JP2017029654A - いびき等の防止用マウスピース - Google Patents
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Abstract
【課題】 長時間の装着でも口腔内での反射反応などの不快感や疲労感が無く、睡眠時に加圧器或いは吸引器などの機器から切り離して使用できる、使用性、取扱い性に優れたいびき等の防止用のマウスピースを提供する。【解決手段】上顎歯列UTに嵌め合い装着するピース本体1に、口腔内の硬口蓋HP及び軟口蓋SPに沿って湾曲する吸盤アーム2をその奥歯側後方へ延設し、その吸盤アーム2に吸気通路6及び7を備えるとともに該通路に通じる吸盤部4及び5を設け、前記吸盤部を軟口蓋SP及び/又は口蓋垂Uに近接させ、かつ吸入器ASPを用いて前記吸気通路を介し、吸盤部に陰圧をかけて吸着させ定置保持するようにしたこと。【選択図】図1
Description
本発明は、いびき等の防止用マウスピースに関し、詳しくはいびきの症状である軟口蓋の振動を抑制すると共に軟口蓋を保持して気道を確保することにより一部無呼吸症候群の症状改善を目的とした簡易に使用できる補助器具としてのマウスピースに関する。
いびきは、睡眠中に鼻腔内の組織が呼吸により発生する気流によって振動して発生する。いびきの主な発生源は、軟口蓋の振動にある。その原因は、軟口蓋と咽頭との間隔が狭まり或いは閉塞することにより起こる。
外科手術で軟口蓋を摘出するなどの侵襲的治療法を用いないで、いびきを止める方法として、側臥位用枕、鼻穴拡張器、或いはいびき音を感知して体位を強制的に変更する機器などが提案されている。他方、いびき及び睡眠時無呼吸症候群の治療では、CPAP(持続式陽圧呼吸療法)が一般的に採用使用されている。
外科手術で軟口蓋を摘出するなどの侵襲的治療法を用いないで、いびきを止める方法として、側臥位用枕、鼻穴拡張器、或いはいびき音を感知して体位を強制的に変更する機器などが提案されている。他方、いびき及び睡眠時無呼吸症候群の治療では、CPAP(持続式陽圧呼吸療法)が一般的に採用使用されている。
上記いびきを止める方法以外にも、いびきや無呼吸症候群を防止するため、通称「いびき防止用スプリント」(下顎歯列を上顎歯列より前方に強制的に押し出させるマウスピース)に吸引口を設け、舌を吸引固定することにより、睡眠時における舌の咽頭への落ち込みを防止し、気道を解放状態に維持する簡易用具を本出願人は提案した(特許文献1)。また、特許文献2には、上下顎の歯列に係合するアンカ又はU形状基部に設けたアーム又は舌係合部材で、舌を下顎方向に押し下げ、口蓋と舌との間にできた空間を陰圧として、軟口蓋を前歯方向に引き付け固定する装置が提案されている。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対する口腔内装置に関する診療ガイドライン(NPO法人日本睡眠歯科学会)
Breathing irregularity during wakefulness associated with CPAP acceptance in sleep apnea.Sleep Breath.2013;17(2):845−52.
しかしながら、いびきを止める上記方法について、いびき等を止める実効性に十分とは言い得ない提案も有り、また大掛かりな機器やシステムを必要とするなど、睡眠の阻害要因を含むため、一般的使用に至っていない。他方、CPAPは睡眠時無呼吸症候群の患者に第一選択として使用されているが、睡眠中常時マスクを装着する必要が有り、使用に当たり大変煩わしく、また常時陽圧状態に維持するよう形成されているため、口が僅かでも開いたりすると口腔内の圧が低下し、機能が損なわれる。常用すると肺活量の低下、気管支の炎症など、使用の副作用と考えられる症状を招くことが報告されている。従って、その使用を断念する患者が多いことも知られている。
また、上記特許文献に示された提案においても、特許文献1は、いびき防止用スプリントにより睡眠時に下顎を前方に押し出し、さらに舌をそのスプリントに吸引固着ことが提案されているが、軟口蓋への提案ではない。そして、この提案の図示された吸盤構造では、舌のような軟体組織を吸着固定するのに不十分で、舌の咽頭への落ち込みが避けられないと考えられる。また、いびき防止用スプリント自体にも問題が有り、それを長期使用すると咬合変化が起こり、上下歯列の噛み合わせがうまくできなくなり、飲食に支障を来すなどの症例報告もあり、この提案は実用化されていない。
特許文献2は、上下顎の歯列に係合するアンカ又はU形状基部に設けたアーム又は舌係合部材で、舌を下顎方向に押し下げる構造を持つが、舌には迷走神経が走っており、舌の反射反応を誘発する可能性が有る。また、軟口蓋を舌に密着保持固定するために、軟口蓋を前歯側に引き寄せねばならず、十分な陰圧を生じせしめる減圧ユニットを要し、さらにその陰圧を維持するために圧センサを装備するなど、加えて口腔内に溜まる唾液を吸引排出する機能も求められ、大掛かりな装置が必要であって、簡易な補助器具としての利用は不可能である。そして、睡眠使用時に少なくとも減圧吸引チューブ、圧センサ、唾液吸引排出チューブを常時口部デバイスに繋いでおかなければならず、寝返りを行うとき邪魔になる不具合が考えられる。
本発明は、上記従来事情に鑑みて、使用性、取扱い性に優れ、かつ長時間の装着でも口腔内での反射反応などの不快感や疲労感が無く、また咬合変化などの危険性も無く、さらに睡眠時に加圧器或いは吸引器などの機器から切り離して使用できる、いびき等の防止用の簡易な補助器具を提供することを目的とする。
斯かる本発明のいびき等の防止用マウスピースは、上顎歯列に嵌め合い装着するピース本体に、口腔内の硬口蓋及び軟口蓋に沿って湾曲する吸盤アームをその奥歯側後方へ延設し、その吸盤アームに吸気通路を備えるとともに該通路に通じる吸盤部を設け、前記吸盤部を軟口蓋及び/又は口蓋垂に近接させ、かつ吸入器を用いて前記吸気通路を介し、吸盤部に陰圧をかけて吸着させ定置保持するようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、使用者が就寝の直前にマウスピースを上顎歯列に装着固定した状態で、吸入器を用いてピース本体の奥歯側に延設した吸盤アームの吸盤部から吸気することにより、吸気通路を介して前記吸盤部又は吸盤部に開口した吸着口に吸着作用を生起させ、その吸着作用で軟口蓋及び/又は口蓋垂を吸着定置保持させた後に吸入器との接続を外す。軟口蓋及び/又は口蓋垂を吸着定置保持することにより、仰臥姿勢の呼吸時において軟口蓋及び/又は口蓋垂の咽頭への垂落ちを防止し、気道を確保し、その振動を抑制していびきを防止する。また、当該マウスピースは、上顎歯列に嵌め合い固定されており、図示されていない前記吸入器から伸びるラインを、吸引口において切り離すことができ、睡眠中にそのラインが顔に当たるなどの煩わしさ無く使用できる。
そして、本発明におけるマウスピースの前記吸盤アームが、咽頭と前歯との間を移動調整できるようにしたことを特徴とする。
それにより、移動調整できるように前記吸盤アームが、吸盤部を一端に設けた吸気通路から成り、ピース本体と切り離して形成し、前記ピース本体には、陰圧を一定保持できる機密機能を有する継手ベースを設け、そこに吸盤アームの前記吸気通路を差し込む形状をして成る。尚、この前後の移動調整に加え、前記吸盤アームを歯列の左右に移動調整できるようにしても良い。
吸盤アームの口腔内での位置は重要で、咽頭方向に押し込みすぎても、また舌の根元に強く当っても咽頭反応を誘発する可能性が有り、咽頭と前歯との間を移動調整して適当な位置に吸盤アームをおく。
それにより、移動調整できるように前記吸盤アームが、吸盤部を一端に設けた吸気通路から成り、ピース本体と切り離して形成し、前記ピース本体には、陰圧を一定保持できる機密機能を有する継手ベースを設け、そこに吸盤アームの前記吸気通路を差し込む形状をして成る。尚、この前後の移動調整に加え、前記吸盤アームを歯列の左右に移動調整できるようにしても良い。
吸盤アームの口腔内での位置は重要で、咽頭方向に押し込みすぎても、また舌の根元に強く当っても咽頭反応を誘発する可能性が有り、咽頭と前歯との間を移動調整して適当な位置に吸盤アームをおく。
また、本発明におけるマウスピースの前記吸盤アームの後端に舌の垂落ちを防止する舌押え片を設けたことを特徴とする。
睡眠時無呼吸症候群の主な原因は、就寝仰臥位において舌及び軟口蓋の脱力による咽頭への垂落ちにある。垂落ちにより気道が塞がれ無呼吸状態となる。当該マウスピースは、上記吸盤アームの後端にさらに舌押え片を延設し、また上顎歯列に嵌め合い固定しているので、垂落ちして来る舌及び/又は軟口蓋を支えることができ、気道を拡開維持する。その結果、睡眠時無呼吸症候群の患者の睡眠時呼吸を改善する。
睡眠時無呼吸症候群の主な原因は、就寝仰臥位において舌及び軟口蓋の脱力による咽頭への垂落ちにある。垂落ちにより気道が塞がれ無呼吸状態となる。当該マウスピースは、上記吸盤アームの後端にさらに舌押え片を延設し、また上顎歯列に嵌め合い固定しているので、垂落ちして来る舌及び/又は軟口蓋を支えることができ、気道を拡開維持する。その結果、睡眠時無呼吸症候群の患者の睡眠時呼吸を改善する。
また、前記吸盤部が、軟口蓋及び/又は口蓋垂との間に同一陰圧を広範囲に適用できる負圧空間及び/又は中空域を設け、軟体組織の定置保持ができることを特徴とする。
軟口蓋及び/又は口蓋垂のような口腔内の軟体組織を陰圧により吸着固定するには、吸引面積が十分に必要となる。吸引面積とは、陰圧を掛けられる面積を指し、例えばラッパ状の吸盤や蟻地獄のような形状による吸引では、吸引力が及ぶのはその外周の面積では無く、その根元に開口する開口部の面積を指すもので、吸着固定力は極めて小さいと言わざるを得ず、限られた面積で上記軟体組織を吸着固定するには不十分である。
口腔内のような一定の限られた領域で、効率良く軟体組織を陰圧により吸着固定するには、同一陰圧を広範囲に適用できる負圧空間及び/又は中空域を設けて成る吸盤部が求められる。
軟口蓋及び/又は口蓋垂のような口腔内の軟体組織を陰圧により吸着固定するには、吸引面積が十分に必要となる。吸引面積とは、陰圧を掛けられる面積を指し、例えばラッパ状の吸盤や蟻地獄のような形状による吸引では、吸引力が及ぶのはその外周の面積では無く、その根元に開口する開口部の面積を指すもので、吸着固定力は極めて小さいと言わざるを得ず、限られた面積で上記軟体組織を吸着固定するには不十分である。
口腔内のような一定の限られた領域で、効率良く軟体組織を陰圧により吸着固定するには、同一陰圧を広範囲に適用できる負圧空間及び/又は中空域を設けて成る吸盤部が求められる。
そして、本発明におけるマウスピースは、使用者の立位姿勢において、前記ピース本体が上顎歯列に装着されるとともに前記吸盤部が軟口蓋及び/又は口蓋垂を吸着させるように使用することを特徴とする。
ピース本体は、歯科医師又は歯科医師の指導の下歯科技工士により作成されるもので、上顎歯列に正確に嵌め合い固定される。そこには緩みやがたつきは存在しない。他方、ピース本体を上顎歯列に装着するとき、不用意な咽頭反射を避けるため、吸盤アームや吸盤部を口腔内の組織にできるだけ接触させずに慎重に挿入装着する。この装着は、立位姿勢で行えるので、簡単に慣れるため、短時間で容易に装着が可能となる。
ピース本体は、歯科医師又は歯科医師の指導の下歯科技工士により作成されるもので、上顎歯列に正確に嵌め合い固定される。そこには緩みやがたつきは存在しない。他方、ピース本体を上顎歯列に装着するとき、不用意な咽頭反射を避けるため、吸盤アームや吸盤部を口腔内の組織にできるだけ接触させずに慎重に挿入装着する。この装着は、立位姿勢で行えるので、簡単に慣れるため、短時間で容易に装着が可能となる。
本発明によれば、軟口蓋及び/又は口蓋垂の軟体組織を吸引方式により定置保持させ、軟口蓋及び/又は口蓋垂の振動抑制及び気道確保用の補助器具、すなわち上顎歯列に装着するマウスピースの吸盤アームに設けた負圧空間及び/又は中空域を設けて成る吸盤部に発生させる吸着作用によって、軟口蓋及び/又は口蓋垂を吸着定置保持させ、加えて舌の垂落ちを支えるので、就寝時にいびきを防止し、そして気道を確保し、スムーズで十分な呼吸を促す。また、装着時においてマスクの装着や陽圧環境などの不快感がなく、長時間にわたり快眠することができる。
当該マウスピースは、就寝前に上顎歯列に装着した後、吸入器を用いて吸気通路を含む吸盤部までの空間の吸気を行い、吸着作用の生じた吸盤部が軟口蓋及び/又は口蓋垂を定置保持したことを確認し、吸入器との接続を外す。使用に至るまでの準備及び操作は、この記述通りだけであるから、取扱いが簡便であるとともにコンパクトにして簡易な補助器具として使用することができる。
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明すれば、図1〜図4は第1実施例のマウスピースAを開示する。
マウスピースAは、使用者の上顎歯列を受容する歯列溝1dを凹設するピース本体1を形成し、口腔内の硬口蓋HP及び軟口蓋SPに沿って湾曲するように吸盤部4及び5を設けた吸盤アーム部2を前記ピース本体1の奥歯側に延設し、空気の流入流出を止める封止体3をピース本体1の前歯側に設け、そして吸引通路6及び7を前記吸盤部4及び5から前記封止体3の先に設けた吸引口8まで連通させ一体に形成した場合を例示する。
マウスピースAは、使用者の上顎歯列を受容する歯列溝1dを凹設するピース本体1を形成し、口腔内の硬口蓋HP及び軟口蓋SPに沿って湾曲するように吸盤部4及び5を設けた吸盤アーム部2を前記ピース本体1の奥歯側に延設し、空気の流入流出を止める封止体3をピース本体1の前歯側に設け、そして吸引通路6及び7を前記吸盤部4及び5から前記封止体3の先に設けた吸引口8まで連通させ一体に形成した場合を例示する。
このマウスピースAは、毒性のないモールド材料であればプラスチック、ウレタン、金属その他どのような材料からも製作できるが、具体例として提示すれば、柔軟シリコン、酢酸セルロース、アクリルレジン、ポリアミド、ポリオレフィン系可塑性エラストなどである。但し、事例によってはマウスピースAの構成要素の一つである吸引通路を金属材料で製作することがあり、具体例としてステンレス、チタン合金などである。
上記マウスピースAは、吸入器ASPの吸引により吸盤部4及び5において陰圧状態を生じせしめ、軟口蓋SP及び/又は口蓋垂Uを吸着定置固定する。吸盤部5は、マウスピースAをより確実に軟口蓋SP及び/又は口蓋垂Uに吸着定置固定するため補助的に設けたもので、吸盤部4は必須であるが、吸盤部5は任意である。また、必須の吸盤部4を軟口蓋SP及び/又は口蓋垂Uに当接する位置に横方向に複数設けても良い。吸盤部4及び5を陰圧状態にするため、吸盤部4及び5から、継手10及び11を通じ、その両側に沿い、ピース本体1の側面を通り、その前歯側に設けた保持手12内を抜け、封止体3を介して前記吸入器ASPに接続する吸引口8まで延びる吸気通路6及び7を連通形成して吸気ラインを備える。
詳細を省略した前記吸入器ASPに接続されたそのラインの先端に吸引コネクタ20を設け、それをマウスピースAの吸引口8に嵌合させ、吸入器ASPを作動させることにより、軟口蓋SP及び/又は口蓋垂Uに軽く接触係合していた前記吸盤部4及び5がそれを吸い寄せ吸着定置固定する。吸着固定を確認後、上記封止体3のコック9を適当な位置に回転させ、空気の流通を遮断して、吸気通路6及び7を含み、吸盤部4及び5から封止体3に至る空域を陰圧に保持する。その後に吸引コネクタ20を吸引口8から取り外し、使用される。
而して、取扱いが簡便であるとともにコンパクトにして簡易ないびき等の防止補助器具として使用することができる。
而して、取扱いが簡便であるとともにコンパクトにして簡易ないびき等の防止補助器具として使用することができる。
図3は、X−X線における断面図を例示する。図3(a)及び図3(b)においては、略楕円形状を成す吸盤部4が断面逆L字の外周縁16を形成し、それに軟口蓋SP及び/又は口蓋垂Uを吸着係合する仕切板14を設け、吸着口4hを開口させる場合を例示している。二点鎖線は、軟口蓋SPを指す。この吸着口4hは、吸着作用を高めるために間隔をおいて2個以上の複数個を形成すること、あるいは長孔形状とすることもよい。また、仕切板14と吸盤アーム2との間に負圧空間15を形成し、そこには吸気通路6の断端が通じており、吸入器ASPの吸引により、吸着口4hの一つ一つが同一陰圧となり、柔軟な組織軟口蓋SP及び/又は口蓋垂Uを吸着定置固定するように構成する。
図3(b)の実施例は、吸盤アーム2の軟口蓋SP側表面に凹みを設け、そこを負圧空間15とすることにより、仕切板14を直接吸盤アーム2に取り付けることができ、図3(a)の実施例に比較して断面逆L字の外周縁の高さを低くできるので、吸盤部4と吸盤アーム2との高さ又は厚みが小さくなり、使用者の口腔内における違和感を少なくできる利点がある。
図3(c)及び図3(d)においては、吸盤部4が一端固定の外周縁16を持ち、固定されない他端を内側に海苔巻状に巻き込み中空域17を形成する場合を例示している。中空域17は、吸気通路6の断端に通じており、吸入器ASPによる吸引によりそれが負圧状態となり、さらに前記他端が固定されていないため、外周縁16と軟口蓋SP及び/又は口蓋垂Uとで形成される負圧空間15と通気状態にあるので、中空域17と負圧空間15夫々が同一陰圧状態を成し、軟口蓋SP及び/又は口蓋垂Uを吸着定置固定する。
図3(c)及び図3(d)の実施例は、図3(a)及び図3(b)のそれらと異なり、仕切板を設けずに吸着盤4と軟口蓋SP及び/又は口蓋垂Uとで負圧空間15を形成して、軟口蓋SP及び/又は口蓋垂Uを吸着定置固定する。これは、外周縁16の内側空間全てが吸盤作用を持つことを意味し、仕切板に開口した吸着口全ての面積より大きい面積で吸引する。即ち、図3(c)及び図3(d)の実施例の方が、より強い力で軟口蓋SP及び/又は口蓋垂Uを吸着定置固定する。
また、図3(d)の実施例は、図3(c)の実施例における外周縁16の上端内周にエッジ18を形成した変形例で、軟口蓋SP及び/又は口蓋垂Uのような軟体組織をより強力にグリップし、それを吸着定置固定する利点がある。
図4は、マウスピースAを使用者の口腔内に装着した断面(一部断面を含む)を例示する。図4(a)は、立位で前記マウスピースAを使用者の口腔内に装着した直後の状態を例示している。装着時の咽頭反応を防ぐため、マウスピースAの吸盤アーム2を可能な限り、口腔内組織に押し当てることなく慎重に軟口蓋SP及び/又は口蓋垂Uに沿って押入れ、ピース本体1を上顎歯列UTに嵌合し、マウスピースAを装着固定する。口腔内では、舌Tは通常通り下顎に収まり、そして軟口蓋SP及び/又は口蓋垂Uと咽頭Pとの間に気道RTが開存している。
図4(b)は、使用者が就寝中の仰臥位でマウスピースAを使用者の口腔内に装着した状態を例示している。軟口蓋SP及び/又は口蓋垂Uは、マウスピースAの吸盤部4及び5により吸着固定されているため、咽頭方向に垂落ちすることなく、また舌Tの一部が吸盤アーム2に支えられるため、咽頭Pへの完全垂落ちを防止するので、気道RTが確保され、使用者の呼吸をスムーズに行わしめる。
図5は、マウスピースAを使用しないいびき持ち及び/又は睡眠時無呼吸症候群の方の一般的立位及び仰臥位の断面を例示する。図5(a)は、立位の断面で、軟口蓋SP及び/又は口蓋垂Uが重力により垂下しており、舌Tも通常通り下顎に収まっているので、前記軟口蓋SP及び/又は口蓋垂Uと咽頭Pとの間に空間が形成され、気道RTが確保されている。従って、スムーズに鼻呼吸ができる。
図5(b)は、仰臥位の断面で、舌Tが脱力して咽頭Pにまで落ち込み、軟口蓋SP及び/又は口蓋垂Uも重力と舌Tの下方圧力により前記咽頭Pに達し、気道RTを確保できず、通常の呼吸を妨げる。
図5(b)は、仰臥位の断面で、舌Tが脱力して咽頭Pにまで落ち込み、軟口蓋SP及び/又は口蓋垂Uも重力と舌Tの下方圧力により前記咽頭Pに達し、気道RTを確保できず、通常の呼吸を妨げる。
図6及び図7は、第2実施例のマウスピースCを示す。図6(a)が分離した吸盤アームを、そして図6(b)がピース本体及び封止体を斜め後方より視た斜視図である。図7は、分離した吸盤アームとピース本体及び封止体とを組み付けて、移動調整できることを表した、後方より視た斜視図である。マウスピースCは、口腔内の硬口蓋HP及び軟口蓋SPに沿って湾曲するように吸盤部24を設けた吸盤アーム22を分離して形成する。吸盤アーム22は、吸盤部24と継手28及び図示されていないが29を介して連通する吸気通路26c及び27cとから成り、吸気通路26c及び27cには切り溝202及び通気口203を吸盤部24の反対端に形成する。他方、ピース本体21は、使用者の上顎歯列を受容する歯列溝21dを凹設し、その奥歯側に吸盤アーム22の吸気通路26c及び27cを差し込み受け入れる受口26h及び27hを設けた継手ベース201を形成すると共に、その前歯側に空気の流入流出を止める封止体23を設けて成る。
マウスピースCは、前記吸盤アーム22とピース本体21とを継手ベース201において組み付けることにより、吸盤アーム22の吸引通路26c及び27cに設けた通気口203を介して、該通路が吸盤部24から封止体23の先に設けた吸引口まで連通することとなる。ピース本体21の吸引通路26及び27と吸盤アーム22の吸引通路26c及び27cが連通することにより、マウスピースAと同様に吸入器ASPの吸引により吸着盤24が負圧状態となり、軟口蓋SP及び/又は口蓋垂Uを定置吸着固定する。
またマウスピースCは、吸盤アーム22の吸引通路26c及び27cに切り溝202を設けて、吸盤アーム22が切り溝毎に咽頭と前歯との間を移動調節できるようにした。この移動調整は、マウスピースCを使用者の上顎歯列に装着使用して、吸盤アーム22が最適の位置になるよう微調整する。
また、前記吸引通路26c及び27cをステンレスやチタン合金で形成しても良く、前歯と咽頭との間における前後方向の微調整に加え、軟口蓋SPの湾曲により沿って曲げ修正を行えるようにしても良い。而して、多様な使用者の口腔内の形状に合致した調整ができる。
また、前記吸引通路26c及び27cをステンレスやチタン合金で形成しても良く、前歯と咽頭との間における前後方向の微調整に加え、軟口蓋SPの湾曲により沿って曲げ修正を行えるようにしても良い。而して、多様な使用者の口腔内の形状に合致した調整ができる。
図8は、第3実施例のマウスピースDを示す。マウスピースDは、使用者の上顎歯列を受容する歯列溝31dを凹設するピース本体31を形成し、口腔内の硬口蓋HP及び軟口蓋SPに沿って湾曲するように吸盤部34及び35を設けた吸盤アーム部32をピース本体31の奥歯側に延設し、空気の流入流出を止める封止体33a及び33bをピース本体31の側部に設け、そして吸引通路36及び図示されていないが37を吸盤部34及び35から封止体33a及び33bまで夫々連通させ一体に形成した場合を例示する。
マウスピースDは、上記マウスピースAと同様、吸入器ASPで生じせしめた陰圧により吸盤部34及び35において軟口蓋SP及び/又は口蓋垂Uを吸着定置固定する。マウスピースAと異なり、吸気は吸入器ASPから伸びるラインの先端に設けた吸気雄口50及び51を封止体33a及び33bに差し込み行う。封止体33a及び33bに差し込むことにより、一時的に封止が解除され吸気がなされる。この封止構造は、周知の封止(逆止)手段を採用するもので、吸気雄口50及び51を抜くことにより封止される構造を持つ。
上記マウスピースAとマウスピースDの違いは、封止体33a及び33bの形体とその設定位置であって、マウスピースDは口腔内にその全てが収まり、寝返りも自在で使用時の外観がきれいであることを特徴とする。
上記マウスピースAとマウスピースDの違いは、封止体33a及び33bの形体とその設定位置であって、マウスピースDは口腔内にその全てが収まり、寝返りも自在で使用時の外観がきれいであることを特徴とする。
図9は、マウスピースDを使用者の口腔内に装着した断面(一部断面を含む)を例示する。使用者が就寝中の仰臥位でマウスピースDを使用者の口腔内に装着した状態を例示している。軟口蓋SP及び/又は口蓋垂Uは、上記第一実施例のマウスピースAと同様、吸盤部34及び35により吸着固定されているため、咽頭方向に垂落ちすることなく、また舌Tの一部が吸盤アーム32に支えられるため、咽頭Pへの垂落ちを防止するので、気道RTが確保される。
上記の通り、このマウスピースDは封止体33aを含み口腔内にその全てが収まり、寝返りも自在で使用時の外観がきれいであることが、この図からも分かる。
上記の通り、このマウスピースDは封止体33aを含み口腔内にその全てが収まり、寝返りも自在で使用時の外観がきれいであることが、この図からも分かる。
図10は、第4実施例のマウスピースEを示す。マウスピースEは、上記第一実施例のマウスピースAに舌押え片60を吸盤アーム42の後端59に延設した形状をして成る。舌押え片60を吸盤アーム42の後端59に延設したことにより、舌Tの咽頭Pへの垂落ちをほぼ全面的に支え、気道RTを確保し、いびきの防止のみならず、無呼吸症候群患者の睡眠時の呼吸をスムーズに行わしめ、無呼吸の症状を改善する特徴を有する。
寝返りを自在に行えるように、また使用時の外観をきれいにするため、上記第3実施例のマウスピースDの封止体を設けた変形例を採用することも任意である。
寝返りを自在に行えるように、また使用時の外観をきれいにするため、上記第3実施例のマウスピースDの封止体を設けた変形例を採用することも任意である。
図11は、マウスピースEを使用者が就寝中の仰臥位で口腔内に装着した断面(一部断面を含む)を例示する。
軟口蓋SP及び/又は口蓋垂Uは、上記第一実施例のマウスピースAと同様、吸盤部44及び45により吸着固定されているため、咽頭方向に垂落ちすることなく、また舌Tのほぼ全部が舌押え片60を備える吸盤アーム42に支えられるため、咽頭Pへの垂落ちを完全に防止するので、気道RTが立位状態とほぼ変わらず十分に確保され、無呼吸症候群患者の睡眠時の呼吸をスムーズに行わしめる。
軟口蓋SP及び/又は口蓋垂Uは、上記第一実施例のマウスピースAと同様、吸盤部44及び45により吸着固定されているため、咽頭方向に垂落ちすることなく、また舌Tのほぼ全部が舌押え片60を備える吸盤アーム42に支えられるため、咽頭Pへの垂落ちを完全に防止するので、気道RTが立位状態とほぼ変わらず十分に確保され、無呼吸症候群患者の睡眠時の呼吸をスムーズに行わしめる。
A:マウスピース 1:ピース本体 1d:歯列溝
2:吸盤アーム 3:封止体 4,5:吸盤部
4h,5h:吸着口 6,7:吸気通路 8:吸引口
9:コック 10,11:継手 12:保持手
14:仕切板 15:負圧空間 16:外周縁
17:中空域 18:エッジ 20:吸引コネクタ
ASP:吸入器
SP:軟口蓋 HP:硬口蓋 U:口蓋垂
P:咽頭 RT:気道 T:舌
UT:上顎歯列
C:マウスピース 21:ピース本体 21d:歯列溝
22:吸盤アーム 23:封止体 24:吸盤部
24h:吸着口 26,27:吸気通路 26c,27c:吸気通路
26h,27h:受口 28,29:継手 201:継手ベース
202:切り溝 203:通気口
D:マウスピース 31:ピース本体 31d:歯列溝
32:吸盤アーム 33a,33b:封止体 34,35:吸盤部
34h,35h:吸着口 36,37:吸気通路 50,51:吸気雄口
E:マウスピース 41:ピース本体 41d:歯列溝
42:吸盤アーム 43:封止体 44,45:吸盤部
44h,45h:吸着口 46,47:吸気通路 59:後端
60:舌押え片
2:吸盤アーム 3:封止体 4,5:吸盤部
4h,5h:吸着口 6,7:吸気通路 8:吸引口
9:コック 10,11:継手 12:保持手
14:仕切板 15:負圧空間 16:外周縁
17:中空域 18:エッジ 20:吸引コネクタ
ASP:吸入器
SP:軟口蓋 HP:硬口蓋 U:口蓋垂
P:咽頭 RT:気道 T:舌
UT:上顎歯列
C:マウスピース 21:ピース本体 21d:歯列溝
22:吸盤アーム 23:封止体 24:吸盤部
24h:吸着口 26,27:吸気通路 26c,27c:吸気通路
26h,27h:受口 28,29:継手 201:継手ベース
202:切り溝 203:通気口
D:マウスピース 31:ピース本体 31d:歯列溝
32:吸盤アーム 33a,33b:封止体 34,35:吸盤部
34h,35h:吸着口 36,37:吸気通路 50,51:吸気雄口
E:マウスピース 41:ピース本体 41d:歯列溝
42:吸盤アーム 43:封止体 44,45:吸盤部
44h,45h:吸着口 46,47:吸気通路 59:後端
60:舌押え片
Claims (5)
- 上顎歯列に嵌め合い装着するピース本体に、口腔内の硬口蓋及び軟口蓋に沿って湾曲する吸盤アームをその奥歯側後方へ延設し、その吸盤アームに吸気通路備えるとともに該通路に通じる吸盤部を設け、前記吸盤部を軟口蓋及び/又は口蓋垂に近接させ、かつ吸入器を用いて前記吸気通路を介し、吸盤部に陰圧をかけて吸着させ定置保持するようにしたことを特徴とするいびき等の防止用マウスピース。
- 前記吸盤アームが、咽頭と前歯との間を移動調節できるようにしたことを特徴とする請求項1記載のいびき等の防止用マウスピース。
- 前記吸盤アームの後端に舌の垂落ちを防止する舌押え片を設けたことを特徴とする請求項1記載のいびき等の防止用マウスピース。
- 前記吸盤部が、軟口蓋及び/又は口蓋垂との間に同一陰圧を広範囲に適用できる負圧空間及び/又は中空域を設け、軟体組織の定置保持ができることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載のいびき等の防止用マウスピース。
- 使用者の立位姿勢において、前記ピース本体が上顎歯列に装着されるとともに前記吸盤部が軟口蓋及び/又は口蓋垂を吸着させるように使用することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載のいびき等の防止用マウスピース。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015159971A JP2017029654A (ja) | 2015-07-29 | 2015-07-29 | いびき等の防止用マウスピース |
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JP2015159971A JP2017029654A (ja) | 2015-07-29 | 2015-07-29 | いびき等の防止用マウスピース |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017029654A true JP2017029654A (ja) | 2017-02-09 |
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---|---|
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020508765A (ja) * | 2017-02-28 | 2020-03-26 | ケース ウェスタン リザーブ ユニバーシティCase Western Reserve University | 気道の開通を維持する中咽頭器具 |
KR102361866B1 (ko) * | 2021-02-21 | 2022-02-14 | 주식회사 이피아이랩 | 포밍 와이어를 이용한 수면 무호흡증 및 코골이 방지용 디바이스 |
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KR20220072488A (ko) * | 2020-11-25 | 2022-06-02 | 이일욱 | 구강 삽입형 코골이 방지구 |
WO2022177386A1 (ko) * | 2021-02-21 | 2022-08-25 | 주식회사 이피아이랩 | 수면 무호흡증 및 코골이 방지용 디바이스 |
-
2015
- 2015-07-29 JP JP2015159971A patent/JP2017029654A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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