JP2017057201A - 抗体−フィノマー複合体を含む医薬組成物 - Google Patents

抗体−フィノマー複合体を含む医薬組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】
自己免疫疾患または障害の処置のための医薬組成物を提供すること。
【解決手段】
本発明は、インターロイキン−17a(IL−17a)に結合し、インターロイキン−6受容体(IL−6R)に結合する抗体またはその部分配列と複合体を形成する、フィノマー配列を含む二重特異性融合ポリペプチドを含む、医薬組成物を提供する。融合ポリペプチドは、IL−17aおよびIL−6Rの両方に結合して、IL−17aおよびIL−6R活性の両方を抑制、低下、減少、阻害または阻止することができる。本組成物は、自己免疫疾患のような疾患または障害の処置に有用である。
【選択図】なし

Description

本発明は、インターロイキン−17a(IL−17a)およびインターロイキン−6受容体(IL−6R)の両方に結合し得る融合タンパク質を含む医薬組成物に関する。
Th17細胞は、慢性炎症プロセスの中心的メディエーターであり、以前はTh1媒介性であると考えられていた自己免疫症状のいくつかのタイプにおける主要な病原性エフェクターである(Weaver T. et al. (2008) Annu. Rev. Immunol., 25, p. 821−852)。炎症促進性(pro−inflammatory)サイトカインであるIL−17は、主にTh17細胞によって発現され、関節リウマチ(RA)患者の滑液中に高レベルで存在し、早期RAの発症に関与することが示されている。さらに、IL−17は、TNF−αおよびIL−1の強力な誘導因子であり、後者は骨糜爛および罹患患者において強い痛みを惹起する主な原因となっている(Lubberts E. (2008)Cytokine, 41, p. 84−91)。さらに、異常な、または過剰なIL−17の産生は、種々の他の疾患および障害、例えば、骨関節症、骨インプラントの緩み、急性移植拒絶(Antonysamy et al., (1999) J. Immunol, 162, p. 577−584; van Kooten et al. (1998) J. Am. Soc. Nephrol., 9, p.1526−1534)、敗血症、敗血症性または内毒素性ショック、アレルギー、喘息(Molet et al. (2001) J. Allergy Clin. Immunol., 108, p. 430−438)、骨喪失、乾癬(Teunissen et al. (1998) J. Invest. Dermatol, 111, p. 645−649)、虚血、全身性硬化症(Kurasawa et al. (2000) Arthritis Rheum., 43, p. 2455−2463)、脳卒中、および他の炎症性疾患等の病因に関連している。従って、IL−17の生物学的活性を調節する治療法が必要とされている。
関節炎モデルの発症初期段階において、抗原免疫後早期の、IL−17受容体−IgG1−Fc融合タンパク質による内因性IL−17の中和は、実験的関節炎の発症を抑制する(Lubberts et al. (2001) J. Immunol., 167, p. 1004−1013)。さらに、コラーゲン誘発性関節炎モデル発症後における中和抗IL−17抗体を用いる治療は、関節の炎症、軟骨破壊および骨糜爛を軽減した(Lubberts et al. (2004) Arthritis and Rheumatism, 50; 650−659)。抗IL−17抗体による治療後では、組織学的解析による関節炎症の抑制が認められ、全身のIL−6レベルも有意に減少した。これに対して、マウスIL−17をアデノウイルスベクターによって全身的ならびに局所的なIL−17過剰発現により、コラーゲン誘発性関節炎(CIA)の発症は加速し、局所での滑膜炎症は悪化した(Lubberts et al. (2001) J. Immunol., 167, p. 1004−1013 および Lubberts et al. (2002), Inflamm. Res. 51, p102−104)。ごく最近には、抗IL−17抗体の使用により、乾癬、関節リウマチおよび非感染性ブドウ膜炎の臨床症状を改善したことが示された(Leonardi C. et al. (2012) N. Engl. J. Med. 366, p. 1190−1199; Hueber W. et al. (2010) Sci Transl Med. 2(52):52ra72)。
インターロイキン−6(IL−6)は、細胞増殖および分化を調節する強力なサイトカインであり、急性炎症性応答の重要なメディエーターでもある。IL−6は、特異的IL−6受容体(IL−6R)およびシグナル伝達サブユニット(gp130)からなる受容体複合体を介して作用する。IL−6シグナル伝達の調節不全は、多発性骨髄腫、自己免疫疾患および前立腺癌等の多くの疾患の病因に関与している。従って、IL−6および/またはIL−6Rの生物学的活性を調節する治療法が必要とされている。
Weaver T. et al.(2008) Annu. Rev. Immunol., 25, p. 821−852 Lubberts E. (2008)Cytokine, 41, p. 84−91 Antonysamy et al., (1999) J. Immunol, 162, p. 577−584 van Kooten et al. (1998) J. Am. Soc. Nephrol., 9, p.1526−1534 Molet et al. (2001) J. Allergy Clin. Immunol., 108, p. 430−438) Teunissen et al. (1998) J. Invest. Dermatol, 111, p. 645−649 Kurasawa et al. (2000) Arthritis Rheum., 43, p. 2455−2463 Lubberts et al. (2001) J. Immunol., 167, p. 1004−1013 Lubberts et al. (2004) Arthritis and Rheumatism, 50; 650−659 Lubberts et al. (2001) J. Immunol.,167, p. 1004−1013 Lubberts et al. (2002), Inflamm. Res. 51, p102−104 Leonardi C. et al. (2012) N. Engl. J. Med. 366, p. 1190−1199 Hueber W. et al. (2010) Sci Transl Med. 2(52):52ra72
本発明の目的は、インターロイキン−17a(以降、“IL−17a”)およびインターロイキン−6受容体(以降、“IL−16R”)の両方に結合し得る融合ポリペプチドを含む医薬組成物を提供することである。本発明の別の目的は、IL−17aおよびIL−16Rの両方の活性を抑制、低下、減少、阻害または阻止し得る融合ポリペプチドを含む医薬組成物を提供することである。該組成物は疾患または障害を処置するために使用され得る。本発明の別の目的は、融合ポリペプチドを産生する形質転換細胞を提供することである。
本発明者らは、インターロイキン−17a(IL−17a)に結合し、インターロイキン−6受容体(IL−6R)に結合する抗体またはその部分配列(“mAb”)と複合体形成する融合ポリペプチド、すなわちフィノマー(Fynomer)配列(“fyno”は、フィノマー(商標)とも言われる)を含むFynomAbが、IL−17aおよびIL−6Rの両方に結合することができ、かつIL−17aおよびIL−6Rの両方の機能または活性を抑制、低下、減少、阻害または阻止し得ることを示すデータを提供する。データはまた、異なる時間に、異なる細胞から産生された典型的なFynomAbの異なるロットは、ロット間で同様の挙動をすることを示す。典型的な8個のFynomAb構築物(コンストラクト)は、IL−17aおよびIL−6Rに対して非常に類似した親和性を有し、細胞ベースのアッセイにおいて類似の機能活性を有した。軽鎖融合体(COVA802、COVA804、COVA806およびCOVA808)は、良好なSECプロファイルを有し、低凝集性であった。
一態様において、インターロイキン−17a(IL−17a)に結合し、インターロイキン−6受容体(IL−6R)に結合する抗体または該抗体の部分配列と複合体形成する、フィノマー配列を含む二重特異性融合ポリペプチドを含む医薬組成物を提供する。二重特異性融合ポリペプチドは、IL−17aおよびIL−6Rに同時に結合する融合ポリペプチドであり得る。
一態様において、フィノマー配列は、IL−6Rに結合する抗体の重鎖もしくは軽鎖配列、または該重鎖もしくは軽鎖配列の部分配列と複合体形成し得る。フィノマー配列は、抗体の重鎖配列またはその部分配列のアミノ末端またはカルボキシル末端と複合体形成し得る。フィノマー配列は、抗体の軽鎖配列またはその部分配列のアミノ末端またはカルボキシル末端と複合体形成し得る。
二重特異性融合ポリペプチドは、IL−6Rに結合する抗体または該抗体の部分配列と複合体形成する、1個またはそれ以上のIL−17a結合配列を含み得る。特定の態様において、二重特異性融合ポリペプチドは、IL−6R結合抗体またはその部分配列と複合体形成する、2個またはそれ以上、例えば、3、4、5、6、7または8個のIL−17a結合フィノマー配列を含み得る。
IL−17a結合フィノマー配列は、種々の長さの配列であってよい。一態様において、フィノマー配列は、約10から約80アミノ酸長である。
IL−17a結合フィノマー配列は、IL−17aに対して種々の親和性を有する配列であり得る。一態様において、フィノマー配列は、IL−17aに対して約10−9Mから約10−13Mの結合親和性(K)を有し得る。好ましい態様において、フィノマー配列は、グリコシル化IL−17aに対して約1から約200nMの結合親和性(K)を有し得る。さらに好ましい態様において、フィノマー配列は、グリコシル化ヒトIL−17aに対して約1から約200nM、または約5から約50nMの結合親和性(K)を有し得る。フィノマー配列は、グリコシル化IL−17aに対する配列番号1のフィノマー配列の結合親和性(KまたはKD)と同等またはそれ以上のグリコシル化IL−17aに対する結合親和性を有し得る。
IL−17a結合フィノマー配列は、対照フィノマー配列と同一性を有する配列であり得る。特定の態様において、フィノマー配列は、以下に示す対照配列の何れかと少なくとも90%またはそれ以上(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%)の同一性を有する配列であり得る:
GVTLFVALYDYKQKGHLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(aka 11L0−C6)(配列番号2);
GVTLFVALYDYSARGQLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(aka 11L5−B06)(配列番号3);
GVTLFVALYDYESVSWSDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(aka 11L9−C09)(配列番号5);
GVTLFVALYDYSSRGVLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(aka 11L10−A05)(配列番号6);
GVTLFVALYDYANHGNRDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(aka 1L3−B9)(配列番号1);
GVTLFVALYDYDKLSALDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(aka 11L6−F03)(配列番号4);および、
GVTLFVALYDYSRKSNLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(aka 11L11−A09)(配列番号7)。
IL−17a結合フィノマー配列は、上記の対照フィノマー配列にアミノ酸置換、挿入、付加または欠失を有する配列であり得る。一態様において、フィノマー配列は、以下の配列の何れかであり得る:
GVTLFVALYDYKQKGHLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号2);
GVTLFVALYDYSARGQLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号3);
GVTLFVALYDYESVSWSDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号5);
GVTLFVALYDYSSRGVLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号6);
GVTLFVALYDYANHGNRDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号1); GVTLFVALYDYDKLSALDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号4);および、
GVTLFVALYDYSRKSNLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号7)、または1−2、2−3、3−4、5−6、6−7、7−8、8−9、9−10、10−15、15−20、20−25もしくは25−30個の保存的、非保存的、または保存的および非保存的アミノ酸置換を有する上記の配列のいずれか、または1−2、2−3、3−4、5−6、6−7、7−8、8−9、9−10、10−15、15−20、20−25もしくは25−30個のアミノ酸欠失もしくは挿入を有する上記の配列のいずれか。
一態様において、IL−17a結合フィノマー配列は、対照フィノマー配列に含まれている配列と同一の特定のモチーフ配列を含み得る。一態様において、GVTLFVALYDY、DLSFHKGEKFQIL、STHEYE、STHEYED、WWEAR、DWWEARおよびSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQの1個またはそれ以上のモチーフが、本発明において使用されるIL−17a結合フィノマー配列に含まれる。特定の態様において、フィノマー配列は、該配列のアミノ酸位置31−36の配列STHEYE、または該配列のアミノ酸位置28−42の配列QILSTHEYEDWWEARを含み得る。
IL−17a結合フィノマー配列は、特定の位置または領域(location)に特定のアミノ酸残基を有する配列であり得る。特に、フィノマー配列は、srcループ配列の直後に位置するE残基、および/またはsrcループ配列、STHEYの直後に位置するE残基を有していてよい。
IL−17a結合フィノマー配列は、特定の活性または機能を有する配列であり得る。一態様において、フィノマー配列は、IL−17aに結合し、IL−17受容体の機能またはシグナル伝達を阻害、減少または抑制し得る。さらなる態様において、フィノマー配列は、グリコシル化IL−17aに結合し、IL−17受容体の機能またはシグナル伝達を阻害、減少または抑制し得る。さらに別の態様において、フィノマー配列は、グリコシル化IL−17aに結合し、線維芽細胞によるIL−6の産生を阻害、減少または抑制し得る。例えば、フィノマー配列は、線維芽細胞によるIL−6の産生を阻害、減少または抑制するのに、約10から約250nMまたは約10から約100nMのIC50を有し得る。
本発明で用いる二重特異性融合ポリペプチドは、IL−6Rに結合する抗体または該抗体の部分配列、例えばIL−6Rに結合するVHもしくはVL鎖を含む。一態様において、抗体またはその部分配列は、IL−6Rへの結合について約10−5Mから約10−13Mの結合親和性(K)を有し得る。
IL−6R結合抗体またはその部分配列、例えばVHもしくはVL鎖は、種々の長さを有する配列であり得る。特に、該配列は、約50から約100アミノ酸長を有する配列であり得る。特定の態様において、抗体またはその部分配列は、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv、Fd、一本鎖Fv(scFv)、ジスルフィド結合したFv(sdFv)、V、V、ダイアボディー((V−Vもしくは(V−V)、トリアボディー(三価抗体)、テトラボディー(四価抗体)、ミニボディー((scF−C3))、IgGdeltaCH2、scFv−Fcまたは(scFv)−Fcフラグメントであり得る。
IL−6R結合抗体またはその部分配列は、種々のイソ型を有する配列であり得る。ある態様において、抗体は、IgG、IgA、IgE、IgMまたはIgDイソ型を有するものであり得る。
IL−6R結合抗体またはその部分配列は、以下に示す対照配列と顕著な同一性を有する配列であり得る。特定の態様において、抗体またはその部分配列は、以下の重鎖(HC)および軽鎖(LC)配列のいずれかと少なくとも90%またはそれ以上(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%)の配列同一性を有する配列であり得る:
(HC)QVQLQESGPGLVRPSQTLSLTCTVSGYSITSDHAWSWVRQPPGRGLEWIGYISYSGITTYNPSLKSRVTMLRDTSKNQFSLRLSSVTAADTAVYYCARSLARTTAMDYWGQGSLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号12);
(LC)DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQGNTLPYTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号13)。
IL−6R結合抗体またはその部分配列は、1つの対照配列に1個またはそれ以上のアミノ酸置換、挿入、付加または欠失を有する配列であってよい。特定の態様において、抗体またはその部分配列は、以下の重鎖(HC)および軽鎖(LC)配列のいずれかであり得る:
(HC)QVQLQESGPGLVRPSQTLSLTCTVSGYSITSDHAWSWVRQPPGRGLEWIGYISYSGITTYNPSLKSRVTMLRDTSKNQFSLRLSSVTAADTAVYYCARSLARTTAMDYWGQGSLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号12);
(LC)DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQGNTLPYTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号13)、または上記の重鎖(HC)または軽鎖(LC)配列のいずれかの可変鎖配列内もしくは外に、1−2、2−3、3−4、5−6、6−7、7−8、8−9、9−10、10−15、15−20、20−25、25−30個の保存的、非保存的、または保存的および非保存的アミノ酸置換、またはアミノ酸挿入もしくは欠失を有する配列。
IL−6R結合抗体またはその部分配列は、以下に記載の重鎖(HC)および/または軽鎖(LC)配列のいずれかであり得る:(HC)QVQLQESGPGLVRPSQTLSLTCTVSGYSITSDHAWSWVRQPPGRGLEWIGYISYSGITTYNPSLKSRVTMLRDTSKNQFSLRLSSVTAADTAVYYCARSLARTTAMDYWGQGSLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSGVTLFVALYDYKQKGHLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号14);
(LC)DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQGNTLPYTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号15)(aka COVA 801);
(HC)QVQLQESGPGLVRPSQTLSLTCTVSGYSITSDHAWSWVRQPPGRGLEWIGYISYSGITTYNPSLKSRVTMLRDTSKNQFSLRLSSVTAADTAVYYCARSLARTTAMDYWGQGSLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号16);
(LC)DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQGNTLPYTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGECGGGGSGGGGSGGGGSGVTLFVALYDYKQKGHLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号17)(aka COVA 802);
(HC)QVQLQESGPGLVRPSQTLSLTCTVSGYSITSDHAWSWVRQPPGRGLEWIGYISYSGITTYNPSLKSRVTMLRDTSKNQFSLRLSSVTAADTAVYYCARSLARTTAMDYWGQGSLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSGVTLFVALYDYSARGQLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号18);
(LC)DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQGNTLPYTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号19)(aka COVA 803);
(HC)QVQLQESGPGLVRPSQTLSLTCTVSGYSITSDHAWSWVRQPPGRGLEWIGYISYSGITTYNPSLKSRVTMLRDTSKNQFSLRLSSVTAADTAVYYCARSLARTTAMDYWGQGSLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号20);
(LC)DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQGNTLPYTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGECGGGGSGGGGSGGGGSGVTLFVALYDYSARGQLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号21)(aka COVA 804);
(HC)QVQLQESGPGLVRPSQTLSLTCTVSGYSITSDHAWSWVRQPPGRGLEWIGYISYSGITTYNPSLKSRVTMLRDTSKNQFSLRLSSVTAADTAVYYCARSLARTTAMDYWGQGSLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSGVTLFVALYDYESVSWSDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号22);
(LC)DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQGNTLPYTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号23)(aka COVA 805);
(HC)QVQLQESGPGLVRPSQTLSLTCTVSGYSITSDHAWSWVRQPPGRGLEWIGYISYSGITTYNPSLKSRVTMLRDTSKNQFSLRLSSVTAADTAVYYCARSLARTTAMDYWGQGSLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号24);
(LC)DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQGNTLPYTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGECGGGGSGGGGSGGGGSGVTLFVALYDYESVSWSDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号25)(aka COVA 806);
(HC)QVQLQESGPGLVRPSQTLSLTCTVSGYSITSDHAWSWVRQPPGRGLEWIGYISYSGITTYNPSLKSRVTMLRDTSKNQFSLRLSSVTAADTAVYYCARSLARTTAMDYWGQGSLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSGVTLFVALYDYSSRGVLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号26);
(LC)DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQGNTLPYTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号27)(aka COVA 807);
(HC)QVQLQESGPGLVRPSQTLSLTCTVSGYSITSDHAWSWVRQPPGRGLEWIGYISYSGITTYNPSLKSRVTMLRDTSKNQFSLRLSSVTAADTAVYYCARSLARTTAMDYWGQGSLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号28);
(LC)DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQGNTLPYTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGECGGGGSGGGGSGGGGSGVTLFVALYDYSSRGVLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号29)(aka COVA 808)、または上記の重鎖(HC)または軽鎖(LC)配列のいずれかの可変鎖配列内もしくは外に、1−2、2−3、3−4、5−6、6−7、7−8、8−9、9−10、10−15、15−20、20−25、25−30個の保存的、非保存的、または保存的および非保存的アミノ酸置換、またはアミノ酸挿入もしくは欠失を有する配列。
IL−6R結合抗体は、トシリズマブなどの公知のIL−6R抗体であり得る。抗体の部分配列は、抗体の重鎖もしくは軽鎖、または該重鎖もしくは軽鎖の可変領域配列内もしくは外にアミノ酸置換、挿入もしくは欠失を有する配列であり得る。部分配列は、抗体の重鎖または軽鎖可変領域配列の相補性決定領域(CDR)内または外にアミノ酸置換、挿入または欠失を有する配列であってもよい。部分配列は、公知のIL−6R結合抗体の重鎖または軽鎖可変領域配列のフレームワーク領域(FR)内または外にアミノ酸置換、挿入または欠失を有する配列であってもよい。
IL−6R結合配列は、特定の活性または機能を有する配列であり得る。一態様において、IL−6R結合配列はIL−6Rに結合し、IL−6Rの機能またはシグナル伝達を阻害、減少または抑制する。
本発明において、IL−6R結合抗体、その部分配列、またはそのVHもしくはVL鎖およびフィノマー配列は、直接またはリンカーを介して結合できる。一態様において、結合は、共有結合またはアミド結合であってよい。別の態様において、結合は、リンカーを介してであってよい。リンカーの非限定例には、ペプチドおよび炭素鎖列が含まれ得る。一態様において、約1−5、5−10、10−15、15−20、20−25、25−50または50−100個のアミノ酸残基を有するペプチド配列;および、約1−5、5−10、10−15、15−20、20−25、25−50または50−100個の炭素原子を有する炭素鎖を、リンカーとして使用することができる。リンカーペプチドの例は、(GGGGS)(X=1、2、3、4、5、6、7、8、9または10)またはGGGGSGGGGSGGGGSのモチーフを含むか、またはそれから構成されるものであり得る。
本発明で用いる二重特異性融合ポリペプチドが結合する標的配列には、哺乳動物のIL−17aおよびIL−6Rが含まれる。特定の態様において、標的は、ヒトIL−17aおよび/またはIL−6Rである。
本発明の二重特異性融合ポリペプチドを含む医薬組成物は、薬学的に許容される担体を含んでいてよい。組成物は、滅菌医薬組成物または製剤であり得る。
本発明の二重特異性融合ポリペプチドを含む医薬組成物は、ヒトなどの対象における疾患または病状の処置のために使用され得る。本発明の医薬組成物により処置されるべき疾患または病状には、自己免疫疾患もしくは障害、および免疫応答に関連する炎症、または異常なもしくは望ましくない免疫応答により引き起こされた炎症が含まれるが、これらに限定されない。一態様において、本発明の医薬組成物は、自己免疫疾患もしくは障害、または炎症の処置を必要とする対象に投与される。自己免疫疾患、障害および炎症は、対象の任意の細胞、組織または臓器に影響を与えるものであり得る。二重特異性融合ポリペプチドにより処置されるべき自己免疫疾患、障害または炎症は、筋肉、骨格、神経系、結合組織、内分泌系、皮膚、気道または肺系、胃腸系、眼系または循環系に影響を与えるものであり得る。
本発明の医薬組成物は、単独で投与されるか、または二重特異性融合ポリペプチドにより処置されるべき自己免疫疾患もしくは障害、または炎症の処置に有用である第二の、またはある薬物を含むさらなる医薬組成物と共投与され得る。一態様において、本発明の医薬組成物は、第二の医薬組成物の投与前、それと同時に、またはその投与後に投与され得る。
あるいは、本発明の医薬組成物は二重特異性融合ポリペプチドによって処置されるべき疾患または病状の処置に有用な第二の、またはさらなる薬物をさらに含み得る。
図1は、トランジェントなCHO FynomAb材料のSDS−PAGE分析を示す。 図2は、マウスPK試験のために作製された安定なCHO FynomAb材料のSDS−PAGE分析を示す。 図3は、カニクイザル(cyno)PK試験のために作製された安定なCHO FynomAb材料のSDS−PAGE分析を示す。 図4は、組み換えヒトIL−17AとFynomAbの相互作用の結合動態分析を示す。 図5は、COVA804およびCOVA806についてのIL−17A結合ELISAを示す。 図6は、組み換えヒトIL−6RとFynomAbの相互作用の結合動態分析を示す。 図7は、トランジェントなCHO FynomAb材料を用いるHT−29 IL−17A アッセイを示す。 図8は、マウスPK試験のために作製された安定なCHOプールFynomAb材料を用いるHT−29 IL−17A アッセイを示す。 図9は、カニクイザル(cyno)PK試験のために作製された安定なCHOプールFynomAb材料を用いるHT−29 IL−17A アッセイを示す。 図10は、トランジェントなCHO FynomAb材料を用いるHEK−Blue IL−6R 阻害アッセイを示す。 図11は、マウスPK試験のために作製された安定なCHOプールFynomAb材料を用いるHEK−Blue IL−6R 阻害アッセイを示す。 図12は、カニクイザル(cyno)PK試験のために作製された安定なCHOプールFynomAb材料を用いるHEK−Blue IL−6R 阻害アッセイを示す。 図13は、血清安定性二重結合ELISAのセットアップを示す。 図14は、COVA801−808で示されるFynomAbの血清安定性評価を示す。 図15は、ヒト血清の存在下での、COVA804および806で示されるFynomAbの二重結合の評価を示す。 図16は、細胞表面に発現されるIL−6Rおよび可溶性IL−17Aの同時結合を示す。 図17は、可溶性IL−6Rの存在下での、HT−29 IL−17A機能アッセイを示す。 図18は、IL−17Aの存在下でのIL−6R阻害を示す。 図19は、表示のフィノマーポリペプチドによる、グリコシル化および非グリコシル化IL−17Aの用量依存的インビトロ阻害を示す。A)1L3−B09、(B)11L0−C6、(C)11L5−B06、(D)11L6−F03、(E)11L9−C09、(F)11L10−A05。 図20は、WO2011/023685に記載のFyn SH3由来ポリペプチドによる、グリコシル化および非グリコシル化IL−17Aの用量依存的インビトロ阻害を示す:(A)Fyn SH3由来IL−17結合体2C1(配列番号30)(WO2011/023685では、配列番号107)。(B)Fyn SH3由来IL−17結合体A1_2(“A1”)(配列番号31)(WO2011/023685では、配列番号53)。(C)Fyn SH3由来IL−17結合体B1_2(“B1”)(配列番号32)(WO2011/023685では、配列番号39)。 図21は、フィノマーポリペプチド11L11−A09による、グリコシル化および非グリコシル化IL−17Aの用量依存的インビトロ阻害の結果を示す。 図22は、COVA801およびCOVA802で示されるFynomAbについての時間に対してプロットした平均血清濃度を示す。 図23は、COVA803およびCOVA804で示されるFynomAbについての時間に対してプロットした平均血清濃度を示す。 図24は、COVA805およびCOVA806で示されるFynomAbについての時間に対してプロットした平均血清濃度を示す。 図25は、COVA807およびCOVA808で示されるFynomAbについての時間に対してプロットした平均血清濃度を示す。 図26は、カニクイザルにおける、COVA801およびCOVA802で示されるFynomAbについての時間に対してプロットした平均血清濃度を示す。 図27は、カニクイザルにおける、COVA803およびCOVA804で示されるFynomAbについての時間に対してプロットした平均血清濃度を示す。 図28は、カニクイザルにおける、COVA806で示されるFynomAbについての時間に対してプロットした平均血清濃度を示す。 図29は、カニクイザルにおける、COVA808で示されるFynomAbについての時間に対してプロットした平均血清濃度を示す。
詳細な説明
用語“フィノマー”は、ヒトFynキナーゼSH3ドメインに基づく、またはそれに由来する、後にモデル化された非免疫グロブリン由来結合(ポリ)ペプチドを意味し、Gebauer and Skerra (2009) Curr Opinion in Chemical Biology 13:245−255に記載されたいわゆる足場(scaffold)である。ヒトFynキナーゼのSH3ドメインは、タンパク質などの異なる標的に対して高い親和性および特異性で結合するタンパク質(フィノマーと称する)を操作するための足場として使用され得る(WO2008/022759、WO2011/023685、Grabulovski D. et al., (2007) J Biol Chem 282, p. 3196−3204, Bertschinger J. et al. (2007) Protein Eng Des Sel, 20, p.57−68および、Schlatter et al. (2012) mAbs, 4(4) p. 497−50)。RTループ(EARTED)領域およびsrcループ(NSSE)領域にそれぞれ下線を付したFyn3配列の配列:
“IL−17aフィノマー”または“抗IL−17aフィノマー”およびそれらの文法的な変形は、インターロイキン−17a(IL−17a)タンパク質に結合するフィノマー配列を意味する。RTループおよびsrcループ内のアミノ酸位置は、グリコシル化IL−17Aに対する結合特異性を決定すると考えられる。代表的なIL−17a結合フィノマー配列(配列番号1−7)を以下に示す:
RTループ srcループ
配列番号1:GVTLFVALYDYANHGNRDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ;
配列番号2:GVTLFVALYDYKQKGHLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ;
配列番号3:GVTLFVALYDYSARGQLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ;
配列番号4:GVTLFVALYDYDKLSALDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ;
配列番号5:GVTLFVALYDYESVSWSDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ;
配列番号6:GVTLFVALYDYSSRGVLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ;および、
配列番号7:GVTLFVALYDYSRKSNLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ。
“IL−6R抗体”または“抗IL−6R抗体”およびそれらの文法的な変形は、インターロイキン−6受容体(IL−6R)タンパク質に結合するポリクローナルまたはモノクローナル抗体を意味する。代表的なIL−6R結合抗体重鎖および軽鎖配列(配列番号8および9)を以下に示す:
トシリズマブ重鎖配列(配列番号8)、CDRに下線を付す。

トシリズマブ軽鎖配列(配列番号9)、CDRに下線を付す。
IL−6R結合抗体、および/またはIL−6Rに結合する抗体の重鎖および軽鎖配列のさらなる例は、US20130122012;US20120225060;US20120128626;および、US20120077731に記載されている。IL−6Rに結合するナノボディはWO2008/020079に記載されている。
本明細書で用いる用語“IL−17a、“IL−17aタンパク質”、“IL−17a配列”および“IL−17aドメイン”は、任意の天然に存在する状態(context)から単離された、それに基づく、もしくはそこに存在するIL−17aタンパク質配列の全てもしくは一部(例えば、抗原性領域またはエピトープなどの部分配列)、または人工的に作製された(例えば、遺伝子操作された)IL−17a、を意味する。従って、用語IL−17aなどには、細胞性の、ならびに組み換えまたは合成産生されたIL−17a配列が含まれる。
本明細書で用いる用語“IL−6R、“IL−6Rタンパク質”、“IL−6R配列”および“IL−6Rドメイン”は、任意の天然に存在する状態から単離された、それに基づく、もしくはそこに存在するIL−6Rタンパク質配列(例えば、抗原性領域またはエピトープなどの部分配列)、または人工的に作製された(例えば、遺伝子操作された)IL−6R、の全てもしくは一部を意味する。従って、用語IL−6Rなどには、細胞性の、ならびに組み換えまたは合成産生されたIL−6R配列が含まれる。
哺乳動物のIL−17a配列およびIL−6R配列は、当業者に公知である。ヒトIL−17aタンパク質配列(配列番号10)の代表的な非限定的な例は、
MTPGKTSLVSLLLLLSLEAIVKAGITIPRNPGCPNSEDKNFPRTVMVNLNIHNRNTNTNPKRSSDYYNRSTSPWNLHRNEDPERYPSVIWEAKCRHLGCINADGNVDYHMNSVPIQQEILVLRREPPHCPNSFRLEKILVSVGCTCVTPIVHHVA
である。
ヒトIL−6Rタンパク質配列(配列番号11)の代表的な非限定的な例は、
MLAVGCALLAALLAAPGAALAPRRCPAQEVARGVLTSLPGDSVTLTCPGVEPEDNATVHWVLRKPAAGSHPSRWAGMGRRLLLRSVQLHDSGNYSCYRAGRPAGTVHLLVDVPPEEPQLSCFRKSPLSNVVCEWGPRSTPSLTTKAVLLVRKFQNSPAEDFQEPCQYSQESQKFSCQLAVPEGDSSFYIVSMCVASSVGSKFSKTQTFQGCGILQPDPPANITVTAVARNPRWLSVTWQDPHSWNSSFYRLRFELRYRAERSKTFTTWMVKDLQHHCVIHDAWSGLRHVVQLRAQEEFGQGEWSEWSPEAMGTPWTESRSPPAENEVSTPMQLTTNKDDDNILFRDSANATSLPVQDSSSVPLPTFLVAGGSLAFGTLLCIAIVLRFKKTWKLRALKEGKTSMHPPYSLGQLVPERPRPTPVLVPLISPPVSPSSLGSDNTSSHNRPDARDPRSPYDISNTDYFFPR
である。
用語“抗体”は、それぞれVおよびVと記載する重鎖および軽鎖可変ドメインを介して別の分子(抗原)に結合するタンパク質を意味する。“抗体”とは、任意のポリクローナルまたはモノクローナル免疫グロブリン分子、またはそれらの混合物を意味し、例えばIgM、IgG、IgA、IgE、IgDである。抗体は任意の抗体クラスまたはサブクラスに属している。IgGのサブクラスの例は、IgG、IgG、IgGおよびIgGである。
抗体に関して用いられるとき、用語“モノクローナル”は、任意の真核生物、原核生物、またはファージクローンを含む単一クローンに基づく、それから得られる、またはそれに由来する抗体を意味する。従って、“モノクローナル”抗体は、本明細書中、構造的に定義され、それが産生される方法では定義されない。
抗体には、カッパまたはラムダ軽鎖配列を有する抗体であって、天然に存在する抗体のような全長の配列、それらの混合物(すなわち、カッパ鎖配列およびラムダ鎖配列の融合物)、およびそれらの部分配列/フラグメントのいずれもが含まれる。天然に存在する抗体分子は、2つのカッパ軽鎖および2つのラムダ軽鎖を含む。カッパ軽鎖とラムダ軽鎖との主な違いは、定常領域の配列中にある。
重(H)鎖および/もしくは軽(L)鎖または重(H)鎖もしくは軽(L)鎖のフラグメントを含む、またはそれから構成される抗体には、単一のH鎖もしくはL鎖または単一のH鎖もしくはL鎖フラグメント、または複数の(2、3、4またはそれ以上の)重(H)鎖および/もしくは軽(L)鎖、もしくは複数の重(H)鎖および/もしくは軽(L)鎖のフラグメントが含まれる。抗体またはフラグメントの重(H)鎖および/もしくは軽(L)鎖を含む融合ポリペプチド(FynomAb)は、2つの重(H)鎖および2つの軽(L)鎖を含むことが必ずしも必要とはされず、それ故に、融合ポリペプチド(FynomAb)と本明細書中に記載される。抗体またはそのフラグメントは、他の抗体、そのフラグメント、重(H)鎖、軽(L)鎖、または抗体の重(H)鎖もしくは軽(L)鎖とは異なるポリペプチドとの、オリゴマー(より高次のまたは結合価の)形態であってよく、例えばトリマー、テトラマー、ペンタマー、ヘキサマー、ヘプタマーなどである。
本明細書で用いる用語“二重特異性”およびその文法上の変形は、融合ポリペプチド配列に関して使用されるとき、該融合ポリペプチドが2つの異なる標的に結合することを意味する。ポリペプチド標的は、それらが異なるアミノ酸配列を有するとき、異なると考えられる。本発明で用いる二重特異性融合ポリペプチドは、インターロイキン−6受容体(IL−6R)およびインターロイキン−17a(IL−17a)に結合する。
本明細書で用いる用語“融合”または“キメラ”およびその文法上の変形は、配列に関して使用されるとき、該配列が、2つまたはそれ以上の異なるタンパク質に基づく、それらに由来する、またはそれらから得られる、もしくはそれらから単離される、1つまたは複数の部分を含むことを意味する。すなわち、例えば、配列の一部は、1つの特定のタンパク質に基づき、該配列の別の部分は、異なる特定のタンパク質に基づいていてよい。従って、融合またはキメラポリペプチドとは、該ポリペプチドの異なる部分が、異なるタンパク質由来のものである分子である。
用語“タンパク質”、“ポリペプチド”および“ペプチド”は、本明細書中、互換的に用いられ、アミド結合もしくは同等の結合により共有結合された、2以上のアミノ酸、または“残基”を意味する。アミノ酸配列は、非天然化学結合または非アミド化学結合によって結合されていてよく、例えば、グルタルアルデヒド、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、二官能性マレイミド、またはN、N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を用いて形成されたものを含む。非アミド結合には、例えば、ケトメチレン、アミノメチレン、オレフィン、エーテル、チオエーテルなどが含まれる(例えば、Spatola in Chemistry and Biochemistry of Amino Acids, Peptides and Proteins, Vol. 7, pp 267−357 (1983), “Peptide and Backbone Modifications,” Marcel Decker, NY).
本発明は、インターロイキン−17a(IL−17a)に結合し、インターロイキン−6受容体(IL−6R)に結合する抗体または該IL−6Rに結合する抗体の部分配列と複合体を形成するフィノマー配列を含む融合ポリペプチド(FynomAb)を含む医薬組成物を提供する。フィノマー配列は、IL−6R結合抗体またはその部分配列のアミノ末端またはカルボキシ末端に結合し得る。同様に、フィノマー配列のアミノ末端またはカルボキシ末端のいずれかは、抗体またはその部分配列のアミノ末端またはカルボキシ末端に結合し得る。複数のフィノマーが、フィノマー配列のアミノ末端またはカルボキシ末端を介して、抗体またはその部分配列の複数のアミノ末端またはカルボキシ末端に結合し得る。加えて、フィノマーの末端間(end-to-end)または一連の複数のフィノマーは、抗体またはその部分配列のアミノ末端またはカルボキシ末端に結合し得る。
用語“結合する”または“結合”は、フィノマー、抗体もしくはその部分配列、または融合ポリペプチド(例えば、FynomAb)に関して使用されるとき、該フィノマー、抗体もしくはその部分配列、または融合ポリペプチドが、全部または一部の標的に特異的に結合することを意味する。フィノマー、抗体もしくはその部分配列、または融合ポリペプチド(FynomAb)は、IL−17aおよび/またはIL−6Rタンパク質に特異的または選択的に結合し、それは、IL−17aまたはIL−6Rタンパク質に存在するエピトープまたは抗原決定基に対して選択的である。選択的結合とは、標的タンパク質への結合を意味する。標的タンパク質への結合を顕著に妨害しない非標的タンパク質への結合もまた、選択的であると考えられる。選択的結合は、本明細書に記載の、または当技術分野で公知の、特異性、親和性、ならびに競合的および非競合的結合アッセイを用いて、非選択的結合と区別することができる。
本発明で用いるフィノマー/抗体融合ポリペプチド(FynomAb)は、例示されるフィノマー、抗体およびその部分配列と同じか、または実質的に同じ結合特異性を有し得る。標的に対する親和性は、対照フィノマー、抗体もしくはその部分配列、または対照フィノマー/抗体融合ポリペプチド(FynomAb)の親和性よりも高くても、低くてもよい。所定のFynomAbは、別のフィノマー、抗体、部分配列またはFynomAbと互いに干渉しない標的の領域への結合について検出可能に競合しても、しなくても、または結合を阻害してもしなくてもよい。
標的上の全てのまたは一部の配列に特異的に結合するフィノマー/抗体融合ポリペプチド(FynomAb)はまた、標的と同じか、または類似のエピトープを有する他のタンパク質に結合し得る。同じ配列もしくはエピトープまたはエピトープの一部に結合する融合ポリペプチド(FynomAb)は、標的に対して、対照フィノマーまたは抗体またはそれらの融合物よりも高いか、または低い相対的結合親和性または特異性を有し得る。
フィノマーおよび抗体、ならびに融合ポリペプチド(FynomAb)にはまた、それらのそれぞれの標的への結合に競合する配列が含まれ得る。従って、例えば、所定のフィノマー、抗体、部分配列またはFynomAbは、IL−17aおよび/またはIL−6Rへの結合について、別のフィノマー、抗体、部分配列またはFynomAbの結合を阻害するか、または競合し得る。特定の非限定的な例において、フィノマー、抗体、部分配列またはFynomAbは、COVA801から808のいずれかのIL−17aおよび/またはIL−6Rへの結合を、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%、またはそれ以上阻害し得る。従って、フィノマーは、IL−17a(例えば、グリコシル化IL−17a)への結合について、配列番号1から7で示されるフィノマーの何れかの結合と競合するものであってよく、抗体またはその部分配列は、IL−6Rへの結合について、配列番号8および9を含む抗体の結合について競合するものであってもよい。
本発明で用いるFynomAbには、標的(例えば、IL−17aまたはIL−6R)に対して、対照フィノマー/抗体もしくはその部分配列または融合ポリペプチド(FynomAb)よりも高いか、または低い親和性を有する、フィノマー/抗体もしくはその部分配列または融合ポリペプチド(FynomAb)が含まれ得る。例えば、本発明で用いるFynomAbは、IL−17a(例えば、グリコシル化IL−17a)および/またはIL−6Rに対してより高いか、または低い親和性を有するもの、ならびに配列番号1から7に記載のフィノマー配列と少なくとも60%もしくはそれ以上(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%)の同一性を有する配列、または配列番号8もしくは9に記載の重鎖もしくは軽鎖可変領域配列と少なくとも60%もしくはそれ以上(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%)の同一性を有する配列であり得る。特定の態様において、本発明で用いる融合ポリペプチド(FynomAb)は、グリコシル化IL−17aに対して、配列番号1に記載のフィノマー配列よりも高い親和性を有する。
従って、本発明で用いるFynomAbは、IL−17a(例えば、グリコシル化IL−17a)および/またはIL−6Rに対して、同じか、または異なる結合親和性を有する配列を含む。例えば、本発明で用いるFynomAbは、別のFynomAb、例えば、COVA801−808と比較して、2−5、5−10、10−100、100−1000または1000−10,000倍高いかまたは低い親和性を有し、または任意の数値もしくは範囲もしくはかかる範囲内の数値で、標的(例えば、グリコシル化IL−17aおよび/またはIL−6R)に対する親和性を有し得る。
結合親和性は、結合速度(K)および解離速度(K)により決定され得る。平衡親和性定数KDは、K/K比率である。別のフィノマーまたは抗体と同じ結合親和性を有するフィノマーまたは抗体は、各抗体の解離定数(K)が、約1から10倍以内(対照フィノマーまたは抗体よりも、1−10倍高い親和性または1−10倍低い親和性、または任意の数値もしくは範囲もしくはかかる範囲内の数値)であることを意味する。標的抗原(例えば、IL−17a、例えばグリコシル化IL−17a、またはIL−6R)に対する例示的親和性は、5x10−2M、10−2M、5x10−3M、10−3M、5x10−4M、10−4M、5x10−5M、10−5M、5x10−6M、10−6M、5x10−7M、10−7M、5x10−8M、10−8M、5x10−9M、10−9M、5x10−10M、10−10M、5x10−11M、10−11M、5x10−12M、10−12M、5x10−13M、10−13M、5x10−14M、10−14M、5x10−15M、および10−15M未満の解離定数(K)を有する。一般に、標的に対する結合親和性(K)は、10−7M、5x10−8M、10−8M、5x10−9M、10−9M、5x10−10M、10−10M、5x10−11M、10−11M、5x10−12M、または10−12M未満であってよい。
より具体的には、典型的な標的抗原IL−17a(例えば、グリコシル化IL−17a)に対するフィノマーまたは融合ポリペプチド(FynomAb)の親和性は、約0.01nMから約0.50nM、または約0.02nMから約0.40nMのKDである。より具体的には、典型的な標的抗原IL−6Rに対する抗体もしくはその部分配列または融合ポリペプチド(FynomAb)親和性は、約0.20nMから約1.25nM、または約0.30nMから約1.10nMのKDである。
フィノマーおよび抗体、ならびに融合ポリペプチド(FynomAb)は、対照フィノマー、抗体またはFynomAbを含む融合物として少なくとも一部の“活性”または“機能”を有するものを含み得る。該活性または機能とは、結合親和性(例えば、K、KD)、結合特異性、または活性、例えば、アンタゴニスト活性であり得る。用語“少なくとも一部”は、フィノマー、抗体、または融合ポリペプチド(FynomAb)が、本明細書に例示の対照フィノマー、抗体または融合ポリペプチド(FynomAb)の活性または機能の少なくとも測定可能または検出可能な量を保持することを意味する。本発明で用いるフィノマー、抗体または融合ポリペプチド(FynomAb)は、対照フィノマー、抗体または融合ポリペプチド(FynomAb)より高いか、または低い活性または機能を有し得る。
フィノマー、抗体または融合ポリペプチド(FynomAb)は、アンタゴニスト活性もしくは機能またはアゴニスト活性もしくは機能を有し得る。一態様において、フィノマー、抗体または融合ポリペプチド(FynomAb)は、IL−17aおよび/またはIL−6Rに対してアンタゴニスト活性もしくは機能またはアゴニスト活性もしくは機能を有するものであり得る。
“アンタゴニスト”は、標的分子の1個またはそれ以上の活性、例えばIL−17aまたはIL−6Rによるシグナル伝達を減少、低下または阻害することができる。アンタゴニストは、受容体へのIL−17aの結合またはリガンドへのIL−6Rの結合を妨害し、リガンドによって活性化された細胞を無能化または死滅させ、および/またはシグナル伝達を妨害し得る。アンタゴニストは、リガンドと受容体との相互作用を完全に阻止、実質的に減少、低減または阻害することができる。
“アゴニスト”は、IL−17aまたはIL−6Rによりシグナル伝達などの、標的分子の1つまたは複数の活性を増大、誘導または活性化させることができる。アゴニストは、リガンドへの受容体の結合を増加、誘導もしくは促進し得る(またはその逆)か、または受容体またはリガンドに直接作用して、シグナル伝達を増加、誘導、促進もしくは活性化し得る。
対照フィノマー、抗体または融合ポリペプチド(FynomAb)の活性または機能を有する、フィノマー、抗体または融合ポリペプチド(FynomAb)は、本明細書に記載の、または当技術分野で公知の種々の方法によって同定され得る。例えば、プレート上(ELISA)、または細胞上(細胞ベースのELISA)でのIL−17a(例えば、グリコシル化IL−17a)またはIL−6Rに対する結合アッセイを用いることができる。IL−17aまたはIL−6Rへの結合の特異的阻害は、結合特異性ならびに親和性の尺度として使用され得る。アッセイの例は、IL−17aまたはIL−6R活性、例えば、シグナル伝達活性などの、機能または活性を決定することができるものであり得る。
本明細書に記載の通り、本発明で用いる抗体、フィノマーまたは融合ポリペプチド(FynomAb)は、対照配列内に1個またはそれ以上の修飾を有するものであり得る。修飾の非限定的な例は、参照フィノマー、参照抗体(重鎖もしくは軽鎖)または融合ポリペプチド(FynomAb)の、1個または複数のアミノ酸置換(例えば、1−3、3−5、5−10またはそれ以上の残基)、付加(例えば、1−3、3−5、5−10またはそれ以上の残基)または欠失(例えば、部分配列もしくはフラグメント)を含んでいてよい。特定の態様において、修飾フィノマー、抗体または融合ポリペプチド(FynomAb)は、非修飾参照抗体、フィノマーまたは融合ポリペプチド(FynomAb)の機能または活性の少なくとも一部、例えば、インビトロもしくはインビボまたは細胞中もしくは細胞上(例えば、培養)、またはインビボでの、IL−6RまたはIL−17a(例えば、グリコシル化IL−17a)への結合親和性(例えば、K、KD)または結合特異性を保持する。
フィノマー、抗体もしくはその部分配列またはFynomAbは、それぞれ本明細書に記載の親もしくは参照フィノマー、または抗体の重鎖もしくは軽鎖可変領域配列、または融合ポリペプチド(FynomAb)と、少なくとも部分的な配列同一性(100%未満)を有するものであり得る。例えば、本明細書に記載のフィノマー(配列番号1−7)、および/またはトシリズマブの重鎖および軽鎖配列(配列番号8−9)である。かかるフィノマー、抗体、その部分配列または融合ポリペプチド(FynomAb)の同一性パーセントは、わずか60%であってよく、またはそれ以上であってよい(例えば、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%)。同一性パーセントは、配列番号1−9に記載の配列の全長配列に亘ってよく、または配列番号1−9のいずれか内の連続領域もしくは部分(area)である。一面において、同一性パーセントを共有する配列の長さは、5個またはそれ以上の連続アミノ酸、例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20個の連続アミノ酸である。別の面において、同一性パーセントを共有する配列の長さは、20個またはそれ以上の連続アミノ酸、例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34もしくは35個の連続アミノ酸である。さらなる面において、同一性パーセントを共有する配列の長さは、35個またはそれ以上の連続アミノ酸、例えば、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、45、47、48、49もしくは50個の連続アミノ酸である。さらに別の面において、同一性パーセントを共有する配列の長さは、50個またはそれ以上の連続アミノ酸、例えば、50−55、55−60、60−65、65−70、70−75、75−80、80−85、85−90、90−95、95−100もしくは100−110個の連続アミノ酸である。
本発明により、フィノマー配列、配列番号1−9に記載の抗体の重鎖もしくは軽鎖可変領域、または配列番号1−9の配列中に1個またはそれ以上のアミノ酸置換を含む配列の何れかを有する融合ポリペプチド(FynomAb)を使用することができる。一態様において、置換されたフィノマーおよび/または抗体の重鎖および/または軽鎖配列は、標的IL−17a(例えば、グリコシル化IL−17a)および/またはIL−6Rに対して少なくとも一部の結合親和性および/または結合特異性を保持していてよい。
一態様において、フィノマー配列は、1−15、1−12、1−8、1−5、1−3またはそれ以下(例えば、1個または2個)のアミノ酸置換を有し得る。特に、置換は、任意のフィノマー配列(配列番号1−7)内のアミノ酸の置換であり得る。
別の態様において、任意の置換は、フィノマー配列中のモチーフGVTLFVALYDY、DLSFHKGEKFQIL、STHEY、STHEYE、STHEYED、WWEAR、DWWEAR、SLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ、またはQILSTHEYEDWWEAR中にはない。別の態様において、フィノマー配列中のsrcループ配列の直後に位置するE−アミノ酸残基は置換されていない。
抗体または融合ポリペプチド(FynomAb)は、定常または可変(例えば、CDRもしくはFRなどの超可変)領域中に1個またはそれ以上の置換を有していてよい。定常または可変領域内の1個または数個のアミノ酸置換は、許容され得る。1個またはそれ以上の超可変領域内の複数のアミノ酸の非保存的置換は、抗体または融合ポリペプチド(FynomAb)の結合活性、特異性に影響を与える。
従って、修飾は、参照抗体、フィノマーまたは融合ポリペプチド(FynomAb)由来のアミノ酸配列のスモールおよびラージ領域の欠失を含み得る。欠失領域は、要すれば、別のアミノ酸配列に置換されてもよい。置換された配列は、欠失領域として長さが同じ、長いまたは短くてもよい。
抗体または融合ポリペプチド(FynomAb)修飾の特定の例は、例えば、重鎖または軽鎖定常領域の置換により、異なるイソ型またはサブクラスを有するような変化である。Igサブクラスの変更は、機能または活性(例えば、抗IL−6R活性、安定性)を変化または改善する結果となり得る。別の例は、インビボもしくはPKにおける増加した血清安定性および/または半減期などの、改善された特性をもたらす変化である。(例えば、Antibody Engineering Vol. 1, Konterman R and Duebel S, eds., 2010, Springer、WO2006/130834およびHorton et al., Cancer Res 68:8049 (2008)に記載の通り)。Fcにおける置換の非限定的な例には、I253A、H310A、H435R、H435Q、G236R、L328R、S239D、I332Eが含まれる。IgG1における置換の非限定的な例は、Fc領域の残基238、252、253、254、255、256、265、272、289、288、303、305、307、309、311、312、317、340、356、360、362、376、378、380、382、386、388、400、413、415、424、433、434、435、439および/または477にあってよい。
一態様において、重鎖または軽鎖CDR(CDR1、CDR2またはCDR3)またはFRは、1−15、1−12、1−8、1−5、1−3個またはそれ以下(例えば、1個または2個)のアミノ酸置換を有していてよい。一態様において、可変領域配列内の置換は、例えば、CDRまたはFR内の、保存的アミノ酸置換であり得る。別の態様において、可変領域配列内の置換は、CDR内になくてもよい。別の態様において、該置換は、FR内であってよい。別の態様において、可変領域配列内の置換は、FR内になくてよい。IL−6R結合を供する重鎖および軽鎖可変領域CDR配列の例は、配列番号8および9に記載され、すなわち、重鎖可変領域CDR1−3は、SDHAWS;YISYSGITTYNPSLKS;および、SLARTTAMDYであり、軽鎖可変領域CDR1−3は、RASQDISSYLN;YTSRLHS;および、QQGNTLPYTである。
超可変領域内の相補性決定領域(CDR)およびフレームワーク領域(FR)などの、抗体による抗原結合に寄与する構造的決定因子は、当技術分野で公知である。例えばD領域およびJ領域のような付加的領域の位置、構造および機能もまた公知である。所定の標的(例えば、IL−6R)に結合する、抗体、その部分配列または融合ポリペプチド(FynomAb)は、一般に、少なくとも一部の機能またはIL−6R結合活性を保持するように、IL−6Rに結合する重鎖または軽鎖配列と十分な配列同一性を有する1個またはそれ以上のCDRおよびFR配列を有し得る。例えば、本明細書中に例示される通り、配列番号8−9に記載される重鎖または軽鎖配列の1個またはそれ以上のCDRは、IL−6Rに対して結合特異性を有する抗体の少なくとも一部の機能または活性を保持し得る。
領域的な変異性分析を、相補性決定領域(CDR)およびフレームワーク領域(FR)における特定の置換の効果を予測するために用いることができる(Shapiro et al., J Immunol. 163:259 (1999))。要約すれば、配列比較は、より高いまたはより低い変異性の領域を予測する、IgイントロンDNA内に位置するジ−およびトリ−ヌクレオチド配列間の変異階層性を示している。定量的構造活性相関(QSAR)を、抗体認識ドメインの性質を識別するために用いることができ、従って、リガンド結合に関与するアミノ酸を同定するために用いることができる。次に、QSARに基づく予測モデルは、置換(変異)の効果を予測するために使用されてよい。例えば、その抗原と相互作用する抗体の結合および解離速度に対する変異の影響は、両方の反応速度(KおよびK)定数について定量的予測モデルを構築するために使用されており、次に、それを、抗体の他の変異の影響を予測するために使用することができる(De Genst et al., J Biol. Chem. 277:29897 (2002))。従って、当業者は、かかる分析を、非置換の抗体、部分配列または融合ポリペプチド(FynomAb)の少なくとも一部の活性または機能を保持する、例えば、IL−6Rに対して少なくとも一部の結合を保持する、抗体または部分配列を生じる可能性のあるアミノ酸置換を予測するために使用し得る。
所定の置換の影響は、非置換の参照抗体または融合ポリペプチド(FynomAb)の結合活性、特異性または抗体機能もしくは活性の少なくとも一部を保持する、抗体および融合ポリペプチド(FynomAb)を同定するためにアッセイすることができる。例えば、IL−6Rに結合する抗体または融合ポリペプチド(FynomAb)の超可変領域内のアミノ酸置換、付加、欠失または挿入は、IL−6R結合活性または結合特異性についてアッセイすることができる。従って、アミノ酸置換、ならびに付加、欠失および挿入を有する抗体および融合ポリペプチド(FynomAb)は、インビトロ(例えば、培養)、またはインビボで、結合親和性、結合特異性、細胞上の標的(例えば、IL−6R)に対する結合性などの機能または活性の少なくとも一部が、少なくとも部分的に保持されるように包含される。
用語“同一性”およびその文法的な変形は、2以上の比較対象物が同じであることを意味する。従って、2つのアミノ酸配列が同一であるとき、それらは同じアミノ酸配列を有する。同一性は、配列の定義された部分(area)(領域またはドメイン)を超えて存在してよい。相同性または同一性の“部分、領域またはドメイン”とは、2以上の参照エンティティの一部が相同性を共有するか、または同じであることを意味する。従って、2つの配列が1以上の配列領域に亘って同一であるとき、それらはこれらの領域において同一性を共有する。
アミノ酸置換は、保存的または非保存的であり得る。“保存的置換”は、生物学的、化学的または構造的に類似の残基による1つのアミノ酸の置換を意味する。生物学的に類似とは、置換が生物学的活性に対応しており、例えば、IL−17aまたはIL−6Rへの結合を保持することを意味する。構造的に類似とは、アミノ酸が、同様の長さの側鎖を有すること、例えばアラニン、グリシンおよびセリンであるか、または同様の大きさを有することを意味する。化学的に類似とは、残基が同じ電荷を有するか、または両方とも親水性もしくは疎水性であることを意味する。特定の非限定的な例には、1つの疎水性残基の別の残基への置換、例えばイソロイシン、バリン、ロイシンもしくはメチオニンの置換、または1つの極性残基の別の残基への置換、例えば、アルギニンのリシンへの置換、グルタミンのアスパラギン酸への置換、もしくはグルタミンのアスパラギンへの置換、セリンのスレオニンへの置換などが含まれる。
アミノ酸置換は、天然に存在するL−アミノ酸がD−アミノ酸で置換されてもよいことを除き、同じアミノ酸での置換であってもよい。従って、修飾には、1もしくはそれ以上のD−アミノ酸のL−アミノ酸への置換、またはD−アミノ酸の混合物のL−アミノ酸への置換が含まれる。
2つの配列間の同一性の程度は、コンピュータプログラムおよび当該分野で公知の数学的アルゴリズムを用いて確認することができる。配列の同一性(相同性)パーセントを計算するかかるアルゴリズムは、一般的に、比較領域または部分に亘って配列ギャップおよびミスマッチを説明する。例えば、BLAST(例えば、BLAST 2.0)検索アルゴリズム(例えば、Altschul et al., J. Mol. Biol. 215:403 (1990)を参照、NCBIより公衆に利用可能)は、次の例示的検索パラメーターを有する:Mismatch −2;gap open 5;gap extension 2。ポリペプチド配列比較のために、BLASTPアルゴリズムは、一般に、スコアリングマトリックス、例えばPAM100、PAM250、BLOSUM62またはBLOSUM50と組み合わせて使用される。FASTA(例えば、FASTA2およびFASTA3)およびSSEARCH配列比較プログラムもまた、同一性の程度を定量するために使用される(Pearson et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:2444 (1988); Pearson, Methods Mol. Biol. 132:185 (2000); および、 Smith et al., J. Mol. Biol. 147:195 (1981))。ドローネベーストポロジーマッピングを用いてタンパク質構造の類似性を定量するためのプログラムもまた開発されている(Bostick et al., Biochem. Biophys. Res. Commun. 304:320 (2003))。
修飾は、参照組成物の活性または機能(例えば、IL−17aまたはIL−6Rへの親和性または特異的結合)への変更を含む。増加した結合親和性、増加したアンタゴニスト活性などの、改変された特性を有する、修飾フィノマー、抗体および融合ポリペプチド(FynomAb)は、当技術分野で公知の方法を用いて製造できる。例えば、親和性成熟技術は、抗体結合親和性を改善するために使用可能である(US2004/0162413A1;米国特許第6,656,467号、同第6,531,580号、同第6,590,079号および同第5,955,358号;Fiedler et al., Protein Eng. 15:931 (2002); Pancook et al., Hybrid. Hybridomics 20:383 (2001); Daugherty et al., Protein Eng. 11:825 (1998); Wu et al., Proc. Nat’l Acad. Sci. USA 95:6037 (1998); および、Osbourn et al., Immunotechnology 2:181 (1996))。
フィノマー、抗体および融合ポリペプチド(FynomAb)には、本明細書に記載の部分配列(例えば、フラグメント)および修飾形態(例えば、配列変異体)が含まれる。フィノマー部分配列は、参照フィノマーの機能的フラグメントまたは部分配列、例えば、配列番号1−7のいずれかの1つまたはそれ以上のアミノ酸の欠失を有する配列を意味する。“抗体”部分配列は、免疫グロブリンの機能的フラグメントまたは部分配列を意味する。抗体部分配列の非限定的な例には、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv、Fd、一本鎖Fv(scFv)、ジスルフィド結合したFv(sdFv)、V、V、ダイアボディー((V−Vもしくは(V−V)、トリアボディー(三価抗体)、テトラボディー(四価抗体)、ミニボディー((scF−C3))、IgGdeltaCH2、scFv−Fcまたは(scFv)−Fcフラグメントが含まれ得る。特定の面において、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv、Fd、一本鎖Fv(scFv)、ジスルフィド結合したFv(sdFv)、V、V、ダイアボディー((V−Vもしくは(V−V)、トリアボディー(三価抗体)、テトラボディー(四価抗体)、ミニボディー((scF−C3))、IgGdeltaCH2、scFv−Fcおよび(scFv)−Fc部分配列である。かかる部分配列および融合ポリペプチド(FynomAb)は、配列番号8または9に記載の配列の少なくとも一部(例えば、1つまたはそれ以上のCDR(重鎖または軽鎖可変領域配列のCDR1−CDR3)および/または配列番号8−9のFR)を有し得る。
特定の面において、部分配列は、実質的に同じか、または同じ、IL−17aもしくはIL−6R結合親和性またはIL−17aもしくはIL−6R結合特異性、またはインビトロもしくはインビボでの、インビトロもしくはインビボでの細胞でのIL−17a結合フィノマーもしくはIL−6R結合抗体の1個またはそれ以上の機能もしくは活性を有する。用語“機能的部分配列”および“機能的フラグメント”は、フィノマー、抗体または融合ポリペプチド(FynomAb)に言及するとき、無傷の参照フィノマーまたは抗体または融合ポリペプチド(FynomAb)の1つまたはそれ以上の機能もしくは活性の少なくとも一部を保持する、フィノマーまたは抗体または融合ポリペプチド(FynomAb)の一部を意味し、例えば、IL−17aに結合するフィノマー、IL−6Rに結合する抗体またはIL−17aおよびIL−6Rに結合する融合ポリペプチド(FynomAb)を意味する。
一本鎖抗体を含む抗体部分配列は、重鎖または軽鎖可変領域(複数可)の全てまたは一部(例えば、CDR1、CDR2またはCDR3)を単独で、または以下の、ヒンジ領域、CH1、CH2およびCH3ドメインの1つまたはそれ以上の全てまたは一部と組み合わせて含み得る。また、ヒンジ領域、CH1、CH2およびCH3ドメインを含む重鎖または軽鎖可変領域(複数可)(例えば、CDR1、CDR2またはCDR3)の任意の組み合わせの抗原結合部分配列もまた含まれる。
本発明に包含される二重特異性融合ポリペプチド(FynomAb)のさらなる修飾は、付加(誘導体)/挿入である。付加の例は、ポリペプチド配列の付加を含んでいてよく、それは、対照天然(野生型)配列中に通常は存在しない1個またはそれ以上の分子を有するアミノ酸配列が、該配列に共有結合している。ペプチド付加の特定の例は、二重特異性融合ポリペプチド(FynomAb)に異なる機能または相補的機能を付与する、第二の異種配列、すなわち、異種機能的ドメインが結合(共有結合または非共有結合)したものである。従って、二重特異性融合ポリペプチド(FynomAb)には、ドメインが異なる機能を付与する異種ドメイン、すなわち異種機能的ドメインが含まれ得る。例えば、Fc領域は、ヒトIgG1およびIgG3Fc領域の部分を含むキメラであり得る。
本発明で使用可能な異種の機能的ドメインは、アミノ酸残基またはドメインに限定されない。従って、異種の機能的ドメインは、任意の種々の異なる種類の小型または大型の機能的部分から構成されていてよい。かかる部分には、核酸、ペプチド、炭水化物、脂質、有機低分子/化合物、例えば薬物(例えば、抗細胞増殖剤)、金属(金、銀)、または放射性同位体が含まれ得る。従って、別の態様において、検出可能に標識されたFynomAbが本発明で提供される。
異種ドメインの非限定的な例には、精製または検出タグおよび標識が含まれ得る。精製および検出可能な(検出)タグおよび標識の具体例には、酵素(西洋ワサビペルオキシダーゼ、ウレアーゼ、カタラーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、クロラムフェニコールトランスフェラーゼ);酵素基質;リガンド(例えば、ビオチン);受容体(アビジン);放射性同位体/放射性核種(例えば、C14、S35、P32、P33、H、I125、I131、ガリウム−67および68、スカンジウム−47、インジウム−111、およびラジウム−223);T7−、ポリヒスチジン、His−、myc−、HA−およびFLAG−タグ;電子密度試薬;エネルギー移動分子;常磁性(paramagnetic)ラベル;フルオロフォア(フルオレセイン、ローダミン、フィコエリスリン);発色団;化学発光体(イミダゾール、ルシフェラーゼ);生物発光剤;造影剤(例えば、ガドリニウム;マンガン;硫酸バリウム;ヨード化または非ヨード化(non−iodinated)剤);イオン性または非イオン性薬剤;磁性および常磁性薬剤(例えば、酸化鉄キレート);ナノ粒子;補欠分子族(例えば、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチン);蛍光Bussitu(例えば、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロフルオレセイン、塩化ダンシルまたはフィコエリトリン);発光物質(例えば、ルミノール);または、生物発光材料(例えば、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、エクオリン)が含まれ得る。酵素は、一般に、それらの活性により検出される。例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼは、通常、3,3’−,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)などの基質を定量可能な青色に変換するその能力により検出される。リガンドは、アビジンまたはストレプトアビジンに結合できるビオチン、およびプロテインAに結合できるIgGなどの他の分子を結合し得る。
検出可能な標識のさらなる非限定的な例には、放射性同位体などの放射性物質、金属または金属酸化物が含まれ得る。放射性同位体は、H、10B、18F、11C、14C、13N、18O、15O、32P、P3335S、35Cl、45Ti、46Sc、47Sc、51Cr、52Fe,59Fe、57Co、60Cu、61Cu、62Cu、64Cu、67Cu、67Ga、68Ga、72As、76Br、77Br、81mKr、82Rb、85Sr、89Sr、86Y、90Y、95Nb、94mTc、99mTc、97Ru、103Ru、105Rh、109Cd、111In、113Sn、113mIn、114In、I125、I131140La、141Ce、149Pm、153Gd、157Gd、153Sm、161Tb、166Dy、166Ho、169Er、169Yb、175Yb、177Lu、186Re、188Re、201Tl、203Pb、211At、212Biまたは225Acの1つまたはそれ以上のような、アルファ、ベータまたはガンマ線を放出する放射性核種を含む。
検出可能な標識のさらなる非限定的な例としては、金、銀、銅、ホウ素、マンガン、ガドリニウム、鉄、クロム、バリウム、ユーロピウム、エルビウム、プラセオジム、インジウムまたはテクネチウムなどの金属または金属酸化物が含まれ得る。
融合ポリペプチド(FynomAb)の抗体に結合される異種ドメインとして使用できる薬剤は、細胞傷害剤であってもよい。本明細書で用いる用語“細胞傷害剤”は、細胞の機能もしくは増殖を減少、阻害、抑制、低下、干渉または阻止する物質、および/または細胞の破壊を引き起こす物質を意味する。細胞傷害剤は、標的細胞を殺す、または該細胞の増殖もしくは複製を阻害するために使用されてよい。
細胞傷害剤の例には、ジフテリア毒素、コレラ毒素、リシン、およびマイトマイシンCが含まれ得る。さらなる例には、カリケアマイシン、デュオカルマイシン、PBD、アウリスタチンおよびドラスタチン(米国特許第5,635,483号および同第5,780,588号);カリケアマイシン(米国特許第5,712,374、5,714,586、5,739,116、5,767,285、5,770,701、5,770,710、5,773,001、および5,877,296)、ゲムシタビン、シスプラチン、ドキソルビシン、イリノテカン、BCNU、ストレプトゾシン、ビンクリスチンおよび5−フルオロウラシル(米国特許第5,770,710号;また、例えば、米国特許第4,362,663号;同第4,371,533号;同第5,475,092号;同第5,585,499号;同第5,846,545号;および同第6,333,410号)が含まれる。
細胞傷害剤のさらなる例には、タキサン類(例えば、タキソール)およびメイタンシノイド類が含まれ得る。哺乳動物細胞における微小管形成を阻害するメイタンシノイド類の例としては、メイタンシノールおよびメイタンシノール類縁体が含まれ得る。メイタンシノール類縁体の例には、修飾された芳香環を有するもの、および他の位置に修飾を有するもの(例えば、メイタンシノールおよびC−3メイタンシノールエステルなどのメイタンシンおよびメイタンシノイド(米国特許番号第4,151,042号);合成メイタンシノールならびにその誘導体および類縁体(米国特許第4,137,230号;同第4,248,870号;同第4,256,746号;同第4,260,608号;同第4,265,814号;同第4,294,757号;同第4,307,016号;同第4,308,268号;同第4,308,269号;同第4,309,428号;同第4,313,946号;同第4,315,929号;同第4,317,821号;同第4,322,348号;同第4,331,598号;同第4,361,650号;同第4,364,866号;同第4,424,219号;同第4,450,254号;同第4,362,663号;および、同第4,371,533号)が含まれ得る。
二重特異性融合ポリペプチドFynomAbは、付加を有していてよいか、または誘導体であってもよい。例えば、ポリペプチドは、糖残基、リン酸基、ユビキチン、脂肪酸もしくは脂質を含んでいてよく、またはグリコシル化、リン酸化、アセチル化、アミド化もしくはホルミル化されていてよい。ポリペプチドは、保護基/遮断基または多数の化学修飾基の何れかにより誘導体化されていてよい。ポリペプチドの修飾はまた、分子内または分子間ジスルフィド結合(複数可)でもあり得る。
アミノ酸またはペプチド模倣配列などのリンカーは、フィノマーおよび/または抗体配列と異種機能的ドメインとの間に、該2つのエンティティが、少なくとも部分的には、異なる機能または活性を維持するように挿入されてよい。一態様において、フィノマードメインは、重(H)鎖または軽(L)鎖に、該重(H)鎖または軽(L)鎖のアミノ(NH)末端またはカルボキシ(C)末端の最後のアミノ酸直後に結合される。リンカーは、柔軟な立体構造、規則的な二次構造の形成不能、またはドメイン間の結合を促進する、もしくはそれと相互作用し得る疎水性もしくは荷電特性を含む、1つまたはそれ以上の特性を有し得る。一般には、フレキシブルなタンパク質領域に見出されるアミノ酸の例には、Gly、AsnおよびSerが含まれ得る。他の中性に近いアミノ酸、例えばThrおよびAlaもまた、リンカー配列に使用できる。リンカー配列の長さは、融合タンパク質の機能または活性に顕著に影響を与えることなく変えることができる(例えば、米国特許第6,087,329号を参照のこと)。特定の面において、フィノマーおよび抗体の重または軽鎖は、約1から25個のアミノ酸残基を有するペプチド配列によって結合されている。
リンカーの例としては、スルホ−スクシンイミジル誘導体(スルホ−SMCC、スルホ−SMPB)、ジスクシンイミジルスベレート(DSS)、グルタル酸ジスクシンイミジル(DSG)および酒石酸ジスクシンイミジル(DST)などの化学部分および結合剤もまた含んでいてよい。リンカーにはさらに、直鎖炭素鎖、例えばC(式中、N=1−100個の炭素原子、例えば、C、CC、CCC、CCCC、CCCCC、CCCCCC、CCCCCCC、CCCCCCCC)が含まれる。
フィノマー、抗体または部分配列は、複数(例えば、2個またはそれ以上)の変異、修飾または標識を有していてよいことが理解される。例えば、抗体の重鎖または軽鎖配列は、アビジンで検出され得るようにビオチンと結合されてよく、ならびに検出可能シグナルを提供するようにI125で標識されてよい。他の置換および可能性は当業者に容易に明らかであり、本発明の範囲内であると考えられる。
抗体および融合ポリペプチド(FynomAb)の例には、哺乳動物の配列、ヒトの配列、ヒト化された配列、および霊長動物の配列が含まれ得る。抗体に関して、用語“ヒト”は、アミノ酸配列が完全にヒト由来であることを意味する。従って、“ヒト抗体”は、ヒト免疫グロブリンアミノ酸配列を有する抗体、すなわち、標的に特異的に結合するヒト重鎖および軽鎖可変ならびに定常領域を有する抗体を意味する。従って、“ヒトIL−6R抗体”または“ヒト抗IL−6R抗体”は、ヒト免疫グロブリンアミノ酸配列を有する抗体を意味し、IL−6Rに結合する。すなわち、抗体アミノ酸の全ては、ヒトであるか、またはヒト抗体に存在し得る。従って、例えば、非ヒト抗体は、非ヒトアミノ酸残基をヒト抗体に存在し得るアミノ酸残基で置換することにより、完全ヒト抗体とされ得る。ヒト抗体、CDR領域マップおよびヒト抗体コンセンサス残基中に存在するアミノ酸残基は、当技術分野で公知である(例えば、Kabat, Sequences of Proteins of Immunological Interest, 4th Ed.US Department of Health and Human Services. Public Health Service (1987); および、Chothia and Lesk J. Mol. Biol.186:651 (1987))。22の既知のヒトV III配列の調査に基づくヒトVサブグループIIIのコンセンサス配列、および30の既知のヒトκI配列の調査に基づくヒトVκ鎖サブグループIのコンセンサス配列は、Padlan Mol. Immunol.31:169 (1994);および、 Padlan Mol. Immunol.28:489 (1991)に記載されている。従って、ヒト抗体には、1つまたはそれ以上のアミノ酸残基が別のヒト抗体中に存在する1つまたはそれ以上のアミノ酸で置換された抗体が含まれる。
抗体に関して用いられるとき、用語“ヒト化”とは、抗体のアミノ酸配列が、アクセプターヒト免疫グロブリン分子中の所望の標的(例えば、IL−6R)に特異的に結合する1つまたはそれ以上の相補性決定領域(CDR)の非ヒトアミノ酸残基(例えば、マウス、ラット、ヤギ、ウサギ、非ヒト霊長動物など)、ならびにCDRに隣接するアミノ酸残基であるFvフレームワーク領域(FR)中の1つまたはそれ以上のヒトアミノ酸残基を有することを意味する。該免疫グロブリンのヒトフレームワーク領域の残基は、対応する非ヒト残基で置換されていてよい。従って、ヒトフレームワーク領域内の残基は、非ヒトCDRドナー抗体からの対応する残基で置換されて、抗原親和性または特異性を変化させ、例えば、一般的には改善し得る。さらに、ヒト化抗体には、ヒト抗体にも、ドナーCDRまたはフレームワーク配列にも見出されない残基が含まれ得る。例えば、ヒト抗体またはドナー非ヒト抗体中に見出されない特定の位置でのフレームワーク置換は、その位置でヒト抗体の結合親和性または特異性をを改善するために予測され得る。
分子モデリングに基づく、抗体フレームワークおよびCDR置換は、例えば、抗原結合に重要なフレームワーク残基を同定するためのCDRおよびフレームワーク残基の相互作用のモデル化ならびに特定の位置における異常なフレームワーク残基を同定するための配列比較により、当技術分野で知られている(例えば、米国特許第5,585,089号;および、Riechmann et al., Nature 332:323 (1988)参照)。“霊長動物化”と言われる抗体は、アクセプターヒト免疫グロブリン分子およびフレームワーク領域アミノ酸残基が、任意のヒト残基に加えて、任意の霊長動物のアミノ酸残基(例えば、サル、テナガザル、ゴリラ、チンパンジー、オランウータン、マカク)であってよいこと以外、本明細書で用いる“ヒト化”の意味の範囲内である。
フィノマーおよび抗体部分配列は、宿主細胞へのフィノマーまたは抗体コーティング配列の全部または一部の発現を含む遺伝子技術により調製され得る。IL−6R結合抗体は、従来のハイブリドーマ技術、組換え、およびファージディスプレイ技術、またはそれらの組み合わせを含む技術を用いて製造され得る(米国特許第4,902,614号、同第4543,439号、および同第4,411,993号;また、Monoclonal Antibodies, Hybridomas: A New Dimension in Biological Analyses, Plenum Press, Kennett, McKearn, and Bechtol (eds.), 1980, および Harlow et al., Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2nd ed. 1988参照)。IL−6R結合モノクローナル抗体はまた、霊長動物またはヒト対象を含む動物から免疫グロブリン配列を直接クローニングすることにより得られる。
マウス、ウサギ、ラット、ヒツジ、ウシまたは去勢ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ウマ、モルモット、およびヒトを含む霊長動物などの動物は、IL−6Rに結合する抗体を得るためにIL−6Rで免疫化され得る。かかる動物は、ヒト抗体を発現することが可能な、ヒトIgG遺伝子座(例えば、ラムダまたはカッパ軽鎖)を有する遺伝子的に改変された非ヒト動物であってもよい。内生免疫グロブリンを発現しない1個またはそれ以上のヒト免疫グロブリン遺伝子(カッパまたはラムダ)を有するトランスジェニック動物は、例えば米国特許第5,939,598号に記載されている。従って、このような動物は、ヒト抗体を産生するために用いられ得る。該動物の非限定的な例には、ヒト免疫グロブリン遺伝子(WO02/43478)およびHACマウス(WO02/092812)を生成し得る、ヒトトランス染色体KMマウス(商標)(Tomizuka et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 97:722 (2000); および、Ishida et al., Cloning Stem Cells 4:91 (2004))が含まれ得る。抗原に応答する免疫化動物から単離し、骨髄腫細胞と融合させた脾臓細胞を用いる従来のハイブリドーマ技術を、ヒトモノクローナル抗体を得るために使用できる。ヒトポリクローナル抗体およびヒトモノクローナル抗体を製造するためのさらなる方法は、既報である(例えば、Kuroiwa et al., Nat. Biotechnol. 20:889 (2002);WO98/24893;WO92/01047;WO96/34096;WO96/33735;米国特許第5,413,923号;同第5,625,126号;同第5,633,425号;同第5,569,825号;同第5,661,016号;同第5,545,806号;同第5,814,318号;同第5,885,793号;同第5,916,771号;および、同第5,939,598参照)。ヒト抗体を産生するための技術の概要は、Lonberg and Huszar(Int. Rev. Immunol.13:65 (1995)に記載されている)。
フィノマーおよび抗体部分配列はまた、タンパク質加水分解によっても製造できる。例えば、抗体をペプシンまたはパパインで消化することができる。ペプシンでの酵素的切断によって産生された抗体フラグメントは、F(ab’)と記載される5Sフラグメントを提供する。このフラグメントは、チオール還元剤を用いてさらに切断されて、3.5SのFab’一価フラグメントを生じ得る。あるいは、ペプシンを用いる酵素的切断により、直接、2つの一価のFab’フラグメントおよびFcフラグメントを生じる(例えば、米国特許第4,036,945号および同第4,331,647号;および、Edelman et al., Methods Enymol. 1:422 (1967)参照)。一価の軽鎖−重鎖フラグメントを形成するための重鎖の分離、フラグメントのさらなる切断、または他の酵素的もしくは化学的切断のような、抗体を切断する他の方法もまた、使用可能である。一本鎖Fvおよび抗体は、米国特許第4,946,778号および同第5,258,498号; Huston et al., Mehtods Enzymol.203:46 (1991); Shu et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:7995 (1993); および、Skerra et al., Science 240:1038 (1988)に記載の通りに製造することができる。
抗体は、例えば、CDR移植技術(EP239,400;W091/09967;米国特許第5,225,539号;同第5,530,101号;および、同第5,585,089)、ベニヤリング(veneering)またはリサーフィシング(resurfacing)(EP592,106;EP519,596; Padlan, Molecular Immunol. 28:489 (1991); Studnicka et al., Prptein Engineering 7:805 (1994); Roguska. et al., Proc. Nat’l. Acad. Sci. USA 91:969 (1994))、および鎖シフティング(U.S. Patent No. 5,565,332)を含む、当技術分野で公知の種々の技術を用いてヒト化され得る。ヒトコンセンサス配列(Padlan, Mol. Immunol.31:169 (1994); および、Padlan, Mol. Immunol. 28:489 (1991))は、抗体をヒト化するために使用可能である(Carter et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:4285 (1992); および、Presta et al., J. Immunol.151:2623 (1993))。
キメラ抗体の作製方法は、当技術分野で公知である(例えば、Morrison, Science 229:1202 (1985); Oi et al., BioTechniques 4:214 (1986); Gillies et al., J. Immunol. Methods 125:191 (1989);および米国特許第5,807,715号;同第4,816,567号;および、同第4,816,397号)。ある種の抗体由来の可変ドメインが別の種の可変ドメインに置換されているキメラ抗体が、例えば、Munro, Nature 312:597 (1984); Neuberger et al., Nature 312:604 (1984); Sharon et al., Nature 309:364 (1984); Morrison et al., Proc. Nat’l. Acad. Sci. USA 81:6851 (1984); Boulianne et al., Nature 312:643 (1984); Capon et al., Nature 337:525 (1989); および、Traunecker et al., Nature 339:68 (1989)に記載されている。
フィノマー、抗体および融合ポリペプチド(FynomAb)をコード化する核酸もまた提供される。一態様において、核酸は、IL−17aに結合する任意のフィノマー配列と少なくとも60%またはそれ以上(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%)の同一性を有する配列、例えば、配列番号1−7に記載のポリペプチドをコード化する核酸配列と60%またはそれ以上の同一性を有する配列をコード化する。
別の態様において、核酸は、配列番号8または9に記載の何れかの重鎖または軽鎖可変領域配列と少なくとも60%またはそれ以上(例えば、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%)の同一性を有する配列をコード化する。さらなる態様において、核酸は、IL−6Rに結合する抗体の何れかの重鎖または軽鎖可変領域配列、例えばIL−17aに結合する何れかのフィノマー配列、例えば、配列番号1−7に記載の配列に融合または結合する配列番号8または9に記載の重鎖または軽鎖配列と、少なくとも60%またはそれ以上(例えば、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%)の同一性を有する配列をコード化する。さらなる態様において、核酸は、配列番号1−7、または配列番号8もしくは9の1つもしくは複数のアミノ酸付加、欠失もしくは置換を有する配列、または配列番号8もしくは9の何れかに融合した配列番号1−7の何れかを含む融合ポリペプチドをコード化する。
用語“核酸”および“ポリヌクレオチド”などは、ホスホジエステル結合または同等の結合により結合した少なくとも2つまたはそれ以上のリボ−またはデオキシ−リボ核酸塩基対(ヌクレオチド)を意味する。核酸には、ポリヌクレオチドおよびポリヌクレオシドが含まれる。核酸には、一本鎖、二本鎖または三重鎖の、環状または直鎖状分子が含まれる。定型的な核酸には、RNA、DNA、cDNA、天然に存在するおよび天然に存在しない核酸、例えば、合成核酸が含まれるが、これらに限定されない。
核酸は、種々の長さのものであり得る。核酸の長さは、一般に、約20ヌクレオチド長から20Kbの範囲、または任意の数値もしくは範囲内もしくはかかる長さを包含する長さであり、10ヌクレオチド長から10Kb、1から5Kbまたはそれ以下、1000から約500ヌクレオチド長またはそれ以下である。核酸はまた、より短くてよく、例えば、100から約500ヌクレオチド、または約12から25、25から50、50から100、100から250、もしくは約250から500ヌクレオチド長であるか、または任意の数値もしくは範囲内もしくはかかる長さを包含する長さである。特定の面において、核酸配列は、約10−20、20−30、30−50、50−100、100−150、150−200、200−250、250−300、300−400、400−500、500−1000もしくは1000−2000ヌクレオチド長、または任意の数値もしくは範囲内もしくはかかる長さを包含する長さを有する。より短いポリヌクレオチドは、通常、一本鎖または二本鎖DNAの“オリゴヌクレオチド”または“プローブ”と言われる。しかしながら、かかるオリゴヌクレオチドの長さには上限がない。
構成成分(例えば、フィノマー、抗体、重鎖または軽鎖配列、融合ポリペプチド(FynomAb)、それらをコード化する核酸など)に関連して使用されるとき、用語“単離された”とは、該成分が、ヒトの手で作製されたか、またはそれらの天然に存在するインビボ環境から、完全にまたは少なくとも部分的に分離されることを意味する。一般的に、単離された成分は、それらが通常天然において結合する1つまたはそれ以上の物質、例えば、1つまたはそれ以上のタンパク質、核酸、脂質、炭水化物、細胞膜を実質的に含まない。用語“単離された”とは、多量体/オリゴマー、変異体、修飾形態もしくは誘導形態、またはヒトによって製造された宿主細胞内で発現される形態などの、該成分の別個の物理的形態を排除するものではない。用語“単離された”とはまた、ヒトの手によって製造される成分を含む組成物または製剤を排除するものでもない。
“単離された”成分はまた、それが天然において一般的に結合している物質のほとんどまたは全てを含まないとき、“精製された”とされてもよい。従って、実質的に純粋なまたは精製された、単離された融合ポリペプチド(FynomAb)は、例えば、ゲノムまたはcDNAライブラリー中のポリペプチドライブラリーまたは核酸のような、数百万の他の配列の間に存在するポリペプチドまたは複数のポリヌクレオチドを含んでいない。“精製された”成分は、1つ以上の他の分子と組み合わされていてよい。従って、“精製された”は、成分の組み合わせ、例えばFynomAbの組み合わせ(複数のFynomAb)、および他の活性剤または薬物と組み合わせたFynomAbを排除しない。
核酸は、種々の標準的なクローニング技術および化学合成技術を用いて製造できる。技術としては、核酸増幅、例えば、ゲノムDNAもしくはcDNA標的と、配列をコード化する抗体にアニーリングすることができるプライマー(例えば、縮重プライマー混合物)を用いる、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)が挙げられるが、これに限定されない。核酸はまた、化学合成(例えば、固相ホスホラミダイト合成)または遺伝子からの転写により製造することもできる。その後、製造された配列は、インビトロで翻訳されるか、またはプラスミド中にクローニングされて、増殖させ、次いで細胞(例えば、動物または植物における、真核生物または哺乳動物細胞、酵母または細菌などの宿主細胞)内で発現させることができる。
核酸は、核酸の発現が、“発現制御エレメント”により影響を受けるか、または調節される、核酸構築物中に挿入され得る。“発現制御エレメント”は、それが作動可能に連結されている核酸配列の発現を調節するか、または付与する核酸配列を意味する。発現制御エレメントには、適当には、プロモーター、エンハンサー、転写ターミネーター、遺伝子サイレンサー、タンパク質をコードする遺伝子の前の開始コドン(例えば、ATG)などが含まれる。
核酸配列に作動可能に連結された発現制御エレメントは、転写を、そして適当であれば、核酸配列の翻訳を制御する。発現制御エレメントには、構成的に転写を活性化するエレメントが含まれ、それは、誘導性であるか(すなわち、活性化のために外部シグナルを必要とする)、または脱抑制可能であるか(すなわち、転写をオフにするためにシグナルを必要とする;シグナルがもはや存在しなくなったとき、転写は活性化されるか、または“脱抑制”される)、または細胞タイプもしくは組織(すなわち、組織特異的制御エレメント)に特異的である。
核酸は、宿主細胞中での増殖のためにプラスミドに挿入され、次いで遺伝子操作され得る。プラスミドとは、宿主細胞中で増殖することができる核酸である。プラスミドは、要すれば、宿主細胞中でフィノマー、抗体(重鎖または軽鎖)または融合ポリペプチド(FynomAb)をコードする核酸の発現を駆動するために発現制御エレメントを含み得る。ベクターは、本明細書中、プラスミドと同義的に用いられ、宿主細胞における発現のための発現制御エレメント(例えば、発現ベクター)も含み得る。プラスミドおよびベクターは、一般的に、少なくとも細胞内での増殖のための複製起点およびプロモーターを含む。従って、プラスミドおよびベクターは、フィノマー、抗体(重鎖または軽鎖)または融合ポリペプチド(FynomAb)の遺伝子操作および発現に有用である。
フィノマー、抗体(重鎖または軽鎖)または融合ポリペプチド(FynomAb)をコードする核酸は、合成的にまたは組換え方法を用いて製造されるか、ハイブリドーマ等の細胞から単離することができる。単離された核酸は、適切な発現ベクターに挿入され、フィノマー、抗体(重鎖または軽鎖)または融合ポリペプチド(FynomAb)の産生のために培養され得る、適切な宿主細胞(例えば、CHO、植物および他の細胞)に導入され得る。
本発明により、本発明のフィノマー、抗体(重鎖または軽鎖)または融合ポリペプチド(FynomAb)をコードする核酸(遺伝子)を発現するか、または該核酸を用いて形質転換される、宿主細胞を提供する。宿主細胞およびその子孫は、フィノマー、抗体(重鎖または軽鎖)または融合ポリペプチド(FynomAb)の発現のために安定的にまたは一時的にトランスフェクトされ得る。
宿主細胞には、原核細胞および真核細胞、例えば、細菌、真菌(酵母)、植物、昆虫、および動物細胞(例えば、霊長動物およびヒトを含む哺乳動物)などが含まれるが、これらに限定されない。例えば、組み換えバクテリオファージ核酸、プラスミド核酸またはコスミド核酸発現ベクターで形質転換した細菌;組み換え酵母発現ベクターで形質転換した酵母;組み換えウイルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモザイクウイルス、CaMV;タバコモザイクウイルス、TMV)で感染させたか、または組み換えプラスミド発現ベクター(例えば、Tiプラスミド)で形質転換した植物細胞システム;組み換えウイルス発現ベクター(例えば、バキュロウイルス)で感染させた昆虫細胞システム;および、組み換えウイルス発現ベクター(例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、ワクシニアウイルス)で感染させた動物細胞システム、または安定な発現のために操作された形質転換動物細胞システムがある。
細胞(例えば、宿主細胞)または生物について使用されるとき、用語“形質転換された”または“トランスフェクトされた”は、外因性分子、例えば、細胞へのタンパク質または核酸(例えば、導入遺伝子)の取り込み後の細胞の遺伝的変化を意味する。従って、“トランスフェクトされた”または“形質転換された”細胞は、外因性分子が、例えば、組み換えDNA技術によりヒトによって導入された細胞またはその子孫である。
細胞は、所望のポリペプチドが産生されるように、増殖され得る。トランスフェクトされたか、または形質転換された細胞の子孫は、複製中に起こる突然変異が存在し得るため、親細胞と同一でなくてもよい。
本発明はさらに、本発明の二重特異性融合ポリペプチドおよび薬学的または生理学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。担体に言及するとき、本明細書で用いる用語“薬学的に許容される”および“生理的に許容される”とは、溶媒(水性または非水性)、界面活性剤、溶液、エマルジョン、分散媒体、コーティング剤または等張剤および吸収促進剤もしくは遅延剤であってよく、それは、医薬投与法および組成物中の他の成分に適合性である。本発明の医薬組成物は、錠剤(コーティング剤または非コーティング剤)、カプセル剤(硬カプセル剤または軟カプセル剤)、マイクロビーズ、エマルジョン、粉剤、顆粒剤、結晶、懸濁液、シロップまたはエリキシルの形態で提供されてもよい。
医薬組成物は、特定の投与経路または使用に適合性であるように剤形化され得る。非経腸投与、皮内投与、または皮下投与のための医薬組成物は、水、食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒などの滅菌希釈剤を含んでいてよい。組成物は、微生物の増殖を阻止するための1種以上の防腐剤(例えば、ベンジルアルコールまたはメチルパラベンなどの抗菌剤;ベンジルアルコールまたはメチルパラベンなどの抗菌剤;EDTAなどのキレート剤;酢酸バッファー、クエン酸バッファーまたはリン酸バッファーなどの緩衝剤、および塩化ナトリウムまたはデキストロースなどの張性の調整のための添加物)をさらに含んでいてよい。
注射のための医薬組成物は、分散媒および滅菌粉末からなる注射可能な滅菌溶液もしくは分散液のための滅菌水溶液(水溶性)または用時調製形の形態であってよい。静脈内投与について、好適な担体の例としては、生理食塩水、静菌水、Cremophor EL(商標)(BASF、Parsippany、NJ)およびリン酸緩衝生理食塩水(PBS)が挙げられる。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、およびポリエチレングリコール)、またはそれらの好適な混合物を含む、溶媒または分散媒であり得る。流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング剤の使用、または界面活性剤の使用によって、維持され得る。抗菌剤および抗真菌剤の例としては、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、およびチメロサールが挙げられる。吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの添加は、注射可能組成物の吸収を延長し得る。ポリソルベート20またはポリソルベート80は、例えば、1%まで、組成物に添加してよい。添加剤の他の非限定的な例としては、ヒスチジンHCl、α,α−トレハロース二水和物が挙げられる。
さらなる医薬製剤および送達システムは、当業者に公知であり、本発明の方法に提供可能である(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences (1990) 18th ed., Mack Publishing Co., Easton, PA; The Merck Index (1996) 12th ed., Merck Publishing Group, 白色house, NJ; Pharmaceutical Principles of Solid Dosage Forms, Technonic Publishing Co., Inc., Lancaster, Pa., (1993); および、Poznansky, et al., Drug Delivery Systems, R. L. Juliano, ed., Oxford, N.Y. (1980), pp. 253−315参照)。
本発明の医薬組成物は、IL−17aおよび/またはIL−6R機能または活性に関連する応答、障害または疾患を調節または治療するために使用され得る。応答、障害および疾患の例としては、免疫応答、障害および疾患、炎症応答、障害および疾患、ならびに炎症が挙げられるが、これらに限定されない。応答、障害および疾患の例としてはまた、自己免疫応答、障害および疾患が挙げられるが、これに限定されない。応答の例にはさらに、T細胞および/またはB細胞応答、障害および疾患が挙げられる。
一態様において、免疫応答、障害または疾患、炎症応答、障害または疾患、または炎症の処置の必要な対象に投与され得る本明細書に記載の医薬組成物が提供される。別の態様において、自己免疫障害または疾患の処置のための医薬組成物が提供される。さらなる態様では、T細胞および/またはB細胞応答の調節のため、またはT細胞および/またはB細胞応答に関連する障害および疾患の処置のための医薬組成物が提供される。さらなる態様において、Il−17aおよび/またはIL−6R機能または活性を調節するための医薬組成物が提供される。
本発明によって調節または処置され得る応答、障害および疾患の例としては、急性および慢性の望ましくない、または異常な免疫応答、障害もしくは疾患、炎症応答、障害もしくは疾患または炎症が挙げられるが、これらに限定されない。応答、障害および疾患の例としてはまた、急性および慢性の自己免疫応答、障害および疾患が挙げられるが、これに限定されない。応答、障害および疾患は、抗体もしくは細胞により、または抗体および細胞の組み合わせにより媒介されるものであり得る。さらに、応答、障害および疾患は、IL−17aおよび/またはIL−6R機能または活性により媒介されるものであり得る。さらに、応答、障害および疾患は、IL−17aおよび/またはIL−6R機能または活性を調節することによる治療に感受性があるものであり得る。
一態様において、対象における、急性または慢性の望ましくない、または異常な免疫応答、障害もしくは疾患、炎症応答、障害もしくは疾患または炎症を減少、低下、阻害、抑制、制限または制御するための医薬組成物を提供する。一態様において、対象における、急性または慢性の自己免疫応答、障害もしくは疾患を減少、低下、阻害、抑制、制限または制御するための医薬組成物を提供する。さらなる態様において、対象における、急性または慢性の抗体および/または細胞媒介性応答、障害もしくは疾患を減少、低下、阻害、抑制、制限または制御するための医薬組成物を提供する。さらに別の態様において、IL−17aおよび/またはIL−6R機能または活性により媒介される急性または慢性の応答、障害もしくは疾患を減少、低下、阻害、抑制、制限または制御するための医薬組成物を提供する。さらに別の態様において、IL−17aおよび/またはIL−6R機能または活性を調節することによる処置に感受性がある急性または慢性の応答、障害もしくは疾患を減少、低下、阻害、抑制、制限または制御するための医薬組成物を提供する。
用語“免疫障害”および“免疫疾患”は、障害または疾患に応じて、異なる生理的症状または異常によって特徴付けられる免疫機能または活性を意味する。本明細書で用いる“望ましくない免疫応答”または“異常な免疫応答”は、所望のまたは生理的に正常な応答、活性または機能より大きな、または小さな、すべての免疫応答、活性または機能を意味する。その例は、急性または慢性の免疫応答、活性または機能が含まれる。“望ましくない免疫応答”は、一般的に、免疫系の望ましくない、または異常に増加した、または不適切な応答、活性もしくは機能として特徴付けられる。しかしながら、望ましくない免疫応答、機能または活性は、例えば、正常な応答、機能または活性であってもよい。従って、正常な免疫応答は、それらが望ましくないなら、異常とは見なされないも、ここで説明する用語の意味に包含される。望ましくない免疫応答、機能または活性はまた、異常な応答、機能または活性でもあり得る。異常な免疫応答、機能または活性は、正常から逸脱する。
望ましくない、または異常な免疫応答の1つの非限定的な例は、免疫応答が過剰である場合、例えば自己免疫障害もしくは疾患である場合である。望ましくない、または異常な免疫応答の別の非限定的な例は、免疫応答が、任意の組織または臓器における急性または慢性の炎症応答または炎症、例えば骨格の関節(関節リウマチ、若年性特発性関節炎)、肺もしくは気道(アレルギー)、または腸もしくは胃腸管(クローン病、炎症性腸疾患(IBD)もしくは潰瘍性大腸炎)をもたらす場合である。
望ましくない、または異常な免疫応答、炎症応答、炎症は、多くの異なる生理的に有害な症状または合併症により特徴付けられ、それらは、体液性、細胞媒介性またはそれらの組み合わせであり得る。本発明により処置され得る応答、障害および疾患には、対象における細胞または組織/臓器損傷を直接的または間接的にもたらす、または引き起こすものが含まれるが、これに限定されない。全身、領域または局所レベルで、免疫応答、炎症応答、または炎症は、腫れ、痛み、頭痛、発熱、悪心、骨格関節の痛み、腫れ、こわばりや可動性の欠如、発疹、発赤、または他の変色により特徴付けられ得る。細胞レベルでは、免疫応答、炎症応答または炎症は、T細胞活性化および/または分化、マクロファージ、単球などによる領域の細胞浸潤、抗体の産生、サイトカイン、リンホカイン、ケモカイン、インターフェロンおよびインターロイキンの産生、細胞増殖および成熟因子(例えば、増殖因子および分化因子)、細胞蓄積または遊走および細胞、組織または臓器損傷の1個以上により特徴付けられ得る。従って、本発明の医薬組成物を用いることによる処置には、免疫応答、炎症応答または炎症の特徴的な生理的症状または細胞もしくは生物学的応答の処置ならびにかかる応答の際の改善効果が含まれる。
自己免疫応答、障害および疾患は、一般的に、増加したまたは望ましくない体液性もしくは細胞媒介性免疫応答もしくは免疫記憶、または自己抗原に対する減少したまたは不十分な免疫耐容を特徴とする、免疫系の望ましくないまたは異常な応答、活性または機能として特徴付けられる。本発明により処置され得る自己免疫応答、障害および疾患には、対象における細胞または組織/臓器損傷を引き起こす応答、障害および疾患が含まれるが、これに限定されない。
一態様において、対象における、望ましくない、または異常な免疫応答、免疫障害、炎症応答または炎症を減少、低下、阻害、抑制、制限または制御するための医薬組成物を提供する。別の態様において、対象における、自己免疫応答、障害もしくは疾患を減少、低下、阻害、抑制、制限または制御するための医薬組成物を提供する。さらなる態様において、望ましくない、または異常な免疫応答、免疫障害、炎症応答または炎症の有害な症状、または自己免疫応答、障害もしくは疾患の有害な症状を減少、低下、阻害、抑制、制限または制御するための方法または使用を提供する。
一面において、本発明の医薬組成物を用いることによる処置は、疾患の症状(例えば、望ましくない、または異常な免疫応答、免疫障害、炎症応答、または炎症)の発生、頻度、重症度、進行、または持続時間の減少をもたらし得る。例えば、医薬組成物は、望ましくない、または異常な免疫応答、免疫障害、炎症応答、または炎症、または自己免疫応答、障害もしくは疾患の有害な症状の進行から対象を保護するか、またはその重症度、頻度、持続期間もしくは可能性を減少、低下、阻害、抑制、制限または制御するために使用され得る。
望ましくない、または異常な免疫応答、免疫障害、炎症応答、または炎症の有害な症状、または自己免疫応答、障害もしくは疾患の有害な症状の例としては、腫れ、痛み、発疹、変色、頭痛、発熱、悪心、下痢、鼓腸、無気力、骨格関節の硬直もしくは低下した可動性、呼吸困難、低下した筋肉量もしくは四肢の可動性、麻痺、感覚障害、例えば、視覚または組織または細胞の損傷が挙げられる。有害な症状は、特定の組織または臓器、あるいは身体の領域または部位(area)、例えば、皮膚、上皮もしくは粘膜組織、消化管、消化器官、腸、尿生殖路、膵臓、胸腺、肺、肝臓、腎臓、筋肉、中枢神経もしくは末梢神経、脾臓、皮膚、骨格関節(例えば、膝、足首、腰、肩、手首、指、足指、または肘)、血管もしくはリンパ管、または心肺組織もしくは臓器で起こり得る。自己免疫応答、障害もしくは疾患の有害な症状のさらなる例としては、T細胞産生、生存、増殖、活性化もしくは分化、および/または自己抗体の産生、または炎症促進性サイトカインもしくはケモカイン(例えば、IL−17aおよびIL−6)の産生が挙げられる。
異常なまたは望ましくない免疫応答、障害および疾患の非限定的な例としては、本発明により処置され得る、炎症応答、障害および疾患、炎症、自己免疫応答、障害および疾患が挙げられ、以下のものを含む:多発性筋炎、血管炎症候群、巨細胞性動脈炎、高安動脈炎、再発性多発軟骨炎、後天性血友病A、スティル病、成人発症性スティル病、アミロイドA アミロイドーシス、リウマチ性多発筋痛症、脊椎関節炎(関節炎)、肺動脈高血圧症、移植片対宿主病、自己免疫性心筋炎、接触性過敏症(接触性皮膚炎)、胃食道逆流症、紅皮症、ベーチェット病、筋萎縮性側索硬化症、移植、視神経脊髄炎、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、悪性関節リウマチ、薬剤耐性慢性関節リウマチ、視神経脊髄炎、川崎病、多関節型または全身型若年性特発性関節炎、乾癬、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、キャッスルマン病、喘息、アレルギー性喘息、アレルギー性脳脊髄炎、関節炎、進行性慢性関節炎、反応性関節炎、乾癬性関節炎、腸炎性関節炎、変形性関節炎、リウマチ性疾患、脊椎関節症、強直性脊椎炎、ライター症候群、過敏症(気道過敏症および皮膚過敏症の両方を含む)、アレルギー、全身性エリテマトーデス(SLE)、皮膚エリテマトーデス、癩性結節性紅斑、シェーグレン症候群、炎症性筋障害、軟骨炎、ウェゲナー肉芽腫症、皮膚筋炎、スティーブン−ジョンソン症候群、慢性活動性肝炎、重症筋無力症、特発性吸収不良、自己免疫炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、過敏性腸症候群、内分泌性眼障害、強皮症、グレーブス病、サルコイドーシス、多発性硬化症、原発性胆汁性肝硬変、膣炎、直腸炎、インスリン依存性糖尿病、インスリン抵抗性糖尿病、若年性糖尿病(I型糖尿病)、自己免疫性血液疾患、溶血性貧血、再生不良性貧血、純粋な赤血球貧血、特発性血小板減少症(ITP)、自己免疫性ブドウ膜炎、ブドウ膜炎(前部および後部)、乾性角結膜炎、春季カタル、間質性肺線維症、糸球体腎炎(ネフローゼ症候群の有無)、特発性ネフローゼ症候群または微小変化型腎症、皮膚の炎症性疾患、角膜炎症、筋炎、骨インプラント、代謝障害、アテローム性動脈硬化症、脂質代謝異常、骨喪失、骨関節症、骨粗鬆症、閉塞性または炎症性気道疾患の歯周病、気管支炎、塵肺、肺気腫、急性および超急性炎症反応、急性感染、敗血症性ショック、内毒素性ショック、成人呼吸窮迫症候群、髄膜炎、肺炎、複合的代謝異常症候群(cachexia wasting syndrome)、脳卒中、ヘルペス性間質性角膜炎、ドライアイ疾患、虹彩炎、結膜炎、角結膜炎、ギラン・バレー症候群、スティッフマン症候群、橋本甲状腺炎、自己免疫性甲状腺炎、脳脊髄炎、急性リウマチ熱、交感性眼炎、グッドパスチャー症候群、全身性壊死性血管炎、抗リン脂質抗体症候群、アジソン病、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、疱疹状皮膚炎、アトピー性皮膚炎、湿疹性皮膚炎、アフタ性潰瘍、扁平苔癬、自己免疫性脱毛症、白斑症、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性血小板減少性紫斑病、悪性貧血、感音難聴、突発性両側進行性感音難聴、多腺性自己免疫症候群I型またはII型、免疫不妊および免疫介在性不妊症。
用語“接触(contacting)”とは、2つまたはそれ以上のものの間(例えば、融合ポリペプチド(FynomAb)と標的、例えばIL−17aおよび/またはIL−6Rとの間)の直接的または間接的な相互作用を意味する。直接的相互作用の特定の例は結合である。本明細書で用いる“接触”は、溶液中、固相中、インビトロ、エクスビボ、細胞内またはインビボでの接触であり得る。インビボでの“接触”は、対象または患者に投与(administering, administration, to administer)または送達(deliveringもしくはdelivery)することを意図し得る。
本発明において、本明細書に記載の医薬組成物は、望ましくない、または異常な免疫応答、免疫障害、炎症応答、または炎症、または自己免疫応答、障害もしくは疾患、または上記の疾患によって引き起こされるか、もしくはそれに関連する1つもしくはそれ以上の有害な症状、障害、疾病、病理、疾患もしくは合併症の発症前、実質的に発症と同時、または発症後に投与され得る。従って、本発明の医薬組成物を用いる処置は、上記の応答、障害もしくは疾患の開始、または該望ましくない、または異常な免疫応答、免疫障害、炎症応答、炎症または自己免疫応答、障害もしくは疾患により引き起こされるか、またはそれと関連する1つもしくはそれ以上の有害な症状、障害、疾病、病理、疾患もしくは合併症、の発症前(すなわち、予防)、それと同時またはその後に実施され得る。本明細書に記載の融合ポリペプチドまたは組成物を、有害な症状の発症前、発症と同時または発症直後に投与することは、該望ましくない、または異常な免疫応答、免疫障害、炎症応答、炎症または自己免疫応答、障害もしくは疾患により引き起こされるか、またはそれと関連する1つまたはそれ以上の有害な症状、障害、疾病、病理、疾患もしくは合併症の発生、頻度、重症度、進行、または持続時間を減少、低下、阻害、抑制、制限または制御することができる。
本発明により、本発明の医薬組成物は、免疫抑制剤、抗炎症剤、または緩和療法剤などの第二の薬剤と組み合わせて製剤され、および/または投与され得る。本発明の医薬組成物は、免疫抑制剤、抗炎症剤、または緩和療法剤などの第二の薬剤、または第二の薬剤を含む第二の医薬組成物の投与前、その投与と同時、またはその投与後に投与されてよい。本発明の融合ポリペプチドを含む医薬組成物は、免疫抑制剤、抗炎症剤、または緩和療法剤などの第二の薬剤をさらに含み得る。
第二の薬剤の非限定的な例としては、抗炎症剤、例えばステロイド性および非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、ならびに抗炎症性生物製剤、例えば炎症応答もしくは症状を制限もしくは制御する抗体が含まれ得る。第二の薬剤(agent、drug)としては、免疫抑制性コルチコステロイド(ステロイド受容体アゴニスト)、例えばブデソニド、プレドニゾン、フルニソリド;抗炎症剤、例えばフルニソリドヒドロフルオロアルカン、エストロゲン、プロゲステロン、デキサメサゾンおよびロテプレドノール;ベータ−アゴニスト類(例えば、短時間または長時間作用型)、例えばバンブテロール、フォルモテロール、サルメテロール、アルブテロール;抗コリン作動薬、例えば臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、クロモリンおよびカルシウムチャネル遮断薬;抗ヒスタミン剤、例えばテルフェナジン、アステミゾール、ヒドロキシジン、クロルフェニラミン、トリペレナミン、セチリジン、デスロラタジン、ミゾラスチン、フェキソフェナジン、オロパタジン塩酸塩、ノルアステミゾール、レボセチリジン、レボカバスチン、アゼラスチン、エバスチンおよびロラタジン;抗ロイコトリエン薬(例えば、抗システイニルロイコトリエン(CysLT))、例えばオキサトミド、モンテルカスト、ザフィルカストおよびジロートン;ホスホジエステラーゼ阻害剤(例えば、PDE4サブタイプ)、例えばイブジラスト、シロミラスト、BAY19−8004、テオフィリン(例えば、徐放剤)および他のキサンチン誘導体(例えば、ドキソフィリン);トロンボキサンアンタゴニスト、例えばセラトロダスト、オザグレル塩酸塩およびラマトロバン;プロスタグランジンアンタゴニスト、例えばCOX−1およびCOX−2阻害剤(例えば、セレコキシブおよびロフェコキシブ)、アスピリン;ならびに、カリウムチャネル開口薬が挙げられる。他の薬剤クラスのさらなる非限定的な例としては、免疫調節剤、例えば炎症促進性サイトカインアンタゴニスト、例えばTNFαアンタゴニスト(例えば、エタネルセプト、aka Enbrel(商標))である、抗炎症剤;免疫細胞アンタゴニスト、例えばB細胞枯渇剤リツキシマブ、ならびにT細胞共刺激遮断薬アバタセプト(これは、関節リウマチの処置に使用されている)、ならびにサイトカインに結合する抗炎症性抗体、例えば抗IgE(例えば、rhuMAb−E25オマリズマブ)、および抗TNFα、IFNγ、IL−1、IL−2、IL−5、IL−6、IL−9、IL−13、IL−16、ならびに増殖因子、例えば顆粒球/マクロファージコロニー刺激因子が挙げられる。
本明細書に記載の通り、本発明の医薬組成物は、対象に検出可能な、または測定可能な治療上の利点または改善を提供することができる。
治療上の利点または改善とは、対象への、任意の測定可能または検出可能な、客観的または主観的、過渡的、一時的、または長期的な利益、あるいは該応答、障害もしくは疾患、または該望ましくない、または異常な応答、障害もしくは疾患により引き起こされるか、またはそれと関連する1つもしくはそれ以上の有害な症状、障害、疾病、病理、疾患もしくは合併症の改善であり得る。治療上の利点および改善としては、望ましくない、または異常な応答、障害もしくは疾患の有害な症状の発生、頻度、重症度、進行または持続時間を減少、低下、阻害、抑制、制限または制御することが挙げられるが、これらに限定されない。治療上の利点および改善としてはまた、炎症および炎症応答、例えばT細胞、B細胞、自己抗体、免疫細胞浸潤もしくは動員、炎症促進性サイトカイン、リンホカインまたはケモカインの量または活性を減少、低下、阻害、抑制、制限または制御することが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明により、医薬組成物は、二重特異性融合ポリペプチドの有効量または十分量が対象に投与されるように、該対象に投与される。“有効量”または“十分量”は、単一または複数用量で、単独でまたは1つ以上の他の成分(薬物などの治療剤)、処置、プロトコル、または治療レジメン剤と組み合わせて、任意の期間の検出可能な応答(長期または短期)、任意の測定可能もしくは検出可能な程度または任意の期間(例えば、分、時間、日、月、年、または治癒(cured))の対象への予期されるもしくは所望の結果もしくは利点を提供する量を意味する。
治療のための(例えば、改善する、または治療上の利点もしくは改善を提供する)、用語“有効量”または“十分量”は、一般に、1個、複数個または全ての有害な症状の応答、障害もしくは疾患、該応答、障害もしくは疾患の結果または合併症、例えば、望ましくない、または異常な免疫応答、障害もしくは疾患、炎症性応答、障害もしくは疾患、炎症、自己免疫応答、障害もしくは疾患により引き起こされるか、またはそれと関連する1つ以上の有害な症状、障害、疾病、病理、疾患もしくは合併症を、測定可能な程度であるが、細胞、組織または臓器の応答、障害もしくは疾患、またはその有害な症状の進行または悪化を減少、低下、阻害、抑制、制限もしくは制御させ、満足のいく結果をもたらすのに有効な量を意味する。
有効量または十分量は、単回投与で提供されてよいがその必要はなく、複数回投与を必要としてもよく、かつ単独で、または別の組成物(例えば、薬剤)、処置、プロトコルもしくは治療レジメンと組み合わせて投与されてよいが、その必要はない。例えば、量は、対象の必要性、処置される応答、障害もしくは疾患のタイプ、状態および重症度または処置の副作用(もしあれば)により示されるところに従って、漸増することができる。加えて、有効量または十分量は、上記のさらなる用量、量または期間およびかかる用量を超える用量、またはさらなる組成物(例えば、複数の薬剤または薬物)、処置、プロトコルまたは治療レジメンが、所定の対象において有効または十分であるとみなされるように包含されてよいため、第二の組成物(例えば、別の薬剤または薬物)、処置、プロトコルまたは治療レジメンなしに、単一または複数用量で提供されたとき、有効または十分である必要はない。有効であると考えられる量には、別の処置、治療レジメンまたはプロトコルの使用の減少をもたらす量もまた含まれる。
処置について一般には、幾人かの対象は、所定の処置により大きな応答、またはより小さな応答または無反応を示し得る。従って、有効量または十分量は、予防的または治療的に処置された対象毎に有効である必要はなく、また所定のグループまたは集団中の処置された対象の大部分に有効である必要もない。有効量または十分量は、特定の対象における有効性または十分性を意味し、グループまたは一般集団における有効性または十分性を意味しない。従って、適当な量は、処置される状態、所望の治療効果、ならびに個々の対象(例えば、対象のバイオアベイラビリティ、性別または年齢)によって変わる。
用語“改善する”とは、対象の状態または基礎となる細胞応答の検出可能または測定可能な改善を意味する。検出可能または測定可能な改善としては、応答、障害もしくは疾患、例えば、望ましくない、または異常な免疫応答、障害もしくは疾患、炎症性応答、障害もしくは疾患、炎症、自己免疫応答、障害もしくは疾患、または該応答、障害もしくは疾患、例えば望ましくない、または異常な免疫応答、障害もしくは疾患、炎症性応答、障害もしくは疾患、炎症、自己免疫応答、障害もしくは疾患により引き起こされるか、またはそれと関連する1個以上の有害な症状、障害、疾病、病態、疾患もしくは合併症の発生、頻度、重症度、進行または持続期間を主観的または客観的に減少、低下、阻害、抑制制限または制御し、または応答、障害もしくは疾患、例えば、望ましくない、または異常な免疫応答、障害もしくは疾患、炎症性応答、障害もしくは疾患、炎症、自己免疫応答、障害もしくは疾患を反転(reversal)させることが含まれる。そのような改善はまた、細胞レベルでも起こり得る。
従って、成功した処置結果は、対象における、望ましくない、または異常な免疫応答、障害もしくは疾患、炎症性応答、障害もしくは疾患、炎症、自己免疫応答、障害もしくは疾患、または該望ましくない、または異常な免疫応答、障害もしくは疾患、炎症性応答、障害もしくは疾患、炎症、自己免疫応答、障害もしくは疾患により引き起こされるか、またはその結果の1個以上の有害な症状を減少、低下、阻害、抑制、制限、制御、または予防する“治療効果”または“利点”をもたらし得る。従って、応答、障害もしくは疾患または有害な症状の1つ以上の根本的原因に影響を与える処置法は、有益であるとみなされる。望ましくない、または異常な免疫応答、障害もしくは疾患、炎症性応答、障害もしくは疾患、炎症、自己免疫応答、障害もしくは疾患の悪化を減少または低下する、例えば安定化することもまた、成功した治療結果である。
従って、治療上の利益または改善は、望ましくない、または異常な免疫応答、障害もしくは疾患、炎症性応答、障害もしくは疾患、炎症、自己免疫応答、障害もしくは疾患、または該望ましくない、または異常な免疫応答、障害もしくは疾患、炎症性応答、障害もしくは疾患、炎症、自己免疫応答、障害もしくは疾患の何れか1個、ほとんど、または全ての有害な症状、合併症、結果または根本原因の完全な除去を必要としない。従って、満足のいく結果は、対象の応答、障害もしくは疾患における漸進的な改善があるとき、または応答、障害もしくは疾患(例えば、1つ以上の症状または合併症の安定化)、例えば望ましくない、または異常な免疫応答、障害もしくは疾患、炎症性応答、障害もしくは疾患、炎症、自己免疫応答、障害もしくは疾患、または該望ましくない、または異常な免疫応答、障害もしくは疾患、炎症性応答、障害もしくは疾患、炎症、自己免疫応答、障害もしくは疾患により引き起こされるか、またはそれと関連する1つ以上の有害な症状、障害、疾病、病理、疾患、または合併症の、短期または長期間に亘る(時間、日、週または月)、発生、頻度、重症度、進行または持続期間を部分的に減少、低下、阻害、抑制、制限、制御または予防があるとき、達成され得る。
方法または使用、例えば、応答、障害もしくは疾患、例えば望ましくない、または異常な免疫応答、障害もしくは疾患、炎症性応答、障害もしくは疾患、炎症、自己免疫応答、障害もしくは疾患の可能性のある治療上の利点または改善を提供する処置の有効性は、種々の方法により確認することができる。このような方法には、例えば、腫れ、痛み、発疹、頭痛、発熱、悪心、下痢、鼓腸、嗜眠、骨格関節の硬直、低下した可動性、発疹、または組織もしくは細胞損傷を測定するスコアが含まれる。T細胞またはB細胞活性化および/または分化、領域の細胞浸潤、領域への細胞集積または動員、抗体の産生、サイトカイン、リンホカイン、ケモカイン、インターフェロンおよびインターロイキン、細胞増殖および成熟因子に測定には、種々の免疫学的アッセイ、例えばELISAが用いられる。細胞、組織または臓器損傷の程度を決定することは、CTスキャン、MRI、超音波、分子造影、または分子超音波造影により確認することができる。骨格関節について、炎症は、患者自身の評価、圧痛関節数および腫脹関節数、および赤血球沈降速度(ESR)またはC−反応性タンパク質(CRP)により評価することができる。胃腸管について、炎症は、例えば、内視鏡(結腸鏡検査、胃鏡検査、ERCP)により評価することができる。中枢神経系(CNS)の炎症について、脊椎穿刺中の細胞およびサイトカインは、例えば、炎症を反映する。
用語“対象”は、動物、一般には、哺乳動物、例えばヒト、非ヒト霊長動物(例えば、サル、テナガザル、チンパンジー、オランウータンまたはマカクザル)、コンパニオン動物(例えば、イヌおよびネコ)、家畜(例えば、ウマ、ウシ、ヤギ、ヒツジまたはブタ)または実験動物(例えば、マウス、ラット、ウサギまたはモルモット)を意味する。対象の例としては、動物疾患モデル、例えば、インビボ分析のための、望ましくない、または異常な免疫応答、障害もしくは疾患、炎症性応答、障害もしくは疾患、炎症、自己免疫応答、障害もしくは疾患(例えば、CIA、BXSB、EAEおよびSCIDマウス)の動物が含まれる。
処置のための適当な対象の例としては、望ましくない、または異常な免疫応答、障害もしくは疾患、炎症性応答、障害もしくは疾患、炎症、自己免疫応答、障害もしくは疾患を有するもの、望ましくない、または異常な免疫応答、障害もしくは疾患、炎症性応答、障害もしくは疾患、炎症、自己免疫応答、障害もしくは疾患の処置を受けているもの、ならびに望ましくない、または異常な免疫応答、障害もしくは疾患、炎症性応答、障害もしくは疾患、炎症、自己免疫応答、障害もしくは疾患の処置または治療を受けたことのあるもの(望ましくない、または異常な免疫応答、障害もしくは疾患、炎症性応答、障害もしくは疾患、炎症、自己免疫応答、障害もしくは疾患が寛解状態にいたる対象を含む)が含まれ得る。
対象の例としては、以下の何れかを有するか、またはその危険性を有するものが含まれ得る:多発性筋炎、血管炎症候群、巨細胞性動脈炎、高安動脈炎、再発性多発軟骨炎、後天性血友病A、スティル病、成人発症性スティル病、アミロイドA アミロイドーシス、リウマチ性多発筋痛症、脊椎関節炎(関節炎)、肺動脈高血圧症、移植片対宿主病、自己免疫性心筋炎、接触性過敏症(接触性皮膚炎)、胃食道逆流症、紅皮症、ベーチェット病、筋萎縮性側索硬化症、移植、視神経脊髄炎、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、悪性関節リウマチ、薬剤耐性慢性関節リウマチ、視神経脊髄炎、川崎病、多関節型または全身型若年性特発性関節炎、乾癬、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、キャッスルマン病、喘息、アレルギー性喘息、アレルギー性脳脊髄炎、関節炎、進行性慢性関節炎、反応性関節炎、乾癬性関節炎、腸炎性関節炎、変形性関節炎、リウマチ性疾患、脊椎関節症、強直性脊椎炎、ライター症候群、過敏症(気道過敏症および皮膚過敏症の両方を含む)、アレルギー、全身性エリテマトーデス(SLE)、皮膚エリテマトーデス、癩性結節性紅斑、シェーグレン症候群、炎症性筋障害、軟骨炎、ウェゲナー肉芽腫症、皮膚筋炎、スティーブン−ジョンソン症候群、慢性活動性肝炎、重症筋無力症、特発性吸収不良、自己免疫炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、過敏性腸症候群、内分泌性眼障害、強皮症、グレーブス病、サルコイドーシス、多発性硬化症、原発性胆汁性肝硬変、膣炎、直腸炎、インスリン依存性糖尿病、インスリン抵抗性糖尿病、若年性糖尿病(I型糖尿病)、自己免疫性血液疾患、溶血性貧血、再生不良性貧血、純粋な赤血球貧血、特発性血小板減少症(ITP)、自己免疫性ブドウ膜炎、ブドウ膜炎(前部および後部)、乾性角結膜炎、春季カタル、間質性肺線維症、糸球体腎炎(ネフローゼ症候群の有無)、特発性ネフローゼ症候群または微小変化型腎症、皮膚の炎症性疾患、角膜炎症、筋炎、骨インプラント、代謝障害、アテローム性動脈硬化症、脂質代謝異常、骨喪失、骨関節症、骨粗鬆症、閉塞性または炎症性気道疾患の歯周病、気管支炎、塵肺、肺気腫、急性および超急性炎症反応、急性感染、敗血症性ショック、内毒素性ショック、成人呼吸窮迫症候群、髄膜炎、肺炎、複合的代謝異常症候群(cachexia wasting syndrome)、脳卒中、ヘルペス性間質性角膜炎、ドライアイ疾患、虹彩炎、結膜炎、角結膜炎、ギラン・バレー症候群、スティッフマン症候群、橋本甲状腺炎、自己免疫性甲状腺炎、脳脊髄炎、急性リウマチ熱、交感性眼炎、グッドパスチャー症候群、全身性壊死性血管炎、抗リン脂質抗体症候群、アジソン病、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、疱疹状皮膚炎、アトピー性皮膚炎、湿疹性皮膚炎、アフタ性潰瘍、扁平苔癬、自己免疫性脱毛症、白斑症、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性血小板減少性紫斑病、悪性貧血、感音難聴、突発性両側進行性感音難聴、多腺性自己免疫症候群I型またはII型、免疫不妊および免疫介在性不妊症。
対象の例としては、望ましくない、または異常な免疫応答、障害もしくは疾患、炎症性応答、障害もしくは疾患、炎症、自己免疫応答、障害もしくは疾患の増加した危険性を有するものがさらに含まれ得る。候補対象は、例えば、望ましくない、または異常な免疫応答、障害もしくは疾患、炎症性応答、障害もしくは疾患、炎症、自己免疫応答、障害もしくは疾患を有するか、または望ましくない、または異常な免疫応答、障害もしくは疾患、炎症性応答、障害もしくは疾患、炎症、自己免疫応答、障害もしくは疾患のための治療薬または薬剤で処置されている。候補対象はまた、望ましくない、または異常な免疫応答、障害もしくは疾患、炎症性応答、障害もしくは疾患、炎症、自己免疫応答、障害もしくは疾患の治療の利益を受けるか、またはそれを必要とする対象を含む。
“危険性のある”対象は、一般に、望ましくない、または異常な免疫応答、障害もしくは疾患、炎症性応答、障害もしくは疾患、炎症、自己免疫応答、障害もしくは疾患の増加したリスク因子を有する。危険性のある対象の特定の例には、望ましくない、または異常な免疫応答、障害もしくは疾患、炎症性応答、障害もしくは疾患、炎症、自己免疫応答、障害もしくは疾患を有する対象が含まれ得る。危険性のある対象の例にはまた、望ましくない、または異常な免疫応答、障害もしくは疾患、炎症性応答、障害もしくは疾患、炎症、自己免疫応答、障害もしくは疾患の処置または治療を受けた対象が含まれ得る。危険性のある対象の例にはまた、家族歴(例えば、遺伝的素因)、性別、ライフスタイル(食事、喫煙)、職業(医療・臨床関係者、農畜産従事者)または環境因子(アレルゲン暴露)などの危険因子を有する対象が含まれ得る。
本発明により、融合ポリペプチドを含む医薬組成物は、投与の容易さおよび投与量の均一性のために単一の投与量形態でパッケージングされ得る。本明細書で用いる“単一の投与量形態”とは、単一用量処置(unitary dosage treatment)として適する物理的に異なる単位を意味する。各単位は、担体と関連して、所望の処置または治療(例えば、有益な)効果をもたらすよう計算される、組成物の量を含む。単一の投与量形態は、用いる特定の組成物、処置する障害もしくは疾患、達成されるべき効果、および処置されるべき対象を含む複数の因子(これらに限定されない)によって変わる。例示的単位用量は、約25−250、250−500、500−1,000、1,000−2,500、2,500−5,000、5,000−25,000または5,000−50,000pgの範囲;約50−500、500−5,000、5,000−25,000または25,000−50,000ngの範囲;約50−500、500−5,000、5,000−25,000または25,000−50,000μgの範囲;約25−250、250−500、500−1,000、1,000−2,500、2,500−5,000、5,000−25,000または5,000−50,000mgの範囲;および、約1−5、5−10、10−25、25−50、50−100、100−250、250−500、500−1,000、1,000−2,500または2,500−5,000グラムの範囲である。
本明細書に記載の通り、融合ポリペプチドおよびその組成物は、種々の用量および量、ならびに頻度で、インビトロ、エクスビボで接触もしくは提供されるか、または対象または患者にインビボで投与もしくは送達され得る。例えば、融合ポリペプチドまたはその組成物は、単一のまたは複数の投与量として、例えば、有効量または十分量で、意図した効果を提供するために投与または送達され得る。例示的用量は、連日、隔日または断続的に、約25−250、250−500、500−1,000、1,000−2,500、2,500−5,000、5,000−25,000または5,000−50,000pg/kgの範囲;約50−500、500−5,000、5,000−25,000または25,000−50,000ng/kgの範囲;約50−500、500−5,000、5,000−25,000または25,000−50,000μg/kgの範囲;および、約25−250、250−500、500−1,000、1,000−2,500、2,500−5,000、5,000−25,000または5,000−50,000mg/kgの範囲である。
組成物の単一または複数(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上の回数)の投与または投与量は、同日もしくは連日、隔日もしくは断続的に投与されてよい。例えば、融合ポリペプチドを含む組成物は、1日1回、2回、3回、4回またはそれ以上、隔日、隔週(bi-weekly)、毎週、毎月、隔月(bi-monthly)、または毎年投与されてよい。融合ポリペプチドを含む組成物は、任意の適当な時間、例えば、1時間以下、例えば、30分以下、15分以下、5分以下、または1分以下の時間に投与されてよい。
融合ポリペプチドを含む組成物は、望ましくない、または異常な免疫応答、障害もしくは疾患、炎症性応答、障害もしくは疾患、炎症、自己免疫応答、障害もしくは疾患の症状または発症の前、それと実質的に同時に、またはそれから約1〜60分以内、時間(例えば、1、2、3、4、5、6、8、12、24時間)以内、または日(1、2、3、4、5、6、7、7−14、14−21、21−28、28−45、45−60もしくは60−90日)以内に対象に投与されてよい。
融合ポリペプチドを含む組成物は、任意の経路で、全身投与または局所(regionalもしくはlocal)投与され得る。例えば、融合ポリペプチドを含む組成物は、注射、注入、経口(例えば、摂取または吸入)、局所、静脈内、動脈内、筋肉内、腹腔内、皮内、皮下、腔内、頭蓋内、経皮(局所)、非経腸的、例えば経粘膜または直腸内(浣腸)カテーテル、または眼内に、全身投与または局所(regionalもしくはlocal)投与され得る。(マイクロ)カプセル化された送達システムまたは投与用インプラントのパッケージにより投与される医薬製剤を含む、本発明の融合ポリペプチド、組成物、方法および使用。
本発明はまた、本発明の融合ポリペプチド(FynomAb)を含む医薬組成物を含み、好適なパッケージング材にパッケージングされたキットを提供する。キットは、成分の説明書またはそこに含まれる成分の、インビトロ、インビボ、またはエクスビボでの使用のための指示書を含む、ラベルまたはパッケージング挿入文書を含んでいてよい。指示書の例としては、方法、処置プロトコルまたは治療レジメンのための指示が含まれる。
キットは、構成要素の集合物(collection)、例えば、異なる二重特異性融合ポリペプチドをそれぞれ含む2種以上の組成物、または二重特異性融合ポリペプチドを含む組成物および別の治療的に有用な組成物(例えば、抗増殖剤または免疫増強剤)を含む組成物を含み得る。用語“パッケージング材”とは、キットの構成要素を含む物理的構造体を意味する。パッケージング材は、成分を滅菌状態で維持することができ、一般に、そのような目的で使用される材料(例えば、紙、段ボール、ガラス、プラスチック、ホイル、アンプル、バイアル、またはチューブ)で作製できる。
キットは、ラベルまたは挿入文書を含み得る。ラベルまたは挿入文書は、“印刷物”、例えば、紙もしくはボール紙であってよく、または構成要素、キットもしくはパッケージング材(例えば、ボックス)に個別にもしくは貼付されるか、またはキットの構成要素を含むアンプル、チューブもしくはバイアルに添付されていてよい。ラベルまたは挿入文書は、コンピュータ可読媒体、CD−もしくはDVD−ROM/RAM、DVD、MP3、磁気テープなどの光ディスク、またはRAMおよびROMなどの電気記憶媒体または磁気/光記憶媒体、FLASH媒体もしくはメモリ型カードなどのこれらのハイブリッドであり得る。
ラベルまたは挿入文書には、その中の1つ以上の要素、投与量、作用機序、薬物動態(PK)および薬力学(PD)を含む活性成分(複数可)の臨床薬理の識別情報が含まれ得る。ラベルまたは挿入文書は、製造者情報、ロット番号、製造場所および日付を識別する情報を含み得る。
ラベルまたは挿入文書は、キットの構成要素が使用され得る状態、障害、疾患または症状に関する情報を含み得る。ラベルまたは挿入文書は、方法、処置プロトコルまたは治療レジメンにおけるキットの構成要素の1つ以上を使用するための、医師または対象に対する指示を含み得る。指示書は、投与量、頻度または期間、および本明細書に記載の方法、処置プロトコルまたは治療レジメンのいずれかを実施するための指示を含み得る。従って、本発明のキットは、本明細書に記載の方法および使用のいずれかを実施するためのラベルまたは指示をさらに含んでいてよい。
ラベルまたは挿入文書は、予防的または治療的利益などの、構成要素が提供し得る何らかの利益に関する情報を含み得る。ラベルまたは挿入文書は、特定の組成物を使用することが適当ではない状況に鑑み、対象または医師に対する警告などの可能性の有る有害な副作用についての情報を含み得る。有害な副作用はまた、対象が、組成物と不適合であり得る1個またはそれ以上の他の薬剤を服用していた、服用する可能性がある、もしくは現在服用しているか、または対象が、組成物と不適合であり得る別の処置プロトコルまたは治療レジメンを受けていた、受け得る、もしくはそれを現在受けているとき起こり得るため、指示書は、かかる不適合性に関する情報を含み得る。
キットは、他の構成要素をさらに含んでいてよい。キットの各構成要素は、個々の容器内に封入されていてよく、種々の容器の全てが単一のパッケージ内にあってよい。本発明のキットは、冷蔵貯蔵用に設計されてよい。本発明のキットはさらに、本発明の融合ポリペプチドを発現するか、または融合ポリペプチドをコードする核酸を含む宿主細胞を含むように設計されてよい。キット内の細胞は、該細胞を使用する準備が整うまで適当な貯蔵条件下で維持され得る。例えば、1つ以上の細胞を含むキットは、該細胞を解凍し、増殖させることが可能なように、適当な細胞貯蔵媒体を含み得る。
特に断らない限り、本明細書で用いる全ての技術用語および科学用語は、本発明の属する技術分野の当業者に通常理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと同じかまたは同等の方法および材料を、本発明の実施または試験において使用することができるが、好適な方法および材料は、本明細書に記載されている。
本明細書に記載される全ての特許出願、刊行物、特許および他の参考文献、GenBankの引用文献およびATCC引用文献は、引用によりその内容全体が本明細書中に包含される。矛盾する場合、定義を含む本明細書の記載を優先する。
本明細書で用いる、単数表記は、他に明確に記載がない限り、複数の意味を含む。従って、例えば、“融合ポリペプチド(FynomAb)”または“標的(例えば、IL−17aまたはIL−6R)”なる記載は、単一または複数のかかる融合ポリペプチド、標的などを含み得る。
本明細書で用いる通り、数値は、多くの場合、本明細書を通して範囲形式で示されている。範囲形式の使用は、単に便宜上および簡潔にするためであり、他に明確にこれと異なる記載がなされない限り、本発明の範囲に柔軟性のない限定として解釈されるべきではない。従って、範囲は、他に明確にこれと異なる記載がなされない限り、全ての可能性のある下位範囲、その範囲内の全ての個々の数値、ならびにかかる範囲内の整数および範囲内の数値または整数の分数を含む全ての数値または数値範囲を含む。この解釈は、範囲の広さに関わらず、本願明細書中の全て文脈に適用される。従って、例えば、90−100%の範囲との記載は、91−99%、92−98%、93−95%、91−98%、91−97%、91−96%、91−95%、91−94%、91−93%などを含む。90−100%の範囲との記載はまた、91%、92%、93%、94%、95%、95%、97%など、ならびに91.1%、91.2%、91.3%、91.4%、91.5%など、92.1%、92.2%、92.3%、92.4%、92.5%などを含む。
さらに、1−5,000倍の範囲との記載は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20倍など、ならびに1.1、1.2、1.3、1.4、1.5倍など、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5倍など、ならびにかかる範囲内の任意の数値範囲、例えば1−2、5−10、10−50、50−100、100−500、100−1000、500−1000、1000−2000、1000−5000などを含む。さらなる例において、KD 10−5Mから約KD 10−13Mの範囲との記載は、かかる数値内またはかかる数値値を含む、任意の数値または範囲を含む。
また、本明細書で用いる一連の範囲は、本明細書を通して開示されている。一連の範囲の使用は、別の範囲を提供するために、上限および下限の範囲の組み合わせを含む。この解釈は、範囲の広さに関わらず、本願明細書中の全ての文脈で適用される。従って、例えば、一連の範囲、例えば5−10、10−20、20−30、30−40、40−50、50−75、75−100、100−150、150−200などの記載は、例えば5−20、5−30、5−40、5−50、5−75、5−100、5−150、5−200、および10−30、10−40、10−50、10−75、10−100、10−150、10−171、および20−40、20−50、20−75、20−100、20−150、20−200などの範囲を含む。
本発明は、一般的に、多数の態様を説明するために肯定的な言語を用いて本明細書に開示されている。本発明はまた、具体的には、特定の主題(subject matter)、例えば、物質または材料、方法の工程および条件、プロトコル、手順、アッセイまたは分析などを、完全にまたは部分的に除く態様を含む。従って、本発明は、一般に、本発明に明示的に包含されない局面を含まないことが本明細書中に記載されていなくても、当該局面は本明細書に開示されている。
本発明の多数の態様が記載されている。それにも関わらず、種々の修飾が本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされ得ることが理解され得る。従って、以下の実施例は、説明を意図し、特許請求の範囲に記載の本発明の範囲に限定することを意図しない。
実施例1
本発明のFyn SH3由来ポリペプチドは、モノクローナル溶解物ELISAによって決定されるように、IL−17Aに結合する。
方法
IL−17aに結合するフィノマーの製造方法は、PCT/EP2013/069481に記載されている。要約すれば、IL−17Aに特異的なFyn−SH3由来結合タンパク質を、組み換えIL−17A(R&D Systems)を抗原として用い、標準的ファージディスプレイを選択技術(Grabulovski D. et al., (2007) J Biol Chem 282, p. 3196−3204, Viti, F. et al. (2000) Methods Enzymol. 326, 480−505)として用いて単離した。本発明のFyn SH3由来ポリペプチドである、n−src−ループ配列“STHEYE”を含む1L3−B09は、選択プロセス中に富化した。1L3−B09はIL−17Aに結合し、グリコシル化IL−17Aを非グリコシル化IL−17Aと同様によく阻害することが見出された。より高い親和性を有するFyn SH3由来IL−17A結合剤を得るために、1L3−B09を、親和性成熟のためのテンプレートとして用いた。n−src−ループ配列“STHEYE”は、一定に保たれ、無作為化RT−ループレパートリー((X1)(X2)(X3)(X4)(X5)(X6)として示される6個のアミノ酸残基)と組み合わされた。親和性成熟ライブラリ作製のプロセスは、無作為化RT−ループを有する天然のライブラリのクローニングについて記載したものと本質的に同じであった(Schlatterら、(2012) mAbs, 4(4) p. 497−50中の“library 0”)。
天然および親和性成熟選択後、富化したFyn SH3由来ポリペプチドを、溶解物ELISAによりIL−17Aへの結合についてスクリーニングした。Fyn SH3由来結合タンパク質をコードするDNAを、得られた構築物がGrabulovskiらの文献(Grabulovski et al. (2007) JBC, 282, p. 3196−3204)に記載の通り、C末端myc−ヘキサヒスチジンタグを担持するように、細菌発現ベクターpQE12(Qiagen)中にクローニングした。ポリペプチドを、96ウェル形式で大腸菌の細胞質中で発現させ、1ウェル当たり200μlの清澄化した溶解物を、Bertschingerらの文献(Bertschinger et al. (2007) Protein Eng Des Sel 20(2): p. 57−68)に記載の通りに調製した。要約すれば、形質転換した細菌コロニーを寒天プレートから採取し、丸底96ウェルプレート(Nunc, cat. no. 163320)中、100μg/mlアンピシリンおよび0.1%(w/v)グルコースを含む20μlの2xYT培地中で増殖させた。タンパク質発現を、1mM IPTG(Applichem, Germany)を添加することにより37℃にて200r.p.mで3時間増殖後に、誘導した。タンパク質は、ロータリーシェーカー(200 r.p.m.、30℃)中で一晩発現させた。次いで、96ウェルプレートを1800gで10分間遠心し、上清を捨てた。細菌ペレットを、1mg/mlのリゾチームを含む200μlの溶解バッファー(50mM NaHPO、300mM NaCl、10mM イミダゾール、pH8.0)に再懸濁し、氷上に30分間置いた。その後、細菌細胞を水浴中で超音波処理(10秒間6バースト)して溶解した後、1800gで10分間遠心した。モノクローナル細菌溶解物をELISAに使用した:ビオチニル化IL−17A(HEK EBNA細胞中で自家製造、ビオチン化は、製造業者の指示書に従い、NHS−PEO4−ビオチン(Pierce)を用いて行った)を、ストレプトアビジンでコーティングしたウェル(StreptaWells, High Bind, Roche)上に固定化し、PBS、2%ミルク(Rapilait, Migros, Switzerland)でブロッキング後、50μlの、6μg/ml抗−myc抗体9E10(終濃度3μg/ml)を含むPBS、4%ミルクおよび50μlの細菌溶解物を適用した。1時間インキュベートし、洗浄後、結合したFyn SH3由来ポリペプチドを、抗マウス−HRP抗体複合体(Sigma)を用いて検出した。ペルオキシダーゼ活性の検出は、BMブルーPOD基質(Roche)を添加することにより行い、反応を1M HSOを添加して停止させた。特異的に結合するDNA配列をDNA配列決定により確認した。
結果
7つの代表的なIL−17A結合フィノマー配列(配列番号1−7)の配列は以下の通りである:
配列番号1(1L3−B9):GVTLFVALYDYANHGNRDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ;
配列番号2(11L0−C06)
GVTLFVALYDYKQKGHLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ;
配列番号3(11L5−B06):GVTLFVALYDYSARGQLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ;
配列番号4(11L6−F03):GVTLFVALYDYDKLSALDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ;
配列番号5(11L9−C09):GVTLFVALYDYESVSWSDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ;
配列番号6(11L10−A05):GVTLFVALYDYSSRGVLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ;および
配列番号7(11L11−A09):GVTLFVALYDYSRKSNLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ。
8つの異なるフィノマー−抗体(FynomAb)融合体を、4つの別個の抗IL−17A結合フィノマーを、IL−6R結合抗体であるトシリズマブの、重鎖のC末端(COVA801、COVA803、COVA805、COVA807)または軽鎖のC末端(COVA802、COVA804、COVA806、COVA808)のいずれかと融合させることにより作製した(表1参照)。
試験は、生化学的および機能的特徴、ならびにこれらの異なるFynomAbの薬物動態学的特性を評価する。COVA801−808 FynomAbのいくつかの異なるロットを評価した。FynomAbを、CHO細胞の一過性または安定なトランスフェクションのいずれかから製造した。マウスおよびカニクイザルのPK試験のためのFynomAbを、安定なCHO細胞株から産生した。
実施例2
タンパク質発現および精製
FynomAbの4つの別個のロットを調製し、以下に記載の試験にて評価した。材料の2つのロットは、一過性トランスフェクトしたCHO細胞に由来した。実験室で作製した材料のロットは、以下に記載の通り、ロンザ発現ベクターを用いる安定なCHOプールに由来した。
Actemra(トシリズマブ)の重鎖および軽鎖配列は、CASデータベースから得られ、また、US2011/0076275A1に記載の配列番号15として確認された。該配列を改変して、アミノ酸356−358をDELからEEMに変異させた。これは、G1m1アロタイプからnG1m1への変異であり、潜在的に免疫原性を減少させ得る。
Actemra(トシリズマブ)重鎖配列(配列番号8)(CDRを太字で示す)

Actemra(トシリズマブ)軽鎖配列(配列番号9)(CDRを太字で示す)
トシリズマブ重鎖および軽鎖についてのこれらの配列は、CHO発現および遺伝子合成のためにコドン最適化された。シグナル配列は、各遺伝子の5’末端に付加された(Hc ss=MEWSWVFLFFLSVTTGVHS;Lc ss=MSVPTQVLGLLLLWLTDARC)。FynomAb融合タンパク質を、トシリズマブの重鎖または軽鎖のいずれかのC末端に4つのフィノマー配列のそれぞれを、間に15アミノ酸リンカー(GGGGSx3)を有して配置することにより構築した。これは、8つのFynomAbを生成するために必要な遺伝子を作製した。合成遺伝子を、Lonza pEE12.4(重鎖)および6.4(軽鎖)ベクター中にクローニングした。次いで、これらのベクターを、トシリズマブの重鎖および軽鎖の組み合わせおよび全ての8つのFynomAb分子を発現する単一の発現ベクターを作製するために組み合わせた。
CHO−K1−SV細胞に、8つのFynomAbベクターおよびトシリズマブのそれぞれの直線化DNAをヌクレオフェクション(Amaxa)した。これらの細胞を、MSX選択に付し、培養物が回復するまで、対の静置フラスコ中で培養した。細胞を回収後、それらを振盪フラスコに移し、直ちに冷凍するか、または大規模タンパク質発現のための製造フラスコに拡大した。
製造フラスコの最初のラウンドは、所内(in-house)でのマウスPK試験のためおよびインビトロアッセイでの使用のために、材料を製造するために精製した。これらと同じプールの凍結培養物は、後に解凍し、より多くのタンパク質がカニクイザルPK試験のために必要とされたときに拡大した。
発現レベルを、AlphaLISAおよびウェスタンブロットにより定量した。安定なプールの発現レベルは、約100−500mg/Lの範囲であった。製造フラスコを収穫前の10日間培養し、濾過し、プロテアーゼ阻害剤と共に凍結させた。いくつかの低発現プールを、“冷却捕捉(cold captured)”し、分類し−細胞表面上の抗体を染色し、次いで、フローサイトメトリーによって細胞を選別し、培養および生成のために最高の産生細胞を捕捉した。安定なプールからの上清(0.5−8.0L)を、0.2μM真空フィルターを通して濾過して回収し、プロテアーゼ阻害剤錠(Sigma、cat# P2714、1錠/100mL 上清)を、冷凍または4℃での貯蔵前に添加した。
全てのFynomAb産生細胞株の上清は、最初に、HiTrap MabSelect SuRe カラム(1または5mLカラム;複数のタンデム型のこともある)を用いて5−20mL/分の流速で負荷して、無菌条件下で精製した。カラムは、ベースラインA280の読み取りが達成されるまでPBSで洗浄し、その後、グリシン、pH3.0を用いて溶出した。
各FynomAbについて作製されたCHOの安定な材料の異なるロットをタンパク質収量と共に、表3に列記する。
実施例3
SDS−PAGE分析
SDS−PAGE分析を、各FynomAbおよびトシリズマブの3つの別個のロットで行った。5μgの各タンパク質を、トリス−グリシンSDSサンプルおよび泳動バッファーを用いて4−20%トリス−グリシン勾配ゲル上で、還元および非還元の両方の条件下で、電気泳動した。ゲルを、クマシーブリリアントブルー(SimplyBlue SafeStain, Invitrogen)で一晩染色し、蒸留水で十分に透明になるまで脱染色した。結果を図1(一過性のCHO生成物のSDS−PAGE分析)、図2および3(マウスPK試験のために作製された安定なCHO生成物のSDS−PAGE分析)に示す。
実施例4
HPLC−SEC分析
3つの別個のロットのFynomAbを、HPLC−SEC分析法により評価した。1ロットの一過性のCHO生成物、および他の2つのロットを、安定にトランスフェクトされたCHO細胞株から内生的に産生した。10μgの各FynomAbタンパク質を、1mL/分の流速で移動相としてPBSを用いて、Zenix−C SEC−300カラム(Sepax Technologies)上に、注入した。A280での吸光度をモニターした。フィノマーの存在は、おそらく、固相とフィノマーとの間の二次的相互作用により、Actemraと比べて種々の程度にFynomAbの溶出を遅らせた。可溶性の凝集が、FynomAbの主ピークの前に溶出するピークとして観察され、重鎖融合コンストラクトCOVA801、COVA803、COVA805およびCOVA807において最も明白である。
軽鎖融合体(COVA802、COVA804、COVA806およびCOVA808FynomAb)は、より明確なSECプロファイルを有し、COVA804またはCOVA806 FynomAbでは凝集は観察されなかった。これらのデータは、軽鎖融合体が、明確なSECプロファイルを有し、可溶性凝集がほとんどみられなかったことを示す、これまでのデータと一致している。
実施例5
ヒトIL−17AおよびヒトIL−6Rに対する親和性測定
ヒトIL−17AおよびヒトIL−6RへのFynomAb結合の親和性および動態パラメーターを決定するために、抗ヒト抗体を、アミンカップリングでGLMチップ上に結合させた。その後、COVA801−808 FynomAbまたは対照抗体は、リガンドとして捕捉され、IL−17AまたはIL−6Rのいずれかを分析物として流した。PBSTを移動相として使用し、再生を100mM HClの15秒間注入によって達成した。セクキヌマブをIL−17A結合の陽性対照として、およびIL−6R結合の陰性対照として用いた。トシリズマブおよび/またはアクテムラを、IL−6R結合の陽性対照として、およびIL−17−A結合の陰性対照として用いた。
セクキヌマブを、IL−17A結合の陽性対照として、およびIL−6R結合の陰性対照として用いた。セクキヌマブのVH鎖およびVL鎖は以下の通りである:
可変軽鎖(配列番号33)
シグナル配列(下線)、可変ドメイン(kappa)(太字)

可変重鎖(配列番号34)
シグナル配列(下線)、可変ドメイン(kappa)(太字)

トシリズマブおよび/またはアクテムラを、IL−6R結合の陽性対照として、およびIL−17−A結合の陰性対照として用いた。
IL−17A結合
COVA801−808 FynomAbによるIL−17A結合ならびにセクキヌマブ(陽性対照および対照)およびトシリズマブまたはアクテムラ(陰性対照)についての代表的センサーグラムを図4に示す。各FynomAbおよびセクキヌマブの複数ロットについての複数の試験からの動態結合データの概要を表4にまとめた。示したセンサーグラムは、COVA801−808、別個のロットのトシリズマブ(toc)、市販のActemra、およびセクキヌマブ(sec)のものである。
反応速度定数のフィッティング(Fit kinetics)は、他のデータ値とかなり一致しており、ほとんどの構築物はセクキヌマブに似た見かけのKDを有する。セクキヌマブデータセットでは見られないが、FynomAbデータセットでは1:1結合から大きくずれて見られる通り、IL−17Aへの結合の評価は、FynomAbとの複雑な結合によって困難となった。長時間解離相でより容易に観察される通り、IL−17Aのかなりの再結合が起こることが明らかである。従って、FynomAb/IL−17A相互作用についての報告された動態および親和性の値は、慎重に解釈されるべきである。COVA807およびCOVA808はより低いKD値を有したが、これらの2つのFynomAbによるIL−17Aの1:1結合からの大きな逸脱は、それらの見かけのより高い親和性を説明できる。本発明者等は、IL−17A機能的アッセイにおいて、COVA807 FynomAbの劣った機能的活性を観察した(以下のHT29 IL−17A機能的アッセイデータ参照のこと)。
FynomAb構築物と組み換えIL−17Aホモ二量体の複雑な結合のために、簡易結合ELISAを行い、COVA804およびCOVA806のヒトIL−17Aへの特異性および相対的親和性を試験した。要約すれば、PBS中1μg/mLの組み換えヒトIL−17Aを、ELISAプレート上にコーティングし、次いで、BSAでブロッキングし、0−10μg/mLの試験抗体またはFynomAbと共にインキュベートした。西洋ワサビペルオキシダーゼと結合させたヤギ−抗ヒト抗体を用いて、TMBを用いる結合を検出した。IL−17Aへの濃度依存的結合(concentration−response binding)の結果は、4つの試験において高い再現性があり、代表的な試験を図5に示す。ヒトIL−17Aへの結合は、COVA804(804)、COVA806(806)およびセクキヌマブ(sec)についてELISAにより評価した。アクテムラを、IL−17A結合の陰性対照として用いた。異なる構築物のEC50値は以下の通りである:セクキヌマブ=0.36±0.12nM;COVA804=1.02±0.24nM;COVA806=0.98±0.23nM。従って、これらのデータは、FynomAbであるCOVA804およびCOVA806が、IL−17Aに対してセクキヌマブと同様の親和性を有することを示すSPRデータを支持する。
IL−6R結合
COVA801−808FynomAbによるIL−6R結合、ならびにトシリズマブおよびアクテムラ(陽性対照および対照)およびセクキヌマブ(陰性対照)についての代表的センサーグラムを図6に示す。SPRによるFynomAb/IL6R相互作用の評価は、顕著に再現性があり、該相互作用を、図6に示す古典的ラングミュアフィッティングを用いて容易にモデル化することができる。示されるセンサーグラムはCOVA801−808、トシリズマブ(toc)の別個のロット、市販のActemra、およびセクキヌマブ(sec)についてのものである。各FynomAbの複数ロットおよびトシリズマブについての複数試験からの動態結合データのまとめを、表5にまとめる。これらのデータは、軽鎖または重鎖のいずれかのC末端におけるフィノマーの存在が、親抗体へのIL−6Rの結合に影響を及ぼさないことを示す。すべてのFynomAbは、互いに、および親抗体トシリズマブと顕著に類似した結合動態を示す。
実施例6
HT−29 IL−17A阻害アッセイ
ヒトIL−17Aに対するCOVA801−808FynomAbの生物活性を評価するために、HT−29細胞(ATCC、#HTB−38)を、100nM〜6pMの範囲の種々の濃度の各FynomAbの存在下IL−17A(1.9nM)で刺激した。セクキヌマブを、IL−17A機能の遮断についての陽性対照として用いた。各条件について、20,000個の生細胞を添加し、37℃、5%CO2にて、48時間、平底96ウェルプレート中でインキュベートした。各条件はデュプリケートで試験した。
HT29細胞をIL17Aで刺激した結果、細胞上清中にGroαの産生および放出が認められた。その後、上清中のGroα濃度を、ELISAにより、DuoSet ELISAキット(R&D Systems (DY275))を用いて測定した。ELISAは、製造者の取扱説明書に従って行った(すべての抗体について1:200で希釈使用した以外)。
デュプリケートの結果平均値を標準偏差と共にプロットし、IC50値をGraphPad Prism(登録商標)の4-パラメーター用量反応阻害機能を用いて計算した。COVA801−808 FynomAbの3つの異なるロットを用いる複数の試験からの代表的なデータを図7−9に示す。代表的なデータから計算されるIC50値を表6に示す。全てのFynomAbは、IL−17Aに対して対照セクキヌマブと同様の活性を示し、全てのFynomAbは、高濃度で完全な遮断を達成することができた。COVA806は一貫して、IL−17Aに対し最も強力な活性を示し、セクキヌマブよりも一貫してより強力であった。


実施例7
HEK−Blue(商標)IL−6R阻害アッセイ
COVA801−808構築物において抗IL−6R部分の生物活性を評価するために、HEK Blue IL−6細胞(Invivogen、hkb−il6)を、500nM〜0.2nMの範囲の種々の濃度のFynomAbの存在下、IL−6(15pM)で刺激した。阻害剤を、IL−6の添加前に30分間、細胞と共に予めインキュベートした。対照として、培地のみ、またはIL−6(15pM)を含む培地を使用した。また、トシリズマブまたはアクテムラを、IL−6R遮断についての陽性対照として用いた。各サンプルについて、50,000個の生細胞を添加し、37℃、5%COにて、96ウェルプレートのウェル中で20−24時間インキュベートした。各条件をトリプリケートで試験した。
細胞へのIL−6の添加の結果、IL−6Rシグナル伝達経路が刺激され、STAT3誘導性のSEAPレポーター遺伝子が活性化された。上清中のSEAPを、HEK−Blue(商標)検出試薬(Invivogen、hb−det2)を、製造者の取扱説明書に従って使用して、測定した。
トリプリケートの平均値の結果を、標準偏差を用いてプロットした。IC50値を、GraphPad Prism(登録商標)の4-パラメーター用量応答阻害機能を用いて計算した。COVA801−808 FynomAbの3つの異なるロットを用いる複数の試験からの代表的なデータを図10−12に示す。代表的なデータから計算されるIC50値を表7に示す。全てのFynomAbは、市販グレードのアクテムラおよびトシリズマブと同程度のIL−6Rの遮断を示した。これらのデータは、他のデータと同様であり、トシリズマブ骨格Ab上のIL−17A結合フィノマーの存在が、これらのFynomAbのIL−6R遮断活性に影響を及ぼさないことを示す。


実施例8
血清安定性アッセイ
ヒト血清中の各FynomAbの安定性を評価するために、COVA801−808FynomAbをそれぞれ、90%ヒト血清(Sigma #H4522)中で、6日間、37℃にて、10μg/mlの濃度でインキュベートし、その後、サンドイッチELISAにより、FynomAbが、IL−17AおよびIL−6Rの両方への結合能を保持しているかどうかを評価した。サンドイッチELISAを用いて、PBSまたはヒト血清中でのインキュベーション後のFynomAbの同時結合を評価した。サンドイッチELISAのセットアップを図13に示す。
要約すれば、ヒトIL17Aを、PBS中5μg/mlにて、マキシソープ96ウェルプレート上にコーティングし、FynomAbサンプルを、1% BSA/PBSTで、50nMから0.003nMまで5倍に希釈して、プレートに添加した。その後、Hisタグ付きヒトIL−6Rを、FynomAbを含む各ウェルに添加し、抗His−HRP mAbを反応させた。次いで、プレートを洗浄し、TMB基質(Sigma #T0440)を反応させ、酸で反応停止した。トリプリケートの平均値は、標準偏差によってプロットした(図14参照)。
より詳しくは、COVA801−808FynomAbを、以下の条件下(a−d)でインキュベートし、その後、ELISAにて、図10に示す通りに、二重結合活性の保持について評価した:a)PBSで希釈し、直ちにアッセイした(PBS0日)、b)PBSで希釈し、4℃で6日間貯蔵した(PBS6日)、c)90%ヒト血清で希釈し、直ちにアッセイした(ヒト血清0日)、d)90%ヒト血清で希釈し、37℃にて6日間インキュベートした(ヒト血清6日)。
対照サンプルの別個のセットを、PBS中、4℃にて6日間インキュベートした(PBS6日)。対照サンプルの別のセットを、ヒト血清中で希釈し、直ちにアッセイに用いた(ヒト血清0日)。ヒト血清0日のサンプルの目的は、ヒト血清の存在が、その標的の両方に同時に結合するFynomAbの能力に影響を与えるかどうかを評価することであった。図14に示す通り、ヒト血清中での6日間の貯蔵で、FynomAbは、その結合活性を低減せず(ヒト血清0日と比較)、8つ全てのFynomAbがヒト血清中で安定であることが示唆された。図15に示す通り、COVA804およびCOVA806の二重結合活性は、ヒト血清の存在下で影響を受けなかった。
実施例9
IL−6RおよびIL−17Aの同時結合
データは、COVA801−808 FynomAbのすべてが、同時にヒトIL−17AおよびヒトIL−6Rに結合可能であったことを示した。
細胞ベースのフローサイトメトリーアッセイを行い、COVA801−808 FynomAbが、細胞表面上のIL−6Rおよび可溶性IL−17Aに同時に結合できたことを実証した。このアッセイにおいて、表面上にヒトIL−6Rを発現するHEK Blue IL−6細胞(Invivogen hkb−il6)を使用した。要約すれば、COVA801−808 FynomAb(または、対照)をそれぞれ、300nM〜5pMの範囲の種々の濃度で、HEK−Blue IL−6細胞(または、陰性対照としてHEK−293細胞)と共に60分間インキュベートした。この一次インキュベーション後、IL−6Rへの構築物の結合を、Alexa488 フルオロフォア(Invitrogen A11013)と複合体形成した抗ヒト−IgG抗体を用いて検出した。
結果を図16に示す。HEK−Blue−IL6細胞(IL6R+)またはHEK−293細胞(IL6R−)を、示したFynomAbと共にインキュベートし、次いで細胞表面に結合したFynomAbを検出するために抗ヒトIgG−Alexa488と共に、または同時結合を評価するためにビオチニル化IL−17A+ストレプトアビジンAPCと共に、インキュベートした。トシリズマブを、IL−6R結合の陽性対照およびIL−17A結合の陰性対照として使用した。
図16A、C、E、G、I、K、MおよびOのデータは、8つすべてのFynomAb構築物ならびにトシリズマブは、細胞表面上にヒトIL−6Rを発現するHEK−Blue IL−6細胞に結合するが、細胞表面上にヒトIL−6Rを発現しない対照HEK−293細胞に結合するコンストラクトはないことを示す。細胞表面IL−6Rおよび可溶性ヒトIL−17Aへの同時結合を検出するために、別の試験を、各コンストラクトとの一次インキュベーション後に、ビオチニル化IL−17A(R&D 317−ILB)との二次インキュベーションを行い、その後、ストレプトアビジン−アロフィコシアニン(APC;eBioscience 17−4317)と共にインキュベートして行った。図16B、D、F、H、J、LおよびPに示す通り、8つすべてのFynomAbは、細胞表面IL−6Rおよび可溶性IL−17Aへの同時結合を示した。予期される通り、トシリズマブは、HEK Blue IL−6細胞の細胞表面上に発現されるIL−6Rに結合し得るが、可溶性IL−17Aには結合しなかった。
実施例10
IL−17AおよびIL−6Rの両方の存在下での二重特異性FynomAbの機能的活性
図15および16のデータは、FynomAbがヒトIL−17AおよびヒトIL−6Rに同時に結合し得ることを示す。しかしながら、FynomAbのmAb部分によるIL−6Rの結合が、そのリガンドであるIL−17Aを結合し、阻害するフィノマーの能力に影響を与えるかどうかは明らかではない。この問題を解くために、本発明者らは、可溶性IL−6Rの存在下でHT−29 IL−17A 機能的アッセイを行い、FynomAbによるIL−6Rの結合が、IL−17Aに対するそれらの結合および機能的活性を低減するかどうかを確認した。HT−29 IL−17A アッセイを、過剰量の可溶性IL−6Rの存在下および非存在下の両方で行ったこと以外は、上記のとおりに正確に行った。要約すれば、滴定量のCOVA804またはCOVA806を、過剰量の可溶性IL−6R(20nM)の存在下または非存在下で、IL−17A(1.9nM)と混合し、その後、これらの混合物をIL−17A応答性細胞株HT−29に添加した。その後、48時間後に、GROαの放出を、上記のとおりELISAにより測定した。セクキヌマブを、IL−17A遮断のための陽性対照として用いた。
結果を図17に示す。HT−29細胞を、滴定量のCOVA804またはCOVA806の存在下、組み換えヒトIL−17A単独(上パネル)またはヒトIL−17Aおよび可溶性ヒトIL−6R(下パネル)で刺激し、GROα産生をELISAにより評価した。セクキヌマブを、IL−17A遮断のための陽性対照として用いた。
図17および表8に示す通り、COVA804およびCOVA806は両方とも、過剰量の可溶性IL−6Rの存在下でIL−17A誘導性GROα産生の遮断を示し、同様のIC50値が、IL−6Rの存在下および非存在下で見られた。これらのデータは、IL−6Rの結合が、FynomAbのフィノマー部分のIL−17Aを結合し、阻害する能力に影響を及ぼさないことを示唆している。
同様の試験を行い、IL−17Aの存在下でのFynomAbによるIL−6Rの遮断を評価した(図18参照)。HEK−Blue IL−6R 阻害アッセイを、20nMの組み換えヒトIL−17Aの存在下および非存在下の両方で行ったこと以外は、上記のとおりに正確に行った。20nM濃度を使用したのは、高濃度のIL−17Aが、おそらく、この細胞株におけるIL−6のIL−17A誘導により、STAT3誘導性SEAPレポーター遺伝子の強力な活性化をもたらしたからである。要約すれば、HEK Blue IL−6細胞を、種々の濃度のFynomAb COVA803またはCOVA804の存在下で、IL−6(15pM)で刺激した。阻害剤を、IL−6の添加前に、20nMのIL−17Aの存在下または非存在下で30分間、細胞と共にプレインキュベートした。COVA803およびCOVA804は、これらのFynomAbが重鎖または軽鎖のいずれかに融合された同じフィノマーを含むために使用した。COVA803およびCOVA804を、IL−17Aの存在下または非存在下で、IL−6 シグナル伝達を阻止するそれらの能力についてトシリズマブ(所内で製造)と比較した。
図18および表9に示す通り、FynomAbおよびトシリズマブのIL−6Rを仲介するシグナル伝達の阻止能力は、IL−17Aの存在に影響を受けなかった。同様のIC50値が、IL−17Aの存在下および非存在下で得られた。これらのデータは、FynomAbのフィノマー部分(親Abの重鎖または軽鎖のいずれかに結合している)によるIL−17Aの結合が、FynomAbのIL−6Rと結合し、阻害する能力に影響を及ぼさないことを示唆している。
実施例11
フィノマーポリペプチドは、グリコシル化ヒトIL−17Aに高親和性を有して結合する
本実施例は、IL−17A結合フィノマーポリペプチドの発現収量ならびにサイズ排除クロマトグラフィーおよび表面プラズモン共鳴試験によるこれらのポリペプチドの特徴付けを示す。
親和性測定
親和性測定を、BIAcore T200計器(GE Healthcare)を用いて行った。グリコシル化IL−17A(HEK EBNA細胞内で所内で製造)と単量体IL−17A結合フィノマーポリペプチドとの相互作用分析のために、シリーズS CM5チップ(GE Healthcare)を、アミンカップリングキット(GE healthcare)を用いて固定化された2000RU IL−17Aと共に用いた。泳動バッファーは、0.05%トゥイーン20を含むPBSであった。相互作用を、30μl/分の流速および異なる濃度のIL−17A結合フィノマーポリペプチドの注入で測定した。相互作用の全ての動態データを、BIAcore T200評価ソフトウェアを用いて評価した。
結合特性
結合特性を、選択されたIL−17A結合フィノマーポリペプチドについての以下の解離定数(KD)を明らかにするBIAcoreチップ上のリアルタイム相互作用分析によって分析した。
実施例12
フィノマーポリペプチドは、グリコシル化IL−17Aを阻害する。
クローン1L3−B09(配列番号1)およびIL−17Aに最も高い結合親和性を有する5つのフィノマーポリペプチド(11L0−C06、11L5−B06、11L6−F03、11L9−C09、11L10−A05、配列番号2−6)を、それらのIL−17A阻害能力について試験した。示したIL−17A結合フィノマーポリペプチドの阻害活性を、種々の濃度のIL−17A結合フィノマーポリペプチドの存在下または非存在下で、ヒト皮膚線維芽細胞を組み換えグリコシル化IL−17A(HEK EBNA細胞内で所内で製造)および組み換えTNFα(Thermo Fisher Scientific)で刺激することにより試験した。細胞培養上清を、刺激の24時間後に採取し、該上清中のIL−6濃度をELISAにより決定した。結果は、IL−17A結合フィノマーポリペプチドがグリコシル化IL−17Aを特異的に阻害できたことを示している。
方法
エンドトキシン除去のために、タンパク質溶液をアクロディスクのムスタングEメンブレン(VWR)で3回濾過した。濾過後、タ阻害剤IL−17A結合フィノマーポリペプチドを含むンパク質溶液のエンドトキシンレベルは、Limulus amebocyte lysate(LAL)テスト(PYROGENT Single test Gel Clot LAL アッセイ(Lonza))によって決定される通り、0.1EU/ml未満であった。約3900個の正常ヒト皮膚線維芽細胞 (PromoCell、NHDF−c、C12300)を含む100μlの細胞懸濁液を、1ウェル当たりに入れ(96ウェルプレート、TPPまたはコーニング)、37℃にて24時間培養した(培地:線維芽細胞増殖培地C−23010、PromoCell)。上清を吸引して除き、異なる濃度のIL−17A結合フィノマーポリペプチドとIL−17AおよびTNFαを含む培地(それぞれ終濃度1ng/mlおよび50pg/ml)とを混合後、1ウェル当たりに100μlの対応する溶液を添加した。対照として、PBSをIL−17A/TNFαを含む培地(陽性対照=“阻害剤なし”)および単一のサイトカインIL−17AまたはTNFαのみを含む培地(後者は、“TNFα対照”ウェル)と混合した。陰性対照として、PBSを培地のみと混合した。比較のために、アッセイを非グリコシル化IL−17A(R&D Systems)を同じ条件で用いて行った。37℃にて24時間インキュベーション後、上清をELISAに入れ、IL−6濃度を決定するために、IL−6ELISAキットを製造者の取扱説明書に従って用いて決定した(IL−6 ELISA kit、R&D Systems)。阻害割合をプロットし、IC50値をPrism 5ソフトウェアを用いて計算した。IL−17A阻害の割合を以下の式で求めた:
結果
正常ヒト皮膚線維芽細胞を、IL−17A/TNFαおよび異なる濃度の示したIL−17A結合 フィノマーポリペプチドと共にインキュベートした。フィノマーポリペプチドは、グリコシル化IL−17Aを阻害することが明らかとなった。IC50値を表11に示す。
グリコシル化および非グリコシル化IL−17Aの両方を阻害する示したIL−17A結合フィノマーポリペプチドの用量依存的阻害曲線を図19に示す。
IL−17A結合フィノマーポリペプチドは、非グリコシル化IL−17Aと比較して同様の効力を有してグリコシル化IL−17Aを完全に阻害し得ることが見いだされた。これは、WO2011/023685に既報のFyn SH3由来のIL−17A結合ポリペプチドと比較して、有利な特性である。
図20は、WO2011/023685に記載のFyn SH3由来のIL−17A結合ポリペプチドの3つの例を示す。
Fyn SH3由来のIL−17結合体2C1(WO2011/023685にて配列番号107)、Fyn SH3由来のIL−17結合体A1_2(WO2011/023685にて配列番号53)およびFyn SH3由来のIL−17結合体B1_2(“B1”)(WO2011/023685にて配列番号39)のいずれかは、高濃度であってもグリコシル化IL−17Aを完全に阻害せず、かつ/またはグリコシル化および非グリコシル化IL−17A間で阻害能力(IC50値)に大きな差を示さない。
実施例13
実施例13におけるデータは、WO2014/044758(PCT/EP2013/069481)に記載されている。
フィノマーポリペプチド11L11−A09は、グリコシル化IL−17Aを阻害する。
方法
フィノマー11L11−A09を、IL−17Aを阻害する能力について試験した。試験の条件は、他のフィノマーポリペプチドについて上記のものと同じであった。
結果
正常ヒト皮膚線維芽細胞をIL−17A/TNFαおよび異なる濃度のフィノマーポリペプチド11L11−A09と共にインキュベートした。11L11−A09は、グリコシル化IL−17Aを66nMのIC50値で阻害することが明らかとなった(表12)。
図21は、フィノマーポリペプチド11L11−A09の用量依存的阻害曲線を示す。11L11−A09は、グリコシル化および非グリコシル化IL−17Aの両方を同等の効力および効果で阻害した。
実施例14
C57BL/6マウスにおける薬物動態学的試験
COVA801−808 FynomAbのランク付けをするために、8つすべてのFynomAbの薬物動態学プロファイルをC57BL/6マウスにおいて評価した。
投与および採血
COVA801、COVA802、COVA803、COVA804、COVA805、COVA806、COVA807、COVA808で示されるFynomAbおよびトシリズマブの薬物動態特性の決定を、単回の眼窩後部注射後の異なる時点で採取されたマウスの血清中の濃度をELISAにより測定することにより行った。6週齢から8週齢の雌のC56BL/6マウス(Charles River、USA)に、個々の重量に基づいて10mg/kgの用量で静脈内注射した。各群は5匹のマウスから構成された。血液を、眼窩後部注射後30分、6時間、24時間、48時間、96時間、144時間、192時間、240時間、および288時間後に、静脈(尾静脈)から採取した。血液をclotting activator microvettes血液チューブ(CB300、Sarstedt)に集め、血清を10,000rpmで10分間遠心して調製した。血清を分析まで−20℃で貯蔵した。
IL−6RおよびIL−17A ELISA
試験したFynomAbおよびトシリズマブの血清濃度を、固定化されたヒトIL−17アルファ(Cell signaling Technologies、8928BF)および組み換えヒトIL−6Rアルファ(R&D Systems、Inc。227−SR/CF)を用いてそれぞれ高結合Nunc ELISAプレート(Thermo Scientific、456537)上でELISAにより決定した。両方とも、PBS中で一晩、4℃にて、5mg/mlでコーティングされた。プレートをPBS+0.05%トゥイーン(PBST)で洗浄し、PBST中で1%に希釈したBSA(Fischer Scientific、37525)で2時間ブロッキングした。各マウスおよび時間点について、血清の800倍、4,000倍および20,000倍希釈液を、ブロッカー希釈液(blocker diluent)に調製した。各FynomAbの対応する標準液を、2倍滴定値(4nM−0.03125nM)の4nMから開始するブロッカー希釈液での連続希釈液を作成して調製した。50μlの標準液(デュプリケート)および血清希釈液(トリプリケート)をプレートに添加し、RTにて1時間インキュベートした。プレートをPBSTで3回洗浄し、50μlの、1:5,000に希釈したペルオキシダーゼ−AffiniPureヤギ抗ヒトIgG(H+L)(Jackson ImmunoResearch、109−035−003)と共にRTにて1時間インキュベートした。プレートをPBSTで3回洗浄した。50μlのTMB液体基質(Sigma−Aldrich Inc.、T0440−1L)を全てのウェルに添加した。プレートを3分間インキュベートし、50μlの停止液で反応停止させた。吸光度を405nMで記録した(PHERAstar Plus)。
データ分析
各マウスの血清濃度を、標準曲線および4パラメーターフィット分析(X値対数、Y値線形)を用いて計算した。各時間点およびマウスについて、トリプリケートの平均血清濃度(nM)に対応する希釈率を掛けて、ug/ml濃度に変換した。標準偏差(STDEV)および%CV(変動係数)を、各時間点および3つの希釈率について計算した。最低%CVおよび標準曲線の直線部分を示す最高値の1つの値を、各時間点の値として選択した。これらの値を薬物動態パラメーター分析に供した(Phoenix 64, WinNonlin 6.3)。半減期(時間)、曲線下面積(AUC;h*ug/ml)、分布容積(Vz;ml)およびクリアランス(Cl;ml/時)を、非コンパートメントPK分析、モデルタイプ:血漿(200−202)、計算方法:線形台形 線形補間式を用いて計算した。各マウスについて標準曲線は、均一な重量計算およびベストフィットラムダZ計算に基づき、回帰に少なくとも3データ点を必要とし、Cmaxは含まれなかった。
結果
各FynomAbおよびトシリズマブの血清濃度および薬物動態パラメーターを、表13−21に示す。IL−6RおよびIL−17A ELISAの両方を、血清濃度およびPKパラメーターを計算するために用いたが、IL−6Rデータのみを本明細書に示す。しかしながら、同様の血清濃度およびPKパラメーターをIL−17A ELISAデータから決定した。したがって、2つの異なるELISA法についての血清濃度対時間曲線は、各FynomAbについて顕著によく似ている(図22−25参照)。このデータは、FynomAbがインビボで安定であり、そのIL−6RおよびIL−17Aの両方に結合する能力が保持されていることを示す。一般に、この薬物動態学試験の結果は、同じマウス系統における前のデータと一致している。
表13Aおよび13B:トシリズマブの血清濃度およびPKパラメーター。
A)ELISAにより決定された各時間点での血清濃度(IL−6R)を示す。平均値および標準偏差(STDEV)も示される。(B)半減期、分布容積(Vz)、クリアランス(Cl)および曲線下面積(AUC)などの、重要な薬物動態パラメーターのまとめ。パラメーターは、Aに示される血清濃度を用いて計算した。
表14Aおよび14B:COVA801の血清濃度およびPKパラメーター。
A)ELISAにより決定された各時間点での血清濃度(IL−6R)を示す。平均値および標準偏差(STDEV)も示される。(B)半減期、分布容積(Vz)、クリアランス(Cl)および曲線下面積(AUC)などの、重要な薬物動態パラメーターのまとめ。パラメーターは、Aに示される血清濃度を用いて計算した。同様の血清濃度およびPKパラメーターを、IL−17A ELISAから決定した。
表15Aおよび15B:COVA802の血清濃度およびPKパラメーター。
A)ELISAにより決定された各時間点での血清濃度(IL−6R)を示す。平均値および標準偏差(STDEV)も示される。(B)半減期、分布容積(Vz)、クリアランス(Cl)および曲線下面積(AUC)などの、重要な薬物動態パラメーターのまとめ。パラメーターは、Aに示される血清濃度を用いて計算した。同様の血清濃度およびPKパラメーターを、IL−17A ELISAから決定した。
表16Aおよび16B:COVA803の血清濃度およびPKパラメーター。
A)ELISAにより決定された各時間点での血清濃度(IL−6R)を示す。平均値および標準偏差(STDEV)も示される。(B)半減期、分布容積(Vz)、クリアランス(Cl)および曲線下面積(AUC)などの、重要な薬物動態パラメーターのまとめ。パラメーターは、Aに示される血清濃度を用いて計算した。同様の血清濃度およびPKパラメーターを、IL−17A ELISAから決定した。
表17Aおよび17B:COVA804の血清濃度およびPKパラメーター。
A)ELISAにより決定された各時間点での血清濃度(IL−6R)を示す。平均値および標準偏差(STDEV)も示される。(B)半減期、分布容積(Vz)、クリアランス(Cl)および曲線下面積(AUC)などの、重要な薬物動態パラメーターのまとめ。パラメーターは、Aに示される血清濃度を用いて計算した。同様の血清濃度およびPKパラメーターを、IL−17A ELISAから決定した。
表18Aおよび18B:COVA805の血清濃度およびPKパラメーター。
A)ELISAにより決定された各時間点での血清濃度(IL−6R)を示す。平均値および標準偏差(STDEV)も示される。(B)半減期、分布容積(Vz)、クリアランス(Cl)および曲線下面積(AUC)などの、重要な薬物動態パラメーターのまとめ。パラメーターは、Aに示される血清濃度を用いて計算した。同様の血清濃度およびPKパラメーターを、IL−17A ELISAから決定した。
表19Aおよび19B:COVA806の血清濃度およびPKパラメーター。
A)ELISAにより決定された各時間点での血清濃度(IL−6R)を示す。平均値および標準偏差(STDEV)も示される。(B)半減期、分布容積(Vz)、クリアランス(Cl)および曲線下面積(AUC)などの、重要な薬物動態パラメーターのまとめ。パラメーターは、Aに示される血清濃度を用いて計算した。同様の血清濃度およびPKパラメーターを、IL−17A ELISAから決定した。
表20Aおよび20B:COVA807の血清濃度およびPKパラメーター。
A)ELISAにより決定された各時間点での血清濃度(IL−6R)を示す。平均値および標準偏差(STDEV)も示される。(B)半減期、分布容積(Vz)、クリアランス(Cl)および曲線下面積(AUC)などの、重要な薬物動態パラメーターのまとめ。パラメーターは、Aに示される血清濃度を用いて計算した。同様の血清濃度およびPKパラメーターを、IL−17A ELISAから決定した。
表21Aおよび21B:COVA808の血清濃度およびPKパラメーター。
A)ELISAにより決定された各時間点での血清濃度(IL−6R)を示す。平均値および標準偏差(STDEV)も示される。(B)半減期、分布容積(Vz)、クリアランス(Cl)および曲線下面積(AUC)などの、重要な薬物動態パラメーターのまとめ。パラメーターは、Aに示される血清濃度を用いて計算した。同様の血清濃度およびPKパラメーターを、IL−17A ELISAから決定した。
図22は、COVA801およびCOVA802の経時平均血清濃度プロットを示す。
IL6RまたはIL−17A ELISAのいずれかにより決定されるように、平均血清濃度+/−標準偏差(STDEV)は、COVA801およびCOVA802とコンパレータとしてのトシリズマブ(IL−6R ELISA)について示す。
図23は、COVA803およびCOVA804の経時平均血清濃度プロットを示す。
IL6RまたはIL−17A ELISAのいずれかにより決定されるように、平均血清濃度+/−標準偏差(STDEV)は、COVA803およびCOVA804とコンパレータとしてのトシリズマブ(IL−6R ELISA)について示す。
図24は、COVA805およびCOVA806の経時平均血清濃度プロットを示す。
IL6RまたはIL−17A ELISAのいずれかにより決定されるように、平均血清濃度+/−標準偏差(STDEV)は、COVA805およびCOVA806とコンパレータとしてのトシリズマブ(IL−6R ELISA)について示す。
図25は、COVA807およびCOVA808の経時平均血清濃度プロットを示す。
IL6RまたはIL−17A ELISAのいずれかにより決定されるように、平均血清濃度+/−標準偏差(STDEV)は、COVA807およびCOVA808とコンパレータとしてのトシリズマブ(IL−6R ELISA)について示す。
実施例15
カニクイザルにおける薬物動態試験
投与、採血
COVA801、COVA802、COVA803、COVA804、COVA806、COVA808で示されるFynomAbおよびトシリズマブの薬物動態特性の決定を、単回の静脈内注射後の異なる時間点で採取した、カニクイザル血清中のELISAによる濃度測定により行った。オスおよびメスのサルに、個々の重量に基づいて、5mg/kg用量を静脈内注射した。各群は4匹のサルで構成された。静脈内注射後5分、30分、2時間、6時間、24時間、3日、4日、5日、7日、10日、13日、17日、22日および27日に採血した。血液を任意の抗凝固剤を含まないチューブに集め、血清を10,000rpmで1−2分間遠心することにより調製した。血清を分析まで−80℃にて貯蔵した。
IL−6RおよびIL−17A ELISA
試験FynomAbおよびトシリズマブの血清濃度を、マウスPK試験について上記のものと同じプロトコルにしたがってELISAにより決定した。
データ分析
各サルの血清濃度を標準曲線および4パラメーターフィット分析(X値対数、Y値線形)を用いて計算した。各時間点およびサルについて、デュプリケートの平均血清濃度(nM)に対応する希釈率を掛けて、ug/ml濃度に変換した。STDEVおよび%CVを、各時間点および3つの希釈率について計算した。最低%CVおよび標準曲線の直線部分を示す最高値の1つの値を、各時間点の値として選択した。これらの値を薬物動態パラメーター分析に供した(Phoenix 64, WinNonlin 6.3)。半減期(時間)、曲線下面積(AUC;h*ug/ml)、分布容積(Vz;ml)およびクリアランス(Cl;ml/時)を、非コンパートメントPK分析、モデルタイプ:血漿(200−202)、計算方法:線形台形 線形補間式を用いて計算した。各サルについて標準曲線は、均一な重量計算およびベストフィットラムダZ計算に基づき、回帰に少なくとも3データ点を必要とし、Cmaxは含まれなかった。
結果
各FynomAbおよびトシリズマブの血清濃度および薬物動態パラメーターを、表22−28に示す。IL−6RおよびIL−17A ELISAの両方を、血清濃度およびPKパラメーターを計算するために用いたが、IL−6Rデータのみを本明細書に示す。しかしながら、同様の血清濃度およびPKパラメーターをIL−17A ELISAデータから決定した。したがって、2つの異なるELISA法についての血清濃度対時間曲線は、各FynomAbについて顕著によく似ている(図26−29参照)。このデータは、FynomAbがインビボで安定であり、そのIL−6RおよびIL−17Aの両方に結合する能力が保持されていることを示す。
一般に、FynomAbのいずれも循環系から迅速に排出されなかったとして、全てのFynomAbが良好なPKプロファイルを示した。COVA804は、トシリズマブと顕著に類似した最高のAUCを有する最も好ましいPKプロファイルを有することが明らかとなった。
表22A−22B:カニクイザルにおけるトシリズマブの血清濃度およびPKパラメーター。
A)ELISAにより決定された各時間点での血清濃度(IL−6R)を示す。平均値および標準偏差(STDEV)も示される。(B)半減期、分布容積(Vz)、クリアランス(Cl)および曲線下面積(AUC)などの、重要な薬物動態パラメーターのまとめ。パラメーターは、Aに示される血清濃度を用いて計算した。
表23A−23B:カニクイザルにおけるCOVA801の血清濃度およびPKパラメーター。
A)ELISAにより決定された各時間点での血清濃度(IL−6R)を示す。平均値および標準偏差(STDEV)も示される。(B)半減期、分布容積(Vz)、クリアランス(Cl)および曲線下面積(AUC)などの、重要な薬物動態パラメーターのまとめ。パラメーターは、Aに示される血清濃度を用いて計算した。同様の血清濃度およびPKパラメーターを、IL−17A ELISAから決定した。
表24A−24B:カニクイザルにおけるCOVA802の血清濃度およびPKパラメーター。
A)ELISAにより決定された各時間点での血清濃度(IL−6R)を示す。平均値および標準偏差(STDEV)も示される。(B)半減期、分布容積(Vz)、クリアランス(Cl)および曲線下面積(AUC)などの、重要な薬物動態パラメーターのまとめ。パラメーターは、Aに示される血清濃度を用いて計算した。同様の血清濃度およびPKパラメーターを、IL−17A ELISAから決定した。
表25A−25B:カニクイザルにおけるCOVA803の血清濃度およびPKパラメーター。
A)ELISAにより決定された各時間点での血清濃度(IL−6R)を示す。平均値および標準偏差(STDEV)も示される。(B)半減期、分布容積(Vz)、クリアランス(Cl)および曲線下面積(AUC)などの、重要な薬物動態パラメーターのまとめ。パラメーターは、Aに示される血清濃度を用いて計算した。同様の血清濃度およびPKパラメーターを、IL−17A ELISAから決定した。
表26A−26B:カニクイザルにおけるCOVA804の血清濃度およびPKパラメーター。
A)ELISAにより決定された各時間点での血清濃度(IL−6R)を示す。平均値および標準偏差(STDEV)も示される。(B)半減期、分布容積(Vz)、クリアランス(Cl)および曲線下面積(AUC)などの、重要な薬物動態パラメーターのまとめ。パラメーターは、Aに示される血清濃度を用いて計算した。同様の血清濃度およびPKパラメーターを、IL−17A ELISAから決定した。
表27A−27B:カニクイザルにおけるCOVA806の血清濃度およびPKパラメーター。
A)ELISAにより決定された各時間点での血清濃度(IL−6R)を示す。平均値および標準偏差(STDEV)も示される。(B)半減期、分布容積(Vz)、クリアランス(Cl)および曲線下面積(AUC)などの、重要な薬物動態パラメーターのまとめ。パラメーターは、Aに示される血清濃度を用いて計算した。同様の血清濃度およびPKパラメーターを、IL−17A ELISAから決定した。
表28A−28B:カニクイザルにおけるCOVA808の血清濃度およびPKパラメーター。
A)ELISAにより決定された各時間点での血清濃度(IL−6R)を示す。平均値および標準偏差(STDEV)も示される。(B)半減期、分布容積(Vz)、クリアランス(Cl)および曲線下面積(AUC)などの、重要な薬物動態パラメーターのまとめ。パラメーターは、Aに示される血清濃度を用いて計算した。同様の血清濃度およびPKパラメーターを、IL−17A ELISAから決定した。
図26は、カニクイザルにおけるCOVA801およびCOVA802の経時平均血清濃度プロットを示す。図26において、IL6RまたはIL−17A ELISAのいずれかにより決定されるように、平均血清濃度+/−標準偏差(STDEV)は、COVA801およびCOVA802とコンパレータとしてのトシリズマブ(IL−6R ELISA)について示す。
図27は、カニクイザルにおけるCOVA803およびCOVA804の経時平均血清濃度プロットを示す。図27において、IL6RまたはIL−17A ELISAのいずれかにより決定されるように、平均血清濃度+/−標準偏差(STDEV)は、COVA803およびCOVA804とコンパレータとしてのトシリズマブ(IL−6R ELISA)について示す。
図28は、カニクイザルにおけるCOVA806の経時平均血清濃度プロットを示す。図28において、IL6RまたはIL−17A ELISAのいずれかにより決定されるように、平均血清濃度+/−標準偏差(STDEV)は、COVA806とコンパレータとしてのトシリズマブ(IL−6R ELISA)について示す。
図29は、カニクイザルにおけるCOVA808の経時平均血清濃度プロットを示す。図29において、IL6RまたはIL−17A ELISAのいずれかにより決定されるように、平均血清濃度+/−標準偏差(STDEV)は、COVA808とコンパレータとしてのトシリズマブ(IL−6R ELISA)について示す。
実施例の概要
本明細書に記載されるデータは、8つ全てのFynomAbが結合して、機能的にIL−17AおよびIL−6Rの両方を遮断し得ることを示している。8つ全てのコンストラクトは、IL−17AおよびIL−6Rについて顕著に類似した親和性を有し、細胞ベースのアッセイにおいて類似の機能的活性を有し、そして軽鎖フィノマー融合体(FynomAbは、COVA802、COVA804、COVA806およびCOVA808として示す)は、良好なSECプロファイルを有し、かつ凝集する傾向が少なかった。

Claims (56)

  1. インターロイキン−17a(IL−17a)に結合し、かつインターロイキン−6受容体(IL−6R)に結合する抗体またはその部分配列と複合体を形成するフィノマー配列を含む、二重特異性融合ポリペプチド、および
    薬学的に許容される担体
    を含む、医薬組成物。
  2. フィノマー配列が、該抗体の重鎖もしくは軽鎖配列またはその部分配列と複合体を形成する、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. フィノマー配列が、該抗体の重鎖配列またはその部分配列のアミノ末端またはカルボキシル末端と複合体を形成する、請求項1に記載の医薬組成物。
  4. フィノマー配列が、該抗体の軽鎖配列またはその部分配列のアミノ末端またはカルボキシル末端と複合体を形成する、請求項1に記載の医薬組成物。
  5. 融合ポリペプチドが、抗体またはその部分配列と複合体を形成する、1つまたはそれ以上のさらなるIL−17a結合フィノマー配列をさらに含む、請求項1から4のいずれかに記載の医薬組成物。
  6. 融合ポリペプチドが、抗体またはその部分配列と複合体を形成する、3、4、5、6、7または8つのIL−17a結合フィノマー配列をさらに含む、請求項1から4のいずれかに記載の医薬組成物。
  7. フィノマー配列が約10〜80アミノ酸長である、請求項1に記載の医薬組成物。
  8. フィノマー配列が、IL−17aに対して約10−9Mから約10−13Mの結合親和性(K)を有する、請求項1に記載の医薬組成物。
  9. フィノマー配列が、以下の配列のいずれかと少なくとも90%の同一性を有する配列を含む、請求項1に記載の医薬組成物:GVTLFVALYDYKQKGHLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(aka 11L0−C6)(配列番号2);GVTLFVALYDYSARGQLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(aka 11L5−B06)(配列番号3);GVTLFVALYDYESVSWSDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(aka 11L9−C09)(配列番号5);GVTLFVALYDYSSRGVLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(aka 11L10−A05)(配列番号6);GVTLFVALYDYANHGNRDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(aka 1L3−B9)(配列番号1);GVTLFVALYDYDKLSALDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(aka 11L6−F03)(配列番号4);および、GVTLFVALYDYSRKSNLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(aka 11L11−A09)(配列番号7)。
  10. フィノマー配列が、以下の配列のいずれかと少なくとも95%の同一性を有する配列を含む、請求項1に記載の医薬組成物:GVTLFVALYDYKQKGHLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号2);GVTLFVALYDYSARGQLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号3);GVTLFVALYDYESVSWSDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号5);GVTLFVALYDYSSRGVLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号6);GVTLFVALYDYANHGNRDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号1);GVTLFVALYDYDKLSALDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号4);および、GVTLFVALYDYSRKSNLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号7)。
  11. フィノマー配列が以下の配列のいずれかを含む、請求項1に記載の医薬組成物:GVTLFVALYDYKQKGHLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号2);GVTLFVALYDYSARGQLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号3);GVTLFVALYDYESVSWSDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号5);GVTLFVALYDYSSRGVLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号6);GVTLFVALYDYANHGNRDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号1);GVTLFVALYDYDKLSALDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号4);および、GVTLFVALYDYSRKSNLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号7)、または1−2、2−3、3−4、5−6、6−7、7−8、8−9、9−10、10−15、15−20、20−25もしくは25−30個の保存的、非保存的、または保存的および非保存的アミノ酸置換を有する上記のフィノマー配列のいずれか。
  12. フィノマー配列が以下の配列のいずれかを含む、請求項1に記載の医薬組成物:GVTLFVALYDYKQKGHLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号2);GVTLFVALYDYSARGQLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号3);GVTLFVALYDYESVSWSDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号5);GVTLFVALYDYSSRGVLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号6);GVTLFVALYDYANHGNRDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号1);GVTLFVALYDYDKLSALDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号4);および、GVTLFVALYDYSRKSNLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号7)、または1−2、2−3、3−4、5−6、6−7、7−8、8−9、9−10、10−15、15−20、20−25、25−30個のアミノ酸欠失または挿入を有する上記のフィノマー配列のいずれか。
  13. フィノマー配列が、GVTLFVALYDY、DLSFHKGEKFQIL、STHEYE、STHEYED、WWEAR、DWWEARおよびSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQのモチーフの1つまたは複数を有する、請求項11または12に記載の医薬組成物。
  14. フィノマー配列が、該配列のアミノ酸位置31−36のSTHEYEモチーフ、または該配列のアミノ酸位置28−42のQILSTHEYEDWWEARモチーフを含む、請求項1に記載の医薬組成物。
  15. フィノマー配列が、srcループ配列の直後に位置するE残基を有する、請求項1に記載の医薬組成物。
  16. フィノマー配列が、srcループ配列、STHEYの直後に位置するE残基を有する、請求項1に記載の医薬組成物。
  17. フィノマー配列が、IL−17aに結合して、IL−17応答またはシグナル伝達の機能を阻害する、請求項1に記載の医薬組成物。
  18. フィノマー配列が、グリコシル化IL−17aに結合して、IL−17受容体機能またはシグナル伝達を阻害する、請求項1に記載の医薬組成物。
  19. フィノマー配列が、グリコシル化IL−17aに対して約1から約200nMの結合親和性(K)を有する、請求項1に記載の医薬組成物。
  20. フィノマー配列が、グリコシル化ヒトIL−17aに対して約5から約50nMの結合親和性(K)を有する、請求項1に記載の医薬組成物。
  21. フィノマー配列が、配列番号1に記載のフィノマー配列のグリコシル化IL−17aに対する結合親和性よりも高い、グリコシル化IL−17aに対する結合親和性(KまたはKD)を有する、請求項1に記載の医薬組成物。
  22. フィノマー配列が、グリコシル化IL−17aに結合して、線維芽細胞によるIL−6産生を阻害する、請求項1に記載の医薬組成物。
  23. フィノマー配列が、線維芽細胞によるIL−6産生の阻害について、約10から約250nM、または約10から約100nMのIC50値を有する、請求項22に記載の医薬組成物。
  24. 融合ポリペプチドが、同時にIL−17aおよびIL−6Rに結合する、請求項1に記載の医薬組成物。
  25. 抗体またはその部分配列が、ヒト抗体もしくはヒト化抗体またはその部分配列である、請求項1に記載の医薬組成物。
  26. IL−6Rに結合する抗体の部分配列が、約50〜100アミノ酸長である、請求項1に記載の医薬組成物。
  27. 抗体またはその部分配列が、IL−6Rに対して約10−5Mから約10−13Mの結合親和性(K)を有する、請求項1に記載の医薬組成物。
  28. 抗体またはその部分配列が、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv、Fd、一本鎖Fv(scFv)、ジスルフィド結合したFv(sdFv)、V、V、ダイアボディー((V−Vもしくは(V−V)、トリアボディー(三価抗体)、テトラボディー(四価抗体)、ミニボディー((scF−C3))、IgGdeltaCH2、scFv−Fcまたは(scFv)−Fcフラグメントを含む、請求項1に記載の医薬組成物。
  29. 抗体が、IgG、IgA、IgE、IgMまたはIgDイソ型である、請求項1に記載の医薬組成物。
  30. 抗体またはその部分配列が、以下の重鎖(HC)または軽鎖(LC)配列のいずれかの可変配列と少なくとも90%の同一性を有する配列を含む、請求項1に記載の医薬組成物:
    (HC)QVQLQESGPGLVRPSQTLSLTCTVSGYSITSDHAWSWVRQPPGRGLEWIGYISYSGITTYNPSLKSRVTMLRDTSKNQFSLRLSSVTAADTAVYYCARSLARTTAMDYWGQGSLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号12);
    (LC)DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQGNTLPYTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号13)。
  31. 抗体またはその部分配列が、以下の重鎖(HC)または軽鎖(LC)配列のいずれかの可変配列と少なくとも95%の同一性を有する配列を含む、請求項1に記載の医薬組成物:
    (HC)QVQLQESGPGLVRPSQTLSLTCTVSGYSITSDHAWSWVRQPPGRGLEWIGYISYSGITTYNPSLKSRVTMLRDTSKNQFSLRLSSVTAADTAVYYCARSLARTTAMDYWGQGSLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号12);
    (LC)DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQGNTLPYTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号13)。
  32. 抗体またはその部分配列が、以下の重鎖(HC)または軽鎖(LC)配列のいずれかの可変配列を含む、請求項1に記載の医薬組成物:
    (HC)QVQLQESGPGLVRPSQTLSLTCTVSGYSITSDHAWSWVRQPPGRGLEWIGYISYSGITTYNPSLKSRVTMLRDTSKNQFSLRLSSVTAADTAVYYCARSLARTTAMDYWGQGSLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号12);
    (LC)DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQGNTLPYTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号13)。
  33. 抗体またはその部分配列が、以下の重鎖(HC)または軽鎖(LC)配列のいずれかの可変配列を含む、請求項1に記載の医薬組成物:
    (HC)QVQLQESGPGLVRPSQTLSLTCTVSGYSITSDHAWSWVRQPPGRGLEWIGYISYSGITTYNPSLKSRVTMLRDTSKNQFSLRLSSVTAADTAVYYCARSLARTTAMDYWGQGSLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号12);
    (LC)DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQGNTLPYTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号13)、または上記の重鎖(HC)もしくは軽鎖(LC)配列のいずれかの可変配列内もしくは外に、1−2、2−3、3−4、5−6、6−7、7−8、8−9、9−10、10−15、15−20、20−25、25−30個の保存的、非保存的、または保存的および非保存的アミノ酸置換、またはアミノ酸挿入もしくは欠失を有する配列。
  34. 抗体またはその部分配列が、以下の重鎖(HC)および/または軽鎖(LC)配列を含むか、またはそれから構成される、請求項1に記載の医薬組成物:
    (HC)QVQLQESGPGLVRPSQTLSLTCTVSGYSITSDHAWSWVRQPPGRGLEWIGYISYSGITTYNPSLKSRVTMLRDTSKNQFSLRLSSVTAADTAVYYCARSLARTTAMDYWGQGSLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSGVTLFVALYDYKQKGHLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号14);
    (LC)DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQGNTLPYTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号15)(aka COVA 801);
    (HC)QVQLQESGPGLVRPSQTLSLTCTVSGYSITSDHAWSWVRQPPGRGLEWIGYISYSGITTYNPSLKSRVTMLRDTSKNQFSLRLSSVTAADTAVYYCARSLARTTAMDYWGQGSLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号16);
    (LC)DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQGNTLPYTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGECGGGGSGGGGSGGGGSGVTLFVALYDYKQKGHLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号17)(aka COVA 802);
    (HC)QVQLQESGPGLVRPSQTLSLTCTVSGYSITSDHAWSWVRQPPGRGLEWIGYISYSGITTYNPSLKSRVTMLRDTSKNQFSLRLSSVTAADTAVYYCARSLARTTAMDYWGQGSLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSGVTLFVALYDYSARGQLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号18);
    (LC)DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQGNTLPYTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号19)(aka COVA 803);
    (HC)QVQLQESGPGLVRPSQTLSLTCTVSGYSITSDHAWSWVRQPPGRGLEWIGYISYSGITTYNPSLKSRVTMLRDTSKNQFSLRLSSVTAADTAVYYCARSLARTTAMDYWGQGSLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号20);
    (LC)DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQGNTLPYTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGECGGGGSGGGGSGGGGSGVTLFVALYDYSARGQLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号21)(aka COVA 804);
    (HC)QVQLQESGPGLVRPSQTLSLTCTVSGYSITSDHAWSWVRQPPGRGLEWIGYISYSGITTYNPSLKSRVTMLRDTSKNQFSLRLSSVTAADTAVYYCARSLARTTAMDYWGQGSLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSGVTLFVALYDYESVSWSDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号22);
    (LC)DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQGNTLPYTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号23)(aka COVA 805);
    (HC)QVQLQESGPGLVRPSQTLSLTCTVSGYSITSDHAWSWVRQPPGRGLEWIGYISYSGITTYNPSLKSRVTMLRDTSKNQFSLRLSSVTAADTAVYYCARSLARTTAMDYWGQGSLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号24);
    (LC)DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQGNTLPYTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGECGGGGSGGGGSGGGGSGVTLFVALYDYESVSWSDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号25)(aka COVA 806);
    (HC)QVQLQESGPGLVRPSQTLSLTCTVSGYSITSDHAWSWVRQPPGRGLEWIGYISYSGITTYNPSLKSRVTMLRDTSKNQFSLRLSSVTAADTAVYYCARSLARTTAMDYWGQGSLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSGVTLFVALYDYSSRGVLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号26);
    (LC)DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQGNTLPYTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号27)(aka COVA 807);
    (HC)QVQLQESGPGLVRPSQTLSLTCTVSGYSITSDHAWSWVRQPPGRGLEWIGYISYSGITTYNPSLKSRVTMLRDTSKNQFSLRLSSVTAADTAVYYCARSLARTTAMDYWGQGSLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号28);
    (LC)DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQPEDIATYYCQQGNTLPYTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGECGGGGSGGGGSGGGGSGVTLFVALYDYSSRGVLDLSFHKGEKFQILSTHEYEDWWEARSLTTGETGYIPSNYVAPVDSIQ(配列番号29)(aka COVA 808)、
    または、上記の重鎖(HC)もしくは軽鎖(LC)配列のいずれかの可変配列内もしくは外に、1−2、2−3、3−4、5−6、6−7、7−8、8−9、9−10、10−15、15−20、20−25、25−30個の保存的、非保存的、または保存的および非保存的アミノ酸置換、またはアミノ酸挿入もしくは欠失を有する配列。
  35. アミノ酸置換、挿入または欠失が、重鎖または軽鎖可変領域配列内または外である、請求項33または34に記載の医薬組成物。
  36. アミノ酸置換、挿入または欠失が、重鎖または軽鎖可変領域配列の相補性決定領域(CDR)内または外である、請求項33または34に記載の医薬組成物。
  37. アミノ酸置換、挿入または欠失が、重鎖または軽鎖可変領域配列のフレームワーク領域(FR)内または外である、請求項33または34に記載の医薬組成物。
  38. 抗体またはその部分配列が、IL−6R機能またはシグナル伝達を阻害する、請求項1に記載の医薬組成物。
  39. 融合ポリペプチドが、哺乳動物のIL−17aまたはIL−6Rに結合する、請求項1に記載の医薬組成物。
  40. 融合ポリペプチドが、ヒトのIL−17aまたはIL−6Rに結合する、請求項1に記載の医薬組成物。
  41. 融合ポリペプチドが結合するIL−17aが、以下の配列を含むか、またはそれから構成される、請求項1に記載の医薬組成物:Met Thr Pro Gly Lys Thr Ser Leu Val Ser Leu Leu Leu Leu Leu Ser Leu Glu Ala Ile Val Lys Ala Gly Ile Thr Ile Pro Arg Asn Pro Gly Cys Pro Asn Ser Glu Asp Lys Asn Phe Pro Arg Thr Val Met Val Asn Leu Asn Ile His Asn Arg Asn Thr Asn Thr Asn Pro Lys Arg Ser Ser Asp Tyr Tyr Asn Arg Ser Thr Ser Pro Trp Asn Leu His Arg Asn Glu Asp Pro Glu Arg Tyr Pro Ser Val Ile Trp Glu Ala Lys Cys Arg His Leu Gly Cys Ile Asn Ala Asp Gly Asn Val Asp Tyr His Met Asn Ser Val Pro Ile Gln Gln Glu Ile Leu Val Leu Arg Arg Glu Pro Pro His Cys Pro Asn Ser Phe Arg Leu Glu Lys Ile Leu Val Ser Val Gly Cys Thr Cys Val Thr Pro Ile Val His His Val Ala(配列番号10)。
  42. 融合ポリペプチドが結合するIL−6Rが、以下の配列を含むか、またはそれから構成される、請求項1に記載の医薬組成物:Met Leu Ala Val Gly Cys Ala Leu Leu Ala Ala Leu Leu Ala Ala Pro Gly Ala Ala Leu Ala Pro Arg Arg Cys Pro Ala Gln Glu Val Ala Arg Gly Val Leu Thr Ser Leu Pro Gly Asp Ser Val Thr Leu Thr Cys Pro Gly Val Glu Pro Glu Asp Asn Ala Thr Val His Trp Val Leu Arg Lys Pro Ala Ala Gly Ser His Pro Ser Arg Trp Ala Gly Met Gly Arg Arg Leu Leu Leu Arg Ser Val Gln Leu His Asp Ser Gly Asn Tyr Ser Cys Tyr Arg Ala Gly Arg Pro Ala Gly Thr Val His Leu Leu Val Asp Val Pro Pro Glu Glu Pro Gln Leu Ser Cys Phe Arg Lys Ser Pro Leu Ser Asn Val Val Cys Glu Trp Gly Pro Arg Ser Thr Pro Ser Leu Thr Thr Lys Ala Val Leu Leu Val Arg Lys Phe Gln Asn Ser Pro Ala Glu Asp Phe Gln Glu Pro Cys Gln Tyr Ser Gln Glu Ser Gln Lys Phe Ser Cys Gln Leu Ala Val Pro Glu Gly Asp Ser Ser Phe Tyr Ile Val Ser Met Cys Val Ala Ser Ser Val Gly Ser Lys Phe Ser Lys Thr Gln Thr Phe Gln Gly Cys Gly Ile Leu Gln Pro Asp Pro Pro Ala Asn Ile Thr Val Thr Ala Val Ala Arg Asn Pro Arg Trp Leu Ser Val Thr Trp Gln Asp Pro His Ser Trp Asn Ser Ser Phe Tyr Arg Leu Arg Phe Glu Leu Arg Tyr Arg Ala Glu Arg Ser Lys Thr Phe Thr Thr Trp Met Val Lys Asp Leu Gln His His Cys Val Ile His Asp Ala Trp Ser Gly Leu Arg His Val Val Gln Leu Arg Ala Gln Glu Glu Phe Gly Gln Gly Glu Trp Ser Glu Trp Ser Pro Glu Ala Met Gly Thr Pro Trp Thr Glu Ser Arg Ser Pro Pro Ala Glu Asn Glu Val Ser Thr Pro Met Gln Ale Leu Thr Thr Asn Lys Asp Asp Asp Asn Ile Leu Phe Arg Asp Ser Ala Asn Ala Thr Ser Leu Pro Val Gln Asp Ser Ser Ser Val Pro Leu Pro Thr Phe Leu Val Ala Gly Gly Ser Leu Ala Phe Gly Thr Leu Leu Cys Ile Ala Ile Val Leu Arg Phe Lys Lys Thr Trp Lys Leu Arg Ala Leu Lys Glu Gly Lys Thr Ser Met His Pro Pro Tyr Ser Leu Gly Gln Leu Val Pro Glu Arg Pro Arg Pro Thr Pro Val Leu Val Pro Leu Ile Ser Pro Pro Val Ser Pro Ser Ser Leu Gly Ser Asp Asn Thr Ser Ser His Asn Arg Pro Asp Ala Arg Asp Pro Arg Ser Pro Tyr Asp Ile Ser Asn Thr Asp Tyr Phe Phe Pro Arg(配列番号11)。
  43. フィノマー配列が、共有結合を介して抗体の重鎖もしくは軽鎖配列またはその部分配列と複合体を形成する、請求項1に記載の医薬組成物。
  44. フィノマー配列が、アミド結合を介して抗体の重鎖もしくは軽鎖配列またはその部分配列と複合体を形成する、請求項1に記載の医薬組成物。
  45. フィノマー配列が、リンカーを介して抗体の重鎖もしくは軽鎖配列またはその部分配列と複合体を形成する、請求項1に記載の医薬組成物。
  46. リンカーが、約1−5、5−10、10−15、15−20、20−25、25−50または50−100個のアミノ酸残基を含むペプチドである、請求項45に記載の医薬組成物。
  47. リンカーペプチドが、(GGGGS)(式中、Xは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である。)アミノ酸配列モチーフを含むか、またはそれから構成される、請求項45に記載の医薬組成物。
  48. リンカーペプチドが、GGGGSGGGGSGGGGSを含むか、またはそれから構成される、請求項47に記載の医薬組成物。
  49. リンカーが、約1−5、5−10、10−15、15−20、20−25、25−50または50−100個の炭素原子を含む炭素鎖を含む、請求項45に記載の医薬組成物。
  50. 包含される融合ポリペプチドが単離または精製されている、請求項1に記載の医薬組成物。
  51. 滅菌医薬組成物である、請求項1から50のいずれかに記載の医薬組成物。
  52. 自己免疫疾患または障害の処置のための、請求項1から51のいずれかに記載の医薬組成物。
  53. 自己免疫疾患または障害が、筋肉、骨格、神経系、結合組織、内分泌系、皮膚、気道もしくは肺系、胃腸系、眼科系、または循環器系に影響を与えるものである、請求項52に記載の医薬組成物。
  54. 自己免疫疾患または障害が、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、多関節型および全身型若年性特発性関節炎からなる群より選択される、請求項52に記載の医薬組成物。
  55. 自己免疫疾患または障害が、多発性筋炎、血管炎症候群、巨細胞性動脈炎、高安動脈炎、再発性多発軟骨炎、後天性血友病A、スティル病、成人発症性スティル病、アミロイドA アミロイドーシス、リウマチ性多発筋痛症、脊椎関節炎(関節炎)、肺動脈高血圧症、移植片対宿主病、自己免疫性心筋炎、接触性過敏症(接触性皮膚炎)、胃食道逆流症、紅皮症、ベーチェット病、筋萎縮性側索硬化症、移植、視神経脊髄炎、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、悪性関節リウマチ、薬剤耐性慢性関節リウマチ、川崎病、多関節型または全身型若年性特発性関節炎、乾癬、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、キャッスルマン病、喘息、アレルギー性喘息、アレルギー性脳脊髄炎、関節炎、進行性慢性関節炎、反応性関節炎、乾癬性関節炎、腸炎性関節炎、変形性関節炎、リウマチ性疾患、脊椎関節症、強直性脊椎炎、ライター症候群、過敏症(気道過敏症および皮膚過敏症の両方を含む)、アレルギー、全身性エリテマトーデス(SLE)、皮膚エリテマトーデス、癩性結節性紅斑、シェーグレン症候群、炎症性筋障害、軟骨炎、ウェゲナー肉芽腫症、皮膚筋炎、スティーブン−ジョンソン症候群、慢性活動性肝炎、重症筋無力症、特発性吸収不良、自己免疫炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、過敏性腸症候群、内分泌性眼障害、強皮症、グレーブス病、サルコイドーシス、多発性硬化症、原発性胆汁性肝硬変、膣炎、直腸炎、インスリン依存性糖尿病、インスリン抵抗性糖尿病、若年性糖尿病(I型糖尿病)、自己免疫性血液疾患、溶血性貧血、再生不良性貧血、純粋な赤血球貧血、特発性血小板減少症(ITP)、自己免疫性ブドウ膜炎、ブドウ膜炎(前部および後部)、乾性角結膜炎、春季カタル、間質性肺線維症、糸球体腎炎(ネフローゼ症候群の有無)、特発性ネフローゼ症候群または微小変化型腎症、皮膚の炎症性疾患、角膜炎症、筋炎、骨インプラント、代謝障害、アテローム性動脈硬化症、脂質代謝異常、骨喪失、骨関節症、骨粗鬆症、閉塞性または炎症性気道疾患の歯周病、気管支炎、塵肺、肺気腫、急性および超急性炎症反応、急性感染、敗血症性ショック、内毒素性ショック、成人呼吸窮迫症候群、髄膜炎、肺炎、複合的代謝異常症候群(cachexia wasting syndrome)、卒中、ヘルペス性間質性角膜炎、ドライアイ疾患、虹彩炎、結膜炎、角結膜炎、ギラン・バレー症候群、スティッフマン症候群、橋本甲状腺炎、自己免疫性甲状腺炎、脳脊髄炎、急性リウマチ熱、交感性眼炎、グッドパスチャー症候群、全身性壊死性血管炎、抗リン脂質抗体症候群、アジソン病、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、疱疹状皮膚炎、アトピー性皮膚炎、湿疹性皮膚炎、アフタ性潰瘍、扁平苔癬、自己免疫性脱毛症、白斑症、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性血小板減少性紫斑病、悪性貧血、感音難聴、突発性両側進行性感音難聴、多腺性自己免疫症候群I型またはII型、免疫不妊および免疫介在性不妊からなる群より選択される、請求項52に記載の医薬組成物。
  56. 第二の薬物または該第二の薬剤を含む第二の医薬組成物と共投与される、請求項52に記載の医薬組成物。
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