JP2017072046A - Engine system - Google Patents
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Abstract
Description
この発明は、エンジンで発生するブローバイガスを吸気通路へ流してエンジンへ還元させると共に、加熱手段により加熱された空気を吸気通路へ導入するように構成したエンジンシステムに関する。 The present invention relates to an engine system configured to cause blow-by gas generated in an engine to flow into an intake passage to be reduced to the engine and to introduce air heated by a heating unit into the intake passage.
従来、この種の技術として、例えば、下記の特許文献1に記載されるブローバイガス還元装置が知られている。この装置は、車両に搭載されたエンジンにおいて、エンジンで発生するブローバイガスを蓄積するブローバイガス蓄積部(クランクケース、ヘッドカバー)と、同蓄積部から吸気通路へブローバイガスを流すためのブローバイガス通路と、同蓄積部へ換気のために外部から新気を導入するための新気導入通路とを備える。ブローバイガス通路は、例えば、ヘッドカバーと吸気通路のサージタンクとの間に設けられ、ヘッドカバーには、圧力感応式のPCV弁を介してブローバイガス通路の一端が接続される。
Conventionally, as this type of technology, for example, a blow-by gas reduction device described in
ところが、特許文献1に記載される装置では、冷間時のエンジン始動後にエンジンが暖機されるまでの間で、燃焼室からピストンリングの隙間を介してブローバイガスがクランクケースの中へ漏れ出ることがあった。この漏れ出たブローバイガスが、クランクケースの冷えた内壁に接触することにより結露(凝縮水)が発生することがあった。ここで、車両がショートトリップを繰り返すと、クランクケースの中で凝縮水が頻繁に生じることになった。この凝縮水がエンジンオイルに混入すると、エンジンオイル性能が低下するおそれがあった。
However, in the device described in
ここで、圧力感応式のPCV弁は、吸気負圧に応じた流量特性を備える。この流量特性は、いかなる条件下でブローバイガスがエンジンに還元されても、エンジンに不具合が生じることがないように設定されている。図21に、その流量特性の一例を実線のグラフにより示す。このグラフでは、低負荷ほど流量が絞られる。また、負圧による流量特性なので、空気量が少ないエンジン低回転域では問題ないが、空気量の多いエンジン高負荷域では、PCV弁の前後で圧力差がなくなり、要求に対して流量が減少するという問題があった。従って、圧力感応式のPCV弁では、任意に流量を制御することができなかった。 Here, the pressure-sensitive PCV valve has a flow rate characteristic corresponding to the intake negative pressure. This flow rate characteristic is set so that no malfunction occurs in the engine even if blow-by gas is reduced to the engine under any conditions. FIG. 21 shows an example of the flow characteristics by a solid line graph. In this graph, the flow rate is reduced as the load decreases. In addition, since the flow characteristics are due to negative pressure, there is no problem in the low engine speed range where the air volume is small. There was a problem. Therefore, the flow rate cannot be arbitrarily controlled with the pressure-sensitive PCV valve.
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、冷間時にブローバイガス蓄積部での凝縮水の発生を抑えることを可能としたエンジンシステムを提供することにある。 The present invention has been made in view of the above circumstances, and an object of the present invention is to provide an engine system capable of suppressing the generation of condensed water in the blow-by gas accumulating unit when cold.
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、エンジンに吸気を導入するための吸気通路と、吸気通路は、吸気入口を含み、吸気入口から外気を導入することと、エンジンから排気を導出するための排気通路と、加熱手段により加熱された高温空気を吸気通路に導入するために吸気通路に接続された高温空気通路と、吸気通路と高温空気通路との接続部に設けられ、吸気入口からの外気、高温空気通路からの高温空気又は外気と高温空気との混合空気を吸気通路の下流側へ選択的に流すために流路を変更する流路変更弁と、エンジンで発生するブローバイガスを蓄積するためのブローバイガス蓄積部と、ブローバイガス蓄積部から吸気通路へブローバイガスを流すためのブローバイガス通路と、ブローバイガス通路におけるブローバイガス流量を調節するためのブローバイガス調節弁と、ブローバイガス蓄積部を換気するためにブローバイガス蓄積部へ新気を導入するための新気導入通路と、少なくとも流路変更弁とブローバイガス調節弁を制御するための制御手段とを備えたエンジンシステムにおいて、制御手段は、ブローバイガス調節弁につきエンジンの運転状態に応じた最適開度を算出し、冷間時には高温空気通路からの高温空気を吸気通路の下流側へ流すために流路変更弁を制御すると共に、ブローバイガス調節弁を、算出された最適開度より所定値大きい開度に制御することを趣旨とする。
In order to achieve the above object, an invention according to
上記発明の構成によれば、冷間時に高温空気を吸気通路へ導入するために流路変更弁が制御されたときは、開度が最適開度より所定値大きい開度になるようにブローバイガス調節弁が制御手段により制御される。従って、ブローバイガス蓄積部から吸気通路へブローバイガス通路を介して通常よりも多いブローバイガスが流れてエンジンへ還元される。このとき、ブローバイガス蓄積部を換気するために、吸気通路からブローバイガス蓄積部へは、還元されたブローバイガス流量の分だけ、新気導入通路を介して高温空気が新気として導入され、ブローバイガス蓄積部がその高温空気により暖機される。 According to the configuration of the above invention, when the flow path change valve is controlled in order to introduce high-temperature air into the intake passage when cold, the blow-by gas is set so that the opening degree is larger than the optimum opening degree by a predetermined value. The control valve is controlled by the control means. Therefore, more blow-by gas than usual flows from the blow-by gas accumulating portion to the intake passage through the blow-by gas passage and is reduced to the engine. At this time, in order to ventilate the blow-by gas accumulating section, high-temperature air is introduced as fresh air from the intake passage to the blow-by gas accumulating section through the fresh air introduction passage by the amount of the reduced blow-by gas flow. The gas accumulating part is warmed up by the hot air.
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、制御手段は、高温空気通路からの高温空気を吸気通路の下流側へ流すために流路変更弁を制御した後、高温空気が加熱に十分な所定温度に上昇するまでの間は、ブローバイガス調節弁を、最適開度より所定値小さい開度に制御することを趣旨とする。 In order to achieve the above object, according to a second aspect of the present invention, in the first aspect of the present invention, the control means changes the flow path so that the high temperature air from the high temperature air passage flows to the downstream side of the intake passage. The purpose is to control the blow-by gas control valve to an opening smaller than the optimum opening by a predetermined value until the high temperature air rises to a predetermined temperature sufficient for heating after the valve is controlled.
上記発明の構成によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、冷間時に高温空気を吸気通路へ導入するために流路変更弁が制御された後は、高温空気が加熱に十分な所定温度に上昇するまでの間で、ブローバイガス調節弁が、最適開度より所定値小さい開度に制御される。従って、その間は、ブローバイガス蓄積部から吸気通路へブローバイガス通路を介して通常よりも少ないブローバイガスが流れてエンジンへ還元される。このとき、吸気通路からブローバイガス蓄積部へは、少ないブローバイガス流量に応じて、新気導入通路を介して導入される新気(所定温度に達していない高温空気)の量が少なくなり、ブローバイガス蓄積部の暖機の減少が抑えられる。
According to the configuration of the above invention, in addition to the operation of the invention according to
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、流路変更弁より下流の吸気通路における吸気温度を検出するための吸気温度検出手段を更に備え、制御手段は、エンジンの始動時に吸気温度検出手段により検出される吸気温度を始動時吸気温度として取り込み、高温空気を吸気通路の下流側へ流すために流路変更弁を制御した後に吸気温度検出手段により検出される吸気温度を高温空気流通後吸気温度として取り込み、高温空気流通後吸気温度が始動時吸気温度よりも所定の上乗せ値以上高くなったときに、ブローバイガス調節弁を、最適開度より大きい開度に制御することを趣旨とする。
In order to achieve the above object, the invention described in claim 3 is the invention described in
上記発明の構成によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用に加え、高温空気流通後吸気温度が始動時吸気温度よりも所定の上乗せ値以上高くなって高温空気が高温となったときに、開度が最適開度より大きい開度にブローバイガス調節弁が制御される。従って、ブローバイガス蓄積部から吸気通路へブローバイガス通路を介して通常よりも多いブローバイガスが流れてエンジンへ還元される。このとき、ブローバイガス蓄積部を換気するために、吸気通路からブローバイガス蓄積部へは、還元されたブローバイガス流量の分だけ、新気導入通路を介して高温となった高温空気が新気として導入され、ブローバイガス蓄積部がその高温空気により適正に暖機される。
According to the configuration of the above invention, in addition to the operation of the invention described in
上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、外気湿度を検出するための外気湿度検出手段を更に備え、制御手段は、外気湿度検出手段により検出される外気湿度に応じて上乗せ値を増大させることを趣旨とする。
To achieve the above object, the invention described in
上記発明の構成によれば、請求項3に記載の発明の作用に加え、外気湿度検出手段により検出される外気湿度に応じて上乗せ値が増大されるので、高温空気の湿度が相対的に高くなっても、外気湿度に応じてより高くなった高温空気が新気としてブローバイガス蓄積部へ導入される。従って、ブローバイガス蓄積部がその高温空気により適正に暖機されると共に、高温空気中の水分の結露が抑えられる。 According to the configuration of the invention, in addition to the action of the invention according to claim 3, the added value is increased according to the outside air humidity detected by the outside air humidity detecting means, so that the humidity of the high temperature air is relatively high. Even if it becomes, the high temperature air which became higher according to external air humidity will be introduce | transduced into a blowby gas accumulation | storage part as fresh air. Therefore, the blow-by gas accumulating unit is appropriately warmed up by the high-temperature air, and condensation of moisture in the high-temperature air is suppressed.
上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、ブローバイガス蓄積部は、エンジンに設けられるクランクケースを含むことと、流路変更弁より下流の吸気通路における吸気温度を検出するための吸気温度検出手段と、クランクケースの中の温度を検出するためのクランクケース内温度検出手段とを更に備え、制御手段は、高温空気を吸気通路の下流側へ流すために流路変更弁を制御した後に吸気温度検出手段により検出される吸気温度を高温空気流通後吸気温度として取り込み、クランクケース内温度検出手段により検出されるクランクケースの中の温度の方が高温空気流通後吸気温度よりも所定値以上低いときは、ブローバイガス調節弁を、最適開度より小さい開度に制御することを趣旨とする。 In order to achieve the above object, according to a fifth aspect of the present invention, in the first or second aspect of the present invention, the blow-by gas accumulating section includes a crankcase provided in the engine, and a flow path changing valve. Intake air temperature detecting means for detecting the intake air temperature in the downstream intake passage and crankcase temperature detecting means for detecting the temperature in the crankcase are further provided, and the control means supplies the hot air to the intake passage. The intake air temperature detected by the intake air temperature detecting means after controlling the flow path changing valve to flow downstream is taken in as the intake air temperature after high-temperature air circulation, and the temperature in the crankcase detected by the in-crankcase temperature detecting means When this is lower than the intake air temperature after circulation of high-temperature air by a predetermined value or more, the purpose is to control the blow-by gas control valve to an opening smaller than the optimum opening. That.
上記発明の構成によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用に加え、クランクケースの中の温度の方が高温空気流通後吸気温度よりも所定値以上低いときは、最適開度より小さい開度にブローバイガス調節弁が制御される。従って、クランクケースの中に導入される高温空気の温度がクランクケースの中の温度より所定値以上低いときは、クランクケースの中へ導入される高温空気の量が少なく抑えられ、クランクケースでの結露が抑えられる。
According to the configuration of the invention, in addition to the operation of the invention according to
上記目的を達成するために、請求項6に記載の発明は、請求項3又は4に記載の発明において、ブローバイガス蓄積部は、エンジンに設けられるクランクケースを含むことと、クランクケースの中の温度を検出するためのクランクケース内温度検出手段とを更に備え、制御手段は、高温空気を吸気通路の下流側へ流すために流路変更弁を制御した後に吸気温度検出手段により検出される吸気温度を高温空気流通後吸気温度として取り込み、クランクケース内温度検出手段により検出されるクランクケースの中の温度の方が高温空気流通後吸気温度よりも所定値以上低いときは、ブローバイガス調節弁を、最適開度より小さい開度に制御することを趣旨とする。 In order to achieve the above object, according to a sixth aspect of the present invention, in the third or fourth aspect of the present invention, the blow-by gas accumulation portion includes a crankcase provided in the engine, A crankcase temperature detecting means for detecting the temperature, and the control means detects the intake air detected by the intake air temperature detecting means after controlling the flow path changing valve to flow the high-temperature air downstream of the intake passage. If the temperature in the crankcase detected by the temperature detection means is lower than the intake temperature after high-temperature air flow by a predetermined value or more, the blow-by gas control valve is turned on. The purpose is to control the opening smaller than the optimum opening.
上記発明の構成によれば、請求項3又は4に記載の発明の作用に加え、クランクケースの中の温度の方が高温空気流通後吸気温度よりも所定値以上低いときは、最適開度より小さい開度にブローバイガス調節弁が制御される。従って、クランクケースの中に導入される高温空気の温度がクランクケースの中の温度より所定値以上低いときは、クランクケースの中へ導入される高温空気の量が少なく抑えられ、クランクケースでの結露が抑えられる。
According to the configuration of the above invention, in addition to the operation of the invention according to
上記目的を達成するために、請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明において、エンジンに供給される空燃比を検出するための空燃比検出手段を更に備え、制御手段は、ブローバイガス調節弁を、最適開度より所定値大きい開度に制御した後、空燃比検出手段により検出される空燃比がリッチ側へずれる場合に、ブローバイガス調節弁の開度を減少補正することを趣旨とする。
In order to achieve the above object, the invention described in
上記発明の構成によれば、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明の作用に加え、ブローバイガス調節弁が最適開度より所定値大きい開度に制御された後、エンジンに供給される空燃比がリッチ側へずれる場合は、一旦大きく制御されたブローバイガス調節弁の開度が減少補正されるので、ブローバイガス蓄積部から吸気通路へのブローバイガス流量が少なく抑えられる。
According to the configuration of the invention, in addition to the operation of the invention according to any one of
請求項1に記載の発明によれば、冷間時にブローバイガス蓄積部での凝縮水の発生を抑えることができる。
According to invention of
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、ブローバイガス蓄積部に導入される高温空気が加熱に十分な所定温度に上昇するまでの間でも、ブローバイガス蓄積部での凝縮水の発生を抑えることができる。 According to the second aspect of the present invention, in addition to the effect of the first aspect of the invention, the blow-by gas is used until the high-temperature air introduced into the blow-by gas accumulation unit rises to a predetermined temperature sufficient for heating. Generation of condensed water in the accumulator can be suppressed.
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、ブローバイガス蓄積部での凝縮水の発生をより確実に抑えることができる。
According to the invention described in claim 3, in addition to the effect of the invention described in
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の効果に加え、外気湿度にかかわらず、冷間時にブローバイガス蓄積部での凝縮水の発生をより確実に抑えることができる。
According to the invention described in
請求項5に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、冷間時にクランクケースの中の温度に合わせてクランクケースの中での凝縮水の発生をより確実に抑えることができる。
According to the invention described in
請求項6に記載の発明によれば、請求項3又は4に記載の発明の効果に加え、冷間時にクランクケースの中の温度に合わせてクランクケースの中での凝縮水の発生をより確実に抑えることができる。
According to the invention described in
請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明の効果に加え、エンジンへのブローバイガス導入による空燃比リッチ化を抑えることができ、空燃比の適正化を図ることができる。
According to the invention described in
<第1実施形態>
以下、この発明のエンジンシステムを具体化した第1実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
<First Embodiment>
Hereinafter, a first embodiment of an engine system according to the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
図1に、この実施形態のエンジンシステムを概略構成図により示す。この実施形態で、自動車に搭載されるエンジン1は、4サイクルのレシプロエンジンであり、4つの気筒2と、クランクシャフト3とを含む。エンジン1には、エンジン1へ吸気を導入するための吸気通路4と、エンジン1から排気を導出するための排気通路5とが設けられる。吸気通路4には、上流側からエアクリーナ6、電子スロットル装置7及び吸気マニホルド8が設けられる。電子スロットル装置7は、モータ31により開閉駆動されるバタフライ式のスロットル弁9と、スロットル弁9の開度(スロットル開度)TAを検出するためのスロットルセンサ41とを含む。吸気マニホルド8は、サージタンク8aと、サージタンク8aから各気筒2へ分岐する4つの分岐通路8bとを含む。排気通路5には、同通路5を流れる排気を浄化するための触媒コンバータ10が設けられる。触媒コンバータ10は、貴金属よりなる三元触媒10aを内蔵する。
FIG. 1 is a schematic configuration diagram showing an engine system of this embodiment. In this embodiment, the
エンジン1は、シリンダブロック11とシリンダヘッド12とを含む。シリンダブロック11は各気筒2を含み、各気筒2にはピストン13が設けられる。各ピストン13は、コンロッド14を介してクランクシャフト3に連結される。各気筒2は、燃焼室15を含む。燃焼室15は、各気筒2にて、ピストン13とシリンダヘッド12との間に形成される。シリンダブロック11の下側のスカート部11bには、オイルパン23が設けられ、そのオイルパン23とスカート部11bとによりクランクケース25が構成される。シリンダヘッド12には、各気筒2の燃焼室15に連通する吸気ポート16と排気ポート17が形成される。各吸気ポート16は、それぞれ吸気通路4(吸気マニホルド8)に通じる。各排気ポート17は、それぞれ排気通路5に通じる。各吸気ポート16には、吸気弁18が、各排気ポート17には、排気弁19がそれぞれ設けられる。各吸気弁18及び各排気弁19は、クランクシャフト3の回転に連動して、つまりは、各ピストン13の上下動に連動して、ひいてはエンジン1の一連の作動行程(吸気行程、圧縮行程、爆発行程、排気行程)に連動して、カムシャフト20,21を含む動弁機構により開閉駆動される。吸気弁18は、吸気側のカムシャフト20により開閉駆動され、排気弁19は、排気側のカムシャフト21により開閉駆動される。
The
シリンダヘッド12には、各気筒2のそれぞれに対応して、各吸気ポート16へ燃料を噴射するためのインジェクタ32が設けられる。各インジェクタ32は、燃料供給装置(図示略)から供給される燃料を噴射するように構成される。各燃焼室15には、吸気行程等に、インジェクタ32から噴射される燃料と吸気マニホルド8から吸入される空気とにより可燃混合気が形成される。この実施形態では、各気筒2が排気行程となるときにインジェクタ32から燃料が噴射されるようになっている。
The
シリンダヘッド12は、その上部を覆うヘッドカバー30を含む。ヘッドカバー30及びシリンダヘッド12には、各気筒2のそれぞれに対応して点火プラグ36が設けられる。各点火プラグ36は、イグニションコイル37から出力される点火信号を受けてスパーク動作する。両部品36,37は、各燃焼室15にて可燃混合気に点火する点火装置を構成する。各燃焼室15の中の可燃混合気は、圧縮行程で各点火プラグ36のスパーク動作により爆発・燃焼し、爆発行程が経過する。燃焼後の排気は、排気行程で各燃焼室15から排気ポート17、排気通路5及び触媒コンバータ10を経て外部へ排出される。このように各燃焼室15における可燃混合気の燃焼等に伴い、各ピストン13が上下運動し、一連の作動行程が進行してクランクシャフト3が回転することで、エンジン1に動力が得られる。このエンジン1では、各気筒2で一連の作動行程が1回完了する毎に、クランクシャフト3が2回転(720℃A回転)するようになっている。
The
このエンジン1には、燃焼室15から排気通路5へ導出される排気の一部を排気還流ガス(EGRガス)として吸気通路4へ流して各気筒2の燃焼室15へ還流させる排気還流装置(EGR装置)51が設けられる。このEGR装置51は、EGRガスを流す排気還流通路(EGR通路)52と、そのEGR通路52に設けられ、EGR通路52におけるEGRガスの流量を調節するための排気還流弁(EGR弁)53と、EGR通路52に設けられ、EGRガスを冷却するための排気還流クーラ(EGRクーラ)54とを備える。EGR弁53は、開度可変に電気的に制御される電動弁である。EGR通路52には、EGRクーラ54を迂回するバイパス通路55が設けられ、そのバイパス通路55にはEGRガスの流れを制御するためのバイパス弁56が設けられる。バイパス弁56は、その開度が電気的に制御される電動弁である。
In the
EGR通路52は、排気還流入口(EGR入口)52a及び排気還流出口(EGR出口)52bを含む。EGR入口52aは、触媒コンバータ10より下流の排気通路5に接続される。EGR出口52bは、電子スロットル装置7にてスロットル弁9の下流側に接続される。
The
この実施形態では、エンジン1の付属装置として、外気、高温空気又は外気と高温空気との混合空気を吸気通路4の下流側へ選択的に流して吸気温度を制御するための吸気温度制御装置61を備える。この装置61は、シリンダヘッド12の近傍であって排気通路5(排気マニホルド)の周辺の高温空気を回収するための漏斗形状をなすシュラウド62と、そのシュラウド62にて回収された高温空気をエアクリーナ6より上流の吸気通路4へ導入するための高温空気通路63と、エアクリーナ6の上流側にて吸気通路4と高温空気通路63との接続部に設けられた流路変更弁64とを備える。流路変更弁64には、高温空気通路63の一端が接続される。この実施形態では、シリンダヘッド12の近傍における排気通路5は本発明の加熱手段の一例に相当し、その排気通路5で加熱された高温空気がシュラウド62により回収されて高温空気通路63へ流れるようになっている。流路変更弁64は、電動弁であり、弁体65と、弁体65を駆動するモータ66とを備える。弁体65は、図1に実線で示す外気導入位置(この場合の弁体65の開度を「0%」とする。)と、図1に2点鎖線で示す高温空気導入位置(この場合の弁体65の開度を「100%」とする。)との間で切り替え配置可能に設けられると共に、外気導入位置と高温空気導入位置との間の任意の中間位置(例えば「50%」の開度とすることができる。)に保持可能に設けられる。弁体65が外気導入位置に配置されることで、高温空気通路63からの高温空気を遮断し、吸気入口4aからの外気をエアクリーナ6以降の吸気通路4へ導入するようになっている(外気導入)。一方、弁体65が高温空気導入位置に配置されることで、吸気入口4aからの外気を遮断し、高温空気通路63からの高温空気をエアクリーナ6以降の吸気通路4へ導入するようになっている(高温空気導入)。また、弁体65が外気導入位置と高温空気導入位置との間の任意の中間位置に保持されることで、吸気入口4aからの外気と高温空気通路63からの高温空気との混合空気をエアクリーナ6以降の吸気通路4へ導入するようになっている(混合空気気導入)。弁体65の中間位置は適宜変更可能になっている。
In this embodiment, as an accessory device of the
この吸気温度制御装置61によれば、高温空気導入時には、吸気マニホルド8を含む吸気通路4の暖機を促進し、吸気通路4でのEGRガスによる凝縮水の発生を抑えることができる。一方、外気導入時には、最適な吸気温度(40〜50℃)を維持し、吸気中の酸素密度を安定化させ、吸気効率を向上させることができる。これにより、エンジン1の燃焼効率を向上させることができ、エンジン1のノッキング抑制を図ることができる。
According to the intake air
この実施形態では、エンジン1の燃焼室15で発生するブローバイガスがクランクケース25及びヘッドカバー30の中に蓄積されるようになっている。クランクケース25の中とヘッドカバー30の中は、シリンダブロック11に形成された連通路(図示略)を介して連通する。従って、燃焼室15からクランクケース25へ漏れ出たブローバイガスは、連通路を介してヘッドカバー30の中へ流れるようになっている。この実施形態で、クランクケース25とヘッドカバー30は本発明のブローバイガス蓄積部の一例に相当する。これ以降において、ブローバイガス蓄積部、すなわち、クランクケース25及びヘッドカバー30のことを「クランクケース25等」と称する。
In this embodiment, blow-by gas generated in the
この実施形態では、ヘッドカバー30と吸気通路4との間に、ヘッドカバー30から吸気通路4へブローバイガスを流すためのブローバイガス通路71が設けられる。この通路71は、ブローバイガス入口71aとブローバイガス出口71bとを備える。ブローバイガス入口71aは、PCV(ポジティブ・クランクケース・ベンチレーション)弁72を介してヘッドカバー30に接続される。PCV弁72は、開度可変に電気的に制御される電動弁より構成され、ブローバイガス通路71におけるブローバイガス流量を調節するための本発明のブローバイガス調節弁の一例に相当する。ブローバイガス出口71bは、サージタンク8aに接続される。また、ヘッドカバー30と吸気通路4との間には、クランクケース25等の中へ換気のために外部から新気を導入するための新気導入通路73が設けられる。新気導入通路73は、新気入口73aと新気出口73bを含む。新気入口73aは、エアクリーナ6の近傍の吸気通路4に接続され、新気出口73bは、クランクケース25に接続される。
In this embodiment, a
図1に示すように、エンジン1に設けられる各種センサ41〜50は、エンジン1の運転状態を検出するための運転状態検出手段を構成する。運転席に設けられたアクセルペダル27には、アクセルセンサ42が設けられる。アクセルセンサ42は、アクセルペダル27の操作量である踏み込み角度をアクセル開度ACCとして検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。エンジン1に設けられた水温センサ43は、シリンダブロック11に形成された水ジャケット11a等を流れる冷却水の温度(冷却水温度)THWを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。エンジン1に設けられた回転速度センサ44は、クランクシャフト3の回転速度(エンジン回転速度)NEを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。このセンサ44は、クランクシャフト3の一端に固定されたタイミングロータ28の回転を所定の角度ごとに検出するように構成される。電子スロットル装置7より上流の吸気通路4に設けられたエアフローメータ45は、吸気通路4を流れる吸気量Gaを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。排気通路5に設けられた酸素センサ46は、排気通路5へ導出される排気中の酸素濃度(出力電圧)Oxを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。酸素センサ46は、本発明の空燃比検出手段の一例に相当する。エアクリーナ6に設けられた吸気温センサ47は、流路変更弁64より下流の吸気通路4における吸気温度THAを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。吸気温センサ47は、本発明の吸気温度検出手段の一例に相当する。サージタンク8aに設けられた吸気圧センサ48は、電子スロットル装置7より下流の吸気通路4における吸気圧力PMを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。吸気入口4aの近傍に設けられた湿度センサ49は、外気湿度HMAを検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。湿度センサ49は、本発明の外気湿度検出手段の一例に相当する。クランクケース25に設けられたクランクケース内温センサ50は、クランクケース25の中の温度をクランクケース内温度THCとして検出し、その検出値に応じた電気信号を出力する。クランクケース内温センサ50は、本発明のクランクケース内温度検出手段の一例に相当する。
As shown in FIG. 1,
このエンジンシステムは、エンジン1の運転を制御するための電子制御装置(ECU)90を備える。ECU90には、各種センサ41〜50がそれぞれ接続される。また、ECU90には、電子スロットル装置7のモータ31、各インジェクタ32、各イグニションコイル37、EGR弁53、バイパス弁56、流路変更弁64のモータ66及びPCV弁72がそれぞれ接続される。ECU90は、本発明の制御手段の一例に相当する。
The engine system includes an electronic control unit (ECU) 90 for controlling the operation of the
この実施形態で、ECU90は、各種センサ41〜50からの出力信号に基づき燃料噴射制御、点火時期制御、EGR制御及びPCV制御等を実行するために、モータ31、各インジェクタ32、各イグニションコイル37、EGR弁53、バイパス弁56、モータ66及びPCV弁72をそれぞれ制御するようになっている。
In this embodiment, the
ここで、燃料噴射制御とは、エンジン1の運転状態に応じて各インジェクタ32による燃料噴射量及びその噴射タイミングを制御することである。点火時期制御とは、エンジン1の運転状態に応じて各イグニションコイル37を制御することにより、各点火プラグ36による点火時期を制御することである。EGR制御とは、エンジン1の運転状態に応じてEGR弁53及びバイパス弁56を制御することにより、各燃焼室15へ還流されるEGR流量を制御することである。PCV制御とは、エンジン1の運転状態に応じてPCV弁72等を制御することにより、各燃焼室15へ還元されるブローバイガス流量等を制御することである。
Here, the fuel injection control is to control the fuel injection amount and the injection timing by each
周知のようにECU90は、中央処理装置(CPU)、各種メモリ、外部入力回路及び外部出力回路等を備える。メモリには、エンジン1の各種制御に関する所定の制御プログラムが格納される。CPUは、入力回路を介して入力される各種センサ41〜50の検出信号に基づき、所定の制御プログラムに基づいて前述した各種制御を実行する。
As is well known, the
次に、この実施形態におけるPCV制御の内容について詳しく説明する。図2に、そのPCV制御の内容をフローチャートにより示す。ECU90は、エンジン1の始動と同時にこのルーチンの処理を開始するようになっている。
Next, the contents of the PCV control in this embodiment will be described in detail. FIG. 2 is a flowchart showing the contents of the PCV control. The
処理がこのルーチンへ移行すると、ステップ100で、ECU90は、水温センサ43、回転速度センサ44、吸気温センサ47及び吸気圧センサ48の検出値に基づき、冷却水温度THW、エンジン回転速度NE、吸気温度THA及びエンジン負荷KLをそれぞれ取り込む。
When the process shifts to this routine, in
次に、ステップ110で、ECU90は、エンジン1が始動時であるか否かを判断する。例えば、ECU90は、この判断をエンジン回転速度NEに基づいて行うことができる。ECU90は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ120へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ130へジャンプする。
Next, in
ステップ120では、ECU90は、ステップ100で取り込まれた吸気温度THAを、エンジン1の始動時における吸気温度THA(始動時吸気温度THAS)として取り込む。この始動時吸気温度THASは、始動時におけるクランクケース25の中の温度にも相当する。
In
そして、ステップ130では、ECU90は、取り込まれた吸気温度THAが所定値A1より低いか否か、すなわち、高温空気が高過ぎないか否かを判断する。ECU90は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ140へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理はステップ200へ移行する。
In
ステップ140では、ECU90は、始動時吸気温度THASが所定値B1(A1>B1)より低いか否かを判断する。この所定値B1として、外気温が低温であるか否かを判断できる値を当てはめることができる。ECU90は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ150へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ200へ移行する。
In
ステップ150では、ECU90は、外気温が低温であることから高温空気導入を実行する。すなわち、ECU90は、弁体65を高温空気導入位置へ切り替えるように流路変更弁64を制御する。これにより、高温空気通路63からの高温空気が吸気通路4に導入され、その下流側へと流れる。
In
次に、ステップ160では、ECU90は、始動時吸気温度THASと所定の上乗せ値C1との和が高温空気導入後の吸気温度THAより低いか否かを判断する。すなわち、ECU90は、現在の吸気温度THAが、始動時吸気温度THASから上乗せ値C1を超えて高くなっているいか否かを判断する。この実施形態で、この上乗せ値C1は固定値であるが、各種条件に合わせて任意に設定することができる。ECU90は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ170へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ240へ移行する。
Next, at
ステップ170で、ECU90は、PCV弁72の流量増制御を許可する。すなわち、ECU90は、クランクケース25等からブローバイガス通路71へ流れるブローバイガス流量を増加させるPCV弁72への制御を許可する。
In
次に、ステップ180で、ECU90は、取り込まれた冷却水温度THW、エンジン回転速度NE及びエンジン負荷KLに基づき、PCV弁72のための増量目標PCV開度TWPCVを算出する。詳しくは、ECU90は、図3にフローチャートで示すような処理によりこの増量目標PCV開度TWPCVを算出することができる。
Next, at
すなわち、図3において、ステップ500では、ECU90は、取り込まれたエンジン回転速度NEとエンジン負荷KLにより常温目標PCV開度Tpcvを算出する。ECU90は、所定の特性マップを参照することにより、エンジン回転速度NEとエンジン負荷KLに対する常温目標PCV開度Tpcvを求めることができる。この常温目標PCV開度Tpcvは、本発明の最適開度の一例に相当する。
That is, in FIG. 3, in
次に、ステップ510で、ECU90は、取り込まれた冷却水温度THWにより開度補正係数KTWを算出する。ECU90は、例えば、図4に示す特性マップを参照することにより、冷却水温度THWに対する開度補正係数KTWを求めることができる。この特性マップで、開度補正係数KTWは、冷却水温度THWが所定の低温域で最大値(>1.0)となり、低温域から中温域にかけて「1.0」へ向けて徐々に低下し、中温域から高温域にかけて「1.0」で一定となるように設定される。すなわち、この開度補正係数KTWは、低温域では最適開度である常温目標PCV開度Tpcvを増量補正するように設定される。
Next, in
次に、ステップ520で、ECU90は、常温目標PCV開度Tpcvに開度補正係数KTWを乗算することにより増量目標PCV開度TWPCVを算出する。
Next, in
次に、ステップ530で、ECU90は、増量目標PCV開度TWPCVが所定値J1より小さいか否かを判断する。この所定値J1は、この増量目標PCV開度TWPCVの上限値であり、ECU90は、この判断結果が肯定となる場合はそのまま次の処理へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ540へ移行する。そして、ステップ540では、ECU90は、増量目標PCV開度TWPCVを上限値である所定値J1に設定した後、次の処理へ移行する。
Next, in
そして、図2のフローチャートへ戻り、ステップ190で、ECU90は、PCV弁72を増量目標PCV開度TWPCVに制御する。
Returning to the flowchart of FIG. 2, in
一方、ステップ160から移行してステップ240では、ECU90は、PCV弁72の流量増制御を禁止する。すなわち、ECU90は、クランクケース25等からブローバイガス通路71へ流れるブローバイガス流量を増加させるPCV弁72の制御を禁止する。
On the other hand, in
次に、ステップ250で、ECU90は、PCV弁72をエンジン回転速度NEとエンジン負荷KLにより決定される通常目標PCV開度TPCVに制御し、処理をステップ100へ戻す。ECU90は、図3のステップ500で使用される所定の特性マップを参照することにより、エンジン回転速度NEとエンジン負荷KLに対する常温目標PCV開度Tpcvを、通常目標PCV開度TPCVとして求めることができる。
Next, in
一方、ステップ130又はステップ140から移行してステップ200では、外気導入を実行する。すなわち、ECU90は、弁体65を外気導入位置へ切り替えるように流路変更弁64を制御する。
On the other hand, the process proceeds from
次に、ステップ210で、ECU90は、PCV弁72の流量増制御を許可する。
Next, in
次に、ステップ220で、ECU90は、取り込まれた冷却水温度THW、エンジン回転速度NE及びエンジン負荷KLに基づき、PCV弁72のための増量目標PCV開度TWPCVを算出する。この計算の内容は、図3にフローチャートで示す内容と同じである。
Next, in
次に、ステップ230で、ECU90は、PCV弁72を増量目標PCV開度TWPCVに制御し、処理をステップ100へ戻す。
Next, in
上記制御によれば、ECU90は、PCV弁72につきエンジン1の運転状態に応じた最適開度を算出するようになっている。そして、冷間時には、高温空気通路63からの高温空気を吸気通路4の下流側へ流すために流路変更弁64を制御すると共に、PCV弁72を、算出された最適開度より所定値大きい開度に制御するようになっている。すなわち、ECU90は、高温空気導入後の吸気温度THAが始動時吸気温度THASよりも所定の上乗せ値以上C1高くなったときに、PCV弁72を、最適開度より大きい開度に制御するようになっている。
According to the above control, the
以上説明したこの実施形態のエンジンシステムによれば、冷間時に高温空気を吸気通路4へ導入するために流路変更弁64が制御されたときは、開度が最適開度より所定値大きい開度になるようにPCV弁72がECU90により制御される。従って、クランクケース25等から吸気通路4へブローバイガス通路71を介して通常よりも多いブローバイガスが流れてエンジン1の燃焼室15へ還元される。このとき、クランクケース25等を換気するために、吸気通路4からクランクケース25等へは、還元されたブローバイガス流量の分だけ、新気導入通路73を介して高温空気が新気として導入され、クランクケース25等が高温空気により暖機される。このため、冷間時にクランクケース25等での凝縮水の発生を抑えることができる。
According to the engine system of this embodiment described above, when the flow path change
この実施形態では、高温空気導入後の吸気温度THAが始動時吸気温度THASよりも所定の上乗せ値C1以上高くなって高温空気がある程度の高温となったときに、開度が最適開度より所定値大きい開度になるようにPCV弁72が制御される。従って、クランクケース25等から吸気通路4へブローバイガス通路71を介して通常よりも多いブローバイガスが流れてエンジン1へ還元される。このとき、クランクケース25等を換気するために、吸気通路4からクランクケース25等へは、還元されたブローバイガス流量の分だけ、新気導入通路73を介してある程度の高温となった高温空気が新気として導入され、クランクケース25等がその高温空気により適正に暖機される。このため、冷間時にクランクケース25等での凝縮水の発生をより確実に抑えることができる。
In this embodiment, when the intake air temperature THA after introduction of the high-temperature air is higher than the start intake air temperature THAS by a predetermined additional value C1 or more and the high-temperature air becomes a certain high temperature, the opening degree is predetermined from the optimum opening degree. The
この実施形態では、冷間時に吸気通路4へ高温空気が導入されるときに、PCV弁72が最適開度より所定値大きい開度に制御され、クランクケース25等でのブローバイガス換気率が増大する。このため、エンジンオイルへの凝縮水及び燃料の混入を抑制することができ、エンジンオイル性能低下を抑えることができる。加えて、クランクケース25等の中も高温空気により温度上昇するので、クランクシャフト3等のフリクション低減にも効果があり、その分だけエンジン1の燃費も向上させることができる。
In this embodiment, when high-temperature air is introduced into the
<第2実施形態>
次に、この発明のエンジンシステムを具体化した第2実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
Second Embodiment
Next, a second embodiment in which the engine system of the present invention is embodied will be described in detail with reference to the drawings.
なお、以下の説明において、第1実施形態と同等の構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なった点を中心に説明する。 In the following description, the same components as those in the first embodiment are denoted by the same reference numerals, description thereof is omitted, and different points are mainly described.
この実施形態では、PCV制御の内容の点で第1実施形態と構成が異なる。図5に、そのPCV制御の内容をフローチャートにより示す。図5のフローチャートでは、ステップ100とステップ110との間にステップ300が設けられ、ステップ150とステップ170との間に、ステップ160の代わりにステップ310とステップ320が設けられる点で、図2のフローチャートと構成が異なる。
This embodiment is different from the first embodiment in terms of the contents of PCV control. FIG. 5 is a flowchart showing the contents of the PCV control. In the flowchart of FIG. 5,
処理がこのルーチンへ移行すると、ECU90は、ステップ100の処理を実行した後、ステップ300で、湿度センサ49の検出値に基づき外気湿度HMAを取り込む。
When the process proceeds to this routine, the
その後、ステップ110〜ステップ150の処理を実行後、ステップ310で、ECU90は、取り込まれた外気湿度HMAより、高温空気導入開始による温度の上乗せ値KBを求める。ECU90は、図6に示す特性マップを参照することにより、外気湿度に対する上乗せ値KBを求めることができる。図6の特性マップでは、上乗せ値KBは、外気湿度HMAが低湿度から所定値H1へ増加する間は所定値K1で一定となり、その後、外気湿度HMAが所定値H2(H2>H1)へ増加するに連れて所定値K2まで増加するように設定される。
Thereafter, after executing the processing of
次に、ステップ320で、ECU90は、始動時吸気温度THASと上乗せ値KBとの和が高温空気導入後の吸気温度THAより低いか否かを判断する。すなわち、ECU90は、現在の吸気温度THAが、始動時吸気温度THASから外気湿度HMAに応じた上乗せ値KBを超えて高くなっているか否かを判断する。ECU90は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ170へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ240へ移行する。
Next, at
上記制御によれば、第1実施形態における制御に加えて、ECU90は、湿度センサ49により検出される外気湿度HMAに応じて、ステップ320での吸気温度THAに対する上乗せ値KBを増大させるようになっている。すなわち、ECU90は、エンジン1の始動時吸気温度THASと高温空気導入後の吸気温度THAとを比較し、高温空気導入後の吸気温度THAが外気湿度HMAに応じた上乗せ値KB以上高くなった後にPCV弁72を最適開度より所定値大きい開度に制御することで、ブローバイガス流量を増加させるようになっている。
According to the above control, in addition to the control in the first embodiment, the
以上説明したこの実施形態のエンジンシステムによれば、第1実施形態の作用効果に加え、次のような作用効果を得ることができる。ここで、冷間時には、高温空気もエンジン1の始動直後には低温であることから、クランクケース25等の中へ新気導入通路73を介して高温空気を新気として導入しても、クランクケース25等の中の湿度より新気の湿度の方が高いことがある。この場合、流路変更弁64を制御することで吸気通路4へ高温空気を導入し、新気導入通路73を介してクランクケース25等の中へも高温空気を新気として導入すると、凝縮水が発生し、エンジンオイルへの凝縮水混入のおそれがある。一方、エンジン1の急加速時には、燃焼室15に供給される空気量が不足するおそれがある。この場合、燃焼室15へは外気を導入する必要があるが、流路変更弁64を制御することで吸気通路4へ外気を導入すると、クランクケース25等の中の温度より低い外気が新気導入通路73を介してクランクケース25等の中へ導入され、クランクケース25等の内壁で結露が発生し易くなるおそれがある。
According to the engine system of this embodiment described above, the following functions and effects can be obtained in addition to the functions and effects of the first embodiment. Here, since the high-temperature air is cold immediately after the start of the
これに対し、この実施形態では、湿度センサ49により検出される外気湿度HMAに応じてステップ320での吸気温度THAに対する上乗せ値KBが増大される。従って、高温空気の湿度が相対的に高くなっても、外気湿度HMAに応じてより高く設定された高温空気が、新気としてクランクケース25等の中へ導入される。従って、クランクケース25等が高温空気により適正に暖機されると共に、それらの中で高温空気中の水分の結露が抑えられる。このため、外気湿度HMAにかかわらず、冷間時にクランクケース25等での凝縮水の発生をより確実に抑えることができる。
On the other hand, in this embodiment, the additional value KB for the intake air temperature THA in
<第3実施形態>
次に、この発明のエンジンシステムを具体化した第3実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
<Third Embodiment>
Next, a third embodiment of the engine system according to the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
この実施形態では、PCV制御の内容の点で前記各実施形態と構成が異なる。図7に、そのPCV制御の内容をフローチャートにより示す。図7のフローチャートでは、ステップ120とステップ130との間にステップ400及びステップ410が設けられ、ステップ150とステップ160との間に、ステップ420及びステップ430が設けられ、ステップ180とステップ190との間にステップ440〜ステップ460が設けられる点で、図2のフローチャートと構成が異なる。
This embodiment is different from the above embodiments in terms of the contents of PCV control. FIG. 7 is a flowchart showing the contents of the PCV control. In the flowchart of FIG. 7,
処理がこのルーチンへ移行すると、ECU90は、ステップ100〜ステップ120の処理を実行した後、ステップ400で、スロットルセンサ41の検出値に基づきスロットル開度TAを取り込む。
When the processing shifts to this routine, the
次に、ステップ410で、ECU90は、クランクケース内温センサ50の検出値に基づきクランクケース内温度THCを取り込む。
Next, at
その後、ステップ130〜ステップ150の処理を実行後、ステップ420で、ECU90は、取り込まれたスロットル開度TAが、所定値D1よりも小さいか否かを判断する。ここで、所定値D1は、エンジン1が加速運転であることを判断ができる値であり、ECU90は、このステップ420において、エンジン1が加速運転でないか否かを判断する。ECU90は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ160へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ430へ移行する。
Thereafter, after executing the processing of
ステップ430では、エンジン1が加速運転であることから、ECU90は、外気導入を強制実行した後、処理をステップ160へ移行する。すなわち、ECU90は、弁体65を外気導入位置へ強制的に切り替えるように流路変更弁64を制御する。このステップ430の処理を実行するのは、エンジン1の加速運転時に高温空気でなく低温の外気をエンジン1へ供給することでエンジン1の出力低下を抑えるためである。
In
その後、ステップ160〜ステップ180の処理を実行した後、ステップ440で、ECU90は、吸気温度THAと所定値αとの差が現在のクランクケース内温度THCより高いか否かを判断する。すなわち、ECU90は、高温空気導入時に、吸気温度THAが、クランクケース内温度THCよりも十分に高いか否かを判断する。ECU90は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ190へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ450へ移行する。
Thereafter, after executing the processing of
ステップ450では、ECU90は、ステップ180で算出された増量目標PCV開度TWPCVの二分の一の値を減量目標PCV開度TDPCVとして設定する。すなわち、ECU90は、吸気温度THAがクランクケース内温度THCよりも十分に高くない場合は、PCV弁72を通過するブローバイガス流量を半分に絞るために、ステップ180で算出された増量目標PCV開度TWPCVを半分に低減させるのである。
In
次に、ステップ460で、ECU90は、PCV弁72を減量目標PCV開度TDPCVに制御した後、処理をステップ100へ移行する。
Next, in
以上説明したこの実施形態のエンジンシステムによれば、第1実施形態の作用効果に加え、次のような作用効果を得ることができる。すなわち、クランクケース内温度THCの方が高温空気導入後の吸気温度THAよりも所定値α以上低いときは、開度が最適開度より所定値小さい開度になるようにPCV弁72が制御される。従って、クランクケース25等に導入される高温空気の温度がクランクケース内温度THCより所定値α以上低いときは、クランクケース25等の中へ導入される高温空気の量が少なめに抑えられ、クランクケース25等での結露が抑えられる。このため、冷間時には、クランクケース内温度THCに合わせてクランクケース25等の中での凝縮水の発生をより確実に抑えることができる。
According to the engine system of this embodiment described above, the following functions and effects can be obtained in addition to the functions and effects of the first embodiment. That is, when the crankcase internal temperature THC is lower than the intake air temperature THA after introduction of the high-temperature air by a predetermined value α or more, the
<第4実施形態>
次に、この発明のエンジンシステムを具体化した第4実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
<Fourth embodiment>
Next, a fourth embodiment that embodies the engine system of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
この実施形態では、PCV制御の内容の点で前記各実施形態と構成が異なる。図8に、そのPCV制御の内容をフローチャートにより示す。図8のフローチャートでは、ステップ190の後にステップ600〜ステップ630が設けられ、ステップ230の後にステップ640〜ステップ670が設けられる点で、図2のフローチャートと構成が異なる。
This embodiment is different from the above embodiments in terms of the contents of PCV control. FIG. 8 is a flowchart showing the contents of the PCV control. The flowchart of FIG. 8 differs from the flowchart of FIG. 2 in that Steps 600 to 630 are provided after
処理がこのルーチンへ移行すると、ECU90は、ステップ100〜ステップ190の処理を実行した後、ステップ600で、PCV弁72の流量増制御を実行した後に、PCV弁72を開から閉に、その後、閉から開に開閉制御し、そのPCV弁72の開閉時における第1空燃比補正値差ΔKAF1を算出する。詳しくは、ECU90は、図9にフローチャートで示すような処理によりこの第1空燃比補正値差ΔKAF1を算出することができる。
When the processing shifts to this routine, the
すなわち、図9において、ステップ700では、ECU90は、PCV弁72が開いている時の開時空燃比補正値KAFPOを算出する。ECU90は、酸素センサ46の検出値に基づき、所定の適切な空燃比とのズレを補正するためにこの補正値KAFPOを算出することができる。
That is, in FIG. 9, in
次に、ステップ710で、ECU90は、PCV弁72につき強制閉弁制御を実行する。すなわち、ECU90は、開弁中のPCV弁72を強制的に閉弁させるのである。
Next, in
次に、ステップ720では、ECU90は、PCV弁72が閉じている時の閉時空燃比補正値KAFPCを算出する。ECU90は、酸素センサ46の検出値に基づき、所定の適切な空燃比とのズレを補正するためにこの補正値KAFPCを算出することができる。
Next, at
次に、ステップ730で、ECU90は、PCV弁72につき強制閉弁制御を中止する。すなわち、ECU90は、強制閉弁中のPCV弁72を通常開度制御へ戻すのである。
Next, in
その後、ステップ740で、ECU90は、PCV弁72を開閉したときの第1空燃比補正値差ΔKAF1を算出する。すなわち、ECU90は、閉時空燃比補正値KAFPCから開時空燃比補正値KAFPOを減算することにより第1空燃比補正値差ΔKAF1を算出する。この第1空燃比補正値差ΔKAF1の大きさは、エンジン1に供給される空燃比のリッチ側へのずれ(空燃比リッチずれ)の程度を意味することになる。
Thereafter, in
そして、図8のフローチャートへ戻り、ステップ610で、ECU90は、PCV弁72の開度を補正するために、第1空燃比補正値差ΔKAF1に応じた第1開度補正値KPCV1を算出する。ECU90は、例えば、図10に示す特性マップを参照することにより、第1空燃比補正値差ΔKAF1に応じた第1開度補正値KPCV1を算出することができる。この特性マップで、第1開度補正値KPCV1は、第1空燃比補正値差ΔKAF1が「0」から中程度までの間では「1.0」となり、中程度以上では、ある下限値へ向けて徐々に減少するように設定されている。すなわち、この開度補正値KPCV1は、第1空燃比補正値差ΔKAF1が中程度以上に大きくなるとPCV弁72の開度を減量補正するように設定される。
Returning to the flowchart of FIG. 8, in
次に、ステップ620では、ECU90は、増量目標PCV開度TWPCVに第1開度補正値KPCV1を乗算することにより減量目標PCV開度TDPCVを算出する。
Next, in
そして、ステップ630で、ECU90は、PCV弁72を減量目標PCV開度TDPCVに制御した後、処理をステップ100へ戻す。
In
一方、ステップ230から移行してステップ640では、PCV弁72の流量増制御を実行した後に、PCV弁72を開から閉に、その後、閉から開に開閉制御し、そのPCV弁72の開閉時における第2空燃比補正値差ΔKAF2を算出する。この詳しい処理の内容は、図9のフローチャートの内容に準ずる。
On the other hand, in
次に、ステップ650で、ECU90は、PCV弁72の開度を補正するために、第2空燃比補正値差ΔKAF2に応じた第2開度補正値KPCV2を算出する。ECU90は、例えば、図11に示す特性マップを参照することにより、第2空燃比補正値差ΔKAF2に応じた第2開度補正値KPCV2を算出することができる。この特性マップの特徴は、図10の特性マップに準ずる。
Next, at
次に、ステップ660では、ECU90は、増量目標PCV開度TWPCVに第2開度補正値KPCV2を乗算することにより減量目標PCV開度TDPCVを算出する。
Next, at
そして、ステップ670で、ECU90は、PCV弁72を減量目標PCV開度TDPCVに制御した後、処理をステップ100へ戻す。
In
上記制御によれば、ECU90は、PCV弁72を、最適開度より所定値大きい開度に制御した後、酸素センサ46により検出される空燃比がリッチ側へずれる場合に、PCV弁72の開度を減少補正するようになっている。
According to the above control, the
以上説明したこの実施形態のエンジンシステムによれば、第1実施形態の作用効果に加え、次のような作用効果を得ることができる。すなわち、この実施形態では、高温空気導入実行又は外気導入実行に合わせてPCV弁72の開度を、最適開度より所定値大きい開度になるように制御する、すなわちブローバイガスの流量増制御を実行するようになっている。これにより、凝縮水対策については、PCV弁72の開度を増大させてブローバイガス流量を増量させるほど、凝縮水の発生を抑制したり、凝縮水蒸散効果を得たりすることができる。しかし、その反面、エンジンオイルに燃料混入が多い場合は、エンジンオイル温度が上昇するほど燃料蒸発が促進され、ブローバイガス流量を増量させるほどエンジン1に供給される空燃比がリッチ側へずれるおそれがある。この空燃比リッチずれに関しては、高温空気導入を停止することも考えられるが、その場合は、吸気通路4にてEGRガスによる凝縮水の発生を抑制できなくなる場合がある。
According to the engine system of this embodiment described above, the following functions and effects can be obtained in addition to the functions and effects of the first embodiment. That is, in this embodiment, the opening degree of the
そこで、この実施形態では、ECU90は、PCV弁72を、その開度が最適開度より所定値大きい開度になるように制御した後、酸素センサ46により検出される酸素濃度Oxに基づき、空燃比リッチずれの程度(第1空燃比補正値差ΔKAF1又は第2空燃比補正値差ΔKAF2)を求める。そして、空燃比がリッチ側へずれている場合は、そのずれの程度に応じてPCV弁72の開度(増量目標PCV開度TWPCV)を第1開度補正値KPCV1又は第2開度補正値KPCV2に基づき減少補正するようにしている。従って、エンジン1に供給される空燃比がリッチ側へずれる場合は、一旦大きく制御されたPCV弁72の開度が減少補正されるので、クランクケース25等から吸気通路4へのブローバイガス流量が少なく抑えられる。このため、エンジン1へのブローバイガス導入による空燃比リッチ化を抑えることができ、空燃比の適正化を図ることができる。
Therefore, in this embodiment, the
<第5実施形態>
次に、この発明のエンジンシステムを具体化した第5実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
<Fifth Embodiment>
Next, a fifth embodiment of the engine system according to the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
この実施形態では、PCV制御の内容の点で前記各実施形態と構成が異なる。図12に、そのPCV制御の内容をフローチャートにより示す。図12のフローチャートでは、ステップ120とステップ130との間にステップ800が、ステップ130とステップ140との間にステップ810が、ステップ150とステップ160との間にステップ820が、ステップ160とステップ170との間にステップ830がそれぞれ設けられ、ステップ180、ステップ190の代わりにステップ840〜ステップ860が設けられる。また、ステップ800とステップ200との間にステップ870とステップ880が設けられ、ステップ220、ステップ230の代わりにステップ890とステップ900が設けられる。更に、ステップ820とステップ240との間にステップ910及びステップ920が設けられ、ステップ250の代わりにステップ930及びステップ940が設けられる。図12のフローチャートは、これらの点で図2のフローチャートと構成が異なる。
This embodiment is different from the above embodiments in terms of the contents of PCV control. FIG. 12 is a flowchart showing the contents of the PCV control. In the flowchart of FIG. 12,
処理がこのルーチンへ移行すると、ECU90は、ステップ100〜ステップ120の処理を実行した後、ステップ800で、吸気温切替えヒス判定フラグXTHAHが「0」か否かを判断する。このフラグXTHAHは、吸気を外気導入と高温空気導入との間で切り替えたときに発生し得る吸気温度THAの変化のヒステリシス判定に係るものであり、後述するように「1」か「0」に設定される。ECU90は、この判断結果が肯定となる場合に処理をステップ130へ移行し、この判断結果が否定となる場合に処理をステップ870へ移行する。
When the process proceeds to this routine, the
ステップ130では、ECU90は、吸気温度THAが所定値A1より低いか否かを判断する。この所定値A1として、例えば「60℃」を当てはめることができる。ECU90は、この判断結果が肯定となる場合に処理をステップ810へ移行し、この判断結果が否定となる場合に処理をステップ200へ移行する。
In
ステップ810では、ECU90は、吸気温切替えヒス判定フラグXTHAHを「1」に設定する。
In
その後、ステップ140で、ECU90は、始動時吸気温度THASが所定値B1(A1>B1)より低いか否かを判断する。この所定値B1として、外気温が低温であるか否かを判断できる値(例えば「35℃」)を当てはめることができる。この判断結果が肯定となる場合は、ステップ150で、ECU90は、外気温が低温であることから高温空気導入を実行する。この判断結果が否定となる場合は、ステップ200で、ECU90は、外気温が低温でないことから外気導入を実行する。
Thereafter, in
ステップ150の処理を実行した後、ECU90は、ステップ820で、PCV流量切替えヒス判定フラグXSTHAが「0」であるか否かを判断する。このフラグXSTHAは、PCV弁72の開度を切り替えたときに発生し得るPCV流量の変化のヒステリシス判定に係るものであり、後述するように「1」か「0」に設定される。ECU90は、この判断結果が肯定となる場合に処理をステップ160へ移行し、この判断結果が否定となる場合に処理をステップ910へ移行する。
After executing the processing of
ステップ160では、ECU90は、始動時吸気温度THASと所定の上乗せ値C1との和が高温空気導入後の吸気温度THAより低いか否かを判断する。すなわち、ECU90は、現在の吸気温度THAが、始動時吸気温度THASから上乗せ値C1を超えて高くなっているいか否かを判断する。この上乗せ値C1として、例えば「5℃」を当てはめることができる。ECU90は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ830へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ240へ移行する。
In
ステップ830では、ECU90は、PCV流量切替えヒス判定フラグXSTHAを「1」に設定した後、ステップ170の処理を実行する。
In
次に、ステップ840で、ECU90は、エンジン回転速度NE及びエンジン負荷KLに基づき、高温空気導入時のPCV弁72のための高温目標PCV開度thpcvを算出する。例えば、ECU90は、図13に示すように、エンジン回転速度NE、エンジン負荷KL及び高温目標PCV開度thpcvの関係が予め設定された高温マップデータを参照することで、この目標PCV開度thpcvを算出することができる。このマップでは、エンジン回転速度NEがある程度まで高くなるに連れ、及び、エンジン負荷KLが高くなるに連れて高温目標PCV開度thpcvが大きくなるように設定されている。
Next, at
次に、ステップ850で、ECU90は、高温目標PCV開度thpcvを最終目標PCV開度TFPCVとして設定する。
Next, at
その後、ステップ860で、ECU90は、PCV弁72を最終目標PCV開度TFPCVに制御し、処理をステップ100へ戻す。
Thereafter, in
一方、ステップ800から移行してステップ870では、ECU90は、吸気温度THAが所定値A2より高いか否かを判断する。この所定値A2として、例えば「55℃」を当てはめることができる。ECU90は、この判断結果が肯定となる場合に処理をステップ880へ移行し、この判断結果が否定となる場合に処理をステップ140へ移行する。
On the other hand, in
ステップ880では、ECU90は、吸気温切替えヒス判定フラグXTHAHを「0」に設定する。
In
その後、ECU90は、ステップ880、ステップ130及びステップ140から移行してステップ200及びステップ210の処理を実行した後、処理をステップ890へ移行する。ステップ890で、ECU90は、エンジン回転速度NE及びエンジン負荷KLに基づき、外気導入時のPCV弁72のための低温目標PCV開度tcpcvを算出する。例えば、ECU90は、図14に示すように、エンジン回転速度NE、エンジン負荷KL及び低温目標PCV開度tcpcvの関係が予め設定された低温マップデータを参照することで、この目標PCV開度tcpcvを算出することができる。このマップでは、図13のマップと同様、エンジン回転速度NEがある程度まで高くなるに連れ、及び、エンジン負荷KLが高くなるに連れて低温目標PCV開度tcpcvが大きくなるように設定されている。但し、例えば、エンジン回転速度NEが「400〜1600rpm」となり、エンジン負荷KLが「20〜60%」となる領域では、低温目標PCV開度tcpcvの方が高温目標PCV開度thpcvよりも相対的に小さくなるように設定されている。
Thereafter, the
次に、ステップ900で、ECU90は、低温目標PCV開度tcpcvを最終目標PCV開度TFPCVとして設定した後、ステップ860の処理を実行する。
Next, in
一方、ステップ820から移行してステップ910では、ECU90は、始動時吸気温度THASと所定の上乗せ値C2との和が高温空気導入後の吸気温度THAより高いか否かを判断する。すなわち、ECU90は、現在の吸気温度THAが、始動時吸気温度THASに上乗せ値C2を加えた温度よりも低くなっているいか否かを判断する。この上乗せ値C2として、例えば「2℃」を当てはめることができる。ECU90は、この判断結果が肯定となる場合は処理をステップ920へ移行し、この判断結果が否定となる場合は処理をステップ830へ移行する。
On the other hand, in
ステップ920では、ECU90は、PCV流量切替えヒス判定フラグXSTHAを「0」に設定した後、ステップ240の処理を実行する。
In
その後、ステップ930で、ECU90は、PCV流量増量禁止時における常温目標PCV開度tpcvを算出する。例えば、ECU90は、図15に示すように、エンジン回転速度NE、エンジン負荷KL及び常温目標PCV開度tpcvの関係が予め設定された常温マップデータを参照することで、この目標PCV開度tpcvを算出することができる。このマップでは、図13、図14のマップと同様、エンジン回転速度NEがある程度まで高くなるに連れ、及び、エンジン負荷KLが高くなるに連れて常温目標PCV開度tpcvが大きくなるように設定されている。但し、この常温マップデータでは、エンジン回転速度NEとエンジン負荷KLで定義される全領域において、常温目標PCV開度tpcvが、他の高温マップデータ(図13)及び低温マップデータ(図14)で設定される高温目標PCV開度thpcv及び低温目標PCV開度tcpcvよりも相対的に小さい値に設定されている。また、図15において、例えば、エンジン回転速度NEが「800rpm」となるときの常温目標PCV開度tpcvの値が、差圧動作式の従前のPCV弁により調節されるPCV流量に相当する。
Thereafter, in
次に、ステップ940で、ECU90は、常温目標PCV開度tpcvを最終目標PCV開度TFPCVとして設定した後、ステップ860の処理を実行する。
Next, in
上記制御によれば、ECU90は、PCV弁72につき、エンジン1の運転状態に応じた最適開度を算出し、冷間時には、高温空気通路63からの高温空気を吸気通路4の下流側へ流すために流路変更弁64を制御すると共に、PCV弁72を、算出された最適開度より所定値大きい開度に制御するようになっている。また、ECU90は、高温空気通路63からの高温空気を吸気通路4の下流側へ流すために流路変更弁64を制御した後、高温空気が加熱に十分な所定温度に上昇するまでの間は、PCV弁72を、最適開度より所定値小さい開度に制御するようになっている。さらに、ECU90は、流路変更弁64及びPCV弁72の制御のハンチングを抑えるために、吸気を外気導入と高温空気導入との間で切り替えるための吸気温度THAの判断にヒステリシスを設けるようになっている。
According to the above control, the
以上説明したこの実施形態のエンジンシステムによれば、第1実施形態の作用効果に加え、次のような作用効果を得ることができる。ここで、冷間時には、高温空気もエンジン1の始動直後には低温であることから、クランクケース25等の中へ新気導入通路73を介して高温空気を新気として導入しても、クランクケース25等の中の湿度より新気の湿度の方が高いことがある。この場合、吸気通路4へ導入した高温空気を、新気導入通路73を介してクランクケース25等の中へ新気として導入すると、凝縮水が発生し、エンジンオイルへの凝縮水混入をかえって促進するおそれがある。
According to the engine system of this embodiment described above, the following functions and effects can be obtained in addition to the functions and effects of the first embodiment. Here, since the high-temperature air is cold immediately after the start of the
これに対し、この実施形態では、高温空気導入後の吸気温度THAが、始動時吸気温度THASよりも所定の上乗せ値C1以上高くなっていないとき、つまり、流路変更弁64が高温空気導入位置に制御された後に高温空気が加熱に十分な所定温度に達していないときは、PCV弁72による流量増制御が禁止され、高温目標PCV開度thpcv及び低温目標PCV開度tcpcvよりも相対的に小さい常温目標PCV開度tpcvが算出される。そして、その常温目標PCV開度tpcvが最終目標PCV開度TFPCVとして設定され、PCV弁72が、同目標PCV開度TFPCVに制御される。つまり、PCV弁72が、最適開度より所定値小さい開度に制御される。従って、高温空気が加熱に十分な所定温度に達するまでの間は、クランクケース25等から吸気通路4へブローバイガス通路71を介して通常よりも少ないブローバイガスが流れてエンジン1へ還元される。このとき、吸気通路4からクランクケース25等へは、少ないブローバイガス流量に応じて、新気導入通路73を介して導入される新気(所定温度に達していない高温空気)の量が少なくなり、クランクケース25等の暖機の減少が抑えられる。このため、クランクケース25等に導入される高温空気が加熱に十分な所定温度に上昇するまでの間で、クランクケース25等での凝縮水の発生を抑えることができる。
On the other hand, in this embodiment, when the intake air temperature THA after the introduction of the high temperature air is not higher than the start intake air temperature THAS by a predetermined additional value C1, that is, the flow path change
また、この実施形態では、吸気を外気導入と高温空気導入との間で切り替えるための吸気温度THAの判断にヒステリシスを設けているので、流路変更弁64とPCV弁72の制御に際して、開度を頻繁に切り替えるようなハンチングを抑えることができ、吸気温度THA及びブローバイガス流量をそれぞれ安定的に調整することができる。
In this embodiment, since hysteresis is provided in the determination of the intake air temperature THA for switching the intake air between the introduction of the outside air and the introduction of the high temperature air, the opening degree is controlled when the flow path change
<第6実施形態>
次に、この発明のエンジンシステムを具体化した第6実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
<Sixth Embodiment>
Next, a sixth embodiment of the engine system according to the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
この実施形態では、PCV制御の内容の点で前記各実施形態と構成が異なる。図16〜図18に、本実施形態のPCV制御の内容につき、図12のフローチャートと異なる部分のみをフローチャートにより示す。図16は、図12のステップ850に代わる内容を示し、図17は、図12のステップ900に代わる内容を示し、図18は、図12のステップ940に代わる内容を示す。
This embodiment is different from the above embodiments in terms of the contents of PCV control. FIGS. 16 to 18 show only the parts different from the flowchart of FIG. 12 with respect to the contents of the PCV control of this embodiment. FIG. 16 shows contents that replace
図12のステップ840から移行して図16のステップ851では、ECU90は、冷却水温度THWより第1の水温補正係数KTW1を算出する。例えば、ECU90は、所定のマップデータを参照することによりこの補正係数KTW1を算出することができる。
Shifting from
次に、ステップ852では、ECU90は、高温目標PCV開度thpcvに第1の水温補正係数KTW1を乗算することで補正後の高温目標PCV開度Thpcvを算出する。
Next, in
次に、ステップ853では、ECU90は、補正後の高温目標PCV開度Thpcvが第1の上限値L1より小さいか否かを判断する。ECU90は、この判断結果が否定となる場合に処理をステップ854へ移行し、この判断結果が肯定となる場合に処理をステップ855へ移行する。
Next, in
ステップ854では、ECU90は、補正後の高温目標PCV開度Thpcvを第1の上限値L1に設定する。
In
ステップ853又はステップ854から移行してステップ855では、ECU90は、補正後の高温目標PCV開度Thpcvを最終目標PCV開度TFPCVに設定し、処理を図12のステップ860へ移行する。
In
図12のステップ890から移行して図17のステップ901では、ECU90は、冷却水温度THWより第2の水温補正係数KTW2を算出する。例えば、ECU90は、所定のマップデータを参照することによりこの補正係数KTW2を算出することができる。
From
次に、ステップ902では、ECU90は、低温目標PCV開度tcpcvに第2の水温補正係数KTW2を乗算することで補正後の低温目標PCV開度Tcpcvを算出する。
Next, in
次に、ステップ903では、ECU90は、低温目標PCV開度Tcpcvが第2の上限値L2より小さいか否かを判断する。ECU90は、この判断結果が否定となる場合に処理をステップ904へ移行し、この判断結果が肯定となる場合に処理をステップ905へ移行する。
Next, in
ステップ904では、ECU90は、低温目標PCV開度Tcpcvを第2の上限値L2に設定する。
In
ステップ903又はステップ904から移行してステップ905では、低温目標PCV開度Tcpcvを最終目標PCV開度TFPCVに設定し、処理を図12のステップ860へ移行する。
In
図12のステップ930から移行して図18のステップ941では、ECU90は、冷却水温度THWより第3の水温補正係数KTW3を算出する。例えば、ECU90は、所定のマップデータを参照することによりこの補正係数KTW3を算出することができる。
From
次に、ステップ942では、ECU90は、常温目標PCV開度tpcvに第3の水温補正係数KTW3を乗算することで補正後の常温目標PCV開度Tpcvを算出する。
Next, in
次に、ステップ943では、ECU90は、低温目標PCV開度Tcpcvが第2の上限値L2より小さいか否かを判断する。ECU90は、この判断結果が否定となる場合に処理をステップ904へ移行し、この判断結果が肯定となる場合に処理をステップ905へ移行する。
Next, in
ステップ944では、ECU90は、常温目標PCV開度Tpcvを第3の上限値L3に設定する。
In
ステップ943又はステップ944から移行してステップ945では、常温目標PCV開度Tpcvを最終目標PCV開度TFPCVに設定し、処理を図12のステップ860へ移行する。
In
上記制御では、冷却水温度THWの違いによってエンジン1の暖機状態が異なり、それによって吸気通路4の周りの雰囲気温度等の条件も異なることから、ECU90は、それら条件の違いに応じてPCV弁72を制御するのための最終目標PCV開度TFPCVを補正するようになっている。
In the above control, the warm-up state of the
以上説明したこの実施形態のエンジンシステムによれば、第5実施形態の作用効果に加え、次のような作用効果を得ることができる。すなわち、この実施形態では、高温目標PCV開度thpcv、低温目標PCV開度tcpcv及び常温目標PCV開度tpcvのそれぞれが、エンジン1の暖機状態を反映した冷却水温度THWに応じた各水温補正係数KTW1〜KTW3により補正されることで最終目標PCV開度TFPCVが求められる。そして、PCV弁72が、求められた最終目標PCV開度TFPCVに制御される。このため、エンジン1の暖機状態にかかわらず、冷間時にクランクケース25等での凝縮水の発生をより確実に抑えることができる。
According to the engine system of this embodiment described above, the following functions and effects can be obtained in addition to the functions and effects of the fifth embodiment. That is, in this embodiment, each of the high temperature target PCV opening thpcv, the low temperature target PCV opening tcpcv, and the normal temperature target PCV opening tpcv is corrected according to the cooling water temperature THW reflecting the warm-up state of the
<第7実施形態>
次に、この発明のエンジンシステムを具体化した第7実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
<Seventh embodiment>
Next, a seventh embodiment embodying the engine system of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
この実施形態では、PCV制御の内容の点で前記各実施形態と構成が異なる。図19に、そのPCV制御の内容をフローチャートにより示す。図19のフローチャートでは、ステップ140とステップ160との間にステップ150の代わりにステップ1000〜ステップ1030が設けられ、ステップ130及びステップ140とステップ210との間にステップ200の代わりにステップ1040〜ステップ1110が設けられ、ステップ1000とステップ160及びステップ240との間にステップ1120〜ステップ1180が設けられる点で、図2のフローチャートと構成が異なる。
This embodiment is different from the above embodiments in terms of the contents of PCV control. FIG. 19 is a flowchart showing the contents of the PCV control. In the flowchart of FIG. 19,
処理がこのルーチンへ移行すると、ECU90は、ステップ100〜ステップ140の処理を実行した後、ステップ1000で、高温判定フラグが「0」であるか否かを判断する。このフラグXHAは、後述するように、流路変更弁64が高温空気導入位置へ初めて切り替えられたときに「1」に設定されるものである。ECU90は、この判断結果が肯定となる場合に処理をステップ1010へ移行し、この判断結果が否定となる場合に処理をステップ1120へ移行する。
When the process proceeds to this routine, the
ステップ1010では、ECU90は、流路変更弁64に係る目標流路開度tacvを「100%」に設定する。すなわち、流路変更弁64の開度を高温空気導入位置に設定する。
In
次に、ステップ1020で、ECU90は、その目標流路開度tacvを最終目標流路開度TACVとして設定する。
Next, in
そして、ステップ1030で、ECU90は、流路変更弁64の開度を最終目標流路開度TACVに制御した後、処理をステップ160へ移行する。
In
一方、ステップ130又はステップ140から移行してステップ1040では、ECU90は、高温判定フラグXHAを「1」に設定する。
On the other hand, in
次に、ステップ1050で、ECU90は、吸気温度THAから所定値A1を減算することにより目標温度差ΔTを算出する。
Next, at
次に、ステップ1060で、ECU90は、目標温度差ΔTに応じた変更制御量tdacvを算出する。ECU90は、例えば、図20に示すような制御マップを参照することにより変更制御量tdacvを算出することができる。この制御マップでは、目標温度差ΔTがプラス側へ大きくなるほど、マイナス側へ大きくなるほど、変更制御量tdacvが高くなるように設定されている。
Next, in
次に、ステップ1070では、ECU90は、前回の目標流路開度tacvから変更制御量tdacvを減算することにより新たな目標流路開度tacvを算出する。
Next, in
次に、ステップ1080で、ECU90は、新たな目標流路開度tacvが下限値としての「0%」以上であるか否かを判断する。ECU90は、この判断結果が否定となる場合に処理をステップ1090へ移行し、この判断結果が肯定となる場合に処理をステップ1100へ移行する。
Next, in
ステップ1090では、ECU90は、目標流路開度tacvを下限値である「0%」に設定する。すなわち、ECU90は、外気導入位置を目標流路開度tacvとして設定する。
In
ステップ1080又はステップ1090から移行してステップ1100では、ECU90は、目標流路開度tacvを最終目標流路開度TACVとして設定する。
In
そして、ステップ1110で、ECU90は、流路変更弁64の開度を最終目標流路開度TACVに制御した後、処理をステップ210へ移行する。
In
一方、ステップ1000から移行してステップ1120では、ECU90は、吸気温度THAから所定値A1を減算することにより目標温度差ΔTを算出する。
On the other hand, in
次に、ステップ1130で、ECU90は、目標温度差ΔTに応じた変更制御量tdacvを算出する。ECU90は、例えば、図20に示すような制御マップを参照することにより変更制御量tdacvを算出することができる。
Next, in
次に、ステップ1140では、ECU90は、前回の目標流路開度tacvに変更制御量tdacvを加算することにより新たな目標流路開度tacvを算出する。
Next, at
次に、ステップ1150で、ECU90は、新たな目標流路開度tacvが下限値としての「0%」以下であるか否かを判断する。ECU90は、この判断結果が否定となる場合に処理をステップ1160へ移行し、この判断結果が肯定となる場合に処理をステップ1170へ移行する。
Next, in
ステップ1160では、ECU90は、目標流路開度tacvを下限値である「100%」に設定する。すなわち、ECU90は、高温空気導入位置を目標流路開度tacvとして設定する。
In
ステップ1150又はステップ1160から移行してステップ1170では、ECU90は、目標流路開度tacvを最終目標流路開度TACVとして設定する。
In
そして、ステップ1180で、ECU90は、流路変更弁64の開度を最終目標流路開度TACVに制御した後、処理をステップ240へ移行する。
In
上記制御によれば、ECU90は、流路変更弁64の開度を制御するに際し、冷間時に高温空気を吸気通路4の下流側へ流すために流路変更弁64を高温空気導入位置(100%)に制御する場合以外の場合では、吸気温度THAと所定値A1との差(目標温度差ΔT)に応じた中間開度又は外気導入位置(0%)で流路変更弁64を制御するようになっている。
According to the above control, when controlling the opening degree of the flow
以上説明したこの実施形態のエンジンシステムによれば、第2実施形態の作用効果に加え、次のような作用効果を得ることができる。すなわち、この実施形態では、流路変更弁64が、吸気温度THAに応じて高温空気導入位置(100%)と外気導入位置(0%)に制御されると共に、それら以外の中間開度にも制御される。このため、吸気通路4の下流側へ導入される吸気の温度を、より精密に制御することができる。これによって、新気導入通路73を介してクランクケース25等に導入される新気の温度や湿度をより精密に調整することができ、クランクケース25等での凝縮水の発生をより精密に抑制することができる。
According to the engine system of this embodiment described above, the following functions and effects can be obtained in addition to the functions and effects of the second embodiment. That is, in this embodiment, the flow
なお、この発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更して実施することもできる。 Note that the present invention is not limited to the above-described embodiments, and a part of the configuration can be changed as appropriate without departing from the spirit of the invention.
(1)前記各実施形態では、本発明をEGR装置51を備えたエンジンシステムに具体化したが、EGR装置を持たないエンジンシステムに具体化することもできる。
(1) In each of the above embodiments, the present invention is embodied in an engine system including the
(2)前記第3実施形態では、クランクケース内温度THCを検出するための専用のクランクケース内温センサ50(クランクケース内温度検出手段)をクランクケース25に設けてクランクケース内温度THCを取り込んだが、吸気温センサ47を本発明のクランクケース内温度検出手段として使用し、始動時吸気温度THASをクランクケース内温度として取り込むこともできる。
(2) In the third embodiment, the crankcase internal temperature sensor 50 (crankcase internal temperature detection means) for detecting the crankcase internal temperature THC is provided in the
(3)前記各実施形態では、排気通路5を本発明の加熱手段として使用したが、電気ヒータ等を本発明の加熱手段として使用することもできる。
(3) In each of the above embodiments, the
この発明は、エンジンで発生するブローバイガスを吸気通路へ流してエンジンへ還元させると共に、加熱手段により加熱された空気を吸気通路へ導入するように構成したエンジンシステムに利用することができる。 The present invention can be used in an engine system configured to flow blowby gas generated in an engine to the intake passage and reduce it to the engine, and to introduce air heated by the heating means into the intake passage.
1 エンジン
4 吸気通路
4a 吸気入口
5 排気通路(加熱手段)
25 クランクケース(ブローバイガス蓄積部)
30 ヘッドカバー(ブローバイガス蓄積部)
46 酸素センサ(空燃比検出手段)
47 吸気温センサ(吸気温度検出手段)
49 湿度センサ(外気湿度検出手段)
50 クランクケース内温センサ(クランクケース内温度検出手段)
63 高温空気通路
64 流路変更弁
71 ブローバイガス通路
71a ブローバイガス入口
71b ブローバイガス出口
72 PCV弁(ブローバイガス調節弁)
73 新気導入通路
90 ECU(制御手段)
THA 吸気温度
THAS 始動時吸気温度
HMA 外気湿度
THC クランクケース内温度
1
25 Crankcase (Blow-by gas storage part)
30 Head cover (Blow-by gas accumulator)
46 Oxygen sensor (air-fuel ratio detection means)
47 Intake air temperature sensor (Intake air temperature detection means)
49 Humidity sensor (outside air humidity detection means)
50 Crankcase internal temperature sensor (Crankcase internal temperature detection means)
63 High-
73 Fresh
THA Intake air temperature THAS Start-up intake air temperature HMA Outside air humidity THC Crankcase internal temperature
Claims (7)
前記吸気通路は、吸気入口を含み、前記吸気入口から外気を導入することと、
前記エンジンから排気を導出するための排気通路と、
加熱手段により加熱された高温空気を前記吸気通路に導入するために前記吸気通路に接続された高温空気通路と、
前記吸気通路と前記高温空気通路との接続部に設けられ、前記吸気入口からの前記外気、前記高温空気通路からの前記高温空気又は前記外気と前記高温空気との混合空気を前記吸気通路の下流側へ選択的に流すために流路を変更する流路変更弁と、
前記エンジンで発生するブローバイガスを蓄積するためのブローバイガス蓄積部と、
前記ブローバイガス蓄積部から前記吸気通路へブローバイガスを流すためのブローバイガス通路と、
前記ブローバイガス通路におけるブローバイガス流量を調節するためのブローバイガス調節弁と、
前記ブローバイガス蓄積部を換気するために前記ブローバイガス蓄積部へ新気を導入するための新気導入通路と、
少なくとも前記流路変更弁と前記ブローバイガス調節弁を制御するための制御手段と
を備えたエンジンシステムにおいて、
前記制御手段は、前記ブローバイガス調節弁につき前記エンジンの運転状態に応じた最適開度を算出し、冷間時には前記高温空気通路からの前記高温空気を前記吸気通路の下流側へ流すために前記流路変更弁を制御すると共に、前記ブローバイガス調節弁を、算出された前記最適開度より所定値大きい開度に制御することを特徴とするエンジンシステム。 An intake passage for introducing intake air into the engine;
The intake passage includes an intake inlet and introduces outside air from the intake inlet;
An exhaust passage for leading exhaust from the engine;
A hot air passage connected to the intake passage for introducing hot air heated by a heating means into the intake passage;
Provided at a connection between the intake passage and the high-temperature air passage, the outside air from the intake inlet, the high-temperature air from the high-temperature air passage, or the mixed air of the outside air and the high-temperature air is downstream of the intake passage. A flow path changing valve for changing the flow path to selectively flow to the side,
A blow-by gas accumulation unit for accumulating blow-by gas generated in the engine;
A blow-by gas passage for flowing blow-by gas from the blow-by gas accumulation section to the intake passage;
A blow-by gas control valve for adjusting a blow-by gas flow rate in the blow-by gas passage;
A fresh air introduction passage for introducing fresh air into the blow-by gas storage section to ventilate the blow-by gas storage section;
In an engine system comprising at least the flow path changing valve and a control means for controlling the blow-by gas control valve,
The control means calculates an optimum opening degree according to the operating state of the engine for the blow-by gas control valve, and in order to flow the high-temperature air from the high-temperature air passage to the downstream side of the intake passage when cold. An engine system that controls a flow path changing valve and controls the blow-by gas control valve to an opening larger by a predetermined value than the calculated optimum opening.
前記制御手段は、前記エンジンの始動時に前記吸気温度検出手段により検出される吸気温度を始動時吸気温度として取り込み、前記高温空気を前記吸気通路の下流側へ流すために前記流路変更弁を制御した後に前記吸気温度検出手段により検出される吸気温度を高温空気流通後吸気温度として取り込み、前記高温空気流通後吸気温度が前記始動時吸気温度よりも所定の上乗せ値以上高くなったときに、前記ブローバイガス調節弁を、前記最適開度より大きい開度に制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンシステム。 An intake air temperature detecting means for detecting an intake air temperature in the intake passage downstream from the flow path changing valve;
The control means takes in the intake air temperature detected by the intake air temperature detecting means at the time of starting the engine as the intake air temperature at the time of starting, and controls the flow path changing valve to flow the high-temperature air downstream of the intake passage. Then, the intake air temperature detected by the intake air temperature detecting means is taken in as intake air temperature after high-temperature air circulation, and when the intake air temperature after high-temperature air circulation becomes higher than a predetermined additional value by the intake air temperature at the start time, The engine system according to claim 1 or 2, wherein the blow-by gas control valve is controlled to an opening larger than the optimum opening.
前記制御手段は、前記外気湿度検出手段により検出される前記外気湿度に応じて前記上乗せ値を増大させることを特徴とする請求項3に記載のエンジンシステム。 It further comprises an outside air humidity detecting means for detecting the outside air humidity,
The engine system according to claim 3, wherein the control unit increases the added value according to the outside air humidity detected by the outside air humidity detecting unit.
前記流路変更弁より下流の前記吸気通路における吸気温度を検出するための吸気温度検出手段と、
前記クランクケースの中の温度を検出するためのクランクケース内温度検出手段と
を更に備え、
前記制御手段は、前記高温空気を前記吸気通路の下流側へ流すために前記流路変更弁を制御した後に前記吸気温度検出手段により検出される吸気温度を高温空気流通後吸気温度として取り込み、前記クランクケース内温度検出手段により検出される前記クランクケースの中の温度の方が前記高温空気流通後吸気温度よりも所定値以上低いときは、前記ブローバイガス調節弁を、前記最適開度より小さい開度に制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンシステム。 The blow-by gas accumulation unit includes a crankcase provided in the engine;
An intake air temperature detecting means for detecting an intake air temperature in the intake passage downstream from the flow path changing valve;
A crankcase temperature detecting means for detecting the temperature in the crankcase;
The control means takes in the intake air temperature detected by the intake air temperature detecting means after controlling the flow path change valve to flow the high temperature air downstream of the intake passage as the intake air temperature after high temperature air circulation, When the temperature in the crankcase detected by the crankcase internal temperature detection means is lower than the intake temperature after the high-temperature air flow by a predetermined value or more, the blow-by gas control valve is opened smaller than the optimum opening. The engine system according to claim 1, wherein the engine system is controlled each time.
前記クランクケースの中の温度を検出するためのクランクケース内温度検出手段と
を更に備え、
前記制御手段は、前記高温空気を前記吸気通路の下流側へ流すために前記流路変更弁を制御した後に前記吸気温度検出手段により検出される吸気温度を高温空気流通後吸気温度として取り込み、前記クランクケース内温度検出手段により検出される前記クランクケースの中の温度の方が前記高温空気流通後吸気温度よりも所定値以上低いときは、前記ブローバイガス調節弁を、前記最適開度より小さい開度に制御することを特徴とする請求項3又は4に記載のエンジンシステム。 The blow-by gas accumulation unit includes a crankcase provided in the engine;
A crankcase temperature detecting means for detecting the temperature in the crankcase;
The control means takes in the intake air temperature detected by the intake air temperature detecting means after controlling the flow path change valve to flow the high temperature air downstream of the intake passage as the intake air temperature after high temperature air circulation, When the temperature in the crankcase detected by the crankcase internal temperature detection means is lower than the intake temperature after the high-temperature air flow by a predetermined value or more, the blow-by gas control valve is opened smaller than the optimum opening. The engine system according to claim 3 or 4, wherein the engine system is controlled at a time.
前記制御手段は、前記ブローバイガス調節弁を、前記最適開度より所定値大きい開度に制御した後、前記空燃比検出手段により検出される前記空燃比がリッチ側へずれる場合に、前記ブローバイガス調節弁の開度を減少補正することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のエンジンシステム。 An air-fuel ratio detecting means for detecting an air-fuel ratio supplied to the engine;
The control means controls the blow-by gas when the air-fuel ratio detected by the air-fuel ratio detection means shifts to a rich side after controlling the blow-by gas control valve to an opening larger than the optimum opening by a predetermined value. The engine system according to any one of claims 1 to 6, wherein the opening of the control valve is corrected to decrease.
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023042327A1 (en) * | 2021-09-16 | 2023-03-23 | 日産自動車株式会社 | Internal combustion engine blow-by gas processing method and blow-by gas processing device |
-
2015
- 2015-10-06 JP JP2015198639A patent/JP2017072046A/en active Pending
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