JP2017034198A - 超電導バルク体の積層固定構造および磁場発生装置 - Google Patents

超電導バルク体の積層固定構造および磁場発生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】小型かつ高磁場な超電導バルク体の積層固定方法および磁場発生装置を得ることにある。【解決手段】複数の超電導バルク体の積層固定構造であって、超電導バルク体毎に設けられるとともに超電導バルク体の外周に固定される固定リングは、ねじ部を有しており、積層の際に隣同士のバルク体は、隣同士の固定リングのねじ部同士を嵌合させることにより、積層固定される超電導バルク体の積層固定構造【選択図】 図2

Description

本発明は、磁場発生装置に関する。
NMR装置は、各原子の化学シフト量やスピン−スピン結合定数等、あらゆる有機化合物の構造解析上有用なデータを得ることができるもので、強磁界を使うほど詳細で情報量の多い分析が可能なことから、超電導材料を用いた磁石が利用されている。NMR装置は、静磁場を作る磁石、高周波パルスを発生しNMR信号を検出するコイル、NMR信号を受ける受信機およびシステムコントローラ等から構成される。磁石としては、超電導磁石が磁場の強度および安定性と均一性の点から優位である。NMR現象を利用して、組織や器官の中で起きている化学反応をそのままの状態で追跡し、例えば脳透視断層図を得るMRI装置は、このNMRの医療への応用の代表例である。
MRI装置は、静磁場発生手段である磁石、空間情報を信号に与えるための傾斜磁場、高周波電磁波照射系、NMR信号検出系、人体等の検査対象を取り巻き高周波の電磁波照射や信号検出を行うプローブコイル、これらを制御しかつ得られた信号を処理するコントローラ等から構成される。静磁場存在下に置かれた検査対象に高周波電磁波を照射し、得られたNMR信号により信号を発生している核種の空間分布を映像化するものである。このMRI装置は、放射線を使用しないことから安全であり、かつ十分な解像度が得られ、実用価値が極めて高いものである。
また磁場を利用した浄化装置の例として、固液分離等を目的として、細めの金網で編んだ網を通水分離膜として使用し、汚泥等の汚濁粒子を有する原水に凝集剤と磁性粉を添加して磁性フロックを生成し、磁性フロックを網で分離後、網で捕集した磁性フロックを磁場発生装置からの磁場で磁気分離、除去して高濃度スラッジを回収する磁気分離浄化装置がある。
また更に磁場を利用した誘導装置の例として、薬剤の誘導等を目的として、薬剤を磁性体と結合させる等により磁化させた後血管等に注入し、腫瘍等の患部に磁場発生装置からの磁場を当て薬剤を集中させる磁気誘導装置がある。
これらの技術に用いる磁場発生装置は、一般に磁場強度が高いほど感度や誘導のための磁気力等の性能が向上する。このため磁場発生装置の主磁場の形成に、ニオブ・チタンなどの金属系超電導線材による超電導コイルを使用した超電導磁石が用いられることがある。このコイルは液体ヘリウムを使って極低温に冷却して利用するため、高価な液体ヘリウムが多量に必要であり、運転コストが高くなるという問題があった。一方で、上記金属系超電導線材による超電導コイルを使用した超電導磁石を冷凍機で直接冷却する場合もある。この冷却方式では、液体ヘリウムが不要のために液溜めを除くことができ、冷凍機との熱伝導構造によっては装置を小型化することが可能である。しかし、冷凍機により超電導コイルを液体ヘリウム温度まで冷却する必要があるために、冷凍機が大型となり、かつ大量の電力が消費され、結果として冷凍機を含めた装置全体の大型化や運転コスト増加の問題があった。
小型かつ簡単な構成で強磁界を発生する手段として、従来の低温超電導体コイルによる超電導磁石に代わり、冷凍機で直接冷却する高温超電導バルク体を使用する装置がある。これは、真空断熱容器内に高温超電導バルク体を封入し、冷凍機により高温超電導バルク体を冷却して超電導磁石として用いる。高温超電導バルク体の材料としては、例えばその主成分をRE−Ba−Cu−Oで表せる酸化物超電導バルク体がある。ここで、REは、イットリウム(元素記号Y)、サマリウム(Sm)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、エルビウム(Er)、イッテルビウム(Yb)を表し、そのうち少なくとも1種または2種以上を合わせてなるものである。酸化物超電導体は、その結晶方位によって超電導特性に異方性があり、結晶軸のc軸に垂直な方向の臨界電流密度が他の結晶方位に比べて高い。このため結晶軸のc軸を磁束の向きに一方向に配向すると優れた磁場の捕捉ができる。しかし、c軸方向の結晶成長は制御が困難であるために、複数の超電導バルク体をc軸方向に複数積層して超電導バルク磁石として用いる。
積層方法としては、樹脂等による接着や、高温超電導バルク体の外周に設けられたリングにボルト穴加工を施し、リング間をネジ締結する方法がある。例えば、特許文献1では「熱伝導率の高い伝導部材17が2つの高温超伝導体20を保持し、かつ冷却部23に接触して2つの高温超伝導体20の温度を同一化するようになっている。」事が記載され、接着による積層方法が開示されている。
この高温超電導バルク体を用いた磁石は、従来のヘリウム冷却型の超電導磁石に比べて高い温度で超電導遷移するために、冷凍機の運転温度を高くすることが可能である。このため、ヘリウム冷却型の超電導磁石に比べ断熱構造の簡易化や小型冷凍機が採用できるメリットがある。また、低い冷凍能力でも冷却可能なために、ヘリウム冷却型の超電導磁石に比べて小型かつ運転コストの低い磁場発生装置にすることができる。このとき高温超電導バルク体を冷却する冷凍機は、一般的にヘリウムガスを作動媒体とする冷凍サイクルを運転するものであり、ヘリウムガスを圧縮・膨張する機構が内蔵されている。この冷凍機のタイプとしては、放熱側の圧縮機とコールドヘッド部で冷却を行う膨張機とを直結した圧縮機一体型と、両者を細管で連結しそれぞれを離したスプリット型がある。このうちのスプリット型は、ヘリウムガスが細管内を流動する際に圧力損失が生じるため、圧縮機一体型に比べ冷却効率が劣る。また、圧縮機と膨張機とを離しているために、一体型と比べて冷凍機が大型となる問題がある。これらの問題から、高温超電導バルク体の冷却装置としては、圧縮機一体型の冷凍機が望ましい。
特開2002−006021号公報
一般に高温超電導バルク体は、円柱または円筒形として高温超電導バルク体の臨界電流が大きい結晶a、b軸方向に電流が流れるように、円柱または円筒の軸方向が結晶c軸方向となるように用いる。このとき、軸方向に厚い高温超電導バルク体は製造が困難であるために、一般には薄い複数の高温超電導バルク体を軸方向に積層するが、高温超電導バルク体の体積を大きくするためには、真空断熱空間内で高温超電導バルク体の外径をなるべく大きくする必要がある。しかし、特許文献1に開示されている積層固定方法の一つに樹脂等による接着があるが、低温に冷却された際の熱応力や、高温超電導バルク体に磁場を発生させる際の電磁力により接着がはく離する問題があった。更に、接着に用いる材料は熱伝導率が高温超電導バルク体に比べて小さいために、接着層を厚くすると熱抵抗が大きくなり、高温超電導バルク体を所定の温度まで冷却できず、結果として発生させることのできる磁場が低くなるという問題があった。これらの問題を解決する方法として、高温超電導バルク体の外周に設けられた固定リングにネジ穴を設け、ボルトで固定する方法があるが、ボルトが入るネジ穴分のスペースが必要となり、高温超電導バルク体を大型化できない問題があった。
本発明の目的は、小型かつ高磁場な超電導バルク体の積層固定方法および磁場発生装置を得ることにある。
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、複数の超電導バルク体の積層固定構造であって、超電導バルク体毎に設けられるとともに超電導バルク体の外周に固定される固定リングは、ねじ部を有しており、積層の際に隣同士のバルク体は、隣同士の固定リングのねじ部同士を嵌合させることにより、積層固定される超電導バルク体の積層固定構造である。
本発明によれば、小型かつ高磁場な磁場発生装置を得ることができる。
本発明の第1の実施例での磁場発生装置1の構成を示す図である。 図1と同じ方向から見たバルク体2と固定リング5の断面拡大図を示す。 固定リング5aの外観側面図を示している。 磁場発生装置1の着磁作業のフローチャートを示す。 磁場発生装置1を着磁装置30に挿入した時の断面図である。 第2の実施例における磁場発生装置1のバルク体2および固定リング5を示す断面図である。 内側リング51、外側リング52の外観側面図を示す。 第1の実施例の磁場発生装置における、バルク体2の別の実施例を示した断面図である。
以下、本発明の実施の形態例に係る磁場発生装置について図を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施例での磁場発生装置1の構成を示す図である。
磁場発生装置1は、高温超電導バルク体(以下バルク体と記す)2に後述する着磁を行い冷却し続けることにより、磁場発生空間9に磁場を発生する磁場発生装置となる。
磁場発生装置は、バルク体2、冷凍機3、電源ユニット4、固定リング5、熱伝導体6、冷却ステージ7、真空容器8、磁場発生空間9、支持体10、排気ポート11、バルブ12を有している。
バルク体2は、後述する冷凍機3によって冷却することにより超電導永久磁石として働く。バルク体2の材料は、例えばその主成分をRE−Ba−Cu−Oで表せる酸化物超電導バルク体がある。ここで、REは、イットリウム(元素記号Y)、サマリウム(Sm)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、エルビウム(Er)、イッテルビウム(Yb)を表し、そのうち少なくとも1種または2種以上を合わせてなるものである。
絶対温度で90K以上の超電導遷移温度を持つイットリウム系、ネオジム系、サマリウム系などの酸化物超電導体を合成する際、原料をいったん融点よりも高く過熱して溶融し、再び凝固させるいわゆる溶融法で合成する。その際、粗大な結晶が成長し形成される高温超電導バルク体が得られる。超電導となる母相には絶縁相が微細に分散した組織が得られ、この分散層の存在に起因するピン止め点が磁束を捕捉して、超電導バルク体は擬似的な永久磁石として働く。超電導バルク体の合成には粒径50μm以下の銀が添加されることもある。銀は、超電導相の性能を大きく損なうことなく組織中に分散し、試料のき裂の伝播を抑制して機械的強度の向上や、融点を降下して結晶成長の促進を実現し、種結晶との温度差を与えてその融点を抑制して結晶方位に寄与させることができる。
酸化物超電導体は、その結晶方位によって超電導特性に異方性があり、結晶軸のc軸に垂直な方向の臨界電流密度が他の結晶方位に比べて高い。このため結晶軸のc軸を一方向に配向すると優れた磁場の捕捉ができる。したがって、高温超電導バルク体をその着磁する磁場方向にc軸を配向することで優れた捕捉磁場特性が得られる。
バルク体2は、円筒形状に加工され、外周を固定リング5で固定した後に、冷却ステージ7に固定される。なお、バルク体2に対する固定リング5の取り付け方法の詳細は、後述する。バルク体2に磁場を発生させる際、バルク体には内部に流れる電流と、外部磁場によりバルク体2の径方向外側に向かってローレンツ力が働く。したがって、固定リング5によってローレンツ力によるバルク体の破壊を防ぐ必要がある。このため、固定リング5の材質としては、バルク体2と同等以上の線膨張係数を有するものを用いることで、冷却時に固定リング5からバルク体2へ常に径方向中心に向かって圧縮応力がかかるため好適である。具体的な材質としては、ステンレスやアルミニウム等の金属や、強度の高い繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics、FRP)が良い。FRPに用いる繊維には、例えばアルミナやガラス繊維、炭素繊維等を用いる。
バルク体2を冷却する冷凍機3は、冷却端であるコールドヘッド3aと冷凍機本体3bからなる。冷凍機3は電源ユニット4により冷凍機本体3bへ電力を供給することによりコールドヘッド3aを冷却する。冷凍機3は、例えば圧縮機一体型のスターリング式冷凍機を用いることにより小型化できる。その他に、スプリット型のGMサイクル冷凍機や、ソルベイサイクル冷凍機、スターリング冷凍機、パルス管冷凍機等を用いても同様の効果が得られる。このときの冷凍機本体3bは、膨張機と圧縮機およびそれらを接続しヘリウムガスが循環する細管により構成される。このため、圧縮機一体型冷凍機に比べて装置の大型化や、細管の圧力損失による冷凍効率低下の問題がある。圧縮機放熱部は、空冷や水冷装置(図示せず)により放熱される。
冷凍機コールドヘッド3aには、熱伝導体6が接続される。熱伝動体6の材質には、低温で熱伝導率の大きい、例えば無酸素銅やアルミニウム等を用いることが好適である。その他にも、低温で動作するヘリウムガスを作動媒体としたヒートパイプ等の構造を用いることもできる。熱伝導体6は、支持体10を介して真空容器8と固定されている。
支持体10は、常温である真空容器8と低温に冷却されるバルク体2との間を支持する目的で設けられている。支持体10の材質は、低温側へ熱を伝えないようにするために、熱伝導率が小さいFRP等の材料を用いる必要がある。
真空容器8は、前述のように排気ポート11、バルブ12と図示しない真空ポンプとを接続し排気され、内部を真空断熱している。また、図示していないが、低温部分へ輻射熱の侵入を抑制するために、低温であるバルク体2、固定リング5、熱伝導体6、冷却ステージ7およびコールドヘッド3aと、常温である真空容器8との間に、スーパーインシュレータ(断熱シート)を積層させても良い。これにより、バルク体2を更に低温に維持できるため、超電導体へ流れる臨界電流密度を大きく取れるので、更に高磁場な磁場発生装置とすることができる。
バルク体2は、真空容器8内で支持体10により固定されている。またバルク体2は、図示しない真空ポンプにより真空容器8内部を排気することにより、大気側と真空断熱されている。バルク体2は、真空断熱空間内にて、冷凍機の冷却端であるコールドヘッド3aとの間で、熱伝導体6により熱的に接続され冷却される。
次に磁場発生装置1の固定リング5について図2を参照しながら説明する。
図2は、図1と同じ方向から見たバルク体2と固定リング5の断面拡大図を示す。
バルク体2は、中空円筒状のバルク体2aを、固定リング5aを焼き嵌めすることにより固定されている。バルク体2bと固定リング5b、バルク体2cと固定リング5cも同様の方法で固定されている。リングを焼き嵌めすることにより、バルク体2は固定リング5から常に圧縮応力がかかっている。
ここで、固定リング5aは、バルク体2aと焼き嵌めするための部位5x、を有するとともに、隣接して席奏されているバルク体2bと焼き嵌めされている固定リング5bと接続するための部位5yを有している。また、固定リング5bには、バルク体2bと焼き嵌めされている部位である5zを有している。バルク体2aと2bを積層して固定するために、本実施例においては、部位5yにおいて部位5zとの対向面、部位5zにおいて部位5yとの対向面に、ネジ部(おねじ部、めねじ部)が設けられる。具体的には、部位5yの固定リング5bの周方向に沿ってめねじ部が設けられ、部位5zには固定リング5aの周方向に沿っておねじ部が設けられ、これらのネジ部によってバルク体2aと2bを積層固定する。同様にして、バルク体2bと2c、2cと冷却ステージ7も、同様の機構によって固定されている。本実施例では、部位5yにはめねじ、部位5zにはおねじを設けたが、おねじ、めねじは逆に形成してもよい。このように、ねじ部を固定リング5の周方向に沿って設けることで、ボルト固定用の穴が不要になり、積層に使用する径方向長さであるΔrは、従来のボルトを用いた積層に比べて小さくすることができる。また、それぞれのバルク体を固定リングによってネジ固定できるために、バルク体間の面圧を制御することができる。
図3は、固定リング5aの外観側面図を示している。
部位5xの外周表面にはおねじが形成されている。一方、部位5yの内周面にはめねじが形成されている。他の固定リング5b、5cも同様の構成が採用される。
次に磁場発生装置1の着磁について図4と図5を参照しながら説明する。
図4は、磁場発生装置1の着磁作業のフローチャートを示す。
図5は、磁場発生装置1を着磁装置30に挿入した時の断面図である。
図5において、着磁装置30は、磁場発生のための電磁石31を有するとともに、磁場発生機1を挿入するための空間32を有している。
まず、着磁装置30において、着磁する磁場強度を設定しその磁場強度となるまで励磁する(S401)。着磁装置30は、例えば大型の超電導コイルによる電磁石31により構成されており、図示しない外部冷却装置により超電導遷移温度以下に冷却されている。超電導コイルに流れる電流を図示しない外部電源装置により制御することにより、図5中のBの向きに所定の静磁場を発生させることができる。また、発生させる磁場を空間的に均一にするために、超電導シムコイルにより磁場調整をするのが好ましい。超電導バルク体には、この着磁装置の励磁磁場以下の均一度で着磁されるため、着磁装置の磁場均一度は高い方が良く、例えばNMRやMRI等で使用する場合は、設定した磁場強度に対して磁場発生装置1を挿入する空間内の分布を数ppm程度以下にすることが望ましい。
次に、磁場発生装置1を着磁装置30に挿入する(S402)。着磁装置30の磁場中心部には、バルク体により高い磁場を着磁させるために4〜10テスラ程度の高い磁場を発生させる必要がある。このため、着磁装置30の端部空間において、数テスラの漏れ磁場が存在し、0.1テスラ以下の空間は端部から0.4m〜0.7m離れた位置となる。このとき、冷凍機3が圧縮機一体型のスターリングサイクル冷凍機や、スプリット型のGMサイクル冷凍機等の場合は、冷凍機本体3b内部に圧縮機や膨張機のモータが搭載されており、これらには鋼板や永久磁石が使用されているため、高い磁場空間内では運転できず、着磁装置端部磁場空間で運転しなければならない。また、内部に機械駆動部の無いスプリット型パルス管冷凍機や、ガスヘリウム等の冷媒を循環させる冷却の場合においても、接続のための細管が取り付けられ、これらが着磁装置内の空間には収まらないために、冷却装置は着磁装置30より外部に取り付ける必要がある。磁場発生装置1は、着磁装置30の磁場中心にバルク体2の中心が来るように配置し、必要に応じて着磁装置30に非磁性、例えばアルミニウムやFRP製の支持治具(図示せず)により固定する。これにより、後述するバルク体2の冷却が完了し、磁束がバルク体にトラップされた後、着磁装置30の磁場を消磁する際に、磁気力によって着磁装置30の中心に向かって磁場発生装置1が移動することを防ぐことができる。
次に、冷凍機3によりバルク体2を冷却する(S403)。冷却することにより、バルク体2が超電導化し、ピン止め力が働き内部に侵入している磁束をトラップさせる。
所定の温度までバルク体2を冷却した後に、着磁装置30を消磁する(S404)。このときの温度は、磁場発生装置1の最低到達温度に対して数K〜10K程度高いことが望ましい。これは、着磁後に最低到達温度まで過冷却させることにより、バルク体2の磁場の時間変動を抑えることができるためである。着磁装置30の磁場を消磁していくと、バルク体2の内部では、電磁誘導により、トラップした磁場を維持するように誘導電流が生じ、超電導電流として流れ続ける。このとき、着磁装置からの磁場が発生している状態でバルク体2へ誘導電流が流れるために、バルク体2には径方向外側へ向かってローレンツ力が発生する。このローレンツ力によるバルク体2の破壊を防ぐため、固定リング5は圧縮応力がかかった状態でバルク体2に固定し、かつこのローレンツ力に耐えられるようネジ部より内側の厚さを設計する必要がある。
着磁装置30の消磁が終わった後、磁場発生装置1を着磁装置30から取外し(S405)、着磁を完了する(S406)。バルク体2は、内部に流れる電流が臨界電流値以下であれば、もとの磁場をコピーしたようにトラップできる。本実施例のようにバルク体2が円筒形である場合は、磁場発生装置1における磁場発生空間9では、着磁装置からの均一な磁場が生成されており、例えばNMRやMRIに有用である。
本実施例によれば、それぞれのバルク体を固定リングによってネジ固定できるために、バルク体間の積層面での面圧を制御することができる。バルク体間の面圧が大きい方が熱抵抗を小さくすることができ、結果としてバルク体間の温度差を小さくすることができる。したがって、積層するバルク体同士の面圧を高く制御することによって、冷却ステージ7に近いバルク体2cと冷却ステージから遠いバルク体2aとの間の温度差が小さくなり、冷却ステージから遠いバルク体2aをより低い温度に冷却することが可能となる。これによって、バルク体2内部に流れることのできる臨界電流が増加し、より高磁場の磁場発生装置とすることができる。
さらに、バルク体2には微細に分散した絶縁相に起因したばらつきが存在する。したがって、設計上は固定リング5によってバルク体2の破壊を防止していても、複数のバルク体2の一部がローレンツ力により破壊することがある。このとき、本実施例によれば、バルク体2同士は固定リング5においてネジ止めで固定されているために、従来の接着による固定に比べて取外しが簡便であり、破壊したバルク体2の交換が容易である。
図6は、第2の実施例における磁場発生装置1のバルク体2および固定リング5を示す断面図である。
本実施例では、固定リング5を内側リング51と外側リング52の2重構造とし、それぞれのリングの接触部分にネジ部を設けバルク体2を積層し固定させる構造としている。
図7に、内側リング51、外側リング52の外観側面図を示す。
内側リング51の外周表面にはおねじが、外側リング52の内周面にはめじが設けられている。実施例1と同様、おねじ、めねじは互いに逆に形成されていてもよい。
また、このときの各部材の材質は、バルク体2、内側リング51、外側リング52の順番で線膨張係数の小さな材質を用いることによって、バルク体2に圧縮応力が加わるため、バルク体2がローレンツ力により破壊することを防ぐことができる。本実施例においても、内側リング51を焼き嵌めしてバルク体2と固定することで、バルク体2へ常に圧縮応力がかかった状態とすることができる。
このような構成とすることによって、内側リング51と外側リング52を別の材料により構成できる。例えば、内側リング51を熱伝導率の大きい無酸素銅とし、外側リング52をヤング率が大きいステンレスにすることによって、冷却ステージ7からバルク体2への熱抵抗が内側リング51により低減され、かつ外側リング52によりローレンツ力によるバルク体の破壊を防ぐことができる。また、固定リングとバルク体には、外側の真空容器から輻射により熱が流入する。このとき、固定リング52の側面からの侵入熱について考えると、内側リング51と外側リング52とはリングの周方向に切られたネジにより固定されている。これによって、両者の熱伝導経路は、ネジの山と谷での点または線接触のみであり、熱抵抗が大きくなる。したがって、侵入熱は主として積層方向に冷却ステージ7へ向かって伝わり、バルク体2の温度上昇を防ぐことができる利点もある。これによって、バルク体2をより低温に冷却し、更に高磁場を発生可能な磁場発生装置とすることができる。
図8は、第1の実施例の磁場発生装置における、バルク体2の別の実施例を示した断面図である。
本実施例では、バルク体2を円柱形に加工し、その円柱表面の磁場を用いる。実施例1および実施例2における中空円筒上のバルク体2においては、円筒形のバルク体2内部の磁場発生空間9で均一な磁場が生成されているのに対し、本実施例ではバルク体2表面から離れるに従って磁場が減衰し、磁場勾配が生じている。このような構成とすることによって、磁場発生空間9の勾配のある磁場空間を利用した、小型の磁気分離装置や磁気誘導装置を実現できる。なお、本実施例ではバルク体2の形状は円柱としているが、三角柱や四角柱等、中実の形状であれば同様の効果が得られる。このとき、固定リング5の内周側もバルク体2に合わせた形状とし、外周側はねじ固定できるよう円柱形とする必要がある。
なお、本実施例におけるバルク体2は、第1実施例および第2実施例に記載の固定リング5により積層、固定することができる。
1 磁場発生装置
2 超電導バルク体
3 冷凍機
3a 冷凍機コールドヘッド
3b 冷凍機本体
4 電源ユニット
5 固定リング
6 熱伝導体
7 冷却ステージ
8 真空容器
9 磁場発生空間
10 支持体
11 排気ポート
12 バルブ
30 着磁装置
51 内側リング
52 外側リング

Claims (7)

  1. 複数の超電導バルク体の積層固定構造であって、
    前記超電導バルク体毎に設けられるとともに前記超電導バルク体の外周に固定される固定リングは、ねじ部を有しており、積層の際に隣同士のバルク体は、前記隣同士の固定リングのねじ部同士を嵌合させることにより、積層固定される超電導バルク体の積層固定構造。
  2. 請求項1に記載の超電導バルク体の積層構造において、
    前記固定リングは、前記超電導バルク体の外周に固定するための第1の部位と、隣接する超電導体に固定された第1の部位と嵌合するための第2の部位を有しており、前記第1の部位および前記第2の部位は、リングの周方向にねじが切られる超電導バルク体の積層固定構造。
  3. 請求項2に記載の超電導バルク体の積層固定構造において、
    前記第1の部位には前記リングの外周側にねじ部が設けられ、前記第2の部位には前記リングの内周側にねじ部が設けられる超電導バルク体の積層固定構造。
  4. 複数の超電導バルク体の積層固定構造において、
    前記超電導バルク体毎に設けられるとともに、前記超電導バルク体のの外周に固定され前記リング外周に周方向にねじが切られた内側リングと、
    前記複数の前記超電導バルク体を前記内側リングを介して隣り合う超電導バルク体を積層固定するために、内周に周方向にねじが切られた外側リングとを有し、
    前記内側リングと前記外側リングとをネジ固定することで前記複数の超電導バルク体を積層固定する超電導バルク体の積層固定構造。
  5. 請求項4に記載の超電導バルク体の積層固定構造において、
    前記超電導バルク体、前記内側リング、前記外側リングの順に、線膨脹係数が小さい超電導バルク体の積層固定構造。
  6. 請求項4に記載の超電導バルク体の積層固定構造において、
    前記内側リングのヤング率は、前記外側リングのヤング率よりも小さい超電導バルク体の積層固定構造。
  7. 請求項1または請求項4に記載の超電導バルク体の積層固定構造によって形成された超電導バルク体に定常磁場を発生させる磁場発生装置であって、
    前記超電導バルク体を冷却する冷却装置と、前記超電導バルク体と前記冷却装置とを熱的に接続する熱伝導体と、それらを内部に収納し、真空断熱する真空容器からなる磁場発生装置。
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