以下、本発明に係るぱちんこ遊技機の実施例について説明する。なお、ここでは先ず、本実施例のぱちんこ遊技機の基本構成について説明し、その後に、本実施例のぱちんこ遊技機における遊技手順、演出、及び、制御態様などについて説明する。
<ぱちんこ遊技機の基本構成>
図1は、本実施例に係るぱちんこ遊技機10の前面構成を示している。ぱちんこ遊技機10においては、後述する遊技機枠11に遊技盤50が装着されている。これらのうち、遊技盤50は、ぱちんこ遊技機10の機種に応じて付属機器や意匠等といった構成要素を異ならせているものである。さらに、遊技盤50は、遊技機枠11との電気的な接続関係や、構造的な接続関係を解除することにより、遊技機枠11から分離できるようになっている。
また、複数機種の遊技盤50について、遊技機枠11との構造的及び電気的な接続関係を共通化することにより、異機種間で遊技機枠11を共用する所謂機種変更が可能となっている。なお、以下では先ず、遊技機枠11について説明し、その後に遊技盤50の盤面構成について説明する。
上述の遊技機枠11は、外枠12、前枠13、及び、下部前板14を有している。さらに、前枠13には、ガラス扉15、及び、皿ユニット16が装着されている。これらのうち外枠12は、ぱちんこ遊技機10を、遊技場(遊技店舗)内の島設備における所定位置に固定するために用いられる矩形の枠体であり、図1中に示すように、ガラス扉15や皿ユニット16を有する前枠13と、上述の下部前板14とにより、前面側が閉じられる開口部分を有している。
また、外枠12を島設備に設置するための工法として、釘打ちが行われるのが一般的である。そして、外枠12の、少なくとも、島設備への固定のための部位の材質として、木材が用いられている。なお、木材に代えて、例えば釘打ちが可能なプラスチック材を採用することが可能である。また、外枠12を島設備に設置するための工法として、釘打ち以外の工法を採用することも可能である。
前枠13は、外枠12の開口部分に整合する外形を備えた構造であり、図1中の左側に示すヒンジ機構15A、15Bを介して、外枠12に装着されている。そして、前枠13は、外枠12に対する閉鎖状態から、図1中の左側縁部を固定端とし、右側縁部を自由端として、前方へ揺動することで開放状態となる。さらに、前枠13は、開放状態から後方へ揺動し、外枠12内に入り込んで係止することにより、再び閉鎖状態となる。そして、前枠13は、閉鎖時に、外枠12の上短部から、上述の下部前板14までの間の部位を塞ぐようになっている。
前枠13の外枠12への係止と、外枠12からの解放は、錠装置(図示略)を介して行われている。すなわち、図1中に示すように、前枠13の自由端側には、錠装置のシリンダ部17が配置されており、このシリンダ部17は、前枠13の下部を覆った前述の皿ユニット16を通して、鍵穴をぱちんこ遊技機10の前方へ向けている。そして、遊技場店員が、鍵をシリンダ17部の鍵穴に挿入し、この鍵を、例えば反時計回りに回すと、前枠13の自由端側が錠装置から解放され、前枠13が開放状態となる。
このような前枠13に対して、前述の下部前板14は、前枠13のような開閉のための構成は備えておらず、外枠12に、動くことないよう固定されている。そして、下部前板14は、外枠12の前面の下端部を常に塞いでいる。
前枠13の前部に配置されたガラス扉15と、皿ユニット16とは、ヒンジ機構(図示略)を介して、前枠13に装着されている。さらに、ガラス扉15と、皿ユニット16とは、何れも、図1中の左側縁部を固定端とし、右側縁部を自由端として、各々独立に揺動可能である。そして、ガラス扉15と、皿ユニット16とは、例えば遊技場店員が、前方に水平に揺動させることで開放状態となり、開放状態から後方へ水平に揺動させ、前枠13に係止させることにより閉鎖状態となる。
ガラス扉15の前枠13への係止と、前枠13からの解放は、前述の錠装置(図示略)を介して行われている。すなわち、遊技場店員が、鍵を前述のシリンダ17部の鍵穴に挿入し、この鍵を、例えば前枠13の開放時とは逆の時計回りに回すと、ガラス扉15の自由端側が錠装置から解放され、ガラス扉15が開放状態となる。そして、開放状態にあるガラス扉15を、前枠13に重なるように押し戻し、ガラス扉15が前枠13と平行になるように押し込むことで、錠装置が作動して、ガラス扉15が再び前枠13に係止する。
また、ガラス扉15を開放することで、皿ユニット16の係止機構(図示略)が現れて操作可能となり、この係止機構の操作部(図示略)を遊技場店員が、例えば下方向に押し込み操作することで、皿ユニット16が開放状態となる。さらに、開放状態にある皿ユニット16を、前枠13に重なるように押し戻し、皿ユニット16が前枠13と平行になるように押し込むことで、係止機構が作動して、皿ユニット16が再び前枠13に係止する。
さらに、ガラス扉15は、例えば平行な2枚の透明板を脱着可能に保持しており、閉鎖状態にある場合に、これらの透明板を通して、ぱちんこ遊技機10の前方から遊技盤50を視認できるようにしている。透明板としては、ガラス板のほか、透明な樹脂板なども利用することができる。また、ガラス扉15を開放することで、遊技盤保持機構(図示略)により前枠13に保持された遊技盤50の前面が露出するようになっている。さらに、図示は省略するが、前枠13は、遊技媒体である遊技球を誘導や回収するための遊技球通路等を有している。
皿ユニット16は、その前面に、上球皿18、下球皿19、及び、発射ハンドル20等を有している。これらのうち、上球皿18には、遊技球の貯留、発射ハンドル20を介して操作される発射装置43(図2及び図4参照)への遊技球の供給、下球皿19への遊技球の排出といった各種機能のための機構が備えられている。また、下球皿19には、遊技球の貯留、上球皿18から送られてきた遊技球の受入れ、ぱちんこ遊技機10の外部に置かれた玉箱(所謂ドル箱)への遊技球の排出といった各種機能のための機構が備えられている。
また、本実施例においては、ガラス扉15の上隅部や、下部前板14などといった部位に、各種のスピーカ21が設けられており、これらのスピーカ21を通して、遊技状態や演出パターンなどに応じたBGMや各種効果音などが出力されるようになっている。
さらに、上球皿18の、遊技者に向かう部分には、遊技者により操作が可能な操作ボタン22が設けられている。この操作ボタン22は、上球皿18の上部の外壁面に設けられており、上球皿18の左右方向の中央近傍に位置している。さらに、操作ボタン22は、内部に操作ボタン用発光体を備えており、実行される演出パターンに応じて光出力を行うようになっている。
なお、操作ボタン22を、例えばモータ等の駆動源を用いて、所定の場合に上方に突出するようにしてもよい。また、図示は省略するが、操作ボタン22のほかに十字キーが備えられており、この十字キーを用いて遊技者による各種の環境設定が可能となっている。そして、環境設定の内容としては、スピーカ21の音量調節、後述する演出表示の輝度調節や光量調節、或いは、後述する演出モードの変更などを例示できる。また、遊技機枠11の、例えば前枠13等に、遊技に係る演出や、上述の環境設定に係る表示を行うことが可能な表示器を設けることが可能である。
<ぱちんこ遊技機の背面構成>
次に、ぱちんこ遊技機10の背面側における基本的な構成を説明する。図2に示すように前枠13の背面には、遊技球を誘導又は回収するための遊技球通路等を備えたセット基盤31が取着されており、このセット基盤31の下方に、遊技機全体に電源を供給するための電源ユニット32、遊技機枠側の制御を行う払出制御基板103が取り付けられている。また、遊技盤50の背面側においては、遊技全体を統括制御するメイン基板(主制御基板)102や、メイン基板102からの制御コマンドに基づいて演出制御を実行するサブ基板104が、セット基盤31の開口に対応する位置関係で設けられている。
セット基盤31においては、上述の開口の上部に賞球タンク33が設けられている。この賞球タンク33は、島設備から供給されて賞球となる遊技球を貯留する。さらに、賞球タンク33の下方には、賞球通路34、払出ユニット35、賞球排出通路36が設けられている。そして、これらの賞球通路34、払出ユニット35、賞球排出通路36は、図2中に示すようにぱちんこ遊技機10を背面視した場合における、遊技盤50の上方から右側部に沿って配置されている。
上述の賞球通路34は、賞球タンク33に貯留された遊技球を下流側へ整流案内するものである。また、上述の払出ユニット35は、賞球通路34と連絡し賞球タンク33内に貯留された球を1球単位で下方に排出可能である。さらに、賞球排出通路36は、払出ユニット35から流下された遊技球を賞球として球皿(上球皿18又は下球皿19)に案内する。
前述の電源ユニット32は、図2中に示すようにぱちんこ遊技機10を背面視した場合における、セット基盤31の左下の部位に設けられている。そして、電源ユニット32は、遊技機外部から供給される交流電源を、遊技機中において使用する各種の電圧に変換して、払出制御基板103、メイン基板102、サブ基板104等へ供給する。また、電源ユニット32には、傾倒スイッチである電源スイッチ40が設けられている。この電源スイッチ40は、落下した遊技球が直撃してもオフにならないように、電源スイッチ40の中央より下が押されて下側に傾倒したときにオンとなるよう設置されている。
前述の払出制御基板103は、図2中に示すようにぱちんこ遊技機10を背面視した場合における、セット基盤31の右下の部位に配置されている。そして、払出制御基板103は、メイン基板102からの払出に係る指令や外部からの貸出要求に応じて払出ユニット35を制御する払出制御機能を有している。また、払出制御基板103は、発射ハンドル20(図1参照)の操作量に応じた強度で遊技球を遊技領域に発射するよう、発射装置43を制御する発射制御機能も備えている。
前述のメイン基板102は、遊技盤50の背面側における中央下部に配置されており、主に、各種の抽選機能や、払出制御基板103及びサブ基板104に対する制御機能などのように、ぱちんこ遊技機10における中心的な処理機能を備えている。前述のサブ基板104は、遊技盤50の背面側における中央上部に配置されており、主に、後述する各種の演出を制御するための機能を備えている。
そして、これらのメイン基板102、払出制御基板103、及び、サブ基板104は、遊技制御装置を構成するが、これらの詳細については後述する。また、サブ基板104については、演出制御の主体的な機能を担う主サブ基板(本実施例ではサブメイン基板301)と、画像作成などの特定の演出機能に特化した副サブ基板(本実施例ではサブサブ基板302)とに分かれているが、「サブ基板」の用語はこれらを包含したものである。そして、サブメイン基板301とサブサブ基板302の詳細についても後述する。また、セット基盤31の背面側における右上部には、メイン基板102や払出制御基板103等からの信号をぱちんこ遊技機10の外部の機器へ中継する外部中継端子基板46が設けられている。
<遊技盤の盤面構成>
次に、前述の遊技盤50や、遊技盤50の盤面に配置された部品(盤面部品)について説明する。本実施例においては、遊技盤50は、透明な樹脂材質(例えば透明アクリル樹脂など)からなる複数の部品により構成されている。また、遊技盤50は、中空な板状に形成されており、その内部に、遊技球を遊技盤50の裏側に導く遊技球通路や、所定の空間などを有している。そして、遊技盤50は、後述する各種の盤面部品が装着された板面を前方に向けた状態で、遊技機枠11の前枠13に装着されており、閉鎖状態にあるガラス扉15等により、その前方を覆われるようになっている。さらに、遊技盤50の前面側においては、湾曲した帯状に成形された内レールや外レールを組み合せて遊技領域52が区画形成されており、この遊技領域52は、ガラス扉15の透明板を介して視認可能となっている。
図1中に示すように、本実施例においては、遊技領域52に、2つの始動入賞口である第1始動入賞口62と第2始動入賞口63、同じく2つの大入賞口である第1大入賞口91と第2大入賞口92、同じく2つの作動口である左作動口68aと右作動口68b、複数の一般入賞口72、及び、アウト口58等が備えられている。さらに、遊技領域52には、演出のための表示を行うことが可能な液晶表示装置からなる演出表示装置60や、この演出表示装置60の周辺を装飾するセンター飾り64等が備えられている。
上述の第1始動入賞口62は、遊技領域52の中央下部に配置されており、第2始動入賞口63は、第1始動入賞口62の下方に配置されている。また、第1大入賞口91は、第2始動入賞口63の下方に配置されており、アウト口58の上方に位置している。第2大入賞口92は、遊技領域52の右下部に配置されており、アウト口58の右上方に位置している。さらに、左作動口68aは、遊技領域52の左上部に配置されており、右作動口68bは、第2大入賞口92の右斜め上部に配置されている。
また、一般入賞口72は、第1始動入賞口62や第2始動入賞口63の左側部等に配置されており、アウト口58は、第1大入賞口91の下方であって、遊技領域52の最下部の領域に配置されている。さらに、センター飾り64は、遊技領域52の中央部からその上部の領域の大部分を占める大きさを有しており、遊技領域52の左右方向の中央から、幾分右側に変位した部位に配置されている。そして、演出表示装置60は、透明な遊技盤50の背後に配置されており、遊技盤センター飾り64の中央の開口から、遊技盤50を通して、表示領域194を視認できるようになっている。
また、遊技領域52には、図示しない多数の遊技釘や、風車などの機構が備えられている。さらに、遊技盤50の、遊技領域52の左下の外部には、主制御表示装置53が設けられている。なお、この主制御表示装置53の具体的な構成や機能については後述する。また、遊技盤50の上述のような盤面構成は、例えば、ぱちんこ遊技機10に採用されたゲーム性等に応じて種々に異なり得るものである。そして、盤面構成に係る他の実施例については後述する。
<盤面部品の機能>
続いて、上述した個々の盤面部品に係る具体的な機能や構成について説明する。先ず、前述の第1始動入賞口62は、第1遊技に係る始動入賞口であり、遊技球の入口を常時開き、且つ、遊技球の入口の大きさを変化させないタイプのものである。さらに、第1始動入賞口62は、図3中に示すように、第1始動入賞検出装置74を備えている。この第1始動入賞検出装置74は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を検出するセンサを有しており、このセンサの出力信号は、前述のメイン基板102に入力されている。そして、第1始動入賞検出装置74は、入球の有無に応じて、センサの出力信号を変化させる。
前述の第2始動入賞口63は、第2遊技に係る始動入賞口であり、第1始動入賞口62の直下に配置されている。そして、第2始動入賞口63への遊技球の進入は、通常は、第1始動入賞口62によって阻害されるようになっている。しかし、第2始動入賞口63は、普通電動役物(所謂「電動チューリップ」或いは「電チュー」)となっており、後述する普通図柄が当りの態様で停止表示された場合に開放動作する羽根(符号略)を備えている。ここで、以下では、第2始動入賞口63の羽根を「開閉羽根」と称する。そして、第2始動入賞口63が、開閉羽根を所定時間に亘り開放動作させて拡開することにより、遊技球の第2始動入賞口63への入球が可能となる。このように第2始動入賞口63を拡開して入球を可能とすることは、所謂「電チューサポート」や「電サポ」などとも呼ばれている。
さらに、第2始動入賞口63は、図3中に示すように、第2始動入賞検出装置75と、上述の開閉羽根を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76とを備えている。第2始動入賞検出装置75は、第2始動入賞口63への遊技球の入球を検出するセンサを有しており、このセンサの出力信号は、メイン基板102に入力されている。そして、第2始動入賞検出装置75は、入球の有無に応じて、センサの出力信号を変化させる。
なお、本実施例では、開閉羽根が拡開されると、第2始動入賞口63への入球容易性は、第1始動入賞口62への入球容易性よりも高くなる。しかし、このような第1始動入賞口62及び第2始動入賞口63における入球容易性の関係は、第1遊技と第2遊技の結果に基づく利益等の事情に応じて、適宜設定することが可能である。そして、例えば、第2始動入賞口63の開閉羽根が拡開していない場合には一切入球しないようにすることや、開閉羽根が拡開することで第1始動入賞口62と第2始動入賞口63の入球容易性が同程度となるようにすること、などが可能である。
また、本実施例では、第2始動入賞口63を開放する態様として、複数種類が設けられている。そして、これらの開放態様には、比較的短時間(例えば0.2秒程度)の態様(「ショート開放」や「短開放」などと称する)や、比較的長時間(例えば5秒程度)の態様(「ロング開放」や「長開放」などと称する)などがある。また、ショート開放とロング開放の間の開放時間に設定されたミドル開放の態様を設けることも可能である。そして、第2始動入賞口63に係る各種の開放態様については後述する。
前述の一般入賞口72は、図3中に示すように、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備えている。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサを有しており、その出力信号はメイン基板102に入力されている。そして、一般入賞検出装置73は、入球の有無に応じて、センサの出力信号を変化させる。なお、一般入賞検出装置73は、一般入賞口72に対して個々に設けてもよく、或いは、1つの一般入賞検出装置73を複数の一般入賞口72で共用するようにしてもよい。
そして、一般入賞検出装置73を複数の一般入賞口72で共用する場合には、複数の一般入賞口72入球した遊技球を、一般入賞検出装置73が配置された箇所に集合させて、検出することが可能である。また、複数の一般入賞口72について、位置関係毎にグループ化し、各グループ毎に、一般入賞検出装置73を共用することが可能である。さらに、複数の一般入賞口72について、払出される賞球個数が異なる場合には、賞球個数毎に一般入賞口72をグループ化することも可能である。なお、賞球の払出しに係る具体的な態様については後述する。
前述の第1大入賞口91は、第1遊技に対応する大入賞口として設けられており、横長の長方形状に形成された開口を有している。さらに、第1大入賞口91は、上述の開口を開閉するための第1開閉扉(図示略)を備えている。そして、第1大入賞口91は、第1遊技において所定の当りが発生した場合に、所定の態様で開放動作を行う。
また、第1大入賞口91は、図3中に示すように、遊技球の入球を検出するための第1大入賞検出装置78や、上述の第1開閉扉を開閉駆動する第1大入賞口ソレノイド80を備えている。これらのうち、第1大入賞検出装置78は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサを有しており、その出力信号はメイン基板102に入力されている。
前述の第2大入賞口92は、第2遊技に対応する大入賞口として設けられており、横長の長方形状に形成された開口を有している。さらに、第2大入賞口92は、上述の開口を開閉するための第2開閉扉(図示略)を備えている。そして、第2大入賞口92は、第2遊技において所定の当りが発生した場合に、所定の態様で開放動作を行う。
また、第2大入賞口92は、図3中に示すように、遊技球の入球を検出するための第2大入賞検出装置79や、上述の第2開閉扉を開閉駆動する第2大入賞口ソレノイド81を備えている。これらのうち、第2大入賞検出装置79は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサを有しており、その出力信号はメイン基板102に入力されている。
なお、本実施例においては、第1大入賞口91、第2大入賞口92の前方に装飾板91b、92bが各々設けられている。この装飾板91b、92bには、第1開閉扉、第2開閉扉、第1大入賞口91、及び、第2大入賞口92を遊技者が視認できるように透明な材質が採用されているが、装飾板91b、92bを不透明としてもよい。また、各装飾板に、遊技領域52を装飾するための文字や図形などを描いてもよいが、この場合にも、文字や図形など、第1大入賞口91や第2大入賞口92に進入した遊技球の視認を妨げない程度のものとすることが望ましい。
前述の左作動口68aは、図3中に示すように、左通過検出装置69aを備えており、右作動口68bは、右通過検出装置69bを備えている。さらに、これらの通過検出装置69a、69bは、対応する作動口68a、68bにおける遊技球の通過を検出するセンサを有している。そして、各通過検出装置69a、69bにおけるセンサの出力信号は、メイン基板102に入力されており、各通過検出装置69a、69bは、入球の有無に応じて、センサの出力信号を変化させる。
前述のセンター飾り64は、演出の機能等を有しており、センター飾り64の内部には、多数のチップ型LEDが実装されたLED基板が設けられている。そして、センター飾り64のLEDを駆動することで、LEDの光がセンター飾り64を透過し、センター飾り64が光装飾を行うようになっている。
また、センター飾り64には、可動演出部材93、94等が設けられており、これらの可動演出部材93、94が、演出用のギミックを構成している。さらに、センター飾り64の、正面から見て右側の部位には遊技球通路部65が形成されており、センター飾り64は、上述のような演出機能のほかに、遊技球の流路の機能を有している。また、センター飾り64の背後には、演出表示装置60が設けられており、遊技領域52の略中央において、センター飾り64を通して、演出表示装置60の表示画面が視認できるようになっている。
前述の主制御表示装置53は、図6(a)に示すように、図柄表示基板(メイン図柄表示基板)256上に、7セグメント表示体やLED表示灯を多数配置したものである。この主制御表示装置53には、前述の普通図柄を表示する普通図柄表示部59、第1遊技に対応する第1特別図柄(後述する)を表示する第1特別図柄表示部70、第2遊技に対応する第2特別図柄(後述する)を表示する第2特別図柄表示部71、及び、その他の各種表示部が形成されている。なお、上述の普通図柄表示部59は普通図柄表示装置を構成している。また、第1特別図柄表示部70は第1特別図柄表示装置を構成しており、第2特別図柄表示部71は第2特別図柄表示装置を構成している。また、主制御表示装置53に形成された各表示部の詳細については後述する。
また、以下では、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「第1特図」や「特図1」、第2特別図柄を「第2特図」や「特図2」などと称する場合がある。さらに、第1特別図柄については「特別図柄1」や「図柄1」などと称し、第2特別図柄については「特別図柄2」や「図柄2」などと称する場合がある。
<基本的な遊技手順>
続いて、本実施例のぱちんこ遊技機10における遊技手順について説明する。先ず、前述の上球皿18に遊技球が供給された状況で、遊技者が、前述の発射ハンドル20を操作して回動させると、その回動角度に応じた強度で、上球皿18に貯留された遊技球が1球ずつ所定間隔で発射される。そして、遊技球は、前述の内レールと外レールにより案内され、遊技領域52の上部に達し、内レールと外レールとの間から遊技領域52へ放出される。
通常の遊技においては、遊技者は、遊技球が遊技領域52の左側で流下するように発射を行い、遊技領域52の下方中央部に位置する第1始動入賞口62を狙う。このような遊技領域52の左側を主に使用する発射の態様は、所謂左打ちと呼ばれる。また、遊技球の発射は、遊技者が発射ハンドル20を操作している間、前述の発射装置43により、所定の時間間隔(例えば1分間に100発を超えない程度の間隔)で繰り返される。そして、遊技領域52に連続して放出された遊技球は、複数の遊技釘や風車などに干渉しながら、その速度や入射角度(又は反射角度)等の要因に応じた方向へ落下する。
遊技球が、前述の一般入賞口72や第1始動入賞口62などの各種の入賞口へ落入すると、後述するように入球が検出され、遊技球の払出制御が行われる。そして、入球した入賞口の種類に応じて、所定数の遊技球が、前述の払出ユニット35を介し、賞球として上球皿18に払出される。また、上球皿18が多くの遊技球により満たされ、払出された後続の遊技球が上球皿18に進入できない場合には、これらの遊技球は、溢れ球として下球皿19に導かれる。
また、各種の入賞口に落入した遊技球はセーフ球となり、遊技盤50の表面側から裏面側に案内される。また、セーフ球とならなかった遊技球は、遊技領域52の下端部に達してアウト口58に落入し、遊技盤50の裏面側に案内される。そして、遊技盤50の裏面側に達した遊技球は、所定の案内樋やセット基盤31内の遊技球通路を通って下方に導かれ、ぱちんこ遊技機10から、前述の島設備の側へ向けて排出される。
前述の左作動口68aと右作動口68bは、上述のセーフ球を発生させる入賞口と異なり、遊技球が通過するゲートとなっている。なお、以下では左作動口68a及び右作動口68bを含めて「入賞口」とし、本実施例における「落入」、「入球」、「入賞」の用語は、ゲートに係る「通過」の意味を含むものとする。
遊技球が、作動口(ここでは左作動口68a又は右作動口68b)に入球した場合、後述するような所定の変動開始条件(普図変動開始条件)が成立していれば、主制御表示装置53において、普通図柄(後述する)が変動表示される。主制御表示装置53で表示される普通図柄は、作動口への入球に基づき実行される乱数抽選(普図抽選)の結果を示すものであり、所定の変動時間を経たのちに停止表示される。そして、普図抽選の結果が当りである場合には、普通図柄は当りの態様で停止表示され、普図抽選の結果がはずれである場合には、普通図柄は、はずれの態様で停止表示される。なお、普図抽選や普通図柄の詳細については後述する。
遊技球が、始動口(ここでは第1始動入賞口62又は第2始動入賞口63)に入球した場合、後述するような所定の変動開始条件(特図変動開始条件)が成立していれば、主制御表示装置53において、特別図柄(後述する)が変動表示される。主制御表示装置53で表示される特別図柄は、始動口への入球に基づき実行される乱数抽選(大当り抽選)の結果を示すものであり、所定の変動時間を経たのちに停止表示される。そして、乱数抽選の結果が大当りである場合には、特別図柄は大当りの態様で停止表示され、乱数抽選の結果がはずれである場合には、特別図柄ははずれの態様で停止表示される。
なお、大当り抽選や特別図柄の詳細については後述する。また、始動口(ここでは第1始動入賞口62又は第2始動入賞口63)に入球があった場合に、特定の効果音を出力することや、始動口を光らせることなどが可能である。
前述の演出表示装置60においては、特別図柄に係る演出表示が行われる。この演出表示は、特別図柄が変動表示中であるか、停止表示中であるか、といった違いや、特別図柄の停止表示態様が大当りのものであるか、はずれのものであるか、といった違いに関係して、予め定められた各種の態様の演出を行うものである。そして、大当り抽選の結果がはずれであった場合には、主制御表示装置53における表示は、特別図柄の停止表示から、次の抽選結果に係る変動表示に移行する。さらに、演出表示装置60で行われる演出も、特別図柄の停止表示後に、次の抽選結果に関係したものとなる。
一方、大当り抽選の結果が大当りであった場合には、特別図柄の停止表示や、大当りに係る演出表示の後に、通常の遊技(通常遊技)よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行する。そして、この特別遊技においては、前述の大入賞口(第1大入賞口91又は第2大入賞口92)を開閉させる。本実施例では、第1始動入賞口62への入球に基づき大当りが発生した場合には、第1大入賞口91が開閉し、第2始動入賞口63への入球に基づき大当りが発生した場合には、第2大入賞口92が開閉する。
特別遊技においては、第1大入賞口91又は第2大入賞口92が開放される単位遊技が複数回繰り返される。さらに、特別遊技には、単位遊技が最大回数に亘り繰り返されるものと、単位遊技が最大回数よりも少ない回数に亘り繰り返されるものとがある。最大回数としては、16回(16R(ラウンド))などを例示でき、最大回数よりも少ない回数としては、4回(4R)などを例示できる。
本実施例では、これらのような特別遊技の種類は、大当りの種類に対応したものとなっているが、具体的な大当りの種類については後述する。また、各単位遊技においては、対応する大入賞口(第1大入賞口91又は第2大入賞口92)において、所定数(例えば9個)の遊技球が検出された場合、又は、開放して所定時間(例えば約30秒)が経過した場合に、終了条件が成立して、対応する大入賞口が閉鎖される。
さらに、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、上述のように、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数(ここでは2つ)混在するゲーム性が採用されている。つまり、本実施例においては、上述の複数の遊技を、左作動口68a、第1始動入賞口62、第1大入賞口91が使用される第1遊技と、右作動口68b、第2始動入賞口63、第2大入賞口92が使用される第2遊技とに分けることができる。そして、第2遊技が第1遊技よりも優先されており、第1遊技と第2遊技とが同時に実行されないようになっている。ここで、第2遊技を第1遊技よりも優先させたゲーム性の詳細については後述する。
また、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、前述の大当り抽選の結果に応じて、特別遊技の終了後に、特定遊技が実行される場合がある。この特定遊技は、前述の特別遊技とは別な態様で、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態となるものである。本実施例においては、特定遊技として、確率変動遊技(以下「確変」と称する)、変動時間短縮遊技(以下「時短」と称する)、及び、入球容易化遊技が設けられている。さらに、本実施例では、この特定遊技中には、遊技球を遊技領域52の右側に向けて発射する所謂右打ちが行われるようになっている。なお、これらの特定遊技の詳細については後述する。
特定遊技が実行される場合には、演出表示装置60の画像や音声などによって右打ちを促す演出が実行される。そして、遊技者が、発射ハンドル20の回動量を時計回りに増やして発射力を強め、遊技球を遊技領域52の右側の領域に向けて発射すると、センター飾り64の上方を通った遊技球が、センター飾り64の遊技球通路部65に進入し、センター飾り64を流下する。さらに、センター飾り64から放出された遊技球は、複数の遊技釘や他の構造物に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。
センター飾り64から放出された多数の遊技球のうちの一部は、右作動口68b(図1参照)を通過して右通過検出装置69b(図3参照)により検出される。そして、前述のように、右作動口68bを遊技球が通過すると、所定時間、前述の普通図柄が主制御表示装置53(図6(a)参照)で変動表示され、普通図柄の変動表示が所定の当り態様にて停止すると、第2始動入賞口63の普通電動役物が所定時間拡開し、特定遊技中の電チューサポートが実行される。
本実施例においては、遊技領域52の右側に達した遊技球を、釘等によって、第2始動入賞口63や第2大入賞口92の周辺に導くことが可能となっており、第2始動入賞口63の普通電動役物が1回拡開した際に、多くの場合は1個、状況によっては複数個の遊技球が、第2始動入賞口63に入球し得るようになっている。さらに、本実施例では、特定遊技中には時短が付加されるようになっており、時短中は、普通電動役物の開放延長が行われ、前述のロング開放が実行される。
また、前述のように第2大入賞口92が遊技領域52の右側に配置されているため、第2遊技に係る大当りが発生して第2大入賞口92が開く際にも、遊技者は、第2大入賞口92を狙って、上述の右打ちを行う必要がある。
なお、第1遊技の大当りが発生して第1遊技に係る特別遊技が実行される際には、第1大入賞口91が開放するが、この第1遊技に係る特別遊技中に、遊技者に対して右打ちを行わせることが可能である。そして、この場合には、第1遊技に係る特別遊技の開始前に、演出表示装置60の画像や音声などによって、遊技者に右打ちを促す演出を実行することが考えられる。さらに、右打ちされた遊技球を第1大入賞口91に導くための盤面構成や、第1大入賞口91を遊技領域52の右側に配置する盤面構成を採用することも可能である。また、第1大入賞口91を第2大入賞口92に統合し、大入賞口を第2大入賞口92のみとした盤面構成を採用することなども可能である。
さらに、右打ちされた遊技球が流下する遊技球通路部65を、センター飾り64内には設けず、例えば、センター飾り64の右の外側に確保してもよい。この場合には、右打ちの際に、遊技球がセンター飾り64の右の外側を通って、右作動口68bや第2大入賞口92が配置された領域へ向かうことになる。また、センター飾り64内の遊技球通路部65と、センター飾り64の右の外側に形成された遊技球流路とが併存するような盤面構成を採用することも可能である。
<大当りの種類>
次に、上述の第1遊技及び第2遊技における大当りの種類について説明する。先ず、本実施例では、大当りとして、前述の単位遊技を16回繰り返す大当り(以下、適宜「16R大当り」とも称する)や、単位遊技を4回繰り返す大当り(以下、適宜「4R大当り」とも称する)が設けられている。なお、これらの大当りの抽選態様については後述する。
上述の単位遊技は、特別遊技において、第1大入賞口91(又は第2大入賞口92)の開放に伴って開始され、所定時間(例えば約30秒)が経過した場合や、第1大入賞口91(又は第2大入賞口92)に所定個数(例えば9個以上)の遊技球が落入した場合に終了し、第1大入賞口91(又は第2大入賞口92)を閉鎖する。このような単位遊技を繰り返す特別遊技は、遊技者に遊技球を獲得させることを目的とする所謂出球あり当りに伴う遊技を基本としている。さらに、各種の大当りのうち、16R大当りや4R大当りなどは、遊技者に相対的に多くの遊技球を獲得させようとするものである。
しかし、これに限定されず、大当りの1部の種類として、例えば16R大当りや16R大当りの一部に、確変にならないもの(16R通常や4R通常)を設けることが可能である。また、例えば、16R大当りであっても、第1大入賞口91(又は第2大入賞口92)の開放期間が短く、実質的に4R大当りと同じ程度の出球しか獲得できないといったもの(16R確変(実4R))を設けたり、4R大当りであっても、出球の獲得がほとんどできないといったもの(4R出球無し)を設けたりすることが可能である。
また、本実施例では、前述の確変や時短等といった特定遊技状態は、全ての大当りについて発生するようになっている。このため、本実施例における16R大当りは、全てが、確変を伴う16R大当り(以下「16R確変」と称する)であり、4R大当りは、全てが、確変を伴う4R大当り(以下「4R確変」と称する)である。
しかし、大当りと、確変や時短等との組合せについては、本実施例のものに限定されず、種々の組合せを採用することが可能である。例えば、確変、時短、及び、入球容易化遊技といった特典機能のうち、少なくとも1部を付与しない大当りを設けることが可能である。より具体的には、確変のみが伴う大当りや、時短のみが伴う大当りを設けることが考えられる。さらに、確変の継続期間の相違や、時短の継続期間の相違によって、大当りの種類を異ならせることも可能である。また、時短中に電チューサポートを併せて実行する場合は、「時短の継続期間」は、「電チューサポートの継続期間」と言い換えることができる。さらに、時短と電チューサポートのうち、電チューサポートのみを実行するといったことも考えられる。
<大当り以外の当り>
また、本実施例では、大当り以外の当りの種類として、小当りが設けられている。第1遊技(又は第2遊技)において、この小当りが発生した場合には、第1大入賞口91(又は第2大入賞口92)が、入球を期待できない程度に短時間の開放を、例えば1回行うようになっている。なお、小当りの抽選態様については後述する。
<主制御表示装置>
<<主制御表示装置の構成>>
次に、前述の主制御表示装置53について、図6、図16、及び、図17等に基づき説明する。主制御表示装置53は、図柄表示基板256に、セグメント表示体や多数のLED表示灯を配置し、各種の表示体の前方に透明板を重ねて構成されている。さらに、図6(a)に示すように主制御表示装置53は、図柄表示基板256の、正面から見て左上の部位に、左から順に、第1状態表示灯231、第2状態表示灯232、主制御エラー表示灯233を有している。
第1状態表示灯231は、図16(a)中に示すように、直線状の2つのLEDセグメントである第1状態表示灯用第1セグメント231a及び第1状態表示灯用第2セグメント231bを、右上がりに一列に並べて、数字の「1」の形態のデジットを構成するものである。第2状態表示灯232は、直線状の7つのLEDセグメントである第2状態表示灯用第1セグメント232aから第2状態表示灯用第7セグメント232gの7つのセグメントを組み合せて、数字の「8」の形態のデジットを構成するものである。さらに、主制御エラー表示灯233は、第2状態表示灯232の右下に付設された真円状の主制御エラー表示灯用ドット233aにより構成されるものである。
上述の第1状態表示灯231及び第2状態表示灯232は、各セグメントのLEDを選択的に点灯させることで、0〜18の数字、アルファベット文字、ハイフンやその他の記号などの表示が可能となっている。さらに、LEDを点滅させることや、点滅のパターンを異ならせることで、より多様な情報の表示が可能となっている。そして、第1状態表示灯231及び第2状態表示灯232は、例えば、前述の第1遊技又は第2遊技において大当りが発生し、特別遊技が実行される場合におけるラウンド数の表示などに用いられる。また、主制御エラー表示灯233は、例えば、エラーに係る表示などに用いることが可能となっている。
さらに、図6(a)中に示すように、図柄表示基板256には、上から順に2個、4個、10個、10個のLED表示灯が横に所定ピッチで並べられている。そして、これらの合計で26個のLED表示灯は、図柄表示基板256上において、第1状態表示灯231、第2状態表示灯232、主制御エラー表示灯233が配置された部位に対する残りの部位に、整然と並べられている。ここで、図6(a)では、説明の便宜上、合計26個のLED表示灯上にA〜Zの符号を記載している。そして、以下の説明では、図6(a)中に付されたA〜Zの符号によって、各LED表示灯を区別する場合がある。
これらのLED表示灯A〜Zも、点灯の有無や点滅パターンに応じて所定の情報の表示を行えるようになっている。図6(b)には、図6(a)に示すLED表示灯A〜Zと名称との関係を示している。これらのうち、LED表示灯A〜Cは、後述する普通図柄に係る普通図柄記憶表示用第1LED、普通図柄記憶表示用第2LED、普通図柄表示LEDである。また、LED表示灯D、Eは、第3状態表示灯、第4状態表示灯であり、LED表示灯Fは、前述の右打ちを行うべき場合に例えば点灯する右打ち指示灯である。これらのうち、第3状態表示灯(D)は、特別図柄に係る確率変動機能の作動状態の表示に用いられ、第4状態表示灯(E)は、普通図柄に係る確率変動機能の作動状態の表示に用いられる。
さらに、LED表示灯G〜Nの8個は、第1特別図柄表示部70を構成しており、LED表示灯O、Pは、それぞれ第1特別図柄記憶表示用第1LED、第1特別図柄記憶表示用第2LEDである。また、LED表示灯Q〜Xの8個は、第2特別図柄表示部71を構成しており、LED表示灯Y、Zは、それぞれ第2特別図柄記憶表示用第1LED、第2特別図柄記憶表示用第2LEDである。なお、図6(a)中においては、普通図柄表示部59、第1特別図柄表示部70、第2特別図柄表示部71に符号を付すため、それぞれのLED表示灯を波括弧の記号により括って示している。
上述の普通図柄表示部59は、1つのLED表示灯Cにより構成されており、このLED表示灯Cの動作態様により、普通図柄の変動表示及び停止表示を行うようになっている。なお、普通図柄表示部59の動作としては、点灯及び点滅の相違や、点滅周期の相違などとにより、多数(例えば3以上)の種類の情報を区別して表示することが可能である。なお、普通図柄の停止表示に係る明確性の観点からは、点灯又は消灯により、普通図柄に係る抽選結果を表示することが望ましい。このため、普通図柄表示部59を構成するLED表示灯の数を例えば2個以上とし、点灯と消灯との組み合せによって、普通図柄の停止図柄を表すようにしてもよい。
また、本実施例においては、普通図柄の変動表示は、1つのLED表示灯Cの点滅により行われる。しかし、例えば、普通図柄表示部を2つのLED表示灯により構成した場合には、一方のLEDの点灯と他方のLEDの消灯(「●○」で表す)、一方のLEDの消灯と他方のLEDの点灯(「○●」で表す)、を交互に「●○」、「○●」、「●○」、「○●」、・・・と繰り返して点滅を行い、普通図柄の変動表示を実行することが可能である。なお、2つのLEDを用いた普通図柄の表示態様については、他の実施例として後述する。さらに、このような2パターンの交互点灯による点滅の場合、パターン切替のタイミング(間隔)によっては、変動の視認が困難になるため、「○○(全消灯)」、「●●(全点灯)」を含めて3パターン、又は、4パターンで表示してもよい。ただし「●●」を挟んでしまうと、残光の影響を受けやすくなり変動が視認しづらくなることも考えられるため、「○○」のパターンのみを追加した3パターンの方が好ましい。
前述の第1特別図柄表示部70は、横方向に一列に並んだ8個のLED表示灯G〜Nの動作態様によって、第1遊技に係る第1特別図柄の変動表示及び停止表示が可能となっている。この第1特別図柄表示部70による第1特別図柄は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を契機として行われる第1抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに大当りが発生し特別遊技が実行される。なお、第1特別図柄表示部70は、第1特別図柄の停止表示の際には、各LED表示灯G〜Nの点灯と消灯との組み合せによって、最大で256(=2^8)種類の識別情報を表示可能である。
前述の第2特別図柄表示部71についても同様に、横方向に一列に並んだ8個のLED表示灯Q〜Xの動作態様によって、第2遊技に係る第2特別図柄の変動表示及び停止表示が可能となっている。第2特別図柄表示部71による第2特別図柄は、第2始動入賞口63への遊技球の入球を契機として行われる第2抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに大当りが発生し特別遊技が実行される。なお、第2特別図柄表示部71においても、第2特別図柄の停止表示の際には、各LED表示灯Q〜Xの点灯と消灯との組み合せによって、最大で256(=2^8)種類の識別情報を表示可能である。
このような構成の主制御表示装置53は、図3中に示すように、前述のメイン基板102に接続されている。そして、主制御表示装置53における各種の表示部は、メイン基板102によって制御される。なお、図3中では、主制御表示装置53における各種の表示部のうち、普通図柄表示部59、第1特別図柄表示部70、第2特別図柄表示部71のみを示している。
<<主制御表示装置の機能>>
前述の作動口(左作動口68a又は右作動口68b)を遊技球が通過すると、普通図柄表示部59が点滅し、普通図柄の変動表示が実行される。そして、普通図柄の変動表示が開始されてから所定の変動時間(普図変動時間)が経過すると、普通図柄が停止表示される。そして、普通図柄が、はずれの態様(はずれ態様)で表示された場合には、所定の停止時間(普図停止固定時間)の経過の後、後続の作動口への入球があれば、普通図柄に係る次の変動表示が開始される。また、普通図柄が、所定の当りの態様(当り態様)で停止表示された場合には、はずれの場合と同様に次回の変動表示へ移行する一方で、先に停止表示された普通図柄の当り態様に応じて、第2始動入賞口63が所定時間の開放動作を行う。
また、LED表示灯A、Bである普通図柄記憶表示用第1LEDと普通図柄記憶表示用第2LEDは、2個で1組となっており、2つのLEDの消灯と点灯の組合せにより、0〜4の数値を表示できるようになっている。そして、普通図柄記憶表示用第1LED(C)と普通図柄記憶表示用第2LED(D)とにより表示される数値は、第1遊技又は第2遊技における普図抽選に係る保留数を表している。
この普図抽選に係る保留数は、普通図柄の変動中に左作動口68a(又は右作動口68b)を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動表示がまだ実行されていない普図柄抽選の回数を示している。すなわち、先に行われている図柄変動が終了していない場合には変動開始条件が成立していないこととなり、当該図柄変動が終了すると変動開始条件が成立し、保留記憶されていた抽選結果(保留抽選結果)に基づき、新たな図柄変動が開始されることとなる。そして、保留数の上限は4個であり、保留記憶は4個を超えて行われることがないようになっている。
普通図柄記憶表示用第1LED(C)及び普通図柄記憶表示用第2LED(D)による、0〜4の数値の表示は、例えば、保留数が0の場合(保留がない)場合は両方を消灯し、保留数が1の場合は何れか一方を点灯して他方を消灯するといった態様で行うことが可能である。また、保留数が2の場合は両方を点灯し、保留数が3の場合は何れか一方を点灯して他方を点滅させ、保留数が4の場合は両方を点滅させる、といった態様で保留数の表示を行うことが可能である。なお、普図保留個数表示(後述する特図保留個数表示も同様)のためのLEDの数を、保留上限数と同じ個数(ここでは4個)とすれば、点滅等の制御は不要である。しかし、本実施例のように、保留個数表示のためのLEDの数を、保留上限数未満の個数(ここでは2個)とすることで、部材コストが下がり、更に点滅制御を行うことに伴い消灯期間が設けられるため消費電力も抑えられる。
前述の第1特別図柄表示部70による第1特別図柄の保留数の表示については、第1特別図柄記憶表示用第1LED(O)と第1特別図柄記憶表示用第2LED(P)の2個を1組として、0〜4の数値を表示することにより行われる。第2特別図柄表示部71による第2特別図柄の保留数の表示については、第2特別図柄記憶表示用第1LED(Y)と第2特別図柄記憶表示用第2LED(Z)の2個を1組として、0〜4の数値を表示することにより行われる。
本実施例においては、前述のように第2遊技が優先的に実行されるので、第1特別図柄については、第2特別図柄の保留抽選結果に対応する図柄変動が全て終わって、保留抽選結果が全て消化されたことも、第1特別図柄の変動開始条件となる。そして、第1特別図柄や第2特別図柄に係る保留数は、各々4個が上限であり、各々における保留記憶は、4個を超えて行われることがないようになっている。
第1特別図柄記憶表示用第1LED(O)及び第1特別図柄記憶表示用第2LED(P)、又は、第2特別図柄記憶表示用第1LED(Y)と第2特別図柄記憶表示用第2LED(Z)による、0〜4の数値の表示は、例えば、前述の普通図柄記憶表示用第1LED(A)と普通図柄記憶表示用第2LED(B)の場合と同様に、保留数が0の場合(保留がない)場合は両方を消灯し、保留数が1の場合は何れか一方を点灯して他方を消灯するといった態様で行うことが可能である。また、保留数が2の場合は両方を点灯し、保留数が3の場合は何れか一方を点灯して他方を点滅させ、保留数が4の場合は両方を点滅させる、といった態様で保留数の表示を行うことが可能である。
なお、前述の右打ちを行うべき遊技状況となった場合には、主制御表示装置53(図6(a)参照)の右打ち指示灯Fを用いた所定態様での表示が行われる。本実施例では、右打ち指示灯Fは、左打ちすべき遊技状況である左打ち時には消灯し、右打ちすべき遊技状況である右打ち時には点灯するよう、右打ち指示灯Fの動作パターン(例えば点灯や点滅など)が設定されている。
<演出表示装置の構成と基本的な表示内容>
続いて、前述の演出表示装置60の構成と、演出表示装置60の基本的な表示例について説明する。本実施例では、演出表示装置60として、大型(例えば15インチ程度)な液晶ディスプレイが用いられている。この演出表示装置60の表示領域194には、前述の主制御表示装置53で表示される第1特別図柄又は第2特別図柄についての演出表示や、ストーリー表示などといったその他の演出表示が行われる。なお、演出表示装置60においては多様な画像の表示が行われるが、ここでは、第1特別図柄又は第2特別図柄に直接的に関係する基本的な演出表示について説明する。
前述のように、主制御表示装置53において第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が開始されると、演出表示装置60において、図7(a)、(b)に示すように、演出図柄190の変動表示が実行される。本実施例においては、演出図柄190は、左演出図柄190a、中演出図柄190b、右演出図柄190cにより構成されている。
さらに、本実施例において左演出図柄190aは、数字の「1」から「9」の記号の意味を有する9種類の要素図柄(記号要素演出図柄)を有している。そして、他の演出図柄である中演出図柄190b及び右演出図柄190cも、左演出図柄190aと同じく、数字の「1」から「9」を意味する9種類の要素図柄を有している。なお、上述の要素図柄の詳細については後述する。
主制御表示装置53における第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示に伴い、演出表示装置60において、上述の演出図柄190が変動表示される(図7(a)参照)。演出図柄の変動表示は、本実施例においては、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、個々に縦方向に移動(縦スクロール)させ、上述の要素図柄を順次表示領域194中に登場させることにより実行される。
また、演出図柄190は、変動表示の途中段階として、所謂「リーチ」の組合せを構成する場合がある。この「リーチ」においては、演出図柄190のうち、2つの演出図柄(ここでは左演出図柄190aと右演出図柄190c)が、例えば「7」と「7」などの同じ数字の図柄、同じ意味、或いは、所定の関係を持った図柄で組合せを構成する。さらに、この「リーチ」においては、リーチの組合せを構成した演出図柄190a、190c以外の、残りの1図柄(ここでは中演出図柄190b)が、他の演出図柄との組合せを構成できない変動中となっている。
なお、演出図柄190の表示態様としては、多種類の「リーチ」や、その他の種々のものを採用できるが、各種の表示態様の詳細については後述する。また、演出表示装置60においては、演出図柄190による演出以外にも種々の演出が行われるが、それらの詳細については後述する。
また、本実施例では、演出表示装置60は液晶ディスプレイを用いたものとなっているが、これに限らず、例えば、機械式のドラム体やLED表示体といった他の種類の表示体を用いたものであってもよい。さらに、第1特別図柄及び第2特別図柄は、本実施例では、演出表示装置60とは別の表示装置である主制御表示装置53に表示されるが、例えば、主制御表示装置53において特別図柄の表示を行わず、特別図柄を演出表示装置60に表示するようにしてもよい。この場合には、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることが可能となる。
また、本実施例では、演出表示装置60における演出図柄190が、第1遊技と第2遊技とで共用されるようになっている。このため、現在の演出図柄190が、第1遊技及び第2遊技のいずれの特別図柄に対応した表示を行っているのかを示すような表示を行ってもよい。このような、第1遊技及び第2遊技の区別のための表示を、例えば、演出表示装置60の表示領域194のいずれかの隅部等で行うことや、前述のセンター飾り64に区別のためのLED表示灯を追加して、第1遊技と第2遊技との区別に係る識別標識の表示を行うことなどが考えられる。また、第1遊技用の演出図柄と、第2遊技用の演出図柄とを別々に設け、両方の演出図柄を演出表示装置60に同時に表示するようにしてもよい。
さらに、演出表示装置60は、1つの表示体のみを備えたものに限らず、複数の表示体の組合せにより構成されるものであってもよい。より具体的には、図1中に示す演出表示装置60としては、前述のように、相対的に大型な表示画面のもの(例えば15インチサイズ程度のもの)を用い、これに相対的に小型のもの(例えば5インチサイズ程度のもの)を1つ、又は複数付加することが考えられる。
さらに、このような付加的な表示体を可動演出部材として備え、付加的な表示体によるギミックを構成することも可能である。そして、通常は、付加的な表示体を、演出表示装置60の表示領域194の視認の障害とならないように、表示領域194の外側に避けて配置しておき、所定の演出パターンが実行される場合に、付加的な表示体が、表示領域194の前方に現れるようにすることが考えられる。
また、付加的な表示体にマルチモニタの機能を持たせ、表示領域194の表示内容と、付加的な表示体の表示内容との組み合わせにより、合成画像を形成する、といったことや、例えば3つの付加的な表示体を、表示領域194の前方で組み合わせて、擬似的に1つの表示体を別途形成する、などといったことも可能である。さらに、表示領域194の前方に付加的な表示体を配置した場合に、付加的な表示体により隠される表示領域194の表示内容を、付加的な表示体に表示して補うといったことも可能である。
また、相対的に大型な表示体が、例えば前後動できるようにしてもよい。さらに、例えば透過液晶表示装置を、演出表示装置60の前面に配置し、所定の演出パターンが実行される場合に、透過液晶表示装置の表示内容を、演出表示装置60の表示内容に重ねる、といったことも可能である。
<ぱちんこ遊技機の電気的構成>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10における電気的構成について説明するが、ここでは電気的構成のうちの主要なものを抽出して説明する。先ず、ぱちんこ遊技機10には、図4に示すように、電源基板251、払出制御基板103、メイン基板102、及びサブメイン基板301等が備えられている。これらのうち電源基板251には、上述の払出制御基板103等が接続されており、払出制御基板103には、メイン基板102、発射装置43、及び、遊技球等貸出装置接続端子板(図示略)などが接続されている。また、メイン基板102には、前述の主制御表示装置53や、サブメイン基板301が接続されており、サブメイン基板301には、前述のサブサブ基板302が接続されている。
上述の各種構成のうちの電源基板251は、前述の電源ユニット32(図2参照)に備えられているものである。また、払出制御基板103には、図示を省略するが、エラーの種別の表示などに用いられる状態表示部や、球貸しに係る金銭処理や球貸処理を実行するカードユニットなども接続されている。さらに、上述の遊技球等貸出装置接続端子板(図示略)には、球貨操作に用いられる球貨操作基板等が接続される。また、上述の発射装置43には、発射ハンドル20(図1参照)に備えられたタッチスイッチ(図示略)や発射停止スイッチ(図示略)等が接続されている。
メイン基板102には、図示を省略した各種の遊技盤接続基板を介して、図3に示すように、主制御表示装置53、各通過検出装置69a、69b、普通電動役物ソレノイド76、第1始動入賞検出装置74、第2始動入賞検出装置75、一般入賞検出装置73、第1大入賞検出装置78、第2大入賞検出装置79、第1大入賞口ソレノイド80、第2大入賞口ソレノイド81、及び、磁気センサや電波センサ(図示略)等が接続されている。
サブメイン基板301には、図示を省略した各種の中継基板を介して、演出用の各機器が接続されている。演出用の各機器としては、センター飾り64における各種電飾用のLED基板、可動演出部材93、94の各種の可動体モータ、遊技機枠11における電飾用のLED基板、遊技機枠11に備えられた演出用の枠モータ等を例示できる。ここで、遊技機枠11における電飾としては、前述のガラス扉15で行われるもののほか、皿ユニット16で行われるものや、操作ボタン22は備えられたボタン装置において行われるものなどを例示できる。また、上述の枠モータは、遊技機枠11に備えられた可動演出部材(図示略)の駆動に用いられるものである。
サブサブ基板302には、図4中に示すように、前述の演出表示装置60に備えられた液晶ユニット42や、各種スピーカ21などが接続されている。なお、各種スピーカ21を、上述のサブメイン基板301に接続するようにしてもよい。
続いて、メイン基板102、及び、払出制御基板103の構成について説明する。図4に示すように、メイン基板102には、CPU(メインCPU)501、ROM(メインROM)502、RWM503が搭載されている。これらのうち、CPU501としては、例えば樹脂パッケージングがされたCPU装置(CPUデバイス)内の中央処理装置を利用可能である。なお、本実施例で説明する「ROM」や「RWM」は、CPUデバイスに内蔵されたもの、及び、CPUデバイスに対して外付けされたものの両方を含む包括的な概念のものである。
さらに、図示は省略するが、メイン基板102に搭載されたCPUデバイス内には、CPU501のほかに、制御用クロック生成回路、乱数用クロック生成回路、16ビット乱数用の乱数回路、8ビットの乱数用の乱数回路等が備えられている。これらのうち16ビット乱数用の乱数回路、及び、8ビットの乱数用の乱数回路は、内蔵乱数であるハードウェア乱数を発生させるためのものである。
また、メイン基板102には、メイン基板102の外部の機器との間でデータの入出力を行う入出力ポート505が搭載されている。さらに、メイン基板102には、図示は省略するが、割込回路やタイマ回路などの各種回路部が形成されている。
上述のROM502は、CPU501が遊技に係る処理を行うための遊技プログラムや、所定の制御データなどを記憶している。また、上述のRWM503は、CPU501による遊技プログラムの実行に際して、各種の処理に必要なデータや、処理中に発生したデータ等を書換え可能に記憶する。
続いて、払出制御基板103には、CPU(払出CPU)511、ROM(払出ROM)512、RWM513が搭載されている。これらのうち、CPU511としては、例えば樹脂パッケージングがされたCPU装置(CPUデバイス)内の中央処理装置を利用可能である。また、ROM512は、CPU511が払出しに係る処理を行うための払出用プログラムや、所定の制御データなどを記憶している。また、上述のRWM513は、CPU501による払出プログラムの実行に際して、各種の処理に必要なデータや、処理中に発生したデータ等を書換え可能に記憶する。
前述のサブメイン基板301は、CPU(サブメインCPU)521と、ROM(サブメインROM)522と、ワークRWM523と、入力ポート527と、出力ポート528、バスライン(図示略)などを備えている。そして、入力ポート527の入力側にはメイン基板102の出力側が接続され、入力ポート527の出力側には、CPU521、ROM522、ワークRWM523、及び、出力ポート528などが接続されている。
サブメイン基板301のCPU521は、メイン基板102から送信される図柄表示用の演出制御コマンド(指令)に基づいて演出表示装置60の表示を制御する。ROM522は、CPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRWM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
なお、前述のメイン基板102とサブメイン基板301の間におけるデータの送受信は、メイン基板102からサブメイン基板301への一方向通信(片方向通信)の態様で行われる。そして、メイン基板102とサブメイン基板301との間で、通信の一方向性が確保されているため、サブメイン基板301からメイン基板102へは、データの送信を行うことができない。したがって、メイン基板102が保有する情報は、メイン基板102がサブメイン基板301へ送信しない限り、サブメイン基板301で参照することはできない。なお、このような一方向での通信を可能とするために、例えば、メイン基板102に通信規制手段(バッファ回路など)を搭載し、サブメイン基板301へのデータ出力を、この通信規制手段を介して行うことが可能である。
前述のサブサブ基板302は、CPU531、ワークRWM532、プログラムROM533、サウンドROM534、キャラクタROM535、画像コントローラ(VDP)536、音制御回路537、入力ポート538、出力ポート539、及び、バスライン(図示略)などを備えている。さらに、画像コントローラ(VDP)536は、ビデオメモリ540を備えている。そして、入力ポート538の入力側にはサブメイン基板301の出力側が接続され、入力ポート538の出力側には、CPU531、ワークRWM532、プログラムROM533等の各機器が接続されている。
上述のビデオメモリ540は、演出表示装置60に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオメモリ540における画像データの内容を書き替えることにより、演出表示装置60の表示内容(フレーム画像)が変更される。キャラクタROM535は、演出表示装置60に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ536は、CPU531、ビデオメモリ540、出力ポート539のそれぞれの動作タイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオメモリ540に記憶される表示データを、キャラクタROM535から所定のタイミングで読み出し、更に予め優先順位を定めたレイヤの順に図柄を重ねて演出表示装置60に表示させる。
<電源供給とデータバックアップ>
前述の電源基板251は、ぱちんこ遊技機10の各部に電源を供給するための電源部541と、初期化スイッチ544を有する初期化スイッチ回路部543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、メイン基板102や払出制御基板103等に対して、各々に必要な動作電圧を供給する。より具体的には、電源部541は、外部より供給される所定の電圧を取り込み、各種スイッチ、モータ、ロジック回路等を駆動するための所定量の電圧を、メイン基板102や払出制御基板103、及び、その他の所定の機器に対して供給する。
初期化スイッチ回路部543は、電源投入時に、例えば遊技店舗の管理者によって初期化スイッチ544が押下された場合に、メイン基板102及び払出制御基板103へ、バックアップデータをクリアするための初期化信号を出力する回路を備えている。メイン基板102及び払出制御基板103においては、後述するように、電源基板への電源供給が断たれている状況においても、記憶したデータを保持(バックアップ)することが可能となっている。そして、ぱちんこ遊技機10の電源投入時に、メイン基板102及び払出制御基板103に上述の初期化信号が入力されると、メイン基板102や払出制御基板103でバックアップされていたデータ(バックアップデータ)がクリアされる。
なお、初期化スイッチ544を、メイン基板102用のものと、払出制御基板103用のものとに分け、バックアップされていたデータのクリアを、メイン基板102と払出制御基板103とで別々に行うようにしてもよい。また、例えば、電源立ち上げの際に、初期化スイッチ544を操作すると、メイン基板102用のバックアップデータと、払出制御基板103の一部のバックアップデータとがクリアされ、払出制御基板103に付加された払出用の初期化スイッチ(図示略)を更に操作すると、払出制御基板103の残りのバックアップデータがクリアされる、といった構成も採用することが可能である。
上述のように、メイン基板102におけるRWM503は、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後においても、電源基板251からバックアップ電圧が供給されて、データを保持(バックアップ)できるようになっている。つまり、RWM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリア(図示略)の他に、バックアップエリア503aが設けられている。このバックアップエリア503aは、停電(瞬間的な電圧降下による停電である所謂瞬停を含む)などの発生により電源が遮断された場合(電断が生じた場合)において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。そして、通常の電源立ち上げや、停電の解消に伴い、メイン基板102等の状態が、バックアップエリア503aの情報に基づいて、電源遮断前の状態に戻される。
バックアップエリア503aへの書き込みは、電源断処理(後述する)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時の制御開始処理(後述する)において実行される。バックアップエリア503aとしては、CPU501に対して外付けされ、バックアップ電源の接続がされたRWM(外部RWM)を利用することが可能である。
また、払出制御基板103におけるRWM513についても、メイン基板102のRWM503と同様に、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後において、電源基板251からバックアップ電圧が供給されて、データを保持(バックアップ)できるようになっている。つまり、払出制御基板103のRWM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリア(図示略)の他に、バックアップエリア513aが設けられている。このバックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が遮断された場合(電断が生じた場合)において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。そして、通常の電源立ち上げや、停電の解消に伴い、払出制御基板103の状態が、バックアップエリア513aの情報に基づいて、電源遮断前の状態に戻される。
バックアップエリア513aへの書き込みは、払出制御基板103における電源断処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時の、払出制御基板103における制御開始処理において実行される。バックアップエリア513aとしては、メイン基板102の場合と同様に、CPU511に対して外付けされ、バックアップ電源の接続がされたRWM(外部RWM)を利用することが可能である。
前述のメイン基板102には、上述のような停電等による電源遮断を監視する停電監視回路部506が設けられている。この停電監視回路部506は、停電等の発生による電源遮断時に、メイン基板102のCPU501や、払出制御基板103のCPU511に、停電信号(電断信号)を出力する。より具体的には、停電監視回路部506は、電源基板251の電源部541から出力される最大電圧である直流安定(例えば30ボルト)の電圧を監視し、この電圧が所定電圧未満になった場合に、停電(電源遮断)の発生を検知して、上述の電断信号を出力する。このような電断信号の入力に基づき、メイン基板102のCPU501、及び、払出制御基板103のCPU511は、所定の電源断処理を実行する。
なお、メイン基板102等における電気的特性は、直流安定電圧が、電断信号の出力が行われる所定電圧未満になった後においても、電源断処理などの所定の処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力が正常値に維持されるよう構成されている。
また、本実施例においては図4中に示すように、電源基板の出力が、払出制御基板103を介して、メイン基板102に供給されるようになっている。しかし、これに限らず、例えば、電源基板の出力が、メイン基板102を介して払出制御基板103に供給されるようにしたり、メイン基板102と払出制御基板103とに別系統で個別に供給されるようにしてもよい。
また、前述の停電監視回路部506は、メイン基板102以外の部位に配置することも可能である。例えば、電源基板251上に停電監視回路部506を形成して、電源基板251上において停電監視回路部506から各基板へ電断信号を入力してもよい。また、メイン基板102から払出制御基板103への電断信号の入力を省略することも可能である。さらに、電源基板251の機能を、メイン基板102が発揮できるようにしてもよい。この場合、電源部541をメイン基板102上に形成することなどが考えられる。
さらに、停電監視回路部506を払出制御基板103に設け、払出制御基板103とメイン基板102の各々で、電断信号の出力と、電断信号に基づく電源断処理を行うようにしてもよい。また、メイン基板102と払出制御基板103のうち、払出制御基板103のみに停電監視回路部506を設け、電断信号を、払出制御基板103からメイン基板102へ送信するようにしてもよい。
ここで、前述のメインCPU501や払出CPU511などには、NMI(ノンマスカブル割込み)端子が備えられている。また、前述の電源断処理の実行の契機としては、メインCPUのNMI端子に電圧低下を示す電源断信号が入力されたことに基づきノンマスカブル割込み(NMI)を発生させるハードウェア的なものと、タイマ設定に基づく周期的な割込処理で、電圧低下が検知された際に立てた電源断フラグを確認して行うソフトウェア的なものなどがある。
本実施例においては、NMIによるハードウェア的な契機に基づき電源断処理が行われるようになっている。そして、NMI端子への信号入力は、例えば、停電監視回路部506からの電断信号をNMI端子に入力することにより行うことが可能である。ここで、NMI端子への信号入力は、停電監視回路部506から電断信号が出力された場合のほか、NMI端子に繋がる信号線へのノイズの混入などによっても生じ得るものである。なお、電源断処理への移行は、他の実施例として後述するように、ソフトウェア的な手法に基づき行うことも可能である。また、NMI端子に入力される電源断信号に基づき、電源断フラグを設定し、電源断処理の実行契機とすることも可能である。
<メイン基板の基本機能>
次に、メイン基板102における基本的な機能について説明する。本実施例のメイン基板102は、前述した各構成(図4参照)の働きにより、例えば、入球判定、抽選、コマンド送信などの各種の機能を果たす。このため、メイン基板102については、これらの各種の機能を果たすための機能的手段(後述する)を備えているものとして把握することが可能である。そして、他の制御基板であるサブメイン基板301や、サブサブ基板302等についても同様に、各種の機能を果たすための機能的手段が備えられている。
図5中には、メイン基板102、サブメイン基板301、及び、サブサブ基板302の各々における代表的な機能的手段を示している。これらのうち、メイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段111、第2抽選手段112、普図抽選手段113、保留制御手段114、メイン表示制御手段115、特別遊技制御手段116、特定遊技制御手段117、開閉制御手段118、事前情報通知手段119、メインコマンド送信手段120等を備えている。そして、メイン基板102は、これらの機能的手段により、以下に順に説明するように、特別図柄に関する抽選、普通図柄に関する抽選、保留制御、主制御表示、特別遊技、特定遊技、開閉制御、事前情報通知等を実行する。
<<特別図柄に係る当否抽選機能>>
上述の入球判定手段110は、各入賞口(各作動口、各種始動入賞口、各種大入賞口、一般入賞口など)への遊技球の入球を判定する。より具体的には、入球判定手段110は、遊技球が左作動口68a(又は右作動口68b)を通過した場合に通過情報を受け取り、遊技球が左作動口68a(又は右作動口68b)を通過したと判断する。さらに、入球判定手段110は、遊技球が第1始動入賞口62(又は第2始動入賞口63)に入球した場合に第1始動入賞情報(又は第2始動入賞情報)を受け取り、遊技球が第1始動入賞口62(又は第2始動入賞口63)に入球したと判断する。
また、入球判定手段110は、遊技球が第1大入賞口91(又は第2大入賞口92)に入球した場合に第1大入賞口入賞情報(又は第2大入賞口入賞情報)を受け取り、遊技球が第1大入賞口91(又は第2大入賞口92)に入球したと判断する。さらに、入球判定手段110は、遊技球が一般入賞口72に入球した場合に一般入賞情報を受け取り、遊技球が一般入賞口72に入球したと判断する。
前述の第1抽選手段111は、第1始動入賞口62への入球に対応する第1抽選を実行する。すなわち、第1抽選手段111は、第1抽選値取得手段121、第1当否判定手段122、第1図柄決定手段123、第1パターン決定手段124の機能を有している。第1抽選の結果は、前述の主制御表示装置53(図6(a)参照)の第1特別図柄表示部70において、停止表示された第1特別図柄により表される。なお、第1抽選手段111に備えられた第1抽選値取得手段121等の各機能的手段については後述する。
同様に、前述の第2抽選手段112は、第2始動入賞口63への入球に対応する第2の抽選を実行する。すなわち、第2抽選手段112は、第2抽選値取得手段125、第2当否判定手段126、第2図柄決定手段127、第2パターン決定手段128の機能を有している。第2の抽選の結果は、前述の主制御表示装置53の第2特別図柄表示部71において、停止表示された第2特別図柄により表される。なお、第2抽選手段112に備えられた第2抽選値取得手段125等の各機能的手段については後述する。
前述の第1抽選手段111に備えられた第1抽選値取得手段121は、第1始動入賞口62への入球を契機に、第1抽選に係る大当り乱数の値を、第1当否抽選値として取得する。また、前述の第2抽選手段112に備えられた第2抽選値取得手段125は、第2始動入賞口63への入球を契機に、第2抽選に係る大当り乱数の値を、第2当否抽選値として取得する。
なお、本実施例では、第1当否抽選値として取得される大当り乱数、及び、第2当否抽選値として取得される大当り乱数は、2段構成の乱数発生手段により生成される。より具体的には、大当り抽選に用いられる乱数は、前述のハードウェア乱数(ハード乱数)とソフトウェア乱数(ソフト乱数)とを用いた演算(加算)により生成されている。ハードウェア乱数としては、例えば16ビット用の乱数回路で生成される内蔵乱数を利用することが可能である。また、ソフトウェア乱数としては、ソフトウェアにおける乱数生成プログラムにより割込毎に更新される値を利用することが可能である。なお、ハードウェア乱数とソフトウェア乱数のうちのいずれか一方を使用するものであってもよい。また、ハードウェア乱数とソフトウェア乱数の詳細については後述する。
第1抽選手段111における第1当否判定手段122は、第1当否抽選値に基づいて当否判定を行い、第1当否抽選値が、当りとなる所定の値(当り値)に該当するか否かを判断する。同様に、第2抽選手段112における第2当否判定手段126は、上述の第2当否抽選値に基づいて当否判定を行い、第2当否抽選値が、当りとなる所定の値(当り値)に該当するか否かを判断する。第1当否判定手段122及び第2当否判定手段126による当否判定では、第1当否抽選値や第2当否抽選値と、大当り抽選の抽選結果との対応を定めた当否判定テーブルが用いられる。この当否判定テーブルの詳細については後述する。
<<特別図柄に係る図柄抽選機能>>
続いて、前述の第1図柄決定手段123や第2図柄決定手段127による図柄抽選について説明する。先ず、第1図柄決定手段123は、第1特別図柄に係る大当り抽選でいずれかの大当りに当選した場合における、第1特別図柄の種類を、第1抽選用の大当り図柄判定テーブル(図8(a)参照)に基づき決定する。第1抽選用の大当り図柄判定テーブルは、図柄決定に係る乱数値(図柄乱数)である第1図柄抽選値と、第1特別図柄の種類との関係を規定している。
ここで、第1図柄抽選値は、第1特別図柄に係る「特別図柄当り図柄乱数」や「図柄乱数」などとも称する場合がある。また、本実施例では、当たりの種類に小当りが含まれており、第1図柄決定手段123は、第1特別図柄に係る大当り抽選で小当りに当選した場合における、第1特別図柄の種類を、小当り図柄判定テーブル(図9(c)参照)に基づき決定する。
第1図柄抽選値は、前述の第1当否抽選値と同様に、第1始動入賞口62への入球を契機に取得されるものである。また、第1特別図柄の種類は、当りの種類に対応付けられており、取得された第1図柄抽選値に紐付いて、大当りの種類や小当りの有無が定まるようになっている。つまり、第1始動入賞口62への入球を契機に第1図柄抽選値が取得され、所定のタイミングで、第1抽選用の大当り図柄判定テーブルに基づき、第1図柄抽選値に対応する第1特別図柄と当りの種類とが決定される。なお、第1抽選用の大当り図柄判定テーブルの詳細については後述する。
前述の第2図柄決定手段127は、第2特別図柄に係る大当り抽選でいずれかの当りに当選した場合における、第2特別図柄の種類を、第2抽選用の大当り図柄判定テーブル(図9(b)参照)に基づき決定する。第2抽選用の大当り図柄判定テーブルは、上述の第1抽選用の大当り図柄判定テーブルと同様に、図柄決定に係る乱数値(図柄乱数)である第2図柄抽選値と、第2特別図柄の種類との関係を規定している。
ここで、第2図柄抽選値についても、第2特別図柄に係る「特別図柄当り図柄乱数」や「図柄乱数」などとも称する場合がある。また、本実施例では、当たりの種類に小当りが含まれており、第2図柄決定手段127は、第2特別図柄に係る大当り抽選で小当りに当選した場合における、第2特別図柄の種類を、小当り図柄判定テーブル(図9(c)参照)に基づき決定する。
第2図柄抽選値は、前述の第2当否抽選値と同様に、第2始動入賞口63への入球を契機に取得されるものである。また、第2特別図柄の種類は、当りの種類に対応付けられており、取得された第2図柄抽選値に紐付いて、大当りの種類や小当りの有無が定まるようになっている。つまり、第2始動入賞口63への入球を契機に第2図柄抽選値が取得され、所定のタイミングで、第2抽選用の大当り図柄判定テーブルに基づき、第2図柄抽選値に対応する第2特別図柄と大当りの種類とが決定される。なお、第2抽選用の大当り図柄判定テーブルの詳細については後述する。
また、本実施例では、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれについても、大当り乱数とは別に設けられた図柄乱数に基づいて、図柄の種類の決定が行われているが、これに限定されず、例えば、大当り乱数に特別図柄の種類を予め紐付けておき、取得した大当り乱数の値に基づいて特別図柄の種類を決定するようにしてもよい。
<<特別図柄に係る変動パターン抽選機能>>
続いて、前述の第1パターン決定手段124や第2パターン決定手段128による変動パターン抽選について説明する。先ず、第1パターン決定手段124は、第1特別図柄表示部70における第1特別図柄の変動パターンを、特図変動パターンテーブル(後述する)に基づき決定する。また、特図変動パターンテーブルは、多数の特図変動パターンと、第1特別図柄の変動パターン決定に係る乱数値(変動パターン乱数)である第1パターン抽選値との関係を規定している。
第1パターン抽選値は、前述の第1当否抽選値と同様に、第1始動入賞口62への入球を契機に取得されるものである。また、第2パターン抽選値は、前述の第2当否抽選値と同様に、第2始動入賞口63への入球を契機に取得されるものである。さらに、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る変動パターンは、例えば、大当り時、はずれ時、リーチの有無、リーチの発展の程度、時短の有無、保留数、などといった各種の遊技状況の相違に対応した決定要素毎に、複数ずつ設けられている。そして、本実施例では、変動パターンの総数は100程度に達するものとなっている。
さらに、各変動パターンは、第1パターン抽選値や第2パターン抽選値と対応付けられており、取得された第1パターン抽選値や第2パターン抽選値に紐付いて、遊技の状況に応じた変動パターンが定まるようになっている。つまり、第1始動入賞口62への入球を契機に第1パターン抽選値が取得され、第2始動入賞口63への入球を契機に第2パターン抽選値が取得される。そして、所定のタイミングで、特図変動パターンテーブルに基づき、遊技の状況に応じた変動パターンが決定される。
特別図柄に係る変動パターン(特図変動パターン)は、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示における、変動開始から停止までの時間(変動時間)を定めている。そして、特図変動パターンは、その種類によって、例えば1秒程度から数分程度のように、長短様々な変動時間を規定している。すなわち、各特図変動パターンには、変動表示の終了条件として変動時間が定められており、前述の第1特別図柄表示部70又は第2特別図柄表示部71(図6(a)参照)においては、特別図柄の変動表示が開始されて、規定された変動時間が経過すると、特別図柄が停止表示される。
なお、各種の特図変動パターンにおける変動時間の長短の関係は、必ずしも、遊技状況に応じて一律に定まるといったものではない。つまり、特図変動パターンについては、異なる種類の特図変動パターンにおいて、変動時間が共通である場合もあり得る。また、異なる遊技状況について定められた特図変動パターンであっても、互いに変動時間が共通である、といったこともあり得る。さらに、特図変動パターンについては、時短時に選択対象となる変動パターンの変動時間が、非時短時に選択対象となる変動パターンの変動時間よりも長い、といったこともあり得る。
さらに具体的には、時短時に選択対象となる特図変動パターンの多くについては、非時短時に選択対象となる特図変動パターンよりも、変動時間が短く設定されている。しかし、本実施例では、例えば非時短時で、且つ、保留数が4個の場合に選択対象となり得る特図変動パターンなどには、時短時の特定の特図変動パターンに比べて、変動時間の短いものが含まれている。
<<普通図柄に係る各種抽選機能>>
続いて、前述の普図抽選手段113について説明する。この普図抽選手段113は、普図抽選値取得手段129、普図当否判定手段130、普図図柄決定手段131、普図パターン決定手段132を有している。そして、普図抽選手段113は、前述の入球判定手段110により、各作動口68a、68bにおける遊技球の通過が検出されると、この検出結果に基づき、普通図柄に係る抽選(普図抽選)を実行する。
この普図抽選においては、普図抽選値取得手段129により、普通図柄に係る乱数(普図図柄乱数)である普図抽選値が取得され、普図図柄決定手段131により、普図判定テーブルが参照される。この普図判定テーブルには、普図抽選値と、普通図柄の種類との対応関係が定められている。そして、普図当否判定手段130により、普図抽選値に紐付けられた普通図柄が、当りに該当するものであるか否かが判定され、当りに該当する場合には、当たりの種類が判定される。
さらに、普図パターン決定手段132により、普通図柄に係る変動パターン(普図変動パターン)が決定される。各普図変動パターンは、普図変動パターンに係る乱数(普図変動パターン乱数)である普図パターン抽選値と対応けられており、取得された普図パターン抽選値に紐付いて、遊技の状況に応じた普図変動パターンが定まるようになっている。つまり、左作動口68a又は右作動口68bへの入球を契機に普図パターン抽選値が取得され、所定のタイミングで、普図変動パターンテーブルに基づき、遊技の状況に応じた普図変動パターンが決定される。普通変動パターンは、例えば、当り時、はずれ時、当りの種類、時短の有無、などといった各種の遊技状況の相違に対応した決定要素毎に設けられている。
なお、普図変動パターンは、普通図柄の変動表示における、変動開始から停止までの時間(変動時間)を定めている。そして、普図変動パターンは、その種類によって、例えば1秒未満程度から数秒分程度のように、幾つかの変動時間を規定している。すなわち、各普図変動パターンには、変動表示の終了条件として変動時間が定められており、前述の普通図柄表示部59(図6(a)参照)においては、普通図柄の変動表示が開始されて、規定された変動時間が経過すると、普通図柄が停止表示される。そして、停止表示された普通図柄が所定の当り図柄である場合には、第2始動入賞口63が、当りの種類に応じた態様で拡開する。
なお、普通図柄に係る普図抽選値、普図パターン抽選値、及び、第2始動入賞口63の開放パターンの詳細については後述する。また、本実施例では、普通図柄の決定の後に、決定された普通図柄に基づいて当否判定が行われているが、これに限定されず、例えば、取得した普図抽選値から先に当否判定を行い、当否判定の結果に基づいて普図図柄の種類を決定するようにしてもよい。また、普通図柄に係る当否抽選値を設け、普通図柄の当否抽選を行ってから、当否抽選の結果に応じて普図抽選を行うようにしてもよい。
さらに、本実施例では、普通図柄に係る乱数である普図抽選値、及び、普図パターン抽選値は、ソフトウェア乱数のみを用いて作成されているが、これに限定されず、普通図柄に係る各乱数を、ハードウェア乱数とすることや、ハードウェア乱数とソフトウェア乱数との組み合わせによるものとすることが可能である。
<<特別図柄の保留に関する機能>>
続いて、前述の保留制御手段114について説明する。保留制御手段114は、第1保留手段133、第2保留手段134、普図保留手段135を有している。これらのうち第1保留手段133は、新たに第1始動入賞口62への入球があった場合に、第1特別図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された各種の乱数(第1当否抽選値、第1図柄抽選値など)に係る情報(第1特図保留記憶情報)を、一時的に保留記憶する。そして、変動開始条件が成立するまで、上述の入球に係る第1特別図柄の変動表示の開始を許可しない。なお、本実施例では、第1特別図柄に係る保留の上限値は4個に設定されており、この上限値を超えない範囲で、第1特別図柄に係る保留が可能となっている。
上述の入球があった際に実行されていた第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が終了し、更に、上述の入球よりも前に発生した第1特別図柄又は第2特別図柄に係る保留が存在しない場合には、第1特別図柄に係る変動開始条件が成立し、第1特別図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。つまり、本実施例では、前述のように、第2遊技が第1遊技に優先して実行されることから、第2保留手段134による第2特図保留記憶情報は、第1保留手段133による第1特図保留記憶情報よりも、優先的に消化される。このように、第1特別図柄については、第2特別図柄の第2特図保留記憶情報に対応する図柄変動が全て終わって、全て消化されたことも変動開始条件となっている。
前述の第2保留手段134についても、新たに第2始動入賞口63への入球があった場合に、第2特別図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された各種の乱数(第2当否抽選値、第2図柄抽選値など)に係る情報を、一時的に保留記憶する。そして、変動開始条件が成立するまで、上述の入球に係る第1特別図柄の変動表示を許可しない。
上述の入球があった際に実行されていた第2特別図柄の変動表示が終了し、更に、上述の入球よりも前に発生した第2特別図柄に係る保留が存在しない場合には、第2特別図柄に係る変動開始条件が成立し、第2特別図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。なお、本実施例では、第2特別図柄に係る保留の上限値は、第1特別図柄と同様に4個に設定されており、この上限値を超えない範囲で、第2特別図柄に係る保留が可能となっている。
<<普通図柄の保留に関する機能>>
続いて、前述の普図保留手段135について説明する。普図保留手段135は、作動口68a、68b(図1参照)における入球があった場合に、普通図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された乱数(普図抽選値など)に係る情報(普図保留記憶情報)を、一時的に保留記憶する。そして、変動開始条件が成立するまで、上述の入球に係る普通図柄の変動表示を許可しない。なお、本実施例では、普通図柄に係る保留の上限値は4個に設定されており、この上限値を超えない範囲で、普通図柄に係る保留が可能となっている。
上述の入球があった際に実行されていた普通図柄の変動表示が終了し、更に、上述の入球よりも前に発生した普通図柄に係る保留が存在しない場合には、普通図柄に係る変動開始条件が成立し、普通図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。
<<主制御表示に関する機能>>
続いて、前述のメイン表示制御手段115について説明する。メイン表示制御手段115は、第1特図制御手段136、第2特図制御手段137、普図制御手段138、保留表示制御手段139、及び、その他表示制御手段140を有している。これらのうち第1特図制御手段136は、第2特別図柄に係る保留がなく、前述の第1特別図柄に係る変動開始条件が成立していれば、第1抽選手段111により決定された第1特別図柄の変動パターンに従い、第1特別図柄表示部70(図6(a)参照)で、第1特別図柄の変動表示(例えば、LED表示灯M、Nを100msec毎に点滅させる点滅表示)を行う。そして、第1特別図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、第1特別図柄表示部70において、決定された図柄で停止表示される。
さらに、第2特図制御手段137は、前述の第2特別図柄に係る変動開始条件が成立していれば、第2抽選手段112により決定された変動パターンに従い、第2特別図柄表示部71(図6(a)参照)で、第2特別図柄の変動表示を行う。そして、第2特別図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、第2特別図柄表示部71において、決定された図柄で停止表示される。
ここで、本実施例においては、第1特別図柄と第2特別図柄の変動中の表示は、第1特別図柄ではLED表示灯M、Nが同時に点滅し、第2特別図柄ではLED表示灯W、Xが同時に点滅するようになっている。しかし、それに限らず、例えば、8つのLED表示灯G〜N(Q〜X)を予め定められたパターンで順次点灯させたり、G〜N(Q〜X)を全て同時に点滅させて、変動表示を行ってもよい。
また、普図制御手段138は、前述の普通図柄に係る変動開始条件が成立していれば、普図抽選手段113により決定された普通図柄の変動パターンに従い、普通図柄表示部59(図6(a)参照)で、普通図柄の変動表示を行う。さらに、そして、普通図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、普通図柄表示部59において、決定された図柄で停止表示される。
さらに、保留表示制御手段139は、前述の第1特別図柄、第2特別図柄、及び、普通図柄に係る保留数の表示を行う。そして、これらの保留数の表示は、図6(a)に示す主制御表示装置53の、第1特別図柄記憶表示部(LED表示灯O、P)、第2特別図柄記憶表示部(LED表示灯Y、Z)、及び、普通図柄記憶表示部(LED表示灯C、D)にて行われる。また、前述のその他表示制御手段140は、上述した第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄、及び、各種保留表示以外の、主制御表示装置53における表示を制御する。
<<特別遊技に関する機能>>
続いて、前述の特別遊技制御手段116について説明する。特別遊技制御手段116は、第1抽選において大当りに当せんした場合に、第1特別図柄が所定の大当り態様で停止されると、特別遊技作動条件が成立したと判定し、前述の第1大入賞口91を、前述のように大当りの種類に応じた所定の態様で開放させる特別遊技を実行する。また、特別遊技制御手段116は、第2抽選において大当りに当せんした場合に、第2特別図柄が所定の大当り態様で停止されると、特別遊技作動条件が成立したと判定し、前述の第2大入賞口92を、前述のように大当りの種類に応じた所定の態様で開放させる特別遊技を実行する。
<<特定遊技に関する機能>>
続いて、前述の特定遊技制御手段117について説明する。特定遊技制御手段117は、前述の確変や時短等に係る制御を行う。特定遊技制御手段117は、大当りの種類に応じて、その特別遊技の終了後の遊技状態を、確変状態や時短状態等へ移行させる。本実施例においては、確変状態は、全ての種類の大当りに付帯しており、特別遊技後の合計の変動表示回数が所定数(例えば100回)に達するまで継続される。確変状態の間は、第1抽選手段111や第2抽選手段112による大当りの当せん確率が、非確変時である通常時よりも高い値のまま維持される。
また、本実施例において時短状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示回数の合計が、特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数(例えば100回など)に達するまで継続される。さらに、時短中は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示時間が、通常状態よりも概ね短くなるよう、第1パターン決定手段124や第2パターン決定手段128が、時短用の変動パターンを選択する。
さらに、本実施例においては、前述のように、特定遊技として入球容易化遊技が実行され、この入球容易化遊技においては、第2始動入賞口63の開閉制御が実行される。第2始動入賞口63の開閉制御は、後述する開閉制御手段118により制御される。このため、特定遊技制御手段117は、特定遊技状態中には、開閉制御手段118に、第2始動入賞口63の所定の開閉制御を行わせる。なお、特定遊技中における確変、時短、及び、入球容易化遊技の具体的態様については後述する。
<<開閉制御に関する機能>>
続いて、前述の開閉制御手段118について説明する。開閉制御手段118は、第2始動入賞口63の普通電動役物や、第1大入賞口91、第2大入賞口92の開閉動作を制御する。開閉制御手段118は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第2始動入賞口63の普通電動役物を開放させる。さらに、開閉制御手段118は、特別遊技において、第1大入賞口ソレノイド80や第2大入賞口ソレノイド81に開放指示を送るための制御を行い、第1大入賞口91や第2大入賞口92を開放させる。
また、開閉制御手段118は、通常遊技中における第2始動入賞口63の開閉制御を実行する。さらに、開閉制御手段118は、特別遊技後の確変状態や時短状態においては、第2始動入賞口63の開閉制御を、後述するような特定遊技に係る開放パターンに基づき実行する。
<<事前情報通知に関する機能>>
続いて、前述の事前情報通知手段119について説明する。事前情報通知手段119は、第1始動入賞口62又は第2始動入賞口63に入球があった際、その入球に対応する図柄変動表示が保留されるか否かにかかわらず、取得された各種の乱数値に係る情報を、事前通知情報として、サブ基板(ここではサブメイン基板301)へ送信するための処理を行う。
上述の事前通知情報としては、例えば、第1遊技及び第2遊技のいずれに係る事前通知情報であるかの区別や、取得した前述の第1パターン抽選値や第2パターン抽選値を示す情報などを例示できる。また、これら以外の事前通知情報としては、取得した前述の各当否抽選値(第1当否抽選値又は第2当否抽選値)、各図柄抽選値(第1図柄抽選値又は第2図柄抽選値)、各パターン抽選値(第1パターン抽選値又は第2パターン抽選値)が、どのような当否範囲、図柄範囲、パターン範囲に属するものであるのか、といった情報を例示できる。
なお、このような事前通知情報の送信により、サブ基板104の側において、各種の先読み演出が可能となる。そして、先読み演出としては、保留予告や連続予告などを例示できるが、これらの詳細については後述する。
<<コマンド送信に関する機能>>
続いて、前述のメインコマンド送信手段120について説明する。メインコマンド送信手段120は、メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンドの送信を行う。メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンド送信は、例えば、始動入賞時、特別図柄の変動開始時、特別図柄の変動停止時、大当り発生時などの種々のタイミングで、種々の情報を含んで行われるが、このようなコマンドの送信タイミングや送信内容については後述する。
<サブ基板の基本機能>
次に、前述のサブ基板104における基本的な機能について説明する。本実施例においてサブ基板104は、サブメイン基板301及びサブサブ基板302により構成されており、前述した構成(図4参照)の働きにより、メイン基板102からのコマンド受信、演出パターン決定、演出表示制御、演出実行などの各種の機能を果たす。このため、サブ基板104については、メイン基板102と同様に、各種の機能を果たす機能的手段(後述する)を備えているものとして把握することが可能である。
図5中に示すように、サブメイン基板301は、メインコマンド受信手段141、演出パターン決定手段142、サブメインコマンド送信手段143等を有している。さらに、サブメイン基板301は、スピーカ出力等の制御を行うための音制御手段144や、遊技効果ランプ出力等の制御を行う光制御手段145などの機能的手段が備えられている。なお、本実施における「ランプ」の用語はLED等も含む意味を有している。
サブメイン基板301は、メイン基板102からの各種コマンドを、メインコマンド受信手段141により受信する。さらに、演出パターン決定手段142が、メイン基板102からの各種コマンドに基づき、前述の特図変動パターン(第1特図変動パターン又は第2特図変動パターン)に対応した演出パターンの決定を行う。ここで、特図変動パターンと演出パターンとの関係には、1つの特図変動パターンに対して複数の演出パターンが対応付けられている関係や、1つの変動パターンに対して1つのみの演出パターンが対応付けられている関係などがある。また、演出パターン決定手段142は、はずれの場合における演出図柄190の停止図柄の組合せを決定する。
演出パターン決定手段142により決定される演出パターンは、演出表示装置60に表示される表示演出や、必要に応じ表示演出と併せて行われる音演出及び光演出を指定する情報を含んでいる。上述の表示演出には、演出図柄190の表示パターンや、演出図柄190の変動表示中に大当りへの期待を煽ったり、大当りの期待度の高さを示唆したりする演出の表示パターンなどが含まれる。また、演出パターン決定手段142は、メイン基板102における大当り抽選の結果がはずれである場合における、演出図柄190の停止図柄の組合せの決定を行う。
演出パターン決定手段142により演出パターンが決定されると、決定された演出パターンを示す演出パターン情報が、サブメインコマンド送信手段143を介し、サブメインコマンドとして、サブサブ基板302へ送信される。また、サブメイン基板301からサブサブ基板302へ送信されるコマンドには、前述の音制御手段144により決定された音情報なども含まれる。
サブサブ基板302には、図5中に示すように、サブメインコマンド受信手段146や演出実行制御手段147などが備えられている。そして、サブサブ基板302においては、演出実行制御手段147により、サブメイン基板301からのサブメインコマンドに基づき、必要な画像データを液晶ユニット42(図4参照)に順次出力し、アニメーション画像を構成して、演出表示装置60において演出用の動画を表示する。また、演出実行制御手段147は、サブサブ基板302に設けられた前述の音制御回路537(図4参照)を作動させ、各種スピーカ21の出力調整等に係る制御を実行する。なお、具体的な各種の演出内容については後述する。
以上、メイン基板102、サブメイン基板301、サブサブ基板302に含まれる各機能的手段について説明したが、メイン基板102に含まれる各機能的手段に関して、いずれかがサブメイン基板301に含まれるようにすることも可能である。同様に、サブメイン基板301に含まれる各機能的手段に関して、いずれかがメイン基板102、或いは、サブサブ基板302に含まれるようにすることが可能である。さらに、サブサブ基板302の機能的手段を、サブメイン基板301に含まれるようにすることが可能である。
<メイン基板における各種抽選の具体的態様>
<<特別図柄に係る当否抽選>>
次に、メイン基板102において行われる、特別図柄に係る当否抽選(大当り抽選)の具体的態様について説明する。図8(a)は、本実施例で用いられる当否判定テーブルを示しており、この当否判定テーブルにおいては、特別図柄当り乱数(以下では「当否乱数」と称する)と、第1遊技に係る第1抽選の結果、及び、第2遊技に係る第2抽選の結果との対応関係が定められている。すなわち、図8(a)中の左端には当否乱数の範囲が示されており、図中の中央には第1抽選に係る抽選結果が示されている。さらに、図中の右端には第1抽選に係る抽選結果が示されている。
図8(a)中に示すように、当否乱数の範囲は、「0〜63238」、「63239〜63402」、「63403〜64878」、「64879〜65429」、「65430〜65534」、及び、「65535」に分けられている。さらに、第1抽選及び第2抽選の結果には、「はずれ」、「通常時確変時大当り」、「確変時大当り」、「小当り」がある。
このうち、「はずれ」は、確率状態が通常の場合であっても、前述の確変の場合であっても、常にはずれとなる抽選結果である。また、「通常時確変時大当り」は、確率状態が通常の場合であっても、前述の確変の場合であっても、常に当りとなる抽選結果である。さらに、「確変時大当り」は、通常時には当りとならないが、確変時に限って当りとなる抽選結果である。また、「小当り」は、当たりの種類が小当りとなる抽選結果である。
つまり、本実施例における当否乱数値範囲は「0〜65535」であり、当否乱数の個数は65536個となっている。そして、第1抽選及び第2抽選のいずれにおいても、「0〜63238」の乱数値範囲、及び、「65535」の乱数値には、「はずれ」の抽選結果が割当てられている。また、乱数値範囲「63239〜63402」には、「通常時確変時大当り」が割当てられており、乱数範囲「63403〜64878」には、「確変時大当り」が割当てられている。
さらに、乱数範囲「64879〜65429」には、第1抽選については「小当り」が割当てられており、第2抽選については「はずれ」が割当てられている。また、乱数範囲「65430〜65534」には、第1抽選及び第2抽選のいずれにおいても、「小当り」が割当てられている。
そして、前述のようにして取得された乱数値(以下「当否抽選値」と称する)が、「0〜63238」の範囲内にあった場合には、確率状態に関わらず、当否抽選の結果は「はずれ」となる。また、第2抽選における当否抽選値が「64879〜65429」の範囲内にあった場合、及び、第1抽選及び第2抽選における当否抽選値が「65535」であった場合にも、確率状態に関わらず、当否抽選の結果は「はずれ」となる。つまり、当否抽選値が、当否乱数値範囲の下限値である「0」や、上限値である「65535」であった場合には、抽選結果が「はずれ」となる。
また、確率状態が低確率である通常時には、第1抽選及び第2抽選のいずれにおいても、当否抽選値が「63239〜63402」の範囲に該当したときのみ当りとなる。これに対して確変時には、当りの範囲が拡大され、当否抽選値が「63239〜63402」の範囲に該当する場合だけでなく、「63403〜64878」の範囲に該当する場合にも大当りとなる。
このように、当否乱数の数値範囲に対して、抽選結果毎に連続する数値からなるグループが形成されている。そして、例えば第1抽選においては、図8(a)中に示すように、数値範囲「0〜63238」が第1はずれグループ、「63239〜63402」が第1大当りグループ、「63403〜64878」が第2大当りグループとなっている。また、数値範囲「64879〜65429」が第1小当りグループ、「65430〜65534」が第2小当りグループ、「65535」が第2はずれとなっている。ここで、「65535」を第2はずれグループと称することも可能である。
そして、例えば第1抽選においては、第1はずれに対応する乱数個数は63239個である。さらに、大当り1(第1大当りグループ)に対応する乱数個数は164個であり、大当り2(第2大当りグループ)に対応する乱数個数は1476個である。また、小当り1(第1小当りグループ)に対応する乱数個数は551個であり、小当り2(第2小当りグループ)に対応する乱数個数は105個であり、第2はずれに対応する乱数個数は1個である。そして、第1遊技における通常確率時の大当り確率は164/65536であり、高確率時の大当り確率は1640(=1476+164)/65536である。
また、上述のように、当否乱数は「0〜65535」の範囲の値をとり得るものであり、本実施例では、当否乱数は「0〜65535」の数値範囲のハードウェア乱数と、「0〜65520」の数値範囲の特別図柄当りソフト乱数(ソフトウェア乱数)との合算により得られている。内蔵乱数は、内蔵乱数テーブルから抽出された値である。内蔵乱数テーブルにおいては、所定範囲の数値(例えば「0〜65535」)が任意の順序で配列されており、CPU501に入力されるクロックを用いハードウェア(カウンタ回路)によりカウント値が1ずつ加算される毎に、内蔵乱数テーブル中に任意に配列された数値が、数値の大小関係と直接には関係なく、配列された順序に従って取得対象となる。そして、取得された内蔵乱数テーブル中の数値が、抽出されてソフト乱数との演算に用いられる。このような内蔵乱数は、ハードウェア的な構成を含む乱数生成装置による乱数であるともいえる。
一方、ソフトウェア乱数は、プログラミングされたカウンタにより割込み毎にカウント値を1ずつ加算して、昇順或いは降順に配列された数値を取得対象とするソフトウェア的な構成の乱数生成装置による乱数であるといえる。そして、本実施例では、特別図柄当りソフト乱数の乱数個数は、素数である「65521」となっており、加算元である内蔵乱数に対して加算されるソフトウェア乱数のほうが、内蔵乱数よりも、乱数値範囲(乱数の大きさ)が小さく設定されている。ここで、当否乱数の生成にあたっては、内蔵乱数とソフトウェア乱数とを単純に合算することに限らず、例えば積算する、或いは、所定数の加減乗除のうちの何れかをしたうえで互いに合算する等、他の演算により行ってもよい。
なお、本実施例では、当否乱数を、ハードウェア乱数とソフトウェア乱数との組み合わせにより作成しているが、これに限定されず、何れか一方のみで当否乱数を作成することも可能である。
<<特別図柄に係る図柄抽選>>
次に、メイン基板102において行われる特別図柄に係る図柄抽選(特別図柄抽選)の具体的態様について説明する。図9(a)〜(c)は、各種の図柄判定テーブルを示しており、本実施例において、各図柄判定テーブルは、前述の当否抽選において大当りや小当りが発生した場合に用いられるようになっている。
これらのうち、図9(a)は第1抽選用の大当り図柄判定テーブル(第1大当り図柄判定テーブル)であり、図9(b)は第2抽選用の大当り図柄判定テーブル(第2大当り図柄判定テーブル)である。また、図9(c)は、第1抽選又は第2抽選における当否判定結果が小当りであった場合に参照される小当り用の図柄判定テーブル(小当り図柄判定テーブル)である。なお、本実施例では、図6(a)に示す前述の第1特別図柄表示部70や第2特別図柄表示部71を用いて、多くの種類(例えば50通りずつ程度)の特別図柄の表示が行われるが、以下では説明や図示が煩雑にならないよう、特別図柄の種類が「0」〜「8」の9種類のみであるものとして説明を行う。
図9(a)中の左端に示すように、第1抽選においては、図柄抽選に係る図柄乱数値範囲は「0〜999」であり、図柄乱数の個数は1000個となっている。さらに、図柄乱数値範囲は、「0〜124」、「125〜499」、「500〜714」、「715〜734」、「735〜799」、「800〜999」の各グループに分けられており、それぞれの図柄乱数値範囲には、図中に示すように、「7」、「5」、「3」、「1」、「0」、「2」の特別図柄が割当てられている。また、各特別図柄には、大当りの種類の割当てが行われており、本実施例においては、特別図柄「7」、「5」に前述の16R確変が割当てられ、他の特別図柄には前述の4R確変が割当てられている。
また、図9(b)に示すように、第2抽選においては、図柄抽選に係る図柄乱数値範囲は、第1抽選と同じく「0〜999」であり、図柄乱数の個数は1000個となっている。さらに、図柄乱数値範囲は、「0〜499」、「500〜699」、「670〜799」、「800〜999」の各グループに分けられており、それぞれの図柄乱数値範囲には、図中に示すように、「7」、「3」、「0」、「2」の特別図柄が割当てられている。また、本実施例においては、特別図柄「7」に前述の16R確変が割当てられ、他の特別図柄には前述の4R確変が割当てられている。
また、本実施例では当否抽選の結果が大当りである場合、前述の図柄乱数の数値範囲における上限値である「999」には、16R大当り以外の大当りとなる特別図柄(非16R大当り図柄)が割当てられている。なお、これに限らず、下限値である「0」に非16R大当り図柄の抽選結果を割当ててもよく、更に上限値及び下限値の双方に非16R大当り図柄の抽選結果を割当ててもよい。
本実施例において、特別図柄に係る図柄抽選は、ソフトウェア乱数により行われており、ソフトウェア乱数とハードウェア乱数の双方を用いる当否抽選に比べて、乱数の生成過程が簡略化されている。これは、当否抽選が不正行為の対象となり易いのに対し、図柄抽選は、当否抽選に比べれば不正行為の対象となり難いため、図柄抽選については、ハードウェア乱数を生成するのに必要な水晶発振器等の部品を用いずに済む構成としたためである。なお、これに限定されず、図柄乱数を、ハードウェア乱数のみで作成することや、ハードウェア乱数とソフトウェア乱数との組み合わせにより作成することなどが可能である。
<<特別図柄に係る変動パターン抽選>>
次に、メイン基板102において行われる変動パターンに係る抽選(変動パターン抽選)の具体的態様について説明する。図10(a)〜(c)は、変動パターンテーブルを示しており、これらのうち、図10(a)は、前述の当否結果が「はずれ」であった場合に用いられる、はずれ用の変動パターンテーブルを示している。さらに、図10(b)は、前述の当否結果が「16R大当り」であった場合に用いられる16R大当り用の変動パターンテーブルを示しており、図10(c)は、前述の当否結果が「4大当り」や「小当り」であった場合に用いられる非16R大当り用の変動パターンテーブルを示している。
図10(a)〜(c)に示す各変動パターンテーブルにおいては、変動パターン抽選に係る変動パターン乱数値範囲は「0〜49999」であり、図柄乱数の個数は50000個となっている。さらに、図10(a)に示す「はずれ」用の変動パターンテーブルにおいては、変動パターン乱数値範囲は、「0〜2599」、「2600〜4999」、「5000〜49999」の各グループに分けられており、「0〜2599」及び「2600〜4999」の変動パターン乱数値範囲には、それぞれ「スーパー1」、「スーパー2」の変動パターンが割当てられている。さらに、「5000〜49999」の変動パターン乱数値範囲には、「ノーマル1」、「ノーマル2」、或いは、「リーチなし」などといった変動パターンが割当てられている。
ここで、本実施例においては、各変動パターンは、大きくは、前述したリーチの表示を行う演出(以下「リーチ演出」と称する)を伴う「リーチなし」と、「リーチなし」以外である「リーチあり」とに分けることができる。これらのうち「リーチなし」は、後述する各種の演出パターンのうち、リーチとならない内容の演出パターンを指定するものである。また、「リーチなし」や、それ以外の「リーチあり」の変動パターンには、更に細分化された多数(例えば数十程度)の変動パターンが含まれるが、ここでは説明や図示略が煩雑にならないよう、包括的に変動パターンをグループ化している。
つまり、上述の「リーチ」は、大当りとなる場合には、特殊な演出パターンが含まれる場合を除き、必ず、演出図柄190(図7(a)、(b)参照)の組合せ態様として表示されるものである。また、大当りとならない場合であっても、「リーチ」の表示態様を経て、はずれ(リーチはずれ)となる場合もある。このため、遊技者は、「リーチ」となった場合には、その後に大当りに至る演出が展開されることを期待できる。これに対して、「リーチなし」の変動パターンが選択された場合は、特殊な演出パターンが含まれる場合を除き「リーチ」とならず、遊技者に対して、「リーチ」により大当りの期待を煽るということは行われない。
また、「リーチなし」の各種の変動パターンに係る変動時間は、「リーチあり」の変動パターンに比べて、相対的に短くなっている。しかし、このような変動時間の関係はあくまでも傾向を表すものであり、「リーチなし」に含まれる一部の変動パターンが、「リーチあり」に含まれる一部の変動パターンに比べて、変動時間が長いといった関係を設定することも可能である。
上述の「リーチあり」の変動パターンには、図10(a)〜(c)に示すように、所謂ノーマルリーチとなる「ノーマル1」、「ノーマル2」、「ノーマル3」の各変動パターンと、所謂スーパーリーチとなる「スーパー1」、「スーパー2」、「スーパー3」の各変動パターンとに分けることができる。これらのうち、「ノーマル1」、「ノーマル2」、「ノーマル3」の各変動パターンは、遊技者に対し大当りの期待に係る煽り(以下では単に「煽り」と称する場合がある)の程度が、スーパーリーチに比べて、相対的に低いリーチあり演出を指定するものである。また、上述の「スーパー1」、「スーパー2」、「スーパー3」の各変動パターンは、遊技者に対する煽りの程度が、ノーマルリーチに比べて、相対的に高いリーチあり演出を指定するものである。
なお、これらの「ノーマル1」から「ノーマル3」、及び、「スーパー1」から「スーパー3」の各変動パターンについても、更に細分化された多数(例えば50程度)の変動パターンが含まれるが、ここでは説明や図示略が煩雑にならないよう、変動パターンを包括的にグループ化している。また、「リーチあり」の変動パターンである「ノーマル1」から「ノーマル3」、及び、「スーパー1」から「スーパー3」は、更にはずれ時用のものと大当り時用のものとに分けることができるが、図10(a)〜(c)に示すように、ここでは共通の名称を用いている。
図10(a)に示すように、「はずれ」用の変動パターンテーブルには「スーパー1」、「スーパー2」、「ノーマル1」、「ノーマル2」、或いは、「リーチなし」の各変動パターンが割当てられている。このため、当否抽選の結果が「はずれ」の場合には、取得した変動パターン乱数値に応じて、これらの各変動パターンのうちの何れかが選択される。変動パターンの抽選においては、その時の保留数や遊技状態(時短中か否かなど)といった遊技状況に応じて、異なる変動パターンが選択される。そして、これらの遊技状況に応じた変動パターンの決定の詳細については後述する。
続いて、図10(b)に示す16R大当りについては、パターン抽選値「0〜23519」のグループには「スーパー1」が対応付けられ、パターン抽選値「23520〜47039」のグループには「スーパー2」が対応付けられている。さらに、パターン抽選値「47040〜48999」のグループには「ノーマル1」が対応付けられ、パターン抽選値「49000〜49999」のグループには「ノーマル2」のリーチが対応付けられている。このように、本実施例では、当否判定結果が16R大当りの場合については、全て「リーチあり」の変動パターンが選択される。
また、図10(c)に示す「4R大当り」及び「小当り」については、パターン抽選値「0〜23999」のグループには「スーパー3」が対応付けられ、パターン抽選値「24000〜49999」のグループには「ノーマル3」が対応付けられている。
続いて、遊技状況(特に保留数)に応じた変動パターンの選択について、図8(b)に基づき説明する。なお、ここでは、当否抽選の結果が「はずれ」の場合(図10(a)参照)について、遊技状況に応じた変動パターン抽選を説明する。また、遊技状況を示す指標としては、ここでは保留数を例示する。
図8(b)は、「はずれ」用の変動パターンテーブルを、図10(a)に比べて、より細分化して示すものである。図8(b)中においては、左端部の表側に変動パターン抽選値が示されており、最上段の表頭に保留数が示されている。保留数には、保留数0から保留数4までがあり、各保留数の欄の下方には、変動パターン抽選値の「0〜2599」、「2600〜4999」、「5000〜49999」の各グループに対して、割当てられた変動パターンが記載されている。ここで、図8(b)中では、保留数0から保留数4を、それぞれ「保留0」から「保留4」と記載している。
本実施例では、保留数0から保留数4の全てにおいて、変動パターン抽選値「0〜2599」に「スーパー1」の変動パターンが割当てられ、変動パターン抽選値「2600〜4999」に「スーパー2」の変動パターンが割当てられているものとする。また、変動パターン抽選値「5000〜49999」には、「ノーマル1」、「ノーマル2」、及び、「リーチなし」の変動パターンが割当てられているが、これらの変動パターンの割当ては、保留数毎に異なっている。
図8(b)中においては、「ノーマル1」、「ノーマル2」、及び、「リーチなし」の各記載欄の高さについての相対的な関係は、変動パターン抽選値「5000〜49999」内における割当て比率の相違を表している。つまり、保留数0及び保留数1(図中では「保留0、1」と記載している)については、「ノーマル1」、「ノーマル2」、及び、「リーチなし」の各記載欄の高さは、ほぼ同等であり、変動パターン抽選値「5000〜49999」内における、これらの変動パターンの割当て比率も、ほぼ同等(1/3程度)である。
これに対して、保留数2については、「ノーマル1」の変動パターンの割当て比率は、保留数0及び保留数1の場合よりも少なくなっており、「ノーマル2」の変動パターンの割当て比率は、「ノーマル1」と同程度となっている。そして、「リーチなし」の変動パターンの割当て比率は、保留数0及び保留数1の場合よりも多くなっており、この結果、保留数2の場合は、保留数0及び保留数1の場合に比べて、「リーチなし」が選択され易く、「ノーマル1」及び「リーチ2」が選択され難くなっている。
また、保留数3については、「ノーマル1」の変動パターンの割当て比率は、保留数2の場合よりも更に少なくなっており、「ノーマル2」の変動パターンの割当て比率は、「ノーマル1」と同程度となっている。そして、「リーチなし」の変動パターンの割当て比率は、保留数2の場合よりも更に多くなっており、この結果、保留数3の場合は、保留数2の場合に比べて、「リーチなし」が選択され易く、「ノーマル1」及び「リーチ2」が選択され難くなっている。
さらに、保留数4については、「ノーマル1」の変動パターンの割当て比率は、保留数3の場合よりも更に少なくなっており、「ノーマル2」の変動パターンの割当て比率は、「ノーマル1」と同程度となっている。そして、「リーチなし」の変動パターンの割当て比率は、保留数3の場合よりも更に多くなっており、この結果、保留数4の場合は、保留数3の場合に比べて、「リーチなし」が選択され易く、「ノーマル1」及び「リーチ2」が選択され難くなっている。
つまり、本実施例では、保留数が増えるにしたがって、「リーチなし」が選択され易く、「ノーマル1」及び「リーチ2」が選択され難い、といった傾向が生じるようになっている。また、前述したように、本実施例では、「リーチなし」の変動パターンに係る変動時間は、「リーチあり」の変動パターンに比べて、相対的に短いため、保留数が増えるにしたがって、変動時間が短い、といった傾向も生じるようになっている。
なお、本実施例では、保留数0及び保留数1に同じ変動パターン抽選値を割り当てているが、これに限定されず、保留数0と比べて、保留数1の場合には「リーチなし」が選択され易く、「ノーマル1」及び「リーチ2」が選択され難い、といった割り当てを行うことも可能である。
また、図8(b)には、遊技状況に係る属性として保留数を挙げているが、保留数のみに限定されず、例えば、時短中であるか否か、大当り抽選の確率状態が高確率であるか否か、第1遊技及び第2遊技の何れであるか、当否抽選の結果が大当りであるか否か、当せんした大当りの種類が何れのものであるか、といった各種の属性に基づいて行うことが可能である。例えば、時短には、大当りでない場合には90%以上の確率で「リーチなし」が選択され、大当りの場合には98%以上の確率で「リーチあり」の変動パターンである「ノーマル1」及び「リーチ2」のいずれか選択される、といった傾向が生じるように、変動パターンテーブルを設定することが可能である。
また、本実施例では、特別図柄に係る変動パターン抽選は、前述の図柄抽選と同様に、ソフトウェア乱数により行われており、ソフトウェア乱数とハードウェア乱数の双方を用いる当否抽選に比べて、乱数の生成過程が簡略化されている。なお、これに限定されず、特別図柄の変動パターン抽選に係る乱数を、ハードウェア乱数のみで作成することや、ハードウェア乱数とソフトウェア乱数との組み合わせにより作成することなどが可能である。
<<普通図柄に係る各種抽選>>
次に、前述の普通図柄に係る各種の抽選について具体的態様を説明する。先ず、普通図柄に係る抽選には、普図図柄抽選、普図変動パターン抽選があり、これらの各種の抽選においては、対応した乱数である普図図柄乱数、普図変動パターン乱数が用いられる。そして、それぞれの乱数範囲は、図示は省略するが、普図図柄乱数が0〜262、普図変動パターン乱数が0〜232となっている。なお、前述のように、普通図柄に係る当否抽選を行う場合には普図当否乱数を設け、この普図当否乱数の範囲を、例えば0〜282などの所定の数値範囲とすることが可能である。
上述の普図図柄抽選により決定される普通図柄については、前述のショート開放やロング開放に紐付けられたものが含まれる。そして、取得された普図図柄乱数の値がショート開放に該当するものであれば、ショート開放に対応した普通図柄が停止表示された後に、前述の第2始動入賞口63が相対的に短時間の開放状態となる。さらに、普図当否判定で当りに該当する乱数値が取得された場合に、取得された普図図柄乱数の値がロング開放に該当するものであれば、ロング開放に対応した普通図柄が停止表示された後に、前述の第2始動入賞口63が相対的にロング時間の開放状態となる。
つまり、ロング開放は、前述のように特定遊技時に実行されるが、特定遊技時以外にも実行される場合がある。このような特定遊技時以外に行われるショート開放及びロング開放を、それぞれ、「通常遊技時ショート開放」、「通常時ショート開放」、「通常遊技時ロング開放」、「通常時ロング開放」等と称することが可能である。なお、普通図柄に係る当り図柄としては、ショート開放やロング開放に対応付けられたもののみに限らず、他の開放態様に対応付けられたものを設けてもよい。この「他の開放態様」としては、例えば、ショート開放及びロング開放の間に属する開放時間に設定されたミドル開放などを例示できる。
さらに、前述の普図変動パターン乱数により決定される普図変動パターンについては、変動パターンによって、普通図柄の変動時間が規定される。そして、普通図柄の変動時間に関しては、当否、図柄、及び、遊技状態(保留数を含む)などの要因に応じて異なる傾向が生じるようになっている。
例えば、前述の特定遊技ではない遊技状態(非特定遊技状態)については、本実施例では、普図変動パターンは5つ設けられている。より具体的には、非特定遊技中の5つの普図変動パターンにより規定される変動時間は、6秒、7秒、8秒、9秒、10秒の5種類となっている。これに対して、特定遊技中の普図変動パターンは、本実施例では1つとなっており、更にその変動時間は、非特定遊技中よりも短い時間(例えば2秒程度)となっている。
なお、特定遊技中に選択され得る普通図柄の変動パターンを、例えば変動時間が異なる複数種類としてもよい。このようにすることで、当せん時の変動時間終了後に行われる第2始動入賞口63の開放タイミングが、遊技者にとって判り難いものとなり、タイミングを計って遊技球を発射する、所謂止め打ちを防止することが可能となる。
<特定遊技に係る具体的態様>
次に、前述した特定遊技の具体的態様について説明する。本実施例においては、前述のように特定遊技として、確変、時短、及び、入球容易化遊技が設けられている。そして、本実施例では、これらの各種遊技のうちの少なくともいずれか1つが、大当り抽選の結果に応じた態様で実行される。なお、これらの確変等を発生させる機能を、「特典機能」と称することも可能である。
<<確率変動遊技>>
上述の確変は、大当り抽選の結果が所定のものであった場合に、その後の遊技の確率状態を、通常の確率状態と比べて大当りの発生確率が高くなるように変更するものである。なお、この確変における大当り抽選の具体的な態様については後述する。さらに、本実施例においては、確変状態の継続期間(確変期間)は、特別図柄の変動回数に基づき決定されている。
特別図柄の変動回数は、特別図柄の変動表示から停止表示までが1回として定まるものである。そして、本実施例において確変状態は、特別遊技終了後の第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の変動回数が所定回数(例えば100回)に達するまで継続される。このように次回の大当りが発生する前に確変期間が終了し得るようにした機能は、例えばST機能などと称することが可能である。また、このような確変のことをSTと称することも可能である。
<<変動時間短縮遊技>>
上述の時短は、前述の主制御表示装置53における特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)の変動時間を、通常遊技の場合と比べて、概ね短縮するものである。ここで、「概ね短縮する」とは、全ての場合に通常遊技よりも短縮するとは限らず、一部には、特別図柄の変動時間が通常遊技と同等な場合や、通常遊技よりも長い場合を含み得る、という意味である。そして、この時短によれば、特別図柄の変動時間が短くなることから、連続して始動入賞口(第1始動入賞口62及び第2始動入賞口63)への入賞が発生しても、特別図柄の変動表示及び停止表示を短い間隔で円滑に進めることができ、大当り抽選の機会を多く確保することが可能となる。
さらに、本実施例においては、時短状態の継続期間(時短期間)は、確変状態と同様に、特別図柄の変動回数に基づき決定されている。そして、本実施例において時短状態は、特別遊技終了後の第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の変動回数が所定回数(例えば100回)に達するまで継続される。
なお、本実施例では、確変期間と時短期間を同じ期間に設定しているが、確変期間と時短期間を互いに異なる期間としてもよい。例えば、確変期間を104回とし、時短期間を100回とすることなどが可能である。また、確変期間や時短期間は、いずれも一定であることに限定されない。例えば、確変期間を、発生した大当りの種類に応じて4回、25回、100回などのいずれかとすることなどが可能である。また、時短期間を、発生した大当りの種類に応じて、25回、50回、75回、100回などのいずれかとすることなどが可能である。
また、所謂転落抽選の機能を備えることが可能である。この転落抽選としては、以下のようなものを例示できる。例えば、確変や時短が、上述の最大変動回数(ここでは100回)よりも少ない所定の回数(例えば50回)に達した後には、最大変動回数に達するまで毎回の特別図柄の変動毎に、確変や時短を終了させるか否かの抽選(特定遊技終了抽選)が実行される。そして、この特定遊技終了抽選に当せんした場合には、確変及び時短を終了させ、次回の変動からの遊技状態が、確変や時短が伴わない通常状態に戻る。
さらに、確変と時短の両方を実行することに限らず、特定遊技において、いずれか一方のみを実行することも可能である。例えば、当せんした大当りの種類によっては、時短のみが付与され、確変は付与されないようにすることや、時短が付与されず、確変のみが付与されるようにすることなどが可能である。
<<入球容易化遊技>>
続いて、前述の入球容易化遊技について説明する。この入球容易化遊技は、第2始動入賞口63の開放態様が、通常よりも遊技球を受け入れ易くなり得るようにする遊技状態である。すなわち、前述のように本実施例では、第2始動入賞口63は、開閉羽根を備えており、普通図柄が当りの態様で停止表示された場合に、所定時間の開放動作を行う。そして、入球容易化遊技が実行された場合には、普通図柄に係る時短、普通図柄に係る確率変動、普通電動役物に係る開放延長などの制御態様や、これらの制御態様の組合せにより、第2始動入賞口63への入球容易性が高められ、入球容易状態が形成される。
普通図柄における上述の各種の制御態様のうち、普通図柄に係る時短は、普通図柄の変動時間が通常状態よりも短縮される制御態様であり、普通図柄に係る確率変動は、普通図柄の当せん確率を通常状態よりも向上させる制御態様(普通図柄に係る確変)である。さらに、普通電動役物に係る開放延長は、第2始動入賞口63の開放時間を、通常時(非特定遊技時)のショート開放よりも長くしてロング開放を行う制御態様である。
上述のように、本実施例における特定遊技中の入球容易化遊技は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、普通電動役物の開放延長という3つの機能を用いて第2始動入賞口63への入球容易性を高める。しかし、これに限定されず、これら3つの機能のうち、1つ又は2つの機能を用いて第2始動入賞口63への入球容易性を高める構成としてもよい。また、3つの機能のうち少なくともいずれかを、実施する期間と実施しない期間との切り替えを、遊技状態に応じて行う構成としてもよい。
このような入球容易化遊技の継続期間は、特別図柄に係る時短期間に基づいて決定することが可能である。例えば、特別図柄に係る時短中は入球容易化遊技を継続し、特別図柄に係る時短が終了すると入球容易化遊技が終了する、といった制御態様の採用が可能である。そして、このようにした場合は、特別図柄の時短が終了した以降に図柄変動が開始される普通図柄の変動パターン(普図変動パターン)は、通常時(非特定遊技時)のために設けられた変動パターンの中から決定されるようにすることが可能である。
さらに、このような特定遊技時の入球容易状態における普通電動役物の開放パターン(特定遊技時の開放態様)は、「特定遊技時ロング開放」、又は、「時短時ロング開放」などと称することが可能である。そして、この特定遊技時ロング開放の具体的態様としては、開放の開始から終了までの開放期間を、例えば5秒程度の1回の開放により構成した連続開放態様を例示できる。
また、これ以外の態様としては、開放の開始から終了までの開放期間を複数回の開放により構成した断続開放態様などがある。そして、この断続開放態様としては、例えば、2.32秒、1.60秒、1.60秒の各開放時間の間に、一旦閉鎖状態となるインターバル時間を介在させて、合計で例えば5.52(=2.32+1.60+1.60)秒の開放時間を確保したものなどを例示できる。また、本実施例では、この他にも、2.96秒、1.14秒、1.56秒の各開放時間の組合せによる開放パターンや、1.14秒、1.60秒、1.60秒、1.14秒の開放の各開放時間の組合せによる開放パターンなども設けられている。
なお、上述の連続開放態様及び断続開放態様の何れを実行するかを抽選により選択することや、各種の断続開放態様の何れを実行するかを抽選することなども可能である。さらに、断続開放態様について、各開放時間の一部又は全てが、例えば0.5秒といった極めて短い開放時間により構成されていてもよい。
より具体的には、例えば0.5秒の開放を、一旦閉鎖状態となるインターバル時間を介在させて3回繰り返し、合計で1.5秒の開放時間を確保するようなことが可能である。そして、このような第2始動入賞口63への入球を阻むような極めて短時間の開放は、「特定遊技時ショート開放」又は「時短時ショート開放」等と称することが可能である。また、上述した合計で1.5秒の開放を確保した開放態様のような、特定遊技時ショート開放の組合せによる断続開放態様を、例えば「ショート開放の組合せによる断続開放態様」などと称することが可能である。
<ぱちんこ遊技機における主な演出>
<<演出図柄の基本的表示態様>>
次に、メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンドに基づき、サブメイン基板301及びサブサブ基板302によって実行される各種の演出について、主要なものを説明する。そして、ここでは先ず、前述の演出図柄190(図7(a)、(b)参照)の基本的な表示態様について説明する。
演出図柄190は、主制御表示装置53において第1特別図柄又は第2特別図柄が変動表示されることに伴って、演出表示装置60上において変動表示される(図7(a)参照)。さらに、演出図柄190は、主制御表示装置53において第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示されることに伴って、演出表示装置60上において停止表示(図7(b)参照)される。つまり、演出図柄190は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターンにより規定された変動時間に応じて変動表示され、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動時間が終了すると、演出図柄190の変動表示が終了する、といった一連の動作を基本の表示態様としている。
演出図柄190の停止に伴い表示される停止図柄は、左演出図柄190a、中演出図柄190b、右演出図柄190cの3つの図柄の組合せにより構成される。そして、メイン基板102における大当り抽選の結果が大当りとなった場合には、例えば「777」や「555」のように、3つの図柄が揃ったぞろ目の組合せが、大当りを表す停止図柄として表示される。また、大当り抽選の結果がはずれであった場合には、例えば「767」、「928」、「331」などのように、1部又は全ての演出図柄が他の演出図柄と異なる組合せで、演出図柄190が停止表示される。なお、図7(b)においては、演出図柄190の組合せが「331」のはずれの組合せであった状況を例示している。
ここで、本実施例における「停止図柄」や「図柄の停止」は、3つの演出図柄190が「確定停止」していることを意味している。すなわち、3つの演出図柄190a〜190cが、演出表示装置60の表示領域194において、例えば「767」や「928」などの組合せを保った状態で表示されていたとしても、それだけでは「確定停止」したことには該当しない。そして、このように演出図柄190が、組合せを保ちつつ「確定停止」に至っていない状態を、「仮停止」の状態と称することが可能である。
このような「仮停止」の表示態様としては、例えば、演出図柄190が小刻みに振動している(揺れている)状態を例示できる。そして、演出図柄190が組合せを維持したまま小刻みに揺れているような仮停止の態様を、「揺れ変動」の態様などと称することが可能である。この「仮停止」における演出図柄190の揺れの態様としては、縦又は横の直線移動や水平方向の回転移動などを例示でき、移動範囲としては数ミリ程度を例示できる。
また、上述の「確定停止」の表示態様としては、仮停止の状態を経て、全ての演出図柄190a〜190cが組合せを保ったまま停止した状態を例示できる。さらに、この「確定停止」の際に、確定停止されたことを示す演出を行うことが可能である。そして、確定表示されたことを示す演出としては、確定停止の状態を所定時間(例えば1秒程度)維持することや、確定停止された演出図柄190画表示された表示領域194を一旦黒色化(所謂ブラックアウト)した後、再度確定停止した演出図柄190を登場させる、といったことを例示できる。また、上述のブラックアウトの演出を所定の場合(例えばスーパーリーチ3が実行された場合)に限り行う、といったことも考えらえる。
また、前述の「リーチ」の表示態様において、リーチの組合せを保った演出図柄が、前述の「仮停止」の態様で表示される場合がある。そして、この「仮停止」によるリーチ表示の後に、変動表示されていた図柄(ここでは中演出図柄190b)が、はずれの組合せ(はずれリーチの組合せ)を構成して「仮停止」し、組合せを保ったまま「確定停止」が行われて変動表示が終了する、といった演出を例示することができる。また、3つの演出図柄190a〜190cが、はずれリーチの組合せによる「仮停止」を行っている状態から、中演出図柄190bが変動を再開してリーチ演出が高信頼度のもの(大当りに係る信頼度が相対的に高いもの)に発展する、といった演出も例示できる。
なお、演出図柄190のスクロール表示の態様としては、上述の縦スクロールに限定されるものではなく、種々の表示態様を採用することが可能である。そして、他の表示態様としては、例えば、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、個々に、鉛直軸まわりに回転(自転)させて、変動表示を行う態様を例示できる。また、例えば、左演出図柄190aから右演出図柄190cが、表示領域194中で、後方から前方、即ち画面の奥から手前に向って、直線軌道或いは曲線軌道に沿って、拡大されながら順次繰り出される、といった表示態様も例示できる。さらに、後方から前方へ向う演出図柄が、上方から下方手前へ降りてくる、といったスクロール表示の態様を採用することも可能である。
また、図示は省略するが、左演出図柄190aから右演出図柄190cの配置を縦方向に変更し、演出図柄190を、上演出図柄、中演出図柄、下演出図柄により構成されるものとしてもよい。そして、この場合には、これらの演出図柄の要素図柄を、横方向(例えば左から右方向)へ移動(横スクロール)させる表示態様なども例示できる。
さらに、以上説明したような各種のスクロール表示態様を、1つの機種のぱちんこ遊技機10に複数備え、各種のスクロール表示態様を、演出パターンや演出モードの相違によって使い分けるようにしてもよい。
また、図7(a)、(b)においては、演出図柄190の組合せが、表示領域194の上下方向の中段でのみ停止表示される表示態様が例示されており、有効ラインは、横方向の1ラインのみとなっている。しかし、これに限定されるものではなく、例えば、有効ラインの数を5ラインとすることなども可能である。そして、本実施例のように縦スクロールを行う変動表示態様において、5ラインの表示態様を採用した場合には、5ラインは、上ライン、中ライン、下ライン、右上り斜めライン、左上り斜めラインにより構成される。
また、前述のように横方向のスクロールを行う変動表示態様(横スクロール)において、5ラインの表示態様を採用した場合には、5ラインは、左ライン、中ライン、右ライン、右上がり斜めライン、左上がり斜めラインにより構成することが可能である。
さらに、図7(b)においては、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、所定の字体の数字のみにより簡略化して示しているが、左演出図柄190aから右演出図柄190cは、数字などの所定の記号を意味する部分(前述の記号要素演出図柄である要素図柄)と、所定の記号以外を表す絵柄からなる部分(非記号要素演出図柄である要素図柄)との組合せにより構成することが可能である。そして、所定の記号以外を表す絵柄からなる部分としては、各種のデザイン画や人物画、及び、これらの組合せ等を例示でき、さらに、記号に組合される各種のデザイン画や人物画を、動画とすることも可能である。
また、左演出図柄190aから右演出図柄190cに、複数組の要素図柄を備え、状況に応じて使い分けることが可能である。この場合は、例えば、左演出図柄190a、中演出図柄190b、右演出図柄190cのそれぞれが、数字の「1」〜「9」の意味を表す要素図柄を複数組備え、演出モード等の相違により、或る特定の演出モードの実行中には、これに対応する「1」〜「9」の要素図柄を用い、他の特定の演出モードの実行中には、これに対応する「1」〜「9」の要素図柄を用いる、といったことが可能である。
なお、上述の演出モードの相違は、例えば、演出表示装置60に表示される演出上の場面や状況などの相違により区別することが可能である。さらに、演出上の場面や状況などの相違は、例えば、演出表示装置60に表示される背景、場面、登場人物、登場人物の行動、カットインの態様、などといった演出内容の相違により区別することが可能である。
さらに、演出図柄190の表示態様としては、上述した各種の表示態様に限られず、更に種々の表示態様を採用することが可能である。例えば、演出図柄190の変動開始から停止表示までの間の所定期間に、演出図柄190の画像の透明度をそれ以前よりも高め、視認できないようにすることも可能である。
また、このように演出図柄190を視認できないようにした場合には、図示は省略するが、演出図柄190を視認できない程度に透明化し、演出図柄190に代わって、第1特別図柄又は第2特別図柄の状況を示す図柄(代行図柄)を表示することも可能である。そして、この代行図柄としては、数字等の記号のみを、演出図柄190の記号要素演出図柄に比べて小さいサイズで、表示領域194の隅部で変動表示及び停止表示させるものを例示できる。さらに、状況に応じて、代行図柄と演出図柄190の両方が同時に視表示される場合があってもよい。
<<演出パターンの例示>>
続いて、前述の演出パターンについて説明する。演出パターンは、メイン基板102で決定される変動パターンに紐付けられた状態で多数設けられている。さらに、演出パターンには、演出図柄190を含む演出の態様が規定されている。より具体的には、演出パターンには、選択された演出図柄190に対する変動開始から変動停止までの変動過程や、演出図柄190と組合せて表示される背景及びストーリー展開などといった演出過程が定義されている。そして、演出パターンには、前述の「リーチあり」や「リーチなし」に対応したものがある。
これらのうち、「リーチあり」の演出パターンが実行される場合は、あと1つの演出図柄(ここでは中演出図柄190b)が揃えば大当りとなるリーチ演出が、演出表示装置60において行われる。そして、特別図柄に係る当否抽選の結果が大当りである場合には、大当りの種類に応じた「777」や「333」などのぞろ目の表示が、確定停止した演出図柄190によって行われる。また、特別図柄に係る当否抽選の結果がはずれである場合には、例えば「767」や「515」などのはずれを示す組合せが、確定停止した演出図柄190によって行われる。
さらに、「リーチなし」の演出パターンが実行される場合は、例えば「928」や「331」などのように、左演出図柄190aと右演出図柄190cがリーチの組合せとならないリーチなしの組合せが、確定停止した演出図柄190によって行われる。
これらの演出パターンには、長短様々な変動時間をもつものがあり、特に、「リーチあり」の変動パターンには、変動時間が数分に及ぶようなものも含まれている。なお、本実施例では、前述した特別図柄に係る変動パターン(図10(a)〜(c)参照)における、「リーチなし」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」に対応した、リーチなしの演出パターン、ノーマルリーチの演出パターン、スーパーリーチの演出パターンが設けられている。そして、これらの演出パターンには、例えば、1つの変動パターンに対して複数の演出パターンが紐付けられており、演出パターン数は、前述の変動パターンよりも多岐に亘っている。なお、これらの演出パターンは、後述するような保留演出表示や各種の予告演出などとの組合せで用いられる場合もある。
また、これらのリーチを、大当り信頼度が相対的に高い「強リーチ」と、大当り信頼度が相対的に低い「弱リーチ」に分け、例えば、上述の「ノーマルリーチ」を弱リーチとし、「スーパーリーチ」を「強リーチ」とすることが可能である。また、「スーパーリーチ」の中に、「強リーチ」と「弱リーチ」を設けるようにしてもよい。
<<特別図柄に係る保留演出表示>>
次に、演出表示装置60において行われる特別図柄に係る保留表示(保留演出表示)について説明する。演出表示装置60の表示領域194の下部には、図7(a)、(b)中に示すように、第1遊技における当否抽選値の保留数を示す第1保留数表示部196と、第2遊技における当否抽選値の保留数を示す第2保留数表示部197とが表示される。なお、ここでは説明や図示を簡略化するため、個々の保留表示を真円によって表しているが、保留表示を、例えば、水晶や宝石、或いは、その他の所定のアイテムの表示により行ってもよい。また、保留表示を、例えば、人物や動物などの表示により行ってもよい。
本実施例においては、第1遊技に係る保留が発生すると、上述の第1保留数表示部196に所定の保留表示が行われる。保留表示の態様としては、上述のように種々のものを採用可能であるが、ここでは基本の保留表示として青いアイテムの表示が行われるものとする。さらに、保留数が増えると、保留表示が追加される。そして、保留数が上限に達すると、図7(a)に示すように、第1保留数表示部196において、4つの保留表示が行われる。
また、第1保留数表示部196における保留表示は、第1表示位置から第4表示位置にて行うことが可能である。つまり、第1保留数表示部196には、第1表示位置から第4表示位置が含まれており、第1保留数表示部196の、遊技者から見て右端の部位が、第1表示位置となっている。そして、左端へ向かって順に、第2表示位置、第3表示位置、第4表示位置が設けられている。さらに、以下では、第1表示位置から第4表示位置で行われる保留表示を、それぞれ「保1」、「保2」、「保3」、「保4」と称する。
例えば、演出表示装置60において、第1遊技に係る演出図柄190が行われている最中で、且つ、第1保留数表示部196に1つの保留表示も行われていない状況において、保留が発生すると、右端の第1表示位置(上述の「保1」の位置)に保留表示が行われる。そして、この際には未だ他の保留表示が行われておらず、「保2」〜「保4」は発生していないものとする。このように「保1」が発生している状況で、更に保留が発生すると、発生した保留に係る表示は、「保1」の左隣の「保2」の位置で行われる。そして、「保1」及び「保2」が表示され、「保3」や「保4」が表示されていない状況で、更に保留が発生すると、発生した保留数に応じて、「保3」や「保4」の表示が行われる。
そして、「保1」が発生した際に実行されていた変動表示が終了し、第1遊技に係る他の変動開始条件も成立していれば、上述の「保1」に係る保留記憶情報が消化される段階となり、「保1」の保留表示が、第1保留数表示部196の右側へ移動する。第1保留数表示部196の右側の部位には、当該変動情報表示部195が設けられている。この当該変動情報表示部195は、そのときに実行されている変動表示に係る情報(当該変動情報)を表示する領域である。つまり、「保1」の保留表示は、対応する保留記憶情報に係る変動表示が実行される際には、当該変動情報表示部195に移動して、当該変動情報表示198に変化する。
ここで、「保1」の保留表示を当該変動情報表示部195に移動させる際に、アイテムに係るサイズ、色彩、形態などといった表示要素の変更を行うようにしてもよい。図7(a)、(b)の例では、「保1」の保留表示を当該変動情報表示198に変化させる際に、サイズの拡大を行っている。
上述のように「保1」にあった保留表示が当該変動情報表示部195に移動すると、後続の保留表示の待機順位が繰り上り、「保2」は「保1」の位置にシフトする。さらに、「保3」や「保4」が存在した場合には、「保3」は「保2」の位置にシフトし、「保4」は「保3」の位置にシフトする。そして、このような状況で更に保留が発生した場合には、新たに「保4」が発生し、保留数が上限に達することとなる。また、新たな保留が発生しなければ、この次の変動表示の開始に伴い、保留表示のシフトが行われ、各保留の待機順位が繰り上がることとなる。
なお、「保1」における保留表示から、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198に変化した状態を含めて、広義に、保留演出と捉えることが可能であるが、これに限らず、「保1」における保留表示までを保留表示とし、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198に変化した状態は保留表示に含めない、といった取扱いを行うことも可能である。
また、演出図柄190に係る変動表示が行われておらず、保留数が0の状況で、第1始動入賞口62に入球があると、「保1」の表示は行われず、当該変動情報表示部195に、直接的に、当該変動情報表示198が行われるようになっている。そして、このような場合に限って、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198を保留表示に含めない、といった取扱いを行うことも可能である。
続いて、前述の第2保留数表示部197について説明するが、第1保留数表示部196と同様な点については、説明を省略する。本実施例では、第2保留数表示部197は、図中に示すように、上述の当該変動情報表示部195を挟んで、第1保留数表示部196の反対側(遊技者から見て右側)に配置されている。
さらに、第2遊技に係る保留が発生すると、第2保留数表示部197に所定の保留表示が行われる。保留表示の態様としては、第1保留数表示部196と同様に種々のものを採用可能であるが、ここでは基本の保留表示として、第1保留数表示部196とは異なり、オレンジ色のアイテムの表示が行われるものとする。さらに、保留数が増えると、保留表示が追加され、保留数が上限に達すると、図7(a)に示すように、第2保留数表示部197において、4つの保留表示が行われる。
また、第2保留数表示部197においても、第1表示位置から第4表示位置が含まれており、第2保留数表示部197の、遊技者から見て左端の部位が、第1表示位置となっている。そして、右端へ向かって順に、第2表示位置、第3表示位置、第4表示位置が設けられている。さらに、第2遊技に関しても、左端の「保1」から右端の「保4」の表示を行うことが可能であり、保留の消化に伴って、降順に保留表示のシフトが行われる。そして、第2保留数表示部197の左端の「保1」にあった保留表示が、保留の消化の際には、第1保留数表示部196の場合と同様に、当該変動情報表示部195に移動するようになっている。
なお、第1保留数表示部196、及び、第2保留数表示部197における保留表示の表示態様や、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198の表示態様は、静止画像に限らず、所定の動画であってもよい。さらに、第1保留数表示部196、及び、第2保留数表示部197における保留表示の表示態様は、所定のタイミングで静止画像から動画、或いは、動画から静止画像に変化するものであってもよい。
また、保留表示については、種々の遊技状態に応じた態様で行うことが可能である。例えば、大当り抽選の確率が通常確率の場合と高確率の場合で互いの保留表示の態様を異ならせることなどを例示できる。なお、遊技状態に応じて保留表示態様を異ならせる場合に、保留表示に係る変化の開始や終了のタイミングを、対応する遊技状態が発生したタイミングに対して、遅延させたり早めたりすることも可能である。
さらに、第1保留数表示部196、第2保留数表示部197、及び、当該変動情報表示部195の位置関係は、上述のものに限定されず、種々な表示態様を採用することが可能である。例えば、図7(a)中の第1保留数表示部196の、遊技者から見て左側に第2保留数表示部197を移動させ、当該変動情報表示部195の左側に8つの保留表示を並べることができるようにしてもよい。
このような保留表示の態様は、本実施例のように第2遊技を第1遊技に優先して実行するのではなく、第1遊技及び第2遊技に係る始動入賞の発生順に特別図柄や演出図柄190の変動表示を行うタイプのぱちんこ遊技機に採用することが考えられる。また、上述のように第1保留数表示部196と第2保留数表示部197とを連続して配置した場合における、当該変動情報表示部195の位置としては、表示領域194の下部中央や、下部右寄りの部位などを例示できる。
また、演出表示装置60を、前述のように、例えば大型な表示体及び小型な表示体による複数の表示体により構成した場合には、第1保留数表示部196、第2保留数表示部197、及び、当該変動情報表示部195のうちのいずれか、若しくは全てを、小型な表示体に表示してもよい。
なお、本実施例では、上述した保留表示や当該変動情報表示198を用いた予告演出が行われる場合があるが、これらの予告演出については後述する。
<<特別図柄に係る保留先読み演出>>
次に、特別図柄に係る予告演出の1つである、保留先読み演出について説明する。なお以下では「保留先読み演出」を、単に「先読み演出」と称する場合がある。この先読み演出は、前述の保留記憶情報(第1特図保留記憶情報又は第2保留記憶情報)に基づき、実行される演出である。さらに、先読み演出は、前述の事前情報通知の機能を用いて、そのときに演出図柄190等を用いて行われている演出よりも後に消化が行われる保留に対して、リーチや大当りが発生することの期待を煽るための演出として実行される。
例えば、前述の第1保留数表示部196における「保3」の位置で発生した保留表示について、前述の基本の表示態様である青色での表示とは異なり、緑色の保留表示を行うことで、通常の青色の態様である場合に比べて、リーチが発生すること等の期待度が高いことが示される。そして、青や緑の彩色の他に、黄色、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様を設け、緑色よりも、黄色、赤色、金色、虹色、所定柄の順で大当りの期待度が高いことを示す、といった演出が行われている。
ここで、上述の「所定柄」の表示態様としては、キリン等の動物模様や、所定のキャラクタ画像を含む表示態様などを例示できる。また、保留表示の彩色や柄のみでなく、真円形状以外のアイテムや人物画像等を採用することも可能である。さらに、上述の各種の表示態様に点滅や発光を行っている態様を組み合せて先読み演出を行うことも可能である。また、先読み演出に当せんした保留を、例えば「トリガ保留」や「当該保留」などと称することが可能である。
以上説明したような保留に係る先読み演出は、第2遊技においても行われる場合がある。そして、第2遊技に関しては、前述のように基本色であるオレンジのほかに、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様を備えることが可能である。また、第2遊技に係る保留表示としても、真円形状以外のアイテムや人物画像等を採用することも可能である。
さらに、上述したような第1遊技及び第2遊技において保留表示を用いる先読み演出は、「保留変化」などと称することが可能である。そして、このような「保留変化」には、保留発生の当初から上述のように基本の表示態様と異なる表示態様を示すものや、保留発生の後のタイミングで表示態様の変化を示すものなどがある。
これらのうち、保留発生の後のタイミングで表示態様の変化を示すものとしては、例えば、保留が発生して保留表示が開始され、保留の消化が進み、保留表示が、例えば「保2」、「保1」と進む間に、保留表示が変化するようなものを例示できる。そして、例えば、保留発生時には「保3」の位置に青色(第2遊技の場合はオレンジ色)で保留表示が行われ、「保1」の位置に移動した際に、緑色等の他の色に変化する、といったことが行われる。
また、第1遊技及び第2遊技の何れについても、保留表示が、「保1」から当該変動情報表示部195に移動して、当該変動情報表示198となった場合に、例えば、基本色である青色やオレンジ色から、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様や、或いは、真円形状以外のアイテムや人物画像等の表示態様に変化して、大当りの期待度を表す場合もある。
<<保留先読み演出に係る制御態様>>
さらに、上述のような保留変化に係る制御態様としては、以下のようなものを例示できる。例えば、保留発生時に、保留変化の演出パターン(保留変化パターン)を決定するための抽選(保留変化パターン抽選)を行う。この保留変化パターン抽選には、保留変化パターンテーブルが用いられ、この保留変化パターンテーブルには、保留変化の有無や、保留変化を実行する場合(保留変化ありの場合)には、どのようなタイミングでどのような表示態様を実行するか、といった演出パターンの決定に係る事項が規定されている。また、保留変化パターンとしては、第1遊技のためのものと、第2遊技のためのものとが定められている。
さらに、上述のような保留変化パターン抽選によって選択され得る、保留変化ありの保留変化パターンとしては、以下のようなものを例示できる。例えば、第1遊技に関して、既に「保1」から「保3」の3つの保留表示が行われており、新たに保留が発生して、保留表示が「保4」の位置で行われたものとする。この際、基本色である青色の保留表示が行われ、この後に、演出図柄190に係る変動表示が順次終了し、保留に係る待機順位が繰り上がる。
さらに、「保4」にあった保留表示が、「保3」、「保2」、「保1」へと順次シフトされ、このシフトの都度、保留変化が行われる。そして、保留表示の色が、「保4」の位置における青色から、「保3」の位置での緑色、「保2」の位置での赤色、「保1」の位置での金色、当該変動情報表示部195(図7(a)、(b)参照)での虹色へと順次変化する。つまり、保留に係る待機順位が繰り上がるにしたがって、大当りの信頼度が高い表示態様へ、保留表示が変化する。このような保留変化パターンは、表示位置が変化する度に保留変化を行うものと称することができる。
また、他の保留変化パターンとしては、例えば、上述の例と同様に「保4」に保留表示が行われた段階では青色の表示であり、この基本色の表示が、保留表示が「保2」の位置に表示されるまで継続される。そして、この保留表示が「保1」に移動した際に、表示態様が赤色や虹色などに変化する。このような保留変化パターンは、保留消化が近付き、保留表示が所定の表示位置である「保1」に到達するまで、保留変化を生じないものと称することができる。
なお、上述した各種の保留変化パターンは、あくまでも例示であり、これらのほかにも種々の態様を、前述の保留変化パターンテーブルに備えることができる。
また、保留変化に当せんした保留が、「保1」から「保4」の中に複数存在する場合に、いずれか一方の先読み演出をキャンセルする、といったことが可能である。より具体的には、例えば、「保4」が発生した際に、「保4」に係る保留が、緑色に変化する保留変化パターンに当せんし、先に発生しているいずれかの保留が、虹色に変化する保留変化パターンに当せんしていれば、上述の「保4」に係る保留については、保留変化をキャンセルして実行しない、といったもの例示できる。
さらに、例えば、上述の例と同様に「保4」が発生した際に、「保4」に係る保留が、虹色まで変化する保留変化パターンに当せんし、先に発生している全ての保留が、虹色までは変化せず、緑色などまでしか保留変化しないものであれば、先に発生している保留については、保留変化をキャンセルして実行しない、といったもの例示できる。
<<特別図柄に係る連続予告>>
次に、他の演出パターンとして、特別図柄に係る連続予告(連続演出)について説明する。この連続予告は、真正のものと擬似のものとがあり、これらのうちの真正の連続予告は、特別図柄に係る複数回の変動表示に亘り、連続性のある予告演出を行うものを意味している。また、擬似の連続予告は、特別図柄に係る1回の変動表示について、複数回の特別図柄の変動があったような断続的な予告演出を行うものを意味している。
なお、本実施例における「連続予告」は、大当り抽選がはずれの場合に最も多く行われ得るような通常の演出に比べて、何らかの予告を行っているような特殊性のある演出が複数回連続して行われることを意味している。さらに、「特殊性のある演出」としては、リーチありの演出パターンや、最も出現頻度が高い通常の場面設定や登場人物などを含んだ演出パターンに比べて、出現頻度が相対的に低い場面設定や登場人物などを含んだ演出パターンを例示できる。
そして、「連続予告」としては、より具体的には、例えば、特別図柄に係る所定回数の変動に亘って、毎回リーチを発生させるようなものを例示できる。また、その他の態様の「連続予告」としては、例えば、演出上のストーリーにおいて主人公となる登場人物が、特別図柄に係る1回の変動毎に、最終到達目的としている部屋を目指して、順次異なる部屋に移動するようなものなどを例示できる。また、その他の態様の「連続予告と」しては、主人公となる登場人物が、特別図柄に係る1回の変動毎に、異なる敵と対戦して勝利し、最終目的となる敵を目指すようなものも例示できる。
さらに、前述した真正の連続予告(以下では単に「連続予告」と称する場合がある)は、メイン基板102からサブメイン基板301に送信される事前通知情報に基づいて行うことが可能である。より具体的には、例えば、「保3」の保留が発生した場合に受信した事前通知情報に基づいて、サブメイン基板301が、その次以降の特別図柄に係る変動表示に対応した演出パターンとして、3回の変動表示に亘る連続予告を含んだ内容のものを選択する、といったことが可能である。
そして、1回分の保留が消化され、上述の「保3」の保留が「保2」の位置にシフトされた際には、選択された連続予告に係る演出パターンのうち、最初の1回目の予告に係る演出パターンが実行される。さらに、保留が順次消化され、保留表示が、「保2」から「保1」に移動した際には、3回のうちの2回目の予告が実行され、「保1」から当該変動情報表示部195に移動した際には、最後となる3回目の予告が実行される。
なお、サブメイン基板301において、上述の「保3」の保留が発生した時点で実行されている変動表示に係る変動パターンや、それ以前に発生している「保2」又は「保1」に係る保留記憶情報を確認することも可能である。すなわち、上述の「保3」の保留が発生した際に、既に記憶されている各種の情報の中に、大当り信頼度の高い所定のリーチ演出が実行されることを表す情報や、大当りが発生することを表す情報が存在すれば、「保3」の保留が発生した際に選択した連続予告に係る演出パターンをキャンセルする、といったことが可能である。
ここで、前述した保留変化の演出態様を、連続予告に係る演出の一態様であるとすることも可能である。
また、前述した擬似の連続予告(以下では「擬似連続予告」と称する場合がある)としては、特別図柄の1回の変動表示に係る演出パターンにおいて、リーチ表示が、複数回断続的に行われるようなものや、登場人物が複数回の行為を繰り返すようなものなどを例示できる。
なお、以上説明したような連続予告の内容は、あくまでも例示であり、連続予告の内容としては、説明したもの以外にも種々のものを採用することが可能である。
<<普通図柄に係る演出図柄>>
次に、前述の普通図柄に係る演出について説明する。本実施例では、普通図柄に係る演出表示は行われていない。しかし、普通図柄に係る演出を、演出表示装置60における演出の一部として行うことが可能である。そして、このように普通図柄の演出表示を行う場合には、演出図柄としては、例えば、はずれと、当たりの種類とを識別できる程度の表示を行うことが考えられる。
より具体的には、例えば、図7(a)、(b)中の普図演出表示部199で示すように、数ミリ角程度の四角形状の枠を2つ並べて表示し、各枠内を赤色又は青色で表示できるようにする。そして、普通図柄に係る当否抽選の結果がはずれである場合には、例えば、両方の枠を青色で表示し、これを普通図柄に係るはずれ図柄とする。さらに、普通図柄に係る当否抽選の結果がいずれかの当りである場合には、両方の枠のうちの一方若しくは両方を、当たりの種類に応じて赤色で表示し、これらを普通図柄に係る当り図柄とする、といったことが可能である。
また、前述のように、演出表示装置60を、大型な表示体及び小型な表示体のような複数の表示体により構成した場合には、普通図柄に係る演出図柄(199)を、例えば、小型な表示体に表示するようにしてもよい。また、前述のセンター飾り64の所定の部位に、例えば、2つを1組としたLED表示灯を設け、これを普通図柄に係る演出図柄表示装置としてもよい。
<<普通図柄に係る保留演出表示>>
続いて、前述の普通図柄に係る保留演出表示について説明する。本実施例では、普通図柄に係る保留演出表示も行われていない。しかし、普通図柄に係る保留演出表示を、演出表示装置60における演出の一部として行うことが可能である。また、前述のように、演出表示装置60を、大型な表示体及び小型な表示体のような複数の表示体により構成した場合には、普通図柄に係る演出保留表示を、例えば、小型な表示体に表示するようにしてもよい。また、前述のセンター飾り64の所定の部位に、例えば、2つを1組としたLED表示灯を設け、これにより「1」から「4」の普通図柄に係る保留数の演出表示を行ってもよい。
<<限定頻度パターンに係る演出>>
次に、限定頻度パターンに係る演出(以下では「限定頻度パターン演出」と称する)について説明する。限定頻度パターン演出は、前述の演出パターンの一部として備えられているものである。さらに、限定頻度演出パターン演出は、所定の遊技状態において出現し易くなるように設定されたパターンによる演出である。この限定頻度パターン演出の内容は、特定の傾向を示す演出内容となっており、限定頻度パターン演出の内容として、例えば、高信頼度のリーチが発生する期待を煽るようなものを例示できる。また、限定頻度演出パターン演出に係る一部の演出パターンに、リーチに係る演出パターンを含んでいてもよい。
また、限定頻度パターン演出が出現し易い遊技状況としては、遊技開始時、所定の演出パターンが実行された直後、所定の演出モード中、特別遊技の終了直後、特定遊技中などを例示することができる。また、これらに加えて、限定頻度パターン演出が出現し易い遊技状況としては、第1遊技(又は第2遊技)に係る保留数が所定数(例えば4個)に達している場合なども例示できる。
このような限定頻度パターン演出に係る制御態様としては、以下のようなものを例示できる。例えば、メイン基板102おける前述の変動パターンテーブルには、限定頻度パターン演出の紐付けがされた変動パターン(限定頻度変動パターン)が、複数含まれている。そして、これらの複数の限定頻度変動パターンによって、変動パターンテーブルの一部に、限定頻度パターンテーブルが構成されている。
この限定頻度パターンテーブルは、前述のように、遊技開始時や、特別遊技の終了直後等といった所定の遊技状況において使用される。そして、メイン基板102において、限定頻度パターンテーブルを使用すべき遊技状況であるか否かが判定される。さらに、限定頻度パターンテーブルを使用すべき遊技状況であれば、メイン基板102において、変動パターンの選択範囲が、限定頻度パターンテーブル内に制限され、限定頻度パターンテーブル内の変動パターン(限定頻度変動パターン)のうちの何れかが選択される。
続いて、メイン基板102からサブメイン基板301へ、選択された変動パターンに係る情報を含んだコマンドが送信され、サブメイン基板301において、選択された変動パターンに紐付けられた演出パターンが決定される。
なお、メイン基板102における限定頻度パターンテーブル内の変動パターンに、限定頻度パターン演出が紐付けられていない変動パターン(非限定頻度変動パターン)を含むようにしてもよい。このようにすることにより、非限定頻度変動パターンが選択された場合には、上述の所定の遊技状況であっても、限定頻度パターン演出が出現しない場合が生じ得る。
また、上述の所定の遊技状況であっても、遊技状況毎に、限定頻度パターン演出の出現率が異なるようにすることも可能である。このような制御態様として、例えば、遊技開始時には、100%の割合で限定頻度パターン演出が実行され、その他の、所定の演出パターンが実行された直後、所定の演出モード中、特別遊技の終了直後、特定遊技中などには、限定頻度パターン演出が実行されないようにする、といったものを例示できる。
なお、上述したような遊技開始時であるか否かの判定は、例えば、メイン基板102により発射ハンドル20に係る操作の有無を検出し、所定時間(例えば1分程度)の間、発射ハンドル20に係る操作がなく、その後に発射ハンドル20の操作が検出された場合に、遊技開始時であると判定することにより行い得る。
また、サブメイン基板301の側で、限定頻度パターン演出を実行するか否かの決定を行うことも可能である。この場合には、例えば、サブメイン基板301において、所定の演出パターンが実行されたか否かの判定や、所定の演出モード中であるか否かの判定を行い、所定の演出パターンが実行され場合や、所定の演出モード中である場合に、限定頻度パターン演出を実行する、といったことが可能である。
また、本実施例のように、当たりの種類として小当りを採用したような場合には、例えば、小当りの発生後における第1特別図柄(又は第2特別図柄)の変動開始時に、メイン基板102において限定頻度パターンテーブルを参照して、変動パターンを決定する、といったことも可能である。さらに、小当り発生後の複数回(例えば10回や20回など)の特別図柄に係る変動表示において、継続して限定頻度パターン演出を継続して実行する、といったことも可能である。また、第1遊技と第2遊技とについて、限定頻度パターン演出の継続回数に係る相違を設け、例えば、第1特別図柄に関しては、限定頻度パターン演出の継続回数を10回とし、第2特別図柄に関しては、限定頻度パターン演出の継続回数を20回とする、といったことも可能である。
<<ロング開放に係る演出>>
次に、前述のロング開放に係る演出について説明する。本実施例においては、通常時における第2始動入賞口63のロング開放(通常時ロング開放)に関係した演出(ロング開放用演出)が、演出表示装置60やスピーカ21等を用いて実行される場合がある。そして、この通常時ロング開放に関係したロング開放用演出として、通常時ロング開放が実行されるか否を示す開放抽選演出と、この開放抽選演出の結果に対応して実行される長開放用演出(開放抽選結果演出)とが設けられている。なお、以下では、通常時ロング開放のことを単に「ロング開放」と称する場合がある。
これらのうち開放抽選演出としては、例えば、普通図柄の変動中や、変動開始前の段階において、通常時長開放が行われることの期待を煽るための内容の演出を例示することができる。より具体的には、例えば、演出表示装置60の表示領域194の下隅部などに特定のキャラクタを登場させ、前述の第2保留数表示部197を表示するための領域を確保できるか否かの様子を動画により表示する、といったものを例示できる。
このような演出パターンは、直接的に抽選の様子を表示するといったものではなく、「開放煽り演出」、「開放前段階演出」などとも表現できるものである。そして、演出内容において、目的を達成した場合には、その後にロング開放が実行され、目的を達成できない場合には、その後にロング開放が行われない、といった用途を例示できる。なお、前述のように付加的な表示体を設けた場合には、この付加的な表示体において、開放抽選演出を行うことが可能である。
上述の演出パターン以外に、直接的に抽選の様子を表示するものの採用が可能である。このような直接的な開放抽選演出としては、例えば、ルーレットやおみくじ、或いは、2桁の図柄合わせ、といった抽選に係る動画表示を行うものを例示できる。さらに、上述の普通図柄に係る当り抽選において通常時ロング開放に当せんしている場合には、当せんを示す内容の開放抽選演出が実行され、通常時ロング開放に当せんしていない場合には、はずれを示す内容の開放抽選演出が実行されるようにすることが考えられる。
また、はずれを示す内容、或いは、目的を達成できない内容の開放抽選演出は、通常時ロング開放に当せんしておらず、且つ、所定の確率で開放抽選演出に係る演出パターンが選択された場合に実行される。さらに、はずれの開放抽選演出に係る演出パターンが選択される場合としては、メイン基板102において選択される場合と、サブメイン基板301で独自に選択される場合とがある。そして、本実施例において開放抽選演出は、通常時ロング開放に当せんしている場合には高い確率(例えば100%)で実行され、通常時ロング開放に当せんしていない場合には、低い確率(例えば0.1%程度)で実行される。
さらに、開放抽選演出の内容と、第2始動入賞口63の開放パターンとの関係を多様に設定することが可能である。例えば、開放抽選演出の内容としてルーレットを用いた演出を採用し、ルーレットの目として設けられた選択肢に、「開放」、「×」、「チャンス」、「リーチ」等を割当てる。そして、通常時ロング開放に当せんしなかった場合に、開放抽選演出の内容として「×」が選択される様子を表示し、第2始動入賞口63の開放を行わない、又は、ショート開放のみ行うようにする。
さらに、通常時ロング開放に当せんした場合には、ルーレットにおいて「開放」が選択される演出を実行し、必ずロング開放を行う。また、これ以外にも、演出図柄190に係る演出において、段階的に発展する内容の演出や、スーパーリーチに発展する内容の演出などが実行される場合には、開放抽選演出に係るルーレットにおいて「チャンス」或いは「リーチ」が選択される様子を表示し、第2始動入賞口63の開放を行わない、又は、ショート開放のみ行うようにする、といったことが考えられる。
また、前述の開放抽選演出(前述の開放煽り演出や開放前段階演出)やロング開放の有無を示す演出(開放抽選結果演出)により構成されるロング開放用演出は、第2始動入賞口63の通常時ロング開放に関係した特別な演出という位置付けにあるが、制御上は、ロング開放と開放抽選結果演出との直接的な関係付けを行っている制御態様と、直接的な関係付けを行っていない制御態様とが考えられる。
このうち、直接的な関係付けを行っている制御態様は、メイン基板102からサブメイン基板301へ、第2始動入賞口63の開放態様に係るコマンドが送信される態様であり、直接的な関係付けを行っていない制御態様は、サブメイン基板301の側で、第2始動入賞口63の開放態様を把握せずにロング開放用演出を実行する態様である。本実施例では、ロング開放用演出に関して、ロング開放とロング開放用演出との直接的な関係付けを行った制御態様が採用されているが、直接的な関係付けを行っていない制御態様を一部に含めることも可能である。
また、このようなロング開放用演出は、前述した 普通図柄に係る保留とも関係して行われる場合があるものである。つまり、普通図柄に係る保留抽選値が、保留中に事前判定され、この事前判定結果に応じて、予告や煽りといった意味を持つロング開放用演出が、所定確率で実行される場合がある。このような事前判定による予告演出は、前述の「先読み演出」に含まれるものである。このような普通図柄に係る先読み演出は、後述する特別図柄に係る先読み演出と同様に行うことが可能なものであり、本実施例では、作動口(68a又は68b)の通過に係る事前通知情報(普通図柄先読みコマンド)が、メイン基板102からサブメイン基板301に送信される。
ここで、本実施例では、保留数に関わらずにロング開放用演出のための演出パターンの選択が行われるが、これに限定されず、保留数が多い場合には、例えば、演出時間の短いロング開放用演出の演出パターンが選択されるようにしてもよい。
<<操作ボタンを用いた演出>>
次に、前述の操作ボタン22(図1参照)を利用する演出(以下「ボタン演出」と称する)について説明する。操作ボタン22は、ボタン演出が実行された場合に、遊技者によって操作され、遊技者に対し、自分が遊技の演出や当否抽選に参加しているような感覚を与える機能を発揮するものである。ボタン演出としては、例えば演出図柄190(図7(a)、(b)参照)の変動表示過程で、演出表示装置60の表示領域194に、操作ボタン22の図柄とともに、「Push」、「連打せよ」、「長押しせよ」等といった文字や、或いは残り時間を示すインジケータの動画などの、操作を促すガイド表示を行うことを例示できる。
さらに、ボタン演出としては、遊技者が、上述のガイド表示に従って操作ボタン22を操作すると、登場人物がコメントを発するような演出や、味方キャラクタが敵キャラクタに対する攻撃を行うような演出を例示できる。また、操作ボタン22を操作すると、前述の可動演出部材93等が作動して、リーチとなることを報知するようなものも例示できる。さらに、リーチ演出中にボタン演出が行われることもあり、その場合には、操作ボタン22を操作すると、前述の可動演出部材93等が作動して大当りへの期待を煽るものなども例示できる。
また、上述の操作ボタン22に関して、通常時は操作ボタン22の操作が無効となっているが、ボタン演出中は操作ボタン22の操作が有効となるボタン操作有効期間となっている。ボタン操作有効期間は、予め設定された一定時間となっている。
なお、操作ボタン22に振動モータ(図示略)を組み合わせて、操作ボタン22を振動させる振動演出や、例えばモータ等の駆動源を用いて操作ボタン22の動作範囲を拡大して、操作ボタン22を突没させるといった演出態様を採用することも可能である。さらに、操作ボタン22を突没させる場合は、突出量を比較的大きく(例えば5〜10cm程度)設定することも可能である。
また、操作ボタン22としては、外形寸法が小型(例えば数センチ程度)のものに限らず、十数センチ程度の半球体の形態のものなどを採用してもよい。さらに、操作ボタン22のような操作入力機器としては、その他にも種々の形態のものを採用可能であり、例えば、演出内容に関連した、自動車のハンドル、航空機の操作レバー、登場人物の模型(フィギュア)のなども採用が可能である。また、相対的に小型の操作ボタン22と、操作レバー等の形態を有するものを併設し、演出内容などの状況に応じて使い分ける、といったことも可能である。
<<大当り発生時の演出>>
次に、大当りが発生した場合の演出について説明する。大当りが発生した場合の演出には、特別遊技開始前の演出、特別遊技中の演出、特別遊技後の演出などがある。これらのうち、特別遊技前の演出には、演出図柄190の組合せ確定時(図柄確定時)の演出や、演出図柄の確定停止中(図柄確定中)の演出、及び、右打ち案内の演出などが含まれている。
そして、図柄確定時の演出としては、例えば、前述の演出図柄190が「111」や「777」などの大当りの組合せを保って表示され、その後、演出図柄190の大当りの組合せを再抽選し、「111」や「777」の組合せを維持したり、「111」の組合せから「777」の組合せに変化させたりする内容のものを例示できる。また、図柄確定中の演出としては、例えば、上述の「111」や「777」の組合せで、演出図柄190を確定停止させ、演出図柄190の組合せの表示を継続させる内容のものを例示できる。さらに、右打ち案内の演出としては、遊技者に対し、発射ハンドル20の回動量を増やして右打ちを行うよう案内する内容のものを例示できる。
前述の特別遊技中の演出としては、遊技者が大当りを獲得しなければ見ることができない内容の動画を例示できる。また、この際には所定の楽曲が、前述のスピーカ21(図1参照)から出力される。さらに、特別遊技中の動画としては、例えば、ぱちんこ遊技機10の演出に採用された劇画における所定の登場人物が、ライバルとなる敵と戦う様子を描いたものや、僥倖を享受する様子を描いたものなどを例示できる。
より具体的には、例えば、特別遊技における第1ラウンドの大入賞口の開放の際に、登場人物同士が闘いを開始し、第2ラウンドから最終ラウンドまでは、ラウンドの切換わりと登場人物同士の戦いを継続し、最終ラウンドが終了して大入賞口が閉鎖すると、登場人物同士の闘いが終了する、といったものを例示できる。なお、特別遊技中のラウンドの切換わりを、例えば、表示領域194(図7(a)、(b)参照)の隅部(例えば右上隅部)における「1R」、「2R」、・・・、「15R」、「16R」といった表示により報知することが可能である。さらに、特別遊技中の演出の一部として、例えば、特定遊技中に大当りが発生して、大当りが連続した場合における大当りの発生回数を表示することも可能である。
また、本実施例では、全ての種類の大当りに確変や時短等の特典が伴っているが、これに限定されず、例えば、確変を伴わない大当りを設けることも可能である。そして、大当りの種類に、確変を伴わない大当りを含む場合には、特別遊技終了後に確変となるか否かの報知を、特別遊技中、或いは、特別遊技終了の際まで報知しないようにすることも可能である。
例えば、合計で16ラウンドの特別遊技が行われる場合に、10ラウンド目の終了の際までは確変に当せんしているか否かを遊技者に知らせる演出を行わず、11ラウンド目の、第1大入賞口91(又は第2大入賞口92)への最初の入球が検出された際に、確変に当せんしている場合にはその旨の演出を行う、といった演出や制御態様を採用することが可能である。
同様に、確変を伴わない大当りを含むぱちんこ遊技機において、特別遊技開始前、特別遊技中、或いは、特別遊技終了の際などの所定のタイミングで、遊技球が所定の領域で検出された場合には確変となる、といった演出や制御態様を採用することも可能である。
この場合は、例えば、遊技球の検出領域を有する入球装置(ここでは「V入球装置」と称する)を、遊技領域52(図1参照)における第2大入賞口92の下方の部位などに追加して設ける。さらに、特別遊技終了の際など所定のタイミングで、V入球装置を、遊技球を受入れ可能な状態とし、この状態においてV入球装置で遊技球が検出された場合に、その後の確率状態が、所定期間に亘り確変状態となるように制御する。そして、V入球装置に遊技球が進入しなかった場合や、V入球装置内で遊技球が所定の領域に進入しなかった場合には、その後の確率状態が確変状態とならないように制御する、といったことが考えられる。
また、このような入球による確変の付与は、演出としてのみ行うことも可能である。すなわち、大当り抽選で確変ありの大当りに当せんしている場合に、所定のタイミングでV入球装置を、遊技球の受入れが可能な状態とする。そして、V入球装置内に振分け機構を設けておき、事前に確変ありの大当りに当せんしている場合には、V入球装置に進入した遊技球を確変の領域に導き、遊技者が確変を獲得した旨の演出を実行する。また、事前に確変なしの大当りに当せんしている場合には、遊技球を非確変(通常)の領域に導き、遊技者が確変を獲得した旨の演出を実行する、といったことが考えられる。
続いて、前述の特別遊技後の演出としては、特別遊技中の演出内容の結果に係るもの例示できる。より具体的には、登場人物同士の闘いの結果に応じて勝者が感情を表す内容などを例示できる。このような特別遊技後の演出は、エンディング演出と称することも可能である。
さらに、特別遊技後の演出としては、大当りの連続回数を追加して表示するものや、そのときの特別遊技により遊技者が獲得した賞球数を表示するものなどを例示できる。また、特定遊技中に大当りが発生して、大当りが連続した場合における大当りの発生回数を追加して表示することも可能である。また、大当りの連続に関しては、大当りの発生回数が所定回数(例えば20回)に達した場合に、それ以前には選択されることがない演出パターンを実行する、といったことも可能である。
また、小当りに関しては、確変を伴うものと、確変を伴わないものとを設けることが考えられる。さらに、小当りが発生した場合に、小当りの発生を報知する演出を行わないことや、小当り発生後の遊技中に、通常時と同様であり、確変中であるのか否かを区別できない内容の演出を行うことが考えられる。
<メイン基板からサブメイン基板へ送信される各種コマンド>
次に、メイン基板102からサブメイン基板301へ送信される各種コマンドについて説明する。なお、以下では、普通電動役物に係るコマンドと、それ以外の主要なコマンドに分けて説明を行うが、ここでは先に、普通電動役物に係るコマンド以外の主要なコマンドについて説明する。先ず、コマンドの送信タイミングとしては、初期画面表示中、客待ちデモ(待機デモ)中、特別図柄の図柄変動開始時、特別図柄の図柄確定時、特別図柄の図柄確定中、大当り開始デモ時、大当り中大入賞口開放時、大当り中大入賞口閉鎖時、当り終了デモ時、大当り終了デモ終了時などがある。このうち初期画面表示中は、ぱちんこ遊技機10の電源投入後、客待ちデモが開始されて定常状態に入るまでの期間である。また、始動入賞時、電断復帰時、及び、エラー検出時は、何れの場合であってもコマンド送信が行われる。さらに、RWMクリア時にもコマンド送信が実行される。
これらのうち、RWMクリア時のコマンドとしては、演出表示器初期化、演出LED初期化、各種エラーのコマンドがある。演出表示器初期化コマンドは、演出表示装置60に所定のはずれ図柄を表示するためのものである。演出LED初期化コマンドは、通信が正常である場合に遊技効果ランプの一部を点灯させるものである。各種エラーコマンドは、エラーの状態に合わせた演出表示等を行うためのものである。
客待ちデモのコマンドとしては、客待ちデモコマンドがある。この客待ちデモコマンドは、演出表示装置60や遊技効果ランプを客待ちデモ用に設定し、音声を消去するためのものである。
特別図柄の図柄変動開始時のコマンドとしては、図柄1記憶数、図柄2記憶数、通信検査1、通信検査2、演出回数A〜Z、演出選択状態0〜2、変動付加情報、図柄1演出パターン、図柄2演出パターン、図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出のコマンドがある。図柄1記憶数コマンドは、第1特別図柄の保留記憶数を示すものであり、図柄2記憶数コマンドは、第2特別図柄の保留記憶数を示すものである。通信検査1コマンド及び通信検査2コマンドは、正常な通信がなされているか否かの確認のためのものである。演出回数A〜Zの各種コマンドは、前述の限定頻度テーブルにしたがった演出に係る回数を示すものであり、演出選択状態0〜2の各種コマンドは、限定頻度テーブルにしたがった演出の種類を示すものである。変動付加情報コマンドは、変動時間を加減するための情報を示すものである。図柄1演出パターンコマンドは、第1特別図柄の変動パターンに対応したコマンドを送信するためのものであり、図柄2演出パターンコマンドは、第2特別図柄の変動パターンに対応したコマンドを送信するためのものである。図柄1キャラクタ演出コマンドは、第1特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものであり、図柄2キャラクタ演出コマンドは、第2特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものである。
特別図柄の図柄確定時のコマンドとしては、図柄1演出パターン停止、図柄2演出パターン停止のコマンドがある。図柄1演出パターン停止コマンド、及び、図柄2演出パターン停止コマンドは、それぞれ、第1特別図柄や第2特別図柄に基づく演出図柄190を停止させるためのものである。
特別図柄の図柄確定中のコマンドとしては、変動時間短縮回数0(低確率時)、変動時間短縮回数A〜Z(低確率時)、変動時間短縮回数0(高確率時)、確率変動中(所定変動回数まで)のコマンドがある。これらは、その時の遊技状態に関するコマンドを送信するためのものであり、演出モード表示や時短回数表示などに使用される。
大当り開始デモ時のコマンドとしては、図柄1大当り開始デモ、図柄2大当り開始デモ、発射位置指定のコマンドがある。図柄1大当り開始デモコマンド、及び、図柄2大当り開始デモコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の大当り図柄に基づいた開始デモを表示させるためのものである。発射位置指定コマンドは、所謂左打ちや右打ちにより、遊技者に、第1大入賞口91及び第2大入賞口92の間で遊技球の打ち分けを行わせる場合に発射位置を報知するためのものである。
発射位置指定コマンドは、大当り開始デモ時と同様に、所謂左打ちや右打ちにより、遊技者に、第1大入賞口91及び第2大入賞口92の間で遊技球の打ち分けを行わせる場合に発射位置を報知するためのものである。
大当り中大入賞口開放時のコマンドとしては、図柄1大当り中デモ1〜16、図柄2大当り中デモ1〜16のコマンドがある。これらは、第1特別図柄や第2特別図柄の大当り図柄及びラウンド数に基づいた演出を表示させるためのものである。
大当り中大入賞口閉鎖時のコマンドとしては、大入賞口閉鎖演出コマンドがある。これは、大入賞口閉鎖演出を表示させるためのものである。
当り終了デモ時のコマンドとしては、図柄1当り終了デモ、図柄2当り終了デモのコマンドがある。これらは、第1特別図柄や第2特別図柄の当り図柄に基づいた当り終了デモ演出を表示させるためのものである。
大当り終了デモ終了時のコマンドとしては、発射位置指定コマンドがある。これは、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、及び、第2大入賞口92の位置関係などの理由によって、発射位置の打ち分けが必要な場合に、発射位置を報知するためのものである。
始動入賞時のコマンドとしては、当り予告(当り予告演出)、図柄予告(当り図柄予告演出)、変動予告(パターン予告演出)、図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドがある。当り予告、図柄予告、変動予告の各コマンドは、事前情報通知手段157による前述の先読み演出に係るコマンド(先読みコマンド)である。そして、当り予告コマンドは、当否乱数の乱数値範囲を送信するためものであり、抽選確率に応じた当否の情報などを含んでいる。図柄予告コマンドは、図柄乱数の乱数値範囲を送信するためのものであり、当りの種類に係る情報などを含んでいる。さらに、変動予告コマンドは、変動パターンの乱数範囲を送信するためのものであり、変動パターンのグループの種別(リーチなし、ノーマルリーチ、又は、スーパーリーチなど)の指定に利用可能である。図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の保留記憶数を伝えるためのものである。そして、本実施例では、当否抽選の結果、先読み演出の有無や期間などの情報は、当り予告、図柄予告、変動予告の各コマンドによって、サブメイン基板301に伝えられるようになっている。
電断復帰時のコマンドとしては、通信検査1、通信検査2、電断復帰用遊技状態A〜E、演出回数A〜Z、演出選択状態0〜2、図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出、電断復帰当り状態、電断復帰時特別図柄1状態、電断復帰時特別図柄2状態、発射位置指定、エラーa〜d、図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドがある。
通信検査1、通信検査2のコマンドは、正常な通信がなされているか否かの確認のためのものである。電断復帰用遊技状態A〜Eのコマンドは、電断時の遊技状態に応じて異なるコマンドを送信するためのものである。演出回数A〜Zのコマンドは、前述の限定頻度テーブルにしたがった演出に係る回数を示すものであり、演出選択状態0〜2のコマンドは、限定頻度テーブルにしたがった演出の種類を示すものである。図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出コマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものである。
電断復帰当り状態コマンドは、当り中か否かに応じて異なるコマンドを送信するためのものである。電断復帰時特別図柄1状態、電断復帰時特別図柄2状態のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の、待機中・変動中・当たり中などの状態に応じたコマンドを送信するためのものである。発射位置指定コマンドは、前述のように、状況に応じた適切な発射位置を指定するためのものである。エラーa〜dは、エラーの有無及び種類を送信するためのものである。図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の保留記憶数を伝えるためのものである。
<メイン基板の主要な制御処理>
次に、上述の構成のぱちんこ遊技機10のメイン基板102における主要な制御処理について、図11〜図15等に基づいて説明する。なお、説明に先立ち、以下で用いる「特別電動役物」、「条件装置」、「役物連続作動装置」の用語について説明する。これらは何れもぱちんこ遊技機10の制御処理における概念上の機器を表しており、これらのうち「特別電動役物」は、第1大入賞口91、第2大入賞口92を作動させることとなるものである。また、「条件装置」は、第1大入賞口91や第2大入賞口92に進入した遊技球が検出された場合に作動するものであり、「役物連続作動装置」は、特別電動役物を連続して複数回作動させることができるものである。
また、ここで説明するぱちんこ遊技機10の主要な制御処理は、図11及び図12に示す制御開始処理、図13に示す遊技進行割込み処理、及び、図14に示す電源断処理であり、これらはメイン基板102において実行される。
<制御開始処理>
図11及び図12に示す制御開始処理は、ぱちんこ遊技機10の電源投入によりCPU501の製造コードを利用したセキュリティチェックが行われた後に開始される制御処理であり、この制御開始処理においては、後述する電源投入時に必要な設定(S1〜S4)を実行後、初期化スイッチ544の操作状態(S5)、電断時状況確認処理(S6〜S8)における電源断情報フラグ(電源断確認情報)の値、及びRWM領域の加算結果(チェックサムデータ)に対応して、電源断復帰時の処理(S9〜S17)、RWMの初期化時の処理(S24〜S26)、遊技進行割込み用の計時設定の処理(S27)、循環処理(S32(S28〜S31))等を実行する。
<<電源投入時に必要な設定>>
電源投入時に必要な設定として、スタックポインタの設定(S1)、割込みモードの設定(S2)、及びRWM503へのアクセス許可の設定(S3)が行われ、続いて内蔵レジスタの初期設定が行われる(S4)。
これらのうちスタックポインタの設定(S1)の処理においては、スタック領域を確保するため、スタックポインタにスタックポインタの初期値としてセットし、スタックポインタが特定の番地にセットされる。次に、割込みモードの設定(S2)においては、所定番号のモードを設定し、RWMのアクセス許可設定(S3)においては、RWMへのアクセスを許可するため、所定のレジスタにアクセス許可データをセットする。これにより、マスカブル割込みが特定の割込みモードに設定され、CPU内蔵RWMがアクセス許可にされる。さらに、内蔵レジスタの設定(S4)においては、内蔵レジスタ初期設定テーブルを用いて、遊技進行割込み使用設定値やクロック源選択値等といった対応する各種の設定値がセットされる。なお、メイン基板102における割込みについては後述する。
<<RWMクリアスイッチの操作状態の確認>>
初期化スイッチ544の操作状態の確認の処理(S5)においては、入力ポートを介して入力される初期化スイッチ544の出力信号の状態が確認される。RWMクリアスイッチが押されたか(オンされたか)否かが判定され、押されていなければ(S5:NO)、後述する電断時状況判定処理(S6〜S8)中の電源断情報フラグの値の判定処理(S6)へ進む。一方、初期化スイッチ544が押されていれば(S5:YES)、RWMの初期化時の処理(S24〜S26)の処理が行われる。
ここで、初期化スイッチ544は、対応する入力ポートのRWMクリアスイッチビットが5回連続でオンと判定された場合に操作されたと判断される。また、初期化スイッチ544が押されたか否かの情報の判定はこのとき1回だけ行われ、以降は判定が行われない。
また、この初期化スイッチ544の状態確認の処理(S5)においては、RWM先頭アドレス(番地)が相対アドレスの基準値としてセットされ、入力確認回数(ここでは5回)のセット、対応する入力ポート値の入力、当該入力ポートの値のうちのRWMクリアスイッチビットの検査、検査結果の確認、セットされた入力確認回数に亘り繰り返される入力確認、等の制御処理を実行する。
<<電断時状況確認処理>>
初期化スイッチ544の操作がなかった場合の電断時状況確認処理(S6〜S8)においては、電源断情報フラグの値が読込まれ、読込まれた値が所定の電源断正常データに一致するか否かが判定される(S6)。電源断正常データは、電源がオフする電源断(電断)が生じた際に、電源断の処理が正常に行われた場合に保存されるものである。そして、電源断情報フラグの値が電源断正常データに一致せず、S6における判定結果がNOとなった場合には、初期化スイッチ544の操作があった場合と同様に、制御処理は後述するRWMの初期化時の処理(S24以降)へ移行する。
電源断情報フラグの値が電源断正常データに一致した場合(S6:YES)場合には、チェックサムデータが算出される(S7)。このチェックサムデータの算出の処理においては、図示は省略するが、チェックサムデータとして初期値がセットされ、チェックサムデータに対して所定の演算が行われた後、演算後のチェックサムデータが0と異なるか否かの判定が実行される。
チェックサムデータが0でなかった場合(S8:NO)、即ち再開準備処理実行条件が成立していない場合には、相対アドレスの基準値の上位にRWM先頭上位がセットされ、この場合にもRWMの初期化時の処理(S24以降)へ移行する。一方、チェックサムデータが0であった場合(S8:YES)には、後述する電源断復帰時の処理(S9〜S17)へ移行する。
<<電源断復帰時の処理>>
電源断復帰時の処理においては、スタックポインタにスタックポインタバッファの値がセットされ、スタックポインタが電源断時に保存した値に戻される(S9)。さらに、メイン基板102とサブ基板104との通信線の検査を行うため、演出制御コマンドをサブ基板104へ送信する要求がされ(S10、S11)、装飾ランプ(遊技効果ランプ)及び効果音(音響演出)の演出を電源断発生前の状態に戻すため、演出制御コマンドをサブ基板104へ送信する要求がされる(S10、S11)。また、特別図柄表示装置の作動保留球数に対応したコマンドの要求を行うため、図柄記憶数コマンド要求処理が実行される(S12)。
さらに、ソレノイドが電源断発生前の出力状態に戻される(S13)。具体的には、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させるため、普通電動役物ソレノイド76、大入賞口ソレノイド80、81についてのソレノイド作動ビットが順に検査される。普通電動役物ソレノイド制御のソレノイド作動ビットがオンの場合、電源断前に第2始動入賞口63が開放中と判断し、第2始動入賞口63を開放させるため、ソレノイド作動設定値を普通電動役物ソレノイド制御に格納する。続いて、第1大入賞ソレノイド制御のソレノイド作動ビットがオンの場合、電源断前に第1大入賞口91が開放中と判断し、第1大入賞口91を開放させるため、ソレノイド作動設定値を普通電動役物ソレノイド制御に格納する。また、第2大入賞ソレノイド制御のソレノイド作動ビットがオンの場合、電源断前に第2大入賞口92が開放中と判断し、第1大入賞口91を開放させるため、ソレノイド作動設定値を普通電動役物ソレノイド制御に格納する。
この後、以降の特別図柄の設定の処理(S14)へ進み、特別図柄表示装置(70、71)の確率変動機能の作動状態の情報が設定される。この処理においては、特別図柄モードフラグの値がロードされ(言換えれば、特別図柄モードフラグの値が組み込まれ)、所定のレジスタにストアされる。次に、電源復帰の設定(S15)、及びデータ格納処理(S16)が実行される、さらに、払出制御基板との通信線異常の検出設定(S17)が実行され、ここでは、エラーフラグのアドレスがセットされ、エラー1フラグの内容の通信線異常ビットがセットされる。
続いて、遊技進行割込み処理の起動の処理において、遊技進行割込みを起動させるため、PTC0カウンタ設定レジスタのアドレスがセットされ、所定の大きさ(ここでは約4msに相当)のカウント値がPTC0カウンタ設定レジスタにセットされる(S18)。これにより、遊技進行割込みが4ms毎に発生することとなる。
そして、フラグレジスタを除く各種レジスタの復帰の処理が実行され(S19)、電源断が発生したときの状態が割込み許可であったのか否かの判定の処理(S20)が実行される。そして、電源断時が割込み禁止の状態であった場合には(S20:NO)、フラグレジスタを復帰させ(S21)、スタックポインタにセットされている再開指標情報に基づき、制御処理を電源断の発生前の戻すべき番地の処理に戻す。一方、電源断時が割込み許可の状態であった場合には(S20:YES)、フラグレジスタを復帰させた後(S22)、割込み許可の設定(S23)を行ってから、スタックポインタにセットされている再開指標情報に基づき、制御処理を電源断の発生前の戻すべき処理に戻す。
ここで、フラグレジスタの復帰を他のレジスタとは別に行うのは、フラグレジスタには確変等の遊技状態の情報が記憶されており、これらの情報の復帰を可能な限り、制御処理を電源断の発生前に戻す直前で行うためである。
<<RWMの初期化時の処理>>
RWMの初期化時の処理(S24〜S28)においては、RWM領域をクリアした後(S24)、RWMの初期設定(S25)、演出表示器(演出表示装置60)の初期化(S26)、及び遊技進行割込み用の計時設定(S27)を行う。このうちRWM領域のクリア(S24)からRWMの初期設定(S25)の処理においては、RWM全領域にクリアデータ(00H)がセットされ、クリアデータが相対アドレスの基準値としてストアされ、この基準値が+1される。さらに、この基準値のビット7が検査され、検査結果の判定が実行される。検査結果の判定の処理において、検査結果が0であれば、前述のクリアデータを上記基準値にストアする処理に戻り、初期化データ設定テーブルのアドレスがセットされる。これにより、RWMの初期値が設定される。なお、RWM領域のクリアは、全領域に対して行うものに限定されず、例えば特定の情報が記憶された一部の領域のみや、未使用の領域を除いた領域のみをクリアするようにしてもよい。
なお、上述のクリアデータの値である「00H」のように、数値の末尾に記載した「H」は、その数値が16進数表記されていることを表している。また、本実施例では、16進数を表す数値には「H」の記号を付し、2進数を表す数値には「B」の記号を付し、これらのような表記法を示す記号が付されていない数値は10進数で表記されたものとする。
演出表示器の初期化(S26)においては、演出表示装置60の初期化、エラー状態及び不正賞球監視情報のコマンド送信要求を行うため、演出初期コマンド設定テーブルのアドレスを引数としてコマンド要求データ設定処理を実行する。
<<遊技進行割込み用の計時設定の処理>>
遊技進行割込み用の計時設定の処理(S27)においては、遊技進行割込みを起動させるため、対応するカウンタ設定レジスタに所定の大きさのカウント値をセットし、遊技進行割込みを例えば4ms毎に発生させる。
<<循環処理>>
遊技進行割込み用の計時設定(S27)の後には、割込み処理時間監視手段である所定のタイマの再帰(リスタート)準備や、各種乱数の初期値の生成に用いられる乱数関係値の更新を行う循環処理(S32(S28〜S31))が実行される。この循環処理(S32(S28〜S31))においては、遊技機の管理を行うため、先ず、割込みを禁止する(S28)。さらに、割込み処理時間監視手段を再帰させる準備のため、割込み処理時間監視手段クリアレジスタに第1再帰情報となる所定の値をセットする(S29)。この第1再帰情報は、予め定められた例えば55H等の値である。
そして、初期値乱数更新処理を実行し(S30)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。この後、割込みを許可した後(S31)、再度割込み禁止(S28)の処理に戻り、それ以降の処理(S28〜S31)を順次繰り返して制御処理を循環させる。
割込み許可(S28)が実行される毎に前述の遊技進行割込みが可能となり、遊技進行割込み処理は、S27で設定された周期情報に基づいて、所定の周期(ここでは4ms周期)毎に繰返される。
<<初期値乱数更新処理>>
前述の初期値乱数更新処理(S30)においては、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新テーブルから乱数の更新回数取得し、更新回数分、初期値乱数の更新を行う。乱数の更新回数の取得においては、初期値乱数更新テーブル(図15(a)参照)の左列1行目の欄のデータアドレス(0D10H)の示す内容(乱数個数)を乱数の更新回数とする。なお、ここでは、乱数個数は、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数の3つになる。さらに、更新回数分の初期値乱数の更新の処理においては、更新回数分、初期値乱数更新テーブルの普通図柄当り初期値乱数のアドレス(下位)のデータアドレス(0D13H)を引数として2バイトソフト乱数更新処理(後述する)を実行する。なお、更新回数が2回以上の場合、前回実行した2バイトソフト乱数更新処理で取得した相対アドレスの基準値を引数とする。そして、2バイトソフト乱数更新処理で得られた乱数値を用い、初期値乱数更新処理(S30)における乱数関係値が生成される。
具体的には、相対アドレスの基準値として初期値乱数更新テーブルのアドレスがセットされ、乱数個数として上記基準値の内容がロードされる(言換えれば、上記基準値の内容が組み込まれる)。次に、上記基準値が+1され、乱数個数の退避が行われた後、2バイトソフト乱数更新処理が実行される。さらに、乱数個数の復帰が行われ、乱数個数を−1した結果が0でなければ前述の乱数個数の退避の処理に戻り、0であれば初期値乱数更新処理(S30)を抜ける。
また、初期値乱数更新処理(S30)においては、乱数関係値に異常があった場合に、その乱数関係値の補正が行われる。この乱数関係値の補正の処理においては、2バイトソフト乱数更新処理において得られた乱数値を基にして乱数関係値が生成され、この乱数関係値から所定値を減算する。減算した結果が0であれば、乱数関係値が正常であると判定して乱数関係値をストアするが、0未満の場合、乱数関係値が正常であると判定し、乱数関係値の最大値+1を補正値としてセットし、この補正値を乱数関係値に加算してから、得られた乱数関係値のストアを実行する。これにより、乱数関係値の異常が検出されるとともに、異常であった乱数関係値が補正される。つまり、乱数関係値の補正は、乱数関係値に対する所定の演算を行い、演算結果が所定の値とならなかった場合に、乱数関係値の補正を行うものである。
<<2バイトソフト乱数更新処理>>
前述の2バイトソフト乱数更新処理においては、入力された相対アドレスの基準値から乱数の最大値、乱数の格納アドレスを取得し、乱数の更新を行う。乱数の最大値の取得においては、上記基準値+0の示す内容を乱数最大値下位、上記基準値+1の示す内容を乱数最大値上位とする。乱数の格納アドレスの取得においては、上記基準値+2の示す内容を乱数格納アドレス下位とし、RWM先頭上位アドレスを乱数格納アドレス上位とする。乱数の更新においては、乱数を+1し、乱数最大値を超える場合には0にするため、取得した乱数格納アドレスの示す内容から2バイトの乱数を取得し、取得した乱数を+1する。加算した結果、取得した乱数最大値を超えた場合、0をセットする。なお、更新した乱数は、取得した乱数格納アドレスに格納した後、出力する乱数データにセットする。また、上記基準値+3を出力する上記基準値にセットする。
<遊技進行割込み処理>
次に、遊技進行割込み用の計時設定(S27)の処理において設定された周期情報に基づき4ms周期で繰返される遊技進行割込み処理について説明する。図13に示すように、遊技進行割込み処理においては、割込み動作条件の設定(S41、S42)、割込み処理時間監視手段の再帰(S43)、遊技機の管理(S45〜S70)、割込みの許可(S71)を順に行い、遊技進行割込みが発生する前の処理に復帰させる。
具体的には、割込み動作条件の設定の処理(S41、S42)においては、割込みフラグをクリアするため、割込み動作条件設定値が、遊技進行割込み制御レジスタに格納され(S41)、割込み動作条件設定値が、所定の入力端子に対応した制御レジスタにセットされる(S42)。この後、第2再帰情報がセットされ(S43)、更に第2再帰情報が割込み処理時間監視手段レジスタにセットされる(S44)。第2再帰情報は、後述するように、先にセットされた第1再帰情報とともに、割込み処理時間監視手段の監視用計時を再帰させてリスタートさせるための条件となるものである。
遊技機の管理(S45〜S70)においては、遊技機の管理を行うため、以下の処理を順に実行する。先ず、特定の信号の入力を監視するため、入力処理(S45)を実行する。ここで監視の対象となっているのは、遊技盤面に取り付けられている各種スイッチ、受け皿満タンスイッチ、開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、ガラス未検出信号、及び断線短絡電源異常検知信号である。
続いて、各種乱数更新処理(S46)を実行し、普通図柄変動パターン乱数、及び変動パターン乱数を更新する。さらに、初期値更新型乱数更新処理(S47)を実行し、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。次に、初期値乱数更新処理(S48)を実行し、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。また、2バイトタイマの更新を行うため、タイマ減算処理(S49)を実行し、第2始動入賞口63の有効期間を設定するため、第2始動口の有効期間設定処理(S50)を実行する。
さらに、入賞監視処理(S51)が実行され、賞球を払出す回数の記憶、盤用外部情報の出力要求の作成、及びサブ基板104に送信するコマンドの送信要求が行われる。続いて、払出制御基板103を制御するため、賞球制御処理(S52)を実行する。
次に、遊技球が普通図柄作動ゲート(作動口68a、68b)を通過したとき、普通図柄に係る乱数を記憶するため、普通図柄作動ゲート監視処理(S53)を実行し、普通図柄表示装置又は普通図柄電動役物に係る処理を行うため、普通図柄制御処理(S54)を実行する。さらに、普通図柄の変動開始の監視を行うため、普通図柄変動開始監視処理(S55)を実行する。また、遊技球の第1始動入賞口62及び第2始動入賞口63の入賞の監視を行うため、始動口監視制御処理(S56)を実行し、第1特別図柄表示部70又は第2特別図柄表示部71に係る処理を行うため、特別図柄制御処理(S57)を実行する。続いて、特別電動役物に係る処理を行うため、特別電動役物制御処理(S58)を実行し、第1大入賞口91又は第2大入賞口92の有効期間に係る処理を行うため、大入賞口有効期間設定処理(S59)を実行し、第1特別図柄、及び、第2特別図柄の変動開始の監視を行うため、特別図柄変動開始監視制御処理(S60)を実行する。
次に、磁気の監視、断線・短絡・電源の監視、電波の監視、ガラス枠セット・遊技盤の枠の開閉状態の監視、及びペアガラスの監視を行うため、異常検知処理(S61)を実行し、入球通過時間異常の検出を行うため、入球通過時間異常検出処理(S62)を実行する。さらに、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄表示装置の作動保留球数、及び特別図柄表示装置の作動保留球数の表示要求を行うため、遊技状態表示処理(S63)を実行し、発射ハンドル20のタッチ状態(操作量の状態を含む)の監視を行うため、ハンドル状態信号検査処理(S64)を実行する。また、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄表示装置(70、71)の作動保留球数の表示、普通図柄表示装置の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、及びエラーの表示を行うため、LED出力処理(S65)を実行する。
続いて、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、発射制御信号出力処理(S66)を実行し、試験装置に出力する信号を作成し出力するため、試験信号出力処理(S67)を実行する。さらに、普通電動役物ソレノイド、第1大入賞口開放ソレノイド、及び第2大入賞口開放ソレノイドの出力データの出力を行うため、ソレノイド出力処理(S68)を実行し、演出制御コマンドを送信するため、演出制御コマンド送信処理(S69)を実行し、外部端子(外部中継端子基板46(図2参照)の各種外部出力端子)に信号を出力するため、外部情報出力処理(S70)を実行する。
この後、割込み許可(S71)が実行され、制御処理がリターン(RET)に抜ける。そして、次回の遊技割込みが実行されるまでの残余時間を利用して、制御開始処理の前述の循環処理(S32(S28〜S31))が実行される。
<<入力処理>>
入力処理(S45)は、スイッチ入力に係る制御モジュールであり、この入力処理(S45)においては、遊技盤面に取り付けられている各スイッチや、断線短絡電源異常検知信号、開放信号、電波検知信号、及び、タッチ状態信号の各種信号の入力を監視するため、入力情報テーブルから検査回数、入力ポートアドレス、レベルマスクデータ、レベルアドレス、立ち上りマスクデータを取得し、スイッチ入力を検査回数分行う。
検査回数、入力ポートアドレス、レベルマスクデータ、レベルアドレス、立ち上りマスクデータの取得においては、入力情報テーブルのアドレス(入力情報テーブル+0)が示す内容を検査回数とし、入力情報テーブル+1から入力ポートアドレス、レベルマスクデータ、レベルアドレス、立ち上りマスクデータを検査回数分取得する。
スイッチ入力においては、取得した入力ポートのレベルデータを作成した後、取得した立ち上がりマスクデータが0以外の場合、立ち上がりデータを作成する。レベルデータの作成においては、取得したレベルマスクデータが示すビットの状態を、取得した入力ポートから所定期間(例えば5μs)以上の間隔を開けて、所定回数(例えば5回)連続で読み込み、5回の読み込みが全て一致したビットを今回のレベルデータとして、取得したレベルアドレスに格納する。レベルデータの上位アドレス(レベル上位アドレス)はRWM先頭上位アドレス(0F0H)としている。また、5回の読み込みで1回も一致しなかったビットとしては、前回のレベルデータを格納する。
立ち上がりデータの作成においては、取得した立ち上がりマスクデータが示すビットの立ち上がりデータを作成するため、今回と前回のレベルデータの排他的論理和を演算し、排他的論理和の結果と今回のレベルデータの論理積を演算する。さらに、作成した立ち上がりデータと、取得した立ち上がりマスクデータの論理積を演算し、この論理積の結果を取得したレベルアドレスのアドレスに+1したアドレスの領域に格納する。
<<各種乱数更新処理>>
各種乱数更新処理(S46)においては、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数の更新においては、普通図柄変動パターン乱数を+1し、最大値(ここでは232)を超える場合は0にするため、普通図柄変動パターン乱数の下位アドレス及び普通図柄変動パターン乱数最大値+1(ここでは223)を引数としてRWM更新処理を実行する。変動パターン乱数の更新においては、変動パターン乱数を更新するため、変動パターン乱数の値から所定値(ここでは3511)を減算する。減算した結果が0未満の場合、減算した結果に変動パターン乱数最大値+1(ここでは50000)を加算する。演算した結果は、変動パターン乱数に格納する。
<<初期値更新型乱数更新処理>>
初期値更新型乱数更新処理(S47)においては、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新するため、初期値更新型乱数更新テーブル(図15(b)参照)から更新する乱数の数、乱数の最大値、初期値更新型乱数のアドレス、初期値ワークのアドレスを取得し、初期値更新型乱数の更新を行う。
更新する乱数の数、乱数の最大値、初期値更新型乱数のアドレス、及び初期値ワークのアドレスの取得においては、初期値更新型乱数更新テーブルの左列1行目の欄のデータアドレス(0D30H)の示す内容(乱数個数)を更新する乱数の数とし、初期値更新型乱数更新テーブルの左列2行目の欄以降から乱数の最大値、初期値更新型乱数のアドレス、及び初期値ワークのアドレスを、更新する乱数の数分、順次取得する。
初期値更新型乱数の更新においては、初期値更新型乱数を+1し、最大値を超える場合は0にするため、初期値更新型乱数更新テーブル内の初期値更新型乱数の最大値が記載されているアドレスを引数として、2バイトソフト乱数更新処理を実行する。実行の結果、更新した初期値更新型乱数の値が取得した初期値ワークの内容と一致した場合、初期値更新型乱数の初期値を更新するため、取得した初期値ワークのアドレスから2行下のアドレス(0D37H)、3行下のアドレス(0D38H)が示す初期値乱数の内容を新しい初期値とし、取得した初期値更新型乱数のアドレス及び取得した初期値ワークのアドレスに格納する。
<<初期値乱数更新処理>>
初期値乱数更新処理については、制御開始処理で実行される初期値乱数更新処理と同じプログラムモジュールが用いられているが、乱数関係値の更新の周期が遊技進行割込みの周期(ここでは4ms)となる点で、制御開始処理中に実行される場合とは異なっている。
<<タイマ減算処理>>
タイマ減算処理(S49)においては、2バイトタイマの更新を行うため、2バイトタイマ更新テーブルのアドレス(2バイトタイマ更新テーブルのアドレス+0)の内容をタイマ数とし、次のアドレス(2バイトタイマ更新テーブルのアドレス+1)からタイマ数分、2バイトタイマの下位アドレスの取得を行う。また、取得した2バイトタイマの検査を行い、検査の結果、2バイトタイマの値が0以外の場合、2バイトタイマの更新(2バイトタイマの内容−1)を行う。検査の結果、2バイトタイマの値が0の場合、2バイトタイマの更新は行わない。なお、2バイトタイマの上位アドレスは、RWM先頭アドレス(0F0H)としている。
<<始動口2有効期間設定処理>>
始動口2の有効期間設定処理(S50)においては、第2始動入賞口63の有効期間を設定するため、普通図柄ステイタス(後述する)の値及び始動口2有効延長タイマの値に対応した値を始動口2有効期間フラグ(の記憶領域)に格納する。普通図柄ステイタスの値、及び、始動口2有効延長タイマの値に対応した始動口2有効期間フラグに格納する値の関係は、普通図柄ステイタスの値が普通電動役物作動中を示す3である場合、始動口2有効延長タイマの値は何も設定されず、始動口2有効期間フラグに格納する値として所定の始動口2有効期間データ(1)が用いられる。一方、普通図柄ステイタスの値が普通電動役物作動中以外の値を示す場合、始動口2有効延長タイマの値が0でなければ、始動口2有効期間フラグに格納する値として所定の始動口2有効期間データ(1)が用いられる。また、普通図柄ステイタスの値が普通電動役物作動中以外の値を示す場合、始動口2有効延長タイマの値が0であれば、始動口2有効期間フラグに格納する値として所定の始動口2無効期間データ(0)が用いられる。
<<入賞監視処理>>
入賞監視処理(S51)においては、賞球を払出す回数の記憶、外部端子(前述の外部中継端子基板46(図2参照)の各種外部出力端子)へ出力するセキュリティの出力要求の作成、及び、演出制御基板(ここではサブメイン基板301)に送信するコマンドの送信要求を行うため、入賞監視テーブルのアドレス(入賞監視テーブル+0)の示す内容を検査回数とし、検査回数分、遊技球のスイッチ通過検査を行う。スイッチ通過検査の結果、遊技球がスイッチを通過したと判断した場合、賞球回数の記憶、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成、及び、コマンドの送信要求を行う。ここで、入賞監視テーブルの構成は、検査回数、及び、各種遊技球検出装置(遊技球スイッチ)の検査データからなり、検査データの構成は、スイッチビットデータ、EVENTデータ、MODEデータ、賞球判定データ、無効期間有無判定データからなる。
<<賞球制御処理>>
賞球制御処理(S52)においては、払出制御基板103を制御するため、払出制御基板103からのデータ受信の監視、払出制御基板103へのコマンド送信要求、払出制御基板103へのコマンド送信及び払出制御基板103からの受信データ検査を順に行う。払出制御基板103からのデータ受信の監視においては、データ受信監視処理を実行する。払出制御基板103へのコマンド送信要求においては、払出コマンド要求処理を実行する。払出制御基板103へのコマンド送信及び払出制御基板103からの受信データ検査においては、払出コマンド制御処理を実行する。
<<普通図柄作動ゲート監視処理>>
普通図柄作動ゲート監視処理(S53)においては、遊技球の普通図柄作動ゲート(ここでは作動口68a、68b)通過を監視し、普通図柄作動ゲートを通過していると判断した場合には、普通図柄作動保留球数(普通図柄の保留数)の更新を行う。更新の結果、普通図柄作動保留球数の値が最大数である4未満のときに遊技球の通過を確認した場合、普通図柄に係る乱数の記憶を行う。
<<普通図柄制御処理>>
普通図柄制御処理(S54)においては、主制御表示装置53における普通図柄表示や、普通電動役物に係る処理を行うため、普通図柄の状態を監視し、普通図柄制御中と判断した場合に、普通図柄表示又は普通電動役物に係る処理を実行する。普通図柄の状態の監視においては、前述の普通図柄ステイタスが0の以外の場合、普通図柄制御中と判断する。普通図柄制御処理中、普通図柄ステイタスの値は1〜4をとり、各普通図柄ステイタス1〜4において対応する制御モジュールが実行される。そして、普通図柄ステイタス1は普通図柄変動中、普通図柄ステイタス2は普通図柄停止図柄表示中、普通図柄ステイタス3は普通電動役物作動中、普通図柄ステイタス4は普通電動役物作動終了デモ中に対応している。
<<普通図柄変動開始監視処理>>
普通図柄変動開始監視処理(S55)においては、普通図柄の作動状態を監視し、普通図柄の変動を開始させると判断した場合、普通図柄作動保留球数の更新、当り判定、停止図柄の決定、普通図柄の変動設定を行う。普通図柄の作動状態の監視においては、普通図柄ステイタスの値が、普通図柄変動待機中を示す0の場合、かつ、普通図柄作動保留球数の値が0以外の場合、普通図柄の変動を開始させると判断する。普通図柄作動保留球数の更新においては、普通図柄作動保留球数の内容を−1する。当り判定、停止図柄の決定においては、普通図柄当り判定処理を実行する。普通図柄の変動設定においては、普通図柄変動パターン番号の設定、普通図柄の変動時間の設定の後、普通図柄の状態設定及び当り判定、変動パターン決定に使用したRWMのクリアを行う。
普通図柄変動パターン番号の設定においては、確率変動機能検査処理を実行し、実行の結果、取得した普通確変作動データ及び普通図柄変動制御テーブルのアドレスを引数としてバイトデータ取得処理を実行する。実行の結果、取得した基底アドレスと取得した1バイトデータを加算して算出したアドレス及び普通図柄変動パターン判定領域の値を引数として1バイト選択番号取得処理を実行する。実行の結果、取得した選択番号を普通図柄変動パターン番号とする。普通図柄の変動時間の設定においては、普通図柄変動時間テーブルアドレスを基準として(−2して)得た値及び普通図柄変動パターン番号を引数として1バイト選択番号取得処理を実行する。実行の結果、取得した2バイトデータを普通図柄タイマに格納する。普通図柄の状態設定及び当り判定、変動パターン決定に使用したRWMのクリアにおいては、普通図柄の状態を普通図柄変動中にするため、普通図柄変動中状態設定テーブルのアドレスを引数としてデータ格納処理を実行する。また、当り判定に使用した普通図柄当り判定領域及び変動パターンの決定に使用した普通図柄変動パターン判定領域を0でクリアする。
<<始動口監視制御処理>>
始動口監視制御処理(S56)においては、遊技球の始動口1(第1始動入賞口62)入賞及び始動口2(第2始動入賞口63)入賞の監視を行う。始動口1及び始動口2の何れについても、対応する監視テーブル(始動口1監視テーブル又は始動口2監視テーブル)を用いて始動口監視処理が実行されるが、始動口2については、始動口2有効期間フラグの値を検査し、検査の結果、始動口2有効期間フラグの値が所定の始動口2有効期間データである場合に、始動口監視処理が実行される。
<<特別図柄制御処理>>
特別図柄制御処理(S57)においては、当り待ちの状態の検査を行い、当り待ちの状態と判断した場合、特別図柄表示装置1(第1特別図柄表示部70)又は特別図柄表示装置2(第2特別図柄表示部71)に係る処理を実行する。当り待ち状態の検査においては、特電遊技ステイタス(後述する)の値が0の場合、当り待ちの状態であると判断する。特別図柄表示装置1又は特別図柄表示装置2に係る処理においては、特別図柄表示装置1又は特別図柄表示装置2に係る処理の何れかを行うため、特図2遊技ステイタスの値を検査する。検査の結果、0の場合、特別図柄表示装置1に係る処理を行うと判断し、0以外の場合、特別図柄表示装置2に係る処理を行うと判断する。特別図柄表示装置1に係る処理、及び、特別図柄表示装置2に係る処理の各々においては、対応する特図遊技ステイタス(特図1遊技ステイタス又は特図2遊技ステイタス)のアドレス及び特図制御テーブル(特図1制御テーブル又は特図2制御テーブル)のアドレスを引数として特別図柄制御汎用処理を実行する。
<<特別電動役物制御処理>>
特別電動役物制御処理(S58)においては、特別電動役物に係る処理を行うため、条件装置及び特別電動役物の作動状態を検査し、条件装置が作動中又は特別電動役物が作動中と判断した場合、特別電動役物に係る処理を実行する。条件装置及び特別電動役物の作動状態の検査においては、特電遊技ステイタスの値が0以外の場合、条件装置が作動中又は特別電動役物が作動中と判断する。条件装置が作動中又は特別電動役物が作動中、特電遊技ステイタスの値は1〜8をとり、各特電遊技ステイタス1〜8において対応する制御モジュールが実行される。そして、特電遊技ステイタス1は大入賞口開放準備中、特電遊技ステイタス2は特別電動役物作動中、特電遊技ステイタス3は大入賞口閉鎖中、特電遊技ステイタス4は大当り終了デモ中、特電遊技ステイタス5は小当り開始デモ中、特電遊技ステイタス6は小当り特電作動中、特電遊技ステイタス7は小当り大入賞口閉鎖中、特電遊技ステイタス8は小当り終了デモ中に対応している。
<<大入賞口有効期間設定処理>>
大入賞口有効期間設定処理(S59)においては、大入賞口有効期間バッファの値に対応した値を大入賞口有効期間フラグに格納する。例えば、大入賞口有効期間バッファの値が0の場合、大入賞口無効期間データを大入賞口有効期間フラグに格納し、大入賞口有効期間バッファの値が0以外の場合、大入賞口有効期間データを大入賞口有効期間フラグに格納する。本実施例では、大入賞口として第1大入賞口91及び第2大入賞口92を備えているが、何れについても同様の制御処理を適用することが可能である。
<<特別図柄変動開始監視制御処理>>
特別図柄変動開始監視制御処理(S60)においては、特別図柄1(第1特別図柄)及び特別図柄2(第2特別図柄)の変動開始の監視を行う。特別図柄1及び特別図柄2の何れにおいても、特図遊技ステイタス(特図1遊技ステイタス又は特図2遊技ステイタス)のアドレス及び特図変動開始監視テーブル(特図1変動開始監視テーブル又は特図2変動開始監視テーブル)のアドレスを引数として特別図柄変動開始監視処理を実行する。
<<異常検知処理>>
異常検知処理(S61)においては、磁気の監視、断線・短絡・電源の監視、電波の監視、ガラス枠セット・遊技盤の枠・裏セット(ここではセット基盤31)の開閉状態の監視等を行うためエラー判定値の作成を行う。その後、エラー状態の検査、エラー状態の記憶、及び、演出制御基板(ここではサブメイン基板301)への遊技機のエラー状態演出の表示要求を順に行う。なお、エラー状態の検査でエラー状態に変化無しと判断した場合、エラー状態の記憶、及び、演出制御基板への遊技機のエラー状態演出の表示要求は行わない。
エラー判定値の作成においては、エラー判定値を作成するため、磁気検知信号の検査、断線短絡電源異常検知信号の検査、電波検知信号の検査、及び、開放信号の検査を順に行う。ただし、これらの検査に使用する検査データは、受信信号レベルの値とエラーフラグの値を排他的論理和した結果に通信異常マスクデータで論理積した値としている。エラー状態の検査においては、エラー状態の検査を行うため、エラーフラグ比較値とエラーフラグの値を比較し、一致した場合、エラー状態に変化無しと判断する。なお、エラーフラグの比較値は、エラー判定値の作成で作成したエラー判定値のビット0に通信線異常判定の値のビット0を反映した値としている。エラー状態の記憶においては、エラー状態の検査で作成したエラーフラグ比較値をエラーフラグに格納する。演出制御基板への遊技機のエラー状態演出の表示要求においては、MODE(エラーA)データ、及び、エラー状態の検査で作成したエラーフラグ比較値を引数としてコマンド要求設定処理を実行する。
<<入球通過時間異常検出処理>>
入球通過時間異常検出処理(S62)においては、入球通過時間異常の検出を行うため、各スイッチ(各入賞検出装置)レベルの連続オン時間の監視を行い、監視の結果、前回から変化があったと判断した場合、入球通過時間異常の設定、コマンドの送信要求、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成を順に行う。ただし、各スイッチレベルの連続オン時間の監視で、連続オン時間が異常ではないと判断した場合、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成は行わない。
各スイッチレベルの連続オン時間の監視においては、各スイッチレベルの連続オン時間の監視を行うため、連続スイッチテーブルのアドレスの示す内容を検査回数とし、検査回数分、スイッチビットデータを順次取得する。取得した各スイッチビットデータに対応したタイマアドレスの取得、スイッチレベルのオン時間の計測を行い、連続オン時間が異常と判断した場合、各スイッチビットデータに対応したアドレスに記憶されたEVENTデータの取得を行う。連続オン時間が異常ではないと判断した場合、EVENT(エラーB0)データ(00H)を設定する。なお、取得したEVENTデータと入球通過時間異常フラグ(後述する)の値が異なる場合、前回から変化があったと判断する。入球通過時間異常の設定においては、EVENTデータを入球通過時間異常フラグに格納する。コマンドの送信要求においては、MODE(エラーB)データ(9EH)及びEVENTデータを引数としてコマンド要求設定処理を実行する。外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成においては、異常センサ検知タイマのアドレス+1を引数として信号出力要求処理を実行する。
<<遊技状態表示処理>>
遊技状態表示処理(S63)においては、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄表示装置の作動保留球数、及び、特別図柄表示装置の作動保留球数の表示要求を行うため、特別電動役物が連続して作動する回数の表示データ作成、エラー状態の表示データ作成、普通図柄表示装置の作動保留球数の表示データ作成、及び、特別図柄表示装置の作動保留球数の表示データ作成を行う。なお、ここでいう「表示データの作成」は、より具体的には、後述するLED出力処理(S65)で表示データの作成を行うためのテーブルオフセット値を各RWM作業領域に記憶する処理のことを表している。そして、この遊技状態表示処理(S63)において、所定のタイマの値を確認して点灯パターンを切り替える処理が実行される。
特別電動役物が連続して作動する回数の表示データ作成においては、特別電動役物が連続して作動する回数の表示データを作成するため、最大作動回数比較テーブルのアドレスから検査回数を取得する。取得した検査回数分、最大作動回数比較テーブルの最終ラウンドデータと大入賞口最大開放回数の値を順次比較し、一致した場合、一致した時の検査回数を特別電動役物が連続して作動する回数の表示データとして特電作動回数表示番号の領域に格納する。全て一致しなかった場合、0を表示データとして特電作動回数表示番号の領域に格納する。より具体的には、対象となるセグメントテーブル(後述する)を参照するときに、0(=00H)が入力されていることで、該当するセグメントテーブルの参照をスキップする。なお、ここでは、特電作動回数の表示(ラウンド数の表示)は、状態表示灯1(第1状態表示灯231)と、状態表示灯2(第2状態表示灯232)とにより行われるため、異なる割込み処理中のLED出力処理にて状態表示灯1、2のそれぞれの点灯データが作成され、RWMの所定の領域に記憶される。
エラー状態の表示データ作成においては、エラー状態の表示データを作成するため、状態表示灯1(第1状態表示灯231)、状態表示灯2(第2状態表示灯232)、主制御エラー表示灯233の表示データの作成を行う。これらのうち、状態表示灯1(第1状態表示灯231)、及び、状態表示灯2(第2状態表示灯232)の表示データの作成においては、各データの作成のため、初期化監視タイマ1の値を検査し、検査の結果、初期化監視タイマの値が0の場合には、エラー状態表示番号1の領域に0を格納する。また、検査の結果、初期化監視タイマの値が0以外の場合には、エラー状態表示番号1の領域に1を格納する。より具体的には、対象となるセグメントテーブル(後述する)を参照するときに、消灯のための0(=00H)、又は、点灯のための1(=01H)がデータとして格納されているアドレスを参照するためのオフセット値を格納する。
さらに、上述の「エラー状態表示番号1の領域」は、後述するように、RWM作業領域の「F0ADH」であり(図22参照)、この値が、LED出力処理(デジット5時)で参照される。そして、後述する、エラー状態セグメントテーブル2(図20の120FH)の値を呼び出して、表示データを作成する。そして、F0ADHの領域に格納された値が0の場合は、LED出力処理(図13のS65)で点灯データなしと判断され、120FHの値は呼び出されない。
また、上述の初期化監視タイマ1は、RWMクリア時に設定されるタイマであって、後述するように、状態表示灯1〜3(第1状態表示灯231、第1状態表示灯232、主制御エラー表示灯233)を所定時間(ここではおよそ30秒)点灯させるための時間を測るタイマである。
また、主制御エラー表示灯233の表示データの作成においては、データ作成のため、遊技状態エラー出力マスクデータ(00011111B)を引数として、エラー検査処理を実行する。より具体的には、RWMの現在のエラー状態格納領域のデータとマスクデータをANDした結果(論理積の演算をした結果)が0でなければ、エラーありと判断する。そして、実行の結果、エラー検出なしの場合には、エラー状態表示番号2の領域に0を格納し、エラー検出ありの場合には、エラー状態表示番号2の領域に1を格納する。
続いて、前述の普通図柄表示装置の作動保留球数に係る表示データ作成(表示データ作成用オフセット値の記憶)、及び、特別図柄表示装置の作動保留球数に係る表示データ作成においては、各表示データの作成のため、作動保留球数表示更新テーブル+0の示す内容を更新回数(普図、特図1、特図2の3つの保留表示データを作成するため「3」が格納されている)として、更新回数分、作動保留球数(普図、特図1、特図2の順)の下位アドレス、及び、点滅タイマ(普図、特図1、特図2の順)の下位アドレスを順次取得し、点滅タイマの更新、及び、表示パターンの番号の作成を行う。
上述の点滅タイマの更新においては、点滅タイマの更新のため、点滅タイマの下位アドレスに所定の上位アドレスを組み合わせたRWM作業領域アドレスに格納されている値(=点滅タイマの値)を引数として、表示番号切り替え処理を実行する。そして、実行の結果に基づき、普図、特図1、特図2の各々に対して表示データ(点滅有りまたは無しのいずれかを指定するオフセット値)を格納しているRWMアドレスを取得する。なお、ここでの処理は、後述するRWM作業領域(図22参照)の普図保留球数点滅タイマ(F0B0H)から特図2保留球数表示番号(F0B8H)の領域を、必要に応じて使用する処理である。また、上述の表示番号切り替え処理については後述する。
また、前述の表示パターン番号の作成においては、表示パターン番号の作成のため、作動保留球数の2倍値に、上述の取得したRWMの示す内容(点滅における点灯の有りまたは無しを示すデータ)を加算し、加算した結果(今回割込みにおける普図または特図1または特図2の点灯パターンデータ)をRWMアドレス+1(点灯パターン記憶領域)の領域に格納する。なお、作動保留球数のアドレスおよび点滅タイマの上位アドレスは、RWM先頭上位アドレス(F0H)としている。
<<ハンドル状態信号検査処理>>
ハンドル状態信号検査処理(S64)においては、発射ハンドル20のタッチ状態の監視を行うため、ハンドル状態の検査を行い、検査の結果、ハンドル状態に変化ありと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの減算、ハンドル状態の更新、ハンドル状態監視タイマの設定、及び、ハンドル状態演出のコマンド送信要求を行う。検査の結果、ハンドル状態に変化なしと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの設定を行う。なお、ハンドル状態監視タイマの減算において、ハンドルタイマ減算中と判断した場合、ハンドル状態に関する以降の処理は行わない。
ハンドル状態の検査においては、ハンドル状態の検査を行うため、受信信号レベルの値及びハンドル状態フラグの値を検査する。そして、受信信号レベルの値を示すビットが0で、ハンドル状態フラグの値が00Hの場合、ハンドル状態に変化なしと判断し、ハンドル状態フラグの値が01Hの場合、ハンドル状態に変化ありと判断する。また、受信信号レベルの値を示すビットが1で、ハンドル状態フラグの値が00Hの場合、ハンドル状態に変化ありと判断し、ハンドル状態フラグの値が01Hの場合、ハンドル状態に変化なしと判断する。
ハンドル状態監視タイマの減算においては、ハンドル状態監視タイマの減算を行うため、ハンドル状態監視タイマの内容を−1する。減算の結果、0以外の場合、タイマ減算中と判断する。ハンドル状態の更新においては、ハンドル状態の更新を行うため、ハンドル状態フラグの値に対応した値をハンドル状態フラグに格納する。ハンドル状態フラグの値が00Hの場合、ハンドル状態フラグに格納する値は01Hとなり、ハンドル状態フラグの値が01Hの場合、ハンドル状態フラグに格納する値は00Hとなる。
ハンドル状態監視タイマの設定においては、ハンドル状態監視タイマの設定を行うため、ハンドル状態監視タイマにハンドル状態監視時間を格納する。ハンドル状態演出のコマンド送信要求においては、ハンドル状態演出のコマンド送信要求を行うため、MODE(ハンドル状態情報)データと、所定の値である7FHを論理積した結果、及び、ハンドル状態フラグの下位アドレスを引数としてコマンド要求設定処理を実行する。
<<LED出力処理>>
LED出力処理(S65)においては、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄表示装置の作動保留球数の表示、普通図柄表示装置の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物置の作動状態の表示、(右打ちや左打ちの)打ち分け表示、及び、エラー表示を行うため、表示の初期化、表示データの出力を順次行う。
このLED出力処理(S65)の内容を要約すると、上述の表示の初期化においては、表示を初期化するため、クリアデータをセグメント出力ポートへ出力する。また、上述の表示データの出力においては、表示データを出力するため、表示するデータに対応したデジットを出力した後、表示を行うLEDセグメントのデータを出力する。そして、このようなLED出力処理(S65)に係る回路構成や表示体構成、及び、具体的な処理態様については、図6、図16〜図24に基づき後述する。
<<発射制御信号出力処理>>
発射制御信号出力処理(S66)においては、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、払出制御基板103との通信状態及び断線短絡電源異常に対応した発射の禁止/許可の設定及び発射の禁止/許可の出力データの取得後、発射の禁止/許可の信号の出力を行う。払出制御基板103との通信状態及び断線短絡電源異常に対応した発射の禁止/許可の設定及び発射の禁止/許可の出力データの取得においては、ビット設定要求を反映したフラグを作成し、出力データを取得する。
ビット設定要求を反映したフラグの作成においては、エラーフラグの通信異常ビット又はエラーフラグの断線短絡電源異常ビットがオンの場合、ビットクリア要求ありとフラグに反映し、それ以外の場合、ビットセット要求ありとフラグに反映する。出力データの取得においては、ビット設定要求を反映したフラグ、デジット等バッファのアドレス、及び、発射許可信号ビットデータを引数としてビットデータ設定処理を実行する。実行の結果、取得したビットデータを出力データとする。発射の禁止/許可の信号の出力においては、発射の禁止/許可の信号を出力するため、取得した出力データをデジット等出力ポートへ出力する。
<<試験信号出力処理>>
試験信号出力処理(S67)においては、試験装置に出力する信号を作成し、対応した出力ポートに出力する。複数の試験信号出力ポートのうち、試験信号出力ポート1は、各特別図柄の変動中、大当り、役物連続作動装置作動中、条件装置作動中の信号を対応付けられた各端子から出力する。試験信号出力ポート2は、普通電動役物開放延長状態、普通図柄変動時間短縮状態、普通図柄高確率状態、特別図柄変動時間短縮状態、特別図柄高確率状態の信号を対応付けられた各端子から出力する。試験信号出力ポート3は、普通電動役物作動中信号、普通図柄変動中信号、普通図柄当り信号、特別電動役物作動中信号を対応付けられた各端子から出力する。各試験信号出力ポート1〜3に出力する信号の作成のため、試験信号データテーブル1〜3のうち対応する試験信号データテーブルのアドレスを引数として出力データ作成処理を行う。
試験信号出力ポート5は、遊技機エラー状態、発射位置指定、図柄データの信号を対応付けられた各端子から出力する。試験信号出力ポート5に出力する信号の作成においては、普通図柄組合せ番号の下位2ビットを図柄データのビット0、1とする。また、試験端子エラー出力マスクデータを引数としてエラー検査処理を実行する。実行の結果、エラー検出ありの場合、遊技機エラー中と判断し、遊技機エラー状態信号のオンを作成する。それ以外の場合、遊技機エラー状態信号のオフを作成する。打ち分け状態フラグの値が0の場合、発射位置指定信号1〜3のオフを作成する。それ以外の場合は、発射位置指定信号1のオン、発射位置指定信号2及び発射位置指定信号3のオフを作成する。試験信号出力ポート6及び試験信号出力ポート7は、図柄データの信号を対応付けられた各端子から出力する。
<<ソレノイド出力処理>>
ソレノイド出力処理(S68)においては、普通電動役物ソレノイド及び大入賞口開放ソレノイドの出力データの出力を行うため、普通電動役物ソレノイドの出力データの取得、大入賞口開放ソレノイドの出力データの取得、及び、出力データの出力を行う。普通電動役物ソレノイドの出力データの取得、及び、大入賞口開放ソレノイドの出力データの取得においては、それぞれ、ソレノイド作動フラグ及びソレノイド作動タイマの取得、出力データの取得、ソレノイド作動タイマの更新を順に行う。出力データの出力においては、取得した普通電動役物ソレノイドの出力データ、及び、大入賞口開放ソレノイドの出力データの論理和の結果をソレノイド出力ポートへ出力する。
<<演出制御コマンド送信処理>>
演出制御コマンド送信処理(S69)においては、演出制御基板へ送信するコマンドの送信要求を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファのクリアを行い、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順次行う。コマンドデータの送出タイミングは、演出データストローブにより規定され、演出データストローブ信号のオン時間(ここでは2μs以上)の後の所定時間(ここでは46μs以上)が演出データ保持時間となっている。
コマンドの送信要求の検査においては、コマンド要求書き込み位置(領域)の値とコマンド要求読み込み位置(領域)の値を比較し、値が一致しない場合、コマンドの送信要求があると判断する。要求するコマンドデータの取得においては、コマンド要求読み込み位置に格納されたアドレス算出値と位置補正ビットデータの論理積の2倍値とコマンドバッファのアドレスを加算し、加算の結果、取得したアドレスの内容をコマンドデータとする。なお、コマンド要求読み込み位置に格納されたアドレス算出値の取得後、コマンドデータの読み込み位置の内容を更新するため、コマンド要求読み込み位置を+1する。コマンドバッファのクリアにおいては、コマンドバッファをクリアするため、取得したコマンドデータが格納されていたコマンドバッファを0でクリアする。
取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得においては、取得したコマンドデータ上位をMODEデータとする。MODEデータの出力においては、取得したMODEデータを演出コマンド出力ポートに出力した後、演出データストローブを出力するため、ストローブ出力処理を実行する。MODEデータの保持においては、MODEデータの保持のため、所定時間(ここでは46μs以上)ウェイトする。取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得においては、取得したコマンドデータ下位をEVENTデータとする。EVENTデータの出力においては、取得したEVENTデータを前述のものと同じ演出コマンド出力ポートに出力した後、演出データストローブを出力するため、ストローブ出力処理を実行する。
<<外部情報出力処理>>
外部情報出力処理(S70)においては、外部中継端子基板46の外部出力端子に出力する信号を作成し、作成した信号の出力を行う。外部情報出力ポートの構成には、外部情報1〜外部情報6、及び、セキュリティを含み、残りの一つのビットは未使用である。外部情報1、外部情報3〜外部情報6の作成においては、外部情報データテーブルのアドレスを引数として出力データ作成処理を実行する。当りフラグの値が特図1小当りデータの場合、かつ、確率変動機能検査処理を実行し、実行の結果、普通図柄表示装置の確率変動機能が未作動の場合、外部情報3ビットのオンを作成する。
外部情報2の作成においては、外部情報2を作成するため、始動口情報タイマの所定のビットの検査を行い、検査の結果、始動口情報タイマの所定のビットのオン/オフに合わせて外部情報2のオン/オフを作成する。セキュリティの作成においては、外部情報エラー出力マスクデータを引数としてエラー検査処理を実行する。実行の結果、エラー検出あの場合、出力データのセキュリティビットのオンを作成する。それ以外の場合、出力データのセキュリティビットのオフを作成する。作成した信号の出力においては、作成した外部情報1〜外部情報6及びセキュリティを外部情報出力ポートに出力する。
<メイン基板における割込み>
次に、メイン基板102における割込みについて説明する。メイン基板102においてはマスカブル割込みとノンマスカブル割込みが行われ、このうちマスカブル割込みはPT0Iによるものである。PT0Iによるマスカブル割込みは、システムクロックを分周して4msの割込み周期を実現しており、この割込み周期で前述の遊技進行割込み処理(PTC0割込み処理)を実行させる。
一方、ノンマスカブル割込みは、メイン基板102が電源断を検知して電断信号を出力し、この電断信号が、図示を省略するノンマスカブル割込み端子(NMI端子)に入力されると発生する。
遊技進行割込み処理は、割込み処理時間監視手段により監視されており、この割込み処理時間監視手段が、CPU501のプログラム管理エリアの機能設定に設定されたタイムアウト時間内に初期化されてリスタートすることができない場合は、タイムアウトとなってユーザリセットが発生する。そして、CPU501のコアがリセットされ、制御開始処理が実行される。割込み処理時間監視手段のリスタートは、制御開始処理内の循環処理中と、遊技進行割込み処理中のそれぞれで再帰情報が設定されて内蔵タイマが初期化されると実行される。
<メイン基板における乱数>
次に、メイン基板102において用いられる乱数について説明する。本実施例における乱数は、役物作動に係る乱数と、遊技の用に供されるその他の乱数に分かれる。役物作動に係る乱数には、普通図柄当り乱数、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当り図柄初期値乱数の7種類がある。
普通図柄当り乱数は、普通図柄表示装置の抽選に使用する乱数である。乱数の値は「0〜282」をとり、乱数の大きさは283である。更新方法は、先ず前回の乱数に1を加算し、加算した結果が最大値を超えた場合は0に戻し、乱数が1周した場合は、その時の普通図柄当り初期値乱数の値を普通図柄当り乱数の値とするものである。更新時期は、遊技進行割込み毎であり、遊技進行割込み毎に1回更新される。取得時期は、左作動口68aの左通過検出装置69a、又は、右作動口68bの右通過検出装置69bにより遊技球の通過を検出した時である。当せんすることとなる乱数値の数は、低確率の場合と高確率の場合で異なり、低確率時は11個、高確率時は282個である。
普通図柄当り初期値乱数は、普通図柄当り乱数の初期値、及び普通図柄当り乱数の終了値を決定するための乱数である。乱数の値は「0〜282」をとり、乱数の大きさは283である。更新方法は、先ず前回の乱数に1を加算し、加算した結果が最大値を超えた場合は0に戻すものである。更新時期は、遊技進行割込み毎であり、また、遊技進行割込みを実行していない間も更新がされる。
特別図柄当り乱数は、CPU501の乱数回路のch(チャネル)Aで生成した乱数(ハードウェア乱数)をソフトウェアで取り込んで取得し、特別図柄表示装置(70、71)の抽選に使用する乱数である。乱数の値は「0〜065535」をとり、乱数の大きさは65536である。更新方法は、CPU501のRCK(乱数用クロック)端子に入力された水晶発振器の2クロックで1回更新するものである。乱数のスタート値は、CPU501のIDナンバーを基にした値で、電源のオン(又はオフ)に伴って実行されるシステムリセット毎に変更される。乱数列の変更方法は、乱数列が一巡する度に、自動的に乱数列を更新するものである。更新時期は、RCK端子に入力されたクロックの2分周クロックによって設定されるタイミングである。
取得時期は、第1始動入賞口62の始動入賞検出装置74又は第2始動入賞口63の始動入賞検出装置75で異なる。第1始動入賞口62の始動入賞検出装置74の場合は、入力信号がオフ→オンとなることによって、CPU501のP0端子にロウレベルが入力され、乱数回路のchAから取り込まれた乱数値(ハードウェア乱数の乱数値)が、乱数値レジスタ(RA0D)に格納される。ソフトウェアにより、第1始動入賞口62の始動入賞検出装置74の入力信号がオフ→オンとなったと判断した時に乱数値レジスタ(RA0D)に格納された内蔵乱数(ハードウェア乱数)を取得する。なお、特別図柄当り乱数は、取得した内蔵乱数に特別図柄当りソフト乱数を加算した値となる。
一方、第2始動入賞口63の始動入賞検出装置75の場合は、入力信号がオフ→オンとなった場合に、CPU501のP1端子にロウレベルが入力され、乱数回路のチャネルAから取り込まれた乱数値が、乱数値レジスタ(RA1D)に格納される点で、第1始動入賞口62の始動入賞検出装置74の場合と異なっている。
特別図柄当り乱数について、当せんすることとなる乱数の値の数は、条件装置が作動することとなる図柄の組合せを表示する場合、即ち大当りとなる場合と、条件装置が作動せず、かつ、特別電動役物が作動することとなる図柄の組合せを表示する場合、即ち小当りとなる場合とで異なる。大当りに当せんすることとなる乱数の値の数は、低確率の場合と高確率の場合で異なり、低確率時は164個、高確率時は1640個である。
一方、小当りに当せんすることとなる乱数の値の数は、第1特別図柄表示部70と第2特別図柄表示部71とで異なり、第1特別図柄表示部70については656個、第2特別図柄表示部71については105個である。
また、特別図柄当り乱数に関し、乱数の周期は、大きさが65536である乱数が所定のスピードで更新がされることから、約0.013s(秒)となる。
特別図柄当りソフト乱数は、特別図柄表示装置(70、71)の抽選に使用する乱数であり、前述のように乱数回路のchAで生成した内蔵乱数の取得時、取得した内蔵乱数に加算される。乱数の値は「0〜65520」をとり、乱数の大きさは65521である。更新方法は、先ず前回の乱数に1を加算し、加算した結果が最大値を超えた場合は0に戻し、乱数が1周した場合は、その時の特別図柄当りソフト初期値乱数の値を特別図柄当りソフト乱数の値とするものである。更新時期は、遊技進行割込み毎であり、遊技進行割込み毎に1回更新される。取得時期は、第1始動入賞口62の始動入賞検出装置74又は第2始動入賞口63の始動入賞検出装置75により遊技球の入賞を検出した時である。
特別図柄当りソフト初期値乱数は、特別図柄当りソフト乱数の初期値及び特別図柄当りソフト乱数の終了値を決定するための乱数であり、乱数の値は「0〜65520」をとり、乱数の大きさは65521である。更新方法は、先ず前回の乱数に1を加算し、加算した結果が最大値を超えた場合は0に戻すものである。更新時期は、遊技進行割込み毎であり、また、遊技進行割込みを実行していない間も更新がされる。
特別図柄当り図柄乱数は、大当りとなる図柄の組合せの決定に使用する乱数である。乱数の値は「0〜999」をとり、乱数の大きさは1000である。更新方法は、先ず前回の乱数に1を加算し、加算した結果が最大値を超えた場合は0に戻し、乱数が1周した場合は、その時の特別図柄当りソフト初期値乱数の値を特別図柄当り図柄乱数の値とするものである。更新時期は、遊技進行割込み毎であり、遊技進行割込み毎に1回更新される。取得時期は、第1始動入賞口62の始動入賞検出装置74又は第2始動入賞口63の始動入賞検出装置75により遊技球の入賞を検出した時である。
特別図柄当り図柄初期値乱数は、特別図柄当り図柄乱数の初期値及び特別図柄当り図柄乱数の終了値を決定するための乱数であり、乱数の値は「0〜999」をとり、乱数の大きさは1000である。更新方法は、先ず前回の乱数に1を加算し、加算した結果が最大値を超えた場合は0に戻すものである。更新時期は、遊技進行割込み毎であり、また、遊技進行割込みを実行していない間も更新がされる。
遊技の用に供されるその他の乱数には、普通図柄変動パターン乱数、変動パターン乱数の2種類がある。これらのうち普通図柄変動パターン乱数は、普通図柄表示装置の変動パターン選択に使用する乱数であり、乱数の値は「0〜232」をとり、乱数の大きさは233である。更新方法は、先ず前回の乱数に1を加算し、加算した結果が最大値を超えた場合は0に戻すものである。更新時期は、遊技進行割込み毎であり、遊技進行割込み毎に1回更新される。取得時期は、各作動口68a、68bの各通過検出装置69a、69bにより遊技球の通過を検出した時である。
変動パターン乱数は、特別図柄表示装置(70、71)の変動パターン選択に使用する乱数であり、乱数の値は「0〜49999」をとり、乱数の大きさは50000である。更新方法は、先ず前回の乱数から3511を減算し、減算した結果が0未満の場合には、減算した結果に50000を加算するものである。更新時期は、遊技進行割込み毎であり、遊技進行割込み毎に1回更新される。取得時期は、第1始動入賞口62の始動入賞検出装置74又は第2始動入賞口63の始動入賞検出装置75により遊技球の入賞を検出した時である。
<<電源断処理>>
次に、電源断が生じた場合に実行される電源断処理について説明する。図14に示すように、電源断処理においては、全使用レジスタのデータをRWMに退避し(S81)、電源断前の割込み許可/禁止の状態を保存する(S82)。さらに、RWMに電源投入正常の情報が保存されているか否かが判定され(S83)、保存されていない場合には(S83:NO)、電源断異常の情報をRWMに保存し(S84)、RWMアクセス禁止の処理(S88)へ移る。一方、保存されている場合には(S83:YES)、スタックポインタの値をスタックポインタバッファに保存し(S85)、電源断正常の情報をRWMに保存し(S86)、RWMのチェックサムを算出し、チェックサムデータを保存する(S87)。そして、RWMをアクセス禁止とし(S88)、制御処理をループさせながらCPU501のリセットを待つ。
また、この電源断処理においては、前述した第1再帰情報及び第2再帰情報の双方の設定が済んでいなかったとしても、CPU501が強制再帰手段として機能し、第1再帰情報及び第2再帰情報の設定が行われ、割込み処理時間監視手段の監視用計時が強制的に初期化され、計時が再帰させられる。さらに、この強制的な第1再帰情報及び第2再帰情報の設定は、本実施例では、電断処理開始直後であって、全使用レジスタの退避の処理(S81)よりも前のタイミングで行われている。そして、電力供給が再開された場合には、監視用計時が再帰した状態で、制御処理が開始される。つまり、電源断発生時に監視用計時を強制的に再帰させておくことにより、電力供給を再開した直後の制御処理において、監視用計時が再帰しないまま、制御処理が進行することを防止できるようになっている。
<その他の個々の制御処理態様>
<<コマンド送信タイミングに係る制御態様>>
本実施例では、メイン基板102からサブメイン基板301に出力される演出制御コマンドは、送信の前に、コマンド要求により、コマンドバッファに一旦格納される。コマンドバッファは、複数のバッファをリングバッファとして機能させたものであり、コマンド送信のための制御処理(ここでは演出制御コマンド送信処理(S69))において、コマンドバッファに蓄積された順に、1回の遊技進行割込み処理で1コマンドずつ、コマンドバッファから取出されて送信される。なお、優先順位が高く設定されたコマンドから先に送信するような手法も採用可能である。また、各種の制御処理において、送信が必要となったコマンドが発生した場合に、随時コマンド送信を行うことも可能である。このような手法を採用した場合には、1回の遊技進行割込み処理中に、例えば演出制御コマンド送信処理(S69)のような一つの制御処理モジュール内で集約的に演出コマンドの送信が行われるのではなく、コマンド送信の必要が生じる都度、各制御処理モジュール内で、逐次的にコマンド送信が行われることになる。このため、コマンド送信が次回以降の遊技進行割込み処理に持ち越されるといった事態が生じ難い。そして、例えば始動入賞時のコマンドや、特別図柄の変動開始時のコマンド送信に遅れを生じることがなく、迅速なコマンド処理が可能となる。
<<保留記憶の更新に係る制御態様>>
本実施例では、前述のように、第2遊技が優先される構成が採用されており、第1及び第2の複数の遊技の実行順序に規則性が設けられているため、保留記憶の更新は、第2遊技、或いは、第1遊技毎に順に行われる。したがって、第2遊技、或いは、第1遊技毎に、保留記憶された情報の更新のみを行えば、保留記憶された情報の更新が完了する。しかし、これに限定されず、例えば、第1遊技を優先する構成や、何れかの遊技を優先させるのではなく、始動入賞が発生し保留記憶された順に、保留記憶を消化する構成なども採用が可能である。このうち、始動入賞が発生した順に保留記憶を消化する構成を採用した場合には、消化に応じた保留記憶情報の更新、複数の遊技の合計保留数の更新、及び、入賞順序の記憶を行うことにより、全体として、保留記憶された情報の更新を行うことができる。
また、本実施例では、保留記憶が更新されたことをサブメイン基板301に伝えるため、前述のように図柄記憶数コマンド(図柄1記憶数コマンドや図柄2記憶数コマンド)の要求が行われるが、1つのコマンドに図柄1記憶数コマンド、及び、図柄2記憶数コマンドの双方を含めることにより、必要なプログラムやメモリの容量を削減できる。
<<変動パターンの抽選に係る制御態様>>
続いて、変動パターンの抽選に係る各種態様について説明する。ここで説明する変動パターンの決定の態様は、一のぱちんこ遊技機10において、何れかが選択されて適用されてもよく、或いは、適宜併用されていてもよい。そして、複数の態様を併用する場合には、例えば、当否結果等の要素に基づき、態様の使い分けを行うことが可能である。
本実施例では、変動パターンの決定には、前述のように、当否結果、保留球数、特別図柄(図柄群の場合もある)、及び、変動パターン選択状態(特別図柄のステイタス情報)が決定要素として用いられているが、これらの決定要素の組合せに対応した変動パターンが選択される。そして、変動パターンの決定に伴い、変動パターンと紐付けされ対になっている変動時間が決定される。さらに、本実施例では、変動パターンの決定に関し、当否抽選の結果が大当りの場合と、はずれの場合とで、決定の要素を異ならせることが行われている。すなわち、大当りの場合には、演出状態(特別図柄のステイタス情報など)、特別図柄群、当否乱数を基に、これらに紐付けされた中から変動パターンが選択される。一方、はずれの場合には、演出状態、保留球数、当否乱数を基に、これらに紐付けされた中から変動パターンが選択される。このうち、大当りの場合で、演出上の再抽選の時間が付与される変動パターンについては、演出状態(特定の演出の有無など)と、特別図柄群とに基づき、再抽選の時間の付与の有無が決定され、決定された結果が、メイン基板102からサブメイン基板301へ送信される。
また、変動パターン及び変動時間の決定に際して、決定された演出パターン番号(別の言い方をすれば、演出パターンの内容)に応じた後続的な変動時間の決定を行うことが可能である。例えば、選択された変動パターンが、限定頻度パターン演出に対応したものである場合に、それに応じた変動時間の延長分を事後的に決定するといったことが考えられる。
また、前述のように特別図柄の図柄変動開始時のコマンドとして変動付加情報のコマンドを設定することにより、遊技状態や当り図柄といった要素に関係づけて先に決定した変動時間に、後発的に付加時間を加算する演出が行うことができる。そして、この様な態様で、総合的な変動時間を決定する場合には、以下のように、予め設けられる変動パターンの数を少なく抑えつつ、多様な変動パターンを作成することが可能である。すなわち、前述の擬似連続予告(所謂「擬似連」)を行う場合について考えれば、擬似連の変動パターンを単に個別に設定した場合には、演出の種類数と同じ数の変動パターンを予め設けておく必要がある。そして、このように全て個別に演出パターンを用意した場合には、変動パターンの合計数が大となって、例えば256個を超えるほどの数に達することも考えられる。このため、多数の変動パターンに対して識別可能な符号を与えるためには、従来よりも符号を表すためのビット数やバイト数を増やす必要が生じてしまう。
しかし、変動付加情報(変動付加パターン)を用いることにより、相対的に少ない数の基本の変動パターンに対し、例えば乱数抽選した変動付加情報を繋げて、事後的に変動パターンを形成することが可能である。そして、このことにより、変動パターンの組合せにより新たな変動パターンを形成できるので、予め設けておく変動パターンの数を過大とすることなく、多様な変動パターンを作成できる。なお、変動付加情報に係る乱数値も、先読み演出用のコマンドとして、始動入賞発生時に、メイン基板102からサブメイン基板301に送信することが可能である。また、限定頻度パターン演出が実行される場合に変動付加情報の付加が行われ易くなるよう、変動付加パターンの出現確率を設定しておくことなども可能である。なお、変動付加情報を用いる例を更に挙げれば、演出図柄190の組合せとして最初から確変図柄である「777」が表示された場合には変動付加情報の設定は行わず、演出図柄190の組合せとして、一旦非確変図柄である「666」が表示された場合には、「777」に昇格させるか否かの結果が表示されるまでの演出(例えば、揺れ変動の演出や、変動態様の展開を表す演出など)を、変動付加情報を設定して行う、といったことがある。
また、本実施例では、変動パターンは、保留球数を要素として決定されており、保留球数が幾つであるかに応じて、参照される変動パターンテーブルが異なる。変動パターンテーブルは、保留球数0〜4に対応して設けられている。保留0〜3の4つだけではなく、保留4に対応する変動パターンテーブルが設けられているのは、以下の理由による。例えば、保留球数が4つの状況から新たな変動表示が開始され、保留球数が3となった場合を考える。その時点で実行されている遊技進行割込み処理中の、未だ制御処理が、後の遊技進行割込み処理中の処理である変動パターンの決定に至らない段階において、保留球数が3となっている状態から新たな始動入賞が発生すると、変動パターンの決定時には、保留球数が加算されて4となっている。したがって、このような状況も変動パターンの決定の要素とし得るよう、保留球数0〜4に対応して変動パターンテーブルが設けられているのである。
ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、変動パターンテーブルは、保留球数0〜3に対応して設けるようにしてもよい。この場合、制御処理上、保留球数3の状態から変動パターンの決定までの間の始動入賞が加算されない構成とすることが可能である。なお、何れの態様についても、4個以外の最大保留数(例えば8)が設定されたタイプのぱちんこ遊技機にも適用が可能である。
また、変動パターン乱数の取得タイミングとしては、変動パターン抽選時とすることが可能である。すなわち、変動パターン乱数は、特別電動役物等の役物作動に係る乱数ではないので、適正な遊技を行うための要素としては、当否乱数などに比べて、例えば公正な遊技を目指すうえでの制約を設ける必要性が低くなる。したがって、始動入賞時には敢えて変動パターン乱数の取得はせず、例えば、別途設けられたタイミングとして変動パターン抽選時に、変動パターン乱数を取得し、記憶することが考えられる。このようにすることにより、始動入賞時に記憶すべき情報の数を減らすことができ、プログラムやメモリの容量削減が可能となる。
<<図柄の指定に係る制御態様>>
図柄の抽選にあたり、図柄乱数を示す符号の上位バイトの値に基づき使用する図柄判定テーブルを決定し、その後、図柄乱数の下位バイトの値に基づき、決定した図柄判定テーブルから図柄を決定することなども可能である。本実施例では、図柄乱数の数値範囲が「0〜999」に設定されているので、これらの数値の2値符号コードを利用することができる。そして、このようにすることにより、メモリやプログラムの容量を削減できる。また、当り図柄(図柄群であってもよい)に対してラウンド数や時短回数等の遊技状態の振分けを行い、当り図柄に応じて、その後のラウンド数や時短回数等が決定されるようにしてもよい。このようにすることにより、遊技状態の固有のデータの記憶や制御処理を行う必要がなく、メモリやプログラムの容量を削減できる。さらに、メイン基板102からサブメイン基板301へ当り図柄等を伝えるコマンド(例えば、本実施例では、図柄1演出パターン、図柄2演出パターンの各コマンド)に、遊技状態を伝える情報(遊技状態指定情報)を付加することも可能である。このコマンドは、作成されてから直ぐにサブメイン基板301へ送信されるものではなく、作成されて一時記憶され、所定のタイミングを待ってからサブメイン基板301へ送信されるものである。
<<特別図柄と演出図柄の変動時間の関係>>
前述のように、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)と、これに対応した演出図柄190とは、互いに同期して変動開始及び変動停止するよう制御されるものであるが、状況によっては、演出図柄190の変動時間が、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動時間に対してある程度短くなり得るものである。
すなわち、特別図柄の変動や変動パターンの決定がされ、特別図柄の変動が開始される際に、メイン基板102からサブメイン基板301に対し演出図柄の変動開始コマンド(変動開始時のコマンド)が送信されるが、所定のコマンド(例えば変動開始時のコマンドの最初のコマンド)の送信及び受信に要する時間や、コマンドバッファ(本実施例ではリングバッファタイプが用いられている)にセットされ待機しているコマンド(先入れのコマンド)が全て送出されるまでの時間などの影響を受け、その分、演出図柄の変動開始が特別図柄の変動開始よりも遅延することが考えられる。さらに、特別図柄の変動停止時には、変動停止コマンド(特別図柄の図柄確定時のコマンド)がサブメイン基板301に送信されるが、所定のコマンド(例えば図柄確定時変動開始時のコマンドの最初のコマンド)の送信及び受信に要する時間や、コマンドバッファの混み具合(送信待機中のコマンドの数の程度)により、演出図柄の変動停止が遅延することも考えられる。
このように、演出図柄の変動時間は、特別図柄の変動時間に対してある程度短くなり得るものであり、特別図柄が変動開始した後に演出図柄が変動開始し、特別図柄が変動停止した後に演出図柄が変動停止するということが生じ得る。なお、演出図柄の変動開始時と変動停止時との遅延の程度についは、通常は、変動開始時には送信すべきコマンドの数が相対的に多く、停止時には相対的に少ないことから、変動停止時の遅延の程度は、変動開始時に比べて小さい(少ない)と考えられる。
<主制御表示装置に係る主要な構成と各種制御態様>
続いて、前述の主制御表示装置53に係る主要な構成や各種の制御態様について説明するが、ここでは先ず、図16(b)に基づいて主制御表示装置53に備えられた各デジット(DIG1〜DIG5)について説明する。そして、その後に、各デジットの選択や、各デジットに備えられた各LEDセグメント(以下では単に「セグメント」と称する)をオン/オフさせるための回路構成、及び、制御処理について説明する。
<<各デジットの構成>>
主制御表示装置53には、5つのデジット(DIG1〜DIG5)が備えられている。本実施例においては、各デジット(DIG1〜DIG5)は、発光素子であるセグメントを複数備えており、個々のデジットが、複数(8個や4個など)発光素子を備えた個々のグループ(発光素子グループ)を構成している。
また、各デジットにおける各セグメントは、1バイト(8ビット)のセグメントデータ(セグメントデータやセグメント出力データなどともいう)によって、オン/オフの動作状態が指定されるようになっている。各デジットにおける複数のセグメントは、各デジットごとにグループを構成している。そして、各デジットにおけるセグメントのグループを、例えば「識別表示単位素子グループ」などと称することが可能である。なお、以下では、1バイトのセグメントデータの個々のビットを、最下位ビットD0から最上位ビットD7の8つの符号によって表す。
上述のセグメントデータに関して、図16(b)中に示すデジット1からデジット5のうち、第1デジットであるデジット1においては、図中の右端に示すD0から、左端に示すD7の順に、普通図柄記憶表示用第1LED(A)、普通図柄記憶表示用第2LED(B)、普通図柄表示LED(C)、第3状態表示灯D、第4状態表示灯E、右打ち指示灯F、第1状態表示灯用第1セグメント231a、第1状態表示灯用第2セグメント231bが割当てられている。
さらに、デジット1の下段に示すデジット2については、D0〜D7のうちD0〜D3の4つは使用されていない。そして、D4〜D7には順に、第1特別図柄記憶表示用第1LED(O)、第1特別図柄記憶表示用第2LED(P)、第2特別図柄記憶表示用第1LED(Y)、第2特別図柄記憶表示用第2LED(Z)が割当てられている。
また、デジット3については、D0〜D7の順に、第1特別図柄表示部70を構成するLED表示灯G〜Nが割当てられており、デジット4については、D0〜D7の順に、第2特別図柄表示部71を構成するLED表示灯Q〜Xが割当てられている。さらに、デジット5については、D0〜D7の順に、第2状態表示灯232を構成する第2状態表示灯用第1セグメント232aから第2状態表示灯用第7セグメント232gの7つのセグメントと、主制御エラー表示灯233(233a)とが割当てられている。
これらのデジット1〜5は、所定周期の割込み処理(ここでは4ms周期の遊技進行割込み処理)が実行されるごとに、順に選択される。つまり、デジット1〜5は、20ms(4ms×5)のデジット選択周期ごとに、選択される順番を迎える。そして、デジット1〜5は、20ms毎に瞬間的に点灯するように制御されるが、遊技者の目には常時点灯しているかのように視認される。
そして、例えば、普通図柄の保留球数に係る記憶表示が行われる場合には、デジット1が選択された遊技進行割込み周期において、1バイトデータのうち、D0及びD1に対応付けられた最下位ビット(ビット0)及びビット1が、普通図柄の記憶表示のための「00B」、「01B」、「10B」、「11B」のいずれかの値となる。そして、前述のセグメントデータの値が「1B」となっているビットに対応したセグメントはオン(点灯駆動)され、「0B」となっているビットに対応したセグメントはオフ(消灯駆動)される。
また、例えば、図16(a)に示す第1状態表示灯231a、231b、及び、第2状態表示灯232a〜232gを用いて、大当り等に係るラウンド表示が行われる場合には、第1状態表示灯231のセグメントを含んだデジット1が選択された遊技進行割込み処理の後に、デジット2〜4が選択される3回の遊技進行割込み処理を経て、これに続く遊技進行割込み処理において、第2状態表示灯232のセグメントを含んだデジット5が選択される。
本実施例においては、大当りに係るラウンド表示において、16Rと4Rのうちのいずれかが表示される。さらに、ラウンド表示は、ラウンド数を示すアラビア数字の態様で行われるのではなく、暗号化された記号を用いて行われている。そして、本実施例では、表示される各ラウンド数のうち、16Rの表示が行われる場合は、図16(a)及び図17(a)に示すように、第1状態表示灯231の第1状態表示灯用第1セグメント231aと、第2状態表示灯232の4つのセグメント(第1セグメント232a、第3セグメント232c、第5セグメント232e、第6セグメント232f)とが点灯駆動されるようになっている。ここで、図17(a)においては、点灯しているセグメントを、ハッチングを施して示している。
さらに、上述のように16Rの表示が行われる場合は、選択されたデジット1のビット6(第1状態表示灯用第1セグメント231a)に係るセグメントデータは「1B」となり、ビット7(第1状態表示灯用第2セグメント231b)に係るセグメントデータは「0B」となる。また、選択されたデジット5の最下位ビット(ビット0)からビット7のセグメントデータは「0110101B」となる。
また、本実施例では、4Rの表示が行われる場合は、同じく図16(a)及び図17(a)に示すように、第1状態表示灯231の第1状態表示灯用第2セグメント231bと、第2状態表示灯232の5つのセグメント(第1セグメント232a、第3セグメント232c、第5セグメント232e、第6セグメント232f、第7セグメント232g)とが点灯駆動されるようになっている。
さらに、本実施例では、小当りの表示が行われる場合は、同じく図16(a)及び図17(a)に示すように、第1状態表示灯231の第1状態表示灯用第1セグメント231aと、第2状態表示灯232の5つのセグメント(第1セグメント232a、第3セグメント232c、第5セグメント232e、第6セグメント232f、第7セグメント232g)とが点灯駆動されるようになっている。
また、図17(b)は、第1特別図柄に係る保留表示(特図1保留表示)、第2特別図柄に係る保留表示(特図2保留表示)、普通図柄に係る保留表示(普図保留表示)に係る、保留数ごとの表示態様を示している。すなわち、特図1保留表示は、前述のデジット2に含まれる第1特別図柄記憶表示用第1LED(O)と、第1特別図柄記憶表示用第2LED(P)とを用いて行われ、特図2保留表示は、同じく前述のデジット2に含まれる第2特別図柄記憶表示用第1LED(Y)と、第2特別図柄記憶表示用第2LED(Z)とを用いて行われる。また、普図保留表示は、前述のデジット1に含まれる普通図柄記憶表示用第1LED(A)と、普通図柄記憶表示用第2LED(B)とを用いて行われる。
さらに、特図1保留表示においては、図17(b)中に示すように、保留が無い場合(保留無の場合)は、LED表示灯OとLED表示灯Pが、いずれも消灯となる。また、保留数が1(保留1)の場合は、LED表示灯Oが点灯、LED表示灯Pが消灯となり、保留数が2(保留2)の場合は、LED表示灯OとLED表示灯Pが、いずれも点灯となる。さらに、保留数が3(保留3)の場合は、LED表示灯Oが点滅、LED表示灯Pが点灯となり、保留数が4(保留4)の場合は、LED表示灯OとLED表示灯Pが、いずれも点滅となる。
さらに、本実施例においては、特図2保留表示、普図保留表示のいずれについても、特図1保留表示と同様の表示態様が採用されており、保留無の場合は両方のLED表示灯が消灯し、保留1の場合は、LED表示灯Y(又はLED表示灯A)が点灯、LED表示灯Z(又はLED表示灯B)が消灯となる。また、保留2の場合は、LED表示灯Y(又はLED表示灯A)と、LED表示灯Z(又はLED表示灯B)が、いずれも点灯となり、保留3の場合は、LED表示灯Y(又はLED表示灯A)が点滅、LED表示灯Z(又はLED表示灯B)が点灯となる。さらに、保留4の場合は、LED表示灯Y(又はLED表示灯A)と、LED表示灯Z(又はLED表示灯B)が、いずれも点滅となる。
さらに、本実施例においては、前述の第3状態表示灯(LED表示灯D)は、特別図柄に係る確率変動機能の未作動時には消灯となり、作動時には点灯となる。なお、第3状態表示灯(D)が点灯状態となるのは、ぱちんこ遊技機10の電源投入時のみとされている。また、前述の第4状態表示灯(LED表示灯E)は、普通図柄に係る確率変動機能の未作動時には消灯となり、作動時には点灯となる。さらに、前述の右打ち指示灯(LED表示灯F)は、左打ち時には消灯となり、右打ち時には点灯となる。なお、ここでは、1部のLED表示灯を例に挙げて表示態様についての説明を行ったが、デジットの選択や、セグメントの駆動のための制御態様の詳細については後述する。
<<LED出力に係る回路構成>>
続いて、前述のデジット1〜5の選択、及び、セグメントデータを出力するための回路構成について説明する。図18は、主制御表示装置53の各種セグメントをオン/オフさせるための主制御LED駆動回路部(以下「駆動回路部」と称する)201を示している。この駆動回路部201は、前述のメイン基板102(図4参照)に形成されているものである。そして、図4では、この駆動回路部201の図示を省略しているが、駆動回路部201は、図18中に示すように、デジット等出力IC202と、セグメント出力IC203とを備えている。
これらのうちデジット等出力IC202は、前述のデジット1からデジット5の選択を行う機能を有しており、セグメント出力IC203は、選択されたデジットに含まれるセグメントを個別にオン/オフする機能を有している。そして、デジット等出力IC202は、図4中に示すメインCPU501の出力ポート(図示略)に、データバス204を介して接続されており、メイン基板102の入出力ポート505を介して、主制御表示装置53の図柄表示基板256に接続されている。ここで、図18中においては、メイン基板102の入出力ポート505等の図示は省略されている。また、図18中で図柄表示基板256中に「DIG1」〜「DIG5」で示すのは、前述したデジット1〜5の5つのデジットである。
さらに、本実施例においては、メイン基板102に、Dフリップフロップの機能を有する同じパッケージIC部品が複数(例えば5個以上程度)実装されており、図18中に示すように、そのうちの所定の1つがデジット等出力IC202として使用され、他の所定の1つがセグメント出力IC203として使用されている。また、デジット等出力IC202やセグメント出力IC203として使用されているパッケージIC部品は、各々20個の端子を有しており、これらの端子の中には、データ入力用の8つの端子(データ入力端子D1〜D8)、データ出力用の8つの端子(データ出力端子Y1〜Y8)、クロック入力用の1つの端子(CLK端子)、クリア入力用の1つの端子(CLR端子)などが含まれている。
なお、図18中においては、負論理での信号の入力又は出力がある端子(ここではY1端子〜Y8端子やCLR端子)には、記号の上部に「−」を付して記載しているが、本実施例中においては、正論理又は負論理の区別をせずに、各端子の符号を記載して説明を行う。
デジット等出力IC202及びセグメント出力IC203の各CLR端子には、図18中に示すように、リセット信号(RESET信号)が入力されるようになっている。このRESET信号は、メインCPU501(図4参照)から出力されるものである。さらに、デジット等出力IC202及びセグメント出力IC203の各CLK端子には、図18中に示すように、チップセレクト信号(XCS0やXCS4)が入力されるようになっている。このチップセレクト信号(XCS0やXCS4)も、メインCPU501(図4参照)から出力されるものである。
また、デジット等出力IC202及びセグメント出力IC203のデータ入力端子D1〜D8は、データバス204に接続されている。このデータバス204は、メインCPU501(図4参照)の所定のデータ出力端子に接続されており、データバス204を介して、メインCPU501の出力データが、デジット等出力IC202及びセグメント出力IC203に入力されるようになっている。
<<<デジット等出力ICにおける信号出力>>>
上述のようなデジット等出力IC202及びセグメント出力IC203のうち、デジット等出力IC202に備えられたデータ出力端子Y1〜Y5には、図18中に示すように、トランジスタ回路206〜210を介して、デジット1(DIG1)からデジット5(DIG5)に接続されている。そして、デジット等出力IC202は、メインCPU501の出力データ(デジット等選択データ)に基づき、各デジット(DIG1〜DIG5)に対し、所定周期(デジット選択周期)でコモン信号(デジット選択信号やデジットデータなどともいう)を供給する。
前述のように、デジット等出力IC202を介したデジットの選択は、前述した1回の遊技進行割込み処理ごとに、1つのデジットに対して行われる。つまり、遊技進行割込みごとに、選択対象となるデジット1〜デジット5の切替えが行われ、5回の遊技進行割込みにつき、各デジットが1回ずつ順に選択されるようになっている。そして、各デジットの選択は周期的に行われ、その周期(デジット選択周期)は、本実施例では20(=4×5)msとなっている。
各デジット1(DIG1)からデジット5(DIG5)には、前述のように所定数(8個や4個)のセグメントが割当てられている。本実施例においては、デジット1(DIG1)、及び、デジット3(DIG3)からデジット5(DIG5)の4つのデジットに割当てられたセグメントの数は、それぞれ8個(合計で32個)であり、デジット2(DIG2)に割当てられたセグメントの数は4個である。なお、以下では、各デジットに備えられたセグメントを、最大8個のセグメント名であるセグメントA(SEGA)からセグメントH(SEGH)で表す場合がある。
各デジット(DIG1〜5)とデジット等出力IC202の間に設けられた前述の各トランジスタ回路206〜210は、それぞれが、トランジスタにバイアス用抵抗を組み入れてワンチップ化した複合トランジスタである。そして、デジット等出力IC202のデータ出力端子Y1〜Y5は、各トランジスタ回路206〜210のベース端子に接続され、各トランジスタ回路206〜210のコレクタ端子には、上述の各デジット1(GIG1)からデジット5(DIG5)が接続されている。さらに、各トランジスタ回路206〜210のエミッタ端子には、所定電圧(ここでは+12V)の電源部にプルアップされている。また、各トランジスタ回路206〜210には、抵抗R1及びR2が備えられており、本実施例では、ベース端子に直列に接続された抵抗R1の抵抗値は1kΩ、ベース端子に並列に接続された抵抗R2の抵抗値は22kΩとなっている。
さらに、デジット等出力IC202のデータ出力端子Y6、Y7には、主制御表示装置53の駆動以外の機能が割当てられている。そして、本実施例では、デジット等出力IC202のデータ出力端子Y6は、前述のように、発射の禁止/許可の信号を出力するために用いられている。また、デジット等出力IC202のデータ出力端子Y7は、サブメイン基板301に出力される前述の演出データストローブ信号に用いられている。
<<<セグメント出力ICにおける信号出力>>>
一方、前述のセグメント出力IC203のデータ出力端子(Y1〜Y8)は、各デジット(DIG1〜DIG5)における、前述の各セグメント(SEGA〜SEGH)に接続されている。そして、セグメント出力IC203は、メインCPU501からの出力データに基づき、そのときに選択されているデジットにおいて駆動すべきセグメントに対応した駆動信号(或いは「ダイナミック点灯信号」、「セグメントデータ」などともいう)を出力する。そして、この駆動信号は、HIレベル電圧によりセグメントをオンし、LOWレベル電圧によりセグメントをオフする。なお、図中では符号の記載を省略しているが、セグメント出力IC203のデータ出力端子(Y1〜Y8)と、各セグメント(SEGA〜SEGH)との間には、所定値(ここでは1kΩ)の抵抗が設けられている。
例えば、或るタイミングで駆動すべきセグメントが、デジット3のセグメントA、セグメントD、セグメントFの3つであれば、セグメント出力IC203は、メインCPU501の出力データに基づき、3つのデータ出力端子Y1、Y4、Y6から駆動信号を出力する。このとき、前述のデジット等出力IC202においては、デジット3に接続されたデータ出力端子Y3からデジットデータ(デジット選択信号)が出力されている。
上述のように、本実施例では、デジットの選択を行うデジットデータと、セグメントの動作状態を指示するセグメントデータとの組み合わせにより、所定のデジットにおける所定のセグメントをオンすることができるようになっている。このため、CPU501において、主制御表示装置53の駆動を、8ビットの1つの出力ポートにより行うことができ、例えば、各デジットに対応した5つの出力ポートを用いるようなものに比べて、少ない出力ポート数で、主制御表示装置53を制御できるようになっている。
なお、デジット等出力IC202、セグメント出力IC203、及び、各デジット(DIG1〜DIG5)との接続は、アノードコモン、及び、カソードコモンのいずれの態様であってもよい。
<<デジットの選択に用いられるデジットデータテーブル>>
次に、主制御表示装置53のLED出力に用いられる主なテーブルについて説明する。LED出力で用いられるテーブルとしては、前述した5つのデジット(DIG1〜DIG5)の選択に係るデジットデータテーブル(図19(a)参照)と、前述した最大で8つのセグメント(SEGA〜SEGH)のオン/オフに係るセグメントテーブルとがある。
これらのうち、デジットの選択に係るデジットデータテーブルのアドレス(番地)は、図19(a)の図表に示すように、「11BDH」となっている。また、デジットデータテーブルの総領域は、「11BDH」から「11C6H」の10(バイト)であり、各領域には、デジット1からデジット5についてのビットデータ(前述のデジットデータ)と、セグメントデータテーブルのアドレス算出値に係るデータとが順に割当てられている。
そして、デジット1からデジット5についてのビットデータの名称は、図19(a)中に示すように「デジット1ビットデータ」から「デジット5ビットデータ」である。また、デジット1からデジット5についてのセグメントデータテーブルのアドレス算出値の名称は、図19(a)中に示すように、「デジット1セグメントデータテーブルのアドレス算出値」から「デジット5セグメントデータテーブルのアドレス算出値」である。
さらに、本実施例では、デジットデータテーブルには、各デジットごとに、ビットデータのアドレス、及び、セグメントデータテーブルのアドレスが続けて配置されている。そして、デジット1ビットデータのアドレスは「11BDH」であり、デジット1セグメントデータテーブルのアドレス算出値のアドレスは、次のアドレスに該当する「11BEH」である。
また、デジット2ビットデータのアドレスは「11BFH」であり、デジット2セグメントデータテーブルのアドレス算出値のアドレスは、上述の「11BFH」に続く「11C0H」である。さらに、デジット3ビットデータのアドレスは「11C1H」であり、デジット3セグメントデータテーブルのアドレス算出値のアドレスは「11C2H」である。また、デジット4ビットデータのアドレスは「11C3H」であり、デジット4セグメントデータテーブルのアドレス算出値のアドレスは「11C4H」である。さらに、デジット5ビットデータのアドレスは「11C5H」であり、デジット5セグメントデータテーブルのアドレス算出値のアドレスは「11C6H」となっている。
また、図19(a)中に示すように、デジット1ビットデータの領域(11BDH)に記憶された値は「01H」であり、デジット1セグメントデータテーブルのアドレス算出値の領域(11BEH)に記憶された値は「09H」である。さらに、デジット2ビットデータの領域(11BFH)に記憶された値は「02H」であり、デジット2セグメントデータテーブルのアドレス算出値の領域(11C0H)に記憶された値は「18H」である。
また、デジット3ビットデータのアドレスの領域(11C1H)に記憶された値は「04H」であり、デジット3セグメントデータテーブルのアドレス算出値の領域(11C2H)に記憶された値は「1BH」である。さらに、デジット4ビットデータの領域(11C3H)に記憶された値は「08H」であり、デジット4セグメントデータテーブルのアドレス算出値の領域(11C4H)に記憶された値は「1CH」である。また、デジット5ビットデータの領域(11C5H)に記憶された値は「10H」であり、デジット5セグメントデータテーブルのアドレス算出値の領域(11C6H)に記憶された値は「1DH」である。
<<セグメントの駆動に用いられるセグメントテーブル>>
続いて、前述のセグメントテーブルについて説明する。図19(b)に示すように、セグメントテーブルには、デジット1に対応した「デジット1セグメントテーブル」から「デジット5セグメントテーブル」がある。また、これら以外のセグメントテーブルとしては、図20及び図21に示すように、普通図柄記憶セグメントテーブル、普通図柄セグメントテーブル、遊技状態セグメントテーブル1、遊技状態セグメントテーブル2、エラー状態セグメントテーブル1、特電作動回数セグメントテーブル1、小当りセグメントテーブル1、打ち分けセグメントテーブル、特図1記憶セグメントテーブル、特図2記憶セグメントテーブル、エラー状態セグメントテーブル2、エラー状態セグメントテーブル3、特電作動回数セグメントテーブル2、小当りセグメントテーブル2、及び、特別図柄セグメントテーブルなどがある。
<<<デジット1セグメントテーブル>>>
これらのうちデジット1セグメントテーブルは、前述のデジット1を用いた情報表示のためのテーブルであり、本実施例では、普通図柄、普通図柄の作動保留球数、遊技状態、エラー状態、特別電動役物が連続して作動する回数、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物作動状態、及び、打ち分けの表示に用いられる。
上述の各種情報のうち、普通図柄の表示は、図16(b)中の最上段に示すように、デジット1が選択された場合の、D2(ビット2)を用いて行われる。上述の普通図柄の作動保留球数の表示は、D0とD1(ビット0とビット1)を用いて行われ、上述の遊技状態やエラー状態の表示は、D3やD4(ビット3とビット4)を用いて行われる。さらに、上述の特別電動役物が連続して作動する回数や、上述の役物連続作動装置未作動時の特別電動役物作動状態の表示は、D6とD7(ビット6とビット7)を用いて行われ、上述の打ち分けの表示は、D5(ビット5)を用いて行われる。
さらに、このデジット1セグメントテーブルには、「11C7H」から「11D7H」のアドレスの領域が割当てられており、総領域は「17」となっている。そして、図19(b)中に示すように、「11C7H」は「検査回数」の領域であり、この領域に記憶された値は、8回を表す「08H」である。
上述の「検査回数」は、詳細は後述するが、1つのデジットで表示される情報の数に対応した「回数」である。そして、各情報に係るセグメントデータの出力のために、セグメントテーブルで定められた「回数」の「検査」が行われることになる。そして、本実施例では、各デジットに対応した各セグメントテーブルにおいて、表示される情報の種類数に応じて、表示内容を示すデータや、使用するテーブルを指定するための領域が、「検査回数」以降に配置されている。
なお、図19中において「検査回数」の表記の下に示す数値(「1」〜「8」や「1」〜「2」など)は、検査の順番をそのまま示しているといったようなものではなく、単に、普通図柄の記憶数表示に係る項目や、普通図柄の表示に係る項目に付された番号を示すものである。そして、検査回数が複数回に定められているテーブルを用いた検査については、図19中における上述の数値(「1」〜「8」や「1」〜「2」など)の大きい項目から順に行われるようになっている。このため、上述のように検査回数が8回に定められたテーブルを用いた検査は、図19中の「検査回数」の下に記載された番号「8」〜「1」の各項目について、「8」、「7」、「6」、…、「2」、「1」のようにカウントダウンしながら行われる。
前述のデジット1セグメントテーブルにおいて、「検査回数」の「11CFH」に続く「11C8H」の領域は、「普図保留球数表示番号の下位アドレス」の領域であり、その値は「B2H」である。さらに、「11C8H」に続く「11C9H」は、「普通図柄記憶セグメントテーブルのアドレス−1のアドレス算出値」の領域であり、その値は「22H」である。
つまり、デジット1セグメントテーブルにおいては、検査回数「8」は、普通図柄の記憶表示に係る項目に割当てられており、普通図柄の記憶表示に係る「普図保留球数表示番号の下位アドレス」や「普通図柄記憶セグメントテーブルのアドレス−1(11EBH)のアドレス算出値」は、検査回数が「8」の場合に参照される領域となっている。そして、この検査回数「8」の領域を参照する検査の順番は1番目となる。
また、デジット1セグメントテーブルにおいては、検査回数「7」は、普図図柄の表示に係る項目に割当てられている。そして、検査回数「7」に対応付けられた「11CAH」は、「普図図柄表示番号の下位アドレス」の領域であり、その値は「ABH」である。さらに、同じく検査回数「7」に対応付けられた「11CBH」は、「普図図柄セグメントテーブルのアドレス−1のアドレス算出値」の領域であり、その値は「29H」である。そして、この検査回数「7」の領域を参照する検査の順番は2番目となる。
また、検査回数「6」は、普通図柄の状態(モード)の表示に係る項目に割当てられている。そして、検査回数「6」に対応付けられた「11CCH」は、「普図図柄モードフラグの下位アドレス」の領域であり、その値は「9AH」である。さらに、同じく検査回数「6」に対応付けられた「11CDH」は、「遊技状態セグメントテーブル1のアドレス−1のアドレス算出値」の領域であり、その値は「28H」である。そして、この検査回数「6」の領域を参照する検査の順番は3番目となる。
また、検査回数「5」は、遊技状態の表示に係る項目に割当てられている。そして、検査回数「5」に対応付けられた「11CEH」は、「遊技状態表示番号2の下位アドレス」の領域であり、その値は「9EH」である。さらに、同じく検査回数「5」に対応付けられた「11CFH」は、「遊技状態セグメントテーブル2のアドレス−1のアドレス算出値」の領域であり、その値は「27H」である。そして、この検査回数「5」の領域を参照する検査の順番は4番目となる。
また、検査回数「4」は、エラー状態の表示に割当てられている。そして、検査回数「4」に対応付けられた「11D0H」は、「エラー状態表示番号1の下位アドレス」の領域であり、その値は「ACH」である。さらに、同じく検査回数「4」に対応付けられた「11D1H」は、「エラー状態セグメントテーブル1のアドレス−1のアドレス算出値」の領域であり、その値は「26H」である。そして、この検査回数「4」の領域を参照する検査の順番は5番目となる。
また、検査回数「3」は、特別電動役物の作動回数(ラウンド数)の表示に割当てられている。そして、検査回数「3」に対応付けられた「11D2H」は、「特電作動回数表示番号の下位アドレス」の領域であり、その値は「AEH」である。さらに、同じく検査回数「3」に対応付けられた「11D3H」は、「特電作動回数セグメントテーブル1のアドレス−1のアドレス算出値」の領域であり、その値は「25H」である。そして、この検査回数「3」の領域を参照する検査の順番は6番目となる。
また、検査回数「2」は、小当りの表示に割当てられている。そして、検査回数「2」に対応付けられた「11D4H」は、「小当り表示番号の下位アドレス」の領域であり、その値は「AFH」である。さらに、同じく検査回数「2」に対応付けられた「11D5H」は、「小当りセグメントテーブル1のアドレス−1のアドレス算出値」の領域であり、その値は「25H」である。そして、この検査回数「2」の領域を参照する検査の順番は7番目となる。
また、検査回数「1」は、打ち分け状態の表示に割当てられている。そして、検査回数「1」に対応付けられた「11D6H」は、「打ち分け状態フラグの下位アドレス」の領域であり、その値は「DCH」である。さらに、同じく検査回数「1」に対応付けられた「11D7H」は、「打ち分けセグメントテーブル1のアドレス−1のアドレス算出値」の領域であり、その値は「24H」である。そして、この検査回数「1」の領域を参照する検査の順番は8番目となる。
<<<デジット2セグメントテーブル>>>
図19(b)中に示すデジット2セグメントテーブルは、前述のデジット2を用いた情報表示のためのテーブルであり、本実施例では、特別図柄1(第1特別図柄)の作動保留球数、及び、特別図柄2(第2特別図柄)の作動保留球数の表示に用いられる。
上述の各種情報のうち、特別図柄1の作動保留球数の表示は、図16(b)中に示すように、デジット2が選択された場合の、D4とD5(ビット4とビット5)を用いて行われる。また、特別図柄2の作動保留球数の表示は、D6とD7(ビット6とビット7)を用いて行われる。
さらに、このデジット2セグメントテーブルには、図19(b)中に示すように、「11D8H」から「11DCH」のアドレスの領域が割当てられており、総領域は「5」となっている。そして、「11D8H」は「検査回数」の領域であり、この領域に記憶された値は、2回を表す「02H」である。
このデジット2セグメントテーブルにおいて、「検査回数」の「11D8H」に続く「11D9H」の領域は、「特図1保留球数表示番号の下位アドレス」の領域であり、その値は「B5H」である。さらに、「11D9H」に続く「11DAH」は、「特図1記憶セグメントテーブルのアドレス−1のアドレス算出値」の領域であり、その値は「22H」である。つまり、デジット2セグメントテーブルにおいては、検査回数「2」は、特図1の記憶表示に係る項目に割当てられており、特図1の記憶表示に係る「特図1保留球数表示番号の下位アドレス」や「特図1記憶セグメントテーブルのアドレス−1のアドレス算出値」は、検査回数が「2」の場合に参照される領域となっている。そして、この検査回数「2」の領域を参照する検査の順番は1番目となる。
また、デジット2セグメントテーブルにおいては、検査回数「1」は、特図2の記憶表示に係る項目に割当てられている。そして、検査回数「1」に対応付けられた「11DBH」は、「特図2保留球数表示番号の下位アドレス」の領域であり、その値は「B8H」である。さらに、同じく検査回数「1」に対応付けられた「11DCH」は、「特図2記憶セグメントテーブルのアドレス−1のアドレス算出値」の領域であり、その値は「29H」である。そして、この検査回数「1」の領域を参照する検査の順番は2番目となる。
<<<デジット3セグメントテーブル>>>
図19(b)中に示すデジット3セグメントテーブルは、前述のデジット3を用いた情報表示のためのテーブルであり、本実施例では、特別図柄1(第1特別図柄)の表示に用いられる。この特別図柄1の表示は、図16(b)中に示すように、デジット3が選択された場合の、D0からD7(ビット0からビット7)を用いて行われる。
さらに、このデジット3セグメントテーブルには、図19(b)中に示すように、「11DDH」から「11DFH」のアドレスの領域が割当てられており、総領域は「3」となっている。そして、「11DDH」は「検査回数」の領域であり、この領域に記憶された値は、1回を表す「01H」である。
このデジット3セグメントテーブルにおいて、「検査回数」の「11DDH」に続く「11DEH」の領域は、「特図1表示番号の下位アドレス」の領域であり、その値は「3EH」である。さらに、「11DEH」に続く「11DFH」は、「特別図柄セグメントテーブルのアドレス−1のアドレス算出値」の領域であり、その値は「34H」である。つまり、デジット3セグメントテーブルにおいては、検査回数「1」は、特図1の表示に割当てられており、特図1の表示に係る「特図1表示番号の下位アドレス」や「特別図柄セグメントテーブルのアドレス−1のアドレス算出値」は、検査回数が「1」の場合に参照される領域となっている。そして、デジット3セグメントテーブルは、特図1の表示のみに用いられるものとなっており、検査回数は1回のみとなっている。
<<<デジット4セグメントテーブル>>>
図19(b)中に示すデジット4セグメントテーブルは、前述のデジット4を用いた情報表示のためのテーブルであり、本実施例では、特別図柄2(第2特別図柄)の表示に用いられる。この特別図柄2の表示は、図16(b)中に示すように、デジット4が選択された場合の、D0からD7(ビット0からビット7)を用いて行われる。
さらに、このデジット4セグメントテーブルには、図19(b)中に示すように、「11E0H」から「11E2H」のアドレスの領域が割当てられており、総領域は「3」となっている。そして、「11E0H」は「検査回数」の領域であり、この領域に記憶された値は、1回を表す「01H」である。
このデジット4セグメントテーブルにおいて、「検査回数」の「11E0H」に続く「11E1H」の領域は、「特図2表示番号の下位アドレス」の領域であり、その値は「62H」である。さらに、「11E1H」に続く「11E2H」は、「特別図柄セグメントテーブルのアドレス−1のアドレス算出値」の領域であり、その値は「31H」である。つまり、デジット4セグメントテーブルにおいては、検査回数「1」は、特図2の表示に割当てられており、特図2の表示に係る「特図2表示番号の下位アドレス」や「特別図柄セグメントテーブルのアドレス−1のアドレス算出値」は、検査回数が「1」の場合に参照される領域となっている。そして、デジット4セグメントテーブルは、特図2の表示のみに用いられるものとなっており、検査回数は1回のみとなっている。
<<<デジット5セグメントテーブル>>>
図19(b)中に示すデジット5セグメントテーブルは、前述のデジット5を用いた情報表示のためのテーブルであり、本実施例では、エラー状態、特別電動役物が連続して作動する回数、及び、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物作動状態の表示に用いられる。
上述の各種情報のうち、エラー状態の表示は、図16(b)中に示すように、デジット5が選択された場合の、D7(ビット7)を用いて行われる。また、特別電動役物が連続して作動する回数、及び、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物作動状態の表示は、D0からD6(ビット0からビット6)を用いて行われる。
さらに、このデジット5セグメントテーブルには、図19(b)中に示すように、「11E3H」から「11EBH」のアドレスの領域が割当てられており、総領域は「9」となっている。そして、「11E3H」は「検査回数」の領域であり、この領域に記憶された値は、4回を表す「04H」である。
このデジット5セグメントテーブルにおいて、「検査回数」の「11E3H」に続く「11E4H」の領域は、「エラー状態表示番号1の下位アドレス」の領域であり、その値は「ACH」である。さらに、「11E4H」に続く「11E5H」は、「エラー状態セグメントテーブル2のアドレス−1のアドレス算出値」の領域であり、その値は「29H」である。つまり、デジット5セグメントテーブルにおいては、検査回数「4」は、エラー状態の表示に係る項目に割当てられており、エラー状態の表示に係る「エラー状態表示番号1の下位アドレス」や「エラー状態セグメントテーブル2のアドレス−1のアドレス算出値」は、検査回数が「4」の場合に参照される領域となっている。そして、この検査回数「4」の領域を参照する検査の順番は1番目となる。
また、デジット5セグメントテーブルにおいては、検査回数「3」も、エラー状態の表示に係る項目に割当てられている。そして、検査回数「3」に対応付けられた「11E6H」は、「エラー状態表示番号2の下位アドレス」の領域であり、その値は「ADH」である。さらに、同じく検査回数「3」に対応付けられた「11E7H」は、「エラー状態セグメントテーブル2のアドレス−1のアドレス算出値」の領域であり、その値は「28H」である。そして、この検査回数「3」の領域を参照する検査の順番は2番目となる。
また、デジット5セグメントテーブルにおいては、検査回数「2」は、特別電動役物の作動回数(ラウンド数)の表示に係る項目に割当てられている。そして、検査回数「2」に対応付けられた「11E8H」は、「特電作動回数表示番号の下位アドレス」の領域であり、その値は「AEH」である。さらに、同じく検査回数「2」に対応付けられた「11E9H」は、「特電作動回数セグメントテーブル2のアドレス−1のアドレス算出値」の領域であり、その値は「27H」である。そして、この検査回数「2」の領域を参照する検査の順番は3番目となる。
また、デジット5セグメントテーブルにおいては、検査回数「1」は、小当りの表示に係る項目に割当てられている。そして、検査回数「1」に対応付けられた「11EAH」は、「小当り表示番号の下位アドレス」の領域であり、その値は「AFH」である。さらに、同じく検査回数「1」に対応付けられた「11EBH」は、「小当りセグメントテーブル2のアドレス−1のアドレス算出値」の領域であり、その値は「27H」である。そして、この検査回数「1」の領域を参照する検査の順番は4番目となる。
上述のように、デジット5セグメントテーブルにおいては、検査回数「4」の「エラー状態表示番号1の下位アドレス」の領域には、デジット1セグメントテーブルにおける、検査回数「4」の「エラー状態表示番号1の下位アドレス」と同じ名称が付されており、その内容(ACH)も共通である。同様に、デジット5セグメントテーブルにおける検査回数「2」の「特電作動回数表示番号の下位アドレス」、及び、検査回数「1」の「小当り表示番号の下位アドレス」の各領域も、デジット1セグメントテーブルにおける検査回数「3」の「特電作動回数表示番号の下位アドレス」、検査回数「2」の「小当り表示番号の下位アドレス」の各領域と同じ名称が付されており、その内容(AEHとAFH)は共通である。
このため、デジット1からデジット5が順次選択される1周期(デジット選択周期)の間に、「エラー状態表示番号1の下位アドレス」、「特電作動回数表示番号の下位アドレス」、「小当り表示番号の下位アドレス」と固定された上位アドレス「F0」を組み合わせたアドレスに記憶されているデータが2回参照されるようになっている。そして、上述のように、下位アドレスを示すデータが共通することによって、各デジット点灯タイミングで、セグメント出力ポートに入力するための点灯データの生成時において、各発光素子用のセグメントテーブルを参照する際のオフセットとして使用する値が、RWM作業領域における同じ領域に記憶される値となる。
<<<普通図柄記憶セグメントテーブル>>>
続いて、図20中に示す前述の普通図柄記憶セグメントテーブルは、普通図柄の保留表示のためのテーブルであり、デジット1のD0とD1(ビット0とビット1)のセグメント駆動に用いられる。さらに、この普通図柄記憶セグメントテーブルには、「11ECH」から「11F4H」のアドレスの領域が割当てられており、総領域は「9」となっている。そして、図20中に示すように、「11ECH」は「普通図柄記憶表示LED消灯データ」の領域であり、この領域に記憶された値は「00H」である。そして、データ「00H」により、ビット0とビット1の値は「00B」となる。
また、図20中に示すように、「11EDH」及び「11EEH」は「普通図柄記憶表示LED点灯データ1」の領域であり、この領域に記憶された値は「01H」である。そして、データ「01H」により、ビット0とビット1の値は「01B」となり、「1B」となったビットに対応したセグメント(この場合は図6中のLED−A)が点灯駆動される。さらに、「11EFH」から「11F1H」は「普通図柄記憶表示LED点灯データ2」の領域であり、この領域に記憶された値は「03H」である。そして、データ「03H」により、ビット0とビット1の値は「11B」(LED−A、LEDBを点灯させるためのデータ)となる。また、「11F2H」は「普通図柄記憶表示LED点灯データ3」の領域であり、この領域に記憶された値は「02H」である。そして、データ「02H」により、ビット0とビット1の値は「10B」となる。
さらに、「11F3H」も「普通図柄記憶表示LED点灯データ2」の領域であり、この領域に記憶された値は「03H」である。また、「11F4H」は「普通図柄記憶表示LED消灯データ」の領域であり、この領域に記憶された値は「00H」である。
以上のような普通図柄記憶セグメントテーブルにおける各データについて更に説明すると、前述の「11ECH」におけるECHは消灯時のためのデータである。また、前述の11EDHと11EEHは1個保留時のためのデータであり、EFHとF0Hは2個保留時のためのデータである。さらに、前述のF1HとF2Hは3個保留時のためのデータであり、前述のF3HとF4Hは4個保留時のためのデータである。
また、本実施例では、前述のように、普通図柄の記憶表示において点滅表示が行われる場合があるが、点滅表示のための点滅切替によってオフセット量が+1される場合とされない場合があるので、各保留個数に対し2個の点灯パターンデータがある。つまり、保留個数が0個のときには、保留個数が0であっても、点滅切替によってオフセット値としてRWM領域(後述する普図保留球数表示番号の領域(F0B2H))に「1」が格納されていることがあり得るため、先頭に0個のデータが配置されている。上述のF0B2Hのデータが0であるときは、後述するLED出力処理(図13参照)における所定の処理(S125)でYESになるため、普図保留の点灯データとして指定をしないD0(ビット0)、D1(ビット1)を0のまま維持することになる。
<<<普通図柄セグメントテーブル>>>
続いて、図20中に示す前述の普通図柄セグメントテーブルは、普通図柄の表示のためのテーブルであり、デジット1のD2(ビット2)のセグメント駆動に用いられる。さらに、この普通図柄セグメントテーブルには、「11F5H」のアドレスの領域が割当てられており、総領域は「1」となっている。そして、図20中に示すように、「11F5H」は「普通図柄点灯データ」の領域であり、この領域に記憶された値は「04H」である。そして、データ「04H」により、ビット2の値は「1B」となる。
<<<遊技状態セグメントテーブル1>>>
続いて、図20中に示す前述の遊技状態セグメントテーブル1は、第4状態表示灯(E)の表示のためのテーブルであり、デジット1のD4(ビット4)のセグメント駆動に用いられる。さらに、この遊技状態セグメントテーブル1には、「11F6H」のアドレスの領域が割当てられており、総領域は「1」となっている。そして、図20中に示すように、「11F6H」は、第4状態表示灯(E)に対応する「状態表示灯4点灯データ」の領域であり、この領域に記憶された値は「10H」である。そして、データ「10H」により、ビット4の値は「1B」となる。
<<<遊技状態セグメントテーブル2>>>
続いて、図20中に示す前述の遊技状態セグメントテーブル2は、第3状態表示灯(D)の表示のためのテーブルであり、デジット1のD3(ビット3)のセグメント駆動に用いられる。さらに、この遊技状態セグメントテーブル2には、「11F7H」のアドレスの領域が割当てられており、総領域は「1」となっている。そして、図20中に示すように、「11F7H」は、第3状態表示灯(D)に対応する「状態表示灯3点灯データ」の領域であり、この領域に記憶された値は「08H」である。そして、データ「08H」により、ビット3の値は「1B」となる。
<<<エラー状態セグメントテーブル1>>>
続いて、図20中に示す前述のエラー状態セグメントテーブル1は、第1状態表示灯用の第1セグメント231a、及び、第2セグメント231bの表示のためのテーブルであり、デジット1のD6とD7(ビット6とビット7)のセグメント駆動に用いられる。さらに、このエラー状態セグメントテーブル1には、「11F8H」のアドレスの領域が割当てられており、総領域は「1」となっている。そして、図20中に示すように、「11F8H」は、第1状態表示灯231に対応する「状態表示灯1点灯データ」の領域であり、この領域に記憶された値は「C0H」である。そして、データ「C0H」により、ビット6とビット7の値は「11B」となる。
<<<特電作動回数セグメントテーブル1>>>
続いて、図20中に示す前述の特電作動回数セグメントテーブル1は、特別電動役物に係る作動回数の表示のためのテーブルであり、デジット1のD6とD7(ビット6とビット7)のセグメント駆動に用いられる。さらに、このエラー状態セグメントテーブル1には、「11F9H」から「11FAH」のアドレスの領域が割当てられており、総領域は「2」となっている。そして、図20中に示すように、「11F9H」は、第1状態表示灯用第2セグメント231bに対応する「状態表示灯1点灯データ1」の領域であり、この領域に記憶された値は「80H」である。そして、データ「80H」により、ビット7の値は「1B」となる。また、「11FAH」は、第1状態表示灯用第1セグメント231aに対応する「状態表示灯1点灯データ2」の領域であり、この領域に記憶された値は「40H」である。そして、データ「40H」により、ビット6の値は「1B」となる。
<<<小当りセグメントテーブル1>>>
続いて、図20中に示す前述の小当りセグメントテーブル1は、小当りの表示のためのテーブルであり、デジット1のD6(ビット6)のセグメント駆動に用いられる。さらに、この小当りセグメントテーブル1には、「11FBH」のアドレスの領域が割当てられており、総領域は「1」となっている。そして、図20中に示すように、「11FBH」は、第1状態表示灯用第1セグメント231aに対応する「状態表示灯1点灯データ2」の領域であり、この領域に記憶された値は「40H」である。そして、データ「40H」により、ビット6の値は「1B」となる。
<<<打ち分けセグメントテーブル>>>
続いて、図20中に示す前述の打ち分けセグメントテーブルは、左打ちと右打ちの打ち分けの表示のためのテーブルであり、デジット1のD5(ビット5)のセグメント駆動に用いられる。さらに、この打ち分けセグメントテーブルには、「11FCH」のアドレスの領域が割当てられており、総領域は「1」となっている。そして、図20中に示すように、「11FCH」は、「右打ち指示灯点灯データ」の領域であり、この領域に記憶された値は「20H」である。そして、データ「20H」により、ビット5の値は「1B」となる。
<<<特図1記憶セグメントテーブル>>>
続いて、図20中に示す前述の特図1記憶セグメントテーブルは、第1特別図柄の保留表示のためのテーブルであり、デジット2のD4とD5(ビット4とビット5)のセグメント駆動に用いられる。さらに、この特図1記憶セグメントテーブルには、「11FDH」から「1205H」のアドレスの領域が割当てられており、総領域は「9」となっている。そして、図20中に示すように、「11FDH」は「特別図柄記憶表示1LED消灯データ」の領域であり、この領域に記憶された値は「00H」である。そして、データ「00H」により、ビット4とビット5の値は「00B」となる。
また、図20中に示すように、「11FEH」及び「11FFH」は「特別図柄記憶表示1LED点灯データ1」の領域であり、この領域に記憶された値は「10H」である。そして、データ「10H」により、ビット4とビット5の値は「10B」となり、「1B」となったビットに対応したセグメントが点灯駆動される。さらに、「1200H」から「1202H」は「特別図柄記憶表示1LED点灯データ2」の領域であり、この領域に記憶された値は「30H」である。そして、データ「30H」により、ビット4とビット5の値は「11B」となる。また、「11F2H」は「特別図柄記憶表示1表示LED点灯データ3」の領域であり、この領域に記憶された値は「20H」である。そして、データ「20H」により、ビット4とビット5の値は「10B」となる。
さらに、「1204H」も「特別図柄記憶表示1LED点灯データ2」の領域であり、この領域に記憶された値は「30H」である。また、「1205H」は「特別図柄記憶表示1LED消灯データ」の領域であり、この領域に記憶された値は「00H」である。なお、特図1記憶セグメントテーブルについても、保留表示パターンにLED表示灯(O、P)の点滅表示が含まれていることから、前述した普通図柄記憶セグメントテーブルにおける点滅切替と同様の事情があり、9個のパターン(パターンデータ)から1つが選択されるようになっている。
<<<特図2記憶セグメントテーブル>>>
続いて、図20中に示す前述の特図2記憶セグメントテーブルは、第2特別図柄の保留表示のためのテーブルであり、デジット2のD6とD7(ビット6とビット7)のセグメント駆動に用いられる。さらに、この特図2記憶セグメントテーブルには、「1206H」から「120EH」のアドレスの領域が割当てられており、総領域は「9」となっている。そして、図20中に示すように、「1206H」は「特別図柄記憶表示2LED消灯データ」の領域であり、この領域に記憶された値は「00H」である。そして、データ「00H」により、ビット6とビット7の値は「00B」となる。
また、図20中に示すように、「1207H」及び「1208H」は「特別図柄記憶表示2LED点灯データ1」の領域であり、この領域に記憶された値は「40H」である。そして、データ「40H」により、ビット6とビット7の値は「01B」となり、「1B」となったビットに対応したセグメントが点灯駆動される。さらに、「1209H」から「120BH」は「特別図柄記憶表示2LED点灯データ2」の領域であり、この領域に記憶された値は「C0H」である。そして、データ「C0H」により、ビット6とビット7の値は「11B」となる。また、「110CH」は「特別図柄記憶表示2表示LED点灯データ3」の領域であり、この領域に記憶された値は「80H」である。そして、データ「80H」により、ビット6とビット7の値は「10B」となる。
さらに、「120DH」も「特別図柄記憶表示2LED点灯データ2」の領域であり、この領域に記憶された値は「C0H」である。また、「120EH」は「特別図柄記憶表示2LED消灯データ」の領域であり、この領域に記憶された値は「00H」である。なお、特図2記憶セグメントテーブルについても、保留表示パターンにLED表示灯(Y、Z)の点滅表示が含まれていることから、前述した普通図柄記憶セグメントテーブルや特図1記憶セグメントテーブルにおける点滅切替と同様の事情があり、9個のパターン(パターンデータ)から1つが選択されるようになっている。
<<<エラー状態セグメントテーブル2>>>
続いて、図20中に示す前述のエラー状態セグメントテーブル2は、第2状態表示灯232の表示のためのテーブルであり、デジット5のD0からD6(ビット0からビット6)のセグメント駆動に用いられる。さらに、このエラー状態セグメントテーブル2には、「120FH」のアドレスの領域が割当てられており、総領域は「1」となっている。そして、図20中に示すように、「120FH」は、第2状態表示灯用第1セグメント232aから第2状態表示灯用第7セグメント232gに対応する「状態表示灯2点灯データ」の領域であり、この領域に記憶された値は「7FH」である。そして、データ「7FH」により、ビット0からビット6が「1111111B」となる。
<<<エラー状態セグメントテーブル3>>>
続いて、図20中に示す前述のエラー状態セグメントテーブル3は、主制御エラー表示灯233の表示のためのテーブルであり、デジット5のD7(ビット7)のセグメント駆動に用いられる。さらに、このエラー状態セグメントテーブル3には、「1210H」のアドレスの領域が割当てられており、総領域は「1」となっている。そして、図20中に示すように、「1210H」は、主制御エラー表示灯233に対応する「主制御エラー表示灯点灯データ」の領域であり、この領域に記憶された値は「80H」である。そして、データ「80H」により、ビット7が「1B」となる。
<<<特電作動回数セグメントテーブル2>>>
続いて、図20中に示す前述の特電作動回数セグメントテーブル2は、特別電動役物に係る作動回数の表示のためのテーブルであり、デジット5の、第2状態表示灯用第1セグメント232aから第2状態表示灯用第7セグメント232gに対応するD0からD6(ビット0からビット6)のセグメント駆動に用いられる。さらに、この特電作動回数セグメントテーブル2には、「1211H」から「1212H」のアドレスの領域が割当てられており、総領域は「2」となっている。そして、図20中に示すように、「1211H」は、「状態表示灯2点灯データ2」の領域であり、この領域に記憶された値は「75H」である。また、「1212H」は、「状態表示灯2点灯データ3」の領域であり、この領域に記憶された値は「35H」である。
上述の「状態表示灯2点灯データ2」に係る「75H」により、ビット0からビット6(D0からD6)が「1110101B」となる。また、上述の「状態表示灯2点灯データ3」に係る「35H」により、ビット0からビット6が「0110101B」となる。つまり、「状態表示灯2点灯データ2」は、4R大当りのラウンド数表示における第2状態表示灯232の表示態様を指定するための領域であり、「状態表示灯2点灯データ3」は、16R大当りのラウンド数表示における第2状態表示灯232の表示態様を指定するための領域である。そして、本実施例では、16Rのラウンド数表示が行われる場合と、4Rのラウンド数表示が行われる場合とでは、デジット5におけるD6(ビット6)のセグメントについての、点灯の有無のみが異なるようになっている。
<<<小当りセグメントテーブル2>>>
続いて、図20中に示す前述の小当りセグメントテーブル2は、小当りの表示のためのテーブルであり、デジット5の、第2状態表示灯用第1セグメント232aから第2状態表示灯用第7セグメントに対応するD0からD6(ビット0からビット6)のセグメント駆動に用いられる。さらに、この小当りセグメントテーブル2には、「1213H」のアドレスの領域が割当てられており、総領域は「1」となっている。そして、図20中に示すように、「1213H」は、「状態表示灯2点灯データ2」の領域であり、この領域に記憶された値は、前述のように「75H」である。そして、本実施例では、小当りの場合の第2状態表示灯232(D0からD6に対応する)の表示態様は、前述の4R大当りの場合の第2状態表示灯232の表示態様と共通(1110101B)になっている。
<<<特別図柄セグメントテーブル>>>
続いて、図21中に示す前述の特別図柄セグメントテーブルは、第1特別図柄及び第2特別図柄の表示のためのテーブルであり、デジット3のD0からD7(ビット0からビット7)のセグメント駆動に用いられる。さらに、この特別図柄セグメントテーブルには、「1214H」から「1244H」のアドレスの領域が割当てられており、総領域は「49」となっている。そして、図21中に示すように、「1214H」から「1244H」の領域には、「特別図柄「図柄1」セグメントデータ」から「特別図柄「図柄49」セグメントデータ」までの名称が付されており、各々の領域に記憶されているデータは、順に、「C0H」、「E0H」、「7FH」、「BFH」、「DFH」、「EFH」、「F7H」、「3FH」、「5FH」、「AFH」、「37H」、「9BH」、「6BH」、「B3H」、「6DH」、「D5H」、「B6H」、「DAH」、「2BH」、「8DH」、「55H」、「69H」、「A6H」、「5AH」、「B2H」、「CCH」、「1AH」、「67H」、「5BH」、「ABH」、「D3H」、「ADH」、「B5H」、「D9H」、「D6H」、「B4H」、「53H」、「35H」、「4BH」、「95H」、「6AH」、「C6H」、「ACH」、「16H」、「26H」、「46H」、「4AH」、「32H」、「52H」となっている。
ここで、特別図柄の変動中は、点滅切替により、先頭アドレスの1214Hの内容(C0H)を参照するか否かを切り替えることにより、D6(ビット6)、D7(ビット7)の2灯のLEDを点灯・消灯させる制御を行う。その他のアドレスは、図柄停止時に、図柄乱数に基づく図柄抽選に応じて決定した値に基づいて参照するアドレスが切り替わり、対応するLEDを点灯させるよう制御する。なお、変動中は、先頭アドレスのみを参照するか否かにて点滅表示するようにしているが、先頭から複数のアドレスを順次切り替えるようにして、複数のLEDを順次点灯させることで変動中として表現するようにしてもよい。また、1214Hの内容(C0H)は当否抽選がはずれの時に選択される図柄であるが、はずれではない図柄にて点滅表示してもよいし、複数のはずれ図柄の内の1つのはずれ図柄の点滅により表現してもよい。
<<LED出力に係るRWMの作業領域>>
次に、主制御表示装置53のLED出力に用いられるRWM503の作業領域について説明する。図22に示すように、本実施例では、メイン基板102のRWM503において、所定番地以降からが作業領域として設定されており、作業領域の先頭の領域は、チェックサム領域として利用されている。このチェックサム領域は、電源断時に、チェックサム領域を除くRWM503のチェックサム(チェックサムデータ)を格納する領域である。そして、チェックサム領域の番地はF000Hであり、総領域は「1」となっている。
また、図22中に示すように、作業領域のF03DHは、特図1表示タイマの領域となっている。この特図1表示タイマは、特別図柄1の変動中に表示する特別図柄1を切り替える時間(表示切替時間)を管理するためのタイマを格納する領域である。そして、特図1表示タイマの総領域は「1」であり、格納されるデータは00H〜18H(10進数の0〜24)の25個のデータのいずれかである。
また、図22中に示すように、作業領域のF03EHは、特図1表示番号の領域となっている。この特図1表示番号は、特別図柄1を表示するために使用する特別図柄番号を格納するための領域である。そして、特図1表示番号の総領域は「1」であり、格納されるデータは00H〜12H、1BH〜23H、2CH〜31Hの、最大値(MAX値)を31H(=49)とした34個のデータのいずれかである。
また、作業領域のF061Hは、特図2表示タイマの領域となっている。この特図2表示タイマは、特別図柄2の変動中に表示する特別図柄2を切り替える時間(表示切替時間)を管理するためのタイマを格納する領域である。そして、特図2表示タイマの総領域は「1」であり、格納されるデータは00H〜18H(10進数の0〜24)の25個のデータのいずれかである。
また、作業領域のF062Hは、特図2表示番号の領域となっている。この特図2表示番号は、特別図柄2を表示するために使用する特別図柄番号を格納するための領域である。そして、特図2表示番号の総領域は「1」であり、格納されるデータは00H、01H、03H〜07H、0AH、13H〜1AH、24H〜2BHの24個のデータのいずれかである。
また、作業領域のF09AHは、普通図柄モードフラグの領域となっている。この普通図柄モードフラグは、普通図柄の表示を行うための機能を果たす普通図柄表示装置の状態(モード)に応じて異なる値が格納されるものであり、総領域は「1」となっている。そして、普通図柄表示装置の抽せん確率が低確率時、普通図柄表示装置の変動時間短縮機能未作動時、及び、普通電動役物の開放延長機能未作動時には、普通図柄モードフラグの値は「00H」であり、普通図柄表示装置の抽せん確率が高確率時、普通図柄表示装置の変動時間短縮機能作動時、及び、普通電動役物の開放延長機能作動時には、普通図柄モードフラグの値は「01H」である。ここで、本実施例のぱちんこ遊技機10では、上述の3つの遊技状態が同時に作動するため、普通図柄モードフラグの値を、00H又は01Hとしている。しかし、普通図柄モードフラグのデータを、例えば00H〜07Hの8つにすると、普図高確の有無、普図時短の有無、普図開放延長機能作動の有無をそれぞれ別データとして表現させることが可能になる。なお、その場合には、LEDやデジットの割り当ての変更が必要となる。
また、作業領域のF09EHは、遊技状態表示番号2の領域となっている。この遊技状態表示番号2は、特別図柄の表示を行うための機能を果たす特別図柄表示装置の所定の状態を「00H」又は「01H」のデータにより報知するために使用する領域であり、総領域は「1」となっている。そして、この遊技状態表示番号2を使用して報知される所定の状態の例としては、電源投入後の電源断復帰時に特別図柄表示装置が作動中である状態、電源投入後の電源断復帰時から特別図柄表示装置の確率変動機能の作動が終了するまでの状態、特別図柄表示装置の確率変動機能の作動状態、がある。
また、図示は省略するが、作業領域のF0A8Hは、前述のデジット等バッファの領域となっている。このデジット等バッファは、デジット等出力ポートに出力するデジットデータ、及び、発射許可信号、演出データストローブを格納する領域である。バッファ普通図柄を表示するために使用する普通図柄番号(00H又は01H)を格納するための領域であり、総領域は「1」となっている。そして、デジット等バッファの最下位ビット(ビット0)からビット4までが、選択されたデジットを表すデータとなる。
つまり、ビット0が「1」で、他のビットが「0」であるデータ(00001B)が、デジット1が選択されたことを示し、ビット1が「1」で、他のビットが「0」であるデータ(00010B)が、デジット2が選択されたことを示す。さらに、ビット2が「1」で、他のビットが「0」であるデータ(00100B)が、デジット3が選択されたことを示し、ビット3が「1」で、他のビットが「0」であるデータ(01000B)が、デジット4が選択されたことを示す。そして、ビット4が「1」で、他のビットが「0」であるデータ(10000B)が、デジット5が選択されたことを示す。
さらに、デジット等バッファのビット5は発射許可の有無を表しており、ビット5が「0」で発射禁止、ビット5が「1」で発射許可を示す。そして、デジット等バッファのビット6は、サブメイン基板301へのコマンド送信のときのみ「1」となり、最上位ビットであるビット7は、「0」の固定値となっている。
また、図22中に示すように、作業領域のF0A9Hは、デジットカウンタの領域となっている。このデジットカウンタは、前述した各デジットの選択のための領域であり、総領域は「1」となっている。そして、普通図柄、普通図柄作動保留球数、状態表示、エラー表示、及び、右打ち指示の表示要求を行う場合(デジット1を選択する場合)には、デジットカウンタのデータは「00H」となる。
また、特別図柄1作動保留球数、及び、特別図柄2作動保留球数の表示要求を行う場合(デジット2を選択する場合)には、デジットカウンタのデータは「01H」となる。さらに、特別図柄1の表示要求を行う場合(デジット3を選択する場合)には、デジットカウンタのデータは「02H」となり、特別図柄2の表示要求を行う場合(デジット4を選択する場合)には「03H」となる。そして、状態表示、及び、エラー表示の表示要求を行う場合(デジット5を選択する場合)には、デジットカウンタのデータは「04H」となる。
また、図22中に示すように、作業領域のF0AAHは、普通図柄表示タイマの領域となっている。この普通図柄表示タイマは、普通図柄の変動中に表示する普通図柄を切り替える時間を管理するためのタイマを格納する領域であり、総領域は「1」となっている。そして、普通図柄表示タイマに格納されるデータは00H〜18Hのデータのいずれかである。なお、この普通図柄表示タイマのデータ(00H〜18H)は、前述の普通図柄セグメントテーブル(図20参照)の切り替えに用いられる。
また、図22中に示すように、作業領域のF0ABHは、普通図柄表示番号の領域となっている。この普通図柄表示番号は、普通図柄を表示するために使用する普通図柄番号(00H又は01H)を格納するための領域であり、総領域は「1」となっている。なお、普通図柄を2灯など複数灯で表現する場合は、LED個数をNとすると、0〜2^(N−1)のデータが格納され得るようになる。この場合は、データの態様に合わせて、デジットやLED表示灯の割り当てを変更する必要がある。
また、図22中に示すように、作業領域のF0ACHは、エラー状態表示番号1の領域となっている。このエラー状態表示番号1は、RWMが初期化されたことを前述の第1状態表示灯231、及び、前述の第2状態表示灯232で表示するための表示要求を格納する領域であり、総領域は「1」となっている。そして、RWM初期化の表示要求なしの場合のエラー状態表示番号のデータは「00H」であり、RWM初期化の表示要求ありの場合のデータは「01H」である。
また、作業領域のF0ADHは、エラー状態表示番号2の領域となっている。このエラー状態表示番号2は、エラー状態の表示を前述の主制御エラー表示灯233で表示するための表示要求を格納する領域であり、総領域は「1」となっている。そして、エラー表示要求なしの場合のエラー状態表示番号2のデータは「00H」であり、エラー表示要求ありの場合のデータは「01H」である。そして、RWMの初期化が実施された場合において、前述のようにおよそ30秒間RWM初期化表示(点灯)を行うためデータが「01H」となる。
また、作業領域のF0AEHは、特電作動回数表示番号の領域となっている。この特電作動回数表示番号は、大当り時のラウンド表示のための領域であり、総領域は「1」となっている。そして、特別電動役物の連続作動回数表示なし(ラウンド表示なし)の場合の特電作動回数表示番号のデータは「00H」である。さらに、特別電動役物の連続作動回数4回表示あり(4R表示あり)の場合のデータは「01H」であり、特別電動役物の連続作動回数16回表示あり(16R表示あり)の場合のデータは「02H」である。
また、作業領域のF0AFHは、小当り表示番号の領域となっている。この小当り表示番号は、小当りに係る表示のための領域であり、総領域は「1」となっている。そして、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物作動表示なし(小当りなし)の場合の小当り表示番号のデータは「00H」であり、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物作動表示あり(小当りあり)の場合のデータは「01H」である。
また、作業領域のF0B0Hは、普図保留球数点滅タイマの領域となっている。この普図保留球数点滅タイマは、普通図柄作動保留球数を表示する普通図柄記憶表示LED(LED表示灯A、B)の表示を切り替える時間を管理するためのタイマを格納する領域であり、総領域は「1」となっている。そして、普図保留球数点滅タイマに格納されるデータは00H〜18Hのデータのいずれかである。
また、作業領域のF0B1Hは、普図保留球数点滅番号の領域となっている。この普図保留球数点滅番号は、普図保留球数に係る点滅表示のための領域であり、総領域は「1」となっている。そして、普通図柄記憶表示LED(LED表示灯A、B)の表示切替要求なし(点滅切替なし)の場合の普図保留球数点滅番号のデータは「00H」であり、表示切替要求あり(点滅切替あり)の場合のデータは「01H」である。
また、作業領域のF0B2Hは、普図保留球数表示番号の領域となっている。この普図保留球数表示番号は、普通図柄記憶表示LED(LED表示灯A、B)のセグメントデータを設定するためのオフセットを格納する領域であり、総領域は「1」となっている。そして、普図保留球数表示番号に格納されるデータは00H〜09Hのデータのいずれかである。なお、上述の普図保留球数点滅番号(F0B1H)が点滅切替えありの場合は、普通図柄記憶表示LED(LED表示灯A、B)のセグメントデータを設定するためのオフセットの値が、「保留球数×2+1」となり、点滅切替えなしの場合は「保留球数×2」となる。
また、作業領域のF0B3Hは、特図1保留球数点滅タイマの領域となっている。この特図1保留球数点滅タイマは、特別図柄1作動保留球数を表示する特別図柄記憶表示1LED(LED表示灯O、P)の表示を切り替える時間を管理するためのタイマを格納する領域であり、総領域は「1」となっている。そして、特図1保留球数点滅タイマに格納されるデータは00H〜18Hのデータのいずれかである。
また、作業領域のF0B4Hは、特図1保留球数点滅番号の領域となっている。この特図1保留球数点滅番号は、特図1保留球数に係る点滅表示のための領域であり、総領域は「1」となっている。そして、特別図柄記憶表示1LED(LED表示灯O、P)の表示切替要求なし(点滅切替なし)の場合の特図1保留球数点滅番号のデータは「00H」であり、表示切替要求あり(点滅切替あり)の場合のデータは「01H」である。
また、作業領域のF0B5Hは、特図1保留球数表示番号の領域となっている。この特図1保留球数表示番号は、特別図柄記憶表示1LED(LED表示灯O、P)のセグメントデータを設定するためのオフセットを格納する領域であり、総領域は「1」となっている。そして、特図1保留球数表示番号に格納されるデータは00H〜09Hのデータのいずれかである。
また、作業領域のF0B6Hは、特図2保留球数点滅タイマの領域となっている。この特図2保留球数点滅タイマは、特別図柄2作動保留球数を表示する特別図柄記憶表示2LED(LED表示灯Y、Z)の表示を切り替える時間を管理するためのタイマを格納する領域であり、総領域は「1」となっている。そして、特図2保留球数点滅タイマに格納されるデータは00H〜18Hのデータのいずれかである。
また、作業領域のF0B7Hは、特図2保留球数点滅番号の領域となっている。この特図2保留球数点滅番号は、特図2保留球数に係る点滅表示のための領域であり、総領域は「1」となっている。そして、特別図柄記憶表示2LED(LED表示灯Y、Z)の表示切替要求なし(点滅切替なし)の場合の特図2保留球数点滅番号のデータは「00H」であり、表示切替要求あり(点滅切替あり)の場合のデータは「01H」である。
また、作業領域のF0B8Hは、特図2保留球数表示番号の領域となっている。この特図2保留球数表示番号は、特別図柄記憶表示2LED(LED表示灯Y、Z)のセグメントデータを設定するためのオフセットを格納する領域であり、総領域は「1」となっている。そして、特図2保留球数表示番号に格納されるデータは00H〜09Hのデータのいずれかである。
また、作業領域のF0DCHは、打ち分け状態フラグの領域となっている。この打ち分け状態フラグは、前述の右打ち指示灯(LED表示灯F)に係る表示のための領域であり、総領域は「1」となっている。そして、右打ち指示灯消灯要求がある場合の打ち分け状態フラグのデータは「00H」であり、右打ち指示灯点灯要求がある場合のデータは「01H」である。
また、図22中に示すように、作業領域のF16AH〜F1EBHは未使用領域となっており、最後尾の番地(F1FFH)を含むF1ECH〜F1FFHは、電断処理時において電断復帰した際に復帰させるための情報(プログラムのアドレスなど)を格納するスタック領域となっている。
<<LED出力処理の具体的態様>>
続いて、これらのデジットやセグメントを駆動するための処理である前述のLED出力処理(図13のS65参照)について、図23に基づき具体的な態様を説明する。先ず、LED出力処理においては、クリアデータ(00H)をセットし(S101)、このクリアデータをセグメント出力ポートへ出力する(S102)。
セグメント出力ポートは、メインCPU501における、前述のセグメント出力IC203への出力のための出力ポートであり、RWM503に係る所定のアドレス値(本実施例では0F4H)によって指定される。メイン基板102のCPU501は、このセグメント出力ポートを示す記憶領域に存在するデータを、前述のように選択されたデジットにおけるセグメントの駆動のために出力する。本実施例では、前述のように(図16(b)参照)、1ビット毎に1つのセグメントが割当てられており、「00H」のデータ出力により、そのときに選択されているデジットに割当てられたすべてのLEDセグメントが、それ以前の状態に関らず、確実にオフ(消灯)となる。
上述のクリアデータに係る処理(S101〜S102)は、そのときの遊技進行割込み処理(今回の遊技進行割込み処理ともいう)において、前回の遊技進行割込み処理で出力がされたデータ、言い換えれば、前回の遊技進行割込み処理から継続してLEDセグメントをオンさせているデータがあれば、当該データを消去するものとなっている。つまり、上述のクリアデータに係る処理(S101〜S102)により、LEDセグメントに対する出力中データの削除、前回の遊技進行割込み処理により点灯駆動されたLEDセグメントの消灯、今回の遊技進行割込み処理にて点灯されるデジットにおけるLEDセグメントへの光の映り込みの防止などのためのデータクリアが行われることとなり、今回の遊技進行割込み処理でLEDセグメントを駆動するための環境が整えられる。
続いて、デジットカウンタのアドレスをセットする(S103)。このデジットカウンタには、メイン基板102のRWM503における所定のアドレス(図22中のF0A9H参照)に設けられたものであり、デジットカウンタには、状況に応じて、「0000B」から「0100B」の値、即ち10進数の「0」から「4」までの5つの値のうちの何れかが記憶されている。そして、続くS104の処理において、デジットカウンタの値が4未満であるか否かの判定を行い、デジットカウンタの値が4未満であれば、デジットカウンタの内容を+1して更新し、デジットカウンタの値が4以上であれば、「0」をデジットカウンタにストアする(S104)。
前述のように、本実施では、表示データを出力するデジットは、デジット1(DIG1)からデジット5(DIG5)の5種類に分類されており、デジットカウンタが「0」からカウントを開始し、デジットカウンタの値が「4」に達すると、デジットカウンタの値は「0」に戻される。デジットカウンタの「0」の値は、デジット1(DIG1)に対応しており、デジットカウンタの「1」から「4」の値は、デジット2(DIG2)からデジット5(DIG5)にそれぞれ対応している。
そして、これらのS103〜S104の処理は、点灯駆動されるデジット(点灯デジット)やセグメント(点灯セグ)の切替えのため、表示するデータに対応したデジット(デジット情報)をストアするものとなっている。
続いて、1バイトデータとして、前述のデジットカウンタの内容をロードし(S105)、デジットカウンタのアドレスをセットする(S106)。さらに、上述の1バイトデータを2倍し(S107)、所定のレジスタに記憶される基底アドレスとして、デジットデータテーブルのアドレスをセットする(S108)。そして、基底アドレスに、上述のS107で2倍した結果を加算する(S109)。これらのS105〜S109の処理は、デジット出力データ(後述する)を取得するため、デジットカウンタの値の2倍値とデジットデータテーブルのアドレスを加算し、加算した結果のアドレスに記憶された内容をデジット出力データとするものである。
すなわち、上述のS105の処理においては、そのときのデジットカウンタの値がロードされる。また、デジットカウンタの1バイトのデータは、前述の「0000B」から「0100B」のうちのいずれかの値となっており、このときの1バイトデータが2倍される(S107)。例えば、前回の遊技進行割込みにおけるデジットカウンタの値が2(0010B)であり、デジット2(DIG2)が指定されている場合、今回の遊技進行割込み処理でのLED出力処理において、S107で2倍して得られる値は4(0100B)となる。
さらに、S108において、基底アドレスとしてセットされるデジットデータテーブルのアドレスは、本実施例では、前述の「11BDH」となっている。そして、この基底アドレスに、S107で2倍して得られた値が加算されて、基底アドレスが更新される(S109)。例えば、S107で得られた値が4(0100B)の場合を例に挙げれば、S109で加算して得られる値は、前述のデジット3ビットデータ(図19(a)参照)のアドレスである「11C1H」となる。
上述の例において、S109で得られる値「11C1H」が示すのは、前述のデジットデータテーブル(図19(a)参照)における「デジット3ビットデータ」のアドレスである。そして、この「デジット3ビットデータ」に記憶されているデータは、図19(a)中に示すように「04H」(=00000100B)である。そして、今回の遊技進行割込み処理でデジット3が選択される場合は、この「04H」のうちの下位5ビットの値が、所定のアドレス(本実施例ではF0A8H)に定められたデジット等バッファにおける下位5ビットに、下位5ビットのデータとして格納される。
上述のデジット等バッファは、前述したように、デジットの選択に係る情報を含む2バイトのデータを記憶可能なRWM領域であり、2バイトを構成する8ビットの情報うち、最下位のビット0からビット4の下位5ビットが、出力するデジットデータ(前述のデジット出力データに該当する)を表す。さらに、ビット5で発射の禁止/許可を表すデータであり、その他のビット6及びビット7は0の固定値となっている。
また、前述したように、デジット等バッファのビット0からビット4により表されるデジットデータ(デジット出力データ)は、今回の遊技進行割込み処理で点灯駆動するべきデジットに対応したビットが「1」となっており、その他のビットが「0」となっている。つまり、デジットデータ(デジット出力データ)が、最下位ビットが「1B」である「00001B」の場合は、デジット1(DIG1)が選択されることとなる。また、デジットデータ(デジット出力データ)が、ビット1が「1B」である「00010B」の場合は、デジット2(DIG2)が選択されることとなり、ビット2が「1B」である「00100B」の場合は、デジット3(DIG3)が選択されることとなる。さらに、ビット3が「1B」である「01000B」の場合は、デジット4(DIG4)が選択されることとなり、ビット4が「1B」である「10000B」の場合は、デジット5(DIG5)が選択されることとなる。
続いて、図23中に示すように、前述のデジット等バッファのアドレス(本実施例ではF0A8H)をセットし(S110)、デジット等バッファの値をロードする(S111)。デジット等バッファの値は、前述のように下位5ビットで選択されたデジットを表す8ビットのデータである。そして、今回の遊技進行割込み処理でデジット3(DIG3)が選択される上述の例では、デジット等バッファの値における下位5ビットは、「00100B」となっている。
さらに、ロードした値と、デジットクリアビットデータ(ここでは00100000B)の論理積をとる(S112)。例えば、ロードされた値が、発射許可の状態とデジット2の選択とを表す「00100010B」である場合、論理積の演算結果は「00100000B」となり、デジットの選択に係る下位5ビットの情報がクリアされる。
続いて、上述の論理積の結果と基底アドレスの内容の論理和をとり(S113)、論理和の結果をデジット等バッファにストアする(S114)。上述のS113が実行される際の基底アドレスは、前述の例の場合には、S109での加算により得られた「11C1H」であり、このアドレス「11C1H」には、図19(a)中に示すように、「04H」が記憶されている。このため、S114でストアされる値は、前述の「00100000B」と「04H」である「00000100B」の論理和である、「00100100B」となる。
そして、このS113で演算された値が、S115で、デジット等出力ポート(0F0H)に記憶され、デジット等出力ポートにおける1バイトデータの下位5ビットが、今回の遊技進行割込み処理において選択されたデジット(ここではデジット3)を表すこととなる。なお、デジット等出力ポートの番地(ここでは0F0H)は12ビットデータであるが、これは、遊技プログラム等で使用するメモリマップ領域(作業領域)とは異なる領域(I/0マップ)を使用しているものである。
このように、上述のS110〜S115の処理では、デジット等出力ポート(0F0H)に出力するデジット以外の信号を保持しつつ、新たに取得した出力データを出力するため、デジット等バッファの値とデジットクリアビットデータ(00100000B)の論理積をとる(S110〜S112)。そして、論理積の結果と取得した出力データの論理和をとり(S113)、論理和の結果をデジット等出力ポート(0F0H)へ出力する(S115)。なお、論理和の結果はデジット等バッファに格納する(S114)。
また、これらのうち上述したS113〜S115の処理は、今回の遊技進行割込み処理で選択されたデジットの指定を行うものとなっている。また、S113〜S115を含むS110〜S115の処理は、各セグメントへの出力開始のための処理に該当するが、前述のS101〜S102により、各セグメントに対してはクリアデータの出力が行われている。したがって、未だこの段階では、各セグメントを消灯するデータ出力(値が「0B」のデータ出力)があるのみであり、各セグメントを点灯させるためのデータ出力(値が「1B」のデータ出力)はない。
続いて、図23中のS116以降では、今回の遊技進行割込み処理におけるセグメント出力のためのデータを作成し、作成したデータをセグメント出力ポート(0F4H)のアドレスのRWM領域(前述のデジット等出力ポートと同様にI/0の領域)に記憶し、点灯させるべきセグメントをオンするための処理が実行される。先ず、基底アドレスを+1し(S116)、基底アドレスの内容をロードする(S117)。さらに、基底アドレスにロードした値を加算する(S118)。
これらのS116〜S118の処理は、基底アドレスを、デジットデータテーブルから各デジットに係る各セグメントテーブル(図19(b)参照)へ移行させるものとなっている。この各デジットに係る各セグメントテーブルは、デジット1からデジット5に係る、デジット1セグメントテーブルからデジット5セグメントテーブルのことを指している。なお、各デジットに係る各セグメントテーブルは、「デジットNセグメントテーブル」と称することも可能である。ここで、「デジットNセグメントテーブル」の「N」は、1〜5の自然数を表している。
そして、今回の遊技進行割込み処理で、例えば、デジット3に係るセグメントテーブルへの移行を行う場合には、S116で、このときの基底アドレスであるデジット3ビットデータのアドレス(11C1H)を+1して更新し、更新された基底アドレスが「11C2H」となる。この「11C2H」の値は、図19(a)中のデジット3に係る、「デジット3セグメントテーブルの算出値」のアドレスに相当する。
そして、S117で、上述の基底アドレス(11C2H)に記憶されているデータである「1BH」をロードする。さらに、S118で、基底アドレス(11C2H)に「1BH」を加算し、「11DDH」が算出される。ここで得られた「11DDH」は、図19(b)中に示すデジット3セグメントテーブルの先頭アドレスである。そして、この「11DDH」は、後述するようにデジット3のセグメントデータを作成するための検査回数(図19(b)参照)を格納したRWMアドレスを表している。
さらに、上述の検査回数として基底アドレスの内容をロードし(S119)、セグメントデータとしてクリアデータ(00H)をセット(S120)する。上述の例において、S119における基底アドレスは「11DDH」であり、その内容は、図19(b)中に示すように「01H」である。また、上述のS120におけるクリアデータのセットは、先に説明したS101に重ねて行われるものであり、前回の遊技進行割込み処理から残っている出力データを初期値にリセットする処理となっている。
続いて、図23中のS121に示すように、基底アドレスを+1し、RWM下位アドレスとして基底アドレスの内容をロードし、基底アドレスを+1し、オフセットとして基底アドレスの内容をロードする(S121)。つまり、S121では、処理開始前の基底アドレスに対して、基底アドレス+1の示す内容をRWM下位アドレスとし、更に基底アドレス+2の示す内容をアドレス算出値とする。
上述のRWM下位アドレス(1バイトデータ)は、RWM作業領域を参照するための下位アドレスであり、上位アドレスは「F0」の固定値である。そして、上位アドレス(F0)と組み合わせにより、セグメントの点灯有無を示すデータが格納されているRWMアドレスを示す2バイトデータが構成される。さらに、S121において、最初に基底アドレスを+1した値のデータが、後述するS124で使用されるRWMアドレスデータ(セグメントデータを格納しているアドレス)であり、その後に基底アドレス+1したアドレスに格納されている値のデータが、セグメントテーブルを記憶したRWM領域(−1)までの算出値になる。
上述の例(今回の遊技進行割込み処理でデジット3を選択する例)の場合、前述のように、基底アドレスを、デジットデータテーブル(図19(a)中の11BDH〜11C6H)からデジット3セグメントテーブル(図19(b)中の11DDH〜11DFH)の先頭アドレス(11DDH)にセットする処理が、前述のS118までに行われている。そして、S121の処理において、基底アドレス(11DDH=検査回数データ格納アドレス)から+1し、基底アドレスが「11DEH」となる。
この「11DEH」は、図19(b)中の「特図1表示番号のアドレス(下位)」のアドレスであり、ここには「3EH」のデータが格納されている。そして、この「3EH」の上位アドレスは、固定値である「F0H」である。そして、基底アドレスの内容(ここでは「特図1表示番号のアドレス(下位)」のデータ)である「F03EH」を読み出す。
さらに、S121では、基底アドレスを更に+1する。ここでの演算により、基底アドレスは「11DFH」となる。この「11DFH」は、図19(b)中に示す「特別図柄セグメントテーブルアドレス−1のアドレス算出値」のアドレスである。この「特別図柄セグメントテーブルアドレス−1のアドレス算出値」は、基底アドレスを変更するための演算値を格納している領域であり、その内容は「34H」である。そして、この「34H」の値が、S121の「オフセットとして基底アドレスの内容をロードする」処理によりロードされる。
続いて、基底アドレスを退避し(S122)し、基底アドレスにオフセットを加算する(S123)。上述のS122における退避は、基底アドレスに、そのときの値を残しながら、同じ値を他の所定の領域(ここでは所定のレジスタ)にも記憶するものである。
また、上述のS123について、前述のセグメント3を選択する例においては、この段階の基底アドレスは「11DFH」であり、オフセットとなる値は「34H」である。このため、S123における加算の処理により得られる値は「1213H」となる。この「1213H」は、図21に示す「特別図柄セグメントテーブル」の先頭アドレスである「1214H」を−1して得られる値であり、本実施例では、アドレス上、「特別図柄セグメントテーブル」の前に配置された「小当りセグメントテーブル2」のアドレスに一致している。
続いて、RWMアドレス(RWM下位アドレス)の内容をロードし(S124)、S124でロードした値が0でなければ(S125:NO)、基底アドレスに、ロードした値を加算する(S126)。そして、セグメントデータに基底アドレスの内容とセグメントデータの論理和の結果をセットし(S127)、基底アドレスを復帰させる(S128)。
上述のS124は、S121でRWM下位アドレスとして読み出した値(先に+1して得られたアドレスに格納しているデータ)と、上位アドレスデータ「F0」とにより構成されるアドレス(各点灯データ用のRWM作業領域)から、各セグメントの点灯の有無を示すデータをロードする処理である。そして、このS124でロードされたデータが、上述のS125で使用される。
前述のデジット3を選択する例においては、上述のS124でロードされ、S125で使用される値は、アドレス「F03EH」に記憶されたデータの何れかである。図22中に示すように、アドレス「F03EH」は「特図1表示番号」であり、ここに記憶されるデータは、「00H〜12H、1BH〜23H、2CH〜31H」の34個である。このため、S125やS126で使用される「ロードした値」は、これらの34個の1バイトデータのうちのいずれかとなる。なお、S126においては、「基底アドレス」は、S123で得られた「1213H」に対して「ロードした値」を加算したアドレスとなる。
また、S127においては、「セグメントデータ」は、今回割込みにおいてセグメント出力ポートから出力するための値であり、検査回数が0となるまではS126で求めた基底アドレスに格納されている値(「基底アドレスの内容」)が、S121からS129を循環する度に、それまでに記憶しているデータに論理和演算されていくデータである。
ここで、デジット3が選択される場合は、図19(b)中の「デジット3セグメントテーブル」の欄に示すように、検査回数が1回であることから、使用されるセグメントデータは、1種類の情報に対応したもののみとなる。そして、本実施例では、S127での「セグメントデータ」は、S120でセットされたクリアデータに一致することとなる。
これに対し、今回の遊技進行割込み処理でデジット1が選択される場合を例に挙げれば、図19(b)中の「デジット1セグメントテーブル」の欄に示すように、検査回数が8回であることから、8種類の情報が出力される。そして、出力種類毎に参照するセグメントテーブルデータに対応したビットが上書き更新されるように、前述のS121〜S127の処理が繰返されて、随時、データの上書きが行われる。ここで、出力種類が8種類の為、セグメントデータが1ビットずつオンオフ更新されるというわけではなく、例えば普図記憶(普図保留)などのように、1種のデータで2bit以上更新される場合もある。そして、出力する種類によっては、他の種類と同じビットを共有する場合もある。より具体的には、デジット1では、特電作動回数、小当り作動回数は同じLED(第1状態表示灯231)を点灯させるため、ビットを共有している。また、デジット5などの場合は、エラー時等で全LEDを点灯させたいようなときに、ビットを共有する。
このため、上述のような処理の繰り返しにより、例えば、デジット1が選択される場合には、S127において、例えば、セグメントデータ(00000111B)に、基底アドレスの内容(00001000B)を論理和して、新たにセグメントデータとして(00001111B)を設定する、などといったことが生じ得る。このことは、後述するS129で、検査回数を−1した結果が「≠0」の条件を満たすか否かが判定され、当該条件を満たす場合には、S121の前に戻るという処理があることに基づいている。
このようにS127は、新しいセグメントデータ(新セグメントデータ)として、現在までにセグメント出力データとして作成して記憶しているセグメントデータ(旧セグメントデータ)と、作業領域(図22参照)のデータを基に抽出(演算)され基底アドレスに格納されているデータの論理和を算出し、得られた結果を更新し、記憶する、という内容になっている。
一方、前述のS125で、ロードした値が0(00H)であれば(S125:YES)、上述したS126(基底アドレスへの加算)や、S127(セグメントデータのセット)を行わずに、S128へ移行してS122で退避させた基底アドレスを復帰させる。なお、例えばデジット3のように検査回数が1回である場合は、復帰処理が行われることはない。
さらに、前述したS129において、検査回数を−1し、その結果が0であれば(S129:NO)、出力データとしてセグメントデータをセットする(S130)。そして、出力データをセグメント出力ポート(0F4H)へ出力(S131)し、LED出力処理を抜ける。つまり、このS130でセットされた値が、選択されたセグメントで点灯されるセグメントを表すデータとなっている。また、上述のS129で、検査回数を−1した結果が0でなければ(S129:YES)、S121(オフセットのロード)へ戻り、検査回数に応じた数の種類を持った出力データ作成が行われる。
<<表示番号切替え処理>>
次に、主制御表示装置53における各セグメントの点滅表示時において点灯すべき状態か否かに応じて表示パターンを切り替えるために行われる処理について説明する。各セグメントの表示切り替えは、図24に示すような表示番号切り替え処理により行われる。この表示番号切り替え処理は、前述した遊技状態表示処理(図13中のS63参照)や、特別図柄変動中処理(S57中で呼び出されるサブモジュール)、普通図柄変動中処理(S54中で呼び出されるサブモジュール)において呼び出される。さらに、表示番号切り替え処理は、表示切り替えタイマを更新し、表示パターン番号の更新を行うと判断した場合は、表示パターン番号の更新を行うものである。なお、上述の特別図柄変動中処理、及び、普通図柄変動中処理については後述する。
以下に、図24のフローチャートに基づき、表示番号切り替え処理の詳細について説明する。先ず、表示切り替えタイマを更新するため、RWM上位アドレスとしてRWM先頭上位アドレス(F0H)をセット(入力)する(S151)。さらに、S152において、RWMアドレスの内容とLED表示切替時間(例えば25)−1を比較する。そして、比較の結果が、LED表示切替時間−1未満の場合、RWMアドレスの内容を+1する。また、比較の結果が、LED表示切替時間−1以上の場合、0をRWMアドレスにストアし、RWMを0でクリアする。
また、RWM下位アドレスは、本表示番号切替え処理が呼び出される処理において保持しており、例えば普通図柄変動表示中処理において、本処理が呼び出された場合は既に「AAH」が保持されている。これによれば、RWMアドレスは「F0AAH」となり、RWM作業領域における普通図柄表示タイマのRWMアドレスとなる。また、特別図柄変動中処理からの場合は、特図1又は特図2の変動いずれかによって、下位アドレスとして3DHまたは61Hを保持している。
さらに、S152において、RWMアドレスの内容とLED表示切替時間(例えば25)−1を比較する。そして、比較の結果が、LED表示切替時間−1未満の場合、RWMアドレスの内容を+1する。また、比較の結果が、LED表示切替時間−1以上の場合、0をRWMアドレスにストアし、RWMを0でクリアする。
続いて、RWMアドレスを+1する(S153)。そして、表示パターン番号を更新するため、S152におけるRWMアドレスの内容を更新する前の比較の結果が、RWMアドレスの内容≧LED表示切替時間−1の条件を満たす場合(S154:NO)、表示番号切り替え処理を開始する前の処理に戻る。一方、比較の結果が、RWMアドレスの内容≧LED表示切替時間−1の条件を満たさない場合(S154:YES)には、次のS155の処理に移行する。そして、S155において、S153でセットしたRWMアドレスの内容を確認し、第0ビットの内容が「0」であれば第0ビットを「1」とし、第0ビットの内容が「1」であれば第0ビットを「1」とする処理を行う。
上述の例では、表示切り替えタイマのLED表示切替時間として「25」が設定されている。S152におけるRWMアドレスには各種表示切替用タイマを格納したRWMアドレス(内容として00H〜18Hのいずれかを保持)が指定される。そして、RWMアドレスの内容について、割込み毎にLED表示切替時間の比較値(24=25−1)と比較し、RWMアドレスの値が、比較値以下である場合にはRWMアドレスの内容を+1し、RWMアドレスの内容に0がセットされる。これによれば、割込み毎にRWMアドレスを更新し、0であるときから25回の更新が行われると、RWMアドレスの内容が25に達し、LED表示切替時間よりも大きくなる。本実施例では、遊技進行割込み処理の周期は約4msに設定されているため、LED表示切替時間を「25」とすることで、LED表示切替時間は100ms(4ms×25)となる。そして、例えば、普通図柄の点灯時間や消灯時間を100msとする場合には、上述のようにLED表示切替時間を「25」とすることにより、表示時間を管理する。なお、表示切り替えタイマの値(ここでは25)について、例えば「25」から1ずつの減算を行って、「0」までのカウントを行うようにしてもよい。また、切替の判定を行うタイマ値毎に比較値を異ならせたり、さらに遊技状態に応じて比較値を異ならせるように、比較値を切り替え判定を行うタイマの種類ごとにRWM作業領域やRWMのテーブル領域から呼び出すようにしてもよい。
<<特別図柄変動中処理>>
続いて、前述の特別図柄変動中処理について説明する。特別図柄変動中処理は、S57の特別図柄制御処理において、特図遊技の進行状態に応じて、変動中であると判断した場合(特図1遊技ステイタス、特図2遊技ステイタスを記憶したRWM作業領域の値が変動中である場合)に実行されるサブモジュールプログラムである。特別図柄の変動開始の処理を行った後、特別図柄変動中処理によって、特別図柄の変動時間を監視し、特別図柄の変動時間終了と判断した場合に、特別図柄の変動停止処理への移行の設定を行うものである。そして、上述の特別図柄の変動においては、特別図柄の変動を行うため、S151と組み合わせるためのRWMアドレスを引数として、表示番号切り替え処理を実行する。
上述の特別図柄の変動時間の監視においては、変動パターン乱数に基づいて決定された特別図柄の変動時間を監視の経過を割込み毎に1ずつ減算更新される特図遊技タイマ(RWM作業領域のF029H※不図示)の確認によって実行する。そして、実行の結果、特図遊技タイマの値が0の場合、特別図柄の変動時間終了と判断する。
前述の特別図柄の変動停止処理への移行の設定においては、特別図柄の停止図柄の設定、表示演出終了の設定、及び、特別図柄の遊技進行状態を停止表示中へと更新する設定を行う。これらのうち、特別図柄の停止図柄の設定においては、特別図柄の表示を図柄乱数に基づいて決定した停止図柄にするため、また、RWM作業領域における停止図柄情報を記憶するための、特図1番号(F03BH※不図示)または特図2番号(F05FH※不図示)の内容を更新する。
さらに、上述の表示演出終了の設定においては、変動開始時に演出制御基板(サブメイン基板301)へ指示した演出を終了させるため、MODE(帯ランプ情報)データ(8FH)、及び、EVENT(帯ランプ情報)データ(50H)を引数として、コマンド要求設定処理を実行する。そして、入力されたRWM基底アドレス+テーブルオフセット2(2)の示す内容、及び、EVENT(図柄演出パターン停止)データ(55H)を引数として、コマンド要求設定処理を実行する。
また、上述の特別図柄の遊技進行状態の設定においては、特別図柄の遊技進行状態を特別図柄停止図柄表示中にするため、RWM作業領域の特図1遊技ステイタス(F03AH※不図示)または特図2遊技ステイタス(F05EH※不図示)の値を停止図柄表示中を示す値に更新する。
このように、特別図柄変動中処理においては、特別図柄の変動表示に係るタイマ(特図1表示タイマ、特図2表示タイマ)の更新を行っており、このタイマを用いて、変動中における特別図柄の表示態様が順次変化するようになっている。
<<普通図柄変動中処理>>
続いて、前述の普通図柄変動中処理について説明する。普通図柄変動中処理は、S54の普通図柄制御処理において、普通図柄ステイタス(F01DH※不図示のRWM作業領域)が変動中を示す値であるときに実行されるサブモジュールプログラムである。さらに、普通図柄変動中処理は、点滅制御のためのタイマ(カウンタ)の値を確認して、今回割込みでのRWM作業領域の点灯パターンの参照位置を切り替える(或いは更新する)処理を行う。そして、普通図柄の変動を行った後、普通図柄変動中処理により、普通図柄の変動時間を監視し、普通図柄の変動時間終了と判断した場合に、普通図柄の変動停止表示状態への移行設定を行うものである。そして、上述の普通図柄の変動においては、普通図柄の変動を行うため、普通図柄表示タイマの下位アドレス(AAH)を引数として、表示番号切り替え処理を実行する。
上述の普通図柄の変動時間の監視においては、普通図柄の変動時間を監視するため、普通図柄タイマ(F01EH※不図示のRWM作業領域)の値を割込み毎に1ずつ減算更新し0であるか否かの判定を実行する。そして、実行の結果、普通図柄タイマの値が0の場合、普通図柄の変動時間終了と判断する。
前述の普通図柄の変動停止設定においては、普通図柄の変動停止設定を行うため、普通図柄の停止図柄の設定、及び、普通図柄ステイタスの停止表示中への設定を行う。これらのうち、普通図柄の停止図柄の設定においては、普通図柄の表示を停止図柄にするため、普通図柄に関する乱数によって決定された普通図柄組合せ番号の値を普通図柄表示番号の領域に格納する。
普通図柄変動中処理においては、普通図柄の変動表示(点滅表示)に係るタイマ(普通図柄表示タイマ)の更新を行っており、このタイマ(普通図柄表示タイマ)を用いて、変動中における普通図柄の表示態様が順次変化するようになっている。
<<RWMクリア時のラウンド表示全灯>>
次に、前述の主制御表示装置53における表示態様について他の一例を説明する。前述のように、主制御表示装置53の第1状態表示灯231及び第2状態表示灯232は、大当りに当せんした場合には、特別遊技のラウンド数を表示するラウンド表示灯として用いられる。また、主制御エラー表示灯233は、メイン基板102に係るエラーの発生時に使用される。
そして、これらの用途に加えて、本実施例に係るぱちんこ遊技機10においては、RWMクリア時(図11のS5:YES、S6:NO、又は、S8:NOの場合)には、第1状態表示灯231及び第2状態表示灯232を構成する合計9個の各セグメント、及び、主制御エラー表示灯233を全灯(全て点灯)させる制御が行われる。具体的には、図12中に示すRAMクリア(S24)の後、RWMの初期設定(S25)において、第1状態表示灯231、第2状態表示灯232、及び、主制御エラー表示灯233を全灯させるためのデータをセット(RWM作業領域のF0ACHを「01H」に設定)する。さらに、割込み許可(S31)の後に、最初の遊技進行割込み処理(図13参照)にて、LED表示の出力(S65)が行われて、このS65の処理に基づき、第1状態表示灯231、第2状態表示灯232、及び、主制御エラー表示灯233が全灯する。そして、本実施例では、第1状態表示灯231及び第2状態表示灯232の全灯時間は3秒(750割込み)、主制御エラー表示灯233の全灯時間は30秒(7500割込み)となっている。
このような制御を行うのは、主制御表示装置53を、例えば大当り時のラウンド数が異なるといった、ゲーム性が異なる複数機種に採用した場合に、第1状態表示灯231、第2状態表示灯232、及び、主制御エラー表示灯233について、ゲーム性によって使用されないセグメントが生じてしまうのを防ぐためである。
すなわち、第1状態表示灯231は、第1状態表示灯用第1セグメント231a及び第1状態表示灯用第2セグメント231bにより構成されており、第2状態表示灯232は、第2状態表示灯用第1セグメント232aから第2状態表示灯用第7セグメント232gにより構成されている(図16(a)参照)。さらに、主制御エラー表示灯233は、主制御エラー表示灯用ドット233aにより構成されている。
前述のように、本実施例に係るぱちんこ遊技機10は、特別遊技に係るラウンド数が4R又は16Rとなっており、図17(a)に示すように、ラウンド表示や小当りの表示のいずれにおいても、使用されないLED表示灯(ここでは第2状態表示灯232の第2セグメント232bと第4セグメント232d)が存在している。そして、このように通常使用されることのないセグメントも含めて全灯して表示することにより、目立たせるとともに遊技情報との誤認を防ぎ(全灯時は数字の「18」の字が表示され、大当り中の実行中ラウンド表示「1」〜「16」とは異なることが理解できるため)、不正防止や公的機関による試験において識別性を高めるといった効果がある。
また、ラウンド数の表示を、「16」や「4」のアラビア数字の態様で行うようにした場合には、当せんした大当りのラウンド数が4Rである場合には、第2状態表示灯232の第2セグメント232b、第3セグメント232c、第6セグメント232f、及び、第7セグメント232gを点灯させることにより「4」の数字を表示できる。また、当せんした大当りのラウンド数が16Rである場合には、第1状態表示灯231の第1セグメント231a、第2セグメント231b、第2状態表示灯232の第2セグメント232bを除いた6個のセグメント(232a、232c〜232g)を点灯させることにより「16」の数字を表示できる。つまり、ラウンド数に係る「4」及び「16」の数字の表示にあたって、第1状態表示灯231及び第2状態表示灯232の全てのセグメントを使用できる。
さらに、上述のように、ラウンド数の表示をアラビア数字の態様で行うようにした場合には、大当り及び小当りのどちらの当り当せんしたのか、及び、大当りの場合にはいずれの種類の大当りに当せんしたのか、といった情報が、第1状態表示灯231と第2状態表示灯232を視認するだけで明確になってしまう。このため、例えば、確率状態が判別できないような演出を採用している場合には、そのような演出を十分に活用できなくなってしまう。
これに対して、本実施例のように、所定の場合(ここではRWMクリア時)を予め定め、この所定の場合に、第1状態表示灯231、第2状態表示灯232、主制御エラー表示灯233を全灯させることにより、どのようなラウンド数のゲーム性であったとしても、RWMクリアを行うことで(例えば初期化スイッチ544(図4参照)の操作を行うことで)、大当りの発生を待つまでもなく、第1状態表示灯231、第2状態表示灯232、主制御エラー表示灯233を使用していることが明確となる。また、本実施例では、主制御エラー表示灯233もRWMクリア時に全灯させているので、エラー発生を待つまでもなく、主制御エラー表示灯233が使用されない備品でないことを容易に確認することができる。
なお、数値的連続性のない変則的な記号によるラウンド数表示は、図17(a)に示す表示態様のほか、例えば、「H」、「Γ」、「Ξ」などといった記号によっても行うことが可能である。そして、これらのような表示態様を採用した場合にも、セグメントの使用態様によっては、ラウンド表示等に使用されないセグメントが生じ得ることとなるため、対象となる全てのセグメントを全灯させることで、上述したのと同様の機能を果たすこととなる。
<<RWMクリア時の全灯時間の最適化>>
前述したように、本実施例ではRWMクリア時に、第1状態表示灯231、第2状態表示灯232、主制御エラー表示灯233が全灯制御され、且つ、第1状態表示灯231及び第2状態表示灯232の全灯時間は3秒、主制御エラー表示灯233の全灯時間は30秒に設定されている。このうち、第1状態表示灯231及び第2状態表示灯232の全灯時間については、例えばRWMクリアを伴う電源投入の際に、大当りの発生が早い段階で生じる場合もあり得るが、このような場合に、ラウンド表示を迅速に開始させ、電源投入直後のラウンド表示が遅れたり、表示を終了して実行中ラウンド表示を開始することにより実行する大当りラウンド数の表示ができなくなるのを防止している。つまり、前述のように未使用のセグメントが生じないようにすることと、電断復帰後のラウンド表示の迅速な開始との双方を両立させるための時間として最適な時間を決定している。
さらに、主制御エラー表示灯233の全灯時間(ここでは30秒)は、未使用のセグメントが生じないようにすることと併せて、RWMクリア報知に関する情報の、確認の容易化と、外部報知の明確化とを両立させるものとなっている。すなわち、本実施例においては、前述のようにRWMクリアがあると、サブメイン基板301に対してRWMクリア時のコマンド(エラーコマンドなど)が送信され、それに伴う表示が演出表示装置60で行われるようになっている。そして、この演出表示装置60におけるエラー表示は30秒間継続されるため、主制御エラー表示灯233の全灯時間と演出表示装置60におけるエラー表示期間とが同程度となるよう関連付けられており、主制御エラー表示灯233の全灯時間期間中は、常に遊技場店員等による演出表示装置60との照らし合わせが行えるようになっている。
また、主制御エラー表示灯233のみによっても、全灯時間期間として長時間を確保することにより、他の場合(エラーの場合)の点灯時間である数秒との区別を明確化でき、RWMクリアが行われたことを見逃すことなく確認できるようになっている。そして、これらのことによって、RWMクリアに係る情報の確認が容易となっている。
さらに、本実施例では、前述の外部情報出力処理(図13のS70参照)に関して説明したように、前述のセキュリティ情報が外部情報出力ポートに出力されており、RWMクリアがあった場合には、そのことがセキュリティ情報に表れるようになっている。そして、RWMクリアに係るセキュリティ情報の出力期間は、主制御エラー表示灯233の全灯時間と関連付けられており、本実施例では同じ30秒となっている。このセキュリティ情報の出力は、遊技店のホールコンピュータで、セキュリティ情報に係る報知を行えるようにすることを想定したものであり、セキュリティ情報の出力期間ホールコンピュータを介して監視を行う遊技場店員等が見落とししないように、十分に長い期間を確保したものである。
<<LED表示切替時間の変更>>
また、前述の表示番号切替え処理(図24参照)においては、表示切替時間は、表示切り替えタイマに係るLED表示切替時間の値(例えば25)と、遊技進行割込み処理の周期(ここでは4ms)との積により決まるようになっている。このため、LED表示切替時間の値を変更することにより、各種情報の表示時間を変更することが可能である。そして、本実施例では、表示切り替えタイマに係るLED表示切替時間の値を、例えば20とすることで80msの表示時間を設定でき、例えば10とすることで40msの表示時間を設定できる。また、LED表示切替時間の値を、例えば5とすることで20msの表示時間を設定することも可能である。
さらに、LED表示切替時間を遊技状態に応じて必要なデータをRWMより参照して変更すれば、例えば、普通図柄の変動時間を遊技状態(普通図柄変動時間短縮機能の作動の有無)に応じて変更することが可能となる。そのために、LED表示切替時間の値を変更するためには、LED表示切替時間に関して、それぞれの値(5、10、20、及び、25など)を持った表示切り替えタイマのテーブルを個別に設けることが考えられる。そして、テーブルを個別に設けることによって、前述の表示番号切替え処理(図24参照)におけるS152やS154の処理において、表示対象となる情報に応じて、複数種類の表示切り替えタイマのうちから、対応する時間に係る表示切り替えタイマを選択して使用することが可能である。
また、テーブルを設けてLED表示切替時間を異ならせることとは別に、前述の表示番号切替え処理(図24参照)の制御モジュールを、各表示時間に合わせて、複数種類設けることが考えられる。そして、表示対象となる情報に応じて、複数種類の表示番号切替え処理のうちから、対応する時間に係る表示番号切替え処理を選択して使用する、といったことも可能である。
<本実施例に係る発明の作用効果>
以上説明したように、本実施例に係るぱちんこ遊技機10によれば、主制御表示装置53へのLED出力にあたり、36個のセグメント(発光素子)が5つのデジット(発光素子グループ)にグルーピングされ、各デジットが、遊技進行割込み処理の周期ごとに順番に選択される。そして、各デジットでグループを構成するセグメントの数が、最大で8個となっており、個々のセグメントのオン/オフの情報を示す8ビットのセグメントデータにより、遊技状態に応じて必要なセグメントが、遊技進行割込み処理の実行期間中に点灯駆動される。
さらに、遊技進行割込み処理の周期(ここでは4ms)に基づき計時を行うタイマ(表示切り替えタイマ)が構成されており、セグメントの点灯期間は、表示切り替えタイマを用いて、遊技進行割込み処理の周期に基づく計時により確保される。また、遊技進行割込み処理の周期(ここでは4ms)と、デジットの個数(ここでは5個)との積により求められるデジット選択周期(20ms)毎に、同じデジットが選択されて、上述の表示切り替えタイマによる所定期間の情報表示が実現される。つまり、例えば、所定のセグメントが100msの期間に亘り点灯しているように視認させようとする場合には、4msの点灯駆動が20ms間隔で5回繰り返されることになる。
このため、常に主制御表示装置53の全てのセグメントを対象にしてセグメントデータを出力する場合に比べて、セグメントデータのビット数を少なくでき(本実施例では8ビット)、メインCPU501において、少ない出力ポート数(本実施例では1つ)で多数のセグメントを制御することができる。また、本実施例では、選択されるデジットは、遊技進行割込み処理毎に切り替わるが、20msのデジット選択周期毎に、所定の情報の表示が繰返される。したがって、遊技者や遊技場店員等に対しては、所定の情報表示が継続して行われているように見せることができ、情報表示の視認性を損なわせることがない。そして、これらのことから、主制御表示装置53を視認性良く効率的に制御することが可能となる。
また、本実施例に係る発明によれば、1回の遊技進行割込み処理で出力されるセグメントデータの情報量を少なく抑えることができ、セグメントデータの出力に使用する記憶領域を節約することができる。さらに、同時に点灯駆動されるセグメントの数を抑制でき、消費電力の低減(省エネ化)が可能となる。
なお、遊技進行割込み処理の周期、デジットの数、点灯駆動されたセグメントの輝度などの関係によっては、視認性が低下することも考えられる。つまり、デジット選択周期が過度に長くなるとデューティ比(点灯時間と消灯時間の比率)が下がり、セグメントを通常点灯駆動しても、点滅しているように見えたり、相対的に暗く見えたりする場合がある。このような場合には、メインCPU501の出力ポートの数を例えば2つに増やし、セグメントデータを、8ビットと8ビットの合計16ビットで出力し、適切なデジット選択周期を確保するようにしてもよい。
また、本実施例に係る発明によれば、RWM503中の所定の作業領域(図22参照)に、点灯パターン選択情報記憶領域となる、特図1表示番号(F03EH)、特図2表示番号(F062H)、遊技状態表示番号2(F09EH)、普通図柄表示番号(F0ABH)、普図保留球数表示番号(F0B1H)、特図1保留数表示番号(F0B5H)、特図2保留数表示番号(F0B7H)などといった、名称に「表示番号」が含まれる各種の領域が設けられている。そして、これらの点灯パターン選択情報記憶領域には、例えば、特図1表示番号であれば、00H〜12H、1BH〜23H、2CH〜31Hなどといった各種のデータ(点灯パターン選択情報)が記憶されており、これらのデータが、セグメントの動作状態を指定するオフセットとして用いられている。
そして、これらのデータ(点灯パターン選択情報)は、遊技の進行や遊技パラメータの変化(変動開始や始動口への入球による保留の発生)といった遊技状態の遷移に基づいても更新され得るものである。したがって、各種の遊技状態に係る情報表示を、前述のように、視認性良く効率的に行うことが可能である。
なお、より具体的には、特別図柄1、特別図柄2、及び、普通図柄に係る保留時、変動時、変動停止時は、それぞれ遊技状態が異なる状況であるということができる。また、例えば、特別図柄1に係る保留時についても、遊技パラメータとしての経過時間が変化し、時間の経過により遊技状態が遷移している、と捉えることもできる。このことは、特別図柄1に係る変動時や変動停止時、特別図柄2や普通図柄に係る保留時、変動時、変動停止時等についても同様である。
また、作業領域(図22参照)に設けられた各種の領域は、遊技状態、遊技の進行状況、遊技パラメータなどの違いによって確保されたものであるということができ、さらに、各領域に記憶され得る各種のデータも、遊技状態、遊技の進行状況、遊技パラメータなどの違いによって値が異なるものである、ということができる。
また、本実施例に係る発明によれば、タイマ記憶領域となる表示切り替えタイマが更新されて更新回数が所定値(例えば25)となる割込み処理において、点灯パターン選択情報記憶領域となる作業領域の情報(データ)を更新し、1回の遊技進行割込み処理において、複数の点灯パターンテーブル(デジットNセグメントテーブルからS121〜S129の間の処理で使用するテーブル)を参照する。そして、点灯パターン選択情報(作業領域のデータ)のデータ列をオフセットとして複数の点灯パターンテーブルの内の1つから点灯パターン(抽出した1単位データ列)を読出し、読み出した値を順次以前の処理までに作成したセグメントデータと論理和演算を行うことによって、主制御表示装置53に出力されるセグメントデータを生成する(図23中のS127参照)。
ここで、上述の「抽出した1単位データ列」とは、上述のオフセット値(点灯パターン選択情報の内容)を、図19(b)中の、デジットNセグメントテーブルにおける「○○セグメントテーブルのアドレス−1」に基底アドレスがあるときに、基底アドレスにオフセット値を加算したRWMアドレスに格納されている値である。
例えば、デジット1セグメントテーブルを例とすると、特別図柄確率変動機能作動中、右打ち遊技推奨時(普通図柄変動時間短縮遊技状態)、普通図柄確率変動機能作動中、普図保留2個点灯時、普図当り図柄表示中、大当り/小当り非作動、且つ、エラー発生無し、のような場合、上述の「抽出した一単位データ列」は、各々の遊技状態ごとに得られる「00000011(保留2個以上の点灯時)」、「00000100(普通図柄当り図柄表示中)」、「00010000(普図確変中)」、「00001000(特図確変中)」、「00000000(エラー無し)」、「00000000(非特別遊技状態)」、「00000000(非小当り遊技状態)」、「00100000(右打ち推奨遊技状態)」の8つのそれぞれとなる。そして、これらの「抽出した1単位データ列」の論理和をとると、セグメント出力ポートには、「00111111」というデータがセットされる。
さらに、特図1の表示を行うためのデジット3セグメントテーブルを例とすると、図21に示す特別図柄セグメントテーブル(1214H〜)を参照して点灯パターンが選択されるが、例えば、特図表示番号が「03H」の時、特別図柄セグメントテーブルの1アドレスである「1216H(1213H+03H)」に格納されている7FH(01111111B)という値が「抽出した一単位データ」とる。なお、例として挙げた特図1の場合は、参照するテーブルが1つのため、論理和は行わない。また、「1単位」は、処理態様やデータ量を本実施例と異ならせた場合などには、2バイトデータであってもよい。
さらに、主制御表示装置53へ出力されるセグメントデータとして、上述の論理和演算(S127参照)に用いられる上述の1単位データ列を抽出するために参照する点灯パターンテーブル(各種セグメントテーブルなど)は、グループ指定データ記憶領域であるデジットカウンタの記憶情報(選択されるデジットの情報)に基づいて予め組合せが決定されているものである。
つまり、上述の『1回の遊技進行割込み処理において、複数の点灯パターンテーブルを参照する』とは、より具体的には、例えば、デジット1が選択されている遊技進行割込み処理においては、デジット1セグメントテーブル中の、検査回数「1」〜「8」ごとに定められた、普通図柄記憶セグメントテーブル、普通図柄セグメントテーブル、遊技状態セグメントテーブル1、遊技状態セグメントテーブル2、エラー状態セグメントテーブル1、特電作動回数セグメントテーブル1、小当りセグメントテーブル1、及び、打ち分けセグメントテーブルの8つセグメントテーブルを参照することを指している。
また、デジット2セグメントテーブルが使用される場合には、特図1記憶セグメントテーブル、及び、特図2記憶セグメントテーブルの2つのセグメントテーブルを参照することが該当する。さらに、デジット5セグメントテーブルが使用される場合には、エラー状態セグメントテーブル2、エラー状態セグメントテーブル3、特電作動回数セグメントテーブル2、及び、小当りセグメントテーブル2の4つのセグメントテーブルを参照することが該当する。
そして、上述の『点灯パターンテーブル(各種セグメントテーブルなど)は、グループ指定データ記憶領域であるデジットカウンタの記憶情報(選択されるデジットの情報)に基づいて予め組合せが決定されているものである』は、デジット1セグメントテーブル、デジット2セグメントテーブル、デジット5セグメントテーブルにおいて、複数の点灯パターンテーブルの組合せが決められていることを指している。
したがって、これらのことから、本実施例に係る発明によれば、複数の発光素子グループ(デジット)ごとの所定の情報表示を、更に効率的に行うことが可能となる。
また、本実施例に係る発明によれば、タイマ記憶領域(表示切り替えタイマ)が更新されて更新回数が所定値(例えば25)となる遊技進行割込み処理において、点灯パターン選択情報記憶領域となる作業領域の情報を更新する。そして、この点灯パターン選択情報記憶領域の情報の更新に関して、タイマ記憶領域に、上述の所定値として異なる複数の値(例えば25と10)を初期値として設定し、表示時間を、遊技状態(本実施例では普通図柄の変動時間短縮機能作動時か否か)に応じて切り替える、といったことも可能である。
そして、このようにすることにより、例えば、所定のセグメントを用いた情報表示を、遊技状態に応じ異なる時間に亘って行うことが可能となり、遊技情報の報知を多様化しながら、所定の情報表示(普通図柄の変動表示など)を効率的に行うことが可能となる。例えば、普通図柄の変動時間を、所定条件が成立した場合に短縮機能を作動させるようにし、普通図柄の変動時間を短縮した状態を、所定期間に亘り継続するようなゲーム性を採用し、遊技の多様性を確保しながら、所定の情報表示(ここでは普通図柄の変動表示)を遊技状態に合わせて変化させるとともに効率的に行う、といったことが可能となる。
また、本実施例に係る発明によれば、上述の複数の初期値は、特別図柄に係る変動表示の切り替えに関する第1初期値(例えば25)と、前記普通図柄に係る前記変動表示の切り替えに関する第2初期値(例えば10)とを含み、第2初期値の方が第1初期値よりも、所定値となるまでに要する割込み処理でのタイマ記憶領域の前記更新回数が少なくなっている。そして、このことによっても、遊技の多様性を確保しながら、所定の情報表示(ここでは普通図柄の変動表示)を効率的に行う、といったことが可能となる。
また、本実施例に係る発明によれば、前記グループ指定データ記憶領域となるデジットカウンタの値が所定の第1の値(例えばデジット1を示す値)であるときに参照する点灯パターンテーブル(デジット1セグメントテーブルから算出される各種セグメントテーブル)と、第1の値とは異なる第2の値(例えばデジット5を示す値)であるときに参照する点灯パターンテーブル(デジット5セグメントテーブルから算出される各種セグメントテーブル)には、共通の点灯パターン選択情報(例えばエラー状態表示番号1、特電作動回数表示番号、小当り表示番号)をオフセット値としてセグメントデータ生成に使用するセグメントテーブルが設けられ、これらの共通のデータ(例えばACH、AEH、AFH)が含まれている。
したがって、1周期中の複数のタイミングを用いて、共通のデータを共通のセグメントテーブルに使用してセグメントデータを生成するように設計することで、1周期中に複数回共通の情報表示を行うことができる。さらにセグメント出力を行うLEDを共通となるようにデジットの発光素子の割り当てを行うことにより、該当する情報表示を明るくした強調表示を行うことが可能となり、該当する情報表示に係る視認性を更に向上することができる。なお、上述の共通のデータ(例えばACH、AEH、AFH)は、本実施例中においては、遊技割込み処理の異なる実行期間にて異なる発光素子(セグメント)に係るセグメントデータとして出力されものである。
また、本実施例によれば、特電作動回数表示番号のAEH、小当り表示番号のAFHと、エラー状態表示番号1のACH(RWMクリア時から30秒間「01H」)を上述の共通のセグメントから出力するとし、異なる遊技状態(通常時とRWM初期化時)で使い分けを行うようになっている。そして、通常時には、デジット1、5において、特電作動回数表示番号、及び、小当り表示番号の表示が行われるが、RWM初期化時には、デジット1、5において、特電作動回数表示番号、及び、小当り表示番号の表示と共通のセグメントに対し、エラー状態表示番号1およびエラー状態セグメントテーブル1,2より作成したセグメントデータにより必ずオンとなるように上書きされる。この点灯状態を、所定時間(本実施例では3秒または30秒)継続させることで、RWM初期化に係る情報表示を行うようにしている。したがって、共通のデータを用いて、異なる遊技状態に係る情報表示を効率よく行うことが可能となる。
さらに、本実施例に係る発明によれば、RWMクリア時(図11のS5:YES、S6:NO、又は、S8:NOの場合)に、第1状態表示灯231及び第2状態表示灯232を構成する各セグメント、及び、主制御エラー表示灯233を全灯(全て点灯)させる制御が行われる。このため、ゲーム性によって使用されないセグメントが生じるのを防止でき、部品構成の明確化が可能になる。
また、本実施例に係る発明によれば、RWMクリア時に、上述のように、第1状態表示灯231、第2状態表示灯232、主制御エラー表示灯233が全灯制御され、且つ、第1状態表示灯231及び第2状態表示灯232の全灯時間は3秒、主制御エラー表示灯233の全灯時間は30秒に設定されている。このため、前述のように未使用のセグメントが生じないようにすることと、電断復帰後のラウンド表示の迅速な開始との双方を両立させることができる。また、主制御エラー表示灯233の全灯時間を、未使用のセグメントが生じないようにすることと併せて、RWMクリア報知に関する情報の、確認の容易化と、外部出力の明確化とを両立させるものとすることができる。さらに、本実施例では、RWMクリア報知に関する情報の確認の容易化は、前述のように、演出表示装置60やホールコンピュータとの関係においても、RWMクリア報知の確認を容易にするものとなっている。なお、保留が「0」であるときに、実行される特図の変動パターンとしては、当否抽選の結果がはずれであるか当りであるか問わず3秒以上継続するよう設定しておくことにより、RWMクリア直後に大当りまたは小当りが発生した場合のラウンド表示が短時間でも阻害される恐れが無くなる。
なお、本発明は、上述の実施例に限らず、種々に変更することが可能である。例えば、前述したように、演出表示装置60として、複数の液晶表示器等を用いたものを採用した場合には、演出図柄190の表示を所定の表示器で行い、他の表示器に、第1保留数表示部196及び第2保留数表示部197などを表示することが可能である。また、複数の表示器の画面間で、表示対象(キャラクタ、演出図柄、保留数表示部、など)を移動させることも可能である。
また、大当りの判定で大当りと判定された場合に、大当り図柄、確変の有無、時短の有無、普通電動役物の開放延長の有無、各種開始デモ開始時間、各種終了デモ時間、特別電動役物の作動パターンなどを決定し、その結果の参照は、全て纏めてではなく、これらの情報を必要とする各種制御処理中で個々に必要に応じたタイミングに分けて行うことが可能である。
また、特別遊技の開始後に、例えば遊技球が特定の領域を通過したことを契機に、確変の有無、時短の有無、普通電動役物の開放延長の有無、特別電動役物の作動パターンなどのうちの少なくとも何れか一つを決定するタイプ(「球確スペック」などともいう)のぱちんこ遊技機においては、例えば大当り終了デモの所要時間を、確変か非確変(通常)かといった遊技状態に応じて異ならせておき、大当りと判定された場合に、大当り終了デモ開始時に、決定された遊技状態に応じた時間で、大当り終了デモを実行することが可能である。
また、本実施例では、大当り中以外であること、第1特別図柄(又は、第2特別図柄)が変動待機中であること、及び、変動開始対象となる特別図柄の作動保留球数が0以外であること、が変動開始の条件とされており、更に、第2始動入賞口63を用いる第2遊技が第1遊技に優先されている。しかし、これに限定されるものではなく、例えば、第1遊技を優先する構成や、何れかの遊技を優先させるのではなく、始動入賞が発生し保留記憶された順に、保留記憶を消化する構成なども採用が可能である。このうち、後者の入賞順に図柄変動を行うタイプのものにおいては、上述の各変動開始条件に加えて、例えば当否判定の順序と消化順序(入賞順)と一致していることを確認し、一致していることが確認できたことを変動開始条件の一つとすることが可能である。
さらに、上述のように第1遊技及び第2遊技の図柄変動を入賞順に行うタイプにおいては、一方の遊技が当せんしている場合には、他方の遊技の当否判定を行わないようにすることも可能である。ここで、他方の遊技の当否判定を行わない態様としては、先の当せんした遊技の大当りの遊技が終わるまでは、後の遊技の当否判定を行わない態様や、後の遊技の始動入賞を例えば当否判定については無効にする態様、などが考えられる。すなわち、これらの各種態様のように、複数の始動口を用いた場合の遊技の内容等の事情に応じて、図柄の変動開始の条件を適正に設定することが可能である。
また、前述の条件装置の作動終了後の遊技状態の記憶の順序について、適正な態様を設定することが可能である。例えば、特別図柄の確率変動、開放延長機能等、特別電動役物の開放パターン、変動パターンの選択状態(限定頻度パターンを含む)、開始デモ及び終了デモの時間の順に設定することが可能である。
また、本実施例では、前述のように、待機デモの表示要求をメイン基板102で行い、メイン基板102からサブメイン基板301へ客待ちデモコマンドを送信しているが、このコマンド送信に関する具体的態様として、大当り終了時(終了デモ終了時)、或いは、特別図柄の変動停止時、といった所定のタイミングでタイマをセットして計時を行い、特別図柄の変動待機中はタイマを減算し、タイマ値が0になった際に、待機デモのコマンド送信を行うことが考えられる。さらに、特別図柄の保留記憶がない場合に限り、待機デモのコマンドをサブメイン基板301へ送信するようにしてもよい。このように、待機デモのコマンド送信に関して、大当り終了や図柄の変動停止を計時の基準としたり、保留球数によって、コマンド送信の有無を変更することが可能である。また、メイン基板102から客待ちデモコマンドの送受信を行わず、例えば、サブメイン基板301で変動停止コマンド受信後にタイマ計測を行い、所定時間経過後に客待ちデモの表示のための制御を行うようにしてもよい。
また、本実施例では、内蔵乱数にソフト乱数を加算した値を大当り判定で使用する当否乱数として用いているが、内蔵乱数とソフト乱数により構成される当否乱数の使用条件を遊技の状況に応じて定めることも可能である。例えば、始動口入賞があり、かつ、そのときの保留球数が最大値に達していないと判断した場合に、内蔵乱数とソフト乱数により構成される当否乱数を当否判定に用い、そのときの保留球数が最大値に達している場合には、例えばソフト乱数のみ(或いは内蔵乱数のみ)を当否乱数として用いることが考えられる。なお、本実施例では、取得された各種乱数の記憶は、当否乱数、図柄乱数、変動パターン乱数について行われているが、本発明はこれに限定されず、例えば、先読み演出機能の有無などによる必要性に応じ、変動パターン乱数の記憶を行わない構成とすることなども可能である。
また、第1遊技と第2遊技における始動入賞に係る制御処理を例に挙げれば、別の遊技であることに基づく制御内容の違いはあるものの、制御処理の基本構成は同様とすることができる。このため、本実施例では、制御プログラム上は、RWM503の使用記憶領域をオフセットして相違させるなどし、その他のプログラム内容は多くの部分を共通化することで、第1遊技と第2遊技の制御を行っている。このようにすることで、プログラムの記憶容量を少なくすることが可能である。しかし、これに限らず、全く別の処理として制御モジュールを分けて作成してもよい。このようにした場合には、制御処理の速度を向上させることができる。
また、本実施例では、第1遊技及び第2遊技の図柄変動の優先順位を定めているため、特別図柄の作動状態の監視において、特別図柄(第1特別図柄、又は、第2特別図柄)が変動待機中であるか否かの確認を行っている。しかし、本発明はこれに限定されず、例えば、第1遊技及び第2遊技の特別図柄の変動を、並列して同時に行えるようにしたタイプのぱちんこ遊技機の場合においては、第1遊技及び第2遊技の図柄変動について、変動待機中であるか否かの確認を行う必要がなくなる。なお、この場合、第1遊技及び第2遊技の特別図柄が、互いに独立して変動できるよう、制御処理モジュールを分けて作成することが望ましい。
さらに、遊技領域52における、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92、左作動口68a、及び、右作動口68b等の部品の配置は、ぱちんこ遊技機10に採用されているゲーム性に応じて決まるものである。そして、本実施例では、前述したような配置(図1参照)が採用されているが、ゲーム性を異ならせたような場合には、例えば、第2始動入賞口63を、遊技領域52の右側であり、且つ、第2大入賞口92の上方の部位に配置するといったことも可能である。さらに、この場合に、第2始動入賞口63を、1つのみの羽根(片羽根)を備えたタイプのものとすることや、羽根式とはせずに、前後に水平移動する開閉板を備えたタイプのものとすることや、倒伏扉式のもの(アタッカタイプ)のものとすることなどが可能である。さらに、第1大入賞口91を設けず、1つの大入賞口(図中の第2大入賞口92)のみを設けるといったことも可能である。
<<普通図柄の表示に係る第2実施例>>
次に、普通図柄の表示に係る第2実施例について説明する。なお、第1実施例に係るぱちんこ遊技機10と同様の部分については同一番号を付し、その説明は省略する。前述の実施例では、主制御表示装置53の普通図柄表示部59は、1つのLED表示灯(C)により構成されており、普通図柄の表示は1つのセグメントを用いて行われる。しかし、複数のLED表示灯により普通図柄表示部59を構成し、複数のLED表示灯のオン/オフのパターンの組合せにより、普通図柄の変動表示や停止表示を行うことが可能である。そして、使用するLED表示灯の数を増やすことにより、普通図柄の表示に多様性を持たせることが可能となる。
図25中において、各々が矩形の枠で囲われた(a)〜(c)は、主制御表示装置53に、普通図柄の表示のために2つのLED表示灯(「LED1」、「LED2」と称する場合がある)を設けた場合の実施形態を示している。また、図25(a)中の(a1)、(a2)、図25(b)中の(b1)、(b2)、図25(c)中の(c11)〜(c32)は、各実施形態における各表示態様を、タイミングチャートによって示している。
さらに、図25(a)〜(c)における各図(a1、a2、b1、b2、c11〜c32)中、ハッチングを施した帯状の図形は、普通図柄表示部を構成する各LED表示灯が点灯(オン)状態にあることを示している。なお、第1実施例において説明したように、制御上、主制御表示装置53の各デジット1〜5に用いられている個々のLED表示灯(セグメント)は、デジット選択周期(ここでは20ms)ごとにオン/オフの状態が指定されているため、上述したハッチングを施した領域(20ms分)の内で4msだけ各セグメントが点灯する。普通図柄変動中処理において呼び出される表示番号切り替え処理は、切り替えのための基準値を「5」(または「5」と「10」を可変)とした専用の「普通図柄用表示番号切り替え処理」としている。そして、普通図柄表示部59を構成する2つのLED表示灯(LED1及びLED2)が含まれるデジットが選択された遊技進行割込み処理内のLED出力処理(図13参照)によって、LED1とLED2に対応するセグメントデータが入力されることとなる。
図25中の(a)〜(c)は、いずれも、第1実施例における普通図柄の変動時間よりも大幅に短い時間で変動表示を行うものとなっている。そして、図25(a)〜(c)のうち、最上段に示す(a)の表示態様は、普通図柄の変動時間(普図変動時間)を64msとし、普図停止固定時間(以下「図柄固定時間」と称する)を20msとしている。また、中段に示す(b)は、普通図柄の変動時間を44msとし、図柄固定時間を20msとしており、下段に示す(c)は、普通図柄の変動時間を84msとし、図柄固定時間を20msとしている。
これらのうち、図25(a)中の(a1)、(a2)の表示態様について、普通図柄に係る変動表示(普図変動)が開始されると、図中に示すように、LED2、LED1の順に、20msずつの交互点灯を規則的に繰り返す。
つまり、図25(a)に示す実施形態においては、LED1とLED2を、デジット選択周期である20ms毎に交互に点灯駆動することによって、普通図柄表示部59が一定の状態でないことを表し、このような表示態様を、普通図柄に係る変動表示の表示態様としている。そして、図中には、普図変動時間と図柄固定時間を矢印の長さによって示しており、64msの変動時間において、LED1及びLED2についての合計で、3回以上の点灯が行われるようになっている。したがって、普図変動時間中に、点灯と点滅の切替りが複数回(ここでは3回)確保されている。
さらに、図示は省略するが、普図抽選の結果がはずれの場合は、例えば、普通図柄に係る保留が存在すれば、(a1)に示す態様の表示が実行された後に、続けて次の普図変動が開始される。また、普図抽選の結果が当りの場合は、図柄固定時間(20ms)の終了時点で点灯しているLED表示灯(図25(a)の例ではLED1)が、継続して点灯する。この当り時の点灯は、普通電動役物の開放時間に合わせて継続し、例えば普通電動役物の開放時間が5秒である場合には、当り時の点灯は5秒間継続する。
ここで、図25(a)中の(a1)と(a2)とで、普図変動時間や図柄固定時間の開始タイミング及び終了タイミングが相違するように図面が記載されているのは、LED表示灯に対するオン/オフのタイミングと、実際にLED表示灯が点灯開始や点灯終了するタイミングとが、必ずしも一致しないことを示すためである。
すなわち、主制御表示装置53に入力されるセグメントデータにおいて、所定のLED表示灯に対応したビットのデータが、例えば「1」から「0」に変化したとしても、僅かな残光により、LED表示灯が消灯状態となるまでには、ある程度の遅れが生じる。このため、制御上、前回の変動表示が終わり、図柄固定時間が経過してから、今回の変動表示のためのセグメントデータの、主制御表示装置53への出力を行ったとしても、固定時間の経過と同じタイミングで、LED1の輝度が0の状態(視覚上消灯していると知覚できる状態)になるとは限らない。したがって、図25中の各図中において帯状に示す点灯状態と消灯状態としては、説明が煩雑にならないよう、理論上のものを採用している。
また、第1実施例において説明したように、遊技進行割込み処理(図13参照)において、普通図柄の変動開始の監視を行う普通図柄変動開始監視処理(S55)の制御モジュールは、普通図柄表示装置等に係る処理を行う普通図柄制御処理(S54)よりも後に配置されている。このため、所定の遊技進行割込み処理中に普通図柄変動開始監視処理(S55)で決定された処理内容は、そのときの遊技進行割込み処理(「当該遊技進行割込み処理」ともいう)中における、普通図柄制御処理(S54)よりも後は反映されず、次回の遊技進行割込み処理に実行されることとなる。
また、本実施例では、前述のLED出力処理(S65)は、普通図柄変動開始監視処理(S55)の後に配置されている。そして、LED出力処理(S65)では、普通図柄制御処理(S54)での処理結果がLED出力処理(S65)で使用されるが、このため、当該遊技進行割込み処理では、LED出力に、普通図柄変動開始監視処理(S55)の処理結果が反映されないことになる。そして、これらのような制御モジュールの配置や対応関係も、LED表示灯に対するオン/オフのタイミングと、実際にLED表示灯が点灯を開始するタイミングや、点灯を終了するタイミングに影響を与える一要因となっている。すなわち、普通図柄変動開始監視処理により、1割込み分だけ変動表示が遅れることから図25(a)〜(c)において変動時間をデジット切替の1周期のn倍+4msの値としている。
また、図25(a)に示す実施形態では、(a1)と(a2)のいずれの表示態様においても、前回の図柄固定時間終了時における、2つのLED表示灯(LED1とLED2)のオン/オフの状態を引継いで、今回の変動表示が開始されるようになっている。
そして、以上説明したような各種の事情により、前述のように、制御上の変動開始タイミングと、視覚上におけるLED表示灯の点灯開始タイミングとが、相違することになる。さらに、2つのLED表示灯(LED1及びLED2)のうち、変動開始時に点灯しているLED表示灯は、不確定であり、必ずしも何れか一方に定まるわけではない。なお、上述のような各種の事情により、変動表示や図柄固定時間の開始タイミング等が異なる場合も、広義には、それらは別な表示態様であるということができる。
さらに、図25(a)に示す実施形態では、(a1)と(a2)のいずれの表示態様においても、変動時間が、デジット選択周期(20ms)の倍数(ここでは60ms)に、遊技進行割込み処理の周期(4ms)を付加した値(ここでは64ms)に設定されている。このため、図25(a)中の(a2)に示すように、変動表示の開始タイミングと、LED表示灯(ここではLED2)の点灯開始とのタイミングが一致した場合であっても、図柄固定時間(20ms)は、図25(a)中の(a1)、(a2)に示すように、LED表示灯(ここではLED表示灯1)の点灯中に開始することになる。
なお、前述したような各種の事情は、主制御表示装置53における他の表示部に係る制御においても同様に該当するものである。また、本実施例に限らず、第1実施例に関しても同様な事情がある。そして、第1実施例に係る発明の変動時間についても、本実施例のように、遊技進行割込み処理の周期を付加したものとすることが可能である。
また、図示は省略するが、抽選された普通図柄の態様によっては、前回の普通電動役物作動の終了時において、LED1とLED2がともに点灯状態、又は、ともに消灯状態となる場合もある。そして、このような場合には、一旦、一方のLED表示灯のみを所定時間(例えば20ms)に亘り、消灯(又は点灯)させることが可能である。
ここで、普通図柄の変動表示をLED表示灯の点滅により表すためには、変動表示していることを明確化するため、点滅していることが確実に視認できることが必要と考えられる。また、普通図柄の変動表示のためには、予め定めた変動時間内に、点滅していることが視認されることが必要であると考えられる。さらに、当り時には、当り図柄の表示時間を含めた総表示時間は、十分に長い時間(例えば500ms以上)であることが必要と考えられる。また、はずれ時には、図柄固定時間が、十分に長い時間(例えば500ms以上)であることが必要と考えられる。
そして、以上説明したように、図25(a)に示す実施形態によれば、変動表示時間が、デジット選択周期(20ms)の倍数である数値(60msなど)と、遊技進行割込み処理の周期(4ms)の合計値となっているので、上述のような変動開始の時間を不確定なものとするような各種の事情があっても、確実にデジット選択周期の倍数値となる変動時間を確保できる。
また、図25(a)に示す実施形態によれば、LED1とLED2とがそれぞれ点灯と消灯を行い、交互に点灯することを基本的な表示態様としている。さらに、変動時間を64msとしているので、第1実施例の変動表示時間よりも短い期間で、変動表示を完了することができる。そして、普通図柄の変動表示切替時間を短縮化することにより、普通図柄に係る変動を短時間で表示することが可能になる。
特に、普通図柄に係る変動の迅速化は、普通電動役物の開放時間の長期化(例えば5秒程度)や、第2始動入賞口63への入賞に対する賞球数の低減(例えば1個など)との組み合わせにより、理論値及び実測値のいずれにおいても、所定時間あたりの総賞球数を過大にすることなく、適度に大当り抽選の回数や、大当り頻度を高めることが可能となる。そして、このようなゲーム性を採用することにより、ぱちんこ遊技機10の趣向性の向上が可能になる。
また、上述のような普通図柄の変動時間の短縮化により、点灯と表示切替の回数が少なくなり、変動していることの視認がしづらくなることも考えられる。しかし、図25(a)に示す実施形態のように、変動表示時間中における表示切り替えを短縮した期間で行うようにしているため、表示切り替えを複数回(ここでは3回)確保することにより、普通図柄表示部59を見る者に対して、2つのLED表示灯の間に輝度の変化を認識させ易くなる。この結果、LED表示灯の変動表示に関する視認性の確保が可能となる。
なお、図25(a)中の(a1)と(a2)において、図柄固定時間におけるLED2の動作態様が異なるのは、図柄固定時間中に、表示切り替えタイマを変更するか否かの違いを表すためである。つまり、図柄固定時間中に表示切り替えタイマを変更した場合には、図25(a)中の(a1)に示すように、図柄固定時間中に図柄表示が更新され、LED1、2の動作態様が切り替わる場合がある。しかし、図柄固定時間中に表示切り替えタイマを変更しない場合には、図25(a)中の(a2)に示すように、図柄固定時間中にLED1、2の動作態様が切り替わらずに維持されることになる。
続いて、図25(b)に示す実施形態について説明する。なお、図25(a)に示す実施形態と同様の部分については適宜説明を省略する。図25(b)に示す普通図柄の表示態様は、前述のように、普通図柄の変動時間を、デジット選択周期(20ms)の2倍である40msに、遊技進行割込み処理の周期(4ms)を付加した44msとしている。さらに、変動表示後の固定時間は、デジット選択周期(20ms)と同じ20msとしている。
また、図25(b)中に(b1)と(b2)を示しているのは、図25(a)の場合と同様に、図柄固定時間中の表示切り替えタイマの変更の有無に相違により、(b1)に示すような、図柄固定時間中の図柄表示の更新があり得ることを示すためである。
そして、普通図柄に係る変動表示(普図変動)が開始されると、図25(b)中の(b1)、(b2)に示すように、LED1、LED2の順に、20msずつの点灯を交互に繰り返す。そして、図25(b)に示す表示態様においては、(b1)と(b2)のいずれについても、44msの変動時間において、LED1及びLED2についての合計で、2回以上の点灯が行われるようになっている。
また、図25(b)中の(b1)に示す表示態様においては、普通図柄変動時間がLED1の点灯開始と同じタイミングで開始されている。そして、普通図柄変動時間の終了時点では、再点灯したLED1が点灯を継続しており、図柄固定時間中に、点灯するLED表示灯がLED2に切り替わる。さらに、図25(b)中の(b2)に示す表示態様においては、普通図柄変動時間がLED2の点灯中に開始されている。そして、普通図柄変動時間の終了と同じタイミングで、再点灯したLED2の20msの点灯が経過するが、図柄固定時間中も、LED2に係る後続の点灯が、20msに亘り継続している。
このような実施形態によれば、図25(a)の実施形態と同様の作用効果を奏するほか、普通図柄の変動時間の一層の短縮化により、普通図柄に係る保留をより短時間で消化することが可能になる。
続いて、図25(c)に示す実施形態について説明する。なお、前述した図25(a)、(b)に示す実施形態と同様の部分については適宜説明を省略する。図25(c)の実施形態における、(c11)、(c12)、(c21)、(c22)、(c31)、(c32)の6つの表示態様形態は、いずれも前述のように、普通図柄の変動時間を、デジット選択周期(20ms)の4倍である80msに、遊技進行割込み処理の周期(4ms)を付加した84msとしている。さらに、変動表示後の固定時間は、デジット選択周期(20ms)と同じ20msとしている。
また、図25(c)中の(c11)、(c12)は、LED1、2の1回の点灯時間が互いに異なる表示態様を示している。そして、図25(c)中の(c11)は、1回のLED点灯時間が20msの表示態様を示しており、図25(c)中の(c12)は、1回のLED点灯時間が40msの表示態様を示している。さらに、図25(c)中の(c11)は、図柄固定時間中に表示切り替えタイマの変更が行われる場合の表示態様の一例を示しており、図25(c)中の(c12)は、図柄固定時間中に表示切り替えタイマの変更が行われない表示態様を示している。
また、図25(c)中の(c12)に係る表示態様においては、普通図柄用変動切り替え処理における、切り替え基準値を「10」とすることにより、LED1とLED2が、20msの点灯を2回分継続して行っている。そして、LED1とLED2は、40msずつの点灯を交互に繰り返し、84msの変動時間において、LED1及びLED2についての合計で、2回以上の点灯を行う。このようにLEDの点灯時間や消灯時間を長くすることにより、残光等の影響により点滅表示が視認し難くなることを防止できる。なお、この(c12)の表示態様を普通図柄変動時間短縮機能非作動時の処理とし、(c11)を普通図柄変動時間短縮機能作動時の処理として、普通図柄用変動切り替え処理内において、基準値を切り替える制御をしてもよい。
続いて、図25(c)中の(c21)、(c22)、図25(c)中の(c31)、(c32)は、(c11)(c12)の変動表示制御において変動開始時期が異なった場合の例を示している。
また、普通図柄の抽選結果が当たりである場合に、当り図柄の態様に合わせて、変動表示中や固定表示中の表示態様を決めるようなものであってもよい。この場合には、例えば、最終的に当り図柄が停止表示されるような変動パターンを設けるとともに、普通図柄用表示切り替え処理にて使用する普通図柄タイマの値と、普通図柄表示番号を変動開始時に任意の初期値にリセットするようにしておき、当たりの場合には、当該変動パターンを選択して変動表示を行うようなものを例示できる。
さらに、変動表示にあたり、普通図柄用表示切り替え処理の基準値を可変とすることによって、LED1又はLED2のうちのいずれか一方は、20msごとや、40msごとなどに交互に規則的な点灯と点滅を行い、他方のLEDは、20msの点灯、20msの消灯、40msの点灯、40msの消灯を行う、といった、相対的に不規則な表示態様を採用することも可能である。
また、複数のLED表示灯を用いて普通図柄の変動表示と停止表示を行う場合には、変動表示と、停止表示とに同じ図柄を用いることが可能である。つまり、その後に停止表示される図柄の態様で、各LED表示灯を点滅させることで、変動表示を行うことが可能である。なお、このことは、特別図柄の場合も同様である。
さらに、例えば、普通電動役物がロング開放(通常時及び特定遊技時)を行っている時間中は、普通図柄用表示切り替え処理を実行しないという制御も可能である。また、点灯しているセグメントが同じ表示パターンであっても、前述のように明るく強調表示を行う表示態様と、強調表示を行わない表示態様とを別の表示パターンとして区別し、表示態様を増やすことも可能である。
<電源断時におけるメイン基板の制御処理に係る発明の第2実施例>
次に、電源断時におけるメイン基板の制御処理に係る発明の第2実施例について、図面に基づき説明する。なお、前述の第1実施例と同様の部分については同一番号を付し、その説明は適宜省略する。
本実施例に係るぱちんこ遊技機は、メイン基板102に実装されたCPU501のノンマスカブル割込み端子(図示略)に電断信号が入力されると、CPU501が所定の制御処理を終え、最終的に供給電圧が動作可能な電圧を下回るまで制御処理をループさせ、これらの点では前述の実施例と共通している。しかし、本実施例においては、CPU501のノンマスカブル割込み端子に電断信号が入力されてからループ処理に至るまでに特徴的な制御処理が含まれている。
すなわち、本実施例におけるぱちんこ遊技機の主要な制御処理は、図11(前述の第1実施例に係る図を流用する)及び図26を用いて示す制御開始処理(電源断処理を含む)、図11と同様に流用する図13により示される遊技進行割込み処理、及び電源断確認情報設定の処理であり、これらはメイン基板102において実行される。
図11及び図26に示す制御開始処理においては、電源投入時に必要な設定(S1〜S4)を実行後、初期化スイッチ544の操作状態(S5)、電断時状況確認処理(S6〜S8)における電源断情報フラグの値、及びRWM領域の加算結果(チェックサムデータ)に対応して、電源断復帰時の処理(S9〜S17)、RWMの初期化時の処理(S24〜S26)、遊技進行割込み用の計時設定の処理(S27)、循環処理(S33(S28〜S32))、電源断確認情報設定時の処理(S301〜S307)等を実行する。
これらのうち、S1〜S29までの各々の処理は、前述の第1実施例とほぼ同様であるが、電源断復帰時の処理(S9〜S17)が再開準備処理として機能しており、この後に、遊技進行割込み用の計時設定の処理(S27)へ進む点で前述の実施例とは異なっている。また、割込み処理時間監視手段クリアレジスタに第1再帰情報となる所定の値をセットする処理(S29)の後、電源断確認情報判定処理により電源断確認情報が設定されているか否かが判定され(S30)、設定されている場合には(S30:Yes)、後述する電源断処理(S301〜S307)に移行する点でも前述の実施例とは異なっている。なお、図26中のS31(初期値乱数更新処理)及びS32(割込み許可の処理)は、前述の実施例に係る図12中のS30、S31に各々対応したものである。
<<<循環処理>>>
続いて、前述の第1実施例との主な相違の一つである循環処理(S33(S28〜S32))について説明する。循環処理(S33(S28〜S32))においては、遊技機の管理を行うため、先ず、割込みを禁止する(S28)。さらに、割込み処理時間監視手段を再帰させる準備のため、割込み処理時間監視手段クリアレジスタに第1再帰情報となる所定の値をセットする(S29)。この第1再帰情報は、予め定められた例えば55H等の値である。また、電源断確認情報が設定されているか否かが判定され(S30)、設定されている場合には(S30:Yes)、後述する電源断処理(S301〜S307)に移行する。
前述の電源断確認情報が設定されているか否かの判定(S30)において、設定されていないと判定された場合には(S30:No)、初期値乱数更新処理を実行し(S31)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。この後、割込みを許可した後(S32)、再度割込み禁止(S28)の処理に戻り、それ以降の処理(S28〜S32)を順次繰り返して制御処理を循環させる。
割込み許可(S28)が実行される毎に前述の遊技進行割込みが可能となり、遊技進行割込み処理は、S27で設定された周期情報に基づいて、所定の周期(ここでは4ms周期)毎に繰返される。
<<電源断処理>>
電源断確認情報が設定されているか否かの判定(S30)において、設定されていると判定された場合には(S30:Yes)、CPU501が強制再帰手段として機能し、第22再帰情報の設定が行われ(S301)、割込み処理時間監視手段の監視用計時が強制的に初期化され、計時が再帰させられる。この強制的な第2再帰情報の設定(S301)により、電力供給が再開された場合には、監視用計時が再帰した状態で、制御処理が開始される。つまり、電源断発生時に監視用計時を強制的に再帰させておくことにより、電力供給を再開した直後の制御処理において、監視用計時が再帰しないまま、制御処理が進行することを防止できるようになっている。
続いて、電源投入時の情報フラグ(電源断情報フラグ)のアドレスがセットされ、当該電源断情報フラグの値が読み出されて、電源投入時の情報が正常に保存されているか否かが判定される(S302)。そして、電源投入時の情報が正常に保存されていた場合には(S302:Yes)、電源断正常データ(ここでは55H)が設定され(S304)、電源断となる際のRWMのチェックサムが算出されて(S305)、チェックサムデータが作成される。そして、アクセス禁止の設定を行い(S306)、電源断時ループ処理(S307)により、供給電圧が所定値以下となって電源断となるのを待つ。
前述の電源投入時の情報が正常に保存されているか否かの判定(S302)において、判定結果が正常に保存されていない(S302:No)となった場合には、電源断異常データが設定(S303)された後、前述のアクセス禁止の処理(S306)に移行する。
<<電源断確認情報設定の処理>>
次に、前述のS30において判定される電源断確認情報を設定する場合の制御処理について説明する。先ず、電源投入がされた後、所定の処理を経て制御開始処理(図11及び図26参照)が開始され、更に制御開始処理中に実行される遊技進行割込み用の計時設定の処理(図26中にS27で示す)などを経て、ループ処理(S33)が開始される。このループ処理は、図12中の循環処理(S32)に対応するものである。
ループ処理の開始後、遊技進行割込み処理の開始タイミングが到来すると、図13に示す遊技進行割込み処理が実行される。この後、遊技進行割込み処理の途中で電源電圧の低下が発生した場合、ノンマスカブル割込み処理(NMI処理)に伴い、制御処理は所定のアドレス(ここでは0066H番地)にジャンプする。そして、NMI処理が発生したことを示す電源断確認情報が設定され、この電源断確認情報を設定するための電源断確認情報設定の処理がリターンに抜け、遊技進行割込み処理中の電断発生時の処理に戻る。そして、当該周期の遊技進行割込み処理において実行されるべき残りの処理が全て完了してリターンに抜け、制御開始処理(ここでは図26中のループ処理(S33))に戻る。
また、上記ループ処理中に電源電圧の低下が発生した場合、NMI処理に伴い、前述の場合と同様に制御処理は所定のアドレス(0066H)に移行する。そして、電源断確認情報が設定されてリターンに抜け、制御開始処理(ここではループ処理(S33))に戻る。
そして、前述のように電源断確認情報が設定されているか否かが判定される(図26中のS30)。ここで、電源断確認情報が設定されていなければ、ループ処理開始の処理に移行し循環処理(図26中のS33)が継続される。一方、電源断確認情報が設定されていれば、電源断処理(前述のS301〜S307に対応)が実行され、電源断処理の終了後、電源断となる。
また、本実施例においては、ノンマスカブル割込みが発生した場合に、実行中の命令が命令単位で完遂される。例えば、図27中に符号552で示す制御処理(ここではLD(ロード)命令)の実行中にノンマスカブル割込みが発生すると、この制御処理552は当該命令の実行中は継続され、このLD命令の実行が終わってから前述の電源断確認情報が設定される。つまり、電源断確認情報の設定時期は、命令単位の制御処理によって定まり、このような命令を完遂してから電源断確認情報が設定される。
ここで、上述のような命令を含む制御処理は、プログラムモジュール毎の制御処理(本実施例では、例えば制御開始処理(図11及び図26参照)、遊技進行割込み処理(図13参照)、初期値乱数更新処理(S31、S48)、入力処理(S45)、その他の処理)に限られるものではなく、各種データの設定や算出など(S1〜S10、S41〜S44、その他)といった制御処理も含む概念である。すなわち、遊技進行割込み処理を例に挙げれば、例えば第2再帰情報のセット(S43)の制御処理を構成する特定の命令の実行中にノンマスカブル割込みが発生した場合には、この特定の命令の実行が終わってから電源断確認情報が設定される。そして、この電源断確認情報を設定するための電源断確認情報設定の処理がリターンに抜け、遊技進行割込み処理中の電断発生時の処理に戻る。そして、当該周期の遊技進行割込み処理において実行されるべき残りの処理が全て完了してリターンに抜け、制御開始処理(図26中のS33に対応するループ処理)に戻り、電源断処理(前述のS301〜S307に対応)が実行される。
また、例えば各種乱数更新処理(S46)内の特定の命令の実行中にノンマスカブル割込みが発生した場合にも、この特定の命令の実行が終わってから電源断確認情報が設定される。そして、電源断確認情報設定の処理がリターンに抜け、遊技進行割込み処理中の電断発生時の処理に戻り、当該周期の遊技進行割込み処理において実行されるべき残りの処理が全て完了して制御開始処理に戻り、前述の場合と同様に電源断処理が実行される。
このような制御態様は、遊技中における様々な局面においてノンマスカブル割込みが発生した場合にも同様である。例えば、後述する入賞監視処理(S51)の開始から賞球制御処理(S52)の終了までの間の特定の命令の実行中にノンマスカブル割込みが発生した場合には、この特定の命令の実行が終わってから電源断確認情報が設定される。そして、入賞監視処理(S51)、或いは賞球制御処理(S52)に戻り、当該周期の遊技進行割込み処理において実行されるべき残りの処理が全て完了してリターンに抜け、制御開始処理(図26中のS33に対応するループ処理)に戻り、電源断処理(前述のS301〜S307に対応)が実行される。
さらに、遊技進行割込み処理内の他の制御処理について説明すれば、特別図柄の変動に係る制御処理を規定した特別図柄制御処理(S57)、大当り抽選判定を行う処理を含んだ特別図柄変動開始監視制御処理(S60)、エラー検知及びエラー報知に係る制御処理を規定した異常検知処理(S61)、或いはその他の制御処理において特定の命令の実行中にノンマスカブル割込みが発生した場合にも、その時の命令の実行が終わってから電源断確認情報が設定され、当該周期の遊技進行割込み処理において実行されるべき残りの処理が全て完了してから、電源断処理が実行される。
また、本実施例においては、電源電圧が下がって所定値に達してから電源断となるまでの時間である電源断所要時間は、電源断所要時間設定手段によって設定されている。電源断所要時間設定手段としては、例えば、電源基板251に設けられたコンデンサ等の、放電を制御する機器を利用することが可能である。電源断所要時間は、図28中に符号Mで示すように、電源電圧が正常値(例えば30V)から徐々に下がり始め、電源基板251が電断信号を出力する値である電断信号出力電圧(例えば18V)に達してから、メイン基板102のCPU501に入力される供給電圧である5Vに達するのに要する時間である。本実施例において電源断所要時間Xは、制御開始処理を完遂するのに要する時間A、遊技進行割込み処理を完遂するのに要する時間B、電源断確認情報を設定するのに要する時間C、及び電源断処理を完遂するのに要する時間Dの総和よりも大きく、A+B+C+D<Xの関係が成立するよう設定されている。
また、電源断所要時間は、メイン基板102に従属して各種制御コマンドを受信するサブ基板104が電源断処理を開始するタイミングよりも先に終了するよう設定されている。つまり、ぱちんこ遊技機10の電源がオフする際には、メイン基板102のみでなく、副制御手段であるサブ基板104でも、その制御処理の内容に応じて、電源断に備える電源断処理が実行されるが、サブ基板104で実行される電源断処理の開始タイミングは、メイン基板102において電源断所要時間が経過して、電源断処理が終了した後となっている。なお、サブ基板104のみでなく、例えば払出制御基板103にも同様に、メイン基板102において電源断所要時間が経過した後に、電源断処理を開始するようにしてもよい。また、このようなメイン基板102の電源断所要時間と、副制御手段の電源断処理の開始時期との関係を、払出制御基板103のみに適用してもよい。さらに、サブ基板104及び払出制御基板103以外に、制御機能を有する副制御手段が備えられている場合には、その副制御手段に適用することも可能である。
<電源断時におけるメイン基板の制御処理の第2実施例に係る発明の作用効果>
本実施例のぱちんこ遊技機においては、電源断となる場合に、前述の電源断確認情報が設定保存され、その後は、その時の周期の遊技進行割込み処理が終わるまでは制御処理を継続し、遊技進行割込み処理が終了した後に電源断処理(S301〜S307)が実行されて電源断となる。したがって、電源断となる場合に、当該周期の遊技進行割込み処理を終えてから電源断とすることができ、遊技進行割込み処理中に設定されたコマンドの送受信が強制的に中断されてしまうこと等の、遊技進行割込み処理を途中で打ち切ることによる不具合の発生を防止できる。
より具体的には、例えば前述したメイン基板から払出制御基板への払出制御用入力信号を例に挙げれば、入賞監視処理(図13中のS51)の開始から賞球制御処理(S52)の終了までの間に、主制御MODEコマンドの送信のための制御処理中に電源断の原因となる電圧降下が生じたとしても、その時の命令単位の制御処理を終えた後に電源断確認情報の設定が行われ(S111)、その後に遊技進行割込み処理に戻り、コマンドの送信処理が継続される。そして、主制御EVENTコマンド及び主制御MODEコマンドの双方についての制御処理を終え、当該周期の遊技進行割込み処理中の必要な全ての制御処理が終わった後に、電源断処理が実行される(S301〜S307)。したがって、遊技進行割込み処理単位では制御処理を中途半端な状態で終了させて電源断とすることがなく、電源復帰時の制御処理の再開を容易化することが可能である。さらに、遊技進行割込み処理の途中で電源断となることを防止しているため、遊技進行割込み処理の途中で、使用レジスタの退避や、割込み許可或いは禁止の状態の保存の処理を行う必要がない。
また、例えば、特別図柄の変動に係る制御処理を規定した特別図柄制御処理(図13中のS57)、大当り抽選判定を行う処理を含んだ特別図柄変動開始監視制御処理(S60)、エラー検知及びエラー報知に係る制御処理を規定した異常検知処理(S61)、或いはその他の制御処理においても、電源断確認情報の設定後、コマンドの送信の制御処理等が完遂され、これらの制御処理を含む包括的な制御処理である当該周期の遊技進行割込み処理を終えてから、電源断処理が実行される。したがって、次回の遊技進行割込み処理において、例えば送信すべきであったコマンドの後半部分(下位部分)を送信し直しなどの制御処理を省略でき、情報通信の安定化、及び制御処理の負担軽減を実現することができる。
また、本実施例おいては、電源電圧が下がって所定値に達した場合に、その後に電源断となるまでの時間を設定する電源断所要時間設定手段が備えられており、この電源断所要時間設定手段による電源断所要時間Xは、制御開始処理を完遂するのに要する時間A、遊技進行割込み処理を完遂するのに要する時間B、電源断確認情報を設定するのに要する時間C、及び電源断処理を完遂するのに要する時間Dの総和よりも大きく設定されている。したがって、電源断となる場合の制御処理を途中で打ち切ることなく終了させることができ、このことによっても電源断時の不具合の発生を防止することが可能となる。
また、本実施例によれば、副制御手段(サブ基板104、払出制御基板103など)の電源断処理の開始タイミングが、主制御手段における制御開始処理、遊技進行割込み処理、電源断確認情報の設定、及び電源断処理の所要時間を考慮したものとなっており、この結果、主制御手段と副制御手段との電源断処理に係る連携を強化できるとともに、主制御手段から副制御手段への制御指令の送信をより完全化することが可能となる。
また、このような電源断時の制御処理の工夫を施すことにより、電源断から再度電源が投入されて電源復帰する際の制御状態が、ある程度一定となるよう、制約することができる。
<電源断時におけるメイン基板の制御処理に係る発明の第3実施例>
次に、電源断時におけるメイン基板の制御処理に係る第3実施例について説明する。なお、前述の各実施例と同様の部分については同一番号を付し、その説明は省略する。前述の電源断時における制御処理に係る第2実施例においては、電源の供給電圧が低下してCPU501のNMI端子(図示略)に電断信号が入力されると電源断確認情報が設定されるが、第3実施例においては、電断信号の入力があったとしても、その電断信号の入力態様が所定条件を満たさなければ電源断確認情報の設定が行われない。この所定条件としては、電断信号の入力回数や入力期間などを例示することができる。
例えば、電断信号は第1電断信号と第2電断信号とに分けられており、第1電断信号は第2実施例の電断信号と同様のものである。そして、第1電断信号は、CPU501のNMI端子に入力される。一方、第2電断信号は、第1電断信号の出力に伴ってCPU501に向けて出力されるものであり、第1電断信号がCPU501に入力されると、第2電断信号はCPU501の他の入力端子に入力される。CPU501は、第1電断信号がNMI端子に入力されると、その時に実行されていた命令を第2実施例と同様に完遂した後、制御プラグラム上に規定された所定のアドレス(ここでは0066H番地)に制御処理をジャンプさせる。さらに、CPU501は、第2電断信号の入力回数を監視しており、入力回数が例えば5回に達していれば、電源断確認情報の設定を実行する。
第2電断信号の入力が5回以上ない場合においても、NMI端子に第1電断信号が入力されることに伴って、CPU501は、制御処理を前述の所定のアドレス(0066H)に移行させる。しかし、所定のアドレスへの移行を行うものの、それ以外の電源断に備えるための制御処理は何ら行わず、電源断確認情報の設定は実行しない。そして、一旦前述の所定アドレス(0066H)への移行を行った後には、移行する前の、例えば遊技進行割込み処理中の制御処理に戻る。つまり、第2電断信号の入力態様が所定条件を満たさなくても制御処理は一旦所定のアドレス(0066H)に移行するが、電源断確認情報の設定等のための制御処理を何ら行うことなく、移行前の制御処理に戻る。
第2電断信号の入力回数は、遊技進行割込み処理が繰り返される毎に加算される。つまり、本実施例では、5回の遊技進行割込み処理に亘り第2電断信号の入力が繰り返された場合に所定条件が満たされたと判定される。
この第3実施例によれば、電源電圧が低下していない場合に例えばノイズ等の影響によりNMI端子に信号入力があったとしても、信号入力があったことのみを原因として電源断確認情報が設定されてしまうことを防止できる。したがって、電源断とする必要がなく電源断となるべきでないような状況において、誤って電断処理が実行されてしまうことを防止できる。さらに、本実施例のように、所定のアドレスに制御処理を移行させた後に、電源断確認情報を設定することなく直ぐにその処理を抜ける構成とすることにより、第1電断信号が入力に伴うノンマスカブル割込みの機能を利用したまま、より確実な電源断確認情報の設定を行うことが可能となる。
すなわち、遊技機の各種制御基板に用いられるCPUは、ハードウェア割込みであるNMIの機能を備えているのが一般的であり、CPUには、NMI機能のための入力端子や電子回路部分(論理回路を含む)が備えられている。しかし、NMI端子への信号入力を無視してしまうような制御処理を行うこととした場合には、NMIの機能を削除するための設計変更が、プログラム上、及び回路設計上で必要となる。また、NMI端子や、NMIのための電子回路部分を残したまま、これらを使用せず、例えば接地しておくような措置を採った場合には、不使用(又は未使用)の端子や機能が残ってしまい、不正行為に利用されてしまうことも考え得る。これに対して本実施例のように、NMI端子に第1電断信号が入力されると制御処理を所定のアドレス(0066H)に移行させるという構成を採用することにより、NMI機能のための構成を削除せずに利用したまま、メイン基板102の設計変更を最小限に抑えながらノイズ等への対策を施すことが可能となる。
なお、本実施例においては、第2電断信号の入力態様が満たすべき所定条件として、5回の入力を定めているが、本発明はこれに限定されるものではなく、5回以外の回数を設定してもよい。また、所定回数に限られるものではなく、例えば所定期間に亘る入力を条件としてもよい。さらに、第2電断信号を生成するために、第1電断信号の信号経路を分岐させてCPU501に直接的に入力することや、第1電断信号の分岐信号をスイッチング回路に入力することなどが考えられる。また、第1電断信号と第2電断信号とは、CPU501に同期して入力されることが望ましいが、本実施例の作用効果を奏することが可能な範囲で第2電断信号が遅延する構成を採用してもよい。さらに、第2電断信号の入力回数は、遊技進行割込み処理が繰り返される毎に加算されるものとしているが、本発明はこれに限定されず、例えば1回の遊技進行割込み処理中に複数回計数され得る事項に基づいて、所定条件となる回数をカウントしてもよい。
<封入式遊技機への適用>
また、本願発明は、遊技者が獲得した遊技媒体としての遊技球を、前述のように、遊技者に対し直接的に払出して遊技者が賞球に触れることができるようにしているぱちんこ遊技機に限られず、例えば封入循環式のぱちんこ遊技機にも適用が可能である。封入循環式のぱちんこ遊技機としては以下のようなものを例示できる。なお、前述の実施例のぱちんこ遊技機10と同様の部分については同じ符号を付して説明する。
すなわち、封入循環式のぱちんこ遊技機は、内部に遊技媒体としての遊技球を封入しており、遊技者が発射ハンドル20を操作することにより、発射装置の発射モータを駆動させて封入球を1発ずつ遊技盤50前面の遊技領域52に打込んで遊技ができるように構成されている。遊技領域52の構成としては、前述のぱちんこ遊技機10のように遊技球を遊技者に引き渡すタイプのぱちんこ遊技機と同様の構成を採用できる。さらに、遊技球を遊技者に引き渡す必要がないことから、遊技球を一旦溜めるための上球皿18、下球皿19といった構成はなくてもよい。
遊技領域52で入賞した遊技球、及び入賞しなかった遊技球はセット基盤31に形成された球回収樋に案内され、揚送装置(図示略)により揚送される。揚送装置は、揚送モータにより回転する揚送用スクリューが内蔵されており、この揚送用スクリューが回転することによりパチンコ球(遊技球)が揚送される。揚送装置の背部には、揚送途中のパチンコ球と接触することによりそのパチンコ球を研磨する研磨部材が設けられており、パチンコ球は揚送されつつ、その表面が研磨される。
揚送装置の球入口側(下方側)及び球排出口側(上方側)には、遊技球の検出スイッチが設けられており、これら検出スイッチにより、揚送されるパチンコ球が検出される。揚送装置の球排出口の近傍には球発射装置が設けられており、揚送後の(上方側の)検出スイッチで検出された遊技球は、球送り装置により球発射装置に供給される。球送り装置は、遊技者が発射ハンドル20を操作して遊技球を1発打つ毎に次の遊技球を1つ打球発射位置に送り込む機能を有する。さらに、遊技球の循環経路途中に遊技球過不足検出スイッチが設けられ、循環経路内のパチンコ球が所定個数(たとえば50個)になっているか否かを検出する。
ぱちんこ遊技機の所定側の側方位置に該ぱちんこ遊技機に対して遊技用装置の一例のカードユニット(CU)が1対1に対応設置されている。この点は、前述のぱちんこ遊技機10と同様である。カードユニットは、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカードや、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付けて、それらカードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばカード残高、持球数、あるいは貯球数等)を用いて対応するぱちんこ遊技機における封入球を弾発発射させて遊技ができるようにするための機能を有する。なお、ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
このぱちんこ遊技機においては、現在の持球数の管理は、カードユニット側においてぱちんこ遊技機側の遊技球数の変動を算出することにより行われている。ぱちんこ遊技機側においても現在の遊技球数の算出・記憶を行なっているが、その遊技球数はぱちんこ遊技機側において遊技球数が0となったときにぱちんこ遊技機自ら打球発射を迅速に停止させる制御を行なうためだけに用いられる副次的なものである。このようにすることにより、ぱちんこ遊技機側における遊技球数に関する主管理機能をカードユニット側に持たせてぱちんこ遊技機側のコストを抑えることにより、封入式遊技機を導入する遊技場のランニングコストを軽減することができる。
ぱちんこ遊技機とCUとが遊技場に設置されて初めて電気的に接続された状態で電源を立上げたときには、ぱちんこ遊技機側の払出制御基板は、メイン基板からメインチップIDを送信してもらい、そのメインチップIDをCU側に送信するとともに、払出制御基板自身が記憶している払出チップIDをカードユニット側へ送信する。カードユニット側では、それら送信されてきたメインチップIDと払出チップIDとを記憶する。次に、接続時刻すなわちカードユニット側とぱちんこ遊技機側とが接続されて通信が開始された時刻のデータがカードユニット側からぱちんこ遊技機側へ送信され、ぱちんこ遊技機側ではその送信されてきた接続時刻を記憶する。
それ以降の電源投入時においては、ぱちんこ遊技機側からカードユニット側へそれら3つの情報、すなわち、メインチップIDと払出チップIDと前回の接続時刻データとが送信される。
カードユニット側では、それら送信されてきたデータと既に記憶しているデータとを照合し、前回と同じぱちんこ遊技機が接続されているか否かを判別する。なお、接続時刻のデータは、電源が立上げられる度にカードユニット側とぱちんこ遊技機側との通信が開始された新たな接続時刻データがカードユニット側からぱちんこ遊技機側へ送信されてその新たな接続時刻データをぱちんこ遊技機側において記憶することとなる。
カードユニットからぱちんこ遊技機に対しては、ぱちんこ遊技機に対してメインチップID等の送信が要求され、ぱちんこ遊技機からカードユニットに対してはメインチップID等が送信される。さらに、カードユニットからぱちんこ遊技機に対して認証が要求され、ぱちんこ遊技機からカードユニットに対しては、カードユニットからの認証要求の受理の通知が行われる。また、カードユニットからぱちんこ遊技機に対して、リカバリ情報の送信が要求され、ぱちんこ遊技機からカードユニットに対して、ぱちんこ遊技機で保持しているリカバリ情報が送信される。続いて、カードユニットからぱちんこ遊技機に対して、ぱちんこ遊技機に対して接続状態であることが通知され、ぱちんこ遊技機からカードユニットに対して、接続状態であることが通知される。また、カードユニットからぱちんこ遊技機に対して、リカバリ情報のクリア、接続ID(通信開始時刻)のバックアップの要求がされ、ぱちんこ遊技機からカードユニットに対して、リカバリ情報のクリア、接続ID(通信開始時刻)のバックアップの終了が通知される。
さらに、カードユニットからぱちんこ遊技機に対して、各種(遊技動作)が指示され、遊技台情報(加減算データ等)の送信が要求される。カードユニットはこのコマンドを使用して、遊技台の状態を定期的に確認する。ぱちんこ遊技機からカードユニットに対しては、遊技動作指示の実行結果および遊技台情報(加減算データ等)が通知される。カードユニットからぱちんこ遊技機に対しては、通信コネクションの接合を要求するコマンドが送信される。
また、ぱちんこ遊技機で遊技をしている最中に遊技球がなくなったことが検知された場合には、払出制御基板は自動的に打球発射モータの駆動を停止させて球を遊技領域に打込めない遊技禁止状態に制御する。なお、打球発射が停止するのみで、その段階で既に可変表示装置が可変表示中であった場合にはその可変表示を続行する。また発射停止制御を行なった段階で第1始動入賞口62や第2始動入賞口63の保留球数の記憶がある場合には、その記憶に基づいた可変表示装置の可変表示制御が続行される。
遊技球数の主たる管理はカードユニットで行なわれているが、ぱちんこ遊技機において遊技球数が0になったことに伴う遊技禁止制御(発射停止制御)を行なうときにのみ、ぱちんこ遊技機側における遊技球数が0になったことを判定して遊技禁止制御(発射停止制御)を行なう。その後、動作応答として、最終的な球関連情報をカードユニットに送信して最終的な遊技球数「0」をカードユニット側において確定させる。このように制御する理由は、ぱちんこ遊技機側において遊技球数が0になった瞬間に打球発射停止制御を行なう必要があるためである。
たとえば、遊技球数の主たる管理を行なっているカードユニット側において、ぱちんこ遊技機側から送られてくる遊技球数=0になったときの加算球数および減算球数を含む動作応答のレスポンスの受信を待って、カードユニット側において最終的な遊技球数を算出してそれが0となることにより、遊技を禁止させるための禁止要求有の動作指示のコマンドをぱちんこ遊技機側へ送信し、それを受けて初めてぱちんこ遊技機側において打球発射停止制御を行なった場合には、レスポンスおよびコマンドの送受信の間に、パチンコ球が弾発発射されてその間に新たな減算球数が発生する可能性があり、ぱちんこ遊技機側において、遊技球数が既に「0」になっているにも拘らず新たな減算球数が発生して結局遊技球数がマイナスになってしまうという不都合が生じる。このような不都合を防止するため、遊技球数が0になったときの打球発射停止制御のみ、ぱちんこ遊技機側における遊技球数に基づいて制御している。
このように、打球発射停止制御に代表されるような遊技制御は、ぱちんこ遊技機自身が記憶している遊技球数に基づいて行なうために、カードユニットで管理記憶している遊技球数に基づいてこのような遊技制御を行なう場合に比較して、遊技球数の変動に即した遊技制御をリアルタイムで行なうことができる。
なお、ここでは、打球発射停止制御を払出制御基板が行なう例を示しているが、メイン基板が打球発射停止制御を行なうように構成してもよい。この場合、たとえば、払出制御基板は、遊技球数0を判定した段階で遊技球数が0であることを示す信号をメイン基板へ送信する。メイン基板は、この信号を受けて、発射モータの駆動を禁止する。
カードユニットによるこのような遊技禁止の処理は、前枠13やガラス扉15の開放があった時や、各種カードの返却操作が遊技者によって行われたときにも実行される。なお、ぱちんこ遊技機は、禁止拒否の応答が可能となっており、異常等の何らかの事情によりカードユニットの指示に従えず、例えば前枠13やガラス扉15の開放ができないといった状況の場合には、この禁止拒否の応答をカードユニットへ送信する。なお、遊技禁止には、発射モータの駆動の禁止のみでなく、その他の遊技事項、例えば球貸なども含まれている。
また、このような封入循環式のぱちんこ遊技機においては、球貸を所定金額(例えば500円分や1000円分)ごとに行わず、投入金額(例えば10000円)分の球貸を纏めておこなうことも可能である。遊技者への遊技球の引き渡しを必要としないので、このような球貸形態への適応は容易に行うことができる。
なお、本願発明においては、カードユニットを添設した形態のものをも含めてぱちんこ遊技機として包括的に把握することが可能である。
<スロットマシンへの適用>
また、本発明は、ぱちんこ遊技機に限らず、他のタイプの遊技機にも適用が可能である。そして、他のタイプの遊技機としては、回胴式遊技機(スロットマシン)を例示することができる。さらに、スロットマシンとしては、図示は省略するが、以下のようなものを例示することができる。
すなわち、スロットマシンには、遊技の進行を司る主遊技制御手段としてのメイン基板、演出の実行を司る副遊技制御手段としてのサブ基板(サブメイン基板、サブサブ基板)、主遊技用識別情報を表示するための主遊技用識別情報表示手段として複数の識別情報が夫々外周上に配置された複数列(例えば3列)のリールと、遊技者によって操作可能であって遊技開始を指示する主遊技開始指示手段としてのスタートレバーと、遊技者によって操作可能であって遊技進行を指示する主遊技進行指示手段としてのストップボタン、などが備えられている。
これらのうちメイン基板には、スタートレバーが操作されたことを契機として主遊技用乱数を取得する主遊技用乱数取得手段、主遊技用乱数取得手段が取得した乱数に基づき一又は複数の停止識別情報を暫定的に決定する主遊技用識別情報表示内容決定手段(例えば、小役や特別遊技に係る役物等の当選役を内部的に決定する表示内容決定手段)、主遊技用識別情報表示内容決定手段により暫定的に決定された一又は複数の停止識別情報とストップボタンの操作タイミングとに基づき、一の停止識別情報を主遊技用識別情報表示部であるリール上に確定表示するよう制御する主遊技用識別情報表示制御手段、主遊技用識別情報表示部であるリール上にて停止識別情報として所定態様が表示された場合、特別遊技に移行させるよう制御する特別遊技実行制御手段、主遊技用乱数取得手段が取得した主遊技用乱数に関する情報を副遊技制御部側に送信する主遊技側情報送信制御手段、等を有している。
また、これらのうち主遊技用識別情報表示内容決定手段としては、例えば、再遊技、或いは、小役や特別遊技に係る役物等の当選役を内部的に決定する表示内容決定手段が挙げられる。また、主遊技用識別情報表示制御手段としては、例えば、内部的に決定された当選役とストップボタンが押圧されたタイミングとに基づき、所定の位置でリールを停止するリール制御手段が挙げられる。さらに、特別遊技実行制御手段としては、例えば、「777等」が所定の有効ライン上に並んだことを契機として、特別役物を作動させる特別役物作動手段が挙げられる。
このようなスロットマシンにおいては、スタートレバーが操作されたことを契機として、或いは、ストップボタンが操作されたことを契機として、副遊技制御部において演出の実行可否や演出パターンが決定される。また、スロットマシンにおいては抽選によりボタン演出が実行され、ボタン演出が実行される場合には、筐体の所定位置に設けられた操作ボタン(副遊技操作手段)の操作を遊技者に促すための促進演出が実行される。そして、上述の演出パターンの決定にあたり、各実施形態に係る構成を適用することができる。また、スロットマシンには、乱数抽選における当せん確率の設定のための設定変更装置が設けられている。
そして、上述したようなスロットマシンにおいても、前述のぱちんこ遊技機10と同様のLED表示制御を行うことが考えられる。例えば、メイン基板で、遊技者が所定の停止図柄の組合せを揃えられるように、ストップボタンの操作順序(所謂押し順)を報知するための処理を行い、この押し順の報知のために、主制御表示装置(図示略)に設けられた複数のLED表示灯を、点灯、消灯、及び、点滅させることが可能である。