JP2017053858A - 種子判別方法、種子判別装置 - Google Patents

種子判別方法、種子判別装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高い発芽率を有する種子を簡単かつ迅速に選別することができる種子判別方法および種子判別装置を提供する。
【解決手段】光を利用して被測定種子Sを判別するための方法であって、ステージ2上面2sに載置した被測定種子Sに対して光源部10から可視光の波長領域を含む光L1を照射し、光L1が照射された被測定種子Sの種皮で反射または/および散乱された光を含む光を検出光L2として検出し、検出光L2から得られたスペクトルデータに基づいて作成された検出光スペクトルを解析し、解析結果に基づいて被測定種子Sの状態を判別する。可視光の波長領域を含む光を検出光L2として検出することができる。そして、かかる検出光L2に基づく検出光スペクトルを解析すれば、被測定種子Sが発芽しやすい種子か否かを把握することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、種子判別方法および種子判別装置に関する。
作物栽培において、発芽し易い種子を選別し播種することは、作物生産を向上させる上で重要である。一般的に、種子の選別は、生産者の経験に基づき発芽率が高いと思われる成熟または充実した種子を形状、色、大きさなどを目視により総合的に判断する外観選別や、種子の比重を利用した比重選別などが行われている。
しかし、これらの方法では、経験に基づく手法であるため選別者が変われば発芽率にバラツキが発生する可能性があるし、目視によって種子を一粒一粒選別するので選別に手間と時間が非常にかかり非効率的であるという問題がある。また、比重選別では、一度に多量の種子を選別することが可能であるものの、不稔種子など充実種子と比重の近いものを選別することが難しいという問題がある。
そこで、近年、人の経験等を利用することなく、機械的な手法を用いて発芽率の高い種子を選別することが可能な種子選別装置が開発されている(例えば、特許文献1、2)。
特許文献1には、顕微分光法を利用して種子中のクロロフィルの減少量に基づいて成熟した種子を選別する技術が開示されている。具体的には、656nm波長帯を有するLED光から放射された光をレンズにより調整しながら種子に照射すれば、種子中のクロロフィルからクロロフィル蛍光が放射される。放射された蛍光のうち730nmの蛍光を測定し、算出された蛍光強度に基づいて成熟した種子を選別するという技術である。
また、特許文献2には、種子に近赤外光を照射して種子内に存在する所定の化学物質の量に基づいて種子の特定を判別する技術が開示されている。そして、特許文献2には、1200〜2400nmの近赤外光を種子に照射し、種子に対して垂直な上方位置に配置された検出ユニットによって反射光を測定する。この反射光は、種子内の所定の化学物質に基づく反射光であるので、かかる反射光に基づく反射光スペクトルの形状と、予め種子の特徴とかかる特徴に基づく反射光スペクトルとの関係を調べておいた反射光スペクトルのスペクトル形状などのデータと比較することによって、セリ科の野生種の種子と栽培種の種子を区別することが可能である旨の記載がある。
特許第3793236号公報 国際公開第2013/133171号
しかるに、特許文献1、2の技術は、種子内にごく微量にしか存在しない物質等から発光等される非常に微弱な光を測定する必要があるので、装置が複雑化することにより装置の大型化や、測定操作の煩雑化に伴い測定の調整に時間がかかったりするといった問題がある。また、特許文献1、2の技術で対象とする測定物質は、種子内で偏在して存在する場合が多いので、測定精度を向上させる上では測定部位を特定した状態で測定を行う必要があるから、測定操作がより煩雑化してしまう。しかも、測定部位の特定が不十分な場合には、測定精度にバラツキが生じる可能性がある。したがって、特許文献1、2の技術を一般の種子選別に適用するのは現実的には困難である。
本発明は上記事情に鑑み、高い発芽率を有する種子を簡単かつ迅速に判別することができる種子判別方法および種子判別装置を提供することを目的とする。
(方法)
第1発明の種子判別方法は、光を利用して被測定種子を判別するための方法であって、ステージ上面に載置した前記被測定種子に対して光源部から可視光の波長領域を含む光を照射し、該光が照射された前記被測定種子の種皮で反射または/および散乱された光を含む光を検出光として検出し、該検出光から得られたスペクトルデータに基づいて作成された検出光スペクトルを解析し、該解析結果に基づいて前記被測定種子の状態を判別する。
第2発明の種子判別方法は、第1発明において、前記光源部は、前記被測定種子に対して光を照射した際の照射面積が、前記被測定種子よりも大きくなるように調整する。
第3発明の種子判別方法は、第1または第2発明において、前記検出光スペクトルにおいて、500nm〜800nmの波長帯のスペクトル形状に基づいて前記被測定種子の状態を評価する。
第4発明の種子判別方法は、第1、第2または第3発明において、前記被測定種子に対して光ファイバを備えた光照射ファイバを用いて光を照射し、前記検出光を光ファイバを備えた光受光ファイバを用いて測定する。
第5発明の種子判別方法は、第4発明において、前記光照射ファイバの照射面と、前記光受光ファイバの受光面が、互いに隣接した状態で同一面上に位置し、かつ両者を隣接して配置した状態において、前記両ファイバの先端部の軸方向が略平行となるように配置する。
第6発明の種子判別方法は、第1、第2、第3、第4または第5発明において、前記種子が、セリ科の種子であることを特徴とする。
(装置)
第7発明の種子判別装置は、光を利用して被測定種子を判別するための装置であって、ステージ上面に載置した前記被測定種子に対して光を照射する光源部と、光を受光し得る受光部を有する測定手段と、を備えており、該測定手段は、該受光部で受光した光を成分波長に分散する機能を有する分光部と、該分光部で得られたスペクトルデータに基づいて前記被測定種子の状態を判別する解析部と、を備えており、前記受光部は、光を受光するための受光面が、前記被測定種子を前記ステージ上に載置した状態において、該被測定種子に対向するように配置されており、前記光源部は、照射する前記光が、可視光の波長領域を含む光であることを特徴とする。
第8発明の種子判別装置は、第7発明において、前記光源部は、前記被測定種子に対して光を照射した際の照射面積が、前記被測定種子よりも大きくなるように調整されていることを特徴とする。
第9発明の種子判別装置は、第7または第8発明において、前記解析部が、前記スペクトルデータから得られる検出光スペクトルにおいて、500nm〜800nmの波長帯のスペクトル形状に基づいて前記被測定種子の状態を評価するものであることを特徴とする。
第10発明の種子判別装置は、第7、第8または第9発明において、前記ステージ上に載置された被測定種子を覆うカバー部材を備えていることを特徴とする。
第11発明の種子判別装置は、第10発明において、前記光源部は、前記光を放射する光源と、該光源に基端が接続され、先端に設けられた光を照射する照射面が前記カバー部材の内方に位置するように配置された光照射ファイバと、を備えており、該光照射ファイバは、光を照射したときに、その光軸が前記ステージ上面に対して略直交するように前記カバー部材の上部から内部下方に向かって配置されており、前記受光部は、前記分光部に基端が接続され、前記受光面が前記カバー部材の内方に位置するよう設けられた光受光ファイバを備えており、該光受光ファイバは、前記受光面を有する先端部が、前記光照射ファイバの先端部に隣接し、かつ該先端部の軸方向が前記光照射ファイバから光を照射したときの光軸と略平行となり、前記受光面が、前記光照射ファイバの照射面と略同じ面上に位置するように配置されていることを特徴とする。
第12発明の種子判別装置は、第7、第8、第9、第10または第11発明において、前記被測定種子が、セリ科の種子であることを特徴とする。
(方法)
第1発明によれば、被測定種子の種皮で反射光または/および散乱光として放射される可視光の波長領域を含む光を検出光として検出することができる。そして、かかる検出光に基づく検出光スペクトルを解析すれば、被測定種子が発芽しやすい種子か否かを把握することができる。しかも、光源部から照射する光の強度を調整すれば、検出光の感度を向上させることができるので、被測定種子の状態を適切に把握することができる。
第2発明によれば、光源部から照射された光によって被測定種子をすっぽりと覆った状態で測定するので、被測定種子の形状や大きさに関わらず、被測定種子をステージ上の所定の場所に載置するだけで被測定種子を適切に測定することができる。このため、被測定種子の判別を簡単かつ迅速に行うことができる。
第3発明によれば、被測定種子が高い発芽能力を有していれば、所定の波長帯の光が吸収されにくくなる一方、被測定種子の発芽能力が低い場合、かかる波長帯の光が吸収されやすい。このため、検出光スペクトルにおいて、所定の波長帯のスペクトル形状を解析すれば、被測定種子の発芽能力を簡単に、しかもより適切に把握することができる。すると、被測定種子の発芽能力に応じて種子を分別または選別すれば、発芽するタイミングが揃った種子を種子群として分別または選別することができる。
第4発明によれば、光ファイバを用いることによって、光源や分光部などから離間した位置で種子を測定することができるので、測定の自由度を向上させることができる。
第5発明によれば、隣接する照射面と受光面を同軸方向かつステージ上面から略同じ高さとなるように配置するので、検出光に基づく検出光スペクトルを規格化しやすくなる。このため、検出光スペクトルの形状に基づいて把握される被測定種子の状態をより適切かつ迅速に行うことができる。
第6発明によれば、セリ科の種子を高い発芽率を有する群に選別することができる。このため、選別した種子を播種すれば、一般的に発芽率が低いとされているセリ科の作物の生産性を向上させることができる。
(装置)
第7発明によれば、受光部によって、被測定種子の種皮で反射光または/および散乱光として放射される可視光の波長領域を含む光を検出光として検出することができる。かかる検出光に基づく検出光スペクトルを解析すれば、被測定種子が発芽しやすい種子か否かを把握することができる。しかも、光源部から照射する光の強度を調整すれば、検出光の感度を向上させることができるので、被測定種子の状態を適切に把握することができる。さらに、照射する光および検出する検出光が可視光の波長領域を含む光であるので、光源部および測定手段に特別な装置を設けなくてもよいので、装置全体を小型化することも可能となる。
第8発明によれば、ファイバの照射面とステージ間の距離を調整すれば、照射面積を適切に調整することができるので、光源部から照射した光によって被測定種子をすっぽりと覆った状態で測定することができる。このため、被測定種子の形状や大きさに関わらず、被測定種子をステージ上の所定の場所に載置するだけで被測定種子を適切に測定することができる。すると、被測定種子の判別を簡単かつ迅速に行うことができる。
第9発明によれば、被測定種子が高い発芽能力を有していれば、所定の波長帯の光が吸収されにくくなる一方、被測定種子の発芽能力が低い場合、かかる波長帯の光が吸収されやすい。このため、検出光スペクトルにおいて、所定の波長帯のスペクトル形状を解析すれば、被測定種子の発芽能力を簡単に、しかもより適切に把握することができる。すると、被測定種子の発芽能力に応じて種子を分別または選別すれば、発芽するタイミングが揃った種子を種子群として分別または選別することができる。
第10発明によれば、外部光の影響を排除した状態で検出光を測定することができるので、被測定種子の状態をより適切に把握しやすくなる。
第11発明によれば、隣接する照射面と受光面を同軸方向かつステージ上面から略同じ高さとなるように配置するので、検出光に基づく検出光スペクトルを規格化しやすくなる。このため、検出光スペクトルの形状に基づいて把握される被測定種子の状態をより適切かつ迅速に行うことができる。また、光ファイバを用いることによって、光源や分光部などから離間した位置で種子を測定することができるので、測定の自由度を向上させることができる。
第12発明によれば、セリ科の種子を高い発芽率を有する群に選別することができる。このため、選別した種子を播種すれば、一般的に発芽率が低いとされているセリ科の作物の生産性を向上させることができる。
本実施形態の種子判別装置1の概略説明図である。 実施形態の種子判別装置1の概略説明図であり、(A)は概略要部拡大説明図であり、(B)は光源部10の光照射ファイバ11と測定手段20の光受光ファイバ21の先端部を束ねた状態における光照射ファイバ11の照射面11hと光受光ファイバ21の受光面21hの概略説明図である。 実施例の種子の検出光スペクトルを示した図であり、(A)は発芽率の高い種子の検出光スペクトルを示した図であり、(B)は発芽率が非常に悪い種子の検出光スペクトルを示した図である。 実施例の種子の検出光スペクトルとクロロフィルaの吸光度スペクトルとの関係を示した図である。 (A)は実施例の種子の吸収量差(A−B)と発芽日数との関係を示した図であり、(B)は実施例の種子の検出スペクトルにおける670nmの規格化反射光強度と発芽日数との関係を示した図である。 実施例の実験結果を示した図であり、(A)は発芽率の高いUSパラマウントセルリーの種子の画像とその検出光スペクトル(右側が吸収ピークを有しない種子、左側が吸光ピークを有する種子)であり、(B)は発芽率の低いUSパラマウントセルリーの種子の画像とその検出光スペクトル(右側が吸収ピークを有しない種子、左側が吸光ピークを有する種子)であり、(C)は発芽率が悪いUSパラマウントセルリーの種子の画像とその検出光スペクトル(右側が吸収ピークを有しない種子、左側が吸光ピークを有する種子)である。 実施例の実験結果を示した図であり、(A)は白系のUSパラマウントセルリーの種子の発芽率を示した図であり、(B)は茶系のUSパラマウントセルリーの種子の発芽率を示した図であり、(C)は濃茶系のUSパラマウントセルリーの種子の発芽率を示した図であり、 実施例の実験結果を示した図であり、(A)は発芽率の高いグランドパセリの種子の画像とその検出光スペクトルであり、(B)は発芽率の低いグランドパセリの種子の画像とその検出光スペクトルであり、(C)は発芽率が非常に悪いグランドパセリの種子の画像とその検出光スペクトルである。 実施例の実験結果を示した図であり、(A)はグランドパセリの種子の検出光スペクトルであり、(B)は、播種後の所定の期間時の発芽率を示した図である。 実施例の活性化エネルギーと発芽反応速度の関係を示した図である。 実施例の実験に使用したレオメータの原理の概略説明図である。 実施例の実験結果を示した図であり、(A)はレオメータの試験状態を示した概略説明図であり、(B)は種皮の硬さと変位量の関係を示した図である。 実施例の硬さ試験の実験結果を示した図である。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本実施形態の種子判別方法は、光を利用して種子を判別する方法であって、被測定種子の発芽能力を簡単かつ迅速に把握して、発芽能力に応じて種子を判別できるようにしたことに特徴を有している。
本実施形態の種子判別方法によって判別の対象となる被測定種子は、種子の成熟度により種皮色が変化する種子であれば、とくに限定されない。例えば、セルリやパセリ、人参などのセリ科、菜の花やブロッコリなどのアブラナ科、ネギやタマネギなどのユリ科、レタスや春菊などのキク科、キュウリやスイカなどのウリ科、ナスやトマトなどのナス科、ホウレンソウなどのアカザ科、等の作物の種子や、マツや杉、ヒノキ等の樹木の種子などを挙げることができる。
まず、本実施形態の種子判別方法を説明する前に、本実施形態の種子判別方法に使用する種子判別装置について説明する。
(本実施形態の種子判別装置1について)
本実施形態の種子判別装置では、被測定種子に対して可視光を照射した際に、被測定種子の光を照射された側に位置する種皮で反射した反射光や種皮の凹凸に起因して散乱した散乱光を含む光を検出光として測定する。そして、被測定種子が高い発芽能力を有していれば、500nm〜800nmの波長帯にピークを有する光を検出光として検出することができる(図3(A)参照)。一方、被測定種子が発芽能力を有していないまたは発芽能力が低い種子であれば、上記波長帯にピークを有する光が種皮で吸収されて、かかる波長帯の光が検出光として検出されにくくなる(図3(B)参照)。
したがって、可視光を照射した際に被測定種子から得られる検出光を測定すれば、被測定種子の発芽能力を簡単に把握することができる。
なお、本明細書中における可視光とは、可視光の波長領域のうち所定の波長領域の光の他、可視光の波長領域の光を全て含む光を含む概念である。
また、本明細書中における発芽能力とは、播種後の所定期間内における発芽のしやすさを含む概念であり、発芽率で表すことができるものをいい、本明細書中における発芽率とは、播種後の所定の期間経過後に発芽している種子数を播種した種子数で除した値をパーセント表示としたもののことを意味する。
以下、本実施形態の種子判別装置1を図に基づいて具体的に説明する。
図1に示すように、本実施形態の種子判別装置1は、カバー部材3で覆われたステージ2上に載置された被測定種子Sに対して光L1を照射する光源部10と、被測定種子Sからの検出光L2を測定し解析する測定手段20とを備えている。
なお、光源部10から被測定種子Sに対して照射される光L1を、以下、単に照射光L1という
図1に示すように、カバー部材3は、測定対象の被測定種子Sをステージ2の上面2Sに載置した状態において、かかる被測定種子Sを覆うことができる部材である。具体的には、カバー部材3は、底面に開口を有し、かつ内部に中空な空間を有する筒状の部材であり、内部の空間に外部光が入らないように形成されている。つまり、ステージ2上に載置された被測定種子Sを覆った状態において、内部が暗室となるように形成されている。
なお、この暗室とは、完全な暗室を意味している訳でなく、被測定種子Sからの検出光を測定する際に、測定結果に外部光が影響しない程度の暗室状態となっている場合を含むことを意味する。
図1および図2に示すように、筒状のカバー部材3の上部を構成する上部壁には、外部と内部を連通する孔が形成されている。この孔には、被測定種子Sに対して照射光L1を照射するための光源部10の光照射ファイバ11の先端部と、被測定種子Sの種皮で反射等された光を検出光L2として受光する測定手段20の光受光ファイバ21の先端部とが束ねられた状態で外部から挿入されている(図2参照)。
そして、この束ねられた状態の両光ファイバ11、21は、光照射ファイバ11の先端の照射面11hから下方に向かって照射光L1を照射したときに、かかる照射光L1の光軸がステージ2の上面と略直交するように設けられているのが好ましいが、この理由は後述する。
図1に示すように、光源部10の光照射ファイバ11は、その基端が光源部10の光源12に接続されている。この光照射ファイバ11は、光源12から放出された可視光を内部のコア領域を伝搬して先端から放射する機能を有する部材であれば、とくに限定されない。例えば、光照射ファイバ11として、一般的な光ファイバ(例えば、コア径が600μm程度のもの)を使用することができる。
光源部10の光源12は、可視光の波長領域を有する光を放出することができるものであれば、とくに限定されない。
例えば、光源12として、一般的な可視光を放出できる光源(例えば、ハロゲン、キセノン、水銀、蛍光灯、白色LED、白色(波長可変)レーザ光源など)を使用することができる。光源12として白色の光を有するものを使用すれば、照射光における波長のバラツキを抑制することができるので、好ましい。
一方、図1または図2に示すように、測定手段20の光受光ファイバ21は、その基端が測定手段20の分光部22に接続されている。
この光受光ファイバ21は、先端の受光面21hから受光した検出光L2を内部のコア領域を伝搬して基端から放出する機能を有する部材であれば、とくに限定されない。例えば、光受光ファイバ21として、一般的な光ファイバ(例えば、コア径が600μm程度のもの)を使用することができる。
なお、この光受光ファイバ21が、特許請求の範囲にいう受光部に相当する。
測定手段20の分光部22は、光受光ファイバ21の基端から放出された検出光L2を、かかる検出光L2を構成する成分波長に分散する機能を有するものであれば、とくに限定されない。
具体的には、分光部22は、光受光ファイバ21の基端から分光部22内に入射された検出光L2を構成する成分波長に分散し、各分散波長をデータ信号として分光部22に電気的に接続された解析部23へ送信する機能を有するものである。例えば、分光部22として、一般的な分光器を使用することができる。
図1に示すように、分光部22には、解析部23が電気的に接続されている。この解析部23は、分光部22で分散された分散光のスペクトルデータに基づいて種子の発芽機能を判別する機能を有するものである。
具体的には、解析部23は、分光部22から送信されたスペクトルデータに基づいて検出光スペクトルを作成する機能を有している。そして、この解析部23には、解析したデータや検出光スペクトルなどを表示するディスプレイが電気的に接続されている。このため、解析部23で解析したデータ結果等をディスプレイによって容易に確認することができる。
なお、本明細書中における検出光とは、上述したように被測定種子Sに対して可視光を照射した際に、被測定種子の光を照射された側に位置する種皮で反射した反射光や種皮の凹凸に起因して散乱した散乱光を含む光を意味する。
また、本明細書中における検出光スペクトルとは、検出光のスペクトルデータの信号光強度(Y軸)と波長(X軸)との関係に基づいて作成されたスペクトルを意味する。
また、本明細書において種子で反射される反射光とは、平坦面に入射した光が所定の角度で反射される光のほか、入射した光が様々な角度で反射する光のことを含む概念である。例えば、反射光として、種子の種皮に入射した光が拡散反射する光や乱反射する光、散乱する光などを挙げることができる。
(本実施形態の種子判別方法について)
つぎに、以上のごとき構成を有する種子判別装置1を使用して種子を判別する本実施形態の種子判別方法について説明する。
図2(A)に示すように、まず、被測定種子Sをステージ2上に載置する。そして、かかる被測定種子Sを覆うようにステージ2上にカバー部材3を配置する。その後、カバー部材3の内部を暗室状態にした状態で光源部10の光照射ファイバ11から被測定種子Sに対して照射光L1を照射する。すると、被測定種子Sから可視光の波長領域を有する光が放射されるので、かかる光を含む光を検出光L2として測定することができる。
以下、具体的に説明する。
発芽能力を有していない、または発芽能力が低い被測定種子Sの場合、所定の波長帯(例えば、500nm〜800nm程度)にピークを有する光が、種皮で吸収される一方、高い発芽能力を有する被測定種子Sの場合、かかる光が、吸収されにくくなる。
つまり、被測定種子Sが高い発芽能力を有していれば、上記波長帯の光が吸収されにくいので、かかる光を含む光を検出光L2として測定することができる。一方、発芽能力を有していない、または発芽能力が低い被測定種子Sであれば、上記波長帯の光が種皮で吸収等された状態の光を検出光L2として測定することができる。
そして、測定手段20の受光部21である光受光ファイバ21によって受光した検出光L2は、測定手段20の分光部22に送信される。
分光部22では、受光部21から送信された光を所定の信号データに変換したスペクトルデータを測定手段20の解析部23へ送信する。
解析部23では、分光部22から送信されたスペクトルデータに基づいて測定対象の被測定種子Sの検出光スペクトルが作成される。この検出光スペクトルには、上述したように被測定種子Sの状態が反映されている。
このため、この検出光スペクトルを確認すれば、被測定種子Sの発芽能力を簡単に把握することができる。すると、検出光L2に基づく検出光スペクトルを確認すれば、発芽しやすい被測定種子Sか否かを簡単に判別することができるのである。
なお、解析部23にモニタ等を接続していれば、目視によって簡単に検出光スペクトルの状態を確認することができるので好ましい。
とくに、測定手段20の解析部23によって得られた検出光スペクトルにおいて、所定の波長帯(例えば、500nm〜800nm程度)の形状を確認することによって、より適切かつ簡単に被測定種子Sの状態を把握することができる。
具体的には、高い発芽能力を有する被測定種子Sであれば、かかる波長帯の形状は略連続するフラットな状態で検出することができる(例えば、図3(A)の検出光スペクトル)。一方、発芽能力を有していない、または発芽能力が低い被測定種子Sであれば、かかる波長帯の形状は、種皮により所定の波長帯の光(例えば、670nm近傍にピークを有する光)が吸収されたことに基づく落ち込んだ形状、つまりディップを有する検出光スペクトルを得ることができる(例えば、図3(B)の検出光スペクトル)。
そして、この検出光スペクトルにおけるディップに基づいて被測定種子Sの状態を把握できるということは今回初めて見出されたものである。
検出光スペクトルにおけるディップは、その発生メカニズムは不明であるが、被測定種子Sの表面を覆う種皮中に存在するクロロフィルaに起因するものと推測される。以下、その理由を示す。
まず、ディップを有しない被測定種子Sとディップを有する被測定種子Sの関係を以下に示す。
ディップを有しない被測定種子Sは、ディップを有する被測定種子Sに比べて被測定種子Sの発芽能力が高い傾向にある。つまり、ディップを有しない被測定種子Sは、ディップを有する被測定種子Sに比べて早く発芽し、かつ発芽率が高い傾向にある。
また、ディップを有しない被測定種子Sのうち、検出スペクトルにおける光強度が高いものほど早く発芽し、かつ発芽率が高い傾向にある。
つぎに、セリ科植物の種子について以下説明する。
一般的に、種子の発芽率は、種子の成熟度に関係するといわれている。つまり、種子が成熟すれば、発芽しやすくなるのである。
セリ科植物は、種子の成熟に伴い種皮の色が退色することがしられている。つまり、成熟するにつれて、種皮の色が黒系から白系に退色するのである。かかる現象は、種皮中に存在するクロロフィルaが関係しており、セリ科植物は、成熟するにつれて種皮中に存在するクロロフィルaの量が減少する植物であると考えられる。
また、セリ科植物の多くは好光発芽種子といわれている。この好光発芽種子は、赤色光を照射すれば、赤色光を照射しない種子に比べて発芽が起こりやすくなる種子である。現在のところ、セリ科植物における赤色光と発芽の関係の明確なメカニズムは不明であるが、赤色光の有無が発芽率に影響を与えていることから、赤色光は、種子の発芽時における推進機能つまりアクセル的な役割として機能しているものと推察される。
そして、赤色光は、600nm〜800nmの波長帯を有する光であり、クロロフィルaによって吸収される光でもある。言い換えれば、セリ科植物の種子の種皮中に存在するクロロフィルaは、外部から照射された赤色光が種皮よりも中(つまり種子内)へ侵入するのを遮断する機能を有していると考えられる。かかる理由は、上記のごとき赤色光の機能を考慮すると、種子が発芽に適した状態にない場合にはクロロフィルaによって発芽を促進させる赤色光の侵入を遮断しようとしているものと考えられる。
以上のごとく、セリ科植物では、種子の成熟度に伴い、種皮中のクロロフィルaが減少することによって、外部から赤色光が種子内へ侵入しやくなるので、早く発芽し、かつ発芽率も向上すると推測される。
つぎに、吸光度スペクトルにおけるクロロフィルaのピークと検出スペクトルにおけるディップ(吸光度ピーク)との関係を以下に示す。
クロロフィルaは、吸光度スペクトルにおいて、670nm付近にピークトップを有する600nm〜750nmの波長帯に特徴的なピークを有するものである。そして、検出スペクトルにおけるディップは、670nm付近にピークの最下点を有する600nm〜800nmの波長帯に特徴的な吸収ピークを有する。
つまり、検出スペクトルにおけるディップと吸光度スペクトルにおけるクロロフィルaは、検出される波長帯およびピークトップの波長がほぼ一致する関係にある(図4参照)。
したがって、発芽率と出芽の速さの観点および検出スペクトルの光強度の観点から、検出スペクトルにおけるディップは、種子の種皮中に存在するクロロフィルaに起因するものと推定される。
つまり、検出スペクトルにおけるディップが小さいまたはディップを有しない被測定種子Sは、種皮中のクロロフィルaが少なくなるので、赤色光が種子内へ侵入しやすくなり、発芽が促進されるから、早く発芽し、かつ発芽率も向上するのである。言い換えれば、このような被測定種子Sは、発芽に要するエネルギーが少なくてよいと考えられる。
一方、検出スペクトルにおけるディップが大きい被測定種子Sは、種皮中のクロロフィルaが多くなるので、赤色光が種子内へ侵入しにくくなり、発芽の促しが小さいので、ゆっくりと時間をかけて発芽し、かつ発芽率も低くなる。言い換えれば、このような被測定種子Sは、発芽に要するエネルギーが前述の被測定種子Sと比べ大きくなると考えられる。
上記推定は、種子の発芽反応速度の観点からもサポートすることができる。以下、理由を説明する。
J.Chevallierらの水素放出反応の連続加熱の速度論(Chevallier、J., et al.”Donor neutralization in GaAs (Si) by atomic hydrogen.”,Applied Physics Letters 47(2) 108−110(1985).)に基づけば、種子の発芽反応速度は、以下の数3で表すことができる。
まず、J.Chevallierらの水素放出反応の連続加熱の速度論から各々の放出反応の速度論が成り立つことを示した式が以下の数1である。
つぎに、数1を種子の発芽反応速度へ以下の数2ように適用すれば、下記の数3を作成することができる。
:種子全体の個数、N:発芽した個数、t:発芽時間、v:頻度因子、k:ボルツマン定数である。
作成した数3のEa/kTより、活性化エネルギーEaを算出する。
この活性化エネルギーEaは、種子が発芽する際の反応速度に相当するものである。
なお、Eaの大小は、反応速度の遅速を表すものである。
この活性化エネルギーEaは、T=298 K(25℃)、k=1.38×10−23 J/K、1eV=1.602×10−19 Jをそれぞれ用いれば算出することができる。
上記数3に基づいて、ディップを有する被測定種子Sとディップを有しない被測定種子Sのそれぞれの活性化エネルギーEaを算出する。
すると、ディップを有する被測定種子Sの活性化エネルギーEaは、ディップを有しない被測定種子Sと比べて大きい。
活性化エネルギーEaが大きいということは、発芽における反応速度(以下、単に発芽反応速度という)が遅くなることを意味している。つまり、被測定種子Sが発芽するまでに要する時間が遅いことを意味している。その逆に、活性化エネルギーEaが小さいということは、発芽反応速度が速くなることを意味している。つまり、被測定種子Sが発芽するまでに要する時間が早くなるということを意味している。
したがって、種子の発芽反応速度の観点からも、検出スペクトルにおけるディップが小さいまたはディップを有しない被測定種子Sは、発芽に要するエネルギーが少なくてすむので、早く発芽するものと推定される。一方、検出スペクトルにおけるディップが大きい被測定種子Sは、検出スペクトルにおけるディップが小さいまたはディップを有しない被測定種子Sと比べて発芽に要するエネルギーが大きくなるので、これらの被測定種子Sよりも発芽が遅くなると推定される。
(ディップの定義について)
なお、検出光スペクトルにおけるディップの有無は、600nm〜800nmの波長帯において、670nm付近を最下点とする吸収ピークが検出されるか否かで判断することができる。以下、その具体的な判断手法を示す。
ディップは、上述したようにクロロフィルaに起因するものと推測されることから、検出スペクトルにおける信号光の変化に基づいて、上記吸収ピークの有無を判断することができる。かかる信号光の変化は、以下のようにして算出することができる(図4参照)。
まず、ディップを有する被測定種子Sから検出スペクトルを作成する。この作成した検出光スペクトルから上記吸収ピークの最下点(つまり、670nm付近に位置する上記吸収ピークの頂点)に相当する波長Bを求める。
ついで、検出スペクトルにおけるディップの終点の波長Aを求める。この終点は、例えば、上記吸収ピークの形状から終点を適宜求めてもよいし、同一環境下で測定したクロロフィルaの670nm付近にピークトップを有する600nm〜750nmの波長帯のピークの終点としてもよい。そして、得られた終点の波長(例えば、700nm)を波長Aとする。
そして、検出スペクトルにおいて、長波長側の波長Aと短波長側の波長Bにおけるそれぞれの規格化反射光強度(面積比)の差分(以下、吸収量差(A−B)という)を算出する。この吸収量差(A−B)が一定値よりも大きければ、上記吸収ピークが検出されたものと判断して、ディップを有する検出スペクトルが得られたと判断する。
(ディップの相対強度と発芽率の関係について)
つぎに、検出スペクトルにおけるディップの相対強度と発芽率との関係について説明する。
上述したディップを有する検出光スペクトルにおいて、ディップの相対強度に基づいて被測定種子Sを選別した場合、発芽するまでの期間が長い種子群と、発芽率が非常に低い種子群とに選別することが可能となる(例えば、図4および図5(B)参照)。
例えば、様々な状態の種子を含んだものを測定対象とした場合、これらの種子を3種類の種子群(発芽期間が短く発芽率が高い種子群A、発芽期間が長く発芽率が高い種子群B、発芽率が低い種子群C)に選別することができる。
言い換えれば、本実施形態の種子判別方法を使用すれば、発芽のタイミングを調整した種子を選別することができるのである。
ここで、作物生産において、種子が発芽することは重要であるが、作物の生産性の効率化の上では、収穫時における作物がほぼ同じ収穫に適した大きさになっていることが非常に重要となる。かかる時期にほぼ同じ大きさとなるように生育させるには、発芽のタイミングを揃えることが非常に重要となる。なぜなら、発芽のタイミングが1日ずれるだけで、収穫時期における作物の成長の差に1週間程度の開きが生じてしまうからである。
従来の種子選別方法では、発芽率を基準に種子を選別しているので、上述した種子群Aと種子群Bが混在した状態で市場に提供される。そして、かかる混在種子を播種すれば、上述したように種子群Bは、種子群Aに比べて発芽のタイミングが遅いので、生育を揃えるために間引きなどを行われる。間引き作業は、非常に手間と時間がかかる作業であり、しかも、間引いた部分では、作物を栽培しないので、生産性が低下してしまう。
また、予め過剰量の播種を行い出芽後に間引きする方法も行われている。しかし、種子が高価な場合には、種子のコストが増加してしまう。とくに、このように手間と時間とコストがかる間引き作業は、近年増加している大規模農場において不向きな栽培方法である。
そこで、一般的な大規模農場では、間引き作業が行われていないのが実情である。しかしながら、生育を揃えるための間引き作業が行われないので、収穫時期において、作物毎に収穫のタイミングにバラツキが生じてしまう。したがって、作物毎に収穫に適しているか否かを検査しながらの収穫作業となるので、作物を収穫する際の作業性が低下してしまう。その逆に、作物毎の検査をしないで作物を収穫すれば、収穫作業のコストを低減できるものの、収穫に適した作物もあれば、その逆に収穫が早すぎるものや、収穫が遅すぎるものなどが混在する状態で収穫することになり、収穫した際の作物の品質にばらつきが生じてしまい、品質低下が生じてしまう。
一方、本実施形態の種子判別方法を使用すれば、上述した種子群Aと種子群Bを選別することができる。このため、種子群Aと種子群Bを同じ時期にそれぞれ別々に播種すれば、種子群Aと種子群Bをそれぞれ収穫に適した状態で作物を収穫することができるので、上述したような従来の種子選別方法を使用した場合に生じる問題を回避することができる。
しかも、播種作業を一度に行うことができるので、播種の作業性の効率化を図ることができる。
さらに、同一の作物を収穫に適した状態(つまり均質な状態)で長期間に渡って収穫することができるので、作物の生産性を向上させることが可能となる。
したがって、本実施形態の種子判別方法を使用すれば、収穫のタイミングが揃う種子を選別することができるので、作物の収穫時期もそろえることができ、作物栽培における生産を飛躍的に向上させることができる。
以上をまとめると、本実施形態の装置を使用することによって、被測定種子Sから得らえる検出スペクトルの形状(つまりディップの有無)に基づいて、発芽能力(発芽の遅早、発芽率)を簡単かつ迅速に把握して、かかる発芽能力に応じて種子を判別することができる。
また、検出スペクトルにおいて、ディップを有しない被測定種子Sは、成熟状態またはそれに近い状態にあるのに対して、ディップを有する被測定種子Sは、成熟前の状態であると判断することもできる。
また、本実施形態の種子判別方法では、種子判別装置1のステージ2上に被測定種子Sをセットし、かかる被測定種子Sを種子判別装置1のカバー部材3で覆うだけの簡単な操作であるので、測定操作を非常に簡単に行うことができる。このため、被測定種子Sの判定を迅速に行うことができる。
しかも、被測定種子Sをカバー部材3で覆った状態で検出光L2を測定することができるので、外部光の影響を排除することができる。このため、検出光L2の測定精度を向上させることができるので、被測定種子Sの状態をより適切に把握しやすくなる。
また、上述した構成を有する本実施形態の種子判別装置1では、測定手段20によって可視光領域の光を含む光を検出光L2として測定するので、近赤外光のような特殊な光を照射する場合や種子内の内部物質に基づく微弱な反射光を測定する場合に比べて、簡単な構造とすることができる。このため、従来の特殊な光(例えば、近赤外光など)を利用するような場合と比べて、装置を小型化することが可能となる。
さらに、図1に示すように、光源部10および受光部21に光ファイバを用いれば、光源部10から放出された可視光を減衰することなく光照射ファイバ11の照射面11hから照射光L1として照射したり、光受光ファイバ21の受光面21hで受光した光を減衰することなく分光部22に対して放出することができる。
このため、光源部10の光源12や測定手段20の分光部22から離れた場所等で被測定種子Sの判別検査等を適切に行うことができるので、測定の自由度を向上させることができる。
本実施形態の種子判別装置1の構成として上述した光ファイバを採用する場合には、図2に示すように、光源部10の光照射ファイバ11と測定手段20の光受光ファイバ21の両先端部がY字状に束ねられたものを採用することができる。
そして、このY字状に形成された先端部をカバー部材3の上部壁に形成された孔から内方に向かって挿入した状態で配置する。なお、このY字状に束ねた光ファイバの先端部を、以下、混合光ファイバ部という。
図2(A)に示すように、この混合光ファイバ部は、その中心軸が光照射ファイバ11から照射される照射光L1の光軸と略平行となるように形成されている。つまり、光照射ファイバ11の先端部と光受光ファイバ21の先端部は、それぞれの中心軸が互いに平行となるように束ねられているのである。
また、図2(B)に示すように、混合光ファイバ部は、両光ファイバの先端面11h、21h(つまり光照射ファイバの照射面11hおよび光受光ファイバの受光面21h)が面一となるように配設されている。
そして、この混合光ファイバ部は、光照射ファイバ11の先端つまり光照射面11hから下方に位置するステージ2上面2Sに向かって照射光L1を照射したときに、かかる照射光L1の光軸がステージ2の上面2Sと略直交するようにカバー部材3の上部壁に固定されている。
また、図2(A)に示すように、混合光ファイバ部は、その先端面11h、21hがステージ2の上面2Sから所定の間隔を開けて配置されている。
具体的には、混合光ファイバ部の光照射ファイバ11の照射面11hから照射光L1を照射したときのステージ2上面に形成される照射面積が、測定対象の被測定種子Sよりも大きくなるように調整されている。言い換えれば、混合光ファイバ部の光照射ファイバ11の照射面11hとステージ2上面2sの距離を調整すれば、上記照射面積を所望の大きさとなるように調整することができるのである。
このため、両者間の距離を調整すれば、光照射ファイバ11の照射面11hから照射した照射光L1によって、照射面積がステージ2上の被測定種子S全体をすっぽりと覆うような状態とすることができる。
例えば、光照射ファイバ11のコア径が約600μmの場合、ステージ2上面2sから混合光ファイバ部の光照射ファイバ11の先端の照射面11hまでの距離が約18mmとなるように配置すれば、大きさが幅約3mm、長さ約5mm程度の被測定種子Sであれば、かかる被測定種子Sを照射光L1ですっぽりと覆うことができる。この場合、被測定種子の形状や大きさに関わらず、被測定種子をステージ上の所定の場所に載置するだけで被測定種子を適切に測定することができる。すると、被測定種子の判別を簡単かつ迅速に行うことができる。
なお、ステージ2上面に形成される照射面積の大きさはとくに限定されない。また、ステージ2上面に形成される照射領域の形状もとくに限定されず、略円形や略楕円形などであってもよい。
以上のごとき構造の光ファイバを本実施形態の種子判別装置1の構成として採用すれば、以下の効果を奏する。
本実施形態の種子判別装置1の光源部10の光照射ファイバ11から照射された照射光L1の光軸とステージ2上面2Sが交差する交差点近傍のステージ2上に測定対象の被測定種子Sを載置すれば、被測定種子Sに対して略直交する方向から照射光L1を照射することができる。すると、被測定種子Sに対して効率よく照射光L1を照射することができる。
しかも、混合光ファイバ部は、光受光ファイバ21の受光面21hが照射ファイバ11の照射面11hと同一面上に位置し、かつ両面が同一方向を向くように形成されている。このため、照射光L1の影響を排除した状態で検出光L2を受光するこができるので、検出光L2も効率よく測定することができる。
さらに、上述したように、照射ファイバ11の照射面11hと光受光ファイバ21の受光面21hが同一面上かつ同一方向を向いているので、検出光L2の光強度をバックグランドの光強度で差分した値を照射光L1で除すれば、被測定種子Sから放射される反射光や散乱光だけの光に基づく信号を検出することができる。そして、かかる信号を波長毎にプロットすれば、規格化したスペクトルを作成することができる(例えば、図3参照)。この場合、バックグランドの影響を抑制できるので、検出光L2の感度および精度を向上させることができる。すると、被測定種子Sの状態をよりはっきりと把握することができる。
なお、バックグランドとは、被測定種子Sがない状態で測定した場合の値をいう。
(他の実施形態の種子判別装置)
なお、上記例では、種子判別装置1のカバー部材3が、底面が開口した円筒状の部材の場合について説明したが、ステージ2上面2Sに載置した被測定種子Sを覆うような形状であれば、以下のような構成としてもよい。なお、以下では、上述した装置と同等の機能を有するものについては、詳細を割愛する。
例えば、種子判別装置1のカバー部材は、円筒状の部材であり、その両端縁に上部壁と下部壁が設けられた有底筒状の部材を採用することができる。このカバー部材の上部壁には、上述した場合と同様に混合光ファイバ部を挿入するための外部と内部を連通する孔が設けられている。一方、かかるカバー部材の下部壁には、内部と外部を連通し、かつ被測定種子の長軸辺の長さよりもよりもやや長い直径を有する開口を形成することができる。例えば、被測定種子の長辺の長さが約3mm、単辺の長さが約1mmの場合、カバー部材の下部壁には、直径が約5mmの略円形または長さ約5mm、幅3mmの略楕円形の開口を形成することができる。そして、この開口は、その中心が、上部壁の孔に混合光ファイバを挿入し取り付けた状態において、かかる光照射ファイバから照射された照射光の下部壁内面に形成される照射領域の中心と略一致するように形成されている。
そして、ステージと上述したカバー部材との間には、カバー部材の下部壁外面とステージ上面が所定の距離離間した状態を維持するため支持部材を設ける。かかる距離は、被測定種子をステージ上面に載置した状態における厚みよりもやや大きくなるように形成する(例えば、5〜10mm程度)。つまり、両者間には、ステージ上面に被測定種子を載置したときに、かかる被測定種子がちょうど入るような大きさの隙間が形成されているのである。
また、ステージは、可動可能に形成されている。具体的には、ステージを移動してカバー部材の下方に位置するように設置したとき、ステージ上面に載置した被測定種子の中心がカバー部材の下部壁に形成された開口の中心と略一致するように調整されている。このステージは、上記のような機能を有するものであれば、どのような構成のものでも採用することができ、例えば、台車状に形成されたものでもよく、ベルトコンベア状に形成されたものであってもよい。
以上のごとき構造とすれば、光照射ファイバからステージ上面に載置した被測定種子に向かって照射光を照射すれば、被測定種子の種皮で散乱された散乱光の一部がカバー部材の下部壁外面で遮ることができる。この場合、散乱光の影響を抑制した検出光を測定することができるので、よい明確な検出光スペクトルを得ることが可能となる。
しかも、ステージが上記のごとく可動可能に形成されているので、被測定種子の交換作業が行いやすくなるので、測定操作の作業性を向上させることができる。具体的には、カバー部材をそのままの状態に維持しながら、被測定種子を連続して測定することができるので、短時間でより多数の被測定種子を判別することが可能となる。
なお、上述した種子判別装置を用いる場合、測定精度を向上させる上では、周囲を真っ暗な状態にして外部光の影響をできるだけ抑制した状態で被測定種子の判別を行うのが好ましい。
なお、上記例として、光源部10の光源12として、広い波長帯の可視光を含む光を被測定種子Sに対して照射する場合を説明したが、放射半導体レーザなどのレーザ等のように、所定の波長帯(500nm〜800nm)にピーク波長を有するものを使用してもよい。とくに670nm近傍にピーク波長を有するものが好ましい。かかる光源12を使用し670nm近傍にピーク波長を有する光を被測定種子Sに照射すれば、被測定種子Sの発芽能力に応じて吸収強度が異なるので、かかる強度を解析すれば、被測定種子Sの発芽能力を把握することができるから、低コストで装置を作成することが可能となる。また、上記波長帯において、複数の異なるピーク波長を有する光を照射すれば、測定精度を向上させることも可能となる。
なお、本明細書において発芽とは、幼根が種皮を破って出現したときをいう。
また、人が物体を見たときに白色系に感じるときの物体から放射された光には、可視光の波長領域の光がほぼ全てバランスよく含まれている。一方、物体から放射された光において、可視光の波長領域の光のバランスが崩れているような場合には、人は有色系の色を呈していると感じる傾向にある。
つまり、上記検出光スペクトルにディップを有する光の場合、かかる光を人が見たときに、人は色を有していると感じる傾向にあると考えられる。人が感じる光の色合いは、ディップが発生する波長帯や大きさ、形状等により様々に変化すると考えられる。
以下では、本実施形態の種子判別装置によって、種子の発芽能力に応じて種子を判別することができることを確認した。
実験では、ステージ上に載置した種子をカバー部材で覆う構成の装置を使用した。また、実験で使用したステージは、可動式のものを使用した。
カバー部材は、表面が黒い、下部壁に開口を有する有底円筒状の部材を使用した。また、種子に対して光を照射するものと、種子からの検出光を受光するものとして、光ファイバを使用した。そして、この両光ファイバは、先端部をくっつけてY字状に形成した混合二分岐光ファイバとしたものを使用した。この混合二分岐光ファイバは、分岐する前の混合先端部(実施形態の混合光ファイバ部に相当する)を、上述したカバー部材の外部から上部壁に形成した貫通孔から内部へ挿入し、所定の位置に固定した。
なお、この混合二分岐光ファイバの分岐した一の光ファイバは、その基端が光源に接続されており、他の光ファイバは、その基端が分光器に接続されている。この分光器には、電気的に解析機器であるコンピュータが電気的に接続されたものを使用した。
混合二分岐光ファイバに使用した光ファイバは、コア径600μm(オーシャンオプティクス社製、型番;BIF600―VIS―NIR)を使用した。
また、実験に使用したカバー部材は、直径40mm、軸方向(つまり側壁)の長さが38mm、の有底円筒状の部材であり、上部壁に外部と内部を連通する直径約10mmの孔が形成されており、下部壁の略中央部に外部と内部を連通する長さが約5mm、幅が約3mmの開口を有するものを使用した。
カバー部材の内方に配設した混合二分岐光ファイバは、その混合先端部の先端がカバー部材の下部壁内面から約8mmの高さに位置するように調整した。
また、種子を載置するためのステージは、可動可能な台車状に形成されたものであり、カバー部材の下方に設置した状態において、ステージ上面とカバー部材の下部壁外面との距離が10mmとなるように形成したものを使用した。つまり、本実験では、ステージ上面と混合二分岐光ファイバの混合先端部の先端との距離が約18mmとなるように調整した装置を使用した。
なお、混合二分岐光ファイバの一の光ファイバから光を照射した際に、ステージ上面に形成される照射領域の形状は、直径約10mm、幅が約7mmの略楕円形状であった。
また、測定を行う際には、検出光に外部光が含まれないように、周囲をほぼ真っ暗とした暗条件下で測定を行った。
その他の実験に使用した光源、分光器、解析機器は、以下のとおりである。
光源:ソーラボ社製(放出波長300nm〜2600nm)(型番;SLS201/M)
分光器:オーシャンオプティクス社製(型番;QE65000)
解析機器:Dell製PC(解析ソフト;SpectraSuite)
実験では、測定対象とした種子をステージ上面にセットした後、種子の表皮で反射された反射光や表皮で散乱された散乱光を含む光を検出光として検出した。そして、かかる検出光を分光器により所定のスペクトルデータに変換した後、解析装置によって、スペクトルデータに基づく検出光スペクトルを作成した。
なお、この検出光スペクトルは、各波長における光強度を規格化した値をプロットしたものであり、X軸を波長、Y軸を単位面積当たりの規格化信号光強度(/μm)として作成した。
この規格化信号光強度(/μm)は、検出光をバックグランドで差分し、光源で除した後、種子の単位面積で除することによって算出した値である。
検出光を上記のごとき規格化することによって、種子に照射光を照射した際に、種子の種皮から放射された反射光や散乱光だけを測定することができる。
実験では、本装置で判別した種子を各検出光スペクトルに基づいて分別した後、分別したグループごとに発芽率を測定した。
なお、発芽率の測定では、分別した各グループからランダムに20粒を抽出し、発芽率測定に供した。
また、分別した各グループの種子は、種皮の色を目視観察した。
(予備実験)
予備実験として、検出光スペクトルにおいて、600nm〜800nm波長帯に検出され、670nm付近に頂点を有する吸収ピーク(本実施形態におけるディップに相当する吸収ピーク)の検出下限を以下のようにして算出した。
まず、上記吸収ピーク(以下、単に吸収ピークという)を有する種子(セリ科のUSパラマウントセルリーの種子)を測定した後、測定データに基づいて検出スペクトルを作成した。
一方、同じ測定条件下、クロロフィルa(和光純薬工業株式会社製)の吸光度を吸光度計(島津製作所製、SolidSpec−3700)を用いて測定した後、測定データに基づいて吸光度スペクトルを作成した。
なお、種子は、USパラマウントセルリー(ウエキのタネ)を使用した。
図4に予備実験の結果を示す。
図4に示すように、検出スペクトルにおける吸収ピークの頂点Bを求め、かかる頂点Bの波長Bを求めた。波長Bは、670nmであった。
なお、図4に示すように、吸収ピークの頂点Bは、吸光度スペクトルにおける650nm〜750nmの波長帯にピークトップを有するクロロフィルaのピークの頂点と一致していたことが確認できた。また、かかる頂点の波長も670nmであった。
つぎに、吸収ピークの終点Aとその波長Aを以下のようにして求めた。
吸光度スペクトルにおける650nm〜750nmの波長帯にピークトップを有するクロロフィルaのピークから以下のようにして求めた。
まず、吸光度スペクトルにおける650nm〜750nmの波長帯にピークトップを有するクロロフィルaのピークの終点とその波長を求めた。図4に示すように、かかるピークの頂点とベースラインとの交点のうち長波長側の交点をクロロフィルaのピークの終点とした。かかる終点の波長は700nmであった。
ついで、検出スペクトルにおいて、波長700nmにおける点を吸収ピークの終点Aとした。なお、かかる終点Aの波長は、上記のごとく700nmであった。
そして、吸収ピークの頂点Bと終点Aにおける規格化反射光強度(面積比)、つまり、終点Aと頂点B間における光吸収量の差分(以下、光吸収量差(A−B)という)を算出した。このときの光吸収量差(A−B)は、2.6×10−8であった。つまり、検出スペクトルにおける吸収ピークの検出下限値は、光吸収量差(A−B)が2.6×10−8であった。したがって、光吸収量差(A−B)が2.6×10−8よりも大きくなる信号光の変化を本実施例では吸収ピークを有すると判断した。
(実験1)
実験1では、セリ科のUSパラマウントセルリーの種子を測定対象の種子として使用した。
まず、USパラマウントセルリーの種子は、検出光スペクトルの形状に基づいて、検出光スペクトルがフラットな形状のグループ(つまり吸収ピークを有しないグループ)と検出光スペクトルにおける670nm付近に吸収ピークを有するグループに分けた。
図5(A)および図6に示すように、吸収ピークを有するグループは、光吸収量差(A−B)の大きさに基づいて、光吸収量差(A−B)が大きいグループ(図5(A)では一番上の円で囲んだグループ、図6では(A)の左側のグラフ)、小さいグループ(図5(A)では一番下の円で囲んだグループ、図6では(C)の左側のグラフ)そして両者間の中間のグループ(図5(A)では上から二番目の円で囲んだグループ、図6では(B)の左側のグラフ)と、に分別することができた。
一方、図5(B)および図6に示すように、吸収ピークを有しないグループは、670nm(吸収ピークの頂点に相当する点の波長)における規格化反射光強度の大きいグループ(図5(B)では一番上の円で囲んだグループ、図6では(A)の右側のグラフ)、小さいグループ(図5(B)では一番下の円で囲んだグループ、図6では(C)の右側のグラフ)そして両者間の中間の強度を有するグループ(図5(B)では上から二番目の円で囲んだグループ、図6では(B)の右側のグラフ)と、に分別することができた。
また、図6に示すように、上記のごとき6つのグループに分別した種子を種皮の色に基づいて分別したところ以下の通りであった。
吸収ピークを有する種子のうち光吸収量差(A−B)が大きいグループと、吸収ピークを有しない種子のうち670nmの規格化反射光強度の大きいグループが、白系の種子であった。なお、このときの分別割合は、前者:後者が約4:6であった。
吸収ピークを有する種子のうち光吸収量差(A−B)が中間の大きさのグループと、吸収ピークを有しない種子のうち670nmの規格化反射光強度が中間の大きさのグループが、茶系の種子であった。なお、このときの分別割合は、前者:後者が約7:1であった。
吸収ピークを有する種子のうち光吸収量差(A−B)が小さいグループと、吸収ピークを有しない種子のうち670nmの規格化反射光強度が小さいグループが、濃茶系の種子であった。なお、このときの分別割合は、前者:後者が約7:1であった。
以上のごとく分別した種子を、図5および図7に示すように、発芽のタイミングおよび発芽率に基づいて分別した。その結果、分別した各グループ発芽率は、グループ毎に発芽のタイミングおよび発芽率に特徴を有していることが確認できた。
発芽のタイミングについては以下の通りであった。
図5(A)に示すように、USパラマウントセルリーの種子は、吸収ピークを有する種子のうち光吸収量差(A−B)が大きくなるにつれて発芽日数がやや伸びる傾向にあることが確認できた。
一方、図5(B)に示すように、吸収ピークを有しないグループは、670nmの規格化反射光強度が大きくなるにつれて、発芽日数が短くなる傾向にあることが確認できた。
発芽率については以下の通りであった。
図7に示すように、USパラマウントセルリーの種子は、吸収ピークを有する種子のうち光吸収量差(A−B)が大きくなるにつれて発芽率がやや向上する傾向にあることが確認できた。
また、図7に示すように、吸収ピークを有しないグループにおいては、670nmの規格化反射光強度が大きくなるにつれて発芽率が向上することが確認できた。
つぎに、上記のごとき6つのグループに分別した種子を種皮の色に基づいて分別した。そして、各種皮の色において、主となる種子をそれぞれ比較評価した。評価項目は、発芽のタイミングと発芽率とした。
なお、白系の種子では、吸収ピークを有しないグループのうち670nmの規格化反射光強度が大きい種子が主であった。茶系の種子では、吸収ピークを有する種子のうち光吸収量差(A−B)が中間の種子が主であった。濃茶系の種子では、吸収ピークを有する種子のうち光吸収量差(A−B)が小さい種子が主であった。
結果は、以下の通りであった。
白系の種子は、播種後、最も早いものが平均6日目で発芽し、9日目で発芽率が50%であり、13日目で発芽率が90%となった。
一方、茶系の種子は、播種後、最も早いものが平均8日目で発芽し、13日目で発芽率が60%であり、16日目で発芽率が80%となった。
また、濃茶系の種子は、播種後、最も早いものが平均7日目で発芽したが、13日目では発芽率が50%であり、発芽率が70%となったのは19日目であった。
以上の結果から、本装置を用いることによって、USパラマウントセルリーにおいて、早く発芽し、かつ高い発芽率を有する種子を分別することができることが確認できた。
つまり、本装置を使用すれば、種子から得られる検出スペクトルに基づくだけで、高い発芽率ならびに早期に発芽可能な種子を選別できることが確認できた。
しかも、上述したように、本装置を用いて種子を分別すれば、発芽のタイミングに差がある種子を分別することができることが確認できた。つまり、本装置を用いれば、発芽のタイミングを揃えた種子を分別することが可能であることが確認できた。言い換えれば、成長段階が揃った種子を選定できることが確認できた。
(実験2)
実験2では、セリ科のグランドパセリ(日東農産種苗)の種子を測定対象の種子として使用した。
なお、上述した場合と同様に光吸収量差(A−B)の大きさおよび670nmの規格化反射光強度の大きさに基づいて分別した種子を種皮の色に基づいて分別した。そして、各種皮の色において、主となる種子をそれぞれ比較評価した。評価項目は、発芽のタイミングと発芽率とした。
結果を図8および図9に示す。
図8に示すように、検出光スペクトルの形状に基づいて、検出光スペクトルがフラットな形状のグループ(つまり吸収ピークを有しないグループ)のうち670nmの規格化反射光強度が大きい種子のグループ(図8(A))と、検出光スペクトルにおける670nm付近に弱い吸収ピークを有するグループ(つまり吸収ピークを有する種子のうち光吸収量差(A−B)が小さい種子のグループ)(図8(B))と、検出光スペクトルにおける670nm付近に強い吸収ピークを有するグループ(吸収ピークを有する種子のうち光吸収量差(A−B)が大きい種子のグループ)(図8(C))、の3つのグループに分別することができた。
また、図8に示すように、分別した各グループの種皮の色は、図8では上から順に、図8(A)グループが白系、図8(B)グループが濃茶系、そして図8(C)グループが茶系であることが確認できた。
また、図9(B)に示すように、分別した各グループ発芽率は、グループ毎に発芽率および発芽のタイミングに特徴を有していることが確認できた。
つまり、グランドパセリの種子は、検出光スペクトルにおいて吸収ピークを有しないグループのうち670nmの規格化反射光強度が大きい種子のグループ(種皮色が白系のグループ)は、播種後、最も早いものが平均6日目で発芽し、発芽率が100%となったのが12日目であった。一方、吸収ピークを有する種子のうち光吸収量差(A−B)が小さい種子のグループ(種皮色が濃茶系のグループ)は、播種後、最も早いものが平均7日目で発芽し、発芽率が100%となったのが15日目であった。そして、吸収ピークを有する種子のうち光吸収量差(A−B)が大きい種子のグループ(種皮色が茶系のグループ)は、播種後、最も早く発芽したものでも平均13日を要し、15日目以降の発芽率が20%にとどまった。
なお、図3は、検出光スペクトルを比較した図であり、670nm付近の吸収ピークを有する種子の検出光スペクトルと、かかるピークが存在しない種子の検出光スペクトルを示した図である。図3(A)の検出光スペクトルがフラットな形状のものが図8(A)の検出光スペクトルの一例であり、図3(B)の上記ピークを有するものが図8(C)の検出光スペクトルの一例である。
実験結果から、本装置を用いることによって、セリ科のグランドパセリにおいて、高い発芽率を有する種子を分別することができることが確認できた。つまり、本装置を使用すれば、高い発芽率ならびに早期に発芽可能な種子を種皮の色で選別できることが確認できた。
しかも、図9(B)に示すように、本装置を用いて種子を分別すれば、発芽のタイミングに差がある種子(図9(B)の白系の種子グループと濃茶系の種子グループ)を分別することができることが確認できた。つまり、本装置を用いれば、発芽のタイミングを揃えた種子を分別することが可能であることが確認できた。言い換えれば、成長段階が揃った種子を選定できることが確認できた。
(実験3)
実験3では、セリ科の白茎ミツバ(タキイ種苗)の種子を測定対象の種子として使用した。
その結果、種皮の色に基づいて分別した際における、主となる種子の発芽のタイミングと発芽率の比較は、以下の通りであった。
白茎ミツバの種子は、検出光スペクトルの形状に基づいて、検出光スペクトルがフラットな形状のグループ(つまり吸収ピークを有しないグループ)のうち670nmの規格化反射光強度が大きい種子のグループと、検出光スペクトルにおける670nm付近に吸収ピークを有するグループと、の2つのグループに分別することができた。また、分別した各グループの種皮の色は、前記グループが白系であり、後述グループが濃茶であることが確認できた。
そして、検出光スペクトルがフラットな形状の種子グループ(種皮色が白系のグループ)は、播種後、最も早いものが平均6日目で発芽し、8日目で発芽率が70%であった。一方、670nm近傍の吸収ピークを有する検出光スペクトルの種子(種皮色が濃茶系のグループ)は、播種後、平均9.5日目で発芽率が70%であり、11日目で発芽率が90%であった。
(実験4)
実験4では、セリ科の本紅金時人参(タキイ種苗)の種子を測定対象の種子として使用した。
その結果、種皮の色に基づいて分別した際における、主となる種子の発芽のタイミングと発芽率の比較は、以下の通りであった。
本紅金時人参の種子は、検出光スペクトルの形状に基づいて、検出光スペクトルがフラットな形状のグループ(つまり吸収ピークを有しないグループ)のうち670nmの規格化反射光強度が大きい種子のグループ)と、検出光スペクトルにおける670nm付近にやや弱い吸収ピークを有するグループ(つまり吸収ピークを有する種子のうち光吸収量差(A−B)がやや小さい種子のグループ))と、検検出光スペクトルにおける670nm付近に弱い吸収ピークを有するグループ(つまり吸収ピークを有する種子のうち光吸収量差(A−B)が小さい種子のグループ)と、の3つのグループに分別することができた。また、分別した各グループの種皮の色は、順に茶系、濃茶系、そして薄茶系であることが確認できた。
そして、検出光スペクトルがフラットな形状の種子(種皮色が茶系のグループ)は、播種後、最も早いものが平均2日目で発芽し、3日目で発芽率が80%であり、5日目で発芽率が100%となった。一方、670nm近傍のやや弱い吸収ピークを有する検出光スペクトルの種子(種皮色が濃茶系のグループ)は、播種後、最も早いものが平均2日目で発芽したが、3日目で発芽率が50%であり、5日目で発芽率が100%となった。また、670nm近傍の弱い吸収ピークを有する検出光スペクトルの種子(種皮色が薄茶系のグループ)は、播種後、最も早いものが平均2日目で発芽したが、3日目では発芽率が40%であり、発芽率が90%となったのは7日目であった。
以上の結果より、本発明の装置を使用した種子判別方法によって種子を選別することによって、種子の発芽能力に応じて種子を判別することができることが確認できた。しかも、本発明の装置を使用した種子判別方法を採用すれば、高い発芽率を有しつつ、発芽のタイミングを揃えた種子を分別することが可能であることが確認できた。
(実験5)
実験5では、種子の発芽のし易さは、種子の種皮の硬さが影響することが確認できた。
実験では、食品の硬さや粘土、伸びなどの物性を測定する際に用いられるレオメータを用いて、種子の種皮の硬さと種子の成熟度の関係を確認した。
実験では、山電株式会社製のレオメータ(品名;RHEONER、型番;RE-33005)を使用した。
また、実験では、USパラマウントセルリーの種子を使用した。
レオメータを用いた種子の種皮の硬さ試験の概略について説明する。
まず、図11に示すように、レオメータに設けられたプランジャーの先端を種子の略中央部に配置する。そして、レオメータを作動させてプランジャーに荷重(N)をかけていく。かけた荷重(N)と種子の種皮の変形量の関係をグラフ化することによって、種子の種皮の硬さを評価することができる。
まず、図12(A)に示すように、人の手で種子を確認した際、種皮が硬いものを種子1、種皮が柔らかいものを種子2とした。また、荷重をかけた際に種皮が破断したものを種子3とした。
図12(B)には、各種子1、2、3の荷重(N)と種皮の変異量(mm)との関係を示した。その結果、図12(B)に示すように、種子3の破断は、荷重(N)が約6Nで発生することから、種皮が破断するよりも前のグラフの状態に基づいて評価した。
なお、硬さ試験については、最終的な荷重(20N)に対していずれも似たような変位に収束したことから、表皮に近い変位に基づいて評価するのが好ましいことが確認できた。
図13に実験結果を示す。
図13(A)には、検出スペクトルにおける吸収ピークを有する種子の実験結果を、13(B)には、検出スペクトルにおける吸収ピークを有しない種子の実験結果を示した。
図13(A)に示すように、検出スペクトルにおける吸収ピークを有する種子では、ある程度固まった分布を示していた。また、その平均の傾きは、39.63であった。とくに、種皮色が濃くなるにつれ、硬くなる傾向にあることが確認できた。
一方、検出スペクトルにおける吸収ピークを有しない種子では、平均傾きが36.80であり、全体的にバラついていたことから、種皮の色に関わらず軟らかい傾向にあることが確認できた。
以上の実験結果から、検出スペクトルにおける吸収ピークを有する種子は、表皮が硬い傾向にあることから、成熟前の状態にあると推定することができることが確認できた。一方、検出スペクトルにおける吸収ピークを有しない種子は、表皮が柔らかい傾向にあることから、成熟状態にあると推定することができることが確認できた。
(確認試験)
確認試験では、種子の発芽する際、成熟したものは少ないエネルギーで早く発芽し、成熟前のものは多くのエネルギーを使いながらゆっくりと発芽することが、種子の発芽反応速度を用いることで確認することができた。
種子の発芽反応速度は、以下の数4で表すことができる。
:種子全体の個数、N:発芽した個数、t:発芽時間、v:頻度因子、k:ボルツマン定数である。
活性化エネルギーEaは、T=298 K(25℃)、k=1.38×10−23 J/K、1eV=1.602×10−19 Jをそれぞれ用いて算出した。
その結果を図10に示す。
図10に示すように、検出スペクトルにおいて吸収ピークを有する種子(図10(B)では吸収有)は、吸収ピークを有しない(図10(B)では吸収無)に比べて活性化エネルギーEaが大きくなることが確認できた。
検出スペクトルにおける吸収ピークが小さいまたは吸収ピークを有しない種子は、成熟に伴い種皮の色が退色し、種皮中のクロロフィルaが少なくなっていると考えられた。このため、赤色光が種子内へ侵入しやすくなり、発芽が促進されるから、発芽が早くなると考えられた。すると、このような種子は、発芽に要するエネルギーも適切な量ですむと考えられた(つまり、後者の種子よりも発芽に要するエネルギーが少なくてよいと考えられた)。一方、検出スペクトルにおける吸収ピークが大きい種子は、成熟前の状態にあると考えられ、種皮中のクロロフィルaの存在量が多いので、赤色光が種子内へ侵入しにくくなり、赤色光による発芽の促しが小さいと考えられた。このため、かかる種子では、発芽がゆっくりと時間をかけて行われるので、前者の種子に比べて発芽に要するエネルギーが大きくなると考えられた。
実験結果から、前者の種子(検出スペクトルにおける吸収ピークがほぼ無い種子)が後者の種子(検出スペクトルにおける吸収ピークを有する種子)に比べて発芽に要するエネルギーが少なくなるという上記推定が成立することを確認することができた。
本発明の種子判別方法は、セリ科、アブラナ科、ユリ科、キク科、ウリ科、ナス科、アカザ科、等の作物の種子や、マツや杉、ヒノキ等の樹木の種子などの種子を選別する方法として適している。また、本発明の種子判別装置は、本発明の種子判別方法に使用する装置として適している。
1 種子判別装置
2 ステージ
3 カバー部材
10 光源部
11 光照射ファイバ
12 光源
20 測定手段
21 光受光ファイバ
22 分光部
23 解析部
L1 照射光
L2 反射光
S 種子

Claims (12)

  1. 光を利用して被測定種子を判別するための方法であって、
    ステージ上面に載置した前記被測定種子に対して光源部から可視光の波長領域を含む光を照射し、
    該光が照射された前記被測定種子の種皮で反射または/および散乱された光を含む光を検出光として検出し、
    該検出光から得られたスペクトルデータに基づいて作成された検出光スペクトルを解析し、該解析結果に基づいて前記被測定種子の状態を判別する
    ことを特徴とする種子判別方法。
  2. 前記光源部は、
    前記被測定種子に対して光を照射した際の照射面積が、前記被測定種子よりも大きくなるように調整する
    ことを特徴とする請求項1記載の種子判別方法。
  3. 前記検出光から得られたスペクトルデータに基づいて作成されたスペクトルデータから得られる検出光スペクトルにおいて、500nm〜800nmの波長帯のスペクトル形状に基づいて前記被測定種子の状態を評価する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の種子判別方法。
  4. 前記被測定種子に対して光ファイバを備えた光照射ファイバを用いて光を照射し、
    前記検出光を光ファイバを備えた光受光ファイバを用いて測定する
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載の種子判別方法。
  5. 前記光照射ファイバの照射面と、前記光受光ファイバの受光面が、
    互いに隣接した状態で同一面上に位置し、かつ両者を隣接して配置した状態において、前記両ファイバの先端部の軸方向が略平行となるように配置する
    ことを特徴とする請求項4記載の種子判別方法。
  6. 前記種子が、
    セリ科の種子である
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の種子判別方法。
  7. 光を利用して被測定種子を判別するための装置であって、
    ステージ上面に載置した前記被測定種子に対して光を照射する光源部と、
    光を受光し得る受光部を有する測定手段と、を備えており、
    該測定手段は、
    該受光部で受光した光を成分波長に分散する機能を有する分光部と、
    該分光部で得られたスペクトルデータに基づいて前記被測定種子の状態を判別する解析部と、を備えており、
    前記受光部は、
    光を受光するための受光面が、前記被測定種子を前記ステージ上に載置した状態において、該被測定種子に対向するように配置されており、
    前記光源部は、
    照射する前記光が、可視光の波長領域を含む光である
    ことを特徴とする種子判別装置。
  8. 前記光源部は、
    前記被測定種子に対して光を照射した際の照射面積が、前記被測定種子よりも大きくなるように調整されている
    ことを特徴とする請求項7記載の種子判別装置。
  9. 前記解析部が、
    前記スペクトルデータから得られる検出光スペクトルにおいて、500nm〜800nmの波長帯のスペクトル形状に基づいて前記被測定種子の状態を評価するものである
    ことを特徴とする請求項7または8記載の種子判別装置。
  10. 前記ステージ上に載置された被測定種子を覆うカバー部材を備えている
    ことを特徴とする請求項7、8または9記載の種子判別装置。
  11. 前記光源部は、
    前記光を放射する光源と、該光源に基端が接続され、先端に設けられた光を照射する照射面が前記カバー部材の内方に位置するように配置された光照射ファイバと、を備えており、
    該光照射ファイバは、
    光を照射したときに、その光軸が前記ステージ上面に対して略直交するように前記カバー部材の上部から内部下方に向かって配置されており、
    前記受光部は、
    前記分光部に基端が接続され、前記受光面が前記カバー部材の内方に位置するよう設けられた光受光ファイバを備えており、
    該光受光ファイバは、
    前記受光面を有する先端部が、前記光照射ファイバの先端部に隣接し、かつ該先端部の軸方向が前記光照射ファイバから光を照射したときの光軸と略平行となり、
    前記受光面が、前記光照射ファイバの照射面と略同じ面上に位置するように配置されている
    ことを特徴とする請求項10記載の種子判別装置。
  12. 前記被測定種子が、
    セリ科の種子である
    ことを特徴とする請求項7、8、9、10または11記載の種子判別装置。
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