以下、添付図面を参照して、実施の形態について説明する。図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。また、図2は、スロットマシンの内部構造を示す図である。また、図3は、可変表示装置を構成する各リール上における図柄の配列を示す図である。また、図4は、スロットマシンの制御回路の全体構成を示すブロック図である。
スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筺体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。
スロットマシン1の筐体1a内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ、「リプa(たとえば、左リール2Lの領域番号21)」、「メロンa(たとえば、左リール2Lの領域番号20)」、「白7(たとえば、左リール2Lの領域番号19の図柄)」、「ベルa(たとえば、左リール2Lの領域番号17)」、「メロンb(たとえば、左リール2Lの領域番号15)」、「イチゴ(たとえば、左リール2Lの領域番号14)」、「ベルb(たとえば、左リール2Lの領域番号13)」、「リプb(たとえば、左リール2Lの領域番号12)」、「黒7(たとえば、左リール2Lの領域番号11の図柄)」、「星7(たとえば、左リール2Lの領域番号2の図柄)」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順番で、21個描かれている。
リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。また、リール2L、2C、2Rの図柄が描かれた部分以外は白色であり、高い透過率で光を透過するようになっており、図柄が描かれた部分についても、その図柄の色彩に応じて光を透過するようになっている。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32R(図2、図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から白色光で照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する9つのLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてその範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
本実施の形態では、規定数の賭数として、全ての遊技状態において「3」が定められている。
また、前面扉1bには、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリール2L、2C、2Rの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリール2L、2C、2Rの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
また、図4に示すように、前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するRAM異常エラーを除くエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられたホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、リール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)、リールLED55からなるリールユニット、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、起動時に設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはRAM異常エラーを除くエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
スロットマシン1においてゲームを行なう場合には、先ず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。
遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために予め設定されているラインである。本実施の形態では、図1に示すように、1種類の入賞ラインL1のみが入賞ラインとして定められている。
入賞ラインL1は、左リール2Lの中段、中リール2Cの中段、右リール2Rの中段、すなわち中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインである。なお、入賞ラインは、L1に示すラインに限らず、複数の入賞ラインを含んでいてもよい。たとえば、入賞ラインは、左リール2Lの上段、中リール2Cの上段、右リール2Rの上段、すなわち上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2と、左リール2Lの上段、中リール2Cの中段、右リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3と、左リール2Lの下段、中リール2Cの中段、右リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4と、左リール2Lの下段、中リール2Cの下段、右リール2Rの下段、すなわち下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5とを含んでいてもよい。
規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化された入賞ラインL1上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。また、有効化された入賞ラインL1上に、遊技状態の移行を伴なう図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリール2L、2C、2Rの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、その結果として当該図柄から6コマ先までの図柄を上段に表示させることができる。すなわち、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうちのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリール2L、2C、2Rの下段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ラインL1上に表示させることができる。
[スロットマシンの構成]
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、クレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行なうメイン制御部41、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数回路42、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行なうモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行なうソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行なうLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行なうとともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブルなどの固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域などとして使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メインCPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断処理(メイン)を実行し、一定時間間隔ごとにタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
電断処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAM41cに退避させる処理が行なわれる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。
次いで、全出力ポートを初期化した後、RAM41cに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行なわないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。
このように電断処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納されるようになっており、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAM41cに格納されているデータが正常か否かを確認できるようになっている。
次に、リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させるとともに、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行なわなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。ここで、遊技制御基板40から演出制御基板90へは、たとえば、ダイオードやトランジスタなどの単方向性回路などを用いて、一方向(遊技制御基板40から演出制御基板90への方向)のみにしか信号が通過できないように構成されている。そのため、遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンド送信は、シリアル通信にて行なわれる。なお、遊技制御基板40と演出制御基板90とは、直接接続される構成に限らず、たとえば、中継基板を介して接続されるように構成してもよい。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、およびリールLED55などの電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。また、演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
なお、本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、およびリールLED55などの演出装置の出力制御が行なわれる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行なう出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行なう構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行なわれることとなる。
また、本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、およびリールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、たとえば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行なうサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行なう表示制御回路92、演出効果LED52、およびリールLED55の駆動制御を行なうLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行なう音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ回路96、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路など、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行なうための各種の制御を行なうとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブ制御部91の割込端子の1つは、コマンド伝送ラインのうち、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、サブCPU91aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させて、メイン制御部41からのコマンドを取得し、バッファに格納する。また、サブCPU91aは、クロック入力数が一定数に到達するごと、すなわち一定間隔ごとに割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91の割込端子の1つは、電断検出回路98と接続されており、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断処理(サブ)を実行する。また、サブCPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させるようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
[設定値について]
スロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、スロットマシン1の電源がON状態である場合には一旦OFF状態にし、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24に設定値の初期値として1が表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更モードに移行する。設定変更モードにおいて、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された設定値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると設定値が確定し、確定した設定値がメイン制御部41のRAM41cに格納される。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、賭数を設定することによりゲームが開始可能となる状態に移行する。なお、スロットマシン1の電源がON状態である場合に一旦OFF状態にする操作、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をON状態にする操作、リセット/設定スイッチ38の操作、および設定値を確定させるためのスタートスイッチ7の操作など、設定値を設定するために必要な操作を設定変更操作という。なお、設定変更操作は、このような操作に限るものではなく、設定値を設定するための操作であればどのようなものであってもよい。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をON状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をON状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をOFF状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
[電断処理について]
本実施の形態におけるスロットマシン1においては、メインCPU41aが電断検出回路48からの電圧低下信号を検出した際に、電断処理(メイン)を実行する。電断処理(メイン)では、レジスタを後述するRAM41cのスタックに退避し、RAM41cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行なうようになっている。なお、RAMパリティとはRAM41cの該当する領域の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、メインCPU41aは、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメインCPU41aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。なお、RAM異常エラー状態は、他のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
なお、本実施の形態では、RAM41cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メインCPU41aは、電源投入時においてRAM41cのデータが正常であると判定した場合に、RAM41cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM41cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としてもよい。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であればよく、たとえば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
また、サブCPU91aも電断検出回路98からの電圧低下信号を検出した際に、電断処理(サブ)を実行する。電断処理(サブ)では、レジスタを後述するRAM91cのスタックに退避し、RAM91cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データを格納するとともに、RAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM91cに格納する処理を行なうようになっている。
そして、サブCPU91aは、その起動時においてRAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算し、RAMパリティが0であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブCPU91aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、メインサブCPU91aと異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
なお、本実施の形態では、RAM91cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、サブCPU91aは、電源投入時においてRAM91cのデータが正常であると判定した場合に、RAM91cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM91cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としてもよい。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であればよく、入力ポートの状態や、演出が途中で中断された場合の途中経過などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。たとえば、RT0〜3の何れであるかなどの遊技状態を示すデータのみをバックアップするとともに、遊技状態に対応する演出以外の特定の演出(小役告知など)の実行中に電断が発生した場合に、次回電源投入時において電断時に実行されていた特定の演出を再開するのではなく、電源投入時においてバックアップされている遊技状態に対応する演出を最初から実行するようにしてもよい。
[入賞役、遊技状態の遷移]
図5〜7は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。また、図8は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図である。
本実施の形態におけるスロットマシンは、図8に示すように、メイン制御部41により、RT0(準備遊技状態)、RT1(通常遊技状態)、RT2(有利遊技状態)、およびRT3(高有利遊技状態)のうち、いずれかに制御される。
RT0とは、内部抽選の当選確率の設定値を変更する設定変更後に移行し、再遊技役に当選する確率が最も低い遊技状態である。なお、再遊技役とは、入賞することによってメダルを消費することなく次のゲームを遊技することが可能な役である。そのため、再遊技役に当選する確率が高いほど、遊技者にとって有利となる。RT1とは、RT0から直接移行可能であり、RT0よりも再遊技役に当選する確率が高い遊技状態である。RT2とは、RT0から移行不可能でかつRT1から移行可能であり、RT0およびRT1よりも再遊技役に当選する確率が高い遊技状態である。つまり、RT2は、RT0およびRT1よりも遊技者にとって有利度合いの高い遊技状態である。RT3とは、RT2からのみ移行可能であり、最も再遊技役に当選する確率が高い遊技状態である。
RT0においては、後述するベルこぼし目が導出された場合に、遊技状態がRT1に移行する。なお、ベルこぼし目とは、後述するベル役に当選したゲームにおいて、遊技者によるストップスイッチの押し順に応じてベル役を入賞させることができなかったときに導出されるはずれ目である。
RT1においては、後述する中段リプに入賞した場合に、遊技状態がRT2に移行する。なお、中段リプは、昇格リプとも称される。また、RT0からRT2へは直接移行することができないようになっており、一旦RT1を経由しない限りはRT2へ移行できないようになっている。しかも、RT0からRT1へ移行するためには、ベルこぼし目を導出させる必要があり、導出させることができない場合は、いつまでもRT1に移行することができないようになっている。そのため、この場合、有利度合いの高いRT2やRT3への移行もできないようになっている。
RT2においては、後述する有利役1に入賞した場合に、遊技状態がRT3に移行する。また、RT2においては、ベルこぼし目が導出された場合に、遊技状態がRT1に移行する。さらに、RT2においては、後述する上段リプまたは下段リプに入賞した場合に、遊技状態がRT1に移行する。なお、上段リプおよび下段リプは、転落リプとも称される。
RT3においては、ベルこぼし目が導出された場合に、遊技状態がRT1に移行する。さらに、RT3においては、上段リプまたは下段リプに入賞した場合に、遊技状態がRT1に移行する。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1は、サブ制御部91により、内部抽選結果を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATと称する)に演出状態を制御可能となっている。本実施の形態においては、たとえば、ATに制御されることによって、後述する図13の押し順ベル(左ベル、中ベル、および右ベル)および図14に示す押し順リプ(押し順リプ1〜6)のうちのいずれかに当選したゲームにおいて、当選した役に対応する押し順を少なくとも報知するナビ演出を実行する。なお、本実施の形態においては、RT0〜3の遊技状態においてATへの制御が可能となっている。
図5に示すように、入賞役のうち有利役には、有利役1〜3が含まれる。
有利役1は、入賞ラインL1に「白7−白7−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。有利役1は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、有利役1を構成する左リール2Lの図柄(「白7」)は、左リール2Lにおいて5コマ以内に配置されていないためである。なお、有利役1を入賞させることができなくても、同時当選している後の斜めリプ(リプ37〜44)のいずれかには必ず入賞できるようになっている。
有利役1に入賞すると、メダルを消費することなく次のゲームを遊技することができる。また、有利役1に当選すると、後述するAT抽選においてナビストック数抽選およびATゲーム数抽選が行なわれる。さらに、RT2において有利役1に当選すると、有利役1または斜めリプ(リプ37〜44)のいずれかに入賞してRT3に移行するとともにARTとなる。なお、ARTとは、RT3でATに制御される状態のことをいう。
有利役2は、入賞ラインL1に「黒7−黒7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。有利役2は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、有利役2を構成する左リール2Lの図柄(「黒7」)は、左リール2Lにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
有利役2に入賞すると、メダルを消費することなく次のゲームを遊技することができる。なお、有利役2は、AT中にのみ当選して入賞することが可能であり、入賞時にはATゲーム数(制御中のATのゲーム数)が30ゲーム上乗せされる。
有利役3は、入賞ラインL1に「星7−星7−星7」の組合せが揃ったときに入賞となる。有利役3は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、有利役3を構成する左リール2Lの図柄(「星7」)は、左リール2Lにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
有利役3に入賞すると、メダルを消費することなく次のゲームを遊技することができる。なお、有利役3は、AT中にのみ当選して入賞することが可能であり、入賞時にはATゲーム数が50ゲーム上乗せされる。
入賞役のうちイチゴ役には、イチゴ1が含まれる。
イチゴ1は、入賞ラインL1に「イチゴ−any−リプa/白7/黒7/星7」の組合せが揃ったときに入賞となる。「any」とは、いずれの図柄でもよいという意味である。また、右リールの「リプa/白7/黒7/星7」は、リプa、白7、黒7、および星7のいずれが停止されても入賞図柄を構成するという意味である。イチゴ1は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、イチゴ1を構成する左リール2Lの図柄(「イチゴ」)は、左リール2Lにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
イチゴ1に入賞すると、メダルが2枚払い出される。また、イチゴ1に当選すると、AT抽選においてナビストック数抽選およびATゲーム数抽選が行なわれる。なお、イチゴ1に入賞したときには、左リール2Lの中段にイチゴが停止する。そのため、イチゴ1を中段イチゴとも称する。
入賞役のうちメロン役には、メロン1〜16が含まれる。
メロン1は、入賞ラインL1に「リプa−メロンb(3番)−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。メロン2は、入賞ラインL1に「リプa−メロンa(11番)−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。メロン3は、入賞ラインL1に「黒7−メロンb(3番)−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。メロン4は、入賞ラインL1に「黒7−メロンa(11番)−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。メロン5は、入賞ラインL1に「リプa−メロンb(6番)−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。メロン6は、入賞ラインL1に「リプa−メロンa(14番)−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。メロン7は、入賞ラインL1に「黒7−メロンb(6番)−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。メロン8は、入賞ラインL1に「黒7−メロンa(14番)−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。メロン1〜8は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、メロン1を構成する中リール2Cの図柄(「メロンb(3番)」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
なお、メロン1とメロン5、メロン2とメロン6、メロン3とメロン7、およびメロン4とメロン8の組合せは、それぞれ中リール2Cの図柄が同じ種類の番号違いである点で異なるだけで、他の図柄構成は同じである。よって、入賞時における入賞ラインL1上の表示結果および右上斜めのライン上における表示結果は見た目上全く同じになる。そのため、全体に導出された表示結果(特に、中リール2Cの上段および下段の図柄)をよく確認しないと、遊技者がいずれの入賞役であるかを見分けることは難しくなっている。なお、このように、導出された表示結果がある一部の箇所(本実施の形態においては、入賞ラインL1上の表示結果、右上斜めにおける表示結果、下段における表示結果)が共通することで、遊技者がいずれの役が入賞したのかを認識できない表示結果を共通表示結果と称する。
メロン1〜8のいずれかに入賞すると、メダルが3枚払い出される。また、メロン1〜8のいずれかに当選すると、AT抽選においてナビストック数抽選およびATゲーム数抽選が行なわれる。なお、メロン1〜8のいずれかに入賞したときには、右上斜め(左リール2Lの下段、中リール2Cの中段、右リール2Rの上段のライン)に3連メロンが停止する。
メロン9は、入賞ラインL1に「リプa−ベルa(4番)−リプa」の組合せが揃ったときに入賞となる。メロン10は、入賞ラインL1に「リプa−ベルa(12番)−リプa」の組合せが揃ったときに入賞となる。メロン11は、入賞ラインL1に「黒7−ベルa(4番)−リプa」の組合せが揃ったときに入賞となる。メロン12は、入賞ラインL1に「黒7−ベルa(12番)−リプa」の組合せが揃ったときに入賞となる。メロン13は、入賞ラインL1に「リプa−ベルa(7番)−リプa」の組合せが揃ったときに入賞となる。メロン14は、入賞ラインL1に「リプa−ベルa(15番)−リプa」の組合せが揃ったときに入賞となる。メロン15は、入賞ラインL1に「黒7−ベルa(7番)−リプa」の組合せが揃ったときに入賞となる。メロン16は、入賞ラインL1に「黒7−ベルa(15番)−リプa」の組合せが揃ったときに入賞となる。メロン9〜16は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、メロン9を構成する中リール2Cの図柄(「ベルa(4番)」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
なお、メロン9とメロン13、メロン10とメロン14、メロン11とメロン15、およびメロン12とメロン16は、それぞれ中リール2Cの図柄が同じ種類の番号違いである点で異なるだけで、他の図柄構成は同じである。よって、入賞時における入賞ラインL1上の表示結果および下段のライン上における表示結果は見た目上全く同じになる。そのため、全体に導出された表示結果(特に、中リール2Cの上段および下段の図柄)をよく確認しないと、遊技者がいずれの入賞役であるかを見分けることは難しくなっている。
メロン9〜16のいずれかに入賞すると、メダルが3枚払い出される。また、メロン9〜16のいずれかに当選すると、AT抽選においてナビストック数抽選およびATゲーム数抽選が行なわれる。なお、メロン9〜16のいずれかに入賞したときには、下段(左リール2Lの下段、中リール2Cの下段、右リール2Rの下段のライン)に3連メロンが停止する。
なお、メロン1〜16は、後述する図9に示す抽選対象役のように、弱メロンまたは強メロンにおいて同時当選するようになっている。そのため、左リール2Lと右リール2Rの図柄については、ストップスイッチ8L、8C、8Rをいずれのタイミングで操作しても入賞ラインL1上に引き込むことが可能となっている。よって、弱メロンまたは強メロンが当選しているゲームにおいては、3つのリール2L、2C、2Rのうち、左リール2L、右リール2R、中リール2Cの順に停止操作(挟み押しとも称する)した場合、最終停止の中リール2Cにメロンの図柄を引き込めるか否かによってメロン役に入賞可能か否かが決まる。なお、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの順に停止操作(順押しとも称する)した場合には、最終停止の右リール2Rを目押しすることによって、メロン役の入賞図柄を入賞ラインL1上に引き込むことが必要である。
図6に示すように、入賞役のうちベル役には、ベル1〜48が含まれる。
ベル1は、入賞ラインL1に「ベルa−ベルa−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル2は、入賞ラインL1に「ベルa−ベルa−ベルb」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル3は、入賞ラインL1に「ベルa−ベルb−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル4は、入賞ラインL1に「ベルa−ベルb−ベルb」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル5は、入賞ラインL1に「ベルb−ベルb−ベルb」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル6は、入賞ラインL1に「ベルb−ベルb−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル7は、入賞ラインL1に「ベルb−ベルa−ベルb」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル8は、入賞ラインL1に「ベルb−ベルa−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。
ベル1〜8は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、ベル1を構成する左リール2Lの図柄(「ベルa」)は、左リール2Lにおいて5コマ以内に配置されていないためである。なお、ベル1〜8の中から選択された同時当選する組合せによっては、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、いずれかのベル役が入賞するようになっている。
ベル1〜8のいずれかに入賞すると、メダルが9枚払い出される。なお、ベル1〜8のいずれかに入賞したときには、中段に3連ベルが停止する。そのため、ベル1〜8を中段ベルとも称する。
ベル9は、入賞ラインL1に「リプa−メロンa−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル10は、入賞ラインL1に「リプa−メロンa−星7」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル11は、入賞ラインL1に「リプa−メロンa−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル12は、入賞ラインL1に「リプa−メロンa−イチゴ」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル13は、入賞ラインL1に「リプa−メロンb−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル14は、入賞ラインL1に「リプa−メロンb−星7」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル15は、入賞ラインL1に「リプa−メロンb−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル16は、入賞ラインL1に「リプa−メロンb−イチゴ」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル17は、入賞ラインL1に「リプa−白7−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル18は、入賞ラインL1に「リプa−白7−星7」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル19は、入賞ラインL1に「リプa−白7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル20は、入賞ラインL1に「リプa−白7−イチゴ」の組合せが揃ったときに入賞となる。
ベル21は、入賞ラインL1に「リプb−メロンa−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル22は、入賞ラインL1に「リプb−メロンa−星7」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル23は、入賞ラインL1に「リプb−メロンa−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル24は、入賞ラインL1に「リプb−メロンa−イチゴ」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル25は、入賞ラインL1に「リプb−メロンb−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル26は、入賞ラインL1に「リプb−メロンb−星7」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル27は、入賞ラインL1に「リプb−メロンb−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル28は、入賞ラインL1に「リプb−メロンb−イチゴ」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル29は、入賞ラインL1に「リプb−白7−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル30は、入賞ラインL1に「リプb−白7−星7」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル31は、入賞ラインL1に「リプb−白7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル32は、入賞ラインL1に「リプb−白7−イチゴ」の組合せが揃ったときに入賞となる。
ベル9〜32は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、ベル9を構成する左リール2Lの図柄(「リプa」)は、左リール2Lにおいて5コマ以内に配置されていないためである。なお、ベル9〜32の中から選択された同時当選する組合せによっては、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、いずれかの役が入賞するようになっている。
ベル9〜32のいずれかに入賞すると、メダルが2枚払い出される。なお、ベル9〜32のいずれかに入賞したときには、上段に3連ベルが停止する。そのため、ベル9〜32を上段ベルとも称する。
ベル33は、入賞ラインL1に「白7(18番)−リプa−メロンa」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル34は、入賞ラインL1に「白7(18番)−リプa−リプb」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル35は、入賞ラインL1に「白7(18番)−リプb−メロンa」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル36は、入賞ラインL1に「白7(18番)−リプb−リプb」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル37は、入賞ラインL1に「イチゴ(14番)−リプa−メロンa」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル38は、入賞ラインL1に「イチゴ(14番)−リプa−リプb」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル39は、入賞ラインL1に「イチゴ(14番)−リプb−メロンa」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル40は、入賞ラインL1に「イチゴ(14番)−リプb−リプb」の組合せが揃ったときに入賞となる。
ベル41は、入賞ラインL1に「メロンa(7番、10番)−リプa−メロンa」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル42は、入賞ラインL1に「メロンa(7番、10番)−リプa−リプb」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル43は、入賞ラインL1に「メロンa(7番、10番)−リプb−メロンa」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル44は、入賞ラインL1に「メロンa(7番、10番)−リプb−リプb」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル45は、入賞ラインL1に「星7−リプa−メロンa」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル46は、入賞ラインL1に「星7−リプa−リプb」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル47は、入賞ラインL1に「星7−リプb−メロンa」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル48は、入賞ラインL1に「星7−リプb−リプb」の組合せが揃ったときに入賞となる。
ベル33〜48は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、ベル33を構成する左リール2Lの図柄(「白7(18番)」)は、左リール2Lにおいて5コマ以内に配置されていないためである。なお、ベル33〜48の中から選択された同時当選する組合せによっては、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、いずれかの役が入賞するようになっている。
ベル33〜48のいずれかに入賞すると、メダルが2枚払い出される。なお、ベル33〜48のいずれかに入賞したときには、下段に3連ベルが停止する。そのため、ベル33〜48を下段ベルとも称する。
図7に示すように、入賞役のうち再遊技役には、リプ1〜44が含まれる。
リプ1は、入賞ラインL1に「リプa−リプa−リプa」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ2は、入賞ラインL1に「リプa−リプa−リプb」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ3は、入賞ラインL1に「リプa−リプb−リプa」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ4は、入賞ラインL1に「リプa−リプb−リプb」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ5は、入賞ラインL1に「リプb−リプb−リプb」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ6は、入賞ラインL1に「リプb−リプb−リプa」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ7は、入賞ラインL1に「リプb−リプa−リプb」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ8は、入賞ラインL1に「リプb−リプb−リプb」の組合せが揃ったときに入賞となる。
リプ1〜8は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、リプ1を構成する左リール2Lの図柄(「リプa」)は、左リール2Lにおいて5コマ以内に配置されていないためである。なお、リプ1〜8の中から選択された同時当選する組合せによっては、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、いずれかの役が入賞するようになっている。
リプ1〜8のいずれかに入賞すると、メダルを消費することなく次のゲームを遊技することができる。なお、リプ1〜8のいずれかに入賞したときには、中段に3連リプが停止する。そのため、リプ1〜8を中段リプとも称する。
リプ9は、入賞ラインL1に「メロンa(7番、10番)−ベルb−メロンa」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ10は、入賞ラインL1に「メロンa(7番、10番)−ベルb−ベルb」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ11は、入賞ラインL1に「メロンa(7番、10番)−ベルa−メロンa」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ12は、入賞ラインL1に「メロンa(7番、10番)−ベルa−ベルb」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ13は、入賞ラインL1に「メロンb−ベルb−メロンa」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ14は、入賞ラインL1に「メロンb−ベルb−ベルb」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ15は、入賞ラインL1に「メロンb−ベルa−メロンa」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ16は、入賞ラインL1に「メロンb−ベルa−ベルb」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ17は、入賞ラインL1に「黒7−ベルb−メロンa」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ18は、入賞ラインL1に「黒7−ベルb−ベルb」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ19は、入賞ラインL1に「黒7−ベルa−メロンa」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ20は、入賞ラインL1に「黒7−ベルa−ベルb」の組合せが揃ったときに入賞となる。
リプ9〜20は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、リプ9を構成する左リール2Lの図柄(「メロンa(7番、10番)」)は、左リール2Lにおいて5コマ以内に配置されていないためである。なお、リプ9〜20の中から選択された同時当選する組合せによっては、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、いずれかの役が入賞するようになっている。
リプ9〜20のいずれかに入賞すると、メダルを消費することなく次のゲームを遊技することができる。なお、リプ9〜20のいずれかに入賞したときには、上段に3連リプが停止する。そのため、リプ9〜20を上段リプとも称する。
リプ21は、入賞ラインL1に「ベルa−イチゴ(17番)−イチゴ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ22は、入賞ラインL1に「ベルa−イチゴ(17番)−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ23は、入賞ラインL1に「ベルa−イチゴ(17番)−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ24は、入賞ラインL1に「ベルa−イチゴ(17番)−星7」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ25は、入賞ラインL1に「ベルa−メロンb(6番)−イチゴ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ26は、入賞ラインL1に「ベルa−メロンb(6番)−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ27は、入賞ラインL1に「ベルa−メロンb(6番)−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ28は、入賞ラインL1に「ベルa−メロンb(6番)−星7」の組合せが揃ったときに入賞となる。
リプ29は、入賞ラインL1に「ベルb−イチゴ(17番)−イチゴ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ30は、入賞ラインL1に「ベルb−イチゴ(17番)−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ31は、入賞ラインL1に「ベルb−イチゴ(17番)−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ32は、入賞ラインL1に「ベルb−イチゴ(17番)−星7」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ33は、入賞ラインL1に「ベルb−メロンb(6番)−イチゴ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ34は、入賞ラインL1に「ベルb−メロンb(6番)−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ35は、入賞ラインL1に「ベルb−メロンb(6番)−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ36は、入賞ラインL1に「ベルb−メロンb(6番)−星7」の組合せが揃ったときに入賞となる。
リプ21〜36は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、リプ21を構成する左リール2Lの図柄(「ベルa」)は、左リール2Lにおいて5コマ以内に配置されていないためである。なお、リプ21〜36の中から選択された同時当選する組合せによっては、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、いずれかの役が入賞するようになっている。
リプ21〜36のいずれかに入賞すると、メダルを消費することなく次のゲームを遊技することができる。なお、リプ21〜36のいずれかに入賞したときには、下段に3連リプが停止する。そのため、リプ21〜36を下段リプとも称する。
リプ37は、入賞ラインL1に「ベルa−リプa−ベルb」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ38は、入賞ラインL1に「ベルa−リプa−メロンa」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ39は、入賞ラインL1に「ベルa−リプb−ベルb」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ40は、入賞ラインL1に「ベルa−リプb−メロンa」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ41は、入賞ラインL1に「ベルb−リプa−ベルb」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ42は、入賞ラインL1に「ベルb−リプa−メロンa」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ43は、入賞ラインL1に「ベルb−リプb−ベルb」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプ44は、入賞ラインL1に「ベルb−リプb−メロンa」の組合せが揃ったときに入賞となる。
リプ37〜44は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、リプ37を構成する左リール2Lの図柄(「ベルa」)は、左リール2Lにおいて5コマ以内に配置されていないためである。なお、リプ37〜44の中から選択された同時当選する組合せによっては、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、いずれかの役が入賞するようになっている。
リプ37〜44のいずれかに入賞すると、メダルを消費することなく次のゲームを遊技することができる。なお、リプ37〜44のいずれかに入賞したときには、斜めに3連リプが停止する。そのため、リプ37〜44を斜めリプとも称する。なお、リプ37〜44は、有利役1と同時当選するようになっている。そのため、有利役1を取りこぼした場合は、必ずリプ37〜44のいずれかが入賞するようになっている。
[抽選対象役の組合せ]
本実施の形態においては、内部抽選において所定の判定値数に基づき抽選対象役が読み出される。判定値数の情報は、設定値1〜6ごとにROM41bに格納されている。
なお、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、たとえば、判定値数として「495」が設定されている抽選対象役の当選確率は、495/65536となる。
また、スロットマシン1においては、抽選対象役として複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。以下では、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
たとえば、図9は、メロン役に関する抽選対象役について説明するための図である。図9に示すように、メロン役に関する抽選対象役としては、弱メロン、および強メロンが設けられている。
弱メロンとは、メロン1〜16を読み出す抽選対象役をいう。強メロンとは、メロン1〜16およびベル23を読み出す抽選対象役をいう。なお、ベル23は、弱メロンと強メロンとを区別するための制御用の役であり、当選してもメロン1〜16を優先して入賞させるため、ベル23は入賞しないようになっている。
[内部抽選]
次に、内部抽選について詳細に説明する。内部抽選は、上記した各入賞役の発生を許容するか否か、すなわち入賞役を発生させる図柄組合せを入賞ラインL1に揃える制御を行なうことを許容するか否かを、可変表示装置の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7操作時に)、決定するものである。内部抽選では、乱数回路42から内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)を取得する。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態と、リセット/設定スイッチ38により設定された設定値に応じて定められた各入賞役の判定値数に応じて行なわれる。
本実施の形態においては、各役および役の組合せの判定値数から、有利役、小役、ベル役、および再遊技役などが当選する判定値の範囲が特定されるようになっている。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役または役の組合せおよび現在の遊技状態について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役または役の組合せに当選したものと判定される。
図5で示した有利役1は、RT2においてのみ抽選対象役として読み出される。有利役1は、他の抽選対象役と比較して最も低い確率で当選するように判定値数が設定されている。また、有利役2および有利役3は、RT0〜3において、AT中にのみ抽選対象役として読み出される。有利役2および有利役3も他のベル役や再遊技役などの抽選対象役と比較して低い確率で当選するように判定値数が設定されている。
また、中段イチゴは、RT0〜3において抽選対象役として読み出される。本実施の形態においては、中段イチゴに当選したときには、後述するAT抽選によって遊技者が有利となるようになっている。よって、中段イチゴの希少価値を出すため、中段イチゴは、他のベル役および再遊技役よりも低い確率で当選するように判定値数が設定されている。
また、図9で示した弱メロン、および強メロンは、RT0〜3において抽選対象役として読み出される。本実施の形態においては、強メロンに当選したときには、弱メロンに当選したときよりも後述するAT抽選によって遊技者が有利となるようになっている。よって、強メロンの希少価値を出すため、強メロンは、弱メロンよりも低い確率で当選するように判定値数が設定されている。
また、ベル役に関しては、後述する図13に示すように、左ベル、中ベル、および右ベルがRT0〜3において抽選対象役として読み出される。左ベル、中ベル、および右ベルの判定値数を比較すると、右ベルが、左ベルおよび中ベルよりも高い確率で当選するように判定値数が設定されている。この理由は、右ベルに当選したときには、左リール2Lを第1停止することでベルこぼし目が導出される可能性があるのに対し、左ベルまたは中ベルに当選したときには、左リール2Lを第1停止してもベルこぼし目は導出されないようになっており、さらに、本実施の形態においては、非AT中において左リール2Lを第1停止することが推奨されているためである。このように、右ベルを他の左ベルおよび中ベルよりも高い確率で当選させることにより、非AT中は左リール2Lを第1停止することでベルこぼし目を導出させやすくし、AT中はナビ演出によってベルこぼし目の導出を回避させることができるようになっている。
また、再遊技役に関しては、後述する図14に示すように、押し順リプ1〜6がRT0〜3において抽選対象役として読み出される。押し順リプ1〜6の判定値数をそれぞれ比較すると、押し順リプ3〜6が、押し順リプ1、2よりも高い確率で当選するように判定値数が設定されている。この理由は、押し順リプ1〜6のいずれかに当選したときに、当選した役に対応する押し順と遊技者が操作したストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順とが一致する場合には、いずれかの中段リプが入賞するようになっており、さらに、押し順リプ1、2に対応する押し順は左リール2Lを第1停止することが必要となるためである。そして、前述したように、本実施の形態においては、非AT中において左リール2Lを第1停止することが推奨されているためである。このように、押し順リプ1、2を他の押し順リプ3〜6よりも高い確率で当選させることにより、非AT中は押し順不正解によって中段リプを導出させにくくし、AT中は押し順正解によって中段リプを導出させやすくすることができるようになっている。
なお、RT1においては、RT0よりも再遊技役に当選する確率が高くなるように再抽選遊技役の判定値数が設定されている。また、RT2においては、RT0およびRT1よりも再遊技役に当選する確率が高くなるように再抽選遊技役の判定値数が設定されている。さらに、RT3においては、最も再遊技役に当選する確率が高くなるように再抽選遊技役の判定値数が設定されている。
いずれかの役または役の組合せの当選が判定された場合には、当選が判定された役または役の組合せに対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されている。
[リールの停止制御]
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メインCPU41aは、リールの回転が開始したとき、および、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの引込コマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行なう。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた引込コマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リール2Lのみ停止しているか、中リール2Cのみ停止しているか、右リール2Rのみ停止しているか、左リール2Lおよび中リール2Cが停止しているか、左リール2Lおよび右リール2Rが停止しているか、中リール2Cおよび右リール2Rが停止しているか、によって異なる場合があり、さらに、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行なわれたタイミング別の引込コマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して8ステップ(1図柄が移動するステップ数)ごとに分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20(図3参照)の領域番号が割り当てられている。
一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、1番図柄から21番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の引込コマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の引込コマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の引込コマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、先ず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、先ずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メインCPU41aがストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明する。
ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する引込コマ数を取得する。そして、取得した引込コマ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。
具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した引込コマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から引込コマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。
すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行なわれることとなる。
また、本実施の形態では、引込コマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ラインL1上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ラインL1上に揃わないように引き込む引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ラインL1上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。
なお、本実施の形態におけるスロットマシン1では設けられていないが、ボーナス(たとえば、BBやRB)などの特別役を実行するものであれば、以下の制御を行なうものであってもよい。たとえば、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役(イチゴなど)に当選した場合や、特別役が同時当選役と同時に当選した場合などでは、当選した小役を入賞ラインL1に4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインL1に最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインL1に4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ラインL1上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、入賞ラインL1上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ラインL1上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。
すなわち、このような場合には、特別役よりも小役を入賞ラインL1上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。その結果、小役を優先的に入賞させた後に特別役を入賞させることにより、小役よりも特別役を優先的に入賞させるものと比較して、小役を入賞させてメダルを獲得した後に特別役を入賞させることができるため、特別役入賞前に遊技者のメダルを極力増加させるようにすることができ、遊技者にとって有利なリール制御が行なわれる。なお、特別役と小役とを同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、小役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
次に、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合や、特別役と再遊技役が同時に当選している場合などでは、当選した再遊技役を入賞ラインL1に4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ラインL1上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行なわれる。
複数種類の再遊技役が同時に当選している場合には、同時当選した再遊技役の種類および停止操作順に応じて定められた入賞役を入賞ラインL1上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行なわれる。
なお、本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。なお、3つのリール2L、2C、2Rのうち、左リール2Lを第1停止することを左第1停止、中リール2Cを第1停止することを中第1停止、右リール2Rを第1停止することを右第1停止と称する。また、本実施の形態において、遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rを操作する手順(押し順ともいう)には、順押し、順挟み押し、中左押し、中右押し、逆挟み押し、および逆押しが含まれる。順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる押し順をいう。また、順挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる押し順をいう。中左押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる押し順をいう。中右押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる押し順をいう。逆挟み押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる押し順をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる押し順をいう。
また、本実施の形態のスロットマシン1では、AT中ではない、非AT中のゲームにおいて左リール2Lを第1停止させなかった場合には、左リール2Lを第1停止させたときには科されることのない遊技者にとって不利な所定のペナルティを生じさせる制御が行なわれる。これは、演出状態が非AT中のゲームにおいて遊技者が左第1停止をするように仕向けるためである。つまり、本実施の形態のスロットマシン1は、非AT中のゲームにおいて左第1停止させるように設計されている。
本実施の形態においては、非AT中において遊技者が左第1停止を行なわなかったとき(変則押しともいう)には、サブ制御部91によりペナルティフラグがセットされる。このペナルティフラグがセットされると、所定のペナルティが遊技者に科される。具体的なペナルティとしては、ナビストックを付与するか否かのAT抽選において、ナビストック付与の当選確率が著しく低い確率に設定されたり、ATに制御されるゲーム数が最も少ないゲーム数に決定されたりする。これにより、ペナルティが科されてしまうと、ATに制御されにくくなるため、RT1においては昇格リプに入賞させることが難しくなり、RT1よりも有利なRT2に移行しにくくなる。また、ペナルティが科されてしまうと、RT2においてはベルこぼし目が導出しやすくなったり、転落リプに入賞しやすくなったりするため、その結果、RT2よりも不利なRT1に移行しやすくなる。そのため、遊技者は、ペナルティが科されないように、非AT中に左第1停止をするようになる。
[メロン役当選時のリール制御]
次に、メロン役当選時のリール制御について説明する。図10は、中リール2Cにおける停止操作位置の一例を説明するための図である。なお、図10は、図柄が下段を通過するタイミングにおける停止操作位置を示している。図10には、右上斜めに3連メロンが停止するメロン2、4、6、8を入賞させるときの停止位置の一例が示されている。停止位置のうち、第1位置は、9番のイチゴまたは10番の黒7が下段を通過するタイミングで停止操作する位置を示している。なお、メロン図柄について、上記の第1位置で停止操作したときには、11番のメロンaおよび14番のメロンaといった2つのメロン図柄を入賞ラインL1上に引き込むことが可能である。また、停止位置のうち、第2位置は、11番のメロンa、12番のベルa、および13番のリプbのいずれかが通過するタイミングで停止操作する位置を示している。なお、メロン図柄について、上記の第2位置で停止操作したときには、14番のメロンaといった1つのメロン図柄だけを入賞ラインL1上に引き込むことが可能である。
先ずは、遊技者が中リール2Cを第1位置で停止操作したときのリール制御について説明する。図11は、中リール2Cを第1位置で停止操作したときにおける弱メロン、強メロン当選時のリール制御の一例を説明するための図である。
図11に示すように、遊技者が第1停止として左リール2Lを停止操作したときに、メロンaが下段に停止したとする。次に、遊技者が第2停止として中リール2Cを第1位置で停止操作したときには、内部抽選の結果が弱メロンに当選していれば、11番のメロンaが中リール2Cの中段に引き込まれて停止する制御が行なわれる。次に、遊技者が第3停止として右リール2Rを停止操作したときには、引き込み可能な範囲内でメロンaが上段に停止する制御が行なわれる。これにより、11番のメロンaが中リール2Cの中段に停止するメロン4が入賞する。
一方、遊技者が第2停止として中リール2Cを第1位置で停止操作したときに、内部抽選の結果が強メロンに当選していれば、14番のメロンaが中リール2Cの中段に引き込まれて停止する制御が行なわれる。次に、遊技者が第3停止として右リール2Rを停止操作したときには、引き込み可能な範囲内でメロンaが上段に停止する制御が行なわれる。これにより、14番のメロンaが中リール2Cの中段に停止するメロン8が入賞する。
ここで、弱メロンの当選時でも、強メロンの当選時でも、入賞ラインL1上には「黒7−メロンa−ベルa」の図柄が停止し、さらに、右上斜めにも同じ3連メロンが停止して入賞する。つまり、中リール2Cを第1位置で停止操作したときが、弱メロン当選および強メロン当選のいずれであっても、導出される表示結果は同じである。このように、表示結果によっては弱メロン当選および強メロン当選のいずれであったのかを遊技者が認識することができないため、遊技者が望んでいない方の弱メロン当選であったことを認識してしまうことによって遊技の興趣が低下するような不都合を生じることがない。
次に、遊技者が中リール2Cを第2位置で停止操作したときのリール制御について説明する。図12は、中リール2Cを第2位置で停止操作したときにおける弱メロン、強メロン当選時のリール制御の一例を説明するための図である。
図12に示すように、遊技者が第1停止として左リール2Lを停止操作したときに、メロンaが下段に停止したとする。次に、遊技者が第2停止として中リール2Cを第2位置で停止操作したときには、内部抽選の結果が弱メロンに当選していれば、14番のメロンaが中リール2Cの中段に引き込まれて停止する制御が行なわれる。次に、遊技者が第3停止として右リール2Rを停止操作したときには、引き込み可能な範囲内でメロンaが上段に停止する制御が行なわれる。これにより、14番のメロンaが中リール2Cの中段に停止するメロン8が入賞する。
一方、遊技者が第2停止として中リール2Cを第2位置で停止操作したときに、内部抽選の結果が強メロンに当選していれば、弱メロン当選時と同じく14番のメロンaが中リール2Cの中段に引き込まれて停止する制御が行なわれる。次に、遊技者が第3停止として右リール2Rを停止操作したときには、引き込み可能な範囲内でメロンaが上段に停止する制御が行なわれる。これにより、14番のメロンaが中リール2Cの中段に停止するメロン8が入賞する。
ここで、弱メロンの当選時でも、強メロンの当選時でも、入賞ラインL1上には「黒7−メロンa−ベルa」の図柄が停止し、さらに、右上斜めにも同じ3連メロンが停止して入賞する。つまり、遊技者が中リール第2位置で停止操作した場合でも、第1位置で停止操作したときと同様に、弱メロン当選および強メロン当選のいずれであっても、導出される表示結果は同じである。このように、表示結果によっては弱メロン当選および強メロン当選のいずれであったのかを遊技者が認識することができないため、遊技者が望んでいない方の弱メロン当選であったことを認識してしまうことによって遊技の興趣が低下するような不都合を生じることがない。
ここで、本実施の形態においては、弱メロン当選時に中リール2Cを第1位置で停止操作したときと、強メロン当選時に中リール2Cを第1位置で停止操作したときとで、中リール2Cの引込コマ数を大きく異ならせるリール制御が行なわれる。さらに、弱メロンおよび強メロンのいずれかの当選時に中リール2Cを第2位置で停止操作したときと、強メロン当選時に中リール2Cを第1位置で停止操作したときとでも、中リール2Cの引込コマ数を大きく異ならせるリール制御が行なわれる。
たとえば、弱メロン当選時に中リール2Cを第1位置または第2位置で停止操作したときは、中リール2Cは0〜2コマ滑りとなる。また、強メロンの当選時に中リール2Cを第2位置で停止操作したときにも、0〜2コマ滑りとなる。これに対し、強メロン当選時に中リール2Cを第1位置で停止操作したときは、中リール2Cは3コマまたは4コマ滑りとなる。そのため、強メロン当選時に中リール2Cを第1位置で停止操作したときに限っては、上級者であれば中リール2Cの引込コマ数によって強スイカに当選していることを認識することができるようになっている。
なお、図10〜13に示すリール制御は、右上斜めに3連メロンが停止するメロン2、4、6、8を入賞させるときの例を示しているが、同じく右上斜めに3連メロンが停止するメロン1、3、5、7を入賞させるときにも適用される。たとえば、メロン1、3、5、7を入賞させるときの第1位置として、1番のイチゴまたは2番の星7が下段を通過するタイミングで停止操作する位置を用いることができる。なお、メロン図柄について、上記の第1位置で停止操作したときには、3番のメロンbおよび6番のメロンbといった2つのメロン図柄を入賞ラインL1上に引き込むことが可能である。また、メロン1、3、5、7を入賞させるときの第2位置として、3番のメロンb、4番のベルa、および5番のリプbのいずれかが通過するタイミングで停止操作する位置を用いることができる。なお、メロン図柄について、上記の第2位置で停止操作したときには、6番のメロンbといった1つのメロン図柄だけを入賞ラインL1上に引き込むことが可能である。
また、図10〜13に示すリール制御は、右上斜めに3連メロンが停止するメロン2、4、6、8を入賞させるときの例を示しているが、下段に3連メロンが停止するメロン10、12、14、16を入賞させるときにも適用される。たとえば、メロン10、12、14、16を入賞させるときの第1位置として、10番の黒7または11番のメロンaが下段を通過するタイミングで停止操作する位置を用いることができる。なお、メロン図柄について、上記の第1位置で停止操作したときには、11番のメロンaおよび14番のメロンaといった2つのメロン図柄を下段に引き込むことが可能である。また、メロン10、12、14、16を入賞させるときの第2位置として、12番のベルa、13番のリプb、および14番のメロンaのいずれかが通過するタイミングで停止操作する位置を用いることができる。なお、メロン図柄について、上記の第2位置で停止操作したときには、14番のメロンaといった1つのメロン図柄だけを下段に引き込むことが可能である。
下段に3連メロンが停止するメロン10、12、14、16を入賞させるときの例として、遊技者が第1停止として左リール2Lを停止操作したときに、メロンaが下段に停止したとする。次に、遊技者が第2停止として中リール2Cを第1位置で停止操作したときには、内部抽選の結果が弱メロンに当選していれば11番のメロンaが中リール2Cの下段に引き込まれて停止する制御が行なわれ、内部抽選の結果が強メロンに当選していれば14番のメロンaが中リール2Cの下段に引き込まれて停止する制御が行なわれる。その後、遊技者が第3停止として右リール2Rを停止操作したときには、引き込み可能な範囲内でメロンaが下段に停止する制御が行なわれる。これにより、遊技者が中リール2Cを第1位置で停止操作したときには、弱メロンおよび強メロンの当選状況に応じて中リール2Cの下段に停止するメロンaの番号を異ならせながら下段に3連メロンを導出させることができる。
なお、本実施の形態におけるリール制御は、上記のように下段に3連メロンが停止するメロン10、12、14、16を入賞させるときに限らず、下段に3連メロンが停止するメロン9、11、13、15を入賞させるときにも用られる。たとえば、メロン9、11、13、15を入賞させるときの第1位置として、2番の星7または3番のメロンbが下段を通過するタイミングで停止操作する位置を用いることができる。なお、メロン図柄について、上記の第1位置で停止操作したときには、3番のメロンbおよび6番のメロンbといった2つのメロン図柄を下段に引き込むことが可能である。また、メロン9、11、13、15を入賞させるときの第2位置として、4番のベルa、5番のリプb、および6番のメロンbのいずれかが通過するタイミングで停止操作する位置を用いることができる。なお、メロン図柄について、上記の第2位置で停止操作したときには、6番のメロンbといった1つのメロン図柄だけを下段に引き込むことが可能である。
さらに、本実施の形態においては、メロン役当選時において、第1停止で左リール2Lの下段にメロンが停止した後に第2停止で右リール2Rの上段でメロンが停止したときには、右上斜めに3連メロンのテンパイ状態となる。この場合、遊技者は第3停止で中リール2Cの中段にメロンを停止するように狙うため、最大コマ数の引込範囲内であれば、中リール2Cの中段にメロンを停止させるリール制御が行なわれる。
一方、メロン役当選時において、第1停止で左リール2Lの下段にメロンが停止した後に第2停止で右リール2Rの下段でメロンが停止したときには、下段に3連メロンのテンパイ状態となる。この場合、遊技者は第3停止で中リール2Cの下段にメロンを停止するように狙うため、最大コマ数の引込範囲内であれば、中リール2Cの下段にメロンを停止させるリール制御が行なわれる。
なお、メロン2、4、6、8を入賞させるときの第2位置としては、上述したように3番のメロンb、4番のベルa、および5番のリプbのいずれかが通過するタイミングで停止操作する位置に限らない。たとえば、図10に示すように、メロン2、4、6、8を入賞させるときの第2位置としては、7番のベルaまたは8番のリプaが通過するタイミングで停止操作する位置を用いることができる。なお、メロン図柄について、上記の第2位置で停止操作したときには、11番のメロンaといった1つのメロン図柄だけを入賞ラインL1上に引き込むことが可能である。
なお、図9で示した例について、以下のような制御も行なわれる。本実施の形態においては、遊技者が非AT中において左第1停止を行なわずに変則押しによって中第1停止または右第1停止をしたときには、たとえ弱メロン当選時であっても、強メロン当選時と同じく中リール2Cの中段には14番メロンaが停止する制御が行なわれる。そのため、変則押しをした遊技者は、引込コマ数によって弱メロンおよび強メロンのいずれに当選したのかを認識することができないようになっている。
このように、遊技者が予め決められた推奨手順である左第1停止とは異なる変則押しでリールを停止操作したときには、中リール2Cを第1位置および第2位置のいずれで操作したかにかかわらず、中リール2Cの中段には共通する14番メロンaが停止する制御が行なわれるため、操作タイミングに応じて異なる番号のメロンaにより構成された共通表示結果を導出させるよりも、リール制御を簡素化することができる。また、このような制御をすることで、変則押しをしたペナルティとして、上級者であっても、弱メロンおよび強メロンのいずれに当選したのかを認識することができないようにさせることができる。
[ベル役当選時のリール制御]
次に、ベル役当選時のリール制御について説明する。図13は、ベル役当選時のリール制御を説明するための図である。図13に示すように、ベル役当選時のリール制御においては、当選したベル役の種類および停止操作順に応じて定められた入賞役を入賞ラインL1上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行なわれる。
たとえば、左ベルに当選している場合において、左第1停止されたときには、当選している中段ベルのいずれかを入賞ラインL1に揃えて停止させる制御が行なわれる。また、左ベルに当選している場合において、中第1停止されたときには、1/4の確率で当選している上段ベルおよび下段ベルのうちいずれかを入賞ラインL1に揃えて停止させる制御が行なわれる。なお、上段ベルおよび下段ベルのいずれも取りこぼしたときには、所定のベルこぼし目が導出される。また、左ベルに当選している場合において、右第1停止されたときには、当選している上段ベルおよび下段ベルのうちいずれかを入賞ラインL1に揃えて停止させる制御が行なわれる。
また、中ベルに当選している場合において、中第1停止されたときには、当選している中段ベルのいずれかを入賞ラインL1に揃えて停止させる制御が行なわれる。また、中ベルに当選している場合において、右第1停止されたときには、1/4の確率で当選している上段ベルおよび下段ベルのうちいずれかを入賞ラインL1に揃えて停止させる制御が行なわれる。なお、上段ベルおよび下段ベルのいずれも取りこぼしたときには、所定のベルこぼし目が導出される。また、中ベルに当選している場合において、左第1停止されたときには、当選している上段ベルおよび下段ベルのうちいずれかを入賞ラインL1に揃えて停止させる制御が行なわれる。
また、右ベルに当選している場合において、右第1停止されたときには、当選している中段ベルのいずれかを入賞ラインL1に揃えて停止させる制御が行なわれる。また、右ベルに当選している場合において、左第1停止されたときには、1/4の確率で当選している上段ベルおよび下段ベルのうちいずれかを入賞ラインL1に揃えて停止させる制御が行なわれる。なお、上段ベルおよび下段ベルのいずれも取りこぼしたときには、所定のベルこぼし目が導出される。また、右ベルに当選している場合において、中第1停止されたときには、当選している上段ベルおよび下段ベルのうちいずれかを入賞ラインL1に揃えて停止させる制御が行なわれる。
このように、中段ベルを入賞させるための操作手順として、当選しているベル役の種類ごとに、異なる操作手順が設定されている。このため、RT2またはRT3において左ベル、中ベル、および右ベルのいずれかに当選したとしても、当選しているベル役の種類を特定することができない限り、極力中段ベルを入賞させないようにすることができる。これにより、後述するATに制御されていないときには、中段ベルを入賞し難くしてこぼし目を導出させ易くし、その結果、RT1に制御され易くすることができる。なお、左ベル、中ベル、および右ベルは、押し順によって入賞役が異なるため、押し順ベルともいう。
[再遊技役当選時のリール制御]
次に、再遊技役当選時のリール制御について説明する。図14は、再遊技役当選時のリール制御を説明するための図である。図14に示すように、再遊技役当選時のリール制御においては、当選した再遊技役の種類および停止操作順に応じて定められた入賞役を入賞ラインL1上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行なわれる。
たとえば、押し順リプ1に当選している場合において、順押しされたときには、当選している中段リプのいずれかを入賞ラインL1に揃えて停止させる制御が行なわれる。また、押し順リプ1に当選している場合において、順押し以外の操作がされたときには、上段リプおよび下段リプのうちいずれかを入賞ラインL1に揃えて停止させる制御が行なわれる。
また、押し順リプ2に当選している場合において、順挟み押しされたときには、当選している中段リプのいずれかを入賞ラインL1に揃えて停止させる制御が行なわれる。また、押し順リプ2に当選している場合において、順挟み押し以外の操作がされたときには、上段リプおよび下段リプのうちいずれかを入賞ラインL1に揃えて停止させる制御が行なわれる。
また、押し順リプ3に当選している場合において、中左押しされたときには、当選している中段リプのいずれかを入賞ラインL1に揃えて停止させる制御が行なわれる。また、押し順リプ3に当選している場合において、中左押し以外の操作がされたときには、上段リプおよび下段リプのうちいずれかを入賞ラインL1に揃えて停止させる制御が行なわれる。
また、押し順リプ4に当選している場合において、中右押しされたときには、当選している中段リプのいずれかを入賞ラインL1に揃えて停止させる制御が行なわれる。また、押し順リプ4に当選している場合において、中右押し以外の操作がされたときには、上段リプおよび下段リプのうちいずれかを入賞ラインL1に揃えて停止させる制御が行なわれる。
また、押し順リプ5に当選している場合において、逆押しされたときには、当選している中段リプのいずれかを入賞ラインL1に揃えて停止させる制御が行なわれる。また、押し順リプ5に当選している場合において、逆押し以外の操作がされたときには、上段リプおよび下段リプのうちいずれかを入賞ラインL1に揃えて停止させる制御が行なわれる。
また、押し順リプ6に当選している場合において、逆挟み押しされたときには、当選している中段リプのいずれかを入賞ラインL1に揃えて停止させる制御が行なわれる。また、押し順リプ6に当選している場合において、逆挟み押し以外の操作がされたときには、上段リプおよび下段リプのうちいずれかを入賞ラインL1に揃えて停止させる制御が行なわれる。
このように、昇格リプである中段リプを入賞させてRT2に昇格させるための操作手順として、当選している再遊技役の種類ごとに、異なる操作手順が設定されている。このため、RT1において押し順リプ1〜6のいずれかに当選したとしても、当選している再遊技役の種類を特定することができない限り、極力中段リプを入賞させてRT2に制御させないようにすることができる。これにより、後述するATに制御されていないときには、中段リプに入賞し難くして極力RT2に制御されないようにしつつ、ATに制御されているときには、中段リプに入賞させてRT2に制御されるようにすることができる。なお、押し順リプ1〜6は、押し順によって入賞役が異なるため、押し順ベルともいう。
[メイン制御部41による処理]
次に、本実施の形態に係るスロットマシン1におけるメイン制御部41により実行される処理について説明する。スロットマシン1においては、ゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行なわれることで遊技が進行されるものであるが、そのためには、先ず、遊技の進行が可能な状態となっていなければならない。
遊技の進行が可能な状態であるためには、たとえば、メインCPU41aを含むメイン制御部41が起動された状態で正常範囲の設定値が設定値ワークに格納されており、RAM41cに格納されたデータに異常がないことが条件となる。そして、遊技の進行が可能な状態となると、スロットマシン1においてゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行なわれることとなる。以下、スロットマシン1における各ゲームについて説明する。
なお、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでをいうものであるが、ゲームを行なう際には、スタートスイッチ7の操作前の賭数の設定や、リール2L、2C、2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行なわれるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。
[ゲーム処理]
本実施の形態におけるメイン制御部41が実行するゲーム処理について説明する。図15は、メイン制御部が実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
ゲーム処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行なった後、またはリセット/設定スイッチ38の操作により設定変更を行なった直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、先ず、MAXBETスイッチ6を操作することにより、またはメダル投入部4からメダルを投入することにより賭数を設定し、スタートスイッチ7を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行なう。なお、スタートスイッチ7が操作されると、スタートコマンドが演出制御基板90に送信される。
前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイゲーム中フラグにより前のゲームと同じ賭数が自動設定される(この段階でリプレイゲーム中フラグが消去される)。
また、ゲーム処理では、BET処理(Sd1)、内部抽選処理(Sd2)、リール回転処理(Sd3)、入賞判定処理(Sd4)、払出処理(Sd5)、ゲーム終了時処理(Sd6)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
先ず、メイン制御部41は、BET処理において、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点で賭数を確定する処理を実行する(Sd1)。
次に、メイン制御部41は、内部抽選処理において、Sd1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲームスタートと同時に内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行なう(Sd2)。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM41cに当選フラグが設定される。また、内部抽選処理では、抽選結果に応じてRAM41cに設定されている当選フラグの設定状況を示す内部当選コマンドが演出制御基板90に送信される。
次に、メイン制御部41は、リール回転処理において、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する(Sd3)。また、リール回転処理では、リール2L、2C、2Rの回転開始時にリールの回転の開始を通知するリール回転コマンドが演出制御基板90に送信され、遊技者によりリール2L、2C、2Rのうちいずれかの回転を停止させる操作がされるごとに、当該停止操作されたリールがいずれであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号を特定可能なリール停止コマンドが演出制御基板90に送信される。より具体的には、回転している3つのリールのうちいずれか1つのリールが停止操作されると第1リール停止コマンドが演出制御基板90に送信され、続いて2つ目のリールが停止操作されると第2リール停止コマンドが演出制御基板90に送信され、さらに続いて3つ目のリールが停止操作されると第3リール停止コマンドが演出制御基板90に送信される。
次に、メイン制御部41は、入賞判定処理において、全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する(Sd4)。また、入賞判定処理では、入賞判定が行なわれた後に、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能な入賞判定コマンドが演出制御基板90に送信される。
次に、メイン制御部41は、払出処理において、入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払出などの処理を行なう(Sd5)。また、払出処理では、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払い出しが開始されたときに、メダルの払出開始を通知する払出開始コマンドが演出制御基板90に送信され、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払い出しが終了したときに、メダルの払出終了を通知する払出終了コマンドが演出制御基板90に送信される。
次に、メイン制御部41は、ゲーム終了時処理において、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する(Sd6)。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板40のメイン制御部41は、RT0〜RT3の間で遊技状態の移行を行なっており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信している。これに対して、演出制御基板90のサブ制御部91は、遊技制御基板40から受信したコマンドに基づいて、各種処理を行なう。
[サブ制御部91による処理]
次に、サブ制御部91により実行される処理について説明する。サブ制御部91は、先ず、所定の演出初期設定処理を実行し、演出制御基板90における制御状態を電力供給停止時の状態に復旧させるための演出制御復旧処理を実行した後、演出側乱数値更新処理を繰り返して実行する。
また、サブ制御部91では、所定の時間間隔(たとえば、2ミリ秒)で演出の進行を制御するための割り込みが発生し、リセット/割込コントローラによりRAM91cのタイマ割込フラグがON状態にセットされ、演出制御割り込み処理が実行される。演出制御割り込み処理では、内部レジスタの内容を退避し、演出バックアップ処理を実行して、サブ制御部91が再起動された場合に再起動の以前における制御状態を復旧させるために必要なデータのバックアップが行なわれる。
また、遊技制御基板40から送信された各種コマンドを解析するためのコマンド解析処理を実行し、所定の演出制御処理を実行する。この演出制御処理により、スロットマシン1における遊技の進行状況に応じて、液晶表示器51に画像を表示させるとともに、スピーカ53、54から音を発生させるなどによる各種の遊技演出が行なわれる。遊技演出を行なうための画像の要素データや動画像データは、所定のROMに記憶されている。
遊技演出を行なうために、サブ制御部91のRAM91cには、各種カウンタ、各種フラグを設定する領域、遊技状態コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、および内部当選コマンドに基づいて、各役の当選状況、リール2L、2C、2Rに導出された表示結果の組合せ、入賞の発生の有無を示す情報、遊技制御基板40の側で進行しているゲームにおいて適用される遊技状態を保存する領域(当選状況および遊技状態については、2回分)もRAM91cに設けられている。なお、本実施の形態においては、内部当選コマンドに基づき有利役1が当選していた場合には、有利役1当選情報がRAM91cの所定領域に格納される。また、中段イチゴが当選していた場合には、中段イチゴ当選情報をRAM91cの所定領域に格納される。さらに、弱メロンが当選していた場合には、弱メロン当選情報がRAM91cの所定領域に格納され、強メロンが当選していた場合には、強メロン当選情報がRAM91cの所定領域に格納される。
また、演出制御基板90においては、リール停止コマンドに基づいて可変表示装置の表示結果を判断するための停止図柄テーブルがRAM91cに設けられている。もっとも、リール停止コマンドは、停止したリールの種類と中段に停止した図柄の番号しか情報として含んでいないので、これだけではどのような図柄が停止しているかどうかが判断できない。このため、ROM91bには、リール2L、2C、2Rに配置された全ての図柄を示すテーブルが予め記憶されており、このテーブルを参照して停止図柄テーブルにリール2L、2C、2Rに停止されている図柄が登録される。サブ制御部91は、停止図柄テーブルの登録情報に基づき、演出を行なう。
また、演出制御基板90側にて乱数回路(図示略)などによりカウントされる各種の乱数値が更新され、その後、退避したレジスタの内容を復帰させてから、演出制御割り込み処理を終了する。
演出制御割り込み処理において実行される演出制御処理では、サブ制御部91により、遊技状態などに応じて演出状態をATに制御するためのAT制御処理、遊技状態に応じて後述するメロン役当選時演出処理やナビ演出などを実行するための遊技演出実行処理、制御中のATを終了するためのAT終了処理などが行なわれる。
[AT当選時処理]
サブ制御部91は、AT制御処理に含まれるAT当選時処理を実行することにより、ATに制御するか否かのAT抽選を行なう。AT抽選においては、付与されるナビストック数を抽選によって決定するナビストック数抽選と、付与されたナビストックに対応するATゲーム数を抽選によって決定するATゲーム数抽選とが行なわれる。
ここで、「ナビストック数」とは、遊技者にとって有利な有利状態であるATに制御可能となる期間を示す。本実施形態においては、ナビストックを1個消費(減算)することにより、決定されたATゲーム数を消化する間、ATに制御され、その間ナビ演出が実行される。このため、決定されたナビストック数が多いほど、さらには、決定されたATゲーム数が多いほど、長い期間に亘りATに制御されることになり、遊技者にとって有利であるといえる。
サブ制御部91は、AT当選時処理を実行すると、メイン制御部41から内部当選コマンドを受信したか否かを判定する。サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信したと判定したときには、AT当選役に当選したか否かを判定する。本実施形態においては、AT当選役として有利役1、中段イチゴ、弱メロン、および強メロンが設定されており、この処理では、サブ制御部91がいずれかのAT当選役に当選したことを示す内部当選コマンドをメイン制御部41から受信したか否かを判定する。なお、以下では、AT当選役に当選することをAT当選とも称する。
サブ制御部91は、AT当選役に対応する内部当選コマンドをメイン制御部41から受信したと判定したときには、AT抽選を実行する。
ここで、図16を用いて、AT当選時にサブ制御部91が実行するナビストック数抽選処理について説明する。図16は、ナビストック数抽選テーブルを説明するための図である。なお、ナビストック数抽選テーブルは、ROM91bに格納されている。
ナビストック数抽選テーブルには、当選したAT当選役に対応してナビストック数(0個、1個、2個、3個)ごとの当選確率の情報が格納されている。サブ制御部91は、ナビストック数抽選処理を実行することにより、このナビストック数抽選テーブルに格納された当選確率の情報に基づいて付与するナビストック数を抽選により決定する。
たとえば、当選したAT当選役が有利役1であれば、100%の確率で3個のナビストックが付与される旨が決定される。
また、当選したAT当選役が中段イチゴであれば、10%の確率で1個のナビストックが付与される旨が決定され、90%の確率で2個のナビストックが付与される旨が決定される。
また、当選したAT当選役が弱メロンであれば、50%の確率でナビストックが付与されない旨が決定され、50%の確率で1個のナビストックが付与される旨が決定される。また、当選したAT当選役が強メロンであれば、50%の確率で1個のナビストックが付与される旨が決定され、50%の確率で2個のナビストックが付与される旨が決定される。
ここで、本実施の形態においては、また、強メロンは、弱メロンと比較して当選確率が低く、当選しにくくなっている。そのため、図16に示すように、弱メロン、強メロンの順により多くのナビストック数が付与されるように当選確率が振り分けられていることにより、当選しにくいAT当選役に当選したときの喜びを遊技者に享受させることができる。なお、ナビストック数抽選テーブルにおける当選確率の振り分けは、図16に示す値に限らずその他の値であってもよい。
次に、図17を用いて、サブ制御部91が実行するATゲーム数抽選処理について説明する。図17は、ATゲーム数抽選テーブルを説明するための図である。なお、ATゲーム数抽選テーブルは、ROM91bに格納されている。
ATゲーム数抽選には、当選したAT当選役に対応して、ATゲーム数(0ゲーム、10ゲーム、30ゲーム、50ゲーム、100ゲーム)ごとの当選確率の情報が格納されている。サブ制御部91は、ナビストック数抽選においてナビストック付与を決定した場合に、ATゲーム数抽選処理を実行することにより、このATゲーム数抽選テーブルに格納された当選確率の情報に基づいて付与するナビストック1個に対応するATゲーム数を抽選により決定する。
たとえば、当選したAT当選役が有利役1であれば、100%の確率でナビストック1個につき100ゲームのATゲーム数が付与される旨が決定される。
また、当選したAT当選役が中段イチゴであれば、10%の確率でナビストック1個につきATゲーム数が付与されない旨が決定される。また、当選したAT当選役が中段イチゴであれば、10%の確率でナビストック1個につき10ゲームまたは30ゲームのATゲーム数が付与される旨が決定される。さらに、当選したAT当選役が中段イチゴであれば、70%の確率でナビストック1個につき50ゲームのATゲーム数が付与される旨が決定される。
また、当選したAT当選役が弱メロンであれば、100%の確率でナビストック1個につき10ゲームのATゲーム数が付与される旨が決定される。また、当選したAT当選役が強メロンであれば、100%の確率でナビストック1個につき30ゲームのATゲーム数が付与される旨が決定される。
このように、本実施の形態においては、当選しにくいAT役に当選したときほど、付与されるATゲーム数が多くなるように当選確率が振り分けられている。なお、ATゲーム数抽選テーブルにおける当選確率の振り分けは、図17に示す値に限らずその他の値であってもよい。
なお、サブ制御部91は、ナビストック数抽選において1個以上のナビストック数が決定されたときに、ATである旨およびナビストック数を示すATフラグをRAM91cの所定領域に格納する。なお、ATフラグには、ATゲーム数抽選で決定されたATゲーム数の情報も含まれている。サブ制御部91は、RAM91cのATフラグに基づき、ATに制御するか否かを特定するとともに、残りのナビストック数を特定する。ATである旨を示すATフラグがセットされている状態であるときに、ナビストック数を1個消費してATに制御可能となる。
なお、ATである旨を示すATフラグがセットされているときに、有利役2または有利役3に入賞したときには、現在制御中のATにおける残りATゲーム数に今回獲得したATゲーム数が上乗せ加算される。
[AT管理処理]
サブ制御部91は、AT制御処理に含まれるAT管理処理を行なうことにより、AT抽選の結果に応じてセットされるATフラグに基づき、ATへの制御を管理する。
より具体的には、サブ制御部91は、ナビストックが付与されてATフラグからATである旨が特定されたときには、ATに制御する。このとき、ナビストックを1個消費してATに制御する。サブ制御部91は、制御中のATの全てのゲームを消費したと判定した場合にナビストックが残っていれば、再びナビストックを1個消費することにより連続してATに制御する。一方、サブ制御部91は、制御中のATの全てのゲームを消費したと判定した場合にナビストックが残っていなければ、非ATに制御する。
非ATに制御されたときには、ナビ演出が実行されない。これにより、RT1においては、中段リプ(昇格リプ)の入賞が発生しにくくなる。また、RT2、RT3においては、上段リプおよび下段リプ(転落リプ)が発生しやすくなるとともに、ベルこぼし目が導出しやすくなる。そのため、RT2やRT3での遊技が継続されることを極力防止することができる。
[ナビ演出実行処理]
サブ制御部91は、遊技演出実行処理に含まれるナビ演出実行処理を実行することにより、ATに制御されているときに、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、遊技状態に応じたナビ対象役に当選したときに対応するナビ演出を実行する。本実施の形態におけるATは、RT0〜RT3の全ての遊技状態でナビ演出が実行され、ナビ対象役は、押し順ベル(左ベル、中ベル、右ベル)および押し順リプ(押し順リプ1〜6)である。
押し順ベルのいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じてストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順が報知される。たとえば、中ベルに当選したときのナビ演出としては、「中」に対応するナビ演出が液晶表示器51の表示画面上になされる。これにより、遊技者は、中段ベルに入賞して9枚のメダルを取得し易くなるとともに、RT2またはRT3の状態においてはベルこぼし目が導出されることを回避してRT1へ移行することを防止することができる。
押し順リプのいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じてストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順が報知される。たとえば、押し順リプ3に当選したときのナビ演出としては、「中左押し」に対応するナビ演出が液晶表示器51の表示画面上になされる。これにより、遊技者は、RT1の状態においては中段リプ(昇格リプ)に入賞してRT2へ移行し易くなるとともに、RT2またはRT3の状態においては上段リプおよび下段リプ(転落リプ)の入賞を回避してRT1へ移行することを防止することができる。
以上のように、本実施の形態におけるナビ演出は、遊技者にとって有利となる操作手順を想起させるメッセージが報知される。なお、ナビ演出の態様は、上記に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであってもよい。また、ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、およびリールLED55などを用いて実行するものであってもよい。
[メロン役当選時演出処理]
サブ制御部91は、遊技演出実行処理に含まれるメロン役当選時演出処理を実行することにより、メロン役に当選したゲームにおいて、後述する特定演出や示唆演出を実行する。図18は、サブ制御部91が実行するメロン役当選時演出処理の制御内容を示すフローチャートである。
メロン役当選時演出処理が実行されると、先ず、サブ制御部91は、メイン制御部41から受信した内部当選コマンドに基づき弱メロンまたは強メロンに当選したか否かを判定する(Sf1)。サブ制御部91は、弱メロンおよび強メロンのいずれにも当選していないと判定したときには、メロン役当選時演出処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、弱メロンまたは強メロンに当選したと判定したときには、中リール2Cに対応するリール停止コマンド(第2リール停止コマンド)を受信したか否かを判定する(Sf2)。つまり、サブ制御部91は、中リール2Cが遊技者により停止操作されたか否かを判定する。サブ制御部91は、中リール2Cに対応するリール停止コマンドを受信していないと判定したときには、メロン役当選時演出処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、中リール2Cに対応するリール停止コマンドを受信したと判定したときには、特定演出抽選を実行する(Sf3)。
ここで、特定演出とは、実行されたときの方が実行されなかったときよりもその後遊技者にとって有利となることを遊技者が期待できる演出のことである。より具体的には、特定演出は、AT当選役であるメロン役が当選したゲームで行なわれる可能性がある。そのため、実行された場合、遊技者はナビストックの獲得に期待をもてることができる。
特定演出が実行されると、すべてのリールが停止したときに、リール2L、2C、2Rの背面に設けられたリールLED55によって白色光が点滅するリール演出が行なわれる。そのため、遊技者は、すべてのリールが停止したときに特定演出が行なわれると、ナビストックを獲得したことによりその後に有利な状況になることを期待するようになる。これにより、第3停止したときのリールの停止態様に遊技者に注目させながら、特定演出によって遊技の興趣を向上させることができる。
図19は、特定演出抽選で用いられる特定演出抽選テーブルを説明するための図である。なお、特定演出抽選テーブルは、ROM91bに格納されている。
特定演出抽選テーブルには、当選したAT当選役であるメロン役に対応して、中リール2Cにおいて停止操作した位置および当選確率の情報が格納されている。サブ制御部91は、特定演出抽選処理を実行することにより、この特定演出抽選テーブルに格納された当選確率の情報に基づいて特定演出の実行可否を抽選により決定する。
たとえば、当選したAT当選役が弱メロンであって、遊技者により第1位置のタイミングで停止操作されたときには、特定演出は実行されない旨が決定される。また、当選したAT当選役が弱メロンであって、遊技者により第2位置のタイミングで停止操作されたときには、特定演出は実行されない旨が決定される。
また、当選したAT当選役が強メロンであって、遊技者により第1位置のタイミングで停止操作されたときには、特定演出は実行されない旨が決定される。また、当選したAT当選役が強メロンであって、遊技者により第2位置のタイミングで停止操作されたときには、100%の確率で特定演出が実行される旨が決定される。
このように、本実施の形態においては、内部当選の結果が弱メロンであるときにはいずれの停止操作であっても特定演出は実行されないのに対し、内部当選の結果が強メロンであるときには、第2位置で停止操作されることにより特定演出が実行されるようになっている。さらに、内部当選の結果が強メロンである場合には、第1位置で停止操作されたときには特定演出は実行されないのに対し、第2位置で停止操作されたときには特定演出が実行されるようになっている。
このように、内部当選の結果が弱メロンであったか、あるいは強メロンであったかに応じて異なる確率で特定演出が実行されるため、弱メロン当選および強メロン当選のいずれであるかを特定演出によって遊技者に予想させることができ、特定演出の実行に対して遊技者に注目させて遊技の興趣を向上させることができる。さらに、強メロン当選であった場合において、第1位置および第2位置のいずれで停止操作されたかに応じて異なる確率で特定演出が実行されるため、中リール2Cの停止操作時に、有利となることを期待できる特定演出が実行されることに対して遊技者に期待させて遊技の興趣を向上させることができる。
また、強メロンに当選しているときには弱メロンに当選しているときよりも高い確率で特定演出が実行されるため、ナビストックの獲得およびATゲーム数の付与数に対して期待する遊技者に対して、特定演出の実行に注目させて遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、本実施の形態においては、強メロン当選時に遊技者が中リール2Cを第2位置で停止操作したときには、弱メロン当選時に中リール2Cを第1位置または第2位置で停止操作したときと同様に、0〜2コマしか中リール2Cが滑らないため、弱メロンおよび強メロンのいずれに当選したのかを遊技者は認識することができない。しかしながら、強メロンに当選しているときに中リール2Cが第2位置で停止操作されたときには、すべてのリールが停止したときに必ず特定演出が実行されるため、弱メロンおよび強メロンのいずれに当選したのかを特定演出によって遊技者に予想させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図18に戻り、サブ制御部91は、Sf3の処理を実行した後、特定演出抽選によって特定演出を実行する旨が決定されたか否かを判定する(Sf4)。サブ制御部91は、特定演出を実行しない旨が決定されたと判定したときには、メロン役当選時演出処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、特定演出を実行する旨が決定されたと判定したときには、特定演出を実行する旨を示す特定演出フラグをRAM91cにセットする(Sf5)。この場合、サブ制御部91は、すべてのリールが停止したときに、特定演出フラグに基づき特定演出を実行する。その後、サブ制御部91は、メロン役当選時演出処理を終了する。
[変形例]
以上、本発明における主な実施の形態を説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
[特定演出の演出態様について]
本実施の形態においては、特定演出として、すべてのリールが停止したときに、リール2L、2C、2Rの背面に設けられたリールLED55によって白色光が点滅するリール演出が行なわれるものであった。しかしながら、これに限らず、その他の演出であってもよい。たとえば、特定演出としては、中リール2Cが停止するときに、メイン制御部41により以下の低速停止制御が行なわれるものであってもよい。
図20は、リールモータ32L、32C、32Rの構成を示す図である。リールモータ32L、32C、32Rは、たとえば、ハイブリッド型ステッピングモータであり、ステータ32bと、これに対向するロータ32aとで構成されている。なお、ロータ32aは、図示しない多数の歯車状突極を有し、これに回転軸と同方向に磁化された永久磁石が組み込まれている。
メイン制御部41は、前述したタイマ割込処理(メイン)において各励磁相φ1〜φ4の励磁状態を更新する処理を行ない、それに応じてモータ駆動回路45からパルス信号が出力されるようになっており、リールモータ32L、32C、32Rは、このパルス信号を受け、ステータ32bの各励磁相φ1〜φ4が所定の手順に従って励磁されることにより、1パルスを受信する度に所定の角度(1ステップ=約1.07(360/336)度)ずつロータ32aを回転させる。
図21は、リールモータ32L、32C、32Rの始動時におけるリール加速時のステップレートを示す図であり、図22は、その際のタイミングチャートである。
1ステップは、一の励磁パターンが適用される単位であり、定速回転時においては、1ステップごとに前述した所定の角度(約1.07(360/336)度)ずつロータ32aが回転することとなり、本実施の形態のステッピングモータでは、前述のように336ステップの周期でリールが1周するようになっており、リールには21の図柄が配置されていることから、16ステップごとに1図柄移動することとなる。励磁パターンの更新は、メイン制御部41が行なうタイマ割込処理(メイン)にて行なうようになっており、カウント数は、次回励磁パターンの更新を行なうまでのタイマ割込処理(メイン)の回数、であり、(カウント数)×0.56ms(タイマ割込処理(メイン)の間隔)が、当該ステップの励磁パターンが継続する励磁時間(ステップレート)となる。また、ステップ数は、対応する励磁時間が連続して適用される回数を示す。また、図中のφ1〜φ4は、各励磁相を示し、「ON」は励磁状態を、「OFF」は消磁状態を各々示す。
メイン制御部41は、図22に示すように、リールモータ32L、32C、32Rの始動時において、各励磁相φ1〜φ4が消磁された状態から後述する1−2相励磁方式にて回転方向に励磁を開始する。詳しくは、最初のステップにて(φ1、φ4)を励磁状態とし、1ステップごとに、(φ4)、(φ4、φ3)、(φ3)、(φ3、φ2)、(φ2)、(φ2、φ1)、(φ1)…の順番で、φ1〜φ4を2相、1相、2相と交互に励磁パターンを更新する。
また、図21に示すように、最初のステップのステップレートは20.16ms、2ステップ目のステップレートは11.20ms、3〜9ステップ目のステップレートは6.72ms、10ステップ目のステップレートは4.48msと、徐々に定速回転のステップレート(2.24ms)に近づくように、各ステップのステップレートを短縮していく。この際、一律にステップレートを短縮するのではなく、長いステップレートと短いステップレートを織り交ぜて、徐々に短いステップレートを多くしていくことにより、リールをスムーズに加速させるようになっている。
本実施の形態では、図22に示すように停止状態から25ステップで定速状態に移行し、以後は、1−2相励磁方式の励磁パターンを2.24msのステップレートにて更新することによりリールモータを駆動して各リール2L、2C、2Rを回転させる。詳しくは、ロータ32aの回転方向に沿って、(φ1、φ4)、(φ4)、(φ4、φ3)、(φ3)、(φ3、φ2)、(φ2)、(φ2、φ1)、(φ1)、(φ1、φ4)…の順で、2相、1相、2相、1相、2相と1ステップごとに交互にφ1〜φ4の励磁パターンを更新して、ロータ32aを回転させることにより、リール2L、2C、2Rを回転させる。
次に、リール停止時におけるリールモータの制御について説明する。リール停止時のリールモータの制御には、通常停止制御と低速停止制御の2種類があり、前者は、停止操作の検出後、極力速くリールを目標となる停止位置に停止させる制御、すなわちリールが停止するまでの時間として、引込コマ数の増加に比例して増加する時間を要する通常の停止態様にてリールを停止させる制御であり、後者は、停止操作の検出後、通常停止制御に比較してゆっくりとリールを目標となる停止位置に停止させる制御、すなわちリールが停止するまでの時間として通常停止制御にて特定の引込コマ数(本実施の形態では1コマ)でリールを停止させるのに要する時間(本実施の形態では、39.2から72.8ms)を超える時間(本実施の形態では、142.24〜175.84ms)を要する特殊な停止態様にてリールを停止させる制御である。このため、後者の場合には、通常停止制御と同じタイミングで停止操作を行ない、同じ停止位置で停止させる場合でも、停止操作がされてからリールが停止するまでに要する時間が長くなる。
本実施の形態において低速停止制御は、停止操作がなされた際に、引込コマ数として1コマが選択された場合のみ適用される。これは、小さい引込コマ数のときに低速停止制御を適用すると急激に回転速度が落ちることでリールの振動が大きく目立ってしまうからであり、一方で、大きい引込コマ数のときに低速停止制御を適用した場合、通常停止制御との違いが分かりにくくなってしまうからであり、本実施の形態で適用したステッピングモータおよびリールの重さにおいては、1コマが上記の点において最も適しているからである。そのため、低速停止制御は、中リール2Cが1コマ滑りで停止するときの特定演出に適用される方が好ましい。つまり、弱メロン当選時に中リール2Cを第1位置で停止操作した場合や第2位置で停止操作した場合、あるいは強メロン当選時に中リール2Cを第2位置で停止操作した場合において中リール2Cが1コマ滑りで停止したときに低速停止制御による特定演出が実行されるものが好ましい。
通常停止制御では、図24および図25に示すように、停止操作の検出後、停止位置に応じたブレーキ開始位置に到達するまでは、定速回転のステップレート(2.24ms)を維持し、ブレーキ開始位置に到達した際に、定速回転時のステップレート(2.24ms)よりも長いステップレート(3.36ms)を適用し、ブレーキをかけてロータ32aを減速させ、次のステップ(4ステップ手前のステップ)で全ての励磁相φ1〜φ4を励磁する全相励磁を開始する。これによりロータ32aに急制動がかけられることで、オーバーシュート(脱調)した結果、停止位置でロータ32aが停止することとなる。
本実施の形態では、通常停止制御において全相励磁を行なった後、5ステップ分オーバーシュートして滑るため、図25に示すように、回転方向に対して停止位置よりも6ステップ手前のステップでブレーキを開始し、停止位置よりも5ステップ手前で全相励磁を開始することとなる。
通常停止制御では、図23に示すように、後述の低速停止制御が行なわれる1コマ滑り、すなわち停止位置に対して22〜37ステップ手前のタイミングで停止操作が行なわれた場合には、停止操作の検出後、16〜31ステップの間、定速回転と同じ2.24msのステップレートに制御され、次のステップにおいて定速回転よりも長い3.36msのステップレートに制御された後、全相励磁に制御されるので、停止操作の検出後、全相励磁までに39.2ms〜72.8msの時間を要する。
低速停止制御では、図27および図28に示すように、停止操作の検出後、通常停止制御と同様に停止位置に応じたブレーキ開始位置に到達するまでは、定速回転のステップレート(2.24ms)を維持するが、通常停止制御のブレーキ開始位置よりも回転方向に対してさらに手前に位置するブレーキ開始位置から定速回転時のステップレート(2.24ms)よりも長いステップレート(4.48ms)を適用し、ブレーキをかけてロータ32aの減速を開始させる。この際、図26に示すようにステップレートを一律に長くしていくのではなく、長いステップレートと短いステップレートを交互に織り交ぜながら、徐々に長いステップレートを適用することで、スムーズにロータ32aを減速させるようになっている。
そして、停止位置のステップに向けて徐々にステップレートを長くして減速し、停止位置にて全相励磁を開始する。これにより徐々に減速されたロータ32aは、オーバーシュート(脱調)することなく、停止位置で停止することとなる。このように低速停止制御において全相励磁を行なった後、オーバーシュートせずに停止するため、停止位置にて全相励磁を開始することとなる。
低速停止制御では、図26に示すように、停止操作の検出後、0〜15ステップの間、定速回転と同じ2.24msのステップレートに制御され、停止位置の22ステップ手前から、4.48ms×1、2.24ms×3、4.48ms×1、2.24ms×2、4.48ms×5、6.16ms×1、6.72ms×2、8.4ms×1、8.96ms×2、9.52ms×1、11.76ms×1、14.56ms×1、17.92ms×1のステップレートに制御された後、全相励磁に制御されるので、停止操作の検出後、全相励磁までに、142.24ms〜175.84msを要する。通常停止制御において1コマ滑りで停止させる場合、停止操作の検出後、全相励磁までに要する時間は、39.2ms〜75.04msであり、同じ1コマ滑りで同じ停止位置に停止する場合でも、通常停止制御に比較して停止操作が検出されてから停止するまでに長い時間を要することとなる。
このように、本実施の形態では、同じタイミングで停止操作が行なわれ、同じ位置に停止させる場合であっても、低速停止制御を行なった場合には、通常停止制御に比較して、リールの減速が開始してから停止するまでに要する時間が長くなり、ゆっくりと停止位置に到達することとなり、停止態様を多様化することができる。
また、低速停止制御を行なう場合であっても、停止操作が検出された後、ブレーキ開始位置に到達するまでは、定速回転と同じステップレートでの制御が行なわれるようになっており、停止操作が検出されたステップ数に関わりなく、同じ引込コマ数であれば、共通の制御にて低速停止制御を行なうことが可能となり、必要以上に制御が複雑化してしまうことを防止できる。
なお、本実施の形態において示した低速停止制御は、停止操作の検出後、通常停止制御に比較してゆっくりとリールを目標となる停止位置に停止させる制御であれば、上記で励磁した制御方法以外の制御で行なうものでもよい。たとえば、通常停止制御よりも早い段階で励磁パターンを定速回転とは異なるパターンとすること、たとえば、本来消磁するべき励磁相を励磁したままの状態として、3つの励磁相を励磁させることにより、リールを減速させた後、全相励磁を行なうことで、通常よりも停止までに要する時間が長くなるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、通常停止制御においても低速停止制御においてもともに全相励磁の開始後、同じ時間にわたり全相励磁を継続する構成であるが、通常停止制御に比較して低速停止制御では、全相励磁の開始時における慣性力も弱く、通常停止制御と同じ時間にわたり全相励磁を継続せずとも、リールを確実に停止させることが可能であることから、低速停止制御においては、通常停止制御よりも全相励磁の開始後、全ての励磁相をOFFの状態とするまでの時間を短く設定するようにしてもよい。
たとえば、ホッパーモータ34bの駆動によりメダルの払出を伴なう場合、電圧が不足することから全相励磁が解除されるまでメダルの払出を待機することなるが、上記のように低速停止制御において通常停止制御よりも全相励磁の時間を短く設定したり、全相励磁を行なわないことにより、低速停止制御を行なう場合に、メダルの払出動作を行なうまでの時間を短縮することが可能となる。
次に、特定演出として低速停止制御を実行する実施形態において、メイン制御部41が実行するメロン役当選時演出処理について説明する。図29は、変形例におけるメイン制御部41が実行するメロン役当選時演出処理の制御内容を示すフローチャートである。
メロン役当選時演出処理が実行されると、先ず、メイン制御部41は、弱メロンまたは強メロンに当選したか否かを判定する(Sf11)。メイン制御部41は、弱メロンおよび強メロンのいずれにも当選していないと判定したときには、メロン役当選時演出処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、弱メロンまたは強メロンに当選したと判定したときには、中リール2Cに対する停止操作がされたか否かを判定する(Sf12)。メイン制御部41は、中リール2Cに対する停止操作がされていないと判定したときには、メロン役当選時演出処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、中リール2Cに対する停止操作がされたと判定したときには、停止操作位置および引込コマ数を確認する(Sf13)。このとき、メイン制御部41は、確認した停止操作位置および引込コマ数を特定するための情報をRAM41cに格納する。なお、このSf13の処理は、Sf12の処理と同じタイミングでしてもよい。その後、メイン制御部41は、特定演出抽選を実行する(Sf14)。
図30は、特定演出抽選で用いられる変形例における特定演出抽選テーブルを説明するための図である。なお、特定演出抽選テーブルは、ROM41bに格納されている。
特定演出抽選テーブルには、当選したAT当選役であるメロン役に対応して、中リール2Cにおいて停止操作した位置および当選確率の情報が格納されている。メイン制御部41は、特定演出抽選処理を実行することにより、この特定演出抽選テーブルに格納された当選確率の情報に基づいて特定演出の実行可否を抽選により決定する。
たとえば、当選したAT当選役が弱メロンであって、遊技者により第1位置のタイミングで停止操作されたときには、特定演出が実行されない旨が決定される。また、当選したAT当選役が弱メロンであって、遊技者により第2位置のタイミングで停止操作されたときには、10%の確率で特定演出が実行される旨が決定される。
また、当選したAT当選役が強メロンであって、遊技者により第1位置のタイミングで停止操作されたときには、10%の確率で特定演出が実行される旨が決定される。また、当選したAT当選役が強メロンであって、遊技者により第2位置のタイミングで停止操作されたときには、90%の確率で特定演出が実行される旨が決定される。
このように、内部当選の結果が弱メロンである場合には、第1位置で停止操作されたときには特定演出が実行されないのに対し、第2位置で停止操作されたときには10%の確率で特定演出が実行されるようになっている。さらに、内部当選の結果が強メロンである場合には、第1位置で停止操作されたときには10%の確率で特定演出が実行されるのに対し、第2位置で停止操作されたときには90%の確率で特定演出が実行されるようになっている。
このように、内部当選の結果が弱メロンであったか、あるいは強メロンであったかに応じて異なる確率で特定演出が実行されるため、内部当選の結果が弱メロンおよび強メロンのいずれであるかを特定演出によって遊技者に予想させることができ、特定演出の実行に対して遊技者に注目させて遊技の興趣を向上させることができる。さらに、内部当選の結果が弱メロンおよび強メロンであった場合の少なくとも一方において、第1位置および第2位置のいずれで停止操作されたかに応じて異なる確率で特定演出が実行されるため、中リール2Cの停止操作時に、有利となることを期待できる特定演出が実行されることに対して遊技者に期待させて遊技の興趣を向上させることができる。
また、強メロンに当選しているときには弱メロンに当選しているときよりも高い確率で特定演出が実行されるため、ナビストックの獲得およびATゲーム数の付与数に対して期待する遊技者に対して、特定演出の実行に注目させて遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、強メロン当選時において第2位置で停止操作したときには、弱メロン当選時に中リール2Cを第1位置または第2位置で停止操作したときと同様に、0〜2コマしか滑らないため、図柄の引込コマ数によって弱メロンおよび強メロンのいずれに当選したのかを遊技者が認識することが困難であるが、強メロン当選時において第2位置で停止操作したときには特定演出が実行されやすくなっているため、弱メロン当選および強メロン当選のいずれであるかを特定演出によって遊技者に予想させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図29に戻り、メイン制御部41は、Sf14の処理を実行した後、特定演出抽選によって特定演出を実行する旨が決定されたか否かを判定する(Sf15)。メイン制御部41は、特定演出を実行しない旨が決定されたと判定したときには、メロン役当選時演出処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、特定演出を実行する旨が決定されたと判定したときには、Sf13においてRAM41cに格納した引込コマ数を特定するための情報に基づき、引込コマ数は1コマであったか否かを判定する(Sf16)。メイン制御部41は、引込コマ数が、1コマであると判定したときには、特定演出を実行する(Sf17)。
つまり、この場合、強メロン当選時であって第1位置で停止操作されたとき以外に基づく特定演出抽選で当選しており、さらにリール制御における図柄の引込コマ数が1コマとなる。よって、特定演出の実行期間がある程度確保することができるため、メイン制御部41は、中リール2Cが停止してから最大停止遅延時間が到来するまでの間において、特定演出フラグに基づき特定演出を実行する。さらに、このときの特定演出としては、メイン制御部41により低速停止制御が実行される。その後、メイン制御部41は、メロン役当選時演出処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、引込コマ数が、1コマではないと判定したときには、示唆演出を実行する旨を示す示唆演出フラグをRAM91cにセットする(Sf18)。
つまり、この場合、リール制御における図柄の引込コマ数が1コマではないため、特定演出の実行期間が短くなる。そのため、メイン制御部41は、特定演出の代わりに、サブ制御部91に対して示唆演出を実行させるための示唆演出フラグをRAM91cにセットする。これにより、サブ制御部91は、セットされた示唆演出フラグに基づき、中リール2Cが停止してから次のゲームが開始するまで示唆演出を実行する。
ここで、示唆演出とは、内部抽選による当選結果を示唆する演出であり、本実施の形態においては、弱メロンおよび強メロンのいずれに当選したのかを液晶表示器51を用いて遊技者に示唆する演出のことである。
たとえば、示唆演出においては、メイン制御部41による制御コマンドに基づきサブ制御部91により、液晶表示器51の画面上に「強」や「弱」といった文字画像が表示され、「強」の文字画像が表示された場合には強メロンに当選したことを示唆し、「弱」の文字画像が表示された場合には弱メロンに当選したことを示唆する演出が行なわれる。なお、示唆演出の演出態様は上記に限らず、たとえば、スピーカ53、54から出力された音声を用いた演出であってもよい。
この示唆演出の実行期間は、中リール2Cが停止してから次のゲームが開始するまで実行されるようになっているため、中リール2Cが停止してから最大停止遅延時間が到来するまでの間に実行される特定演出に比べて実行期間を長時間確保することができる。よって、短期間で特定演出を実行するよりも、長期間で示唆演出を実行する方が、遊技者に対して当選役の示唆を十分にすることができる。
なお、示唆演出の実行期間は上記の期間に限らない。たとえば、示唆演出は、すべてのリールが停止した後から次のゲームが開始するまでの間に実行されるものであってもよい。さらに、示唆演出においては、弱メロンおよび強メロンのいずれに当選したのかを液晶表示器51を用いて遊技者に示唆する前に、予め演出を予兆するような演出がされるものであってもよい。たとえば、スタートスイッチがONされた直後に予兆キャラクタが液晶表示器51の画面上に登場し、中リール2Cが停止した後に当該予兆キャラクタが弱メロンおよび強メロンのいずれに当選したのかを示すようなセリフ(たとえば、「強が出た!!」や「強かも?」のようなセリフ)に対応する画像を液晶表示器51の画面上に表示するものであってもよい。
このように、内部抽選による当選結果が弱メロンおよび強メロンのいずれかであった場合において、リール制御における図柄の引込コマ数が引込範囲の上限である4コマであったときには特定演出が実行される実行期間が短くなるため、遊技者が特定演出を見逃してしまう可能性があるが、特定演出の代わりに内部抽選による当選結果を示唆する示唆演出を実行することにより、示唆演出によって弱メロンおよび強メロンのいずれに当選したのかを遊技者に予想させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
以上説明したように変形例におけるスロットマシン1では、リールを停止させる際の停止制御として通常停止制御と、通常停止制御よりも停止操作がされてからリールが停止するまでに要する時間が長くなる低速停止制御と、を含んでいる。
そして、メロン役当選時において、中リール2Cが停止操作されたときに、中リール2Cにおける引込コマ数が1コマであるときには、特定演出として低速停止制御が実行される。
なお、上記の実施の形態では、特定演出として、停止操作の検出後、通常停止制御に比較してゆっくりとリールを目標となる停止位置に停止させる低速停止制御を適用しているが、特殊な停止態様にて表示結果を導出させる制御を行なうものであればよく、たとえば、リール停止時にリールを上下に振動させながら停止させる制御(いわゆるバウンド停止)をするものであってもよい。
また、低速停止制御に適した引込コマ数として1コマを適用しているが、低速停止制御に適した引込コマ数はこれに限定されるものではなく、さらに低速停止制御に適した引込コマ数が複数のものであってもよい。
[入賞演出について]
また、変形例におけるスロットマシン1においては、以下に説明する入賞演出がサブ制御部91によりさらに実行されるものであってもよい。つまり、特定演出の変形例として、低速停止制御と入賞演出とが1セットで適用されるものであってもよい。
入賞演出とは、いずれかの入賞ライン上にいずれかの役が揃って入賞した場合に、入賞した役を強調することで入賞した旨を報知する演出である。たとえば、図31に示すように、入賞演出は、メロン役に入賞した旨を報知するものであってもよい。
入賞演出は、全リール停止後のリールLED55の点灯態様を変化させることにより入賞した役を強調する入賞演出A〜Cを含む。
入賞演出Aは、図31(a)に示すように、入賞した役の構成図柄が停止している領域以外のリールLED55を消灯させるとともに、入賞した役の構成図柄が停止している領域のリールLED55を点滅表示させる点灯態様にて入賞した役を強調する入賞演出である。
入賞演出Bは、図31(b)に示すように、入賞した役の構成図柄が停止している領域のリールLED55を消灯させるとともに、入賞した役の構成図柄が停止している領域以外のリールLED55を点滅表示させる点灯態様にて入賞した役を強調する入賞演出である。
入賞演出Cは、図31(c)に示すように、入賞した役の構成図柄が停止している領域のリールLED55と、入賞した役の構成図柄が停止している領域以外のリールLED55と、を交互に点滅させる点灯態様にて入賞した役を強調する入賞演出である。
いずれかの役の入賞時に入賞演出A〜Cのいずれの入賞演出を実行するか否かは、サブ制御部91が入賞時に行なう入賞演出選択抽選により決定される。
入賞演出選択抽選では、前述した低速停止制御が行なわれる可能性のあるメロン役当選時において、低速停止制御が行なわれたか否かにかかわらず、当該ゲームにおいて低速停止制御を実行するための特典演出抽選に当選したか否かに応じた確率にて入賞演出A〜Cのいずれかが選択される。すなわち低速停止制御を実行するための特典演出抽選に当選しているが低速停止制御が行なわれなかった場合であっても、特典演出抽選に当選した場合の確率が適用されることとなる。たとえば、本実施の形態においては、図29のSf15のステップで強メロン当選時であって第1位置で停止操作されたときに基づく特定演出抽選で当選しているときには、引込コマ数が1コマではないため、Sf18のステップで特定演出の代わりに示唆演出が実行される。この場合、低速停止制御を実行するための特典演出抽選に当選しているが低速停止制御が行なわれなかったことになる。
また、RAM91cには、低速停止制御を実行するための特典演出抽選に当選し、かつ低速停止制御が行なわれなかった割合を示す低速停止制御カウンタが割り当てられており、低速停止制御カウンタの値が0を超えるか、0以下であるか、に応じて特典演出抽選に当選し、かつ低速停止制御が行なわれなかった割合が所定割合以下であるか否かを特定できるようになっている。
本実施の形態では、特典演出抽選に当選し、かつ低速停止制御が行なわれた場合には、低速停止制御カウンタの値が2加算される一方で、特典演出抽選に当選し、かつ低速停止制御が行なわれなかった場合には、低速停止制御カウンタの値が1減算されるようになっており、低速停止制御カウンタの値が0を超えるか、0以下であるか、に応じて特典演出抽選に当選し、かつ低速停止制御が行なわれなかった割合が1/3以下であるか否かを特定できるようになっている。
そして、入賞演出選択抽選では、特に特典演出抽選が当選している場合に、低速停止制御カウンタの値が0を超えるか、0以下であるか、に応じた確率にて入賞演出A〜Cのいずれかが選択される。
低速停止制御カウンタの値が0を超える場合、すなわち特典演出抽選に当選し、かつ低速停止制御が行なわれなかった割合が1/3を超える場合において、弱メロンに当選し、かつ通常停止制御が適用される場合には、入賞演出Aが95%、入賞演出Bが5%の確率で選択され、弱メロンに当選し、かつ低速停止制御が適用される場合には、入賞演出Aが50%、入賞演出Bが45%、入賞演出Cが5%の確率で選択され、強メロンに当選し、かつ通常停止制御が適用される場合には、入賞演出Aが95%、入賞演出Bが5%の確率で選択され、強メロンに当選し、かつ低速停止制御が適用される場合には、入賞演出Aが70%、入賞演出Bが28%、入賞演出Cが2%の確率で選択される。
また、低速停止制御カウンタの値が1以下の場合、すなわち特典演出抽選に当選し、かつ低速停止制御が行なわれなかった割合が1/3以下である場合において、弱メロンに当選し、かつ通常停止制御が適用される場合には、入賞演出Aが95%、入賞演出Bが5%の確率で選択され、弱メロンに当選し、かつ低速停止制御が適用される場合には、入賞演出Aが20%、入賞演出Bが70%、入賞演出Cが10%の確率で選択され、強メロンに当選し、かつ通常停止制御が適用される場合には、入賞演出Aが95%、入賞演出Bが5%の確率で選択され、強メロンに当選し、かつ低速停止制御が適用される場合には、入賞演出Aが50%、入賞演出Bが45%、入賞演出Cが5%の確率で選択される。
このように入賞演出選択抽選においては、低速停止制御が行なわれる可能性のある弱メロン当選時または強メロンの当選時において、低速停止制御が行なわれたか否かにかかわらず、当該ゲームにおいて特典演出抽選に当選したか否かに応じた確率にて入賞演出A〜Cのいずれかが選択されるとともに、低速停止制御が行なわれる場合には、通常停止制御が行なわれる場合に比較して、入賞演出A〜Cのうち入賞演出B、Cが選択される比率が高くなるように定められており、メロン役の入賞時において入賞演出B、Cが行なわれることで、特典演出抽選に当選していた可能性が高い旨が示唆されることとなる。特に入賞演出Cについては、低速停止制御が行なわれる場合のみ選択され得るように定められており、メロン役の入賞時において入賞演出Cが行なわれることで、特典演出抽選に当選していた旨が示唆されることとなる。
また、入賞演出選択抽選においては、低速停止制御が行なわれる可能性のある弱メロン当選時または強メロン当選時において、特典演出抽選に当選し、かつ低速停止制御が行なわれなかった割合が所定割合以下である場合に、所定割合を超える場合に比較して、通常停止制御が適用される場合の入賞演出A〜Cの選択率が変化しないのに対して、低速停止制御が適用される場合の入賞演出A〜Cのうち入賞演出B、Cが選択される比率が高くなるように定められており、特典演出抽選に当選し、かつ低速停止制御が行なわれなかった割合が所定割合以下である場合には、所定割合を超える場合に比較して、メロン役の入賞時において特典演出抽選に当選していた可能性を示唆する入賞演出B、Cが行なわれやすくなる。
以上説明したように本実施の形態のスロットマシン1では、低速停止制御が行なわれる可能性のある弱メロン当選時または強メロン当選時において、低速停止制御が行なわれたか否かにかかわらず、当該ゲームにおいて特典演出抽選に当選したか否かに応じた確率にて入賞演出A〜Cのいずれかが選択されるとともに、特典演出抽選が当選している場合には、特典演出抽選が当選していない場合に比較して、入賞演出A〜Cのうち入賞演出B、Cが選択される比率が高くなるように定められており、メロン役の入賞時において入賞演出B、Cが行なわれることで、特典演出抽選に当選していた可能性が高い旨が示唆されることとなる。このため、メロン役の入賞時において低速停止制御が行なわれたか否かを見逃した場合や特典演出抽選に当選していても1コマの引込コマ数が選択されなかったために低速停止制御が行なわれなかった場合であっても、入賞演出の態様の違いから特典演出抽選が当選していたか否かを推認することが可能となるので、低速停止制御を備えることによる興趣を効果的に高めることができる。
また、本実施の形態では、入賞演出B、Cのうち入賞演出Cについては、特典演出抽選が当選した場合のみ選択され得るように定められており、メロン役の入賞時において入賞演出Cが行なわれることで、特典演出抽選に当選していた旨が示唆されることとなるので、メロン役の入賞時において低速停止制御が行なわれたか否かを見逃した場合や特典演出抽選に当選していても1コマの引込コマ数が選択されなかったために低速停止制御が行なわれなかった場合であっても、入賞演出Cが実行されることで、特典演出抽選が当選していたことを認識させることができる。
また、本実施の形態では、特典演出抽選に当選し、かつ低速停止制御が行なわれなかった割合が所定割合以下である場合には、所定割合を超える場合に比較して、メロン役の入賞時において特典演出抽選に当選していた可能性を示唆する入賞演出B、Cが行なわれやすくなっており、過去に特典演出抽選が当選したゲームにおいて低速停止制御が一定割合を下回った場合には、入賞演出B、Cが行なわれたことによる特典演出抽選に当選していたか否かの判別精度が上がるので、低速停止制御が行なわれ難いタイミングで停止操作を行なっている遊技者に対しても、特典演出抽選に当選していた可能性を的確に認識させることができる。
なお、本実施の形態では、導出後演出としてリールLED55を用いた入賞演出を適用しているが、これに限らず、液晶表示器51に表示された画像や映像による演出、音声による演出、これらを組み合わせた演出を適用するものでもよい。
また、本実施の形態では、低速停止制御が行なわれる可能性のある弱メロン当選時または強メロン当選時において、低速停止制御が行なわれたか否かにかかわらず、当該ゲームにおいて特典演出抽選に当選したか否かに応じた確率にて入賞演出A〜Cのいずれかが選択される構成であるが、低速停止制御が行なわれる可能性のある弱メロン当選時または強メロン当選時において、低速停止制御が行なわれたか否かにかかわらず、当該ゲームにおいて特典演出抽選に当選したか否かに応じた確率にて、低速停止制御が行なわれる可能性のある弱メロン当選時または強メロン当選時において全リール後に実行され得る停止時演出を実行するか否かを決定する停止時演出抽選を行ない、停止時演出抽選に当選した場合に停止時演出が行なわれる構成とし、特典演出抽選が当選している場合には、特典演出抽選が当選していない場合に比較して、停止時演出の実行確率が高くなるように定めることにより、メロン役入賞時の停止時演出が行なわれることで、特典演出抽選に当選していた可能性が高い旨が示唆される構成としてもよく、このような構成とした場合においても、メロン役の入賞時において低速停止制御が行なわれたか否かを見逃した場合や特典演出抽選に当選していても1コマの引込コマ数が選択されなかったために低速停止制御が行なわれなかった場合において、停止時演出の実行の有無により特典演出抽選が当選していたか否かを推認することが可能となるので、低速停止制御を備えることによる興趣を効果的に高めることができる。
また、上記のように停止時演出が行なわれることで、特典演出抽選に当選していた可能性が高い旨が示唆される構成においては、特典演出抽選に当選し、かつ低速停止制御が行なわれなかった割合が所定割合以下である場合には、所定割合を超える場合に比較して、メロン役の入賞時において特典演出抽選に当選していた可能性が高い旨を示唆する停止時演出が高い割合で実行されることが好ましく、このような構成とすることで、過去に特典演出抽選が当選したゲームにおいて低速停止制御が一定割合を下回った場合には、停止時演出が行なわれたことによる特典演出抽選に当選していたか否かの判別精度が上がるので、低速停止制御が行なわれ難いタイミングで停止操作を行なっている遊技者に対しても、特典演出抽選に当選していた可能性を的確に認識させることができる。
また、上記では、特典演出抽選が当選している場合に、特典演出抽選が当選していない場合に比較して、停止時演出の実行確率が高くなるように定めることにより、メロン役の入賞時の停止時演出が行なわれることで、特典演出抽選に当選していた可能性が高い旨が示唆される構成を例示しているが、特典演出抽選が当選している場合に、特典演出抽選が当選していない場合に比較して、停止時演出の実行確率が低くなるように定めることにより、メロン役の入賞時の停止時演出が行なわれないことで、特典演出抽選に当選していた可能性が高い旨が示唆される構成としてもよい。
また、特定演出の変形例として、低速停止制御と入賞演出とが1セットで適用される例を示したが、これに限らない。たとえば、特定演出の変形例として、低速低速停止制御を適用し、入賞演出は特定演出の一部ではない演出であってもよい。
[特定演出抽選について]
特定演出抽選においては、図19や図30に示す当選確率に限らず、その他の当選確率に基づき抽選が行なわれるものであってもよい。
たとえば、図33に示すように、当選したAT当選役が強メロンであって、遊技者により第1位置のタイミングで停止操作されたときに限り100%の確率で特定演出が実行されるものであってもよい。
これにより、第2位置のタイミングで停止操作するよりも目押しで停止させる範囲(コマ数)が少なくて難易度が高い第1位置のタイミングで停止操作したときには、祝福の意味を込めて特定演出により強メロンに当選していることを報知することができる。これにより、特定演出によって、遊技の興趣をより向上させることができる。
[特定演出の実行期間について]
本実施の形態においては、低速停止制御を適用させたときの特定演出の実行期間は中リール2Cが停止してから最大停止遅延時間が到来するまでの間に実行されるものであったが、これに限らない。たとえば、最終リールが停止してから(つまり、すべてのリールが停止して最終的に共通表示結果が導出されてから)最終リールにおける最大停止遅延時間が到来するまでの間に実行されるものであってもよい。
[特定演出の示唆対象について]
本実施の形態においては、特定演出は、AT当選役であるメロン役が当選した可能性を示唆することによって、遊技者に対してナビストックの獲得に期待をもたせる演出であったが、これに限らない。
たとえば、特定演出は、遊技者にとって有利となるボーナスの内部当選の有無を示唆するものであってもよいし、現在所有しているナビストック数を示唆するものであってもよい。また、特定演出は、次のATに継続するか否かを示唆するものであってもよい。また、特定演出は、実行後に有利度が向上するフリーズ演出の実行を示唆するものであってもよい。さらに、特定演出は、メダルの払出率に直接影響を及ぼすものではない特典の付与(たとえば、プレミア演出の実行、設定値の示唆、画像や曲のダウンロードを可能とするポイントの付与など)を示唆するものであってもよい。
[示唆演出の示唆対象について]
本実施の形態においては、示唆演出は、内部当選の結果を示唆するものであったが、これに限らない。たとえば、示唆演出は、遊技者にとって有利となるボーナスの内部当選の有無を示唆するものであってもよいし、現在所有しているナビストック数を示唆するものであってもよい。また、示唆演出は、次のATに継続するか否かを示唆するものであってもよい。また、示唆演出は、実行後に有利度が向上するフリーズ演出の実行を示唆するものであってもよい。さらに、示唆演出は、メダルの払出率に直接影響を及ぼすものではない特典の付与(たとえば、プレミア演出の実行、設定値の示唆、画像や曲のダウンロードを可能とするポイントの付与など)を示唆するものであってもよい。
[識別情報について]
本実施の形態においては、第1識別情報および第2識別情報の組合せの一例として、メロン2、4、6、8が入賞するときの中リール2Cの中段図柄であるメロンa同志の組合せ、メロン1、3、5、7が入賞するときの中リール2Cの中段図柄であるメロンb同志の組合せ、メロン10、12、14、16が入賞するときの中リール2Cの下段図柄であるメロンa同志の組合せ、およびメロン9、11、13、15が入賞するときの中リール2Cの下段図柄であるメロンb同志の組合せを例示した。つまり、本実施の形態においては、見た目は全く同じ図柄を、第1識別情報および第2識別情報の図柄に適用させてた。しかしながら、これに限らない。
たとえば、第1識別情報にメロンaを用いて、第2識別情報にメロンbを用いたり、第1識別情報にベルaを用いて、第2識別情報にベルbを用いたりするなど、見た目はほとんど同じだが、よく見ると互いに少し異なる図柄の組合せ(類似する図柄の組合せ)を第1識別情報および第2識別情報にそれぞれ用いて、そのそれぞれが共通表示結果を構成するものであってもよい。
また、メロン図柄に限らず、イチゴ図柄やリプレイ図柄など、その他の図柄を第1識別情報および第2識別情報に用いてもよい。さらに、見た目は全く異なるが互いにカテゴリーが同じ図柄を第1識別情報および第2識別情報のそれぞれに用いてもよい。たとえば、果物のカテゴリーに含まれる互いに見た目が全く異なる図柄(イチゴとブドウなど)がそれぞれ第1識別情報と第2識別情報に用いられ、そのそれぞれが共通表示結果を構成するものであってもよい。
[共通表示結果について]
本実施の形態においては、共通表示結果の一例として、入賞ラインL1上にメロン役が入賞する結果や、右上斜めに3連メロンが停止、あるいは下段に3連メロンが停止するものを説明した。しかしながら、これに限らず、上段(左リール2Lの上段、中リール2Cの上段、右リール2Rの上段)や、右下斜め(左リール2Lの上段、中リール2Cの中段、右リール2Rの下段)、あるいは、小山(左リール2Lの下段、中リール2Cの上段、右リール2Rの下段)や小谷(左リール2Lの上段、中リール2Cの下段、右リール2Rの上段)に3連メロンが停止するものであってもよい。
また、3リールを用いるものに限らず、1リールや2リールを用いて共通表示結果を導出するものであってもよい。たとえば、1リールであれば、中段図柄のみによって共通表示結果を構成してもよいし、2リールであれば、上段同志、中段同志、下段同志などに停止した図柄によって共通表示結果を構成してもよい。
また、本実施の形態においては、中リール2Cに配置されたメロン図柄の引込に応じて共通表示結果を導出するか否かが変わるものであったが、中リール2Cに限らず、左リール2Lや右リール2Rに配置された図柄の引込に応じて共通表示結果を導出するか否かが変わるものであってもよい。
[遊技状態の遷移について]
本実施の形態においては、スロットマシン1が図8に示す遊技状態の遷移をするものであったが、これに限らず、その他の遊技状態を備えて遷移するものであってもよい。たとえば、遊技者にとって有利なボーナス(BB、RB)を備え、ボーナス当選したときにはボーナス内部当選状態に移行し、当選しているボーナスに入賞したときにはボーナス状態に移行して小役や再遊技役の当選確率が向上するものであってもよい。
また、スロットマシン1は、抽選対象役のうち小役全てが当選するゲームが行なわれるチャレンジボーナス(CB)を備えるものであってもよく、CB中のゲームでは、遊技者の目押しにより小役の入賞が毎ゲーム可能するものであってもよい。
[リールについて]
本実施の形態においては、機械的に動作するリール2L、2C、2Rを用いて表示結果を導出するスロットマシン1について説明したが、これに限らない。たとえば、液晶表示器のみを用いて、画面に表示された仮想リールを用いて表示結果を導出するものであってもよい。さらに、このような液晶表示器の画面を用いた仮想リールと、本実施の形態のような機械的に動作する物理的なリール2L、2C、2Rとを併用して表示結果を導出するものであってもよい。
[本実施の形態におけるその他の変形例や実施の形態の特徴点について]
(1) ボーナスを備え、ナビストック数が残存している状態でボーナス当選したときにおける当該ナビストック数について、クリア(たとえば「0」)する処理を行なうものであってもよく、当該ボーナス終了後まで持ち越す処理を行なうものであってもよく、所定数減算する処理を行なうものであってもよく、所定数上乗せ加算する処理を行なうものであってもよく、また当該ボーナス当選ごとに何れの処理を行なうかを決定し、該決定された処理を行なうものであってもよい。これにより、ナビストック数が残存している状態においてボーナス当選したときのバリエーションが増加し、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 本実施例では、賭数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施の形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
(3) また、本実施例では、メダルならびにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、これに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施の形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
(4) さらに、本実施例では、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうちのいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえばメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れを用いても賭数を設定してゲームを行なうことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れをも払い出し得るものであってもよい。
(5) 本実施例では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、全てのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
(6) 本実施例では、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を変動表示可能な複数の可変表示領域(透視窓3)のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値(メダル、クレジット)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、複数の可変表示領域のすべてに表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として複数の可変表示領域のそれぞれに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであってもよい。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均などの意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
なお、本実施の形態におけるリール制御は、上記のように下段に3連メロンが停止するメロン10、12、14、16を入賞させるときに限らず、下段に3連メロンが停止するメロン9、11、13、15を入賞させるときにも用いられる。たとえば、メロン9、11、13、15を入賞させるときの第1位置として、2番の星7または3番のメロンbが下段を通過するタイミングで停止操作する位置を用いることができる。なお、メロン図柄について、上記の第1位置で停止操作したときには、3番のメロンbおよび6番のメロンbといった2つのメロン図柄を下段に引き込むことが可能である。また、メロン9、11、13、15を入賞させるときの第2位置として、4番のベルa、5番のリプb、および6番のメロンbのいずれかが通過するタイミングで停止操作する位置を用いることができる。なお、メロン図柄について、上記の第2位置で停止操作したときには、6番のメロンbといった1つのメロン図柄だけを下段に引き込むことが可能である。