き換えが行われ得る対象となる案内口113a〜113fの種類が次の順番の種類の案内口113a〜113fに変更される。当該案内口113a〜113fの種類の変更は予め定められた順序で行われ、具体的には書き換えが行われ得る対象として第n案内口が設定されている場合には書き換えが行われ得る対象が第n+1案内口に変更される。t3のタイミングでは、図28(c)及び図28(d)に示すように、当選対象への書き換えが行われ得る対象が第1案内口113aから第2案内口113bに変更される。
その後、t4のタイミング、t6のタイミング、t8のタイミング、t9のタイミング、t11のタイミング、t13のタイミング及びt14のタイミングのそれぞれにおいて、第1BB状態ST21における1ゲームが開始される。この場合、t8のタイミング及びt13のタイミングのそれぞれで開始されたゲームにおいては通常リプレイ役に当選しているため、書き換えが行われ得る対象の案内口113a〜113fの種類は変更されない。一方、t4のタイミング、t6のタイミング、t9のタイミング及びt11のタイミングのそれぞれで開始されたゲームにおいては図28(b)に示すように媒体付与役に当選している。したがって、t5のタイミングで図28(d)及び図28(e)に示すように当選対象への書き換えが行われ得る対象が第2案内口113bから第3案内口113cに変更され、t7のタイミングで図28(e)及び図28(f)に示すように当選対象への書き換えが行われ得る対象が第3案内口113cから第4案内口113dに変更され、t10のタイミングで図28(f)及び図28(g)に示すように当選対象への書き換えが行われ得る対象が第4案内口113dから第5案内口113eに変更され、t12のタイミングで図28(g)及び図28(h)に示すように当選対象への書き換えが行われ得る対象が第5案内口113eから第6案内口113fに変更される。
t14のタイミングでは、当選対象への書き換えが行われ得る対象の案内口113a〜113fが最後の順番の第6案内口113fである状況において、媒体付与役に当選したゲームが開始される。この場合、当該ゲームにおいて全リール32L,32M,32Rの回転が停止したタイミングであるt15のタイミングで移行抽選L1が開始されることとなる。
第1BB状態ST21では媒体付与役に当選するゲームが6回発生する構成において、媒体付与役に当選する各ゲームにおいて6個の案内口113a〜113fのうち1個の案内口が当選対象への書き換えが行われ得る対象となり、全ての案内口113a〜113fが1回ずつ当選対象への書き換えが行われ得る対象となることで移行抽選L1が開始される。これにより、全ての案内口113a〜113fに対して当選対象となる機会が与えられる。また、当選対象となる機会が媒体付与役に当選するゲームとなる度に発生するため、第1BB状態ST21の各ゲームに対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
また、書き換えが行われ得る対象として既に当選対象となっている案内口113a〜113fが選択されている状況で媒体付与役に当選した場合には、上乗せ可能ゲーム数の付与という別の特典が付与され得る。これにより、第1BB状態ST21の各ゲームにおいて特典の設定対象となっている案内口113a〜113fが当選対象となることだけではなく、さらなる別の特典が付与されることを遊技者は期待することとなり、第1BB状態ST21の各ゲームに対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
なお、第2BB状態ST22においては当該第2BB状態ST22の開始時に全ての案内口113a〜113fが当選対象に設定される。したがって、第2BB状態ST22の各ゲームでは、対象となっている案内口113a〜113fが上乗せ可能ゲーム数の付与という別の特典の付与対象となる。また、第2BB状態ST22においては媒体付与役に当選するゲームが12回発生するため、各案内口113a〜113fはそれぞれ2回ずつ別の特典の付与対象となる。
以下、上記のようなBB状態ST2の進行を可能とする具体的な処理構成について説明する。図29はサブ側MPU152にて実行されるサブ側のBB開始用処理を示すフローチャートである。なお、サブ側のBB開始用処理は、非AT中処理(図25)におけるステップS806及びAT中処理(図26)におけるステップS912にて実行される。
まずサブ側RAM154のAT中フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、今回のBB入賞がAT状態ST3において発生したか否かを判定する(ステップS1001)。AT状態ST3ではなく通常遊技状態ST1において発生したBB入賞であれば(ステップS1001:NO)、主側MPU142から受信した入賞結果コマンドに第1BB入賞の成立を示すデータが設定されているか否かを判定する(ステップS1002)。
第1BB入賞の成立を示すデータが設定されている場合には(ステップS1002:YES)、当選対象の抽選処理を実行する(ステップS1003)。当該抽選処理では、直前の通常遊技状態ST1において設定されていた移行抽選モードの種類に対応する当選対象抽選テーブルをサブ側ROM153からサブ側RAM154に読み出す。そして、サブ側RAM154において定期的に更新される抽選用カウンタの現状の数値情報を読み出し、その数値情報を今回の参照対象となっている当選対象抽選テーブルに対して照合することで、当選対象の案内口113a〜113fの種類を特定する。当選対象抽選テーブルには抽選結果として、当選対象が第1案内口113aである抽選結果と、当選対象が第1案内口113a及び第2案内口113bである抽選結果と、当選対象が第1案内口113a、第2案内口113b及び第3案内口113cである抽選結果と、当選対象が第1案内口113a、第2案内口113b、第3案内口113c及び第4案内口113dである抽選結果と、当選対象が第1案内口113a、第2案内口113b、第3案内口113c、第4案内口113d及び第5案内口113eである抽選結果と、当選対象が全ての案内口113a〜113fである抽選結果と、が設定されており、各抽選結果に対して上記抽選用カウンタの取り得る値の数値範囲が対応させて設定されている。当選対象抽選テーブルは移行抽選モードの種類に1対1で対応させて設定されており、有利な移行抽選モードに対応する当選対象抽選テーブルほど当選対象として選択される案内口113a〜113fの数が多くなり易い。なお、上記構成に限定されることはなく、当選対象抽選テーブルには当選対象となる案内口113a〜113fの数は同一であるものの当選対象となる案内口113a〜113fの種類が相違する抽選結果も含まれている構成としてもよい。
当選対象の抽選処理を実行した後は、当該抽選処理において当選対象として選択された案内口113a〜113fの種類をサブ側MPU152において特定するための情報をサブ側RAM154に設定する(ステップS1004)。具体的には、図30の説明図に示すようにサブ側RAM154には当選対象特定エリア154aが設けられている。当選対象特定エリア154aは、案内口113a〜113fの種類に1対1で対応させて当選対象エリアが設定されているとともに、案内口113a〜113fの種類に1対1で対応させて上乗せゲーム数エリアが設定されている。当選対象エリアには対応する案内口113a〜113fが当選対象及び外れ対象のいずれであるかを示すデータが設定され、上乗せゲーム数エリアには対応する案内口113a〜113fに対して設定されている上乗せ可能ゲーム数が設定される。ステップS1004では、当選対象の抽選処理において当選対象として選択された案内口113a〜113fに対応する当選対象エリアに当選対象であることを示すデータを設定し、当選対象として選択されなかった案内口113a〜113fに対応する当選対象エリアに外れ対象であることを示すデータを設定する。
主側MPU142から受信した入賞結果コマンドに第1BB入賞の成立を示すデータが設定されていない場合には(ステップS1002:NO)、第2BB入賞が発生したことを意味する。この場合、全部当選用の設定処理を実行する(ステップS1005)。具体的には、当選対象特定エリア154aにおける全ての当選対象エリアに当選対象であることを示すデータを設定する。これにより、通常遊技状態ST1から第2BB状態ST22となった場合には全ての案内口113a〜113fが当選対象となり、第2BB状態ST22の終了後には確実にAT状態ST3に移行する。
一方、AT中フラグに「1」がセットされている場合には(ステップS1001:YES)、ステップS1002〜ステップS1005の処理を実行しない。AT状態ST3においてBB状態ST2への移行が発生した場合には当該BB状態ST2の終了に際して移行抽選L1が実行されないため、案内口113a〜113fに対して当選対象の設定を行う必要がない。
ステップS1001にて肯定判定をした場合、ステップS1004の処理を実行した場合、又はステップS1005の処理を実行した場合、抽選用ユニット70における振分用回転体103の開始時の調整処理を実行する(ステップS1006)。当該調整処理では、振分用回転体103が初期回転位置に配置されるように振分用駆動部111の駆動制御が実行されるようにする。振分用回転体103の初期回転位置とは、振分用駆動部111における出力軸の初期位置検出用の突起が初期位置検出センサ112により検出される位置である。この振分用回転体103の初期回転位置では第1案内口113aが最も下方の位置となる。換言すれば、初期回転位置では振分用回転体103の回転軸に対して鉛直下方の位置に第1案内口113aが存在することとなる。但し、ステップS1006の処理は、サブ側RAM154の動作チェックフラグに「1」がセットされている状況、すなわち抽選用ユニット70が正常に動作可能であるか否かがチェックされている状況では実行されない。
その後、BB状態ST2の開始に対応した演出を上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66において開始するためのデータ設定を行う(ステップS1007)。この場合、第1BB状態ST21が開始される場合には第1BB状態ST21に対応する演出が開始され、第2BB状態ST22が開始される場合には第2BB状態ST22に対応する演出が開始される。これにより、遊技者は第1BB状態ST21及び第2BB状態ST22のうちいずれが開始されるのかを明確に認識することが可能となる。その後、サブ側RAM154に設けられたBB状態フラグに「1」をセットする(ステップS1008)。BB状態フラグは、BB状態ST2であることをサブ側MPU152にて特定するためのフラグである。
ここで、BB状態ST2においては振分用回転体103の動きに同期した表示演出が画像表示装置66にて行われる。この動きに同期して実行される表示演出の内容について以下に説明する。図31(a)は振分装置101の正面図であり、図31(b)は画像表示装置66の正面図である。
既に説明したとおりBB状態ST2が開始される場合には振分用回転体103は初期回転位置に配置される。この初期回転位置では、図31(a)に示すように第1案内口113aが最も下方の位置に存在することとなる。振分用回転体103が初期回転位置に配置された場合、それに合わせて画像表示装置66では、図31(b)に示すように振分用回転体103及び区画壁部116を正面から見た状態に対応する抽選用ユニット画像G1の表示が開始される。抽選用ユニット画像G1は、振分用回転体103を正面から見た状態に対応する回転体画像G2と、当該回転体画像G2の周囲を囲むようにして表示され区画壁部116を正面から見た状態に対応する区画壁部画像G3と、を含んでいる。
なお、抽選用ユニット画像G1は抽選用ユニット70を実際に撮像している画像ではなく、スロットマシン10の設計段階において振分用回転体103を正面から見た状態に対応させて作成されたアニメーション画像である。但し、これに限定されることはなくスロットマシン10の設計段階において振分用回転体103を正面から見た状態で撮像した画像を抽選用ユニット画像G1として利用する構成としてもよく、スロットマシン10に撮像装置を設けるとともにその撮像装置にて正面から見た状態で振分用回転体103を撮像している画像を抽選用ユニット画像G1として利用する構成としてもよい。
回転体画像G2は、振分用回転体103の第1案内口113aに対応する第1案内画像G11と、振分用回転体103の第2案内口113bに対応する第2案内画像G12と、振分用回転体103の第3案内口113cに対応する第3案内画像G13と、振分用回転体103の第4案内口113dに対応する第4案内画像G14と、振分用回転体103の第5案内口113eに対応する第5案内画像G15と、振分用回転体103の第6案内口113fに対応する第6案内画像G16と、を含んでいる。これら第1〜第6案内画像G11〜G16は第1〜第6案内口113a〜113fの配列順序及び形成位置に対応させた位置に表示される。つまり、第1〜第6案内口113a〜113fが振分用回転体103の外周部において反時計周りの方向に第1案内口113a→第2案内口113b→第3案内口113c→第4案内口113d→第5案内口113e→第6案内口113f→第1案内口113a→・・・といった順序で配列されているのに対応させて、第1〜第6案内画像G11〜G16も回転体画像G2の外周部において反時計周りの方向に第1案内画像G11→第2案内画像G12→第3案内画像G13→第4案内画像G14→第5案内画像G15→第6案内画像G16→第1案内画像G11→・・・といった順序で配列されている。
回転体画像G2は、第1〜第6案内画像G11〜G16の他に、振分用回転体103における6個の当選対象発光部118に対応させて6個の発光部画像G17を含んでいる。これら6個の発光部画像G17は、当選対象発光部118が第1〜第6案内口113a〜113fのそれぞれに1対1で対応させて設けられていることに対応させて、第1〜第6案内画像G11〜G16のそれぞれに1対1で対応させて表示される。
BB状態ST2が開始される場合には既に説明したとおり、振分用回転体103が初期回転位置に配置される。振分用回転体103が初期回転位置に配置された状態においては、図31(a)に示すように第1案内口113aが他の案内口113b〜113fよりも下方の位置であって、振分用回転体103の回転軸に対して鉛直下方の位置となる。これに対応させて、画像表示装置66にて抽選用ユニット画像G1の表示が開始されたタイミングにおいては、図31(b)に示すように第1案内画像G11が他の案内画像G12〜G16よりも下方の位置であって、回転体画像G2の中心に対して鉛直下方の位置に表示される。これにより、BB状態ST2の開始時には振分用回転体103の回転位置に対応させた状態で、画像表示装置66において抽選用ユニット画像G1の表示が開始される。
BB状態ST2においては既に説明したとおり、媒体付与役に当選したゲームが発生する度に、当選対象への書き換え又は上乗せ可能ゲーム数の加算が行われ得る対象となる案内口113a〜113fの種類が、第1案内口113aをBB状態ST2の開始時の対象として第n案内口→第n+1案内口となるように順次変更される。かかる対象の順次変更に対応させて振分用回転体103の回転位置が変更されるとともに、当該回転位置の変更に同期するようにして回転体画像G2の回転位置も変更される。振分用回転体103の回転位置及び回転体画像G2の回転表示位置が順次変更される様子を、図32(a)〜図32(d)のタイムチャート及び図33(a)〜図33(d)の説明図を参照しながら説明する。図32(a)は1ゲームの実行期間を示し、図32(b)媒体付与役に当選したタイミングを示し、図32(c)は振分用回転体103の回転位置を示し、図32(d)は回転体画像G2の回転表示位置を示す。また、図33(a)及び図33(c)は振分装置101の正面図であり、図33(b)及び図33(d)は画像表示装置66の正面図である。
t1のタイミングで図32(a)に示すようにBB状態ST2における最初のゲームが開始される。この場合、振分用回転体103はBB状態ST2の開始時から初期回転位置に配置されているため、振分用回転体103の回転軸に対して鉛直下方の位置(以下、所定回転位置ともいう)には図32(c)に示すように第1案内口113aが存在している(図31(a)参照)。また、回転体画像G2においても振分用回転体103の回転位置に対応させて、回転体画像G2の中心に対して鉛直下方の位置(以下、所定画像位置ともいう)には図32(d)に示すように第1案内画像G11が存在している(図31(b)参照)。
t1のタイミングで開始されたゲームにおいては図32(b)に示すように媒体付与役に当選しないため、第1案内口113aに対する当選対象への書き換えを行うための処理及び上乗せ可能ゲーム数を設定するための処理は実行されない。また、当選対象への書き換え又は上乗せ可能ゲーム数の加算が行われ得る対象は第1案内口113aから変更されない。
その後、t2のタイミングで、図32(a)に示すようにゲームが新たに開始される。この場合、図32(b)に示すように媒体付与役に当選する。したがって、第1案内口113aが当選対象に設定されていないのであれば当選対象に書き換えるか否かを決定するための当否抽選処理が実行され、第1案内口113aが当選対象に設定されているのであれば上乗せ可能ゲーム数を設定するか否かを決定するための上乗せ抽選処理が実行される。そして、当該ゲームが終了するタイミングであるt3のタイミングからその後のt4のタイミングに亘って、図32(c)に示すように所定回転位置に第2案内口113bが配置されるように振分用回転体103が回転するとともに、図32(d)に示すように所定画像位置に第2案内画像G12が表示されるように回転体画像G2が回転表示される。この場合、振分用回転体103の回転が開始されるタイミングで回転体画像G2の回転表示が開始される。この回転表示の回転方向は振分用回転体103の回転方向と同一であり、回転表示の回転速度は振分用回転体103の回転速度に対応している。また、振分用回転体103の回転が終了するタイミングで回転体画像G2の回転表示が停止される。
その後、t5のタイミングで、図32(a)に示すようにゲームが新たに開始される。この場合、図32(b)に示すように媒体付与役に当選する。したがって、第2案内口113bが当選対象に設定されていないのであれば当選対象に書き換えるか否かを決定するための当否抽選処理が実行され、第2案内口113bが当選対象に設定されているのであれば上乗せ可能ゲーム数を設定するか否かを決定するための上乗せ抽選処理が実行される。そして、当該ゲームが終了するタイミングであるt6のタイミングからその後のt7のタイミングに亘って、図32(c)に示すように所定回転位置に第3案内口113cが配置されるように振分用回転体103が回転するとともに、図32(d)に示すように所定画像位置に第3案内画像G13が表示されるように回転体画像G2が回転表示される。この場合、振分用回転体103の回転に同期するようにして回転体画像G2の回転表示が行われることは、t3のタイミング〜t4のタイミングの場合と同様である。
ここで、t6のタイミングにおける振分用回転体103の状態及び回転体画像G2の表示状態の一例を図33(a)及び図33(b)を参照しながら説明する。t6のタイミングでは既に説明したとおり当選対象への書き換え又は上乗せ可能ゲーム数の設定が行われ得るようにする処理が第1〜第6案内口113a〜113fのうち第1案内口113a及び第2案内口113bに対して完了しているとともに、所定回転位置の配置対象が未だ第3案内口113cに変更されていない。したがって、図33(a)に示すように振分用回転体103の所定回転位置には第2案内口113bが配置されているとともに、図33(b)に示すように回転体画像G2の所定画像位置には第2案内画像G12が表示されている。
この場合に、図33(a)の状態では第1案内口113aは当選対象に設定されており、第2案内口113bは外れ対象に設定されている。したがって、振分用回転体103において第1案内口113aに対応する当選対象発光部118は当選対象であることに対応する赤色の点灯状態となり、第2案内口113に対応する当選対象発光部118は消灯状態となっている。なお、当選対象への書き換え又は上乗せ可能ゲーム数の設定を行われ得るようにする処理の実行対象となっていない第3〜第6案内口113c〜113fに対応する当選対象発光部118は消灯状態となっている。
振分用回転体103の状態に対応させて、図33(b)に示すように、回転体画像G2において第1案内画像G11に対応する発光部画像G17は当選対象であることに対応する赤色に表示され、第2案内画像G12に対応する発光部画像G17は白色に表示される。なお、第3〜第6案内画像G13〜G16に対応する発光部画像G17も白色に表示される。また、第1案内画像G11には当選対象であることを明示するために当選対象画像として「WIN」の文字画像が表示され、第2案内画像G12には外れ対象であることを明示するために外れ対象画像として「×」の記号画像が表示される。さらにまた、第1案内口113aはBB状態ST2の開始時において既に当選対象に設定されていたため、上乗せ可能ゲーム数の設定が行われ得るようにするための処理が実行され、30ゲームの上乗せ可能ゲーム数が設定されている。したがって、第1案内画像G11には当選対象画像に加えて、「+30」という上乗せ可能ゲーム数を明示するためのゲーム数明示画像が表示される。
上記のように回転体画像G2の発光部画像G17において振分用回転体103の当選対象発光部118に対応する画像表示が行われることで、回転体画像G2が振分用回転体103に対応していることを遊技者に認識させ易くことができる。また、回転体画像G2の各案内画像G11〜G16において当選対象画像又は外れ対象画像が表示されるとともに上乗せ可能ゲーム数が設定されている場合にはゲーム数明示画像が表示されることにより、案内口113a〜113fに対して設定されている特典に関する情報を遊技者に明確に報知することができる。
図32を利用した説明に戻り、図32(a)及び図32(b)に示すようにt11のタイミング及びt18のタイミングでは媒体付与役に当選しないゲームが開始される一方、t8のタイミング、t12のタイミング、t15のタイミング及びt19のタイミングでは媒体付与役に当選したゲームが開始される。したがって、当選対象への書き換え又は上乗せ可能ゲーム数の設定を行われ得るようにする処理が、t8のタイミングで開始されたゲームでは第3案内口113cに対して行われ、t12のタイミングで開始されたゲームでは第4案内口113dに対して行われ、t15のタイミングで開始されたゲームでは第5案内口113eに対して行われ、t19のタイミングで開始されたゲームでは第6案内口113fに対して行われる。また、t9のタイミングからt10のタイミングに亘って、図32(c)に示すように所定回転位置に第4案内口113dが配置されるように振分用回転体103が回転するとともに、図32(d)に示すように所定画像位置に第4案内画像G14が表示されるように回転体画像G2が回転表示される。また、t13のタイミングからt14のタイミングに亘って、図32(c)に示すように所定回転位置に第5案内口113eが配置されるように振分用回転体103が回転するとともに、図32(d)に示すように所定画像位置に第5案内画像G15が表示されるように回転体画像G2が回転表示される。また、t16のタイミングからt17のタイミングに亘って、図32(c)に示すように所定回転位置に第6案内口113fが配置されるように振分用回転体103が回転するとともに、図32(d)に示すように所定画像位置に第6案内画像G16が表示されるように回転体画像G2が回転表示される。
図33(c)及び図33(d)はt20のタイミングにおける振分用回転体103の状態及び回転体画像G2の表示状態の一例を説明するための説明図である。t20のタイミングでは当選対象への書き換え又は上乗せ可能ゲーム数の設定が第1〜第6案内口113a〜113fの全てに対して行われている。図33(c)の場合では第1案内口113a、第3案内口113c及び第4案内口113dが当選対象に設定され第2案内口113b、第5案内口113e及び第6案内口113fが外れ対象に設定されているため、第1案内口113a、第3案内口113c及び第4案内口113dに対応する当選対象発光部118は赤色の点灯状態となり、第2案内口113b、第5案内口113e及び第6案内口113fに対応する当選対象発光部118は消灯状態となっている。また、図33(d)に示すように、回転体画像G2において第1案内画像G11、第3案内画像G13及び第4案内画像G14に対応する発光部画像G17は赤色に表示され、第2案内画像G12、第5案内画像G15及び第6案内画像G16に対応する発光部画像G17は白色に表示される。また、第1案内画像G11、第3案内画像G13及び第4案内画像G14には当選対象画像が表示されるとともに、第2案内画像G12、第5案内画像G15及び第6案内画像G16には外れ対象画像が表示され、さらには第1案内画像G11にはゲーム数明示画像も表示されている。このように回転体画像G2が表示されることにより、振分用回転体103のいずれの案内口113a〜113fに抽選用球Bが入球すればどのような抽選結果となるのかを遊技者に明確に認識させることができる。
図32を利用した説明に戻り、BB状態ST2の最終ゲームにおいて全リール32L,32M,32Rの回転が停止したタイミングであるt20のタイミングからその後のt21のタイミングに亘って、図32(c)に示すように所定回転位置に第1案内口113aが配置されるように振分用回転体103が回転するとともに、図32(d)に示すように所定画像位置に第1案内画像G11が表示されるように回転体画像G2が回転表示される。これにより、振分用回転体103が初期回転位置に復帰するとともに、当該振分用回転体103の回転位置に対応する態様で回転体画像G2が表示された状態となる。
BB状態ST2の最終ゲームにおいて全リール32L,32M,32Rの回転が停止した後は、今回のBB状態ST2が通常遊技状態ST1から移行した場合であれば、基本的に抽選用ユニット70を利用した移行抽選L1が実行される。当該移行抽選L1においては振分用回転体103が時計回り方向に回転することとなるが、それに同期させて回転体画像G2の回転表示が行われる。移行抽選L1において振分用回転体103の回転位置及び回転体画像G2の回転表示位置が順次変更される様子を、図34(a)〜図34(d)のタイムチャートを参照しながら説明する。図34(a)は抽選用ユニット70を利用した抽選の実行期間を示し、図34(b)は抽選用球Bが振分用回転体103から排出されるタイミングを示し、図34(c)は振分用回転体103の回転位置を示し、図34(d)は回転体画像G2の回転表示位置を示す。なお、図34(a)〜図34(d)に示す内容は、上乗せ抽選L2、継続抽選L3及び特別抽選L4の場合も同様である。
t1のタイミングで図34(a)に示すように抽選用ユニット70を利用した抽選用の期間となる。このt1のタイミングで図34(c)に示すように振分用回転体103の回転が開始されるとともに、図34(d)に示すように回転体画像G2の回転表示が開始される。この回転表示の回転方向は振分用回転体103の回転方向と同一であり、回転表示の回転速度は振分用回転体103の回転速度に対応している。したがって、t2のタイミング及びt3のタイミングのそれぞれで図34(c)に示すように振分用回転体103が1周することとなるが、これらt2のタイミング及びt3のタイミングのそれぞれで図34(d)に示すように回転体画像G2も1周することとなる。
その後、t4のタイミングで図34(b)に示すように振分用回転体103から抽選用球Bが排出される。この排出タイミングにおいて図34(c)に示すように振分用回転体103の回転が停止されるとともに、それに同期させて図34(d)に示すように回転体画像G2の回転表示が停止される。そして、当該t4のタイミングで図34(a)に示すように抽選用ユニット70を利用した抽選の実行期間が終了することとなる。
上記構成であることにより、抽選用ユニット70を利用した抽選の実行期間であっても振分用回転体103の回転に同期させて回転体画像G2の回転表示が行われる。これにより、遊技者は画像表示装置66において表示されている回転体画像G2を目視することで、振分用回転体103の回転位置を把握することが可能となる。特に、画像表示装置66の方が振分用回転体103に比べて視認性が高いため、当該画像表示装置66において振分用回転体103の回転に同期させて回転体画像G2の回転表示が行われることにより、振分用回転体103の回転位置を把握し易くなる。
さらに画像表示装置66においては振分用回転体103の当選対象発光部118に対応する発光部画像G17だけではなく、第1〜第6案内画像G11〜G16のそれぞれにて当選対象画像及び外れ対象画像のいずれかが表示されるとともに上乗せ可能ゲーム数に対応するゲーム数明示画像が表示される。これにより、当選対象の案内口113a〜113f及び上乗せ可能ゲーム数が設定されている案内口113a〜113fがいずれの回転位置に存在しているのかを、画像表示装置66の回転体画像G2を確認することで容易に把握することが可能となる。
次に、図35のフローチャートを参照しながら、主側MPU142にて実行されるBB用処理を説明する。なお、BB用処理は遊技終了時の対応処理(図22)におけるステップS604にて実行される。
BB用処理では今回のゲームにおいて通常リプレイ入賞が発生している場合(ステップS1101:YES)、今回のゲームにおいて待機Aの停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されたか否かを判定する(ステップS1102)。待機Aの停止順序とは、例えば第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである停止順序である。待機Aの停止順序である場合には(ステップS1102:YES)、主側RAM144に設けられた待機判定フラグに「1」をセットする。待機Aの停止順序ではない場合には(ステップS1102:NO)、今回のゲームにおいて待機Bの停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されたか否かを判定する(ステップS1104)。待機Bの停止順序とは待機Aの停止順序とは異なる停止順序であり、例えば第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである停止順序である。待機Bの停止順序である場合には(ステップS1104:YES)、主側RAM144の待機判定フラグを「0」クリアする。
既に説明したとおり通常遊技状態ST1から移行したBB状態ST2においては当該BB状態ST2が終了する場合に基本的に抽選用ユニット70を利用した移行抽選L1が実行されることとなるが、当該移行抽選L1の実行制御はサブ側MPU152にて行われる。この場合、サブ側MPU152から主側MPU142へのコマンドなどといった情報の送信は行われないため、主側MPU142では移行抽選L1が終了したか否かを特定することができない。また、移行抽選L1が実行されている状況で主側MPU142の制御に基づき新たなゲームが開始されてしまうと、移行抽選L1の抽選結果の扱いが複雑なものとなってしまうとともに移行抽選L1に遊技者を注目させることができなくなってしまうおそれがあり好ましくない。そこで、通常遊技状態ST1から移行したBB状態ST2では移行抽選L1が実行される状況において新たなゲームの開始が待機されることが好ましい。その一方、AT状態ST3から移行したBB状態ST2においては移行抽選L1が実行されないため、この場合にまで移行抽選L1が実行される場合と同様に待機状態が設定されてしまうと、遊技の円滑な進行を阻害してしまうおそれがある。しかしながら、AT状態ST3の実行制御はサブ側MPU152にて行われるため、通常遊技状態ST1及びAT状態ST3のいずれからBB状態ST2に移行したのかを主側MPU142にて直接特定することはできない。
そこで、BB状態ST2において通常リプレイ役に当選した場合にサブ側MPU152にて今回のBB状態ST2が通常遊技状態ST1及びAT状態ST3のいずれから移行したものであるのかを特定する。そして、通常遊技状態ST1から移行したBB状態ST2であれば待機期間が相対的に長くなる(例えば最長で30sec)第1待機状態に設定するために待機Aの停止順序の報知を通常リプレイ役に当選したゲームにおいてリール32L,32M,32Rの停止操作が可能となるまでに開始する。一方、AT状態ST3から移行したBB状態ST2であれば待機期間が相対的に短くなる(例えば最短で5sec)第2待機状態に設定するために待機Bの停止順序の報知を通常リプレイ役に当選したゲームにおいてリール32L,32M,32Rの停止操作が可能となるまでに開始する。通常リプレイ役に当選したゲームにおいて待機Aの停止順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合には上記のとおり主側RAM144の待機判定フラグに「1」がセットされ、通常リプレイ役に当選したゲームにおいて待機Bの停止順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合には上記のとおり主側RAM144の待機判定フラグが「0」クリアされる。そして、BB状態ST2の最終ゲームにおいて全リール32L,32M,32Rが停止された場合に、待機判定フラグに「1」がセットされている場合には主側MPU142は第1待機状態に設定し、待機判定フラグに「1」がセットされていない場合には主側MPU142は第2待機状態に設定する。これにより、通常遊技状態ST1から移行したBB状態ST2においては移行抽選L1が実行されることに対応させて相対的に長い期間に亘って継続する待機状態に設定することができるとともに、AT状態ST3から移行したBB状態ST2においては移行抽選L1が実行されないことに対応させて相対的に短い期間に亘って継続する待機状態に設定することができる。
ちなみに、BB状態ST2が開始されたタイミングにおいては主側RAM144の待機判定フラグにセットされている値は「0」となっている。したがって、通常遊技状態ST1から移行したBB状態ST2であっても通常リプレイ役に当選するゲームが発生しなかった場合には、移行抽選L1が実行される場合であってもBB状態ST2が終了する場合に第2待機状態に設定されることとなる。
BB用処理(図35)の説明に戻り、ステップS1101にて否定判定をした場合、ステップS1103の処理を実行した場合、ステップS1104にて否定判定をした場合、又はステップS1105の処理を実行した場合、今回のゲームにおいて媒体付与役の入賞、具体的にはベル入賞又はスイカ入賞が発生したか否かを判定する(ステップS1106)。媒体付与役の入賞が発生している場合(ステップS1106:YES)、主側RAM144に設けられた残付与数カウンタの減算処理を実行する(ステップS1107)。当該減算処理では、残付与数カウンタの値から「8」を減算する。BB状態ST2が開始される場合、今回のBB状態ST2が第1BB状態ST21であれば残付与数カウンタに「41」がセットされ、今回のBB状態ST2が第2BB状態ST22であれば残付与数カウンタに「89」がセットされる。
減算処理後における残付与数カウンタの値が「0」である場合(ステップS1108:YES)、主側RAM144の待機判定フラグに「1」がセットされているのであれば(ステップS1109:YES)、主側RAM144に設けられた遊技待機カウンタに第1待機状態の前半の期間に相当する第1投入前期間(具体的には15sec)に対応する値をセットする(ステップS1110)。一方、主側RAM144の待機判定フラグに「1」がセットされていないのであれば(ステップS1109:NO)、主側RAM144の遊技待機カウンタに第2待機状態の期間に相当する第2投入前期間(具体的には5sec)に対応する値をセットする(ステップS1111)。遊技待機カウンタにセットされた値は、タイマ割込み処理(図12)が実行される度に1減算される。
ステップS1110又はステップS1111の処理が実行された場合、主側RAM144の待機発生フラグに「1」をセットする(ステップS1112)。待機発生フラグは、既に説明したとおり待機状態であるか否かを主側MPU142にて特定するためのフラグである。また、主側RAM144の第1BBフラグ及び第2BBフラグのうち「1」がセットされている側のフラグを「0」クリアする(ステップS1113)。その後、待機状態が開始されたことを示す待機開始コマンドをサブ側MPU152への送信対象としてセットする(ステップS1114)。サブ側MPU152は、詳細は後述するが、待機開始コマンドを受信した場合、移行抽選L1を実行すべき状況であれば移行抽選L1を開始させ、移行抽選L1を実行すべき状況ではない場合にはBB状態ST2が終了してAT状態ST3に移行することを示す演出を上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて実行させる。
次に、サブ側MPU152にて実行されるサブ側のBB用処理を、図36のフローチャートを参照しながら説明する。なお、サブ側のBB用処理は、非AT中処理(図25)におけるステップS807にて実行される。
主側MPU142からゲーム開始コマンドを受信している場合であって、そのゲーム開始コマンドに通常リプレイ役に当選したことを示すデータが設定されている場合(ステップS1201及びステップS1202:YES)、サブ側RAM154に設けられた抽選動作異常フラグ、動作チェックフラグ又はAT中フラグのいずれかに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1203)。動作チェックフラグは既に説明したとおり主側MPU142への動作電力の供給が開始された場合に抽選用ユニット70が正常に動作するか否かをチェックしている状況であることをサブ側MPU152にて特定するためのフラグである。AT中フラグは既に説明したとおりAT状態ST3においてBB状態ST2への移行が発生したことをサブ側MPU152にて特定するためのフラグである。抽選動作異常フラグは正常な抽選動作の実行が不可となる異常が抽選用ユニット70に発生していることをサブ側MPU152にて特定するためのフラグである。詳細は後述するがサブ側MPU152は所定の監視契機となった場合に抽選用ユニット70において正常な抽選動作の実行が可能か否かを特定するための監視処理を実行し、正常な抽選動作の実行が不可であると特定した場合に抽選動作異常フラグに「1」をセットする。
抽選動作異常フラグ及びAT中フラグの両方に「1」がセットされていない場合(ステップS1203:NO)、サブ側RAM154に設けられたサブ側の待機判定フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1204)。サブ側の待機判定フラグとは、通常遊技状態ST1から移行したBB状態ST2において、通常リプレイ役に当選するとともに待機Aの停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されたゲームが既に発生したか否かをサブ側MPU152にて特定するためのフラグである。サブ側の待機判定フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS1204:NO)、待機Aセット用の停止順設定処理を実行する(ステップS1205)。待機Aセット用の停止順設定処理では、待機Aの停止順序が報知されるように画像表示装置66の表示内容を設定する。これにより、今回のゲームにおいてリール32L,32M,32Rの停止操作が可能となるタイミングよりも前のタイミングで、画像表示装置66にて待機A用の停止順序の報知が開始される。
サブ側の待機判定フラグに「1」がセットされている場合(ステップS1204:YES)、継続用の停止順設定処理を実行する(ステップS1206)。継続用の停止順設定処理では、待機A用の停止順序及び待機B用の停止順序とは異なる停止順序、例えば第1停止が左リール32Lであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が中リール32Mであることを示す停止順序の報知が、リール32L,32M,32Rの停止操作が可能となるタイミングよりも前のタイミングで画像表示装置66にて開始されるようにするための表示内容の設定を行う。これにより、今回のゲームにおいて待機Aの停止順序及び待機Bの停止順序の両方が発生しないようにすることが可能となる。
一方、サブ側RAM154の抽選動作異常フラグ及びAT中フラグのいずれかに「1」がセットされている場合(ステップS1203:YES)、サブ側RAM154におけるサブ側の待機判定フラグに「1」がセットされているのであれば(ステップS1207:YES)、待機Bセット用の停止順設定処理を実行する(ステップS1208)。待機Bセット用の停止順設定処理では、待機Bの停止順序が報知されるように画像表示装置66の表示内容を設定する。これにより、今回のゲームにおいてリール32L,32M,32Rの停止操作が可能となるタイミングよりも前のタイミングで、画像表示装置66にて待機B用の停止順序の報知が開始される。サブ側の待機判定フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS1207:NO)、既に説明した継続用の停止順設定処理を実行する(ステップS1206)。これにより、今回のゲームにおいて待機Aの停止順序及び待機Bの停止順序の両方が発生しないようにすることが可能となる。
サブ側のBB用処理では、主側MPU142からゲーム開始コマンドを受信している場合であって、そのゲーム開始コマンドに媒体付与役に当選したことを示すデータが設定されている場合(ステップS1201及びステップS1209:YES)、サブ側RAM154のAT中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1210)。AT中フラグに「1」がセットされている場合、今回のBB状態ST2がAT状態ST3から移行したことを意味するため、ステップS1212〜ステップS1214の当否抽選用の処理を実行することなく、ステップS1215〜ステップS1218の上乗せ可能ゲーム数設定用の処理を実行する。
AT中フラグに「1」がセットされていない場合、今回のBB状態ST2が通常遊技状態ST1から移行したことを意味する。この場合、サブ側RAM154に設けられた設定対象カウンタの値及びサブ側RAM154の当選対象特定エリア154a(図30参照)を参照することで、現状の設定対象となっている案内口113a〜113fが当選対象となっているか否かを判定する(ステップS1211)。設定対象カウンタは、当選対象への書き換え及び上乗せ可能ゲーム数の設定といった特典の設定対象が第1〜第6案内口113a〜113fのうちいずれであるのかをサブ側MPU152にて特定するためのカウンタである。設定対象カウンタの値が「0」であれば上記設定対象が第1案内口113aとなり、設定対象カウンタの値が「1」であれば上記設定対象が第2案内口113bとなり、設定対象カウンタの値が「2」であれば上記設定対象が第3案内口113cとなり、設定対象カウンタの値が「3」であれば上記設定対象が第4案内口113dとなり、設定対象カウンタの値が「4」であれば上記設定対象が第5案内口113eとなり、設定対象カウンタの値が「5」であれば上記設定対象が第6案内口113fとなる。ステップS1211では、当選対象特定エリア154aにおける当選対象エリアのうち設定対象カウンタの値に対応するエリアを確認することで、現状の設定対象の案内口113a〜113fが当選対象となっているか否かを判定する。
現状の設定対象の案内口113a〜113fが当選対象ではない場合(ステップS1211:NO)、サブ側ROM153から当否決定用テーブルを読み出す(ステップS1212)。その後、当該当否決定用テーブルを利用して当否抽選処理を実行する(ステップS1213)。当否抽選処理では、サブ側RAM154において定期的に更新される抽選用カウンタの現状の数値情報を読み出し、その数値情報をステップS1212にて読み出した当否決定用テーブルに対して照合することで、現状の設定対象の案内口113a〜113fを当選対象に書き換えるか否かを判定する。当否決定用テーブルはベル入賞時のテーブルとスイカ入賞時のテーブルとが用意されており、ベル入賞時に参照される当否決定用テーブルの場合、当否抽選処理において書き換え当選となる確率は1/10であり、スイカ入賞時に参照される当否決定用テーブルの場合、当否抽選処理において書き換え当選となる確率は1/2である。これにより、ベル入賞が発生した場合よりもスイカ入賞が発生した場合の方が、当選対象への書き換えが発生する確率が高くなる。
当否抽選処理を実行した後は当否結果の設定処理を実行する(ステップS1214)。当否結果の設定処理では、当否抽選処理において当選対象への書き換えが選択された場合、当選対象特定エリア154aにおける当選対象エリアのうち設定対象カウンタの値に対応するエリアに、外れ対象であることを示すデータに代えて、当選対象であることを示すデータを設定する。当否抽選処理において当選対象への書き換えが選択されなかった場合、当選対象特定エリア154aにおける当選対象エリアのうち設定対象カウンタの値に対応するエリアの状態を、外れ対象であることを示すデータが設定された状態に維持する。
一方、サブ側RAM154のAT中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS1210:YES)、又は現状の設定対象の案内口113a〜113fが当選対象である場合(ステップS1211:YES)、サブ側ROM153から上乗せ決定用テーブルを読み出す(ステップS1215)。その後、当該上乗せ決定用テーブルを利用して上乗せ抽選処理を実行する(ステップS1216)。上乗せ抽選処理では、サブ側RAM154において定期的に更新される抽選用カウンタの現状の数値情報を読み出し、その数値情報をステップS1215にて読み出した上乗せ決定用テーブルに対して照合することで、現状の設定対象の案内口113a〜113fに上乗せ可能ゲーム数を加算するか否かを決定するとともに上乗せ可能ゲーム数を加算する場合にはその加算対象となる上乗せ可能ゲーム数を決定する。上乗せ決定用テーブルはベル入賞時のテーブルとスイカ入賞時のテーブルとが用意されている。ベル入賞時に参照される上乗せ決定用テーブルの場合、上乗せ無しとなる確率が4/5であり、10ゲームの上乗せ可能ゲーム数が選択される確率が1/10であり、30ゲームの上乗せ可能ゲーム数が選択される確率が1/10である。スイカ入賞時に参照される上乗せ決定用テーブルの場合、上乗せ無しとなる確率が1/5であり、10ゲームの上乗せ可能ゲーム数が選択される確率が1/5であり、20ゲームの上乗せ可能ゲーム数が選択される確率が1/5であり、30ゲームの上乗せ可能ゲーム数が選択される確率が1/5であり、50ゲームの上乗せ可能ゲーム数が選択される確率が1/5である。これにより、ベル入賞が発生した場合よりもスイカ入賞が発生した場合の方が、上乗せ可能ゲーム数の設定が発生する確率が高くなるとともに、設定される上乗せ可能ゲーム数が多くなり易くなる。
上乗せ抽選処理を実行した後は上乗せ抽選結果の設定処理を実行する(ステップS1217)。上乗せ抽選結果の設定処理では、上乗せ抽選処理において上乗せ可能ゲーム数の設定当選となった場合、当選対象特定エリア154aにおける上乗せゲーム数エリアのうち設定対象カウンタの値に対応するエリアに、上乗せ抽選処理において今回選択された上乗せ可能ゲーム数を加算する。上乗せ抽選処理において上乗せ可能ゲーム数の設定当選とならなかった場合、当選対象特定エリア154aにおける当選対象エリアのうち設定対象カウンタの値に対応するエリアの状態をそのまま維持する。
サブ側のBB用処理では、ゲーム開始コマンドを主側MPU142から受信していない場合(ステップS1201:NO)、ゲーム終了時の処理を実行する(ステップS1218)。図37はゲーム終了時の処理を示すフローチャートである。
主側MPU142から入賞結果コマンドを受信している場合であって、その入賞結果コマンドに通常リプレイ入賞が発生したことを示すデータが設定されている場合(ステップS1301及びステップS1302:YES)、今回のゲームにおける停止順序の記憶処理(ステップS702)の結果に基づき、リール32L,32M,32Rの停止順序が待機Aの停止順序であるか否かを判定する(ステップS1303)。待機Aの停止順序である場合(ステップS1303:YES)、サブ側RAM154に設けられたサブ側の待機判定フラグに「1」をセットする(ステップS1304)。待機Aの停止順序ではない場合(ステップS1303:NO)、今回のゲームにおける停止順序の記憶処理(ステップS702)の結果に基づき、リール32L,32M,32Rの停止順序が待機Bの停止順序であるか否かを判定する(ステップS1305)。待機Bの停止順序である場合(ステップS1305:YES)、サブ側の待機判定フラグを「0」クリアする。なお、BB状態ST2が開始された場合にはサブ側の待機判定フラグの値は「0」となる。
入賞結果コマンドを受信している場合であって(ステップS1301:YES)、通常リプレイ入賞が発生していない場合(ステップS1302:NO)、今回のゲームにおいてベル役又はスイカ役に当選し、さらにこれらベル役及びスイカ役は所謂取りこぼしが発生しないため、ベル入賞又はスイカ入賞が発生していることを意味する。この場合、まず表示更新処理を実行する(ステップS1307)。
表示更新処理では、画像表示装置66に表示されている回転体画像G2の案内画像G11〜G16のうち今回のゲームの設定対象となっている案内口113a〜113fに対応する案内画像に当選対象画像又は外れ対象画像を表示させる。具体的には、当選対象特定エリア154aにおける当選対象エリアにおいて今回のゲームの設定対象の案内口113a〜113fに対応するエリアに当選対象であることを示すデータが設定されている場合には設定対象の案内口113a〜113fに対応する案内画像G11〜G16に当選対象画像を表示させ、外れ対象であることを示すデータが設定されている場合には設定対象の案内口113a〜113fに対応する案内画像G11〜G16に外れ対象画像を表示させる。この場合、BB状態ST2の開始時に当選対象に設定された案内口113a〜113fであってもBB状態ST2のゲームにおいて設定対象となることで、対応する案内画像G11〜G16における当選対象画像の表示が開始される。但し、これに限定されることはなく、BB状態ST2の開始時に当選対象に設定された案内口113a〜113fについては対応する案内画像G11〜G16にける当選対象画像の表示がBB状態ST2の開始時に開始される構成としてもよい。
表示更新処理では、設定対象の案内口113a〜113fが当選対象である場合には当該案内口113a〜113fに対応する発光部画像G17において赤色を表示させる。また、設定対象の案内口113a〜113fが外れ対象である場合には当該案内口113a〜113fに対応する発光部画像G17において白色の表示が継続されるようにさせる。
表示更新処理では、上乗せ可能ゲーム数が設定されている案内口113a〜113fについては対応する案内画像G11〜G16に、その設定されている上乗せ可能ゲーム数に対応するゲーム数明示画像を表示させる。具体的には、当選対象特定エリア154aにおける上乗せゲーム数エリアにおいて今回のゲームの設定対象の案内口113a〜113fに対応するエリアに1ゲーム以上の上乗せ可能ゲーム数が設定されている場合には設定対象の案内口113a〜113fに対応する案内画像G11〜G16に、上乗せゲーム数エリアに設定されている上乗せ可能ゲーム数に対応するゲーム数明示画像を表示させる。
表示更新処理では、さらに所定回転位置に表示される案内画像G11〜G16の種類を次の順番の種類に変更させる方向に回転体画像G2の回転表示を開始させるための表示内容の設定を行う。これにより、時計周りの方向に回転するように回転体画像G2の回転表示が開始される。
その後、駆動制御処理を実行する(ステップS1308)。駆動制御処理では、所定回転位置に配置される案内口113a〜113fの種類を次の順番の種類に変更させる方向に振分用回転体103の回転を開始させるためのデータの設定を行う。これにより、時計周り方向に回転するように振分用回転体103の回転が開始される。但し、ステップS1308の処理は、サブ側RAM154の動作チェックフラグに「1」がセットされている状況、すなわち抽選用ユニット70が正常に動作可能であるか否かがチェックされている状況では実行されない。
その後、発光制御処理を実行する(ステップS1309)。発光制御処理では設定対象の案内口113a〜113fが当選対象である場合には当該案内口113a〜113fに対応する当選対象発光部118が赤色の点灯状態となるようにデータの設定を行う。また、設定対象の案内口113a〜113fが外れ対象である場合には当該案内口113a〜113fに対応する当選対象発光部118において消灯状態が継続されるようにさせる。
その後、設定対象の更新処理を実行する(ステップS1310)。当該更新処理では、サブ側RAM154の設定対象カウンタの値を1加算することで、設定対象の案内口113a〜113fを次の順番の種類に変更する。
ステップS1301にて否定判定をした場合、又はステップS1310の処理を実行した場合、主側MPU142から待機開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1311)。待機開始コマンドは既に説明したとおり主側MPU142において第1待機状態又は第2待機状態への設定が行われた場合に当該主側MPU142から送信されるコマンドである。
待機開始コマンドを受信した場合(ステップS1311:YES)、サブ側RAM154のAT中フラグに「1」がセットされているのであれば(ステップS1312:YES)、移行抽選L1を実行することなくAT状態ST3に復帰させるべく、サブ側RAM154のAT状態カウンタに「1」をセットする(ステップS1313)。これにより、次回のゲームからAT状態ST3の準備状態ST31が開始される。なお、ステップS1313の処理を実行した場合にAT中フラグといったBB状態ST2において利用した各種フラグを「0」クリアする。これにより、BB状態ST2が終了したものとサブ側MPU152にて扱われることとなる。
AT中フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS1312:NO)、サブ側RAM154の抽選動作異常フラグ又は動作チェックフラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1314)。抽選動作異常フラグ又は動作チェックフラグに「1」がセットされている場合には(ステップS1314:YES)、ステップS1319〜ステップS1321の処理を実行することとなるが、これらの処理内容については後に説明する。なお、ステップS1319〜ステップS1321の処理を実行した場合にはBB状態ST2において利用した各種フラグを「0」クリアする。
抽選動作異常フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS1314:NO)、サブ側RAM154に設けられた抽選実行フラグに「1」をセットする(ステップS1315)。抽選実行フラグは、抽選用ユニット70を利用した物理抽選を進行させるための処理を実行すべき状況であることをサブ側MPU152にて特定するためのフラグである。その後、サブ側RAM154に設けられた投入前カウンタに投入前期間をセットする(ステップS1316)。投入前期間とは、抽選用ユニット70において投入装置71からの抽選用球Bの強制的な投入タイミングとなるまでの期間であり、具体的には主側MPU142においてBB状態ST2が終了する場合に主側RAM144の遊技待機カウンタにセットされる第1投入前期間(具体的には15sec)よりも長い期間(具体的には15.5sec)となっている。投入前カウンタにセットされた値は周期処理(図24)が実行される度に1減算される。
その後、抽選開始演出用の設定処理を実行する(ステップS1317)。当該設定処理では、抽選用ユニット70を利用した移行抽選L1を開始することを示す演出が上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66において開始されるようにする。その後、補助抽選用数値の取得処理を実行する(ステップS1318)。補助抽選用数値の取得処理では、サブ側RAM154において定期的に更新される抽選用カウンタの現状の数値情報を読み出し、当該数値情報をサブ側RAM154に補助抽選用数値情報として別保存する。補助抽選用数値情報は抽選用ユニット70を利用した移行抽選L1が開始された場合において、その後に何らかの原因によって抽選用ユニット70において異常が発生したことを原因としてサブ側MPU152の内部的な抽選処理により移行抽選L1を行う場合に利用される。補助抽選用数値を利用した内部的な抽選処理については後に説明する。なお、ステップS1318の処理を実行した場合にはBB状態ST2において利用した各種フラグを「0」クリアする。
主側MPU142にて実行される待機中処理を、図38のフローチャートを参照しながら説明する。なお、待機中処理は、遊技終了時の対応処理(図22)におけるステップS611にて実行される。
待機中処理では、主側RAM144の待機判定フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1401)。待機判定フラグは、BB状態ST2における通常リプレイ役に当選したいずれかのゲームにおいて待機Aの停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されるとともに、その後の通常リプレイ役に当選したゲームにおいて待機Bの停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されなかった場合に「1」がセットされた状態となっている。待機判定フラグに「1」がセットされている場合には既に説明したとおり主側MPU142にて第1待機状態に設定され、待機判定フラグに「1」がセットされていない場合には既に説明したとおり主側MPU142にて第2待機状態に設定される。
待機判定フラグに「1」がセットされており第1待機状態に設定されている場合には(ステップS1401:YES)、主側RAM144に設けられた投入後フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1402)。既に説明したとおり抽選用ユニット70を利用した各種抽選の実行制御はサブ側MPU152にて実行されるが、抽選用ユニット70における投入装置71から抽選用球Bを投入させるべく遊技者により操作される投入操作レバー131が操作されたか否かの監視処理は主側MPU142にて実行される。投入後フラグは、第1待機状態において第1投入前期間が経過する前に投入操作レバー131が操作された後であること、又は第1待機状態において投入操作レバー131が操作されることなく第1投入前期間が経過した後であることを主側MPU142にて特定するためのフラグである。
投入後フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS1402:NO)、主側RAM144の遊技待機カウンタの値が「0」となっているか否かを判定することで、第1投入前期間が経過したか否かを判定する(ステップS1403)。遊技待機カウンタの値が「0」となっていない場合(ステップS1403:NO)、投入操作検出センサ131aから受信している信号に基づいて投入操作レバー131が操作されたか否かを判定する(ステップS1404)。遊技待機カウンタの値が「0」となっている場合(ステップS1403:YES)、又は遊技待機カウンタの値が「0」となっていない場合であって投入操作レバー131が操作されている場合(ステップS1404:YES)、主側RAM144の投入後フラグに「1」をセットする(ステップS1405)。また、主側RAM144の遊技待機カウンタに投入操作後期間(具体的には15sec)に対応する値をセットする(ステップS1406)。遊技待機カウンタにセットされた値はタイマ割込み処理(図12)が実行される度に1減算される。その後、投入装置71から抽選用球Bを投入すべきことを指示する投入コマンドをサブ側MPU152への送信対象としてセットする(ステップS1407)。サブ側MPU152は投入コマンドを受信することで投入装置71から抽選用球Bを投入するための処理を実行する。
待機判定フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS1401:NO)又は投入後フラグに「1」がセットされている場合(ステップS1402:YES)、主側RAM144の遊技待機カウンタの値が「0」となっているか否かを判定する(ステップS1408)。遊技待機カウンタの値が「0」となっている場合(ステップS1408:YES)、今回の待機状態の終了タイミングとなったことを意味するため、各種フラグのクリア処理を実行する(ステップS1409)。当該クリア処理において、主側RAM144の待機発生フラグを「0」クリアすることで、遊技終了時の対応処理(図22)におけるステップS610にて否定判定をする。これにより、待機状態が解除される。また、主側RAM144の待機判定フラグ及び投入後フラグなどを「0」クリアする。
主側MPU142において待機状態の設定、延長及び解除が行われる様子を、図39のタイムチャートを参照しながら説明する。図39(a)は投入操作レバー131の操作タイミングを示し、図39(b)は投入装置71から抽選用球Bが投入される前の期間を示し、図39(c)は投入装置71から抽選用球Bが投入された後の期間を示す。
まず主側MPU142において第1待機状態に設定されるとともに第1投入前期間が経過する前に投入操作レバー131が操作されない場合について説明する。この場合、t1のタイミングで図39(b)に示すように第1待機状態に設定され第1投入前期間(具体的には15sec)の計測が開始される。その後、図39(a)に示すように投入操作レバー131が操作されることなく、t2のタイミングで図39(b)に示すように第1投入前期間が経過する。当該t2のタイミングで、投入装置71から抽選用球Bを投入する契機が発生するとともに、図39(c)に示すように投入後期間(具体的には15sec)の計測が開始される。これにより、主側MPU142において新たなゲームの開始を強制的に待機する期間が延長されることとなる。
その後、t3のタイミングで図39(c)に示すように投入後期間が経過する。投入後期間は、抽選用ユニット70における物理抽選が正常に行われる状況において、投入コマンドが送信されてから、当該抽選用球Bが振分用回転体103から排出されて排出球検出センサ115にて検出されたとサブ側MPU152にて特定されるまでに要する最長期間以上の期間として設定されている。したがって、主側MPU142において新たなゲームの開始が待機されている状況において抽選用ユニット70を利用した物理抽選を終了させることが可能となる。よって、物理抽選の結果を反映した状態で新たなゲームを開始させることができるため物理抽選の結果を反映させるための処理構成を簡素化させることができるとともに、物理抽選に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
次に主側MPU142において第1待機状態に設定されるとともに第1投入前期間が経過する前に投入操作レバー131が操作される場合について説明する。この場合、t4のタイミングで図39(b)に示すように第1待機状態に設定され第1投入前期間(具体的には15sec)の計測が開始される。その後、第1投入前期間が経過するタイミングよりも前のタイミングであるt5のタイミングで、図39(a)に示すように投入操作レバー131が操作される。これにより、当該t5のタイミングで、投入装置71から抽選用球Bを投入する契機が発生する。また、当該t5のタイミングで図39(c)に示すように投入後期間(具体的には15sec)の計測が開始される。これにより、主側MPU142において新たなゲームの開始を強制的に待機する期間が延長されることとなる。その後、t6のタイミングで図39(c)に示すように投入後期間が経過する。
上記のとおり主側MPU142において第1待機状態に設定される場合、最初に第1投入前期間が設定され、その後に第1投入前期間が経過すること又は投入操作レバー131が操作されることにより投入後期間が設定される。これにより、第1待機状態の設定時から第1投入前期間と投入後期間との合計分の期間が設定される構成に比べて、投入操作レバー131が操作された場合に第1待機状態が継続する期間を極力短くすることが可能となる。よって、新たなゲームの開始が強制的に待機される期間が必要以上に長くなってしまうことが防止され、遊技の進行を円滑なものとすることが可能となる。
次に主側MPU142において第2待機状態に設定される場合について説明する。この場合、t7のタイミングで図39(b)に示すように第2待機状態に設定され第2投入前期間(具体的には5sec)の計測が開始される。その後、第2投入前期間が経過するタイミングよりも前のタイミングであるt8のタイミングで、図39(a)に示すように投入操作レバー131が操作される。しかしながら、今回は第2待機状態に設定されているため、投入操作レバー131が操作されたとしても主側MPU142からサブ側MPU152に投入コマンドが送信されることはなく第2投入前期間の計測が継続される。その後、t9のタイミングで図39(b)に示すように第2投入前期間が経過することで第2待機状態が終了し、新たなゲームの開始が可能となる。
上記のとおり主側MPU142において第2待機状態に設定される場合、投入操作レバー131が操作されたとしても投入コマンドが送信されることはない。BB状態ST2において画像表示装置66にて報知される停止順序に反することなく遊技者がリール32L,32M,32Rの停止操作を行っているのであれば、第2待機状態はAT状態ST3から移行したBB状態ST2といったように抽選用ユニット70を利用した物理抽選を行う必要がない状況において設定される。この場合に、第2待機状態では投入操作レバー131が操作されたとしても投入コマンドが送信されないようにすることにより、抽選用ユニット70を利用した物理抽選を行う必要がない状況において投入コマンドが送信されてしまわないようにすることが可能となる。
その一方、BB状態ST2において画像表示装置66にて報知される停止順序に反して遊技者がリール32L,32M,32Rの停止操作を行った場合、抽選用ユニット70を利用した物理抽選を行う必要がある状況であるにも関わらず第2待機状態に設定されてしまうおそれがある。これに対して、サブ側MPU152は物理抽選を行う必要がある状況では既に説明したとおり投入前期間の計測を独自に行い、後述するように、投入前期間が経過した場合には主側MPU142から投入コマンドを受信していなかったとしても投入装置71からの抽選用球Bの投入を開始する。これにより、物理抽選を行う必要がある状況において第2待機状態に設定されてしまったとしても当該物理抽選を行うことが可能となる。
次に、抽選用ユニット70における物理抽選の実行を制御するためのサブ側MPU152の処理内容について説明する。まず図40を参照しながら抽選用ユニット70における物理抽選を開始する状況となった場合に画像表示装置66にて表示される画像の内容について説明する。
図40に示すように、画像表示装置66には抽選用ユニット画像G1が表示される。抽選用ユニット画像G1の回転体画像G2における各案内画像G11〜G16には対応する案内口113a〜113fに設定されている特典の内容を示す文字画像又は記号画像が表示されているとともに、特典が設定されている案内口113a〜113fに対応する発光部画像G17が赤色に表示されている。図40はBB状態ST2が終了する場合に移行抽選L1が実行される状況を示しており、第1案内画像G11、第3案内画像G13及び第4案内画像G14に当選対象であることを示す「WIN」の文字画像が表示されているのに対して、第2案内画像G12、第5案内画像G15及び第6案内画像G16には外れ対象であることを示す「×」の記号画像が表示されている。また、第1案内口113aに上乗せ可能ゲーム数として30ゲームが設定されていることに対応させて、第1案内画像G11には「+30」というゲーム数明示画像が表示されている。
画像表示装置66には抽選用ユニット画像G1とは別に、当該抽選用ユニット画像G1と重ならないようにして、「右のレバーを引け!」といった投入操作レバー131の操作を促す画像である操作報知画像G21と、投入操作レバー131に対応する形状を表示する操作対象画像G22と、抽選用球Bの強制的な投入開始タイミングとなるまでの残りの期間を示す操作可能期間画像G23と、が表示される。遊技者は、操作報知画像G21及び操作対象画像G22を確認することにより投入操作レバー131を操作すべきことを容易に把握することが可能となるとともに、操作可能期間画像G23を確認することで投入操作レバー131の操作に基づく抽選用球Bの投入が可能となる残りの期間を容易に把握することが可能となる。
なお、操作報知画像G21、操作対象画像G22及び操作可能期間画像G23が、抽選用ユニット画像G1にの少なくとも一部に対して前方から重なるようにして表示される構成としてもよく、抽選用ユニット画像G1の色の度合いを暗くした状態で、操作報知画像G21、操作対象画像G22及び操作可能期間画像G23が抽選用ユニット画像G1の少なくとも一部に対して前方から重なるようにして表示される構成としてもよい。この場合、操作報知画像G21、操作対象画像G22及び操作可能期間画像G23を目立たせることが可能となる。
画像表示装置66には上記各種画像G1,G21〜G23とは別に、これら各種画像G1,G21〜G23と重ならないようにして、物理抽選が終了するまでは新たなゲームを開始するための操作を行わないように促す非操作報知画像G24が表示される。非操作報知画像G24では、例えば「ルーレットが終了するまでゲームを開始しないで!」といった文字画像が表示される。既に説明したとおり主側MPU142において第1待機状態に設定された場合には抽選用ユニット70に異常が発生しない限り物理抽選が終了するまでは新たなゲームを開始することができない。しかしながら、第1待機状態に設定された場合であっても抽選用球Bの予期しない球詰まりなどが発生した場合には物理抽選が終了していないにも関わらず第1待機状態が解除されて新たなゲームの開始が可能となってしまうおそれがある。また、抽選用ユニット70を利用した物理抽選を行うべき状況であるにも関わらず主側MPU142において第2待機状態が設定されてしまう可能性があり、この場合には物理抽選が終了していないにも関わらず第2待機状態が解除されて新たなゲームの開始が可能となってしまう。詳細は後述するが物理抽選が終了していないにも関わらず新たなゲームが開始されてしまうと、当該物理抽選は無効化されるとともに物理抽選において選択され得る抽選結果のうち遊技者にとって最も不利な抽選結果が強制的に選択されることとなってしまう。したがって、物理抽選が実行されている状況においては主側MPU142にて第1待機状態又は第2待機状態に設定されている状況であるか否かに関係なく非操作報知画像G24を表示することで、新たなゲームを開始するためのベット操作やスタートレバー41の操作を行わないように促すようにしている。
なお、非操作報知画像G24が、抽選用ユニット画像G1にの少なくとも一部に対して前方から重なるようにして表示される構成としてもよく、抽選用ユニット画像G1の色の度合いを暗くした状態で、非操作報知画像G24が抽選用ユニット画像G1の少なくとも一部に対して前方から重なるようにして表示される構成としてもよい。この場合、非操作報知画像G24を目立たせることが可能となる。
次に、サブ側MPU152にて実行される抽選制御処理について、図41のフローチャートを参照しながら説明する。なお、抽選制御処理は、サブ側RAM154の抽選実行フラグに「1」がセットされている状況において周期処理(図24)におけるステップS714にて実行される。
抽選制御処理では、主側MPU142からゲーム開始コマンドを受信している場合(ステップS1501:YES)、抽選用ユニット70を利用した物理抽選を無効化させるために強制終了処理を実行する(ステップS1502)。また、ゲーム開始コマンドを受信していない場合であっても(ステップS1501:NO)、状況異常判定処理を実行し(ステップS1503)、当該状況異常判定処理において状況異常の発生が特定されてサブ側RAM154に設けられた状況異常フラグに「1」がセットされた場合にも(ステップS1504:YES)、抽選用ユニット70を利用した物理抽選を無効化させるための強制終了処理を実行する(ステップS1502)。これらの処理内容及びその作用については後に説明する。
抽選制御処理では、ゲーム開始コマンドを受信していない場合であってサブ側RAM154の状況異常フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS1501及びステップS1504:NO)、サブ側RAM154に設けられた投入後フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1505)。投入後フラグは投入装置71から抽選用球Bが投入された後の状況であることをサブ側MPU152にて特定するためのフラグである。
投入後フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS1505:NO)、サブ側RAM154に設けられた投入待機フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1506)。投入待機フラグは、主側MPU142からの投入コマンドの受信及びサブ側MPU152において計測していた操作前期間の経過のうちいずれかの条件が成立した後において投入装置71からの抽選用球Bの投入を待機している状態であることをサブ側MPU152にて特定するためのフラグである。
投入待機フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS1506:NO)、今回の抽選制御処理の処理回がサブ側RAM154の抽選実行フラグに新たに「1」がセットされてから最初の処理回であることを条件として(ステップS1507:YES)、サブ側RAM154に設けられた動作開始フラグに「1」をセットする(ステップS1508)。動作開始フラグは、抽選用ユニット70を利用した物理抽選を実行するために必要な当該抽選用ユニット70の駆動制御を開始すべき状況であることをサブ側MPU152にて特定するためのフラグである。動作開始フラグに「1」がセットされた場合、詳細は後述するが、抽選用ユニット70における振分用回転体103の回転が開始される。この場合、画像表示装置66にて表示されている抽選用ユニット画像G1においても振分用回転体103の回転と同期するようにして回転体画像G2の回転表示が開始される。
ステップS1507にて否定判定をした場合、又はステップS1508の処理を実行した場合、ステップS1509にてサブ側RAM154の投入前カウンタの値が「0」となっているか否かを判定することで投入前期間が経過しているか否かを監視し、またステップS1510にて主側MPU142から投入コマンドを受信しているか否かを判定する。投入前期間が経過している場合(ステップS1509:YES)、又は主側MPU142から投入コマンドを受信している場合(ステップS1510:YES)、投入待機期間の抽選処理を実行する(ステップS1511)。
投入待機期間とは、投入装置71から抽選用球Bを投入すべき契機が発生した場合に、当該契機が発生してから投入装置71による抽選用球Bの投入動作を開始するまでの待機期間のことである。投入待機期間は、振分用回転体103が1周するのに要する期間である2.4secを最大値、及び0.01secを最小値として、0.01sec刻みで240パターン設定されている。投入待機期間の抽選処理では、投入待機抽選テーブルをサブ側ROM153からサブ側RAM154に読み出す。そして、サブ側RAM154において定期的に更新される抽選用カウンタの現状の数値情報を読み出し、その数値情報を投入待機抽選テーブルに対して照合することで投入待機期間を選択する。
投入待機期間の抽選処理を実行した後は、当該抽選処理において選択した投入待機期間を、サブ側RAM154に設けられた投入待機カウンタにセットする(ステップS1512)。投入待機カウンタは、サブ側MPU152にて投入待機期間を計測するためのカウンタであり、投入待機カウンタにセットされた値は周期処理(図24)が実行される度に減算される。その後、サブ側RAM154に設けられた投入待機フラグに「1」をセットする(ステップS1513)。投入待機フラグは、抽選用球Bの投入を待機している状態であることをサブ側MPU152にて特定するためのフラグである。
投入待機フラグに「1」がセットされている場合(ステップS1506:YES)、サブ側RAM154の投入待機カウンタの値が「0」となっていることを条件として(ステップS1514:YES)、投入用処理を実行する(ステップS1515)。投入用処理では、抽選用ユニット70の案内ユニット81に抽選用球Bが投入されるように投入用駆動部77を駆動制御する。これにより、投入装置71から案内ユニット81に抽選用球Bが投入される。その後、サブ側RAM154の投入後フラグに「1」をセットするとともに投入待機フラグを「0」クリアする(ステップS1516)。そして、投入後演出用の設定処理を実行する(ステップS1517)。投入後演出用の設定処理が実行されることにより、案内ユニット81に抽選用球Bが投入された後に対応する演出が上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66において実行される。この場合、画像表示装置66における抽選用ユニット画像G1の回転体画像G2は、振分用回転体103の回転に同期した回転表示を継続する。
投入後フラグに「1」がセットされた場合には(ステップS1505:YES)、投入後処理を実行する(ステップS1518)。投入後処理については後に詳細に説明する。
ここで、図42のタイムチャートを参照しながら、投入条件が成立してから抽選用球Bが実際に投入されるまでの期間が変動する様子を説明する。図42(a)はサブ側MPU152において計測されている投入前期間を示し、図42(b)は投入操作レバー131の操作タイミングを示し、図42(c)は投入待機期間を示し、図42(d)は抽選用球Bの投入タイミングを示す。
t1のタイミング又はt4のタイミングで、図42(a)に示すように投入前期間の計測が開始される。その後、t2のタイミング又はt5のタイミングで、図42(b)に示すように投入操作レバー131が操作されることにより、主側MPU142からサブ側MPU152に投入コマンドが送信される。この場合、サブ側MPU152にて投入待機期間の抽選処理が実行されることにより投入待機期間が選択される。そして、その選択された投入待機期間が図42(c)に示すようにt3のタイミング又はt6のタイミングで経過することで、図42(d)に示すように抽選用球Bが投入される。
この場合、t1のタイミング〜t3のタイミングの場合には投入待機期間がT1であるのに対して、t4のタイミング〜t6のタイミングの場合には投入待機期間がT1よりも短いT2である。これにより、当選対象の案内口113a〜113fに抽選用球Bが入り易そうなタイミングで投入操作レバー131を操作したとしても、その操作タイミングに対して抽選用球Bが実際に投入されるタイミングが遅延されることで、当選対象の案内口113a〜113fへの入球を狙った投入操作レバー131の操作を実質的に不可とすることが可能となる。
特に、投入待機期間が240パターンの中から抽選によりランダムに選択される。したがって、投入待機期間を想定した上で、当選対象の案内口113a〜113fへの入球を可能とするタイミングを狙って投入操作レバー131を操作しようとしてもそれを実質的に不可とすることが可能となる。
図42においてt7のタイミング〜t9のタイミングは投入前期間が経過する前に投入操作レバー131が操作されない場合である。この場合、t7のタイミングで、図42(a)に示すように投入前期間の計測が開始され、t8のタイミングでその投入前期間が経過することとなる。この場合であっても投入前期間が経過したタイミングで投入待機期間の抽選処理が実行されて、当該抽選処理にて選択された投入待機期間が経過するタイミングであるt9のタイミングで図42(c)に示すように抽選用球Bが投入される。これにより、投入操作レバー131を敢えて操作しないことにより当選対象の案内口113a〜113fへの入球を狙うという行為を行おうとしても、それを実質的に不可とすることが可能となる。
次に、サブ側MPU152にて実行される抽選動作の制御処理について、図43のフローチャートを参照しながら説明する。なお、抽選動作の制御処理は、周期処理(図24)におけるステップS715にて実行される。
まずサブ側RAM154に設けられた動作制御中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1601)。動作制御中フラグは、抽選用ユニット70の案内用駆動部92及び振分用駆動部111のうち少なくとも一方の駆動制御を実行している状況であることをサブ側MPU152にて特定するためのフラグである。動作制御中フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS1601:NO)、サブ側RAM154の動作開始フラグに「1」がセットされていることを条件として(ステップS1602:YES)、振分用回転体103の動作開始処理を実行する(ステップS1603)。これにより、振分用駆動部111の駆動制御が開始され振分用回転体103の回転が開始される。その後、サブ側RAM154の動作制御中フラグに「1」をセットするとともに(ステップS1604)、サブ側RAM154の動作開始フラグを「0」クリアする(ステップS1605)。
動作制御中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS1601:YES)、サブ側RAM154に設けられた動作終了フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1606)。動作終了フラグとは、抽選用ユニット70を利用した物理抽選が終了したことをサブ側MPU152にて特定するためのフラグである。動作終了フラグに「1」がセットされている場合(ステップS1606:YES)、動作終了用処理を実行する(ステップS1607)。動作終了用処理では、振分用駆動部111への駆動信号の出力を停止して振分用回転体103の回転を停止させるための処理を実行する。また、動作終了用処理では、案内用回転体91の回転位置が初期位置となるまで案内用駆動部92への駆動信号の出力を継続し、案内用回転体91の回転位置が初期位置となることで案内用駆動部92への駆動信号の出力を停止して案内用回転体91の回転を停止させる。動作終了用処理では、案内用回転体91及び振分用回転体103の両方の回転を停止させた場合であって、排出球検出センサ115の検出範囲を通過した抽選用球Bが投入装置71に復帰するまでに要する期間として想定される最長の期間よりもわずかに長い期間が経過した場合に、動作制御中フラグ及び動作終了フラグの両方を「0」クリアする。
動作終了フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS1606:NO)、振分用駆動部111への駆動信号の出力タイミングであるか否かを判定する(ステップS1608)。駆動信号の出力タイミングは、サブ側ROM153に予め記憶された駆動用テーブルに予め定められている。当該駆動用テーブルにおいては、駆動信号の出力タイミングが定められていることにより、結果的に一の駆動信号が出力されてから次の駆動信号が出力されるまでの出力周期が定められている。詳細には、振分用回転体103の回転開始時における加速期間においては一の駆動信号が出力されてから次の駆動信号が出力されるまでの出力周期が相対的に短く、徐々に当該出力周期が長くなり、定速回転する回転速度となった場合には当該出力周期が一定となるように設定されている。なお、駆動信号の1回の出力で振分用駆動部111の出力軸は1ステップ進み、駆動信号が360回出力されることで振分用駆動部111の出力軸は360ステップ進み当該出力軸が1周することとなる。
駆動信号の出力タイミングである場合(ステップS1608:YES)、振分用駆動部111に駆動信号を1回出力することで当該振分用駆動部111を1ステップ進ませる(ステップS1609)。そして、サブ側RAM154に設けられたステップ数カウンタの値を1加算する(ステップS1610)。ステップ数カウンタは、振分用駆動部111のステップ数をサブ側MPU152にて特定するためのカウンタである。
ステップS1608にて否定判定をした場合、又はステップS1610の処理を実行した場合、初期位置検出センサ112にて振分用駆動部111の出力軸が初期位置に復帰したことを検出したことを条件として(ステップS1611:YES)、サブ側RAM154のステップ数カウンタの値を「0」クリアする(ステップS1612)。これにより、振分用駆動部111の出力軸が1周した場合には、それに合わせてステップ数カウンタの値を初期化することが可能となる。
ステップS1611にて否定判定をした場合、又はステップS1612の処理を実行した場合、案内用回転体91が回転している状況であるか否かを判定する(ステップS1613)。案内用回転体91が回転している状況ではない場合には(ステップS1613:NO)、中間球検出センサ89にて抽選用球Bを検出していることを条件として(ステップS1614:YES)、案内用回転体91の動作開始処理を実行する(ステップS1615)。これにより、案内用駆動部92への駆動信号の出力が開始され、案内用回転体91の回転が開始される。案内用回転体91が回転している状況であれば(ステップS1613:YES)、案内用回転体91の駆動処理を実行する(ステップS1616)。これにより、案内用回転体91が継続して回転することとなる。
次に、サブ側MPU152にて実行される投入後処理について、図44のフローチャートを参照しながら説明する。なお、投入後処理は、抽選用球Bの投入が行われてサブ側RAM154の投入後フラグに「1」がセットされている状況において、抽選制御処理(図41)におけるステップS1518にて実行される。
まずステップS1701にて排出通路部114の排出球検出センサ115にて抽選用球Bを検出したか否かを判定することで、振分装置101の排出通路部114を通じて抽選用球Bが排出されたか否かを判定する。排出球検出センサ115にて抽選用球Bを検出している場合(ステップS1701:YES)、排出対象の特定処理を実行する(ステップS1702)。
具体的には、振分用駆動部111の出力軸のステップ数を算出するためにサブ側RAM154に設けられたステップ数カウンタの現状の値を読み出す。そして、その読み出した値を利用して、今回排出された抽選用球Bが振分装置101におけるいずれの案内口113a〜113fによって排出通路部114に案内されたかを特定する。当該特定の仕方について詳細には、まずサブ側ROM153に設けられた特定テーブルをサブ側RAM154に読み出す。特定テーブルは、排出通路部114にて抽選用球Bが検出されたタイミングにおける振分用駆動部111のステップ数と、排出通路部114に抽選用球Bを案内した案内口113a〜113fの種類との関係が定められている。具体的には、振分用駆動部111の1周に要するステップ数である359ステップのうち、0ステップ〜59ステップが第1案内口113aに対応しており、60ステップ〜119ステップが第2案内口113bに対応しており、120ステップ〜179ステップが第3案内口113cに対応しており、180ステップ〜239ステップが第4案内口113dに対応しており、240ステップ〜299ステップが第5案内口113eに対応しており、300ステップ〜359ステップが第6案内口113fに対応している。
これら案内口113a〜113fの種類とステップ数の範囲との関係は、スロットマシン10の設計段階において実験にて取得される。具体的には、案内対象となった案内口113a〜113fが排出通路部114の入口114aと重なった後のタイミングで排出球検出センサ115にて抽選用球Bを検出することとなるため、排出球検出センサ115にて抽選用球Bを検出したタイミングで特定した振分用駆動部111のステップ数は案内対象となった案内口113a〜113fが排出通路部114の入口114aと重なったタイミングのステップ数ではない。そこで、スロットマシン10の設計段階において、各案内口113a〜113fが排出通路部114の入口114aと重なったタイミングにおける振分用駆動部111のステップ数と、排出球検出センサ115にて抽選用球Bを検出したタイミングにおける振分用駆動部111のステップ数との関係を実験により特定することで、排出球検出センサ115にて抽選用球Bを検出したタイミングにおける振分用駆動部111のステップ数から今回の抽選用球Bの案内対象となった案内口113a〜113fを特定可能とするステップ数の範囲の関係を特定テーブルとしてサブ側ROM153に設定する。このように排出球検出センサ115にて抽選用球Bを検出したタイミングにおける振分用駆動部111のステップ数との関係で案内対象となった案内口113a〜113fの種類を特定することで、各案内口113a〜113fに1対1で対応させて抽選用球Bの検出センサを設ける必要がなくなり、検出センサの数を抑えることが可能となる。
一方、排出球検出センサ115にて抽選用球Bを検出していない場合(ステップS1701:NO)、排出待機期間が経過したか否かを判定する(ステップS1703)。排出待機期間は、抽選用ユニット70が正常に動作している場合において案内ユニット81に抽選用球Bが投入されてから当該抽選用球Bが振分用回転体103から排出されたとサブ側MPU152にて特定されるまでに要すると想定される最長期間よりも長い期間に設定されている。具体的には、排出待機期間は当該最長期間の2倍以上の期間(例えば90sec)に設定されている。排出待機期間が経過している場合(ステップS1703:YES)、現在の状況に対応した補助抽選処理を実行する(ステップS1704)。当該補助抽選処理では、まずサブ側ROM153からサブ側RAM154に補助抽選テーブルを読み出す。補助抽選テーブルは、サブ側RAM154の抽選用カウンタの数値範囲と第1〜第6案内口113a〜113fとが1対1で対応させて設定されており、各案内口113a〜113fに割り当てられている抽選用カウンタの値は相互に重複しないとともに各案内口113a〜113fに割り当てられている抽選用カウンタの値の数は同一となっている。補助抽選処理では、BB状態ST2の終了時に実行される移行抽選L1であれば、ゲーム終了時の処理(図37)におけるステップS1318にてサブ側RAM154に別保存した補助抽選用数値を補助抽選テーブルに対して照合し、当該補助抽選用数値が第1〜第6案内口113a〜113fのいずれに対応しているのかを特定する。
補助抽選用数値は、BB状態ST2の最終ゲームにおいて全リール32L,32M,32Rの回転が停止した場合に取得される。このような補助抽選用数値を利用して補助抽選処理を実行することにより、遊技者の操作を契機として取得された数値を利用した抽選を実行することが可能となる。よって、排出待機期間が経過するまでに抽選用球Bが振分用回転体103から排出されない異常が発生した場合であっても、遊技者の操作を契機として取得された数値を利用した抽選を実行することが可能となる。なお、AT状態ST3の終了分岐状態であれば後述する終了分岐処理(図61)におけるステップS2911にて補助抽選用数値が取得される。
補助抽選処理を実行した後は、サブ側RAM154の抽選動作異常フラグに「1」をセットする(ステップS1705)。抽選動作異常フラグに「1」がセットされた場合、詳細は後述するが抽選用ユニット70を利用した物理抽選が実行されない状態となる。これにより、抽選用ユニット70に異常が発生しているにも関わらず当該抽選用ユニット70を利用した物理抽選が実行されてしまうことを阻止することが可能となる。
その後、異常報知用処理を実行する(ステップS1706)。これにより、上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて、抽選用ユニット70に異常が発生していることを示す異常報知が実行される。この異常報知が実行される状態は主側RAM144の一部クリア処理(ステップS104)又は全部クリア処理(ステップS105)が実行された場合に解除される。また、上記異常報知が実行される状態は、タイマ割込み処理(図12)における異常解除判定処理(ステップS208)にて、異常報知を解除するための解除操作が行われていると判定された場合にも解除される。この解除操作に際してはスロットマシン10の電源のOFF操作を必要としない。これにより、スロットマシン10の電源のOFF操作を要することなく上記異常報知を解除することが可能となる。異常報知が解除された場合には、異常報知が実行されていない状況において抽選用ユニット70を利用した物理抽選が実行されない状態となる。
ステップS1702の処理を実行した場合、又はステップS1706の処理を実行した場合、結果導出処理を実行する(ステップS1707)。図45はBB状態ST2である場合に実行されるBB時の結果導出処理を示すフローチャートである。
BB時の結果導出処理では、ステップS1702又はステップS1704にて特定した種類の案内口113a〜113fが当選対象特定エリア154aの当選対象エリアにおいて当選対象のデータが設定されているものであるか否かを判定する(ステップS1801)。当選対象である場合には(ステップS1801:YES)、サブ側RAM154のAT状態カウンタに「1」をセットする(ステップS1802)。これにより、次回のゲームからAT状態ST3の準備状態ST31が開始されることとなる。
その後、当選対象特定エリア154aの上乗せゲーム数エリアのうち、ステップS1702又はステップS1704にて特定した種類の案内口113a〜113fに対応するエリアに上乗せ可能ゲーム数のデータが設定されているか否かを判定する(ステップS1803)。上乗せ可能ゲーム数のデータが設定されている場合(ステップS1803:YES)、付属特典の設定処理を実行する(ステップS1804)。具体的には、特定した種類の案内口113a〜113fに対応する上乗せゲーム数エリアに設定されている上乗せ可能ゲーム数の情報を、AT状態ST3におけるベース状態ST32の初期継続可能ゲーム数に加算するためのゲーム数としてサブ側RAM154に別保存する。
ステップS1803にて否定判定をした場合又はステップS1804の処理を実行した場合、当選時の演出設定処理を実行する(ステップS1805)。当選時の演出設定処理では、AT状態ST3に当選したことを示す演出が上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて実行されるようにするためのデータ設定を行う。この場合、画像表示装置66では抽選用ユニット画像G1の案内画像G11〜G16のうち、抽選用球Bが今回入球した案内口113a〜113fに対応する案内画像が他の案内画像よりも目立つような画像表示(例えば赤色による点滅表示)を実行する。案内画像G11〜G16はそれぞれ対応する案内口113a〜113fの位置と同様の位置に表示されれているため、抽選用球Bが今回入球した案内口113a〜113fに対応する案内画像を他の案内画像よりも目立たせることにより、いずれの案内口113a〜113fに抽選用球Bが入球したのかを遊技者に明確に認識させることが可能となる。そして、当該目立たせる画像表示を実行した後にAT状態ST3に当選したことを明示する画像の表示を実行する。これにより、AT状態ST3に移行することを遊技者に明確に認識させることが可能となる。また、抽選用球Bが今回入球した案内口113a〜113fに上乗せ可能ゲーム数が設定されていた場合には、今回獲得した上乗せゲーム数を明示する画像の表示を実行する。これにより、上乗せゲーム数を獲得したことを遊技者に明確に認識させることが可能となる。
ステップS1702又はステップS1704にて特定した種類の案内口113a〜113fが当選対象特定エリア154aの当選対象エリアにおいて当選対象のデータが設定されているものではない場合(ステップS1801:NO)、外れ時の演出設定処理を実行する(ステップS1806)。外れ時の演出設定処理では、AT状態ST3に当選しなかったことを示す演出が上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて実行されるようにするためのデータ設定を行う。この場合、画像表示装置66では抽選用ユニット画像G1の案内画像G11〜G16のうち、抽選用球Bが今回入球した案内口113a〜113fに対応する案内画像が他の案内画像よりも目立つような画像表示(例えば青色による点滅表示)を実行する。案内画像G11〜G16はそれぞれ対応する案内口113a〜113fの位置と同様の位置に表示されているため、抽選用球Bが今回入球した案内口113a〜113fに対応する案内画像を他の案内画像よりも目立たせることにより、いずれの案内口113a〜113fに抽選用球Bが入球したのかを遊技者に明確に認識させることが可能となる。そして、当該目立たせる画像表示を実行した後にAT状態ST3に当選しなかったことを明示する画像の表示を実行する。これにより、AT状態ST3に移行しなかったことを遊技者に明確に認識させることが可能となる。
投入後処理(図44)の説明に戻り、ステップS1707の結果導出処理を実行した後はサブ側RAM154の動作終了フラグに「1」をセットする(ステップS1708)。動作終了フラグに「1」がセットされることにより、既に説明したとおり抽選動作の制御処理(図43)にて動作終了用処理(ステップS1607)が実行される。その後、抽選用ユニット70を利用した物理抽選を実行する場合に利用した各種フラグのうち動作制御中フラグ及び動作終了フラグ以外のフラグを「0」クリアする(ステップS1709)。また、ステップS1709ではBB状態ST2であれば、BB状態ST2において利用した各種フラグを「0」クリアする。これにより、BB状態ST2が終了したものとサブ側MPU152にて扱われることとなる。この場合、ステップS1707にてAT状態カウンタに「1」がセットされている場合にはAT状態ST3に移行し、ステップS1707にてAT状態カウンタに「1」がセットされていない場合には遊技状態が通常遊技状態ST1に移行することとなる。
以上のとおり、通常遊技状態ST1から移行したBB状態ST2が終了する場合には移行抽選L1が実行され、移行抽選L1において当選となることでAT状態ST3への移行が発生する。また、移行抽選L1は基本的に抽選用ユニット70を利用した物理抽選により実行される。当該物理抽選は投入操作レバー131の操作を契機として抽選用球Bが投入されることにより実行されるとともに、抽選用球Bが入球した案内口113a〜113fの種類により抽選結果が決定される。これにより、抽選に対して積極的に参加している印象を遊技者に与えることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。また、抽選結果の根拠を明確に認識することが可能となり、抽選結果に対する公平感を遊技者に与えることが可能となる。
基本的には物理抽選を利用して移行抽選L1が実行されるが、既に説明したとおり案内ユニット81に投入された抽選用球Bが排出待機期間の経過後においても振分用回転体103から排出されない場合には、サブ側ROM153に予め記憶されたプログラム及びデータを利用したサブ側MPU152による補助抽選処理により移行抽選L1が実行される。また、これ以外にも抽選用ユニット70に動作異常が発生している場合にも、サブ側ROM153に予め記憶されたプログラム及びデータを利用したサブ側MPU152による補助抽選処理により移行抽選L1が実行される。また、抽選用ユニット70を利用した物理抽選が実行されている途中で新たなゲームが開始された場合及び抽選用ユニット70を利用した物理抽選が実行されている途中で振動を検出した場合には、物理抽選が無効化されて、遊技者にとって最も不利な結果が抽選結果として強制的に導出される。なお、このように抽選の実行態様が状況によって変化することは、移行抽選L1に限定されることはなく、上乗せ抽選L2、継続抽選L3及び特別抽選L4についても同様である。
<抽選用ユニット70において正常に物理抽選を実行することができない場合>
上記のように移行抽選L1の実行態様が状況によって変化する様子について、図46のタイムチャートを参照しながら説明する。図46(a)は1ゲームの実行期間を示し、図46(b)はBB状態ST2において移行抽選L1が実行される前の期間を示し、図46(c)はサブ側RAM154における抽選動作異常フラグの値の設定状況を示し、図46(d)は主側RAM144における待機判定フラグの値の設定状況を示し、図46(e)は主側MPU142において待機状態に設定されている期間を示し、図46(f)は抽選用ユニット70を利用した物理抽選が実行される期間を示し、図46(g)はサブ側MPU152にて補助抽選処理が実行されるタイミングを示す。
まず抽選用ユニット70を利用した物理抽選が正常に完了する場合について説明する。
図46(a)及び図46(b)に示すように、t1のタイミングで、通常遊技状態ST1においてBB入賞が発生したゲームが終了することでBB状態ST2に移行する。この場合、図46(d)に示すように主側RAM144の待機判定フラグの値は「0」となっている。その後、t2のタイミングで図46(a)に示すようにBB状態ST2において1ゲームが終了する。当該ゲームにおいては、図46(c)に示すようにサブ側RAM154の抽選動作異常フラグに「1」がセットされておらず抽選用ユニット70が正常に動作可能な状況である。このような状況において当該ゲームで通常リプレイ役に当選したため、当該ゲームの開始時に画像表示装置66にて待機Aの停止順序が報知される。そして、当該報知内容に従って待機Aの停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されることにより、図46(d)に示すように主側RAM144の待機判定フラグに「1」がセットされた状態となる。
その後、t3のタイミングで、図46(b)に示すようにBB状態ST2における最終ゲームにおいて全リール32L,32M,32Rの回転が停止する。この場合、図46(d)に示すように契機判定フラグに「1」がセットされているため、t3のタイミングで、図46(e)に示すように主側MPU142にて第1待機状態に設定される。また、t3のタイミングで、図46(f)に示すように、抽選用ユニット70を利用した物理抽選が開始される。その後、t4のタイミングで図46(f)に示すように抽選用ユニット70を利用した物理抽選が終了される。この場合、図46(e)に示すように主側MPU142における待機状態が解除されて、図46(a)に示すようにBB状態ST2の最終ゲームが終了することとなる。なお、抽選用ユニット70が正常に動作している状況においては、抽選用ユニット70を利用した抽選動作が終了したタイミング(すなわち抽選用球Bが振分用回転体103から排出されたことがサブ側MPU152にて特定されたタイミング)よりも後のタイミングで、主側MPU142にて待機状態が解除されることとなる。主側MPU142における待機状態が解除されることで、その後のt5のタイミングで、遊技者によるゲームの開始操作に基づき図46(a)に示すように新たなゲームが開始される。
上記のとおり抽選用ユニット70が正常に動作可能な状況であって、通常リプレイ役に当選したゲームにおいて待機Aの停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されることで待機判定フラグに「1」がセットされた状態が維持されている状況で、BB状態ST2の最終ゲームにおける全リール32L,32M,32Rの回転が停止した場合には、第1待機状態が設定されている状況で抽選用ユニット70を利用した物理抽選が開始される。そして、当該物理抽選が実行されている状況において抽選用ユニット70に対して振動を与える行為が行われなかった場合には、主側MPU142にて第1待機状態に設定されている状況で物理抽選が終了することとなる。この場合、抽選用ユニット70を利用した物理抽選の結果が移行抽選L1の結果として採用される。
次に、抽選用ユニット70が正常に動作可能ではない状況であることが原因で、抽選用ユニット70を利用した物理抽選が実行されずにサブ側MPU152にて補助抽選処理が実行される場合について説明する。
図46(a)及び図46(b)に示すように、t6のタイミングで、通常遊技状態ST1にてBB入賞が発生したゲームが終了することでBB状態ST2に移行する。この場合、図46(d)に示すように主側RAM144の待機判定フラグの値は「0」となっている。その後、t7のタイミングで図46(a)に示すようにBB状態ST2において1ゲームが実行される。当該ゲームにおいては図46(c)に示すようにサブ側RAM154の抽選動作異常フラグに「1」がセットされている。このような状況においては通常リプレイ役に当選したとしても待機Aの停止順序は報知されない。したがって、図46(d)に示すように主側RAM144の待機判定フラグの値が「0」である状態が継続される。
その後、t8のタイミングで、図46(b)に示すようにBB状態ST2における最終ゲームにおいて全リール32L,32M,32Rの回転が停止する。この場合、図46(d)に示すように待機判定フラグの値が「0」であるため、図46(e)に示すように主側MPU142にて第2待機状態に設定される。また、t8のタイミングで、図46(f)に示すように抽選用ユニット70を利用した物理抽選が開始されるのではなく、図46(g)に示すようにサブ側MPU152にて補助抽選処理が実行される。その後、t9のタイミングで図46(e)に示すように主側MPU142における待機状態が解除されることで、その後のt10のタイミングで、遊技者によるゲームの開始操作に基づき図46(a)に示すように新たなゲームが開始される。
上記のとおり抽選用ユニット70が正常に動作可能ではない状況では、抽選用ユニット70を利用した物理抽選が実行されることはなく、その代わりに、サブ側MPU152にて補助抽選処理が実行される。この補助抽選処理では既に説明したとおりプログラム及びデータを利用して案内口113a〜113fのいずれかを選択し、その選択された案内口113a〜113fに設定されている特典が遊技者に付与される。これにより、抽選用ユニット70が正常に動作可能ではない状況であっても移行抽選L1を実行することが可能となるとともに、当該移行抽選L1に際して案内口113a〜113fに対して設定されている特典の内容を利用することが可能となる。
次に、抽選用ユニット70を利用した物理抽選が開始されるものの、その途中で新たなゲームが開始されてしまう場合について説明する。
図46(a)及び図46(b)に示すように、t11のタイミングで、通常遊技状態ST1においてBB入賞が発生したゲームが終了することでBB状態ST2に移行する。この場合、図46(d)に示すように主側RAM144の待機判定フラグの値は「0」となっている。その後、t12のタイミングで図46(a)に示すようにBB状態ST2において通常リプレイ役に当選した1ゲームが実行される。当該ゲームにおいては、図46(c)に示すようにサブ側RAM154の抽選動作異常フラグに「1」がセットされていないため、当該ゲームの開始時に画像表示装置66にて待機Aの停止順序が報知される。しかしながら、当該報知内容に従ってリール32L,32M,32Rが停止されなかったことにより、図46(d)に示すように主側RAM144の待機判定フラグの値が「0」である状況が継続される。
その後、t13のタイミングで、図46(b)に示すようにBB状態ST2における最終ゲームにおいて全リール32L,32M,32Rの回転が停止する。この場合、図46(d)に示すように待機判定フラグの値が「0」であるため、図46(e)に示すように主側MPU142にて第2待機状態に設定される。その一方、図46(c)に示すようにサブ側RAM154の抽選動作異常フラグに「1」がセットされていないため、t13のタイミングで図46(f)に示すように抽選用ユニット70を利用した物理抽選が開始される。
その後、抽選用ユニット70を利用した物理抽選が継続されている状況であるt14のタイミングで図46(e)に示すように主側MPU142にて第2待機状態が解除される。そして、抽選用ユニット70を利用した物理抽選が継続されている状況であるt15のタイミングで、遊技者によるゲームの開始操作に基づき図46(a)に示すように新たなゲームが開始される。この場合、抽選用ユニット70における物理抽選の動作は継続されるものの当該物理抽選は無効化される。そして、サブ側MPU152にて、各案内口113a〜113fに設定されている特典のうち遊技者にとって最も有利度が低い特典又は最も不利な結果が強制的に選択される。その後、t16のタイミングで図46(f)に示すように実行途中の物理抽選が終了するが、この物理抽選の結果はその後の遊技内容に反映されない。
上記のとおり抽選用ユニット70を利用した物理抽選の実行途中で新たなゲームが開始された場合には、各案内口113a〜113fに設定されている特典のうち遊技者にとって最も有利度が低い特典又は最も不利な結果が強制的に選択される。これにより、物理抽選の途中で新たなゲームが開始された場合にその新たなゲームの開始後の遊技内容として物理抽選の結果を反映する必要が生じないため、処理の複雑化を阻止することが可能となる。
ここで、物理抽選の途中で新たなゲームが開始された場合にはサブ側MPU152にて補助抽選処理を実行する構成や、遊技者にとって中程度の利益の特典を付与する構成も考えられる。しかしながら、このような構成とした場合、振分用回転体103と抽選用球Bとの位置関係から遊技者にとって不利な抽選結果となりそうな状況となった場合に意図的に新たなゲームを開始させて遊技者にとって有利な抽選結果が選択され得るようにする行為が想定される。これに対して、上記のとおり各案内口113a〜113fに設定されている特典のうち遊技者にとって最も有利度が低い特典又は最も不利な結果が強制的に選択されることにより、上記のような行為を行った場合には利益を低下させることが可能となり、結果的に上記のような行為を行うことを思いとどまらせることが可能となる。
このように各案内口113a〜113fに設定されている特典のうち遊技者にとって最も有利度が低い特典又は最も不利な結果が強制的に選択される状況は、抽選用ユニット70を利用した物理抽選が実行されている状況で大きな振動が生じた場合にも発生する。これにより、利益の高い案内口113a〜113fに抽選用球Bを入球させるべくスロットマシン10に振動を与える行為が行われた場合には利益を低下させることが可能となり、結果的にスロットマシン10に振動を与えることを思いとどまらせることが可能となる。
以下、抽選用ユニット70が正常に動作可能ではない状況において補助抽選処理を実行するための構成、及び各案内口113a〜113fに設定されている特典のうち遊技者にとって最も有利度が低い特典又は最も不利な結果を強制的に選択するための構成について説明する。図47はサブ側MPU152にて実行される動作チェック用処理を示すフローチャートである。なお、動作チェック用処理はサブ側RAM154の動作チェックフラグに「1」がセットされている状況において、周期処理(図24)におけるステップS707にて実行される。また、動作チェックフラグは既に説明したとおり主側MPU142から復電コマンドを受信した場合に「1」がセットされるため、動作チェック用処理は主側MPU142への動作電力の供給が開始された場合に実行される。
サブ側RAM154の投入後フラグに「1」がセットされていないことを条件として(ステップS1901:NO)、前面扉12が閉鎖状態であるか否かを判定する(ステップS1902)。筐体11には、前面扉12が閉鎖状態であるか否かを検出するための閉鎖検出センサ161(図1参照)が設けられており、当該閉鎖検出センサ161の検出結果は主側MPU142に入力されている。主側MPU142は閉鎖検出センサ161の検出結果に基づき前面扉12が開放状態であることを特定した場合にそれに対応する開放コマンドをサブ側MPU152に送信し、閉鎖検出センサ161の検出結果に基づき前面扉12が閉鎖されたことを特定した場合にそれに対応する閉鎖コマンドをサブ側MPU152に送信する。これにより、サブ側MPU152は前面扉12が閉鎖状態であるか否かを検出可能となっている。
前面扉12が開放状態である場合には(ステップS1902:NO)、動作電力の供給開始時における抽選用ユニット70の動作を開始させない。既に説明したとおりスロットマシン10の電源ON操作を行う操作部が設けられた電源装置54は筐体11内に設けられているため、前面扉12が開放された状態において電源ON操作が行われ得る。この場合に、前面扉12の開放状態において抽選用ユニット70の動作が開始されると、その後に前面扉12が閉鎖された際の振動が原因で抽選用ユニット70の動作チェックを正常に行えないおそれがある。これに対して、前面扉12が閉鎖状態であることを条件として抽選用ユニット70の動作チェックが開始されることにより、当該動作チェックを正常に行うことが可能となる。
前面扉12が閉鎖状態である場合(ステップS1902:YES)、サブ側RAM154の動作開始フラグに「1」をセットする(ステップS1903)。これにより、サブ側MPU152における抽選動作の制御処理(図43)のステップS1602にて肯定判定をすることとなり、抽選用ユニット70の動作が開始されることとなる。
ここで、抽選動作の制御処理(図43)では中間球検出センサ89にて抽選用球Bが検出されることで案内用回転体91の回転が開始される構成であるが、動作チェック用処理が実行されることにより動作開始フラグに「1」がセットされた場合には振分用回転体103の回転を開始する場合に案内用回転体91の回転を開始する。これにより、案内用回転体91の凹部93に抽選用球Bが入り込んだ状態で抽選用ユニット70の前回の動作が停止された場合であっても、当該抽選用球Bを案内用回転体91よりも下流側に誘導して、今回の動作チェックが実行されている状況で投入装置71に抽選用球Bを復帰させることが可能となる。
その後、投入球検出センサ78において抽選用球Bが検出されているか否かを判定することで、投入装置71に抽選用球Bが存在しているか否かを判定する(ステップS1904)。投入球検出センサ78において抽選用球Bが検出されている場合には(ステップS1904:YES)、抽選制御処理(図41)におけるステップS1515と同様に投入用処理を実行することで、投入装置71から案内ユニット81に抽選用球Bを投入する(ステップS1905)。その後、サブ側RAM154の投入後フラグに「1」をセットする(ステップS1906)。
一方、投入球検出センサ78において抽選用球Bが検出されていない場合には(ステップS1904:NO)、投入球検出センサ78において抽選用球Bが検出されていない状態が投入前待機期間(具体的には20sec)に亘って継続したか否かを判定する(ステップS1907)。当該投入前待機期間は、抽選用球Bが案内ユニット81、排出通路部114及び搬送装置121のいずれかの位置に存在している場合において投入装置71に復帰するまでに要する期間として想定される最長の期間よりも長い期間に設定されている。投入前待機期間が経過している場合には(ステップS1907:YES)、抽選用球Bの球詰まりが発生している可能性がある。したがって、抽選用ユニット70において正常に抽選動作を実行することができない状況に対応した処理を実行する。
具体的には、まずサブ側RAM154の抽選動作異常フラグに「1」をセットする(ステップS1908)。その後、異常報知用処理を実行する(ステップS1909)。これにより、上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて、抽選用ユニット70に異常が発生していることを示す異常報知が実行される。この異常報知が実行される状態は主側RAM144の一部クリア処理(ステップS104)又は全部クリア処理(ステップS105)が実行された場合に解除される。また、上記異常報知が実行される状態は、タイマ割込み処理(図12)における異常解除判定処理(ステップS208)にて、異常報知を解除するための解除操作が行われていると判定された場合にも解除される。この解除操作に際してはスロットマシン10の電源のOFF操作を必要としない。これにより、スロットマシン10の電源のOFF操作を要することなく上記異常報知を解除することが可能となる。異常報知が解除された場合には、異常報知が実行されていない状況において抽選用ユニット70を利用した物理抽選が実行されない状態となる。その後、サブ側RAM154の動作終了フラグに「1」をセットするとともに(ステップS1910)、抽選用ユニット70を動作させるために利用される各種フラグのうち動作終了フラグ以外のフラグをクリアする(ステップS1911)。これにより、抽選用ユニット70の動作が停止される。
投入装置71に抽選用球Bが存在しており当該抽選用球Bが投入球検出センサ78にて検出されている場合には、上記のとおりサブ側RAM154の投入後フラグに「1」がセットされた状態となる。この場合、ステップS1901にて肯定判定をすることで投入後チェック処理を実行する(ステップS1912)。
図48は投入後チェック処理を示すフローチャートである。まずサブ側RAM154に設けられた中間通過フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2001)。中間通過フラグは動作電力の供給開始時における抽選用ユニット70の動作チェックに際して中間球検出センサ89にて既に抽選用球Bが検出されていることを主側MPU142にて特定するためのフラグである。中間通過フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2001:NO)、中間球検出センサ89にて抽選用球Bを検出したか否かを判定する(ステップS2002)。中間球検出センサ89にて抽選用球Bが検出された場合(ステップS2002:YES)、サブ側RAM154の中間通過フラグに「1」をセットする(ステップS2003)。
中間球検出センサ89にて抽選用球Bが検出されていない場合(ステップS2002:NO)、動作チェック用処理(図47)のステップS1905における投入用処理により抽選用球Bが投入されてから中間待機期間(具体的には20sec)が経過したか否かを判定する(ステップS2004)。当該中間待機期間は、投入装置71から案内ユニット81に投入された抽選用球Bが中間球検出センサ89の検出範囲に到達するまでに要する期間として想定される最長の期間よりも長い期間に設定されている。中間待機期間が経過している場合には(ステップS2004:YES)、抽選用球Bの球詰まりが発生している可能性がある。したがって、抽選用ユニット70において正常に抽選動作を実行することができない状況に対応した処理を実行する。
具体的には、まずサブ側RAM154の抽選動作異常フラグに「1」をセットする(ステップS2005)。その後、異常報知用処理を実行する(ステップS2006)。これにより、上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて、抽選用ユニット70に異常が発生していることを示す異常報知が実行される。この異常報知が実行される状態は主側RAM144の一部クリア処理(ステップS104)又は全部クリア処理(ステップS105)が実行された場合に解除される。また、上記異常報知が実行される状態は、タイマ割込み処理(図12)における異常解除判定処理(ステップS208)にて、異常報知を解除するための解除操作が行われていると判定された場合にも解除される。この解除操作に際してはスロットマシン10の電源のOFF操作を必要としない。これにより、スロットマシン10の電源のOFF操作を要することなく上記異常報知を解除することが可能となる。異常報知が解除された場合には、異常報知が実行されていない状況において抽選用ユニット70を利用した物理抽選が実行されない状態となる。その後、サブ側RAM154の動作終了フラグに「1」をセットするとともに(ステップS2007)、抽選用ユニット70を動作させるために利用される各種フラグのうち動作終了フラグ以外のフラグをクリアする(ステップS2008)。これにより、抽選用ユニット70の動作が停止される。
サブ側RAM154の中間通過フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2001:YES)、排出球検出センサ115にて抽選用球Bが検出されたか否かを判定する(ステップS2009)。排出球検出センサ115にて抽選用球Bが検出された場合(ステップS2009:YES)、サブ側RAM154の動作終了フラグに「1」をセットするとともに(ステップS2010)、抽選用ユニット70を動作させるために利用される各種フラグのうち動作終了フラグ以外のフラグをクリアする(ステップS2011)。これにより、抽選用ユニット70の動作が停止される。
排出球検出センサ115にて抽選用球Bが検出されていない場合(ステップS2009:NO)、ステップS2003にてサブ側RAM154の中間通過フラグに「1」がセットされてから排出待機期間(具体的には20sec)が経過したか否かを判定する(ステップS2012)。当該排出待機期間は、抽選用球Bが中間球検出センサ89の検出範囲に到達してから排出球検出センサ115の検出範囲に到達するまでに要する期間として想定される最長の期間よりも長い期間に設定されている。排出待機期間が経過している場合には(ステップS2012:YES)、抽選用球Bの球詰まりが発生している可能性がある。したがって、抽選用ユニット70において正常に抽選動作を実行することができない状況に対応した処理を実行する。
具体的には、まずサブ側RAM154の抽選動作異常フラグに「1」をセットする(ステップS2013)。その後、異常報知用処理を実行する(ステップS2014)。これにより、上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて、抽選用ユニット70に異常が発生していることを示す異常報知が実行される。この異常報知が実行される状態は主側RAM144の一部クリア処理(ステップS104)又は全部クリア処理(ステップS105)が実行された場合に解除される。また、上記異常報知が実行される状態は、タイマ割込み処理(図12)における異常解除判定処理(ステップS208)にて、異常報知を解除するための解除操作が行われていると判定された場合にも解除される。この解除操作に際してはスロットマシン10の電源のOFF操作を必要としない。これにより、スロットマシン10の電源のOFF操作を要することなく上記異常報知を解除することが可能となる。異常報知が解除された場合には、異常報知が実行されていない状況において抽選用ユニット70を利用した物理抽選が実行されない状態となる。その後、サブ側RAM154の動作終了フラグに「1」をセットするとともに(ステップS2015)、抽選用ユニット70を動作させるために利用される各種フラグのうち動作終了フラグ以外のフラグをクリアする(ステップS2016)。これにより、抽選用ユニット70の動作が停止される。
次に、サブ側MPU152にて実行される開始時の監視処理について、図49のフローチャートを参照しながら説明する。なお、開始時の監視処理は、新たなゲームが開始されて主側MPU142からゲーム開始コマンドが送信される度に周期処理(図24)におけるステップS709にて実行される。
まずサブ側RAM154の動作制御中フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、前回実行された抽選用ユニット70の動作が完了しているか否かを判定する(ステップS2101)。動作制御中フラグに「1」がセットされている場合には(ステップS2101:YES)、ステップS2102以降の処理を実行することなく本開始時の監視処理を終了する。
動作制御中フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2101:NO)、投入球検出センサ78にて抽選用球Bが検出されているか否かを判定することで、投入装置71内に抽選用球Bが待機しているか否かを判定する(ステップS2102)。投入球検出センサ78にて抽選用球Bが検出されていない場合(ステップS2102:NO)、抽選用ユニット70において物理動作が実行されている状況ではないにも関わらず球詰まりなどの原因によって投入装置71に抽選用球Bが存在していないこととなる。この場合、サブ側RAM154の抽選動作異常フラグに「1」をセットする(ステップS2103)。
その後、異常報知用処理を実行する(ステップS2014)。これにより、上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて、抽選用ユニット70に異常が発生していることを示す異常報知が実行される。この異常報知が実行される状態は主側RAM144の一部クリア処理(ステップS104)又は全部クリア処理(ステップS105)が実行された場合に解除される。また、上記異常報知が実行される状態は、タイマ割込み処理(図12)における異常解除判定処理(ステップS208)にて、異常報知を解除するための解除操作が行われていると判定された場合にも解除される。この解除操作に際してはスロットマシン10の電源のOFF操作を必要としない。これにより、スロットマシン10の電源のOFF操作を要することなく上記異常報知を解除することが可能となる。異常報知が解除された場合には、異常報知が実行されていない状況において抽選用ユニット70を利用した物理抽選が実行されない状態となる。
ちなみに、抽選用ユニット70を利用した物理抽選が実行されている途中で新たなゲームが開始された場合、主側MPU142からゲーム開始コマンドが送信されたにも関わらず投入装置71に抽選用球Bが存在していない状況となり得る。この場合に、開始時の監視処理ではステップS2101にてサブ側RAM154の動作制御中フラグに「1」がセットされているか否かを判定し、動作制御中フラグに「1」がセットされている場合にはステップS2102以降の処理を実行しない。これにより、抽選用ユニット70を利用した物理抽選が実行されている途中で新たなゲームが開始された場合にサブ側RAM154の抽選動作異常フラグに「1」がセットされてしまわないようにすることが可能となる。
以下、BB状態ST2においてサブ側RAM154の抽選動作異常フラグに「1」がセットされている場合におけるサブ側MPU152の処理内容について説明する。
サブ側のBB用処理(図36)では、サブ側RAM154の抽選動作異常フラグに「1」がセットされている場合、通常リプレイ役に当選したゲームであってもステップS1203にて肯定判定をすることで、BB状態ST2が終了する場合に主側MPU142にて第2待機状態に設定されるようにするためのリール32L,32M,32Rの停止順序が画像表示装置66にて報知されるようにする。これにより、抽選動作異常フラグに「1」がセットされている状況においては、BB状態ST2における最終ゲームにて全リール32L,32M,32Rの回転が停止した後に主側MPU142にて第1待機状態よりも待機期間が短い第2待機状態に設定される。
このようにBB状態ST2が終了する場合に主側MPU142にて第2待機状態に設定されるようにするためのリール32L,32M,32Rの停止順序が画像表示装置66にて報知されるようにする処理は、サブ側RAM154の動作チェックフラグに「1」がセットされている場合にも実行される。これにより、抽選用ユニット70が正常に動作可能であるか否かをチェックしている状況においては、BB状態ST2における最終ゲームにて全リール32L,32M,32Rの回転が停止した後に主側MPU142にて第1待機状態よりも待機期間が短い第2待機状態に設定される。
ゲーム終了時の処理(図37)では、サブ側RAM154の抽選動作異常フラグに「1」がセットされている場合、ステップS1314にて肯定判定をすることで、抽選用ユニット70を利用した物理抽選を実行するのではなく、ステップS1319にて補助抽選処理を実行する(ステップS1319)。当該補助抽選処理では、まずサブ側ROM153からサブ側RAM154に補助抽選テーブルを読み出す。補助抽選テーブルは、サブ側RAM154の抽選用カウンタの数値範囲と第1〜第6案内口113a〜113fとが1対1で対応させて設定されており、各案内口113a〜113fに割り当てられている抽選用カウンタの値は相互に重複しないとともに各案内口113a〜113fに割り当てられている抽選用カウンタの値の数は同一となっている。補助抽選処理では、BB状態ST2の終了時に実行される移行抽選L1であれば、サブ側RAM154の抽選用カウンタにおける現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を上記補助抽選テーブルに対して照合し、数値情報が第1〜第6案内口113a〜113fのいずれに対応しているのかを特定する。
その後、結果導出処理を実行する(ステップS1320)。BB状態ST2であれば既に説明したBB時の結果導出処理(図45)を実行する。これにより、補助抽選処理において選択された案内口113a〜113fに対して設定されている結果が今回の移行抽選L1の結果として決定される。
その後、補助抽選演出用の設定処理を実行する(ステップS1321)。当該設定処理では、補助抽選処理において決定された移行抽選L1の結果を明示する演出とともに、今回は抽選用ユニット70を利用した物理抽選ではなく補助抽選処理が実行されたことに対応する演出が実行されるように、上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66のデータ設定を行う。
なお、ステップS1321の処理を実行した場合にBB状態ST2において利用した各種フラグを「0」クリアする。これにより、BB状態ST2が終了したものとサブ側MPU152にて扱われることとなる。この場合、ステップS1320にてAT状態カウンタに「1」がセットされている場合にはAT状態ST3に移行し、ステップS1320にてAT状態カウンタに「1」がセットされていない場合には遊技状態が通常遊技状態ST1に移行することとなる。
上記のとおり抽選用ユニット70が正常に動作可能ではない状況では、抽選用ユニット70を利用した物理抽選が実行されることはなく、その代わりに、サブ側MPU152にて補助抽選処理が実行される。この補助抽選処理は既に説明したとおりプログラム及びデータを利用して案内口113a〜113fのいずれかを選択し、その選択された案内口113a〜113fに対して設定されている特典が遊技者に付与される。これにより、抽選用ユニット70が正常に動作可能ではない状況であっても移行抽選L1を実行することが可能となるとともに、当該移行抽選L1に際して案内口113a〜113fに対して設定されている特典の内容を利用することが可能となる。
また、補助抽選処理が実行される場合には、BB状態ST2における通常リプレイ役に当選したゲームにおいて画像表示装置66にて報知される停止順序に従って遊技者がリール32L,32M,32Rの停止操作を行うのであれば、主側MPU142にて第1待機状態に設定されるのではなく当該第1待機状態よりも待機期間が短い第2待機状態に設定される。これにより、抽選用ユニット70を利用した物理抽選が実行されないにも関わらず、新たなゲームの開始が待機された期間が必要以上に長く設定されてしまわないようにすることが可能となる。また、補助抽選処理が実行される場合であっても主側MPU142にて第2待機状態に設定されることにより、補助抽選処理の結果を遊技者に明確に報知するための期間を確保することが可能となる。
ゲーム終了時の処理(図37)にてステップS1319〜ステップS1321の処理が実行される状況は、サブ側RAM154の動作チェックフラグに「1」がセットされている場合にも発生する。これにより、抽選用ユニット70が正常に動作可能であるか否かをチェックしている状況では、抽選用ユニット70を利用した物理抽選が実行されることはなく、その代わりに、サブ側MPU152にて補助抽選処理が実行される。この補助抽選処理は既に説明したとおりプログラム及びデータを利用して案内口113a〜113fのいずれかを選択し、その選択された案内口113a〜113fに対して設定されている特典が遊技者に付与される。これにより、抽選用ユニット70が正常に動作可能ではない状況であっても移行抽選L1を実行することが可能となるとともに、当該移行抽選L1に際して案内口113a〜113fに対して設定されている特典の内容を利用することが可能となる。
次に、サブ側MPU152にて実行される状況異常判定処理について、図50のフローチャートを参照しながら説明する。なお、状況異常判定処理は抽選制御処理(図41)におけるステップS1503にて実行される。
まず主側MPU142から復電コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS2201)。抽選用ユニット70を利用した物理抽選を実行している状況で復電コマンドを受信する場合というのは、抽選用ユニット70を利用した物理抽選を実行している状況において主側MPU142への動作電力の供給が停止されたことを意味する。この場合、付与される利益が高い抽選結果に操作しようとする不正行為が行われた可能性がある。したがって、ステップS2201にて肯定判定をした場合には、サブ側RAM154に設けられた状況異常フラグに「1」をセットする(ステップS2202)。状況異常フラグは、物理抽選に対する不正行為が行われた可能性があることをサブ側MPU152にて特定するためのフラグである。
ステップS2201にて否定判定をした場合、前面扉12が開放されたことを示す開放コマンドを主側MPU142から受信したか否かを判定する(ステップS2203)。抽選用ユニット70を利用した物理抽選を実行している状況で開放コマンドを受信する場合というのは、抽選用ユニット70を利用した物理抽選を実行している状況において前面扉12が開放されたことを意味する。この場合、付与される利益が高い抽選結果に操作しようとする不正行為が行われた可能性がある。したがって、ステップS2203にて肯定判定をした場合には、サブ側RAM154の状況異常フラグに「1」をセットする(ステップS2202)。
ステップS2203にて否定判定をした場合、前面扉12において抽選用ユニット70の周囲に設けられた振動検出センサ162(図1参照)にて最小しきい値以上の振動を検出したか否かを判定する(ステップS2204)。最小しきい値以上の振動を検出している場合(ステップS2204:YES)、その振動強度が最小しきい値よりも高い値である異常しきい値以上であるか否かを判定する(ステップS2205)。抽選用ユニット70を利用した物理抽選を実行している状況においてスロットマシン10に異常しきい値以上の振動強度による振動が加えられる場合というのは、付与される利益が高い抽選結果となるように意図的に振動が加えられた可能性がある。振動強度が異常しきい値未満である場合には(ステップS2205:NO)、意図しない振動である可能性もあるため、警告報知処理を実行する(ステップS2206)。警告報知処理では、「振動を与えるのを止めてください。」といった警告画像が画像表示装置66にて表示されるとともに警告音がスピーカ65から出力されるようにデータ設定を行う。一方、振動強度が異常しきい値以上である場合には(ステップS2205:YES)、サブ側RAM154の状況異常フラグに「1」をセットする(ステップS2202)。
サブ側RAM154の状況異常フラグに「1」がセットされた場合、抽選制御処理(図41)のステップS1504にて肯定判定をすることで、ステップS1502にて強制終了処理を実行する。また、抽選用ユニット70を利用した物理抽選が実行されている状況でゲーム開始コマンドを主側MPU142から受信した場合にも、ステップS1501にて肯定判定をすることでステップS1502にて強制終了処理を実行する。図51はBB状態ST2である場合に実行される強制終了処理を示すフローチャートである。
まずサブ側RAM154の当選対象特定エリア154aにおける当選対象エリアを確認することで、外れ対象に設定されている案内口113a〜113fが存在していないか否かを判定する(ステップS2301)。外れ対象の案内口113a〜113fが存在していない場合には(ステップS2301:YES)、サブ側RAM154のAT状態カウンタに「1」をセットする(ステップS2302)。これにより、次回のゲームからAT状態ST3の準備状態ST31に移行する。
その後、当選対象特定エリア154aにおける上乗せゲーム数エリアを確認することで、全ての案内口113a〜113fに対して付属特典として上乗せ可能ゲーム数が設定されているか否かを判定する(ステップS2303)。全ての案内口113a〜113fに対して上乗せ可能ゲーム数が設定されている場合には(ステップS2303:YES)、その中で最も少ない上乗せ可能ゲーム数を今回付与される上乗せゲーム数として選択する(ステップS2304)。
一方、上乗せ可能ゲーム数が設定されていない案内口113a〜113fが1個でも存在している場合には(ステップS2303:NO)、ステップS2304の処理が実行されないことで上乗せゲーム数が付与されない。また、外れ対象に設定されている案内口113a〜113fが1個でも存在している場合には(ステップS2301:NO)、AT状態ST3への移行が発生しないとともに上乗せゲーム数も付与されない。これにより、抽選用ユニット70を利用した物理抽選の実行途中で新たなゲームが開始された場合又は抽選用ユニット70を利用した物理抽選の実行途中で上記のような状況異常が発生した場合には、遊技者にとって最も有利度が低い特典又は最も不利である結果が強制的に選択されることとなる。よって、抽選用ユニット70を利用した物理抽選の実行途中で新たなゲームを意図的に開始させること及び状況異常の発生の契機となる行為を意図的に行うことを実質的に無意味な行為とすることが可能となり、結果的にこれら行為を行うことを思いとどまらせることが可能となる。
ステップS2301にて否定判定をした場合、ステップS2303にて否定判定をした場合、又はステップS2304の処理を実行した場合、サブ側RAM154の動作終了フラグに「1」をセットするとともに(ステップS2305)、抽選用ユニット70を動作させるために利用される各種フラグのうち動作制御中フラグ及び動作終了フラグ以外のフラグをクリアする(ステップS2306)。これにより、抽選用ユニット70の動作が停止される。また、ステップS2306では、BB状態ST2において利用した各種フラグを「0」クリアする。これにより、BB状態ST2が終了したものとサブ側MPU152にて扱われることとなる。この場合、ステップS2302の処理が実行されていない場合には遊技状態が通常遊技状態ST1に移行することとなる。
その後、強制終了時の演出設定処理を実行する(ステップS2307)。当該演出設定処理では、強制終了処理が実行したことを示す演出及び強制終了処理により選択された内容を示す演出が上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて実行されるようにするためのデータ設定を行う。
<AT状態ST3について>
次に、AT状態ST3について説明する。まず図52のタイムチャートを参照しながら、AT状態ST3が進行していく様子を説明する。図52(a)はベース状態ST32の実行期間を示し、図52(b)は上乗せ可能ゲーム数の付与タイミングを示し、図52(c)は終了分岐状態の実行期間を示し、図52(d)は上乗せ抽選L2の実行期間を示し、図52(e)は継続抽選L3の実行期間を示し、図52(f)は特別抽選L4の実行期間を示す。
t1のタイミングでBB状態ST2から移行したAT状態ST3の準備状態ST31において第2RTリプレイ入賞が成立して抽選モードが第2RTモードとなることで、図52(a)に示すようにベース状態ST32に移行する。この場合、ベース状態ST32の今回の単位実行回に対応する継続可能ゲーム数が設定される。今回のベース状態ST32が、ベース状態ST32から移行したBB状態ST2が終了した後に開始されたものである場合にはBB状態ST2に移行する前におけるベース状態ST32において設定されていた継続可能ゲーム数が設定される。一方、当該状況で開始されたベース状態ST32ではない場合には、上乗せゲーム数が加算対象としてサブ側RAM154に確保されていないのであれば、開始時における初期継続可能ゲーム数である50ゲームが設定され、上乗せゲーム数が加算対象としてサブ側RAM154に確保されているのであれば、初期継続可能ゲーム数に対してその上乗せゲーム数が加算されたゲーム数が継続可能ゲーム数として設定される。
その後、ベース状態ST32において複数のゲームが実行され、それら複数のゲームのうちt2のタイミング及びt3のタイミングのそれぞれにおいて図52(b)に示すように上乗せ可能ゲーム数が付与される。詳細は後述するが、ベース状態ST32においては、1ゲームが実行される度に、上乗せ可能ゲーム数の設定対象となる案内口113a〜113fの種類が第n案内口→第n+1案内口の順序となるように順次切り換えられるとともに、第6案内口113fの次は第1案内口113aに設定対象が変更される。役の抽選処理にてIV=1〜5のいずれかの媒体付与役又はIV=6〜7のいずれかのBB役に当選したゲームにおいて上乗せ抽選処理が実行される。そして、当該上乗せ抽選処理において1ゲーム以上の上乗せ可能ゲーム数が選択されることで、この選択された上乗せ可能ゲーム数が設定対象の案内口113a〜113fに対して既に設定されている上乗せ可能ゲーム数に加算される。具体的には、サブ側RAM154の当選対象特定エリア154aにおける上乗せゲーム数エリアのうち設定対象の案内口113a〜113fに対応するエリアに対して、上乗せ抽選処理において選択された上乗せ可能ゲーム数の値が加算される。
その後、t4のタイミングで、ベース状態ST32の継続可能ゲーム数が「0」となることで、図52(a)に示すようにベース状態ST32の今回の単位実行回が終了し、図52(c)に示すようにサブ側MPU152にて終了分岐処理(ステップS907)が実行されることとなる終了分岐状態が開始される。今回終了したベース状態ST32では上乗せ可能ゲーム数が設定されているため、終了分岐状態では図52(d)に示すように上乗せ抽選L2が実行される。上乗せ抽選L2では、移行抽選L1の場合と同様に、抽選用ユニット70を利用した物理抽選を正常に実行可能な状況であれば当該物理抽選が行われ、物理抽選を正常に実行可能な状況ではない場合にはサブ側MPU152による補助抽選処理が実行される。また、物理抽選の途中で新たなゲームが開始された場合や既に説明した状況異常が発生した場合には、遊技者にとって最も有利度が低い特典又は最も不利である結果が強制的に選択されることとなる。
その後、t5のタイミングで図52(d)に示すように上乗せ抽選L2が終了する。この場合、当該上乗せ抽選L2において上乗せ可能ゲーム数が設定されている案内口113a〜113fが選択される。したがって、当該t5のタイミングで図52(c)に示すように終了分岐状態が終了して、図52(a)に示すようにベース状態ST32が再開される。この場合、当該ベース状態ST32の継続可能ゲーム数として、上乗せ抽選L2において選択された上乗せ可能ゲーム数が設定される。
その後、再開されたベース状態ST32において複数のゲームが実行され、それら複数のゲームのうちt6のタイミングにおいて図52(b)に示すように上乗せ可能ゲーム数が付与される。そして、t7のタイミングで、ベース状態ST32の継続可能ゲーム数が「0」となることで、図52(a)に示すようにベース状態ST32の今回の単位実行回が終了し、図52(c)に示すように終了分岐状態が開始される。今回終了したベース状態ST32では上乗せ可能ゲーム数が設定されているため、終了分岐状態では図52(d)に示すように上乗せ抽選L2が実行される。当該上乗せ抽選L2はt8のタイミングで終了する。しかしながら、当該上乗せ抽選L2では上乗せ可能ゲーム数が設定されている案内口113a〜113fが選択されない。したがって、当該t8のタイミングで図52(e)に示すように継続抽選L3が実行される。継続抽選L3では、移行抽選L1の場合と同様に、抽選用ユニット70を利用した物理抽選を正常に実行可能な状況であれば当該物理抽選が行われ、物理抽選を正常に実行可能な状況ではない場合にはサブ側MPU152による補助抽選処理が実行される。また、物理抽選の途中で新たなゲームが開始された場合や既に説明した状況異常が発生した場合には、遊技者にとって最も有利度が低い特典又は最も不利である結果が強制的に選択されることとなる。
その後、t9のタイミングで図52(e)に示すように継続抽選L3が終了する。この場合、当該継続抽選L3において継続当選が設定されている案内口113a〜113fが選択される。したがって、当該t9のタイミングで図52(c)に示すように終了分岐状態が終了して、図52(a)に示すようにベース状態ST32が再開される。この場合、当該ベース状態ST32の継続可能ゲーム数として、継続時における初期継続可能ゲーム数として30ゲームが設定される。
その後、再開されたベース状態ST32において複数のゲームが実行される。しかしながら、それら複数のゲームにおいて図52(b)に示すように上乗せ可能ゲーム数の付与は発生しない。そして、t10のタイミングで、ベース状態ST32の継続可能ゲーム数が「0」となることで、図52(a)に示すようにベース状態ST32の今回の単位実行回が終了し、図52(c)に示すように終了分岐状態が開始される。今回終了したベース状態ST32では上乗せ可能ゲーム数が設定されていないため、終了分岐状態では図52(d)に示すように上乗せ抽選L2が実行されることなく、図52(e)に示すように継続抽選L3が最初から実行される。
その後、t11のタイミングで図52(e)に示すように継続抽選L3が終了する。この場合、当該継続抽選L3において継続当選が設定されていない案内口113a〜113fが選択される。したがって、当該t11のタイミングで図52(e)に示すように終了分岐状態が終了するのに伴ってAT状態ST3も終了することとなる。
その後、t12のタイミングで、AT状態ST3の準備状態ST31において第2RTリプレイ入賞が成立して抽選モードが第2RTモードとなることで、図52(a)に示すようにベース状態ST32に移行する。その後、ベース状態ST32において複数のゲームが実行される。しかしながら、それら複数のゲームにおいて図52(b)に示すように上乗せ可能ゲーム数の付与は発生しない。そして、t13のタイミングで、ベース状態ST32の継続可能ゲーム数が「0」となることで、図52(a)に示すようにベース状態ST32の今回の単位実行回が終了し、図52(c)に示すように終了分岐状態が開始される。今回終了したベース状態ST32では上乗せ可能ゲーム数が設定されていないため、終了分岐状態では図52(d)に示すように上乗せ抽選L2が実行されることなく、図52(e)に示すように継続抽選L3が最初から実行される。
その後、t14のタイミングで図52(e)に示すように継続抽選L3が終了する。この場合、当該継続抽選L3において特別抽選L4の発生当選が設定されている案内口113a〜113fが選択される。したがって、当該t14のタイミングでは図52(c)に示すように終了分岐状態は終了することなく継続する。そして、図52(f)に示すように特別抽選L4が実行される。特別抽選L4では、各案内口113a〜113fのそれぞれに対して、継続可能ゲーム数の加算、ベース状態ST32の残りの単位実行回の加算、及び継続抽選L3において継続当選となる確率の向上といった利益付与のいずれかが設定される。また、特別抽選L4ではいずれの案内口113a〜113fが選択されたとしてもベース状態ST32の新たな単位実行回が開始される。
特別抽選4では、移行抽選L1の場合と同様に、抽選用ユニット70を利用した物理抽選を正常に実行可能な状況であれば当該物理抽選が行われ、物理抽選を正常に実行可能な状況ではない場合にはサブ側MPU152による補助抽選処理が実行される。また、物理抽選の途中で新たなゲームが開始された場合や既に説明した状況異常が発生した場合には、遊技者にとって最も有利度が低い特典が強制的に選択されることとなる。
その後、t15のタイミングで図52(f)に示すように特別抽選L4が終了する。この場合、ベース状態ST32の新たな単位実行回の発生が確定するとともに、今回選択されている案内口113a〜113fに対して設定されている特典が付与される。当該t15のタイミングで図52(c)に示すように終了分岐状態が終了して、図52(a)に示すようにベース状態ST32が再開される。
上記のとおりベース状態ST32の継続可能ゲーム数が「0」となった場合には終了分岐状態となる。当該終了分岐状態では、直前のベース状態ST32において少なくとも1個の案内口113a〜113fに対して上乗せ可能ゲーム数が設定されている場合には上乗せ抽選L2が実行され、当該上乗せ抽選L2において上乗せ可能ゲーム数が設定されている案内口113a〜113fが選択された場合にはその上乗せ可能ゲーム数が継続可能ゲーム数として設定されてベース状態ST32が再開される。これにより、ベース状態ST32においては案内口113a〜113fに対する上乗せ可能ゲーム数の設定が行われることを期待しながら遊技が行われることとなり、ベース状態ST32における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
終了分岐状態では、直前のベース状態ST32においていずれの案内口113a〜113fにも上乗せ可能ゲーム数が設定されていない場合には継続抽選L3が実行される。また、上乗せ抽選L2において上乗せ当選とならなかったとしても継続抽選L3が実行される。そして、継続抽選L3において当選対象の案内口113a〜113fが選択された場合にはベース状態ST32の新たな単位実行回が開始される。これにより、上乗せ抽選L2が実行されなかった場合又は上乗せ抽選L2において上乗せ当選とならなかった場合であってもベース状態ST32が新たに開始される機会を与えることが可能となり、ベース状態ST32が継続することに対する遊技者の期待感を高めることが可能となる。
特に、ベース状態ST32においていずれの案内口113a〜113fにも上乗せ可能ゲーム数が設定されなかったとしてもその後の継続抽選L3にて継続当選となればベース状態ST32が再開される構成であることにより、ベース状態ST32において上乗せ可能ゲーム数が設定されないことに対する遊技者の失望感を低減させることが可能となる。
継続抽選L3において特別抽選L4の発生当選となった場合、継続抽選L3の終了後に特別抽選L4が実行され、ベース状態ST32の単位実行回の新たな発生という特典に加えて更なる特典が遊技者に付与される。よって、遊技者は継続抽選L3において特別抽選L4の発生当選となることを期待することとなり、継続抽選L3に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
ベース状態ST32においていずれかの案内口113a〜113fに上乗せ可能ゲーム数が設定されたことを条件として上乗せ抽選L2が実行される。また、継続抽選L3において特別抽選L4の発生当選となることを条件として特別抽選L4が実行される。つまり、ベース状態ST32の単位実行回が終了して終了分岐状態となった場合、当該終了分岐状態において実行される抽選の回数が1回〜3回の範囲で変動することとなる。これにより、終了分岐状態における遊技の内容を多様化させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
次に、図53のタイムチャートを参照しながら、ベース状態ST32において上乗せ可能ゲーム数の設定が行われ得る案内口113a〜113fの種類が順次変更される様子について説明する。図53(a)は1ゲームの実行期間を示し、図53(b)は第1案内口113aに上乗せ可能ゲーム数が設定され得る期間を示し、図53(c)は第2案内口113bに上乗せ可能ゲーム数が設定され得る期間を示し、図53(d)は第3案内口113cに上乗せ可能ゲーム数が設定され得る期間を示し、図53(e)は第4案内口113dに上乗せ可能ゲーム数が設定され得る期間を示し、図53(f)は第5案内口113eに上乗せ可能ゲーム数が設定され得る期間を示し、図53(g)は第6案内口113fに上乗せ可能ゲーム数が設定され得る期間を示し、図53(h)は遊技者の選択によって第1〜第6案内口113a〜113fのいずれかに上乗せ可能ゲーム数が設定され得る選択可能期間を示す。
t1のタイミングで図53(a)に示すようにベース状態ST32における最初のゲームが開始される。この場合、図53(b)に示すようにベース状態ST32が開始されたタイミングにおいては上乗せ可能ゲーム数の設定が行われ得る対象は第1案内口113aとなっている。これは通常遊技状態ST1からAT状態ST3への移行が発生した場合、通常遊技状態ST1から移行したBB状態ST2が終了してAT状態ST3への移行が発生した場合、AT状態ST3から移行したBB状態ST2が終了してAT状態ST3に復帰する場合、及び終了分岐状態からベース状態ST32に復帰する場合のいずれにおいても同様である。
t1のタイミングで開始されたゲームにおいてIV=1〜7のいずれかに当選することで上乗せ抽選処理が実行され、当該上乗せ抽選処理にて1ゲーム以上の上乗せ可能ゲーム数が選択されることで、当選対象特定エリア154aにおける上乗せゲーム数エリアにおいて第1案内口113aに対応するエリアに、当該上乗せ抽選処理にて選択された上乗せ可能ゲーム数が加算される。一方、上乗せ抽選処理にて1ゲーム以上の上乗せ可能ゲーム数が選択されなかった場合、又はt1のタイミングで開始されたゲームにおいてIV=1〜7のいずれかに当選しなかった場合、第1案内口113aに対する上乗せ可能ゲーム数の設定は行われない。
その後、t2のタイミングで図53(a)に示すようにベース状態ST32における次のゲームが開始される。この場合、図53(b)及び図53(c)に示すように上乗せ可能ゲーム数の設定が行われ得る対象は第2案内口113bに変更される。t2のタイミングで開始されたゲームにおいてIV=1〜7のいずれかに当選することで上乗せ抽選処理が実行され、当該上乗せ抽選処理にて1ゲーム以上の上乗せ可能ゲーム数が選択されることで、当選対象特定エリア154aにおける上乗せゲーム数エリアにおいて第2案内口113bに対応するエリアに、当該上乗せ抽選処理にて選択された上乗せ可能ゲーム数が加算される。一方、上乗せ抽選処理にて1ゲーム以上の上乗せ可能ゲーム数が選択されなかった場合、又はt1のタイミングで開始されたゲームにおいてIV=1〜7のいずれかに当選しなかった場合、第2案内口113bに対する上乗せ可能ゲーム数の設定は行われない。
その後、t3のタイミングで開始されるゲームでは図53(d)に示すように第3案内口113cが上乗せ可能ゲーム数の設定が行われ得る対象となり、t4のタイミングで開始されるゲームでは図53(e)に示すように第4案内口113dが上乗せ可能ゲーム数の設定が行われ得る対象となり、t5のタイミングで開始されるゲームでは図53(f)に示すように第5案内口113eが上乗せ可能ゲーム数の設定が行われ得る対象となり、t6のタイミングで開始されるゲームでは図53(g)に示すように第6案内口113fが上乗せ可能ゲーム数の設定が行われ得る対象となる。これら設定対象となった案内口113c〜113fに対して上乗せ可能ゲーム数が設定される条件は、第1案内口113a及び第2案内口113bの場合と同様である。
その後、t7のタイミングで図53(a)に示すようにベース状態ST32における新たなゲームが開始される。この場合、図53(b)〜図53(g)に示すように第1〜第6案内口113a〜113fの全てが上乗せ可能ゲーム数の設定され得る対象とはならない。その代わりに、図53(h)に示すように選択可能期間となる。選択可能期間とは、対応するゲームにおいてIV=1〜7のいずれかに当選することで実行された上乗せ抽選処理において1ゲーム以上の上乗せ可能ゲーム数が選択された場合に、その選択された上乗せ可能ゲーム数を第1〜第6案内口113a〜113fのうちいずれに対して加算するのかを遊技者の操作によって選択可能な期間のことである。したがって、t7のタイミングで開始されたゲームにおいてIV=1〜7のいずれかに当選することで上乗せ抽選処理が実行され、さらにその上乗せ抽選処理において1ゲーム以上の上乗せ可能ゲーム数が選択された場合には、その選択された上乗せ可能ゲーム数を第1〜第6案内口113a〜113fのうち遊技者が所望する案内口に設定することが可能となる。なお、選択可能期間において1ゲーム以上の上乗せ可能ゲーム数が選択されたものの遊技者による案内口113a〜113fの選択操作が完了する前に新たなゲームが開始された場合には、その上乗せ可能ゲーム数は抽選により選択された案内口113a〜113fのいずれかに加算される。
その後、t8のタイミングで図53(a)に示すようにベース状態ST32における新たなゲームが開始される。この場合、図53(b)に示すように第1案内口113aが上乗せ可能ゲーム数の設定が行われ得る対象となる。その後、t9のタイミングで図53(a)に示すようにベース状態ST32における新たなゲームが開始される。この場合、図53(c)に示すように第2案内口113bが上乗せ可能ゲーム数の設定が行われ得る対象となる。
上記のとおりベース状態ST32においては1ゲームが実行される度に、第n案内口の次に第n+1案内口が設定されるように第1〜第6案内口113a〜113fのうち上乗せ可能ゲーム数が設定され得る対象が順次変更される。そして、当該順序に従って第1〜第6案内口113a〜113fがそれぞれ1回ずつ上乗せ可能ゲーム数の設定され得る対象となった場合、次のゲームでは選択可能期間となる。当該選択可能期間となったゲームの次のゲームでは、第1案内口113aが再度、上乗せ可能ゲーム数の設定され得る対象となる。つまり、第1〜第6案内口113a〜113fが上記順序に従ってそれぞれ1回ずつ設定対象となりその後に選択可能期間となることを1回のサイクルとして、当該サイクルが繰り返されることとなる。これにより、第1〜第6案内口113a〜113fのそれぞれに対して上乗せ可能ゲーム数が設定され得る機会を与えることが可能となる。例えば、上乗せ可能ゲーム数の設定対象を常に遊技者が選択する構成も考えられるが、この場合、振分用回転体103の個体差などによって抽選用球Bが入球し易い案内口113a〜113fが存在していた場合にその事情を知っているかどうかで有利又は不利が生じてしまう。これに対して、設定対象の第1〜第6案内口113a〜113fが順次変更されることにより、そのような不都合が発生しないようにすることが可能となる。
その一方、第1〜第6案内口113a〜113fのそれぞれが1回ずつ設定対象となった後は、遊技者の操作によって設定対象を選択可能な選択可能期間となる。これにより、設定対象を遊技者が選択可能な状況も生じさせることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
次に、図54及び図55を参照しながらベース状態ST32における画像表示装置66の表示内容について説明する。まず図54を参照しながら選択可能期間ではない場合について説明する。
ベース状態ST32においては、図54(a)に示すように、画像表示装置66に演出表示領域G31と、設定ゲーム数表示領域G32とが設定される。演出表示領域G31では所定のキャラクタ画像が表示されて、ベース状態ST32に対応する表示演出が実行される。
設定ゲーム数表示領域G32では、第1案内口113aに設定されている上乗せ可能ゲーム数を表示するための第1単位領域G41と、第2案内口113bに設定されている上乗せ可能ゲーム数を表示するための第2単位領域G42と、第3案内口113cに設定されている上乗せ可能ゲーム数を表示するための第3単位領域G43と、第4案内口113dに設定されている上乗せ可能ゲーム数を表示するための第4単位領域G44と、第5案内口113eに設定されている上乗せ可能ゲーム数を表示するための第5単位領域G45と、第6案内口113fに設定されている上乗せ可能ゲーム数を表示するための第6単位領域G46と、選択可能期間において取得された上乗せ可能ゲーム数を表示するための第7単位領域G47と、が横並びで設定されている。また、設定ゲーム数表示領域G32には、現状のゲームにおいて第1〜第6案内口113a〜113fのうちいずれが設定対象となっているのかを明示するため下向きの矢印による対象明示画像G48が表示される。
図54(a)に示す状況においては、第2案内口113bに対して10ゲームの上乗せ可能ゲーム数が設定されているとともに第5案内口113eに対して30ゲームの上乗せ可能ゲーム数が設定されているのに対して、それ以外に対しては上乗せ可能ゲーム数が設定されていない。したがって、第2単位領域G42に「+10」というゲーム数明示画像が表示されているとともに、第5単位領域G45に「+30」というゲーム数明示画像が表示されているのに対して、他の単位領域にはゲーム数明示画像が表示されていない。この状況において第2案内口113bが設定対象となっているため第2単位領域G42に対応する位置に対象明示画像G48が表示されている。そして、当該ゲームにおいて上乗せ抽選処理にて50ゲームの上乗せ可能ゲーム数が選択される。当該上乗せ可能ゲーム数を明示するために、図54(a)の演出表示領域G31には「+50ゲーム!!」という画像が表示されている。
図54(a)の状況に対応するゲームに対して次のゲームでは、画像表示装置66の表示内容は図54(b)に示す表示内容となる。この場合、図54(a)の状況に対応するゲームにおいて、第2案内口113bに対して既に上乗せ可能ゲーム数として10ゲームが設定されている状況で、新たに50ゲームの上乗せ可能ゲーム数が第2案内口113bへの設定対象のゲーム数として選択されているため、第2案内口113bに設定されている上乗せ可能ゲーム数は60ゲームとなっており、それに対応させて第2単位領域G42には「+60」というゲーム数明示画像が表示されている。また、図54(b)の状況に対応するゲームでは第3案内口113cが設定対象となっているため、第3単位領域G43に対応する位置に対象明示画像G48が表示されている。
上記のとおりベース状態ST32においては画像表示装置66にて第1〜第6単位領域G41〜G46が表示され、各単位領域G41〜G46には対応する案内口113a〜113fに設定されている上乗せ可能ゲーム数を示すゲーム数明示画像が表示される。これにより、遊技者は画像表示装置66を確認することで、各案内口113a〜113fに対して設定されている上乗せ可能ゲーム数を明確に認識することが可能となる。
また、ベース状態ST32の各ゲームにおいて設定対象となっている案内口113a〜113fに対応する単位領域G41〜G46に隣接した位置に対象明示画像G48が表示される。これにより、遊技者は画像表示装置66を確認することで、各ゲームにおいていずれの案内口113a〜113fが上乗せ可能ゲーム数の設定対象となっているのかを明確に認識することが可能となる。
次に、図55を参照しながら選択可能期間である場合について説明する。
選択可能期間においては、図55(a)に示すように第7単位領域G47に隣接した位置に対象明示画像G48が表示される。これにより、遊技者は画像表示装置66を確認することで、今回のゲームが選択可能期間に対応していることを明確に認識することが可能となる。図55(a)の状況に対応するゲームでは、上乗せ抽選処理にて30ゲームの上乗せ可能ゲーム数が選択される。当該上乗せ可能ゲーム数を明示するために、図55(a)の演出表示領域G31には「+30ゲーム!!」という画像が表示されている。
この画像表示が所定期間(例えば5sec)行われた後、図55(b)に示すように、今回取得された上乗せ可能ゲーム数に対応するゲーム数明示画像が第7単位領域G47に表示される。また、図55(b)に示すように演出表示領域G31では、第1単位領域G41〜第6単位領域G46のいずれかを遊技者の操作によって選択すべきことを促す画像が表示される。選択可能期間において上乗せ可能ゲーム数が取得された場合、左ストップボタン42が操作される度に対象明示画像G48が左側の単位領域に移動し、右ストップボタン44が操作される度に対象明示画像G48が右側の単位領域に移動する。但し、第7単位領域G47は選択対象から除外される。また、選択可能期間においては、中ストップボタン43が操作されることにより決定操作が行われたとして、その時点で選択されている案内口113a〜113fに対して、今回取得された上乗せ可能ゲーム数が加算される。図55(b)の場合では対象明示画像G48が第4単位領域G44に隣接した位置に表示されている状況で決定操作が行われる。したがって、図55(c)に示すように、図55(b)の状況において第7単位領域G47に設定されていた上乗せ可能ゲーム数が第4単位領域G44に加算されている。なお、選択可能期間のゲームに対して次のゲームでは第1案内口113aが設定対象となるため、図55(c)では対象明示画像G48が第1単位領域G41に隣接した位置に表示されている。
上記のとおり選択可能期間において取得された上乗せ可能ゲーム数は第7単位領域G47に一旦表示される。これにより、選択可能期間において取得された上乗せ可能ゲーム数を遊技者は明確に認識することが可能となる。そして、選択可能期間において上乗せ可能ゲーム数が取得された場合には遊技者の選択操作によって第1単位領域G41〜第6単位領域G46のいずれかが選択され、決定操作が行われた場合に選択されている単位領域G41〜G46に対応する案内口113a〜113fに対して、取得された上乗せ可能ゲーム数が加算される。これにより、選択可能期間において取得された上乗せ可能ゲーム数をいずれかの案内口113a〜113fに設定するための操作の容易化を図ることが可能となるとともに、選択可能期間における遊技結果の内容の理解の容易化を図ることが可能となる。
ちなみに、ベース状態ST32においては案内口113a〜113fのいずれかに上乗せ可能ゲーム数が設定され得ることとなるが、AT状態ST3から移行したBB状態ST2では既に説明したとおり媒体付与役に当選したゲームにおいて当該ゲームにて設定対象となっている案内口113a〜113fに上乗せ可能ゲーム数が設定され得る。また、上乗せ状態ST33への移行が発生した場合にも上乗せ状態ST33の各ゲームにおいて案内口113a〜113fのいずれかに上乗せ可能ゲーム数が設定され得る。そして、ベース状態ST32が終了して上乗せ抽選L2が実行される場合には、それら各状態において各案内口113a〜113fのそれぞれに設定された上乗せ可能ゲーム数の合計分が、各案内口113a〜113fに最終的に設定された上乗せ可能ゲーム数とされ、上乗せ抽選L2において選択された案内口113a〜113fに設定されている上乗せ可能ゲーム数の合計分が上乗せゲーム数として付与される。
以下、AT状態ST3の進行を可能とする具体的な処理構成について説明する。既に説明したとおりAT状態ST3ではサブ側MPU152においてAT中処理(図26)が実行される。AT中処理では、サブ側RAM154のAT状態カウンタの値が「1」であればステップS904の準備状態処理を実行する。
準備状態処理では、抽選モードが第1RTモード又は第2RTモードであれば役の抽選処理にてインデックス値IV=1〜3のいずれかで当選した場合にベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知がリール32L,32M,32Rの停止操作が可能となる前に開始されるようにする。また、準備状態処理では、抽選モードが第2RTモードであれば抽選モードを第1RTモードに一旦降格させるべく、役の抽選処理にてインデックス値IV=8〜13のいずれかに当選したとしても第2転落リプレイ入賞の成立を回避するためのリール32L,32M,32Rの停止順序は報知しない。また、準備状態処理では、抽選モードが第1RTモードである状況において役の抽選処理にてインデックス値IV=12〜17のいずれかで当選した場合には、第1転落リプレイ入賞の成立を回避するためのリール32L,32M,32Rの停止順序の報知がリール32L,32M,32Rの停止操作が可能となる前に開始されるようにする。また、準備状態処理では、役の抽選処理にて第1RTリプレイ入賞又は第2RTリプレイ入賞の成立を可能とする役に当選した場合には、その当選に対応するRTリプレイ入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知がリール32L,32M,32Rの停止操作が可能となる前に開始されるようにする。
準備状態処理において第2RTリプレイ入賞が発生したことが特定された場合、遊技状態を準備状態ST31からベース状態ST32に移行させるべく、サブ側RAM154のAT状態カウンタに「2」をセットする。また、ベース状態ST32の継続可能ゲーム数を設定するための処理を実行する。具体的には、AT状態ST3から移行したBB状態ST2が終了した後のAT状態ST3であってBB状態ST2に移行する前の時点でベース状態ST32の継続可能ゲーム数が残っている場合にはその継続可能ゲーム数を今回の継続可能ゲーム数として設定する。AT状態ST3から移行したBB状態ST2が終了した後のAT状態ST3であってBB状態ST2に移行する前の時点でベース状態ST32の継続可能ゲーム数が残っていない場合、通常遊技状態ST1から移行したAT状態ST3である場合、又は通常遊技状態ST1から移行したBB状態ST2が終了した後のAT状態ST3である場合には、固定の初期継続可能ゲーム数である50ゲームを今回の継続可能ゲーム数として設定する。
AT中処理では、サブ側RAM154のAT状態カウンタの値が「2」である場合、ステップS905のベース状態処理を実行する。図56はベース状態処理を示すフローチャートである。
まずサブ側RAM154に設けられた選択中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2401)。選択中フラグは、選択可能期間であることをサブ側MPU152にて特定するためのフラグである。選択中フラグに「1」がセットされている場合にはステップS2402にて選択中処理を実行する。当該選択中処理については後に説明する。
ステップS2401にて否定判定をした場合、又はステップS2402の処理を実行した場合、ゲーム開始コマンドを主側MPU142から受信したか否かを判定する(ステップS2403)。ゲーム開始コマンドを受信している場合(ステップS2403:YES)、サブ側RAM154の選択中フラグに「1」がセットされていることを条件として(ステップS2404:YES)、ステップS2405及びステップS2406の処理を実行する。これらの処理内容については後に説明する。
ステップS2404にて否定判定をした場合、又はステップS2406の処理を実行した場合、今回受信したゲーム開始コマンドにインデックス値IV=1〜7のいずれかで当選したことを示すデータが設定されているか否かを判定する(ステップS2407)。インデックス値IV=1〜7のいずれかで当選している場合(ステップS2407:YES)、今回の当選役に対応する上乗せ決定用テーブルをサブ側ROM153からサブ側RAM154に読み出す(ステップS2408)。その後、当該上乗せ決定用テーブルを利用して上乗せ抽選処理を実行する(ステップS2409)。
上乗せ抽選処理は既に説明したとおりBB状態ST2においても実行されるが、AT状態ST3において実行される上乗せ抽選処理では選択対象として上乗せ可能ゲーム数以外にも、上乗せ状態ST33への移行当選結果も含まれている。詳細には、上乗せ抽選処理では、サブ側RAM154において定期的に更新される抽選用カウンタの現状の数値情報を読み出し、ステップS2408にて読み出した上乗せ決定用テーブルにおいてその数値情報に対応する抽選結果を特定する。当該抽選結果としては、特典無しの抽選結果と、10ゲームの上乗せ可能ゲーム数と、20ゲームの上乗せ可能ゲーム数と、30ゲームの上乗せ可能ゲーム数と、50ゲームの上乗せ可能ゲーム数と、上乗せ状態ST33の移行当選結果とが含まれている。ちなみに、インデックス値IV=1〜3→インデックス値IV=4→インデックス値IV=6→インデックス値IV=5→インデックス値IV=7の順序で、上乗せ可能ゲーム数の設定が発生する確率が高くなるとともに、設定される上乗せ可能ゲーム数が多くなり易く、さらには上乗せ状態ST33への移行当選結果となる確率が高くなる。
上乗せ抽選処理において上乗せ状態ST33への移行当選結果となった場合(ステップS2410:YES)、サブ側RAM154に設けられた移行当選フラグに「1」をセットする(ステップS2411)。移行当選フラグは、上乗せ状態ST33への移行条件が成立していることをサブ側MPU152にて特定するためのフラグである。
上乗せ抽選処理において上乗せ状態ST33への移行当選結果とならなかったもののいずれかの上乗せ可能ゲーム数が選択された場合(ステップS2412:YES)、サブ側RAM154の設定対象カウンタの値が「6」であるか否かを判定する(ステップS2413)。既に説明したとおり、設定対象カウンタは、設定対象が第1〜第6案内口113a〜113fのうちいずれであるのかをサブ側MPU152にて特定するためのカウンタであり。設定対象カウンタの値が「0」であれば上記設定対象が第1案内口113aとなり、設定対象カウンタの値が「1」であれば上記設定対象が第2案内口113bとなり、設定対象カウンタの値が「2」であれば上記設定対象が第3案内口113cとなり、設定対象カウンタの値が「3」であれば上記設定対象が第4案内口113dとなり、設定対象カウンタの値が「4」であれば上記設定対象が第5案内口113eとなり、設定対象カウンタの値が「5」であれば上記設定対象が第6案内口113fとなる。また、AT状態ST3においては設定対象カウンタの値として「6」の値を取り得るようになっており、設定対象カウンタの値が「6」であれば選択可能期間となる。なお、BB状態ST2においては設定対象カウンタの値を更新することで「6」となった場合には当該設定対象カウンタの値を「0」クリアする。
設定対象カウンタの値が「0」〜「5」のいずれかである場合(ステップS2413:NO)、上乗せ抽選結果の加算処理を実行する(ステップS2414)。当該加算処理では、当選対象特定エリア154aにおける上乗せゲーム数エリアのうち設定対象カウンタの値に対応するエリアに、上乗せ抽選処理において今回選択された上乗せ可能ゲーム数を加算する。これにより、現状の設定対象の案内口113a〜113fに上乗せ可能ゲーム数が加算されることとなる。設定対象カウンタの値が「6」である場合(ステップS2413:YES)、上乗せ抽選結果の別記憶処理を実行する(ステップS2415)。当該別記憶処理では、上乗せ抽選処理において今回選択された上乗せ可能ゲーム数をサブ側RAM154に記憶させる。
ベース状態処理では入賞結果コマンドを主側MPU142から受信した場合(ステップS2416:YES)、停止後処理を実行する(ステップS2417)。図57は停止後処理を示すフローチャートである。
サブ側RAM154の移行当選フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2501:YES)、上乗せ状態ST33への移行条件が成立していることを意味するため、サブ側RAM154のAT状態カウンタに「3」をセットする(ステップS2502)。この場合、ベース状態ST32の継続可能ゲーム数の情報は消去することなくサブ側RAM154に記憶保持させる。
AT中処理(図26)ではAT状態カウンタの値が「3」である場合、ステップS906の上乗せ状態処理を実行する。上乗せ状態処理では、ベース状態ST32の場合と同様に、1ゲーム毎に、上乗せ可能ゲーム数が設定され得る対象の案内口113a〜113fが順次変更されるようにする。但し、上乗せ状態処理では選択可能期間は設定されない。したがって、第6案内口113fが設定対象となったゲームの次のゲームでは第1案内口113aが設定対象となる。上乗せ状態処理では、各ゲームにおいて上乗せ抽選処理を実行する。当該上乗せ抽選処理においては、1ゲーム以上の上乗せ可能ゲーム数が選択される確率がBB状態ST2及びベース状態ST32の場合よりも高くなるとともに、1回のゲームにおいて選択される上乗せ可能ゲーム数がBB状態ST2及びベース状態ST32よりも多くなり易くなる。上乗せ抽選処理において1ゲーム以上の上乗せ可能ゲーム数が選択された場合には、当選対象特定エリア154aの上乗せゲーム数エリアのうち設定対象の案内口113a〜113fに対応するエリアに、その上乗せ可能ゲーム数を加算する。上乗せ状態処理では、上乗せ状態ST33において実行されたゲーム数が固定ゲーム数である30ゲームとなった場合に、サブ側RAM154のAT状態カウンタの値に「2」をセットする。これにより、遊技状態がベース状態ST32に復帰する。
停止後処理(図57)の説明に戻り、サブ側RAM154の移行当選フラグに「1」がセットされていない場合であって、今回のゲームにおいて上乗せ抽選処理が実行されているとともに当該上乗せ抽選処理にて1ゲーム以上の上乗せ可能ゲーム数が選択されている場合(ステップS2501:NO、ステップS2503:YES)、サブ側RAM154の設定対象カウンタの値が「6」であるか否かを判定することで、今回のゲームが選択可能期間であるか否かを判定する(ステップS2504)。
今回のゲームが選択可能期間ではない場合(ステップS2504:NO)、表示更新処理を実行する(ステップS2505)。表示更新処理では、今回のゲームにおいて取得された上乗せ可能ゲーム数が画像表示装置66の演出表示領域G31に表示された後に、その表示された上乗せ可能ゲーム数が今回のゲームにおける設定対象の案内口113a〜113fに対応する単位領域G41〜G46に加算されるようにデータ設定を行う。
今回のゲームが選択可能期間である場合(ステップS2504:YES)、選択可能報知処理を実行する(ステップS2506)。選択可能報知処理では、今回のゲームにおいて取得された上乗せ可能ゲーム数が画像表示装置66の演出表示領域G31に表示された後に、その表示された上乗せ可能ゲーム数が第7単位領域G47に表示されるとともに第1単位領域G41〜第6単位領域G46のいずれかを遊技者の操作によって選択すべきことを促す画像が演出表示領域G31に表示されるようにデータ設定を行う。その後、サブ側RAM154の選択中フラグに「1」をセットする(ステップS2507)。
ステップS2505の処理を実行した場合、又はステップS2507の処理を実行した場合、サブ側RAM154に設けられた上乗せ発生フラグに「1」をセットする(ステップS2508)。上乗せ発生フラグは、ベース状態ST32の1回の単位実行回における継続可能ゲーム数が「0」となるまでに、いずれかの案内口113a〜113fに対して上乗せ可能ゲーム数が設定されたことをサブ側MPU152にて特定するためのフラグである。なお、AT状態ST3から移行したBB状態ST2において上乗せ可能ゲーム数が設定された場合及び上乗せ状態ST33において上乗せ可能ゲーム数が設定された場合にも、上乗せ発生フラグに「1」がセットされた状態となるようにする。また、これらの場合であって上乗せ発生フラグに既に「1」がセットされている場合にはその状態を維持する。
ステップS2503にて否定判定をした場合、又はステップS2508の処理を実行した場合、設定対象の更新処理を実行する(ステップS2509)。当該更新処理では、サブ側RAM154の設定対象カウンタの値を1加算する。この場合、1加算後における設定対象カウンタの値が「7」である場合には設定対象カウンタの値を「0」クリアする。これにより、設定対象の案内口113a〜113fが第n案内口→第n+1案内口の順序で変更されるとともに、第6案内口113fの次は選択可能期間となりさらに選択可能期間の次は第1案内口113aが設定対象となる正方向の順序に従って、ベース状態ST32において1ゲームが実行される度に設定対象の案内口113a〜113fが1個ずつ変更されていく。
ステップS2503にて否定判定をした場合、又はステップS2509の処理を実行した場合、サブ側RAM154に設けられた残ゲーム数カウンタの値を1減算する(ステップS2510)。残ゲーム数カウンタは、ベース状態ST32における残りの継続可能ゲーム数をサブ側MPU152にて特定するためのカウンタである。ベース状態ST32の継続可能ゲーム数が新たに設定される場合には、その設定対象となった継続可能ゲーム数の値が残ゲーム数カウンタに設定される。
1減算後における残ゲーム数カウンタの値が「0」である場合(ステップS2511:YES)、サブ側RAM154の選択中フラグに「1」がセットされていることを条件として(ステップS2512:YES)、ステップS2513及びステップS2514の処理を実行する。これらの処理の内容は後に説明する。ステップS2512にて否定判定をした場合、又はステップS2514の処理を実行した場合、サブ側RAM154のAT状態カウンタに「4」をセットする(ステップS2515)。これにより、遊技状態がベース状態ST32から終了分岐状態に移行し、AT中処理(図26)ではステップS907の終了分岐処理が実行されることとなる。
次に、サブ側MPU152にて実行される選択中処理について、図58のフローチャートを参照しながら説明する。なお、選択中処理はサブ側RAM154の選択中フラグに「1」がセットされている状況においてベース状態処理(図56)におけるステップS2402にて実行される。
選択中処理では遊技者による対象移動操作が行われた場合(ステップS2601:YES)、対象移動処理を実行する(ステップS2602)。対象移動処理では、左ストップボタン42が操作される度に、画像表示装置66における対象明示画像G48が第1〜第6単位領域G41〜G46のうち現状選択されている単位領域に対して左隣の単位領域に移動するようにデータ設定を行う。この場合、対象明示画像G48が既に第1単位領域G41に隣接する位置に設定されている場合にはその表示状態を維持させる。また、対象移動処理では、右ストップボタン44が操作される度に、画像表示装置66における対象明示画像G48が第1〜第6単位領域G41〜G46のうち現状選択されている単位領域に対して右隣の単位領域に移動するようにデータ設定を行う。この場合、対象明示画像G48が既に第6単位領域G46に隣接する位置に設定されている場合にはその表示状態を維持させる。
選択中処理では決定操作が行われた場合、すなわち中ストップボタン43が操作された場合(ステップS2603:YES)、上乗せ抽選結果の加算処理を実行する(ステップS2604)。当該加算処理では、当選対象特定エリア154aにおける上乗せゲーム数エリアのうち、対象明示画像G48が隣接している単位領域G41〜G46に対応するエリアに対して、今回のゲームにおいて選択された上乗せ可能ゲーム数を加算する。これにより、現状選択されている単位領域G41〜G46に対応する案内口113a〜113fに上乗せ可能ゲーム数が加算されることとなる。
その後、表示更新処理を実行する(ステップS2605)。表示更新処理では、第7単位領域G47に表示されていたゲーム数明示画像が消去されるとともに、そのゲーム数明示画像に対応する上乗せ可能ゲーム数が現状選択されている単位領域G41〜G46に加算されるようにデータ設定を行う。その後、サブ側RAM154の選択中フラグを「0」クリアする(ステップS2606)。
ここで、選択可能期間においていずれかの案内口113a〜113fに対する上乗せ可能ゲーム数の決定操作が行われていない状況であっても、新たなゲームを開始するることが可能である。この場合、サブ側MPU152は、ベース状態処理(図56)におけるステップS2404にて肯定判定をすることで、強制設定処理を実行する(ステップS2405)。強制設定処理では、設定対象の案内口113a〜113fの抽選処理を実行する。この場合、各案内口113a〜113fが選択される確率はいずれも同一の確率となっている。そして、当該抽選処理において選択された案内口113a〜113fに対して今回の上乗せ可能ゲーム数を加算する。つまり、当選対象特定エリア154aにおける上乗せゲーム数エリアのうち、上記抽選処理にて選択された案内口113a〜113fに対応するエリアに対して、今回のゲームにおいて選択された上乗せ可能ゲーム数を加算する。その後、サブ側RAM154の選択中フラグを「0」クリアする(ステップS2406)。このように強制設定処理が実行されることにより、選択可能期間の途中で新たなゲームが開始されたとしても当該選択可能期間において取得された上乗せ可能ゲーム数をいずれかの案内口113a〜113fに設定することが可能となる。
また、ベース状態ST32の最終ゲームが選択可能期間となり、さらに当該選択可能期間における上乗せ抽選処理にて1ゲーム以上の上乗せ可能ゲーム数が選択されることが起こり得る。この場合、サブ側MPU152は、停止後処理(図57)におけるステップS2511及びステップS2512の両方で肯定判定をすることにより全加算処理を実行する(ステップS2513)。全加算処理では、今回の上乗せ可能ゲーム数を、全ての案内口113a〜113fのそれぞれに対して加算する。つまり、当選対象特定エリア154aにおける上乗せゲーム数エリアのそれぞれに対して、今回のゲームにおいて選択された上乗せ可能ゲーム数を加算する。その後、サブ側RAM154の選択中フラグを「0」クリアする(ステップS2514)。
このように全加算処理が実行されることにより、ベース状態ST32の最終ゲームが選択可能期間となり、さらに当該選択可能期間における上乗せ抽選処理にて1ゲーム以上の上乗せ可能ゲーム数が選択された場合には、その上乗せ可能ゲーム数が全ての案内口113a〜113fのそれぞれに対して設定されることとなる。つまり、新たに設定された合計の上乗せ可能ゲーム数は、今回のゲームにおいて選択された上乗せ可能ゲーム数の6倍となる。これにより、上記のような状況が発生することに対する有利度を高めることが可能となり、ベース状態ST32の最終ゲームが選択可能期間となることに対する遊技者の期待感を高めることが可能となる。また、全ての案内口113a〜113fに対して上乗せ可能ゲーム数が設定されることで、その後に実行される上乗せ抽選L2においては確実に上乗せゲーム数が付与されてベース状態ST32が再開されることとなる。この点からも、上記のような状況が発生することに対する有利度を高めることが可能となり、ベース状態ST32の最終ゲームが選択可能期間となることに対する遊技者の期待感を高めることが可能となる。
次に、サブ側MPU152にて実行される停止順報知制御処理について、図59のフローチャートを参照しながら説明する。なお、停止順報知制御処理は、主側MPU142からゲーム開始コマンドを受信した場合にAT中処理(図26)におけるステップS902にて実行される。
役の抽選処理にてインデックス値IV=1〜3のいずれかで当選したことを示すデータが今回受信したゲーム開始コマンドに設定されている場合(ステップS2701:YES)、抽選モードが第1RTモード又は第2RTモードであることを条件として(ステップS2702:YES)、ベル入賞の停止順設定処理を実行する(ステップS2703)。これにより、ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が、リール32L,32M,32Rの停止操作が可能となる前に画像表示装置66において開始される。
役の抽選処理にて昇格対象役に当選したことを示すデータが今回受信したゲーム開始コマンドに設定されている場合(ステップS2704:YES)、昇格発生用の停止順設定処理を実行する(ステップS2705)。これにより、その当選に対応する第1RTリプレイ入賞又は第2RTリプレイ入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が、リール32L,32M,32Rの停止操作が可能となる前に画像表示装置66において開始される。
役の抽選処理にて降格対象役に当選したことを示すデータが今回受信したゲーム開始コマンドに設定されている場合(ステップS2706:YES)、降格回避用の停止順設定処理を実行する(ステップS2707)。これにより、その当選に対応する第1転落リプレイ入賞又は第2転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が、リール32L,32M,32Rの停止操作が可能となる前に画像表示装置66において開始される。但し、準備状態ST31である状況において抽選モードが第2RTモードであれば、抽選モードを第1RTモードに一旦降格させるべく役の抽選処理にてインデックス値IV=8〜13のいずれかに当選したとしても第2転落リプレイ入賞の成立を回避するためのリール32L,32M,32Rの停止順序は報知しない。
サブ側RAM154のAT状態カウンタの値が「4」であり(ステップS2708:YES)、さらに抽選モードが第2RTモードであって役の抽選処理にてインデックス値IV=14で当選したことを示すデータが今回受信したゲーム開始コマンドに設定されている場合(ステップS2709:YES)、待機発生契機用の停止順設定処理を実行する(ステップS2710)。待機発生契機用の停止順序は、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである停止順序である。当該停止順設定処理が実行されることにより、待機発生契機用の停止順序の報知が、リール32L,32M,32Rの停止操作が可能となる前に画像表示装置66において開始される。
既に説明したとおりベース状態ST32が終了することで終了分岐状態では上乗せ抽選L2、継続抽選L3及び特別抽選L4のいずれかが実行されることとなるが、これら抽選L2〜L4が抽選用ユニット70を利用した物理抽選により実行される場合、新たなゲームの開始が待機される。しかしながら、AT状態ST3の進行の管理はサブ側MPU152にて実行されているため、終了分岐状態に移行したことを主側MPU142にて直接特定することができない。そこで、終了分岐状態であって第2RTモードである状況において役の抽選処理にてインデックス値IV=14で当選となったゲームにて待機発生用の停止順序が報知される。そして、主側MPU142は、第2RTモードである状況において、インデックス値IV=14で当選したゲームにて待機発生用の停止順序以外の停止順序でリール32L,32M,32Rが停止される事象が発生することなく、インデックス値IV=14で当選したゲームにて待機発生用の停止順序でリール32L,32M,32Rが停止される事象が2回発生した場合、第1待機状態に設定する。これにより、終了分岐状態において第1待機状態が設定されることとなる。主側MPU142において第1待機状態に設定された場合に、サブ側MPU152は抽選用ユニット70を利用した物理抽選により、上乗せ抽選L2、継続抽選L3及び特別抽選L4のうち実行対象の抽選を実行する。
停止順報知制御処理(図59)の説明に戻り、サブ側RAM154のAT状態カウンタの値が「1」又は「3」である状況であり(ステップS2711:YES)、さらに抽選モードが第2RTモードであって役の抽選処理にてインデックス値IV=14で当選したことを示すデータが今回受信したゲーム開始コマンドに設定されている場合(ステップS2712:YES)、待機発生回避用の停止順設定処理を実行する(ステップS2713)。待機発生回避用の停止順序は、待機発生契機用の停止順序とは異なる停止順序であり、具体的には第1停止が左リール32Lであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が中リール32Mである停止順序である。当該停止順設定処理が実行されることにより、待機発生回避用の停止順序の報知が、リール32L,32M,32Rの停止操作が可能となる前に画像表示装置66において開始される。これにより、準備状態ST31又は上乗せ状態ST33において主側MPU142にて第1待機状態に設定されてしまわないようにすることが可能となる。
サブ側RAM154のAT状態カウンタの値が「2」である状況であり(ステップS2714:YES)、さらに抽選モードが第2RTモードであって役の抽選処理にてインデックス値IV=14で当選したことを示すデータが今回受信したゲーム開始コマンドに設定されている場合(ステップS2715:YES)、外部出力用の停止順設定処理を実行する(ステップS2716)。外部出力用の停止順序は、待機発生契機用の停止順序及び待機発生回避用の停止順序とは異なる停止順序であり、具体的には第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである停止順序である。当該停止順設定処理が実行されることにより、外部出力用の停止順序の報知が、リール32L,32M,32Rの停止操作が可能となる前に画像表示装置66において開始される。これにより、ベース状態ST32において主側MPU142にて第1待機状態に設定されてしまわないようにすることが可能となる。
また、主側MPU142は、第2RTモードである状況において、インデックス値IV=14で当選したゲームにて外部出力用の停止順序以外の停止順序でリール32L,32M,32Rが停止される事象が発生することなく、インデックス値IV=14で当選したゲームにて外部出力用の停止順序でリール32L,32M,32Rが停止される事象が3回発生した場合、通常処理(図13)における外部出力設定処理(ステップS310)にてAT状態ST3であることを示す外部信号の出力を開始する。これにより、AT状態ST3の進行の管理がサブ側MPU152にて実行される構成であっても、AT状態ST3であることを示す外部信号の出力の開始契機を主側MPU142にて特定することが可能となる。なお、この外部信号の出力状態は、インデックス値IV=1〜3のいずれかで当選したゲームにおいてベル入賞が成立しない事象がベル入賞の成立を間に挟むことなく2回発生した場合に解除される。
次に、主側MPU142にて実行される非BB時の契機監視処理について、図60のフローチャートを参照しながら説明する。なお、非BB時の契機監視処理は、遊技終了時の対応処理(図22)におけるステップS609にて実行される。
抽選モードが第2RTモードにおいて役の抽選処理にてインデックス値IV=14で当選し、さらに待機発生契機用の停止順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合(ステップS2801〜ステップS2803:YES)、主側RAM144に設けられた待機発生カウンタの値を1加算する(ステップS2804)。この待機発生カウンタの値は、抽選モードが第2RTモードではない場合(ステップS2801:NO)、又は第2RTモードにおいて役の抽選処理にてインデックス値IV=14で当選するとともに待機発生契機用の停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されなかった場合(ステップS2803:NO)、「0」クリアされる(ステップS2805)。
ステップS2804の処理を実行した後は、1加算後における待機発生カウンタの値が「2」であることを条件として(ステップS2806:YES)、主側RAM144の遊技待機カウンタに第1待機状態の前半の期間に相当する第1投入前期間(具体的には15sec)に対応する値をセットする(ステップS2807)。その後、主側RAM144の待機発生フラグに「1」をセットするとともに(ステップS2808)、主側RAM144の待機発生カウンタの値を「0」クリアする(ステップS2809)。待機発生フラグは、既に説明したとおり待機状態であるか否かを主側MPU142にて特定するためのフラグである。
待機発生フラグに「1」がセットされることにより、主側MPU142はBB状態ST2の場合と同様に、遊技終了時の対応処理(図22)におけるステップS610にて肯定判定をすることでステップS611の待機中処理を実行する。待機中処理の処理内容は既に説明したとおりである。これにより、主側MPU142において新たなゲームの開始が待機された状態となる。
その後、待機状態が開始されたことを示す待機開始コマンドをサブ側MPU152への送信対象としてセットする(ステップS2810)。サブ側MPU152は、詳細は後述するが、待機開始コマンドを受信した場合、上乗せ抽選L2を実行すべき状況であれば上乗せ抽選L2を開始させ、継続抽選L3を実行すべき状況であれば継続抽選L3を開始させ、特別抽選L4を実行すべき状況であれば特別抽選L4を開始させる。
次に、サブ側MPU152にて実行される終了分岐処理について、図61のフローチャートを参照しながら説明する。なお、終了分岐処理は、サブ側RAM154のAT状態カウンタに「4」がセットされている状況においてAT中処理(図26)におけるステップS907にて実行される。
まず今回の終了分岐処理の処理回が、ベース状態ST32において継続可能ゲーム数が「0」となり終了分岐状態に移行した最初の処理回、上乗せ抽選L2が実行された後の最初の処理回、及び継続抽選L3が実行された後の最初の処理回のうちいずれかであるかを判定する(ステップS2901)。ステップS2901にて肯定判定をした場合には抽選対象の設定処理を実行する(ステップS2902)。抽選対象の設定処理では、上乗せ抽選L2、継続抽選L3及び特別抽選L4のうち今回の実行対象の抽選を行うためのデータの設定を行う。
図62は抽選対象の設定処理を示すフローチャートである。まずサブ側RAM154の上乗せ発生フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS3001)。上乗せ発生フラグとは、既に説明したとおり直前のベース状態ST32において継続可能ゲーム数が「0」となるまでにいずれかの案内口113a〜113fに対して上乗せ可能ゲーム数が設定されたことをサブ側MPU152にて特定するためのフラグである。上乗せ発生フラグに「1」がセットされている場合には(ステップS3001:YES)、上乗せ抽選用の演出設定処理を実行する(ステップS3002)。
上乗せ抽選用の演出設定処理では、上乗せ抽選L2が実行されることを示す演出が上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて実行されるようにするためのデータ設定を行う。画像表示装置66において表示される画像の内容の一例を図63(a)の説明図に示す。画像表示装置66には抽選用ユニット画像G1が表示される。上乗せ抽選L2が実行される場合、サブ側RAM154における当選対象特定エリア154aの上乗せゲーム数エリアのうち少なくとも1個のエリアに上乗せ可能ゲーム数が設定されている。図63(a)の場合であれば第1案内口113a、第3案内口113c及び第6案内口113fには上乗せ可能ゲーム数が設定されていないのに対して、第2案内口113bには60ゲームの上乗せ可能ゲーム数が設定され、第4案内口113dには30ゲームの上乗せ可能ゲーム数が設定され、第5案内口113eには30ゲームの上乗せ可能ゲーム数が設定されている。したがって、画像表示装置66における第2案内画像G12には「+60」のゲーム数明示画像が表示され、第4案内画像G14及び第5案内画像G15には「+30」のゲーム数明示画像が表示される。一方、第1案内画像G11、第3案内画像G13及び第6案内画像G16には上乗せ可能ゲーム数が設定されていないことを示す「×」の画像が表示される。また、上乗せ可能ゲーム数が設定されている第2案内口113b、第4案内口113d及び第5案内口113eに対応する発光部画像G17において赤色が表示され、上乗せ可能ゲーム数が設定されていない第1案内口113a、第3案内口113c及び第6案内口113fに対応する発光部画像G17においては白色が表示される。このような画像表示装置66の表示内容を確認した遊技者は、いずれの案内口113a〜113fが選択されれば上乗せゲーム数が付与されるのかを把握することが可能となるとともに、上乗せゲーム数が付与される場合にはどの程度のゲーム数が付与されるのかを把握することが可能となる。
サブ側RAM154の上乗せ発生フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS3001:NO)、サブ側RAM154の特別抽選フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS3003)。特別抽選フラグは、特別抽選L4を実行すべき状況であることをサブ側MPU152にて特定するためのフラグである。特別抽選フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS3003:NO)、継続抽選L3を実行するために必要な処理を実行する。
継続抽選L3を実行するために必要な処理として、まず継続抽選用テーブルをサブ側ROM153からサブ側RAM154に読み出す(ステップS3004)。継続抽選用テーブルはサブ側ROM153に複数記憶されている。継続抽選L3において継続当選となる確率は複数種類存在している。当該継続当選確率は、1/6、1/3、1/2、2/3及び5/6のいずれかである。継続当選確率は、通常遊技状態ST1からAT状態ST3に移行した場合においてステップS3004の処理が最初に実行される場合、通常遊技状態ST1にて発生したBB状態ST2からAT状態ST3に移行した場合においてステップS3004の処理が最初に実行される場合、又はAT状態ST3の単位実行回数が1以上である状況においてAT状態ST3の単位実行回が一旦終了して当該AT状態ST3の新たな単位実行回が開始される場合に決定される。その決定された継続当選確率は、当該継続当選確率を上昇させる契機事象が発生した場合に当該確率が高くなる側に変更される。なお、継続当選確率の種類を示す情報はサブ側RAM154に記憶されることとなるが、当該情報は通常遊技状態ST1への移行が発生する場合にクリアされる。
ステップS3004では、通常遊技状態ST1からAT状態ST3に移行した場合における最初の処理回である場合、又は通常遊技状態ST1にて発生したBB状態ST2からAT状態ST3に移行した場合における最初の処理回である場合、継続当選確率を抽選により決定する。この場合、1/6が40%の確率で選択され、1/3が40%の確率で選択され、1/2が10%の確率で選択され、2/3が5%の確率で選択され、5/6が5%の確率で選択される。また、ステップS3004では、現状の継続当選確率に対応する継続抽選用テーブルを読み出す。
各継続抽選用テーブルには、対応する継続当選確率を実現可能とするための当選対象の案内口113a〜113fのパターンが複数設定されている。さらに各継続抽選用テーブルには、1個の当選対象の案内口113a〜113fに対して特別抽選L4の実行対象が設定されているパターンが設定されている。例えば、1/6の継続当選確率に対応する継続抽選用テーブルには、第1案内口113aが当選対象となる抽選結果と、第2案内口113bが当選対象となる抽選結果と、第3案内口113cが当選対象となる抽選結果と、第4案内口113dが当選対象となる抽選結果と、第5案内口113eが当選対象となる抽選結果と、第6案内口113fが当選対象となる抽選結果と、第1案内口113aが当選対象であって当該第1案内口113aが特別抽選L4の実行対象となる抽選結果と、が設定されている。この場合、特別抽選L4の実行対象が設定された抽選結果は他の抽選結果よりも選択率が低く設定されている。例えば、特別抽選L4の実行対象が設定されていない抽選結果はそれぞれ選択率が等しく設定されているのに対して、特別抽選L4の実行対象が設定されている抽選結果は他の抽選結果の選択率に対して1/10の選択率に設定されている。
ステップS3004の処理を実行した後は継続抽選対応の抽選処理を実行する(ステップS3005)。当該抽選処理では、サブ側RAM154において定期的に更新される抽選用カウンタの現状の数値情報を読み出し、その数値情報を今回の参照対象となっている継続抽選用テーブルに対して照合することで、当選対象の案内口113a〜113fの種類を特定するとともに特別抽選L4の実行対象が設定されている場合にはその実行対象となっている案内口113a〜113fの種類を特定する。
その後、当該抽選処理において当選対象として選択された案内口113a〜113fの種類、及び特別抽選L4の実行対象が存在している場合にはその案内口113a〜113fの種類をサブ側MPU152において特定するための情報を、サブ側RAM154に設定する(ステップS3006)。具体的には、サブ側RAM154の当選対象特定エリア154aにおける当選対象特定エリアのうち、今回選択された当選対象の案内口113a〜113fに対応するエリアに当選対象であることを示すデータを設定するとともに、外れ対象の案内口113a〜113fに対応するエリアに外れ対象であることを示すデータを設定する。また、特別抽選L4の実行対象が存在している場合には、当選対象特定エリア154aにおける上乗せゲーム数エリアのうち、特別抽選L4の実行対象として選択された案内口113a〜113fに対応するエリアに特別抽選L4の実行対象であることを示すデータを設定する。
その後、継続抽選用の演出設定処理を実行する(ステップS3007)。継続抽選用の演出設定処理では、継続抽選L3が実行されることを示す演出が上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて実行されるようにするためのデータ設定を行う。画像表示装置66において表示される画像の内容の一例を図63(b)の説明図に示す。画像表示装置66には抽選用ユニット画像G1が表示される。継続抽選L3が実行される場合、サブ側RAM154における当選対象特定エリア154aの当選対象特定エリアのうち少なくとも1個のエリアに当選対象であることを示すデータが設定されている。図63(b)の場合であれば第1案内口113a及び第2案内口113bは当選対象として設定されているのに対して、第3〜第6案内口113c〜113fは外れ対象として設定されている。また、図63(b)の場合においては当選対象特定エリア154aの上乗せゲーム数エリアのうち第2案内口113bに対応するエリアに特別抽選L4の実行対象であることを示すデータが設定されている。したがって、画像表示装置66における第1案内画像G11には当選対象であることを示す「WIN」という画像が表示されるとともに第2案内画像G12には特別抽選L4の実行対象であることを示す「SP」という画像が表示され、第3〜第6案内画像G13〜G16には外れ対象であることを示す「×」という画像が表示される。このような画像表示装置66の表示内容を確認した遊技者は、いずれの案内口113a〜113fが選択されればベース状態ST32の新たな単位実行回が開始されるのかを把握することが可能となるとともに、いずれの案内口113a〜113fが選択されれば特別抽選L4が実行されるのかを把握することが可能となる。
サブ側RAM154の特別抽選フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3003:YES)、特別抽選L4を実行するために必要な処理を実行する。特別抽選L4を実行するために必要な処理として、まず特別抽選用の設定処理を実行する(ステップS3008)。特別抽選用の設定処理では、継続可能ゲーム数の加算、残りの単位実行回の加算、及び継続抽選L3において継続当選となる確率の向上といった特典のいずれかを各案内口113a〜113fのそれぞれに設定するための処理を実行する。具体的には当該特典は複数種類存在しており、各案内口113a〜113fのそれぞれについて特典抽選処理を実行し、当該特典抽選処理にて選択された特典を各案内口113a〜113fのそれぞれに対して設定する。この場合、特典抽選処理にて選択された特典の内容に対応するデータを、当選対象特定エリア154aにおける当選対象エリアのうち今回の特典抽選処理の実行対象となった案内口113a〜113fに対応するエリアに設定する。
その後、特別抽選用の演出設定処理を実行する(ステップS3009)。特別抽選用の演出設定処理では、特別抽選L4が実行されることを示す演出が上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて実行されるようにするためのデータ設定を行う。画像表示装置66において表示される画像の内容の一例を図63(c)の説明図に示す。画像表示装置66には抽選用ユニット画像G1が表示される。特別抽選L4が実行される場合、サブ側RAM154における当選対象特定エリア154aの当選対象特定エリアのそれぞれに特別抽選L4用の特典に対応するデータが設定されている。したがって、画像表示装置66における第1案内画像G11には341ゲームの上乗せゲーム数を付与することを示す「+341」という画像が表示され、第2案内画像G12にはAT状態ST3の残りの実行回数を1加算するとともに当該実行回における継続抽選L3の継続当選確率が最も高い確率である5/6となることを示す「スペシャル」という画像が表示され、第3案内画像G13には100ゲームの上乗せゲーム数を付与することを示す「+100」という画像が表示され、第4案内画像G14には継続抽選L3の継続当選確率を1段階高い確率に変更することを示す「継続率1UP」という画像が表示され、第5案内画像G15にはAT状態ST3の残りの実行回数を2加算することを示す「ストック+2」という画像が表示され、第6案内画像G16にはAT状態ST3の残りの実行回数を1加算することを示す「ストック+1」という画像が表示される。このような画像表示装置66の表示内容を確認した遊技者は、各案内口113a〜113fがいずれの特典に対応しているのかを把握することが可能となる。
ステップS3002の処理を実行した場合、ステップS3007の処理を実行した場合、又はステップS3009の処理を実行した場合、振分用回転体103の開始時の調整処理を実行する(ステップS3010)。当該調整処理では、振分用回転体103が初期回転位置に配置されるように振分用駆動部111の駆動制御が実行されるようにする。振分用回転体103の初期回転位置とは既に説明したとおり、振分用駆動部111における出力軸の初期位置検出用の突起が初期位置検出センサ112により検出される位置である。この振分用回転体103の初期回転位置では第1案内口113aが最も下方の位置となる。換言すれば、振分用回転体103の回転軸に対して鉛直下方の位置に第1案内口113aが存在することとなる。
ここで、ステップS3002、ステップS3007及びステップS3009のいずれかの処理が実行された場合、画像表示装置66における抽選用ユニット画像G1において回転体画像G2の中心に対して鉛直下方の位置である所定画像位置には第1案内画像G11が存在することとなる。一方、振分用回転体103が初期回転位置に配置されている場合、振分用回転体103の回転軸に対して鉛直下方の位置である所定回転位置には第1案内口113aが存在することとなる。これにより、上乗せ抽選L2、継続抽選L3又は特別抽選L4が実行される場合であっても、BB状態ST2における移行抽選L1の場合と同様に、各抽選L2〜L4の開始時には振分用回転体103の回転位置に対応させた状態で、画像表示装置66において抽選用ユニット画像G1の表示を開始させることが可能となる。よって、抽選用ユニット画像G1が振分用回転体103の動きと対応していることを遊技者に認識させることが可能となり、抽選用ユニット画像G1に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。なお、各抽選L2〜L4が実行される状況においてはBB状態ST2の場合と同様に、振分用回転体103の回転に同期するようにして回転体画像G2の回転表示が行われる。
その後、発光制御処理を実行する(ステップS3011)。発光制御処理では、振分用回転体103の当選対象発光部118のうち外れ対象の案内口113a〜113fに対応する当選対象発光部118は消灯状態となり、外れ対象ではない案内口113a〜113fに対応する当選対象発光部118が赤色の点灯状態となるようにする。
終了分岐処理(図61)の説明に戻り、ステップS2901にて否定判定をした場合又はステップS2902の処理を実行した場合、入賞結果コマンドを主側MPU142から受信しているか否かを判定する(ステップS2903)。入賞結果コマンドを受信している場合(ステップS2903:YES)、当該入賞結果コマンドに含まれているデータに基づき抽選モードが第2RTモードであるか否かを判定し(ステップS2904)、今回のゲームにおいて画像表示装置66にてリール32L,32M,32Rの停止順序を報知したにも関わらずその停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されなかった事象が発生したか否かを判定する(ステップS2905)。
入賞結果コマンドを受信していない場合(ステップS2903:NO)、又は抽選モードが第2RTモードであって停止順序外れが発生していない場合(ステップS2904:YES、ステップS2905:NO)、待機開始コマンドを主側MPU142から受信しているか否かを判定する(ステップS2906)。そして、待機開始コマンドを受信している場合(ステップS2906:YES)、今回の実行対象の抽選L2〜L4を開始させる。これにより、主側MPU142にて第1待機状態に設定されている状況において今回の実行対象の抽選L2〜L4を実行することが可能となり、当該抽選L2〜L4への遊技者の注目度を高めることが可能となる。
一方、抽選モードが第2RTモードではない場合(ステップS2904:NO)、又は停止順序外れが発生している場合(ステップS2905:YES)、待機開始コマンドを主側MPU142から受信していなくても、今回の実行対象の抽選L2〜L4を開始させる。これにより、抽選モードを意図的に通常モード又は第1RTモードに降格させて終了分岐状態を長く継続させようとしても、それを不可とすることが可能となる。
今回の実行対象の抽選L2〜L4を開始させる場合、まずサブ側RAM154の抽選動作異常フラグ又は動作チェックフラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、抽選用ユニット70を利用した物理抽選を正常に実行することが可能な状況であるか否かを判定する(ステップS2907)。また、サブ側RAM154の動作チェックフラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、抽選用ユニット70を利用した物理抽選を正常に実行することが可能であることをチェックしている状況であるか否かを判定する(ステップS2907)。
抽選動作異常フラグ及び動作チェックフラグの両方に「1」がセットされていない場合(ステップS2907:NO)、サブ側RAM154の抽選実行フラグに「1」をセットする(ステップS2908)。抽選実行フラグは既に説明したとおり、抽選用ユニット70を利用した物理抽選を進行させるための処理を実行すべき状況であることをサブ側MPU152にて特定するためのフラグである。その後、サブ側RAM154の投入前カウンタに投入前期間をセットする(ステップS2909)。投入前期間とは既に説明したとおり、投入装置71からの抽選用球Bの強制的な投入タイミングとなるまでの期間であり、具体的には主側MPU142において主側RAM144の遊技待機カウンタにセットされる第1投入前期間(具体的には15sec)よりも長い期間(具体的には15.5sec)となっている。投入前カウンタにセットされた値は周期処理(図24)が実行される度に1減算される。
その後、抽選開始演出用の設定処理を実行する(ステップS2910)。当該設定処理では、抽選用ユニット70を利用した抽選L2〜L4を開始することを示す演出が上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66において開始されるようにする。その後、補助抽選用数値の取得処理を実行する(ステップS2911)。補助抽選用数値の取得処理では、サブ側RAM154において定期的に更新される抽選用カウンタの現状の数値情報を読み出し、当該数値情報をサブ側RAM154に補助抽選用数値情報として別保存する。補助抽選用数値情報は既に説明したとおり、抽選用ユニット70を利用した抽選L2〜L4が開始された場合において、その後に何らかの原因によって抽選用ユニット70において異常が発生したことを原因としてサブ側MPU152の内部的な抽選処理である補助抽選処理により抽選L2〜L4を行う場合に利用される。
ステップS2908にてサブ側RAM154の抽選実行フラグに「1」がセットされることにより、BB状態ST2の場合と同様に、周期処理(図24)におけるステップS713にて肯定判定をすることでステップS714の抽選制御処理を実行する。抽選制御処理の処理内容は既に説明したとおりである。これにより、抽選用ユニット70を利用した物理抽選が開始されることとなる。この場合、投入装置71からの抽選用球Bの投入条件が成立した場合に投入開始までの投入待機期間が抽選により決定され当該投入待機期間が経過した場合に抽選用球Bが投入される点などといった抽選用ユニット70の動作はBB状態ST2における移行抽選L1の場合と同様であるとともに、抽選用ユニット70における振分用回転体103の回転に同期するようにして画像表示装置66において回転体画像G2が回転表示される点などといった表示演出もBB状態ST2における移行抽選L1の場合と同様である。
一方、抽選動作異常フラグ又は動作チェックフラグに「1」がセットされている場合(ステップS2907:YES)、補助抽選処理を実行する(ステップS2912)。補助抽選処理では、まずサブ側ROM153からサブ側RAM154に補助抽選テーブルを読み出す。補助抽選テーブルは、サブ側RAM154の抽選用カウンタの数値範囲と第1〜第6案内口113a〜113fとが1対1で対応させて設定されており、各案内口113a〜113fに割り当てられている抽選用カウンタの値は相互に重複しないとともに各案内口113a〜113fに割り当てられている抽選用カウンタの値の数は同一となっている。補助抽選処理では、サブ側RAM154の抽選用カウンタにおける現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を上記補助抽選テーブルに対して照合し、数値情報が第1〜第6案内口113a〜113fのいずれに対応しているのかを特定する。
その後、結果導出処理を実行する(ステップS2913)。当該結果導出処理では後述するAT時の結果導出処理を実行する。これにより、補助抽選処理において選択された案内口113a〜113fに対して設定されている結果が今回の抽選L2〜L4の結果として決定される。
その後、補助抽選演出用の設定処理を実行する(ステップS2914)。当該設定処理では、補助抽選処理において決定された抽選L2〜L4の結果を明示する演出とともに、今回は抽選用ユニット70を利用した物理抽選ではなく補助抽選処理が実行されたことに対応する演出が実行されるように、上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66のデータ設定を行う。
次に、サブ側MPU152にて実行されるAT時の結果導出処理について、図64のフローチャートを参照しながら説明する。なお、AT時の結果導出処理はAT状態カウンタの値が「4」である状況において、投入後処理(図44)におけるステップS1707及び終了分岐処理(図61)におけるステップS2913にて実行される。
サブ側RAM154の上乗せ発生フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3101:YES)、当該上乗せ発生フラグを「0」クリアする(ステップS3102)。その後、ステップS1702、ステップS1704又はステップS2912にて特定した種類の案内口113a〜113fが当選対象特定エリア154aの上乗せゲーム数エリアにおいて上乗せ可能ゲーム数が設定されているものであるか否かを判定する(ステップS3103)。上乗せ可能ゲーム数が設定されている案内口113a〜113fである場合には(ステップS3103:YES)、今回選択された上乗せ可能ゲーム数をサブ側RAM154の残ゲーム数カウンタに設定することで、新たに開始させるベース状態ST32の継続可能ゲーム数として、今回選択された上乗せ可能ゲーム数を設定する(ステップS3104)。その後、サブ側RAM154のAT状態カウンタの値を「2」にセットする(ステップS3105)。これにより、遊技状態が終了分岐状態からベース状態ST32に移行し、AT中処理(図26)ではステップS905のベース状態処理が実行されることとなる。また、上乗せ確定時の演出設定処理を実行する(ステップS3106)。当該演出設定処理では、上乗せゲーム数が獲得されてベース状態ST32に復帰することを示す演出が上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて実行されるようにするためのデータ設定を行う。
一方、ステップS1702、ステップS1704又はステップS2912にて特定した種類の案内口113a〜113fが当選対象特定エリア154aの上乗せゲーム数エリアにおいて上乗せ可能ゲーム数が設定されていないものである場合(ステップS3103:NO)、上乗せ非発生時の演出設定処理を実行する(ステップS3107)。当該演出設定処理では、上乗せ当選とならなかったことを示す演出及びその後に継続抽選L3が実行されることを示す演出が上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて実行されるようにするためのデータ設定を行う。
AT時の結果導出処理では、サブ側RAM154の特別抽選フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3108:YES)、当該特別抽選フラグを「0」クリアする(ステップS3109)。その後、ゲーム数の設定処理を実行する(ステップS3110)。ゲーム数の設定処理では、サブ側RAM154の残ゲーム数カウンタに、ベース状態ST32が継続した場合における継続可能ゲーム数(具体的には30ゲーム)を設定する。
その後、特別抽選対応の設定処理を実行する(ステップS3110)。当該設定処理では、ステップS1702、ステップS1704又はステップS2912にて特定した種類の案内口113a〜113fに対して設定されている特典の内容を、当選対象特定エリア154aの当選対象エリアのうち当該案内口113a〜113fに対応するエリアから読み出す。この読み出した内容が上乗せゲーム数の付与に対応している場合には、その上乗せゲーム数をサブ側RAM154の残ゲーム数カウンタに加算する。また、読み出した内容が継続抽選L3の継続当選確率の向上である場合には、その読み出した内容において示されている段階数分、現状設定されている継続当選確率を向上させる。但し、この継続当選確率の向上は5/6の継続当選確率を上限として行われる。また、読み出した内容がAT状態ST3の残りの単位実行回数の加算である場合には、その読み出した内容において示されている加算分の値を、サブ側RAM154に設けられた継続回数カウンタに加算する。継続回数カウンタは、AT状態ST3の残りの単位実行回数をサブ側MPU152にて特定するためのカウンタであり、継続抽選L3にて外れ結果となったとしても継続回数カウンタの値が1以上であればベース状態ST32が再開される。また、読み出した内容が「スペシャル」である場合には、サブ側RAM154の継続回数カウンタの値を1加算するとともに、その1加算した実行回に対応するAT状態ST3の継続当選確率が最も高い確率となるようにデータ設定を行う。
その後、サブ側RAM154のAT状態カウンタの値を「2」にセットする(ステップS3112)。これにより、遊技状態が終了分岐状態からベース状態ST32に移行し、AT中処理(図26)ではステップS905のベース状態処理が実行されることとなる。また、継続抽選終了時の演出設定処理を実行する(ステップS3113)。当該演出設定処理では、今回付与された特典を示す演出及びベース状態ST32に復帰することを示す演出が上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて実行されるようにするためのデータ設定を行う。
サブ側RAM154の上乗せ発生フラグ及び特別抽選フラグの両方に「1」がセットされていない場合(ステップS3101及びステップS3108:NO)、今回実行された抽選が継続抽選L3であることを意味する。この場合、まずステップS1702、ステップS1704又はステップS2912にて特定した種類の案内口113a〜113fに対して設定されている特典の内容が、特別抽選L4の実行当選であるか否かを判定する(ステップS3114)。特別抽選L4の実行当選である場合には(ステップS3114:YES)、サブ側RAM154の特別抽選フラグに「1」をセットする(ステップS3115)。その後、特別抽選の当選時の演出設定処理を実行する(ステップS3116)。当該演出設定処理では、特別抽選L4が実行されることを示す演出が上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて実行されるようにするためのデータ設定を行う。
一方、特別抽選L4の実行当選ではない場合には(ステップS3114:NO)、継続抽選判定処理を実行する(ステップS3115)。図65は継続抽選判定処理を示すフローチャートである。
まずステップS1702、ステップS1704又はステップS2912にて特定した種類の案内口113a〜113fが、当選対象特定エリア154aの当選対象エリアにおいて当選対象のデータが設定されているものであるか否かを判定する(ステップS3201)。当選対象のデータが設定されているものである場合(ステップS3201:YES)、ゲーム数の設定処理を実行する(ステップS3202)。ゲーム数の設定処理では、サブ側RAM154の残ゲーム数カウンタに、ベース状態ST32が継続した場合における継続可能ゲーム数(具体的には30ゲーム)を設定する。
その後、サブ側RAM154のAT状態カウンタの値を「2」にセットする(ステップS3203)。これにより、遊技状態が終了分岐状態からベース状態ST32に移行し、AT中処理(図26)ではステップS905のベース状態処理が実行されることとなる。また、継続当選時の演出設定処理を実行する(ステップS3204)。当該演出設定処理では、ベース状態ST32に復帰することを示す演出が上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて実行されるようにするためのデータ設定を行う。
一方、ステップS1702、ステップS1704又はステップS2912にて特定した種類の案内口113a〜113fが、当選対象特定エリア154aの当選対象エリアにおいて当選対象のデータが設定されているものではない場合(ステップS3201:NO)、サブ側RAM154の継続回数カウンタの値が1以上であるか否かを判定する(ステップS3205)。継続回数カウンタの値が1以上である場合(ステップS3205:YES)、AT状態ST3の残りの単位実行回数が1以上であることを意味する。したがって、ステップS3206〜ステップS3210に示すベース状態ST32への復帰処理を実行する。
具体的には、まず継続回数カウンタの値を1減算する(ステップS3206)。その後、継続率の設定処理を実行する(ステップS3207)。継続率の設定処理では、新たに開始するAT状態ST3の実行回が特別抽選L4において「スペシャル」が選択されたことに対応する実行回である場合には、継続抽選L3の継続当選確率を最も高い確率である5/6に設定する。また、継続率の設定処理では、新たに開始するAT状態ST3の実行回が特別抽選L4において「スペシャル」が選択されたことに対応する実行回ではない場合には、ステップS3004の場合と同様に継続当選確率の抽選処理を実行して当該抽選処理にて選択された確率を今回の継続当選確率として設定する。
その後、ゲーム数の設定処理を実行する(ステップS3208)。ゲーム数の設定処理では、サブ側RAM154の残ゲーム数カウンタにベース状態ST32が継続した場合における継続可能ゲーム数(具体的には30ゲーム)を設定する。その後、サブ側RAM154のAT状態カウンタの値を「2」にセットする(ステップS3209)。これにより、遊技状態が終了分岐状態からベース状態ST32に移行し、AT中処理(図26)ではステップS905のベース状態処理が実行されることとなる。また、復活当選時の演出設定処理を実行する(ステップS3210)。当該演出設定処理では、継続抽選L3にて外れ結果となったもののベース状態ST32に復帰することを示す演出が上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて実行されるようにするためのデータ設定を行う。
サブ側RAM154の継続回数カウンタの値が「0」である場合(ステップS3205:NO)、サブ側RAM154のAT状態カウンタを「0」クリアする(ステップS3211)。これにより、遊技状態がAT状態ST3から通常遊技状態ST1に移行し、周期処理(図24)ではステップS711の非AT中処理が実行されることとなる。その後、AT終了時の演出設定処理を実行する(ステップS3212)。当該演出設定処理では、AT状態ST3が終了して通常遊技状態ST1に移行することを示す演出が上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて実行されるようにするためのデータ設定を行う。
次に、サブ側MPU152にて実行されるAT時の強制終了処理について、図66のフローチャートを参照しながら説明する。なお、AT時の強制終了処理は終了分岐状態である状況であって、抽選用ユニット70を利用した物理抽選が実行されている状況で状況異常に対応する事象が発生した場合、又は抽選用ユニット70を利用した物理抽選が実行されている状況で新たなゲームが開始された場合に、抽選制御処理(図41)におけるステップS1502にて実行される。
サブ側RAM154の上乗せ発生フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3301:YES)、当該上乗せ発生フラグを「0」クリアした後に(ステップS3302)、サブ側RAM154の当選対象特定エリア154aにおける上乗せゲーム数エリアを確認することで、上乗せ可能ゲーム数が設定されていない案内口113a〜113fが存在しているか否かを判定する(ステップS3303)。全ての案内口113a〜113fに対して上乗せ可能ゲーム数が設定されている場合(ステップS3303:YES)、最少のゲーム数の設定処理を実行する(ステップS3304)。最少のゲーム数の設定処理では、当選対象特定エリア154aにおける上乗せゲーム数エリアに設定されている上乗せ可能ゲーム数のうち最も少ない上乗せ可能ゲーム数をサブ側RAM154の残ゲーム数カウンタに設定する。その後、サブ側RAM154のAT状態カウンタの値を「2」にセットする(ステップS3305)。これにより、遊技状態が終了分岐状態からベース状態ST32に移行し、AT中処理(図26)ではステップS905のベース状態処理が実行されることとなる。
一方、上乗せ可能ゲーム数が設定されていない案内口113a〜113fが存在している場合には(ステップS3303:NO)、ステップS3304及びステップS3305の処理は実行されない。これにより、今回の上乗せ抽選L2では上乗せゲーム数が付与されない。
AT時の強制終了処理では、サブ側RAM154の特別抽選フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3306:YES)、当該特別抽選フラグを「0」クリアする(ステップS3307)。その後、ゲーム数の設定処理を実行する(ステップS3208)。ゲーム数の設定処理では、サブ側RAM154の残ゲーム数カウンタに、ベース状態ST32が継続した場合における継続可能ゲーム数(具体的には30ゲーム)を設定する。
その後、最少の特典の設定処理を実行する(ステップS3309)。最少の特典の設定処理では、当選対象特定エリア154aにおける当選対象エリアに設定されている特典のうち最も有利度が低い特典を選択する。この有利度は予め設定されており、例えば継続当選確率の1UP→AT状態ST3の残りの実行回数の1加算→100ゲームの上乗せゲーム数→AT状態ST3の残りの実行回数の2加算→341ゲームの上乗せゲーム数→スペシャルの順で有利度が高くなるように設定されている。最少の特典の設定処理では、最も有利度が低い特典を付与するための処理を実行する。この特典を付与するための処理は、AT時の結果導出処理(図64)におけるステップS3111の場合と同様である。その後、サブ側RAM154のAT状態カウンタの値を「2」にセットする(ステップS3310)。これにより、遊技状態が終了分岐状態からベース状態ST32に移行し、AT中処理(図26)ではステップS905のベース状態処理が実行されることとなる。
サブ側RAM154の上乗せ発生フラグ及び特別抽選フラグの両方に「1」がセットされていない場合(ステップS3301及びステップS3306:NO)、サブ側RAM154の当選対象特定エリア154aにおける当選対象エリアを確認することで、外れ対象の案内口113a〜113fが存在しているか否かを判定する(ステップS3311)。外れ対象の案内口113a〜113fが存在していない場合(ステップS3311:YES)、ゲーム数の設定処理を実行する(ステップS3312)。ゲーム数の設定処理では、サブ側RAM154の残ゲーム数カウンタに、ベース状態ST32が継続した場合における継続可能ゲーム数(具体的には30ゲーム)を設定する。その後、サブ側RAM154のAT状態カウンタの値を「2」にセットする(ステップS3313)。これにより、遊技状態が終了分岐状態からベース状態ST32に移行し、AT中処理(図26)ではステップS905のベース状態処理が実行されることとなる。
外れ対象の案内口113a〜113fが存在している場合(ステップS3311:NO)、サブ側RAM154の継続回数カウンタの値が1以上であるか否かを判定する(ステップS3314)。継続回数カウンタの値が1以上である場合(ステップS3314:YES)、AT状態ST3の残りの単位実行回数が1以上であることを意味する。したがって、ステップS3315〜ステップS3318に示すベース状態ST32への復帰処理を実行する。
具体的には、まず継続回数カウンタの値を1減算する(ステップS3315)。その後、継続率の設定処理を実行する(ステップS3316)。継続率の設定処理では、新たに開始するAT状態ST3の実行回が特別抽選L4において「スペシャル」が選択されたことに対応する実行回である場合には、継続抽選L3の継続当選確率を最も高い確率である5/6に設定する。また、継続率の設定処理では、新たに開始するAT状態ST3の実行回が特別抽選L4において「スペシャル」が選択されたことに対応する実行回ではない場合には、ステップS3004の場合と同様に継続当選確率の抽選処理を実行して当該抽選処理にて選択された確率を今回の継続当選確率として設定する。
その後、ゲーム数の設定処理を実行する(ステップS3317)。ゲーム数の設定処理では、サブ側RAM154の残ゲーム数カウンタに、ベース状態ST32が継続した場合における継続可能ゲーム数(具体的には30ゲーム)を設定する。その後、サブ側RAM154のAT状態カウンタの値を「2」にセットする(ステップS3318)。これにより、遊技状態が終了分岐状態からベース状態ST32に移行し、AT中処理(図26)ではステップS905のベース状態処理が実行されることとなる。
サブ側RAM154の継続回数カウンタの値が「0」である場合(ステップS3314:NO)、サブ側RAM154のAT状態カウンタの値を「0」クリアする(ステップS3319)。これにより、遊技状態がAT状態ST3から通常遊技状態ST1に移行し、周期処理(図24)ではステップS711の非AT中処理が実行されることとなる。
ステップS3305の処理を実行した場合、ステップS3310の処理を実行した場合、ステップS3313の処理を実行した場合、ステップS3318の処理を実行した場合、又はステップS3319の処理を実行した場合、強制終了時の演出設定処理を実行する(ステップS3320)。当該演出設定処理では、強制終了処理が実行されたことを示す演出及び強制終了処理により選択された内容を示す演出が上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて実行されるようにするためのデータ設定を行う。
上記のようにAT時の強制終了処理が実行されることにより、BB状態ST2における移行抽選L1の場合と同様に、各抽選L2〜L4が抽選用ユニット70を利用して実行されている状況で状況異常に対応する事象が発生した場合又は新たなゲームが開始された場合、各案内口113a〜113fに設定されている特典のうち遊技者にとって最も有利度が低い特典又は最も不利である結果が強制的に選択される。これにより、振分用回転体103と抽選用球Bとの位置関係から遊技者にとって不利な抽選結果となりそうな状況となった場合に意図的に新たなゲームを開始させて遊技者にとって有利な抽選結果が内部抽選によって選択され得るようにする行為や、状況異常に対応する事象を発生させることで有利な抽選結果が選択され得るようにする行為を行った場合には利益を低下させることが可能となり、結果的に上記のような行為を行うことを思いとどまらせることが可能となる。
<BB状態ST2を経由することなくAT状態ST3に移行する場合>
次に、BB状態ST2を経由することなく通常遊技状態ST1からAT状態ST3に移行する場合について説明する。
通常遊技状態ST1において突発条件が成立した場合、BB状態ST2を経由することなく、AT状態ST3に移行することとなる。通常遊技状態ST1において第2RTモードに移行するとともに当該第2RTモードにおいて主側MPU142にて第1待機状態に設定する条件が成立した場合に、突発条件が成立することとなる。また、通常遊技状態ST1において第2RTモードに移行するとともに当該第2RTモードにおいてAT状態ST3であることを示す外部信号の出力開始条件が成立した場合に、突発条件が成立することとなる。突発条件が成立した場合、サブ側MPU152は、非AT中処理(図25)におけるステップS804にて肯定判定をしてステップS805の突発用処理を実行する。図67は突発用処理を示すフローチャートである。
突発用処理では待機開始コマンドを主側MPU142から受信しているか否かを判定する(ステップS3401)。待機開始コマンドを受信している場合(ステップS3401:YES)、通常遊技状態ST1において第2RTモードに移行するとともに当該第2RTモードにおいて主側MPU142にて第1待機状態に設定する条件が成立したことを意味する。したがって、第1突発条件の成立に対応する処理を実行する。
具体的には、まずサブ側RAM154の抽選動作異常フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、抽選用ユニット70を利用した物理抽選を正常に実行することが可能な状況であるか否かを判定する(ステップS3402)。抽選動作異常フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS3402:NO)、サブ側RAM154の抽選実行フラグに「1」をセットする(ステップS3403)。抽選実行フラグは既に説明したとおり、抽選用ユニット70を利用した物理抽選を進行させるための処理を実行すべき状況であることをサブ側MPU152にて特定するためのフラグである。その後、全部当たり用の設定処理を実行する(ステップS3404)。全部当たり用の設定処理では、サブ側RAM154の当選対象特定エリア154aにおける全ての当選対象エリアに当選対象であることを示すデータを設定する。これにより、全ての案内口113a〜113fが当選対象に設定される。つまり、今回の抽選では確実にAT状態ST3への移行が発生する。
その後、サブ側RAM154の投入前カウンタに投入前期間をセットする(ステップS3405)。投入前期間とは既に説明したとおり、投入装置71からの抽選用球Bの強制的な投入タイミングとなるまでの期間であり、具体的には主側MPU142において主側RAM144の遊技待機カウンタにセットされる第1投入前期間(具体的には15sec)よりも長い期間(具体的には15.5sec)となっている。投入前カウンタにセットされた値は周期処理(図24)が実行される度に1減算される。
その後、突発開始演出用の設定処理を実行する(ステップS3406)。当該設定処理では、抽選用ユニット70を利用した抽選を開始することを示す演出が上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66において開始されるようにするためのデータ設定を行う。この場合、画像表示装置66では抽選用ユニット画像G1が表示されるとともに全ての案内画像G11〜G16において当選対象であることを示す画像が表示される。その後、補助抽選用数値の取得処理を実行する(ステップS3407)。補助抽選用数値の取得処理では、サブ側RAM154において定期的に更新される抽選用カウンタの現状の数値情報を読み出し、当該数値情報をサブ側RAM154に補助抽選用数値情報として別保存する。補助抽選用数値情報は既に説明したとおり、抽選用ユニット70を利用した抽選が開始された場合において、その後に何らかの原因によって抽選用ユニット70において異常が発生したことを原因としてサブ側MPU152の内部的な抽選処理である補助抽選処理により抽選を行う場合に利用される。但し、上記のとおり全ての案内口113a〜113fが当選対象に設定されているため、補助抽選処理の結果がいずれの結果であったとしてもAT状態ST3への移行が発生する。
ステップS3403にてサブ側RAM154の抽選実行フラグに「1」がセットされることにより、BB状態ST2の場合と同様に、周期処理(図24)におけるステップS713にて肯定判定をすることでステップS714の抽選制御処理を実行する。抽選制御処理の処理内容は既に説明したとおりである。これにより、抽選用ユニット70を利用した物理抽選が開始されることとなる。この場合、投入装置71からの抽選用球Bの投入条件が成立した場合に投入開始までの投入待機期間が抽選により決定され当該投入待機期間が経過した場合に抽選用球Bが投入される点などといった抽選用ユニット70の動作はBB状態ST2における移行抽選L1の場合と同様であるとともに、抽選用ユニット70における振分用回転体103の回転に同期するようにして画像表示装置66において回転体画像G2が回転表示される点などといった表示演出もBB状態ST2における移行抽選L1の場合と同様である。
一方、抽選動作異常フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3402:YES)、サブ側RAM154のAT状態カウンタに「1」をセットする(ステップS3408)。これにより、遊技状態が通常遊技状態ST1からAT状態ST3の準備状態ST31に移行し、AT中処理(図26)ではステップS904の準備状態処理が実行されることとなる。その後、突発開始演出用の設定処理を実行する(ステップS3409)。当該設定処理では、AT状態ST3への移行が発生したことを示す演出が上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66において開始されるようにするためのデータ設定を行う。
待機開始コマンドを受信していない場合(ステップS3401:NO)、通常遊技状態ST1において第2RTモードに移行するとともに当該第2RTモードにおいてAT状態ST3であることを示す外部信号の出力開始条件が成立したことを意味する。したがって、第2突発条件の成立に対応する処理を実行する。
具体的には、サブ側RAM154のAT状態カウンタに「1」をセットする(ステップS3410)。これにより、遊技状態が通常遊技状態ST1からAT状態ST3の準備状態ST31に移行し、AT中処理(図26)ではステップS904の準備状態処理が実行されることとなる。その後、突発開始演出用の設定処理を実行する(ステップS3411)。当該設定処理では、AT状態ST3への移行が発生したことを示す演出が上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66において開始されるようにするためのデータ設定を行う。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
BB状態ST2及びAT状態ST3のベース状態ST32において所定の役(BB状態ST2であればベル役又はスイカ役、AT状態ST3であればインデックス値IV=1〜7のいずれか)に当選するとともに当否抽選処理又は上乗せ抽選処理において当選することにより特典設定条件の成立として、特典の設定対象となっている案内口113a〜113fに対して特典(当選対象の設定及び上乗せ可能ゲーム数の設定など)が設定される。そして、各種抽選L1〜L4においては複数の案内口113a〜113fの中から選択該当対象の案内口が決定され、その決定された選択該当対象の案内口に設定されている特典が遊技者に付与される。これにより、遊技者はいずれの案内口113a〜113fが選択該当対象に決定されるのかという抽選結果だけではなく、各案内口113a〜113fに対する特典の設定態様にも注目することとなる。よって、選択該当対象の案内口113a〜113fを決定する抽選が実行される期間よりも前の期間から遊技者の注目度を高めることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
BB状態ST2及びAT状態ST3においては対象変更条件が成立する度に特典の設定対象となる案内口113a〜113fの種類が予め定められた順序に従って変更される。これにより、特典の設定を期待する案内口113a〜113fが特典の設定対象となるタイミングを遊技者は予測しながら遊技を行うこととなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
BB状態ST2及びAT状態ST3においては複数の案内口113a〜113fのそれぞれが特典の設定対象に少なくとも1回ずつ選択された状況下にて選択該当対象の案内口113a〜113fを決定するための抽選L1〜L4が実行される。これにより、各案内口113a〜113fに対して特典が設定される機会が与えられた状況下で選択該当対象の案内口113a〜113fを決定するための抽選L1〜L4が実行されることとなる。よって、各案内口113a〜113fのそれぞれに特典が設定されることに対する遊技者の期待感を高めることが可能となる。
BB状態ST2及びAT状態ST3においては役の抽選処理(図14)の結果にて所定の役(BB状態ST2であればベル役又はスイカ役、AT状態ST3であればインデックス値IV=1〜7のいずれか)に当選するとともにその当選役に対応する入賞が成立したことを契機として当否抽選処理又は上乗せ抽選処理が実行され、その抽選にて当選となることで特典の設定対象の案内口113a〜113fに特典が設定される。これにより、案内口113a〜113fに対する特典の設定とリール32L,32M,32Rの回転を利用した遊技の内容とを関連付けることが可能となる。よって、リール32L,32M,32Rの回転を利用した遊技への注目度を高めることが可能となる。
BB状態ST2においては当否抽選処理又は上乗せ抽選処理が実行されることで、特典の設定対象となる案内口113a〜113fが変更される。これにより、特典の設定対象となった案内口113a〜113fに対しては当否抽選処理又は上乗せ抽選処理が実行される機会が確実に発生することとなり、各案内口113a〜113fに特典が設定されるか否かということに対する遊技者の期待感を好適に高めることが可能となる。
BB状態ST2においては媒体付与役としてベル役及びスイカ役のみが設定されており、これらベル役及びスイカ役に当選した場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序及びリール32L,32M,32Rの停止操作タイミングに関係なくその当選役に対応する入賞が確実に成立する。これら媒体付与役の入賞が発生した場合には所定数(具体的には「8」)の遊技媒体が付与される。この場合に、BB状態ST2の終了基準数は、所定数×(「案内口113a〜113fの数」×n−1)(nは1以上の整数)よりも多い数であって、所定数×「案内口113a〜113fの数」×n以下の数(具体的には「41」又は「89」)に設定されている。これにより、BB状態ST2では各案内口113a〜113fに対してn回ずつ特典が設定され得る期間が発生した場合に当該BB状態ST2が終了することとなる。そして、BB状態ST2が終了する場合にはいずれかの案内口113a〜113fが選択該当対象に決定される。これにより、全ての案内口113a〜113fに対して特典が設定され得る機会を平等に与えながら、各案内口113a〜113fに特典が設定され得る状況に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
第1BB状態ST21においては当該第1BB状態ST21におけるゲームが開始される前に、複数の案内口113a〜113fのいずれかに特典を設定するか否かを決定する当選対象の抽選処理(ステップS1003)が実行される。また、第2BB状態ST22においては当該第2BB状態ST22におけるゲームが開始される前に、全ての案内口113a〜113fに特典を設定する全部当選用の設定処理(ステップS1005)が実行される。これにより、既に特典が設定されている案内口113a〜113fに対して特典設定条件が成立する状況となることがある。よって、特典が既に設定されている案内口113a〜113fに対してさらに特典が設定される状況が発生し易くなる。
BB状態ST2においては既に当選対象のデータが設定されている案内口113a〜113fに対して特典設定条件が成立した場合、当該案内口113a〜113fに上乗せ可能ゲーム数が設定される。これにより、1個の案内口113a〜113fに異なる種類の特典が同時に設定される状況を生じさせることが可能となり、各案内口113a〜113fへの特典の設定態様に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
AT状態ST3のベース状態ST32においては1回のゲームが実行される度に、特典の設定対象となる案内口113a〜113fの種類が変更される。これにより、複数の案内口113a〜113fのそれぞれが特典の設定対象となる頻度を高めることが可能となる。
ベース状態ST32においては1回のゲームが実行される度に予め定められた順序に従って特典の設定対象となる案内口113a〜113fの種類が変更されるとともに、この予め定められた順序に従った変更が繰り返される。これにより、所定の案内口113a〜113fに特典が設定されない状況が一旦発生したとしてもその後に再度、当該所定の案内口113a〜113fに特典が設定される機会を生じさせることが可能となる。また、同一の案内口113a〜113fに特典が累積して設定される状況を生じさせることが可能となり、特典が設定された案内口113a〜113f間においても有利度の違いを生じさせることが可能となる。
BB状態ST2においては特典の設定対象となる案内口113a〜113fを遊技者が選択することができない。また、ベース状態ST32において選択可能期間ではない状況においても特典の設定対象となる案内口113a〜113fを遊技者が選択することができない。これにより、抽選用ユニット70の個体差などによって所定の案内口113a〜113fに抽選用球Bが入球し易い構成であったとしても、その所定の案内口113a〜113fにのみ特典が設定されるという事象が発生しないようにすることが可能となる。
ベース状態ST32の選択可能期間においては遊技者が選択した案内口113a〜113fに特典が設定される。これにより、各案内口113a〜113fへの特典の設定態様を遊技者の好みに合わせた態様とした状態で選択該当対象の案内口113a〜113fを決定するための上乗せ抽選L2が行われることとなるため、当該上乗せ抽選L2に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
ベース状態ST32において選択可能期間であれば遊技者が選択した案内口113a〜113fに特典が設定されるが、選択可能期間ではない状況であれば特典の設定対象となる案内口113a〜113fを遊技者が選択することができない。これにより、選択可能期間が発生するか否かに遊技者を注目させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
ベース状態ST32において複数の案内口113a〜113fのいずれかに上乗せ可能ゲーム数が設定されていることを条件として、その後の終了分岐状態において上乗せ抽選L2が実行される。これにより、全ての案内口113a〜113fに上乗せ可能ゲーム数が設定されていないにも関わらず無意味に上乗せ抽選L2が実行されてしまわないようにすることが可能となる。
ベース状態ST32において上乗せ可能ゲーム数が設定されている案内口113a〜113fが存在しておらず上乗せ抽選L2が実行されない場合、少なくとも1個の案内口113a〜113fに当選対象のデータが設定された状況下において継続抽選L3が実行される。これにより、ベース状態ST32において上乗せ可能ゲーム数が設定されている案内口113a〜113fが存在しなかったとしても特典が付与される機会を生じさせることが可能となり、いずれの案内口113a〜113fにも上乗せ可能ゲーム数が設定されなかったことに対する遊技者の失望感を和らげることが可能となる。また、上乗せ抽選L2を実行するための構成を利用して継続抽選L3が実行されるため、構成の簡素化を図りながら上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
上乗せ可能ゲーム数が設定されていない案内口113a〜113fが上乗せ抽選L2において選択された場合、少なくとも1個の案内口113a〜113fに当選対象のデータが設定された状況下において継続抽選L3が実行される。これにより、上乗せ可能ゲーム数が設定されていない案内口113a〜113fが上乗せ抽選L2において選択されたとしても特典が付与される機会を生じさせることが可能となり、上乗せ可能ゲーム数が設定されていない案内口113a〜113fが上乗せ抽選L2において選択されたことに対する遊技者の失望感を和らげることが可能となる。また、上乗せ抽選L2を実行するための構成を利用して継続抽選L3が実行されるため、構成の簡素化を図りながら上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
最終的な動作結果が制御されることなく不規則に定まるように抽選用球Bを転動させる抽選用ユニット70を備えており、抽選用球Bの動作結果が当選結果である場合、すなわち特典が設定された案内口113a〜113fに抽選用球Bが振り分けられた場合には、遊技者に特典が付与される。これにより、内部抽選の結果に対応した停止結果となるリール32L,32M,32Rとは別に、抽選用球Bの抽選動作を通じて抽選を行う抽選動作手段が存在することとなり、ソフト的な抽選とハード的な抽選との両方を遊技者に提供することが可能となる。このように抽選用球Bが入球した案内口113a〜113fに対応する特典が付与される構成において、案内口113a〜113fに対応する特典はそれまでの遊技内容に応じて設定される。これにより、選択該当対象の案内口113a〜113fを決定する抽選L1〜L4の各実行回において案内口113a〜113fに対する特典の設定態様が相違し得ることとなり、抽選用球Bを利用した抽選動作が複数回実行される場合において各抽選動作の実行態様を多様化させることが可能となる。
BB状態ST2においては特典の設定対象に選択されている案内口113a〜113fが所定回転位置に存在するように振分用回転体103の回転位置が調整される。これにより、特典の設定対象に設定されている案内口113a〜113fを遊技者に認識させ易くすることが可能となる。
制限条件が成立した場合には抽選用ユニット70における動作結果を利用することなくプログラムを利用した決定処理(補助抽選処理(ステップS1319など)又は強制終了処理(ステップS1502)によって、選択該当対象となる案内口113a〜113fが決定される。これにより、抽選用ユニット70における動作結果を利用することが適切ではない状況においてはその影響を受けることなく特典を付与するか否かを決定することが可能となる。さらにまた、プログラムを利用した補助抽選処理が実行される場合であっても、選択該当対象となる案内口113a〜113fが決定されるとともに案内口113a〜113fに設定されている特典の内容がそのまま利用される。よって、当該決定処理が実行される場合であっても、案内口113a〜113fに設定された特典の内容が完全に無意味なものとなってしまわないようにすることが可能となる。
抽選用ユニット70が正常に動作するか否かが監視され、正常に動作しないことが特定された場合には、抽選用ユニット70における動作結果を利用することなくプログラムを利用した補助抽選処理によって選択該当対象となる案内口113a〜113fが決定される。これにより、抽選用ユニット70が正常に動作できないにも関わらず当該抽選用ユニット70を利用した抽選が実行されてしまわないようにしながら、案内口113a〜113fに対して設定された特典の内容が完全に無意味なものとなってしまわないようにすることが可能となる。
抽選用ユニット70における抽選用球Bを利用した抽選動作が開始された後であっても、抽選用ユニット70が正常に動作しないことが特定された場合には、抽選用ユニット70における動作結果を利用することなくプログラムを利用した補助抽選処理によって、選択該当対象となる案内口113a〜113fが決定される。これにより、抽選用ユニット70が正常に動作していないにも関わらず選択該当対象となる案内口113a〜113fを決定するための抽選動作がそのまま継続されてしまうことや、正常に動作していない抽選用ユニット70による抽選結果が採用されてしまうことを阻止することが可能となる。
主側MPU142への動作電力の供給が開始された場合に、抽選用ユニット70が正常に動作するか否かを監視するための監視処理が実行される。これにより、抽選用ユニット70を利用した抽選を開始すべき状況となる前に、当該抽選用ユニット70が正常に動作するか否かを特定することが可能となる。
主側MPU142への動作電力の供給が開始された場合であっても前面扉12が閉鎖状態ではない状況においては、抽選用ユニット70が正常に動作するか否かを監視するための監視処理が実行されない。これにより、前面扉12が閉鎖状態とされた安定した状態において監視処理が実行されるようにすることが可能となる。
ゲームが新たに開始される度に抽選用ユニット70が正常に動作するか否かを監視するための監視処理が実行される。これにより、抽選用ユニット70が正常に動作しない状況であるにも関わらず抽選用ユニット70を利用した抽選が実行されてしまわないようにすることが可能となる。
抽選用ユニット70が正常に動作するか否かを監視するための監視処理が、主側MPU142への動作電力の供給が開始された場合及び各ゲームが実行される場合のそれぞれで実行される構成において、前者の場合には入念な態様で監視処理が実行されることで抽選用ユニット70に発生している異常の特定精度を高めることが可能となり、後者の場合には簡易的な態様で監視処理が実行されることでゲームの進行を阻害しない範囲において監視処理を実行することが可能となる。
抽選用ユニット70における動作結果を利用することなくプログラムを利用した補助抽選処理により選択該当対象となる案内口113a〜113fが決定される場合であっても、選択該当対象となる案内口113a〜113fが抽選により決定される。これにより、プログラムを利用した補助抽選処理により選択該当対象となる案内口113a〜113fが決定される場合であっても、選択該当対象となる案内口113a〜113fが不規則に決定されるようにすることが可能となる。
状況異常が発生した場合には抽選用ユニット70による動作結果により選択該当対象となる案内口113a〜113fが決定されるのではなく、遊技者にとって最も不利となる案内口113a〜113fが選択該当対象として決定される。これにより、状況異常を発生させる行為を無意味なものとすることが可能となる。また、状況異常が発生した場合であっても案内口113a〜113fに設定されている特典の内容が利用されるため、状況異常が発生した場合であっても特典の付与態様を多様化することが可能となる。
抽選用ユニット70において抽選用球Bを利用した抽選動作が実行されている状況であっても新たなゲームを開始することが可能である。これにより、ゲームの消化を急ぐ遊技者は抽選用球Bを利用した抽選動作を途中で終了させて新たなゲームを開始させることが可能となる。
抽選用ユニット70において抽選用球Bを利用した抽選動作が実行されている状況において新たなゲームが開始された場合には遊技者にとって最も不利となる案内口113a〜113fが選択該当対象に決定される。これにより、不利な抽選結果となりそうなことを抽選用球Bの動きから予測した遊技者が抽選動作の途中において新たなゲームを開始させる行為を行ったとしても結果的に最も不利となる抽選結果となる。よって、抽選動作の途中で新たなゲームを開始させようとする行為を阻止することが可能となる。
抽選動作の途中で新たなゲームが開始された場合であっても案内口113a〜113fに設定されている特典の内容が利用される。これにより、抽選動作の途中で新たなゲームが開始された場合であっても特典の付与態様を多様化することが可能となる。
抽選動作の途中で新たなゲームが開始された場合には抽選用ユニット70における動作結果を利用することなくプログラムを利用した決定処理によって、不利となる結果が選択される。これにより、不利となる結果を導出する場合における処理構成を簡素化することが可能となる。
投入操作レバー131が操作されたことを契機として抽選用球Bの投入が行われるため、抽選用球Bを利用した抽選動作に遊技者を積極参加させることが可能となる。この場合に、投入操作レバー131が操作されてから投入待機期間が経過した後に抽選用球Bが投入される。これにより、有利な特典が設定された案内口113a〜113fが選択されることを狙って投入操作レバー131を操作しようとしてもそれが行いづらくなるため、遊技の熟練者と未熟者との間で公平性が担保される。
投入待機期間が抽選により決定される。これにより、投入操作レバー131の操作タイミングに対して抽選用球Bが投入されるタイミングが不規則なものとなる。よって、有利な特典が設定された案内口113a〜113fが選択されることを狙って投入操作レバー131を操作しようとしても、それが行いづらくなる。
投入前期間が経過したことを契機として抽選用球Bが投入される場合であっても、投入前期間の経過タイミングから投入待機期間が経過した場合に抽選用球Bが投入される。これにより、振分用回転体103の動作態様を確認して投入前期間を敢えて経過させることで有利な案内口113a〜113fが選択されることを狙おうとしても、それを行いづらくさせることが可能となる。
投入操作レバー131の操作タイミングに対して抽選用球Bの投入が開始されるタイミングが確実に遅れるように投入待機期間が決定される。つまり、選択され得る投入待機期間として0secが存在していない。これにより、有利な特典が設定された案内口113a〜113fが選択されることを狙って投入操作レバー131を操作することを確実に無効化させることが可能となる。
複数の案内口113a〜113fのそれぞれに対応する案内画像G11〜G16が各案内口113a〜113fの位置関係に対応する位置関係で画像表示装置66に表示され、それら案内画像G11〜G16のそれぞれにおいて、対応する案内口113a〜113fに対する特典の設定態様の情報を遊技者に認識可能とさせるための画像が表示される。これにより、遊技者は各案内口113a〜113fに対する特典の設定態様の情報を明確に把握した状態で、抽選用球Bを利用した抽選動作を確認することが可能となる。
複数の案内口113a〜113fの位置が変化することに対応させて複数の案内画像G11〜G16の表示位置が変化する。これにより、複数の案内口113a〜113fの位置が変化する構成であったとしても、案内口113a〜113fと案内画像G11〜G16との対応関係を遊技者に明確に認識させることが可能となる。
特典の設定対象に選択されている案内口113a〜113fが所定回転位置に存在するように複数の案内口113a〜113fの位置が変化する。これにより、特典の設定対象に選択されている案内口113a〜113fを遊技者に認識させ易くすることが可能となる。また、画像表示装置66では、所定回転位置に存在している案内口113a〜113fに対応する案内画像G11〜G16が所定画像位置にて表示される。これにより、案内口113a〜113fと案内画像G11〜G16との対応関係を遊技者に明確に認識させることが可能となる。
抽選用球Bを利用した抽選動作が実行されている状況において複数の案内口113a〜113fの位置が変化することに対応させて、画像表示装置66では複数の案内画像G11〜G16の表示位置が変化する。これにより、抽選動作が実行されている状況においてどのような特典が設定されている案内口113a〜113fに抽選用球Bが受け入れられそうであるのかを遊技者が認識し易くなる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、抽選用ユニット70を利用した抽選動作が実行されている状況であって主側MPU142にて第1待機状態又は第2待機状態に設定されている状況で新たなゲームを開始させるための操作が行われた場合、それに対して警告報知が実行される構成となっている。以下、当該警告報知を実行するための構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図68(a)は主側MPU142にて実行される本実施形態における待機中処理を示すフローチャートである。スタートレバー41及び第1〜第3クレジット投入ボタン47〜49のいずれかが操作された場合(ステップS3501:YES)、警告コマンドをサブ側MPU152への送信対象としてセットする(ステップS3502)。ステップS3501にて否定判定をした場合又はステップS3502の処理を実行した場合、その他の処理を実行する(ステップS3503)。その他の処理では、上記第1の実施形態における待機中処理(図38)のステップS1401〜ステップS1409の処理を実行する。
図68(b)はサブ側MPU152にて実行される本実施形態における抽選制御処理を示すフローチャートである。主側MPU142から警告コマンドを受信した場合(ステップS3601:YES)、警告報知用処理を実行する(ステップS3602)。警告報知用処理では、今回の抽選動作が開始されてから(すなわちサブ側RAM154の抽選実行フラグに新たに「1」がセットされてから)受信した警告コマンドの受信回数を計測し、その受信回数に対応する内容の警告報知が実行されるように画像表示装置66を表示制御する。具体的には、警告コマンドの受信回数が1回である場合には第1段階の警告報知が実行されるように画像表示装置66を表示制御し、警告コマンドの受信回数が2回以上である場合には第2段階の警告報知が実行されるように画像表示装置66を表示制御する。これにより、警告報知を段階的に実行することが可能となる。ステップS3601にて否定判定をした場合又はステップS3602の処理を実行した場合、その他の処理を実行する(ステップS3603)。その他の処理では、上記第1の実施形態における報知制御処理(図41)のステップS1501〜ステップS1518の処理を実行する。なお、警告報知が画像表示装置66のみにて実行される構成に限定されることはなく、画像表示装置66に加えて又は代えて、スピーカ65にて警告報知が実行される構成としてもよい。
次に、警告報知が実行されるタイミングについて図69(A)のタイムチャートを参照しながら説明する。図69(a)は1ゲームの実行期間を示し、図69(b)は抽選用ユニット70における抽選動作の実行期間を示し、図69(c)は主側MPU142にて第2待機状態に設定されている期間を示し、図69(d)はスタートレバー41又は第1〜第3クレジット投入ボタン47〜49の操作タイミングを示し、図69(e)は画像表示装置66にて警告報知が開始されるタイミングを示す。
まず警告報知が実行されない場合について説明する。t1のタイミングで図69(a)に示すように1ゲームの終了タイミングとなることで、図69(b)に示すように抽選用ユニット70の抽選動作が開始される。また、当該t1のタイミングで図69(c)に示すように主側MPU142にて第2待機状態に設定される。第2待機状態は上記第1の実施形態と同様にその待機期間が抽選用ユニット70において抽選動作を開始してから終了するまでに要する最短の期間よりも短い期間である。したがって、図69(b)及び図69(c)に示すように、抽選用ユニット70において抽選動作が継続されている状況であるt2のタイミングで第2待機状態が解除される。
その後、図69(b)及び図69(d)に示すように抽選用ユニット70において抽選動作が継続されている状況であるt3のタイミングで、第1クレジット投入ボタン47が操作されるとともにスタートレバー41が操作される。このt3のタイミングでは既に主側MPU142にて第2待機状態が解除されているため、当該t3のタイミングで図69(a)に示すように新たなゲームが開始される。上記第1の実施形態と同様に抽選用ユニット70を利用した抽選動作が実行されている状況で新たなゲームが開始された場合、各案内口113a〜113fに設定されている特典のうち遊技者にとって最も有利度が低い特典又は最も不利である結果が強制的に選択される。このような事象は不正の意思を持たない遊技者に対しても発生し得るものであり、そのような遊技者に対して上記のような事象が発生した場合、遊技続行意欲を減退させてしまうおそれがある。
次に、警告報知が実行される場合について説明する。t4のタイミングで図69(a)に示すように1ゲームの終了タイミングとなることで、図69(b)に示すように抽選用ユニット70の抽選動作が開始される。また、当該t4のタイミングで図69(c)に示すように主側MPU142にて第2待機状態に設定される。第2待機状態は上記第1の実施形態と同様にその待機期間が抽選用ユニット70において抽選動作を開始してから終了するまでに要する最短の期間よりも短い期間である。したがって、図69(b)及び図69(c)に示すように、抽選用ユニット70において抽選動作が継続されている状況であるt7のタイミングで第2待機状態が解除される。
この場合、第2待機状態が解除されるt7のタイミングよりも前のタイミングであるt5のタイミング及びt6のタイミングのそれぞれで、図69(d)に示すようにスタートレバー41及び第1〜第3クレジット投入ボタン47〜49のいずれかが操作される。したがって、図69(e)に示すようにt5のタイミングで警告報知が開始されるとともに、t6のタイミングにおいても警告報知が開始される。
図69(B)は1回目の警告報知に際して画像表示装置66にて表示される警告報知画像を説明するための説明図である。当該警告報知画像では「危ない!!右のレバーだ!!」という第1段階の警告報知に対応した画像が表示される。図69(C)は2回目の警告報知に際して画像表示装置66にて表示される警告報知画像を説明するための説明図である。当該警告報知画像では「不利になるぞ!!」という第1段階の警告報知よりも警告度の強い第2段階の警告報知に対応した画像が表示される。
上記のとおり主側MPU142にて待機状態に設定されている状況でゲームを新たに開始させるための操作が実行された場合には、警告報知が実行される。これにより、待機状態に設定されている状況でゲームを新たに開始させるための操作を行うべきではないことを遊技者に認識させることが可能となり、不正の意思を持たない遊技者に対して強制終了処理が実行されてしまう可能性を低減することが可能となる。
また、警告報知は段階的に実行される。これにより、スタートレバー41又は第1〜第3クレジット投入ボタン47〜49を意図しないで操作してしまった遊技者に対して、警告度の強い警告報知がいきなり実行されてしまわないようにしながら、スタートレバー41又は第1〜第3クレジット投入ボタン47〜49を意図的に繰り返し操作する遊技者に対して、警告度の強い警告報知を実行することが可能となる。
なお、主側MPU142にて待機状態に設定されていない状況であっても抽選用ユニット70において抽選用球Bを利用した抽選動作が実行されている状況においては、メダル投入口45にメダルが投入された場合又は第1〜第3クレジット投入ボタン47〜49が操作された場合には警告報知が実行される構成としてもよい。これにより、主側MPU142にて待機状態に設定されていない状況であっても、抽選用球Bを利用した抽選動作が実行されている状況において新たなゲームが開始されないものの新たなゲームを開始するために必要な操作が行われた場合には、それに対して警告報知を実行することが可能となる。
<第3の実施形態>
本実施形態では、AT状態ST3のベース状態ST32において第2RTモードにおけるインデックス値IV=14で当選となった場合におけるリール32L,32M,32Rの停止順序に応じて、上乗せ可能ゲーム数の設定対象となる案内口113a〜113fの種類を変更可能な構成となっている。以下、設定対象の変更を可能とする構成について説明する。
なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。また、本実施形態ではサブ側MPU152にて外部出力用の停止順設定処理(ステップS2716)は実行されない。また、本実施形態では主側MPU142は、第2RTモードのインデックス値IV=14に当選したゲームにおいて外部出力用の停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されたことを契機としてAT状態ST3であることを示す外部信号の出力を開始するのではなく、待機状態が設定されるとともにその後に補填入賞を間に挟むことなくベル入賞が複数回発生した場合にAT状態ST3であることを示す外部信号の出力を開始する。また、本実施形態では上記第1第1の実施形態における選択可能期間は存在していない。
図70(a)はサブ側MPU152にて実行される本実施形態における停止後処理を示すフローチャートである。まず今回終了したゲームがベース状態ST32において第2RTモードのIV=14で当選となったゲームである場合であって選択用報知を実行したゲームであるか否かを判定する(ステップS3701:YES)。選択用報知とは、設定態様の案内口113a〜113fを遊技者の操作により変更可能であることを遊技者に認識可能とさせるための報知である。具体的には、図70(b)の説明図に示すように、画像表示装置66に設定ゲーム数表示領域G32が表示されている状態において、設定態様の案内口113a〜113fを遊技者の操作により変更可能であることを示す選択用報知画像が画像表示装置66の演出表示領域G31に表示される。この場合、左リール32Lを第1停止することで設定対象の案内口113a〜113fが正方向の順序とは逆側の順序に1個戻り、中リール32Mを第1停止することで設定対象の案内口113a〜113fが現状の設定対象に維持され、右リール32Rを第1停止することで設定対象の案内口113a〜113fが正方向の順序に従って1個進むこととなる。図70(b)の状態においては対象明示画像G48が第3単位領域G43に隣接させて表示されているため、第3案内口113cが設定対象となっている。したがって、左リール32Lが第1停止された場合には第2案内口113bに設定対象が変更され、中リール32Mが第1停止された場合には第3案内口113cに設定対象が維持され、右リール32Rが第1停止された場合には第4案内口113dに設定対象が変更される。
ステップS3701にて肯定判定をした場合、右リール32Rが第1停止された場合には(ステップS3702:YES)、設定対象の進行処理を実行する(ステップS3703)。設定対象の進行処理ではサブ側RAM154の設定対象カウンタの値を1加算する。これにより、図70(b)の場合であれば、設定対象の案内口113a〜113fが第3案内口113cから第4案内口113dに変更される。ちなみに、上記第1の実施形態ではベース状態ST32において1ゲームが実行される度に設定対象の案内口113a〜113fが正方向の順序に従って1個ずつ変更されていく構成としたが、本実施形態では設定対象の案内口113a〜113fに対して上乗せ可能ゲーム数が設定された場合に設定対象の案内口113a〜113fが正方向の順序に従って1個ずつ変更される。この場合、上乗せ可能ゲーム数が設定されたゲーム、ステップS3703の処理が実行されたゲーム及びステップS3705の処理を実行されたゲームにおいて、設定対象の案内口113a〜113fが変更されることとなる。
ステップS3701にて肯定判定をした場合であって左リール32Lが第1停止された場合には(ステップS3704:YES)、設定対象の後退処理を実行する(ステップS3705)。設定対象の後退処理ではサブ側RAM154の設定対象カウンタの値を1減算する。これにより、図70(b)の場合であれば、設定対象の案内口113a〜113fが第3案内口113cから第2案内口113bに変更される。
ステップS3701にて肯定判定をした場合であっても中リール32Mが第1停止された場合には設定対象の案内口113a〜113fは変更されない。これにより、図70(b)の場合であれば、設定対象の案内口113a〜113fが第3案内口113cに維持される。
ステップS3701にて否定判定をした場合、ステップS3703の処理を実行した場合、ステップS3704にて否定判定をした場合、又はステップS3705の処理を実行した場合、その他の処理を実行する(ステップS3706)。その他の処理では、上記第1の実施形態における停止後処理(図57)のステップS2501〜ステップS2515の処理を実行する。
上記構成によれば、設定対象の案内口113a〜113fの種類を遊技者が選択することが可能となるため、所望の案内口113a〜113fに上乗せ可能ゲーム数が設定されるようにすることが可能となる。
第2RTモードにおいて最も当選確率が高いインデックス値IV=14で当選となった場合に設定対象の案内口113a〜113fの種類を遊技者が選択することが可能となる。これにより、当該選択を行うことが可能な状況が発生する機会を多くすることが可能となる。
設定対象の案内口113a〜113fを変更するための操作がリール32L,32M,32Rの停止順序を利用して行われる。これにより、リール32L,32M,32Rの停止操作とは別の操作を行わなくても、設定対象の案内口113a〜113fの種類を変更することが可能となる。
1回のゲームにおいては設定対象の案内口113a〜113fを1個戻すこと及び1個進めることのいずれかのみが可能となる。よって、設定対象の案内口113a〜113fを変更可能とした構成においてその選択の幅に制限を与えることが可能となる。
なお、現状の設定対象となっている案内口113a〜113fに対して1個前又は1個後の案内口113a〜113fのみを選択可能な構成に限定されることはなく、いずれの案内口113a〜113fであっても選択可能な構成としてもよい。例えば、左リール32Lを第1停止させた場合にはその停止操作に際して左ストップボタン42を押圧した状態を継続することで正方向の順序とは逆方向に設定対象の案内口113a〜113fが順次変更される構成としてもよく、右リール32Rを第1停止させた場合にはその停止操作に際して右ストップボタン44を押圧した状態を継続することで正方向の順序に設定対象の案内口113a〜113fが順次変更される構成としてもよい。
また、設定対象の案内口113a〜113fを選択する操作はストップボタン42〜44以外の操作により行われる構成としてもよい。例えば演出用ボタンが設けられた構成においてはその演出用ボタンの操作によって設定対象の案内口113a〜113fの選択操作が行われる構成としてもよい。
<第4の実施形態>
本実施形態では選択可能期間において取得した上乗せ可能ゲーム数の扱いを遊技者が選択可能となっている。以下、上乗せ可能ゲーム数の扱いを遊技者が選択可能とする構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図71はサブ側MPU152にて実行される本実施形態における選択中処理を示すフローチャートである。まず即放出の決定操作が行われたか否かを判定する(ステップS3801)。即放出とは、今回のゲームにおいて取得した上乗せ可能ゲーム数を、設定対象の案内口113〜113fに設定するのではなくベース状態ST32の継続可能ゲーム数に加算することをいう。選択可能期間において上乗せ可能ゲーム数を取得した場合に中ストップボタン43が操作された場合、即放出の決定操作が行われたと判定する。この場合、今回取得した上乗せ可能ゲーム数の1/6のゲーム数をサブ側RAM154の残ゲーム数カウンタに加算することにより、今回取得した上乗せ可能ゲーム数の1/6のゲーム数をベース状態ST32の継続可能ゲーム数に加算する(ステップS3802)。なお、上乗せ可能ゲーム数の1/6のゲーム数が整数ではない場合には小数点以下を切り上げる構成であるが、小数点以下を切り捨てる構成としてもよく、小数点以下を四捨五入する構成としてもよい。
その後、表示更新処理を実行する(ステップS3803)。これにより、今回取得した上乗せ可能ゲーム数の1/6のゲーム数がベース状態ST32の継続可能ゲーム数として加算されたことを示す画像が画像表示装置66にて表示される。その後、サブ側RAM154の選択中フラグを「0」クリアする(ステップS3804)。
即放出の決定操作が行われていない場合(ステップS3801:NO)、ストック操作が行われたか否かを判定する(ステップS3805)。ストック操作とは、今回のゲームにおいて取得した上乗せ可能ゲーム数の全てを設定対象の案内口113a〜113fに設定する操作のことをいう。選択可能期間において上乗せ可能ゲーム数を取得した場合に第1クレジット投入ボタン47が操作された場合、ストック操作が行われたと判定する。この場合、第1〜第6案内口113a〜113fのいずれを設定対象とするのかの選択抽選処理をサブ側MPU152においてプログラム及びデータを利用して実行し、選択抽選処理において選択された案内口113a〜113fに、今回取得した上乗せ可能ゲーム数の全てを加算する(ステップS3806)。具体的には、当選対象特定エリア154aにおける上乗せ可能ゲーム数エリアのうち、選択抽選処理において選択された案内口113a〜113fに対応するエリアに、今回のゲームにおいて所得した上乗せ可能ゲーム数を加算する。
その後、表示更新処理を実行する(ステップS3807)。これにより、今回選択された案内口113a〜113fに、今回取得した上乗せ可能ゲーム数の全てが加算されたことを示す画像が画像表示装置66にて表示される。その後、サブ側RAM154の選択中フラグを「0」クリアする(ステップS3808)。
即放出の操作及びストック操作の両方が行われていない場合(ステップS3801及びステップS3805:NO)、分配操作が行われたか否かを判定する(ステップS3809)。分配操作とは、今回のゲームにおいて取得した上乗せ可能ゲーム数の一部をベース状態ST32の継続可能ゲーム数に加算するとともに、今回のゲームにおいて取得した上乗せ可能ゲーム数の一部を設定対象の案内口113a〜113fに設定する操作のことをいう。選択可能期間において上乗せ可能ゲーム数を取得した場合にスタートレバー41が操作された場合、分配操作が行われたと判定する。この場合、今回取得した上乗せ可能ゲーム数の1/12のゲーム数をサブ側RAM154の残ゲーム数カウンタに加算することにより、今回取得した上乗せ可能ゲーム数の1/12のゲーム数をベース状態ST32の継続可能ゲーム数に加算する(ステップS3810)。なお、上乗せ可能ゲーム数の1/12のゲーム数が整数ではない場合には小数点以下を切り上げる構成であるが、小数点以下を切り捨てる構成としてもよく、小数点以下を四捨五入する構成としてもよい。
また、第1〜第6案内口113a〜113fのいずれを設定対象とするのかの選択抽選処理をサブ側MPU152においてプログラム及びデータを利用して実行し、選択抽選処理において選択された案内口113a〜113fに、今回取得した上乗せ可能ゲーム数の1/2のゲーム数を加算する(ステップS3811)。具体的には、当選対象特定エリア154aにおける上乗せ可能ゲーム数エリアのうち、選択抽選処理において選択された案内口113a〜113fに対応するエリアに、今回のゲームにおいて所得した上乗せ可能ゲーム数の1/2のゲーム数を加算する。なお、上乗せ可能ゲーム数の1/2のゲーム数が整数ではない場合には小数点以下を切り上げる構成であるが、小数点以下を切り捨てる構成としてもよく、小数点以下を四捨五入する構成としてもよい。
その後、表示更新処理を実行する(ステップS3812)。これにより、今回取得した上乗せ可能ゲーム数の1/12のゲーム数がベース状態ST32の継続可能ゲーム数として加算されたことを示す画像が画像表示装置66にて表示されるとともに、今回選択された案内口113a〜113fに今回取得した上乗せ可能ゲーム数の1/2のゲーム数が加算されたことを示す画像が画像表示装置66にて表示される。その後、サブ側RAM154の選択中フラグを「0」クリアする(ステップS3813)。
上記構成によれば、選択可能期間において上乗せ可能ゲーム数が取得された場合、その上乗せ可能ゲーム数を案内口113a〜113fに設定することでその後の上乗せ抽選L2における選択対象とするのか、それとも上乗せ抽選L2を待つことなくベース状態ST32の継続可能ゲーム数の増加対象とするのかを遊技者が選択可能である。これにより、遊技者の好みに合わせた態様で上乗せ可能ゲーム数を扱うことが可能となる。
また、選択可能期間において取得した上乗せ可能ゲーム数を利用してベース状態ST32の継続可能ゲーム数を増加させる場合におけるその増加分のゲーム数は、案内口113a〜113fに上乗せ可能ゲーム数を設定する場合におけるその設定分のゲーム数よりも少なくなる。これにより、選択可能期間において取得した上乗せ可能ゲーム数を利用してベース状態ST32の継続可能ゲーム数を増加させる場合の有利度が極端に高くなってしまわないようにすることが可能となる。
なお、選択可能期間において取得した上乗せ可能ゲーム数を案内口113a〜113fに設定する場合には、その設定対象となる案内口113a〜113fを遊技者が選択可能である構成としてもよい。
また、選択可能期間にて上乗せ可能ゲーム数が取得された場合において、即放出の決定操作が行われる場合、ストック操作が行われる場合及び分配操作が行われる場合のそれぞれで設定対象となるゲーム数はステップS3802、ステップS3806、ステップS3810及びステップS3811の各ゲーム数に限定されない。但し、即放出の決定操作が行われる場合、ストック操作が行われる場合及び分配操作が行われる場合のいずれであっても、遊技者の獲得期待ゲーム数が同一又は略同一となるように各ゲーム数が設定されていることが好ましい。
<第5の実施形態>
本実施形態では上乗せ抽選L2の後に継続抽選L3が実行される場合、上乗せ抽選L2において上乗せ可能ゲーム数が設定されていた案内口113a〜113fは継続抽選L3に際して当選対象として扱われる構成となっている。以下、当該構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図72はサブ側MPU152にて実行される本実施形態における抽選対象の設定処理を示すフローチャートである。サブ側RAM154の上乗せ発生フラグ及び特別抽選フラグの両方に「1」がセットされていない場合(ステップS3901:YES)、今回の終了分岐状態において上乗せ抽選L2が実行されたか否かを判定する(ステップS3902)。本実施形態では上乗せ抽選L2において上乗せ可能ゲーム数が設定されている案内口113a〜113fが選択されなかった場合にはそれに対応するデータの設定がサブ側RAM154に行われ、ステップS3902では当該データがサブ側RAM154に設定されているか否かを判定する。
今回の終了分岐状態において上乗せ抽選L2が実行されている場合(ステップS3902:YES)、直前の上乗せ抽選L2において上乗せ可能ゲーム数が設定されていた案内口113a〜113fを今回の継続抽選L3における当選対象として設定する(ステップS3903)。具体的には、当選対象特定エリア154aのうち上乗せゲーム数エリアに上乗せ可能ゲーム数が設定されている案内口113a〜113fに対応する当選対象エリアに当選対象であることを示すデータを設定し、上乗せゲーム数エリアに上乗せ可能ゲーム数が設定されていない案内口113a〜113fに対応する当選対象エリアに外れ対象であることを示すデータを設定する。
その後、増加対象の抽選テーブルを読み出し(ステップS3904)、増加対象の抽選処理を実行する(ステップS3905)。増加対象の抽選テーブルは、上乗せ抽選L2において上乗せ可能ゲーム数が設定される案内口113a〜113fの種類として起こり得るパターンに1対1で対応させて設定されている。但し、全ての案内口113a〜113fに上乗せ可能ゲーム数が設定されているパターンに対応する増加対象の抽選テーブルは存在していない。増加対象の抽選テーブルには、ステップS3903にて当選対象として設定されなかった案内口113a〜113fのうち当選対象として追加で設定される案内口113a〜113fの種類のパターンと、サブ側RAM154において定期的に更新される抽選用カウンタの数値範囲とが1対1で対応させて設定されている。なお、増加対象の抽選テーブルには、追加で設定される案内口113a〜113fが存在しないという抽選結果も設定されている。
ステップS3904では、直前の上乗せ抽選L2において上乗せ可能ゲーム数が設定された案内口113a〜113fの種類のパターンに対応する増加対象の抽選テーブルを読み出す。そして、増加対象の抽選処理では、サブ側RAM154において定期的に更新される抽選用カウンタの現状の数値情報を読み出し、ステップS3904にて読み出した増加対象の抽選テーブルに対してその数値情報を照合することで、当選対象として追加で設定する案内口113a〜113fを選択する。
増加対象の抽選処理を実行した後は、当選対象の設定処理を実行する(ステップS3906)。当選対象の設定処理では、当選対象特定エリア154aにおける当選対象エリアのうちステップS3905にて追加で当選対象として設定された案内口113a〜113fに対応するエリアに当選対象であることを示すデータを設定する。その後、継続抽選用の演出設定処理を実行する(ステップS3907)。継続抽選用の演出設定処理では、継続抽選L3が実行されることを示す演出が上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて実行されるようにするためのデータ設定を行う。
図73(a)及び図73(b)は上乗せ抽選L2が実行された後に継続抽選L3が実行される場合における画像表示装置66の表示内容を説明するための説明図である。上乗せ抽選L2において図73(a)に示すように第2案内口113b、第4案内口113d及び第5案内口113eに対して上乗せ可能ゲーム数が設定されている場合、当該上乗せ抽選L2において上乗せゲーム数の付与が発生することなく継続抽選L3が実行される場合には、図73(b)に示すように少なくとも第2案内口113b、第4案内口113d及び第5案内口113eが当選対象として設定される。さらに、増加対象の抽選処理(ステップS3905)にて第1案内口113a及び第6案内口113fが当選対象として追加される。これにより、図73(b)に示すように今回の継続抽選L3では第3案内口113cのみが外れ対象に設定され、それ以外は当選対象に設定される。
今回の終了分岐状態において上乗せ抽選L2が実行されていない場合(ステップS3902:NO)、ステップS3908及びステップS3909の処理を実行した後にステップS3906及びステップS3907の処理を実行する。これらの処理内容は上記第1の実施形態における抽選対象の設定処理(図62)のステップS3004〜ステップS3007と同一である。これにより、現状設定されている継続当選確率に従って、当選対象の案内口113a〜113fが抽選により決定される。
抽選対象の設定処理ではステップS3901にて否定判定をした場合、又はステップS3907の処理を実行した場合、その他の処理を実行する(ステップS3910)。その他の処理では、上記第1の実施形態における抽選対象の設定処理(図62)のステップS3001〜ステップS3002及びステップS3008〜ステップS3011の処理を実行する。
上記構成によれば、上乗せ抽選L2において上乗せゲーム数が付与されなかったとしても、その後の継続抽選L3においては少なくとも上乗せ抽選L2にて上乗せ可能ゲーム数が設定されていた案内口113a〜113fが当選対象として設定される。これにより、仮に上乗せ可能ゲーム数が設定されている案内口113a〜113fの数が比較的多い状況であるにも関わらず上乗せ抽選L2にて上乗せゲーム数が付与されなかったとしても、その後の継続抽選L3では上乗せ抽選L2にて上乗せ可能ゲーム数が設定されていた案内口113a〜113fが当選対象として扱われるため、上乗せゲーム数が付与されなかったことに対する失望感を低減させることが可能となる。
また、上乗せ抽選L2において上乗せゲーム数が設定されなかった場合における継続抽選L3では、上乗せ可能ゲーム数が設定されていた案内口113a〜113fの数よりも多い数の案内口113a〜113fが当選対象として設定され得る。これにより、上乗せ抽選L2の後に実行される継続抽選L3にて継続当選となることへの遊技者の期待感を高めることが可能となる。
<第6の実施形態>
上記第1の実施形態ではベース状態ST32の各ゲームにおいて各案内口113a〜113fに設定されている上乗せ可能ゲーム数が明示される構成としたが、本実施形態ではベース状態ST32の継続可能ゲーム数が所定ゲーム数となった場合に各案内口113a〜113fに設定されている上乗せ可能ゲーム数が明示される。以下、当該構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図74はサブ側MPU152にて実行される本実施形態におけるベース状態処理を示すフローチャートである。主側MPU142からゲーム開始コマンドを受信した場合であって(ステップS4001:YES)、サブ側RAM154の残ゲーム数カウンタの値が6以下である場合(ステップS4002:YES)、当選対象特定エリア154aにおける上乗せゲーム数エリアのうち、サブ側RAM154の残ゲーム数カウンタの値に対応するエリアに設定されている上乗せ可能ゲーム数の情報を読み出す(ステップS4003)。この場合、今回のゲーム以外に残り5ゲームである場合には第1案内口113aに対応する上乗せ可能ゲーム数を読み出し、残り4ゲームである場合には第2案内口113bに対応する上乗せ可能ゲーム数を読み出し、残り3ゲームである場合には第3案内口113cに対応する上乗せ可能ゲーム数を読み出し、残り2ゲームである場合には第4案内口113dに対応する上乗せ可能ゲーム数を読み出し、残り1ゲームである場合には第5案内口113eに対応する上乗せ可能ゲーム数を読み出し、最終ゲームである場合には第6案内口113fに対応する上乗せ可能ゲーム数を読み出す。そして、今回の報知対象となる上乗せ可能ゲーム数の報知処理を実行する(ステップS4004)。具体的には、ステップS4003にて読み出した上乗せ可能ゲーム数が、その設定対象となっている案内口113a〜113fの種類を特定した状態で画像表示装置66にて報知されるようにするためのデータ設定を行う。なお、一旦報知対象となった案内口113a〜113fの上乗せ可能ゲーム数の報知は、今回のベース状態ST32の終了後において上乗せ抽選L2が終了するまで継続される。
ステップS4001にて否定判定をした場合、ステップS4002にて否定判定をした場合、又はステップS4004の処理を実行した場合、その他の処理を実行する(ステップS4005)。その他の処理では、上記第1の実施形態におけるベース状態処理(図56)のステップS2401〜ステップS2417の処理を実行する。
上記構成によれば、ベース状態ST32の最終ゲームとなるまでは全ての案内口113a〜113fについての上乗せ可能ゲーム数の設定状況を遊技者は知ることができない。これにより、各案内口113a〜113fに設定されている上乗せ可能ゲーム数を予測しながら遊技が行われることとなり、遊技の興趣向上が図られる。
一方、ベース状態ST32のラスト6ゲームにおいては各案内口113a〜113fに設定されている上乗せ可能ゲーム数が順次報知される。これにより、各案内口113a〜113fの上乗せ可能ゲーム数の設定状況を遊技者は段階的に知ることとなり、遊技者の期待感を段階的に高めることが可能となる。
なお、上乗せ可能ゲーム数の報知が実行される各ゲームにおいてはその報知開始対象となっている案内口113a〜113fが上乗せ可能ゲーム数の設定対象となる構成としてもよい。これにより、上乗せ可能ゲーム数の報知が実行される場合には、その報知対象となっている案内口113a〜113fの最終的な上乗せ可能ゲーム数が報知されるようにすることが可能となる。
また、ベース状態ST32の最終ゲームにおいて、全ての案内口113a〜113fについて上乗せ可能ゲーム数の報知が実行される構成としてもよい。この場合、各案内口113a〜113fに設定されている上乗せ可能ゲーム数に対する遊技者の期待感をベース状態ST32の最終ゲームまで持続させることが可能となる。
また、設定されている上乗せ可能ゲーム数が多い順又は少ない順で、各案内口113a〜113fに設定されている上乗せ可能ゲーム数が徐々に報知されていく構成としてもよい。この場合、上乗せ可能ゲーム数が設定されていない案内口113a〜113f又は設定されている上乗せ可能ゲーム数が少ない案内口113a〜113fから先に報知対象としていくことで、遊技者の期待感を段階的に高めることが可能となる。
<第7の実施形態>
本実施形態では、設定対象の案内口113a〜113fへの上乗せ可能ゲーム数の設定が決定された場合、その決定されたゲームにて上乗せ可能ゲーム数が設定されたことが報知されるのではなく、その決定されたゲームから所定ゲーム数が消化された後に上乗せ可能ゲーム数が設定されたことが報知される。以下、当該構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。また、本実施形態では選択可能期間が存在していない。
図75はサブ側MPU152にて実行される本実施形態における停止後処理を示すフローチャートである。今回のゲームにおいて上乗せ抽選処理が実行されているとともに当該上乗せ抽選処理にて1ゲーム以上の上乗せ可能ゲーム数が選択されている場合(ステップS4101:YES)、サブ側RAM154に設けられた更新待機カウンタのうち今回のゲームにおいて設定対象となっている案内口113a〜113fに対応する更新待機カウンタに報知遅延ゲーム数に対応する「6」をセットする(ステップS4102)。更新待機カウンタは、設定対象の案内口113a〜113fへの上乗せ可能ゲーム数の設定が決定された場合にその上乗せ可能ゲーム数が設定されたことが報知されるまでの遅延ゲーム数をサブ側MPU152にて特定するためのカウンタである。更新待機カウンタは第1〜第6案内口113a〜113fに1対1で対応させて設けられている。
ここで、ベース状態処理(図56)では本実施形態の場合、上乗せ抽選処理(ステップS2409)において上乗せ当選となった場合(ステップS2412:YES)、上乗せ抽選結果の加算処理(ステップS2414)とは別に、今回選択された上乗せ可能ゲーム数をサブ側RAM154に別保存する。これにより、今回のゲームにおいて選択された上乗せ可能ゲーム数が設定対象の案内口113a〜113fに対応する単位領域G41〜G46に加算される表示演出を、その後のゲームにおいて実行することが可能となる。
また、サブ側RAM154におけるいずれかの更新待機カウンタの値が1以上である場合、上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66における演出の実行状態が待機対応演出状態となる。待機対応演出状態においては上乗せ可能ゲーム数が設定される期待度が高いことを示す演出が実行される頻度が高くなる。また、上乗せ抽選処理(ステップS2409)が実行されたものの上乗せ当選とならなかったゲームであっても所定の確率で待機対応演出状態に設定される。但し、待機対応演出状態に設定された場合には実際に上乗せ可能ゲーム数が設定されている確率の方が設定されていない確率よりも高くなるように、上乗せ当選とならなかったゲームにおいて待機対応演出状態が設定される確率が設定されている。これにより、上乗せ可能ゲーム数が設定される期待度が高いことを示す演出が高頻度で実行された場合に上乗せ可能ゲーム数がその後に設定される場合と設定されない場合とのそれぞれを生じさせることが可能となり、上乗せ可能ゲーム数が設定される期待度が高いことを示す演出が高頻度で実行されたことに対して、上乗せ可能ゲーム数がその後に設定されることを遊技者に期待させることが可能となる。
停止後処理(図75)の説明に戻り、ステップS4102の処理を実行した後は、サブ側RAM154の上乗せ発生フラグに「1」をセットする(ステップS4103)。上乗せ発生フラグは既に説明したとおり、ベース状態ST32の1回の単位実行回における継続可能ゲーム数が「0」となるまでにいずれかの案内口113a〜113fに上乗せ可能ゲーム数が設定されたことをサブ側MPU152にて特定するためのフラグである。
ステップS4101にて否定判定をした場合、又はステップS4103の処理を実行した場合、設定対象の更新処理を実行する(ステップS4104)。当該更新処理では、サブ側RAM154の設定対象カウンタの値を1加算する。この場合、1加算後における設定対象カウンタの値が「6」である場合には設定対象カウンタの値を「0」クリアする。これにより、設定対象の案内口113a〜113fが第n案内口→第n+1案内口の順序で変更されるとともに第6案内口113fの次は第1案内口113aが設定対象となる正方向の順序に従って、ベース状態ST32において1ゲームが実行される度に設定対象が1個ずつ変更されていく。
停止後処理では、今回のゲームにおける役の抽選処理にて第1BB役又は第2BB役に当選した場合(ステップS4105:YES)、サブ側RAM154のいずれかの更新待機カウンタの値が1以上となっているか否かを判定する(ステップS4106)。いずれかの更新待機カウンタの値が1以上となっている場合(ステップS4106:YES)、表示更新処理を実行する(ステップS4107)。表示更新処理では、1以上の値となっている更新待機カウンタに対応する案内口113a〜113fの単位領域G41〜G46に、設定報知の実行が待機されている上乗せ可能ゲーム数が加算されるようにするためのデータ設定を行う。その後、サブ側RAM154の全ての更新待機カウンタの値を「0」クリアする(ステップS4108)。
ステップS4105にて否定判定をした場合、ステップS4106にて否定判定をした場合、又はステップS4108の処理を実行した場合、更新待機カウンタの減算処理を実行する(ステップS4109)。当該減算処理では、1以上の値となっている更新待機カウンタの値をそれぞれ1減算する。その後、1以上の値となっていた更新待機カウンタの値がステップS4109の減算処理により「0」になったか否かを判定する(ステップS4110)。ステップS4110にて肯定判定をした場合には、表示更新処理を実行する(ステップS4111)。表示更新処理では、ステップS4109の減算処理により「0」となった更新待機カウンタに対応する案内口113a〜113fの単位領域G41〜G46に、設定報知の実行が待機されている上乗せ可能ゲーム数が加算されるようにするためのデータ設定を行う。
ステップS4110にて否定判定をした場合、又はステップS4111の処理を実行した場合、その他の処理を実行する(ステップS4112)。その他の処理では、上記第1の実施形態における停止後処理(図57)のステップS2501〜ステップS2502及びステップS2510〜ステップS2515の処理を実行する。
上記構成によれば、設定対象の案内口113a〜113fへの上乗せ可能ゲーム数の設定が決定された場合、遅延ゲーム数が消化された後に、その上乗せ可能ゲーム数が設定されたことが報知される。これにより、上乗せ可能ゲーム数が設定されることに対する遊技者の期待感を複数ゲームに亘って持続させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
ステップS4102にて更新待機カウンタにセットされる値は「6」であるため、当該更新待機カウンタにセットされた値は6ゲームが消化された場合に「0」となる。これに対して、ベース状態ST32では1ゲームが実行される度に設定対象の案内口113a〜113fが正方向の順序に1個ずつ変更される。つまり、所定の案内口113a〜113fについて上乗せ可能ゲーム数の設定報知の実行が待機された場合、当該所定の案内口113a〜113fが再度設定対象となった場合に当該設定報知が実行される。これにより、上乗せ可能ゲーム数の設定報知が実行された場合にその設定報知の実行対象となった案内口113a〜113fの種類を遊技者に認識させ易くすることが可能となる。
上乗せ可能ゲーム数の設定報知の実行が待機されている状況でいずれかのBB役に当選した場合、その待機されている上乗せ可能ゲーム数の設定報知が実行される。これにより、上乗せ可能ゲーム数の設定報知を利用してBB役に当選したことの報知を実行することが可能となる。
なお、所定の案内口113a〜113fに上乗せ可能ゲーム数が設定されたことを示す設定報知が実行されるタイミングは、当該所定の案内口113a〜113fが再度設定対象となったゲームに限定されることはなく、当該所定の案内口113a〜113fが再度設定対象となるゲームよりも前のゲーム又は後のゲームであってもよい。この場合、設定報知が実行されるまでのゲーム数は固定のゲーム数であってもよく、抽選により決定されるゲーム数であってもよい。
また、所定の案内口113a〜113fに上乗せ可能ゲーム数が設定されたことを示す設定報知が遅延されている状況において別の案内口113a〜113fに対して上乗せ可能ゲーム数が設定された場合には、所定の案内口113a〜113fに上乗せ可能ゲーム数が設定されたことを示す設定報知はその時点で実行される構成としてもよい。この場合、その別の案内口113a〜113fに上乗せ可能ゲーム数が設定されたことを示す設定報知も一緒に行われる構成としてもよく、当該設定報知は遅延される構成としてもよい。
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組合わせて適用してもよい。
(1)BB状態ST2又はベース状態ST32において当選対象の設定や上乗せ可能ゲーム数の設定といった特典の設定対象となる案内口113a〜113fの種類が第n案内口→第n+1案内口という順序で変更される構成としたが、これに代えて、第n+1案内口→第n案内口という順序で変更される構成としてもよく、第n案内口→第n+1案内口という順序で全ての案内口113a〜113fが特典の設定対象となる変更態様と、第n+1案内口→第n案内口という順序で全ての案内口113a〜113fが特典の設定対象となる変更態様とが交互に繰り返される構成としてもよい。
(2)BB状態ST2又はベース状態ST32において当選対象の設定や上乗せ可能ゲーム数の設定といった特典の設定対象となる案内口113a〜113fの種類が、順次変更される構成に代えて、特典の設定対象の変更条件が成立した場合にその度に特典の設定対象となる案内口113a〜113fが抽選により決定される構成としてもよい。この場合、特典の設定対象となる案内口113a〜113fが不規則に決定されることとなるため、例えば一部の案内口113a〜113fが特典の設定対象に一度も設定されないまま、選択該当対象となる案内口113a〜113fを決定するための抽選が開始される状況も生じ得る。よって、案内口113a〜113fへの特典の設定態様をより多様化させることが可能となる。
(3)BB状態ST2において既に当選対象のデータが設定されている案内口113a〜113fが特典の設定対象となっている状況で媒体付与役に当選してその入賞が成立した場合には、上乗せ抽選処理が実行されることなく当該案内口113a〜113fに上乗せ可能ゲーム数が設定される構成としてもよい。この場合、BB状態ST2の開始時に当選対象のデータが設定された案内口113a〜113fには確実に上乗せ可能ゲーム数が設定されることとなるため、BB状態ST2の開始時に当選対象のデータが設定される案内口113a〜113fの有利度を高めることが可能となる。
(4)BB状態ST2において、所定の媒体付与役については当選したとしてもリール32L,32M,32Rの停止順序又はリール32L,32M,32Rの停止操作タイミングによってはその入賞が成立しないことが起こり得る構成としてもよい。この場合、その所定の媒体付与役に当選した場合にはその入賞が成立しなかったとしても当否抽選処理又は上乗せ抽選処理が実行される構成としてもよく、入賞が成立しない限り当否抽選処理及び上乗せ抽選処理が実行されない構成としてもよい。
また、ベース状態ST32においてはインデックス値IV=1〜7のいずれかで当選となった場合には入賞の成立の有無に関係なく上乗せ抽選処理が実行される構成としたが、インデックス値IV=1〜7のいずれかで当選したとしてもそれに対応する所定の入賞が成立しなかった場合には上乗せ抽選処理が実行されない構成としてもよい。
(5)BB状態ST2においてベル役に当選したゲームでは当否抽選処理又は上乗せ抽選処理において当選となることで特典の設定対象となっている案内口113a〜113fに特典が設定されるのに対して、スイカ役に当選したゲームでは当否抽選処理及び上乗せ抽選処理が実行されることなく特典の設定対象となっている案内口113a〜113fに特典が設定される構成としてもよい。この場合、スイカ役に当選することの有利度を高めることが可能となる。
また、ベース状態ST32において所定の媒体付与役に当選したゲームでは上乗せ抽選処理において当選となることで特典の設定対象となっている案内口113a〜113fに特典が設定されるのに対して、特定の媒体付与役に当選したゲームでは上乗せ抽選処理が実行されることなく特典の設定対象となっている案内口113a〜113fに特典が設定される構成としてもよい。この場合、特定の媒体付与役に当選することの有利度を高めることが可能となる。
(6)継続抽選L3が実行される場合には案内口113a〜113fに当選対象及び外れ対象のいずれかが設定される構成としたが、これに代えて、案内口113a〜113fに1ゲーム以上の上乗せ可能ゲーム数又は上乗せ可能ゲーム数無しが設定される構成としてもよい。この場合、ベース状態ST32を継続させることとなる案内口113a〜113f間においても有利度の差を生じさせることが可能となる。
また、当該構成において上乗せ抽選L2において上乗せ可能ゲーム数が設定された案内口113a〜113fが選択されなかったことで継続抽選L3が実行される場合、上乗せ抽選L2において上乗せ可能ゲーム数が設定されていた案内口113a〜113fには継続抽選L3においてもその上乗せ可能ゲーム数が設定され、上乗せ抽選L2において上乗せ可能ゲーム数が設定されていなかった案内口113a〜113fには上乗せ可能ゲーム数の設定の有無が抽選により決定されるとともに上乗せ可能ゲーム数を設定することが決定された場合にはそのゲーム数が抽選により決定される構成としてもよい。これにより、上乗せ抽選L2において多くの案内口113a〜113fに上乗せ可能ゲーム数が設定された場合や上乗せ抽選L2において所定の案内口113a〜113fに多数の上乗せ可能ゲーム数が設定された場合の有利度を継続抽選L3に引き継ぐことが可能となる。
(7)抽選用ユニット70が複数設けられており、複数の抽選用ユニット70において同時に抽選を実行することが可能である構成としてもよい。例えば、上乗せ抽選L2が実行される抽選用ユニット70と継続抽選L3が実行される抽選用ユニット70とが個別に設けられており、上乗せ抽選L2が実行される期間と継続抽選L3が実行される期間との少なくとも一部が重複するようにしてこれら上乗せ抽選L2及び継続抽選L3が実行される構成としてもよい。これにより、終了分岐状態において上乗せ抽選L2及び継続抽選L3の両方が実行される状況であってもこれら抽選を実行するための期間が極端に長くなってしまうことを阻止することが可能となる。但し、当該構成においては上乗せ抽選L2において上乗せ可能ゲーム数が設定されている案内口113a〜113fが選択された場合には継続抽選L3の結果は無効化されることとなる。
(8)上乗せ抽選L2において上乗せ可能ゲーム数が設定されていない案内口113a〜113fが選択された場合、継続抽選L3を実行するか否かの抽選処理が内部的に実行され、当該抽選処理において実行当選となった場合に継続抽選L3が実行される構成としてもよい。また、ベース状態ST32においていずれの案内口113a〜113fにも上乗せ可能ゲーム数が設定されなかった場合、継続抽選L3を実行するか否かの抽選処理が内部的に実行され、当該抽選処理において実行当選となった場合に継続抽選L3が実行される構成としてもよい。
(9)上乗せ抽選L2において上乗せ可能ゲーム数が設定されていない案内口113a〜113fが選択された場合には継続抽選L3が実行されるようにすること、及び継続抽選L3が実行されない代わりに上乗せ抽選L2において上乗せ可能ゲーム数が設定されている案内口113a〜113fを1個増加させることのいずれかを遊技者の操作によって選択可能である構成としてもよい。これにより、抽選の実行態様に関して遊技者の選択の幅を広げることが可能となる。
(10)BB状態ST2においてベル入賞とスイカ入賞とで遊技媒体の付与数が異なる構成としてもよい。この場合であっても、例えば第1BB状態ST21では遊技媒体の付与役に当選したゲームが案内口113a〜113fの数分発生した場合に終了する構成とする上では例えばベル入賞が成立した場合の遊技媒体の付与数を「7」とするとともにスイカ入賞が成立した場合の遊技媒体の付与数を「8」とし、さらに第1BB状態ST21の終了基準数を「41」又は「42」とすればよい。つまり、最大の付与数と最小の付与数との差が「1」であって、BB状態ST2の終了基準数が、最大の付与数×(「案内口113a〜113fの数」×n−1)(nは1以上の整数)よりも多い数であって、最小の付与数×「案内口113a〜113fの数」×n以下の数に設定されていればよい。これにより、BB状態ST2において遊技媒体の付与数が異なる媒体付与役が存在している場合であっても、各案内口113a〜113fに対してn回ずつ特典が設定され得る機会が発生した場合にBB状態ST2が終了することとなる。
(11)第1BB状態ST21の終了基準数が、「遊技媒体の付与数」×「案内口113a〜113fの数」よりも多い数に設定されている構成としてもよい。この場合、全ての案内口113a〜113fが1回ずつ特典の設定対象となった後であっても、第1BB状態ST21において新たなゲームが開始されることとなるが、その新たに開始されたゲームの結果が案内口113a〜113fに設定される特典に影響を与える構成としてもよく、影響を与えない構成としてもよい。例えば、新たに開始されたゲームにおいて所定の媒体付与役に当選した場合には抽選により決定された案内口113a〜113fに特典が設定される構成としてもよく、新たに開始されたゲームにおいて所定の媒体付与役に当選した場合には全ての案内口113a〜113fに特典が設定される構成としてもよい。この場合、当選対象のデータが設定されていない案内口113a〜113fであれば当選対象のデータを設定し、当選対象のデータが設定されている案内口113a〜113fであれば上乗せ可能ゲーム数を設定し、当選対象のデータ及び上乗せ可能ゲーム数が設定されている案内口113a〜113fであれば上乗せ可能ゲーム数を追加する。
(12)ベース状態ST32において第2BB役以外の役において最も当選確率が低いインデックス値IV=5で当選となった場合には複数の案内口113a〜113fに上乗せ可能ゲーム数が設定される構成としてもよい。例えば、2個の案内口113a〜113fに上乗せ可能ゲーム数が設定される構成としてもよく、3個の案内口113a〜113fに上乗せ可能ゲーム数が設定される構成としてもよく、4個の案内口113a〜113fに上乗せ可能ゲーム数が設定される構成としてもよく、5個の案内口113a〜113fに上乗せ可能ゲーム数が設定される構成としてもよく、全ての案内口113a〜113fに上乗せ可能ゲーム数が設定される構成としてもよい。これにより、ベース状態ST32においてインデックス値IV=5で当選することの有利度を高めることが可能となる。
また、複数の案内口113a〜113fに上乗せ可能ゲーム数が設定される構成において、それら上乗せ可能ゲーム数が同一である構成としてもよく異なる構成としてもよい。また、複数の案内口113a〜113fに上乗せ可能ゲーム数が設定されたことが同時に報知される構成としてもよく、1個の案内口113a〜113fに上乗せ可能ゲーム数が設定されたことの報知が1ゲームずつ行われることで上乗せ可能ゲーム数が設定されたことの報知が複数ゲームに亘って徐々に行われる構成としてもよい。前者の場合、同時に複数の案内口113a〜113fに上乗せ可能ゲーム数が設定されたことに対する意外性を与えることが可能となるとともに、後者の場合、複数ゲームに亘って遊技者の満足感を段階的に高めることが可能となる。
(13)ベース状態ST32から移行したBB状態ST2では、特典の設定対象が上記第1の実施形態のように第1案内口113aから順次変更されるのではなく、直前のベース状態ST32において最後に特典の設定対象に設定されていた案内口113a〜113fに対して次の順番の案内口113a〜113fから特典の設定対象が順次変更されていく構成としてもよい。また、BB状態ST2が終了して復帰したベース状態ST32では、特典の設定対象が上記第1の実施形態のように第1案内口113aから順次変更されるのではなく、直前のBB状態ST2において最後に特典の設定対象に設定されていた案内口113a〜113fに対して次の順番の案内口113a〜113fから特典の設定対象が順次変更されていく構成としてもよい。これにより、ベース状態ST32の途中でBB状態ST2への移行が発生する場合であっても、各案内口113a〜113fが特典の設定対象に設定される頻度が同程度となるようにすることが可能となる。
(14)終了分岐状態においてインデックス値IV=4〜7といった他の役に比べて当選確率が低い特別役に当選した場合、有利な状況となる構成としてもよい。例えば、終了分岐状態であって上乗せ抽選L2の開始前の状態において特別役に当選した場合には抽選により決定された一部の案内口113a〜113f、上乗せ可能ゲーム数が設定されていない案内口113a〜113f、又は全ての案内口113a〜113fに、上乗せ可能ゲーム数が設定される構成としてもよい。また、終了分岐状態であって継続抽選L3の開始前の状態において特別役に当選した場合には、当選対象のデータが設定されていない案内口113a〜113fのうち抽選により決定された案内口、又は外れ対象のデータが設定されている全ての案内口113a〜113fに、当選対象のデータが設定される構成としてもよい。これにより、終了分岐状態において特別役に当選することの有利度を高めることが可能となる。
(15)抽選用ユニット70に異常が発生しているか否かに関係なく、各種抽選L1〜L4を、抽選用ユニット70を利用した物理抽選により行うのか、又はプログラムを利用したソフト抽選により行うのかを遊技者が選択可能である構成としてもよい。また、この選択が、各種抽選L1〜L4が開始される直前のリール32L,32M,32Rの停止順序によって行われる構成としてもよい。
(16)上記第1の実施形態においてベース状態ST32に選択可能期間が存在していない構成としてもよい。この場合、第n案内口→第n+1案内口となるように特典の設定対象となる案内口113a〜113fの種類が変更されて第6案内口113fが特典の設定対象とされた次は、第1案内口113aが特典の設定対象となる。当該構成によれば、抽選用ユニット70の個体差などによって抽選用球Bが所定の案内口113a〜113fに導入され易い構成であったとしても、その所定の案内口113a〜113fに意図的に特典が設定されるという事象が発生しないようにすることが可能となる。
(17)上記第1の実施形態において役の抽選処理にて選択契機役に当選した場合又は選択契機入賞が成立した場合に、上乗せ可能ゲーム数が付与されるとともにその付与された上乗せ可能ゲーム数を設定する案内口113a〜113fを遊技者の操作によって選択可能となる構成としてもよい。この場合、選択契機役の当選又は選択契機入賞の成立が発生することを期待しながら遊技を行うこととなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
(18)BB状態ST2であっても特典の設定対象の案内口113a〜113fを遊技者の選択操作によって選択可能な状況が発生し得る構成としてもよい。例えば通常リプレイ役に当選したゲームにおいて選択可能抽選処理が実行されるようにし、選択可能抽選処理において当選となった場合に、当選対象のデータが設定されていない案内口113a〜113fのうち遊技者の選択操作によって選択された案内口に対して当選対象のデータが設定される構成としてもよい。これにより、BB状態ST2において通常リプレイ役に当選するゲームであっても遊技者の注目度を高めることが可能となる。
(19)特典の設定対象の案内口113a〜113fを選択するために操作される操作手段はストップボタン42〜44に限定されることはなく、例えば演出用ボタンの操作によって選択操作が行われる構成としてもよく、選択操作の専用ボタンの操作によって選択操作が行われる構成としてもよい。
(20)ゲームが開始される場合に抽選用ユニット70が正常に動作するか否かの監視処理が実行される構成に加えて又は代えて、ゲームが終了する場合に抽選用ユニット70が正常に動作するか否かの監視処理が実行される構成としてもよい。この場合であっても、当該監視処理として、投入球検出センサ78にて抽選用球Bが検出されているか否かを特定する処理を実行する構成とすることで、ゲームの円滑な進行を阻害しないようにしながら抽選用ユニット70が正常に動作するか否かの監視を実行することが可能となる。
また、ゲームが終了してから新たなゲームが開始されることなく監視契機期間(例えば10min)が経過した場合に、抽選用ユニット70が正常に動作するか否かの監視処理が実行される構成としてもよい。この場合、主側MPU142への動作電力の供給が開始された場合と同様に遊技が実行されていない状況に該当するため、主側MPU142への動作電力の供給が開始された場合と同様に抽選用ユニット70の各装置において抽選動作を実行させることで抽選用ユニット70が正常に動作するか否かを監視する構成としてもよい。
(21)抽選用ユニット70において抽選用球Bを利用した抽選動作が実行されている状況で状況異常が発生した場合、案内口113a〜113fに設定されている特典の内容に関係なく、上乗せ抽選L2の実行時であれば上乗せゲーム数を付与しないことが決定され、移行抽選L1又は継続抽選L3の実行時であれば外れ結果となることが決定される構成としてもよい。これにより、状況異常が発生することに対する不利益感を高めることが可能となる。
(22)抽選用ユニット70において抽選用球Bを利用した抽選動作が実行されている状況で新たなゲームが開始された場合、抽選用ユニット70が正常に動作しない場合と同様に補助抽選処理が実行される構成としてもよい。この場合、抽選用ユニット70において抽選用球Bを利用した抽選動作が実行されている状況で新たなゲームが開始されたとしても不利な結果とならない。
(23)抽選用ユニット70において抽選用球Bを利用した抽選動作が実行されている状況で新たなゲームが開始されたとしても、その抽選動作が継続されて、その抽選動作が終了した後に新たに開始されるゲームからその抽選動作において選択された案内口113a〜113fに対応する特典が遊技者に付与される構成としてもよい。例えば移行抽選L1又は継続抽選L3の途中で新たなゲームが開始された場合、移行抽選L1又は継続抽選L3の結果が出るまでは通常遊技状態ST1としてのゲームが行われ、移行抽選L1又は継続抽選L3の結果が出た後であって当選対象の案内口113a〜113fが選択された場合、その後のゲームからAT状態ST3のゲームが行われる構成としてもよい。また、上乗せ抽選L2の途中で新たなゲームが開始された場合、上乗せ抽選L2の結果が出るまでは通常遊技状態ST1としてのゲームが行われ、上乗せ抽選L2の結果が出た後であって上乗せ可能ゲーム数が設定されている案内口113a〜113fが選択された場合には準備状態ST31又はベース状態ST32が開始され、上乗せ可能ゲーム数が設定されていない案内口113a〜113fが選択された場合には継続抽選L3が実行対象となる終了分岐状態が開始される構成としてもよい。これらの場合、抽選動作が継続している状況のゲームにて当選確率の低い役に当選したとしてもAT状態ST3の内容に関して何ら利益が生じない構成としてもよい。これにより、抽選動作が継続している状況で新たなゲームを開始すると遊技者にとって実質的に不利なものとなるため、抽選動作が継続している状況で新たなゲームを開始することを遊技者に思いとどまらせることが可能となる。
(24)抽選用ユニット70において案内ユニット81に抽選用球Bが投入された後であって案内用回転体91よりも下流側に抽選用球Bが導出されるまでは、振動検出センサ162にて振動を検出したとしても状況異常の設定が行われない構成としてもよい。これにより、不正行為の可能性が低い状況における振動の発生に対してまで状況異常の設定が行われてしまわないようにすることが可能となる。但し、この場合であっても振動の発生に対して警告報知を実行するようにすることで、スロットマシン10に振動を与えないように促すことが可能となる。
(25)抽選用ユニット70が正常に動作しているか否かを監視するための処理として、例えば案内用回転体91が回転しているか否かを検出するためのセンサを設け、案内用駆動部92に駆動信号を出力しているにも関わらずそのセンサにおいて案内用回転体91の回転を検出できない状況が発生しているか否かを監視し当該状況が所定回数発生した場合に、抽選用ユニット70が正常に動作していないと判定する構成としてもよい。また、投入球検出センサ78、中間球検出センサ89及び排出球検出センサ115の検出順序を監視し、その検出順序が正規の順序ではなかった場合に、抽選用ユニット70が正常に動作していないと判定する構成としてもよい。
(26)抽選用ユニット70が正常に動作しているか否かを監視するための処理にて正常に動作していないことが特定された場合、その後の遊技の進行が阻止されるとともに異常報知が実行される構成としてもよい。これにより、抽選用ユニット70に異常が発生している状況において遊技が続行されてしまわないようにすることが可能となる。
(27)投入操作レバー131の操作に対して抽選用球Bの投入が待機されている状況においては投入が待機されていることを示す報知が実行される構成としてもよい。これにより、抽選用球Bの投入が開始されないことに対して遊技者に違和感を与えないようにすることが可能となる。
(28)投入操作レバー131の操作に対して抽選用球Bの投入が開始されるまでの投入待機期間は固定の期間である構成としてもよい。この場合であっても、有利な特典が設定された案内口113a〜113fへの入球を狙って投入操作レバー131を操作しようとしてもそれが行いづらくなる。また、投入待機期間として0secが設定されていない構成としたが、これに代えて選択され得る投入待機期間の一部として0secが設定されている構成としてもよい。
(29)投入前期間が経過するまで投入操作レバー131が操作されなかったことにより抽選用球Bが投入される場合には投入待機期間が設定されない構成としてもよい。この場合、抽選用球Bの投入が待機された期間が長くなり過ぎないようにすることが可能となる。
(30)投入前期間が経過するまで投入操作レバー131が操作されなかったことにより抽選用球Bが投入される場合、投入操作レバー131が操作されて抽選用球Bが投入される場合よりも投入待機期間が短くなる又は短くなり易い構成としてもよい。
(31)ベース状態ST32においてもBB状態ST2の場合と同様に画像表示装置66にて、抽選用ユニット画像G1が表示されるとともに回転体画像G2における各案内画像G11〜G16にて対応する案内口113a〜113fに設定されている特典の内容が表示される構成としてもよい。
(32)BB状態ST2の開始タイミングにおいて当選対象に設定された案内口113a〜113fがいずれであるかの報知が、当該開始タイミングから実行される構成としてもよい。つまり、回転体画像G2の表示開始タイミングにおいて、その時点で当選対象に設定されている案内口113a〜113fに対応する案内画像G11〜G16に当選対象であることを示す画像が表示される構成としてもよい。
(33)BB状態ST2において移行抽選L1が開始されるまでは、各案内画像G11〜G16において対応する案内口113a〜113fが当選対象に設定されていることの期待度を示す画像が表示される構成としてもよい。これにより、移行抽選L1が開始されるまでは全ての案内口113a〜113fについて当選対象に設定されていることを遊技者に期待させることが可能となる。
(34)ベース状態ST32において少なくとも1個の案内口113a〜113fに上乗せ可能ゲーム数が設定されていることにより実行された上乗せ抽選L2において上乗せ可能ゲーム数が設定されていない案内口113a〜113fが選択された場合、遊技媒体の付与率に影響を与えないようしながら遊技者に特典を付与する構成としてもよい。
例えば、上乗せ抽選L2において上乗せ可能ゲーム数が設定されていない案内口113a〜113fが選択された場合、上乗せ可能ゲーム数が設定された案内口113a〜113fの個数に応じてスロットマシン10の設定値の示唆が行われる構成としてもよい。具体的には、上乗せ可能ゲーム数が設定された案内口113a〜113fが5個であった場合には50%の確率で設定値の示唆が行われ、上乗せ可能ゲーム数が設定された案内口113a〜113fが4個であった場合には40%の確率で設定値の示唆が行われ、上乗せ可能ゲーム数が設定された案内口113a〜113fが3個であった場合には30%の確率で設定値の示唆が行われ、上乗せ可能ゲーム数が設定された案内口113a〜113fが2個であった場合には20%の確率で設定値の示唆が行われ、上乗せ可能ゲーム数が設定された案内口113a〜113fが1個であった場合には10%の確率で設定値の示唆が行われる構成が考えられる。この場合、設定値の示唆対象としては、設定値が奇数であることを明示する示唆、設定値が偶数であることを明示する示唆、設定値が4以上であることを明示する示唆、設定値が奇数である可能性が高いことの示唆、設定値が偶数である可能性が高いことの示唆、及び設定値が4以上である可能性が高いことの示唆などが考えられる。また、設定値の示唆は設定示唆画像として画像表示装置66にて表示される構成としてもよく、設定値示唆音としてスピーカ65から出力される構成としてもよい。
また、設定値の示唆に加えて又は代えて、特典映像を画像表示装置66に表示させる構成としてもよく、メーカーのホームページにて特典を受けることを可能とする2次元コードを画像表示装置66に表示させる構成としてもよい。
上記構成によれば、上乗せ抽選L2において上乗せゲーム数が付与されなかったとしても、遊技者に特典が付与される。これにより、上乗せ抽選L2にて上乗せゲーム数が付与されなかったことに対する失望感を低減させることが可能となる。また、遊技媒体の付与率に影響を与えないようしながら、このような効果を奏することが可能となる。
(35)動作結果が不規則に定まるように抽選用物体を動作させる抽選動作手段として、案内通路82に投入された抽選用球Bを振分装置101のいずれかの案内口113a〜113fに振り分ける抽選用ユニット70を用いる構成としたが、これに限定されることはなく、例えばサイコロを転動板上にて転動させるサイコロユニットを用いる構成としてもよい。この場合、転動後においてサイコロの上面に付されているサイコロの目の結果が抽選対象となり、特典設定条件が成立した場合にはそのサイコロの目の結果に対して特典が設定されることとなる。
また、転動板上において抽選用球を周回させた後に当該転動板に形成された複数の落下孔のいずれかを通じて抽選用球が落下するクルーンユニットを用いる構成としてもよい。この場合、各落下孔が抽選対象となり、特典設定条件が成立した場合には落下孔に対して特典が設定されることとなる。
(36)投入操作レバー131が設けられておらず、リール32L,32M,32Rを利用した遊技を行う場合に操作される操作手段が操作された場合に抽選用球Bが投入される構成としてもよい。例えば、抽選用球Bを利用した抽選動作を開始可能な状況で第1クレジット投入ボタン47が操作された場合に、抽選用球Bが投入されて抽選動作が開始される構成としてもよい。また、かかる機能が第1クレジット投入ボタン47ではなく、スタートレバー41、ストップボタン42〜44、第2クレジット投入ボタン48及び第3クレジット投入ボタン49のいずれかにより果たされる構成としてもよい。
(37)抽選用ユニット70の抽選用球Bを受け入れた案内口113a〜113fの種類の特定が主側MPU142にて実行される構成としてもよい。この場合、抽選用ユニット70を利用した抽選動作が実行されている期間を主側MPU142にて特定可能となる。したがって、その期間だけ、リール32L,32M,32Rを利用したゲームの進行が待機される待機状態に設定することが可能となる。また、当該構成に加えて又は代えて、抽選用ユニット70を利用した抽選動作の結果に対応する利益の付与が主側MPU142により行われる構成としてもよい。具体的には、主側MPU142にてAT状態ST3の開始制御及びAT状態ST3の終了制御が行われる構成とし、抽選用ユニット70を利用した抽選動作の結果が当選結果となった場合には主側MPU142の制御によりベース状態ST32が開始される構成とする。
(38)主側MPU142にてAT状態ST3の進行管理が実行される構成としてもよい。また、当該構成に加えて又は代えて、主側MPU142にて抽選用ユニット70の駆動制御が実行される構成としてもよい。
(39)抽選用ユニット70を利用した抽選動作が、リール32L,32M,32Rの回転が停止していない状況であっても開始される構成としてもよい。例えば、リール32L,32M,32Rの回転が開始されて加速期間が終了してストップボタン42〜44の操作が有効化されたタイミングで抽選用ユニット70を利用した抽選動作が開始される構成としてもよく、1個又は2個のリール32L,32M,32Rの回転が停止されたタイミングで抽選用ユニット70を利用した抽選動作が開始される構成としてもよい。
(40)抽選用ユニット70を利用した抽選動作が全てのリール32L,32M,32Rの停止後においてリール32L,32M,32Rの回転開始が阻止された待機状態において行われる構成としたが、これに代えて、スタートレバー41が操作されたことに基づき主側MPU142にて役の抽選処理(図15)が実行された後であってリール32L,32M,32Rの回転開始前に当該リール32L,32M,32Rの回転開始を阻止した待機状態において上記抽選動作が行われる構成としてもよい。また、各リール32L,32M,32Rのうち一部が停止して残りが回転している状況においてその回転中のリールの回転停止を阻止した待機状態において上記抽選動作が行われる構成としてもよい。
(41)振分用回転体103が一定方向に一定速度で回転する構成に限定されることはなく、複数種類の回転パターンが設定されておりそれら回転パターンが所定の順序で繰り返される構成としてもよい。また、回転方向を同一としながら回転速度が異なる複数種類の回転パターンが設定されており、抽選用ユニット70を利用した抽選動作の実行回を開始する場合にそれら複数種類の回転パターンから一の回転パターンが選択されて、当該実行回においてはその選択された回転パターンで振分用回転体103が回転する構成としてもよい。
(42)抽選用球Bを振り分けるための振分手段として、回転動作する振分用回転体103に代えて、スライド移動により往復動作をする部材を用いてもよい。また、抽選用球Bの振分用回転体103への案内態様を変化させる手段として、回転動作する案内用回転体91に代えて、スライド移動により往復動作をする部材を用いてもよい。
(43)振分用回転体103のいずれかの案内口113a〜113fにより案内されている途中の抽選用球Bを検出するように検出センサが設けられており、その検出センサにて抽選用球Bが検出されたタイミングにおける振分用駆動部111の回転位置に基づき、いずれの案内口113a〜113fにより抽選用球Bが案内されたのかを特定する構成としてもよい。この場合、振分用回転体103により案内される抽選用球Bが確実に検出される必要があるため、案内通路82から振分用回転体103に抽選用球Bが導入される位置と排出通路部114の入口114aとの間の通過経路を通過中の抽選用球Bを検出するようにして上記検出センサを設ける必要がある。
(44)案内通路82の最下流部に検出範囲が存在するようにして検出センサが設けられており、その検出センサにて抽選用球Bが検出されたタイミングにおける振分用駆動部111の回転位置に基づき、いずれの案内口113a〜113fにより抽選用球Bが案内されたのかを特定する構成としてもよい。この場合、検出センサにて抽選用球Bの検出が開始された後において当該検出が終了したタイミングにおける振分用駆動部111の回転位置を特定し、その特定結果から案内対象となった案内口113a〜113fの種類を特定することで、当該案内対象となった案内口113a〜113fの種類の特定を正確に行い易くなる。
(45)BB状態ST2において当選可能な通常リプレイ役が複数種類設定されており、各種類の通常リプレイ役毎に待機Aの停止順序及び待機Bの停止順序が相違している構成としてもよい。また、AT状態ST3において当選可能な通常リプレイ役が複数種類設定されており、各種類の通常リプレイ役毎に待機発生契機用の停止順序、待機発生回避用の停止順序及び外部出力用の停止順序が相違している構成としてもよい。
(46)インデックス値IV=1〜3に補填役が設定されていない構成としてもよい。この場合、インデックス値IV=1〜3のいずれかで当選となった場合にベル入賞の成立を可能とする停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されなかった場合にはいずれの入賞も成立しないこととなる。
(47)上記第1〜第7の実施形態における構成を所定の組合せで適用してもよい。例えば上記第1の実施形態における構成に対して上記第2の実施形態における構成と上記第3の実施形態における構成とを組合せて適用してもよく、例えば上記第1の実施形態における構成に対して上記第5の実施形態における構成と上記第7の実施形態における構成とを組合せて適用してもよく、例えば上記第1の実施形態における構成に対して上記第2の実施形態における構成と上記第3の実施形態における構成と上記第5の実施形態における構成とを組合せて適用してもよい。また、上記第1〜第7の実施形態における構成を所定の組合せで適用した構成に対して、他の実施形態において記載されている構成を所定の組合せで適用してもよい。
(48)上記実施形態では、小役入賞が成立した場合にメダルを払い出す特典を付与する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、小役入賞が成立した場合にメダル以外の賞品を払い出す構成であってもよい。また、現実のメダル投入やメダル払出機能を有さず、遊技者の所有するメダルをクレジット管理するスロットマシンにおいては、クレジットされたメダルの増加が特典の付与に相当する。
(49)本発明を所謂Bタイプのスロットマシンに適用してもよく、またCタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプ、さらにはRTゲーム、CTゲーム又はATゲームを備えたタイプなど、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよい。
(50)各リール32L,32M,32Rの図柄としては、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等によって図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。即ち、図柄は識別性を有した情報としての機能を有するものであればよい。
(51)上記各実施形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、パチンコ機に対して適用してもよく、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.複数の抽選対象(案内口113a〜113f)の中から選択該当対象を決定する対象抽選手段(サブ側MPU152におけるステップS1319、ステップS1702、ステップS1704、ステップS2301〜ステップS2304、ステップS2912及びステップS3301〜ステップS3319の処理を実行する機能)と、
前記選択該当対象となった前記抽選対象に対応させて設定されている特典を遊技者に付与する特典付与手段(サブ側MPU152における結果導出処理を実行する機能)と、
前記複数の抽選対象のうち特典の設定対象となる抽選対象を選択する対象選択手段(サブ側MPU152におけるステップS1310、ステップS2509、ステップS2602、ステップS3703、ステップS3705及びステップS4104の処理を実行する機能)と、
特典設定条件が成立した場合に、前記対象選択手段により前記特典の設定対象として選択されている前記抽選対象に対応させて特典を設定する特典設定手段(サブ側MPU152におけるステップS1214、ステップS1217、ステップS2405、ステップS2414、ステップS2513、ステップS2604、ステップS3806及びステップS3811の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、特典設定条件が成立することで特典の設定対象となっている抽選対象に対して特典が設定される。そして、複数の抽選対象の中から選択該当対象が決定され、その決定された選択該当対象に設定されている特典が遊技者に付与される。これにより、遊技者はいずれの抽選対象が選択該当対象に決定されるのかという抽選結果だけではなく、各抽選対象に対する特典の設定態様にも注目することとなる。よって、抽選が実行される期間よりも前の期間から遊技者の注目度を高めることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴A2.前記対象選択手段は、対象変更条件が成立する度に前記特典の設定対象となる前記抽選対象を変更することを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、特典の設定対象となる抽選対象が変更される構成であるため、所定の抽選対象が特典の設定対象となるタイミングに対しても遊技者を注目させることが可能となる。
特徴A3.前記対象抽選手段により前記選択該当対象の選択が実行される前に、同一の前記抽選対象が前記特典の設定対象に複数回設定され得ることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、同一の抽選対象が特典の設定対象に複数回設定され得る構成であることにより、所定の抽選対象に対して特典が設定されない状況が一旦発生したとしてもその後に再度、当該所定の抽選対象に対して特典が設定される機会を生じさせることが可能となる。また、同一の抽選対象に対して特典が累積して設定される状況を生じさせることが可能となり、特典が設定された抽選対象間においても有利度の違いを生じさせることが可能となる。
特徴A4.前記対象選択手段は、対象変更条件が成立する度に予め定められた順序に従って、前記特典の設定対象となる前記抽選対象を変更することを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A4によれば、特典の設定対象となる抽選対象が予め定められた順序に従って変更される構成であるため、特典の設定を期待する抽選対象が特典の設定対象となるタイミングを遊技者は予測しながら遊技を行うこととなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴A5.前記複数の抽選対象のそれぞれが前記特典の設定対象に少なくとも1回ずつ選択された状況下において前記対象抽選手段による前記選択該当対象の選択が行われることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
特徴A5によれば、複数の抽選対象のそれぞれが特典の設定対象に少なくとも1回ずつ選択された状況下において選択該当対象の選択が行われるため、各抽選対象に対して特典が設定される機会が与えられた状況下で選択該当対象の選択が行われることとなる。これにより、各抽選対象のそれぞれに特典が設定されることに対する遊技者の期待感を高めることが可能となる。
特徴A6.前記対象選択手段は、前記予め定められた順序における最後の順番の前記抽選対象を前記特典の設定対象として選択した後は、前記予め定められた順序における最初の順番の前記抽選対象を前記特典の設定対象として選択することを特徴とする特徴A4又はA5に記載の遊技機。
特徴A6によれば、同一の抽選対象が特典の設定対象に複数回設定され得る。これにより、所定の抽選対象に対して特典が設定されない状況が一旦発生したとしてもその後に再度、当該所定の抽選対象に対して特典が設定される機会を生じさせることが可能となる。また、同一の抽選対象に対して特典が累積して設定される状況を生じさせることが可能となり、特典が設定された抽選対象間においても有利度の違いを生じさせることが可能となる。
特徴A7.動作結果が不規則に定まるように抽選用物体(抽選用球B)を動作させる抽選動作手段(抽選用ユニット70)を備え、
前記対象抽選手段は、前記抽選用物体の動作結果に応じた前記抽選対象を前記選択該当対象に決定する結果対応決定手段(サブ側MPU152におけるステップS1702の処理を実行する機能)を備え、
前記対象選択手段により選択される特典の設定対象は、遊技者の操作によって変更されないことを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A7によれば、抽選用物体の動作結果に対応する特典が付与される。これにより、ハード的な抽選を遊技者に提供することが可能となる。また、このように抽選用物体の動作結果に対応する特典が付与される構成において、動作結果として選択され得る抽選対象に対応する特典はそれまでの遊技内容に応じて設定される。これにより、各実行回において各抽選対象に対する特典の設定態様が相違し得ることとなり、抽選用物体を利用した抽選動作が複数回実行される場合において各抽選動作の実行態様を多様化させることが可能となる。
当該構成において、特典の設定対象となる抽選対象が遊技者の操作によって変更されない。これにより、抽選動作手段の個体差などによって、抽選用物体の動作結果が所定の抽選対象が選択該当対象に選択される動作結果になり易い構成であったとしても、その所定の抽選対象に対して重点的に特典が設定されるという事象が発生しないようにすることが可能となる。
特徴A8.各ゲームにおける遊技結果に応じて利益が発生し得る構成であり、
前記対象選択手段は、1回の前記ゲームが実行される度に前記特典の設定対象となる前記抽選対象を変更することを特徴とする特徴A1乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A8によれば、1回のゲームが実行される度に特典の設定対象となる抽選対象が変更されるため、複数の抽選対象のそれぞれが特典の設定対象となる頻度を高めることが可能となる。
特徴A9.絵柄を変動表示する絵柄表示手段(リール32L,32M,32R)と、
当該絵柄表示手段における絵柄の変動表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41)と、
当該開始操作手段が操作されたことに基づいて役の抽選処理を実行する役抽選手段(主側MPU142におけるステップS306の処理を実行する機能)と、
前記絵柄表示手段における絵柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ステップボタン42〜44)と、
前記開始操作手段が操作されて所定開始条件が成立したことに基づき前記絵柄の変動表示が開始され、前記停止操作手段が操作されたことに基づき前記絵柄の変動表示が停止される通常遊技動作が行われるように前記絵柄表示手段を制御する絵柄表示制御手段(主側MPU142におけるリール制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記絵柄表示制御手段の制御による前記絵柄の変動表示後に前記役の抽選処理にて当選となった役に対応した停止結果が表示されている場合に、当選役対応の入賞の成立として当該当選役対応の利益が遊技者に付与される構成であり、
前記特典設定条件は、前記役の抽選処理の結果及び前記入賞の成立結果のうち一方の結果が所定結果(BB状態ST2であればベル役又はスイカ役の当選、AT状態ST3であればインデックス値IV=1〜7のいずれかの当選)となったことを少なくとも一の条件として成立することを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A9によれば、役の抽選処理の結果及び入賞の成立結果のうち一方の結果が所定結果となったことを少なくとも一の条件として特典設定条件が成立するため、抽選対象に対する特典の設定と絵柄の変動表示を利用した遊技の内容とを関連付けることが可能となる。よって、絵柄の変動表示を利用した遊技への注目度を高めることが可能となる。
特徴A10.各ゲームにおいて前記通常遊技動作が実行される構成であり、
前記対象選択手段は、前記所定結果となる前記ゲームが実行される度に前記特典の設定対象となる前記抽選対象を変更することを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、絵柄の変動表示を利用した遊技において所定結果となることを少なくとも一の条件として特典設定条件が成立するとともに、絵柄の変動表示を利用した遊技において所定結果となることで特典の設定対象となる抽選対象が変更される。これにより、特典の設定対象となった抽選対象に対しては特典が設定され得る機会が確実に発生することとなり、各抽選対象に特典が設定されるか否かということに対する遊技者の期待感を好適に高めることが可能となる。
特徴A11.前記所定結果となった場合、所定数の遊技媒体が付与される構成であり、
当該遊技機は、特別遊技状態(第1BB状態ST21、第2BB状態ST22)において付与された遊技媒体の合計数が終了基準数以上となった場合に当該特別遊技状態を終了させる手段(主側MPU142におけるステップS1113の処理を実行する機能)を備え、
前記対象選択手段による前記特典の設定対象となる前記抽選対象の選択、及び前記特典設定手段による前記特典の設定は、前記特別遊技状態において実行される構成であり、
前記特別遊技状態における最後のゲームにおいて又は当該最後のゲームが終了した後に、前記対象抽選手段による前記選択該当対象の選択が行われる構成であり、
前記終了基準数は、前記所定数×(「前記抽選対象の数」×n−1)(nは1以上の整数)よりも多い数であって、前記所定数×「前記抽選対象の数」×n以下の数に設定されていることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
特徴A11によれば、各抽選対象に対してn回(nは1以上の整数)ずつ特典が設定され得る機会が発生した場合に特別遊技状態が終了することとなり、いずれかの抽選対象が選択該当対象に決定される。これにより、全ての抽選対象に対して特典が設定され得る機会を平等に与えながら、各抽選対象に特典が設定され得る状況に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
特徴A12.前記特典設定条件が成立し得る状況となる前に、前記複数の抽選対象のいずれかに特典を設定するか否かを決定する開始前決定手段(サブ側MPU152におけるステップS1003及びステップS1004の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A12によれば、既に特典が設定されている抽選対象に対して、特典設定条件が成立する状況となることがある。これにより、特典が既に設定されている抽選対象に対してさらに特典が設定される状況が発生し易くなる。
特徴A13.各ゲームにおける遊技結果に応じて利益が発生し得る構成であり、
当該遊技機は、所定のゲームにおいて前記特典設定条件が成立した場合、当該所定のゲームよりも後のゲームにおいて前記特典の設定が行われたことに対応する報知が実行されるようにする特典報知制御手段(第6の実施形態ではサブ側MPU152におけるステップS4004の処理を実行する機能、第7の実施形態ではサブ側MPU152におけるステップS4107及びステップS4111の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A13によれば、所定のゲームにおいて所定の抽選対象に対して特典を設定する特典設定条件が成立したとしても、当該特典の設定が行われたことに対応する報知がその後のゲームにおいて行われる。これにより、所定の抽選対象に対して特典が設定されたことに対する遊技者の期待感を長く継続させることが可能となる。
特徴A14.各ゲームにおいて前記特典の設定対象となっている前記抽選対象の種類が報知されるようにする手段(サブ側MPU152における対象明示画像G48を表示するための機能)を備え、
前記特典報知制御手段は、前記特典設定条件が成立した前記所定のゲームにて前記特典の設定対象となっていた前記抽選対象がその後に前記特典の設定対象となるゲームにおいて、前記所定のゲームにおける前記特典設定条件の成立を契機とした前記特典の設定に対応する報知が実行されるようにする手段(サブ側MPU152におけるステップS4102及びステップS4110〜ステップS4111の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A13に記載の遊技機。
特徴A14によれば、各ゲームにおいて特典の設定対象となっている抽選対象の種類が報知されるため、遊技者は特典の設定対象となっている抽選対象の種類を明確に認識することが可能となる。この場合に、所定の抽選対象に特典が設定されたことに対応する報知の実行が待機されている場合、当該所定の抽選対象が特典の設定対象に再度設定された場合に当該報知が実行される。これにより、特典が設定されたことに対応する報知の実行が待機される構成であったとしても、いずれの抽選対象に対して特典が設定されたのかを遊技者に明確に認識させることが可能となる。
特徴A15.前記特典報知制御手段は、
前記所定のゲームにおいて前記特典設定条件が成立した場合、第1報知条件が成立したことにより前記特典の設定が行われたことに対応する報知が実行されるようにする手段(サブ側MPU152におけるステップS4111の処理を実行する機能)と、
前記所定のゲームにおいて前記特典設定条件が成立した場合、第2報知条件が成立した場合には前記第1報知条件が成立していなくても、前記特典の設定が行われたことに対応する報知が実行されるようにする手段(サブ側MPU152におけるステップS4107の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A13又はA14に記載の遊技機。
特徴A15によれば、特典が設定されたことに対応する報知は第1報知条件が成立した場合に実行されるとともに、第1報知条件が成立していなくても第2報知条件が成立した場合に実行される。これにより、特典が設定されたことに対応する報知の実行タイミングを利用して異なる事象の報知も実行することが可能となる。
特徴A16.複数ゲームに亘って継続し得る所定遊技状態において前記特典設定手段による前記特典の設定が行われ得る構成であり、
当該遊技機は、前記複数の抽選対象のそれぞれに対して設定された特典の合計分を各抽選対象のそれぞれに対応させて記憶する特典記憶手段(当選対象特定エリア154a)を備え、
前記特典報知制御手段は、前記所定遊技状態の残り継続ゲーム数が所定ゲーム数未満となるまでは前記特典記憶手段に記憶されている前記特典の合計分の報知が実行されないようにし、前記所定遊技状態の残り継続ゲーム数が前記所定ゲーム数未満となった以降に前記特典記憶手段に記憶されている前記特典の合計分の報知が実行されるようにすることを特徴とする特徴A13乃至A15のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A16によれば、所定遊技状態の残り継続ゲーム数が所定ゲーム数未満となった以降に、抽選対象のそれぞれに対して設定されている合計分の特典が報知される。これにより、所定遊技状態の残り継続ゲーム数が所定ゲーム数未満となるまでは、各抽選対象に対して設定されている特典の内容を遊技者に予測させることが可能となるとともに、所定遊技状態が終了する場合には各抽選対象に対して設定されている特典の内容を遊技者に明確に認識させることが可能となる。
特徴A17.前記特典設定条件が成立した場合に、遊技者の選択操作に対応する態様で前記特典が設定されるようにする操作対応選択手段(サブ側MPU152における選択中処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A16のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A17によれば、遊技者の選択操作に対応する態様で特典が設定されるため、遊技者が所望する態様で特典が設定されるようにすることが可能となる。よって、その後の選択該当対象の決定結果がどのような結果になったとしても、その結果は遊技者が積極的に設定した特典の設定態様の結果によるものであるため、選択該当対象の決定結果に対する遊技者の満足感を高めることが可能となる。
特徴A18.前記操作対応選択手段は、前記選択操作に対応する前記抽選対象が前記対象選択手段により前記特典の設定対象に選択されるようにすることを特徴とする特徴A17に記載の遊技機。
特徴A18によれば、特典の設定対象となる抽選対象を遊技者が選択可能であるため、遊技者が所望する抽選対象に特典が設定されるようにすることが可能となる。これにより、各抽選対象への特典の設定態様を遊技者の好みに合わせた態様とした状態で選択該当対象の決定が行われることとなるため、当該選択該当対象の決定に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
特徴A19.前記操作対応選択手段は、選択可能状況(選択可能期間)において前記特典設定条件が成立した場合に前記選択操作に対応する前記抽選対象が前記対象選択手段により前記特典の設定対象に選択されるようにすることを特徴とする特徴A18に記載の遊技機。
特徴A19によれば、選択可能状況において特典設定条件が成立することで、特典の設定対象となる抽選対象を遊技者が選択可能となるため、選択可能状況が発生するか否かに対して遊技者を注目させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴A20.前記対象選択手段は、対象変更条件が成立する度に予め定められた順序に従って、前記特典の設定対象となる前記抽選対象を変更する手段(サブ側MPU152におけるステップS2509の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A19に記載の遊技機。
特徴A20によれば、特典の設定対象となる抽選対象が予め定められた順序に従って変更される構成であるため、特典の設定を期待する抽選対象が特典の設定対象となるタイミングを遊技者は予測しながら遊技を行うこととなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。この場合、選択可能状況となることで上記予め定められた順序とは無関係に、遊技者が希望する抽選対象を特典の設定対象とすることが可能となる。よって、選択可能状況に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
特徴A21.絵柄を変動表示する絵柄表示手段(リール32L,32M,32R)と、
当該絵柄表示手段における絵柄の変動表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41)と、
当該開始操作手段が操作されたことに基づいて役の抽選処理を実行する役抽選手段(主側MPU142におけるステップS306の処理を実行する機能)と、
前記絵柄表示手段における絵柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ステップボタン42〜44)と、
前記開始操作手段が操作されて所定開始条件が成立したことに基づき前記絵柄の変動表示が開始され、前記停止操作手段が操作されたことに基づき前記絵柄の変動表示が停止されるように前記絵柄表示手段を制御する絵柄表示制御手段(主側MPU142におけるリール制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記絵柄表示制御手段の制御による前記絵柄の変動表示後に前記役の抽選処理にて当選となった役に対応した停止結果が表示されている場合に、当選役対応の入賞の成立として当該当選役対応の利益が遊技者に付与される構成であり、
前記選択操作は、前記絵柄の変動表示を停止させる場合における前記停止操作手段の操作態様によって行われることを特徴とする特徴A17乃至A20のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A21によれば、絵柄の変動表示を停止させる場合における停止操作手段の操作態様によって選択操作が行われるため、当該選択操作を行うために停止操作手段の操作とは別の操作を必要としないようにすることが可能となる。
特徴A22.各ゲームにおける遊技結果に応じて利益が発生し得る構成であり、
前記操作対応選択手段は、
前記特典設定条件が成立した場合、前記選択操作に応じて、前記特典設定条件が成立したゲームにおいて遊技者に特典が付与されるようにする第1対応手段(サブ側MPU152におけるステップS3802及びステップS3810の処理を実行する機能)と、
前記特典設定条件が成立した場合、前記選択操作に応じて、前記特典の設定対象である前記抽選対象に特典が設定されるようにする第2対応手段(サブ側MPU152におけるステップS3806及びステップS3811の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A17乃至A21のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A22によれば、特典設定条件が成立した場合に、その特典設定条件が成立したゲームにおいて特典が付与されるようにすることと、特典の設定対象である抽選対象に特典が設定されるようにすることとを遊技者が選択することが可能となる。これにより、特典の設定態様を多様化させることが可能となる。
特徴A23.前記第1対応手段により付与される特典の量が、前記第2対応手段により設定される特典の量よりも少ないことを特徴とする特徴A22に記載の遊技機。
特徴A23によれば、特典設定条件が成立したゲームにおいて特典が付与されることの有利度が、特典の設定対象である抽選対象に特典が設定されることの有利度に対して極端に高くなってしまわないようにすることが可能となる。よって、特典設定条件が成立した場合に、その特典設定条件が成立したゲームにおいて特典が付与されるように選択操作が行われる状況と、特典の設定対象である抽選対象に特典が設定されるように選択操作が行われる状況とのそれぞれを生じさせることが可能となる。
特徴A24.所定期間において前記特典設定手段による前記特典の設定が行われ得る構成であり、
前記対象抽選手段は、前記所定期間が終了する場合において前記複数の抽選対象のいずれかに特典が設定されている場合、その特典の設定状況において前記選択該当対象を決定するための所定抽選(上乗せ抽選L2)が実行されるようにする所定抽選対応手段(サブ側MPU152におけるステップS2508、ステップS3002及びステップS3101〜ステップS3107の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A23のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A24によれば、所定期間において複数の抽選対象のいずれかに特典が設定されている場合に所定抽選が実行されるため、全ての抽選対象に特典が設定されていないにも関わらず無意味に所定抽選が実行されてしまわないようにすることが可能となる。
特徴A25.前記所定期間が終了する場合において前記複数の抽選対象のいずれにも特典が設定されていない場合、前記複数の抽選対象の少なくとも1個に特典を設定する非設定時の設定手段(サブ側MPU152におけるステップS3004〜ステップS3007の処理を実行する機能)を備え、
前記対象抽選手段は、前記非設定時の設定手段により設定された特典の設定状況において前記選択該当対象を決定するための抽選(継続抽選L3)が実行されるようにする手段(サブ側MPU152におけるステップS3115〜ステップS3117の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A24に記載の遊技機。
特徴A25によれば、所定期間において全ての抽選対象に特典が設定されていないことで所定抽選が実行されない場合には、複数の抽選対象のうち少なくとも1個に特典が設定されて選択該当対象を決定するための抽選が実行される。これにより、所定期間においていずれの抽選対象にも特典が設定されなかったとしても特典が付与される機会を生じさせることが可能となり、所定期間においていずれの抽選対象にも特典が設定されてなかったことに対する遊技者の失望感を和らげることが可能となる。また、所定抽選を実行するための構成を利用して後側の抽選が実行されるため、構成の簡素化を図りながら上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴A26.特典が設定されていない前記抽選対象が前記所定抽選において前記選択該当対象に決定された場合、前記複数の抽選対象の少なくとも1個に特典を設定する非当選時の設定手段(サブ側MPU152におけるステップS3004〜ステップS3007の処理を実行する機能)を備え、
前記対象抽選手段は、前記非当選時の設定手段により設定された特典の設定状況において前記選択該当対象を決定するための特定抽選(継続抽選L3)が実行されるようにする特定抽選対応手段(サブ側MPU152におけるステップS3115〜ステップS3117の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A24又はA25に記載の遊技機。
特徴A26によれば、特典が設定されていない抽選対象が所定抽選において選択されたとしても、複数の抽選対象のうち少なくとも1個に特典が設定されて選択該当対象を決定するための特定抽選が実行される。これにより、所定抽選において特典が付与されなかったとしても特典が付与される機会を生じさせることが可能となり、所定抽選において特典が付与されなかったことに対する遊技者の失望感を和らげることが可能となる。また、所定抽選を実行するための構成を利用して特定抽選が実行されるため、構成の簡素化を図りながら上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴A27.前記非当選時の設定手段は、少なくとも前記所定抽選が実行される場合に特典が設定されていた前記抽選対象に特典を設定することを特徴とする特徴A26に記載の遊技機。
特徴A27によれば、所定抽選において特典が設定されていた抽選対象には、特定抽選においても特典が設定される。これにより、所定抽選において特典が設定されている抽選対象が多いほど特定抽選においても有利となるため、所定期間において各抽選対象に特典が設定されることの重要度を高めることが可能となる。
特徴A28.前記非当選時の設定手段は、前記所定抽選が実行される場合に特典が設定されていなかった前記抽選対象も特典が設定され得るようにすることを特徴とする特徴A27に記載の遊技機。
特徴A28によれば、所定抽選において特典が設定されていた抽選対象だけではなく、所定抽選において特典が設定されていなかった抽選対象も、特定抽選において特典の設定対象となり得る。これにより、所定抽選の場合よりも特定抽選の方が特典の付与を発生し易くすることが可能となり、所定抽選において特典が付与されなかったことに対する遊技者の失望感を和らげることが可能となる。
特徴A29.動作結果が不規則に定まるように抽選用物体(抽選用球B)を動作させる抽選動作手段(抽選用ユニット70)を備え、
前記対象抽選手段は、前記抽選用物体の動作結果に応じた前記抽選対象を前記選択該当対象に決定する結果対応決定手段(サブ側MPU152におけるステップS1702の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A28のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A29によれば、抽選用物体の動作結果に対応する特典が付与される。これにより、ハード的な抽選を遊技者に提供することが可能となる。また、このように抽選用物体の動作結果に対応する特典が付与される構成において、動作結果として選択され得る抽選対象に対応する特典はそれまでの遊技内容に応じて設定される。これにより、選択該当対象を決定する抽選の各実行回において各抽選対象に対する特典の設定態様が相違し得ることとなり、抽選用物体を利用した抽選動作が複数回実行される場合において各抽選動作の実行態様を多様化させることが可能となる。
特徴A30.前記抽選動作手段は、前記複数の抽選対象として、前記抽選用物体を受け入れる受入部(案内口113a〜113f)を複数備え、
前記結果対応決定手段は、前記抽選用物体を受け入れた前記受入部を前記選択該当対象に決定することを特徴とする特徴A29に記載の遊技機。
特徴A30によれば、抽選動作手段の各受入部のそれぞれが抽選対象として機能する。よって、抽選用物体の動作結果と、選択該当対象として決定された抽選対象との関係を遊技者にとって分かり易いものとすることが可能となる。
特徴A31.前記抽選動作手段は、複数の前記受入部の位置を変化させる位置変化手段(振分用回転体103、振分用駆動部111)を備え、
前記位置変化手段は、前記対象選択手段により前記特典の設定対象に選択されている前記受入部が所定位置に存在するように複数の前記受入部の位置を変化させるものであることを特徴とする特徴A30に記載の遊技機。
特徴A31によれば、特典の設定対象に選択されている受入部が所定位置に存在するように複数の受入部の位置が変化する。これにより、特典の設定対象に選択されている受入部を遊技者に認識させ易くすることが可能となる。
特徴A32.前記対象抽選手段は、制限条件が成立した場合、前記抽選動作手段における動作結果を利用することなくプログラムを利用した決定処理を実行することにより前記選択該当対象となる前記抽選対象を決定する制限対応手段(サブ側MPU152におけるステップS1319〜ステップS1320、ステップS1704、ステップS2301〜ステップS2304、ステップS2912〜ステップS2913及びステップS3301〜ステップS3319の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A29乃至A31のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A32によれば、制限条件が成立した場合には抽選動作手段における動作結果を利用することなくプログラムを利用した決定処理によって、選択該当対象となる抽選対象が決定される。これにより、抽選動作手段における動作結果を利用することが適切ではない状況においてはその影響を受けることなく特典を付与するか否かを決定することが可能となる。さらにまた、プログラムを利用した決定処理が実行される場合であっても、抽選対象の内容がそのまま利用される。よって、当該決定処理が実行される場合であっても、抽選対象に対して設定された特典の内容が完全に無意味なものとなってしまわないようにすることが可能となる。
特徴A33.前記抽選動作手段が正常に動作するか否かを監視する動作監視手段(サブ側MPU152における動作チェック用処理及び開始時の監視処理を実行する機能)を備え、
前記抽選動作手段が正常に動作しないことが前記動作監視手段により特定された場合、前記制限条件が成立することを特徴とする特徴A32に記載の遊技機。
特徴A33によれば、抽選動作手段が正常に動作するか否かが監視され、正常に動作しないことが特定された場合には、抽選動作手段における動作結果を利用することなくプログラムを利用した決定処理によって、選択該当対象となる抽選対象が決定される。これにより、抽選動作手段が正常に動作できないにも関わらず当該抽選動作手段を利用した抽選が実行されてしまわないようにしながら、抽選対象に対して設定された特典の内容が完全に無意味なものとなってしまわないようにすることが可能となる。
特徴A34.前記制限対応手段は、前記抽選動作手段における前記抽選用物体を利用した抽選動作が開始された後において当該抽選動作手段が正常に動作しないことが前記動作監視手段により特定された場合、前記制限条件の成立として、前記抽選動作手段による抽選動作の実行中であっても前記決定処理を実行することを特徴とする特徴A33に記載の遊技機。
特徴A34によれば、抽選動作手段における抽選用物体を利用した抽選動作が開始された後であっても、抽選動作手段が正常に動作しないことが特定された場合には、抽選動作手段における動作結果を利用することなくプログラムを利用した決定処理によって、選択該当対象となる抽選対象が決定される。これにより、抽選動作手段が正常に動作していないにも関わらず選択該当対象を決定するための抽選動作がそのまま継続されてしまうことや、正常に動作していない抽選動作手段による抽選結果が採用されてしまうことを阻止することが可能となる。
特徴A35.前記動作監視手段は、遊技の進行を制御する制御手段への動作電力の供給が開始された場合に、前記抽選動作手段が正常に動作するか否かを監視するための監視処理を実行することを特徴とする特徴A33又はA34に記載の遊技機。
特徴A35によれば、抽選動作手段が正常に動作するか否かを監視するための監視処理が遊技の進行を制御する制御手段への動作電力の供給が開始された場合に実行される。これにより、抽選動作手段を利用した抽選を開始すべき状況となる前に、当該抽選動作手段が正常に動作するか否かを特定することが可能となる。
特徴A36.遊技機前面部を生じさせ、支持対象(筐体11)に対して開閉可能に支持させて設けられた前面体(前面扉12)を備え、
前記動作監視手段は、前記制御手段への動作電力の供給が開始された場合であって前記前面体が閉鎖状態である状況において前記監視処理を実行することを特徴とする特徴A35に記載の遊技機。
特徴A36によれば、制御手段への動作電力の供給が開始された場合であっても前面体が閉鎖状態ではない状況においては監視処理が実行されない。これにより、前面体が閉鎖状態とされた安定した状態において監視処理が実行されるようにすることが可能となる。
特徴A37.各ゲームにおける遊技結果に応じて利益が発生し得る構成であり、
前記動作監視手段は、ゲームが1回実行されるのに対して、前記抽選動作手段が正常に動作するか否かを監視するための監視処理を少なくとも1回実行することを特徴とする特徴A33乃至A36のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A37によれば、抽選動作手段が正常に動作するか否かの監視が、各ゲームが実行される度に実行されるようにすることが可能となる。これにより、抽選動作手段が正常に動作しない状況であるにも関わらず抽選動作手段を利用した抽選が実行されてしまわないようにすることが可能となる。
特徴A38.各ゲームにおける遊技結果に応じて利益が発生し得る構成であり、
前記動作監視手段は、
遊技の進行を制御する制御手段への動作電力の供給が開始された場合に、前記抽選動作手段が正常に動作するか否かを監視するための第1監視処理を実行する手段(サブ側MPU152における動作チェック用処理を実行する機能)と、
ゲームが1回実行されるのに対して、前記抽選動作手段が正常に動作するか否かを監視するための第2監視処理を少なくとも1回実行する手段(サブ側MPU152における開始時の監視処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2監視処理は前記第1監視処理よりも簡易的に実行されることを特徴とする特徴A33乃至A37のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A38によれば、抽選動作手段が正常に動作するか否かを監視するための監視処理が、制御手段への動作電力の供給が開始された場合及び各ゲームが実行される場合のそれぞれで実行される構成において、前者の場合には入念な態様で監視処理が実行されることで抽選動作手段に発生している異常の特定精度を高めることが可能となり、後者の場合には簡易的な態様で監視処理が実行されることでゲームの進行を阻害しない範囲において監視処理を実行することが可能となる。
特徴A39.前記制限対応手段は、前記決定処理として、前記選択該当対象となる前記抽選対象を抽選により決定する処理を実行する手段(サブ側MPU152におけるステップS1319〜ステップS1320、ステップS1704及びステップS2912〜ステップS2913の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A32乃至A38のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A39によれば、抽選動作手段における動作結果を利用することなくプログラムを利用した決定処理により選択該当対象となる抽選対象が決定される場合であっても、選択該当対象となる抽選対象が抽選により決定される。これにより、プログラムを利用した決定処理により選択該当対象となる抽選対象が決定される場合であっても、選択該当対象となる抽選対象が不規則に決定されるようにすることが可能となる。
特徴A40.前記制限対応手段は、特定事象が発生した場合に前記制限条件の成立として、前記決定処理を実行することにより、相対的に最も不利な結果となる前記抽選対象を前記選択該当対象に決定する手段(サブ側MPU152におけるステップS2301〜ステップS2304及びステップS3301〜ステップS3319の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A32乃至A39のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A40によれば、特定事象が発生した場合には抽選動作手段による動作結果により選択該当対象となる抽選対象が決定されるのではなく、相対的に最も不利となる抽選対象が選択該当対象として決定される。これにより、特定事象を発生させる行為を行うことを無意味なものとすることが可能となる。また、特定事象が発生した場合であっても抽選対象に設定されている特典の内容が利用されるため、特定事象が発生した場合であっても特典の付与態様を多様化することが可能となる。
特徴A41.各ゲームにおける遊技結果に応じて利益が発生し得る構成であり、
前記制限対応手段は、前記抽選動作手段における前記抽選用物体を利用した抽選動作が実行されている状況において新たなゲームが開始された場合に前記制限条件の成立として、前記決定処理を実行することにより、相対的に最も不利となる前記抽選対象を前記選択該当対象に決定する手段(サブ側MPU152におけるステップS2301〜ステップS2304及びステップS3301〜ステップS3319の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A32乃至A40のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A41によれば、抽選動作手段において抽選用物体を利用した抽選動作が実行されている状況において新たなゲームが開始された場合には相対的には最も不利となる抽選対象が選択該当対象に決定される。これにより、不利な抽選結果となりそうなことを抽選用物体の動きから予測した遊技者が抽選動作の途中において新たなゲームを開始させる行為を行ったとしても結果的に不利となる抽選結果となるため、抽選動作の途中で新たなゲームを開始させようとする行為を阻止することが可能となる。また、抽選動作の途中で新たなゲームが開始された場合であっても抽選対象に設定されている特典の内容が利用されるため、抽選動作の途中で新たなゲームが開始された場合であっても特典の付与態様を多様化させることが可能となる。
特徴A42.各ゲームにおける遊技結果に応じて利益が発生し得る構成であり、
前記抽選動作手段における前記抽選用物体を利用した抽選動作が実行されている状況であっても新たなゲームを開始させ得る構成であることを特徴とする特徴A29乃至A41のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A42によれば、抽選動作手段において抽選用物体を利用した抽選動作が実行されている状況であっても新たなゲームを開始することが可能である。これにより、ゲームの消化を急ぐ遊技者は抽選用物体を利用した抽選動作を途中で終了させて新たなゲームを開始させることが可能となる。
特徴A43.前記対象抽選手段は、前記抽選動作手段における前記抽選用物体を利用した抽選動作が実行されている状況において新たなゲームが開始された場合、前記複数の抽選対象のそれぞれに設定されている前記特典に関する内容のうち相対的に最も不利となる内容の結果又はそれよりも遊技者にとって不利となる内容の結果が遊技者に提供されるようにする結果提供手段(サブ側MPU152におけるステップS2301〜ステップS2304及びステップS3301〜ステップS3319の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A42に記載の遊技機。
特徴A43によれば、抽選動作手段において抽選用物体を利用した抽選動作が実行されている状況において新たなゲームが開始された場合には遊技者にとって不利となる。これにより、不利な抽選結果となりそうなことを抽選用物体の動きから予測した遊技者が抽選動作の途中において新たなゲームを開始させる行為を行ったとしても結果的に不利となる抽選結果となるため、抽選動作の途中で新たなゲームを開始させようとする行為が頻繁に発生しないようにすることが可能となる。
特徴A44.前記結果提供手段は、前記抽選動作手段における動作結果を利用することなくプログラムを利用した決定処理を実行することにより、前記複数の抽選対象のそれぞれに設定されている前記特典に関する内容のうち相対的に最も不利となる内容の結果又はそれよりも遊技者にとって不利となる内容の結果が遊技者に提供されるようにすることを特徴とする特徴A43に記載の遊技機。
特徴A44によれば、抽選動作の途中で新たなゲームが開始された場合には抽選動作手段における動作結果を利用することなくプログラムを利用した決定処理によって、不利となる結果が選択される。これにより、不利となる結果を導出する場合における処理構成を簡素化することが可能となる。
特徴A45.前記結果提供手段は、相対的に最も不利となる前記抽選対象を前記選択該当対象に決定することを特徴とする特徴A43又はA44に記載の遊技機。
特徴A45によれば、抽選動作の途中で新たなゲームが開始された場合であっても抽選対象に設定されている特典の内容が利用されるため、抽選動作の途中で新たなゲームが開始された場合であっても特典の付与態様を多様化することが可能となる。
特徴A46.前記抽選動作手段における前記抽選用物体を利用した抽選動作が実行されている状況において新たなゲームが開始されないものの新たなゲームを開始するために必要な操作が行われた場合、特別報知が実行されるようにする特別報知制御手段(サブ側MPU152におけるステップS3602の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A43乃至A45のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A46によれば、抽選動作手段における抽選用物体を利用した抽選動作が実行されている状況において新たなゲームを開始するために必要な操作が行われた場合には特別報知が実行されるため、当該抽選動作が実行されている状況において新たなゲームを開始させることを遊技者に思いとどまらせることが可能となる。
特徴A47.前記抽選動作手段は、
前記抽選用物体を投入する投入手段(投入装置71)と、
当該投入手段により投入された前記抽選用物体を振り分ける振分手段(振分装置101)と、
を備え、
前記対象抽選手段は、前記振分手段による前記抽選用物体の振分結果に応じた前記抽選対象を前記選択該当対象に決定し、
当該遊技機は、
前記投入手段による前記抽選用物体の投入を行わせるべく操作される投入操作手段(投入操作レバー131)と、
当該投入操作手段の操作タイミングに対して前記抽選用物体の投入が開始されるまでの投入開始期間を決定する期間決定手段(サブ側MPU152におけるステップS1511及びステップS1512の処理を実行する機能)と、
当該期間決定手段により決定された投入開始期間が経過した場合に前記抽選用物体の投入が開始されるように前記投入手段を制御する投入制御手段(サブ側MPU152におけるステップS1514〜ステップS1517の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A29乃至A46のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A47によれば、投入操作手段が操作されたことを契機として抽選用物体の投入が行われるため、抽選用物体を利用した抽選動作に積極参加させることが可能となる。この場合に、投入操作手段が操作されてから投入開始期間が経過した後に抽選用物体が投入される。これにより、有利な抽選対象が選択されることを狙って投入操作手段を操作しようとしてもそれが行いづらくなるため、遊技の熟練者と未熟者との間で公平性が担保される。
特徴A48.前記期間決定手段は、抽選により前記投入開始期間を決定することを特徴とする特徴A47に記載の遊技機。
特徴A48によれば、投入開始期間が抽選により決定されるため、投入操作手段の操作タイミングに対して抽選用物体が投入されるタイミングが不規則なものとなる。これにより、有利な抽選対象が選択されることを狙って投入操作手段を操作しようとしても、それが行いづらくなる。
特徴A49.前記投入操作手段による操作に基づく前記抽選用物体の投入が可能となってから投入前期間が経過した場合、前記投入操作手段の操作が行われなくても前記抽選用物体の投入が行われる構成であり、
前記期間決定手段は、前記投入前期間の経過タイミングに対して前記抽選用物体の投入が開始されるまでの前記投入開始期間を決定することを特徴とする特徴A47又はA48に記載の遊技機。
特徴A49によれば、投入前期間が経過したことを契機として抽選用物体が投入される場合であっても、投入前期間の経過タイミングから投入開始期間が経過した場合に抽選用物体が投入される。これにより、振分手段の動作態様を確認して投入前期間を敢えて経過させることで有利な抽選対象が選択されることを狙おうとしても、それを行いづらくさせることが可能となる。
特徴A50.前記期間決定手段は、前記投入操作手段の操作タイミングに対して前記抽選用物体の投入が開始されるタイミングが確実に遅れるように前記投入開始期間を決定することを特徴とする特徴A47乃至A49のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A50によれば、投入操作手段の操作タイミングに対して抽選用物体の投入が開始されるタイミングが確実に遅れるように投入開始期間が決定されるため、有利な抽選対象が選択されることを狙って投入操作手段を操作することを確実に無効化させることが可能となる。
特徴A51.前記抽選動作手段は、前記複数の抽選対象として、前記抽選用物体を受け入れる受入部(案内口113a〜113f)を複数備え、
前記結果対応決定手段は、前記抽選用物体を受け入れた前記受入部を前記選択該当対象に決定するものであり、
当該遊技機は、複数の前記受入部のそれぞれに対応する受入対応画像(案内画像G11〜G16)が各受入部の位置関係に対応する位置関係で表示され、前記受入対応画像のそれぞれにおいて、対応する前記受入部に対する特典の設定態様の情報を遊技者に認識可能とさせるための画像が表示されるように表示手段(画像表示装置66)を表示制御する対応表示制御手段(サブ側MPU152におけるステップS1007及びステップS1307の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A29乃至A50のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A51によれば、抽選動作手段の各受入部のそれぞれが抽選対象として機能する。よって、抽選用物体の動作結果と、選択該当対象として決定された抽選対象との関係を遊技者にとって分かり易いものとすることが可能となる。
この場合に、複数の受入部のそれぞれに対応する受入対応画像が各受入部の位置関係に対応する位置関係で表示手段に表示され、それら受入対応画像のそれぞれにおいて、対応する受入部に対する特典の設定態様の情報を遊技者に認識可能とさせるための画像が表示される。これにより、遊技者は各受入部に対する特典の設定態様の情報を明確に把握した状態で、抽選用物体を利用した抽選動作を確認することが可能となる。
特徴A52.前記抽選動作手段は、複数の前記受入部の位置を変化させる位置変化手段(振分用回転体103、振分用駆動部111)を備え、
前記対応表示制御手段は、複数の前記受入部の位置が変化することに対応させて、複数の前記受入対応画像の表示位置を変化させることを特徴とする特徴A51に記載の遊技機。
特徴A52によれば、複数の受入部の位置が変化することに対応させて複数の受入対応画像の表示位置が変化する。これにより、複数の受入部の位置が変化する構成であったとしても、受入部と受入対応画像との対応関係を遊技者に明確に認識させることが可能となる。
特徴A53.前記位置変化手段は、前記対象選択手段により前記特典の設定対象に選択されている前記受入部が所定位置(所定回転位置)に存在するように複数の前記受入部の位置を変化させるものであり、
前記対応表示制御手段は、前記所定位置に存在している前記受入部に対応する前記受入対応画像が所定表示位置(所定画像位置)にて表示されるようにするものであることを特徴とする特徴A52に記載の遊技機。
特徴A53によれば、対象選択手段により特典の設定対象に選択されている受入部が所定位置に存在するように複数の受入部の位置が変化する。これにより、特典の設定対象に選択されている受入部を遊技者に認識させ易くすることが可能となる。また、表示手段では、所定位置に存在している受入部に対応する受入対応画像が所定表示位置にて表示される。これにより、受入部と受入対応画像との対応関係を遊技者に明確に認識させることが可能となる。
特徴A54.前記位置変化手段は、少なくとも前記抽選用物体を利用した抽選動作が実行されている状況において複数の前記受入部の位置を変化させるものであり、
前記対応表示制御手段は、少なくとも前記抽選用物体を利用した抽選動作が実行されている状況において、複数の前記受入部の位置が変化することに対応させて、複数の前記受入対応画像の表示位置を変化させるものであることを特徴とする特徴A52又はA53に記載の遊技機。
特徴A54によれば、抽選用物体を利用した抽選動作が実行されている状況において複数の受入部の位置が変化することに対応させて、表示手段では複数の受入対応画像の表示位置が変化する。これにより、抽選動作が実行されている状況においてどのような特典が設定されている受入部に抽選用物体が受けいれられそうであるのかを遊技者が認識し易くなる。
なお、特徴A1〜A54の構成に対して、特徴A1〜A54、特徴B1〜B9、特徴C1〜C7、特徴D1〜D10、特徴E1〜E6、特徴F1〜F5、特徴G1〜G4、特徴H1〜H4のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴B群>
特徴B1.複数の抽選対象(案内口113a〜113f)の中から選択該当対象を決定する対象抽選手段(サブ側MPU152におけるステップS1319、ステップS1702、ステップS1704、ステップS2301〜ステップS2304、ステップS2912及びステップS3301〜ステップS3319の処理を実行する機能)と、
前記選択該当対象となった前記抽選対象に対応させて設定されている特典を遊技者に付与する特典付与手段(サブ側MPU152における結果導出処理を実行する機能)と、
特典設定条件が成立した場合に、前記複数の抽選対象のうち特典の設定対象である抽選対象に対応させて特典を設定する特典設定手段(サブ側MPU152におけるステップS1214、ステップS1217、ステップS2405、ステップS2414、ステップS2513、ステップS2604、ステップS3806及びステップS3811の処理を実行する機能)と、
前記特典設定条件が成立した場合に、遊技者の選択操作に対応する態様で前記特典が設定されるようにする操作対応選択手段(サブ側MPU152における選択中処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、特典設定条件が成立することで特典の設定対象となっている抽選対象に対して特典が設定される。そして、複数の抽選対象の中から選択該当対象が決定され、その決定された選択該当対象に設定されている特典が遊技者に付与される。これにより、遊技者はいずれの抽選対象が選択該当対象に決定されるのかという抽選結果だけではなく、各抽選対象に対する特典の設定態様にも注目することとなる。よって、抽選が実行される期間よりも前の期間から遊技者の注目度を高めることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
また、遊技者の選択操作に対応する態様で特典が設定されるため、遊技者が所望する態様で特典が設定されるようにすることが可能となる。よって、その後の選択該当対象の決定結果がどのような結果になったとしても、その結果は遊技者が積極的に設定した特典の設定態様の結果によるものであるため、選択該当対象の決定結果に対する遊技者の満足感を高めることが可能となる。
特徴B2.前記操作対応選択手段は、前記選択操作に対応する前記抽選対象が前記特典の設定対象に選択されるようにすることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、特典の設定対象となる抽選対象を遊技者が選択可能であるため、遊技者が所望する抽選対象に特典が設定されるようにすることが可能となる。これにより、各抽選対象への特典の設定態様を遊技者の好みに合わせた態様とした状態で選択該当対象の決定が行われることとなるため、当該選択該当対象の決定に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
特徴B3.前記操作対応選択手段は、選択可能状況(選択可能期間)において前記特典設定条件が成立した場合に前記選択操作に対応する前記抽選対象が前記特典の設定対象に選択されるようにすることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、選択可能状況において特典設定条件が成立することで、特典の設定対象となる抽選対象を遊技者が選択可能となるため、選択可能状況が発生するか否かに対して遊技者を注目させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴B4.対象変更条件が成立する度に予め定められた順序に従って、前記特典の設定対象となる前記抽選対象を変更する手段(サブ側MPU152におけるステップS2509の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、、特典の設定対象となる抽選対象が予め定められた順序に従って変更される構成であるため、特典の設定を期待する抽選対象が特典の設定対象となるタイミングを遊技者は予測しながら遊技を行うこととなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。この場合、選択可能状況となることで上記予め定められた順序とは無関係に、遊技者が希望する抽選対象を特典の設定対象とすることが可能となる。よって、選択可能状況に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
特徴B5.絵柄を変動表示する絵柄表示手段(リール32L,32M,32R)と、
当該絵柄表示手段における絵柄の変動表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41)と、
当該開始操作手段が操作されたことに基づいて役の抽選処理を実行する役抽選手段(主側MPU142におけるステップS306の処理を実行する機能)と、
前記絵柄表示手段における絵柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ステップボタン42〜44)と、
前記開始操作手段が操作されて所定開始条件が成立したことに基づき前記絵柄の変動表示が開始され、前記停止操作手段が操作されたことに基づき前記絵柄の変動表示が停止されるように前記絵柄表示手段を制御する絵柄表示制御手段(主側MPU142におけるリール制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記絵柄表示制御手段の制御による前記絵柄の変動表示後に前記役の抽選処理にて当選となった役に対応した停止結果が表示されている場合に、当選役対応の入賞の成立として当該当選役対応の利益が遊技者に付与される構成であり、
前記選択操作は、前記絵柄の変動表示を停止させる場合における前記停止操作手段の操作態様によって行われることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B5によれば、絵柄の変動表示を停止させる場合における停止操作手段の操作態様によって選択操作が行われるため、当該選択操作を行うために停止操作手段の操作とは別の操作を必要としないようにすることが可能となる。
特徴B6.各ゲームにおける遊技結果に応じて利益が発生し得る構成であり、
前記操作対応選択手段は、
前記特典設定条件が成立した場合、前記選択操作に応じて、前記特典設定条件が成立したゲームにおいて遊技者に特典が付与されるようにする第1対応手段(サブ側MPU152におけるステップS3802及びステップS3810の処理を実行する機能)と、
前記特典設定条件が成立した場合、前記選択操作に応じて、前記特典の設定対象である前記抽選対象に特典が設定されるようにする第2対応手段(サブ側MPU152におけるステップS3806及びステップS3811の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B6によれば、特典設定条件が成立した場合に、その特典設定条件が成立したゲームにおいて特典が付与されるようにすることと、特典の設定対象である抽選対象に特典が設定されるようにすることとを遊技者が選択することが可能となる。これにより、特典の設定態様を多様化させることが可能となる。
特徴B7.前記第1対応手段により付与される特典の量が、前記第2対応手段により設定される特典の量よりも少ないことを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
特徴B7によれば、特典設定条件が成立したゲームにおいて特典が付与されることの有利度が、特典の設定対象である抽選対象に特典が設定されることの有利度に対して極端に高くなってしまわないようにすることが可能となる。よって、特典設定条件が成立した場合に、その特典設定条件が成立したゲームにおいて特典が付与されるように選択操作が行われる状況と、特典の設定対象である抽選対象に特典が設定されるように選択操作が行われる状況とのそれぞれを生じさせることが可能となる。
特徴B8.動作結果が不規則に定まるように抽選用物体(抽選用球B)を動作させる抽選動作手段(抽選用ユニット70)を備え、
前記対象抽選手段は、前記抽選用物体の動作結果に応じた前記抽選対象を前記選択該当対象に決定する結果対応決定手段(サブ側MPU152におけるステップS1702の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B8によれば、抽選用物体の動作結果に対応する特典が付与される。これにより、ハード的な抽選を遊技者に提供することが可能となる。また、このように抽選用物体の動作結果に対応する特典が付与される構成において、動作結果として選択され得る抽選対象に対応する特典はそれまでの遊技内容に応じて設定される。これにより、各実行回において各抽選対象に対する特典の設定態様が相違し得ることとなり、抽選用物体を利用した抽選動作が複数回実行される場合において各抽選動作の実行態様を多様化させることが可能となる。
特徴B9.前記抽選動作手段は、前記複数の抽選対象として、前記抽選用物体を受け入れる受入部(案内口113a〜113f)を複数備え、
前記結果対応決定手段は、前記抽選用物体を受け入れた前記受入部を前記選択該当対象に決定することを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
特徴B9によれば、抽選動作手段の各受入部のそれぞれが抽選対象として機能する。よって、抽選用物体の動作結果と、選択該当対象として決定された抽選対象との関係を遊技者にとって分かり易いものとすることが可能となる。
なお、特徴B1〜B9の構成に対して、特徴A1〜A54、特徴B1〜B9、特徴C1〜C7、特徴D1〜D10、特徴E1〜E6、特徴F1〜F5、特徴G1〜G4、特徴H1〜H4のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴C群>
特徴C1.複数の抽選対象(案内口113a〜113f)の中から選択該当対象を決定する対象抽選手段(サブ側MPU152におけるステップS1319、ステップS1702、ステップS1704、ステップS2301〜ステップS2304、ステップS2912及びステップS3301〜ステップS3319の処理を実行する機能)と、
前記選択該当対象となった前記抽選対象に対応させて設定されている特典を遊技者に付与する特典付与手段(サブ側MPU152における結果導出処理を実行する機能)と、
特典設定条件が成立した場合に、前記複数の抽選対象のうち特典の設定対象である抽選対象に対応させて特典を設定する特典設定手段(サブ側MPU152におけるステップS1214、ステップS1217、ステップS2405、ステップS2414、ステップS2513、ステップS2604、ステップS3806及びステップS3811の処理を実行する機能)と、
を備え、
所定期間において前記特典設定手段による前記特典の設定が行われ得る構成であり、
前記対象抽選手段は、前記所定期間が終了する場合において前記複数の抽選対象のいずれかに特典が設定されている場合、その特典の設定状況において前記選択該当対象を決定するための所定抽選(上乗せ抽選L2)が実行されるようにする所定抽選対応手段(サブ側MPU152におけるステップS2508、ステップS3002及びステップS3101〜ステップS3107の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、特典設定条件が成立することで特典の設定対象となっている抽選対象に対して特典が設定される。そして、複数の抽選対象の中から選択該当対象が決定され、その決定された選択該当対象に設定されている特典が遊技者に付与される。これにより、遊技者はいずれの抽選対象が選択該当対象に決定されるのかという抽選結果だけではなく、各抽選対象に対する特典の設定態様にも注目することとなる。よって、抽選が実行される期間よりも前の期間から遊技者の注目度を高めることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
また、所定期間において複数の抽選対象のいずれかに特典が設定されている場合に所定抽選が実行されるため、全ての抽選対象に特典が設定されていないにも関わらず無意味に所定抽選が実行されてしまわないようにすることが可能となる。
特徴C2.前記所定期間が終了する場合において前記複数の抽選対象のいずれにも特典が設定されていない場合、前記複数の抽選対象の少なくとも1個に特典を設定する非設定時の設定手段(サブ側MPU152におけるステップS3004〜ステップS3007の処理を実行する機能)を備え、
前記対象抽選手段は、前記非設定時の設定手段により設定された特典の設定状況において前記選択該当対象を決定するための抽選(継続抽選L3)が実行されるようにする手段(サブ側MPU152におけるステップS3115〜ステップS3117の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、所定期間において全ての抽選対象に特典が設定されていないことで所定抽選が実行されない場合には、複数の抽選対象のうち少なくとも1個に特典が設定されて選択該当対象を決定するための抽選が実行される。これにより、所定期間においていずれの抽選対象にも特典が設定されなかったとしても特典が付与される機会を生じさせることが可能となり、所定期間においていずれの抽選対象にも特典が設定されてなかったことに対する遊技者の失望感を和らげることが可能となる。また、所定抽選を実行するための構成を利用して後側の抽選が実行されるため、構成の簡素化を図りながら上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴C3.特典が設定されていない前記抽選対象が前記所定抽選において前記選択該当対象に決定された場合、前記複数の抽選対象の少なくとも1個に特典を設定する非当選時の設定手段(サブ側MPU152におけるステップS3004〜ステップS3007の処理を実行する機能)を備え、
前記対象抽選手段は、前記非当選時の設定手段により設定された特典の設定状況において前記選択該当対象を決定するための特定抽選(継続抽選L3)が実行されるようにする特定抽選対応手段(サブ側MPU152におけるステップS3115〜ステップS3117の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1又はC2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、特典が設定されていない抽選対象が所定抽選において選択されたとしても、複数の抽選対象のうち少なくとも1個に特典が設定されて選択該当対象を決定するための特定抽選が実行される。これにより、所定抽選において特典が付与されなかったとしても特典が付与される機会を生じさせることが可能となり、所定抽選において特典が付与されなかったことに対する遊技者の失望感を和らげることが可能となる。また、所定抽選を実行するための構成を利用して特定抽選が実行されるため、構成の簡素化を図りながら上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴C4.前記非当選時の設定手段は、少なくとも前記所定抽選が実行される場合に特典が設定されていた前記抽選対象には特典を設定することを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
特徴C4によれば、所定抽選において特典が設定されていた抽選対象には、特定抽選においても特典が設定される。これにより、所定抽選において特典が設定されている抽選対象が多いほど特定抽選においても有利となるため、所定期間において各抽選対象に特典が設定されることの重要度を高めることが可能となる。
特徴C5.前記非当選時の設定手段は、前記所定抽選が実行される場合に特典が設定されていなかった前記抽選対象も特典が設定され得るようにすることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
特徴C5によれば、所定抽選において特典が設定されていた抽選対象だけではなく、所定抽選において特典が設定されていなかった抽選対象も、特定抽選において特典の設定対象となり得る。これにより、所定抽選の場合よりも特定抽選の方が特典の付与を発生し易くすることが可能となり、所定抽選において特典が付与されなかったことに対する遊技者の失望感を和らげることが可能となる。
特徴C6.動作結果が不規則に定まるように抽選用物体(抽選用球B)を動作させる抽選動作手段(抽選用ユニット70)を備え、
前記対象抽選手段は、前記抽選用物体の動作結果に応じた前記抽選対象を前記選択該当対象に決定する結果対応決定手段(サブ側MPU152におけるステップS1702の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C6によれば、抽選用物体の動作結果に対応する特典が付与される。これにより、ハード的な抽選を遊技者に提供することが可能となる。また、このように抽選用物体の動作結果に対応する特典が付与される構成において、動作結果として選択され得る抽選対象に対応する特典はそれまでの遊技内容に応じて設定される。これにより、各実行回において各抽選対象に対する特典の設定態様が相違し得ることとなり、抽選用物体を利用した抽選動作が複数回実行される場合において各抽選動作の実行態様を多様化させることが可能となる。
特徴C7.前記抽選動作手段は、前記複数の抽選対象として、前記抽選用物体を受け入れる受入部(案内口113a〜113f)を複数備え、
前記結果対応決定手段は、前記抽選用物体を受け入れた前記受入部を前記選択該当対象に決定することを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
特徴C7によれば、抽選動作手段の各受入部のそれぞれが抽選対象として機能する。よって、抽選用物体の動作結果と、選択該当対象として決定された抽選対象との関係を遊技者にとって分かり易いものとすることが可能となる。
なお、特徴C1〜C7の構成に対して、特徴A1〜A54、特徴B1〜B9、特徴C1〜C7、特徴D1〜D10、特徴E1〜E6、特徴F1〜F5、特徴G1〜G4、特徴H1〜H4のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴D群>
特徴D1.動作結果が不規則に定まるように抽選用物体(抽選用球B)を動作させる抽選動作手段(抽選用ユニット70)と、
前記抽選用物体の動作結果に対応する特典を遊技者に付与する特典付与手段(サブ側MPU152における結果導出処理を実行する機能)と、
制限条件が成立した場合、前記抽選動作手段における動作結果を利用することなくプログラムを利用した決定処理を実行することにより特典の付与態様を決定する制限対応手段(サブ側MPU152におけるステップS1319〜ステップS1320、ステップS1704、ステップS2301〜ステップS2304、ステップS2912〜ステップS2913及びステップS3301〜ステップS3319の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、抽選用物体の動作結果に対応する特典が付与される。これにより、ハード的な抽選を遊技者に提供することが可能となる。この場合に、制限条件が成立した場合には抽選動作手段における動作結果を利用することなくプログラムを利用した決定処理によって、特典の付与態様が決定される。これにより、抽選動作手段における動作結果を利用することが適切ではない状況においてはその影響を受けることなく特典を付与するか否かを決定することが可能となる。
特徴D2.前記抽選動作手段が正常に動作するか否かを監視する動作監視手段(サブ側MPU152における動作チェック用処理及び開始時の監視処理を実行する機能)を備え、
前記抽選動作手段が正常に動作しないことが前記動作監視手段により特定された場合、前記制限条件が成立することを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、抽選動作手段が正常に動作するか否かが監視され、正常に動作しないことが特定された場合には、抽選動作手段における動作結果を利用することなくプログラムを利用した決定処理によって、選択該当対象となる抽選対象が決定される。これにより、抽選動作手段が正常に動作できないにも関わらず当該抽選動作手段を利用した抽選が実行されてしまわないようにしながら、抽選対象に対して設定された特典の内容が完全に無意味なものとなってしまわないようにすることが可能となる。
特徴D3.前記制限対応手段は、前記抽選動作手段における前記抽選用物体を利用した抽選動作が開始された後において当該抽選動作手段が正常に動作しないことが前記動作監視手段により特定された場合、前記制限条件の成立として、前記抽選動作手段による抽選動作の実行中であっても前記決定処理を実行することを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、抽選動作手段における抽選用物体を利用した抽選動作が開始された後であっても、抽選動作手段が正常に動作しないことが特定された場合には、抽選動作手段における動作結果を利用することなくプログラムを利用した決定処理によって、選択該当対象となる抽選対象が決定される。これにより、抽選動作手段が正常に動作していないにも関わらず抽選動作がそのまま継続されてしまうことや、正常に動作していない抽選動作手段による抽選結果が採用されてしまうことを阻止することが可能となる。
特徴D4.前記動作監視手段は、遊技の進行を制御する制御手段への動作電力の供給が開始された場合に、前記抽選動作手段が正常に動作するか否かを監視するための監視処理を実行することを特徴とする特徴D2又はD3に記載の遊技機。
特徴D4によれば、抽選動作手段が正常に動作するか否かを監視するための監視処理が遊技の進行を制御する制御手段への動作電力の供給が開始された場合に実行される。これにより、抽選動作手段を利用した抽選を開始すべき状況となる前に、当該抽選動作手段が正常に動作するか否かを特定することが可能となる。
特徴D5.遊技機前面部を生じさせ、支持対象(筐体11)に対して開閉可能に支持させて設けられた前面体(前面扉12)を備え、
前記動作監視手段は、前記制御手段への動作電力の供給が開始された場合であって前記前面体が閉鎖状態である状況において前記監視処理を実行することを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
特徴D5によれば、制御手段への動作電力の供給が開始された場合であっても前面体が閉鎖状態ではない状況においては監視処理が実行されない。これにより、前面体が閉鎖状態とされた安定した状態において監視処理が実行されるようにすることが可能となる。
特徴D6.各ゲームにおける遊技結果に応じて利益が発生し得る構成であり、
前記動作監視手段は、ゲームが1回実行されるのに対して、前記抽選動作手段が正常に動作するか否かを監視するための監視処理を少なくとも1回実行することを特徴とする特徴D2乃至D5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D6によれば、抽選動作手段が正常に動作するか否かを監視するための監視処理が頻繁に実行されるようにすることが可能となる。これにより、抽選動作手段が正常に動作しない状況であるにも関わらず抽選動作手段を利用した抽選が実行されてしまわないようにすることが可能となる。
特徴D7.各ゲームにおける遊技結果に応じて利益が発生し得る構成であり、
前記動作監視手段は、
遊技の進行を制御する制御手段への動作電力の供給が開始された場合に、前記抽選動作手段が正常に動作するか否かを監視するための第1監視処理を実行する手段(サブ側MPU152における動作チェック用処理を実行する機能)と、
ゲームが1回実行されるのに対して、前記抽選動作手段が正常に動作するか否かを監視するための第2監視処理を少なくとも1回実行する手段(サブ側MPU152における開始時の監視処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2監視処理は前記第1監視処理よりも簡易的に実行されることを特徴とする特徴D2乃至D6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D7によれば、抽選動作手段が正常に動作するか否かを監視するための監視処理が、制御手段への動作電力の供給が開始された場合及び各ゲームが実行される場合のそれぞれで実行される構成において、前者の場合には入念な態様で監視処理が実行されることで抽選動作手段に発生している異常の特定精度を高めることが可能となり、後者の場合には簡易的な態様で監視処理が実行されることでゲームの進行を阻害しない範囲において監視処理を実行することが可能となる。
特徴D8.前記制限対応手段は、前記決定処理として、特典の付与態様を抽選により決定する処理を実行する手段(サブ側MPU152におけるステップS1319〜ステップS1320、ステップS1704及びステップS2912〜ステップS2913の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D8によれば、抽選動作手段における動作結果を利用することなくプログラムを利用した決定処理により特典の付与態様が決定される場合であっても、特典の付与態様が抽選により決定される。これにより、決定手段により特典の付与態様が決定される場合であっても、特典の付与態様が不規則に決定されるようにすることが可能となる。
特徴D9.前記制限対応手段は、特定事象が発生した場合に前記制限条件の成立として、前記決定処理を実行することにより、前記抽選用物体の動作結果により選択され得る結果のうち相対的に最も不利となる内容の結果又はそれよりも遊技者にとって不利となる内容の結果が遊技者に提供されるようにする手段(サブ側MPU152におけるステップS2301〜ステップS2304及びステップS3301〜ステップS3319の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D9によれば、特定事象が発生した場合には遊技者にとっても不利となる結果が選択される。これにより、特定事象を発生させる行為を行うことを無意味なものとすることが可能となる。
特徴D10.各ゲームにおける遊技結果に応じて利益が発生し得る構成であり、
前記制限対応手段は、前記抽選動作手段における前記抽選用物体を利用した抽選動作が実行されている状況において新たなゲームが開始された場合に前記制限条件の成立として、前記決定処理を実行することにより、前記抽選用物体の動作結果により選択され得る結果のうち相対的に最も不利となる内容の結果又はそれよりも遊技者にとって不利となる内容の結果が遊技者に提供されるようにする手段(サブ側MPU152におけるステップS2301〜ステップS2304及びステップS3301〜ステップS3319の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D10によれば、抽選動作手段において抽選用物体を利用した抽選動作が実行されている状況において新たなゲームが開始された場合には遊技者にとって不利な結果となる。これにより、不利な抽選結果となりそうなことを抽選用物体の動きから予測した遊技者が抽選動作の途中において新たなゲームを開始させる行為を行ったとしても結果的に不利となるため、抽選動作の途中で新たなゲームを開始させようとする行為を阻止することが可能となる。
なお、特徴D1〜D10の構成に対して、特徴A1〜A54、特徴B1〜B9、特徴C1〜C7、特徴D1〜D10、特徴E1〜E6、特徴F1〜F5、特徴G1〜G4、特徴H1〜H4のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴E群>
特徴E1.動作結果が不規則に定まるように抽選用物体(抽選用球B)を動作させる抽選動作手段(抽選用ユニット70)と、
前記抽選用物体の動作結果に対応する特典を遊技者に付与する特典付与手段(サブ側MPU152における結果導出処理を実行する機能)と、
前記抽選動作手段が正常に動作するか否かを監視する動作監視手段(サブ側MPU152における動作チェック用処理及び開始時の監視処理を実行する機能)と、
前記抽選動作手段が正常に動作しないことが前記動作監視手段により特定された場合、前記抽選動作手段における動作結果が利用されないようにする制限対応手段(サブ側MPU152におけるステップS1319〜ステップS1320、ステップS1704、ステップS2301〜ステップS2304、ステップS2912〜ステップS2913及びステップS3301〜ステップS3319の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、抽選用物体の動作結果に対応する特典が付与される。これにより、ハード的な抽選を遊技者に提供することが可能となる。この場合に、抽選動作手段が正常に動作するか否かが監視され、正常に動作しないことが特定された場合には、抽選動作手段における動作結果の利用が制限される。これにより、抽選動作手段が正常に動作できないにも関わらず当該抽選動作手段を利用した抽選が実行されてしまわないようにすることが可能となる。
特徴E2.前記制限対応手段は、前記抽選動作手段における前記抽選用物体を利用した抽選動作が開始された後において当該抽選動作手段が正常に動作しないことが前記動作監視手段により特定された場合、前記抽選動作手段による抽選動作の実行中であっても前記抽選動作手段における動作結果が利用されないようにすることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E2によれば、抽選動作手段における抽選用物体を利用した抽選動作が開始された後であっても、抽選動作手段が正常に動作しないことが特定された場合には、抽選動作手段における動作結果が利用されない。これにより、抽選動作手段が正常に動作していないにも関わらず、正常に動作していない抽選動作手段による抽選結果が採用されてしまうことを阻止することが可能となる。
特徴E3.前記動作監視手段は、遊技の進行を制御する制御手段への動作電力の供給が開始された場合に、前記抽選動作手段が正常に動作するか否かを監視するための監視処理を実行することを特徴とする特徴E1又はE2に記載の遊技機。
特徴E3によれば、抽選動作手段が正常に動作するか否かを監視するための監視処理が遊技の進行を制御する制御手段への動作電力の供給が開始された場合に実行される。これにより、抽選動作手段を利用した抽選を開始すべき状況となる前に、当該抽選動作手段が正常に動作するか否かを特定することが可能となる。
特徴E4.遊技機前面部を生じさせ、支持対象(筐体11)に対して開閉可能に支持させて設けられた前面体(前面扉12)を備え、
前記動作監視手段は、前記制御手段への動作電力の供給が開始された場合であって前記前面体が閉鎖状態である状況において前記監視処理を実行することを特徴とする特徴E3に記載の遊技機。
特徴E4によれば、制御手段への動作電力の供給が開始された場合であっても前面体が閉鎖状態ではない状況においては監視処理が実行されない。これにより、前面体が閉鎖状態とされた安定した状態において監視処理が実行されるようにすることが可能となる。
特徴E5.各ゲームにおける遊技結果に応じて利益が発生し得る構成であり、
前記動作監視手段は、ゲームが1回実行されるのに対して、前記抽選動作手段が正常に動作するか否かを監視するための監視処理を少なくとも1回実行することを特徴とする特徴E1乃至E4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E5によれば、抽選動作手段が正常に動作するか否かを監視するための監視処理が頻繁に実行されるようにすることが可能となる。これにより、抽選動作手段が正常に動作しない状況であるにも関わらず抽選動作手段を利用した抽選が実行されてしまわないようにすることが可能となる。
特徴E6.各ゲームにおける遊技結果に応じて利益が発生し得る構成であり、
前記動作監視手段は、
遊技の進行を制御する制御手段への動作電力の供給が開始された場合に、前記抽選動作手段が正常に動作するか否かを監視するための第1監視処理を実行する手段(サブ側MPU152における動作チェック用処理を実行する機能)と、
ゲームが1回実行されるのに対して、前記抽選動作手段が正常に動作するか否かを監視するための第2監視処理を少なくとも1回実行する手段(サブ側MPU152における開始時の監視処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2監視処理は前記第1監視処理よりも簡易的に実行されることを特徴とする特徴E1乃至E5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E6によれば、抽選動作手段が正常に動作するか否かを監視するための監視処理が、制御手段への動作電力の供給が開始された場合及び各ゲームが実行される場合のそれぞれで実行される構成において、前者の場合には入念な態様で監視処理が実行されることで抽選動作手段に発生している異常の特定精度を高めることが可能となり、後者の場合には簡易的な態様で監視処理が実行されることでゲームの進行を阻害しない範囲において監視処理を実行することが可能となる。
なお、特徴E1〜E6の構成に対して、特徴A1〜A54、特徴B1〜B9、特徴C1〜C7、特徴D1〜D10、特徴E1〜E6、特徴F1〜F5、特徴G1〜G4、特徴H1〜H4のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴F群>
特徴F1.各ゲームにおける遊技結果に応じて利益が発生し得る遊技機において、
動作結果が不規則に定まるように抽選用物体(抽選用球B)を動作させる抽選動作手段(抽選用ユニット70)と、
前記抽選用物体の動作結果に対応する特典を遊技者に付与する特典付与手段(サブ側MPU152における結果導出処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選動作手段における前記抽選用物体を利用した抽選動作が実行されている状況であっても新たなゲームを開始させ得る構成であることを特徴とする遊技機。
特徴F1によれば、抽選用物体の動作結果に対応する特典が付与される。これにより、ハード的な抽選を遊技者に提供することが可能となる。この場合に、抽選動作手段において抽選用物体を利用した抽選動作が実行されている状況であっても新たなゲームを開始することが可能である。これにより、ゲームの消化を急ぐ遊技者は抽選用物体を利用した抽選動作を途中で終了させて新たなゲームを開始させることが可能となる。
特徴F2.前記抽選動作手段における前記抽選用物体を利用した抽選動作が実行されている状況において新たなゲームが開始された場合、前記抽選用物体の動作結果により選択され得る結果のうち相対的に最も不利となる内容の結果又はそれよりも遊技者にとって不利となる内容の結果が遊技者に提供されるようにする結果提供手段(サブ側MPU152におけるステップS2301〜ステップS2304及びステップS3301〜ステップS3319の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
特徴F2によれば、抽選動作手段において抽選用物体を利用した抽選動作が実行されている状況において新たなゲームが開始された場合には遊技者にとって不利となる。これにより、不利な抽選結果となりそうなことを抽選用物体の動きから予測した遊技者が抽選動作の途中において新たなゲームを開始させる行為を行ったとしても結果的に最も不利となる抽選結果となるため、抽選動作の途中で新たなゲームを開始させようとする行為が頻繁に発生しないようにすることが可能となる。
特徴F3.前記結果提供手段は、前記抽選動作手段における動作結果を利用することなくプログラムを利用した決定処理を実行することにより、前記抽選用物体の動作結果により選択され得る結果のうち相対的に最も不利となる内容の結果又はそれよりも遊技者にとって不利となる内容の結果が遊技者に提供されるようにすることを特徴とする特徴F2に記載の遊技機。
特徴F3によれば、抽選動作の途中で新たなゲームが開始された場合には抽選動作手段における動作結果を利用することなくプログラムを利用した決定処理によって、不利となる結果が選択される。これにより、不利となる結果を導出する場合における処理構成を簡素化することが可能となる。
特徴F4.前記結果提供手段は、前記抽選用物体の動作結果により選択され得る結果のうち相対的に最も不利となる内容の結果が遊技者に提供されるようにすることを特徴とする特徴F2又はF3に記載の遊技機。
特徴F4によれば、抽選動作の途中で新たなゲームが開始された場合であっても、抽選用物体の動作結果により選択され得る結果に対応する特典の内容が利用されるため、抽選動作の途中で新たなゲームが開始された場合であっても特典の付与態様を多様化することが可能となる。
特徴F5.前記抽選動作手段における前記抽選用物体を利用した抽選動作が実行されている状況において新たなゲームが開始されないものの新たなゲームを開始するために必要な操作が行われた場合、特別報知が実行されるようにする特別報知制御手段(サブ側MPU152におけるステップS3602の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F1乃至F4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F5によれば、抽選動作手段における抽選用物体を利用した抽選動作が実行されている状況において新たなゲームを開始するために必要な操作が行われた場合には特別報知が実行されるため、当該抽選動作が実行されている状況において新たなゲームを開始させることを遊技者に思いとどまらせることが可能となる。
なお、特徴F1〜F5の構成に対して、特徴A1〜A54、特徴B1〜B9、特徴C1〜C7、特徴D1〜D10、特徴E1〜E6、特徴F1〜F5、特徴G1〜G4、特徴H1〜H4のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴G群>
特徴G1.動作結果が不規則に定まるように抽選用物体(抽選用球B)を動作させる抽選動作手段(抽選用ユニット70)と、
前記抽選用物体の動作結果に対応する特典を遊技者に付与する特典付与手段(サブ側MPU152における結果導出処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選動作手段は、
前記抽選用物体を投入する投入手段(投入装置71)と、
当該投入手段により投入された前記抽選用物体を振り分ける振分手段(振分装置101)と、
を備え、
当該遊技機は、
前記投入手段による前記抽選用物体の投入を行わせるべく操作される投入操作手段(投入操作レバー131)と、
当該投入操作手段の操作タイミングに対して前記抽選用物体の投入が開始されるまでの投入開始期間を決定する期間決定手段(サブ側MPU152におけるステップS1511及びステップS1512の処理を実行する機能)と、
当該期間決定手段により決定された投入開始期間が経過した場合に前記抽選用物体の投入が開始されるように前記投入手段を制御する投入制御手段(サブ側MPU152におけるステップS1514〜ステップS1517の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G1によれば、抽選用物体の動作結果に対応する特典が付与される。これにより、ハード的な抽選を遊技者に提供することが可能となる。また、投入操作手段が操作されたことを契機として抽選用物体の投入が行われるため、抽選用物体を利用した抽選動作に遊技者を積極参加させることが可能となる。この場合に、投入操作手段が操作されてから投入開始期間が経過した後に抽選用物体が投入される。これにより、有利な抽選対象が選択されることを狙って投入操作手段を操作しようとしてもそれが行いづらくなるため、遊技の熟練者と未熟者との間で公平性が担保される。
特徴G2.前記期間決定手段は、抽選により前記投入開始期間を決定することを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
特徴G2によれば、投入開始期間が抽選により決定されるため、投入操作手段の操作タイミングに対して抽選用物体が投入されるタイミングが不規則なものとなる。これにより、有利な抽選対象が選択されることを狙って投入操作手段を操作しようとしても、それが行いづらくなる。
特徴G3.前記投入操作手段による操作に基づく前記抽選用物体の投入が可能となってから投入前期間が経過した場合、前記投入操作手段の操作が行われなくても前記抽選用物体の投入が行われる構成であり、
前記期間決定手段は、前記投入前期間の経過タイミングに対して前記抽選用物体の投入が開始されるまでの前記投入開始期間を決定することを特徴とする特徴G1又はG2に記載の遊技機。
特徴G3によれば、投入前期間が経過したことを契機として抽選用物体が投入される場合であっても、投入前期間の経過タイミングから投入開始期間が経過した場合に抽選用物体が投入される。これにより、振分手段の動作態様を確認して投入前期間を敢えて経過させることで有利な抽選対象が選択されることを狙おうとしても、それを行いづらくさせることが可能となる。
特徴G4.前記期間決定手段は、前記投入操作手段の操作タイミングに対して前記抽選用物体の投入が開始されるタイミングが確実に遅れるように前記投入開始期間を決定することを特徴とする特徴G1乃至G3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G4によれば、投入操作手段の操作タイミングに対して抽選用物体の投入が開始されるタイミングが確実に遅れるように投入開始期間が決定されるため、有利な抽選対象が選択されることを狙って投入操作手段を操作することを確実に無効化させることが可能となる。
なお、特徴G1〜G4の構成に対して、特徴A1〜A54、特徴B1〜B9、特徴C1〜C7、特徴D1〜D10、特徴E1〜E6、特徴F1〜F5、特徴G1〜G4、特徴H1〜H4のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴H群>
特徴H1.抽選用物体を受け入れることが可能な受入部(案内口113a〜113f)を複数有し、受入対象となる受入部の種類が不規則に定まるように抽選用物体(抽選用球B)を動作させる抽選動作手段(抽選用ユニット70)と、
前記抽選用物体を受け入れた前記受入部に対応する特典を遊技者に付与する特典付与手段(サブ側MPU152における結果導出処理を実行する機能)と、
複数の前記受入部のそれぞれに対応する受入対応画像(案内画像G11〜G16、単位領域G41〜G46)が各受入部の位置関係に対応する位置関係で表示され、前記受入対応画像のそれぞれにおいて、対応する前記受入部に対する特典の設定態様の情報を遊技者に認識可能とさせるための画像が表示されるように表示手段(画像表示装置66)を表示制御する対応表示制御手段(サブ側MPU152におけるステップS1007、ステップS1307、ステップS2505及びステップS2605の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴H1によれば、抽選用物体の動作結果に対応する特典が付与される。これにより、ハード的な抽選を遊技者に提供することが可能となる。この場合に、複数の受入部のそれぞれに対応する受入対応画像が各受入部の位置関係に対応する位置関係で表示手段に表示され、それら受入対応画像のそれぞれにおいて、対応する受入部に対する特典の設定態様の情報を遊技者に認識可能とさせるための画像が表示される。これにより、遊技者は各受入部に対する特典の設定態様の情報を明確に把握した状態で、抽選用物体を利用した抽選動作を確認することが可能となる。
特徴H2.前記抽選動作手段は、複数の前記受入部の位置を変化させる位置変化手段(振分用回転体103、振分用駆動部111)を備え、
前記対応表示制御手段は、複数の前記受入部の位置が変化することに対応させて、複数の前記受入対応画像の表示位置を変化させることを特徴とする特徴H1に記載の遊技機。
特徴H2によれば、複数の受入部の位置が変化することに対応させて複数の受入対応画像の表示位置が変化する。これにより、複数の受入部の位置が変化する構成であったとしても、受入部と受入対応画像との対応関係を遊技者に明確に認識させることが可能となる。
特徴H3.前記複数の受入部のうち特典の設定対象となる受入部を選択する対象選択手段(サブ側MPU152におけるステップS1310、ステップS2509、ステップS2602、ステップS3703、ステップS3705及びステップS4104の処理を実行する機能)と、
特典設定条件が成立した場合に、前記対象選択手段に選択されている前記受入部に対応させて特典を設定する特典設定手段(サブ側MPU152におけるステップS1214、ステップS1217、ステップS2405、ステップS2414、ステップS2513、ステップS2604、ステップS3806及びステップS3811の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記位置変化手段は、前記対象選択手段により前記特典の設定対象に選択されている前記受入部が所定位置に存在するように複数の前記受入部の位置を変化させるものであり、
前記対応表示制御手段は、前記所定位置に存在している前記受入部に対応する前記受入対応画像が所定表示位置にて表示されるようにするものであることを特徴とする特徴H2に記載の遊技機。
特徴H3によれば、対象選択手段により特典の設定対象に選択されている受入部が所定位置に存在するように複数の受入部の位置が変化する。これにより、特典の設定対象に選択されている受入部を遊技者に認識させ易くすることが可能となる。また、表示手段では、所定位置に存在している受入部に対応する受入対応画像が所定表示位置にて表示される。これにより、受入部と受入対応画像との対応関係を遊技者に明確に認識させることが可能となる。
特徴H4.前記位置変化手段は、少なくとも前記抽選用物体を利用した抽選動作が実行されている状況において複数の前記受入部の位置を変化させるものであり、
前記対応表示制御手段は、少なくとも前記抽選用物体を利用した抽選動作が実行されている状況において、複数の前記受入部の位置が変化することに対応させて、複数の前記受入対応画像の表示位置を変化させるものであることを特徴とする特徴H2又はH3に記載の遊技機。
特徴H4によれば、抽選用物体を利用した抽選動作が実行されている状況において複数の受入部の位置が変化することに対応させて、表示手段では複数の受入対応画像の表示位置が変化する。これにより、抽選動作が実行されている状況においてどのような特典が設定されている受入部に抽選用物体が受けいれられそうであるのかを遊技者が認識し易くなる。
なお、特徴H1〜H4の構成に対して、特徴A1〜A54、特徴B1〜B9、特徴C1〜C7、特徴D1〜D10、特徴E1〜E6、特徴F1〜F5、特徴G1〜G4、特徴H1〜H4のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴A群の発明、上記特徴B群の発明、上記特徴C群の発明、上記特徴D群の発明、上記特徴E群の発明、上記特徴F群の発明、上記特徴G群の発明、上記特徴H群の発明は、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。また、当該内部抽選の結果を遊技者に予測させたり、認識させたりするための演出が行われる構成が一般的である。
スロットマシンについて具体的には、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。