JP2017049151A - 生体物質検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】生体成分核酸定量用アレイデバイス及び生体成分解析キットを使用する際に、ビーズの入った微小ウェルからのシグナルを高精度に検出する方法を提供する。
【解決手段】生体物質検出容器内の流路内及びその流路内に形成された複数のウェル内にビーズを含む混合液を送液し、油性封止液を流路内に送液して複数のウェル内の混合液を油性封止液により封止しても複数のウェルの底面とビーズとを非接触の状態にしておくことにより、複数のウェルの下部に観察可能なシグナルを発する反応液を配する。このように、混合液に含まれるビーズの直径を微小ウェルの直径よりも大きくし、微小ウェルの底面にビーズが接触しないようにすることで、ウェルの底面からシグナル検出する。
【選択図】図2
【解決手段】生体物質検出容器内の流路内及びその流路内に形成された複数のウェル内にビーズを含む混合液を送液し、油性封止液を流路内に送液して複数のウェル内の混合液を油性封止液により封止しても複数のウェルの底面とビーズとを非接触の状態にしておくことにより、複数のウェルの下部に観察可能なシグナルを発する反応液を配する。このように、混合液に含まれるビーズの直径を微小ウェルの直径よりも大きくし、微小ウェルの底面にビーズが接触しないようにすることで、ウェルの底面からシグナル検出する。
【選択図】図2
Description
本発明は、生体物質を含む液体を観察する領域を確保する生体物質検出方法に関する。
従来、疾患や体質の診断を、生体分子を解析することによって行うことが知られている。例えば、一塩基多型(Single Nucleotide Polymorphism:SNP)解析による体質診断、体細胞変異解析による抗がん剤の投与判断、ウイルスのタンパク質やDNAの解析による感染症対策等が知られている。
例えば、がんの治療薬では、EGFR−TKI(チロシンキナーゼ阻害薬)の投与前後で変異型EGFR(上皮成長因子受容体)のコピー数を定量することで、治療効果の指標とできることが示唆されている。従来、リアルタイムPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)を用いた定量が行われていたが、検査に使用された核酸の総量が変化することが定量性に影響を与えることがわかっており、今日では核酸の総量が定量性に影響しないデジタルPCR技術が開発されている。
デジタルPCR技術とは、PCR反応試薬と核酸との混合物を多数の微小液滴に分割し、これらの微小液滴に対して、混合物中の核酸のうち検出対象となる核酸を鋳型とするPCR増幅を行うことにより、鋳型核酸を含んだ微小液滴からPCR増幅による蛍光等のシグナルを検出し、微小液滴の全数のうちシグナルが検出された微小液滴の割合を求めることによって、試料中の核酸を定量する技術である。
例えば、特許文献1や非特許文献1には、微少量の容積を有する微小空間内で酵素反応を行うことで、デジタルPCRを利用して生体物質検査をすることができることが示されている。
例えば、特許文献1や非特許文献1には、微少量の容積を有する微小空間内で酵素反応を行うことで、デジタルPCRを利用して生体物質検査をすることができることが示されている。
デジタルPCRに使用される微小液滴の作製方法として、試薬と核酸の混合物を封止液で分断化することで微小液滴を作製する方法や、基板上に孔を空けた中に試薬と核酸の混合物を入れた後に封止液で孔を封止することで微小液滴を作製する方法等が知られている。また、特許文献2には、少量の試薬で大量の実験データを短時間で獲得するためにマイクロチャンバー内でエマルジョン(乳濁液)を製造する方法が開示されている。
デジタルPCRでは、1つの微小液滴に存在する鋳型核酸が1個又は0個となるように、PCR反応試薬と核酸との混合物は希釈されている。デジタルPCRでは、核酸増幅の感度を高めるために、また多数の微小液滴に対して同時に核酸増幅を行うために、各微小液滴の体積は小さい方が好ましい。例えば、非特許文献1には、各ウェルの容積が6nl(ナノリットル)となるように形成されたマイクロアレイ状の反応容器が開示されている。また、非特許文献2には、深さ3μm、直径5μmのウェルが流路内に多数形成されたマイクロアレイに対して流路に試料を流して各ウェルに試料を導入した後、流路内の余剰試薬を封止液で押し出すことによって、各ウェル内に試料を導入する方法が開示されている。
微小液滴中に効率良く生体物質を入れるために、生体物質を結合させたマイクロビーズを利用しており、マイクロビーズの入った液滴からの発光を観察している。
PLOS ONE,3(8),e2876,(2008)
LAB ON A CHIP,DOI:10.1039/c21c40632b,(2012)
しかしながら、上記非特許文献2に開示された技術では、図1に示すように、微小ウェル内の発光を顕微鏡で観察するときにビーズが邪魔をするため、発光した全ての光を検出することができないという課題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、生体成分核酸定量用アレイデバイス及び生体成分解析キットを使用する際に、ビーズの入った微小ウェルからのシグナルを高精度に検出する生体物質検出方法を提供することである。
本発明の一態様に係る生体物質検出方法では、生体物質検出容器内の流路内及びその流路内に形成された複数のウェル内にビーズを含む混合液を送液し、油性封止液を流路内に送液して複数のウェル内の混合液を油性封止液により封止しても複数のウェルの底面とビーズとを非接触の状態にしておくことにより、複数のウェルの下部に観察可能なシグナルを発する反応液を配する。
本発明によれば、生体成分核酸定量用アレイデバイス及び生体成分解析キットを使用する際に、ビーズの入った微小ウェルからのシグナルを高精度に検出することができる。
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
<実施形態>
以下に、本発明の一実施形態について添付図面を参照して説明する。
本発明の一実施形態に係る生体分子解析キットでは、解析する生体分子(解析対象物質)として、DNA、RNA、miRNA、mRNA、タンパク質エクソソーム、リポソーム、及び細胞のいずれかが選ばれる。
以下に、本発明の一実施形態について添付図面を参照して説明する。
本発明の一実施形態に係る生体分子解析キットでは、解析する生体分子(解析対象物質)として、DNA、RNA、miRNA、mRNA、タンパク質エクソソーム、リポソーム、及び細胞のいずれかが選ばれる。
図2、図3、及び図4に示すように、本実施形態に係る生体分子解析キットは、反応容器を構成する基材部12、疎水性を有するCYTOP(登録商標)等の疎水性材料11及び反応場である微小ウェル15を密封可能なカバー10を備える。ここでは、疎水性材料11に微小ウェル15が形成されているが、実際には、基材部12に微小ウェル15が直接形成されていても良いし、別の部材に微小ウェル15を形成し、接着等で基材部12に固定されても良い。実際には、微小ウェル15の少なくとも一部が疎水性を有する構造であれば良い。言い換えれば、微小ウェル15の少なくとも一部が疎水性を有する部分を有していれば良い。この疎水性を有する部分は、CYTOP(登録商標)以外の材料で構成されていても良い。ここでの疎水性とは、疎水性を有する部分(材料)の表面において、混合液31、油性封止液30の接触角を測定し、混合液31の接触角よりも、油性封止液30の接触角が小さいことをいう。接触角は、一般的な測定機器で計測することができる。
カバー10は、基材部12との間に隙間を有して複数の微小ウェル15の開口部分を覆うように基材部12に重ねられている。基材部12とカバー10との間は、各種の液体が流れる流路となる。
基材部12は、例えばガラスで形成される。ガラスの厚さは、基材部12を材料としてインプリントによって複数の微小ウェル15を形成する過程で十分な強度を有する点を考慮して適宜設定される。
微小ウェル15の材質は、樹脂やガラス等であって良い。微小ウェル15の材質は、基材部12の材質と同じでも良いし、異なっていても良い。また、微小ウェル15は、基材部12と同じ材料で一体化又は一体成型されていても良い。樹脂からなる微小ウェル15の材質の例としては、シクロオレフィンポリマー、シリコン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、フッ素樹脂、アモルファスフッ素樹脂等が挙げられる。なお、微小ウェル15の例として示されたこれらの材質はあくまでも一例に過ぎず、微小ウェル15の材質はこれらには限られない。
反応場を構成する微小ウェル15は、例えば、直径が5μm、深さが5μmとなり一端に開口部を有する有底円柱形状の空間である。ここでは、微小ウェル15の直径は、微小ウェル15の開口部の直径を示す。反応容器には、複数の微小ウェル15のアレイが形成されている。すなわち、微小ウェル15は、反応容器において整列配置されている。
例えば、微小ウェル15は、基材部12において縦横5mmの長方形をなす表面に対して、その各辺に沿った格子状をなして配列される。反応容器は、この格子状に配列された微小ウェル15が少なくとも1つ以上形成された基材部12とカバー10で構成される。各微小ウェル15の隙間の大きさは、各微小ウェル15において独立してシグナル検出ができる分解能に応じて設定される。
微小ウェル15の容積は適宜設定されて良いが、微小ウェル15の容積が小さい方がシグナル検出可能となるまでの反応時間を短縮可能である。一例として、微小ウェル15の容積は、100ピコリットル又はそれ以下である。
具体的には、シグナルを飽和させて十分なシグナルを発生させるのにかかる時間を短縮する目的がある場合には、解析対象の分子が1ウェルに1つ以下となる液量に基づいて微小ウェル15の容積が設定される。
具体的には、シグナルを飽和させて十分なシグナルを発生させるのにかかる時間を短縮する目的がある場合には、解析対象の分子が1ウェルに1つ以下となる液量に基づいて微小ウェル15の容積が設定される。
本実施形態では、生体分子解析キットの反応場となる微小ウェル15の内面に対して試薬の構成成分が吸着されるのを防止する目的で、各試薬に吸着防止剤が含まれている。
吸着防止剤の組成は、例えば、界面活性剤、リン酸脂質、その他の高分子化合物のうちの少なくとも1種を含んだ組成であり、任意のものを混合して用いても良い。例を挙げると、界面活性剤としては、Tweenやglycerolが挙げられる。また、高分子化合物としては、Polyethylene glycol(PEG)、DNA、蛋白質が挙げられる。
また、2種以上の材料が混合されてなる混合した吸着防止剤として、例えば、リン酸脂質とPEGを混合したものが挙げられる。
吸着防止剤の組成は、例えば、界面活性剤、リン酸脂質、その他の高分子化合物のうちの少なくとも1種を含んだ組成であり、任意のものを混合して用いても良い。例を挙げると、界面活性剤としては、Tweenやglycerolが挙げられる。また、高分子化合物としては、Polyethylene glycol(PEG)、DNA、蛋白質が挙げられる。
また、2種以上の材料が混合されてなる混合した吸着防止剤として、例えば、リン酸脂質とPEGを混合したものが挙げられる。
これらの吸着防止剤は、反応場である微小ウェル15の内面に吸着される物質でも構わないが、酵素反応に用いられる酵素、解析対象となる核酸やタンパク質、及びシグナル検出に利用される標識物質等に対する吸着性が低い物質である。このため、吸着防止剤が含まれた試薬が微小ウェル15内に供給されることにより、反応場となる微小ウェル15の内面は、吸着防止剤が含まれていない場合と比較して、酵素反応に用いられる酵素、解析対象となる核酸やタンパク質、及びシグナル検出に利用される標識物質等が吸着されにくい状態となる。
吸着防止剤は、酵素反応に用いられる酵素、解析対象となる核酸やタンパク質、及びシグナル検出に利用される標識物質等のうちの少なくとも1つが最初に反応容器の内部に供給される前から、シグナル検出が終了するまでの間に反応容器の内部に接する試薬のすべてに含まれていることが好ましい。例えば、吸着防止剤は、試薬を所定濃度に希釈するための緩衝液等の溶媒に混合されていても良い。
なお、吸着防止剤は、酵素反応やシグナル増幅反応を阻害しない物質であることが好ましい。
なお、吸着防止剤は、酵素反応やシグナル増幅反応を阻害しない物質であることが好ましい。
また、微小ウェル15に油性封止液30を入れる場合、油性封止液30に上記の吸着防止剤を入れて用いても良い。
油性封止液30は、基材部12とカバー10との間に、図示しない注入口部から送液可能な溶液である。油性封止液30は、解析対象物質を含む試料と混合しないものから選ぶことができる。油性封止液30として、例えばミネラルオイルを使用することもできる。
油性封止液30は、基材部12とカバー10との間に、図示しない注入口部から送液可能な溶液である。油性封止液30は、解析対象物質を含む試料と混合しないものから選ぶことができる。油性封止液30として、例えばミネラルオイルを使用することもできる。
本実施形態に係る混合液31は、解析対象物質を含む試料と緩衝液、検出反応試薬の少なくとも1つを含む溶液である。例えば、混合液31は、解析対象物質となるDNA、RNA、miRNA、mRNA、又はタンパク質のいずれかを含み、更に解析対象物質に対する特異的標識能を有する標識物質に鋳型核酸が含まれた状態又は結合可能な状態で、標識物質を含む。この標識物質は、鋳型核酸とは異なるDNA鎖、酵素、粒子、抗体、及びリポソームのうちの少なくとも一つを含む。また、この混合液31は、必要に応じて上記の吸着防止剤を含んでも良い。
検出反応試薬は、例えば解析対象物質に関連する鋳型核酸に対する生化学的反応を行うための試薬である。鋳型核酸に対する生化学的反応は、例えば、鋳型核酸が存在する条件下でシグナル増幅が起こるような反応である。本実施形態に係る検出反応試薬は、鋳型核酸に対する酵素反応を生じさせる試薬である。検出反応試薬は、例えば核酸を検出可能な方法に応じて選択される。例えば、インベーダー(登録商標)法や、TaqMan(登録商標)法、又は蛍光プローブ法やその他の方法に使用される試薬が本実施形態に係る検出反応試薬として生体成分解析キットに含まれる。
また、この混合液31は、ビーズ20を含む。
ビーズ20の一例として、磁性ビーズを挙げることができる。磁性ビーズは磁性物質と、磁性物質を被覆するポリマー層を備える磁性ポリマー粒子である。磁性ポリマー粒子は、1個のポリマー粒子に、複数個の磁性物質が被覆されて存在していても良い。ポリマー粒子に被覆される物質としては、水中での微粒子生成が可能なマグネタイト等のフェライト粒子が好ましい。他方、フェライト以外の物質としては、例えば各種磁性金属の微粒子、又は各種磁性化合物が用いられ、これらの物質がそれぞれに有する特徴的な磁気的性質をさまざまに利用することもできる。
ビーズ20の一例として、磁性ビーズを挙げることができる。磁性ビーズは磁性物質と、磁性物質を被覆するポリマー層を備える磁性ポリマー粒子である。磁性ポリマー粒子は、1個のポリマー粒子に、複数個の磁性物質が被覆されて存在していても良い。ポリマー粒子に被覆される物質としては、水中での微粒子生成が可能なマグネタイト等のフェライト粒子が好ましい。他方、フェライト以外の物質としては、例えば各種磁性金属の微粒子、又は各種磁性化合物が用いられ、これらの物質がそれぞれに有する特徴的な磁気的性質をさまざまに利用することもできる。
本発明の第一の態様は、図2に示すように、混合液31に含まれるビーズ20の直径を微小ウェル15の直径よりも大きくし、微小ウェル15の底面にビーズ20が接触しないようにすることで、微小ウェル15の底面からシグナル検出することを特徴とする生体物質の検査キットである。なお、実際には、微小ウェル15の直径を、混合液31に含まれるビーズ20の直径よりも小さくしても良い。結果として、ビーズ20の直径を微小ウェル15の直径よりも大きくするのと同じことである。
本発明の第二の態様は、図3に示すように、微小ウェル15の底面の一部に構造体35を設置し、この構造体35がビーズ20を支持し、微小ウェル15の底面にビーズ20が接触しないようにすることで、微小ウェル15の底面からシグナル検出することを特徴とする生体物質の検査キットである。
構造体35は、微小ウェル15を形成する際に、一緒に形成することが好ましい。例えば、構造体35は、微小ウェル15の底面から開口部に向かって形成された突起部である。なお、実際には、微小ウェル15の底面の一部に構造体35を設置しても良い。例えば、構造体35は、微小ウェル15の側面に形成された突起部でも良い。すなわち、微小ウェル15内の一部に、ビーズ20を支持可能な構造体35を設置していれば良い。
構造体35は、微小ウェル15を形成する際に、一緒に形成することが好ましい。例えば、構造体35は、微小ウェル15の底面から開口部に向かって形成された突起部である。なお、実際には、微小ウェル15の底面の一部に構造体35を設置しても良い。例えば、構造体35は、微小ウェル15の側面に形成された突起部でも良い。すなわち、微小ウェル15内の一部に、ビーズ20を支持可能な構造体35を設置していれば良い。
本発明の第三の態様は、図4に示すように、混合液31に含まれるビーズ20を微小ウェル15に入れ、油性封止液30により封止した後に、磁性ビーズであるビーズ20を微小ウェル15の上方から磁力で引っ張ることにより、微小ウェル15の底面にビーズ20が接触しないようにすることで、微小ウェル15の底面からシグナル検出することを特徴とする生体物質の検査キットである。
混合液31がシグナル増幅反応試薬を含み、微小ウェル15内でシグナル増幅反応を行い、微小ウェル15内に対してシグナル検出を行っても良い。
このとき、シグナル増幅反応が酵素反応であっても良い。
また、酵素反応が等温反応であっても良い。
また、酵素反応がインベーダー反応であっても良い。
また、酵素反応が等温反応であっても良い。
また、酵素反応がインベーダー反応であっても良い。
また、シグナル検出として、微小ウェル15内における生体物質の有無に対応した蛍光、発光、pH変化、吸光度変化、及び電位変化のうち少なくとも1つを検出するようにしても良い。
(核酸定量用アレイデバイスの作製)
0.5mm厚のガラス製の基材部12に疎水性材料11としてCYTOP(登録商標)(旭硝子製)をスピンコートし、180℃で3時間熱硬化させ、フォトリソグラフィー技術を使って直径5μmの孔を100万個持つ基材部12を作製した。CYTOP(登録商標)をスピンコートすることにより基材部12に形成された層がフォトリソグラフィーにより成形されることにより、上記実施形態に開示された微小ウェル15となった。CYTOP(登録商標)をスピンコートすることにより基材部12に形成された層の厚さは3μmである。
0.5mm厚のガラス製の基材部12に疎水性材料11としてCYTOP(登録商標)(旭硝子製)をスピンコートし、180℃で3時間熱硬化させ、フォトリソグラフィー技術を使って直径5μmの孔を100万個持つ基材部12を作製した。CYTOP(登録商標)をスピンコートすることにより基材部12に形成された層がフォトリソグラフィーにより成形されることにより、上記実施形態に開示された微小ウェル15となった。CYTOP(登録商標)をスピンコートすることにより基材部12に形成された層の厚さは3μmである。
続いて、基材部12との隙間が100μmとなるように、カバー10としてカバーガラスを設置した。基材部12とカバー10との間には、粘着テープからなるスペーサーが配された。更に、基材部12とカバー10との間に、水性液体を混合液31として送液し、直径5μmの孔と、基材部12とカバー10との間の隙間との全体に、水性液体を満たした。本実施例では水性液体の組成は20μM MOPS pH7.5、15mM NaCl、6.25mM MgCl2である。
(ビーズの送液)
6μmと3μmのビーズ20を蛍光色素であるローダミンと混合し、基材部12とカバー10との間に流し込んだ後、油性封止液30であるFC−40(シグマ)を流し込み、微小ウェル15に混合液31とビーズ20を封止した。
6μmと3μmのビーズ20を蛍光色素であるローダミンと混合し、基材部12とカバー10との間に流し込んだ後、油性封止液30であるFC−40(シグマ)を流し込み、微小ウェル15に混合液31とビーズ20を封止した。
(蛍光強度の測定)
次に、微小ウェル15に含まれる蛍光色素を蛍光顕微鏡で観察した。ここでは、反応後の核酸検出反応容器は、蛍光顕微鏡(ツァイス社、AX10)、光源(LEJ社、FluoArc001.26A Usable with HBO 10)、センサー(浜松ホトニクス社、EM−CCD C9100)、蛍光フィルター、解析ソフト(浜松ホトニクス社、AQUACOSMOS 2.6:露光時間 1.6s、EMゲイン 90、オフセット 0、ビニング ×1)を用いて撮影され、自家蛍光に対して十分なS/N比を有して蛍光を発する核酸検出反応容器に含まれるローダミンが観察された。
次に、微小ウェル15に含まれる蛍光色素を蛍光顕微鏡で観察した。ここでは、反応後の核酸検出反応容器は、蛍光顕微鏡(ツァイス社、AX10)、光源(LEJ社、FluoArc001.26A Usable with HBO 10)、センサー(浜松ホトニクス社、EM−CCD C9100)、蛍光フィルター、解析ソフト(浜松ホトニクス社、AQUACOSMOS 2.6:露光時間 1.6s、EMゲイン 90、オフセット 0、ビニング ×1)を用いて撮影され、自家蛍光に対して十分なS/N比を有して蛍光を発する核酸検出反応容器に含まれるローダミンが観察された。
図5は、実施例1における生体成分解析結果を示す写真である。図5において、1は蛍光色素のみが入った微小ウェル15を示す。2は蛍光色素と6μmのビーズ20が入った微小ウェル15を示す。3は蛍光色素と3μmのビーズ20が入った微小ウェル15を示す。4は3μmのビーズ20が観察された結果である。
実施例1の図5のうち2と3の蛍光強度を比較すると2の方が強く測定できている。これは、6μmのビーズ20が微小ウェル15より大きいためビーズ20の下部に観察に十分な量の発光した液体が存在しているためである。
本発明の一実施形態に係る生体物質検出方法は、核酸導入方法、核酸検出方法、生体成分解析方法として利用することができ、生体成分核酸定量用アレイデバイス及び生体成分解析キットを使用する際に、ビーズの入った微小ウェルからのシグナルを高精度に検出することができる。
本発明の第四の様態は、図6に示すように、微小ウェル15の側面が円錐台状になっており、微小ウェル15の底面の直径がビーズの直径よりも小さくなっていることで、微小ウェル15の底面にビーズ20が接触しないようにすることで、微小ウェル15の底面からシグナルを検出することを特徴とする検査キットである。
なお、実際には、ウェルの側面形状は円錐台状に限定されず、ビーズ20が微小ウェル15の底面に接触しない形状であれば良い。
なお、実際には、ウェルの側面形状は円錐台状に限定されず、ビーズ20が微小ウェル15の底面に接触しない形状であれば良い。
以上、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これらの説明によって発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態の種々の変形例とともに本発明の別の実施形態も明らかである。したがって、特許請求の範囲は、本発明の範囲及び要旨に含まれるこれらの変形例又は実施形態も網羅すると解すべきである。
10…カバー
11…疎水性材料
12…基材部
15…微小ウェル
20…ビーズ
30…油性封止液
31…混合液
35…構造体
40…磁石
11…疎水性材料
12…基材部
15…微小ウェル
20…ビーズ
30…油性封止液
31…混合液
35…構造体
40…磁石
Claims (11)
- 生体物質検出容器内の流路内及び前記流路内に形成された複数のウェル内にビーズを含む混合液を送液し、
油性封止液を前記流路内に送液して前記複数のウェル内の前記混合液を前記油性封止液により封止しても前記複数のウェルの底面と前記ビーズとを非接触の状態にしておくことにより、前記複数のウェルの下部に観察可能なシグナルを発する反応液を配することを特徴とする生体物質検出方法。 - 前記ビーズの直径が複数のウェルの各々の底面の直径よりも大きい請求項1に記載の生体物質検出方法。
- 前記複数のウェル内の一部に構造体が設けられ、
前記構造体が前記ビーズを支持する請求項1に記載の生体物質検出方法。 - 前記ビーズが磁性ビーズであり、
前記複数のウェル内の前記混合液を前記油性封止液により封止した後、前記ビーズを前記複数のウェルの上方から磁力で引っ張る請求項1に記載の生体物質検出方法。 - 前記混合液がシグナル増幅反応試薬を含み、
前記生体物質検出容器内でシグナル増幅反応を行い、
前記生体物質検出容器内に対してシグナル検出を行う請求項1から4のいずれか一項に記載の生体物質検出方法。 - 前記シグナル増幅反応が等温反応である請求項5に記載の生体物質検出方法。
- 前記等温反応が酵素反応である請求項6に記載の生体物質検出方法。
- 前記酵素反応がインベーダー反応である請求項7に記載の生体物質検出方法。
- 前記シグナル検出として、前記生体物質検出容器内における生体物質の有無に対応した蛍光、発光、pH変化、吸光度変化、及び電位変化のうち少なくとも1つを検出する請求項5から8のいずれか一項に記載の生体物質検出方法。
- 前記混合液が、解析対象物質となるDNA、RNA、miRNA、mRNA、又はタンパク質のいずれかを含み、更に前記解析対象物質に対する特異的標識能を有する標識物質に鋳型核酸が含まれた状態又は結合可能な状態で、前記標識物質を含む請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の生体物質検出方法。
- 前記標識物質が、前記鋳型核酸とは異なるDNA鎖、酵素、粒子、抗体、及びリポソームのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項10に記載の生体物質検出方法。
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