一例として示す手袋用指先保護具10Aの斜視図である図1等の添付の図面を参照し、本発明にかかる手袋用指先保護具の詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、図1の手袋用指先保護具10Aを装着した手袋11の斜視図であり、図3は、図2のA−A線矢視断面図である。図4は、手袋用指先保護具10Aに包被された着用者の手37(右手)の斜視図である。
図2は、手袋11を手の甲の側から示す。図2では、右手用の手袋11のみを図示し、左手用の手袋の図示を省略している。図3は、一部を省略した手袋11を二点鎖線で示す。図4では、手袋11の図示を省略し、着用者の右手のみを図示し、着用者の左手の図示を省略している。手袋用指先保護具10Aは、右手用の手袋11のみならず、左手用の手袋に装着されることはいうまでもなく、着用者の左手の各指先部位17〜21の保護にも使用される。
手袋用指先保護具10Aは、手袋11を着用した着用者の母指12(親指)、示指13(人差し指)、長指14(中指)、薬指15、小指16のうちの末節骨が延びる各指先部位17〜21を衝撃から保護し、着用者の各指先部位17〜21の怪我を防止する。手袋用指先保護具10Aは、着用者の母指12、示指13、長指14、薬指15、小指16を包被する五指包被部22〜26を有する手袋11のそれら包被部22〜26の各指先端部分27〜31の内側に挿脱可能に挿入される複数の殻部材32から形成されている。
着用者の各指先部位17〜21には、着用者の母指12のうちの末節骨が延びる母指指先部位17、着用者の示指13のうちの末節骨が延びる示指指先部位18、着用者の長指14のうちの末節骨が延びる長指指先部位19、着用者の薬指15のうちの末節骨が延びる薬指指先部位20、着用者の小指16のうちの末節骨が延びる小指指先部位21がある。手袋11の五指包被部22〜26には、着用者が手袋11を着用したときに、着用者の母指12を包被する母指包被部22、着用者の示指13を包被する示指包被部23、着用者の長指14を包被する長指包被部24、着用者の薬指15を包被する薬指包被部25、着用者の小指16を包被する小指包被部26がある。
手袋11の各指先端部分27〜31には、着用者が手袋11を着用したときに、着用者の母指指先部位17を包被する母指包被部22の母指先端部分27、着用者の示指指先部位18を包被する示指包被部23の示指先端部分28、着用者の長指指先部位19を包被する長指包被部24の長指先端部分29、着用者の薬指指先部位20を包被する薬指包被部25の薬指先端部分30、着用者の小指指先部位21を包被する小指包被部26の小指先端部分31がある。
それら殻部材32は、着用者の母指12の母指指先部位17を覆う1個の第1殻部材32aと、着用者の示指13の示指指先部位18、長指14の長指指先部位19、薬指15の薬指指先部位20を覆う3個の第2殻部材32bと、着用者の小指16の小指指先部位21を覆う1個の第3殻部材32cとから形成されている。第1〜第3殻部材32a〜32cは、プラスチックまたはアルミニウムやアルミニウム複合材料(軽量な金属)から作られている。
第1殻部材32aは、それが手袋11の母指包被部22(五指包被部)の母指先端部分27(指先端部分)の内側に挿脱可能に挿入され、手袋11の母指先端部分27に挿入された状態において、着用者の母指指先部位17を覆う。第1殻部材32aは、その大きさが第2および第3殻部材32b,32cのそれよりも大きく、それら殻部材32a〜32cの中で1番大きい。
第1殻部材32aは、着用者の母指指先部位17を挿脱可能な円形の開口部33と、開口部33から前方(第1殻部材32aの軸方向前方)に延びる被覆部34とを有する。被覆部34は、開口部33から前方へ向かって凸となるように弧を描き、所定の曲率半径で湾曲している。被覆部34は、母指指先部位17のうちの指の甲全域および指の腹全域を包被する。第1殻部材32aは、それが手袋11の母指先端部分27に挿入されると、母指先端部分27によって径方向内方へ押圧され、母指先端部分27の内側(内面)に遊動不能に密着する。
第2殻部材32bは、それらが手袋11の示指包被部23(五指包被部)の示指先端部分28(指先端部分)や長指包被部24(五指包被部)の長指先端部分29(指先端部分)、薬指包被部25(五指包被部)の薬指先端部分30(指先端部分)の内側に挿脱可能に挿入され、手袋11の示指先端部分28や長指先端部分29、薬指先端部分30に挿入された状態において、着用者の示指指先部位18や長指指先部位19、薬指指先部位20を覆う。第2殻部材32bは、その大きさが第1殻部材32aのそれよりも小さく、第3殻部材32cのそれよりも大きく、それら殻部材32a〜32cの中で2番目に大きい。
それら第2殻部材32bは、着用者の示指指先部位18や長指指先部位19、薬指指先部位20を挿脱可能な円形の開口部33と、開口部33から前方(第2殻部材32bの軸方向前方)に延びる被覆部34とを有する。被覆部34は、開口部31から前方へ向かって凸となるように弧描き、所定の曲率半径で湾曲している。被覆部34は、示指指先部位18や長指指先部位19、薬指指先部位20のうちの指の甲全域および指の腹全域を包被する。
第2殻部材32bは、それが手袋11の示指先端部分28に挿入されると、示指先端部分28によって径方向内方へ押圧され、示指先端部分28の内側(内面)に遊動不能に密着し、それが手袋11の長指先端部分29に挿入されると、長指先端部分29によって径方向内方へ押圧され、長指先端部分29の内側(内面)に遊動不能に密着するとともに、それが手袋11の薬指先端部分30に挿入されると、薬指先端部分30によって径方向内方へ押圧され、薬指先端部分30の内側(内面)に遊動不能に密着する。
第3殻部材32cは、それが手袋11の小指包被部26(五指包被部)の小指先端部分31(指先端部分)の内側に挿脱可能に挿入され、手袋11の小指先端部分31に挿入された状態において、着用者の小指指先部位21を覆う。第3殻部材32cは、その大きさが第1および第2殻部材32a,32bのそれよりも小さく、それら殻部材32a〜32cの中で1番小さい。なお、殻部材32は、全てのそれらが同一の大きさであってもよい。
第3殻部材32cは、着用者の小指指先部位21を挿脱可能な円形の開口部33と、開口部33から前方(第3殻部材32cの軸方向前方)に延びる被覆部34とを有する。被覆部34は、開口部33から前方へ向かって凸となるように弧描き、所定の曲率半径で湾曲している。被覆部34は、小指指先部位21のうちの指の甲全域および指の腹全域を包被する。第3殻部材32cは、それが手袋11の小指先端部分31に挿入されると、小指先端部分31によって径方向内方へ押圧され、小指先端部分31の内側(内面)に遊動不能に密着する。
第1〜第3殻部材32a〜32cの被覆部34の内面には、ポリウレタンシート、塩化ビニル樹脂シート、EVA樹脂シート、繊維不織布等の柔軟なシート材35(クッション材)が接着剤によって取り付けられている(貼付されている)。なお、第1〜第3殻部材32a〜32cの被覆部34の内面にシート材35が取り付けられていなくてもよい。
手袋用指先保護具10Aを使用する場合、手袋11の開口36から第1殻部材32aを手袋11内部に入れた後、第1殻部材32aを手袋11の母指包被部22に挿入し、第1殻部材32aを母指包被部22の母指先端部分27に向かって押し込む。手袋11の開口36からそれら第2殻部材32bを手袋11内部に入れた後、第2殻部材32bを手袋11の示指包被部23や長指包被部24、薬指包被部25に挿入し、第2殻部材32bを示指包被部23の示指先端部分28や長指包被部24の長指先端部分29、薬指包被部25の薬指先端部分30に向かって押し込む。さらに、手袋11の開口36から第3殻部材32cを手袋11内部に入れた後、第3殻部材32cを手袋11の小指包被部26に挿入し、第3殻部材32cを小指包被部26の小指先端部分31に向かって押し込む。
第1〜第3殻部材32a〜32cを手袋11の各指先端部分27〜31に挿入した図2の状態において、着用者が手37(右手)を手袋11の開口36から手袋11内部に挿入し、母指12を手袋11の母指包被部22に挿入しつつ、母指指先部位17を手袋11の母指先端部分27に挿入する。示指13を手袋11の示指包被部23に挿入しつつ、示指指先部位18を手袋11の示指先端部分28に挿入し、長指14を手袋11の長指包被部24に挿入しつつ、長指指先部位19を手袋11の長指先端部分29に挿入するとともに、薬指15を手袋11の薬指包被部25に挿入しつつ、薬指指先部位20を手袋11の薬指先端部分30に挿入する。小指16を手袋11の小指包被部26に挿入しつつ、小指指先部位21を手袋11の小指先端部分31に挿入する。
図4に示すように、着用者が母指指先部位17を手袋11の母指先端部分27に挿入すると、母指指先部位17が第1殻部材32aの内部に進入し、母指指先部位17の指の甲全域および指の腹全域が第1殻部材32aの被覆部34に包皮され、着用者が示指指先部位18を手袋11の示指先端部分28に挿入すると、示指指先部位18が第2殻部材32bの内部に進入し、示指指先部位18の指の甲全域および指の腹全域が第2殻部材32bの被覆部34に包皮される。
着用者が長指指先部位19を手袋11の長指先端部分29に挿入すると、長指指先部位19が第2殻部材32bの内部に進入し、長指指先部位19の指の甲全域および指の腹全域が第2殻部材32bの被覆部34に包皮され、着用者が薬指指先部位20を手袋11の薬指先端部分30に挿入すると、薬指指先部位20が第2殻部材32bの内部に進入し、薬指指先部位20の指の甲全域および指の腹全域が第2殻部材32bの被覆部34に包皮される。着用者が小指指先部位21を手袋11の小指先端部分31に挿入すると、小指指先部位21が第3殻部材32cの内部に進入し、小指指先部位21の指の甲全域および指の腹全域が第3殻部材32cの被覆部34に包皮される。
第1〜第3殻部材32a〜32cを挿入(装着)した手袋11を着用した着用者が所定の作業中に、手袋11の母指先端部分27に衝撃が加えられた場合、第1殻部材32aの被覆部34がその衝撃を吸収・緩和し、着用者の母指指先部位17をその衝撃から保護し、手袋11の示指先端部分28に衝撃が加えられた場合、第2殻部材32bの被覆部34がその衝撃を吸収・緩和し、着用者の示指指先部位18をその衝撃から保護する。手袋11の長指先端部分29に衝撃が加えられた場合、第2殻部材32bの被覆部34がその衝撃を吸収・緩和し、着用者の長指指先部位19をその衝撃から保護し、手袋11の薬指先端部分30に衝撃が加えられた場合、第2殻部材32bの被覆部34がその衝撃を吸収・緩和し、着用者の薬指指先部位20をその衝撃から保護するとともに、手袋11の小指先端部分31に衝撃が加えられた場合、第3殻部材32cの被覆部34がその衝撃を吸収・緩和し、着用者の小指指先部位21をその衝撃から保護する。
第1〜第3殻部材32a〜32cを使用する必要がなく、手袋11のみを利用して作業を行う場合、第1〜第3殻部材32a〜32cが既に手袋11に挿入されている場合は、それら殻部材32a〜32cを手袋11の各指先端部分27〜31から手袋11の開口36に向かって押し出し、それら殻部材32a〜32cを手袋11から抜き取る。また、五指(母指12、示指13、長指14、薬指15、小指16)全てを保護する必要がなく、特定の指の指先端部分17〜21を保護する場合、その指が挿入される手袋11の指先端部分27〜31に第1〜第3殻部材32a〜32cのいずれかを挿入すればよい。
手袋用指先保護具10Aは、着用者の各指先部位17〜21を覆う所定硬度の複数の第1〜第3殻部材32a〜32cから形成され、それら殻部材32a〜32cが手袋11の各包被部22〜26(五指包被部)の各指先端部分27〜31の内側(内面)に挿脱可能に挿入されるから、各種複数の手袋11の各包被部22〜26のそれら指先端部分27〜31に挿脱可能に取り付けることができ、手袋11の包被部22〜26の各指先端部分27〜31を強化して着用者の各指先部位17〜21を衝撃から保護する保護形態と手袋11をそのまま使用する通常形態との両使用形態に対応することができる。
手袋用指先保護具10Aは、第1〜第3殻部材32a〜32cが着用者の各指12〜16の指先部位17〜21の大きさに合致し、所定硬度の第1〜第3殻部材32a〜32cの被覆部34が着用者の母指12、示指13、長指14、薬指15、小指16のうちの末節骨が延びる各指先部位17〜21の全域を覆うから、手袋11の各指先端部分27〜31に衝撃が加えられたとしても、その衝撃をそれら殻部材32a〜32cの被覆部34が吸収・緩和し、着用者の指先部位17〜21をその衝撃から保護することができ、危険な作業を行う場合の各指先部位17〜21の怪我を未然に防ぐことができる。
手袋用指先保護具10Aは、第1〜第3殻部材32a〜32cの被覆部34が手袋11の各指先端部分27〜31の内側(内面)に遊動不能に密着するから、手袋11の着用中にそれら殻部材32a〜32cが各指先端部分27〜31においてずれ動くことはなく、それら殻部材32a〜32cが各指先端部分27〜31においてずれ動くことによる手袋11の作業性の低下を防ぐことができる。手袋用指先保護具10Aは、第1〜第3殻部材32a〜32cの被覆部34の内面に柔軟なシート材35が取り付けられているから、着用者の各指先部位17〜21がそれら殻部材32a〜32cの被覆部34の内面に当接したときの触感が向上するとともに、それら殻部材32a〜32cの被覆部34の内面にクッション性を付与することができ、殻部材32a〜32cの保護機能を向上させることができる。第1〜第3殻部材32a〜32cがプラスチックまたは軽量な金属から作られているから、手袋11の各指先端部分27〜31の重量が必要以上に増加することはなく、手袋11の各指先端部分27〜31の重量が増加することによる手袋11の作業性の低下を防ぐことができる。
図5は、他の一例として示す手袋用指先保護具10Bの斜視図であり、図6は、図5の手袋用指先保護具10Bを装着した手袋11の部分破断斜視図である。図7は、図6のB−B線矢視断面図であり、図8は、手袋用指先保護具10Bに包被された着用者の手37(右手)の斜視図である。図6は、手袋11を掌の側から示す。図6では、右手用の手袋11のみを図示し、左手用の手袋の図示を省略している。図7は、一部を省略した手袋11を二点鎖線で示す。図8では、手袋11の図示を省略し、着用者の右手のみを図示し、着用者の左手の図示を省略している。手袋用指先保護具10Bは、右手用の手袋11のみならず、左手用の手袋に装着されることはいうまでもなく、着用者の左手の各指先部位17〜21の保護にも使用される。
手袋用指先保護具10Bは、手袋11を着用した着用者の母指12、示指13、長指14、薬指15、小指16のうちの末節骨が延びる各指先部位17〜21を衝撃から保護し、着用者の各指先部位17〜21の怪我を防止する。手袋用指先保護具10Bは、手袋11の五指包被部22〜26の各指先端部分27〜31の内側に挿脱可能に挿入される複数の殻部材38から形成されている。
それら殻部材38は、着用者の母指12の母指指先部位17を覆う1個の第1殻部材38aと、着用者の示指13の示指指先部位18、長指14の長指指先部位19、薬指15の薬指指先部位20を覆う3個の第2殻部材38bと、着用者の小指16の小指指先部位21を覆う1個の第3殻部材38cとから形成されている。第1〜第3殻部材38a〜38cは、プラスチックまたはアルミニウムやアルミニウム複合材料(軽量な金属)から作られている。
第1殻部材38aは、それが手袋11の母指包被部22の母指先端部分27の内側に挿脱可能に挿入され、手袋11の母指先端部分27に挿入された状態において、着用者の母指指先部位17を覆う。第1殻部材38aは、その大きさが第2および第3殻部材38b,38cのそれよりも大きく、それら殻部材38a〜38cの中で1番大きい。
第1殻部材38aは、着用者の母指指先部位17を挿脱可能であって母指指先部位17の指の腹を露出させる開口部39と、開口部39から前方(第1殻部材38aの軸方向前方)に延びる被覆部40とを有する。被覆部40は、指の腹から指の甲に向かって凸となるように弧を描き、所定の曲率半径で湾曲している。被覆部40は、母指指先部位17のうちの指の甲全域および指の腹側面を包被する。第1殻部材38aは、それが手袋11の母指先端部分27に挿入されると、母指先端部分27によって径方向内方へ押圧され、母指先端部分27の内側(内面)に遊動不能に密着する。
第2殻部材38bは、それらが手袋11の示指包被部23の示指先端部分28や長指包被部24の長指先端部分29、薬指包被部25の薬指先端部分30の内側に挿脱可能に挿入され、手袋11の示指先端部分28や長指先端部分29、薬指先端部分30に挿入された状態において、着用者の示指指先部位18や長指指先部位19、薬指指先部位20を覆う。第2殻部材38bは、その大きさが第1殻部材38aのそれよりも小さく、第3殻部材38cのそれよりも大きく、それら殻部材38a〜38cの中で2番目に大きい。
それら第2殻部材38bは、着用者の示指指先部位18や長指指先部位19、薬指指先部位20を挿脱可能であって示指指先部位18や長指指先部位19、薬指指先部位20の指の腹を露出させる開口部39と、開口部39から前方(第2殻部材38bの軸方向前方)に延びる被覆部40とを有する。被覆部40は、指の腹から指の甲に向かって凸となるように弧を描き、所定の曲率半径で湾曲している。被覆部40は、示指指先部位18や長指指先部位19、薬指指先部位20のうちの指の甲全域および指の腹側面を包被する。
第2殻部材38bは、それが手袋11の示指先端部分28に挿入されると、示指先端部分28によって径方向内方へ押圧され、示指先端部分28の内側(内面)に遊動不能に密着し、それが手袋11の長指先端部分29に挿入されると、長指先端部分29によって径方向内方へ押圧され、長指先端部分29の内側(内面)に遊動不能に密着するとともに、それが手袋11の薬指先端部分30に挿入されると、薬指先端部分30によって径方向内方へ押圧され、薬指先端部分30の内側(内面)に遊動不能に密着する。
第3殻部材38cは、それが手袋11の小指包被部26の小指先端部分31の内側に挿脱可能に挿入され、手袋11の小指先端部分31に挿入された状態において、着用者の小指指先部位21を覆う。第3殻部材38cは、その大きさが第1および第2殻部材38a,38bのそれよりも小さく、それら殻部材38a〜38cの中で1番小さい。なお、殻部材38は、全てのそれらが同一の大きさであってもよい。
第3殻部材38cは、着用者の小指指先部位21を挿脱可能であって小指指先部位21の指の腹を露出させる開口部39と、開口部39から前方(第3殻部材38cの軸方向前方)に延びる被覆部40とを有する。被覆部40は、指の腹から指の甲に向かって凸となるように弧を描き、所定の曲率半径で湾曲している。被覆部40は、小指指先部位21のうちの指の甲全域および指の腹側面を包被する。第3殻部材38cは、それが手袋11の小指先端部分31に挿入されると、小指先端部分31によって径方向内方へ押圧され、小指先端部分31の内側(内面)に遊動不能に密着する。
第1〜第3殻部材38a〜38cの被覆部40の内面には、ポリウレタンシート、塩化ビニル樹脂シート、EVA樹脂シート、繊維不織布等の柔軟なシート材35(クッション材)が接着剤によって取り付けられている(貼付されている)。なお、第1〜第3殻部材38a〜38cの被覆部40の内面にシート材35が取り付けられていなくてもよい。
手袋用指先保護具10Bを使用する場合、手袋11の開口36から第1殻部材38aを手袋11内部に入れた後、第1殻部材38aを手袋11の母指包被部22に挿入し、第1殻部材38aを母指包被部22の母指先端部分27に向かって押し込む。手袋11の開口36からそれら第2殻部材38bを手袋11内部に入れた後、第2殻部材38bを手袋11の示指包被部23や長指包被部24、薬指包被部25に挿入し、第2殻部材38bを示指包被部23の示指先端部分28や長指包被部24の長指先端部分29、薬指包被部25の薬指先端部分30に向かって押し込む。さらに、手袋11の開口36から第3殻部材38cを手袋11内部に入れた後、第3殻部材38cを手袋11の小指包被部26に挿入し、第3殻部材38cを小指包被部26の小指先端部分31に向かって押し込む。
第1〜第3殻部材38a〜38cを手袋11の各指先端部分27〜31に挿入した図6の状態において、着用者が手37(右手)を手袋11の開口36から手袋11内部に挿入し、母指12を手袋11の母指包被部22に挿入しつつ、母指指先部位17を手袋11の母指先端部分27に挿入する。示指13を手袋11の示指包被部23に挿入しつつ、示指指先部位18を手袋11の示指先端部分28に挿入し、長指14を手袋11の長指包被部24に挿入しつつ、長指指先部位19を手袋11の長指先端部分29に挿入するとともに、薬指15を手袋11の薬指包被部25に挿入しつつ、薬指指先部位20を手袋11の薬指先端部分30に挿入する。小指16を手袋11の小指包被部26に挿入しつつ、小指指先部位21を手袋11の小指先端部分31に挿入する。
図8に示すように、着用者が母指指先部位17を手袋11の母指先端部分27に挿入すると、母指指先部位17が第1殻部材38aの内部に進入し、母指指先部位17の指の甲全域および指の腹側面が第1殻部材38aの被覆部40に包皮され、母指指先部位17の指の腹が開口部39から露出する。着用者が示指指先部位18を手袋11の示指先端部分28に挿入すると、示指指先部位18が第2殻部材38bの内部に進入し、示指指先部位18の指の甲全域および指の腹側面が第2殻部材32bの被覆部40に包皮され、示指指先部位18の指の腹が開口部39から露出する。
着用者が長指指先部位19を手袋11の長指先端部分29に挿入すると、長指指先部位19が第2殻部材38bの内部に進入し、長指指先部位19の指の甲全域および指の腹側面が第2殻部材38bの被覆部40に包皮され、長指指先部位19の指の腹が開口部39から露出する。着用者が薬指指先部位20を手袋11の薬指先端部分30に挿入すると、薬指指先部位20が第2殻部材38bの内部に進入し、薬指指先部位20の指の甲全域および指の腹側面が第2殻部材38bの被覆部40に包皮され、薬指指先部位20の指の腹が開口部39から露出する。着用者が小指指先部位21を手袋11の小指先端部分31に挿入すると、小指指先部位21が第3殻部材32cの内部に進入し、小指指先部位21の指の甲全域および指の腹側面が第3殻部材32cの被覆部40に包皮され、小指指先部位21の指の腹が開口部39から露出する。
第1〜第3殻部材38a〜38cを挿入(装着)した手袋11を着用した着用者が所定の作業中に、手袋11の母指先端部分27に衝撃が加えられた場合、第1殻部材38aの被覆部40がその衝撃を吸収・緩和し、着用者の母指指先部位17をその衝撃から保護し、手袋11の示指先端部分28に衝撃が加えられた場合、第2殻部材38bの被覆部40がその衝撃を吸収・緩和し、着用者の示指指先部位18をその衝撃から保護する。手袋11の長指先端部分29に衝撃が加えられた場合、第2殻部材38bの被覆部40がその衝撃を吸収・緩和し、着用者の長指指先部位19をその衝撃から保護し、手袋11の薬指先端部分30に衝撃が加えられた場合、第2殻部材38bの被覆部40がその衝撃を吸収・緩和し、着用者の薬指指先部位20をその衝撃から保護するとともに、手袋11の小指先端部分31に衝撃が加えられた場合、第3殻部材38cの被覆部40がその衝撃を吸収・緩和し、着用者の小指指先部位21をその衝撃から保護する。
第1〜第3殻部材38a〜38cを使用する必要がなく、手袋11のみを利用して作業を行う場合、第1〜第3殻部材38a〜38cが既に手袋11に挿入されている場合は、それら殻部材38a〜38cを手袋11の各指先端部分27〜31から手袋11の開口36に向かって押し出し、それら殻部材38a〜38cを手袋11から抜き取る。また、五指全てを保護する必要がなく、特定の指の指先端部分17〜21を保護する場合、その指が挿入される手袋11の指先端部分27〜31に第1〜第3殻部材38a〜38cのいずれかを挿入すればよい。
手袋用指先保護具10Bは、着用者の各指先部位17〜21を覆う所定硬度の複数の第1〜第3殻部材38a〜38cから形成され、それら殻部材38a〜38cが手袋11の各包被部22〜26(五指包被部)の各指先端部分27〜31の内側(内面)に挿脱可能に挿入されるから、各種複数の手袋11の各包被部22〜26のそれら指先端部分27〜31に挿脱可能に取り付けることができ、手袋11の包被部22〜26の各指先端部分27〜31を強化して着用者の各指先部位17〜21を衝撃から保護する保護形態と手袋11をそのまま使用する通常形態との両使用形態に対応することができる。
手袋用指先保護具10Bは、第1〜第3殻部材38a〜38cが着用者の各指12〜16の指先部位17〜21の大きさに合致し、所定硬度の第1〜第3殻部材38a〜38cの被覆部40が着用者の母指12、示指13、長指14、薬指15、小指16のうちの末節骨が延びる各指先部位17〜21の指の甲全域および指の腹側面を覆うから、手袋11の各指先端部分27〜31に衝撃が加えられたとしても、その衝撃をそれら殻部材38a〜38cの被覆部40が吸収・緩和し、着用者の指先部位17〜21をその衝撃から保護することができ、危険な作業を行う場合の各指先部位17〜21の怪我を未然に防ぐことができる。
手袋用指先保護具10Bは、着用者の指の腹がそれら殻部材38a〜38cの開口部39から露出するから、着用者の各指先部位27〜31の触覚が失われることはなく、手袋11の着用が必要な作業の作業性を向上させることができる。手袋用指先保護具10Bは、第1〜第3殻部材38a〜38cの被覆部40が手袋11の各指先端部分27〜31の内側(内面)に遊動不能に密着するから、手袋11の着用中にそれら殻部材38a〜38cが各指先端部分27〜31においてずれ動くことはなく、それら殻部材38a〜38cが各指先端部分27〜31においてずれ動くことによる手袋11の作業性の低下を防ぐことができるとともに、手袋11の着用中において指の甲全域および指の腹側面の被覆部40による被覆状態が維持され、着用者の指の甲全域および指の腹側面を確実に保護することができる。
手袋用指先保護具10Bは、第1〜第3殻部材38a〜38cの被覆部40の内面に柔軟なシート材35が取り付けられているから、着用者の各指先部位17〜21がそれら殻部材38a〜38cの被覆部40の内面に当接したときの触感が向上するとともに、それら殻部材38a〜38cの被覆部40の内面にクッション性を付与することができ、殻部材38a〜38cの保護機能を向上させることができる。第1〜第3殻部材38a〜38cがプラスチックまたは軽量な金属から作られているから、手袋11の各指先端部分27〜31の重量が必要以上に増加することはなく、手袋11の各指先端部分27〜31の重量が増加することによる手袋11の作業性の低下を防ぐことができる。
手袋用指先保護具10Aや手袋用指先保護具10Bは、着用者の母指12、示指13、長指14、薬指15、小指16を包被する五指包被部22〜26(母指包被部22、示指包被部23、長指包被部24、薬指包被部25、小指包被部26)を有する手袋であれば、どのような形状の手袋にも使用することができる。また、手袋の材質についても特に制限はない。
一例として示す手袋50Aの部分破断斜視図である図9等の添付の図面を参照し、本発明にかかる手袋の詳細を説明すると、以下のとおりである。図10は、掌の側から示す図9の手袋50Aの部分破断斜視図である。図9は、手袋50Aを手の甲の側から示す。図9では、右手用の手袋50Aのみを図示し、左手用の手袋の図示を省略しているが、手袋50Aは、右手用のそれのみならず、右手用のそれと同様の仕様の左手用のそれも存在する。
手袋50Aは、着用者の手首を包被する手首包被部51、着用者の手の甲および掌を包被する手包被部52、着用者の母指12、示指13、長指14、薬指15、小指16を包被する五指包被部53〜57(着用者の母指12を包被する母指包被部53、着用者の示指13を包被する示指包被部54、着用者の長指14を包被する長指包被部55、着用者の薬指15を包被する薬指包被部56、着用者の小指16を包被する小指包被部57)を有する。手袋50A(手袋50Bを含む)は、着用者の母指、示指、長指、薬指、小指を包被する五指包被部を有する形状であれば、その形状に特に制限はなく、その材質についても特に制限はない。
手袋10Aは、それを着用した着用者の母指12、示指13、長指14、薬指15、小指16のうちの末節骨が延びる各指先部位17〜21を衝撃から保護し、着用者の各指先部位17〜21の怪我を防止する。手袋50Aは、五指包被部53〜57の各指先端部分58〜62(着用者の母指指先部位17を包被する母指先端部分58、着用者の示指指先部位18を包被する示指先端部分59、着用者の長指指先部位19を包被する長指先端部分60、着用者の薬指指先部位20を包被する薬指先端部分61、着用者の小指指先部位21を包被する小指先端部分62)の内側に配置されて着用者の各指先部位17〜21を覆う所定硬度の複数の殻部材32を有する。
それら殻部材32は、着用者の母指12の母指指先部位17の指の甲全域および指の腹全域を覆う1個の第1殻部材32aと、着用者の示指13の示指指先部位18、長指14の長指指先部位19、薬指15の薬指指先部位20の指の甲全域および指の腹全域を覆う3個の第2殻部材32bと、着用者の小指16の小指指先部位21の指の甲全域および指の腹全域を覆う1個の第3殻部材32cとから形成されている。第1〜第3殻部材32a〜32cは図1のそれらと同一であるから、図1と同一の符号を付すとともに、図1〜図4の説明を援用することで、第1〜第3殻部材32a〜32cの詳細な説明は省略する。
第1殻部材32aは、円形の開口部33と指の甲全域および指の腹全域を包被する被覆部34とを有し、手袋50Aの母指包被部53の母指先端部分58の内側(内面)に接着剤によって固定されている。第2殻部材32bは、円形の開口部33と指の甲全域および指の腹全域を包被する被覆部34とを有し、手袋50Aの示指包被部54の示指先端部分59や長指包被部55の長指先端部分60、薬指包被部56の薬指先端部分61の内側(内面)に接着剤によって固定されている。第3殻部材32cは、円形の開口部33と指の甲全域および指の腹全域を包被する被覆部34とを有し、手袋50Aの小指包被部57の小指先端部分62の内側(内面)に接着剤によって固定されている。
第1〜第3殻部材32a〜32cの被覆部34の内面には、ポリウレタンシート、塩化ビニル樹脂シート、EVA樹脂シート、繊維不織布等の柔軟なシート材35(クッション材)が接着剤によって取り付けられている(貼付されている)。なお、第1〜第3殻部材32a〜32cの被覆部34の内面にシート材35が取り付けられていなくてもよい。
手袋50Aを着用するには、着用者が手37(右手)を手袋50Aの開口63から手袋50A内部に挿入し、母指12を母指包被部53に挿入しつつ、母指指先部位17を母指先端部分58に挿入する。示指13を示指包被部54に挿入しつつ、示指指先部位18を示指先端部分59に挿入し、長指14を長指包被部55に挿入しつつ、長指指先部位19を長指先端部分60に挿入するとともに、薬指15を薬指包被部56に挿入しつつ、薬指指先部位20を薬指先端部分61に挿入する。小指16を小指包被部57に挿入しつつ、小指指先部位21を小指先端部分62に挿入する。
着用者が母指指先部位17を手袋50Aの母指先端部分58に挿入すると、母指指先部位17が第1殻部材32aの内部に進入し、母指指先部位17の指の甲全域および指の腹全域が第1殻部材32aの被覆部34に包皮され、着用者が示指指先部位18を手袋50Aの示指先端部分59に挿入すると、示指指先部位18が第2殻部材32bの内部に進入し、示指指先部位18の指の甲全域および指の腹全域が第2殻部材32bの被覆部34に包皮される。
着用者が長指指先部位19を手袋50Aの長指先端部分60に挿入すると、長指指先部位19が第2殻部材32bの内部に進入し、長指指先部位19の指の甲全域および指の腹全域が第2殻部材32bの被覆部34に包皮され、着用者が薬指指先部位20を手袋50Aの薬指先端部分61に挿入すると、薬指指先部位20が第2殻部材32bの内部に進入し、薬指指先部位20の指の甲全域および指の腹全域が第2殻部材32bの被覆部34に包皮される。着用者が小指指先部位21を手袋50Aの小指先端部分62に挿入すると、小指指先部位21が第3殻部材32cの内部に進入し、小指指先部位21の指の甲全域および指の腹全域が第3殻部材32cの被覆部34に包皮される(図4援用)。
第1〜第3殻部材32a〜32cが取り付けられた手袋50Aを着用した着用者が所定の作業中に、手袋50Aの母指先端部分58に衝撃が加えられた場合、第1殻部材32aの被覆部34がその衝撃を吸収・緩和し、着用者の母指指先部位17をその衝撃から保護し、手袋50Aの示指先端部分59に衝撃が加えられた場合、第2殻部材32bの被覆部34がその衝撃を吸収・緩和し、着用者の示指指先部位18をその衝撃から保護する。手袋50Aの長指先端部分60に衝撃が加えられた場合、第2殻部材32bの被覆部34がその衝撃を吸収・緩和し、着用者の長指指先部位19をその衝撃から保護し、手袋50Aの薬指先端部分61に衝撃が加えられた場合、第2殻部材32bの被覆部34がその衝撃を吸収・緩和し、着用者の薬指指先部位20をその衝撃から保護するとともに、手袋11の小指先端部分62に衝撃が加えられた場合、第3殻部材32cの被覆部34がその衝撃を吸収・緩和し、着用者の小指指先部位21をその衝撃から保護する。
手袋50Aは、着用者の各指先部位17〜21を覆う所定硬度の第1〜第3殻部材32a〜32cが手袋50Aの各指先端部分58〜62の内側に固定され、第1〜第3殻部材32a〜32cが着用者の各指12〜16の指先部位17〜21の大きさに合致し、それら殻部材32a〜32cの被覆部34が着用者の母指12、示指13、長指14、薬指15、小指16のうちの各指先部位17〜21の全域を覆うから、手袋50Aの着用中に各指先端部分58〜62に衝撃が加えられたとしても、その衝撃をそれら殻部材32a〜32cの被覆部34が吸収・緩和し、着用者の指先部位17〜21をその衝撃から確実に保護することができ、危険な作業を行う場合の各指先部位17〜21の怪我を未然に防ぐことができる。
手袋50Aは、第1〜第3殻部材32a〜32cの被覆部34が各指先端部分58〜62の内側(内面)に固定されているから、手袋50Aの着用中にそれら殻部材32a〜32cが各指先端部分58〜62においてずれ動くことはなく、それら殻部材32a〜32cが各指先端部分58〜62においてずれ動くことによる手袋50Aの作業性の低下を防ぐことができる。手袋50Aは、第1〜第3殻部材32a〜32cの被覆部34の内面に柔軟なシート材35が取り付けられているから、着用者の各指先部位17〜21がそれら殻部材32a〜32cの被覆部34の内面に当接したときの触感が向上するとともに、それら殻部材32a〜32cの被覆部34の内面にクッション性を付与することができ、殻部材32a〜32cの保護機能を向上させることができる。第1〜第3殻部材32a〜32cがプラスチックまたは軽量な金属から作られているから、手袋50Aの各指先端部分58〜62の重量が必要以上に増加することはなく、手袋50Aの各指先端部分58〜62の重量が増加することによる手袋50Aの作業性の低下を防ぐことができる。
図11は、他の一例として示す手袋50Bの部分破断斜視図であり、図12は、掌の側から示す図11の手袋50Bの部分破断斜視図である。図11は、手袋50Bを手の甲の側から示す。図11では、右手用の手袋50Bのみを図示し、左手用の手袋の図示を省略しているが、手袋50Bは、右手用のそれのみならず、右手用のそれと同様の仕様の左手用のそれも存在する。
手袋50Bは、手袋10Aと同様に、着用者の手首を包被する手首包被部51、着用者の手の甲および掌を包被する手包被部52、着用者の母指12、示指13、長指14、薬指15、小指16を包被する五指包被部53〜57を有する。手袋10Bは、それを着用した着用者の母指12、示指13、長指14、薬指15、小指16のうちの末節骨が延びる各指先部位17〜21を衝撃から保護し、着用者の各指先部位17〜21の怪我を防止する。手袋50Bは、五指包被部53〜57の各指先端部分58〜62の内側に配置されて着用者の各指先部位17〜21を覆う所定硬度の複数の殻部材38を有する。
それら殻部材38は、着用者の母指12の母指指先部位17の指の甲全域および指の腹側面を覆う1個の第1殻部材38aと、着用者の示指13の示指指先部位18、長指14の長指指先部位19、薬指15の薬指指先部位20の指の甲全域および指の腹側面を覆う3個の第2殻部材38bと、着用者の小指16の小指指先部位21の指の甲全域および指の腹側面を覆う1個の第3殻部材38cとから形成されている。第1〜第3殻部材38a〜38cは図5のそれらと同一であるから、図5と同一の符号を付すとともに、図5〜図8の説明を援用することで、第1〜第3殻部材38a〜38cの詳細な説明は省略する。
第1殻部材38aは、開口部39と指の甲全域および指の腹側面を包被する被覆部40とを有し、手袋50Bの母指包被部53の母指先端部分58の内側(内面)に接着剤によって固定されている。第2殻部材38bは、開口部39と指の甲全域および指の腹側面を包被する被覆部40とを有し、手袋50Bの示指包被部54の示指先端部分59や長指包被部55の長指先端部分60、薬指包被部56の薬指先端部分61の内側(内面)に接着剤によって固定されている。第3殻部材38cは、開口部39と指の甲全域および指の腹側面を包被する被覆部40とを有し、手袋50Bの小指包被部57の小指先端部分62の内側(内面)に接着剤によって固定されている。
第1〜第3殻部材38a〜38cの被覆部40の内面には、ポリウレタンシート、塩化ビニル樹脂シート、EVA樹脂シート、繊維不織布等の柔軟なシート材35(クッション材)が接着剤によって取り付けられている(貼付されている)。なお、第1〜第3殻部材38a〜38cの被覆部40の内面にシート材35が取り付けられていなくてもよい。
手袋50Bを着用するには、着用者が手37(右手)を手袋50Bの開口63から手袋50B内部に挿入し、母指12を母指包被部53に挿入しつつ、母指指先部位17を母指先端部分58に挿入する。示指13を示指包被部54に挿入しつつ、示指指先部位18を示指先端部分59に挿入し、長指14を長指包被部55に挿入しつつ、長指指先部位19を長指先端部分60に挿入するとともに、薬指15を薬指包被部56に挿入しつつ、薬指指先部位20を薬指先端部分61に挿入する。小指16を小指包被部57に挿入しつつ、小指指先部位21を小指先端部分62に挿入する。
着用者が母指指先部位17を手袋50Bの母指先端部分58に挿入すると、母指指先部位17が第1殻部材38aの内部に進入し、母指指先部位17の指の甲全域および指の腹側面が第1殻部材38aの被覆部40に包皮され、母指指先部位17の指の腹が開口部39から露出する。着用者が示指指先部位18を手袋50Bの示指先端部分59に挿入すると、示指指先部位18が第2殻部材38bの内部に進入し、示指指先部位18の指の甲全域および指の腹側面が第2殻部材32bの被覆部40に包皮され、示指指先部位18の指の腹が開口部39から露出する。
着用者が長指指先部位19を手袋50Bの長指先端部分60に挿入すると、長指指先部位19が第2殻部材38bの内部に進入し、長指指先部位19の指の甲全域および指の腹側面が第2殻部材38bの被覆部40に包皮され、長指指先部位19の指の腹が開口部39から露出する。着用者が薬指指先部位20を手袋50Bの薬指先端部分61に挿入すると、薬指指先部位20が第2殻部材38bの内部に進入し、薬指指先部位20の指の甲全域および指の腹側面が第2殻部材38bの被覆部40に包皮され、薬指指先部位20の指の腹が開口部39から露出する。着用者が小指指先部位21を手袋50Bの小指先端部分62に挿入すると、小指指先部位21が第3殻部材32cの内部に進入し、小指指先部位21の指の甲全域および指の腹側面が第3殻部材32cの被覆部40に包皮され、小指指先部位21の指の腹が開口部39から露出する(図8援用)。
第1〜第3殻部材38a〜38cが取り付けられた手袋50Bを着用した着用者が所定の作業中に、手袋50Bの母指先端部分58に衝撃が加えられた場合、第1殻部材38aの被覆部40がその衝撃を吸収・緩和し、着用者の母指指先部位17をその衝撃から保護し、手袋50Bの示指先端部分59に衝撃が加えられた場合、第2殻部材38bの被覆部40がその衝撃を吸収・緩和し、着用者の示指指先部位18をその衝撃から保護する。手袋50Bの長指先端部分60に衝撃が加えられた場合、第2殻部材38bの被覆部40がその衝撃を吸収・緩和し、着用者の長指指先部位19をその衝撃から保護し、手袋50Bの薬指先端部分61に衝撃が加えられた場合、第2殻部材38bの被覆部40がその衝撃を吸収・緩和し、着用者の薬指指先部位20をその衝撃から保護するとともに、手袋11の小指先端部分62に衝撃が加えられた場合、第3殻部材38cの被覆部40がその衝撃を吸収・緩和し、着用者の小指指先部位21をその衝撃から保護する。
手袋50Bは、着用者の各指先部位17〜21を覆う所定硬度の第1〜第3殻部材38a〜38cが手袋50Bの各指先端部分58〜62の内側に固定され、第1〜第3殻部材38a〜38cが着用者の各指12〜16の指先部位17〜21の大きさに合致し、それら殻部材38a〜38cの被覆部40が着用者の母指12、示指13、長指14、薬指15、小指16のうちの各指先部位17〜21の全域を覆うから、手袋50Bの着用中に各指先端部分58〜62に衝撃が加えられたとしても、その衝撃をそれら殻部材38a〜38cの被覆部40が吸収・緩和し、着用者の指先部位17〜21をその衝撃から確実に保護することができ、危険な作業を行う場合の各指先部位17〜21の怪我を未然に防ぐことができる。
手袋50Bは、着用者の指の腹がそれら殻部材38a〜38cの開口部39から露出するから、着用者の各指先部位17〜21の触覚が失われることはなく、手袋50Bの着用が必要な作業の作業性を向上させることができる。手袋50Bは、被覆部40がその各指先端部分58〜62の内側(内面)に固定されているから、手袋50Bの着用中にそれら殻部材38a〜38cが各指先端部分58〜62においてずれ動くことはなく、それら殻部材38a〜38cが各指先端部分58〜62においてずれ動くことによる手袋50Bの作業性の低下を防ぐことができるとともに、手袋50Bの着用中において指の甲全域および指の腹側面の被覆部40による被覆状態が維持され、着用者の指の甲全域および指の腹側面を確実に保護することができる。
手袋50Bは、第1〜第3殻部材38a〜38cの被覆部40の内面に柔軟なシート材35が取り付けられているから、着用者の各指先部位17〜21がそれら殻部材38a〜38cの被覆部40の内面に当接したときの触感が向上するとともに、それら殻部材38a〜38cの被覆部40の内面にクッション性を付与することができ、殻部材38a〜38cの保護機能を向上させることができる。第1〜第3殻部材38a〜38cがプラスチックまたは軽量な金属から作られているから、手袋50Bの各指先端部分58〜62の重量が必要以上に増加することはなく、手袋50Bの各指先端部分58〜62の重量が増加することによる手袋50Bの作業性の低下を防ぐことができる。