JP2017036033A

JP2017036033A - 角度が付けられた又は湾曲した後方隔壁を有するナセルインレット

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Publication number: JP2017036033A
Application number: JP2016110195A
Authority: JP
Inventors: エリックディー．ボル，; D Bol Eric
Original assignee: Boeing Co
Current assignee: Boeing Co
Priority date: 2015-06-03
Filing date: 2016-06-01
Publication date: 2017-02-16
Anticipated expiration: 2036-06-01
Also published as: CN106240829B; CN106240829A; EP3103723A1; EP3103723B1; JP6852986B2; US20160356180A1

Abstract

【課題】エンジンのファン翼が外れた場合（折れた場合を含む、以下同じ）などの高い負荷の場合にも、ナセルインレットの隔壁に対する重大な損傷を避け得るナセル構造を提供する。【解決手段】ナセルインレットの後方隔壁８０の構造は、後方隔壁の外側端の、ナセルインレットの外側バレル４２’への接続と、後方隔壁の内側端の、ナセルインレットの内側バレル４４’への接続との間の、湾曲した又は角度が付けられた断面形状を有する。後方隔壁の湾曲した又は角度が付けられた断面形状は、隔壁に柔軟性を与え、ファンの翼が外れた場合などの高い負荷の場合に、隔壁に対する重大な損傷を避ける。【選択図】図５

Description

本開示は、航空機エンジンのナセルインレットの構造に関する。特に、本開示は、ナセルインレットの後方隔壁の構造を対象とする。後方隔壁は、後方隔壁の外側端の、ナセルインレットの外側バレルへの接続と、後方隔壁の内側端の、航空機エンジンのファンケース取付リングへの接続との間の、湾曲した又は角度が付けられた断面形状を有する。後方隔壁の湾曲した又は角度が付けられた断面形状は、隔壁に柔軟性を与え、ファンの翼が外れた場合（折れた場合を含む、以下同じ）などの高い負荷の場合に、隔壁に対する重大な損傷を避ける。湾曲した又は角度が付けられた断面形状は、後方隔壁とファンケースの取付リングとの間に取り付けられるバネリングに対する必要性も除去する。湾曲した又は角度が付けられた断面形状は、設計の柔軟性も提供し、ナセルインレットの外側バレルを、ナセルインレットの内側バレル及び航空機エンジンファンケース取付リングの後方の最適な位置で終端させ、ナセル上の空気の層流の距離を後方へ広げて、ナセル上の抗力を低減させる。

図１は、航空機エンジンの構造の中へ入る基本的な構成要素部品の描写である。基本的な構成要素部品は、ファン１２、ファンを取り囲むエンジンのファンケース１４、エンジン１０の内側の（図示せぬ）圧縮機、燃焼器、タービン、エンジン排気ノズル１６、及び排気コーン１８から成るエンジン１０それ自身を含む。エンジン１０は、ファンカウル２２及びファンダクト／スラストリバーサ２４から成るナセル内に包含されている。ナセルインレット２８が、ナセルの前端に配置されている。

図２は、図１で表されたエンジン１０から取り外されたナセルインレット２８を表している。ナセルインレット２８は、ナセルインレット２８に対して垂直な軸及び半径方向の軸を相互に規定する、中心軸３０を有する概して円筒形状の構成を有する。ナセルインレットの上端及びナセルインレットの下端におけるナセルインレットの構造の断面形状が、それぞれ、３２及び３４における破線で表されている。図２で見られ得るように、断面形状３２、３４は、同様に構築されている。

図３は、図２で表されたナセルインレット２８の上端におけるナセルインレット２８の断面形状３２の描写である。図３で表されているように、ナセルインレット２８の形状は、リップスキン３８によって画定されている。リップスキン３８は、ナセルインレット２８の最前端においてノーズ部分４０を有し、ナセルインレット２０の外装において外側バレル４２を有し、ナセルインレット２８の内装において内側バレル４４を有する。リップスキン３８のノーズ部分４０は、概してＵ形状の断面構成を有する。リップスキン３８の外側バレル４２は、ノーズ部分４０から後方へ外側バレル４２の後端４６まで延在する。リップスキン３８の内側バレル４４は、ノーズ部分４０から後方へ内側バレルの後端４８まで延在する。図３の描写では、リップスキン３８が、１つのピースとして、内側バレル４４から、リップスキン３８のノーズ部分４０を周り、外側バレル４２の後方へわたり、後端４６まで延在する。他の構造では、リップスキン３８が、概して図面で表されるファスナ５０によって連結された個別の部品である、ノーズ部分４０と外側バレル４２を用いて構築され得る。

エンジンファンケース取付リング５２が、内側バレル４４の後端４８に連結されている。エンジンファンケース取付リング５２は、ナセルインレット２８の円筒形状の構成の周りで完全に延在する。エンジンファンケース取付リング５２は、エンジンのファンケース１４に取り付けられる。エンジンファンケース取付リング５２の、エンジンのファンケース１４に対する取り付けは、ナセルインレット２８をエンジンのファンケース１４上に支持する。

インレットの構造を強化する、ナセルインレット２８の内側で構築された幾つかの隔壁及び補強材が存在する。管状の形状を有する前方隔壁５４が、ナセルインレット２８の内側で、外側バレル４２と内側バレル４４との間に固定されている。前方隔壁５４は、ナセルインレット２８の円筒形状の構成の周りで完全に延在し、リップスキン３８のノーズ部分４０を補強する。

幾つかの補強材５６、５８、６０が、ナセルインレット２８の内側で、外側バレル４２に固定されている。補強材は、Ｌ形状の断面構成を有し、ナセルインレット２８の円筒形状の構成の周りで完全に延在し、外側バレル４２を補強する。

後方隔壁６２は、ナセルインレット２８の内側で、外側バレル４２とエンジンファンケース取付リング５２との間に固定される。後方隔壁６２は、ナセルインレット２８の円筒形状の構成の周りで延在する、管状の形状を有する。図３で表されているように、後方隔壁６２は、後方隔壁６２の内側端においてＣ形状の断面を有するバネリング６４を除いて、実質的に平坦なパネル構造を有する。バネリング６４は、後方隔壁６２の内側端を、エンジンファンケース取付リング５２に連結させる。後方隔壁６２の外側端６８は、外側のＴリング７０によって外側バレルの後端４６に連結されている。

後方隔壁６２は、ナセルインレット２８の構造に強度及び剛性を追加する。後方隔壁６２は、エンジンのファンケース及び取り付けられたエンジンファンケース取付リング５２から、後方隔壁６２を介して、ナセルインレット２８の外側バレルへ荷重を伝達もする。後方隔壁６２は、外側バレル４２とエンジンファンケース取付リング５２との間の支持接続を提供する。それに伴って、エンジンのファンケース１２上の任意の極端な荷重が、エンジンファンケース取付リング５２を介して、後方隔壁６２を介して、ナセルインレット２８の外側バレル４２へ伝達され、ナセルインレットに過剰な損傷をもたらす可能性がある。そのような極端な荷重は、ファンの翼が外れた場合において起こり得る。ファンの翼が外れた場合に、基本的に、エンジンのファン１２はファンの翼を失い、ファンの翼は高速でファンケース１４に衝撃を与える。ファンケース１４は、ファンの翼を完全に封じ込めるように設計されており、ファンの翼がファンケース１４を貫通することを妨げる。ファンの翼が高速で失われた場合に、ファンケース１４に多大な荷重がかかり、それは、エンジンファンケース取付リング５２を介して、後方隔壁６２へ伝達される。後方隔壁６２が堅過ぎるならば、ファンの翼が外れた場合に伝達される荷重は、後方隔壁６２を変形させ又は粉々にし、ナセルインレット２８がその構造的な剛性を失うことをもたらし得る。任意のそのような極端な荷重を減衰させるために、バネリング６４が、エンジンファンケース取付リング５２に対する後方隔壁６２の取り付け部分において提供される。したがって、後方隔壁６２及びバネリング６４は、ナセルインレット２８に構造的な剛性を提供するが、エンジンのファンケース１２からの極端な荷重がナセルインレット２８の外側バレル４２に伝達されることを避ける。

しかしながら、バネリング６４を伴う後方隔壁６２の構築は、後方隔壁６２上のバネリング６４の設計及び取り付け、並びにエンジンファンケース取付リング５２へのバネリング６４の取り付けが、複雑さ、費用、及び組み立て時間を追加するという点で、不利益を被る。更に、概してナセルインレットの中心軸３０に垂直な平坦な後方隔壁６２は、外側バレル４２の後端４６が、内側バレル４４の後端４８に対して特定の位置にあることを要求する。外側バレルの後端４６と内側バレルの後端４８との、この必要な位置関係は、ナセルインレットの構造及びナセルインレット２８の性能に対して最適ではないだろう。更に、後方隔壁６２の概して垂直な形状は、必然的に、ナセルインレット２８上の空気の層流の距離を制限する。ナセルは、リップスキンのノーズ部分４０上の、リップスキンの外側バレル４２上の、及びファンカウル２２までの、空気の層流に対して設計されている。しかしながら、リップスキンの外側バレル４２からファンカウル２２への遷移において、層流は乱されて乱流になる。この遷移を後方へ移すことが、抗力を低減させ得る。

本開示の航空機エンジンのナセルインレットは、未だナセルインレットに対して強度及び剛性を提供し、後方隔壁に対して柔軟性を提供する一方で、既存のナセルインレットの後方隔壁に関連付けられる不利益を克服する、角度が付けられた又は湾曲した後方隔壁を含む。

ナセルインレットは、ナセルインレットの前端においてリップスキンのノーズを有する。外側バレルは、ナセルインレットの外装のリップスキンのノーズから後方へ延在する。外側バレルは、ナセルインレットの外装のリップスキンのノーズから外側バレルの後端まで後方へ延在する。

内側バレルは、ナセルインレットの内装のリップスキンのノーズから後方へ延在する。内側バレルは、ナセルインレットの内装のリップスキンのノーズから内側バレルの後端まで後方へ延在する。

エンジンファンケース取付リングが、内側バレルの後端に連結されている。エンジンファンケース取付リングは、ナセルインレットが、航空機エンジンのファンケースに取り付けられ且つ該ファンケースによって支持されることを可能にする。

角度が付けられた又は湾曲した後方隔壁は、外側バレルと内側バレルとの間で連結される。後方隔壁は、外側バレルの後端に連結された外側端を有する。後方隔壁は、エンジンファンケース取付リングに連結された内側端を有する。後方隔壁は、後方隔壁が後方隔壁の内側端から後方隔壁の外側端へ延在する際に、後方隔壁がナセルインレットに対して後方へ延在するように、形成されている。後方隔壁の一形状では、後方隔壁が、後方隔壁の内側端から後方隔壁の外側端へ延在する平坦な表面の後面を有する。後方隔壁の更なる形状では、後方隔壁が、後方隔壁の内側端と後方隔壁の外側端との間で窪んだ形状を有する後面を有する。

後方隔壁の後面のこれらの形状は、外側バレルの後端が、内側バレルの後端の後方に配置され、エンジンファンケース取付リングの後方に配置されることを可能にする。これは、ナセルインレットの外側バレルの後端と、内側バレルの後端及びエンジンファンケース取付リングとの、相対的な位置関係における柔軟性を提供する。更に、後方隔壁の後面の形状は、リップスキンの外側バレルからファンカウルへの遷移が、エンジンファンケース取付リングに対して後方へ移動されることを可能にする。これは、ナセル上での空気の層流のより長い継続を可能にし、抗力を低減させる。

また更に、後方隔壁の角度が付けられた又は湾曲した形状は、後方隔壁が、リップスキンの外側バレルに直接的に連結されることを可能にして、Ｔリング接続に対する必要性を消去し、後方隔壁における柔軟性、及び外側バレルと、ナセルインレットを航空機エンジンのファンケースに連結するエンジンファンケース取付リングとの間の柔軟性を提供する。該形状は、エンジンファンケース取付リングから、後方隔壁を介して、外側バレルへ伝達される力を減衰させる。

上述の特徴、機能、及び利点は、様々な実施形態において単独で実現することが可能であり、又は更に別の実施形態において組み合わせることが可能である。これらの実施形態は、以下の説明及び添付図面を参照することによって更に詳細に理解することができる。

角度が付けられた又は湾曲した後方隔壁を有する航空機エンジンのナセルインレットの更なる特徴は、以下の詳細な説明及び図面において説明される。

航空機エンジンの基本的な構成要素部品の分解組立図である。典型的なナセルインレットの描写である。ナセルインレットの前端において切り取られた、図２のナセルインレットを通る断面図である。角度が付けられた後方隔壁を有する、本開示の航空機エンジンのナセルインレットの描写である。ナセルインレットの前端を通って切り取られた、図４のナセルインレットの断面図である。湾曲した後方隔壁を有する、本開示の航空機エンジンのナセルインレットの描写である。ナセルインレットの前端を通って切り取られた、図６のナセルインレットの断面図である。

図４及び図５は、未だナセルインレットに対して強度及び剛性を提供し、後方隔壁８０に対して柔軟性を提供する一方で、既存のナセルインレットの後方隔壁に関連付けられる不利益を克服する角度が付けられた後方隔壁８０を含む、本開示の航空機エンジンのナセルインレットの図を示している。図６及び図７は、未だナセルインレットに対して強度及び剛性を提供し、後方隔壁８２に対して柔軟性を提供する一方で、既存のナセルインレットの後方隔壁に関連付けられる不利益を克服する湾曲した後方隔壁８２を含む、航空機エンジンのナセルインレットの図を示している。本開示の後方隔壁８０、８２の両方は、本開示の背景部分で説明されたナセルインレット２８のものなどの、ナセルインレット構成において採用されるので、ナセルインレット２８の構造は、本明細書で再び詳細に説明されない。本開示の後方隔壁８０、８２が、以前に説明されたナセルインレット２８、又は他の同等なナセルインレットの構造において採用され得ることは、理解されるべきである。図５及び図７で表されたナセルインレット２８の構造は、基本的に図３で表されたナセルインレットと同じなので、図３で採用された同じ参照番号が、図５及び図７のナセルインレット２８の図でも再び採用され、該参照番号にはプライム（´）が付されている。

図４及び図５を参照すると、ナセルインレット２８’は、ナセルインレット２８’の前端においてリップスキンのノーズ４０’を有する。外側バレル４２’は、ナセルインレット２８’の外装のリップスキンのノーズ４０’及び前方隔壁５４’から後方へ延在する。外側バレル４２’は、リップスキンのノーズ４０’から外側バレルの後端４６’まで後方へ延在する。外側バレル４２’の後端４６’は、図３で表された外側バレル４２の後端４６と比較して、ナセルインレット２８上で後方へ移動されていることに注意せよ。

内側バレル４４’は、ナセルインレット２８’の内装のリップスキンのノーズ４０’及び前方隔壁５４’から後方へ延在する。内側バレル４４’は、リップスキンのノーズ４０’及び前方隔壁５４’から内側バレル４８’の後端まで後方へ延在する。

エンジンファンケース取付リング５２’が、内側バレル４４’に連結されている。エンジンファンケース取付リング５２’が、内側バレル４４’の後端４８’に連結されている。エンジンファンケース取付リング５２’は、ナセルインレット２８’が、航空機エンジンのファンケースに取り付けられ且つ該ファンケースによって支持されることを可能にする。

図４及び図５で表されているナセルインレット２８’の構造は、ナセルインレット構造内に含まれている後方隔壁８０によって、以前に説明された図３のナセルインレット２８の構造から異なる。

後方隔壁８０は、ナセルインレット２８’の内側で、外側バレル４２’とエンジンファンケース取付リング５２’との間に固定される。後方隔壁８０は、ナセルインレット２８’の円筒形状の構成の周りで延在する、管状の形状を有する。後方隔壁８０は、外側バレル４２’の後端４６’に連結された円形状の外側端８４を有する。後方隔壁の外側端８４の接続は、外側バレルの後端４６’と直接的に行われており、図３で表されているＴリング７０に対する必要性及び費用を消去している。後方隔壁８０は、エンジンファンケース取付リング５２に連結された円形の内側端８６も有する。図４及び図５で表されているように、後方隔壁８０は、後方隔壁の外側端８４と後方隔壁の内側端８６との間で延在する際に、実質的に平坦な形状を有する。更に、後方隔壁８０は、後方隔壁がその内側端８６からその外側端８４まで延在する際に、ナセルインレット２８’に対して後方へ延在する。図４及び図５で表されている後方隔壁８０の角度が付けられた形状は、単に後方隔壁８０の角度を変更することによって、外側バレル４２’の後端４６’の相対的な位置が、エンジンファンケース取付リング５２’に対して移動されることを可能にする。外側バレル４２’の後端４６’とエンジンファンケース取付リング５２’との相対的な位置の柔軟性は、図４及び図５のナセルインレット２８’が、様々な異なる用途で使用されることを可能にする。それは、外側バレルの後端４６’が、エンジンファンケース取付リング５２’に対して最適な位置において配置されることも可能にする。更に、後方隔壁８０の角度が付けられた配向は、リップスキンの外側バレルの後端４６’からファンカウル２２への遷移が、エンジンファンケース取付リング５２’に対して、且つ、ナセルの残部に対して後方へ移動されることを可能にする。これは、ナセル上での空気の層流の継続距離を増加させ、抗力を低減させる。

また更に、後方隔壁８０の角度が付けられた配向は、後方隔壁における柔軟性、及び外側バレル４２’の後端４６’とエンジンファンケース取付リング５２’との間の柔軟性を提供する。エンジンファンケース取付リング５２’と外側バレル４２’の後端４８’との間の後方隔壁８０の角度が付けられた配向は、エンジンファンケース取付リング５２’から、後方隔壁８０を介して、外側バレル４２’の後端４６’へ伝達される力を減衰させる。

図６及び図７で表されているナセルインレット２８’の構造は、ナセルインレット構造内に含まれている後方隔壁８２によって、以前に説明された図３のナセルインレット２８の構造から異なる。

後方隔壁８２は、ナセルインレット２８’の内側で、外側バレル４２’とエンジンファンケース取付リング５２’との間に固定される。後方隔壁８２は、ナセルインレット２８’の円筒形状の構成の周りで延在する、管状の形状を有する。後方隔壁８２は、外側バレル４２’の後端４６’に連結された外側端９２を有する。再び、後方隔壁の外側端９２の接続は、外側バレルの後端４６’と直接的に行われており、図３で表されているＴリング７０に対する必要性及び費用を消去している。後方隔壁８２は、エンジンファンケース取付リング５２’に連結された円形の内側端９４も有する。図６及び図７で表されているように、後方隔壁８２は、後方隔壁の外側端９２と後方隔壁の内側端９４との間で延在する際に、実質的に湾曲した形状を有する。更に、後方隔壁８２は、後方隔壁がその内側端９４からその外側端９２まで延在する際に、ナセルインレット２８’に対して後方へ湾曲する。図６及び図７で表されている後方隔壁８２の湾曲した形状は、単に後方隔壁８２の湾曲を変更することによって、外側バレル４２’の後端４６’の相対的な位置が、エンジンファンケース取付リング５２’に対して移動されることを可能にする。外側バレル４２’の後端４６’とエンジンファンケース取付リング５２’との相対的な位置のこの柔軟性は、図６及び図７のナセルインレット２８’が、様々な異なる用途で使用されることを可能にする。それは、外側バレルの後端４６’が、エンジンファンケース取付リング５２’に対して最適な位置において配置されることも可能にする。更に、後方隔壁８２の湾曲した配向は、リップスキンの外側バレルの後端４６’からファンカウル２２への遷移が、エンジンファンケース取付リング５２’に対して、且つ、ナセルの残部に対して後方へ移動されることを可能にする。これは、ナセル上での空気の層流の継続距離を増加させ、抗力を低減させる。

また更に、後方隔壁８２の湾曲した配向は、後方隔壁における柔軟性、及び外側バレル４２’の後端４６’とエンジンファンケース取付リング５２’との間の柔軟性を提供する。エンジンファンケース取付リング５２’と外側バレル４２’の後端４６’との間の後方隔壁８２の湾曲した配向は、エンジンファンケース取付リング５２’から、後方隔壁８２を介して、外側バレル４２’の後端４６’へ伝達される力を減衰させる。

更に、本開示は下記の条項による実施形態を含む。
条項１
航空機エンジンのナセルインレットであって、
前記ナセルインレットの前端のリップスキン、
前記リップスキンから後方へ延在する、前記ナセルインレットの外装の外側バレル、
前記リップスキンから後方へ延在する、前記ナセルインレットの内装の内側バレル、及び
前記ナセルインレットの後方隔壁であって、前記外側バレルに連結された外側端及び前記内側バレルに連結された内側端を有し、前記外側端が前記内側端の後方に配置されている、後方隔壁を備える、ナセルインレット。
条項２
エンジンファンケース取付リングを更に備え、
前記後方隔壁の前記内側端が、前記エンジンファンケース取付リングに連結されており、
前記内側バレルが、前記エンジンファンケース取付リングに連結されており、
前記外側バレルが後端を有し、前記後方隔壁の前記外側端が前記外側バレルの前記後端に連結されており、前記後方隔壁の形状が、前記外側バレルの前記後端を前記エンジンファンケース取付リングの後方に配置する、条項１に記載のナセルインレット。
条項３
前記後方隔壁の後面が、前記後方隔壁の前記外側端と前記後方隔壁の前記内側端との間に延在する滑らかで連続的な表面である、条項２に記載のナセルインレット。
条項４
前記後方隔壁の後面が、前記後方隔壁の前記外側端と前記後方隔壁の前記内側端との間の窪んだ形状を有する、条項２に記載のナセルインレット。
条項５
前記後方隔壁の後面が、前記後方隔壁の前記外側端と前記後方隔壁の前記内側端との間の平坦な形状を有する、条項２に記載のナセルインレット。
条項６
前記後方隔壁の前記外側端が、前記エンジンファンケース取付リングの後方に配置されている、条項２に記載のナセルインレット。
条項７
前記後方隔壁の前記外側端が、前記外側バレルの前記後端と直接的に連結されている、条項２に記載のナセルインレット。
条項８
航空機エンジンのナセルインレットであって、
前記ナセルインレットの前端のリップスキンと、
前記ナセルインレットの外装の外側バレルであって、前記リップスキンから前記外側バレルの後端まで後方へ延在する、外側バレルと、
前記ナセルインレットの内装の内側バレルであって、前記リップスキンから前記内側バレルの後端まで後方へ延在する、内側バレルとを備え、
前記外側バレルの前記後端が、前記内側バレルの前記後端の後方に配置されている、ナセルインレット。
条項９
前記外側バレルの前記後端と前記内側バレルの前記後端との間に連結された後方隔壁を更に備える、条項８に記載のナセルインレット。
条項１０
前記後方隔壁が、前記外側バレルの前記後端に連結された外側端を有し、
前記後方隔壁が、前記内側バレルの前記後端に連結された内側端を有し、
前記後方隔壁の前記外側端が、前記後方隔壁の前記内側端の後方に配置されている、条項９に記載のナセルインレット。
条項１１
エンジンファンケース取付リングを更に備え、
前記後方隔壁の前記内側端が、前記エンジンファンケース取付リングに連結されており、
前記内側バレルが、前記エンジンファンケース取付リングに連結されており、
前記外側バレルが後端を有し、前記後方隔壁の前記外側端が前記外側バレルの前記後端に連結されており、前記後方隔壁の形状が、前記外側バレルの前記後端を前記エンジンファンケース取付リングの後方に配置する、条項１０に記載のナセルインレット。
条項１２
前記後方隔壁が後面を有し、
前記後方隔壁の前記後面が、前記外側バレルの前記後端と前記内側バレルの前記後端との間に延在する滑らかで連続的な表面である、条項９に記載のナセルインレット。
条項１３
前記後方隔壁が後面を有し、
前記後方隔壁の前記後面が、前記外側バレルの前記後端と前記内側バレルの前記後端との間の窪んだ形状を有する、条項９に記載のナセルインレット。
条項１４
前記後方隔壁が後面を有し、
前記後方隔壁の前記後面が、前記外側バレルの前記後端と前記内側バレルの前記後端との間の平坦な形状を有する、条項９に記載のナセルインレット。
条項１５
前記ナセルインレット上のエンジンファンケース取付リングを更に備え、
前記外側バレルの前記後端が、前記エンジンファンケース取付リングの後方に配置されている、条項８に記載のナセルインレット。
条項１６
前記ナセルインレット上のエンジンファンケース取付リングを更に備え、
前記後方隔壁が、前記エンジンファンケース取付リングに連結されている内側端を有する、条項９に記載のナセルインレット。
条項１７
前記エンジンファンケース取付リングが、前記内側バレルの前記後端に連結されている、条項１６に記載のナセルインレット。
条項１８
ファンのブレードが外れたことから、ナセルインレットの後方隔壁に及ぼされる力を吸収する方法であって、前記後方隔壁がバネリングを備えておらず、前記方法が、
前記後方隔壁の外側端を前記ナセルインレットの外側バレルに連結させること、及び前記後方隔壁の内側端を前記ナセルインレットの内側バレルに連結させることを含み、前記後方隔壁の外側端が前記後方隔壁の内側端の後方に配置される、方法。
条項１９
前記後方隔壁の前記外側端と前記後方隔壁の前記内側端との間の窪んだ形状を有する、前記後方隔壁の後面を形成することを更に含む、条項１８に記載の方法。
条項２０
前記後方隔壁の前記外側端と前記後方隔壁の前記内側端との間に延在する平坦な形状を有する、前記後方隔壁の後面を形成することを更に含む、条項１８に記載の方法。

本発明の範囲から逸脱せずに、本明細書中に記載され図示されたナセルインレットの製造及びその操作方法に様々な変更を加えることができるであろうから、先ほどの記述に含まれ、添付図面に示された全てのものは、限定というよりむしろ例示として解釈されたい。したがって、本開示の幅広さ及び範囲は、上記の例示的な実施形態のうちの任意のものによって限定されるべきではなく、本明細書に添付される以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物によってのみ規定されるべきである。

Claims

航空機エンジンのナセルインレット（２８’）であって、
前記ナセルインレット（２８’）の前端のリップスキン（４０’）と、
前記ナセルインレット（２８’）の外装の外側バレル（４２’）であって、前記リップスキン（４０’）から前記外側バレル（４２’）の後端（４６’）まで後方へ延在する、外側バレル（４２’）と、
前記ナセルインレット（２８’）の内装の内側バレル（４４’）であって、前記リップスキン（４０’）から前記内側バレル（４４’）の後端（４８’）まで後方へ延在する、内側バレル（４４’）とを備え、
前記外側バレル（４２’）の前記後端（４６’）が、前記内側バレル（４４’）の前記後端（４８’）の後方に配置されている、ナセルインレット（２８’）。
前記外側バレル（４２’）の前記後端（４６’）と前記内側バレル（４４’）の前記後端（４８’）との間に連結された後方隔壁（８０）を更に備える、請求項１に記載のナセルインレット（２８’）。
前記後方隔壁（８０）が、前記外側バレル（４２’）の前記後端（４６’）に連結された外側端（８４）を有し、
前記後方隔壁（８０）が、前記内側バレル（４４’）の前記後端（４８’）に連結された内側端（８６）を有し、
前記後方隔壁（８０）の前記外側端（８４）が、前記後方隔壁（８０）の前記内側端（８６）の後方に配置されている、請求項２に記載のナセルインレット（２８’）。
エンジンファンケース取付リング（５２’）を更に備え、
前記後方隔壁（８０）の前記内側端（８６）が、前記エンジンファンケース取付リング（５２’）に連結されており、
前記内側バレル（４４’）が、前記エンジンファンケース取付リング（５２’）に連結されており、
前記外側バレル（４２’）が後端（４６’）を有し、前記後方隔壁（８０）の前記外側端（８４）が前記外側バレル（４２’）の前記後端（４６’）に連結されており、前記後方隔壁（８０）の形状が、前記外側バレル（４２’）の前記後端（４６’）を前記エンジンファンケース取付リング（５２’）の後方に配置する、請求項３に記載のナセルインレット（２８’）。
前記後方隔壁（８０）が後面を有し、
前記後方隔壁（８０）の前記後面が、前記外側バレル（４２’）の前記後端（４６’）と前記内側バレル（４４’）の前記後端（４８’）との間の窪んだ形状を有する、請求項２から４のいずれか一項に記載のナセルインレット（２８’）。
前記ナセルインレット（２８’）上のエンジンファンケース取付リング（５２’）を更に備え、
前記外側バレル（４２’）の前記後端（４６’）が、前記エンジンファンケース取付リング（５２’）の後方に配置されている、請求項１から５のいずれか一項に記載のナセルインレット（２８’）。
前記ナセルインレット（２８’）上のエンジンファンケース取付リング（５２’）を更に備え、
前記後方隔壁（８０）が、前記エンジンファンケース取付リング（５２’）に連結されている内側端（８６）を有する、請求項２から６のいずれか一項に記載のナセルインレット（２８’）。
ファンのブレードが外れたことから、ナセルインレット（２８’）の後方隔壁（８０）に及ぼされる力を吸収する方法であって、前記後方隔壁（８０）がバネリングを備えておらず、前記方法が、
前記後方隔壁（８０）の外側端（８４）を前記ナセルインレット（２８’）の外側バレル（４２’）に連結させること、及び前記後方隔壁（８０）の内側端（８６）を前記ナセルインレット（２８’）の内側バレル（４４’）に連結させることを含み、前記後方隔壁（８０）の外側端（８４）が前記後方隔壁（８０）の内側端（８６）の後方に配置される、方法。
前記後方隔壁（８０）の前記外側端（８４）と前記後方隔壁（８０）の前記内側端（８６）との間の窪んだ形状を有する、前記後方隔壁（８０）の後面を形成することを更に含む、請求項８に記載の方法。
前記後方隔壁（８０）の前記外側端（８４）と前記後方隔壁（８０）の前記内側端（８６）との間に延在する平坦な形状を有する、前記後方隔壁（８０）の後面を形成することを更に含む、請求項８に記載の方法。