JP2017067164A - サーモエレメント及びピストン組立体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピストンの摺動性が良く、耐摩耗性が良く、耐久性の良いサーモエレメントを提供する。
【解決手段】サーモエレメントは、上部が開口したケース(11)と、ケースに充填され温度変化により膨張収縮するパラフィンを含む熱膨張体(21)と、軸方向に移動する金属ピストン(40)と、金属ピストンを摺動自在に保持するガイド部材(50)と、熱膨張体と金属ピストンとの間に、変形自在で非圧縮性の流動体(22)を蓄える流体室とを備える。熱膨張体の膨張収縮により、流体室内の流動体を介して金属ピストンが軸方向に移動する。金属ピストンと流動体との間に、金属ピストンと同じ外径の樹脂ピストン(33)が配置される。樹脂ピストンには、炭素繊維が混入されている。樹脂ピストンには、下側から円筒孔(38)が形成される。流動体が円筒孔に入り、樹脂ピストンの樹脂円筒部(39)を押し広げ、円筒孔の内面と樹脂ピストンの外面との間を密封する。
【選択図】図2

Description

本発明は、温度変化によるパラフィンの膨張収縮を利用したサーモアクチュエータであるサーモエレメント及びこのようなサーモエレメントを使用したサーモスタットに関する。
自動車用エンジンを冷却する水冷式の冷却装置においては、エンジンに導入される冷却水の温度を制御できるように、ラジエータ側に循環させる冷却水量を調節する制御バルブとしてのサーモスタットが使用されている。サーモスタットは、冷却装置を構成する冷却水通路の一部に制御バルブを介装し、冷却水温度が低いときは、制御バルブを閉じてラジエータを経由せず、バイパス通路を経由して冷却水を循環させ、冷却水温度が高くなったときは、制御バルブを開いて、ラジエータを通して冷却水を循環させることで、冷却水の温度を所定の状態に制御するものである。
このようなサーモスタットには、冷却水のエンジン入口側に配置されて冷却水を制御する入口制御と、冷却水のエンジン出口側に配置されて冷却水を制御する出口制御とがある。
このようなサーモスタットには、温度センサとしてパラフィン等の熱膨張体を用いたサーモエレメントが用いられている。
サーモエレメントは、図1に示すダイアフラムタイプ、スリーブタイプ、その他がある。ダイアフラムタイプのサーモエレメントは、熱膨張体(パラフィン)をダイアフラムで密封し、熱膨張体が膨張すると、非圧縮性流動体を介してピストンを押し出す。
図1に示すダイアフラムタイプのサーモエレメントは、底のある円筒形状のケース1の上端部に、円筒形のガイド部材5の下端部が固定されている。ケース1内に熱膨張体2が充填され、熱膨張体2の上端面は、弾性密封部材であるダイアフラム3により封止されている。ガイド部材5の基部の内面と、ダイアフラム3の上側との間には流体室が設けられ、流体室には流動体4が充填されている。流動体4は、非圧縮性で、流動性、潤滑性が良い非圧縮性流動体を用いる。ガイド部材5の上部のガイド筒部の内側のピストン摺動孔内には、流体室の上に、ラバーピストン7と、保護板8とを介して、ピストン6が摺動自在に設けられる。ピストン6の上部はピストン摺動孔の上に突き出している。
環境温度が上昇すると熱膨張体2が膨張し、ダイアフラム3が上方に膨出し、ダイアフラム3の上方の流体室に封入された流動体4を押し上げる。流動体4は変形し摺動孔内に進入して、ラバーピストン7、保護板8を介して、ピストン6を上方へ押し上げる。温度が下降すると熱膨張体2が収縮し、ピストン6に印加された負荷(図示せず)によりピストン6が押し下げられる。こうして、温度変化によりピストン6がガイド部材5から上下方向へ出入する。
流動体は、サーモエレメントの組立て中に漏れないようにする必要がある。そのため、流動体として、シリコングリス、黒鉛、粘土を混合しペレット状にした混合体を用いている。
ダイアフラムタイプのサーモエレメントは構造が複雑で、流動体が漏洩しやすいという問題がある。
これまで、サーモレメントの流動体の漏洩、部品の磨耗、劣化等の対策として、サーモエレメントの構造、流動体の材質等さまざまな点から検討がされてきた。
特許文献1は、ダイアフラムタイプのサーモエレメントの改良に関し、熱膨張体をケースに封入し、ケースに連結したガイド筒部に流動体を封入し、流動体の押圧によって移動部材(ピストン)が移動するサーモエレメントを開示する。
特許文献1は、流動体内にピストンを挿入し、ガイド筒部と移動部材の間をパッキングでシールしている。特許文献1は、このパッキングは、ガイド筒部当接部と、移動部材当接部との間に凹部を有し、パッキングが流動体の圧力を受けると、ガイド筒部当接部と移動部材当接部とが広がり、シール効果が増大するとしている。
しかし、特許文献1のサーモエレメントは、流動体とピストンとの間をゴム製のパッキング又はシール部材でシールしているので、熱膨張体が膨張すると、パッキング又はシール部材が径方向に広がり、ピストンの摺動抵抗が大きくなるという問題がある。また、ゴム製のパッキングは磨耗し、劣化するおそれがある。
このように、ダイアフラムタイプのサーモエレメントにおいて、ピストンの摺動抵抗の増大、流動体の漏洩、シール部材の磨耗と劣化の問題は、まだ十分解決されていない。
特許文献2は、車両の空調システムに用いられるピストン式圧縮機の外周面にフッ素樹脂のコーティング層を設けたピストンを開示する。耐摩耗性付与材を添加したフッ素樹脂のコーティング液をピストンの外周面に被覆した後、有機溶剤を除去してコーティング層を形成する。
特許文献2のピストンはフッ素樹脂のコーティング層を有するので、耐摩耗性が優れている。しかし、ピストンにフッ素樹脂のコーティング層を形成するものであり、ピストン自体がフッ素樹脂でできているのではない。また、特許文献2はピストン式圧縮機のピストンに関するものであり、サーモエレメントではない。
特許文献3は、自動車用エンジンのピストンに装着されるピストンリングに関する。エンジンは、コンプレッションリングとしてのピストンリングと、オイルリングとしてのピストンリングとを備える。オイルリングとしてのピストンリングはフッ素樹脂製で、ピストンリングの環状部材の内周面隅部には、内側シール部が形成され、環状部材の内周面隅部には、シリンダの内周面に接触する外側シール部が形成される。特許文献3は、ピストンとシリンダ間のシール性を向上させることができるとしている。
特許文献3は、ピストンリングはフッ素樹脂製であるが、ピストン自体がフッ素樹脂でできているのではない。また、特許文献3はエンジンのピストンに関するものであり、サーモエレメントではない。
特許文献4は、本発明者が発明したものであり、ピストンとして通常の金属製の金属ピストンと、金属ピストンと流動体の間に配置され、金属ピストンと同じ外径のフッ素樹脂製の樹脂ピストンとを有するサーモエレメントを開示する。金属ピストンと樹脂ピストンとは、ピストン組立体を構成する。樹脂ピストンには、底面から次第に内径の小さくなるテーパの付いたテーパ孔が形成される。テーパ孔には流動体が充填され、テーパ孔を押し広げるように作用する。
そのため、特許文献4のサーモエレメントは、樹脂ピストンとピストン摺動孔の間の密封性が向上し、流動体が漏れにくくなる。しかも、フッ素樹脂製の樹脂ピストンは摺動性がよい。
しかし、フッ素樹脂製の樹脂ピストンであっても、密封性と摺動性は必ずしも十分とは言えない。
また、特許文献4のサーモエレメントは、金属ピストンと樹脂ピストンが強固に固定されていないので、作動中に金属ピストンと樹脂ピストンとが離れる恐れがあった。
そのため、更にピストンの摺動性がよく、安定して作動するサーモエレメントが望まれていた。
また、更に耐摩耗性が良く、シール部材の磨耗と劣化が少なく、耐久性の良いサーモエレメントが求められていた。
更に、このようなサーモエレメントを使用したサーモスタットが求められていた。
特許第3225386号 特開2008−261345号公報 特開2013−53640号公報 特許第5746788号
本発明の目的は、更にピストンの摺動性が良いサーモエレメントを提供することである。
本発明の別の目的は、更に耐摩耗性が良く、耐久性の良いサーモエレメントを提供することである。
本発明の更に別の目的は、このようなサーモエレメントを使用したサーモスタットを提供することである。
本発明では、サーモエレメントのピストンを通常の金属製の金属ピストンと、金属ピストンと流動体の間に配置され、金属ピストンと同じ外径のフッ素樹脂製の樹脂ピストンとに分ける。金属ピストンと樹脂ピストンとは、ピストン組立体を構成する。樹脂ピストンには、炭素繊維が混入されている。
樹脂ピストンの底面から流動体孔が形成される。流動体孔には流動体が充填される。樹脂ピストンには、炭素繊維が混入されているので、樹脂ピストンと、ピストン摺動孔の間の摺動性が非常によくなる。
本発明の第1の態様は、上部が開口したケースと、前記ケースに充填され温度変化により膨張収縮する熱膨張体と、前記ケース内に前記熱膨張体を密封するダイアフラムと、前記ケースの上部に固定され、ピストン摺動孔を有するガイド部材と、前記ピストン摺動孔内を軸方向に移動可能な樹脂ピストンと、前記ピストン摺動孔内に前記樹脂ピストンに隣接して配置され、軸方向に移動可能な金属ピストンと、を備え、
前記ダイアフラムと前記ガイド部材と前記樹脂ピストンとの間に流体室が形成され、前記流体室に変形自在な非圧縮性の流動体が収容され、前記熱膨張体の膨張収縮により、前記流体室内の前記流動体を介して、前記樹脂ピストンと前記金属ピストンが前記ガイド部材の前記ピストン摺動孔内を軸方向に移動するようになったサーモエレメントであって、
前記樹脂ピストンは、炭素繊維が混入されたフッ素樹脂製であり、下面から上方へ向かって有底孔が形成され、前記有底孔の上側の頂部と、前記頂部の下側の中空の胴部とを有することを特徴とするサーモエレメントである。
第1の態様では、流動体は、樹脂ピストンの有底孔を押し広げるように力をかける。そのため、ピストン摺動孔の内面と樹脂ピストンの胴部の外面との間の密封性は向上し、流動体は漏れにくくなる。
また、樹脂ピストンは、フッ素樹脂製で炭素繊維が混入されているので、ピストン摺動孔の内面に押し付けられても、樹脂ピストンの摺動抵抗は小さく、摩耗も少ない。
前記樹脂ピストンの前記胴部は、一定の肉厚の樹脂円筒部であることが好ましい。
樹脂ピストンの胴部の肉厚が一定であると、胴部の下端部でもある程度の肉厚があるので、樹脂ピストンは軸方向に潰れることなく、安定して作動する。
前記樹脂ピストンの前記胴部は、第1の肉厚の第1の樹脂円筒部と、前記第1の肉厚と異なる第2の肉厚の第2の樹脂円筒部とを有することが好ましい。
前記第2の肉厚は、前記第1の肉厚より厚くても、薄くてもよい。
第1の円筒部の肉厚が一定で、特に薄い箇所がないので、安定して作動する。
前記樹脂ピストンの前記胴部は、テーパが付いた樹脂テーパ部であることが好ましい。
前記樹脂テーパ部は、前記底面から上方に向かって肉厚が次第に厚くなっていてもよい。
樹脂テーパ部が、底面から上方に向かって肉厚が次第に厚くなると、一番肉厚が薄い下部が、ピストン摺動孔の内面に押し付けられて、密封性がさらに向上する。
前記樹脂テーパ部は、前記底面から上方に向かって肉厚が次第に薄くなっていてもよい。
樹脂テーパ部が、底面から上方に向かって肉厚が次第に薄くなり、上部の肉厚が薄くても、上部の頂部で補強される。
前記樹脂ピストンの上端部に断面が円形の凹部が形成され、前記樹脂ピストンの前記上側に当接する前記金属ピストンの下端部に、断面が円形で、前記樹脂ピストンの前記凹部に適合する凸部が形成されていることが好ましい。
樹脂ピストンの上端部に断面が円形の凹部が形成され、金属ピストンの下端部に樹脂ピストンの凹部に適合する凸部が形成されていると、樹脂ピストンの凹部に金属ピストンの凸部が係合し、サーモエレメントの動作が安定する。
前記樹脂ピストンの前記凹部は、上側に位置する第1の凹部と、前記第1の凹部の下側に位置し、前記第1の凹部より内径が大きい第2の凹部とからなり、
前記金属ピストンの前記凸部は、上側に位置し、前記第1の凹部に適合する第1の凸部と、前記第1の凸部の下側に位置し、前記第1の凸部より外径が大きく、前記第2の凹部に適合する第2の凸部とからなることが好ましい。
樹脂ピストンの凹部が2段になり、入り口のほうが狭く、金属ピストンの凸部が2段になり、先端のほうが大きいと、金属ピストンの凸部を樹脂ピストンの凹部に嵌め込んだとき、外れないように係合する。樹脂ピストンと金属ピストンとは、離れることなく、一体のピストン組立体として作動する。
前記樹脂ピストンの前記第1の凹部の上端部の内周面に面取り又はR面が形成されていてもよい。
前記金属ピストンの前記第2の凸部の下端部の外周面に面取り又はR面が形成されていてもよい。
面取り又はR面が形成されていると、樹脂ピストンの凹部に金属ピストンの凸部をスムーズに押し込むことができる。
前記樹脂ピストンの上端部に断面が円形の凸部が形成され、前記樹脂ピストンの前記上側に当接する前記金属ピストンの下端部に、断面が円形で、前記樹脂ピストンの前記凸部に適合する凹部が形成されていることが好ましい。
樹脂ピストンの上端部に断面が円形の凸部が形成され、金属ピストンの下端部に樹脂ピストンの凸部に適合する凹部が形成されていると、樹脂ピストンの凸部が金属ピストンの凹部に係合し、サーモエレメントの動作が安定する。
前記樹脂ピストンの前記凸部は、下側に位置する第1の凸部と、前記第1の凸部の上側に位置し、前記第1の凸部より外径が大きい第2の凸部とからなり、
前記金属ピストンの前記凹部は、下側に位置し、前記第1の凸部に適合する第1の凹部と、前記第1の凹部の上側に位置し、前記第1の凹部より内径が大きく、前記第2の凸部に適合する第2の凹部とからなることが好ましい。
樹脂ピストンの凸部が2段になり先端のほうが大きく、金属ピストンの凹部が2段になり、入り口のほうが狭いと、樹脂ピストンの凸部を金属ピストンの凹部に嵌め込んだとき、外れないように係合する。
前記樹脂ピストンの前記第2の凸部の上端部の外周面に面取り又はR面が形成されていてもよい。
前記金属ピストンの前記第1の凹部の下端部の内周面に面取り又はR面が形成されていてもよい。
面取り又はR面が形成されていると、金属ピストンの凹部に樹脂ピストンの凸部をスムーズに押し込むことができる。
前記樹脂ピストンの前記凸部は、下側の一定の外径の第1の凸部と、前記第1の凸部の上側に位置し、上方に向かって外径が小さくなる円錐台形の第2の凸部とからなり、
前記金属ピストンの前記凹部は、下側にあり、前記第1の凸部に適合する一定の内径の第1の凹部と、前記第1の凹部の上側に位置し、前記樹脂ピストンの前記第2の凸部に適合し、上方に向かって内径が小さくなる第2の凹部とからなることが好ましい。
樹脂ピストンの第2の凸部が円錐台形であり、金属ピストンの第2の凹部が、樹脂ピストンの第2の凸部に適合した形状であると、第2の凸部が金属ピストンの第2の凹部に嵌まり込むと抜けにくくなり、強固に結合することができる。
本発明の第2の態様は、上部が開口したケースと、前記ケースに充填された熱膨張体と、前記ケース内に前記熱膨張体を密封するダイアフラムと、前記ケースの上部に固定され、ピストン摺動孔を有するガイド部材と、前記ダイアフラムと前記ガイド部材との間に形成された流体室に収容された非圧縮性の流動体とを備えるサーモエレメントに使用するピストン組立体であって、
前記ピストン組立体は、炭素繊維が混入されたフッ素樹脂製の樹脂ピストンと、前記樹脂ピストンと同じ外径の金属製の金属ピストンとを有し、前記ピストン摺動孔内を軸方向に移動可能であり、
前記樹脂ピストンは、下面から上方へ向かって有底孔が形成され、前記樹脂ピストンは、前記有底孔の上側の頂部と、前記頂部の下側の中空の胴部とを有することを特徴とするピストン組立体である。
ピストン組立体は、炭素繊維を含むフッ素樹脂製の樹脂ピストンと、樹脂ピストンと同じ外径の金属製の金属ピストンとの2部品を有する。樹脂ピストンは、有底孔が形成されている。
樹脂ピストンにより、流動体が漏れないように封止することが出来、金属ピストンにより、サーモエレメントの動作を行うことが出来る。
本発明の第3の態様は、サーモスタットであって、
サーモエレメントと、
前記サーモエレメントの底部を収容するための下部凹部が形成され、液体の流れる流路が形成された下フレームと、
前記下フレームに固定され、金属ピストンの上部の外周を摺動可能に支持するピストン孔を有する上フレームと、
前記金属ピストンにより支持された開閉弁と、
前記開閉弁が当接するため、前記下フレームに固定された弁座と、
前記サーモエレメントの前記開閉弁を前記下フレームに結合された前記弁座に押し付けるバネと、を備え、
前記サーモエレメントは、上部が開口したケースと、前記ケースに充填され温度変化により膨張収縮する熱膨張体と、前記ケース内に前記熱膨張体を密封するダイアフラムと、前記ケースの上部に固定され、金属ピストンを摺動自在に保持するピストン摺動孔を有するガイド部材と、前記ピストン摺動孔内を軸方向に移動可能な金属ピストンと、前記ピストン摺動孔内に前記金属ピストンに隣接して配置され、軸方向に移動可能な樹脂ピストンと、を備え、
前記ダイアフラムと前記ガイド部材と前記樹脂ピストンとの間に流体室が形成され、前記流体室に変形自在な非圧縮性の流動体が収容され、前記熱膨張体の膨張収縮により、前記流体室内の前記流動体を介して、前記金属ピストンと前記樹脂ピストンが前記ガイド部材の前記ピストン摺動孔内を軸方向に移動するようになっていて、
前記樹脂ピストンは、炭素繊維が混入されたフッ素樹脂製であり、下面から上方へ向かって有底孔が形成され、前記有底孔の上側の頂部と、前記頂部の下側の中空の胴部とを有することを特徴とするサーモスタットである。
本発明では、ピストンを、金属ピストンと樹脂ピストンからなるピストン組立体とする。炭素繊維が混入されたフッ素樹脂製の樹脂ピストンで流動体をシールするので、樹脂ピストンの摺動抵抗は小さく、流動体が漏れるおそれはない。
樹脂ピストンは、上下方向に潰れることはなく、流動体が膨張すると金属ピストンを押し上げる。ピストン組立体は、ピストンの機能を果たす。
フッ素樹脂製の樹脂ピストンは、ピストン摺動孔の内面に接するが、樹脂ピストンの摺動抵抗が大きくなることはない。
本発明によれば、非圧縮性流動体の漏れの問題がなく、ピストンの摺動抵抗が小さいサーモエレメントを提供することができる。
また、部品の磨耗と劣化が少なく、耐久性の良いサーモエレメントを提供することができる。
また、このようなサーモエレメントを使用したサーモスタットを提供することが出来る。
従来のダイアフラムタイプのサーモエレメントの縦断面図。 本発明の第1の実施形態のサーモエレメントの縦断面図。 図2のサーモエレメントの高温時の縦断面図。 図2のサーモエレメントの樹脂ピストンの断面図。 図2のサーモエレメントを使用したサーモスタットの縦断面図。 図5のサーモスタットの高温時の縦断面図。 本発明の第2の実施形態のサーモエレメントの樹脂ピストンの断面図。 本発明の第3の実施形態のサーモエレメントの樹脂ピストンの断面図。 本発明の第4の実施形態のサーモエレメントの樹脂ピストンの断面図。 本発明の第5の実施形態のサーモエレメントの樹脂ピストンと、金属ピストンの下部の断面図。 本発明の第6の実施形態のサーモエレメントの樹脂ピストンと、金属ピストンの下部の断面図。 本発明の第7の実施形態のサーモエレメントの樹脂ピストンと、金属ピストンの下部の断面図。 本発明の第8の実施形態のサーモエレメントの樹脂ピストンと、金属ピストンの下部の断面図。 本発明の第9の実施形態のサーモエレメントの樹脂ピストンと、金属ピストンの下部の断面図。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図2は、本発明の第1の実施形態のサーモエレメントの縦断面図である。本明細書では、図2の上方向、即ち金属ピストンがガイド部材から突出する方向を上方向として説明する。
(サーモエレメント)
サーモエレメントは、底部11のある円筒形のケース10と、ケース10のフランジ13を補強する座金15と、ケース10の上部に係合するガイド部材50と、ケース10に封入された熱膨張体21と、熱膨張体21を封止するためのダイアフラム30と、ダイアフラム30とガイド部材50との間に封入された流動体22と、流動体22の上側でガイド部材50のガイド筒部に摺動自在に保持される樹脂ピストン33と、樹脂ピストン33の上側に摺動自在に保持される金属ピストン40と、を備える。
樹脂ピストン33と金属ピストン40とは、ほぼ同じ外径である。樹脂ピストン33と金属ピストン40とは、ピストン組立体を構成する。
ケース10は、薄い金属製で、円形の底部11と、底部11に隣接する円筒形の円筒部12と、円筒部12の上端から半径方向に広がるフランジ13とを有する。フランジ13の上面には、ダイアフラム30の外周部の凸部31を受ける凹部が形成されている。
ケース10の上部にガイド部材50が取り付けられる。ガイド部材50の下端部は、ケース10のフランジ13にかしめるため、ケース10のフランジ13より大径のフランジ51となっている。フランジ51は上下方向の肉厚が厚く、変形しにくくなっている。フランジ51の下面には、ダイアフラム30の外周部の凸部31を受けるための溝51aが形成されている。
フランジ51の下部は、肉厚が薄く円筒形のかしめ部54であり、かしめ部54を半径方向内側に折り曲げて、ダイアフラム30の外周部と、ケースのフランジ13と、座金15とを固定することができる。
ガイド部材50のフランジ51の上は、上に向かって細くなる円錐台形の基部52であり、基部52内に流動体を封入することが出来る。基部52の上は、円筒形のガイド筒部53であり、ガイド筒部53の内側にピストン摺動孔57が形成されている。ピストン摺動孔57の内径は、樹脂ピストン33の外径Dq及び金属ピストン40の外径Dsとほぼ等しく、ピストン摺動孔57の内側に樹脂ピストン33と金属ピストン40とを摺動自在に保持することが出来るようになっている。
ケース10には、パラフィンを含む熱膨張体21が充填され、熱膨張体21の上面は、ダイアフラム30により封止されている。ダイアフラム30は、弾性密封部材の一種である。ダイアフラム30は、中央部が凹状にへこんだほぼ円板状の形状である。外周部には、円周に沿って他の部分より肉厚の厚い凸部31が形成され、凸部31は、ケース10のフランジ13の溝13aと、ガイド部材50のフランジ51の溝51aとに入り、ケース10とガイド部材50との間を密封できるようになっている。
ケース10のフランジ13の下側には、ケース10を補強するための座金15が配置される。ケース10の肉厚は冷却水の温度が伝わりやすいように薄くなっている。ケース10のフランジ13は、座金15により補強される。座金15は、平らなリング状の部材であり、外周部には、ケース10のフランジ13の凹部を受ける溝15aが形成されている。座金15の外径は、ガイド部材50のかしめ部54の内径に適合する。
座金15と、座金15の上のケース10のフランジ13と、フランジ13の上のダイアフラム30の外周部とは、ガイド部材50のかしめ部54をかしめて固定される。こうして、ケース10とガイド部材50とは気密に一体化されている。
ガイド部材50の基部52の下面と、ダイアフラム30の上面との間には流動体22を蓄える流体室が設けられている。流体室には非圧縮性の流動体22が充填されている。熱膨張体21が膨張すると、ダイアフラム30が上方へ移動し、流動体22を上方へ押し、流動体22は、樹脂ピストン33を押し上げる。
サーモエレメントの組立て中に、流動体が漏れないようにするため、流動体として、シリコングリス、黒鉛、粘土を混合したペレット状の混合体を用いている。
(樹脂ピストン)
図4は、樹脂ピストン33の断面図である。樹脂ピストン33はフッ素樹脂で出来ている。樹脂ピストン33は、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))製であることが好ましい。フッ素樹脂には、炭素繊維が添加されている。
樹脂ピストン33は、円筒形の部材で、下側から上に向かって、円筒形の円筒孔38が形成されている。円筒孔38は有底孔であり閉じている。樹脂ピストン33は、円筒孔38の上側の円板状の頂部と、頂部の下で円筒孔38の周りに位置する胴部とを有する。胴部は、円筒形で一定の厚さの円筒部38である。
フッ素樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標)))、ETFE(エチレンテトラフルオロエチレン)、FEP(テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロロレンコポリマー)等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
以下、フッ素樹脂としてPTFEを使用する場合について説明する。PTFE以外のフッ素樹脂を使用する場合は、種類に応じて条件を変えることができる。
フッ素樹脂は、微粒子タイプのものも用いることができるが、造粒した造粒タイプのものが好ましい。造粒タイプのものは、パウダーフローが良好である。フッ素樹脂の平均粒径は、20〜600μmの範囲である。好ましくは、フッ素樹脂は、平均粒径300〜600μmの造粒されたものが使用される。
(炭素繊維)
フッ素樹脂に添加する炭素繊維は、直径が5〜50μmとする。直径が細く5μm未満のものは、フッ素樹脂に均一に混合しにくくなる。また、直径が太く50μmを超えると、フッ素樹脂の流動性が悪くなり、均一に分散しにくくなる。
炭素繊維の長さは、0.1〜0.5mmの範囲である。長さが短く0.1mm未満であると、十分な摺動性の改善効果が出ない。長さが長く0.5mmを超えると、フッ素樹脂への混合が難しくなる。
炭素繊維の添加量は、2〜20重量%である。添加量が少なく2%未満だと、十分な摺動性の改善が望めない。また、添加量が多く20%を超えると、均一に混合できなくなる。
樹脂ピストン33の成形方法について説明する。PTFEの場合は、顆粒状のフッ素樹脂に、所定の割合の炭素繊維を添加して、混合機により混合する。炭素樹脂を混合したフッ素樹脂を金型に充填する。金型に充填した炭素樹脂含有フッ素樹脂をプレス機により圧縮し、予備成形する。次に、予備成形した炭素樹脂含有フッ素樹脂を熱風循環炉に入れ、360〜390℃に加熱して、焼成する。PTFEの融点は327℃である。フッ素樹脂は溶融するが、炭素繊維は溶融しない。その後、放冷して冷却し、成形品を型から取り出す。こうして、樹脂ピストン33が出来上がる。
樹脂ピストン33の成形方法はこの圧縮成型法に限定されない。
フッ素樹脂としてFEPを使用する場合は、溶融成形方法を用いることができるので、スクリュー式射出成型機を使用して、射出成型することができる。又は、フッ素樹脂の種類に応じて、他の成形方法により成形することもできる。
樹脂ピストン33の外径Dqは、金属ピストン40の外径Dsと等しいか、それより少し大きく、ガイド筒部53のピストン摺動孔57の内径に適合する。
樹脂ピストン33により、ピストン摺動孔57の内面と樹脂ピストン33の外面との間は密封され、金属ピストン40とピストン摺動孔57との間に、流体室内の流動体22が漏れないようになっている。
サーモエレメントを組み立てた状態では、流体室にある流動体22が樹脂ピストン33の円筒孔38に入る。樹脂ピストン33の樹脂円筒部39は、流動体22により押し広げられて、樹脂円筒部39の外面がピストン摺動孔57の内面に押し付けられる。そのため、流動体22の漏れを少なくすることが出来る。樹脂円筒部39は、ある程度の肉厚があり、樹脂ピストン33が作動中に軸方向に潰れないようになっている。
樹脂ピストン33は、樹脂円筒部39の肉厚が一定で特に薄い箇所がないので、安定して作動する。
樹脂ピストン33はフッ素樹脂で形成され、炭素繊維が混入されている。そのため、樹脂ピストン33の樹脂円筒部39の外面がガイド筒部53の内面に押し付けられても、ガイド筒部53の内面と樹脂ピストン33の外面との間の摺動抵抗は、炭素繊維を混入しない場合より小さくなる。樹脂ピストン33は滑らかに摺動することが出来る。
本発明のフッ素樹脂製の樹脂ピストン33は、円筒孔38を形成してある。樹脂円筒部39は、磨耗が少なく、シール性能の低下は少ない。
また、樹脂ピストン33の円筒孔38は、一定の厚さを有するので軸方向の押圧に耐えることができ、軸方向に潰されることはない。流動体22が膨張すると、樹脂ピストン33は金属ピストン40を押し上げる。ピストン組立体は、ピストンとして正常に機能する。
(金属ピストン)
金属ピストン40は、金属製の円柱状の部材であり、好ましくはステンレス鋼製である。金属ピストン40の下端部は、樹脂ピストン33の上端部に当接している。金属ピストン40の外径Dsは、ガイド部材50のガイド筒部53のピストン摺動孔57の内径とほぼ等しく、金属ピストン40は、ピストン摺動孔57に摺動自在に保持される。
金属ピストン40のガイド筒部53の上に出た部分の外周部にリング溝43が設けられている。後述するように、リング溝43には、リング45をはめ込むことが出来る。リング45は、後述するサーモスタットの開閉弁75の中央部を支持し、開閉弁75がピストン40と一体に上下方向に移動するように支持する。
(サーモエレメントの動作)
図2は、環境温度が常温で、熱膨張体21が収縮し、金属ピストン40に印加されたスプリング80による負荷(図5)により開閉弁75が閉じたときの状態である。樹脂ピストン33の円筒孔38の内部は、流動体22で満たされている。
図3は、温度が上昇し、熱膨張体21が膨張し、ダイアフラム30が上方に移動し、流体室の流動体22が、樹脂ピストン33と金属ピストン40を押し上げた状態を示す。樹脂ピストン33と金属ピストン40とは、ピストン組立体を構成し、ピストン摺動孔57内で一体に移動する。
後述するように、このとき、開閉弁75はガイド部材50の上端から離れ、開弁している(図6)。
図3の状態から、環境温度が下がると、熱膨張体21は収縮し、金属ピストン40に印加されたスプリング80により金属ピストン40と樹脂ピストン33は押し下げられる。サーモエレメントは、図2の状態に戻る。
サーモエレメントの使用中は、環境温度の変化により、図2と図3の状態の間でピストン40と樹脂ピストン33は、上下方向に移動する。
(サーモスタット)
図5は、図2のサーモエレメントを使用したサーモスタットの縦断面図である。サーモスタットは、前述したサーモエレメントの構成部品の他に、下フレーム60と、下フレーム60に一体に取付けられ、下フレーム60の上方に設けられた上フレーム65と、金属ピストン40により上下方向に移動する開閉弁75と、上フレーム65に対して開閉弁75を下方に押し付けるスプリング80とを備える。
下フレーム60の中央部は、サーモエレメントのケース10の底部を受けるための下部凹部61である。下部凹部61の中央部は開口している。下フレーム60は、下部凹部61の外側を囲む底面部62と、底面部62に隣接し上方に広がる下部斜面部63を有する。下部斜面部63には開口部63aが形成され、開口部63aを通って冷却水が流れることが出来るようになっている。
下部斜面部63の上端部から、外周部64がフランジ状に横方向に広がって形成されている。
下部斜面部63に隣接する外周部64の部分は、開閉弁75が当接する弁座70となっている。下フレーム60の外周部64に、上フレーム65を勘合するための勘合孔72が形成されている。
下フレーム60の外周部に上フレーム65が結合されている。上フレーム65は、図5の奥行き方向にある幅を有する部材で、下フレーム60の上側の一部を覆い、上フレーム65のない部分を冷却水が通過することが出来る。
図5に示すように、上フレーム65は、中心軸の両側に対向する2つの側面部66と、側面部66に隣接し、上方に向けて幅が狭まっていく2つの上部斜面部67と、2つの上部斜面部67の間の上部平面部68とを有する。側面部66の下端部に、勘合爪73を有し、勘合爪73を下フレームの勘合孔72に勘合させて、上フレーム65は下フレーム60に結合されている。上部平面部68の中心部は、下方に折れ曲がり、ピストン孔69が形成される。ピストン孔69に金属ピストン40を摺動自在に保持することが出来る。
下フレーム60の外周部64の下部斜面部63に隣接する部分は、弁座70となっている。弁座70の上面は、開閉弁75の外周部76と当接する。リング45は、ガイド部材50の上端に当接していない。
開閉弁75の外周部76には、ゴム焼付け部71が設けられている。ゴム焼付け部71は、弁座70に当接し、開閉弁75の外周部と密着し、開閉弁75を完全に閉じることが出来るようになっている。
開閉弁75の中心部には、ピストン孔77が形成されている。金属ピストン40は、ピストン孔77を貫通する。開閉弁75のピストン孔77の周りの部分は、金属ピストン40のリング溝43にはめ込まれたリング45の上面に当接し、金属ピストン40が上方へ移動すると、開閉弁75は金属ピストン40に固定されたリング45により押し上げられて、金属ピストン40と一体に移動するようになっている。
上フレーム65の上部平面部68の内面と、開閉弁75の外周部76の上面との間には、スプリング80が配置されている。スプリング80は、開閉弁75を弁座70に対して押圧し、環境温度が低いときは、開閉弁75が弁座70に押し付けられて、閉じるようにする。
図6に示すように、環境温度が上昇すると、熱膨張体21が膨張し、ダイアフラム30を上方へ移動させる。流体室の流動体22が、樹脂ピストン33と金属ピストン40を押し上げる。図6は、リング45を介して開閉弁75が押し上げられ開いた状態を示す。開閉弁75の中央部は、ガイド部材50の上端から更に離れる。樹脂ピストン33の下端部は、ピストン摺動孔57内を上方へ移動している。
図6の状態から、環境温度が下がると、熱膨張体21は収縮し、スプリング80により、開閉弁75を介して金属ピストン40に印加された負荷により、金属ピストン40と樹脂ピストン33は押し下げられる。開閉弁75の外周部76は、弁座70の上面に当接し、図5の状態に戻る。
サーモスタットの使用中は、環境温度の変化により、図5と6の状態の間で樹脂ピストン33と金属ピストン40が上下方向に移動し、開閉弁75が開閉する。
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態の樹脂ピストン33bの断面図である。樹脂ピストン33bは、炭素繊維を含むフッ素樹脂製である。樹脂ピストン33bは、円筒孔ではなく、上に向かって内径が小さくなるテーパの付いたテーパ孔34が形成されている。テーパ孔34は貫通せず、上側は閉じている。樹脂ピストン33bは、円盤状の頂部と、頂部の下の胴部とを有する。胴部は、上方へ行くにしたがって肉厚が厚くなる樹脂テーパ部37である。
樹脂テーパ部37の下部は、肉厚が薄い。そのため、流動体22により樹脂テーパ部37の下部が押し広げられて、樹脂テーパ部37の下部の外面がピストン摺動孔57の内面に押し付けられる。そのため、密封性が更によくなる。樹脂ピストン33bは、炭素繊維を含むので、ピストン摺動孔57の内面に強く押し付けられても、摺動性はよい。
樹脂テーパ部37の一番厚さが薄い下端部も、軸方向の押圧に耐えることのできる厚さとなっている。
第1の実施形態の樹脂ピストン33の代わりに、第2の実施形態の樹脂ピストン33bを使用して、サーモエレメントを作成することが出来、そのサーモエレメントを使用したサーモスタットを作成することが出来る。
(第3の実施形態)
図8は、第3の実施形態の樹脂ピストン33cの断面図である。樹脂ピストン33cは、炭素繊維を含むフッ素樹脂製である。樹脂ピストン33cは、下に向かって内径が大きくなる第2の実施形態のテーパ孔ではなく、上に向かって内径が大きくなるテーパの付いたテーパ孔34cが形成されている。テーパ孔34cは貫通せず、上側は閉じている。樹脂ピストン33cは、円盤状の頂部と、頂部の下の胴部とを有する。胴部は、上方へ行くにしたがって肉厚が薄くなる樹脂テーパ部37cとを有する。
樹脂テーパ部37cの上部は、肉厚が薄い。そのため、流動体22により樹脂テーパ部37cの上部を押し広げるように力がかかり、密封性が良くなる。しかし、樹脂テーパ部37cの上部は円板状の頂部に連続しているので、広がりにくい。樹脂ピストン33cは、炭素繊維を含むので、ピストン摺動孔57の内面に強く押し付けられても、摺動性はよい。
第3の実施形態の樹脂ピストン33cは、樹脂テーパ部37cの上部の肉厚が薄いが、上部の頂部で補強されているので、肉厚がある程度薄くても軸方向の押圧に耐えることができる。
第1の実施形態の樹脂ピストン33の代わりに、第3の実施形態の樹脂ピストン33cを使用して、サーモエレメントを作成することが出来、そのサーモエレメントを使用したサーモスタットを作成することが出来る。
(第4の実施形態)
図9は、第4の実施形態の樹脂ピストン33dの断面図である。樹脂ピストン33dは、炭素繊維を含むフッ素樹脂製である。樹脂ピストン33dは、円筒形の部材で、下側から上に向かって、第1の円筒孔38dと、第1の円筒孔38dより内径が小さい第2の円筒孔38eとが形成されている。第2の円筒孔38eの上側は閉じている。樹脂ピストン33dは、円板状の頂部と、頂部の下の胴部とを有する。胴部は、円筒形で一定の厚さの第2円筒部39eと、第2円筒部39eより肉厚の薄い第1円筒部39dとからなる。
第1円筒部39dは、肉厚が薄い。そのため、流動体22により第1円筒部39dが押し広げられようとするが、第1円筒部39dの肉厚は、軸方向の押圧に十分耐えられる厚さとなっている。樹脂ピストン33cは、炭素繊維を含むので、第1円筒部39dがピストン摺動孔57の内面に強く押し付けられても、摺動性はよい。
樹脂ピストン33dは、第1円筒部39dの肉厚が一定で特に薄い箇所がないので安定して作動する。
(第5の実施形態)
図10は、本発明の第5の実施形態のサーモエレメントの樹脂ピストン33eと、金属ピストン40eの下端部の断面図である。樹脂ピストン33eは、炭素繊維を含むフッ素樹脂製で、樹脂ピストン33と同様に円筒形である。樹脂ピストン33eには、下面から第1の実施形態の円筒孔38と同様の円筒孔38が形成されている。樹脂ピストン33eは、頂部と、一定の厚さの樹脂円筒部39とを有する。頂部の中心部には、断面が円形の凹部35が形成されている。
第5の実施形態では、金属ピストン40eの下面に、円筒形の凸部42が形成されている。凸部42の外径は、凹部35の内径と等しいか少し小さく、凸部42の高さは、凹部35の深さより少し小さい。金属ピストン40eの凸部42は、樹脂ピストン33eの凹部35に適合するようになっている。又は、凸部42の外径は凹部35の内径より少し大きくし、樹脂ピストン33eの凹部35に金属ピストン40eの凸部42を嵌め込んで結合するようにすることもできる。樹脂ピストン33eと金属ピストン40eとは、一体のピストン組立体を形成する。
第5の実施形態では、樹脂ピストン33eと金属ピストン40eとは、相互にずれにくく、確実にピストン組立体を構成し、サーモエレメントの動作が安定する。
第1の実施形態の樹脂ピストン33と金属ピストン40の代わりに、第5の実施形態の樹脂ピストン33eと金属ピストン40eを使用して、サーモエレメントを作成することが出来る。そのサーモエレメントを使用したサーモスタットを作成することが出来る。
第2〜4の実施形態の樹脂ピストン33b,33c,33dも、第5の実施形態の樹脂ピストン33eのように、ピストン収容孔35を形成し、凸部42を有する金属ピストン40eと組み合わせて使用することが出来る。
(第6の実施形態)
図11は、本発明の第6の実施形態のサーモエレメントの樹脂ピストン33fと、金属ピストン40fの下端部の断面図である。樹脂ピストン33fは、炭素繊維を含むフッ素樹脂製である。樹脂ピストン33fには、下面から第1の実施形態の円筒孔38と同様の円筒孔38が形成されている。樹脂ピストン33fは、頂部と、一定の厚さの樹脂円筒部39とを有する。頂部の中心部には、円筒形の凸部36が形成されている。
第6の実施形態では、金属ピストン40fの下面に、樹脂ピストン33fの凸部36を収容する凹部43が形成されている。
凸部36の外径は、凹部43の内径と等しいか少し小さく、凸部36の高さは、凹部43の深さより少し小さい。樹脂ピストン33fの凸部36は、金属ピストン40fの凹部43に適合するようになっている。又は、凸部36の外径は凹部43の内径より少し大きくし、ピストン40fの凹部43に樹脂ピストン33fの凸部36を嵌め込んで結合するようにすることもできる。樹脂ピストン33fと金属ピストン40fとは、一体のピストン組立体を形成する。
第6の実施形態では、樹脂ピストン33fとピストン40fとは、相互に位置ずれしにくく、確実にピストン組立体を構成し、サーモエレメントの動作が安定する。
第1の実施形態の樹脂ピストン33と金属ピストン40の代わりに、第6の実施形態の樹脂ピストン33fと金属ピストン40fを使用して、サーモエレメントを作成することが出来る。そのサーモエレメントを使用したサーモスタットを作成することが出来る。
第2〜4の実施形態の樹脂ピストン33b,33c,33dも、第6の実施形態の樹脂ピストン33fのように、凸部36を形成し、凹部43を有する金属ピストン40fと組み合わせて使用することが出来る。
(第7の実施形態)
図12は、本発明の第7の実施形態のサーモエレメントの樹脂ピストン33gと、金属ピストン40gの下端部の断面図である。第7の実施形態が第5の実施形態と異なる点は、樹脂ピストン33gの頂部の凹部が、第1の凹部35aと、第1の凹部35aより外径が少し大きい第2の凹部35bとからなり、金属ピストン40gの下面の凸部が、第1の凸部42aと、第1の凸部42aより外径が少し大きい第2の凸部42bとからなる点である。
樹脂ピストン33gの凹部は、頂部に続き一定の内径の第1の凹部35aと、第1の凹部35aの下にあり第1の凹部35aより外径が少し大きい第2の凹部35bとからなる。第1の凹部35aの上端部の内周に面取り35cが付けられている。
第7の実施形態では、金属ピストン40gの下面に、樹脂ピストン33gの凹部に収容される凸部が形成されている。凸部は、第1の凹部35aに適合する第1の凸部42aと、第2の凹部35bに適合する第2の凸部42bとからなる。金属ピストン40gの第2の凸部42bの下端部の外周には面取り42cが付けられている。
第2の凸部42bの外径は第1の凹部35aの内径より少し大きい。樹脂ピストン33gの第1の凹部35aの上端部には面取り35cがつけられ、金属ピストン40gの第2の凸部42bの下端部には面取り42cがつけられているので、金属ピストン40gの凸部を樹脂ピストン33gの凹部に押し込みやすくなっている。
金属ピストン40gの凸部を樹脂ピストン33gの凹部に押し込むと、ピストン40gの第2の凸部42bは、第1の凹部35aを押し広げて通過し、第2の凹部35bの内側に入る。こうして、ピストン40gの凸部を樹脂ピストン33gの凹部に嵌め込んで結合することができる。樹脂ピストン33gと金属ピストン40gとは、一体のピストン組立体を形成し、外れにくい。
金属ピストン40gの第2の凸部42bの下端部の外周に面取り42cの代わりにR面を付け、樹脂ピストン33gの第1の凹部35aの上端部の内周に面取り35cの代わりにR面を付けることもできる。
第1の実施形態の樹脂ピストン33と金属ピストン40の代わりに、第7の実施形態の樹脂ピストン33gと金属ピストン40gを使用して、サーモエレメントを作成することが出来る。そのサーモエレメントを使用したサーモスタットを作成することが出来る。
第2〜4の実施形態の樹脂ピストン33b,33c,33dも、第7の実施形態の樹脂ピストン33gのように、第1、第2の凹部35a,35bを形成し、第1、第2の凸部42a,42bを有する金属ピストン40gと組み合わせて使用することが出来る。
(第8の実施形態)
図13は、本発明の第8の実施形態のサーモエレメントの樹脂ピストン33hと、金属ピストン40hの下端部の断面図である。第8の実施形態が第6の実施形態と異なる点は、樹脂ピストン33hの頂部に続く凸部が、第1の凸部36aと、第1の凸部36aより外径が少し大きい先端部の第2の凸部36bとからなり、金属ピストン40hの下面の凹部が、第1の凹部43aと、第1の凹部43aより内径が少し大きい第2の凹部43bとからなる点である。
樹脂ピストン33hの凸部は、頂部に続き一定の外径の第1の凸部36aと、第1の凸部36aの上にあり第1の凸部36aより外径が少し大きい第2の凸部36bとからなる。第2の凸部36bの上端部の外周には面取り43cが付けられている。
第8の実施形態では、金属ピストン40hの下面に、樹脂ピストン33hの凸部を収容する凹部が形成されている。凹部は、第1の凸部36aに適合する第1の凹部43aと、第2の凸部36bに適合する第2の凹部43bとからなる。金属ピストン40hの第1の凹部43aの下端部の内周には面取り43cが付けられている。
第2の凸部36bの外径は第1の凹部43aの内径より少し大きい。樹脂ピストン33gの第2の凸部36bの上端部には面取り36cが付けられ、金属ピストン40gの第1の凹部43aの下端部には面取り43cが付けられているので、樹脂ピストン33hの凸部を金属ピストン40hの凹部に押し込みやすくなっている。
樹脂ピストン33gの凸部をピストン40hの凹部に押し込むと、樹脂ピストン33gの第2の凸部36bは、第1の凹部43aにより外周を押されて通過し、第2の凹部43bの内側に入る。こうして、金属ピストン40hの凹部に樹脂ピストン33hの凸部を嵌め込んで結合することができる。樹脂ピストン33hと金属ピストン40hとは、一体のピストン組立体を形成し、外れにくい。
金属ピストン40hの第1の凹部43aの下端部の内周に面取り43cの代わりにR面を付け、樹脂ピストン33hの第2の凸部36bの上端部の外周に面取り36cの代わりにR面を付け、樹脂ピストン33hの凸部を樹脂ピストン40hの凹部に押し込みやすくすることもできる。
第1の実施形態の樹脂ピストン33と金属ピストン40の代わりに、第8の実施形態の樹脂ピストン33hと金属ピストン40hを使用して、サーモエレメントを作成することが出来る。そのサーモエレメントを使用したサーモスタットを作成することが出来る。
第2〜4の実施形態の樹脂ピストン33b,33c,33dも、第8の実施形態の樹脂ピストン33hのように、第1、第2の凸部36a,36bを形成し、第1、第2の凹部43a,43bを有する金属ピストン40hと組み合わせて使用することが出来る。
(第9の実施形態)
図14は、本発明の第9の実施形態のサーモエレメントの樹脂ピストン33iと、金属ピストン40iの下端部の断面図である。第9の実施形態が第8の実施形態と異なる点は、樹脂ピストン33iの第2の凸部36dが円錐台形であり、金属ピストン40iの第2の凹部43dは第2の凸部36dが適合する形状である点である。
樹脂ピストン33iの凸部は、頂部に続き一定の外径の第1の凸部36aと、第1の凸部36aの上にあり、円錐台形の第2の凸部36dとからなる。第1の凸部36aは、第8の実施形態の第1の凸部36aと同じで、短い円柱形である。第2の凸部36dは円錐台形である。第2の凸部36dの下端部の外径は、第1の凸部36aの外径より大きい。第2の凸部36dの上端部の外径は、第1の凸部36aの外径より小さいことが望ましい。
第9の実施形態では、金属ピストン40iの下面に、樹脂ピストン33hの凸部を収容する凹部が形成されている。凹部は、第1の凸部36aに適合する第1の凹部43aと、第2の凸部36dに適合する第2の凹部43dとからなる。第1の凹部43aは、第8の実施形態の第1の凹部43aと同じであり、一定の内径である。金属ピストン40iの第1の凹部43aの下端部の内径は、樹脂ピストン33hの第2の凸部36dの上端部の外径より大きく、第2の凸部36dは、第1の凹部43aに入れやすいようになっている。
第2の凹部43dは、円錐台形の第2の凸部36dに適合する形状である。第2の凹部43dの下端部の内径は、第2の凸部36dの下端部の外径とほぼ等しく、第2の凹部43dの上端部の内径は、第2の凸部36dの上端部の外径とほぼ等しい。第2の凹部43dは、上方へ行くにしたがって内径が次第に小さくなる。
樹脂ピストン33gの凸部をピストン40hの凹部に押し込むと、樹脂ピストン33gの第2の凸部36dは、第1の凹部43aにより外周を押されて通過し、第2の凹部43dの内側に入る。こうして、金属ピストン40hの凹部に樹脂ピストン33hの凸部を嵌め込んで結合することができる。樹脂ピストン33hと金属ピストン40hとは、一体のピストン組立体を形成し、外れにくい。
第1の実施形態の樹脂ピストン33と金属ピストン40の代わりに、第9の実施形態の樹脂ピストン33iと金属ピストン40iを使用して、サーモエレメントを作成することが出来る。そのサーモエレメントを使用したサーモスタットを作成することが出来る。
第2〜4の実施形態の樹脂ピストン33b,33c,33dも、第9の実施形態の樹脂ピストン33iのように、第1、第2の凸部36a,36dを形成し、第1、第2の凹部43a,43dを有する金属ピストン40iと組み合わせて使用することが出来る。
第1〜9の実施形態として、本発明のサーモエレメントを自動車用サーモスタットに取付けた実施形態を説明したが、これに限定するものではなく、本発明のサーモエレメントを他の装置に取付けることもでき、その場合も同様の効果が得られる。
本発明の第1〜9の実施形態として、ダイアフラムタイプのサーモエレメントについて説明したが、本発明はこれに限定されず、スリーブタイプ等他の種類のサーモエレメントでも、非圧縮性の流動体を介してピストンを押し出すサーモエレメントについて、金属ピストンと、炭素繊維を含む樹脂ピストンを組み合わせたピストン組立体を使用して、サーモエレメントを作成することが出来る。
1 ケース
2 熱膨張体
3 ダイアフラム
4 流動体
5 ガイド部材
6 ピストン
7 ラバーピストン
8 保護板
10 ケース
11 底
12 円筒部
13 フランジ
13a 溝
15 座金
15a 溝
21 熱膨張体
22 流動体
30 ダイアフラム
31 凸部
33,33b,33c,33d,33e,33f,33g,33h 樹脂ピストン
34 テーパ孔
34d テーパ孔
35 凹部
35a 第1の凹部
35b 第2の凹部
36 凸部
36a 第1の凸部
36b 第2の凸部
36c 面取り
36d 第2の凸部
37 樹脂テーパ部
37a 円筒部
37b 樹脂テーパ部
38 円筒孔
38d 第1の円筒孔
38e 第2の円筒孔
39 樹脂円筒部
39d 第1の樹脂円筒部
39e 第2の樹脂円筒部
40,40e,40f,40g,40h 金属ピストン
42 凸部
42a 第1の凸部
42b 第2の凸部
43 凹部
43a 第1の凹部
43b 第2の凹部
43c 面取り
43d 第2の凹部
50 ガイド部材
51 フランジ
51a 溝
54 かしめ部
52 基部
53 ガイド筒部
57 ピストン摺動孔
58 テーパ部
59 中央孔
60 下フレーム
61 下部凹部
62 底面部
63a 開口部
63 下部斜面部
64 外周部
65 上フレーム
66 側面部
67 上部斜面部
68 上部平面部
69 ピストン孔
70 弁座
71 ゴム焼付け部
72 勘合孔
73 勘合爪
75 開閉弁
76 外周部
77 ピストン係止孔
80 スプリング

Claims (11)

  1. 上部が開口したケースと、前記ケースに充填され温度変化により膨張収縮する熱膨張体と、前記ケース内に前記熱膨張体を密封するダイアフラムと、前記ケースの上部に固定され、ピストン摺動孔を有するガイド部材と、前記ピストン摺動孔内を軸方向に移動可能な樹脂ピストンと、前記ピストン摺動孔内に前記樹脂ピストンに隣接して配置され、軸方向に移動可能な金属ピストンと、を備え、
    前記ダイアフラムと前記ガイド部材と前記樹脂ピストンとの間に流体室が形成され、前記流体室に変形自在な非圧縮性の流動体が収容され、前記熱膨張体の膨張収縮により、前記流体室内の前記流動体を介して、前記樹脂ピストンと前記金属ピストンが前記ガイド部材の前記ピストン摺動孔内を軸方向に移動するようになったサーモエレメントであって、
    前記樹脂ピストンは、炭素繊維が混入されたフッ素樹脂製であり、下面から上方へ向かって有底孔が形成され、前記有底孔の上側の頂部と、前記頂部の下側の中空の胴部とを有することを特徴とするサーモエレメント。
  2. 請求項1に記載のサーモエレメントであって、前記樹脂ピストンの前記胴部は、一定の肉厚の樹脂円筒部であるサーモエレメント。
  3. 請求項1に記載のサーモエレメントであって、前記樹脂ピストンの前記胴部は、第1の肉厚の第1の樹脂円筒部と、前記第1の肉厚と異なる第2の肉厚の第2の樹脂円筒部とを有するサーモエレメント。
  4. 請求項1に記載のサーモエレメントであって、前記樹脂ピストンの前記胴部は、テーパが付いた樹脂テーパ部であるサーモエレメント。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載のサーモエレメントであって、
    前記樹脂ピストンの頂部に断面が円形の凹部が形成され、前記樹脂ピストンの前記頂部に当接する前記金属ピストンの下端部に、断面が円形で、前記樹脂ピストンの前記凹部に適合する凸部が形成されているサーモエレメント。
  6. 請求項5に記載のサーモエレメントであって、
    前記樹脂ピストンの前記凹部は、上側に位置する第1の凹部と、前記第1の凹部の下側に位置し、前記第1の凹部より内径が大きい第2の凹部とからなり、
    前記金属ピストンの前記凸部は、上側に位置し、前記第1の凹部に適合する第1の凸部と、前記第1の凸部の下側に位置し、前記第1の凸部より外径が大きく、前記第2の凹部に適合する第2の凸部とからなるサーモエレメント。
  7. 請求項1乃至4の何れか1項に記載のサーモエレメントであって、
    前記樹脂ピストンの頂部に断面が円形の凸部が形成され、前記樹脂ピストンの前記頂部に当接する前記金属ピストンの下端部に、断面が円形で、前記樹脂ピストンの前記凸部に適合する凹部が形成されているサーモエレメント。
  8. 請求項7に記載のサーモエレメントであって、
    前記樹脂ピストンの前記凸部は、下側に位置する第1の凸部と、前記第1の凸部の上側に位置し、前記第1の凸部より外径が大きい第2の凸部とからなり、
    前記金属ピストンの前記凹部は、下側に位置し、前記第1の凸部に適合する第1の凹部と、前記第1の凹部の上側に位置し、前記第1の凹部より内径が大きく、前記第2の凸部に適合する第2の凹部とからなるサーモエレメント。
  9. 請求項8に記載のサーモエレメントであって、
    前記樹脂ピストンの前記第1の凹部の上端部の内周面に面取り又はR面が形成され、
    前記金属ピストンの前記第2の凸部の下端部の外周面に面取り又はR面が形成されているサーモエレメント。
  10. 請求項7に記載のサーモエレメントであって、
    前記樹脂ピストンの前記凸部は、下側に位置し、一定の外径の第1の凸部と、前記第1の凸部の上側に位置し、上方に向かって外径が小さくなる円錐台形の第2の凸部とからなり、
    前記金属ピストンの前記凹部は、下側に位置し、前記第1の凸部に適合する一定の内径の第1の凹部と、前記第1の凹部の上側に位置し、前記樹脂ピストンの前記第2の凸部に適合し、上方に向かって内径が小さくなる第2の凹部とからなるサーモエレメント。
  11. 上部が開口したケースと、前記ケースに充填された熱膨張体と、前記ケース内に前記熱膨張体を密封するダイアフラムと、前記ケースの上部に固定され、ピストン摺動孔を有するガイド部材と、前記ダイアフラムと前記ガイド部材との間に形成された流体室に収容された非圧縮性の流動体とを備えるサーモエレメントに使用するピストン組立体であって、
    前記ピストン組立体は、炭素繊維が混入されたフッ素樹脂製の樹脂ピストンと、前記樹脂ピストンと同じ外径の金属製の金属ピストンとを有し、前記ピストン摺動孔内を軸方向に移動可能であり、
    前記樹脂ピストンは、下面から上方へ向かって有底孔が形成され、前記樹脂ピストンは、前記有底孔の上側の頂部と、前記頂部の下側の中空の胴部とを有することを特徴とするピストン組立体。
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