以下、図面を参照しつつ、本発明の実施例1を詳細に説明する。以下の説明においては、図1のパチンコ遊技機を正面から見た場合を基準として、上下、左右、前後方向を示すものとする。図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。尚、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、第2特別可変入賞球装置7Bが配設されているとともに、その内部には演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄(飾り図柄とも言う)が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて演出図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。これに対して、演出図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでの変動表示中には、演出図柄の変動速度が「0」となって、演出図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による演出図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。尚、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、演出図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「9」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「9」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「9」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は9種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば8種類や10種類など)。
演出図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「9」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。あるいは、演出図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である演出図柄が表示されるようにしてもよい。
演出表示装置5の表示領域には、第1保留記憶数表示エリア5D及び第2保留記憶数表示エリア5Uが配置されている。第1保留記憶数表示エリア5D及び第2保留記憶数表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。第1保留記憶数表示エリア5Dにおける保留記憶表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示であり、第2保留記憶数表示エリア5Uにおける保留記憶表示は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示である。
この実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示(第1保留記憶数表示エリア5Dに表示される保留記憶表示)とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の赤色表示(第2保留記憶数表示エリア5Uに表示される保留記憶表示)とする。尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示と、の表示態様は、例えば、共に丸型の白色表示等の同一態様であってもよい。
図1に示す例では、第1保留記憶数表示エリア5D及び第2保留記憶数表示エリア5Uとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部には特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示部25Aが設けられ、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの下部には第2保留表示部25Bが設けられている。第1保留表示部25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示部25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
第2特別可変入賞球装置7Bの右側下方には、普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態(図1中点線位置参照)と傾動位置(図1中実線位置参照)となる拡大開放状態とに変化する可動翼片を有する普通電動役物を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。尚、この実施例では、図1中右側のみが可動翼片とされ、左側は傾動しない非可動翼片されている。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)し難い通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)し易い拡大開放状態となる。尚、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aの下方には、第1特別可変入賞球装置7Aが設けられている。第1特別可変入賞球装置7Aは、第1大入賞口用のソレノイド82によって開閉駆動される第1大入賞口扉701を備え、その大入賞口扉701によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第1大入賞口702を形成する。第1大入賞口702は、横長長方形状をなし、遊技盤2の前面に前向きに開放するように形成されている。第1大入賞口扉701は、ソレノイド82の駆動によって第1大入賞口702を閉鎖する閉鎖位置と、第1大入賞口702を開放する開放位置と、の間で下辺を中心として前後方向に開閉可能に設けられている。
第1特別可変入賞球装置7Aでは、後述する第1大当り〜第5大当りにおいて、ソレノイド82がオン状態であるときに第1大入賞口扉701が第1大入賞口702を開放状態として、遊技球が第1大入賞口702を通過(進入)し易くする。その一方で、第1大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに第1大入賞口扉701が第1大入賞口702を閉鎖状態として、遊技球が第1大入賞口702を通過(進入)できなくする。このように第1大入賞口702は、遊技球が通過(進入)し易く遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が第1大入賞口702を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が第1大入賞口702を通過(進入)し難い一部開放状態を設けてもよい。
第1大入賞口702を通過(進入)した遊技球は、第1大入賞口702内に設けられた第1カウントスイッチ23を通過することで、該第1カウントスイッチ23によって検出される。第1カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第1特別可変入賞球装置7Aにおいて開放状態となった第1大入賞口702を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、第1特別可変入賞球装置7Aにおいて第1大入賞口702が開放状態となれば、その第1大入賞口702に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、第1特別可変入賞球装置7Aにおいて第1大入賞口702が閉鎖状態となれば、第1大入賞口702に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第2特別可変入賞球装置7Bは、図8に示すように、中央に演出表示装置5を視認可能とするように枠状に形成され、その上部右側位置には、第2大入賞口扉用のソレノイド83によって開閉駆動される上下一対の第2大入賞口扉711A、711Bを備え、その第2大入賞口扉711A、711Bによって開放状態と閉鎖状態とに変化する第2大入賞口712A、712Bを形成する。第2大入賞口712A、712Bは、第2特別可変入賞球装置7Bの上部右側に右側方に開放するように形成され、第2大入賞口712Aは第2大入賞口712Bの下方位置に形成されている。
可動部材としての第2大入賞口扉711Aは、ソレノイド83の駆動によって第2大入賞口712Aを閉鎖する閉鎖位置(図8(A)参照)と、第2大入賞口712Aを開放する開放位置(図8(B)参照)と、の間で左右方向に往復動可能に設けられている。また、可動部材としての第2大入賞口扉711Bは、ソレノイド83の駆動によって第2大入賞口712Bを閉鎖する閉鎖位置(図8(A)参照)と第2大入賞口712Bを開放する開放位置(図8(B)参照)と、の間で左右方向に往復動可能に設けられている。これら第2大入賞口扉711A、711Bは、例えば連係アームといった所定のリンク機構(図示略)などを介して、第2大入賞口扉用のソレノイド83におけるコイルに内装されたプランジャなどに連結されていることにより、1つのソレノイド83の駆動に連動して常に同方向に動作するようになっている。尚、本実施例では、第2大入賞口扉711A、711Bは1つのソレノイド83の駆動に連動して常に同方向に動作するようになっているが、それぞれ別個の駆動源により作動するようにしてもよい。また、第2大入賞口扉711A、711Bは、摺動変化可能に構成されたものに限定されず、例えば回動可能に構成されることにより、第2大入賞口712A、712Bを、第1状態である開放状態と第2状態である開放状態とに変化させることができるものであればよい。
第2特別可変入賞球装置7Bでは、後述する第1小当り〜第4小当りにおいては、ソレノイド83がオフ状態であるときに第2大入賞口扉711A、711Bが第2大入賞口712A、712Bを閉鎖状態として、遊技球が第2大入賞口712A、712Bを通過(進入)できなくする。また、ソレノイド83がオン状態であるときに第2大入賞口扉711A、711Bが第2大入賞口712A、712Bを開放状態として、遊技球が第2大入賞口712A、712Bを通過(進入)可能にする。このように、第2特別可変入賞球装置7Bは、遊技球が進入可能となり遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)と遊技球が進入不可能となり遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)とに変化する開閉動作(始動動作)を実行することができるように構成されている。また、本実施例では、第2状態(閉鎖状態)において遊技球が進入不可能となるようになっているが、遊技球が進入可能であるものの、第1状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなる、つまり、遊技球の進入が困難となるようにしてもよい。
第2大入賞口712A、712Bを通過(進入)した遊技球は、第2大入賞口712A、712B内に配設された主経路740A、740Bを通過することで第2カウントスイッチ24A、24Bによって検出される。第2カウントスイッチ24A、24Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第2特別可変入賞球装置7Bにおいて開放状態となった第2大入賞口712A、712Bを遊技球が通過(進入)したときには、例えば、第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、第2特別可変入賞球装置7Bにおいて第2大入賞口712A、712Bが開放状態となれば、その第2大入賞口712A、712Bに遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、第2特別可変入賞球装置7Bにおいて第2大入賞口712A、712Bが閉鎖状態となれば、第2大入賞口712A、712Bに遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
図8及び図9に示すように、本実施例の第2特別可変入賞球装置7B内には、第2大入賞口712Aを通過した遊技球が通過する主経路740Aと、第2大入賞口712Bを通過した遊技球が通過する主経路740Bと、が別個に設けられている。
主経路740Aは、第2大入賞口712Aに進入した遊技球を第2特別可変入賞球装置7Bの右側で下方に向けて誘導した後、所定位置にて前方に方向変換するとともに、さらに前側位置において左右方向の中央位置に向けて方向変換して特定領域50に誘導した後、遊技盤2の背面側に誘導するように形成されている。尚、主経路740Aの上流側には第2カウントスイッチ24Aが設置されており、遊技球は、該第2カウントスイッチ24Aを通過することで、該第2カウントスイッチ24Aによって検出される。主経路740Bは、第2大入賞口712Bに進入した遊技球を第2特別可変入賞球装置7Bの右側から左側に誘導してから下方に向けて誘導した後、所定位置にて前方に方向変換するとともに、さらに前側位置において左右方向の中央位置に向けて方向変換して特定領域50に誘導した後、遊技盤2の背面側に誘導するように形成されている。尚、主経路740Bの上流側には第2カウントスイッチ24Bが設置されており、遊技球は、該第2カウントスイッチ24Bを通過することで、該第2カウントスイッチ24Bによって検出される。
これら主経路740A、740Bは、下流側にある特定領域50において合流されている。また、この特定領域50には第3カウントスイッチ24Cが設置されており、主経路740A、740Bを通過した遊技球は、第3カウントスイッチ24Cを通過することで該第3カウントスイッチ24Cによって検出される。尚、本実施例では、後述する小当り遊技中に第3カウントスイッチ24Cによって遊技球が検出されたことに基づき、大当り遊技状態に制御するようになっている。
これら主経路740A、740Bにおける後側から前側に延設される所定箇所には分岐部742A、742Bが設けられ、該分岐部742A、742Bからは分岐路741A、741Bが延設されている。分岐路741A、741Bは、それぞれ主経路740A、740Bの内側において、それぞれ遊技球を左右方向の中央位置にある特定領域50の左右側の通常領域51に誘導した後に合流して、遊技盤2の背面側に誘導するように形成されている。この通常領域51には第4カウントスイッチ24Dが設置されており、分岐路741A、741Bを流下してきた遊技球は、第4カウントスイッチ24Dを通過することで該第4カウントスイッチ24Dによって検出される。
分岐部742A、742Bには、第2特別可変入賞球装置7Bの左右側にそれぞれ配設された演出用模型746A、746Bの足を模した規制部材745A、745Bが設けられている。規制部材745A、745Bは、規制部材用の規制用モータ84の駆動によって、主経路740A、740Bにおける分岐部742A、742Bに突出することで遊技球の主経路740A、740Bから特定領域50への進入を規制する規制状態(図9(B)参照)と、主経路740A、740Bにおける分岐部742A、742Bから退避することで遊技球の主経路740A、740Bから特定領域50への進入を許容する許容状態(図9(A)参照)と、の間で上下方向に揺動可能に設けられている。
規制部材745A、745Bは、例えば連係アームといった所定のリンク機構(図示略)などを介して規制用モータ84の駆動ギヤなどに連結されていることにより、1つの規制用モータ84の駆動に連動して常に同方向に動作するようになっている。尚、本実施例では、規制部材745A、745Bは1つの規制用モータ84の駆動に連動して常に同方向に動作するようになっているが、それぞれ別個の駆動源により作動するようにしてもよい。また、規制部材745A、745Bの駆動源として規制用モータ84を適用しているが、ソレノイド等の他の駆動源を適用してもよい。
このように第2特別可変入賞球装置7Bでは、第2大入賞口712A、712Bを通過した遊技球は、規制部材745A、745Bが特定領域50への進入を規制する規制状態である場合には、必ず分岐路741A、741Bの下流側の通常領域51に設置された第4カウントスイッチ24Dを通過するようになっている(図9(B)参照)。一方で、第2大入賞口712A、712Bを通過した遊技球は、規制部材745A、745Bが遊技球の特定領域50への進入を許容する許容状態である場合には、必ず主経路740A、740Bの下流側にある特定領域50に進入することで第3カウントスイッチ24Cを通過するようになっている(図9(A)参照)。
図10(A)に示すように、第2大入賞口712Aに進入した遊技球が規制部材745Aに到達するまでの第2時間T2は約1秒とされ、第2大入賞口712Bに進入した遊技球が規制部材745Bに到達するまでの第4時間T4は約2秒とされている(T2<T4)。このように、第2大入賞口712A、712Bに進入した遊技球が規制部材745A、745Bに到達するまでの時間は、第2大入賞口のうち第2進入部である第2大入賞口712Bから進入した場合、第1進入部である第2大入賞口712Aから進入した場合よりも長くなるようになっている。すなわち、第2特別可変入賞球装置7Bは、遊技球が進入可能な進入部として、遊技球が進入してから第2時間T2が経過したときに規制部材745Aに到達する第1進入部としての第2大入賞口712Aと、遊技球が進入してから第2時間T2よりも長い第4時間T4が経過したときに規制部材745Bに到達する第2進入部としての第2大入賞口712Bと、を有している。
また、図10(B)に示すように、規制部材745A、745B(分岐部742A、742B)から主経路740A、740Bを通過して特定領域50(第3カウントスイッチ24C)に到達するまでの第5時間T5は約1秒とされている。一方、規制部材745A、745B(分岐部742A、742B)から分岐路741A、741Bを通過して通常領域51(第4カウントスイッチ24D)に到達するまでの第6時間T6は約1秒とされている(T5=T6)。
すなわち、第2大入賞口712Aに進入した遊技球が主経路740Aを通過して特定領域50(第3カウントスイッチ24C)に到達するまでの通過時間は約2秒(T2+T5=約2秒)であり、第2大入賞口712Bに進入した遊技球が主経路740Bを通過して特定領域50(第3カウントスイッチ24C)に到達するまでの通過時間は約3秒(T4+T5=約3秒)である。一方、第2大入賞口712Aに進入した遊技球が分岐路741Aを通過して通常領域51(第4カウントスイッチ24D)に到達するまでの通過時間は約2秒(T2+T6=約2秒)であり、第2大入賞口712Bに進入した遊技球が主経路740Bを通過して通常領域51(第4カウントスイッチ24D)に到達するまでの通過時間は約3秒(T4+T6=約3秒)である。このように、第2特別可変入賞球装置7Bでは、第2大入賞口712A、712Bに進入した遊技球は、最大で約3秒のうちに該第2特別可変入賞球装置7B内の経路を通過し該第2特別可変入賞球装置7Bから排出されるように構成されている。尚、これら主経路740A、740Bや分岐路741A、741Bにおける遊技球の通過時間は上記時間に限定されるものではなく、種々に変更可能である。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示装置20が設けられている。一例として、普通図柄表示装置20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示装置20の上方には、普図保留表示部25Cが設けられている。普図保留表示部25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘K(図11参照)が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び各大入賞口702、712A、712Bとは異なる入賞口として、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、第1特別可変入賞球装置7A、第2特別可変入賞球装置7B等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する下皿部材には、例えば下皿本体の上面における前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。
上皿を形成する上皿部材には、例えば上皿本体の上面における前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。
この実施例では、遊技領域は、該遊技領域の略中央位置に配設された第2特別可変入賞球装置7Bの周囲を囲うセンター飾り枠の左側の左遊技領域と右側の右遊技領域とに分かれており、打球操作ハンドルにて弱めに打ち出された(左打ち)遊技球は左遊技領域を流下し、打球操作ハンドルにより強めに打ち出された(右打ち)遊技球は右遊技領域を流下するようになっている。
また、左遊技領域を流下した遊技球は、普通入賞球装置6A、第1特別可変入賞球装置7Aに入賞可能となり、右遊技領域を流下した遊技球は、普通可変入賞球装置6B及び第2特別可変入賞球装置7Bに入賞可能、かつ、ゲート41を通過可能となるように多数の障害釘K(図11参照)が配設されている。つまり、左打ちの場合は第2特別可変入賞球装置7Bに入賞不能、かつ、ゲート41を通過不能である。
また、遊技領域の上部右側には、該遊技領域を構成する外レール401(図11参照)に沿って移動してきた遊技球が衝突する障害壁405(図11参照)が設けられており、これにより遊技者が遊技領域の右側を狙って右打ちを行うことで外レール401に沿って遊技領域の右側に移動してきた遊技球が、その下方にある第2大入賞口712Bに向けて誘導されるようになっている。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示装置20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示装置20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの変動表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
この実施例におけるパチンコ遊技機1では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおいて、「1」〜「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおいて、「1」〜「4」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。尚、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄となったことに基づく小当り遊技状態では、例えばソレノイド83をオフ状態からオン状態に切り換えることなどにより、第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口扉711A、711Bを摺動させて、第2大入賞口712A、712Bを所定の始動態様で閉鎖状態から開放状態に変化させる。その後、所定時間(例えば、3秒など)が経過したときに、例えばソレノイド83をオン状態からオフ状態に切り換えることなどにより、第2大入賞口712A、712Bを閉鎖状態に戻す。このような小当り遊技状態で行われる第2大入賞口712A、712Bの開閉動作を、始動動作という。例えば、小当り遊技状態では第2大入賞口712A、712Bを開閉する始動動作が、1回(あるいは2回といった複数回)行われる。このように、始動動作では、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に進入した遊技球が始動口スイッチ22Bによって検出されたことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでの可変表示結果が第2所定表示結果である「小当り」となったことに対応して、所定個数(例えば15個)の出球(賞球)が得られるとともに、第2特別可変入賞球装置7Bにおける第2大入賞口712A、712Bを、遊技者にとって不利な第2状態である閉鎖状態から遊技者にとって有利な第1状態である開放状態とした後に、再び第2状態である閉鎖状態へと変化させる。
始動動作にて開放状態となった第2大入賞口712A、712Bより第2特別可変入賞球装置7Bの内部に進入した遊技球が特定領域50に進入して有効期間中において第3カウントスイッチ24Cにより検出された場合には、大当り遊技状態(第7大当り)となる。このように、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄となった場合には、始動動作にて開放状態となった第2大入賞口712A、712Bより第2特別可変入賞球装置7Bの内部に進入した遊技球が第3カウントスイッチ24Cによって検出されたことに応じて、大当り遊技状態とする制御が行われる。他方、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでの確定特別図柄が大当り図柄となった場合には、第3カウントスイッチ24Cを遊技球が通過したか否かに関わりなく、大当り遊技状態(第1大当り〜第6大当り)とする制御が行われる。この場合には、第1特別可変入賞球装置7Aに設けられた第1大入賞口702ではなく、第2特別可変入賞球装置7Bに設けられた第2大入賞口712A、712Bを開放状態とする特定動作が開始される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、第1特別可変入賞球装置7Aの第1大入賞口扉701が、所定の上限時間(例えば、29秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第1大入賞口702を開放状態とする。これにより、第1特別可変入賞球装置7Aを遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
また、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでの確定特別図柄が小当り図柄となったことにより、始動動作にて開放状態となった第2大入賞口712A、712Bより第2特別可変入賞球装置7Bの内部に進入した遊技球が第3カウントスイッチ24Cによって検出されたことに対応して「大当り」となった後、大当り遊技状態において、第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口扉711A、711Bが、所定の上限時間(例えば、29秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第2大入賞口712A、712Bを開放状態とする。これにより、第2特別可変入賞球装置7Bを遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
第1,2大入賞口702,712A、712Bの開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数{例えば「15」や「5」(小当りを経由した第7大当りの場合には、実質的には後述するように「14」)など}に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば第1,2大入賞口702,712A、712Bに遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
尚、本実施例では、大当り遊技状態におけるラウンドとして、第1特別可変入賞球装置7Aや第2特別可変入賞球装置7Bを遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間は同じとされていたが、第1状態(開放状態)とする上限時間を第1期間とする通常開放ラウンドと、該第1期間よりも短い第2期間とする短期開放ラウンドと、があるようにしてもよい。
大当り遊技状態が終了した後には、通常遊技状態や大当り遊技状態とは異なり、通常遊技状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態としての時短状態(第1有利状態または第2有利状態)に制御される。尚、通常遊技状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や時短(有利)状態等の有利状態及び小当り遊技状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御されている。
時短制御が行われるときには、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の変動時間(特図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、普通図柄表示装置20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御(全てを含む)が組合せられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。尚、本実施例においては、時短(有利)状態では、「普図当り」となる確率は通常遊技状態と同じとされているものの、普図ゲームの可変表示時間が通常遊技状態(例えば、30秒)よりも短く(例えば、1秒)なるとともに、可動翼片が拡大開放状態とする期間が0.1秒から5秒に延長される時短制御が実施されることで、普通可変入賞球装置6Bに入賞しやすくなることにより、遊技者に有利とされる。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御が行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることにより遊技者にとって有利な状態となる。
本実施例では、これら時短(有利)状態として、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが2回となる期間において上述した時短状態に制御される第1有利状態と、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが10回となる期間において上述した時短状態に制御される第2有利状態と、の2種類の時短(有利)状態が設けられている。第1特別図柄表示装置4Aでは、大当り遊技状態に制御された際の有利状態の有無並びに発生した大当りの種別(第1大当り〜第5大当り)に基づいて、開始する有利状態を第1有利状態または第2有利状態とするかが決定されて、大当り遊技状態が終了した後に該決定された第1有利状態または第2有利状態の制御が開始される。また、第2特別図柄表示装置4Bでは、発生した大当りの種別(第6大当り)や、小当り遊技状態に制御されて特定領域50に遊技球が進入したことにより大当り遊技状態に制御されたときには、当選した小当りの種別(第1大当り〜第4大当り)に基づいて、開始する有利状態を第1有利状態または第2有利状態とするかが決定されて、大当り遊技状態が終了した後に該決定された第1有利状態または第2有利状態の制御が開始される。これら開始された時短(有利)状態は、時短(有利)状態であるときに大当り遊技状態に制御されたこと、あるいは、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが上限回数(2回または10回)に到達することに対応して、時短(有利)状態の制御が終了する。
つまり、第1有利状態では、最大2回しか小当りとなる可能性がない、すなわち、小当りにより実施される第2大入賞口712A、712Bが開放状態とされるチャンスが2回しかないので、特定領域50に遊技球が流入することにより大当りとなる可能性が低いのに対し、第2有利状態では、最大10回、小当りとなる可能性がある、すなわち、小当りにより実施される第2大入賞口712A、712Bが開放状態とされるチャンスが10回もあるので、特定領域50に遊技球が流入することにより大当りとなる可能性が高くなる。
演出表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置5の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。尚、リーチ演出には、演出表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、この実施例では、ノーマルリーチ、スーパーリーチA〜Dといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチA〜Dといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、変動表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出とは異なり、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、演出図柄の変動表示態様などにより遊技者に報知するための変動表示演出が実行されることがあるようにしてもよい。
演出図柄の変動表示中には、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯などのように、演出図柄の変動表示動作とは異なる演出動作により、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rにて演出図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであってもよいし、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものであってもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおいて、図6に示すPC1−1〜PC1−3の変動パターンが実行され、確定特別図柄として「1」〜「4」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示される場合には、前述したように演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定演出図柄の組合せのいずれかが停止表示されることがある。また、確定特別図柄が小当り図柄となることに対応して、各種の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「小当り」となる場合における「小当り」の変動表示態様と称される。変動表示結果が「小当り」となったことに基づいて小当り遊技状態に制御される。小当りとは、大当りと比較して第1大入賞口702の開放回数よりも少ない回数(この実施例では3秒間の開放を1回)が許容される当りであって、第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口扉711A、711Bが始動動作によりスライドすることで第2大入賞口712A、712Bが開放されることで、第2特別可変入賞球装置7Bの内部に遊技球が進入可能とされる当りである。
尚、本実施例では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は「1」〜「5」、「7」を示す数字や「−」を示す記号等から構成され、各数字は各第1〜第7大当り、第1〜第4小当りに対応しているため、遊技者は停止表示された確定特別図柄から大当り種別や小当り種別を判別可能とされているが、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンや記号等を複数種類の特別図柄として予め設定し、大当り種別や小当り種別の判別が困難となるようにしてもよい。
また、演出表示装置5において表示される演出図柄は「1」〜「9」を示す数字から構成され、各演出図柄各第1〜第7大当り、第1〜第4小当りに対応しているため、遊技者は停止表示された確定演出図柄の組合せから大当り種別や小当り種別を判別可能とされているが、例えば大当り種別や小当り種別に関係なく「1」〜「9」いずれかの大当り組合せや小当り組合せが停止表示されるようにして大当り種別や小当り種別の判別が困難となるようにしてもよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示装置20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示装置20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81〜83や規制用モータ84に伝送する出力回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24A、24B、第3カウントスイッチ24C、第4カウントスイッチ24Dからの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24A、第3カウントスイッチ24C、第4カウントスイッチ24Dは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示装置20、第1保留表示部25A、第2保留表示部25B、普図保留表示部25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図3(A)は、この実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。尚、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置5において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。尚、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータは、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置5において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C04(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータは、コマンド8C01(H)〜8C04(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C04(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。尚、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータは、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動表示)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンドおよび大当り開始3指定コマンドがある。
コマンドA1XX(H)は、小当りの開始画面を表示すること、すなわち小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド)である。第1小当りの場合にはEXTデータに「01(H)」を設定した小当り開始指定コマンドが送信され、第2小当りの場合にはEXTデータに「02(H)」を設定した小当り開始指定コマンドが送信され、第3小当りの場合にはEXTデータに「03(H)」を設定した小当り開始指定コマンドが送信され、第4小当りの場合にはEXTデータに「04(H)」を設定した小当り開始指定コマンドが送信される。
コマンドA2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の第1大入賞口702、第2大入賞口712A、712B開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A3XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の第1大入賞口702、第2大入賞口712A、712Bの閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA401(H)は、第1有利状態である第2特別図柄の始動回数2回までの時短(有利)状態となることを報知する大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、大当り後の時短(有利)状態が第1有利状態であることを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA402(H)は、第2有利状態である第2特別図柄の始動回数10回までの時短(有利)状態となることを報知する大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、大当り後の時短(有利)状態が第2有利状態であることを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA403(H)は、小当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。
コマンドA500(H)は、第2特別可変入賞球装置7Bにおいて遊技球が第3カウントスイッチ24Cを通過することで、遊技球が第3カウントスイッチ24Cによって検出されたことを通知する第3カウントスイッチ通過指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(通常遊技状態)であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短(有利)状態であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。
コマンドB1XX(H)は、時短(有利)状態の残り回数(あと何回変動表示を終了するまで時短状態が継続するか)を指定する演出制御コマンド(時短回数指定コマンド)である。コマンドB1XX(H)における「XX」が、時短(有利)状態の残り回数を示す。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第2保留記憶数を示す。
コマンドC2XX(H)は、パチンコ遊技機1においてエラーが発生したことを通知するためのエラー通知コマンドである。尚、エラー通知コマンドには、第2特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球が、第2特別可変入賞球装置7Bに内部に残留していることを示すエラー(例えば、EXT値がFFH)が含まれる。また、第2特別可変入賞球装置7Bに内部に遊技球が残留している否かは、後述する残存球数カウンタが0とならないことで特定できる。
演出制御基板12に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ(具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ)は、主基板11に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ100から上述した演出制御コマンドを受信すると、図3および図4に示された内容に応じて演出表示装置5の表示状態を変更したり、ランプ制御基板14を介してランプの表示状態を変更したり、音声制御基板13に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞があり第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送信する。
図3および図4に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示装置4Aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示装置4Bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置5などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御用マイクロコンピュータに送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
また、本実施例では、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU103は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。
尚、CPU103の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図5は、主基板11の側において用いられるランダム0以外の乱数値を例示する説明図である。図5に示すように、この本実施例では、主基板11の側において、ランダム1〜ランダム5までの各乱数が用いられ、これらの乱数値を示す数値データがカウント可能となるように制御される。尚、遊技効果を高めるために、主基板11の側でこれら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数ランダム1〜ランダム5は、CPU103にて、異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよいし、乱数回路104によって更新されてもよい。乱数回路104は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行し、RAM102をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種の処理が実行される。また、CPU103は、乱数生成プログラムを実行することで、主基板11の側において用いられる各種の乱数の全てを生成可能とされている。
図4に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが記憶されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定を行うために用意された、図7などに示す複数の判定テーブルや決定テーブルや種別テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成するテーブルデータや、特別図柄や普通図柄などの可変表示における各図柄の変動態様となる変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルなどが記憶されている。
ROM101が記憶する判定テーブルには、例えば図7に示す当り判定テーブル130aや大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aや大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bや小当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131cや、大当り用変動パターン種別判定テーブル(図示略)や小当り用変動パターン種別判定テーブル(図示略)、はずれ用変動パターン種別判定テーブル(図示略)、当り変動パターン判定テーブル(図示略)、はずれ変動パターン判定テーブル(図示略)、有利状態種別テーブル(図示略)、普図表示結果判定テーブル(図示略)、普図変動パターン決定テーブル(図示略)、普通可変入賞球装置開放時間決定テーブル(図示略)、開放制御パターンテーブル(図示略)などが含まれている。
図6は、この実施例における変動パターンを示している。この実施例では、変動表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。尚、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。変動表示結果が大当りDを除く「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチA〜スーパーリーチDといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。大当り変動パターンは、変動表示結果が「大当り」となる場合に対応した当り変動パターンに含まれる。
変動表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称される。大当り変動パターンと小当り変動パターンは、変動表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンに含まれる。
「非リーチ」である場合に対応した変動パターンには、変動時間が短縮されない短縮なしの変動パターンや、変動時間が短縮される変動パターンが用意されている。また、遊技状態が確変状態や時短状態といった時短制御が実行される場合に対応した変動パターンも用意されている。
尚、図6に示す変動パターンは、遊技状態が通常状態などの低ベース中であるときに、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンPA1−2〜3や、遊技状態が時短状態などの高ベース中であるときに、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンPA1−5を含んでいるが、例えば、変動パターンPA1−2を、遊技状態が通常状態などの低ベース中であるときに、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンとして、合計保留記憶数が2〜4個であることに対応して実行される変動パターンとし、変動パターンPA1−3を、遊技状態が通常状態などの低ベース中であるときに、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンとして、合計保留記憶数が5〜8個であることに対応して実行される変動パターンとしてもよい。
また、遊技状態が時短状態などの高ベース中であるときに、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンPA1−5を、合計保留記憶数が2〜8個であることに対応して実行される変動パターンとしてもよい。このようにすることで、遊技状態が時短状態などの高ベース中であるときに、第2始動入賞口への始動入賞が少ない状況において、第1始動入賞口への始動入賞に基づく第1保留記憶が高速で消化されてしまうことを回避できるようにしても良い。このように、合計保留記憶数や遊技状態に応じて、これらのいずれかの変動パターンが選択されることで、合計保留記憶数や遊技状態に応じて、変動時間を短縮する制御が可能になる。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図6に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
本実施例では、特図表示結果判定テーブルとして、第1特図表示結果判定テーブル(図示略)と、第2特図表示結果判定テーブル(図示略)とが、予め用意されている。第1特図表示結果判定テーブルは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて判定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果判定テーブルは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値ランダム0に基づいて判定するために参照されるテーブルである。
第1特図表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(有利状態)であるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値ランダム0と比較される数値(判定値)が、「大当り」、「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。第2特図表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態(有利状態)であるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値ランダム0と比較される数値(判定値)が、「大当り」、「小当り」「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
図7(A)は、当り判定テーブル130aを示す説明図である。当り判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、ランダム0と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。当り判定テーブルは、後述する特別図柄ポインタが第1である、つまり、第1特別図柄が可変表示の対象とされている場合と、後述する特別図柄ポインタが第2である、つまり、第2特別図柄が可変表示の対象とされている場合のそれぞれについて、大当りとする判定値と、小当りとする判定値が設定されている。図7(A)に記載されている数値が当り判定値である。
図7(A)に示すように、特別図柄ポインタが第1である場合には、大当りに対応する判定値が設定されているが、小当りに対応する判定値は設定されておらず、よって、第1特別図柄が可変表示の対象とされている場合には、大当りのみが当選可能とされ、小当りの当選は発生しない。
また、特別図柄ポインタが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、特別図柄ポインタが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が可変表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が可変表示の対象とされている場合と同じ確率で大当り(第6大当り;いわゆる直撃大当り)が発生するとともに、これら大当りに対応する判定値以外の判定値が全て小当りに対応する判定値として設定されていることにより、第2特別図柄が可変表示の対象とされている場合には、ハズレがなく、大当り以外は全て小当りに当選するようになっている。
つまり、CPU103は、所定の時期に、乱数回路104のカウンタ値を抽出して抽出値を当り判定用乱数(ランダム0)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図7(A)に示す大当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(第1大当り〜第6大当り)にすることに決定する。また、当り判定用乱数(ランダム0)が図7(A)に示す小当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当り(第1小当り〜第4小当り)にすることに決定する。尚、図7(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)並びに小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図7(B)、(C)は、ROM101に記憶されている大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131a、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを示す説明図である。このうち、図7(B)は、遊技球が第1始動入賞口に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。また、図7(C)は、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を第1大当り〜第6大当りのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。尚、この実施例では、図7(B)、(C)に示すように、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aには、第1大当りから第5大当りまでの5種類の大当りが設けられているのに対し、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bには、第6大当りの1種類の大当りのみが設けられている。つまり、第1特別図柄の変動表示が行われるときに発生する大当りとしては、第1大当りから第5大当りまでの5種類の大当りのうちのいずれかとなる一方、第2特別図柄の変動表示が行われるときに発生する大当りとしては、第6大当りのみとなる。
大当り種別判定テーブル131aには、第1大当り〜第5大当りのそれぞれについて、当り種別判定用の乱数(ランダム1)の判定値、確定特別図柄(「1」〜「5」)データ、ラウンド数(5R、15R)データ、対象大入賞口(第1大入賞口702)データ、有利状態フラグがオフ状態であるかオン状態であるかに応じて大当り後に第1有利状態とするか或いは第2有利状態とするかを示すデータが設定されている。
具体的には、第1大当りから第3大当りに対応するラウンド数データに5ラウンドが設定されることで、第1大当り、第2大当り、第3大当りが5ラウンド大当りに設定される一方、第4大当りと第5大当りに対応するラウンド数データに15ラウンドが設定されることで、第4大当り、第5大当りが15ラウンド大当りに設定される。つまり、第4大当り、第5大当りとなることで、遊技者は、第1大当り、第2大当り、第3大当りよりも多くの遊技球が獲得可能となる。
また、有利状態フラグがオフ状態(セットされていない状態)である通常遊技状態においては第3,5大当りとなった場合においてのみ、該大当り後の有利状態が第2有利状態とされ、その他の第1,2,4大当りは第1有利状態とされ、有利状態フラグがオン状態(セットされている状態)である有利状態においては第2大当りとなった場合においてのみ第1有利状態とされ、その他の大当りは全て第2有利状態とされる。
つまり、第5大当りは、多くの遊技球を獲得可能な15ラウンド大当りであって、遊技状態にかかわらず、第2有利状態となって、大当り後においても大当りとなる可能性が高い大当りであるので、対応する当り種別判定用の乱数(ランダム1)の判定値数が10とされ、第2大当りは、比較的少ない遊技球を獲得可能な5ラウンド大当りであって、遊技状態にかかわらず第1有利状態となって、大当り後においても大当りとなる可能性が低い大当りであるので、対応する当り種別判定用の乱数(ランダム1)の判定値数が100とされている。尚、本実施例における判定値数としては、第1大当りが70、第2大当りが100、第3大当りが90、第4大当りが30、第5大当りが10であり、発生確率としては、第2>第3>第1>第4>第5の順としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの判定値数としては、遊技性を考慮して適宜に設定すれば良い。
このように第1特図ゲームでは、通常遊技状態において、大当り遊技状態の終了後に第1有利状態に制御される第1,2,4大当りに当選する割合は2/3であり、大当り遊技状態の終了後に第2有利状態に制御される第3,5大当りに当選する割合は1/3である。一方、有利遊技状態において、大当り遊技状態の終了後に第1有利状態に制御される第2大当りに当選する割合は1/3であり、大当り遊技状態の終了後に第2有利状態に制御される第1,2,4,5大当りに当選する割合は2/3である。よって、有利状態での大当りの終了後は、通常遊技状態での大当りの終了後(1/3)よりも高い割合(2/3)で第2有利状態に制御されるため、有利状態は通常遊技状態よりも遊技者にとって有利である。また、第1〜第5大当りでは、第1大入賞口702が開放される。
大当り種別判定テーブル131bには、第6大当りについて、当り種別判定用の乱数(ランダム1)の判定値「0」〜「299」、確定特別図柄(「7」)データ、ラウンド数(15R)データ、対象大入賞口(第2大入賞口712A、712B)データ、有利状態フラグがオフ状態であるかオン状態であるかにかかわらず、第2有利状態とすることを示すデータが設定されている。つまり、第2特別図柄で直撃大当りとなった場合には、全て第6大当りとなり、ラウンド数として15Rの大当り遊技が付与されるとともに、大当り後には必ず第2有利状態となる。
図7(D)は、ROM101に記憶されている小当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131cを示す説明図である。この小当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131cは、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)小当りの発生が決定されたときに、小当りの種別を決定する場合のテーブルである。つまり、小当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131c、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、小当りの種別を第1小当り〜第4小当りのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
小当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131cには、第1小当り〜第4小当りのそれぞれについて、当り種別判定用の乱数(ランダム1)の判定値、確定特別図柄(「1」〜「4」)データ、小当りによる第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口扉711A、711Bの始動動作による開放パターンを含む開放制御パターンデータ、小当りによって特定領域50に遊技球が流入することにより発生する大当りのラウンド数データ、有利状態フラグがオフ状態であるかオン状態であるかに応じて大当り後に第1有利状態とするか或いは第2有利状態とするかを示すデータが設定されている。
具体的には、全ての小当りに対して、15ラウンドのラウンド数データ(実質は14ラウンド)となる第7大当りが設定されることで、小当りによって特定領域50に遊技球が流入した場合には、一義的に第7大当りとなり、15ラウンド(実質には14ラウンド)の大当り遊技が付与される。また、第6及び第7大当りでは、第2大入賞口712A、712Bが開放される。
また、有利状態フラグがオフ状態(セットされていない状態)である通常遊技状態においては、第3小当りと第4小当りとなった場合には、該第7大当り後の時短(有利)状態が第2有利状態とされ、第1小当りと第2小当りとなった場合には、該第7大当り後の時短(有利)状態が第1有利状態とされるように設定され、有利状態フラグがオン状態(セットされている状態)である時短(有利)状態においては、第1小当りと第3小当りとなった場合には、該第7大当り後の時短(有利)状態が第2有利状態とされ、第2小当りと第4小当りとなった場合には、該第7大当り後の時短(有利)状態が第1有利状態とされるように設定される。
開放パターンは、第2大入賞口扉711A、711Bの開放期間や開放回数は同じであるが、規制用モータ84の駆動時期や駆動時間が異なるように設定されている(図28〜図30参照)ことで、小当りの種別よって特定領域50に遊技球が流入して大当りとなる確率が異なるようになっている。後述するように、本実施例では、第1、第3小当りが最も特定領域50に遊技球が流入し易いパターンとされ、第2、第4小当りが第1、第3小当りよりも特定領域50に遊技球が流入し難いパターンとされている。
このように第2特図ゲームでは、通常遊技状態において、大当り遊技状態の終了後に第1有利状態に制御される第1,2,4小当りに当選する割合は20/30であり、大当り遊技状態の終了後に第2有利状態に制御される第3小当りに当選する割合は10/30である。一方、有利遊技状態において、大当り遊技状態の終了後に第1有利状態に制御される第2,4小当りに当選する割合は8/30であり、大当り遊技状態の終了後に第2有利状態に制御される第1,3小当りに当選する割合は22/30である。よって、有利状態での大当りの終了後は、通常遊技状態での大当りの終了後(10/30)よりも高い割合(22/30)で大当り遊技状態の終了後に第2有利状態に制御される小当りが当選するため、有利状態は通常遊技状態よりも遊技者にとって有利である。
また、第2特図ゲームにおける有利状態での大当りの終了後は、第1特図ゲームでの通常遊技状態での大当りの終了後(10/30)よりも高い割合(22/30)で、大当り遊技状態の終了後に第1有利状態よりも有利状態に制御される有利期間が長い第2有利状態に制御される小当りが当選するため、当該有利状態の終了後に再び大当りとなる可能性が高いばかりか、当該大当りの終了後も第2有利状態となる可能性が高い、つまり第2有利状態の継続率が高いため、大当りが連続して発生することを期待できる。
ここで、ランダム1の比率から遊技性を説明すると、第1有利状態では、第2特図ゲームが2回、つまり小当り遊技状態となるチャンスは2回あり、第2有利状態では、第2特図ゲームが10回、つまり小当り遊技状態となるチャンスは10回ある。尚、以下の説明においては、第2特図ゲームにて小当りとなり、小当り遊技状態において第2特別可変入賞球装置7Bに遊技球が進入することを前提とした場合の大当りの発生確率として説明するが、実際には障害釘や打球等により遊技球が必ず進入するとは限らない。
尚、本実施例では、第1有利状態において特図ゲームが2回実施されたときまたは第2有利状態において特図ゲームが10回実施されたときに、第2保留記憶数が最大で4個記憶されていることがあるため、第1有利状態または第2有利状態が終了した後においても、その時点で第2保留記憶数に保留記憶がある場合は該保留記憶にもとづく第2特図ゲームが実施されるため、第1有利状態に制御された場合は最大で6回、第2有利状態に制御された場合は最大で14回のチャンスがある。
すなわち、第1有利状態において大当りとなることなく2回目の第2特図ゲームが終了した時点または第2有利状態において大当りとなることなく10回目の第2特図ゲームが終了した時点で有利状態は終了するが、この時点で第2保留記憶数が1以上ある場合、該第2保留記憶数分の第2特図ゲームが有利状態の終了後に実施される。但し有利状態は終了するため、1の保留記憶にもとづく第2特図ゲームの実施期間中に新たに保留記憶数が増加することは殆どない。
尚、本実施例では、第2特別図柄についてのみ、小当りが発生するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら第1特別図柄についても、小当りが発生するようにするとともに、該小当りの発生の種別に応じて該小当り後に第1有利状態または第2有利状態とすることで、大当りとならずに突然的に第1有利状態または第2有利状態となるようにしても良い。
図11に示すように、本実施例では、前述したように、遊技領域の上部右側には、該遊技領域を構成する外レール401に沿って移動してきた遊技球が衝突する障害壁405が設けられており、遊技者が右打ちを行うことで外レール401に沿って遊技領域の右側に移動してきた遊技球の大半は、遊技領域に設けられた複数の障害釘Kによりその下方にある第2大入賞口712Bに向けて誘導されるようになっている。第2大入賞口712Bに誘導された遊技球は、第2大入賞口712Bが開放状態であれば第2大入賞口712Bに進入することがある。一方、第2大入賞口712Bに誘導されたが第2大入賞口712Bに進入しなかった遊技球の大半は、そのまま右下方に流下して第2大入賞口712Aに誘導される。第2大入賞口712Aに誘導された遊技球は、第2大入賞口712Aが開放状態であれば第2大入賞口712Aに進入することがある。
第2大入賞口712Aよりも上流側に位置する第2大入賞口712Bの近傍位置には、第2大入賞口712Bに遊技球が進入可能な所定の隙間を隔てて配設される一対の障害釘K1が配設されている。ここで、図11(A)に示すように、例えば遊技店において、この一対の障害釘K1間の隙間を所定の基準幅Lよりも狭い隙間L1(但し、遊技球の直径よりも大きい)に調整した場合、図11(B)に示すように、所定の基準幅L及び隙間L1よりも広い隙間L2(L2>L>L1)に調整した場合よりも、遊技球が第2大入賞口712Bに進入せずに下方に誘導される第1ルートを通って第2大入賞口712Aに誘導される割合が高くなる。一方、図11(B)に示すように、例えば遊技店において、一対の障害釘K1間の隙間を隙間L1よりも広い隙間L2に調整した場合、隙間L1に調整した場合よりも、遊技球が第1ルートとは異なる第2ルートを通って第2大入賞口712Bに誘導される割合が高くなる。尚、一対の障害釘K1間の隙間を基準幅である隙間Lとした場合、遊技球が第2大入賞口712Bに進入する割合と第2大入賞口712Aに誘導される割合がほぼ同じになる。このように、障害釘K1の隙間幅によって、第2大入賞口712Aと第2大入賞口712Bとの遊技球の進入割合が変わってくる。
また、図11(A)に示すように、第2大入賞口712Bに進入した遊技球が第2カウントスイッチ24Bに到達するまでにかかる第3時間T3(約0.8秒)は、第2大入賞口712Aに進入した遊技球が第2カウントスイッチ24Aに到達するまでにかかる第1時間T1(約0.2秒)よりも長い(T3>T1)。つまり、第2特別可変入賞球装置7Bは、遊技球が進入可能な進入部として、第2カウントスイッチ24Aに到達するまで第1時間T1(約0.2秒)かかり、規制部材745Aに到達するまで第2時間T2(約1秒)かかる第1進入部としての第2大入賞口712Aと、第2カウントスイッチ24Bに到達するまで第1時間T1とは異なる第3時間T3(約0.8秒)かかり、規制部材745Bに到達するまで第2時間T2よりも長い第4時間T4(約2秒)かかる第2進入部としての第2大入賞口712Bと、を有している。
本実施例では、前述したように、第2特図ゲームにおいて第6大当りまたは第7大当りが発生した場合、第2大入賞口712A、712Bが開放対象となる。また、大当り遊技状態において、第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口扉711A、711Bが、所定の上限時間(例えば、29秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第2大入賞口712A、712Bが開放状態となってラウンド遊技が実行される。つまり、各ラウンドにおいて所定の上限時間である29秒が経過するまでに所定個数である10球目の遊技球が第2カウントスイッチ24Aまたは第2カウントスイッチ24Bにて検出されたとき、所定の上限時間である29秒の経過を待たずに第2大入賞口扉711A、711Bが閉鎖状態に変化することになる。
そして、上記のように、第2大入賞口712Bに進入した遊技球が第2カウントスイッチ24Bに到達するまでにかかる第3時間T3(約0.8秒)は、第2大入賞口712Aに進入した遊技球が第2カウントスイッチ24Aに到達するまでにかかる第1時間T1(約0.2秒)よりも長くなるように第2カウントスイッチ24A、24Bが配設されている。すなわち、10球目の遊技球が第2大入賞口712Bに進入した場合、該10球目の遊技球が第2カウントスイッチ24Bにより検出されるまでの期間(第3時間T3)に11球目以降の遊技球が第2大入賞口712A、712Bに進入する(所謂オーバー入賞)割合は、10球目の遊技球が第2大入賞口712Aに進入してから第2カウントスイッチ24Aにより検出されるまでの期間(第1時間T1)に11球目以降の遊技球が第2大入賞口712A、712Bに進入する(所謂オーバー入賞)割合よりも高い。
したがって、例えば、遊技店において、障害釘K1の隙間を隙間L2に調整した場合、第2大入賞口712Bに誘導された遊技球が第2大入賞口712Aに進入する割合よりも第2大入賞口712Bに進入する割合の方が高くなるので、隙間L1に調整した場合よりもオーバー入賞の発生割合も高くなる。そしてこのようにオーバー入賞の発生割合が高くなると、1回の大当り遊技状態において得られる賞球数(払出球数)が、隙間L1に調整した場合よりも隙間L2に調整した場合の方が多くなる。つまり、障害釘K1の隙間Lを調整することで、遊技者にとっての有利度が変化する。
また、第2特別可変入賞球装置7Bでは、前述したように、第2大入賞口712Aに進入した遊技球が規制部材745Aに到達するまでの第2時間T2と、第2大入賞口712Bに進入した遊技球が規制部材745Bに到達するまでの第4時間T4と、が異なっている。そして、小当り遊技状態において、それぞれの規制部材745A、745Bは1つの規制用モータ84により連動するようになっているため、規制部材745A、745Bの動作タイミングによっては、第2大入賞口712Aに進入した場合と第2大入賞口712Bに進入した場合とで遊技球の特定領域50への通過割合が変わってしまうことがある。
よって、例えば、遊技店においてオーバー入賞率を変えるために上記のように障害釘K1の隙間Lの調整を行った場合、これに伴い、遊技球の第2大入賞口712A、712Bへの進入割合が変わることで、1回の大当り遊技状態において得られる賞球数(払出球数)だけでなく、遊技球の特定領域50への通過割合、すなわち、大当り遊技状態の発生割合が変わってしまい、遊技の公平性を担保できなくなる虞があるため、本実施例では、以下に示すような開放パターンが用意されている。
図12は、第1小当り及び第3小当りにおける開放パターンKP−1を示している。開放パターンKP−1は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでの確定特別図柄が第1小当りまたは第3小当りとなった場合における始動動作による第2大入賞口扉711A、711Bの開放パターンである。第1小当りまたは第3小当りとなった場合、第2大入賞口扉711A、711Bは所定のタイミングで閉鎖状態から開放状態に変化する。そして、開放状態に変化してから所定の開放時間T10(約3秒)が経過したときに閉鎖状態に変化する。
また、規制部材745A、745Bは、常時規制状態に維持されており、小当り遊技状態の発生に伴ってソレノイド83により第2大入賞口扉711A、711Bが開放状態に変化されてから第4時間T4(約2秒)が経過したときに、規制状態から許容状態に変化する。第4時間T4は、第2大入賞口712Bに進入した遊技球が規制部材745Bに到達するまでの時間である。つまり、第2大入賞口扉711Bが開放状態に変化した直後に第2大入賞口712Bに進入した遊技球は、開放後第4時間T4が経過するまでは規制部材745Bに到達しない。一方、第2大入賞口扉711Aが開放状態に変化した直後に第2大入賞口712Aに進入した遊技球は、開放状態に変化した直後から第4時間T4よりも短い第2時間T2が経過した時点で規制部材745Aに到達する。
このように、第2大入賞口扉711Aが開放状態に変化した直後に第2大入賞口712Aに進入した遊技球が規制部材745Aに到達するまでの第2時間T2は、第2大入賞口712Bに進入した遊技球が規制部材745Bに到達するまでの第4時間T4よりも短いことで、開放直後の同タイミングでそれぞれの大入賞口に進入した場合でも、第2大入賞口712Aに進入した遊技球は第2大入賞口712Bに進入した遊技球よりも早く特定領域50に到達しうるため、第2大入賞口712Bに進入したときは第2大入賞口712Aに進入したときよりも不利になる。
そこで、第2大入賞口712Bに進入した遊技球が規制部材745Bに到達するまでの第4時間T4が経過するまで規制部材745A、745Bを許容状態に変化させないことで、第2大入賞口712Aに進入した場合に第2大入賞口712Bに進入した場合よりも特定領域50を通過する機会が増大して第2大入賞口712Bに進入した場合の方が不利になることを防止できる。
具体的に説明すると、図12(A)には、第2大入賞口扉711Aが開放状態に変化してから所定期間が経過してから第2大入賞口712Aに進入した遊技球が規制部材745Aに到達するタイミングと規制部材745Aの許容期間(図中斜線で示される領域)との関係が示されている。タイミングチャートにおける各長方形枠の左端は進入タイミング、右端は進入してから規制部材745Aに到達する時間である第2時間T2が経過したタイミングを示している。
進入タイミングパターン1−1は、第2大入賞口扉711Aが開放状態に変化してから0秒が経過した、つまり、開放直後のタイミングで進入したパターン、進入タイミングパターン1−2は、第2大入賞口扉711Aが開放状態に変化してから0.5秒が経過したタイミングで進入したパターン、進入タイミングパターン1−3は、第2大入賞口扉711Aが開放状態に変化してから1.0秒が経過したタイミングで進入したパターン、進入タイミングパターン1−4は、第2大入賞口扉711Aが開放状態に変化してから1.5秒が経過したタイミングで進入したパターン、進入タイミングパターン1−5は、第2大入賞口扉711Aが開放状態に変化してから2.0秒が経過したタイミングで進入したパターン、進入タイミングパターン1−6は、第2大入賞口扉711Aが開放状態に変化してから2.5秒が経過したタイミングで進入したパターン、進入タイミングパターン1−7は、第2大入賞口扉711Aが開放状態に変化してから3.0秒が経過したタイミングで進入したパターンを示している。
この場合、進入タイミングパターン1−1、1−2のタイミングで進入した遊技球は、規制部材745Aが許容状態になる前に規制部材745Aに到達するので、規制部材745Aにより特定領域50への通過が規制され、分岐路741Aを介して通常領域51に誘導されることになる。進入タイミングパターン1−3〜7のタイミングで進入した遊技球は、規制部材745Aが許容状態になってから規制状態に変化するまでに規制部材745Aに到達するので、規制部材745Aにより特定領域50への通過が規制されることなく、主経路740Aを介して特定領域50に誘導されることになる。つまり、第2大入賞口扉711Aが開放状態に変化してから閉鎖状態になるまでの間に進入可能な進入タイミングパターン1−1〜7のうち進入タイミングパターン1−3〜7の5つの進入タイミングで進入した遊技球は特定領域50を通過するが、進入タイミングパターン1−1〜2のタイミングで進入した遊技球は特定領域50を通過できない。
一方、図12(B)には、第2大入賞口扉711Bが開放状態に変化してから所定期間が経過してから第2大入賞口712Bに進入した遊技球が規制部材745Bに到達するタイミングと規制部材745Bの許容期間(図中斜線で示される領域)との関係が示されている。タイミングチャートにおける長方形枠の左端は進入タイミング、右端は進入してから規制部材745Bに到達する時間である第4時間T4が経過したタイミングを示している。進入タイミングパターン1−8は、第2大入賞口扉711Bが開放状態に変化してから0秒が経過した、つまり、開放直後のタイミングで進入したパターン、進入タイミングパターン1−9は、第2大入賞口扉711Bが開放状態に変化してから0.5秒が経過したタイミングで進入したパターン、進入タイミングパターン1−10は、第2大入賞口扉711Bが開放状態に変化してから1.0秒が経過したタイミングで進入したパターン、進入タイミングパターン1−11は、第2大入賞口扉711Bが開放状態に変化してから1.5秒が経過したタイミングで進入したパターン、進入タイミングパターン1−12は、第2大入賞口扉711Bが開放状態に変化してから2.0秒が経過したタイミングで進入したパターン、進入タイミングパターン1−13は、第2大入賞口扉711Bが開放状態に変化してから2.5秒が経過したタイミングで進入したパターン、進入タイミングパターン1−14は、第2大入賞口扉711Bが開放状態に変化してから3.0秒が経過したタイミングで進入したパターンを示している。
この場合、進入タイミングパターン1−8〜12のタイミングで進入した遊技球は、規制部材745Bが許容状態になってから規制状態に変化するまでの間に規制部材745Bに到達するので、規制部材745Bにより特定領域50への通過が規制されることなく、主経路740Bを介して特定領域50に誘導されることになる。進入タイミングパターン1−13〜14のタイミングで進入した遊技球は、規制部材745Bが許容状態になってから規制状態に変化するまでの間に規制部材745Bに到達しないので、規制部材745Bにより特定領域50への通過が規制され、分岐路741Bを介して通常領域51に誘導されることになる。つまり、第2大入賞口扉711Bが開放してから閉鎖するまでの間に進入可能な進入タイミングパターン1−8〜14のうち進入タイミングパターン1−8〜12の5つの進入タイミングで進入した遊技球は特定領域50を通過するが、進入タイミングパターン1−13〜14のタイミングで進入した遊技球は特定領域50を通過できない。
このように、図12(A)に示すように、第2大入賞口712Aに遊技球が進入した場合は、第2大入賞口扉711Aが開放してから1秒が経過するまでの開放直後の期間(進入タイミングパターン1−1〜2)が特定領域50を通過できない通過不能期間となるのに対し、図12(B)に示すように、第2大入賞口712Bに遊技球が進入した場合は、第2大入賞口扉711Bが開放してから1秒が経過するまでの開放直後の期間(進入タイミングパターン1−8〜9)は特定領域50を通過できる通過可能期間であるため、第2大入賞口712Aに遊技球が進入した場合は第2大入賞口712Bに遊技球が進入した場合よりも不利になる。
一方、図12(B)に示すように、第2大入賞口712Bに遊技球が進入した場合は、第2大入賞口扉711Bが閉鎖する間際の期間(進入タイミングパターン1−13〜14)が特定領域50を通過できない通過不能期間となるのに対し、図12(A)に示すように、第2大入賞口712Aに遊技球が進入した場合は、第2大入賞口扉711Aが閉鎖する間際の期間(進入タイミングパターン1−6〜7)は特定領域50を通過できる通過可能期間であるため、第2大入賞口712Bに遊技球が進入した場合は第2大入賞口712Aに遊技球が進入した場合よりも不利になる。
このように、第2大入賞口扉711A、711Bが開放した直後の期間は第2大入賞口712Aに遊技球が進入した場合が不利になり、第2大入賞口扉711A、711Bが閉鎖する間際の期間は第2大入賞口712Bに遊技球が進入した場合が不利になる。よって、第2大入賞口扉711A、711Bが開放状態に変化してから閉鎖状態に変化するまでの期間では、トータルで見れば、第2大入賞口712Aに進入した場合と第2大入賞口712Bに進入した場合とで、特定領域50を通過できない通過不能期間は同じであるため、有利度合いは同じになる。すなわち、前述したように障害釘K1が隙間L1や隙間L2に調整されることにより第2大入賞口712A、712Bへの遊技球の進入割合が変化した場合でも、第2大入賞口712A、712Bのいずれでも進入した遊技球が特定領域50を通過可能な進入タイミング期間は均等であるため、障害釘K1の調整によって大当りの発生割合が変化することはない。
尚、本実施例では、第2大入賞口712A、712Bが規制状態から開放状態に変化したときから第4時間T4が経過したときに規制部材745A、745Bが規制状態から許容状態に変化するようになっていたが、第2大入賞口712A、712Bが開放状態に変化したときから第4時間T4が経過した後に規制部材745A、745Bが規制状態から許容状態に変化するようにしてもよい。図12を用いて説明すると、例えば、第2大入賞口712A、712Bが開放状態に変化したときから2.5秒が経過したとき(開放状態に変化したときから第4時間T4である2秒が経過した後)に規制部材745A、745Bが規制状態から許容状態に変化した場合、進入タイミングパターン1−3のタイミングで第2大入賞口712Aに進入した遊技球も特定領域50へ誘導されなくなるが、進入タイミングパターン1−8のタイミングで第2大入賞口712Bに進入した遊技球も特定領域50へ誘導されなくなるため、遊技球が第2大入賞口712Aに進入した場合と第2大入賞口712Bに進入した場合とのいずれかが不利になることがない。つまり、第2大入賞口712A、712Bを開放状態に変化させてから第4時間T4の経過以後に規制部材745A、745Bを規制状態から許容状態に変化させるとは、第4時間T4が経過したとき及びそれよりも後の期間も含む。
また、本実施例では、規制部材745A、745Bは、第2大入賞口712A、712Bが閉鎖状態に変化したときから第2時間T2が経過したときに許容状態から規制状態に変化するようになっていたが、第2大入賞口712A、712Bが閉鎖状態に変化したときから第2時間T2が経過する前に規制部材745A、745Bが許容状態から規制状態に変化するようにしてもよい。図12を用いて説明すると、例えば、第2大入賞口712A、712Bが閉鎖状態に変化したときから0.5秒が経過したとき(閉鎖状態に変化したときから第2時間T2である1秒が経過する前)に規制部材745A、745Bが許容状態から規制状態に変化した場合、進入タイミングパターン1−12のタイミングで第2大入賞口712Bに進入した遊技球も特定領域50へ誘導されなくなるが、進入タイミングパターン1−7のタイミングで第2大入賞口712Aに進入した遊技球も特定領域50へ誘導されなくなるため、遊技球が第2大入賞口712Aに進入した場合と第2大入賞口712Bに進入した場合とでいずれかが不利になることがない。つまり、第2大入賞口712A、712Bを開放状態から閉鎖状態に変化させてから第2時間T2の経過以前に規制部材745A、745Bを許容状態から規制状態に変化させるとは、第2時間T2が経過したとき及びそれよりも前の期間も含む。
第2小当りにおける開放パターンKP−2は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでの確定特別図柄が第2小当りとなった場合における始動動作による第2大入賞口扉711A、711Bの開放パターンである。第2小当りとなった場合、第2大入賞口扉711A、711Bは所定のタイミングで閉鎖状態から開放状態に変化する。そして、開放状態に変化してから所定の開放時間T10(約3秒)が経過したときに閉鎖状態に変化する(図29参照)。
また、規制部材745A、745Bは、常時規制状態に維持されており、小当り遊技状態の発生に伴ってソレノイド83により第2大入賞口扉711A、711Bが開放したときに規制状態から許容状態に変化した後、第2大入賞口712Bに進入した遊技球が規制部材745Bに到達するまでの第4時間T4が経過したときに規制状態に変化する。つまり、第2大入賞口扉711Bが開放した直後に第2大入賞口712Bに進入した遊技球は、開放後第4時間T4が経過したときに規制部材745Bに到達するので、規制部材745Bにより規制されて分岐路741Bを介して通常領域51に誘導される。また、第2大入賞口扉711Bが閉鎖するまでに進入した遊技球は全て規制部材745Bにより規制されて分岐路741Bを介して通常領域51に誘導される。一方、第2大入賞口扉711Aが開放状態に変化したときから1秒が経過するまでに第2大入賞口712Aに進入した遊技球は、許容状態にある間に規制部材745Aに到達するため、特定領域50に誘導される。
よって、開放パターンKP−2は、開放直後において、第2大入賞口712Aは第2大入賞口712Bよりも高い割合で進入した遊技球が特定領域50を通過するため、障害釘K1の隙間が隙間L1であるときに隙間L2であるときよりも遊技者にとって有利な開放パターンである。
第4小当りにおける開放パターンKP−3は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでの確定特別図柄が第4小当りとなった場合における始動動作による第2大入賞口扉711A、711Bの開放パターンである。第4小当りとなった場合、第2大入賞口712A、712Bは所定のタイミングで閉鎖状態から開放状態に変化する。そして、開放状態に変化してから所定の開放時間T10(約3秒)が経過したときに閉鎖状態に変化する(図30参照)。
また、規制部材745A、745Bは、常時規制状態に維持されており、小当り遊技状態の発生に伴ってソレノイド83により第2大入賞口扉711A、711Bが閉鎖してから第2時間T2が経過したときに許容状態に変化し、そこから第4時間T4に相当する約2秒が経過したときに規制状態に変化する。つまり、第2大入賞口扉711Bが閉鎖する1秒前から閉鎖するまでに第2大入賞口712Bに進入した遊技球は、該遊技球が進入してから第4時間T4が経過したときに許容状態にある規制部材745Bに到達するので、特定領域50に誘導される。一方、第2大入賞口扉711Aが閉鎖する1秒前から閉鎖するまでに第2大入賞口712Aに進入した遊技球は、第2大入賞口扉711Aが閉鎖してから第2時間T2が経過するまでに規制状態にある規制部材745Aに到達してしまうので、規制部材745Aにより規制されて分岐路741Aを介して通常領域51に誘導される。
よって、開放パターンKP−3は、閉鎖間際において、第2大入賞口712Bは第2大入賞口712Aよりも高い割合で進入した遊技球が特定領域50を通過するため、障害釘K1の隙間が隙間L2であるときに隙間L1であるときよりも遊技者にとって有利な開放パターンである。
図13(A)(B)に示すように、第2特別可変入賞球装置7Bの上部には、主経路740A、740Bよりも遊技者側に該主経路740A、740Bを被覆するように装飾板750が配設されている。詳しくは、図13(B)に示すように、第2特別可変入賞球装置7Bは、遊技盤2と遊技領域を遊技者側から視認可能とするガラス板760との間に配設されており、装飾板750は遊技者側となるガラス板760側に配設されている。尚、装飾板750は、主経路740A、740Bの前面壁を兼ねる部材であるが、主経路740A、740Bの前面壁とは別個に配設した部材にて構成されていてもよい。
装飾板750は、非透光性を有する合成樹脂材にて形成されており、主経路740Aの上流側に対応する所定箇所には、遊技球を視認可能とする透光性部からなる視認部751が主経路740Aに沿うように設けられているとともに、主経路740Bの上流側に対応する所定箇所には、遊技球を視認可能とする透光性部からなる視認部752A、752Bが主経路740Bに沿うように設けられている。
尚、本実施例では、装飾板750は非透光性を有する合成樹脂材にて形成されているが、例えば、装飾用の着色層や凹凸部などにより遊技球が視認不可能または視認部751、752A、752Bよりも視認困難に形成されていてもよい。そして視認部751、752A、752Bは、これら装飾用の着色層や凹凸部などが形成されていない領域にて形成されていてもよい。
また、図13(A)に示すように、主経路740Bにかかる視認部752A、752Bの長さは、主経路740Aにかかる視認部751の長さよりも長く、かつ、主経路740Bにかかる視認部752A、752Bの面積は、主経路740Aにかかる視認部751の面積よりも大きくなっている。すなわち、主経路740Aにかかる視認部751の長さ及び面積と、主経路740Bにかかる視認部752A、752Bの長さ及び面積と、が異なっている。つまり、第1進入部である第2大入賞口712Aに進入した遊技球を特定領域50まで誘導する第1誘導通路である主経路740Aに対応する領域に占める視認部751の割合と、第2進入部である第2大入賞口712Bに進入した遊技球を特定領域50まで誘導する第2誘導通路である主経路740Bに対応する領域に占める視認部752A、752Bの割合とが異なる。
このようにすることで、第2大入賞口712Aに進入し主経路740Aにて誘導される遊技球と第2大入賞口712Bに進入し主経路740Bにて誘導される遊技球とで見え方が異なることで、遊技者は遊技球の行方を推測しにくくなるので、狙い打ちやパチンコ遊技機1に外力を加えることで規制部材745A、745Bが許容状態となるタイミングで遊技球が誘導されるようにする行為を抑制できるので、遊技者の遊技の公平性を担保することができるようになっている。
尚、本実施例では、主経路740Aにかかる視認部751と、主経路740Bにかかる視認部752A、752Bとで、該視認部の長さ及び面積の双方が異なっていたが、長さ及び面積のうち一方のみが異なっていてもよい。
また、装飾板750は、第2大入賞口712Aに進入する遊技球を被覆可能な入賞口被覆部750Aと、第2大入賞口712Bに進入する遊技球を被覆可能な入賞口被覆部750Bと、を有している。そして、入賞口被覆部750Bは、入賞口被覆部750Aよりも各入賞口に進入する遊技球を被覆する被覆長さ及び被覆面積が大きい。すなわち、入賞口被覆部750Aと入賞口被覆部750Bとで遊技球の被覆長さ及び面積が異なっている。つまり、第1進入部である第2大入賞口712Aに進入する遊技球を被覆する第1被覆部としての入賞口被覆部750Aと、第2進入部である第2大入賞口712Bに進入する遊技球を被覆する第2被覆部としての入賞口被覆部750Bとは遊技球の被覆態様が異なる。
このようにすることで、第2大入賞口712Aに進入する遊技球と第2大入賞口712Bに進入する遊技球とで見え方が異なることで、遊技者は遊技球の行方を推測しにくくなるので、狙い打ちやパチンコ遊技機1に外力を加えることで規制部材745A、745Bが許容状態となるタイミングで遊技球が誘導されるようにする行為を抑制できるので、遊技者の遊技の公平性を担保することができるようになっている。
尚、本実施例では、入賞口被覆部750Aと入賞口被覆部750Bとで、遊技球の被覆長さ及び面積双方が異なっていたが、遊技球の被覆長さ及び面積の一方のみが異なっていてもよい。また、入賞口被覆部750Aと入賞口被覆部750Bとで遊技球の被覆長さ及び面積が異なっている例を記載したが、第2大入賞口712Aに進入する遊技球と第2大入賞口712Bに進入する遊技球とで見え方が異なれば、長さや面積が同じでも、被覆形状が異なっているものも含む。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば遊技制御用データ保持エリア(図示略)が設けられている。遊技制御用データ保持エリア(図示略)は、第1特図保留記憶部(図示略)と、第2特図保留記憶部(図示略)と、普図保留記憶部(図示略)と、遊技制御フラグ設定部(図示略)と、遊技制御タイマ設定部(図示略)と、遊技制御カウンタ設定部(図示略)と、遊技制御バッファ設定部(図示略)とを備えている。
第1特図保留記憶部(図示略)は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部(図示略)は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部(図示略)に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示す保留情報となる。
第2特図保留記憶部(図示略)は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部(図示略)は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部(図示略)に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示す保留情報となる。
尚、本実施例では、遊技球の通過(進入)における第1始動条件または第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された乱数値ランダム0〜3を示す数値データを保留データとして第1特図保留記憶部(図示略)または第2特図保留記憶部(図示略)に記憶しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、乱数値MR3を示す数値データは、第1始動条件または第2始動条件の成立時ではなく、該始動条件成立による保留記憶の変動表示開始時に抽出するようにすることで、第1特図保留記憶部(図示略)または第2特図保留記憶部(図示略)には、ランダム2の記憶領域を設けない構成としても良い。
尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部(図示略)は、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示装置20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部(図示略)は、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果判定用の乱数値ランダム5を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部(図示略)には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部(図示略)には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部(図示略)には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部(図示略)には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部(図示略)には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウンタ値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部(図示略)には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウンタ値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部(図示略)には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
例えば、遊技制御カウンタ設定部(図示略)のランダムカウンタには、乱数値ランダム1〜ランダム5を示す数値データが、ランダムカウンタ値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウンタ値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウンタ値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウンタ値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部(図示略)には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部(図示略)には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
ROM101には、遊技制御用のプログラムの他にも、第1大入賞口扉701、第2大入賞口扉711A、711Bの開放動作や規制部材745A、745Bのスライド動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM101には、CPU103が第1大入賞口扉701、第2大入賞口扉711A、711Bの開放動作や規制部材745A、745Bの動作を制御するために使用する開放パターンを構成する開放制御パターンを複数種類格納した開放制御パターンテーブルが記憶されている。開放制御パターンは、大当り遊技状態の進行状況に応じて実行される各種の動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
開放制御パターンは、大当り遊技状態が開始されてから終了するまでの期間における、第1大入賞口扉701、第2大入賞口扉711A、711Bの開放動作や規制部材745A、745Bの動作といった、様々な動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、各大当り種別の進行状況に応じて実行される各種の開放動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
開放制御パターンは、例えば開放時間タイマ判定値、第1大入賞口扉制御データ、第2大入賞口扉制御データ、第1規制部材制御データ、第2規制部材制御データ、有効スイッチデータ、終了コードといった、各種の開放動作や昇降動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の開放制御の内容や、開放制御の切換タイミング等が設定されていればよい。開放制御プロセスタイマ判定値は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵された遊技制御用RAMの所定領域に設けられた開放時間タイマ判定値と比較される値(判定値)であって、各開放動作やスライド動作の実行時間(開放時間や規制時間)に対応した判定値が予め設定されている。
第1大入賞口扉制御データ及び第2大入賞口扉制御データには、例えば各ラウンド中における開放態様を示すデータ等が含まれている。規制部材制御データには、例えば各ラウンド中における規制態様を示すデータ等が含まれている。尚、これらの制御データは、全ての開放制御パターンに含まれなければならないものではなく、各開放制御パターンによる開放動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される開放制御パターンがあってもよい。
CPU103は、開放制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、開放動作やスライド動作の制御内容を決定する。例えば、開放時間タイマ値が開放時間タイマ判定値のいずれかと合致したときには、その開放時間タイマ判定値と対応付けられた開放制御データにより指定される態様で第1大入賞口扉701や第2大入賞口扉711A、711Bを開閉させるとともに、その開放時間タイマ判定値と対応付けられた規制部材制御データにより指定される態様で規制部材745A、745Bを上下動させる制御を行う。
尚、本実施例では、開放制御データにより指定される態様で第1大入賞口扉701や第2大入賞口扉711A、711Bを開閉させるとともに、その開放時間タイマ判定値と対応付けられた規制部材制御データにより指定される態様で規制部材745A、745Bの動作の制御を行っているが、本発明はこれに限定されず、例えば、第1大入賞口702や第2大入賞口712A、712Bの開放制御パターンとは別に規制部材745A、745Bの制御パターンを個別に用意することで、規制部材745A、745Bの許容状態への制御や規制状態への制御を、第1大入賞口702や第2大入賞口712A、712Bの開放制御・閉鎖制御とは独立して実行するようにしても良い。
CPU103は、例えば各ラウンドを開始するときなどに、大当り種別やラウンド数などに基づいて複数のうちいずれかの開放制御パターンをセットする。ここで、開放制御パターンをセットする際には、該当する開放制御パターンを構成するパターンデータを、ROM101から読み出してRAM102の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する開放制御パターンを構成するパターンデータのROM101における記憶アドレスを、RAM102の所定領域に一時記憶させて、ROM101における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、開放時間タイマ値が更新されるごとに、開放時間タイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた開放動作や昇降動作の制御を行う。また、CPU103は、遊技球が第3カウントスイッチ24Cで検出された場合は、有効スイッチデータに応じて、該遊技球の検出が有効検出であるか否かの判定を行う。
このように、CPU103は、開放制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、第1大入賞口扉701、第2大入賞口扉711A、711B、規制部材745A、745Bの制御を進行させる。尚、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、開放制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた第1大入賞口扉制御データ#1〜第1大入賞口扉制御データ#n、第2大入賞口扉制御データ#1〜第2大入賞口扉制御データ#n、規制部材制御データ#1〜規制部材制御データ#n、有効スイッチデータ#1〜#nは、開放動作やスライド動作の制御内容を示し、開放制御の実行を指定する開放制御実行データ#1〜開放制御実行データ#nを構成する。こうしてセットした開放制御パターンに従った指令が、CPU103からソレノイド81〜83、規制用モータ84などに対して出力される。
また、この実施例では、第2大入賞口712A、712Bを対象とした開放パターンKP−1に対応する開放制御パターンKSP−1と、開放パターンKP−2に対応する開放制御パターンKSP−2と、開放パターンKP−3に対応する開放制御パターンKSP−3、とがある。また、これとは別個に第1大入賞口702を対象とした開放パターンKP−Nに対応する開放制御パターンKSP−Nがある。開放制御パターンKSP−Nに基づく開放時間は29秒であり、開放制御パターンKSP−1〜3に基づく開放時間は3秒である。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、演出表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば演出表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
特図変動時演出制御パターンや各種演出制御パターンといった、それぞれの演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部または外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データなどが、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用マイクロコンピュータに内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。尚、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば演出図柄の変動表示中における各演出図柄の変動態様を示すデータといった、演出表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、演出表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば演出図柄の変動表示中における演出図柄の変動表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えばプッシュボタン31Bといった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。すなわち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。尚、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で演出図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や予告演出画像や背景画像といった演出画像を演出表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受付けて演出内容を決定する制御を行う。尚、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
演出動作は、演出図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、演出図柄の変動表示中における一部の期間(例えば予告演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが個別に設けられてもよい。あるいは、演出図柄の変動表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば演出図柄の変動表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(演出表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体、演出用模型が備える可動部材など)の制御を進行させる。尚、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば演出制御用データ保持エリア(図示略)が設けられている。演出制御用データ保持エリア(図示略)は、演出制御フラグ設定部(図示略)と、演出制御タイマ設定部(図示略)と、演出制御カウンタ設定部(図示略)と、演出制御バッファ設定部(図示略)とを備えている。
演出制御フラグ設定部(図示略)には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部(図示略)には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部(図示略)には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部(図示略)には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部(図示略)には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部(図示略)には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウンタ値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部(図示略)には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部(図示略)には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施例では、始動入賞時受信コマンドバッファ(図示略)を構成するデータが、演出制御バッファ設定部(図示略)の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ(図示略)には、合計保留記憶数の最大値(例えば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)や保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という2つのコマンドを1セットして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ(図示略)には、これらの始動口入賞指定コマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ(図示略)の空き領域における先頭から格納していく。始動入賞時には、始動口入賞指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順にコマンド送信が行われる。したがって、コマンド受信が正常に行われれば、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。
始動入賞時受信コマンドバッファ(図示略)に格納されているコマンドは、演出図柄の変動表示を開始するごとに、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。例えば、格納状態において新たな演出図柄の変動表示が開始された場合には、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域にて格納されている各コマンドがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされ、バッファ番号「3」〜「5」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」〜「4」に対応した領域にシフトされる。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受付けると、図14のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、ステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU103は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、スイッチ回路110を介して、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24A、24B、第3カウントスイッチ24C、第4カウントスイッチ24Dの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU103は、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示装置20、第1保留表示部25A、第2保留表示部25B、普図保留表示部25Cの表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4Bおよび普通図柄表示装置20については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウンタ値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU103は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU103は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4Bおよび第1大入賞口702や第2大入賞口712A、712Bを所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU103は、普通図柄表示装置20の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU103は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU103は、演出制御用マイクロコンピュータに演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU103は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU103は、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24A、24Bの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24A、24Bのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置を駆動する。
この実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU103は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU103は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値に1加算する。また、CPU103は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU103は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU103は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「7」を示す1と「−」を示す0)を切り替える。また、CPU103は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示装置20における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施例では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。尚、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施例では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図15は、特別図柄プロセス処理として、図14に示すステップS26にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞処理を実行する(ステップS101)。
ステップS101にて実行される始動入賞処理では、まず、第1特図保留記憶部(図示略)または第2特図保留記憶部(図示略)に記憶されている保留データの個数である特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、特図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の始動入賞は無効として、そのまま始動入賞処理を終了する。これに対して、特図保留記憶数が上限値未満であるときには、各種の乱数値を示す数値データを抽出する。例えば、CPU103は、乱数回路104から入力されるカウンタ値に基づいて生成される特図表示結果判定用の乱数値ランダム0を示す数値データと、大当り種別決定用の乱数値ランダム1を示す数値データ、変動パターン判定用の乱数値ランダム3を示す数値データを抽出する。そして、抽出した各乱数値を示す数値データを、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への入賞が入賞順に記憶されている図示しない保留特定領域における空きエントリの先頭にセットする。
尚、本実施例では、特別図柄プロセス処理において、最初に上述の始動入賞処理を実行しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、該始動入賞処理に替えて、始動入賞があったことを条件に、該始動入賞に対応する変動表示において大当りとなるか否かや、変動パターンの種別がどの種別となるか等を予め判定し、該判定結果を前述した始動入賞時受信コマンド(始動口入賞指定コマンド、保留記憶数通知コマンド)にて演出制御基板12(演出制御用CPU120)に通知する始動入賞判定処理を実行するようにしても良い。
図15のステップS101にて始動入賞処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部(図示略)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S119の処理のいずれかを選択して実行する。
図16および図17は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS110)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU103は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウンタ値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU103は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU103は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施例では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。
次いで、CPU103は、RAM102において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU103は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU103は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウンタ値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウンタ値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウンタ値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM102の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM102の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU103は、合算保留記憶数カウンタのカウンタ値をRAM102の所定の領域に保存した後(ステップS57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウンタ値を1減算する(ステップS58)。尚、CPU103は、カウンタ値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM102の所定の領域に保存する。
また、CPU103は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値にもとづいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送信する制御を行う(ステップS59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU103は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU103は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。
次いで、CPU103は、乱数バッファ領域からランダム0(当り判定用乱数)を読み出し、当り判定モジュールを実行する。尚、この場合、CPU103は、始動入賞処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した当り判定用乱数を読み出し、当り判定を行う。当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値と当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
すなわち、CPU103は、当り判定用乱数(ランダム0)の値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。尚、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示装置における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
当り判定用乱数(ランダム0)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のNo)、CPU103は、当り判定テーブル(図7(A)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU103は、当り判定用乱数(ランダム0)の値が図7(A)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU103は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、第1特別図柄に対応する小当りに対応付けて記憶されている判定値を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、第2特別図柄に対応する小当りに対応付けて記憶されている判定値を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62;Yes)、CPU103は、小当りであることを示す小当りフラグをセットするとともに(ステップS63)、乱数バッファ領域からランダム1を読み出し、読み出したランダム1と小当り種別判定テーブル(図7(D)参照)に基づいて小当り種別を特定して(ステップS64)、該特定した小当り種別(第1〜第4)をRAM102における小当り種別バッファに設定(記憶)する(ステップS65)。例えば、小当り種別が第1小当りである場合には小当り種別を示すデータとして「01」が設定され、小当り種別が第2小当りである場合には小当り種別を示すデータとして「02」が設定され、小当り種別が第3小当りである場合には小当り種別を示すデータとして「03」が設定され、小当り種別が第4小当りである場合には小当り種別を示すデータとして「04」が設定される。一方、小当りとすることに決定しない場合には(ステップS62;No)、ステップS63〜S64を経由することなく、ステップS66に移行する。
次いで、CPU103は、有利状態終了フラグがオン(セット)されているか否かを判定する(ステップS66)。このとき、有利状態終了フラグがオフ(非セット)であれば(ステップS66;No)、さらに、有利状態フラグがオン(セット)されているか否かの判定を行う(ステップS67)。
そして、有利状態フラグがオフ(非セット)であれば(ステップS67;No)、時短回数カウンタ値の更新を行う必要がないので、ステップS67+〜S70の処理を実施することなくステップS75に進む一方、有利状態フラグがオン(セット)されていれば(ステップS67;Yes)、特別図柄ポインタが第2であるか否か、つまり、特図ゲームの対象が第2特別図柄であるか否かを判定する(ステップS67+)。特別図柄ポインタが第2でない場合(ステップS67+;No)には、ステップS75に進む一方、特別図柄ポインタが第2である場合(ステップS67+;Yes)には、時短回数カウンタにてカウントされている時短回数カウンタ値から1を減算更新するとともに(ステップS68)、該減算更新後の時短回数を演出制御用マイクロコンピュータに通知するための時短回数指定コマンドを送信した後(ステップS68+)、減算後の時短回数カウンタ値が0となっているか、つまり、有利状態が第2特図ゲームについての所定の上限値である例えば10回に到達したか否かを判定する(ステップS69)。
このとき、時短回数カウンタ値が0であれば(ステップS69;Yes)、次の特図ゲームにおいて有利状態フラグをクリアして有利状態を終了させるための有利状態終了フラグをセットした後(ステップS70)、ステップS75に進む一方、有利状態カウンタ値が0でなければ(ステップS69;No)、有利状態終了フラグをセットすることなくステップS75に進む。つまり、有利状態が第2特図ゲームについての所定の上限値である例えば10回に到達したことに応じて有利状態終了フラグがセットされる。
また、ステップS66において有利状態終了フラグがオン(セット)されている場合には(ステップS66;Yes)、有利状態終了フラグをクリア(リセット)するとともに、有利状態フラグをクリア(リセット)して有利状態を終了するとともに(ステップS77)、通常遊技状態指定コマンドを送信した後、ステップS75に進む。つまり、第2特図ゲームについての上限回数(例えば10回)に到達することに応じて有利状態終了フラグがセットされた次の特図ゲームにおいて有利状態が終了されることで、上限回数(例えば10回)に到達した特図ゲームを契機として大当りとなっても、時短(有利)状態にて発生した大当りとして判断できる。
ステップS71では、CPU103は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図7(B)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aを選択する。また、CPU103は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図7(C)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bを選択する。
次いで、CPU103は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(第1〜第6大当り)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。尚、この場合、CPU103は、始動入賞処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。
また、CPU103は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM102における大当り種別バッファに設定(記憶)する(ステップS74)。例えば、大当り種別が第1大当りである場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が第2大当りである場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が第3大当りである場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定され、大当り種別が第4大当りである場合には大当り種別を示すデータとして「04」が設定され、大当り種別が第5大当りである場合には大当り種別を示すデータとして「05」が設定され、大当り種別が第6大当りである場合には大当り種別を示すデータとして「06」が設定される。
次いで、CPU103は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、ハズレ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り種別に応じた「1」〜「5」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する(図7(B)、(c)参照)。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り種別に応じた小当り図柄となる「1」〜「4」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS111)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図18は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS113)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU103は、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。尚、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示装置4Aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示装置4Bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータに図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、ステップS147に移行する(ステップS133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU103は、演出制御用マイクロコンピュータに大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS134)。具体的には、大当りの種別が5ラウンド大当り(第1〜第3大当り)である場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が15ラウンド大当り(第4〜第6大当り)である場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。尚、大当りの種別が第1大当り〜第6大当りのいずれであるかは、RAM102に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、CPU103は、演出制御用マイクロコンピュータに通常状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。また、開放回数カウンタに開放回数(例えば、5ラウンド大当り(第1〜第3大当り)である場合には5回、15ラウンド大当り(第4〜第6大当り)である場合には15回)をセットする(ステップS137)。
また、CPU103は、時短(有利)状態であることを示す有利状態フラグがオン(セット)されているか否かを判定する。
そして、時短(有利)状態であることを示す有利状態フラグがオン(セット)されている場合(ステップS138;Yes)には、大当り時有利フラグをオン状態にセットするともに(ステップS139)、有利状態フラグをクリア(リセット)してオフ(非セット)状態とする(ステップS140)。また、時短回数カウンタをクリアして、時短回数カウンタ値を「0」に初期化しておく(ステップS141)とともに、ステップS138にて有利状態フラグがオンであるときには(ステップS138;Yes)、時短(有利)状態の上限回数に到達する第2特図ゲームにて有利状態終了フラグがセットされてから直接大当りとなった場合があることから、セットされている場合には、有利状態終了フラグをリセット(クリア)してオフ(非セット)状態としておく(ステップS142)。このように、ステップS139にて大当り時有利フラグをオン状態にセットすることにより、大当り遊技状態へと制御されるより前に遊技状態が時短(有利)状態であった旨を記憶しておくことができる。
ステップS142の処理の後、或いはステップS138にて有利状態フラグがオフ(非セット)であるときには(ステップS138;No)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(ステップS114)に対応した値に更新する(ステップS143)。
ステップS147では、小当りフラグがセットされているか否かを判定する。小当りフラグもセットされていなければ(ステップS147のNo)、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS110)に対応した値に更新する(ステップS149)。一方、小当りフラグがセットされていれば(ステップS147のYes)、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS117)に対応した値に更新する(ステップS148)。
図19は、特別図柄プロセス処理における小当り開放前処理(ステップS117)を示すフローチャートである。小当り開放前処理において、CPU103は、まず、小当り種別に対応した開放制御パターンをセットする(ステップS151)。ステップS151の処理では、小当り種別バッファに記憶されている小当り種別に対応して、開放制御パターンKSP−1〜KSP−3のいずれかがセットされる。これにより、特図ゲームにおける確定特別図柄が複数種類の小当り図柄のいずれに決定されたかに対応して、開放制御パターンKSP−1〜KSP−3のいずれかがセットされることになる。
ステップS151の処理に続いて、小当り種別に応じた小当り開始指定コマンドを送信するとともに(ステップS152)、小当り遊技制御時間の設定を行う(ステップS153)。例えば、ステップS153の処理ではCPU103が、遊技制御プロセスタイマをリセットしてタイマ値を「0」に設定するとともに、小当り遊技制御時間に対応して予め定められた小当り遊技終了基準値を、遊技制御プロセスタイマ値との比較対象としてセットする。このときセットされた小当り遊技終了基準値は、図15に示すステップS118にて実行される小当り開放中処理において、遊技制御プロセスタイマ値と比較されることになる。例えば、小当り遊技終了基準値は、小当り遊技状態を開始してから、始動動作により開放状態となった第2大入賞口712A、712Bが閉鎖し、かつ、規制部材745A、745Bが規制状態に戻るまでに必要な時間に対応するタイマ基準値であればよい。すなわち、本実施例では、各開放パターンKP−1〜3において第2大入賞口712A、712Bの開放時間は同じで、規制部材745A、745Bが規制状態に戻るまでの時間が異なるため、例えば、開放制御パターンKSP−1における小当り遊技時間として、開放時間T10(約3秒)と第2時間T2(約1秒)との合算値である4秒(図28参照)、開放制御パターンKSP−2における小当り遊技時間として、開放時間T10である3秒(図29参照)、開放制御パターンKSP−3における小当り遊技時間として、開放時間T10(約3秒)と第2時間T2(約1秒)と許容期間の2秒との合算値である6秒(図30参照)が設定される。
ステップS153にて小当り遊技制御時間を設定した後には、小当りフラグをクリア(リセット)してオフ(非セット)状態にするとともに(ステップS154)、第2大入賞口712A、712Bに入った遊技球数をカウントするカウンタ並びに第2大入賞口712A、712Bに進入した遊技球をカウントする残存球数カウンタなどのカウンタを初期化した後(ステップS155)、特図プロセスフラグの値を小当り開放中処理に対応した値に更新する(ステップS156)。
図20は、特別図柄プロセス処理における小当り開放中処理(ステップS118)を示すフローチャートである。小当り開放中処理において、CPU103は、まず、遊技制御プロセスタイマ値を、例えば1加算することなどにより更新する(ステップS161)。遊技制御プロセスタイマ値は、例えば、図19に示すステップS153の処理により「0」に設定された後、ステップS161の処理が実行されるごとに更新されることで、小当り遊技状態における経過時間に対応した値を示すことができる。ステップS161の処理に続いて、更新後の遊技制御プロセスタイマ値に対応した各種の設定や制御が行われる。このときには、図19に示すステップS151の処理でセットした開放制御パターンに従って、各種設定や制御の内容が決定されることになる。
例えば、CPU103は、遊技制御プロセスタイマ値が開放制御パターンに示される第1大入賞口開放開始判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS162)。ステップS162の処理では、開放制御パターンに設定された第2大入賞口開放開始判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、第2大入賞口開放開始判定値と合致したとの判定がなされる。
ステップS162にて遊技制御プロセスタイマ値が第2大入賞口開放開始判定値と合致した場合には(ステップS162;Yes)、ソレノイド83を駆動して、第2特別可変入賞球装置7Bに設けられた第2大入賞口712A、712Bを第2大入賞口扉711A、711Bにより開放状態とする始動動作の開始設定を行う(ステップS163)。ステップS163の処理では、開放制御パターンに含まれる第2大入賞口開放開始制御データが示す駆動パターンに従ってソレノイド83の駆動を開始する駆動制御信号の生成などが行われる。ステップS162にて遊技制御プロセスタイマ値が第2大入賞口開放開始判定値と合致しない場合には(ステップS162;No)、ステップS163の処理をスキップする。
この後、CPU103は、遊技制御プロセスタイマ値が開放制御パターンに示される規制用モータ駆動判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS164)。ここで、小当り遊技状態にて規制部材745A、745Bを動作させる場合には、開放制御パターンにて異なる複数の遊技制御プロセスタイマ値に対応した複数の規制用モータ駆動判定値が設定されている。この場合、ステップS164の処理では、開放制御パターンに設定された複数の規制用モータ駆動判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、規制用モータ駆動判定値と合致したとの判定がなされる。
ステップS164にて遊技制御プロセスタイマ値が規制用モータ駆動判定値と合致した場合には(ステップS164;Yes)、規制部材745A、745Bに対応して設けられた規制用モータ84の駆動を開始する設定を行う(ステップS165)。ステップS165の処理では、開放制御パターンに含まれる規制用モータ駆動制御データが示す駆動パターンに従って規制用モータ84の駆動を開始する駆動制御信号の生成などが行われる。ステップS164にて遊技制御プロセスタイマ値が規制用モータ駆動判定値と合致しない場合には(ステップS164;No)、ステップS165の処理をスキップする。
そして、CPU103は、第2大入賞口進入時処理を実行することにより、第2大入賞口712A、712Bより第2特別可変入賞球装置7Bの内部に遊技球が進入した場合における各種の設定や制御が行われる(ステップS166)。
ステップS166にて第2大入賞口進入時処理を実行した後には、遊技制御プロセスタイマ値が開放制御パターンに示される規制用モータ停止判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS167)。ここで、小当り遊技状態にて規制部材745A、745Bを動作させる場合には、開放制御パターンにて異なる複数の遊技制御プロセスタイマ値に対応した複数の規制用モータ停止判定値が設定されている。この場合、ステップS167の処理では、開放制御パターンに設定された複数の規制用モータ停止判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、規制用モータ停止判定値と合致したとの判定がなされる。
ステップS167にて遊技制御プロセスタイマ値が規制用モータ停止判定値と合致した場合には(ステップS167;Yes)、規制用モータ84の駆動を停止する設定を行う(ステップS168)。ステップS168の処理では、開放制御パターンに含まれる規制用モータ停止制御データが示す駆動パターンに従って規制用モータ84の駆動を停止する駆動制御信号の生成などが行われる。ステップS167にて遊技制御プロセスタイマ値が規制用モータ停止判定値と合致しない場合には(ステップS167;No)、ステップS168の処理をスキップする。
この後、CPU103は、遊技制御プロセスタイマ値が開放制御パターンに示される第2大入賞口開放終了判定値と合致するか否かの判定を行う(ステップS169)。ここで、小当り遊技状態にて第2大入賞口712A、712Bを開閉する始動動作が行われる場合には、開放制御パターンにて互いに異なる複数の遊技制御プロセスタイマ値に対応した複数の第2大入賞口開放終了判定値が設定されている。この場合、ステップS169の処理では、開放制御パターンに設定された複数の第2大入賞口開放終了判定値のいずれか1つに遊技制御プロセスタイマ値が合致すれば、第2大入賞口開放終了判定値と合致したとの判定がなされる。
ステップS169にて遊技制御プロセスタイマ値が第2大入賞口開放終了判定値と合致した場合には(ステップS169;Yes)、ソレノイド83の駆動を停止して第2大入賞口712A、712Bを第2大入賞口扉711A、711Bにより閉鎖状態とする動作の設定を行う(ステップS170)。ステップS170の処理では、開放制御パターンに含まれる第2大入賞口開放終了制御データが示す駆動パターンに従ってソレノイド83の駆動を停止する駆動制御信号の生成などが行われる。ステップS169にて遊技制御プロセスタイマ値が第2大入賞口開放終了判定値と合致しない場合には(ステップS169;No)、ステップS170の処理をスキップする。
そして、CPU103は、遊技制御プロセスタイマ値を小当り遊技終了基準値と比較して、遊技制御プロセスタイマ値が小当り遊技終了基準値に達したか否かを判定する(ステップS175)。このとき、遊技制御プロセスタイマ値が小当り遊技終了基準値に達している場合には(ステップS175;Yes)、特図プロセスフラグの値を小当り終了処理に対応した値に更新する一方(ステップS176)、遊技制御プロセスタイマ値が小当り遊技終了基準値に達していなければ(ステップS175;No)、特図プロセスフラグの値は変更しない。
図21は、小当り開放中処理(ステップS118)における第2大入賞口進入処理を示すフローチャートである。図21に示す第2大入賞口進入時処理において、CPU103は、まず、第2カウントスイッチ24A、24Bからの検出信号のいずれかがオン状態となっているか否かを判定する(ステップS501)。このとき、第2カウントスイッチ24A、24Bからの検出信号のいずれかがオン状態であれば(ステップS501;Yes)、残存球数カウンタ値を1加算する(ステップS502)。これに対して、第2カウントスイッチ24A、24Bからの検出信号がいずれもオフ状態である場合には(ステップS501;No)、ステップS502の処理をスキップする。
この後、第3カウントスイッチ24Cからの検出信号がオン状態となっているか否かの判定を行う(ステップS503)。このとき、第3カウントスイッチ24Cからの検出信号がオン状態であれば(ステップS503;Yes)、第3カウントスイッチ通過指定コマンドを送信する設定を行った後(ステップS504)、特定球検出フラグ(V入賞フラグ)をオン状態にセットする(ステップS505)。これに対して、第3カウントスイッチ24Cからの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS503;No)、ステップS506に進む。
続いて、第4カウントスイッチ24Dからの検出信号がオン状態となっているか否かの判定を行う(ステップS506)。このとき、第4カウントスイッチ24Dからの検出信号がオフ状態であれば(ステップS506;No)、第2大入賞口進入時処理を終了する。これに対して、第4カウントスイッチ24Dからの検出信号がオン状態である場合には(ステップS506;Yes)、残存球数カウンタ値を1減算してから(ステップS507)、第2大入賞口進入時処理を終了する。
図22は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(ステップS119)を示すフローチャートである。小当り終了処理において、CPU103は、まず、第2大入賞口712A、712Bを閉鎖状態にする間際に進入した遊技球が第4カウントスイッチ24Dを通過するまで待機するための第1検出待ち時間が設定されているか否かを判定する(ステップS301)。第1検出待ち時間が設定されていなければ(ステップS301;No)、第1検出待ち時間が経過しても残存球数カウンタが0にならないときに設定される第2検出待ち時間が設定されているか否かを判定する(ステップS302)。第2検出待ち時間が設定されていなければ(ステップS302;No)、第1検出待ち時間タイマに開放制御パターンに応じた値を設定して(ステップS303)、処理を終了する。
本実施例では、ステップS152において設定される小当り遊技終了基準値が開放制御パターンによって異なることで、第2大入賞口712A、712Bを閉鎖してからステップS303にて第1検出待ち時間タイマに所定値を設定するタイミングが、そのときに設定されている開放制御パターンによって異なる。第2大入賞口712A、712Bの閉鎖間際に進入した遊技球を検出するのに必要な時間は閉鎖してから3秒あればよいため、これに余裕をみて1秒を加算した4秒を検出待ち時間とする。よって、選択されている開放制御パターンが開放制御パターンKSP−1であれば、第1検出待ち時間を設定するタイミングが閉鎖から1秒後になるので、第1検出待ち時間として3秒を設定する。開放制御パターンKSP−2であれば、第1検出待ち時間を設定するタイミングが閉鎖時点になるので、第1検出待ち時間として4秒を設定する。開放制御パターンKSP−3であれば、第1検出待ち時間を設定するタイミングが閉鎖から3秒後になるので、第1検出待ち時間として1秒を設定する。
ステップS301において、第1検出待ち時間タイマにタイマ値が設定されていれば(ステップS301;Yes)、第1検出待ち時間タイマのタイマ値を1減算し(ステップS310)、第1検出待ち時間タイマのタイマ値が0になったか否かを判定する(ステップS311)。第1検出待ち時間タイマのタイマ値が0でなければ(ステップS311;No)、第2大入賞口進入時処理を実行し(ステップS312)、処理を終了する。第1検出待ち時間タイマのタイマ値が0であれば(ステップS311;Yes)、残存球数カウンタのカウンタ値が0でないか否かを判定し(ステップS313)、残存球数カウンタのカウンタ値が0であれば(ステップS313;No)、小当たり終了指定コマンドを送信する設定を行った後(ステップS314)、特定入賞判定処理を実行し(ステップS315)、処理を終了する。
図23は、小当り終了処理(ステップS119)における特定入賞判定処理を示すフローチャートである。特定入賞判定処理において、CPU103は、まず、特定球検出フラグ(V入賞フラグ)がオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS510)。このとき、特定球検出フラグ(V入賞フラグ)がオンであれば(ステップS510;Yes)、大当りフラグをオン状態にセットし(ステップS511)、大当り種別バッファに大当り種別として、第7大当りに該当する「07」を設定(記憶)するとともに(ステップS512)、演出制御用マイクロコンピュータに大当り開始3指定コマンドを送信する(ステップS513)。また、CPU103は、演出制御用マイクロコンピュータに通常状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS514)。
次いで、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(V入賞により大当りが発生したことを、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS515)。また、第2大入賞口開放回数カウンタに、第7大当りに該当する開放回数である14回をセットした後(ステップS516)、特定球検出フラグ(V入賞フラグ)をリセット(クリア)してオフ(非セット)状態とする(ステップS517)。
次いで、CPU103は、時短(有利)状態であることを示す有利状態フラグがオン(セット)されているか否かを判定する(ステップS518)。
そして、時短(有利)状態であることを示す有利状態フラグがオン(セット)されている場合(ステップS518;Yes)には、大当り時有利フラグをオン状態にセットするともに(ステップS519)、有利状態フラグをクリア(リセット)してオフ(非セット)状態とする(ステップS520)。また、時短回数カウンタをクリアして、時短回数カウンタ値を「0」に初期化しておく(ステップS521)とともに、ステップS518にて有利状態フラグがオンであるときには(ステップS518;Yes)、時短(有利)状態の上限回数に到達する第2特図ゲームにて有利状態終了フラグがセットされてから、小当りとなって特定領域50に入賞することで大当りとなった場合があることから、セットされている場合には、有利状態終了フラグをリセット(クリア)してオフ(非セット)状態としておく(ステップS522)。このように、ステップS519にて大当り時有利フラグをオン状態にセットすることにより、大当り遊技状態へと制御されるより前に遊技状態が有利状態であった旨を記憶しておくことができる。ステップS522の処理の後、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(ステップS114)に対応した値に更新する(ステップS523)。
一方、ステップS510で特定球検出フラグ(V入賞フラグ)がオン状態にセットされていない場合には(ステップS510;No)、小当り種別バッファに設定(記憶)されている小当り種別をクリアした後(ステップS524)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS110)に対応した値に更新する(ステップS525)。
図22に戻って、ステップS313において残存球数カウンタ値が0でなければ(ステップS313;Yes)、規制用モータを特別状態に制御する(ステップS316)。ここで、第1検出待ち時間が経過したときに残存球数カウンタのカウンタ値が0でなければ、例えば、主経路740A、740Bにおける分岐部742A、742Bなどにおいて、規制部材745A、745Bに遊技球が接触した状態で滞留してしまっていることなどが考えられる。よって、第1検出待ち時間が経過したときに残存球数カウンタのカウンタ値が0でなければ、規制用モータ84を駆動して、規制部材745A、745Bを微動作させることにより、遊技球を分岐路741A、741Bに誘導する特別状態に制御する。この特別状態は、例えば、規制部材745A、745Bを許容状態としないように微動作(上下動)させることが好ましく、このようにすることで、本来は規制部材745A、745Bにより分岐路741A、741Bに誘導されるはずの遊技球が微動作によって特定領域50に誘導されることが防止される。尚、このような動作は上記のような微動作に限定されるものではなく、遊技球を分岐路741A、741Bに誘導可能な動作であればどのような動作でもよい。次いで、第2検出待ち時間タイマに所定値(本実施例では、分岐部742A、742Bから通常領域51に到達するのにかかる最大時間である1秒)を設定し(ステップS317)、処理を終了する。
ステップS302において、第2検出待ち時間タイマにタイマ値が設定されていれば(ステップS302;Yes)、第2検出待ち時間タイマのタイマ値を1減算し(ステップS320)、第2検出待ち時間タイマのタイマ値が0になったか否かを判定する(ステップS321)。第2検出待ち時間タイマのタイマ値が0でなければ(ステップS321;No)、ステップS314にて実行された規制部材745A、745Bの微動作により流下した遊技球が第4カウントスイッチ24Dにより遊技球が検出されたか否かを判定し(ステップS324)、第4カウントスイッチ24Dにより遊技球が検出されれば(ステップS324;Yes)、残存球数カウンタのカウンタ値を1減算して(ステップS325)、第4カウントスイッチ24Dにより遊技球が検出されなければ(ステップS324;No)、そのまま処理を終了する。
ステップS321において、第2検出待ち時間タイマのタイマ値が0であれば(ステップS321;Yes)、残存球数カウンタのカウンタ値が0でないか否かを判定し(ステップS322)、残存球数カウンタのカウンタ値が0であれば(ステップS322;No)、ステップS314に進む。また、残存球数カウンタのカウンタ値が0でなければ(ステップS322;Yes)、つまり、第2検出待ち時間が経過しても遊技球が検出されない場合は、エラー指定コマンドを送信する設定を行い(ステップS323)、パチンコ遊技機1が電断するまでいずれの処理も実行しないループ処理に移行する。
尚、本実施例では、ステップS322において残存球数カウンタが0でない場合は、エラー指定コマンドを送信した後にループ処理を実行することで小当り終了処理から特別図柄通常処理へ移行しないようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ステップS322において残存球数カウンタが0でない場合は、エラー指定コマンドを送信した後にそのまま特別図柄通常処理に移行するようにしてもよく、また、エラー指定コマンドを送信せずにループ処理を実行するようにしても良い。
図24は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS116)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU103は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS190)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には(ステップS190;Yes)、ステップS206に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には(ステップS190;No)、大当りフラグをリセットした後(ステップS191)、ステップS192〜ステップS205までの処理を実施することにより、大当り時有利状態フラグの有無と大当り種別バッファに記憶されている大当り種別とに基づいて、大当り後の時短(有利)状態を第1有利状態とするか第2有利状態とするかを判定して、第1有利状態または第2有利状態に対応する時短回数の設定並びに大当り終了指定コマンドの送信を実施する。
ステップS192では、まず、大当り時有利状態フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する。大当り時有利状態フラグがオン状態にセットされていない場合には(ステップS192;No)、ステップS200へ進む一方、大当り時有利状態フラグがオン状態にセットされている場合には(ステップS192;Yes)、ステップS193に進んで、セットされている大当り時有利状態フラグをリセット(クリア)する。
そして、CPU103は、大当り種別バッファに記憶されている大当り種別データが第7大当りに該当する「7」であるか否か、つまり、終了した大当りが第7大当りであるか否かを判定する(ステップS194)。
終了した大当りが第7大当りでない場合には(ステップS194;No)、ステップS195に進み、更に、大当り種別バッファに記憶されている大当り種別データが第2大当りに該当する「2」であるか否か、つまり、終了した大当りが第2大当りであるか否かを判定する。
終了した大当りが第2大当りである場合(ステップS195;Yes)にはステップS196に進み、大当り後の有利状態が第1有利状態であると判定して時短回数カウンタ値の初期値として2回を設定するともに、第1有利状態に対応する大当り終了1指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送信する制御を行う(ステップS197)。
一方、大当りが第2大当りでない場合には(ステップS195;No)、ステップS204に進み、大当り後の有利状態が第2有利状態であると判定して時短回数カウンタ値の初期値として10回を設定するともに、第2有利状態に対応する大当り終了2指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送信する制御を行う(ステップS205)。
また、大当りが第7大当りである場合には(ステップS194;Yes)、ステップS203に進んで、小当り種別バッファに記憶されている小当り種別データが第1小当りに該当する「1」、或いは第3小当りに該当する「3」であるか否か、つまり、終了した第7大当りが発生した小当りが、時短(有利)状態において発生した第1小当りまたは第3小当りであるか否かを判定する。
終了した第7大当りが発生した小当りが、時短(有利)状態において発生した第1小当りまたは第3小当りである場合には(ステップS203;Yes)、ステップS204に進み、大当り後の時短(有利)状態が第2有利状態であると判定して時短回数カウンタ値の初期値として10回を設定するともに、第2有利状態に対応する大当り終了2指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送信する制御を行う(ステップS205)一方、終了した第7大当りが発生した小当りが、時短(有利)状態において発生した第1小当りまたは第3小当りでない場合、つまり、時短(有利)状態において発生した第2小当りまたは第4小当りである場合に(ステップS203;No)は、ステップS196に進み、大当り後の時短(有利)状態が第1有利状態であると判定して時短回数カウンタ値の初期値として2回を設定するともに、第1有利状態に対応する大当り終了1指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送信する制御を行う(ステップS197)。
一方、ステップS200においてCPU103は、大当り種別バッファに記憶されている大当り種別データが第7大当りに該当する「7」であるか否か、つまり、終了した大当りが通常遊技状態において発生した第7大当りであるか否かを判定する。
終了した大当りが第7大当りでない場合には(ステップS200;No)、ステップS201に進み、更に、大当り種別バッファに記憶されている大当り種別データが第3大当りに該当する「3」、第5大当りに該当する「5」、第6大当りに該当する「6」のいずれかであるか、つまり、終了した大当りが通常遊技状態において発生した第3大当り、第5大当り、第6大当りのいずれかであるかを判定する。
終了した大当りが通常遊技状態において発生した第3大当り、第5大当り、第6大当りのいずれかである場合には(ステップS201;Yes)、ステップS204に進み、大当り後の時短(有利)状態が第2有利状態であると判定して時短回数カウンタ値の初期値として10回を設定するともに、第2有利状態に対応する大当り終了2指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送信する制御を行う(ステップS205)一方、終了した大当りが通常遊技状態において発生した第3大当り、第5大当り、第6大当りのいずれでもない場合、つまり、終了した大当りが通常遊技状態において発生した第1大当り、第2大当り、第4大当りである場合には(ステップS201;No)、ステップS196に進み、大当り後の時短(有利)状態が第1有利状態であると判定して時短回数カウンタ値の初期値として2回を設定するともに、第1有利状態に対応する大当り終了1指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送信する制御を行う(ステップS197)。
一方、大当りが第7大当りである場合には(ステップS200;Yes)、ステップS202に進んで、小当り種別バッファに記憶されている小当り種別データが第3小当りに該当する「3」、或いは第4小当りに該当する「4」であるか否か、つまり、終了した第7大当りが発生した小当りが、通常遊技状態において発生した第3小当りまたは第4小当りであるか否かを判定する。
終了した小当りが、通常遊技状態において発生した第3小当りまたは第4小当りである場合には(ステップS202;Yes)、ステップS204に進み、大当り後の時短(有利)状態が第2有利状態であると判定して時短回数カウンタ値の初期値として10回を設定するともに、第2有利状態に対応する大当り終了2指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送信する制御を行う(ステップS205)一方、終了した小当りが、通常遊技状態において発生した第3小当りまたは第4小当りでない場合、つまり、通常遊技状態において発生した第1小当りまたは第2小当りである場合には(ステップS202;No)、ステップS196に進み、大当り後の時短(有利)状態が第1有利状態であると判定して時短回数カウンタ値の初期値として2回を設定するともに、第1有利状態に対応する大当り終了1指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送信する制御を行う(ステップS197)。
そして、ステップS197の処理或いはステップS205の処理の終了後、大当り種別バッファ並びに小当り種別バッファに設定(記憶)されている大当り種別並びに小当り種別をクリアした後(ステップS198)、大当り終了表示タイマに、演出表示装置5において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS199)、処理を終了する。
ステップS206では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU103は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS207)。経過していなければ(ステップS207;No)、処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS207;Yes)、CPU103は、有利状態フラグをセットして遊技状態を時短(有利)状態に移行させる(ステップS208)。また、CPU103は、時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送信する制御を行う(ステップS209)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS110)に対応した値に更新する(ステップS210)。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図25のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図25に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS1071)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS1072)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS1072;No)、ステップS1072の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部(図示略)に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS1072にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS1072;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS1073)、コマンド解析処理を実行する(ステップS1074)。ステップS1074にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS1074にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS1075)。ステップS1075の演出制御プロセス処理では、例えば演出表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や判定、設定などが行われる。
ステップS1075の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS1076)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部(図示略)のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS1072の処理に戻る。
図26は、図25に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS1075)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、まず、第1保留記憶数表示エリア5D及び第2保留記憶数表示エリア5Uにおける保留記憶表示を更新する保留表示更新処理を実行する(ステップS1160)。
図26に示すステップS1160にて保留表示更新処理を実行した後には、演出プロセスフラグの値に応じて、ステップS1170〜S1177のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。尚、演出制御プロセス処理では、演出表示装置5の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。尚、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS1170):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS1171)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS1171):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS1172)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS1172):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS1173)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS1173):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り表示処理(ステップS1174)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS1170)に対応した値に更新する。
当り表示処理(ステップS1174):大当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。また、小当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置5に小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。例えば、大当りの開始を指定するファンファーレ指定コマンドを受信したら、ファンファーレ演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS1175)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS1175):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、第3カウントスイッチ24Cまたは第4カウントスイッチ24Dを遊技球が通過したことを示すカウントスイッチ通過通知コマンドを受信したら、後述する確変報知演出やチャンス報知演出を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS1176)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS1176):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大当り種別及びラウンド数に応じたプロセスデータを選択し、該プロセスデータをスタートして演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS1175)に対応した値に更新するほか、当り終了指定コマンドを受信したら、エンディング演出のプロセスデータを選択し、該プロセスデータをスタートして演出制御プロセスフラグを当り終了演出処理(ステップS1177)に対応した値に更新する。
当り終了演出処理(ステップS1177):演出表示装置5において、エンディング演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS1170)に対応した値に更新する。
図27は、演出制御プロセス処理における当り表示処理(ステップS1174)を示すフローチャートである。当り表示処理において演出制御用CPU120は、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始に伴い遊技制御用マイクロコンピュータ100から大当り開始指定コマンドが送信されることに基づく大当り開始指定コマンド受信フラグや小当り開始指定コマンドが送信されることに基づく小当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS880)、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了に伴い遊技制御用マイクロコンピュータ100から大当り終了指定コマンドが送信されることに基づく大当り終了指定コマンド受信フラグまたは小当り終了指定コマンドが送信されることに基づく小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS884)。
大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、ステップS881に進み、大当り開始指定コマンド格納領域に格納されている受信した大当り開始指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)に基づいて、大当りの種別(第1大当り〜第7大当り)または小当り開始指定コマンド格納領域に格納されている受信した小当り開始指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)に基づいて、小当りの種別(第1小当り〜第4小当り)を特定する。
そして、特定した大当り画面または小当り画面を演出表示装置5に表示して、大当りまたは小当りとなったことを遊技者に報知する(S882)。
次いで、ステップS883に進み、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り開始指定コマンド受信フラグをリセット(クリア)するとともに、大当り開始指定コマンド格納領域に格納されている大当り開始指定コマンドまたは小当り開始指定コマンド格納領域に格納されている小当り開始指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)をクリアする。
そして、大当り遊技の終了に応じて遊技制御用マイクロコンピュータ100から大当り終了指定コマンドが送信されることに基づく大当り終了指定コマンド受信フラグまたは小当り遊技の終了に応じて遊技制御用マイクロコンピュータ100から小当り終了指定コマンドが送信されることに基づく小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には(ステップS884;No)、遊技制御用マイクロコンピュータ100から第3カウントスイッチ通過指定コマンドが送信されることに基づく第3カウントスイッチ通過指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS890)、第3カウントスイッチ通過指定コマンド受信フラグがセットされていれば(ステップS890;Yes)、遊技球が特定領域50を通過したことを示す画面(図31(F)参照)を表示し(ステップS891)、処理を終了する。また、第3カウントスイッチ通過指定コマンド受信フラグがセットされていなければ(ステップS890;No)、そのまま処理を終了する。
また、大当り終了指定コマンド受信フラグまたは小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には(ステップS884;Yes)、大当り終了指定コマンド受信フラグまたは小当り終了指定コマンド受信フラグをリセットした後(ステップS885)、特定領域50の遊技球が流入すること(V入賞)することに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信される大当り開始3指定コマンドの受信による大当り開始3指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定するとともに、大当り開始3指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、所定の大当り開始3指定コマンドの受信待ち時間が経過しているか否かを判定し、受信待ち時間が経過していない場合には、ステップS886に戻ることで、所定の大当り開始3指定コマンドの受信待ち時間が経過するまで、大当り開始3指定コマンド受信フラグがセットされるか否か、つまり、大当り開始3指定コマンドの受信を待機する。
大当り開始3指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、ステップS888に進み、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS1175)に応じた値に更新する一方、所定の大当り開始3指定コマンドの受信待ち時間が経過した場合、つまり、特定領域50の遊技球が流入しなかった場合には、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS1170)に応じた値に更新する(ステップS889)。
次に、図28〜図30に基づいて、開放パターンKP−1〜3に基づく遊技球の入賞状況について説明する。
図28は、第1小当り、第3小当りに基づいて開放パターンKP−1により第2大入賞口712A、712Bが開放されるときの遊技球の進入状況の一例が示されている。
まず、第1小当り、第3小当りの発生に基づいて、第2大入賞口扉711A、711Bにより第2大入賞口712A、712Bが開放状態になると(ta1)、その第2大入賞口扉711A、711Bが開放したときから第4時間T4である2秒が経過したときに、規制部材745A、745Bが規制状態から許容状態に変化する(ta2)。そして、第2大入賞口扉711A、711Bが開放してから開放時間T10である3秒が経過したときに、第2大入賞口扉711A、711Bが閉鎖する(ta3)。次いで、第2大入賞口扉711A、711Bが閉鎖してから第2時間T2である1秒が経過したときに規制部材745A、745Bが許容状態から規制状態に戻る(ta4)。
ここで、第2大入賞口扉711A、711Bが開放してから1秒が経過するまでに第2大入賞口712Aに進入して第2カウントスイッチ24Aにより検出された遊技球は、第2大入賞口712Aに進入してから1秒が経過したときに規制部材745Aに到達するが、このとき規制部材745Aは規制状態であるため、分岐路741Aに誘導されて第4カウントスイッチ24Dにて検出される。尚、第2大入賞口扉711A、711Bが開放してから1秒が経過した後に第2大入賞口712Aに進入して第2カウントスイッチ24Aにより検出された遊技球は、規制部材745Aに到達したときに許容状態であるので、特定領域50に誘導されて第3カウントスイッチ24Cにて検出されて大当りが確定する。
また、第2大入賞口扉711A、711Bが開放してから2秒が経過するまでに第2大入賞口712Bに進入して第2カウントスイッチ24Bにより検出された遊技球は、第2大入賞口712Bに進入してから2秒が経過したときに規制部材745Bに到達するが、このとき規制部材745Bが許容状態であるので、特定領域50に誘導されて第3カウントスイッチ24Cにて検出されて大当りが確定する。
また、第2大入賞口扉711A、711Bが開放してから2秒が経過した後に第2大入賞口712Bに進入して第2カウントスイッチ24Bにより検出された遊技球は、第2大入賞口712Bに進入してから2秒が経過したときに規制部材745Bに到達するが、このとき規制部材745Bが規制状態であるため、分岐路741Aに誘導されて第4カウントスイッチ24Dにて検出される。
また、第1検出待ち時間は、規制部材745A、745Bが規制状態に変化したとき(ta4)に3秒が設定される。また、第2大入賞口扉711A、711Bにより第2大入賞口712A、712Bが開放状態に変化してから第1検出待ち時間が経過するまで(ta5)の期間(ta1〜ta5)は、全ての第2〜4カウントスイッチ24A〜24Dが遊技球の検出有効期間とされている。尚、第1検出待ち時間が経過した後、第2検出待ち時間が設定されたときには、その第2検出待ち時間が経過するまで全ての第2〜4カウントスイッチ24A〜24Dが遊技球の検出有効期間とされる。
図29は、第2小当りに基づいて開放パターンKP−2により第2大入賞口712A、712Bが開放されるときの遊技球の進入状況の一例が示されている。
まず、第2小当りが発生ししてから所定期間が経過した時点で第2大入賞口扉711A、711Bにより第2大入賞口712A、712Bが開放状態になるとともに、規制部材745A、745Bが規制状態から許容状態に変化する(tb1)。そして、第2大入賞口扉711A、711Bが開放してから第4時間T4である2秒が経過したときに、規制部材745A、745Bが許容状態から規制状態に変化する(tb2)。そして、第2大入賞口扉711A、711Bが開放してから開放時間T10である3秒が経過したときに、第2大入賞口扉711A、711Bが閉鎖する(tb3)。
また、第2大入賞口扉711A、711Bが開放してから、第2大入賞口扉711A、711Bにより第2大入賞口712A、712Bが閉鎖状態に変化した後に第1検出待ち時間である4秒が経過するとき(tb4)までの期間(tb1〜tb4)は、全ての第2〜4カウントスイッチ24A〜24Dが遊技球の検出有効期間とされている。
ここで、第2大入賞口扉711A、711Bが開放してから1秒が経過するまでに第2大入賞口712Aに進入して第2カウントスイッチ24Aにより検出された遊技球は、第2大入賞口712Aに進入してから1秒が経過したときに規制部材745Aに到達するが、このとき規制部材745Aは許容状態であるので、特定領域50に誘導されて第3カウントスイッチ24Cにて検出され、これにより大当りが確定する。
また、第2大入賞口扉711A、711Bが開放してから2秒が経過するまでに第2大入賞口712Bに進入して第2カウントスイッチ24Bにより検出された遊技球は、第2大入賞口712Bに進入してから第4時間T4である2秒が経過したときに規制部材745Bに到達するが、このとき規制部材745Bが規制状態であるため、分岐路741Aに誘導されて第4カウントスイッチ24Dにて検出される。
また、第2大入賞口扉711A、711Bが開放してから2秒が経過した後に第2大入賞口712Bに進入して第2カウントスイッチ24Bにより検出された遊技球は、第2大入賞口712Bに進入してから2秒が経過したときに規制部材745Bに到達するが、このとき規制部材745Bが規制状態であるため、分岐路741Aに誘導されて第4カウントスイッチ24Dにて検出される。つまり、開放パターンKP−2は、第2大入賞口712Bに進入した遊技球は進入タイミングに関わらず全て規制部材745Bにより特定領域50への進入が規制されてしまうパターンである。
図30は、第4小当りに基づいて開放パターンKP−3により第2大入賞口712A、712Bが開放されるときの遊技球の進入状況の一例が示されている。
まず、第4小当りが発生ししてから所定期間が経過した時点で第2大入賞口扉711A、711Bにより第2大入賞口712A、712Bが開放状態になる(tc1)。そして、第2大入賞口扉711A、711Bが開放してから開放期間である3秒が経過したときに、第2大入賞口扉711A、711Bが閉鎖するとともに(tc2)、第2大入賞口扉711A、711Bが閉鎖してから第2時間T2である1秒が経過したときに、規制部材745A、745Bが規制状態から許容状態に変化する(tc3)。そして、許容状態に変化してから2秒が経過したときに規制状態に変化する(tc4)。
また、第2大入賞口扉711A、711Bが開放してから、規制部材745A、745Bが許容状態から規制状態に変化したときから第1検出待ち時間である1秒が経過するとき(tc5)までの期間(tc1〜tc5)は、全ての第2〜4カウントスイッチ24A〜24Dが遊技球の検出有効期間とされている。
ここで、第2大入賞口扉711A、711Bが開放してから第2大入賞口712Aに進入して第2カウントスイッチ24Aにより検出された遊技球は、いずれのタイミングで進入しても、規制部材745Aに到達したときに規制状態になっているので、通常領域51に誘導されて第4カウントスイッチ24Dにて検出される。
一方、第2大入賞口扉711A、711Bが開放してから第2大入賞口712Bに進入して第2カウントスイッチ24Bにより検出された遊技球は、第2大入賞口扉711Bの閉鎖1秒前以降に進入した場合のみ、規制部材745Aに到達したときに許容状態になっているので、特定領域50に誘導されて第3カウントスイッチ24Cにて検出され、これにより大当りが確定する。よって、第2大入賞口712Bの方が第2大入賞口712Aに進入するよりも特定領域50に誘導される通過可能期間は長くなるため有利となる。
このように、開放パターンKP−1は、開放直後は第2大入賞口712Bが有利で、閉鎖間際は第2大入賞口712Aが有利となるパターンであり、開放直後と閉鎖間際にてそれぞれ有利となる入賞口が違うため、いずれの入賞口にとっても有利度は均等なパターンである。一方、開放パターンKP−2は、開放直後において第2大入賞口712Aのみが有利なパターンであり、開放パターンKP−3は、閉鎖間際において第2大入賞口712Bのみが有利なパターンであるため、これら2つの開放パターンKP−2,3が選択される第2小当りと第4小当りとが同じ割合で発生しうるようになっていることで、いずれの開放パターンが選択されても、遊技者の有利度合い、つまり、第7大当りが発生する割合はほぼ同じになる。
次に、本実施例において大当り終了から該大当りの終了後の時短(有利)状態において小当りとなるまでの演出態様の具体例について、図31に基づき説明する。
図31(A)は、大当り終了画面の具体例を示す説明図である。第1〜第5大当り終了時には、図31(A)に示すように、例えば、5ラウンド大当りが終了したこととともに、大当り後の時短(有利)状態が終了となるまでの上限回数(時短回数)の表示を含む大当り終了画面が演出表示装置5に表示される。
そして、時短(有利)状態となることで、普通可変入賞球装置6Bが普通図柄の変動時間が短縮制御されるとともに、普通可変入賞球装置6Bの開放時間が延長されることで、2球の第2始動入賞が発生する(図31(B)参照)。
そして、第2特別図柄の変動表示が開始され(図31(C)参照)、第2特別図柄表示装置4Bに第3小当りに対応する特別図柄である「3」が導出表示されるともに、該特別図柄である「3」が導出表示されるとほぼ同時に、演出表示装置5にチャンス目演出図柄である、例えば「135」の演出図柄の組み合せが停止表示される(図31(D)参照)。
そして、小当り遊技状態となることにより、第2大入賞口扉711A、711Bが3秒間だけ開放されるとともに、演出表示装置5には、図31(E)に示すように、第3小当りに対応した小当り画面が表示されるとともに、特定領域50に遊技球が通過可能なチャンスである旨が表示される。そして、第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口712A、712Bが開放されているときに進入した遊技球が特定領域50を通過した場合、小当りによりV入賞したことを示す大当り画面(図31(F)参照)を小当り遊技において演出表示装置5に表示すること(示唆演出の実行)で、V入賞が発生したことを遊技者が認識することができ、遊技者の大当りへの期待感を向上させることができる。
以上説明したように、本発明の実施例1としてのパチンコ遊技機1にあっては、遊技球が進入可能な進入部として、第2カウントスイッチ24Aに到達するまで第1時間T1(約0.2秒)かかり、規制部材745Aに到達するまで第2時間T2(約1秒)かかる第1進入部としての第2大入賞口712Aと、第2カウントスイッチ24Bに到達するまで第1時間T1とは異なる第3時間T3(約0.8秒)かかり、規制部材745Bに到達するまで第2時間T2よりも長い第4時間T4(約2秒)かかる第2進入部としての第2大入賞口712Bと、を有し、CPU103が、開放パターンKP−1において、第2特別可変入賞球装置7Bを開放状態に変化させてから第4時間T4である2秒の経過後に規制部材745A、745Bを規制状態から許容状態に変化させ、第2特別可変入賞球装置7Bを開放状態から閉鎖状態に変化させてから第2時間T2である1秒の経過前に規制部材745A、745Bを許容状態から規制状態に変化させる制御を行うようになっている。
このようにすることで、第2特別可変入賞球装置7Bが開放状態に変化してから第4時間T4が経過するまで、つまり、開放状態に変化したときに第2大入賞口712Bに進入した遊技球が規制部材745Bに到達するまでの期間は規制部材745A、745Bが許容状態にならず、第2大入賞口712Aに進入した遊技球が特定領域50を通過することはないため、遊技球が第2大入賞口712Bに進入した場合に第2大入賞口712Aに進入した場合よりも不利になることがない。また、第2特別可変入賞球装置7Bが開放状態に変化してから第4時間T4が経過するまでの期間は、第2大入賞口712Aに進入した遊技球が特定領域50を通過することができないが、第2特別可変入賞球装置7Bが閉鎖状態に変化してから第2時間T2が経過したときまたは経過するまでに規制部材745A、745Bが規制状態になることで、閉鎖状態に変化する間際に第2大入賞口712Bに進入した遊技球が規制部材745Bに到達するときには既に規制状態になっているので、遊技球が第2大入賞口712Aに進入した場合に第2大入賞口712Bに進入した場合よりも不利になることがない。
このように、第2特別可変入賞球装置7Bが開放状態に変化した直後は、第2大入賞口712Aに進入した遊技球が特定領域50を通過することがない不利な期間であり、第2特別可変入賞球装置7Bが閉鎖状態になる間際は、第2大入賞口712Bに進入した遊技球が特定領域50を通過することがない不利な期間であるため、第2大入賞口712A及び第2大入賞口712Bのいずれに進入した場合でも、第2特別可変入賞球装置7Bが開放状態から閉鎖状態に変化するまでの期間に進入した遊技球が特定領域50を通過可能となる期間はほぼ同じになる。
また、第2大入賞口712Aと第2大入賞口712Bとで第2カウントスイッチ24A、24Bに到達するまでの時間が異なることにより、大当り遊技状態の各ラウンドにおける10球目の遊技球が第2大入賞口712A及び第2大入賞口712Bのいずれに進入するかで、第2特別可変入賞球装置7Bが閉鎖状態に変化するまでの時間が異なる。つまり、第2特別可変入賞球装置7Bの周辺の障害釘K1等の調整により各進入部への進入割合が変化することで、10球目の遊技球が検出されてから第2特別可変入賞球装置7Bが閉鎖状態に変化するまでに進入しうる遊技球数が変わる。よって、遊技者にとって有利な遊技価値である大当りを得られる機会を変化させずに遊技の公平性を担保しつつ、大当り遊技状態において遊技者に付与する賞球数を調整することができる。
また、第2特別可変入賞球装置7Bは、第2大入賞口712Aに進入した遊技球を特定領域50の第3カウントスイッチ24Cまで誘導する第1誘導通路としての主経路740Aと、第2大入賞口712Bに進入した遊技球を特定領域50の第3カウントスイッチ24Cまで誘導する第2誘導通路としての主経路740Bと、を有し、主経路740A及び主経路740Bよりも遊技者側(前面側)に主経路740A及び主経路740Bを被覆するように配設され、該主経路740A及び主経路740Bを通過する遊技球を視認可能とする視認部751、752A、752Bを有する誘導通路装飾部材としての装飾板750を備え、装飾板750は、主経路740Aに対応する領域に占める視認部751の割合と主経路740Bに対応する領域に占める視認部752A、752Bの割合とが異なることで、第2大入賞口712Aに進入し主経路740Aにて誘導される遊技球と第2大入賞口712Bに進入し主経路740Bにて誘導される遊技球とで見え方が異なることで、遊技者は遊技球の行方を推測しにくくなるので、狙い打ちやパチンコ遊技機1に外力を加えることで規制部材745A、745Bが許容状態となるタイミングで遊技球が誘導されるようにする行為を抑制できるので、遊技者の遊技の公平性を担保することができる。
また、第2特別可変入賞球装置7Bに進入する遊技球よりも遊技者側(前面側)に該第2特別可変入賞球装置7Bに進入する遊技球を被覆するように配設される進入遊技媒体装飾部材としての装飾板750を備え、装飾板750は、第2大入賞口712Aに進入する遊技球を被覆する入賞口被覆部750Aと、第2大入賞口712Bに進入する遊技球を被覆する入賞口被覆部750Bとを有し、入賞口被覆部750Aと入賞口被覆部750Bとは遊技球の被覆態様が異なることで、第2大入賞口712Aに進入する遊技球と第2大入賞口712Bに進入する遊技球とで見え方が異なることで、遊技者は遊技球の行方を推測しにくくなるので、狙い打ちやパチンコ遊技機1に外力を加えることで規制部材745A、745Bが許容状態となるタイミングで遊技球が誘導されるようにする行為を抑制できるので、遊技者の遊技の公平性を担保することができる。
また、第2大入賞口712A、712Bの内部または近傍位置に、遊技球の通路側に向けてLED等の照明装置を配設し、第2大入賞口712A、712Bに進入する遊技球をそれぞれ異なる発光態様にて照らすようにすることにより遊技球の行方を視認し難くすれば、狙い打ちやパチンコ遊技機1に外力を加えることで規制部材745A、745Bが許容状態となるタイミングで遊技球が誘導されるようにする行為を抑制できるので、遊技者の遊技の公平性を担保することができる。
また、CPU103は、ステップS151において選択された開放制御パターンに基づいて、ステップS118の小当り開放中処理において規制部材745A、745Bを規制状態または許容状態に制御することで、規制部材745A、745Bが許容状態となるタイミングで遊技球を進入させる狙い打ちなどの行為を抑制できるので、遊技者の遊技の公平性を担保することができる。
また、本実施例では、規制部材745A、745Bの制御パターンとして、許容状態になるタイミングが異なる3種類の開放パターンKP−1〜3のうちからいずれかを実行可能とされていたが、これら以外の制御パターンにて実行可能としてもよい。
また、本実施例では、第2大入賞口扉711A、711Bの開放パターンは全て同一であったが、各開放パターンKP−1〜3において、例えば、開放時間、開放回数等の開放態様が異なる開放パターンを実行可能としてもよい。
また、CPU103は、ステップS303において第1検出待ち時間を設定した後、ステップS313において残存球数カウンタのカウンタ値が0でなければ、ステップS316において規制部材745A、745Bを許容状態にならないように微動作させる制御を行うことで、第2特別可変入賞装置7Bに進入した遊技球が規制部材745A、745Bで詰まることを防止できる。
また、演出制御用CPU120は、ステップS890において第3カウントスイッチ通過指定コマンド受信フラグがセットされていれば、ステップS891において特定領域通過画面(図31(F)参照)を表示することで、特定領域50の通過によって遊技価値である大当り遊技状態が付与されるという遊技性を遊技者に認識させることで、遊技者に対する遊技の動機づけを高めることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施例2としてのパチンコ遊技機1001を詳細に説明する。尚、本実施例2において前記実施例1と同様の構成部位に関しては同様の符号を付すことで、詳細な説明は省略することとする。また、以下の説明では、パチンコ遊技機1001を正面からみたときの上下左右方向を基準として説明する。図32は、本実施例2におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。
本実施例2では、遊技盤2における遊技領域の中央付近には演出表示装置5が設けられている。また、演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図33に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態(図32中実線位置参照)と傾動位置(図32中点線位置参照)となる拡大開放状態とに変化する可動翼片を有する普通電動役物を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。尚、この実施例では、図32中右側のみが可動翼片とされ、左側は傾動しない非可動翼片されている。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの右側方には、第1特別可変入賞球装置1007A及び第2特別可変入賞球装置1007Bが一体化された特別可変入賞球ユニット1007が設けられている。特別可変入賞球ユニット1007は、第1特別可変入賞球装置1007Aと、その上流部に設けられる第2特別可変入賞球装置1007Bと、から構成されている。
図35〜図37に示すように、第1特別可変入賞球装置1007Aは、ソレノイド82によって開閉駆動される第1大入賞口扉1701を備え、その第1大入賞口扉1701によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第1大入賞口1702を形成する。第1大入賞口1702は、特別可変入賞球ユニット1007の左部において、右側から左側に向けて下方に傾斜するように延設された傾斜通路1700に上向きに開放するように形成されている。第1大入賞口扉1701は、ソレノイド82の駆動によって第1大入賞口1702を閉鎖するとともに傾斜通路1700の一部を構成する閉鎖位置と、第1大入賞口1702を開放する開放位置と、の間で前後方向にスライド移動可能に設けられている。
第1特別可変入賞球装置1007Aでは、後述する大当りA〜Cの第1ラウンド〜第9ラウンド及び第11ラウンド〜第14ラウンドにおいて、第1大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに第1大入賞口扉1701が第1大入賞口1702を開放状態として、遊技球が第1大入賞口1702を通過(進入)し易くする。その一方で、第1大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに第1大入賞口扉1701が第1大入賞口1702を閉鎖状態として、遊技球が第1大入賞口1702を通過(進入)できなくする。このように第1大入賞口1702は、遊技球が通過(進入)し易く遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が第1大入賞口1702を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が第1大入賞口1702を通過(進入)し難い一部開放状態を設けてもよい。
第1大入賞口1702を通過(進入)した遊技球は、第1大入賞口1702内に設けられた第1カウントスイッチ23(図33参照)を通過することで、該第1カウントスイッチ23によって検出される。第1カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第1特別可変入賞球装置1007Aにおいて開放状態となった第1大入賞口1702を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、第1特別可変入賞球装置1007Aにおいて第1大入賞口1702が開放状態となれば、その第1大入賞口1702に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、第1特別可変入賞球装置1007Aにおいて第1大入賞口1702が閉鎖状態となれば、第1大入賞口1702に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
また、第1大入賞口1702に進入することなく傾斜通路1700を流下した遊技球の大半は、障害釘K等により普通可変入賞球装置6Bに誘導され、普通可変入賞球装置6Bが拡大開放状態であれば第2始動入賞口に入賞するようになっている。
第2特別可変入賞球装置1007Bは、第1特別可変入賞球装置1007Aよりも上方に向けて突出して形成されており、ソレノイド1083によって開閉駆動される第2大入賞口扉1711を備え、その第2大入賞口扉1711によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第2大入賞口1712を形成する。第2大入賞口1712は、第2特別可変入賞球装置1007Bの上端部において右側から左側に向けて下方に傾斜するように延設された傾斜通路1710に上向きに開放するように形成されている(図37(B)参照)。第2大入賞口扉1711は、ソレノイド1083の駆動によって第2大入賞口1712を閉鎖するとともに傾斜通路1710に突出して該傾斜通路1710の一部を構成する閉鎖位置(図37(B)一点鎖線位置参照)と、傾斜通路1710から遊技盤2側に退避して第2大入賞口1712を開放する開放位置(図37(B)実線位置参照)と、の間で前後方向にスライド移動可能に設けられている。
第2特別可変入賞球装置1007Bでは、大当りA〜Cにおける第1ラウンド〜第9ラウンド及び第11ラウンド〜第14ラウンドにおいては、第2大入賞口扉用のソレノイド1083がオフ状態であるときに第2大入賞口扉1711が第2大入賞口1712を閉鎖状態として、遊技球が第2大入賞口1712を通過(進入)できなくする。その一方で、大当りA〜Cにおける第10ラウンド及び第15ラウンドにおいては、第2大入賞口扉用のソレノイド1083がオン状態であるときに第2大入賞口扉1711が第2大入賞口1712を開放状態として、遊技球が第2大入賞口1712を通過(進入)しやすくする。このように第2大入賞口1712は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が第2大入賞口1712を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が第2大入賞口1712を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
本実施例における大当りA〜Cは、ラウンド回数が15回の15ラウンド大当りであるが、大当りAは、10ラウンド及び15ラウンドにおける第2大入賞口1712の開放時間が0.2秒である大当りであり、大当りBは、10ラウンドにおける第2大入賞口1712の開放時間が0.2秒、15ラウンドにおける第2大入賞口1712の開放時間が29秒である大当りである。また、大当りCは、10ラウンド及び15ラウンドにおける第2大入賞口1712の開放時間がともに29秒である大当りである。このため、本実施例の大当りA〜Cは、10ラウンド及び15ラウンドにおける第2大入賞口1712の開放時間が異なる様になっているため、大当り中に得られる出球期待度が異なるようになっている。尚、出球期待度とは、大当り中に得ることができる賞球数を指す(出球期待度:大当りC>大当りB>大当りA)。
第2大入賞口1712を通過(進入)する遊技球は、図36に示すように、第2大入賞口1712内に設置された第4カウントスイッチ1024Cを通過することで、該第4カウントスイッチ1024Cによって検出される。第4カウントスイッチ1024Cによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第2特別可変入賞球装置1007Bにおいて開放状態となった第2大入賞口1712を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、第2特別可変入賞球装置1007Bにおいて第2大入賞口1712が開放状態となれば、その第2大入賞口1712に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、第2特別可変入賞球装置1007Bにおいて第2大入賞口1712が閉鎖状態となれば、第2大入賞口1712に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
図35に示すように、本実施例の第2特別可変入賞球装置1007B内には、第2大入賞口1712を通過した遊技球が通過する主経路1740が設けられている。この主経路1740は、上流側で分岐路1741が分岐している。主経路1740の最下流部には、遊技球が通過可能な第2カウントスイッチ1024Aが設置されており、遊技球は、該第2カウントスイッチ1024Aを通過することで、該第2カウントスイッチ1024Aによって検出される。また、分岐路1741には、遊技球が通過可能な第3カウントスイッチ1024Bが設置されており、遊技球は、該第3カウントスイッチ1024Bを通過することで、該第3カウントスイッチ1024Bによって検出される。尚、本実施例における遊技球は、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ1024A〜第4カウントスイッチ1024Cを通過後、遊技盤2に第2大入賞口1712、主経路1740、分岐路1741のそれぞれに連通するように形成された図示しない貫通孔を介して、遊技盤2の背面側に搬送されるようになっている。
尚、本実施例では、大当り遊技中に第3カウントスイッチ1024Bによって遊技球が検出されたことに基づき、大当り遊技終了後の遊技状態を後述する確率変動遊技状態(確変状態)に制御するようになっている。
また、第2特別可変入賞球装置1007Bは、主経路1740から分岐路1741が分岐する分岐部に、遊技球の主経路1740から分岐路1741への進入を規制及び許容するための規制部材1720を備えている。規制部材1720は、規制用モータ1084の駆動によって主経路1740から分岐路1741が分岐する分岐部に突出することで遊技球の主経路1740から分岐路1741への進入を規制する規制状態と、主経路1740から分岐路1741が分岐する分岐部から退避することで遊技球の主経路1740から分岐路1741への進入を許容する許容状態と、の間で前後方向にスライド可能に設けられている。尚、規制部材1720は、特に図示しないが第2大入賞口扉1711と同じように動作する。
本実施例の第2特別可変入賞球装置1007Bでは、第2大入賞口1712を通過した遊技球は、規制部材1720が遊技球の分岐路1741への進入を規制する規制状態である場合には、必ず主経路1740の最下流部に設置された第2カウントスイッチ1024Aを通過するようになっている(図36(B)参照)。一方で、第2大入賞口1712を通過した遊技球は、規制部材1720が遊技球の分岐路1741への進入を許容する許容状態である場合には、必ず分岐路1741の最下流部に設置された第3カウントスイッチ1024Bを通過するようになっている(図36(A)参照)。
図36(A)に示すように、第2大入賞口1712は、前述したように左右方向に延びる横長長方形状に形成されており、その左右幅は遊技球の直径の約5倍の長さとされている。よって、遊技球は第2大入賞口1712の左右方向の複数の進入部から進入可能とされている。また、主経路1740は、第2大入賞口1712の下方位置に右側から左側に向けて延設され、左端において下方に屈曲して延設されているため、第2大入賞口1712における例えば左側の第1進入部R1から進入した遊技球はそのまま直下に誘導され、第2大入賞口1712における例えば右側の第2進入部R2から進入した遊技球は、左側に向けて流下してから下方に誘導されるようになっている。
本実施例では、第2大入賞口1712における左側の第1進入部R1に進入した遊技球が規制部材1720に到達するまでの第2時間T12は約1秒とされ、第2大入賞口712における右側の第2進入部R2に進入した遊技球が規制部材1720に到達するまでの第4時間T14は約2秒とされている(T12<T14)。このように、第2大入賞口1712に進入した遊技球が規制部材1720に到達するまでの時間は、第2大入賞口1712における第2進入部R2から進入した場合、第1進入部R1から進入した場合よりも長くなるようになっている。すなわち、第2特別可変入賞球装置1007Bは、遊技球が進入可能な進入部として、遊技球が進入してから第2時間T12が経過したときに規制部材1720に到達する第1進入部R1と、遊技球が進入してから第2時間T12よりも長い第4時間T14が経過したときに規制部材1720に到達する第2進入部R2と、を少なくとも有している。
また、図36(B)に示すように、規制部材1720から主経路1740を通過して第2カウントスイッチ1024Aに到達するまでの第5時間T15は約1秒とされている。すなわち、第2大入賞口1712における第1進入部R1に進入した遊技球が主経路1740を通過して第2カウントスイッチ1024Aに到達するまでの時間は約2秒(T12+T15=約2秒)であり、第2大入賞口1712における第2進入部R2に進入した遊技球が主経路1740を通過して第2カウントスイッチ1024Aに到達するまでの時間は約3秒(T14+T15=約3秒)である。このように、第2特別可変入賞球装置1007Bでは、第2大入賞口1712に進入した遊技球は、最大で約3秒のうちに該第2特別可変入賞球装置1007B内の経路を通過し該第2特別可変入賞球装置1007Bから排出されるように構成されている。尚、これら主経路1740における遊技球の通過時間は上記時間に限定されるものではなく、種々に変更可能である。
この実施例では、遊技領域は、該遊技領域の略中央位置に配設された演出表示装置5の周囲を囲うセンター飾り枠の左側の左遊技領域と右側の右遊技領域とに分かれており、打球操作ハンドルにて弱めに打ち出された(左打ち)遊技球は左遊技領域を流下し、打球操作ハンドルにより強めに打ち出された(右打ち)遊技球は右遊技領域を流下するようになっている。
また、左遊技領域を流下した遊技球は、普通入賞球装置6A及び普通可変入賞球装置6Bに入賞可能となり、右遊技領域を流下した遊技球は、普通可変入賞球装置6B、第1特別可変入賞球装置1007A及び第2特別可変入賞球装置1007Bに入賞可能、かつ、ゲート41を通過可能となるように多数の障害釘Kが配設されている。つまり、左打ちの場合は第1特別可変入賞球装置1007A及び第2特別可変入賞球装置1007Bに入賞不能、かつ、ゲート41を通過不能である。
図35に示すように、右遊技領域を流下した遊技球は、遊技領域に設けられた複数の障害釘Kによりその下方にある第2大入賞口1712に向けて誘導されるようになっている。第2大入賞口1712に誘導された遊技球は、第2大入賞口1712が開放状態であれば第2大入賞口1712に進入することがある。第2大入賞口1712に誘導されたが第2大入賞口1712に進入しなかった遊技球の大半は、そのまま左下方に流下して第1大入賞口1702に誘導される。
第2大入賞口1712の近傍上方位置には、第2大入賞口1712に遊技球が進入可能な所定の隙間を隔てて配設される一対の障害釘K1が配設されている。ここで、図35(A)に示すように、例えば遊技店において、この一対の障害釘K1間の隙間を所定の基準幅Lよりも狭い隙間L11(遊技球の直径よりも大きい)に調整した場合、図35(B)に示すように、所定の基準幅L及び隙間L11よりも広い隙間L12(L12>L>L11)に調整した場合よりも、第2大入賞口1712に誘導された遊技球が左側に誘導される第1ルートを通って第1進入部R1に誘導される割合が高くなる。一方、図35(B)に示すように、例えば遊技店において、一対の障害釘K1間の隙間を隙間L11よりも広い隙間L12に調整した場合、隙間L11に調整した場合よりも、第1ルートとは異なる第2ルートを通って第2進入部R2に誘導される割合が高くなる。尚、一対の障害釘K1間の隙間を基準幅である隙間Lとした場合、遊技球が第1進入部R1に進入する割合と第2進入部R2に誘導される割合がほぼ同じになる。このように、障害釘K1の隙間幅によって、第1進入部R1と第2進入部R2との遊技球の進入割合が変わってくる。
また、図35(A)(B)に示すように、第2進入部R2に進入した遊技球が第4カウントスイッチ1024Cに到達するまでにかかる第3時間T13(約0.8秒)は、第1進入部R1に進入した遊技球が第4カウントスイッチ1024Cに到達するまでにかかる第1時間T11(約0.2秒)よりも長い(T13>T11)。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、第1特別可変入賞球装置1007Aの第1大入賞口扉1701や第2特別可変入賞球装置1007Bの第2大入賞口扉1711が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.2秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第1大入賞口1702または第2大入賞口1712を開放状態とする。これにより、第1特別可変入賞球装置1007Aまたは第2特別可変入賞球装置1007Bを遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
第1,2大入賞口1702,1712の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば第1,2大入賞口1702,1712に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
本実施例では、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」、「9」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄は通常開放ラウンド大当り図柄となり、「9」の数字を示す特別図柄は短期開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおいて確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、第1ラウンド〜第9ラウンド及び第11ラウンド〜第14ラウンドにおいて、第1特別可変入賞球装置1007Aの第1大入賞口扉1701が第1期間である上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて第1大入賞口1702を開放状態とすることにより、第1特別可変入賞球装置1007Aを遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる通常開放ラウンドが実行される。なお、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
また、第10ラウンド及び第15ラウンドにおいて、第2特別可変入賞球装置1007Bの第2大入賞口扉1711が、第1期間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて第2大入賞口1712を開放状態とすることにより、第2特別可変入賞球装置1007Bを遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる通常開放ラウンドが実行される場合と、第2特別可変入賞球装置1007Bの第2大入賞口扉1711が第1期間よりも短い第2期間(例えば0.2秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて第2大入賞口1712を開放状態とすることにより、第2特別可変入賞球装置1007Bを遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる短期開放ラウンドが実行される場合と、がある。
また、第2特別可変入賞球装置1007Bが開放対象となる第10ラウンドや第15ラウンドにおいて通常開放ラウンドが実行される場合、規制部材1720が、第2大入賞口扉1712を開放状態としてから第4時間T14が経過したときに許容状態となった後、第2大入賞口扉1712を閉鎖状態としてから第2時間T12が経過したときに規制状態となる第1制御を実行可能としている。この第1制御が実行される場合、ラウンド中において遊技球が第3カウントスイッチ1024Bにより検出される可能性が極めて高くなるため、当該大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される可能性が極めて高くなる。
また、第2特別可変入賞球装置1007Bが開放対象となる第10ラウンドや第15ラウンドにおいて通常開放ラウンドが実行される場合、規制部材1720が、第2大入賞口扉1712を開放状態としてから第4時間T14が経過したときに許容状態となった後、0.5秒が経過したときに規制状態に変化され、この0.5秒の許容状態が所定時間(例えば、1.5秒)おきに繰り返される第2制御を実行可能としている。この第2制御が実行される場合、ラウンド中において遊技球が第2大入賞口1712に進入する可能性は高いものの、第1制御に比べると第3カウントスイッチ1024Bにより検出される可能性が低いため、当該大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される可能性は第1制御に比べてやや低くなる。
また、第2特別可変入賞球装置1007Bが開放対象となる第10ラウンドや第15ラウンドにおいて短期開放ラウンドが実行される場合、第2大入賞口扉1712が最大開放時間にわたり0.2秒の短期開放を繰り返すとともに、規制部材1720が、第2大入賞口扉1712を開放してから第4時間T14が経過したときに許容状態となった後、第2大入賞口扉1712を閉鎖してから第2時間T12が経過したときに規制状態となる第3制御を実行可能としている。この第3制御が実行される場合、ラウンド中において遊技球が第3カウントスイッチ1024Bにより検出される可能性は高いものの、第2大入賞口1712に進入する可能性が極めて低いため、第1、第2制御に比べて当該大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される可能性が極めて低い。尚、規制部材1720の駆動制御を含む第2大入賞口扉1712の具体的な開放制御内容は後述する。
また、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、大入賞口の開放期間が短いものに限定されず、例えば大入賞口の開放期間(上限時間)は短期開放ラウンド特定遊技状態と通常開放ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、短期開放ラウンド特定遊技状態では大入賞口を開放状態とする上限回数(例えば2回)が通常開放ラウンド特定遊技状態での上限回数(例えば15回)に比べて少なくなるものであってもよい。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
また、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、大入賞口の開放期間が短いものに限定されず、例えば、大入賞口の開放回数は同一である一方(例えば、通常開放ラウンド特定遊技状態と短期開放ラウンド特定遊技状態のラウンド数がともに15ラウンド)で、大入賞口を開放状態とする期間が長い(例えば、29秒)ラウンド数を少なくする一方で、開放状態とする期間が短い(例えば、0.2秒)ラウンド数を多くするものであっても良い。
特図ゲームにおける確定特別図柄が大当りA図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、大当りA組合せの確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当りA」となる場合における「大当りA」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「大当りA」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、第1〜第9ラウンド、第11〜第14ラウンドにおいては第1大入賞口1702を対象とした通常開放ラウンドに対応する通常開放制御が実行され、第10ラウンド及び第15ラウンドにおいては第2大入賞口1712を対象とした短期開放ラウンドに対応する第3制御が実行される。
また、特図ゲームにおける確定特別図柄が大当りB図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、大当りB組合せの確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当りB」となる場合における「大当りB」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「大当りB」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、第1〜第9ラウンド、第11〜第14ラウンドにおいては第1大入賞口1702を対象とした通常開放ラウンドに対応する通常開放制御が実行され、第10ラウンドにおいて短期開放ラウンドに対応する第3制御が実行され、第15ラウンドにおいては第2大入賞口1712を対象とした通常開放ラウンドに対応する第2制御が実行される。
また、特図ゲームにおける確定特別図柄が大当りC図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、大当りC組合せの確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当りC」となる場合における「大当りC」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「大当りC」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、第1〜第9ラウンド、第11〜第14ラウンドにおいては第1大入賞口1702を対象とした通常開放ラウンドに対応する通常開放制御が実行され、第10ラウンド及び第15ラウンドにおいては第2大入賞口1712を対象とした通常開放ラウンドに対応する第1制御が実行される。
このように、本実施例では、第15ラウンドにおいて通常開放ラウンドに対応する第2制御が実行される大当りBと、第10ラウンド及び第15ラウンドにおいて通常開放ラウンドに対応する第1制御が実行される大当りCとは、第10ラウンド及び第15ラウンドにおいて短期開放ラウンドに対応する第3制御が実行される大当りAに比べて、大当り遊技状態中に遊技球が第3カウントスイッチ1024Bを通過する可能性が高い大当りとされている。
また、各大当りA〜Cに対応する大当り遊技状態における第10ラウンドまたは第15ラウンドにおいて第3カウントスイッチ1024Bにて遊技球を検出しなかった場合、つまり、第3カウントスイッチ1024Bを遊技球が通過しなかった場合は、その大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御されず、所定の変動回数の範囲(例えば100回)において時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1001の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
尚、時短制御は、確変制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに終了するものだけでなく、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに終了してもよい。また、確変制御が大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば70回など)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了するものにおいては、確変制御が終了したときに終了するようにしてもよい。
時短制御が行われるときには、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける特別図柄の変動時間(特図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、普通図柄表示装置20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御(全てを含む)が組合せられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。尚、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
図33に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ1024A、第3カウントスイッチ1024B、第4カウントスイッチ1024Cからの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ1024A、第3カウントスイッチ1024B、第4カウントスイッチ1024Cは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示装置20、第1保留表示部25A、第2保留表示部25B、普図保留表示部25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
第1特図表示結果判定テーブル(図示略)では、パチンコ遊技機1001における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態であるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。第2特図表示結果判定テーブル(図示略)では、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
第1特図表示結果判定テーブル(図示略)や第2特図表示結果判定テーブル(図示略)において、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される判定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの判定結果に割り当てられる判定用データとなっている。第1特図表示結果判定テーブル(図示略)と第2特図表示結果判定テーブル(図示略)のそれぞれでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1001において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると判定される確率が高くなる。すなわち、第1特図表示結果判定テーブルと第2特図表示結果判定テーブルのそれぞれでは、パチンコ遊技機1001における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると判定される確率が高くなるように判定用データが割り当てられている。
図34(A)は、ROM101に記憶される大当り種別判定テーブル131の構成例を示している。大当り種別判定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると判定されたときに、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに判定するために参照されるテーブルである。大当り種別判定テーブル131では、特図ゲームにおいて変動表示が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別判定用の乱数値MR2と比較される数値(判定値)が、「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
ここで、本実施例のパチンコ遊技機1001において発生する大当りの種別「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」について説明する。「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」は、15ラウンドの大当り遊技状態に制御され、その大当り遊技状態の終了後は、該大当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ1024Bを通過した場合は遊技状態が確変状態に制御される一方で、該大当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ1024Bを通過しなかった場合は、大当り確率が低い低確率状態で且つ普通可変入賞球装置6Bの開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される高開放制御が行われる。つまり、遊技状態が高ベース状態(時短状態)に制御される。この高ベース状態は、特図ゲームが100回実行されるか、該100回の特図ゲームの実行中に大当りに当選するまで継続する。
図34(B)は、大当りA〜Cにおける開放パターン一覧を示している。開放パターン一覧に示すように、大当りA〜Cにおける各大当り遊技状態では、第1ラウンド〜第9ラウンド及び第11ラウンド〜第14ラウンドにおいて、開放対象大入賞口は第1大入賞口1702となり、第1大入賞口扉1701の開放パターンは、大当りA〜Cそれぞれで通常開放制御に基づく開放パターンKP−Nとされている。また、第10ラウンドにおいて、開放対象大入賞口は第2大入賞口1712となり、第2大入賞口扉1711の開放パターンは、大当りA、Bでは第3制御に基づく開放パターンKP−S、大当りCでは第1制御に基づく開放パターンKP−Lとされている。第15ラウンドにおいて、開放対象大入賞口は第2大入賞口1712となり、第2大入賞口扉1711の開放パターンは、大当りAでは第3制御に基づく開放パターンKP−S、大当りBでは第2制御に基づく開放パターンKP−M、大当りCでは第1制御に基づく開放パターンKP−Lとされている。
開放パターンKP−Lでは、規制部材1720は、常時規制状態に維持されており、第10ラウンドまたは第15ラウンドの開始に伴ってソレノイド1083により第2大入賞口扉1711が開放状態に変化されてから第4時間T14(約2秒)が経過したときに、規制状態から許容状態に変化する。第4時間T14は、第2大入賞口1712の第2進入部R2に進入した遊技球が規制部材1720に到達するまでの時間である。つまり、第2大入賞口扉1711が開放状態に変化した直後に第2進入部R2に進入した遊技球は、開放後第4時間T14が経過するまでは規制部材1720に到達しない。一方、第2大入賞口扉1711が開放状態に変化した直後に第1進入部R1に進入した遊技球は、開放状態に変化した直後から第4時間T14よりも短い第2時間T12(約1秒)が経過した時点で規制部材1720に到達する。
このように、第2大入賞口扉1711が開放状態に変化した直後に第1進入部R1に進入した遊技球が規制部材1720に到達するまでの第2時間T12は、第2進入部R2に進入した遊技球が規制部材1720に到達するまでの第4時間T14よりも短いことで、開放直後の同タイミングでそれぞれの進入部に進入した場合でも、第1進入部R1に進入した遊技球は第2進入部R2に進入した遊技球よりも早く規制部材1720に到達しうるため、第2進入部R2に進入したときは第1進入部R1に進入したときよりも不利になる。
そこで、第2進入部R2に進入した遊技球が規制部材1720に到達するまでの第4時間T14が経過するまで規制部材1720を許容状態に変化させないことで、第1進入部R1に進入した場合の方が第2進入部R2に進入した場合よりも第3カウントスイッチ1024Bを通過する機会が増大して第2進入部R2に進入した場合の方が不利になることを防止できる。
よって、第1進入部R1に遊技球が進入した場合は、第2大入賞口扉1711が開放してから1秒が経過するまでの開放直後の期間が第3カウントスイッチ1024Bを通過できない通過不能期間となるのに対し、第2進入部R2に遊技球が進入した場合は、第2大入賞口扉1711が開放してから1秒が経過するまでの開放直後の期間は第3カウントスイッチ1024Bを通過できる通過可能期間であるため、開放直後においては、第1進入部R1に遊技球が進入した場合は第2進入部R2に遊技球が進入した場合よりも不利になる。
一方、第2進入部R2に遊技球が進入した場合は、第2大入賞口扉1711が閉鎖する間際の期間が第3カウントスイッチ1024Bを通過できない通過不能期間となるのに対し、第1進入部R1に遊技球が進入した場合は、第2大入賞口扉1711が閉鎖する間際の期間は第3カウントスイッチ1024Bを通過できる通過可能期間であるため、閉鎖間際においては、第2進入部R2に遊技球が進入した場合は第1進入部R1に遊技球が進入した場合よりも不利になる。
このように、第2大入賞口扉1711が開放した直後の期間は第1進入部R1のほうが不利になり、第2大入賞口扉1711が閉鎖する間際の期間は第2進入部R2のほうが不利になる。よって、第2大入賞口扉1711が開放してから閉鎖するまでの期間では、トータルで見れば、第1進入部R1に進入した場合と第2進入部R2に進入した場合とで、第3カウントスイッチ1024Bを通過できない通過不能期間は同じであるため、有利度合いは同じになる。すなわち、前述したように障害釘K1が隙間L1や隙間L2に調整されることにより第1進入部R1、第2進入部R2への遊技球の進入割合が変化した場合でも、第1進入部R1、第2進入部R2のいずれであっても進入した遊技球が第3カウントスイッチ1024Bを通過可能な進入タイミング期間は均等であるため、障害釘K1の調整によって確変の発生割合が変化することはない。
図37(A)(B)に示すように、第2特別可変入賞球装置1007Bには、主経路1740よりも遊技者側(前側)に該主経路1740を被覆するように装飾板1750が配設されている。詳しくは、図37(B)に示すように、第2特別可変入賞球装置1007Bは、遊技盤2と遊技領域を遊技者側から視認可能とするガラス板760との間に配設されており、装飾板1750は遊技者側となるガラス板760側に配設されている。尚、装飾板1750は、主経路1740の前面壁を兼ねる部材であるが、主経路1740の前面壁とは別個に配設した部材にて構成されていてもよい。
装飾板1750は、非透光性を有する合成樹脂材にて形成されており、主経路1740における第1進入部R1に対応する所定箇所には、遊技球を視認可能とする透光性部からなる視認部1751が主経路1740に沿うように設けられているとともに、主経路1740における第2進入部R2に対応する所定箇所には、遊技球を視認可能とする透光性部からなる視認部1752が主経路1740に沿うように逆L字形に設けられている。
尚、本実施例では、装飾板1750は非透光性を有する合成樹脂材にて形成されているが、例えば、装飾用の着色層や凹凸部などにより遊技球が視認不可能または視認部1751、1752よりも視認困難に形成されていてもよい。そして視認部1751、1752は、これら装飾用の着色層や凹凸部などが形成されていない領域にて形成されていてもよい。
また、図37(A)に示すように、主経路1740にかかる視認部1752の長さは、主経路1740にかかる視認部1751の長さよりも長く、かつ、主経路1740にかかる視認部1752の面積は、主経路1740にかかる視認部1751の面積よりも大きくなっている。すなわち、主経路1740にかかる視認部1751の長さ及び面積と、主経路1740にかかる視認部1752の長さ及び面積と、が異なっている。
このようにすることで、第2大入賞口1712の第1進入部R1に進入し主経路1740にて誘導される遊技球と第2大入賞口1712の第2進入部R2に進入し主経路1740にて誘導される遊技球とで見え方が異なることで、遊技者は遊技球の行方を推測しにくくなるので、狙い打ちやパチンコ遊技機1001に外力を加えることで規制部材1720が許容状態となるタイミングで遊技球が誘導されるようにする行為を抑制できるので、遊技者の遊技の公平性を担保することができるようになっている。
尚、本実施例では、主経路1740Aにかかる視認部1751と、主経路1740Bにかかる視認部1752とで、該視認部の長さ及び面積の双方が異なっていたが、長さ及び面積のうち一方のみが異なっていてもよい。
また、装飾板1750は、第1進入部R1に進入する遊技球を被覆可能な入賞口被覆部1750Aと、第2進入部R2に進入する遊技球を被覆可能な入賞口被覆部1750Bと、を有している。入賞口被覆部1750Bは、入賞口被覆部1750Aよりも各入賞口に進入する遊技球を被覆する被覆長さ及び被覆面積が大きい。すなわち、入賞口被覆部1750Aと入賞口被覆部1750Bとで遊技球の被覆長さ及び面積が異なっている。つまり、第1進入部R1に進入する遊技球を被覆する第1被覆部としての入賞口被覆部1750Aと、第2進入部R2に進入する遊技球を被覆する第2被覆部としての入賞口被覆部1750Bとは遊技球の被覆態様が異なる。
このようにすることで、第1進入部R1に進入する遊技球と第2進入部R2に進入する遊技球とで見え方が異なることで、遊技者は遊技球の行方を推測しにくくなるので、狙い打ちやパチンコ遊技機1001に外力を加えることで規制部材1720が許容状態となるタイミングで遊技球が誘導されるようにする行為を抑制できるので、遊技者の遊技の公平性を担保することができるようになっている。
尚、本実施例では、入賞口被覆部1750Aと入賞口被覆部1750Bとで、遊技球の被覆長さ及び面積双方が異なっていたが、遊技球の被覆長さ及び面積の一方のみが異なっていてもよい。また、入賞口被覆部1750Aと入賞口被覆部1750Bとで遊技球の被覆長さ及び面積が異なっている例を記載したが、第2大入賞口1712の第1進入部R1に進入する遊技球と第2進入部R2に進入する遊技球とで見え方が異なれば、長さや面積が同じでも、被覆形状が異なっているものも含む。
15ラウンドの大当りA〜C全ての大当り遊技状態における第10ラウンドまたは第15ラウンドにおいて、第3カウントスイッチ1024Bにより遊技球が検出された場合、その大当り遊技状態の終了後に、大当り確率が高い高確率状態で且つ普通可変入賞球装置6Bの開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される高開放制御が行われる。すなわち、大当り遊技終了後に高確高ベース状態に制御する。この高確高ベース状態は、特図ゲームの実行中に大当りに当選するまで継続する。尚、本実施例の高確高ベース状態は、特図ゲームの回数に拘らず、大当りに当選するまで継続するが、前述のように特図ゲームが所定回数実行されるか、該所定回数の特図ゲーム実行中に大当りに当選するまで継続するようにしてもよい。
この大当り種別判定テーブル131においては、図34(A)に示すように、特図表示結果が「大当り」となる特図が第1特図である場合、乱数値MR2の1〜40の範囲が「大当りA」に割り当てられており、乱数値MR2の41〜60が「大当りB」に割り当てられており、乱数値MR2の61〜100が「大当りC」に割り当てられている。また、特図表示結果が「大当り」となる特図が第2特図である場合、乱数値MR2の1〜20の範囲が「大当りA」に割り当てられており、乱数値MR2の21〜55が「大当りB」に割り当てられており、乱数値MR2の56〜100が「大当りC」に割り当てられている。
このように、本実施例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」の大当り種別に対する判定値の割当てが異なっている。「大当りA」については、変動特図が第1特図である場合は変動特図が第2特図である場合よりも多くの判定値が割り当てられ、「大当りB」及び「大当りC」については、変動特図が第2特図である場合は変動特図が第1特図である場合よりも多くの判定値が割り当てられている。
このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに判定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに判定する場合とで、大当り種別を「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」に判定する割合を、異ならせることができる。
特に、本実施例では、図34(A)に示すように、時短(高ベース状態)中においては、第1始動入賞口よりも第2始動入賞口に遊技球が多く遊技球が入賞するため、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが頻繁に実施される。このため、第2特図を用いた特図ゲームでは、第1特図を用いた特図ゲームよりも高い割合で大当り遊技における第10ラウンド及び第15ラウンドにおいて29秒に亘って第2大入賞口1712が開放される「大当りC」に当選するようになっており、実質的に第1特図を用いた特図ゲームと第2特図を用いた特図ゲームとで、大当り遊技終了後に遊技状態が確変状態に制御される確率を変化させることができる。
尚、第1特図を用いた特図ゲームにおける大当り種別の決定割合は、第10ラウンドと第15ラウンドで第2大入賞口1712が0.2秒に亘って開放される「大当りA」と、
第10ラウンドと第15ラウンドで第2大入賞口1712が29秒に亘って開放される「大当りC」と、が高い割合で決定され、第10ラウンドで第2大入賞口1712が0.2秒に亘って開放され、第15ラウンドで第2大入賞口1712が29秒に亘って開放される「大当りB」が最も低い割合で決定されるようになっている(第1特図における大当り種別決定割合:大当りA=大当りC>大当りB)。
また、第2特図を用いた特図ゲームにおける大当り種別の決定割合は、「大当りC」が最も高い割合で決定されるようになっており、「大当りB」が「大当りC」に次ぐ割合で決定されるようになっている。更に、「大当りA」は最も低い割合で決定されるようになっている(第2特図における大当り種別決定割合:大当りC>大当りB>大当りA)。
つまり、本実施例のパチンコ遊技機1001では、一般的に初当りとして、第1特図を用いた特図ゲームにおいて大当り図柄が導出表示され、大当り遊技終了後に遊技状態が確変状態に制御される確変突入率よりも、該初当り後の確変状態において実施される第2特図を用いた特図ゲームにおいて大当り図柄が導出表示され、大当り遊技終了後に遊技状態が確変状態に制御される確変継続率の方が高くなっている(確変継続率>確変突入率)。
尚、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の判定を行うようにしてもよい。
また、この実施例では、大当り中の第10ラウンドまたは第15ラウンドにおいて第3カウントスイッチ1024Bにより遊技球が検出されなかった場合に実行される時短制御の回数を一定回数である100回としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、大当りが発生した遊技状態が高ベース状態であれば100回とする一方、大当りが発生した遊技状態が低ベース状態である場合には10回とするように、大当りが発生した遊技状態に応じて時短制御とする期間を異なる期間とするようにしても良い。
尚、以下においては、CPU103がステップS26において実行する特別図柄プロセス処理において前記実施例1と異なる処理のみ説明する。
図38に示すように、特別図柄通常処理において、CPU103は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS1051)。具体的には、RAM102の所定領域に格納されており、8を上限に第1始動入賞口及び第2始動入賞口に遊技球の入賞がある毎に1加算更新され、該始動入賞に基づく変動表示が実行される毎に1減算更新される合算保留記憶数カウンタのカウンタ値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU103は、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への入賞が入賞順に記憶されている図示しない保留特定領域に設定されているデータのうち1番目のデータが第1始動入賞口への入賞を示す「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS1052)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、第2始動入賞口への入賞を示す「第2」を示すデータである)場合(ステップS1052;No)、CPU103は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS1053)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(ステップS1052;Yes)、CPU103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS1054)。
尚、本実施例では、第1始動入賞口と第2始動入賞口とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。この場合、例えば、高ベース状態に移行された場合には第2始動入賞口に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。
次いで、CPU103は、RAM102において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する(ステップS1055)。具体的には、演出制御用CPU120は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU103は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU103は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウンタ値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS1056)。具体的には、演出制御用CPU120は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウンタ値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウンタ値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM102の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM102の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、演出制御用CPU120は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU103は、合算保留記憶数カウンタのカウンタ値をRAM102の所定の領域に保存した後(ステップS1057)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウンタ値を1減算する(ステップS1058)。なお、CPU103は、カウンタ値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM102の所定の領域に保存する。
また、CPU103は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値にもとづいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送信する制御を行う(ステップS1059)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU103は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU103は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。
次いで、CPU103は、変動用乱数バッファから乱数値MR1(大当り判定用乱数)を読み出し、該乱数値MR1が通常状態または時短状態における大当り判定値であるか否かを判定する(ステップS1060)。MR1が大当り判定値である場合は(ステップS1060;Yes)、ステップS1063に進み、MR1が大当り判定値でない場合は(ステップS1060;No)、確変フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS1061)。
確変フラグがセットされていない場合は(ステップS1061;No)、ステップS1066に進み、確変フラグがセットされている場合は(ステップS1061;Yes)、乱数値MR1が確変状態における大当り判定値であるか否かを判定する(ステップS1062)。乱数値MR1が大当り判定値でない場合は(ステップS1062;No)、ステップS1066に進み、乱数値MR1が大当り判定値である場合は(ステップS1062;Yes)、大当りフラグをセットする(ステップS1063)。
そして、変動用乱数バッファから乱数値MR2(大当り種別判定用乱数)を読み出し、該乱数値MR2に基づいて大当り種別を大当りA〜大当りCの中から決定し(ステップS1064)、該決定した大当り種別を記憶する(ステップS1065)。
次いで、CPU103は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS1066)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、ステップS1065にて記憶された大当り種別に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」、「9」の数字を示す特別図柄のいずれかを、停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「大当りA」とする判定結果に応じて、大当り図柄「5」の数字を示す特別図柄を、停止図柄に設定する。また、大当り種別を「大当りB」とする判定結果に応じて、大当り図柄「3」の数字を示す特別図柄を、停止図柄に設定する。大当り種別を「大当りC」とする判定結果に応じて、大当り図柄「7」の数字を示す特別図柄を、停止図柄に設定する。
ステップS1066にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS1067)、特別図柄通常処理を終了する。
図39は、大当り遊技における各ラウンドの前に実行される大当り開放前処理(ステップS114)を示すフローチャートである。大当り開放前処理において、CPU103は、大当り遊技状態において特別図柄を導出表示してから第1大入賞口1702を開放するまでの時間、つまり、大当りが発生したことを、演出表示装置5において報知する時間を計測するためのタイマであり、特別図柄停止処理にてセットされる大当り開放前タイマの値を1減算する(ステップS1201)。そして、CPU103は、大当り開放前タイマがタイムアウト(大当り開放前タイマの値が0)したか否かを判定する(ステップS1202)。大当り開放前タイマがタイムアウトしていない場合は(ステップS1202;No)、大当り開放前処理を終了し、大当り開放前タイマがタイムアウトしている場合は(ステップS1202;Yes)、CPU103は、第1カウントスイッチ23及び第4カウントスイッチ1024Cにより検出された遊技球数を計数するための入賞個数カウンタを初期化する(ステップS1203)。すなわち、入賞個数カウンタの値を0にする。
そして、現在のラウンド数カウンタの値に基づいて第1ラウンドを開始する場合であるか否かを判定し(ステップS1204)、第1ラウンドを開始する場合であれば(ステップS1204;Yes)、第3カウントスイッチ1024B及び第4カウントスイッチ1024Cにより検出された遊技球数を計数するための確変入賞カウンタを初期化するとともに(ステップS1205)、第2特別可変入賞球装置1007B内に残存している遊技球数をカウントするための残存球数カウンタを初期化する(ステップS1205’)。すなわち、確変入賞カウンタの値を0にし、残存球数カウンタの値を0にする。第1ラウンドを開始する場合でなければ(ステップS1204;No)、確変入賞カウンタを初期化せずにステップS1207に進む。
尚、本実施例では、第1ラウンドを開始するときに確変入賞カウンタを初期化するようにしているが、第2大入賞口1712を開放する前に初期化するようにしてもよい。
次いで、現在のラウンド数を示すラウンド数カウンタの値に基づいて、第2特別可変入賞球装置1007Bが開放対象となる第10ラウンドまたは第15ラウンドを開始する場合であるか否かを判定する(ステップS1207)。第10ラウンドまたは第15ラウンドを開始する場合でなければ、つまり、第1〜第9ラウンド、第11〜第14ラウンドを開始する場合であれば(ステップS1207;No)、第1大入賞口1702を開放対象に設定し(ステップS1208)、開放制御パターンKSP−Nのプロセステーブルを選択する(ステップS1209)。また、第10ラウンドまたは第15ラウンドを開始する場合であれば(ステップS1207;Yes)、第2大入賞口1712を開放対象に設定し(ステップS1220)、大当り種別及び第10ラウンドであるか第15ラウンドであるかに応じて、開放制御パターンKSP−L、KSP−M、KSP−Sのいずれかのプロセステーブルを選択する(ステップS1221)。
具体的には、図34(B)の開放パターン一覧に示すように、大当りAの第10ラウンド、第15ラウンド及び大当りBの第10ラウンドであれば、開放パターンKP−Sに対応する開放制御パターンKSP−Sのプロセステーブルを選択し、大当りBの第15ラウンドであれば、開放パターンKP−Mに対応する開放制御パターンKSP−Mのプロセステーブルを選択し、大当りCの第10ラウンド、第15ラウンドであれば、開放パターンKP−Lに対応する開放制御パターンKSP−Lのプロセステーブルを選択する。
次いで、CPU103は、ステップS1209、S1221のいずれかを実行後、大当り種別および開始するラウンドに応じた開放時間タイマをスタートする(ステップS1210)。
ステップS1210では、CPU103は、ステップS1209またはステップS1221で選択した開放制御パターンに基づいて、そのラウンドにおける第1大入賞口1702や第2大入賞口1712の開放時間が29秒であるか0.2秒であるかを特定する。つまり、開放制御パターンKSP−N、KSP−M、KSP−Lが選択された場合は29秒であると特定し、開放制御パターンKSP−Sが選択された場合は0.2秒であると特定する。そして、CPU103は、特定した開放時間(29秒、0.2秒)に対応した開放時間タイマをスタートする。
次いで、CPU103は、第1大入賞口1702や第2大入賞口1712を開放状態に制御した後、特別図柄プロセスフラグの値を、大当り開放中処理(ステップS115)に対応した値に更新する(ステップS1211)。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。
図40は、大当り開放中処理(ステップS115)を示すフローチャートである。大当り開放中処理において、CPU103は、まず、第2大入賞口1712を閉鎖状態にする間際に進入した遊技球が第4カウントスイッチ1024Cを通過するまで待機するための第1検出待ち時間が設定されているか否かを判定する(ステップS1250A)。第1検出待ち時間が設定されていなければ(ステップS1250A;No)、第1検出待ち時間が経過しても残存球数カウンタが0にならないときに設定される第2検出待ち時間が設定されているか否かを判定する(ステップS1250B)。第2検出待ち時間が設定されていなければ(ステップ1250B;No)、ステップS1251に進む。
次いで、開放時間タイマのタイマ値が、大入賞口の開放タイミングであるか否か、つまり、各開放制御パターンKSP−N、KSP−L、KSP−S、KSP−Mにおいて第1大入賞口扉1701または第2大入賞口扉1711を開放状態とするタイミングであるか否かを判定する(ステップS1251)。
具体的には、大当り開放前処理(ステップS114)で選択された開放制御パターンがKSP−Nである場合は、開放時間タイマのタイマ値が、第1大入賞口扉1701を開放状態に切替える内容の第1大入賞口扉制御データを含むプロセスデータの開放時間タイマ判定値と一致するか否かを判定する。また、大当り開放前処理(ステップS114)で選択された開放制御パターンがKSP−L、KSP−S、KSP−Mのいずれかである場合は、開放時間のタイマ値が、第2大入賞口扉1711を開放状態に切替える内容の第2大入賞口扉制御データを含むプロセスデータの開放時間タイマ判定値と一致するか否かを判定する。
そして、開放状態とするタイミングである場合は(ステップS1251;Yes)、大当り開放前処理(ステップS114)にて選択された開放制御パターンに応じて、第1大入賞口扉1701または第2大入賞口扉1711を開放状態に制御する(ステップS1252)。具体的には、ソレノイド82,1083の駆動を停止して第1大入賞口扉1701または第2大入賞口扉1711を開放状態にした後、現在のラウンド数カウンタの値をEXTデータにセットして、演出制御基板12に大入賞口開放中指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1253)。また、開放状態とするタイミングでない場合は(ステップS1251;No)そのままステップS1254に進む。
次いで、CPU103は、開放時間タイマのタイマ値が、規制部材1720を規制状態とするタイミングであるか否かを判定する(ステップS1254)。すなわち、規制部材1720を規制状態に切替える内容の規制部材制御データを含むプロセスデータの開放時間タイマ判定値と一致するか否かを判定する。
そして、規制部材1720を規制状態とするタイミングである場合は(ステップS1254;Yes)、規制用モータ1084をオフとすることで規制部材1720を規制状態に制御し(ステップS1255)、規制状態とするタイミングでない場合は(ステップS1254;No)、そのままステップS1256に進む。
次いで、CPU103は、開放時間タイマのタイマ値が、規制部材1720を許容状態とするタイミングであるか否かを判定する(ステップS1256)。すなわち、規制部材1720を許容状態に切替える内容の規制部材制御データを含むプロセスデータの開放時間タイマ判定値と一致するか否かを判定する。
そして、規制部材1720を許容状態とするタイミングである場合は(ステップS1256;Yes)、規制用モータ1084をオンとすることで規制部材1720を許容状態に制御し(ステップS1257)、許容状態とするタイミングでない場合は(ステップS1256;No)、そのままステップS1261aに進む。
尚、本実施例では、規制部材1720を許容状態または規制状態とする制御を、規制部材1720が許容状態または規制状態とするタイミングであるか否かを判定することで実行しているが、本発明はこれに限定されず、規制部材1720または第2規制部材721を許容状態に制御してから規制状態に制御するまでの間に、大入賞口に所定個数(例えば10個)の遊技球の入賞や大入賞口の開放時間が経過することにより大入賞口が閉鎖されて大当り遊技が終了した場合は、規制部材1720を規制状態に制御するタイミングを待たずして、規制部材1720を規制状態に制御するようにしても良い。
次いで、CPU103は、第2カウントスイッチ1024Aがオン、つまり、遊技球が第2カウントスイッチ1024Aで検出されたか否かを判定する(ステップS1261a)。第2カウントスイッチ1024Aがオンでない場合は(ステップS1261a;No)、ステップS1262に進み、第2カウントスイッチ1024Aがオンである場合は(ステップS1261a;Yes)、残存球数カウンタを1減算更新し(ステップS1261b)、ステップS1262に進む。
次いで、CPU103は、第3カウントスイッチ1024Bがオン、つまり、遊技球が第3カウントスイッチ1024Bで検出されたか否かを判定する(ステップS1262)。第3カウントスイッチ1024Bがオンでない場合は(ステップS1262;No)、ステップS1270に進み、第3カウントスイッチ1024Bがオンである場合は(ステップS1262;Yes)、演出制御基板12に第3カウントスイッチ通過指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS1263)、残存球数カウンタを1減算更新する(ステップS1263a)。そして、第3カウントスイッチ1024Bがオンとなったタイミングが、大当り遊技終了後に遊技状態を確変状態に制御することを許容するための第3カウントスイッチ1024Bの有効期間内であるか否かを判定する(ステップS1264)。
第3カウントスイッチ1024Bの有効期間内である場合は(ステップS1264;Yes)、確変入賞カウンタを1加算更新して(ステップS1265a)、ステップS1270に進む。また、第3カウントスイッチ1024Bの有効期間内ではない場合は(ステップS1264;No)、ステップS1270に進み、第1カウントスイッチ23または第4カウントスイッチ1024Cがオン、つまり、遊技球が第1カウントスイッチ23または第4カウントスイッチ1024Cで検出されたか否かを判定する(ステップS1270)。
第1カウントスイッチ23または第4カウントスイッチ1024Cがオンでない場合は(ステップS1270;No)、ステップS1272に進み、第1カウントスイッチ23または第4カウントスイッチ1024Cがオンである場合は(ステップS1270;Yes)、入賞個数カウンタを1加算更新し(ステップS1271a)、第4カウントスイッチ1024Cがオン、つまり、遊技球が第4カウントスイッチ1024Cで検出されたか否かを判定する(ステップS1271b)。第4カウントスイッチ1024Cがオンでない場合、つまり、第1カウントスイッチ23がオンである場合は(ステップS1271b;No)、ステップS1271dに進み、第4カウントスイッチ1024Cがオンである場合は(ステップS1271b;Yes)、残存球数カウンタを1加算更新し(ステップS1271c)、賞球として遊技球を所定個数(例えば15個)払い出す払出処理を実行する(ステップS1271d)。そして、入賞個数カウンタの値が10であるか否かを判定する(ステップS1272)。入賞個数カウンタの値が10である場合は(ステップS1272;Yes)、ステップS1275に進み、入賞個数カウンタの値が10でない場合は(ステップS1272;No)、開放時間タイマを1減算更新して(ステップS1273)、開放時間タイマのタイマ値が、大入賞口の閉鎖タイミングであるか否か、つまり、各開放制御パターンKSP−N、KSP−L、KSP−S、KSP−Mにおいて第1大入賞口扉1701または第2大入賞口扉1711を閉鎖するタイミングであるか否かを判定する(ステップS1274)。すなわち、第1大入賞口扉1701または第2大入賞口扉1711を開放状態に切替える内容の第1大入賞口扉制御データや第2大入賞口扉制御データを含むプロセスデータの開放時間タイマ判定値と一致するか否かを判定する。
閉鎖するタイミングでない場合は(ステップS1274;No)、大当り開放中処理を終了し、閉鎖状態とするタイミングである場合は(ステップS1274;Yes)、大当り開放前処理(ステップS114)にて選択された開放制御パターンに応じて第1大入賞口扉1701または第2大入賞口扉1711を閉鎖状態に制御する(ステップS1275)。尚、このステップS1275の処理では、規制部材1720を規制状態に制御し、カウントスイッチ有効期間内であればカウントスイッチ有効期間も終了させる。また、大当り開放前処理(ステップS114)にて選択された開放制御パターンと開放時間タイマに基づいて、今回の大入賞口の開放が開放制御パターンKSP−Sの13回目の開放制御であるか否かを判定する(ステップS1275’)。開放制御パターンKSP−Sの13回目の開放制御である場合は(ステップS1275’;Yes)、ステップS1251に進み、開放制御パターンKSP−Sの13回目の開放制御でない場合は(ステップS1275’;No)、現在のラウンドが第10ラウンドまたは第15ラウンドのいずれであるかを判定する(ステップS1275’’)。そして、第10ラウンドまたは第15ラウンドであれば(ステップS1275’’;Yes)、第1検出待ち時間タイマに検出待ち時間である4秒に相当する値を設定し(ステップS1275’’’)、処理を終了する。また、第10ラウンドまたは第15ラウンドでなければ(ステップS1275’’;No)、ステップS1276に進み、ソレノイド82,1083の駆動を停止して第1大入賞口扉1701または第2大入賞口扉1711を閉鎖した後、現在のラウンド数カウンタの値をEXTデータにセットして、演出制御基板12に大入賞口開放後指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1276)。
次いで、CPU103は、遊技制御バッファ設定部(図示略)に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値に基づいて、現在のラウンド数を示すラウンド数カウンタの値に基づいて、現在のラウンドが「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」において大当り遊技状態の最終ラウンドとなる第15ラウンドであるか否かを判定する(ステップS1279)。第15ラウンドである場合は(ステップS1279;Yes)、ステップS1283に進み、第15ラウンドでない場合は(ステップS1279;No)、大当り開放前タイマをセットし(ステップS1280)、ラウンド数カウンタを1加算更新する(ステップS1281)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、大当り開放前処理(ステップS114)に対応した値に更新し(ステップS1282)、大当り開放中処理を終了する。
ステップS1250Aにおいて、第1検出待ち時間が設定されていれば(ステップS1250A;Yes)、第1検出待ち時間タイマのタイマ値を1減算し(ステップS1266)、第1検出待ち時間タイマのタイマ値が0になったか否かを判定する(ステップS1267)。第1検出待ち時間タイマのタイマ値が0でなければ(ステップS1267;No)、
次いで、CPU103は、開放時間タイマのタイマ値が、規制部材1720を規制状態とするタイミングであるか否かを判定する(ステップS1254’)。すなわち、規制部材1720を規制状態に切替える内容の規制部材制御データを含むプロセスデータの開放時間タイマ判定値と一致するか否かを判定する。
そして、規制部材1720を規制状態とするタイミングである場合は(ステップS1254’;Yes)、規制用モータ1084をオフとすることで規制部材1720を規制状態に制御し(ステップS1255’)、規制状態とするタイミングでない場合は(ステップS1254’;No)、そのままステップS1261a’に進む。
次いで、CPU103は、第2カウントスイッチ1024Aがオン、つまり、遊技球が第2カウントスイッチ1024Aで検出されたか否かを判定する(ステップS1261a’)。第2カウントスイッチ1024Aがオンでない場合は(ステップS1261a’;No)、ステップS1262’に進み、第2カウントスイッチ1024Aがオンである場合は(ステップS1261a’;Yes)、残存球数カウンタを1減算更新し(ステップS1261b’)、ステップS1262’に進む。
次いで、CPU103は、第3カウントスイッチ1024Bがオン、つまり、遊技球が第3カウントスイッチ1024Bで検出されたか否かを判定する(ステップS1262’)。第3カウントスイッチ1024Bがオンでない場合は(ステップS1262’;No)、ステップS1271b’に進み、第3カウントスイッチ1024Bがオンである場合は(ステップS1262’;Yes)、演出制御基板12に第3カウントスイッチ通過指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS1263’)、残存球数カウンタを1減算更新する(ステップS1263a’)。そして、第3カウントスイッチ1024Bがオンとなったタイミングが、大当り遊技終了後に遊技状態を確変状態に制御することを許容するための第3カウントスイッチ1024Bの有効期間内であるか否かを判定する(ステップS1264’)。
第3カウントスイッチ1024Bの有効期間内である場合は(ステップS1264’;Yes)、確変入賞カウンタを1加算更新して(ステップS1265a’)、ステップS1271b’に進む。また、第3カウントスイッチ1024Bの有効期間内ではない場合は(ステップS1264’;No)、ステップS1271b’に進み、第4カウントスイッチ1024Cがオン、つまり、遊技球が第4カウントスイッチ1024Cで検出されたか否かを判定する(ステップS1271b’)。
第4カウントスイッチ1024Cがオンでない場合は(ステップS1271b’;No)、ステップS1271d’に進み、第4カウントスイッチ1024Cがオンである場合は(ステップS1271b’;Yes)、入賞個数カウンタを1加算更新した後(ステップS1271a’)、残存球数カウンタを1加算更新し(ステップS1271c’)、賞球として遊技球を所定個数(例えば15個)払い出す払出処理を実行し(ステップS1271d’)、処理を終了する。
また、第1検出待ち時間タイマのタイマ値が0であれば(ステップS1267;Yes)、残存球数カウンタのカウンタ値が0でないか否かを判定し(ステップS1290)、残存球数カウンタのカウンタ値が0であれば(ステップS1290;No)、ステップS1276に進む。残存球数カウンタのカウンタ値が0でなければ(ステップS1290;Yes)、第2検出待ち時間タイマに所定値(本実施例では、規制部材1720から第2カウントスイッチ1024Aに到達するのにかかる最大時間である1秒)を設定した後(ステップS1291)、規制用モータを特別状態に制御する(ステップS1292)。
ここで、第1検出待ち時間が経過したときに残存球数カウンタのカウンタ値が0でなければ、例えば、主経路1740における分岐部などにおいて、規制部材1720に遊技球が接触した状態で滞留してしまっていることなどが考えられる。よって、第1検出待ち時間が経過したときに残存球数カウンタのカウンタ値が0でなければ、規制用モータ1084を駆動して、規制部材1720を微動作させることにより、遊技球を第2カウントスイッチ1024Aに誘導する特別状態に制御する。この特別状態は、例えば、規制部材1720を許容状態としないように微動作(前後動)させることが好ましく、このようにすることで、本来は規制部材1720により第2カウントスイッチ1024Aに誘導されるはずの遊技球が微動作によって第3カウントスイッチ1024Bに誘導されることが防止される。
ステップS1250Bにおいて、第2検出待ち時間タイマに所定値が設定されていれば(ステップS1250B;Yes)、第2検出待ち時間タイマのタイマ値を1減算し(ステップS1293)、第2検出待ち時間タイマのタイマ値が0になったか否かを判定する(ステップS1294)。第2検出待ち時間タイマのタイマ値が0でなければ(ステップS1294;No)、ステップS1292にて実行された規制部材1720の微動作により流下した遊技球が第2カウントスイッチ1024Aにより遊技球が検出されたか否かを判定し(ステップS1295)、第2カウントスイッチ1024Aにより遊技球が検出されれば(ステップS1295;Yes)、残存球数カウンタのカウンタ値を1減算して(ステップS1296)、第2カウントスイッチ1024Aにより遊技球が検出されなければ(ステップS1295;No)、そのまま処理を終了する。
ステップS1294において、第2検出待ち時間タイマのタイマ値が0であれば(ステップS1294;Yes)、残存球数カウンタのカウンタ値が0でないか否かを判定し(ステップS1297)、残存球数カウンタのカウンタ値が0であれば(ステップS1297;No)、ステップS1276に進む。また、残存球数カウンタのカウンタ値が0でなければ(ステップS1297;Yes)、つまり、第2検出待ち時間が経過しても遊技球が検出されない場合は、エラー指定コマンドを送信する設定を行い(ステップS1298)、パチンコ遊技機1001が電断するまでいずれの処理も実行しないループ処理に移行する。
尚、ステップS1280において大当り開放前タイマをセットすることで、大当り開放前処理において該大当り開放前タイマがタイマアウトするまでのインターバルの間、大当り開放中処理のステップS1261a’〜ステップS1271d’までの処理と同一の処理を実行するようにしてもよい。
ステップS116の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。
図43は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS116)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU103は、大当り終了表示タイマが動作中でない場合は(ステップS1301;No)、大当りフラグをリセットし(ステップS1302)、大当り種別に応じた当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1303)。具体的には、大当りの種別が大当りAである場合には当り終了2指定コマンドを送信する。また、大当りの種別が大当りBである場合には当り終了3指定コマンドを送信する。また、大当りの種別が大当りCである場合には当り終了4指定コマンドを送信する。尚、大当りの種別が大当りA〜Cのいずれであるかは、大当り種別バッファに記憶されているデータに基づいて判定される。また、大当りフラグは、大当りが終了してから、つまり、ステップS1314の前にリセットするようにしてもよい。
そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置5において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS1304)、大当り終了処理を終了する。
また、ステップS1301において大当り終了表示タイマが動作中である場合は(ステップS1301;Yes)、大当り終了表示タイマの値を1減算更新し(ステップS1305)、大当り終了表示時間が経過したいか否か、つまり、大当り終了表示タイマの値が0であるか否かを判定する(ステップS1306)。大当り終了表示時間が経過していない場合は(ステップS1306;No)、大当り終了処理を終了し、大当り終了表示時間が経過している場合は(ステップS1306;Yes)、確変入賞カウンタの値が0でないか否かを判定する(ステップS1307)。確変入賞カウンタのカウンタ値が0ではない、つまり、大当り遊技状態において第3カウントスイッチ1024Bにおいて遊技球が検出された場合は(ステップS1307;Yes)、CPU103は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS1308)とともに、時短フラグをセットするとともに(ステップS1309)、時短回数カウンタの値に0をセットして(ステップS1310)、遊技状態を時短状態に移行させる。そして、ステップS1314に進む。
確変入賞カウンタのカウンタ値が0である、つまり、大当り遊技状態において第3カウントスイッチ1024Bにおいて遊技球が検出されていない場合は(ステップS1307;No)、CPU103は、時短フラグをセットするとともに(ステップS1312)、時短回数カウンタの値に100をセットして(ステップS1313)、遊技状態を時短状態に移行させる。
次に、図44〜図46に基づいて、開放パターンKP−L、M、Sに基づく遊技球の入賞状況について説明する。
図44は、大当りCに基づいて第10及び第15ラウンドにおいて開放パターンKP−Lにより第2大入賞口1712が開放されるときの遊技球の進入状況の一例が示されている。
まず、第10及び第15ラウンドにおいて、第2大入賞口扉1711が開放すると(td1)、その第2大入賞口扉1711が開放したときから第4時間T14である2秒が経過したときに、規制部材1720が規制状態から許容状態に変化する(td2)。そして、第2大入賞口扉1711が開放してから10球目の遊技球を第4カウントスイッチ1024Cが検出したときまたは開放してから29秒が経過したときに第2大入賞口扉1711が閉鎖する(td3)。次いで、第2大入賞口扉1711が閉鎖してから第2時間T12である1秒が経過したときに規制部材1720が許容状態から規制状態に戻る(td4)。
ここで、第2大入賞口扉1711が開放してから1秒が経過するまでに第1進入部R1に進入して第4カウントスイッチ1024Cにより検出された遊技球は、進入してから1秒が経過したときに規制部材1720に到達するが、このとき規制部材1720は規制状態であるため、第2カウントスイッチ1024Aにて検出される。尚、第2大入賞口扉1711が開放してから1秒が経過した後に第2進入部R2に進入して第4カウントスイッチ1024Cにより検出された遊技球は、規制部材1720に到達したときに許容状態であるので、第3カウントスイッチ1024Bにて検出されて大当りが確定する。
また、第2大入賞口扉1711が開放してから第4時間T14である2秒が経過するまでに第2進入部R2に進入して第4カウントスイッチ1024Cにより検出された遊技球は、第2進入部R2に進入してから2秒が経過したときに規制部材1720に到達するが、このとき規制部材1720が許容状態であるので、第3カウントスイッチ1024Bにて検出されて大当りが確定する。
また、第1検出待ち時間は、第2大入賞口扉1711が閉鎖したとき(td3)に4秒が設定される。また、第2大入賞口扉1711が開放してから第1検出待ち時間が経過するまで(td5)の期間(td1〜td5)は、カウントスイッチ1024A〜1024Cが遊技球の検出有効期間とされている。尚、第1検出待ち時間が経過した後、第2検出待ち時間が設定されたときには、その第2検出待ち時間が経過するまでカウントスイッチ1024A〜1024Cが遊技球の検出有効期間とされる。
尚、本実施例では、第2大入賞口1712が規制状態から開放状態に変化したときから第4時間T14が経過したときに規制部材1720が規制状態から許容状態に変化するようになっていたが、第2大入賞口1712が開放状態に変化したときから第4時間T14が経過した後に規制部材1720が規制状態から許容状態に変化するようにしてもよい。つまり、第2大入賞口1712を開放状態に変化させてから第4時間T14の経過以後に規制部材1720を規制状態から許容状態に変化させるとは、第4時間T14が経過したとき及びそれよりも後の期間も含む。
また、本実施例では、規制部材1720は、第2大入賞口1712が閉鎖状態に変化したときから第2時間T12が経過したときに許容状態から規制状態に変化するようになっていたが、第2大入賞口1712が閉鎖状態に変化したときから第2時間T12が経過する前に規制部材1720が許容状態から規制状態に変化するようにしてもよい。つまり、第2大入賞口1712を開放状態から閉鎖状態に変化させてから第2時間T12の経過以前に規制部材1720を許容状態から規制状態に変化させるとは、第2時間T12が経過したとき及びそれよりも前の期間も含む。
図45は、大当りBに基づいて第15ラウンドにおいて開放パターンKP−Mにより第2大入賞口1712が開放されるときの遊技球の進入状況の一例が示されている。
まず、第15ラウンドにおいて、第2大入賞口扉1711が開放するとともに、規制部材1720が規制状態から許容状態に変化する(te1)。次いで、第2大入賞口扉1711が開放してから第4時間T14である2秒が経過したときに、規制部材1720が規制状態から許容状態に変化し(te2)、0.5秒後に再び規制状態に変化する(te3)。そして、規制状態から許容状態に変化してから約1.5秒が経過したときに(te3)0.5秒間許容状態に維持される動作を行い、この動作を複数回繰り返し行う。そして、第2大入賞口扉1711が開放してから10球目の遊技球を第4カウントスイッチ1024Cが検出したときまたは開放してから29秒が経過したときに、第2大入賞口扉1711が閉鎖するとともに(te4)、第2大入賞口扉1711が閉鎖してから0.5秒後、つまり、第2時間T12である1秒が経過するまでに規制部材1720が規制状態に変化する(te5)。
また、第2大入賞口扉1711が開放してから、第2大入賞口扉1711が閉鎖した後に第1検出待ち時間が経過するとき(te6)までの期間(te1〜te6)は、カウントスイッチ1024A〜1024Cが遊技球の検出有効期間とされている。尚、第1検出待ち時間が経過した後、第2検出待ち時間が設定されたときには、その第2検出待ち時間が経過するまでカウントスイッチ1024A〜1024Cが遊技球の検出有効期間とされる。
この場合、第2大入賞口扉1711が開放してから第4時間T14である2秒が経過してから規制部材1720が規制状態から許容状態に変化し、第2大入賞口扉1711が閉鎖してから第2時間T12である1秒が経過するまでに規制部材1720が規制状態に変化するが、その間においても許容状態になる期間が0.5秒と短く、タイミングよく入賞した遊技球のみ第3カウントスイッチ1024Bにて検出されるため、開放パターンKP−Lに比べて進入した遊技球が第3カウントスイッチ1024Bにて検出される可能性は低い。
図46は、大当りAに基づいて第10及び第15ラウンドにおいて開放パターンKP−Sにより第2大入賞口1712が開放されるときの遊技球の進入状況の一例が示されている。
まず、第10及び第15ラウンドにおいて、第2大入賞口扉1711が開放する(tf1)。そして、第2大入賞口扉1711が開放してから0.2秒が経過したときに閉鎖する。このパターンを最大開放時間である29秒が経過するまで2秒間隔ごとに14回繰り返す。また、規制部材1720は、第2大入賞口扉1711が開放してから第4時間T14である2秒が経過したときに許容状態に変化し(tf2)、第2大入賞口扉1711が閉鎖してから(tf3)、第2時間T12である1秒が経過したときに許容状態に変化する(tf4)。
また、第2大入賞口扉1711が開放してから、第2大入賞口扉1711が閉鎖した後に第1検出待ち時間が経過するまでの期間(tf1〜tf5)は、カウントスイッチ1024A〜1024Cが遊技球の検出有効期間とされている。尚、第1検出待ち時間が経過した後、第2検出待ち時間が設定されたときには、その第2検出待ち時間が経過するまでカウントスイッチ1024A〜1024Cが遊技球の検出有効期間とされる。
この場合、第2大入賞口扉1711が開放してから進入した遊技球は規制部材1720に到達したときに許容状態になっている可能性は高いが、第2大入賞口扉1711の開放期間はわずか0.2秒であり進入することが極めて困難であるため開放制御パターンKSP−L、KSP−Mよりも第3カウントスイッチ1024Bにより検出される可能性が低いといえる。
以上説明したように、本発明の実施例2としてのパチンコ遊技機1001にあっては、遊技球が進入可能な進入部として、第4カウントスイッチ1024Cに到達するまで第1時間T11かかり、規制部材1720に到達するまで第2時間T12かかる第1進入部R1と、第4カウントスイッチ1024Cに到達するまで第1時間T11とは異なる第3時間T13かかり、規制部材1720に到達するまで第2時間T12よりも長い第4時間T14かかる第2進入部R2と、を有し、CPU103が、開放パターンKP−Lにおいて、第2特別可変入賞球装置1007Bを開放状態に変化させてから第4時間T14である2秒の経過後に規制部材1720を規制状態から許容状態に変化させ、第2特別可変入賞球装置1007Bを開放状態から閉鎖状態に変化させてから第2時間T12である1秒の経過前に規制部材1720を許容状態から規制状態に変化させる制御を行うようになっている。
このようにすることで、第2特別可変入賞球装置1007Bが開放状態に変化してから第4時間T14が経過するまで、つまり、開放状態に変化したときに第2進入部R2に進入した遊技球が規制部材1720に到達するまでの期間は規制部材1720が許容状態にならず、第1進入部R1に進入した遊技球が第3カウントスイッチ1024Bを通過することはないため、遊技球が第2進入部R2に進入した場合に第1進入部R1に進入した場合よりも不利になることがない。また、第2特別可変入賞球装置1007Bが開放状態に変化してから第4時間T14が経過するまでの期間は、第1進入部R1に進入した遊技球が第3カウントスイッチ1024Bを通過することができないが、第2特別可変入賞球装置1007Bが閉鎖状態に変化してから第2時間T12が経過したときまたは経過するまでに規制部材1720が規制状態になることで、閉鎖状態に変化する間際に第2進入部R2に進入した遊技球が規制部材1720に到達するときには既に規制状態になっているので、遊技球が第1進入部R1に進入した場合に第2進入部R2に進入した場合よりも不利になることがない。
このように、第2特別可変入賞球装置1007Bが開放状態に変化した直後は、第1進入部R1に進入した遊技球が第3カウントスイッチ1024Bを通過することがない不利な期間であり、第2特別可変入賞球装置1007Bが閉鎖状態になる間際は、第2進入部R2に進入した遊技球が第3カウントスイッチ1024Bを通過することがない不利な期間であるため、第1進入部R1及び第2進入部R2のいずれに進入した場合でも、第2特別可変入賞球装置1007Bが開放状態から閉鎖状態に変化するまでの期間に進入した遊技球が第3カウントスイッチ1024Bを通過可能となる期間はほぼ同じになる。
また、第1進入部R1と第2進入部R2とで第3カウントスイッチ1024Cに到達するまでの時間が異なることにより、大当り遊技状態の各ラウンドにおける10球目の遊技球が第1進入部R1及び第2進入部R2のいずれに進入するかで、第2特別可変入賞球装置1007Bが閉鎖状態に変化するまでの時間が異なる。つまり、第2特別可変入賞球装置1007Bの周辺の障害釘K1等の調整により各進入部への進入割合が変化することで、10球目の遊技球が検出されてから第2特別可変入賞球装置1007Bが閉鎖状態に変化するまでに進入しうる遊技球数が変わる。よって、遊技者にとって有利な遊技価値である確変状態を得られる機会を変化させずに遊技の公平性を担保しつつ、大当り遊技状態において遊技者に付与する賞球数を調整することができる。
また、第2特別可変入賞球装置1007Bは、遊技球が進入可能な第2大入賞口1712と、開放状態において第2大入賞口1712を開放する開放位置と閉鎖状態において第2大入賞口1712を閉鎖する閉鎖位置とに変位可能な可動部材としての第2大入賞口扉1711と、を備え、第2大入賞口1712は、上向きに開放するように設けられ、第2大入賞口扉1711は、開放位置と閉鎖位置との間で遊技盤面(遊技盤2の前面)に対し交差する前後方向に変位可能に設けられていることで、第2大入賞口扉1711が開放位置と閉鎖位置とにスライド移動するときに遊技球が接触しても、遊技球を遊技盤面に沿う方向に押し出したり引き込んだりすることがないので、遊技球の規制部材1720までの到達時間にばらつきが生じることを防止できる。
また、第2特別可変入賞球装置1007Bは、第2大入賞口1712の左側の第1進入部R1に進入した遊技球を第3カウントスイッチ1024Bまで誘導する第1誘導通路としての主経路1740と、第2大入賞口1712の右側の第2進入部R2に進入した遊技球を第3カウントスイッチ1024Bまで誘導する第2誘導通路としての主経路1740と、を有し、主経路1740よりも遊技者側(前面側)に該主経路1740を被覆するように配設され、該主経路1740を通過する遊技球を視認可能とする視認部1751、1752を有する誘導通路装飾部材としての装飾板1750を備え、装飾板1750は、主経路1740に対応する領域に占める視認部1751の割合と主経路1740に対応する領域に占める視認部1752の割合とが異なることで、第1進入部R1に進入し主経路1740にて誘導される遊技球と第2進入部R2に進入し主経路1740にて誘導される遊技球とで見え方が異なることで、遊技者は遊技球の行方を推測しにくくなるので、狙い打ちやパチンコ遊技機1001に外力を加えることで規制部材1720が許容状態となるタイミングで遊技球が誘導されるようにする行為を抑制できるので、遊技者の遊技の公平性を担保することができる。
また、第2特別可変入賞球装置1007Bに進入する遊技球よりも遊技者側(前面側)に該第2特別可変入賞球装置1007Bに進入する遊技球を被覆するように配設される進入遊技媒体装飾部材としての装飾板1750は、第1進入部R1に進入する遊技球を被覆する第1被覆部としての入賞口被覆部1750Aと、第2進入部R2に進入する遊技球を被覆する第2被覆部としての入賞口被覆部1750Bとを有している。そして、入賞口被覆部1750Bは、入賞口被覆部1750Aよりも各入賞口に進入する遊技球を被覆する被覆長さ及び被覆面積が大きい。すなわち、入賞口被覆部1750Aと入賞口被覆部1750Bとで遊技球の被覆長さ及び面積が異なっている。つまり、第1進入部R1に進入する遊技球を被覆する第1被覆部としての入賞口被覆部1750Aと、第2進入部R2に進入する遊技球を被覆する第2被覆部としての入賞口被覆部1750Bとは遊技球の被覆態様が異なる。
このようにすることで、第1進入部R1に進入する遊技球と第2進入部R2に進入する遊技球とで見え方が異なることで、遊技者は遊技球の行方を推測しにくくなるので、狙い打ちやパチンコ遊技機1001に外力を加えることで規制部材1720が許容状態となるタイミングで遊技球が誘導されるようにする行為を抑制できるので、遊技者の遊技の公平性を担保することができる。
また、第2大入賞口1712の内部または近傍位置に、遊技球の通路側に向けてLED等の照明装置を配設し、第1進入部R1や第2進入部R2に進入する遊技球をそれぞれ異なる発光態様にて照らすようにすることにより遊技球の行方を視認し難くすれば、狙い打ちやパチンコ遊技機1001に外力を加えることで規制部材1720が許容状態となるタイミングで遊技球が誘導されるようにする行為を抑制できるので、遊技者の遊技の公平性を担保することができる。
また、CPU103は、ステップS1221において選択された開放制御パターンKSP−L、KSP−M、KSP−Sに基づいて、ステップS115の大当り開放中処理において第2大入賞口扉1711を開放状態または閉鎖状態に制御することで、規制部材1720が許容状態となるタイミングで遊技球を進入させる狙い打ちなどの行為を抑制できるので、遊技者の遊技の公平性を担保することができる。
また、CPU103は、ステップS1221において選択された開放制御パターンに基づいて、ステップS115の大当り開放中処理において規制部材1720の状態を規制状態または許容状態に制御することで、規制部材1720が許容状態となるタイミングで遊技球を進入させる狙い打ちなどの行為を抑制できるので、遊技者の遊技の公平性を担保することができる。
また、CPU103は、ステップS1275’’’において第1検出待ち時間を設定した後、ステップS1290において残存球数カウンタのカウンタ値が0でなければ、ステップS1292において規制部材1720を許容状態にならないように微動作させる制御を行うことで、第2特別可変入賞球装置1007Bに進入した遊技球が規制部材1720で詰まることを防止できる。
前記実施例1では、第2大入賞口712A、712Bが規制状態から開放状態に変化したときから第4時間T4が経過したときに規制部材745A、745Bが規制状態から許容状態に変化するようになっていたが、第2大入賞口712A、712Bが開放状態に変化したときから第4時間T4が経過した後に規制部材745A、745Bが規制状態から許容状態に変化するようにしてもよい。また、前記実施例2では、第2大入賞口1712が規制状態から開放状態に変化したときから第4時間T14が経過したときに規制部材1720が規制状態から許容状態に変化するようになっていたが、第2大入賞口1712が開放状態に変化したときから第4時間T14が経過した後に規制部材1720が規制状態から許容状態に変化するようにしてもよい。
また、前記実施例1では、規制部材745A、745Bは、第2大入賞口712A、712Bが閉鎖状態に変化したときから第2時間T2が経過したときに許容状態から規制状態に変化するようになっていたが、第2大入賞口712A、712Bが閉鎖状態に変化したときから第2時間T2が経過する前に規制部材745A、745Bが許容状態から規制状態に変化するようにしてもよい。また、前記実施例2では、規制部材1720は、第2大入賞口1712が閉鎖状態に変化したときから第2時間T12が経過したときに許容状態から規制状態に変化するようになっていたが、第2大入賞口1712が閉鎖状態に変化したときから第2時間T12が経過する前に規制部材1720が許容状態から規制状態に変化するようにしてもよい。
また、前記実施例1、2では、第2特別可変入賞球装置7B、第2特別可変入賞球装置1007Bは、遊技球が進入可能な第1状態としての開放状態と遊技球が進入不可能または進入し難い第2状態としての閉鎖状態とに変化可能に構成されていたが、必ずしも第1状態において大入賞口を開放し、第2状態において閉鎖したりするものに限定されるものではなく、第1状態において遊技球が進入可能であれば一部が閉鎖されていてもよいし、第2状態において遊技球が進入不可能または困難であれば一部が開放されていてもよい。
また、前記実施例1では、第2特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球を検出する検出手段の一例として、第2カウントスイッチ24A、24Bを適用していたが、第2カウントスイッチ24A、24Bの替わりに第3カウントスイッチ24Cや第4カウントスイッチ24Dを適用してもよい。また、前記実施例2では、第2特別可変入賞球装置1007Bに進入した遊技球を検出する検出手段の一例として、第4カウントスイッチ1024Cを適用していたが、第4カウントスイッチ1024Cの替わりに第3カウントスイッチ1024Bや第2カウントスイッチ1024Aを適用してもよい。
つまり、可変入賞装置に進入した遊技球を検出する検出手段は、特定領域50や分岐路1741などの第1領域よりも上流側に配設されているものに限定されるものではなく、特定領域50や分岐路1741などの第1領域よりも下流側に配設されていてもよい。
また、前記実施例1では、第2進入部である第2大入賞口712Bから進入した遊技球が検出手段の一例である第2カウントスイッチ24Bに到達するまでの第3時間T3は、第1進入部である第2大入賞口712Aから進入した遊技球が検出手段の一例である第2カウントスイッチ24Aに到達するまでの第1時間T1よりも長くなっていたが、第1進入部である第2大入賞口712Aから進入した遊技球が検出手段の一例である第2カウントスイッチ24Aに到達するまでの第1時間T1は、第2進入部である第2大入賞口712Bから進入した遊技球が検出手段の一例である第2カウントスイッチ24Bに到達するまでの第3時間T3よりも長くなっていてもよい。前記実施例2では、第2進入部R2から進入した遊技球が検出手段の一例である第4カウントスイッチ1024Cに到達するまでの第3時間T13は、第1進入部R1から進入した遊技球が検出手段の一例である第4カウントスイッチ1024Cに到達するまでの第1時間T11よりも長くなっていたが、第1進入部R1から進入した遊技球が検出手段の一例である第4カウントスイッチ1024Cに到達するまでの第1時間T11は、第2進入部R2から進入した遊技球が検出手段の一例である第4カウントスイッチ1024Cに到達するまでの第3時間T13よりも長くなっていてもよい。つまり、第1進入部から検出手段に到達するまでの第1時間と第2進入部から検出手段に到達するまでの第3時間とはそれぞれ異なっていれば、いずれの進入部の方が検出手段に到達するまでの時間が長くてもよい。
尚、実施例1では、第2大入賞口712Bから進入した遊技球が規制部材745Bに到達するまでの第4時間T4は、第2大入賞口712Aから進入した遊技球が規制部材745Aに到達するまでの第2時間T2よりも長くなっている(T4>T2)。つまり、主経路740Bにおける第2大入賞口712Bから規制部材745Bまでの距離Bは、主経路740Aにおける第2大入賞口712Aから規制部材745Aまでの距離Aよりも長いため(距離B>距離A)、実施例1のように、第3時間T3が第1時間T1よりも長くなる(T3>T1)ように第2カウントスイッチ24A、24Bを配置する場合、距離Bが距離Aよりも長い分、第1時間T1が第3時間T3よりも長くなる(T1>T3)ように第2カウントスイッチ24A、24Bを配置する場合よりも第2カウントスイッチ24Bの配置自由度が高くなる(例えば、主経路740Bにおいて第2大入賞口712Bから距離Aより離れた位置に第2カウントスイッチ24Bを配置することが可能となる)ため、オーバー入賞の発生率の差をより広げることができる。
また、主経路740Bにおける第2大入賞口712Bから規制部材745Bまでの距離Bは、主経路740Aにおける第2大入賞口712Aから規制部材745Aまでの距離Aよりも長いことで(距離B>距離A)、第2大入賞口712Bから進入する方がオーバー入賞が発生しやすそうに見えるが、実施例1とは逆に、第1時間T1が第3時間T3よりも長くなる(T1>T3)ように第2カウントスイッチ24A、24Bを配置した場合は、第2大入賞口712Aから進入する方が第2大入賞口712Bから進入するよりもオーバー入賞が発生しやすくなり、見た目上のギャップが生じるため、遊技の興趣が向上する。
また、前記実施例1、2では、CPU103は、第2特別可変入賞球装置7B、1007Bに進入した遊技球が第1領域である特定領域50の第3カウントスイッチ24Cや分岐路1741の第3カウントスイッチ1024Bを通過したことに基づいて、遊技者にとって有利な遊技価値として、大当り遊技状態や確率変動状態を付与するようになっていたが、遊技者にとって有利な遊技価値はこれらに限定されるものではなく、例えば、獲得できる遊技球の期待値が異なる複数種類の特定遊技状態(ラウンド数が異なる大当り等)や、通常遊技状態よりも賞球払出の条件が成立しやすくなる高ベース状態(時短状態)や、高確低ベース状態(潜伏確変状態)等が含まれる。
また、前記実施例1では、規制部材の一例として、規制状態と許容状態とに昇降動作により変化可能に設けられ、前記実施例2では、規制部材の一例として、規制状態と許容状態とにスライド移動により変化可能に設けられていたが、これら規制部材の変化態様は上記昇降動作やスライド動作に限定されるものではなく、例えば、回動動作等他の動作態様により変化するものであってもよい。
また、前記実施例1、2では、小当り遊技状態に制御されたことや大当り遊技状態における所定のラウンド遊技が開始されたことに基づいて、開放パターンKP−1やKP−Lに基づく制御が実行されるようになっていたが、このような開放パターンKP−1やKP−Lに基づく制御は、これら以外の条件が成立したときに実行されるものであってもよい。
また、前記実施例1では、第1進入部である第2大入賞口712Aと第2進入部である第2大入賞口712Bとが別個に配設されており、また、前記実施例2では、第1進入部R1と第2進入部R2とが一の進入領域(第2大入賞口1712)に配設されていたが、このように第1進入部と第2進入部とは、それぞれ別個に設けられた進入領域に有するものであってもよいし、一の進入領域内に有するものであってもよい。さらに、これら第1進入部及び第2進入部以外に他の進入部が複数設けられていてもよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、前記実施例1,2では、パチンコ遊技機1、1001を例示したが、これら以外の遊技機、例えば、遊技媒体が遊技機内部に内封され、貸し出されたパチンコ球やメダルの数や、入賞に応じて付与されたパチンコ球やメダルの数が加算される一方、遊技に使用されたパチンコ球やメダルの数が減算されて記憶される封入式遊技機や、パチンコ球やメダルを用いずに、例えば貸出要求に応じて貸し出されたポイントや点数等の価値や入賞に応じて付与されたポイントや点数等の価値を全てクレジットとして記憶し、クレジットとして記憶された価値のみを使用して遊技を行うことが可能な遊技機であっても良い。尚、この場合には、これらポイントや点数等が遊技媒体に相当し、クレジットが遊技用価値となる。
また、前記実施例1、2では、遊技媒体の一例として、球状のパチンコ球(遊技球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えばメダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。