本発明が適用された遊技機であるスロットマシンの実施例について図面を用いて説明すると、本実施例のスロットマシン1は、図1に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、互いに識別可能な複数種類の図柄(識別情報)が所定の順序で、それぞれ所定数ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bの略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32R(図3参照)によって回転されることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示される一方で、各リール2L、2C、2Rの回転が停止されることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で透過性を有する液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51b及び透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、図1に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bには、図1に示すように、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図3参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図3参照)がそれぞれ設けられている。
前面扉1bの内側には、図2に示すように、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、所定の契機に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、所定の契機に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1aの内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31、投入メダルセンサ31の上流側で異物の挿入を検出する投入口センサ26を有するメダルセレクタ29、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図3参照)が設けられている。
筐体1aの内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R(図3参照)、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図3参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000(図3参照)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(図3参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(図3参照)からなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留されたメダルが満タン状態となったことを検出する満タンセンサ35a(図3参照)が設けられている。
電源ボックス100の前面には、図2に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
尚、電源ボックス100は、筐体1aの内部に設けられており、さらに前面扉1bは、店員等が所持する所定のキー操作により開放可能な構成であるため、これら電源ボックス100の前面に設けられた設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39は、キーを所持する店員等の者のみが操作可能とされ、遊技者による操作ができないようになっている。また、所定のキー操作により検出されるリセットスイッチ23も同様である。特に、設定キースイッチ37は、キー操作により前面扉1bを開放したうえで、さらにキー操作を要することから、遊技場の店員のなかでも、設定キースイッチ37の操作を行うキーを所持する店員のみ操作が可能とされている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。尚、本実施例では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用しても良い。
また、本実施例では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。無効ラインLM1〜4は、これら無効ラインLM1〜4に揃った図柄の組合せによって入賞が判定されるものではなく、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃った際に、無効ラインLM1〜4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組合せ(例えば、ベル−ベル−ベル)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役ともいう)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
尚、本実施例では、スタートスイッチ7の操作が有効な状態でスタートスイッチ7の操作が検出されたときにゲームが開始し、全てのリールが停止したときにゲームが終了する。また、ゲームを実行するための1単位の制御(ゲーム制御)は、前回のゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに開始し、当該ゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに終了する。
また、本実施例では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としても良く、2以上のリールを用いた構成においては、2以上の全てのリールに導出された表示結果の組合せに基づいて入賞を判定する構成とすれば良い。また、本実施例では、物理的なリールにて可変表示装置が構成されているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示装置が構成されていても良い。
また、本実施例におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
以下では、特に区別する必要がない場合にはリール2L、2C、2Rを単にリールという場合がある。また、リール2Lを左リール、リール2Cを中リール、リール2Rを右リールという場合がある。また、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作によりリール2L、2C、2Rを停止させる操作を停止操作という場合がある。
図3は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図3に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び演出制御基板90に供給されるようになっている。また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、遊技の進行に関する処理を行うメイン制御部41、制御用クロックCCLKを生成する制御用クロック生成回路42、乱数用クロックRCLKを生成する乱数用クロック生成回路43、スイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送するスイッチ検出回路44、モータ駆動信号(ステッピングモータの位相信号)をリールモータ32L、32C、32Rに伝送するモータ駆動回路45、ソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送するソレノイド駆動回路46、LED駆動信号を各種表示器やLEDに伝送するLED駆動回路47、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時または電源遮断時などの電源が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49が搭載されている。
図4は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の構成例を示している。図4に示すメイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、外部バスインターフェイス501と、クロック回路502と、照合用ブロック503と、固有情報記憶回路504と、演算回路505と、リセット/割込コントローラ506と、CPU(Central Processing Unit)41aと、ROM(Read Only Memory)41bと、RAM(Random
Access Memory)41cと、フリーランカウンタ回路507と、乱数回路508a、508bと、タイマ回路509と、割込コントローラ510と、パラレル入力ポート511と、シリアル通信回路512と、パラレル出力ポート513と、アドレスデコード回路514と、を備えて構成される。
リセット/割込コントローラ506は、メイン制御部41の内部や外部にて発生する各種リセット、割込要求を制御するためのものである。リセット/割込コントローラ506は、指定エリア外走行禁止(IAT)回路506aとウォッチドッグタイマ(WDT)506bとを備える。IAT回路506aは、ユーザプログラムが指定エリア内で正しく実行されているか否かを監視する回路であり、指定エリア外でユーザプログラムが実行されたことを検出するとIAT発生信号を出力する機能を備える。また、ウォッチドッグタイマ506bは、設定期間ごとにタイムアウト信号を発生させる機能を備える。
外部バスインターフェイス501は、メイン制御部41を構成するチップの外部バスと内部バスとのインターフェイス機能や、アドレスバス、データバス及び各制御信号の方向制御機能などを有するバスインターフェイスである。クロック回路502は、制御用クロックCCLKを2分周することなどにより、内部システムクロックSCLKを生成する回路である。照合用ブロック503は、外部の照合機と接続し、チップの照合を行う機能を備える。固有情報記憶回路504は、メイン制御部41の内部情報となる複数種類の固有情報を記憶する回路である。演算回路505は、乗算及び除算を行う回路である。
CPU41aは、ROM41bから読み出した制御コードに基づいてユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を実行することにより、スロットマシン1における遊技制御を実行する制御用CPUである。こうした遊技制御が実行されるときには、CPU41aがROM41bから固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU41aがRAM41cに各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU41aがRAM41cに一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU41aが外部バスインターフェイス501やパラレル入力ポート511、シリアル通信回路512などを介してメイン制御部41の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU41aが外部バスインターフェイス501やシリアル通信回路512、パラレル出力ポート513などを介してメイン制御部41の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
ROM41bには、ユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を示す制御コードや固定データ等が記憶されている。RAM41cは、ゲーム制御用のワークエリア等を提供する。ここで、RAM41cの少なくとも一部は、バックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであれば良い。すなわち、スロットマシン1への電力供給が停止しても、所定期間はRAM41cの少なくとも一部の内容が保存される。
フリーランカウンタ回路507として、8ビットのフリーランカウンタを搭載している。乱数回路508a、508bは、8ビット乱数や16ビット乱数といった、所定の更新範囲を有する乱数値となる数値データを生成する回路である。本実施例では、乱数回路508a、508bのうち16ビット乱数回路508bが生成するハードウェア乱数は、後述する内部抽選用の乱数として用いられる。タイマ回路509は、16ビットプログラマブルタイマであり、設定されたタイマ値を制御用クロックCCLKの入力に基づいてダウンカウントし、0000hに達したときに割込コントローラへの割込要求信号を出力する。本実施例では、タイマ回路509を用いて定期的な割込要求や時間計測を行うことが可能である。
割込コントローラ510は、割込端子からの外部割込要求や、内蔵の周辺回路(例えば、シリアル通信回路512、乱数回路508a、508b、タイマ回路509)からの割込要求を制御する回路である。パラレル入力ポート511は、8ビット幅の入力専用ポートを内蔵する。また、図4に示すメイン制御部41が備えるパラレル出力ポート513は、11ビット幅の出力専用ポートを内蔵する。シリアル通信回路512は、外部に対する入出力において非同期シリアル通信を行う回路である。
アドレスデコード回路514は、メイン制御部41の内部における各機能ブロックのデコードや、外部装置用のデコード信号であるチップセレクト信号のデコードを行うための回路である。チップセレクト信号により、メイン制御部41の内部回路、あるいは、周辺デバイスとなる外部装置を、選択的に有効動作させて、CPU41aからのアクセスが可能となる。
メイン制御部41は、パラレル出力ポート513を介してサブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。また、本実施例では、パラレル出力ポート513を介してサブ制御部91に対してコマンドが送信される構成、すなわちコマンドがパラレル信号にて送信される構成であるが、シリアル通信回路512を介してサブ制御部91に対してコマンドを送信する構成、すなわちコマンドをシリアル信号にて送信する構成としても良い。
また、メイン制御部41は、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態がパラレル入力ポート511から入力される。そしてメイン制御部41は、これらパラレル入力ポート511から入力される各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。また、メイン制御部41は、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施例では、タイマ回路509にてタイムアウトが発生したこと、すなわち一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎に後述するタイマ割込処理(メイン)を実行する。また、メイン制御部41は、割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。尚、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、その時点で新たな割込が発生することとなる。
メイン制御部41は、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
演出制御基板90には、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。尚、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。また、本実施例では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用しても良い。
演出制御基板90には、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定時間間隔(約2ms)毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選、ナビストック抽選、上乗せ抽選等の遊技者に対する有利度に影響する抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定値6からさらに操作されたときは、設定値1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
尚、設定キースイッチ37がON状態で電源投入された場合に、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定変更状態に移行する構成としても良く、このような構成とすることで、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定変更がされてしまうことを防止できる。また、前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定変更状態に移行する構成においては、設定変更状態に移行後、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされなくなっても、設定変更状態を維持することが好ましく、これにより、設定変更中に前面扉1bが一時的に閉じてしまっても、再度、設定変更状態に移行させるための操作を必要とせず、設定変更操作が煩雑となってしまうことがない。また、設定変更状態に移行後、スタートスイッチ7が操作されて設定値が確定した後、設定キースイッチ37がOFFとなったときに、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定変更状態を終了して遊技の進行が可能な状態に移行する構成としても良く、このような構成においても、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定変更がされてしまうことを防止できる。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をON状態とすれば良い。このような状況で設定キースイッチ37をON状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をOFF状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
尚、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37がON状態となったときに、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定確認状態に移行する構成としても良く、このような構成とすることで、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定値が確認されてしまうことを防止できる。また、前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定確認状態に移行する構成においては、設定確認状態に移行後、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされなくなっても、設定確認状態を維持することが好ましく、これにより、設定確認中に前面扉1bが一時的に閉じてしまっても、再度、設定確認状態に移行させるための操作を必要とせず、設定確認操作が煩雑となってしまうことがない。また、設定確認状態に移行後、スタートスイッチ7が操作されて設定値が確定した後、設定キースイッチ37がOFFとなったときに、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定確認状態を終了して遊技の進行が可能な状態に復帰する構成としても良く、このような構成においても、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定値が確認されてしまうことを防止できる。
本実施例のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM41cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(メイン)を実行する。
そして、メイン制御部41は、その起動時においてRAM41cのデータが正常であることを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM41cデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。
エラー状態は、リセット操作(リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23の操作)により解除される通常エラー状態と、前述した設定変更状態に移行し、新たな設定値が設定されるまで解除されることがない特殊エラー状態と、を含み、RAM異常エラー状態は、特殊エラー状態であり、一度RAM異常エラー状態に制御されると、設定変更状態に移行し、新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
また、サブ制御部91もタイマ割込処理(サブ)において電断検出回路98からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定し、電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM91cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(サブ)を実行する。
そして、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブ制御部91の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM91cのデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、メイン制御部41と異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
また、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であると判断された場合でも、メイン制御部41から設定変更状態に移行した旨を示す後述の設定コマンドを受信した場合、起動後一定時間が経過してもメイン制御部41の制御状態が復帰した旨を示す後述の復帰コマンドも設定コマンドも受信しない場合にも、RAM91cを初期化するようになっている。この場合も、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域のうちの使用可能領域は、重要ワーク、特別ワーク、一般ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されており、重要ワーク、特別ワーク、一般ワーク、未使用領域、スタック領域の順で配置されている。
本実施例においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がOFFの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されているとき、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されているとき、設定変更終了時、特定の遊技状態の終了時、1ゲーム終了時の6つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。
初期化0は、設定キースイッチ37がOFFの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されているとき、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されているときに行う初期化であり、初期化0では、使用可能領域全ての領域が初期化される。初期化1は、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないときに行う初期化であり、初期化1では、使用可能領域のうち重要ワーク及び特別ワーク以外の領域が初期化される。初期化2は、特定の遊技状態の終了時に行う初期化であり、初期化2では、使用可能領域のうち一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化3では、使用可能領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。尚、設定値や遊技状態を示すデータの格納領域は、特別ワークに割り当てられており、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、すなわちRAM41cのデータが正常で設定変更される場合には、設定値や遊技状態を示すデータが保持されることとなる。また、後述のタイマカウンタの格納領域は、特別ワークに割り当てられており、ゲームの終了時や特定の遊技状態の終了時には初期化されることなく保持されることとなる。
本実施例のスロットマシン1は、遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化される。
そして、本実施例では、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインという)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであっても良いし、異なる図柄を含む組合せであっても良い。
入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
以下、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、メイン制御部41が、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出される以前(具体的には、スタートスイッチ7の検出時)に決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、乱数回路508bにより生成され、乱数回路508bの乱数値レジスタに格納されている値をRAM41cに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、現在の遊技状態、賭数及び設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて入賞を許容するか否かの判定が行われる。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態及び設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、及びリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
本実施例では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施例では、いずれかの役に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。尚、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わないようになる。また、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行っても良い。
また、本実施例では、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御を行う。尚、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。尚、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになる。
尚、本実施例では、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能な停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行う構成であるが、停止可能な位置を特定可能な停止位置テーブルから停止位置を特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに、停止操作がされたタイミングで停止可能な停止位置を検索・特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルを用いた停止制御、停止位置テーブルを用いた停止制御、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに停止可能な停止位置を検索・特定することによる停止制御を併用する構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを一部変更して停止制御を行う構成としても良い。
本実施例においてメイン制御部41は、ゲームの開始後、リールの回転を開始させる毎にその時点、すなわちリールの回転を開始させた時点から経過した時間であるゲーム時間を計時するようになっており、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間(本実施例では4.1秒)以上であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から規定時間が経過していれば、ウェイトを発生させず、その時点で当該ゲームにおける遊技のためのリールの回転を開始させる。一方、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間未満であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から規定時間が経過していなければ、ウェイトを発生させて、その時点ではリールの回転を開始させず、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間に到達するまで待機し、規定時間に到達した時点でリールの回転を開始させる。
本実施例においてメイン制御部41は、遊技状態やエラーの発生状況などを示す外部出力信号を出力する制御を行う。これら外部出力信号は、外部出力基板1000、スロットマシン1が設置される遊技店(ホール)の情報提供端子板を介してホールコンピュータなどのホール機器に出力されるようになっている。
メイン制御部41は、賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により遊技者に付与されたメダル数を示すメダルOUT信号、遊技状態がRB(レギュラーボーナス)中の旨を示すRB中信号、遊技状態がBB(ビッグボーナス)中の旨を示すBB中信号、RT2中の旨を示すRT中信号、前面扉1bが開放中の旨を示すドア開放信号、後述する設定変更モードに移行している旨を示す設定変更信号、メダルセレクタの異常を示す投入エラー信号、ホッパーユニット34の異常を示す払出エラー信号をそれぞれ出力する。
外部出力基板1000には、リレー回路、パラレル・シリアル変換回路、出力信号毎の端子が設けられ、情報提供端子板の回路と電気的に接続するための接続されるコネクタが設けられている。遊技制御基板40から出力された信号のうち、メダルIN信号、メダルOUT信号、RB中信号、BB中信号は、リレー回路を介して、そのままパルス信号として情報提供端子板に出力される。これに対してドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号は、パラレル・シリアル変換回路にて、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換されて情報提供端子板に出力される。
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施例では、メイン制御部41は、サブ制御部91に対して、投入枚数コマンド、クレジットコマンド、遊技状態コマンド、内部当選コマンド、リール加速情報コマンド、停止操作時コマンド、滑りコマ数コマンド、停止コマンド、遊技終了コマンド、入賞枚数コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
投入枚数コマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、電断復帰時、または規定数の賭数が設定されていない状態においてメダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、投入枚数コマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、投入枚数コマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
遊技状態コマンドは、当該ゲームの遊技状態を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときであって、遊技状態コマンドの送信後に送信される。遊技状態コマンド、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したことを特定可能である。
リール加速情報コマンドは、遊技の進行に伴いリールの回転が開始する旨を特定可能なコマンドであり、遊技の進行に伴いリールの回転を開始するときに送信する。停止操作時コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信される。滑りコマ数コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止操作がされてから停止するまでに移動する滑りコマ数を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に、対応する停止操作時コマンドが送信された後に送信される。停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止位置の領域番号を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に、対応する滑りコマ数コマンドが送信された後に送信される。停止操作時コマンド、滑りコマ数コマンド、停止コマンドは、いずれも停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、を特定可能であり、かつ各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信されるので、これらコマンドを受信することで、いずれかのリールの停止操作がされたこと及び停止するリールを特定可能である。
遊技終了コマンドは、遊技が終了された旨を特定可能なコマンドであり、遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信される。入賞枚数コマンドは、入賞ラインLNに揃った図柄の組合せ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときであり、遊技終了コマンドの送信後に送信される。遊技終了コマンド、入賞枚数コマンドは、いずれも遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、1ゲームを進行させるのに必要な全ての操作が終了したことを特定可能である。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞及びクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに終了推定時間(本実施例では60秒)経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生及びその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了及び設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちON(開放状態)/OFF(閉状態)を示すコマンドであり、所定条件成立時(通常時コマンド送信処理の実行時においてコマンドキューが空であるとき)に送信される。
これらコマンドのうちドアコマンド以外のコマンドは、メイン処理において生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)の通常時コマンド送信処理、電断時コマンド送信処理において送信される。一方、ドアコマンドは、通常時コマンド送信処理においてコマンドキューにいずれのコマンドも格納されてないときに生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、当該通常時コマンド送信処理おいて送信される。
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の出力制御を行う。制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLED55の点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターン及び遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
尚、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
また、サブ制御部91は、ドアコマンドから特定されるドア開放検出スイッチ25の検出状態に基づいて、ドア開放検出スイッチ25の検出状態がOFF(閉状態)からON(開放状態)に変化したか否かを判定し、OFF(閉状態)からON(開放状態)に変化した場合には、前面扉1bが開放中である旨を報知するドア開放報知を実行する。
図5は、メイン制御部41が用いるメモリ領域のアドレスマップである。図5に示すように、メイン制御部41が用いるメモリ領域は、ROM41bに割り当てられたメモリ領域(0000H〜7FFFH)と、RAM41cに割り当てられたメモリ領域(8000H〜FFFFH)と、を含む。
ROM41bのメモリ領域は、プログラム及び固定データが格納されるプログラム/データ領域(0000H〜26FFH)と、プログラムのタイトル、バージョン等の任意のデータを設定可能なROMコメント領域(2700H〜277FH)と、後述するCALLV命令のサブルーチンの上位アドレス及びタイマ割込処理(メイン)の先頭アドレスが設定されるベクタテーブル領域(2780H〜27A7H)と、メイン制御部41の内部機能をハードウェア的に設定するためのパラメータが設定されるHWパラメータ領域(27A8H〜27FFH)と、アクセスが禁止される未使用領域(2800H〜7FFFH)を含む。
RAM41cのメモリ領域は、ワークとして使用可能な使用可能領域(8000H〜81FFH)と、メイン制御部41に搭載されている各機能を制御するためのレジスタ群が格納される内部機能レジスタ領域(9000H〜9080H)と、アクセスが禁止される未使用領域(8200H〜8FFFH、9081H〜FFFFH)と、を含む。
ROM41bにおけるHWパラメータ領域に設定されるパラメータは、プログラム/データ領域で使用するROM領域の最終アドレス(HPRGEND)、アクセス禁止するRAM領域の開始アドレス(HRAMSTAT)及び最終アドレス(HRAMEND)を含む。
図6は、メイン制御部41のROM41bにおけるプログラム/データ領域及びRAM41cにおける使用可能領域のアドレスマップである。
図6(a)に示すように、ROM41bにおけるプログラム/データ領域は、遊技の進行に係わる遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技プログラムが用いる遊技データが記憶される遊技データ領域と、未使用領域1と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、非遊技プログラムが用いる非遊技データが記憶される非遊技データ領域と、未使用領域2と、を含む。
尚、遊技の進行とは、遊技を構成する一連のプロセスを進行させることであり、スロットマシンであれば、賭数を設定してゲームを開始可能とする段階、ゲームを開始してリールを回転させる段階、リールを停止させて表示結果を導出させる段階、表示結果に応じてメダル等の価値を付与する段階を進行させることである。
遊技プログラム領域は0000H〜097EHに割り当てられ、遊技データ領域は097FH〜12FFHに割り当てられ、非遊技プログラム領域は1380H〜1D02Hに割り当てられ、非遊技データ領域は1D03H〜267DHに割り当てられている。また、遊技データ領域と非遊技プログラム領域との間の領域(1357H〜137FH)は未使用領域1とされ、ROM41bにおけるプログラム/データ領域のうち非遊技データ領域より後の領域(267EH〜26FFH)は未使用領域2とされており、未使用領域1、2には全ての領域に0が格納されている。
このように遊技の進行に係わる遊技プログラム領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムと、がそれぞれ別個に割り当てられているとともに、遊技プログラム領域及び非プログラム領域のうちROM41bの記憶領域において後方に割り当てられていた非プログラム領域の手前の領域は、少なくとも16バイト以上の未使用領域1が割り当てられているため、遊技の進行に係わる遊技プログラム領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムと、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる。
また、遊技プログラム領域と遊技データ領域、非遊技プログラム領域と非遊技データ領域はそれぞれ連続する領域に割り当てられる一方、遊技の進行に係わる遊技プログラム領域及び遊技データ領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラム及び非遊技データ領域と、が少なくとも16バイト以上の未使用領域1を挟んで連続しない領域に割り当てられているため、遊技の進行に係わる遊技プログラム領域及び遊技データ領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラム及び非遊技データ領域と、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる。
尚、上記において記憶領域の前後とは、記憶領域に割り当てられたアドレス値の大小関係であり、アドレスが小さい方が前方となり、アドレスが大きい方が後方となる。このため、一の記憶領域よりも後方に割り当てられた記憶領域とは、一の記憶領域よりもアドレス値が大きい記憶領域が該当し、一の記憶領域よりも前方に割り当てられた記憶領域とは、一の記憶領域よりもアドレス値が小さい記憶領域が該当する。
また、非遊技プログラム領域よりも後方に遊技プログラムが割り当てられ、非遊技プログラム領域よりも後方に割り当てられた遊技プログラムの手前に未使用領域が割り当てられた構成としても良く、このような構成においても遊技の進行に係わる遊技プログラム領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムと、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる。
また、遊技プログラム領域と、非遊技プログラム領域と、が未使用領域1を挟んで隣接する領域に割り当てる構成としても良く、このような構成であっても、遊技の進行に係わる遊技プログラム領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムと、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる。
また、ROM41bのプログラム/データ領域の未使用領域1、2には、全ての領域に0値が格納されているため、遊技プログラム領域及び遊技データ領域と、非遊技プログラム領域及び非遊技データと、未使用領域1、2と、を容易に区別することができるとともに、未使用領域1、2に不正なデータが格納されている場合でも容易に発見することができる。
尚、ROM41bのプログラム/データ領域の未使用領域1、2における全ての領域に1が格納される構成としても良く、このような構成とした場合でも、遊技プログラム領域及び遊技データ領域と、非遊技プログラム領域及び非遊技データと、未使用領域1、2と、を容易に区別することができるとともに、未使用領域1、2に不正なデータが格納されている場合でも容易に発見することができる。
また、遊技プログラム領域及び非遊技プログラム領域はいずれも、アドレスを2進数表記した場合に下位4桁の値が同じ0のアドレス(0H)から開始するようになっており、ROM41bのプログラム/データ領域のうち遊技の進行に係る遊技プログラム領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラム領域と、を他の領域と容易に区別することができる。
また、遊技プログラム領域及び非遊技プログラム領域はいずれも、アドレスを2進数表記した場合に下位4桁の値が同じ0のアドレスから開始するだけでなく、16進数表記した場合に下位1桁の値が同じ0のアドレス(0H)から開始するので、アドレスを2進数表記した場合だけでなく、16進数表記した場合にも遊技プログラム領域と、非遊技プログラム領域と、を他の領域と容易に区別することができる。
尚、遊技プログラム領域及び非遊技プログラム領域がいずれも、アドレスを2進数表記したか、16進数表記したか、に関わらず、下位N(Nは1以上の自然数)桁が同じ値のアドレスから開始する構成であれば、遊技プログラム領域と、非遊技プログラム領域と、を他の領域と容易に区別することが可能であり、例えば、下位N(Nは1以上の自然数)桁の値が同じ1のアドレスから開始する構成でも同様の効果が得られるものである。
図6(b)に示すように、RAM41cの使用可能領域は、遊技プログラムがワークとして用いる遊技RAM領域と、未使用領域3と、非遊技プログラムがワークとして用いる非遊技RAM領域と、未使用領域4と、スタック領域と、を含む。
遊技RAM領域は8000H〜805BHに割り当てられ、非遊技RAM領域は8070H〜814CHに割り当てられ、スタック領域は8170H〜81FFHに割り当てられている。また、遊技RAM領域と非遊技RAM領域の間の領域(805CH〜806FH)、非遊技RAM領域とスタック領域の間の領域(814DH〜816FH)は、それぞれ未使用領域3、4とされ、未使用領域3、4には全ての領域に0が格納される。また、スタック領域のうちスタックポインタ(SP)〜81FFHまでが使用中スタック領域となり、それ以外の816FH〜SPまでは未使用スタック領域となる。このように遊技プログラムがワークとして用いる遊技RAM領域と、非遊技プログラムがワークとして用いる非遊技RAM領域と、は少なくとも16バイト以上の未使用領域3を挟んで連続しない領域に割り当てられている。
このように遊技RAM領域と、非遊技RAM領域と、は少なくとも16バイト以上の未使用領域3を挟んで連続しない領域に割り当てられているため、遊技の進行に係わる遊技プログラムが用いる遊技RAM領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが用いる非遊技RAM領域と、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる。
以下では、遊技プログラム領域、遊技データ領域及び遊技RAM領域をまとめて遊技領域と称す場合があり、非遊技プログラム領域、非遊技データ領域及び非遊技RAM領域をまとめて非遊技領域と称す場合がある。また、未使用領域1及び未使用領域2、未使用領域3及び未使用領域4をまとめて未使用領域と称す場合がある。
メイン制御部41は、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、ROM41bのプログラム/データ領域のうち先頭アドレス(0000H)からHPRGENDに設定されたアドレス(267DH)までの領域(遊技プログラム領域、遊技データ領域、未使用領域1、非遊技プログラム領域、非遊技データ領域)へのアクセスを許可に一括設定し、HPRGENDに設定されたアドレス(267DH)より後のアドレス(267EH)から26FFHの間の領域(未使用領域2)へのアクセスを禁止に設定する。また、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、RAM41cの使用可能領域のうち先頭アドレス(8000H)からHRAMSTATに設定されたアドレス(814DH)の前までの領域(遊技RAM領域、未使用領域3、非遊技RAM領域)、HRAMENDに設定されたアドレス(816FH)より後のアドレス(8170H)から81FFHまでの領域(スタック領域)へのアクセスを許可に設定し、HRAMSTATに設定されたアドレス(814DH)からHRAMENDに設定されたアドレス(816FH)の間の領域(未使用領域4)へのアクセスを禁止に設定する。尚、ROM41bのうちプログラム/データ領域以外の領域へのアクセス、RAM41cのうち使用可能領域以外の領域へのアクセスについては一律に禁止に設定する。
そして、メイン制御部41は、ROM41bのプログラム/データ領域のうちHPRGENDに設定されたアドレス(267EH)より後のアドレス(267FH)から26FFHの間の未使用領域2へアクセスがあったとき、ROM41bのうちプログラム/データ領域以外の領域へのアクセスがあったとき、RAM41cの使用可能領域のうちHRAMSTATに設定されたアドレス(814DH)からHRAMENDに設定されたアドレス(816FH)の間の未使用領域4へのアクセスがあったとき、RAM41cのうち使用可能領域以外の領域へのアクセスがあったときに、不正アクセスと判断してイリーガルアクセスリセットを発生させる。イリーガルアクセスリセットが発生すると、後述する特殊エラー状態に制御され、遊技の進行が不能化されるとともに、設定変更状態に移行し、新たに設定値が設定されるまで解除されないようになっている。
このようにメイン制御部41は、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、ROM41bのプログラム/データ領域のうちアクセスが禁止された領域へのアクセスがあったとき、RAM41cの使用可能領域のうちアクセスが許可に設定されていない領域へのアクセスがあったとき、ROM41bのうちプログラム/データ領域以外の領域へのアクセスがあったとき、RAM41cのうち使用可能領域以外の領域へのアクセスがあったときに、すなわち正常な動作ではアクセスすることのないメモリ領域へのアクセスがあったときにイリーガルアクセスリセットを発生させることで、遊技の進行を不能化させるので、ROM41bの未使用領域や動作とは関係しない領域、RAM41cの未使用領域等に不正なプログラムが格納された場合であっても、不正なプログラムが実行されてしまうことを防止できる。
特に本実施例では、ROM41bのうちプログラムによってアクセスが許可されたプログラム/データ領域に遊技プログラム領域と、非遊技プログラム領域と、が割り当てられ、遊技プログラム領域よりも後方の非遊技プログラム領域の手前の領域に未使用領域1が割り当てられるとともに、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、プログラム/データ領域のうち遊技プログラム領域の先頭アドレスから非遊技プログラムの最終アドレスまでの領域を含む一かたまりの領域(遊技プログラム領域から非遊技データ領域までの領域)へのアクセスを一括して許可に設定する一方で、それ以外の領域、すなわちプログラム/データ領域のうち遊技プログラムや遊技データ、非遊技プログラム、非遊技データが格納されていない非遊技データよりも後の領域へのアクセスが禁止されるため、不正プログラムや不正データによる意図しない制御が行われてしまうことを防止できる。
また、ROM41bのうちプログラムによってアクセスが許可されたプログラム/データ領域において非遊技プログラム領域よりも後方に遊技領域が割り当てられ、非遊技プログラム領域よりも後方の遊技プログラム領域の手前の領域に未使用領域が割り当てられるとともに、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、プログラム/データ領域のうち非遊技プログラム領域の先頭アドレスから遊技プログラムの最終アドレスまでの領域を含む一かたまりの領域へのアクセスを一括して許可に設定する一方で、それ以外の領域へのアクセスが禁止されるようにしても、不正プログラムや不正データによる意図しない制御が行われてしまうことを防止できる。
尚、本実施例では、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、プログラム/データ領域のうち遊技プログラム領域の先頭アドレスから非遊技プログラムの最終アドレスまでの領域を含む一かたまりの領域(遊技プログラム領域から非遊技データ領域までの領域)へのアクセスを一括して許可に設定する構成であるが、プログラム/データ領域に遊技プログラム領域と、非遊技プログラム領域と、が割り当てられ、遊技プログラム領域よりも後方の非遊技プログラム領域の手前の領域に未使用領域1が割り当てられるとともに、プログラム/データ領域のうち遊技プログラム領域を含む一かたまりの領域(遊技プログラム領域から遊技データ領域までの領域)、非遊技プログラムを含む一かたまりの領域(非遊技プログラム領域から非遊技データ領域までの領域)へのアクセスをそれぞれ許可に設定し、他の領域へのアクセスを禁止する構成としても良く、このような構成とした場合でも、プログラム/データ領域のうち遊技プログラムや非遊技プログラムが格納されていない領域へのアクセスが禁止されるため、不正プログラムや不正データによる意図しない制御が行われてしまうことを防止できる。また、ROM41bのうちプログラムによってアクセスが許可されたプログラム/データ領域において非遊技プログラム領域よりも後方に遊技領域が割り当てられ、非遊技プログラム領域よりも後方の遊技プログラム領域の手前の領域に未使用領域が割り当てられるとともに、プログラム/データ領域のうち遊技プログラム領域を含む一かたまりの領域(遊技プログラム領域から遊技データ領域までの領域)、非遊技プログラムを含む一かたまりの領域(非遊技プログラム領域から非遊技データ領域までの領域)へのアクセスをそれぞれ許可に設定し、他の領域へのアクセスを禁止する構成としても良く、このような構成とした場合でも、プログラム/データ領域のうち遊技プログラムや非遊技プログラムが格納されていない領域へのアクセスが禁止されるため、不正プログラムや不正データによる意図しない制御が行われてしまうことを防止できる。
また、上記では、プログラム/データ領域においてアクセスを許可する領域そのものを設定する構成であるが、プログラム/データ領域においてアクセスを禁止する領域を設定することで、間接的にアクセスを許可する領域が設定される構成としても良い。
メイン制御部41は、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、ROM41bのプログラム/データ領域のうちIATSTAT1に設定されたアドレス(0000H)からIATEND1に設定されたアドレス(097EH)までの領域(遊技プログラム領域)、IATSTAT2に設定されたアドレス(1380H)からIATEND2に設定されたアドレス(1D02H)までの領域(非遊技プログラム領域)を、IAT回路506aがプログラム走行を許可する指定エリアとして設定する。
そして、IAT回路506aは、IATSTAT1に設定されたアドレス(0000H)からIATEND1に設定されたアドレス(097EH)までの領域(遊技プログラム領域)、IATSTAT2に設定されたアドレス(1380H)からIATEND2に設定されたアドレス(1D02H)までの領域(非遊技プログラム領域)、すなわちプログラム走行を許可する指定エリア以外の領域(ROM41bのプログラム/データ領域のうちの遊技データ領域、非遊技データ領域、未使用領域1、2、ROM41bのプログラム/データ領域以外の領域)においてユーザプログラムが実行された場合に、IAT発生信号を出力するようになっている。そして、CPU41aは、IAT発生信号が出力された場合に、後述する特殊エラー状態に制御され、遊技の進行が不能化されるとともに、設定変更状態に移行し、新たに設定値が設定されるまで解除されないようになっている。
このようにメイン制御部41は、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、プログラム走行を許可する指定エリア以外の領域においてユーザプログラムが実行された場合、すなわち正常な動作ではユーザプログラムが実行されることのない領域でユーザプログラムが実行された場合に、IAT回路506aがIAT発生信号を出力することで、遊技の進行を不能化させるので、ROM41bの未使用領域や動作とは関係しない領域、RAM41cの未使用領域等に不正なプログラムが格納された場合であっても、不正なプログラムが実行されてしまうことを防止できる。
特に本実施例では、ROM41bのうちプログラムによってアクセスが許可されたプログラム/データ領域に遊技プログラム領域と、非遊技プログラム領域と、が割り当てられ、遊技プログラム領域よりも後方の非遊技プログラム領域の手前の領域に未使用領域1が割り当てられるとともに、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、プログラム/データ領域のうち遊技プログラム領域、非遊技プログラム領域の各々について、IAT回路506aがプログラム走行を許可する指定エリアとして設定する一方で、それ以外の領域、すなわちプログラム/データ領域のうち遊技プログラムや非遊技プログラムが格納されていない領域でのプログラム走行が禁止されるため、不正プログラムや不正データによる意図しない制御が行われてしまうことを防止できる。
また、ROM41bのうちプログラムによってアクセスが許可されたプログラム/データ領域において非遊技プログラム領域よりも後方に遊技領域が割り当てられ、非遊技プログラム領域よりも後方の遊技プログラム領域の手前の領域に未使用領域が割り当てられるとともに、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、プログラム/データ領域のうち遊技プログラム領域、非遊技プログラム領域の各々について、IAT回路506aがプログラム走行を許可する指定エリアとして設定する一方で、それ以外の領域でのプログラム走行が禁止されるようにしても、不正プログラムや不正データによる意図しない制御が行われてしまうことを防止できる。
尚、本実施例では、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、プログラム/データ領域のうち遊技プログラム領域、非遊技プログラム領域の各々について、IAT回路506aがプログラム走行を許可する指定エリアとして設定する構成であるが、プログラム/データ領域に遊技プログラム領域と、非遊技プログラム領域と、が割り当てられ、遊技プログラム領域よりも後方の非遊技プログラム領域の手前の領域に未使用領域1が割り当てられるとともに、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、プログラム/データ領域のうち遊技プログラム領域の先頭アドレスから非遊技プログラムの最終アドレスまでの領域を含む一かたまりの領域(遊技プログラム領域から非遊技データ領域までの領域)について、IAT回路506aがプログラム走行を許可する指定エリアとして一括して設定し、他の領域でのプログラム走行が禁止される構成としても良く、このような構成とした場合でも、プログラム/データ領域のうち遊技プログラムや非遊技プログラムが格納されていない領域でのプログラム走行が禁止されるため、不正プログラムや不正データによる意図しない制御が行われてしまうことを防止できる。また、ROM41bのうちプログラムによってアクセスが許可されたプログラム/データ領域において非遊技プログラム領域よりも後方に遊技領域が割り当てられ、非遊技プログラム領域よりも後方の遊技プログラム領域の手前の領域に未使用領域が割り当てられるとともに、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、プログラム/データ領域のうち非遊技プログラム領域の先頭アドレスから遊技プログラムの最終アドレスまでの領域を含む一かたまりの領域(遊技プログラム領域から非遊技データ領域までの領域)について、IAT回路506aがプログラム走行を許可する指定エリアとして一括して設定し、他の領域でのプログラム走行が禁止されるようにしても、不正プログラムや不正データによる意図しない制御が行われてしまうことを防止できる。
また、上記では、プログラム/データ領域においてプログラム走行を許可する領域そのものを設定する構成であるが、プログラム/データ領域においてプログラム走行を禁止する領域を設定することで、間接的にプログラム走行を許可する領域が設定される構成としても良い。
ROM41bに格納された遊技プログラムのうち特に使用頻度の高いサブルーチンは、ROM41bの遊技プログラム領域のうち先頭アドレスが特定値(例えば08H)となる領域に格納されている。一方、ROM41bのベクタテーブル領域には、CALLV命令で呼び出すサブルーチンの上位アドレスとして特定値が設定されている。そして、メイン制御部41は、先頭アドレスの上位アドレスが特定値となるサブルーチンを呼び出すときに、CALLV命令を用いて下位アドレスのみ指定することで、上位アドレスとしてベクタテーブル領域に設定された特定値を特定し、下位アドレスとして指定された下位アドレスを特定し、上位及び下位を合わせたアドレスに格納されたサブルーチンを呼び出して実行する。このため、遊技プログラムのうち特に使用頻度の高いサブルーチンを呼び出す際に用いるアドレスの一部を構成する上位アドレスが特定値として予めベクタテーブルに設定されており、ベクタテーブルに設定された特定値に基づいてアドレスが特定されるため、これらのサブルーチンを呼び出す際にアドレスを指定するためのプログラムの無駄を削減することができる。
尚、ROM41bに格納された非遊技プログラムのうち特に使用頻度の高いサブルーチンを、ROM41bの非遊技プログラム領域のうち先頭アドレスが特定値となる領域に格納するとともに、ROM41bのベクタテーブル領域に、CALLV命令で呼び出すサブルーチンの上位アドレスとして特定値を設定し、メイン制御部41が先頭アドレスの上位アドレスが特定値となるサブルーチンを呼び出すときに、CALLV命令を用いて下位アドレスのみ指定することで、これらのサブルーチンを呼び出して実行する構成とした場合でも、これらのサブルーチンを呼び出す際にアドレスを指定するためのプログラムの無駄を削減することができる。
また、CALLV命令で呼び出す際に用いる上位アドレスを、ベクタテーブル領域ではなく、メイン制御部41の特定のレジスタに設定する構成としても良い。
また、ROM41bに格納された遊技データのうち特に使用頻度の高い遊技データを、ROM41bの遊技データ領域のうち先頭アドレスが特定値となる領域に格納するとともに、ROM41bのベクタテーブル領域に、特殊なLD命令で読み出すデータの上位アドレスとして特定値を設定し、メイン制御部41が先頭アドレスの上位アドレスが特定値となる遊技データを呼び出すときに、特殊なLD命令を用いて下位アドレスのみ指定することで、これらの遊技データを読み出す構成とした場合でも、これらの遊技データを読み出す際にアドレスを指定するためのプログラムの無駄を削減することができる。
また、ROM41bに格納された非遊技データのうち特に使用頻度の高い非遊技データを、ROM41bの非遊技データ領域のうち先頭アドレスが特定値となる領域に格納するとともに、ROM41bのベクタテーブル領域に、特殊なLD命令で読み出すデータの上位アドレスとして特定値を設定し、メイン制御部41が先頭アドレスの上位アドレスが特定値となる非遊技データを呼び出すときに、特殊なLD命令を用いて下位アドレスのみ指定することで、これらの非遊技データを読み出す構成とした場合でも、これらの非遊技データを読み出す際にアドレスを指定するためのプログラムの無駄を削減することができる。
また、これらの場合でも特殊なLD命令で呼び出す際に用いる上位アドレスを、ベクタテーブル領域ではなく、メイン制御部41の特定のレジスタに設定する構成としても良い。
また、メイン制御部41は、システムリセット信号の入力によるシステムリセット、WDT506bによるWDTリセット、前述のイリーガルアクセスリセットが発生することで起動することとなるが、この際、ベクタテーブル領域に設定された値が、0000H〜HPRGENDに設定されたアドレスの領域、すなわちプログラム領域のうちプログラム等が実際に格納された領域を示す値であるか、またはFFFFH(未使用のベクタテーブル領域に設定される値)であるか、を判定し、ベクタテーブル領域に設定された値が0000H〜HPRGENDに設定されたアドレスの領域を示す値でもなく、FFFFHでもない場合には、起動しないようになっている。
このようにメイン制御部41は、ベクタテーブル領域に設定された値、すなわち後述するCALLV命令のサブルーチンの上位アドレス及びタイマ割込処理(メイン)の先頭アドレスが、プログラムが設定される領域外を示す値である場合に起動しないことで、割込の発生等により本来意図していない処理が実行されてしまうことを事前に防止できる。
遊技プログラムとは、前述のように遊技の進行に係わるプログラムであり、当該プログラムに基づく処理を実行しないと、遊技の進行に支障をきたす処理を実行するためのプログラムである。
一方、非遊技プログラムとは、前述のように遊技の進行に係わらないプログラムであり、遊技プログラムから呼び出されて当該プログラムに基づく処理が実行されずに遊技プログラムに復帰した場合でも、遊技を進行させることが可能な処理を実行するためのプログラムである。
遊技プログラムは、図7に示すように、遊技プログラムだけに含まれる遊技専用プログラムと、遊技プログラム及び非遊技プログラム双方に含まれる共通判定プログラム及び共通汎用プログラムと、を含む。
遊技専用プログラムは、例えば、BET処理、内部抽選処理、リール回転処理、払出処理、外部出力1処理を含む。BET処理は、1ゲームの制御の終了後、メダルの投入等により賭数を設定し、規定数の賭数が設定された後、スタートスイッチ7が操作されることでゲームを開始させるための処理であり、内部抽選処理は、内部抽選を行い、当選フラグの設定等を行う処理であり、リール回転処理は、リールの回転を開始し、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されることでリールを停止させるための処理であり、払出処理は、停止したリールの停止位置に応じて入賞が発生したか否かを判定し、メダルの払出、再遊技の設定、遊技状態の移行等を行うための処理であり、外部出力1処理は、外部出力信号のうちメダルIN信号、メダルOUT信号、RB中信号、BB中信号、RT中信号の出力制御を行うための処理である。また、特に図示しないが、遊技プログラムは、前述のATに関連する処理(ATに係る抽選やナビ報知に係る制御等)、前述の内部当選コマンドを送信する処理も含む。
遊技プログラムにおける共通判定プログラムは、例えば、投入判定処理、払出判定処理を含む。投入判定処理は、投入メダルセンサ31によるメダルの正常な通過であるか否かを判定する処理であり、賭数の設定等のためにメダルの投入が可能な状態において実行される処理である。払出判定処理は、払出センサ34cによるメダルの正常な通過であるか否かを判定する処理であり、小役の入賞時やクレジットの精算時にメダルの払出が許可されている状態において実行される処理である。
遊技プログラムにおける共通汎用プログラムは、遊技プログラムを構成する複数種類の処理から呼び出されて実行される処理であり、例えば、カウンタ更新処理、ポート入力処理、データ変換処理、LED表示処理、データ設定処理、コマンド設定処理を含む。カウンタ更新処理は、指定されたカウンタ値を更新するための処理であり、ポート入力処理は、指定されたポートの入力状態を取得する処理であり、データ変換処理は、遊技データを用いて入力されたデータを変換して出力する処理であり、LED表示処理は、指定された値をLEDに表示させるために設定する処理であり、データ設定処理は、指定されたデータを設定する処理であり、コマンド設定処理は、指定されたコマンドをコマンドキューに設定する処理である。
非遊技プログラムは、図7に示すように、非遊技プログラムだけに含まれる非遊技専用プログラムと、遊技プログラムと同じ共通判定プログラム及び共通汎用プログラムと、を含む。
非遊技専用プログラムは、例えば、試験信号出力処理、異物検知処理、ドア監視処理、外部出力2処理、投入メダルエラー判定処理、払出メダルエラー判定処理、起動処理、設定値異常確認処理、エラー処理を含む。試験信号出力処理は、遊技の結果に関連して発生する試験信号を出力するための処理であり、異物検知処理は、投入口センサ26によるメダル通路内の異物を検知するための処理であり、ドア監視処理は、前面扉1bの開放を検知するための処理であり、外部出力2処理は、外部出力信号のうちセキュリティ信号(ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号)の出力制御を行うための処理であり、投入メダルエラー判定処理は、投入メダルセンサ31の検出状況に基づいて投入メダルの逆流検知、メダルセレクタ29内のメダル詰り検知、メダルセレクタ29内の異物検知を行うための処理であり、払出メダルエラー判定処理は、払出センサ34cの検出状況に基づいて払出メダルの逆流検知、払出口付近のメダル詰り検知、払出口付近の異物検知を行うための処理であり、起動処理は、電源投入時においてゲームを可能な状態とするための処理(乱数異常確認、RAM異常確認、バックアップ異常確認、レジスタ初期化等)であり、設定値異常確認処理は、設定値が正常な範囲の値であるか否かを判定するための処理であり、エラー処理は、各種の異常(メダルの投入異常、メダルセレクタ29内の異物検知、リール回転異常、メダルの払出異常、払出口付近の異物検知、RAM異常、設定値異常、ホッパータンク34aの空、オーバーフロータンク35の満タン検知等)が検知された場合に遊技を不能化するための処理である。
非遊技プログラムにおける共通汎用プログラムは、非遊技プログラムを構成する複数種類の処理から呼び出されて実行される処理であり、遊技プログラムにおける共通汎用プログラムと同様に、例えば、カウンタ更新処理、ポート入力処理、データ変換処理、LED表示処理、データ設定処理、コマンド設定処理を含む。
特に、非遊技プログラムは、上述のように異常が検知された場合に、異常の種別に応じた解除条件(乱数異常、RAM異常、バックアップ異常、設定値異常の場合は、設定値の再設定、それ以外の異常の場合はリセット操作)が成立するまで遊技の進行を不能化するエラー処理を含む。
また、非遊技プログラムは、遊技の進行に係わらない検知手段(投入口センサ26、満タンセンサ35a、ドア開放検出スイッチ25)の検出状況に基づいて所定の検出状況か否かを判定する処理を含む。
また、非遊技プログラムは、複数の制御状態(BET処理、内部抽選処理、リール回転処理、払出処理)のうち特定の制御状態においては、遊技の進行に係わる検知手段として機能し、他の制御状態においては、遊技の進行に係わらない検出手段として機能する検出手段(例えば、投入メダルセンサ31、払出センサ34c)が、遊技の進行に係わらない制御状態での検出状況に基づいて所定の検出状況か否かを判定する処理(例えば、リール回転中のメダルの投入やメダルの払出が検出されたことによる異常を検知するための投入メダルの検出処理や払出メダルの検出処理)を含む。尚、このような判定処理は、遊技プログラムにおいて遊技の進行に係わる制御状態での検出状況に基づいて所定の検出状況か否かを判定する処理と同じ処理であるため、共通判定プログラムに該当する。
尚、遊技プログラムに含まれる処理のうち、外部出力1処理、BET処理においてメダルの投入数を計数する処理、流路切替ソレノイド30を切り替える処理、払出処理においてメダルの払出数を計数する処理、ホッパータンク34aが空になったことを検知する処理、ソフトウェア乱数を更新する処理、ATに関連する処理、内部当選コマンドの送信処理等、ゲームの進行に直接的には関連しないものであればこれらの処理の全部または一部が非遊技プログラムに含まれる構成であっても良い。一方で、非遊技プログラムに含まれる処理のうち起動処理、設定値異常確認処理等、遊技の進行に間接的に関連するものであればこれらの処理の全部または一部が遊技プログラムに含まれる構成であっても良い。
本実施例においてメイン制御部41のCPU41aは、図8に示すように、遊技プログラムに基づく処理において非遊技プログラムを呼び出して非遊技プログラムに基づく処理を実行し、非遊技プログラムに基づく処理の終了後、遊技プログラムに基づく処理に復帰する。
CPU41aは、図9に示すように、遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出した場合に、非遊技プログラムの最初に、CPU41aが演算に用いる演算用のレジスタ(A、F、BC、DE、HLレジスタ、以下では、演算用のレジスタを単にレジスタと称す)の値を全てスタック領域に退避し、遊技プログラムが使用していたデータを保護する。そして、非遊技プログラムに基づく処理が全て終了した後、スタック領域に退避していた値をレジスタに復帰し、その後、遊技プログラムに基づく処理に復帰するようになっている。
尚、本実施例では、遊技プログラムが使用していたレジスタの値をスタック領域に退避することで保護する構成であるが、表レジスタと裏レジスタの値を変更することで遊技プログラムが使用していたレジスタの値を保護する構成としても良い。
また、本実施例では、遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出した場合に、非遊技プログラムの最初に、遊技プログラムが使用していたレジスタの値を保護し、非遊技プログラムの最後に、保護されているレジスタの値を復帰させる構成であるが、遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出す直前に遊技プログラムが使用していたレジスタの値を保護し、非遊技プログラムに基づく処理が全て終了した後に、遊技プログラムに復帰した最初の段階で保護されているレジスタの値を復帰させる構成、遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出した場合に、非遊技プログラムの最初に、遊技プログラムが使用していたレジスタの値を保護し、非遊技プログラムに基づく処理が全て終了した後に、遊技プログラムに復帰した最初の段階で保護されているレジスタの値を復帰させる構成、遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出す直前に遊技プログラムが使用していたレジスタの値を保護し、非遊技プログラムの最後に、保護されているレジスタの値を復帰させる構成としても良い。
図8に示すように、CPU41aは、原則として遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、遊技データ領域の遊技データを参照して遊技プログラムに基づく処理を実行するとともに、遊技RAM領域をワークとして使用し、遊技RAM領域の内容を参照及び更新することが可能である。また、CPU41aは、原則として非遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、非遊技データ領域の遊技データを参照して非遊技プログラムに基づく処理を実行するとともに、非遊技RAM領域をワークとして使用し、非遊技RAM領域の内容を参照及び更新することが可能である。
また、CPU41aは、遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、非遊技データ領域を参照することはなく、非遊技RAM領域を更新することはないが、非遊技RAM領域を参照することは可能であり、非遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、遊技データ領域を参照することはなく、遊技RAM領域を更新することはないが、遊技RAM領域を参照することは可能である。
また、遊技プログラムに基づく処理は、非遊技RAM領域のうち遊技プログラムに必要な特定の領域(例えば、異常の検知を示すエラーフラグの設定領域等)のみ参照可能とされており、非遊技プログラムに基づく処理は、遊技RAM領域のうち非遊技プログラムに必要な特定の領域(例えば、内部当選フラグの設定領域、遊技状態の設定領域、RTの設定領域等)のみ参照可能とされている。また、非遊技RAM領域のうち遊技プログラムに基づく処理が参照可能な特定の領域、遊技RAM領域のうち非遊技プログラムに基づく処理が参照可能な特定の領域は、連続するアドレス領域に割り当てられることが好ましいが、一部または全部が連続しないアドレス領域に割り当てられる構成であっても良い。
ただし、起動処理におけるRAM異常確認、バックアップ異常確認、RAM41cの初期化、後述する電断処理は、非遊技プログラムに含まれるが、これらの処理は例外として、RAM41cの全領域へのアクセスが可能とされている。
このように本実施例では、遊技の進行に係る遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技プログラムが参照する遊技データが読み出し可能に記憶される遊技データ領域と、遊技プログラムが参照するワークデータが読み出し及び書き込み可能に記憶される遊技RAM領域と、遊技プログラムによって呼び出されるプログラムであり、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、非遊技プログラムが参照する非遊技データが読み出し可能に記憶される非遊技データ領域と、非遊技プログラムが参照するワークデータが読み出し及び書き込み可能に記憶される非遊技RAM領域と、がそれぞれ別個に割り当てられているため、遊技プログラム、遊技データ及び遊技プログラムのワークデータと、非遊技プログラム、非遊技データ及び非遊技プログラムのワークデータと、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる。
また、遊技プログラム領域及び遊技データ領域と、非遊技プログラム領域及び非遊技データ領域と、を分けることで、それぞれの機能に応じてROM41bに占める領域をコンパクトに管理することができるため、各領域において該当するデータを特定することがさらに容易となる。
また、本実施例では、遊技プログラムを実行する際に、非遊技RAM領域を参照することが可能であり、非遊技プログラムを実行する際に、遊技RAM領域を参照することが可能であるため、遊技プログラムを実行するにあたり、非遊技プログラムが使用していたデータを簡単に利用することができ、非遊技プログラムを実行するにあたり、遊技プログラムが使用していたデータを簡単に利用することができる。一方で、遊技プログラムを実行する際に、非遊技RAM領域を更新することは不可能であり、非遊技プログラムを実行する際に、遊技RAM領域を更新することは不可能であるため、遊技プログラムが非遊技プログラムの処理に影響を及ぼすことなく、非遊技プログラムが遊技プログラムの処理に影響を及ぼすことがない。
また、本実施例では、遊技プログラムに基づく処理は、非遊技RAM領域のうち遊技プログラムに必要な特定の領域(例えば、異常の検知を示すエラーフラグの設定領域等)のみ参照可能とされており、非遊技プログラムに基づく処理は、遊技RAM領域のうち非遊技プログラムに必要な特定の領域(例えば、内部当選フラグの設定領域、遊技状態の設定領域、RTの設定領域等)のみ参照可能とされているので、遊技プログラムが非遊技RAM領域において参照可能なデータ、非遊技プログラムが参照可能なデータが特定の領域に制限されているため、遊技プログラムまたは非遊技プログラムの参照先を容易に特定することができる。
また、本実施例では、非遊技プログラムが、異常が検知された場合に、異常の種別に応じて解除条件が成立するまで遊技の進行を不能化するエラー処理を含むため、非遊技プログラムにおける処理で異常等が検知されたときにそのまま遊技が進行してしまうことを防止できる。
また、本実施例では、非遊技プログラムが、遊技プログラムに含まれる共通判定プログラム(例えば、投入判定処理、払出判定処理)と同じ内容の共通判定プログラムを含むため、遊技プログラム及び非遊技プログラムが互いの結果に影響を及ぼさずに同様の判定を行うことができる。
また、本実施例では、非遊技プログラムが、非遊技プログラムを構成する複数種類の処理から呼び出されて実行される処理であり、遊技プログラムに含まれる共通汎用プログラムと同様の共通汎用プログラムを含むため、処理内容が同じ共通汎用プログラムであっても遊技プログラムと非遊技プログラムとでそれぞれ備えるため、処理内容が同じ共通汎用プログラムであっても遊技プログラムに含まれるものか非遊技プログラムに含まれるものかを容易に特定することができる。
また、本実施例では、非遊技プログラムが、遊技の進行に係わらない検知手段(投入口センサ26、満タンセンサ35a、ドア開放検出スイッチ25)の検出状況に基づいて所定の検出状況か否かを判定する処理を含むため、遊技の進行に係わらない検知手段により所定の検出がされたか否かの判定は非遊技プログラムにより行われることで遊技プログラムが複雑となってしまうことがない。
また、本実施例では、非遊技プログラムが、複数の制御状態(BET処理、内部抽選処理、リール回転処理、払出処理)のうち特定の制御状態においては、遊技の進行に係わる検知手段として機能し、他の制御状態においては、遊技の進行に係わらない検出手段として機能する検出手段(例えば、投入メダルセンサ31、払出センサ34c)が、遊技の進行に係わらない制御状態での検出状況に基づいて所定の検出状況か否かを判定する処理(例えば、リール回転中のメダルの投入やメダルの払出が検出されたことによる異常を検知するための投入メダルの検出処理や払出メダルの検出処理)を含むため、上記のような検出手段の検出結果が遊技の進行に用いられない状況では、当該検出手段により所定の検出がされたか否かの判定は非遊技プログラムにより行われることで、当該検出手段の検出結果が遊技の進行に用いられない状況においても検出手段の検出結果を利用できるうえに、遊技プログラムが必要以上に複雑となってしまうことがない。
また、本実施例では、遊技プログラムが非遊技プログラムを呼び出して非遊技プログラムを実行する際に、遊技プログラムが実際に使用していたレジスタであるか否かに関わらずレジスタの全ての領域を保護する処理が行われるため、遊技プログラムに復帰する際に、非遊技プログラムが呼び出された時点の状態から確実に復帰することができる。
また、本実施例では、遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出した場合に、非遊技プログラムの最初に、遊技プログラムが使用していたレジスタの値を保護し、非遊技プログラムの最後に、保護されているレジスタの値を復帰させるようになっているため、遊技プログラムの容量を削減することができる。
尚、遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出す直前に遊技プログラムが使用していたレジスタの値を保護し、非遊技プログラムに基づく処理が全て終了した後に、遊技プログラムに復帰した最初の段階で保護されているレジスタの値を復帰させる構成としても良く、このような構成とすることで、非遊技プログラムの呼び出し前にレジスタの保護処理が行われ、非遊技プログラムからの復帰後にレジスタの復旧処理が行われるため、非遊技プログラムによってレジスタに記憶されたデータが遊技プログラムに影響を及ぼすことがない。
次に、本実施例におけるメイン制御部41が実行する各種制御内容を、図10〜図22に基づいて以下に説明する。
メイン制御部41は、リセットの発生により起動すると、起動時設定を行う。起動時設定では、メイン制御部41が備えるステータスフラグを初期化する。ステータスフラグは、命令の演算結果や実行結果の状態を保持するデータであり、特に割込の禁止/許可を設定する割込マスタ許可フラグを含む。割込マスタ許可フラグの初期値は割込の禁止を示す値であるため、メイン制御部41は、割込が禁止された状態で起動することとなる。
その後、メイン制御部41は、HWパラメータを参照して各種機能を設定した後、プログラム/データ領域に格納されたプログラムに従って、図10のフローチャートに示す初期設定処理を行う。初期設定処理では、まず、割込マスタ許可フラグの値を割込禁止を示す値に設定することで割込を禁止する(Sa1)。前述のようにメイン制御部41は、割込禁止の状態で起動することとなるが、Sa1では、再度、割込を禁止する。次いで、初期化データをセットし(Sa2)、パラレル出力ポート513を含む各出力ポートを初期化する(Sa3)。次いで、内蔵レジスタの設定を行う(Sa4)。
次いで、電源電圧が正常か否かを判定する(Sa5)。電源電圧が正常でない場合には正常になるまで判定を繰り返す。電源電圧が正常である場合には割込ベクタの上位アドレスをセットする(Sa6)。そして、RAM41cへのアクセスを許可し(Sa7)、スタックポインタを初期化する(Sa8)。
次いで、RAM41cの遊技RAM領域の全ての領域(未使用領域3を含む)のRAMパリティ(以下、RAMパリティ1と称す)及び非遊技RAM領域の全ての領域(未使用領域4を含む)のRAMパリティ(以下、RAMパリティ2と称す)、スタック領域(未使用スタック領域及び使用中スタック領域)のRAMパリティ(以下、RAMパリティ3と称す)を計算する(Sa9)。そして、計算したRAMパリティ1〜3が0か否かを判定する(Sa10)。後述のように前回の電源遮断時に正常に電断処理(メイン)が行われていれば、RAMパリティ1〜3がいずれも0になるはずであるので、Sd10のステップにおいてRAMパリティ1〜3のいずれか1つでも0でなければ、RAM41cに格納されているデータが正常ではなく、この場合にはSa14のステップに進み、破壊診断用データをクリアする(Sa14)。一方、RAMパリティ1〜3がいずれも0になる場合には、更に遊技RAM領域に格納されている破壊診断用データ1、非遊技RAM領域に格納されている破壊診断用データ2、スタック領域に格納されている破壊診断用データ3を取得し(Sa11)、取得した破壊診断用データ1〜3が正しいか否かを判定し(Sa12)、破壊診断用データ1〜3をクリアする(Sa13)。
次いで、設定キースイッチ37がON状態か否かを判定する(Sa14)。設定キースイッチ37がON状態の場合には、タイマ割込の設定を行う(Sa19)。具体的には、所定時間毎に定期的にタイマ割込が実行されるようにメイン制御部41に内蔵されているタイマ回路509のレジスタの設定を行なう。本実施例では約0.56msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定されることで、約0.56ms毎に定期的にタイマ割込が発生することとなる。また、タイマ回路509ではレジスタの設定が行われることにより、タイマが初期化され、初期値から計時を開始することになる。Sa19のステップにおけるタイマ割込の設定が終了すると設定変更処理に移行する。
一方、設定キースイッチ37がOFF状態の場合には、RAM41cの記憶内容が破壊されているか否かを判定する(Sa15)。Sa15のステップでは、後述するRAM異常フラグが設定されているか否か、Sa10、Sa12の判定に基づきRAM41cの記憶内容が破壊されているか否かを判定する。RAM41cの記憶内容が破壊されていない場合には、復帰コマンドをサブ制御部91に送信する(Sa16)。尚、RAM41cの記憶内容が破壊されていない場合とは、RAM異常フラグがセットされておらず、かつSa10のステップにおいてRAMパリティ1〜3がいずれも0であると判定され、さらにSa12のステップにおいて破壊診断用データ1〜3がいずれも正しいと判定された場合である。
Sa16のステップの後、全てのレジスタを復帰させ(Sa17)、Sa19のステップと同様のタイマ割込の設定を行う(Sa18)。そして、後述のタイマ割込処理(メイン)のSd24の処理に移行する。これにより電断前に実行していた処理に復帰することとなる。
また、Sa15のステップにおいてRAM41cの記憶内容が破壊されている場合には、RAMの開始アドレス(0000h)をレジスタにセットし(Sa20)、指定したアドレスから使用可能領域の最終アドレス(0FFFh)までの領域、すなわち使用可能領域の全ての領域を初期化する(Sa21)。
次いで、RAM41cの記憶内容が正常でないことを示すRAM異常フラグをRAM41cにセットし(Sa22)、エラー処理に移行する。エラー処理では、遊技の進行が不能化される。また、RAM異常フラグが設定されて移行したエラー状態では、設定キースイッチ37をON状態にして電源スイッチ39をONにすることによって、設定変更処理に移行させることにより解除することができる。一方、設定キースイッチ37をON状態にせずに電源スイッチ39をONにした場合には、RAM異常フラグが設定されたままであり、再びエラー状態となる。
次に、メイン制御部41が実行する設定変更処理について説明する。
図11に示すように、メイン制御部41は、まず、RAMの開始アドレス(0000h)をレジスタにセットする(Sb1)。次いで、図10に示すSa15のステップと同様にRAM41cの記憶内容が破壊されているか否かを判定する(Sb2)。RAMの内容が破壊されていない場合、すなわちRAM内容が異常でない場合には、設定変更開始時の初期化対象RAMの先頭アドレスをレジスタにセットする(Sb3)。すなわちSb1で設定したアドレスを変更する。RAMの内容が破壊されている場合、すなわちRAM内容が異常である場合には、Sb4のステップに進む。
次いで、Sb1またはSb3のステップで指定したアドレスから使用可能領域の最終アドレスまでの領域を初期化する(Sb4)。Sb1のステップでは、RAMの開始アドレスがセットされるため、この場合にはSb4のステップにおいて、使用可能領域全ての領域が初期化されることとなる。一方、Sb3のステップでは、設定変更開始時の初期化対象RAMの先頭アドレスがセットされるため、この場合にはSb4のステップにおいて、使用可能領域のうち重要ワーク及び特別ワーク以外の領域が初期化されることとなる。
次いで、設定変更状態の開始を示す設定コマンドをサブ制御部91に送信し(Sb5)、割込を許可する(Sb6)。
次いで、リセット/設定スイッチ38がOFFからONに変化したか否かを判定する(Sb7)。リセット/設定スイッチ38がOFFからONに変化した場合にはレジスタの設定値を更新(1〜5の場合は1加算し、6の場合は1に更新)する(Sb8)。リセット/設定スイッチ38が変化しなかった場合には、スタートスイッチ7がOFFからONに変化したか否かを判定する(Sb9)。スタートスイッチ7が変化しなかった場合には、Sb7のステップに戻る。一方、スタートスイッチ7がOFFからONに変化した場合には設定キースイッチ37がOFF状態か否かを判定する(Sb10)。設定キースイッチ37がOFF状態になっていない場合には、設定キースイッチ37がOFF状態になるまで判定を繰り返す。設定キースイッチ37がOFFになっている場合には、レジスタにセットしている設定値のデータをRAM41cに格納する(Sb11)。
次いで、設定変更状態の終了を示す設定コマンドをサブ制御部91に送信する(Sb12)。そして、設定変更終了時の初期化対象RAMの先頭アドレスをレジスタにセットし(Sb13)、メイン処理に移行する。
次に、メイン制御部41が実行するメイン処理について説明する。尚、メイン処理は一単位の遊技毎に繰り返し実行される。そして、メイン処理の一周期が遊技の一単位に相当している。
図12に示すように、メイン制御部41は、まず、割込を禁止する(Sc1)。次いで、初期化対象RAMの最終アドレスをセットする(Sc2)。
次いで、指定したアドレスで示すRAMの領域をクリアする(Sc3)。この際、設定変更処理後にメイン処理が開始された場合は、設定変更終了時の初期化対象RAMの先頭アドレスが設定され、Sc2のステップでは、設定変更終了時の初期化対象RAMの最終アドレスが設定されるため、使用可能領域のうち重要ワーク及び特別ワーク以外の領域が初期化されることとなる。また、特定の遊技状態の終了時ではない遊技の終了時には、後述のSc10のステップにおいて遊技終了時の初期化対象RAMの先頭アドレスが設定され、Sc2のステップでは、遊技終了時の初期化対象RAMの最終アドレスが設定されるため、使用可能領域のうち未使用領域及び未使用スタック領域が初期化されることとなる。また、特定の遊技状態の終了時であり、かつ遊技の終了時には、後述のSc11のステップにおいて特定の遊技状態の終了時の初期化対象RAMの先頭アドレスが設定され、Sc2のステップでは、特定の遊技状態の終了時の初期化対象RAMの最終アドレスが設定されるため、使用可能領域のうち一般領域、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化されることとなる。
Sc3のステップにおけるRAMの初期化の後、割込を許可し(Sc4)、遊技開始待ち処理を実行する(Sc5)。遊技開始待ち処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。
次いで、内部抽選処理を実行する(Sc6)。内部抽選処理では、Sc5のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて上記した各役への入賞を許容するか(すなわち、表示結果の導出を許容するか否か)どうかを決定する処理を行う。
次いで、リール制御処理を実行する(Sc7)。リール制御処理では、スタートスイッチ7の操作に応答して各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、Sd2のステップにおける内部抽選の結果及び遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
次いで、遊技終了時設定処理を実行する(Sc8)。遊技終了時設定処理では、Sc7の処理において全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。そして、入賞が発生したと判定した場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払出等の処理を行う。入賞が発生した場合にはメダルの払い出し等が終了した後に次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。また、入賞が発生しなかった場合にはリールが停止した後に、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。
遊技終了時設定処理が終了すると、特定の遊技状態の終了時か否かを判定し(Sc9)、特定の遊技状態の終了時でない場合には、遊技終了時の初期化対象RAMの先頭アドレスをセットして(Sc10)、Sc1のステップに戻る。また、特定の遊技状態の終了時である場合には、特定の遊技状態の終了時の初期化対象RAMの先頭アドレスをセットして(Sc11)、Sc1のステップに戻る。
また、メイン処理では、ゲームの進行に応じてコマンドを生成してコマンドキューに設定するコマンド格納処理を実行し、設定されたコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)において実行される通常時コマンド送信処理によりサブ制御部91に対して送信されるようになっている。
図13及び図14は、メイン制御部41が一定間隔(約0.56msの間隔)で基本処理(主にメイン処理)に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。尚、タイマ割込処理(メイン)とは、タイマ回路509のカウントに応じて発生する割込により実行される処理であり、タイマ割込処理(メイン)のプログラムが格納されたアドレスは、ベクタテーブルのタイマ割込に対応する値として設定されている。そして、タイマ割込が発生すると当該アドレスからの処理が実行される。また、タイマ割込処理(メイン)の実行期間中は自動的に他の割込が禁止される。
図13に示すように、タイマ割込処理(メイン)においては、まず、使用中のレジスタをスタック領域に退避する(Sd1)。
次いで、停電判定処理を行う(Sd2)。停電判定処理では、電断検出回路48から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されていれば、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には停電と判定し、その旨を示す電断フラグを設定する。
Sd2のステップにおける停電判定処理の後、電断フラグが設定されているか否かを判定し(Sd3)、電断フラグが設定されていなければ、Sd4に進み、入力ポートから各種スイッチ類の検出データを入力するポート入力処理を行う。一方、電断フラグが設定されていた場合には、コマンドキューに設定された各種コマンドをサブ制御部91に送信する電断時コマンド送信処理を実行した後(Sd19)、電断処理(メイン)に移行する。
次いで、4種類のタイマ割込1〜4から当該タイマ割込処理(メイン)において実行すべきタイマ割込を識別するための分岐用カウンタを1進める(Sd5)。Sd5のステップでは、分岐用カウンタ値が0〜2の場合に1が加算され、カウンタ値が3の場合に0に更新される。すなわち分岐用カウンタ値は、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に、0→1→2→3→0・・・の順番でループする。
次いで、分岐用カウンタ値を参照して2または3か、すなわちタイマ割込3またはタイマ割込4かを判定し(Sd6)、タイマ割込3またはタイマ割込4ではない場合、すなわちタイマ割込1またはタイマ割込2の場合には、リールモータ32C、32C、32Rの位相信号データを出力するモータ位相信号出力処理を実行する(Sd7)。
次いで、分岐用カウンタ値を参照して1か否か、すなわちタイマ割込2か否かを判定し(Sd8)、タイマ割込2ではない場合、すなわちタイマ割込1の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時のステップ時間間隔の制御を行うリール始動処理(Sd9)、リールモータ32L、32C、32Rの位相信号データの変更を行うモータステップ処理(Sd10)、リールモータ32L、32C、32Rの停止後、一定時間経過後に位相信号を1相励磁に変更するモータ位相信号スタンバイ処理(Sd11)を順次実行した後、Sd24のステップに進む。
また、Sd8のステップにおいてタイマ割込2であると判定した場合には、各種表示器をダイナミック点灯させるLEDダイナミック表示処理(Sd12)、各種LED等の点灯信号等のデータを出力ポートへ出力する制御信号等出力処理(Sd13)、各種時間カウンタを更新する時間カウンタ更新処理(Sd14)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態の監視、ドアコマンドの送信要求などを行うドア監視処理(Sd15)、コマンドキューに設定された各種コマンドをサブ制御部91に送信する通常時コマンド送信処理(Sd16)、外部出力信号を更新する外部出力信号更新処理(Sd17)を順次実行した後、Sd24のステップに進む。
また、Sd6のステップにおいてタイマ割込3またはタイマ割込4であると判定した場合は、更に、分岐用カウンタ値が3か否か、すなわちタイマ割込4か否かを判定し(Sd18)、タイマ割込4でなければ、すなわちタイマ割込3であれば、回転中のリール2L、2C、2Rの原点通過(リール基準位置の通過)をチェックする原点通過時処理(Sd19)、スイッチ類の検出状態に変化があったか否かの判定等を行うスイッチ入力判定処理(Sd20)を順次実行した後、Sd24のステップに進む。
また、Sd18のステップにおいてタイマ割込4であると判定した場合は、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出に伴って停止位置を決定する停止スイッチ処理(Sd21)、停止する時期になったら2相励磁によるブレーキを開始する停止処理(Sd22)、停止処理においてブレーキを開始してから一定時間後に3相励磁とする最終停止処理(Sd23)を順次実行した後、Sd24のステップに進む。
Sd24のステップでは、Sd1においてスタック領域に退避したレジスタを復帰させて、割込前の処理に戻る。
このように本実施例では、メイン制御部41は、リセットが発生したときに、割込禁止の状態で起動するとともに、その後、最初に実行する初期設定処理の開始時にもプログラムにて割込の禁止を行うようになっており、何らかの原因で割込が禁止されない状態でメイン制御部41が起動した場合でも意図しない割込が発生してしまうことを防止できる。
また、メイン制御部41は、その起動後に、タイマ回路509におけるタイマ割込の設定の後、割込を許可するようになっており、タイマ割込が正常に動作しない状態で割込が発生してしまうことを防止できる。また、タイマ回路509ではタイマ割込の設定が行われることにより、タイマが初期化され、初期値から計時を開始するようになっており、起動後、初回の割込が発生するまでの時間と、2回目以降の割込が発生するまでの時間と、がずれてしまうようなことがなく、一定の時間間隔でタイマ割込を発生させることができる。また、メイン制御部41は、初期設定処理においてタイマ回路509の設定をプログラムにて初期値に更新するようになっており、起動時に、何らかの原因でタイマ回路509の設定が書き換わっていた場合であっても、意図しない割込が発生してしまうことを防止できる。
また、メイン制御部41は、その起動時に設定キースイッチ37がONの状態であれば設定変更処理に移行し、設定変更処理の開始時にRAM41cの初期化を行う。この際、RAM41cのデータが正常であれば、重要ワーク及び特別ワークを保持してそれ以外の領域を初期化することで、設定変更後も変更前の制御状態(設定値や遊技状態等)の一部を保持することができる一方で、RAM41cのデータが正常でない場合には、重要ワーク及び特別ワークを含む使用可能領域の全ての領域を初期化することで、RAM41cのデータに異常を確実に解消することができる。
また、メイン制御部41は、RAM異常が判定された場合にRAM異常フラグが設定されるので、RAM異常エラーの発生後に電断して、再度電源投入がされた場合に、RAMパリティが0であり、破壊診断用データが正常と判定された場合でも、RAM異常フラグに基づいてRAM41cのデータが破壊されているか否かを判定することが可能となる。
また、メイン制御部41は、設定変更処理の終了後、遊技単位毎にゲームの進行に応じて段階的に処理を行うメイン処理を実行する。また、メイン処理では、遊技単位毎にRAM41cの初期化を行うとともに、設定変更処理の終了時にもRAM41cの初期化を行う。そして、設定変更処理の終了後、メイン処理においてRAM41cの初期化を行う処理の前の段階からメイン処理を開始するようになっており、設定変更処理の終了後のRAM41cの初期化と、遊技単位毎のRAM41cの初期化と、を共通の処理にて行うことが可能となる。
また、メイン制御部41は、RAM41cの初期化を行う場合に、初期化が終了するまで割込を禁止するようになっており、RAM41cの初期化の実行中にタイマ割込処理(メイン)が発生することにより、初期化した内容が変更されたり、タイマ割込処理(メイン)で行われる処理が正常に行われなくなってしまうことを防止できる。
また、メイン制御部41は、メイン処理において外部出力信号の出力状態を更新し、更新された出力状態に基づいて、その後のタイマ割込処理(メイン)にて外部出力信号の出力状態を変更するとともに、外部出力信号の出力状態を更新する場合に、更新が終了するまで割込を禁止するようになっており、外部出力信号の出力状態が完了する前にタイマ割込処理(メイン)が発生することにより、意図しないデータを示す外部出力信号が出力されてしまうことを防止できる。
本実施例のメイン制御部41は、上述の設定変更処理及びメイン処理において遊技の進行に応じてコマンドを生成し、生成したコマンドをコマンドキューに格納し、タイマ割込処理(メイン)において通常時コマンド送信処理を実行する毎にコマンドキューに格納されている未送信のコマンドをサブ制御部91に対して送信する。
図15は、メイン制御部41が生成した各種コマンドをコマンドキューに格納する際に実行するコマンド格納処理の制御内容を示すフローチャートである。尚、メイン制御部41が送信するコマンドは、2バイトで構成され、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの内容)を表す。また、本実施例で示すコマンドの形態は一例であって他のデータ形態を用いても良い。また、本実施例では、コマンドを2バイトの信号で構成しているが、これらコマンドを1バイトの信号または3バイト以上の信号で構成しても良い。
コマンド格納処理では、まず、送信すべきコマンドを構成するMODEとEXTを生成する(Se1)。そして、生成したコマンドのMODE及びEXTを格納ポインタが示す領域番号の領域、すなわちコマンドキューの空き領域に格納した後(Se2)、格納ポインタが示す領域番号に1を加算する(Se3)。尚、領域番号は0〜31の範囲の数値なので、格納ポインタが示す通し番号が31の場合に1を加算して32となるときには0に更新する。
次いで、未送信フラグがセットされているか否かを確認し(Se4)、未送信フラグがセットされていなければ未送信フラグをセットする(Se5)。そして、格納ポインタが示す領域番号と、送信ポインタが示す領域番号とが一致しているか否か、すなわち未送信のコマンドでコマンドキューの全ての領域が満タンとなったか否かを確認し、一致している場合には、コマンドキューに格納されている未送信のコマンドが送信されて格納ポインタが示す領域番号と送信ポインタが示す領域番号とが一致しなくなるまで待機し、格納ポインタが示す領域番号と送信ポインタが示す領域番号とが一致しなくなった時点、すなわちコマンドキューに空きができた時点でコマンド格納処理を終了する(Se6)。
図16は、メイン制御部41がコマンド格納処理によりコマンドキューに格納したコマンドを送信するために、前述したタイマ割込処理(メイン)のタイマ割込2内において実行する通常時コマンド送信処理の制御内容を示すフローチャートである。
通常時コマンド送信処理では、まず、未送信フラグがセットされているか否か、すなわち未送信のコマンドがコマンドキューに格納されているか否かを確認し(Sf1)、未送信フラグがセットされていない場合には、ドア開放検出スイッチ25の検出状態を取得してドアコマンドを構成するMODE及びEXTを生成し、生成したMODE及びEXTを格納ポインタが示す領域番号の領域、すなわちコマンドキューの空き領域に格納する(Sf2、Sf3)。
Sf1のステップにおいて未送信フラグがセットされていると判定した場合、及びSf2、Sf3のステップにおいてドアコマンドを構成するMODE及びEXTをコマンドキューに格納した後は、コマンドキューの送信ポインタ値が示す領域に格納されたコマンドをサブ制御部91に対して送信する(Sf4〜Sf7)。詳しくは、まず、コマンドキューの送信ポインタ値が示す領域に格納されたコマンドを構成するMODEを出力し(Sf4)、コマンドを出力した旨をサブ制御部91に通知するためのストローブ信号を所定時間(本実施例では、10μs)出力する(Sf5)。そして、送信ポインタ値が示す領域に格納されたコマンドを構成するEXTを出力し(Sf6)、再度、ストローブ信号を所定時間出力する(Sf7)。
次いで、送信ポインタが示す領域番号に1を加算する(Sf8)。尚、領域番号は0〜31の範囲の数値なので、送信ポインタが示す領域番号が31の場合に1を加算して32となるときには0に更新する。その後、送信ポインタが示す領域番号と格納ポインタが示す通し番号とが一致しているか否か、すなわちコマンドキューに送信すべきコマンドが格納されているか否かを確認し(Sf9)、一致している場合、すなわちコマンドキューに送信すべきコマンドが格納されていない場合には、未送信フラグをクリアして通常時コマンド送信処理を終了する(Sf10)。一方、送信ポインタが示す領域番号と格納ポインタが示す通し番号とが一致していない場合、すなわちコマンドキューに送信すべきコマンドが格納されている場合には、未送信フラグを維持して通常時コマンド送信処理を終了する。未送信フラグが維持されることで、コマンドキューに残された未送信コマンドは、次回以降のタイマ割込処理(メイン)において送信されることとなる。
本実施例のメイン制御部41は、上述のタイマ割込処理において電断フラグが設定された場合に電断処理(メイン)を実行する前に、電断時コマンド送信処理を実行することで、通常時コマンド送信処理以外においても、コマンドキューに格納されている未送信のコマンドをサブ制御部91に対して送信する。
図17は、メイン制御部41がタイマ割込処理(メイン)において電断処理(メイン)を行う前に実行する電断時コマンド送信処理の制御内容を示すフローチャートである。
電断時コマンド送信処理においては、まず、未送信フラグがセットされているか否か、すなわち未送信のコマンドがコマンドキューに格納されているか否かを確認し(Sg1)、未送信フラグがセットされている場合には、コマンドキューに格納されている全てのコマンドをサブ制御部91に対して送信する(Sg1〜Sg7)。
詳しくは、まず、コマンドキューの送信ポインタ値が示す領域に格納されたコマンドを構成するMODEを出力し(Sg2)、コマンドを出力した旨をサブ制御部91に通知するためのストローブ信号を所定時間(本実施例では、10μs)出力する(Sg3)。そして、送信ポインタ値が示す領域に格納されたコマンドを構成するEXTを出力し(Sg4)、再度、ストローブ信号を所定時間出力する(Sg5)。その後、送信ポインタが示す領域番号に1を加算する(Sg6)。尚、通常時コマンド送信処理において送信ポインタを加算する場合と同様に、領域番号は0〜31の範囲の数値なので、送信ポインタが示す領域番号が31の場合に1を加算して32となるときには0に更新する。
次いで、送信ポインタが示す領域番号と格納ポインタが示す通し番号とが一致しているか否か、すなわち送信すべきコマンドがコマンドキューに格納されているか否かを判定し(Sg7)、送信ポインタが示す領域番号と格納ポインタが示す通し番号とが一致していない場合、すなわち送信すべきコマンドがコマンドキューに格納されている場合には、Sg7のステップにおいて送信ポインタが示す領域番号と格納ポインタが示す通し番号とが一致していると判定されるまで、Sg2〜Sg7のステップを繰り返し実行して、コマンドキューに格納されている全てのコマンドをサブ制御部91に対して送信する。
そして、Sg7のステップにおいて、送信ポインタが示す領域番号と格納ポインタが示す通し番号とが一致していると判定した場合、すなわちコマンドキューに格納されているコマンドが全てサブ制御部91に対して送信されてコマンドキューにコマンドが残っていない場合に、メイン制御部41は、未送信フラグをクリアして(Sg8)、電断時コマンド送信処理を終了し、電断処理(メイン)に移行する。
このように、通常時コマンド送信処理においては、タイマ割込処理(メイン)において当該通常時コマンド送信処理が実行される毎に一のコマンド(2バイトからなる1組のコマンド)をサブ制御部91に対して送信する一方、電断時コマンド送信処理においては、タイマ割込処理において電断処理(メイン)が行われる前に、コマンドキューに格納されている全てのコマンドをサブ制御部91に対して送信するようになっている。
図18は、メイン制御部41が前述したタイマ割込処理(メイン)において電断フラグが設定されていると判定した場合に、電断時コマンド送信処理の後に実行する電断処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。尚、本実施例において電断処理は、非遊技プログラムに含まれる。
電断処理(メイン)においては、まず、使用している可能性がある全てのレジスタをスタック領域に退避する(Sg1)。
次いで、破壊診断用データ1を遊技RAM領域に、破壊診断用データ2を非遊技RAM領域に、破壊診断用データ3をスタック領域に、それぞれセットする(Sg2)。破壊診断用データは、いずれも5A(H)である。そして、コマンドを出力するパラレル出力ポート513を含む全ての出力ポートを初期化する(Sg3)。これにより電断時コマンド送信処理により最後に出力されたコマンドに対応する出力ポートの出力状態が初期化される。次いで、遊技RAM領域の全ての領域(未使用領域3を含む)の排他的論理和が0になるようにRAMパリティ調整用データ1を計算して遊技RAM領域にセットし、非遊技RAM領域の全ての領域(未使用領域4を含む)の排他的論理和が0になるようにRAMパリティ調整用データ2を計算して非遊技RAM領域にセットし、スタック領域の全ての領域(未使用スタック領域及び使用中スタック領域)の排他的論理和が0になるようにRAMパリティ調整用データ3を計算してスタック領域にセットし(Sg4)、RAM41cへのアクセスを禁止する(Sg5)。その後、電圧が低下してメイン制御部41のCPU41aが停止して待機状態に移行する。そして、この待機状態のまま電圧が低下することで、メイン制御部41は、内部的に動作停止状態になり、電断の際に確実に動作停止する。
以上の処理によって、AC100Vの電力供給が停止される場合には、電断処理が実行され、破壊診断用データ1〜3及びRAMパリティ調整用データ1〜3がバックアップRAMへストアされ、RAMアクセスが禁止状態にされ、出力ポートがクリアされる。
このように本実施例では、電断を検出したときに実行する電断処理において、RAM41cのデータが正常か否かを判定するためのRAMパリティ調整用データを算出する処理、電源投入時にデータが正常か否かを判定するためのRAMパリティを算出する処理、電源投入時にRAMパリティに基づいてRAM41cのデータが正常か否かを判定する処理を、遊技RAM領域、非遊技RAM領域に分けて行うため、これらの処理を設計するうえで必要なデータの記憶領域を容易に特定することができる。
尚、本実施例では、電断処理において対象となる領域の演算結果が特定の値(本実施例では0)となるように調整用データを対象となる領域に設定し、起動処理において対象となる領域の演算結果が特定の値となるか否かによってRAM41cのデータが正常か否かを判定しているが、電断処理において対象となる領域の演算結果と、起動処理において対象となる領域の演算結果と、が一致するか否かによってRAM41cのデータが正常か否かを判定する構成としても良い。また、演算方法は、排他的論理和に限らず、他の演算方法(例えば、総和)を用いても良い。
また、本実施例では、電断処理において未使用領域3を含む遊技RAM領域の全ての領域に格納されたデータを用いてRAMパリティ調整用データ1を算出し、未使用領域4を含む非遊技RAM領域全ての領域に格納されたデータを用いてRAMパリティ調整用データを算出し、起動処理において未使用領域3を含む遊技RAM領域の全ての領域に格納されたデータを用いて算出されたRAMパリティ1、未使用領域4を含む非遊技RAM領域の全ての領域に格納されたデータを用いて算出されたRAMパリティ2に基づいてRAM41cが正常か否かを判定するようになっており、未使用領域3、4に不正なプログラムが記憶された場合には、RAM異常と判定されるため、未使用領域3、4に不正なプログラムが記憶されることを防止できる。
尚、本実施例では、電断処理において未使用領域3を含む遊技RAM領域の全ての領域に格納されたデータを用いてRAMパリティ調整用データ1を算出し、未使用領域4を含む非遊技RAM領域全ての領域に格納されたデータを用いてRAMパリティ調整用データを算出し、起動処理において未使用領域3を含む遊技RAM領域の全ての領域に格納されたデータを用いて算出されたRAMパリティ1、未使用領域4を含む非遊技RAM領域の全ての領域に格納されたデータを用いて算出されたRAMパリティ2に基づいてRAM41cが正常か否かを判定する構成であるが、未使用領域3を含まない遊技RAM領域に格納されたデータを用いてRAMパリティ調整用データ1を算出し、未使用領域4を含まない非遊技RAM領域に格納されたデータを用いてRAMパリティ調整用データを算出し、起動処理において未使用領域3を含まない遊技RAM領域に格納されたデータを用いて算出されたRAMパリティ1、未使用領域4を含まない非遊技RAM領域に格納されたデータを用いて算出されたRAMパリティ2に基づいてRAM41cが正常か否かを判定する構成としても良い。
また、電断処理において未使用領域3を含む遊技RAM領域の全ての領域に格納されたデータを用いてRAMパリティ調整用データ1を算出し、未使用領域4を含まない非遊技RAM領域に格納されたデータを用いてRAMパリティ調整用データを算出し、起動処理において未使用領域3を含む遊技RAM領域の全ての領域に格納されたデータを用いて算出されたRAMパリティ1、未使用領域4を含まない非遊技RAM領域に格納されたデータを用いて算出されたRAMパリティ2に基づいてRAM41cが正常か否かを判定する構成としても良く、このような構成であっても、未使用領域3に不正なプログラムが記憶された場合には、RAM異常と判定されるため、未使用領域3に不正なプログラムが記憶されることを防止できる。
また、電断処理において未使用領域3を含まない遊技RAM領域に格納されたデータを用いてRAMパリティ調整用データ1を算出し、未使用領域4を含む非遊技RAM領域全ての領域に格納されたデータを用いてRAMパリティ調整用データを算出し、起動処理において未使用領域3を含まない遊技RAM領域に格納されたデータを用いて算出されたRAMパリティ1、未使用領域4を含む非遊技RAM領域の全ての領域に格納されたデータを用いて算出されたRAMパリティ2に基づいてRAM41cが正常か否かを判定する構成としても良く、このような構成であっても、未使用領域4に不正なプログラムが記憶された場合には、RAM異常と判定されるため、未使用領域4に不正なプログラムが記憶されることを防止できる。
また、本実施例では、電断を検出したときに実行する電断処理において、RAM41cのデータが正常か否かを判定するためのRAMパリティ調整用データを算出する処理、電源投入時にデータが正常か否かを判定するためのRAMパリティを算出する処理、電源投入時にRAMパリティに基づいてRAM41cのデータが正常か否かを判定する処理を、遊技RAM領域、非遊技RAM領域に分けて行う構成であるが、電断処理において、遊技RAM領域に格納されたデータ及び非遊技RAM領域に格納されたデータの双方を用いた演算結果が特定の値となる調整用データを算出して遊技RAM領域または非遊技RAM領域に設定し、起動処理において遊技RAM領域に格納されたデータ及び非遊技RAM領域に格納されたデータの双方を用いた演算結果が特定の値となるか否かに基づいてRAM41cのデータが正常か否かを判定する構成、すなわち電断処理において、RAM41cのデータが正常か否かを判定するための調整用データを算出する処理、電源投入時にデータが正常か否かを判定するためのデータを算出する処理、電源投入時に算出したデータに基づいてRAM41cのデータが正常か否かを判定する処理を、遊技RAM領域、非遊技RAM領域を区別することなく行う構成としても良く、このような構成とすることで、電断処理において、RAM41cのデータが正常か否かを判定するための調整用データを算出する処理、電源投入時にデータが正常か否かを判定するためのデータを算出する処理、電源投入時に算出したデータに基づいてRAM41cのデータが正常か否かを判定する処理に必要なプログラム容量を削減できる。
また、このような構成においても、電断処理において遊技RAM領域、非遊技RAM領域だけでなく、未使用領域3、4を含む全ての領域のデータを用いて調整用データを算出し、起動処理においても遊技RAM領域、非遊技RAM領域だけでなく、未使用領域3、4を含む全ての領域のデータを用いて算出した結果が特定の値となるか否かによってRAM41cのデータが正常か否かを判定する構成とすることが好ましく、このような構成においても、未使用領域1、2に不正なプログラムが記憶された場合には、RAM異常と判定されるため、未使用領域1、2に不正なプログラムが記憶されることを防止できる。
本実施例では、遊技制御基板40のリセット回路49は、図19に示すように、電源基板101から供給される電源電圧のうちメイン制御部41の駆動電圧(DC+5V)よりも高い監視電圧(DC+24V)を監視し、電源投入時に監視電圧が、メイン制御部41が動作可能となる動作可能電圧(メイン)(+3.5V)を超えた場合にリセット信号をONにしてメイン制御部41に対して出力し、その後、メイン制御部41の駆動電圧(DC+5V)が安定するために十分な時間(監視電圧が+24Vまで上昇するのに十分な時間)が経過したときに、リセット信号をOFFにしてメイン制御部41を起動させる。一方、演出制御基板90のリセット回路95は、電源投入時においてリセット回路49によりリセット信号がOFFにされるとき、すなわちメイン制御部41が起動することとなるタイミングよりも早いタイミングでサブ制御部91に対して出力するリセット信号をOFFにすることで、電源投入時においてメイン制御部41よりも早い段階でサブ制御部91を起動させ、メイン制御部41から送信される復帰コマンドまたは設定コマンド(開始)をサブ制御部91が受信可能な状態で待機させる。
そして、メイン制御部41は、リセット回路49が出力するリセット信号がOFFとなって起動した際に、上述の初期設定処理を実行し、電断前の状態に復帰可能な場合には、初期設定処理の終了時に復帰コマンドを送信した後、タイマ割込を許可し、その後、タイマ割込処理を一定間隔毎に実行する。また、リセット信号がOFFとなって起動した際に、設定キースイッチ37がONの状態であり、RAM41cが初期化され、電断前の状態に復帰させずに設定変更状態を開始する場合には、初期設定処理の終了時においてタイマ割込が許可される前に、復帰コマンドに替えて設定コマンド(開始)をサブ制御部91に対して送信した後、タイマ割込を許可し、その後、タイマ割込処理を一定間隔毎に実行する。一方、サブ制御部91は、メイン制御部41が起動する前に起動し、初期設定処理を実行して完了させ、コマンドを受信可能な状態で復帰コマンドまたは設定コマンド(開始)を受信するまで待機する。
次いで、メイン制御部41は、復帰コマンドまたは設定コマンドを送信した後、タイマ割込処理(メイン)を一定間隔毎に実行し、当該タイマ割込み処理(メイン)において通常時コマンド送信処理を実行した際に、コマンドキューに送信すべきコマンドが格納されていない場合には、ドア開放検出スイッチ25の検出状態に基づいてドアコマンドを生成して送信する。一方、サブ制御部91は、復帰コマンドまたは設定コマンド(開始)を受信することで、演出装置の出力制御を開始する。
また、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)において実行する通常時コマンド送信処理によりドアコマンド等を送信するとともに、メイン制御部41の起動後、初期設定処理の終了時まではタイマ割込が許可されることがなく、メイン制御部41の起動後、復帰コマンドまたは設定コマンド(開始)を送信した後に、通常時コマンド送信処理により送信されるドアコマンド等のコマンドの送信が許可されることとなる。
また、図19に示すように、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)において停電判定処理を実行して、電断検出回路48から電圧低下信号が入力されているか否かに基づいて電断の発生を特定する。電断検出回路48は、メイン制御部41の駆動電圧(DC+5V)よりも高い前述の監視電圧(DC+24V)を監視し、監視電圧がメイン制御部41の駆動電圧(DC+5V)よりも高い電圧低下検出電圧(メイン)(+20V)以下になると電圧低下信号を出力するため、メイン制御部41は、監視電圧が電圧低下検出電圧(メイン)以下となることで電断の発生が特定されることとなる。そして、メイン制御部41は、停電判定処理において電断の発生が特定されると、電断時コマンド送信処理を実行して、コマンドキューに格納されている全てのコマンドをサブ制御部91に対して送信した後、電断処理(メイン)を実行する。
また、リセット回路49は、監視電圧が電圧低下検出電圧(メイン)(+20V)よりも低く、動作可能電圧(メイン)(+3.5V)よりも高い動作制限電圧(メイン)(+8V)以下となることで、リセット信号をONにしてメイン制御部41を動作不能な状態とする。動作制限電圧(メイン)は、電断検出回路48が電断の発生を検出する電圧低下検出電圧(メイン)以下となった後、動作制限電圧(メイン)に降下するまでの時間が、電圧低下検出電圧(メイン)以下となってからメイン制御部41が電断の発生を特定し、電断時コマンド送信処理を実行し、かつ電断処理を実行するのに必要な時間が確保されるように設定されている。
電圧低下検出電圧(メイン)以下となってからメイン制御部41が電断の発生を特定し、電断時コマンド送信処理を実行し、かつ電断処理を実行するのに必要な時間とは、メイン制御部41が電断を検出するまでの最大時間(タイマ割込処理(メイン)毎に電断の発生が特定されるため0.56ms)と、電断時コマンド送信処理にてコマンドキューに格納可能な最大数(32)のコマンドを送信するのに要する時間(1コマンド送信に40μs(MODE送信10μs、送信間隔10μs、EXT送信10μs、送信間隔10μs)要するため、最大数の送信の場合40×32=1280μs)と、電断処理(メイン)に要する時間と、を合算した時間である。
一方、電断検出回路98は、サブ制御部91の駆動電圧(DC+5V)よりも高い前述の監視電圧(DC+24V)を監視し、監視電圧が、動作制限電圧(メイン)(+8V)よりも低く、サブ制御部91の駆動電圧(DC+5V)よりも高い電圧低下検出電圧(サブ)(+6V)以下になると電圧低下信号を出力するため、サブ制御部91は、監視電圧が電圧低下検出電圧(サブ)以下となることで電断の発生が特定されることとなる。そして、サブ制御部91は、停電判定処理において電断の発生が特定されると、電断処理(サブ)を実行する。
また、リセット回路95は、監視電圧が電圧低下検出電圧(サブ)(+6V)よりも低く、動作可能電圧(サブ)(+3.5V)よりも高い動作制限電圧(サブ)(+4V)以下となることで、リセット信号をONにしてサブ制御部91を動作不能な状態とする。動作制限電圧(サブ)は、電断検出回路98が電断の発生を検出する電圧低下検出電圧(サブ)以下となった後、動作制限電圧(サブ)に降下するまでの時間が、電圧低下検出電圧(サブ)以下となってからサブ制御部91が電断の発生を特定し、電断処理を実行するのに必要な時間が確保されるように設定されている。
また、サブ制御部91は、監視電圧が、動作制限電圧(メイン)、すなわちメイン制御部41による電断時コマンド送信処理及び電断処理(メイン)の完了後にメイン制御部41が動作不能となる電圧よりも低い電圧低下検出電圧(サブ)以下になると出力される電圧低下信号により電断の発生を特定して電断処理(サブ)を実行するようになっており、少なくともメイン制御部41が電断時コマンド送信処理を完了させるまでコマンドを受信可能な状態が維持されるので、メイン制御部41が電断時コマンド送信処理により送信したコマンドを全て受信した状態で電断処理を実行することができるようになっている。尚、サブ制御部91が電断の発生を特定するタイミングが、メイン制御部41が動作不能となる前のタイミングであっても、メイン制御部41が電断時コマンド送信処理により送信したコマンドを全て受信するのに十分なタイミングまでコマンドを受信可能な状態が維持される構成であれば、メイン制御部41が電断時コマンド送信処理により送信したコマンドを全て受信した状態で電断処理を実行することができる。
このように、本実施例のメイン制御部41は、メイン処理等において遊技の進行に応じてコマンドを生成し、生成したコマンドをコマンドキューに格納し、タイマ割込処理(メイン)において通常時コマンド送信処理を実行する毎にコマンドキューに格納されている未送信のコマンドをサブ制御部91に対して送信する構成である。
このような構成では、複数のコマンドがコマンドキューに格納されている状態で、スロットマシン1への電力供給が停止されて電断が生じることがあり、メイン制御部41による電断検出時にメイン制御部41側において複数のコマンドが未送信の状態であって、電断後も未送信のコマンドをそのまま保持し、電断復帰後に電断前から保持されていたコマンドをサブ制御部91に対して送信すると、電断時及び電断復帰時におけるメイン制御部41側の制御状態と、サブ制御部91側で特定されるメイン制御部41側の制御状態と、が異なってしまうこととなる。
これに対して、本実施例では、メイン制御部41は、電断検出時に、電断前の制御状態に復帰可能とするための電断処理(メイン)を実行する前にコマンドキューに格納されている全てのコマンドをサブ制御部91に対して送信するため電断時コマンド送信処理を実行するので、電断時及び電断復帰時におけるメイン制御部41側の制御状態と、サブ制御部91側で特定されるメイン制御部41側の制御状態と、を極力一致させることができる。
また、メイン制御部41は、電断検出時に、電力供給が停止されてから制御不能となるまでの期間が、コマンドキューに格納可能な最大数のコマンド(本実施例では、最大32のコマンド)をサブ制御部91に対して送信し、かつ電断処理(メイン)が完了するのに要する期間よりも長いので、電断検出後、コマンドキューに格納されている全てのコマンドを送信してから電断処理(メイン)までの処理を確実に実行させることができる。
尚、本実施例では、遊技の制御を行う第1の制御手段であるメイン制御部41が、演出の制御を行う第2の制御手段であるサブ制御部91に対して制御情報としてコマンドを送信する構成であるが、第1の制御手段は、遊技の制御以外の制御、例えば、演出の制御を行う制御手段であっても良い。また、第2の制御手段は、第1の制御手段から送信された制御情報に基づいて何らかの制御を行う制御手段であれば良く、例えば、第1の制御手段が演出の制御を行う制御手段である場合に、第1の制御手段から送信された制御情報に基づいて演出装置の制御を行う制御手段を第2の制御手段としても良い。
また、本実施例では、メイン制御部41(第1の制御手段)が実行する電断処理(メイン)として、バックアップ領域のRAMパリティ(排他的論理和)が0となるようにRAMパリティ調整用データを設定し、かつ破壊診断用データ(0以外のデータ)を設定する処理を行うことで、電断復帰時にRAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データが一致することによりバックアップ領域のデータが正常と判定可能となる構成であるが、スロットマシン1への電力供給が停止して電断が生じた際に、電断前の制御状態に復帰可能とするための電断処理であれば良く、例えば、バックアップ領域のチェックサムを設定し、電断復帰時に算出したチェックサムと一致することでバックアップ領域のデータが正常と判定可能となる構成でも良い。
また、本実施例では、遊技制御基板40のリセット回路49が、電断発生時に、監視電圧が降下してメイン制御部41が動作不能となる動作可能電圧(メイン)以下となる前にリセット信号をメイン制御部41に供給し、リセット信号が供給されることでメイン制御部41は一切の動作を停止させる、すなわち制御不能な状態とする構成であり、メイン制御部41は、電断検出後、リセット信号が供給されて制御不能となるまでの期間が、コマンドキューに格納可能な最大数のコマンドをサブ制御部91に対して送信し、かつ電断処理(メイン)が完了するのに要する期間よりも長くなる構成であるが、電断時にメイン制御部41にリセット信号が供給されない構成においては、監視電圧がメイン制御部41の動作可能電圧(メイン)を下回って制御不能となるまでの期間が、コマンドキューに格納可能な最大数のコマンドをサブ制御部91に対して送信し、かつ電断処理(メイン)が完了するのに要する期間よりも長くなる構成であっても、電断検出後、コマンドキューに格納されている全てのコマンドを送信してから電断処理(メイン)までの処理を確実に実行させることができる。
また、本実施例では、電断発生時にメイン制御部41の動作を停止させる動作制限電圧(メイン)が、電断検出回路48が電断の発生を検出する電圧低下検出電圧(メイン)以下となった後、動作制限電圧(メイン)に降下するまでの時間が、電圧低下検出電圧(メイン)以下となってからメイン制御部41が電断の発生を特定し、電断時コマンド送信処理を実行し、かつ電断処理を実行するのに必要な時間が確保されるように設定されることで、電断発生後、メイン制御部41が動作不能となるまでの期間が、コマンドキューに格納可能な最大数のコマンドをサブ制御部91に対して送信し、かつ電断処理(メイン)が完了するのに要する期間よりも長くなる構成であるが、電断発生時からメイン制御部41の駆動電圧の低下をコンデンサ、電池、キャパシタ等により遅延させることで電断発生後、メイン制御部41が動作不能となるまでの期間が、コマンドキューに格納可能な最大数のコマンドをサブ制御部91に対して送信し、かつ電断処理(メイン)が完了するのに要する期間よりも長くなる構成としたり、メイン制御部41が動作不能となるまでの期間が、コマンドキューに格納可能な最大数のコマンドをサブ制御部91に対して送信し、かつ電断処理(メイン)が完了するのに要する期間よりも長くなるようにコマンドキューに格納可能な最大数を設定する構成としても良く、これらの構成であっても、電断発生後、コマンドキューに格納されている全てのコマンドを送信してから電断処理(メイン)までの処理を確実に実行させることができる。
また、本実施例のメイン制御部41は、電断検出時に、電断時コマンド送信処理を実行して、コマンドキューに格納されている全てのコマンドをサブ制御部91に対して送信した後、電断処理(メイン)を実行し、当該電断処理(メイン)においてコマンドを出力する出力ポートを含むパラレル出力ポート513の各出力ポートを初期化するので、電力供給が不安定な状態で誤ってコマンドが送信されてしまうことを防止できる。
また、本実施例のメイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)において通常時コマンド送信処理を実行することで、コマンドキューに格納されている格納領域に格納されているコマンドのうち所定数(本実施例では、1つ)のコマンドを所定契機(タイマ割込処理(メイン)4回に1回)毎にサブ制御部91に対して送信するので、所定数(本実施例では、1つ)以上のコマンドがコマンドキューに格納されている場合でも、1回のタイマ割込処理(メイン)において送信されるコマンドの送信数が所定数に制限されるため、通常時コマンド送信処理におけるコマンドの送信によりメイン制御部41による他の制御が遅延してしまうことを防止できる。
また、本実施例のメイン制御部41は、所定契機において(タイマ割込処理(メイン)において実行する通常時コマンド送信処理を行うとき)、コマンドキューに遊技の進行に応じたコマンド(内部当選コマンド、停止操作時コマンド等)が格納されていない場合に、ドア開放検出スイッチ25の検出状態を示すドアコマンドをサブ制御部91に対して送信することで、前面扉1bの開閉状態をサブ制御部91が特定可能となるとともに、ドアコマンドは、所定契機においてコマンドキューに遊技の進行に応じたコマンドが格納されていない場合に送信されるので、遊技の進行に応じたコマンドの送信がドアコマンドの送信によって遅延したり、ドアコマンドの送信によりメイン制御部41による他の制御(例えば、メイン処理における各制御)が遅延してしまうことを防止できる。
また、メイン制御部41は、その起動後、復帰コマンドまたは設定コマンド(開始)を送信した後に、通常時コマンド送信処理により送信されるドアコマンド等のコマンドの送信が許可されるようになっており、電源投入後、電断前の状態に復帰させて復帰コマンドを送信するか、電断前の状態に復帰させずに設定コマンド(開始)を送信するまではドアコマンドが送信されることがないので、メイン制御部41を復帰させるか否かが確定した後に、サブ制御部91側でメイン制御部41側の状態を特定することができるとともに、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰するか否か確定していない状態でサブ制御部91がコマンドを受信することで、意図しない動作が行われてしまうことを防止できる。
尚、本実施例では、通常時コマンド送信処理においてコマンドキューにいずれのコマンドも格納されていない場合に、ドア開放検出スイッチ25の検出状態を示すドアコマンドを生成して送信する構成であるが、通常時コマンド送信処理においてコマンドキューにいずれのコマンドも格納されていない場合に、スイッチ検出回路44の出力に基づいて操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)の検出状態(on/off)を示すコマンド、エラーの検出の有無及び検出したエラーの種類を示すコマンド、当該ゲームの遊技状態を特定可能なコマンドなど、メイン制御部41側の制御状態を特定可能なコマンドを生成してサブ制御部91に対して送信する構成としても良く、このような構成であっても、メイン制御部41側の制御状態をサブ制御部91が特定可能となるとともに、遊技の進行に応じたコマンドの送信がメイン制御部41の制御状態を特定可能なコマンドの送信によって遅延したり、メイン制御部41の制御状態を特定可能なコマンドの送信によりメイン制御部41による他の制御が遅延してしまうことを防止できる。
次に、メイン制御部41が遊技の進行制御等に用いる時間間隔を計測するためのタイマカウンタについて、図20、17を用いて説明する。
メイン制御部41は、計時開始条件が成立したときに、RAM41cに割り当てられたタイマカウンタのタイマ値として計時時間に応じた初期値を設定するとともに、タイマ割込処理(メイン)において定期的にタイマ値を減算し、タイマ値が0となることで計時時間が経過したことを特定するようになっている。
詳しくは、メイン制御部41は、メイン処理において計時開始条件が成立したときに、当該条件に応じたタイマカウンタが割り当てられた領域に計時時間に応じたタイマ値の初期値を設定する。設定されたタイマ値は、タイマ割込処理(メイン)の時間カウンタ更新処理において、約2.24ms毎に0となるまで1ずつ減算される。
そして、メイン処理では、図20に示すように、該当するタイマカウンタのアドレスを取得し(Si1)、取得した値を読み出し(Si2)、読み出した値が0でないか否かを判定し(Si3)、読み出した値が0であると判定した場合に、計時時間が経過したことを特定する。
本実施例において用いるタイマカウンタは、図21に示すように、初期値が1バイト以下の1バイトタイマA、1バイトタイマB、1バイトタイマC、初期値が1バイトを超え、2バイト以下の2バイトタイマA、2バイトタイマB、2バイトタイマC、2バイトタイマDを含む。
1バイトタイマは、1バイト以内のタイマ値にて計測可能な比較的短い期間を計測するためのタイマであり、例えば、外部出力信号の出力期間を計測する外部出力信号タイマ、LEDの出力更新期間を計測するLED更新タイマ、停止操作の検出後、再度の停止操作が有効化されるまでの期間を計測する停止無効タイマ、リール停止後、メダルの払出が開始するまでの期間を計測する払出待ちタイマ、投入メダルセンサ31のONが検出されてからの期間を計測する投入検出タイマ、投入口センサ26のONが検出されてからの期間を計測する投入口検出タイマ、払出センサ34cのONが検出されてからの期間を計測する払出検出タイマ、リール回転開始後、停止操作が有効となるまでの期間を計測する始動時タイマなどがある。このうち停止無効タイマ、払出待ちタイマ、始動時タイマは、これらのタイマによる計測期間が1遊技の終了するタイミングを跨ぐことはないが、外部出力信号タイマ、LED更新タイマ、投入検出タイマ、投入口検出タイマ、払出検出タイマは、これらのタイマによる計測時間が1遊技の終了するタイミングを跨ぐことがある。
2バイトタイマは、1バイト以内のタイマ値では計測できない比較的長い期間を計測するためのタイマであり、例えば、1遊技に必要な規定時間(約4.1秒)を計測する1遊技時間タイマ、外部出力信号のうちセキュリティ信号の最低出力期間を計測するセキュリティ信号タイマ、遊技終了からの期間を計測する待機時間タイマ、ホッパーモータ34bの駆動後、払出センサ34cが検出されない期間を計測するホッパーエンプティタイマなどがある。このうち待機時間タイマ、ホッパーエンプティタイマは、これらのタイマによる計測期間が1遊技の終了するタイミングを跨ぐことはないが、1遊技時間タイマ、セキュリティ信号タイマは、これらのタイマによる計測時間が1遊技の終了するタイミングを跨ぐことがある。
このようにタイマカウンタは、1遊技の終了するタイミング、すなわち遊技の進行に応じてRAM41cの一部が初期化されるタイミング(1遊技の終了時または特定の遊技状態の終了時においてRAM41cの一部が初期化されるタイミング)を跨ぐ計測期間を計測するタイマカウンタと、遊技の進行に応じてRAM41cの一部が初期化されるタイミングを跨ぐことのないタイマカウンタと、を含むが、いずれのタイマカウンタも遊技の進行に応じたタイミングでは初期化されることのない特別ワークに割り当てられている。
これらタイマカウンタのうち1バイトタイマA〜Cは、RAM41cの連続する3バイトの領域(804CH〜804EH)に1バイトずつ割り当てられており、2バイトタイマA〜Dは、RAM41cの連続する8バイトの領域(804FH〜8055h)に2バイトずつ割り当てられている。さらに、1バイトタイマA〜C、2バイトタイマA〜DもRAM41cの連続する領域に割り当てられている。以下では、1バイトタイマA〜Cが割り当てられた領域を1バイトタイマ群と呼び、2バイトタイマA〜Dが割り当てられた領域を2バイトタイマ群と呼ぶ。すなわち1バイトタイマ群及び2バイトタイマ群はいずれも、所定の規則で連続するアドレスが割り当てられた領域に設定されている。尚、所定の規則で連続するアドレスが割り当てられる領域とは、例えば、開始アドレス及び開始アドレスからN(Nは自然数)ずつ加算されるアドレスが割り当てられる領域である。
図22は、時間カウンタ更新処理の制御内容を示すフローチャートである。
時間カウンタ更新処理では、まず、1バイト用処理回数として、更新すべき1バイトのタイマカウンタの数(本実施例では3)をセットし(Sj1)、1バイトタイマ群の先頭アドレス(804CH)にポインタをセットする(Sj2)。
次いで、指定アドレス(ポインタが示すアドレス)に格納された1バイトの値が0でなければ指定アドレスの1バイトの値を1減算し(Sj3)、Sj1のステップで設定した処理回数を1減算し(Sj4)、減算後の処理回数が0か否かを判定する(Sj5)。
Sj5のステップで減算後の処理回数が0でない場合、すなわち全ての1バイトタイマの更新が終了していない場合には、ポインタを1加算し(Sj6)、Sj3のステップに戻る。これにより、未処理の1バイトタイマのアドレスにポインタが移動し、指定アドレスの1バイトの値が0でなければ減算される。
Sj5のステップで減算後の処理回数が0の場合、すなわち全ての1バイトタイマの更新が終了した場合には、2バイト用処理回数として、更新すべき2バイトのタイマカウンタの数(本実施例では4)をセットし(Sj7)、ポインタを1加算する(Sj8)。これにより、2バイトカウンタ群の先頭アドレス(804FH)にポインタが移動する。
次いで、指定アドレス(ポインタが示すアドレス)及び次のアドレスからなる領域に格納された2バイトの値が0でなければ指定アドレス及び次のアドレスの2バイトの値を1減算し(Sj9)、Sj7のステップで設定した処理回数を1減算し(Sj10)、減算後の処理回数が0か否かを判定する(Sj11)。
Sj11のステップで減算後の処理回数が0でない場合、すなわち全ての2バイトタイマの更新が終了していない場合には、ポインタを2加算し(Sj12)、Sj9のステップに戻る。これにより、未処理の2バイトタイマのアドレスにポインタが移動し、指定アドレス及び次のアドレスの2バイトの値が0でなければ減算される。
Sj11のステップで減算後の処理回数が0の場合、すなわち全ての2バイトタイマの更新が終了した場合には、処理を終了する。
このように本実施例では、RAM41cに割り当てられたタイマカウンタの値を定期的に更新し、特定の値(0)となることで時間の経過を特定するようになっている。従来は、複数種類の時間間隔を計測する場合に、計時を要する複数種類の処理内で、タイマ値の設定及び更新を行っており、複数種類のタイマ値を更新するためのプログラムをそれぞれの処理内に設ける必要があるため、プログラム容量が増大する要因となっていた。また、複数種類のタイマカウンタは、それぞれが用いられる処理毎のデータ群として割り当てられているため、一の処理においてまとめて更新するためには、それぞれの関連性のないアドレスの値を読み出す必要があった。
これに対して本実施例では、複数種類のタイマカウンタ値が格納される領域がRAM41cの所定の規則で連続するアドレスが割り当てられた領域に設定されるとともに、指定アドレスに格納されたタイマ値を更新する処理を、現在の指定アドレスに対して定数を加算することで複数種類のタイマカウンタ値が格納された領域に対する指定アドレスを変更しながら繰り返し実行することにより複数種類のタイマ値を更新するので、複数種類のアドレスをそれぞれ指定して当該アドレスの値を更新する処理を個々の処理で行う場合よりもプログラム容量を削減することができる。
尚、指定アドレスに格納されたタイマ値を更新する処理を、所定の演算を行うことで複数種類のタイマカウンタ値が格納された領域に対する指定アドレスを変更しながら繰り返し実行することにより複数種類のタイマ値を更新する構成であれば良く、例えば、現在の指定アドレスに対して定数を加算することで複数種類のタイマカウンタ値が格納された領域に対する指定アドレスを変更しながら繰り返し実行することにより複数種類のタイマ値を更新する構成でも良いし、基準アドレスに対して処理数に応じた値(例えば、1バイトカウンタであれば、処理数1の場合に+1、処理数2の場合に+2、処理数3の場合に+3…)を加算または減算することで複数種類のタイマカウンタ値が格納された領域に対する指定アドレスを変更しながら繰り返し実行することにより複数種類のタイマ値を更新する構成でも良い。
また、本実施例では、1バイトタイマA〜C、2バイトタイマA〜Dの7種類のタイマカウンタの値を備える構成であるが、少なくとも2種類以上のタイマカウンタの値をRAM41cの所定の規則で連続するアドレスが割り当てられた領域に設定し、指定アドレスに格納されたタイマ値を更新する処理を、所定の演算を行うことで複数種類のタイマ値が格納された領域に対する指定アドレスを変更しながら繰り返し実行することにより2種類以上のタイマ値を更新する構成であれば、上記のようにプログラム容量を削減することができる。
また、1バイトタイマまたは2バイトタイマの一方のみ、タイマカウンタの値をRAM41cの所定の規則で連続するアドレスが割り当てられた領域に設定し、指定アドレスに格納されたタイマ値を更新する処理を、所定の演算を行うことで複数種類のタイマ値が格納された領域に対する指定アドレスを変更しながら繰り返し実行することにより複数種類のタイマ値を更新する構成でも良い。
また、メイン制御部41が備える一部のタイマカウンタのみ、タイマ値をRAM41cの所定の規則で連続するアドレスが割り当てられた領域に設定し、指定アドレスに格納されたタイマ値を更新する処理を、所定の演算を行うことで複数種類のタイマ値が格納された領域に対する指定アドレスを変更しながら繰り返し実行することにより複数種類のタイマ値を更新する構成でも良い。
また、本実施例では、計測する期間の種類毎に別個のタイマカウンタを備える構成であるが、例えば、計測する期間が重複しない複数種類の期間について一のタイマカウンタを共用する構成としても良い。
また、本実施例では、メイン制御部41が実行する処理として、遊技の進行状況に関わらず予め定められた処理を定期的に行うタイマ割込処理(メイン)と、遊技の進行状況に応じて段階的に異なる処理を行うメイン処理と、を含み、メイン制御部41は、メイン処理において計時条件が成立した場合にタイマカウンタに初期値を設定し、タイマ割込処理(メイン)において複数種類のタイマ値を更新するようになっており、メイン処理を構成する各処理内に複数種類のタイマ値を更新する処理を設ける必要がないため、複数種類のタイマ値の更新に係るプログラム容量を削減することができる。
尚、本実施例では、メイン処理に定期的に割り込んでタイマ割込処理(メイン)を実行する構成であるが、定期的に行うタイマ割込処理内で、遊技の進行状況に関わらず予め定められた処理を行う定期処理と、遊技の進行状況に応じて段階的に異なる処理を行うメイン処理と、の双方を行う構成としても良く、このような構成においても、メイン制御部41は、メイン処理において計時条件が成立した場合にタイマカウンタに初期値を設定し、定期処理において複数種類のタイマ値を更新する構成とすることで、メイン処理を構成する各処理内に複数種類のタイマ値を更新する処理を設ける必要がないため、複数種類のタイマ値の更新に係るプログラム容量を削減することができる。
また、本実施例では、時間カウンタ更新処理において、指定アドレスの値が0でないことを条件に当該アドレスの値を更新するようになっており、タイマ値が異常な値に更新されてしまうことを防止できる。
また、本実施例では、時間カウンタ更新処理において、更新するタイマカウンタの数と同数の処理数を設定し、設定した処理数分、タイマ値を更新する処理を繰り返し実行する構成であるため、更新するタイマカウンタの数の管理が容易になるとともに、例えば、更新間隔が異なる複数種類のタイマカウンタを備える場合などに、設定する処理数に応じて更新するタイマ値の種類を任意に設定することができる。
尚、処理数、すなわち更新するタイマカウンタの数は、プログラムに設定されていても良いし、テーブルに設定された値を読み出して設定するようにしても良い。
また、最初に処理数を設定することなく、最後に更新するタイマカウンタを予め設定するとともに、当該タイマカウンタのアドレスに到達するまでタイマ値を更新する処理を繰り返し実行する構成としたり、最後に更新するタイマカウンタの次のアドレスに特定のエンド値(例えば、FFh)を格納し、指定アドレスから読み出された値が特定のエンド値となるまでタイマ値を更新する処理を繰り返し実行する構成としても良い。
また、本実施例では、1バイトのタイマカウンタと、2バイトのタイマカウンタと、を備え、1バイトのタイマ値を更新する処理と、2バイトのタイマ値を更新する処理と、を別個に備えるため、1バイトのタイマ値を更新する処理と、2バイトのタイマ値を更新する処理と、を共通化する場合よりもプログラムの容量やRAM41cにおいてタイマ値が占有する容量を削減することができる。
尚、本実施例では、2バイトのタイマカウンタを備えることで1バイトを超える初期値に対応する相対的に長い時間を計測する構成であるが、例えば、更新間隔が異なるタイマカウンタ、例えば、タイマ割込処理(メイン)4回に1回更新する第1のタイマカウンタと、14回に1回更新する第2のタイマカウンタと、を備えることにより、2バイトのカウンタを設けることなく、相対的に長い時間間隔を計測する構成としても良く、このようにすることで、1バイトのタイマ値を更新する処理と、2バイトのタイマ値を更新する処理と、それぞれ設ける必要がなくなるため、タイマ値の更新に係るプログラム容量を削減できる。
また、本実施例では、複数種類のタイマカウンタがRAM41cにおいて遊技の進行に応じて初期化されることのない特別ワークに割り当てられており、遊技の進行に応じて初期化されることがないため、遊技の進行状況に関わらず、遊技の進行に応じてRAM41cの一部が初期化されるタイミングを跨ぐ期間の時間を計測することができる。
特に、本実施例では、計測期間が1遊技の終了するタイミング、すなわち遊技の進行に応じてRAM41cの一部が初期化されるタイミングを跨ぐことのあるタイマカウンタだけでなく、計測期間が遊技の進行に応じてRAM41cの一部が初期化されるタイミングを跨ぐことのないタイマカウンタについても他のタイマカウンタとともに特別ワークに割り当てられた領域に格納されているため、タイマカウンタの管理が容易になるとともに、計測期間が遊技の進行に応じてRAM41cの一部が初期化されるタイミングを跨ぐことのないタイマカウンタを、計測期間が遊技の進行に応じてRAM41cの一部が初期化されるタイミングを跨ぐことのあるタイマカウンタに変更する等、後の設計変更等によりタイマカウンタの用途を容易に変更することができる。また、上記のように計測する期間が重複しない複数種類の期間について一のタイマカウンタを共用する構成であれば、遊技の進行に応じてRAM41cの一部が初期化されるタイミングを跨ぐことのある計測期間と、遊技の進行に応じてRAM41cの一部が初期化されるタイミングを跨ぐことのない計測期間と、を一のタイマカウンタにて計測することが可能となる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
実施例では、本発明を遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシンに適用した例について説明したが、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに適用しても良い。遊技球を遊技用価値として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、前記実施例1で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えば、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであっても良い。すなわち、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンを適用しても良い。
また、実施例では遊技機としてスロットマシンを例に説明したが、上記実施例で開示したメイン制御部41及びメイン制御部41に関連する初期設定処理、タイマ割込処理、コマンド格納処理、通常時コマンド送信処理、電断時コマンド送信処理、タイマカウンタの更新処理等、サブ制御部91及びサブ制御部91に関連する処理を、他の遊技機、例えば、遊技領域に遊技球を発射させることで遊技が行われ、発射された遊技球が遊技領域内に設けられた入賞口に入って入賞が発生することで、賞球として遊技球が払い出されるパチンコ遊技機等に適用しても良い。