JP2017042232A - 生体音測定システムにおける測定データの校正方法 - Google Patents

生体音測定システムにおける測定データの校正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】生体音測定システムにおいて、生体音の測定データの校正方法を提供する。【解決手段】センサユニット10を被検者2の外耳道2aに装着した状態で、その圧力センサ14によって外耳道2aの内圧変化を検出することにより、被検者の脈拍音を生体音として測定する。その際、センサユニットとして、外耳道に音響信号を出力可能なスピーカ20を備えた構成とした上で、その圧力センサによって外耳道の内圧変化を検出する際、スピーカから外耳道に校正音として純音を出力し、この校正音の出力による外耳道の内圧変化を利用して測定データの校正を行うようにする。これにより、センサユニットを外耳道に装着したとき、多少の空気漏れが発生したとしても、スピーカからの校正音の出力によって測定データの校正を行うことにより、脈拍音の測定を適正に行えるようにする。【選択図】図1

Description

本願発明は、被検者の生体音を測定するように構成された生体音測定システムにおいて、その測定データの校正を行う方法に関するものである。
従来より、医療機器や健康管理機器として、被検者の生体音を測定するための生体音測定システムを備えたものが知られている。
また、このような生体音測定システムとして、圧力センサを備えたセンサユニットを被検者の外耳道に装着した状態で、その圧力センサによって外耳道の内圧変化を検出することにより、被検者の生体音を測定するように構成されたものが知られている。
「特許文献1」には、このような生体音測定システムとして、センサユニットの一部を構成するイヤーチップを被検者の外耳道に挿入し、その生体音として頸静脈圧を測定するように構成されたものが記載されている。
また「特許文献2」には、生体音測定システムに用いられるセンサユニットとして、圧力センサだけでなく外耳道に音響信号を出力可能なスピーカを備えたものが記載されている。
特許第5585955号公報 特表2012−508605号公報
このような生体音測定システムにおいて、センサユニットが被検者の外耳道に適正に装着されていない場合には空気漏れが発生してしまうので、外耳道の内圧変化を精度良く検出することができず、このため生体音の測定を適正に行うことができなくなってしまう。
したがって、生体音の測定を適正に行うためには、センサユニットを外耳道に装着したとき外耳道が完全密閉空間となるようにすることが理想である。
しかしながら、実際には、センサユニットを外耳道に装着したとき多少の空気漏れは不可避的に発生してしまうので、生体音の測定データに対して何らかの校正を行うことが望まれる。
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、生体音測定システムにおいて生体音の測定データの校正を行うことができる方法を提供することを目的とするものである。
本願発明は、センサユニットとしてスピーカを備えた構成とした上で、このスピーカを測定データの校正に用いることにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
すなわち、本願発明に係る生体音測定システムにおける測定データの校正方法は、
圧力センサを備えたセンサユニットを被検者の外耳道に装着した状態で、上記圧力センサによって上記外耳道の内圧変化を検出することにより、上記被検者の生体音を測定するように構成された生体音測定システムにおいて、上記生体音の測定データの校正を行う方法であって、
上記センサユニットとして、上記外耳道に音響信号を出力可能なスピーカを備えた構成とした上で、
上記圧力センサによって上記外耳道の内圧変化を検出する際、上記スピーカから上記外耳道に校正音として純音を出力し、この校正音の出力による上記外耳道の内圧変化を利用して上記測定データの校正を行う、ことを特徴とするものである。
上記「圧力センサ」は、外耳道に生じる内圧変化を検出可能なものであれば、その具体的な構成は特に限定されるものではない。
上記「校正音」は、純音であれば、その具体的な周波数や振幅は特に限定されるものではない。
上記「この校正音の出力による上記外耳道の内圧変化を利用して上記測定データの校正を行う」ための具体的な方法は特に限定されるものではない。
本願発明に係る生体音測定システムにおいては、センサユニットを被検者の外耳道に装着した状態で、その圧力センサによって外耳道の内圧変化を検出することにより、被検者の生体音を測定するようになっているが、上記センサユニットとして、外耳道に音響信号を出力可能なスピーカを備えた構成とした上で、圧力センサによって外耳道の内圧変化を検出する際、スピーカから外耳道に校正音として純音を出力し、この校正音の出力による外耳道の内圧変化を利用して測定データの校正を行うようになっているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、センサユニットを外耳道に装着したとき、多少の空気漏れが発生したとしても、スピーカからの校正音の出力によって測定データの校正を行うことにより、生体音の測定を適正に行うことができる。
このように本願発明によれば、生体音測定システムにおいて生体音の測定データの校正を行うことができる。
そしてこれにより、センサユニットの外耳道への装着が多少不完全であっても生体音の測定を適正に行うことができる。したがって、外耳道に装着したときの圧迫感を低減するため、センサユニットにエアベント構造を採用したような場合であっても、生体音の測定を適正に行うことができる。また、生体音の測定データからセンサユニットの装着状態のバラツキの影響を取り除くことができるので、生体音の測定データの精度を高めることができる。
本願発明において、生体音の測定データの校正を行うための具体的な方法として、次のような方法を採用することが可能である。
すなわち、センサユニットが装着された状態にある外耳道と略同一容積の模擬空間を有するカプラを用意し、このカプラにセンサユニットを装着して模擬空間を完全密閉空間にした状態でスピーカから模擬空間に校正音を出力したときに圧力センサによって検出される校正音の振幅を基準レベルとして設定した上で、センサユニットを意図的に空気漏れが発生する態様で外耳道に装着した状態で圧力センサによって外耳道の内圧変化を予備的に検出する予備操作を、スピーカから校正音が出力される第1の時間領域とスピーカから校正音が出力されない第2の時間領域とが含まれるようにして、センサユニットの着脱を繰り返しながら複数回にわたって行い、これら複数回の予備操作によって検出された校正音と生体音とから、校正音の振幅の基準レベルからの減衰量とこれに対応する生体音の振幅の減衰量との関係を示す特性曲線を作成し、この特性曲線に基づいて測定データの校正を行う方法が採用可能である。
このような校正方法を採用することにより、スピーカからの校正音の出力による測定データの校正を精度良く行うことができる。
その際、上記特性曲線に基づいて測定データの校正を行うための具体的な方法として、次のような方法を採用することが可能である。
すなわち、センサユニットを被検者の外耳道に装着した状態で圧力センサによって外耳道の内圧変化を実際に検出する本操作を、第1および第2時間領域が含まれるようにして行い、この本操作によって検出された校正音と生体音とに基づいて、校正音の振幅の基準レベルからの減衰量に対応する生体音の振幅の減衰量を上記特性曲線から算出し、この算出された減衰量分の振幅を圧力センサによって検出された生体音の振幅に加算して生体音の測定データとする方法が採用可能である。
このような校正方法を採用することにより、生体音の測定データをその振幅が適正な値となるように校正することができる。
また、上記特性曲線に基づいて測定データの校正を行うための具体的な方法として、次のような方法を採用することも可能である。
すなわち、センサユニットを外耳道に装着した状態で圧力センサによって外耳道の内圧変化を実際に検出する本操作を、第1および第2時間領域が含まれるようにして行い、この本操作によって検出された校正音と生体音とに基づいて、校正音の振幅の基準レベルからの減衰量に対応する生体音の振幅の減衰量を上記特性曲線から算出し、この算出された減衰量分の振幅を、生体音の周期の逆数として算出される周波数における純音の振幅の減衰量と仮定した上で、この純音の振幅の減衰量および該純音の周波数と校正音の振幅の減衰量および該校正音の周波数とから、周波数に応じた生体音の振幅の補正量を示す補正曲線を作成し、この補正曲線に基づいて生体音の波形に対して各周波数毎に上記補正量を加算した波形を生体音の測定データとする方法が採用可能である。
このような校正方法を採用することにより、生体音の測定データをその波形が適正な形状に近づくように校正することができる。
さらに本願発明において、生体音の測定データの校正を行うための具体的な方法として、次のような方法を採用することも可能である。
すなわち、センサユニットが装着された状態にある外耳道と略同一容積の模擬空間を有するカプラを用意し、このカプラにセンサユニットを装着して模擬空間を完全密閉空間にした状態で、スピーカから模擬空間に校正音として周波数が異なる複数の純音を出力したときに圧力センサによって検出される各校正音の振幅を、各校正音の基準レベルとして設定した上で、センサユニットを外耳道に装着した状態で圧力センサによって外耳道の内圧変化を実際に検出する本操作を、スピーカから各校正音が出力される第1の時間領域とスピーカから各校正音が出力されない第2の時間領域とが含まれるようにして行い、この本操作によって検出された各校正音に基づいて、各校正音の振幅の各基準レベルからの減衰量を算出し、そして、これら各校正音の振幅の減衰量から、周波数に応じた生体音の振幅の補正量を示す補正曲線を作成し、この補正曲線に基づいて生体音の波形に対して各周波数毎に補正量を加算した波形を生体音の測定データとする方法が採用可能である。
このような校正方法を採用することにより、生体音の測定データをその波形が適正な形状に一層近づくように校正することができる。
本願発明の一実施形態に係る生体音測定システムにおける測定データの校正方法に用いられる生体音測定システムを示す概要図 上記生体音測定システムのセンサユニットを示す側断面図 上記センサユニットにおける圧力センサの構成を詳細に示す側断面図 上記生体音測定システムによって被検者の脈拍音を測定する際の、センサユニットの装着条件と脈拍音の測定データとの関係を示す図 上記実施形態に係る<第1の校正方法>における予備操作の際の収音例を示す図 上記収音例において収音された校正音および脈拍音の波形を示す図 上記予備操作によって収音された校正音の振幅と脈拍音の振幅との関係をグラフ 上記校正音の振幅の減衰量と上記脈拍音の振幅の減衰量との関係を示す特性曲線を示す図 上記<第1の校正方法>によって校正された測定データを、校正前の測定データおよび空気漏れが殆どない場合の測定データと共に示す図 上記実施形態に係る<第2の校正方法>において、作成された周波数補正直線を示す図 上記<第2の校正方法>によって校正された測定データを、校正前の測定データおよび空気漏れが殆どない場合の測定データと共に示す図 上記実施形態に係る<第3の校正方法>において、作成された周波数補正曲線を示す図 上記実施形態に係る<第4の校正方法>において、作成された補正曲線を示す図 上記<第4の校正方法>によって校正された測定データを、校正前の測定データおよび空気漏れが殆どない場合の測定データと共に示す図
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
図1は、本願発明の一実施形態に係る生体音測定システムにおける測定データの校正方法に用いられる生体音測定システム100を示す概要図である。
同図に示すように、この生体音測定システム100は、センサユニット10とモニタリング側ユニット110とを備えており、両者間で無線通信による送受信を行い得る構成となっている。
そして、この生体音測定システム100においては、そのセンサユニット10を被検者2の外耳道2aに装着した状態で外耳道2aの内圧変化を検出することにより、被検者2の脈拍音を生体音として測定するようになっている。
モニタリング側ユニット110は、スマートフォン(あるいはパソコン等)で構成されており、センサユニット10から送信される脈拍音の検出信号を受信して、脈拍音の測定およびその測定データの校正に必要なデータ処理を行うようになっている。
本実施形態に係る生体音測定システム100における脈拍音の測定データの校正方法について説明する前に、そのセンサユニット10の構成について説明する。
図2は、センサユニット10を示す側断面図である。
同図に示すように、このセンサユニット10は、前端部(図2において右端部)に音導孔12aが形成された筐体12と、この筐体12に収容された圧力センサ14およびスピーカ20と、筐体12の前端部に装着されたイヤーチップ16とを備えた構成となっている。
そして、このセンサユニット10は、そのイヤーチップ16を被検者2の外耳道2aに挿入した状態で、外耳道2aの内圧変化として発生する脈拍音を圧力センサ14で収音するようになっている。
筐体12は、前方部材12Aと後方部材12Bとが接合された構成となっている。これら前方部材12Aおよび後方部材12Bは、いずれもアルミニウムや硬質樹脂等の硬質材料で構成されている。
前方部材12Aは、前方へ向けて径が小さくなるように形成されており、その前端壁12Aaの中央部には、前方へ突出する小径円筒部12Abが形成されている。上記音導孔12aは、この小径円筒部12Abに形成されており、また、上記イヤーチップ16は、この小径円筒部12Abに装着されている。
この前方部材12Aの後端面12Acは、円環状に形成されている。また、この前方部材12Aの内周面12Adは、後方へ向けて2段階で径が大きくなる円筒面で構成されている。
後方部材12Bは、前後方向に延びる有底円筒状の部材として構成されており、その後端部が後端壁12Bbとして構成されている。この後方部材12Bの前端面12Baは、前方部材12Aの後端面12Acの外周縁部に当接した状態で、溶着や接着等によって全周にわたってシールされている。
これにより、筐体12の内部空間Cは、音導孔12aの部分を除いて密閉された空間として構成されている。
筐体12の内部空間Cの前端部には、円筒状の外周面を有するガスケット18が配置されている。このガスケット18は、シリコーン樹脂やラバー等の軟質材料で構成されている。そして、このガスケット18は、その外周面を前方部材12Aの内周面12Adの小径部に後方側から嵌め込むようにした状態で、その前端面が前方部材12Aの前端壁12Aaに当接する位置まで挿入されている。
このガスケット18は、前半部が円筒状に形成されるとともに後半部が円柱状に形成されており、その後半部の中央には円形の断面形状で前後方向に延びる第1および第2貫通孔18a、18bが上下方向に間隔をおいて形成されている。そして、これら第1および第2貫通孔18a、18bにより、筐体12の内部空間Cを音導孔12aに連通させるようになっている。
筐体12の内部空間Cにおいて、圧力センサ14はスピーカ20よりも後方側に配置されている。また、この内部空間Cにおけるスピーカ20よりも後方側の位置には、信号処理回路ユニット60が圧力センサ14と並んで配置されており、さらにその後方側にはバッテリ70が配置されている。これら信号処理回路ユニット60およびバッテリ70は、後方部材12Bに支持されている。
信号処理回路ユニット60は、アンテナ機能を備えており、モニタリング側ユニット110(図1参照)と送受信を行い得るように構成されている。また、バッテリ70は、圧力センサ14、スピーカ20および信号処理回路ユニット60に給電するように構成されている。
スピーカ20は、バランスドアーマチャ型スピーカであって、ハウジング52内に図示しないダイヤフラムおよび駆動ユニットが収容された構成となっている。
ハウジング52は、前後方向に長い略直方体の外形形状を有しており、その前端面の下端部には放音孔52aが形成されている。そして、このハウジング52の前端部には、放音孔52aを囲むように形成された放音ノズル54が溶接等によって取り付けられている。また、このハウジング52の後部には、スピーカ20を信号処理回路ユニット60に電気的に接続するための1対の端子部20aが配置されている。
スピーカ20は、その放音ノズル54の先端部をガスケット18の第2貫通孔18bに後方側から挿入した状態で位置決めされている。そして、このスピーカ20においては、信号処理回路ユニット60からの信号電流に応じた音波を発生させ、この音波を放音孔52aおよび第2貫通孔18bを介して音導孔12aへ放射するようになっている。
筐体12の内部空間Cにおいて、スピーカ20の下方には、前後方向に延びる筒状部材28が配置されている。この筒状部材28は、アルミニウムや硬質樹脂等の硬質材料で構成されていてもよいし、シリコーン樹脂やラバー等の軟質材料で構成されていてもよい。この筒状部材28の前端部は、ガスケット18の第1貫通孔18aに挿入されている。この筒状部材28は、スピーカ20よりも後方まで延びるように形成されている。
圧力センサ14は、小型のマイクロホンであって、ダイヤフラム22と、このダイヤフラム22の前後両側に正面空間Cfおよび背面空間Crを形成するように構成されたハウジング24とを備えている。
ハウジング24には、正面空間Cfおよび背面空間Crの各々を該ハウジング24の外部空間に連通させる収音孔24aおよび通気孔24bが形成されている。また、このハウジング24には、収音孔24aを囲むように形成された収音ノズル26が溶接等によって取り付けられている。
圧力センサ14は、前後方向と直交する鉛直面に沿って配置されており、その収音ノズル26において筒状部材28の後端部に連結されている。この連結は、収音ノズル26の先端部を筒状部材28の後端部に挿入することによって行われている。
そしてこれにより、筐体12の内部空間Cを、正面空間Cfおよび音導孔12aに連通する第1空間C1と背面空間Crに連通する第2空間C2とに仕切るようになっている。
なお、圧力センサ14および筒状部材28の位置決めに関しては、収音ノズル26の先端部を筒状部材28の後端部に挿入するとともに筒状部材28の前端部をガスケット18の第1貫通孔18aに挿入することのみによって行うようにしてもよいし、ハウジング24と後方部材12Bの内周面との間にスペーサ(図示せず)を配置して周方向の複数箇所において支持する構造等を追加して行うようにしてもよい。
また、スピーカ20の位置決めに関しては、放音ノズル54の先端部をガスケット18の第2貫通孔18bに挿入することのみによって行うようにしてもよいし、ハウジング52と後方部材12Bの内周面との間にスペーサ(図示せず)を配置して周方向の複数箇所において支持する構造等を追加して行うようにしてもよい。
イヤーチップ16は、シリコーンゴム等の軟質材料で構成されている。
このイヤーチップ16の中心部には、該イヤーチップ16を前後方向に貫通する貫通孔16aが形成されている。この貫通孔16aは、イヤーチップ16が小径円筒部12Abに装着された状態で音導孔12aに連通するようになっている。この貫通孔16aは、音導孔12aよりも小さい径で形成されている。
このイヤーチップ16は、後方側へ向けて略パラボラ状に広がる前後2つのフランジ部16A、16Bを備えている。その際、前方側のフランジ部16Aよりも後方側のフランジ部16Bの方が大きい径で形成されている。これによりイヤーチップ16が外耳道2aに適正に挿入されたとき、前後2つのフランジ部16A、16Bが外耳道2aの壁面に密着して、外耳道2a内に外耳道壁と鼓膜とイヤーチップ16とによって密閉された空間を形成するようになっている。
この密閉された外耳道2a内には、被検者2の脈拍による外耳道壁および鼓膜の振動が放射されるが、このとき外耳道2aの内圧変化として発生する脈拍音が圧力センサ14で収音されることとなる。
図3は、圧力センサ14の構成を詳細に示す側断面図である。
同図に示すように、圧力センサ14は、エレクトレットコンデンサマイクロホンであって、正面視においてφ5〜10mm程度の円形の外形形状を有するとともに1〜3mm程度の厚みを有している。
この圧力センサ14においては、ダイヤフラム22が、支持リング32、背面電極板34、スペーサ36、導通部材38、絶縁部材40およびインピーダンス変換素子42と共に、ハウジング24に収容された構成となっている。
ハウジング24は、導電性カバー44と回路基板46とによって構成されている。
導電性カバー44は、正面視において円形の外形形状を有するキャップ状の部材であって、金属板にプレス加工を施すことにより形成されている。一方、回路基板46は、正面視において導電性カバー44の内径よりもやや小さい外径の円形形状を有しており、導電性カバー44の前面壁と平行に配置されている。導電性カバー44における周面壁の後端部には、内周側へ折れ曲がるようにして延びる環状折曲部44aが延長形成されており、この環状折曲部44aにおいて回路基板46にカシメ固定されている。
ハウジング24の収音孔24aは、導電性カバー44における前面壁の中央部に形成されている。また、ハウジング24の通気孔24bは、回路基板46に形成されている。これら収音孔24aおよび通気孔24bは、いずれも円形形状を有しており、通気孔24bの方が収音孔24aよりも小さい径で形成されている。なお、これら収音孔24aおよび通気孔24bは、それぞれ複数の小孔で形成された構成とすることも可能である。
収音ノズル26の先端部には、円形の開口部26aが形成されている。
ダイヤフラム22は、高分子フィルムの前面に金属蒸着膜が形成された構成となっており、その中心部には気圧調整用の微小孔22aが形成されている。このダイヤフラム22は、その外周縁部において支持リング32に支持されている。この支持リング32は、金属製の薄板で構成されており、円環状に形成されている。ダイヤフラム22は、この支持リング32の後面に張設固定(すなわちテンションをかけた状態で接着等により固定)されている。
背面電極板34は、正面視において、支持リング32の外周面よりもひと回り小さい円形の外形形状を有しており、ダイヤフラム22の後方に近接して配置されている。この背面電極板34は、金属板で構成された電極板本体の前面にエレクトレット層34aが配置された構成となっている。このエレクトレット層34aは、電極板本体の前面に形成された絶縁膜に所定のチャージ電圧で分極処理を施すことによって生成されており、これにより所定の表面電位が付与されている。この背面電極板34には、その周方向の複数箇所に、該背面電極板34を前後方向に貫通する貫通孔34bが形成されている。
スペーサ36は、円環状に形成された樹脂製の薄板で構成されており、ダイヤフラム22と背面電極板34との間に配置されている。そして、このスペーサ36を介してダイヤフラム22と背面電極板34のエレクトレット層34aとが平行に対向配置されることにより、コンデンサ部が構成されるようになっている。
回路基板46は、背面電極板34の後方に配置されている。この回路基板46の前後両面には、図示しない導電層がそれぞれ所定のパターンで形成されている。この回路基板46の後面には、圧力センサ14を信号処理回路60に電気的に接続するための1対の端子部14aが形成されている。
インピーダンス変換素子42は、回路基板46の前面に搭載されている。その際、このインピーダンス変換素子42は、通気孔24bの形成位置から外れた位置に配置されている。
導通部材38は、略円筒状の部材であって、回路基板46と背面電極板34との間に配置された状態で、両者間の導通を図るようになっている。
絶縁部材40は、環状の部材であって、背面電極板34および導通部材38と導電性カバー44の周面壁との間に配置された状態で、両者間の絶縁を図るようになっている。
上述したように、導電性カバー44は、その環状折曲部44aにおいて回路基板46にカシメ固定されているが、このカシメ固定により、導電性カバー44と回路基板46の後面に形成された導電層との導通を図るようになっている。
次に、本実施形態に係る生体音測定システム100における脈拍音の測定データの校正方法について説明する。
上述したように、本実施形態においては、センサユニット10のイヤーチップ16を被検者2の外耳道2aに挿入した状態で、この外耳道2aの内圧変化として発生する被検者2の脈拍音を収音するようになっているが、その際、イヤーチップ16が外耳道2aに適正に挿入されていない場合には、密閉空間が形成されないため脈拍音を適正に収音することができなくなってしまう。
図4は、被検者2の脈拍音を収音する際の、センサユニット10の装着条件と脈拍音の測定データとの関係を示す図である。
図4(a)は、センサユニット10が外耳道2aに略適正に装着され、空気漏れが殆どない状態で収音された脈拍音の測定データである。
この脈拍音の測定データには、その周期的な波形の振幅やピーク間隔や形状に、被検者2の生体情報が含まれている。
図4(b)(c)は、センサユニット10が外耳道2aに適正に装着されていない状態で収音された脈拍音の測定データである。その際、図4(b)は、空気漏れが比較的少ない場合の測定データであり、図4(c)は、空気漏れが比較的多い場合の測定データである。
なお、これら脈拍音の測定データを示す各グラフにおいて、横軸は時間(秒)であり、縦軸は振幅である。
図4(b)(c)に示すように、センサユニット10が外耳道2aに適正に装着されていない場合には、空気漏れが発生するため、脈拍音の測定データは図4(a)に示す測定データに比して振幅が小さくなり、また波形形状が変化してしまう。したがって、被検者2の生体情報を正しく評価することが困難となる。
一方、被検者2自身がイヤーチップ16を外耳道2aに挿入するような場合には、その挿入を適正に行うことは必ずしも容易でない。
そこで本実施形態においては、脈拍音の測定データに対して以下のような校正を行うことにより、イヤーチップ16の挿入が適正に行われなかった場合であっても、脈拍音の測定データを適正な値に近づけるようになっている。
すなわち本実施形態においては、圧力センサ14によって外耳道2aの内圧変化を検出する際、スピーカ20から外耳道2aに校正音として純音を出力し、この校正音の出力による外耳道2aの内圧変化を利用して測定データの校正を行うようになっている。
以下、本実施形態に係る生体音測定システム100における脈拍音の測定データの校正方法について、その具体的な方法を説明する。
まず、本実施形態に係る<第1の校正方法>について説明する。
この<第1の校正方法>においては、脈拍音の測定データについて、その振幅の校正を行うようになっている。
すなわち、まず、図1に示すように、センサユニット10が装着された状態にある外耳道2aと略同一容積(具体的には1cc程度の容積)の模擬空間4aを有するカプラ4を用意し、このカプラ4にセンサユニット10を装着して模擬空間4aを完全密閉空間にする。その際、イヤーチップ16をカプラ4に挿入することによりセンサユニット10の装着を行うようにしてもよいし、イヤーチップ16の代わりに専用のアダプタ(図示せず)を用いてセンサユニット10の装着を行うようにしてもよい。いずれの場合にも、センサユニット10が装着された状態で、カプラ4の模擬空間4aが外耳道2aと略同一容積となるようにする。
そして、この模擬空間4aにスピーカ20から校正音として30Hzの純音を出力して、これを圧力センサ14によって収音し、このとき収音された校正音の振幅を基準レベルAc0として設定する。
その際、校正音としての純音は、できるだけ低い周波数に設定することが好ましいが、可聴周波数領域とすることやスピーカ20の性能等を考慮すると30Hz程度の純音が妥当である。なお、この校正音として30Hz以外の周波数の純音を出力することも可能である。また、この校正音の振幅は、脈拍音の最大振幅よりも大きい値に設定することが、校正の精度を高める上で好ましい。
次に、センサユニット10を被検者2の外耳道2aに装着した状態(すなわちイヤーチップ16を外耳道2aに挿入した状態)で、圧力センサ14によって外耳道2aの内圧変化を予備的に検出する「予備操作」を行う。
この予備操作は、スピーカ20からカプラ4の模擬空間4aに出力した校正音と同一の校正音が出力される第1の時間領域と、スピーカ20から校正音が出力されない第2の時間領域とが含まれるようにして行う。
図5は、第1の時間領域として約15秒間を設定し、これに引き続き第2の時間領域として約15秒間を設定したときの収音例を示す図である。
同図に示すように、第1の時間領域では、校正音と外耳道2aの内圧変化を示す脈拍音とが重畳された波形となっており、校正音の出力が停止した第2の時間領域では、脈拍音のみの波形となっている。
その後、一旦、センサユニット10を外耳道2aから取り外した後、再び外耳道2aに装着して上記予備操作を行い、これを何度か繰り返す。その際、イヤーチップ16の外耳道2aへの挿入の仕方を適宜変化させることにより、様々な装着条件で意図的に空気漏れを発生させるようにする。
次に、これら複数回の予備操作によって検出された校正音と脈拍音とから、校正音の振幅Acの基準レベルAc0からの減衰量とこれに対応する脈拍音の振幅Apの減衰量との関係を示す特性曲線を作成する。
具体的には、まず、図6(a)に示すように、第1の時間領域の波形からハイパスフィルタ処理によって校正音の波形のみを取り出した後、この校正音の測定データから振幅を読み取って、10波分の最大振幅値(Peak-peak 値)の平均値を求め、これを校正音の振幅Acとする。また、図6(b)に示すように、第2の時間領域の脈拍音の測定データから振幅を読み取って、10波分の最大振幅値の平均値を求め、これを脈拍音の振幅Apとする。
次に、図7に示すように、これら複数回の予備操作によって収音された校正音の振幅Acと脈拍音の振幅Apとの関係をグラフ化し、近似式を導出する。
この近似式は、振幅Acをx、振幅Apをyとしたとき、例えば図7に示すように、
・y=1.0022x−6098.7
で表わされる。
そして、上記近似式から、基準レベルAc0に対応する脈拍音の振幅Apの基準レベルAp0(すなわち空気漏れのない理想状態で収音される脈拍音の振幅Ap)を推定する。具体的には、上記近似式のxに基準レベルAc0を代入して、yとして基準レベルAp0を算出する。
次に、校正音の振幅Acを基準レベルAc0で標準化(対数表示)し、この基準レベルAc0を0dBとする。また、脈拍音の振幅Apを基準レベルAp0で標準化し、この基準レベルAp0を0dBとする。
そして、上記複数回の予備操作によって収音された校正音の振幅Acの基準レベルAc0からの減衰量Dcおよび脈拍音の振幅Apの基準レベルAp0からの減衰量Dpを算出する。
これら減衰量Dc、Dpは、
・Dc=−20Log10(Ac/Ac0)[dB]
・Dp=−20Log10(Ap/Ap0)[dB]
で表わされる。
次に、図8に示すように、校正音の減衰量Dcと脈拍音の減衰量Dpとの関係を示す特性曲線L1を作成する。
この特性曲線L1は、減衰量Dcをx、減衰量Dpをyとしたとき、例えば図8に示すように、
・y=0.0418x+1.6163x
で表わされる。
なお、被検者2の個体差を考慮すると、上記複数回の予備操作は、センサユニット10を被検者2本人の外耳道2aに装着して行うことが好ましいが、効率性を考慮すると、本人以外を被検者2として上記複数回の予備操作を行い特性曲線L1を予め準備しておくようにすることも可能である。
次に、センサユニット10を被検者2の外耳道2aに装着した状態で、その圧力センサ14によって外耳道2aの内圧変化を実際に検出する「本操作」を行う。
この本操作も、スピーカ20からカプラ4の模擬空間4aに出力した校正音と同一の校正音が出力される第1の時間領域と、スピーカ20から校正音が出力されない第2の時間領域とが含まれるようにして行う。
次に、この本操作によって収音された校正音および脈拍音から、その振幅Ac、Apを読み取る。そして、校正音の振幅Acの基準レベルAc0からの減衰量に対応する脈拍音の振幅Apの基準レベルAp0からの減衰量を、特性曲線L1から算出する。
最後に、この算出された振幅Apの減衰量分の値を振幅補正量として、圧力センサ14によって検出された脈拍音の振幅Apに加算して、校正後の脈拍音の測定データとする。
図9は、このようにして校正された測定データを、校正前の測定データおよび空気漏れが殆どない場合の測定データと共に示す図である。
図9に示す測定データは、一日の昼間の時間帯(9〜13時)に、1時間毎に5回測定した脈拍音の測定データである。その際、破線で示すグラフは校正前の測定データであり、黒塗り□印付きの実線で示すグラフは校正後の測定データであり、△印付きの実線で示す測定データは、空気漏れが殆どない場合の測定データである。
図9から明らかなように、校正後の測定データは、校正前の測定データに比して、空気漏れが殆どない場合の測定データに近い値まで振幅が増大している。
次に、本実施形態に係る<第2の校正方法>について説明する。
この<第2の校正方法>においては、脈拍音の測定データについて、その波形の校正を行うようになっている。
すなわち、まず、<第1の校正方法>と同様にして、校正音の振幅Acの基準レベルAc0を設定する。その上で、<第1の校正方法>と同様の予備操作を複数回にわたって行い、特性曲線L1(図8参照)を作成する。さらに、<第1の校正方法>と同様の本操作を行い、この本操作によって収音された校正音と脈拍音とに基づいて、校正音の振幅Acの基準レベルAc0からの減衰量に対応する脈拍音の振幅Apの基準レベルAp0からの減衰量を特性曲線L1から算出する。
次に、この算出された減衰量から、周波数に応じた脈拍音の振幅Apの補正量を示す補正曲線を作成する。具体的には、算出された振幅Apの減衰量分の値を、脈拍音の周期の逆数として算出される周波数(1Hz程度)における純音の振幅の減衰量と仮定した上で、この純音の振幅の減衰量および該純音の周波数と校正音の振幅Acの減衰量および該校正音の周波数(30Hz)とから、図10に示すような周波数補正直線L2を作成する。
この周波数補正直線L2の傾きは、
・傾き=(校正音の振幅Acの減衰量−脈拍音の振幅Apの減衰量)/(30−脈拍音の周期の逆数)
で表わされる。
次に、この周波数補正直線L2に基づいて、周波数fにおける補正量(=周波数fにおける減衰量)を次式から算出する。
・補正量=脈拍音の振幅Apの減衰量−周波数補正直線L2の傾き×(f−脈拍音の周期の逆数)
最後に、脈拍音の波形に対して各周波数毎に上記補正量を加算し、この補正量が加算された波形を脈拍音の測定データとする。
具体的には、モニタリング側ユニット110において、センサユニット10から受信したデジタル電気信号に対してデジタルフィルタ処理を行うことにより、各周波数毎に上記補正量が加算されるようなフィルタリング処理を行う。
図11は、このようにして校正された測定データを、校正前の測定データおよび空気漏れが殆どない場合の測定データと共に示す図である。
図11(a)に示す測定データは、校正前の測定データであり、図11(b)に示す測定データは、校正後の測定データであり、図11(c)に示す測定データは、空気漏れが殆どない場合の測定データである。なお、これら各測定データを示すグラフにおいて、横軸は時間(秒)であり、縦軸は振幅である。
図11に示すように、校正後の測定データは、校正前の測定データに比して、空気漏れが殆どない場合の測定データに近い値まで振幅が増大しており、かつ、図中、破線の円で囲んだ部分において、校正による波形の形状変化が顕著である。そしてこれにより、校正後の測定データの波形は、空気漏れがない場合の測定データの波形の特徴に近づいている。
次に、本実施形態に係る<第3の校正方法>について説明する。
この<第3の校正方法>は、基本的には<第2の校正方法>と同様であるが、周波数に応じた脈拍音の振幅Apの補正量を示す補正曲線として、図12に示すような周波数補正曲線L3を作成するようになっている。
この周波数補正曲線L3は、本操作の結果から対数近似により作成されたものである。
この周波数補正曲線L3は、周波数をx、補正量をyとしたとき、例えば図12に示すように、
・y=1.942 Ln(x)+13.804
で表わされる。
次に、<第2の校正方法>と同様、脈拍音の波形に対して各周波数毎に上記補正量を加算し、この補正量が加算された波形を脈拍音の測定データとする。
この<第3の校正方法>においては、補正曲線として、対数近似により作成された周波数補正曲線L3を用いるようになっているので、脈拍音の測定データについて、その振幅および波形の校正を<第2の校正方法>よりもさらに精度良く行うことができる。
次に、本実施形態に係る<第4の校正方法>について説明する。
この<第4の校正方法>においては、<第3の校正方法>と同様、脈拍音の測定データについて、その振幅および波形の校正を行うが、校正音として周波数が異なる4種類の純音を用いることにより、この校正をより木目細かく行うようになっている。
すなわち、まず、<第1の校正方法>と同様にして、4種類の校正音の各々の振幅の基準レベルAc0を設定する。
その際、<第1の校正方法>と同様、カプラ4にセンサユニット10を装着して模擬空間4aを完全密閉空間にした状態で、この模擬空間4aにスピーカ20から4種類の校正音として、10Hz、20Hz、30Hz、50Hzの純音を出力し、これを圧力センサ14によって収音する。そして、このとき収音された4種類の校正音の振幅を、それぞれ基準レベルAc0として設定する。なお、校正音として10Hz、20Hz、30Hz、50Hz以外の周波数の純音を追加したり、その一部について周波数を変更することも可能である。
次に、センサユニット10を被検者2の外耳道2aに装着した状態で、圧力センサ14によって外耳道2aの内圧変化を実際に検出する本操作を、4種類の校正音に対応させて4回行う。
すなわち、まず、スピーカ20から上記模擬空間4aに出力した10Hzの校正音と同一の校正音が出力される第1の時間領域と、スピーカ20から校正音が出力されない第2の時間領域とが含まれるようにして1回目の本操作を行う。
以下同様にして、第1の時間領域において20Hz、30Hz、50Hzの校正音を順次出力して、2〜4回目の本操作を行うが、2〜4回目の本操作では、第2の時間領域を省略してもよい。また、第2の時間領域は、1回目の本操作に含めずに、2〜4回目の本操作のいずれか1回に含めるようにしてもよい。
次に、これら4回の本操作の各々において検出された校正音に基づいて、校正音の振幅Acの基準レベルAc0からの減衰量Dcを、各回毎に算出する。
この減衰量Dcは、
・Dc=−20Log10(Ac/Ac0)[dB]
で表わされる。
次に、各回毎に算出された校正音の振幅Acの減衰量から、周波数に応じた脈拍音の振幅Apの補正量を示す補正曲線を作成する。
図13は、このようにして作成された補正曲線L4である。
この補正曲線L4は、周波数をx、補正量をyとしたとき、例えば図13に示すように、
・y=−3.666Ln(x)+18.084
で表わされる。
最後に、この補正曲線L4に基づいて、脈拍音の波形に対して各周波数毎に上記補正量を加算するフィルタリング処理を行い、この補正量が加算された波形を脈拍音の測定データとする。
図14は、このようにして校正された測定データを、校正前の測定データおよび空気漏れが殆どない場合の測定データと共に示す図である。
図14(a)に示す測定データは、校正前の測定データであり、図14(b)に示す測定データは、校正後の測定データであり、図14(c)に示す測定データは、空気漏れが殆どない場合の測定データである。なお、これら各測定データを示すグラフにおいて、横軸は時間であり、縦軸は振幅である。その際、図14(a)に示す測定データは、図14(b)(c)に示す測定データとの対比を容易にするため、実際に測定された波形に対して振幅をかなり拡大して示している。
図14に示すように、校正後の測定データは、校正前の測定データに比して、空気漏れが殆どない場合の測定データの波形の特徴に近づいている。
次に本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態に係る生体音測定システム100においては、センサユニット10を被検者2の外耳道2aに装着した状態で、その圧力センサ14によって外耳道2aの内圧変化を検出することにより、被検者2の脈拍音を生体音として測定するようになっているが、センサユニット10として、外耳道2aに音響信号を出力可能なスピーカ20を備えた構成とした上で、その圧力センサ14によって外耳道2aの内圧変化を検出する際、スピーカ20から外耳道2aに校正音として純音を出力し、この校正音の出力による外耳道2aの内圧変化を利用して測定データの校正を行うようになっているので、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、センサユニット10を外耳道2aに装着したとき、多少の空気漏れが発生したとしても、スピーカ20からの校正音の出力によって測定データの校正を行うことにより、脈拍音の測定を適正に行うことができる。
このように本実施形態によれば、生体音測定システム100において脈拍音の測定データの校正を行うことができる。
そしてこれにより、センサユニット10の外耳道2aへの装着が多少不完全であっても脈拍音の測定を適正に行うことができる。したがって、脈拍音の測定データからセンサユニット10の装着状態のバラツキの影響を取り除くことができ、これにより脈拍音の測定データの精度を高めることができる。
本実施形態において、脈拍音の測定データの具体的な校正方法として<第1の校正方法>を採用した場合には、スピーカ20からの校正音の出力による測定データの校正を、脈拍音の測定データの振幅が適正な値となるように行うことができる。
また<第2の校正方法>を採用した場合には、脈拍音の測定データを、その振幅が適正な値となるように校正するだけでなく、その波形が適正な形状に近づくように校正することができる。
この<第2の校正方法>の代わりに<第3の校正方法>を採用した場合には、脈拍音の測定データを、その波形が適正な形状に一層近づくように校正することができる。
さらに<第4の校正方法>を採用した場合には、校正音として周波数が異なる4種類の純音を用いることにより、脈拍音の測定データを、その振幅が適正な値となるように校正するだけでなく、その波形が適正な形状により一層近づくように校正することができる。
なお、本実施形態に係る生体音測定システム100において、被検者2の脈拍音を測定する際、被検者2の姿勢に関するガイダンス音声や被検者2を安静状態に導くための音(例えば呼吸リズム音)をセンサユニット10のスピーカ20から出力するようにすることも可能である。このようにすることにより測定データの信頼性を一層高めることができる。また、被検者2が一人で脈拍音を測定する家庭用健康管理機器への応用も容易に可能となる。
また、本実施形態に係る生体音測定システム100において、そのセンサユニット10とモニタリング側ユニット110との間で音声通信を行うようにすることも可能である。すなわち、被検者2から離れた位置において医師等がモニタリングしている場合において、センサユニット10の圧力センサ14で被検者2の外耳道内音声を収音する一方、スピーカ20からモニタリング側の音声を出力することにより音声通信を行うことが可能である。
上記実施形態においては、センサユニット10のイヤーチップ16として、被検者2の外耳道2aに適正に挿入されたとき外耳道2aを密閉空間とするように構成されているものとして説明したが、このような構成とする代わりに、外耳道2aに装着したときの圧迫感を低減するためのエアベント構造(空気抜き構造)を有する構成とすることも可能である。このようなイヤーチップを採用した場合には、外耳道2aが密閉空間とはならなくなるが、本実施形態に係る測定データの校正方法を採用することにより脈拍音の測定を適正に行うことができる。
上記実施形態に係る生体音測定システム100は、センサユニット10とモニタリング側ユニット110との間で無線通信によって送受信を行う構成となっているものとして説明したが、センサユニット10とモニタリング側ユニット110とがコード等により接続された構成とすることも可能である。
上記実施形態においては、圧力センサ14がエレクトレットコンデンサマイクロホンである場合について説明したが、これ以外のマイクロホン(例えばダイヤフラムの背面空間に通気孔が形成された動電型マイクロホン)を採用することも可能である。
上記実施形態においては、スピーカ20がバランスドアーマチャ型スピーカである場合について説明したが、これ以外のスピーカ(例えば動電型スピーカ)を採用することも可能である。
なお、上記実施形態において諸元として示した数値は一例にすぎず、これらを適宜異なる値に設定してもよいことはもちろんである。
また、本願発明は、上記実施形態に記載された構成や方法に限定されるものではなく、これ以外の種々の変更を加えた構成や方法が採用可能である。
2 被検者
2a 外耳道
4 カプラ
4a 模擬空間
10 センサユニット
12 筐体
12a 音導孔
12A 前方部材
12Aa 前端壁
12Ab 小径円筒部
12Ac 後端面
12Ad 内周面
12B 後方部材
12Ba 前端面
12Bb 後端壁
14 圧力センサ
14a、20a 端子部
16 イヤーチップ
16a、34b 貫通孔
16A、16B フランジ部
18 ガスケット
18a 第1貫通孔
18b 第2貫通孔
20 スピーカ
22 ダイヤフラム
22a 微小孔
24、52 ハウジング
24a 収音孔
24b 通気孔
26 収音ノズル
26a 開口部
28 筒状部材
32 支持リング
34 背面電極板
34a エレクトレット層
36 スペーサ
38 導通部材
40 絶縁部材
42 インピーダンス変換素子
44 導電性カバー
44a 環状折曲部
46 回路基板
52a 放音孔
54 放音ノズル
60 信号処理回路ユニット
70 バッテリ
100 生体音測定システム
110 モニタリング側ユニット
C 内部空間
Cf 正面空間
Cr 背面空間
C1 第1空間
C2 第2空間
L1 特性曲線
L2 周波数補正直線(補正曲線)
L3 周波数補正曲線(補正曲線)
L4 補正曲線

Claims (5)

  1. 圧力センサを備えたセンサユニットを被検者の外耳道に装着した状態で、上記圧力センサによって上記外耳道の内圧変化を検出することにより、上記被検者の生体音を測定するように構成された生体音測定システムにおいて、上記生体音の測定データの校正を行う方法であって、
    上記センサユニットとして、上記外耳道に音響信号を出力可能なスピーカを備えた構成とした上で、
    上記圧力センサによって上記外耳道の内圧変化を検出する際、上記スピーカから上記外耳道に校正音として純音を出力し、この校正音の出力による上記外耳道の内圧変化を利用して上記測定データの校正を行う、ことを特徴とする生体音測定システムにおける測定データの校正方法。
  2. 上記センサユニットが装着された状態にある上記外耳道と略同一容積の模擬空間を有するカプラを用意し、このカプラに上記センサユニットを装着して上記模擬空間を完全密閉空間にした状態で上記スピーカから上記模擬空間に上記校正音を出力したときに上記圧力センサによって検出される上記校正音の振幅を基準レベルとして設定した上で、
    上記センサユニットを意図的に空気漏れが発生する態様で上記外耳道に装着した状態で上記圧力センサによって上記外耳道の内圧変化を予備的に検出する予備操作を、上記スピーカから上記校正音が出力される第1の時間領域と上記スピーカから上記校正音が出力されない第2の時間領域とが含まれるようにして、上記センサユニットの着脱を繰り返しながら複数回にわたって行い、
    これら複数回の予備操作によって検出された上記校正音と上記生体音とから、上記校正音の振幅の上記基準レベルからの減衰量とこれに対応する上記生体音の振幅の減衰量との関係を示す特性曲線を作成し、この特性曲線に基づいて上記測定データの校正を行う、ことを特徴とする請求項1記載の生体音測定システムにおける測定データの校正方法。
  3. 上記センサユニットを上記外耳道に装着した状態で上記圧力センサによって上記外耳道の内圧変化を実際に検出する本操作を、上記第1および第2時間領域が含まれるようにして行い、
    この本操作によって検出された上記校正音と上記生体音とに基づいて、上記校正音の振幅の上記基準レベルからの減衰量に対応する上記生体音の振幅の減衰量を上記特性曲線から算出し、
    この算出された減衰量分の振幅を上記圧力センサによって検出された上記生体音の振幅に加算して上記生体音の測定データとする、ことを特徴とする請求項2記載の生体音測定システムにおける測定データの校正方法。
  4. 上記センサユニットを上記外耳道に装着した状態で上記圧力センサによって上記外耳道の内圧変化を実際に検出する本操作を、上記第1および第2時間領域が含まれるようにして行い、
    この本操作によって検出された上記校正音と上記生体音とに基づいて、上記校正音の振幅の上記基準レベルからの減衰量に対応する上記生体音の振幅の減衰量を上記特性曲線から算出し、
    この算出された減衰量分の振幅を、上記生体音の周期の逆数として算出される周波数における純音の振幅の減衰量と仮定した上で、
    この純音の振幅の減衰量および該純音の周波数と上記校正音の振幅の減衰量および該校正音の周波数とから、周波数に応じた上記生体音の振幅の補正量を示す補正曲線を作成し、この補正曲線に基づいて上記生体音の波形に対して各周波数毎に上記補正量を加算した波形を上記生体音の測定データとする、ことを特徴とする請求項2記載の生体音測定システムにおける測定データの校正方法。
  5. 上記センサユニットが装着された状態にある上記外耳道と略同一容積の模擬空間を有するカプラを用意し、このカプラに上記センサユニットを装着して上記模擬空間を完全密閉空間にした状態で、上記スピーカから上記模擬空間に上記校正音として周波数が異なる複数の純音を出力したときに上記圧力センサによって検出される上記各校正音の振幅を、上記各校正音の基準レベルとして設定した上で、
    上記センサユニットを上記外耳道に装着した状態で上記圧力センサによって上記外耳道の内圧変化を実際に検出する本操作を、上記スピーカから上記各校正音が出力される第1の時間領域と上記スピーカから上記各校正音が出力されない第2の時間領域とが含まれるようにして行い、
    この本操作によって検出された上記各校正音に基づいて、上記各校正音の振幅の上記各基準レベルからの減衰量を算出し、
    これら各校正音の振幅の減衰量から、周波数に応じた上記生体音の振幅の補正量を示す補正曲線を作成し、この補正曲線に基づいて上記生体音の波形に対して各周波数毎に上記補正量を加算した波形を上記生体音の測定データとする、ことを特徴とする請求項1記載の生体音測定システムにおける測定データの校正方法。
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